224 :現在のデータ ◆azwd/t2EpE :2006/04/27(木) 21:39:06.90 ID:wCOsEVMm0
ブーンのレポート

みつけたかず:77
つかまえたかず:12
おこづかい:510000えん


( ^ω^) ブーン
保持バッジ:グレーバッジ・オレンジバッジ・ピンクバッジ・クリムゾンバッジ・ブルーバッジ・レインボーバッジ・ゴールドバッジ・グリーンバッジ

【ξ゚听)ξ】 ピカチュウ:ツン ♀ 状態:ふつう
LV74 わざ:かげぶんしん・10まんボルト・こうそくいどう・ひかりのかべ

【† ゚‐゚†】 バタフリー:ファイ ♂ 状態:ふつう
LV69 わざ:ギガドレイン・サイケこうせん・ねむりごな・ソーラービーム

【Σ`・゚・〉】 ゴルダック:ダル ♂ 状態:ふつう
LV75 わざ:じこあんじ・れいとうビーム・ハイドロポンプ・ねんりき

【〔◇`゚¬〕フ】 ガルーラ:ラル ♀ 状態:ふつう
LV79 わざ:メガトンパンチ・ほのおのパンチ・れいとうパンチ・かみなりパンチ

【ヽ〈┓` 八〉┓】 カブトプス:レン ♂ 状態:ふつう
LV77 わざ:げんしのちから・メガドレイン・こらえる・きりさく
231 :現在のデータ ◆azwd/t2EpE :2006/04/27(木) 21:41:11.12 ID:wCOsEVMm0
( ^Д^) プギャー
保持バッジ:グレーバッジ・ブルーバッジ・レインボーバッジ・オレンジバッジ・ピンクバッジ・ゴールドバッジ・グリーンバッジ・クリムゾンバッジ

【Σ=( ・∇・)】 ヒトカゲ ♂ 状態:ふつう
LV68 わざ:メタルクロー・ほのおのうず・りゅうのいかり・かえんほうしゃ

【*〜( 〒W〒)】 ラッタ ♀ 状態:ふつう
LV66 わざ:ひっさつまえば・でんこうせっか・スピードスター・いかりのまえば

【ζ^・_)】 ハクリュー ♂ 状態:ふつう
LV73 わざ:たつまき・ふぶき・げきりん・はかいこうせん

【△`◇´▽】 スターミー 状態:ふつう
LV70 わざ:スピードスター・バブルこうせん・じこさいせい・こうそくスピン

【τ/゚◎ ゚/凵z ウツボット ♂ 状態:ふつう
LV72 わざ:はっぱカッター・ヘドロばくだん・ソーラービーム・つるのムチ

【(゚ν゚炎】 ファイヤー 状態:ふつう
LV90 わざ:かえんほうしゃ・ゴッドバード・ほのおのうず・だいもんじ
233 :現在のデータ ◆azwd/t2EpE :2006/04/27(木) 21:42:54.29 ID:wCOsEVMm0
('A`) ドクオ
保持バッジ:グレーバッジ・ブルーバッジ・オレンジバッジ・レインボーバッジ・ピンクバッジ・ゴールドバッジ・グリーンバッジ・クリムゾンバッジ

【(※( ・ー・)】 ゼニガメ:セニ ♀ 状態:ふつう
LV69 わざ:ロケットずつき・まもる・ハイドロポンプ・バブルこうせん

【ヾ(¬`・∧)¬】 ストライク:ズト ♂ 状態:ふつう
LV92 わざ:きりさく・かげぶんしん・れんぞくぎり・こうそくいどう

【《●`ー)】 ゲンガー:ナナセ ♂ 状態:ふつう
LV77 わざ:ナイトヘッド・サイコキネシス・のろい・シャドーボール

【|メ`・−Ю】 エビワラー:エビィ ♂ 状態:ふつう
LV86 わざ:マッハパンチ・メガトンパンチ・カウンター・みきり

【◎( ・U・)】 ベロリンガ:ベル ♂ 状態:ふつう
LV84 わざ:たたきつける・ふぶき・じしん・はかいこうせん

【(○'ー')о】 バリヤード:パリー ♀ 状態:ふつう
LV85 わざ:バリアー・リフレクター・ひかりのかべ・サイコキネシス
235 :現在のデータ ◆azwd/t2EpE :2006/04/27(木) 21:44:09.78 ID:wCOsEVMm0
(*゚ー゚) スー
保持バッジ:ブルーバッジ・オレンジバッジ・レインボーバッジ・ピンクバッジ・ゴールドバッジ・グリーンバッジ・グレーバッジ・クリムゾンバッジ

【( o∂ー∂o)】 フシギダネ:フシちゃん ♀ 状態:ふつう
LV68 わざ:あまいかおり・ソーラービーム・やどりぎのたね・はっぱカッター

【о( ゚◎゚)о】 ニョロゾ・ニョロちゃん ♂ 状態:ふつう
LV65 わざ:ハイドロポンプ・れいとうパンチ・あまごい・れいとうビーム

【《μ`ー´》】 ゴローニャ:ゴロさん ♂ 状態:ふつう
LV77 わざ:あなをほる・じしん・ころがる・いわおとし

【ゞ< _☆_>p】 ユンゲラー:ユーちゃん ♂ 状態:ふつう
LV63 わざ:リフレクター・サイコキネシス・じこさいせい・スプーンまげ

【彡`・ >】 オニドリル:オニちゃん ♂ 状態:ふつう
LV66 わざ:そらをとぶ・オウムがえし・こうそくいどう・ドリルくちばし

【|ミ゚<>゚〉】 フリーザー:フリさん 状態:ふつう
LV90 わざ:れいとうビーム・ふぶき・しろいきり・こころのめ

236 :第99話 ◆azwd/t2EpE :2006/04/27(木) 21:44:38.69 ID:wCOsEVMm0
―タマムシシティデパート

( ^ω^)「このプリンくださいおー」
ベジータ「バカな……お前のスカウターは故障しているのか……!? この高級プリンを20個だと……!?」
(*^ω^)「警察からお金貰ったからリッチマンだお。こんくらい痛くないお」
ベジータ「……まるで金一封のバーゲンセールだな……」


