4 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/09/29(土) 04:23:14.52 ID:lWDbDTos0



ミ,,゚Д゚彡「あらすじ…は」

(,,゚Д゚)「ねーよ」

ミ,,゚Д゚彡「…ないの?」

(,,゚Д゚)「ああ」

(,,゚Д゚)「そんな余裕はないっt」
ミ,;゚Д゚彡「スタート!!」
6 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/09/29(土) 04:24:21.79 ID:lWDbDTos0



【 第20会 「ばいばい正犠」 】





昼間の熱気がうそのように涼しい空気はどこか暖かく
月が照らし出す道を二つの影がゆらりゆらりと進んでいく



「それでさ、なんかブーンが管理者になったのが嫌らしいんだよ」

「そうか…」



リーン、リーン、何処からか虫の音が響き、互いの声だけがよく聞こえてくる
そんな薄明かりの空気は柔らかで、緩やかな時間が流れていた。



川 ゚ -゚)「…まあ物が物だ、そうなるのも仕方ない事だろう」

('A`)「そんなもんかなぁ…」
8 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/09/29(土) 04:25:53.77 ID:lWDbDTos0

川 ゚ -゚)「なんだ、お前だって神具がどんな扱いをされるものか知っているだろう?」


('A`)「そうだけど…でも、よその人間だからってそう邪険にしなくてもいいと思うんだけどなぁ…
   実際ちゃんとここの為に戦ってるのに…」



俺はクーに散歩でもしようと誘われ、神殿を抜け出した
そして今は特に行く当てもなく、薄明かりが照らす先へ並んで歩いていた。

……いや、抜け出してといっても、ちゃんと言ってだよ?
本当はわざわざ言いたくないんだけど、冷やかされそうだし、照れくさいし
でもほら、ブーンの一例があったからあまり無断で出かけるのは不味い気がしたんだ



……。



( ゚∀゚)(ん? ああ、いいぜ行ってこい、気をつけてな)

('∀`)(はい)

川 ゚ー゚)(わかっている)


9 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/09/29(土) 04:27:09.95 ID:lWDbDTos0

( ゚∀゚)(んで…おいドクオ)

(;'A`)(え、なんですか?)

( ゚∀゚)(…姫さん、元気になったみたいじゃねーか)

('A`)(あ…)

('A`)(…実は俺もなんでかわかんないんですけど…いつの間にか)

(;゚∀゚)(はぁ? あ、ああ、まあよかったな)

('A`)(……はい)
 _,
( ゚∀゚)(…なんだぁ? 今度はお前がへこんでんのか?)

(;'A`)(あ、いや、そういうわけじゃ…)

('A` )(…ただ、なんていうか…俺はなにもしてなくて、できなくて、けど、どうにかなってて
    結局おれは一人で空回りしてたのかなぁ、って思って…)


( ゚∀゚)(ふぅ、ん? まあいいじゃねえか、それで)

('A`)(気にする事じゃないのは分かってるんですけど…)


10 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/09/29(土) 04:27:57.21 ID:lWDbDTos0

 _,
( ゚∀゚)o彡゜(ぁー、うだうだ言ってないで気になるならぶつかりゃいいだろ!)

(♯)'A`)(あいたっ!)

 _,
( ゚∀゚)o彡゜(おらおら!とっとと青春してこい!)

(♯)'A`)(ちょ! いたいっ!行きます行きます!)


川;゚ -゚)(…なにをやってるんだ?)

( ゚∀゚)(なんでもねーよ、ほらあんま遅くなんなよー)

(;'A`)(は、はいっ)



………。



そんなこんなで見送られ、今に至る。
13 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/09/29(土) 04:28:50.65 ID:lWDbDTos0

しばらく歩き続けた俺達は、やがて大きな川に行く道を塞がれ立ち止る
そこには、何処かで見たことあるような、土手沿いの道が遠く伸びていた。
なんとなく懐かしさを感じさせる景色に、俺は少し湿り気を含んだ草むらに座り込む。


('A`)「…」

川 ゚ -゚)「…」


クーもそれに続いて座り込むと、何故か途切れた会話はもどらなくて
二人黙ったまま、キラキラと流れる水を眺めていた。


('A`)(…なんか、元の世界に戻ってきたみたいだ)


空には見慣れた月が浮かんでいて、不意にそう思った。


川 ゚ -゚)「……………ドクオ、   」

('A`)「え?」


と、クーが俺を呼び、何かを呟いた。
けどその声はあまりにか細くて聞き取れない


14 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/09/29(土) 04:29:48.37 ID:lWDbDTos0

(;'A`)「…どうしたの?」

川 - )「…」


しばらくの間、そして今度は、はっきりと口にした。


川 - )「すまなかった…」

('A`)「…?」


…謝られた? なんで?

とかちょっと思ったけどすぐに何に対してのことか気がついた。


(;'A`)「いや、そんな…俺こそごめん…
    自分でもちょっと極端かなーとは思ったんだけど」


…もっとも、そう思ったのはクーから離れた後だったけど…。


('∀`)(まあなんにしても、元のクーに戻ってくれて嬉しいよ!)



