- 2
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/13(月) 17:38:16.12 ID:kOcRyRAwO
- >>1
ありがとうございます!
このスレは、
252:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2010/12/13(月) 17:17:52.29 ID:kOcRyRAwO
どなたか代理でスレを立ててはくれないか
スレタイはそちらに任せる。自由に決めてくれ
そのタイトルから即興で話を考えて、ながらで進めていきたい
(後略)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
という試みのもとに立てていただきました
ながらで、ゆっくり投下していきます
じゃあ、投下を始めようか
- 8
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/13(月) 17:42:16.90 ID:kOcRyRAwO
すまない。
失敗してしまったんだ。
ごめん。ごめんな――
神様は、そう言って、ぽろぽろ涙を零した。
本当は人間にしてやりたかった。
ごめん――
神様は、そう言って、優しい手で、僕を撫でてくれた。
- 13
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/13(月) 17:47:30.97 ID:kOcRyRAwO
神様の手が僕の顔を、体をなぞる。
まんまるな顔。
ぽっかりあいた、3つの穴。
小さな体。
毛なんか1本も生えていない。
ごめん――
大丈夫です、気にしてないから。
僕はそう言って、神様に近付こうとしたんだけど。
足を、滑らせてしまった。
- 15
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/13(月) 17:48:47.98 ID:kOcRyRAwO
あ。
あ、あ。
空が遠くなる。神様が遠くなる。
あ、あ、あ。
- 16
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/13(月) 17:53:04.87 ID:kOcRyRAwO
痛っ。
何か、硬いところにぶつかったぞ。
どこだろ、ここ――
ξ;゚听)ξ
体を起こして辺りを見渡すと。
僕よりもずっとずっと大きな女の子が、僕を見下ろしていた。
- 18
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/13(月) 17:55:05.03 ID:kOcRyRAwO
( ∴)「?」
きみ、だあれ?
そう訊こうとした瞬間。
女の子は、僕を鷲掴みにした。
( ∴)早く人間になりたいようです
- 23
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/13(月) 18:03:51.79 ID:kOcRyRAwO
僕を掴んだ女の子は、突然走り出した。
揺れる視界で、なんとか、彼女が家の中に入ったことを確認できた。
ξ;゚听)ξ「お父さん! お父さん!!」
_
( ゚∀゚)「んー? 忘れ物か?」
ξ;゚听)ξ「違う! 何か変なの捕まえた!!」
(;∴)
痛い痛い。そんなに握りしめないで。
文句を言いたいのに、ぎゅうっと体を握られたまま振り回されるので、
何も言えやしない。
言いたいことも言えないこんな世の中じゃ。
ぽいずん。
女の子は、彼女より更に大きな男の人に、僕を突き付けた。
_
( ゚∀゚)「どうせ虫だr……」
_
( ゚∀゚)
え、眉毛飛んだ?
- 28
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/13(月) 18:11:11.22 ID:kOcRyRAwO
ξ;゚听)ξ「ねっ! 変でしょ!」
_
( ゚∀゚)「い……」
ξ;゚听)ξ「い? ていうかお父さん眉毛!!」
_
( ∀ )「い、いっ」
カシャーン!!
_ ≡≡
( ;∀;)「ぃいいやぁああああああああああああああああああ!!!!!!」
うるさっ。
ξ;゚听)ξ「お、お父さん!? ていうかお父さん眉毛!!!」
ミセ*゚ー゚)リ「どうしたの、お父さん」
あ、また人が増えた。
女の子より大きくて、男の人より少し小さい、女の人だ。
_
( ;∀;)「母さん! ツンが! ツンがぁ! 怖いの持ってきたぁあああああ!!」
男の人は女の人にしがみつく。
女の人が、きょとんとした顔で首を傾げた。
- 31
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/13(月) 18:22:25.32 ID:kOcRyRAwO
ミセ*゚ー゚)リ「ツン、この人どうしちゃったの?」
ξ;゚听)ξ「これ見せたらこうなった」
今度は女の人に僕を突き付ける。
女の人は暫く僕と女の子を交互に見遣って――
ミセ*゚ー゚)リ「もう。お父さん怖がりなんだから、そういうの見せちゃ駄目でしょ」
何か普通に女の子を注意した。
ξ;゚听)ξ「お父さんほど驚くのもアレだけれども!