―ブーン は高級プリンを手に入れた


(*^ω^)「ふふふふふだお。こんだけ高いプリンは初めてだお」
(*^ω^)「きっとツンが喜ぶお!」



―ハナダシティ

( ^Д^)「カスミさん、エリカさん、コレ」


―プギャー は二つのモンスターボールを差し出した


从*^ヮ^)「え……?」
( ^Д^)「スターミーとウツボット。ずっと借りっぱなしだったからさ」
( ^Д^)「シルフとか対ツインズとかでホントによく頑張ってくれた。スゲー助かったよ。ありがとう」
239 :第99話 ◆azwd/t2EpE :2006/04/27(木) 21:46:41.26 ID:wCOsEVMm0
ノノ*´ー`)「でも……困るでしょう?」
从*^ヮ^)「もうすぐポケモンリーグだよ? 六匹欲しいところでしょ?」
( ^Д^)「そりゃそうだけどさ……ずっと借りたままも申し訳ないなって思って」
从*^ヮ^)「なら急がなくていいよ。スターミーがここまで強くなったのはプギャーくんが頑張ったからだし……」
ノノ*´ー`)「ポケモンリーグが終わった後にまた、ですね」

从*;^ヮ^)「……それに、もうすっかり私よりプギャーくんに懐いちゃったみたいだしね……」


―ボールの中の スターミー と ウツボット は視線を プギャー に向けている


( ^Д^)「そっか……じゃあもうしばらくお借りします」
( ^Д^)「絶対一発でポケモンマスターになってみせるぜ!」
从*^ヮ^)「頑張ってね!」


テクテクテクテク……


(*゚ー゚)「あれ、プギャーじゃん」
( ^Д^)「スー? なんでハナダに?」
(*゚ー゚)「野生ポケモンと戦い続けてるうちに、フラっとね」

(*゚ー゚)「……実は、これからセキチクに行こうと思ってるんだ」
( ^Д^)「ん? 何しに?」
(*゚ー゚)「フリさんと、お別れするんだよ」

( ^Д^)「……あ」
242 :第99話 ◆azwd/t2EpE :2006/04/27(木) 21:51:51.97 ID:wCOsEVMm0
(*゚ー゚)「フリさんには充分頑張ってもらったし、約束だしね」
(*゚ー゚)「フリさん、本当にありがとう」
【|ミ゚<>゚〉】「ま、ロケット団を潰せたのは私にとっても良いことさ。私たちを狙う変な輩が少しでも減ったってことだからね」
(*゚ー゚)「うん……本当に、ロケット団を倒して良かった」

【|ミ゚<>゚〉】「スー、アンタとは三年一緒にいたけど、中々頭が良くて、状況を見渡す力に長けてるのが分かった」
【|ミ゚<>゚〉】「アンタならポケモンマスターなんて軽いはずだよ。頑張りな」
(*゚ー゚)「ありがとう。フリさんが応援してくれるなんて思わなかったな」
【|ミ゚<>゚〉】「ま、一応私の初めてのまともなトレーナーだからねぇ……アンタのことは、忘れないさ」
【|ミ゚<>゚〉】「暇だったらふたごじままで遊びに来な。カキ氷くらい出してやるよ」
(;゚ー゚)「あ、ありがと……」


( ^Д^)「そっか……そういう話だったもんな」
【(゚ν゚炎】「ワイはここも居心地良くて好きやけど……フリーザーが独りっつーのは心配やからのう」
【(゚ν゚炎】「やっぱワイも野生に戻るわ。プギャー、短い間やったけど、楽しかったで」
( ^Д^)「ありがとう、ファイヤー。大助かりだったよ」
【(゚ν゚炎】「まぁ、お前ならポケモンマスターも充分可能やろ。ヒトカゲにはワイの全てを叩き込んだしな」
【Σ=( ・∇・)】「ばっちり成長しましたよー!」
【(゚ν゚炎】「頑張るんやで、ヒトカゲ。炎は敵を燃やす矛にもなり、味方を守る盾にもなる。上手く使えば大活躍間違いなしや!」
【Σ=(*`・∇・)】「はい!」

【(゚ν゚炎】「ワイはまたチャンピオンロードに戻るわー」
( ^Д^)「おお、じゃあトキワまで行くか」
【(゚ν゚炎】「すまんのう」

【(゚ν゚炎】「まぁ、暇やったら遊びに来ぃや。色んなもんをフランベで食わしたるわー」
(;^Д^)「料理が燃え尽きそうだな……」
246 :第99話 ◆azwd/t2EpE :2006/04/27(木) 21:58:06.60 ID:wCOsEVMm0
(*゚ー゚)「フリさん、本当にありがとう」
【|ミ゚<>゚〉】「これからは私も普通の命だ。限られた時間を、気ままに生きることにするよ」

