5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/10(水) 19:55:18.71 ID:Y9SxgpAT0


第30会  「 紅牙 〜Ω〜 」




あれから、早いもので一ヶ月が過ぎた。



『ワアアアアアアアアアアアアアア』


としか表現しようのない、闘技場に轟く大歓声。
様々な野次や、意味のない叫び、そんなのが混ざり合って一つの地鳴りができあがる。



6 : ◆6Ugj38o7Xg :2009/06/10(水) 19:56:23.40 ID:Y9SxgpAT0

あれから僕は順調にトーナメントを勝ち抜いていった。
緒戦こそああまで苦戦を強いられたが、やはりあの熊が異常だったらしく、
それ以降はさほど問題もなく、雷珠もいい感じに使いこなせるようになって、今日も楽勝ムード。


(;^ω^)「うわっ、うわっ!! 危なっ!!」

<゚Д゚#>「あっ、てめえ逃げるな!!」

(;^ω^)「これは戦略撤退だお!!」


……とまではいかないまでも、それほど脅威に感じる相手に会う事もなく。
一つ一つではあれど、確かにコマを進めていった。


「おいこらwwwwww真面目にやれwwwww」

(;^ω^)「だ、だって火が! 火が!! あちちっ!!」


11 : ◆6Ugj38o7Xg :2009/06/10(水) 19:58:54.53 ID:Y9SxgpAT0

この頃になると、観客も僕を覚えてしまったのか、名を呼んだり冷やかしたり、
我ながらなんとも情けない戦いぶりながら、それはそれで楽しまれている様子。



<゚Д゚#>「てめぇ、いい加減にしろよ、この腰抜けが!!」



(  ω )「……」


( ^ω^)「……今、なんて言ったお」


<゚Д゚=>「逃げ回るしかできねぇ、腰抜けって言ったんだよ」

(# ω )「……」

<゚Д゚=>「はっ、なんだやる気になったか腰抜け野郎!」

(#゚ω゚)「……誰にも、腰抜けなんて、言わせなぁあああああああああい!!!!」


……。



13 : ◆6Ugj38o7Xg :2009/06/10(水) 20:01:20.33 ID:Y9SxgpAT0


 『勝者 内藤ホライゾン!!』

『ウオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!』



……。



とまあ、そんな感じで、どうにかこうにか勝ち進み、次はまた明日。
僕らは勝ち抜いてる事もあって、格安に寝泊りできる宿舎に集っていた。


ζ(゚ー゚*ζ「ブーンさまブーンさま、ほら見てくださいよ!!」

( ^ω^)「お? トーナメント表?」

从 ゚∀从「ようやく終わりが見えてきたぜ?」

見れば、横に広がりすぎて全く見えてこなかったピラミットの頂点が、ようやく見えてきた。

あと20人ほどだろうか、それを勝ち抜けば、念願の優勝、もとい例の4人組への挑戦権が得られる。
そして、管理者との戦いが待っているとは言え、長いこと続いたこのトーナメントも終わりを告げる。

15 : ◆6Ugj38o7Xg :2009/06/10(水) 20:03:42.64 ID:Y9SxgpAT0

同時に、王様への謁見、あるいはどんな願いも叶うというのが真実ならば、この国を味方にできるかもしれない。
言われていた期限までも、あと1ヶ月以上は残っている。そのせいもあってか、僕は余裕しゃくしゃくだった。

特に、ここの所の連勝と、周りからちやほやされるのもあってか、多分、天狗になっていたんだと思う。

  _
( ゚∀゚)「おいおい、でも分かってんのか? 明日はとうとう」

( ^ω^)「……分かってますお」

同じく勝ち続けながら、不思議とトーナメントのほぼ隣をずっと平行していたジョルジュさん。
幸か不幸か、今まで運良くあたらずにこれたが、明日はいよいよ、僕とぶつかる事になってしまった。

