- 3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 21:58:02.01 ID:XQymRJgO0
よく晴れた秋の朝だった。
石造りの堂々とした建物から、
低い階段をゆっくりと歩み降りてくる一人の士官の姿があった。
濃紺の生地に金の筋を飾った、立派な仕立ての海軍の制服。
背は高く、実用的に鍛えられた細身の体に、長い黒髪がかかっている。
唇のしっかりと結ばれたその顔からは、
何を考えているのかうかがい知れない、冷たいような印象を受ける。
番兵がパシッとマスケット銃を捧げ、階段を下りてくる士官を敬礼で見送った。
士官は鋭い瞳をめぐらせて彼を一瞥し、軽く額に手を触れて、返礼した。
川 ゚ -゚)は探しているようです 第二十二話
- 5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 22:01:22.46 ID:XQymRJgO0
建物の前には一台の馬車が止まっていた。
ひげ面のごつい男がその前に立って、にこにこと機嫌の良さそうな笑みを見せていた。
彼は人探し顔であたりをきょろきょろしていたが、
石段を降りてくる士官を見かけて、親しげに手を上げた。
士官は、男のほうに向かって歩いた。
白い顔の中には、男と同じように、笑みが浮かんでいた。
ミ,,゚Д゚彡「また背が伸びたんじゃねえか? クー」
フサは大きな声を張り上げて、クーに右手を差し出した。
川 ゚ -゚)「フサ。お前は変わらないな」
クーは差し出された手を握り返して、力強く上下に振った。
- 7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 22:07:05.32 ID:XQymRJgO0
二人が乗り込むと、馬車は走り出した。
クーは馬車の窓を開け、通り過ぎる景色に目をやった。
腰に釣っていた豪奢な作りの闘剣が、狭い馬車の座席につっかえて窮屈なので、
バックルを取ってベルトからはずし、膝の上に置きなおした。
馬車の窓からは、ニューソクタウン中央通りのにぎやかな様子が見える。
街を歩く、着飾った身分の高い人々。異国のいでたちの船員たち、通りで遊ぶ子供たち…
みな、いまや発展したこの植民地を象徴するかのように、満ち足りて幸福そうな顔をしている。
川 ゚ -゚)「変わったな、この街も」
ミ,,゚Д゚彡「ああ…まったくだ。
二年前まではこの場所には何も無かっただなんて、とても信じられねえよ。
俺達、昔はここで、牡蠣を取って暮してたっけな」
フサも、クーと同じ窓から外を見て、言った。
- 11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 22:13:37.09 ID:XQymRJgO0
ミ,,゚Д゚彡「にしても、変わったのは街だけじゃねえ。
クー、おめえもずいぶん変わったぜ」
川 ゚ -゚)「ん?」
クーは体を窓の外に向けながら、顔だけを、ちらりとフサのほうに向けた。
ミ,,゚Д゚彡「ああほんと。ほら、その今の振り返り方だって、昔の乱暴なやり方とはえらい違いさ。
物言いも振る舞いも、いまじゃおめえ、いちいちすっかり落ち着き払いやがって」
川 ゚ -゚)「ふむ。そうか」
ミ,,゚Д゚彡「おめえはもう、なんというか…。ガキのクーじゃねえ。
どこに出しても恥ずかしくない、立派な『国王陛下の士官様』になっちまった。
『サー』付きで呼ばれることに何の違和感もねえ。
背だって体格だって、ひどく伸びて、大人びてきやがったし」
川 ゚ -゚)「そりゃ、私くらいの年じゃ、成長期だから」
ミ,,゚Д゚彡「『成長期』、か。難しい言葉を覚えやがってよ」
フサは言って、笑った。
- 14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 22:20:07.84 ID:XQymRJgO0
ミ,,゚Д゚彡「そのうちおめえの背はこのニューソク植民地一になってるだろうよ、賭けてもいいぜ。
ところで、正式な国王陛下の士官はジェントルマン、つまりは貴族階級なわけだが、
女のおめえの場合はどうなるんだろうな。ええ、セイチョウキののっぽの士官さんよ?
