4 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/02/23(土) 01:32:24.52 ID:vnQdj0o60

ミ,,゚Д゚彡「前回までの、あらすじ!!」

(,,゚Д゚)「え、マジで?」

ミ,,゚Д゚彡「えーと、なんかブーン達は日陽国で犯罪者扱い
      渋澤あにきたちの手引きによって逃げ出そうってはなし」

(*゚ー゚)「ペニサスさんも呪いをかけられちゃったみたいね」

(;゚−゚)「……そんな、軽くていいのかな…」

(,;゚Д゚)「いや、その前にだな」
14 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/02/23(土) 01:47:09.05 ID:vnQdj0o60

(,,゚Д゚)「…下界、いや、ドクオ達の様子がみえなくないか?」

ミ,,゚Д゚彡「あー、それか…実はさ、このお話の最終回って」

(;゚Д゚)「最終回!?」

ミ,,゚Д゚彡「うん最終話、リアルで一年目に作品内でも一年経過させて終わりの予定だったんだよ」

(*゚ー゚)「それはわかるけど…何か関係があるの?」

ミ,,゚Д゚彡「大有りっすよ! ほら、接続された物が保存されて、
      一年過ぎたら、元の世界との関係が切れるって設定あったじゃないですか」

(,,゚Д゚)「それがなん……」

(;゚Д゚)(;゚ー゚)(;゚−゚)「はっ!?」

(;゚Д゚)「まさか……一年過ぎたから…この先は読めませんと言いたいのか?」
17 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/02/23(土) 01:51:30.04 ID:vnQdj0o60

ミ,,゚Д゚彡「……」

(;゚Д゚)「……」

ミ;゚Д゚彡「……………」

(;゚Д゚)「……………」

ミ;;゚Д゚彡「…………」

(;*゚ー゚)「…え?」

(;゚Д゚)「………え?」

(;*゚−゚)「え?」
26 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/02/23(土) 01:59:53.87 ID:vnQdj0o60

ミ,,゚Д゚彡「うん、まあそれは冗談なんだけど」

(;゚Д゚)「…そうか」

ミ♯)Д;彡「…無言で殴るのやめてください」

(*゚−゚)「でも……どうするの? この空気」

ミ;゚Д゚彡「うん、どうしようねこの空気、この反応は想定外だった」

(,,゚Д゚)「うち…き……り? とかの反応がほしかったのか」

ミ,,;Д;彡「うん、すねを蹴らないで…」

32 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/02/23(土) 02:03:39.15 ID:vnQdj0o60

ミ,,゚Д゚彡「ここで重大発表!! 書き溜めないよ!!」

(;*゚ー゚)「…ぜんぜん?」

ミ;゚Д゚彡「ひゃ…ひゃくぎょうくらいなら…」

(,,゚Д゚)「…」

ミ,,;Дメ彡「だから無言で(ry」

(,,゚Д゚)「なんでこんな真似をした…」

ミ,,;Д;彡「すいません……なんかスレがあったから(※)…つい魔がさして…」

※・釣スレを>>1が立てたらそこに作者本人登場して書き始めたわけです

40 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/02/23(土) 02:17:23.57 ID:vnQdj0o60
ごめんねごめんね、いや本当ごめんなさい
夜中だし、ちょっといいかな、なんてふざけた考えをしてたのですが
まさかこうまで反応されるとは予想を遥かにこえていたというかそのですね…

すみませんでした……orz

そしてお優しい心遣いありがとうございます、前俺が泣いた
このスレは忘れてください、datの海へと…              行く前に、ながらでもするか……

 

53 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/02/23(土) 02:49:33.40 ID:vnQdj0o60

    【 第23会 「限界の先へ」 】



僕らは陸船のうえ、木々が生いしげる山中に身を隠しながら、
他国へつながるという道を目指し、でこぼこの悪路をひた走っていた。

ここまでの道中も、そして今現在もみな一様に俯き、あるいは遠くをながめ、お互いに視線を外し。
無言の陸船の上では、地面をかける車輪の音、ふきぬける風の音だけが聞こえてくる。
けっして無音ではない、聞こえてくるにも関わらず、今はそれらの音を感じられなかった。

とにかく、耳鳴りがして、あたまがぼうっとする。
現実味がうすくて、今ではアレラ全てが夢だったんじゃないかとさえ思えた。
国を離れたおかげで気がぬけたのだろうか、僕はちいさく溜息をついた。

横目にうつる他のみんなも、なんだか僕と同じようにみえた。
実際…同じなのだろう、だからこうしてどんよりとしたムードなのだ。
僕は、そんな空気をどうにかしたいと思いつつも、見えない重圧にけおされていた。

55 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/02/23(土) 02:50:54.24 ID:vnQdj0o60

(  ω )「……」

けれど何よりも、最後に聞いたあの言葉が、ずっと頭の中で繰り返されて。
たった一つの事、たった一つの行動を考え迷っていた。

今をさかのぼる事、数時間前。
僕らは渋澤さんたちの手引きにより日陽の国をぬけでた。
これはその時に聞かされたことだ。
 _、_
( ,_ノ` )(ここだ)

(;^ω^)(ここって……川だお?)

国内で発見されてから、エクスト渋澤さんの二人につれられ、
僕とショボは見つからないよう慎重に進み、やがてたどりついたのは大きな川のほとり。
すると、そこには聞かされていた通りに、草むらに身をかくす他の皆の姿があった。


56 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/02/23(土) 02:52:04.04 ID:vnQdj0o60

(;'A`)(ブーン…?)

( ^ω^)(…お? ドクオ! それにみんなも)

ζ(;ー;*ζ(ブーン様…よかった、無事だったんですね!!)

(;^ω^)(ちょ、落ちつk)

<_プд゚)フ(おーい、騒ぐなって! 見つかっちまうだろが!)


何故こんな所に、と訪ねれば。

なんでも、ここにはもしもの時のために、逃走用の陸船が一隻しずめてあって、
それを使って水中から国外まで逃げろと言う話だった。

(;^ω^)(んな無茶な…)
58 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/02/23(土) 02:54:32.64 ID:vnQdj0o60

<_プー゚)フ(そうでもないんだなぁこれが、なあドックン)

(;'A`)(はぁ……ドックンて)
 _、_
( ,_ノ` )(水の接続をうまくつかえば、行けるはずだ…できるな?)

(;'A`)(…それって、水中に道をつくれって事ですか?)

<_プー゚)フ(あたーり)

当然ながら、僕はそんな事ができるとは到底おもえず、反発してみたが、
おどろくべき事に、「接続開始」のことばと同時、
目のまえで川に溝がうまれ、またたく間に大穴があけられた。

(;'A`)(…っ、できた…)

59 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/02/23(土) 02:57:58.73 ID:vnQdj0o60

(  ω )゚ ゚(十戒!?)

<_フ;゚Д゚)フ(うそっ!? ほんとにやりやがった!!)

