- 4 :無糖栄助
◆HOKURODlk6 :2006/02/12(日)
23:27:36.08 ID:QW6b7wiz0
- およそ遠しとされしもの 下等で奇怪 見慣れた動植物とはまるで違うとおぼしきモノ達 それら異形の一群をヒトは古くから恐れを含み いつしか総じて「蟲」と呼んだ
『塵に注ぐ光』
1.
山間の道を青年が歩く。
背中には旅の薬師等が背負う大き目の薬籠を背負っており、山林を歩きなれているのだろう、薬籠を背負いつつも、その足取りは軽い。
( ^ω^)「しかし・・・、歩けど歩けど人っ子一人出会わないお。」
呟きながら、青年は道に残った足跡を眺める。
( ^ω^)「山に馴れた人間の足跡だお。ここら辺の土地の者かお・・・?」
思考をまとめつつも、まとまりきらなかった思考が口から漏れているかのように、青年は呟き続ける。
と、そこで青年は道端に落ちているそれを見つけた。
狼の死骸だ。銃で撃たれたのだろう、周囲にはかすかに火薬の匂い。
(;^ω^)「猟師かお・・・!早まったことしなければいいけど・・・。」
青年は呟く労力も惜しいとでもいうかのように、それっきり無言になると静かに歩を進めた。
やがて道の先、山のふもとに木造の家がいくつも見えた。
目的の村だった。