15 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/09/29(土) 04:30:34.74 ID:lWDbDTos0
とか言いたい所だけど、なんだか気まずくて、逆に謝る事しかできなかった。
一応、ここへ来るまでの間にハインさんやデレさんと話をして吹っ切れた
ような事は聞いたけど…流石によく知らないのに迂闊な事は言えやしない

…というより、ここは何か巧い事言って励まさなきゃいけないのに。何を言えば良いのかさっぱり分からないよ。


(li'A`)(俺…成長しねえなぁ)

川 ゚ -゚)「お前は…変わったな」


とか思っていると、考えとは正反対の事を言われた。


(;'A`)「え? 俺が?」

川 ゚ -゚)「ああ、すごく、変わったよ…」

(;'A`)「ど…どのように?」

川 ゚ー゚)「ぷっ…」

(;'A`)「……?」

川 ゚ー゚)「今みたいな所だよ」

18 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/09/29(土) 04:31:39.37 ID:lWDbDTos0

今みたいな所…?

ふいに頭の中に渚カヲル君の姿が浮かんだ。


川 ゚ -゚)「ちょっと前までは、なんというのか…自分に閉鎖的というか引き篭もりがちというか…
     すぐに退いて、線をしいて、人の言う事に深く追求するような真似はしなかったろ?」

(li'A`)(ひ…ひきこもりって、そう見られてたのか…)


川 ゚ー゚)「だが、いざと言う時は、がむしゃらに突っ込んでいける…それがお前だった
     ……変わったというよりは、最近はそんな部分がいつも表に出てるのかな」

(;'A`)「そそ、そんないい物じゃないよ…」

川 ー )「そんな良い物だよ、私はそんなお前だから…」


(;'A`)「……」

なんだか褒められている、これはどう答えろというのか、恥ずかしい、嬉しいけど
しかもクーはそこで言葉を止めて黙り込んでしまったではないですか。


(;'A`)(お、お前だから…なんなんだっ…!)


19 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/09/29(土) 04:32:51.54 ID:lWDbDTos0

とか思っておいて何だけど、その先の言葉なんて一つしか無いよね?

(;'A`)(常考…!)


…ここはやはり漢らしく俺から言うべきか?

そうなのか?
そうなんだな?

よ……よし


(;'A`)「く、クー、おr」
川 - )「だから…気付けなかった」

('A`)「……」


あ、あれ…?


川 - )「お前が…あまりにしっかりと立っているから、私はただそれにしがみついて…
     …いや、単に私が何も見ようとしなかった、気付こうともしなかった……それだけなんだろう」

21 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/09/29(土) 04:34:31.48 ID:lWDbDTos0

('A`)「…クー?」

川 - )「私は自分のことばかりで、何も考えてやれなかった」


(;'A`)「そんな…そんなのいいんだよ」

川 - )「お前だって…つらくないわけ……なかったのに…」

(;'A`)「いや、それは…」

(; A )「俺は、ただ、クーが居たから…」

川; - )「…」


「だから…おれは…」


そう、なるべく笑顔で答え…ようとして。
視界が暗闇に包まれた。

23 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/09/29(土) 04:35:19.06 ID:lWDbDTos0

「!!」

川; - )「…っ…」


と、思えば、クーに抱きしめられていた。


「……」


…あたたかい


何を思うよりも先に、そんな考えが浮かんだ
柔らかな感触が頬に触れ、頭の後ろを押さえつける腕が更に俺を沈めていく
すぐ真上からは何度もかすれた声であやまる声が聞こえてきた。

「…」

ああ…こんなにあたたかいのに…何故なんだろう

寒くて、体が………震えが、止まらない

25 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/09/29(土) 04:36:38.88 ID:lWDbDTos0

((; A )) (あ、あ…れ…?)

川 - )「…お前が…おまえだってギコを慕っていた事は、知っていた筈なのに…」

((; A )) (…ち、が)

川 - )「なのに…なのにお前は、そんな素振りさえ見せず、ずっと…」

((; A ))「ちがうよ、俺は、ただ……ただ…」


クーを守らなきゃ、クーの側にいなきゃって
ただ…ただ、そう思って、あの時からずっと………


背負われたまま、ピクリとも動かない、あの人を
おもいだすたびに、悔しくて


川 - )「なのにお前はずっと私の側に居てくれた…」

(; A )「ちがうんだよ…おれは…ずっと…」

川 - )「でも、もう大丈夫、大丈夫だから…」

27 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/09/29(土) 04:39:01.54 ID:lWDbDTos0


しっかりしなきゃいけない、俺は立ってなきゃいけない、前を向いてなきゃいけない
振り向いちゃいけない、    いけない…そう、思って



川 ;ー;)「だからドクオ、もう、そんなに一人で抱えこまなくて…いいんだ」

(; A )「だって……だって…あれは…っ」



そこには、ちょっとした行動一つで、容易く変えられる、二つに分かれた道があった


あの時に。


なんでもない、本当に容易い事で変えられたはずの過去。
もしも、時が戻せたらどれだけ良いだろう、どれだけの人が救われたのだろう、と


29 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/09/29(土) 04:40:37.59 ID:lWDbDTos0

(; A )「ぁ…う…」

川 ;ー;)「辛かった…だろう? ようやく、わかったんだ…」

(; A )「…ちがうよ、俺が、俺があの時…クーを連れ出したりしなきゃ…」

川 ; -;)「…ドクオ…」


もどりたいよ…


(; A )「俺が…っ…あのとき、もっと早く叫んでたら…ちゃんと、説明しておけば…」


どうして戻れないのかな
それさえ不思議に思える…だってこんなにも願っているのに。

ねえ、輝くあしたなんていらないから、たったいま息絶えてもいいから
それくらい、聞いてくれてもいいじゃない神様

…もう、何度…そう願っただろう。
31 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/09/29(土) 04:41:29.19 ID:lWDbDTos0

