- 2
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/21(水) 21:54:30.35 ID:4aiDKZnj0
从 ゚∀从「それじゃあ…行くぜ」
白一色に銀で装飾された重そうな扉が開く
その先には…大きな椅子、そしてその前に立つ男性の姿
期待と恐怖の入り混じる感情を殺しつつ
やたら広いその部屋を奥まで進んでいく
(;^ω^)「……ぅ」
室内は壁も天井も一面の白
床には黒い絨毯が彼の人の足元まで直線に伸びている
誰もが押し黙り、今ここにあるのは静寂
完全にふいんきに飲まれる中
僕等が男の前まで近づくと、彼は優雅に両手を広げた
反応するようにジョルジュさん達は方膝をつく
それを見た僕も慌ててしゃがみこんだ
- 3
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/21(水) 21:54:47.32 ID:4aiDKZnj0
(´<_` )「よく来てくれた…歓迎しよう
私がこのDEN王国が主、流石弟者だ」
/ ,' 3 「お初にお目にかかる、DEN王よワシは新巻スカルチノフと申す者じゃ」
(´<_` )「ああ、細かい事はそこのハインから聞いている
それにしても、次元接続者に実際にお会いできるとは…非常に光栄だ」
/ ,' 3 「ほっほ…ワシは既に接続の力は失っておりますゆえ…
今は…この娘が…」
ζ(゚Δ゚;ζ「え、あ…初めまして、私はデレと申します
お見知りおきを…DEN王」
(´<_` )「ふふ、そう固くならずとも良い…お目にかかれて本当に嬉しく思う」
ζ(゚Δ゚*ζ「そ、そんな…こちらこそ…光栄です…」
川 ゚ -゚)「……」
(´<_` )「…そちらは…VIP国の王とお見受けするが?」
川 ゚ -゚)「はい…挨拶が遅れて申し訳ない国王」
- 4
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/21(水) 21:55:12.66 ID:4aiDKZnj0
(´<_` )「うむ…VIPの一件は既に耳に挟んでいる…残念な事だ
こちらとしては何も出来ぬが…せめてゆっくりとしていくが良い」
川 ゚ -゚)「…はい、ありがとうございます」
/ ,' 3 「それで…計画という物について訪ねたいのじゃが…」
(´<_` )「それについてだが…」
(´<_` )「まずは楽にしてくれて良い、これから話す事はあくまでも
対等の立場として話聞いて欲しいのだ」
そう告げ、彼は軽く微笑み、後ろの白い大きな椅子に腰を下ろした
(*´ω`)(凄く…王様です…)
威厳というか、なんともノヴレスオブルージュ(高貴なる振る舞い)を感じる
…そもそもこんなのは空想の世界の産物だったはずだ
王様に謁見なんて事をして
その前で膝をつきしゃがむ
何ともかっこいいじゃないか
目の前で起こる現実に感動を隠しきれない僕なのであった
- 5
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/21(水) 21:55:35.74 ID:4aiDKZnj0
…だが
そんなささやかな僕の感動は脆く儚くもハインによって壊された
从 ゚∀从「弟者…その喋り方はなんだ?…もっと普通にしろよ普通に」
(´<_`;)「……何を言っているのだハイン、無礼である」
从*゚∀从「ぶふっ……勘弁してくれよ…笑うの堪えるこっちの身にもなれ!」
(´<_`♯)「貴様…いい加減にしないとひっとらえるぞ…」
从;゚∀从「ひっ捕らえるて、何時代だよ…」
(´<_` )「おのれ…愚弄するか、出会え出会えー!!」
(´<_`;)「はっ、いかんいかん…いい加減にしろ、王の午前だぞ」
从;゚∀从「確かに今は午前中だが、正しくは御前な」
(´<_` )「む…そうだったか…」
- 6
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/21(水) 21:56:18.39 ID:4aiDKZnj0
(;´ω`)「……」
(;'A`)「……」
(´<_`;)「…うっ」
(´<_`;)「お、おい…人がせっかく第一印象から好印象をもらおうと
ちゃんとしてたのに…変な目で見られてるじゃないか…」
从;゚∀从「だから普通にしろよ…どうせすぐわかるんだから…」
(´<_`;)「むぅ…まあ仕方ないか」
