- 53 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/06/08(日)
22:26:02.12 ID:uN/GbHra0
- アルスターの村から、しばし離れた山のふもとの森のなか。
そこには、戦う術をもたない人々が避難場をもとめ、集まっていた。
川 ゚ -゚)「……」
从 ゚∀从「……おいクー、あんま顔だすなって」
川 ゚ -゚)「ああ、わかっている」
どこか遠くから、騒音がこだまする様に聞こえてくる。
そんな中、彼女らもまた、皆の無事を願いつつ、安全な場所へと身を寄せていた。
/ ,' 3 「じゃが、こうまで女子供に老人しか居ないのでは……逆に危ないのではないかの?」
川д川「いやいや幼夢、ここの森にも防衛手段はてんこもりじゃ、ぬかりはないぞい」
- 55 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/06/08(日)
22:28:17.60 ID:uN/GbHra0
- 言って、人差し指をたてる幼女、もとい村長。
そうして上を見れば、なんだかぎらついた刃物たちの群れ。
从;゚∀从「うわ、危なすぎるだろこれ!」
ζ( ー ;ζ「……? あ、あれ……?」
从 ゚∀从「ん、どうした?」
と、不意にデレが耳を押さえ、膝をついた。
見れば眉をしかめ、なにやら苦しげな表情をうかべている。
川;゚ -゚)「おい、大丈夫か?」
ζ( - liζ「な……ナに、これ……ざ、ざぁーって、音が……」
- 57 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/06/08(日)
22:29:32.56 ID:uN/GbHra0
- 【 第25会 「約束された勝利の剣」 】
今、ショボは何と言った?
まず、そんな疑問が頭に浮かぶ。
聞き間違いなんかじゃない。接続と、はっきりとそう言った。
(;^^ω)(なん………だと………?)
(;^ω^)「なん……だ……と……?」
(;^^ω)(おい! あいつ接続者だったのか!?)
(;^ω^)(いやいや!
そんなはずないお!)
(;^ω^ω)「『どういうことだ』お!?」
(´・ω・`)「説明は後、それより」
(’e’)「……どうしたのです? 何かしてくるのではないのですか?」
と、接続、の言葉にどうやら警戒していたのだろう。
セントジョーンズは、剣を構えたまま、訝しげにこちらを睨んでいる。
- 59 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/06/08(日)
22:31:39.61 ID:uN/GbHra0
- (´・ω・`)「するさ」
その時だ、何か、透き通った物体がどこから飛んできて、
ショボの周りを、スイスイ漂い始めたのだ。
(;^ω^)「……え」
(;^^ω)(お、おい……あれは…)
あれには、見覚えがある。
立体映像のような、透明な物体。
祭殿の上に、揺らめくことなく浮いていた、剣の形をした物。
(;^ω^)「ふ、フレイ!!?」
(’e’;)「な……ん……だと……?」
そうして、ショボ以外、揃って驚きの声をあげた。
(’e’;)「それが……その妙な物体が、神具…?
聖剣フレイ?」
(´・ω・`)「……そうみたいだね」
- 62 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/06/08(日)
22:34:32.03 ID:uN/GbHra0
- しばし、表情を強め、こちらを睨みつけるセントジョーンズだったが、
やがて落ち着いたのか、考えがあるのか、穏やかに口を開いた。
(’e’)「なるほど……管理者が二人……確かに、普通に考えれば不味い状況でしょうが…
あなた方がそうして挑む限り、私に勝つなど不可能で」
(`-ω-´)「…アスカロン、守護の剣……だね」
しかし、それを尚、ショボが遮った。
(’e’;)「!」
(`・ω・´)「剣の持ち主に、聖なる加護をあたえる神具にして、その効果は絶大
物理法則も、なにもかもを無視してしまう程の、絶対守護の力……
まあ、いってしまえば、生への契約ってやつ」
(’e’;)「な……」
絶句、と言った様子で、セントジョーンズは言葉に詰まっている。
しかしながら、意味がよくわからない。
- 64 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/06/08(日)
22:36:17.28 ID:uN/GbHra0
- (´・ω・`)「……要するに、
こっちの攻撃を
問答無用で
無効化する」
と、おろおろとしている僕に気付いたのか、ショボが産業してくれた。
(;^ω^)「そ、そんな馬鹿な…」
( ^^ω)(いや……そうか)
(;^ω^)(知っているのか雷電)
(;^^ω)(うむ…じゃなくて、さっきまでの事を考えてみろ)
そうだ、確かに…必ず妙な邪魔…障害があって、
まともに攻めることすらできなかった。
(`・ω・´)「けど、それには条件が一つある、それは……非道を行わないことかな
弱者をいたぶるとか、多勢に無勢とか、人質とったりとか、そういうのを」
(`・ω・´)「そして、それを破ると……剣は守護の力をうしない、下手すればペナルティ」
- 65 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/06/08(日)
22:37:24.35 ID:uN/GbHra0
- (’e’;)「な、何故……それを」
(;^ω^)「……」ポカーン
(`・ω・´)「けど、これを逆に考えれば……」
契約とは、リスクが大きければ大きいほど、威力を増すものである、
それゆえに、相手が卑怯、もしくは非道であればあるほど、守護の力はつよくなる。
つまり、セントジョーンズがあの神具を手にして、
正々堂々と戦う限り、絶対に負けることが無いと言うのだ。(瀬川談)
(’e’#)「しかし、そう、それが理解ったところで…私に勝つことなど」
(´・ω・`)「ああ、やっぱり当ってたんだ」