川 - )「…」
(; A )「ぅ…っ」


クーが、抱きしめる腕に更に力を込めた
埋もれて、息が苦しい、だから…これはきっとそのせいだ

さっきから堪えても堪えても…涙が出てしまう

「そし、たら…ギコさんも…っく…みんな、みんな…助かっ…」

こんなの言ってもしょうがない、考えてもしょうがない
そんなの分かってる、けど、それでも俺は…


( ;A;)「…ごめ、なさ……う…ぇ…」

川 , - )「……っ!」


俺は今でも、弱いままだから。

これで最後にするから。

今だけは………泣いても、いいかな…


32 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/09/29(土) 04:43:12.09 ID:lWDbDTos0


「う…あ、ぁあ…」

「………」








「うああああぁぁああああああぁぁ」











34 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/09/29(土) 04:44:20.66 ID:lWDbDTos0

…………。



選択肢


1、もう大丈夫、と体を離す

2、なんだか…いい匂いがする



>>35
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/09/29(土) 04:44:31.37 ID:IavbQC21O
支援
39 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/09/29(土) 04:47:23.40 ID:lWDbDTos0

ミ,;゚Д゚彡「カオス…!!
>>40でいいですか」

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/09/29(土) 04:48:50.76 ID:IavbQC21O
2
本当に申し訳ないorz

41 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/09/29(土) 04:50:44.21 ID:lWDbDTos0

ミ,,゚Д゚彡「いやいや、安価系じゃないくせにやるこちらが悪いです」

ミ,,゚Д゚彡「……こっちのルートにきちゃいましたか…」

ミ,,-Д-彡「後悔しますよ…ふふふ…」
42 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/09/29(土) 04:51:36.95 ID:lWDbDTos0


………。




「…落ち着いたか?」

「…ぐす……うん」

「…」

「……」


(; A )(……はっ)


どれくらいそうして居たのだろう、俺は散々泣き喚いた挙句
気付けばクーの胸に顔を沈めたまま抱き合い、それも押し倒したような状態になっていた。


(; A )(…う)


頬に感じるそれが、あまりに柔らかすぎて
まずい…どうしよう…妙な気分になってきた…。



43 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/09/29(土) 04:52:49.66 ID:lWDbDTos0

川 ゚ -゚)「…?」


こそこそと頭を動かし、正面から鼻先を深く埋めると
彼女の匂いが脳に直接届いてくるような、そんな錯覚を覚えた


いい匂いがする…。

これが、いわゆる…その、甘い匂いってやつなのだろうか?


そうこう考える間にも気分は高揚して
さっきまで激しく聞こえていた心臓の音が遠く感じ始める。

もっと…触りたい、くっ付きたい。もっとクーが欲しい。
頭の中がそんな考えで一杯になっていく。

川 ゚ー゚)「もう…元気は出たか?」

仰向けの姿勢、俺を見つめたままでクーは言った。

(; A )「うん…」

…むしろ変なところが元気になりました。

45 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/09/29(土) 04:53:49.80 ID:lWDbDTos0

(; A )「…クー…」

川*゚ -゚)「…」


そして彼女の名を呼びつつ、見つめ合い。
お互いの顔が近づくと、彼女は静かに目を閉じた。

それを見て、軽く心臓が跳ね上がるのを感じつつ、ゆっくりと唇を重ねた。


川* - )「ん……」


しばらくそのままでいると、彼女からは苦しそうな息が漏れ
俺は抑えきれず、唇を深く押し当てると、強引に舌を差し込んだ。


川;゚ -゚)「…んむ!?」


すると、クーはビクっと体を震わせ微かな抵抗を示したが
そんな事はお構いなしに口を開かせ、舌を絡める。


川 ////) 「…!! ちょ…ぁむ…ぅ…っ…」
47 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/09/29(土) 04:54:44.53 ID:lWDbDTos0

川 ////) 「ん…んん〜っ…!」


「…ぷぁっ」


一度口を離すと、透明な水が糸を引き、彼女の頬を伝う
見れば、クーはどこか呆けた様子で、息も荒いままに俺を見つめている。


川* - )「はぁ…はぁ……っ」


足りない…もっと味わいたい。

そんな思いに促されるがままに、今度は半開きの口へと直接舌をさしこみ、唇を押し当てる。


気が狂いそうな程に頭の中はまっしろで、何も考えられず
唯一、はっきりと分かるその生温かさと、ざらついた刺激だけを何度も求めつつも…


気付けば、俺は右手をクーの胸へと置いていた。


川; - )「…!」


49 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/09/29(土) 04:56:13.18 ID:lWDbDTos0

