775 : べっぴん(愛知県):2007/03/16(金) 14:39:02.18 ID:79Rwl0Nk0
 二人は仕方ないといった表情で学校の中へ入っていった。

川 ゚ -゚)「ドクオ」
('A`)「なんだ?」
川 ゚ -゚)「もし私が負けていたら、同じ罰ゲームを要求したか?」
(;'A`)「・・・」

 できる・・・か?
 確かにクーのメイド服は見てみたいが。
 どうにも複雑な気分だ。

('A`)「気分次第だな」
川 ゚ -゚)「そうか」

 適当に流しておいた。

沙都子「遅いですわね、二人とも」
( ^ω^)「おっおっおっ」

 相変わらず沙都子はブーンの膝の上に座っている。
 レナと圭一君は一緒に喋っている。
 と、学校の中から二人が現れた。
777 : べっぴん(愛知県):2007/03/16(金) 14:47:34.11 ID:79Rwl0Nk0
ξ*゚听)ξ「・・・」
あるぇ「・・・」
('A`)「似合わn・・・」

 軽快な音を立てて俺は吹っ飛んだ。
 そう、ツンのハイキックが見事に決まったのだ。

(#)A`)「ちょ、いてえ!」
ξ゚听)ξ「アンタが似合わないとか言うからでしょ!」
('A`)「でも、ホントお前の雰囲気じゃ似合わねえ」

 言わなきゃ良かった。
 俺はもう一回良い音を立てて吹っ飛んだ。

(#)A`)「ごめんなさい」
ξ゚听)ξ「分かればよろしい」

 まぁ、似合わないのは事実なんだが。
 どっちかってと、ツンがメイドをするんじゃなくて。
 ツンがメイドを雇う側にしか見えないのだが・・・。

あるぇ「さて、お祭までまだ時間もあるし、どうするかね?」
('A`)「あんた、罰ゲームの内容忘れてるだろ」

 天然なんだろうか。
785 : べっぴん(愛知県):2007/03/16(金) 15:14:29.91 ID:79Rwl0Nk0
 結局あーだこーだ言われてメイド服はいつの間にか消えていた。
 ご奉仕してもらってねーぞ!!!!

KOOL「まぁ、いつもこんな調子ですよ」

 圭一君は苦笑しながらそんなことを言った。

あるぇ「そろそろお祭始まるね」
ξ゚听)ξ「じゃあ、行きましょうか」

 そういって、古手神社へと向かった。
 途中の道ではたくさんの人が歩いていた。
 年に一回なのだ、それも当たり前だろう。

('A`)「そういえば、綿流しって具体的に何をするんだ?」
あるぇ「そうだねぇ、まぁ、一年間がんばってくれた布団に対しての供養かな?」
('A`)「供養、ねぇ」

 どういうことをやるのかは教えてもらえなかった。
 それは見てからのお楽しみだといわれた。

('A`)「お、もう屋台が並んでるな」
KOOL「そうですね、色々と並んでますね」

 食べ物屋から射的など様々な屋台が並んでいた。

786 : べっぴん(愛知県):2007/03/16(金) 15:19:19.47 ID:79Rwl0Nk0
 皆で屋台を回っているうちにあたりはすっかり暗くなっていた。
 もうすぐ綿流しの儀式が始まると言うので儀式が行われる場所へ向かった。

('A`)「おぉ、梨花ちゃんがやるのか」

 そこには巫女装束に着替えた梨花ちゃんが鍬を手に立っていた。
 そういえば、今日の朝あったあのおっさんが居ない。
 この写真を撮るために来たといっていたのに。

('A`)「ん・・・?」

 あれは、あのおっさん?
 うな垂れたまま林の中へ入っていく。
 そして、その雰囲気は朝見たものとはまったく違っていた。

('A`)「気になるな・・・」

 何か、嫌なことが起きると思ったが好奇心に勝てなかった。
 皆にバレないように儀式を見る人の群れから出る。
 そして、おっさんのあとを着いていった。

川 ゚ -゚)「ドクオ?」

 後ろからクーが着いて来たのも知らずに。

787 : べっぴん(愛知県):2007/03/16(金) 15:32:52.16 ID:79Rwl0Nk0
 林の中をおっさんの後をつけて歩く。
 どんどん深くまで入っていくが、一体何をしようとしてるんだ。
 そして、ある場所に着くと突然止まった。
 俺は木を影にその様子を見ていた。
 おっさんは息荒げにうつむいている。

川 ゚ -゚)「ドクオ?」
('A`)「!?」

 突然後ろからクーに呼ばれた。

川 ゚ -゚)「一体何をやっているんだ?」
('A`)「ちょっと静かにしてろ」

 そういってクーを隠すように抱き寄せた。

川 ///)「え、急に何をするんだ!?」
('A`)「だから静かにしろって!」

 小声で話しているとおっさんがこちらを一度見た。
 だが、またもと見ていた方向に向きを戻した。

('A`)「バレてはないか・・・」
川 ///)「・・・」

 こっちでも息が荒いのが居る気がするが気にしないでおこう。
788 : べっぴん(愛知県):2007/03/16(金) 15:40:01.40 ID:79Rwl0Nk0
 突然、おっさんが動き始めた。
 暗くてよく見えないが、何かを削っているようなバリバリと言った音。
 なんだろう、凄く嫌な予感がする。

