63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 00:56:24.69 ID:8jsZP5DN0

(-A-)「うーん」

(´<_` )「おい、あの小せぇの城じゃねーの?」


ダイオードの上で過ごした夜は、思いの他快適だった。
高度が高いため、多少寒くはあったが、二人が寝るには十分な広さがあった。


('A`)「もう見えてきた――」


眠たげに目をこすりながら弟者が指差す方向を見る。


(´<_` )「アレだろ?」

(;'A`)「か、帰るぞ」


ダイオードを掴み、小さく呟く。
その目にはもう眠気は見られない。


(´<_` )「はあ?」

(;'A`)「ヤバイ! アレはマジでヤバイ!」


66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 00:59:09.18 ID:8jsZP5DN0

尋常ではない焦りっぷりに、弟者は口を開く。


(´<_` )「氷よ彼者の周りに出現し、極寒の寒さを与えよ」

(゚A゚)「つめてーーーー!」


周りに現れた氷のかたまりは、ドクオを容赦なく冷やす。


(´<_` )「まあ落ち着けよ」

(゚A゚)「落ち着けるか!」


冷たい空気にドクオは両手を振り回している。
どうにか氷のかたまりをどかせようとしているようだが、氷はドクオの傍を離れようとしない。


(´<_` )「消えよ氷」


弟者の言葉に反応したかのように、氷は跡形もなく消えた。


('A`)「つめてー」

68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 01:02:58.47 ID:8jsZP5DN0

氷に冷やされた体をどうにか温められないかと動かす。


(´<_` )「頭も冷えたところで、行くぞ」

('A`)「いや、アレはマジヤベェって」


ドクオの目に見えているものと、弟者の目に見えているものは違う。
二人の意見を聞いているのか、ダイオードはその場に制止している。


(´<_` )「どういうことだよ」


説明をしようとしないドクオに苛立っているのか、弟者の言葉には棘がある。


('A`)「何ていうか……真っ黒だ」

(´<_` )「はあ?」

70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 01:05:40.77 ID:8jsZP5DN0

ドクオの目に映る城は、すでに城ではなかった。


(|!'A`)「気持ちわりぃ……」


悲しみや憎悪や、殺意。そんな色が溢れ、城を覆いつくしていた。
負の感情が直接的なダメージとなり、吐き気をもよおす結果となった。


(´<_` )「吐くなよ。汚ぇ」

(つA⊂)「はいはい。すまんね」


目を隠し、不気味に混ざり合った色から目を背ける。


(´<_` )「じゃあ行くぞ」

(つA⊂)「いや、無理。オレが無理。ついでにアレは黒すぎる」

(´<_` )「無理なのはお前だけだろ」

(つA⊂)「そっちの意味もあるけど、呪術的なものも見えてる」

72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 01:08:13.42 ID:8jsZP5DN0


(´<_` )「呪術? ああ、呪いの儀式云々か」

(つA⊂)「おう。間違いないぞ」

(´<_` )「ふーん」


弟者は何の変哲もないように見える城を目に映す。


(´<_` )「お前の目って、制御とかできないの?」

(つA⊂)「できないこともないけど……」

(´<_` )「じゃあとっととしろよ」

('A`)「疲れるんだよ」


目を覆っていた手をはずす。

74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 01:11:15.23 ID:8jsZP5DN0

('A`)「なんて言うかさ、わざとピンボケさせるみたいな」

(´<_` )「へー」


興味がないことを弟者は隠そうともしない。
とはいうものの、この程度のことで一々へこんでいられない。

ドクオはダイオードに引き返すように言う。


(´<_` )「だから、何で帰るんだよ」

('A`)「お前、オレの話し聞いてた?」


苛立ったような声を出す。
弟者は驚いたのか、意外に思ったのか、少しばかり目を見開いた。


('A`)「あんなとこ行けるかよ」

(´<_` )「じゃあ、兄者を見捨てるんだな」



('A`)「ああ」



75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 01:14:21.74 ID:8jsZP5DN0

一度目のときのように沈黙を返すことはしなかった。
口からでたのは肯定の言葉。


('A`)「兄者との約束を守る。あそこに行けば、どっちも守れない」


真剣な目で、言葉が吐かれる。
それを聞いていた弟者は漠然とそれほど大変なことになっているのかと思った。

ドクオの見ているものを弟者は見れない。
不幸なのか幸福なのかの判断はつかない。けれど、それが弟者の考えを変えることはない。


(´<_` )「じゃあ、オレ一人で行く」

('A`)「どうやって。ダイオードはオレの言葉を優先するぞ」


空の上で二人は睨みあう。

先に視線を外したのは弟者だった。
弟者はドクオの目の前で立ち上がり、ダイオードの端から下を見下ろす。

見えるのは林だ。


(´<_` )「よっと」

77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 01:17:28.53 ID:8jsZP5DN0


(゚A゚)そ「はあ?!」


自分の目を疑う。
弟者の姿が消えた。いや、弟者が落ちた。

