25 : ◆X5HsMAMEOw :2005/12/06(火) 22:26:32 ID:u9VYnEPn0
祠の中には、地下へと降りる階段しかなかった。
私たちは、その階段を下りていく。
壁にはともし火があり、松明をつけなくても、目の前は良く見えた。

階段を下りると、開けた広間に出た。
その広間には、五つの扉があった。

( ゚д゚ )「扉が五つか…。どうしたものか」
ξ゚听)ξ「! 見て、ここに何かあるわ!」

ツンが見つけたのは、古ぼけた紙切れであった。
なにやら、古代文字が書かれている。
ビコーズが身を乗り出し、それを読み始めた。

( ∵)「ふむふむ……。どうやら、五つの扉を同時に制覇する事が必要らしい」
( ゚∀゚)「同時に制覇?」
( ∵)「つまり、それぞれの扉に一人ずつ入るということだな」


時間は、あまりない。
迷う暇もなく、僕達は、それぞれ扉をくぐり抜けた。
30 : ◆X5HsMAMEOw :2005/12/06(火) 22:30:50 ID:u9VYnEPn0
( ゚∀゚)「……」

俺は、五つの扉のうち、一番右の扉を選んだ。
理由など無い。適当にだ。

扉をくぐった先には、通路が続くだけだった。
特に目立ったものは見当たらず、壁のともし火だけが道を照らしている。

( ゚∀゚)「ビコーズは扉を【制覇】すると言っていたな。どう言う事だ?」

そう、俺が一人でつぶやいた瞬間だ。

後ろから、殺気!
咄嗟に右手を軸に、後ろにステップ、攻撃を避ける。
俺はすぐにブリアードを鞘から抜き、構えた。


( ゚∀゚)「そこにいるのは誰だ!?」

( ^Д^)「………………貴様が、ジョルジュ」
( ゚∀゚)「!!!」


それは、間違いなく俺が以前殺した、プギャーだった。
40 : ◆X5HsMAMEOw :2005/12/06(火) 22:38:52 ID:u9VYnEPn0
(;゚∀゚)「何故だ? お前は俺が以前……!」
( ^Д^)「殺した、と言うのだろう?」
( ゚∀゚)「……あぁ」

( ^Д^)「私はプギャーではない。プギャーの細胞と魔菌から作り出された……クローンだ」
(;゚∀゚)「ク、クローンだと!? モナーの奴、そんなことまで!!」
( ^Д^)「貴様をここより先には行かせない。私は、モナー様に命を与えられた」
( ゚∀゚)「……へっ、構わないさ! 俺も、もう一度お前とやりあってみたかったからな!!」


―――――――――――


( ∵)「……どうして、爺ちゃんが?」
( ,' 3 )「何をしている、ビコーズ。お前の覚悟はその程度か」
(;∵)「クソ……! 爺ちゃんとやりあえと言うのか!?」
( ,' 3 )「…………その程度の志では、【魔】になど立ち向かえんぞ。弱いな」
( ∵)「お前は、爺ちゃんではないな? 何者だ!」
( ,' 3 )「私は無。私など、もとより存在はしていない」
( ∵)「……? 何を言っている」
( ,' 3 )「話す暇があるならば、目前の敵に集中する事だな」
47 : ◆X5HsMAMEOw :2005/12/06(火) 22:46:09 ID:u9VYnEPn0
( ゚д゚ )「………」

私は、一人になる機会がずっと欲しかった。
父上の失踪は、私の心に傷を与えていたからだ。
父上は、私のあこがれる唯一の人だった。それが、汚名を着せられる始末とは…私は、納得がいかなかった。

( ゚д゚ )「クソッ…」
コブシを、壁に叩きつける。
だが、そんな事をしても、ただ小さな音がし、私の手が少し痛くなるだけであった。

そう、それだけで済めばいいのだ。
なのに、その壁から、突如、人が現れた。
そして私は………その人物を、よく知っていた。


( ゚д゚ )「父上……」
( ゚Д゚)「………誰か…・」

それは、紛れもなく父上だった。
だが、私の事などその眼中にはないようだ。荒い息で、何かを言っている。

( ゚Д゚)「誰か……私を…助けてくれ……」

父上は、おもむろに腰帯から槍を取り出す。
そして、あろうことか、その刃先を私に突きつけたのだ。

( ゚Д゚)「私を……私を…あ………あぁ……」
( -д- )「父上…。今、私が楽にしてあげます」
66 : ◆X5HsMAMEOw :2005/12/06(火) 22:53:53 ID:u9VYnEPn0
ξ゚听)ξ「あ、内藤じゃない!」
( ^ω^)「あれ、ツン? 扉は繋がっていたのかお! でも、他のみんなはいないみたいだお」

正直、僕はホッとしていた。
女性で、実戦経験もまだあまりないツンが一人で行動するなんて、危険でしかないからだ。
幸いにも、僕が横に居るのだ。しっかりと守ってあげなければ。


…………ドクン

その時、僕の中の【魔】が脈打つ。
次の瞬間、僕は無意識のうちにツンを抱え、その場から飛びのいていた。
ツンが立っていた場所を見れば、その地面は何か大きなものによって、打ち砕かれていた。

( ^ω^)「誰だお!? 出て来いお!」

そいつが、闇からぬるりと姿を現す。
その瞬間、驚愕したのは僕だけではない。ツンもだ。


ξ・-・)ξ「……貴様が…私を殺した男か…?」
ξ゚听)ξ「に、兄さん!?」

それは紛れもなく僕が最初に殺めてしまった兵士……ツンの兄さんだった。
だが、今はそうでない。今の彼からは、僕と同じ臭いがする。

( ^ω^)「ツン、君の兄さんはもう死んだ…。おそらく、モナーの仕業だお」
ξ゚-゚)ξ「うん、わかってる」

ξ・ー・)ξ「遂に見つけたぞ……私を殺した男…。貴様も、同じ道をたどらせてやろう」
73 : ◆X5HsMAMEOw :2005/12/06(火) 23:01:10 ID:u9VYnEPn0
( ゚∀゚)「は!」

間一髪のところで、プギャーの剣を避ける。
そのまま、右足を軸にサイドステップ! 体の勢いに任せ、ブリアードを振り下ろす。

その途端、鈍い金属音が響く。
プギャーが、ブリアードを受け止めたのだ。

( ^Д^)「あの時は、四対一だったな。今は、正々堂々と良い勝負が出来る」
( ゚∀゚)「お前ほどの剣の使い手には、初めて会う。なあ、プギャー。たとえ、この戦いでどちらかが死のうとも……」

鍔迫り合いをする刀を、受け流す。
そして、ブリアードを一閃! ブリアードから衝撃はが出、地面を砕く!
だがしかし、プギャーもすぐに体勢を立て直し、それを避ける。

( ^Д^)「恨みっこはなし、か? クク、一度死んだはずの私に何を言っている」
( ゚∀゚)「……お前とは、戦場なんか出会わなければ良いライバルになれたかもしれないな。実にもったいない」
( ^ー^)「ああ。私も、これほど戦いが楽しいと思ったことはないぞ! 私の永遠の宿敵、ジョルジュ長岡よ!」
80 : ◆X5HsMAMEOw :2005/12/06(火) 23:10:46 ID:u9VYnEPn0
( ∵)「炎!」

