名も無きAAのようです<><>2016/05/27(金) 22:01:24 ID:mYwEn/c20<>立ったら投下できる。<>( ^ω^)達はアインクラッドを生きるようです。 ◆dKWWLKB7io<><>2016/05/27(金) 22:03:10 ID:Hlo1vhxM0<>
二日後の夜。

時計はまもなく次の日を告げる。

街灯はないがぼんやりと明るい街を、
ミセリは歩いていた。

ミセ*゚ー゚)リ「うーむ……」

苦虫を噛み潰したような顔をしつつ街の外れまで来たが、
ゆっくりと振り返った。

ミセ*゚ー゚)リ「えっと……。
隠れてるつもりはないよね?
ショボンくん」

暗闇の中から現れるショボン。
暗闇を利用した姿を隠せるギリギリの範囲と位置からではあったが、
横にある建物や障害物に隠れてはいなかった。

(´・ω・`)「うん。着いてきただけ。
僕は隠蔽とか鍛えてないし」

ミセ*゚ー゚)リ「だよねー」

笑顔だが少しイラついているミセリと、
無表情だがのんびりしているショボン。

ミセ*゚ー゚)リ「えっと、止めに来たんだよね?」

お互いの表情が見え、
無理なく会話のできる距離で立ち止まるショボン。

(´・ω・`)「止めても無駄でしょ?」

ミセ*゚ー゚)リ「え?」

(´・ω・`)「パラメーター的には僕より上のはずだし。
本気で走られたら追いつけないよ」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/05/27(金) 22:04:39 ID:Hlo1vhxM0<>
ミセ*゚ー゚)リ「まあ、ねぇ」

(´・ω・`)「ここで立ち止まったのは、
自分より弱い僕を外に連れ出さない為。
あとは、僕と少しは話をしようって思ったから」

ミセ#*゚ー゚)リ

(´・ω・`)「そんな怒らないでよ」

ミセ#*゚ー゚)リ「怒ってませんー」

(´・ω・`)「ならいいけど」

ミセ#*゚ー゚)リ「ほんとにこいつもあいつも……」

(´・ω・`)「ありがとう」

ミセ*゚ー゚)リ「え?」

(´・ω・`)「改めて、言わせてもらうよ。
ありがとう」

ミセ*゚ー゚)リ「……それを言うなら、私の方だよ」

(´・ω・`)「ビコーズの記憶が改ざんされているふり、
辛かったと思うから」

ミセ*゚ー゚)リ「私があの二人を巻き込んだんだから、
その償いは当然だよ。
二人には、背負わせなくていい重荷を持たせてしまった。
本当は私の事なんて忘れて、
ビコーズの事も、私のせいにしてくれればいいんだけど。
あの二人は、そんなことできる子達じゃないから」

暗闇のせいではなく、
ミセリの表情に影が落ちる。

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/05/27(金) 22:07:26 ID:Hlo1vhxM0<>
ミセ*゚ー゚)リ「あのままだったら、
ビコーズと私、二人分の重荷を背負ったままだった。
こんなおかしな世界で、そんなものまで背負ったら、
苦しくて苦しくて、おかしくなっちゃうよ。
でも、更に私がおかしくなれば、
しかも私の中のビコーズの記憶が違っていれば、
私だけに、集中できる」

にっこりと微笑むミセリ。
その顔に媚びは無く、
心からの笑みだった。

ミセ*゚ー゚)リ「私を笑顔にするために、
笑顔を見せてくれる。
おかしくなった私を守るために、
笑顔を見せてくれる。
最初はぎこちなかったけどね」

その頃の笑顔を思い出したのか、
小さく噴き出す。

ミセ*゚ー゚)リ「最初は無理矢理でも、
笑顔はいつしか本当の笑顔を呼ぶ。
忘れることは出来なくても、
それ以上の思いがあれば、目標があれば、
ゆっくりと、鎮めることはできると思うから」

(´・ω・`)「ミセリ」

ミセ*゚ー゚)リ「それにね、それは私にも好都合だったの。
きっと一人では、耐えられなかった。
皆がいてくれたから、耐えることが出来た。
皆に私の知っていることを伝えるっていう大義名分が出来たから、
それまではって……、思った。
ツンちゃんとクーちゃんの心を守るっていう大義名分で、
私自身、ビコーズとゼアフォーの事を心の奥底に閉じ込めることが出来た。
……私はずるい。
だから、ショボンくんにありがとうなんて言われると、
逆に苦しくなっちゃう」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/05/27(金) 22:09:30 ID:Hlo1vhxM0<>
(´・ω・`)「ミセリ……」

ミセリが、静かにショボンを見つめた。

ミセ*゚ー゚)リ「ありがとう。ショボンくん」

(´・ω・`)「あの夜ミセリに協力を求められたとき、
本当は反対するべきだと思っていた。
ツンとクーの事だけを考えれば嬉しい申し出だったけど、
君の心がどうなるのか、不安だったから。
でも、この一か月をミセリも楽しむことが出来たのなら、
良かったよ。
嘘をつくのは、やっぱり心苦しいからね」

ミセ*゚ー゚)リ「はい。二つ嘘だよね」

(´・ω・`)「?」

ミセ*゚ー゚)リ「まず一つ目。
ショボンくんは、このことで私も笑顔になるって気付いてた。
ううん。笑顔になるように、色々と誘導をしてた」

(´・ω・`)

ミセ*゚ー゚)リ「そして二つ目。
ショボンくんは、嘘をつくことに躊躇しないし、心苦しくなったりはしないよ。
その嘘が、誰かのための『嘘』ならね。
ま、これは勘だけど」

(´・ω・`)「ミセリ……」

ミセ*゚ー゚)リ「そしてムカつくことに、
それはシャキンも一緒なのよね。
ね、シャキンにも話してあったんでしょ?」

(´・ω・`)「うん。よくわかったね」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/05/27(金) 22:10:51 ID:Hlo1vhxM0<>
ミセ*゚ー゚)リ「これも勘。
でも、そうだろうなって。
その方が、私の為って思いそうだなって」

(´・ω・`)

ミセ*゚ー゚)リ「お、当たったみたいだね。
私がショボンくんを巻き込んだことを気に病まないように、
わざともう一人くらい仲間にするかなって思ったの。
そしたらシャキンかなって」

(´・ω・`)「一つはずれ」

ミセ*゚ー゚)リ「あれ?何か違った?」

(´・ω・`)「シャキンの方から僕に言ってきたんだよ。
『ミセリ、ほんとはちゃんと覚えているんだろ』ってね。
だから僕も気にせず巻き込ませてもらった。
確かにミセリと話した後にシャキンも巻き込むことも考えたけど、
夜遅くだったから、次の日になって落ち着いてからって思ってた。
そうしたら向こうから聞いてきた。渡りに船だったよ」

ミセ*゚ー゚)リ「あの男。
やっぱり要注意人物ね。
あんなフラフラしてるくせして妙に鋭いし。
ショボンくんは腹黒いのが表に出ているからまだ良いとして、
一見ぼやぼやしてるっていうのが」

(´・ω・`)「腹黒いとか」

ミセ*゚ー゚)リ「ごめんごめん。
つい、思ってることを」

(´・ω・`)「ひどいな。
腹黒のミセリに言われるとへこむよ」

ミセ*゚ー゚)リ「お、言うねぇ」

互いにきつい視線を交わした後、
噴き出す二人。

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/05/27(金) 22:12:02 ID:Hlo1vhxM0<>
ミセ*゚ー゚)リ「ショボンくんも私に言うようになったね」

(´・ω・`)「前にドクオが言っていたのが分かるよ。
僕達はよく似ているって」

ミセ*゚ー゚)リ「腹黒なところが?」

(´・ω・`)「うん。腹黒なところが」

再度噴き出す二人。

(´・ω・`)「でも、仲間にはなれない?」

ミセ*゚ー゚)リ「えー。私は仲間だと思ってたのに」

(´・ω・`)

ミセ*゚ー゚)リ「……ごめん。うそ。
あ、でも、みんなの事は好きだよ。
ただ、私はみんなのそばに居ちゃダメなだけ」

(´・ω・`)「何故そんなこと」

ミセ*゚ー゚)リ「私のそばにいた二人が、
二人とも死んだんだよ。
私がいたから、あの二人は……」

(´・ω・`)「まだそんなことを!」

ミセ*゚ー゚)リ「事実だよ!
……二人が死んだのは、事実。
そして私があの二人をこのゲームに呼んだのも、
私を守ったのも、
私が気付けなかったのも、
事実なの」

(´・ω・`)「ミセリ……」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/05/27(金) 22:13:29 ID:Hlo1vhxM0<>
ミセ*゚ー゚)リ「皆といて、本当に楽しかった。
本当はもっと早く分かれるつもりだったけど、
迷ってしまうくらい、楽しかった。
でも、それじゃあダメだって思ったの」

(´・ω・`)「これからどうするつもり?」

ミセ*゚ー゚)リ「昨日話したよね?
忍者になるって」

(´・ω・`)「本気だったんだ」

ミセ*゚ー゚)リ「うん。
三人で、なろうって、誓ったから。
それにね、βテスターとして、
この世界で私が誰かのために出来る事に
つながらないかなって、思ったの」

(´・ω・`)「ん?」

ミセ*゚ー゚)リ「ふふ。
これ以上は内緒。
なにか、出来たらいいなって、
思ったから。
そのために、
頑張ってみようかなって思ったの」

(´・ω・`)「ビーターさんや、
情報屋さんのことが切っ掛け?」

ミセ*゚ー゚)リ「うん」

(´・ω・`)「何か考えていそうだなとは思ったけど……。
ドクオも、ちょっと挙動不審だし」

ミセ*゚ー゚)リ「ドクオくんもね。
考えていそうだね。
でも、みんなの事が大事だから、
悩んでると思う」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/05/27(金) 22:15:58 ID:Hlo1vhxM0<>
(´・ω・`)「ミセリは、
離れる決意につながったんだ」

ミセ*゚ー゚)リ「そういうこと。
理解してくれてうれしいな」

(´・ω・`)「理解は、出来るよ。
でも、納得はできない。
一緒に居ても忍者にはなれる」

ミセ*゚ー゚)リ「忍者は孤独なのよ」

(´・ω・`)「ミセリ……」

ミセ*゚ー゚)リ「止めても無駄だよ?」

(´・ω・`)「……うん……。
でも、またいつか、パーティー組めるよね!
ギルドも作るから!
入ってくれるよね!」

ミセ*゚ー゚)リ「!ショボンくん……。
うん。そうだね。
私がちゃんとした忍者になれたら。
そして、誰かを、助けることが出来たら。
入れてもらおうかな」

(´・ω・`)「……その日を楽しみにしてる」

ミセ*゚ー゚)リ「でもさ、そうなる前に、この世界から出たいな」

(´・ω・`)「それは……そうだね」

ミセ*゚ー゚)リ「だよね」

笑いあう二人。

ミセ*゚ー゚)リ「さて……じゃあ行こうかな」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/05/27(金) 22:17:19 ID:Hlo1vhxM0<>
(´・ω・`)「あ、ちょっとまって」

ミセ*゚ー゚)リ「?まだ何かあるの?」

(´・ω・`)「いや、来たみたいだから」

ミセ*゚ー゚)リ「来たって……あ」

ショボンの後ろから走ってくる一つの影。

ξ#゚⊿゚)ξ「ミーセーリー!」

ミセ*゚ー゚)リ「ショボンくん!?」

(`・ω・´)「残念。あいつらを呼んだのはおれだ」

ミセ*゚ー゚)リ「シャキン!」

建物の影から現れるシャキン。

ミセ*゚ー゚)リ「ショボンくん?」

(´・ω・`)

一回シャキンを睨んでからショボンに視線を向けるミセリ。

その視線を受けてニッコリと笑顔を見せたショボン。

ミセ*゚ー゚)リ「はぁ……」

ミセリが溜息をつくとほぼ同時に、
ショボンの横にツンとクーが立った。
その後ろにはブーン達四人もいる。

ξ゚⊿゚)ξ「ミセリ!」

ミセ*゚ー゚)リ「ごめんツンちゃん!
でも昨日みたいに反対されるとなかなか離れられないかなって思って」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/05/27(金) 22:18:47 ID:Hlo1vhxM0<>
ξ゚⊿゚)ξ「もう反対なんてしないわよ……」

ミセ*゚ー゚)リ「え?」

川 ゚ -゚)「ミセリがやりたいことを止めるのは、
私達のわがままだ」

俯いたツンの代わりにクーが口を開く。

川 ゚ -゚)「もちろん心配だし、出来ればそばにいてほしい。
でも、この世界に来たのも自分自身の意思ならば、
この世界で何をするのかも、
自分の意志であるべきなんだ」

ξ゚⊿゚)ξ「だから……もう止めたりはしない。
でも……でも……!」

川 ゚ -゚)「離れたって、
一緒のパーティーに居なくたって、
私達は、仲間で、友達だ」

ミセ*゚ー゚)リ!

川 ゚ -゚)「私とツンは、
いや、ここにいる皆そう思っているはずだ。
だから、ミセリ、ちゃんと見送りたかったんだ。
旅立つミセリを」

ミセ*゚ー゚)リ「クーちゃん……」

クーを見つめるミセリ。
そしてそんなミセリにツンが抱きついた。

ミセ*゚ー゚)リ「つ、ツンちゃん!」

ξ゚⊿゚)ξ「離れたって、フレンドリストからは消えない!
メッセージだって送れるし、
街やフィールドダンジョンなら居場所だって分かる!
離れたって逃げられると思わないでよ!」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/05/27(金) 22:19:59 ID:Hlo1vhxM0<>
ミセ*゚ー゚)リ「に、逃げるって……」

ξ゚⊿゚)ξ「何かあったらすぐ連絡して!
すぐ行く!
私やクーじゃ解決出来なくても!
ブーンがショボンがドクオがシャキンがミルナがデミタスが!
絶対に誰かが力になるから!
ちゃんと連絡して!
っていうか何もなくても連絡して!
三日に一度はメッセージくれなきゃだめ!」

ミセ*゚ー゚)リ「ツンちゃん……」

ξ゚⊿゚)ξ「約束してくれなきゃこのまま離さないから!」

ミセ*゚ー゚)リ「反対しないんじゃなかったの?」

ξ゚⊿゚)ξ「反対してるわけじゃない!
約束してほしいだけ!」

ミセ*゚ー゚)リ「まったく……。
ありがとう。ツンちゃん。
クーちゃんも」

棒立ちだったミセリがツンの背に右手を回す。
そしてクーを見て左手を差し出した。

川 ゚ -゚)!

ミセ*゚ー゚)リ

ミセリの微笑みに誘われるかのようにゆっくりと近付き、
二人を抱きしめるようにクーが抱きついた。

ミセ*゚ー゚)リ「本当に。ありがと」

クーも抱きしめながら、ミセリが二人に囁いた。



.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/05/27(金) 22:21:23 ID:Hlo1vhxM0<>



街を出るミセリを見送った八人。

その姿が見えなくなると、
ショボンがゆっくりと後ろを向いた。

それを合図としたかのように、
全員が街の中心方面、
宿泊している宿屋に向かって歩き始めた。

(´・ω・`)「明日の出発はいつもより二時間くらい遅くしようか」

ショボンの提案を何かしらの反応で肯定する七人。

するとツンがショボンの横に来た。

ξ゚⊿゚)ξ「ショボン、……ありがとう」

(´・ω・`)「ちゃんと会っておかないと、
お互いに悲しいと思ったから」

ξ゚⊿゚)ξ「今日の事もそうだけど、
ミセリが本当はちゃんと覚えてるってことを、
教えてくれたこと。
あの時は気が動転してちゃんとありがとうって言えなかったから」

(´・ω・`)「……うん」

川 ゚ -゚)「私からも、礼を言わせてほしい。
ありがとう。ショボン」

(´・ω・`)「クー」

ショボンを挟んでツンとは反対側を歩くクー。

八人は、ショボンを中心にして固まって歩いていた。

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/05/27(金) 22:22:17 ID:Hlo1vhxM0<>
( ^ω^)「また、一緒に探検出来るおね」

( ゚д゚ )「ああ。大丈夫さ」

(´・_ゝ・`)「そうだな。また一緒に遊べるさ」

('A`)「おれも、そう思う」

(`・ω・´)「忍者か……。
ここには職業ってないんだよな?ドクオ」

('A`)「うん。だからミセリはこれからエクストラスキルの『体術』を探すんだと思う」

(´・_ゝ・`)「体術?」

('A`)「うん。
ここは『ソード・アート』っていうだけあって、
剣や武器を使って戦っている。
『剣技(ソードスキル)』を駆使して。
でも、体術スキルを身に付ければ身体能力の補正が働いて、
尚且つ素手での攻撃も出来るっていう噂があったんだ。
βの時に。
噂では、アルゴがどうやってとれるかを知ってるって話なんだけど、
何故かその情報は売らないんだよな……あいつ」

( ゚д゚ )「ほー」

(´・ω・`)「だね。
僕も一回交渉したけどダメだった。
話しぶりからすると知っているのは確か見たいなんだけど」

(`・ω・´)「で、その体術を持っていると『忍者』なのか?」

('A`)「んー。まあそんな感じ。
後は短剣とか爪なんかを武器にして、
できれば投擲も鍛えてそんな恰好をすれば、
『忍者』かなって。
ミセリ達三人は、そんな遊びをしようって言ってた」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/05/27(金) 22:23:11 ID:Hlo1vhxM0<>
(`・ω・´)「なるほどな……んっ?」

ドクオの言葉にとりあえずの納得をしたシャキンだったが、
画面の端に現れたメッセージ到着の知らせを見てウインドウを開いた。

それとほぼ同時に次々にウインドウを開いていく。

(´・ω・`)「みんなどうしたの?」

立ち止まった七人を見て、
不思議そうに歩みを止めたショボン。

全員がそのメッセージを見て驚き、
ショボンを見た。

('A`#)「おい、ショボン」

(´・ω・`)「ん?」

ξ#゚⊿゚)ξ「いま、ミセリからメッセージが来たんだけど」

(´・ω・`)「え?そうなの?僕のところには来てないけど」

川#゚ -゚)「だろうな。この内容ならそうだろ」

(´・ω・`)「え?内容って?
っていうか、皆なんか怒ってる?」

(;^ω^)「ショボン、毎日ほとんど眠ってないってホントなのかお?」

(´・ω・`)!

ξ#゚⊿゚)ξ「その感じからして、本当みたいね」

(´・ω・`)「え、あ、いや」

( ゚д゚ )「前からおかしいとは思っていたんだ。
スキルの熟練度が早すぎるってな」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/05/27(金) 22:30:28 ID:Hlo1vhxM0<>
(´・_ゝ・`)「ああ。
槍はいつも戦闘時に使ってる程度だけど
投擲や調理なんかのレベルの上がり方がちょっと急だなと」

( ゚д゚ )「何か裏ワザかアイテムでもあるのかと思ったが……」

(´・ω・`)「ないですそんなもの!
もしあったらみんなにちゃんと教えます!」

( ゚д゚ )「うん。お前ならそうするだろうって思った。
最初は危険がないか自分で試すとしても、
試すだけなら結構時間は経ってるからな」

川#゚ -゚)「つまり、ミセリの言ってきたないような真実だということだな」

(´・ω・`)「あ、その……」

ξ#゚⊿゚)ξ「ショボン!?」

('A`#)「ショボン?!」

(;^ω^)「ショボン……ちゃんと言ってほしいお」

(´・ω・`)「ブーン……みんな……」

泣きそうな表情のブーンを見て、
ショボンも同じ様に辛そうな顔をした。

そして自分を見つめる全員の顔を見て、
一度深呼吸をすると頷いた。

(´・ω・`)「……うん。眠れない」

('A`#)「ショボン!なぜそんな大事なことを!」

(´・ω・`)「多分、テストタイプのナーブギアを使っている弊害なんだと思う」

( ^ω^)!

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/05/27(金) 22:32:04 ID:Hlo1vhxM0<>
(´・ω・`)「目をつぶって少しすると、
部屋に一人でいても『音』が聞こえてくるんだ」

川 ゚ -゚)「音?」

(´・ω・`)「うん。歩く音、喋る音、
周囲の本当なら届かないような『音』が、
耳に押し寄せてくる」

( ゚д゚ )「それは『聞き耳』スキルみたいなもんなのか?」

(´・ω・`)「おそらく違うと思います。
僕が聞けるのは『音』であって声じゃないので、
何をしゃべっているのかは全くわかりません。
純粋な、『音』です」

('A`)「つまり、うるさくって眠れないってことか」

(´・ω・`)「うん。目を開けているときは大丈夫なんだけどね。
おそらく目を閉じることによって耳の働きが良くなりすぎてしまうんじゃないのかな」

(´・_ゝ・`)「普段良い『目』を封じることによって、
『耳』の性能が上がってしまうってことか?」

(´・ω・`)「おそらくですが」

ξ゚⊿゚)ξ「じゃあんた、今まで全然寝てないの?」

(´・ω・`)「さすがにそんなことは無いよ。
最初は2・3日徹夜すると、
気を失うように2時間くらい眠ることが出来た」

川 ゚ –゚)!

(;^ω^)「い、今はどうなんだお!?」

(´・ω・`)「最近は音に少し慣れてきたのと、
ちょっと力の使い方にも慣れてきたから、
一晩で2時間前後は眠れてるよ」<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/05/27(金) 22:33:10 ID:Hlo1vhxM0<>
('A`)「おまえ……」

(´・_ゝ・`)「それで、起きてた時間にスキルを鍛えていたってことか」

(´・ω・`)「はい。
と言っても調理と投擲ぐらいですけどね。
部屋で練習出来て今有益なのはとりあえずこの二つかなと思ったので」

( ゚д゚ )「あの説明書もその時間を使って作っていたわけか」

(´・ω・`)「ええ。
スキル上げだけじゃなく、データの整理もはかどります」

(´・_ゝ・`)「で、シャキンは知っていたわけだな」

デミタスの言葉で、六人の視線が今度はシャキンに移る。

(`・ω・´)「まあな。
あ、でもショボンから相談されたりしたわけじゃないぞ。
スキルの上がり具合がおかしいから問い詰めたら、げろっただけだ」

( ゚д゚ )「ゲロとか汚い」

(`・ω・´)「うっさい」

('A`)「おれ……気付けなかった」

ξ゚⊿゚)ξ「私も……」

川 ゚ -゚)「私もだ……」

( ^ω^)「僕もだお……」

ショボンの近くに立つ四人がうなだれた。

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/05/27(金) 22:34:39 ID:Hlo1vhxM0<>
(;´・ω・`)「さ、最初はそれなりに大変だったけど、
今考えるといろいろやることとか整理することがあったから
それはそれなりに良かったと思うんだ。
今はそれに慣れたからもう普通だし、
ちゃんと眠れてるし。
それにきっとこういう事になってなくても僕は起きて色々やってたと思うから、
そんなに気にしないで」

( ゚д゚ )!

(´・_ゝ・`)!

( ゚д゚ )「ショボンが……」

(´・_ゝ・`)「慌ててる!」

(`・ω・´)「お前らのそういう着眼点好きだなー」

(;´・ω・`)「ね、だからそんなに気にしなくていいから!」

('A`)ウツダシノウ

川 - )「私はいったい何を見てきたんだ……」

( ´ω`)「僕はダメダメだお……」

(;´・ω・`)「だ、だからね、みんな!」

ξ#゚⊿゚)ξ「うるさい!」

(;´・ω・`)「ツ、ツン!」

ξ#゚⊿゚)ξ「何を言おうが、
あんたが大事なことを黙っていたのは事実なのよ!」

(;´・ω・`)「大事なことって、それほどのことじゃ……」

ξ#゚⊿゚)ξ「大事な友達がちゃんと眠れないだなんて一大事でしょ!」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/05/27(金) 22:36:10 ID:Hlo1vhxM0<>
(´・ω・`)!

ξ#゚⊿゚)ξ「私が眠れないって言ったらどうする!?
ドクオが気持ち悪いって言ったらどうする!?
クーが苦しいって言ったらどうする!?
ブーンが足が痛いって言ったらどうする!?
シャキンが変なもの食べてお腹が痛いって言ったどうする!?
ミルナが目が痛いって言ったらどうする!?
デミタスが手が動きづらいって言ったらどうする!?」

(´・ω・`)「……心配で……なんとかしてそれを……」

ξ゚⊿゚)ξ「そしてそれをあんたに黙ってたことを知ったらどうする」

(´・ω・`)「……辛い」

ξ゚⊿゚)ξ「私たちの気持ちが少しは分かった?」

(´・ω・`)「……」

ξ#゚⊿゚)ξ「まだ『僕の事なんか』なんて思ってるんだったら本気で怒るからね」

(;´・ω・`)「!」

ξ゚⊿゚)ξ「あんたが私たちの事を大事に思ってくれているように、
私達はショボンが大事なのよ。
いい加減、ちゃんと認識しなさい」

(´・ω・`)「ツン……」

('A`)「おれ達じゃ頼りないかもしれないけどよ」

(;´・ω・`)「そんなことは!」

川 ゚ –゚)「確かにナーヴギアからくる不調なら、
私達では役に立てることは無いだろう。
でも、何かしらのフォローはできるかもしれない。
……知らなければ、何もできないんだ」

(´・ω・`)「クー……」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/05/27(金) 22:37:10 ID:Hlo1vhxM0<>
( ^ω^)「考えていたことがあるお」

(´・ω・`)「ブーン?」

( ^ω^)「僕は、道具屋になるお」

('A`)「は?」

ξ゚⊿゚)ξ「え?」

( ^ω^)「ツンの作る服やクーの作る薬を売るのに、
良いと思ってたんだお
今鍛えている鑑定スキルも役立つお」

ξ゚⊿゚)ξ「あれ、本気だったの!?」

( ^ω^)「鑑定スキルを鍛えながら、
考えていたんだお。
そして、道具屋をしていれば、
色々アイテムを売る人が来ると思うんだお」

川 ゚ -゚)「そりゃあ……まあ」

( ^ω^)「今思ったんだお!
もしかしたら、『耳栓』とかあるかもしれないお!」

('A`)!

ξ゚⊿゚)ξ!

(´・ω・`)!

川 ゚ -゚)!

( ^ω^)「こんな風にみんなで考えれば、
もっといい案が見つかるかもしれないんだお!
だからショボン、抱え込むのはやめてほしいお。
話して、ほしいお……」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/05/27(金) 22:40:00 ID:Hlo1vhxM0<>
(´・ω・`)「ブーン……」

自分を見つめる視線に改めて気づき、
ゆっくりと仲間たちを見るショボン。

その視線は怒りを含んでいるものもあるが、
全員が優しくて、自分を思ってくれていることが分かるものだった。

(´・ω・`)「みんな……ごめん……。
そして、……ありがとう」

頭を大きく下げるショボン。

少しの間そのままでいると、
彼の足元に滴が零れ落ちた。








.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/05/27(金) 22:41:04 ID:Hlo1vhxM0<>


ミセ*゚ー゚)リ「そろそろ良いかな」

一人夜の街道を歩くミセリ。

ミセ*゚ー゚)リ「『し・か・え・し』、ハートっと。
改行して、
『理由は知らないけど、眠れてないことをちゃんと皆に話しなさいよ』っと。
こんな感じかな。
よし、ショボンくんに送信!」

少し大きめに呟きつつ、
ウインドウをタップする。

ミセ*゚ー゚)リ「みんな……大好きだよ」

ウインドウを閉じ、前を向くミセリ。

その表情は少し寂しげだが、
しっかりと前を見ていた。





.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/05/27(金) 22:41:48 ID:Hlo1vhxM0<>



次の日をミーティングに当てた八人は、
一度はじまりの街に戻り、
あの宿屋で状況の整理とこれからを話し合った。

そして彼らは、
次の日には全員で活動を再開した。



それから十日後、
シャキン達三人が五人と別れ、
独自に行動を始めた。

その別れに涙は無く、
全員が、少し寂しげではあったが、
笑顔だった。





.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/05/27(金) 22:42:48 ID:Hlo1vhxM0<>
( ^ω^)「またみんなで遊ぶことができるおね……」

ξ゚⊿゚)ξ「あたりまえでしょ」

川 ゚ -゚)「それまでは、五人で頑張ろう」

('A`)「そうだな……」

(´・ω・`)「みんな、相談があるんだ」

( ^ω^)「お?なんだお?」

ξ゚⊿゚)ξ「まだ何か隠しごと?」

(´・ω・`)「ちがうよ。相談」

川 ゚ -゚)「どんな内容だ?」

(´・ω・`)「ギルドを作るって話はしたよね」

('A`)「ああ。3層でできるクエストをやれば、
ギルドを作ることが出来るようになる」

ξ゚⊿゚)ξ「今の『パーティー』より良いのよね?」

(´・ω・`)「設定とかめんどくさいところもあるみたいだけど、
僕たち五人にとってはメリットの方が大きいと思う。
それに、個人で建物を購入すると個人でしか建物を管理できないけど、
ギルドで建物を買えばギルドのメンバーで建物の管理を出来るようになる」

( ^ω^)「お?どういうことだお?」

川 ゚ -゚)「ショボンが例の手帳を使って建物を買うと、
鍵を閉めたり模様替えしたり、
その『建物』に関する設定を決めることが出来るのはショボンだけだが、
ギルドとして購入すれば、ギルドのメンバーで設定を付けることが出来るってことか?」

(´・ω・`)「うん。そんな感じに考えてくれればいいよ」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/05/27(金) 22:43:45 ID:Hlo1vhxM0<>
( ^ω^)「アパートを買えば、
個室を持つこともできるってことかお?」

ξ゚⊿゚)ξ「なるほど。
個室のカギの設定もギルドのメンバーが
個別に設定できるようになるわけね」

(´・ω・`)「うん。
今だと宿屋のドアのかぎの設定は借りた人だけだし、
それでいてパーティーメンバーだと開けることが出来るとか、
ちょっと変な設定だからね」

('A`)「ギルドの『ホーム』を作りたいわけだな。
おれは賛成だ」

川 ゚ -゚)「反対するべき点は見当たらないな」

ξ゚⊿゚)ξ「そうね。いいんじゃない」

( ^ω^)「ミセリやショボンたちも一緒に暮らせるような大きな家が良いおね!」

ξ゚⊿゚)ξ「ええ。絶対にみんなで」

(´・ω・`)「相談は、まだあるんだ」

('A`)「ん?」

(´・ω・`)「この前も話したけど、僕は、調理スキルを使って店をやりたいと思う」

川 ゚ -゚)「言っていたな」

(´・ω・`)「うん。ギルドとしてのお金を稼ぐこともできるし、
情報を集めるにも色々な人の集まる『店』は良いと思うんだ」

ξ゚⊿゚)ξ「聞こうと思ってたんだけど、
あんた、最初からそれを見越して調理スキルを?」

(´・ω・`)「さすがにそこまで見通せないよ」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/05/27(金) 22:46:22 ID:Hlo1vhxM0<>
ξ゚⊿゚)ξ「どうだか」

(´・ω・`)「ブーンが道具屋さんをしてくれるなら、
僕はレストランとかカフェで情報とお金を集めるのもありかなって思っただけだよ。
そしてホームで道具屋や店を開ければいいなって思ってるんだ」

ξ゚⊿゚)ξ「ま、いいんじゃない。
どうせならみんなでスキル鍛えて、誰でも店番を出来るように……」

川 ゚ -゚)「いや、ツンはやめておいた方が」

('A`)「そうだな。ツンはダメだ」

( ^ω^)「ツンは服を作るのを極めるといいと思うお!」

ξ#゚⊿゚)ξ「あんたたち!
この世界ではスキルさえ鍛えれば誰でも出来るんでしょ!」

川 ゚ -゚)「いや、それでもツンは止めておいた方が」

('A`)「おれもクーに賛成だ」

(;^ω^)「おっおっお。
やっぱり向き不向きはあると思うんだお」

ξ#゚⊿゚)ξ「むかつくわねー」

(;´・ω・`)「ま、まあ。
とりあえずこの前個人のスキルの方向性は決めたんだから、
それでいいんじゃないかな。
ツンは服飾。
ブーンは鑑定スキルで道具屋。
クーはPOT関係。
ドクオは戦闘系のソロプレイ可能なスキル」

ξ゚⊿゚)ξ「ドクオのは気に入らないけど」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/05/27(金) 22:47:46 ID:Hlo1vhxM0<>
('A`)「戦うのもそうだけど、
基本はみんなが進む道を先行して情報収集が出来るようなスキル設定ってことだよ。
素早く敵を見つけたり、敵に気付かれなかったりするようなスキルを鍛える」

ξ゚⊿゚)ξ「ま、よしにしてあげる」

('A`)「ありがとーよ」

川 ゚ -゚)「それで、相談とはこれで最後か?」

(´・ω・`)「いや、重要なのがもう一つ」

ξ゚⊿゚)ξ「なによ?」

(´・ω・`)「……ギルドには、
良い人が居たら勧誘したいと思ってる」

('A`)!

( ^ω^)!

ξ゚⊿゚)ξ「ちょっとびっくりした」

川 ゚ -゚)「あ、ああ……」

('A`)「おれ達を守るのに、人が必要ってことか?」

(´・ω・`)「さすがにそこまで考えてはいないよ。
この二か月で、色々考えたんだ」

( ^ω^)「色んなことがあったおね……」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/05/27(金) 22:49:00 ID:Hlo1vhxM0<>
(´・ω・`)「うん。
……。
もちろん、いまでも最初の気持ちは変わらない。
僕はみんなを絶対にリアルの世界に返す。
それは、変わらない。
でも、シャキンと合流して、
ミセリやミルナさんやデミタスさんに会って、
思ったんだ。
『みんな』で、帰りたいって」

( ^ω^)「ショボン……」

(´・ω・`)「果てしない夢だってのは分かってる。
自分に何かが出来るだなんて思うことが、、
おこがましいことだって事も分かってる。
でも、もう、優しい人たちが消えるところを、
見たくないって思ったんだ」

('A`)「ショボン……」

(´・ω・`)「もちろんこの世界にもクズはいると思う。
嘘のうわさを流すようなカスがいるのを、
僕達は知ってしまった」

川 ゚ -゚)「……ショボン」

(´・ω・`)「だから、そんなクズから、
一人でも助けることが出来ればって……」

ξ ⊿ )ξ「いいんじゃない」

( ^ω^)「ツン……」

ξ ⊿ )ξ「反対するようなことじゃないでしょ」

(´・ω・`)「ツン……」

川 ゚ -゚)「……良い奴が、良いな」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/05/27(金) 22:50:07 ID:Hlo1vhxM0<>
('A`)「『お人よし』だな」

( ^ω^)「だおだお!
一緒に笑える人が良いおね!」

川 ゚ -゚)「仲間を、友達を大事に思えるような」

('A`)「自分の命と同じように、
まわりの命を大事にしてくれるような」

ξ゚⊿゚)ξ「……そう、ね。
そういう人が、良いな」

互いの顔を見る五人。

全員が、今は離れた四人を思いつつ、
そしてこれから出会える仲間たちを想像して、
穏やかな笑顔を見せていた。









.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/05/27(金) 22:55:30 ID:Hlo1vhxM0<>以上で本日の投下を終了します。

乙と感想とご意見、ありがとうございます。

次回で二十話終了予定です。

またよろしくお願いします。

ではではまたー。

.<> 名も無きAAのようです<>sage<>2016/05/27(金) 23:38:56 ID:t1cDGlb60<>乙大分今に至る背景が見えてきたな<> 名も無きAAのようです<>sage<>2016/05/28(土) 15:52:09 ID:ZNlmBKL20<>ラフィコフィの時に助けてくれた忍者ってそういうことか<> 名も無きAAのようです<>sage<>2016/05/28(土) 15:52:51 ID:ZNlmBKL20<>乙です<> 名も無きAAのようです<>sage<>2016/05/28(土) 17:14:17 ID:/ivdDOrk0<>おつ!
忍者の正体に衝撃受けてる
ミセリが敵側じゃなくて安心した

今後どうなるか分からないけど、本編で帰れるといいな<> 名も無きAAのようです<>sage<>2016/05/28(土) 18:54:18 ID:s98aWIHkO<>ショボシャキが突出してるとは言え、ミセリもかなり頭いいんだなー
腹黒だけどw

この後は誰に会うんだっけ?
ジョルジュかモナーだったと思うんだけど
また読み返してくるかー…<> 名も無きAAのようです<><>2016/05/30(月) 16:35:48 ID:0/9Y1Hbw0<>来てたから読みなおしたけどそのたびに新たな伏線に気づくわ
今ある話全部見てから5話とか6話見るとやっぱあいつアカンわ<> 名も無きAAのようです<><>2016/06/16(木) 21:19:25 ID:ucUo.6Dw0<>忍者の件で15話読み返したんだが、店名とギルド名の件で混乱している。
ど<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/06/26(日) 21:58:22 ID:uWV/pv.A0<>ど?



それでは投下を開始します。

よろしくお願いします。
.<> 名も無きAAのようです<>sage<>2016/06/26(日) 22:01:18 ID:W.rXPUr60<>あざっす!<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/06/26(日) 22:11:27 ID:uWV/pv.A0<>




12.ギルド




.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/06/26(日) 22:18:19 ID:uWV/pv.A0<>
おう、久しぶり。
どうした?こんなところで。


ん?
おれ?
前に話しただろ?ギルドに入った経緯は。


経緯は聞いたけど理由は聞いてない?
いや、あれが理由だと思うけど。


まあ、そうだな。
簡単に言えば、こいつらと友達になりたいって思えたからだな。

一緒に泣いてくれたツンとクー。
静かに激怒していたショボン。
一見クールというかやる気がなさそうだけど、
実は熱血なドクオ。
あと、ブーンは、そうだな。
変な意味じゃなく、一緒に居ると、気持ちいいな。
ゆったりできるというか。
ほんわかできるっていうか。


な、そう思うよな。

仲間仲間。

おれはさ、あんまり仲の良い友達っていなかったんだ。
遊び仲間はいっぱいいた。
勉強するよりツレと遊んでたし、
同期と飲みにいって愚痴言って、笑って……。
でも、悩みを相談できるようなツレっていなかったんだなって。
この世界で、一人でいて、思った。

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/06/26(日) 22:19:20 ID:uWV/pv.A0<>

なんだよ、そんな顔するなよ。
で、ま、あの五人は、そういう友達になれるかもなって、思ったんだ。
もちろん今まで出会ってきたやつらの中にもそんな奴はいたかもしれない。
ただ、おれはそんな仲間はいらないって思ってたんだろうな。
一人で何でもできるって。
実際そうやってきたし。
けど、それじゃダメだったんだな。おれは。
きっと、ずっと、欲しかったんだ。
笑いあえるだけじゃなく、
互いの苦しみを思って、
泣ける友達や仲間が。

だからそんな顔するなって。
おれがそんなこと考えていたなんて意外だって?


はっはっは。
冗談冗談。
けどさ、正直なところ、嫌になったら抜ければいいって思ってた。



ん?今?
もちろんそんなこと考えてないぞ。
っていうか、結局一度も考えたことないな。
あ。
でも兄者と弟者が仲間になった時に一瞬大丈夫かと思ったけど。


聞いたか!だよな!
そう思うよな!
あれはホントに酷かった!


.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/06/26(日) 22:21:14 ID:uWV/pv.A0<>

笑った笑った。
こんな感じか。
おれがこのギルドにいる理由は。
ちょっと気恥ずかしいけど、ま、いいか。


最後に?
なんだ?


ラフコフのことか……。
ショボンの事、信じられないか?


そっか。
うん。いや、うん。
そうだな。
うん。

なんだよ。
泣いてなんかないって。


そうだな。
うん。
ショボンは、ショボンなんだよな。
で、それを支えるのがあの四人で、
おれ達だと思ってる。
あいつは、おれたち全員の命を、
自分の命や自分自身の色んなものを賭けて、
守ってた。
最初聞いたときは怒ったけど、
でも、考えてみるとあいつは、
いや、あいつらは最初に会った時から、
あんな感じだったんだ。

ん?
分からないか。
実はおれもよくわからない。

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/06/26(日) 22:22:50 ID:uWV/pv.A0<>

怒るなって。


でもさ、別にそこはわからなくても良いって思う。
大事なのは、おれはあいつらが大切で、
そしてもちろんギルドの皆が大切で、
すごく大事だってことだと思うから。
それが分かってれば、
あとはその時その時の最善を尽くせば良いんじゃねえかな。



ん?どうした?
納得できない?


まあ、そうだな……。


でもそれは、自分で見つければいいんじゃないか?

だけど、たぶん分かってると思うぞ。
心の中では。








.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/06/26(日) 22:24:13 ID:uWV/pv.A0<>
いらっしゃい……と、どうした?



ギルドとあいつら……ねぇ。
おれと兄者とあいつらのことは話したよな。
それでもまだ聞きたいのか?


ふーん。
めんどくさいことを考えてるな。


怒るなって。


はいはい。
じゃあお詫びに話してやろう。
そうだな……一言でいえば、『恩人』になるんだろうな。
あの五人は。


ああ、恩人。
あいつらが居なかったら、
多分おれはもうこの世界に居なかっただろうから。
だから、『恩人』。
けれど、恩人だから仲間になったわけじゃない。
ギルドに入ったわけじゃないぞ。


.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/06/26(日) 22:25:36 ID:uWV/pv.A0<>
ああ。
もちろん恩を返したいとは思ったけど、
純粋にあいつらと一緒に居たいって思ったんだ。

いつも冷静に物事を判断するのに、
時々驚くほど情に流されるショボン。

好き勝手やっているようで、
実はかなりおれ達の事を考えているドクオ。

おれ達がバカなことをするとすぐ怒るけど、
おれ達がバカにされるようなときは烈火のごとく怒って、
そして泣きそうな顔でおれ達をかばうツン。

いやいや副長をやっているようで、
けれどギルドの事を一番に考え、
おれ達のために行動しているクー。

その中心で、にこやかに笑っているブーン。
普段は聞き役で笑ってばかりなのに、
議論や行動が停滞した時はあいつの一言で動き出すことがよくある。

そんなあいつらと、
一緒に居たいって思えたんだ。
だからあいつらの役に立つために鍛冶屋のスキルを覚えたりもした。
ま、鍛冶屋自体はおれの性格にもあってたから良かったけどな。



……そうか。
正直、いまこのギルドにいるのは
過去に色々あったやつばかりだからな。
そう思っても仕方がない。
あいつらに恩を感じているのは事実だし。
けどな、さっきも言ったけど、
それだけじゃないんだよ。
何よりあいつらがそんなのを望んでないのが分かるし、
多分それだけでギルドに入ったやつはいないんじゃないかな。

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/06/26(日) 22:28:03 ID:uWV/pv.A0<>



そうか。
分かった。


兄者なら奥にいる。




ああ、またな。




.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/06/26(日) 22:29:06 ID:uWV/pv.A0<>
あ、来た。


さっき弟者と話しているのを見た。


なんか真面目な話をしてるっぽかったからな。
こっちには来なきゃいいなと思いつつドアを閉めた。


怒るなって。
で、ギルドとあいつらの事を聞きに来たんだろ?


そりゃま、想像つくさ。


あいつらね……。

笑顔で恐怖政治のギルマスのショボン。

凍て刺すような視線がキュートな副長クーちゃん。

結局ただのゲーマーな特攻隊長ドクオ。

顔は可愛いのに色々残念な伏兵ツン。

笑いながら走る切り札ブーン。

ってところか?


怒るなって。
真面目に言ってるぞ?


だから怒るなって。

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/06/26(日) 22:30:22 ID:uWV/pv.A0<>
ショボンの恐怖政治は、
代わりにすべての責任を自分にするためのもんだ。
ラフコフの件で知ってるだろ?

クーはショボンが情に流された時も冷静に物事を判断して進めようとしている。
けどあいつも目の奥では優しくおれ達を見ているな。
どんなに頑張っても非情にはなれないだろうし、
それが自分でも分かっている。

ドクオは好きなようにやってるし、
ショボンに対しても好きなように言ったりしている。
それを見てると、結構好きかっても良いんだってのが分かるんだ。
ショボンから依頼されたり、
ギルドとして守ることも多いけど、
結局のところ自分の命を大事にしていれば良いだけだしな。
ショボンの近いところにいるあいつがそうやっていれば、
「やってもいいんだ」ってわかるってもんだ。


そうそう。
おれも好き勝手やらしてもらうしな。
って、あいかわらずだな。

ツンは……な……。
細剣使いのくせに無茶を言いやがる。
けど、それに見合った努力もしてるから、
力を貸してやりたいって思う。
……本当はもう戦いなんてしたくないんだろうな。
お前だってあいつと戦うのイヤだろ?


ああ。おれも嫌だ。

で、ブーンか……。
あいつは究極の天然だな。
人をやさしい気分にさせる、
天性のものをもってる。
あいつののほほんとした顔を見ていると、
人を憎んだり怒ったりってことが馬鹿らしく思えてくる。
そんなあいつがギルド最強ってのもおもしろいな。

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/06/26(日) 22:32:47 ID:uWV/pv.A0<>

ん?いや、全員が本気で一対一で戦ったら、
多分あいつが一番強いぞ。


ああ。フサももちろん強い。
おれ達だって負けてはない。
けど、あいつのアレから逃げられるとは思えない。
だいたいフサは対人戦なら確かに強いけど、
モンスターとの戦いは普通に強いレベルだぞ。
あいつの持ち味は『剣技の種類をギリギリまで悟らせない』だから。
その点ブーンのアレはある意味完全に力押しだからな。
流石にフロアボスとかには無理だろうけど、
低層のイベントボスくらいなら一人で倒せるだろ。


なんだ、しらなかったのか。
でも、見たことはあるよな?


そうか。
限界ギリギリまでやってるのは見たことがないか。


そりゃ、あれをおれ達にやれるような非情な男じゃないからな。
ブーンは。
あれは本当に最後の手だ。
まあ連発されたらおれが倒れるけどよ。


……やっと笑ったな。





そうか。
行くか。
じゃ、またな。


.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/06/26(日) 22:35:01 ID:uWV/pv.A0<>

いらっしゃいだから!


あ、そうか……。
奥で、待っててほしいから……。




久し振りだから!
とりあえずこれとこれとこれを持っていくといいから!



話?



わかったから……。
ふさがみんなに会えたのは、奇跡だから。
あの時、あの瞬間、あの場所に居なかったら、
ショボンに会えなくて、そしたらきっとまだフサは一人で、
木の下で、果実が落ちるのを待っていたから……。

きっと、今も。

だから、皆には、感謝しかないから。

特にショボンは、あの時のふさにとって、
神様みたいだったから。


ホントだから。
最初声をかけられたときはまた騙されるんじゃないかって不安だったけど、
話して、聞いて、聞いてくれて、笑ってくれて、
そしたら、ふさも笑ってたから。

あの時のショボンの笑顔を、
ふさは忘れることは一生無いから……。

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/06/26(日) 22:36:10 ID:uWV/pv.A0<>
でも、よく知って、一緒に戦うことが出来るようになったら、
それだけじゃないことを知ったから。

だから、ふさも、戦うことを選んだから。



ふさも、皆を守りたいって思えたから。

最初は怖かったから。
武器もうまく使えなくて、
戦い方も分からなくて、体に合わなくて……。
でも、刀を使った時に、分かったから。

ふさは、刀で皆を守るって。

そして、みんなのそばに居ようって。



みんな、仲間の為に自分を犠牲にするから。

だから、ふさはみんなを守るために、
誰かと戦える強さを、
出来れば一瞬で戦意を削ぐことのできる力を、
手に入れたくて頑張ってるから。

特にショボンはダメだから。

自分の事を、軽く扱いすぎるから。

クーもドクオもツンもブーンもいるから大丈夫だと思うけど、
ふさも、そのとき叱れるようになりたいって、
思ったから。



.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/06/26(日) 22:37:46 ID:uWV/pv.A0<>


そ、そんな良いもんじゃないから!

でも、ありがとう……だから……。

あと、夢があるから。
ふさもだれかを、
ふさのように苦しんでいる人を、
助けることが出来る強さを持ちたいって、
思ったから……。




え?もう?

じゃ、じゃああとこれとこれとあれとそれと……。



で、でも!



分かったから……。



じゃあ、また、だから。








.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/06/26(日) 22:40:16 ID:uWV/pv.A0<>
どうしたもな?


ギルドの事?
変なことを聞きに来たもなね。
ほら、まずは座るといいもな。
ショボンからもらったおいしいお茶を淹れるもなよ。




なるほどもなね……。
でも、モナーに聞いても仕方ないもなよ。
モナーは、モナーもなから。


そうもなね……。
正直モナーは、皆に初めて会った時、
皆に助けられたとき、このまま「モナーとして」死ぬのも良いかと思っていたもな。
それがここに逃げてきた自分に対する罰なのかと思ったもな。


違うもなよ。
ここに来てからは、
うん、色々あったけど、
死を選ぶほどではなかったもな。

でもビーグルと出会って一緒に過ごしているうちに、
リアルの世界に置いてきたものを、
やれることをやらなかったことを、
後悔し始めたもな。
そんな時、ビーグル目当ての奴らに襲われて、
でもまだ戦うことに覚悟が出来ていなかったから、
それならばこのまま……って思ってしまったもな。



.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/06/26(日) 22:43:18 ID:uWV/pv.A0<>


そんな顔してもリアルの事は話さないもなよ。



ここにいる間は、
仲間や友達の事だけを考えたいもなから。
リアルの事に思いを馳せても、
それはいまは『やりたくてもやれないこと』もな。
そんなことを考えて足を止めるより、
目の前の友達の為に、やれることをやることの方が大事もなから。



やれること?
モナーはがんばっているもなよ。
VIP牧場はモナーの誇りもな。



もちろん戦いも頑張っているもなよ。
何かあった時、みんなを助ける力になりたいもなからね。


.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/06/26(日) 22:46:44 ID:uWV/pv.A0<>
?また変なことを聞くもなね。

そうもなね。
まずショボンは、怖いもなね。
ショボンにとっての真実は、
『みんなの事が好き、大事』ってことだけみたいに見えるもな。
それ以外の事は、全部嘘みたいに見えることがあるもな。
だから、モナーはショボンを助けたいもなよ。
ショボンが自分の為に笑えるように、
力になりたいもな。

クーは綺麗もなね。
見た目もそうだけど、
その立ち振る舞いが綺麗もな。
自分の思いを出来るだけ抑えて、
皆の事を一番に考えようとしている姿が綺麗もな。

ドクオは面白いもな。
気にしていないようで、周りに気を配って、
好き勝手にやっているようで、
まわりの事を考えて行動しているもな。
ハインとの事もそうもなね。
本当はハインの事が好きで仕方ないのに、
一人の女の為じゃなく、周囲の皆の為に戦うために、
自分の思いを封印しているもな。
本当……おもしろいもなよ。

ツンは可愛いもなね。
ブーンに対する態度もそうもなけど、
こころのままに行動しようと努力しているところが微笑ましいもな。


え?
多分違うもなよ。
もちろん自分の意に沿わない事をしたり
話したりはしていないと思うもなけど、
思うがままに、我儘に、
勝手に行動したりはしていないもな。
彼女は、すごく不器用なんだと思うもな。
ブーンとは良い恋人同士だと思うもなよ。

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/06/26(日) 22:47:53 ID:uWV/pv.A0<>
そしてブーンもなね。
ブーンは、不思議な人もな。
最初会った時は正直、
四人の後をついてきているだけの人かと思ったもな。
でも違うもなね。
ショボンとは別の角度で四人を、
いや、VIPを支え、守っているように思えるもな。

あの五人の、
そしてVIPの、
中心なのかもしれないもなね。

これでいいもな?



え?
もう行くもなか?


そうもなか……。



それじゃ、またもな。






.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/06/26(日) 22:49:52 ID:uWV/pv.A0<>




また……か。
一緒に戦う日は、近いような気がする。
それまでの、さよならだ。

だから、『またもな』。


ビーグルも、そう思うもなね。





.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/06/26(日) 22:51:17 ID:uWV/pv.A0<>
『こんにちは』


『話?』

『じゃあ、中でしようか』



『突然どうした?』


『なるほど』


『気にしなくていい』


『ショボンはすごい奴だと思う。
自分達ギルドをまとめるだけじゃなく、
中層プレイヤーの育成や強化なんて、
なかなか出来る事じゃない』

『クーもショボンを支えてすごいと思う。
このギルドをまとめて戦うなんて、
なかなか出来る事じゃない』


『いや、おれの指揮なんてまだまだだよ。
ショボンとクー、そして兄者とモナーがいれば、
おれの出る幕なんてないと思うんだけどな』


『そう言うなって。
兄者は普段はアレだけど、
いざとなればしっかりするぞ』


『信じられないのも仕方ないと思うけどな』

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/06/26(日) 22:53:18 ID:uWV/pv.A0<>

『と、いうわけで、クーもすごい』

『ドクオも凄い。
あれだけ強くてしかもソロプレイヤー仕様のスキル構成にもかかわらず、
パーティーとしての戦いも淀みがない』

『ふつうレベルの違うやつらと戦う時は相手のレベル関係なしに戦うか、
おいしいところを低レベルに譲って自分がメインで戦うけど、
ドクオは仲間の足りない処だけを補うように戦うことが出来る』

『仲間の呼吸を読むことが上手いのかもしれない』

『そういえば、モララーもうまいな』



『え、いや、うん。ツンは』


『い、いや、そんなことは無い。
ただ、うん。そうだな。
ちょっと、苦手意識はあるかもしれない』


『ちがう!きらいじゃない!』


『その、怒られたら怖いなって思うだけだ』


『笑いたければ笑っていいぞ。
でも、ツンに怒られて平気か?』


『だろ?』


.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/06/26(日) 22:54:22 ID:uWV/pv.A0<>

『ツンは痛いところをつくことが上手いからな。
でも、それは多分天性の物じゃなくて、
おれ達の事をよく見てよく考えているからだと思う』

『すごいよ、彼女』

『さてブーンか。
ブーンも悩むな』


『いや、つんとはまた違う』


『つかみどころがないというか。
雲のようというか』

『ブーンが五人のカナメなのは疑う余地はないが、
表現しようとすると、言葉にできない』

『そう思わないか?』


『だろう?』

『良い奴だし、努力家だし、いつも笑顔だし』

『表す言葉はいくつもあるけれど、
それだけで済ませちゃいけないような気がする』

『ブーンも、すごいやつだよ』


『もういいのか?』


『そうか』

『またな。元気で。』




.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/06/26(日) 22:55:37 ID:uWV/pv.A0<>






またな。

かならず、また。

そして、また、話したい。





.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/06/26(日) 23:03:38 ID:uWV/pv.A0<>
いらっしゃ……お、おう。


話?


ああ。
わかった。
奥に行ってろ。




待たせたな。


いや、大丈夫だ。
で、話って?


あいつらの事?
なんでまた。
ま、いいけど。


ショボンか。
知り合った時はただの弁当屋だと思ってたのに、
まさかギルドマスターだとは思わなかった。


.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/06/26(日) 23:04:43 ID:uWV/pv.A0<>

んー。
いや、イメージが変わったわけじゃない、な。
ただ、ギルドマスターとしての一面をあとで知った、とういうところか。

おそらくだけど、あいつは『ショボン』という仮面、
自分で作り上げた『ショボンというイメージ』をもとに、
活動しているように見える。

ビーグルの事だって本当に好きだし可愛がっているだろうけど、
あれすら全て周囲からどう見えるかを計算しているように感じる。


驚いたか?
けどな、これはおれがそう思っているってだけで、
それが真実だとは限らないぞ。

それに、たとえ仮面だとしてもショボンが良い奴なのは変わらないし。
おれはあいつを信じてる。
友達だと思ってる。
その仮面すらひっくるめてな。

このギルドに入れてくれて、本当に感謝してる。
フサギコのこともだ。

ショボンの対極にいそうなのはブーンだな。
あいつは天然に見える。
天然で、純粋に、純潔な良い奴。

そばにいるだけでゆったりできるような、
不思議な奴。

とはいっても男だから、
色々あるっぽいけどな。


なんだよ。
それは内緒だ。


.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/06/26(日) 23:08:55 ID:uWV/pv.A0<>
次々、今度はドクオだな。

こいつはな。
最初は暗そうな、おどおどしたゲーム好きに見えた。
ふたを開けたらおかしなゲーム好きだった。
色々とオタクだし。

でも、頼れる奴だし、信用できる。
正直ハインとの事はちゃっちゃとくっつけって思ってるけど、
それだってあいつなりに色々考えているみたいだしな。

クーはなー。
じつはあいつが一番ギルドに囚われている感じだな。


ん?
気付いてないか?

あいつがギルドの用事絡み以外で外に出てるの見たことあるか?


無いだろ。
もちろん必要なものの買い出しなんかは行っているみたいだけど、
遊びや気晴らしで外に出るなんて、ほとんどないんじゃないか。

ツンが気にして誘って外に連れ出しているし、
ショボンも時折一緒に外出したりしているみたいだけど、
ショボンが自由に動けるように、
基本的にはギルド本部に詰めてる。

おれ達を信じてないってわけじゃなく、
おれ達に重荷を背負わせないために、
そしてショボンが背負うものを少しでも軽くするために、
そうしているんだろうな。

頭が下がるよ。



.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/06/26(日) 23:10:50 ID:uWV/pv.A0<>
さて、ツンか……。

ツンはなー。
平気でキツイこと言うからな。
それがまた的を射ているから質が悪い。

でも、いつだっておれ達の事は考えているんだよな。
無茶ぶりだって、それ以上に自分が無理しているのがほとんどだ。
だから、こちらもやってやろうって気になる。

ただ、ま、もう少し言い方は優しくしてくれてもいいと思うけどな。



だろ?
そう思うよな!



そうか。
もう帰るか。


あ、いや、おい……。

あの時は、悪かった。
酷いことを言った。


それでも!
おれが酷いことを言ったのは間違いない。
すまなかった。



ああ、うん。
今の状況のことは、聞いてる。
でも、さ……。

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/06/26(日) 23:12:21 ID:uWV/pv.A0<>
おれは、言葉で人が死ぬってことを、
心が死んでしまっているってことを知っているはずなのに、
酷いことを言ってしまった。
だから、謝りたかったんだ。
自己満足でしかないけど。


そう……か。


そういってもらえると、
ちょっと安心するよ。
ありがとう。


じゃ、また。


ああ。


また、ギルドで行動できるのを、楽しみにしてるよ。

あ、でも、その前に元の世界に帰れた方が良いのか。



そうだな!
ああ!
またな!





.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/06/26(日) 23:13:24 ID:uWV/pv.A0<>






またな……。
二人とも……。









.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/06/26(日) 23:14:35 ID:uWV/pv.A0<>
ごめんね、つきあわせちゃって。

気にするなゴルァ。

ふふ。ありがと。

それで、どうするんだ?

……。

やっぱり、許せないのか?

うん。やっぱり、こんなの、いやだ。

……。

こんなの、許せない。

そう……か。

ごめんね。つきあわせちゃって。

気にするな。ゴルァ。

でも。

おれは、おれの意志で、お前の気持ちに力を貸すって決めたんだ。

……。

だから、もう、気にするな。

……ありがとう。

けれど、きっと大変な道だ。

うん。

だから、頑張るぞ。しぃ。

うん。ギコくん。


.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/06/26(日) 23:15:34 ID:uWV/pv.A0<>





第二十話










.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/06/26(日) 23:17:38 ID:uWV/pv.A0<>以上!第二十話でした!

乙と感想とご意見!
いつも本当にありがとうございます!


長かった!長かった!長かった!
二十話だけで半年以上!
十八話からの過去編で考えると十ヶ月!
もっとスッキリサックリ終わるはずだったのに何故かこんなに長く!
そしてこれでも結構エピソードを削ったという悲しさ。
短辺書ける人ってすごい!