でもさっきも言ったけど、僕はこの時、結構天狗になっていた。だから。


( ^ω^)「僕は嬉しいですお」

( ゚∀゚)「あ? 何がだよ」

( ^ω^)「尊敬するジョルジュさんを、ついに越える日が来た事が、ですお」
  _,
( ゚∀゚)「ほぉ……言うじゃねぇか、そいつは俺も楽しみだぜ」

20 : ◆6Ugj38o7Xg :2009/06/10(水) 20:05:41.16 ID:Y9SxgpAT0

気付けば、そんな事を口走っていて。
そのままの勢いで、拳を突き合わせていた。

ζ(゚Δ゚;ζ「そ、そんな……ブーン様まで……お兄ちゃんみたいに……」
 _,
(;゚∀゚)「ど、どういう意味だ!!?」

从 -∀从「どっちも頑張れ」

( ^ω^)「がんばるおー」




だけどその当日。



そろそろ会場へ行こうかと外へ出た先にて、ジョルジュさんが僕を待っていた。

大きな崖にかけられた、雪道の街道とも言うべき橋の上だった。
この道は闘技場へと続いている、それも、参加者用の裏道だ。

だから人気もあまり無く、僕はジョルジュさんの奇妙な雰囲気を不思議に思い、駆け寄った。



21 : ◆6Ugj38o7Xg :2009/06/10(水) 20:08:22.16 ID:Y9SxgpAT0
 _,
( -∀-)「……なあ、内藤」

遠くから聞こえる喧騒、ざくざくと踏みしめる雪の音が、いやに重く聞こえた。

( ^ω^)「なんですお?」

( ゚∀゚)「お前は……強くなったな」

(;^ω^)「へ?」

( ゚∀゚)「……そういえば、たしかこう言ったな、俺を越えると」

(;^ω^)「あ……いや、あれはその」

何とも異様な空気に、僕は息を飲んだ。
どうしてこんな事を言うのか、不思議でしょうがない。

ジョルジュさんの性格を省みれば、面白がるだけだと思って言ったに過ぎないから。
いや、現に昨日はそれを聞いて、そう言っていたはずだ。

もしかして、怒られるんだろうか、なんて不安もよぎったけど、返ってきたのは予想外の言葉だった。

24 : ◆6Ugj38o7Xg :2009/06/10(水) 20:11:14.73 ID:Y9SxgpAT0

( ゚∀゚)「それは間違いだ、お前はもう、とっくに俺を越えているよ」

(;^ω^)「そう…いや、そんな、ことは……」
 _
( -∀-)「そりゃ勿論、神具を使った場合の話だがな…お前だって、分かってるんだろ?」

何だろう、褒められているのか何なのか分からない、余計に不安になってくる。
一体、ジョルジュさんは、僕に何を言おうとしているのか。

そうえいば、ふと思い出したけど、ショボにも似たような事言われたような……。

 _
( -∀-)「だからな……あの野郎の言う事を鵜呑みにするのは、ほんとは絶対ぇやだったんだがな」

( ゚∀゚)「……流石に、信じざるを得ないのかもしれない、と、俺は最近そう思うようになった」

(;^ω^)「?? ジョルジュさん? あの、言ってる事がよく分からんお……」

( ゚∀゚)「……」
 _
( -∀-)「いや、何でもねーよ…それよりもう時間だぜ」

(;^ω^)「何でもってそんな気になる事を」
27 : ◆6Ugj38o7Xg :2009/06/10(水) 20:15:19.15 ID:Y9SxgpAT0

ジョルジュさんは僕から視線を外し、闘技場へと視線を向けると、
静かに、自嘲するかのように笑い、こう言った。

「俺に勝ったら、全部話してやるよ」

と。




……。




結論から言ってしまえば、僕は負けた。ボロ負けだった。
わざわざ話すのも嫌になるほどに、歯が立たなかった。

力の差ってのもあったと思う、けどスピードでは勝っていた、
ならどうしてかって、まあ、最大の要因は。


( ゚∀゚)(内藤、一つ忘れてるぜ)

(;^ω^)(はぁ…はぁ……な、なんだお)

31 : ◆6Ugj38o7Xg :2009/06/10(水) 20:17:44.24 ID:Y9SxgpAT0
 _,
(#゚∀゚)(雷の接続使い相手に、電撃棒が役に立つと思ってんのか!!)

