- 2
名前: ◆ULlZKTmBOU:2010/10/30(土) 11:55:57 ID:RAULlkiI0
- 「信じる」「期待する」「信頼する」「感心する」
色々な感情があるけど 今あげたそれらは人に言われたことを鵜呑みにして
下らないちっぽけな自立精神を落ち着かせるための雰囲気の塊
そんなことだから詐欺にかかる人間が多いんだと思う
そもそも詐欺にかかる人間が悪いと思う
人の弱みを握られるような人間になっている時点でさ・・・
・・・わせッ
・・・がわせッ
・・・たがわせッ
・・・・・・・
「唄川瀬ッ 起きろッ」
- 3
名前: ◆ULlZKTmBOU:2010/10/30(土) 12:10:35 ID:RAULlkiI0
- ( つ∀・)「ふぇ・・・なんでございましょうか」
この冴えない返事をしてる僕はさっき怒鳴られたように
「唄川瀬モララー」だ
あ モララーとは言って無いな
( `ー´)「俺の授業で居眠りとは良い度胸じゃネーノ?」
( つ∀・)「ああ・・・すいませnふああああ」
先生は鋭いまなざしで僕を睨んでる
でも正直睡魔は強いです・・・スイマセン先生
( `ー´)「じゃあ余裕のモララーにはこの問題を・・・」
先生の指差す黒板にはアルファだのベータだのたくさんの古代文字が
僕に解いて欲しそうにこっちを見ている・・・
面倒だな・・・アレをやるか
( ・∀・)「先生、昔こんな言葉を残した偉人がいます」
ここからは僕のターンだ
- 4
名前: ◆ULlZKTmBOU:2010/10/30(土) 12:35:36 ID:RAULlkiI0
- ( ・∀・)「イギリスのエリザベス23世は居眠りの多い兵士達のために
大きな休憩所を作りました
これは集中力の低下による兵士の弱体化を防ぐためだったそうです
その当時は訓練はノルマ制だったので自分の一番力が出せるときに訓練を行うことが出来たそうです」
( ・∀・)「そのとき彼女のいった言葉が
兵士の安眠無くして国民の安眠を守れるか≠セと言われています」
( ・∀・)「僕が言いたいのは眠たいときに寝れる人間は
皆の見ていないところで実力を発揮しているということです」
(;`ー´)「そうか・・・なんだか分からないがお前は別のとこで
頑張っているんだな そんな難しい話を覚えて・・・」
ちなみにさっきの話 全部嘘
23世って未来の話じゃないだろうか 適当に言ったけど
まあ先生が感心してくれたので 結果は成功したと言える
( ・∀・)「やっぱり 睡眠は大切ですよねー」
皆がくすくすと笑っている
もういちど自己紹介
僕はこの聞啓中学二年 「唄川瀬モララー」
クラスメートからのあだ名は
「偉人詐欺師」
- 5
名前: ◆ULlZKTmBOU:2010/10/30(土) 12:41:20 ID:RAULlkiI0
( ・∀・)詐欺倶楽部は正義を目指すようです
第一話 「もしもし? オレオレ そうだよ タカシだよ」
- 8
名前: ◆ULlZKTmBOU:2010/10/30(土) 18:12:50 ID:RAULlkiI0
- 放課後
( ´∀`)「いやー今日も傑作だったモナ」
くすくすと思い出し笑いをしながらモナーが言う
モナーは幼小中と共に過ごした親友だ
ちなみにモナーは僕の嘘に引っかかりやすい
( ・∀・)「そうかい?僕は微妙だと思ったんだけどな」
( ´∀`)「モララーの嘘は自信満々だから皆本気にしちゃうモナ アレだけ長いことペラペラと喋られたらリアリティがあるモナ」
( ・∀・)「それは基本だろ、おっ 空き缶見っけ」
空き缶を蹴り上げ、綺麗な弧を描き空き缶が飛んでいく
カランカランと金属特有の小刻みの良い音が聞こえる
(* ・∀・)「やばい、これめちゃくちゃ楽しい」
モナーも空き缶を蹴る
カーン カラン コロン
(*´∀`)「ホントだモナ!」
二人の中学生が市営住宅前の公園で空き缶を蹴って遊んでいる
幼稚な行動に見えるが、正直幼稚でも楽しければよかった
- 11
名前: ◆ULlZKTmBOU:2010/10/30(土) 18:37:16 ID:RAULlkiI0
- アパート
カラン カラン カン コロン
ミセ;゚ー゚)リ「うー・・・・」
カンカンカンカン カンコロン
ミセ♯゚皿゚)リ「うがー!」
ガチャーン
ミセ♯゚皿゚)リ「うるさーい!」
カン コロン
(;・∀・)「へ?」
(;´∀`)「あわわわわ すみませんモナ!」
いきなり女の人が出てきて怒鳴り散らされた モナーはもうひたすら謝っている
ミセ♯゚皿゚)リ「うっさいのよ!カンコロカンコロ!」
(;・∀・)「あ、すいません」
一応謝っておいた モナーは横で土下座しながら拝んでいる・・・情け無い
女の人は鬼のように憤怒しているので分からないが、綺麗な顔立ちをしていると見られる
(;・∀・)「綺麗なお姉さん、少し話を聞いてください」
- 13
名前: ◆ULlZKTmBOU:2010/10/30(土) 19:05:08 ID:RAULlkiI0
- ミセ♯゚皿゚)リ「なによっ」
( ・∀・)「昔、中国の林 尭泉が犯罪の多い国になった自国を嘆き、自ら町に出て多くの犯罪者と話をして後に言った言葉があります
これは後の色々な国の心得の元となったそうです」
( ・∀・)「林 尭泉は負の連鎖やすさんだ心は誰かに許してもらう優しさを受けなければ断ち切れない≠ニ残したそうです」
( ・∀・)「僕が言いたいのは誰かを許すことでその人を本当に救うことになると言うことです」
ミセ*゚ー゚)リ「うーん・・・・」
女の人は少し考えている 鬼の血相はもう消えている
ミセ*゚ー゚)リ「そうだね その林さんの言葉を私も見習おうかな!