レイディでいいのかな? レイディ・クーってか」
朝の涼しげな空気の中を、馬車は走った。
一人で饒舌に喋り続けるフサを、クーは押し黙って、微笑みを浮かべて眺めていた。
フサも今では正式な士官のはずだ。
だが彼は、非番の日はいつも窮屈な士官用の軍服ではなく、
水兵時代のような気楽なシャツと長いズボン姿で出歩いているようだ。
ミ,,゚Д゚彡「ん?」
ぺらぺらと喋っていたフサが突然、言葉を切って、怪訝そうに目を細めた。
川 ゚ -゚)「?」
視線を、クーの顔から下に落としていた。
ミ,,゚Д゚彡「…おっと、セイチョウキのおめえの体にも、
よくみたらあまり成長してないところが、たった一つばかり残ってたみてえだな!
がはははははっ!」
クーは男物の仕立ての軍服を着ていたが、
それは普通の物とは違い、胸のところがわずかに盛り上がった形に作られている。
が、その盛り上がりは、さほど目立つ高さのものではなかったのだ。
川 ゚ -゚)「殺す。貴様を150通りの方法で殺してやる」
- 15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 22:24:47.85 ID:XQymRJgO0
うららかな日だった。
馬車は石造りの街並みを抜けて、田舎へと走っていった。
タウンを少し離れると、そこは農村地帯だった。
木造の四角い農家と、きれいに整えられた小麦畑が広がっていた。
畑を貫いて伸びる幅広の砂利道を、馬車はどんどんと進んでいった。
馬車は町外れで馬を換え、走り続けた。
楓の木立が続く中、やがて人家は途絶え、
轍跡のついた田舎道が、広大なヴィップ大陸の荒野へと続いていた。
埃っぽい地面には、名前も知らない果実の樹や背の低い広葉樹が、ぽつんぽつんと立っていた。
- 18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 22:29:40.94 ID:XQymRJgO0
馬車は見渡すかぎりの荒野の中を進んだ。
そのあたりになると、人の住む形跡はおろか、
この道を前に人間が通った跡すら、見つけることは困難になっていた。
地平線が回りをぐるりと囲み、青い空が半球状にその上に覆いかぶさっている。
やがて太陽が高く上る頃、荒野の端に、陽炎に隠れてぼんやりと人の群れが見えてきた。
馬車が近づくにつれ、それらは槍や棍棒を手にした、褐色の肌の原住民たちだとわかる。
馬車は遠くに見える戦士たちを警戒するように、スピードを緩めた。
原住民たちは、幅広の砂利道をふさぐようにして、ざっと百人以上が立っていた。
御者はおびえて、震える声で馬車の中の二人に尋ねた。
「ま、まだ先に進むんですかい?」
川 ゚ -゚)「ん?」
「だ、だって、インデアンが」
川 ゚ -゚)「ああ、じゃあ、ここでいいよ。止めてくれ」
原住民たちの待ち構えるはるか手前で、御者は馬を引き、馬車は止まった。
クーはふたたび闘剣を腰に釣り、馬車を降りた。
フサがあとに続いた。
二人の士官は、顔を上げ胸を張って、原住民の群れに向かって歩いていった。
- 22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 22:34:19.05 ID:XQymRJgO0
褐色の肌の戦士たちは一塊になって、口々に呪文のような、奇妙に大きな声で何事かを叫び、
手を一様に上げたり下げたりという、儀式めいた動作を続けていた。
居並ぶ原住民たちの先頭に立つような形で、
二人の従僕に傅かれた、全身をひときわ派手に飾り立てた、若い女がいた。
歩み寄るクーを見つけて、彼女は嬉しそうに駆け寄ってきた。
ζ(゚ー゚*ζ「クー!」
川 ゚ -゚)「やあ、デレ」
二人は近づくと、互いに両手をとりあって、ぶんぶんと振り回した。
羽根飾りで派手に彩られたデレの顔には、はじけるような率直な笑みが浮かんでいた。
- 24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 22:38:44.38 ID:XQymRJgO0
フサが、頭をかきながら、
百人以上も集まった原住民の戦士たちを眺めていた。
ミ,,゚Д゚彡「それにしても、派手なお出迎えだなあ、デレ…」
ζ(゚ー゚*ζ「ああ…これは気にしないで」
デレは、後ろに控えた半裸の戦士たちを振り返って、言った。
ζ(゚ー゚*ζ「あたしが白人の二人に会いに行くって言ったら、
みんな勝手に後からついてきちゃって…」
( ∵)「オレタチ オウサマ マモル。ソノタメニ ツイテキタ」
立派な体格の戦士が一人、ぬっ、とデレの後ろに立ち、
白人二人を威嚇するように、たどたどしいニューソク語で語りかけてきた。
ζ(゚ー゚*ζ「ありがと。
でもどうせ、みんな暇だから、見物気分で来てるだけでしょ!」
デレはその戦士の肩をぽんぽんと叩いて、言った。
- 26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 22:46:47.22 ID:XQymRJgO0
デレはいまや、王だった。
といっても、伝統的な形での、原住民の王ではない。
デレがいま率いている部族は、ブラゲ植民地で奴隷として扱われていた若者たちを中心にした、
