41 名前:続き投下しまうす:2010/09/26(日) 19:29:45.91 ID:VBgadrkxO
AVの夜は眠らない。

元々、西の流刑地として犯罪者を住まわしておく土地だったのだが。

東側の魔族の脅威の為に逃げてきた難民の、一時的な緩衝材的な地域になってからは物や人が集まり出した。

がらの悪い地域性と 、入れ替えの激しい難民の受け入れ地域と言う事で風俗産業が栄え、闇市等も発展している。

管轄の権限はピンク州の領主ではなく、中央にあるため半ば独立した地域となってしまっている。

その点もあり、闇市の取り締まりも進まないのが現状だ。

( ^ω^)「さってっと、酒場に繰り出して闇市の場所を探すかお〜♪」

締まりのない口調で、旅から旅で薄汚れた服を着るこの男の名は−−

ブーン・ホライズン。

業名を名乗れない貴族の落ちこぼれである。

( ^ω^)は落ちこぼれのようです

第二話

「陽気な店員」

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 19:34:46.58 ID:VBgadrkxO
宿の部屋の鍵を閉め、一階へ降りると女主人が声を掛けて来た。

J( 'ー`)し「あっと、お出かけかい?」

( ^ω^)「少し酒を引っ掻けて来ますお」

J( 'ー`)し 「……」

( ;^ω^)「なんですかお? その顔」
J( 'ー`)し「18歳以下は捕まるからね」

Σ( ゚ω゚)「ホントに酒場ですお!」

その後も心配そうな眼差しで、彼女は僕を見つめていた。

なんとも失礼な話だ。
僕はロリコンではないと言うに!

いやちょっとは、かわい……いやなんでもない。

J('ー`)し「捕まらない様にね」

( ゚ω゚)「良い加減にしろお!」

僕は怒鳴ると、街へと繰り出したのだった。


45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 19:37:42.15 ID:VBgadrkxO
( ^ω^)「全く失礼にも程があるお!」
酒場はどの辺だろうと首を捻る。

宿に戻って聞こうかと思ったが、あの流れでは娼館を紹介されかねない。

( ・ω・)「どうしよう……」

とりあえず、闇市等の胡散臭い情報が集まりやすい場所と言えば酒場だろう。

しかも、治安が悪い場所。

7時を過ぎたばかり、僕は時間はまだあるので、適当に街をぶらつきながら酒場を探す事に決めた。

やはりピンク州の入り口だけあり、旅人と思わしき人影も多い。

それらの流れに着いて行くと、裏路地に一件の酒場が建っていた。



46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 19:41:06.89 ID:VBgadrkxO
その酒場のドアを潜ると、陽気な店員が声を掛けて来る。

(*゚∀゚)「あっいらっしゃーい! 適当に掛けててよ!」

異常に声がでかい……。
耳が、きーんとなる。

( +ω+)「……おっお。解ったからあんま大声で喋らないでくれお」

(*゚∀゚)「ん? 何? 聞こえないよ!」

またしてもでかい……。

顔は可愛いが、煩いのは良くない。

( ´ω`)「もういいお……カウンターでも良いかお?」

(*゚∀゚)「はいよー!」
またしてもきーん、となる。

三度目……。


48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 19:46:36.03 ID:VBgadrkxO
カウンターは六席あり、三人が隣あって座っていた。

僕が左側の端に座ると、マスターらしい顎髭の生えた中年男性が声を掛けてくる。

僕が咄嗟に耳を塞ぐと、マスターが吹き出した。

(=^ω^)ノ 「ぶはは! ツーの大声はうるせぇだろ?」

( ´ω`)「流石に、あーもきんきんと響くのは始めてだお」

(=゚ω゚)ノ 「すまねぇなぁ旅人さんよ」

( ^ω^)(?)

(=゚ω゚)ノ「不思議って面してんなw 長い事酒場をやってるとある程度は旅人かそうでねーかぐらいは解るもんなんだよぅ。」

( ^ω^)「へぇーそんなもんかお?」

(=゚ω゚)ノ「ついでにお前さんが、酒を飲みに来たんじゃないのもな」

( ;゚ω゚)(なにもんだお、このおっさん!)


