2 名前: :2007/01/22(月) 19:05:49.38 ID:uzg5wPEr0



「……っ…来た…!」

「お! 成功したのか!?」


「…?」


「どうした?」


「何だか…変……何これ…」

「おいおい、大丈夫かよ…どうなんだ、じいさん」

「…まあ最初は違和感があるもんじゃ…そのうち慣れるじゃろ」

「ふーん…じゃあ平気なんだな?」


3 名前: :2007/01/22(月) 19:06:12.57 ID:uzg5wPEr0




「…ちょっと待って…違う…これは…」


「どうしたんじゃ?」





「え………三人?」







4 名前: :2007/01/22(月) 19:06:40.03 ID:uzg5wPEr0


【第二会 「亡国の姫」】




体が光に包まれていく


見れば指先から四散し…消えていく


(;´ω`)(もう…駄目だお…)


やがて頭まで覆われると


眩しくて、思わず目を閉じた



何も…



…見えない…………



5 名前: :2007/01/22(月) 19:07:00.73 ID:uzg5wPEr0


………………僕……は……



…………………………………………



「いい加減目を開けなよ」


……?

この声は…ショボだ


(;´ω`)「………うう」

(;^ω^)「…お?」

トンネルを抜けるとそこは!?

(;^ω^)「…どこだお?」

気付けば、僕は見知らぬ場所でしゃがみこんでいる

(;^ω^)(何が…どうなってるんだお?)


6 名前: :2007/01/22(月) 19:07:41.30 ID:uzg5wPEr0



「分からないかい?」



声、そして…黒い影が僕の視界を遮る

(*´・ω・`) 「異世界さ、ドクオが言ってたのは本当だったんだよ!」

ショボだった…彼は目を輝かせ、意気揚々と語る

( ´ω`)「異世界て…」

…周囲は暗い、いつの間にか夜になったのか
見れば辺りは森が広がる山の中

(;´ω`)「…そんな馬鹿な」

でも確かに川原に居た筈の自分がこんな所に居る事といい変な光といい
…そしてこの妙な違和感といい…ここは違う世界…なのか?

(;´ω`)「…マジかお」

(*´・ω・`)「凄い…こんな場所見た事ないぞ」

( ´ω`)(ていうか)

7 名前: :2007/01/22(月) 19:08:18.96 ID:uzg5wPEr0

(*´・ω・`)「ん…これは…なるほど…植物とかは僕等の世界と変わらないんだね」

( ´ω`)「…ショボ…何か、喜んでないかお?」

(*´・ω・`)「何を言ってるんだ! 当たり前じゃないか!」

(;^ω^)「お…」

(*´・ω・`)「異世界だよ!? 異世界!! 誰もが憧れる異世界なんだよ!?」

(;^ω^)「ちょ、ショボ…少し落ち着k」

(*´・ω・`)「あ、月が見える…星も? …って事は世界自体は変わらないのかな?
       正しく『異』世界って事か、いや並行世界ってやつなのかな」

(;´ω`)(何でそんな普通なんだお…)

