56 名前: 噺家(栃木県) :2007/03/15(木) 12:06:04.69 ID:FmIydxpz0

ミ,,゚Д゚彡「前回までのあらすじだぞゴルァ」

(,♯゚Д゚)「…」


ミ,;゚Д゚彡「はい!そんな訳で! 神具、唸り響く槍を求め旅立ったのは
      ( ^ω^)(´・ω・`)( ゚∀゚)从 ゚∀从の四人!」


(,,゚Д゚)「目指すは双国O−DEN、王からもらった陸船ランシップを駆り進む」


ミ,,゚Д゚彡「でもどうやらランシップの意味があまり無いようです」


(,;゚Д゚)「結局走ってんじゃねーか…」


ミ,,゚Д゚彡「それじゃ始まるよっ!」



57 名前: 噺家(栃木県) :2007/03/15(木) 12:08:00.36 ID:FmIydxpz0


   【 第9会 「強奪」 】




DEN王国を旅立ってから早5日が過ぎた


僕等は街道をゆっくりゆっくりとひた進む


(´・ω・`) 「やあっ!」


( `ω´)「お!」


テンポ良く打ち鳴らされる木の音

今日も今日とて僕等は特訓と称した拷問を続けている



58 名前: 噺家(栃木県) :2007/03/15(木) 12:09:59.95 ID:FmIydxpz0

( ゚∀゚)「おーい! 遅れてるぞー、走れ走れー!!」

前を行く船から声がかかる

(;´ω`)「ひぃぃ…」

(;´・ω・`) 「ねえ…何で僕等はこんな事続けてるのかな…」

( ´ω`)「僕が知りたいお…」

从 ゚∀从「がんばがんば〜」


( ´ω`)(´・ω・`) (ガンバとはまた古い…)