(’e’;)「!?」
(;^ω^)「ちょ、知ってて言ったんじゃないのかお!?」
(´・ω・`)「しらんがな」
(;^ω^ω)「『な……』」
- 68 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/06/08(日)
22:39:15.24 ID:uN/GbHra0
- (´・ω・`)「ん、ただの推測だよ……さっきまでの君の様子とか
あとほら、前にドクオから聞かされてたからね」
(’e’;)「何を…何を言っているのです……」
(´・ω・`)「……それだけの力があるのに、VIP国に攻め込んだ時
何故か管理者どうしの一騎打ちを選んだこと、
ギコって人をその場で殺さなかったこと……」
(´-ω-)「多分だけど、ギコって人は一度斬られて、ボロボロになって……
それでも、抵抗しようとしたんじゃないかな?」
(’e’;)「……!!」
止めをさすのも、そのままVIPを落とすのだって、容易いことだったはず。
だがそれをしなかったのは、出来なかったとすれば、つまり。
(´・ω・`)「そして、最後の戦い……ただの虐殺と化した場に、
あなたは居なかったと聞いている」
(’e’;)「……まさか貴方は、VIP国の、誓約の騎士団の生き残り……」
- 69 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/06/08(日)
22:41:27.72 ID:uN/GbHra0
- そんな言葉にショボは、さあてね、とでも言わんばかりの表情で、
意地悪げに笑うと、更に話をつづけ。
(`・ω・´)「それに、聖剣アスカロンの伝説はもとより……"僕らの世界にあった"」
それを皮切りに、がらりと空気が変わる。
強い意志をこめた視線が交わり、息苦しいような圧迫感が周囲をつつむ。
(’e’)「どうやら……貴方はここで、本気で殺しておく必要がありますね」
(;^ω^)「……っ!」
堪らず僕も、手にした神具をつよく握り締め、
ゆるんだ警戒心も、剣と共にふたたび構えをとる、が。
一歩前にでたショボが、それを片手で制止した。
(;^ω^)「お?」
(´・ω・`)「いいから、ここは任せて」
(;^ω^)「まか……って、ちょ、何を!」
- 71 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/06/08(日)
22:43:04.75 ID:uN/GbHra0
- (´・ω・`)「さっき言ったでしょ、二人がかりなんてしたら、余計になんだよ」
(;^ω^)「で、でも……」
(´・ω・`)「あのね……邪魔なんだよ……ぶち殺すぞ」
(;゚ω゚)「はい! 大人しくしてます!」
(´・ω・`)「うん、そしたら――――」
(;゚ω゚)「――――Gぃ!!??」
(’e’)「無駄話はおしまいです、死になさい!!」
そんな事をしている間に、セントジョーンズが姿勢を低く、距離を詰めてきた。
やや遅れて、ショボが迎え撃つべく、腰を落とし、中段に剣をおき。
(`・ω・´)「さあ、行こう!」
言葉と同時、すぐ横を漂っていた、
剣の形をした物が、応えるように飛来。
- 73 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/06/08(日)
22:44:36.54 ID:uN/GbHra0
- しかし、それよりも早く、二人の距離はなくなり、
互いの振りかざした剣が、衝突コースへ入る。
(’e’#)「はっ!!!」
(:`・ω・´)「っ……イニシャライズ……!」
そこで、更に異変はつづく。
斜め下から斬り上げる形の剣線に、まるで追尾するように、透明な剣が飛来。
その衝突の寸前、ショボの持つ剣に重なり、まるでオーラを纏うかのような姿と成った。
(’e’;)「なっ―――――!!!」
次いで、音が炸裂する。
(;`・ω・´)「っ―――さっき、言ってたね」
つばぜる事無く、弾きあった二つの剣。
両者はひるまず、再び振りかざし、ほんのわずかな間を置いて。
- 75 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/06/08(日)
22:46:03.70 ID:uN/GbHra0
- (;`・ω・´)「自分には勝てないとか何とか、あれ」
(’e’;)「!!」
つづけて、更に2度の衝突、今しがたと同じようで、更に甲高い音が連続してはじける。
ここだ、さっきショボから言われた通り、この隙を――――。
(´・ω・`)(僕が一度斬り合ったら、その瞬間を狙って)
(;^ω^)(ええ……さっき自分で二人で攻めても駄目だって)
(´・ω・`)(うん、少しでも遅れたら駄目、だからすぐにね)
(;^ω^)(お…まあ、よくわからんけど)
(´・ω・`)(頼むよ、そのゴキブリみたいな素早さを活かして)
――――逃がさない。
(#゚ω゚)「まるっとお返しをさせてもらうぉおおおおおおおおおおお!!」
- 77 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/06/08(日)
22:48:28.12 ID:uN/GbHra0
- (’e’;)「っ……やはりそう来ますか、しかし!!」
風に乗って飛び上がり、セントジョーンズの頭上から斬りかかる。
だが、そこは流石と言うべきか、すぐさま察知してきた。
さて、今までなら、必ずここで何らかの障害があった。
アホ臭い話だが、足を絡ませてしまう事もあった。
(’e’#)「通用しません!!」
(#`・ω・´)「さっきまではね!!」
(#^ω^)「ゴキブリ舐めんな!!」
加速に加速をこめた一撃、あまりの衝撃にこっちまで痺れが走るが、
セントジョーンズの表情に動揺が浮かび、体制も、完全に崩れ。
- 78 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/06/08(日)
22:49:21.00 ID:uN/GbHra0
- (#^^ω)(エルゴ――――!!)
