- 3
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/13(火) 22:43:47.46 ID:FNw6w1uP0
【 第6会 「到着!DEN王国」 】
こんにちわ、ブーンです
この異世界で、鬼であるジョルジュさんに出会い
…何だか変わった気がします
ただでさえ一日中歩き続けるのが辛いのに
加えて朝昼夕とある特訓の名を偽称した拷問が続き
体中が悲鳴を上げて…
- 4
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/13(火) 22:45:02.75 ID:FNw6w1uP0
(;´ω`)「……足が…なんかやばいくらい痛いお…」
(;'A`)「……吐きそう…」
(;´・ω・`)「……は、ははは、二人ともだらしないなぁ」
(;´ω`)「ショボ…足震えまくってるお…」
川;゚ -゚)「大丈夫か…顔色悪いぞ?」
(;'A`)「大丈夫……う…」
(;´・ω・`)「ドクオ…吐くなら向こうでお願いね…」
(;´ω`)「……」
そうして、僕等は山超え谷超え森を超えては川を渡り
…気付けば早いもので一週間が過ぎていた
- 5
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/13(火) 22:48:21.94 ID:FNw6w1uP0
この数日の間に僕等は皆けっこう打ち解けてきた気がする
('∀`)(クー、改めて紹介するよ…この二人が)
川 ゚ -゚)(内藤に…ショボン、か)
( ^ω^)(よろしくだお、クーさん)
川 ゚ー゚)(クーでいい、それと…お前には助けられたのに
ろくにお礼も出来なくてすまなかったな)
(;^ω^)(い、いえそんな、いーんですお)
川 ゚ー゚)(いや、本当に感謝している…ありがとう)
真っ直ぐに向けられた視線…思わず見とれてしまう
(*^ω^)(いえ、気にしないでくださいおwwww)
- 7
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/13(火) 22:52:11.07 ID:FNw6w1uP0
(;^ω^)「…お?」
ξ♯゚ー゚)ξ(ビキビキ)
(;´ω`)(………)
僕は何も見てない見てない
- 8
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/13(火) 22:55:59.78 ID:FNw6w1uP0
とそれよりも…
(´・ω・`) (流石は王様…なんか口調がそれっぽいね)
( ^ω^) (そうNE…)
色々ごたごたしていたせいでの遅めの会合
歳もそう変わらないはずの彼女は凄く凛々しく見えた
漆黒の吸い込まれそうな瞳
艶のある長い黒髪がそれを更に引き立たせ
本当に綺麗な女性、と言った印象だ
けれどドクオと接している時にたまに見せる彼女の素顔は
歳相応の女の子って感じで、そのギャップが非常にたまらない
…うん、ドクオが惚れ込む理由がよくわかるNE
川 ゚ -゚)「どうした?」
(;´ω`)「…お?」
- 9
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/13(火) 22:56:59.20 ID:FNw6w1uP0
(;´・ω・`)「ぼーっとしちゃって…まるで誰かさんみたいだね」
(;'A`)「…悪かったな」
( ^ω^)「…うつったかな」
(;'A`)「……」
(;^ω^)「あれ…? ジョルジュさん達、何してるんだお?」
(´・ω・`) 「なんだろ…何だか真剣だね」
見ると、少し離れた場所でジョルジュさん達は三人固まり
あーでもないこーでもないと言い合っていた
……。
('A`)「どうしたんですか?」
- 11
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/13(火) 23:02:49.12 ID:FNw6w1uP0
/ ,' 3 「…」
ζ(゚−゚;ζ「えーと…」
( ゚∀゚)「ああ、どうにもちょっと道に迷っちまったみたいでな」
(;´・ω・`)「え…どういう事?」
ζ(゚−゚;ζ「すいません…実はその、DEN王国へ行く専用の街道があるんですけど」
( ゚∀゚)「その街道がな…ちょっと分かんねーんだ」
ζ(゚Δ゚;ζ「だからやっぱりあっちに…」
( ゚∀゚)「…いやこのまま進んだ方がいいだろ
違ったら真っ直ぐ戻ってくればいいだけだしよ」
(;´・ω・`) 「地図とか無いんですか?」
ζ(゚−゚;ζ「ある事はあるんですけど…」
- 12
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/13(火) 23:03:09.63 ID:FNw6w1uP0