部族というよりも、戦士集団といったほうが良いような集まりだった。
二年前の、ブラゲタウンでの恐ろしい戦い。
炎に包まれる城壁都市の中で、狂ったように復讐の殺戮を続けていた奴隷たち。
その中でデレはいち早く都市火災の危険性に気づき、荒れ狂う奴隷の小集団に秩序を取り戻し、
彼らの一部を連れてのブラゲタウンからの脱出に成功していた。
厄災から逃れられたのは、わずかに500人ほどの原住民の男女だった。
ブラゲタウンにいた人口かられば、それは、あまりにも少なすぎる数だった。
さて、幸運にもデレの導きによって、焼死の運命から逃れられた者たちだが、
命ばかりは助かったものの、ブラゲタウンが完全に崩壊してしまった今、
彼らにはその後に行くあてが無かった。
南部の原住民集落は、ブラゲによってすべてが破壊され、砂糖農園に変えられてしまっていたのだ。
彼らは話し合い、結局、同胞がまだ伝統的な暮らしを続けていると聞く北部に行くことに決めた。
そして、自分たちをまとめ上げ救ってくれたデレを、自分たちの王と頂くことにしたのだ。
- 29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 22:51:57.99 ID:XQymRJgO0
子供の声がした。
原住民の群れを掻き分けて、一人の子供が走り出てきた。
小さな、白人の子供だ。
( ^ω^)「ひげのおっちゃん! ひげのおっちゃん!」
子供は叫びながら、フサにむかって飛び掛っていった。
ミ,,゚Д゚彡「おう、ブーンか! 元気にしてたか!」
フサは大きな声で言ってブーンを抱きかかえ、
そのまま頭上高くまで、ブーンの体を力強い腕で持ち上げた。
( ^ω^)「わーい! 高い高いお!」
フサはブーンを頭の上に上げたまま、あたりを走り回った。
「高い高い遊び」に、笑い声を上げてブーンは喜んだ。
ブーンはデレの村で育てられていた。
これは、アーネムの発案と指示によるものだった。
ブラゲ総督の遺児、というブーンの立場は複雑だ。
だから、権謀術数の渦巻く白人たちの世界に置いておくより、
デレたちに混じって自然の中でのびのびと育てられたほうが、
小さいブーンの精神にとっても良いだろう、と考えての措置だった。
- 32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 22:59:55.42 ID:XQymRJgO0
クーとデレは、ブーンとフサがあたりを駆け回るのを、にこにことして眺めていた。
ζ(゚ー゚*ζ「あんなにはしゃいじゃっで。
ブーンはほんとに、フサが好きなのね」
川 ゚ -゚)「フサとブーンか。ま、精神年齢が近いんだろうな」
くっくっと、クーが楽しげに笑った。
フサとブーンはしばらく仲良く、じゃれあって遊んでいた。
( ^ω^)「ひげのおっちゃん! 今日も釣りに行くお!」
ミ,,゚Д゚彡「ん? おお、よっしゃ、今日も行くか!」
クーやフサ、ドクオは、ときおり皆で同じ日に休みを取って、
デレたちが暮す荒野を訪れ、旧交を暖めあっていた。
デレたち原住民が暮す集落の近くに、清流の流れる森があった。
そこで釣りをすることは、フサがデレの集落を訪れたときの、
フサとブーンの定番の遊びだったのだ。
- 35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 23:07:08.69 ID:XQymRJgO0
一行はデレたちの暮す集落に向かって歩いた。
原住民の戦士たちは、しばらくデレやブーンたちと歩調を揃えて歩いていたが、
護衛の必要無しと見たのか、それともお祭り騒ぎに飽きたのか、
集落に近づくとやがて三々五々に散って、自分たちの生活に戻っていった。
集落で準備を調え、フサ達四人は、川のある場所へと向かった。
森の中は明るく、空気は澄んでいた。
気分の良い木の香りがする。
踏み分け道を先に立って走るブーンが、フサの手をぐいぐい引っぱって急かしている。
それにやや遅れてデレとクーが、ゆっくりとした歩調で後を追っていた。
ブーンは、最近自分の身の回りで起こったあれやこれやの出来事を、
楽しそうに大きな声でフサに語って聞かせている。
フサはそれにいちいち相槌を打ってやり、時折ブーンの背中をばんばんと叩いたり、
頭をくしゃくしゃになでてやったりしていた。
元気いっぱいにはしゃぐブーンを見ていると、後ろで歩くクーもデレも、思わず笑みがこぼれてしまう。
川 ゚ -゚)「元気そうだな、ブーンは」
ζ(゚ー゚*ζ「ええ。とても明るくて、いい子よ。
部族のみんなから可愛がられてるわ」
- 36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 23:09:31.79 ID:XQymRJgO0
川 ゚ -゚)「それにしても、よかったよ」
ζ(゚ー゚*ζ「ん?」
川 ゚ -゚)「ブーンのことだけど、ほんとに元気そうじゃないか。
あの様子なら、もう母親の死からは、すっかり立ち直ったんだな」
ζ(゚ー゚;ζ「…あ」
川 ゚ -゚)
川 ゚ -゚)「えっ」
ζ(゚ー゚;ζ「そ、そうね、ブーンは元気がいいわね」
川 ゚ -゚)「…もしかして、まだブーンには言ってないの?