(;゚ω゚)(げっ……って、うわぎゃーーーーーーーーー!!!!)


こう、ビリビリと……持っていた武器の、正確には雷珠のせいだった。

そう考えるとむしろ、今まで勝ち残ってこれたのは運がよかったと言う事だ。
これで僕は敗退、ふりだしに戻る、のであった。

けど、きっとジョルジュさんなら何とかなるだろう。
僕はそう確信していた、だから素直に応援にまわる事にした。

そりゃ、まあ負けたのはほんの少しだけ悔しいけど、別に気にする事じゃない、
所詮こんなトーナメントなんてさ、お遊びみたいなものだし、負けたくらい、

負けた……くらい…くらい……。

( ;ω;)「ちくしょうちくしょう……ぐすぐす」

从;゚∀从「おーい、いい加減立ち直れよー」


……ほんとだよ?

34 : ◆6Ugj38o7Xg :2009/06/10(水) 20:21:37.62 ID:Y9SxgpAT0


そして待っていたのは、見ているしかできない熱狂の闘技場。


盛大に響く、名を呼ぶ歓声がどこか遠い物に思えて、なんだか物悲しかった。

あんまりにもあっさり負けてしまったせいか、何故あそこに自分が居ないのか不思議に思える。
こうして僕は、街の片隅、いつかの広場でベンチに腰を下ろし、一人たそがれていた。


(;^^ω)(いつまでへこんでんだお前は)

( ´ω`)(…へこんでなんか)

( ´ω`)「…はぁ…」

(;^^ω)(だめだこいつ)

( ´ω`)(ていうか、大体ずるいお…ジョルジュさん、神具…というか強化の布つかってたし
      それに、身内に対して本気で戦いをしかけるなんて僕には…)

( ^^ω)(……おい、今度は負け惜しみか? 情けない通り越して惨めだからやめろ)

(;´ω`)「う……」

( ^^ω)(けどまあ、いい教訓になったんじゃないか、今回の戦いを通してみても)


39 : ◆6Ugj38o7Xg :2009/06/10(水) 20:24:31.24 ID:Y9SxgpAT0

( ´ω`)「どういう事だお?」

( ^^ω)(外から見てるとよく分かるんだがな、お前はどうも大胆さが足りん、
      それもジョルジュと戦う前からだ、様子見だかなんだか知らんが戦いが慎重すぎる)

( ´ω`)「……つまり、どういう?」

( ^^ω)(自信の無さが、剣に出ている)

( ^^ω)(だからいつも後手に回る、お前はどちらかと言えば、スピードと手数が命なのに、だ)

( ´ω`)「……そんなこと言われたって」

言いたい事はわかる、確かに僕はあまり攻めまくる方じゃない、
どちらかと言うと、相手をよくみて、カウンター狙い。


( ^^ω)(そこだな、今後の課題は)

( ^^ω)(相手に合わせるんじゃなく、相手を巻き込むくらいの気構えが必要だ)

(;^ω^)「なるほど……でも、どうやって?」

43 : ◆6Ugj38o7Xg :2009/06/10(水) 20:27:14.42 ID:Y9SxgpAT0

(;^^ω)(…まあ、そうなんだよなぁ……)

しかし、僕の戦い方がそんな感じなのは、そもそも剣の振り方を知らないからだ。

いや振り方と言うと御幣がある、いうなれば、剣術という物が無い、これである。

基本的にぶん回すくらいしか出来ないので、迂闊に攻めるより、相手に合わせ、
とにかく避けて、受けて、隙を見つけて、というのが今のスタイル。

しかもそれだって日陽での特訓によって、ようやく身につけた物だ。
その辺りに、自信の無さがあるのだろう、瀬川が言った。同意せざるを得ない。


「あら?」


( ^^ω)(誰かに習えればいいんだがなぁ…ちょうどこの国は、そういう場所なんだろ?)