でも近所迷惑はもうしないって約束してね」
しめた!と心の中で指を鳴らした
- 14
名前: ◆ULlZKTmBOU:2010/10/30(土) 19:28:44 ID:RAULlkiI0
- ミセ*゚ー゚)リ「そうだ!良い話聞かせてもらったお礼に面白いもの見せてあげるからちょっと付いてきて!」
あれ?お礼?態度変わりすぎじゃ?
(;´∀`)「モ、モナは急ぎの用事があるから帰らしてもらいますモナ」
(;・∀・)「モナーッ! 逃げるなーッ!」
僕の引きとめも虚しくモナーは走って逃げた
(; ・∀・)「モナーーーーーッ・・・クソッ」
ミセ*゚ー゚)リ「ま、いいか 話がしたかったのは君だけだしね」
(; ・∀・)「どういうことですか?」
ミセ*゚ー゚)リ「ん?ああその話は後で、とにかく付いて来てよ」
僕は女の人に連れて行かれた
連れて行かれた部屋のドアの前に僕を立たせて
ミセ*゚ー゚)リ「あのさぁー さっきの話いつ考えたの?」
背筋が凍った
- 18
名前: ◆ULlZKTmBOU:2010/10/31(日) 12:47:35 ID:YnufvVMg0
- ( ・∀・)「何のことですか?コレは僕の愛読書『古成中国史W』に載っている文を参考にしたもので…」
嘘は突き通す、コレは僕が嘘を付く上での常識だ
ミセ*゚ー゚)リ「そう!そのリアルさ!そのありもしない本の4巻目を真顔で言えちゃったりするのがすごいんだよ!もうそれ才能だよ!でも、もっと要求するなら本物の中国語で負の連鎖云々を言えたらさらに良かったと思うよ?」
完璧に嘘と見抜かれたあと褒められた
女の人は興奮を抑えきれずに僕の目の前ではしゃいでいる
正直僕はそのアドバイス(?)の的確さに驚いていた
ミセ*゚ー゚)リ「でさでさ!どうやって考えるの?そのインチキ話は」
目を輝かせながら聞いてくる
( -∀-)「インチキ話って…分かりました、教えますよ…あと顔が近いので少し離れてください」
- 19
名前: ◆ULlZKTmBOU:2010/10/31(日) 13:20:54 ID:YnufvVMg0
- 僕は正直に話すことにした
この人に嘘言っても通じないような気がしたからだ
( ・∀・)「まず偉人の名前からですが、先ほど使った林という苗字は中国ではよくある苗字であることが認識されています…これによってそんな人もいたので
はないだろうか、と相手に錯覚させることが出来ます…ちなみに名前のほうは-よう∞-ん≠ネどの音読みを繋げることによって簡単に作ることが出来ま
す」
( ・∀・)「話の内容は自分で即興で作ります、ここは説明は難しいので出来ません」
説明終了 長く喋るのは得意中の得意だ
ミセ*゚ー゚)リ「ふーん…やっぱり素質だねぇ」
( ・∀・)「何がですか」
ミセ*゚ー゚)リ「詐欺だよ、詐・欺」
- 51
名前: ◆q1J.9OhNe.:2011/02/16(水) 19:22:29 ID:LYfESOqU0
- ( ・∀・)「ストップストップ」
状況が飲み込めない。
たぶん飲み込んだら、ポリスさんに捕まっちゃう。
ミセ*゚ー゚)リ「え……キミは飲み込みの早い子だと思ってたんだけど」
飲み込んでたまるか。
ミセ*゚ー゚)リ「大丈夫、キミの心配するようなことでは決してないよ」
( ・∀・)「じゃあ、詐欺ってどういう意味ですか?」
ミセ*゚ー゚)リ「私達の仕事を手伝ってもらうだけだよ」
胡散臭い、詐欺臭い。
仕事=詐欺
( ・∀・)「犯罪じゃん」
- 52
名前: ◆q1J.9OhNe.:2011/02/16(水) 19:31:11 ID:LYfESOqU0
- ミセ*゚ー゚)リ「違う違う!正義のための詐欺だから!」
( ・∀・)「ごめんなさい、ちょっと何言ってるか分かんないです」
ミセ;゚ー゚)リ「だーかーらー、正義の詐欺師なの!」
(;・∀・)「それじゃ分からないですって」
目の前のお姉さんは頭をぐしゃぐしゃ掻いた。
ミセ;゚ー゚)リ「えーっと」
ミセ;゚ー゚)リ「よし、中に入って!そしたら分かるよ」
(;・∀・)「嫌です」
ミセ;゚ー゚)リ「いいからいいから」
無理やり家に入れられた。
- 53
名前: ◆q1J.9OhNe.:2011/02/16(水) 19:57:30 ID:LYfESOqU0
- ミセ*゚ー゚)リ「兄者ー!起きてー!お客さん!」
入ってすぐの部屋にフードつきのパーカーを着た男がいた。
って言うか、臭い。
部屋が臭い。
( ´_ゝ`)「なんだよミセリ、コードネームで呼ばないなんて」
コードネーム…………?
