479 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/15(水) 20:30:14.41 ID:JrjYigTBO










     「いた」



     「……」



     「そうか」



     「……」







480 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/15(水) 20:41:15.78 ID:JrjYigTBO



( ∴)

 下校。ツンが、楽しそうに歌っている。

ξ゚听)ξ「ひとーにすーがたをみっせらっれぬ、けもののーよーなこのからだー」

 アニメか何かの歌らしい。
 ミセリが好きだとか何とか。

ξ゚听)ξ「はやく、にんげんになりたーい」

( ∴)

 あっ。


( ∴)「そういえば僕、人間になりたいんだった」

ξ;゚听)ξ「……そんな大事なこと忘れてたの?」



481 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/15(水) 20:49:46.00 ID:JrjYigTBO

( ∴)「何だか楽しくて、忘れてたよ」

ξ゚听)ξ「楽しかったんならしょうがないね」

( ∴)「どうやったら、神様のところに帰れるかな」

ξ゚ -゚)ξ「……ゼアが帰っちゃうの、寂しい」

( ∴)「ん」

 神様のところに行ったら、こっちの人達とは会えなくなっちゃう。
 それは。

( ∴)「……寂しいね」





*****

483 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/15(水) 21:00:44.03 ID:JrjYigTBO



(*∴)) アグアグ

ミセ*゚ー゚)リ「ちょっと高いふりかけ買っちゃった。美味しい?」

(*∴)「美味しい」
  _
( ゚∀゚)「米粒ついてんぞー」

ξ゚听)ξ「お父さんも頬っぺたにご飯付いてるよ」

 美味しくて、楽しくて、幸せ。


( ∴) アグ…


 人間になるのと、このままじゃ、どっちが幸せなんだろう。





*****

485 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/15(水) 21:09:21.99 ID:JrjYigTBO



 ミセリが作ってくれた枕に頭を乗せて、ツンの隣に横になる。

 電気を消して、ツンは「おやすみ」と言った。
 僕も「おやすみ」と返して、目を閉じる。










 ――どれくらい経ったか。


 するり、僕の頬を撫でる、心地良い感触に気付いた。




486 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/15(水) 21:12:50.92 ID:JrjYigTBO

( ∴)「……?」

 目を開ける。

 感触の正体を知って――僕の頭は、真っ白になった。

 枕元に、女の人が立っている。



川 ゚ -゚)


 真っ白いドレスみたいな服を着た、とても綺麗な女の人。



( ∴)「……神様……」



 僕を作った、神様。


490 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/15(水) 21:22:24.46 ID:JrjYigTBO

 慌ててツンに振り返るけれど、ツンが目を覚ます気配は無い。

川 ゚ -゚)「やっと見付けた……」

(;∴)「あ……ご、ごめんなさい、僕」

川 ゚ -゚)「気に病むな、あれは事故だ」

 僕を掌の上に乗せ、神様は目を伏せる。

川 ゚ -゚)「……見付けるのが遅れてすまない」

( ∴)「いいえ。大丈夫です――」

川 ゚ -゚)「大丈夫じゃ、ないだろう」

 神様は、鼻先を僕の頬に擦りつけ、囁く。

川 ゚ -゚)「長い間、ここに居たんだ。……情が移ったんじゃないか」

( ∴)「……」

494 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/15(水) 21:28:14.95 ID:JrjYigTBO

川 ゚ -゚)

( ∴)

 じっと、見つめ合う。
 何だか、ふわふわ、変な気分。

 会えて嬉しい。
 けど、会えたのが、恐い。

川 ゚ -゚)「……君は」

 神様が、再び口を開く。

川 ゚ -゚)「人間に、なりたいか」

( ∴)

( ∴)「……はい」

川 ゚ -゚)「……そうか」

 神様、悲しそうだ。
 どうして?

