49 : ◆cnH487U/EY :2009/02/15(日) 22:35:15.05 ID:lQDgUK2AO
〜after the festival〜

━━気付けば、光は消えていた。

( ∵)「……」

手にした缶詰めを覗き込む。
拳大のそれの中は、がらんどう。

( ∵)「空っぽ…?」

あの光は何だったのだろう。
あの光景は何だったのだろう。
しばし考え、結局のところはわからずじまい。

( ∵)「まぼろし…?」

頭は単純で、明確な答えを何時も求めている。
あのめくるめく非日常の光景。
それら全てを白昼夢と切り捨て、立ち上がる路地裏。

( ∵)「……むぅ」

寂しさは、ちょっぴり。
それでも、さっきよりかは幾分かまし。

50 : ◆cnH487U/EY :2009/02/15(日) 22:36:52.96 ID:lQDgUK2AO
夢見心地に歩き出す、歓楽街。
ネオンのケバケバしい明かりと恋人達の喧騒は、ホンの少し満たされた胸を自然と通り抜けた。

( ∵)「……」

立ち止まり、手にした缶詰めを見詰める。

有難う。

心の中で呟いて、投げ捨てる、空の向こう。

( ∵)「…ん?」

ふと、気付いた違和感。膨らんだ上着の胸ポケット。
確かめる為に突っ込む指先が、それに触れた。
52 : ◆cnH487U/EY :2009/02/15(日) 22:38:55.18 ID:lQDgUK2AO
http://p.pita.st/?m=gspcdstv

( ∵)「……ふふ」

それは、幻からの贈り物。夢からの贈り物。

そっとしまい、前を向く。

なるほど、これなら寂しくない。

( ∵)「寂しくなんか、ないもんねぇ〜!」

今宵はセントバレンタイン。

涙をチョコで溶かしたら、きっと明日も笑えるね!



-おしまい-
55 : ◆cnH487U/EY :2009/02/15(日) 22:44:54.88 ID:lQDgUK2AO
あとがき川柳



バレンタイン

藻男たちが

夢のあと



━━◆cnH487U/EY

56 : ◆cnH487U/EY :2009/02/15(日) 22:49:23.91 ID:lQDgUK2AO
※警告※

以上のエピソードは実在の本編とは何ら関係のない話であり、著者の悪乗りが多分に含まれております。

御拝読の際は、用法・容量を正しく守った上で、既存の価値観を排した寛大な気持ちで臨まれることをお勧めします。

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