- 845 : ◆aATpbJGovQ :2005/12/31(土)
00:38:01 ID:eYfhKucJ
- ブーンのアルバイト の巻
ある日の放課後…
( ^ω^)「うーん、動機は………『お金欲しさに手を出した』でいいお。」
('A`)「ブーン、何書いてんだ?」
( ^ω^)「お?これかお?これは履歴書だお。」
('A`)「へ?履歴書?ブーン就職すんの??」
( ^ω^)「就職まではいかないけど、アルバイトしようと思うお。」
('A`)「バイトか、なんでまたこの時期に。」
( ^ω^)「音ゲーは1回100¥で安いけど、回数重ねてくうちに金が尽きてきたお。」
('A`)「なるほどね、小金稼ぎか。確かに結構使うからなぁ。」
( ^ω^)「それに秘策があるお………wwwww」
('A`)「秘策?」
( ^ω^)「そうだお。それは…………wwwww」
( ^ω^)「いつものゲームセンターでバイトするんだお!!」
( ^ω^)「そうしたら金も稼げてバイト終わりにゲームもできるお!!」
( ^ω^)「もしかしたらタダでゲームもできるかもだおwwwww天才じゃね?wwwww」
(;'A`)「…………………………。」
- 846 : ◆aATpbJGovQ :2005/12/31(土)
00:38:50 ID:eYfhKucJ
- ( ^ω^)「ドクオどうしたお?」
('A`)「面接に行く前に教えられて良かった………。」
( ^ω^)「な、なんだお??どういうことだお???」
('A`)「ゲームセンターは基本的に、バイトしてる元では遊んじゃ行けないんだぞ。」
(;^ω^)「ええぇ!?そうなのかお!!??」
('A`)「バイトしてる人間がそこで遊んでたら、ブーンはどう思う?」
(;^ω^)「どうって………普通に遊んでるんだと思うお。」
('A`)「その人達がお金出して遊んでると思える?」
(;^ω^)「あ………ちょっと、タダで遊んでるんじゃないかと思うお………。」
('A`)「だろ?メダルゲームで遊んでたら、金出して借りたコインだと思える?」
(;^ω^)「絶対思えないお………。」
('A`)「多くの理由がそれ、他のお客さんへの信用第一。だからほぼ無理。」
(;^ω^)「で、でも、閉店後に遊ぶのは…」
('A`)「それも無理だろうなぁ。」
(;^ω^)「ええぇ、どうしてだお?」
- 847 : ◆aATpbJGovQ :2005/12/31(土)
00:39:39 ID:eYfhKucJ
- ('A`)「あのゲーセン、1時間ごとに売り上げ報告してるの知ってる?」
(;^ω^)「そんなことしてるのかお???」
('A`)「今度よく見てみな、UFOキャッチャーとかの下の扉開けて売り上げ計算してるから。」
(;^ω^)「そ、それが何か関係あるのかお?」
('A`)「そうやって毎時間売り上げ報告してる店が、閉店後にバイトに遊ばせるとは思えないなぁ。」
(;^ω^)「う・・・そうなのかお・・・・。」
('A`)「まぁ、淡い期待は持っていかない方がいいとオレは思うぞ。」
(;^ω^)「それより1番痛いのは、そのゲーセンで遊べなくなる事だお・・・。それが1番困るお・・・。」
('A`)「そうだな。オレ達と一緒に遊べなくなっちゃうぞ。・・・・あ。」
('A`)「そういや駅前にもゲーセンあったっけ。・・ああ、でもあそこh」
( ^ω^)「そこだお!そこでバイトするお!!行ってくるお!!!!!!!!11」
/⌒ヽ ┌───┐
⊂二二二( ^ω^)二⊃.| 履歴書│
| / |
|
( ヽノ. └───┘
ノ>ノ
三 レレ ブーン
(;'A`)「ああ・・・行っちまった・・・。あそこは・・・・・・・。」
- 848 : ◆aATpbJGovQ :2005/12/31(土)
00:40:40 ID:eYfhKucJ
- 駅前通り、地下のゲーセン『DQN
HOUSE』。
( ^ω^)「ここだお、駅前のゲーセンって行ったらここしかないお。」
( ^ω^)「名前の意味がよく分からないけど・・・ここでバイトするお!!」
( ^ω^)「おいすーwwwwwwwwwww」
(;^ω^)「あれ?・・・・・・お客さんが全くいないお・・・?」
(;^ω^)「っていうか店員すら見当たらない・・・もしもーし、すいませんおー。」