( ^Д^)「ホントにありがとな、ファイヤー」
【(゚ν゚炎】「余生を満喫やでー。なんや、いずれ果てる命ってのも悪いことばっかとちゃうみたいやなぁ」


―スーはふたごじまに行きフリーザーを、

―プギャーはチャンピオンロードに行きファイヤーを、それぞれ野生に逃がした



―セキチクシティ・グリーンの墓前

ヾ(¬`・∧)¬「殿、ロケット団を相手に、勝利を収めることができました」
ヾ(¬`・∧)¬「……殿の仇を、討てました」

ヾ(¬`・∧)¬「殿が憧れていたレッド殿は、目が見えなくなったことで道を見失ってしまったようです」
ヾ(¬`・∧)¬「それだけ視界というのは大切なもの……先を曇らせることなく進む、それが大切なのですね」
ヾ(¬`・∧)¬「拙者はこれからずっと、道を見誤らずに進みたいと思います」


テクテクテクテク……


('A`)「報告終わった?」
ヾ(¬`・∧)¬「終わりました」
250 :第99話 ◆azwd/t2EpE :2006/04/27(木) 22:00:08.70 ID:wCOsEVMm0
('A`)「……ねぇ、ズト」
ヾ(¬`・∧)¬「はい」
('A`)「サカキと戦ったときの、最後の一撃のことなんだけどさ……」

('A`)「正直……最後、僕、ズトが負けたと思ったんだ」
('A`)「ペルシアンの爪が速くて……あ、ダメだ、って……その瞬間、悟ったんだ」
('A`)「けど、いきなりズトの目つきが変わって……気付いたら、ペルシアンは倒れてた」
('A`)「あの時、一体何があったの? 僕、それだけがずっと疑問で……」

ヾ(¬`・∧)¬「……殿の声が、頭の中に流れ込んできました」
('A`)「グリーンさんの?」
ヾ(¬`・∧)¬「はい。諦めるな、お前なら大丈夫だ、と」

ヾ(¬`・∧)¬「……しかし、あれは殿からの声ではありません」
('A`)「え?」
ヾ(¬`・∧)¬「あれは、拙者が頭の中で勝手に作り上げた声……死者が口を利くわけはないのですから」
ヾ(¬`・∧)¬「自分自身を奮い立たせるため……勝利のため、作り上げられた声です」

ヾ(¬`・∧)¬「しかし、それで良い、と拙者は思っております」
ヾ(¬`・∧)¬「自分の中で、死者の声を作り上げる……その瞬間、死者は確かに心の中に存在します」
ヾ(¬`・∧)¬「そして、此度はサカキを倒す手助けとなった……死者の力が、戦局を動かしました」

ヾ(¬`・∧)¬「この世に生きた者は、そうやっていつまでも、何かの形で輝き続けるのではないでしょうか」
252 :第99話 ◆azwd/t2EpE :2006/04/27(木) 22:03:43.05 ID:wCOsEVMm0
('A`)「……うん……そうだね……」
('A`)「みんなで掴んだ勝利、だもんね」
ヾ(¬`・∧)¬「はい」


フアァァッ……


―一陣の風が、静かに通り過ぎた


('A`)「……それじゃあ……」


ボンッ ボンッ ボンッ


―エビワラー と ベロリンガ と バリヤード がボールから出てきた


('A`)「助けてくれて、ありがとう」
|メ`・−Ю「あぁ」
◎( ・U・)「仇が討てて、本当に良かった」
(○'ー')о「ちょっと寂しいけど、永遠に会えないわけじゃないしね」
261 :第99話 ◆azwd/t2EpE :2006/04/27(木) 22:08:02.87 ID:wCOsEVMm0
ヾ(¬`・∧)¬「拙者は殿と一緒にポケモンマスターを目指す。元殿との、夢を叶える」
|メ`・−Ю「あぁ。二人で見た夢だからな。お前の力で叶えるべきだと思うよ、ズト」
◎( ・U・)「ちょっと一緒に居ただけの僕達が助力したら、意味無くなるしね」
(○'ー')о「私達も、応援してるよ。頑張ってね」
ヾ(¬`・∧)¬「あぁ」


ヾ(¬`・∧)¬「また会おう」
('A`)「じゃあね!」


―ドクオはエビィ・ベル・パリーを野生に逃がした




―ニビシティ

( ・∀・)「久しぶりだね、タケシくん」
(,,´Д`)「カツラさん。お久しぶりです」
( ・∀・)「おや? 自慢の髪はどうしたんだい?」
(,,´Д`)「自分を戒めるために、切りました。少し気分も晴れています」
( ・∀・)「もったいないな……あんなにフサフサだったのに……」
264 :第99話 ◆azwd/t2EpE :2006/04/27(木) 22:09:31.01 ID:wCOsEVMm0
( ・∀・)「順調に回復しているようだね。何よりだ」
(,,´Д`)「はい。この前、ポケモンバトルもやりました。野性ポケモン相手ですが……」
( ・∀・)「おお、そうかそうか」

( ・∀・)「今、サカキがジムリーダーを辞めてから、トキワのジムは代理の者がリーダーを務めているんだが、こいつがバトル下手でね。グリーンバッジ大放出状態さ」
( ・∀・)「やはりジムリーダーは人材不足だ。タケシくんの存在は貴重だよ」
(,,´Д`)「……ですが……本当に自分のようなものが続けて良いのか……」

