2 名前: :2007/01/29(月) 20:37:37.62 ID:Pkt76la+0


「ただいま」


もう何年も言ってないはずの台詞
…だけど、口からは自然とその言葉が漏れた

自分の家
不思議と懐かしいとかは思わなかった

ただ…誰も居ない相変わらずの場所がそこにあって

幼い頃、楽しい遠足から帰ってきた後の穏やかな心情


長い夢から醒めた

そんな感覚


あまりにも当然のように現実がそこにあって

あれは本当に夢だったんじゃないか?

そんな風に思える



思い込もうとしていた
4 名前: :2007/01/29(月) 20:38:07.01 ID:Pkt76la+0





不思議と…もう一度涙が溢れてくる





失ってしまった
失わせてしまった




それが悲しくて、悔しくて




5 名前: :2007/01/29(月) 20:38:24.18 ID:Pkt76la+0



俺は…



その気持ちを忘れない



絶対に



もう二度と…逃げたりしない





6 名前: :2007/01/29(月) 20:38:56.71 ID:Pkt76la+0

【 第4会 「旅の始まり」 】



木々の間をすり抜けるように駆ける

どうにか転ばずにはいられる物の、枝やら何やらが掠め
体がどんどん傷だらけになっていく

でも気にならない、気にしてる場合じゃ無い

帰ってきたんだ

俺はここに居るんだ

死んじゃ駄目だ

思いつくのはそんな事ばかり


(;'A`)(間に合え…間に合ってくれ…!)


山中を下るうちに、奥に何かが見えた


7 名前: :2007/01/29(月) 20:39:25.45 ID:Pkt76la+0

あれは…

(;'A`)「…VIP国…!」

同時に足が空中を蹴る

(;'A`)「うわっ!?」


小さな段差がそこにはあった
余所見をしていた俺は大きくバランスを崩す

前に倒れそうになる体をどうにか持たせようと足を踏ん張るが

勢いは止まらず着地と同時に滑るように後ろに転んだ

(;'A`)「いって……くそっ」

すぐさま立ち上がる
幸い手のひらと肘を痛めた程度だ、問題ない


8 名前: :2007/01/29(月) 20:39:48.89 ID:Pkt76la+0

もう一度…前を、その場所を見据えた
失ってしまった人達が頭を過ぎる



『あれには…幸せになって欲しいと思ってる』



『わたし…は…うらんでなんか…ない…です』



唇を強く噛みしめた

皆…彼女が生きる事を願ってた…だから


(;'A`)(そうだ…絶対に…)


(♯'A`)(死なせるもんか!!)



9 名前: :2007/01/29(月) 20:40:29.47 ID:Pkt76la+0


もう一度走り出す

と、横に何かが見えた

(メ'A`)「え…?」

思わず我が目を疑う光景がそこにあった

生え茂る草が、木が、地を覆う葉が

風に裂かれるように道を作る


それは集約された突風の通り道だった


(;'A`)「な、なんだあれ?」

続けて、声


「 ド ク オー ! ! 」


(;'A`)「ブーン!?」

今の声…ブーンだ

10 名前: :2007/01/29(月) 20:40:51.57 ID:Pkt76la+0


 ;´ω` 「たぁーすけてェェェーーーーー!!」


一陣の風が通り過ぎていく

遅れて背中から押し潰すような風

(;'A`)「うっ……ぐ…」

強風に煽られるのをどうにか堪え、何かが通り過ぎていった先を見る

(メ'A`)「い、今の…ブーンなのか?」

(;'A`)「な、何だかよくわかんないけど…」

急ごう…負けてられない
立ち止まった足をもう一度進める
ついでに流れる景色の中でふと思案


(メ'A`)(ん…助けて?)