そうして再び小走りを始める僕等

…口では辛いの嫌だの言いつつも、本当は少し自分で望んでいる部分がある

こうしていると他の事を考えずに済む、というのもあるが


なにより…退屈凌ぎってやつだ



59 名前: 噺家(栃木県) :2007/03/15(木) 12:12:11.38 ID:FmIydxpz0

正直最初は楽しかったこの旅もしばらく続くと飽きてしまう
どこまで行っても同じ様な景色、そして何も無いこの場所で出来る事なんか
日中ボーっとしているくらいしかない

そんなのに耐えられるのはドクオくらいだ
健康な年頃の男の子は退屈が最大の敵なんですよ

だからこんなのでも…何もしないよりはずっとマシ


だが問題はある

どうにも最近、自分が体育会系に目覚めてるような気がする

時折、流れる汗を拭う瞬間がすごく気持ち良く感じるのだ…

( ´ω`)「ふうっ…」

(´・ω・`)「……にしても今が夏じゃなくて良かったね…」

(;´ω`)「まったくだお…」


61 名前: 噺家(栃木県) :2007/03/15(木) 12:15:08.04 ID:FmIydxpz0

ちなみに今でこそべらべら喋っている余裕はあるが
一時は本気で体が動かなくなるくらい酷い筋肉痛にもなった

けどそれを超える度に、少しずつ…少しずつ自分が強くなっている実感がある

それが少しだけ嬉しかった


( ゚∀゚)「おし、そろそろ休憩にすっか…乗っていいぞー!」

(;´ω`)「や…やった………」

(;´・ω・`)「…ふぅ…」

从 ゚∀从「よくやるなぁお前等も…まあ見てる分には楽しいけどな」

僕等が乗り込むとゆっくりと走っていた船は帆をなびかせ速度を上げていく
こうなると風が吹いてこないのが少し恨めしい

(;´・ω・`)「あとそれくらいで到着するんですか? その…オーデンって所は」

( ゚∀゚)「んー…今日中には着くと思うぜ? 道を間違えてなければ」

(;´・ω・`)「道をって…相変わらずアバウトですねぇ…」


从 ゚∀从「大丈夫よ、合ってる合ってる…あの山越えたらもう見えてくるぜ?」


62 名前: 噺家(栃木県) :2007/03/15(木) 12:18:09.34 ID:FmIydxpz0

(´・ω・`) 「ほんと? 良かった…」

(;^ω^)「ハインが居てくれて助かったお」


(;゚∀゚)「いや待て! 別に道が分からん訳じゃねーぞ?
     ただ現在地が把握できないだけで…」

(;´・ω・`)「把握してくださいよ…」

(;゚∀゚)「無茶言うな、俺だって始めてなんだよ!」


从 ゚∀从「まあまあ、それより飯にしようぜ?」

( ^ω^)「わーい、今日は何だおー?」

从 ゚∀从「今日は水と干し肉になりまーす」

( ^ω^)「わーい、一昨日から変わらないおー」


(;´・ω・`)「…飢え死ぬ前には着けますよね?」

(;-∀-)「……」

元々3人分の食料しか用意していなかったらしく
僕等は壊滅的な食糧不足に悩まされていた

63 名前: 噺家(栃木県) :2007/03/15(木) 12:20:27.11 ID:FmIydxpz0




………。




( ^ω^)「見えたお!!」




長い長い曲がりくねった坂道、そんな山道を抜けると見晴らしのいい場所に着いた
そこからはハインが言った通り…双国O-DENが見渡せた


視界いっぱいに広がる空の下
まるでそのまま町並みを貼り付けたように、山や平地には家屋らしき物が広がる

(´・ω・`) 「へえ…こっちは西洋風なんだねぇ…」

家々はどれも赤茶色の屋根に白い壁が綺麗に揃えられている

どれも同じ様な形の建物が並び
その中には屋根が丸かったりと奇妙な形も混ざっている


64 名前: 噺家(栃木県) :2007/03/15(木) 12:23:20.11 ID:FmIydxpz0


そして奥に小さく見えるのは……


(´・ω・`) 「あれは…海?」

( ^ω^)「船もあるお!」

从 ゚∀从「ああ、ここは貿易国だからな〜
     うちからの技術物はここ経由で各国に行ってるんだぜ」


(´・ω・`) 「へえ……にしても船があるって事はやっぱりここは大陸か…
       うーん、地図とか見てみたいなぁ…無いんですか?」

(;゚∀゚)「ま、あるっちゃあ…あるんだが、な」

(´・ω・`) 「?」


从 ゚∀从「信用できない地図ならあるぜ、えーと…ほら〜これこれ」


(;´・ω・`) 「これ? んー…普通に見えるけど…どういう事…?」



65 名前: 噺家(栃木県) :2007/03/15(木) 12:26:23.73 ID:FmIydxpz0

从 ゚∀从「なんか昔にどっかの旅人が記した物でさ
     そいつはただ国間を行き来して、そこから割り出したって代物なんだよ」


( ゚∀゚)「おかげで10ヶ国の存在と位置は分かっても
     その他小さな村とかはあるのかすら分からねーし、世界の形も分からん
     だからお前の望む物じゃあないってこった」


(;´・ω・`) 「……そうですか」


( ^ω^)「…? 旅人が地図を書いたのかお?」

从 ゚∀从「そうだぜ?」

(;^ω^)「……どうやって?」

从;゚∀从「あー…まあ難しい事言ってもわからんだろうから簡単に言えば…
     100m歩く事に方向とかを書いていって、最後に計算して割り出すんだ」

(;^ω^)「ふーん?」

(´・ω・`) 「…分かってなさそうだね」

(;^ω^)「な、なんか面白そうだと言う事は伝わったお!」

(;´・ω・`)「…そうなの?」


66 名前: 噺家(栃木県) :2007/03/15(木) 12:30:09.48 ID:FmIydxpz0


………。


从*゚∀从「いやー…ようやく着いたな!」


そうして僕等はその国に足を踏み入れた

並び立つ建物の間を乗船したまま進んでいく


(*´・ω・`)「これは…へえ…」

从 ゚∀从「んー…変わってないなぁ、ここも」


遠くからじゃ分からなかったけど、建物はどれも色鮮やかで
白だったり茶色だったりピンク色だったりと色とりどり
そしてどこも入り口がアーチ状をしているのが特徴的だった


67 名前: 噺家(栃木県) :2007/03/15(木) 12:32:55.07 ID:FmIydxpz0

中心には広い通路があって、そこを僕等と同じ様に船や荷台が行き来する

左右に小さな垣根と街灯が並び、その隣の道を沢山の人が歩いている


(´・ω・`) 「うーん…いいね、こういうの」

( ^ω^)「ちょっとした海外旅行でもしてる気分だお」


そんなどこかで見たような景色の中を僕等は進んでいた



(;゚∀゚)「…おいおい、お前等あんまり」


69 名前: 噺家(栃木県) :2007/03/15(木) 12:36:06.04 ID:FmIydxpz0

(*^ω^)「あぁぁ、なんかいい匂いがするお」

从*゚∀从「あ!! あの店まだやってるじゃん!!」


(;´・ω・`) 「…あの奥に見えるのなんだろ………え!?」


从*゚∀从「ぎゃははwwwあれは酷いなwww」


(;^ω^)「あ、あの屋台行列が出来てるお! ん…ギンギー…なんだそりゃ?」


从;゚∀从「なんだお前ギンギー知らないのか!?」


(´・ω・`) 「うわ…凄いなあれ、無限ループって怖くない?」


ザワ・・・ザワ( ^ω^)从 ゚∀从(´・ω・`)ザワ・・・ザワ



( -∀-)「…やれやれ」


70 名前: 噺家(栃木県) :2007/03/15(木) 12:38:33.59 ID:FmIydxpz0


………。


(;´ω`)「まだかお…?」


もう彼是2時間以上同じ様な風景の中を進んでいる

…なまじ辺りが面白そうなだけに
ただ見ている事しかできないのはかなりの苦痛だった


从 ゚∀从「そりゃ城まで行かなあかんのよ?」

(;´ω`)「城……あの山の上にあるアレかお?」

从 ゚∀从「そーそ、とっとと行って唸響をゲットしちゃおうぜって、そういう話ー」

( ´ω`)(何で時折詐欺セールスの人みたいな口調になるんだろう…)

72 名前: 噺家(栃木県) :2007/03/15(木) 12:40:19.47 ID:FmIydxpz0

(;゚∀゚)「とりあえず我慢しとけ、もう国王に連絡は行ってるって話だからよ
     流石に到着したけど遊んでましたなんて言えないだろ?」


(;´ω`)「はあ…」


さてどうしたものか…横になって上を見上げてみる

風になびく帆と、空

聞こえてくる喧騒


僕はゆっくりと目を閉じた


…………

………

……




73 名前: 噺家(栃木県) :2007/03/15(木) 12:42:16.53 ID:FmIydxpz0


「おーい、起きろー」



( -ω-)「…ん」


(;´ω`)「お?」
从 ゚∀从「着いたよっ」


目を開けると、至近距離に彼女の顔があった


(;´ω`)(近い…)

