122 名前: 建設作業員(栃木県) :2007/03/26(月) 18:41:11.47 ID:bXtdLoYo0

ミ,,゚Д゚彡「あらすじ…は必要ないよね、真上にあるねん的に考えて…」


ミ,,゚Д゚彡「早くも予定外の動きを見せ始めたブーン…」


(*゚−゚)「…予定外って?」


ミ,,゚Д゚彡「うん、実はプロットじゃあブーンは出てったりはしなかったんだよね」


(*゚−゚)「それは…酷すぎる…と思う」


ミ,;゚Д゚彡「…そ…それじゃあ後半行ってみよう!
      作者も知らない衝撃の展開とは…果たして!?」


(*゚∀゚)「読んでくれなきゃ泣いちゃう…ぜ」




ミ,;-Д-彡(……本当にいいのかこれ)


123 名前: 建設作業員(栃木県) :2007/03/26(月) 18:43:01.80 ID:bXtdLoYo0

ブーンが行方をくらませてから2日が過ぎた

その間、何度か街中で彼らしき人を見たと言う情報はある
だからどこかに居る事だけは間違いない

けれど居場所は未だに分からず終い
それに、見つけた所で…戻ってきてはくれない気がする

そんなこんなで、まだ例の話の返事もしてない


('A`)「……」


あれから、ショボとデレさんから詳しい話を聞かされた

…同時に凄く謝られて困ったがそれは置いておく


目を閉じ、想う…俺は
今の、この状況に甘えていたのかな…だってここには


124 名前: 建設作業員(栃木県) :2007/03/26(月) 18:45:05.93 ID:bXtdLoYo0


俺を信頼してくれる人が居て

俺にとって頼れる人が居て

俺の大事な人が居て

俺の大切な人達が居て

俺を支えてくれる人達が居た


それら全てを俺が守れる、そう思って…それが嬉しくて
まるで夢が叶ったように、あるのは幸せだった

だから見えなかった、見ようとしなかった

考えれば…いや考えなくても分かる事だ
帰りたかったに決まってる…きっと、ずっとそう思ってたんだろう
127 名前: 建設作業員(栃木県) :2007/03/26(月) 18:47:31.76 ID:bXtdLoYo0


友達だから、親友だから一緒に居てくれる
そんな根拠の無い馬鹿げた理想、そのせいで俺はずっとあいつを傷つけていた


何で…俺はこんなにいつまで経っても馬鹿なんだ?
心の中で何度も何度も唱えるように謝罪する


親友であり続けようって、そう決めていたのに
俺は目の前の幸せに目が眩んでちっとも足元を見ていなかった


だからこうして再び転んでしまった


当然の報いだ


ああ…でも

129 名前: 建設作業員(栃木県) :2007/03/26(月) 18:50:48.33 ID:bXtdLoYo0


それでも、何故

(何も言ってくれなかったんだ)


何で俺は

(何も言おうとしなかったんだ)



何も話してくれなかった事が悔しくて

何も話そうとしなかった事が悔しくて


巡る思考は未練ばかりを浮き上がらせ、代わりに自分を落としていく



130 名前: 建設作業員(栃木県) :2007/03/26(月) 18:53:55.53 ID:bXtdLoYo0


でも…例え俺が最初から気付いていたとして…何が出来ただろうか

『帰ろう』と言えただろうか?