川;゚ -゚)「何だ、それなら問題無いんじゃないのか?」
ζ(゚−゚;ζ「いえ、その…」
( ゚∀゚)「現在地がわからねんだなー…これが」
(;´・ω・`)「いや、それ完っ璧に迷ってるんじゃ…」
(;´ω`)「もしかして今までずっと適当に進んできたのかお…?」
(;゚∀゚)「しょ、しょうがねーだろ…
VIPを出る時に正規ルートは使えなかったんだからよ…」
('A`)「正規ルート…そんなのがあるんですか?」
ζ(゚−゚*ζ「はい、VIP国正面から流通用の街道が伸びていて…
本来ならそこを通れば全部の国は回れる様になってたんです」
- 13
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/13(火) 23:05:55.96 ID:FNw6w1uP0
( ゚∀゚)「けどあの時は神教の連中が出入りしてたからな
どうにか裏道からDEN王行きの道を見つけなきゃいけなかったんだが…」
(;´・ω・`)「見つけられなかった…と」
ζ('△`;ζ「すいません…」
(;^ω^)「だ、大丈夫だお…とにかく進んでればきっと何とかなるお」
ζ(゚−゚*ζ「ブーン様…」
(♯゚∀゚)「大体じじい!てめえは何で何も言わねえんだよ
道くらい知ってたんじゃねえのか?」
/ ,' 3 「…ワシから地図を奪ってどんどん進み始めた馬鹿のおかげで
もうさっぱりわからんよ」
(;゚∀゚)「う…」
('A`)「…ジョルジュさん?」
ζ(゚−゚;ζ「だから何度も引き返そうって言ったのに…」
- 15
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/13(火) 23:07:34.86 ID:FNw6w1uP0
(;゚∀゚)「俺は悪くねえ!悪いのはヴァン先生だ!!」
(;´・ω・`) 「うわ、開き直ってるよ…最低だね」
(;´ω`)「ちょ!ショボ……」
(♯゚∀゚)「…お前等…喜べ、今日からの特訓はスペシャルメニューだ」
(;´・ω・`)「…」
(;'A`)「…え?俺も?」
(;´ω`)(僕は殺されるかもしれない…)
- 17
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/13(火) 23:11:14.02 ID:FNw6w1uP0
川;゚ -゚)「おい、ふざけるのはそこら辺で…な」
( ゚∀゚)「っと…そうだな、すまねえ」
ζ(゚−゚*ζ「それで…どうするの?
このまま進むの?」
( ゚∀゚)「そうだな…とりあえずどっかその辺の山でも登るか
何か見えるかもしれねえ」
(;´ω`)「ま、また山を行くのかお…」
(;'A`)「なんか…想像しただけで胸焼けが…」
(;゚∀゚)「うーん…しょうがねえな…俺一人でちょいと行って来るか」
そうしてジョルジュさんは僕等にずっと焚き火をしている様に、と言い残し
山のほうに走っていった
- 18
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/13(火) 23:13:49.53 ID:FNw6w1uP0
横ではショボが早速火を焚き始めている
( ´ω`)「そういえば…なんで火を?」
ζ(゚ー゚*ζ「目印ですよ、ブーン様」
(´・ω・`) 「あの人が迷わないようにってね」
ζ(゚ー゚*ζ「そう、その通りです…ふふっ」
………。
ジョルジュさんの姿が見えなくなってしばらく
僕等はその場で倒れ込むように横になっていた
(;´ω`)「はあぁあぁ…なんか久しぶりの休息って気がするお…」
(;'A`)「だな……あー、なんか俺…寝そう」
- 20
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/13(火) 23:16:11.48 ID:FNw6w1uP0
川 ゚ -゚)「ふむ、大分疲れが溜まってるみたいだな……どれ」
(*'A`)「……あああぁぁ…いい…もっと強く…っ」
川;゚ -゚) 「む…気持ち悪い声を出すな…っ」
(*'A`)「あっ…そこいい!そこ!い…逝く!」
川#゚ -゚) 「…」
「ちょ、ごめ!! い、いたたたたたっ!!!」
( ´ω`)(ほんとに仲いいなぁ…)
この二人はいつもこの調子で、隙あらば寄り添っている
…これなら僕の出番なんて無さそうだ
見ていて微笑ましいとはこの事か
- 21
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/13(火) 23:19:59.75 ID:FNw6w1uP0
「ふ…うふふふふっ…」
「!!」Σ(゚ω゚;)ζ('ー`*ζ「ブーン様?