< `∀´>「・・・あ?なんだ客か。」
(;^ω^)「え・・・(なんだ客か、って・・・。)あの、すいません、店長さんいますかお?」
< `∀´>「ああ、店長ね。パチンコ屋行ってるよ。何か用?」
(;^ω^)「いや、アルバイトしたくて来たんですが・・・不在ですかお。」
< `∀´>「この上のパチンコ屋にいるよ。用があるなら自分で行ってくれ。オレ忙しいから。」
(;^ω^)「ええ・・・(お客さんいないのに・・・)って、店長さんはどんな格好してますかお?」
< `∀´>「ああ、全身紫のスーツ着てるよ。1発で分かると思う。いってきな。」
(;^ω^)「・・・・(紫のスーツ!!??アッチ系の人じゃないだろうか・・・)」
- 849 : ◆aATpbJGovQ :2005/12/31(土)
00:41:33 ID:eYfhKucJ
- (;^ω^)「店長さん店長さん・・・は・・・・・・・あっ、明らかにあの人っぽいお。」
(;^ω^)「すいませんお、上のゲーセンの店長さんですかお?」
(# `A´)「あああああチクショウこのクソ台があああああああああああああ!!!」
(;^ω^)「あわわわわわわわ店長さん?暴れちゃダメですお!店長さん!」
(# `A´)「ああ?なんだオメーは?」
(;^ω^)「あの、オレ、アルバイトの面接を受けたくて来たんですお。」
(# `A´)「は?バイトしたい?珍しい野郎だな。まぁ、いいや。じゃあ上に来な。」
(;^ω^)「はいですお。」
(# `A´)「オイ店員!また後で来るから設定ageとけよゴルァァァァ!!!!!!!!!!!!!!!!!!111」
(;^ω^)。。0(店長さん怖いお・・・明らかにアッチの人だお・・・。
- 850 : ◆aATpbJGovQ :2005/12/31(土)
00:42:31 ID:eYfhKucJ
- ゲームセンターのバックルームにて。
( `A´)「で、バイトしたいんだな?雇ってやるよ。」
(;^ω^)「ええ?そんな簡単に雇っちゃっていいんですかお?履歴書とか・・・」
( `A´)「んなもん必要ない。見た感じ接客は出来そうだしな。採用。」
(;^ω^)「あ、ありがとうございますお。。。」
( `A´)「じゃ、早速だけどこれに着替えて。軽く仕事してもらうわ。おーい、ニダー!」
< `∀´>「あいあい、呼びましたか。」
( `A´)「こいつに初歩的な仕事教えてやってくれや。オレぁまた下にいるから。」
< `∀´>「あい分かりました。で、さっきのか。つうわけで仕事教えっから着替えてくれ。」
( ^ω^)「はい分かりましたお。お願いしますお。」
ゴソゴソ
(;^ω^)「・・・・(ここで大丈夫だろうかお・・・不安になってきたお・・・。)」
ゴソゴソ
( ^ω^)「はい、着替えてきましたお。」
< `∀´>「あいよ、早速行こうか。まぁ仕事なんてほとんどないけどな。」
(;^ω^)「・・・え?」
- 851 : ◆aATpbJGovQ :2005/12/31(土)
00:43:25 ID:eYfhKucJ
- < `∀´>「まあ見ての通り客なんかほとんど来ねぇんだよ。」
(;^ω^)「は、はぁ・・・・・・。」
< `∀´>「でもたまに来た客からはきちんと金取らないとな、経営できねぇから。」
< `∀´>「名前なんて言ったっけ?」
( ^ω^)「ブーンですお。」
< `∀´>「ブーン、このUFOキャッチャーやってみ。」
そう言って景品口ギリギリに景品を置くニダー。
(;^ω^)「え?こんなに近くに置いちゃって大丈夫なんですかお?オレでも取れそうな気がするお。」
< `∀´>「まぁやってみ。クレジットは入れてやっから。」
(;^ω^)「分かりましたお。(もしかしてここはタダでゲーム出来るのかお・・・?)」
ウィーーーーーーーン スカッ
(;^ω^)「あ、あれ?全く動かなかったお?こんなに近くなのに、あと少しなのに・・・。」
< `∀´>「これがうちの営業方法さ。まず景品は取れないようになってんだよ。」
(;^ω^)「ええ?そんな事出来るんですかお?動かすのはお客さんなのに。」
< `∀´>「ここ、ここここ。」
(;^ω^)「え?アームですかお?」
- 852 : ◆aATpbJGovQ :2005/12/31(土)