ツンさんが死んじゃったこと」
ζ(゚ー゚;ζスンスンスーン
- 37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 23:13:07.09 ID:XQymRJgO0
川;゚ -゚)「ちょ、さすがにそれは…」
ζ(゚ー゚;ζ「だって! …そんなの、言いにくいんだもの。
『ツンさんは海の向こうに仕事で出かけた』って教えてあるんでしょ?
それをいまさら『じつは最初からしんでました』だなんて…」
川;゚ -゚)「で、でもさ。
もう二年も経つんだよ、あれからさ。だから…」
ζ(゚Д゚;ζ「うー。
そんなに言うんなら、クーの口から言ってよ!」
川;゚ -゚)「う、あ…」
二人は前を歩く、はしゃぎまわるブーンを見た。
小さな子供に、つぶらな瞳で屈託無く見上げられたとき、
大人ははたしてどんな顔をして、ツンの死を伝えればよいのか。
それで二人は、しばらくの間、気まずい様子で考え込み、無言で歩いた。
- 39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 23:16:35.89 ID:XQymRJgO0
ζ(゚ー゚*ζ「最近、ニューソクタウンの様子はどう?」
ランチボックスと水筒の荷物を持ちなおし、デレがクーに話しかける。
川 ゚ -゚)「ああ…すごいよ。あいかわらずものすごいスピードで、拡大してる。
一週間前が、あの街では一年も前のことのように感じるよ」
ζ(゚ー゚*ζ「そうなんだ…。
私が前にタウンに行ったのはいつだっけ?
あれからさらに膨らんでるんだ」
川 ゚ -゚)「旧大陸からの移民がすごくてね。船着場と移民局は大忙しだよ。
私はそこの事務所で働いてるんだけど、
毎日毎日、とても裁ききれないほどの書類がやってくる。
まあ、退屈な事務仕事なんだけど、最近は大忙しさ」
ζ(゚ー゚*ζ「へー」
- 41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 23:20:54.29 ID:XQymRJgO0
ブラゲを倒して、アーネム率いるニューソク植民地が、新大陸ヴィップの全土を
事実上の支配下に収めたのが、わずか二年前の話。
その後のニューソク植民地は、前にも増して拡大のスピードを速めていった。
新大陸は、冒険家たちが期待していた大規模な金鉱こそ見つからなかったものの、
広大な農地と、砂糖を中心とした換金作物の輸出のおかげで、莫大な富を生み出した。
貿易品とその取り引き、また大陸開発の物資需要によって、
金貨と銀貨が川のように大陸じゅうを駆け巡り、植民地の人々を潤した。
そのニュースは、新聞や噂話の形で、次々と本国に伝えられた。
伝説的士官としてのクーの名前も、新大陸の噂とセットで広く伝えられた。
そんな話を聞いて、本国から移民たちが押し寄せる。
目端の利く商人、また本国の上流社会では失敗してしまった有力者の子弟、
一攫千金を夢見る冒険家、交易船を操る優秀な船乗りたち…。
さまざまな種類の人々のさまざまな種類の活動によって、植民地は急速に拡大していた。
人的にも、経済規模も、そして必要に迫られて構築されつつあった行政組織も。
- 43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 23:23:46.06 ID:XQymRJgO0
ζ(゚ー゚*ζ「事務仕事ねー。
クー、あなたがデスクワークをやってるの?」
川 ゚ -゚)「うん。おかしいかな?」
ζ(゚ー゚*ζ「ちょっとびっくりした。
あなたって、机に向かっているより、体を動かすほうが好きな性質だって思ってたから。
だって私が見てきたあなたの姿は、兵隊さんの服を着て、剣を操っているところばっかりだったからね。
…クー、もう戦いはしないの?」
川 ゚ -゚)「フサやドクオは、いまだに海賊や山賊たちを相手に、どんぱちやってるみたいだけど。
私はもう、あんまり…」
ζ(゚ー゚*ζ「そっかー」
少し間があった。
それからふたたび、クーは言葉を繋いだ。
