3 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/06/26(火) 00:05:00.04 ID:lehwYQTK0

あらすじ あらすじを行うフサの前に突如として現れた、彼…いや彼女? は何者なのか!!


ミ,;゚Д゚彡「フー、フーじゃないか!!」

ミ*゚∀゚彡「?」


驚いた、もう何年ぶりだろう…

あの日、家を飛び出してから一度も会っていない家族
俺のおと…いや、いも…? あれ?どっちだっけ?

まあそんな事はどうでもいい


ミ,*゚Д゚彡「いや久しぶりだなー、今日はまた突然どうしたんだい?」

ミ*゚∀゚彡「ワカンナイ」

ミ,*゚Д゚彡「もしかして俺に会いにきてくれたの? マジで?」

ミ*゚∀゚彡「…」
6 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/06/26(火) 00:06:14.59 ID:lehwYQTK0



何ゆえ無反応?


ミ,;゚Д゚彡「…フー?」

ミ*゚∀゚彡「 オジヒャン ダレ? 」



ミ,,゚Д゚彡「…………は?」


訪れる沈黙


ああ、なるほどね、俺の事は憶えてない、と


うん、まあしょうがないよね、最後に会ったのはもう10年近く前だし

いや全然悲しくないですよ、ほんと、こればかりはしょうがないよね
たとえ当時はどんなに懐いていたとしても年月は人を変えるもの


7 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/06/26(火) 00:07:33.20 ID:lehwYQTK0

いやほんと、泣いてないですよ?


ちょっと鼻に汗が溜まって喉から変な音が出て目の水分がちょっち飛び出たっていうか


ミ,,;Д;彡「ぐす……そっか、もう憶えてないか…そうだよね
       勝手に家を出た兄貴の事なんか忘れちゃうよね」

ミ*゚∀゚彡「ナイテルノ?」

ミ,,;Д;彡「泣いてないよ、これはその…トイレに行くのを我慢してたら目から――」


                                        三ミli゚∀゚彡


ミ,;゚Д゚彡「いや、嘘!うそうそうそ!! ジョークだから!違うから!」

ミ*゚∀゚彡「チョットビックリ」


ミ,;゚Д゚彡「それで、さ…一つ聞いて良いかな」

ミ*゚∀゚彡「???」


8 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/06/26(火) 00:08:59.22 ID:lehwYQTK0

ミ,,゚Д゚彡「ふ…いや、きみ、兄弟っている?」


ミ*゚∀゚彡「イナイ」

ミ,, Д 彡「マイガッ」


実の兄を目の前にしてのこの扱い
ひどい、ひどいよ、いくらなんでもひどすぎだろう…常考


ミ,,;Д;彡「ねえ、ほんとに?ほんとに居ない?今は居ないとか、昔は居たとかそういうのは?」

フーはそんな俺の涙ながらの訴えに、軽く引いた様子で頭を横に振った

ミ,,;Д;彡「だって、俺の部屋とか…荷物とか! 何かあるでしょ!?」

ミ;゚∀゚彡「…」

それとも全部処分されたとでも言うのか
どんだけだよそれ、虐め?嫌がらせ?

その後、いくつかの質問をするも…その全てが否定で終わった


何がどうなっているのだろうか、これじゃあ…

10 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/06/26(火) 00:10:19.34 ID:lehwYQTK0

まるで 俺の存在が 消されて

ミ; Д 彡「…!!」

そこで、俺は気付いてしまった

そうだ…俺がこの世界に来てから、既に7年もの時が経っている
そして接続によって異世界へと召喚された者が帰るための期限は一年、それを過ぎれば――

ミli Д 彡「…」


血の気が引いていく、同時に軽い眩暈が襲った

ミ*゚∀゚彡「オジヒャン?」

ミli゚Д゚彡「あ…ぅ」

まるで動かし方を忘れたように身体が重い
視線が刺さり、言葉が抉る、痛い、痛すぎて、もう涙も出な――

ミ,,TДT彡「おろろーん」

…うん、まあその、なんだ、次回につづく

            ミ*゚∀゚彡「カイシ!!」

11 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/06/26(火) 00:12:42.64 ID:lehwYQTK0


