404 :kaiMgyVz0 ◆qTXlnhuw1U :2006/12/17(日) 15:25:33.38 ID:9aihaNXy0

四日目



('A`)  「・・・・・・」

ξ゚听)ξ 「・・・・・」

('A`)  「・・・・・」

ξ゚听)ξ 「ねぇ・・・食事とらないの?」

('A`)  「・・・・・」

ξ゚听)ξ 「何度も言うけどアンタの傷を治す為に身体には相当無理をさせたわ・・・。しかもその間は
     水と少量の糖しか摂取してない・・・」

('A`)  「・・・・・」

ξ゚听)ξ 「死んじゃうわよ・・・?」

('A`)  「・・・・・」

ξ゚听)ξ (・・・・・こりゃ身体の傷よりやっかいね・・・)




405 :kaiMgyVz0 ◆qTXlnhuw1U :2006/12/17(日) 15:26:48.84 ID:9aihaNXy0




『ドクちゃん・・・』



('A`)  「・・・・・・」


『ドクちゃん・・・ごめんね、いつもかまってあげられなくて・・・』

『いつも貧乏な思いばかりさせてごめんね、カーチャンこんな仕事しか出来ないから・・・』


('A`)  「・・・・・・」


407 :kaiMgyVz0 ◆qTXlnhuw1U :2006/12/17(日) 15:28:23.37 ID:9aihaNXy0


『カーチャン!ハンバークおいしいね!!』

『うん、おいしいね・・・・・・・ごめんね、カーチャンがもう少し稼げたら月に一度じゃなくて
もっといっぱいおいしいものを食べさせてあげらるんだけど・・・』

『・・・・・・・カーチャン、僕大きくなったらさ、すっごいいっぱい働いて大金持ちになるよ!
そしたらカーチャンはもう働かなくていいから一日中家で遊んでていいよ!』

『ゴハンも作らなくていいよ、毎日レストランに食べに行こう!これよりもっと大きなハンバーグを
いっぱい注文してあげるから。あと大金持ちになったらさ、二人で世界中旅をしようよ!カチャーン
いつも働いてばっかでどこにも遊びに行けないでしょ?だから僕がカーチャンの好きな所、どこでも
連れてってあげるよ!』

『ドクちゃん・・・』

『ほんとだよ!僕絶対に大金持ちになるから!そうしたらカーチャンはつらい思いしなくていいから、
待っててね・・・僕が大人になるまで待っててね』

ギュッ

『・・・ありがとね、ドクちゃんありがとね。カーチャンすごくうれしいよ・・・』


('A`)  「・・・・・・」




408 :kaiMgyVz0 ◆qTXlnhuw1U :2006/12/17(日) 15:29:34.65 ID:9aihaNXy0


『ドクちゃん・・・どうしても学校がイヤなら辞めてもいいのよ・・・?
もう一年以上休んでるんだし、無理に行かなきゃ行かなきゃって思ってても辛いでしょ・・・?』

『・・・・・』

『大丈夫、高校だけが全てじゃないんだから。大検をとれば進学は出来るし、今は通信教育とか
不登校の子が通う学校だってあるし・・・ううん、ドクちゃんがイヤなら無理に進学しなくたっていい、
世の中には学歴がなくても立派に生きてる人は一杯いるんだから・・・』

『・・・・・』

『・・・ごめんね。ドクちゃんは高校でずっと辛い思いをしてきたのに・・・・今はまだそんな事考えられないよね。
・・・・・・ゆっくり考えて行こうね。ドクちゃんにはいい所が沢山あるんだからきっとなんとかなるよ・・・』

『(辛い思いをしてるのは自分だろ・・・・)』


('A`)  「・・・・・・」




409 :kaiMgyVz0 ◆qTXlnhuw1U :2006/12/17(日) 15:30:37.07 ID:9aihaNXy0


『ドクちゃん、この間の面接結果・・・出たの?』

『駄目だった・・・』

『そう・・・残念だったわね・・・。でも、焦る事ないよ。今は新卒の人でも就職には苦労してるみたいだし』

『つーか、さ・・・・。やっぱ怖いよ・・・・・知らない人の前で喋ったり質問されたりすんの・・・。
全然まともにしゃべれない・・・・・。こんなんじゃ仮に受かっても仕事なんて無理っぽい・・・』