( ∴)「神様――」

川 ゚ -゚)「残念だが、君が人間になるのは、難しいことだ」
501 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/15(水) 21:36:45.10 ID:JrjYigTBO

( ∴)「……え……」

川 ゚ -゚)「君は、この世界で名前を貰って、『家族』と暮らした」

川 ゚ -゚)「この世界で、生きてしまったんだ」

( ∴)「……」

川 ゚ -゚)「もう、そのままの姿で、ここで暮らしていくしかない」

( ∴)「……そんな、」

川 ゚ -゚)「ただし」

川 ゚ -゚)「どうしても人間になりたいなら、
     一つだけ、方法がある」

( ∴)「……」

川 ゚ -゚)「――君と関わった者の、君に関する記憶を、全部消す」

川 ゚ -゚)「君が、ここで生きたことを、無かったことにするんだ」


506 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/15(水) 21:43:54.82 ID:JrjYigTBO

 ――人間になれないと言われたときより。

 そっちの方が、ショックだった。

( ∴)「……」

川 ゚ -゚)「……迷うか」

川 ゚ -゚)「やっぱり、君は、この世界にすっかり染まってしまったようだ」


 たとえば、今、後ろで寝ているツン。
 僕が怪我をしたときに泣いてくれたツン。
 彼女の中からも、僕は消えてしまうの?


( ∴)「……」

川 ゚ -゚)「……私と話しても、決められないだろう」



507 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/15(水) 21:46:45.53 ID:JrjYigTBO


川 ゚ -゚)「もう一度、会っておいで。この世界に生きる人外に。
     彼らを見て、決めておいで」





 神様が、僕の頭のてっぺんに、唇を押し付けた。





 目の前が真っ白になって。



 それから。







*****



508 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/15(水) 21:52:26.96 ID:JrjYigTBO





( ∴)

 真っ白な世界。
 辺りを見渡していると、突然、目の前に見知った人が落ちてきた。

    「ぶげっ!!」

( ∴)「あ」

爪;ー;)「いてて……何だよ急に……」

( ∴)「フォックス」

爪;ー;)「ああ? ……おう、ゼアフォーか」

 僕を見て、フォックスは涙を着物の袖で拭った。

爪'ー`)「……はあ。で、何だ、ここ。夢ってもんじゃなさそうだが」

( ∴)「んっと……」


510 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/15(水) 22:00:44.95 ID:JrjYigTBO

 ちょっと説明が難しかったけど、何とかフォックスに事情を話し終える。
 フォックスは、「ふうん」と興味無さげに答えた。



          ひとりめ:フォックス



爪'ー`)「で、お前、どっちがいいの」

( ∴)「……分かんない」

爪'ー`)「分かんないっつったってな」

( ∴)「うーん」

爪'ー`)「んじゃあ、人間になりたいと思う理由って何だよ」

( ∴)「……理由……」

 フォックスを見ていると、初めて彼と会ったときのことを思い出した。

 祠が壊れて、泣いていたフォックス。
 みんなが、祠を直してあげた。

513 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/15(水) 22:10:17.33 ID:JrjYigTBO

 ツンとしぃが木の狐を綺麗にした。
 ショボンと先生が祠を直した。
 ペニサスが飾りを作った。

 僕が出来たことなんか、何も無かった。

( ∴)「……人間になったら、人の役に立てる」

爪'ー`)「役?」

( ∴)「僕は、フォックスに何も出来なかった。
    みんなは頑張って色々してあげてたのに」

 僕が大きかったら。
 力持ちだったら。
 知識を持ってたら。
 人間だったなら。

 あのとき、僕も、何かしてあげられた筈だ。


520 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/15(水) 22:41:42.16 ID:JrjYigTBO

爪'ー`)「……」

 かりかり、フォックスは頬を指先で引っ掻いた。

爪'ー`)「あのさ」

( ∴)「……何?」

爪'ー`)「お前は、一番大事なことをしてくれたと思うよ」

( ∴)「?」

爪'ー`)「俺に気付いてくれた。俺を見ても逃げなかった。
     ……みんなに、教えてくれたじゃないか」

( ∴)「……」

爪'ー`)「お前がいなかったら、そもそも祠の修理なんかされなかっただろ」


525 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/15(水) 22:55:33.49 ID:JrjYigTBO