(’e’;)「馬鹿な……!!」
突き出した剣を、相手の剣に絡め、手首をかえして回転。
火花が散る音かち鳴り、更に、ぐん、と足に力をこめ、打ち上げる。
(#^ω^)「エンドォオオオオオオオオオオオ!!!」
澄んだ金属音、そして、時が止まったかのように制止する中。
空に舞い上がった剣は、激しく回転しながらゆっくりと落下。
やや遅れて、ザン、と地面に突き刺さった。
(’e’:)「………」
(#^ω^)「……」
- 80 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/06/08(日)
22:51:03.89 ID:uN/GbHra0
- その間、僕らは動くこともせず、互いに睨みあい、更に間をおいて、
ショボが、セントジョーンズの首元に剣をつきだした。
(’e’)「…………殺す前に、聞かせてもらえませんか」
すると、脱力するかのように、ゆっくりと息を吐き出し、
セントジョーンズは、ショボを見て言った。
(’e’)「フレイとは……神破、噂に聞いた神具殺しの」
(´・ω・`)「まあ、そう思ってもらっていいよ」
(’e’)「なるほど……能力の無効化とは、相手が悪かったようですね」
(;^ω^)(なんですと!?)
そうして、セントジョーンズは静かに目を閉じた。
僕は息をのみこみ、どうするべきか、と思いながらショボを見る。
すると、剣を突きつけたまま、意外な事を言い出した。
- 82 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/06/08(日)
22:53:08.42 ID:uN/GbHra0
- (´・ω・`)「できれば、剣も拾って、このまま退いて欲しいんだけど」
(;^ω^)(ええええええ)
それは、向こうにとっても同じだったのだろう、
閉じていた目を見開き、表情をこわばらせた。
(’e’)「私を……この状況下で、見逃すと言うのですか?」
(`-ω-´)「……馬鹿にしてるわけじゃないよ、ただ思うんだ、その、守護の力……
その条件がもし、剣でなく、持ち主の心に拠る物だとしたら」
つまり、非道か、そうでないかを定めるのが、持ち主次第だとしたなら。
このセントジョーンズと言う人は……。
出来れば、殺したくはない、何とも甘い考えではあるが、
今は、何故かそれを信じられる気がしていた。
(´・ω・`)「それに役割が違う、もしあなたを倒すとしたら、それはきっと…」
(’e’)「……破壊の剣、あれは、貴方たちが?」
- 83 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/06/08(日)
22:55:37.86 ID:uN/GbHra0
- 声には出さず、無言でうなづき返事をかえすショボ。
それを見るなり「そうですか」と一言を呟き、
(’e’)「わかりました、勝者に従い……今日は大人しく引き下がるとしましょう」
そして、別の場所にて攻め込んできている神教の人間も、
時がくれば、退却するよう指示してある、と語り。
僕らは剣を構えたまま、それきり黙りこんだセントジョーンズが神具を拾い、
背中をむけ、遠ざかっていく姿を、ただ立ちすくんだまま、見送っていた。
(;^ω^)(なんとか、なったのかお……)
まだ安心するのは早いが、ひとまずは緊張からの解放に安堵した。
すると……不意にショボが大きく溜息を吐く。
よくよく見れば、膝がちょっと震えている。
- 84 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/06/08(日)
22:57:33.92 ID:uN/GbHra0
- 何となく、弱い部分をみた気がして、奇妙な嬉しさを感じながら。
だが、突っ込むのも無粋なので、素知らぬふりをして言葉を投げた。
( ^ω^)「でも凄いお、能力の無効化なんて、もう無敵じゃないかお」
(´・ω・`)「いや、あの人に、もうこの手は通じないと思うよ
さっきのは……様子見でかかってきたから、成功しただけだし」
(;^ω^)「お…?」
(´・ω・`)「……ていうか、さっき、一度目に斬りあったらすぐって言ったよね?
なんで遅れたの? なんで言った事を守らないの?