だからといってそれは反応薄すぎだろ!」
_
( ;∀;)「やらぁあ! らめぇ! それ持ってこっち近付いちゃらめなのぉ!」
ξ;゚听)ξ「うっぜえ!」
_
( ;∀;)「ふぇええん……」
ミセ*゚ー゚)リ「よしよし」
- 32
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/13(月) 18:25:53.36 ID:kOcRyRAwO
……何なんだろう、この状況。
色々気になるけど、まずは、とりあえず。
(;∴)「……あの、放して……」
ξ;゚听)ξ
_
( ;∀;)
ミセ*゚ー゚)リ
_
ξ;゚д゚)ξ( ;∀;)「喋ったぁあああああああああああああああ!!!!!!!!」
ミセ*゚ー゚)リ「あらまあ」
- 36
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/13(月) 18:42:33.00 ID:kOcRyRAwO
生き物は、生まれる前に、神様に形作られる。
顔や体がどんな風になるのか、神様には決められない。
神様は材料を用意して、そこに命を吹き込んでくれるだけ。らしい。
必ず成功するわけじゃないけど、かといって、失敗することはまず無いそうだ。
ただ――僕は、その、滅多に起こらない「失敗」に巻き込まれてしまったんだとか。
僕は人間になる予定だったのだと、神様は言っていた。
だけど、とても人間とは呼べない姿になってしまった僕は、
生まれることが出来なくなってしまった。
そういった命は、神様の手によって消されなければいけないんだけど。
僕もその筈だったんだけど。
……足を滑らせて、どうやら、下界に落っこちてしまったらしい。
- 39
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/13(月) 18:50:13.17 ID:kOcRyRAwO
――といったことを説明したものの。
_,、_
ξ゚听)ξ
_
( ;∀;)
当然というか何というか。
まったく理解してもらえなかった。
男の人に至っては聞いていたかすら怪しい。
ミセ*゚ー゚)リ「神様っているのねえ」
女の人は飲み込めたようで、のほほんと頷いた。
いや、寧ろ本当に理解したのかどうか分からない。
適当に相槌うっただけじゃないか、この人。
女の子が、僕の額をつっついた。
ξ゚听)ξ「変なのが変なこと言ってる」
( ∴)「信じてくれなくてもいいよ」
ξ゚听)ξ「……そう言われちゃうとなあ……」
- 40
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/13(月) 18:59:08.40 ID:kOcRyRAwO
ミセ*゚ー゚)リ「ま、こうやって存在してる以上、受け入れなきゃね」
ξ゚听)ξ「んー……」
ミセ*゚ー゚)リ「それより、学校は? 遅刻しちゃうよ」
ξ;゚听)ξ「あっ! い、いってきます!」
途端に、女の子は慌てた様子で家を出ていってしまった。
学校。人間の子供が行くところだっけ。
ミセ*゚ー゚)リ「お父さんも、会社」
_
( ;∀;)「うううう……」
男の人も、よろよろと覚束ない足取りで家を出る。
会社。人間の大人が行くところ。
ぱたん、とドアが閉まって。
ミセ*゚ー゚)リ
( ∴)
女の人と、僕の2人きりになった。
- 42
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/13(月) 19:09:44.85 ID:kOcRyRAwO
ミセ*゚ー゚)リ「さーて。ゼアちゃん、お腹へってない?」
女の人は僕を掌に乗せると、にっこり笑って訊ねてきた。
( ∴)「……ゼアちゃん?」
ミセ*゚ー゚)リ「『ゼアフォー』の、ゼアちゃん」
( ∴)「なあに、それ」
ミセ*゚ー゚)リ「あなたの名前。名前ないと、呼びにくいでしょ?」
( ∴)「……」
名前。名前か。
人間って、生まれた後に名前をつけられる。
でも僕は生まれられなかったから、名前が無い。
だけど、僕は名前を貰った。ゼアフォーだって。
(*∴)
――まるで、この世界に生まれることが出来たみたいじゃないか。
- 43
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/13(月) 19:12:54.30 ID:kOcRyRAwO