私もマッサージしましょうか?」
(;´ω`)「い、いえ…僕は大丈夫ですので」
ζ('ー`*ζ「そんな事言わずに、さあ…楽にしてください」
立ち上がりその場を離れようとする僕
そんな僕の腕を彼女は力強く掴み、無理矢理その場に座り込まされた
(;´ω`)「お……」
ζ('ー`*ζ「…どうですか?」
(*´ω`)「凄く…気持ちいいです…」
- 22
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/13(火) 23:24:16.64 ID:FNw6w1uP0
デレ、正直な話…僕はこの子が少し苦手だ
…いや可愛い子だとは思うけど
くりっとした瞳に…強くカールのかかった4つに別れた巻き髪
何だか全体的に小動物を連想させる様な彼女だが
小柄な体格に…似合わないふくよかな胸元…が
(*´ω`)(さ、さっきから……背中に…)
ξ*゚ー゚)ξ「…あててんのよ」
(;゚ω゚)「!?」
……なんで苦手かって、時折この子は様子がおかしいからだ
例えば少し離れた場所でニヤニヤしながら僕を凝視していたり
例えば突然口調が変わったり
例えば気付くとすぐ後ろに居たり
例えばやっぱり僕を見てニヤニヤしていたり
…その他色々、とにかく油断のならない恐い子だ
- 24
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/13(火) 23:29:16.50 ID:FNw6w1uP0
………。
その後、僕等はそれなりに暇を持て余し
かなりのグダグダ臭をかもし出し始めた頃…
ずっと黙っていた新巻さんが口を開いた
/ ,' 3 「さて…する事もないし、少し話でもしようかの」
(´・ω・`) 「話…? 何かあるんですか?」
/ ,' 3 「聞きたい事があるんじゃないか?
特にそこの二人…」
('A`)「…」
川 ゚ -゚)「…」
(;^ω^)「…?」
('A`)「…モナー…さんの事…やっぱり知ってるんですか?」
川; - )「……」
ζ(゚−゚;ζ「…」
- 25
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/13(火) 23:32:20.94 ID:FNw6w1uP0
/ ,' 3 「モナー…お前達にはそう名乗ったか」
/ ,' 3 「あれの本当の名はモララー、いつからかワシらの前に現れ
神具を狙っておる…危険な奴じゃ」
('A`)「神具を…? どうして…」
/ ,' 3 「わからん…既にどこから手に入れたのか求血と戦呪を所持し
こちらの持っていた破砕と神破を欲していた」
('A`)「破砕…ってのはミョルニルの事ですよね…神破?」
ζ(゚−゚*ζ「神破…神殺しの木、ミストルティンの事です…
…前の戦いで砕かれてしまいましたけど」
/ ,' 3 「神破は文字通り神具を破壊できる唯一の武器じゃった
…思えば奴の狙いは最初からそれの破壊…
神具を消せる神具…それを集める者には邪魔だったのだろう」
- 26
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/13(火) 23:37:21.69 ID:FNw6w1uP0
/ ,' 3 「奴はどうにも何を考えているのか分からん奴じゃ…
時には人を助ける優しさを見せ
時には何よりも楽しそうに人を殺す…」
(;'A`)「…」
/ ,' 3 「……ワシの娘の旦那も…あ奴の手によって…」
ζ( − *ζ「……」
(;'A`)「…そ、そんなの放っておいていいんですか?」
/ ,' 3 「どうにかしたいのは山々じゃが…何せ、やつは強い」
('A`)「でもジョルジュさんだって充分強いじゃないですか、あの人なら…」
/ ,' 3 「…無理じゃろうな、相性が悪すぎる…
求血の剣…ダインスレイフは単純な身体強化の魔剣じゃ
当然あらゆる速度が常人のそれを遥かに上回る…
それに対してあの馬鹿は力一辺倒じゃからの…」
ζ(゚−゚*ζ「それに…今はまともにミョツルニルを使えないですし…」
- 28
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/13(火) 23:44:50.64 ID:FNw6w1uP0