(;'A`)(え…?)
 _、_
( ,_ノ` )(いいから急げ)

そして、人が二人ならぶのが精一杯な洞穴に、順々にもぐりこみ。
左右をみれば、いまだ円の外側を水が流れていき、
うす暗くて、それでいてどこか神秘的な空洞を進んでいった。

ζ(>Δ<;ζ(きゃ!?)

川;゚ -゚)(大丈夫か?)

ζ(゚Δ゚;ζ(いたた……なんかヌルヌルしてますね)
61 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/02/23(土) 02:58:53.23 ID:vnQdj0o60

川 ゚ -゚)(川の底だからな)

ζ(゚Δ゚;ζ(濡れちゃいました…)

川 ゚ -゚)(川の底だからな)
 _、_
( ,_ノ` )(だから早く行けってのに)

足元の砂と、大小さまざまな石ころに注意をはらいつつ、
あたりを伺いながら進んでいけば、やがて茶色っぽいこけに覆われた船のもとへと辿り着いた。

さっそく僕らがそれに乗り込むと、エクストさんがドクオにむけて何かを放り投げる。

<_プー゚)フ(水珠だ、それがあればちっとは楽になんだろ)

(;'A`)(は、はい…っ)
63 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/02/23(土) 03:01:28.94 ID:vnQdj0o60

<_プー゚)フ(したら、ほれ!とっとと行け!)

言われて見れば、たしかにドクオはかるく息をきらし、疲れをみせている。
そんなに長くはもたない、ということだろう。

(;^ω^)(…ちょ)

ならば急がなきゃいけない、だと言うのに。
エクストさんと渋澤さんの二人は、何故か乗りこむ素振りすら見せず。
その場に立ちすくんだまま僕らの出発をうながしていた。

(;^ω^)(なんで乗らないんだお!?)

<_プ∀゚)フ(何でってwwww俺らはいかねーよwwww)

(;^ω^)(ここまで来てなに言ってんだお!)
 _、_
( ,_ノ` )(あほぅ、こっちはこの国の人間として、
     つーかほんとの事を知る人間として、お前らを逃がそうとしてるだけなんだよ)

65 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/02/23(土) 03:03:27.39 ID:vnQdj0o60

<_プー゚)フ(そういう事、それにもうすぐ湖鏡の連中もまとめて攻めてくるしな)

今現在、すでに湖鏡からの大部隊が進軍を始めている。
それを調べてたもんだから、国内で起きていた事態にまで手がまわらなかった。
はやく戻って準備しなきゃねー、なんて、笑いながらそんな事を言う。

(;^ω^)(そんな、なら、僕も残るお!)
 _、_
( ,_ノ` )(状況を見て物を言いな、どっちからも敵視されてるやつが残って何になる
     つーか、はっきり言って邪魔、余計な混乱をまねいちまう)

<_プー゚)フ(つーか、もともとあんたらの目的は神具だったんだろ?
       ならそれも達したんだから、ここに用はないっしょ、
       …だからさ、こっから先は俺らの、日陽の人間の問題なんだよね)
 _,
( ゚∀゚)(関係ないやつは出て行け、ってか?)

<_プー゚)フ(その通り、すっこんでいやがってください、ってやつ)
91 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/02/23(土) 05:55:24.71 ID:vnQdj0o60
 _,
( ゚∀゚)(だけどよ、向こうには管理者が居て、連中が居る事も、つるんで来やがったのも
     それはきっと俺らが居たせいだぜ? それでも関係ねーのかよ?)
 _、_
( ,_ノ` )(ああ、関係ないね、向こうがどんなやり方で来ようが
     こっちは正面からぶつかるだけだ、今までもそうだったように、これからもな)

(; ω )(どうして……だお)

(; ω )(逃げればいいじゃないかお…ペニサスさんだってあんな事になって…
       巫女のふたりも……居なくて、それで剣もここにあったら
       もう…残る意味なんてないじゃないかお……なのに、なんで…)

わかっていた、こんな事を言ったところで、彼らの心は変わらないだろうという事は。
眼が語る、なんていうものを僕はあまり信じちゃいなかったが、この時ばかりはそれを感じられた。
迷いがないんだ、見据えた視線も、雰囲気も、姿勢も、放たれた言葉のすべてに。

そんな諦めにも似た想いでついた言葉のへんじは、静かなためいきと共に呟かれた

92 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/02/23(土) 05:56:04.70 ID:vnQdj0o60
 _、_
( ,_ノ` )(……やれやれ、俺はおまえの先生かっつーの)

(;^ω^)(…お?)
  _、_
(♯ ,_ノ` )(説教ばっかさせんじゃねぇって事だ、いいか
      俺らはこの国で育った、そしてずっとこの場所で生きて、この場所で戦い抜いてきた
      ただの戦いじゃねぇ、日々の訓練から飯を食うことまで、ただ生きることの全てがそうだ
      そうやって培ってきた物の重さ、お前にはわからんかもしらんが、そこに捨てる選択肢は存在しねえんだ)

(;'A`)(…)

川; - )(……)

(; ω )(だから…ここで死ぬって言うのかお)
 _、_
( ,_ノ` )(違うな、生きるため、生きる目的の中を生き抜くために残るのさ)

93 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/02/23(土) 05:56:55.89 ID:vnQdj0o60

(;^ω^)(それ…結局は一緒じゃないかお)
 _、_
( ,_ノ` )(まるで違うさ、俺たちにとっての生きる場所ってのは、とどのつまり生きる目的だ
     失くせば死んじまう、けど死にたくねぇ、だから戦う…生きるために抗い続ける、それだけのことだ)

<_プー゚)フ(ま、なんだかんで言っても俺たちはらりるれろだからな、
       …あ、らりるれろって愛国者のことね、パトリオットでもおk)

(;^ω^)(…は?)

<_フ;゚ー゚)フ(いや、まあ…なんだ、要はさ、続ける意思に勝るものはこの世にはないってこと)

(;^ω^)(続ける意思…?)

<_プー゚)フ(そう、俺もさ結構よく悩んだりとかするんだけどさ)
95 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/02/23(土) 05:58:45.52 ID:vnQdj0o60

 _、_
( ,_ノ` )(…とてもそうは見えねーが)

<_プー゚)フ(うん、よく言われるけどあるんよ)


<_プー゚)フ(そんな時はいつもそれだけを考えてる、なにごとも諦めないってのもいいけどさ
       俺はその単語を使いたくないし、やっぱなにより、生き続ける、戦い続ける、走り続ける
       執筆を続ける、とかのほうが気合はいるじゃん)

(;^ω^)(今変なのまじってなかったかお…?)