ちょうど手に収まるサイズのそれは、先と違ってほどよい弾力性を感じさせ
置いただけでは形は崩れず。やがて沈めた指でゆっくりと押し上げるように揉み上げ

…た所で、クーは俺の腕を弱々しく押し出し、それを拒否した。


川 ////) 「……」

(; A )「……」


けどそれくらいでは最早止まれなかった。
唇は重ねたまま、もう一度手を胸へと置き、今度はすぐに揉み始める


川 ////) 「…んんっ、…だ、め…だ」

川 ////) 「や、め……はんっ、んんっ」


すると今度は俺の腕を掴み、強引に止めさせた。
そこでようやく迷う気持ちが生まれ始めたけど…
手に感じた感触がどうにも忘れられず、しつこく左手で攻め立てる。

51 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/09/29(土) 05:05:55.60 ID:lWDbDTos0


川 ////) 「ぁ…は、ぅぅ……」


と、ついには抵抗をやめ、されるがまま、クーは全身の力を抜いた。
それに気付いた俺はもう止まれず、じっくりと愛撫を続け、彼女の柔らかさを堪能した。


川 ////) 「っ…ふぅ、んっ…あ…ぁ」


そして、気付けば衣服の隙間に手を差し込み
巻くし上げながら素肌に指を沿わせ、乳房の先端へと辿り着く。

川 ////) 「!!」

俺はそれを直接見たくて、唇を離し
そしてもう片腕は下に向けた所で…。








52 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/09/29(土) 05:07:17.44 ID:lWDbDTos0


川;゚ -゚)「っっ!!」

(;'A`)「!」

川;゚ -゚)「ま、まて! やっぱりだめだ!!」


突然、クーは大きく体を震わせ、強く俺を押し出した。


(;'A`)(あ…れ、俺…なにやって……)


そこで今度こそ俺は冷静さを取り戻せた
と、同時にとてつもない自己嫌悪というか罪悪感が襲い来る。


いやいや俺…今…何をした?

何をしていた?


(li'A`)(うおおおおおおおおおおおおおいなにしてんだああああああああああああああああ!!???)


/(li'A`)\(あああああああああああああああああああああ!!!!)

55 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/09/29(土) 05:08:30.38 ID:lWDbDTos0

内心絶叫をあげつつ、見ればクーは乱れた衣服を整え、俯いたまま黙り込んでいる
俺は取り返しのつかない事をしでかしたのでは、と再び涙目になりつつ
そのまま二人、未だ荒い呼吸のまま沈黙は続くが。

(li'A`)(ここ、このままではいかんですよ!マジで)

そう、土下座でもなんでもして、ひとまず謝ろう
それが大事なんじゃないかと思うとです

(;'A`)「ぁ…と、クー…」

川; - )「…」

(;'A`)「その、ご」

川; - )「…こ、ここじゃ、駄目だ、嫌だ…」
('A`)「め…っ!」

(;'A`)「え、えー…n」


川;゚ -゚)「ど、どうした?」

(;'A`)「うへぁ!? い、いえ!!」

川;゚ -゚)「その、だからな? するなら…どっか、ちゃんと室内で…」

(;'A`)「!?」
59 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/09/29(土) 05:10:24.82 ID:lWDbDTos0




…………。



正午、学校の校庭を思い出させるような
森を切り開いて造られた広大な訓練場に向かうと
そこには先日の人達が居た。

彼らは僕の姿を見つけると会話を止め、こちらへ向きなおす。

 _、_
( ,_ノ` )「…来たか」

(li^ω^)「…きたお……」

(li^ω^)「…はぁ…」

<_プд゚)フ「ん…?」


しかし、先程ちと衝撃的な事件があった為、僕はひたすらにテンションが低い
そんな様子に、彼等は拍子抜けした風でなにやら色々話しかけてきた。
 _、_
( ,_ノ` )「…ぁ? なんだ、覇気がねぇな」


60 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/09/29(土) 05:12:36.89 ID:lWDbDTos0

<_プー゚)フ「びびってる…って訳でもなさそうね、なに凹んでるん?」

兵1「なんかあったか?」

(li^ω^)「いや…」
 _、_
( ,_ノ` )「なんだ、しけた面しやがって…悩み事か?」

兵2「悩み!?なんだなんだ!話してみろよ!」

<_プー゚)フ「悩みは話して解消するもんだぜ!」

(li^ω^)「え、でも…」

兵3「言っちゃえよ、ほら」

(li^ω^)「じ、じゃあ…」

<_プー゚)フ「wktk!」

と、つい勢いに負けて先の出来事を話そうとするが
脳内に響いた声がそれを止めた。

(;^^ω)(アホか! 流されるんじゃないホマ!)

(;^ω^)(そ、そうだったお!)


61 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/09/29(土) 05:13:34.87 ID:lWDbDTos0

<_プー゚)フ「んー? どしたの、早く悩みとやらを詳しく早く!」

(;^ω^)「いやいや! それより戦えとか言う話はどうなったんだお!」


<_プー゚)フ「ああ、それなら…」
 _、_
( ,_ノ` )「まだ観客が集まってねぇからな、始められん」

<_プー゚)フ「だからもうしばらくは暇なんだよね」

(;^ω^)「か、かんきゃく? それはどういう…?」


<_プー゚)フ「とーぜんっしょ、せっかくの見世物だし
       誰も見てないとこでやりあったって、何の得にもなりゃーしないっ」


( ^ω^)「…はい?」

<_プー゚)フ「…ふっ、ふふふっ…どうやらいい感じに気負ってくれてたみたいだね」

(;^ω^)「どういう意味だお…?」

<_プー゚)フ「あんなー?」

64 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/09/29(土) 05:14:21.68 ID:lWDbDTos0


