- 4 :
◆24es8un4MA :2011/01/13(木)
19:07:01.34 ID:Ko97cNc00
- 人物紹介
ξ゚听)ξ ツン。黄色い巻き髪がトレードマーク。コーヒーが大好き。一応主人公。
( ^ω^) ブーン。四四七支部所属。こいつもコーヒーが大好き。んでもってヤク中。
_
( ゚∀゚) ジョルジュ。旧式の変体。ファンキーを心がけている。好きなグループはEarth,
Wind & Fire。
川 ゚ -゚) クー。世界の誇るスナオモデル一号機。穴は無い。
パワードスーツ
(十) 原子王。ツンのパワードスーツ。赤い彗星ではない。
|::━◎┥ 歯車王。ブーンのパワードスーツ。気は優しくて力持ちになれるはずもない。
あらすじ
第四四八支部は見事任務を達成。
しかし、襲い掛かってきたロボット、女の死体には多くの謎が残る。
果たして謎は解決されるのか?! 作者は急に別れを告げられた女を忘れることができるのか?!
- 5 :
◆24es8un4MA :2011/01/13(木)
19:09:02.01 ID:Ko97cNc00
- 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ヒュゥゥゥ…………
('A`)
('A`)「トーキョー……。いい風だ……」
('3`)〜♪〜♪〜♪ カスカス
o川*゚−゚)o
o川*゚−゚)o「急に口笛なんて吹き始めてどうしたの?」
o川*゚−゚)o「しかも全然鳴ってないし」
('3`)〜♪〜♪〜♪ カスカス
o川*゚−゚)o「ねえ」
('A`)
('A`)「この「ポイズン・ヴォルト」に野暮なこと聞くんじゃねえ」
('A`)「見ろ、荒れ果てた大地、吹きすさぶ風。これほど口笛が似合う光景はねえだろ」
- 6 :
◆24es8un4MA :2011/01/13(木)
19:12:01.81 ID:Ko97cNc00
- o川*゚−゚)o「気分に浸るのもいいけど、自分のパワードスーツと食料くらい自分で持ちなよ」
o川*゚−゚)o「いつまでも持ってあげないんだから」
('A`)「フッ……。そいつは困るな」
o川*゚−゚)o「……あたしの換装パーツ、ドクオのパワードスーツ、その他食料、燃料」
o川*゚−゚)o「総重量839キロ。……その上、感謝の言葉も無し。モチベーション、ガチ下がり」
('A`)「……風来坊ってのはお子様には簡単に頭を下げないのさ」
o川*゚−゚)o「第一、なんで旅してんのよ。フィラデルフィアでは盗賊の討伐と人助け」
o川*゚−゚)o「ワシントンでは治安部隊の書類整理、ハワイではマフィア討伐。まるでボランティア旅行じゃない」
('A`)「……ロマンだよ」
o川*゚−゚)o「おまけにラウンジに帰るはずが、自家用機墜落。でもって落ちた場所はホンシュウ」
o川*゚−゚)o「もう知らない」
o川*゚−゚)o ドサッ
('A`)「あっ」
('A`)「……おーい。戻ってきてよーい」
- 9 :
◆24es8un4MA :2011/01/13(木)
19:14:23.85 ID:Ko97cNc00
- ('A`)「こんな重いの、持てないよーい」
o川*゚−゚)o スタスタ
('A`)「ごめんって。ちゃんとするから。ね?」
o川*゚−゚)o スタスタ
('A`)
(;'A`)(やべえ。今回はマジだ)
o川*゚−゚)o スタスタ
(;'A`)「わかった! すまんかった! な? な?
この通りだ!」
(;'A`) ペタン
(;'A`)「これ、土下寝! 屈服の証! あなた、偉い、凄い、強い!
私の負け!」
o川*゚−゚)o スタスタ
(;'A`)「待って! キュート! お願い許してええええ!!」
o川*゚−゚)o スタスタ
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
- 11 : ◆24es8un4MA :2011/01/13(木)
19:16:28.52 ID:Ko97cNc00
ξ゚听)ξパワードスーツを身に着けて、のようです
第三話「新たなる敵影、ロマン風来坊と少女」
- 12 : ◆24es8un4MA :2011/01/13(木)
19:18:56.72 ID:Ko97cNc00
- ξ゚听)ξ カタカタ
こんにちは。
ツンです。
ξ゚听)ξ カタカタ
今、昨日戦った敵機のメモリーを調べています。
まだ朝の9時です。
ξ゚听)ξ カタカタ
ξ--)ξ カタカタ
でも、何も分からない。
とりあえず分かったことは自動車工場で働いてたってことと作られた工場だけ。
それ以外はしっかりとブランクにされてる。
あと、やたらエラーが多いのはやっぱり放射能の影響?
とにかく、私の期待をよそにメモリーは何も教えてくれない。
川 ゚ -゚)「何か分かったか?」
ξ゚听)ξ「何にも。さっぱりね」
- 14 : ◆24es8un4MA :2011/01/13(木)
19:22:26.94 ID:Ko97cNc00
- _
( -∀-) シャカシャカ
_
( ゚∀゚)「そいつは残念だったな」
あー音漏れうっさい。
てか、よく音漏れするくらいの爆音で聞いてて会話にうまく入れるな。
ξ--)ξ「ふー……」
ぐったりと深く背もたれに寄りかかる。
ずっと画面に向かってたから、少々疲れてしまった。
キュッと目を瞑るとじんわり涙が溢れる。
ξ--)ξ「ねえ、クー」
川 ゚ -゚)「ん?」
ξ゚听)ξ「コーヒー頂戴。モカで」
川 ゚ -゚)「了解した」
ξ゚ー゚)ξ「ありがと」
もう休憩。
諦めてお上に渡すことも視野、って感じね。
- 15 : ◆24es8un4MA :2011/01/13(木)
19:25:08.76 ID:Ko97cNc00
- 川 ゚ -゚) シャコー
コーヒーっていうのは、私が知る限り最高の飲み物。
音から、色、臭い、そして味。
全てにおいてね。
川 ゚ -゚)「ほら、出来たぞ」
ξ゚ー゚)ξ「はい、ありがとね」
ξ--)ξ ズズッ
口の中に広がる酸味、苦味、わずかな甘味。
それをゆっくりと舌で転がして味わう。
これぞ、至福ね。
_
( ゚∀゚) シャカシャカ
_
( ゚∀゚)「そんなにうめーのか?
コーヒーは」
ξ゚ー゚)ξ「あんたには一生かかっても分からないわよ」
別にあんたがロボットじゃなくてもね。
ガサツな性格にわかる代物じゃないのよ。
- 17 : ◆24es8un4MA :2011/01/13(木)
19:28:26.18 ID:Ko97cNc00
- 川 ゚ -゚)「ああ。ジョルジュにはわからないだろうな」
川 ゚ -゚)「コーヒーが好きなツンとブーンは俗に言うグルメって奴だ」
あっ。
ブーンも好きなんだよな。
あいつもガサツ何だけど。
なんでだろ。
それよりもグルメってのはちょっと違う気がする。
_
( -∀-)「グルメ……。カッコイイ勲章だな。俺も味って奴をわかりてえぜ」
ヘッドホンから聞こえるリズムに合わせて頭を動かすジョルジュ。
川 ゚ -゚)「違いがわかる男はカッコイイと聞くからな」
相変わらずなんかちょっとずれてるクー。
ξ゚听)ξ「まあ、もうちょっと科学が進歩したらわかるようになるかもね」
第四四八支部はいつも通り。
昨日はすこし忙しかったけど、やっぱり平和。
まあ、今日はブーンがいなくて多少静かかしら。
- 18 : ◆24es8un4MA :2011/01/13(木)
19:32:06.70 ID:Ko97cNc00
- ξ--)ξ ズズッ
[ピッピッピ…]
ξ゚听)ξ「ん?」
通信?