叫びと同時に、ボルゾイから炎の竜巻が出、爺ちゃん………いや、奴の体を取り巻く。
だがしかし、その炎は一瞬で消え、なにごともないかのように奴は姿を現す。

( ,' 3 )「…魔法とは、こう使うのだ」

奴がそういった瞬間、激しい風が私を貫く!
私の体は風に飛ばされ、壁に勢いよく叩きつけられた、

( ,' 3 )「ろくに魔法の訓練をしていなかったな? ボルゾイに頼りすぎだ」
( ∵)「…余計なお世話だ」
( ,' 3 )「人の注意をあまり聞こうとしない。お前の悪いところだぞ。
魔法とは、魔道書だけの威力ではない。術者の魔力によっても、その力を変えるのだぞ」

私は立て続けに、氷をボルゾイから出し、奴の体に向ける。
だが、奴はその氷を、片手で意図も簡単に振り払った。

( ,' 3 )「魔力とは信じる力。魔法は私利私欲のために使うものではない。仲間を守るために使うものだ。
ならば仲間が居ない今、お前は何を信じればいいか……わからない筈はないだろう? 私の孫だからな」
( ∵)「…信じるもの? それは……私の……。私自身の力か!?」

私は、渾身の力で、ボルゾイから光の剣を創り出す。
そして、それを、奴に向けて打ち放つ!

だが、奴はそれを避けようともせず、こう呟いた。


( ,' 3 )「ふふふ…。我が愛しき孫よ、その心を忘れてはならぬ……」
90 : ◆X5HsMAMEOw :2005/12/06(火) 23:22:41 ID:u9VYnEPn0
( ゚д゚ )「父上、目を覚ませ! 貴方がマルチーズを私に託したのは、何故だ!」
( ゚Д゚)「…マルチーズ。返せ…私の物だ…」
父上の槍が、私の急所を狙ってくる!
私はそれをマルチーズで受け、鍔迫り合いをする。

( ゚д゚ )「父上! いい加減にしないか! 国の事を考えていた頃の貴方は何処へ行った!」
( ゚Д゚)「…国。私は……認められたかっただけだ。私は……汚い」
( -д- )「そんな…、そんな弱音を、私の父上は決して吐かん!」
マルチーズに思い切り力を込め、父上の槍を振り払う。
父上はそのまま、槍の重さと共に、地面へと転がり落ちた。

( ゚д゚ )「…何故だ! 貴方はいつからそんなに弱くなった! さあ、立て! 私はまだ満足などしていない!」
( ゚Д゚)「嫌だ…。私はもう疲れた…。楽にしてくれ……」
(#゚д- )「くっ!!」
気がつけば、私は父上の襟元をつかんでいた。
もはや、持っている武器など気にしてはいなかった。

(#゚д゚ )「貴方は私の憧れであり、尊敬の的だ! 貴方は私に、いつも自尊心を持てといっていたではないか! 
本当の貴方は何処へ行った! 答えろ! 答えろよ! このダメ親父!!」
( ゚Д゚)「……何も言ってくれるな。私はいつもそう、お前にばかり物事を言い聞かせ、自分では何もしようとはしていなかった。
私は、心底でお前に早く私の後を継いで欲しかった。私は、怠け者で、未熟者だからな…」

パン!
乾いた音が、空間に響く。私は、父上の頬を叩いた。
( ゚д゚ )「確かに私の勝手な言い分だ! 父上の気も知らずに言っている! だが……だが…!!」
( ゚Д゚)「みなまでいうな…。ミルナよ、お前も良い仲間を持ったな。私はここで立ち止まる。だが、お前にはまだ道がある。
道を進め。だが、決して立ち止まるな。私はその道を、途中で立ち止まった。だからこそ、これは私の罪なのだろう」
( -д- )「私には……わからない」

私は、泣いていた。
238 : ◆X5HsMAMEOw :2005/12/07(水) 14:56:11 ID:kDX/+1UU0


ξ・-・)ξ「…何故だ、ツン。その男は、私を殺したのだぞ」

ツンの兄が、僕らと間合いを詰めてくる。

ξ゚-゚)ξ「兄さん。貴方も剣を持った身でしょう? ならば、その覚悟は出来ていたはずよ。兄さんだって、私だって…」
ξ・ー・)ξ「ふ……はははは!! お前がそんなことを言うとは思わなかったぞ? お前もとうとう、兄の元を離れていくのだな」
( ^ω^)「ツンのお兄さん! あなたは自分が殺された事を、認めたくないだけだお!」
ξ・-・)ξ「内藤ホライゾン、だな? 組織の裏切り者よ。そして、私を殺した男…」
ξ゚听)ξ「ち、違う! 内藤は………」

ξ・д・)ξ「折角の機会だ。お前もろとも殺してやろう。実の兄に殺される事を、感謝するのだな」

ツンの兄が、懐から紫色に鈍く光る剣を取り出す。
それにあわせ、僕もバセンジーを構える。

ξ゚听)ξ「兄さん…」
( ^ω^)「ツン、腹をくくるんだお! 奴は、ツンの兄さんではないお!」


ξ・-・)ξ「行くぞッ!」

239 : ◆X5HsMAMEOw :2005/12/07(水) 15:07:36 ID:kDX/+1UU0
ツンの兄は、僕よりもツンを狙っている。
ツンに伸びる魔手を、僕はバセンジーを一振りし、払いのける。

ξ・-・)ξ「邪魔をするなよ、内藤! ツンには私が必要なのだ! だから、ツンが欲しているのは貴様といる事でない。私の元に来る事だ!」
( ^ω^)「何を勝手な! ツンの意思も知らずに」

再び、剣が今度は僕に襲い掛かる。
僕はそれを槍で受け、払い、そのまま返す槍で、ツンの兄の胸元を狙う。
が、ツンの兄も出来た男であった。それをすばやい手首の返しで受け止め、僕とツンの兄は少し変な形で鍔迫り合いをする」

( ^ω^)「貴方はなんて弱い人だ! ツンは、あなたの物ではない!」
ξ・д・)ξ「黙れ! ツンが物のような言い方をするな!」
( ^ω^)「その言葉、そのまま貴方にお返しだお!」

鍔迫り合いする剣と槍を、お互いが振り払う。
そして、間合いを置き、再びお互いが駆け込む。

剣と槍がぶつかり、火花が飛ぶ。
だが、僕もツンの兄も優勢を与えようとはしない!

( ^ω^)「いい加減にするお! ツンを悲しませているのは今の貴方だ!」
ξ・-・)ξ「…私は、まだやらねばらなぬ事があったのだ! それを…あんなに簡単に殺されて…!!」
ξ゚听)ξ「………いい加減にして!」

ツンの兄を狙い、キースホンドから矢が放たれる。
ツンの兄はそれを避け、僕たちと間合いをあけた。
242 : ◆X5HsMAMEOw :2005/12/07(水) 15:16:31 ID:kDX/+1UU0
ξ・ー・)ξ「…やはり、私に殺される事を望んでいるのだろう!? ははは、だからと言って私を攻撃しようとは…」
ξ゚听)ξ「兄さんは、もう死んだわ。これ以上、兄さんフリをしないでよ。貴方は見てくれだけが兄さんの、ただの酔狂よ!」
ξ・-・)ξ「ツン…、そんなことを言うのか」

ツンの兄は、初めて悲しげな表情を見せる。
だが、その表情も次第に笑い顔へと変化していった。

ξ・ー・)ξ「武器では私を傷つけられなかったから、言葉で傷つけようと言うのか! ハハハ、面白いよ!!」
( ^ω^)「ツン! こいつは狂った人形だお! モナーに利用されているだけに過ぎない!
だが、見てくれは君の兄だ。それでも、君はこの男をやれるかい!? 君が出来ないなら、僕がやるお!」
ξ゚-゚)ξ「…………ふん。馬鹿にしないでよね! こんな酔狂…兄さんじゃない!」

僕が槍を構えると同時に、ツンもキースホンドを持ち直す。
決意は、固まったようだった。

ξ・∀・)ξ「はははははは!!! 良いねその目! その目だよ、目! ハハハハハッハ!!!」

男が、剣を構えて走りこむ!