川 ゚ -゚)「戦いはもう、いやだ。どうにも悲惨だよ」
デレが振り向いた。
笑顔のままだったが、じっとクーを見て、言葉の続きを待った。
川 ゚ -゚)「…そう思ったんだ。あのブラゲの戦いで」
デレは何も言わなかった。
ただ、小さく頷いた。
- 44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 23:27:07.06 ID:XQymRJgO0
せせらぎの音が聞こえ始めた。
森の木々がふいに途切れ、白波の立つ渓流が姿を見せた。
ブーンは子供らしい歓声を上げて、川にむかって駆け出した。
川はいつもとかわらず、そこにあった。
ブーンとフサがよく釣りにきている、せり出した岩場のある清流だ。
流れが中州の白い石にぶつかって、渦巻いていた。
絶え間ない水音があたりに満ちていた。
ブーンは岸辺から身を乗り出して、浅い川を真上から眺め下ろした。
ミ,,゚Д゚彡「おい、あぶねえよ、あんまり身を乗り出すんじゃねえ」
フサは言ってブーンの後ろに立ち、その上から一緒に川面を見下ろした。
小石の川底の色を映した、澄んだ青い水面を通して、
銀色の影がいくつか、さっと鋭く向きを変え、青黒く見える淵のほうへと消えていくのが見えた。
鱒だ。
ブーンとフサは長いあいだ、川のあちこちにいる鱒の影に見入っていた。
流れに頭を向け、悠然と体をくゆらせ、泳いでいる。
- 46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 23:32:23.46 ID:XQymRJgO0
クーとデレが青草の茂る地面に腰を下ろして、昼食の箱を用意しているあいだ、
フサは持ってきた釣り道具の箱を開け、仕掛けを用意をして、
ブーンは草むらの中を駆け回り、釣り餌となるバッタを探して、追い掛けていた。
川 ゚ -゚)「お前ら、昼飯は食うのか?」
ミ,,゚Д゚彡「ああ、ちゃんと残しておいてくれよ」
いいながらもフサは釣り糸を結ぶ細かい作業に没頭し、顔を上げようとはしない。
ブーンはバッタを集め終えて、フサのとなりに座り込み、
いまは皮製の竿ケースから取り出した竿を一つ一つ繋ぐ作業をしている。
ミ,,゚Д゚彡「よっし、できた!」
( ^ω^)「できたおー」
二人の作業がおわると、ブーンがつないだ長い竿と、フサが作った複雑な糸仕掛けを結び合わせて、
二組の釣り道具が完成した。
ミ,,゚Д゚彡「んじゃ、行くか」
フサはブーンに、にっかりと笑いかけて、言った。
ブーンも喜びを全身で表し、頷いた。
- 49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 23:38:12.18 ID:XQymRJgO0
竿を手に、二人は小高い地面を下って、川へと向かった。
流れの中に踏み込んだとき、水の冷たさが足元から背筋に這い上がり、全身がぞくっとした。
フサが目で合図すると、ブーンが藤編みの虫かごを取り出した。
その中では、さっき彼が追いかけて集めたバッタがたくさん、ぴょんぴょんと飛び跳ねていた。
二人は籠から一匹ずつバッタをとり出し、釣り針に通して、それを流れの中に投げ込んだ。
フサの投げたバッタは、着水してからしばらく漂った後に川の真ん中の渦に吸い込まれて、
少し経ってから、その下流の水面に浮かび上がってきた。
ミ,,゚Д゚彡「ああいうふうに、石の陰になったところに、鱒は潜んでるんだぜ」
( ^ω^)「知ってるもーん! フサのおじちゃんは、いっつもそう言ってるもん!」
そのとき、なめらかな水面に早い渦が生じて、バッタの姿が水面から消えた。
( ^ω^)「あっ!」
浮いていた餌が、鱒に食われたのだ。
だが、フサの竿には、何の反応も無い。
ミ,,゚Д゚彡「畜生、エサだけ食われた」
フサは竿を立てて針を水面から出し、糸を手前にたぐり寄せた。
- 54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 23:41:16.29 ID:XQymRJgO0