('A`)「あれって、まさか・・・!?」
川 ゚ -゚)「ドクオ!?」

 クーを残しておっさんの方へ走り出した。
 近くで見れば分かる、おっさんは自分の喉を掻き毟っていた。

('A`)「やめろ!死ぬ気か!」
時報「うるさい!うるさいうるさい!放せ!!」

 必死でおっさんの手をはずしにかかるが凄まじい力だ。
 腕を振り回す勢いで、俺は近くの木に叩きつけられた。

('A`)「いってー・・・」
川 ゚ -゚)「ドクオ大丈夫か!?」

 クーが近くにかけよってきた。
 そして、おっさんを見てしまった。

川 ゚ -゚)「!?」
('A`)「クー!見るな!!」

 そういって、クーの目におっさんが入らないように抱きしめた。
792 : べっぴん(愛知県):2007/03/16(金) 15:50:46.09 ID:79Rwl0Nk0
時報「はぁ、はぁ・・・」

 しばらくした後、おっさんは仰向けに倒れた。
 掻き毟ってボロボロになった喉を晒したまま。

('A`)「・・・」
川 ゚ -゚)「・・・」

 クーには見せれない、グロ画像や映像じゃない。
 今、現実に目の前で人が死んでいるのだ。

川 ゚ -゚)「ドクオ・・・」
('A`)「クー、今すぐ戻って警察と救急車呼んで来い、あと、後ろは振り向くな」
川 ゚ -゚)「でも、ドクオは・・・」
('A`)「いいから、早く・・・」
 
 そういうと、クーを突き放し、振り向いても死体が見えないようにした。
 そして、クーの姿が見えなくなったあとにおっさんの死体を見る。

('A`)「・・・!」

 その瞬間、今まで食べたものを全部吐き出す。
 充満する血の臭いと目の前の惨状。
 一体、何で、朝あんなに明るかった人が突然。

('A`)「はぁはぁ・・・なんだっていうんだよ」

 最悪の旅行が幕を開けた。
794 : べっぴん(愛知県):2007/03/16(金) 15:57:23.42 ID:79Rwl0Nk0
 しばらくしたあとクーが警察をつれてやってきた。
 俺はピザの刑事に事情聴取を受けていた。

大石「で、後ろをついていたら突然喉を掻き始めたと」
('A`)「はい・・・」

 淡々と事情聴取はすすんでいき、ある程度話し終えた所で事情聴取は終わった。

('A`)「俺たちはどうすればいいんですか・・・?」
大石「とりあえず、旅館に戻ってください、連絡は追々伝えます」

 そういって、大石と呼ばれた刑事は現場へと戻っていった。
 最悪だ、せっかくの思い出作りの旅行だってのに。
 目の前で人が死ぬなんて。

川 ゚ -゚)「ドクオ・・・?」
('A`)「ん、クー・・・」
川 ゚ -゚)「大丈夫・・・じゃないか・・・」
('A`)「ちょっと吐いただけだから、大丈夫だ」

 クーを見ると肩を震わせている。
 そうだよな、見てないとはいえ、人が死ぬ現場にいたんだもんな。

('A`)「よっと・・・」
川 ゚ -゚)「ドクオ!?」

 俺は今日3度目となるがクーを抱き寄せた。
811 : べっぴん(愛知県):2007/03/16(金) 16:40:36.64 ID:79Rwl0Nk0
 その後、旅館に戻った俺たちはボーっとしていた。
 ブーンとツンはあのことを知らない、知っているのは俺とクーだけ。
 人が目の前で死んだというのに、俺は何故か冷静だ。

川 ゚ -゚)「ドクオ、ちょっといいか?」

 クーに呼ばれ廊下に出る。

川 ゚ -゚)「ドクオ・・・」
('A`)「なんだよ・・・?」

 クーは俺の手をとり、そのまま自分の胸に押し付けた。

(;'A`)「ちょ」
川 ゚ -゚)「なあ、今の私、ドキドキしてるだろ・・・」

 確かに、俺の手のひらにはやわらかい感触とともにドクドクとした感覚がある。
 その鼓動は早く、正常では無いということを示していた。

川 ゚ -゚)「怖いんだ、人が死んだっていうのが」
('A`)「・・・」

 俺の手を胸から放し、ギュッと握り締める。
 確かに、怖いだろう、ありえない死に方をした人間が居るのだから。
813 : べっぴん(愛知県):2007/03/16(金) 16:53:22.66 ID:79Rwl0Nk0
「だから帰れと言ったのに・・・」

 妙な声で目が覚めた。
 腕時計を見ると時間は午前の1時。
 そとは真っ暗だ。

('A`)「やっぱり、何かあるのか・・・」

 そのとき、外で大きな音がした。

('A`)「な、なんだ・・・?」

 3人は起きてないようだ。
 俺は、護身用のスタンガンと懐中電灯を持って旅館の外に出た。
 そこで、妙なものを見た。

('A`)「鉄バット・・・?」

 旅館の外には一本の鉄バットが落ちていた。
 しかも、そのバットには・・・。

('A`)「血がついてる・・・」

 バットの先端からベッタリと血がついている。
 真っ赤で、まだ真新しい血が。
815 : べっぴん(愛知県):2007/03/16(金) 17:01:12.72 ID:79Rwl0Nk0
('A`)「なんでこんなとこにこんなもんが・・・?」

 こんな時間にまた・・・?
 そのとき、暗闇の中を別の懐中電灯が照らした。
 こちらからも光を当てると、そこにいたのはレナだった。

レナ「はぁはぁ」
('A`)「どうしたんだ、こんな時間に?」
レナ「圭一君を探して・・・」

 圭一君がどうかしたんだろうか。
 レナは走ってきたせいか随分息が切れている。

レナ「そのバットは・・・!?」
('A`)「あ、ここに落ちてたんだが」
レナ「やっぱり、圭一君こっちに来てたんだ・・・」

 バットがあるから圭一君がこっちに来てた?
 それは・・・。

('A`)「圭一君が、このバットで誰かを・・・?」
レナ「それは・・・」

 長い長い夜の始まりだった。

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