12 名前: :2007/01/29(月) 20:41:28.69 ID:Pkt76la+0

――(;´ω`)――



(;゚ω゚)「おおおおおおおっ」


目の前に木が迫る


( ゚ω゚)「モルスァ!!」

あわや激突と言う所で
むりやり体を方向転換させられ、間をすり抜けていく

走っているというよりは単に風の流れるまま吹き飛ばされている

(;゚ω゚)「アッーーーーーー」

これはもう本当に耐えれない一瞬一瞬

坂道のせいもあり一歩で軽く4,5bは進み
そうして次から次へと目の前に迫る障害物


13 名前: :2007/01/29(月) 20:41:55.66 ID:Pkt76la+0

某漫画の台詞が脳内を掠める

『ジェットコースターは事故らない所がいいですよね』

正に今の気分がそれだ

でも

絶叫系に乗るくらいなら幸せな家庭を築いた方がマシ

ってぐらい僕は絶叫系は嫌いだ
(注:皆そうです)

っていうかそんな変な事を考えてる場合じゃ無い
今の僕は非常に危険な状態にある

とりあえずこうなった経緯を長々と語りたい所ではあるが
今それ所じゃないから産業で説明しておこう

・走り出した僕
・段々追い風が吹き始める
・ksk 〜信じていればいつか空も飛べるはず〜

こんな所だ

14 名前: :2007/01/29(月) 20:42:37.64 ID:Pkt76la+0

/ ,' 3 (VIP国まで行ってしまえば殺されてしまうじゃろう)

( ゚ω゚)「おおおおおおお」

すいません、その前に僕が死にそうです






 (;´ω`)の足は止まらないようです

      現在大ヒット後悔中







15 名前: :2007/01/29(月) 20:43:19.88 ID:Pkt76la+0

(;´ω`)「おおおお…お!?」

そんな事を考えていると、視界の中に何かが移った



川 - )



(;´ω`)「お! 今のは!!」

黒髪をなびかせながら山中を駆ける女性の姿

見つけた…思わずほっと一安心


だがそれは一瞬の安堵だった


(;゚ω゚)「とーまーらーなーいーおー!!」


そう、止まれないのだ!!

16 名前: :2007/01/29(月) 20:43:54.37 ID:Pkt76la+0


(;゚ω゚)「アッアッアッーーーーーーーー」


そうして僕は彼女を猛然と追い抜いていった



川;゚ -゚) 「………え?」



こうして尚も下り続ける


やがて


VIP国とか言う場所の近くまで来てしまったようだ


(;´ω`)「あ…あれは……」


/ ,' 3 (VIP国には…占領中の神教国の人間が大勢居るはずじゃ)

ふと脳内に再生される新巻さんのお言葉


17 名前: :2007/01/29(月) 20:44:29.22 ID:Pkt76la+0

(;´ω`)(……)


/ ,' 3 (もし…VIP国まで行ってしまえば…殺されてしまうじゃろう)


(殺されてしまうじゃろう)


殺されてしまうじゃろうじゃろうじゃろう…(エコー)


…もしかして僕って凄いピンチですか?

(;´ω`)(止まれ止まれ止まれ止まれ…!!)

必死になって念じる

少し、風が弱くなった気がする


(;`ω´)「止まれェェェェェェ!!!!」

僕は叫んだ、それはもう腹の底から叫んだのだ


18 名前: :2007/01/29(月) 20:45:03.39 ID:Pkt76la+0

するとちょっとづつ…背中を押す風が弱まっていく

(;´ω`)「やっと…止まっt」

(;゚ω゚)「ぶっ!!」

風が弱まっても、下る勢いは止まらない

気付けば大きな音がして、僕は地面に横たわっていた

(;´ω`)「あいたたた……」

正面には一本の大木

…どうやらこれに激突したらしい

よろよろと起き上がる
腕が酷く痛むこと以外は特に外傷は見当たらない

我ながら頑丈なものだと感心しつつ、前を見据える

(*´ω`)「すごく…大きいです」


19 名前: :2007/01/29(月) 20:45:54.00 ID:Pkt76la+0

目の前にそびえる大樹は横だけで僕の身長分はありそうだ
全体を緑のこけが覆い、小さな隙間からは黒い表面が顔を覗かせ
綺麗なまだら模様を作っている

よく見れば…何箇所か抉れていた

(;´ω`)「もしかして僕が突っ込んだ跡かお…?」

そっと触れてみた

厚く生えきったそれは柔らかく奇妙な弾力性を持っていた

( ^ω^)(もしかして…僕はこの木に助けられたのかお?)

感謝の意を込めてゆっくりと見上げる
それは正に大自然が生み出した芸術と言った感じだ
僕は感動してそn

「今の声は…確かこっちの方だ」

(;^ω^)(だ、誰か来る!?)