(,,´Д`)「自分はロケット団員名簿には載っていませんでした。だから、警察に捕まることもありませんでした」
(,,´Д`)「……だけど、苛みは止みません。ロケット団の力を使っていたことは事実です」
( ・∀・)「私だってそうさ……」
(,,´Д`)「カツラさんは、ロケット団を潰すために仕方なくやっていたことです。でも、自分は……!」

(,,´Д`)「……自分が恥ずかしくて仕方ないです」


( ・∀・)「……確かに、ロケット団の力を使っていたのは、咎められることかも知れない」
( ・∀・)「しかし、それだけロケット団は強大だったんだ。あの毒牙にかかって、何人の人間が犠牲になったことか……」
( ・∀・)「好餌を見せびらかせるのはロケット団お得意の手さ。君も、ロケット団の実験にハメられただけなんだよ。それだけさ」
(,,´Д`)「ですが……」
( ・∀・)「君が実害を与えた相手といえば、ブーンくんだけだろう。何なら彼を呼ぶといい」
( ・∀・)「少なくとも彼は君を咎めたりはしない。なら、誰が君を咎めるというんだ」
( ・∀・)「みんな、分かっているんだよ。君が悪いわけじゃないってね」
(,,;Д;)「…………」

( ・∀・)「君は少しでも早くジムリーダーに復帰して、社会に貢献するんだ。誰よりも、ブーンくんがそれを喜ぶはずだよ」
(,,;Д;)「……はい!!」
( ・∀・)「お互い、頑張ろう」
267 :第99話 ◆azwd/t2EpE :2006/04/27(木) 22:11:38.48 ID:wCOsEVMm0
―セキチクシティ留置所・面会室

川`・−)「……ロケット団が、壊滅しました、父上」
( ・人・)「……知っているさ……」

川`・−)「今でもカントーはその話題一色です。ロケット団が行っていた実験などについての特集が組まれたり……」
川`・−)「……父上のことも、報道されています」
( ・人・)「…………」


川`・−)「これは、父上は存じていないと思い、申し上げることです」
( ・人・)「……?」
川`・−)「世間では、父上に同情する声も僅かですがあります」

川`・−)「ロケット団は、好餌を撒いて協力者を集める、というやり方をとっていました」
川`・−)「その好餌にかかった者は愚かだ、とする声が大多数ですが……しかし、仕方ないと考える人もいます」
川`・−)「それだけロケット団は大きかった……恐ろしかった……みんな、ロケット団の凶悪さは知っています」

川`・−)「私は、ブーンさんから話を聞いています。父上は、ロケット団と関わる前から危険な考えを持っていたんですね」
川`・−)「しかし、それに拍車をかけたのは、ロケット団だと思っています」
( ・人・)「…………」
川`・−)「……だから父上が許されるとか、そんなことは考えていません」
川`・−)「でも……」


川`;−)「……私は、いつでも待ってるから……お父さんが帰ってくるのを、ずっと、ずっと……」

( ・人・)「……!!」

268 :第99話 ◆azwd/t2EpE :2006/04/27(木) 22:12:37.32 ID:wCOsEVMm0
川`・−)「……ありがとうございました。失礼します」


ガチャッ

バタンッ


( ・人・)「…………」
(管-モ-)「さぁ、戻りますよ」
( ・人・)「……あぁ……」


( ・人・)「……一つ、頼みがある」
(管-モ-)「?」

( ・人・)「量刑裁定所を、開いてくれないか?」

(管-モ-)「えっ……!? だって、アナタは今までずっと黙秘を続けてきて……なのに、量刑裁定所とは……?」
( ・人・)「……頼む。出来る限り、早く……」
(管-モ-)「……分かりました。報告します」


テクテクテクテク……


( ;人;)「……アンズ……」
271 :第99話 ◆azwd/t2EpE :2006/04/27(木) 22:15:04.07 ID:wCOsEVMm0
―タマムシシティ・カントー総合警察署

(警`ソ´)「分かっているとは思いますが……アナタがリーダーを務めていたロケット団が犯した数々の犯罪行為……」
(警`ソ´)「……重大な……あまりに重大な犯罪です」


彡 ´ー`)「……分かっているさ」
彡 ´ー`)「私がどれほどの罪を犯したか……そして、その結果どんな刑が下されるのか」
彡 ´ー`)「私は全て分かっているつもりだ」
(警`ソ´)「……不服は、何もない、と?」」
彡 ´ー`)「私は、ロケット団を使って、力なき者を排除したかった」
彡 ´ー`)「愚図が嫌いでね……私自身、昔は体が弱かったから、力なきことを尚更嫌った」
彡 ´ー`)「強者が弱者を排斥するのは当然のことさ。いつだってそうだ」

彡 ´ー`)「……そして今、私は力なき者だ」
彡 ´ー`)「淘汰されて、当然だと思う」

(警`ソ´)「……反省は?」
彡 ´ー`)「ない。私は自分のやりたいようにやった」

彡 ´ー`)「無論、悔いもない。私は充分に満ち足りている」


彡 ´ー`)「あとは事の流れに身を任せるだけさ」
273 :第99話 ◆azwd/t2EpE :2006/04/27(木) 22:17:48.79 ID:wCOsEVMm0
―マサラタウン

ピンポーン


( ^Д^)「おーいジジイー。居るかー?」


ガチャッ


(〇ε〇)「なんじゃい、プギャー」
( ^Д^)「いやー、トキワからフラっと歩いてきちまったんだよ。散歩も悪くないな」
( ^Д^)「ってことで今晩泊まるぜ。もう夕方だし」
(〇ε〇)「そりゃ構わんが……今日は来客が多いのう」
( ^Д^)「ん?」