「 第16会 「決意の太陽」 」




( `ω´)「おおおおおっ!」
ξ゚听)ξ「はあああ――」

声と共に二つの剣が衝突し、甲高い音を立てた
交差する白銀と虹、命を賭した危険な場であるにも関わらず
それが余りに綺麗で…僕は一瞬見惚れてしまった

(;`ω´)「っっ!!」

そんな心の隙を見透かされたか、剣を握る手に感じる強烈な圧力
全身が危険信号を発し、堪らず剣線をずらしつつ大きく後退

ξ゚听)ξ「――!!」

そうして弾ける様に距離を取った


12 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/06/26(火) 00:14:02.86 ID:lehwYQTK0

(;`ω´ω)「『バカヤロウ! 油断するな!!』」

ξ゚听)ξ「…?」

…怒られた、と言うよりも自分が自分を怒った
そんな様子に奴は怪訝な表情を浮かべている


自らをツンと名乗った人間が手にしている剣

形状こそ僕の持つ剣と似通った直剣だが
刀身から柄の先まで、その全てが透明に透き通っていた
固有の色を持たず、日の光を受け七色に煌くそれはまるで水晶の様


「内籐さん!!」


どこからか、心配そうに呼ぶ声が聞こえる
僕は対峙する相手を睨み付けたまま、その声の主に向けて言葉を放った


(;`ω´)「…早く! みんなを連れて逃げてくれお!!」

J(;'ー`)し「ですが…っ」
17 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/06/26(火) 00:17:16.42 ID:lehwYQTK0

ここは僕がいつしか世話になった孤児院の付近

突如として現れた敵国の人間を迎撃する為
日陽の残された兵達と共に現場へ向かい…どうにか間に合ったのだった

J(;'‐`)し「これでは…逃げ場が!」

(;`ω´)「っ…」

返ってきたのは困惑の声、その理由は分かっている

周囲では既に戦いが始まっているから
地鳴りの様に重なり轟く叫び声と、奏でるように重なり響く金属音

中でも印象的なのは、ちらほらと見える異質な光景

突風が唸り、火炎が踊り、雷光が輝く

巻き込まれでもしたら一巻の終りだ
こんな戦場の真っ只中で逃げろと言われても無茶な話だろう

けど、だからと言ってここに居させる訳にもいかない
目前には構えた剣の切っ先をこちらへ向ける敵の姿がある

20 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/06/26(火) 00:19:16.52 ID:lehwYQTK0

(;`ω´)「…」


どうする、どうすればいい
考えても何一つ打開策は浮かばない


ξ゚‐゚)ξ「…」

ξ゚听)ξ「随分と余裕だな」

(;^ω^)「お?」

ξ゚ー゚)ξ「人の心配より自分の心配をしたらどうだ?」


ツンは言葉と同時に地を蹴り、距離を詰める
慌てて身体を捻ると、迎撃の構えを取り――


金属音


炸裂する剣戟、互いを目掛けて放たれた剣はちょうど中間で弾かれた

22 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/06/26(火) 00:21:06.56 ID:lehwYQTK0

(;`ω´)「っっっ!!」

今度はその場で攻防が始まった
次々と放たれる剣撃を剣が弾き、防ぎ合う


(;`ω´)「く…ぅ…!」


一歩後退、同時に横薙ぎの剣閃が迫る刃に重なり弾けた


ξ )ξ「…っ」

ξ゚听)ξ「は――あっ!」


弾かれた剣の反動もそのままに体を回転させ
踊るようなステップで一歩を踏み出し、遠心力ごと叩きつける


(;゚ω゚ω)「『!!!』」


刹那の隙間に思考が這う、不味い、と
25 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/06/26(火) 00:23:00.07 ID:lehwYQTK0
これは数回に渡る剣戟の中で狙い続けた決めの一撃
避けられない、受け切れなければ死ぬ

そんな直感を理解するよりも早く身体は反応していた
地を踏みしめる足は硬直を緩め、腕は渾身の力を込める

火花散る烈音、重い衝撃にどうにか堪えると
息をつく間も無い攻防が再び静止した


ξ゚‐゚)ξ「…」
(;`ω´)「…」


気付けば、互いの視線が交差する

戦いの最中に相手の表情を伺ってはいけない
僕は訳も分からずにそう考えていたが、その理由を今知った


(;゚ω゚)「…ぉ…」



26 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/06/26(火) 00:24:51.85 ID:lehwYQTK0

瞳に込められた強烈な殺意
背筋に寒気が走る程の殺気

ξ゚ー゚)ξ「ふっ…」

(li ω )「…ぁ…ぅ」

腰が抜けそうなくらいに脅えた僕を、脳内の声が引き戻した


( `´ω)(内籐、呑まれるな!!)