突然、木々の間を反響するようにどこからか声が聞こえてきた


20 名前: :2007/01/29(月) 20:46:28.66 ID:Pkt76la+0

僕は思わず木の陰に隠れ、声の聞こえた方向をそっと凝視する
段々と人の気配が近づいてくるのが分かる

(;^ω^)(あれは…?)

視認できたそれは…妙な服装の4人組だった

それぞれ胸には黒い十文字が入った白い服に

一人は長い棒
一人は何か丸い物体を持っている

そして残る二人の腰元に目が行った

何かがぶら下がっている……あれは


(;^ω^)(もしかしなくても……剣ですかお?)

ということは…例のVIPを滅ぼした国の兵隊さん?
どうやら事態はまずい方向へ走り出したようです

…っていうか何で僕がピンチに陥ってるんだろう


21 名前: :2007/01/29(月) 20:46:56.32 ID:Pkt76la+0

神教兵「おかしいな…確かこっちの方で何か聞こえたんだが…」

神教兵「気のせいだったとか?」

神教兵「いや、声らしき物も聞こえた…間違いなく誰か居るはずだ」


神教兵「よし…じゃあこの辺りをちょっと調べてみるか」


その声を最後に多方向から聞こえ始める足音


(;´ω`)「あわわわわ……」

僕は木の陰でガクガクブルブル

やばい、これはやばい、どれくらいやばいかと言うとマジやばい

( `ω´)(必ず連れ戻してくるお!)

あんな大口叩いといてこの様じゃ笑えもしないじゃないか

むしろ僕を連れ戻して欲しい…



22 名前: :2007/01/29(月) 20:47:20.77 ID:Pkt76la+0


……


神教兵「見つけたぞーーーー!!!!」


( ゚ω゚)「ひぎぃ!?」

突然周囲に響き渡る声

思わず体が震え上がった

(;゚ω゚)(……!!!)

戦慄…体中の穴という穴から何かが吹き出ているような感覚
足がきもいぐらい震え、手は汗でもうえらい事になっている
そして直接鼓膜を叩くように耳の奥から聞こえる定期的な鼓動音

もうすぐその木の横からさっきの人達が現れ僕を囲む…そんな妄想

僕はまるで石になったようにその場で固まった
それはもう見事なまでに脅えきっていたのだ



23 名前: :2007/01/29(月) 20:47:42.74 ID:Pkt76la+0

(;;゚ω゚)(……!!!)



(;゚ω゚)(……!!)



(;゚ω゚)(……!)



( ゚ω゚)(……)



( ゚ω゚)(…)




(゚ω゚)


おや?



24 名前: :2007/01/29(月) 20:48:11.20 ID:Pkt76la+0

今来る今来ると思っていたらいつまで経っても現れない
それどころか人の気配は、物音は…少し離れた場所から聞こえてくる

もしかして気付かれてなかったのだろうか…?

それとも僕がここから顔を出した途端にぐさー、って感じなんだろうか…

そんな恐怖に駆られつつも、状況の分からない恐怖がそれらを上回り
僕はそっと隠れながら顔だけを覗かせた


木 |ω`)「……うぅ…」

木 |ω`)「お?」

木 |;´ω`)「誰も…居ない?」


見渡すも、付近に人の姿は見つからなかった

木 |(;´ω`)「助かった…のかぉぉぉ………」

深く、長い溜息がこぼれた
張り詰めていた気持ちが緩む

25 名前: :2007/01/29(月) 20:48:32.84 ID:Pkt76la+0

(;´ω`)「じゃあ…見つけたって何を見つけたんだお…?」

何か良い物でもあったんだろうか

………いや…

(;´ω`)(まさか!?)