从;゚∀从「おお?」

とりあえず押しのける

从;゚∀从「むぅ…つまんねーの」

( ´ω`)「毎度毎度やられれば嫌でも慣れるお」


74 名前: 噺家(栃木県) :2007/03/15(木) 12:44:32.28 ID:FmIydxpz0

( ゚∀゚)「うし、んじゃ行くぞ」

(=゚ω゚)ノ「それでは、案内しますよぅ」


(;^ω^)「お? この人は?」

(=゚ω゚)ノ「あ、私はイヨウと申します、どうぞよろしく」

(;^ω^)「あ…と、内藤ホライゾンですお…」

(=゚ω゚)ノ「内藤様ですね、かしこまりました」

( ゚∀゚)「補佐官さんだってよ、さっき出迎えてくれたんだ」

( ^ω^)「へえ…」


そんな彼に案内され、階段を上り、広い通路を進んでいく

たくさんの部屋と、たくさんの窓が並び続いている渡り廊下

76 名前: 噺家(栃木県) :2007/03/15(木) 12:46:57.94 ID:FmIydxpz0

ふと外を覗いてみると町の様子から海までが見渡せた

まるで学校の校舎から覗く景色を思い出させたが
その差は歴然、どこまでも続く建物と、遠くに見える海

从 ゚∀从「…いい眺めだな」

( ^ω^)「…」


(=゚ω゚)ノ「…」

(;゚∀゚)「ちゃんと着いて来いっての」


(;´ω`)「ありゃ…」


そしてその内装もとっても豪華だ

天井には煌びやかなシャンデリア
床にはオレンジのマットが敷き詰められ
壁には綺麗な絵画やら何やら装飾されている


77 名前: 噺家(栃木県) :2007/03/15(木) 12:48:25.09 ID:FmIydxpz0

やがて…何か奇妙な形をした絵が彫られた木製の扉の前に着いた

(;^ω^)(なんじゃこりゃ…老人と、鳥と、犬が二匹?)

(=゚ω゚)ノ「こちらですよぅ」

( ゚∀゚)「ここか…」

(=゚ω゚)ノ「…では遅くなりましたが一つ
     国王は多忙な為、謁見は1時間ほどになります
     申し訳ないですがお願いしますよぅ」

从 ゚∀从「それで充分だ、急ですまないな」

(=゚ω゚)ノ「いえ、た…ハイン様の願いとあらば
     こちらとしては多少無理にでもお時間を用意させて頂きますよぅ」


从 -∀从「…ああ、ありがとう」


(=゚ω゚)ノ「では…どうぞ」

79 名前: 噺家(栃木県) :2007/03/15(木) 12:50:59.99 ID:FmIydxpz0

(;´・ω・`) 「なんか…緊張するなぁ…」


そうして僕等の目の前にある扉が開かれた


まず目に飛び込んで来たのは正面にある巨大な窓、その下ある大きめの机
そして左右の壁には一面の本本本本……

(=゚ω゚)ノ「失礼します、デンオウよりハイン様をお通ししました」

( ´_ゝ`)「うん、ありがとう、下がっていてくれ」

(=゚ω゚)ノ「かしこまりましたよぅ」


( ´_ゝ`)「遠路遥々ようこそいらっしゃいました」


(´・ω・`)「え?」

ショボがすっとぼけた声を上げる
そして、時が止まった
82 名前: 噺家(栃木県) :2007/03/15(木) 12:53:52.64 ID:FmIydxpz0

( ´_ゝ`)「?」


(;゚∀゚)(;゚ω゚)「…!!」

そこに居たのは紛れも無い
あのDEN王国で出会った弟者さんだった


(;^ω^)「なな、何でここに弟者さんが!?」

从*゚∀从「あwwwははははwwww」


(;´_ゝ`)「おと…、ハイン…彼等に何も教えなかったね?」

从*゚∀从「うん! その方がおもしろいじゃん」

(;´_ゝ`)「はぁ…君等は本当に、人が悪いというか何て言うのか」

(;^ω^)「どういう事なんだお?」

( ´_ゝ`)「私は流石兄者…君達の言う弟者は私の弟だよ」

あくまでも穏やかに、そう言った


83 名前: 噺家(栃木県) :2007/03/15(木) 12:55:58.47 ID:FmIydxpz0

(;´・ω・`)「ふ、双子さんだったんだ…」

(;^ω^)「通りで…」

( ´_ゝ`)「納得したかい?」

( ^ω^)「はいですお」


王様と言う割りに特に威圧感も無く、優しげな雰囲気を持った人
そんな印象を受けた

(;゚∀゚)「なんでお前等そんな普通に会話してんだよ…」

从 ゚∀从「気にすんな!」

(;゚∀゚)「うるせえ! …ああもう、んで国王さん、例の件は」


( ´_ゝ`)「あ、そうだったね…時間も無いし、早速渡すよ」


そう言うと、彼は机の上に乗せされた鈴を鳴らした


( ´_ゝ`)「神具…唸り響く槍、グングニールを」


84 名前: 噺家(栃木県) :2007/03/15(木) 12:58:45.55 ID:FmIydxpz0

それは合図なのだろう
全員の視線が入り口へと向く


(;^ω^)「…」

思わず胸が高鳴った、グングニールは聞いた事がある
それが今出てくるというのだ…興奮するなと言う方が無理だ

(*^ω^)「凄いお、確か…どんな物でも貫く最強の槍だお?」

(´・ω・`)「ん、違う違う」

(;^ω^)「お? 違う?」


(´・ω・`)「うん、一般的にはよくそう言われてるけど
      正確には違うんだ、狙った物を絶対に貫く槍じゃなくて
      狙った物は絶対に外さない槍…っていうのが神話のお話さ」