(li゚ω゚)「!!」

ξ゚听)ξ「遅い!!」

萎縮する心が身体の反応を鈍らせる

その結果

目下、足元に剣閃が走った

ぞわり、と嫌な感覚が襲う

27 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/06/26(火) 00:26:31.55 ID:lehwYQTK0

ξ゚听)ξ「…終りだ」

(;`ω´ω)「『っ…あああああ!!』」

同時に脳内に危険を知らせる声が響き、闇雲に剣を振り回す
対し、追撃を加えようとしていたツンは冷静にそれを受けると一息に距離を取った


ξ゚听)ξ「浅い…? いや――」

(; ω )「あ゛っ……づ……」

足全体に痺れを伴う痛みを感じ、見れば
腿の辺りの衣服が裂かれ、その隙間は赤く染まっていた


(;゚ω゚)「……っっっ」

(;`´ω)(おい、内籐! 大丈夫か!?)

(li゚ω゚)「…なんぞこれええええええええええ!!!」

(;^^ω)(…平気そうだな)


28 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/06/26(火) 00:28:10.75 ID:lehwYQTK0

(li^ω^)(全然平気じゃないお、血がやばいくらい出てるお)

( ^^ω)(それよりも…動けるか?)

(li^ω^)(え、と…)


問われ、軽く足に力を込めると
それだけで脳天を貫くような激痛が走った


(; ω )「……っ〜〜!!」

(li゚ω゚)(ムリデス!!)

(;^^ω)(おま…)


ξ゚听)ξ「頑丈な奴だ…まだ立っていられるか」

Σ(li ω ω)「『ふん、俺を誰だと思ってやがる!』」

ξ゚听)ξ「…何?」


( `ω´ω)「『脳天から刺した意地の柱が一本あれば、手足がもげようが立ち続ける!!
         熱き心は天に輝く雄雄しき光、太陽の管理者たぁ…俺の事よォ!!』」


29 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/06/26(火) 00:30:06.25 ID:lehwYQTK0

(  ω )「……」


……ああ


ξ゚听)ξ「……そうか」

(; ω )(また…余計な事を…)

ξ゚ー゚)ξ「ならば今度こそ両足を断ち、それでも同じ事が言えるか試してやろう」

(li ω )(…本当に余計な事を)

( ^^ω)(よし、行くぞ内籐!!)

( ゚ω゚)「うっさい!」

ξ゚听)ξ「…?」


「うわあああああああああああああああああ!!!!」

(;^ω^)「!?」

と、裂く様な悲鳴が耳に届き、思わず視線が向く
そこには剣を構えた数人の男と、逃げ惑う子供達と一人の女性の姿

32 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/06/26(火) 00:32:25.49 ID:lehwYQTK0

走る速度は一目瞭然、どんどん追い詰めれていく
その先の未来が不意に頭をよぎった


(  ω )「……」

ξ゚听)ξ「何処を見ている!!」


同時に、身体中の毛が逆立つような錯覚


ξ;゚听)ξ「なに!?」

烈風が巻き起こり、ツンの剣が空を切った


気付けば僕は痛む足も気にせず駆け出していた


……。

34 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/06/26(火) 00:34:16.54 ID:lehwYQTK0

J(;'-`)し「やめ…やめてください! 私達に戦う意思はありません!」

湖鏡兵「悪いが…日陽の人間は殺す、例外は無い」

J(;'-`)し「何故そんな…子供に手をかけるなんて恥ずかしいと思わないのですか!!」

湖鏡兵「黙れ!!」


ぎらりと輝く切っ先が彼女の前に突きつけられた


J(;'-`)し「っ…!」

湖鏡兵「言葉は状況を見て使うんだな、どのみちお前は死ぬ、ならば禍根を残さぬのが利口なやり方だろう?」

「うわあああああ、おかあさん!!!」

マト;>д<)メ「やめろよ! 何するんだよ!」

湖鏡兵「安心しろ、すぐに全員同じ場所に送ってやる」

湖鏡兵「まずは…お前からだ!!」

J(li - )し「……!!!!」


35 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/06/26(火) 00:36:14.19 ID:lehwYQTK0