………。

何でも、これは見知らぬ輩が管理者となったことで起きている反感を沈めるため
僕と言う存在を他の全兵達に知らしめ、馴染ませようと言うデモンストレーションというか…


要するにお祭りのような物で、それもこの話を持ち出したのは…


(;^ω^)「ペニサスさんが…?」

<_プー゚)フ「そそ、太陽さんを兵の一人として、ちゃんと迎え入れたいってね」


と、そういう話らしい。


<_プー゚)フ「出店とかも必要かなーとは思ったんだけどねぇ」

兵1「大将に駄目だとか言われちゃったからな…」

(;^ω^)「で、でも…昨日は!? なんか、かなりマジな様子だったのに…」

<_フ/ー//)フ「その方が…喜ぶかと思って…」

(; ω )(誰が!?)

66 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/09/29(土) 05:15:17.18 ID:lWDbDTos0

兵3「あとは雰囲気作りかな?」

<_プー゚)フ「そうそう! なんか悪役っぽかったよな俺等wwww」

(li^ω^)「……」

なんだろう、弄ばれた気分…。

けどまあ、何にせよ、どうやら僕は彼等に敵意を持たれていて、殺し合おうZE!
みたいな物騒な話では無いようだ。

( ^ω^)(よかったお…)

と、安堵するのも束の間。

 _、_
( ,_ノ` )「言っておくが…勘違いすんなよ、戦うってのはマジだぞ」

(;^ω^)「え…」

<_プー゚)フ「うん…本当はさ、適当に流す感じの演習みたいな話だったんだけどね
       旦那がどうしても直接ガチで戦ってみたいって言うから」

 _、_
( ,_ノ` )「そういう事だ、やるからには本気でやってもらうぞ…いいな?」

71 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/09/29(土) 05:17:01.69 ID:lWDbDTos0

男はそう言うと、今度は楽しみだとでも言わんばかりに微笑んだ
そして周りの人たちも合わせるように笑いながら僕を見ている。

(  ω )「…!」

( ^^ω)(…そうだな…俺抜きで、思いきりやってみろ)

今の僕の考えを見透かし、瀬川が言った。

これは相手を殺すためじゃない、自分の強さを試す戦い。
気付けばそれを嬉しく感じて…

( ^ω^)「…わかったお!」

強く、返事をした。


<_プー゚)フ「……で、悩みってなんなん?」

(;^ω^)「…まだ引っ張るのかお」

<_プー゚)フ「だから暇なんだってば、ほらユー言っちゃいなよ」

(;^ω^)「…その、実は…友達が大人の階段を昇り終えた
      その朝を目撃してしまったというか…」

75 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/09/29(土) 05:20:44.26 ID:lWDbDTos0

<_プー゚)フ「…だいたいわかった」

(;^ω^)「僕はどうしたらいいんだお…きまずいんだお」

<_プー゚)フ「よし、なら…」


………。



 _、_
( ,_ノ` )「準備はいいか?」


促されるまま、木刀を両手で握り、前傾姿勢で構えを取る。
対する男は、背筋を伸ばし、片手で握った木刀を腰あたりから真っ直ぐに向けた。

僕はそんな問いには答えず、お互いに得物を構えたまま、しばし緊迫した時間が流れる。

周囲には人が立ち並び、まるで壁の様
その中には見知った顔もいくつか見えた。


76 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/09/29(土) 05:22:11.52 ID:lWDbDTos0


俺も混ぜろとでも言いたげな人。

とにかく楽しそうだと目を輝かせる子。

何を考えているのか分からない友人。

最早見慣れてしまった、寄り添う二人。

静かに見守る老人。

この場に似つかわしくない衣装を纏う双子。

そんな二人を護るように佇む人。

自然と目が順々に追っていき

そして、祈るようにこちらを見る子と、その彼女が抱えている剣に目が行った。
これはつい先程、徐々に人が集まり始め、一度みんなの所に戻った時の事。



……。



78 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/09/29(土) 05:24:21.86 ID:lWDbDTos0

(なんだ、じゃあショボはこれがイベントみたいな物だって知ってたのかお…?)


(´・ω・`)(うん、と言っても昨日のあの後だけどね、ペニサスさんから聞いたんだ)

(…むぅ)

(;'A`)(えーと…ブーン、気をつけてな)

(お!? あ、うん…)

川;゚ -゚)(……)

どうにも朝の一件から、ドクオとクーさんに会うと少し気まずい

でも、だって…ねぇ? あんな物見せられちゃ…
いや詳しくはとてもじゃないけど僕の口からは言えないけども

…いや、そうだ、こんなときはさっきエクストさんから受けた助言を…!

(…お、お赤飯でも炊くかお?)

(;'A`)(や、やめてくれってば!)

(´・ω・`)(ぷっ…)

よし、少し空気が和んだ気がするぞ…。

80 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/09/29(土) 05:25:18.36 ID:lWDbDTos0

ζ(゚Δ゚;ζ(あ、あの!)

(!?)

ζ(゚‐゚;ζ(な、なんでこんな事に!? 私いまさっき知りましたよ!)

(えーと…成り行きで、かお?)