('A`)「使えない…? 使ってたような気がするんですが…」
/ ,' 3 「ミョツルニルを使用するには本来3つの神具が必要じゃ
実はその内の一つをモララーに盗まれていての…
今はその真価を発揮する事はできんのじゃよ」
('A`)「…」
(;´・ω・`)「うーん…今一把握しきれないけど、もしかして僕等が呼ばれたのって」
/ ,' 3 「うむ、あやつに対抗する為の力が必要だったからじゃ」
/ ,' 3 「そして…問題はこれから」
(;'A`)「…え?」
/ ,' 3 「当初…奴は災杖の事をただの炎の剣としか認識していなかったろう
じゃからそれ程興味を示さず、こちらを意識した行動ばかりしていたが
…じゃがあの一件で災杖について気付いたじゃろう」
- 29
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/13(火) 23:45:31.12 ID:FNw6w1uP0
(;'A`)「…ちょ、ちょっと、ちょっと待って!」
/ ,' 3 「なんじゃ?」
(;'A`)「ま、まさか…モナーさんは…生きてるんですか?」
/ ,' 3 「…恐らく、の…あの場に死体は見つからなかったし
十中八九生きておる」
(;'A`)「……生きて」
(;´ω`)「…?」
ドクオの手は強く握られ、微かに震えている
/ ,' 3 「そしてお主は災杖を自分が持つ、と言ったの?」
(;'A`)「…はい」
/ ,' 3 「さすれば…これからお前はモララーからも狙われる事になるだろう
それでも、あれを…災杖の管理者となる事を望むか?」
- 30
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/13(火) 23:49:58.55 ID:FNw6w1uP0
('A`)「…」
返事は口には出さず、強く、頷く
川;゚ -゚) 「…」
/ ,' 3 「…決意は固いようだな」
('A`)「はい、それにあれを狙っているなら尚更…俺が守りたいんです」
川;゚ -゚)「…ドクオ、待ってくれ」
('A`)「…」
川;゚ -゚)「私は…止めて欲しい」
(;'A`)「クー…」
川;゚ -゚)「あの剣を持つ事も…お前が危険に晒されるのも嫌だ…
いいじゃないか、欲しいならくれてやればいい」
- 32
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/13(火) 23:54:54.43 ID:FNw6w1uP0
(;'A`)「な、何を言って」
川;゚ -゚) 「嫌だ……他なんて何もいらない
お願いだ…何もしないで、ただ側に居てくれ…」
(;'A`)「っ…クー…だってあの剣は、フサさんとギコさんの」
川 ; -;)「その名を言うな!!」
叫ぶ声が響く
場を静寂が支配した
(;'A`)「……お、俺は…」
川 ; -;)「…」
- 33
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/13(火) 23:56:22.98 ID:FNw6w1uP0
/ ,' 3 「…どっちにしろ…今は恐らく奴も大人しくしているじゃろう
あれほどの炎を喰らったのだ、生きてはいても無事ではおるまいて」
('A`)「…」
/ ,' 3 「時間はある…焦らずゆっくりと考えていけばよい…」
('A`)「…」
(;´ω`)「……」
何だか物凄い修羅場を見せられた気分だ…
やたら重い空気の中
( ´ω`)「お」
(´・ω・`) 「あ、帰ってきた」
( ゚∀゚)「おーい!街道らしきとこ見つけたぞ!」
(;゚∀゚)「って…なんか暗いな、なんかあったんか?」
- 34
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/15(水) 00:00:17.47 ID:3EMRmVf+0
/ ,' 3 「なんでもないわい、それより見えたのか?」
( ゚∀゚)「…? おう、やっぱ向こうだったみたいだ」
ζ(゚ー゚;ζ「じ、じゃあ早速行きましょう!」
(;^ω^)「お」
(´・ω・`) 「…ところでジョルジュさん?