慌てて下を見ると、弟者の姿がどんどん小さくなっていく。


(´<_` )「風よ、上空へ吹け」


風に乗って聞こえてきた声は呪文だった。
魔法により地上から風が吹く。衝撃を弱めようとしているのだろう。


('A`)「弱い……!」


だが、この高さから落ちていく人間の衝撃を弱めるには、弟者が起こした風はあまりにも弱い。
下が林だということを差し引いても無事でいられるわけがない。



78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 01:20:15.98 ID:8jsZP5DN0


(´<_` )「ちっ!」


風の弱さを感じ、弟者は舌打ちをする。
昔からいくつかの魔法は苦手だった。

そのうちの一つが風系なのは運が悪かったのだろう。


林が近くなり、弟者は目を閉じる。


体に与えられた衝撃は痛みを伴ったものの、思っていたよりもずっとマシだった。
ゆっくりと目を開けてみる。


('A`)「わかった。城に行くよ」

(´<_` )「……わかればいいんだよ」


弟者が落ちたのはダイオードの上だった。
怪我もしていない。

80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 01:24:02.63 ID:8jsZP5DN0


('A`)「あのままだと怪我じゃすまなかったぞ」

(´<_` )「うるせぇな。大丈夫だよ」

('A`)「……せめてさ、氷の滑り台作るとか、そういう発想はなかったのかよ」

(´<_` )「…………」


じっと弟者に見つめられる。
何か不味いことを言ってしまったのだろうかと、ドクオは冷汗を流す。


(´<_` )「案外頭いいな」

('A`)「……弟者は案外頭悪いよな」


(´<_`# )モエテミルカ?

(;'A`) カンベンシテクダサイ



81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 01:27:29.44 ID:8jsZP5DN0

太陽が真上に昇るころ、二人は城下町の近くに降りた。


('A`)「ここからは歩くか」

(´<_` )「何だ、帰っていいぞ。邪魔だし」

('A`)「行くよ。町でずっと罪悪感と生きていくなんて拷問だろ」

(´<_` )「オレは別にそれでもいいけど」

('A`)「他人事だと思いやがって……」


本当は今すぐにでも帰りたかった。
だが、今帰ったところで、楽しくもない日々が待っているだけだ。

楽しくない上に罪悪感まで付きまとうような人生を送れるほど、ドクオは強くないと自覚している。


(´<_` )「他人だしなぁ」


二人は並んで城下町へ足を踏み入れる。



82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 01:30:17.27 ID:8jsZP5DN0

賑やかな雑踏に心が弾む。

ドクオは城のことを忘れ、辺りをキョロキョロと見る。
おしゃれな人に、センスのある店。
昨日までいた町とは何もかもが違う。

弟者を見ると、表情は変わっていないが、雰囲気が明らかに楽しげだ。
このまま城のことなど忘れてしまえばいいのにとドクオは思う。


しかし、二人の足は無意識のうちに城へ向かっていた。


城へは大きな一本道だ。
町で一番の大通りなのだろう。特に人も多く、並ぶ店も大きい。


('A`)「見えないようにしてて正解だな」


誰にも聞こえないように小さく呟く。

こんな人並みの中であれば、負の感情も多いだろう。
人酔いどころではない。発狂してしまうかもしれない。



83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 01:33:13.61 ID:8jsZP5DN0

('A`)「あっ、待てよ!」

(´<_` )「遅い奴が悪い」


ドクオと弟者では足の長さが違う。

非常に悔しいことではあるがそれが現実だ。
ただでさえ人混みの中で歩きにくい。二人の距離が開くのは必然的だった。

弟者に置いていかれないようにとドクオは歩く速度を速める。

ひたすら直線の道を歩くと、大きな門が見えた。
予想通り、門の傍らには騎士が立っている。


('A`)「どうするんだよ」


城の警備が薄いはずもない。
魔法を使ったところで、侵入できるはずもない。


(´<_` )「決まってるだろ」



84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 01:36:13.70 ID:8jsZP5DN0


堂々とした面持ちで警備中の騎士へ近づく。
あの度胸は自分が一番だという自信の元に構築されているのだろう。


('A`)「オレには真似できねぇわ」


弟者一人に任せていると置いていかれるかもしれないので、渋々ながらドクオも後に続いた。


(´<_` )「すみません」

(‘_L’)「ん? 何だい?」

(´<_` )「城に集められた魔術師の中に、私の双子の兄がいるのですが」

(‘_L’)「ああ、悪いが、集められた魔術師には面会できないんだよ」


予想通りの答えだった。
面会できないのは当然だろう。彼らは今も殺しあいをしているのだから。



85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 01:39:26.57 ID:8jsZP5DN0


(´<_` )「いえ、実はですね」


人当たりのいい笑みを浮かべて言葉を続ける。


(´<_` )「彼本当は城に呼ばれるような人じゃないんですよ。
       ボクがくる予定だったんですけどね、双子の弟に負けるのが気に入らなかったらしく、
       ボクを騙っているんです。やはりこういうことはちゃんと言っておかないとと思いまして」