49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 19:49:06.24 ID:VBgadrkxO
(=゚ω゚)ノ「まぁ種明かしすると普通旅人ってのは、こういう所に来る時はホールに行くもんさ」

( ^ω^)「目立って目をつけられない為にかお?」

(=゚ω゚)ノ「そゆことぉ。 静かに飲みたいやつは、うちみたいな所にはこねーしなw」

( ^ω^)「確かにw ツーさんでしたかお? あの娘が居たら静かとは無縁になるおw」

(=゚ω゚)ノ「まぁそう言うこったw んで、とりあえず一杯ぐらいは飲んでくだろう?」

( ^ω^)「まぁそのつもりだおw 葡萄酒を炭酸で割ってくれお」

(=゚ω゚)ノ「あいよぅ!」

威勢よくマスターはカウンターの奥に引っ込んで行く。

さっきの女性とは違い常識的な、大声が店内にこだました。



50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 19:54:43.64 ID:VBgadrkxO
少しだけ待つと、木のコップに波々と葡萄酒が注がれて出てきた。

僕はそれを、掴むと一気に半分程飲み干す。

炭酸で割っているとは言え、渋味とアルコールの強い赤い葡萄酒は僕の喉を焼いていく。

あとから来る炭酸の清涼感が、渋味を洗い流すと僕はほっと一息を着いた。

(=゚ω゚)ノ「中々良い飲みっぷりじゃねーか!」

( *^ω^)「久しぶりに飲むけど、やっぱり酒は美味いおー」

(=゚ω゚)ノ「そりゃそうだw 楽しい時間は酒と共にあるもんさ」
( *^ω^)「間違いないお! でも楽しいだけじゃ人生はつまらない物だお」

(=゚ω゚)ノ「深いねぇ、退屈な時間が酒を美味くするって事かよう?」

( ^ω^)「まぁそんな所だおw それでマスター? ちょっと聞きたい事があるんだお」

(=゚ω゚)ノ「マスターは辞めてくれw おらぁイヨゥのおやじさんって呼ばれてんだ。んで聞きたい事ってなんだよぅ。」



51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 19:57:34.94 ID:VBgadrkxO
( ^ω^)「解ったお! イヨゥのおやじさん。んで聞きたい事なんだけど−−   闇市の場所は解るかお?」

(=#゚ω゚)ノ「あぁ? お前さんそんな事を聞いてどうすんだ?」

( ;^ω^)(なんか態度が急に変わったお)

(=#゚ω゚)ノ「おい! 聞いてんのか!」

周りの目が僕に集中する。

( ;^ω^)(こりゃまずったかもしれね〜お)

僕が黙ってると、イヨゥさんは今にも殴り掛かって来そうな剣幕だ。

そんな風に考えていると次の瞬間にはイヨゥさんは右手を振りかぶり、殴り掛かってきた。

僕は咄嗟に両手を顔の前に上げるが、いつまでも衝撃が来ない。

身構えて固まって居ると不意に、どさり−− 何かが倒れる音が聞こえた。


54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 20:03:10.27 ID:VBgadrkxO
(*゚∀゚)「まーったくすぐに熱くなるんだからこのおっさんは」
ツーさんの声に気付き、僕は辺りを見回す。

し(  =)「……」

イヨゥさんは俯せに倒れている。

ツーさんの手にはフライパンが握られている。

血がポタポタと垂れたそのフライパンは、グロテスクに光っている。

55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 20:05:44.86 ID:VBgadrkxO
この状況で導かれる一つの答え……。



( ゚ω゚)「ひっ人殺しぃー!」

(*゚∀゚)「アヒャヒャヒャ! 死んでねぇって」

( ^ω^)「まぁノリだけど、流石に後頭部にフライパンはやばくないかお?」

(*゚∀゚)「まぁ大丈夫だろ? おっさん起きろ」

ツーさんはそう言いながら、イヨゥさんの頬をぺしぺしと叩く。

し(  =)「……」

あれ? やばくね?