本部か。
死体の受け渡しとかでまた連絡するって言ってたらしいからね。
川 ゚ -゚) スッ
クーが通信に出ようと動いたけど、右手で私が出るから、と制しておいた。
私のほうが近いしね。
ξ゚听)ξ「はい、こちら第四四八支部です。どうぞ」
('_L')[こちらトーキョー通信本部、こちらトーキョー通信本部]
('_L')[昨日の任務の件での通信です。お時間よろしいですか、どうぞ]
どうやらいつもの人みたい。
- 19 : ◆24es8un4MA :2011/01/13(木)
19:34:57.61 ID:Ko97cNc00
- ξ゚听)ξ「大丈夫です、どうぞ」
('_L')[えー、死体の受け取り準備が整いましたので、11時にトーキョー治安本部まで来てくれますか?]
('_L')[あとですね、抜き取ったメモリーもお持ちくださると嬉しい、とのことです、どうぞ]
11時……。
まあ、飛ばせば余裕持って着くわね。
死体はジープに乗っけて、一応原子王も積んどくか。
昨日不審ロボット出たばっかりだし。
ξ゚听)ξ「了解です。どうぞ」
('_L')[こちらは以上です。特に問題なければそちらで遮断してください、どうぞ]
ξ゚听)ξ「了解です。遮断します」ブチッ
じゃあ、メモリーはお上に任せましょうかね。
どうせ私じゃわからなかったし。
プロがやったほうが手早く終わるでしょう。
ちなみに通信本部も治安本部も同じ建物だ。
利便上、名称を分けてるだけね。
こういうのってなかなかめんどくさい。
- 22 : ◆24es8un4MA :2011/01/13(木)
19:56:08.66 ID:Ko97cNc00
- 川 ゚ -゚)「行くのか」
ξ゚听)ξ「ええ。いってくるわ。留守はお願いね」
川 ゚ -゚)「了解した」
で、私は死体を乗せるの嫌だから……。
ξ゚听)ξ「ジョルジュ、あんたはジープに死体を乗せてね」
_
( ゚∀゚) シャカシャカ
_
( ゚∀゚)「そう来ると思ったぜ」
ξ゚听)ξ「あたしは原子王持ってくるからその間に乗せといて」
_
( ゚∀゚)「ほいほい。終わったらクーにゃんと二人っきりでにゃんにゃんするからいいもんね」
ξ゚听)ξ「ご勝手に」
ロボットは素直で助かるわ。
私がこんなこと言われたら絶対嫌だもの。
_
( ゚∀゚)「おっ? ツンちゃん妬いた?」
ξ#゚听)ξ「あほか!」
- 24 : ◆24es8un4MA :2011/01/13(木)
19:59:47.36 ID:Ko97cNc00
- 相変わらずジョルジュは馬鹿だ。
ロボットの癖にどうしてこうも馬鹿なんだろうか。
ξ--)ξ
そんなことを考えながら暗い階段を下って格納庫へ。
こつこつ、と地を叩く音が闇に映えては消えていく。
ξ゚听)ξ「行こっか。原子王」
(十)
かび臭い闇の中に生気の無い立派な赤は輝いていた。
何も語らないそれは異様な威厳に満ちていて、不思議と神秘的だ。
ξ゚听)ξ「よいしょっ」
私は原子王を持ち上げようとつかんだ。
腰の辺りをぎゅっと締め付けて、力を入れる。
ξ><)ξ「ん〜……」
ぜ、全然持ち上がらない……。
何で降りるときに気がつかなかったんだろう。
原子王、200キロくらいあるじゃない。
- 25 : ◆24es8un4MA :2011/01/13(木)
20:02:32.82 ID:Ko97cNc00
- 川 ゚ -゚)「ここでいいか?」
ξ;--)ξ「うん」
結局、クーにジープまで運んでもらった。
あ〜あ。
情けないったらありゃしない。
川 ゚ -゚)「了解した」
どすん、とジープが揺れる。
川 ゚ -゚)「じゃあ、戻るぞ」
ξ;--)ξ「ありがとね」
クーに余計な手間をかけてしまった。
相手はロボットとはいえ、なんとなく、落ち込んでしまう。
ξ゚听)ξ「さて、じゃあ行きますか」
とりあえず気を取り直して本部に向かおう。
うん。
- 27 : ◆24es8un4MA :2011/01/13(木)
20:04:57.01 ID:Ko97cNc00
- ξ゚听)ξ「よっ……」
扉を開けたときだった。
襲い掛かってきたのは、異様な臭い。
爪゚%%;//
ξ゚听)ξ
爪゚%%;//
ξ )ξ クラクラ
なんで死体が助手席に座ってんのよ。
あんの、馬鹿。
ξ#゚听)ξ「ジョルジュ!!! ちょっと来なさい!!」
_
( ゚∀゚)
_
( ゚∀゚)「本気で怒るなよ。ちょっとした悪戯じゃない」
あんた、死体で悪戯って……。
呪われるわよ。
まじで。
- 28 : ◆24es8un4MA :2011/01/13(木)
20:08:25.60 ID:Ko97cNc00
- 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ジープを走らせて一時間半くらい。
ようやく本部が見えてきた。
周りには何にも無くて、白い大地が広がっている。
その中にちょこん、と立っている横に長い建物が本部だ。
後ろには大きな電波塔がそびえ立っている。
ξ゚听)ξ
( ^^)「ちょっと止まってくださいね」
門の近くまで行くと門番に止められた。
ラウンジみたいに4人も5人も門番がいるわけじゃないから、なんとなく緊張はしない。
ξ゚听)ξ「第四四八支部のツンよ。死体とメモリーを届けに来たわ」
( ^^)「ああ、四四八支部の方ですか。お話は聞いております。どうぞ、お入りください」
( ^^) ピピッ
ゴゴゴゴッと大きな音を立てて鉄製の門が開く。
門の先は意外とだだっ広くて本部の建物が浮いて見える。
私はゆっくりとアクセルを踏んだ。
- 29 : ◆24es8un4MA :2011/01/13(木)
20:14:30.57 ID:Ko97cNc00
- 本部建物の近くにジープを止め、地に降り立った。
風が強くて、髪が乱れる。
ξ゚听)ξ「あそこから入るのね」
立派な鉄製の門とは対照的な、こじんまりとした普通の扉。
おそらくそこから入るのだろう。
それと、遠くから見ると平べったく感じた本部も、近くで見れば意外にも三階立てだということがわかった。
いつもの足取りで扉に近づき、ゆっくりと扉を開ける。
中は空調が効いていて少しだけ暖かい。
('_L')「あっ。四四八支部の。少しお早い到着でしたね」
ξ゚听)ξ「どうも」
右側の受付から声をかけられた。
声からして、いつもの人か。
毎日ご勤務、お疲れ様です。
といった具合で軽く会釈した。
すると、にっこり笑って会釈を返してくれた。
声のイメージ通り、いい人だ。
- 31 : ◆24es8un4MA :2011/01/13(木)
20:18:27.16 ID:Ko97cNc00
- ('_L')「外は風が強かったでしょう。ご足労かけます」
受付のおじさんは私の目を見てしっかり話す。
本当にいい人なんだなあ、となんか感心してしまった。
あまりにも丁重な喋りなので、わたしも、いえいえとか普段使わない言葉を使ってしまう。
ξ゚听)ξ「あの、死体のほうはジープに積んでるのですが……」
('_L')「ああ。では、あとで私がロボットに運ばせますから、今はメモリーだけ預かりましょう」
ξ゚听)ξ「了解です」
('_L')「あとですね、副所長が相談があるとのことなんですが……」
ξ゚听)ξ「相談?」
本部の副所長が?
私に?