( ^ω^)「来るッ! ツン、行くお!」
ξ゚听)ξ「ま、任せなさい!」
244 : ◆X5HsMAMEOw :2005/12/07(水) 15:24:54 ID:kDX/+1UU0
( ゚∀゚)「はぁ……、はぁ」
( ^Д^)「ふ…ふ。地獄から蘇っても、やはり負けてしまったか」

俺は、丸腰のプギャーに剣の刃先を突きつける。
だが、こんな状況でもお互いに笑っていた。

( ^Д^)「…止めを刺せ。お前を止められなかったのだ。私には死が待っている。最後に、貴様に殺されたい」

だが、俺はその言葉を聞いて、剣を鞘におさめた。

( ゚∀゚)「【魔】について色々聞かせてもらいたい。お前が死を望むのなら俺が殺してやろう。だが、その前にこれだけは聞いておきたいからな」
( ^Д^)「…いいだろう。俺たち、造られた【魔】の事、俺が知っている範囲で教えよう」
246 : ◆X5HsMAMEOw :2005/12/07(水) 15:33:56 ID:kDX/+1UU0
( ゚Д゚)「…【魔】とはそもそも、なんなのか? 知っているな?」
( ゚д゚ )「昔、異国よりこの大陸を支配しようとしてきた者達だと聞いています」
( ゚Д゚)「その通り。では、何故【魔】と呼ばれる者が現世に現れたか?」
( ゚д゚ )「組織、スレンダーが魔菌を培養し、人に埋め込んでいると聞いています」」
( -Д-)「ふむ、そこまで知っていたか」


( ゚Д゚)「では、最後に。何故【魔】は今頃現れたか? 魔菌が発見されたのは、今より数十年も前の事だというのに」
( ゚д゚ )「……! 確かに、そうだ。内藤は今年で十九になると言っていた。つまり、魔菌は二十年近く前からあったと言う事だ!」
( ゚Д゚)「ここから先は、あまり面白くはない話になる。それでも、ききたいか?」

( ゚д゚ )「…ええ。第一、聞いてくれと望んだのは、父上の方でしょう?」
( -Д-)「ふ…。私も、年だな」
252 : ◆X5HsMAMEOw :2005/12/07(水) 15:53:44 ID:kDX/+1UU0

( ^ω^)「は!」

槍のリーチを活かし、間合いを開けた状態で男を攻撃!
だが男の剣も、デイのように長い! 男は槍の矛先を、動かずに剣の先端で受け止めた。

ξ・-・)ξ「貴様も私も、所詮は造られた【魔】だ。何故、お前は抗う」
( ^ω^)「…僕が【魔】なのは承知してるお。でも、僕は【魔】だからって、スレンダーに手を貸すつもりはないお!
デイもそうだった! 【魔】になんかなりたくなかったんだ! だから僕は、これ以上そんな人を増やさないために戦う!」
ξ・-・)ξ「ほざけ。スレンダーはもう【魔】など造らん」
ξ゚听)ξ「な!? どういう事よ!?」
ξ・-・)ξ「おかしいとは思わんか? スレンダーの目的が侵略だけならば、魔菌の見つかった十数年前からそれは実行されているだろう。
だが、【魔】がここ最近になって現れた理由…。そして、ニュウソクを【魔】が裏で動かし、戦を起こさせた理由…。すべて、ある一つの目的のためだ」
( ^ω^)「な、なんだお! その目的って!」

男に訊ねた瞬間、男は槍を振り払い、一気に僕の胸元まで駆け寄る。
僕はそれを受け止め、はじき返す。


ξ・-・)ξ「知りたいのなら、私を倒して見せるがいいさ」
256 : ◆X5HsMAMEOw :2005/12/07(水) 16:04:58 ID:kDX/+1UU0
ξ・-・)ξ「私も疲れた。そろそろ終わらせよう」

男が、間合いを詰め、駆け寄り、剣を振る。
それを僕は槍で受け、返し、距離をとる。
だが、男は今度は僕の死角へと消え、剣での斬激! 間一髪でそれを槍で受け止め、僕は後方へ下がる。

( ^ω^)「はぁ…くっ、強い!」
ξ゚听)ξ「気をつけて。兄さんはレジスタンスでも最強と言われる剣士だったの。その腕は、ジョルジュでさえ敵ったことはなかったわ!」
( ^ω^)「…じゃあ、こいつは僕にとっての壁だお! 僕は、壁を乗り越えて強くなる!」

ツンが、再戦の合図をするかのように、キースホンドから矢を射る。
男はそれを叩き落し、再び僕の前に来る。

ξ・-・)ξ「これで終わりにする。死ね」

男が、剣を振る。僕はすぐさま、その軌道にあわせて槍を突き出す。
が、男の姿はそこにはない。


男の姿は、僕の胸のすぐ内側にあった。
…まずい! 槍では、懐に入られては防ぎようが…!!
264 : ◆X5HsMAMEOw :2005/12/07(水) 16:14:02 ID:kDX/+1UU0
ヒュン


空を切る音。

そして、倒れる人影。



ξ・-・)ξ「……………何故だ」


倒れたのは、僕ではない。
僕を殺そうとしていた男………、ツンの兄だ。

見れば、その胸とわき腹を、キースホンドから射られた矢が貫通している。


ξ゚听)ξ「…私は戦力外だとでも思ってたの? 隙がありすぎよ。それじゃあ、話してもらいましょうか?」
ξ・-・)ξ「何の………ことだ……」


僕は鼓動を上げる心臓を抑えながら、槍を下ろした。


( ^ω^)「スレンダーの……目的だお」
281 : ◆X5HsMAMEOw :2005/12/07(水) 16:41:42 ID:kDX/+1UU0
( ,' 3 )「…スレンダーの真の目的は、昔に滅びた帝王の復活にある」
( ∵)「帝王? 【魔】の族長のようなものか?」
( ,' 3 )「うむ。昔、五人の勇者達が打ち滅ぼしたと言われる【魔】の王だ」
( ∵)「【魔】の王……。つまり、魔王か。だが、それとスレンダーに何の関係があるのだ?」


―――――――――――――

( ^Д^)「スレンダーは、人に捨てられた孤児達の集まりなのだ。
彼らは、人を憎しむ心を持っていた。そこで彼らは、【魔】を手懐け、その力で大陸を支配しようと考えた」
( ゚∀゚)「自分たちを捨てた人間に、報復するためにか…」
( ^Д^)「そうだ。そこで、スレンダーは魔菌を使った実験を始めることになる」


―――――――――――――

( ゚Д゚)「魔菌は、生き物の体に入り込むと、その細胞を【魔】の組織細胞に変換させる強い効力を持っている。
だがしかし、魔菌は非常に弱く、抵抗力のある大人に注射しても大して意味はない」
( ゚д゚ )「そこで、内藤達のような赤ん坊に……。もしや、ニュウソクを裏で動かし、戦を起こさせた真の理由とは……」