<_プー゚)フ(てかほら、それにその方がなんとかなりそうな気がするじゃん
       何があっても何があっても、結果に気付くときが来ても、
       やり遂げるでも、やめないでもない、続ける事だけがさ)


96 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/02/23(土) 06:00:09.48 ID:vnQdj0o60

<_プー゚)フ(それこそが)

(  ω )(……今、生きている…って事だから、かお)

僕は、誰にともなく口にした、するとすぐに肯定の言葉がかえってきて。
黙ったままの僕を無視するように、もういい加減に行け、となかば無理矢理に出発をうながされた。
かえす言葉も、言うべき言葉も浮かばぬまま、彼らと僕らの間にみずの壁が流れ込みはじめる。

(;`ω´)(ちょ、待ってくれお! それなら、それなら余計に僕だって!!)
 _、_
( ,_ノ` )(だがお前は俺たちとは違う、思想も理念も…そうだろ、異世界からの来訪者
     …今はまだ、自分たちの異質さを情けなく思うだけかもしれねーが、そうじゃない)

(;`ω´)(な…え…?)

97 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/02/23(土) 06:01:19.47 ID:vnQdj0o60
 _、_
( ,_ノ` )(何よりも命そのものを尊重して、他国の王様なんてものまで生き延びさせた…
     んな芸当なかなかできねーよ、そんなお前等なら、いずれは本当にこの世界さえ変えるんじゃないか…
     …ってな、わるいがけっこう期待してるんだ、お前等の存在には)

(; ω )(…!?…お…ぉ!?)

<_プー゚)フ(諜報部は伊達じゃないってね、色々調べたから色々知ってるぞ
       だからさ、ブーン…お前の賭けるべき"今"は)


 (今じゃない)



98 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/02/23(土) 06:02:28.79 ID:vnQdj0o60

(;゚ω゚)(あっ…!!)

それを最後に、水が激流となってながれこみ、二人の姿はかんぜんに見えなくなった。
そして川底に半円をえがいた泡のなか、真下をながれる水流に乗った船はあっという間に元居た場所から離れていった。

僕はそんな二人が消えた方向を、あの意味を想いながらいつまでも眺めていた。
続けるというのは、それはつまり今を生きることだ。
きのうを見るでも、あすを見るでもなくて、今とその次の瞬間を生きる、
それを繰り返せばいつまでも、いつまでも生きていられる。

これはそんな馬鹿げた理論だ。

だけど、僕にはそれが何よりも尊いものに思えて。
自分にたりない何かがまた、見えた気がした。


…………

101 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/02/23(土) 06:09:28.86 ID:vnQdj0o60

だから。


だからこそ、僕は…よけいにあの場を逃げ出して、いまここに居る事が情けなくて。
そして悔しかった、何故なんだろう、どうして僕はいつもいつも、こうまで何もできないんだ。

今までに僕ができた事なんてあったのだろうか。
嫉妬して迷惑をかけて、戦う術を手にしてもいきがるばかりで、
いつも…なにかをしたいと願っても空回りするだけで、
自分なりに考えて、こうだと決めた事でさえ、後になって間違いだったと悟り知る。

この繰り返しだ、定まった自分がいない。そればかりか、
今のこの想いでさえ、いつかは変わってしまうかもしれない。
そんな自分が大嫌いで、怖くもあった、だから今、どうにかしたい、何かをどうにかしたい。

じゃあ、何かとは何だろう、今ぼくにできることは何があるのだろう。

109 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/02/23(土) 06:23:59.97 ID:vnQdj0o60

そう考えたとき…結局、考え付くのはずっと。

( --ω)(やめておけ)

そこへ、ふいに脳内に声が語りかけてきた。

( ^^ω)(湖鏡の侵攻をくいとめる……?
      おまえ一人でそんな事、できるわけないだろう
      だいたいそれは、その恩人への裏切りにもなるんだぞ?)

(  ω )(ならないお……あの人たちは知らずに済ませればいいんだお、それだけだお)

( ^^ω)(…死ぬぞ、下手すれば無駄死に、神具はうばわれ、日陽も潰れる、それでm)

(  ω )(死なないお、僕は…絶対に……)

( --ω)(……)

(  ω )(それに、まだ………まだ、言ってないんだお)

110 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/02/23(土) 06:25:15.16 ID:vnQdj0o60


( ;ω;)「あの人たちに…お礼を、ありがとうって! 言ってないんだお!!!!」


深い森がつづく山中に、叫び声がこだました。
ふねに乗るみんなも突然こえをあげた僕を唖然とながめている。
震える足をむりやりに動かし、立ち上がると、いつしか溢れた涙を拭い、もう一度叫んだ。

( うω´)「…みんなごめんだお、僕は…ぼくはやっぱり、このままじゃ嫌だお」

(♯`ω´)「だから、ちょっと湖鏡のやつらを止めてくるお!!」

みなの唖然とした表情に動揺がうかび、それが言葉になるよりも速く。
僕は船から飛びおりて、元来たみちをにらみつけた。


そして、制止の声をあげる声と、風が地をけり走り抜けたのは、ほぼ同時だった。

122 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/02/23(土) 07:39:28.04 ID:vnQdj0o60


………


どれほどの時間を走りつづけただろうか。
風をうけ空をいくように、崖を跳びこえ、邪魔な木々を足場にまるごと飛びこえ。
すでに山は二つほど越え、更に三つ目の山頂の木の上にて、日陽の国がはるか遠くにみえた。

そして、その山のふもとにある大きな崖のした。
白と茶のまざりあった色をした、ごつごつとした山肌のあらわになった山岳地帯。
そこに、なにか巨大な群れがうごめいている。

( `ω´ω)「『あれだお!』」



123 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/02/23(土) 07:40:02.18 ID:vnQdj0o60

そう確信するや否や、更なる風をその身にうけて、跳躍。
ほぼ落下に近いかたちで飛び回り、邪魔な枝は剣で切り払い、地上へと着地。
そこから更に下り坂をもうれつな勢いで下っていく。

やがて、その真上にあたる崖の上へとたどりつき、下の様子をのぞきみる。
すると目下には、二つの相対する流れをもってぶつかりあう群れの姿があった。

雄叫びと砂煙が舞うなか、ぶつかり合った二つの群集は混ざり、
一つの群れの中で、入れ替わり立ち代りの混戦状態。


とてもじゃないがその数をかぞえられたものではない、しかし、数百はくだらないだろう。
今も誰かが冷たい刃をかかげて、誰かに振り下ろし、血飛沫が地面をよごしていく。


124 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/02/23(土) 07:41:15.67 ID:vnQdj0o60

しかし、当然それだけでは無く。

閃光が、もじどおりに線となって戦場を走れば、数人がまとめて膝をつき。
膨大な炎が立ち昇れば、火ダルマと化した人は転倒し、もがき。
その炎さえ、砂の尾をひく風が暴れ狂い、黒ずんだ人影ごと吹き飛ばした。

だが、それでも人は、その場に存在した誰もが、
血溜まりの戦場を怯むことなく、立ち止まる事もなく走り抜けていく。
ここからでも、そんな様子が見て取れて、倒れる人の姿がどんどん増えていく。
そんな光景はまるで、誰かに作られた映像のようにさえ見えた。