ただ個人的には月に一回のペースくらいで投下できたのでちょっと満足してたりします。


さて、一応これで過去編というか各人のVIP入団編は終了です。

多分。

色々書ききれてないこともありますが、
まぁ表に出ない設定も数多くあるのが常だと思うので。

この次は、時系列的には十七話の続きになる予定ですが、
何か思いついたら能天気な閑話が書けたらなとも思っているところです。

投下方法はまた一話分まとめて投下するか、
今回のように少しずつ投下するか未定ですが、
多分次も長くなると思われますので……。

もしお時間があれば、
投下の順番ではなく時系列の順番で読んでいただけると、
もしかすると面白かったりするかもです。

自分も一回読み返すつもりです。



それではまた次回、よろしくお願いします。


ではではまたー。

.<> 名も無きAAのようです<>sage<>2016/06/26(日) 23:22:22 ID:W.rXPUr60<>おつ!
二十話良いな、皆も頑張ってるしギコとしぃも頑張ってる
二人がまたブーン達と戦うことがあったら自分も嬉しい

書きたいこと短くまとめるって大変なんだよな
次の投下も楽しみにしてます<> 名も無きAAのようです<>sage<>2016/06/26(日) 23:23:10 ID:jbcagB2I0<>乙
エタる作者が多い中、これだけ続けてくれるのはありがたい<> 名も無きAAのようです<>sage<>2016/06/27(月) 00:00:28 ID:rcmMygR.0<>おつおつ<> 名も無きAAのようです<>sage<>2016/06/27(月) 01:04:21 ID:hk3PTP8Y0<>乙<> 名も無きAAのようです<>sage<>2016/06/27(月) 07:45:42 ID:31FnSiGk0<>乙乙
ギコしぃの動きもそうだけどまたんきとかあの辺気になってるからなあー
楽しみにしてるよ作者<> 名も無きAAのようです<><>2016/06/29(水) 19:45:54 ID:Y0irdhKA0<>乙です
最初から見返したくなったわ

>>26
( ^ω^)「ミセリやショボンたちも一緒に暮らせるような大きな家が良いおね!」
シャキンかな<> 名も無きAAのようです<>sage<>2016/06/29(水) 19:47:42 ID:Y0irdhKA0<>下げ忘れ申し訳ない<> 名も無きAAのようです<>sage<>2016/06/29(水) 20:52:37 ID:RLnk.V/g0<>>>78
ショボンハブられててわろた<> 名も無きAAのようです<>sage<>2016/06/30(木) 03:14:37 ID:dWEBsG7A0<>乙
勝手に20話で完結かと思ってた
続いてくれて嬉しい
次も楽しみにしとります<> 名も無きAAのようです<>sage<>2016/07/03(日) 05:14:49 ID:9EwYG9sQ0<>乙です。
原作、アニメを見直して今ブーン達はこの層でこんなことをしてるのかなーとかを考えながら読んで楽しんでます。
これからも頑張って下さい。<> 名も無きAAのようです<>sage<>2016/07/06(水) 15:06:37 ID:eWv1fblY0<>>>39
すまん>>38だけど、ど は気にしないでくれ
ギルド名と店名はシャキンに気付いてもらう為って15話に書いてあったけど、ギルド組む前からシャキンと会えてるから疑問に思ったのよ。<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/04(日) 22:48:42 ID:oGAfG2hk0<>どーも作者です。

何故か最終投下日を7月と思ってのんきに書き溜めしていたら、
6月だと気付いて投下しにまいりました。


何とか三か月以内に投下できて良かった。



>>78
(´・ω・`)「ブーン……」


>>83
ふっふっふ。


ということで、投下を始めます。
今日もよろしくお願いします。


.<> 名も無きAAのようです<>sage<>2016/09/04(日) 22:50:36 ID:JdjZ0Dmc0<>お<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/04(日) 22:53:58 ID:oGAfG2hk0<>
( ^ω^)達はアインクラッドを生きるようです。




第二十一話





旅路 ~それぞれの戦い~




.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/04(日) 22:55:44 ID:oGAfG2hk0<>
日本某都市

2024年8月 本城総合病院 別館

J( 'ー`)し「あら姉者さん、こんにちは。
まずはお見舞いですか?」

乳白色の廊下。
ヒールの音を響かせて歩いていた女性に、
ナース服のドクオの母が声をかけた。

∬´_ゝ`)「徳永さん。こんにちは。
はい、先にアホ面を拝んでおこうかと思いまして」

J( 'ー`)し「あらあら」

会釈を交わす二人。

∬´_ゝ`)「ところで徳永さん。
私には一応『流石市香』という名前があるんですが」

J( 'ー`)し「あらあら」

∬´_ゝ`)「いやあの、『あらあら』じゃなくてですね」

l从・∀・ノ!リ人「姉者は姉者なのじゃ!」

J( 'ー`)し「あら妹者ちゃん。
こんにちは」

徳永の足に抱きつく幼女。

∬´_ゝ`)「未花……」

l从・∀・ノ!リ人「こんにちはなのじゃ!」

J( 'ー`)し「妹者ちゃんもお見舞い?」

l从・∀・ノ!リ人「そうなのじゃ!」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/04(日) 22:57:48 ID:oGAfG2hk0<>
∬´_ゝ`)「はぁ……もう」

l从・∀・ノ!リ人「おっきい兄者とちっちゃい兄者に会いにきたのじゃ!」

∬´_ゝ`)「兄者と弟者でしょ」

l从・∀・ノ!リ人「妹者にとっては二人とも『兄者』なのじゃ」

∬´_ゝ`)「はいはい」

l从・∀・ノ!リ人「姉者からみたら二人とも『弟者』なのに『兄者』って呼んでる方がおかしいのじゃ!」

∬´_ゝ`)「……この二年で知恵を付けたわね。
良いのよこれは。あだ名なんだから」

l从・∀・ノ!リ人「成長しているのじゃ!」

J( 'ー`)し「それじゃあ妹者ちゃん、一緒に行こうか」

l从・∀・ノ!リ人「行くのじゃ!」

手をつなぎ歩き出す徳永と妹者。

顔見知りの看護師と小学生低学年の実妹が仲良さそうに歩いて行く後姿を見た姉者、
いや『流石市香』は、一度肩をすくめた後その後ろに続いた。




三人が入った部屋には、四つのベッドがあり四人の患者が横たわっていた。

本来ならベッドが六つくらい入りそうな大きな部屋だが、
各ベッドの横にはそれぞれ大掛かりな装置が設置してあるため、
それほど広くは感じない。

l从・∀・ノ!リ人「おっきい兄者もちっちゃい兄者も元気そうなのじゃ!」

∬´_ゝ`)「元気……ねぇ……」

J( 'ー`)し「ふふふ」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/04(日) 22:59:11 ID:oGAfG2hk0<>
∬´_ゝ`)「ま、こいつらなら向こうの世界を楽しんではいるでしょうね。
こっちでこんなに心配しているのも知らずに」

少しだけこめかみに青筋を立て、
けれどすぐに優しげな表情で弟たちの口元を見る姉者。

ヘルメットのように頭を覆うナーヴギアは顔も鼻まで覆っているため、
口元しか見えない。

その口元には管が差し込んであり、
ほんの少し開かれている。

徳永は兄者と弟者とは別の患者に近寄り、
横のシステムを作動させていた。

l从・∀・ノ!リ人「何をしてるのじゃ!」

J( 'ー`)し「これはね、みんなが目を覚ました時に、
ちゃんと起き上がることが出来るようにするために、
眠ったまま体を動かしてあげてるんだよ」

l从・∀・ノ!リ人「???」

J( 'ー`)し「妹者ちゃんが風邪ひいていっぱい眠ったあと、
起き上がった時になんか体が動かしづらかったことない?」

l从・∀・ノ!リ人「!あるのじゃ!」

J( 'ー`)し「みんないっぱい眠ってるでしょ?
だからその時よりもいっぱいいっぱい体が動かすのが大変なの。
でもこの機械を使うと、起きた時に身体を動かすことが出来るようになるのよ」

l从・∀・ノ!リ人「すごいのじゃ!」

J( 'ー`)し「起きたらお兄ちゃんたちにいっぱい遊んでもらえるね」

l从*・∀・*ノ!リ人「遊ぶのじゃ!」

兄者と弟者のベッドの間に駆け寄る妹者。
そして二人の顔を交互に見ている。

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/04(日) 23:02:31 ID:oGAfG2hk0<>
J( 'ー`)し「ふふふ」

∬´_ゝ`)「ほんと、凄いですよね」

J( 'ー`)し「文明の利器ですからね」

∬´_ゝ`)「徳永さん、また古い言い方を」

J( 'ー`)し「私は古い女ですから」

∬´_ゝ`)「そんなこと言ってるとうちの母親に怒られるますよ。
あの人まだまだ現役のつもりだから」

J( 'ー`)し「苺さんは元気だもの。
子供四人も産んで、まだまだ活躍ね」

∬´_ゝ`)「……じつは五人目が」

J( 'ー`)し「!それはそれは!
おめでたいことで!」

∬´_ゝ`)「来年の頭ぐらいには生まれる予定なので、
それまでには解決するといいんですけど……」

J( 'ー`)し「五人目と六人目をいっぺんにってことはないの?」

∬´_ゝ`)「……怖いこと言うのやめてくださいよ」

J( 'ー`)し「ふふふ。
あらもうこんな時間。
そろそろ会議室に行きましょうか。
今日は交さんと苺さんは来られるの?」

∬´_ゝ`)「いえ、今日は二人とも仕事の都合で」

J( 'ー`)し「そうなの。
じゃあ今日は二人の代わりに宜しくね」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/04(日) 23:03:38 ID:oGAfG2hk0<>
∬´_ゝ`)「もう大丈夫ですよ。
凄く荒れたのは最初の頃くらいで、
ここ半年以上は落ち着いていますし。
今なんてほぼ座談会じゃないですか」

J( 'ー`)し「そうなら良いんですけどね。
あの荒れた時期はお二人が居なかったら……」

∬´_ゝ`)「皆さんやり場のない思いを病院にぶつけていましたから。
特にここは設備が整っている分、何とかならないのかっていう思いがあったみたいで」

J( 'ー`)し「そうね。ここは他よりも進んでいるから」

∬´_ゝ`)「他の病院ではこんな設備は無いんですよね?」

J( 'ー`)し「無いわけじゃないのよ。
ただ全員分無いとか、少し型が古いとか。
だから私みたいにタイマーセットしてボタンをポチって訳にはいかないみたいね。
ここは事件が明るみに出た日の夜には院長が動いて最新の……違うわね、
実験段階の物もあったみたいだから、
世界最新鋭の機器を手に入れたみたい」

∬;´_ゝ`)「凄いですね。
やはり息子さんの為ってこともあってでしょうか」

J( 'ー`)し「そうねぇ。
そういう思いも無いとは思わないけど、
僅かでしょうね」

∬´_ゝ`)「そうなんですか?」

J( 'ー`)し「ええ。多分あれは医療機器マニアなだけよ」

∬;´_ゝ`)「へ?」

J( 'ー`)し「だって業者の人と話したり説明受けたりしてるときの表情ったらもう」

∬´_ゝ`)「聞きたくなかったです」

J( 'ー`)し「あらあら。
誰にも言っちゃだめよ」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/04(日) 23:04:37 ID:oGAfG2hk0<>
∬´_ゝ`)「言えませんから安心してください」

J( 'ー`)し「ふふふ。
さてほんとに遅れちゃうわね。
行きましょうか」

∬´_ゝ`)「はい。
未花、行くわよ」

l从・∀・ノ!リ人「分かったのじゃ。
おっきい兄者、ちっちゃい兄者、またくるのじゃ!」

二人の手を一回ずつ握って姉者に駆け寄る妹者。

その瞳が少しだけ潤んでいることに姉者は気付いていないふりをしながら、
彼女の頭をやさしく撫でた。




会議室のドアを徳永が開け、姉者と妹者が部屋に入ると、
すでに席はほぼ埋まっていた。

とはいっても机の配置は会議らしくなく、
座っている人間も和気あいあいと話している。

∬´_ゝ`)「えっと……」

姉者が座る席を探すと、三人が入ってきたことに気付いた一人の男が立ち上がった。

|(●),  、(●)、|「未花ちゃん!市香ちゃん!こっちこっち!」

∬´_ゝ`)「あっ」

l从・∀・ノ!リ人「ダディのおじちゃんなのじゃ!」

∬´_ゝ`)「ちょ、こら未花、ダディじゃなくて伊達さんだって何度ってこら待ちなさい!」

五十代後半程に見える、いかつい顔をした男が、
笑顔で妹者に手招きしていた。

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/04(日) 23:05:36 ID:oGAfG2hk0<>
l从・∀・ノ!リ人「久しぶりなのじゃ!」

|(●),  、(●)、|「二ヶ月ぶりだなぁ。未花ちゃんは元気だったか?」

l从・∀・ノ!リ人「元気なのじゃ!
ダディのおじちゃんはどうだったのじゃ?」

駆け寄って伊達に抱きついた未花。
伊達は未花の両脇に手を添えると、
頭より高く持ち上げた。

|(●),  、(●)、|「おじちゃんは未花ちゃんに会えなくて寂しかったよー」

l从・∀・ノ!リ人「それじゃあ今日いっぱい遊ぶのじゃ!」

嬉しそうにあしをバタバタさせる未花と、
それをみてさらに顔をほころばせる伊達。

|(●),  、(●)、|「そうだなそうだな。そうしような」

∬´_ゝ`)「ちょ、未花、失礼でしょ。
すみません伊達さん」

|(●),  、(●)、|「なんだ、市香ちゃんは『ダディ』って呼んでくれないのか」

慌てた市香が近寄ると、伊達が未花を下ろす。
未花は「あとで遊ぶのじゃといって空いている椅子に座った。

∬´_ゝ`)「……呼びません」

ため息交じり、呆れたように伊達を見る市香。

|(●),  、(●)、|「呼んでほしいな~。
年寄りの頼みを聞いてくれないのか~」

∬´_ゝ`)「泣く子も黙る大番長、『伊達涼一』がそんなしおらしいことを言っても駄目です」

|(●),  、(●)、|「ちぇーっ。
……ところでその『大番長』って誰に聞いた?」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/04(日) 23:06:52 ID:oGAfG2hk0<>
∬´_ゝ`)「みなさんから」

不思議そうに周囲を見る市香。

事の成り行きを面白そうに見守っていた周囲の者たちが、
慌てて視線を逸らす。

|(●),  、(●)、|「お前たち……」
 _、_
( ,_ノ` )y━・「だめですよ伊達さん。
それなりな年齢の人間はみんな知ってますから」

未花の隣に座っていた男が口に白い棒を銜えながら揶揄した。

|(●),  、(●)、|「おまえと苺だってすごいだろうが。
渋澤苺と隆一の歩いた後は雑草も生えないとか」
 _、_
( ,_ノ` )y━・「昔の話ですね」

|(●),  、(●)、|「お、れ、も、昔の話だろうが」
 _、_
( ,_ノ` )y━・「その後一念発起して、
防衛大に入学してある程度まで上り詰めたあなたはまだまだ現役でしょう?」

|(●),  、(●)、|「残念ながらもう現役じゃないぞ」
 _、_
( ,_ノ` )y━・「私が何も知らないと?」

|(●),  、(●)、|「ほお、何を知っているというんだ?」
 _、_
( ,_ノ` )y━・「言っても良いのならば言いますが?」

どこか余裕のある渋澤と、
目の座った伊達が互いを見る。

J( 'ー`)し

その異様な空気に徳永がそばに近寄ろうとした時だった。

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/04(日) 23:08:03 ID:oGAfG2hk0<>
「おじさん、その口に銜えているものは何ですか?
この部屋は禁煙ですよ」
 _、_
( ,_ノ` )y━・「ん?これは……」

パイプ椅子に浅く腰かけていた渋澤が姿勢を正し、
銜えていた電子タバコを置いた。
 _、_
( ,_ノ` )y━・「煙も出ないし電子タバコだからいいかなって」

∬´_ゝ`)「未花に悪影響なので止めてください」
 _、_
( ,_ノ` )「はい」

∬´_ゝ`)「伊達さんも」

|(●),  、(●)、|「は、はい」

無表情に伊達を見る市香。
自分の子供と同じ年頃の女性に見つめられ、
直立不動になった伊達。

∬´_ゝ`)「私のした失言からではありますが、
もう少し場所と立場をわきまえていただけますか」

|(●),  、(●)、|「はい!」

∬´_ゝ`)「よろしくお願いします」

黙って未花の隣、
先ほどまで伊達の座っていたパイプ椅子に座る市香。

未花の隣を取られ悲しそうな顔をした伊達だったが、
大人しくその横のパイプ椅子に座った。

大人しくオレンジジュースをストローで飲んでいた未花だったが、
そんな大人達の行動を見てから、
ボソッと呟いた。

l从・∀・ノ!リ人「最近姉者は母者によく似てきたのじゃ」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/04(日) 23:10:30 ID:oGAfG2hk0<>
先程から市香を通して流石苺、
流石家の女帝こと『母者』を思い出していた一同は、
心の中で大きくうなずいた。

J( 'ー`)し「(さすが、苺さんの娘って言ったら怒られるかしら)」

徳永は、入り口のそばに立ってその様子を微笑みながら見ていた。

するとドアが開き、一人の女性が入ってきた。

|゚ノ ^∀^)「すみません、遅れました」

J( 'ー`)し「大丈夫ですよ。まだこれからですから」

|゚ノ ^∀^)「みたいですね。良かった」

J( 'ー`)し「怜奈ちゃんも皆勤賞ね」

|゚ノ ^∀^)「……やっぱり、気になりますから。
私がナーヴギアなんて買っておかなければ、
郁弥がやることなんてなかったから……」

J( 'ー`)し「怜奈ちゃん……」

悲しげに微笑んだ怜奈。

徳永も、その微笑みに困ったような微笑みで返すことしかできなかった。







.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/04(日) 23:11:46 ID:oGAfG2hk0<>
アインクラッド



プギャーの持つ片手剣が身の丈2メートルを超える猿人を切り裂いた。

自身のHPバーを黄色に変えられた猿人は、
雄叫びをあげつつ闇雲に曲刀を振り回す。

それを危なげなくすべて避けてから、
追撃の突きを与え、バックステップで離脱した。

( ^Д^)「よし!あとは頼む!」

プギャーの声に合わせて向かう剣士と槍使い。

( ^Д^)「前にも言ったけど間合いに気を付けろよ!
深追いせずにスイッチしろ!」

剣士「はい!」

槍使い「はい!」

( ^Д^)「よし!任せたぞ!」

( ´ー`)「こっちは間もなく終わるから大丈夫だーよ!」

|  ^o^ |「任せてほしいです!」

( ^Д^)「そっちは最初から任せてる!」

それぞれに一体ずつ猿人を相手に戦っているシラネーヨとブーム。
自分の背後で戦っている二人に、
振り返らずに声をかけるプギャー。

そんなプギャーに近寄る一人の男。

爪'ー`)「お疲れ」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/04(日) 23:13:35 ID:oGAfG2hk0<>
( ^Д^)「お前も戦えよ」

爪'ー`)「一体くらい、あの二人で大丈夫だろ」

そう言いながら、プギャーの見守る先で戦う剣士達を同じように見る。

爪'ー`)y‐

片手に装着された銀の爪が陽光に煌めく。

( ^Д^)「(いつでも駆けつけられるように準備はしてるか)」

爪'ー`)y‐「ん?なんだ?」

( ^Д^)「いや、何でもない」

爪'ー`)y‐「……これでもリーダーだからな」

照れくさそうに頭を掻いた男を横目で見てから、
プギャーは少しだけ笑みを見せた。



夕方。

無事にクエストを終了させた六人は、
50層に来ていた。

爪'ー`)「おまえらはしゃぎ過ぎて変なもの買うなよ!」

「「はーい!」」

喧騒に包まれた街を駆けていく剣士と槍使い。

爪'ー`)「まったく……」

それを見送った男は小さくため息をついた。

( ^Д^)「すっかり引率の先生だな」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/04(日) 23:14:43 ID:oGAfG2hk0<>
爪;'ー`)「やめてくれ」

|  ^o^ |「二人はフォックスをとても慕っているから」

( ´ー`)「『狐ヶ崎の狐』もあの二人には形無しだーよ」

爪;'ー`)「ホントにやめてくれ。
ちょっと助けただけなのに、ずっと後ろを付いてきやがる」

項垂れるにフォックスを見て笑う三人。

|  ^o^ |「この世界で命を助けられたら慕いますよ」

( ´ー`)「諦めてリーダーやるだーよ」

爪;'ー`)「はぁ……。タバコ吸いてえ……」

更に笑う三人。

( ^Д^)「今日はこの後どうすんだ?」

爪'ー`)「この後?あいつらも自分達だけで帰られるだろうから、
おれも少しぶらつくつもりだけど」

( ^Д^)「おれらは道具屋に一件寄った後、
バーボンハウスに行くつもりだけど、行くか?」

爪'ー`)「バーボンハウス……。若様の所か」

( ^Д^)「若様って」

爪'ー`)「マシロの跡継ぎ、若殿様だろ?
だから若様」

( ´ー`)「ショボンがそうだってフォックスに聞いた時には驚いただーよ」

爪'ー`)「しらなかったお前らにおれがびっくりした」

|  ^o^ |「普通は知らないですよ」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/04(日) 23:15:49 ID:oGAfG2hk0<>
爪'ー`)「まあなー。おれは伯父さんに聞いてたから知ってたってのはあるけど。
でも本城病院がマシログループってことは知ってただろ?」

|  ^o^ |「まあそれは知っていましたが」

( ´ー`)「だからってその息子がマシロの跡継ぎだとか、
更に言えばショボンが本城病院の関係者だなんて知らないだーよ」

爪'ー`)「もうちょっと街の事に目を向けろよ。
マシロが栄えれば街も栄えるぞ?」

|  ^o^ |「!そこまで考えていたのですか?」

爪'ー`)「いや、おれはただのゴシップ好き」

( ´ー`)「勝手にするだーよ」

( ^Д^)「でもそうなると、あの人もそうなるってことだよな。
姉ちゃんの話では、頭は良いらしいし」

( ´ー`)「プギャー?」

( ^Д^)「あ、いや、何でもない」

( ´ー`)?

爪'ー`)「そうだな。ちょっと聞きたいこともあるしおれも行くか」

( ^Д^)「そうか。じゃあ先に道具屋も付き合ってくれ」

爪'ー`)「分かった」

プギャーとシラネーヨを先頭に歩き始める四人。

意味ある戦闘、やり遂げたクエストの充足感から、
心地よい疲労が四人に満ちていた。





.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/04(日) 23:17:46 ID:oGAfG2hk0<>
某都市

本城総合病院 会議室

(-@∀@)「以上が現時点で使用されているシステムです。
大きくは前回と変わりませんが、
何か質問はございますか?」

本城総合病院病院長、
つまりショボンの父親である本城朝日が合図をすると、
部屋の明かりが点いた。

朝日を見つめる無数の目。

自分の子供や親族がアインクラッドに囚われてから、
その体の管理は彼に任されている。

『向こうの世界で死ぬ事により、
ナーヴギアによって脳を焼かれる前に、
身体が耐え切れずに死んでしまう可能性もある』

『栄養失調
筋肉の劣化
例え外側から無理矢理栄養を入れ、
最新の設備で筋肉を守ったとしても、
身体が先に命の火を消してしまうかもしれない』

事件が起きてから行われた、
国主催の説明会ではそんなことも告げられた。

全国の被害者で作られている『被害者の会』からの情報では、
最初のうちは床擦れ防止や筋肉の保持のために、
身内の者がかなりの労力を使っていた所もあったらしい。

早い段階から、
というよりも『最初』からほとんど体力的な労力を使わないでいられたのは、
この病院の、
この院長のおかげだということを、
いまはここにいる誰もが分かっていた。

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/04(日) 23:20:33 ID:oGAfG2hk0<>
(-@∀@)「ございませんか?」

大き目な厚い眼鏡をかけた優男で学者然とした目の前の男が、
実はかなりのやり手だったのは、
嬉しい誤算というよりも、
意外過ぎて「驚いた」などという言葉では言い表せないほどだった。

特に伊達や流石家の夫婦、
そして実子ではないが甥の為にその場にいた渋澤といった、
一部の地域の一部の者の中では有名人な者達と対等に、
時には上回って渡り合うその姿は一部の者には驚きを隠せないほどだった。

<(' _'<人ノ「あ、あの。よろしいでしょうか」

(-@∀@)「はい。高崎さん。どうぞ」

<(' _'<人ノ「あ、その、前もお聞きしたんですが、
本当に、その、費用の方は宜しいんでしょうか」

(-@∀@)「はい。大丈夫ですよ。
すべて国からのお金で賄っております。
あとで皆さんに請求するようなことはありませんので、
ご安心ください」

<(' _'<人ノ「あ、で、でも、他の病院の方からお話を聞くと、
こちらほどの看護は受けていないようなので」

(-@∀@)「皆さんのご家族に使用している機器や諸々のものは、
私のつてで仕入れた最新鋭の物です。
平たく言えば、日本以外では実用化されていたり、
研究室の中では問題なく動作が確認できているものを、
特別に使用させていただいています。
もちろん最初は私の愚息やご家族に承認をしていただいた何名かでテストをしてからですが。
ここまでは、よろしいですか」

<(' _'<人ノ「は、はい。お聞きしておりますので」

(-@∀@)「重複した内容で申し訳ありません。
そこでですが、ここで得たデータ。
つまり機器を使うことによってどのような変化が起きているかというデータを、
研究室や開発会社に送ることになっています」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/04(日) 23:24:32 ID:oGAfG2hk0<>
<(' _'<人ノ「え、そ、それは!」

朝日の言葉でざわつく会議室。

しかし彼は、室内を微笑みながら見回す。

次第に波が引くように静かになった。

(-@∀@)「もちろん、送るデータも私の愚息と、
先にご家族に了承をいただいている数名の方の分だけです」

全体的に安堵の吐息が漏れた中、
朝日は続ける。

(-@∀@)「データを渡すことにより、
『研究』や『試験』という意味合いを持たせることが出来、
費用を抑えることが出来ております。
これは余談ですが、そのデータを活用することにより日本での認可が早まったり、
他の病院に広めることも可能になるかもしれません」

朝日は続ける。

(-@∀@)「と、言うわけで、費用に関してはお気になさらないでください」

<(' _'<人ノ「は、はい。ありがとうございます」

|(●),  、(●)、|「ま、足りない分はマシログループが出してくれているんだろうけどな」

伊達の呟きは朝日の耳にも届いたが、
質問とは受け取らなかったため表立ったの反応はしなかった。

∬´_ゝ`)「あの、よろしいですか?」

(-@∀@)「はい、流石さん」

∬´_ゝ`)「送るデータには、個人情報は含まれているのでしょうか?」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/04(日) 23:25:43 ID:oGAfG2hk0<>
(-@∀@)「名前や外観、写真等ですね。
そういった物は送りません。
あとは機器の種類によって違います。
例えば筋肉量を減らさないための装置ならば、
性別、年齢、血液型。体重や筋肉量、血流のデータなどを送ります。
ご要望なら表にしてお見せしますが中には極秘の内容もありますのでお渡しすることは……」

∬´_ゝ`)「もしよろしければ、うちの二人のデータも利用していただければと思いまして」

(-@∀@)「!よろしいのですか?」

∬´_ゝ`)「この病院にはよくしていただいておりますから、
それくらいはご協力できればと思いまして。
それに、一人はそういうのが好きでしたから、喜んで協力しそうでして」

l从・∀・ノ!リ人「おっきい兄者はまっどさいえんてぃすとってのになりたいって言ってたのじゃ!」

∬;´_ゝ`)「ちょ、未花、変なこと言わないの!」

l从・∀・ノ!リ人「だってほんとなのじゃ!」

∬;´_ゝ`)「小学校の文集に書いてあった夢だから!
高三にもなってそんなこと言ってたら色々危険だから!」

慌てて未花の口を押える市香。

笑いに包まれる会議室。

∬;´_ゝ`)「と、とにかく、一度詳しくお話を聞かせてくださいますか」

(-@∀@)「そうですね。
本日は準備が整っておりませんので、
早急に資料を用意いたします。
準備が出来ましたらまたご連絡をさせていただきます」

∬´_ゝ`)「はい、よろしくお願いします」

|゚ノ ^∀^)「あ、宜しければこちらもお願いします」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/04(日) 23:27:58 ID:oGAfG2hk0<>
(-@∀@)「森本さん。はい。わかりました」

市香の発言に怜奈が追従すると、
参加者のほとんどが同じように説明を求めた。

<(' _'<人ノ「あ、あの、私もお願いいたします」

(-@∀@)「皆さんありがとうございます」

深く頭を下げる朝日。

(-@∀@)「それでは準備が出来次第ご連絡させていただきます。
先程も申しました通り極秘としている内容もありますので、
個別、もしくは幾つかのグループに分けて説明をさせていただきます。
皆様同士でご相談していただくのは問題ありませんが、
外には漏らさぬようお願いいたします。
また、データの提供はもちろん強制ではありませんので、
少しでも納得のできない点がありましたらお申し出ください。
説明は、説明。
データ提供の有無は説明を聞いた後にゆっくりと判断してください。
もちろんデータ提供の有無で看護に優劣なども付けませんので、
その点についてはご安心ください」

流れるように話す朝日。

その淀みない口調にほぼ全員が大きく頷いた。
 _、_
( ,_ノ` )「一つ、聞いていいか?」

(-@∀@)「はい。渋澤さん」
 _、_
( ,_ノ` )「今のあいつらの状態で、何年生かすことが出来る算段を立ててる?」

渋澤の質問に、部屋の空気が凍った。

しかし朝日は全く気にせず、
先程と同じように滑らかに話し始めた。

(-@∀@)「『生かせる』という言葉に沿うかわかりませんが、
『生きている』だけならば老衰まで、寿命まで可能です」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/04(日) 23:29:02 ID:oGAfG2hk0<>
朝日の言葉に息をのむ会議室の面々。

(-@∀@)「しかし、それは『生命活動を行っている』だけです。
目が覚めたその日に手を握り、上半身を起き上がらせ、
膝を曲げることが出来るようにするのは、
今の技術では……。
もともとの筋肉量にも寄りますが、最長で五年。
それが、限度だと私は考えます」

今までどこか優しげだった朝日が、
表情を引き締め、
声すらもきつめに断言した。

驚きを隠せないでいる者たちの中で、
声をかけたのはやはりこの男だった。

|(●),  、(●)、|「五年。たった五年なのか?」

(-@∀@)「はい。これでも長くなった方だと思いますが、
『今の技術』では、限度です」
 _、_
( ,_ノ` )y━・「『今の技術』ってことは」

∬´_ゝ`)「おじさん、タバコ」

思わず手にしたタバコを見咎める市香。
渋澤は口にする前にテーブルに置いた。

(-@∀@)「はい。技術が進歩すればもっと長くできると思います」

再び表情と口調を緩める朝日。

室内の雰囲気も穏やかになった。

(-@∀@)「ですが、実は私はそれほど心配しておりません」

朝日を除く、
いや、前々から聞いている徳永を除いた全員が不思議そうに朝日を見た。

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/04(日) 23:31:23 ID:oGAfG2hk0<>
(-@∀@)「あと四年、いや、あと二・三年で全員起きると思っていますので」

ニッコリとほほ笑んだ朝日。

驚愕の中、再びこの男が口にした。

|(●),  、(●)、|「何故、そう思う?」

(-@∀@)「それだけあれば、
うちの馬鹿息子とその大事な仲間がゲームをクリアしますから」

先程とは違った意味で空気が凍った室内。

J( 'ー`)し「あらあら。
医院長ったら言っちゃった。
あれでいて親バカなのよねぇ」

l从・∀・ノ!リ人「おっきい兄者とちっさい兄者もクリアするのじゃ!」

呆れたように呟いた徳永と、
元気よく叫んだ未花以外が、
唖然として朝日を見ていたのは致し方無いことだろう。







.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/04(日) 23:33:52 ID:oGAfG2hk0<>
アインクラッド



バーボンハウスを目指して歩いている四人。

爪'ー`)「『バーボンハウス』、か……」

|  ^o^ |「どうしたのですか?」

爪'ー`)「いや、最初見た時には同じ名前だなって思っただけだったけどよ」

( ´ー`)「おれは向こうの店には行ったことないだーよ」

爪'ー`)「お、そうなのか?」

|  ^o^ |「私も入ったことはないです」

爪'ー`)「そうだったのか」

|  ^o^ |「フォックスは常連だったのですか?」

爪'ー`)「いや、常連って程通っては無いな。
シャキンとちゃんと会ったことなかったし」

( ´ー`)「プギャーはシャキンと面識があっただーよ」

爪'ー`)「そうなのか?」

( ^Д^)「……ああ、まあな」

|  ^o^ |?

( ´ー`)?

爪'ー`)「どうした、口淀んで」

( ^Д^)「ホント空気読まないなお前は」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/04(日) 23:35:09 ID:oGAfG2hk0<>
爪'ー`)「読んで聞かなくって勝手な想像されるのとどっちが良い?」

( ^Д^)「はいはい」

爪'ー`)「で?」

( ^Д^)「……姉貴が働いてるからよ、その関係で何回か会ったことがあるってだけだ」

|  ^o^ |「え!?」

( ´ー`)「え!?」

爪'ー`)「ほう。って、なんだ、
ブームとシラネーヨも知らなかったのか」

( ´ー`)「初耳だーよ」

|  ^o^ |「初めて会った時に親し気に話しかけられていたから知り合いだとは思っていましたが」

( ^Д^)「まあな」

爪'ー`)「ギルド名を学校名のあだ名、
店の名前を『バーボンハウス』にして、
知り合いや関係者、地域からこの世界に来た奴を集めたみたいだしな」

|  ^o^ |「それはなんとなく分かっていました」

( ´ー`)「でも何でそんなことをしているのかは知らないだーよ」

爪'ー`)「『みんなで帰るため』だってよ」

( ^Д^)!

( ´ー`)!

|  ^o^ |!

( ^Д^)「それはいったい?」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/04(日) 23:38:23 ID:oGAfG2hk0<>
爪'ー`)「そのまんまの意味だよ。
ショボンいわく、『全員で帰りたい』んだってさ。
でも、自分の手は小さいから、
せめてかかわりのある人だけでも無事に一緒に帰りたいって」

( ^Д^)「そんなことを……」

爪'ー`)「だから学校名や店名で集まってきたやつらを、
片っ端からまとめ上げてチームにしている。
部屋を作り、そこに住まわせ、希望者には店をやらせてる。
けれど、ギルドに入れない。
そして何故か、戦闘にはそれほど力を入れていなかった」

( ^Д^)「ああ……。
何度かVIPに入れてほしいって言ったけど、
入れてもらえなかった。
ギコの時だって、あとで散々怒られた。
渡されている『攻略可能クエストリスト』以外のクエストを何故やったって」

|  ^o^ |「あのクエストをちゃんとクリアできれば、
ショボンに認めてもらえるって思ったから……。
今思えば、短慮極まりないことです」

( ´ー`)「でもあの時は、認められたくて必死だっただーよ」

爪'ー`)「けれど、今は?」

( ^Д^)「ん?」

爪'ー`)「おれ等よりかなり強いだろ?」

( ^Д^)「まあな……。
ショボンがカリキュラム組んでくれたから」

爪'ー`)「こちらもだ。
生産組は今まで以上に生産を、
戦闘組には能力や技を伸ばすような流れになっている。
今までは『楽しく戦う』ことがメインだったのに、
素質とやる気がありそうな奴には『より強くなる戦い方』を与えられ始めた」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/04(日) 23:40:55 ID:oGAfG2hk0<>
( ^Д^)「どういうことだ?」

爪'ー`)「わからん。だから、今日はそれを聞こうと思ってる」

( ´ー`)「ショボンが答えてくれるとは思えないだーよ」

爪'ー`)「いや、答えてくれるさ。
答えに対するちゃんとした質問を、
今話したような実例を示せば、
あいつは答える。
そういうやつだよ」

|  ^o^ |「……よくわかってますね」

爪'ー`)「おじさんから色々聞いてたしな。
若様の事も、摂政のことも」

|  ^o^ |「摂政?何のことですか?」

爪'ー`)「居るだろ?
ショボンに真っ向意見できる『年上』が」

( ^Д^)「まさか、シャキン?」

爪'ー`)「大人にならないと分からないこともあるからな。
そんな汚い面や『経験』をサポートするのがシャキンだって話だ」

( ´ー`)「ショボンの血縁ってことは、
シャキンだってマシログループなんじゃねーの?」

爪'ー`)「ああ、そのはずだ」

( ´ー`)「ならシャキンが継げばいいんじゃねーのかよ?」

|  ^o^ |「そうですね。
マシロは『一族』で継いでいるだけで、
『一家』で直系が継いでいるわけではなかったはずです」

爪'ー`)「ああ、それはおれも気になって伯父さんに聞いたんだけどよ、
伯父さんも知らないらしい」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/04(日) 23:41:56 ID:oGAfG2hk0<>
肩をすくめたフォックス。
彼を挟んで歩くシラネーヨとブームも眉間に皺をよせた。

爪'ー`)「それで、プギャーは何で青ざめてんだ?」

フォックスが立ち止まって振り返る。
二人も同じ様に振り返ると、
数メートル後ろに立ち止まって何かしらを呟いているプギャーがいた。

( ´ー`)?

|  ^o^ |?

爪'ー`)

( ^Д^)「あいつが……ましろの……。
姉ちゃんの……あいつが……」

(`・ω・´)「お、なんだなんだ?
四人お揃いで何してる?」

(´・ω・`)「お疲れさま。
お願いしておいた件かな?」

そんなプギャーの後ろから、
シャキンとショボンが声をかけたのは、
タイミングが良かったのか、悪かったのか。

(  Д )「……シャキン、聞きたいことがある……」

ゆっくりと振り返ったプギャーが、
睨むようにシャキンを見た。

(`・ω・´)「お!なんだなんだ?」

(  Д )「おまえ、本当に童貞か?」

(;`・ω・´)「ど、どどどどどどど童貞ちゃうわ!」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/04(日) 23:42:59 ID:oGAfG2hk0<>
(´・ω・`)

突然の質問に慌てるシャキンと硬直するショボン。

(  Д )「本当か?」

(;`・ω・´)「あ、ああ当たり前だろうが!
元の世界じゃやりまくってたぞこのやろう!」

(;´・ω・`)「ね、ねえ、何の話をして。
というか、こんなところでする会話じゃないからさ、二人とも」

(  Д )「じゃあ姉さんともやったのか!!?」

(;`・ω・´)「はあ?」

(;´・ω・`)「ね、ねえ二人とも!」

(  Д )「やったのか!!!!」

(`・ω・´)「やるわけねえだろ!」

(;´・ω・`)「二人とも!
そっちの三人も見てないで止めて!」

(  Д )「嘘をつけー!!
あんなに可愛いのにやらないわけないだろうが!」

(`・ω・´)「やらねえよ!」

(  Д )「やってるに決まってる!」

(`・ω・´)「おまえはおれとあいつを、
やらせたいのかやらせたくないのかどっちだ!」

(  Д )「しるかー!」

(`・ω・´)「なんだお前は!」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/04(日) 23:44:29 ID:oGAfG2hk0<>
(  Д )「でもあんなに可愛い姉ちゃんと付き合ってるのに
やらないわけないだろうが!!」

(`・ω・´)「付き合ってないし!」

(  Д )「……え?」

(`・ω・´)「付き合ってないし、そんな関係でもない!」

(  Д )「……え?」

(`・ω・´)「なんだプギャー。
おまえおれとあいつが付き合ってると思ってたのか?」

( ^Д^)「……付き合ってないのか?」

(`・ω・´)「付き合ってない」

( ^Д^)「やっても、ない?」

(`・ω・´)「やってない」

(;´・ω・`)「だから二人とも、ね」

( ^Д^)「マジで?」

(`・ω・´)「マジマジ大マジ」

( ^Д^)「ホントに?」

(`・ω・´)「ホントホント。神に誓って付き合ってないしやってない」

( ^Д^)「……なんだ……」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/04(日) 23:46:10 ID:oGAfG2hk0<>
緊張の糸が解けたように座り込むプギャー。

いつの間にかその後ろに移動していたシラネーヨとブームが、
慌ててその体を支えた。

( ^Д^)「だってシャキンがマシロの跡継ぎ関係とか言われたら、
姉ちゃん絶対捨てられると思って……。
おれの家、あんまり良い家じゃないし……。
姉ちゃんだって頭は良いし見た目も良いけど、
そういうところの嫁が務まるとは思えないし……。
そっか……違うのか……。
良かった……」

( ´ー`)「シス……」

|  ^o^ |「……コン?」

それほど多くは無いが、
道を行き交うプレイヤーの視線を集めた六人だった。







.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/04(日) 23:50:14 ID:oGAfG2hk0<>
某都市



本城総合病院。

別館の入院病棟に、誰かのくしゃみがこだました。

l从・∀・ノ!リ人「風邪なのじゃ!」

∬´_ゝ`)「大丈夫ですか?」

流石兄弟が眠る部屋。
兄弟のベッドにはそれぞれ市香と美香がそばに立っており、
向かいのベッドの枕元にもそれぞれに人がいた。

|゚ノ ^∀^)「す、すみません。
なんか急に鼻がムズムズして」

l从・∀・ノ!リ人「お大事になのじゃ!」

|゚ノ ^∀^)「ありがと、未花ちゃん」

<(' _'<人ノ「気を付けてくださいね」

|゚ノ ^∀^)「す、すみません。
ちゃんと手は口に当てましたから」

<(' _'<人ノ「そういう事じゃなくて、
この子たちが目を覚ました時に私達が元気じゃないと、
リハビリとかちゃんと手伝ってあげられませんから。ね」

|゚ノ ^∀^)「あ、……そう……ですね。
はい、そうですね。
うん。気を付けなきゃ」

∬´_ゝ`)「そうですね。
こいつらが起きた時に、
私達が病気してたらこいつらだったら……。
うわっ……想像したらムカついた」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/04(日) 23:51:13 ID:oGAfG2hk0<>
|゚ノ;^∀^)「い、市香さん」

∬´_ゝ`)「いや、こいつらの事だから、
多分私を指さしながら笑うんだろうなって思ったら……。
あとで手の甲つねっておこう」

|゚ノ ^∀^)「ちょ、ちょ、それは止めた方が」

l从・∀・ノ!リ人「大丈夫なのじゃ!
徳永のおばちゃんもそれくらいなら良いって言ってたのじゃ!」

|゚ノ;^∀^)「確認して遂行済みだった!」

<(' _'<人ノ「私もあとでやろうかな」

|゚ノ;^∀^)「高崎さんまで!」

<(' _'<人ノ「だって、絶対この子向こうの世界で思う存分遊んでますもの。
こちらでこんなに心配してるなんて、あんまり考えないで」

∬´_ゝ`)「うちもです」

l从・∀・ノ!リ人「遊んでるのじゃ!」

|゚ノ ^∀^)「……うちの弟も、遊んでると思います」

じっと目の前に横たわる血縁者の手を見る女性三人。
未花はすでに悌悟の手で遊んでいる。

|゚ノ ^∀^)「(そういえばさっき、
何故だかなんかものすごくムカついたのよね)」

三人の手が、それぞれの手の甲に向かった。





.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/04(日) 23:53:54 ID:oGAfG2hk0<>
アインクラッド




(;`・ω・´)

(;^Д^)

(;´ー`)

|; ^o^ |

爪;'ー`)

ギルドVIPホームのリビングルーム。

疲れた顔をした男五人が、
床に正座していた。

川 ゚ -゚)「このバカ者共が」

ξ゚⊿゚)ξ「往来で何叫んでるのよ」

(;^Д^)「それはその……」

(`・ω・´)「おれは被害者だ」

爪;'ー`)「何でおれまで……」

(;´ー`)「本当だーよ」

|; ^o^ |「ショボンに叱られるのは一度で懲りたのですが」

川 ゚ -゚)「それほど人通りがなかったのが救いだが……」

眉間に皺を寄せるクー。
その言葉にかぶさるようにドアが開き、
ドクオが現れた。

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/04(日) 23:55:04 ID:oGAfG2hk0<>
('A`)「とりあえず大丈夫っぽい。
時間的に帰る奴も多かったみたいで、
それほど注目されてなかったみたいだ」

川 ゚ -゚)「ふむ。
しかし往来で女とやったとかやってないとか言うべきではないからな」

ξ*゚⊿゚)ξ「クー、さすがにそこまで言ってないみたいだから」

川 ゚ -゚)「そうなのか?」

( ^Д^)「そこまであからさまには言ってない……。多分」

( ^ω^)「おっおっ。ショボンの方はなだめたお」

続いて入ってきたのはブーン。

('A`)「ご苦労。
あいつは下ネタにもう少し寛容になるべきだな」

( ^ω^)「ショボンはあんまり……」

(`・ω・´)「箱入り息子だからな!」

ξ゚⊿゚)ξ「あんたは反省してなさい」

(`・ω・´)「はーい」

( ^ω^)「おっお。
フォックス、ショボンが呼んでたお。
話があるんだおね?」

爪'ー`)「あ、ああ」

正座したままブーンを見上げるフォックス。

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/04(日) 23:55:52 ID:oGAfG2hk0<>
( ^ω^)「エギルさんにお願いしてたアイテムに関しては僕が受け取るお。
プギャーで良いかお?」

( ´ー`)「今日はおれが持ってるだーよ」

( ^ω^)「了解だお」

自分のウインドウを開くブーン。
シラネーヨも立ち上がり、自分のウインドウを開く。

|  ^o^ |「?フォックス、行かないのですか?」

爪;'ー`)「……」

( ^Д^)「フォックス?」

爪;'ー`)「……足がしびれて立てない」

『アインクラッドでも正座をすると足がしびれる』
その情報は瞬く間に全フロアに広がった。







.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/04(日) 23:57:09 ID:oGAfG2hk0<>
某都市




本城総合病院 別館院長室。

院長室はもともと本館にあるのだが、
事件以来別館に詰めることが多くなったため、
こちらにも院長室が作られた。

本館の院長室とは院内の独立回線で繋げてあり、
基本的にはどちらに居ても院長としての仕事が出来るようになっている。

(-@∀@)「さて、お二人ともお話とは?」

『院長 本城朝日』
と書かれたプレートの置かれた大きな机。
エンターキーを跳ねるように押した朝日が、
目の前のソファーに座る二人の男を見ながら専用の椅子から立ち上がった。

|(●),  、(●)、|「……」
 _、_
( ,_ノ` )y━「……」

細長いローテーブル。
それを挟んで長辺には三人掛けのソファー。
短辺の片方には一人掛けのソファー。

三人掛けにはそれぞれ伊達と渋澤が一人で座っている。

一人掛けに座る朝日。

(-@∀@)「伊達さん?渋澤さん?」

|(●),  、(●)、|「……」
 _、_
( ,_ノ` )y━「ふむ。それでは私からにしましょうか」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/04(日) 23:58:17 ID:oGAfG2hk0<>
(-@∀@)「はいはい。どうぞどうぞ」
 _、_
( ,_ノ` )y━「まずは、今日は内藤さんと宇佐木さん、
そして来島さんが来られていなかったようだが?」

(-@∀@)「内藤さんと宇佐木さんはお時間の都合がつかなかったようで、
連絡をもらっています。
後日今日の議事録は送らせていただきますよ」
 _、_
( ,_ノ` )y━「来島の女傑は?」

(-@∀@)「……プライバシーにかかわることですが、
お二方ならば良いでしょうかね。
実は昨日から本館に入院されています」

|(●),  、(●)、|!
 _、_
( ,_ノ` )y━「おい、それは」

(-@∀@)「昨日浅間神社の境内で転んだそうで、
骨折などはしておりませんし頭も打っていませんでしたが、
打ち身と打撲はありましたので、
念のため精密検査の為に入院していただきました」

|(●),  、(●)、|
 _、_
( ,_ノ` )y━

あからさまに安堵の吐息を漏らす二人。
それを見て朝日の口元が緩む。

(-@∀@)「精密検査の方が問題なければすぐにでも退院できるほどの軽傷ですが、
仕事で海外にいるご家族が戻るのが2週間後との事でしたので、
打撲の方の様子も見て、もう少し入院していただこうかと思っています。
本館にいた方が、ここにいる久美子ちゃんのお見舞いにも来やすいですから」

|(●),  、(●)、|「ああ、そうしてくれ」
 _、_
( ,_ノ` )y━「よろしく頼む」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/05(月) 00:00:02 ID:m6v2ZR4Y0<>
(-@∀@)「はい」
 _、_
( ,_ノ` )y━「それでだな、さっきの話に出た『協力している家族』というのは」

(-@∀@)「徳永さん、内藤さん、宇佐木さん、来島さんです」
 _、_
( ,_ノ` )y━「やはりそうか」

(-@∀@)「うちの愚息で試した後、親類、俊雄君、武君、
そして朋美ちゃんや久美子ちゃんに付けさせてもらい、
その後随時皆さんに広めています。
もちろんその中には途中で止めて、
誰にも使用していないモノもあります」
 _、_
( ,_ノ` )y━「ふむ……」

(-@∀@)「最先端機器ですので数をそろえるのも難しいものがあります。
基本的には各人の状況をもとに、それが有益な方にまずいくようにしております。
ただテストや効果を試さないといけないモノもありますので、
その辺に関しては……」
 _、_
( ,_ノ` )y━「ああいや、それは良い。
あんたが『公明正大』だってのは、
ここ一年でよく知っているつもりだ。
だから甥っ子の身体を、完全に任せている」

(-@∀@)「ありがとうございます」
 _、_
( ,_ノ` )y━「欲を言えばもっと早く言って欲しかったと思うが、
あんたのやっていることは、
違う角度から見れば自分の息子やその友人たちを、
家族の許可のもと試験の検体にしていると言われかねない内容だからな。
あんたを信頼し、落ち着いて聞けるようになった今で、
ちょうど良いだろう」

(-@∀@)「……ありがとうございます」
 _、_
( ,_ノ` )y━「それで……だな……」

.<> 名も無きAAのようです<>sage<>2016/09/05(月) 00:00:10 ID:hhSJu9Nc0<>しえしえ<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/05(月) 00:01:17 ID:m6v2ZR4Y0<>
(-@∀@)「はい」
 _、_
( ,_ノ` )y━「おれが情報を集めるのは、ただの好奇心だ。
大事なものを守るために使うことはあっても、
金や名誉なんてものにつなげようとは思わない」

(-@∀@)「はあ」
 _、_
( ,_ノ` )y━「だからいつも結果だけでいいと思ってる。
そこに至る理由や情なんてのは、気にしない。
想像することはあっても、そこまでは正解を知ろうとは思わない」

(-@∀@)「……」
 _、_
( ,_ノ` )y━「だからこれは、おれにとってはかなりのイレギュラーだ。
単刀直入に聞く。
あんたの息子のかぶっているナーヴギアはテスト品で、
バッテリー、補助電源が組み込まれていない。
だから今すぐ電源を切れば、助けることが出来る」

|(●),  、(●)、|!?
 _、_
( ,_ノ` )y━「そうだな?」

(-@∀@)「……はい」

|(●),  、(●)、|「!な、なぜすぐ助けない!?」
 _、_
( ,_ノ` )y━「おれもそれが知りたい」

(-@∀@)「妻とも相談はしましたが、
二人して同じ意見でした。
自然に目を覚ますまで、このままにしよう。と」

|(●),  、(●)、|!?
 _、_
( ,_ノ` )y━!?

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/05(月) 00:04:35 ID:m6v2ZR4Y0<>
(-@∀@)「息子は一人で仮想世界に行ったのではありません。
友人たちと行きました。
身内ももう一人、行っています。
その仲間を残して一人で帰ることを、
息子はよしとしないでしょう。
何とかして、全員で帰る道を探しているはずです」
 _、_
( ,_ノ` )y━「だが、もう二年経つんだぞ?」

(-@∀@)「この事件では、数千人の人が亡くなっています」
 _、_
( ,_ノ` )y━「ならば!」

(-@∀@)「ほとんどの病院で、何名かの方がお亡くなりになっています」
 _、_
( ,_ノ` )y━「?」

(-@∀@)「当院では、この地域で事件に巻き込まれた方、
ほぼ全員を預からせていただいております」
 _、_
( ,_ノ` )y━「ああ。で、それが?」

(-@∀@)「ですが、当院では亡くなった方はいません。
収容人数の規模から考えれば、全国で見ても珍しい。
もしかすると、当院だけかもしれません」
 _、_
( ,_ノ` )y━「お、おい、おまえまさか?」

(-@∀@)「私は確信しています。
息子は、それに何かしら関わっていると」
 _、_
( ,_ノ` )y━!

|(●),  、(●)、|!

(-@∀@)「ま、さすがに親バカ発言なので大っぴらには言えませんけどね」
 _、_
( ,_ノ` )y━「……いやはや……」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/05(月) 00:06:02 ID:m6v2ZR4Y0<>
(-@∀@)「うちの息子は、良くも悪くも「そういう風に」育てられています。
もし一人だとしても、まずは地域の人間がいないか探しているでしょう。
ましてや今は、友人がそばにいる。
一人で帰ることなんて微塵も考えていないはずです。
その状態で息子一人助けたら、私達が息子に何をされるかわかったもんじゃ……」
 _、_
( ,_ノ` )y━「何をされるっていうんだ?」

(-@∀@)「……頭が良い人間を、敵に回したらいけない」

|(●),  、(●)、|「……おいおい」
 _、_
( ,_ノ` )y━「……」

言葉を濁す朝日。
引きつった彼の笑顔を見て、
同じように表情筋を引きつらせる二人だった。







.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/05(月) 00:08:11 ID:m6v2ZR4Y0<>
アインクラッド




ギルドVIPホームの執務室を出たフォックスは、
数歩歩いた後にうずくまった。

爪;'ー`)「まじかー」

そしてそのまま頭を抱える。

爪;'ー`)「あいつ頭良いくせしてばかじゃねーの。
んなこと考えるよりもっと考えることあるだろうが。
もしもの時にはおれがギルドを作ってみんなを?
むりむりむりむりむりむりむりむり」

床に向かって話しかける。

爪;'ー`)「VIPはともかく、
あいつがいなくなったら
確かにこっちは色々と不安定になるだろうけどよ。
だからっておれ?
おれ?
おれ?
おれじゃないだろおれじゃ。
他にいるだろ。
……
……
……
……
……いないのか。
三バカも生産者のいるギルドのギルマスって器じゃないし、
生産者組の奴らの中にもギルマスのできそうな奴はいない……か。
……
……
いやいやいやいや。
だからっておれじゃないだろおれじゃ。
確かにこっちのグループで一番冷静に見てるのはおれかもしれないけどよ、
それだってあいつに誘導されて色々とやってるだけだろうが。
……もしかして最初からそのつもりだったのか?
……
……
あーもうだからおれより頭のいい奴と話すの嫌なんだよ。
結局丸め込まれるし。
つーか『もし』なんて起きてくれるなよこんちくしょう」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/05(月) 00:09:24 ID:m6v2ZR4Y0<>
大きくため息をつくフォックス。

|; ^o^ |「どうしたのですか?」

爪;'ー`)「うをっ」

頭の上から声をかけられ、
驚いて立ち上がったフォックス。

声をかけた方も驚いていた。

|; ^o^ |「ど、どうしたのですか?」

爪;'ー`)「ブームか。いや、なんでもない。
ちょっと色々考えてただけだ。
おまえはどうしたんだ?」

|; ^o^ |「そろそろ帰ろうかと思ったので、
フォックスに声かけとショボンにも挨拶をと思いまして」

爪'ー`)「お前ひとりで?」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/05(月) 00:10:27 ID:m6v2ZR4Y0<>
|; ^o^ |「……プギャーとシラネーヨは止めておくと言っていまして」

爪'ー`)「ははは。
……ま、帰るときにはショボンも顔を出すだろうからな。
今ならまだそこの部屋にいるはずだぞ」

|  ^o^ |「はい、わかりました。
ありがとうございます」

フォックスの横を通って執務室のドアをノックするブーム。

『開いてるよー』

ドアノブに手をかけたブームが、フォックスを見る。

爪'ー`)?

|  ^o^ |「フォックス、
あなたがギルマスをやるのならば、
協力しますので安心してください」

爪;'ー`)!

ドアを開けて部屋に入るブーム。

爪'ー`)「……とぼけた面していても、
あいつもあの人の息子ってことか」

その姿を固まった状態で見つめていたフォックスだったが、
ため息交じりに呟くと応接室に向かって歩き出した。







.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/05(月) 00:13:01 ID:m6v2ZR4Y0<>
某都市



本城総合病院 別館院長室

(-@∀@)「それで、伊達さんのお話というのは?」

|(●),  、(●)、|「こちらの話は……」

ちらっと渋澤を見る伊達。
その視線を受けて、渋澤はにっこりとほほ笑んだ。

|(●),  、(●)、|「……はぁ。どうせ知ってることだな」

その笑顔を見て、心底嫌そうに顔をゆがめた伊達だったが、
諦めて一呼吸置くと、朝日に身体を向けた。

|(●),  、(●)、|「先日、ここから出ていくスーツの男を見た」

(-@∀@)「はい。
病院にはスーツの男性は患者さん、
関係者の方といっぱいいらっしゃいますから」

|(●),  、(●)、|「名前は菊岡という男だ」

(-@∀@)

伊達を見ながら薄く口元に笑みを浮かべる朝日。

その顔を見て、渋澤は少しだけ驚いた顔をした。
 _、_
( ,_ノ` )y━「(こんな風に笑うのは初めて見たな)」

|(●),  、(●)、|「知っているな?」

(-@∀@)「『菊岡誠二郎』さんのことですか?
総務省、SAO事件被害者救出対策本部の」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/05(月) 00:14:39 ID:m6v2ZR4Y0<>
|(●),  、(●)、|「そうだ、菊岡だ。
だが、総務省?今総務省って言ったか?」

(-@∀@)「ええ。総務省です。
今回の事件での対応は総務省の管轄ですから」

|(●),  、(●)、|「おいおい、どういうことだ……」
 _、_
( ,_ノ` )y━「伊達さんの顔がいくら大きいと言っても、
自衛隊畑の伊達さんが総務省の役人さんの顔を知っている。
それは、それは……」

|(●),  、(●)、|「おい、誰にも言うなよ」
 _、_
( ,_ノ` )y━「言いませんよ。
いや、『言えませんよ』の方が正しいですが」

|(●),  、(●)、|「院長、あいつはいったい何をしているんだ?」

(-@∀@)「今回の事件の本当の責任者……だと思われます。
肩書はありませんでしたし、明言もされていませんが」

|(●),  、(●)、|「なんだと」

(-@∀@)「解決に向けて尽力を注いでいらっしゃいますよ」

|(●),  、(●)、|「ちょっとまて!」

(-@∀@)「こちらとしても、解決に向けて協力を惜しまないでいく」

|(●),  、(●)、|「やめろ!
あいつには関わらない方が良い!」

(-@∀@)「そう言われましても、
彼の持つ情報はこちらにも有益なものが多いので」
 _、_
( ,_ノ` )y━「!伊達さん、もうそれくらいで」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/05(月) 00:17:29 ID:m6v2ZR4Y0<>
|(●),  、(●)、|「渋澤は黙っていてくれ。
院長、悪いことは言わない。
あいつとは関わらない方が良い。
あいつは……」

(-@∀@)「防衛省、自衛隊、キャリア……」

|(●),  、(●)、|!
 _、_
( ,_ノ` )y━「……あー」

(-@∀@)「私は、彼が『どういった方』かを知っています。
そして彼は、『私が彼の事を知っていること』を知っています。
伊達さん、渋澤さん、正直なところ、日本で認可されていないモノや、
実務ベースまで持ってきているとはいえまだ研究段階の物を実際に使用するのは、
色々と大変なんですよ。
集めることは私のコネで出来ても、
そこから先の役所仕事の点ではなかなかね。
しかし彼は、そのあたりを可能にしてくれる力をもっています」

表情筋だけで笑う朝日。
その笑っていない目を見て、
渋澤が顔をひきつらせた。

(-@∀@)「ウィンウィンの関係には、対価が必要です。
うちの息子を含めた六名には、
脳波の採取を目的とした電極を数多く着けています。
ナーブギアをかぶった後に付けた方に比べて、
より多くの情報を得ることが出来ます。
アインクラッドに囚われた方の中で、
このような状態の方は多くない」

|;(●),  、(●)、|「おい、おまえは……」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/05(月) 00:18:25 ID:m6v2ZR4Y0<>
(-@∀@)「もちろんご家族の方には了承を得ています。
そして私の妻をはじめ、
来島のご夫婦、マシロの会長といった顔のきく方には、
それなりのご協力もお願いし、
万全の体制を作っているつもりです」
 _、_
( ,_ノ` )y━「……あ」

ぽかんと口を開けた渋澤。
電子タバコが口からこぼれる。

それを横目で見た伊達が怪訝な顔をした。

そんな二人を視界に収めた朝日が、
心の底からの笑顔を見せた。

(-@∀@)「いやしかし、お二方から水を向けていただいてよかったです。
正直、いつ巻き込むいえ、相談しようか時期を探していましたので」

|(●),  、(●)、|「……!」
 _、_
( ,_ノ` )「い、嫌おれは別に!」

(-@∀@)「渋澤さんが『外に言えないこと』を知ってしまったことを、
私は知っています」
 _、_
(;,_ノ` )y「!」

(-@∀@)「お二方の人脈と情報力をもって、
ご協力をお願いします」

立ち上がり、腰を折って頭を下げる朝日。
官僚の謝罪のような心の感じないお辞儀だが、
その姿は綺麗だった。

言葉をなくす二人の目の前で、朝日が体を起こした。

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/05(月) 00:19:25 ID:m6v2ZR4Y0<>
(-@∀@)「伊達さん、渋澤さん。
正直に言いましょう。
私は、息子はもちろんこの別館にいる全ての方が、
無事に目を覚ますために尽力を尽くすつもりです。
中で息子が頑張っている以上、
こちら側は私がどうにかするのが、
私の使命だとおもっております。
目を覚めた後に、出来るだけ早く今までに戻るための、
考え得る全てを行うつもりです。
ギリギリの事もするつもりです。
その為には、清濁飲み干すつもりです。
でも最後には、絶対に笑います。
みんなで、笑ってみせます
伊達さん、渋澤さん。
その為に、ぜひ、ご協力をお願いします」

|(●),  、(●)、|「本城院長……」
 _、_
( ,_ノ` )y━・~「……吸わせてもらうよ」

(-@∀@)「どうぞ」

ローテーブルの上の、
今まで一度も使われていないガラスの灰皿を、
渋澤の前に置く朝日。
 _、_
( ,_ノ` )y━・~「こんなのは、本物を吸わなきゃやってられない」

(-@∀@)「渋澤さん」
 _、_
( ,_ノ` )y━・~「伊達さんも、腹を括った方が良いぞ。
知っちまった以上、逃げられない処におれ達は連れてこられたみたいだ」

|(●),  、(●)、|!

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/05(月) 00:20:24 ID:m6v2ZR4Y0<>
(-@∀@)「人聞きが悪いですね。
まるで私が企んだみたいじゃないですか。
今日、この場を作ってほしいと言われたのはお二方ですよ」

困惑した表情で二人を見る朝日。

そんな彼を、
疲れた表情で見返す伊達と渋澤。

|(●),  、(●)、|「……ああ。腹を決めるとしよう。
首を突っ込んだ以上仕方ない。
息子の為にも、それが最善だろうからな」

(-@∀@)「ありがとうございます。伊達さん」

伊達が差し出した手を握る朝日。

それを冷めた目で見ていた渋澤が、
ぼそりと呟いた。
 _、_
( ,_ノ` )y━・~「だから自分より頭のいい奴と話すのは嫌なんだ」







.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/05(月) 00:22:35 ID:m6v2ZR4Y0<>
アインクラッド




バーボンハウスを出た四人は、
とぼとぼと転移門に向かって歩いていた。

( ^Д^)「はぁ……」

爪'ー`)「ふぅ……」

( ´ー`)「二人してため息とか気持ち悪いだーよ」

|  ^o^ |「ホントですよ」

( ^Д^)「うるさい」

爪'ー`)「そっとしておいてくれ」

前を歩く二人の肩が極限まで落ちており、
猫背気味に歩いているため声をかける後ろの二人。

しかし無下にされてしまった。

('A`)「心配してくれてる仲間にそれはないだろ」

(;^Д^)「うをっ」

|; ^o^ |「わっ」

(;´ー`)「ドクオ!?」

爪'ー`)「今日はもう何も考えたくないだけだ」

突然前の二人の横に現れて普通に歩きながら話しかけたドクオ。

それに驚いた三人は思わず立ち止まってしまうが、
気にしなかったフォックスは数歩そのまま歩いた。

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/05(月) 00:25:21 ID:m6v2ZR4Y0<>
('A`)「だめだぞお前ら。
ちゃんと鍛えたんだから街でもスキル使っておかないと」

( ^Д^)「ちょっと見てなかっただけだ」

('A`)「ま、そういう事にしておいてやるよ。
フォックスは驚かなかったな」

爪'ー`)「驚いた。
でも今日はもう何も考えたくない」

('A`)「多分そういうところをショボンは認めてるんだと思うけどな」

爪'ー`)「……止めてくれ」

|  ^o^ |「そ、それで突然どうしたんですか?」

('A`)「ん、いや転移門までの周辺警戒のつもりだったんだけど、
店を出てからここまで歩いても特に誰もいなかったからもういいかなって」

ドクオが身振りで促し、
再び転移門まで歩き始める五人。

( ´ー`)「そういえば、今回は隠れて出入りしなくて良かったのかーよ」

('A`)「おれ等がつながっているのは知られているからな。
知られたくないことに関わらない所は別にいいだろ」

|  ^o^ |「そういうものですか」

('A`)「らしい」

( ´ー`)「お前の意見じゃねーのかよ」

( ^Д^)「なにをばかな」

爪'ー`)「こいつの意見であるわけないだろうが」

('A`)「……事実だけど人に言われるとムカつくな」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/05(月) 00:26:44 ID:m6v2ZR4Y0<>
|  ^o^ |「まあまあ」

( ´ー`)「しかたないだーよ」

眉間に皺を寄せたドクオを見て、
ブームとシラネーヨが笑う。

('A`)「まったく……」

ドクオは笑っていないプギャーとフォックスを見て肩をすくめた。

爪'ー`)「ドクオ、ショボンはどこまで本気なんだ?」

('A`)「ん?どれに関してだ?」

爪'ー`)「『みんなで帰る』ってやつだよ」

('A`)「100パーセント本気だ。
実際いまのところ誰も死んでないだろ?」

( ^Д^)「……だが……」

('A`)「ま、最初は目標程度だったけどな。
プギャー、シラネーヨ、ブーム、あいつが本気になったのはあの後だよ」

( ^Д^)?

( ´ー`)?

|  ^o^ |?……!