きっと言えない、言える訳が無い


ならば、どうするか 




            「そんなの…決まってる」




結局はここに帰結する               


目を開く、視界はまるでフィルター越しの様に掠れる
僅かに感じる眠りの兆候、まどろみを消す為に声を出した

133 名前: 建設作業員(栃木県) :2007/03/26(月) 19:00:26.88 ID:bXtdLoYo0


「……会わなきゃ」





『もう一度』 





「……会えたなら」



134 名前: 建設作業員(栃木県) :2007/03/26(月) 19:01:58.39 ID:bXtdLoYo0

何て言えばいいんだろう…分からない

離れてみて分かった、これはよくある話だね

僕は…あの場所が、好きだった…いや、何時の間にか、あそこは僕の居場所だった
思えば本当はそれが怖かったのかもしれない


このまま、帰らずにここに居たいと思い始めてる自分が…


マト*・д・)メ「さっきから…何言ってるんだブーンにぃ?」

( ^ω^)「…何でもないお、あ…そろそろ帰らないとだお」

マト*>д<)メ「なにー!? 遊んでくれるんじゃなかったのかー!?」

(;´ω`)「いたたた、ちょ…やめ」


マト*>д<)メ「なんだよっ、結局ずっと座ってただけじゃないか!!
     ばかばかばかばかばか! 詐欺師!」

(;^ω^)「明日、ほら、明日にするお、今度は皆連れて、NE?」

マト#・д・)メ「むぅ…」
138 名前: 建設作業員(栃木県) :2007/03/26(月) 19:15:32.65 ID:bXtdLoYo0

( ^ω^)「戻りましたおー」

マト#・д・)メ「……」

J( 'ー`)し「あ、おかえりなさい内藤さん…こらまーくん、ただいまは?」


マト#・д・)メ「…ただいま」

「あー!帰ってきた!!」

「ずるいずるいー!二人だけで遊びにいくなんて!」

マト#・д・)メ「う、うるさいうるさい!!」

「あ、まてー!」

「まーくんが逃げたー!みんな追えー!」

「「おーーー!!」」

複数の子供に追われ、先まで一緒に居た子供が逃げる
騒がしく、やかましい、けど何だか悪い気はしなかった
150 名前: 建設作業員(栃木県) :2007/03/26(月) 19:40:09.17 ID:bXtdLoYo0

J( 'ー`)し「ごめんなさいね、またマー君が我侭言って…」

(;^ω^)「いえ、いいんですお、僕もお世話になってる身としては何かしないと」

J( 'ー`)し「ふふ、そんなに気にしなくてもいいんですよ?
     …子供達もあなたが来てからずっと楽しそうだもの」


この人は今、僕が居るこの孤児院のお母さんことマーカーさん(中国系フランス人)


何故僕がこんな所に居るか…思い返せば
気付けばもう、1週間が過ぎてしまった

あの日、逃げ出したあの時

僕は夜通しどこへ行くでもなく散々歩き回り、やがて疲れ果て
気付けばどこかの木の下で倒れ込むように眠ってしまった


そこを…行き倒れと思ったらしいマーカーさんに拾われた

そして、行く当ての無い僕に何を訪ねる事もせず
ここに居て良いとの言葉に甘え……ずるずると今に至る
162 名前: 建設作業員(栃木県) :2007/03/26(月) 21:56:39.10 ID:bXtdLoYo0