そう、見えて、自分の平和ボケ加減にいいかげん呆れてしまう。
ここまできても尚、まだ僕はこの光景をげんじつの自分と重ねていないんだ。

( `´ω)(…なるほどな、先に迎撃にでたか)


125 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/02/23(土) 07:41:59.63 ID:vnQdj0o60

…すでに、日陽と湖鏡のひとたちの争いは始まっている。
どうする、かたほうを止めるってだけでも厳しいというのに、この状況。
普通にかんがえて、無理だ、そんなのはありえない。この状況下で、なお。

(li ω )(…駄目だお、こんな…)

湖鏡側だけをねらい討ち、日陽側は武器のみをねらう、なんて事を考えるなんて。
そんな事ができるわけない、異常だ、無理だよ無理だよ無理だ無理だ無理だ無理無理無理m。

あんな中へ、これから自分は飛び込もうとしている。
そんなのを想像するだけでも身の毛がよだつ、血の気がひいていく。
同時にそれは寒気をひきおこして、ここまで駆け抜けてきて熱をもった体は震え。

歯がかち鳴り、手足がガクガクと

(♯`ω´)「うああああああああああああっ!!!!」

126 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/02/23(土) 07:42:58.00 ID:vnQdj0o60

違う、違う、そうじゃない、もう…そうじゃないんだ。それじゃ駄目なんだ。
いったい、僕はなんの為にここまで来た、何のために走ってきたんだ。

止まらない、止まれない、もう止まるもんか。
僕はもう二度と……自分にだけは、負けるわけにはいかないんだ。

これが異常? 普通じゃない? そんなのは当然だ、だけど。
普通、なんてものはこの世で何よりも贅沢な物だ、だから。 求めるのは何よりも後回しでいい。

(  ω )「後戻りなんかできない……だからできる、できるお…やってみせるんだお」

( ^^ω)(…だが、今のままじゃとてもじゃないが厳しいぞ)

今、僕という存在はどちらにとっても敵としてうつる。
そんな真っ只中に飛びこめば、この結果は揺るがないだろう。
そんなことはわかっている、だけど、まだ一つだけ…手は残っている。

127 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/02/23(土) 07:43:52.16 ID:vnQdj0o60

たとえ今は、こうして震えをおさえるばかりで、何もできなくても。

( -ω-)「なら、その今を、限界も、この迷いも…全部、そうだお、全部を…」

ならば越えて見せる、立ちはだかる壁の全てを。
この想いと、胸の鼓動がつづく限り。

( ^ω^)「僕は、越えてやる、いいや…超えつづけてやるお…!!」

( --ω)(…そうか)

( `ω´)「だから…だから瀬川おねがいだお…僕に、ぼくに力を…! 力をかしてくれお!!」
129 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/02/23(土) 07:45:07.96 ID:vnQdj0o60

( ^^ω)(…ならば、言葉をもって、応えろ!)

( `ω´)「…おお!!」

たった一言の言葉は、心にやどる熱となって、心と身体を研ぎ澄まし。
高く、空にとどくように剣を掲げると、陽の輝きをうけた刀身は鏡となって、全てを吸い込むように映し出す。

剣がまばゆい光を放つ、それはまるで吸い込んだ物をはきだすように。
そして、つま先から脳髄まで、からだのあらゆる部位に熱が走る。

ぐるりと世界が反転するような感覚。
鼓動するように、そしてそれに合わせるように身体が跳ねる。

どれほどの時間、それを繰り返しただろう。
やがてわずかに緩んだ手にある剣を、強く握りしめる。

130 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/02/23(土) 07:45:54.05 ID:vnQdj0o60

それは、今まで感じてきた物とは全くの別物だった。
今までに行ってきた進化の力、あれらは怪我の再生にあてられた部分が大きかった。
だが今回、完全にその恩恵をみずからの進化にあてた、これこそが本来あるべき神化の在り方だった。

( `ω´)『行け!!』

すでにその声は一つの違う声となる。
今ここにおきたのは、剣の意思と、その持ち手の、真なる同調。

自分が、ではなく、自分に命ずれば、自然と足が前にでる、
崖から躍り出て、大きく飛び上がると、真下で起こる戦場にむけて落下していく。

( 接続 開始 !! )

誰かの真似をして、心で唱えると、息が止まるような風圧が全身を襲う、
落下の速度をゆるめるための強力な上昇気流が、すべての音を飲みこんだ――――――――――――
161 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/02/23(土) 13:02:57.68 ID:vnQdj0o60
地面が近づくにともない、地上に突如として竜巻があらわれ、肥大し、雄叫びをあげながら塔のように伸びてい
く、これは言わば風の圧縮作業による産物である、ゆえに、その渦中へと飛び込むと大気が爆発を起こし、風が
吹き荒び、それによってここまでの落下による重力をすべて緩和する、思いきり体制を崩しながらもどうにか無
事に着地すれば、耳が麻痺したのかすべての音が遠い、けれど、どよめく声がかすかに聞こえる、目の前には巨
大なヒトの群れ、ひとの間にひとがいて、まるで壁のよう、そして目に映る、その誰もが突然の事態に目を見開
いている、身体はいつしかほどよい熱をもって、視界はクリア、前どころか後ろさえも今は見える気がした、足
が軽い、まるでそこに存在しないかのように、そして身体も軽く、羽のようとは言い得て妙、たった一歩を踏み
出すだけでまわりの景色は瞬く間に流れる、視野のすべてが視点であるかのように感じる、この場の全ての動き
が見て取れる、だから、僕を敵だと理解した誰かの存在にも気づく、その誰かが叫ぶよりも疾く、僕は彼へと踏
みより、右腕を振るった、振りぬいた腕に遅れて甲高い音、根元から砕け折れた銀鉄が回転しながら宙を舞う、
動揺する声が聞こえた、それは無視する、その側に居た誰かが僕へ向け、剣を振り落とすべく、上に掲げた、遅
い、思わずそんな動作を確認してしまうほどに遅い、腹部に柄の部分を叩きこむ、男が呻き声をあげた、その頃
にはすでに左へ跳躍、頭の中に声が響く、その声はうしろに6人と言った、何故か見ていないにも関わらず、そ
の位置さえも把握する事ができた、前には8人見える、こっちは"僕の目が"捉えた、多数に囲まれるとまずい、
距離をおかねば、それにまだ困惑は続いている、この隙を逃す手はない、接続を続けていた風を集めて、空いて
いた左手で薙ぎ払うように放つと、それと同時にふりむき、人の隙間を通り抜け、二歩進む間に誰かが手にして
いた剣を折り、赤い球体を砕く、そうして2人の攻撃手段を奪った頃、遅れてさきほど放った風が吹き荒れ、地
をえぐるほどの風圧が人の壁をいくつか吹き飛ばし、空間がすこし開けた、ここまでくると標的は、間違いなく
僕へと向きはじめる、ならば優先して叩くべきは珠だ、接続を使用するための道具であり、火や雷を生み出す元
となっている、そんな事を考える隙を知ってか知らずか、一人が僕へ向けて剣を突き出す、だが注意すべきはそ
こじゃない、その一人の向こう側、紫の球体を手にしているのが見えた、雷珠はいちばん注意せねばならない物
だ、雷による攻撃、こればかりははっきり言って回避手段がないからだ、その代わり、人を倒せるだけの電気を
放つためにはある程度の溜め時間を要する、それというのも、元は雷珠がつくる静電気程度のもの帯電、増幅さ
せるからだ、ゆえに狙われる前にあれだけは確実に破壊する必要がある、そう考えながらも突き出された剣を、
身をひねり紙一重に避ける、男は勢いそのままに僕へと突っ込んでくる、単純に止まらないのか、特攻なのかは
知らないが、そうもいかない、まず腕を下から柄で殴りつけ、剣を叩き落し、地に落ちるよりも早く左手で掴み
、男を反対に蹴り倒す、次いで、すぐさま先程の雷珠をもった男へと剣を投げつける、すると見事に雷珠へと命
中、突き立つと同時に砕け、破片を散らしながら剣といっしょに地面に吸い込まれていく、空いた左手はそのま
ま右手の下に移動、剣を両手に持ち直し、全力で一回転しながら横に薙ぎ払う、2、3本の折れた剣が宙を舞う
、際どい、とうとう遅れはじめた、いや違う、まだ足りない、早さがまだ足りていない、ならば―――――