( ^Д^)「……あっ」


( ´_`)「どうも」
(´・ω・`)「久しぶりだな」


( ^Д^)「マサキさん、ショボンさん」
275 :第99話 ◆azwd/t2EpE :2006/04/27(木) 22:19:40.80 ID:wCOsEVMm0
―夜

―夕食後


( ^Д^)「ホント、無事で良かったです、マサキさん」
( ´_`)「おおきに。君らのおかげやで」
( ^Д^)「……で、ショボンさんはなんで一緒にいるんですか?」
(´・ω・`)「たまたまさ。オーキドに改めて礼を言いに来たら、マサキさんが居たんだ」
( ^Д^)「礼って?」
(´・ω・`)「……ミュウのことさ」
( ^Д^)「あっ……」

( ^Д^)「……ミュウは……」
(´・ω・`)「覚悟していたさ……ミュウの瞳を見た瞬間、あいつの思いは全て分かった」
(´・ω・`)「あいつは、あいつのやりたいようにやったんだ。それが、何よりさ」
(´・ω・`)「そして消える間際、俺に対して言葉を残してくれた……俺は、それでもう、充分だ」
( ^Д^)「そうですか……」


( ^Д^)「それで、マサキさんは?」
( ´_`)「ちょっと、オーキド博士と話したいことがあってなぁ」
( ´_`)「……ミュウツーのことや」


( ´_`)「意識不明にさせられたワイが言うことちゃうかも知れんけど……あいつが消えたんは、あまりに悲しいこっちゃ……科学者であるワイにはよう分かる……」
( ^Д^)「だけど、ミュウツーはあまりに危険で……」
( ´_`)「もちろん、分かっとるよ。だから、どっかある程度自由のある場所に隔離できたら良かったんちゃうかな思てん」
281 :第99話 ◆azwd/t2EpE :2006/04/27(木) 22:21:23.00 ID:wCOsEVMm0
( ´_`)「ハナダの洞窟、って知っとるか?」
( ^Д^)「はい。チャンピオンロードをはるかに凌ぐほど屈強なポケモンが多い、と……」
( ´_`)「せや。だからあそこは一般トレーナー立ち入り禁止や」
( ´_`)「あそこの最下層なら、それほど自由がないわけちゃうし、周りが強いポケモンやからミュウツーの危険もある程度抑制される。力を使うんは控えるやろでな」
( ´_`)「あとは入り口を人で塞いでおけば、そうそう問題はないやろ」
( ^Д^)「確かに……」
( ´_`)「もちろん、ロケット団の支配下にあった状況じゃそんなん無理や。あくまで机上の空論に過ぎへん」
( ´_`)「せやけど……ミュウツーは、あまりに悲しすぎる存在やった……もう二度と、同じような運命を辿るポケモンがあってはならんからな……」
( ^Д^)「……はい」



―シオンタウン・スーの家

(* ゚ ∇ ゚)「お帰り、スーくん」
(*゚ー゚)「ただいまー。ちょっと久しぶりかな?」
(* ゚ ∇ ゚)「二週間ぶり? つい最近な気もするけど」
(*゚ー゚)「あはは、そうだね」


彡*'-'ミ「スーちゃん、おかえりー」
(*゚ー゚)「ムーちゃん。ただいま。いい子にしてた?」
彡*'-'ミ「うんー。いい子にしてたよー」

彡*'-'ミ「いい子にしてたら、ママがかえってきたとき、なでなでしてもらえるもんー」

(*゚−゚)「ッ……」
284 :第99話 ◆azwd/t2EpE :2006/04/27(木) 22:24:40.85 ID:wCOsEVMm0
(;゚ ∇ ゚)「…………」
(*゚−゚)「……ん……」


彡*'-'ミ「だから、ずっといい子にしてるよ? だって、ママにほめてもらうもんー」
(*゚−゚)「……うん……」


(*゚ー゚)「……そうだ! ムーちゃん、プレゼントがあるんだ!」
彡*'-'ミ「?」
(*゚ー゚)「はい、これ」


―スー は げんきのかたまり を ムー に渡した


彡*'-'ミ「きらきらしてるー。こおりみたいー」
彡*'-'ミ「……ママのにおいだー」
(*゚ー゚)「だいぶ前に僕がお母さんから貰ったものだけど、高級すぎて使い惜しみしてたんだ」
(*゚ー゚)「もうロケット団は倒したから、ムーちゃんにあげるね。大事にして」
彡*'-'ミ「うんー。スーちゃんありがとー」


―ムー は大事そうに げんきのかたまり を抱えた
288 :第99話 ◆azwd/t2EpE :2006/04/27(木) 22:26:33.12 ID:wCOsEVMm0
(*゚ー゚)「……それじゃ、僕は姉さんのお墓に行ってくるから」
(* ゚ ∇ ゚)「あ、今ガラが来てるよ。スーくんが来るちょっと前にお墓に行ったんだ」
(*゚ー゚)「ホント!? ガラさん来てるんだ! すぐ行ってくるね!」


タッタッタッタッ……



―シオンタウン・しぃの墓前

―一匹 の ガラガラ が墓前に立っている


(*゚ー゚)「ガラさん、帰ってきてたんだね」
∝∩゚ヽ゚)「スーくんか。三年ぶりだな」
(*゚ー゚)「うん。修行はどうだったの?」
∝∩゚ヽ゚)「まだまだ精進すべき身だ。肉体的にも精神的にも、私は脆すぎる……そのせいで、しぃ様は……」
(*゚−゚)「そんなことないよ……自責するのは間違ってる……」