(;^ω^)「…マジかお」

86 名前: 噺家(栃木県) :2007/03/15(木) 13:01:04.21 ID:FmIydxpz0

(´・ω・`)「うん、更にグングニールのよく使われた使用法は投擲、敵に投げつける物で
      その名の訳は響き、唸りを上げる物…まさに唸り響く槍って訳だね」

(;´ω`)「へ、へえーヨクワカリマシタオ」

(´・ω・`)「まあ後でwikiを見るといいよ」

(;^ω^)「うぃ、うぃき?」



5分経過……。


( ´_ゝ`)「…」

( ゚∀゚)「…」

从 ゚∀从「…」

(´・ω・`)「…」

( ^ω^)「…」


87 名前: 噺家(栃木県) :2007/03/15(木) 13:03:11.25 ID:FmIydxpz0

10分経過……。

(;^ω^)「…まだかお?」

(;´・ω・`)「あの、もしかして聞こえてないんじゃ」

从;゚∀从「おいおいしっかりしてくれよ?」

(;´_ゝ`)「あれ…おかしいな」

兄者さんがもう一度鈴を鳴らす

(;゚∀゚)「だから何でそんなにフレンドリーなんだよ…王様だぞ?」

(;^ω^)「いや、正直王様とか言われてもピンと来ないというか」

(´・ω・`)「そういうジョルジュさんはどうなんですか
      DEN王国じゃあんなに礼儀正しくしてたのに」

( ゚∀゚)「ははは、いやー小うるさいじじいとデレが居ないと気が抜けちまってよ」

(;´ω`)(…もしかしてこの面子は非常に問題ありきなんじゃないかお?)

从*゚∀从「あwwはwwはwwはwは」


( ´_ゝ`)(…ふーん)