なんだろう。
凄く緊張してきた。
落ち着かない顔でメモリーを渡すと、受付のおじさんに少し笑われてしまった。
- 33 : ◆24es8un4MA :2011/01/13(木)
20:21:28.30 ID:Ko97cNc00
- ('_L')「三階の第二会議室におられるようですから、そちらに向かってください」
ξ;゚听)ξ「りょ、了解しました」
こんな辺境の地とはいえ、副所長といえば私たちみたいな、しがない戦闘員には無縁の存在。
一体、何の用かしら。
緊張からか足取りが重い。
ゆっくりと階段を上がり、三階へ。
三階に上がると、地図があったのでそれを、見て第二会議室を確認。
どうやらすぐ近くのようだ。
またゆっくりとした足取りで第二会議室の扉の前へ。
意外と私って小心者なのよね……。
ξ;--)ξ「ふー……」
意を決して扉をノックした。
- 35 : ◆24es8un4MA :2011/01/13(木)
20:24:46.28 ID:Ko97cNc00
- ξ;--)ξ コンコン
「入れ」
あー。
なんか、嫌な感じの声。
ξ;゚听)ξ ガチャッ
(`∠´)
奥の席でふんぞり返って座ってる人。
おそらくこの人が副所長よね。
なんか見た目も私が苦手なタイプ。
(`∠´)「君が、四四八支部唯一の人間か」
ξ;゚听)ξ「そ、そうであります」
(`∠´)「ふん。小娘ごときが」
(`∠´)「まあ、いい」
だめだ。
こういうやつ、だめだ。
- 36 : ◆24es8un4MA :2011/01/13(木)
20:28:18.10 ID:Ko97cNc00
- (`∠´)「もっと近くに来たまえ。こんな遠くじゃ話もできん」
ξ;゚听)ξ「はい」
嫌な感じの奴だけど、こいつは上司。
しっかりと礼儀正しくするのよ、ツン。
エリアVIPに強制送還された理由を思い出すのよ。
(`∠´)「君の他に不審ロボットと戦闘したのは?」
ξ;゚听)ξ「ロボット二体と人間が一人であります」
(`∠´)「ふむ。そうか。では本題に移ろう」
とにかく嫌な感じはするんだけど、威圧感が凄い。
さすがは副所長、といったところだろうか。
私はゴクリ、と生唾を飲み込んだ。
(`∠´)「その敵機と交戦したロボット二機を破壊せよ」
ξ;゚听)ξ
ξ;゚听)ξ
は?
- 39 : ◆24es8un4MA :2011/01/13(木)
20:34:23.36 ID:Ko97cNc00
- ξ;゚听)ξ「な、何を言っておられるのか私にはさっぱり……」
(`∠´)
(`∠´)「君は日本語がわからないのかね?」
いや、そういう意味じゃなくて。
(`∠´)「最初から説明しなくちゃわからんか。馬鹿な小娘だ」
こんの……。
我慢。
我慢よ。
(`∠´)「交戦した敵機にウイルス反応があったらどうする?」
(`∠´)「その二体が感染してないと言い切れるのかね?」
(`∠´)「ん?」
ξ;゚听)ξ
確かに、メモリーを抜き取ったとは言え完全に破壊してしまったからウイルスの有無はわからない。
メモリーにウイルス反応が無くても、細かな部分のバックアップ自体にウイルスが忍び込んでる可能性だってあるのだ。
接触だけで感染することもありえる。
だけど……。だからといって破壊なんて。
- 40 : ◆24es8un4MA :2011/01/13(木)
20:38:15.79 ID:Ko97cNc00
- ξ;゚听)ξ
ξ;゚听)ξ「お、お言葉ですが、彼らは仮にも戦闘用ロボットです」
ξ;゚听)ξ「しっかりと免疫があるはずなので、大丈夫だと思うのですが……」
(`∠´)「君たちは意味のわからない、どうしてここにいるのかすらわからないロボットと戦ったのだろう?」
(`∠´)「そんなロボットが検査できないような未知のウイルスを持っていないと断言できるのかね?」
(`∠´)「ん?」
ξ; )ξ
断言、出来ない。
(`∠´)「その感染したかもわからないロボットから全世界中に広まったら責任とれるのかね?」
(`∠´)「ん? どうだね?」
ξ; )ξ
責任、取れない。
(`∠´)
(`∠´)「口答えしといて何も言えんか。馬鹿な小娘め」
- 43 : ◆24es8un4MA :2011/01/13(木)
20:44:15.24 ID:Ko97cNc00
- ξ; )ξ
でも。
あんなやつらだけど。
私にとっては大切な……。
―――――――ガチャ
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「やめようよ。破壊なんて物騒なこと」
(`∠´;)「……所長。聞いておられたのですか」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「うん。トイレに通りかかったら聞こえた」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「そういう判断は君に任せてあるけど、もうちょっと穏やかにいきましょうよ」
ξ;゚听)ξ
ξ;゚听)ξ
なんか全然オーラ無い人来た。
この人が所長?
- 45 : ◆24es8un4MA :2011/01/13(木)
20:53:30.03 ID:Ko97cNc00
- 彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「まだ、その二体には何の変化もないんでしょ?」
ξ;゚听)ξ「は、はい」
アブラギッシュな顔でハゲで、それでもって垂れ目で。
どこにでもいそうなおっさん。
でも、なんだか、優しい声。
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「じゃあ、大丈夫だよ」
(`∠´;)「確証がお有りで?」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「勘だよ」
(`∠´;)「勘って……」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「何か起きたら私が責任を取る。それでいいだろう?
ベル君」
(`∠´;)
ξ;゚听)ξ
な、なにさらっと凄いこと言ってんの……。
- 47 : ◆24es8un4MA :2011/01/13(木)
20:56:38.39 ID:Ko97cNc00
- 彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「良かったね」
ξ;゚听)ξ「え?」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)ニコッ
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「君たちは、また一緒に仕事が出来る」
ξ;゚听)ξ
(`∠´;)「へ、返事せんかっ!!」
ξ;゚听)ξ「は、はい!」
やだ、このおじ様、かっこよすぎる。
副所長とは大違い。
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「じゃ、トイレ行くから」
とだけ呟いて、
―――――――ガチャ
所長は扉を閉めた。
- 49 : ◆24es8un4MA :2011/01/13(木)
20:58:51.78 ID:Ko97cNc00
- (`∠´;)
ξ;゚听)ξ
急に取り残された私たちに会話はない。
二人してぼけーっと扉を見つめている。
(`∠´;)「き、君!」
ξ;゚听)ξ「はい」
(`∠´;)「もう戻ってよろしい」
うわー。
だっせー。
これはだっせー。
ξ;゚听)ξ「了解し……」
[ヴィー!!! ヴィー!!! ヴィー!!!]
ξ;゚听)ξそ
(`∠´;)そ
警報?
- 51 : ◆24es8un4MA :2011/01/13(木)
21:02:19.10 ID:Ko97cNc00
- (`∠´)「……どうした?」
警報が鳴り終わると副所長が冷静に無線機を取る。
ξ;゚听)ξ
一方私は立ち尽くしてるだけ。
こういうときに何も出来ないのって少し罪悪感あるのよね。
(`∠´)
(`∠´)「ふむ」
(`∠´)「……そうか」
(`∠´)「不可解な点が多くあるが、とにかく落ち着いて任務に当たるように伝言を頼む」
(`∠´) ブチッ
(`∠´)「おい、小娘」
ξ;゚听)ξ「はい!」
話が終わったようだ。
副所長が気概に満ちた声で私を呼んだ。
小娘は気に入らないけど、この非常時で堂々とした態度が何となく頼りになる気がする。
- 53 : ◆24es8un4MA :2011/01/13(木)
21:05:17.28 ID:Ko97cNc00
- (`∠´)「Aエリア25〜Aエリア46まで、衛星から不審ロボットを21体確認したそうだ」
(`∠´)「昨日と同様で、全機が死体を括り付けているとのこと。ただし、女とは限らないようだがな」
ξ;゚听)ξ
に、21機……?!
一体どこからやって来たっていうの?
もし、昨日みたいな馬鹿力が21機だったら……。
(`∠´)「どこから出てきたかは判明してない。昨日のケースと合わせて衛星の記録をたどる他ないな」
(`∠´)「とにかく、この付近には3機の不審ロボットが発見された」
(`∠´)「本部の最寄支部は5機の不審ロボットとの戦闘。おそらく手が離せないだろう」
(`∠´)「小娘、パワードスーツは……」
ξ;゚听)ξ「持ってきてます」
もしかして、私一人で3機相手に……?