('A`)「そ、ギコと一緒にお前らが死ぬかもしれなかったあのクエストの時だ」





( ^ω^)「ショボンはあの時、自分の甘さを痛感したんだお」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/05(月) 00:27:41 ID:m6v2ZR4Y0<>
ξ゚⊿゚)ξ「甘さ?」

雑貨屋Booon店内。
カウンターの中にブーン。
鑑定待ちをする人用に設置されている、
カウンター沿いの長椅子にツンが座っている。

( ^ω^)「そうだお。
『これだけやっておけば大丈夫だろう』って思っていたことが、
あの時あの三人が死にそうになったことで、
『今のままじゃダメなんだ』に変わったんだお」

ξ゚⊿゚)ξ「あれって、あの三人の独断行動でしょ。
ショボンは止めていた内容なわけだから」

( ^ω^)「だお。でも、ショボンはそう思わなかったんだお。
『それを想定しなかった自分』を責めたんだお」

ξ゚⊿゚)ξ「……ほんと馬鹿ね」

( ^ω^)「ギコとしぃをギルドにいれたのも、
そんな自分を忘れないため、
戒めるためってのもあったかもしれないおね」

ξ゚⊿゚)ξ「え、ちょっとそれって」

( ^ω^)「もちろん二人が優しい人間だったから。
っていうのが誘った一番の理由だお。
でも、あの二人ならVIPに入らなくても生きて行けたと思うから、
あの時すぐに入れなくても良かったと思うお」

ξ゚⊿゚)ξ「……そうね」

( ^ω^)「まだ話すかお?」

ξ゚⊿゚)ξ「……うん。
あ、そうだ。
お茶入れるね」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/05(月) 00:28:41 ID:m6v2ZR4Y0<>
( ^ω^)「お……?」

ツンがウインドウを操作してティーポットとカップを二つ取り出した。

ξ゚⊿゚)ξ「この前アシュレイとコラボしてワンセット作った時に、
お客さんからもらったのよ。
誰でも淹れることのできる茶葉だって」

(;^ω^)「それはこの前飲まされた謎の実とは……」

ξ*゚⊿゚)ξ「ば、ばか、コカオの実とは関係ないわよ。
えっと、ここをタップして……」

誰でもお茶を淹れることのできる『トライアのティーポット』に、
水色の小さなたわしのような形をした茶葉を入れ、
ティーポットの蓋を二回タップするツン。

途端にティーポットの中がお湯で満たされ、
きっかり25秒後にさわやかな香りが漂った。

ξ゚⊿゚)ξ「よし、出来上がり」

そしてテーブルの上に三つのカップに注ぐ。

ξ゚⊿゚)ξ「ん?三つ?」

川 ゚ -゚)「私には淹れてくれないのか?」

ξ゚⊿゚)ξ「ってクー!いつの間に!」

ツンの隣に腰かけているクー。

川 ゚ -゚)「?ちゃんと声はかけたぞ?」

(;^ω^)「返事をしないなーとは思ったけど、
気付いていなかったとは」

川 ゚ -゚)「初めての手料理ごちそうだからな。
緊張して当然だ」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/05(月) 00:29:50 ID:m6v2ZR4Y0<>
ξ*゚⊿゚)ξ「ば、な、なに言ってるのよ!
それに手料理は今迄にだって食べてもらってるし!
おにぎりとか、家庭科で作ったバウンドケーキとか!
だしまき玉子焼きとか!
ね、ブーン!」

(;^ω^)「おー。具がドンパッチのおにぎりとか、
噛めないくらい堅いケーキとか、
おもちゃの山車が一緒に焼かれた味のないスクランブルエッグの事かお?」

川 ゚ -゚)「訂正しよう。
『初めて美味しいと言ってもらえるかもしれない』手料理の披露だからな。
緊張して当然だ」

ξ#゚⊿゚)ξ「うるさい!」





( ^Д^)「あの時?」

('A`)「ああ」

転移門広場までもう少しということころで立ち止まったプギャー。

ドクオはそのまま数歩進んだが、
自分以外は立ち止まったことに気付いて振り返った。

('A`)「……最初から話すか。
フサギコのバーボンハウスに行こう。
今日はフサギコはいないはずだし、
あそこならゆっくり話せる」





( ^ω^)「もともと『バーボンハウス』はシャキンのやってるお店ってことはしってるおね?」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/05(月) 00:30:47 ID:m6v2ZR4Y0<>
ξ゚⊿゚)ξ「うん。聞いた」

川 ゚ -゚)「ああ。実際に行ったことは無いが」

ξ゚⊿゚)ξ「というか、お店の存在も知らなかった」

( ^ω^)「おっお。でもゲーマーの間では結構有名なんだお」



('A`)「スタッフにゲーマーがいたらしくて、
小規模な交流会とかやってたから」

|  ^o^ |「一度行きたいと思っていました」

( ´ー`)「同じくだーよ」

爪'ー`)「おれはそっちも二回くらい参加した。
プギャーも一回あったよな」

( ^Д^)「ああ。一回だけ参加したことある」

('A`)「そっちはシャキンは出てないみたいだけど、
地域の大人のゲーマーにとっては静かに遊べるところだって
噂になっていたって話だ」



ξ゚⊿゚)ξ「へー」

( ^ω^)「だからショボンは『バーボンハウス』にしたんだお。
『ホンジョー』でもなく、『マシロ』でもなく、
『バーボンハウス』に」

川 ゚ -゚)「地域のナーヴギアを買うくらいの大人でゲーム好きなら、
『バーボンハウス』という名に反応すると考えたわけだな」

( ^ω^)「だおだお」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/05(月) 00:32:54 ID:m6v2ZR4Y0<>
ξ゚⊿゚)ξ「そして高校生から下くらいは『VIP』、
『ビップ』で反応するかもと」

川 ゚ -゚)「うちの学校は良くも悪くもそれなりに有名だからな」

( ^ω^)「いや、ギルド名は決める相談をしてる時に
『学校名でいいじゃない。メンドクサイ』って言ったからだおね。
二人が」

ξ゚⊿゚)ξ「あらそうだったかしら」

川 ゚ -゚)「覚えてないな」

(;^ω^)「(この二人、こういう時は更に息がぴったりだおね)」



爪'ー`)「それでも、病院の名前やマシロの方が人は寄ってきたんじゃないか?」

('A`)「……最初の頃は、そこまで人を集めるつもりは無かったから。
もともとは、シャキンがプギャーを見かけて、
探し始めてからだよ」

( ^Д^)「は?」

('A`)「お前を見かけたシャキンが、
お前を探し始めてから『NS』がすこしギクシャクしたんだ。
「後輩の弟が来てる!」って言って、それに集中しだして」

( ^Д^)「おれを……探して?」

('A`)「シャキンとショボンは一度見た人の顔は忘れない。
シャキンは今までの学校生活はもちろん、
店にやってきた客は全員覚えているらしい」

|  ^o^ |「それは……」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/05(月) 00:33:53 ID:m6v2ZR4Y0<>
('A`)「で、その事態を危険視したショボンが、
他にもいるかもしれない地域の人達を探そうって言いだした。
まああいつのことだから、早い段階で思ってはいただろうけど、
そのことを皆に言いだしたのはその時が始めてだ。
ギルドが出来て、仲間も増えて少し経った頃だな」



ξ゚⊿゚)ξ「兄者と弟者が入ったころよね。
バーボンハウスの屋台を引き始めたの」

川 ゚ -゚)「ああ。最初から『屋台』に拘っていたのを覚えてる」

( ^ω^)「食べ物を下に置くのは嫌だってショボンが言ったんだおね」

ξ゚⊿゚)ξ「……おぼっちゃまね」

川 ゚ -゚)「おぼっちゃまだな」

(;^ω^)「否定はしないお」




('A`)「この世界の人を探すのは、名前が分かるかよほどの特徴がないと難しい。
そこで『バーボンハウス』を餌にして、これに反応する人を探そうってことになったんだ」

( ^Д^)「おれを探すため……」

爪'ー`)「で、おれ達がわらわらと集まってきたわけか」

('A`;)「言葉は悪いけど、そういうことだな」

( ´ー`)「でも、なんでVIPには入れてくれないんだーよ」

|  ^o^ |「はい。それが不思議です」

('A`)「……VIPは……」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/05(月) 00:35:01 ID:m6v2ZR4Y0<>
爪'ー`)「『友達』の集まりが、VIPってことだろ?」

('A`)「フォックス……」

爪'ー`)「地域とか関係なくつながっている仲間。
ってことじゃないのか?
若様……ショボンがそう思ってるメンバー。
実際半数以上は出身バラバラだよな」

('A`)「……友達だし、仲間だけど、ちょっと違うかな」

爪'ー`)「なにがだ?
あ、別に非難はしてないぞ。
ここでの戦闘は命のやり取りだ。
信頼できる仲間で固めた方が良い」

('A`)「それはそうだけど……。
……いまVIPにいるやつらは……さ、
身近にこの世界での死を実感したり、
人の黒い部分を見てしまったりして、
この世界でうまいこと生きていくことが出来なかったん……だよな。
もし、一人だったら、自ら死を選んでしまったかもしれない奴ら……なんだよ」

( ^Д^)「それは……」

爪'ー`)「おまえ達五人もか?」

('A`)「……おれは、さ、結構冷めてるから、
正直最初はホントにブーンとショボンとツンとクー、
んでシャキンが無事ならそれで良いって思ってたかな。
一人でいても、まあ、大丈夫だったかもしれない。
けれど色々あって、今は全員大事だって思えるようになった。
でもツンとクーは、一時期はホントに危うかった。
ブーンはそうだな……。多分、おれ達がいたから大丈夫だったけど、
一人だったらやばかったな。
ショボンは……もしかすると、一人にしたら一番やばかったかもしれない」

( ´ー`)「……しんじられないだーよ」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/05(月) 00:36:04 ID:m6v2ZR4Y0<>
('A`)「ま、おれ達にも色々あったってことさ。
それで、何故かおれ達の作ったギルドはそういう思いを抱えた奴と次々と出会っていって、
いつの間にかこんなギルドに成長していた」

|  ^o^ |「みなさんが……」

('A`)「それなりに有名になった分、
うちのギルドは注目されている。
攻略組からのスカウトはもちろん、
中層プレイヤーからは嫉妬みたいな負の感情をぶつけられることもある。
ショボンも最初はギルドに入ってもらおうかと思っていたみたいだけど、
ギルドに入ることのメリットとデメリットを考えると、
VIPに入ることは断ることにしたみたいだ。
ただ、同じ地域から来た者の繋がりとして、
出来る限りのバックアップはさせてもらうって言っていた」

爪'ー`)「無償で部屋の提供。
生産組にはそのノウハウや儲けの仕組み。
戦闘組にはスキルの組み立てやレベル上げのやり方。
他のギルドに入るのならば共同体から抜けるっていうルールと、
指定されている『危険』には近寄らないっていう約束以外は完全自由。
……この世界を楽しむ余裕を作ってくれたのはお前たちなんだよな」

('A`)「……ショボンの考えさ」

爪'ー`)「けれどここにきて、
戦闘組はより実践的な戦いを教えられるようになった。
そしておれはあんなことを言われた。
……何があったんだ?」

('A`)「……自分が居なくなった時のことを考えたのさ」




( ^ω^)「ショボンの言う『みんなで帰る』の『みんな』には、
自分が含まれてないんだおね」

ξ゚⊿゚)ξ「ほんと馬鹿よね……。ほんとに……」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/05(月) 00:37:00 ID:m6v2ZR4Y0<>
川 ゚ -゚)「もっと自分を大事にしてほしいが……」

ξ゚⊿゚)ξ「今日フォックスに言ったんでしょ。
自分がいなくなったらそっちはフォックスがギルマスのギルドを作ってどうにかしてほしいって」

川 ゚ -゚)「フォックスがギルマスのギルド自体はまあ何とかなるだろうが、
その前提が……。ショボンめ……」

( ^ω^)「僕達で、ショボンを助けるんだお。
この前は何もできなかったけど、
もしもの時は、僕達が……」

川 ゚ -゚)「そんなことがもう無いよう、
ショボンの監視ももっとちゃんとしないとだな」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/05(月) 00:38:16 ID:m6v2ZR4Y0<>
ξ゚⊿゚)ξ「ホントよね。
頭脳系のギルマスなんだから、
ずっと部屋に閉じ込めてドアを固めるか」

川 ゚ -゚)「いやそれは……」

ξ゚⊿゚)ξ「いや、もちろん冗談だからね」

川 ゚ -゚)「転移結晶ですぐ外に」

ξ゚⊿゚)ξ「だから、冗談です」

川 ゚ -゚)「ギルマス権限でドアとか開きそうだし」

ξ゚⊿゚)ξ「だから冗談だってば!」

( ^ω^)「おっおっお」





( ^Д^)「なんだよ……それ……」

('A`)「あいつは、自分が生きて帰ることには執着していない。
『みんな』が帰ることに尽力を惜しまないけれど、
そのなかに自分は含まれていないんだ。
だから、自分が居なくなった時のことを考えて、
フォックスにそんなことを言ったんだろう」

爪'ー`)「……流石若殿さま……」

|  ^o^ |「フォックス……」

爪'ー`)「民草の事が一番だってか……クソが」

,<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/05(月) 00:39:07 ID:m6v2ZR4Y0<>
( ´ー`)「フォックスが怒ってるとこ初めて見ただよ」

爪'ー`)「別に怒っちゃいねーよ。
ただムカついているだけだ」

( ^Д^)「それを怒ってるって言うんだけどな」

爪'ー‘)「これくらいで怒ったりしねーよ」

('A`)「……『キレてないですよ』……」

( ^Д^)

|  ^o^ |

( ´ー`)

爪'ー`)「お前にキレる」

('A`)「ごめん」







.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/05(月) 00:40:12 ID:m6v2ZR4Y0<>
某都市



本城総合病院

本館と別館をつなぐ渡り廊下。

二つのセキュリティチェックを通り過ぎ、
車いすの女性を押した看護師が通り過ぎた。

来島「……こんな時間にすみません」

J( 'ー`)し「いいえ。基本別館はお見舞い24時間可能ですから。
でも来島さんの自由時間は消灯までですから、
それまでには戻りますからね」

看護師はドクオの母。
車いすに座っているのはクーの祖母であった。

来島「ふふふ」

J( 'ー`)し「笑っても駄目ですよー。
伊達さんや渋澤さんと違って、
わたしはルールを守りますからね」

来島「あのイタズラ坊主がいまや地元の有力者ですから。
ほんと、年を取るというのは不思議なものですね」

J( 'ー`)し「まだ来島さんはお若いですよ」

来島「徳永さんに言われてもねぇ」

J( 'ー`)し「あら、私じゃ不満ですか?」

来島「私より年齢がかなり若く、
さらに年より若く見える方に言われても、
お世辞か嫌味にしか聞こえませんから」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/05(月) 00:41:06 ID:m6v2ZR4Y0<>
J( 'ー`)し「ダメですよ。
褒め殺しをされても消灯前には戻りますからね」

来島「あら残念」

二人はくすくす笑いながら、
病室に辿り着いた。



クーの手を握る来島。
細く皺だらけの手だが、
その手は生気に満ちて優しく孫娘の手を握っている。

来島「息子さんの所に行ってあげてくださいな」

J( 'ー`)し「……はい。
ありがとうございます」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/05(月) 00:42:03 ID:m6v2ZR4Y0<>
ゆっくりと車いすから離れ、
気にしつつドクオのそばに向かう。

来島「私は……間違っていたのでしょうか」

J( 'ー`)し「来島さん?」

来島「久美子には、清く正しく生きることを教えてきたつもりです」

来島の呟きは、誰に対する者でもなく、
けれど一人で呟くのは苦しい呟きだった。

来島「間違えず、間違わず。
間違えた時には正しき道に戻れるよう。
時に厳しく、けれど愛情は持って、接してきたつもりです。
けれど、久美子は、違う世界に行ってしまった。
自分ではない自分になるために、
こんなものをかぶって、行ってしまった。
私がもっと違う風に接していたら、
久美子は、こんなものを被らずに済んだのでは……」

J( 'ー`)し「来島さん……」

来島「花も、踊りも、長刀も、
その心を強くするための物でした。
凛々しく、一人でも立てるように。
何事にも負けない心を持つように……」

J( 'ー`)し「うちの息子は、
コンプレックスの塊でしてね」

来島「え?」

J( 'ー`)し「身長も低いし、顔もたいしたことない。
頭も悪くはないけど決して良くはない。
運動も苦手ってことは無いけど得意では決してない。
女の子と話すのは苦手だし、
男の友達もすごく多いわけじゃない。
自分のとりえって何だろうって、悩んでいました」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/05(月) 00:43:01 ID:m6v2ZR4Y0<>
来島「徳永さん?」

J( 'ー`)し「でも、一個だけ自信があって、
そしてそれを守るために、必死に頑張ってました」

来島「……それは?」

J( 'ー`)し「ブーンくんとショボンくん、そしてツンちゃん。
内藤武君と、本城祥大君と、宇佐木朋美ちゃんと友達だってことです。
そして、最近はそこに来島久美子ちゃんも加わっていました」

来島「!」

J( 'ー`)し「私は、自分の息子を信じます。
その友達と一緒にいるんだから、
うちの子は絶対に友達を守るし、
四人と友達だって胸を張るために、
頑張っているって」

来島「徳永さん……」

J( 'ー`)し「そして、きっとこの子たちは、
別人になりたいからこれを被ったんじゃない。
面白そうなゲームだから、やってみただけなんですよ。
子供なんて、そんなもんです。
多分、うちの子はゲームの中では背の高い筋肉隆々のマッチョマンにでも変身して、
遊んでいるんだと思います。
小さいときにちゃんと牛乳飲めば大きくなれたかもしれないのに。
好き嫌いしてたから身長が伸びなかったんです。
帰ってきたら、今からでも飲ませないとですね」

ニッコリとほほ笑んだ徳永。

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/05(月) 00:45:26 ID:m6v2ZR4Y0<>
J( 'ー`)し「今はこの子たちが帰ってくるのを待ちましょう。
帰ってきたら、がっつり叱りましょう。
子どもが親に心配かけさせるのはしょうがないけど、
これはひどいってね。
そして、抱きしめてやりましょう」

来島「……ええ……ええ……ええ……」

来島の嗚咽が部屋に響く。
それを聞こえないふりをして、
じっとわが子の口元を見る徳永。

J( 'ー`)し「(俊雄、信じてるからね。
ちゃんと帰ってくるんだよ)」

浮かんだ涙を築かれないようにぬぐい、
そっと息子の手の甲をつねってから来島に向かう。

J( 'ー`)し「さて、そろそろ消灯ですね。
戻りましょうか」

来島「……はい。
久美子、また明日来るからね」

もう一度ぎゅっと孫娘の手を握る来島だった。





(-@∀@)「ああ。うん。分かってる。
もちろんだよ。……ああ、ああ。
会長には昨日お願いをしておいた。
うん。伊達さんと渋澤さんも引き入れたよ。
……分かってる。ああ。
ああ、祥大の為になんとしても……うん。
…………おれも愛してるよ……」

別館院長室。
電話を切った朝日は一度大きく深呼吸をしてから席を立った。




.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/05(月) 00:46:54 ID:m6v2ZR4Y0<>
アインクラッド



執務室の自分の席に座るショボン。
目の前の応接セットには、シャキンが座っている。

(`・ω・´)「で、準備は万端なのか?」

(´・ω・`)「僕が想像できる状況に対しての、
出来る限りの対策という話でなら、
ほぼ終了しているよ。
はい、これ」

シャキンの目の前にウインドウが現れ、
一つのアイテムが表示された。

(`・ω・´)「おれが確認するの?」

(´・ω・`)「他に誰がするの?」

(`・ω・´)「ですよねー」

アイテムをクリックすると、
見ただけでゆうに100ページを超えているであろうことが分かる、
A4サイズの本が現れた。

(`・ω・´)「前の時からどれくらい増えた?」

(´・ω・`)「指摘された分と、そこから派生する流れとか諸々。
50は無いと思うけど、
細かい点の修正はしてあるから全部に目を通してみて」

(`・ω・´)「はいはい」

ローテーブルの上に現れたその本の表紙をめくるシャキン。
するとかなりのスピードでページを捲っていく。
とても『読んで内容を把握している』様には見えないのだが、
ショボンは気にすることなく別の作業をしていた。

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/05(月) 00:48:16 ID:m6v2ZR4Y0<>
十数分後全てのページを捲り終えたシャキンが聞こえるように息を吐いた。

(´・ω・`)「どう?」

(`・ω・´)「こんなもんだろ。
ただ34と167の前回と変えた個所はもう少し検討してみてもいいかもしれん。
あと、54と132はほぼ同じように思えた」

(´・ω・`)「分かった」

(`・ω・´)「これ、他の奴らにも見せるのか?」

(´・ω・`)「もちろん。
といっても各人に必要な部分を抜き出したのも渡すけどね。
とりあえずクーとモナーには全体図の把握をお願いしたいから、
二人には全部目を通してもらうつもり。
出来れば兄者とツンにも全体の流れは見てもらいたいけど、
二人は嫌っていうだろうからなー」

(`・ω・´)「ブーンとジョルは?」

(´・ω・`)「ブーンは本能で動いてもらった方が事態は好転しそうだから、
とりあえず話して渡すけど、まあ渡すだけかな。
問題はジョルジュだけど……」

(`・ω・´)「……おれが言うか?」

(´・ω・`)「いや、これは僕が話すよ。
それにこれは僕の杞憂で終わる話かもしれない内容だからね」

(`・ω・´)「そうか……」

(´・ω・`)「それよりも、そっちの事をお願いしたいんだけど」

(`・ω・´)「こちらはサポートだからな。
その時に誰の指示に従うかだけ間違わなければ大丈夫じゃないか?」

(´・ω・`)「そう……かな」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/05(月) 00:49:31 ID:m6v2ZR4Y0<>
(`・ω・´)「ミルナとデミタスは言わなくても、
ハインだってそうだな。
エクストとトソンもお前の信者だから問題ないだろ」

(´・ω・`)「そうかなー」

(`・ω・´)「大丈夫大丈夫。
他の奴らは?」

(´・ω・`)「プギャー達三人には話してある。
もしもの時は力を貸してほしいって」

(`・ω・´)「喜んでただろ」

(´・ω・`)「……うん。
あの三人も不思議だよね」

(`・ω・´)「あの三人を含め、チームマッシロの奴らはみんなお前に感謝してるからな」

(´・ω・`)「その『チームマッシロ』も止めてって言ったんだけどなー」

(`・ω・´)「『チームマシロ』を却下されたからだから、諦めろ」

(´・ω・`)「まったく……」

(`・ω・´)「フォックスがギルド作ったら、
名前は決定だな」

(´・ω・`)「やーめーてー」

机に顔をうずめるショボンとそれを見て笑うシャキン。

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/05(月) 00:51:20 ID:m6v2ZR4Y0<>
(`・ω・´)「ミルナとデミタスは言わなくても、
ハインだってそうだな。
エクストとトソンもお前の信者だから問題ないだろ」

(´・ω・`)「そうかなー」

(`・ω・´)「大丈夫大丈夫。
他の奴らは?」

(´・ω・`)「プギャー達三人には話してある。
もしもの時は力を貸してほしいって」

(`・ω・´)「喜んでただろ」

(´・ω・`)「……うん。
あの三人も不思議だよね」

(`・ω・´)「あの三人を含め、チームマッシロの奴らはみんなお前に感謝してるからな」

(´・ω・`)「その『チームマッシロ』も止めてって言ったんだけどなー」

(`・ω・´)「『チームマシロ』を却下されたからだから、諦めろ」

(´・ω・`)「まったく……」

(`・ω・´)「フォックスがギルド作ったら、
名前は決定だな」

(´・ω・`)「やーめーてー」

机に顔をうずめるショボンとそれを見て笑うシャキン。

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/05(月) 00:52:21 ID:m6v2ZR4Y0<>
すると二人の視界の隅にランプがともり、
自分にしか聞こえないチャイムが鳴った。

(`・ω・´)「おっ」

(´・ω・`)「ああ。ブーンからだね。
時間だからドアを開けてくれたみたい」

(`・ω・´)「了解」

立ち上がり、執務室のドアを開けるシャキン。

(´・ω・`)「ありがと」

すると数分後、ショボンが視界に空間の歪みをかすかに感じると、
自然にドアが閉まった。

(`・ω・´)「おれの耳でもかろうじて足音のような音が聞こえるくらいか」

(´・ω・`)「来てくれてありがとう」

(`・ω・´)「久しぶりだな」

『おひさしぶり』

マントを脱ぐ電子音が、二回二人の耳に聞こえた。






.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/05(月) 00:53:52 ID:m6v2ZR4Y0<>
某都市



本城総合病院 別館

24時間体制で看護はしているが、
基本的には全て医療機器に任せているため、
別館に常駐する看護師は少ない。

今日も詰め所にいた二人の看護師に声をかけた後に、
朝日は病室に向かった。

息子の眠るベッドの横に立つ朝日。

タブレットを開いてわが子の脳波を確認する。

(-@∀@)「祥大。今日はいっぱい笑ったみたいだな」

そう言いながら、ナーヴギアを撫でる。
慈しむようなその手つきから、愛情がうかがえた。

(-@∀@)「祥大。
とうとうだ。
そっちで死んだ時に起きる脳波の波形を完全に解明できた。
そして、その脳波を測定してからナーブギアが脳を焼くまでの時間もわかった。
俊雄君が報告してくれていたデータと、
亡くなられた方が残してくれたデータのおかげでな。
あとは、その電磁波を無効化する為のシステム作りだ。
そっちも見通しは立っている。
一番は水没法だが、ナーブギアの持つ電力を考えるとプールが必要かもしれん。
……本当に、このナーブギアは、様々な意味で完璧だよ」

悲しげに、けれどしっかりと呟く。
それは息子に語り掛けるようでもあり、
自身に向けての決意のようでもあった。

そして電源ケーブルに目をやる。

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/05(月) 00:56:36 ID:m6v2ZR4Y0<>
(-@∀@)「本当は、今すぐにでも切りたい。
システムの実用化はまだかかりそうだ。
もしも明日、いや、今、目の前で、
お前が死ぬかもしれないなんて、
考えたくもない。
でも、電源切ったら、お前は怒るんだろうな。
それでも、何度も、何度も、切ろうと思った。
でも、お前に怒られるのは、嫌だからな。
お前は、お前を助けてくれた内藤君と徳永君と、
離れたくないだろうからな。
……だから、父さんはこっちで頑張るから、
お前も頑張るんだぞ。
そして、ちゃんと帰って来い。
分かったか。祥大」

タブレットを仕舞い、
眼鏡をはずして目頭を押さえる朝日。

その目は、ショボンとよく似ていた。







.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/05(月) 00:57:22 ID:m6v2ZR4Y0<>

第二十一話







.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/05(月) 01:07:39 ID:m6v2ZR4Y0<>以上、二十一話でした。

乙、感想、突っ込み、支援、本当にありがとうございます!


今回は短めだったのと、
リアル側メインの為閑話にしようかとも思いましたが、
これも『アインクラッドとの戦い』ということで、
こちら側にしました。

少しだけ二十二話以降につながることも織り込みつつ。


ではまた次回、よろしくお願いします。


ではではまた!

.<> 名も無きAAのようです<>sage<>2016/09/05(月) 01:17:25 ID:pI6I9Dbc0<>乙
面白かった<> 名も無きAAのようです<>sage<>2016/09/05(月) 01:28:04 ID:hhSJu9Nc0<>乙乙<> 名も無きAAのようです<>sage<>2016/09/05(月) 03:16:08 ID:F9t2tpW20<>マントを二回だと?
一回だったらあいつかと思ったけど『』だし二人居るのか?<> 名も無きAAのようです<>sage<>2016/09/06(火) 21:46:04 ID:vXfCkKAA0<>二次創作の作品ではピカイチだなぁ。<> 名も無きAAのようです<>sage<>2016/09/10(土) 23:59:25 ID:1M3WUgEk0<>乙
あと誤字いくつか

>>90
怒られるますよ
>>142
バウンドケーキ
>>155
築かれないように<> 名も無きAAのようです<>sage<>2016/09/11(日) 01:22:13 ID:6QKZqE.M0<>>>169
跳ねるケーキが有るかもしれないじゃないか!<> 名も無きAAのようです<><>2016/09/11(日) 11:32:39 ID:WOI8rsPg0<>いつも楽しみにしてます!<> 名も無きAAのようです<>sage<>2016/09/11(日) 18:13:54 ID:7HkGNUN.0<>おつ
現実の話も出てきてそろそろ終わりなのかと思ったけど、まだまだ展開が進みそうな予感。
携帯で読んだせいか改行に目がいく、PCで改めて読もうかな。

バウンドケーキってエネミー側にいそう
見た目まんまのやつ<> 名も無きAAのようです<>sage<>2016/09/11(日) 18:33:02 ID:ImKVsJQI0<>ケーキだと思って近づいたら飛びかかってくるミミック的な?<> 名も無きAAのようです<>sage<>2016/09/11(日) 19:49:56 ID:sZ07S4Co0<>倒すとケーキミックスやお菓子の素がドロップするんですね<> 名も無きAAのようです<>sage<>2016/09/11(日) 20:31:47 ID:WdpAN22.0<>イベントモンスターか ありだな!<> 名も無きAAのようです<>sage<>2016/09/12(月) 07:44:54 ID:MURHGnk20<>>>174
ツン、クーあたりがおいしいかもとか言って1回は必ず狩りそうだなw<> 名も無きAAのようです<>sage<>2016/09/14(水) 22:12:51 ID:C5Rb1wXg0<>2人目の忍者、か

一瞬だけぃょぅかと思ったが
流石にないよな、すまん<> 名も無きAAのようです<>sage<>2016/09/18(日) 08:41:14 ID:XY/1YB6g0<>息子の死の可能性を口に出した後、句読点増やすのずるい。泣いた<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2016/09/27(火) 20:05:36 ID:tv3/xvQw0<>
リアルでパウンドケーキをバウンドケーキと勘違いしていた作者が通りますよ。

   /⌒ヽ
  / ´_ゝ`)すいません、ちょっと通りますよ・・・
  |    /
  | /| |
  // | |
 U  .U


orz


乙と感想と突っ込みありがとうございます。
おかげで色々と沸いてきます!
主にやる気とかネタとか。
ということでつながったので、近々閑話を投下します。


ではではまたー。

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/27(火) 23:43:22 ID:tv3/xvQw0<>ということで投下します。

宜しくお願いします。

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/27(火) 23:44:21 ID:tv3/xvQw0<>
( ^ω^)達はアインクラッドを生きるようです。




閑話 白い約束





.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/27(火) 23:45:41 ID:tv3/xvQw0<>
VIP牧場の一角にある建物は、二階建てである。
最初建てた時は何人かが休むことが出来る寝室が二つとリビングが一つ、
そして牧場を管理するための設備があるだけだった。

それが今やモナーの個室はもちろん、
クックルの個室、
二人用の寝室が四つ、
設備を整えたキッチン、
四人程度がゆっくりと浸かれる浴場、
そして十人以上がくつろげるリビングが備わった建物へと変わっていた。

牧場と農場の売り上げ、
そしてギルドマスターがかき集めたコルを使った結果だが、
誰一人「こんな設備必要か?」と疑問に思っていないのは、
ちゃんと活用しているからだった。

今日も彼らが、リビングに集まっている。

('A`)「同士諸君、
今日はおれの呼びかけに集まってくれてありがとう」
 _
( ゚∀゚)「おー!」

(,,゚Д゚)「あたりまえだぞゴルァ!」

( ´∀`)「ここはモナーが管理してるからいるのは当然もな」

( ゚∋゚)「緊急の案件って呼ばれたんだが」

('A`)「ああ。緊急だ」

沈痛な面持ちで集まった全員の視線を集めるドクオ。

(´・ω・`)「どうしたのいったい?」

ミ,,゚Д゚彡「早く話すといいから!」

( ´_ゝ`)「めずらし……くはないのか」

(´<_` )「ドクオは暗い顔がデフォだからな」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/27(火) 23:46:54 ID:tv3/xvQw0<>
( ・∀・)「同意はするが、容赦してやれよ」

( ゚д゚ )「同意はするんだな」

(´・_ゝ・`)「ま、平常営業だな」

<_プー゚)フ「なんだなんだ。戦いに行くんじゃないのか?」

(`・ω・´)「しかし、ドクオがおれたち全員を集めるとはよほど緊急なんだな」

思い思いに話す集められたメンバー。

しかしドクオは暗い顔をつづけるだけのため、
視線はブーンに向けられた。

(;^ω^)「おー。ぼくも知らないんだお。
昨日の夜死にそうな顔をしたドクオがやってきて、
皆を集めてくれって頼まれたから手配しただけなんだお」

全員の顔に戸惑いが生まれ、
再びドクオに視線が集まる。

('A`)「……おれがふがいないばっかりに、みんなすまない」

全員の顔にさらなる大きな戸惑いが浮かぶ。

(´・ω・`)「えっと……ドクオ?どうしたのいったい?」

( ゚д゚ )「そういえばツン、クー、しぃはどうしたんだ?
ハインとトソンも呼ばれてないが」

目に見えて体を震わせたドクオ。

( ^ω^)「ドクオ?」

('A`)「……みんな、知っているか?
今日は3月16日なんだ」

消え入るような細い声で呟いたドクオ。
しかしその声はちゃんと全員に届いていた。

(´・ω・`)「……ああ」

全員が小首をかしげるが、
一人ショボンがすぐに何かを納得した。

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/27(火) 23:48:25 ID:tv3/xvQw0<>
そしてその声をきっかけに、
半分くらいは何かを思いついていた。

(;・∀・)「もしかして、お前……」

(;゚∋゚)「忘れていたのか?」

( ´∀`)「だめもなねぇ」

('A`)「!お、お前たちもしや……」

( ・∀・)「アクセサリー作った」

( ゚∋゚)「花束を」

( ´∀`)「とっておきのA級食材を何点か提供したもな」

(´・ω・`)「それを使ってぼくとふさでディナーをご馳走した」

ミ,,゚Д゚彡「!ケーキは最高の自信作だったから!」

(´<_` )「話題になってたカフェで奢った」

( ゚д゚ )「おれとデミタスでちょっと話題になってるレストランに」

(´・_ゝ・`)「けっこう高かったけどうまかったぞ」
 _
(;゚∀゚)「!」

(;´_ゝ`)「!」

(,,゚Д゚)「!」

<_プー゚;)フ「!」

(`・ω・´)「!あ、そういえばそうか」

ドクオの沈痛な面持ちに憐みの視線を向ける何人かと、
顔を引きつらせる数名。
そしてのんきな一人。

そして視線が最後の一人に向けられる。

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/27(火) 23:49:35 ID:tv3/xvQw0<>
(;^ω^)「ツンとは当日に二人でご飯に。
ほかの皆にはその前に前から欲しがってたアイテムとかを」

ブーンの言葉を聞き、
この世の終わりだとばかりに表情をゆがめるドクオ。

('A`)「な、な、な、なんで忠告してくれないんだよ!
ホワイトデーの事を!」

ドクオの叫びが、部屋をこだました。





ソファーの上で膝を抱えているドクオ。

ブーンやクックルは戸惑いの視線で見ているが、
それ以外のほとんどの面子は気にしていない。

(´・ω・`)「これが指定されたクエストか……」

ドクオから渡さられた資料に目を通すショボン。

(´・ω・`)「ま、この程度のクエストならメンバーそろえれば構わないけど……」

言葉を濁すショボン。

クエストの申請でショボンがこのような状態になるときは、
『何か』あることが多いことが分かっているため、
その場にいる者のほとんどがドクオと数人を見る目が、
可哀想なものをみる目に変わった。

<_プー゚;)フ「お、おれも参加しないとだめなのか?」

('A`)「ホワイトデーノオカエシヲシテイナインダロ?」

<_プー゚;)フ「……してない」
 _
( ゚∀゚)「で、でもよう、あれって作ったのフサギコだろ?」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/27(火) 23:50:43 ID:tv3/xvQw0<>
ミ,,゚Д゚彡「調理はフサがしたけど、
素材は全部みんなが集めてきたやつだから!
その思いがあの美味しいケーキになったから!」
 _
(;゚∀゚)「フサギコお前どっちの味方だ」

ミ,,゚Д゚彡「これに関してはツンとクーとしぃとハインとトソンの味方だから」
 _
( ゚∀゚)「言いきったぞこいつ」

( ´_ゝ`)「なあ弟者、何故おれも誘ってくれなかったんだ?」

(´<_` )「その方が面白いかと思ったからな」

(#´_ゝ`)「よーしわかった、表で勝負だ」

(´<_` )「まぁまぁ落ち着け」

( ゚д゚ )「しかしシャキンはこういう事はちゃんとやっているかと思ったが」

(`・ω・´)「最近忙しかったからすっかり忘れてた。
というか、ハインやトソンからもらってもどうせ義理だからなぁ」

(´・_ゝ・`)「それはそうだが、義理でもちゃんと返すべきだろ」

(`・ω・´)「それは反省する」

( ・∀・)「でもギコがお返しをしてないっていうのも驚きだな。
指輪の事にあれだけ頑張ったやつだから、
そういったことにはちゃんとしているのかと思った」

( ゚∋゚)「ああ。しぃちゃんと食事でも行ってるかと思った」

(,,゚Д゚)「あ、いや、しぃにはお返しした」

( ・∀・)「え?」

( ゚∋゚)「しぃには……ってことは」

(,,゚Д゚)「他の四人にはしてない」

(;・∀・)「それはまあ、正しいと言えば正しいのか」

(;゚∋゚)「そうだな。ちゃんと決まった相手にはしたわけだから」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/27(火) 23:58:52 ID:tv3/xvQw0<>
( ・∀・)「でもなー。義理とはいえもらったモノのお返しはしないとだな」

( ゚∋゚)「しぃの知らない女の子から貰ったとかなら問題だが、
ツン達だからな」

(;,,゚Д゚)「そういうものなのか……」

('A`)「はぁ……」

(;^ω^)「でもドクオ、リアルの方ではお返ししてたおね」

( ´∀`)「なんで今回は忘れちゃったもな?」

('A`)「……ハインから飲まされたあのお茶が、
まさかバレンタインのプレゼントだとは思わなかった」

(;^ω^)「おー。あれは大変だったおね。
一時間くらいして目を覚ましたけど、
寝るまでなんかずっと支離滅裂な状態だったし」

(;´∀`)「の、飲むとき言われなかったもな?」

('A`)「飲む前三時間くらいと次の日の朝までの記憶が無い」

(;^ω^)

(;´∀`)

('A`)「ツン達からケーキをもらってたことに気付いたのも次の日だったし、
フサが作った料理だったからいつもの味見かと思ってた」

(;^ω^)「……色々誘わなくてごめんだお」

(;´∀`)「も、モナーもあのお茶に関しては責任を少し感じるもな」

('A`)「モウイイヨ……」

(´・ω・`)「ふむ。やっぱり。
このクエスト、アルゴさんから調査依頼の来てたクエストだった……よ?
どうしたのみんな?
なにかあった?」

一人思考の海に潜っていたショボンだったが、
ふとまわりを見て混沌とした状況に気付き、
眉間に皺をよせた。
.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/28(水) 00:00:32 ID:Sdp8424Y0<>



第47層フローリア フラワーガーデン

一年を通して可憐な花が咲き誇り、
時折吹く優しい風に花弁が舞う、
夢のようなエリアに降り立ったドクオ達。

(;^ω^)「それで、ここでアイテムゲットなのかお?」

(´・ω・`)「うん。
45層の民家で引き受けるこのクエスト、
『おじいちゃんに食べてもらいたいケーキ』
のスタートがここなんだよ」

ショボンを先頭に、11人の男がぞろぞろと歩いていた。

('A`;)「しかしなんでツン達はこんなクエストをやれなんて」

(;´_ゝ`)「クリアアイテムが、その『ケーキ』なんだよな?」

ミ,,゚Д゚彡「『ケーキ』の味は気になるから」

(;,,゚Д゚)「ど、どこに行けばいいんだゴルァ」

(`・ω・´)「あの先の黄色い花……か?」

(´・ω・`)「うん。そう。そこで花弁を取って。
あと右のエリアの水色の小さな花の蜜」
  _
(;゚∀゚)「こ、こっちだな」

(´・ω・`)「あ、こっちの花弁が無いと蜜は取れないんだ」

(;゚∋゚)「な、なあ。
ここには全員で来ないとだめなのか?」

(´・ω・`)?

(`・ω・´)?

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/28(水) 00:02:08 ID:Sdp8424Y0<>
(´<_`;)「そ、そうだな。他にも取りに行くアイテムあるんだろ?」

<_プー゚;)フ「お、おれはそっちを取りに行くぞゴルァ」

(´・ω・`)「ここの三種の花の蜜を取らないと行っても意味ないし、
折角だから全員で一つずつ持っておこうかなと」

<_プー゚;)フ「そ、それじゃあさっさと採ろう」

(`・ω・´)「どうしたエクスト。
そんなに慌てて」

(´・ω・`)「皆もなんかそわそわしてない?」

ミ,,゚Д゚彡「落ち着かないから」

(;゚∋゚)「おれにしてみれば、落ち着ているお前たちの方が不思議だ」

(`・ω・´)?

(´・ω・`)?

ミ,,゚Д゚彡?

('A`;)「ダメだぞクックル、この三人にそういった空気を読む力を求めたら」

(´・ω・`)「えー。ひどいなぁ」

(´<_`;)「喋ってないで、さっさと採取しよう」

(;´_ゝ`)「おれもこの視線はキツイ」

(;,,゚Д゚)「なんであんまりこのクエストがやられてないか分かるぞ」

(´・ω・`)「え?ギコ分かるの?
不思議だったんだよね。
データだけ見たらそれほどきつくないし、
報酬もまあそれなりなのにクリアしたって話を聞かないから」
.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/28(水) 00:03:09 ID:Sdp8424Y0<>
ミ,,゚Д゚彡「凄いから!」

(;゚∋゚)「いや、お前ら以外は全員分かっていると思うぞ」

(`・ω・´)「なんだよー。
おれ等だけ仲間外れなのか?」

<_プー゚;)フ「お前らはこの視線が気にならないのか!?」

(`・ω・´)「視線?」
(´・ω・`)「ああ」
ミ,,゚Д゚彡「え?」

周囲を見るシャキンとフサギコ。
ショボンは一人納得したように頷いた。

(女)「男だけでここに来るんだー」

(男1)「やめとけシアン。
なにされるかわからないぜ。
どうせ……女の子でもナンパしに来たんだろ」

(女1)「えー。ヒッターくん。
流石にそれは寂しすぎるよ」

(甲冑男)「寂しい奴らだな。こんなところに男だけでぞろぞろと」

(マント女性)「ダメだよシヴァタくん、そんなこと言っちゃあ。
この先の迷宮に行きたいのかもだし」

(甲冑男)「それならば次の街の転移門に行けばいい」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/28(水) 00:04:32 ID:Sdp8424Y0<>
ミセ*゚ー゚)リ「あれ?
ねぇフィレフィレ、あそこにいるのっていつも連れてってくれるお店の人だよね?
挨拶しておく?
ケーキ美味しいし」

(‘_L’)「ちょ、ミセミセ。
それは、ちょっと、止めて置こう」

ミセ*゚ー゚)リ「えー。なんでー。今度行ったらサービスしてくれるかもよ?」

(;‘_L’)「い、いや、多分、嫌がられると思うし」

ミセ*゚ー゚)リ「そうなの?なんで?」

(;‘_L’)「そ、それはその……。
こんなところに男だけで来てるとか……。ほら」

ミセ*゚ー゚)リ「?」

(男2)「フラワーガーデンに男だけで来るとか」

(女2)「ダメだよ、そんな指さして笑ったら」

(男2)「ヘイシャオさんは優しいね。
そんなところも大好きだよ」

(女2)「やだもうイーユウ君ったら。
まだ会ったばかりなのに」

(男2)「この赤い花。
君の長い黒髪によく似合うよ。
ああ、でも君の美しさの前では、
全ての花を束にしてもかなわないな」

(女2)「イーユウ君……」

(男2)「ヘイシャオさん……」

見つめ合う二人と、それを囲む花々。

ここフラワーガーデンは、恋人達のデートコースとして有名だった。

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/28(水) 00:06:35 ID:Sdp8424Y0<>
よく見なくても、男だけでこの場にいるのは彼等だけ。
このフロアにしか出現しない敵や、このフロアで初出のモンスターもいるため、
フィールドや迷宮に行くために通り過ぎる男だけのパーティーはいるが、
この場に留まっているのは彼等だけだった。

しかも花をじっと見つめたり花弁を取ったりしているのだから、
目立つことこの上なかった。

(`・ω・´)「注目されてるな」

視線を感じ、なんとなく決めポーズをするシャキン。

(´<_`;)「強心臓だなシャキンは」

ミ,,゚Д゚彡「クエスト攻略の為だから気にすることないから」

(;゚∋゚)「そうは言ってもだな」

(;^ω^)「なんか憐れむような視線とともに、
優越感を感じているような視線もかんじるおね」

(´・ω・`)「まあいいんじゃない。
その程度でしか優越感を感じることが出来ない人達なんだし。
気にしなければ」

( ´_ゝ`)「なかなか辛辣なことを言うな」

(;,,゚Д゚)「兄者もなんか普通だぞ」

(*´_ゝ`)「こういう視線も気持ちよくなってきた」

(´<_`;)「オーケー兄者。
あからさまに変態だから静かにしているんだ」

(*´_ゝ`)「なんだよー」

(;゚∋゚)「だがまあ、今のアインクラッドを考えると、
彼女持ちの男が優越感に浸るのも分からないでもない」

(`・ω・´)「おっ。クックルも大人な発言だな」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/28(水) 00:07:52 ID:Sdp8424Y0<>
(;゚∋゚)「いやVIPやNSは女性がいるが、
ギルドによっては全然いないところもあるからな」

(;^ω^)「そうなのかお?」

('A`;)「女の子すくないからな」

現在のアインクラッドにおいて男女比はかなり不均等になっており、
女性の数は極端に少なかった。

その為女性プレイヤーは少しでも容姿に華があるともてはやされて大事にされ、
ギルドやパーティーのマスコットのように扱われることもあった。

(´・ω・`)「さ、そんなことよりサクサク進めよう」

視線に耐えつつアイテム採取を進める七人。

全員が一回ずつ済んだ後、フサギコが最後に採取を行う。
_
(;゚∀゚)「フサギコ、さっき失敗したのか?」

ミ,,゚Д゚彡「パーティーごとに6個採れるみたいだから、
一応予備で採っておくから」

(´・ω・`)「モナーが来れなくなっちゃったからね」

(´<_`;)「あいつ絶対ここが分かってて来なかったよな」

( ´_ゝ`)「ビーストテイマー同士の会合なんだろ?
竜使いのシリカちゃんも来てるんだよな。
良いよなー。モナー」

(;゚∋゚)「今回のメンバーが決まってから急に行くとか言い始めてたからな」
  _
(;゚∀゚)「ちくしょう!」

(´・ω・`)「はいはい。
終わったから行くよー」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/28(水) 00:09:04 ID:Sdp8424Y0<>
早歩きで転移門に向かう7人と、
ゆっくりと歩く4人。

('A`;)「早くいくぞー。
まだ他にも採りに行くんだろ!」

ドクオの呼びかけに、
苦笑しつつ少しだけ早歩きになる四人だった。





魔女の森

最終目的地の森の前で、
11人中7人はぐったりとしていた。

('A`;)「なんであんな所ばかり……」

(;^ω^)「採取するところが全部有名デートスポットとか、
このクエストを設定したひと頭が沸いてるお」

('A`;)「ツンのやろう、ぜってー知ってたな。
精神的攻撃だ」
_
(;゚∀゚)「で、でもここでラストなんだよな!」

(;゚∋゚)「ここはデートスポットでもないし、普通の戦闘なんだろ?」

<_プー゚;)フ「や、やっとおれの出番だ……」

(;,,゚Д゚)「暴れるぞゴルァ」

疲れた顔をしながらも頷きあうエクストとギコ。

(*´_ゝ`)「さっきのエリアでの視線もなかなか良かったな」

(´<_`;)「オーケー兄者。
おれの斧が兄者の頭を胴体から切り離す前に黙ろう」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/28(水) 00:09:54 ID:Sdp8424Y0<>
早歩きで転移門に向かう7人と、
ゆっくりと歩く4人。

('A`;)「早くいくぞー。
まだ他にも採りに行くんだろ!」

ドクオの呼びかけに、
苦笑しつつ少しだけ早歩きになる四人だった。





魔女の森

最終目的地の森の前で、
11人中7人はぐったりとしていた。

('A`;)「なんであんな所ばかり……」

(;^ω^)「採取するところが全部有名デートスポットとか、
このクエストを設定したひと頭が沸いてるお」

('A`;)「ツンのやろう、ぜってー知ってたな。
精神的攻撃だ」
_
(;゚∀゚)「で、でもここでラストなんだよな!」

(;゚∋゚)「ここはデートスポットでもないし、普通の戦闘なんだろ?」

<_プー゚;)フ「や、やっとおれの出番だ……」

(;,,゚Д゚)「暴れるぞゴルァ」

疲れた顔をしながらも頷きあうエクストとギコ。

(*´_ゝ`)「さっきのエリアでの視線もなかなか良かったな」

(´<_`;)「オーケー兄者。
おれの斧が兄者の頭を胴体から切り離す前に黙ろう」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/28(水) 00:11:10 ID:Sdp8424Y0<>
( ´_ゝ`)「むー」

(`・ω・´)「で、ショボン、どうすればいいんだ」

(´・ω・`)「最奥まではいかなくていいみたい。
途中の休憩地点で持ってきたアイテムを使うと、
新しいルートが開けるみたいだね。
そのあとはその道を行けばよし」

( ゚∋゚)「敵の種類は聞いていた通りか?」

(´・ω・`)「うん。『魔女の森』の名前の通り、
魔女の使い魔とされる骸骨剣士とケルベロス系の獣。
後はマントを付けて杖を持った骸骨」
  _
( ゚∀゚)「そのマントを付けたっていうのが……」

(´・ω・`)「うん、魔女の死んだ姿って設定だね。
攻撃力は弱いけど、杖をふるって回復を仲間にするから、
出てきたらマントの骸骨を先に倒すのを心がけて」

( ´_ゝ`)「骸骨はおれと弟者が担当だな」

(´・ω・`)「お願いするよ。
あとは両手剣のエクストとジョルジュもお願い。
シャキンは後ろで控えててよ。
このエリアは後ろからも出てくるから。
クックルも後ろで」

( ゚∋゚)「了解した」

(`・ω・´)「むー。仕方ない」

(´・ω・`)「2パーティーいるんだし、
無理せずスイッチしていこう」

全員の顔を見るショボン。
それぞれが頷いたり武器を掲げたりして答えた。

(´・ω・`)「僕も今日は『チャクラム』をメインにするからよろしくね」

その後細かいフォーメーションを決め、
11人は森を進んだ。

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/28(水) 00:12:17 ID:Sdp8424Y0<>






「なにこれ?」

順調に森を突き進んだ彼らがある『モノ』を見た瞬間、
誰かがポツリとつぶやいたそれは、
全員が思ったことだった。

エリア移動で飛び込んだ先は、
半径5メートルほどの、木々に囲まれた円形広場。

そしてその先に続く幅2メートルほどの道があるのだが、
その『モノ』が道を塞いでいた。
『モノ』の大きさは、目算で高さ3メートル、
横幅2メートル、長さは5メートルを超えている。

更に言うと、円形広場に『モノ』は1メートルほど飛び出していた。

<_プー゚)フ「大きさは電車くらいか?」

(´<_` )「道の奥が木に隠れていて見えない。
見える所だけで、車両一つ分は確実ってところか」
 _
( ゚∀゚)「道いっぱいに広がってて横は通れないぞ」

( ゚∋゚)「よじ登ることは出来そうだが……」

( ^ω^)「跳んでみるかお?」

助走をするために後ろに移動するブーン。

(´・ω・`)「ブーン、ストップ」

( ^ω^)「お?」

(´・ω・`)「これ、クエストのデータに乗ってないから調査対象なんだ」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/28(水) 00:13:38 ID:Sdp8424Y0<>
('A`)「え?」

(´<_` )「あー。やっぱりそうか」

ウインドウを開いていた弟者だったが、
ショボンの言葉ですぐに閉じた。

(;゚∋゚)「(しかしこのギルドはそういうの多いな)」

(,,゚Д゚)「普通のクエスト攻略と何が違ったんだゴルァ」

(´・ω・`)「多分だけど、僕とフサギコの存在かな」

ミ,,゚Д゚彡!

(`・ω・´)「お前とフサギコ?」

(´・ω・`)「おそらくだけど、『調理スキル』がキーだったんじゃないかなと。
もともとアルゴさんから調査が依頼されたのも、
クエストの同時攻略人数の多さとか、
色んな層を渡るわりには簡単な戦闘だとか、
最終的に受け取れるアイテムのレベルが低いとか、
色々おかしな点があったからなんだ。
そして食材集めみたいだから調理スキルを極めてる僕とフサギコをメインして、
念のため各パーティーを最大人数の6人にして、マックスの12人にして挑んだんだけど」

<_プー゚)フ「でも11人になっちまったわけか」

(´・ω・`)「あ、うん。そうだね。
そうしたら、こんなものが出てきたわけ……」

じっとその『モノ』を見つめるショボン。

(´・ω・`)「ちょっと厄介だな」
_
( ゚∀゚)「どうした?」

(´・ω・`)「うん……。みんな、とりあえず下がって」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/28(水) 00:14:47 ID:Sdp8424Y0<>
『モノ』の正面、そして円形広場の一番端に移動したショボン。

それに倣って全員が広場の端、
『モノ』から遠い位置に移動する。

ショボンがチャクラムを腰に留め、
大ぶりのスローイングダガーを取り出した。

(´・ω・`)「……ドクオ」

('A`)「ん?」

(´・ω・`)「ここってクローズされてるよね」

('A`)「ああ。道は戻れるけど、
最大人数がここにいるからこのエリア自体は閉じて、
誰も入れないはずだ」

(´・ω・`)「了解。
えっと……エクスト」

<_プー゚)フ「なんだ?」

(´・ω・`)「パーティーの共通フォルダから回復クリスタル取り出して、
回復して」

<_プー゚)フ「!おい、3ドットくらいだぞ欠けてるの。
この程度にクリスタルを!?」

(´・ω・`)「念のため、クリスタルを使えるエリアなのかを試したいんだ。
既に出してあるクリスタルは戦闘の時に使う可能性があるから、
フォルダから出して使って」

<_プー゚)フ「!わ、分かった」

ウインドウを開いてクリスタルを出す。

<_プー゚)フ「ヒール!」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/28(水) 00:15:56 ID:Sdp8424Y0<>
クリスタルが砕け、エクストのHPが満タンになった。

<_プー゚)フ「使えたぞ!
……トソンが居たら発狂しそうな使い方だな」

(`・ω・´)「ブフッ」

( ゚∋゚)「笑いごとなんだな」

(`・ω・´)「いや、発狂しているトソンが想像できて」

(´・ω・`)「クリスタルも使える……と」

クスクスと笑うシャキンを横目にダガーを構えるショボン。

それを見て全員が武器を構えた。

(,,゚Д゚)「フサギコ」

ミ,,゚Д゚彡「なにだから」

(,,゚Д゚)「……どうみてもこれ、アレだよな。
まえに食わしてもらった、ほら、あのケーキ」

ミ,,゚Д゚彡「……パウンドケーキ」

(,,゚Д゚)「そう、それ。うまかった」

( ゚∋゚)「やっぱそう見えるよな?」

(´<_` )「クックルもそう思うか」

ミ,,゚Д゚彡「確かによく似てるから……」

ぼそぼそと話すショボンを除く全員。

(´・ω・`)「攻撃するよー」

「「「おう!」」」
「「「はい!」」」

穏やかなショボンの声に反応して気を引き締める。

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/28(水) 00:18:23 ID:Sdp8424Y0<>
そしてショボンが白く光るナイフを投げた。





( ^ω^)「……刺さってるおね」

('A`)「ああ、刺さってる」

茶色いスポンジの側面に当たったダガーは、
そのままナイフの部分だけ刺さった状態で止まっていた。

(`・ω・´)「どうすんだこれ?」

全員が横目でショボンを見る。

(´・ω・`)「くるよみんな。構えて!」

チャクラムを構えるショボン。

その声と姿に、慌てて武器を構えて巨大パウンドケーキを見る。

するとパウンドケーキの右上に四本のHPバーが生まれ、
ケーキが震え出した。

そしてその上部に浮かぶ文字。

『The Bound Cake』

('A`;)「!冠詞付き!?」

ドクオの叫びと同時に飛び上がるバウンドケーキ。

(;´・ω・`)「ジャンプ!」

思わず叫んで飛び上がるショボン。

完全に出遅れたエクストと、重い武器を構えていた兄者と弟者のタイミングが少し遅れた。

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/28(水) 00:19:29 ID:Sdp8424Y0<>
<_プー゚;)フ「うをっ」

( ´_ゝ`)「ちっ」

(´<_` )「くっ」

跳んだバウンドケーキが地面に当たると同時に振動が地面を襲う。

エクストは両ひざをついて行動を阻害され、
ジャンプの瞬間に地面の揺れた兄弟は武器を構えたまま片膝をつく。

ジャンプに成功した他の者も、
滞空時間が少なかった者は揺れる地面に着地してしまい、
すぐに武器を構えることが出来なかった。

そしてエクストのHPが、1ドット消えた。

(,,゚Д゚)「ゴルァ」

構えなおしたギコが、
盾を前面に片手剣を振り上げて走る。

(´・ω・`)「ダメだギコ!ストップ!」

ぶつかる直前に軌道修正してそのまま端に向かって走り抜けるギコ。

そして立ち止まった後ショボンを怪訝に見る。

たまたま隣にいたエクストも不思議そうにショボンを見ていた。

(´・ω・`)「ジャンプのタイミングは僕が指示できる!
まずは攻撃パターンを調べるから全員待機!」

再び先ほどと同じダガーを構えるショボン。

今度は掛け声無しで投げる。

ナイフは先のナイフのすぐ横に刺さったが、
バウンドケーキはピクリともしない。

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/28(水) 00:20:39 ID:Sdp8424Y0<>
<_プー゚)フ「何もない……?」

(´・ω・`)「くるよ!3!2!1!ジャンプ!」

タイミングよくジャンプする11人。

しかしエクストは高さが足りなかったため着地が少し早く、
片膝をついてしまった。

<_プー゚#)フ「畜生!」

('A`)「どういうことだ?」

( ´_ゝ`)「目には目を歯には歯をってことか?」

(´・ω・`)「おそらく。
攻撃されるとジャンプで返すんじゃないかな。
ただ、僕の様子見のナイフであの威力。
どんな攻撃にも一定なのか、攻撃力に比例するのか分からない」

( ´_ゝ`)「やってみるしかないだろ」

大金鎚を振り上げる兄者。

(´・ω・`)「……」

( ´_ゝ`)「ん?どうしたショボン」

(´・ω・`)「うん。やってみようか」

( ´_ゝ`)「え?いいの?」

(´・ω・`)「自分で言っておいて」

( ´_ゝ`)「いやだっていつもおれが強硬策を言って、
それを止めてなんか良い策を出してくるっていう流れだから」

(´・ω・`)「腹案はあるけど、まぁ後でも良いかなと。
ただ、防御はするから準備はするよ」

( ´_ゝ`)「ん?」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/28(水) 00:21:47 ID:Sdp8424Y0<>
ウインドウを操作して槍を取り出すショボン。

(´・ω・`)「クックル、防御の準備しておいて」

( ゚∋゚)「分かった」

(´・ω・`)「兄者、武器は」

( ´_ゝ`)「一番低レベル、剣技なしで通常攻撃一発」

(´・ω・`)「うん。よろしく」

自分は構えずに、クックルの斜め前に立つショボン。

(´・ω・`)「シャキン、ギコ、盾の準備を。
ジョルジュ、エクスト、両手剣で防御技だしてもらう可能性があるからよろしく」

名前を呼ばれたものが準備を始め、
呼ばれなかった者がクックルの後ろに立つ。

兄者はのんびりと『ザ・バウンドケーキ』に近寄った。

( ´_ゝ`)「いいか?」

(´・ω・`)「みんな、準備は良い!?」

全員が頷くのを確認するショボン。

(´・ω・`)「いいよ!」

( ´_ゝ`)「うりゃあああああああ!」

兄者が槌を振り上げながらジャンプすると同時に、
兄者に向かって駆けだすショボン。
その後ろをシャキンが続く。

( ´_ゝ`)「!!よっしゃあ!」

2メートル以上跳躍した兄者。
巨大槌をかろうじてバウンドケーキの向かって左の角に当て、
そのまま振り下ろした。

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/28(水) 00:23:10 ID:Sdp8424Y0<>
( ´_ゝ`)「いよしっ!」

槌の先端を、円を描くように後方に振り上げ、
肩を回しながら肩に担ぐ。

(´・ω・`)「後方に跳ぶ!」

( ´_ゝ`)「おおうっ!」

ショボンの声に跳躍する兄者。

1メートル以上跳んだその前に、槍を持って立つショボン。
シャキンは兄者の横に立つ。

( ´_ゝ`)「え?なにこれ」

一部を砕かれたバウンドケーキ。
ぼろぼろとスポンジよりも少し硬そうな生地が崩れ落ちる。

(´・ω・`)「!防御!」

自らの槍を回転させながら叫ぶショボン。

その声と同時にクックルも同じ様に槍を回転させた。

二本の槍は青白い光を生み、
その光が半球状に広がってそれぞれに仲間を包む。

その瞬間、バウンドケーキから何かが飛んだ。

('A`;)「ちょっ」

(;^ω^)「おっ?」
 _
(;゚∀゚)「げっ」

それぞれに奇声を上げるメンバー。

(;´・ω・`)「何か出るかなとは思ったけど」

ミ;,,゚Д゚彡「普通サイズのパウンドケーキが飛んでくるから……」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/28(水) 00:25:20 ID:Sdp8424Y0<>
(`・ω・´)「うむ。おもしろい」

兄者が砕いたバウンドケーキのかけらのうち、
一定の大きさのものは通常サイズのパウンドケーキの形に変化し、
そしてエリア内を縦横無尽に飛びまくっている。

( ´_ゝ`)「確かに」

(´<_`;)「面白いとか言える状況か!?」

(;゚∋゚)「大丈夫か!?」

(;,,゚Д゚)「結構衝撃が来るぞゴルァ!」

(`・ω・´)「多分一つ一つの体当たりが、
さっきの兄者の攻撃くらいある!
気を付けろ!」

(;´・ω・`)「ジャンプも来るよ!3!2!1!」

声に合わせ、ショボンとクックル以外が飛び上がる。

バウンドケーキが着地し、地面が揺れた。

(;´・ω・`)「クックル!大丈夫!?」

(;゚∋゚)「おれは大丈夫だ!ショボンの方が気を付けてくれ!まだ大丈夫か!?」

(;´・ω・`)「……そろそろ終わる」

(;^ω^)「出るお!」

(;´・ω・`)「多分通常攻撃は効かない!
僕とクックルの作った壁に当たったケーキは砕け散ったけど、
盾や武器で防いだケーキは跳ね返っただけだった!」

('A`;)「わかった!やってみる!」

(;´・ω・`)「技後の硬直に気を付けて!」

(;^ω^)「わかったお!」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/28(水) 00:26:36 ID:Sdp8424Y0<>
クックルの後ろから外に出るタイミングをうかがう二人。
しかし四方から飛び跳ねるパウンドケーキに隙を見出せない

(;´・ω・`)「兄者、あと10秒でおわるから、そのタイミングで範囲技を。
シャキン、兄者のフォローを」

( ´_ゝ`)「おれは大丈夫だ。
シャキン、ショボンのフォローに回ってくれ」

(`・ω・´)「二人ともまとめて守ってやるよ。
兄者の終わるタイミングでおれが剣を振り回せばすむだろ」

(;´・ω・`)「両手剣の全方位は」
(;´_ゝ`)「おれ達にもヒットするだろうが!」

(`・ω・´)「そういやそうか」

「僕がいくょぅ」

( ´_ゝ`)「?今なんか声が……」

ショボンが自分の横、シャキンの前の何もない空間を見る。

(;´・ω・`)「うん……そうだね。頼むよ。でも、無理はしないで。ぃょぅ君」

自分の名を呼ばれた瞬間、
フード付きのマントをなびかせてぃょぅがショボンの作る壁の隙間から飛び出した。

(`・ω・´)「いけいけー!」

飛んでくるパウンドケーキを両手剣の側面でたたき落としながら、
シャキンが無責任な声を上げた。

走り抜けるぃょぅ。
その姿はフサギコの装備とよく似ているが、
色は灰色とかすれた緑を基調としていた。
また全体的に少し短めになっており、
手首足首を露わにして駆け抜けるその姿はまさに『少年剣士』だった。

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/28(水) 00:27:55 ID:Sdp8424Y0<>
( ´_ゝ`)「え?いつからいたの?」

