- 5
名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票:2008/12/07(日) 12:20:20.75 ID:ntXuh7kyO
きらきらひかる
おそらのほしよ
またたきしては
みんなをみてる
みんなは
みてる?
- 6
名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票:2008/12/07(日) 12:20:58.08 ID:ntXuh7kyO
(´・ω・`)星にお願いをのようです(´∀`
)
- 9
名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票:2008/12/07(日) 12:23:02.90 ID:ntXuh7kyO
- (´・ω・`) 「はぁ……」
窓から顔を出して夜空を見上げながら、ショボンくんは溜め息をつきました。
从 ゚∀从 「どうした、ショボン?浮かない顔して」
(´・ω・`) 「あ、ママ……」
(´・ω・`) 「あのね、お星さまが見えないの」
从 ゚∀从 「星?」
ショボンくんの肩に手を置いて、お母さんも窓から顔を出しました。
空には雲一つないというのに、星がひとつも見えません。
从 ゚∀从 「あぁ、ほんとだな。おかしいな」
(´・ω・`) 「今日だけじゃないの。昨日もおとといも、その前の日もその前の前の日も、ずっと見えないの」
从 ゚∀从 「ほう」
(´・ω・`) 「ママ、ぼくお星さまが見たいよ」
从 ゚∀从 「オレに言われてもな」
- 10
名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票:2008/12/07(日) 12:23:35.07 ID:ntXuh7kyO
- お母さんに冷たくあしらわれ、ショボンくんはいっそうしょんぼりしました。
目はうるみ、今にも泣き出しそうです。
从 ゚∀从 「……」
从 ゚∀从 「ショボンはほんとに、星が好きなんだな」
(´・ω・`) 「うん、だいすき……」
从 ゚∀从 「そうか、大好きか」
お母さんが眉をさげて微笑みました。
- 11
名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票:2008/12/07(日) 12:24:32.72 ID:ntXuh7kyO
- ショボンくんは星が大好きです。
前にお母さんの田舎に行ったとき、おじいちゃんと星を見に行ったのがきっかけでした。
二人で原っぱに寝っ転がると、視界がたくさんの星で埋め尽されました。
大きな星、小さな星。
力強く光る星もあれば、ひかえめにひっそりと光る星もありました。
そのどれもが自由に瞬いて、まるで生きているようでした。
おじいちゃんが星座の名前をたくさん教えてくれましたが、小さいショボンくんにはよくわかりませんでした。
それでも、おじいちゃんのしわがれた優しい声が心地よくて、幸せな気分になったのは覚えています。
おじいちゃんは去年の冬に亡くなってしまいましたが、星空を見ていると、おじいちゃんがそばにいるような、どこかで繋がっているような、なんだかそんな気がするのです。
- 12
名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票:2008/12/07(日) 12:25:29.27 ID:ntXuh7kyO
- 从 ゚∀从 「……ショボン、泣いてるのか?」
(´・ω・`) 「……」
从 ゚∀从 「こんなことで泣いてちゃあ、立派なお兄ちゃんにはなれねぇな」
(´・ω・`) 「……!」
(´・ω・`) 「泣いてないよ!」
从 ゚∀从 「ほんとか〜?」
(´・ω・`) 「泣いてないもん!!」
ショボンくんがこぼれかけた涙をぐっと我慢すると、お母さんがにかっと笑いました。
ショボンくんはもうすぐお兄ちゃんになります。
ほっそりぺらぺらだったお母さんのお腹は、今ではとても大きくなっていました。
从 ゚∀从 「よしよし、偉い偉い。強い男は好きだぞ」
お母さんはショボンくんの頭をポンと叩くと、寒い寒い、と呟きながら、ストーブのほうへ向かいました。
ショボンくんは窓を閉めて、お祈りを始めました。
(´・ω・`) 「お願いです、お星さま……姿をみせてください」
- 13
名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票:2008/12/07(日) 12:26:52.07 ID:ntXuh7kyO
- 一方、その頃。
空の上では、仕事人モナーと、星たちがケンカをしていました。
( ´Д`) 「きみたち!!今日という今日は空に上がってもらうからな!」
( ^ω^) 「やだお!」
ξ゚听)ξ 「絶対にあがらないわよ」