そうだ、名前といえば。
( ∴)「あなたは、何ていうの?」
ミセ*゚ー゚)リ「私? ミセリ」
( ∴)「ミセリ」
ミセ*゚ー゚)リ「よろしくね、ゼアちゃん」
( ∴)「……そういえば、何でゼアフォー?」
ミセ*゚ー゚)リ「そんな顔だもの」
( ∴)「……」
この人、よく分かんない。
*****
- 45
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/13(月) 19:25:30.56 ID:kOcRyRAwO
ξ;゚听)ξ「まだいる!」
夕方。
帰ってきた女の子は、テーブルの上に座る僕を見て、目を真ん丸にさせた。
ミセ*゚ー゚)リ「だって、ゼアちゃんどこにも行きようがないでしょ」
ξ゚听)ξ「ぜあちゃん?」
ミセ*゚ー゚)リ「名前付けたの。ゼアフォー。で、ゼアちゃん」
ξ゚听)ξ「ゼア!」
僕の名前を何度も呼びながら、女の子は僕をぐりぐりした。
( ∴)「君の名前は?」
ξ゚听)ξ「ツンっていうよ。長岡ツン」
( ∴)「つん」
ξ゚听)ξ「ゼア」
ぐりぐり。つんつん。むにむに。
ツンは、僕を触るのが気に入ったらしい。
- 46
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/13(月) 19:32:31.98 ID:kOcRyRAwO
ξ゚听)ξ「ゼア、うちに住むの? それとも帰るの?」
( ∴)「帰りたいけど、どうしたら帰れるか分からない」
ミセ*゚ー゚)リ「帰り方が分かるまで、うちに居ればいいじゃない」
ξ゚听)ξ「いーじゃない!」
どうやら、僕を住まわせてくれる気満々らしい。
嬉しい。
*****
- 49
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/13(月) 19:40:55.96 ID:kOcRyRAwO
_
( ;∀;)「ぁあああああっあああまだいるぅううううう!!!!!」
夜。
帰ってきた男の人は、ツンの頭に乗っかる僕を見て、その場にへたり込んだ。
ミセ*゚ー゚)リ「ゼアちゃん、いい子よ」
_
( ;∀;)「何それ! 名前!?」
ξ゚听)ξ「ゼアフォーだって」
_
( ;∀;)「こわい! 妻と娘の順応力こわい!!」
( ∴)「あなたの名前、何?」
_
( ;∀;)「ジョルジュ長岡ですぅうう! VIP商社の長岡ですぅううう!」
泣き叫びながら、ジョルジュは小さな紙を差し出した。
名刺というやつだな。さすがサラリーマンだ。
ミセ*゚ー゚)リ「あ、ゼアちゃん、今日からウチの子だからね」
_
( ;∀;)「んあああああああああああああああああああああん!!!!!!」
ジョルジュは、うるさい人だなあ。
- 50
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/13(月) 19:50:03.52 ID:kOcRyRAwO
家族が揃ったから、お夕飯。
みんなは焼き魚とかお浸しとか、普通のご飯。
僕は、僕に合ったサイズのおにぎり。
ツン達なら一口で食べれちゃいそうな大きさだ。
ミセ*゚ー゚)リ「ゼアちゃん、あーん」
ミセリが、焼き魚をほぐして僕に食べさせてくれた。
美味しい。
(*∴)) モクモク
_
( ゚∀゚)ξ゚听)ξ(上の穴が口なんだ……)
ふりかけが混ぜられたおにぎりをかじる。
これも美味しい。
- 52
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/13(月) 19:57:41.48 ID:kOcRyRAwO
(*∴)=3 ケプゥ
ごちそうさま。美味しかった。
ミセ*゚ー゚)リ「ツン、お風呂入っちゃいなさい」
ξ゚听)ξ「お風呂! ゼア、お風呂入ろ」
_
(;゚∀゚)「!? いけません! そんな怖いのと風呂なんて!」
ξ゚听)ξ「だってゼアちっちゃいから1人でお風呂に入るの危ないかも」
ミセ*゚ー゚)リ「それとも、お父さんがゼアちゃんとお風呂に入るの?」
_
( ゚∀゚)「のぼせるなよ、ツン、ゼア」
ξ゚听)ξ「はーい」
- 55
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/13(月) 20:10:30.82 ID:kOcRyRAwO
ξ*--)ξ ゴクラク (∴*)