兄者が呆然と呟く。

その数秒で、ぃょぅの持つ短めの刀はパウンドケーキをいくつか切り裂いていた。

(`・ω・´)「初めからいたぞ」

(;´_ゝ`)「え?」

(´・ω・`)「終わる!兄者お願い!」

( ´_ゝ`)「お、おう!」

ショボンが回す槍が止まり、
三人を包む光が消えていく。

まるでそれを待っていたかのように四方から三人に向かって飛ぶパウンドケーキ。

( ´_ゝ`)「とりゃ!」

(`・ω・´)「とうっ!」

少し気の抜けた掛け声を上げて地面を叩く兄者。

叩いた地点から1メートルほどの大地が揺れ、
そこから先には半径二メートルほどの衝撃波が3メートルの高さまで広がる。

シャキンは硬直しているショボンを小脇に抱えて揺れる地面を回避した。

(´・ω・`)「ありがと」

(`・ω・´)「お兄ちゃんだからな」

(´・ω・`)「はいはい」

( ´_ゝ`)「弟者―!お兄ちゃん頑張ってるぞ!」

(´<_`;)「黙って戦っとけ!」

( ´_ゝ`)「ちぇー」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/28(水) 00:29:47 ID:Sdp8424Y0<>
(´・ω・`)「衝撃波が消えるタイミングでクックルの所に!」

(`・ω・´)「わかった」

( ´_ゝ`)「弟者―。そっち行くからなー」

(´<_`;)「だまってろー!」

その間も、緑灰色の影は光る刀で確実にパウンドケーキを切り裂いていた。

その速度は、ブーンよりも遅い。

その位置取りは、ドクオよりも拙い。

その攻撃力は、ここにいる誰よりも低い。

彼のレベルは、ここにいる誰よりも低い。

けれど彼は、この場にいる誰も出来ないことを、成し遂げていた。

ミ,,゚Д゚彡「ぃょぅ……凄いから」

自分に向かって飛ぶパウンドケーキを避け、
すれ違いざまに光る刀で切り捨てる。

同じ方向に跳ぶパウンドケーキは無駄に追わず、
自分に向かって飛ぶ敵だけを確実に仕留める。
_
( ゚∀゚)「すげー」

(´・ω・`)「クックル、引き継ぐよ」

(;゚∋゚)「ありがとう」

クックルの前に立って槍を回し始めるショボン。
光がメンバーを包むように広がり始めた時に、
クックルは槍を動かすのをやめた。

(´・ω・`)「ブーン、ドクオ、出れる?」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/28(水) 00:31:16 ID:Sdp8424Y0<>
( ^ω^)「行けるお!」

('A`)「おれもだ!」

ぃょぅが数を減らし、更に彼が動き回り注意を引き付けているため隙が生まれていたため、
ブーンとドクオはショボンの返答を待たずに飛び出した。

ブーンという青い風が吹き荒れ、
ドクオという闇が敵を砕く。

けれどその二人の動きを邪魔することなく自分のやるべきことをやるぃょぅの動きに、
他のメンバーは視線を奪われていた。





(=゚ω゚)ノ「お久しぶりですょぅ!」

片手を上げてあいさつした後に、
「ぴょこん」という擬音が聞こえそうな仕草で頭を下げるぃょぅ。

全員の顔がほころび、それぞれに握手をし、彼の頭を撫ぜた。

(´・ω・`)「ちょっと試したかったから、隠蔽で付いてきてもらってたんだ。
彼の隠蔽スキルとツンとモララーの作ったマントが合わされば
ほぼ完璧に気配を消せることが分かったのも収穫だけど、
それよりなにより助かったよ。
ありがとう。ぃょぅ君」

最後に握手をするショボン。

(*=゚ω゚)「嬉しいょぅ」

顔を赤らめるぃょぅ。

(`・ω・´)「なるほど。デミタスを連れてこなかったのは正解だな」

ボソッと呟いたシャキン。
数人が黙って頷いた。

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/28(水) 00:32:33 ID:Sdp8424Y0<>
('A`)「で、これからどうするんだ?
あいつはこちらから攻撃しなけりゃ攻撃してこないみたいだけど、
すり抜けて奥にも行けなさそうだぞ」

(´・ω・`)「確実にわかったことは、
攻撃一回に対し、ジャンプの攻撃が一回。
攻撃力はそれほど大きくはないけど、
まともに当たれば数秒間体が動かせない。
砕いたり切ったりして零れたスポンジは、
その分だけ小さい形に姿を変えて突進攻撃を行う。
攻撃力は、バウンドケーキを攻撃した時のパワーと同等」
 _
(;゚∀゚)「なんだそりゃ」

(´<_` )「クエストとはいえ、ふざけすぎだろ」

( ^ω^)「敵が目の前にいるのに、
こんな風に話し合いが出来るのも面白いおね」

('A`)「だなー」

( ゚∋゚)「だが、のんびりやっていて大丈夫なのか?」

(´・ω・`)「カウントダウンは出てないから時間は無制限っぽいけど、
クエスト自体に『日が沈む前に届けて』って言われているから、
そろそろ片付けないとだけど……」

(´<_` )「だが、どうする?」
_
( ゚∀゚)「ここはおれが一発」

<_プー゚)フ「いやおれだろ」

両手剣を構える二人。

だが誰も反応しなかったため静かに剣を下ろした。

ミ,,゚Д゚彡「ぃょぅに頑張ってもらうから」

(=゚ω゚)「!」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/28(水) 00:34:17 ID:Sdp8424Y0<>
(´・ω・`)「それが一番なんだけど……」

(=゚ω゚)ノ「役に立てるなら何でもやるよう!」

(´・ω・`)「無理なく、自分の命を大事に、
でも、君にしかできないことをお願いしたい」

笑顔を消し、真剣なまなざしでぃょぅを見るショボン。

(=゚ω゚)「!……」

その視線を、しっかりと受け止めたぃょぅ。

ゆっくりと頷く。

(´・ω・`)「ありがとう、じゃあ説明するよ」

(=゚ω゚)ノ「はいだょぅ!」





(=゚ω゚)ノ「準備できたょぅ!」

バウンドケーキの側面、
円形広場のギリギリに立つぃょぅ。

マントを外し、先ほどよりも少しだけ長い刀を持つ。

('A`)「大丈夫なのか?武器を強くして」

ミ,,゚Д゚彡「長さ重視でそれほど強くはないから」

( ´_ゝ`)「あれもおれが作った」

(´<_` )「いちいち胸を張るな。
それを言うなら防具は全員おれが作った」

( ´_ゝ`)「ぃょぅのマントはツンとモララーの共作だろ」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/28(水) 00:36:11 ID:Sdp8424Y0<>
(´<_`;)「うっ。
あ、あれは防具じゃないからな」

( ´_ゝ`)「負っけ惜っしみー。
負っけ惜っしみー。
弟者せっせと負っけ惜っしみー」

(´<_`#)「『待ちぼうけ』のメロディで歌うな!」

(´・ω・`)「そろそろやりたいなー」

( ´_ゝ`)「うむ。いつでも行けるぞ」

(´<_`;)「すまん。大丈夫だ。進めてくれ」

<_プー゚)フ「仲良いな」

(*´_ゝ`)「エクストには今度良い剣をプレゼントしてやろう」

(´<_`#)「もう防具作ってやらん」

('A`#)「そこの三人!やるぞー!」

( ´_ゝ`)「おう!」

(´<_` )「すまん!いける!」

<_プー゚;)フ「え?おれも怒られた?」

駆けだすぃょぅ。
刀は水色に光り輝いていた。
そして跳躍し、上から下へ、
ザ・バウンドケーキが円形広場に突き出ている線に沿うように刀を通す。

もちろん刀を長くしたとはいえバウンドケーキを切る長さは無いのだが、
水色の光はいつの間にか刀の先数メートル伸びており、
光がバウンドケーキを切断していた。

着地し、刀を大地に付けるように下ろすぃょぅ。

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/28(水) 00:37:38 ID:Sdp8424Y0<>
そして硬直したのその体をクックルが抱き上げ、
すぐさま後方に走る。

(=゚ω゚)「ありがとうだょぅ」

( ゚∋゚))

黙って頷くクックル。

(=゚ω゚)ノ「大丈夫だょぅ。
クックルさんが話せるのはヘリカルにも話さないょぅ」

(;゚∋゚)「え、聞こえてたのか?」

(=゚ω゚)「小さかったけど、聞こえてたょぅ。
でも、秘密はもらさないから大丈夫だょぅ」

( ゚∋゚)「そうか。
いつも二人で花を買いに来てくれていたから、
少し心を許していたんだろうな」

(*=゚ω゚)「嬉しいょぅ」

二人が安全な位置に退避した時には、
切られたバウンドケーキが無数のパウンドケーキに変貌を遂げていた。

(´・ω・`)「ジャンプ来るよ!3!2!1!」

そしてショボンの指示に従ってジャンプをすると、
その時にはパウンドケーキが飛び始めていた。

( ´_ゝ`)「とりゃ!」

回避のジャンプの着地と同時に兄者が大金鎚を振り下ろす。
今度は前方に衝撃波が生まれ、3メートル近く扇状に広がった。

(´<_` )「おれ達は位置固定で衝撃波攻撃だからな。
動くなよ兄者」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/28(水) 00:38:38 ID:Sdp8424Y0<>
硬直する兄者の前に立ち、両手斧を構える弟者。

( ´_ゝ`)「いけいけ弟者―」

(´<_` )「とう!」

気合を込めて真横に斧を振る。

生まれた衝撃波はほぼ兄者の放ったものと同じくらいだった。

( ´_ゝ`)「流石だな」

(´<_` )「ふっ。あたりまえだ」

二発の衝撃波によって多数のパウンドケーキが削られたが、
開いた隙間を埋めるようにパウンドケーキが飛ぶ。

<_プー゚)フ「やらせるかよ!」
 _
( ゚∀゚)「へっ!」

兄者と弟者に向かって飛ぶパウンドケーキを叩き落とす二人。
両手剣は共に白く輝いている。

(`・ω・´)「両手剣にも範囲攻撃はあるぞ!四人でローテーションを組め!」

シャキンの指示ににやりと笑う二人。
  _
( ゚∀゚)「ショボン!」

(´・ω・`)「そこら辺は四人でやりやすくしていいよ!
その半径2メートルのエリアは任せた!
全員あの四人のエリアには入らないようにして!」

<_プー゚)フ「いよっしゃあ!
任された!!!」

それぞれに構える四人。

.<> 名も無きAAのようです<>sage<>2016/09/28(水) 00:39:27 ID:X17EI3S60<>支援<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/28(水) 00:39:50 ID:Sdp8424Y0<>
(`・ω・´)「ギコ!盾持ち片手剣は慣れたか?」

(,,゚Д゚)「ま、まだまだだ!」

(`・ω・´)「今日は防御と攻撃のいい練習になるぞ!」

(,,゚Д゚)「!分かったぞゴルァ」

並んで盾を構える二人。

普段ならそのまま突っ込んでいく二人だったが、
今日は向こうから飛んでくるパウンドケーキに合わせて盾を操った。

(`・ω・´)「こいつであいつらを跳ね返せることが出来る。
角度をうまくやれば四人の所に向けて飛ばすことが可能だ」

シャキンの盾に当たったパウンドケーキが跳ね返されて飛び、
エクストの放った衝撃波に巻き込まれて消滅した。

(,,゚Д゚)「ご、ゴルァ」

(`・ω・´)「それは相手の剣を受け流したり反射させるときと考え方は同じだ。
瞬時に相手の攻撃のベクトルを見極めて、
それにふさわしい型に盾を構える。
それを意識しろ。
相手の攻撃を受け止めるだけの盾の使い方から、
一歩進めるはずだ」

(,,゚Д゚)「!ゴルァ!」

( ゚∋゚)「ギコも強くなったな」

クックルが無造作に回しているようにみえる槍は、
自分の周囲を飛ぶパウンドケーキを的確に攻撃している。

時折赤く光るが、基本的には剣技ではなく通常攻撃だ。

( ゚∋゚)「槍はこういう攻撃は向かないんだよな」

(´・ω・`)「基本的には『刺突』だからね、
技としては流し切りも出来るけど。
それに両手槍は攻撃力が高い分、
数で勝負してくる敵には弱い」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/28(水) 00:41:15 ID:Sdp8424Y0<>
( ゚∋゚)「ああ」

クックルは、飛んでくるパウンドケーキを見て槍を動かしている。

ショボンは、飛んでくるパウンドケーキを予測して体を動かし避けていた。

( ゚∋゚)「チャクラム、久しぶりだな」

戻ってきたチャクラムを手に取り、
流れるようにもう一度放つ。

(´・ω・`)「練習はしていたけどね。
使う場所を選ぶ武器だから」

( ゚∋゚)「そうだな。
チャクラムは、投擲武器の中でも特殊な部類に入る。
形は輪投げの輪を大きくしたようなとでも言えばいいだろうか。
そして持ち手の部分以外はほぼ『刃』であるため、
手に持てば敵を切り裂くこともできる武器である。
その為この武器を使うためには、『投擲』だけでなく『体術』スキルも必要としている。
だがしかし、この武器の最大の特徴は『手元に戻ってくる投擲武器』であるという事だった。
通常投げたら投げっぱなしの投擲武器と違い、
チャクラムはブーメランのように戻ってくる。
投擲武器最大の難点が、この武器には無かった。
しかしその代わりに大きな難点がこの武器には存在した。
それは、武器を投げた後戻ってくるまで、他の攻撃が出来ないという事だ。
武器が戻ってくる場所は基本的には投げた場所であり、
大きく位置移動した場合はうまく受け取ることが出来ない場合もある。
更に剣技中は投げてから戻ってくるまでが一つの『剣技』であるため、
システムに認識されない動きをしてしまうとそこで剣技がキャンセルされてしまい、
身体の硬直、チャクラムが明後日の方向に飛んで行ってしまう、
といった失敗となってしまう。
これによりチャクラムは、
巨大な敵や、モンスターが一体しか出てこないエリア、
更に言えば数名で一体と戦う時には非常に有効な武器と言えるが、
ソロで戦う者が使う武器ではなかった。
だがショボンが後方で支援や場の支配を目的として戦う時、
チャクラムは最強の、いや、モンスターにとって『最凶』の武器となる。
と、いう事だな」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/28(水) 00:42:25 ID:Sdp8424Y0<>
(;´・ω・`)「え、あ、う、うん。
そうだね。
え?……クックル?」

( ゚∋゚)

戸惑いながらクックルを見上げるショボン。

何かに期待しているかのようなキラキラした目でクックルがショボンを見た。

(;´・ω・`)「え?あ。う。
せ、説明乙?」

(*゚∋゚)

嬉しそうに笑ったクックルを見て、
更に困惑したショボンだった。

その間も風と影は戦場を走った。

パウンドケーキよりも素早い動きと思えるほどの素早さで駆け、跳ぶ、青い風。

その隙間を縫うように黒い影が現れ、斬撃が光る。

青灰色の影は大地を駆け巡り、光る刀で敵を確実に切り裂く。

その周りを、風になろうとする鳥のように緑灰色の影が跳躍し、敵を切り裂いた。

( ^ω^)「おっおっおー!」

('A`)「のんきだなぁ」

( ^ω^)「みんなで戦うのは楽しいお」

('A`)「はぁ」

ミ,,゚Д゚彡「その気持ちわかるから!」

(=゚ω゚)ノ「僕もうれしいょぅ!」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/28(水) 00:44:41 ID:Sdp8424Y0<>
ミ,,゚Д゚彡「こんな風にぃょぅと戦えるなんて思ってなかったから!」

(=゚ω゚)「がんばったんだょぅ!」

( ゚∋゚)「彼も凄いな」

(´・ω・`)「ぃょぅ君は、フサギコと同じ刀スキルを使いたいって曲刀を振り回して、
今やフサギコとはまた違う形で充分に刀を使いこなしてるよ。
レベルが低いのは敵を倒していないだけで、
スキルの熟練度も高いし、使える剣技も一つ一つを丁寧に練習してる。
だから最初の頃の技なら硬直を意識しないで使えている」

( ゚∋゚)「なるほど。
アインクラッドにおいて、
個人のレベルと武器を使うためのスキルの熟練度は別であり、
更にスキルのレベルを上げると使えるようになる剣技の一つ一つにも熟練度が存在する。
その中で個人のレベルは敵を倒したりクエストを攻略しないと上がらないが、
スキルの熟練度はその武器を使うことによって、
剣技の熟練度はその剣技をつかう事によって上がる。
つまり敵を倒さなくても、スキルや剣技の熟練度を上げることができる。
ということだな」

(;´・ω・`)「え、あ、うん、そのとおりなんだけど。
さっきからどうしたの?
なんかそういう縛りとか罰ゲームとか?」

( ゚∋゚)「前にしぃに間違った解説をして怒られたから、
頑張ってるんだ」

(;´・ω・`)「……そうなんだ」

( ゚∋゚)「理論的に技を知っていた方が、
指揮をする時の判断力につながるからな」

(´・ω・`)「……うん。だね。
でも戦闘中は心の中で思うだけにしておいた方が良いかも」

( ゚∋゚)「そうか?」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/28(水) 00:46:03 ID:Sdp8424Y0<>
(;´・ω・`)「うん。できれば」

( ゚∋゚)「わかった。善処しよう」

(;´・ω・`)「(善処なんだ……)」

(,,゚Д゚)「ゴルァ!」

(`・ω・´)「全体に目を向けろ!
今飛ばしても四人の誰も範囲攻撃をしていないだろうが!」

(;,,゚Д゚)「!お、おう!」

ギコが弾き飛ばそうとしたパウンドケーキを切り裂くシャキン。
通常技の為消滅はさせられなかったが、
飛ぶ方向を変えることには成功している。

(`・ω・´)「盾持ちが受け流した攻撃の先に仲間が居たらどうする。
後ろに指揮者がいる時はその指示に従えばいいが、
それでも常に自分でも考えろ」

(,,゚Д゚)「分かった!」

改めて盾を構え、片手剣を握りしめるギコ。

シャキンはそんなギコを隣に見つつ、
改めて盾を構えた。

<_プー゚;)フ「シャキンがスゲー指導してる」
  _
( ゚∀゚)「なんだ。ギルドの時とか教えてもらってないのか?
シャキンは両手剣も使うし」

<_プー゚)フ「んー。おれと一緒の時は盾持ちばかりだし、
楽しく戦ってるけど指導らしい指導を受けた覚えはないな」

(´<_` )「でもエクスト、戦い方が前と変わったな」

<_プー゚)フ「?そうか?」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/28(水) 00:47:52 ID:Sdp8424Y0<>
(´<_` )「ああ。
スタイルは変わってないけど、
一つ一つの動きに余裕を感じる」
  _
( ゚∀゚)「おれもそう思う。
前は隣に居てお前の剣が当たりそうになったことあるけど、
最近はすぐそばに居ても安心して戦えるからな」

<_プー゚;)フ「あー。悪かった」

(´<_` )「ま、シャキンが言わなくてもミルナやデミタスが言っているのかもな」

<_プー゚)フ「いや、特にそれほど指導は……」
  _
( ゚∀゚)「後ろから怒鳴られたりしないのか?」

<_プー゚)フ「それはされる。
あとパーティーで戦闘した日の反省会でもいっぱい」

(´<_`;)「……それ、指導じゃないか?」
 _
(;゚∀゚)「指導だな」

<_プー゚;)フ「!え、あ、そ、そうか」

(´<_`;)「(バカな子だ)」
 _
(;゚∀゚)「(アホな奴だ)」

( ´_ゝ`)「おまえら真面目に戦えよー」

(´<_`;)「ああ兄者、すまんすまん」
 _
(;゚∀゚)「範囲攻撃は任せちまったな」

( ´_ゝ`)「おれは結構使うようにしているけど、
お前らあんまり範囲攻撃技は使わないだろ?
熟練度上げるためにも使っとけよ」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/28(水) 00:49:00 ID:Sdp8424Y0<>
<_プー゚)フ「でもなー。威力はあるけど硬直長いし」

( ´_ゝ`)「アホ。だからこそだろうが。
熟練度上げれば硬直時間も短くなる。
使える技を増やせば戦い方も変わるってことだ」

<_プー゚)フ「……ふむ」

( ´_ゝ`)「あれでいてギコは片手剣の扱いに関しては高いレベルを持ってる。
その使い方がまずかったから、ショボンはそこを直した。
その上でギコは自分で盾を使うことを選んで、今必死に練習しているんだ」

(´<_`;)「兄者が……」
 _
(;゚∀゚)「真面目なことを話してる」

( ´_ゝ`)「弟者ひどーい。
兄者おこっちゃうぞ。ぷんぷん。
ジョルは後で頭に金鎚な」

(´<_` )「気持ち悪いことを言うなボケ」
 _
(;゚∀゚)「ちょ、おい、対応違いすぎるだろ」

( ´_ゝ`)「かわいい弟と同じ扱いを求めるな汚らわしい」
 _
(;゚∀゚)「汚らわしいってなんだよ!」

<_プー゚)フ「……おれも、そろそろ本気を出すか」

(´<_`;)「おい、今まで本気じゃなかったとかシャキン達に怒られるぞ」

<_プー゚;)フ「い、いや、本気で真面目にやってたけど、
その方がカッコいいかなって」

(´<_`;)「(やっぱりバカな子だ)」
 _
(;゚∀゚)「(とことんアホな奴だ)」

( ´_ゝ`)「中二病も大概にしておけよー」




.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/28(水) 00:50:12 ID:Sdp8424Y0<>


攻略方法を決め、順調に戦いを進めた彼らにとって、
『The BoUnd Cake』は強敵ではなかった。




(´・ω・`)「さて、それでは先に進もうか

その後十回ほど同じことを繰り返し、
『The BoUnd Cake』をポリゴンにすることに成功した12人。

ドロップ品は手に入ったが経験値が入らなかったため、
この後の戦いに備えて全員が武器を構えたまま道を進む。

すると前方には、『お菓子の家』が見えた。

ミ,,゚Д゚彡「『ヘキセンハウス』だから……」

ぼそりと呟いてちらっとギコを見るフサギコ。

ギコは隣にいたシャキンの陰にそっと隠れた。

(´<_` )「『ヘキセンハウス』、『お菓子の家』
ってことは、今度は『魔女』との戦いか」

弟者の言葉を聞き、気を引き締める面々。

('A`)「扉から入らないといけないのかな」

(;^ω^)「おー。狭いところの戦いは苦手だお」

(´・ω・`)「まずは僕がドアを開けるよ。
ただもしトラップがあるとまずいから、
調査をしてもらえるかな。ドクオ」

('A`)「了解」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/28(水) 00:51:03 ID:Sdp8424Y0<>
スタスタと板チョコレートに見えるドアに近付くドクオ。
そしてクッキーとチョコレートで出来たキノコの形のドアノブをタップする。
  _
( ゚∀゚)「(きのこの山だ……)」

(,,゚Д゚)「(きのこの山だ……)」

( ^ω^)「(屋根にはたけのこの里の大きいのがあるお。
おいしそうだおねー)」

ミ,,゚Д゚彡「(アポロもあるから!)」

(=゚ω゚)「(ヘリカルが喜びそうだょぅ)」

( ´_ゝ`)「(とりあえず一個取ってみるか)」

(´<_` )「(兄者を制止しないと)」

<_プー゚)フ「(あ、屋根に刺さってるポッキーの太い奴名前なんだっけ)」

( ゚∋゚)「(あれはフラン……だったかな。懐かしい)」

(`・ω・´)「!(も、もしやあれは幻のすぎのこ村!?)」

(´・ω・`)「(そういえばスポンサーに明治の名前があったような)」

('A`)「とりあえずトラップは無いな。
ってお前ら、キョロキョロしすぎだろ。
何をそんなに見てるんだ?」

怪訝な顔で周囲を観察するドクオ。
慌てて視線を戻す何人か。

(´・ω・`)「ありがと、ドクオ。
じゃあ開けてみるね」

左手にチャクラムを持ち、
右手でドアノブを掴むショボン。

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/28(水) 00:52:45 ID:Sdp8424Y0<>
音がしないドアをゆっくりと開ける。

「……人間か……」

暗闇に視界を奪われた刹那、
低い、地を這うような声が聞こえた。

(´・ω・`)!

ドアノブを突き放すように押してドアを全開に開けるショボン。
そしてチャクラムを盾のようにして構えた。

「……人間が来たのは、どれほどぶりじゃろう」

暗闇の中、ぼぅっと老婆の顔が浮かぶ。

その肌はしわくちゃで、垂れ下がった長い鼻が口にかかっている。
フードを被っているのか耳や頭は隠れていた。

老婆「後ろにもおるのか……」

ショボンの後方に目をやり、ぼぞっと呟く。

老婆「何人じゃ?」

(´・ω・`)「え?」

老婆「何人で来たんじゃ?」

(´・ω・`)「…………12人です」

老婆「そうか」

暗闇の中、老婆が後ろを向いたたためその顔が見えなくなった。

老婆「何をしておる。中には入れ」

(´・ω・`)「え?」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/28(水) 00:53:50 ID:Sdp8424Y0<>
老婆「ああ。人間には暗いのか。
エルフは目が良い奴が多いからな」

室内が、明るくなった。





『Sweets Cafe MAGICAL ELF』

渡されたメニューの一番上には、
蔦をモチーフにした装飾文字でそんな言葉が書かれていた。
 _
( ゚∀゚)「なんて書いてあるんだ?」

(老婆)「『スウィーツカフェ、マジカルエルゥフ』にようこそ」

ジョルジュの呟きを聞いたのか、
やってきた老婆がグラスに入った水を配りながら笑顔で言った。

( ´_ゝ`)「巻き舌にこだわりを感じるな」

綿菓子で出来たソファーに腰かけている兄者が、
メニューを見つつ呟く。

ミ,,゚Д゚彡「スイーツカフェ……おいしそうなメニューだから」

赤地に白いドットの大きなキノコに腰かけたフサギコが、
食い入るようにメニューを見る。

(´・ω・`)「ここはその……カフェなんですよね?」

キュートでラブリーでKAWAII店内を見回しつつショボンが聞く。

(老婆)「なんじゃ、知らずに入ってきたのか?
まあ客はエルフしか来んから知らんのも無理はない」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/28(水) 00:54:57 ID:Sdp8424Y0<>
(´・ω・`)「はあ、そうですか……」

真っ黒に見えた老婆のローブも、よく見ていると濃い紫色の細かい花柄だった。

(老婆)「で、注文はどうするのじゃ?」

(´・ω・`)「あ、えっと、実は、
ルヴァイ村のパルスエットさんからケーキを作る材料を頼まれておりまして」

(老婆)「なんじゃ。材料を買いに来たのか。
ウモス村というと、レスター小僧がいた村じゃな」

(´・ω・`)「あ、はい。レスターおじいさんの孫娘さんの依頼でして」

(老婆)「人間は年を取るのが早いもんじゃ」

(´・ω・`)「はははは。
それで……」

(老婆)「うむ。何が必要なのかは想像できる。
用意してやろう。
で、注文はどうする?」

(´・ω・`)「あ、いえ、物がそろいましたらいただければすぐにでも」

(老婆)「物はすぐにそろう。
で、注文はどうするのじゃ?」

(´・ω・`)「あのその」

(老婆)「注文はどうするのじゃ?」

(´・ω・`)「できればその……」

(老婆)「ご注文は?」

(´・ω・`)「……」

ミ,,゚Д゚彡「しょ、ショボン」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/28(水) 00:56:12 ID:Sdp8424Y0<>
メニューを片手にキラキラとした目でショボンを見るフサギコ。
隣に座っているぃょぅも同じ様に、
更に言えば甘いもの好きを公言しているメンバーは、
控えめに、けれどしっかりとメニューを読んでいた。

(´・ω・`)「……今選んでいますので、少々お待ちいただけますか?」

(老婆)「ふぉっふぉっふぉ。
人間相手に腕を振るうのは久し振りじゃ。
腕がなるのう」

(´・ω・`)「はぁ……」

ミ,,゚Д゚彡「メニューはいっぱいあるから!
出来れば別の物を頼んでシェアしてほしいから!」

(´・ω・`)「……はぁ」

ショボンの溜息は、フサギコ以外の苦笑いを誘った。



(´・ω・`)「で、これのレシピは?」

ミ,,゚Д゚彡「教えてほしいから!」

そして全員が食べ始めた後、
ショボンとフサギコがエルフの老婆に詰め寄る姿を見て、
二人以外の全員が見ないふりをした。







.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/28(水) 00:57:11 ID:Sdp8424Y0<>
エルフの作るスイーツを堪能したのち、
依頼者のいる村に戻った12人。

ぃょぅは店を出ると同時にマントを羽織りスキルを発動させたため、
周りから見えるのは11人だ。

(パルスエット)「ありがとうございます!
これで作れます!」

依頼人に材料を渡すと、
彼女は「ちょっと待っていていください」
と言って奥の部屋に移動した。

そして1分もたたずに戻ってくると、
手にはパウンドケーキを12個持っていた。

(´・ω・`)「……パウンドケーキ」

(パルスエット)「おじいちゃんはこれが大好きなんです!
食べさせてあげられます!」

(´・ω・`)「あー。そうなんですかー」

(パルスエット)「あまりにも美味しくて食べた人が驚いて飛び上がるから、
別名「バウンドケーキ」っていうんですよ」

(´・ω・`)「……そうなんですかー」

(パルスエット)「これは依頼料とおすそわけです。
本当にありがとうございました!」

笑顔で奥の部屋に戻る女性。

ショボンはクエストクリアを告げるチャイムと、
経験値やアイテムが入る電子音を聞きながら、
複雑な表情で家を出た。




.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/28(水) 00:58:38 ID:Sdp8424Y0<>
('A`)「どうぞお召し上がりください」

ξ゚⊿゚)ξ「うむ。よくやった」

川 ゚ -゚)「ほう。これが報酬のケーキか」

ギルドVIPホームのリビングルーム。
部屋にはツンとクーとドクオ、そしてブーンとショボンが居る。

そしてソファーでくつろぐツンとクーの前に、
クエスト報酬のパウンドケーキが並べられた。

ξ゚⊿゚)ξ「!うん!おいしい!」

川 ゚ -゚)「なるほど。噂になるのが分かる」

(´・ω・`)「え?噂になってたの?」

ξ゚⊿゚)ξ「あれ?ショボンが噂話の収集できてないの?」

(´・ω・`)「知らなかった」

川 ゚ -゚)「一部の女子で作ってる会報の噂話コーナーに載ってたネタだからな。
ランダムで渡されるケーキの中に、
格段においしいものが存在するっていう。
多分これの事だろう。
悪いが今までにショボンやフサギコが作ってくれたものも含めて、
この世界で食べた中で一番おいしい」

ξ゚⊿゚)ξ「うん。一番ね」

( ^ω^)「おっおっお。
まだまだこの世界の食は奥が深いってことだおね」

(´・ω・`)「ちょっとくやしいな」

川 ゚ -゚)「で、その渡された会員カードがあればまたその店に行けるのか?」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/28(水) 01:00:03 ID:Sdp8424Y0<>
(´・ω・`)「……どうだろう。
とりあえず、あのルートのクエストに進むには調理スキルを上げた者が必要なんだと思う。
そしてカードをもらえるのも、調理スキルを持っているものだけ、
もしくは1パーティーに一つ。
パーティーのリーダーをしていた僕とフサギコの所にしかカードが入らなかったから、
両方とも憶測だけど多分ね」

( ^ω^)「でもポイントカードはお店を出る時に全員がもらったおね」

('A`)「婆さん嬉しそうだったな」

( ^ω^)「『また来るのを待ってるぞ』って言ってたおね」

(´・ω・`)「敵自体は攻略方法が確立できたからそれほど大変じゃないし、
また折を見てクエストをやってみるのもいいかもね。
メンバーも色々と変えてみて」

ξ゚⊿゚)ξ「その時は私も行くわよ」

川 ゚ -゚)「もちろん私もな」

(´・ω・`)「うん。よろしく頼むよ」

( ^ω^)「でも、ぃょぅ君の隠蔽はすごかったおね。
僕は同じパーティーだったし説明を受けていたからいることは知っていたけど、
現れるまでどこにいたのか全く分からなかったお」

('A`)「ああ。実は時々看破のスキルを使ってみたんだが、
見付けることが出来なかった。
まあおれの看破の熟練度はまだコンプリートしてないってのもあると思うけど」

ξ゚⊿゚)ξ「また呼ぶの?」

(´・ω・`)「このクエストにおいては、
レベルの低い、
攻撃力のそこまで高くないメンバーが必要だから。
次はヘリカルちゃんも一緒に行くのもいいかも」

ξ゚⊿゚)ξ「良いわね。ヘリカルちゃんの戦いも見てみたいし」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/28(水) 01:01:02 ID:Sdp8424Y0<>
(´・ω・`)「ま、何はともあれ、これからの話だけどね。
カードの調査もしたいし。
売れる情報なのかどうかも精査しなきゃだし」

川 ゚ -゚)「そうだな。
良くも悪くもこのギルドは特殊だから、
一般的な情報として流していいのか悩むところだ」

(´・ω・`)「うん」

ξ゚⊿゚)ξ「あ、ハインからメッセージ来てる。
向こうでも食事会をしたみたいね」

川 ゚ -゚)「こちらにはトソンから来てる。
あ、ヘリカルちゃんからもだ。ぃょぅ君と二人で食べたみたいだな」

ξ゚⊿゚)ξ「えー。私の所にはヘリカルちゃんから来てない。
……あ、きた!」

川 ゚ -゚)「しぃにもメッセージを入れてみるか」

ξ゚⊿゚)ξ「やめときなさいよ。
ギコと二人でフラワーガーデン行ってるんでしょ。
万が一返信が来たら帰ってきた時冷やかす楽しみが半減するから」

( ^ω^)「またそういう悪趣味なことを」

('A`)「ケーキの感想を言いあうとか、
結構ちゃんとつながってるんだな」

川 ゚ -゚)「時々女子会をしているからな」

(´・ω・`)

('A`;)

(;^ω^)

川 ゚ -゚)「?何故沈黙する」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/28(水) 01:02:12 ID:Sdp8424Y0<>
(´・ω・`)「いや、何を話しているのかと思ってさ」

('A`)「正直怖い」

ξ゚⊿゚)ξ「失礼ね」

川 ゚ -゚)「ふふふ。女性は神秘的なものだからな」

ξ゚⊿゚)ξ「多分ドクオが言ってる怖さとは違うと思うわよ」

川 ゚ -゚)「?そうか?」

(;^ω^)「おっおっお」

夜は更けたころ、戻ってきたギコとしぃがリビングの会話に参加した。

その後夜の狩りに行っていたジョルジュとモララーが加わり、
ギルドVIPのリビングは、いつまでもにぎやかなままだった。



その後、バーボンハウスのスイーツのレベルが上がったと噂されるのは、
また、別の話。










.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/28(水) 01:05:05 ID:Sdp8424Y0<>



おまけ


今日のモナーさん




.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/28(水) 01:05:59 ID:Sdp8424Y0<>
(シリカ)「モナーさんがテイマーの会合に出席されたの久しぶりですよね」

( ´∀`)「そうもなね。なかなか時間が合わなかったもな」

(シリカ)「ふふふ。そういう事にしておいてあげますね」

▼・ェ・▼「きゃん!」

Σ゜ニ<<「ピー」

森の中を歩くモナーと少女。

年は12歳程度だろうか。
深紅の装備が良く似合う、
可愛い少女だった。

そしてその頭の上には小さなドラゴンが飛んでいる。

( ´∀`)「シリカちゃんもちょっと会わないうちに変わったもなね」

(シリカ)「え?そうですか?」

( ´∀`)「最初は装備が立派になったからかと思ったけど、
ちょっと大人っぽくなったみたいもな」

(シリカ)「え、あ、そうですか?
そんな風に言ってもらえると、うれしいです」

( ´∀`)「そういうところもなね」

(シリカ)「え?」

( ´∀`)「前だったら否定して、肯定して、
自分の可愛さを前面に押し出してブリブリしていたのに、
今は落ち着いてちゃんと自分の言葉で反応しているもな」

(シリカ)「……それほど仲良くないのに、
会合の後でお疲れのところお付き合いいただきまして誠にありがとうございます」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/28(水) 01:06:53 ID:Sdp8424Y0<>
( ´∀`)「『中層プレイヤーのアイドル竜使いシリカ』
のお誘いを断ることなんてできないもなよ」

(シリカ)「それ絶対思ってませんよね!
というかバカにしていますよね!」

( ´∀`)「もなもなー。
そんなことないもな。
思ってるもなよー。
二つ名は誰かが意図的に付けない限りは自然につくもなしね。
もちろん本人の行動が引き金だとしてももな」

(シリカ)「……モナーさん、私の事嫌いですよね」

( ´∀`)「今は好感が持てるもなよ」

(シリカ)「ありがとうございます」

少しだけ怒ったように言った後、噴き出す少女。

(シリカ)「もう、前から思ってたけど凄い人ですよね。
モナーさんって。色々と!
でも、そんなモナーさんだからお連れしてみようかなって思ったんですよ」

( ´∀`)「そういえば、どこに行くもな?」

(シリカ)「秘密の場所です。
実はこの前発見しまして。
知り合いの高レベルの方を案内したんですけど、
行けなかったんです。
でも、その後一人だと行けて……。
だから私より強くて、しっかりとしたビーストテイマーさんと一緒なら行けるかもと思って」

( ´∀`)「もなもな……」

(シリカ)「この次が分岐なんですけど」

エリア移動をする二人。

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/28(水) 01:07:47 ID:Sdp8424Y0<>
移動した先は、前方に二股に分かれた道があり、
さらにその手前に右に行く道があった。

(シリカ)「ここです!
この手前の右の道がそうなんです!」

( ´∀`)「確かに地図と道が違うもなね」

(シリカ)「!ここのエリアの地図お持ちなんですか?
特に大事じゃないし、低層エリアでほぼ一本道なのに。
この分岐だって左右に分かれるだけでまた一本に戻るじゃないですか」

( ´∀`)「うちのギルドは得ることのできる情報は出来る限り得て整理しているもなよ。
さっき本部に残ってたメンバーに問い合わせたら送ってくれたもな」

(シリカ)「へー。凄いですね。
ギルドってみんなそんな感じなんですか?」

( ´∀`)「うちはギルマスが特殊もな」

▼*・ェ・▼「きゃん!」

(シリカ)「そ、そうなんですか。
(何故ビーグルちゃんは嬉しそうなんだろう)」

Σ゜ニ<<「ぴゃー」

(シリカ)「あ、うん。そうだね。ピナ。
じゃあ行きましょうか。
この道です」

二股に分かれた道の手前、
右に向かう道に向かう少女とドラゴン。

モナーとビーグルが続く。

(シリカ)「少し歩きますけど一本道で、モンスターは出ません」

( ´∀`)「それは良いもなね」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/28(水) 01:09:13 ID:Sdp8424Y0<>
(シリカ)「そういえば、モナーさんは自分の二つ名はご存じなんですか?」

(;´∀`)「もな!?
し、知らないもなよ。
というか、モナに二つ名なんて」

(シリカ)「『中層のフロントランナー 銀狼使いのモナー』だそうです」

Σ゜ニ<<「ぴぴー!」

(;´∀`)「なっ!それはいったい何の冗談もな!」

▼・ェ・▼「くーん」

(シリカ)「今の攻略組に、ビーストテイマーていないそうなんです。
というか、今までいたことがあるのかちょっと知らないですけど。
それで、ビーストテイマーのイメージって、
ビーストテイマーになりたいが為にあんまり戦闘とかしてなくて、
強い人の後ろを付いてテイミングできるモンスターを
探しているやつらだって言われ始めているそうなんですよ。
あと、ペット飼って遊んでるやつらとか」

(;´∀`)「そういう人がいるって噂は聞いたことがあるもなけど、
それとどんな関係が……」

(シリカ)「連れているモンスターも、
それほど強いモンスターって多くないですし。
だからピナみたいなドラゴン系と、
ビーグルちゃんみたいな狼系は『戦える』ってことで貴重らしいみたいです。
更に言うと、ピナの種族『フェザーリドラ』と、
ビーグルちゃんの『シルブリュールフ』はその中でも別格らしいです」

Σ゜ニ<<「ピー!」

▼・ェ・▼「きゃん!」

(シリカ)「そして、私はまぁほどほどですけど、
モナーさんは中層のトップギルド、VIPのメンバーじゃないですか。
だからビーストテイマーのイメージ回復のためにそういう二つ名を広めようって相談してますよ」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/28(水) 01:10:40 ID:Sdp8424Y0<>
(;´∀`)「じょ、冗談じゃないもなよ!」

(シリカ)「今日は言いだしたモルガンさんが来てなかったのでその話にならなかったですけど、
だからちゃんと次回も来た方が良いですよ」

(;´∀`)「……教えてくれてありがとうもな」

(シリカ)「いえいえー。
今日付き合っていただいているお礼です。
あ、そろそろ着きますよ」

道の先に見えたのは、
直径5メートルほどの木々に囲まれた広場だった。

中心には大きな木が生えており、
その根元には大きな穴が開いている。

(;´∀`)「ここがそうもな?」

(シリカ)「はい。広場に一歩入って、立ち止まってみてください」

( ´∀`)「もなもな……」

モナーと少女は一歩広場に踏み込み、
そのまま大きな木を見つめた。

すると大きな木に開いた穴の中に、
白い毛玉が見えた。

( ´∀`)「もな?」

(シリカ)「今日も出てきてくれるみたいです」



視線の先に、大きな白い毛玉。

もぞもぞとそれは動き、ぐるりと回転した。

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/28(水) 01:12:17 ID:Sdp8424Y0<>
(^ω^U)「おん!」

( ´∀`)「!」

▼*・ェ・▼「キャン!」

( ´∀`)「わんわんおーもな!」

(シリカ)「そうなんですよ。
超レアテイミング可能モンスターと噂されるワンワンオーが、
出てくるんです」

( ´∀`)「もなもな!
近付いて大丈夫もな?」

(シリカ)「んん……。もうちょっと、ここで見ていてもらえますか。
あ、ビーグルちゃんは行っても大丈夫です。
ピナ、ピナも遊んできていいよ」

Σ゜ニ<<「ピャー!」

▼・ェ・▼「くーん」

( ´∀`)「行ってきていいもなよ」

▼*・ェ・▼「きゃん!」

ぱたぱたと飛んでいくドラゴンを追うように走り出すビーグル。

Σ゜ニ<<(U^ω^)▼・ェ・▼

( ´∀`)「かわいいもなね」

(シリカ)「……これからが、凄いんです」

( ´∀`)「もな?」

(U^ω^)Σ゜ニ<<(U^ω^)▼・ェ・▼

(U^ω^)Σ゜ニ<<(U^ω^)▼・ェ・▼(U^ω^)

(U^ω^)(U^ω^)Σ゜ニ<<(U^ω^)▼・ェ・▼(U^ω^)(U^ω^)(^ω^U)

( ´∀`)「!?」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/28(水) 01:14:29 ID:Sdp8424Y0<>
(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)
(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)
(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)Σ゜ニ<<(U^ω^)(U^ω^)▼・ェ・▼(U^ω^)(U^ω^)
(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)
(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)

「「「わんわんお!」」」

(;´∀`)「!?」

無言で指さし、少女とその光景を交互に見るモナー

(シリカ)「そうなんです。いっぱい出てくるんです」

(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)
(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)
(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)
(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)
(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)
(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(^ω^U)(U^ω^)(U^ω^)
(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)
(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)
(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)

▼・ェ・▼「くぅーん」

Σ゜ニ<<「ぴぎゃー!」

二人の元に戻ってくるビーグルとドラゴン。

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/28(水) 01:15:46 ID:Sdp8424Y0<>
(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)
(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)
(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)
(U^ω^)(U^ω^)ζ゚⊿゚)ζ(^ω^U)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)
(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)
(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)
(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)
(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)
(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)
(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)
(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(^ω^U)(U^ω^)(U^ω^)
(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)
(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)
(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)
(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)
(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)
(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)
(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)
(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)
(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)
(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)
(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)


二人の元に戻ってくるビーグルとドラゴン。
(;   )     ;´∀` 「なんかいるもな!」

▼;  ▼     ;・ェ・ 「キャンキャン!」

(;シリカ)「!?」

(;´∀`)「あ、あ、あれはいったい?」

▼;・ェ・▼「きゃん!」

(シリカ)「(あれ?普通だ)
あ、ああ。モナーさんは会うの初めてですか?
『デン・ツーレ=ラビット』
ワンワンオーと同じくらいのレアモンスターですね。
まあこんなにいっぱいワンワンオーを見ちゃうと、
レアモンスターとか思えないですけど」

.<> 名も無きAAのようです<>sage<>2016/09/28(水) 01:16:39 ID:X17EI3S60<>ツン混ざってるしwww<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/28(水) 01:17:08 ID:Sdp8424Y0<>
(;´∀`)「あ、あれがデン・ツーレ=ラビットもな?
初めて見たもなよ。
(いっぱいのブーンの中にツンが!)」

(シリカ)「ウサギ特有のツンっとした顔が可愛いですよね」

(;´∀`)「そうもなね……。
(シリカちゃん、分かって言ってるもな??)」

(シリカ)「でもデン・ツーレは、
いつも一匹しか出てこないんです。
それで、出てきたらワンワンオーも増えません。
じゃ、私達も行ってみましょうか?」

(;´∀`)「い、いくもな?」

(シリカ)「モフモフさせてもらうと気持ち良いですよ?」

(;´∀`)「も、もなもな……。
じゃあ、いってみるもな」

ワンワンオーの群れの中に入っていく少女。
その上空を飛ぶドラゴン。

モナーはビーグルを胸に抱いてから、
恐る恐るその後ろに続いた。

(シリカ)「ワンワンオーちゃんたち可愛いねー」

群れの中心まで来たシリカが、しゃがんで目の前のワンワンオーを撫でる。

(シリカ)「うわっ今日もモフモフだー。
ピナも可愛いけど、この毛並みは凄い!」

Σ゜ニ<<「ピャー!」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/28(水) 01:18:20 ID:Sdp8424Y0<>
(;´∀`)「(か、可愛いけどブーンだし、
しかもなんかツンが一人いてこっち見てるし)」
 ∩∩
ζ゚⊿゚)ζジー

(;´∀`)「も、モナーの名前はモナーもな。
(あああああああ。なにモンスターに自己紹介してるもな!)」

(シリカ)「私の名前はシリカです」

(;´∀`)「(シリカちゃん天使もな!)」
 ∩∩
ζ゚⊿゚)ζジー

(シリカ)「ワンワンオーちゃんも可愛いけど、
デンツーレちゃんも可愛いね」

(;´∀`)「(その目は
ξ゚⊿゚)ξ「当たり前でしょ。私を誰だと思ってるのよ」
って言ってる目もな!)」

(シリカ)「どうしたのかな?
一緒に遊ぶ?」

(;´∀`)「(違うもな!
ξ゚⊿゚)ξ「私のブーンになれなれしく触るんじゃないわよ」
って言ってる目もな!)」

(シリカ)「ワンワンオーちゃんいっぱいで楽しいね。
きみのお友達はこないのか?」

(;´∀`)「ちがうもな。
ツンはこの状況が一番楽しいもな。
ハーレムもなよ」

(シリカ)「え?モナーさん?
ツン?ハーレム?」

( ´∀`)「!も、もなもな。
どうしたもな?」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/28(水) 01:19:19 ID:Sdp8424Y0<>
(シリカ)「今何か言いませんでしたか?」

( ´∀`)「言ってないもなよ。
本当にみんな可愛いもなね」
 ∩∩
ζ゚⊿゚)ζジー

(;´∀`)「か、可愛いもなね」
 ∩∩
ζ゚⊿゚)ζジー

(;´∀`)「か、可愛いもなよ」
 ∩∩
ζ゚⊿゚)ζジー

(シリカ)「モナーさんデンツーレちゃんに好かれてますね。
羨ましいな。
抱き上げてみたらどうですか?」

(;´∀`)「もなもなー。
そんなことないもなよ。
(シリカちゃんその目は節穴!?)」

(シリカ)「大丈夫ですよ!
モナーさん!
やってみましょう!」

(;´∀`)「も、もな……」

少女に促され、ウサギに恐る恐る両手を出すモナー。

するとウサギはくるりと後ろを向いて、
ピョンピョンと大樹に無かって跳ねていった。

ワンワンオー達は道を開け、
そしてその後に続く。

(シリカ)「あっ」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/28(水) 01:20:26 ID:Sdp8424Y0<>
( ´∀`)「もう帰るみたいもなね」

ぴょんと大樹の穴にウサギが飛び入ると、
ワンワンオー達も次々に入っていった。

(シリカ)「あの穴が入り口で、
地下に住んでるんでしょうか」

( ´∀`)「そうかもしれないもなね……」

最後のワンワンオーが木の中に消えると、
森に静けさが戻った。

(シリカ)「帰っちゃった。
モナーさん、今日はありがとうございました」

( ´∀`)「モナーこそ、凄いものを見させてもらったもな」

(シリカ)「ただこれ、情報として情報屋さんに流した方が良いんでしょうか」

( ´∀`)「……そうもなねぇ。
モナーとしてはあまり広めない方が良いと思うもなけど。
二人ともレアキャラなわけだから人が来ると思うもな。
ビーストテイマーでなければ辿り着けないとしても、
この場所を守るためにはあまり公言しない方が良いような気がするもな」

(シリカ)「モナーさんもそう思いますよね!
実は私も同じ意見なんです!
でも攻略の為にはこういう情報もちゃんと広めた方が良いのかなっとも思って……。
本当は先にお連れした方に相談しようと思ったんですけど、
来れなかったから何となく言えなくて」

( ´∀`)「そのあたりはモナーも気にしておくもなよ。
うちのギルドはボス戦の情報集めの為のクエスト攻略が依頼されることもあるもなし、
ギルマスは情報屋さんとも仲が良いから気にしておくもな。
もしも話した方がよさそうな時は一度シリカちゃんに連絡するから、
その時改めて相談することにするもな」

(シリカ)「!あ、ありがとうございます!」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/28(水) 01:21:35 ID:Sdp8424Y0<>
モナーの手を両手でつかむ少女。

そして上目遣いでにっこりとほほ笑んだ。

Σ゜ニ<<「ピピー!」

▼・ェ・▼「キャン!」

( ´∀`)「(兄者には会わせられないもなねー)
じゃ、もうすぐ暗くなるからもう帰ろうもな」

(シリカ)「はい!
今日は本当にありがとうございました!
ピナ、行こう」

Σ゜ニ<<「ピー!」

もと来た道を歩き始めるモナーと少女。
モナーの足元にはビーグルが、
少女の頭上にはドラゴンが寄り添うようにいる。

ふとモナーが振り返ると、木の穴からウサギがこちらを見ていた。

 ∩∩
ζ゚⊿゚)ζジー

( ´∀`)「(大丈夫もなよ、この楽園は誰にもじゃまさせないもな)」

モナーが心の中で呟くと、
ウサギはお辞儀をするように頭を下げてから、
木の中に戻っていった。





おまけも終わり。


.<> 名も無きAAのようです<>sage<>2016/09/28(水) 01:23:55 ID:X17EI3S60<>乙乙
ぃょうが結構強かった驚きが大量わんわんおに消された<> 名も無きAAのようです<>sage<>2016/09/28(水) 01:26:26 ID:wYx/3B660<>ぃょぅが二人目の忍者かと思ったけど確か死んだって明言されてたよな<> 名も無きAAのようです<>sage<>2016/09/28(水) 01:28:17 ID:wYx/3B660<>やっぱり死んでるな

5 ◆dKWWLKB7io 2015/06/28(日) 22:53:57 ID:k22M11bE0
冷たい、黒い床に膝をつき、碑に向かって土下座をするかのような姿で。

涙が、床を濡らしている。

両手が、床を、自らの身体を、叩く。

それまで、ただ見守ることしかできなかった横に立つ和装の武装をした少年が、
少女を横から抱きしめるように支えた。

「……ぼくはそばにいるから」

少女は小柄で、年端もいかないようにも見える。

その泣き叫ぶ姿と、声は、同じように生命の碑を見に来た者の心を、重く、黒くする。

見守るように、隠れるように少女を見ていた黒い影も、そっと視線をそらし、柱の陰に消えた。



『 e-YOU 』

『floor 43  Player kill』



少女の視線の先の名前。

横線の引かれた、名前。

少女の泣き声が、黒鉄宮の中をいつまでも響いていた。<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/28(水) 01:31:29 ID:Sdp8424Y0<>以上、閑話でした。

支援と乙と感想、ありがとうございます!


そっか……ぱなのか……。
ばじゃないんだ……。

ということで、ケーキの話でした。


次は22話で……多分……お会いできるかと……。

宜しくお願いします。


ではではまたー。
.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/09/28(水) 01:40:53 ID:Sdp8424Y0<>>>181 タイトル修正


( ^ω^)達はアインクラッドを生きるようです。




第 I 話 閑話 白い約束





.<> 名も無きAAのようです<>sage<>2016/09/28(水) 02:08:52 ID:p9teyOqY0<>大量のワンワンオーに全部持ってかれた
ぃょぅの活躍が見れて良かったが、余計死んだ(と思われる)事が胸にくるな
エクストやギコの頑張りも見れて良かった

おつ、次回も楽しみにしてるよ<> 名も無きAAのようです<>sage<>2016/09/28(水) 09:10:31 ID:1VFaQ..Y0<>乙!
まさか本当にモンスター化するとは(笑)<> 名も無きAAのようです<>sage<>2016/09/29(木) 19:59:44 ID:AnVqRBz6O<>乙!
あくまで「e-YOU」が43層で死んだだけでぃょぅはわからない<> 名も無きAAのようです<>sage<>2016/09/29(木) 20:31:40 ID:PH0Dg4EY0<>ミセリについても判明したし近々ぃょぅについても何か分かるのかもしれないな、Player killってところがまた謎い<> 名も無きAAのようです<>sage<>2016/10/06(木) 13:05:40 ID:frCKyNAU0<>191に出てくるイーユウだってeーYOUの可能性あるしなあ
んでもヘリカルが兄ちゃんのスペルを間違って覚えてるとはちょっと考えにくいような

作者氏へ
189の2行目でエクストがゴルァ言ってるけど、これギコでいいんですよね?<> 名も無きAAのようです<>sage<>2016/10/06(木) 14:50:28 ID:Xga4GZfg0<>単に誤魔化しで使ったんじゃないの?<> 名も無きAAのようです<>sage<>2016/10/06(木) 19:40:49 ID:vyx17Epg0<>照れ隠しだろ
その後ショボンがエクストにそんなに慌ててって言ってるし<> 名も無きAAのようです<>sage<>2016/10/08(土) 20:01:51 ID:AgT6N4.w0<>そうなのか
全然読解力ないんだな俺
すんませんromります、上のタワゴトは気にしないでください<> 名も無きAAのようです<>sage<>2016/10/08(土) 20:46:56 ID:6Wae770g0<>>>188
(;,,゚Д゚)「ど、どこに行けばいいんだゴルァ」

>>189
<_プー゚;)フ「お、おれはそっちを取りに行くぞゴルァ」

どう見ても間違いだろ
>>262お前は間違ってないぞ<> 名も無きAAのようです<>sage<>2016/10/08(土) 20:49:32 ID:6Wae770g0<>>>261
ショボンじゃなくてシャキンが言ってるし、直接言うのはギルメンだからで他はちゃんとショボンがまとめて気にしてるし<> 名も無きAAのようです<>sage<>2016/10/09(日) 16:07:13 ID:wv2hzxBI0<>結局は作者の返事待ちだな<> 名も無きAAのようです<>sage<>2016/10/20(木) 23:57:40 ID:CoxOfnSs0<>>>246
個人的にはここの

(シリカ)「ワンワンオーちゃんいっぱいで楽しいね。
きみのお友達はこないのか?」

ここで突然勇ましい喋りになってるシリカに笑いそうになったよww<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2016/11/06(日) 20:42:08 ID:BFmZlMHE0<>
どーも作者です。

乙と感想と推測、いつもありがとうございます。
参考にさせていただいてます。

そして閑話のネタにもww


>>259 様
はい、ギコの間違いです。
どちらに喋らせようか悩みながら書いていたらこんなことに(・_・;)
失礼いたしました。

>>266 様
シリカになんて言葉遣いを!
思わず自分でも笑ってしまいましたが(-_-;)
シリカファンに怒られそうですね。
『きみのお友達は来ないのかな?』
が、正解です。(~_~;)


お二人ともご指摘ありがとうございます。


さて22話ですが、書き終わりました。
誤字脱字と、今回の事が無いようにチェックをしております。
一応12月の頭くらいの投下を予定していますが、
遅くなりましたら申し訳ありません。


終わりが見え、あまり間を開けずに投下できるよう23話の書き溜めも考えているため、
状況を見つつ投下をしていければと考えています。


それではまた次回、よろしくお願いします。

ではではまたー。


.<> 名も無きAAのようです<>sage<>2016/11/07(月) 06:57:32 ID:fmnrUJLg0<>全裸待機で待ってるよ<> 名も無きAAのようです<><>2016/11/16(水) 01:44:26 ID:agS/jz560<>寒くなってきたので服着て待ってます!<> 名も無きAAのようです<>sage<>2016/11/16(水) 14:58:38 ID:8nadUjCc0<>楽しみー<> 名も無きAAのようです<>sage<>2016/11/16(水) 21:24:27 ID:TaG3LOwE0<>下げろ粕<> age<>age<>2016/11/27(日) 16:39:50 ID:gT.L5xZQ0<>age<> 名も無きAAのようです<>sage<>2016/11/27(日) 22:02:40 ID:8b2xhwxA0<>下げろ粕<> 名も無きAAのようです<>sage<>2016/12/02(金) 03:37:05 ID:JZQlo4zE0<>揚げ足取る意図はないんだが
エルフの綴りはELF、Lは舌を前歯に付けて発音するから、巻き舌要素はないんだ(Rなら巻き舌使うけど)

新エピ掲載前に水差してすまん、あとはromるよ
続き楽しみにしてます<> 名も無きAAのようです<><>2016/12/03(土) 21:03:44 ID:hk4Y/XYo0<>糠れ粕<> 名も無きAAのようです<>sage<>2016/12/03(土) 21:50:18 ID:tQalLPX20<>下げろ粕<> 名も無きAAのようです<>sage<>2016/12/03(土) 21:53:48 ID:94REQSro0<>ハゲろカス<> 名も無きAAのようです<><>2016/12/04(日) 09:13:10 ID:VPdRWsWQ0<>下げろ粕<> 名も無きAAのようです<><>2016/12/05(月) 14:46:46 ID:HKYMVtR20<>糠れ粕<> 名も無きAAのようです<>sage<>2016/12/05(月) 22:27:49 ID:aPuxWc2o0<>下げろ粕<> 名も無きAAのようです<>age<>2016/12/06(火) 19:28:37 ID:o4JCepp60<>下げろ粕<> 名も無きAAのようです<>sage<>2016/12/06(火) 21:13:50 ID:I8QIM1lwO<>さげろ糠
いやさげろ柏
いやいやさげろ狛<> 名も無きAAのようです<>sage<>2016/12/06(火) 22:14:53 ID:yQ3Xi1T.0<>下げろ粕<> 名も無きAAのようです<>age<>2016/12/10(土) 19:37:04 ID:dTSnlP4I0<>上げろ粕<> 名も無きAAのようです<><>2016/12/15(木) 23:09:53 ID:BlEltjx20<>まだー?<> 名も無きAAのようです<>sage<>2016/12/16(金) 22:48:26 ID:G50BvHGcO<>12月もそろそろおへそか<> 名も無きAAのようです<>sage<>2016/12/21(水) 07:34:30 ID:OUmw5D4M0<>クリスマスプレゼントか、それともお年玉か、はたまた寒中見舞いか
まあ、年明けて落ち着いてからでも
気長に待ってるよ<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/24(土) 23:40:13 ID:3Mh6r3AY0<>言えない。

さっきやっと22話のタイトルが決まって投下できるようになったとか。

ということで、投下開始します。

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/24(土) 23:42:08 ID:3Mh6r3AY0<>

( ^ω^)達はアインクラッドを生きるようです。








第二十二話  彼らはアインクラッドで生きているようです。








.<> 名も無きAAのようです<><>2016/12/24(土) 23:46:00 ID:5i5My/Hs0<>牛いyr7ウshdhdxdkslk1h16wwywwttwwshdkzddcbbcbbkcxjsjgxt66455ウ58t理dhjvxhdcjっだああswwwwwwwwwwwwwwwwwwgwggだgかjdjjfdjh木j空hfkjfdr杖いyw577578r8798rthいおfk;lfk<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/24(土) 23:46:04 ID:3Mh6r3AY0<>
2024年9月 アインクラッド



青い空。
低く薄い白い雲。
その上には、上の層の底。

VIP牧場。

見慣れた空を見上げながら、
モナーが大きく伸びをした。

( ´∀`)「今日もいい天気もなね」

▼・ェ・▼きゃん!

足元ではビーグルも同じ様に空を見ている。

その横に立つジョルジュ。
右肩に細長い棒を担ぎ、
その先には一辺が一メートルを超える立方体に固められた牧草が付いている。
 _
( ゚∀゚)「なにみてるんだ二人とも」

( ´∀`)「空もなよ。
今日もいい天気もなね」

▼・ェ・▼「きゃん!」
 _
( ゚∀゚)「いつもの風景だよな。
あれ?でもこのフロアって雨降るのか?」

( ´∀`)「ふるもなよー」
 _
( ゚∀゚)「そっか。見たことないな」

.<> 名も無きAAのようです<>sage<>2016/12/24(土) 23:50:50 ID:qL1q2gxc0<>投下乙です。
寒いので体調等には気をつけて下さい。

番外編でどっくんとハインがイチャイチャするところを見てみたい・・・・<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/24(土) 23:54:48 ID:3Mh6r3AY0<>
( ´∀`)「雨の日は退屈だから他のフロアに出てたり、
こっちに来るって連絡があっても断って、
こちらから会いに行ったりしてるもなからね」
_
( ゚∀゚)「そうだったのか」

( ´∀`)「覚えてないもな?
二ヶ月くらい前にジョルジュから今から行くって連絡あったけど断って、
クックルも誘って46層のクエストに行ったの」
  _
( ゚∀゚)「え?あ。う、うん。そ、そっか。
あの時か!うん。そうだな。
ああ、覚えてる覚えてる。
あのクエスト大変だったよな」

( ´∀`)「うそもな」
  _
( ゚∀゚)「……え?」

( ´∀`)「嘘もなよ。
雨の日で他に予定がなければ部屋でくつろいでるもな。
雨の牧場もなかなかおつもなよ」
  _
( ゚∀゚)「え?あれ?クエストは?」

( ´∀`)「46層のクエストに行ったのは3か月前で、
ショボンからのオーダーで、クックルじゃなくてミルナとエクストと行った時もなね。
ダメもなよ。ちゃんと覚えてないと」
  _
( ゚∀゚)「あ、う、うん……
っていうか、なんでそんな自然にそんなウソを……」

( ´∀`)「会話のエスプリもなよ。
ウィットに富んだ会話とでもいうべきもなかね。
どんな時でも余裕を持たなきゃダメもなよ」
  _
( ゚∀゚)「お、おう……」
.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/24(土) 23:56:24 ID:3Mh6r3AY0<>
( ´∀`)「ジョルジュがこのフロアの雨を覚えてないのは、
滅多に降らないからたまたま遭遇してないか、
ただ忘れてるだけもなよ」
  _
( ゚∀゚)「……この牧草ブロックはここで良いんだよな」

( ´∀`)「ありがとうもな。
たすかるもなよ」

今までずっと担いでいた牧草ブロックを指示されていた場所に下ろすジョルジュ。

棒を引き抜くとその先は三又のフォークになっており、
その棒を持ったまま自分のやってきた方を向いた。
  _
( ゚∀゚)「あと三つでいいんだよな」

( ´∀`)「ありがとうもな」
  _
( ゚∀゚)「……大体おれよりモナーの方が筋力パラメータ上のはずだよな」

ぶつぶつ文句を言いながら歩き出すジョルジュ。

▼・ェ・▼キャンキャン!