いや、あんなハイテンションを普通とは言えないが…

何ていうのか

順応性ありすぎ

うん、この表現がしっくりくる


8 名前: :2007/01/22(月) 19:09:05.02 ID:uzg5wPEr0

(;´ω`)「うう…」

(;´・ω・`) 「それにしてもブーン…何だか元気ないね?」

( ´ω`)「だってここ…なんか変じゃないかお?」

(´・ω・`) 「変?」

ショボは周囲を見通し首をかしげた

(´・ω・`) 「………いや? 特に変な所は見当たらないけど」

( ´ω`)「そうかお…?」

(´・ω・`) 「あ…もしかして具合悪いとか?」

( ´ω`)「うーん…確かにちょっと寒気はするお…でもそういうのじゃなくて」

(´・ω・`) 「本当に大丈夫? 何がどう変なの?」

(;´ω`)「なんていうか…えーと」


9 名前: :2007/01/22(月) 19:10:19.22 ID:uzg5wPEr0

僕は、この何とも言い難い感覚を説明するべく言葉を捜す

…そうだ…これは

( ´ω`)「その…そこら中に何かが居るような気が…」

(;´・ω・`)「……え?」

ショボの表情が一瞬、凍りつく

( ´ω`)「ずっと何かの気配がしてて…ちょっと体が重い様な…」


(;´・ω・`)「………」


(;´ω`)「って…何でそんなに距離を置くんだお」


(;´・ω・`)「いやだって…ブーン、もしかして君…何かにとり憑かれてるんじゃ…」


10 名前: :2007/01/22(月) 19:10:56.09 ID:uzg5wPEr0


(;´ω`)「ちょ、そんな変な事言わないでくれお!」


(;´・ω・`)「言い出したのは君だろ?」

じりじりと牽制しあう二人

(メ'A`)「…何やってんだ二人とも」

その中心にドクオが割り込む

(;´ω`)「いやだってショボが…」
(;´・ω・`) 「いやだってブーンが変な事言い出すから…」

(メ'A`)「…変な事って?」

( ´ω`)「…それが」



…………。



(メ'A`)「…変な感覚?」


11 名前: :2007/01/22(月) 19:11:41.84 ID:uzg5wPEr0

(´・ω・`) 「ドクオは前も来たんだよね? 何か分からない?」

(メ'A`)「いや、俺はそういうのは無かったし……ごめん、分からないや」

(´・ω・`) 「そっか…」

(メ'A`)「ショボンは平気なんだよね?」

(´・ω・`) 「うん、僕はぜんぜん平気、調子はすこぶる良いよ」


(;´ω`)「じゃあ…僕がおかしいのかお? 一体、僕はどうなっちゃうんだお…」

(メ'A`)「うーん…何だろうな、別に変な生き物が居るとか、変な病気があるとか
    そういうのは無いはずなんだけど」

(´・ω・`) 「でもまあ、分からないんじゃしょうがないよ
       それより…探し物は見つかった?」


Σ(;´ω`)(スルーかお!?)


12 名前: :2007/01/22(月) 19:12:38.77 ID:uzg5wPEr0

(メ'A`)「いや…何も分からなかった
    やっぱりとにかく山を下りてみるしかないかもしれない」

(´・ω・`) 「そう…あ、じゃあ前の時はどうだったの?」


(メ'A`)「…あの時は、すぐに迎えが来たから」

( ´ω`)「…何の話だお?」

(´・ω・`) 「うん、ここに来たのはいいけどさ、まず僕等には行く当てが無い
       だからと言ってここに居てもしょうがない…って事で…
       ドクオがさっきまでこの辺りを見に行ってくれてたんだ」

( ´ω`)(ああ、それでさっきまで姿が見えなかったのかお…)