いい湯加減で。
ξ゚听)ξ「寝る!」
パジャマに着替えたツンは高らかに宣言し、僕を連れて彼女の部屋に入った。
ベッドへ倒れ込み、僕を枕元に座らせる。
ξ゚听)ξ「んー」
( ∴)「何?」
そのまましばらく僕を見つめたかと思えば、ベッドを下りて、箪笥を漁り出した。
ξ゚听)ξ⊃□ ハンカチー
ξ゚听)ξ△ タタミタタミ
そして、タオル地のハンカチをどんどん折り畳んでいく。
水色のそれを、ツンは僕に差し出した。
- 59
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/13(月) 20:48:08.50 ID:kOcRyRAwO
( ∴)「?」
ξ゚听)ξ「ゼアの枕」
(*∴)「……ありがとう」
ξ゚ー゚)ξ「ん」
――おやすみなさい。
- 60
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/13(月) 20:54:37.79 ID:kOcRyRAwO
翌朝。
ξ゚听)ξ「ゼア、学校行く?」
……昨日の朝の様子から、ツンは両親に比べればマトモな子なのかと思ってた。
でもちょっとアホの子なのかもしれない。
( ∴)「僕みたいなのが外に行くのは危険じゃないかな」
ξ゚听)ξ「どうして?」
( ∴)「いや……だって変でしょ、僕」
ξ゚听)ξ
ξ゚听)ξ「そういえばそうだね」
この子やっぱりアホだ。
- 62
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/13(月) 21:00:02.78 ID:kOcRyRAwO
で。
(*゚ー゚)「……なあに、これ」
ξ゚听)ξ「ゼア」
結局、僕は学校に連れてこられた。
それどころかツンが友達に見せびらかした。
アホだ。アホだよ。
- 64
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/13(月) 21:08:31.87 ID:kOcRyRAwO
ただ、これで分かったことがある。
ツンは小学2年生だということ。
ツンのクラスメートは、3人ぐらいしかいないということ。
学校とは、たくさんの子供がいる場所だと聞いていた。
でも、元々人が少ない地域じゃ、子供も少ないとも聞いた。
ここは、そういう場所らしい。
(*゚ー゚)「ぜあ?」
(´・ω・`)「変なの」
('、`*川「ちっちゃーい。可愛い」
また一つ、分かったこと。
子供って割と何でも受け入れるんだ。
- 65
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/13(月) 21:15:58.43 ID:kOcRyRAwO
しばらくして、大人がやって来た。
先生ってやつだな。
( ^ω^)「みんなおはようおー」
(*゚ー゚)「せんせー、ツンが変なの持ってきたー!」
( ^ω^)「おー? そんなの日常茶飯j……」
ξ゚听)ξ⊃( ∴) (^ω^ )
ξ゚听)ξ⊃( ∴) (^ω^ )
ξ゚听)ξ⊃( ∴) ( ^ω^)
ξ゚听)ξ⊃( ∴) (^ω^;)彡
「!!?」
- 68
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/13(月) 21:22:36.04 ID:kOcRyRAwO
(;^ω^)「な、何この薄緑色の。人形?」
ξ゚听)ξ「ゼアだよ」
(;^ω^)「ゼア? 人形?」
ξ゚听)ξ「ゼアフォー、で、ゼア」
(;^ω^)「へえ。人形?」
ξ゚听)ξ「人形じゃないよ」
(;^ω^)「人形じゃないんだ。人形?」
ξ゚ -゚)ξ「人形じゃないもん」
(´・ω・`)「生きてるみたい」
(;^ω^)「へ、へえぇ」
(;^ω^)「人形?」
('、`*川「動揺しすぎだろ」
- 72
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/13(月) 21:31:08.40 ID:kOcRyRAwO
ξ#゚ -゚)ξ「人間になれなかったの! でもちゃんと生きてるの!」
(;^ω^)「分かんない! 怒られても先生分かんない!!」
( ∴)「落ち着いて……」
(;゚ω゚)「喋りはったでえ!!!!!」
(*゚ー゚)「だって生きてるもん」
(;^ω^)「生きてるからって何でも喋るもんじゃないの!!