( ゚Д゚)「そう。全ての目的は、人の赤子を手に入れることにあったのだ。魔王の生贄とするために、な」
286 : ◆X5HsMAMEOw :2005/12/07(水) 16:54:26 ID:kDX/+1UU0
ξ゚听)ξ「で、でも! それなら、ネズミの赤ん坊とかでも良かったじゃない! 何で人なのよ!? それに生贄って…」
ξ・-・)ξ「【魔】の生命エネルギーは、人の生命エネルギーと酷似している。打ち滅ぼされた魔王を蘇らせるには……赤子でも良い。沢山の【魔人】が必要なのだ」
( ^ω^)「…なんて………身勝手な!!」

ξ・-・)ξ「それだけではない。内藤、貴様、デイという女に俺の首飾りを渡したな?」
( ^ω^)「………ツンの命がかかっていたんだお」
ξ-_-)ξ「あれは、魔王の魂を封じ込めた聖石だ。俺の生みの親であるタナシン王女は、不吉だと言い、俺とツンをこの石と共に捨てたのだ」
ξ゚-゚)ξ「そんな………」
ξ・-・)ξ「スレンダーの計画は成功した。今、奴らの手中には何人もの魔人がいる。赤子ではあるが、生贄とするには十分の量だ」
( ^ω^)「させない……、させないお! そんなこと!」
ξ゚听)ξ「まだ間に合うはずよ! 兄さん、私たちはどうしたらいいの!?」


ξ・-・)ξ「…どうやら、お喋りが過ぎたようだ」



その途端、視界が真っ暗になる。

そして……、気がつけば、僕達は、僕が何度も忌々しい夢の中で見てきた、【あの場所】にいた。
289 : ◆X5HsMAMEOw :2005/12/07(水) 17:07:26 ID:kDX/+1UU0
ξ゚听)ξ「!? ここ…どこ?」

地面は、紅い。これは、血の塊。
この前のように、【魔】の姿はないが……。

ガンッ! ガンッ!
と、しきりに鉄の格子を叩く音がする。
見れば、そこら中に檻がある。

中に入っているのは、魔菌を注入された赤ん坊達だった。

( ^ω^)「…ひどいお! ひどすぎるお!」

(#・;;-・)「君もそう思うかい? 内藤ホライゾン……」


そう言い、現れたのは成人した【魔】であった。
何処となく、見覚えがある。


( ^ω^)「…お前は?」
(#・;;-・)「私は、君とデイと同じ初期三号機の一人だ。名は、グリス」
293 : ◆X5HsMAMEOw :2005/12/07(水) 17:20:00 ID:kDX/+1UU0
その頃、ジョルジュ達も同じような空間にいた。

( ゚∀゚)「!! ビコーズ、それにミルナじゃないか!」
( ∵)「ジョ、ジョルジュ!」

( -д- )「…内藤とツン君は、いないようだな」
( ゚∀゚)「あいつらならきっと無事さ! しかし……ここはどこなんだ?」
( ∵)「この地面、血の塊だな。鉄の臭いが嫌というほどする」


(#。;;o。)「ここが何処かだなんて、貴方達が知る必要はないわ」

( ゚д゚ )「! 伏せろ!」

ミルナの声で、全員が地面にうつ伏せる。
途端、その上を大きな風が襲う。

見れば、何処からか出てきたその女が、巨大な大鎌を振るったようだった。


( ゚д゚ )「何者だ!」
(#。;;o。)「私はヴェル。内藤ホライゾンの埋め合わせとして造られた、【魔】よ」
297 : ◆X5HsMAMEOw :2005/12/07(水) 17:32:01 ID:kDX/+1UU0
(#・;;-・)「内藤ホライゾン。君は、その赤子たちを見てどう思うかね?」
( ^ω^)「そんなの……! 酷いと思うお!」
(#・;;-・)「…そうか」

(#・;;-・)「今だから言おう。内藤ホライゾン、生贄となるべき存在だったのは、初期三号機である私、デイ、内藤ホライゾンの三人だったのだ」
ξ゚听)ξ「ど、どういうことよ! じゃあ、何でわざわざ赤ん坊なんか…!」
(#・;;-・)「成人した【魔】なら、数は少なくとも生贄になることが出来る。だが、貴様が組織を抜け出した事で…事態は変わった」
( ^ω^)「な…っ!? じゃあ、僕が組織を抜けなければ、こんな赤ん坊が被害を受けることはなかったと…?
じゃあ、なおさら何故だお! 何故、組織は僕を連れ戻しに来なかったんだお!」

(#・;;-・)「気がついた時、君は既に人に拾われていた。我々の存在を知られてしまうのは、都合が悪かった。
そこで、公爵は君の埋め合わせとして、一体の【魔】を造った。だが、良質の魔菌は初期三号機に埋め合わせていたため、成人しても埋め合わせだけでは生贄となれなかった」
ξ゚听)ξ「それで赤ん坊を!? そんなの、理不尽すぎる!」
(#・;;-・)「そしてさらに困った事は…、初期三号機には、人としての感情が残っていたという事だ。
そのせいで、君とデイは、組織を裏切る事になってしまったわけだ」

( ^ω^)「…君は? 君は、このままでいいのかお? 自分のしたいこともできずに、縛り付けられていいのかお?」
(#・;;-・)「言ったろう? 初期三号機には、人としての感情が残っていると。
無論………私もそうなのかもしれない」

グリスが、無言で腰帯から槍を取り出す。

(#・;;ー・)「私は堕ちるところまで堕ちた。もう、主君に逆らう事は出来ぬ。私は君達を足止めせねばならない。
私の刻印は、胸にある。今ならば、デイの気持ちが分かるよ。せめてもの願いだ。スレンダーを…、モナーを止めてくれたまえ」
319 : ◆X5HsMAMEOw :2005/12/07(水) 17:56:54 ID:kDX/+1UU0
( -д- )「……初期型ではないにせよ、貴様に人としての感情はないのか? ヴェル」
(#。;;o。)「さあ。自分でもわからないわ……クク。私の生きがいは、公爵様への忠誠だけだったからね……クスクス」
( ゚∀゚)「悲しい奴だな。お前は、これから生贄にされると言うんだぞ? 怖くないのか?」
(#。;;o。)「恐怖という感情なんて……私には、いらないわ…。私は、公爵様に尽くすだけで……それだけでいいのよ」
( ∵)「ならば仕方あるまい。貴様を倒すまでだ」

(#。;;o。)「ふふ…。無駄よ。【魔】は、その刻印を完全に破壊しなければ死なないわ。
貴方達は、私の刻印の場所を知らないでしょう? だから、倒せないわ…………ク…ク……」
( -д- )「…探して見せるさ。お前を楽にさせてやるためにな」
(#。;;-。)「敵に情けをかけられる覚えはないわ……クククク!!」

( ゚д゚ )「哀しい眼だ。貴様は、私の父上と同じ眼をしている!
私にはわかるぞ、貴様の心! せめて貴様とは……、こんな形で会いたくなかったな!」

ミルナがマルチーズを構える。
それに続き、ビコーズとジョルジュもそれぞれ、戦闘体勢に入った。

だが、ヴェルはその鎌を構えなかった。
うつむき、じっと動かない。その眼からは、黒い涙が流れていた。

(#。;;o。)「………クス。………ごめんなさい、公爵閣下。私はもう疲れましたよ。
ねえ、そこのあなた? 私の刻印は………、右腕にあるわ。もう、私も疲れてどうにかしているのだと思う。もう、楽にして欲しいわ」