88 名前: 噺家(栃木県) :2007/03/15(木) 13:05:43.92 ID:FmIydxpz0


「 ………!! 」


从 ゚∀从「おろ?」

と、その時扉の向こうからけたたましい足音が聞こえてきた

「待ってください! 駄目ですよぅ!」

(;´ω`)「んななっ、何だお!?」

(;´_ゝ`)「ああ…だから教えるなと言っておいたのに」


そして勢いよく開かれた扉
突然の事態に困惑する僕等の前に一人の少女が飛び込み


从;゚∀从「ぐえっ!?」

少女は、駆ける勢いもそのままハインに強烈なタックルをぶちかました

…ていうか今なんか凄い音したぞ


89 名前: 噺家(栃木県) :2007/03/15(木) 13:10:21.86 ID:FmIydxpz0

(;´・ω・`)「な…」

从>∀<ノ!リ「わー! ハインじゃハインじゃー!!」

从;゚∀从「ゲホッ、ゴホッ! し…死ぬ…って妹者!?」

突然の攻撃に怯みつつも、自らにしがみつくそれを強引に引き剥がすハイン
少女は剥がされるとパッと笑顔を向ける

从>∀<ノ!リ「そうじゃ、妹者じゃ!」

从・∀・ノ!リ「とても久しぶりじゃ! 遊びに来たのか!」

从;゚∀从「ぉ…ぉぅ、久しぶりだな」

从・∀・ノ!リ「聞いてくれハイン! こないだ面白い踊りを知ったのじゃ、まず…」

从;゚∀从「まてまて! とりあえず落ち着け、興奮しすぎだ!」

从・∀・ノ!リ「ハァハァ…」


90 名前: 噺家(栃木県) :2007/03/15(木) 13:13:15.05 ID:FmIydxpz0

(=;゚ω゚)ノ「す、すいません陛下!! 妹者様が!」

(;´_ゝ`)「いや、悪いのはアレの方だ、気にしないでくれ」

(;´ω`)「…」

(;´_ゝ`)「ああ、すまないね…あれはその、恥ずかしい話だが、妹なんだ」

(;´・ω・`)「妹さんですか」

(;゚∀゚)「また何ていうか…激しいな、色々と」


从・∀・ノ!リ「ん、今日はまたいろいろ居るの」

从 ゚∀从「まあな」

从・∀・ノ!リ「ほほ〜ふむふむ…で、どれがハインの殿方じゃ?」

从;゚∀从「ぶっ!!??」

92 名前: 噺家(栃木県) :2007/03/15(木) 13:16:20.16 ID:FmIydxpz0

从・∀・ノ!リ「こやつか!?」

(;´・ω・`)「え…僕?」

从;゚∀从「おいこら、いい加減に…」

从・∀・ノ!リ「それともこっちか!?」

(;´ω`)「お?」

从;゚∀从「な、あ、や…やめろっての!!」

从*・∀・ノ!リ「おおお! 動揺してるのじゃーー!!」


从♯゚∀从「いい加減にしろーーー!!」


从>∀<ノ!リ「ハインがご乱心なのじゃー! 出会え出会えー!」

从♯゚∀从「待てこのっ…動けば撃つ! 撃てば動く!!」


( ´_ゝ`)「…それでイヨウ君、唸響はどうしたのかな?」

(=;゚ω゚)ノ「あっ、そうでした! それが実は…」


93 名前: 噺家(栃木県) :2007/03/15(木) 13:18:06.08 ID:FmIydxpz0

(;´_ゝ`)「…何?」

(=;゚ω゚)ノ「…これが報告書ですよぅ」

(;´_ゝ`)「そんな馬鹿な…このタイミングで?」

(=;゚ω゚)ノ「これは明らかにおかしいですよぅ
      どう考えてもこれを狙っての行動としか思えませんよぅ!」


(;^ω^)「?」

兄者さんはこちらをちらりと見つめると黙り込んでしまった

(;゚∀゚)「おい…いったいどうしたんだ?」

从;゚∀从「俺に聞くなよ」

从・∀・ノ!リ「どうしたのじゃ兄上」


( ´_ゝ`)「……今現在、この双国O−DEN付近が
       所属不明の武装集団に包囲されているという情報が入ってきた」

109 名前: 噺家(栃木県) :2007/03/15(木) 15:51:02.76 ID:FmIydxpz0

从;゚∀从「はああ!?」

(;゚∀゚)「な、どういうこった!?」


(=;゚ω゚)ノ「包囲した部隊はそのまま進行してくる気配も無いそうで…
      これは待ち伏せをしているとしか思えませんよぅ」

从;゚∀从「ちょ、おま、それって…」


( ´_ゝ`)「…狙いは、君達である可能性が高い、いや恐らく間違いなく」


(;゚∀゚)「……」

(;´ω`)「えーと…? どういう事ですかお?」

(;´・ω・`)「つまり狙いは僕等が神具を持って国を出た時って事ですね?」

( ´_ゝ`)「そういう事だろうね…なるほど、考えたものだよ
       確かにそれなら、この国には手出しせず神具を入手できる」


(;゚∀゚)「ちょっと待て、問題はそこじゃねえ…
     どうなってんだ? どこからそんな情報が漏れやがった」


110 名前: 噺家(栃木県) :2007/03/15(木) 15:53:02.85 ID:FmIydxpz0

( ´_ゝ`)「考えられるとしたら一つかな…」

(´・ω・`)「…何ですか?」


( ´_ゝ`)「恐らく…君等は監視されていたんじゃないか?」


从;゚∀从「監視ぃ? 誰からだよ」


( ´_ゝ`)「そこまでは分からないけど
       あらかじめ来ていた封書も解かれてはいなかったし
       情報が漏れるって線は薄いと思う」


(;゚∀゚)「俺達の動向を伺ってる奴…まさか」


( ´_ゝ`)「…心当たりはあるの?」

113 名前: 噺家(栃木県) :2007/03/15(木) 15:55:07.89 ID:FmIydxpz0

(;゚∀゚)「ある、と言えばある…けどよ、あいつがそんなに早く動けるはずは…」

( ´_ゝ`)「そのあいつとやらの名前は?」

  _  
( -∀-)「…モララー」


( ´_ゝ`)「ふむ…聞いた事無いな、失礼だが関係を聞いてもいいかい?」


( ゚∀゚)「ああ、あいつは昔山に捨てられてたのをうちで拾ってきてな
     俺達と一緒に育った…まあ、義兄弟みたいなもんだ」


(;´ω`)(…え?)


( ゚∀゚)「んで、まあ色々あってよ…突然居なくなって帰ってきたと思えば
     戦呪の管理者になんざなってて、性格も変わり果てて
     …俺達の親二人を斬り神具を奪おうとしやがったんだ」


114 名前: 噺家(栃木県) :2007/03/15(木) 15:58:42.28 ID:FmIydxpz0

(;´・ω・`)「はい!? ちょ!?」

  _,  
( -∀-)「どうにか布と槌は守ったんだけどよ、鉄篭手と…俺の両親の命は、な」


(;´ω`)「んななな!? そんなの初耳だお!?」


( ゚∀゚)「そりゃそうだ、言ってねーからよ」


(´・ω・`)「…それじゃあモララーって人とジョルジュさんは」

  _,  
( -∀-)「ああ、一緒に育った…弟みたいなもんだ
     だからよ、この話はデレが居る時には…したくなかったんだ」


115 名前: 噺家(栃木県) :2007/03/15(木) 16:00:28.15 ID:FmIydxpz0

(;´ω`)「…」


从;゚-从「…」


( ゚∀゚)「まあ、そんな訳でそいつは今でも俺達の神具を狙ってる
     ちょい前の戦いで間違いなく大怪我負わせたはずだから動けねーだろ
     と高をくくってたんだがな……甘かったか」


( ´_ゝ`)「そう、いや申し訳ない、そんな嫌な話をさせたかった訳じゃないんだ」


( ゚∀゚)「いや、いい機会なんでな、こいつらにもちゃんと話しておきたかった
     それだけだからよ…気にしないでくれ」


( ´_ゝ`)「ふむ…ありがとう、お礼にこちらも協力は惜しまないつもりだよ
       とりあえずそのモララーって人間の特徴は分かるかな」

(;゚∀゚)「うーん…とりあえず確かなのは篭手と、黒い剣だな」

(;´・ω・`)「またアバウトな…もっとないんですか?」

(;゚∀゚)「俺そういうの苦手なんだよ…」
117 名前: 噺家(栃木県) :2007/03/15(木) 16:17:24.09 ID:FmIydxpz0

( ´_ゝ`)「ふふ、分かった任せてくれ、とりあえず街中は兵に探させておく
       君達はしばらくここに滞在するといい」

从 ゚∀从「そうした方がよさそうだな…」


(´・ω・`)「…なんだか大変な事になってきたね」

(;´ω`)「いったい僕等はどうなっちゃうんだお?」

(;´・ω・`)「僕にもわからないよ」

(;´ω`)「ていうか…新巻さん、あの時嘘をついてたのかお」

(´・ω・`)「…そうみたいだね」

( ´ω`)「何が本当で、何が嘘なのか…分からなくなってきたお」

ふと思った、もしかしたら…まだまだ僕等には隠している事があるのだろうか
もしかして僕等に神具を持たせようって言うのも…実は物凄い意味があるのかな
119 名前: 噺家(栃木県) :2007/03/15(木) 16:27:09.33 ID:FmIydxpz0