跳ねながらその足元をついていくビーグル。

その後ろ姿を笑顔で見るモナー。
しかしすぐにその表情を引き締める。

(  ∀ )「多分、そろそろ嵐が訪れるもな。
余裕がなければ、嵐を乗り切ることはできないもなよ」

呟いた後、
横に刺してあった牧草をほぐす為のフォークを手に取ると、
牧草ブロックに向かった。





.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/24(土) 23:57:51 ID:3Mh6r3AY0<>
VIP農場。

( ゚∋゚)「楽しいか?」

(´<_` )「いや、別に」

(;゚∋゚)「じゃあなんで」

(´<_` )「いや、なんか何度やっても同じ様な防具しか作れなくなったから、
ちょっと気分転換に。
さっきとじょうろを変えたのはどういう理由だ?」

花畑に水やりをしているクックル。

その後ろを付いてきて、
時々質問する弟者。

( ゚∋゚)「ん?ああ。
このエリアの花は固定されてるからな。
そこまで高レベルのじょうろを使わなくてもちゃんと花が咲く。
さっきのは大体固定できたけど、まだ失敗することがある花だから、
高性能のじょうろを使ってるんだ」

(´<_` )「ほー。なるほど。
そっか。そういう差か。
ふむ。使うハンマーとかも変えてみるかな」

( ゚∋゚)「だが、防具や武器の製造の場合はやはりレベルの高いアイテムで作ったほうが、
レベルの高い、機能の高い防具や武器が作れるんじゃないのか?」

(´<_` )「……ああ。
一応プレイヤーメイドで作れる中でも高レベルの品は、
コンスタンスに作れるようにはなった。
でも、なんとなく行き詰っているようなきがしてな。
この先が、あるような……」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/24(土) 23:59:06 ID:3Mh6r3AY0<>
( ゚∋゚)「ふむ。
草木を育てるのとはまた違った悩みがあるのだな。
考えてみれば、基本的にこちらは何が出来るか分かっている状態で育てるが、
防具や武器は、種類だけ指定して作るから、
その後はシステム任せだからな」

(´<_` )「レベルを上げて経験を積めば、
ある程度は制御できるけどな。
兄者が作るブーンの片手剣が良い例だ。
あれは作り過ぎって気もするが」

( ゚∋゚)「ははは。
あれは数が無いと意味が無いからな。
ブーンはもちろん兄者にも頑張ってもらわないと」

(´<_` )「ああ。今日も作ってるはずだ」

( ゚∋゚)「そうか。
またぶつぶつ文句を言いながら作っているのか」

くすりと笑うクックル。
その笑顔を横目に見て、弟者も笑顔を見せた。

( ゚∋゚)「さて、ここはこれでいいな」

持っていたじょうろをストレージにしまうクックル。

(´<_` )「終わりか?」

( ゚∋゚)「畑はな。
中も見ていくだろ?」

(´<_` )「中?」

( ゚∋゚)「温室で、
クーに頼まれた薬草の花と、
ツンに頼まれた色付きの牧草。
あとフサギコに頼まれた野菜とモララーに頼まれた花の栽培をしているんだ」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 00:00:27 ID:nSjyWKaU0<>
(´<_` )「モララーが花?ああ、例のデレとかいう。
あいつはホントに……。
ま、それは良いとして何故温室なんだ?」

( ゚∋゚)「渡された種や実が多くないから失敗しないようにと、
一つずつプランターに分けて肥料や水のあげ方を変えてるんだ」

(´<_` )「それは興味深いな」

( ゚∋゚)「良ければ意見も聞きたい。
見て行ってくれ」

(´<_` )「ああ頼む」

顔を見合わせてニヤリと笑う二人。

そして温室へと向かって歩いて行った。






( ´_ゝ`)「ふむ。今回も調子が良い。流石おれ」

( ^ω^)「いつもありがとうだお」

流石武具店の工房。
作業台に所狭しと並べられた片手剣と鉱石。

( ´_ゝ`)「しかし今回もかなりの量採掘してきたな。
大丈夫なのか?」

( ^ω^)「市場動向はチェックしているお。
それに三分の二以上、マッシロから回してもらった分だお。
もともとそれほど人気の無い鉱物だから、
市場から少なくなってもそれほど問題は無いはずだお」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 00:01:54 ID:nSjyWKaU0<>
色とりどりの鉱物の名前は『コランダムオール』。

ブーンが使用している軽い剣を作るために必要な鉱石である。

( ´_ゝ`)「ほう。おれはあまりマッシロのやつらには関わってないが、
ここら辺の鉱石を採掘できるレベルまで上がってきたのか」

( ^ω^)「みたいだお。
ぼくも道具屋をやってる二人くらいしか詳しくないけど」

( ´_ゝ`)「ま、いいか。
そこら辺はショボンの管轄だ。
さて採掘品にはかわらない。
鑑定がめんどくさいな」

(;^ω^)「おっおっお。
申し訳ないけど頼むお」

( ´_ゝ`)「うむ……それは良いが、
『天使の神速斬(エンジェルホライズン)』
に使う剣の変更とかは考えてないのか?」

( ^ω^)「おー。
他にアレに使えるような軽い剣だと、
流石にアレを使わなければならない状況の敵には通用しないかと思うんだおね」

( ´_ゝ`)「うむ。
『天使の神速斬(エンジェルホライズン)』は、
おれ達の切り札の一つだからな。
それ相応の敵にしか使わないし、
『天使の神速斬(エンジェルホライズン)』
を使わなければならないような敵には、
ある程度高レベルの武器でないと通用しないというわけだな」

(;^ω^)「そ、そうだお」

( ´_ゝ`)「ところでブーン、
『天使の神速斬(エンジェルホライズン)』は」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 00:04:16 ID:nSjyWKaU0<>
(;^ω^)「ちょ、ちょ、兄者,
もしかして、言いたいだけかお?」

( ´_ゝ`)「あ、ばれた?」

(;^ω^)「おー。
恥ずかしいからやめてほしいお」

( ´_ゝ`)「中二病フルスロットルでおれは好きだけどな」

(;^ω^)「兄者……」

( ´_ゝ`)「理想としては、やる前に

( ^_ゝ^)『天使の神速斬(エンジェルホライズン)』!キリッ!

とか叫んでほしい」

(;^ω^)「やめてくれお!」

( ´_ゝ`)「ま、冗談はさておき。
強い剣はどうしても重くなるし。
お前の特性、あの技を最大限に生かすには、
今のところはこいつが一番か。
量産も出来ているし」

( ^ω^)「他にもあればいいんだけど、
なかなか無いんだお」

( ´_ゝ`)「ふむ」

喋りながらも手を動かし続けている二人。

鉱石の状態で兄者とブーンが鑑定し、
用途に分けて鎚を変える。
鉱石を窯の中に入れると、
窯の炎が燃え上がり、
鉱石は溶けて形を変える。
取り出した兄者が鎚を振り下ろし、
その中で生まれた剣を再び二人で鑑定する。

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 00:05:19 ID:nSjyWKaU0<>
( ´_ゝ`)「根本的に考えを変えてみるのもいいかもしれんな」

( ^ω^)「お?」

( ´_ゝ`)「プレイヤーメイドに拘らないで、
NPCから買える武具をリメイクするとか」

( ^ω^)「おー。それは僕も考えたんだけど、
やっぱり攻撃力の高い武器は重たいのが多いし、
軽さが強みの細剣とかも、鉱物に戻すと結局重い片手剣と同じ鉱物だったりして」

( ´_ゝ`)「防具はどうだ?」

( ^ω^)「お?」

( ´_ゝ`)「似てないか?
お前が使いたい剣と前提が。
『硬くて軽い』。
盾持ちタンクなんかは重い防具でも大丈夫だけど、
それこそお前が使ってる胸当てとかツンが使ってる防具なんかは、
コンセプトが同じだろ?」

( ^ω^)「おー。でも武器も防具も使う鉱石は同じだおね?」

( ´_ゝ`)「ああ」

( ^ω^)「それじゃあやっぱり……」

( ´_ゝ`)「だが、添加物は違ったりするぞ。
武器ではほとんど使わないが防具ではよく使う添加物がある。
弟者くらいのマスタークラスになれば、
鉱石に戻すときに添加物も戻せることもあるからな」

( ^ω^)「……調べてみるお」

( ´_ゝ`)「がんばれ。
サンプル作りはやってやるからよ」

( ^ω^)「ありがとうだお!」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 00:07:13 ID:nSjyWKaU0<>
満面の笑みを浮かべるブーン。

それを見て兄者も笑みを浮かべながら鎚を振り下ろした。

( ´_ゝ`)「……やれることは何でもやっておかないとな」

兄者の呟きは、
燃え盛る炎の音にかき消された。






ツンがバーボンハウスの扉を開くと、
カウンターにはNPCの女性が一人立っていた。

(アレクトー)「いらっしゃいませ」

ξ゚⊿゚)ξ「あら、えっと……アレクトーさんよね。
こんにちは」

(アレクトー)「こんにちは。ツン様」

店内には誰もおらず、
給仕を依頼しているNPCが一人テーブルを拭いていた。

ξ゚⊿゚)ξ「誰もいないのも珍しいわね。
まいっか。フサギコ戻ってる?」

(アレクトー)「フサギコさんからお聞きしております。
先程戻られて、エクストさんとトソンさんと奥に入られました」

ξ゚⊿゚)ξ「あれ?ブーンはこなかった?」

(アレクトー)「ブーンさんも一度来られましたが、
お食事をされただけで奥には入られていません」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 00:08:34 ID:nSjyWKaU0<>
ξ゚⊿゚)ξ「そっか。兄者の所か。
了解、了解。
ありがと、アレクトーさん。
それじゃあ私も中に入るわね。
登録メンバーに聞かれたら伝えて構わないから」

(アレクトー)「かしこまりました。ツン様」

手を振りながらカウンターを通り過ぎて奥につながるドアに入ろうとするツン。
しかしノブを手にして動きを止め、
振り返ってNPCの女性に近寄った。

ξ゚⊿゚)ξ「ねえ、アレクトーさん」

(アレクトー)「はい。ツン様」

ξ゚⊿゚)ξ「ここのオーナーの名前知ってる?」

(アレクトー)「ショボン様です」

ξ゚⊿゚)ξ「うん。それはいい。
オーナーだし、フサギコが設定してるはずだし。
それじゃあうちのギルドの名前は知ってる?」

(アレクトー)「フサギコさんは、
ギルド『V.I.P』所属です。
ギルド『V.I.P』の方と設定されている方には、
フサギコさんとほぼ同じレベルの指示を聞くよう、
ギルド『N-S』所属の方に関しては、
『V.I.P』所属に対する接し方と同じにするよう指示を受けております」

ξ゚⊿゚)ξ「そうよね。うん。
……今日、フサギコを除くと誰がここ来たか分かる?」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 00:09:49 ID:nSjyWKaU0<>
(アレクトー)「わたくしがここに立ってからであれば、
ケイさん、
テイさん、
ジョルジュさん、
ブーンさん、
シャキンさん、
ミルナさん、
デミタスさん、
エクストさん、
トソンさん、
そしてツン様です」

ξ゚⊿゚)ξ「ああ、そう……うん。
もう一つ聞いていいかしら?」

(アレクトー)「はい」

ξ゚⊿゚)ξ「何故私の敬称だけ『様』なの?」

(アレクトー)ニッコリ

ξ゚⊿゚)ξ「……」

(アレクトー)ニッコリ

ξ゚⊿゚)ξ「……」

(アレクトー)ニッコリ

ξ゚⊿゚)ξ「いやあのね、スマイルはいらないから」

(アレクトー)ニッコリ

ξ゚⊿゚)ξ「……」

(アレクトー)ニッコリ

ξ゚⊿゚)ξ「よし、フサギコに聞くか」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 00:11:16 ID:nSjyWKaU0<>
(アレクトー)「よろしくお願いいたします」

ξ゚⊿゚)ξ「はいはい」

深々とお辞儀をしたNPCの女性、アレクトー。
彼女にひらひらと手を振りながら、ツンは奥へと続く扉を開けた。





VIPは、ギルドの敷地内に戦闘訓練が出来るスペースを確保している。

基本的には剣技(ソードスキル)の練習用なのだが、
ショボンが反則級アイテムとコルにものを言わせたおかげで、
『決闘』を出来るスペースは確保できていた。

牧場・農場ならば納得できる広さだが、
バーボンハウスのある建物の中にそれだけのスペースが確保できているのは、
《仮想空間》であるからだろう。

そして今、中庭で二人の男が対峙していた。

ミ,,゚Д゚彡

<_プー゚)フ

刀を鞘に納め、その刀身を完全にエクストから隠すように構えるフサギコ。
対して幅の広い両手剣を上段に構えるエクスト。

灰色と銀を下地に藍色と青色を重ねた和装をした『侍』と、
金地に炎をイメージした装飾を施した甲冑を着込んだ『騎士』。

静と動。
和と洋。

対照的な二人の間には、二桁の数字が浮かんでいた。

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 00:12:49 ID:nSjyWKaU0<>
ξ゚⊿゚)ξ

中庭に出たツンは、扉の近く、
外壁沿いに立っているトソンに近寄った。

(゚、゚トソン「ツンさん。こんにちは」

こちらを向き、
ほほ笑んでから会釈したトソンに目線と指で合図した後、
ツンは彼女の横に立った。

ξ゚⊿゚)ξ「気付かれたか。
こんにちは」

(゚、゚トソン「気付きますよ」

小声で会話する二人。

再び視線を対峙する二人に向けるトソン。

ツンはそっとその横顔も観察する。

今やNSの影の指揮者と化しつつあるトソン。
彼女自身は自分の事を
「私はただのタイムキーパーですよ」
と言っているらしいが、
ショボンは彼女の几帳面さと体内時計の正確さを活かす指揮方法を構築し、
惜しげもなく伝授したらしい。

どちらかと言えば猪突猛進型であるNSだが、
トソンという楔を得ることによって、
バランスが良くなり安定化し、
その行動範囲をさらに広げたらしい。

クーからそんな話を聞いたことを思い出していたツンに、
トソンが顔を向けた。

(゚、゚トソン「何か?」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 00:14:03 ID:nSjyWKaU0<>
ξ゚⊿゚)ξ「いや、相変わらず冷静だなって思って」

(゚、゚トソン「そう見えますか?
これでも結構手に汗握っていますけど」

ξ゚⊿゚)ξ「見えない見えない。
というか、最近のトソンからそういう風なのは想像できない」

(゚、゚トソン「それはそれで褒められているのか
馬鹿にされているのか微妙な感じですね」

ξ゚⊿゚)ξ「あ、ごめん」

(゚、゚トソン「ツンさんがドクオさん以外の人を
馬鹿にする人じゃないことは知ってますから大丈夫ですよ」

ξ゚⊿゚)ξ「べ、別にドクオの事だって」

(゚、゚トソン「冗談です」

ξ゚⊿゚)ξ「……」

(゚、゚トソン「……」

ξ゚⊿゚)ξ「分かり辛い」

(゚、゚トソン「すみません」

ξ゚⊿゚)ξ「けど、この二人の決闘で手に汗握るところなんてあるの?」

(゚、゚トソン「エクスト、頑張ってますよ。
さて、残り10秒ですね」

再び対峙する二人に視線を向けるトソン。

それなりの時間ツンと互いの目を見て話していたはずだったが、
フサギコとエクストの間に浮かぶ数字はちょうど10だった。

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 00:15:29 ID:nSjyWKaU0<>
ξ゚⊿゚)ξ「(ほんと凄いわね)」

もう一度ちらりとトソンの横顔を覗き見た後、
ツンもフサギコとエクストを見た。

決闘方式は『初撃決着モード』
クリティカルに匹敵する一撃か、
HPに対する一定のダメージを蓄積させられた方が負けるシステムである。

カウントがゼロになった瞬間走り出すフサギコ。

トソンとツンからは刀身が紫に光っているのがかろうじて分かるが、
エクストからは全く見えていない。

地を這うような低い姿勢で、
エクストに向かって真っすぐに走るフサギコ。

しかしエクストの攻撃範囲に入る直前に、
その姿が揺れた。

<_プー゚)フ!

フサギコの持つ素早さが、剣技の発動によって加速した。
更にその瞬間ステップを踏んで体を左右に振ることにより、
自分の姿をぼかすことに成功したのだ。

そしてそのまま刀を振りぬく。

身体に出来た隙ではなく心に出来た隙を射抜く、
『対人戦闘』に特化した攻撃。

紫色に輝く刀が二つ分身を従えて同時に攻撃をした。

<_プー゚)フ「やった!」

しかしそれはエクストがおろした両手剣に阻まれた。

弾くのではなく受け止めた事により、
このまま受け止めきればフサギコは剣技後の硬直を起こす。

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 00:16:46 ID:nSjyWKaU0<>
そんなことを考えたエクストをあざ笑うかのように紫の光は攻撃の方向を変えた。

<_プー゚)フ「え?」

進む方向を変え、
刀を持つ手の角度を剣技がキャンセルされない程度まで曲げ、
その勢いをエクストの斜め横に向かって流す。

<_プー゚)フ「あっ」

自分の横でフサギコが独楽のように回転するのを見たエクスト。

フサギコは空打ちした剣技から、次の連続技につなげたのだ。

<_プー゚)フ「やばっ」

フサギコは、自身の身体を時計回りに回転させながら、
エクストの周りを時計と逆回りに回転しながら青く光る刀で攻撃をした。

<_プー゚;)フ「ちょっ!」

両手剣を構えて防御するエクスト。

しかしスピードについていけず、
その体に傷を負った。

回転したままエクストから離れるフサギコ。

そしてスタートと同じ程度に距離を取った後に回転をやめ、
改めて居合い抜きのような構えをした。

ξ゚⊿゚)ξ「!」
(゚、゚トソン「そこまで!」
ξ゚⊿゚)ξ「そ!」

呼吸を荒くしつつも再び上段に構えたエクスト。

しかし次の瞬間トソンが声を上げ、
フサギコはその声によって走り出すのをやめた。

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 00:18:02 ID:nSjyWKaU0<>
一呼吸の後、二人は構えたまま視線のみトソンに向ける。

(゚、゚トソン「この勝負!審判預かりとします!
勝者!フサギコさん!」

トソンの凛とした声が響くと、
エクストが膝をついた。

<_プー゚)フ「またまけたー!」

(゚、゚トソン「エクスト、早く降参を」

<_プー゚)フ「うぃー」

ウインドウを出し、降参を選ぶエクスト。

するとフサギコの頭の上に『WINNER』の文字が浮かんだ。

そこで初めて構えを解くフサギコ。

ミ,,゚Д゚彡「お疲れ様だから!」

<_プー゚)フ「ほんと強すぎっすよ」

ミ,,゚Д゚彡「でも『鉄砲水』を受け止めたのは見事だから」

<_プー゚)フ「へへへ」

フサギコが近寄り手を差し出すと、
エクストはその手を掴み立ち上がった。

ミ,,゚Д゚彡「『鉄砲水』が打ち込む瞬間の刀の幻は、
熟練度が上がればあと3本くらい増やせるから」

<_プー゚)フ「まじっすか!」

ミ,,゚Д゚彡「そのあとの『渦潮』も、
熟練度が上がれば数を増やせるから」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 00:19:04 ID:nSjyWKaU0<>
<_プー゚;)フ「あああああああああっ!
勝てる気しねー!」

ミ,,゚Д゚彡「そう簡単には負けないから!」

地団駄を踏むエクストとにっこりとほほ笑んだフサギコ。

(゚、゚トソン「エクスト、はい、どうぞ」

<_プー゚)フ「おう。サンキュー」

差し出されたPOTを口にするエクスト。

<_プー゚;;)フ「ブフォ!」

そしてそのまま吐き出した。

(゚、゚トソン「汚いですねぇ」

<_プー゚;)フ「ま、まず!辛くて苦くて渋くて甘くて酸っぱくてまずっ!
なんだこれ!」

(゚、゚トソン「HP回復のポーションですよ?」

<_プー゚;)フ「うえ?!」

(゚、゚トソン「もったいないからちゃんと飲んでくださいね」

<_プー゚;)フ「絶対違う!こんな味じゃない!」

(゚、゚トソン「ちゃんと回復するはずですよ。
クーさんから渡されたものですし、
説明にもちゃんとHPが回復すると出ています。
ただクーさん曰く、
『味付けに失敗していると思うからエクストにでも飲ませてやってくれ』
とのことでしたが」

<_プー゚;)フ「失敗作を飲ますなー!」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 00:21:40 ID:nSjyWKaU0<>
(゚、゚トソン「それはクーさんにお伝えすればよいですか?」

<_プー゚;)フ「!」

(゚、゚トソン「お伝えすればよいですか?」

<_プー゚)フ「いただきます」

(゚、゚トソン「ちゃんと回復してくださいね」

<_プー゚)フ「ふゎーい」

ξ゚⊿゚)ξ「あの二人いいコンビね」

ミ,,゚Д゚彡「エクストは頑張ってるし、トソンも凄いから」

ξ゚⊿゚)ξ「ショボンが目をかけるだけの事はあるわよね。
時間間隔もだけど、技が削るHP量の計算も早いし正確だし」

ミ,,゚Д゚彡「今のはぎりぎりの見極めだったから」

ξ゚⊿゚)ξ「初撃決着決闘の穴。
システムが勝敗を認識するギリギリまでHPを削った後に強攻撃がヒットした場合、
その一撃でHPを消してしまう恐れがある……か……。
レベルの差が分かり易い時は攻撃力の差を気にするけど、
同じような時にはあんまり気にしないからね」

ミ,,゚Д゚彡「……まだ死者が出てないのが救いだから」

ξ゚⊿゚)ξ「でも、情報屋経由で広めてはいないのよね。
初撃決着決闘でも死ぬ場合があるってこと」
 
ミ,,゚Д゚彡「『殺し方』を広めるわけだから……」

ξ゚⊿゚)ξ「難しいところ……か。
気付いている人はいるんだろうけど。
そう考えるとショボンのとことん『削る』戦い方は、
ありなのかもね。
私は無理だけど」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 00:23:48 ID:nSjyWKaU0<>
(゚、゚トソン「ツンさん」

渋い顔でPOTを飲んでいるエクストを尻目に二人に声をかけたトソン。

ξ゚⊿゚)ξ「なに?」

(゚、゚トソン「どうでしょう。やりませんか?」

ξ゚⊿゚)ξ「私とトソンがやったら、
今みたいに止められる審判がいないじゃない」

(゚、゚トソン「はい、ですからエクストと」

<_プー゚;)フ「ぶぶぅっつぷ!お、おれ!?
おまえが誘ったんだからおまえだろ!?」

(゚、゚トソン「この四人で、ショボンさんに審判を任されているのはツンさんと私だけです。
その二人で模擬戦、決闘をしろってことですか?
つまり『審判』のいない『決闘』をしろと。
それはショボンさんに反旗を翻すという事ですが……」

<_プー゚;)フ「そこまでは言ってないし!」

ξ゚⊿゚)ξ「はいはい。
実際のところあんたと私なら自分で気付くから大丈夫だと思うけどね。
でもごめん、用事があるからやめておく。
今日はこれを渡しに回ってるのよ」

ウインドウを出したツンが操作すると、
三人の前にウインドウが飛び出た。

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 00:25:22 ID:nSjyWKaU0<>
ξ゚⊿゚)ξ「はい、新しいインナー。
防御力が格段に上がるはずよ。
ただ劣化が激しいから、連続着用は最長12時間にすること!
できれば8時間くらいに抑えて。
あと、必ず完全回復させてから着るように。
保管はモララーが作った保管箱を必ず使うこと。
出来るだけ短時間で完全回復できるから。
作れたのが一人三着がギリギリだったから、
とりあえず当分はこれで着まわして。
劣化の回復が遅くなったら直すからすぐ連絡すること!
一から作るのは時間かかるけど、修復は出来るから。
わかった!?」

ミ,,゚Д゚彡「わかったから!」

(゚、゚トソン「はい。ありがとうございます」

<_プー゚)フ「サンキュー!」

笑顔で受け取る三人。
早速着替えようとして防具を外したエクストの頭を、
トソンが思い切りはたいた。

ξ゚⊿゚)ξ「ホントに馬鹿ねえ」

ミ;,,゚Д゚彡「ははは」

ξ゚⊿゚)ξ「あ、そうだ。
フサギコ、一つ聞きたいんだけど」

ミ,,゚Д゚彡「なにだから」

ξ゚⊿゚)ξ「店番のアレクトーが私にだけ『様』付けなんだけど、
あんたなんかした?」

ミ;,,゚Д゚彡「!」

渡されたインナーを自分のストレージに移していたフサギコが目に見えて動揺した。

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 00:26:45 ID:nSjyWKaU0<>
ミ;,,゚Д゚彡「べ、べつに、なにも、して、ないから」

ξ゚⊿゚)ξ「……なんでそんなに片言なのよ」

ミ;,,゚Д゚彡「べ、っべべべべべ」

ξ゚⊿゚)ξ「よし分かった」

ミ;;,,゚Д゚彡「ふ、ふさはべ、べつになにも」

自分のウインドウを操作し、一本の細剣を取り出したツン。

防具はそのままに、右手に持った細剣を左上から右下に振り下ろす。

<_プー゚)フ!

(゚、゚トソン!

ミ,,゚Д゚彡「!そ、その細剣は……」

三人は、空気を切るその音に風を感じてツンを見た。

ξ゚⊿゚)ξ「この前兄者に作ってもらった最新のレイピアよ。
伝説級とまではいかなくても、レイピアでは最高クラスじゃないかな。
ま、これは私以外に使えないだろうけど」

細剣を構えるツン。

ξ゚⊿゚)ξ「まだ素振りしかしてないけど、
ここで初陣を飾りましょう。
フサギコ、決闘よ。
私が勝ったら……わかってるわね」

ミ,,゚Д゚彡「ま、負けないから!
……でも勝てる気もしないから」

ξ゚⊿゚)ξ「トソン、審判宜しく」

(゚、゚トソン「はい」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 00:28:01 ID:nSjyWKaU0<>
<_プー゚)フ「……やっぱり俺も手合わせしてもらおうかな。
ジョルジュにも連絡しとこ」

空間の端に移動するトソンとエクスト。
エクストは何やらウインドウを操作している。

ツンとフサギコの間には、『99』とカウントダウンが浮かんだ。

ξ゚⊿゚)ξ「フサギコ?」

ミ;,,゚Д゚彡「な、なにだから」

ξ゚⊿゚)ξ「刀、そのままでいいの?」

ミ;,,゚Д゚彡!

慌ててウインドウを出すフサギコを、トソンは不思議そうに見つめた。






从 ゚∀从「どっくんどっくん!これ可愛い!」

('A`)「お前は何をやってるんだ」

从 ゚∀从「新しい記録結晶買ったんだ!
写真撮ろう!」

('A`)「一人で撮ってろ」

从 ゚∀从「えー。一緒が良い!」

('A`)「おまえ、いまおれ達が何やってるか分かってるよな?」

从 ゚∀从「教育!」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 00:29:16 ID:nSjyWKaU0<>
( <●><●>)

( ><)

(*‘ω‘ *)

別名『巨顔(きょがん)フロア』と呼ばれるこのフロアには、
フロアのいたるところに石で造られた顔の像が溢れていた。

多くは人の顔だが、各モンスターの顔などもあり、
道具屋では酔狂な情報屋が作ったどこに行けばどの顔に会えるかを記した
『巨顔マップ』なるものまで売られていた。

('A`)「わかってるならひっつくな」

从 ゚∀从「えー。でも可愛いしー」

(*‘ω‘ *)「良ければ私が撮るっぽよ」

从 ゚∀从「たのむぽっぽ」

('A`)「おまえら……」

『中華フロア』に出現するパンダ型のモンスターの彫像の前で、
ドクオの腕に手を回してピースをするハイン。

ドクオは普段通りのヘタレ顔で、なすがままになっていた。

( ><)「正直不思議な光景なんです」

( <●><●>)「それは言ってはいけない事なのは分かっています」

( ><)「でも、最初見た時は違和感しかなかったんです」

( <●><●>)「けれど今ではそれはそれでありなんだと思っていることは、
わかっています」

( ><)「……不思議なんです」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 00:31:31 ID:nSjyWKaU0<>
( <●><●>)「ビロードと同じ意見なのは不本意ですが、同感です」

( ><)「ワカッテマス君が酷いのもいつもの事なので、
最近は平気なんです」

( <●><●>)「……とうとうドMに目覚めましたか」

(;><)「そ、そんなのには目覚めていません!」

( <●><●>)「大丈夫です、軽蔑はしますし友達でもなくなるだけです」

(;><)「全然大丈夫じゃないんです!」

(*‘ω‘ *)「なにをやってるっぽ」

(;><)「ぽっぽちゃん!」

( <●><●>)「実はビロードがとうとうド」

( ><)「わー!わー!わー!」

( <●><●>)「なんですかビロード。
いつも通りおかしいですよ」

(;><)「今もいつももおかしくなんかないんです!」

(*‘ω‘ *)「ビロードがドMなのは今に始まったことじゃないっぽ」

(;><)「聞かれていたし酷いことを言われました!」

( <●><●>)「それもそうですね。
けれどあまり騒がしくするとお二人に叱られますから」

(*‘ω‘ *)「それは大丈夫だと思うっぽ」

ちらりと二人を見るぽっぽ。
それにつられて二人も視線を向ける。

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 00:32:29 ID:nSjyWKaU0<>
('A`*)
从*゚∀从

( ><)「……二人の世界ですね」

( <●><●>)「まわりを見ていないのは分かっています」

(*‘ω‘ *)「けど、二人とも凄い人だっぽ」

静かに二人を観察する三人。

('A`)
从 ゚∀从

すると突然二人が武器を構えて三人に向かって歩いてきた。

(;><)「す、すみません!
別に覗き見をするつもりはなかったんです」

('A`)「何言ってんだ?
そろそろ次のポップが来る頃だから構えろ」

( ><)「へ?」

( <●><●>)「はい」

(*‘ω‘ *)「分かったっぽ」

手に持っていた武器を改めて構える二人。

片手斧と槍が陽光を浴びて鈍く光る。

('A`)「気を付ける点はさっきと同じだ。
おれ達は後ろで見てるから、今度は三人だけでやってみろ」

( ><)「は、はいなんです!」

木に立てかけてあった盾を手にし、
片手剣を持ち直すビロード。

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 00:34:21 ID:nSjyWKaU0<>
从 ゚∀从「ぽっぽ、
線の動き、円の動きに注意するんだぞ」

(*‘ω‘ *)「わかってるっぽ!
次こそ及第点をもらうっぽ!」

('A`)「ワカッテマス、
斧の剣技は強力な分硬直も長いのが多い。
使いどころと使う種類には注意しろよ」

( <●><●>)「はい」

('A`)「ビロード、盾の使い方がまだまだ甘い。
相手の攻撃の向き、技、味方の位置を考えて使え。
二人は自分の位置をビロードに伝えるんだ」

( ><)「はい!
(さっきとは別人なんです)」

( <●><●>)「はい!
(見た目と違っているのはもうわかっています)」

(*‘ω‘ *)「はい!
(人は見かけによらないっぽ)」

盾を構えたビロードを先頭に少し後方で武器を構える二人。

三人の目の前で、空間に敵が現れた。

('A`)「……なんか馬鹿にされてる気がする」

从 ゚∀从「どうした?」

自分の左に立つハインを見るドクオ。

少しだけ悲しげに、けれど柔らかい笑顔を見せる。

その今まで見たことのない微笑みに、
ハインの顔が赤く染まった。

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 00:35:35 ID:nSjyWKaU0<>
从*゚∀从「ど。どっくん?」

('A`)「いや、なんでもない」

从 ゚∀从「え?」

前を向くドクオ。

拍子抜けしたハインだったが、
その真剣な横顔に一瞬見惚れたあと同じように三人を見た。

('A`)「今度はおれ達が手を出さなくても良いといいな」

从 ゚∀从「ああ」

戦い始めた三人を見て、
武器を構える二人だった。







モララーの爪が、両手を振り上げた熊の身体を切り裂く。

熊「ぎゅりゃあああああああ!」

身の丈2メートルを超える熊が両手を上げて威嚇するが、
既にモララーは頭上を飛び越えていた。

( ・∀・)

モララーが装備した爪が水色に光り輝く。

そして熊の頭頂部から、後頭部、首、背中と一直線に落下しながら爪を振り下ろした。

声にならない雄叫びをあげる熊型モンスター。

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 00:36:43 ID:nSjyWKaU0<>
( ・∀・)「今だ!」

/ ゚、。 /「わかった!」

長身の青年が柄の長い鎌、
死神が持つような鎌と言えばよいだろうか、
ハインも愛用している長柄の鎌を振り被る。

/ ゚、。 /「はっ!」

赤く光っていた鎌が血のような残光を残す中、
熊はポリゴンに変わった。

片膝をつき、鎌を杖のようにして荒い息を整える青年。

モララーが青年に近付いた。

( ・∀・)「大丈夫か?」

/ ゚、。 /「ああ。ありがとう。助かった」

手を差し出すモララー。

その手を掴み立ち上がる青年。

身長は青年の方が頭一つほど半分ほど高いため、
彼が立ち上がるとモララーが少しだけ見上げるように顔を上げた。

( ・∀・)「向こうも終わったみたいだな」

モララーの視線の先ではデミタスが曲刀を肩に乗せてサムズアップしており、
その横には身長よりも長い両手棍を持ったデレがおずおずと出てきた。

/ ゚、。 /「本当に、助かった。礼を言おう」

( ・∀・)「ま、この世界じゃこれくらいは日常茶飯事だろ。
今度はあんたが誰かを助ければいいさ」

/ ゚、。 /「……うむ。精進する」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 00:38:04 ID:nSjyWKaU0<>
握手をするモララーと青年。

(´・_ゝ・`)「ふむ。美形の男二人というも少年ほどではないがなかなか絵になる……」

それを見て思わずつぶやいたデミタス。

ζ(゚ー゚*ζ「え!?」

横に立ったデレがびっくりした様にデミタスを見た。

(;´・_ゝ・`)「あ、いや、べつにおれはその」

ζ(゚ー゚*ζ「私も今同じことを考えていました」

(´・_ゝ・`)「!」

ζ(゚ー゚*ζ「美少年は」

(´・_ゝ・`)「至高」

(´・_ゝ・`)  ζ(゚ー゚*ζ

こちらも握手を交わした。

(#・∀・)「(デミタス!
何デレさんと握手してやがるんだ!)」

/ ゚、。 /「ダイオード」

( ・∀・)「え?え?
(いいとこみせたくて強い方に来たけど、
やっぱり向こうを倒してればよかった)」

/ ゚、。 /「私の名前は、『ダイオード』。
名前を、おしえてほしい」

( ・∀・)「ああ。おれの名前はモララーだ。
向こうの美少女がデレさん、
男の方がデミタスだ」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 00:39:27 ID:nSjyWKaU0<>
/ ゚、。 /「モララー、デレ、デミタス。
わかった。ありがとう」

(´・_ゝ・`)「とりあえず無事でよかった」

ζ(゚ー゚*ζ「ホントですね。
でもモララーさんもデミタスさんもお強いです!
びっくりしました」

モララー達に近寄ってきた二人。
二人とも満面の笑顔だ。

(*・∀・)「いやまあそんなこともあるかな」

/ ゚、。 /「ダイオード、と、言います。
本当に、助かった。
二人も、ありがとう」

ζ(゚ー゚*ζ「私なんか全然ですよ。
モララーさんとデミタスさんが全部やってくれました」

(´・_ゝ・`)「ま、この世界ならお互いさまだからな。
次にやれる範囲であんたが助けてやれば良い」

/ ゚、。 /「モララーにも、同じことを、言われた」

ζ(゚ー゚*ζ「二人とも紳士ですね」

(*・∀・)「いやまあそんなこともあるようなないようなやっぱりあるような」

(´・_ゝ・`)「ダイオードは一人でここに?」

/ ゚、。 /「欲しい鉱石があって、
クエストと、ついでに、採取を。
クエストレベルと、階層レベルから、
大丈夫だと思ったが、
熊が 出る前に、
狼を 倒しきれなくて、
計算が 狂った」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 00:41:08 ID:nSjyWKaU0<>
ζ(゚ー゚*ζ「!もしかして、すぐそばの村で受ける
『ランタンにいれる光る宝石』ですか?」

/ ゚、。 /「!そう、それ。
もしかして、みんなも?」

( ・∀・)「なんだ、あれが受けれるならレベルはちゃんとあるんだな」

(´・_ゝ・`)「まあこのフロアをソロで歩いているならそれなりに強いとは思ったが」

/ ゚、。 /「そうか、同じ、クエストを」

( ・∀・)「なんなら一緒に進むか?
目的地は一緒だし。
最後のエリア移動を別々にやれば宝石もちゃんと取れるだろ」

/ ゚、。 /「?そうなの、か?」

(´・_ゝ・`)「ああ。
この『ランタン光る宝石』シリーズは採取系のクエストの中では珍しく、
取り放題なんだ」

( ・∀・)「採取系と言っても鉱石採取系は採りやすいのが多いけどな」

(´・_ゝ・`)「そうともいう。
でもその後の『光る宝石を道しるべに』『ランタンを輝かせて』と続くと、
かなりの範囲を探さないといけなくなるけどな」

( ・∀・)「確かに。
でもこの『ランタンにいれる光る宝石』は採取エリアは一つだし、
最終エリアにはモンスターも出ない。
一回やって採れなくても、一回エリアを出てまた戻ればまたすぐ採取できるから、
まあ三回もやれば二組分の必要数は採れるだろ」

/ ゚、。 /「すごい、な。
調べたが、そこまで、覚えてない」

ζ(゚ー゚*ζ「ですよね!
私はレベルが足りなくてクエスト受けられなかったんですけど、
お二人のおかげでここまで来れました」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 00:42:09 ID:nSjyWKaU0<>
(*・∀・)「いやいやそんなこともあるけどさ」

(´・_ゝ・`)「ま、それなりに
ダイオードはどこまでやるつもりなんだ?」

/ ゚、。 /「できれば、最後まで」

(´・_ゝ・`)「最後まで?
次の『道しるべ』は何とかなるかもしれないけど、
ソロだとその後はさすがにやばくないか?
クエストボスは出ないとはいえ」

/ ゚、。 /「今日は、これで、終わりにして、
明日から、助っ人を、頼むつもりで、いた」

(´・_ゝ・`)「なるほどな。それなら」

( ・∀・)「なら最後まで一緒に行くか?
おれ等も最後までやるつもりだし」

/ ゚、。 /「いいの、か?」

( ・∀・)「ああ。
デレさんもいいですよね?」

ζ(゚ー゚*ζ「はい!
どちらかというと一番足を引っ張ってるのは私なので、
ダイオードさんにも迷惑をかけてしまうかもしれませんけど」

/ ゚、。 /「いや、そんなことは、ないと、思う」

(´・_ゝ・`)「うむ。おれも問題ない。
ここまでソロで来られるなら、
相応の力は持っているはずだしな」

( ・∀・)「報酬が別々に欲しいからパーティーは組めないけど、
このクエストは行動を一緒にしていても大丈夫だろ。
採取の時だけ別行動にしないと効率悪いけど」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 00:43:48 ID:nSjyWKaU0<>
(´・_ゝ・`)「一応ショボンに確認してもらえるか?」

( ・∀・)「それもそうだな。
聞いてみる」

ウインドウを出すモララー。
そのままメッセージを打ち始める。

/ ゚、。 /「ショボン?情報屋、か?」

(´・_ゝ・`)「いや、こいつのギルドのマスターなんだ。
クエストの情報を整理してあるから、
分からないことがあると聞くことにしていてな」

/ ゚、。 /「三人は、同じギルド……では、ないの、か」

三人をゆっくりとみるダイオード。

彼の視界に映る情報に、モララーとデミタスとでは違うギルドマークが浮かぶ。

/ ゚、。 /「君はギルドに、入って、いないんだな」

ζ(゚ー゚*ζ「はい。
ソロと言えばカッコいいですけど、
いつも色んな人の後ろにくっついたりしてクエストとかやってるんです」

照れくさそうに頭を掻くデレ。

ζ(゚ー゚*ζ「今日もモララーさんのお店で鉱石の話になって、
そしたらモララーさんが一緒にクエストやろうかって言ってくださって。
たまたまお店にいらしたデミタスさんも一緒にやってくださるって言って」

/ ゚、。 /「ほぉ」

ζ(゚ー゚*ζ「ありがとうございます。
モララーさん。デミタスさん」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 00:45:04 ID:nSjyWKaU0<>
(*・∀・)「いやいやデレさんのおねがいだからじゃなくて
お得意さんのお願いだしと言っても誰のお願いもOKするわけじゃないけれど
ってことはやっぱりデレさんのお願いだからということになってしまうわけだけど
でもそれだけって訳でもなくて色々と色んなことがあって」

(´・_ゝ・`)「ま、おれ達も少しやってみたかったクエストだからってことだ」

( ・∀・)「ああ、まあ、そんな感じ」

(´・_ゝ・`)「返答来たのか?」

( ・∀・)「んーと。あ、来た。
…………うん。大丈夫、だって。
デミタス、戦闘の注意点も来たから一応転送しておく」

(´・_ゝ・`)「ん、頼む」

デミタスがウインドウを開き、
モララーがウインドウを閉じた。

(´・_ゝ・`)「……なるほど」

( ・∀・)「ダイオード、
このクエストは四つ続いて完了だけど、
それぞれに鉱石がもらえる。
次のクエストをやるにはその鉱石を使わないといけないから、
途中のクエストで欲しい鉱石が出るならそこで終わるわけだけど、
おれ達は四つ目までやるつもりだ。
ダイオードはどこまでやる予定なんだ?」

/ ゚、。 /「欲しい、鉱石は、
『アダマントライト=プラス』」

(´・_ゝ・`)「じゃあ最後まで一緒だな」

( ・∀・)「おーけー。
じゃあラストまでよろしく頼む」

/ ゚、。 /「こちらこそ」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 00:46:07 ID:nSjyWKaU0<>
握手をするモララーとダイオード。

その二人をニヤニヤとほほ笑みながら見るデミタスとデレだった。





バーボンハウスのカウンターでは、
見慣れた光景が広がっていた。

(´・ω・`)「はい、ありがとうございます」

ウインドウで渡された食材を確認するショボン。
昼を過ぎて休憩時間としたため客は誰もおらず、
カウンターには三人がいるだけだった。

( ФωФ)「うむ。良かったのである」

(-_-)「良かった」

(´・ω・`)「これで……」

カウンターの中には立ったままのショボン。
カウンターの椅子にロマネスクとヒッキーが座っている。

ロマネスクのウインドウが開かれ、
いくばくかのコルが提示された。

( ФωФ)「はて?この金額は?」

(´・ω・`)「今日で前回のクエストの金額は完済になりました。
お疲れさまでした。
この金額はオーバーした分です」

( ФωФ)「!なんと」

(-_-)「え、でも、あともう一回くらいあったはずじゃ」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 00:47:06 ID:nSjyWKaU0<>
(´・ω・`)「魚の方は同じですが、
鉱石の方が全体的に高騰していまして、
その分だけ高く計算させてもらっています」

( ФωФ)「そうであるか!」

(-_-)「へー。そうなんだ」

( ФωФ)「だ、だが良いのであるか?
必要でないものを高く買ってしまっておるのでは」

(´・ω・`)「鉱物に関してはこちらで指定したものですから、
相場に従わせてもらいますよ。
といいますか、前々回から少しずつ買取金額を上げています。
今も送りましたけど各品の買い取り単価表は……」

(;ФωФ)「あー。もらっているのは分かっているのであるが……」

(´・ω・`)「見ていないんですか?」

(;ФωФ)「ショボン殿はずるなどはしないとおもっているのである」

(´・ω・`)「そういう事ではなく、ちゃんと確認してください。
まあこれで終わりですからもう見ることは無いと思いますけど」

(;ФωФ)「いやまあそうであるようなないような」

(´・ω・`)「?」

( ФωФ)「あ、だがこのコルはそのまま収めてほしいのである。
予定よりも遅くなってしまったため、
微々たるものではあるが利子代わりとして受け取っていただきたい」

(´・ω・`)「ちゃんと支払予定日前に連絡もいただいてますし、
その後は一回の支払い額を予定より多くしてもらっています。
ギルドとして利子などもいただいていませんから、
逆にこちらとしても受け取るわけにはいかないです。
これは対等な取引ですから、
ちゃんと受け取ってください」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 00:48:20 ID:nSjyWKaU0<>
( ФωФ)「……分かったのである」

コルをそのまま受け取るロマネスク。

(´・ω・`)「お疲れさまでした」

そしてショボンの差し出した手を握った。

( ФωФ)「それでその、じつは」

ロマネスクが何かを離しだそうとしたと同時にドアベルが鳴った。

(`・ω・´)「開いたってことは誰かいるだろー」

(´・ω・`)「シャキン……」

(;ФωФ)「シャキン殿」

(;-_-))

豪快に店の中に入ってくるシャキン。

握手した手を離した二人はそれぞれに彼の名を呼び、
ヒッキーは静かに頭を下げた。

(`・ω・´)「相変わらず大人しいなあお前は」

ヒッキーの頭をガシガシと撫でるシャキン。

(;-_-)「や、やめてください」

(`・ω・´)「お、声でたな。こんちは、ヒッキー」

(;-_-))

シャキンが一度離した手をもう一度頭に近付ける。

(;-_-)「こ、こんにちは。シャキンさん」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 00:49:25 ID:nSjyWKaU0<>
ヒッキーの挨拶を聞いてから手を下ろし、
ニヤッと笑った。

(;ФωФ)「シャキン殿、あまりヒッキーで遊ばないようにしてほしいのである」

(`・ω・´)「心外だなロマネスク。
おれは心配しているんだぜ。
ちゃんと喋らないと誤解されたりするからな」

(´・ω・`)「はいはい。
で、どうしたのシャキン。
連絡よこさないで来るのは久し振りだね」

(`・ω・´)「ん?ああ。
ロマネスク達が来てるだろうから遊びに来た」

(;ФωФ)「それは……」

(((;-_-)))

(´・ω・`)「一応真面目な話をしていたんだけど、
まあもう終わったからこちらは良いけど」

(`・ω・´)「そうか!」

(;ФωФ)!?

(;;-_-)!?

(`・ω・´)「じゃあまたあの店に行こうぜ!
奢るからさ。誰も付き合ってくれないんだよ。
新しいメニューが出たみたいで」

(;ФωФ)「じ、実は別に依頼があるのである!」

(´・ω・`)「え?」

(;-_-)))

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 00:52:06 ID:nSjyWKaU0<>
(;ФωФ)「やりたいクエストがあるので、
それをやるための見積もりをお願いしたかったのである」

(´・ω・`)「クエスト……ですか?」

(;ФωФ)「そうなのである。
特に急ぎではないので、
今度は先に代金を支払えるようにしたいのである」

(´・ω・`)「……はい。
それでは、受けるかどうかは別になりますが、
まずは詳しいお話を」

(;ФωФ)「よ、よろしくお願いするのである」

(`・ω・´)「なんだよー。まだ仕事のあるのかー。
おれも夕方からちょっと用事あるんだよな。
じゃあヒッキー、お前だけでも」

(;;-_-)「ぼ!ぼ!ぼくも話に参加したいので!」

( ФωФ)「え?ヒッキー大変な話はめんどくさいって」

(#-_-)「ロマネスク!
僕も話に参加するから!って!
言ったよね!」

(;ФωФ)「あ、そ、そうであったな。
うむ。勘違いしていたのである」

(`・ω・´)「ちぇー。
じゃあおれも話聞いてようかな。
暇だし。
うん。そうしよう」

( ФωФ)

(-_-)

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 00:55:19 ID:nSjyWKaU0<>
(`・ω・´)「で、なんのクエストをやりたいんだ?」

ヒッキーの隣に座るシャキン。

少しだけ納得がいかない顔をしつつ、
ロマネスクとヒッキーは話し始めた。





森を歩く一人の青年。

そこは中層、といっても下層に近いフロアであり、
出現するモンスターのレベルはそれほど高くは無かった。

しかしそれほど重要な森ではなく、
一部のクエスト、
しかも通常は重要ではないクエストを行うためだけの森であるため、
今はひっそりとしていた。

そしておそらく、
この層を根城にする程度のプレイヤーは、
彼を見たら踵を返し、
逃げ出すだろう。

何故ならば、
彼の頭に浮かぶカーソルは、
オレンジ色をしているのだから。

『オレンジプレイヤー』

他のプレイヤーを傷つけたプレイヤーは、
自分の頭に浮かぶカーソルがオレンジ色になる。

それ以外の要因でもオレンジ色にはなるが、
何故オレンジになったのかを見ただけで知る方法は基本的には無いため、
カーソルをオレンジに変えたプレイヤーは他者から
『他のプレイヤーを傷つけた、もしくは殺した者』
と思われ、忌み嫌われる。

( ゚д゚ )「うん。よし。そうだな」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 00:57:28 ID:nSjyWKaU0<>
オレンジプレイヤーであるミルナが、
ウインドウを開き何かの操作をしながら、
そして独り言を呟きつつ歩いていた。

( ゚д゚ )「それにしても、
これを戻さないとあいつらの所にもどれないな。
くそっ」

森の道はそれほど広くはないが、
一人で歩くには十分すぎる幅だ。

( ゚д゚ )「次は出るぞ。
狼1と蜂2。8分で熊1と蜂1」

呟いて、ウインドウを閉じる。

( ゚д゚ )「しかし、よくもまあこんな戦闘を思いつく」

片手斧を、
片手と言ってもかなり大きいのだが、
それを片手で器用にくるくると回していた。

( ゚д゚ )「でもまあ、さぼってたツケが回ってきたってことだからなぁ」

自嘲気味に呟いた後も、
そのまま足を進める。

( ゚д゚ )「さて、次か」

メイン武器としている片手斧を持つ手に力を籠めるミルナ。

一人、ゆっくりと次のエリアに移動する。

移動した先も、先程と同じような一本道だった。

少し広めの道。
両側には鬱蒼とした樹木。

そして、道の中央を進む。

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 00:59:05 ID:nSjyWKaU0<>
( ゚д゚ )「まずは狼と蜂……」

道を三分の一ほど進んだ時に、
彼の目でも分かるほど空間に歪みが生まれた。

( ゚д゚ )

黙って武器を構える。

そして目の前に、情報通りの敵が現れた。

( ゚д゚ )「!」

ミルナが斧を振り被る。
構えるとほぼ同時に黄色に輝く斧。

一歩分踏み込み、
そのまま斧を投げた。

回転する斧が直線で飛ぶ。
そして一匹の蜂に命中した。

( ゚д゚ )「今度こそ!」

蜂の胴体を分断させた斧。

蜂はそのままポリゴンと化した。

( ゚д゚ )「よし!」

斧はそのまま回転しつつ弧を描くように飛び、
ミルナの手元に戻ってきた。

片手斧剣技『ブーメランショット』

片手斧と片手槌にだけ存在する『帰ってくる』投擲攻撃。
しかしその扱いはとても難しい。

( ゚д゚ )「よっしゃぁ!」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 01:00:19 ID:nSjyWKaU0<>
少しだけもたつきながらも無事に柄を掴んだミルナ。

だが掴んだ瞬間に技後の硬直が発生した。

( ゚д゚ )「……っ」

その間にも狼と残った一匹の蜂がミルナに向かう。

( ゚д゚ )「……おい、ちょっと遅いだろ」

ミルナが口にする直前、
木々の中から影が飛び出していた。

一撃離脱。

影は次々にモンスターに襲い掛かり、
そのまま森に飛び込み、
そしてまた飛び出して攻撃を与えた。

武器はそれぞれに違うようだが、
共通するのは『片手用』であるということだろうか。
更に言うと武器は全く光っていないため、
剣技を使っていないように見える。

( ゚д゚ )「よし、次行くぞ!」

硬直の溶けたミルナが片手斧を振り上げ、
先程と同じように投げた。

黄色に輝く斧が回転しながら空間を切り裂くように飛ぶ。

同じように蜂に当たるが、今度は翅の部位破壊をするにとどまった。

( ゚д゚ )「だめかっ」

戻ってくる斧から一瞬目を離す。

( ゚д゚ )「あっ!」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 01:01:16 ID:nSjyWKaU0<>
斧を取るのに失敗してしまう。

何とか柄に手を当てることは成功したため
後方に飛んで行ってしまうようなことは無かったが、
しっかりと掴めず落としてしまった。

( ゚д゚ )「うっ」

技後硬直。

( ゚д゚ )「たのんだぞ」

地に落ちた蜂は、既に影の攻撃でポリゴンへと変わっていた。

雄叫びをあげる狼。

怯むことなく飛ぶ影は、短刀でその体を切り裂く。

HPバーは色をなくし、狼もポリゴンに変わった。

( ゚д゚ )「よし、次は熊と蜂だな。
次は通常攻撃の後に波動をやるから、
気を付けろよ」

自分しかいない。
いや、自分しか見えない森の道で、
ミルナが話す。

しかしすぐに目の前の空間が歪み、
一匹の熊と蜂が現れた。

( ゚д゚ )「はっ」

熊が実体化するタイミングで駆け寄ったミルナは斧を左下から右に振り上げる。

切り裂かれた熊の皮膚。
避けた隙間から見える赤いポリゴンが、
この世界が現実世界でないことを思い出させた。

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 01:02:21 ID:nSjyWKaU0<>
( ゚д゚ )「ふっ」

しかし気にすることなく手首を返し、
腕を肘から切り落とすように斧を振り下ろす。

悲鳴のような叫びをあげる熊。

( ゚д゚ )「だめか」

両手を上げた熊を見て、
後方に飛ぶ。

その間にも影は蜂を攻撃していたが、
倒すことはできていない。

( ゚д゚ )「よし!範囲攻撃いくぞ!」

斧を構えるミルナ。

彼の後ろから影が飛ぶ。

( ゚д゚ )「え?」

影に気付いた時には、
既に赤く光る斧を左から右へ水平に薙ぎ払っていた。

(; ゚д゚ )「ちょっおまっ」

技後の硬直を起こすミルナの視界の中に、
ミルナの放った衝撃波に当たる影がいた。





(#゚д゚ )「プギャー!!!!」

(;^Д^)「あー。悪い。すまん。ごめんなさい」

無事に敵を倒し次の安全エリアまで移動したミルナ。

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 01:04:34 ID:nSjyWKaU0<>
仁王立ちし、右手に持った斧で目の前に正座しているプギャーの頭をつついている。

(#゚д゚ )「衝撃波の範囲に飛び込むとか馬鹿すぎるだろう!
弱い武器で戦っているから良いものを、
普段の武器で戦っていたらどうなっていたか分かっているのか!」

( ^Д^)「……すまん」

「そこで怒ってたのですね」

周囲の草むらから聞こえる声。

( ゚д゚ )「ん?」

「またクエストやり直しだからね」

「大変だ  」

( ゚д゚ )「!」

慌ててウインドウを出すミルナ。
そして現在受けているクエスト一覧を確認する。

(;゚д゚ )「……そんな……」

「頑張るだーよ」

(;゚д゚ )「!シラネーヨ!!」



(#゚д゚ )「出てきてお前も正座!」

(;´ー`)「えー」

木々の中から現れるシラネーヨ。
マントを付けたままプギャーの隣に正座した。

(#゚д゚ )「もとはと言えばお前が帰ってくる斧に当たるっていう凡ミスをしたからだろうが!」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 01:06:46 ID:nSjyWKaU0<>
(;´ー`)「さっき散々謝っただーよ」

(#゚д゚ )「どちらにせよお前達は注意力が散漫だ!
もっと周りの動きを気にしろ!」

(;^Д^)「はーい」

(;´ー`)「だーよ」

(#゚д゚ )「『はい』は短く!
『だーよ』は返事と認めん!」

(;^Д^)「はい」

(;´ー`)「はいだーよ」

(#゚д゚ )「大体おまえたちは……」

「説教するよりさっさと戻った方が良いと思うんだけど」

「私達の事を思っての説教だと思われます」

(#゚д゚ )「せっかく一緒にいるんだから、
もっと見習ったらどうだミセリや……」

「あら、照れるちゃう。ねっ」

「*……照れる  」

(#゚д゚ )「今回の訓練はおれの技の熟練度を上げるだけじゃなく、
お前達の動きのだな……」

「!ミルナさんがレベルの低い武器を使っているのは、
一度の戦闘で技を出す回数を増やすだけじゃなく当たったことの事を考えて!」

「そりゃそうでしょ。
ショボンくんの指示みたいだし。
レベルが高いから武器のレベルが低くても危ないことには変わりないけどね」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 01:07:45 ID:nSjyWKaU0<>
「HPが四分の一を切る前にPOT回復するよう、
ショボンさんの指示だ  」

「はぁ……」

「ところで、そろそろ止めて行かない?
帰るの深夜になっちゃうよ?」

「そ、そうですね」

(#゚д゚ )「基本的のお前たちの動きはだな」

|; ^o^ |「み、ミルナさん。
そろそろアライメント回復クエストのやり直しを始めないと帰るのが深夜に……」

( ゚д゚ )!