162 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/02/23(土) 13:04:05.67 ID:vnQdj0o60


――――――――――――――。


「撤退だ! 撤退ーーーーー!!」


そんな叫び声が、なんどもなんども聞こえてからしばらくして、いつしか場に静寂が訪れた。
喉は枯れ、心臓は飛び出そうなくらい早鐘を打って、終わったという安堵の息さえ苦しい息遣いに混じる。
もはや全身に力が入らず、足は震えて立っていることさえままならない。

(li ω )「はあっ…はっ…はあ…っ」

地に突き立て、杖代わりの支えにしていたが、それさえも辛く、とうとうその場で崩れるように膝を落とした。
ちらりと周囲を見れば、無数の屍がつらなり、未だに自分が生きている事が信じられない。

しかし、やれるだけの事はやった。

164 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/02/23(土) 13:05:12.08 ID:vnQdj0o60

過半数の武力を奪い、尚且つ日陽の人間は一人も殺さず、戦い抜いた。
そして双方ともに撤退させるに至った、それもたった一人の介入によって。

ありえない程の快挙、しかも、これだけの事をしたにも関わらず、
僕の身体は表面上だけを見れば、ほぼ無傷と言える。

(…無茶しやがって…この馬鹿)

聞こえてくる苦々しい声、満足感なんてものは無い、あるのは虚しさだけ。
けど後悔はしてない、これだけ暴れれば、きっとしばらくは攻め込むとかの事態にはならない筈だ。

それにしても、いつまで経っても呼吸が整わない。
肺は次から次へと新たな空気を欲して、その度に鉄の匂いが喉から込み上げてくる。

(li ω )「……」

全身から血の気がひいて、どんどん熱が冷めていく。
いや、冷めるなんてもんじゃない、凍えるくらいに冷えていく。
それに伴って重くなる瞼をこらえて目を開き、必死に一つの事を考えていた。
168 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/02/23(土) 13:07:33.45 ID:vnQdj0o60

(li ω )「死んで…たまるかお……僕は、まだ……」

あれから、僕は更に二回、進化の力を行使した。

一度目は、足りない速度をおぎなうべく。
そして、ニ度目はこれ以上うごけないと悲鳴をあげる自分の体にムチを打つため。

使ってはいけない、と言うのはわかっていた。
けれど、そうせざるをえなかった、そうしなければとうに僕はここに居なかっただろう。
果たして、これから僕の身になにが起こるのか、それは想像もつかないが何か嫌な予感がする。

だから覚悟をした、死ぬ覚悟じゃない、決して死なない覚悟。
そして、何度も何度も言葉にした。やがて。

息が自然と整っていくのを感じはじめて、今か今かと必死にこらえていた心に疑問が浮かぶ。

(li^ω^)「あ…れ…?」

(;--ω)(……)
170 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/02/23(土) 13:09:04.38 ID:vnQdj0o60

(li^ω^)「なんとも…ないお…?」

あと一回でも使えば、僕はもう持たないのでは無かったはずじゃなかったのか。
それとも、もしかして、これから来るのだろうか。

( ゚ω゚)(うっ…!)

突然、心臓が爆発した。

僕は死んだ。

って感じで、バッタリ逝ってしまうのだろうか。
きっとそうだ、現にさっきから瀬川も黙り込んだままだし。

( ;ω;)(もう駄目だお……駄目なんだお)

( --ω)(………)

204 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/02/23(土) 16:09:32.97 ID:vnQdj0o60

(;^ω^)「いや、いい加減なんとか言ってくれお…」

( ^^ω)(……それはないぞ)

(;^ω^)(遅っ!!)

(li^ω^)「…じゃなくて、どういう事だお! 話が違うじゃないかお!!」

もしかしてあれか、僕は釣られたのか。まんまと釣られ続けたのか。
まるで今のこのスレの状況のように。
それに考えてみれば、今からずっと未来で僕は生きていたような気がするし。

(;^ω^)「嘘だったのかお!?」

( ;^^ω)(それがな…実を言うと……わからん、ホマホマ)

(;^ω^)「わか……ホマホマ、じゃないお!」
206 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/02/23(土) 16:10:00.42 ID:vnQdj0o60

(;^^ω)(いや、不味いのはガチだ! だがなんか変なんだ、思いだせん…)

(;^ω^)「いまひどい言い訳をみた、思い出せないって…何を?」

(;^^ω)(何故駄目か……おかしいぞ、なんだこれは…確かにここに来る前までは
       これ以上つかえば死ぬと、間違いなくそう思ってたのに、今は違うと、俺の中のなにかが言ってる)

(;^ω^)「…はあ、最悪じゃないかお…今までのお話はなんだったんだお」

(;^^ω)(すまん…どうも記憶が曖昧で)

( ^ω^)「…もういいお、とにかく平気ならそれに越した事はないお」

これで全てがどうにかなったわけじゃない。それはわかる。
だけど、これで……ひとまずは平気なはずだ、
言えなかった言葉も返せたはずだ、自己満足でも、そう信じたい。


207 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/02/23(土) 16:13:03.79 ID:vnQdj0o60

そんな事を考えていると、やがてドクオ達が遅れてやってきた。
何でも湖鏡の人間とおもわれる大群を発見して、その方向へと大急ぎで来てくれたそうだ。
ついでにこの状況を見るなり、みんなが絶句していたのをよく覚えている。
 _,
(;゚∀゚)「…なん…だ…と…?」