13 名前: :2007/01/22(月) 19:13:24.73 ID:uzg5wPEr0

(´・ω・`) 「それで、迎えって言うと…?」

(メ'A`)「うん、兵士……みたいな三人組がすぐに来てさ
    俺をVIPっていう国まで連れて行ってくれたんだ」

(´・ω・`) 「…VIPか……そういえば名前は僕等の住んでた所と同じなんだね」

( ´ω`)「んで、その迎えは今回は来てくれないのかお?」

(メ'A`)「……」

(´・ω・`) 「ブーン…君はドクオの話を聞いたんじゃ無かったの?」

( ´ω`)「え?」

えーと…あんまり憶えてないんだけど…確か………

『その国が滅び、そこで知り合った人々も皆殺されてしまった』

(;´ω`)「あっ……………」

(´・ω・`) 「思い出した?」


14 名前: :2007/01/22(月) 19:16:19.05 ID:uzg5wPEr0

( ´ω`)「…ごめんだお、ドクオ…実はあの時は話半分に聞いてたから…その」

(メ'A`)「…まあ普通に考えてさ、あの場であれを理解しろってほうが
    無理があったからしょうがないよ」

( ´ω`)「できれば…また話してくれるかお?」

(メ'∀`)「ああ、もちろん…」

(メ'A`)「でも今は先を急ごう…」

( ´ω`)「お、…じゃあ山を下りるのかお?」

その問いに静かに頷くドクオ、だがそこへショボが口を挟んだ

(´・ω・`) 「いや、今は止めておこう」

(メ'A`)「どうしてだ?」

(´・ω・`) 「こんな暗い中で…山道を行くなんてのは危険すぎるよ
       迷うばかりか、転んで怪我するのがオチさ」


15 名前: :2007/01/22(月) 19:17:15.27 ID:uzg5wPEr0

(;´ω`)「…? ならどうするんだお?」

(メ'A`)「…明るくなるまで待てって事か?」

(´・ω・`) 「うんそう、幸いそれほど寒くもないし…
       それに月があの位置にあるなら夜明けも近いだろうし」

(メ'A`)「…っ……分かった」

( ´ω`)「……」

何だか…悔しそうだ

異世界、ね…まさか本当だとは…

というか本当なのかな? どうも未だに現実感がしない

大体なんでショボは…

( ´ω`)「そういえばショボ」

その疑問は、気付けば声に出ていた


16 名前: :2007/01/22(月) 19:17:51.48 ID:uzg5wPEr0


(´・ω・`) 「ん、何だい?」

( ´ω`)「ショボは何だか学校で話を聞いた時から信じてたみたいだけど…
       知ってたのかお? その異世界ってのがある事を」

(´・ω・`) 「いいや? 知ってる訳ないだろ」

(;´ω`)「ならどうして…」


(´・ω・`) 「…ドクオがそう言ったんだから、それを信じただけさ」


(メ'A`)「…」

(;´ω`)「!!」

18 名前: :2007/01/22(月) 19:18:25.20 ID:uzg5wPEr0

ショックだった

簡単な話だ…ショボは別に異世界がどうとか、そんな事は関係なくて
本当にドクオの事を信じていた、ただそれだけ

だからこうまですぐにこの状況を受け入れているんだ

…なのに僕は何だろう
親友だ、なんて調子のいい事を言っておいて
まるでドクオの言う事を信じようとせず……変人扱いしていた

(; ω )(…僕は……口だけの…偽善者……だお…)


…体が重い…



19 名前: :2007/01/22(月) 19:19:13.87 ID:uzg5wPEr0


(´・ω・`) 「……何だか、良い風だね」

ショボがそっと呟いた

(;´ω`)「お?」

顔を上げると、確かに心地よい柔らかな風が頬を撫でる
…何故か、勇気付けられた気がした

( ´ω`)(そうだお…もう一度、聞くお…)

( ´ω`)「ドクオ、時間もあるみたいだし…聞かせてくれないかお?」

(メ'A`)「…ああ、そうだな…どこから話そうか……」



……………。





20 名前: :2007/01/22(月) 19:22:15.26 ID:uzg5wPEr0




話を聞き始めてどれだけ経ったのだろう

空は少しずつ青を帯び

明るさを取り戻していく


(メ 'A` )「それでどうにか助け出したはいいんだけど…」




ん?




21 名前: :2007/01/22(月) 19:24:22.08 ID:uzg5wPEr0



あれれ?



(メ'A `)「 その 国王と …クーが で」



(´・ ω・ `)「つまり   ひめさ    だね」




おかしいな…



22 名前: :2007/01/22(月) 19:24:56.98 ID:uzg5wPEr0



(;' A`)「 て・ ・・ぶ ん?」



(;´ ・ω ・`)「ちょ !  どうし  た  !?」の



二人の顔が歪んでる…は、ははは…変なの



(;' A  `  )「     !!」

(;´・  ω ・ ` )「    !!!」



何言ってるのか…全然、わかんな…



23 名前: :2007/01/22(月) 19:26:39.51 ID:uzg5wPEr0


(;´ω`)「あうあうあう…」

(;'A`)「おいブーン!?どうしたんだよ!」

(;´・ω・`)「これは…ちょっとやばいんじゃないの?」


(;´ω`)「何か…体中が…重い……お…」

(;'A`)「ブーン!」

(;´ω`)「あうあう……」

(;´・ω・`)「聴こえてないみたいだよ!」

(;'A`)「…っ…どうなってるんだ!?」


25 名前: :2007/01/22(月) 19:32:13.07 ID:uzg5wPEr0

…二人が、僕に何か必死に伝えようとしてる…

でも、何だか全部歪んでて…さっぱり…わからな




(;´・ω・`)「どんどん顔色が悪くなってる…」

(;'A`)「くそっ…!おい! しっかりしろ、ブーン!!」


……?


(;´・ω・`)「…え……誰だ!?」


…………あれ?誰か…居る?