馬鹿なの?」
(;;^ω^)「いやその、ちょっと高く飛びすぎたっていうか……ご、ごめんなさい……」
どうやら、剣の腕前、という点では、ショボは今までと変わっていないらしい。
だからもし、本気でかかってこられていたら、一刀のもとに斬られて終わっていた。
要するに、最初から、あの大袈裟な素振りも、口ぶりも、
すべては相手を警戒させる為の。いわゆる、はったりだった。
- 86 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/06/08(日)
22:59:17.89 ID:uN/GbHra0
- (;^ω^)「でも、それなら、ほんとにこれで良かったのかお……?」
(´・ω・`)「良し悪しでは答えられないね、でも……」
( ^ω^)「でも?」
(´・ω・`)「……まあ、僕も人の子なんでね、血には酔いたくないんだよ」
( ^ω^)「ふむ……」
それに、ここで神具を奪ったりしたら、この先どうなるかわからない。
だからひとまずは、これでいいんだと思う、そう続けた。
そして、安心した所で、遅れて疑問が浮かびはじめる。
(;^ω^ω)「『いやそれよりもだ、お前はなんなんだ
何故フレイを……それにあの時、接続と言ったな?』」
(´・ω・`)「ああ、それは……」
言いかけて、何故かショボは口ごもってしまう。
- 88 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/06/08(日)
23:00:36.39 ID:uN/GbHra0
- そろそろ我慢できなくて、10分ほど、問い詰めるべく、
喉から声がでかかった所で。
(´・ω・`)「この国、なんか懐かしいって感じなかった?」
(;^ω^)「へ、うーん……」
考えるうちに、ふと、あの夜のことを思い出した。
それは音楽の存在、この国どころか、こっちの世界に来て、初めて触れた文化。
僕は、そうだ、あの時……懐かしさに心打たれ、安らいでいたのでは無かったか。
(´・ω・`)「それから、いくつもの村が集まって国となった体系……
僕らの世界と、よく似ているこれを、伝えたのは誰?」
(;^ω^)「誰って言われても……」
( ^^ω)(……シャキン、か)
(;^ω^)「シャキン?」
(´・ω・`)「そう、シャキンっていう人……だから、それがもし本当なら
恐らく僕らと同じ世界の」
( ^^ω)(……ん?)
- 89 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/06/08(日)
23:02:02.61 ID:uN/GbHra0
- と、答えが出かかった所で、
既に遠くはなれたセントジョーンズに、誰かが近づいていくのに気がついた。
(;^ω^)「……あれ、なんか二人出てきたお?」
(;´・ω・`)「え? よく見えるね君、どっかの原住民みたい」
仲間が来たのか、と思いながら眺めていると、
どうも、様子がおかしい事に気付いた。
何故なら、彼らは一定の距離を保ったまま、近づく事をせず、
まるで警戒するように、対峙するように、剣を引き抜いたのだ。
(;^ω^)「あ、あれ……?」
(´・ω・`)「?」
(li^ω^)「ちょ、そんな……何で!?」
(;´・ω・`)「どうしたのさ?」
(li^ω^)「ぺ、ペニサスさんが……居る、それに…!」
(li`・ω・)「……!!」
- 91 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/06/08(日)
23:03:28.95 ID:uN/GbHra0
- 聞くなり、ショボは血相をかえて地面を蹴った。
あわてて追いかけると、遅いのですぐ追いついた。
(;^ω^)「ちょ、待てお!」
(;`・ω・´)「駄目だ……いけない…!」
段々と近づいていく中、そんな僕らの目のまえで。
ペニサスさんと、セントジョーンズが斬りあい、
数度の衝突のすえに、双方、動きがとまった。
そして、僕の目には。
( ・∀・)
あの、いつか見た笑い顔が、はっきりと見えていた。
………。
- 92 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/06/08(日)
23:05:32.07 ID:uN/GbHra0
- (;゚ω゚)「あ……」
それから、すぐに追いついた僕らが見たものは、
赤い、あかい、血溜まりに沈み、ピクリともしない、さきほど戦った敵の姿と。
(;´・ω・`)「……ペニサス」
(゚、゚ 川「……」
大量のかえり血を浴びて、それでも尚、
無感情な顔をみせる彼女の姿。
( ・∀・)「ははは、聖徳の加護も、こっちの呪いには勝てなかったみたいだねー」
そう言って、モララーはセントジョーンズの剣を拾い上げると、
次いで、僕らへ向かい、手にする黒い剣を構えなおした。
(;^ω^)「っ……」
(´ ω `)「……破滅の剣、と言ったね、あれは」
( ・∀・)「んー? ………なんだい、君ー」
(´・ω・`)「魔剣……ティルフィングの事か」
( ∀ )「…」
- 95 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/06/08(日)
23:06:46.84 ID:uN/GbHra0
- ( ・∀・)「…………はっ、あはははははははははは!!」
( ・∀・)「そーんなことー、知ーらないよー」
ショボは、怒りを押し殺したような声色で問いかけ。
対するモララーは、一瞬だけ目を見開き、すぐに笑いながら言った。
(;^ω^)「まけん、てる……ふぇんぐ…?」
(´・ω・`)「ティルフィング……悲劇を呼ぶ剣」
元の世界にて、神話における由来、それは。
とある王様が、ドワーフに、むりやり最強の剣を造らせた。
だが、その強制を良しとしなかったドワーフは、剣に、とある呪いをかけた。
鞘から剣を抜いたとき、3回だけ、願いをかなえるが。
それを達したとき、剣の持ちぬしに破滅を与える。という代物。
( ∀ )「………」
(;^ω^)「ど、ドラゴンボールかお?」
(´ ω `)「この場合の願いってのは、他者の殺害のことだよ……そして」
(`・ω・´)「破滅とはつまり……自分の死
あの剣が、日陽の国に落とされた時と、おなじようにね」
- 96 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/06/08(日)
23:09:13.88 ID:uN/GbHra0
- ……確か、ツンも言っていた、あれは忌むべき魔剣だ、と。
それに、あの剣を日陽に持ってきた男も、思えば、自ら首をはねたのでは無かったか。
( ・∀・)「その剣……君は、そうか……」
(;^ω^)「じ、じゃあ……ペニサスさんは……もう」
( ・∀・)「賢たる者――――――次元接続者か」
(;゚ω゚)「!?」
(;゚ω゚)(じげっ、って、え!?