『・・・・・・』

『まぁ・・・・とりあえず正社員は無理でもさ、なんとか自分の出来そうなバイトでも探してみるから』

『うん・・・、きっとなんとかなるよ・・・』


('A`)  「・・・・・・」




410 :kaiMgyVz0 ◆qTXlnhuw1U :2006/12/17(日) 15:32:00.86 ID:9aihaNXy0


『ドクちゃん・・・最近仕事探しの方、どう・・・?』

『うん・・・・・』

『なかなかうまくいかないね・・・・・・・』

『・・・・・・』

『・・・・あのね・・・カーチャンの知り合いにね、パンを作る工場で主任をやってる人がいるの。
それでドクちゃんの事を話したら』

『つーか自分で探すからさぁ!余計な事しなくていいよ。・・・・・・うざいよ、そーゆーの』

『・・・・・・・ごめんね・・・』


('A`)  「・・・・・・」




411 :kaiMgyVz0 ◆qTXlnhuw1U :2006/12/17(日) 15:32:55.09 ID:9aihaNXy0


『ドクちゃん、仕事・・・』

『あー、探してる。多分もうすぐ決まる』

『・・・・・・最近あまり外にも出てないようだけど・・・・』

『・・・・・・』

『・・・・・ドクちゃん』

『つーか金なくてさぁ、ちょっとくんない?』

『・・・・今月のおこずかいは・・・?もう無いの・・・?』

『いや、どうしても欲しいゲームがあってさ。今月発売で予約してあるんだよ。でもPCのパーツを
交換したら予想外の出費でさ、金が足んなくなっちゃって』

『・・・・・』

『バイト決まったら速攻返すから』

『・・・・・』


('A`)  「・・・・・・」




412 :kaiMgyVz0 ◆qTXlnhuw1U :2006/12/17(日) 15:34:42.29 ID:9aihaNXy0


『お元気ですか?無事にりよかんについたのでメエルしました』

『さつきのメールはカーチヤンからです』

『カーチヤンというのはあなたのカーチヤンのことです』


('A`)  「・・・・・・」


『きあー!ドクオからメエルがきてカアチヤンうれしいかよ!!!!』



『ドクちやん、いつぱい返信ありがとう。とてもうれしいです。メールが下手でごめんなさい。
でも家にかえつたらドクちやんが教えてくれると言うのでとても楽しみです。早く家に帰りたいです。
とても楽しみにしています。』


('A`)  「・・・・・・・・・・・・・・・・・あぅぁ・・・・・・ぁぁぁあぁ・・・・」




413 :kaiMgyVz0 ◆qTXlnhuw1U :2006/12/17(日) 15:35:56.00 ID:9aihaNXy0


ξ゚听)ξ (ッ!!・・・またか・・・)

('A`)  「おぉぉぉあ・・・・・・ぁあぁ・・・・・・・・・・・・うぅぅ・・・うぅぅ・・・」

ξ゚听)ξ (人間のメンタルってヤツはとんでもなく複雑ね・・・。呼吸と脈拍と自律神経の乱れで
      私までしんどくなってくる・・・・・)

('A`)  「・・・・うぅぅ・・・・・・・・・・・・・・・・・」


('A`)  (・・・・多分ひとつもいい事なかったな、カーチャンの人生は)


('A`)  (トーチャンに早く死なれて、女で一つで苦労して子供を育てて。育てた子供は才能も根性もないニートで。
     一生懸命育てた息子に一つも恩返ししてもらえずに・・・・・・寄生虫に食われた・・・・)



414 :kaiMgyVz0 ◆qTXlnhuw1U :2006/12/17(日) 15:37:16.23 ID:9aihaNXy0

('A`)  「・・・・・・・ぁぁぁぁああああああああああアアアアアアアアアア!!!!!!!!!」

ξ゚听)ξ (ッ!!・・ッッ!!)

('A`)  (だってイキナリ死ぬんだもん・・・・。唐突すぎるぜカーチャン。なんでそんなに早く死ぬんだよ
     俺まだ21だぜ?・・・まだこれからじゃねえか・・・。やっとこれから仕事始めて・・・・・
     一人でやってけるようになって安心させてやって・・・・その内カーチャンを養える位稼いで・・・・
     うまいもん食わせてやって・・・・のんびり温泉にでも連れてってやって・・・・・・そしたら
     カーチャンは初めて『ああ、幸せだ。この子を産んでよかった』って思って・・・・・・・・・・・・)



('A`)  「・・・・・・・なぁんてな・・・・・」

ブンッ バリィィン!!!