ζ(゚‐゚;ζ(危ないですよぉ…こんなの…)

 _,
( ゚∀゚)(だよなぁ…こんな面白そうな事、羨ましい、俺と代われっての)


ζ(゚Δ゚;ζ(面白くないよ!そんなのお兄ちゃんだk)
从*゚∀从(やー、なんかこういう空気ってドキドキするぜ、たまらないNE!)


ζ(゚‐゚;ζ(わぁー…すごく楽しそうー…)
 _,
( ゚∀゚)(つーかよ、管理者だからって理由で戦うんなら俺でもいいんじゃねーの?)
82 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/09/29(土) 05:26:28.35 ID:lWDbDTos0


(それでは! これより管理者歓迎バトルロイヤルを開始します!!)


と、辺り一面に声が響くと、それを追って大歓声が巻き起こる
そんな様子に誰もが興奮した面持ちで盛り上がりを見せた。

…ていうかちょっと待て、なんだバトルロイヤルって…


(我こそはと思う者は名乗りでなさい!以上!!)


((ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!))


…あれ?なんか話ちがくね?


从*゚∀从(がんばれよ内藤! 負けんなよ!)

(お?お? が、がんばるお!)


見れば、人だかりの中心には既に一人、あの人が佇んでいた
ああ…なんだかよく分からないけど、もうやるしかないんだろう


83 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/09/29(土) 05:27:22.86 ID:lWDbDTos0

/ ,' 3 (こんな事なら…お主にも何か技を用意させておくべきじゃったかのう)

(あ、それなら大丈夫!もうあるお!)

/ ,' 3 (なんと…! やりおるわ!)

ζ(>‐<;ζ(みんなおかしいんです!)


その通り、みんなこの場の熱気にやられているのだろう
僕も、自分で戸惑うくらい胸が熱いから、わかる。

(…じゃ!行ってくるお!!)

ζ(゚Δ゚;ζ(え!? ちょ、ブーン様! 剣を忘れてますよ!!)


向かうべく、走り出した僕を引き止めた彼女は
咄嗟に駆け寄り、金色の柄が輝く剣を差し出した。

けど…。

85 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/09/29(土) 05:28:30.80 ID:lWDbDTos0

(…それは、ちょっと預かっててくれお)

ζ(゚‐゚;ζ(…へ?)


(僕は…今の自分がどうなのか、それを試したいんだお
きっとあの人もそのつもりで言ったはずだから…)

ζ(゚Δ゚;ζ(         !??!?)

(んじゃ…今度こそ、行ってくるお!!)



……。



( ^ω^)「…いいお!」

みんなが見てる、無様な真似は見せられない
目の前に対峙する人間に向け、僕は強く答えた。


86 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/09/29(土) 05:29:36.98 ID:lWDbDTos0

 _、_
( ,_ノ` )「…よぉし、んじゃ」


一歩、距離が詰まる。

今は心の中で何を考えても、返答は無い
それが凄く不安で、けど胸は異常なほど熱を持つ。

 _、_
( ,_ノ` )「行くぞ!!」
( `ω´)「いくお!!」


お互いに叫び、駆け出す。

同時に、全ての音が歓声にかき消された。

 _、_
( ,_ノ` )「むん!!」

( `ω´)「っ!!」

斬り合い一合目、縦と横、二つの線が中間で衝突し、耳と手に大きな痺れが走る。
更にそれは弾き合う事無く停止すると、その場でお互いに押し合いを始めた。

89 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/09/29(土) 05:31:10.65 ID:lWDbDTos0

そんな様に自分の心が騒ぐのを抑えきれない。

やはり動く、神具無しでも戦える。

僕にどこまでやれるのか、それを今こそ試したい
そして今、それを認めてくれるかもしれない場に居る
だから僕は全力で…

 _、_
( ,_ノ` )「…っ…おい」

(;`ω´)「…く……?」


と、そう思う僕に目の前の人は、押し合う力を緩めぬまま
一つの問いかけをした。
 _、_
( ,_ノ` )「そういえば、聞いてなかったな」

(;`ω´)「な、何をだお…!」
 _、_
( ,_ノ` )「てめぇは、何で戦ってんだ?」

(;`ω´)「…それは…っ」


90 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/09/29(土) 05:32:21.70 ID:lWDbDTos0

 _、_
( ,_ノ` )「っとぉ…!」

僕は、まるでそんな言葉から逃げるように
相手の振りに合わせ、大きく後ろへ飛ぶ

一度距離が開くも、すぐさま男は僕へ向けて駆け出した。

次いで数度の打ち合い、烈音がかち鳴らされ
凄まじい痺れが腕を伝い、全身に響く。

 _、_
( ,_ノ` )「らぁ!!」

(;`ω´)「…おお!!」

早い、全てが速い。
目で追って、それから反応していては間に合わない

…神具の恩恵と言う物の大きさをあらためて感じる。

ガラティンを握っていた時は全てがゆっくりに見えていた
思えばあれは、全ての瞬間を視ていたんだ…だから、相手の動きの一点だけを見て
振られた物を確認して、それから体を反応させても充分だった。


91 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/09/29(土) 05:33:27.13 ID:lWDbDTos0

けど今は違う、それじゃ追いつけない、どうしても後手に回ってしまう。
全体を見なきゃいけない。突き出す足、蹴り出す足、胴の伸び、腕の捻り
そこから分かるのは相手の剣線、それを…

 _、_
( ,_ノ` )「!!」

(;`ω´)(…っっっ!! …見えた!)