襲い来る凶刃、必殺の速度を持った剣が振り落とされた

そして

鮮血が、風に煽られ、宙を舞う 


J(;'-`)し「……え?」

吹き荒れる突風に思わず伏せていた顔を上げる
目の前には絶叫を上げながら腕から血を流す男の姿があった

場には女性が一人と子供が六人、そして湖鏡の兵が四人程
その誰もが呆然と目の前で起きた現象に驚愕していた


通り過ぎたのは一陣の風、そして白銀に輝く剣


マト;・д・)メ「……あ」

湖鏡兵「こいつ…よくも!!」


敵兵の一人が手を翳す、そこにあるのは赤い球体
そして男が【禁断の言葉】を放つと瞬く間に炎が生まれ、燃え上がった

37 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/06/26(火) 00:38:24.83 ID:lehwYQTK0

湖鏡兵「みんな下がってろ、焼き殺してやる!」

(♯`ω´ω)「『アクセスとか言うな!!』」

湖鏡兵「っ…わけのわからん事を!!」


呪いの言葉と共に、火球が放たれた
既に人を丸ごと飲み込む程の大きさになった炎が迫る


( `ω´ω)「『ふんっ、こんなもん…』」


対し、構えた剣を背まで振りかざし


( ゚ω゚ω)「『避けるまでもないわああああ!!』」


咆哮と共に、剣が空を斬る

同時に発生した音速の疾風

40 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/06/26(火) 00:40:36.41 ID:lehwYQTK0

土煙を巻き上げ疾走する空気の塊
黒煙を上げ轟音と共に飛来する炎

その二つが重なり、一瞬、爆発にも似た爆音が響くと
真っ二つに切り裂かれた炎が風に煽られ音も無く消え去った


( `ω´ω)「『これぞ烈風の剣、ソニックセイバー!』」

湖鏡兵「…な…っ」

( `ω´ω)「『さあ、この日輪の輝きを恐れないなら…かかってこい!!』」

湖鏡兵「……」


敵兵が後ずさる

言ってる事は我ながらどうかと思うが…ひとまず威嚇にはなったようだ


(*^ω^)(うはwwwていうか今のちょっと凄くなかったかお!?)

(;^^ω)(はいはいホマホマ…)


41 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/06/26(火) 00:42:19.44 ID:lehwYQTK0

( ^^ω)(…しかしさっきあいつのは何だ、どうなってる? 何も無い場所から炎を出したぞ?)

(;^ω^)(え、と…それは…ほら、あいつが赤い玉を持ってたじゃないかお
       何でも、あれがあれば火でも雷でも自由に生み出せるらしいお?)

(;^^ω)(な、何だそりゃ…)

( ^ω^)(珠って言うんだお、ちなみに今一緒に行動してるハインって人が作ったらしいお)

(   ω)(…そうか……とんでもない物を作っちまったな)

(;^ω^)(へ?)

(   ω)(…)

( ^ω^)(それってどう言う――)

J(;'-`)し「内籐さん…」

(;^ω^)「っと…大丈夫ですかお? 怪我は…」

警戒しつつ、座り込んだままのマーカーさんの下へ駆け寄る
と、すぐに子供達が泣きながら足元に縋りついた

「うあああああああん」

マト*・д・)メ「ブーン兄ぃ…」


42 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/06/26(火) 00:44:17.79 ID:lehwYQTK0