その棒は何?」
( ゚∀゚)「ん、これか? ……杖だよ杖」
見ると彼の手にはちょうど握れる大きさの木が何本が見えた
(;´ω`)「…?」
何だかふいに嫌な予感がした
- 36
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/15(水) 00:08:15.99 ID:3EMRmVf+0
………。
(*^ω^)「うわ…すげーお…」
DEN王国へ続いていると言う街道
固まり、変色した地面が遠く山の彼方まで続いている
(´・ω・`) 「地平線ってやつだね…初めて見たよ」
( ゚∀゚)「ここはもうDEN王の領内みたいだな…
これでとりあえずは一安心か」
ζ(゚−゚;ζ「そうでもないみたい…」
( ゚∀゚)「どうしたんだ?」
ζ(゚−゚;ζ「…食料がそろそろ無くなりそうなの」
(;゚∀゚)「…ちょっと無駄な時間使っちまったからなぁ…」
ζ(゚−゚*ζ「うん、早くどこか見つけないと…」
- 37
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/15(水) 00:09:24.01 ID:3EMRmVf+0
( ゚∀゚)「そうだな…とそういうわけだ、ちょいペース上げるぞ
お前等大丈夫か?」
( ´ω`)「ちょっと辛いけど…何とか」
(;´・ω・`)「そんな事言ってる余裕は無さそうだしね」
( ゚∀゚)「…ちょっとは根性ついてきたじゃねーか」
('A`)「そうかな…」
どうだろう…相変わらず足は痛むし、毎日ヒーヒー言ってるんだけど
( ゚∀゚)「でもまぁ、しばらく体力作りはお休みだな」
(*´ω`)「え! 本当かお!?」
( ゚∀゚)「ああ、どうにもまず先を急がないとだからな…その代わり」
(;´・ω・`)「…ん?」
- 38
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/15(水) 00:13:59.54 ID:3EMRmVf+0
( ゚∀゚)「お前等にはこれをプレゼントだ」
そう言って差し出されるたのは先の木の棒
('A`)「…? これが何か?」
( ゚∀゚)「おう、いいか…まずお前等二人で一人に向けて交互に攻撃
それを一人が交互に防御、それを繰り返せ」
(´・ω・`) 「こう?」
( ゚ω゚)「ひでぶっ!」
( ゚∀゚)「とにかくゆっくり、軽くな、気をつけることはとにかく目を閉じない事くらいだ」
(´・ω・`) 「何だか小学生みたいだね…」
( ;ω;)「…酷い」
( ゚∀゚)「それをローテーション組んでやってろ」
- 40
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/15(水) 00:17:08.01 ID:3EMRmVf+0
('A`)「…ちょっと楽しそうだな」
(´・ω・`) 「だね」
( ゚∀゚)「まあちょっとしたお遊びみたいなもんだ」
(;´ω`)「いたた…」
(´・ω・`) 「小さい頃よくこういうのやったよね」
('A`)「あるある、雨の日とかはしょっちゅうだよな」
( ゚∀゚)「…? それじゃあこれから進む間はずっとやっててもらうから
…がんばれ?」
(;'A`)( ゚ω゚)(;´・ω・`) 「…え?」
- 42
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/15(水) 00:24:12.26 ID:3EMRmVf+0
……………。
「アッー」
ζ(゚Δ゚*ζ「あ! 集落があるよ!」
「ウデガ、ウデガァー」
( ゚∀゚)「お、助かったな」
「ヒデブ!!」
「ア、ゴメン」
ζ(゚ー゚*ζ「…」
(;゚∀゚)「…」
- 43
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/15(水) 00:26:19.72 ID:3EMRmVf+0
(;゚∀゚)「お前等うるせえ」
(;´・ω・`)「木が…重い…」
(;'A`)「あいたたた!攣った!」
(メメ;ω;)「イジメカッコワルイ!」
最初は楽しかったチャンバラごっこも1時間も続けると早くも限界突破
ただでさえ疲れた身体は悲鳴を上げるってレベルじゃない
(;゚∀゚)「…分かった分かった、休んでいいから…あそこまで着いたら」
(;´ω`)「…」
「14日ドコイッター」
「エ?ナニソレ?」
「・・・!」
「…」
- 44
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/15(水) 00:27:23.06 ID:3EMRmVf+0
……。
(;´ω`)「ついたぁー…」
('A`)「もう駄目」
(´・ω・`) 「はぁ…」
その集落の入り口で
再び倒れ込む
…なんかここ最近こんなのばっかだ
(;゚∀゚)「こんな所で寝るな!」
ζ(゚ー゚;ζ「まあまあ…そっとしておいてあげてよ」
( ゚∀゚)「しょうがねえな…んじゃ適当に買出しに行くか」
ζ(゚ー゚*ζ「うん!」
/ ,' 3 「どれ…ワシはちょい散歩にでも行ってこようかの」
(;´ω`)「タフすぎるお…」
- 47
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/15(水) 00:31:58.77 ID:3EMRmVf+0
川;゚ -゚)「…」
(;'A`)「…クーは…なんか結構平然としてるけど、疲れてない?」
川 ゚ -゚)「ん、私はまあ…歩いてるだけだからな