周囲の木々の中から現れたブームが話しかけると、
ミルナは一瞬戸惑った後に、
何もなかったように冷静にこれからのスケジュールの相談を始めた。






(´<_` )「はい」

( ><)「ありがとうなんです!」

VIP農園。

弟者に渡された花束を大事そうに受け取るビロード。
その横ではクックルがにこやかにその光景を見ている。

( ゚∋゚)『いつもありがとう』

( ><)「クックルさんに作ってもらう花束が綺麗で、
ぽっぽちゃんも喜ぶんです!」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 01:08:50 ID:nSjyWKaU0<>
(´<_`;)「あー。そうなんだ」

( ><)「どうしたんですか?」

(´<_`;)「いや、渡す相手がそこにいるから。
サプライズじゃないんだなって」

( ><)「……サプライズはもうあきらめたんです」

(´<_` )「なんかごめん」

(;゚∋゚)

(*‘ω‘ *)「かわいいっぽ」

( <●><●>)「ビーグルさんが可愛らしいのは分かっています」

弟者とクックルの視線先には、
ビーグルの頭を撫でているぽっぽとワカッテマスがいる。

( ´∀`)「撫でてもらって良かったもなね」

▼*・ェ・▼「きゃんっ」
  _
( ゚∀゚)「しかしお前たちもおれ等の事が好きだよな」

( <●><●>)「それがものすごいうぬぼれだということはわかってます」
  _
( ゚∀゚)「だっておれ達の指導を受けるために予約待ちしたり、
花買いに来たり、バーボンハウスだってよく来てるんだろ?」

(*‘ω‘ *)「明確に『指導』をしてくれるのはここだけだっぽ。
強くなるためには一番だっぽ」

( <●><●>)「花を買いに来るのはビーグルだけですし、
純粋に美味しくて安価だからバーボンハウスに通わせていただいているだけです」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 01:10:06 ID:nSjyWKaU0<>
( ><)「いつも二人ともVIPは理想だって言ってるのに」

花束を持って近づいてきたビロードがぼそりと呟く。

(*‘ω‘ #)「……空気を読めっぽ」

(#<●><●>)「ビロードにそれを求めるのが無理だということは分かってます」

左右からビロードのこめかみ辺りを拳でぐりぐりと押す二人。

(;><)「な、なんですか二人とも!
止めるんです!」
  _
( ゚∀゚)「ホントに仲良いな」

(´<_` )「良いトリオだ」

( ´∀`)「仲良きことは美しきこともな」

( ゚∋゚))

▼・ェ・▼「きゃんっ」

( ´∀`)「そういえば、また次を申し込んでくれてるもなよね?」

( <●><●>)「また待たされるのは分かってます」

( ´∀`)「シャキンが、
NSで良ければまた一緒にクエストやっても良いぞって言ってたもなよ」

( ><)「本当ですか!」

(*‘ω‘ *)「それは嬉しいっぽ」

( <●><●>)「とてもありがたいですが、ご迷惑では」

( ´∀`)「NS全員で行くわけじゃないし、
最近増えた低層のクエストをやりに行きたいみたいだからちょうど良いって言っていたもな。
それに前に一緒にクエストして、シャキンが三人を気に入ったみたいもなよ」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 01:11:28 ID:nSjyWKaU0<>
(*‘ω‘ *)「あの猪突猛進ギルマスはすごかったっぽ」

( ><)「エクストさんの特攻もすごかったんです!」

( <●><●>)「トソンさんの冷静さも参考になります」

( ><)「ミルナさんとデミタスさんも優しくて、強くて、
勉強になるんです!」

(*‘ω‘ *)「ハインさんの指示も的確で勉強になるっぽ」

がやがやと騒ぐ三人を、
四人は見守っていた。





流石武具店。

店の中には兄者とブーンがいた。

( ´_ゝ`)「ん。サンキュー。
依頼したのは全部ある。
助かった」

( ^ω^)「まいどありがとうだお」

トレードウインドウを見ていた兄者が操作をすると、
ブーンには自分のウインドウにコルが入る音を聞いた。

( ´_ゝ`)「それで、参考になるようなものは見つかったか?」

( ^ω^)「なかなかないお。
いっそのこと第一層とか見に行ってみようかと思うけど、
はじまりの街に行くのは……」

( ´_ゝ`)「……あそこはな」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 01:12:23 ID:nSjyWKaU0<>
( ^ω^)「だおね……」

手に取っていた手甲を台の上に戻すブーン。

( ^ω^)「今日は弟者は?
弟者にも頼まれていたものがあるんだお」

( ´_ゝ`)「そうそう、聞いてる。
おれが受け取るよ」

( ^ω^)「わかったお」

ウインドウを操作し始めるブーン。

( ^ω^)「弟者はおでかけかお?
この前クックルから行き詰ってるみたいだってのは聞いたけど」

( ´_ゝ`)「いや、今日は鍛冶屋同士の会合だ」

( ^ω^)「おっおっお。そんなのがあるとは知らなかったお」

( ´_ゝ`)「最近だよ。
もともとは師事していた人が同じ鍛冶屋同士で
連絡を取り合っていただけだったんだが、
ちょっとそうも言っていられない状況になってきてな」

( ^ω^)「お?」

( ´_ゝ`)「ここのところ、
ひと月に一人くらいのペースで鍛冶屋が殺されている」

(;^ω^)「そ、それは本当なのかお?」

( ´_ゝ`)「『鍛冶屋が狙われている』のか、
『たまたま鍛冶屋が殺された』だけなのかは正直分からん。
だが、情報はまとめておいた方が良いだろうってことになってな。
今までも鍛冶屋同士で誰かしらとつながってはいたから、
声をかけて集まり始めたんだ」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 01:13:30 ID:nSjyWKaU0<>
( ^ω^)「おー。
それ、ショボンには」

( ´_ゝ`)「実は繋がった全員が集まるのは今日が初めてなんだ。
だからまだ言ってない」

( ^ω^)「僕から少し伝えておくかお?」

( ´_ゝ`)「いや、弟者が帰ったら情報をまとめて、伝えるさ。
まあアルゴが既に気付いて動いているようだから、
そこから話がいっているかもしれないが」

( ^ω^)「わかったお。
兄者も弟者も気を付けてくれお」

( ´_ゝ`)「ああ。分かってる。
うん。弟者に聞いていた内容もそろってる。
助かったよ」

喋りながらもウインドウを操作していた二人。

ブーンのウインドウに再びコルが入る音がした。

それと同時に開かれる流石武具店の扉。

( ・∀・)「客だぞー」

( ´_ゝ`)「お前は客じゃない」

( ^ω^)「モララーおいすー」

( ・∀・)「お客様をお連れしたんだよ!」
って、ブーンちっす。
ここで会うのも珍しいな」

( ^ω^)「今日の僕は配達人だお。
で、お客ってのは後ろの人かお?」

( ・∀・)「その通り!
デレさんどうぞ!」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 01:14:36 ID:nSjyWKaU0<>
ζ(゚ー゚*ζ「あ、こ、こんにちは」

モララーは二歩店の中に入り、
扉を支えながら後ろから店内を覗くデレを二人に紹介した。

( ・∀・)「この方は」

( ^ω^)「デレさんこんにちはだお」

ζ(゚ー゚*ζ「ブーンさん!
こんにちは!」

( ・∀・)「え?知ってるの?」

( ^ω^)「ツンの所にオーダーに来たりして知り合ったんだお。
でも今のモララーの店の所で道具屋をやってた時から、
お店には来てくれてたおね」

ζ(゚ー゚*ζ「え!?
覚えてくれてたんですか!?
嬉しいです!」

( ^ω^)「おっおっお。
可愛かったからすぐ覚えたお」

( ・∀・)「……ちくってやる」

( ^ω^)「誰に言うのかは分からないけど、
ツンには既に話してあるお」

( ・∀・)「ちっくしょー!」

( ´_ゝ`)「で?客ってことは欲しい武具があるんだろ?」

兄者がカウンターの中から話しかけると、
デレが不安そうにモララーの顔を見る。
その不安そうな瞳に、彼は笑顔で頷いた。

( ・∀・)「実はオーダーなんだ」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 01:15:44 ID:nSjyWKaU0<>
( ´_ゝ`)「オーダーか。
武器でいいのか?」

( ・∀・)「ああ、種類は両手棍。
メインの鉱物はアダマントライトプラス」

( ´_ゝ`)「『アダマントライト=プラス』で両手棍。
杖……か。
まさかおまえ、『ラグナロク』を作れってんじゃないだろうな」

( ・∀・)「そんなことは言わねーよ。
大体あれはアダマントライトプラスだけじゃ作れないだろ?」

( ´_ゝ`)「鉱石がそろっても作れる保証はないけどな。
ん。わかった。
だがアダマントライトプラスで作る以上多少重いもんが出来上がるが大丈夫か?」

デレを一瞥する兄者。

ζ(゚ー゚*ζ「……」

( ´_ゝ`)「大丈夫そうだな」

ζ(゚ー゚*;ζ「え?え?」

( ^ω^)「今手にしてる武器から、
大体の筋力パラメータを推測したんだお。
とは言っても、もともと両手棍の使い手ならそれなりに上げてあるはずだおね」

ζ(゚ー゚*ζ「あ、は、はい。
重たくて持てないのは嫌なので、
それなりに上げてあります」

( ^ω^)「なら大丈夫だお」

ζ(゚ー゚*ζ「みなさん、凄いですね」

( ・∀・)「え?なにがなにが?」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 01:18:07 ID:nSjyWKaU0<>
ζ(゚ー゚*ζ「だって、武器を見てパラメーターを推測とか、
使ってる武器で分かったりとか」

( ・∀・)「えーいやそんなことは無いよ
とか言っちゃうと謙遜に聞こえて怒られちゃうのかな
とか考えちゃうけどでもやっぱりそんなことは無いかなって
言えるのが少しは凄いとか思われちゃうのかな」

( ´_ゝ`)「武器屋なら当たり前だ」

( ^ω^)「ぼくらはそういう座学なんかも勉強しているんだお。
モンスターのレベルは見ればわかるからそこから基本の強さを推測できるけど、
武器や防具で戦い方や強さも推測できると戦い方も変わるから」

ζ(゚ー゚*ζ「!なるほど」

( ・∀・)「良ければ今度マンツーマンで教えるよ」

ζ(゚ー゚*ζ「私には無理だなー」

( ・∀・)「いやいやそんなことは」

( ´_ゝ`)「『アダマントライト=プラス』はレベルの高い鉱物だが、
その分扱いも難しい。
成功率を上げるためと方向性を決めるために添加物の使用をお勧めしてるが、
どうする?」

ζ(゚ー゚*ζ「あ、はい。
アイテムもいくつか持ってきました」

カウンターに近寄るデレ。

( ・∀・)「どれどれ」

( ^ω^)「モララー邪魔するなお」

( ・∀・)「してねーよ!」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 01:19:23 ID:nSjyWKaU0<>
( ´_ゝ`)「しかし『アダマントライト=プラス』か。
続くもんだな。
今何かキャンペーンクエストか何かの景品になってるのか?」

ζ(゚ー゚*ζ「いえ、そんなことは無いはずですけど」

( ^ω^)「何かあったのかお?」

( ´_ゝ`)「いや、この鉱石は続き物のクエストの報酬だし、
今では同じクラスの強さをもった鉱石も出てきたからあんまり見なかったが、
今日朝やってきた客もこれを持ってきてオーダーしてきたから」

( ^ω^)「おー。珍しいこともあるおね」

ζ(゚ー゚*ζ「あ、もしかして」

( ・∀・)「そうかもしれない!」

( ^ω^)「お?どうしたんだお」

( ・∀・)「もしかしてそれ、長身の男じゃないか?」

( ´_ゝ`)「商売人としての守秘義務はあるぞ」

ζ(゚ー゚*ζ「ダイオードさんっていう男性じゃないですか?
実はクエストをご一緒させていただいたんです。
ダイオードさんも報酬が必要だったので、
パーティーは組みませんでしたけど」

( ´_ゝ`)「……ふむ。
ま、何を作るか言わなければいいか。
ああ、そのダイオードって男だった」

ζ(゚ー゚*ζ「やっぱり!」

( ^ω^)「凄い偶然もあるもんだおね」

ζ(゚ー゚*ζ「ほんとうですね!」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 01:20:25 ID:nSjyWKaU0<>
( ・∀・)「ほんとうだよね!デレさん!」

盛り上がる三人。

その三人を、少しだけ冷めた目で見つめる兄者。

( ´_ゝ`)「(偶然……ねぇ。
ホントに偶然なんだか)」






(´・ω・`)「お食事中失礼いたします。
いつもありがとうございます」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 01:22:49 ID:nSjyWKaU0<>
バーボンハウス。
時間がずれている為満席ではないが、
半分ほどの席が埋まっていた。

ミセ*゚ー゚)リ「こちらこそいつも美味しいお料理ありがとうございます!」

(‘_L’)「いつも楽しませていただいています」

客席を回っていたショボンが店の奥の席にやってきて、
一組のカップルに話しかけていた。

(´・ω・`)「実は試作のスイーツがありまして、
宜しければ味を試していただけますでしょうか」

ミセ*゚ー゚)リ「え!良いんですか!」

(‘_L’)「これ、ミセミセ。
ありがとうございます。
ですが、そのような特別扱いは」

(´・ω・`)「いえ、今全部のテーブルを回りましてお願いをしてきたところなんです。
幸いみなさん甘いものを食べることが出来るようでしたので、
快諾していただいております」

二人が他のテーブルを見てみると、
確かに何組かが同じケーキを食べているように見えた。

ミセ*゚3゚)リ「もおふぃえふぃえっはらおはたひんだはらー」

(‘_L’)「ミセミセ、なんて言っているか分からないから」

(´・ω・`)「いかがでしょうか?
五択のアンケートへの回答もお願いしているので無理にとは申しませんが」

(‘_L’)「いえ、そういう事でしたら喜んで協力させていただきます」

ミセ*゚ー゚)リ「やったぁ!」

(;‘_L’)「ミセミセ……」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 01:23:58 ID:nSjyWKaU0<>
ミセ*゚ー゚)リ「だってもともと美味しかったけど、
最近さらにおいしくなってきたから新作とかチョウ楽しみなんだもん。
フィレフィレだっていってたじゃん」

(;‘_L’)「そ、それはそうですが」

(´・ω・`)「ありがとうございます」

深々と頭を下げるショボン。

フィレフィレと呼ばれている男は恐縮した様に座ったままだが頭を下げ、
ミセミセと呼ばれている女はただ笑っている。

(´・ω・`)「それでは食事が終了した頃に届けさせていただきますので、
宜しくお願いいたします。
アンケートも同時にお届けさせていただきますので、
ご記入いただけましたらそのままテーブルの上に置いておいていただければ幸いです」

優しい笑みを浮かべながら二人を交互に見つつ話すショボン。

(´・ω・`)「お食事中失礼いたしました。
ごゆっくりお楽しみください」

そして再び頭を下げ、踵を返して席を去った。

ミセ*゚ー゚)リ「やったね!」

(‘_L’)「まったくミセリは……」

ミセ*゚ー゚)リ「えー。でもフィレフィレも美味しくなったって言ってたじゃん!」

(;‘_L’)「声が大きいですよ」

ミセ*゚ー゚)リ「ごめんなさーい」

舌を出し、可愛らしく自分の頭を軽くたたくミセリ。

(‘_L’)「まったくミセミセは」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 01:25:42 ID:nSjyWKaU0<>
ミセ*゚ー゚)リ「でもフィレフィレとデートする時は
ここか下のバーボンハウスでご飯しているから
正直ちょっとあきてきてたけど、
スイーツが美味しくなったしこういうサービスも時々あるならこれからも来ても良いね!」

(‘_L’)「そ、そうですね」

ミセ*゚ー゚)リ「でもなんでいつもここなの?」

(;‘_L’)「そ、それはその。
そうです!
女性と一緒に来られるようなお店を、
私はバーボンハウスくらいしかしらないので」

ミセ*゚ー゚)リ「そうだったんだ!
ミセミセ嬉しい!
また来ようね!」

(;‘_L’)「は、はい!」

少し騒がしい二人をちらりと覗き見する他の客は何組かいたが、
すぐに興味を失って自分の食事と会話に意識を向けた。





深い森の中。

ぽっかりと空いた空間に、
一般的な成人男性とほぼ同じサイズのカマキリが一匹いた。

すでにHPバーは赤く染まっており、
カマキリの動きには少しだけ精彩さが欠けている。

カマキリ「kyawaa―――」

獣とは違う、少しだけ機械音であることを感じられる高い叫び声に少しだけ怯みつつ、
彼女はカマキリに向かって走った。

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 01:26:50 ID:nSjyWKaU0<>
右手に持った大ぶりのナイフは緑色に輝いており、
日の光の中でも緑の線を空間に刻む。

*(‘‘)*「はっ!」

掛け声と同時に跳躍したヘリカルはカマキリの懐に飛び込み、
そのままナイフを振るった。

カマキリ「gyaryaaaaaaa!」

耳に突き刺さる甲高い悲鳴。

しかしカマキリのHPバーはまだ1メモリだけ赤く光っている。

(,,゚Д゚)「!」

(*゚ー゚)「ギコくん」

後方でその戦いぶりを見ていたギコが思わず駆けだそうとしたが、
しぃがその手を掴んで止めた。

その二人の視界の中で、
ヘリカルはナイフを離す。

(,,゚Д゚)「!!」

(*゚ー゚)「……」

その反対の手、
拳を握り体に引き寄せた左手が、
赤く光っていた。

*(‘‘)*「はぁ!」

拳がカマキリを殴った瞬間、
カマキリのHPバーは光をなくし、
その体をポリゴンに変えた。



.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 01:33:12 ID:nSjyWKaU0<>今日はここまでで。

続きはまた20時間後くらいに宜しくお願いします。

ではではまたー。

.<> 名も無きAAのようです<>sage<>2016/12/25(日) 01:45:26 ID:D83XdFr60<>乙乙<> 名も無きAAのようです<>sage<>2016/12/25(日) 01:52:50 ID:TFtCgOR20<>乙乙<> 名も無きAAのようです<><>2016/12/25(日) 03:35:25 ID:p2.Jz3jw0<>乙<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 22:31:49 ID:nSjyWKaU0<>


*(*‘‘)*「しぃねぇ!やりましたです!」

(*゚ー゚)「やったねヘリカルちゃん!」

ハイタッチした後抱き合い、
そして互いの両手をもってくるくると回って踊る二人。

(,,゚Д゚)「いつの間に……。
知らなかったぞゴルァ」

遅れて近付いてきたギコがぼそりと呟く。

踊りをやめ、
いたずらっ子の微笑みでギコを見る二人。

(*゚ー゚)「へへー。
折角体術スキル覚えたんだから、
これは出来るようにしておいた方が良いかなって思って」

*(‘‘)*「いっぱい練習したのですよ!」

(,,゚Д゚)「教えておいてくれればいいだろうゴルァ」

(*゚ー゚)「だってギコくんに話したら反対しそうだし」

(,,゚Д゚)「あたりまえだゴルァ。
これは奥の手だぞゴルァ」

*(‘‘)*「分かっているのです。
それに、今のは最後にこれをやるために計算して戦っていたのですよ」

(,,゚Д゚)「はぁ?」

(*゚ー゚)「普通の敵じゃ無理だけど、
グランデマンティスならもう何回も戦ったから、
何とか計算で来たんだよね」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 22:32:58 ID:nSjyWKaU0<>
*(‘‘)*「ハイなんですよ!」

(,,゚Д゚)「まったく……」

*(‘‘)*「へへへ」

ニコニコしながらギコに近付くヘリカル。

(,,゚Д゚)「……覚えたからって、乱用するなよ。
あくまでも奥の手。
基本は武器で倒すんだぞゴルァ。
……でもまあ、よくやったぞゴラァ」

ヘリカルの頭を無骨に撫でるギコ。

*(‘‘)*「へへへへへ。
褒められたのです」

その手から逃れるように、
けれど嬉しそうにシィの後ろに隠れるヘリカル。

(,,゚Д゚)「ゴルァ。逃げるな」

*(‘‘)*「へへへなのですよ!」

駆け寄るギコと、逃げるヘリカル。

追いかけっこを始めた二人を笑顔で見つめるしぃ。

*(‘‘)*「しぃねぇ!」

広場を三周ほどしてしぃに抱きついた。

(,,゚Д゚)「まったく……」

(*゚ー゚)「さて、そろそろ帰ろうか」

*(‘‘)*「もう一度『Grande Mantis』と戦うのです!
今度は武器だけで倒すのですよ!」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 22:35:34 ID:nSjyWKaU0<>
(*゚ー゚)「もう一回か……。
まだ大丈夫……かな」

ギコの顔を見てから周囲を見るしぃ。

ギコはウインドウを出し、
何かの操作を始めた。

(*゚ー゚)「どう?」

(,,゚Д゚)「ああ、まだ大丈夫そうだ」

(*゚ー゚)「じゃ、がんばろっか!」

*(‘‘)*「ハイなのですよ!
打倒『Grande Mantis』なのです!」

(;*゚ー゚)「前から思ってたけど、妙に発音良いよね」

*(‘‘)*「フランス語はおばあちゃんに少しだけ習ったことがあるのですよ」

(,,゚Д゚)「ほー。フランス語なのか。グランデマンテスって」

*(‘‘)*「『Grande Mantis』」

(,,゚Д゚)「グランデマンテス」

*(‘‘)*「『Grande Mantis』」

(,,゚Д゚)「グランデマンテス?」

*(‘‘)*「……もう良いのですよ」

(*゚ー゚)「ははは。
私も似たような感じだからなー。
さて、もう少しすると出てくるはずだよ」

*(‘‘)*「ハイなのですよ!」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 22:38:10 ID:nSjyWKaU0<>
ナイフを構えるヘリカル。

ギコとしぃは武器を準備しつつも少しだけヘリカルから離れた場所に待機する。

周囲の森の中では、
そんな三人を観察する影があった。







川 ゚ -゚)「ハズレだ」

明るい森の中。
アイテムを検品していたクーが一言呟くと、
少し離れた位置で周囲を観察していた四人からため息が漏れた。
  _
( ゚∀゚)「またかー」

<_プー゚)フ「戦うのは好きだけどよ」

(´・_ゝ・`)「そんなに見つからないモノなのか?」

( ゚∋゚)「レアと言えばレアだが、今日は少し運が悪い。
いつのもならそろそろ五つくらい見つかっていてもいいんだが、
まだ二つだから」

('A`)「誰だよ運が悪いのは」

ドクオの呟きに、ジョルジュとエクストとデミタスがドクオを見た。

('A`)「え?なに?おれ?」
  _
( ゚∀゚)「ドクオ、ハインと二人でフラワーガーデン行ったんだって?」

('A`)「あ、あれはショボンにアイテム採取のお使いを頼まれて!
それに今は関係ないだろうが」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 22:40:11 ID:nSjyWKaU0<>
(´・_ゝ・`)「前日からハインがデートだデートだって言っていたけどな」

('A`)「あいつがおれと一緒に行動する時はいつもそう言っているだろ!
それに今はそんな話は」

<_プー゚)フ「つまり、いつもデートをしていると」

('A`)「エクストてめ、最近レベルと腕を上げたからって調子に乗ってるだろ!
帰ったら圏内模擬戦やるぞ!」

<_プー゚)フ「おれはドクオさんみたいに女にうつつを抜かしたりしていないっすから」

('A`)「慣れない敬語を使ってもだめだ!
って内容もひでぇ!現なんか抜かしてないだろ!」

ニヤニヤと笑う三人と口で戦うドクオ。

(´・_ゝ・`)「ま、そこで運を使っているドクオが一番運が悪そうだということで、
満場一致だ」

('A`)「別におれが運の悪いのは認めても良いけど、
理由には全く納得がいかん!
クックル!クックルは」

( ゚∋゚)「……そういえば、あの時作った」

('A`)「ごめんなさい。
目当ての薬草が見つからないのは、
運が悪い私のせいです」

クックルの言葉が続く前に突然土下座するドクオ。

片手剣を離したりせず、
器用に持っているのは流石と言える。
  _
( ゚∀゚)

(´・_ゝ・`)

<_プー゚)フ

三人の目がきらりと光った。

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 22:42:26 ID:nSjyWKaU0<>  _
( ゚∀゚)「クックル、詳しくは後で」

(´・_ゝ・`)「後学の為に」

<_プー゚)フ「情報は力っていつもショボンが言ってるからな」

('A`;)「クックル!!」

( ゚∋゚)「……顧客に対する守秘義務はあるが、
それがどの範囲まで適用されるかはショボンに確認してみよう」

('A`;)「ショボンに知られたらブーンに知られてツンに知られて結局全員に広まるじゃねえか!」

( ゚∋゚)「そんなことを言われてもな。
おれはギルマスに指示を仰ぐだけだから」

('A`;)「許してくれー」

川 ゚ -゚)「何をやっているんだお前らは」

('A`)「く、クー」

無駄話をしている五人に近寄るクー。
心の底から呆れており、
それが表情に現れていた。

川 ゚ -゚)「ちょっと私がメッセージを送っているとすぐさぼる」

(´・_ゝ・`)「さぼると言われてもなぁ」
  _
( ゚∀゚)「いやいやクー。
どうやらドクオがハインに花を送ったようだぞ」

<_プー゚)フ「二人の仲もとうとう進展が!」

川 ゚ -゚)「まったく……。
それとクックル、
思わず話した声がデミタスたちにも聞こえたとはいえ、
実は話せることはまだギルドの外には内緒なんだから、
少しは控えろ」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 22:44:02 ID:nSjyWKaU0<>
(;゚∋゚)「すまん。
聞こえるとは思ってなくて……。
ショボンから返信来たか?」

川 ゚ -゚)「喜んでたよ。
世界が広がったってな。
NSのメンバーにはまた今度正式に話そうと言っている。
ただ、それ以外にはまだ内緒にするように気を付けてくれとのことだ。
デミタス、エクスト、そういう事だからショボンが話すまでは、
誰にも言うなよ」

( ゚∋゚)「そうか!うん。わかった」

<_プー゚)フ「話せるなら話せた方が良いんじゃないか?」

川 ゚ -゚)「奥の手ってのは、
もてる分だけ持っていた方が良いんだよ」

<_プー゚)フ?
  _
( ゚∀゚)?

(´・_ゝ・`)?

('A`)?

川 ゚ -゚)「さてお前たち。
それはそうと、
そんなことばっかり言ってるからもてないんじゃないか?」

不思議そうな顔をした四人に対し、
軽蔑したような笑顔で話を変えた。
  _
(;゚∀゚)「べ、別におれは女なんて」

(;´・_ゝ・`)「に、二次の美少年さえいれば」

<_プー゚)フ「まあこの世界は女が少ないし」

川 ゚ -゚)「クックルも、あんまり変なこと言わないことだな」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 22:45:46 ID:nSjyWKaU0<>
( ゚∋゚)「ああ気を付ける」

川 ゚ -゚)「さて、そろそろ進むぞ。
今日の目標は十個だからな」

<_プー゚;)フ「まじかー」

川 ゚ -゚)「マジだ。マジもマジも大マジだ」
  _
( ゚∀゚)「ちょっと工房に籠ってたと思ったらいきなりこれだからな」

( ゚∋゚)「おれが育てた薬草ではお気に召さなかったらしい」

川 ゚ -゚)「いや、あれはあれで充分役に立った。
通常のハイポーションよりも更に回復力を上げたモノが出来たからな」

(´・_ゝ・`)「それが出来たならいいんじゃないか?
クックルの方でその薬草の栽培は出来るんだろ?」

( ゚∋゚)「ああ。通常の薬草ほどは無理だが、
八割がたは栽培に成功している」

川 ゚ -゚)「うむ。私もとりあえずの目標はクリアできているが、
作っている最中にもう少し伸びしろがあるような気がしてな」
  _
( ゚∀゚)「だけどよ。
最悪クリスタルで回復すれば一発なんだから、
POTにそこまで回復力が無くってもいいんじゃないか?」

(´・_ゝ・`)「おれ達、VIPとNSのメンバーは、
ショボンとブーンがかき集めてるおかげで回復結晶を贅沢に使っているが、
他の奴らはそういうわけには行かないからPOTの需要はまだでかいぞ」

('A`)「ブーンの店でも販売価格はそれなりだ」

<_プー゚;)フ「本当にクリスタルをぜいたくに使ってるよな。おれら」
  _
( ゚∀゚)「ああ、まあな。うん。そうだな」

川 ゚ -゚)「もちろんそうなんだが、
それ以外にも気になるところがある」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 22:47:29 ID:nSjyWKaU0<>
( ゚∋゚)「なんだ?」

川 ゚ -゚)「ショボンがこの前言っていたんだ。
結晶無効化エリアが増えているって」

(´・_ゝ・`)「……そうなのか?」

川 ゚ -゚)「正確には、無効化エリアを発生させるトラップがって事みたいだけどな」

('A`)「それって……」

川 ゚ -゚)「ああ。
あいつらに使われたことがあるアレだ。
エリアを結晶無効化してモンスターを無限発生させるトラップ。
それが増えているらしい」
  _
( ゚∀゚)「マジかよ」

川 ゚ -゚)「しかもトラップのレベルは高難度。
今や解除のスキルを鍛えている奴がいないと宝箱も開けられん」

(´・_ゝ・`)「そっちはドクオとモララーか?
うちはミルナとトソンが鍛えてる」

川 ゚ -゚)「トラップだけならいいが、
これから先はイベント戦やフロアボス、エリアボスとの戦闘でも、
無効化エリアが設定されることがあるかもしれないと、
ショボンは言っていた」
  _
( ゚∀゚)「その時は、スゲーPOTが必要だってことか」

川 ゚ -゚)「そういう事だ」

( ゚∋゚)「流石クーだな。そこまで考えているとは」

川 ゚ -゚)「商売のビックチャンスを逃すわけにはいくまい」

('A`;)「そこかよ!」
  _
(;゚∀゚)「えー。そっち?」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 22:49:39 ID:nSjyWKaU0<>
(;´・_ゝ・`)「一瞬感心したおれの純粋さを汚すな」

<_プー゚;)フ「VIPの中ではまともな方だと思っていたのに」

(;゚∋゚)「ほ、ほら。
攻略の安全度が増して、おれ達も潤うならそれはそれで」

川 ゚ -゚)「コルは大事だぞ?」

(;゚∋゚)「おれのフォローを活かそうじゃないか」

川 ゚ -゚)「さ、与太話はこれくらいにして先に進むぞ」

('A`)「うえー」
  _
( ゚∀゚)「おー」

<_プー゚)フ「おう」

(´・_ゝ・`)「はいはい」

(;゚∋゚)「あからさまにテンション低いな」

川 ゚ -゚)「テンションは低くてもやることはやるから問題ない」

先頭を歩こうとするクーの隣にドクオが並び、
その後ろをエクストとジョルジュ。
最後尾をデミタスとクックルが続いた。

川 ゚ -゚)「そうだドクオ」

('A`)「ん?」

川 ゚ -゚)「ハインがドクオから花束貰って嬉しすぎて、
でもみんなには内緒って言われてその喜びを示すことが出来ず、
私達に対して色々と行動がおかしくなってるからどうにかしてやれ」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 22:56:16 ID:nSjyWKaU0<>
('A`;)「なっ」
  _
( ゚∀゚)「ほう!花束!」

<_プー゚)フ「どっくんやるぅ」

('A`;)「な、何でそのことを知って!」

((;゚∋゚)))

後ろを向いたドクオに対し、クックルが慌てて首を横に振る。

川 ゚ -゚)b「ショボンがそんなネタを仕入れていないわけないだろう。
モララーに頼んでいるアレについても情報は収集済みだ」

('A`;)「ああああああああああああああああああ」

思わず頭を抱えてうずくまったドクオの肩を両側から抱くジョルジュとエクスト。
  _
( ゚∀゚)「ドクオ、後で詳しくな」

<_プー゚)フ「よし、さっさと終わらせてバーボンハウスに行こうぜ!」

('A`;)「ショボンめええええええええええ。
モララーくそおおおおおおおおおおお」

川 ゚ -゚)「あ、モララーの方はハインには内緒にしておけよ」
  _
( ゚∀゚)b「ガッテン」

<_プー゚)b「承知」

(´・_ゝ・`)b「心得た」

(;゚∋゚)b「りょ、りょうかい」

('A`;)「もうやだこいつらー」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 23:00:51 ID:nSjyWKaU0<>
川 ゚ -゚)「はっはっは。さぁ行くぞ」
  _
( ゚∀゚)「おー!」
<_プー゚)フ「おう!」
(´・_ゝ・`)「さっさと済ませよう!」

( ゚∋゚)「なんてあからさまなテンションアップ」

川 ゚ -゚)「ドクオもいつまでも座ってない」

('A`)「誰のせいだと思ってやがるんだこんちくしょう」

ゆらゆらと揺れながら立ち上がったドクオ。

そのまま歩き出すが、愛用の片手剣はしっかりと握っていた。





川 ゚ -゚)

クーの持つ薙刀が、狼男の腹を引き裂いた。

狼男「ぐをおおおおおおおおお」

叫びながら後ずさりした狼男がクーを睨む。

('A`)「ふむ……」

(´・_ゝ・`)「どうした?」

('A`)「いや、上に来れば来るほど、
敵の動きが「人」っぽくなってきたなと思ってさ」

(´・_ゝ・`)「うむ。確かに」

視線の先、
狼男は切られた自分の腹を押さえつつ曲刀をクーに向けていた。

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 23:04:11 ID:nSjyWKaU0<>
('A`)「下の層ではない動きだよな」

( ゚∋゚)「……どういうことだ?」

('A`)「基本的に下の奴らは決まった動きしかしない。
パターンがあるってことだ。
だからこう来たらこう返せ、こう防御しろ、
ここで攻撃しろ、っていう流れ、型がある」

( ゚∋゚)「最初の頃の攻略本には世話になった」

('A`)「だけど、上の層……ここ最近の敵は、
動きが人間っぽくて、型にはまってないように思えるんだ」

( ゚∋゚)「ふむ」

(´・_ゝ・`)「あの腹を押さえるなんて仕草も人間みたいだな」

( ゚∋゚)「確かに今までの敵ではなかった動きだ」

('A`)「ショボンが言ってたんだけどよ、
もしかすると今までのプレイヤーの動きや行動を蓄積して、
それを敵に反映させているじゃないかって」

(;´・_ゝ・`)「おいおい」

('A`)「まあこのあたりに出る敵ならそれほど意識しなくても良いけど、
さらに上に行って個体の強さが上がったら、
注意するに越したことは無い」

(;゚∋゚)「そうだな」

('A`)「あと」

(´・_ゝ・`)「まだあるのか」

('A`)「おそらくボスクラス、あとフロアボスとかちょっと強いクエストボスとかには、
雑魚的よりも高度なAIが使われているはずだから、
もしプレイヤーの経験が敵にも反映されているとしたらかなり怖いって」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 23:07:06 ID:nSjyWKaU0<>
(;゚∋゚)「……」

(;´・_ゝ・`)「……」

('A`)「怖いよな」

(;゚∋゚)「ああ」

(´・_ゝ・`)「うむ」

('A`)「一番怖いのはショボンだけど」

(;゚∋゚)「……」

(;´・_ゝ・`)「……」

('A`)「ま、そうだとしてもおれ達がやることは変わらないんだけど」

ちらっと戦うクーの横にいる二人を見る。

('A`)「戦闘の時は、あれくらいの方が良いのかもな」

<_プー゚)フ「いけ!そこだ!」
  _
( ゚∀゚)「さすが!うまい!」

クーに声援を送っている二人。

(´・_ゝ・`)「あれはあれで問題じゃないか?
完全に観客化してるし」

('A`)「でもまぁ気持ちは分かる。
上質の演武を見ている気分になるし」

( ゚∋゚)「……ドクオは、そういった物を見たことがあるのか?」

('A`)「ん?ああ。……少しは、な」

( ゚∋゚)「ふむ……」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 23:10:39 ID:nSjyWKaU0<>
(´・_ゝ・`)「クーは最近の敵の方が戦いやすそうに見えるな」

('A`)「かもしれない。
おれ達もゆっくり見るか。
このエリアはあの敵しか出てこないし」

ジョルジュ達のいる方に歩き出すドクオ。
二人もその歩みに続いた。

川 ゚ -゚)「甘いな」

クーの足が流れるように進み、
一気に間を詰めて狼男の武器を持つ手首を穿つ。

武器を赤く光らせた、
つまり剣技を発動させようとした狼男の手を攻撃し、
剣技の発動の為に必要な型を崩し、
技のキャンセルを起こさせた。

<_プー゚)フ「え?狙ってやった?」

('A`)「剣技発動強制解除。
通常の間合いならフサギコの剣技もキャンセルさせるぞ。
クーは。
いつものトーナメントで、フサギコに安定的に勝てるのはクーくらいだろ。
相性って奴だろうけどな」

<_プー゚;)フ「え!?」

('A`)「しかも」

強制的に剣技をキャンセルさせられた狼男は技後硬直を起こす。
もちろんそれを黙ってみているわけがなく、
クーは薙刀を出来るだけ細かく動かして狼男の身体を切り刻んだ。
  _
(;゚∀゚)「相変わらずえげつない」

('A`)「ギリギリまで剣技は使わない」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 23:12:38 ID:nSjyWKaU0<>
<_プー゚;)フ「まじっすか」

狼男の二本あったHPバーが今の攻撃で一本になっていた。

狼男「ぎぇゆらやあああああああああ」

硬直が解けた狼男は曲刀を振り上げ、
クーに向かって振り下ろした。

ブーンやドクオなら、もうその場にはいないだろう。
シャキンやジョルジュなら、盾や剣で受け止めただろう。

しかしクーはそのどちらも選ばなかった。

曲刀の腹に薙刀の柄を合わせ力の方向を変え、
摩擦を感じさせないすり足で曲刀の攻撃線から体をずらし、
そのまま狼男の右側に移動した。

川 ゚ -゚)

そして薙刀を狼男の曲刀の背に当て、
狼男の力の方向に合わせて下方向に押す。

身体を前方向に曲げる狼男。
曲刀が大地を突き刺し、すぐに抜くこともできない。

狼男「!?」

思わず動きを止めた狼男に対し、
クーは刃の向きを変え、
そのまま狼男の腕に沿って斜めに薙刀を振り上げた。

狼男「!!!」

狼男の首を切り裂かれた。

即死とはいかないが、
急所への強力な攻撃がHPバーを半分ほど削り、
色が黄色に変わった。

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 23:14:11 ID:nSjyWKaU0<>
狼男「―――――!!!!」

声ではなく、音でもない、
空気の振動のような咆哮。

周囲で見ている五人が思わず身を引き締める。

しかしクーは全く気にせずに振り上げた薙刀を大きく一回頭の上で回した後、
今度は赤く光った薙刀の刃を狼男の脳天から股間にかけて縦に振り下ろした。

狼男「!!!!!」

身体を回転させながら薙刀を振り上げ、
もう一度狼男を左右に切り分けるように薙刀を振り下ろす。

狼男のHPバーの色が赤に変わり、
そして消えた。

川 ゚ -゚)「   」

剣技後の硬直を2秒起こしてはいるが、
構えを解かないクーの目の前で、
狼男がポリゴンへと変わった。

川 ゚ -゚)「ふむ」

呆気にとられるデミタスとエクスト。
何度か見ているとはいえ感心の驚きを顔に示しているジョルジュとクックル。
ドクオはゆっくりとクーに近付いた。

('A`)「最後の残心までの流れ、さすがだな」

川 ゚ -゚)「ふっ。おばあさまが見ていたら叱られそうな戦い方だがな」

('A`;)「今ので叱られるのかよ」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 23:15:14 ID:nSjyWKaU0<>
川 ゚ -゚)「そうだな……。ドクオにならば良いか。
私が習っている薙刀の流派は『無想流』だが、
今の動きには『神崎風塵流』が混ざっている。
今の私にはおばあさまのように使い分けなど出来んから仕方ないが」

('A`)「は?」

川 ゚ -゚)「来島家はもともと『無想流』の武術をつないできていたが、
おばあさまはもともと『神崎風塵流』の使い手なんだ。
来島に嫁いでから『無想流』の使い手となり門下生に教えているが、
私に稽古する時は『神埼風塵流』も教わっていた。
『神埼風塵流』の源流が『無想流』だから出来た事ではあるが、
普通なら無理だろうな。
本来なら私も『無想流』のみを教わればよかったのだが、
おばあさまが見せてくれた演武が忘れられなくて、
無理を言って教えていただいた。
ただ私の性格的には『神埼風塵流』の方があっているらしく、
稽古以外では使い分けが難しい。
今の私の薙刀には色々と混ざっているということだ。
更に言うなら最後はソードスキルも使ったから、
かなりごちゃまぜミックスだ」

自嘲気味に笑いつつ、
ウインドウを開くクー。

川 ゚ -゚)「よし。ゲットできた。
これで今日の目標数は溜まったな」

('A`)「……『無想流』……」

川 ゚ -゚)「私は直接剣術を習ってはいないが、
門下生の動きは見たことがある。
ドクオの構えや足さばき、そして剣の振りには、
『無想流』が根底にあるように感じることがある」

('A`)「……この世界に来て、時々、さ。
忘れていたことを思い出すことがある。
本当に小さい頃、父さんが、竹刀で稽古をしてくれたこととか」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 23:16:40 ID:nSjyWKaU0<>
川 ゚ -゚)「おばあさま曰く、真面目で良い門下生だったそうだ。
帰ったら、挨拶の一つでもしてやってくれ」

('A`)「……うん」

俯き、右手に持った片手剣をみるドクオ。

クーは柔らかく微笑んだ後、
近寄らずこちらを見ている四人に向かって声をかけた。






ギルドVIP。
会議室。

VIPのメンバーだけでなく、
NSのメンバーとプギャー達3人もそこにいた。
普段とは席の形も変えて数を増やしているが、
何故か誰も座っていない席が5つあった。

(´・ω・`)「それでは全員揃ったので、
会議を始めます」

白い長机を前に、白い壁を背に座っているのはショボン。
そして彼を挟んでクーとシャキンが座っている。

彼らと向き合うように長机と椅子が並べられ、
メンバーは思い思いに座っていた。

ξ゚⊿゚)ξ「この人数は初めてね」

( ^ω^)「全部で何人いるんだお?
ぼく、ツン、ドクオ……」

('A`)「VIPが12人」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 23:18:19 ID:nSjyWKaU0<>
( ゚д゚ )「NSが6人とプギャー達3人」

(´・_ゝ・`)「全部で21人か」

▼・ェ・▼「キャン!」

( ´∀`)「ビーグルも入れて22人もなね」

('A`)「悪い、抜けてた」
  _
( ゚∀゚)「何やかんやで20人超えか……」

( ・∀・)「……本当はもっと多いしな」

(´<_` )「規模的にはどうなんだ?」

( ´_ゝ`)「確か、今アインクラッドで20人を超えてるギルドは多分そんなに多くなかったと思う」

( ´∀`)「そうもなね。
多分十人前後が一番多いんじゃないもな?」

( ゚∋゚)『そうなのか?』

( ´∀`)「もなもな。
前に情報屋さんが出してたギルドリストだとそんな感じだったもな」

ミ,,゚Д゚彡「そんなリストがあったのを知らなかったから」

从 ゚∀从「情報屋って例の鼠のアルゴか?」

( ・∀・)「ああ。前にショボンが買ってたやつならおれも見た」

( ^Д^)「ギルドの数も増えてるんだろ?」

|  ^o^ |「ギルドでないと受けられないクエストもありますから」

( ´ー`)「ギルドを作るには3層のクエストをやらなきゃいけないけど、
中層プレイヤーなら余裕をもってやれるだーよ」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 23:20:06 ID:nSjyWKaU0<>
(゚、゚トソン「そうですね。
私もNSに入る前に入ったギルドは、
ギルドクエストをやりたい人達用に作られた急造ギルドでした」

<_プー゚)フ「はあ?そんなんでギルド回せるのか?」

(゚、゚トソン「もちろんすぐに空中分解しましたよ。
クエストも結局クリアできませんでしたし」

<_プー゚)フ「だよなぁ」
  _
( ゚∀゚)「エクストはNSが初ギルドなのか?」

<_プー゚)フ「おう。
ずっとソロやってた」

( ´∀`)「トソンもその前まではずっとソロだったもな?」

(゚、゚トソン「いえ、いくつかギルドに誘われて入ったことがあります。
ただパーティーの時は良いのですが、
何故かギルドに入るとひと月経たずに辞めてほしいと言われまして……。
理由は分からないのですが」

<_プー゚)フ「コルに細かかったんだろ」

(´・_ゝ・`)「だろうな。
うちに入った時にも色々言ってたし」

( ゚д゚ )「想像できる」

(゚、゚トソン「コルは大事ですよ。
ギルドに入ると自動的に徴収されるわけですから、
その使い道や運営方針を説明していただくのは当然です」

( ・∀・)「それは当然だな」

(゚、゚*トソン「ですよね。モララーさん」

( ゚д゚ )「度が過ぎると引かれるってことだ」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 23:21:47 ID:nSjyWKaU0<>
ξ゚⊿゚)ξ「よくNSでやってられるわね」

( ゚д゚ )「入ってきた時にその話をされたから、
それ以降は全部任せた」

ξ゚⊿゚)ξ「はあ?」

(´<_` )「え?入ってすぐ?」

( ゚д゚ )「ああ。
それまではシャキンに任せられないからおれがやっていたけど、
トソンの方がうまくやれそうだったから」

(゚、゚トソン「まさか入った次の日に任せられるとは思いませんでしたが、
それからはNSのギルドとしてのコルに関しては全て私が調整しています」

(´・_ゝ・`)「おかげで貯金も出来たしな」

(゚、゚トソン「ホームは既に購入されていたので拠点はありましたが、
備品も含めて色々と無駄が多かったので、
全て洗い出して整理しました。
悔やまれるのはその時にブーンさんを紹介していただいていなかったことです」

ξ゚⊿゚)ξピクッ

(;^ω^)「流石に不要なものは高く買ったりしないお」

(゚、゚トソン「その節は色々と買っていただきまして、
ありがとうございました。
また少し不要物が溜まってきましたので、
後日お伺いします」

(;^ω^)「……相場に少しくらいはおまけするお」

ξ゚⊿゚)ξ……アアソウイウコトネ

( ´_ゝ`)「けどトソンとエクストは続いているよな。
ハインと二人の間だけでも三人くらい入って抜けてるだろ?」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 23:23:19 ID:nSjyWKaU0<>
( ゚д゚ )「ああ」

(´・_ゝ・`)「うちはほら、外から見ると少数精鋭でガンガン進んでるギルドだけど、
実態はほら、シャキンだから」

<_プー゚)フ「おれは自由にやらせてもらってるし、
寝る場所もあって、今までより安く武器の装飾も出来て、
強くもなれて、良いこと尽くしだ」

(゚、゚トソン「私もエクストと同じです。
まさか全部任されるとは思っていませんでしたが、
任された以上はちゃんとやらせていただきます。
毎月月末に出している収支報告書をちゃんと読んでいただけないのは不満ですが」

( ゚д゚ )「目は通してるぞ」

(゚、゚トソン「ギルマスがです」

ξ゚⊿゚)ξ「それは無理よ」

('A`)「無いものねだりだな」
  _
( ゚∀゚)「ダメだな」

( ´_ゝ`)「期待したらいかん」

(´<_` )「そこら辺はな」

( ´∀`)「まだ甘いもなね」

( ・∀・)「好きにやれば良いってことだ」

(;^ω^)「おー」

(;゚∋゚)

ミ;,,゚Д゚彡「フォローできないのが悲しいから」

( ゚д゚ )「流石によくわかってる」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 23:24:21 ID:nSjyWKaU0<>
(´・_ゝ・`)「シャキンだからな」

(`・ω・´)「おーい、おまえら、そろそろ静かにしろー」

ずっとしゃべり続けているメンバーに対し、
シャキンが苦笑いを浮かべながら静かにするよう注意したが、
それでも喋りは止まらなかった。

(`・ω・´)「おいお前たち、いい加減に……」

川 ゚ -゚)「全員静かに」

静かに全員を見ていたクーが、
冷静に、決して大きな声ではなく、
けれど全員に届く声で声をかけると、
全員が黙りショボンを見た。

(`;ω;´)「良いんだ良いんだどうせ俺なんて」

川 ゚ -゚)「シャキンも黙りましょうか」

(`・ω・´)「ハイ」

(´・ω・`)「ええっと……。
それでは静かになったところで話を進めます。
まずは資料を配布するので、出して3ページ目まで読んでください」

ショボンがウインドウを出し操作をすると、
全員の目の前にもウインドウが飛び出した。
その『トレードウインドウ』には、
ショボンから送られたアイテムが一つだけ記されている。

(;^ω^)「おー。
なんかクーの機嫌が悪いお」

ξ゚⊿゚)ξ「そうなのよね。
多分ショボン絡みで何かあったんだと思うんだけど」

('A`)「……『これ』絡みだろうな」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 23:27:08 ID:nSjyWKaU0<>
それぞれにウインドウから『資料』を取り出すなかコソコソと話している面々。

しかし指示通りに資料を読むと、
ほぼ全員が表情を引き締め、鋭い視線でショボンを見た。

(´・ω・`)「僕達が殺人ギルドに狙われているのは前々から話してありました。
これは、その殺人ギルドがかかわったと思われる事件の一覧です」

ξ;゚⊿゚)ξ「こんなに……?」

(´・ω・`)「推測も含まれるため全部そうだとは限りません。
けれど各情報屋から買った情報、
バーボンハウス、雑貨屋Booon、流石武具店、モララー細工工房、
VIP牧場と農園、依頼された仕事の時や教育時にも集めた情報から、
この結果を導き出しました」

静まり返る室内。
けれど誰もが大人しく聞いているのではなく、
怒りや恐怖、苦しみや悲しみの入り混じった表情をしていた。

(´・ω・`)「攻略組の精鋭によって崩壊した殺人ギルド『Laughing Coffin』との違いは、
彼らは自分達が表に出ないため、世間には知られていないことです。
ですが情報屋界隈では既に周知の事実となりつつあります。
また、基本的に彼らは自分達よりも弱い相手しか狙っていないため、
攻略組などの上層プレイヤーの目には触れにくくなっています」

ざわつく室内。
じっと黙って彼らを見つめるショボン。
ざわめきが、波が引くように静かになる。

(´・ω・`)「けれど、彼らは今僕達を狙っています。
不本意ながら僕達のギルドは中層プレイヤーの中ではトップクラス。
『攻略組に入れるギルド』とまで言われ始めました。
そんな僕らを狙い、殺し、潰し、自分達の存在を世に出すつもりなのだと思われます」

( ^Д^)「なんでそんなことを」

(´・ω・`)「自己顕示欲。
目の上のたん瘤だった『Laughing Coffin』が壊滅させられ、
自分達が裏の世界の表に出るチャンス、
とでも思ったのではないかと」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 23:29:42 ID:nSjyWKaU0<>
(゚、゚トソン「そんなことで……」

(´・ω・`)「小さなギルドやパーティーで犯罪を犯していた集団は、
今までに何個か潰し、黒鉄宮の監獄エリアに送っています。
彼等はある意味分かり易かったです」

(´・_ゝ・`)「分かり易い?」

(´・ω・`)「はい。
彼等はコルやアイテム欲しさ、
或いはplayer killに魅せられてしまい、
犯罪を犯していました。
『Laughing Coffin』も、
ギルマスのPoHは少々違っていたように思えますが、
ギルドのメンバーの行動はplayer killに感じる悦楽を得るためだったと思われます」

从 ゚∀从「ひでぇな……」

(´・ω・`)「ですが、今回のギルドはどこか違うように思えます。
『裏で蠢く自分がカッコいい』
『他が出来ないことが出来る自分が凄い』
『みんなを助けるとか叫ぶ偽善者の集団じゃない、
人間の本能に従順にしているおれ達の方が自然だ』
そんな、愚かな自己顕示欲を、感じます」

( ´ー`)「中二病だーよ」

(´・ω・`)「そうですね。
本来ならば気にしたくない相手です。
向こうから寄ってこなければ、相手にしたくない。
けれど、彼らは僕らを殺し、ギルドを壊滅させようとしている」

言葉を切るショボン。
そしてゆっくりと全員の顔を見てから口を開いた。

(´・ω・`)「降りかかる火の粉ならば、
振り払い、消したいと思います」

静まり返る室内。

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 23:30:53 ID:nSjyWKaU0<>
誰も身動ぎ一つせず、ショボンを見ていた。

しかしショボンが口を開こうとしたその時、
彼が先に言葉を発した。
  _
(  ∀ )「ショボン」

(´・ω・`)「……なに?ジョルジュ」
  _
(  ∀ )「その、殺人ギルドってのは、どこ、……なんだ?
ギルマスは誰、…… …… …… なんだ?」

(´・ω・`)「ジョルジュ……」
  _
(  ∀ )「……言って、くれよ」

(´・ω・`)「…… …… ……。
ギルド名は、『ANGLER』。
ギルマスは、『ロマネスク』」







( ФωФ)「準備は進んでいるのであるか?」

(-_-)「うん。みんなちゃんと動いているよ」

( ФωФ)「ならばよいのである」

(-_-)「みんな殺りたくて殺りたくて仕方ないみたい」

( ФωФ)「仕方ないであるな。
今までストップをかけてきたであるから」

森を歩くロマネスクとヒッキー。
その森は低層階と中層階の境目の層の片隅にあり、
特にめぼしいクエストも付加価値の無いこの森を歩く者は今はほとんどいない。
実際今も彼らは森に入ってから誰にも会っていなかった。

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 23:33:32 ID:nSjyWKaU0<>
( ФωФ)「さて、そろそろつくのである」

(-_-)「ん。わかった」

腰の小さなポーチからアイテムを取り出すヒッキー。

そして大きな木の根元に辿り着くと、
取り出したそれ、
オカリナのような笛を口に付けた。

( ФωФ)「いつ聞いても良い音色なのであるな」

ヒッキーの奏でる音色は美しく、儚く、透明で、
エリアを広がっていった。

そして一曲終わると、巨木の根元に人が一人充分通れるほどの穴が開いていた。

(-_-)「出来たよ」

( ФωФ)「では入るのである」

ロマネスクに促されヒッキーが進み中に入ると、
彼もその後に続いた。





  _
(  ∀ )「……」

ξ゚⊿゚)ξ「ジョルジュ……」
  _
(  ∀ )「……悪い、進めてくれ」

(´・ω・`)「……。
ギルド『ANGLER』が暗躍していくつかのPK行為が行われたのは確かだと思われます。
ですが調査により、おそらくは『ANGLER』全体が、
ギルドのメンバー全員が関わっているということは無いようです」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 23:37:13 ID:nSjyWKaU0<>  _
(  ∀ )「!」

(´・ω・`)「《釣り師ギルド》であるという隠れ蓑を最大限に生かすため、
ギルドメンバーのほとんどは本当に釣りや低層階の狩りで生計を立てている、
PKには関わっていないプレイヤーだと思われます」

( ゚д゚ )「どれくらいのメンバーが関わっているんだ?」

(´・ω・`)「分かっている限りでは、
ギルマスの『ロマネスク』」
  _
(  ∀ )「……」

(´・ω・`)「その右腕、『ヒッキー』」

('A`)「ま、そうだろうな」

(´・ω・`)「以前の行為でギルドを辞めさせられている、
おそらくは実動担当の『マタンキ』」

( ^ω^)「……許すことはできないお」

( ・∀・)「今度はちゃんと倒す」

(´・ω・`)「あとこれも推測ですが、情報収集担当で『フィレンクト』」

ミ,,゚Д゚彡「……よく来てくれる、良いお客さんだから」

|  ^o^ |「情報収集のためにバーボンハウスによく来ていたという事ですか?
そこからその方も怪しいと?」

(´・ω・`)「それもありますが、
彼が仕入れたと思われる情報をもとに、
PKが起きていました」

<_プー゚)フ「?どういう事だ」

(´・ω・`)「彼が仕入れた情報を、
同時に知ることが出来るように手を打っているので、
そこから導き出しました」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 23:42:05 ID:nSjyWKaU0<>
<_プー゚)フ「へ?」

(´・ω・`)「PKの理由はいくつかありますが、
その一つにレアアイテムの強奪があります。
噂で弱小ギルドやソロプレイヤーがレアアイテムを手に入れた事を知った時は、
情報を道具屋界隈に回して買取を持ちかけるようにしています。
有力な道具屋や防具屋などが高価での買取を募集している噂が耳に入ると、
本人自らが買取を依頼しに来たりすることもあります。
また、自分がレアアイテムを持っていることを周りに知られたことが分かると、
それによって命が狙われることがあること流石に分かっているため、
高い頻度で売ってしまうプレイヤーがほとんどでした」

(゚、゚トソン「……お金は人を狂わせます」

<_プー゚)フ「お前が言うと段違いに重いな」

(゚、゚トソン「とりあえず流しますが、
会議が終わり次第裏庭に来てください」

<_プー゚)フ「ごめんなさい」

(´・ω・`)「ただレアアイテムとはいえ結局はアイテムです。
それを理解できていない人も多く、今までちゃんと鍛えていないのに、
それを持つことによって強くなったと勘違いする人もいます。
知り合いのプレイヤーなら説得したり影から手を回すこともできますが、
知らないプレイヤーの場合は探すところから始めなければいけません。
……間に合わず、調べていると黒鉄宮の碑に線が引かれていました」

何人かが息をのむ音が聞こえる。

(´・ω・`)「因果関係を完全と言い切ることはできません。
ですが、確率は高いと思われます」

会議室が静まり返る。

(´・ω・`)「現在ギルドとして分かっているのはこの四人です。
先にも言いましたが自分達は情報ややり方を示唆することが中心で、
実際に行う者はギルドに全く関係ないプレイヤーであることが多々あるようです。
しかし釣り人ギルドとして数十人が登録しているギルドですので、
彼ら以外にも実動担当や情報収集する者がいてもおかしくありません。」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 23:45:02 ID:nSjyWKaU0<>
(;´ー`)「そんなのどう対策すればいいんだーよ」

(´・ω・`)「極論を言えば、誰が向かってこようが対応できる状況にするだけです」





丸い部屋は、木の中にあった。
巨木の中を丸くくり抜いたようなとでも言えばよいだろうか。
中央には年輪がくっきりと出た大きな丸い木のテーブル。
その周りを八個の切り株の椅子が囲んでいる。
灯りを放つ電球などは無く、
部屋の壁、木肌が淡い光を放っていた。

そんなおとぎ話やファンタジー小説に出てきそうな雰囲気を持った部屋だったが、
部屋の中はピリピリとした空気で満ちていた。

( ФωФ)「全員揃っているようであるな」

ヒッキーが開けたドアから彼に続いて部屋の中に入ってきたロマネスクは、
部屋の中にいる者達を見回してからにやりと笑う。

椅子の数よりも多い人数が、
それぞれの場所でロマネスクとヒッキーを見た。

(‘_L’)「お二人が最後です」

(-_-)「ロマネスクの準備が遅いんだよ」

( ФωФ)「リーダーは一番最初か一番最後に来るものなのであるよ」

(‘_L’)「ならば最初から来てくだされば」

( ФωФ)「ここは彼が寝泊まりしている場所である以上、
最後に来るのが唯一の正解なのである」

部屋の片隅に視線を向けるロマネスク。

その先では、椅子に座らず膝を抱えて床に座っている男がいた。

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 23:46:57 ID:nSjyWKaU0<>
( ФωФ)「マタンキ、この部屋の寝心地は如何であるか?」

(・∀ ・)「……しらねぇよ」

( ФωФ)「ふむ……。
今は低調のようであるな」

(-_-)「この前緑に戻したのに、
またオレンジになってるし」

(‘_L’)「もう付き合うのは御免ですよ」

( ФωФ)「まあまあそう言わず。
高調の時しか動かないマタンキを御することが出来るのは、
フィレンクトくらいなのであるから」

(‘_L’)「嬉しくありません」

(・∀ ・)「フィレンクト、水飲みたい」

(‘_L’)「はいはい」

座っていたフィレンクトがテーブルの上のカップをもってマタンキに近付いた。

(-_-)「何やかんや言って良いコンビ」

( ФωФ)「であるな」

「ねえ、そんな話をするために集めたの?」

四人を冷ややかな目で見ていた何人かの一人が口を開いた。

( ФωФ)「すまないのである。
今日はVIPを壊滅させる作戦についてお集まりいただいたのである」

「VIPなんて関係ない。
私はあいつを殺せればいいだけ。
……許せない、あいつを」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 23:48:21 ID:nSjyWKaU0<>
( ФωФ)「そうであったな。
もちろん分かっているのである」

小柄な『少女』がロマネスクを見つつ足を組み替え、
腕を組んで睨んだ。

(少女)「言っておくけど、
あいつを殺させてくれるっていうから、
来ているんだからね。
そうでなければ、誰があんた達なんかのいう事なんか」

(-_-)「ふん。
ビッチが」

(女)「引きこもりの童貞は黙ってなさい」

(#-_-)「誰にでもに股を開く女に興味ないよ」

(女)「その『誰にでも』に入れてもらえない虫けらは黙ってなさいって言ってるの」

(#-_-)「うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるs」

ウインドウを出したヒッキーを見てウインドウを出すデレ。

( ФωФ)「やめるのである。
目的を同じくする者同士が戦うのは愚かである」

武器を取り出そうとした二人を制するロマネスク。

見れば部屋にいる者は防具は付けているが武器は手にしていない。

( ФωФ)「ここに入るにはキーアイテムか設定されたアイテムが必要であるが、
基本的には圏外なのである。
モンスターが出ない以上、
この部屋では武器はご法度なのである」

(-_-)「……分かってるよ」

ウインドウを消す二人。

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 23:53:26 ID:nSjyWKaU0<>
(少女)「あと言っておくけど、私、ここでもリアルでもバージンだから」

一瞬身体を震わせたヒッキーだったが、
誰もそれについては触れなかった。

「別に、ひとりでかまわない」

少女の隣、座っていても分かる長身の男が口を開いた。

( ФωФ)「貴殿もそんなことを言わないで欲しいのである」

(長身の男)「今までも、一人で、殺してきた。
助けも、仲間も、必要ない」

(‘_L’)「……今まで貴方が殺してきた者達とは違い、
今度はギルドに入って仲間で動いている者です。
我らと共にいた方が、都合が良いでしょう」

(長身の男)「だから、ここにいる。
でも、これ以上 意味のない 話し合いは、必要ない」

( ФωФ)「言う通りであるな。
……話しを進めるのである」

席に戻ったフィレンクトに目配せをしつつ、
ロマネスクは発言しない者達も含めた全員を改めて見回した。






(´・ω・`)「大まかな作戦は以上です」

渡した資料の中の、
作戦について説明を終えたショボン。

細かい点については個別に話すことにしたと言っていたが、
それでも時間的には長い話だった。

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 23:56:11 ID:nSjyWKaU0<>
しかしもちろん、誰一人寝ることもなくその説明をしっかりと聞いていた。

(´・ω・`)「質問はありますか?」

( ゚д゚ )「ショボンにしては大雑把な作戦だな」

(´・_ゝ・`)「『作戦』と言っていいのか?」

(´・ω・`)「厳密にいうと違うでしょうね。
どちらかというと『対応策』に近いと思います。
相手の出方待ちなので仕方ありませんが」

从 ゚∀从「こちらから誘うことは考えてないのか?」

(´・ω・`)「はい。
……戦闘せずとも彼らが考えを改め、
僕らを狙わず、今までの行為を悔やんでくれるのが最善だと思っています」

一瞬の間。
全員の表情を見て、ショボンが困ったように苦い笑い顔を見せた。

( ´∀`)「この『個別』にやってくるというのは確かもな?」

その空気を壊すようにモナーが聞いた。

(´・ω・`)「おそらくは」

( ゚д゚ )「流石に一対一はやばいだろ」

(´・ω・`)「はい。
ですが一人でなければ狙われないでしょうから、
一見一人にはなってもらいます。
もちろん影にサポートは付けます」

ξ゚⊿゚)ξ「わたし、いらないわよ」

( ´_ゝ`)「おれもいらん」

(;^ω^)「ツン!」

(´<_`;)「兄者!」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/25(日) 23:58:40 ID:nSjyWKaU0<>
ξ゚⊿゚)ξ「だって、
狙ってくる敵が分かってるなら、
それに対して対応すればいいだけの話じゃない」

( ´_ゝ`)「武器もわかってればその対策も練れる」

(;^ω^)「危険だお!」

ξ゚⊿゚)ξ「危険なのはあんたの方よ」

( ^ω^)「お?」

ξ゚⊿゚)ξ「もしそのとき私も兄者もいなかったら、
あんたどうやって『天使の神速斬(エンジェルホライズン)』をやるつもりよ」

( ^ω^)「お、お。それは、その……」

(´・ω・`)「その辺りの手は打つよ」

ξ゚⊿゚)ξ「手って?」

(´・ω・`)「ツンや兄者以外にも出来るようになればいいだけの事だよ」

ξ゚⊿゚)ξ「それが出来ないから問題だったんじゃない。
私達以外でやれるのはショボンくらいでしょ?
もちろんブーン一人でもやれるけど、
それじゃあ機動力は八割、いや七割が良いところよ。
それに一番大事なのは止めることが出来るかってことよ」

(´・ω・`)「それもわかってる。
ブーンが長時間やろうとした時のストッパーがね。
だけど、何とかできると思う」

ξ゚⊿゚)ξ「……信じるわよ」

(´・ω・`)「準備と訓練は必要だから、
ツンにも力は貸してもらうよ」

ξ゚⊿゚)ξ「了解」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/26(月) 00:02:03 ID:ghsoR2hU0<>
( ^ω^)「おー。僕の意志に関係なく話が進んでる気がするお」

('A`)「諦めろ。
おれはとっくの昔に諦めてる」

从 ゚∀从「どっくんは私が守る」

('A`)「そこで口を挟むな」

从 ゚3从「どっくんのいけずー」

ξ゚⊿゚)ξ「あら、ハインもその口出来るようになったのね」

从 ゚3从「練習した!
な!トソン!」

(゚ε゚トソン「私にふらないでください」

<_プー゚)フ!

( ・∀・)!

( ^Д^)!

(´・ω・`)「はいはい、話を元に戻しますよ」

(`・ω・´)「このノリがおれらの良いところだな」

(´・ω・`)「そうなの?」

(`・ω・´)「そうだろ」

川 ゚ -゚)「時と場合は選んでほしいところですが」

(´・ω・`)「だよね」

(`・ω・´)「選んでるからこれくらいで済んでるんじゃないか」

クーが諦めたように肩を落とし、
ショボンは今度は朗らかな笑顔を見せた。

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/26(月) 00:03:36 ID:ghsoR2hU0<>





( ФωФ)「以上が作戦である」

ロマネスクの話が終わると、
何人かが大きなあくびをした。

(少女)「ま、これなら良いけど。
私の邪魔はしないでね」

(-_-)

(女)「なに?」

(-_-)「べ、別に何でもない」

(長身の男)「了解、した。
こちらの邪魔も、しないでほしい」

( ФωФ)「分かっているのである。
貴殿は貴殿の信念で動いていただければいいのである」

(長身の男)「……」

( ФωФ)「お主もわかったであるか?」

「……わかっているのです」

(-_-)「本当に分かってるの?
さっきから下ばかり向いてるけど」

部屋の中には口を開かずただ聞いているだけの者が何人かいたが、
ロマネスクとヒッキーは一人の男を見た。

俯いていた男が顔を上げる。

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/26(月) 00:04:53 ID:ghsoR2hU0<>
(男)「……私がやるべきことをやらないと、
私の大事なものがどうなるかを分かっています。
ですが、私の力であの面々を倒せるとは思えないのです」

( ФωФ)「VIPの面々は君には本気を出せない。
それがある以上大丈夫なのである」

(男)「……はい」

(-_-)「それに何度も指導を受けてるんだから、
戦闘の癖くらい見抜いてるでしょ?
君なら」

(男)「!……はい」

( ФωФ)「それがあるから君を引き入れたのである。
働きを期待しているのである」

(男)「…… ……わかっています」

そこにいる全員の、
いやマタンキ以外全員の視線を受け止めながら、
彼は頷いた。






ギルドVIPホーム、会議室。

白い部屋で、ショボンだけが喋っていた。

(´・ω・`)「細かい動きや流れに関しては、
個別、チームごとに説明しますが、
大まかな話はこれで終わります。
基本は『臨機応変』ですが、
今の皆なら難しくはないと考えています」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/26(月) 00:06:30 ID:ghsoR2hU0<>
大きく頭を下げるショボン。

全員がほぼ同時に息をついた。

ξ゚⊿゚)ξ「ねえショボン。
一つ聞きたいんだけど」

(´・ω・`)「はい」

ξ゚⊿゚)ξ「あんたの本心。
建前や言葉で着飾ってない、あんたの本心。
教えて」

(´・ω・`)!