( ´Д`) 「いーや、今日こそは上がってもらう!!」
( ゚∀゚) 「しつけぇんだよ、ジジイ。上がらないっつったら上がらないの」
( ´Д`) 「頼むよ!何がそんなに不満なんだ!?」
川 ゚ -゚) 「何度も言っただろう。もう誰も私たちを見てくれないことが、さ」
- 15
名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票:2008/12/07(日) 12:27:22.39 ID:ntXuh7kyO
- そうだそうだ、と、後ろにいたたくさんの星たちから声が上がりました。
( ^ω^) 「街の明かりが明るすぎて、もうぼくらなんか必要ないんだお」
( ´Д`) 「いいや、たとえ街は明るくても、君達を見たいと思ってる人間はたくさんいるよ」
( ゚∀゚) 「ウソつけよ。人間は夜景とイルミネーションに夢中じゃねぇか」
ξ゚听)ξ 「もうすぐクリスマスだしね。町中キラキラしてるわよ」
ツンの言うとおり、街は光に溢れていました。
いろんな大きさや、いろんな形、いろんな色の電球が、チカチカと光を放っていました。
( ´Д`) 「確かにそうかもしれない。でも君達には、奴らとは違う魅力があるだろう?」
川 ゚ -゚) 「あったところで、人間が見たいと思わなければ同じことだ」
( ´Д`) 「見たいと思ってる人間だっているさ」
( ^ω^) 「ほお。証拠は?」
( ´Д`) 「例えばほら。あの家を見てごらん」
- 17
名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票:2008/12/07(日) 12:28:17.78 ID:ntXuh7kyO
- モナーは、遥か下を指さしました。
指さした先には、ショボンくんの家。
窓ぎわには、一生懸命お祈りする、ショボンくんの姿が見えました。
( ´Д`) 「あの子はね、昨日も一昨日も先一昨日も、ずっとお祈りをしているんだよ。君達の姿が見たくてたまらないんだ」
川 ゚ -゚) 「……ほう」
( ´∀`) 「な、君達のことを見てる人間はちゃんといるんだ。だから……」
( ^ω^) 「だから何だお!所詮子供一人だお!!」
( ゚∀゚) 「けっ、バカにしやがって。おいみんな、こんなジジイ相手にするなんて時間の無駄だ。もう行こうぜ!」
ジョルジュがそう言うと、星たちはみんな一斉に走りだしました。
(;´Д`) 「あぁっ!!」
モナーは追い掛けようとしましたが、そこは逃げ足の速い星たちです。
あっというまに、いなくなってしまいました。
- 18
名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票:2008/12/07(日) 12:28:52.70 ID:ntXuh7kyO
- (;´Д`) 「はぁ……」
(;´Д`) 「…どうしたらいいものか……」
モナーが途方に暮れていると、星たちが逃げていったのと反対の方角から、一人の老人が、一匹の動物に乗って近付いて来ました。
サンタビコーズとギコカイです。
Ψ Ψ
(,,゚Д゚) 「よっ、モナーさん」
( ∵) 「……」
(;´∀`) 「あっ……こんばんは……」
Ψ Ψ
(,,゚Д゚) 「今日も星はあがんねぇのか?」
(;´∀`) 「あ…はい……」
( ∵) 「……」
Ψ Ψ
(,,゚Д゚) 「はぁ……あのなぁ、モナーさんよ」
(;´∀`) 「……はい」
- 20
名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票:2008/12/07(日) 12:31:39.83 ID:ntXuh7kyO
- Ψ Ψ
(,,゚Д゚) 「クリスマスイブまでに何とかしてくれないと困るんだよ。な?星たちのあかりがなきゃ、俺が安心して夜空を走れないわけ。わかる?」
(;´∀`) 「はい……」
Ψ Ψ
(,,゚Д゚) 「もし途中で俺がケガでもして走れなくなれば、プレゼントが配れないわけよ」
(;´∀`) 「……はい……」
Ψ Ψ
(,,゚Д゚) 「困るの、わかるよな?」
(;´∀`) 「重々…承知です……」
Ψ Ψ
(#゚Д゚) 「だったらさっさと星たちを説得しろやゴルァア!!」
(;´∀`)そ 「ひっ…!」
すくみあがるモナーを見て、サンタビコーズが、ギコカイの頭をぽんぽんと叩き、首を横に振りました。
(( ∵)) フルフル
Ψ Ψ
(゚Д゚;) 「……すみません、つい……」
- 21
名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票:2008/12/07(日) 12:34:40.07 ID:ntXuh7kyO
- (;´∀`) 「……」
Ψ Ψ
(,,゚Д゚) 「……」
Ψ Ψ
(,,゚Д゚) 「……フゥ」