ブーンも餌を投げ込んでからしばらく粘っていたが、彼の竿にも反応はなかった。
しばらくたって竿を引き上げたとき、針先にバッタは残っていなかった。
急流に流されてしまったのだ。
ミ,,゚Д゚彡「見抜かれたんだよ、このバッタは針付きだって」
( ^ω^)「おっおっ。そんなこと、魚にもわかるのかお?」
ミ,,゚Д゚彡「魚は賢いぞ。水中での餌の動きでバレるんだ」
フサは二投目の準備を整え、今度は別の淵を狙って餌を投げた。
竿を右手で持ち、釣り糸に変なテンションをかけないように、慎重にエサを流れに乗せていく。
流れの小波の中に、ふと、エサのバッタが持ち上げられた。
と思うと、水面が浮き上がった。
ぐい、と手元に手ごたえがあった。
その日最初の魚信だった。
次の瞬間、竿先が丸く曲がり、引っ張られた。
( ^ω^)「あっ! おっちゃん、来たお!」
張り切った糸を、フサは竿で操り、持ち上げた。
- 55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 23:42:59.07 ID:XQymRJgO0
糸が左右に走った。
フサは柔軟に魚の動きにあわせて竿を動かし、うまく糸のテンションをコントロールする。
( ^ω^)「ウホッ! 大物かお? 大物かお?」
ミ,,゚Д゚彡「いや、こりゃあんまり大きくねえな」
フサは余裕の表情で竿を持ち、操っている。
しばらくは魚を自由に走らせていたが、鱒が疲れてきた頃に、
フサはタイミングを見計らっていっきに竿を立て、魚を水中から抜きあげた。
25センチほどの、綺麗な魚だった。
銀色の腹が陽光にきらめき、虹のように色づいている。
( ^ω^)「おっおっおっおっ! つれた、つれたお!」
ぴしぴしと跳ねる魚を、ブーンは両手で掴み、持った。
フサが竿を左手に持ち替え、右手だけで器用に針をはずしてやると、
ブーンはフサが釣りあげたばかりの鱒を、自分の魚篭の中に、するりと入れた。
- 56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 23:47:02.28 ID:XQymRJgO0
( ^ω^)「いーなーいーなー! ブーンも早く本日一匹目を釣りたいお!」
ミ,,゚Д゚彡「おう、頑張れ! あの岩のあたりを狙ってみろ!」
( ^ω^)「よーし! えいっ!」
( 'ω`)「針が岩に引っかかったお…」
- 58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 23:48:26.98 ID:XQymRJgO0
( ^ω^)「再チャレンジするお!」
ミ,,゚Д゚彡「んじゃこんどは、あの深みを狙ってみろ。
あそこなら岩には引っかからねえだろ」
( ^ω^)「よーし! えいっ!」
( 'ω`)「底の水草に引っかかったお…」
- 61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 23:52:22.50 ID:XQymRJgO0
( ^ω^)「こ、こんどこそ釣るお!」
ミ,,゚Д゚彡「そうだなあ…岸辺から遠くに仕掛けを投げれば、根がかりしないぞ」
( ^ω^)「よーし! えいっ!」
( 'ω`)「頭の上の木に針が引っかかったお…」
- 62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 23:54:18.22 ID:XQymRJgO0
( 'ω`)「ブーンにはきっと釣りの才能が無いんだお…」
ミ;゚Д゚彡「そ、そんなことねえよゴルァ」
( 'ω`)「ブーンも魚を釣りたいお…
今日はまだ、地球さんしか釣ってないお…」
ミ,,゚Д゚彡「んー…じゃ…場所を変わるか。
あっちのほうの流れのゆるい所なら、根掛りもしなくなるだろ」
二人は足を冷たい水に浸けながら、流れの中を歩いた。
底のごろ石がときどき動くので、二人はよろめきつつ歩いていった。
少し歩いたところに、川底に変化がなくなり、川幅も広がっている場所があった。
水面は波打たず、ゆっくりと流れている。