可能性の一つ…というよりそれしか無いだろう
それを思い出し、思わずその場を飛び出した

(;`ω´)「…っ!」

周囲を見ると、それはすぐに見つかった

先の4人組…そしてその奥に囲まれている誰かの姿


川;゚ -゚)


(;`ω´)「あ…あれは…」



26 名前: :2007/01/29(月) 20:50:04.38 ID:Pkt76la+0

神教兵「おい…こいつ、じゃないか?」

神教兵「ああ間違いない…長い黒髪の女、こいつに違いない」

神教兵「観念してもらおうか、国王様」


川;゚ -゚) 「…っ…」


神教兵「まあ待て、VIP国王……破壊の剣は何処です?」

川;゚ -゚) 「なに…?」

神教兵「あの炎の剣ですよ、それさえ渡してもらえれば危害は加えません」


川;゚ -゚) 「…知らん、知っていても教えると思うか」

神教兵「だろうな、よし…拘束しろ」

神教兵「はいよーっと!」

その言葉に反応して一人が前に出る
手には先程の棒と、縄のようなもの

27 名前: :2007/01/29(月) 20:50:32.58 ID:Pkt76la+0

川;゚ -゚) 「な、何だと!? 何をする!」

神教兵「若い女に手荒な事はしたくないが、命令でね…
    あんたには管理者を引き釣り出す餌になってもらおう」

川;゚ -゚) 「管理者を…? 何を…言って」

神教兵「どうせ生きてるんだろ? 何であんたがのこのこと
    一人で出歩いてるかは知らんがな」

川;゚ -゚) 「よせ…!止めろ!! 来るな!!!」

神教兵「てめ、大人しく…しろ!!」

激しく抵抗し、暴れる彼女
それを抑えようと近づいた二人目の手が彼女の頬を叩く

川メ゚ -゚) 「…うっ! ……あ……」

高い音、結構な勢いで叩かれたのだろう
…抵抗がしばし止み俯く

その隙をつくように彼女の背中に棒をまわし、両腕を縛り付ける
しゃがんだまま、腕を真横に持ち上げられ
あっという間に磔の状態にされてしまった

29 名前: :2007/01/29(月) 21:01:39.68 ID:Pkt76la+0

川メ - ) 「…お……に…ちゃ…」


神教兵「あーあーすっかり大人しくなって」

神教兵「お前…そんな本気で殴ったのか?」

神教兵「最低だなー、同情してやろうって気持ちはねーのか?」

神教兵「や、やってねーって!」


川メ - )「……ぎ…こ」


神教兵「…? こいつ…何をぶつぶつ言って…」


「ドクオ…!!」


「お前ら! 何やってるんだお!!!」


そして辺りに響き渡る、声
…響きすぎなくらいに

30 名前: :2007/01/29(月) 21:02:10.99 ID:Pkt76la+0

川メ゚ -゚) 「…!」


(;゚ω゚)「ふー、ふー…」

言った、言ってしまった…

どうする僕!どうする気なの僕!?


でも…仕方ない、あんなの…


あんなの見たら


(;`ω´)(男として…我慢ならないお!)