(*;゚∀゚)「どどどどどうしよう?」

( ;゚ω゚)「いやいやいやいやいやいや、やったのあんただお!」

(*;゚∀゚)「よし埋めよう! 大丈夫バレやしないって!」

客一同(流石にそれはねーわ……)

58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 20:09:38.52 ID:VBgadrkxO
まぁそんなこんなで、他の客を帰して僕とツーさんでイヨゥさんを介抱する事にした。

客の方も手慣れた感じでさっさと引いて行ったので、良くある事なのだろう。

適当に寝かしつけて、傷に手持ちの軟膏を塗り付ける。

(*゚∀゚)「へぇ……あんたもしかして薬師かい?」

( ^ω^)「ちがうお。旅暮しにはこういう傷病薬が必携なんだお」

(*゚∀゚)「へぇ……あんた官吏かなんかかと思ったけど違うのかもね」

( ;^ω^)(するでぇ! この酒場の人間はこえぇお)

(*゚∀゚)「官吏の人間ならもう少し身なりを気にするだろうし、旅って言っても魔法でぱぁーと行っちまうんだろ?」

( ;^ω^)「さぁ? 良く解らんお」

(*゚∀゚)「まぁ官吏なんて大概貴族だし、あんたみたいにこんな寂れた酒場に来る貴族なんか居る訳ないよね!」



59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 20:13:42.00 ID:VBgadrkxO
にこにことしながら、ツーさんは僕に話し続ける。

( ^ω^)「そうだおそうだお」(落ちこぼれ貴族で悪かったな!)

本音を隠し相槌を打つ。

(*゚∀゚)「で? 闇市について聞きたいんだろ? あたし様が話してやるよ」

( ^ω^)「ツーさん話しを聞いてたのかお?」

(*゚∀゚)「まぁね〜注文を逃さない様に店中に、神経張ってるからね! あとツーで良いよ! そういやあんた名前は?」

( ^ω^)「ブーンて言いますお」

あんだけ大声のわりに、凄い地獄耳だね。

それなら、最初の

〜〜( +ω+)「……おっお。解ったからあんま大声で喋らないでくれお」〜〜

これも聞こえてたんじゃないだろうか?

多分聞いても流されるから、敢えては聞くまい。

61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 20:18:57.74 ID:VBgadrkxO
それに先程とは違い、声のトーンも低めだ。

諸因、営業モードってやつだったのだろう。

しかし煩すぎる……。

ツーは、マイペースに語り始める。

(*゚∀゚)「それでブーンは闇市の場所が知りたいらしいけど、結論から言えば今はないよ?」

( ^ω^)「ない?」

(*゚∀゚)「そう! 潰れた」

( ^ω^)「んじゃ砂糖とかは何処から来てるんだお?」

(*-∀-)「あーあんたなんも知らないで来たんだ?」

( ^ω^)「全然わかんねーお!」エッヘン!

(*゚∀゚)「威張んなばーかw」

( ^ω^)「さーせんw」



62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 20:22:30.87 ID:VBgadrkxO
(*゚∀゚)「まぁ、一から説明するとだね。元々闇市が潰れて新しい闇市が出来たんだよ」

( ^ω^)「新しい?」

(*゚∀゚)「元々は、関税が払えない弱小商人が集まってやってたんだけどね。今は大商人が中心になって弱小商人は追い出されたのさ」

( ^ω^)「でも大商人じゃ、バレた時のリスクが高いお?」
(*゚∀゚)「そ こ でピンク州の領主と癒着したのさ」

( ^ω^)(あーやっぱり)