(;'A`)「ほ、ほんとに…食い止めちゃったの…?」

(;^ω^)「とりあえず早いとこ、こっから逃げるお」

そうして、すべての話は後にしようと、すぐに船に乗り込み僕らはこの場を離れていった。
僕は、なんとかなった事への喜びにばかり目がいって、何も考えていなかった。

何も気づいてはいなかった、自分の身に起きている事態に、変化に。
瀬川の言った記憶が曖昧、という言葉の意味を。
そして……こんな事をしてかしたら、何が待っているかという事でさえ…。
209 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/02/23(土) 16:14:14.27 ID:vnQdj0o60
 _,
(♯゚∀゚)「何考えてんだお前は!! また勝手に飛び出しやがって!!」

(li´ω`)「す、すみませんお…その…つい出来心で…」

ζ(;Δ;ζ「どれだけ心配したと思ってるんですか!!」
 _,
(♯゚∀゚)「お前なぁ…前にも言ったよな、勝手なことすんなと」

( ´ω`)「は…はい」

从♯゚∀从「無事だったからいいってもんじゃーねえぞ、お前がやったのは!
     夜中に自分の家の庭に居たら見知らぬ親父に誰だ!って叫ばれたくらい酷いことだ!
     そもそもお前が誰だ!」
 _,
(;゚∀゚)「いや、誰の体験談かしらんがちょっと黙ってろ」

ちなみに、僕が船にのりこんでからかけられた第一声はこの馬鹿野郎だった。
その後も日が暮れるまで説教はつづき、僕はすっかり意気消沈して小さくなっていた。
211 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/02/23(土) 16:16:27.41 ID:vnQdj0o60

けれど、そうやって怒るみんなの姿はすこしだけ嬉しくもあった。
今を生きていられる実感と、あの嫌な空気がうすれたこと。
この二つが相成って、僕はこんどこそ安堵のためいきを溢した。


………


夜になってみんなが寝静まった頃。
ぼくは一人、遠い空にうかぶ雲をながめていた。

夜闇の中、月明かりに照らされた白い雲ははっきりとその輪郭を現し。
その合間にみえる月は円状の虹をつくりだしている。
213 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/02/23(土) 16:18:08.73 ID:vnQdj0o60

今日はほんとうに色々なことがあった、そして、その全てが苦しいものだった。
なのにこの空にあるのは本当に綺麗なものばかりで、何だかそれが不自然に思える、
昔どこかで聞いた、それでも地球はまわってる、なんて言葉どおりなんだけど、
どうしてこんなにも変わらずに居られるのだろう。

ペニサスさんの事、巫女の二人の事、渋澤さんたちの事、僕自身の事。
そして…ツン、見ていた限りではなんだか脅されているようにも見えたけど、無事なんだろうか。
こんなにも様々な変化があったのに、この空は変わらない。なんでだろう、気付けば口についていた。

从 ゚∀从「…んなことない、ちゃんと変わってるぞ」

(;^ω^)「お…? 起きてたのかお」


214 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/02/23(土) 16:20:08.09 ID:vnQdj0o60

すると、そんな思わぬ返事と一緒にハインが身をおこし、立ち上がると、
物音をたてないように気をつけながら、静かに僕の隣へとやってきた。

从 ゚∀从「星の位置、月の光、雲の流れ、ぜんぶ変わってる、同じものなんて何もないぜ」

( ^ω^)「それはわかるお…でも、やっぱり、いつ見ても同じように見えるじゃないかお
       だからそれはきっと、変わらない事と同じで…」

とても、人には手の届かないおおきな物だ。

从 ゚∀从「まあ、そうだな……考えてみれば、空は人と同じだな」

(;^ω^)「お…?」


215 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/02/23(土) 16:22:20.18 ID:vnQdj0o60

从 ゚∀从「そうじゃないか、人も空も、その器だけは変わらず、中身をかえていく
     ときには着飾ったりもするけど、それがそれである事は変わらない
     だから気付かないやつも居る……けど、中にはそれに気付くやつだっている」

ハインは僕をまっすぐに見つめている、いつにも増して穏やかなその瞳は、
薄明かりのせいだろうか、ひどくはかない物に見えた。
なんだか気恥ずかしくなって、つい目線をそらすと意外な言葉をかけられ、もう一度視線をかわした。

从 ゚∀从「……ありがと、な」

(;^ω^)「……お?」

从 ゚∀从「いや…ほら、一人で戦いに、とかでさ」

(;^ω^)「あ、あー…いや、それは、ごめんなさいとしか」


216 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/02/23(土) 16:24:22.82 ID:vnQdj0o60

从 ゚∀从「…そうじゃねえって、お前すげーよ
     てか未だに信じられねぇ、常識的に、ありえないし」

(;^ω^)(それは確かに…)

自分のやった事、それは言葉にすれば尚更ありえない行為だった、生きているのはいわゆる奇跡だ。
実際、本当にギリギリだった、なんどもなんども剣が体をかすめて、せまる炎が肌をうすく焦がして、
ちぎれそうな手足をそれでも振り回して、破裂しそうな心臓が鼓動するたびに視界が歪んで……。

…今おもいだすとちょっと、怖くて泣きそうになった。あの時はどうかしてたんだ。
仮にもう一度やれと言われても、僕は断固拒否する、というか今度こそ死ぬ自信がある。

(;^ω^)「…それはともかく、ありがとう、って…?」

从 ゚∀从「………俺、あの国を出るときから、ずっと思ってた」


217 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/02/23(土) 16:26:31.85 ID:vnQdj0o60

( ^ω^)「お、なんだお?」

从 ゚-从「……ずっと…どうしよう…って、…またやってしまったって…」

(;^ω^)「……ハイン?」

从  -从「俺が…動いたせいで、またあんな酷い事になったんだ…て…」

从 ;-从「何があったってくじけないつもりでいた…けど、けど辛いよ…怖いんだよ
     世界のために、すべての神具を消し去る、なんてのは
     ぜんぶ…間違っていたのかもしれない……甘すぎる考えだったのかもしれないって…」

言葉につまりながらも話をつづける彼女の眼には、いつしか涙がたまっていた。
僕と同じなんだ、いつだって怖くて、迷っている。
そういえば何時だかに聞かされていたっけ…彼女はひどく脆い、繊細な子なんだ、と。
227 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/02/23(土) 16:55:29.59 ID:vnQdj0o60

从 ;-从「現に私がうごいて、物事は何もよくなってなんかいない
     それどころか…どんどん悪化してる、こんなでいいのかって何度も自分に問いた
     弟者や、兄者たちに約束したんだから、立ち止まるなって、そう答えた、
     けど私はなにも、なにもできない、脅えて震える体をおさえる事しかできなかった…
     ………できなかったんだ…」

从 ;-从「そしたらさ……お前が、飛び出していっちまって…
     俺、もう今度こそだめだと思ったんだよ…他の誰かを傷つけて、
     死なせることしかできないのかって…なさけなくて…もう…」

(;^ω^)(ご、ごめんなさい……)