∝∩゚ヽ゚)「……しかし、しぃ様を守れなかったのは確かだ」
∝∩゚ヽ゚)「あまりに愚かな自分が恨めしい……しぃ様に、申し訳ない……」
(*゚−゚)「やめてよ……姉さんだって、そんなこと望んじゃない」
∝∩゚ヽ゚)「……そうだな……しぃ様のことを想うなら、吹っ切るべきなのだとは思うが……」
(*゚−゚)「難しいことだよ、それは……だけど、歩みを止めるのは、やっぱ間違ってる」
∝∩゚ヽ゚)「その通りだ……」
290 :第99話 ◆azwd/t2EpE :2006/04/27(木) 22:28:17.40 ID:wCOsEVMm0
∝∩゚ヽ゚)「私は暫く、墓守としてここに留まろうと思う」
∝∩゚ヽ゚)「ここに居るほうが、道が開ける気がするんだ。何となく」
∝∩゚ヽ゚)「先に進みたい気持ちになるまで、墓を守るつもりだ」
(*゚ー゚)「うん、ありがとう。それはきっと姉さんも喜ぶよ。前進的な停止だから」


スタスタスタスタ……


(=ι=)「ん……?」
(・_u・)「君は、スーくんか?」
(*゚ー゚)「ワタリと、マズア……? どうしたの?」
(=ι=)「墓参りさ……まだ一度も来てなかったからな」


―ワタリ と マズア が墓の前で手を合わせた


(*゚ー゚)「正直、二人が平和派だなんて、夢にも思わなかったな」
(*゚ー゚)「二人とも目立たなかったけど、サカキに従順すぎるほどの過激派……ホントに驚いたよ」
(*゚ー゚)「サカキが警察で『ワタリとマズアが裏切った』って聞いたとき、暫くショックで何も喋れなかったらしいよ。それくらい意外だったんだ」
(=ι=)「あぁ……三年も我慢したのだからな。当然さ」
(・_u・)「歳月の持つ力は大きい。信頼を得るには、時をかけるのが一番だ」
(=ι=)「おかげで、私はライブラリを管理できたし、あの日は二人で独房を担当できた。サカキの信頼が絶大であればこそだ」
(*゚ー゚)「だね……ホント、二人の力が大きかったと思う」
292 :第99話 ◆azwd/t2EpE :2006/04/27(木) 22:29:46.29 ID:wCOsEVMm0
(=ι=)「……三年前、サカキとしぃ様が戦ったとき……私達は、中立派だった」
(・_u・)「正直、どちらが正しいのか分からなかったんだ。どっちの言うことも、完全悪とは言い切れなかったから」
(=ι=)「だから、本当は平和的な解決を望んでいた。話し合いで和解し、再び力を結してロケット団のあるべき姿を取り戻すべきだと……」
(・_u・)「……しかし、サカキはしぃ様にあっさりゆめくいを仕掛けた」


(=ι=)「愕然としたよ……希望を失う、ということが実際にあるのだと知った」
(・_u・)「バトルしたことは仕方がなかったと思う……もう、引き下がれないところまでいっていたのだから……」
(=ι=)「しかし、ゆめくいほどの技を平然とかけるサカキに、私達は失望し、恐怖を抱いた」
(・_u・)「同時に、このロケット団をどうにかしなければならないと思ったんだ」
(=ι=)「最初は正しい方向に導こうと、ひっそり頑張ってたんだが……サカキの力が強すぎて叶わなかった」
(・_u・)「やがて、しぃ様が殺され……ロケット団を潰すことを私達は決意した」

(=ι=)「そのとき既にサカキからの信頼は充分厚かったが、手が足りなかった。どうしようと思案しているうちに、ジムリーダーたちが攻め寄せてきたんだ」
(・_u・)「念願叶って、あとは罪を償うだけだ、と思っていたら、特赦を頂戴した。人生、苦しくてもいいことがあるもんだな」
(*゚ー゚)「うん……全くだよ」


(=ι=)「しぃ様の無念も、晴らせたことと思う」
(・_u・)「きっと、不安もなくなって穏やかに眠って下さる……それが嬉しいよ」
(*゚ー゚)「うん……二人とも、本当にありがとう」
(=ι=)「また会おう、スー」


―ワタリ と マズア が立ち去った
297 :第99話 ◆azwd/t2EpE :2006/04/27(木) 22:34:23.90 ID:wCOsEVMm0
テクテクテクテク……


彡*'-'ミ「スーちゃん、ごはんだってー」
(*゚ー゚)「ムーちゃん。ラキさんが呼んでるの?」
彡*'-'ミ「うんー。さめちゃいけないから、はやくおいでってー」
(*゚ー゚)「分かった。行こっか」
∝∩゚ヽ゚)「私は先に行く」


―ガラガラ が家に向かった


彡*'-'ミ「……あれ?」
(*゚ー゚)「ん? どうかした?」
彡*'-'ミ「なんか……ここ、なつかしいにおいがするー」
(*゚ー゚)「……あぁ、それはきっと、姉さんの部屋に飾ってあった萓草の匂いが」


(*゚ー゚)「……ん?」
301 :第99話 ◆azwd/t2EpE :2006/04/27(木) 22:36:10.82 ID:wCOsEVMm0
―スー は萓草に氷が付着しているのを見つけた


