706 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/23(土) 01:13:31 ID:yfUbGgJo0

( ФωФ) デミタス、書類は書けたか?

(´・_ゝ・`) ええ。既にここに

( ФωФ) デミタス。おやつはまだか

(´・_ゝ・`) 作り置きがございます。どうぞ

( ФωФ) デミタス。部屋の掃除が…

(´・_ゝ・`) 朝の内に済ませておきました
709 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/23(土) 01:18:30 ID:yfUbGgJo0

( ФωФ) いや〜やっぱりデミタスがいると仕事が捗るな〜
        もしもいなくなったら大変だろうな〜(チラ チラ

(´・_ゝ・`) すみません、辞表は受け取って頂けましたよね?
       規約通りあと二週間ほどは働きますが、意志を変えるつもりはございません

( ;ФωФ) 何故だ!ワシの口が臭いからか!最近まくらからオヤジの臭いがするからか!?

(´・_ゝ・`) 申し訳ございません

( ;ФωФ) 何故だ…

(´・_ゝ・`) 本当に……申し訳ございません


最終話その五「各」

710 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/23(土) 01:20:04 ID:yfUbGgJo0



( ゚∋゚)



/ ,' 3 おお、クックルさん、どうされましたかの

( ゚∋゚)

( `ー´) 喋ってくんねーとわかんねーっすよ

/ ,' 3 これ、滅多な事を言うもんじゃない。喋らないのが格好いいんじゃないか

( `ー´) 今時モテねーっすよ?

711 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/23(土) 01:22:46 ID:yfUbGgJo0


∧∧
川  - )スー…


( ゚∋゚)

( `ー´) ん?あー、その子は魔王軍じゃなくて、民間人っす

/ ,' 3 のーちゃんたちが敵に襲われたとき、近くにいたらしいですじゃ
    そのとき魔力の余波を受けてしまったようで
    街の病院より設備がいいもんで、この医務室に運び込まれたんです

( ゚∋゚)

( `ー´) あ、もう行くんすか?何か用事があって来たんじゃ…

712 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/23(土) 01:24:02 ID:yfUbGgJo0

/ ,' 3 クックル殿?

( `ー´) あー行っちゃった。何しに来たんだろう

/ ,' 3 ふむ、しかし追いかけるのは辞めた方がいいじゃろうな

( `ー´) 何で?

/ ,' 3 感じなかったか?あの背筋が凍るような殺気を―――

713 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/23(土) 01:26:46 ID:yfUbGgJo0



 ―――2番隊本部


(゚A゚* ) (貞ちゃん、大丈夫やろか)


(´・ω・`) こんなところで、一人で何してる?

(゚A゚* ) ショボーン…

(´・ω・`) 敵に襲われたとはいえ、軽傷だったんだろ
      落ち込んでいる暇は無いんだぞ

(゚A゚* ) せやけど、ウチが頑張った所で、しゃあないやん
     敵はこっちの戦力も戦い方も知ってんねやで
     この前はオサム様に助けてもらったけど、下手したら死んでた…
715 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/23(土) 01:30:37 ID:yfUbGgJo0

(´・ω・`) 死ぬのが怖いか?

(゚A゚* ) お前は怖ないん?

(´・ω・`) 怖いよ

(゚A゚* ) やったら…

(´・ω・`) 恐怖は怯えるものではない。克服するものだ

(゚A゚* ) お、おおー、格好ええやん

(´・ω・`) それに、この戦いで戦果を上げれば四天王に昇進できる可能性もある

(゚A゚* ) ああ〜、お前らしいな…

716 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/23(土) 01:32:00 ID:yfUbGgJo0

(´・ω・`) 僕は僕のできることをする。君も自分に何ができるか、考えることだな

(゚A゚* ) ああ…わかったで

(´・ω・`) それだけだ。じゃあな



(゚A゚* ) ショボーン

(´・ω・`) 何だよ

(゚A゚* ) ちょっと好きになったで

(´・ω・`) 勘弁してくれ

717 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/23(土) 01:34:06 ID:yfUbGgJo0


 ―――零番隊本部



川д川 師匠、もしも結界を破る敵がいたら、どうすればよいのですか…?

lw´‐ _‐ノv ゴーグルをかけるといい

川д川 それはタマネギを刻むときの注意事項です……

lw´‐ _‐ノv 結界が破られたのか?うわ、ダッセー(笑)

川д川 言い返す気力もございません………

718 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/23(土) 01:37:10 ID:yfUbGgJo0

lw´‐ _‐ノv 結界なんて絶対じゃないし、破られるときもあるよ!
       だからあつ子も元気出して!吉村先輩はあつ子のこと待ってるよ!