大変な事態になってきたわ……。
- 55 : ◆24es8un4MA :2011/01/13(木)
21:08:56.99 ID:Ko97cNc00
- (`∠´)「すまないが、3機の迎撃に当たってくれ」
(`∠´)「一度交戦している君なら、出来るだろう?」
ξ;゚听)ξ「は、はい」
三機……。
数は多い。
数は多いけど、動きは単純だ。
倒すだけなら、いける。
(`∠´)「死体の確保は考えなくていい。比較的余裕のある支部がやってくれるはずだ」
ξ;゚听)ξ「了解です」
(`∠´)「小娘、頼んだぞ」
また小娘。
でも、なんだかんだ言いつつ凄くしっかりした人。
副所長ってだけはあるわね。
口答えとか、なめた態度とか取らなければ普通の上司って感じ。
ξ;゚听)ξ
って、そんなこと考えてる場合じゃないわ。
- 56 : ◆24es8un4MA :2011/01/13(木)
21:11:11.75 ID:Ko97cNc00
- 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ジープから原子王を取り出す。
さすがに重いけど、引きずり出せば問題ない。
死体も回収されてるみたいだしね。
ありがとう、受付のおじさん。
ξ゚听)ξ
手早く原子王に着替えよう。
誰も見てないからぱぱっと着替えれば大丈夫ね。
多分。
ξ゚听)ξ スッスッ
ξ゚听)ξ カチャ
(十)カポッ
よし、準備完了。
原子王、起動。
- 58 : ◆24es8un4MA :2011/01/13(木)
21:14:15.78 ID:Ko97cNc00
- (十)ブゥーン
さっきよりも風が強くなったせいで砂埃が凄い。
着替えるとき少しだけ砂が入った。なんかざらざらして嫌な感じ。
(十)
手を握ったり離したり。
細かく機能できてるかどうか確認。
(十)グッ
よっしゃ。
問題なし。
さて、敵機現在位置は……。
ここから一キロしか離れてない。
すぐに戦闘になるわね。
今日は視界が悪いけど、良く目を凝らせば何とかなる。
昨日と同じような初期型なら、おそらく相手は熱源での確認になるだろう。
スクランブルの戦闘ではレーダーなんて見てる暇は無い。クーのサポートさえあればうまく把握できるんだけど。
でも、大丈夫。
私たちならやれる。
(十)「さあ、行こう」
(十)「原子王」
- 59 : ◆24es8un4MA :2011/01/13(木)
21:17:58.38 ID:Ko97cNc00
- (十)ゴウッ・・・!
ジェット始動。
ほんの数センチだけ重力から開放される。
(十)フウゥゥゥゥ・・・
ウォームアップ完了。
ジェット噴射。
(十)
バフォオオオ!!
砂埃が舞う中、風に踊らされるそれとは違う粉塵が力強く舞った。
……敵機位置まですぐに着くはずだ。
3機共、昨日のように信じられないような力を発揮してきたら……。
とにかく落ち着いて戦うしかない。
ラウンジで複数相手の戦闘も経験したからどう戦えばいいかは心得ている。
こういった場合、焦るとろくな事にならないと学んだ。
とは言え、不安は残る。
- 60 : ◆24es8un4MA :2011/01/13(木)
21:21:06.49 ID:Ko97cNc00
- (十)ゴオオオオオオオ
[ピッピ……]
ん?
通信?
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)[あー。私です]
(十)そ ゴオオオオオオオ
しょ、所長?!
いきなり所長から通信が来るので驚いてしまった。
なんだかこの人は心臓に悪い。
(十)「は、はい!」ゴオオオオオオオ
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)[いや、申し訳ないね。急にこんなことさせちゃって]
(十)「いえ、とんでもありません!」ゴオオオオオオオ
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)[そういうわけだから今から君の、……なんだか君って呼ぶのもあれだな。名前は?]
- 63 : ◆24es8un4MA :2011/01/13(木)
21:24:15.18 ID:Ko97cNc00
- (十)「ツ、ツン・デレと申します!」ゴオオオオオオオ
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)[ツンちゃんね。覚えとくよ]
大変だ。
所長に名前を覚えられてしまった。
もう悪いことは出来ない。
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)[もう悪いことはできないね]
思ったことを言われてしまった。
(十)「は、はあ……」ゴオオオオオオオ
そうなってしまうと曖昧なことしかいえない。
だっせー。
気の利いた言葉も返せねー。
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)[そうそう、ツンちゃん。私、今から君のサポートを担当します。流石父者です]
(十)ゴオオオオオオオ
へ?
- 66 : ◆24es8un4MA :2011/01/13(木)
21:26:43.08 ID:Ko97cNc00
- 彡⌒ミ
( ´_ゝ`)[よろしくね]
(十)ゴオオオオオオオ
……いやいやいやいや。
恐れ多すぎる。
(十)「あのー……」ゴオオオオオオオ
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)[ほら、前方にまずは1機。コンタクトまで9秒]
(::゚ エ ゚)
ヤバイ。
全然気が付かなかった。
視界が悪い中で、完全に目視できるところまで近づいていたとは。
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)[んー。まだスリープだね。長引かせると厄介なんだろう?
もう、ぶった切っちゃおう]
そうか。
スリープなら先にぶった切ってしまえばいいのか。
括り付けられた死体は回収しなくていいし。
緊張からか、その発想は全く無かった。というか、もう流れに任せよう。恐れ多いけどしょうがない。
- 67 : ◆24es8un4MA :2011/01/13(木)
21:29:20.82 ID:Ko97cNc00
- (十)「……了解です!」ゴオオオオオオオ
OK。
そうと決まれば話は早い。
そのまま速度を落とさずに、斬る。
私は腰に取り付けてあるレーザーブレードを手に取った。
(十)フィイ!
レーザーブレードON。
緑の閃光が派手に走る。
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)[接触まで、3、2、……]
(十)「だあああ!!」ゴオオオオオオオ
(::゚/ / エ ゚) ガギン!
まずは、一機。
背後に爆音が響いた。
真っ赤な炎と熱風が私を追い越した。
熱がパワードスーツ越しに伝わってくる。
- 69 : ◆24es8un4MA :2011/01/13(木)
21:32:41.02 ID:Ko97cNc00
- (十)「っしゃあ!」ゴオオオオオオオ
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)[お見事。お次は60度右折。のち、34秒後コンタクト]
了解、と答えて、速度はそのままに60度右折。
〈::○○〉
やはり砂嵐の中でも、頑張れば目視できる位置に敵機確認。
人間とは思えない正確なナビゲートだ。
いちいち計算してるのかしら?
……まさかね。
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)[レーダーから見ると、二機の位置がそこそこ近いね。おそらくぶった切ったら最後の一機が起きる]
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)[そしたら真っ向勝負。ツンちゃんよろしく]
(十)「了解です」ゴオオオオオオオ
なるほど。
でも、大丈夫。
一機だけなら私一人でも。
- 74 : ◆24es8un4MA :2011/01/13(木)
22:04:57.32 ID:Ko97cNc00
- 彡⌒ミ
( ´_ゝ`)[コンタクトまで、3、2、……]
(十)「当たれ!」ゴオオオオオオオ
〈:/ /:○○〉ガギン!
……!
ギリギリだった。
迂回が60度からちょっとずれたの?
でもまあ、結果オーライ。
さっきと同様、背後に爆音。
彡⌒ミ
(*´_ゝ`)[はっはっは。今回はギリギリだったね。敵が二機になるところだった]
うーん。
笑い事でもない気がする。
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)[とりあえず止まろう。敵さんはもうお目覚めだよ。おそらくスピードでは叶わない]
所長がいきなり冷静になった。
いろいろ急な人なんだな。
- 76 : ◆24es8un4MA :2011/01/13(木)
22:08:25.45 ID:Ko97cNc00
- (十)バフォオオオオオ
逆噴射。
目の前に勢い良く粉塵が上がった。
ゆっくりと地に足を付ける。
(十)
……わかる。
この地響きは一回経験してる。
キィィィイイィィイイイイ!!