それって、確か僕らをこの世界に召喚した……)
(`・ω・´)「……」
( ・∀・)「そっかー……君らが居る以上、もうその接続をつかえる子は居ない、と思ったけど
考えてもみれば、三人も来ている時点で、気付くべきだったわけだねー」
( -∀-)「……でもー、どうやら聖剣は、まだ完全に目覚めてはいない、と」
( ・∀・)「うん、ならかえって好都合だ、今のうちに消えてもらおー……ペニサス」
- 98 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/06/08(日)
23:11:50.03 ID:uN/GbHra0
- その言葉だけで、ペニサスさんが一歩、前に歩み。
僕は、さきほどのショボの台詞を思い出していた。
剣の腕、という点では、今までと変わらず、素人同然だ、と。
そして、両手で柄をつよく握り締め、ショボの前におどりでた。
(#^ω^)「させるかって……!」
(;´・ω・`)「ブーン待った、戦っちゃ駄目だ」
(;^ω^)「な、なんでだお…」
(;´・ω・`)「君じゃ……ペニサスには勝てない、今度は殺されるよ」
続けて言う、よく思い出せと、まえに彼女と戦ったとき、
その最中、何も起こらなかったのか。まともに戦えたのか、と。
(;^^ω)(そうだ、お前、意識うしないかけてたじゃないか)
実を言うと、あれはてっきり、太陽が見えないせいだと思っていた。
しかし、今までの話を聞いている限り、それは違うのだと気付く。
- 100 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/06/08(日)
23:13:41.85 ID:uN/GbHra0
- (;^ω^)「さっきのと、同じって事かお……」
(;´・ω・`)「そう、さっきと真逆……あれは、殺すためだけの呪い」
そうこうしている間にも、ペニサスさんは走る事さえせず、
ただ、黙々と歩みよってくる。
(;^ω^)「じ、じゃあどうしろと!!」
(;`・ω・´)「ペニサスは……僕が相手をする、だから君はモララーを警戒、
いいね、ぜったいに、目を離しちゃ駄目だよ」
ショボは、自分がモララーを相手にすれば、ひとたまりも無いと言う、
だから、もし僕がペニサスに殺されたら……。
(#^ω^)「〜〜〜っ………わかったお、ショボ、死ぬんじゃないお…!」
(;`・ω・´)「……もちろん、それに……あと、もう少しなんだ」
(;^ω^)「へ?」
- 101 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/06/08(日)
23:15:13.27 ID:uN/GbHra0
- 話はそこで終わり、ほぼ同時に駆けだす。
しかし、僕が全力をもってすれば、またたく間にショボを抜き去り。
みずからを奮い立たせるため、叫び、それぞれの相手へと斬りかかる。
( `´ω)(油断するなよ内藤!!)
(#^ω^)(わかって……)
(#^ω^)「るおおおおおおおおおおおおおおおおおおォ!!!!!!」
(;・∀・)「……っ」
まずは牽制、力はこめず、速さに重点をおいた上下の連斬。
連続した音が連なる、モララーに焦りが見えたのは最初のみで、
いとも容易く、受け止められた。
( ・∀・)「前より、更に早いか」
- 103 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/06/08(日)
23:15:48.58 ID:uN/GbHra0
- (#^ω^)「まだまだ!!」
つづいて攻防が逆転、突き出された黒剣。
これに、なぞるように沿わせ、いなす。
だが、そこへ更に横薙ぎ一閃。受け止め、僅かなつばぜり合い。
( ・∀・)「うん、いいね」
(#^ω^)「…ぉ……おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
お互いに、まだ様子見でもするかのように、
高速の剣戟が繰り返し、繰り返され、徐々に、熱が灯っていった。
………。
- 106 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/06/08(日)
23:17:50.45 ID:uN/GbHra0
- 幾度目か、ふりかざした剣が落ちる。
(゚、゚ 川「ァァアッ!!」
力をこめた反動か。
ペニサスは、喉から音が漏れ出したような声をあげ、斬りかかる。
(;`・ω-)「ぐ……ぅぅっ…」
その一撃を受けるたび、ショボは苦痛に表情を歪めた。
神具による、絶対死の呪いは無効化されているが、
すぐさま、単純な剣腕差が物をいいはじめた。
正に、ついて行くのが精一杯、なのだろう。
そもそも、体力が違う、技術も、身体の使い方も。
これら全てが劣っている。
(;`・ω・)「ペニサス…! この剣は、君がくれたものだ……」
(゚、゚ 川「フゥゥゥ!!」
- 107 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/06/08(日)
23:20:11.76 ID:uN/GbHra0
- だから、本来ならば、神具の能力があろうが、無かろうが。
こうまで打ち合う事など、できる訳がない。
だが、ショボは先程も管理者と斬りあい。
今もこうして、戦い、生きている。
それは――――。
(;`・ω・)「そして、約束と一緒に、勇気と、そして……印をくれた」
(なのに、僕は……)
本当は、ずっと怖かった。
自分の本音。
どこからか、頭に浮かんでくる、この、答えが。
だから逃げていた、色々な物から逃げていた。
- 111 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/06/08(日)