( ゚д゚ )「貴様の願い、しかと受け止めた! 私も一端の武人だ。その願い、叶えよう!」
339 : ◆X5HsMAMEOw :2005/12/07(水) 18:25:15 ID:kDX/+1UU0
( ^ω^)「グリス、いくお!」

グリスの胸を目指し、バセンジーを突き出す。
だが、グリスも易々とは刻印を破壊されるわけにはいかない様で、その手に持つ漆黒の槍でバセンジーをはじき返した。

(#・;;-・)「…すまんな。だが、君なら私に勝てるはずだ」

グリスが再度体勢を直し、僕を狙って走り出す。
僕はサイドステップし、その攻撃を槍の刃先で受ける。
そして、グリスの槍をはじき、グリスの懐に入り込む。

だが、グリスも甘くはない。
長い槍を咄嗟に手放し、懐から小太刀を出し、胸を目掛けて突き出したバセンジーを、その小太刀で易々と受け止めた。

ξ゚听)ξ「内藤!」

後ろから、ツンがキースホンドで援護をする。
その矢じりは、グリスの頭を打ち抜こうとしていたが、今度はグリスが腰から剣を抜き、それを小太刀とは逆の手で持ち、打ち落とす。
僕は後ろに下がり、グリスと間合いをあける。
グリスは両手に、長さの違う二振りの刀を持っている。

グリスの防御面は、これで大きく落ちた。僕に、勝機が見えてきた。
341 : ◆X5HsMAMEOw :2005/12/07(水) 18:34:16 ID:kDX/+1UU0
ツンが、キースホンドから矢を三本射る。
その矢を、グリスが二振りの刀で打ち落とし、死角から接近していた僕の槍も止める。

だが、この時点で僕の勝ちだった。
僕は、槍を大きく振り、わざとグリスにその二振りの刀で受け止めさせる。


その瞬間、僕は槍から手を離し、姿勢を低め、手に隠し持った小さな矢で、グリスの胸を突き刺した。

(#・;;-・)「ぐっ!!」
動揺し、隙を見せたグリフの胸に、さらにツンの放った矢が五本命中する。
勝負は、ついた。


( ^ω^)「グリス…。最後に、刻印について少し教えて欲しいお」

グリスの胸からは、血など出ていなかった。
ただ、傷口からは、黒く光る何かが見えていた。おそらくそれが、刻印だ。

(#・;;-・)「刻印とは……、【魔】の核だ。これを破壊しない限り、【魔】は死なん…。
気をつけろ、内藤。既にモナー自身も【魔】となった。モナーの刻印は………その額にある」

グリスはそういい残すと、一瞬で灰と化した。
その灰は、何処からか吹いてきた風により、遠くに飛ばされる。

ツンはその灰を少し拾い、ポケットにおさめた。

ξ゚听)ξ「帰ったら……グリスのお墓を立ててあげましょう」
( ^ω^)「…うん」

345 : ◆X5HsMAMEOw :2005/12/07(水) 18:46:32 ID:kDX/+1UU0
(#。;;o。)「ふん!」

ヴェルが、大鎌を振るう。
ミルナたちは、あれだけ大きい鎌なので、振りは遅いと油断していた。
だが、その鎌の軌跡は、一瞬の間でしか眼で追えぬほど、速い!
ミルナたちは、それぞれが跳躍し、それを回避した。

( ゚д゚ )「我々も負けていられん!」

ミルナの声を合図に、ビコーズが魔法の詠唱を始め、ジョルジュがブリアードを構えて走りこむ。
加えて、ミルナはジョルジュと逆の方向から、ヴェルを追い討ちする。

ヴェルは、真上に跳躍。
そして、ヴェルが手をかざしたかと思えば、地面から、血の塊の針が飛び出してきた!
しかし、誰も動揺はしない。
ビコーズは眼を瞑りながらもそれを気配だけで避け、ジョルジュとミルナはそれを回避しながら、確実にヴェルに近づく。

( ゚∀゚)「くらえ!」
ジョルジュがヴェルの手前で跳躍! ジョルジュが振りかぶる剣に、ビコーズの光の力が付与され、輝きをまとった剣が、ヴェルの右腕を目指して振り下ろされる。
だがしかし、ヴェルは咄嗟に右腕を引っ込め、左手に持ち替えた鎌でそれを受け止める。

その途端、逆の死角からマルチーズが出、閃光を放つ!
次の瞬間、衝撃波が巻き起こり、ヴェルの右腕が半ばから切断された。

(#。;;o。)「ぐっ………ぅ…」
( ゚д゚ )「さあ、言え! 私はどうすればいい?」
(#。;;o。)「…その……斧で…、私の右腕の……これだ、この黒く…光る刻印を…叩き割れ」
( -д- )「……了解した」

ミルナは、静かに斧を振り上げた。
386 : ◆X5HsMAMEOw :2005/12/07(水) 19:54:44 ID:kDX/+1UU0
――――暗い場所―――

( ´∀`)「…グリスも、ヴェルも、デイも内藤も! 何故私を裏切るのだ!?」

暗い空間で、モナーは独り言をつぶやいていた。

( ´-`)「捧げるための力も減ってしまった。これでは私の計画が………」




( ^ω^)「計画が、何だお?」

その言葉に、モナーは驚愕する。

( ´Д`)「!? き、貴様ら、一体どうやってここへ!?」
( ゚д゚ )「…貴様の部下が私たちを送り届けてくれたよ。感謝せねばな」
( ´-`)「ぐ…! あの死にぞこないどもめが!」
( ゚∀゚)「観念しろ。貴様の計画は、ここで終わりだ」

ジョルジュが、モナーに剣を向ける。
だが、モナーは動こうともしない。


( ´∀`)「…こんなところで、無駄な力を使いたくはないのだがね。貴様らが来てしまった所為だ。悪く思うなよ」
390 : ◆X5HsMAMEOw :2005/12/07(水) 20:03:30 ID:kDX/+1UU0
モナーが、手を上げた瞬間。
大地に衝撃が走り、大気がざわめく。

空には黒雲もないが、部屋中に稲妻がほとばしり、それらが全てモナーへと注がれる。
見れば、その稲妻は………【魔人】となった赤ん坊の入った檻から、数え切れないほどに放出されていた。

( ^ω^)「な、な!? 何をしているんだお!」
(;´∵)「まずい! 奴は、【魔】としての力を全て自分の体に入れようとしている!」

( ´A`)「オ……ォ……オォオォオォォオ!!!!!!」

次の瞬間、雷鳴!
それと同時に、目の前が焼けるような白熱に支配される!

ξ><)ξ「きゃ……」

思わず、全員が眼を瞑る。
やがて、光が消えた時、そこには…………、言葉で言い表せない、【何か】がいた。


(’;;#゚Д。ll`)『グ……ハハハハハハハ!!! 凄マジイ! 体中ニ力ガミナギルゾ!!」
( ^ω^)「こいつ……!!」

それは、巨大な化け物でしかなかった。
395 : ◆X5HsMAMEOw :2005/12/07(水) 20:15:30 ID:kDX/+1UU0
( ゚д゚ )「くそ!」

ミルナが、マルチーズを振るう。
だがしかし、その衝撃波は、モナーの巨大な手により、いとも簡単にかき消される!