来た。
左からけたたましいジェット音。
( ○v○)
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)[そのまま動かなければコンタクトまで9秒]
……死体は千切れてしまったのか、括り付けられていないように見えた。
そして、敵機はそのまま突っ込んでくるだろう。
ただ、出来るだけ引き付けて避ければ追撃されることは無いと思う。
避ければ、敵機が背中。
スピードは不利でも、全力で追いかければ何秒か中距離を保てるはずだ。
- 7 :前話76、78の間のシーン:2011/01/16(日) 14:14:56.21 ID:BHjHjMZ10
- 彡⌒ミ
( ´_ゝ`)[来るよ。5、4、3……]
(十)「……!」
今だ。
一気に地を蹴って右に転がり込む。
( ○v○)
キィィィイイィィイイイイン!!
舞い上がる砂埃。
敵機は一瞬にして私とすれ違った。
ジェット音が半音下がって遠ざかる。
私は飛び起きるようにすばやく体制を整え、敵機を追いかける作業に入った。
まだ、間に合うはず。
(十)「ジェット用意……!
フルブースト!」
(十)パウ…!
ジェットが破裂したような音を出して、発進。
体が置き去りになるくらいの勢いだ。
うまく背後が取れた。
- 78 : ◆24es8un4MA :2011/01/13(木)
22:12:31.88 ID:Ko97cNc00
- (十)キィィィイイイイン
敵機の起動が大きな弧を描き始めた。
その後ろには敵機の何倍かわからないほどの粉塵が巻き上がっている。
( ○v○) キィィィイイイイン
昨日と同様、ジェットだけに頼り切ったような体制。
加速による自分へのダメージを全く考えてない。
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)[計算が間違ってなければ、約4秒後、そのまま弧を描くように80度右折]
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)[そうすればその7秒後くらいからビーム兵器が届くだろう。あとはツンちゃん次第だね]
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)[うまくぶち込んであげてね]
(十)「了解……!」
……やっぱり計算してたんだ。
しかも一瞬で。
でも、弧による射程の微妙な変化も一瞬で?
だとしたらこの人、ほんとに人間?
- 81 : ◆24es8un4MA :2011/01/13(木)
22:15:08.99 ID:Ko97cNc00
- 彡⌒ミ
( ´_ゝ`)[3、2、1、右折]
指示通り右折。
体を多少斜めにして力任せに軌道をずらす。
そうすればうまく弧がかける。
( ○v○) キィィィイイイイン
本当に敵機との距離が多少縮まってきた。
……クー並のナビゲート。
こんな人がなんでVIPなんかにいるんだろう。
(十)キィィィイイイイン
とにかく、今は戦闘。
(十)ガチャ
右腕を前に突き出し、内臓ビーム砲用意。
手の甲から10センチほど体側。
内蔵されてる銃口が顔を出す。
大丈夫。落ち着けば当てられる。
- 82 : ◆24es8un4MA :2011/01/13(木)
22:17:53.06 ID:Ko97cNc00
- 彡⌒ミ
( ´_ゝ`)[5、4……]
右腕がぶれない様、左手を添える。
ただででも凄まじい速度を出しているので、その振動でぶれたらうまく当てる自身が無い。
( ○v○) キィィィイイイイン
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)[3、2……]
(十)
見える。
大丈夫。
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)[1……]
今っ!
- 85 : ◆24es8un4MA :2011/01/13(木)
22:21:18.43 ID:Ko97cNc00
- (十)「ファイア!」バシュッ
バシュッ バシュッ
三発。
砂埃の中に一瞬の閃光。
( ○v○)キィィィイイイイン
( ※v○) ガンッ
( ※v○) バチバチ
遠くに一瞬の火花が散った。
どうやら一発当たったみたい。
(十)「ヒュー……。 ビンゴ!」キィィィイイイイン
( ※v○) グラッ・・・
ゴォォォオオン……
スピードの落ちないまま体制を崩し、倒れこんだ。
直後、爆発。
……何とか、終わった。
- 86 : ◆24es8un4MA :2011/01/13(木)
22:23:35.21 ID:Ko97cNc00
- 彡⌒ミ
(*´_ゝ`)[こりゃ凄い。まさか一回のチャンスで当てるとはねぇ……]
(十)「私もまさか当たるとは……」キィィィイイイイン
うん。
褒められてまんざらでもないかな。
ラウンジにいた頃も、射撃の腕だけは褒められてたし。
もしかして、私ってすごいんじゃないかしら?
とりあえず、逆噴射。
(十)バフォオオオオオ
任務、完了。
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)[お疲れ様。急に無理なこと言っちゃって、ごめんね]
(十)「いえ、別に……」
[ピッ]
ん?
レーダーに反応?
- 90 : ◆24es8un4MA :2011/01/13(木)
22:26:45.79 ID:Ko97cNc00
- ……ど、どういうこと?
今まで何にも無かった場所にアンノウン。
彡⌒ミ
(;´_ゝ`)[……なんだ? ツンちゃん。そちらでも確認できてる?]
(十)「は、はい。アンノウンが二体」
彡⌒ミ
(;´_ゝ`)[本部レーダーだとAエリア25〜Aエリア46までに新たなアンノウンが一瞬にして13体確認できる]
彡⌒ミ
(;´_ゝ`)[……まだ衛星画像が来てないからわからないけど、おそらくまた死体を括り付けたロボットかな]
一体なんなの?
昨日といい、今日といい。
突然現れる意味のわからないロボット、死体。
もう意味わからない。
彡⌒ミ
(;´_ゝ`)[……ワープ……システム?
いや、まさか]
所長がボソッと呟いた。
ワープ……?
あのどこでもドアとかの類の?
- 93 : ◆24es8un4MA :2011/01/13(木)
22:34:46.30 ID:Ko97cNc00
- [ピッピ……]
来た。衛星写真だ。
[( 歯)][( ´□`)]ピピッ
二機。小さいのと大きいの。
おそらくレーダーに反応のある。
……そして、この装備。
二体とも戦闘用ロボット。
かなり安い部類のだけど。
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)[見たかい?]
(十)「……ええ」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)[戦闘用二機、いけるかな?]
今までは作業用。
そもそも戦闘用に作られてるものじゃない。
なのにあの戦闘力だ。
……いや、まだ同じケースだと決まったわけじゃない。
- 95 : ◆24es8un4MA :2011/01/13(木)
22:36:50.06 ID:Ko97cNc00
- (十)「……なんとかやってみます」
本格的に危なくなったら逃げればいい。
……逃げれるかな?
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)[……いや、やはり危険……]
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)[……!]
え…?
何?
二機共、近づいてきてる?
自分から、コンタクトを取ろうとしてるの?
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)[……スピードが早すぎる。こりゃ逃げ切れないかもね。はっはっは]
いやいや。
笑い事じゃないでしょ。
やばいでしょ。
- 96 : ◆24es8un4MA :2011/01/13(木)
22:40:09.57 ID:Ko97cNc00
- 彡⌒ミ
( ´_ゝ`)[なんとか私もサポートするから。どうせ逃げられないし、やってみよう]
あー。
こりゃ、覚悟決めなきゃ駄目かしら。
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)[私も今度はしっかりと紙に書いて計算してみる]
……今の今まで暗算?
コンタクトのタイミングも?
射程の指示も?
いちいちレーダーの座標と受信される速度確認しながらやってたの?
やっぱ化け物だこの人。
何者なの?
彡⌒ミ
(;´_ゝ`)[さて、喋ってる暇なんてなさそうだ。私も緊張してきたよ]
とてもそうには思えないんだけど。
彡⌒ミ
(;´_ゝ`)[小さい方が23秒後、大きいほうがその二秒後、コンタクト。丁度ツンちゃんの目線から54度と132度の位置からクロスする形で来るよ]
(十)「りょ、了解…!」
やるっきゃない……!