ここで子供達の相手をするのはとても楽だった

何を考えることも無く、何を悩む事も無く
平穏に過ぎていく時間を感じていられたから

沢山の笑顔に囲まれていられたから
だからようやく自分を省みる事が出来た気がする


僕という存在の小ささ、他人の大きさ、そしてその逆もまた然り


…情けない事ながら

要するに僕は、誰かを笑顔に出来なかったのが悔しくて不貞腐れて
余計に誰かの笑顔を奪ってしまい

それを認めたくなくて、逃げたんだ


163 名前: 建設作業員(栃木県) :2007/03/26(月) 21:57:46.95 ID:bXtdLoYo0


「…」


駆け回る子供を見つめてみる
誰も騒がしく暴れ、零れるような笑顔がそこにあった


「…」


外を見れば空が見えた
夜空に星は見えないけれど、浮かぶ雲は見える


みんな…どうしてるのかな…
ふいに寂しさが僕を襲った
今なら迷わずにこう言える


僕は…あの場所に帰りたい


164 名前: 建設作業員(栃木県) :2007/03/26(月) 21:58:45.45 ID:bXtdLoYo0

この先がどうなって行くのかは、きっと誰にも分からない
一年経つ前に帰れるのか、もしくはこのまま帰れないのか

どちらにしても、一つだけ確かな事がある

今、僕の居場所は、間違いなくあそこにあった

だから…

J( 'ー`)し「…行くんですか?」

( -ω-)「…短い間だったけど、お世話になりましたお」

J( 'ー`)し「迷いは晴れましたか?」

( ^ω^)「わかりませんお」

J( 'ー`)し「…そうですか? その割には随分とすっきりしてそうですけど?」

ここに来た時はずっと死んだような目をしてたのに
そう付け加え、マーカーさんは微笑んだ

だから僕も笑っていられた
166 名前: 建設作業員(栃木県) :2007/03/26(月) 22:00:11.78 ID:bXtdLoYo0

( ^ω^)「迷う事も、後悔も…いくらでもある、きっと無くなる物じゃない…
      ただ、気付いたんだお」

J( 'ー`)し「?」
      
( ^ω^)「僕が願って、信じるものは何なのか…それを、思い出せたんだお」


J( 'ー`)し「……それじゃあ今日は豪勢にいきましょう」


「みんなー! 聞いて! 明日で内藤さんは――」


( ^ω^)(…ありがとうございます)

まだ間に合うだろうか

こんなに時間が経ってしまったけど
まだ僕の居場所はあるのだろうか?
168 名前: 建設作業員(栃木県) :2007/03/26(月) 22:01:30.47 ID:bXtdLoYo0