(*゚−゚)(霜……? 今日、そんなに寒かったっけ?)
(*゚−゚)(……そもそも、霜にしては凍りすぎだし……」

(*゚−゚)(…………)


彡*'-'ミ「なつかしいにおいだー」


―萓草に付着した氷が、輝いている



―タマムシシティデパート

(※(*・ー・)「あ! あれ欲しいな! 水ポケモン用ポケモンフード(高級)!」
(;'A`)「ほ、ほんとに……?」
(※(*・ー・)「セニ基金の使い道はアレで決定!」
(;'A`)「うぅ……きっちり覚えてるんだもんなぁ、セニ……」
(※(*・ー・)「ホントにお金を貯めてたドクオは偉い!」
(;'A`)「散々"心構え九条"を破ったからなぁ……一回10円も、かなりの額に……」
(※(*・ー・)「でも、最後はちゃんと成長してて、頼もしかったよ! ホント!」
(*'A`)「ホント? フヒヒヒヒ」
305 :第99話 ◆azwd/t2EpE :2006/04/27(木) 22:37:30.91 ID:wCOsEVMm0
【《●`ー)】「平和だよナ……」
【ヾ(¬`・∧)¬】「喜ばしいことだ」
【《●`ー)】「アァ、そうだナ」
【ヾ(¬`・∧)¬】「人々に笑顔が、街に活気が……」
【ヾ(¬`・∧)¬】「当たり前のようで、中々有り得ることではない……」
【《●`ー)】「そんダケ、ロケット団はデカかったってことダロ?」
【ヾ(¬`・∧)¬】「あぁ……実に、喜ばしいことだと思う」
【《●`ー)】「ケケケ。あとは平和ボケしなきゃいいけどナ」
【ヾ(¬`・∧)¬】「拙者たちもだな……ポケモンリーグに向けて、調子を上げていかなければ……」
【《●`ー)】「オウ。頑張るゼ」


(*'A`)「よし、デパートから出たら特訓再開するよー!」
(※(*・ー・)「おー!」



―トキワの森

(*^ω^)「ふんふんふーん♪ ふんふんふんふーん♪」

(*^ω^)「もうすぐトキワだおー! ツンたちに会えるお!」
(*^ω^)「早くツンの喜ぶ顔が見たいお。ふふふふふだお」


⊂二二(*^ω^)二⊃「kskしてトキワに急ぐお!」


ブーン!!
314 :第99話 ◆azwd/t2EpE :2006/04/27(木) 22:39:44.94 ID:wCOsEVMm0
???1「……あの音痴……」
???2「そしてあの独特の走法……」
???3「何より、発された『ツン』という名前……」
???4「間違いない、あの人は……」


ガサッ!!


[1´◇`]「ブーンさん!」
( ^ω^)「お?」

(;^ω^)「……誰だお? なんでブーンの名前を知ってるんだお?」
[2´◇`]「ブーンさん、僕達ですよ! トキワの森で一緒だった"こぶん"ですよ!」
( ^ω^)「こぶん……」

(*^ω^)「思い出したお! ツンのこぶん1・2・3・4だお!」
[3´◇`]「お久しぶりです! お元気でしたか?」
[4´◇`]「ツン様とこぶん5は元気にしてますか?」
(*^ω^)「ブーンもツンもファイも元気だお!」

(;^ω^)「それにしても、みんなかなり変わったお……進化したのかお?」
[1´◇`]「はい……僕達もこぶん5のように自由に羽ばたけるよう、頑張ったのですが……」
[2´◇`]「……全員、同時にトランセルになってしまって……」
[3´◇`]「ずっとここから動けないんです……」
[4´◇`]「ずっとこの状態なんです……」
(;^ω^)「そ、それは大変だったおね……」
321 :第99話 ◆azwd/t2EpE :2006/04/27(木) 22:42:12.51 ID:wCOsEVMm0
[1´◇`]「だけど、自分達で何とかバタフリーに進化してみせます」
[2´◇`]「バタフリーにでもならないと、ツン様に合わせる顔がありません!」
[3´◇`]「だから、絶対にここにツン様を連れてこないでください! 進化できたら僕達のほうから会いにいきます!」
[4´◇`]「えーっと……なので、えーっと……」

[4;´◇`](やばっ、セリフ忘れた……なんだっけ……)

( ^ω^)「分かったお。待ってるお!」
[1´◇`]「それではブーンさん、お元気で!」
[2´◇`]「またお会いしましょう!」
( ^ω^)ノシ「ばいばいだおー!」


[4;´◇`](……話があっさり流れていった……)



―トキワシティ

( ^ω^)「ちょっと離れてただけなのにやけに恋しいお。ずっと一緒に居ると、やっぱ寂しくなるもんだお」
(*^ω^)「多分みんなもブーンのこと恋しがってるお。ふふふふふだお」
(*^ω^)「今回はプリンのお土産もあるお。満面の笑みが見れるお!」


テクテクテクテク……
331 : ◆azwd/t2EpE :2006/04/27(木) 22:45:03.64 ID:wCOsEVMm0
( ^ω^)「あ、居たお! ツンとファイだお!」
( ^ω^)「おーい! ツン、ファイ……」

( ^ω^)「……お?」


ξ゚听)ξ「……だから……悩んでるの……」
†;゚‐゚†「でも、そうすると……ブーンさんとは……」
ξ゚听)ξ「えぇ……」


ξ゚听)ξ「……ブーンとは、お別れしなくちゃいけなくなる……」


グシャッ!!!