(;゚∀゚)「あー…失礼だとは思うが…いいか?」
(´<_` )「ん、何?」
(;'A`)(;´ω`)(;´・ω・`) 「軽!」
(;゚∀゚)「…本当に王様?」
(´<_` )「ああ、一応な」
ζ(゚−゚;ζ「一応…
- 7
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/21(水) 21:57:05.36 ID:4aiDKZnj0
(´<_` )「うむ、まあ気にするな、それじゃあ本題に入ろうか」
………。
( ゚∀゚)「神具追放計画がどうとか言ってたな」
(´<_` )「うむ、現在この世界は滅亡の道を辿ろうとしている
要するにそれを防ぐ為の計画だな」
(;´ω`)「め、滅亡…?」
(´・ω・`) 「そんなに大変な事が起きてるんですか?」
('A`)「…そういえば、新巻さんもそんな様な事を言ってたよな」
/ ,' 3 「うむ……すまんが今の情勢を教えてもらえるかの?」
从 ゚∀从「そうそう、まずは今の世界の現状からね」
- 8
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/21(水) 21:58:05.16 ID:4aiDKZnj0
- この世界には、一つの国と呼べるのが10ヶ国存在する
VIP国
アース国
DEN王国
双国O−DEN
豊穣の地エッダ
日陽国
湖鏡
神教国
ルファウス
クリームヒルト
- 9
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/21(水) 22:00:03.52 ID:4aiDKZnj0
(´<_` )「…内、アース国、VIP国は滅亡…
よって現在は8ヶ国が存在しているわけだが」
(´<_` )「まず…」
我が国DEN王と現在正式な同盟が保たれているのは2つ
双国O−DEN、日陽国だ
(;´ω`)「あれ? この国は全ての国と条約を結んでるんじゃ…」
从 ゚∀从「ああ、不可侵の条約は一応全部の国と交わされてるぜ
…同盟はまた別なんだよ、これがまた難しいんだ」
(´<_` )「次に、まだ安全と呼べる国が…」
クリームヒルト、豊穣の地エッダ
(;´・ω・`)「え…二つしかないの?」
/ ,' 3 「…」
- 10
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/21(水) 22:02:36.60 ID:4aiDKZnj0
(´<_` )「そして残りは…困った事に好戦的な国だ」
神教国、湖鏡、ルファウス
从 ゚∀从「ルファウスは今の所激しい動きを見せないな」
(´<_` )「湖鏡はこちらの同盟国である日陽と軽い交戦状態にあるが
この二つはかなり昔からよく小競り合いをしていたから
そう問題も無いだろう」
(´・ω・`) 「…」
(´<_` )「だが最近はルファウスが湖鏡と同盟を組もうとしていると言う情報がある
それが本当なら……」
(´・ω・`) 「そんな…同盟を組んでるのに…何もしないんですか?」
(´<_` )「…この国には武力が存在しないからな、出来る事など
せいぜい串の援助くらいだ、何の役にも立たんさ」
- 12
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/21(水) 22:03:11.57 ID:4aiDKZnj0
从 ゚∀从「…んで、一番危険だけど今は安全なのが神教国かな」
('A`)「…何で?」
从;゚∀从「え…と、ほら…」
(´<_` )「…割と大規模な戦争を起こした直後だからな
しばらくは大人しくしているだろうと言う見方だ」
从 ゚∀从「…うん、まあこんな所か」
/ ,' 3 「これは…想像以上に大変な事態になっているようじゃな…」
( ´ω`)「…そうかなぁ」
从 ゚∀从「ん?」
(´<_` )「どういう意味だ?」
(;´ω`)「お…」
ぼーっと聞いていたら思わず口に出てしまった
一斉に視線を浴びて思わずたじろぐ
(´・ω・`) 「ブーン?」
- 13
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/21(水) 22:04:49.07 ID:4aiDKZnj0
(;´ω`)「うーんと…それだけ聞いてると…
交戦が起きてるのは二つだけなんじゃないかお?