迷いが無くなる事は無い
だから悩んで、間違えて、苦しんで…誰もがそうして生きていく

道は一つであって一つじゃない

きっと、どの方向に進んでも、例え立ち止まっても
自分の向いている方向がいつだって前なんだ


だから歩いて行こう、たまには両手を広げて走ってもいい

疲れたら立ち止まって、違う方向に進んでもいい


昨日までの記憶、全てが大切で必要な物、だから
忘れないように今をしっかりと心に残そう


マト#゚д゚)メ「なんだよ…どっか行っちゃうのかよ…」

「えー、私まだ全然遊んでないのにー」

( ^ω^)「ごめんお、お詫びに今日は何でも言う事聞いちゃうお!」


こうして…僕のこの家での最後の夜は過ぎていった



169 名前: 建設作業員(栃木県) :2007/03/26(月) 22:04:49.00 ID:bXtdLoYo0


…………。


( ^ω^)「…それじゃ、改めてお世話になりましたお」


マト#;д;)メ「ばかばかばかばかばか!絶対また来るんだぞ!
      じゃないと訴えてそんがいとばいしょうをせいきゅうするんだからな!!」

「ブーン!バイバーイ!」

J( 'ー`)し「…」


歩き出す僕に、みんなずっと手を振ってくれていた
最後に手を挙げ返事をする

「約束するお! 必ず、また来るおー!!」

一頻り大きな声が上がる
僕は背を向け思い切り地を蹴り、駆け出した


170 名前: 建設作業員(栃木県) :2007/03/26(月) 22:05:42.09 ID:bXtdLoYo0

早くみんなに会いたい
言いたい事があるんだ

その一心で、疲れも忘れて走り続け

息も絶え絶えに辿り着いた僕を待っていたのは








絶望の知らせだった







197 名前: クリーニング店経営(栃木県) :2007/03/27(火) 08:15:39.26 ID:xu8sJwkM0

その情報は、本当に突然届いた

湖鏡とルファウスの同盟が正式に結ばれ、本格的に進行を開始
こちらは当然その進行状況ばかりに目が行く

開戦間際
まるでその隙を突くように
既に国内に侵入していた少数が暴動を起こした

すぐに沈静化される物と思われたそれは覆され
被害だけが増えていく

聞く所によれば

うち化物が二名

その一人は


( A )「……黒い剣?」


漆黒に染められた剣を持ち、次から次へと虐殺を繰り返しているという
脳裏に、何かがはっきりと浮かび上がる


(;'A`)「も…モナー…さん」



198 名前: クリーニング店経営(栃木県) :2007/03/27(火) 08:17:06.60 ID:xu8sJwkM0

あの忌まわしい日
彼女が、全てを奪われたあの日
血さえ流す事さえ無いままに永遠に眠るあの人の姿

決めていた
生きていると聞いたあの時から、密かに胸に秘めていたあの想い

また俺から奪い取っていくつもりなのか


コンドコソ コロシテヤル


川;゚ -゚)「ドクオ!? どこに行くつもりだ!」

燃え上がる心に制止は届かず
俺は外に飛び出した

  _,
(;゚∀゚)「あの馬鹿…っ!」

(;゚∀゚)「おいハインリッヒ!!」

从;゚∀从「え、な、なんだよ?」

  _,
( ゚∀゚)「頼んでおいたもん、借りてくぞ」


199 名前: クリーニング店経営(栃木県) :2007/03/27(火) 08:18:11.59 ID:xu8sJwkM0

从;゚∀从「え? あ、おう、いいけど」

( ゚∀゚)「…うし」

ζ(゚−゚;ζ「うし…って…それ、雷珠!?」

/ 。゚ 3「ジョルジュ…お前…」

  _,
( -∀-)「こないだので分かった事がある…このままじゃ
     俺は間違いなく負けちまいそうなんでな」

ζ(゚Δ゚;ζ「だ、だめよだめだめだめ!! それ使ったらお兄ちゃんが!」

  _,
( -∀-)「……俺な、ずっと悔やんでる事があんだよ」


ζ(゚Δ゚;ζ「…?」

  _,
( -∀-)「VIP国の連中…俺はずっと、見てるだけでさ
     本当は一度会って話してみてーなって思ってたんだ」


ζ(゚−゚*ζ「…」
201 名前: クリーニング店経営(栃木県) :2007/03/27(火) 08:20:18.72 ID:xu8sJwkM0
  _,
( -∀-)「んでよ…あんな事になって、本当はちっとだけ楽しみだった
     これで助ければ…会えるんだ、ってな
     なのに結局誰も彼も死んじまって……俺は誰も助けらんねーでさ」


川 ゚ -゚)「…ぁ」

  _,
( -∀-)「もう、あんなのはごめんだ、だからこれは俺の勝手な誓いだけどよ
     何も話せなかったあいつらが守ろうとした物は…」


川 ; -;)「……っ!」


「…例え俺がどうなろうが…
 あいつは死なせる訳にゃいかねえんだ!!」


ζ(゚Δ゚;ζ「ま…待ってよ!!」

ζ(;−;*ζ「やだ………やだよぉ…」


/ ,' 3 「……だから…お前は馬鹿なんじゃ…」

そうしてジョルジュさんも外へ飛び出していった
そのすれ違いに、中へ駆け込む人間に気付く事無く


202 名前: クリーニング店経営(栃木県) :2007/03/27(火) 08:22:37.23 ID:xu8sJwkM0


…………。


从;゚∀从「お…お前…」

(;^ω^)「はぁ…はぁ…あ、あれ?」

これは想定の範囲外、いったい何がどうなってるの?
この非常に重い空気はなんですか?

皆項垂れ、デレとクーさんに至っては orz←の状態で
僕に気付くと一様に呆けた顔で黙り込んでしまった


(;^ω^)「…お、おいすー」


とりあえず軽く手を挙げてみた


あ、もしかして僕空気読めてない?


ζ(;−;*ζ「ぁ…ぁぁ…ぁ」


(;´・ω・`)「ブーン!?」


203 名前: クリーニング店経営(栃木県) :2007/03/27(火) 08:24:38.48 ID:xu8sJwkM0

(;^ω^)「た…ただいま、だ」
ζ(;Δ;ζ「ブーンさまあああああ」


( ゚ω゚)「おぶっ」

「うあああああああああ」

デレは僕にしがみつき大声で泣いている
予想の斜め上を行く展開についていけない


(;´ω`)「え、えーと…ショボ? これはどうなってるんだお?」

(;´・ω・`)「…え、あ」

あ、珍しいショボがきょどってる


(´・ω・`)「…まったく……まあいいや、君はそれで」

かと思えば人を小馬鹿にしたように笑った

(;^ω^)「…それで、何があったんだお?」


…………。



204 名前: クリーニング店経営(栃木県) :2007/03/27(火) 08:26:08.93 ID:xu8sJwkM0

(;^ω^)「…mjsk」

(´・ω・`)「mjds」

何だかとんでもないタイミングで帰ってきてしまったようだ
ていうかそれは凄くやばい、どれくらいやばいかと言うとマジやばい

そんなの冗談じゃない、ここには…あの子達も居るんだぞ


(  ω )「…把握したお」

(;´・ω・`)「え? 把握て…どうする気?」

( ^ω^)「決まってるお、僕も行く」


(;´・ω・`)「はあ!?」

ζ(;Δ;ζ「な、何言ってるんですか!?」

おお、凄い反応

ζ(;Δ;ζ「絶対駄目です! 死んじゃいますよ!!」

(;´・ω・`)「そうだよ、行ったって足手まといだよ!」


205 名前: クリーニング店経営(栃木県) :2007/03/27(火) 08:29:37.19 ID:xu8sJwkM0


(;^ω^)(一応僕って能力バトル物の能力者なんだけどなぁ…)