ξ゚听)ξ 「ッ!?」




415 :kaiMgyVz0 ◆qTXlnhuw1U :2006/12/17(日) 15:40:24.68 ID:9aihaNXy0

ガンッ カンッ ガンッ カンッ  

ξ゚听)ξ 「ドクオッ!? 何やってんの!! やめなさい!! 出血してるわよ!!!!」

ガンッ カンッ ガンッ カンッ

('A`)  (なぁにすっとぼけた事言ってんだか・・・・・・そんな日は来やしねえって、永久に。
     いつだって・・・、いつだって俺は『明日にしよう』『また今度』『今は駄目だけどいつかは』つって問題を先送りして・・・・・・・
     結局取り返しがつかなくなるまで気付かねえんだ、自分が逃げてるって事に・・・・・・・・・いや、
     ほんとは気付いてたクセに気付かないフリしようとしてたんだから最悪にタチが悪いな・・・・)

ガンッ カンッ ガン・・・・

('A`)  (もう俺終わってるわ、どうしようもねえ・・・・。今ハッキリ分かった。生きてる価値がねえ。
     死んだ方がいい・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うん、
     ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・死んだほうがいい)

('A`)  「・・・・・・」

ξ゚听)ξ 「・・・・・・」



('A`)  (でもその前に・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・やるべき事がある!!!!)
4 :kaiMgyVz0 ◆qTXlnhuw1U :2006/12/19(火) 19:42:21.34 ID:L+bP8Dzn0

四日目の夜


ξ゚听)ξ 「アンタそれマジで言ってんの?」

('A`)  「ああマジで言ってる」

ξ゚听)ξ 「・・・・・」

('A`)  「一刻も早く・・・一秒でも早くヤツを殺す。あんな化け物がカーチャンの身体に
     取り付いてのうのうと暮らしてるなんて・・・・・・我慢できねえ、吐き気がしてくる」

ξ゚听)ξ 「・・・・。アンタにとって、人間にとって『家族』ってものがどれだけ大きな存在かって事は、
     私もここ数日のアンタを見て来て学習出来たつもりよ・・・・でもアンタもいい加減私のキャラを
     理解して欲しいんだけどね・・・・・」

('A`)  「わかってるよ。お前にとっては自分が生きてる事だけが重要な事で他は全部どうでもいい、だろ?」

ξ゚听)ξ 「正解よ。オナニーの手伝いならいくらでもしてあげるけど自分の命が
     危険に晒されるような事に協力するつもりは一切ないわ」

('A`)  「でもヤツは俺達の事を邪魔に思ってる、そしてこの家の場所も、俺の身元も知ってる。
     もし俺達が生きてるって知ったらまた殺しにくるだろう。そうなりゃどうせまた戦うんだ、
     だったら今やっても後でやっても結局は同じ事だろ?」




5 :kaiMgyVz0 ◆qTXlnhuw1U :2006/12/19(火) 19:43:47.15 ID:L+bP8Dzn0

ξ゚听)ξ 「・・・私達の生存が必ずしもヤツにバレるって決まった訳じゃないわ、今頃ヤツはアンタの母親とは
     別人になりすましてるだろうし・・・私達とは遠く離れた土地で暮らしてるかも知れない。
     だったら今無理にリスクを犯す事はないでしょ?」

('A`)  「・・・お前言ってたよな、先手必勝だって。もし俺達が生きてる事を知ったらヤツは始めから
     殺す気で来るだろ、そうなったら勝てる見込みはあるのか?大丈夫かも知れないと思って
     ヤツを放っておいて、もし襲って来られたらどうすんだ?そんな心配しなくていいように
     今先手を打って殺しとくべきじゃねえのか?」

ξ゚听)ξ 「・・・・・」

ξ゚听)ξ (・・・・・まるで別人ね。数日前までは寄生生物に対してあんなに激しく怯えてたのに・・・・・
     今じゃ逆に自分から戦いを求めてる・・・・・・・。呼吸や脈拍からもハッキリと解る、殺し合いに
     対する恐怖感が全く感じられない・・・)