それならそんな世界の滅亡なんて事態は…」
(´<_` )「ふむ、そういえば君は異世界から来た人間らしいな」
(;´ω`)「あ、はい…そうですお」
(´<_` )「なら分からないのも無理はない…かな?
まあそんなのはどうでもいいとして」
(´<_` )「既に異常とも言える事態は起きているのだよ」
(;´ω`)「お……それって?」
(´<_` )「この世界はこれでも数千年単位で成り立っている…
当然その間国は増減を繰り返してきたが」
从 -∀从「少なくともこの数百年の間はこの10ヶ国の歴史が続いていたんだ」
(´<_` )「だが…ここ僅か10年の間に既に2ヶ国もの国が滅んでいるのだ
これを異常な事態と言わずして何と言おうか」
- 14
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/21(水) 22:05:51.64 ID:4aiDKZnj0
(;´ω`)「………」
(´<_` )「更に言えば…本来戦争が起きたからと言って
その国が完全に滅びるなんて事はありえないのだ」
(´・ω・`) 「…そういえば、そうだね…言われてみればおかしい」
(;´ω`)「し、ショボ…?」
(´・ω・`) 「考えてもごらんよ、そもそも戦争の目的は何?
いや、VIPの狙われた理由は何だった?」
(;´ω`)「…接続を奪う事?」
(´・ω・`) 「そう、あくまでも目的は略奪のはずなんだよ…
それなら相手の国を滅亡させるなんて事は本来何のメリットも無い事だ」
从 ゚∀从「そういうこと…ひどい言い方しちゃえば
成長させてまた奪ったほうがよほど効率的だしね」
(´<_` )「そして…こう言ったら悪いが、
VIP国は滅びる事で我等にその危険性を教えてくれた」
('A`)「どういう事です?」
- 15
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/21(水) 22:07:34.33 ID:4aiDKZnj0
(´<_` )「君はVIPで起きた事を全て知っているのだろう?
ならば答えは見えてくるはずだ、滅亡の影には…何があった?」
('A`)「……」
ミ,, Д 彡
( ∀ )
(;'A`)「神具…!」
(´<_` )「その通りだ、今起きかけている滅亡への道も
君が見た国の滅亡の裏にも…必ず神具が関わっている」
(´<_` )「…始まりは恐らく7年前の破壊の剣の一件…
あの時、VIPは焦り、素直に力を行使し過ぎた
そして、今ではどの国も焦って神具を求めるようになってしまった」
('A`)「それは…元はVIPのせいだと言いたいんですか?」
(´<_` )「…そう聞こえたならすまない、だが事実だ
それ以前は表立って神具を前に出すような事は無かったからな」
- 17
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/21(水) 22:08:52.54 ID:4aiDKZnj0
川 - )「…」
(´<_`;)「いや……まあどうせ遅かれ早かれそうなっていただろう
…気に病む事はないぞ」
川;゚ -゚) 「あ……」
从 ゚∀从「だからな…神具をこの世界から無くすんだ…
それがこの世界を守り、平和に繋がる!」
/ ,' 3 「…ならば…どうするつもりじゃ?」
(´<_` )「今は各国の王に事情を説明し、神具の引渡しを要求している所だ」
( ゚∀゚)「…まあ、聞くまでもないと思うが…結果は?」
(´<_` )「同盟国の2つは構わないと言った…
そして後は全ての国が了承したなら渡すと言っている」