男が振り上げ、降ろした木刀が空を斬った。
ギリギリ避けたつもりだったが。微かに触れていたのか、肩のあたりに激痛が走る。

( `ω´)「おおお!!!」

それでもお構い無しに懐に潜り込み、がら空きの胴体へ向け真横から振り抜く、が。

( ゚ω゚)「ぐえっ」
 _、_
( ,_ノ` )「ちぃっ!」

男は崩れた姿勢のまま、転ぶように前方へ飛び、僕は体当たり的な物を喰らった
どうやら懐に潜り込んだのはいいが、近づきすぎたようだ。

94 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/09/29(土) 05:35:56.11 ID:lWDbDTos0

(; ω )「げほっ…」

そのまま吹き飛ばされるように後方へ転倒し
数度、地を転がり、すぐさま立ち上がると、思わず息が詰まる
突然の衝撃で、思わず呼吸もままならなかった。

 _、_
( ,_ノ` )「…」

だが見れば対する男も、片腕が痛むような素振りを見せている
…どうやら当たってはくれたようだ。

 _、_
( ,_ノ` )「驚いた、まさか神具無しでここまでたぁな…」

(;`ω´)「…まだまだ、だお」

 _、_
( ,_ノ` )「で、さっきの質問の答えは?」

(;`ω´)「……」

何故戦うのか。僕は未だ見えぬその答えを必死で探し。
どうにかこうにか答えた。

(;`ω´)「それを…見つける為に…」
97 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/09/29(土) 05:37:49.01 ID:lWDbDTos0

 _、_
( ,_ノ` )「そうか、分かってねぇんだな…
     てーかあれだろ? 状況に流されてる内に〜だろ?」

…言い当てられた。


(;`ω´)「悪いかお」
 _、_
( ,_ノ` )「いーや、聞いてみただけだ…
     ほれ、なんか大層なもんでもあんのかと思ってな」

(;`ω´)「…それだけ…かお?」
 _、_
( ,_ノ` )「ん、なんだ?」

…予想外の返答だった、どうせそれについて色々言われるだろうと
何も考えていない子供だと言って、否定されると思ったのに。

( `ω´)「…そういうあなたは、どうなんだお?」
 _、_
( ,_ノ` )「俺か? 俺は好きだからだよ」

だからつい聞いてみたくなって、問う
すると、すぐさま軽い返答が来た。

120 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/09/29(土) 09:17:32.02 ID:lWDbDTos0

(;^ω^)「……へ?」
 _、_
( ,_ノ` )「こうして強い奴と一瞬を凌ぎ合う…最高だとおもわねぇか?」

(;^ω^)「それだけ……かお?」
 _、_
( ,_ノ` )「ああ、それだけだ、つーかなんだ、何が言いてぇんだ?」

(;`ω´)「そんな理由だけで…戦っていいのかお?」
 _、_
( ,_ノ` )「…あぁ? 意味わからんぞおい」

(;`ω´)「……前に、言われたんだお、何の覚悟も持っていない僕は
       戦う資格なんか無いって…だから、」

 _、_
( ,_ノ` )「そうか、まあそういう芯を持ってるやつも居るだろうな」

(;^ω^)「な、だから何でそんなに軽いんだお!?」
 _、_
( ,_ノ` )「……なんつーか、あれだな」


121 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/09/29(土) 09:18:38.29 ID:lWDbDTos0

(;^ω^)「…お?」
 _、_
( ,_ノ` )「人の言う事がてめえの全てか…? やっぱガキだな」

(;`ω´)「…ち…違うお!!」
 _、_
( ,_ノ` )「何が違う?」

また…言われてしまった。
自分でもそう思うから、だから変わろうと思ったのに
その為に僕なりに考えた事や、決めた事…色々あった筈なのに…

(;`ω´)「僕にだって…背負ってるものくらいあるんだお!!」
 _、_
( ,_ノ` )「そうか、じゃあ言ってみろ」

(;`ω´)「そ、それは……」
 _、_
( ,_ノ` )「…言えねぇか、なら質問を変えてやる」

(;`ω´)「…」
 _、_
( ,_ノ` )「てめえは、正義ってのが何か知ってるか?」

何って…そりゃあ…

(;`ω´)「…みんなそれぞれ違う、本人が正しいと思える事、かお?」

122 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/09/29(土) 09:19:30.17 ID:lWDbDTos0
 _、_
( ,_ノ` )「はっ…なんだそのマニュアルみてぇな答えは?」

(;`ω´)「…違うって言いたいのかお」
 _、_
( ,_ノ` )「ああ、そうだ」

( `ω´)「じゃあ…なんだお」
 _、_
( ,_ノ` )「なんだ、また人に聞いて物を決めるのか?」

(  ω )「…っっ」
 _、_
( ,_ノ` )「ふっ…まあいいさ」
 _、_
( ,_ノ` )「いいか、正義ってのはな…人に何を言われても決して曲がらず
     何度問われても崩れない、そんな意志の事だ」

(; ω )「問われても、崩れない…?」
 _、_
( ,_ノ` )「そうだ、てめぇにはそれがあるか?」


…ない。

そんな物は無い、流石にそれくらいは分かる
だって…僕が決めたのは、例え死ぬ事になっても
誰かを助けたい…救いたいって、そう願った事だから


123 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/09/29(土) 09:20:36.61 ID:lWDbDTos0