00:44:22 ID:eYfhKucJ
- < `∀´>「うち、バネ入れてねーんだよ。全部のUFOキャッチャーに。」
(;^ω^)「バネ、ですかお?」
< `∀´>「まぁ簡単に言えば、アームの握力を上げるもんだよ、うちはそれが全くないの。」
(;^ω^)「それじゃお客さん景品取れないんじゃ・・・」
< `∀´>「取れたら困るんだよ。」
(;^ω^)「・・・・・・。」
< `∀´>「ま、そういう事だから、分かったか?」
(;^ω^)「・・・?なにがですかお?」
< `∀´>「だーかーらー、客が来たら近寄ってって、『手直ししますよー』とか言って射幸心煽れって事。」
< `∀´>「で、近くにもってけば『取れる』とか勘違いすっから、そいつから金取れって事。」
(;^ω^)「それってほぼ詐欺じゃ・・・・。」
< `∀´>「ああ?これがうちの営業なんだよ文句あっか?金入れる入れないは客の判断なんだからいいんだよ。」
< `∀´>「取れるだけ取って、景品は取らすなよ。そのうちこの接客も慣れてくるよ。頑張れよ。」
(;^ω^)「・・・(こ、ここは・・・・明らかにまずいお・・・・・。)」
- 853 : ◆aATpbJGovQ :2005/12/31(土)
00:45:19 ID:eYfhKucJ
- (#●Δ●)「おーいニダー。クレジット入れてくれよー。」
< `∀´>「あいよ。」
そう言ってドラムに10クレジット入れるニダー。
(#●Δ●)「あ、なんだ新人?」
< `∀´>「そう新人。うちの営業教えてやってんの。」
(#●Δ●)「ウハハハハ、ここで仕事するとか物好きだねーwwwwwwwwwwwwww」
( `ω´)yー~~~「ニダー、こっちもクレジット頼むわ。」
< `∀´>「あいよあいよ。」
今度はギターに10クレジット入れるニダー。
( `ω´)yー~~~「サンキュ。」
(;^ω^)「あ、あの・・・ニダーさん?今のは・・・。」
< `∀´>「ああ、あいつら?オレの友達。槍にゆめきっつうんだけど。」
- 854 : ◆aATpbJGovQ :2005/12/31(土)
00:46:20 ID:eYfhKucJ
- (;^ω^)「いや、お客さんにタダでゲームさせて大丈夫なのかお?」
< `∀´>「ああ、あいつらはいいんだよ。第一ここの音ゲーやりに来るヤツいねーし。」
< `∀´>「あのドラム、バスドラぶっ壊れてんだよ。あとシンバルとハイハットは連打反応しねーし。」
< `∀´>「ギターはウェイリングきかねーし、画面割れてるし。Ver古いし。」
< `∀´>「かつ1回200¥だからな。来るわけねーよ。だから遊ばしてんの。」
(;^ω^)「でも、他のお客さんの目とかもあるんじゃ・・・。」
< `∀´>「全然関係ないね。文句言ってくるヤツ1人もいねーし。」
( `ω´)yー~~~「ニダー、ギター飽きた。IIDXにも入れてくれよ。」
( `ω´)yー~~~「で、こいつ新人か。大変だねぇ。」
(;^ω^)「ブーンですお、は、はじめましてお。」
( `ω´)yー~~~「あ?お、とか付けてんじゃねーよ、キメェしwwwwwwwww」
そう言って煙を吹きかける槍。
(;^ω^)「ゲホッゲホッ・・・」
< `∀´>「おいおいあんま新人いじめんなよ、これからボッタクリ営業のエースになるんだからさwwww」
( `ω´)yー~~~「おおそうかそうかwwwwwんじゃ宜しくなブーン君wwwwwwwww」
(;^ω^)「・・・・・・・・。」
- 855 : ◆aATpbJGovQ :2005/12/31(土)
00:47:09 ID:eYfhKucJ
- (;^ω^)「ニダーさん・・・ゲーム中にタバコ吸ってますけど大丈夫なんですかお・・・?」
< `∀´>「いいんだってウゼーな!オメーには関係ねーだろ!」
腹に1発入れられるブーン。
(;^ω^)「ぁぅっ・・・・。」
< `∀´>「いちいちウルせーよオメー、黙ってここの方針に従えやボケが!!」
( `ω´)yー~~~「おーいニダー。ダブルのアナザー荒らそうぜwwwww」
< `∀´>「ああいいよ。穴冥でもいくかwwwww」
( `ω´)yー~~~「おめーできんのかよwwww」
< `∀´>「オメーもできんのかよwwww」
ガシャーン!!ガシャーン!!ガシャーン!!