(’;;#゚Д。ll`)『無駄ダ…! 今ノ私ノ力ハ魔王………、イヤ、ソレ以上ナノダカラナ!』

モナーが、その巨体をゆっくりと動かす。
それに呼応し、全員が戦闘に突入する!

(’;;#゚Д。ll`)『貴様ラノ相手ナド……コヤツラで十分ダ……』

モナーがそういった瞬間、地を迸る衝撃!
途端、地面から、血で作られた人形が大量に現れる!

( ^ω^)「くそ! 数が多すぎるお! どうすれば…!!」
ξ゚听)ξ「内藤! これはあんたの戦いよ! この気持ち悪いなのは私たちに任せて、あんたはモナーをやりなさい!!」
( ゚ー゚ )「ああ! 内藤、お前ならできる!」

ミルナが斧を振り、ジョルジュがすばやく動き、ツンも弓を構え、ビコーズも魔法で応戦している!
皆、戦っているんだ! 生きるために! ならば僕も……戦うしかない!!

( ^ω^)「行くぞ、モナー! このくだらない戦いを、今終わらせる!」


僕は、静かに腕を広げた。
398 : ◆X5HsMAMEOw :2005/12/07(水) 20:23:31 ID:kDX/+1UU0
『光る風を追い越したら 何かがその先に待っている』


そう言えば、あの歌はツンの兄さんが歌っていたんだっけ。


いつの間にか、覚えていた歌だといっていた。


ツン達は、親に捨てられたのに……何処で、この歌を覚えたのだろう?




そう考えた瞬間、僕は暗い空間に一人で立っていた。



どうやら、僕が先程までいた空間とは……違う所に。

399 : ◆X5HsMAMEOw :2005/12/07(水) 20:27:21 ID:kDX/+1UU0
僕の目の前には、誰かが立っていた。

その人は、とても体格が良く、強そうな男の人だった。


右手に持つのは、とても見覚えのある槍。

それは、紛れもなくバセンジー。



その男の人は、僕の方を一回だけ見ると、何かを歌い始めた。



( ・ω♀)『光る風を追い越したら〜♪ 何かがその先に待っている〜♪』



それは、ツンが歌った、あの歌だった。
403 : ◆X5HsMAMEOw :2005/12/07(水) 20:35:10 ID:kDX/+1UU0
男の人は、歌うのをやめない。
正直、音痴だった。

( ・ω♀)『光る風を追い越したら〜♪ 何かがその先に待っている〜♪
そして、私は貴方をきっと見つけるだろう〜♪ さあ、光る風を追い越そう♪』


男の人は、そこで歌をやめ、僕の方を振り返った。

( ・ω♀)「やあ。内藤ホライゾン。私の、息子よ」
( ^ω^)「……あなたが、僕の父さん? 何故、その歌を?」


僕は、赤子の頃にモナーに連れ去られたのだ。
ならば、本当の父親がどこかにいるはずだ。それは、この人だというのか?
いきなり信じろといわれても、無理な話だ。


( ・ω♀)「逞しくなったな。随分と見ない間に……カッハッハ!!」
( ;^ω^)「あの……、ここは一体?」

( ・ω♀)「ここは、君の刻印の中だ」


刻印の…中?
407 : ◆X5HsMAMEOw :2005/12/07(水) 20:38:34 ID:kDX/+1UU0
( ^ω^)「刻印って言うと……あの?」
( ・ω♀)「そう。【魔】を制御する、印だ」


僕の意識が、刻印の中に?
何度も僕が見続けてきたあの忌々しい夢は……刻印の中で起こったこと?

( ;^ω^)「…すいません、意味がわからないです」
( ・ω♀)「まあ、仕方ない事だろう。一概に信じられる事でもないしな」

男の人……父さんは、また僕に背を向けて歩き出した。


( ・ω♀)「この歌はね。私の妻が作った歌なのだよ」
( ^ω^)「え? 貴方の妻というと……僕のお母さんですかお?」
( ・ω♀)「そうだ。君の本当の母親が、ね」


ならば、何故ツンの兄がソレを知っていたのだろう?
414 : ◆X5HsMAMEOw :2005/12/07(水) 20:49:08 ID:kDX/+1UU0
( ^ω^)「…その歌を、僕の知人の兄が知っていました」
( ・ω♀)「私の妻はね。君を出産する前に、ある男に孕まされたのだ」
( ^ω^)「え……?」

( ・ω♀)「その男の名は、モナーと言った。奴は、タナシン国の宰相であった」
( ^ω^)「な……っ!?」

つまり、ツンの父親はモナー!? そして、母親はタナシン国の王女!?
ソ、その理屈で考えると……僕とツンは、父親違いの姉弟なのか!?

( ・ω♀)「私の妻は、モナーに強姦され、双子を孕んだ。それがおそらく、君の言う知人だろう」
( ^ω^)「……その兄妹、僕は捨てられたと聞いています」
( -ω♀)「モナーの目的はどうやら、赤子と、自分の持つ宝石を手に入れることにあったらしい。
そう気付いた妻は、私に助けを求めてきたよ。私と彼女は、昔馴染みでね」
( ^ω^)「……それで、聖石と一緒に赤子を、目の届かぬ場所に捨てたと?」

( ・ω♀)「そうだ。私は、モナーの目的に気がついていたからね。なぜならば……私も、スレンダーの一員だったからな」
( ^ω^)「!!!」
418 : ◆X5HsMAMEOw :2005/12/07(水) 20:56:19 ID:kDX/+1UU0
( ^ω^)「どういうことだお!? 貴方が……スレンダー?」

僕は、段々と訳が分からなくなっていた。
信じられるわけのない話が、どんどんと叩きつけられていくのだ。

( ・ω♀)「いや、誤解しないでくれ。私は、スパイとして潜入していたのだ」
( ^ω^)「…スパイですか」
( ・ω♀)「モナーの目的は、強い血を持ったものを【魔】とすることだ。君の知人は、そのために生まれさせられた」
( ^ω^)「そんな……」
( ・ω♀)「私は許せなかったよ。私は、彼女を愛していたのに。それなのに、あのモナーという男は…」

父さんは、怒っていた。
今も、その怒りは消えないのだろう。

( ・ω♀)「私は、同じくスレンダーにスパイとして潜入していた、荒巻氏に双子を預けた。その後、荒巻氏はニイト国に行き、高い魔力を評価され、ある地下組織に飼われたと聞いている」
( ^ω^)「な!? 荒巻さんも…スレンダーに!?」
( ・ω♀)「研究に没頭していたモナーは、双子の事などすっかり忘れていたらしくてね…。奴がそれに気付いた頃には、とっくに双子は消えていたよ」
( ^ω^)「……そのすぐ後、僕が生まれたと?」
( ・ω♀)「そういうことだ」
419 : ◆X5HsMAMEOw :2005/12/07(水) 21:03:17 ID:kDX/+1UU0
( ・ω♀)「君が生まれてからすぐ後……、モナーは双子のことを思い出し、妻をさらった」
( ^ω^)「貴方は、どうしたのですか?」
( ・ω♀)「…勿論、私もその頃までスレンダーに身を寄せていた。私の妻がモナーにさらわれた事は、嫌でも知ってしまったよ」
( ^ω^)「……それであなたは、どうしたのですか?」
( ・ω♀)「モナーは、妻に、子供を差し出せばその命を助けると脅迫した。私も横で見てはいたが……、口を出せなかった」
( ^ω^)「………」
( ・ω♀)「情けない事だ。そのまま、妻は君をスレンダーに差し出した。
そしてその後、妻は殺されたよ。用がなくなったと言って、モナーにな…」
( ^ω^)「そうなのでしたかお…」