( ^ω^)「かもしれないお、でも大丈夫だお」


(;´・ω・`)「んな…」

小さくガッツポーズ、二人は唖然と僕を見ている
その隙を突いて(?)駆け出した


ζ(;Δ;ζ「…だ!」


けど入り口前で振り返る、そうだ、先に言いたい事があった


( ^ω^)「デレ、後でじっくり帰さないについて聞かせてもらうお!」

ζ(;Δ;ζ「…!」


( ^ω^)「ショボ、前に船で言われた事、思い出したお」

(;´・ω・`)「え?」

207 名前: クリーニング店経営(栃木県) :2007/03/27(火) 08:33:21.69 ID:xu8sJwkM0

『友達を信じる自分を信じている』
これは僕の思想、昔彼に話した僕の言葉だ
要するにあれは僕に対する嫌味というか当てつけだったんだな…オノレ

言いたい事だけ言って、僕は外へ飛び出した


うん、やっぱりこの方がいい、これが僕なんだ


それにしても相も変わらず暑いったらないなぁ
…まだ太陽も昇りきっていないというのに

早くも額に滲む汗も気にせず、僕は走り続けた


……。


(;´・ω・`)「……」

ζ(;Δ;ζ「……」

210 名前: クリーニング店経営(栃木県) :2007/03/27(火) 08:37:09.40 ID:xu8sJwkM0

沈黙、言葉も無い

いきなり帰ってきたかと思えば、またいきなり消えてしまった

/ ,' 3 「…」

(;´・ω・`)「って…あれ? 荒巻さん、どこに居たんですか?」

/ ,' 3 「うむ、こうなれば…賭けじゃ」

(´・ω・`)「賭け?」

(゚ー゚*州「…これを」


ユウが何かを差し出す

見えるのは金色と黒


(゚ー゚*州「未だかつて、誰もその力を揮えた事無きこの力を…託します」


ノノ*゚∀゚)「これこそ、私達の国が誇る神具」


「日陽の剣です」


2 名前: クリーニング店経営(栃木県) :2007/03/27(火) 20:57:14.41 ID:xu8sJwkM0

………。

水蒸気が視界を奪い

猛る炎が暴れ狂う

その度に聞こえてくる断末魔


( A )「はあっ…はあっ…」


それら全てを乗り越えて…


('A`)「……モナーさん」

( ・∀・)「あれー? 君は…ああ、そうだ」


血の海の中に居る彼の姿を
ようやく…ついに見つけた


( ・∀・)「やあ、調子はどうー?」


3 名前: クリーニング店経営(栃木県) :2007/03/27(火) 20:57:50.24 ID:xu8sJwkM0
('A`)「あなたを殺したくて」

( ・∀・)「ほんと? あははーやっぱり君は生かしておいて正解だったね」

('A`)「…どういう意味ですか?」

( ・∀・)「別にー? なんとなく、おもしろじゃん、狙われるのって」


そうして笑う…まともじゃない


(♯'A`)「ふざけるなぁ!!」

剣を振りぬく
炎が溢れ、伸びていく

(;'A`)「な!?」

が、途中で不自然に炎がそれていく

( ・∀・)「ざんねーん、ちゃーんと炎対策はしてあるんだよー」

モララーの前に数人の男が並ぶ

( ・∀・)「どんなにその剣が凄くても結局は炎、接続の前には無意味なんだよねー」

(;'A`)「…っ!」

4 名前: クリーニング店経営(栃木県) :2007/03/27(火) 20:58:43.58 ID:xu8sJwkM0

( ・∀・)「さて…どうするー? 君、勝ち目ないよねー」

楽しそうに呟くと
応えるように数人が前に踏み出し、手を前に翳す


(;'A`)「!!!!」


次いで、俺の目の前で炎が爆ぜた


……。


遠くに炎が見えた
目指すはあそこだ、あそこに彼が居る

息が切れ、苦しい
けど足は自然と前に出る

(;`ω´)「…?」