- 98 : ◆24es8un4MA :2011/01/13(木)
22:43:58.50 ID:Ko97cNc00
- 彡⌒ミ
(;´_ゝ`)[ちなみに、小さい方の中央稼働率は大体260%、大きい方が240%くらいかな]
中央稼働率の計算。
衛星からの調べられる対象の熱源とその対象の基礎稼働率、あと……。
とにかく忘れたけど、中央稼働率の計算なんてパッとできるようなものじゃない。
数学者を目指す人たちが必死こいて少しずつこなすようなものだ。
一度、学生時代にロボット工学の授業で一回だけレポートの類で出題されたことがある。
それも教科書やら参考書やらパソコンやらとにらめっこしながら何日もかけて……。
彡⌒ミ
(;´_ゝ`)[来るね。ファーストコンタクト、6、5、4、……]
……ヤバイ、集中。
とりあえず、ジェット立てて上に跳ぶしかない。
(十)
なんとか、してみせる……!
彡⌒ミ
(;´_ゝ`)[3、2、……]
行くよ、原子王。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
- 100 : ◆24es8un4MA :2011/01/13(木)
22:46:41.72 ID:Ko97cNc00
- 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
o川*゚ー゚)o「もう疲れたの?」
/◎ ) =| )「わざわざ荷物を運ぶために着替えるなんて初めてだよ。しかも結構疲れるんだな荷物持ち」
o川*゚−゚)o「あたしはいつもやってるの!」
/◎ ) =| )「こんなんじゃロマンも糞もねえ……。「ポイズン・ヴォルト」の名が廃るぜ」
o川*゚ー゚)o
o川*゚ー゚)o「ポイズン・ヴォルト()笑」
/◎ ) =| )「……お前は敵だ」
o川*゚ー゚)o「そろそろ恥ずかしいと思おうよ()笑」
/◎ ) =| )「お前には一生経ってもわからんよ。このロマン。いや言葉に出来ない高揚感はな」
o川*゚ー゚)o「別にいいもん」
/◎ ) =| )「……糞っ! ガキはもっと可愛いもんだぞ!
畜生、畜生!」
/◎ ) =| )「どうしてこいつと旅してるんだろう……」
o川*゚ー゚)o「ロマン()」
/◎ ) =| )「うるせえ!」
- 102 : ◆24es8un4MA :2011/01/13(木)
22:50:30.59 ID:Ko97cNc00
- /◎ ) =| )カシュッ
('A`) カポッ
('A`)「ふう……」
o川*゚ー゚)o
o川*゚ー゚)o「なんか脱いだとき顔小さすぎて変だよ」
('A`)「肉食っても太らねえんだよ。察せよ」
o川*゚ー゚)o「なのになんでこんな大きなパワードスーツなの?
挙句、やたら前に出たがるし」
('A`)「……ロマンだよ」
o川*゚ー゚)o「ロマンって何? 迷惑かけること?」
('A`)
(;A;)「お前、嫌い」
(;A;)「戦闘では迷惑かけてないじゃん!
ひどいよ! あんまりだ!」
o川;゚ー゚)o「少し言い過ぎた。ごめ……」
o川;゚−゚)o ピピ
o川*゚−゚)o「近くで……戦闘?」
- 105 : ◆24es8un4MA :2011/01/13(木)
22:53:49.77 ID:Ko97cNc00
- (うA;)「戦闘?
こんなところでか?」
o川*゚−゚)o「うん。間違いないよ。この先、2機と1機が戦ってるみたい」
('A`)「ふーん」
o川*゚−゚)o「襲われてるかもしれないよ。今日は助けに行かないの?」
('A`)「お前、ロマンわからない。もういい。行かない」
o川*゚−゚)o「じゃあ、あたし行ってくるから」
(#'A`)「なんだよ! ボランティアじゃんって言ったのお前だろ!」
o川*゚−゚)o ゴウッ
o川*゚−゚)o シュタタタタタタタタ
(#'A`)「勝手にしろよ! もうマジで知らん!」
(#'A`)「マジで、知らんからな!」
('A`)「しらん、から……」
('A`)
/◎ ) =| )カポッ
/◎ ) =| )ゴゴゴゴゴ……!
- 106 : ◆24es8un4MA :2011/01/13(木)
22:56:13.84 ID:Ko97cNc00
- o川*゚−゚)o
シュタタタタタタタタ
o川*゚−゚)o シュタタタタタタタタ
/◎ ) =| )ゴオオオオオオオオオ
/◎ ) =| )「……おい、換装パーツはいいのか?」
o川*゚−゚)o シュタタタタタタタタ
o川*゚−゚)o「うん。レーザーブレードで戦える」
/◎ ) =| )「敵機の種類は?」
o川*゚−゚)o「もうちょっと近くに行かなきゃ……。でもそろそろ割れると思うけど……」
o川*゚−゚)o「あっ。わかりそうかも」
o川*゚−゚)o シュタタタタタタタタ
o川*゚−゚)o「……戦闘用ロボット初期型、中央稼働率260%と240%が一機ずつとパワードスーツ一機」
/◎ ) =| )ゴオオオオオオオオオ
/◎ ) =| )「は?」
/◎ ) =| )「キュート、お前、悪いとこないか?
それともまだ怒ってんの?」
- 108 : ◆24es8un4MA :2011/01/13(木)
23:00:22.31 ID:Ko97cNc00
- o川*゚−゚)o「おかしいね、どうなってんだろ」
/◎ ) =| )「……限界突破ってレベルじゃないんだが」
o川*゚−゚)o シュタタタタタタタタ
o川*゚−゚)o「見えてきたよ」
o川*゚−゚)o「逆噴射!」バフゥ!
/◎ ) =| )バッフウウウウゥゥゥ・・・
/◎ ) =| )「赤いパワードスーツ、大丈夫か?
避けるのに精一杯だ」
o川*゚−゚)o「いや、あの戦闘用ロボットが強すぎるよ。なにあれ?」
o川*゚−゚)o「それより、何で死体を体に縛り付けてるんだろう」
/◎ ) =| )「……ほんとだ。なんだありゃあ。気味悪いな」
o川*゚−゚)o「……どうするの?」
/◎ ) =| )
/◎ ) =| )「当ったり前よ!」
/◎ ) =| )「あんな気味悪い奴らはこの弱きの味方、「ポイズン・ヴォルト」が成敗してやる!」
o川*゚ー゚)o「……うん!」
- 111 : ◆24es8un4MA :2011/01/13(木)
23:03:55.88 ID:Ko97cNc00
- 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
( 歯)ゴオオオオオオオオオオ
( ´□`)ガシャ
( ´□`)「いい加減に諦めてもらいたいものだな」
……また来る!
彡⌒ミ
(;´_ゝ`)[小さい方、4秒後コンタクト。距離を置いて粉塵!
熱源作れ!]
(十)「くっ……!」ゴオ…!
逆噴射。
目の前にモザイクをかける。
それと同時に地面に向けてビーム射撃。
熱源を作っておとりにする。
そうすれば熱源に反応して攻撃が反れるのだ。
それを先ほどから20分くらい……いや、もっと続けている。
大きいほうの中距離攻撃が反れるといえ、小さい方が接近攻撃。
これは接触のタイミングを聞いて、合わせるしかない。
熱源に、敵機のマシンガン攻撃が当たり、土を巻き上げた。
やはり避けているだけで何も出来ない。
- 112 : ◆24es8un4MA :2011/01/13(木)
23:06:31.55 ID:Ko97cNc00
- (十)「も、もう……!」
そろそろ限界。
相手は信じられないスピード。
挙句の果てに自我がある。
自我があって規定以上のパワーを出す相手を、二機同時に相手をするのは……。
( 歯)ゴオオオオオオオオオオ
( 歯)「そこか……!」ゴオオオオオオオオオオ
(十)「……!」パシュ!
右に回避。
相手のブレードが空を切る。
何とか、何とか避けられた。
遠ざかる轟音。
……いつまで、続くの?
(十)「も、もう……」
彡⌒ミ
(#´_ゝ`)[諦めるんじゃない! 逃げて、逃げて、逃げ続ければ、いつか必ずボロが出るはずだ!