( ∴)「……」

爪'ー`)「嬉しかったよ。祠が元に戻ったのもそうだけど、
     何より、お前が俺を何とかしようとしてくれたのが嬉しかった」

( ∴)「……本当?」

爪'ー`)「こんな大事なところで嘘つけるわけねえだろ」

 ――そっか。
 そうなんだ。

 僕も、フォックスのために必要なことを出来ていたんだ。

 良かった。

爪'ー`)「ありがとう」

( ∴)「うん……――あ」



 フォックスが、消えた。

 そして、今度は、後ろから声。


528 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/15(水) 23:03:06.98 ID:JrjYigTBO

<_プー゚)フ「あ、ゼアフォーだ」

( ∴)「エクスト……」



          ふたりめ:エクスト



 フォックスにしたように、エクストにも僕の現状を説明した。
 エクストは、くるんと回転する。

<_プー゚)フ「めんどくさいことになってんなあ、お前」

 まあ、否定はしない。

<_プー゚)フ「そーだなあ、人間になりゃ、便利だとは思うぞ」

( ∴)「便利って?」

<_プー゚)フ「今のお前よりは、やれることの範囲が広がるんじゃないか」

( ∴)「……だよね」

531 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/15(水) 23:12:07.91 ID:JrjYigTBO

<_プー゚)フ「だけど、記憶が何もかも消えちゃうんだよなー」

( ∴)「……うん」

<_プー゚)フ「お前の中の、ツン達の記憶も無くなるんだろ」

( ∴)「うん」

<_プー゚)フ「ツン達の中の、お前の記憶も無くなる」

( ∴)「……」

<_プー゚)フ「お前の中の俺も、俺の中のお前もだ」

<_プー゚)フ「そりゃ、完全に消えちまうなら、後で悲しむことはないよな。
       覚えてなけりゃ、悲しみようがないもん」

( ∴)「……そうだね」

 たしかに。
 それなら、人間になる方を選んでもいいのかもしれない。
 寧ろそうした方が、すべてすっきりする。


535 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/15(水) 23:36:00.33 ID:JrjYigTBO

<_プー゚)フ「でもそれは後の話だ」

( ∴)「え?」

<_プー゚)フ「ちゃんとお前のことを覚えてる今、
       お前が人間になることを考えると、すごく悲しい気持ちになるよ」

( ∴)「……今……」

 今。
 今は、うん、……悲しい。

<_プー゚)フ「お前を忘れた俺より、お前を知ってる俺の方がいい」

<_プー゚)フ「血の繋がりもない家族が守られてたってだけで礼を言っちゃう、
       そんなお前を知っていた方がいい」

( ∴)

 エクストがジョルジュを守ってくれていたのを知ったとき、
 僕は、自分のことでもないのに嬉しかった。

 ――家族だったからだ。

 大切な家族だったから、エクストに感謝したんだ。


539 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/15(水) 23:48:44.74 ID:JrjYigTBO

( ∴)「……」

<_プー゚)フ「ま、俺は強制するつもりはないし。
       好きにしてくれ」

( ∴)「……分かった」

 エクストが、消える。

 次に来るのは、多分――



( ∵)「ゼアフォー?」

( ∴)「やあ」



          さんにんめ:ビコーズ



 3度目の説明。
 ちょっと面倒になってきた。


543 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 00:06:07.59 ID:vXQJ6SqSO