その時、前方に人が数人見えた
見知らぬ服装、そしてその手には鈍く輝く銀


5 名前: クリーニング店経営(栃木県) :2007/03/27(火) 21:00:06.71 ID:xu8sJwkM0

(;´ω`)「あわわ…」

どうみても敵国の方です、本当に(ry

僕の方に気付いたのか、こちらを睨み剣を向け

「そこの、止まれ!!」

制止を促す、止まれと言われて止まるわけにはいかない


( `ω´)「……」

やるしかない、僕に出来る事

それは何時だってそこにある物

だから呼吸するように、呼応する

背中に受ける風
それはそのまま前へ進む

両手を広げ足を前に

( `ω´)「おおおお!!」

前方に伸び行く風の通り道、ksk
身体ごと突っ込む


6 名前: クリーニング店経営(栃木県) :2007/03/27(火) 21:00:26.69 ID:xu8sJwkM0

巻き込まれた人間が浮き、転倒する
一人は宙へ投げ出され家の壁に激突し、倒れこんだ

「接続者か!?」

「このガキがぁ!!」

( ゚ω゚)「お!?」

思わず立ち止まってしまった僕に残った一人が歩み寄る

(;´ω`)「うわっ…!」

前を向いたまま後退している間につまづき、滑稽に転び尻餅をつく
敵国の男はそんな僕を見て口の端を吊り上げ滲み寄る
丸腰の僕に、その剣の切っ先を向けたまま掲げた

( `ω´)「う、うわあああ!!」

慌てて両手を前に突き出す、瞬時に突風が起きた
男は突然の事に体制を崩し倒れこんだ

そして僕の股間の下に剣が突き立つ

( ゚ω゚)「ひいい!!」

息子が縮みあがる
もう数センチで色々\(^o^)/


7 名前: クリーニング店経営(栃木県) :2007/03/27(火) 21:00:51.99 ID:xu8sJwkM0

「こいつっ!」

目の前の男が立ち上がった
こんな所で性別反転する訳にはいかない



じゃなくて死ぬ訳にはいかない
慌てて目の前にある剣を掴み立ち上がり、正面に構える

(;`ω´)「こ、こっちミンナ!!」

「てめえ、人の獲物を…」

「いい気になるな…小僧ーー!!」

後ろに居たもう一人が僕との距離を詰め、剣を振り上げ
上からの一閃、甲高い音が響く

(;´ω`)「…つぅ…」

手が痺れ、剣が地に転がった
どうにか軌道をそらせたがとてもじゃないが受けきれない


8 名前: クリーニング店経営(栃木県) :2007/03/27(火) 21:01:17.21 ID:xu8sJwkM0

「死ね!!」

( ゚ω゚)「わあっ!?」

横に大きく身体を捻る
斜めに振られた剣筋が走り、僕のすぐ左を通り過ぎた

避けられた事が不満なのか、男は苛立ちを露に僕を睨む
そりゃそうだろう、自分でも驚いたくらいだ

男が剣を振りかぶった瞬間、身体が反応した


(;´ω`)「こらあかん!」

僕はその隙を見て逃げ出した!

「…」

「…ま、待て!!」

(;´ω`)(待つわけねーお!)

「く、あのガキ…なんつー逃げ足の速さだ!?」

どんどん距離が開いていく
このままなら逃げ切れる、そう確信した時
10 名前: クリーニング店経営(栃木県) :2007/03/27(火) 21:01:41.25 ID:xu8sJwkM0

(;´ω`)(しまった!)

僕は気付く、逃げる方向が逆だった
元来た道を戻ってどうする

思わず立ち止まり、振り返る
まだしっかり追ってきているのが見えた

しつこ過ぎだろう…常識的に考えて…

(;^ω^)「行くしか…ないかお…」


こうなったら、どうにか突っ切るしか無さそうだ

突っ切って…どうする?

ここに来て、考えないようにしていた迷いが浮かぶ
さっきだって現にほとんど何も出来なかった
そんな僕が行って、どうするつもりなんだ?