( ・∀・)「痛い人たちの集団ですね、分かります」
ミセ;゚ー゚)リ「ちがわい」
ミセ*゚ー゚)リ「この子がウチに入ってくれるって言ってんの!」
( ・∀・)「言ってません」
- 54
名前: ◆q1J.9OhNe.:2011/02/16(水) 19:59:21 ID:LYfESOqU0
- ミセ*゚ー゚)リ「えー、入りなよー素質あるって、絶対」
( ´_ゝ`)「ふむ……」
ミセ*゚ー゚)リ「この子ホラ話うまいんだよ」
( ・∀・)「いいえ、そんなことはありません」
ミセ*゚ー゚)リ「さっき熱弁してたじゃん」
( ´_ゝ`)「面白いな、俺達の中で話がうまいのは、リーダーと内藤くらいだからな」
(;・∀・)「勝手に入れないでください、まだここが何なのかも聞いてませんし」
ミセ*゚ー゚)リ「ここはね、詐欺師倶楽部だよ」
( ・∀・)「よし、入らない」
ミセ*゚ー゚)リ「えー、教えてあげたのにー」
- 55
名前: ◆q1J.9OhNe.:2011/02/16(水) 20:12:48 ID:LYfESOqU0
- ( ・∀・)「だって、めんどくさそうだし」
ミセ*゚ー゚)リ「楽しいよー」
( ・∀・)「捕まったりしたくないし」
( ´_ゝ`)「弟者が全部証拠は消してくれるよ」
(;・∀・)「えー」
ミセ*゚ー゚)リ「断る理由が無くなったよ」
( ´_ゝ`)「さぁ!キミも我が詐欺師倶楽部へ!」
(;・∀・)「丁重にお断りします」
(♯´_ゝ`)「何でだよ!」
- 56
名前: ◆q1J.9OhNe.:2011/02/16(水) 20:20:02 ID:LYfESOqU0
- (;・∀・)「ホントに僕はいいですから」
( ´_ゝ`)「前に入った子もキミみたいに頑固だった」
ミセ*゚ー゚)リ「でも今じゃすっかりここに馴染んでるよ」
まるで洗脳じゃねえか。
(;・∀・)「いや、馴染みたくないんで……」
ミセ;゚ー゚)リ「……そんなに嫌なの?」
(;・∀・)「んじゃ、僕帰りますんで」
うん、犯罪だけはダメ、ゼッタイ。
ミセ;゚ー゚)リ「トソちゃんもキミが来たら喜ぶのになー」
ガチャ
- 58
名前: ◆q1J.9OhNe.:2011/02/16(水) 20:26:07 ID:LYfESOqU0
- ミセ*゚ー゚)リ「あ、トソちゃん」
(゚、゚トソン「こんにちは………?」
(゚、゚トソン「そちら、どなたですか?」
( ・∀・) (゚、゚トソン
(*・∀・) (゚、゚;トソン
ミセ*゚ー゚)リ「期待の新人だったんだけど、入ってくれないらしくて」
ミセ*゚ー゚)リ「トソちゃんと同い年ぐらいだから、貴重な人材だったんだけど」
(゚、゚トソン「そうですか……それは残念です」
( ・∀・)「入る」
ミセ*゚ー゚)リ「え」
- 59
名前: ◆q1J.9OhNe.:2011/02/16(水) 20:32:15 ID:LYfESOqU0
- ( ・∀・)「入ります」
ミセ;゚ー゚)リ「え……いいの?」
( ・∀・)「僕を求めてくれているなら!ぜひとも!」
(;´_ゝ`)「ああ……ありがとう」
( ・∀・)「唄川瀬モララー!!詐欺師倶楽部入りを志願します!」
仕方ないよね、一目惚れだもの。
第一話 完
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