君の家の猫は生きてるけど喋らないでしょ!?」
(*゚ー゚)「うちのギコ結構喋るよ」
(;^ω^)「喋るんだ、ごめん! 相手間違えた!」
(;゚ω゚)「ギコ喋るの!!!??」
(´・ω・`)「先生今日もテンション高いね」
- 75
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/13(月) 21:49:50.49 ID:kOcRyRAwO
数十分後。
(;^ω^)「……俄かには信じがたい話だお」
昨日ツン達にした話を先生にも説明すると、先生は一先ず落ち着いた。
('、`*川「信じなくても、ゼアがここにいるのは変わんないよねー」
ξ゚听)ξ「うん!」
そうそう、話をしているときに、みんなの名前を訊いた。
(*゚ー゚)
この女の子が、しぃ。
(´・ω・`)
2年生でただ1人の男の子、ショボン。
('、`*川
そして髪の長い女の子、ペニサス。
人数がとても少ないから、みんな仲良しなんだとか。
いいことだ。
- 80
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/13(月) 22:04:49.86 ID:kOcRyRAwO
(;^ω^)「ぐぅ……まあ……うん……存在自体は否定しないけど……。
でも神様まで絡んでくると壮大すぎるお……」
唸っている先生は、内藤先生とかブーン先生とか呼ばれているらしい。
('、`*川「うん。いてもおかしくないよね」
( ∴)「?」
('、`*川「たしかに変だなって思うけど。
ゼア以外にも、変なの、結構いるよ。この辺」
どんな場所に住んでるんだよ、君達。
……あ、ミセリがあんまり動じなかったのって、そのせい?
*****
- 86
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/13(月) 22:45:10.96 ID:kOcRyRAwO
――チャイムが鳴る。
授業は全部終わったみたいだ。
みんなが頑張って勉強している間、僕はツンのノートに落書きをしていた。
( ^ω^)「じゃ、さよならだお。また明日ー」
ξ゚听)ξ(*゚ー゚)(´・ω・`)('、`*川「さよーならー」
ξ゚听)ξ「ゼア、帰るよー」
( ∴)「ん」
*****
ツンが歩く度、頭の上に乗っている僕はぐらぐら揺れる。
気を抜けば落ちてしまいそうで、スリル満点。
( ∴)「ねえ、ツン」
ξ゚听)ξ「んー?」
- 90
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/13(月) 22:54:03.21 ID:kOcRyRAwO
( ∴)「ペニサスが言ってたの、本当?」
ξ゚听)ξ「何が?」
( ∴)「変なの結構いるって」
ξ゚听)ξ「あー、うん。いるよ」
( ∴)「……ふうん」
当たり前みたいに、ツンは肯定した。
なるほど、本当なのか。
*****
- 92
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/13(月) 23:04:23.13 ID:kOcRyRAwO
ミセ*゚ー゚)リ「学校どうだった?」
( ∴)「楽しかった」
お夕飯。
僕のメニューは、おにぎりと沢庵、お猪口に注がれたお味噌汁。
今日も美味しい。
ξ゚听)ξ「ずっと落書きしてたよ、ゼア」
_
( ゚∀゚)「鉛筆で?」
( ∴)「鉛筆使うの大変」
鉛筆は僕よりも少し背が高い。
抱えて動かすのはなかなか難しい。
だからこそやり甲斐もあるけど。
ミセ*゚ー゚)リ「じゃあ、ずっと落書きしてたら疲れない?」
( ∴)「割と」
ξ゚听)ξ「やらなきゃいいのに」
こりこり、ツンが指先で僕の背中を押してくれる。マッサージだろうか。
おお、気持ちいい。
- 96
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/13(月) 23:10:30.51 ID:kOcRyRAwO
ミセ*゚ー゚)リ「それにしても、ゼアちゃん、いつ帰れるんだろうね」
( ∴)「んん……」
ξ゚听)ξ「早く帰りたい?」
( ∴)「出来れば。それで、神様に消してほしい」
ξ゚听)ξ「……消えちゃうの、こわくない?」
( ∴)「こわくないよ。――消えて、作り直してもらうんだ」
_
( ゚∀゚)「便利だなあ」
( ∴)「そうかな」
――早く、ちゃんとした姿の人間になりたいな。
*****
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