( ^ω^)「でも中央政府にバレたら、領主ごとアウトじゃないかお?」

(*゚∀゚)「さぁ? そこまでは解らないよ。噂じゃ魔族と繋がってるらしいけどここは西部だし、まず無いよ」

( ^ω^)「確かにそうだおね〜、てかなんでツーはそんな詳しいんだお?」

(*゚∀゚)「元々うちの酒場は闇市から、直接卸して貰ってたのさ」

( ^ω^)「あーそれでかお。今はどうなんだお?」

64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 20:26:56.56 ID:VBgadrkxO
(*゚∀゚)「闇市の商人達と仲がよかったから卸して貰ってたんだけど、今は全然だねぇ」

( ^ω^)「それって困るんじゃないかお?」

(*-∀-)=3「まったくその通りだよ!」

ため息を着きながら、ツーが答える。

( ^ω^)「通常の市場はどうなのかお?」

(*゚∀゚)「この街は関税が厳しくてねぇ、中央が管轄してるだけあって、ピンク州の中央部とは税率が倍くらい違うんだ」

( ^ω^)(そこで闇市を支配して、自分の領ではないこの街から収入を得ようとしたんだおね……。
もしかしたらピンク州の領主は、頭が相当キレるやつかも知れないおね)

( ^ω^)「ありがとうおツーさん。 仕事に活きる情報だったお!」

(*゚∀゚)「どういたしまして! じゃあさっさと帰んな」

( ^ω^)「良いのかお? 僕の素性とか気かなくても?」

(*゚∀゚)「まぁ悪いやつじゃなさそうだしね! それにイヨゥのおっさんがまた起きると面倒だし」

ツーはあっけらかんと言い放つ。


65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 20:31:33.76 ID:VBgadrkxO
( ^ω^)「まぁツーがそれで言いなら……。今度は普通に飲みに来るお!」

(*゚∀゚)「おっさんには言っておくよ! んじゃまたこいよ〜!」

( ^ω^)「お願いするお。んじゃまたねだお」

(*゚∀゚)「おーまたな!!!!」

−−キーン!

( +ω+)「最後にまたこれかお……」

(*゚∀゚)「アヒャヒャヒャヒャヒャヒャ」

僕は煩い店員の笑い声を聞きながら、店を後にした。



70 名前:>>66訂正スマソ:2010/09/26(日) 20:38:57.80 ID:VBgadrkxO
店を出たのは、九時半を少し回った頃だった。

宿の門限は零時だった筈だが、多少疲れが残っているので早めに帰ろうと宿へ向かおうとした。

だが、ふと気付く。

アルコールの匂いを殆ど感じないこの状態で帰ったら、あの女主人に要らない詮索をされそうだ。

仕方なく僕は他の酒場で、飲み直す事に決めた。

暗い脇道を進み、繁華街方面へ向かうと、三つの足音が着いて来ている事に気付く。



71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 20:40:05.29 ID:VBgadrkxO
( ;^ω^)(またまずったおね〜)

腰元を確認する。

いつも身につける革製の鞄には、

−−調理用ナイフ
−−バンダナ
−−丸薬や軟膏
−−財布

これぐらいしか入っていない。

流血沙汰は避けたいため、ナイフは最終手段として−−

( ;^ω^)(どうやって切り抜けるかおー)

最悪繁華街まで全力疾走と言う手もあるが、土地勘がないので確実性に欠ける。
( ^ω^)(次の曲がり角で待伏せて、出鼻を挫いてからなんとか逃げだすかお)
作戦が決まる。
僕は月明かりで陰が出ない様に、曲がり角を進むと壁伝いに曲がり角のすぐ脇で待機する。

足音が小走りで近付いて来る。


72 名前:今更ながら15分の休憩が馬鹿だった……:2010/09/26(日) 20:43:32.89 ID:VBgadrkxO
あと三歩。二歩。一歩。

来た!