6 :kaiMgyVz0 ◆qTXlnhuw1U :2006/12/19(火) 19:44:46.95 ID:L+bP8Dzn0

('A`)  「なぁツン・・・、さっきも確認したけどお前にとって一番大事な物は自分の命だ・・・・
     俺も先週まではそうだった。もし自分が死にそうだったら他の全ての事を犠牲にしてでも
     助かろうとしていたと思う・・・」

ξ゚听)ξ 「・・・・・」

('A`)  「でも今は違う。今の俺にとってこの世で一番大事な事はヤツが死ぬ事だ。
     それ以外の事は全部どうでもいい、1ミリの価値も無い、自分の命も含めてな」

ξ゚听)ξ 「・・・・・」

('A`)  「お前が協力してくれないなら俺は一人でやる。無謀だろうが何だろうが必ずヤツを殺す。
     絶対に何か方法があるハズだ。もしお前が止めるなら俺は命がけで逆らう。
     ・・・・・俺が言いたい事わかるか?」

ξ゚听)ξ 「自分に協力した方が結局リスクは少ないぞ、って事でしょ?」

('A`)  「ツン・・・・・頼む!! お前に頭を下げてもお前にとっては何の価値も無い事なんだろうけど
     それでも頼む!! ヤツは・・・・ヤツは絶対に殺さなきゃいけないんだ!!!ヤツが今我が物顔で
     乗っかってるのはカーチャンの身体なんだ!!ヤツのもんじゃない!!!取り戻さなきゃいけないんだ!!!
     何があっても絶対にッ!!!」


ξ゚听)ξ 「・・・・・・・・・・・・」



7 :kaiMgyVz0 ◆qTXlnhuw1U :2006/12/19(火) 19:46:54.53 ID:L+bP8Dzn0

('A`)  「頼む・・・・・・・・・・」

ξ゚听)ξ 「・・・・・確かに襲われるリスクと言う点ではアンタの言う事も一理あるわ」

('A`)  「・・・・・・」

ξ゚听)ξ 「てゆーか今のアンタ見てるとなんかもうこのまま死んじゃいそうだもんね、精神的に衰弱して。
     こんな呼吸も脈拍も神経も乱れまくった栄養失調寸前のアンタに寄生してるのはこっちとしても
     しんどいし。・・・でもあんまり期待しないでよ?相手の居場所については手がかりがほとんど
     無いんだから」

('A`)  「・・・・ありがとう」

ξ゚听)ξ 「・・・そーゆーのは人間相手に言ってよね。私が協力するのはあくまで自分の為なんだから」

('A`)  「でも・・・・ありがとう」

ξ゚听)ξ 「・・・・はいはい、『どういたしまして』」

('A`)  「・・・・・・(ごめん・・・)」



8 :kaiMgyVz0 ◆qTXlnhuw1U :2006/12/19(火) 19:49:23.15 ID:L+bP8Dzn0

翌日


('A`)  「(ガツガツガツガツ)」

ξ゚听)ξ 「食欲が戻ったのはいいけど、あんまがっつくと昨夜みたいに吐くわよ?胃が衰えてるんだから」

('A`)  「(ガツガツガツガツ)」

('A`)  (食欲なんてねーよ。・・・でも身体は回復させないとな)

('A`)  「(ガツガツガツガツ)」

ξ゚听)ξ 「・・・・・」

('A`)  「ゲプッ・・・・ゥェェ・・・・・」

ξ゚听)ξ 「・・・この家にある食料も近い内に底を突くわね・・・お金はどれくらいあるの?
     いわゆる・・・『蓄え』ってやつ?」

('A`)  「・・・・さーな」



9 :kaiMgyVz0 ◆qTXlnhuw1U :2006/12/19(火) 19:50:56.80 ID:L+bP8Dzn0

ξ゚听)ξ 「アンタの母親がどれくらい『貯蓄』してたのかが気になるけど・・・あと『ローン』とか。
     いずれにせよいよいよアンタが働かなきゃいけない状況になった訳よね・・・」

('A`)  「・・・随分と人間社会に詳しくなったよな、お前も。・・・その辺はちゃんとやるから心配すんな」

ξ゚听)ξ 「・・・ちゃんとやるって、何?働くって事?」

('A`)  「・・・だからその辺は心配すんな。とにかく今はヤツの事だけを考えてくれ」

ξ゚听)ξ 「・・・・・」

('A`)  (・・・・・・)