私を信じろ!」
そうは言われても……。
- 115 : ◆24es8un4MA :2011/01/13(木)
23:09:23.08 ID:Ko97cNc00
- 彡⌒ミ
(#´_ゝ`)[次、小さい方5秒後コンタクト。粉塵巻き上げろ!
熱源作れ! 次が来るぞ!]
( ´□`)ガシャ
(十)「はぁ……! はぁ……!」
……!
もう、攻撃準備が出来てる。
何も、出来ない。
( ´□`)
( ´□※)ガンッ
(十)そ
な、何?
大きい方が後方に吹っ飛んだ。
( 歯)ゴオオオオオオオオオオ
いや、何が起こっているかは後。
とにかく、これを避けたら……!
- 118 : ◆24es8un4MA :2011/01/13(木)
23:11:17.72 ID:Ko97cNc00
- (十)「……だああ!」パシュ!
左に回避。
一気に轟音が遠ざかる。
何度も聞きなれ……。
……轟音が止まった?
(十)「さ、さっきから何が起きて……」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)[……ツンちゃん。奇跡が起きた。努力の賜物だよ]
(十)「え?」
奇跡?
[ピピッ]
o川*゚ー゚)o[電波ジャック失礼します!]
/◎ ) =| )[フッ……。赤いパワードスーツ、この「ポイズン・ヴォルト」が助太刀するぞ]
……ぽいずんぼると?
- 119 : ◆24es8un4MA :2011/01/13(木)
23:14:46.36 ID:Ko97cNc00
- ようやく回りを見る。
o川*゚ー゚)o
砂埃に隠れて見えるのは大きな髪飾りの付いた少女。
その足元に小さい方の敵機がバランスを崩したように倒れこんでいた。
/◎ ) =| )ゴオオオオオオオオオ
そして大きな土煙を上げて近寄ってくるパワードスーツ。
かなり大き目のパワードスーツだ。
おそらく歯車王よりも。
/◎ ) =| )[赤の勇者よ。油断している場合ではない。起き上がるぞ]
赤の……?
あたしのこと?
o川*゚ー゚)o[喋り方が気持ち悪いのは気にしないでください!]
(十)「りょ、了解。なんか知らないけどありがとう」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)[こちらからもありがとう]
o川;゚ー゚)o[うわ! ジャックされた! 誰この声!]
- 120 : ◆24es8un4MA :2011/01/13(木)
23:18:25.03 ID:Ko97cNc00
- 彡⌒ミ
( ´_ゝ`)[そういうことで、女の子のロボットはお仲間のサポートをよろしくね。
でもって大きい方、よろしく]
o川;゚ー゚)o[……は、はい!]
所長が女の子にジャックしたらしい。
そしていきなり各機に指示を出した。
本当、急な状況でもすばやく対応出来るんだなあ……。
だから所長自身もいろいろ急なのかも。
/◎ ) =| )つy= ガシャ
/◎ ) =| )つy=[どうやらお目覚めのようだ]
( 歯)ムクッ
( ´□※)ムクッ
大きなパワードスーツの人の声に反応して、二機を確認。
まるで何事も無かったかのようにゆっくりと起き上がった。
でも、さっきよりは絶望的じゃない。
きっと、倒せるはずだ。
- 124 : ◆24es8un4MA :2011/01/13(木)
23:21:02.61 ID:Ko97cNc00
- 彡⌒ミ
( ´_ゝ`)[ツンちゃん。小さい方は余裕なように見えて稼働率が30%ほど落ちてる]
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)[一気に叩き込んじゃおう]
(十)「……了解!」
今までの借り、返させてもらうわよ。
( 歯)ピピッ
( 歯)「来るか」
(十)ゴウッ・・・!
背部ジェット稼動。
相手のブレード、もしくは腕をレーザーブレードで叩き切れば、余裕。
あとは鼻歌交じりに打ち込めばいい。
おそらく、接近武器しか持って無いだろう。
- 125 : ◆24es8un4MA :2011/01/13(木)
23:25:03.04 ID:Ko97cNc00
- ( 歯)パン・・・!
( 歯)
ゴォォォオオオォオオオオ
フルブーストで一気に距離を攻めて来るか。
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)[コンタクトまで、3秒]
3秒。
一回で決める。
( 歯)
ゴォォォオオオォオオオオ
来る。
左に回避。
(十)「……!」
半音下がってけたたましい轟音が遠ざかる。
駄目か。
早すぎる。
- 128 : ◆24es8un4MA :2011/01/13(木)
23:28:05.34 ID:Ko97cNc00
- 彡⌒ミ
( ´_ゝ`)[相手はフルブースト……。なら、速度を緩めないで旋回してくるはずだ。遠距離になるが、打ち込めるぞ]
打ち込める……。
なら……。
(十)「了解です。打ち込みます」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)[そうか。なら、……8秒後、現在目線から53度の位置に射程すれば当たるかも]
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)[君の腕を信じるよ。4、3……」
OK。
腰部ハイカノン用意。
発射、準備……。
( 歯)
ゴォォォオオオォオオオオ
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)[2……]
完了。
- 130 : ◆24es8un4MA :2011/01/13(木)
23:30:33.86 ID:Ko97cNc00
- 彡⌒ミ
( ´_ゝ`)[1……]
見える……。
( 歯)
そこだ!
(十)「ファイア……!]
バフィィィイイィイィイイィイイ!
フラッシュを焚いたかのよう照りつける白い光。
世界がモノクロになる。
( 歯)「――――!!」
光が弱まり目視出来た。
一瞬にして光が遠くへ。
敵機が白に包まれた。
- 134 : ◆24es8un4MA :2011/01/13(木)
23:53:20.70 ID:Ko97cNc00
- (十)「……ふぅ」
レーダーから一機敵影が消える。
見事、当たったみたいだ。
爆発音も聞こえないので、完全に消滅したらしい。
テストでしか使ったこと無いけど凄い火力。
もう、燃料がほとんど残ってない。
高エネルギーすぎてあんまり使えないわね、これ。
彡⌒ミ
(*´_ゝ`)[……見事だよ! 素晴らしい!]
自然と口元が緩んでしまう。
……うん。
うん。うん。
(十)「いよっしゃあああ!!」
彡⌒ミ
(*´_ゝ`)[良かった良かった]
私は生き延びたんだ!
こんなに嬉しいことはない!
- 135 : ◆24es8un4MA :2011/01/13(木)
23:56:15.67 ID:Ko97cNc00
- 彡⌒ミ
(*´_ゝ`)[残り一機。……彼らも凄い腕だ]
おっと。
まだ終わったわけじゃなかった。
レーダーを見て、その方向を見る。
/◎ ) =| )つy=
o川*゚ー゚)o ヴゥゥゥゥン・・・!
青い光?
なにあれ。
とにかく女の子と大きなパワードスーツが青い光に丸く包まれている。
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)[……バリア。あのロボット、最新鋭だ]
バリア……。
あれが。
始めて見た。
なんとなく、神秘的な光景。
- 137 : ◆24es8un4MA :2011/01/14(金)
00:03:45.85 ID:DndNqzSv0
- ( ´□※)ズガガガガガガ
o川*゚ー゚)o ヴゥゥゥゥン・・・!
すごい。
全く攻撃が通っていない。
あれ、無敵なんじゃないの?
/◎ ) =| )つy=◎ フィィィイイン
大きなパワードスーツの構える銃から光が漏れる。
あれはチャージ砲だ。
結構昔ながらの武器のはず。
最近じゃもう使われてないような武器ね。
/◎ ) =| )つy=そ ガウン!!