( ^ω^)「誰か……ね」

僕はひとりごちながら、顎を手に乗せて、力をぬき、肩をだらりと落とした。
そんな事言われても誰に習えと言うのか、そんなあてがあれば、とっくに行っているというに。
45 : ◆6Ugj38o7Xg :2009/06/10(水) 20:30:20.03 ID:Y9SxgpAT0

けれど、どうやら世の中、偶然とは必然である物らしく。
ぼんやりと遠くを見据える僕に、声をかける人が居た。


ノパー゚)「内藤君じゃない、どうしたのこんな所で」

少しだけ屈んで、座る僕に視線をあわせながら笑いかけるのは、この国を訪れた際、
この街を案内して、さらに闘技場についても教えてくれた、あの綺麗な女の人だった。


(;^ω^)「え、ヒート……さん?」

驚いた、あまりに驚いて何を言っていいやら分からず、僕は挙動不審者となった。
なぜなら、実は彼女にはあれから一度も会っていない、探しても見つからなかったのだ。


ノパー゚)「この間は残念だったわね、でも、凄かったわよ」

(;^ω^)「あ、み、見てたのかお?」

ノパー゚)「ええ、もちろん」


49 : ◆6Ugj38o7Xg :2009/06/10(水) 20:33:54.69 ID:Y9SxgpAT0

優しげなおっとりとした声、さらりと風に揺れるあかい髪、異様なまでに白い肌。
それら全てが、僕にひとつの思いを宿らせる。綺麗だと。

だから、余計に精神的にくるものがった。おおなんと情けない姿を見られていたのか。
もうこうなっては、乾いた笑いしかでてこない。ははは、は、は……。


(;´ω`)「……はぁ」

ノパー゚)「?」

しかしそんな姿を見て、彼女はくす、と表現するのがしっくりくる笑みを浮かべ、
やがて僕にこう言った。「何か悩みごと?」と。

同時に、頭の中に声がひびく、瀬川はこう言った。「聞いてみるべきだ」と。

( ^ω^)「実は―――……」

色々弱気になっていた僕は、言われるままに尋ねていた。


ノパー゚)「……―――そう、つまり剣を習いたいのね?」

( ^ω^)「ですお」

53 : ◆6Ugj38o7Xg :2009/06/10(水) 20:37:22.82 ID:Y9SxgpAT0

ノパー゚)「そう、なら、もしよければ」

ノパー゚)「私が、教えようか?」

にっこりと笑って、そう言うヒートさん。
他に頼れるものもなく、僕は差し出された手を、迷うことなく取っていた。

何の疑問も持つことなく。



思えば、疑うべきだった。



何故って?