そんな事を言われてしまうと、もう無性にもうしわけない気持ちに襲われる、
なんとなく雰囲気的に口にはだせず、内心で土下座した。
230 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/02/23(土) 16:57:44.42 ID:vnQdj0o60

从 ;∀从「んで、追いついてみれば…たった一人で、敵を追い返して、なんとかしちまった」

ふと、ハインは瞳に涙をためたまま、ゆっくりと笑みを作った。

从 ;∀从「こんな考えは許されない事だけど、俺、ほんとうは、それがうれしかった、
     絶望しかない中に、希望みたいなのがみえたきがして…嬉しかったんだ」

息が詰まる、胸のおくから込み上げてくる気持ちを必死にこらえた。
救われたんだと、そう言われている気がして、
あやうくこっちまで泣いてしまう所だったから。

从 ;∀从「だから……ありがとう…んで、こんなの言って、ごめんな…」

唇をかみしめ拳をにぎりしめて、代わりに一つ、僕は決意をした。
ようやく見つけたそれを手放さないために、
変わらない想いを、これからも想い続けるために。

233 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/02/23(土) 17:01:20.64 ID:vnQdj0o60
( ^ω^)「……大丈夫だお」

そういえば、昔はこの言葉を口癖のように言っていたきがする。
何時からだろう、言えなくなってしまったのは。


( ^ω^)「ハイン、僕は君を手伝うお、そして…その理想を
       その夢を……僕が、叶えてみせるお」


从; ∀从「……っ!!」

もう二度と、こんな哀しい事は繰りかえさせない。
今はもう眠ってしまうけれど、その想いを決して失くさないよう、

この空の下、言葉にして誓った。

これが、僕にとって生涯、忘れる事のない一日の終わりだった。

257 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/02/23(土) 19:07:21.54 ID:vnQdj0o60


………


ちなみに、その翌日。


「あああああああああーーーー!!!」


薄い霧がかったような青空の下、けたたましい叫び声によって目を覚ますと。
……ぼくは早くも、さく夜の発言をすこし後悔することになった。


258 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/02/23(土) 19:08:40.66 ID:vnQdj0o60

ζ(゚Δ゚♯ζ「なななな、なっ、なぁーーーにしてるんですか!!!!」

从 -(;^ω^)「お…? デレ…? なんだお、なんかあっt……」

从 -(^ω^;)「え」


Σ从 -∀从   三(゚ω゚;)「どわーーー!! なにしてんだおーーー!!!」


何がどうなっていたかと言うと、横になって眠る僕の背に、
ハインが腕を胴にまわし、足を絡ませながら抱きついて、すやすや寝息をたてていた。
とりあえず、僕はその腕をふりほどき、慌ててとびのいた。
すると、呻くような声をあげながら、ようやくハインも目を覚まし、こちらを見回した。

259 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/02/23(土) 19:09:53.68 ID:vnQdj0o60
从;゚∀从「なんだよ…うるさいな、朝っぱらから」

ζ(゚Δ゚♯ζ「うるさいじゃないです!! そっちこそ朝から何考えてんですか!!
      羨ましいじゃないですか!ずるいじゃないですか!!」

ζ(>Δ<♯ζ「私が!! 私だってずっと狙ってたのに!!」

(;゚ω゚)「ちょ、いきなりなに言い出してるんだお!?」

从*゚∀从「あー、そりゃ悪いね、でもなぁ…やっぱさ
     ほら、プロポーズされちまった身としてはさ、それくらいは」

ζ( Δ ;ζ「ぷプ、プロポ……っっっ!?!?!?!?」

(;;゚ω゚)「ええええええええええええええええええーーーーーーーーーー!!!!???」
261 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/02/23(土) 19:11:19.42 ID:vnQdj0o60
 _,
(;゚∀゚)「あ、ああ? なんだって?」

(;゚ω゚)「いやいやいやいやいや! あ、あれええ!?」

从 ゚∀从「おいおい…何てれてんだよ、昨夜いってたじゃないか
     ずっと側にいて、俺の夢を叶えてあげる…ってさ」

ζ( Д liζ「……」

川;゚ -゚)「…デレ?」

(;'A`)「……まじで?」

(;゚ω゚)「違う、なにもかもが違う!! あと前部分は言ってないお!!」

ζ(゚ー゚;ζ「で、ですよ…ね」

263 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/02/23(土) 19:14:00.40 ID:vnQdj0o60
从;゚-从「……なんだよ…じゃああれは、嘘、だったのか…?」

(;^ω^)「嘘じゃないお、ていうか嘘とかそういうのじゃなくて、根底がまず」

从*゚∀从「だよな!! 本当だよな!!」

(;゚ω゚)「話を聞けえええええええええ!!」

ζ( ー ;ζ「ふ、ふふっ…ふふふふっ…」
  _
(;゚∀゚)「ぅげ…っ、おま、落ち着け! な? まずちゃんと話を」

ζ(゚Д゚♯ζ「ゴルァアアアアアアアアアアア!!! 認めねーぞちくしょうがあああああ!!!」

从*゚∀从「関係ねえwwwww関係ねえwwwww」


(li ω )「な……なんで…こんな事に……」

265 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/02/23(土) 19:16:02.47 ID:vnQdj0o60
「せっかくこないだまでいい感じだったのにいいいいい!!!」

「俺なんかちょくせつ言われたんだwwwww諦めなwwwwww」

「きいいいいいいいいいいいいい!!!!」



/ ,' 3 「やれやれ……騒がしいのぅ」

(´ ω `)「………」

/ ,' 3 「まあ、いつまでも沈んでおる訳にもいかんじゃろうて…
    それで…お主は、混ざらんのか?」

(´ ω・`)「………」

船の片隅で、ひざを抱えてしゃがみ込んだままのショボは、
一度だけ盗み見るように騒がしい様子をながめ、ふかく俯き。
その隣に腰をおろした荒巻だけが、そんなショボを見て大きく溜息をついていた。

266 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/02/23(土) 19:17:59.17 ID:vnQdj0o60
………

二日後、僕らを載せた陸船は、他の国につながる大きな道をはしり続けていた。
だがここに来て、僕らは意外なものを見る事になる。

今までは人の住む場所といえば移民式のテントや、一つとなった巨大な国だけだったが。
木造りの柵でおおわれた、一軒家がたちならぶ小さな村の存在がいくつもあった。
そして、それらは何処も川のほとりにあって、広大な田んぼや畑の姿もみつけた。

( ゚∀゚)「やっと着いたな…」

ここは豊穣の地エッダ、この世界において、いちおう一国として数えられてはいるが、
少し特殊なばしょで、豊穣の地とはこのあたりの地域そのものの名称であり、
たくさんの村々が距離を置きつつも集まってできた国をエッダと呼んでいるのであった。

267 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/02/23(土) 19:21:28.64 ID:vnQdj0o60