全員の無事を間近で確認し、ほっと安堵の溜息が漏れる
だがそう安心してもいられない、早く安全な場所まで逃がさなければ

そう考えるのも束の間、先の集団の中に不気味なほど美しい剣の姿を見た


(;^ω^)「…ぅ」

ξ゚听)ξ「…ここはいい、お前達は行け」

湖鏡兵「ツン様…ですが」

ξ゚听)ξ「奴の相手は私だけで充分だ、お前達はさっさと目的の物を探し出せ」

湖鏡兵「…はっ」


そんな言葉を受けると、固まっていた敵兵が散開し駆けて行く
ツンは険しい表情でそれを確認すると静かにこちらへ向きなおした


ξ゚听)ξ「お前、内藤ホライゾンとか言ったな…」

(;^ω^)「そ、そそれが何だお」


43 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/06/26(火) 00:46:30.76 ID:lehwYQTK0

ξ゚听)ξ「…管理者であるにも関わらず、随分と甘い考えをしているのだな」

(;^ω^)「…?」

ξ゚听)ξ「挙句の果てには戦いの最中に敵に背を向けるなど、それでも一国の兵士か?」

(;^ω^)「…僕は兵士じゃないし、この国の人間でも無いお」

ξ゚‐゚)ξ「…」

(;^ω^)「だいたい…恩人を守ろうとするのは駄目な事でも甘い事でも無い   ……と、思うお」

ξ--)ξ「そうではない…先の事だ」

(   ω)(……)

ξ゚听)ξ「何故奴等を殺さなかった? 管理者である貴様ならば容易い事だっただろう」

(;^ω^)「それは…」

別に理由なんか無い
そもそも人を殺すのはよくないと思うし

…出来れば、誰も殺したくは無い、当然じゃないか


44 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/06/26(火) 00:48:21.20 ID:lehwYQTK0


ξ゚听)ξ「おかしな奴だ、強力な力を手にしたならばそれを存分に奮いたいとは思わないのか?」


それは…正直思う、僕は何もできない自分が嫌だった

あの日に夢見た理想、それを叶える事が出きるのだから…

それに、その…やっぱこういうのかっこいいって言うか


ξ )ξ「……く――」

(;^ω^)「?」

ξ*゚∀゚)ξ「は、は、は…」


何故か普通に会話を続けていると、ツンが抑えていたものを吹き出すように笑い声を上げた


(;^ω^)「な、なんだお…何笑って」

ξ )ξ「馬鹿馬鹿しい」


ξ゚听)ξ「貴様は生きているに値しないな」



45 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/06/26(火) 00:50:46.89 ID:lehwYQTK0

と、不意に声のトーンを落とし冷酷に言い放った
空気が変わった、押し潰されるような圧迫感、背中からも微かな悲鳴が上がる

先とは比べ物にならない程の殺気

今にも飛び掛って来そうな恐怖感を全身に感じ、頬を一筋の汗が伝った


ξ゚听)ξ「何故貴様の様な奴を太陽は選んだのだ、理解に苦しむ」

(li゚ω゚)「…な、にを」


ξ゚听)ξ「目障りだ…今すぐに剣を捨て、消え失せろ下郎」

(li ω )「!?」



ξ゚听)ξ「貴様の事は少しばかり耳に入っている、始めはどんな奴かと僅かな期待があった
     ペニサスでは無い、余所者の誰かが管理者となったと聞いてな」



ξ゚ー゚)ξ「強き者なのだろうと勝手に想像していたよ、戦闘狂か、余程の偽善者か…
     どちらにせよ、己が筋を貫く心を携えていると」

46 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/06/26(火) 00:52:32.29 ID:lehwYQTK0

ξ^ー^)ξ「それが実際はどうだ?」



奴が一歩踏み出した



ξ゚听)ξ「殺す覚悟も、殺される覚悟も無い」



僕は奴の瞳に縛られ、動けない



ξ゚听)ξ「力を得、浮かれてはしゃぐ、無邪気で愚かな汚らわしい子供だ」



更に一歩、もう一歩、ゆっくりと距離を詰めていく



ξ゚听)ξ「貴様に殺された我が国の兵の無念はさぞかし大きかろうな」



47 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/06/26(火) 00:55:29.57 ID:lehwYQTK0

(li ω ω)「『黙れ!!!!』」

再び口が独りでに動く、それで僅かに身体に感覚が戻ってきた

( `´ω)(内籐!! 何をぼさっとしてる! 構えろ、来るぞ!!!)