それが、地獄の始まりだったからだ……。



54 : ◆6Ugj38o7Xg :2009/06/10(水) 20:39:50.76 ID:Y9SxgpAT0


(;゚ω゚)「ひ、ヒートさん!? あ、あ、あ、あのぉ!! これ意味あるんでしょうかーーーー!!」

ノパー゚)「ええ、もちろんよ」

今、僕はしたが全く見えない高さの崖の上、ロープに縛られ、細い板の先にたっていた。
これはあれだ、誰もがよく知っているであろう、あの有名な度胸試し。

そう、バンジージャンプだ。


ノパー゚)「どうしたの? 早く飛んで?」

(;゚ω゚)「ととと、と、飛んでって……」

下を見る。雲しか見えない、あとはごつごつした壁面と、雲からはみでる尖った岩山。
この命綱であるロープの長さは不明、どこまで落ちるか分からない。

そもそもこれ、何の特訓なんだまじで。

あとついでに言うと、手足も縛られてるので身動きぜんぜん取れません。
ずず、と鼻が出たけど、これはこの寒気による物か、恐怖によるものかは分からない。

58 : ◆6Ugj38o7Xg :2009/06/10(水) 20:44:04.45 ID:Y9SxgpAT0

ノパー゚)「しょうがないわね……クマちゃん」

(・(エ)・)「承知」

(;゚ω゚)「ぶっっっ!!! く、くくく、クマ!? クマーーーーーー!!!」

彼女が指を鳴らすと、木陰から大きなクマが現れた。

しかも、あのクマ見覚えがある、ていうか喋ったし、間違いない、
あれは闘技場で最初に戦ったあの大きなクマ、確かクマゴロウとか言う…。

(・(エ)・)「さあ、突き落とされるか、自ら飛ぶか選ぶがいい」

(;゚ω゚)「いやいやいや!! ちょっとちょっと! なんで居るんだお前!!」

(・(エ)・)「飛べと言っている」

(;゚ω゚)「あ、ちょ、板をそんな揺らさないで、わ、わわ! 落ちる落ちる!!」


「…あ」


「ひいいいいいいいいいいいいぃぃぃぃゃぁぁぁぁ……,,,,,,」


60 : ◆6Ugj38o7Xg :2009/06/10(水) 20:46:16.93 ID:Y9SxgpAT0

(;^ω^)「で、なんでここにお前が…」

(・(エ)・)「うむ」

何でも、クマゴロウはかつてヒートさんに命を救われ、以来、彼女に仕えているらしい。
クマの癖に、と不思議に思っていたら、更に驚くべき事実も聞かされた。


(・(エ)・)「まあ言っても信じないだろうが、実はな…俺は別の世界からここへやってきたのだ」

(;^ω^)「え、お前もかお!?」

(;・(エ)・)「何!? お前もってどういう事だ!?」

聞くところによれば、どうやらクマゴロウは僕とは違う世界、そして違う手段でここへ来たようだ。
そこには勇者と魔王が居る魔法の世界で、自分は魔王に使える魔法使いの使い魔だったそうな。

信じがたい話ではあれど、クマが喋る理由としては、納得せざるを得なかった。


ノパー゚)「ほら、無駄話はあとにして、ちゃんと上を見ないと死ぬわよ」


63 : ◆6Ugj38o7Xg :2009/06/10(水) 20:49:23.99 ID:Y9SxgpAT0

それにしても魔が多いな、とか考えていた僕の耳元を、風きり音が通り過ぎた。

(;゚ω゚)「ひいぃ!!! 何今の!?」

ちなみに今行っているのは、命綱なしの崖登り。とりあえず落ちたら最後だ。
まあ、崖は岩がやたら飛び出ているので、それだけなら何とか登れる。

問題なのは、さっきから降ってくる、大岩とか、刃物類。

それらが通り過ぎるたびに冷や汗がどっと出る。僕は死ぬかもしれない。
ちなみにクマゴロウも一緒に登っている、見てると爪がいかに便利かわかる。



しかし、それらすらも序の口で、あとの事はもう……思い出したくもない。


そんな日々が始まってから半月が過ぎた頃。

どうにか特訓にも慣れてきて、今日もボロボロのへとへとで帰ってくると、
いつもの様にデレが僕をむかえてくれた。…一つ訂正すると、ボロボロに慣れたが正しい。

ζ(゚ー゚;ζ「……だ、大丈夫ですか?」

(メメω^)「…な、なんとか……」

65 : ◆6Ugj38o7Xg :2009/06/10(水) 20:52:36.98 ID:Y9SxgpAT0

从;゚∀从「ほんとにお前、剣を習ってるのか…?」

(メメω^)「も、ちろん、だお……」

なんせ今日は、ついにクマゴロウを組み手ならぬ組み剣で打ち倒したくらいだ。
何ともいえない達成感が、この心を満たす、しかし手足は重い。


ζ(゚ー゚;ζ「これで明日、ほんとに大丈夫なんですか?」

そんな明日は、ついにトーナメントを勝ち抜いたジョルジュさんが、例のエース4人と戦う日。
これに勝てば残るは一人。おそらく最大の壁になるであろう、ヒルトの管理者のみとなる。