10 :kaiMgyVz0 ◆qTXlnhuw1U :2006/12/19(火) 19:52:36.76 ID:L+bP8Dzn0

・・・・・・・・・・・・・・


('A`)  「じゃあ昨日の話の確認な。あの時ヤツが言ってた言葉・・・」

『・・・一人暮らしだと踏んでいたこの女の家から同種の脳波を感知した時は、
まあ例え家族がいても同種なら同居も可能だろうと思ったのだが・・・・』

('A`)  「まずヤツはカーチャンの体を乗っ取ってカーチャンと入れ替わろうとした」

ξ゚听)ξ 「うん、いくら寄生生物でも表向き人間として生きていくからには社会的な地位を確保する
     必要がある。それには身体を奪った人間に成りすますのが一番てっとり早いって事ね」

('A`)  「だけどカーチャンには俺と言う同居人がいて、しかも俺にはお前が寄生していた・・・」

ξ゚听)ξ 「私の脳波を感知した時は、ヤツは同居人が寄生生物ならなんの問題もないと思ったんでしょうね、
     人間の同居人がいた場合は自分の正体がバレる可能性があるけど、同種ならそんな心配はしなくていいから」

('A`)  「でもお前は普通の寄生生物じゃなかった。脳ミソは俺の、人間のままだったんだからな」

『まさか腕に寄生しているとは・・・・・哀れだな。・・・・しかし同時に脅威でもある』

ξ゚听)ξ 「寄生生物の存在や生態を人間にバラされるかも知れないと思ったんでしょうね、
     だから私達を殺した・・・・・つもりでいた」

('A`)  「で、次の言葉だ」



14 :kaiMgyVz0 ◆qTXlnhuw1U :2006/12/19(火) 19:54:24.33 ID:L+bP8Dzn0

『ここでオマエごとこの人間を殺してしまえば・・・・・まあこの女のままでいる訳にはいかなくなるが』

('A`)  「ヤツは自分が乗っ取った人間の家族を殺した事で、後々面倒な事になると思った。
     俺の死体は自分で食っちまえばいいんだから殺した事はバレないかも知れないけど
     突然家族が一人消えたんだ、俺が学生だったり社会人だったりしたら学校や会社に言い訳を
     しなきゃいけなくなるし、下手したら失踪騒ぎになって警察だって呼ばれかねないしな」

ξ゚听)ξ 「人間社会の中で正体を偽ってひっそりと生きて行きたいヤツにとっては好ましくない事態よね。
     だからアンタの母親のままでいるのはマズイと考えた・・・・・でもどうもひっかかるのよね」

('A`)  「・・・・?」

ξ゚听)ξ 「旅行の一日目の夜にアンタの母親はアンタに電話している、そして二日目の夕方にヤツが現れた。
     つまりヤツがアンタの母親の身体を乗っ取ってからこの家に来るまで、長く見積もっても
     二十時間程しかない。そんな短期間で人間社会の仕組みをそこまで理解出来るもんなのかしら?」

('A`)  「・・・・」

ξ゚听)ξ 「私はアンタに寄生してから一晩で日本語を覚えたけど、たった二十時間でそこまでの事を
     理解するなんてとてもムリだったわ・・・。よっぽど知能が高いヤツなのか、それとも・・・」

('A`)  「・・・・そうだな、そこの所も後でもう一度考えてみるとしてだ、一番重要なのは
     最後の言葉だ」


16 :kaiMgyVz0 ◆qTXlnhuw1U :2006/12/19(火) 19:56:24.35 ID:L+bP8Dzn0

『まあいい。もう一人の方と入れ替わる努力をする事にする。間に合うかどうかは分からんが・・・』

('A`)  「正直俺はあまり憶えてないけどヤツは『もう一人の方』って言ったんだろ? 『もう一人』、
     カーチャンと、もう一人。つまりヤツがカーチャンの次に入れ替わろうとした人物はなんらかのくくりで
     カーチャンと共通点があるって事だ、少なくともヤツの頭の中では。それと『間に合う』って言葉。
     なんなんだ?一体何に間に合うんだ・・・・?」

ξ゚听)ξ 「・・・・・。とにかくアンタの母親の旅行中の行動を詳しく調べれば多分何か分かると
      思うの。アンタの母親の会社に・・・・」

トゥルルルルル トゥルルルルル

トゥルルルルル トゥルルルルル

ξ゚听)ξ 「電話・・・」




 
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