…いや

( `ω´)「関係ねーお!」

11 名前: クリーニング店経営(栃木県) :2007/03/27(火) 21:02:36.59 ID:xu8sJwkM0

もう何が出来るかとか、出来ないとか、そんなのは知るか
僕は僕が思う通りに生きよう

そうじゃないと…また駄目になる

守りたい物がある
もう一度会いたい人が居る

それだけで充分だ

前を向く

( `ω´)「行くお…」

決意も改め足を踏み出す
目には二人の敵が映り、迫り


同時に声

14 名前: クリーニング店経営(栃木県) :2007/03/27(火) 21:03:55.84 ID:xu8sJwkM0


「ブーーーーン!!」


(;^ω^)「ん…ショボ!?」

(;´・ω・`)「これを!!」

後方からこちらに走りながら
ショボが僕に何かを投げた

(;´ω`)「ひい!?」

大きな何かが僕へ飛来し溜まらず避ける
足元に大きな音を立て、何かが転がった


それは金色の柄が輝く剣


え?これを使えって?


(;´・ω・`)「危ない後ろ!!!」

(;`ω´)「!!」


15 名前: クリーニング店経営(栃木県) :2007/03/27(火) 21:05:03.37 ID:xu8sJwkM0

既に男が僕の目前にまで迫っていた
慌てて剣を拾い上げ、黒い鞘を抜き放つ

「「おおおお!!」」

声が重なり、弾けたような金属音
交わる剣、衝撃、足が下がる


 今度は 受け止めた


( ゚ω゚)「…これは…」

「なんだと!?」

動揺した素振りを見せ、弾かれるように男が数歩下がった


僕は剣を見つめていた


(;´ω`)「…ボロいお」

17 名前: クリーニング店経営(栃木県) :2007/03/27(火) 21:06:54.52 ID:xu8sJwkM0

パッと浮かんだ感想が思わず口に出る

何だかざらついた表面、銀色の刀身は
その派手な柄にはあまりにも不似合いだった


(ボロ言うなホマ!!)


(;´ω`)「…?」


(まあいいや、お前、名前は?)


(;´ω`)「…???」

なんだろう、幻覚?
いやこの場合は幻聴?


(…聞いてる?)


(;´ω`)「!? ななな、なんだおこれ、気持ち悪いっ!!」


18 名前: クリーニング店経営(栃木県) :2007/03/27(火) 21:09:52.53 ID:xu8sJwkM0

耳の奥の奥、脳内に次から次へと言葉が浮かぶ
知らない誰かの声が再生される


(きも…!? …いいから応えるホマ!)


( ゚ω゚)「反応した!?」

「こいつ…ふざけやがって!」


(おい!危ない!!)


(;゚ω゚)「うわ!!」

「!?」

男が迫る

僅かに見えたその刃
思わず庇うように手を前に突き出す


19 名前: クリーニング店経営(栃木県) :2007/03/27(火) 21:10:37.80 ID:xu8sJwkM0

甲高い音が響き


時が


止まった


( ´ω`)「…?」


目の前で重なり合う二つの剣
不思議に思い、よく見つめる

そこには、鏡に映る僕の姿


刀身が上天の光を受けその身を白銀に輝かせる


(これから相棒になるんだから、名前くらい教えろホマ…)


頭には尚、声

何だかちょっと泣きそうな、いじけた声

22 名前: クリーニング店経営(栃木県) :2007/03/27(火) 21:11:57.74 ID:xu8sJwkM0

頭には尚、声
何だかちょっと泣きそうな、いじけた声

手に感じる重さはほとんど無い

…違う、軽く、どんどん軽くなっていく

( `ω´)「おお!!」

「…なっ!?」

足を踏ん張り、一気に腕に力を込めた
目前の男は剣を弾かれ、困惑する


(;´ω`)「…あ、あれ?」

(もう一度聞くホマ)

『お前の名前は?』


(;`ω´)「…ああもう!!わけがわからん!きがくるっとる!!」

( `ω´)「僕は内藤! 内藤ホライゾンだお!!」

25 名前: クリーニング店経営(栃木県) :2007/03/27(火) 21:16:16.22 ID:xu8sJwkM0


(内藤…)


( ^^ω)(オレはマルタスニム・G・瀬川だホマ)