26 名前: :2007/01/22(月) 19:33:33.22 ID:uzg5wPEr0

(;゚∀゚)「お困りかい? …ってお前は…」

(;'A`)「…! あ、あなたは…」


(;゚∀゚)「何でお前がここに居るんだ!? ちゃんと接続解除されたはずじゃ!?」

(;'A`)「え!? いえその…」

( ゚∀゚)「……ん? 三人居るな…そうか」

(;'A`)「…え?」

( ゚∀゚)「なるほど…また来たのかお前」

(メ'A`)「……はい」


(;´・ω・`)「ドクオ、知ってる人なの?」

(メ'A`)「う、うん…この人が」

( ゚∀゚)「んんー、まあ話は後だ…まずこいつをどうにかしてやらんと」


27 名前: :2007/01/22(月) 19:34:26.75 ID:uzg5wPEr0

(;´・ω・`)「あの…分かるんですか?」

( ゚∀゚)「もち、こいつで一発よ!」

(;´・ω・`)「え、ええ!? ハンマー!? 何する気ですか!」

(;'A`)「まさか…」

( ゚∀゚)「その『まさか』だ!」


(;'A`)(;´・ω・`)「ちょ!!」



( ゚ω゚)「wktkもいいけどお体はお大事にネ!!」

……頭部に衝撃、同時に何だか凄くいい音がした

なんだろう
あの和風な豪邸とかの庭にある、水が流れて竹がかこーんとなるやつ…あんな音




28 名前: :2007/01/22(月) 19:35:25.51 ID:uzg5wPEr0








 ☆三 ☆ 三☆

( ^ω^)(わぁ〜、お星様が飛んでるお〜)









29 名前: :2007/01/22(月) 19:36:04.92 ID:uzg5wPEr0


(メ◎ω◎)「あぅあぅあー」

(;'A`)「ブーン! おいっ、平気か!?」

(;´・ω・`) 「なんでこんな事を!」

( ゚∀゚)「まあ落ち着け……これでもう大丈夫だからよ」

(メ'A`)「…え?」

(メ-ω-)「ガクリ」

(;´・ω・`)「…ブーン…!」


(メ-ω-)「すやすや」


(メ'A`)(´・ω・`) 「……寝てる(ね)」


30 名前: :2007/01/22(月) 19:36:59.67 ID:uzg5wPEr0

( ゚∀゚)「はっはっはっ!」

(メ'A`)「あ…と、確かあなたは…」

( ゚∀゚)「おう、ジョルジュってんだ…よろしくな!」

(メ'A`)「は…はい、それでブーンは…」

(;´・ω・`)「大丈夫なんですか?」

( ゚∀゚)「ああ、心配いらねえよwwwwあれはただの接続疲労だからなー」

(;´・ω・`)「…え? 何それ…?」


(;'A`)「ええ!?接続疲労って……それってまさか!?」



( ゚∀゚)「どうやらこいつは…天然の接続者だ」



(;'A`)「!!!」

(;´・ω・`)「………?」



31 名前: :2007/01/22(月) 19:40:44.91 ID:uzg5wPEr0



……………………



う……うー…ん…


「あ、目が覚めました?」


…?


「お体はどうですか?」


あ、と…大丈夫だお…


「…良かった」


木製の天井が見える…何だか懐かしいような…木の匂い

まるでログハウスの一室のような雰囲気を感じる…


32 名前: :2007/01/22(月) 19:41:39.85 ID:uzg5wPEr0


いや…ちょっと待って

どこだここは!?

( ゚ω゚)「!?」

僕は跳ねるように体を起こした


ζ(゚ー゚;ζ「きゃ!」


(;^ω^)「あ…ごめんだお…」

ζ(゚ー゚*ζ「い、いえ!」

(;^ω^)「…?」


あれ?