Ψ Ψ
(,,゚Д゚) 「とにかくな、イブが期限だ。イブまでに何とかしないと……わかってるな?」
(;´∀`) 「…はい、必ず何とかします」
Ψ Ψ
(,,゚Д゚) 「必ずだぞ」
(;´∀`) 「…はい……」
モナーが頷いたのを確認すると、ギコカイとサンタビコーズは帰ってゆきました。
- 23
名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票:2008/12/07(日) 12:37:10.47 ID:ntXuh7kyO
- (;´∀`) 「イブまでって…あと一週間しかないじゃないか……」
モナーはまた途方に暮れてしまいました。
モナーの仕事は、大きな大砲で、星を空に打ち上げることです。
モナーはとても真面目な男で、星を打ち上げる仕事人はモナーの前にもたくさん居ましたが、そのうちの誰よりも真剣に仕事に取り組んでいました。
モナーは仕事に使う大砲を、使っていない今でも、毎日毎日、隅から隅まで手入れしていました。
だからモナーは、いつでもすすだらけでした。
もちろん今日も、いつものようにすすだらけ。
でも今はすすを気にしている場合ではありません。
(;´∀`) 「何とかしなきゃな……。あの子のためにも……」
モナーはもう一度、ショボンくんの家のほうに目をやりました。
ショボンくんはまだ、お祈りを続けていました。
モナーはすすで真っ黒になった手を、ぎゅっと握り締めました。
- 25
名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票:2008/12/07(日) 12:39:14.29 ID:ntXuh7kyO
- それから1週間のあいだ、モナーは毎日、星たちのところへ足を運び、頭を下げ続けました。
(;´∀`) 「頼むよ、このとおりだ」
( ^ω^) 「……」
(;´∀`) 「君達がいないと、ギコカイも走れないって言ってる。な、頼むよ」
( ^ω^) 「ギコカイも休めばいいんだお。走るのなんて疲れるお」
(;´∀`) 「プレゼントを待ってる子供たちはどうなるんだよ…」
( ^ω^) 「そんなのぼくらには関係ないお。ぼくらの存在を軽く見た罰だお」
(;´Д`) 「そんな……頼むよ…お願いだ…」
(;´Д`) 「きみたちが…必要なんだよ……」
( ^ω^) 「……」
- 26
名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票:2008/12/07(日) 12:40:01.50 ID:ntXuh7kyO
最初はケンカ腰で反論していた星たちも、頭を下げるモナーを見て、怒鳴ることはなくなりました。
それでも星たちは、空に上がることを拒み続けました。
- 28
名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票:2008/12/07(日) 12:43:53.71 ID:ntXuh7kyO
そして、ついにクリスマスイブが来てしまいました。
( ´Д`) 「結局……ダメだったか……」
モナーはため息をついて、がっくりと肩を落としました。
しばらくそのままうなだれていましたが、いかんいかん、と両手で頬を叩いて立ち上がりました。
(;´∀`) 「希望を捨ててはいかんな。さあ、今日も大砲の手入れからだ」
そう言ってモナーは、大砲の手入れを始めました。
- 31
名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票:2008/12/07(日) 12:47:17.61 ID:ntXuh7kyO
- ただひたすらに黙々と手入れをし、そしていつも以上に綺麗にみがきあげました。
大砲がピカピカになる頃には、モナーはやっぱり、すすだらけになっていました。
(;´∀`)「ふぅ…」
(;´∀`) 「綺麗になった……これなら星たちにはすすがつかない…」
(;´∀`) 「状態もばっちりだし、飛び心地も相当いいはずだ」
(;´∀`) 「あとは……みんなが、上がる気にさえなってくれれば……」
壁┬┤ ゚ -゚) 「……」
壁┬┤彡 サッ
( ´∀`)
(´∀` )?
( ´∀`) 「…気のせいか…」
- 33
名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票:2008/12/07(日) 12:52:15.16 ID:ntXuh7kyO
- ( ´∀`) 「さて……!」
( ´∀`)「最後の交渉だ!星たちのところへ……」
('A`) 「あの、モナーさん」
(´∀` ) 「はい?」
(´∀` ) 「えーと……きみは?」
('A`)
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