2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 09:38:18.76 ID:HNBBR1To0
( ^ω^)「おおかみさん、おおかみさん」

リi、゚ー ゚イ`!「なんだい、オスブタくん」

( ^ω^)

( ^ω^)「人間ですお」

リi、゚ー ゚イ`!「そういえば、そうだったね。そんななりだから間違えちゃったよ」

( ^ω^)「命の恩人だお?」

リi、゚ー ゚イ`!「いいや、私ならあの状況でも生き延びられたね!」

( ^ω^)

( ^ω^)「餓死寸前できゅんきゅん言ってたのはどこのどいつだ」

リi、゚ー ゚イ`!「私だ」

3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 09:39:32.05 ID:HNBBR1To0
リi、゚ー ゚イ`!「なあ、ニンゲンくん」

リi、゚ー ゚イ`!「鎖を外してはもらえないだろうか」

( ^ω^)「明るいうちじゃ、ダメだお」

リi、゚ー ゚イ`!「そうか」

リi、゚ー ゚イ`!「それは困ったな・・・」

( ^ω^)「なにか困りごとならお助けするお?」

リi、゚ー ゚イ`!「君には関係のないことさ」

4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 09:40:54.33 ID:HNBBR1To0
リi、゚ー ゚イ`!「太陽の匂いが消えていく・・・」

リi、゚ー ゚イ`!「夕暮れか」

リi、゚ー ゚イ`!

リi、゚ー ゚イ`!「おおい!ニンゲンくん!」

( ^ω^)「はいはい、何ですかお?」

リi、゚ー ゚イ`!「月は出ているか?」

( ^ω^)「今はまだ出ていませんお」

リi、゚ー ゚イ`!「そうか」

( ^ω^)「今日の夕飯は鶏肉ですお」

リi、゚ー ゚イ`!「また鳥か・・・」

5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 09:41:56.77 ID:HNBBR1To0
リi、゚ー ゚イ`!「なあ、ニンゲンくん」

( ^ω^)「なんですお?」

リi、゚ー ゚イ`!「何故助けた」

( ^ω^)「デカイ犬が家の前できゅんきゅん鳴いてて、助けない犬好きはいませんお」

リi、゚ー ゚イ`!「ニンゲンはすごいな」

( ^ω^)「でもまさか人語を話せるとは思わなかったお」

( ^ω^)「首輪付けるときに寝言で何か言っててちょっとビックリしたお」

リi、゚ー ゚イ`!

リi、゚ー ゚イ`!「私は、なんて言ってた?」

( ^ω^)「むにゃむにゃ、と」

リi、゚ー ゚イ`!「ほう」

6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 09:43:47.46 ID:HNBBR1To0
リi、゚ー ゚イ`!「月は?」

( ^ω^)「曇ってきましたお」

リi、゚ー ゚イ`!「そうか、よかった」

( ^ω^)「さっきからやたらと気にしてるようですが」

リi、゚ー ゚イ`!「聞いて驚くなよ・・・」

( ^ω^)「ええ」

リi、゚ー ゚イ`!「実は私は人狼なんだ」

( ^ω^)「はい」

リi、゚ー ゚イ`!「人狼なんだ」

( ^ω^)「ですね」

リi、゚ー ゚イ`!

リi、゚ー ゚イ`!「どこでバレた」

( ^ω^)「犬が喋る時点で驚いたので、想定の範囲内ですお」
9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 09:45:25.22 ID:HNBBR1To0
( ^ω^)「フッサフサのツッヤツヤな毛並みでしたので、それなりに名のある方と思い」

( ^ω^)「慣れない敬語を使ってますお」

リi、゚ー ゚イ`!「そうか」

リi、゚ー ゚イ`!「じゃあ鎖を早く外してくれ、ニンゲンくん」

( ^ω^)「出来ませんお」

リi、゚ー ゚イ`!「何故?」

( ^ω^)「知的好奇心というものですお」

( ^ω^)「貴方はパッと見女性・・・ですので、変身したらどの様な姿になるのか」

( ^ω^)「見ておきたいのが、オトコノコでしょう?」

リi、゚ー ゚イ`!「私にそれを聞かれても困るのだが・・・」

リi、゚ー ゚イ`!
11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 09:46:33.61 ID:HNBBR1To0
リi、゚ー ゚イ`!「では何故鎖を外さないのだ?」

( ^ω^)「オトコノコ、だからですお」

リi、゚ー ゚イ`!「そうか」

リi、゚ー ゚イ`!