川 ゚ -゚)「おい、ツン」

ξ゚⊿゚)ξ「今話したことは全部間違ってない。
VIPが狙われているってことは、
VIPはもちろん、NSや関係の深い人達も狙われるってことでしょう。
そこにいるプギャー達とか。
辞めたとはいえギコやしぃも狙われるかもしれない。
だからこの作戦?対応策?には納得できる。
でも、あんた本当はどう思ってるの?
今みたいな会議での言葉じゃなく、
ギルドマスターとしてではなく、
ショボンとしての本心を教えて」

( ^ω^)「ツン……。
でも、だおね。
ショボン、僕も知りたいお」

('A`)「ああ、おれも」

(´・ω・`)「みんな……」

五人を見る面々。
そしてショボンに視線が集中した。

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/26(月) 00:07:58 ID:ghsoR2hU0<>
(´・ω・`)「……戦いたくなんか、ないよ。
僕も人を傷付けたくないし、
皆にも誰かを攻撃なんてしてほしくない。
でも、それでは『誰か』の餌食になるだけだって分かってるから、
僕は戦うことを選ぶ。
でも、殺しちゃいけない。
向かってくる相手に、一番は説得したいけど、
戦わなければいけなくなってしまう時が来る。
そして、戦わないことを選ぶことによって、自分が殺されたら意味が無い。
自分の命を大事にして、
その上で、相手の命も守ってほしい。
みんなには、その為の強さを持てるように努力してもらったつもりなんだ。
だから、今回はこんな難易度の高いオーダーを出してしまっている。
ごめん。
でも、ぼくは」

▼・ェ・▼「きゃん!」

(´・ω・`)「ビーグルちゃん……」

▼*・ェ・▼「きゃんきゃん!」

椅子から飛び降りたビーグルがショボンに駆け寄り、
その膝に飛び乗った。

そして頬をショボンに摺り寄せる。

▼*・ェ・▼「くぅーん」

( ´∀`)「わかってるもな。
きっとみんな、わかってるもなよ。
ショボンの気持ちは」

ちらっとツンを見るモナー。

その視線の先で彼女は笑顔で肩をすくめた。

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/26(月) 00:09:28 ID:ghsoR2hU0<>
( ´∀`)「でもそれじゃあショボンが無茶をしそうだから、
ちゃんと言葉にしてもらったもな。
ショボンも、ちゃんと自分の命を一番に考えなきゃダメもなよ」

(´・ω・`)「!みんな……」

にやにやとショボンを見る面々。
隣のシャキンがつついてくるので目を向けると、
ドヤ顔で笑っている。

反対側ではクーも穏やかな笑顔を見せていた。

(´・ω・`)「ありがとう」

そして表情を引き締めると音を立てて立ち上がった。

(´・ω・`)「みんな!
がんばろう!
終わったら!
みんなでパーティーだ!」

片手を上げるショボン。

らしからぬその姿に一瞬全員が呆気にとられたが、
すぐに続いて立ち上がり、全員が声を上げつつ片手を上げた。






数時間前に歩いた道を逆に歩くロマネスクとヒッキー。

夕暮れに近い時間で、やはり自分達以外の人影は見えない。

(-_-)「ねえ、あれでいいの?」

( ФωФ)「うむ?」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/26(月) 00:10:49 ID:ghsoR2hU0<>
(-_-)「マタンキもだけど、あの男とか……女とか」

( ФωФ)「うむ。
彼らは基本的に自分の殺したい相手しか考えていないのである。
ならばおぜん立てはしても邪魔はしない。
手助けもしないのが当然なのである」

(-_-)「……うん。
そうだよね。
本当あいつら、自分の欲しか考えてないんだからしょうがないよね」

( ФωФ)「ヒッキーもあいつを殺したいのではないか?」

(-_-)「え?う、うん。
でも僕は別にどうしてもあいつじゃなきゃってわけじゃ……」

( ФωФ)「殺したい相手を殺すのが一番なのである。
吾輩もマタンキも狙いがある以上、
ヒッキーも自分の欲に正直になればいいのである。
吾輩もそれが一番うれしいであるよ」

(*-_-)「え?あ?うん」

思わず立ち止まってしまったヒッキー。

のんびりと歩くロマネスクの背中を一瞬悲し気に見てから、
顔を横に振り、表情を変えて嬉しそうに小走りに横に並んだ。

( ФωФ)「彼奴等もうすうす感付いて策は練っていると思われるであるが、
我らはともかく外の者達まで予測するのは不可能なのである。
あのしたり顔のギルマスがうろたえるのが楽しみである」

(-_-)「本当、あの頭のいい振りしたバカ。
マタンキが殺したいって言ってたけど、
あいつにもギルドが壊滅するところを見せたいよ」

( ФωФ)「そうであるな。
でもあやつが要であるのは間違いないのである。
あいつがいなくなればギルドは分解するであろう」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/26(月) 00:12:01 ID:ghsoR2hU0<>
(-_-)「主要メンバーを何人か殺すしね」

( ФωФ)「作戦の決行まではまだひと月ほどあるのである。
それまでヒッキーも更に鍛えてほしいのである。
期待しているであるよ」

(*-_-)「う、うん!がんばるよ!」

上気した顔で横にいるロマネスクを見上げるヒッキー。
だがすぐに前を向き、ニヤニヤとした笑みを抑えきれないまま少し下を見ながら歩く。

ロマネスクはそんなヒッキーを冷ややかな目でちらりと見降ろした。

( ФωФ)「(せいぜい頑張ってほしいのである。
別にお前が死んでもどうでもいいであるが、
自由に動く手足が居なくなるのは少し面倒臭いであるからな)」

自分を見る視線に気付いて顔を上げるヒッキー。

それを見たロマネスクが慈しむような優しい笑みを浮かべると、
ヒッキーは満面の笑みで返した。






第二十二話






.<> 名も無きAAのようです<>sage<>2016/12/26(月) 00:17:24 ID:7GFjm/4g0<>乙!
今回も熱かった!
次回の決戦は色々ありそうだな…<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/26(月) 00:22:08 ID:ghsoR2hU0<>
どーも作者です。

二十二話、終了しました。

いつも乙と感想ありがとうございます。

さて、残すところメインエピソードもあと二つくらい、
予定している閑話も一本くらい、
ということで来年の完結を目指しております。

本当は映画の前に終わらせたかったけど、
それは流石に無理そうなので来年中には。

まぁ本来の予定は今年の11月には終わる予定でしたが。

一応意識して出した伏線や思わせぶりな表現はすべて回収して終われる筈ですが、
残ってしまったらそれはそれで。


それでは次回、


第二十三話  『crossing field』

も、よろしくお願いします。

ではではまたー。

良いお年を。
.<> 名も無きAAのようです<>sage<>2016/12/26(月) 00:31:08 ID:kZP/oWlw0<>乙

なんか指摘していいのかわからんミス?が一個あるぞ<> 名も無きAAのようです<>sage<>2016/12/26(月) 00:32:36 ID:fVoPpGFE0<>女がネタバレされとる<>
◆dKWWLKB7io<><>2016/12/26(月) 00:40:42 ID:ghsoR2hU0<>最初ここで全員判明させてたのでこんなことにww

ま、いっか。(笑)<> 名も無きAAのようです<>sage<>2016/12/26(月) 00:42:19 ID:8uREh4OM0<>乙
流れから想像つくとはいえネタバレw<> 名も無きAAのようです<>sage<>2016/12/26(月) 00:55:17 ID:LhXt4mUA0<>乙乙
良いお年を<> 名も無きAAのようです<>sage<>2016/12/26(月) 05:56:22 ID:VUT8xg4M0<>つまり長身はあいつか<> ああ<><>2016/12/26(月) 10:48:05 ID:xRx6G96E0<>今年最後の・・・
http://3step.me/3exf<> 名も無きAAのようです<>sage<>2016/12/26(月) 11:17:56 ID:YO6n/PP20<>乙です。
来年もまたヨロシクお願いします。<> 名も無きAAのようです<><>2016/12/26(月) 15:02:49 ID:1oLDbNQk0<>何だこれ、何だこれぜんっぜん予想外なの俺だけなのか続き気になり過ぎる<> 名も無きAAのようです<>sage<>2016/12/26(月) 22:41:21 ID:gaPK1vlI0<>デレ、ダイオード、ワカッテマスか<> 名も無きAAのようです<>sage<>2016/12/28(水) 01:19:54 ID:cCfO3EmU0<>複線回収を読んでてゾクゾクする感じ好き

あと何箇所か誤字です
>>311 時間間隔→感覚?
>>330 離しだそうと→話しだそうと
>>375 狼男の首を切り裂かれた→狼男の首が
>>393 話しを進める→話を進める<> 名も無きAAのようです<>sage<>2016/12/28(水) 16:14:04 ID:Fwn2mb.I0<>いくつか原作キャラが登場していたけど黒の剣士は登場するんかな?
ソロだからでないのかな?

なーんとなく期待してしまう。<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/01/01(日) 17:57:35 ID:OS5EyVmQO<>少女だけわからん。

俺も別ヶ所の誤字見っけた
>>346
( ・∀・)「お客様をお連れしたんだよ!」
って、ブーンちっす。
ここで会うのも珍しいな」
カギカッコの締めが二つある

>>360
計算で来たんだよね
→計算出来た?

>>363
クックルの
いつのもなら
→いつもなら?<> 名も無きAAのようです<><>2017/01/05(木) 10:07:44 ID:3.1wtOog0<>                                      _,,,、、、、、 ,,_
            ,、 -‐‐‐- 、 ,_                 ,、-''´      `丶、,,__ _,, 、、、、、,
         ___r'´        `'‐、.            /             `':::´'´     `ヽ、
      ,、‐'´  _,,、、、、、、_     ヽ`‐、         _/               ': :'          ヽ.
     /        `'' ‐-`、-、  ヽ、 ヾヽ、、_   ,、-',.'                , 、          ヽ
    /     -‐-、、,,_‐-、 、 \ヾ‐-、ヽ、、、;;;,、 '´ ., '                '´、,ヽ          丶
.   /      -‐‐‐==、丶、ヽ. ヽヽ、ヽミ/   ./                 :.木 :            ',
   i'     ‐-、、,,_==/=ゝ ヽ\ \_i レ' ,,,、,,__./                 ,, '.` '´;            ',
.  i    ヽヽ、、,,,___,,,/-‐〃´\ヽ`、 ゝ´ ´´´. ,'                  /  Y´ヽ            ;
  ,,{   ヽ  \、丶_;;,/_//;;;;;;;;;;;;'ヽヽr'::     ,'                 , '   }   !            .i
〆'    iヾ   ヾミ 、_'´' ヾ'‐ 、;;;ソ´'、{::::::    ,'                r'.   ,'  l            .!
./ / , i `、ヽ、 ''‐- =`;;,,、‐      ヽ}、:::::::::......,'                ,'     /  .,'            .,'
{ {  { .{ヽ `、ヽ.`''''''''""´  、  ,‐-、 iゝ:::::::::::,'                ノ    ノ  、'         

http://gekiyasu-h.com/sp/main.html<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/01/09(月) 00:25:55 ID:gyzcOp3A0<>いようの妹だろ<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/01/09(月) 18:36:48 ID:PMSqrKro0<>少女=女=デレじゃない?<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/01/09(月) 22:11:12 ID:lT/FwwuwO<>女 デレ、少女 ヘリカルで読んでた<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/01/10(火) 00:55:56 ID:jFOObw1.O<>いよぅが死んだ(かどうかまだ未確定だが)のをショボンあるいは他のメンバーのせいだと思ってるならヘリカルに動機はあるな

でも予想はこの辺にしとかないと自治厨が騒ぎだすからやめといた方がいい<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/01/10(火) 01:05:12 ID:L/u0hdss0<>自治というかマナーだよね<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/01/24(火) 00:36:30 ID:deOtk6xUO<>地味にブーン芸の方に修正入っててワロタwww

的外れっぽいから書いちゃうけどデレは男じゃないかと思ってる<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/02/25(土) 09:56:38 ID:baBE7c1c0<>この掲示板自体全然動きないから時々不安になるな…<> 名も無きAAのようです<><>2017/02/27(月) 23:32:53 ID:ZQ2TblZs0<>次はいつだろね<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/02/28(火) 21:54:38 ID:CN4VIZfk0<>明日です<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/03/01(水) 09:45:09 ID:rdxKFIZE0<>おっどもです<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/03/01(水) 10:01:25 ID:tqyDQ9JM0<>うそです<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/03/01(水) 22:34:19 ID:6Tnz0kB60<>三月だねー。(・ω・`)<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/03/02(木) 02:22:32 ID:vi/YHZLI0<>いつまでも待ってるから気ままに投下してね<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/03/03(金) 08:54:38 ID:TKxNIB1g0<>無理せず自分のペースで毎日投稿すればええんやで<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/03/03(金) 09:54:24 ID:vEXlvplU0<>地味に鬼畜<> ◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/03/04(土) 15:48:28 ID:RtOskek20<>鬼がいた(・ω・`)ww<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/03/06(月) 01:05:42 ID:VObdFjNY0<>つい最近一気読みしたから続きが気になって、SAO知らないからこれを期に読もうかなぁと思っている<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/03/11(土) 11:24:19 ID:iwGj3vKc0<>最近mateでこの板開くとエラー吐いて読み込めないんだよな…
なんでだろ<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/03/21(火) 03:29:16 ID:v0.s61j.0<>結局のところ(少女)と(女)は別の人物なのか?
俺も誤字なのかどうか分からなくて話の流れから同一人物かと思ってたんだけど。話の都合上答えられないやつなら無理に言わなくても構わない。

次が楽しみだが、死ぬ奴が出ないかとハラハラしすぎて胃痛がしてきた。<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/03/22(水) 00:39:30 ID:OVRAjKuE0<>どうも作者です。

何とか23話が書き終わり、現在直しをしております。
問題なく進めば、土曜日の夜には投下が出来るかなと思っているところです。
また結構長くなったため、少しずつ投下をする予定です。

お付き合いいただけると嬉しいです。


>>416 様
>>418 様
ご指摘&修正ありがとうございます。
ほんと、投下前に誰かに校閲してもらいたい!!

というわけにもいかないので、自分で頑張ります。
次回以降も宜しくお願いします。


長くなると不明点等も出てくるとおもいますが、
意識して書いている点に関しては作中で解決してもらえる予定です。

それ以外に関しては、完結後にでもまた。
(;´・ω・)タブンダイジョウブダトオモウケド





だれもいない……cmするなら

|Д`)・・イマノウチ ♪
.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/03/22(水) 00:43:43 ID:OVRAjKuE0<>
cm  LongVersion(微妙に映画のネタバレあり)




「これが、あの事件の真実」



♪僕の声が届いた時に~♪



SAO事件から2年。
街にはARデバイス。《オーグマー》を装着した者であふれていた。

そしてオーグマーを使用したゲーム《オーディナル・スケール》は、
若者を中心に浸透していく。


「学校で配ってくれたって聞いたもなよ」

「便利だから!」

「みんなもオーディナルスケールをやってるんだろ?
おれも買うべきかな」

「ポイントととか溜まるし」


オーディナルスケールの人気はゲームの面白さだけではなく、
世界初のARアイドル《ユナ》によるところも大きかった。

彼女の初ライブは大きく注目される。


.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/03/22(水) 00:46:03 ID:OVRAjKuE0<>
「みんなは行くの?」

「んー。無料だし、学校全員招待されたわけだし。
学校の友達にも誘われてるから行こうかと思ってる」

「あれ?行かないのか?」

「そうか。行かないのか。私もやめるかな」

「ならおれにチケットくれよ」

「おれらが渡されたチケットは学生証と同時に出さないとだからダメだな」

「楽しみだなー。ユナちゃん」


ライブ会場で進行していた陰謀。

しかしその企みは、『ヒーロー』により阻止された。



企みの全貌と結末を知った少年が、静かに狂う。



「……僕ならもっと、うまくやれる……」



VRの世界に囚われていた少年たちが、
ARの世界でも武器を手にする。


.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/03/22(水) 00:47:33 ID:OVRAjKuE0<>
「あんた!自分が何をしようとしているか分かってるの!?」


「私は、何処までもそばにいる」


「おれだって!おれだって……。でも……っ!」


少年の狂気が、仲間達の運命をも狂わせる。


「おれは、誰とも戦いたくない」

「進むにも、止めるにも、戦いは避けられないもなよ」

「くぅ~ん」


それぞれの思いが交差し、絡み、悲しみを引き寄せる。


「あの日あの時、声をかけられた時から、今どうするかは決まっているから」


「おれだって!おれだってあいつに……。あいつとも、もう一度話せるのなら……」


神速の片手剣士が、空色の風となり、天使の羽根をきらめかせながら街を駆ける。


「やろうとしていると事の善悪は別として、技術や仕組みには興味がある」


「そうか。……初めてだな。完全に敵になるのは」


それぞれの思いをもって武器を持ち、目の前の仲間との戦いを選ぶ。


.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/03/22(水) 00:48:49 ID:OVRAjKuE0<>
「門下生になったとはいえ、現実世界で私に勝てると思っているのか?」

「勝てるとは思ってない。でも、足止めくらいはしてみせる」


少年と少女の思いは同じ。


「わたしもあいつも!誰もそんなこと望んでない!」


「自己満足だけだったことはわかってる。でも……」


その先にあるモノは。


『( ^ω^)達はアインクラッドを生きるようです。-MOMENT-
~VIPのメンバーはオーディナルスケールで戦うようです~』


彼らの先にあるのは悲しみだけ


『2018年投下予定』


♪この瞬間を掴め~♪


「  僕の名前は、《ホライゾン》だお  」


♪Catch the Moment♪



.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/03/22(水) 00:50:40 ID:OVRAjKuE0<>

映画を見て思いついたので書いてみた。
後悔はしていない。

映画は絶賛上映中です。


詳細については次回の投下後に。

ではではまたー。



.<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/03/22(水) 01:42:50 ID:sS7qzv..0<>乙乙
2018年投下なんだな言質は取ったぞ<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/03/22(水) 01:55:28 ID:Hh9118Ng0<>ブーン達の戦いはまだ終わらないのか……(投下前提)<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/03/23(木) 00:25:53 ID:m2oHvSwYO<>これは次回で最終回のフラグととっていいのか
2018年も絶賛アインクラッド投下中のフラグととっていいのか
うーん…悩ましいとこ<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/03/23(木) 22:29:16 ID:OOWyzG2o0<>>>443
これは楽しみが止まらない<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/03/25(土) 22:12:50 ID:pUPAGRQU0<>cm ShortVersion (TYPE-sh)

「これが、僕の贖罪」

♪僕の声が届いた時に~♪

ARデバイス《オーグマー》を使用したゲーム《オーディナルスケール》
その陰で進行していた陰謀は、英雄によって阻止された。

「僕は失敗しない」

だがその陰謀を知った少年が、
自らの願いの為に動き出す。

「あんた!自分が何やってるか分かってるの!?」

「前を見ていればいい。私はそばにいる」

「おれはどうすれば……」

友人を傷付けてでも成し遂げたい思い。

「そんなことが……」 
「できるっていうのか」
「でも、代償は必要もなよ」
「あいつは、そんなことを」
「やりたいっていうなら、やれば良いさ」
「仲間だから、止めたい」
「力になりたいから」
「おれだって……」

交差する思い。

袂を別つ友人達。

『( ^ω^)達はアインクラッドを生きるようです。-MOMENT-
~VIPのメンバーはオーディナルスケールで戦うようです~』

願いが悲しみを呼ぶ。

「あんたが忘れたら意味ないでしょ!」

「僕の記憶を、基にする」

♪この瞬間を掴め~♪

「  僕の名前は、《ホライゾン》だお  」

♪Catch the Moment♪
.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/03/25(土) 22:19:53 ID:pUPAGRQU0<>どーもです。

それでは投下を開始します。

宜しくお願いします。

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/03/25(土) 22:22:16 ID:pUPAGRQU0<>
( ^ω^)達はアインクラッドを生きるようです。




第二十三話

crossing field  前編 – 命は美しい -






.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/03/25(土) 22:23:46 ID:pUPAGRQU0<>1.

2024年10月初旬 アインクラッド

ギルドVIPホーム、執務室。

執務机に備えられた椅子にショボンが座り、
扉と執務机の間にあるソファーセットには、
ブーン、ドクオ、ツン、クー、シャキンが座っている。

(´・ω・`)「集まってくれてありがとう。
この後また全体ミーティングをするわけだけど、
先に情報のすり合わせをしておきたくてね」

(`・ω・´)「根回しは大事だからな」

(;´・ω・`)「根回しというかなんというか」

ξ゚⊿゚)ξ「別にいいわよ。私もショボンに伝えておくことあったし」

川 ゚ -゚)「おやツンもか。奇遇だな、私もだ」

ξ゚⊿゚)ξ「あ、あれ?
この前苦戦してたのがやっとなんとかなったの?」

川 ゚ -゚)「別に苦戦などしていないがな」

( ^ω^)「アイテムの買い占めはもうしなくていいのかお?」

川 ゚ -゚)「いや、試作が済んでこれから本格的に生産に入るから、
市場の動向は見ておいてくれ。
悔しいことにまだ成功率は70%くらいなんだ」

( ^ω^)「了解だお」

('A`)「ってことはまさか」

川 ゚ -゚)「素材集めを付き合ってもらう」

('A`)「うえー」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/03/25(土) 22:25:28 ID:pUPAGRQU0<>
ξ゚⊿゚)ξ「あ、私も今回の生産で全部使いきっちゃったから、
欲しいの一杯あるのよ。
よろしく頼むわ」

('A`)「お前も一緒に行くんだよ」

ξ゚⊿゚)ξ「行っても良いけど、
普通のオーダーも入っているから、
あんたに頼まれているマントの製作は遅くなるわよ」

('A`)「……ちゃんとリスト作れよ。
もう『書いてなくてもいつも頼んでいる奴なんだから気を利かせなさいよ』
は、無しだからな」

ξ゚⊿゚)ξ「はいはい。
クーは一緒に行っている暇あるの?」

川 ゚ -゚)「作りたくても手元に残っている材料が少ないからな」

( ^ω^)「前に買い占めした時の名残で、
他の道具屋から回ってきているのがあるお。
今はあんまり人気の無い商材でどこの店でもちょっと余ってるみたいだから、
声をかければ多少は集められると思うお」

川 ゚ -゚)「そうか!」

('A`)「……クーもちゃんとリスト作れよ」

川;゚ -゚)「すまん、助かる。ありがとう」

(`・ω・´)「なんだなんだ。
また新しい商材か?」

(´・ω・`)「二人とも、頼んでおいた奴で良いのかな?」

ξ゚⊿゚)ξ「そうよ。
高性能インナーウエア。
当社比防御能力80パーセント以上アップ」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/03/25(土) 22:27:55 ID:pUPAGRQU0<>
(`・ω・´)「それは凄いな」

ξ゚⊿゚)ξ「その分作るのは難しいし、
耐久値にはまだ問題が残っているけどね。
攻略組に下ろすのも無理として関係者全員に配り終えたから、
それを報告したかったの」

( ^ω^)「着心地もいいおね」

川 ゚ -゚)「着心地?」

('A`)「そっか?」

(´・ω・`)「鉱物から作った糸で作ったとは思えない出来ではあったけど、
前から作ってもらってたインナーとそれほど変化は無かったように思えたけど」

( ^ω^)「お?そうかお?
前のより軽くて着てないような感覚だお」

ξ゚⊿゚)ξ「ま、着心地なんて人それぞれの感想よね」

川 ゚ -゚)

('A`)

(´・ω・`)

ξ゚⊿゚)ξ「な、なによ。人の顔をじろじろと」

川 ゚ -゚)「いや別に」

('A`)「いいんじゃね」

(´・ω・`)「防御能力が一緒なら」

ξ゚⊿゚)ξ「一緒よ!そこに差をつけるわけないでしょ!」

(´・ω・`)「ならいいや」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/03/25(土) 22:29:31 ID:pUPAGRQU0<>
( ^ω^)「お?」

ξ゚⊿゚)ξ「はいはい。この話は終了。
ちゃんと報告したわよ」

(´・ω・`)「うん。ありがとう。防御力は出来るだけ上げておきたいからね」

(`・ω・´)「なあツン」

ξ゚⊿゚)ξ「なに?」

(`・ω・´)「おれ、もらってない。
関係者じゃない感じか?
うちのメンバーも渡されたって報告貰ってるから楽しみに待ってたんだけど」

ξ゚⊿゚)ξ「……」

(`・ω・´)「ツン?」

ξ゚⊿゚)ξ「忘れることは、誰にでもあるわよね」

(`;ω;´)

ξ;゚⊿゚)ξ「だ、大丈夫よ。
余ったからおかしいなとは思ったのよね。
人数分はちゃんと作ったから、安心して。
後で渡すから」

(`・ω・´)「絶対だからな!」

ξ゚⊿゚)ξ「はいはい」

('A`)「他にも忘れられた奴いたりして」

ξ゚⊿゚)ξ「…… ……」

川 ゚ -゚)

(´・ω・`)

(`・ω・´)

('A`;)「否定しないのかよ」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/03/25(土) 22:31:30 ID:pUPAGRQU0<>
(;^ω^)「……あとで皆が来た時に聞いてみた方が」

ξ゚⊿゚)ξ「ま、まあ、うん。
大丈夫だと思うけど、念には念を入れないとね」

(´・ω・`)「じゃあ後のミーティングは、まずはその確認からだね」

ξ゚⊿゚)ξ「だ、大丈夫よ。多分」

(´・ω・`)「クーの方は、例の毒の件だよね」

川 ゚ -゚)「ああ。報告書も作成した。
目を通して問題が無ければアルゴに回してくれ」

(´・ω・`)「ありがとう」

川 ゚ -゚)「通常毒と麻痺毒、それとその二つの混合毒。
通常毒と麻痺毒は今までのレベルを超えている。
通常の解毒薬でも効果が無いわけじゃないが、
飲んですぐ消えるわけじゃないようだ。
クリスタルでの浄化もすぐに効果が出るわけじゃないようだ」

(´・ω・`)「それは……」

川 ゚ -゚)「今のところは犯されている時間が現状の物より短いからどうにかなっているが、
これが長くなったら命に直結するだろうな」

('A`)「特にボス戦で麻痺毒なんてくらったら……」

(`・ω・´)「で、解毒薬も作ったんだろ?」

川 ゚ -゚)「もちろんだ。
多少難航したが、成功している」

ξ゚⊿゚)ξ「さすがね」

川 ゚ -゚)「以前クリスマスにやったクエストの経験が役に立ったな。
思えばあれは複合毒の存在を教えてくれていたわけだし、
今回の製法に関してアイデアのもとになった」

(`・ω・´)「ほぉ……」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/03/25(土) 22:33:43 ID:pUPAGRQU0<>
(´・ω・`)「この世界に偶然は無い。
全て必然である。だね」

('A`)「茅場晶彦の作りだしたゲームの世界だからな」

( ^ω^)「もう販売できるのかお?」

川 ゚ -゚)「いや、そこまでの量は出来ていない。
何分面倒臭い。
製法が難しいから作れる者も少ないと思うが、
まあ情報が出回れば、一週間もあれば何とかなるだろう。
今ある分は、うちの者達と攻略組に回す分くらいだな。
攻略組の方はアルゴ通しで渡してもらえばいいだろう。
私が作ったと分からないよう、街売りの瓶を買ってこないと」

(´・ω・`)「よろしく頼むよ」

川 ゚ -゚)「クリスタルの方はモララーに作らせている。
あいつの作った空水晶に解毒薬を足すわけだが、
どうやらこちらも成功率が悪いようだ」

('A`)「当分は薬メインにした方が良いだろうな」

川 ゚ -゚)「ああ。
それが賢明だろうな。
あと、耐麻痺効果を持ったアイテムの製作は既にモララーに依頼済みだ」

('A`)「モララーの睡眠時間がまた減ったわけか」

川 ゚ -゚)「もう一人細工師が欲しいところだな。
水晶の生成はともかく誰かマシロに居ないのか?」

ξ゚⊿゚)ξ「あ、裁縫スキルもいない?」

(´・ω・`)「うーん。
両方とも聞かないな。
フォックスに聞いておくよ」

ξ゚⊿゚)ξ「よろしく」

川 ゚ -゚)「頼んだ。
あとショボン、生成方法の情報散布方法も任せる」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/03/25(土) 22:35:25 ID:pUPAGRQU0<>
(´・ω・`)「うん。いつも通りに進めるよ」

川 ゚ -゚)「私の方もこれでおわりだ」

(´・ω・`)「了解したよ。
さて、他に何かある人はいるかな」

全員の顔を見るショボン。
誰も何も言わない。

(´・ω・`)「じゃあ僕から。
正式に依頼が来たよ」

川 ゚ -゚)「そうか……」

ショボンの言葉に全員が頷き、
クーだけが口に出して返答した。

(`・ω・´)「どうするんだ?」

(´・ω・`)「どうするもなにも、受けるしかないよ」

川 ゚ -゚)「そう……だな」

ξ゚⊿゚)ξ「しょうがないわよね」

( ^ω^)「例の『遺跡調査』かお?」

(´・ω・`)「うん。そう。
アルゴさんから内内に連絡は来てたからね。
正式発注は『血盟騎士団』だけど、
実際は攻略組全体での話し合いかな」

('A`)「今の最前線の迷宮区に、
遺跡フロアにあったものと同じモチーフの石像が多数あるんだよな」

(´・ω・`)「うん。
もともとフロア内にも点在してたから、
関係があるんじゃないかってのは言われていたみたいだけど。
で、迷宮区が本当に迷宮で、
いまだに完全な地図が作れてないみたい」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/03/25(土) 22:36:49 ID:pUPAGRQU0<>
ξ゚⊿゚)ξ「そこで下のフロアを調べてほしいって訳ね。
自分達でやれば良いのに」

('A`)「うま味も面白みも少ないからな。
今の攻略組の奴らじゃレベル上げには下のフロア過ぎて不向きだし」

ξ゚⊿゚)ξ「そんなのこっちも一緒でしょ」

川 ゚ -゚)「フロアが広がってはいないがクエストが増えたという情報はある」

( ^ω^)「新しいアイテムが出てくるかもしれないおね」

ξ゚⊿゚)ξ「まあそこらへんは気になるけど」

(´・ω・`)「もともとはアルゴさんに来た話だけど、
彼女だけじゃあのフロアの総浚いは無理だよ」

(`・ω・´)「そこで、VIPに回ってきたと」

(´・ω・`)「うん」

ショボンが机をタップするとウインドウが現れる。
そして操作を始めると執務室の壁に映像が浮かんだ。

(´・ω・`)「右が遺跡フロアの全域図。
で、左がその上のフロアの全域図」

ξ゚⊿゚)ξ「上のフロア?
ってどんなところだっけ」

川 ゚ -゚)「虫がいっぱい出てきたところだろ」

ξ゚⊿゚)ξ「ああ、あそこね」

心底嫌そうに顔をしかめたツン。

(´・ω・`)「覚えてる?中央道路?」

( ^ω^)「お、あそこかお!」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/03/25(土) 22:38:53 ID:pUPAGRQU0<>
('A`)「真っすぐの道をひたすら進んでくやつな。
ちゃんとした名前のあるフィールドダンジョンだったよな確か。
中央道路って呼んでたから覚えてないけど」

( ^ω^)「途中で出てきたカマキリ男がむやみに強い奴だおね」

ξ゚⊿゚)ξ「ああ!
あのバー四本あって、むやみに強いカマキリ!
無視して横をすり抜けること出来るけど、
後ろから襲ってきてうざい奴」

川 ゚ -゚)「だが後方から襲ってくるのはクエストをやってるときだけだし、
時間をかけてやればそれほど驚異ではなかったはずだが」

('A`)「確かあそこを通るよりも別のルートを通れば安全に行けることが分かって、
迷宮区をクリアするころには、クエストやる以外では使われてなかったよな」

(`・ω・´)「一回全員でやりに行ったな」

( ^ω^)「おっおっ。覚えてるお!」

川 ゚ -゚)「それで、そこがどうしたんだ?」

(´・ω・`)「それだけ覚えてくれているなら次に進むけど、
まずはここに色を付けておくよ」

フロア図の中心近くに引かれる青い線。

(´・ω・`)「で、こっちの遺跡フロア。
遺跡フロアの中心の円形遺跡群フィールドダンジョンは覚えてるよね」

全員が頷く。

(´・ω・`)「その中心に、大きな木があったの覚えてる?」

ξ゚⊿゚)ξ「……なんとなく」

( ^ω^)「根元でご飯食べたことあるおね?
たしか安全エリアで」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/03/25(土) 22:40:28 ID:pUPAGRQU0<>
川 ゚ -゚)「上を見てもてっぺんが見えなかったような」

(´・ω・`)「そう、あれ。
この位置なんだ」

右の図に赤い丸を付けるショボン。

(´・ω・`)「そして、この二つの地図の東西南北を合わせて、
迷宮区の位置を合わせると……」

左の図が動き、右の図に重なる。

すると青い線の先に紫色の丸が浮かんだ。

川 ゚ -゚)「位置が重なり合う?
中央道路のほぼ先端だなここは」

ξ゚⊿゚)ξ「何がある場所?
中央道路の一番先は遺跡があって、
そこでクエストボスと戦ったのは覚えてるけど」

('A`)「その二つ前の安全エリア。
たしか中央に森があって、
森の中には入れなかったような」

( ^ω^)「確か石碑があったおね。
なんて書いてあるかは分からなかったけど」

ξ゚⊿゚)ξ「はいはい。あったあった。
え、じゃあもしかしてあの森は……」

(`・ω・´)「下の巨木の先端ってことか?」

(´・ω・`)「もしかするとね」

ξ゚⊿゚)ξ「へー」

( ^ω^)「おー」

('A`)「ふーん」

(´・ω・`)「なんか気の抜けたような」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/03/25(土) 22:42:17 ID:pUPAGRQU0<>
川 ゚ -゚)「それが何か関係あるのか?」

(´・ω・`)「関係あるかどうかを調べるのが今回の僕達の仕事なんだけどね。
そこから何か道が開けるかもしれないから」

ξ゚⊿゚)ξ「そりゃそうか」

(`・ω・´)「だが闇雲に調べるわけじゃないんだろ?」

(´・ω・`)「そりゃね」

重なった図に新たにひかれる赤い線。

川 ゚ -゚)「これは?」

(´・ω・`)「円形遺跡群の外周と、
そのすぐ内側の通路。
『円形』と呼んではいるけど綺麗な円ではないんだよね。
で、こっちが今攻略組がマップ攻略している迷宮区の図面」

重なったフロア図の横に、迷宮区のマップが現れる。

浮かんでいる黄色の線。

(´・ω・`)「線は判明している迷宮区の外周通路。
もちろん尺度は調整してあるけど、
これもまた重ねてみると……」

画面の図が重なると、
一部の赤い線がオレンジに変わった。

(`・ω・´)「これ、色はお前が変えてる?」

(´・ω・`)「うん。分かり易いかと思って」

(`・ω・´)「だよな」

( ^ω^)「お?」

(`・ω・´)「いや、なんでもない」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/03/25(土) 22:44:23 ID:pUPAGRQU0<>
('A`)「部分部分がきれいに重なるわけだ」

(´・ω・`)「うん。
で、更に言うと」

ξ゚⊿゚)ξ「迷宮区の入り口と、中央道路の入り口が同じ」

川 ゚ -゚)「迷宮区のいまだ未到達地点、おそらくはフロアボスの部屋と、
紫色の丸が重なるわけか」

(´・ω・`)「そういうこと」

ショボン以外の全員が溜息に似た吐息をつき、
壁の図面を凝視する。

(´・ω・`)「あとは現地で調べてみないとだけど、
何かヒントはあるんじゃないかな」

( ^ω^)「遺跡フロアでスイッチを押したら迷宮区に通路が出来るとかだったら面白いおね」

(´・ω・`)

川 ゚ -゚)

(`・ω・´)

('A`)

ξ゚⊿゚)ξ

(;^ω^)「じょ、じょうだんだお。
そんな目で僕を見るのは止めてほしいお」

(´・ω・`)「いや、うん。そうか」

川 ゚ -゚)「その可能性も……」

(`・ω・´)「無くはないだろう」

('A`)「簡単なスイッチとかではなくても」

ξ゚⊿゚)ξ「遺跡で何か決まった行動をするとか」

川 ゚ -゚)「遺跡と中央道路、両方で同じタイミングとか」

(;^ω^)「おっおっ?」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/03/25(土) 22:46:48 ID:pUPAGRQU0<>
川 ゚ -゚)「他には重なる場所とかないのか?
中央道路の周辺も気にしてみた方が良いだろう」

(´・ω・`)「もう少し詳しい情報をもらうよ。
同じモチーフの石像とか石舞台とかがあるかもしれない」

(`・ω・´)「それがいいな。
なんなら迷宮区を見に行くのも良い」

('A`)「迷宮区か。
パーティー二つでいくか」

ξ゚⊿゚)ξ「なに喜んでんのよ」

('A`;)「べ、別に最前線に興味がるとかそんなんじゃ」

( ^ω^)「興味があるんだおね」

川 ゚ -゚)「あるんだな」

ξ゚⊿゚)ξ「あるんだ」

(`・ω・´)「素直になれ」

('A`;)「べ、べべべべ別に」

(´・ω・`)「とりあえずアルゴさんと、
血盟騎士団のアスナさん、
あとエギルさんにも話を聞いてみるよ。
流石武具店のお得意さんにも攻略組がいるっていうから、
兄者と弟者に頼んでそこにも繋いでもらって。
色んな角度からの情報のすり合わせもしておきたいし」

(`・ω・´)「そうだな。それが良い」

川 ゚ -゚)「中央道路の周辺も調べなおしが必要かもしれん」

('A`)「そうそう。そこからそこから」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/03/25(土) 22:48:31 ID:pUPAGRQU0<>
ξ゚⊿゚)ξ「じゃああんたは中央道路、
私達は迷宮区の調査ね」

('A`#)「なんでだよ!」

立ち上がったドクオを白けた目で見るツン達。

('A`;)「あ、いや、その、ほら、レベル的にも強さ的にもさ、
迷宮区にはギルドのトップクラスをさ」

(`・ω・´)「素直になれ」

('A`)「……最前線行ってみたいです」

(´・ω・`)「とりあえずは打ち合わせが済んでからね。
というか、ボス戦はともかく最前線に行くのは反対はしてないんだけど。
ちゃんとルールさえ守ってくれれば」

('A`)「はーい。
そのルールがめんどくさい」

返事をしつつ座るドクオを、
ブーン以外は呆れた表情で見ていた。

ξ゚⊿゚)ξ「ところでさ。
ねえ、あっちからの連絡は?」

(´・ω・`)「あれ以来ないね」

ξ゚⊿゚)ξ「あんたの予想が外れたの?」

(´・ω・`)「なら良いけど」

ξ゚⊿゚)ξ「どういう事よ」

(´・ω・`)「今最前線で起きていることは、
知ろうと思えば誰でも知ることが出来る。
情報屋にコルを支払えばね。
そして、僕達の事をある程度知っている人なら、
僕達が関わることを想像するのは簡単だよ」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/03/25(土) 22:50:07 ID:pUPAGRQU0<>
ξ゚⊿゚)ξ!

川 ゚ -゚)「つまり、そういうことか?」

(´・ω・`)「多分ね。
あのギルドからの依頼なら受けないって選択肢もあるけど、
アルゴさん、というよりも攻略組からの依頼ならば、
僕達は受けざるを得ないってことも分かる事だよ。
なんといっても『攻略』に関わる事だから」

(`・ω・´)「しかも、おれ達が倒されれば攻略が遅れる可能性がある。
ギルドを殺人ギルドとして一躍世に広めるチャンスだな」

ξ゚⊿゚)ξ「……シャキン」

冷静に、他人事のように呟いたシャキンを睨むツン。

(`・ω・´)「バカが考えそうなことを、言っただけだぞ」

ξ゚⊿゚)ξ「分かるけど、ムカつく」

川 ゚ -゚)「つまり、今回の調査が狙われるという事か」

(´・ω・`)「可能性は高いと思う」

川 ゚ -゚)「ふむ……。
分かっていても、やるのか?」

(´・ω・`)「……うん」

川 ゚ -゚)「別に攻めているわけじゃない。
あの会議で、気持ちは切り替えたつもりだ」

ξ゚⊿゚)ξ「ええ。
向こうが振りかけてきた火の粉は、
完膚なきまでに振り払って消してしまわないとね。
二度とそんな気にならないように」

('A`)「ああ。そうだな」

( ^ω^)「だおだお」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/03/25(土) 22:51:44 ID:pUPAGRQU0<>
(´・ω・`)「みんな……」

川 ゚ -゚)「それで、いつやるんだ?
状況を考えれば、すぐなんだろ?」

(´・ω・`)「うん。
攻略組からは早急の対応を依頼されている。
だから明後日って答えておいた」

ξ゚⊿゚)ξ「本当に早いわね。
ま、しょうがないけど」

('A`)「迷宮攻略に手間取ると、
その分勢いは下がるからな」

(´・ω・`)「本当は明日って言いたかったみたいだけど、
流石にそれはね。準備もあるし。
今話した内容も上げて、答えをもらわなきゃだし。
あと、血盟からはサポートに何人か出そうかって言われたけど、
急なチームだと動きが乱れる可能性があるからお断りしておいたよ」

(`・ω・´)「いいのか?」

(´・ω・`)「攻略組が居たら出てこないだろうからね」

川 ゚ -゚)「それならそれでいいと思うが」

(´・ω・`)「これ以上被害が出る前に潰さないと、とも思うんだ」

川 ゚ -゚)「うむ……」

ξ゚⊿゚)ξ「クー」

川 ゚ -゚)「いや、すまん。
大丈夫だ」

(´・ω・`)「……」

('A`)「クー。
不安なのはおれも、きっとみんな同じだ」

ドクオの言葉にそれぞれがそれぞれの態度で頷く。

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/03/25(土) 22:53:48 ID:pUPAGRQU0<>
('A`)「でも、それ以上に殺人ギルドなんてものを許すことはできない。
ラフコフには、いやPoHには正直勝てる気はしないけど、
あいつ等には勝てるチャンスがあって、
潰すことが出来る力をおれ達は持っていると思う」

川 ゚ -゚)「ドクオ……」

( ^ω^)「僕達が出来るだけの事をやれば、
きっと勝てるお。
その為の策をショボンとシャキンが考えてくれたし、
僕らも頑張ってるお」

クーの手を握るツン。
その手がほんの少しだけ震えているのに気付き、
クーは驚いたように彼女の顔を見た。

ξ゚ー゚)ξ

ニッコリとほほ笑む彼女に、クーは泣き顔のような笑顔を見せた。

(´・ω・`)「みんなには、大変の思いをさせてしまっている。
けれど、僕達に出来る力があり、
そして狙われているのならば、
やるべきだと思うんだ」

(`・ω・´)「今回の件、
全員の意志でリーダーのお前についてきている。
だから今回は、お前は前を向いていればいい。
横や上や下は四人で、
後ろはおれが見ているから」

(´・ω・`)「……ありがとう」

( ^ω^)「おー!っだお」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/03/25(土) 22:55:24 ID:pUPAGRQU0<>
突然立ち上がり、片手を上げるブーン。

(;´・ω・`)「ちょ、ブーン!?」

(`・ω・´)「パーティーをやるぞ!」

続いて立ち上がり片手を上げるシャキン。
二人とも顔は笑っている。

(;´・ω・`)「シャキン!?」

('A`)「おー!だな」

ξ゚⊿゚)ξ「おー!ね」

川 ゚ -゚)「うむ、おー!だ」

ついで立ち上がり片手を上げる三人。

三人共ショボンを見ながら笑っている。

(;´・ω・`)「あ、あれはついやっちゃっただけで、
キャラじゃないのは分かってるから!
もうやめて!」

顔を隠して机に伏せるショボン。
耳まで赤くなっているのが分かる。

それを見た五人はそれぞれに笑い、
そして視線でそれぞれに合図して頷きあった。






.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/03/25(土) 22:57:49 ID:pUPAGRQU0<>cm ShortVersion TYPE-TU

「私だって会いたいわよ!」

♪僕の声が届いた時に~♪

ARデバイス《オーグマー》を使用したゲーム《オーディナルスケール》
その陰で進行していた陰謀は、英雄によって阻止された。

「でも、それが許されないことだって分かってる!」

だがその陰謀を知った少年が、自らの願いの為に動き出した。

「会わせてあげられると思う」

「おい!本気か!?」

「すまない。私は……」

少年の思いは波紋となり、

「そんなことが……」 
「できるっていうのか」
「でも、代償は必要もなよ」
「あいつは、そんなことを」
「やりたいっていうなら、やれば良いさ」
「仲間だから、止めたい」
「力になりたいから」
「おれだって……」

巨大な波を起こす。

そして袂を別つ友人達。

『( ^ω^)達はアインクラッドを生きるようです。-MOMENT-
~VIPのメンバーはオーディナルスケールで戦うようです~』

少年に、彼女の声は届かない。

「大丈夫だよ。基にするのは、僕の記憶だから」

「あいつだって嬉しくない!私は笑ってるあいつに会いたいの!」

♪この瞬間を掴め~♪

「  僕の名前は、《ホライゾン》だお  」

♪Catch the Moment♪

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/03/25(土) 23:04:31 ID:pUPAGRQU0<>cm

「赤い糸システム?って、あれ?」
「そう、あれだお」

♪君の前前前世から僕は~♪

「火事一つで村を隕石で壊滅させるなんて、やるわねそいつ」
「犯罪者を褒めてどうするんだお」
「だってその火事では死者を出さなかったからタイムパトロールに引っかからなかったんでしょ。
それで2013年の隕石で壊滅なんてパトロールの穴をついた見事な作戦よ」
「だーかーら」
「でも、それならその火事を消しに行きましょうよ」
「だめだお」
「……同時間軸への複数の介入は禁止ってやつ?」
「それもだけど、時空嵐が起きてて難しいんだお」
「げっ」
「ギリギリ行けるのは、2016年」
「……は?隕石の三年後とか、どうすんのよって、そうかだから」
「「赤い糸システム!」」
「だおだお」
......  《赤い糸システム》
......  《特異点》
「どう?似合う?」
「おっおっ。綺麗だお」
「ば、バカ。名前はどうしようか……」
「戸籍もあった方が良いおね」
「……私の名は真知子」
「その名前とストールの巻き方はアウトだお」
「じゃあ……ミキとかで」
......  隕石の落下による死者。
......  歪まされた歴史。
「でも、なんでそんな回りくどいことをしてまで
こんな小さな集落をつぶしたかったの」
「歴史が狂うからだお。
計算だと大戦が起きて世界がぐちゃぐちゃになるお」
「…… …… は?」
.......  正しい歴史に戻すため、タイムパトロールが時をかける。
「もーもうあの男決断遅すぎ!」
「二人の糸を辿ってこれたのは良いけど結局僕らがやるしかないのかお!」
「タイムロック!巻き戻し!」
「スロー!」
「「「手伝いに来たよー」」」
「「遅い(お)!!」」
...... 『T.P.BOONのようです ~your name~ 』
♪何光年でも この歌を口ずさみながら♪
「 君の名は 」
「ブーンだお」
.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/03/25(土) 23:07:08 ID:pUPAGRQU0<>
2.



二日後。
遺跡フロア。

目的の遺跡、『Aridend』にほど近い街の転移門前。

低層階と中層階の間ほどに位置し、
既に攻略されつくしてあると思われており、
且つそれほど重要なクエストも発見されていない為普段は閑散としている。

しかし今は人だかりができていた。

(アルゴ)「ショボン」

両頬に三本のひげのペイントを付けた女性、
『情報屋の鼠』ことアルゴが転移門から現れ、
集団の端にいたショボンに話しかけた。

(´・ω・`)「アルゴさん。
お疲れ様です」

ショボンは軽くお辞儀をしながら挨拶をし、
集団から離れて彼女に近付く。
そして彼女に続いて転移門から現れた女性にも頭を下げた。

(´・ω・`)「アスナさん。
おはようございます」

(アスナ)「おはようございます。
ショボンさん」

白と赤の戦闘服を纏った血盟騎士団副団長、
『閃光』の異名を持つアスナが栗色の長い髪をなびかせて同じように頭を下げた。

(アスナ)「壮観ですね」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/03/25(土) 23:08:50 ID:pUPAGRQU0<>
(アルゴ)「だネ」

(´・ω・`)「はい?」

(アスナ)「もしかすると、攻略組が集まった時よりも色取り取りで凄いかも」

(;´・ω・`)「ああ……」

アルゴとアスナの視線の先にはわいわいと喋っているメンバーたち。

武器も多種多様で見事だが、
各人の出で立ち、防具は『豪華』ですらある。
金・銀・青・赤といった派手な色をした堅固な鎧を纏う者がいれば、
刺繍の施された上品な色合いの軽装備の者。
ゴシックロリータのレースをふんだんにあしらったヒールの少女が目を引けば、
その横には落ち着いた色合いの袴姿の少女。
近くには同じく袴姿の刀を携えた浪人がいたかと思うと、
彼は公園でスケートボードでもしていそうな少年と話していた。

そして目の前にいるこの集団のリーダーである少年も、
今から舞踏会にでも行きそうな服装のマント姿であり、
二人は思わず笑みを漏らした。

しかし目の前の少年が投擲に関してはアインクラッド随一の実力者であり、
彼がマスターを務めるギルドは戦闘能力を含めて
中層エリアで活動するギルドとしてはトップクラスであることを知っているため、
その笑顔は好意的なものだった。

また、アスナは以前に調査依頼をして作戦の指揮を任せて以来、
それ以降何度となく自ギルドに勧誘している。

(;´・ω・`)「と、ところで今日は?」

(アスナ)「アルゴさんを通してはいますが、
元は攻略組からの依頼ですから一度ちゃんとご挨拶をと思いまして」

(´・ω・`)「そうでしたか。
わざわざありがとうございます。
ですが、命を懸けてボス戦をしていただいているのですから、
これくらいの手助けは当然です。
ですからお気になさらないようにしてください」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/03/25(土) 23:10:37 ID:pUPAGRQU0<>
(アスナ)「ショボンさん。
ありがとうございます。
そう言っていただけると少しは気が楽になります」

(´・ω・`)「それに、ギルドとして請け負った仕事ですので、
ちゃんと報酬もいただいていますし」

(アスナ)「それは当然です。
本来ならば自分達でやれば良いことですから。
ただこういった『調査』ならば、
戦闘に特化している私達より皆さんの方が適任だと言われまして」

(´・ω・`)「ご期待に沿えるように頑張ります」

(アスナ)「よろしくお願いします。
あと、迷宮区には今も血盟騎士団の者が攻略に出ています。
いくつかすぐ連絡のつく攻略組のメンバーもいます。
迷宮区での調査が必要な場合は、
私かアルゴさんにメッセージをください」

(´・ω・`)「はい。よろしくお願いします」

じっとショボンの顔を見るアスナ。

(´・ω・`)「なにか?」

(アスナ)「例のギルドの件、
アルゴさんからお聞きしています。
それが本当ならこちらに血盟騎士団からメンバーを出しますし、
私が一緒に行く事もできますが」

(´・ω・`)「ありがとうございます。
ですが今はまだ『中層フロアレベル』です。
攻略組とはいえ、皆さんがすべてを背負うことは無いと思います。
それに、おそらくは僕達が狙われています。
ですから自分達で対応しようと思っております」

(アスナ)「そうですか……。
ですが、気を付けてくださいね。
命が危険な真似は、出来るだけ避けてください」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/03/25(土) 23:11:59 ID:pUPAGRQU0<>
(´・ω・`)「ありがとうございます」

(アルゴ)「アーちゃんも心配性だネ」

(アスナ)「アルゴさん。
当然のことです」

(アルゴ)「大丈夫だヨ。
ショボン達ならネ」

(´・ω・`)「はいはい」

(アルゴ)「なんかアーちゃんに対する対応と違わないかイ?」

(´・ω・`)「いえいえそんなことありませんよー」

(アルゴ)「まったくこの子ハ」

(´・ω・`)「ところでお願いした件、
大丈夫ですか?」

(アルゴ)「ああ。大丈夫だヨ。
ショボン達と関係の薄い奴らで強い奴ってオーダーなら、
うってつけがいたんでネ」

(´・ω・`)「良かった」

(アルゴ)「な、アーちゃん」

(アスナ)「はい。任せてください」

(;´・ω・`)「え、ちょ、ま、まさかアスナさんに頼んだんですか!?」

(アルゴ)「だって、『強い人』って依頼だからね。
ショボンの信用に答える為に、
アインクラッドで三本の指に入るであろう二人に頼んだのサ」

(;´・ω・`)「確かにこれ以上ないくらい安心ですけど、
でもまさかアスナさんに……って、二人?」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/03/25(土) 23:13:49 ID:pUPAGRQU0<>
(アルゴ)「ああ。二・三人いれば安心だって話だったからネ」

(;´・ω・`)「いやまぁ『ありがとうございます。』
なんですけど、そんな二人に頼むなんて……」

(アスナ)「お気になさらないでください。
もともと作戦が終わるまでこの辺りにいるつもりだったので予定は開けてありましたから」

(´・ω・`)「ありがとうございます」

頭を下げるショボン。

(アルゴ)「やっぱり対応が違う」

(´・ω・`)「アルゴさんも、ありがとうございます」

(アルゴ)「よナって、い、いや、うん。
気にしないでいいヨ」

アルゴに向かって頭を下げたショボン。

慌てるアルゴを見てアスナが笑い、
頭を上げたショボンも笑顔を見せた。

(`・ω・´)「ショボン!全員揃ってるぞ!」

(´・ω・`)「はーい!」

シャキンに名を呼ばれふり返るショボン。

そして改めてアスナとアルゴにお辞儀をする。

(´・ω・`)「それでは、行ってきます。
依頼の件、よろしくお願いします」

(アスナ)「お気をつけて。
その件は、お任せください」

(アルゴ)「気を付けろヨ。
連絡もよろしくナ」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/03/25(土) 23:15:50 ID:pUPAGRQU0<>
(´・ω・`)「はい」

短く答え、足早にメンバーのもとに向かうショボン。

(アスナ)「本当に、大丈夫でしょうか」

(アルゴ)「大丈夫大丈夫。
あいつは、いや、あいつらは思ったよりも図太いからネ」

(アスナ)「アルゴさんはもう……」

(アルゴ)「さ、こっちはこっちで依頼を遂行しようかネ。
もう一人は先に行ってる手はずだヨ」

踵を返し、転移門に向かうアルゴ。

(アスナ)「あ、ちょっとアルゴさん!
もう一人って誰ですか?
それにアインクラッドで三本の指って。
団長はこういうのに関わらないだろうし、
も、もしかして……。
あ、アルゴさん!」

アルゴの後を追うアスナ。

転移門の前で二人は一度振り返って集団を見た後、
フロアの名前を言いながら転移門を通った。





川 ゚ -゚)「何の話をしていたんだ?」

(´・ω・`)「攻略組を代表して来てくれたみたい。
あと、アルゴさんに頼んでた護衛の件、
アスナさんが引き受けてくれてた」

川 ゚ -゚)「ほお。それは太っ腹だな」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/03/25(土) 23:17:36 ID:pUPAGRQU0<>
(;´・ω・`)「その感想は何か違う気がするけど」

(`・ω・´)「でもこれで安心だな。
気にしないで済む」

(´・ω・`)「うん。
要の一つだからね」

ショボンを中心にして、両側に立つクーとシャキン。

三人と向かい合うように立つ残りのメンバー。

軍隊のように整列はしていないが、
自然と今回のチームに分かれて固まっていた。

(´・ω・`)「みんな、朝早くからお疲れさま」

思い思いに返答するメンバーたち。

(´・ω・`)「詳細はメッセージしたしそれぞれに話してあるから大丈夫だと思うけど」

目を泳がす数名。

(´・ω・`)「一応概略だけ説明するよ」

数名がホッとした顔をした。

(´・ω・`)「この遺跡フロアにあるフィールドダンジョン『Aridend』遺跡の調査と、
上のフロアにあるフィールドダンジョン、
通称中央道路こと『Blesstart』を同時攻略します。
目的や調査ポイントもメッセージに送ったけど……」

ショボンの目線から外すように視線を外す数人。

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/03/25(土) 23:19:32 ID:pUPAGRQU0<>
(´・ω・`)「……基本はリーダーやサブリーダーが指示を出すので、
指示通りに動いてください。
もしかすると別のエリアや隠し宝箱なんかを見つけることがあるかもだけど、
勝手に進んだり触ったりしないように。
特にジョルジュとシャキンとエクスト、気を付けてね」
  _
( ゚∀゚)「ほーい」

(`・ω・´)「はーい」

<_プー゚)フ「ここで名指し!?」

(゚、゚トソン「エクスト、返事は?」

<_プー゚;)フ「は、はい……」

(´・ω・`)「チームA(Aridend)はリーダーを僕として、
ドクオ、ジョルジュ、フサギコ、そしてシャキン、よろしく」

('A`)「んー」
  _
( ゚∀゚)「おう」

ミ,,゚Д゚彡「頑張るから!」

(`・ω・´)「ふっふっふ」

川 ゚ -゚)「チームB(Blesstart)は私がリーダーとして指揮を執る。
クックル、ミルナ、デミタス、エクスト、トソン、頼むぞ」

( ゚∋゚)『ああ』

( ゚д゚ )「うむ」

(´・_ゝ・`)「準備は万端だ」

<_プー゚)フ「まかせろ!」

(゚、゚トソン「力の限りに」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/03/25(土) 23:21:33 ID:pUPAGRQU0<>
川 ゚ -゚)「私達の役目は道を進み、ショボン達と連携を取ることだ。
途中に出るボスクラス対策は、一緒に進むチーム4に任せる。
ブーン、ツン、ブーム、シラネーヨ」

( ^ω^)「おっおっお!頑張るお!」

ξ゚⊿゚)ξ「任せなさい」

|  ^o^ |「微力ですが、尽力を注ぎます」

( ´ー`)「やれることはやるだーよ」

(´・ω・`)「今回は完全同時進行で、本部は置きません。
随時リーダー同士が連絡を取り合い調整を行いますが、
メッセージを送れない場合や、
送ることが出来ないエリアが発生することも考えられます。
そこで、」

( ´_ゝ`)「おれ達『チーム8』の出番だな」

(´・ω・`)「う、うん。そうなんだけど」

(´<_` )「なんでそんな名前なんだ?」

(´・ω・`)「何でもよかったんだけど、ドクオと兄者がそれが良いって」

( ´∀`)「仕事内容は二つのエリアを行き来して二つのチームのお手伝いもなね。
『そこにある』とか『なにをしろ』とか指示を出すもなから、
蜂の8の字ダンスからきてるもな?」

▼・ェ・▼「きゃん!」

( ´_ゝ`)「……うん。そう」

(´<_` )「(絶対に違う)」

(´・ω・`)「(違うよね)」

( ^Д^)「おい、……本当におれで大丈夫なのか?」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/03/25(土) 23:24:10 ID:pUPAGRQU0<>
(´・ω・`)「うん?適任だと思ってるよ?」

( ^Д^)「……わかった」

それぞれに表情を引き締めて仲間たちと会話するメンバー。

そんな彼らを見つめるいくつかの目。

しかし気にすることなくショボンは簡単な指示を出していく。

(´・ω・`)「あと兄者、弟者、黒鉄宮の件は?」

( ´_ゝ`)b「大丈夫だ。了解は得た。
さっき準備についたと連絡も来たしな」

(´・ω・`)「そう。良かった」

(´<_` )「うちの和装シリーズのお得意さんだけど、
まさか攻略組だとは思わなかった」

( ´_ゝ`)「あ、報酬はバーボンハウスで合コンよろしくとのことだ」

(´・ω・`)「……合コンはともかく、
報酬以外にご馳走はさせていただくよ。
さて、他に質問とかは?」

両隣以外の全員の顔を見るショボン。

それぞれに決意を込めた表情で頷き、
合図をして肯定の意を示す。

それに頷きで答えたショボンが、
シャキンを見た。

(`・ω・´)「ああ。大丈夫だ」

頷き、そしてクーを見る。

川 ゚ -゚)「問題ない」

(´・ω・`)「よし」

改めて目の前のメンバーたちを見るショボン。

(´・ω・`)「それでは、作戦『CROSS FIELD』を開始します」

良く通るその声に、全員が一斉に大きな声で答えた。

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/03/25(土) 23:32:56 ID:pUPAGRQU0<>cm ShortVersion TYPE-C&D

「おれだって会えるなら会いたいさ!」
「ならばこちらに来い!」

♪僕の声が届いた時に~♪

ARデバイス《オーグマー》を使用したゲーム《オーディナルスケール》
その陰で進行していた陰謀は英雄によって阻止された

「間違えるのが分かっているから、止めたいんだ」
「間違えに気付いて立ち止まった時に、一番そばに居たい」

だがその陰謀を知った少年が、自らの願いの為に動き出した。

「会わせてあげられると思う」
「そんなのあいつも私も望んでない!」

少年の起こした波紋は、

「そんなことが……」 
「できるっていうのか」
「でも、代償は必要もなよ」
「あいつは、そんなことを」
「やりたいっていうなら、やれば良いさ」
「仲間だから、止めたい」
「力になりたいから」
「おれだって……」

巨大な波となり彼らを飲み込んだ。

『  僕の名前は、《ホライゾン》だお  』

そして袂を別つ友人達。

『( ^ω^)達はアインクラッドを生きるようです。-MOMENT-
~VIPのメンバーはオーディナルスケールで戦うようです~』

叫んでも届かない思い。

「私に勝てると思っているのか?」
「足止めくらいはしてみせる」

悲しみが、連鎖する。

♪この瞬間を掴め~♪

「それでも私は!」「だからおれは!」

♪Catch the Moment♪<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/03/25(土) 23:41:45 ID:pUPAGRQU0<>以上、本日の投下は終了します。

前編を少しずつ投下しつつ、後編を進める予定です。

後編なのか……中編になるのか……。

ということで、まだ続くと思われますので、お付き合いいただけると嬉しいです。



さてここのところ投下した『cm』ですが、


* ゚・*:.。.:*・゜+ d(*´∀`)b うそです +.:*・゜゚・*:. *


映画を見終わって思いついたのを投下してみました。

映画を見た方ならわかる×××××………!!!

少しでもドキドキして楽しんでもらえたら嬉しいです。


ではではまたー。<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/03/26(日) 01:05:59 ID:PFCJRGlc0<>おつおつ
そろそろ激突か<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/03/26(日) 06:18:57 ID:VAhTvIEM0<>おつ
とりあえず嘘CMを話をぶったぎって入れる必要が有ったのかは疑問だ<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/03/26(日) 19:11:59 ID:axslJQXc0<>映画見て興奮して入れちゃったんだろ
投下マシンじゃないんだから分かってやれよ<> 名も無きAAのようです<><>2017/03/26(日) 20:49:46 ID:rkb.GW3c0<>え?今日投下来ないの?<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/03/26(日) 21:20:49 ID:5ddUWveg0<>乙乙
面白かったし別にいいじゃん<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/03/26(日) 21:35:26 ID:o64hnWyU0<>たんに嘘CMを前か後にまとめて投下すればよかったんじゃ?ってだけの疑問だろ?
批判しているわけじゃないんだからこっちもそう噛みつかなくてもいいだろうよ
まあ話の合間に挟まなかったらCMじゃなくなるがなww
まとめてだと逆にくどくもなりそうだものなー<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/03/26(日) 22:35:02 ID:JSER7DD20<>「あ、これ本編に関係無いな」って分かった時点で高速スクロールですよ。

ともあれ投下乙<> 名も無きAAのようです<><>2017/03/27(月) 15:40:53 ID:DnEARDgM0<>ロマネスクたちとの衝突もそろそろか<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/03/27(月) 18:55:33 ID:ZrCxTS7Y0<>ワクワクするなぁ<>
◆dKWWLKB7io<>昨日投下するつもりだった分を<>2017/03/27(月) 22:09:57 ID:WqVPvnkw0<>
3.