川д川 あつ子じゃないし吉村先輩なんか知りません

lw´‐ _‐ノv そもそも結界が防御するだけの魔法だと思ってんの?

川д川 え……違うのですか……?

lw´‐ _‐ノv カーッ!お前は私の修行に付いてこられた
       ただ一人の弟子なのに、そんなことも知らなかったのか!

川д川 師匠の弟子は今も昔も私一人だけでしょう……
720 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/23(土) 01:40:45 ID:yfUbGgJo0

lw´‐ _‐ノv 結界はな、本来「大事なものを護るため」にあるんだ
       防御するだけで大事なものを護れるとでも思ってる訳?
       超ベリーバントだよ一塁手に拾われるような

川д川 そうか……確かにそうだ………!


川ヮ川 師匠、ありがとうございます………!
     私、もう一度戦場に行きます……!

lw´‐ _‐ノv あ、おい



lw´‐ _‐ノv (どうしよう。適当に言ってただけなのに…)

721 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/23(土) 01:45:01 ID:yfUbGgJo0


 ―――セクタ110


 森林地帯のセクタ110では、生い茂った草と太い樹木の影で非常に視界が悪かった。

 昼間なのに薄暗いのは、木々の葉が空を覆い隠しているからだ。


 _、_
( ,_ノ` )y━・~ そっちが出てこないなら、こちらから行くぜ



 渋澤は妖刀「撫子」を抜刀し、殺気を感じる方へと構えた。




        ><      ‘ ‘      <●>

722 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/23(土) 01:50:01 ID:yfUbGgJo0




 渋澤が交戦を始めた頃、「月下の暁」の本部に慌てて駆け込んできた者がいた。



<_;プー゚)フ おい、大変だ!本部に侵入者がいるらしいぞ!



 その場にいた数兵の愚連隊は、男と顔見知りであった。



<_プー゚)フ 魔王軍の偵察隊が何人か潜入しているらしい!
         急いで全ての出口を固めろ!

723 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/23(土) 01:52:56 ID:yfUbGgJo0


 男が命令を出すと、統率の取れた動きで暁の者たちは動き出した。


<_プー゚)フ お前たちは兵士を集めてそれぞれの出口へ急げ!
         母者には俺から連絡しておく!


 そう言って男は奥へ進んでいった。



 男は迷路のように入り組んだ暁の本部を、高い魔力を目指して進んでいった。

 魔力を目印にして進めば、いずれ母者へと突き当たるからだ。
725 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/23(土) 01:58:03 ID:yfUbGgJo0

 交差した十字路を右に、突き当たりのハシゴを上に、通路を曲がった先に進み、
 トラップの仕掛けていない道を選び、さらに奥へ、奥へと進んでいく。



 やがて広い部屋に出た。

 「月下の暁」を象徴するマークが描かれたカーテンが、部屋の一面に下がっている。

 マークの真下に、禍々しい玉座が鎮座しており、青白い光の柱が玉座を照らしていた。
 その拙い光の中に、女は憮然とした表情で座っていた。



ζ(゚−゚*ζ どうしたの

726 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/23(土) 01:59:49 ID:yfUbGgJo0

<_プー゚)フ どうやら本部に侵入者が入ったようだ


l从・∀・;!リ人 マジで!?


 玉座の隣には、二人の女が立っていた。


∬´_ゝ`) あら、それは大変ね

<_プー゚)フ 俺だけでは不安だ。二人も捜索に当たってくれないか?

l从・∀・ノ!リ人 本部に攻撃を仕掛けてくるとはいい度胸なのじゃ!
         妹者、いっきまーす!

727 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/23(土) 02:01:37 ID:yfUbGgJo0

 幼く見える女の方は、我先にと部屋から飛び出していった。

 しかし、残った二人は微動だにせず、焦っている様子も微塵も無い。



∬´_ゝ`) 侵入者は誰かわかる?