(´・ω・`)「…しょうがないんじゃない?」

(;´ω`)「お?」

(´・ω・`)「身内の恥…かなそういうのは軽々言える事じゃ無いだろうし
      別に騙すとかじゃないと思うよ」

( ´ω`)「…でも酷すぎるお、兄弟同然の人となんて」

(´・ω・`)「ほら、しゃきっとしなよ…君がへこたれてても仕方ないだろ?」

(;^ω^)「…うん」


( ゚∀゚)「んじゃあとりあえずグングニールを見せてくれねーか?
     試しておきたい事があるからさ」


( ´_ゝ`)「うん、そうだね、じゃあ着いてきてもらえるかな」


120 名前: 噺家(栃木県) :2007/03/15(木) 16:29:02.61 ID:FmIydxpz0

そう言って連れられて来たのは無駄に広い一室だった

奥に大きな丸太が何本か並べられているだけの殺風景な空間

(;^ω^)「えと、こんなとこで何お?」

( ゚∀゚)「言ったろ、お前等が管理者になれるかどうか試すんだよ」


(=゚ω゚)ノ「陛下、お持ちしましたよぅ」

( ´_ゝ`)「うん、ありがとう」

(;´・ω・`)「じゃあ、それが…」

(=゚ω゚)ノ「そう、これこそが我が国に伝わる神具
     唸響く槍、グングニールですよぅ!」

そう言ってかなり興奮気味に語るイヨウさん
でもその手にあるのは…


121 名前: 噺家(栃木県) :2007/03/15(木) 16:30:59.50 ID:FmIydxpz0

(;^ω^)(こんなのがそうなのかお?)


汚れくすんだ様な柄をした長い木の棒
その先端には細長いダイヤの形をした刃が取り付けられ、その逆には球体の金属

よく見ると刃の部分にはびっしりと何かの文字が刻まれている
…どうにも無骨な槍だ


( ´_ゝ`)「それじゃあ君達、これをあの木に向けて投げてみてくれないかな?」

(;´・ω・`)「試すって、それだけですか?」

( ´_ゝ`)「そうだよ」

( ^ω^)「よくわかんないけど…僕からやってみるお!」


122 名前: 噺家(栃木県) :2007/03/15(木) 16:31:59.62 ID:FmIydxpz0

……。

( `ω´)「とあ!」

助走をつけ、槍投げの選手の真似事をする様に放つ

投げられた槍は綺麗な曲線を描きながら…

(;^ω^)「お…」

これまた綺麗に床に突き刺さった

(;´ω`)「…あちゃー」

(´・ω・`)「届きもしなかったね…」

( ´_ゝ`)「ふむ」

124 名前: 噺家(栃木県) :2007/03/15(木) 16:34:06.69 ID:FmIydxpz0

……。


( ゚∀゚)「うーん、ショボも駄目か」

(´・ω・`)「…あらら」

(;^ω^)「さっきの僕を見てるようだお」

(´・ω・`)「でも僕の方が飛距離は上だったもんね」


( ´_ゝ`)「二人とも駄目、か」

(;´ω`)「なんか駄目駄目言われるとちょっぴり傷つくお…」

(´・ω・`)「ちなみにどうなれば成功だったんですか?」

( ´_ゝ`)「なんでも話では管理者たる者がこの槍を放つ時
       彫られてる文字が輝く、らしい」


125 名前: 噺家(栃木県) :2007/03/15(木) 16:36:22.80 ID:FmIydxpz0

(;゚∀゚)「しっかし、またなんか…アレだな、本物なのかこれ?」

( ´_ゝ`)「ふむ、試してみるかい?」

(;゚∀゚)「いや、俺はもう破さ」

(;´_ゝ`)「あ、いやそうじゃなくてね…これを君の神具で攻撃するといい」

(;゚∀゚)「はあ!? あほk…いやその、えーと
     んな事したらこんな柔そうな木なんかバラバラになるぞ?」

( ´_ゝ`)「御所意に」

  _,  
( ゚∀゚)「へえ、自信有りなわけだ…じゃあちょっと見てみっか」
   
( ゚∀゚)「出番だ、相棒」

そうしてジョルジュさんが取り出したのは親指程度の大きさの白い何か
それを握り締めると手の中から溢れるように肥大する


126 名前: 噺家(栃木県) :2007/03/15(木) 16:38:04.77 ID:FmIydxpz0

( ´_ゝ`)「伸縮自在か…凄いな、それが破砕の槌、ミョツルニル」

(=*゚ω゚)ノ「わわ私感動ですよぅ! ここに今二つの神具が揃ってるなんてっ」


( ゚∀゚)「んじゃま、軽くな」

そう言って振り上げた槌を


(♯゚∀゚)「ぅうおるぁあああああ!!!」

どうみても渾身の力を込めて打ち下ろした

振動が床を伝う

軽い地震を起こすほどの衝撃


(;´ω`)(どこが軽くだお)

(;゚∀゚)「ま、マジかぃ」

( ^ω^)「お?」

127 名前: 噺家(栃木県) :2007/03/15(木) 16:40:05.04 ID:FmIydxpz0

(;^ω^)「無傷だお」

(´・ω・`)「無傷だね」

うん、槍は全然無事だ

でも床がひどい事になってる、木製の床は見るも無残に砕かれ
伝わった衝撃によるひび割れが数メートルに渡りできていた


(=゚ω゚)ノ「…」

イヨウさんは固まっている

( ´_ゝ`)「…ぷっ」

兄者さんは何やら必死で笑うのを堪えている

(♯゚∀゚)「んなろお」

何故か妙に悔しそうなジョルジュさんは槌を真上に掲げる
すると瞬く間に槌が巨大化、それをそのまま――

(=;゚ω゚)ノ「やめてくれよぅーーーーー!!」

「アッー」

( ´_ゝ`)(…ん、あれは)
141 名前: 噺家(栃木県) :2007/03/15(木) 19:04:12.74 ID:FmIydxpz0

( ゚∀゚)「どうやら本物みてーだな」

(=;ω;)ノ「あああ…床がボロボロにぃ…」

(;´ω`)(…なんか可哀想だお)


( ´_ゝ`)「ねえジョルジュ君、ちょっと聞いていい?」

(;゚∀゚)「なんだ? 改まって」

( ´_ゝ`)「それはミョツルニルで君は管理者なんだよね?