(li゚ω゚)「ぉ…お」


ξ゚听)ξ「貴様には分かるまい、苦痛より生まれ出でる尊き強さ、その輝きを!!」


ツンの体制が僅かに屈み、一息に距離を詰めた

(li`ω´)「ぐっ…ぅ」


横一閃、どうにか受け止めるも、余りの重さに体制が崩れる
互いの中間で静止した剣は徐々に押されていく


ξ゚听)ξ「最後に、言っておく」



(li ω )「…!!」



49 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/06/26(火) 00:58:11.81 ID:lehwYQTK0

最後に


ξ゚听)ξ「ただ幸せに溺れて生きてきた人間に、戦う資格など無い!!」


(li゚ω゚)「!!!!!!」



一番言われたくなかった言葉が耳に響き


体内で何かが千切れていく

自分の喉から信じられない音が出る

目の前に赤い何かが飛んでいる

天と地が逆さまに、回転を繰り返す


口から大量に何かが溢れ出た

びちゃびちゃと、嫌な音がする


50 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/06/26(火) 01:00:34.94 ID:lehwYQTK0


「   !!!」

「   !!!!!」



悲鳴の様な声が聞こえる


頭が白く染まって行く






記憶が巡る

52 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/06/26(火) 01:02:22.49 ID:lehwYQTK0

巡り

辿り


到達する

オレンジ色の川原

それは、友達が親友になった日の事

それは、自分が酷く小さく見えた日の事


僕は、何の苦しみも知らない

ただ幸せに生きてきた、ただの子供だったと知った

だから、羨ましいとさえ思った

辛い過去を持って、それでも必死に生きて行けるその強さ、その気高さを


――浅ましい考えだ、それは分かってる、でも

54 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/06/26(火) 01:05:13.86 ID:lehwYQTK0

それでも…憧れた

そして同時に思った、どうしたら彼に追いつけるのだろうと


真っ赤な目をして、震えながら


( A )『俺は……こうして話してくれるだけで………ほんとうに、うれしいんだ』


そう言った親友に、僕は何ができるだろうと

何ができるだろう

なにをしてあげられるのだろう


そんな…当たり前の事を、泣きそうなくらい嬉しそうに話す――ドクオを


どうしたら  救ってあげられるのだろうと

56 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/06/26(火) 01:11:58.27 ID:lehwYQTK0

それが僕の理想だった


そして今、もうドクオは僕を必要としていない…

ああ、そうか…そうだったんだ
僕は見失っていたんだ、自分を、自分の目指した物を


だから


(なら、もう終りか?)


悔しい


(何も出来ないまま、ここで朽ち果てるか?)


そんなのは嫌だ


(なら、どうする?)



57 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/06/26(火) 01:15:18.23 ID:lehwYQTK0


見つけてやる、僕にできる事、僕に救える物を

おこがましい、馬鹿な事かもしれない

けど仕方ないじゃないか


それが…僕の、ずっと願ってきた、夢なのだから


( ^^ω)(ならば、言葉を以って応えろ)

(  ω )(…言葉?)

( ^^ω)(お前はもう知っている、自らを促す、進化への言霊)



(  ω )  「 サン バースト 」



倒れ、血の海に沈みながらも掴み続けたその剣が眩い輝きを放った。

                                 つづく、、、I
59 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/06/26(火) 01:17:25.89 ID:lehwYQTK0





        【次回予告】ユカユカーユカリーンユカリユカリリンリン 



62 名前: ◆6Ugj38o7Xg :2007/06/26(火) 01:25:41.44 ID:lehwYQTK0

ミ,;゚Д゚彡『うわ、やっべ!マジやっべ!もうなんか勝手を色々忘れてるよ!』

ミ,;゚Д゚彡『えーと、えーと…次回はブーンの戦い後半と、女性陣の温泉イベントだそうです』


( `ω´)「エアロバリア…チャージ!!」


ミ,;゚Д゚彡『出るか脅威のヘルアンドへブン!!』


从;゚∀从「…やっぱでかいな」


ミ,, Д 彡ミ ゚ ゚

ミ,*゚Д゚彡『いえなんでもございませんですはい』

ミ,,゚Д゚彡『次回!! 異世界でもう一度第17会 「愛情と寂しさと」 』

ミ,,゚Д゚彡『読んでくれなきゃ…泣いちゃうぜ!!』

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