弟者の言葉はほとんどが真実だ。
その中に、兄者が彼の身代わりになったということを隠しいるだけ。


(‘_L’)「……ちょっと待ってなさい」


威圧感のある騎士は隣にいた騎士にこの場を任せ、門の中へ入っていく。
彼は城の中で起きていることを知らないのかもしれない。

87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 01:42:19.73 ID:8jsZP5DN0

二人はしばらくの間外で待っていた。
弟者もドクオも口を開かない。

弟者は話すことがなく、ドクオはへたに口を開くことを恐れた。


(‘_L’)「待たせたね」

(´<_` )「いえ。お手数おかけして申し訳ないです」


すらすらと言葉が出てくるのを見ていると、
人が集まってくるのは天才と讃えられているためだけではないのだと思う。


(‘_L’)「王にかけあったところ、君のお兄さんの向上心を認めたいとのことだ」

(´<_` )「え?」


思わず素の声が出ている。
後ろでことの様子を見ていたドクオは驚きもしなかった。

結局のところ、王にとって必要なのは優秀な魔法使いではなく、
何かをするために捧げる人間の数なのだろう。
89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 01:45:24.60 ID:8jsZP5DN0

(‘_L’)「でもね、ここまできた君も評価したいと王は言われたそうだ」


騎士はゴツゴツした手を差し出す。


(‘_L’)「後ろのお友達と一緒に、この城に迎え入れよとのことだ」


これは特例だよと、騎士は言ってくれた。
今のドクオには騎士がどのような意図で言っているのかわからない。

王からしてみれば、一人でも多くの人間が欲しいとのことなのだろう。


('A`)(でも……)


人数が欲しいだけならば、適当に集めることもできたはずだ。


('A`)「ま、関係ないか」



90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 01:48:17.58 ID:8jsZP5DN0

優先されるべきは兄者の救出。もしくは弟者の身の安全だ。
この国が何をしようとしているかなど、わかったところでどうしようもない。

二人は騎士に案内され、城の中へ入って行く。


('A`)「おお……」

(´<_` )「…………」


外装も豪華だったが、内部はさらに豪華だった。
高価そうなものがそこいらに飾られている。

廊下を見ただけでも広く、質のいい絨毯が敷かれている。


('A`)「オレ、城に入れるなんて夢にも思ってなかったよ」

感嘆の声をもらす。
返事はなかったが、弟者が頷いているのが見えた。


(‘_L’)「キミ達には次のメンバーの中に入ってもらう」

('A`)「え、今のメンバーには入れないんですか?」

(‘_L’)「人数制限があるらしい。すまないね」


91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 01:51:27.09 ID:8jsZP5DN0
次のメンバーが集まるには一週間ほどかかるので、客室でくつろいでいて欲しいと言われる。
この政策が始まったころは、二ヶ月に一度各地から集められる程度だった。

何かは着実に加速している。

この国に不安を覚えながらも客室を見る。
案内されたその部屋は素晴らしいものだった。

一部屋の広さが弟者達の住む家の三部屋分はある。
置かれている家具も高価なのだろう。ベッドに座ることすらためらわれる。


(‘_L’)「二人一部屋になってしまってすまないね」

('A`)「あ、いえ……」

(´<_` )「突然お邪魔したにも関わらず、こうして迎え入れてくれたのですから、
       このくらいは当然ですよ。ありがとうございます」


弟者が言うと、騎士は笑みを浮かべて客室を去っていく。

(‘_L’)「あ、そうだ」

部屋の扉を閉める直前、騎士が振り返る。


(‘_L’)「あまり出歩かないように。警備の者が勘違いするかもしれないからね。
      食事などはそこの電話を使ってくれ」
93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 01:54:15.11 ID:8jsZP5DN0