父さんは、今度はこちらに振り返る。

( ・ω♀)「私は奴が許せなくなったよ。そこで、君を連れて、組織を抜け出した」
( ^ω^)「それが、僕の裏切り…?」
( ・ω♀)「そうだ。そして、私は君をある村人に預け……、私はモナーと戦った」
( ^ω^)「モナーは今、生きています。父さんは………」


( -ω♀)「情けない話だ。私は負けてしまったよ」
426 : ◆X5HsMAMEOw :2005/12/07(水) 21:12:57 ID:kDX/+1UU0
( ^ω^)「父さん、貴方は今、バセンジーを持っている。使わなかったのですか?」
( ・ω♀)「これかい? これはレプリカだよ。私は、このレプリカでモナーを脅したのさ」
( ^ω^)「脅した…?」
( ・ω♀)「そうだ。奴は、【魔】の研究をしていた。それだけあって、奴は勇者の子孫や神器を恐れていたからね」
( ^ω^)「それで、どうなりましたかお?」
( ・ω♀)「モナーは、しっかりと私を本当の勇者に子孫と思ったらしい。だが…、それが過ちだった。
やつは、強い血を求めていたからね。私は、モナー程度にはまける気などしないと思っていたのだが…」

父さんが、ため息をつく。

( ・ω♀)「モナー…。奴は、魔菌を己の体に注入していた。
普通の人間になら魔菌は効果を示さないが…、モナーは自身で細胞の抵抗力を弱め、【魔】を受け入れたのだ」
( ^ω^)「つまり、その時既にモナーは【魔】であったと?」
( ・ω♀)「その通りだ。私は瀕死の傷を負い、最後にお前のいる村へと戻った」

( ^ω^)「………そういえば、ここは僕の刻印の中でしたね」
( -ω♀)「そのまま、私の意識は失われた。気がついたら、ここにいたよ。
ここが君の刻印の中だと気付いたのは……、ここから君の中に眠る【魔】を見ることが出来たからだ。私も、【魔】については多少の知識もあったしね」

( ^ω^)「僕の中に眠る、【魔】?」
430 : ◆X5HsMAMEOw :2005/12/07(水) 21:18:59 ID:kDX/+1UU0
( ・ω♀)「これを見てごらん」

父さんが、暗い地面をつつく。
その瞬間、地面にぽっかりと穴が開く。
僕は、その穴の中をのぞいてみた。

そこには、獣がいた。
獣は、とても凶暴そうだった。今は、檻に入れられているからいいものの、出たらどうなるのだろう?

( ・ω♀)「これが君の【魔】だ。あの獣が檻を破壊した瞬間、君は【魔】となる」

檻は、まだ壊れる気配はないが………、ところどころに、傷をつけていた。

( ^ω^)「…【魔】とならないで済む方法はないのですか?」
( ・ω♀)「簡単な事だ。その獣を、殺してしまうといい」
( ^ω^)「この獣を……ですか」


( ・ω♀)「ただし、武器など使うな。素手で、倒すのだ」


僕が言葉を言おうとした瞬間、僕は父さんに……穴へ、突き落とされた。
434 : ◆X5HsMAMEOw :2005/12/07(水) 21:21:09 ID:kDX/+1UU0
穴の中は、見覚えのある景色だった。
以前、宿舎で来た刻印の中だ。初めて、【魔】とであった場所。

だが、悠長に事を考えている暇はなかった。
突然、檻が開き、獣の姿があらわになる。

近くで見れば気付けるが、獣は予想以上に大きい。
鋭い犬歯と、爪が目立つ。


これを素手で倒せと言うのは……無茶に他ならない。
437 : ◆X5HsMAMEOw :2005/12/07(水) 21:24:53 ID:kDX/+1UU0
獣が、その爪で僕を狙う。
僕はサイドステップ! その攻撃を、かわす。

獣は、おそらくいきりたったのだろう。
口を大きく開け、僕目掛けて突進してくる!

僕はそれをかわし、大きくジャンプ、獣の背中に乗る。
これだけ体が大きいのだ。人間で言えば、蚊が背中に止まったに過ぎぬだろう。

予想通り、獣は動きを止めた。


だが、ここで予想外の事が起こった。
獣が、檻に戻ろうとしているのだ。

これでは、意味がない!

僕はそう思い、獣の背中から地面に降り立つ。

その瞬間、獣の爪が、僕に向けられた。
440 : ◆X5HsMAMEOw :2005/12/07(水) 21:27:19 ID:kDX/+1UU0
( ^ω^)「くそ!」

僕は跳躍、獣の爪に乗り、それを回避する。

槍さえあれば…! こんなへまはしないのに!


と、思った瞬間、僕は気付く。
僕は、いつでも槍に頼ってきた。自分の力を、信じようとはしていなかったのだ。

獣が、再度僕に突進する。

槍がなくても、僕の力で何とかすることは出来ないのか……?



そう考えた瞬間、僕は無意識のうちに、両手を広げた。
445 : ◆X5HsMAMEOw :2005/12/07(水) 21:30:18 ID:kDX/+1UU0
( ^ω^)「…光る、風」

僕は、無我夢中で走り続けた。
その時の感覚は……タナシンで、デイと戦った時に似ている。

( ^ω^)「風を……、追い越す!」

風が、僕を包む。
それは、優しい風

だけど、勇ましくもある風!


風が僕を、獣を包み!


そして、僕が光る風を追い越して………!!
448 : ◆X5HsMAMEOw :2005/12/07(水) 21:32:49 ID:kDX/+1UU0
( ^ω^)「うおおおぉおおお!!!!」

次に視界に入るのは、変わり果てたモナーの姿!
もう、モナーではない! 自分におぼれた、ただの酔狂!
そしてなにより…父さんの……母さんの………ツンの敵!!!


風! 風! 風!!

僕に力を貸せ! 風よ!

僕は今………! 光る風を追い越す!!


( ^ω^)「風よ! 僕を……飛ばせ!!!!」
452 : ◆X5HsMAMEOw :2005/12/07(水) 21:37:24 ID:kDX/+1UU0
次の瞬間、光る風が僕をまとい……、僕を飛ばす!

僕とバセンジーは、モナーの刻印のある場所……その、額にいた。


(’;;#゚Д。ll`)「グググググググ…………ォオオオォォォォォ!!!!! アアアアアアア!!!!!」

次の瞬間に、モナーの絶叫が空間を揺さぶらせる!
その振動で、血の人形達は、全てが粉々に砕け落ちる!


ξ゚听)ξ「内藤! やったのね!?」

( ^ω^)「まだだお! モナーは、自らを生贄に……、魔王を復活させようとしている!!」


モナーの額の刻印には、魔王を封印した聖石が埋め込まれていた。
そしてそれを…、バセンジーが貫いたのだ。

モナーは、自分が死んだ時の保険に……、額にわざとこれを隠していた!
456 : ◆X5HsMAMEOw :2005/12/07(水) 21:42:55 ID:kDX/+1UU0
( ゚д゚ )「くっ…! 我々はみすみす魔王を復活させてしまったのか!?」
( ∵)「いや…。どの道、こうなっていたのだろう。魔王が復活しないと言う事のは、我々が敗北した場合だからな」


モナーの巨体が崩れ、血の地面にドロドロとした液体と化して、流れ落ちる。

だがしかし、その血の塊と、モナーだったものが複雑に混ざり合い……、そこから何かが生まれる!