ドラムでクラッシャー行為を続けるゆめき。
(#●Δ●)「ああああああクソがシンバルきかねーし!!」
(;^ω^)「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
- 856 : ◆aATpbJGovQ :2005/12/31(土)
00:48:01 ID:eYfhKucJ
- (;^ω^)「明らかに選択を間違えたお・・・。こんなところにはいられないお・・・。」
(;^ω^)「さっさと帰るお・・・。お腹も痛いお・・・・。」
ゴソゴソ
ゴソゴソ
( `A´)「ブーン、帰るのか。」
(;^ω^)「あ、店長さん。はい、ここではオレはやっていけそうにないお・・・。」
( `A´)「まぁ向き不向きがあるからな。強要はしねぇよ。。」
(;^ω^)「そうですか・・・。」
( `A´)「ああ、これやるよ。給料。」
(;^ω^)「え?ほとんど働いてないですお。」
( `A´)「いいから貰っとけって。今さっき儲かってきたからさ。気分いい内に貰っとけ。」
(;^ω^)「ああ、はい、ありがとうございますお・・・。」
そう言ってお金の入っている封筒を受け取るブーン。
- 857 : ◆aATpbJGovQ :2005/12/31(土)
00:48:53 ID:eYfhKucJ
- ( ^ω^)「じゃあ店長さん、短い時間でしたがお世話になりましたお。」
( `A´)「おお、じゃあな。・・・ああ、そうだ。ブーン。」
( ^ω^)「はい、なんですかお?」
( `A´)「・・・・あいつらを悪く思わねーでくれよ。最初はあんなんじゃなかったんだ。」
( ^ω^)「・・・・・・・。」
( `A´)「オレがこんなんだから思い上がってあんなんになっちまったんだ。今じゃもう更正不可能だけどな・・・。」
( `A´)「ここもそろそろ潰れるんだ。アイツらには言ってないが、まぁ当然の運命だな。」
( `A´)「堕ちるとこまで堕ちたもんだな、当初は子供達がいっぱい来る店だったのによ。」
( `A´)「もう1度子供達の笑顔、見たかったなぁ・・・。なんて、今のオレが言えたもんじゃないか。」
( `A´)「じゃあな、ブーン。オレみたいに、アイツらみたいにはなるなよ。」
( ^ω^)「・・・・・・・・・・・・・はい。ありがとうございましたお。」
何かを感じ得てゲーセンを後にしたブーン。
- 858 : ◆aATpbJGovQ :2005/12/31(土)
00:49:41 ID:eYfhKucJ
- ( ^ω^)「・・・・・・・・・今日は帰るお・・・。」
( ^ω^)「・・・そういえば今日はクリスマスだったお・・・。何をしてるんだおオレは・・・・。」
ξ゚听)ξ「クリスマスケーキはいかがですかー?」
( ^ω^)「あれ?ツン?」
ξ゚听)ξ「ブーンじゃない、こんな日にどうしたのよ。」
( ^ω^)「いや、ちょっと用があって出かけてたお・・・。ツンはバイトかお?」
ξ゚听)ξ「そうよ、今日1日だけだけどね。」
( ^ω^)「・・・・・・・クリスマスケーキくれお。」
ξ゚听)ξ「え?ブーン買うの?ああ、ありがとう。ちょうどこれで終わったわ。」
( ^ω^)「ツン、これ一緒に食べようお。」
ξ;゚听)ξ「ええ!?」
- 859 : ◆aATpbJGovQ :2005/12/31(土)
00:50:29 ID:eYfhKucJ
- ( ^ω^)「ダメかお?」
ξ;゚听)ξ「いや、ちょうど売れたから帰れるけど・・・。急だったから・・・。」
( ^ω^)「じゃあ一緒に食べようお。」
ξ;゚听)ξ「わ、分かったわ。そ、そんなに言うんだったら一緒に食べてあげなくもない、わよ・・・。」
ξ゚听)ξ「それよりもクリスマスなのよ!アンタ他に一緒にいる女の子いないの?」
( ^ω^)「うん。今日は1人は寂しいお。だからツンにお願いしてるんだお。」
ξ゚听)ξ「・・・(なんか、いつもと様子が違うわ・・・。)」
ξ゚听)ξ「じゃあ、アタシの家に行きましょ。」
( ^ω^)「うん、行くお。聞いて欲しい話があるお。」
ξ;゚听)ξ「ええ???な、なにかしら・・・。(こ、告白キター!?)」
( ^ω^)「今日あった事だお。ちょっと心が痛いお。」
ξ゚听)ξ「・・・・・・・・・・・分かったわ。」
- 860 : ◆aATpbJGovQ :2005/12/31(土)
00:51:18 ID:eYfhKucJ
- ツン子宅で今日あった話をして泣き出してしまったブーン。
後日、DQN HOUSEは当然ながら潰れてしまったらしい。
マナーと何かを学んだブーンだった。
ブーンのアルバイト の巻 完