神教兵「…なんだ…あいつ」

神教兵「VIPの生き残りか?」

神教兵「知り合いか?王様?」

川;゚ -゚)「………?」


31 名前: :2007/01/29(月) 21:03:01.91 ID:Pkt76la+0

神教兵「んー、知らないみたいだぜ?」

神教兵「おい!そこのお前!! 誰だ、何か用か!?」


一人が僕に向けて叫ぶ


( `ω´)「僕は内藤ホライゾンだお! その子を離せ!!」

こうなったらやけくそだ
僕は精一杯声を張り上げ言い返した

神教兵「離せ…だぁ?」

一人が僕に向かい歩き出した

(;`ω´)「…お…」

ゆっくりと…銀色に輝く何かを手にした
あれは剣だ、僕を…殺すつもりなんだろう

(;`ω´)「そうだお! そんな酷い事して…僕が許さないお!!」

そうだ、分かってる
そうなるのは当然だ、分かってて啖呵きったんだ

33 名前: :2007/01/29(月) 21:04:21.54 ID:Pkt76la+0

川;゚ -゚) 「???」

ふと彼女の方を見た

困惑している
そりゃあそうだ、見ず知らずの人間がいきなり飛び出してきたんだから

退けない…逃げるわけにはいかない…
ここで逃げたら…僕はただの

神教兵「なんだてめえ…震え上がってるくせによ」

男が近づく、僕を殺すために

(;`ω´)「僕は…ドクオの親友だお、そんで、約束したんだお…だから…!」

どうにか声を出す、出来るだけ大声で、負けないように


川;゚ -゚) 「え……ドク…!?」


神教兵「わけわかんねー事言いやがって…じゃあ死ねよ!!」

(♯`ω´)「だから僕が……!!」


34 名前: :2007/01/29(月) 21:04:50.09 ID:Pkt76la+0

男が駆け出した、一直線で僕に向かうのが見える

あっというまにその距離は無くなり



(;`ω´)「僕が助けるんだお!!!!!」



眼前には敵が迫る

僕はただ必死で

強く握った拳を突き出した


………



35 名前: :2007/01/29(月) 21:05:33.61 ID:Pkt76la+0


どうにか出来るとか…そんな事は考えていなかった




きっと僕は死ぬ、そんな覚悟もあった




…現実は辛い物ばかりだ



傷ついて、傷ついて、生きていく



でも、だからこそ僕は…ちゃんと知ってる



36 名前: :2007/01/29(月) 21:06:35.87 ID:Pkt76la+0


その中に、小さくても





いつだってある






希望








37 名前: :2007/01/29(月) 21:07:09.46 ID:Pkt76la+0

神教兵「な、なんだtt!!!!」


爆風が吹いた


背中から、体をすり抜けるように
耳元を掠めた風は甲高い音を響かせ

風は、目前にある物すべて、例外なく吹き飛ばした

……空を飛んでる人が居る
もっとも地上2メートル弱と言った所だが

不思議な感覚

ここに来た時、ただただ恐ろしかったあの感覚

周りにある、無数の何か
どこにでも居る、無数の何か

その存在を今…僕は何よりも心強く感じている



38 名前: :2007/01/29(月) 21:07:56.46 ID:Pkt76la+0

神教兵「!!!」

男は空に舞い上がった後
数秒かけてから地面を転がり…ピクリともしない
打ち所が悪かったのか、どうやら気を失っているようだ


(;`ω´)「はー…はー…」

荒い息を落ち着けて、正面を必死で睨む

神教兵「…!!」

神教兵「こいつ…接続者か!!」

神教兵「くそがァ…なめやがって!!!」

神教兵「どけ、相手が接続者なら…俺がやる」

そして、他の人たちを制止し…また一人が僕に向かってきた


39 名前: :2007/01/29(月) 21:08:29.05 ID:Pkt76la+0

神教兵「アクセス…」

(;`ω´)(…な、何だお? 何する気だお?)

そいつは少しだけ前に出ると立ち止まり、何か丸い物体を掲げた

神教兵「はぁ!!!」



瞬間、何かが光ったように見えた



(;゚ω゚)「ぉ…あああああああっ!!!!!」

全身に衝撃、思わず僕は悲鳴を上げた

…少しの間をおいて

(;´ω`)「ぁぁ……う……ぅ…」

僕は膝から崩れるように倒れ込んだ


40 名前: :2007/01/29(月) 21:09:03.44 ID:Pkt76la+0

まるで体中に針を刺されたようだ
痙攣が止まらない…

これは…


(;´ω`)(か、雷……なのかお…?)



神教兵「ふん…まだ息があるか…すぐ楽にしてやろう」

どうにか首だけ動かして正面を見る

あの変な玉が青白く…発光している…
何だか…あれは…やばそうだ


神教兵「さて、覚悟は出来たか?」

余裕を見せ付けるように、僕に問いかける


41 名前: :2007/01/29(月) 21:10:11.24 ID:Pkt76la+0

(;´ω`)(うう…嫌だお…まだ、まだ死ぬわけには…)