( ゚∀゚)「ああ、それが…なんだよ」

( ´_ゝ`)「…それに彫られてる文字とこの槍の文字、似てるよね」

(´・ω・`)「同じルーン文字でしょうから、そうでしょうね」

( ´_ゝ`)「うん? うん、それでさ、この槍の条件が文字が輝く事なら
       そのミョツルニルはどうなのかなーって思ったんだけど」

142 名前: 噺家(栃木県) :2007/03/15(木) 19:06:00.25 ID:FmIydxpz0
  _,
( -∀-)「…その事か、そうだ国王さんの考えてる通りだよ
     こいつも真の力を発揮する時はこの文字が輝くはずだ」

( ´_ゝ`)「はず、とは?」

( ゚∀゚)「こいつの真の力を使うには幾つかの条件がある
     メギンギョルズ、鉄篭手、そして…雷の接続者である事だ」

( ´_ゝ`)「なるほど、今はその鉄篭手が無いから駄目なんだね?」

( ゚∀゚)「そういうこったな」

( ´_ゝ`)「…だが君は管理者で、先も使用していたように見えたけど?」

( ゚∀゚)「こいつの真価は雷を纏ったときに発揮されるってだけさ
     普段はとんでもなく頑丈なただのハンマーだから問題はねえ」

( ´_ゝ`)「参考までに…もし使ったらどうなるの?」

  _,
( ゚∀゚)「…あんまり考えたかねーけど、運が悪けりゃ死ぬ
     良くても…まあ腕が丸々無くなってもおかしかねーな」


(;´_ゝ`)「となるとやはり…唸響にも使うのに何かしらの条件が必要って事か」


143 名前: 噺家(栃木県) :2007/03/15(木) 19:08:01.24 ID:FmIydxpz0

(´・ω・`)「条件…」

( ゚∀゚)「つーても、まあ神具ってのは大抵栄光を与える代わりに条件があるんだけどな」

( ´_ゝ`)「そうなの?」

( ゚∀゚)「ああ、例えば災いの…いや破壊の剣にしても
     実際はあの炎で自分を焼きかねない危ねー神具だしな」


(;´_ゝ`)「破壊の剣…! VIPの炎の風か、そういえばあれはどうなったんだ
       結局神教の連中が手にしたのか?」


( ゚∀゚)「いや、破壊の管理者ならDEN王に居るぞ」


(;´_ゝ`)「はぁ!?」
(=;゚ω゚)ノ「ええ!?」


(;´_ゝ`)「いや待て待て待て、何それ、どういうこと?」


(=;゚ω゚)ノ「あの炎の風がDEN王に!? ちょ大丈夫なのかよぅ!?」


(;゚∀゚)「うぉ…」
145 名前: 噺家(栃木県) :2007/03/15(木) 19:10:19.04 ID:FmIydxpz0

凄い混乱っぷりだ

(;´ω`)「破壊の…ってドクオの事だお?」

(;´・ω・`)「うん、そのはずだけど」


(;´_ゝ`)「し、知り合いなの?」


(;^ω^)「えーと…」


……。


(;´_ゝ`)「なるほどねぇ…二代目か」

(;^ω^)「そんなに凄いのかお? その破壊の、って」


146 名前: 噺家(栃木県) :2007/03/15(木) 19:12:16.30 ID:FmIydxpz0

(=;゚ω゚)ノ「凄いも何も…知らないのかよぅ
      炎の風がその気になれば一国程度簡単に潰せるって話も聞くくらいだよぅ」

(;´ω`)「ひええ…」

なにやら凄く力説される、そんな事言われても僕は知らないってのに

( ´_ゝ`)「しかし、そうか…何故急に唸響を求めて来たかと思えば
       破壊を味方につけていたんだね、そりゃあ強気にもなる」

(=゚ω゚)ノ「更に管理者がもう一人居て、次元接続なんて生きる伝説まで居る
     これだけ揃えればそりゃあ世界もきっと変わるよぅ」


( ´_ゝ`)「ハインがどうしてあんなに楽しそうにしているか分かったよ」

(;^ω^)「楽しそう…まあ確かにいつも楽しそうではあるお」

( ´_ゝ`)「そうかい?」

(;^ω^)「お?」


( ´_ゝ`)「…本当はあれでかなり繊細な子なんだよ、分かり辛いだろうけど
       まあ、よほど君達が頼もしいんだろうね」


147 名前: 噺家(栃木県) :2007/03/15(木) 19:14:27.16 ID:FmIydxpz0

(;^ω^)「…」

弟者さんもそうだったけど…想像できない彼女像がポンポン出てくる
というか随分気にかけているものだ

そういえば妹さんともやたら仲良さそうだったし…何やら色々ありそうだ


(;´ω`)「…ん?」

おや?
今何か引っかかったような気がするんだけど

(´・ω・`)「どうしたのブーン?」

(;´ω`)「ん、いや…何か、何か大事な事を忘れてるような」

(´・ω・`)「大事な事?」


(;´ω`)「うーん、うーん…」
149 名前: 噺家(栃木県) :2007/03/15(木) 19:21:20.67 ID:FmIydxpz0
( ゚ω゚)「あ」