( ∵)「そんなことが……」

( ∴)「残念ながら事実なんだ」

( ∵)「うーん……」

 ビコーズは、顎の辺りに手をやり、俯いた。

( ∵)「……僕は、君にそのままでいてほしいと思う」

( ∵)「それに、僕が体を持つきっかけをくれた君を、忘れたくない」

( ∴)「……」

( ∵)「だけど、君は、元々人間になるべき存在だった」

( ∵)「僕が、欲しかった体を手に入れたように」

( ∵)「君にも、望んでいた体が与えられればいい」


548 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 00:19:03.27 ID:vXQJ6SqSO

( ∴)「そう、かな」

( ∵)「僕は君が幸せになれるなら何でもいいよ」

 ビコーズが、僕の手を握りしめた。
 固い。冷たい。そういえば、彼は土で出来ているんだった。

( ∵)「僕は君のおかげで幸せになれた。
    感謝してる」

( ∴)「……大したこと、してないよ」

( ∵)「君にとっては大したことなくても、僕にはとても重要なことだった」

 手を離す。
 表情は変わらないけれど――もし彼が感情を顔に表せたのなら、
 きっと、優しく笑っていたと思う。

( ∵)「きみが幸せになれる道を選んで」


 一瞬で、ビコーズはいなくなった。

 ……次で、最後かな。


 隣で、猫の鳴き声がした。


550 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 00:29:48.52 ID:vXQJ6SqSO

(,,゚Д゚)「……何だ、ここ」

( ∴)「僕にも、よく分かんない」



          よにんめ:ギコ



 ちょっと疲れてきたけど、きっとこれで最後だ。
 気合いを入れて事情を話す。

(,,゚Д゚)「人間になるか、このままか……」

( ∴)「うん」

(,,゚Д゚)「……お前の姿は、ちぃと奇抜すぎる。
     今のまま暮らしていくなら、色んなことに気を遣わなきゃいけなくなる」

(,,゚Д゚)「人間になりゃ、その辺りは問題なくなる。
     堂々と生きていけるわけだ」

( ∴)「……」


555 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 00:40:52.42 ID:vXQJ6SqSO

(,,゚Д゚)「――俺にも、思うところはある」

 でもな、と、ギコは言葉を続けた。

(,,゚Д゚)「でもな。それについては、もうお前に言ってるから、
     今更改めて言う気は無い」

( ∴)「……?」

 座り込み、ギコは欠伸を一つ。
 眠たそうな声で僕に問う。

(,,゚Д゚)「お前は、みんなが好きか?」

( ∴)「大好きだよ」

(,,゚Д゚)「そうか」

 じゃあ、いいんじゃないか。

 ギコがそう言うと同時に、彼は、消えていった。



558 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 00:48:36.07 ID:vXQJ6SqSO



( ∴)

 真っ白い場所に1人きり。

 みんなの言葉を思い返す。



 ――そういえば、ギコが言ってたのは、
 この間の、縁がどうのこうのって話かな。


( ∴)「……」










*****



559 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 01:01:58.90 ID:vXQJ6SqSO





川 ゚ -゚)「おかえり」

( ∴)「……ただいま」

 ふと気付くと、神様の掌の上に戻ってきていた。

川 ゚ -゚)「どうする?」

 直球に、神様は訊ねる。

 ――神様。
 僕を作るのに失敗してしまったとき、ぽろぽろ、僕を想って泣いてくれた神様。
 きっと、神様は、僕が人間になるのを望んでいる。

 これから先もこのままの姿で生きていくのは、大変だろう。
 それを考えた上で、神様は、僕を人間にしたがっている。

 優しい神様。僕を作ってくれた神様。

 僕は、勿論ツン達が大好きだ。
 それと同時に、神様も大好き。
564 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 01:08:31.62 ID:vXQJ6SqSO

( ∴)「……神様」

川 ゚ -゚)「ん?」

( ∴)「僕は、神様が大好きです」

川 ゚ -゚)「私も、君が……みんなが、好きだよ」

( ∴)「だから、神様の望む通りにしたい」

川 ゚ -゚)「……私の?」

( ∴)「神様は、僕に、どうなってほしい?」

川 ゚ -゚)「――……人間に、なってほしいと思っているよ」

( ∴)「……そうじゃなくて」

川 ゚ -゚)「?」

 そうじゃ、なくて。

 もっと、根本の。



565 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 01:11:27.15 ID:vXQJ6SqSO