23:22:04.71 ID:uN/GbHra0
- そして、そのせいで、もしかしたら、防げたかもしれない未来を。
(僕は……あの時、日陽の神殿にモララーが来る事を、わかってたのかもしれない)
(でも、それを口にして、現実になる事が怖かった、そしたら、また……あんな――――)
『何であんな事を言ったの』
『生まれてこなければよかっ』
(でも、もしも、が怖くて、着いて行って、何もできずに、僕は……)
(;`・ω・)「くっ……!!」
腕の痺れが、頭にまで響いてくる。
めまいがして、倒れそうになる体をそれでも堪える。
- 116 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/06/08(日)
23:24:34.24 ID:uN/GbHra0
- 勇気をくれたのに、僕は何も返せていない。
だから、今度はもう逃げない。
認める。認めてやるさ。
この、泉の如く、湧き上がる。
全ての知識を。
―――――それは。経験という名の知識。
(#`・ω・)「!!!!」
(゚、゚ 川「!!!!」
戦いはある意味、予測により成り立つ。
たとえ数百、数千のパターンがあろうとも、
経験があれば、ある程度の予測は可能になる。
- 119 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/06/08(日)
23:26:32.39 ID:uN/GbHra0
- 今、ショボを支え、戦いに駆りだすは、世界。
この世界に繋がった、膨大にして、莫大な知識。
之即ち、賢たる者、と。
(;`・ω・)「ぁ…っ!」
だが、如何に特殊な力をたずさえたとて、
ぶつかり合うのは、神具と、ただの剣。
衝突は、そう多くなくとも、亀裂は走る。
見れば、既にショボが持つ剣は、刃こぼれの損傷が酷く。
もはや、何も斬る事などできない。
そして、更に亀裂が、音となって走る。
ピシリ、ビシリと、砕け。
- 121 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/06/08(日)
23:29:12.15 ID:uN/GbHra0
- (゚、゚ 川「ハ、アァアア!!!」
(li`・ω・)「!!!!!!!!!!!!!!」
やがて限界は、すぐに訪れた。
音を立てる事もなく、ショボの握る剣は、
柄ごと、原形さえも一切のこさず、粉々に砕け散った。
(;` ω )(……終わった……)
消え失せた剣、両手には何も握られず、拳だけを握る。
異様なまでにゆっくりと流れる時の中、想う。
これで、全てが終わり。
今の僕に、なす術はなく。
渾身の力で砕いたペニサスが、もう一度剣をふりかざす。
これで、剣を落とされた時、死ぬ。
そう、終わったのだ。
- 123 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/06/08(日)
23:31:40.29 ID:uN/GbHra0
- 足りないものは、全て揃った。
創造には、一つの事柄が必要である。
それは、一度すべてをクリアする事。
更に、今の現象には、おかしな点が二つ。
無音であった事、そして、剣が粉々となり、消えたこと。
イニシャライズ。
それは、初期化、及び、使用できる状態に戻す事。詰まり。
完全なる破壊、そして、再生が始まる。
- 124 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/06/08(日)
23:33:41.74 ID:uN/GbHra0
- (`-ω-´)「接続、完了」
目のまえに、剣に纏っていたオーラ状の存在がある。
その空洞には、粒子状の何かが漂っている。
(゚、゚ 川「――――――――――――ッ!!」
もはや声にならない音を上げ、ペニサスが存分に溜めた剣を落とす。
それより先に、浮かんでいた剣を掴み。
(`・ω・´)「行こう……フレイ!!」
迫り来る剣に、剣が重なり。音が、割れる。
ガラスを砕いたような、それでいて澄んだ音が弾ける。
それはまるで、今しがた砕かれた剣の音が、遅れて響いたように。
( 、 川「ゥ……ァ……」
辺りには、眩く、ちいさな粒子が雪のように降り注ぎ。
ぶつかり合った剣が、お互いの中心で止まって、つばぜり合う。
- 127 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/06/08(日)
23:36:38.86 ID:uN/GbHra0
- そこに在ったのは、先程砕かれた剣と、よく似た細身の直剣。
しかし、柄は銀色に代わり、透明な玉、宝玉のような物が埋め込まれている。
そして、とくに違うのはその刀身だ、
何かの文字のような印が、大きく描かれている。
(`・ω・´)「この印は……君が、剣にいれた文字」
(゚、-;川「ア……ガ………」
戦いに赴くその前に、自分が使う剣に、願いをこめて文字を彫る。
彼女がいれたその文字、ルーン文字における意味は太陽。
希望、そして、勝利を意味する。
そして約束は、今、誓いとなった。
誓いを込めた、賢たる者にのみ扱える神具。 誓賢 フレイ、の名と共に。
- 128 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/06/08(日)
23:38:51.64 ID:uN/GbHra0
- そして、その真価は、能力の無効化などでは無く。
呪いや加護、などの契約を上回る誓いにより、
対象にかけられたそれを、破壊する事にあった。
すなわち。
(-、-*川「………ぅ」
('、`*川「ぇ…………ショボン……君……?」
(´・ω・`)「……うん、そうなんだ……すまない」
('、`*川「……私は………」
(´・ω・`)「今はもう、全部忘れてさ……剣を捨てるんだ」