33 名前: :2007/01/22(月) 19:42:14.61 ID:uzg5wPEr0

(;^ω^)「えーと…君は…?というかここは?」

ζ(゚ー゚*ζ「私はデレって言います、ここは私の祖父の家ですよ」

( ^ω^)「把握」


(;^ω^)「っていやいや!」

ζ(゚ー゚*ζ「…?」

(;^ω^)「…何で僕はそんな所に? というか他の二人は…?」

ζ(゚ー゚*ζ「あ、お連れの方でしたら…この部屋を出て右正面の部屋に居ますよ」

(;^ω^)「…そ、そうかお…」

ζ(゚ー゚*ζ「あなたはその…山の中で倒れていて
      それを見つけた私のお兄ちゃんがここまで連れてきたんです」

( ^ω^)「そうだったのかお…」

そういえば確か…話を聞いてる最中に体がどんどん重くなっていって…


34 名前: :2007/01/22(月) 19:43:04.40 ID:uzg5wPEr0

そっか…気を失っちゃったのか

( ^ω^)「よいしょ」

とりあえず二人に会いに行こう
…確か部屋出て右だったか

うん、ちゃんと立てる…あの変な体の重みは無い

ζ(゚ー゚*ζ「大丈夫みたいですね」

( ^ω^)「うん……ところで、もしかして君が介抱してくれたのかお?」

ζ(゚ー゚*ζ「あ…はい、不肖ですが…」

( ^ω^)「やっぱり…どうもありがとうだお」


35 名前: :2007/01/22(月) 19:47:20.89 ID:uzg5wPEr0


Σζ(゚Δ゚;ζ「……!!!!!」


(;^ω^)「お? どうか…したのかお?」

ζ(゚Δ゚*ζ「いいい、いえっ…何でもないですっ」

( ^ω^)「じゃあ…ちょっと二人の所に行ってくるお」

ζ(゚ー゚*ζ「は、はい! 行ってらっしゃい!」

それじゃ、と言い残し僕はその部屋を出た

ζ(゚ー゚*ζ(…なんて…)


36 名前: :2007/01/22(月) 19:48:09.90 ID:uzg5wPEr0

ζ(//ー//ζ(なんて笑顔の素敵な方っっ……)

ζ(゚Δ゚;ζ(しまった!まだお名前を聞いてない!!)

ζ(゚−゚*ζ(い、いえ…焦っちゃ駄目よデレ…こういう事は慎重に行かないと!)



(ありがとうだお)



ζ(//ー//ζ「ふっ……うふふふ…ふふふふふふふふふふふ…っ」


………

「ふふふふh」

(;^ω^)(…何だお、この笑い声の様な…さっきの部屋から…?)

(;^ω^)「ま、まあ…気にしないでおくお…」


37 名前: :2007/01/22(月) 19:50:25.37 ID:uzg5wPEr0

背中から聴こえてくる不気味な声はとりあえず聴かなかった事にして
右奥、正面に見えるこれまた木の扉をノックしてみる

「なんだなんだ?」

誰かが近づく足音が聞こえる…

( ゚∀゚)「お、目覚めたのか」

間もなく扉は勢いよく開かれ見知らぬ男性が顔を出した…そして奥には…

(´・ω・`) 「おはよう、ブーン」

( ^ω^)「…おいすーだお」

(´・ω・`) 「もうすっかり良いみたいだね」

(;゚∀゚)「だから問題ねえってさっきから何度も言ってるじゃねえか」

(;^ω^)「お?」

38 名前: :2007/01/22(月) 19:51:08.71 ID:uzg5wPEr0

( ゚∀゚)「ほら、心配掛けた友達が居るぞ? 何か言ってやれ」

( ^ω^)「あ…ショボ、心配かけたお…もう平気だお」

(´・ω・`) 「うん、良かったよほんとに」

今のこの人の口ぶりからすると…どうやら僕はかなり心配をかけていたようだ

…この人…


(;^ω^)「えーと…ショボ…?この人は?」

(´・ω・`) 「ジョルジュさん、君を助けてくれた上に
       僕等をここまで連れて来てくれたんだよ」

( ^ω^)「僕を…」

( ゚∀゚)「あーあー、あんま固っ苦しいのは嫌だからよ、気にすんな? えーと
     ブーンだったか」
     
( ^ω^)「はいですお、ありがとうジョルジュさん」

40 名前: :2007/01/22(月) 19:52:19.20 ID:uzg5wPEr0

(;^ω^)「ところで…ドクオの姿が見えないような…」


(´・ω・`) 「……」

( ゚∀゚)「あいつはこの部屋出た先の突き当たりの部屋に居るよ」

なんかデジャヴを感じた…それはともかく
…二人の表情が、少し暗い

まさか…ドクオに何かが起きて!?

(;^ω^)「何があったんだお!? ドクオは無事かお!?」

(;゚∀゚)「ええい、何を勘違いしてんだ!」

(´・ω・`) 「ドクオは別に何ともないよ…ただ」


……………。


41 名前: :2007/01/22(月) 19:52:59.88 ID:uzg5wPEr0

軽くノック……返事は無い


静かにドアノブに触れ、その扉を開いた

薄暗い部屋……奥にベッドが一つそしてそこにすがり付くように座り込むのは

( ´ω`)「ドクオ…」

「…俺の…俺のせいで……」

( ´ω`)「…」

先の部屋で聞いた事を思い出した


42 名前: :2007/01/22(月) 19:53:22.40 ID:uzg5wPEr0

( ゚∀゚)(あの部屋にはな…ある国の国王様が居るんだよ)