発射。
赤い光が青い丸を突き破って敵機に向かう。
敵機は全く動けていない。
おそらく何か細工が施されているんだろう。
じゃなければ、もっと早く倒せるはずだ。
あのコンビネーションなら。
- 138 : ◆24es8un4MA :2011/01/14(金)
00:06:13.91 ID:DndNqzSv0
- 敵機が大きな音を上げて爆発。
レーダーから敵が完全に消えた。
これで完全に任務、完了。
(十)「はあ……」
とんだところで死ぬかと思った。
ただ、死体を届けに来ただけなのに。
最高に疲れた。
o川*゚ー゚)o[何とか倒せました! お疲れ様です]ピピッ
あの子からの通信だ。
(十)「ありがとう、えーっと」
o川*゚ー゚)o[キュートです]
(十)「ありがとう、キュートちゃん」
キュート、かわいい名前ね。
見た目もかわいい。
- 141 : ◆24es8un4MA :2011/01/14(金)
00:09:16.76 ID:DndNqzSv0
- /◎ ) =| )[なに、礼などいらん]
/◎ ) =| )[しかし、どうしてもというのなら食料を……]
う、うん。
礼の話なんてしてないんだけどな。
おなかが減っているのかも。
でも、何で助けてくれたんだろう。
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)[お疲れ様。もう敵影は無い。さ、戻っておいで。助っ人の人たちも、直接お礼が言いたいから
来てくれると助かる]
/◎ ) =| )[れ、礼か?……どうしてもというのなら、行ってやってもいいだろう。食料を用意しておけ]
なんかがめついなこの人。
o川*゚ー゚)o[じゃあ、伺わせてもらいます!
]
キュートちゃんはいい子だ。
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)[じゃあ、食事を用意しておこう。では、また後ほど]
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
- 143 : ◆24es8un4MA :2011/01/14(金)
00:15:35.55 ID:DndNqzSv0
- 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「ふう……。久しぶりに疲れた……」
コンコン
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「はい、どうぞ」
(`∠´)「失礼しま……」ガチャ
(`∠´;)「……凄い数の紙ですね。床一面が紙だらけだ。どうしたんです?」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「いや、ちょっとね。全機殲滅完了かい?」
(`∠´;)「え、ええ。なんとか一人の死者も出さずに……」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「そうか。良かった」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「ちょっと私は疲れてしまったから、休むね。ベル君、ここの片付けよろしく!」
(`∠´;)「わかりました」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「それじゃ、おやすみ」ガチャ
- 145 : ◆24es8un4MA :2011/01/14(金)
00:17:36.59 ID:DndNqzSv0
- バタン
(`∠´;)
(`∠´;)「こりゃ凄い数だ。片付けも大変だな」
(`∠´) パサッ
(`∠´)「ふむ……」
(`∠´)(ここに敷き詰められてる紙、一枚一枚にびっしりの数式)
(`∠´)「フッ……」
(`∠´)「年を取っても『マニュアル・ファンタジスタ』は健在か」
(`∠´)(……私も、頑張らねばな)
(`∠´)「さ、片付けよう」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
- 146 : ◆24es8un4MA :2011/01/14(金)
00:21:47.46 ID:DndNqzSv0
- /◎ ) =| )[久しぶりにうまいもんが食えるかもしれないぞ!]
o川*゚ー゚)o[良かったね! あたしもオイル何個かもらえるかな?]
目の前でうきうきで喜ぶ命の恩人たち。
見ていて気持ちのいい光景だ。
(十)
私はというと、この戦いが終わったらどっと疲れてしまった。
早く座りたい。
おいしもの食べれるかな?
もし、持ち帰れたら、ブーンにも食べさせてやるか。
どうせおいしいもの食べたって話をしたら不機嫌になるだろうから。
(十)「さ、案内します。私に着いてきてください」
/◎ ) =| )[OK]
o川*゚ー゚)o[了解です!]
ジェット、起動。
ξ゚听)ξパワードスーツを身に着けて、のようです つづく
- 149 : ◆24es8un4MA :2011/01/14(金)
00:23:37.80 ID:DndNqzSv0
- ( ^ω^)「はい。解説の時間だお」
ξ゚听)ξ「なんかあんた、久しぶりに感じるわ」
( ^ω^)「昨日会ったばっかりだお」
ξ-听)ξ「ま、そうなんだけどね」
( ^ω^)「さて、じゃあ始めていくかお。まずは、あの風来坊のパワードスーツ。蒸気王だお」
( ^ω^)「これが元のAA」
⌒⌒⌒⌒)
〜〜〜ヽノ
/⌒V⌒Yヘ
/◎ ) =| )
|。\//__//
\/=∈@@}[88]
(◎))__|))
ξ゚听)ξ「なんかもくもく出てるわね」
( ^ω^)「まあ、蒸気王だからしょうがないおね。今作ではいつもどおり7〜8頭身でご想像くださいお」
( ^ω^)「もちろん煙なんて出てないですお」
- 151 : ◆24es8un4MA :2011/01/14(金)
00:25:36.97 ID:DndNqzSv0
- ( ^ω^)「大きさは2メートル80センチ。ほぼ3メートルの大きいパワードスーツだお」
ξ゚听)ξ「迫力あるわね」
( ^ω^)「元は後方支援用のパワードスーツみたいだお。ある程度改造されてるけど」
ξ゚听)ξ「ふーん。たしかに、後方支援用のそれに見られるような動きの重々しさはなかったわね」
ξ゚听)ξ「見た目は完全に後方支援用なんだけどね」
( ^ω^)「でもかっこいいお」
ξ゚听)ξ「なにが?」
( ^ω^)「重いパワードスーツがごりごり動くんだお。後方支援用が接近しながら戦うなんてロマンだお」
ξ゚听)ξ
ξ゚听)ξ「よくわかんないわね」
( ^ω^)「おーん。そんなもんかお」
- 152 : ◆24es8un4MA :2011/01/14(金)
00:27:52.28 ID:DndNqzSv0
- ( ^ω^)「お次はこの子」
o川*゚ー゚)o
ξ゚听)ξ「キュートちゃんね。かわいいじゃない」
(*^ω^)「おっお。かわいいお」
ξ゚听)ξ「見た目の無駄のなさから、スナオモデルね。今日はバリアを使ってたわ」
( ^ω^)「バリアを人型ロボットに積む事ができるなんて……」
ξ゚听)ξ「すごいわよね……。そろそろロボットに世界征服されるんじゃないの?」
(;^ω^)「それはこわいお」
ξ゚听)ξ「こんなに凄いのはスナオモデルくらいだからね。クーの変形機能といい、信じられないわ」
( ^ω^)「パーツの大体を換装で補えるのも特徴だおね」
- 153 : ◆24es8un4MA :2011/01/14(金)
00:30:29.49 ID:DndNqzSv0
- ξ゚听)ξ「最後は、この人」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)
( ^ω^)「流石 父者かお」
ξ;゚听)ξ「ブーンあんた知ってるの?」
(;^ω^)「知ってるも何も世界二大天才の一人だお。常識だお」
ξ;゚听)ξ(知らなかった)
(;^ω^)「若い頃の異名は「マニュアル・ファンタジスタ」。とにかく凄い人なんだお」
ξ゚听)ξ「ファンタジスタってサッカーでボールの行方が完全にわかるって言う?」
( ^ω^)「そうだお。なにがどう動くのか全て計算で見切る。だから「マニュアル」なんだお」
ξ;゚听)ξ「化け物ね」
(;^ω^)「いや、ツン。常識大丈夫かお?」
ξ;゚听)ξ「でも、なんでそんな凄い人がVIPに?」
- 158 : ◆24es8un4MA :2011/01/14(金)
01:02:53.44 ID:DndNqzSv0
- ( ^ω^)「そんなのわからないお」
ξ;゚听)ξ
ξ;゚听)ξ「解説になってないじゃない」
(;^ω^)「わからないものはわからないんだお」
ξ;゚听)ξ(これっていいのかしら)
ξ;゚听)ξ「とりあえず今日はこれで終わりよ」
ξ゚听)ξ「ではあとがきどうぞ」
- 159 : ◆24es8un4MA :2011/01/14(金)
01:05:30.23 ID:DndNqzSv0
- あとがき
いやー長かったですね今日は。
お猿さんが出てくる出てくる。
さて、そろそろ本格的に風呂敷広げていきましょうね。
そしたらもっと面白くなってくるかと思います。
これからちょいちょい書きだめしていきますので、少々お待ちください。
ではまた近いうちにお会いしましょう。
父者はみんなのお父さん。
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