ミ,,゚Д゚彡「よし、ここならのんびり釣れるだろ」
フサは言って、再び自分の仕掛けを流れに投げ込んだ。
ブーンもそれにならって、フサよりも上流側に、自分の仕掛けを投げ込んだ。
- 63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 23:59:26.39 ID:XQymRJgO0
ゆったりとした流れにあわせて、餌のバッタもスローペースで流れているようだった。
糸は上流から下流に時間をかけて流されていく。
ブーンもフサも、それぞれ自分の仕掛けを、じっと目で追った。
水面の下を、何かが走ったような気がした。
( ^ω^)「おっ?」
ぐぐっと、ブーンの竿先がしなった。
ミ,,゚Д゚彡「あっ、当たりだぞ! 合わせろブーン!」
( ^ω^)「おっおっおっ!」
ブーンは竿を両手で持ち、ぐいっと上に煽って、当たりにあわせた。
次の瞬間、ブーンの竿が、音を立てて下向きに振り絞られた。
針が確実に魚の口に掛かった証拠だ。
ミ,,゚Д゚彡「おっしゃー! フーック!!」
フサが片手でガッツポーズをして、叫んだ。
水中に伸びた釣り糸が張り詰め、ブーンの立てた竿が暴れ始めた。
- 64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 00:01:26.09 ID:w05dxsJg0
魚は水中で、ものすごい力で動き回っている。
( ^ω^)「おっおっ…おっ!!」
ブーンの持つ竿が、危険なほどに暴れ始めた。
子供用サイズの竿が激しく動き、ブーンを流れの中に引き込もうとする。
ミ,,゚Д゚彡「うおっ、こいつはでけえぞ!」
魚に引っ張られてよろめいたブーンを、フサは彼のベルトを引いて支えた。
そして後ろから手を伸ばし、竿を一緒に持ってやり、ブーンが魚と戦うのを手助けした。
握った瞬間、ずっしりと重い魚の手ごたえが、竿を引っ張るのが感じられる。
糸が切れそうな危険を感じて、フサは流れに一歩踏み出した。
糸の先で、巨大な鱒が水面を叩き、水中から躍り上がった。
五メートルほど離れているというのに、飛び散った水しぶきが二人の顔にまでかかった。
( ^ω^)「ちょwwwww大物ktkrwwwwwwwwwww」
ミ,,゚Д゚彡「魚を自由に走らせるんだブーン!
あいつら急反転で釣り糸を切ろうとするぞ、動きを読めー!」
大きな鱒は、なおも抵抗を続けた。
その強い引きに、二人は全身の力で戦い、水の中のごろつく石に、足をふんばって対抗した。
- 66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 00:05:46.78 ID:w05dxsJg0
フサは鱒をうまく操った。故郷のニューソク国の川で鍛えた、釣りの腕だった。
鱒がすこし疲れると、フサは竿を立て、鱒を引き寄せる。
抵抗を始めると引くのをやめ、鱒を自由に走らせる。
ミ,,゚Д゚彡「ようし、もう少しだぞ、がんばれブーン!」
( ゚ω゚)「おーっ!」
二人は力を合わせて、魚との戦いを続けた。
しばらく格闘を続けた後、ブーンとフサはとうとう竿を垂直に立てて、
張り切った糸をたぐりよせ、延ばした手の中に収めることに成功した。
巨大な鱒が、糸の先で暴れていた。
粒のような斑点が背中にちらばり、力強い魚体が木漏れ日の中にきらめていてる。
ミ,,゚Д゚彡「で、でけえーっ!!!」
( ゚ω゚)「おおおおおおおおおおものだおー!!!!!」
ミ,,゚Д゚彡「や、やったじゃねえか、ブーン!!」
( ^ω^)「おっ! おっおっおっおっおっおっおっおっ!」
- 68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 00:09:10.71 ID:w05dxsJg0
( ^ω^)「ブーンが釣ったお! ブーンが釣ったお!」
ミ,,゚Д゚彡「おお、よくやった!!」
( ^ω^)「大物だお! 大物だお!」
ミ,,゚Д゚彡「ああ、とびきりでっかいやつだ!」
( ^ω^)「ウホッ! ブーンが釣ったおー!