<_プー゚)フ いや、顔はよく見えなかった

∬´_ゝ`) そう。昼間なのに、変ねえ


ζ(゚ー゚*ζ エクスト、くつろいでいいよ。お茶でも入れようか?

728 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/23(土) 02:04:24 ID:yfUbGgJo0

<_プー゚)フ お茶を飲んでいる場合では…

∬´_ゝ`) こういうときこそ落ち着いて行動するべきよ

ζ(゚ー゚*ζ 姉者の言う通りだ



 二人は男を見ながらにやにやと笑っていた。



<_プ−゚)フ 何故、わかったのですか

∬´_ゝ`) わかったって、何が?


 質問の意図がわからないはずは無いのに、姉者は笑みを崩さずに聞き返した。

729 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/23(土) 02:07:09 ID:yfUbGgJo0

ζ(゚ー゚*ζ 姉者、侵入者がいるそうだから、ちょっと様子を見に行って来てくれないかい?

∬´_ゝ`) え?


 しかしここで、不意に母者から指示が入り、姉者の表情から笑みが消える。

 どうして、と訊きたそうに母者を見つめた。


ζ(゚ー゚*ζ いいから

∬´_ゝ`) …ええ、そうしますわ


 男の方を一瞥してから、静かに姉者は退室していった。

730 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/23(土) 02:10:24 ID:yfUbGgJo0


ζ(゚ー゚*ζ さて…

<_プー゚)フ もう一度訊いてもいいでしょうか。何故、私が偽物だと?

ζ(゚ー゚*ζ 簡単よ。エクストはもっと下品で低脳だから

<_プー゚)フ なるほど。便利な能力だと思っているのですが、もしかすると
        あまり使えない代物なのかもしれませんね。正体を見破られたのは、これで二度目だ

ζ(゚ー゚*ζ 久しぶりね

;;;;;;;;;;;;;ー゚)フ そうですね



【+  】ゞ゚;;; こんな形で再会するとは、思っていませんでしたがね

731 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/23(土) 02:13:29 ID:yfUbGgJo0

ζ(゚ー゚*ζ お茶飲む?美味いお茶っ葉が手には入ってさ
       あたしだけで楽しむのもなんだし、あんたにもご馳走するよ

【+  】ゞ゚) いえ、トマトジュースと血液以外の飲み物は苦手なので

ζ(゚ー゚*ζ ああそう。残念だ


【+  】ゞ゚) 何だか、雰囲気が変わりましたね

ζ(゚ー゚*ζ そう?まーでも、男子三日会わざれば何とやらとも言うし
       女もそれなりに成長するもんさ

【+  】ゞ゚) 別にそこまで若くないでしょう

732 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/23(土) 02:17:24 ID:yfUbGgJo0

ζ(゚ー゚*ζ あんたは変わってないな

【+  】ゞ゚) 何せ普通の魔族と寿命が違いますからね

ζ(゚ー゚*ζ あまりにも人生が長すぎて退屈だったのかい?
       わざわざ死にに来るような真似してさ

【+  】ゞ゚) あなたは本当に、変わってしまったようだ

ζ(゚ー゚*ζ で?

【+  】ゞ゚) 良かったです。これで心おきなく、あなたを殺せる
        しかしその前に訊いておきたい
        何故こんな馬鹿げた真似をしたのですか?

ζ(゚ー゚*ζ 酷い言いぐさだよ「ハイルランドの悪魔」。でもまあ、仕方ないか

733 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/23(土) 02:24:11 ID:yfUbGgJo0

【+  】ゞ゚) 何がですか

ζ(゚ー゚*ζ あんたに理解できる次元にあたしはいないんだ

【+  】ゞ゚) 理解したくもありません




 二人はしばらくの間、瞬きもせずに見つめ合った。
 重苦しい沈黙とは性質が異なる、心の昂ぶりが空気を震わせているような空間だった。

 互いの目には、様々な感情の光が宿っては消えを繰り返していた。
 言葉よりも多くのものを伝える「会話」であった。



 十数分後、母者が瞬きをし、まぶたがもう一度開くよりも先に、オサムが攻撃を仕掛けた。


 to be continued…

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