―ブーン の右手から袋が滑り落ち

―中に入っていたプリンが潰れた
346 :第99話 ◆azwd/t2EpE :2006/04/27(木) 22:47:50.68 ID:wCOsEVMm0
†;゚‐゚†「ブーンさん!?」
ξ;゚听)ξ「ブーン!?」

(;^ω^)「……どういうことだお……? なんで……なんでブーンと……」


ξ゚听)ξ「……全部……説明するわ……」



―トキワシティ・郊外

ξ゚听)ξ「……リーさんが、量刑裁定所で刑を言い渡されたの」
ξ゚听)ξ「無期懲役……だけど、リーさんは眼が見えないから禁固処分……」
ξ゚听)ξ「刑務所に服役しなきゃいけないんだけど……リーさんは、死んだほうがマシだって言ってるみたい……」
(;^ω^)「死んだほうが……?」
ξ゚听)ξ「うん……でも、死刑でもない者に死なれるわけにはいかない……警察はそう言ってる……」
ξ゚听)ξ「だけど、リーさんは、放っておいたら自殺するかも知れない……」


ξ゚听)ξ「少し、話は変わるけど……」
ξ゚听)ξ「……リーさんは眼が見えないから、付きっ切りで補助する人間が必要らしいの」
ξ゚听)ξ「政府が選んだ人間がそれをしてもいいけど……危険がないと分かれば、ホントは身内に任せたいって……」
ξ゚听)ξ「ポケモンの技を封じる薬を飲めば、それはポケモンでもいいらしくって……」

ξ゚听)ξ「……私が行けば、リーさんの自殺を防げると思うし……身内と呼べるのは私だけだから……」
(;^ω^)「…………」
356 :第99話 ◆azwd/t2EpE :2006/04/27(木) 22:50:50.50 ID:wCOsEVMm0
ξ゚听)ξ「……ロケット団の幹部として、悪事を指揮してきて……決して許されることのない罪を重ねたけれど……」
ξ゚听)ξ「だけど、生きて罪は償うべきだと私は思う……」

ξ゚听)ξ「……もちろん、そうするって決めたわけじゃない……ブーンの意思お構いなしで行こうなんて、全く考えてないし……」
ξ゚听)ξ「けど……ブーンが、いいって言うなら……私は……」

( ^ω^)「……いいお!」


ξ゚听)ξ「……え……」
( ^ω^)「いいに決まってるお。だって、一人の命がかかってるんだお」
( ^ω^)「ツンが行くことで救えるなら、行くべきだお!」

ξ゚听)ξ「……そっ……か……」

ξ゚听)ξ「うん……じゃあ、私行くね……」
( ^ω^)「頑張ってリーさんを助けてあげてだお!」


―ツン は ブーン に背を向けた
―ブーン は ツン に背を向けた


371 :第99話 ◆azwd/t2EpE :2006/04/27(木) 22:53:45.37 ID:wCOsEVMm0
†;゚‐゚†(ホントに……ホントにいいの……? ブーンさん、ツン様……)


テクテクテクテク……


―ツン が ブーン から遠ざかっていく


クルッ……


―ツン が一度振り返った

―しかし ブーン の背中しか見えない


テクテクテクテク……


クルッ


―ブーン が一度振り返った

―しかし ツン の背中しか見えない
385 :第99話 ◆azwd/t2EpE :2006/04/27(木) 22:55:55.26 ID:wCOsEVMm0
テクテクテクテク……


…………


クルッ


―ツン が振り返った
―同時に ブーン が振り返った


―眼が、合わさった


( ;ω;)「ツンー!」
ξ;凵G)ξ「ブーン!」


―ブーン と ツン が駆け寄っていく


ガシッ!!


―ブーン が ツン を抱きしめた
396 :第99話 ◆azwd/t2EpE :2006/04/27(木) 22:58:12.86 ID:wCOsEVMm0
( ;ω;)「ツンが……ツンがいないと……寂しいお……!」
ξ;凵G)ξ「ゴメンね、ゴメンねブーン……私も、私も凄く辛い……!」
ξ;凵G)ξ「だけど、リーさんは、私がいてあげないとダメなの……あんな人でも、私を育ててくれた人だから……」
ξ;凵G)ξ「ブーンは、すごく強くなった……いっぱい戦って、すごく頼もしくなったよ……」
ξ;凵G)ξ「少し不安だけど、ブーンならきっと大丈夫……だって、私の……私の、愛した人だもん……!」
( ;ω;)「ツン……!!」

ξ;凵G)ξ「いつも辛く当たってゴメンね……だけど、ずっと好きだったよ……ずっとずっと、一緒に居たいって思ってる……」
ξ;凵G)ξ「だけど、だけど……ゴメンね……ゴメンね……」

ξ;凵G)ξ「いつになるか分からないけど……私、絶対帰ってくるから……!! ブーンの許に、絶対帰ってくるから……!!」
( ;ω;)「待ってるお……1年でも2年でも……10年でも20年でも、ずっと待ってるお……!」
ξ;凵G)ξ「ブーン……ありがとう……ブーン……」
( ;ω;)「今度帰ってきたときは、また一緒に旅して、もっかいポケモンマスター目指すお!」
ξ;凵G)ξ「うん……絶対に……!」
418 :第99話 ◆azwd/t2EpE :2006/04/27(木) 23:02:57.69 ID:wCOsEVMm0
( ;ω;)「……ばいばいだお……」
ξ;凵G)ξ「ばいばい、ブーン……」




―ブーン は ツン を野生に逃がした









第99話 終わり

     〜to be continued
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