( ゚∀゚)「あ?」

(;´ω`)「あの…その肝心のハインはどこに?」

(;゚∀゚)「え? 妹さんとどっか遊びに行くって言ってたろ?」

(;´・ω・`)「え、いやそれは危ないから駄目だって止めてましたよね?」

( ´_ゝ`)「うん、大丈夫だろう、ちゃんとイヨウ君にお目付けを頼んである」

(=;゚ω゚)ノ「え? だって唸響を持ってくるように言ってらっしゃいましたよね?」



「「…あれ?」」


151 名前: 噺家(栃木県) :2007/03/15(木) 19:25:49.66 ID:FmIydxpz0


……。



「あのー、ちょっといいモナ?」



从・∀・ノ!リ「なんじゃ?」

从 ゚∀从「ん?」


( ´∀`)「ちょっと聞きたい事があるモナ」


152 名前: 噺家(栃木県) :2007/03/15(木) 19:27:31.15 ID:FmIydxpz0

从 ゚∀从「ああ、なんだい?」

( ´∀`)「王様に謁見したいんだけど、場所が分からないんだモナ
      できれば教えて惜しいモナ」


从・∀・ノ!リ「おう、容易い御用じゃ! どれ案内してやるのじゃ!」

从;゚∀从「おいおい、妹者…」

( ´∀`)「良かった…助かるモナ」

从・∀・ノ!リ「着いてくるのじゃー!」

从;゚∀从「しょうがねーなぁ…」

( ´∀`)「うん…どうも」


( ・∀`)「ありがとうー」

156 名前: 噺家(栃木県) :2007/03/15(木) 19:49:30.75 ID:FmIydxpz0



…………。


…………。


…………。


…………。


…………。





157 名前: 噺家(栃木県) :2007/03/15(木) 19:50:01.40 ID:FmIydxpz0



…………。


…………。


…………。


…………。


…………。





158 名前: 噺家(栃木県) :2007/03/15(木) 19:51:10.48 ID:FmIydxpz0



…………。


…………。

アアア

…………。


…………。


…………。



160 名前: 噺家(栃木県) :2007/03/15(木) 19:52:01.92 ID:FmIydxpz0



…………。


…………。


…………。

ウアアアアアアアアアアアアアア

…………。


…………。




161 名前: 噺家(栃木県) :2007/03/15(木) 19:54:15.26 ID:FmIydxpz0




「うああああぁ…」



(  ω )「…」

なんだ これは

状況の整理がつかない、頭が…真っ白で


とにかく今、目の前にあるのは




血にまみれた幼い身体を、同じく血にまみれて必死に抱き寄せる彼女の姿



163 名前: 噺家(栃木県) :2007/03/15(木) 19:55:28.73 ID:FmIydxpz0

僕はこうしてただ見ている事しか出来なかった



覚えているのは記憶の断片



( ・∀・)「やあジョルジュ、グングニールをもらいに来たよー」

从;∀;ノ!リ「ぅ…ぅぇ…」

少女に剣を突きつけ、笑う男



(♯゚∀゚)「モ、モララアアアアア!!!」

猛り、吼えるジョルジュさん



そして



164 名前: 噺家(栃木県) :2007/03/15(木) 19:57:06.79 ID:FmIydxpz0

「やめてくれ…唸響は渡す、だから…だからその子には手を出さないでくれ!」



その言葉に、笑顔を消して、冷たく言い放った奴の台詞



「…なにそれ、最悪…あんまりつまらないとさー」



「殺すよ?」




僕は初めて


そう、生まれて初めて…誰かを殺してやりたいと思った

166 名前: 噺家(栃木県) :2007/03/15(木) 19:59:10.67 ID:FmIydxpz0





          【次回予告】テテーテーテテテーテテーテテーテテー






167 名前: 噺家(栃木県) :2007/03/15(木) 20:00:02.76 ID:FmIydxpz0

ミ,,゚Д゚彡「今日のゲストは?」

>>170
170 名前: 週末都民(不明なsoftbank) :2007/03/15(木) 20:01:22.84 ID:zJ+gv6Zu0
荒巻
175 名前: 噺家(栃木県) :2007/03/15(木) 20:12:11.36 ID:FmIydxpz0
ミ,,゚Д゚彡『さて次回は!』

/ ,' 3 『奪われた物はあまりにも大きすぎた…彼等は絶望の淵に沈む』

ミ,;゚Д゚彡『あの…妹者ちゃんまだ生きてるんですけど』


从-∀-ノ!リ「…」

从 ;∀从「ごめん、ごめんな…私のせいだ、私が…」


/ ,' 3 『そんな少女の死に報いるため立ち上がる一人の勇士』

ミ,;゚Д゚彡『もしもーし!!死んでない、死んでないよー!』


(;'A`)「…え? 俺一人で行くんですか?」


/ ,' 3 『今、彼の孤独な戦いが始まろうとしていた…』
ミ,;゚Д゚彡『いやいやいや!なんかおかしいっす!』

/ ,' 3 『次回 異世界でもう一度 第10会 「太陽の国」 』

ミ,;゚Д゚彡『あぁもう!読んでくれなきゃ泣いちゃうZE!!』

ミ,,゚Д゚彡『…ん、太陽の国? それってもしかして…』

つづく、、、I

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