( ´ω`)「お? それって…?」
从 ゚∀从「駄目だったんだよ…神教国がそれを頑として突っぱねたからな…」
('A`)「……」
- 18
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/21(水) 22:09:40.05 ID:4aiDKZnj0
(´<_` )「…だからお願いがある、私達にあなた方の力をお借りできないだろうか」
从 ゚∀从「今は少しでも協力者が欲しいんだ…ある程度の力があって
なおかつこの国とは関係の無い人間が」
/ ,' 3 「……」
( ゚∀゚)「…願ってもねえ」
(´<_` )「む…?」
/ ,' 3 「実を言うとの…ワシ等も以前からその事を気にして居たのじゃ
そして、同じ事を考えていた…」
( ゚∀゚)「神具をこの世から消し去る…それが俺達の目的だ
国が味方についてくれるなんざこれほど心強いもんはねえぜ!」
(;´ω`)「ちょ! そんなの初めて聞いたお!?」
ζ(゚−゚;ζ「それは…すいません、けど私達も道を見失ってしまって…
どうするべきか分からなかったんです」
- 19
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/21(水) 22:10:34.91 ID:4aiDKZnj0
(´・ω・`) 「?」
/ ,' 3 「神破について…以前話したの」
('A`)「確か…ミストルティンとか言う神具を破壊する為の神具ですよね?」
从*゚∀从「な、なんだってーーー!?」
(´<_`;)「そんな物があるのか!?」
(;'A`)「うわ…いや、あれは…」
( ゚∀゚)「…もうねえんだよ、壊されちまったんだ」
从;゚∀从「マジで?…何だよ…期待させやがって…」
/ ,' 3 「本来なら…あれを使って地道に神具を消していくつもりじゃった…
しかしそれを失い…それももう無理じゃと思っていたが…」
( ゚∀゚)「ああ、希望が見えてきやがったぜ!!」
(´<_`*)「おお、やってくれるのか!」
- 20
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/21(水) 22:11:17.54 ID:4aiDKZnj0
/ ,' 3 「うむ!」
ζ(゚ー゚*ζ「はい!!」
( ゚∀゚)o彡゜「ははは!こっちにゃ管理者が二人もついてるんだぜ!
どんと任せろってんだ」
(;'A`)「え…俺も入ってるの…?」
( ゚∀゚)o彡゜「当たり前だろ、俺達は破壊と破砕の歯コンビだ!!」
(;'A`)「歯コンビって……」
(;´ω`)「なんか盛り上がってるお…」
(´・ω・`) 「だねえ…」
川;゚ -゚) 「…」
- 21
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/21(水) 22:11:51.34 ID:4aiDKZnj0
………。
そうしてジョルジュさん達は
今後について話し合うと言い残し、どこかに消えた
(;´ω`)「ていうか、僕等はやるとは言ってないのに…」
(´・ω・`) 「……どうなのドクオ」
('A`)「…やる…やってみるよ、俺に何が出来るのか分からないけど」
川;゚ -゚) 「ドクオ…私は、嫌だぞ…」
('A`)「ごめん…でも俺やっぱり、もう何も出来ないのは嫌なんだよ」
川 ゚ -゚) 「…」
('A`)「いざって時に…クーを守れない様な時が
いつか来るかもしれない、だから俺、強くなりたいんだ」
川;゚ -゚) 「だが…力をつければ、きっと危険は増えるんだぞ?