その瞬間僕は飛び出し、僕の左側に居た男を突き飛ばす。

(#゚ω゚)「うおおおおりゃー!」

( 1゚∀゚ )「アヒャ!」
そのまま右手を振り回し、真ん中に居た男を殴り飛ばす。

(#2゚∀゚ )「アヒャー」

そして残り一人と対峙した。

( 3゚∀゚ )「勘が良いやつだな」

( ^ω^)「まぁね」

他の二人を一瞥する。

一人目は完全に伸びてるが、二人目は意識がまだあるようだがまだ立ち上がれない。

( ^ω^)(これなら逃げれそうだおね)
僕は反転して走り出した。



73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 20:45:58.79 ID:VBgadrkxO
(  3゚∀゚ )「!」

すると後ろから何やら聴こえる。

(  ∀ )「待て逃げるな! 簡易術式発動! 奔れ稲妻!」

その言葉に僕は、背筋が凍る。

その悪寒を頼りに、僕は咄嗟に横に飛んだ。

刹那、発光。

僕の真横を、焦げ臭い空気が通り過ぎる。

( 3゚∀゚ )「ちっ! 外したか!」

( ゚ω゚)(ふざけんな! 術士がなんでこんな路地裏に居るんだお!)

恐らく先程の騒ぎを聞き付けて、現闇市側の人間が放った刺客だろうが、いくらなんでもやり過ぎだ。

( ^ω^)(簡易術式って事はチャージに時間が掛かる筈、なんとか今の内に距離を稼ぐお!)



74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 20:49:53.85 ID:VBgadrkxO
僕は先程とは違い、余裕を無くして走り出した。

恐らく稲妻と言葉を発した事と、激しい発光が見て取れた事から相手は雷術を使う。

雷相手では、予備動作から着点を予想しなければ逃げる事は不可能だろう。

僕は走る。走る。そして走る。

刺客が追う。追う。そして術を放つ。

予備動作から、稲妻の軌跡を予想し逃げる自分でも見事とは思うが……。

土地勘の無い僕が追い込まれるのは時間の問題だった。
76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 20:52:58.36 ID:VBgadrkxO
そしてその時が訪れる。

( 3゚∀゚ )「やっと追い詰めたぜ」

( ;^ω^)(行き止まりかお……)

僕は、ゴミ臭い行き止まりに追い詰められてしまった。

( 3゚∀゚ )「ちょこまか逃げるから、逃げ道を限定して誘いこまして貰ったぜ!アヒャヒャヒャw」

( ^ω^)(この臭い……くせぇ)

( 3゚∀゚ )「さぁ死にな! 奔れ稲妻!」

僕は目一杯後ろに飛び、ゴミが散乱してある場所に飛びこんだ。


77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 20:54:57.88 ID:VBgadrkxO

(#3゚∀゚ )「まだ逃げる気か!」

−−がさり

( #^ω^)「もう逃げねーお!」

僕はゴミの中から立ち上がる。

その手はゴミで濡れて居るが、ナイフを握っていた。

術士相手では心許ないが仕方ない。

( 3゚∀゚ )「そんなもんでどうすんだよw 次は外さねーぞ!」

( ^ω^)「だったら、さっさと撃てよノーコン野郎!」



78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 20:57:47.19 ID:VBgadrkxO
( 3゚∀゚ )「アヒャヒャヒャw どうせ逆上して近付いた所に、ナイフを投げるつもりだろ? 読めてんだよ!」

( ;^ω^)(あっちゃあ……)

( 3゚∀゚ )「さってチャージ完了だ! んじゃそろそろ消し炭になりな!」

そして予備動作から、稲妻が迸しる!

(  ω )(あっちゃあ……ホントに予想通り)

(  ω )(これで終わりだお)

僕は最後の、最後の悪あがきでナイフを投げる。

( 3゚∀゚ )「アヒャヒャヒャヒャw アヒャ?」

刺客は異変に気付いたようだ、空中で稲妻が留まったのだ。

そりゃ驚くだろうね。
勝ちを確信して、一手でひっくり返されたんだからさ。

そして激しい閃光。

そしてその光は、刺客を包みこんだ。

僕は、そのまま刺客を殴り飛ばし、宿まで逃げきったのだった。
80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 21:02:21.30 ID:VBgadrkxO
( ゚ω゚)「はっはっはっ」