途中、なんどか村に立ち寄り、水や食料を頂きつつも話を聞けば、
なんでもここから更にずっと先に進めば、中心となる村があり。

そこには…かつてこの地に、平穏と恵みをもたらした勇者が持っていたとされる、
伝説に謳われる聖剣が奉られているとの事だった。

早速そこを目指し、再び船をはしらせること半日。
僕らはその中心の村であるアルスターへとたどりついた。
しばらく船を泊めておく場所をさがし、ようやく降りると、なにやら人が数人集まってきた。

「ここは ヴィ…アルスターの村ですお」

(;^ω^)「え?」

269 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/02/23(土) 19:24:03.94 ID:vnQdj0o60
「すげぇ…なんだこの船…」

「あ、俺知ってるぞ、アークだ」

「アーク!? 詳しく!!」

「ああ、ノアの箱舟と言われていてな…救世主を乗せてくるんだそうだ」

「マジで?」

「マジマジ」

「SUGEEEEEEEEEEEEEE!!!!」

( ゚∀゚)「なあ、そこのやかましいお前等」

「なんですか! 乳世主さま!!」
 _,
(;゚∀゚)「……あ? ……村長はいるかい?」
277 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/02/23(土) 19:51:17.72 ID:vnQdj0o60
「居ます! 呼んできますね!!」

「さるのように!今現在ひっかかっているさるのように!!」

そう言って、若者二人は何処かへかけていった。
残ったのは僕らと、そして未だあたりから物珍しそうに、こちらを伺っている人々の姿がある。
すると、そんな中から、まだ年端もいかない子供達が楽しそうにこっちへ駆け寄ってきた。

「わー!ふねだ!」

「乗りたいー!」

そんな様をみていると、思わず頬がゆるんでしまう。
僕とドクオは揃ってそんな様子をながめていた。

( ^ω^)「なんだか…ここは、ほんとに平和なんだお」

('∀`)「…だな」

( ゚∀゚)「お? 乗りたきゃ乗っていいぞ」

「ほんとー!?」
「きたこれ!!」
「それにしてもさるしつこい!さる死ね、市ねじゃなくて死ね!」
280 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/02/23(土) 19:54:19.83 ID:vnQdj0o60

「ありゃー…すまんね、うちのガキんちょが」

ζ(^ー^*ζ「いえ、いいんですよ」

そして、ここに来るまでに立ち寄った村でもそうだったが。
村の人たちは誰もみな心優しいひとたちばかりだった。
食料などを惜しみなく分けてくれたのもそうだし、何よりも僕らを見る目だ。

恐怖とか、不審とか、そういった物を感じない、あるのはただの好奇心だけ。
そんなふうに思えるような言動で、みな僕らに接してくれていた。
たったそれだけの事が、これほどに心休まるとは思いもよらなかった僕らは、
変に警戒させないようにと、剣などの武器はすべて船に置いたまま。
ひさしぶりの穏やかな時間をかんじていた。

( ^ω^)(豊穣の地……なるほど、だお)

282 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/02/23(土) 19:57:02.95 ID:vnQdj0o60

川д川「ようこそ旅のお方、私は村長の貞子、さっそくですが…」

やがて、村長らしき方が僕らのまえに現れ。それとほぼ同じタイミングで。

「ああーーーー!!」

陸船に乗り込んだ子供達が、何かを発見したのか、一斉におどろきの声をあげた。
もしかして、言ってるそばから剣が見つかって、どうこうなのか、と不安に陥るが、
そういった類とは違う雰囲気で、一人が村の人間たちにむけて、こう叫んだ。

「そんちょうのいえにある絵のおとこのこがいるよーーー!!!!」

「ほら!!」
284 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/02/23(土) 19:59:20.89 ID:vnQdj0o60
(;´・ω・`)「え…? え、ちょ…引っ張らないで…」


手を引かれ、船の上から見下ろす形でたつのはショボ。
僕らもなんだか訳がわからないが、当の本人も困惑した様子で左右をみまわしていた。しかし。


川;д川「!!!!!」

「「あ…あ…まさか、そんな…」」


その瞬間、僕ら以外の…要するに村の人達がおなじように声をあげ、
動きまで凍りつかせ、呆然とショボを見つめていた。

285 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/02/23(土) 20:00:21.79 ID:vnQdj0o60
(;^ω^)「な…なんだお?」

川;д川「…あ…あの者は……」
 _,
( ゚∀゚)「ショボか? どうしたってんだよ」

川;д川「……似ている…あのお顔、あのお姿…まるで生き写しのように…」

(;^ω^)「誰に…だお?」

川д川「遥か昔…私らの村に代々つたわる神具、フレイを持ち
    この地を救いたもうた…」




  「聖剣の管理者…シャキン様と」




286 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/02/23(土) 20:03:38.55 ID:vnQdj0o60








             【次回予告】バッバッバニンハー ケットバシテ キリンナーウ








288 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/02/23(土) 20:05:15.07 ID:vnQdj0o60
ミ,,゚Д゚彡「長かった…あまりにも、長すぎた……」

ミ,,゚Д゚彡「だっけ?」

(,,゚Д゚)「知るか」

ミ,,゚Д゚彡「久しぶりのゲスト安価、お願いします
>>288


289 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/02/23(土) 20:05:55.48 ID:vnQdj0o60
ミ,,゚Д゚彡「なん……だ…と…?」

ミ,,゚Д゚彡「
>>290に!!」
290 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/23(土) 20:06:24.67 ID:pdMzz6W2O
しぃ
296 : ◆6Ugj38o7Xg :2008/02/23(土) 20:22:47.43 ID:vnQdj0o60
ミ,,゚Д゚彡『さて、次会のお話は、聖剣の管理者シャキンの物語』

(*゚ー゚)『きっとあれね、どこか遠くの場所から来た彼は、いろいろあって神具を手にして
    最後には自らが放った剣の力で死んじゃうのね、わかるわ』

ミ;゚Д゚彡『……あの、しぃさん?』


(’e’)「聖剣フレイ……この世に聖剣は一本でいいのですよ」

ミ,,゚Д゚彡『現れたのは、ついに行動をはじめた神教国の管理者!』

(*゚ー゚)『その不思議な力のまえに、翻弄されるブーン達、そこへ更に……』


(;´・ω・`)「………ペニサス…?」

ミ,,゚Д゚彡『辿りついたと思えた安息の地は、どうなってしまうのか!』

(*゚ー゚)『それにしても…今日は大変だったわね…』

ミ;゚Д゚彡『ですね…ほんとに、俺はレジェンズ〜蘇る竜王伝説〜を見ていたはずなのに
      気付けばこんなところに居た、何を言ってるかわからねーと思うが(ry』

(* ー )『………伝説?』
ミ;゚Д゚彡『次会!! 異世界でもう一度 第24会 「誓 賢 者の覚醒」』

ウフフフフ(* ーミli Д 彡フフフフフ『読んでくれなきゃ、泣いちゃごふぅっ』      
                                  つづく、、、I

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