リi、゚ー ゚イ`!「ふん、こんな鎖の一本や二本。引き千切るなど我には容易い事よ」

( ^ω^)「それも見たいのが、オトコノコですお」

リi、゚ー ゚イ`!「オトコノコとはどんな奴なのか、さっぱり分からんな」

12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 09:47:53.99 ID:HNBBR1To0
リi、゚ー ゚イ`!「なあ、ニンゲンくん」

( ^ω^)「はいはい、なんですお?」

リi、゚ー ゚イ`!「布をくれ」

( ^ω^)「まだ月は出ていませんお」

( ^ω^)「というか」

( ^ω^)「変身には、月の光を浴びる必要があるのではないですか?」

( ^ω^)「窓無いですお、ここ」

リi、゚ー ゚イ`!「以前、洞窟の中に篭ってた時になったので要らんようだ」

( ^ω^)「すごいですお」

リi、゚ー ゚イ`!「不便だ」

( ^ω^)「オトコノコにとっては、凄い事ですお」

リi、゚ー ゚イ`!「そうなのか」

13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 09:49:10.91 ID:HNBBR1To0
リi、゚ー ゚イ`!「なるほど、わかったぞ」

リi、゚ー ゚イ`!「オトコノコとは、女性の裸体が見たいニンゲンのことだな」

( ^ω^)「そういうのも、オトコノコですお」

リi、゚ー ゚イ`!

リi、゚ー ゚イ`!「オトコノコは他にも色々いるのか・・・」

( ^ω^)「いっぱいいますお」
15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 09:51:02.50 ID:HNBBR1To0
リi、゚ー ゚イ`!「なあ、ニンゲンくん」

( ^ω^)「はいですお」

リi、゚ー ゚イ`!「私が変身した姿が筋骨隆々の女性だったり、年老いた女性だったりする
      可能性もあるだろう?」

( ^ω^)「ありますお」

リi、゚ー ゚イ`!「それでも、構わないのがオトコノコなのか?」

( ^ω^)「おおかみさんが言うオトコノコとはまた別のオトコノコなら、それでも構いませんお」

リi、゚ー ゚イ`!「そうか」

( ^ω^)

( ^ω^)「と言うことは、先の二例では無いという事ですおね」

リi、゚ー ゚イ`!「ああ、そうなるな」

16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 09:52:35.14 ID:HNBBR1To0
( ^ω^)「変身後のお姿について聞きたいのですけれど」

リi、゚ー ゚イ`!「寒いな、ひたすらに寒い」

( ^ω^)「そういう事を聞きたいワケでは無いですお」

リi、゚ー ゚イ`!「どうと聞かれても、私は狼だ。オトコノコが欲しい情報なぞ言えんぞ」

( ^ω^)

( ^ω^)「誇り高き、とかそういった意味ですかお?」

リi、゚ー ゚イ`!「ニンゲンの事なんて知らん、という事だ」

( ^ω^)「ですおねー」

リi、゚ー ゚イ`!「ああ」
18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 09:54:17.35 ID:HNBBR1To0
リi、゚ー ゚イ`!「お前、家族は?」

( ^ω^)「既に他界して、天涯孤独の18歳ですお」

リi、゚ー ゚イ`!「つまり一人ということか」

( ^ω^)「はいですお」

( ^ω^)

( ^ω^)「そういうおおかみさんはどうなんですかお?」

リi、゚ー ゚イ`!「決まっているだろう?独りさ」

リi、゚ー ゚イ`!「人の言葉を話す上に変身する・・・除け者にされて当然ではないか」

リi、゚ー ゚イ`!「その上貧弱だしな」

( ^ω^)「ああ、だから餌にありつけず、人間の家まで来たんですおね」

リi、゚ー ゚イ`!「そうだ」

19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 09:55:52.68 ID:HNBBR1To0
( ^ω^)「雲、薄くなってきましたお」

リi、゚ー ゚イ`!「そろそろだな」

( ^ω^)「月の光は見えませんお」

リi、゚ー ゚イ`!「関係ないさ」

リi、゚ー ゚イ`!