宿に着いた頃には息が切れていた。

しかしラッキーだった。
あの場所は不法投棄のゴミ置き場だったようだ。

生ゴミから瓶、そして廃油まで……。

廃油に気がついた僕は、ゴミの中に飛び込み素早くバンダナに油を染み込ました。

僕の手が濡れていたのは、生ゴミの汁ではなく油だ。

あとはナイフと共に握り、相手の雷術に向けナイフごと投げつければ即席の爆弾として機能する。

威力は大した事はないだろうが、隙さえ作れば後はぶん殴って逃げるだけだった。


81 名前:あと5、6レス!ゾンビやない!アリスたんが見たいんや!:2010/09/26(日) 21:04:16.42 ID:VBgadrkxO
( ^ω^)「服がゴミ臭いおー」

でも街からは直ぐにでも逃げた方が良い。

宿に着いたらすぐにでも出発しよう。

しかし、領主ではないだろうが誰が刺客を放ったのだろうか?

ツーさん? いやそれはないか……。

こんな待伏せなんかせずに、あの酒場を囲めば良い話だ。

( ^ω^)「まぁ鬼が出るか蛇が出るか明日領主に会って確かめるしかないおね〜」

もう此処まで来たら割り切ってやるしかないだろう。

あの陛下の事だ、逃げたら何されるか解らないし。

( ^ω^)「陛下より怖い事にはならないだろうおw あのクソゴリラめwww」
どう考えても不敬罪に当たる暴言を吐きつつ、僕は宿へと滑りこんだ。



82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 21:06:45.83 ID:VBgadrkxO
僕は宿の部屋に一泊分の旅費を置いて、ばれない様に階段を下る。

そして、宿の入口の戸に手を掛ける。

でっででーでででででーでん。

( ^ω^)(ミッションインポッシブーンw)

僕に不可能はないんだおwww

J( 'ー`)し「あんたこんな時間にどこ行くんだい?」

84 名前:あと3レス:2010/09/26(日) 21:08:32.56 ID:VBgadrkxO
( ゚ω゚)Σ「うわっ! 何故に!」

J( 'ー`)し「いや流石にこんだけ酷い臭いがしたらねぇ? 夜逃げかい?」

( ;^ω^)「金なら置いてあるお!」

J( 'ー`)し「まぁなんか街が騒がしいし、あんたが関係あるんだろうね」

( ^ω^)「そうですお。でも僕は悪くないお! 見逃してくれお」

J( 'ー`)し「お行き」

( ^ω^)=3「ほっ! ありがとうございます。お礼は必ずしますお!」

J( 'ヘ`)し「はぁ? 口止め料は?」

( ^ω^)「へ?」

J( 'ー`)し「どうせ若い娘に手を出して逃げて来たんだろう? それともここで騒がれたいかい?」

( ゚ω゚)「ちがっ!」

しかしここで否定しても、時間が掛かるだけだ。

ここは仕方なく、口止め料として一週間分の宿代金を渡す事にした。

( ´ω`)「もうなんでも良いお」

86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 21:11:14.42 ID:VBgadrkxO
J( 'ー`)し「ロリコンはお金持ちが多いって本当だねぇ。 次は見つからないように頑張んなw」

( ^ω^)(ちくしょう……)

僕は足早に、街を後にした。

ゴミ臭い服に包まれ、死ぬ思いをした擦り傷だらけの身体より、軽くなった財布よりも、何故か心が痛かった。

( ;ω;)「ちくしょう! ちくしょう! 僕はロリコンじゃねーお!」

( ;ω;)「覚えてろクソばばあああああああ!」

ブーンの悲しみの咆哮がこだました。

第二話

「陽気な店員」

88 名前:最後の一レス:2010/09/26(日) 21:16:22.42 ID:VBgadrkxO
おまけ

J( 'ー`)し「まっ理由がロリコンじゃないのは解ってましたけどねw」

J( 'ー`)し「金づるは逃さないようにしないといけないよねwww」

J( 'ー`)し(暗黒微笑み)

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