それでもし…またお前が居なくなったりしたら…私は…」
- 22
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/21(水) 22:12:17.38 ID:4aiDKZnj0
('A`)「クー…その為にも、やっぱり俺は強くならなきゃいけないと思うんだ
死なない為にも、そしてもう二度と…誰も死なせない為にも」
川;゚ -゚) 「だが…!」
('A`)「ごめん…これだけはもう譲れない、お願いだ、俺を信じて…」
川;゚ -゚) 「う……っ」
('A`)「…」
川 ゚ -゚)「分かったよ…その代わり、お前がもし死んだりしたら
私も死んでやるからな…忘れるなよ?」
('∀`)「うん、大丈夫…もう誰も居なくなったりしないよ」
( ´ω`)「………」
(´・ω・`) 「逃げられなそうだね」
(;´ω`)「うう…」
- 25
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/21(水) 22:17:34.46 ID:4aiDKZnj0
………。
( ´ω`)「はあ……」
それから、僕等には何やら個室をもらい各自、自分の部屋に入っていった
僕は一人出歩き、気付けばテラスの様な場所まで辿りついた
いつの間に夜になったのか外は真っ暗で…
遠くに見える青白い光の壁
そしてそれに包まれた小さな光の群れ
どこかで見たようで、まるで違う夜景を眺めながら一人溜息をついていた
( ´ω`)「どうしてこんな事になったんだろう…」
誰に言う訳でもなく、呟く
確かにここでの出来事は新鮮な事の嵐で…楽しいと言えば楽しい
けど……
本音を言えば僕は今すぐにでも家に帰りたい
- 26
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/21(水) 22:18:02.85 ID:4aiDKZnj0
ここの豪華な料理よりカーチャンの作る暖かいご飯が食べたい
そしてテレビを見ながらトーチャンと談笑して
狭いけど安心できるお風呂に入って
自分の部屋で時間を潰して…あの布団に包まって眠りたい
………あ
( ;ω;)「……」
気付けば、僕の目からは止め処なく涙が溢れていた
帰りたい、帰りたい、帰りたい帰りたい帰りたいかえりたい…
( ;ω;)「ひっく…ううっ……う…かえ…い…」
「…ハインか?」
Σ(;ω; )「え…!?」
突然、後ろから声をかけられ
くしゃくしゃな顔も気にせず思わず振り返る
(´<_`;)「あ、と…すまん…邪魔した」
( ;ω;)「あ、王様…」
- 28
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/21(水) 22:18:47.23 ID:4aiDKZnj0
(´<_` )「…どうした? 何かあったのか?
内藤…だったか」
( ;ω;)「はい…え?」
あれ…まだちゃんと名乗ってもいないはずなのに…
(´<_` )「ん、ああ…お前の事はハインに聞いていたからな」
( ;ω;)「そ、そんなに色々言ってたんですかお…」
(´<_` )「はは、そういう事じゃないよ…ただ立場上な
人の顔と名前くらいは一発で憶えられなきゃやってられないんだ」
( ;ω;)「王様も大変なんですね…」
(´<_` )「ああ…まあとりあえず涙を拭け、かっこわるいぞ」
( ;ω;)「う…」
(´<_` )「それで…どうしたんだ?」
( ´ω`)「……」
(´<_` )「…そうか、家が恋しいか」
( ´ω`)「はい、情けないのは分かってますお…けど」
- 29
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/21(水) 22:19:41.19 ID:4aiDKZnj0
(´<_` )「いや、それが普通だ」
( ´ω`)「…」
(´<_` )「はっきり言って、俺にはそれに対して何もしてやる事は出来ないな」
( ´ω`)「分かってますお…」
そうさ、そんなのは分かってる…ただ
ただこの場の雰囲気に負けて口がすべっただけだ
(´<_` )「だが、少しはすっきりしたろ」
(;´ω`)「え…」
確かに少し胸のつかえが取れた気がする
(´<_` )「それだけ泣いて愚痴を吐けばすっきりするもんさ」
( ´ω`)「…」
(´<_` )「………何だか思い出すな」
- 33
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/21(水) 22:21:42.17 ID:4aiDKZnj0
(;´ω`)「え?」
(´<_` )「ハインの事だ、あいつもよくここで一人泣いていた」
彼女が…?
………………
ごめんなさい、想像できません
(´<_` )「それだけ自分の事を話してくれた礼…は違うか…
少し昔話をしてやろう」
(;´ω`)「え…と?」
(´<_` )「ハインの事だ…あいつ、高岡と呼ばれるのを嫌ってなかったか?」
( ´ω`)「あ…そういえば…」
从 ∀从(高岡…その名で俺を呼ぶな…!)