神教兵「行くぞ……」


(;´ω`)「…お?」

必死にそいつを睨みつける僕の視野に…何かが映る

それは頭上にあった

神教兵「しn、ぶ…アア ア ア ア!!!!!」

台詞も途中にそいつに、それが降りかかった


それの名は水



42 名前: :2007/01/29(月) 21:10:49.96 ID:Pkt76la+0

どこから降ってきたのか、大量の水が奴に降り注いだ
瞬間…低く、醜い悲鳴と共に体を大きく震わせ


神教兵「ア  ア ア ア ァ ァ……」

そして奴は膝を地面につけた


神教兵「だ、誰だ!!」



……あ……


(;´ω`)「なん…だお…今の…?」


川; - )「あ、あ……………」




43 名前: :2007/01/29(月) 21:11:21.27 ID:Pkt76la+0

――(メ'A`)――


( ゚∀゚)「おい!何か聞こえるぜ!!」

(メ'A`)「急ぎましょう!」

あの後、俺は二人と合流
どうにかブーンとクーを追いかけた

しばらく進むと…なにやら音とも声とも取れる何かが周囲を木霊した

(;´・ω・`) 「あれは…ブーン!?」

遠見ながら、彼等の姿が見える

(;゚∀゚)「ん!? ありゃあ……」


「や、やべえ!!」

その声と、見える先で男が持つ何かが光ったのは同時だった


何か…白い線状の物が走り、ブーンを貫いたのが見えた


44 名前: :2007/01/29(月) 21:12:00.08 ID:Pkt76la+0

(メ'A`)「ぶ…」


そしてゆっくりと…倒れていく友の姿


(♯'A`)「ブーン!!!」

一気に加速、転ぼうが何だろうが構うもんか

走りながら凝視…そいつは再び光を放った
だが、今度は先とは違った
掲げ…まるで充電するように

(;゚∀゚)「おいおい…やばいぞ…あれ食らったら今度は…」

(;´・ω・`)「何とか…何とかならないんですか!?」


(;゚∀゚)(…くっそ!間に合うか…!?)

(♯゚∀゚)「アクセs」

「接続…!」

(;゚∀゚)「!!」

45 名前: :2007/01/29(月) 21:12:45.42 ID:Pkt76la+0

一番近くを流れていた川の水に瞬時に接続

何故か…自分でも驚くほどの速さでここまで行えた

ちょうどいい、それでいいんだ

(メ'A`)「いけェェェ!!!」

すぐに重みを感じる右手を掲げ思い切り振り下ろす

(;゚∀゚)「んなアホな!?」

すぐに、目指す敵の頭上に、木々を掻き分け水が飛来した
奴は水を浴びると奇声をあげ…その場にへたり込む

(メ'A`)「間に合った…!!」

思わずその場でガッツポーズ

( ゚∀゚)「は、ははっ…ははははっ!!」

(メ'A`)「?」

( ゚∀゚)「すげえ!すげえよお前!!」

ジョルジュさんは走りながら大笑い


46 名前: :2007/01/29(月) 21:13:36.94 ID:Pkt76la+0

(;´・ω・`)「???」

ショボンは何やら困惑している


「誰だ!!」


声が響く


そして…どうにかその場に辿りついた


神教兵「…くそおっ、なんだ次から次へと!!」


そんな抗議の声は無視して、それぞれがそれぞれの思いを口にする



47 名前: :2007/01/29(月) 21:14:22.68 ID:Pkt76la+0


( ゚∀゚)「今ここに、俺! ……参上!!」


(メ'A`)「クー!!」


川; - )「……ド…ドクオ……?」


(´・ω・`) 「ブーン!!死んでたら返事をして!!」


(;´ω`)「おー…お……あ、返事しちゃったお…」


神教兵「なんだ…お前らは!!」

二人が新たに現れた俺たちに向けて駆け出してきた

(;'A`)「く…」


( ゚∀゚)「下がってろ!!」

そう言うと、ジョルジュさんは大きく一歩前に出る
その手には…いつか見た小鎚
49 名前: :2007/01/29(月) 21:16:10.08 ID:Pkt76la+0