('、`*川「剣………あ、ああ……そう、そうなのね……」
- 130 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/06/08(日)
23:41:03.83 ID:uN/GbHra0
- (´・ω・`)「そしてさ、まずはゆっくりした方がいいよ、ここは平和な場所だし、それに――」
('、`*川「ショボン君、わかってるんでしょ?」
(´・ω・`)「……………」
('、`*川「私は……もう、戻れない、この身は未だ、あの人が手の中」
(´ ω `)「……………………………」
('、`*川「私に、殺されるか、私を殺すか、それ以外に……道は無い、そして」
(´・ω・`)「……」
('ー`*川「できれば私は、あなたを殺して、そして、死にたいの……」
言って、ペニサスは手にした剣を突きだす。
(;`・ω・)「………っっっ」
ショボが手にした剣は、本人の意思とは無関係に動き、それを防いだ。
- 132 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/06/08(日)
23:42:18.33 ID:uN/GbHra0
- そして、考える、何か手はないのか、と考える。
今、ここで彼女に掛けられた呪いを解く事はできる。
けれど、それをした時、それに生かされている彼女は、確実に死ぬ。
助ける手段は無いのか、何か無いのか。
考えても、かんがえても、それは一向に浮かんではくれない。
そして、その間もペニサスは斬りかかって来るが、
どこか自棄になった感のある動きは、精彩を欠き。
勝手に動き、その身を護るフレイによって、全てを弾かれていた。
(` ω ´)(……そうだ)
既に、彼女は自分の護るべき存在を、みずからの手にかけたんだ。
もう……どっちにしても、後戻りはできるはずも無い。
そして、きっと、僕は死ぬわけにはいかない。
だから……ならばいっそ、僕の手で。
- 134 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/06/08(日)
23:43:57.08 ID:uN/GbHra0
- (`・ω;´)「……」
滲み、あふれかけた涙は、強引にとめて。
いちど剣を手放し、距離をとる。
その間も、不思議と剣は宙に浮いたまま、戦いを続け。
手をかざせば、すぐさまその手の中に納まった。
(#`・ω・)「は、ああああああああああああああああ!!!」
「!!!ぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」('、`#川
雄叫ぶような声が、重なり。
甲高い音がいちど弾けて。
金色の柄をした、魔剣が地を転がった。
(-、-*川「………」
- 138 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/06/08(日)
23:45:48.76 ID:uN/GbHra0
- ペニサスは、どこか納得するような面持ちで、
その場にぺたんと座り込んだ。
その姿はまるで、殺されるのを待つかのよう。
(`-ω-´)「……」
ショボは、そんな彼女の傍らに歩をすすめ。
ゆっくりと剣を振りかざすと、陽光が銀に反射して、キラリと輝いた。
そのまま、しばらくの間を置いて。
(-、-*川「……どうしたの?」
(´・ω・`)「…………初めて会ったとき、淹れてくれた紅茶……すごく、おいしかった」
(-、-*川「……」
(´ ω `)「………できる事なら、また、飲みたかったよ」
(-、-*川「…………ごめんね」
(´・ω・`)「……僕の方こそ」
- 141 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/06/08(日)
23:48:09.81 ID:uN/GbHra0
- 「さよなら」
そうして、風切り音を鳴らして、剣が振り落とされた。
しかし。
(´・ω・`)「……………なんのつもり?」
(#^ω^)「つもり? じゃない!
ショボが何やってるんだ!!」
それは、突如として割りこんできた、
空気の読めない風によって、止められていた。
- 144 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/06/08(日)
23:49:23.10 ID:uN/GbHra0
- (´・ω・`)「何って、あのね……もう、ペニサスは戻れないんだよ、わかるだろ
剣の呪いで、もうどうしよう無いんだ」
(#^ω^)「そんなの、誰が決めたんだお!!
まだわからないだろ!!」
(´・ω・`)「……わかるんだよ、僕には」
(#^ω^)「っ……だからって、だからって!
なにも殺すことは無いお!!」
(´・ω・`)「彼女は、もう既に死んでるんだよ……なら、ならせめて、
もう眠らせてあげるのが、救いなんだ……」
(´ ω `)「僕だって……できることなら、こんな事したくない……
でもしょうがないんだよ、もう……」
( ω )「……………」
(´・ω;`)「時間は、過去を消しながら流れる、だから戻れない、やり直しはきかない
それと同じで、消えてしまった物があるから、もう戻れないんだよ……」
(# ω )「救い…? それが救いになる…だって?」
(´・ω-`)「………そうだよ」
- 147 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/06/08(日)
23:51:27.21 ID:uN/GbHra0
- (#`ω´)「ちがう……違う、違う違う違う!!!
そんな事あるもんか!!」
(#`ω´)「そうだ! そんな事したら…ショボは、ショボが苦しむことになる!