デレねーちゃんにも見せてくるおー!」
ぴちぴちと跳ねる大きな魚を腕いっぱいに抱えて、ブーンはデレのもとに駆け戻った。
フサはブーンの投げ捨てた竿を拾って、その後からついて行った。
クーとデレは小枝を集めて焚き火を作り、紅茶を淹れて飲んでいた。
ブーンはそこに、自分の釣り上げた鱒を両手で掲げて、得意満面に舞い戻った。
( ^ω^)「デレねーちゃーん! ブーンが釣ったんだおー!! こいつをどう思うお?」
ζ(゚ー゚*ζ「まあ!」
川 ゚ -゚)「すごく…大きいです…」
デレとクーは持っていたティーカップを脇に置いて、はしゃぎまわるブーンの持つ魚に注目した。
( ^ω^)「ブーンが釣ったんだお! ブーンが釣ったんだお!」
ブーンは自分の腕よりも太い鱒のしっぽを持ってぶら下げ、二人に見せびらかした。
- 70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 00:13:35.39 ID:w05dxsJg0
ζ(゚ー゚*ζ「ブーン、やったじゃない!」
( ^ω^)「えへへー」
デレが立ち上がり、乾いたタオルを広げてブーンの濡れた髪を拭いてやった。
髪をわしゃわしゃにされて、ブーンは気持ちよさそうに目を細めていた。
クーは湯気の立つティーカップに口をつけて、そんなブーンの姿を眺めやった。
初めて見た五歳の頃は、幼児のようによたよたと歩いていたブーン。
いまではすっかり、少年らしい元気さを全身にみなぎらせ、健康で活発な印象を受ける。
川 ゚ -゚)「いやあ、ブーンも立派になったもんだなあ。こんな大きな魚を、な」
( ^ω^)「フ、フヒヒ!」
大人たちに褒められて、ブーンはおおいに気を良くしていた。
腰に手を当てて、得意そうに胸を張っていた。
ミ,,゚Д゚彡「まったくだぜ! 立派なもんだ!
ブーン、おめえはついにやったんだぜ! こんな大きな魚に勝ちやがった!」
フサがブーンに追いついて、拭いたばかりの髪をくしゃくしゃにして、乱暴にブーンの頭を撫でた。
ミ,,゚Д゚彡「お前の死んだおふくろさんも、今日の立派なお前を天国から見て、きっと喜んでるだろうよ!」
フサの言葉に、クーが茶を吹いて、デレがタオルを取り落とした。
- 71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 00:15:46.99 ID:w05dxsJg0
( ^ω^)「?」
ミ,,゚Д゚彡「ほら、こんなに晴れた日は、天国のママからもお前の姿がよく…」
空を指差しながら言いかけて、フサは、自分をじっと見るクーの視線に気がついた。
目をまんまるに開けて、必死に唇に人さし指を当てている。
ミ,,゚Д゚彡「…何? 何か…あっ」
フサはしまったと言うように、口を開いた。
ミ,,゚Д゚彡「ツンが死んだってことは秘密だっ…あっ」
フサは自分の口を両手で塞ぎ、クーとデレはさらにあわてふためいた。
ブーンは無邪気な顔で、大きな鱒を抱えたまま、つぶらな瞳でフサの顔を見上げていた。
- 75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 00:18:10.22 ID:w05dxsJg0
( ^ω^)「ママ?」
( ^ω^)「てんごく」
( ^ω^)
( ^ω^)「?」
( ^ω^) …
( ^ω^)
( ゚ω゚)
- 79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 00:20:54.43 ID:w05dxsJg0
:( ゚ω゚):「ママ…てんごく……?」
ミ;゚Д゚彡「い、いや、大丈夫! お前のママが死んじゃったとか、そういうわけじゃ無いぞ!
天国には決して行ってないからな!」
デレが後ろからフサの襟を引き、地面に倒して黙らせた。
クーは焦って手をばたばたさせていたが、
もう、聞かれてしまったものはどうにもならなかった。
幼いブーンはしばらく震えていた。
そしてやがて、大人たちの態度から、何かを悟ったようだった。
:( ゚ω゚):「ママ…しんだ……?」
- 80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 00:23:20.17 ID:w05dxsJg0
ブーンは立ったまま泣き出した。
大声を上げて、泣いた。
女二人は、フサをたこ殴りにする手を一旦休めて、泣いているブーンの脇に駆け寄った。
だが、何をどうすることもできなかった。
声をかけようにも、何を言っていいのか。
手を触れようにも、哀しみに暮れるブーンに、どう触れればいいのか。
クーもデレも、いまはただ、泣くブーンの傍に立っていることしかできなかった。
ブーンはいつまでもずっと、その場で泣いていた。
大声を上げて、泣き続けた。
ブーン七歳の、秋の一日だった。
第二十二話 ここまで―――
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