迫る二人の敵を視界に真っ直ぐに捕らえ
薄く笑みを浮かべて言い放った

( ゚∀゚)「言っておくが…」

神教兵「うおおお!!!」

振り下ろされる剣、それに合わせる高速の一振り


神教兵「な、なんだ!!?」

鎚の一撃を受けたその剣は、まるでガラスの様に音を立て砕けた

…そのまま
振り上げた鎚を返す勢いで相手の頭上に打ち下ろす

神教兵「!!??」

彼はまるで人形の様に、上からの衝撃に押され
顔から地面に勢い欲突っ込む

…ピクリともしなくなった


50 名前: :2007/01/29(月) 21:16:46.76 ID:Pkt76la+0

神教兵「んな……な…」

動揺する最後の一人、ジョルジュさんはそいつに向き直した


(♯゚∀゚)「俺は最初からクライマックスだぜぇ!!」

神教兵「ひっ!?」


………


( ゚∀゚)「うっし!片付いた!」

残った一人に、容赦ない一撃を加えたジョルジュさんは
上機嫌にそう呟いた

(;´・ω・`)「……ひどい…」

(;'A`)「…」

あれじゃあただの弱いもの苛めじゃないか…
少しだけ、本当にちょっとだけ同情した


51 名前: :2007/01/29(月) 21:17:32.55 ID:Pkt76la+0

と、それよりも…

(メ'A`)「大丈夫? クー」

彼女の縄をほどく
ようやく…ようやく会えた…

不思議と、もうあの恐怖感は無かった
ただただ…もう一度出会えた事が嬉しくて嬉しくて

川* - )「ほ…本当に……ドクオ…なのか?」

(メ'∀`)「…側に居るって、約束したでしょ?」

川*;-;) 「うっ………ドクオ! お前も…お前も居なくなって…
      たしは……私はもう……う、うぁぁぁ…」

強く、強く抱き寄せた


( ゚∀゚)「……」

ジョルジュさんはそんな俺達をそっと見守っていた



52 名前: :2007/01/29(月) 21:18:06.43 ID:Pkt76la+0
――  ――


(´・ω・`) 「大丈夫? ブーン、立てる?」

(;´ω`)「う…ぁ…何とか…まだちょっと痺れてるけど…」

(´・ω・`) 「ほら、肩貸すよ」

(;´ω`)「お…ありがと…だお」

(;´ω`)「お…」

ブーンが少し離れた場所で抱き合う二人を見つけた

(;´・ω・`)「あー…別に無視してるとかじゃあないと思うんだけど…その」

(´・ω・`) 「…ブーン?」

( ^ω^)「良かった……本当に…良かった…お」

(´・ω・`) 「……うん」



「お疲れ様…ブーン」



53 名前: :2007/01/29(月) 21:18:53.59 ID:Pkt76la+0

しかし、ここからが…本当は一番大変だった


(;゚∀゚)「ぐぁ…やっべえ!!お前ら逃げるぞ!!」

(;´・ω・`) 「え…?」

(;'A`)「うっ…うわわ!?」

VIP国の方から大量の人間がこちらに向かってくるのが見え
全員大慌ててでそこから逃げ出す事になった

……

新巻さんの家にたどり着く頃には全員…ジョルジュさん除いて
へとへとになり、部屋に着くなりそのまま倒れ込んだ

しかし

(;゚∀゚)「おい急げ!!」

(;^ω^)「な…何だお…?」


54 名前: :2007/01/29(月) 21:19:30.02 ID:Pkt76la+0

ここに来るまでに追っても撒いたのに…
何故か終始慌てっぱなしのジョルジュさん

ζ(゚Δ゚;ζ「あれと…これと!」

家の物をかき集めていくデレさん


何だ…?まだ何かあるんだろうか?


/ ,' 3 「お主等…へたれとる場合じゃないぞ…」

(;^ω^)「…何があるんだお?」



/ ,' 3 「引越しじゃ」



(;^ω^)(;'A`)(;´・ω・`) 「……え?」




55 名前: :2007/01/29(月) 21:20:19.92 ID:Pkt76la+0








【次回予告】テテーン!・・・テテテテーーテーーーテテテテーーテーテテテテーテーテテテテーン









56 名前: :2007/01/29(月) 21:21:21.44 ID:Pkt76la+0

ミ,,゚Д゚彡『さてはて次回のお話は!?』

(,,゚Д゚)『神教国に目星をつけられた以上…もうあそこには居られない…』

ミ,,゚Д゚彡『こうしてブーン達は山を超え…一路逃走お引越しの旅!!』

(,,゚Д゚)『だがその旅は楽なもんにはなりそうにねえな…』


( ゚∀゚)「んじゃあ…特訓でもすっか?」


ミ,,-Д-彡『全てはこの一言が起こすとか何とか』

(,,゚Д゚)『んで、旅ってのはどこ目指すつもりなんだ?』

ミ,,゚Д゚彡b『それは…禁則事項ですっ』

(,,゚Д゚)『…きめえ』

ミ,,;Д;彡『冗談なのに……』

(,,゚Д゚)『次回 異世界でもう一度 第5会 「特訓開始!」 』

ミ,,;Д;彡『読んでくれなきゃ…泣いちゃうぜ!』


つづく、、、I

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