部屋の扉が閉まる。


('A`)「ホテルかよ」


小さくツッコミを入れ、騎士の言っていた電話を探す。


('A`)「これか」


電話は確かにあった。
城の客室に何故このようなものがあるのかはわからない。


(´<_` )「オレらみたいなのを閉じ込めるためじゃないのか?」


部屋を見ていた弟者が言う。


('A`)「ありえるな」


今まで何度か行われてきたこの行為だ。
弟者のようなケースはなくとも、知人友人に会いたいとやってきた者をここに入れたのかもしれない。



94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 01:57:17.70 ID:8jsZP5DN0

(´<_` )「さて、まずどこから探すか」


扉を開け、左右を見る。
誰もいないことを確認すると、廊下を真っ直ぐに歩き出す。


('A`)「せめて地図とかあればな……」

(´<_` )「というか、どれだけの人数かは知らんが、
       魔術師を集めて殺しあいをさせるのに、城の室内を使うか?」

('A`)「……それは、確かに、そうだな……」


兄者は移動魔法で連れて行かれた。
あれの行きつく先が城とは限らないことに始めて気づいた。


(´<_` )「使えねぇ奴」

('A`)「うるせぇ。オレの目は万能じゃないんだよ」



95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 02:00:22.37 ID:8jsZP5DN0

小さな声で話し合っていた二人の耳に、誰かの声が届いた。
とっさに、近くにあった大きな置物の裏に隠れる。


( ^Д^)「いやー。それにしてもあの移動魔法はどこへ繋がってるんだろうな?」

<ヽ`∀´>「知らないニダ。そもそも、今回の政策について詳しく知ってるのは、
      王と以前やってきた魔術師の女だけニダ。何だか気味が悪いニダ」

( ^Д^)「つかさ、お前あの魔法陣ちゃんと始末したか?

<ヽ′Д`>「ファッビョーン! 忘れてたニダ!」

( ^Д^)「プギャーwww
      怒られるぞーwww」

<ヽ`∀´>「ちょっと今から新しい魔法陣取ってくるニダ!」


騎士の一人がきた道を引き返して行く。


( ^Д^)「大広間なんて、次が来るまで使わねーんだから、夜中にでもこっそりすればいいのにww
      あれじゃバラしてるのと同じだっつーのwww」


残された騎士は一人笑いながら、先へと進んでいく。


96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 02:03:15.15 ID:8jsZP5DN0


('A`)「……聞いたか?」

(´<_` )「大広間か」


二人はここへきたときのことを思い出す。
城は広いだけでなく、高い。目算であるが、三階以上はあるだろう。


('A`)「でも早く探さねぇと、あの騎士が魔法陣を変えちまうぞ」


親指の爪を噛む。
端からしらみつぶしに探していては、到底間に合わないだろう。


(´<_` )「一か八か、やってみるか」


一人で何かを決意した弟者は走り出す。


('A`)「おい! 待てよ!」


それにドクオが続く。


97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 02:06:44.24 ID:8jsZP5DN0
<ヽ`∀´>「危ないとこだったニダー」

先ほどの騎士が魔法陣を持って走っている。


|<_` )

|A`)


その後ろにはドクオと弟者がいた。


('A`)「まあ、確かに後ろにいれば大広間にはつくよな」

(´<_` )「あいつが回収する前に魔法陣に乗るぞ」

('A`)「……本当、一か八かだよ」


上手く移動できたとしても、ドクオと弟者の考えはバレてしまうだろう。
移動先で騎士達に囲まれれば生きては帰れない。


(´<_` )「よく知らないが、あいつらは殺しあいをさせたいんだろ?」

('A`)「たぶんな」

(´<_` )「バレたって殺しあいを続けるなら問題ないだろ」


98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 02:09:27.13 ID:8jsZP5DN0

全ては憶測の域をでない。
だからこそ弟者も一か八かと言ったのだ。


('A`)「そうだよな」


自分達のしていることの成功を望み、問題ないと何度も言い聞かせる。


<ヽ`∀´>「よいしょっと」


大広間は二階にあった。
ここに来るまで、誰ともすれ違わなかったことは幸運だ。


(´<_` )「今だ!」


弟者が騎士の背中にタックルをおみまいする。


<ヽ ゚Д ゚>「ニダっ?!」



99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 02:12:20.12 ID:8jsZP5DN0

顔から床に叩きつけられた騎士は痛みに悶えている。

('A`)「すみませんねっと」


そんな騎士の背中を踏みながら、ドクオも大広間へと入った。


(´<_` )「……でかいな」


弟者が呟いたのも無理はない。
大広間という名に相応しい広さを持つ空間の床には、同じだけの大きさを持った魔法陣が描かれている。
簡単に変えられるようにシールになっているようだ。


('A`)「でかさを保つために、自動的に焼失させることができないのか」

(´<_` )「んなことはどうでもいい。さっさと行くぞ」


魔法陣に乗る。
移動用の魔法陣に使われる呪文は一つと決まっている。


(´<_` )「発動」


第四話 完

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