( ゚∀゚)「気をつけろ! 魔王が来るぞ!」

ジョルジュの言葉とほぼ同時に、閃光が迸る!
その閃光を僕達はかわし、体勢を立て直す。


( ・ω♀)「…………」


そこには、魔王がいた。
だが、僕には信じられなかった。その人が魔王だなんて。

だって……その人は………。
460 : ◆X5HsMAMEOw :2005/12/07(水) 21:49:44 ID:kDX/+1UU0
( ^ω^)「何故…ですか? 何故、貴方が」

僕は、魔王に向かって言う。
信じられるはずはない。なぜなら、その人はさっきまで僕と話していた、父さんだからだ。

( ・ω♀)「私は、死んだ。そして、君の刻印に封印された。だが……それは、精神だけの話でね。
私の肉体自身は、研究に使われていたんだよ。やがて魔王として降臨する……媒介のためにね」
( ^ω^)「その媒介が……父さんだって言うのかお!?」
( ゚д゚ )「な!? と、父さんだと? どういうことだ?」

ミルナたちが、話についていけずに驚く。
僕は、後で話すと告げ、彼らを黙らせた。

( -ω♀)「…ホライゾン。お前には何一つ親らしいことをしてやれなかったな。申し訳ない」
( ^ω^)「いや…。父さんが謝る必要はないお? 悪いのは、モナー……」
( ・ω♀)「私は、心の底で恐れていたのさ。自分が死ぬ事を。
だから、死んでからも覚悟が決まらず……モナーに利用されたのだろう。君の刻印が消えた事で、少しだけ私の精神が開放されたようだ」
( ^ω^)「……戦わなければ、ならないのですか?


( ・ω♀)「その必要はない。君の刻印は、私に移ったにすぎぬ。ならば、私の刻印を破壊してしまえば…、全て終わりだ
私が完全に魔王となる前に……、私が私であるうちに、こんな事は終わらせなければならないのだよ。わかるな、ホライゾン?」
465 : ◆X5HsMAMEOw :2005/12/07(水) 21:53:49 ID:kDX/+1UU0
( ^ω^)「……最後に」
( ・ω♀)「なんだい?」

バシッ!

空間に、乾いた音が響く。僕は、父さんを思い切り殴った。

( ^ω^)「最後に……貴方を殴らせてくれ」
( ^ω♀)「フフ……、もう、殴っているじゃないか?」
( ^ω^)「はははは……」

僕達は、しばらく二人で笑いあった。
それが、親子での最後の笑い合う時間だった。


( ・ω♀)「さて、悠長にもしていられない。私はもう逝くよ?」
( ^ω^)「…はい」
( ・ω♀)「これからは君達が世の中を変えるのだ。もう二度と……、こんな変なことが起こらぬようにな」
( ^ω^)「わかっていますお」


( -ω♀)「それでは……お別れだ」


父さんはそういい、自分の肩に、バセンジーでないバセンジーを突き刺した。

その瞬間、全てが………――――――――終わった――――――――
475 : ◆X5HsMAMEOw :2005/12/07(水) 21:58:57 ID:kDX/+1UU0
――――エピローグ――――

あの戦いの後、僕達はいつもと変わらぬ生活に戻る事となった。
大陸は全土にわたって和解を結び、一つの大陸は大きな発展をしていくことになるだろう。


ジョルジュは、あの後レジスタンスを抜け、各地を放浪して腕試しをしているとのことだ。
だが、彼が生涯でライバルと認めたのは、プギャーと言う男だけだったと言う。


ビコーズは、荒巻さんのいるニイトに戻った。
その後、もう必要はなくなったが、レジスタンスの長となったそうだ。
ビコーズの元、レジスタンスはさらに強力な組織となるだろう。


ミルナは、ギコ宰相の後を継ぎ、正式にニイトの宰相となったそうだ。
彼の仕事は大変だが、いつでも民に気を配る優しさは、まるでギコ宰相を見ているかのようだと、ニイトの民は言う。
ニイト王国も、これで一安心だろうな。そう思うと、何処からか笑みがこぼれ落ちる。



さて、当の僕はと言うと…………。
483 : ◆X5HsMAMEOw :2005/12/07(水) 22:09:41 ID:kDX/+1UU0
ξ゚听)ξ「……はい、花」

ツンから、僕は花を渡される。
綺麗な百合の花だ。結構高価なんだろう。
それを僕とツンは、静かに墓の前に供えた。

ξ゚听)ξ「グリスと、兄さんと……それから、ヴェルさんとデイさんと、毒男と……あと、内藤のお父さんね」
( ^ω^)「……沢山の命が失われたお。これで、せめてものはなむけになるかな?」
ξ゚-゚)ξ「はなむけとか、そういうものじゃなくて。これは、私達の義務じゃない?」
( ^ω^)「まあ…、そうかもしれないお!」


あの後、僕はと言うと、ツンと共にブーンの小さな村に帰還した。
そして、そこに………この戦いで命を落とした人々の墓を作り、毎日祈りを捧げている。
それが、僕達の…、せめてもの罪滅ぼし。これで、償えるとは思えないけどね。

ξ゚ー゚)ξ「……平和ね」
( ^ω^)「もう、この大陸で争いは起きないお。争いは、大切なものをいつでも奪う…。起こしては、いけないお」
ξ゚ー゚)ξ「…そうね。でも、あんな争いがあったから…、私たちは出会えたのよね」
( ;^ω^)「ま、まあ、そうだけど…。でも、もう二度と同じ過ちは繰り返さないお! その為にも……これからも一緒にいて欲しいお、ツン」
ξ゚ー゚)ξ「…あんたが頼まなくたって、ずっと一緒にいてあげるわよ! いつまでも………、どこまでも!」

空が青い。澄み切ったように、何処までも。

願わくば、僕達の願いも……思いも……届け、この青い空に。
それこそ、永遠に……いつまでも。
                      ―――Fin―――
499 : ◆X5HsMAMEOw :2005/12/07(水) 22:15:29 ID:kDX/+1UU0
―――キャスト―――

( ^ω^)…内藤ホライゾン
ξ゚听)ξ…ツンデレ
( ,' 3 )…荒巻スカルチノフ
( ゚∀゚)…ジョルジュ長岡
( ∵)…ビコーズ
( ゚д゚ )…コッチミルナ

( ゚Д゚)…ギコ
( ´∀`)…モナー
( ・∀・)…モララー
( ^Д^)…プギャー
( *’ω’*)…ちんぽっぽ
( ><)…わかんないです
(´・ω・`)…ショボーン

ξ・-・)ξ…ヅンテレ
('A`)…毒男
(#゚;;-゚)…デイ
(#。;;o。)…ヴェル
(#・;;-・)…グリス
( ・ω♀)…内藤サルベージ
505 : ◆X5HsMAMEOw :2005/12/07(水) 22:17:10 ID:kDX/+1UU0
ぐだぐだぐだぐだしてて終わり方も変だけど、見てくれた方々、サンキュー!!!


また多分近いうちにどこかに出没する可能性が高いのでその時はまたよろしくお願いします

またぐだぐだしそうだけど…('A`)
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