流石に足は痛いが…」
(;'A`)「そ…そう」
(;´・ω・`)(ここの人は皆タフなんだろうか…)
(;´ω`)「…」
辺りを見回す
集落と言っても何がある訳でもない
というか家という家は無くて
何だか沢山のテントみたいなのが並んでいる
(´・ω・`) 「…移民…ってやつなのかな」
('A`)「みたいだな」
( ´ω`)「…ん?」
ふと…人影が視界に入った、何だかこちらをじっと見ているような…
- 57
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/15(水) 01:58:13.87 ID:3EMRmVf+0
(;´・ω・`)「あれ…誰か来る?」
川 ゚ -゚)「ん、こっちに用事があるだけじゃないか?」
(;'A`)「え? でも明らかに俺達を見てるような」
从 ゚∀从「よお、どうしたんだあんたら、旅の者か?」
(;´ω`)「え、えーと…」
近づいてきたのは…これまた変わった口調の女性だった
茶色の先端が跳ね上がったセミロングの髪
そして髪に隠れた片目
……怪しい
- 58
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/15(水) 02:00:54.99 ID:3EMRmVf+0
川 ゚ -゚)「ああ、そうだDEN王国を目指してる」
警戒する僕等に代わるように、クーが一歩前に出た
从 ゚∀从「ふーん…どっから来たんだ?」
川 ゚ -゚)「VIPからだ」
Σ从 ゚∀从「!」
从;゚∀从「VIPって確か…そっか、そういう事か……」
川 ゚ -゚)「……」
从 ゚∀从「悪かった、変な事聞いちまったみたいだな!」
川;゚ -゚)「いや…いい」
- 59
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/15(水) 02:02:16.39 ID:3EMRmVf+0
从 ゚∀从「…ちなみにお前等、ライダーパスは持ってるのか?」
川 ゚ -゚) 「…ライダーパス?」
从;゚∀从「…やっぱな、知らねーか…ライダーパスってのは
本国に入る為に必要な、言わば許可証って奴だ」
(;´・ω・`)「…もしかして、それが無いと国内に入れない…とか?」
从 ゚∀从「そういうこと、あの国の性質上な…迂闊に誰でも入れないようになってんだよ」
(´・ω・`) 「そっか…色々機密とかありそうだもんね…」
从 ゚∀从「…まあそうだな、それでどうすんだあんたら」
(;'A`)「どうするって言ってもな…」
(;´ω`)「ジョルジュさん達が戻ってこない事には…」
从 ゚∀从「ああ、連れがいるのか…まあ、よければだが…」
( ´ω`)「…お?」
………。
- 60
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/15(水) 02:05:12.70 ID:3EMRmVf+0
( ゚∀゚)「戻ったぞー」
ζ(゚ー゚*ζ「ごめんなさい、遅くなって……」
/ ,' 3 「…ん?」
从 ゚∀从「おかえりー」
(;゚∀゚)「だ、誰だ?」
(;´ω`)「えーと…あれ?」
从 ゚∀从「俺か? 俺は……ハインだ、ハインリッヒ」
(;゚∀゚)「ハインか…それで、何だこの状況は?」
(´・ω・`) 「それがその…」
………。
( ゚∀゚)「ああ、パスか」
- 62
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/15(水) 02:08:17.70 ID:3EMRmVf+0
(´・ω・`) 「なんだ、持ってたんですか?」
/ ,' 3 「いや、無いぞ?」
ζ(゚Δ゚;ζ「…え?」
( ゚∀゚)「持ってるわけねえだろ…
俺達は基本的にあんま人の居る所には行かなかったしな」
(;´ω`)「えええ…じゃあいったいどうするつもりだったんだお?」
/ ,' 3 ( ゚∀゚)「忍び込む」
ζ(゚Δ゚;ζ「……」
从*゚∀从「ぶっ…ぎゃはははははははwwwwっ」
(;゚∀゚)「な、なんだ? 笑う所かここ」
- 63
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/15(水) 02:09:22.31 ID:3EMRmVf+0
从*゚∀从「やっぱ面白いなあんたら…あそこに忍び込もうなんざ
それこそ空でも飛ばなきゃ無理ってもんだぜ?」
(;゚∀゚)「そ、そうなのか?」
/ ,' 3 「ふむ…忍び込めない、となると困った事になるの…」
ζ(゚Δ゚;ζ「そんなぁ…じゃあどうするの?」
(;゚∀゚)「どうするってそりゃ…どっか別の所探すしか」
从;゚∀从「おいおい、ちょっと待てって」
( ゚∀゚)「?」
川 ゚ -゚)「…このハインって人がどうやらパスを持っているらしくてな
私達を国内まで案内してくれる、と言っているんだが」
ζ(゚ー゚*ζ「ほ、ほんとですか!?」
从 ゚∀从「おう、なんかあんたら面白そうだしなー」
- 64
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/15(水) 02:10:19.61 ID:3EMRmVf+0
( ゚∀゚)「んん…何だかわからんが渡りに船ってやつか」
/ ,' 3 「すまぬが…よろしく頼もう」
从 ゚∀从「ああ、お安い御用だ」
「ハインリッヒが仲間に加わった!」テーテーテー
テテテテテテテーン
(;´ω`)「なんだおそれ」
(;´・ω・`) 「いや、つい」
从*゚∀从「あっはっはっ!