リi、゚ー ゚イ`!「聞きたいことがあるのだが」

( ^ω^)「はいはい」

リi、゚ー ゚イ`!「何故、首輪と鎖があるのだ?」

( ^ω^)

( ^ω^)「昨日まで、一人じゃなかったからですお」

リi、゚ー ゚イ`!「ああ、そうか」

20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 09:56:48.61 ID:HNBBR1To0
( ^ω^)「ドクオは・・・狼から羊たちを守るために一生懸命・・・身を呈してっ!」

リi、゚ー ゚イ`!

リi、゚ー ゚イ`!「その狼は私だ」

( ^ω^)「嘘乙」

リi、゚ー ゚イ`!「簡単にバレてしまった」

リi、゚ー ゚イ`!「激昂したニンゲンが勢い余って鎖を外すかと思ったが・・・駄目か」

( ^ω^)「残念でしたお」

リi、゚ー ゚イ`!「それから敬語はもういい。ただのアホだと知られたからな」

( ^ω^)「うーん」

( ^ω^)

( ^ω^)「わかったお」

21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 09:58:43.67 ID:HNBBR1To0
リi、゚ー ゚イ`!「私も、一人ではなかった」

( ^ω^)

リi、゚ー ゚イ`!「友がいた」

( ^ω^)「うん、わかったお」

リi、゚ー ゚イ`!

リi、゚ー ゚イ`!「まだ話の途中だぞ?」

( ^ω^)「すごく寂しくて、悲しいんだお?」

リi、゚ー ゚イ`!「そんな内容だ」

( ^ω^)「そんな目をしてれば、犬好きなら分かるお」

リi、゚ー ゚イ`!「そうなのか、でも私は狼だ」

( ^ω^)「似たようなものだお」

22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 09:59:48.51 ID:HNBBR1To0
( ^ω^)「おおかみさん、一つ、いいかお?」

リi、゚ー ゚イ`!「どうした、ニンゲンくん」

( ^ω^)「ドクオの行動について、どう思ったかお?」

リi、゚ー ゚イ`!「そうだな・・・」

リi、゚ー ゚イ`!「人に飼い慣らされて、犬として生きていても」

リi、゚ー ゚イ`!「狼とさして変わらないな、と思った」

( ^ω^)「それは一部の犬だけですけどネ」

リi、゚ー ゚イ`!「そうなのか?」

( ^ω^)「他は専ら愛でられてますお」

( ^ω^)「勿論、ボクもドクオを愛でてましたお。良き友として、家族として」

リi、゚ー ゚イ`!「そうなのか・・・そうか」

リi、゚ー ゚イ`!「それもいいのかもしれないな」
24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 10:01:48.03 ID:HNBBR1To0
リi、゚ー ゚イ`!「ああ、もうすぐだな」

( ^ω^)「布取ってくるお」

リi、゚ー ゚イ`!「いや、待てニンゲン」

リi、゚ー ゚イ`!

リi、゚ー ゚イ`!「なあ」

( ^ω^)「お?」

リi、゚ー ゚イ`!「私も一人、お前も一人なら」

25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 10:02:59.20 ID:HNBBR1To0

川 ゚ -゚)「一緒に、暮らさないか?」


26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 10:03:49.15 ID:HNBBR1To0
エピローグ

そこには元気に羊たちを守るおおかみさんの姿が!

リi、゚ー ゚イ`!「意外と疲れるな」

( ^ω^)「今日の夕飯は鶏肉よ!」

リi、゚ー ゚イ`!「また鳥か・・・」

 

 

28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 10:04:46.29 ID:HNBBR1To0
後書き

二日酔いで頭が痛かったので、その現実から逃げてみた。
今は反芻している。
29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 10:07:22.33 ID:HNBBR1To0
需要があるならなんか書くよ。現実から逃れるために。

 

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