あの時廊下で…確かにそう言った
(´<_` )「あいつはな…この国の中じゃ嫌われ者なんだよ
だからあいつはここに来る時もわざわざ危ないエアラインを通ってきた」
( ´ω`)「……え?」
何を言って…
- 34
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/21(水) 22:23:13.40 ID:4aiDKZnj0
(´<_` )「ん…有名な科学者だから、崇拝でもされてると思ったか?」
彼は、疑問に思う僕の心を見透かすように言葉を続ける
(;´ω`)「そりゃ…まあ」
(´<_` )「あいつが作ってしまった…珠…確かにあれのおかげで
生活の向上という素晴らしい物が出来た、だが…」
(´<_` )「それは同時に戦争を過激化させる物になった」
( ´ω`)「…」
(´<_` )「最近の珠の出所も今じゃ約8割は戦争の道具の為に作られてる
そのせいか…
戦争の過激化の原因のしわ寄せが全てあいつに行ったんだ
お前があんな物を作ったせいだっ…てね」
(;´ω`)「そんな…」
(´<_` )「ひどい話さ、人の為に作った物…
そのせいで謂れのない中傷を受けてるんだよ、あいつは」
- 36
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/21(水) 22:24:51.00 ID:4aiDKZnj0
(;´ω`)「でも…確かこの国の物は彼女が開発したって」
(´<_` )「そんな裏の事情など…ただ自堕に落ちた連中には通じはしないさ
そういう連中は自分の生活が当然だと思ってるからな」
(;´ω`)「…けど、それを言えば少なくとも変な事言われなくなるんじゃ…」
(´<_` )「どうだろうな…少なくともあいつはそれを嫌がってる」
( ´ω`)「どうして…」
(´<_` )「押し付けがましいと思われるのがオチだ…ってさ
正直、俺もその通りだと思ったよ」
( ´ω`)「………」
そうかもしれない…でも、でも…
( ;ω;)「そんなのひどいお…僕にはわからない…
なんで彼女を攻める必要があるんだ」
(´<_` )「…ここを守るためには、珠を生み出す串を作り続けるしかない
だがそんな様子は民にはただ服従しているようにしか見えないのだろう」
- 38
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/21(水) 22:26:22.33 ID:4aiDKZnj0
( ;ω;)「じゃあ戦えって事なのかお?」
(´<_` )「そうじゃない、ただのくだらない自尊心さ…
自分の国が他国にへこへこしてるのが気に入らないんだよ
それでいざそういう事態になれば逆の意見を言い出すに決まってる」
( ;ω;)「……」
そうかもそれない
何も知らず、ただそれを見たら…人はきっと、そういう反応をする
(´<_` )「それで最近…世界を変えるんだ!
なんて突飛なこと言いだして…国内によりつかなくなった
その時からあいつは高岡って名前を捨てたんだ」
( ´ω`)「…それで……ハインリッヒ…」
(´<_` )「多分…戦争の道具を作り出してしまったってのをさ
あいつ自身、後悔してるんだろうな…
だから…神具を消して、この世界を平和にするんだ!
なんて躍起になってるんだ」
- 39
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/21(水) 22:28:21.79 ID:4aiDKZnj0
(´<_` )「と…少し、喋りすぎたかな…」
( ´ω`)「あ…えーと…」
(´<_` )「うむ、まあとにかく…誰もが何かしらの理由を持って生きてるもんだ
それはきっとどこだって変わらない物だろう…」
( ´ω`)「…」
(´<_` )「お前も、ここに今居る以上…その過程には
何かしらの理由があったんじゃないか?」
理由…
(;´ω`)「…」
思い浮かんだのは…ベッドに横たわる女の子と
その前で辛そうに立ちすくむ親友の姿
そうだ……僕は…
- 40
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/21(水) 22:33:33.49 ID:4aiDKZnj0
…………。
翌日…
(´<_` )「という事で…君達には双国O−DENに行って貰いたい」
(;^ω^)「おーでん…?」
从 ゚∀从「ここの兄弟国なんだけどな…そこには唸響く槍がある」
('A`)「うなり…ひびくやり?」
(´<_` )「ああ、名をグングニールと言うらしい」
(´・ω・`) 「それを…取りに行くんですか?」
( ゚∀゚)「ああ、そうだ」
(;^ω^)「なんでまたそんな急に…?」
- 41
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/21(水) 22:34:38.73 ID:4aiDKZnj0
( ゚∀゚)「昨日の話し合いで決めたんだけどな…
お前等のどっちかが使えるんじゃないかと思ってよ」
(;^ω^)(;´・ω・`) 「……はい?」
(´<_` )「既にランシップは手配してある…後は出発するだけだぞ」
(;´ω`)「ちょ、ちょっと待つお!」
(;´・ω・`)「どういう話合いをしたらそうなるの!?」
( ゚∀゚)「ああ、その辺については…後でな」
(;´ω`)「後って…」
(;゚∀゚)「しょうがねえだろ…そろそろ尺が足りねーんだよ!」
(;´・ω・`) 「…尺?」
(´<_` )「ちなみに誰が行くんだ?