それに僕だってペニサスさんが死んだら哀しい!!」
(´・ω・`)「……犠牲なしに全てを得ようというのは、おこがましいと思わない?」
(#^ω^)「だからこそだお! その犠牲がなきゃ守れないとか、僕は、それが嫌なんだ!
ここで諦めて死なせたら悲しいし、苦しむショボを見るのも悲しいお!
そして、それはきっと皆おなじなんだ!!」
(# ω )「だから…みんな辛くて、苦しいのに、すごく悲しいのに、
それでも、それが救いだなんて……」
(#`ω´)「そんなの!! おかしい!!!!!!」
ブーンの叫ぶ声が、その風が、まるで音を何処かへやってしまったように、
この場に、静寂が訪れ、そんな中、動くものは一つ。
- 149 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/06/08(日)
23:54:12.63 ID:uN/GbHra0
- (´-ω-`)「…………………」
(#`ω´)「ふー、ふー!」
(´・ω・`)「……だからって、ね」
その時、息を荒げるブーンの後ろにて、
響くのは、砂地を踏みしめる音、そして走る影。
('、`*川「ふっ!!」
(;^^ω)(ばっ)
( ゚ω゚)「げっ!?」
いつの間にか立ち上がり、剣を拾い上げたペニサスさんが、
無防備な僕の背中をめがけて、その刃を振り下ろし。
('、`*川「っ…!!」
甲高い、金属音がそれを防いだ。
- 150 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/06/08(日)
23:54:36.83 ID:uN/GbHra0
- おそるおそる見れば、浮かぶ剣が受け止めている。
(´・ω・`)「無防備に背中をさらす君って何なの?
死ぬの?」
(;^ω^)「…ご……ごめんなさい……」
(´・ω・`)「ていうか、モララーは?」
(;^ω^)「お、それがなんか、ショボ達の方を見て、いきなりどっか行っちゃったんだお」
(´・ω・`)「そう……ペニサス、君はどうするの?」
('、`*川「…呼んでるから、見逃してくれるなら……帰るよ」
(´・ω・`)「じゃあ駄目」
('ー`*川「ふふ……ありがとう」
そうして「じゃあ、またね」と言い残し、彼女はその場を立ち去り。
二人は、その背中が見えなくなるまで、ただ黙って、遠くを眺めていた。
- 152 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/06/09(月)
00:00:07.40 ID:SiizCya70
- が、やがて。
( ^ω^)「……」
(´・ω・`)「……なんか、偉そうな事言ってたけどさ、君、どうせ何も考えてないんだろ?」
(;^ω^)「え、そ、そんな事はないお、考えてますお」
(´・ω・`)「……」
(´-ω-`)(そうだ……これから、どうなるのか、それは誰も知らない……)
予定はされるかもしれない、けれど、何時だって決定にはならない。
歴史の道標は、いつもウソツキ。
あの時、僕は……ペニサスを殺しているはずだった。
けれど、そうはならなかった。
だから、少しだけ、信じてみようと思えた。
夢でしかないかもしれない、この馬鹿面をぶさらげた、理想を。
(;^ω^)「ほ、ほんとだお…?」
- 153 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/06/09(月)
00:01:08.20 ID:SiizCya70
- (´・ω・`)「どうだか」
鼻で笑い、小馬鹿にするような素振りをみせながら、
ショボはブーンの変化に、やはり確信をもった。
(´-ω-`)(見つけたみたいだね……目指すべき、何かを)
ドクオと、同じように。
そして想う。どっちも、思い込んだら一直線って感じだから。
きっとこれから、もっともっと、危険に身を投じていく事になるのだろう。
だから、僕は、この二人を護るとしようか。
そう、思うのだった。
- 154 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/06/09(月)
00:02:13.92 ID:SiizCya70
- .
【 次会予告 】ジツハイマ・・・ハラガイタインダ・・・・
- 156 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/06/09(月)
00:03:59.70 ID:SiizCya70
- ミ;゚Д゚彡「でも、あとひとふんばり……」
ミ,,゚Д゚彡「予告ゲスト安価、お願いします!!」
>>157
- 157 :愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中:2008/06/09(月) 00:04:10.86 ID:HNfj5fPY0
- (゚、゚ 川
- 159 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/06/09(月)
00:11:48.51 ID:SiizCya70
- (゚、゚ 川『コんバんワ、ヨコクのじカんデス』
ミ,,゚Д゚彡『ついさっき元に戻ってばかりなのに……大変だねぇ』
(゚、゚ 川『なレテマスのデ』
ミ,,゚Д;彡(こわい……)
ミ,,゚Д゚彡『さて次回は…!! あれ、なんか……あれ?』
ミ,,゚Д゚彡『………』
ミ;゚Д゚彡『何も見えません』
(゚、゚ 川『すなアラシガすゴイワネ』
ミ,,゚Д゚彡『どうなってるんでしょ』
(゚、゚ 川『マルでダレカのアタマのなカのヨウ』
ミ,,゚Д゚彡『それでは次回!! 異世界でもう一度、第26会 「新発見?」』
ミ,,゚Д゚彡『読んでくれなきゃ…』
(゚、゚ 川『なイチゃウゼ』
ミ,,;Д;彡(こわい)
つづく、、、I
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