(;´ω`)「まるたすにむ…がうぇいん?」

( ^^ω)(ホマホマ、それじゃあ…)


(;´ω`ω)『「今この瞬間より、誇り名乗れ」』


( ゚ω゚)「!?」




( `ω´ω)『「太陽の管理者、内藤ホライゾンの名を!」』




口が勝手に開き、声高々と喋りだす
思わず口を抑えるも止まらない
31 名前: クリーニング店経営(栃木県) :2007/03/27(火) 21:18:29.39 ID:xu8sJwkM0


(;゚ω゚)「ななななな、なんですと!?」


「な…このガキ…今、なんて言いやがった!?」

「か…管理者…?」


( `ω´ω)『「さあ、日輪の輝きを恐れないなら…かかってこい!」』


僕の口は勝手に挑発を繰り返す
なんですかこれは、ちょっと勘弁してくれませんか

「な、舐めやがってええ!!」

怒り、猛り、二人が一斉に襲い掛かる

(;゚ω゚)「ひぃぃい!?」

今度こそ死ぬ、そう覚悟した
何だかよくわからないけどわからないうちに殺される
そう思ってた

でも…何だろう
34 名前: クリーニング店経営(栃木県) :2007/03/27(火) 21:21:55.60 ID:xu8sJwkM0



ふいに頭に疑問が浮かぶ


何故こんなに…


( ゚ω゚)「…」


 遅いんだ

   遅すぎる



一人目、上段から放たれた一閃は横に身体を捻りながら避けた

( `ω´)「…っ」

二人目、横薙ぎの一撃、これは避けられない
捻った身体を振り回し剣を振るう、男の剣は簡単に弾かれ、破片が散らばった



35 名前: クリーニング店経営(栃木県) :2007/03/27(火) 21:23:27.13 ID:xu8sJwkM0



加速する時間



無限に広がる一秒



刹那を超える認識力



全ての限界を凌駕し




そして





38 名前: クリーニング店経営(栃木県) :2007/03/27(火) 21:26:10.24 ID:xu8sJwkM0

  ( `ω´)「おおお!!!」


  振り上げ、打ち下ろす剣

  男は止めるべく構えた


  金切音、耳が痺れるような感覚と共に
  男が構えた剣は綺麗に両断された




…その時間加速についていける肉体



太陽ある限り、抜き手の全ての神体強化

それがその力の全て


その神具の名は


太陽剣 ガラティン



39 名前: クリーニング店経営(栃木県) :2007/03/27(火) 21:28:24.25 ID:xu8sJwkM0








    【次回予告】ピョコン!ペタン!ピッタンコ!!テテテテテテテー







41 名前: クリーニング店経営(栃木県) :2007/03/27(火) 21:29:47.18 ID:xu8sJwkM0
ミ,,゚Д゚彡「今日のゲストは誰ですか?」

>>43
43 名前: ひよこ(関西地方) :2007/03/27(火) 21:30:44.86 ID:eMOTz8vF0
(^^ω)
48 名前: クリーニング店経営(栃木県) :2007/03/27(火) 21:50:06.09 ID:xu8sJwkM0

ミ,;゚Д゚彡『さ〜て来週の…来週なのか?』

( ^ω^ω)『『知らんがな』』

ミ,;゚Д゚彡『うわっきもい! きもすぎる!』
(;^ω^ω)『『うるさいホマ! しょうがないな…』』

( ^ω^)( ^^ω)『ふぅ…』

ミ,;゚Д゚彡『ええーーー!!??分裂しちゃったーーーーー!!!』

(;^ω^)『次回はいよいよ激突だお…やだなぁ』
( ^^ω)『なーに、オレが憑いてるげっちょ』

ミ,;゚Д゚彡『ねえ、なんか色々間違ってない?』


( ・∀・)「君は殺さないよー、それでさ、もっと憎んでね」


ミ,;゚Д゚彡『…しかも普通に喋ってるし』

ミ,;゚Д゚彡『死闘の果てに、ブーンが誓う物とは!?』

( ^^ω)『次回!! 異世界でもう一度 第12会 「戦う願いと守る誓い」 』

ミ,, Д 彡゚ ゚『読んでくれなきゃ…ってタイトルちょっと待てぇーーーーーー!!』

つづく、、、I

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