40 名前: ◆Ciy/3xg8GY :2007/09/12(水) 23:05:24.97 ID:0zBPPdMK0
六日目


もう心に決めた。

しかし相手がいなくては、その気持ちは伝えられない。

朝からずっとそこら中を飛び回っている。

この際、道に迷うことなど気にしていなかった。

心身ともに疲弊しきっている彼を動かすのは、

彼女に会いたい、という気持ちだけだった。

41 名前: ◆Ciy/3xg8GY :2007/09/12(水) 23:06:39.45 ID:0zBPPdMK0
散々探したけど、最後に行き着く場所は決まっていた。

そして、そこに彼女がいることも、なんとなく分かっていた。



小さな影。

そっと寄り添う少し大きな影。

静かな湖には、夕暮れを告げる鳥の声と、鼻をすする音だけが響いていた。

42 名前: ◆Ciy/3xg8GY :2007/09/12(水) 23:07:34.63 ID:0zBPPdMK0
( ^ω^)「久しぶりだお」

声が震えているのが、自分でも分かった。

ξ゚听)ξ「そうね・・・」

驚きはなかったみたいだ。

それとも、表情に出さないだけだろうか。

( ^ω^)「ずっと探してたんだお」

気持ちを伝えるために。


43 名前: ◆Ciy/3xg8GY :2007/09/12(水) 23:08:51.31 ID:0zBPPdMK0
ξ゚听)ξ「なによそれ・・・」

不機嫌そうな返答にも、どこか丸みがあった。

( ^ω^)「笑うお。せっかくかわいい顔してるんだから、泣いてちゃ勿体無いお」

自分でもこんなことが言えたのが不思議だった。

ξ゚ー゚)ξ「大きなお世話よ」


44 名前: ◆Ciy/3xg8GY :2007/09/12(水) 23:09:47.49 ID:0zBPPdMK0
笑った。

初めて笑顔を見た。今日の疲れはどこかへ飛んでいってしまった。


小さな影。

そっと包み込む少し大きな影。

静かな湖には、季節を告げる虫の声と、小さな嗚咽だけが響いていた。



                     六日目終了

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