今までは特訓に明け暮れていたが、今回ばかりは見に行って、応援しなければならない。
ちなみにヒートさんにその旨を話したところ、快くその日は休みでいいと許しを得た。


(メメω^)b「がんばってくださいお」
 _,
(;゚∀゚)「お、おう…つーか怖えよお前」


68 : ◆6Ugj38o7Xg :2009/06/10(水) 20:55:23.20 ID:Y9SxgpAT0


こうして向かえた当日。

緒戦の相手は、雷の接続者で、僕が使っていたのと似たような電撃棒を使っていた。
名前はブレイドと言うらしいが、なんだか変な仮面をつけた、変な人だった。

( 0w0)「ダリナンダア゙ンタイッタイ!」

(#0w0)「バア゙イイ……ダリダろうが、オディは運命にはバゲナイ!!」

 _,
(#゚∀゚)「だあーーー! 何言ってるか全然わかんねぇ!!」


続けて二人目、三人目、四人目と。見てる分には何の問題も無く、
どよめきたつ大観衆の見守る中、ジョルジュさんは勝ち進んで行った。

これは、今度こそ行くんじゃないか。

期待はやがて熱気に代わり、闘技場が大きく揺れる。


そして、そんな時だった。


72 : ◆6Ugj38o7Xg :2009/06/10(水) 20:58:14.47 ID:Y9SxgpAT0

闘技場の、中心と客席を隔てる壁に、大きな垂れ幕がかけられた。


白く大きな布に、赤い字で大きく描かれるのは「Ω」という記号。


やがて、どこからともなく、何かの言葉を叫ぶ声があがった。
すぐにそれは広がり、観衆の誰もが同じ言葉を叫ぶ。

(;^ω^)「これは……」

「…ーガ!」


反響し、混ざり合い、叫ばれる声は一つのコーラスとなった。



 『 オーガ!! オーガ!! オーガ!! オーガ!! 』


幾重にも交わり、反響しながら聞こえてくるのは、一つの単語。
この国の管理者の名である、紅牙を、彼らは呼んでいるのだ。


76 : ◆6Ugj38o7Xg :2009/06/10(水) 21:01:35.39 ID:Y9SxgpAT0



強さが至上であるこの国において、強く、ただ強く。


その者を越える者が現れることを望みながらも、その戦いを見ることを尊ぶ。
ゆえに名を呼ぶ、その名を呼ぶ。紅牙(オウガ)と。


やがて暗い廊下を経て、陽炎すらも引き連れて、とうとう姿を現した赤髪鬼。

人々のテンションは、それで最高潮となった。


そして、耳が馬鹿になりそうなほどの、やかましい歓声に耳を塞ぎながら僕は見た。


(;^ω^)「あれは……!」
80 : ◆6Ugj38o7Xg :2009/06/10(水) 21:03:46.79 ID:Y9SxgpAT0

血のように赤いパンチパーマの髪。
筋肉の鎧とも言うべき屈強な肉体。

アナウンスが数刻おくれて、名を叫ぶ。


『 見よこの姿! この恐るべき肉体を! ついに、ついにこの時がやってきた!!  』


『 果たして挑戦者はこの鬼を退けることができるのか!? 』


『 我らが誇る管理者、最強の具現! オーガこと、母者だァーーーーーーーーー!!!』




 @@@
@#_、_@
 (  ノ`)「出番かい……ずいぶんと久しいねぇ」




それは、正に鬼そのものであった。
86 : ◆6Ugj38o7Xg :2009/06/10(水) 21:06:33.79 ID:Y9SxgpAT0









        【 次回予告 】デーデーデー、テレレーレーレーレー、テレレン、テンテンテン、テーンテン、テテテー








ミ,,゚Д゚彡『次回 異世界でもう一度、第31会 「凄まじき戦士」 』

ミ,,゚Д゚彡「10時よりスタート!」


戻る

inserted by FC2 system