あれはそんなに人数は乗れないぞ」
- 42
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/21(水) 22:35:28.53 ID:4aiDKZnj0
( ゚∀゚)「ああ、俺とこの二人で三人だ」
(;´ω`)「な、何で僕が!?」
(;´・ω・`)「あの…ちょっと、少しは人の話を…」
('A`)「…?」
ζ(;ー;*ζ「ブーン様…悲しいけどしばしのお別れですね…」
(;´ω`)「いや…僕は行くとは一言も…」
ζ(゚ー゚*ζ「でも私信じてますから!
ブーン様が無事に帰ってくるって…!」
(;´ω`)「だから…デレ…?」
( ゚∀゚)「心配すんなって、またガンガン鍛えてやるから!」
(;´・ω・`)「余計嫌になってきた…」
(;´ω`)「ひぃぃ…」
- 44
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/21(水) 22:36:09.52 ID:4aiDKZnj0
(;'A`)「あの…俺は?」
( ゚∀゚)「お前は…連れて行かない…」
('A`)「え…………?」
(;´ω`)「え、な…何でだお!?」
( ゚∀゚)「ドクオ…お前、あの子一人置いて行けるか?」
川;゚ -゚) 「!」
(;'A`)「それは…」
( ゚∀゚)「無理だろ? だからお前を連れてはいけない」
(;'A`)「で、でも! 俺も特訓を…」
( ゚∀゚)「…悪いな、今回は遊びに行く訳じゃねえんだ…」
(;'A`)「……」
- 45
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/21(水) 22:36:32.46 ID:4aiDKZnj0
(;`ω´)「ちょ…」
ζ(゚−゚*ζ(ヒソヒソ)
(;´ω`)「…え?」
ζ(゚−゚*ζ(コソコソ)
(´・ω・`)「……うん、分かった」
( ´ω`)「……お」
ζ(゚−゚*ζ「…」
- 47
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/21(水) 22:43:37.47 ID:4aiDKZnj0
('A`)「……ブーン?」
(;´ω`)「…ごめんお」
(;'A`)「ショボン?」
(´・ω・`) 「……」
(;'A`)「そんな……」
………。
- 48
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/21(水) 22:44:10.35 ID:4aiDKZnj0
( ゚∀゚)「行ってくるぜぃ!」
(;´ω`)「いや!行くにしてもこれはもう乗りたくないお!」
(;´・ω・`)「それには同意せざるを得ない!!」
ここはエアライン
来た時に地獄を見たあの空中ランデブー
僕はどうやらこれにもう一度乗らなければならないらしい
透明な壁の向こうには他の皆が僕等を見送るため集まっている
ζ(;−;*ζ「頑張ってくださいブーン様、私応援してます!」
(;´ω`)「止めてくれお…」
- 50
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/21(水) 22:53:04.82 ID:4aiDKZnj0
( ゚∀゚)「んじゃ出発!!」
(;゚ω゚)「アッーーー!!」
(;´・ω・`)「ねえ…ところで……ボードは?」
(;゚∀゚)「…あ゛!!」
「ぎゃああああああああああああああ」
川;゚ -゚) 「……おい、いいのかあれ」
('A`)「……」
/ ,' 3 「さて、ドクオ…」
(;'A`)「え…?」
- 51
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/21(水) 22:54:09.60 ID:4aiDKZnj0
…………。
「…いてて…」
「ああ、マジで死ぬかと思ったぞ…」
(…僕は既に死んでるお…)
…………。
- 54
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/21(水) 22:55:14.07 ID:4aiDKZnj0
(メメ゚∀゚)「いやー、助かったぜブーン!