( ゚∀゚)(そいつは…全てを失っちまった、愛する国も民も…家族も)


( ゚∀゚)(そして好きな人もな…それからずっと眠っていて、目を覚まさねえ)


( ゚∀゚)(…いや、むしろ…いっそ醒めない方が………

( ゚∀゚)(…何でもねえ、忘れてくれ)


43 名前: :2007/01/22(月) 19:54:21.39 ID:uzg5wPEr0

(´・ω・`) (どうやらね…その人はドクオと凄く仲が良かったらしいよ)


(´・ω・`) (ドクオがあの部屋で彼女を見て…取り乱してね…大変だったんだ)



(´・ω・`) (え? うん、彼女…国王というよりは…女王…お姫様…なのかな?)






( ´ω`)(今は亡き国の……お姫様…かお)

本当に…ここは本当に…異世界だったんだ…

そしてドクオは…ここで…色々な出会いをしたんだ


44 名前: :2007/01/22(月) 19:55:09.87 ID:uzg5wPEr0


( ´ω`)「大丈夫かお…?」


「俺…最低だ…」


( ´ω`)「どうしてだお…」


「クーが起きるのが…目を覚ますのが…怖い…」


( ´ω`)「……」



「彼女は…目を覚ましたら、きっと泣くんだ…全てに…絶望して
 こんなに、今はこんなに安らかに眠ってるのに…」



45 名前: :2007/01/22(月) 19:57:15.93 ID:uzg5wPEr0


( ´ω`)「そう…だおね…」



「そんなのを見たくない…俺、分からないんだ…起きてほしい…だけど
 起きたら、クーはきっと物凄く苦しむ…」


( ´ω`)「それなら…」


「俺は…どうしたら…」


( ´ω`)「ドクオが側に居て、助けてあげればいいんだお
       難しい事じゃないお」


「…………俺なんかに…何もできやしないよ…」



46 名前: :2007/01/22(月) 19:57:47.40 ID:uzg5wPEr0


( ´ω`)「駄目なら、僕がドクオを助けるお」


「…え」


( ´ω`)「ドクオ…負けちゃ駄目だお」


(メ'A`)「…」


( ´ω`)「例えそれがどんなに辛くても…君が負けていたら…
       その人は…きっと救われないお」


(メ'A`)「俺が…」


( ´ω`)「ドクオ…君は分かってるはずだお」


(メ'A`)「……」

47 名前: :2007/01/22(月) 20:00:53.99 ID:uzg5wPEr0

( ^ω^)「大丈夫だお、僕も、ショボも居るお…絶対、大丈夫だお」


(メ'A`)「……………」


( ^ω^)「悲しい時は泣いて…泣くだけ泣いて、そしたら……きっと笑顔になれるお」


(メ'∀`)「…何でそうやって…いつもいつも大丈夫だって…言えるんだよ」


ドクオが真っ直ぐに僕を見る
その表情は…決して哀しい物ではなかった

うん、だからやっぱり

( ^ω^)「僕も…ドクオの事を信じてるからだお」


僕も真っ直ぐに見つめ返し、そう伝えた

48 名前: :2007/01/22(月) 20:01:58.36 ID:uzg5wPEr0


それは偽善かもしれない…ただの楽観視かもしれない


でも、こうも思うから


人はきっと、希望があれば生きていける


だからそれを何時だって持っていられるように



僕は…笑っていよう



それが僕の、誓いだった



50 名前: :2007/01/22(月) 20:04:16.69 ID:uzg5wPEr0








【次回予告】デデン デンデデン……デデン デテンデデン…









51 名前: :2007/01/22(月) 20:06:14.98 ID:uzg5wPEr0
ミ,,-Д-彡『次回はなにやら面倒くさそうな説明編!』


ミ,,゚Д゚彡『未だ眠り続ける彼女』

(メ'A`)「…クー」

ミ,,゚Д゚彡『それを見守るブーンとショボン』

( ´ω`)「……」
(´・ω・`) 「……」

ミ,,゚Д゚彡『そんな彼等の前に現れた謎の老人』



/ ,' 3 「全てを…話そう」



ミ,,゚Д゚彡『今語られる真実とは!そして…接続とは!?』



ミ,,゚Д゚彡『次回! 異世界でもう一度 第三会 「災いの杖」』

ミ,,゚Д゚彡『読んでくれなきゃ…泣いちゃうぜ!!』


つづく、、、I

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