まあよろしくな!」
( ゚∀゚)「それじゃ…出発だ!」
「おー!」
- 65
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/15(水) 02:11:00.27 ID:3EMRmVf+0
( ゚∀゚)「んで、お前等はさっきの続き開始な」
(;'A`)(;´ω`)(;´・ω・`)「わーい…」
从*゚∀从「?」
……。
- 67
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/15(水) 02:14:18.86 ID:3EMRmVf+0
そんなこんなで僕等の旅は続いていく
(;´ω`)「うぅ…」
从 ゚∀从「大変だな」
( ´ω`)「大変だお」
(´・ω・`) 「そういえばハインさん」
从;゚∀从「うぉ!さん付けは止めろ、寒気がする」
(;´・ω・`)「…ハインは何でそのライダーパスなんて物を持ってるの?」
从 ゚∀从「そりゃあそこに住んでたからだ」
(´・ω・`) 「ああ、やっぱり…」
- 68
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/15(水) 02:15:47.50 ID:3EMRmVf+0
時間なんて本当に気を抜くとあっという間に過ぎていく
ζ(゚Δ゚*ζ「見えた!!見えたよー!!!」
( ゚∀゚)「おー、すげえな!」
( ^ω^)「あれが…DEN王国、かお…」
(´・ω・`) 「なんだかやたら明るそうだね」
ζ(゚Δ゚;ζ「早く!」
(;゚∀゚)「落ち着け」
- 69
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/15(水) 02:18:18.34 ID:3EMRmVf+0
こうしてハインと合流してから更に5日後…
( ゚∀゚)「そういえばよ…」
/ ,' 3 「なんじゃ?」
( ゚∀゚)「あの珠の発明家って確かあの国の奴だよな?」
/ ,' 3 「うむ、確か…名は…」
「高岡…だったかの」
僕等はDEN王国へ辿りついた
- 70
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/15(水) 02:19:04.38 ID:3EMRmVf+0
【次回予告】ユメノクニヲサガスキミノナヲーーダレモガココロニキザムマデー
- 71
名前:鮨 ◆6Ugj38o7Xg
:2007/02/15(水) 02:21:08.74 ID:3EMRmVf+0
ミ,,゚Д゚彡『苦難を乗り越え!DEN王国へと足を踏み入れたブーン達!』
( ゚д゚ )『一時の平穏を各自楽しんでいるようだな…』
Σミ,;゚Д゚彡『(ヒィィィ!!!)そ、そのようで』
( ゚д゚ )『どうした?続きを言え』
ミ,;゚Д゚彡『は、はい!! 新たなる出会い、ハインリッヒ…』
从 ゚∀从「……高岡、その名で俺を呼ぶな」
( ゚д゚ )『彼女こそ、稀代の天才と呼ばれた高岡博士その人だった』
ミ,;゚Д゚彡『そ、そしてこれから平穏の先にあるのは、希望?絶望?』
( ゚д゚ )『次回 異世界でもう一度 第7会 「神具追放」 』
ミ,;´Д`彡『よ、読んでくれなきゃ…泣いちゃうぜ…っ』
つづく、、、I
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