…そうだ、分かった気がする。
何も答えられなかったその理由が…

僕の正義は、自己犠牲っていう。正儀だった。

だから…死んでもいいかと問われて、【はい】なんて、言えない…
言えるわけ…ないじゃないか。


(li ω )「…」
 _、_
( ,_ノ` )「それも答えられねーか…」

そうだ、死にたくない
だから、つい、口に吐いた。


(li ω )「……僕は、死にたく、ないお…」
 _、_
( ,_ノ` )「ぁ? そんなん当たり前だろう」

(li ω )「でも、その覚悟も無いのに戦うなんて…」
 _、_
( ,_ノ` )「なんじゃそりゃ…そんなんより死なない覚悟でもしとけ
     その方が余程いいってもんだ」


124 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/09/29(土) 09:23:48.02 ID:lWDbDTos0

あくまでも、この人は僕の言う事を否定する
…けれど、何故だろう…嫌な気がしない。

既に僕は反論ではなく、答えを求めるように言葉を吐いていた。

(;`ω´)「だって…そんな奇麗事じゃ駄目なんだお!
       現実はそんな、簡単にどうこうできるほど甘いもんじゃ…」

 _、_
( ,_ノ` )「かぁーっ!うぜえ! なんだそりゃ!?誰の受け売りだ!?
     てめぇが何を抱えててそんな事ほざいてんのかは知らねえ!だが聞け!」

(; ω )「…」

 _、_
( ,_ノ` )「いいか、ガキのくせに変に悟った様な事考えるんじゃねえよ
    夢を見るのが子供の特権だってのに、理想に生きないでどうすんだ!
    ガキはガキらしく、もっと馬鹿みたいな事言ってろ!」


(; ω )「…理想に、生きて…いいのか、お?」

 _、_
( ,_ノ` )「そうだよ、大体てめえはどうしたいんだ?
     まずはお前がどうしたい? それがなきゃ何も始まらねえ」


125 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/09/29(土) 09:25:34.21 ID:lWDbDTos0

(  ω )「僕は…僕も生きて…そして、せめて側に居る人だけでも守れたら…」


せめて自分にできる事を。そう思って言った言葉。
けれど、それさえ否定するように、僕の前に立つ人は言う。

 _、_
( ,_ノ` )「ちぃせえんだよ、男なら…」


いつの間にか、すぐ目の前にその人は居た。
そして大きく木刀を振りかぶり、それを見るなり、慌てて得物を上に構えた。

 _、_
( ,_ノ` )「もっとでけえ事言えねぇのか!?」

(li゚ω゚)「んがっ!?」

激しく打ち鳴らされる木の音。
ただ掲げただけの状態に打ち下ろされた衝撃はそれはもう凄まじく
しばらく視界が反転しかける程だった。


(;`ω´)「っぅ……ぼ、僕は!!」



126 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/09/29(土) 09:28:04.60 ID:lWDbDTos0

けど負けじと持ち返す
自分が、ここから立ち上がる為に。

やっぱり、僕は単純だ。

人の言葉にすぐに左右されてしまう…
だけど、それでも今度こそは正しいって思えるから、


理想を叫び、僕は駆けた。




……。




128 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/09/29(土) 09:39:35.25 ID:lWDbDTos0




今日…この日より続いた数日間は本当に楽しくて…楽しくて、嬉しかった。



「居たか!?」

「いや…こっちじゃないのか?」

「絶対に国外へ出すな!早急に見つけ出し、殺せ!」


だから、裏切り者と呼ばれても、どんな扱いを受けようと
僕は彼等とは戦いたくなくて、ただ…逃げる事しかできなかった。


「太陽の剣だけは、どうあっても奴等から取り返せ!!」



131 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/09/29(土) 09:41:57.30 ID:lWDbDTos0









           【次回予告】キミノコーエキーイータキガーシテー










132 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/09/29(土) 09:42:55.02 ID:lWDbDTos0

ミ,,゚Д゚彡「予告ゲストが欲しいらしいです
>>133

133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/09/29(土) 09:44:02.83 ID:HA6lobTx0
( ФωФ)
135 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/09/29(土) 09:59:40.21 ID:lWDbDTos0

ミ,,゚Д゚彡『なんだか展開速いねきがくるっとる次回のお話は!』

ミ,,゚Д゚彡『戦いの後、次第に馴染んでいくブーン達であったg』
( ФωФ)『これ、そこのフサ毛』

ミ,;゚Д゚彡『え…なんですか?』
( ФωФ)『ここは予告スペースなのであろう?
     ならばはようせい、予告とやらをしてみせよ』

ミ,;゚Д゚彡『今やってたのに!!』


( ・∀・)「…そうだ!面白い事思いついたー!」


( ФωФ)『む…? 彼奴は…』
ミ,,゚Д゚彡『?』

( ФωФ)『まあよい、ときにフサ毛よ、我がペットとなるつもりはないか?』
ミ,,゚Д゚彡『ないです』

(*ФωФ)『フハハ、そう照れるな!』
ミ,;゚Д゚彡『話を聞けぇ!』

( ФωФ)『次回! 異世界でもう一度 第21会 「祝い日、呪い人」 』

ミ,,゚Д゚彡『読んでくれなきゃ泣いちゃうぜ!』
                              つづく、、、I

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