流石は風の接続者だ!!」
(メメ´ω`)「…お願いですから二度としないでください…」
(メメ´・ω・`) 「……」
どうにか無事(?)たどりつき、出口である巨大な門の下に進んだ
そこには…例の船の形をした乗り物と…彼女が居た
(;´ω`)(平常心平常心)
あんなのを聞いたせいか…どうにも変に意識してしまう
从 ゚∀从「ほれ、これがお前等用に準備しておいた陸船だ」
( ^ω^)「これがあれば…ずっと楽に進めるお」
从*゚∀从「だろ?」
( ゚∀゚)「んじゃ…行くか…」
(´・ω・`) 「でも…ドクオは本当にあれで良かったのかな…」
- 55
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/21(水) 22:56:06.34 ID:4aiDKZnj0
( ゚∀゚)「いんだよ…あいつが進むのは災杖の管理者の道だ
お前等と同じ事やっててもしょうがねえ…
あのじじい任せとけば問題ねえさ」
( ´ω`)「それにしたって…」
(;´・ω・`)「精神的ショックを与えてやる気を引き出させようって…
ちょっと性格悪すぎない…?」
( ´ω`)「流石のショボもそう思うかお…」
(´・ω・`) 「…何か言った?」
(;´ω`)「いえ…」
从 ゚∀从「んじゃ、行こうぜ!」
(;´ω`)「お…?」
- 56
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/21(水) 22:57:07.76 ID:4aiDKZnj0
(;゚∀゚)「はあ? お前はいいんだよ!」
从;゚∀从「何言ってるんだ!俺が居なきゃお前等こっから出る事も出来ないんだぞ!」
( ゚∀゚)「それならパスだけ…」
从 ゚∀从「嫌だよ」
(;゚∀゚)「むぅ…」
( ´ω`)「……いいんじゃないかお?」
( ゚∀゚)「あん?」
(´・ω・`) 「…」
从*゚∀从「お、話が分かるね!」
( ゚∀゚)「……はぁ…まあ、いいか」
从 ゚∀从「うーし、出発だぜ!!」
「おー!」
- 57
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/21(水) 22:57:30.06 ID:4aiDKZnj0
【次会予告】タビダチハイツモヒツゼンー
- 58
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/21(水) 22:58:20.92 ID:4aiDKZnj0
ミ,,゚Д゚彡「今日のゲストは…?」
>>60
- 60
名前:愛のVIP戦士 :2007/02/21(水) 23:00:12.65 ID:b0ng6Dyl0
- しぃ
- 63
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/21(水) 23:11:15.93 ID:4aiDKZnj0
- ミ,,゚Д゚彡『さて次回のお話は!』
(*゚ー゚)『双国O−DEN…そこで出会ったのは弟者さんそっくりの兄者さん』
( ´_ゝ`)「?」
(;゚∀゚)(;゚ω゚)「…!!」
(*゚ー゚)『何だか…親近感を感じるなぁ…』
ミ,*゚Д゚彡『困惑するブーン達…そしてそこに現れたのは…』
(♯゚∀゚)「も…モララアアアア!!!」
( ・∀・)「やあジョルジュ…グングニールをもらいにきたよー」
(*゚ー゚)『そして…迫り来る敵の大群………ってグング二ール!?』
ミ,,゚Д゚彡『次回!! 異世界でもう一度 第9会 「強奪」 』
ミ,;゚Д゚彡『読んでくれなきゃ…泣いちゃうぜっ…ってぐえっ…苦し…』
(*゚ー゚)『フサ君!神具よ!新しい神具よ!!きゃあきゃあ!!』
ミ,*゚Д゚彡(でもちょっと幸せ…)
つづく、、、I
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