( ∴)「僕に、幸せになってほしい?」



川 ゚ -゚)「っ……」







566 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 01:16:25.48 ID:vXQJ6SqSO

川 ゚ -゚)「……幸せになってほしい。
     だから、人間になってほしい」

( ∴)「……」

 やっぱり。神様は、優しい。

( ∴)「じゃあ。きっと、僕、幸せになれるから。――神様」










( ∴)「僕のこと、『君』じゃなくて、『ゼアフォー』って呼んで」



川 ゚ -゚)


川 - -)



570 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 01:24:22.59 ID:vXQJ6SqSO










     「分かったよ。ゼアフォー」










*****




575 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 01:34:29.63 ID:vXQJ6SqSO





ミセ*゚ー゚)リ「おはよー」
  _
( ゚∀゚)「おはよう、ツン、ゼア」

ξぅ听)ξ「おはよー……」

( ∴)「おはよう。ツン、顔洗って目を覚ましたら?」

ξぅ-)ξ「んー」

 ツンが洗顔を済ませて、食卓につく。

 みんなは、ふりかけご飯に目玉焼き、お味噌汁。
 僕は、ふりかけご飯のおにぎり、お猪口に入ったお味噌汁。
 ツンが、目玉焼きを細かくして、僕に分けてくれた。

 美味しくて、すごく、幸せ。





*****

579 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 01:45:16.04 ID:vXQJ6SqSO



爪'ー`)y‐ スパー
  _,、_
(,,゚Д゚)「久々に会ったと思えば……ヘビースモーカーになってやがったか、ゴルァ」

<_プー゚)フ「けむてー」

( ∵)「僕は、もう慣れちゃったよ……」

ξ゚听)ξ「その煙、役に立ったことあるから許してあげる」

( ∴)「祠に煙草の匂いついちゃいそうだね」

 放課後、掃除の時間。祠周りの掃除、今日は2年生が当番の日。
 そういうわけで祠に来ると、何故かエクストやギコまで集まっていた。

(´・ω・`)「祠に何かいっぱいいるー」

爪'ー`)y‐「おう、今日もしっかり掃除してけー」

(*゚ー゚)「あっ! ギコ、何でいるの?」

(,,゚Д゚)「んあ、ガキ……」

('、`*川「ゼアっぽいのがいる」

( ∵)「僕はビコーズだよ」


580 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 01:53:09.62 ID:vXQJ6SqSO

(;^ω^)「みんな、行くの速……」

(;゚ω゚)「いやああああああああああ妖怪大戦争!!!!!」

<_プー゚)フ「うるせー奴だなあ」

(;゚ω゚)「怒られた! ごめんなさい!!」

爪'ー`)y‐「ほら早く掃除しろー」

(;゚ω゚)「ケモ耳のオッサンに命令されたあああああ! 何この新感覚プレイ!!」

ξ゚听)ξ「ゼア、一緒に祠磨こー」

( ∴)「うん!」

( ∵)「僕も手伝う」

(*゚ー゚)「ギコ、お昼は家でご飯食べなよ。お母さん寂しがってるよ」

(,,//Д//)「しっ知ったこっちゃねえよゴルァ!」

('、`*川「今日は賑やかだね」

(´・ω・`)「ね」



581 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 01:55:24.41 ID:vXQJ6SqSO



 楽しいなあ。


 僕は、人間にならなくてもいい。
 僕はゼアフォーのままでいい。


 だって、こんなにも、幸せ。






585 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 01:59:26.30 ID:vXQJ6SqSO



ξ*゚ー゚)ξ「ゼア、楽しいね」


(*∴)「そうだね、ツン」










     ( ∴)早く人間になりたいようです



        おわり



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