( ・∀・)「そろそろ始まった時間だな」

从 ゚∀从「『チームK』も始動だな」

視界の端のデジタル表示で時間を確認していたモララーが小さく呟くと、
横にいたハインが不敵な笑みを浮かべながら呟いた。

その顔を横目で見ていたモララーが小さくため息をつく。

从 ゚∀从「ん?」

( ・∀・)「いや、無駄にイケメンだなと思って」

从 ゚∀从「か弱い女の子に対してなんてことを。
傷つくぞこのやろう」

( ・∀・)「その言い方からして傷付いてなんかないだろうが。
それに、そう見えるようにワザとしているわけだし」

从 ゚∀从「……まあな」

フィールドダンジョン『Aridend』の中、
入り口から三つほど進んだエリアに二人はいた。

エリアに入ってすぐの茂みに隠れ、
隠蔽スキルとマントを使ってモンスターから完全に姿を隠している。

もちろん声にも反応してしまうため、
二人の会話はかなりの小声だった。

( ・∀・)「ま、その顔をしてれば、
そうした方が良いよな」

从 ゚∀从「まあ……な」

.<>
◆dKWWLKB7io<>投下します。<>2017/03/27(月) 22:12:21 ID:WqVPvnkw0<>
ウインドウを出し、操作を始めるモララー。
どうやらメッセージを打っているようだった。

从 ゚∀从「前から聞こうと思っていたんだが」

( ・∀・)「ん?」

从 ゚∀从「モララーは私の事、
知っているのか?」

( ・∀・)「……うん」

从 ゚∀从「そう……か。
黙っていてくれて、ありがとう」

( ・∀・)「ま、知ったところで誰も変わらないと思うけどよ」

从 ゚∀从「私もそう思う」

( ・∀・)「本当、変な奴らだよな」

从 ゚∀从「おまえもな」

( ・∀・)「おまえもだぞ」

二人は横目で互いの顔を見て、
ニヤリと笑った。

( ・∀・)「そういえば、何でおれ達『チームK』なんだ?
A,Bは攻略する場所のところから、4と8は人数からだろうけど」

从 ゚∀从「どっくん命名だ。
チームKのKは影のこと、
KAGEのKだ。
流石どっくん」

( ・∀・)「ドクオ……。
なんとなく後付けな気もするけど?」

.<>
◆dKWWLKB7io<>基本的には土日投下の<>2017/03/27(月) 22:18:29 ID:WqVPvnkw0<>
从 ゚∀从「……言わないでくれ」

( ・∀・)「ま、チーム名なんて何でもいいんだけどよ。
確かに今回は、おれ達もあいつらもギリギリまでは『影』の予定だしな」

从 ゚∀从「……」

( ・∀・)「ハイン?」

从 ゚∀从「正直自信ない」

ウエストポーチに手を入れるハイン。
指先でアイテムを探し、指先でつまんだ。

( ・∀・)「ま、ショボンもそこは織り込み済みだろうから、
お前の好きにやっていいんじゃないか?
おれも、借りを返せるかなって思ってるし」

从 ゚∀从「……うん」

( ・∀・)「…… ……良かったな」

从 ゚∀从「え?」

( ・∀・)「ドクオに会えてさ」

从 ゚∀从「!」

思わず横にいるモララーに顔を向けるハイン。

その横顔は決してバカにした様子はなく、
真剣に前を見ていた。

ハインは息をのみ、
ほんの少しだけ頬を赤らめて口を開いた。

从* ∀从「うん」

( ・∀・)「さて、そろそろ準備しないとだな」

.<>
◆dKWWLKB7io<>予定です。<>2017/03/27(月) 22:23:26 ID:WqVPvnkw0<>
そんなハインの表情を見ることは無く、
モララーは更に表情を引き締めながら、
手に装着している爪を撫でた。







フィールドダンジョン『Aridend』の入り口に、
ショボン達5人がいた。

(´・ω・`)「チームB、4共に入り口に着いたみたい」

簡易メッセージを打ち終えたショボンがウインドウを消しながら四人に声をかける。

('A`)「時間通りだな。
あと3分」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2017/03/27(月) 22:25:51 ID:WqVPvnkw0<>
(`・ω・´)「流石クーとトソンが一緒のチーム」

(´・ω・`)「シャキンも頼むよ?」

(`・ω・´)「任せておけ」

(´・ω・`)「……」

('A`)「……」

(`・ω・´)「なんだよー」

('A`)「がんばれ」

(´・ω・`)「信じてるから」

(`・ω・´)「むー」

話している三人から離れたジョルジュがダンジョンの入り口を見つめた。

深い緑の中にたたずむ巨大な石の門には、
リアルの世界で感じるような自然のぬくもりを感じることは出来なかった。
  _
( ゚∀゚)「     」

ミ,,゚Д゚彡「ジョルジュ?」

横に立ったフサギコが、顔を向けて声をかける。
  _
( ゚∀゚)「ん?なんだフサギコ」

門を見上げたままのジョルジュ。

ミ,,゚Д゚彡「……大丈夫?……だから……」
  _
( ゚∀゚)「ああ。大丈夫だ。
まだ完全に信じちゃいないが、割り切った。
それが真実なら、おれはやるさ」

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2017/03/27(月) 22:27:52 ID:WqVPvnkw0<>
ミ,,゚Д゚彡「ジョルジュ……」

やっと横を向き、フサギコを見るジョルジュ。
不敵な笑みを浮かべていた。
  _
( ゚∀゚)「おれはおれのやれることを、
いや、やるべきことをやるだけだ。
……本当にそうなら、おれが止めてみせる」

ミ,,゚Д゚彡「ジョルジュ……。
うん。頑張って、ほしいから……。
ふさも、頑張るから」

(´・ω・`)「ジョルジュ、フサギコ」
  _
( ゚∀゚)「ショボン」

ミ,,゚Д゚彡「ショボン」

名前を呼ばれふり返る二人。

ショボン達三人が、並んで立っていた。

(´・ω・`)「時間だよ。行こう」

気負いを感じさせない、穏やかな口調。

表情すらもいつもと変わらず穏やかだが、
どこか鋭利な刃物のようなイメージを抱く。

('A`)「この門のサイズなら、五人並べるな」

(`・ω・´)「お、いいなそれ。
最初の一歩は『せーの』だぞ」

二人の口調も軽く、会話はとりとめもない、いつもの雰囲気。

けれど心は鋭く引き締まっていた。

.<>
◆dKWWLKB7io<><>2017/03/27(月) 22:29:15 ID:WqVPvnkw0<>
笑顔の裏で気合を入れながら門のすぐ前で横に並ぶ五人。

(`・ω・´)「せーの!」

「「「「「最初のいーっぽ!」」」」」

シャキンの合図に声をそろえ、
全員が左足を一歩踏み出した。









.<>
◆dKWWLKB7io<><>2017/03/27(月) 22:31:33 ID:WqVPvnkw0<>
4.



川 ゚ -゚)「初めて来たときも驚いたが、
改めて来ても凄いな」

クーは、草原に立っていた。

正確にはそこはフィールドダンジョンであり、
且つ「草原」ですらない。

両側には森が見えるここは、二つの街をつなぐ『街道』だった。

だがフィールドダンジョンとしての名前『Blesstart』があり、
更に途中でエリアボス相当の敵が現れるこの道を、
ただの『道』として扱うプレイヤーはほとんどいなかった。

( ゚д゚ )「巨大な二等辺三角形」

川 ゚ -゚)「ん?」

(´・_ゝ・`)「シャキンがそんなことを言っていたが……」

川 ゚ -゚)「ああ。ショボンも言っていた。
今いるここが底辺で、頂点に向かってただひたすらに進んでいくような形だと」

ξ゚⊿゚)ξ「十個くらい進むとやっと『道』らしくなるのよね。確か」

(゚、゚トソン「はい。
そこに行くまでは本当に草原を歩いているようで、
ちゃんと『先』に向かっているのか不安になります」

( ^ω^)「迷った覚えがあるお」

<_プー゚)フ「おれもおれも!」

( ´ー`)「気を付けるだーよ」

.<>
◆dKWWLKB7io<>その予定ですが、<>2017/03/27(月) 22:33:59 ID:WqVPvnkw0<>
|  ^o^ |「そういうシラネーヨも進む方向を間違ったことがありますね」

( ´ー`)「忘れただーよ」

ガヤガヤと喋りながら進む九人。

そんな彼らを一歩引いた形でついて歩くクックル。

時折現れる虫型のモンスターも、
前の九人が即座に倒していく為彼は全員の背中を見ながら歩いているだけだった。

(´・_ゝ・`)「クックル」

( ゚∋゚)「?」

(´・_ゝ・`)「あー。その。ミルナとトソンも、良い奴だぞ」

( ゚∋゚)『ああ。よくしってる』

ボードに書くクックル。

(´・_ゝ・`)「うん。分かってくれてるなら、良いんだ」

ぽんぽんとその肩を叩き、
クックルの横を歩くデミタス。

ミルナも後方をチラチラとみている。

( ゚∋゚)「(ショボンは二人にばれた事を、笑顔で喜んでくれた。
でもたぶん、デミタスとミルナは前から知っていた。
おれがVIPのみんなと『喋って』いることを。
おそらくシャキンも知っている。
なのにショボンがそれをおれに言わなかったということは、
何か意味があったんじゃないだろうか。
おれが声を出せないという事実が。
おれの心が、仲間以外にも開けるようになる強さを持つまでの間。
だから、それが何か分かるまでは……)」

.<>
◆dKWWLKB7io<>予定は未定です。<>2017/03/27(月) 22:36:33 ID:WqVPvnkw0<>
デミタスの話を笑顔で聞きながら、
こちらを時々見るミルナの思いを感じながら、
前を見て歩く同じギルドの仲間の思いを信じながら、
クックルは歩いていた。





フィールドダンジョン『Blesstart』に入っていった十人を見送った兄者達は、
近くのオープンカフェでお茶を飲んでいた。

( ´_ゝ`)「むー」

(´<_` )「どうした?」

( ´_ゝ`)「ショボンの淹れてくれたお茶の方が美味い」

(´<_` )「それは同感だが、
NPC経営のカフェにあれクラスのクオリティを求めるのは無理だろう」

▼・ェ・▼「くーん……」

( ´∀`)「ショボンの淹れ方はもちろんもなけど、
茶葉もクックルが頑張って作った特製もなから、
一緒にしたらダメもなよ」

( ^Д^)「……」

転移門の見えるカフェで、
丸いテーブルを囲む四人。

モナーの足元ではビーグルがつまらなそうに体を擦り付けている。

( ´∀`)「ビーグル、どうしたもな?
大丈夫もなよ?」

▼・ェ・▼「……くぅん」

.<>
◆dKWWLKB7io<>未定です。<>2017/03/27(月) 22:38:21 ID:WqVPvnkw0<>
( ^Д^)「な、なあ」

(´<_` )「ん?どうした?」

( ^Д^)「いや、その、いいのか?
こんなところでお茶してて」

( ´_ゝ`)「おれ達の仕事は、まず『待機』だ。
動ける時に動けるようにしておくのが、仕事だぞ」

( ^Д^)「いや、それは分かるんだけどよ」

( ´∀`)「アルゴさんから連絡が来たもなよ」

いつの間にかウインドウを開いていたモナー。
膝の上に載ったビーグルがウインドウを覗き込んでいる。

( ´∀`)「指定位置に到着したとのこともな」

( ´_ゝ`)「『チーム8』、揃ったな」

(´<_` )「まったく。勝手にチームに入れられてることを知ったら怒られるぞ」

( ´_ゝ`)「その程度で怒るような奴が攻略組にいるとしたら世も末だな」

(´<_` )「兄者の存在が世も末の象徴なんだけどな」

(*´_ゝ`)「照れるな」

(´<_` )「褒めてない。
あ、あと『風林火山』のやつらは人数に入れてないのか?」

( ´_ゝ`)「あいつらは支店だ」

(´<_` )「はあ?」

( ´_ゝ`)「名古屋っぽい」

(´<_` )「山梨じゃなくて?」

.<>
◆dKWWLKB7io<>ファンタスティック<>2017/03/27(月) 22:41:38 ID:WqVPvnkw0<>
( ´_ゝ`)「新潟かも」

(´<_` )「兄者……」

( ´_ゝ`)「坂道は」

(´<_` )「ほんとに怒られるぞ」

( ^Д^)「(いいのかこれで)」

( ´∀`)「良いもなよ。今はこれで」

(;^Д^)!

プギャーに向かってにっこりとほほ笑むモナー。

その膝の上でビーグルが鋭く鳴いた時、
モナーの耳に新たにメッセージが届いた音が聞こえた。






.<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/03/27(月) 23:30:54 ID:tYO8kr/.0<>終わり?乙ー<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/03/28(火) 23:59:22 ID:npcfKfhA0<>お疲れ様でした
続き気になりまくりです<> 名も無きAAのようです<><>2017/03/29(水) 21:14:07 ID:uhA0XBlI0<>巧妙なAKB48のステマをっっっ!!<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/03/30(木) 00:48:22 ID:Nlrupjks0<>どこ?<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/03/30(木) 01:02:58 ID:HApKNCIE0<>チーム名<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/03/30(木) 01:54:59 ID:4sYK4a4IO<>Kの後付け感が半端ないです<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/03/30(木) 07:13:25 ID:p57xi8..0<>こいつらが捕らわれた年にAKBって残ってるんだろうか<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/03/30(木) 11:38:13 ID:JKOirkNs0<>流石にそんな長生きするような奴らじゃないと思うけど案外残ってるかもしれんな…<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/03/30(木) 12:39:25 ID:.SsNdYUwO<>乙乙
アングラーにヘリカルもいるのか気になる

調べたら知らん間にAKBも10年選手でびびった
メディアに出始めた頃は5年以内に消えるなんて言われてた記憶があるが<> 名も無きAAのようです<><>2017/03/31(金) 20:54:14 ID:STNNms9I0<>ヘリカルがいないとvipとしぃギコの物語がもっかいクロスしなくないかな<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/02(日) 00:00:11 ID:iZHxhR5I0<>エイプリルフール。
cmはこの日にやればよかったのかと今更ながらに思いつつ、
今日の投下を開始したいと思います。


宜しくお願いします。

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/02(日) 00:02:07 ID:iZHxhR5I0<>
5.





遺跡フロアでは、チームAが遺跡の調査を進めていた。

('A`)「宝箱開けるぞー」

(´・ω・`)「トラップは?」

('A`)「もちろん解除済み」

(´・ω・`)「ならよろしくー」

ミ,,゚Д゚彡「この石像、これと似てるから!」

(`・ω・´)「そうか?それよりもこっちだろ」
  _
( ゚∀゚)「でもそれだと、さっきの塔と位置がずれるよな?」

(`・ω・´)「だがこっちの方が似てるだろ?」
  _
( ゚∀゚)「似てるのは……そうだなぁ」

ミ,,゚Д゚彡「難しいから……」

地図や画像を見つつ、
周囲の攻略をする。

もちろん攻略はちゃんと行われており地図も出来ているのだが、
点在する石像や石でできた塔、小さな門、
描かれた紋様を調査し、
上のフロアや目的の迷宮区で調査された内容と組み合わせていた。

パズルのような作業をしつつ戦闘を行うのは面倒ではあったが、
敵のレベルが低いため難しい行動ではなかった。

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/02(日) 00:04:11 ID:iZHxhR5I0<>
(´・ω・`)「そろそろ次のがポップする時間だよ」
  _
( ゚∀゚)「よし!」

笑顔で武器を構えるジョルジュの前に立つドクオ。

('A`)「お前はさっき戦っただろ?
今度はおれの番だろうが」
  _
( ゚∀゚)「えー」

('A`)「調査宜しく」

武器を構えるドクオの後ろで、
唇を尖らせたジョルジュがつまらなそうにフサギコのそばに移動した。

ミ,,゚Д゚彡「……でもそうすると、こっちが合わないから」

(`・ω・´)「ふむ。そうだな」
  _
( ゚∀゚)「ういー。まだなんかあるのかよ」

ミ,,゚Д゚彡「石像を合わせると石舞台が合わなくて、
塔を合わせると、石像が合わないから」
  _
( ゚∀゚)「なんだそりゃ」

(`・ω・´)「ショボン、迷宮区のポイントはこれで全部なのか?」

(´・ω・`)「いま連絡した。
でも、今の資料はアルゴさん監修で作ったはずだから大丈夫だと思うよ」

(`・ω・´)「ふむ……」

地図と地図をにらめっこする四人。

敵を倒したドクオが小さく「ヨシっ」と呟いていたが、
その声が聞こえるくらい静かな森だった。




.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/02(日) 00:06:25 ID:iZHxhR5I0<>




川 ゚ -゚)「下は難航しているようだ」

草原の中心に固まって休んでいるチームBのメンバー。
何人かは座っている。

自身で調合した回復POTで回復しながら喉を潤しつつ
ウインドウを見ていたクーが涼しい顔で呟くと、
それ以外のメンバーは疲れた顔で小さく頷いた。

川 ゚ -゚)「なんだみんなどうした?」

ξ;゚⊿゚)ξ「何であんたはそんな普通なのよ」

川 ゚ -゚)「ん?こちらは特に問題なく進んでいないか?」

<_プー゚;)フ「問題は無いかもしれないけどよ」

(゚、゚;トソン「ちょっと範囲が……」

川 ゚ -゚)「広いから疲れているのか。
それでも今日は人数がいるからまだ良いだろう」

(;´ー`)「これでクーがさぼってるなら文句も言えるのに……」

(;´・_ゝ・`)「調査をまとめつつちゃんと動いているからなぁ」

(;^ω^)「それを見て僕らも更に動くから、
調査はサクサク進むけど大変なんだおね」

|; ^o^ |「リーダーの鑑と言えば鑑ですが」

(; ゚д゚ )「あるべき姿なんだがな」

(;゚∋゚)))

川 ゚ -゚)「もう少し行くとエリアも狭くなるし、
その先には安全エリアもある。
そこで下と合わせて昼食の予定だから、
まずはそこまで頑張ってくれ」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/02(日) 00:08:20 ID:iZHxhR5I0<>
クーの言葉にそれぞれが答えると、
自然と座っていた者が立ち上がった。

川 ゚ -゚)「まだ時間は大丈夫だろ?」

(゚、゚トソン「はい。5分くらい余裕があります。
それに予定よりは3分ほど早いです」

( ´ー`)「もう休んだだーよ」

|  ^o^ |「どうせなら安全エリアでがっつりと休みましょう」

( ゚д゚ )「ふっ。ならば進むか」

( ^ω^)「おっお。だお」

ξ゚⊿゚)ξ「そうね。
やること終わってるならさっさと行きましょう」

<_プー゚)フ「弁当を作ったのはショボンか?!フサギコか!?」

(´・_ゝ・`)「現金な奴だなお前も」

(゚、゚トソン「朝から楽しみにしてましたよ。エクストは」

( ^ω^)「おっおっお」

ξ゚⊿゚)ξ「まったく。
これで私が作ったと言ったらどんな顔するのかしら」

クーを除く全員がツンを見る。

ξ゚⊿゚)ξ「……なによ」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/02(日) 00:09:43 ID:iZHxhR5I0<>
( ゚д゚ )「冗談だよな」

(´・_ゝ・`)「嘘だろう?」

( ´ー`)「嘘はいけないだーよ」

|  ^o^ |「ツンさんのギャグセンスもなかなかですね」

ξ゚⊿゚)ξ「…… …… マジよ」

全員の動きが止まり、
笑顔が凍り付き、
青褪めていく。

<_プー゚)フ「……おれはもうだめだ。みんな、先に行ってくれ」

( ゚д゚ )「バカを言うなエクスト。おまえを置いて先に行けるわけがないだろう」

崩れ落ちるように膝をつくエクスト。
その肩を力強く抱くミルナ。

<_プー゚)フ「だって、だって、……よりにもよって……」

( ゚д゚ )「大丈夫だエクスト!
ここはアインクラッドだ!
料理スキルを持っていないはずのツンが、
『弁当』など作れるはずがない!
アレは嘘だ!冗談だ!」

ξ゚⊿゚)ξ「…… ……。
手料理をご馳走したくて、
ひそかに鍛えていたのよ」

全員の目がブーンに注がれる。

(;^ω^)「おっおっ?」

その冷や汗を垂らした顔を見て、
二人とクーを除くメンバーの顔色が土気色に変わった。

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/02(日) 00:12:21 ID:iZHxhR5I0<>
無言で体を震わせる者。
口に手を当て、自分の身体を抱きしめている者。
ぶつぶつと何かを呟きながら一人足踏みを続ける者。

そんなメンバーの姿を見るツンのこめかみには、
青い筋が浮かんでいた。

川 ゚ -゚)「ツン、嘘だよな?
今日ショボンとフサギコからお弁当預かったけど」

ξ#゚⊿゚)ξ「もちろん嘘よ。
ただの冗談。
料理スキル鍛える暇があったら細剣と裁縫鍛えるわよ」

全員の顔に生気が戻る。

空に向かって両手を広げ光を体いっぱいに浴びる者。
跪き、神に祈るような姿で感謝の言葉を口にする者。
身体を抱いたまま座り込み、安堵の吐息を吐く者。

ツンのこめかみの青筋が、さらに太くくっきりと浮かんだ。

ξ#゚⊿゚)ξ「お前達……」

(;^ω^)「と、とりあえず先に進むお。
トソン、もう時間だおね」

(゚、゚;トソン「あ、は、はい。そうですね」

いそいそと先に進もうとするブーン。
促されたツンもその斜め後ろに続き、
クーとトソン、残りのメンバーと動き始めた。

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/02(日) 00:14:16 ID:iZHxhR5I0<>
ξ#゚⊿゚)ξ「大体、
なんで私の料理を食べた事が無いくせに、
そんなことを言われないといけないのよ」

(;^ω^)「ま、まあツン。
ツンの料理がどうこうじゃなくて、
ショボンとフサギコの料理が食べたいだけじゃないのかお」

ξ#゚⊿゚)ξ「いや、あれは違う。
そういうんじゃない。
私の料理のことを変な風に誰かから聞いたのよきっと」

(;^ω^)「と、とりあえず先に進むお」

ξ#゚⊿゚)ξ「いやまてよ。
私の料理を食べた事のあるのはブーンとクー、そしてドクオ。
ショボンは確か無いはず」

(;^ω^)「ツ、ツン、クエスト中は他の事を考えたらだめだお」

ξ#゚⊿゚)ξ「クーの料理の腕は私と似たり寄ったりだし、
人にそういう事は言わないはず」

川 ゚ -゚)「(信じられているのは嬉しいが、
ツン程ではないつもりなんだがな)」

ξ#゚⊿゚)ξ「ブーンには成功したのしか渡してないから、
そういう感想は持たない」

(;^ω^)「(あ、あれは成功品だったのかお!?)」

ξ#゚⊿゚)ξ「つまり犯人は……ドクオ!」

川 ゚ -゚)「(ドクオ、骨はひろってやろう)」

(;^ω^)「(ごめんだおドクオ。
っていうかドクオは失敗作を食べさせられてたのかお!?)」

ξ#゚⊿゚)ξ「ドクオ……。許さん」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/02(日) 00:19:22 ID:iZHxhR5I0<>
右手で細剣を力強く握ったツン。

それを横目で見た二人は、
それぞれにドクオの事を思っていた。





('A`)「ふぃっくしょん!」

(´・ω・`)「大丈夫?
……風邪?じゃないよねぇ」

('A`)「シラネ。
どうせツン辺りがおれの悪口でも言ってるんだろ」

(´・ω・`)「ははは」

(`・ω・´)「ショボン、さっき貰ったデータだけどよ」

(´・ω・`)「うん?
エギルさんから直接送ってもらった追加データだよね。
どうかした?」

(`・ω・´)「迷宮区の外周データ、
最初のと変わってないか?」

(´・ω・`)「ん?外周が?」

慌ててウインドウを開くショボン。
アイテムを出し、目の前の空間に地図を投影した。

(´・ω・`)「こっちが最初の奴。
で、こっちが今貰ったやつ」

更に地図が浮かぶ。
よく見ると微妙に異なっている箇所があった。

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/02(日) 00:21:03 ID:iZHxhR5I0<>
(´・ω・`)「ホントだ。よく似てるけど、ちょっと違う」

(`・ω・´)「どういう事だ?
変化するってことか?」

(´・ω・`)「いや、最初の地図の外周が消えたわけじゃなく、
隠し通路?なのかな。
道が増えてるんだ」

('A`)「道が増える?」

(´・ω・`)「もちろんもとからあったのが発見されたんだと思うけど」

(`・ω・´)「攻略組は何をやっとる」

(´・ω・`)「いや、違うと思う」

(`・ω・´)「ん?」

(´・ω・`)「きっと僕達がこちらで何かをしているんだよ。
その『操作』に合わせて隠れていた道が出てきたんじゃないかな」

('A`)「……でもおれら、なんかやったか?」

(´・ω・`)「分からない。
でもほら見て」

古い地図を消し、遺跡の地図を出すショボン。
そして遺跡の地図を少しだけ回して重ねた。

(´・ω・`)「ほら、外周と遺跡の形が少し重なった」

('A`;)「それは無理矢理過ぎないか?」

(`・ω・´)「……いや。そうか。
石像の位置を重ねたんだな」

(´・ω・`)「うん。
これは石像の位置を重ねた。
きっと、像、塔、舞台、門といった、
キーと思われている石で造られたものにはまだ何かあるんだよ。
それぞれが少しずつずれたりしていたけど、
像の位置を合わせたら今まで重ならなかった外周が重なった部分がある」

('A`)「でも、おれ達石像に何かやったか?
調査はしたけど特に目新しいことはやってないぞ」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/02(日) 00:22:36 ID:iZHxhR5I0<>
(´・ω・`)「うん。僕も覚えはない。
でも、新しい発見だよ。
それぞれのキーをもっと詳しく調べてみよう。
迷宮区にいる皆さんに調べてもらうようアスナさんに連絡する。
あと血盟騎士団以外にもエギルさん達がいるし、
他にも連絡が出来る人がいるはずだから、
分かる全員に一斉送信しておくよ。
特に外周周辺の新しい道の調査をしてもらおう」

ウインドウを出すショボン。
メッセージを打ち始めると、
戦闘をこなしていたジョルジュとフサギコが
晴れ晴れとした顔で三人のもとに歩いてきた。







両側に鬱蒼としげる木々を見て、
ミルナは笑顔を見せた。

( ^ω^)「やっと……だおね」

( ゚д゚ )「ああ。やっと道の両側が見渡せるようになった」

それを横から見ていたブーンも同じ様に笑顔で話しかける。

(゚、゚トソン「トラップも前のエリアで終わりましたから、
ここは時間をかけられますよ」

|  ^o^ |「あれは本当に厄介です」

<_プー゚)フ「次の次で休憩だよな!」

川 ゚ -゚)「その前の調査がある」

<_プー゚)フ「分かってるけどよー」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/02(日) 00:24:15 ID:iZHxhR5I0<>
川 ゚ -゚)「分かっているなら良いが、
よろしく頼むぞ」

<_プー゚)フ「え?あ、うん。頑張る」

首をかしげながらミルナに近寄るエクスト。
そしてそのまま二人で左側の端にある石像を調査しに行った。

川 ゚ -゚)「なんだあいつは。変な顔して」

(゚、゚トソン「エクストが変な顔をするのはいつもの事ですが、
今回は気持ちは分かりますよ」

ξ゚⊿゚)ξ「ホント相変わらずエクストにはキツイわね」

(゚、゚トソン「そうですか?」

ξ゚⊿゚)ξ「天然かよ!」

(゚、゚トソン「養殖気味です」

ξ゚⊿゚)ξ「養殖かい!
って、気味ってなによ、気味って」

川 ゚ -゚)「漫才は良いからトソン、
今回は気持ちが分かるというのはなにかあるのか?」

三人は道の中央におり、その先ではブーンとブーム、シラネーヨが戦闘を。
左側にエクストとミルナ。
右側をクックルとデミタスが調査をしている。

(゚、゚トソン「今回の作戦が始まってから、
クーさんずっとピリピリしてましたけど、
ここにきて急に穏やか……とは違うけど、
普段通りくらいになったので」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/02(日) 00:25:50 ID:iZHxhR5I0<>
川 ゚ -゚)「……私の普段が穏やかではないと言われたような」

ξ゚⊿゚)ξ「そこは流しなさい」

(゚、゚トソン「ぜひ流してください」

川 ゚ -゚)「解せないが良しとしよう」

ξ゚⊿゚)ξ「で?なんかスッキリしたの?」

川 ゚ -゚)「別にスッキリしたわけじゃない。
今も不安なのは変わらない。
けれど、信じてみようと思ったんだ」

ξ゚⊿゚)ξ「ショボンを?」

川 ゚ -゚)「今回に限って……いや、限ってではないな。
自分の安全を考えるという点に関しては時々信じることはできないし、
今回もどうせ無茶するだろうからその辺は信用しない。
だいたい、いくら人数不足とはいえあんな作戦を」

ξ゚⊿゚)ξ「まあ……そうね。
シャキンと合流するまで一人になるスケジュールだったし。
それまでの間にどうにかなったらどうするつもりなのか」

川 ゚ -゚)「普通の相手なら口で延ばすことはできるだろう。
だが、相手によっては問答無用で襲ってくる」

(゚、゚トソン「では何を信用したんですか?」

川 ゚ -゚)「あの二人を」

ξ゚⊿゚)ξ「ああ」

(゚、゚トソン「なるほど」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/02(日) 00:27:28 ID:iZHxhR5I0<>
川 ゚ -゚)「一人では無理だけど、
あの二人も居たら何とかしてくれるだろ。
と、信じることにしたんだ」

(゚、゚トソン「ショボンさん、驚くでしょうか」

川 ゚ -゚)「驚かせられたらうれしいな」

ξ゚⊿゚)ξ「ふふ」

川 ゚ -゚)「ん?なんだ?」

(゚、゚トソン「どうしたんですか、鼻で笑ったりして」

ξ゚⊿゚)ξ「鼻でなんか笑ってないわよ!
微笑ましく思って呟いたのよ!」

(゚、゚トソン「失礼しました。で?」

ξ゚⊿゚)ξ「まったく……。
ちょっと気分良くなっただけよ。
なんか、『チーム』だなって思って」

川 ゚ -゚)「お前が言うか」

(゚、゚トソン「ツンさんが言いますか」

ξ゚⊿゚)ξ「はいはい。どうせ個人で動くわよ。
でも仕方ないでしょ」

(゚、゚トソン「戦闘が終わりました。
今から13分52秒、ポップしない予定です」

突然トソンが機械的に呟くと、
道の先で戦闘を行っていたブーン達三人がにこやかに歩いてきた。

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/02(日) 00:28:59 ID:iZHxhR5I0<>
( ^ω^)「終わったおー。」

|  ^o^ |「ほとんど出る幕がありませんでした」

( ´ー`)「タイミングの復習で終わっただーよ」

( ^ω^)「おっお。二人が後ろにいてくれるから安心して戦えたお」

|  ^o^ |「おだてられるのも嬉しいです」

( ´ー`)「分かっていても、悪い気はしないだーよ」

( ^ω^)「おっおっ。
お世辞とかじゃないおー」

ξ゚⊿゚)ξ「はいはい。
じゃあ私達も調査をしましょうか」

川 ゚ -゚)「そうだな。ブーン、ツン、ブームは左側の先を、
私とトソンとシラネーヨは右側の先に行こう」

両側の調査班を見て即座に指示を出すクー。

川 ゚ -゚)「トソンは残り4分になったら教えてくれ」

(゚、゚トソン「はい。わかりました」

指示に従い二手に分かれる六人。

その時、声が聞こえた。

「あーー!!!
ツンさん!ツンさん!ツンさーーん!!」

ξ゚⊿゚)ξ「は?」

逆側からやってきた一つの影。

「偶然ですねー!」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/02(日) 00:31:35 ID:iZHxhR5I0<>
ξ゚⊿゚)ξ「……あんた、なんでここで」

眉を顰めるツン。
他のメンバーも近寄る者を見てから、ツンを見た。

ζ(;ー;*ζ「こんなところで会えるなんて!」






ウインドウを閉じたモナーが立ち上がると、
椅子の下で丸まっていたビーグルも立ち上がり、
モナーの足にすり寄った。

( ´∀`)「準備は大丈夫もな?」

▼・ェ・▼「きゃん!」

( ´_ゝ`)「連絡が来たのか?」

( ´∀`)「流石アルゴさんもなね」

(´<_` )「一人で大丈夫か?」

( ´∀`)「向こうで二人と合流するから大丈夫もなよ」

( ^Д^)「え?誰かいましたか?」

( ´∀`)「もなもな。
二人もいるもなよ。
というか何故敬語もな?」

( ^Д^)「いや、なんか、殺気というか……。
敵に回したらやばそうな気がして」

( ´∀`)「もなもな。
プギャーがバカなことをしない限り敵になったりしないもなよ」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/02(日) 00:34:36 ID:iZHxhR5I0<>
( ^Д^)「気を付けます」

立ち上がり、愛用の三又の矛、
もちろん以前よりも格段とレベルの高いものだが、
形状は同じ三又のそれを手にするモナー。
そして視線で自身の装備を確かめた。

( ´∀`)「ビーグル、頼むもなよ」

▼・ェ・▼「キャン!」

左手から足首までの半身を隠すマントの裾からビーグルが顔を覗かせて鋭く鳴いた。

( ´_ゝ`)「準備万端だそうだ」

( ´∀`)「もなね」

ニッコリとほほ笑む。
そしてテーブルを離れ、三人を見た。

( ´∀`)「では、行ってくるもな。
三人もそろそろもなね。頑張るもな」

三人に軽く手を振って転移門に向かうモナー。
ビーグルはマントの影にうまく隠れながら足元に付いていった。

(´<_` )「モナーもしっかりな!」

( ^Д^)「頑張ります!」

( ´_ゝ`)「手加減してやれよ!」

振り向かず、片手だけ挙げて三人の声にこたえる。

そして転移門に消えた。

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/02(日) 00:36:23 ID:iZHxhR5I0<>
( ^Д^)「……」

(´<_` )「大丈夫か?プギャー」

( ^Д^)「なんか、モナーが怖かった」

( ´_ゝ`)「ぶち切れてたからな」

(´<_` )「モナーが嫌いなやり方だからな」

(;^Д^)「いつも穏やかな人が本気で切れると怖いってやつか」

( ´_ゝ`)「……ま、そんなとこだ」

(´<_` )「さて、おれ達もそろそろ準備するか」

( ^Д^)「こっちも予定ではそろそろ……あ」

ウインドウを開くプギャー。

(´<_` )「来たか?」

( ^Д^)「ああ。行ってくる」

ウインドウを閉じて立ち上がるプギャー。

( ´_ゝ`)「頑張れよー」

( ^Д^)「当然だ。
兄者、弟者もしっかりな」

(´<_` )「当然だ」

( ´_ゝ`)「頑張れよー」

( ^Д^)「なんか気が抜けるぞ兄者」

( ´_ゝ`)「お前は少し肩の力を抜いたほうが良いからな。
出所を見誤らないようにな」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/02(日) 00:39:05 ID:iZHxhR5I0<>
( ^Д^)「!……。
ああ、分かってる。
ありがとう」

ニヤリと笑った後、
表情を引き締め、
そして少しだけ緩めてサムズアップを二人にした。

それに対し同じようにサムズアップで返す二人。

( ^Д^)「じゃ、行ってくる」

街から外に出る門に向かうプギャー。
その背中を見守る二人。

( ´_ゝ`)「弟者、準備は出来ているか?」

少し後、二人の視界の片隅にメッセージの到着を告げるランプが灯った。

立ち上がる二人。
声もかけず、
視線すら交わさずとも、
そのタイミングは完全に一致していた。

(´<_` )「聞くまでもないだろ。兄者」

( ´_ゝ`)「そうだな」

カフェを出て、同じ方向を見て歩く二人だった。









.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/02(日) 00:41:11 ID:iZHxhR5I0<>




  _
( ゚∀゚)「ごちそうさま!」

(´・ω・`)「はい、お茶」
  _
( ゚∀゚)「さんきゅー!」

ミ,,゚Д゚彡「食後のデザートもあるから」

(`・ω・´)「豪勢だなおい」

('A`)「メンバーの大半が出てるときはこんなもんだぞいつも」

(`・ω・´)「やっぱり仲間に料理人がいるのは良いな。
作戦中も豪勢だ」

('A`)「いや、うちは特殊だと思う」

(´・ω・`)「食事は大事だよー」

ミ,,゚Д゚彡「大事だから!」

チームAの面々は安全エリア内の片隅にシートを広げ、
その上で食事をとっていた。

(`・ω・´)「ま、他のギルドやパーティーでこんなことをしているのはほとんどいないだろうな」

('A`)「おれは反対したんだぞ。
シートだって容量をとるわけだし」

(´・ω・`)「だから出来るだけ容量の少ないのを用意しているわけだし」

(`・ω・´)「ふかふかだけどな」

ミ,,゚Д゚彡「寝そべっても大丈夫だから!」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/02(日) 00:42:49 ID:iZHxhR5I0<>
('A`)「ツンとモララーが本気出したからな」

(`・ω・´)「凄いなあの二人」
  _
( ゚∀゚)「あの二人が手を組めば作れないものないんじゃないか?」

(´・ω・`)「さすがにそんなことは無いと思うけど」

('A`)「そう思わせる実績はある」

ミ,,゚Д゚彡「二人とも凄いから」

穏やかに会話をつづける五人。
もちろん武器から離れる様なことは無いが、
一見すればただのお茶会のように見える。

('A`)「さて、そろそろ動くか?」

しばらくの間談笑したのち、表情を曇らせたドクオが呟くと、全員の表情が引き締まる。

(´・ω・`)「うん。もうすぐ予定時間だよ」
  _
( ゚∀゚)「上の奴らも食べ終わった頃か」

(´・ω・`)「うん。みんな動くはず」

ミ,,゚Д゚彡「午後も頑張るから!」

(`・ω・´)「そうだな」

('A`)「ああ」

そしてそれぞれに立ち上がり、
身支度を整え始めた。







.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/02(日) 00:44:42 ID:iZHxhR5I0<>



ζ(゚ー゚*ζ「ごちそうさまでした!
本当に美味しかったです」

ξ゚⊿゚)ξ「それ言うの何度目よ」

フィールドダンジョン『Blesstart』を、
先程とは逆方向に向かって歩いているツン。
そしてその横を歩くデレ。

接近戦向きのツンの細剣と中距離も可能なデレの両手棍。
七割方はツンが倒しているが、
デレも充分戦力となっていた。

ζ(゚ー゚*ζ「相変わらずツンさんはすごいですね」

ξ゚⊿゚)ξ「そう?」

ζ(゚ー゚*ζ「はい。
ものすごく強くて、綺麗で、裁縫とかできて……」

ξ゚⊿゚)ξ「もちろん努力はしたけど、所詮はスキルよ。
スキルさえ鍛えれば、誰でも出来る事」

ζ(゚ー゚*ζ「それが出来ている人が少ないから凄いんです!」

ξ゚⊿゚)ξ「はいはい。ありがと」

ζ(゚ー゚*ζ「『綺麗で』に関しては何かないんですか?」

ξ゚⊿゚)ξ「同じくらい可愛い子にそんなこと言われてもねぇ」

ζ(゚ー゚*ζ「うっ。そう来ますか。
褒められるのは嬉しいですけど、
ツンさんほどじゃないです」

ξ゚⊿゚)ξ「あんたもなかなかちゃんと認めるわね」

ζ(゚ー゚*ζ「はい!」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/02(日) 00:47:33 ID:iZHxhR5I0<>
ξ゚⊿゚)ξ「まったく」

口調は呆れているが、
笑顔で会話しているツン。

デレも照れたように笑いながらその横を歩く。

ξ゚⊿゚)ξ「しっかしさっきも思ったけど、
相変わらず武器をデコってるのね」

ζ(゚ー゚*ζ「可愛くないですか?」

ξ゚⊿゚)ξ「可愛いには可愛いけど、
使い辛くないの?
耐久値とか下がるって聞くけど」

ζ(゚ー゚*ζ「大丈夫ですよ?
私は色を変えたりパーツを付けるくらいですから。
基本の持ち手の場所は色や柄を付ける程度ですし」

ξ゚⊿゚)ξ「ふーん」

ζ(゚ー゚*ζ「ツンさんもデコったらいいのに。
そんなに可愛いのに、細剣は普通だからちょっとアンバランスですよ」

ξ゚⊿゚)ξ「そうねー。
今度考えてみようかな」

ζ(゚ー゚*ζ「やりましょやりましょ!
その銀色の細剣もカッコいいですけど、
黒とか赤に染めたらもっと可愛いですよ!」

ξ゚⊿゚)ξ「そうね……考えとく。
あ、そろそろ右ね。
その先にある特徴的な木の根元から見つかるみたい」

ζ(゚ー゚*ζ「え!ここなんですか?」

ξ゚⊿゚)ξ「ら、らしいわよ」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/02(日) 00:48:50 ID:iZHxhR5I0<>
デレの勢いに押され、腰の隠しポーチから渡されていた地図を取り出すツン。

自分の位置を確認しつつ、右を指さす。

既に『草原』と言っても良いほど広い道に戻っていたが、
視界の先に何とか『道の端』がわかる。

ζ(゚ー゚*ζ「地図も読めるんですね!」

ξ゚⊿゚)ξ「あんたそれ、馬鹿にしてるように聞こえるわよ」

ζ(゚ー゚*;ζ「い、いえ、そういう事ではないんですけど」

ξ゚⊿゚)ξ「ま、私もリアルでは得意じゃなかったけどね。
こっちに来てからよ。
ちゃんと分かるようになったのって」

ζ(゚ー゚*ζ「ほえーーーー」

ξ゚⊿゚)ξ「あざとい感心の仕方ね」

ζ(゚ー゚*;ζ「え、あ、いや、思わず漏れただけです!」

ξ゚⊿゚)ξ「はいはい。じゃ、さっさと採取しましょ」

ζ(゚ー゚*ζ「はい!」

道の端に向かって歩く二人。

ξ゚⊿゚)ξ「それにしてもあんた、あれ何に使うの?」

ζ(゚ー゚*ζ「え?」

ξ゚⊿゚)ξ「いや、確かに『クラムライト』はあまり採取できない鉱石だけど、
特に強い武器や防具が作れるわけじゃないじゃない」

ζ(゚ー゚*ζ「あ、知らないんですかツンさん。
遅れてますよー。
『クラムライト』は添加剤に使うことによって、
武器の強度を2から5も上げることが出来るってことが分かったんです!」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/02(日) 00:50:02 ID:iZHxhR5I0<>
ξ゚⊿゚)ξ「え?」

ζ(゚ー゚*ζ「ダメですよーツンさん。
それくらい押さえておかないと」

ξ゚⊿゚)ξ「それ、『ロクラムイト』と間違えてない?」

ζ(゚ー゚*ζ「…………え?」

ξ゚⊿゚)ξ「防具に使っていた添加剤だけど、
一部の武器にも使うと強度を上げることが出来る事が分かったのは、
『ロクラムイト』のはずだけど?
(兄者とブーンが見つけてたし)」

ζ(゚ー゚*ζ「え、いや、でも、『クラムライト』って書いて」

慌ててウインドウを開き、アイテムを取り出すデレ。
それは道具屋で配られている新聞で、
少し高額だが信頼できる情報のみが載っていることで有名だった。

ζ(゚ー゚*ζ「ほら、ここ、ここ……に………」

語尾が小さくなり、黙り込んでしまうデレ。

ξ゚⊿゚)ξ「……どんまい」

ζ(゚ー゚*ζ「……はい」

ξ゚⊿゚)ξ「クラムライトもオレンジ色のきれいな鉱石だったはずだし、
とりあえず採取していこうか?
モララーに何か作らせればいいし」

ζ(゚ー゚*ζ「……そうします」

とぼとぼと歩くデレを見て困ったような笑みを浮かべるツン。

ξ゚⊿゚)ξ「次から気を付ければいいだけよ。
なんか気になるのがあったら、
まず私とかモララーに相談するようにしなさいね」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/02(日) 00:53:00 ID:iZHxhR5I0<>
ζ(゚ー゚*ζ「……ありがとうございます」

ツンの言葉に笑みを見せるが、
あからさまに無理をしているように見え、
ツンは再び困ったように笑った。

会話が弾まぬまま二人は歩き、道の端に到着する。

目の前には木々が生えているが、
その中に一本、これもあからさまに『何かある』と感じさせる木があった。

ξ゚⊿゚)ξ「これね」

ζ(゚ー゚*ζ「そうですね」

ξ゚⊿゚)ξ「採取、しないの?」

ζ(゚ー゚*ζ「しないとですよね」

ため息をつき、のろのろと木に向かうデレ。

ζ(゚ー゚*ζ「本当、ダメだなぁ。わたし」

ξ゚⊿゚)ξ「……まったく」

ζ(゚ー゚*ζ「……見つからないし」

ξ゚⊿゚)ξ「はぁ?」

しゃがんでいるデレの横に同じようにしゃがむツン。

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/02(日) 00:55:34 ID:iZHxhR5I0<>
ξ゚⊿゚)ξ「ちゃんとクリックしなさいよ」

ζ(゚ー゚*ζ「え、でも……。ほら、出ないんです」

ξ゚⊿゚)ξ「その手袋がいけないんじゃないの?
私がやってあげるから、ほら、ちょっと横にどいて」

ζ(゚ー゚*ζ「……はい。
ほんとにわたしってダメダメだ……」

ξ゚⊿゚)ξ「全く」

その場を移動するデレ。
代わりにツンが入り、しゃがんで木の根元のポイントをクリックする。

ξ゚⊿゚)ξ「ほら、採れた」

ウインドウを出して採取した品を確認するツン。

その後頭部に向かって、両手棍が振り下ろされた。










.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/02(日) 00:59:04 ID:iZHxhR5I0<>以上、本日の投下を終了します。

乙や感想やステマの突っ込み、
いつも本当にありがとうございます。

またよろしくお願いします。


ではではまたー。<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/02(日) 01:21:39 ID:9I2AoaM60<>おツン
昨日はなんかあるかなってちょっと期待してた(´・ω・)<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/02(日) 10:57:48 ID:ZHVErNlo0<>デレの襲撃理由は、「私よりかわいいやつが許せない」とかそんなパターンかねえ。
ともあれ乙乙。<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/02(日) 16:35:55 ID:x1uslHPw0<>乙乙
デレは最初会ったときから色々計算して動いてたんだろうな<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/02(日) 17:09:54 ID:b8/yxo5.0<>あああ乙<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/02(日) 18:39:19 ID:iZHxhR5I0<>それでは今日の分の投下を始めます。

宜しくお願いします。

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/02(日) 18:40:50 ID:iZHxhR5I0<>
6.



チームAは遺跡の調査を続けていた。

細かい遺跡の調査はほぼ終了し、
後は中央の大樹の調査と、
攻略組から送られてくる地図データとの照合、
そしてチームBが調べデータとの統合性調査となっていた。

(´・ω・`)「それじゃあそろそろたいちゅ」

('A`)「(噛んだ……)」

ミ,,゚Д゚彡「(噛んだから……)」
  _
( ゚∀゚)「(見事に噛んだなおい)」

(´・ω・`)「大樹に向かおうか」

(`・ω・´)「何にも無しかい!」

(´・ω・`)「ん?何のこと?」

(`・ω・´)「今思いっきり噛んだだろうが!」

(´・ω・`)「?何のこと?
変なシャキンだな。
というか、シャキンが変なのは最初からか」

(`・ω・´)「おまえ達も突っ込めよ!」

( 'A`)

ミ ,,゚Д゚彡
   _
(  ゚∀゚)

(`・ω・´)「目を合わせろよー」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/02(日) 18:42:26 ID:iZHxhR5I0<>
(´・ω・`)「ほらほら、無駄口叩いてないで行くよ」

(`・ω・´)「……はい」

歩き出すショボンの後ろに続くシャキン。
その後ろに三人が続く。
シャキンが小声で「ナー『ブ』ギアのくせして……」
などと言っていっていたが、
その肩をドクオが首を横に振りながら軽く叩くと呟くのも止めた。

そして五人が二つエリアを移動した時、
人影が見えた。

(´・ω・`)「……人がいるね」

本来ならば出てくるはずのモンスターがポップせず、
その先で戦っている三人が見えた。
  _
(  ∀ )「あれは……」

( ФωФ)「ショボン殿!」

戦闘を終えたロマネスク、ヒッキー、フィレンクトがこちらに気付き、
ロマネスクがゆっくりとショボン達に向かって歩いてきた。

( ФωФ)「ジョルジュも一緒であるか。
久し振りであるな!
元気か!?」
  _
( ゚∀゚)「おう、おっさん!
おっさんこそ元気か!?」

( ФωФ)「おっさん呼ばわりされるのも久し振りであるな」

笑いながらジョルジュに近寄るろマスク。
ジョルジュも近寄り、拳と拳をぶつける挨拶をした。

(´・ω・`)「ロマネスクさん、ヒッキーさん、こんにちは。
あと、……フィレフィレさん?」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/02(日) 18:45:39 ID:iZHxhR5I0<>
(;‘_L’)「フィレンクトと申します!」

( ФωФ)「二人は知り合いなのであるか?」

(´・ω・`)「あ、『フィレフィレ』は違うんですね。
いつもお店に来ていただきありがとうございます。
フィレフィレさんは店の方によく来ていただいています。
前にギルドマークが見えたので、
ANGLERの方なのは知っておりましたが」

( ФωФ)「なるほどなのである」

(‘_L’)「はい。
改めて自己紹介させていただきます。
ANGLERで事務系を取り仕切っております、
フィレンクトと申します」

(´・ω・`)「ご丁寧にありがとうございます。
ギルドVIPでギルマスをしているショボンと申します」

(‘_L’)「『フィレンクト』と申します」

(;´・ω・`)「は、はい、分かりました」

頭を下げあう二人。

(´・ω・`)「今日はギルドの皆さんでクエストですか?」

(‘_L’)「はい」

(-_-)「ロマが、
鉱石の採取をしようって」

(´・ω・`)「鉱石?
このエリアに何か特別なものありましたか?」

( ФωФ)「『ロクラムイト』である!
ショボン殿!
最近話題の鉱石である!」

(´・ω・`)「『ロクラムイト』?」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/02(日) 18:47:28 ID:iZHxhR5I0<>
(*ФωФ)「お、知らないであるか?
最近話題の鉱石なのである。
最近、添加物として使うと使い方によっては
武器の強度を上げることが出来ることが分かったのである。
ショボン殿の知らない情報を吾輩が知っていたとは」

(´・ω・`)「いや、それは知ってますけど、
このエリアで採取できるって話は聞かないなと思って」

( ФωФ)「え?」

(´・ω・`)「今のところ採れました?」

(‘_L’)「採れておりません」

(´・ω・`)「ですよね?
何か情報を間違えてないですか?」

(-_-)「ロマネスク……」

( ´ФωФ)「確かここで見つかるって聞いたし……」

('A`)「もしかして、『クラムライト』と間違えてるとか?」

(´・ω・`)「あ」

('A`)「確かここでも採れるよな?あれ」

(´・ω・`)「うん。大樹のエリアで」

(-_-)「『ロクラムイト』、『クラムライト』……」

(‘_L’)「ロマネスク殿……」

( ´ФωФ)「だってー」

(-_-)「だってじゃないよまったく。
だからこういうのはフィレンクトに任せておけって」

(‘_L’)「ちゃんと私が調査するべきでした」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/02(日) 18:51:29 ID:iZHxhR5I0<>
( ´ФωФ)「ギルマスらしいことしたかっただけなのである」

(-_-)「ショボンさんの真似をしようとしても駄目だよ」

( ´ФωФ)「はーい」

(‘_L’)「これからはこういうのは私にちゃんと相談してください」

( ´ФωФ)「はーい」

ミ,,゚Д゚彡「……なんとなくデジャヴを感じるから」

三人の会話を聞いていたフサギコがシャキンを見ると、
ドクオ達三人もシャキンを見ていた。

(`・ω・´)「おれは最初からミルナ達に頼るから違うな。
あいつらもショボンに聞きに来るだろ?」

(´・ω・`)「いや、そんなに来ないよ。
ちゃんと自分で調べてるみたいだよ?
ミルナもデミタスも」

(`・ω・´)「え?マジ?
ちゃんとショボンに聞けって言ってあるのに」

('A`)「シャキン……」

ミ,,゚Д゚彡「シャキン……」

胸を張るシャキンを見て呆れたようにその名を呟く二人。
ショボンとジョルジュは顔を見合わせて苦笑した。

( ФωФ)「みっともないところをお見せしたのである」

幾分か気落ちした様に見えるロマネスクがショボンに近付いてきた。

(´・ω・`)「まあ間違えは誰にでもありますから」

( ФωФ)「それで、その『クラムライト』は大樹というところで採取できるのであるか?」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/02(日) 18:53:03 ID:iZHxhR5I0<>
(´・ω・`)「ええ。このフィールドでは確かあそこだけです」

( ФωФ)「そうであるか。
折角だから取りに行こうと思うのであるが、
このフィールドにはボスクラスの敵は出ないと記憶しているのであるが……」

(´・ω・`)「はい。出ません。
ここはフィールドダンジョンですが、
クエストに使用されるだけで、
街道でもありませんし」

( ФωФ)「であるよな」

ふり返り、ヒッキーとフィレンクトに自慢げに笑う。

それを見て、あからさまに頬を引きつらせる二人。

( ФωФ)「では行こうと思うのである。
ところで皆さんはどちらに行かれるのであるか?」

(´・ω・`)「僕達も大樹に向かうところです。
途中のエリアで用事があるのでゆっくりの予定ですが」

ショボンの言葉に視線を走らせるシャキン達四人。

( ФωФ)「おお!
それでは途中までご一緒できるのであるな」

(-_-)「なに喜んでるのさ」

(‘_L’)「皆さんにもご都合がありますよ」

( ´ФωФ)「だめであるか?

(´・ω・`)「……途中まで、
というか、二つ先のエリアまでならご一緒できますよ」

( ФωФ)「そうであるか!
あ、良ければ何かお手伝いできることがあれば、やらせてほしいのである」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/02(日) 18:56:06 ID:iZHxhR5I0<>
(´・ω・`)「それには及びません。
これは請け負った仕事での調査で報酬が発生していますから、
ギルド内及びこちらから依頼したメンバーでやらないと」

( ФωФ)「そうであるか……。
調査と言っておられたが、
このダンジョンのクエストであるか?」

(´・ω・`)「いえ、クエストではなくこのダンジョン全体のですね。
遺跡や地形や道、すべてを調査しています」

( ФωФ)「それは凄いのである。
あ、そういえばさっき前のフロアの巨像を調べた時、
初めて見るアイテムを拾ったのである」

(´・ω・`)「え?」

( ФωФ)「これであるが、
タップしても名前も出てこないので、
あとで道具屋さんに持っていくつもりなのであるが」

ウインドウを操作し、革袋を取り出すロマネスク。
そしてその中から、少し大きめのビー玉のようなアイテムを取り出した。

( ФωФ)「ショボン殿はご存知であるか?」

そう言いながら親指と人差し指でつまむように持ち、
目の高さまで上げた。

( ФωФ)「ビー玉であるな」

陽光を反射して水色に輝いている。

(´・ω・`)「見たことはないですね……」

( ФωФ)「ジョルジュ、見たことないであるか?
さっきから黙っているであるが」
  _
( ゚∀゚)「ん?ああ、いや、おれも見たことは無い。
それにショボンが見た事が無いものを
おれが知ってるってことも無いだろ」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/02(日) 18:58:46 ID:iZHxhR5I0<>
(´・ω・`)「そんなことは無いと思うけど」

( ФωФ)「まあ手に取ってみるのである。
出来ればタップして情報を見てほしいのである」

革袋に手を突っ込み、
五個のビー玉を取り出した。

( ФωФ)「五個あるのであるが、
吾輩もヒッキーもフィレンクトも分からなかったのである。
でも皆さんなら何か分かるかもしれないのである」

(´・ω・`)「今日は識別系のスキルを鍛えているのがほとんどいないので……」

( ФωФ)「そうなのであるか?」

ショボンが言った時には既に四人に配り終えており、
差し出されたビー玉をショボンも手にした。

(´・ω・`)「……では、一応」

それぞれに、黒、青、赤、白、黄の球が渡され、
ショボンは黒色の球をタップした。

(´・ω・`)「これは!」

ショボンがロマネスクの顔を見たと同時に、
横の森の奥で小さな爆発が起きた。
そしてそこから白い光がひろがり、
八人の視界を白く染めた。






.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/02(日) 19:03:17 ID:iZHxhR5I0<>
7.



川 ゚ -゚)「それでは三人とも、よろしく頼む」

( ^ω^)「おっおっお。任せろお」

( ´ー`)「頑張るだーよ」

|  ^o^ |「役目は分かっていますから大丈夫です」

食事をしたエリアから先、
道の真ん中でこちらから手を出さない限りたたずんでいるだけの巨大紫蟷螂を素通りし、
さらに二つ先のエリアに来ていた。

川 ゚ -゚)「……ツンもやってくると思うが」

( ^ω^)「……ツンが来る前に終わらせて、
逆に迎えに行ってくるお」

川 ゚ -゚)「ああ。そうだな。
それも良いだろう」

ニッコリとほほ笑んだブーンに笑顔で返すクー。

その表所を見てVIP以外のメンバーは驚愕する。

川 ゚ -゚)「なんだその反応は」

(゚、゚トソン「い、いえ、正直びっくりしただけです」

川 ゚ -゚)「本当に正直で不躾だな。
人の笑顔を見て驚くとは失礼だぞ」

(゚、゚トソン「もちろん微笑や笑顔も今まで見たことはあったのですが、
今のような『笑顔』は初見でしたので」

川 ゚ -゚)「……そうか?」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/02(日) 19:13:27 ID:iZHxhR5I0<>
大きくうなずいているVIP以外のメンバーを見て、
少し眉をひそめながらブーンとクックルを見る。

(;^ω^)「おー。そんなことは無いと思うけど」

( ゚∋゚)『あまり見せないかもしれない』

こまった様に呟いたブーンに比べ、
クックルは取り出したボードに冷静に書いていた。

川 ゚ -゚)「そうか……気を付けよう」

( ゚∋゚)(というか、ブーンの屈託のない笑みにつられるんだろうな)

クックルの思ったことはミルナやデミタス、
そしてトソンも感じていたが、
口には出さず他のメンバーと同じようにただ驚いた表情をしていた。

川 ゚ -゚)「ま、そんなことはどうでもいいか。
トソン、時間は大丈夫か?」

(゚、゚トソン「あ、は、はい。
……予定通りですね。
素通りしたタイミング、
エリア移動したタイミングも合わせましたから」

川 ゚ -゚)「あとどれくらいだ?」

(゚、゚トソン「十分三十……いえ、十分二十秒ほどです」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/02(日) 19:17:07 ID:iZHxhR5I0<>
川 ゚ -゚)「分かった。
それでは三人とも、
私達は先のエリアで戦っているから、
万が一やばい時は戦線をそこまで下げてくれ」

( ^ω^)「大丈夫だお!」

川 ゚ -゚)「それも一つの方法として、
無理はしないでほしいという事だ」

( ´ー`)「無理はさせないだーよ」

|  ^o^ |「トソンさんのようにはいきませんが、
精一杯頑張ります」

川 ゚ -゚)「二人とも頼んだ」

クーの言葉に心強い返事で返す二人。

( ^ω^)「おー。信用無いおー」

そして少しむくれたブーンを見て全員が笑った。







.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/02(日) 19:20:51 ID:iZHxhR5I0<>
8.



クー達六人がエリアを移動し、五分ほどが経過した。

( ´ー`)「ブーンは大丈夫か?」

( ^ω^)「お?何がだお?
これから来る紫カマキリはめんどくさいけど勝てない敵じゃないお」

( ´ー`)「あ、いや、それはおれも心配してないだーよ。
その……ほら……」

( ^ω^)「ツンの事なら心配だお」

( ´ー`)「まあ、そうだよな」

( ^ω^)「でも、この件でツンを心配するのは彼女に失礼だお」

( ´ー`)「え?」

( ^ω^)「ツンは彼に負けるほど、弱くないお」

( ´ー`)「え、いや、でも」

|  ^o^ |「残り三分、二人とも準備は大丈夫ですか?」

( ^ω^)「おっお。準備万端だお」

愛用の片手剣を右手で握りしめるブーン。

( ´ー`)「おれも大丈夫だーよ」

( ^ω^)「ツンは、今までずっと頑張ってきたんだお。
あの時から、ずっと、本当に、本当に。
だから、大丈夫だお。
それに、ツンと彼の相性はツンに分があるから大丈夫だお。
普通なら両手斧対細剣は、レベルが同じくらいなら細剣不利だけど、
ツンの場合は大丈夫なんだお」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/02(日) 19:26:44 ID:iZHxhR5I0<>
( ´ー`)「……ブーンがそういうなら、大丈夫なんだーよ」

|  ^o^ |「そうですね。我々は我々の役目に向き合いましょう」

二人も武器の準備を改めて行う。

|  ^o^ |「まずは三人で攻撃し、HPバーを三本消すわけですが……」

( ´ー`)「そこはおれたち二人が主体だーよ」

( ^ω^)「お?
ちゃんと僕もやるお」

|  ^o^ |「残り一本はブーンさんにお任せするわけですから、
そこまでは私達に任せてください」

( ^ω^)「その時も二人にはやってもらうことがあるから、
その為にもちゃんと戦うお」

( ´ー`)「おれはローテの1番目、
ブームは2番目、ブーンは3番目だーよ」

|  ^o^ |「1.2.1.2.1.2.3の順で行きましょう」

( ^ω^)「おー。わかったお。
でも大変だって思ったら声かけてすぐ出るお」

( ´ー`)「そんな場面は無いだーよ」

|  ^o^ |「!そろそろです!」

三人の視線が紫蟷螂のやってくる予定の方向に向いた。

そして武器を構える。

(  ω )「…… …… ツンは大丈夫 …… だお」

一番後ろ、
少し離れた場所に移動したブーンの呟きは二人の耳には届かず、
強く握りしめた片手剣の剣先は少し震えていた。





.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/02(日) 19:32:20 ID:iZHxhR5I0<>
9.




『Aridend』遺跡はフィールド上のダンジョンであり、
近くの街のクエスト用のダンジョンであるだけだと思われていた。

それに対し『Blesstart』は『中央道路』と呼ばれる通り、
街と街をつなぐ道でもある。
その大きさと途中に現れるボスクラスの敵、
そしてクエストの受注もあるたりフィールドダンジョンでもあるのだが、
基本は『道』である。

ただその街と街をつなぐのが『Blesstart』だけではないため、
今では『道』として使う者はほとんどいない。

( ´_ゝ`)「さて、例の森まで何エリアだ?」

(´<_` )「すぐだすぐ。
この次の次だ。
覚えておけよ」

( ´_ゝ`)「久しぶりに会って挨拶したら可愛すぎて忘れた」

(´<_` )「確かに可愛かったが二度と兄者は会うのは禁止だな」

クー達が進んでいる『Blesstart』を、
逆側から歩き始めた兄者と弟者。

もちろんクー達が『Blesstart』に入るところを見守った彼らがそこにいることが出来るのは、
『安全で速く辿り着けるもう一つの道』を利用した為である。

今の時間にこちらから進めばクー達が戦闘中に合流でき、
モンスターを後ろから奇襲が出来る計算である。

しかし兄者が歩みを止め、
弟者をまじまじと見つめた。

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/02(日) 19:34:29 ID:iZHxhR5I0<>
並んで歩いていた双子の兄が歩みを止めたため、
数歩先に歩いた弟者も足を止めて振り返った。

(´<_` )「どうした兄者」

( ´_ゝ`)「そうか、とうとう弟者にも少女の良さが分かったか。
次は幼女だな」

(´<_`#)「この戦いが終わったらマジで殺すぞ」

( ´_ゝ`)「やーん。
弟者こわーい」

(´<_`#)「アホなこと言ってないでさっさと行くぞボケ!」

次のエリアに移動する二人。

現れた巨大アリを斧と鎚で、簡単に粉砕する。
もちろん『簡単に』倒せるのは、今までの努力の結果だった。

( ´_ゝ`)「我が最愛の弟よ!」

(´<_`#)「兄者死ね!」

( ´_ゝ`)「やんこわーい。続きよろしくー」

(´<_`#)「本気で殴るぞバカ兄貴!」

二匹のアリを倒すときにした会話はこれだけだが、
流れるようなタイミングで攻撃を入れ替えていた。

(´<_` )「まったく……」

( ´_ゝ`)「どうかしたか?」

(´<_`#)

( ´_ゝ`)「イライラはお肌の天敵だぞー」

(´<_`#)「しるか!」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/02(日) 19:37:38 ID:iZHxhR5I0<>
そして二人はエリアを移動し、
エリアの中央に円形の森があるフロアに辿り着いた。

( ´_ゝ`)「これが下から伸びてる大樹の先端とはね」

(´<_`#)

( ´_ゝ`)「なんだよ機嫌なおせよー」

(´<_` )「……まったく」

ため息交じりに呟いた弟者。

そして森を見ている兄者を見ると、
その表情が変わった。

(´<_` )「兄者?」

生まれた時からの付き合いだがあまり見た事が無い、
いや、アインクラッドに来てからは時折見る表情。

研ぎ澄まされた、鋭利な刃物を思わせる、
そして今日は今までで一番、
同じ顔のはずなのに、怖さを感じるその表情。

( ´_ゝ`)「……来るぞ」

弟者にだけ聞こえるように呟いたその言葉を聞き、
視線の先を見た。
 
/ ゚、。 /「流石武具店 の 店主か。
奇遇、だな」

身長よりも長い柄。
その先には肩幅よりも長く大きな刃物。
死神が持つような長柄の鎌をもった青年が、
森の影から現れた。

( ´_ゝ`)「奇遇、ねぇ……」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/02(日) 19:39:08 ID:iZHxhR5I0<>
口調は暢気だが、
その表情は、瞳は、
強敵と対面した時のようだった。

そして弟者は思い出す。

人殺しを快楽とする者達に、
兄者と二人で対峙したあの時を。

(´<_` )「兄者……」

( ´_ゝ`)「ダイオード、だったか」

/ ゚、。 /「この 鎌、すごく いい」

( ´_ゝ`)「おれの作った武器だからな」

(´<_` )「兄者……」

/ ゚、。 /「どんな モンスターにも 勝てる、気がする」

( ´_ゝ`)「生憎と、おれはモンスターじゃない」

ウインドウを開き、肩に担いでいた巨大金鎚を仕舞う。
そして今まで使っていた物より二回りほど小ぶりな頭の着いた金鎚を取り出した。
頭は小さくなったが柄の長さは先ほどよりも長く、
頭とは逆側を大地に杖のように突くと、
頭の部分は兄者の肩を少し超える位置にあった。

(´<_` )「兄者!」

( ´_ゝ`)「弟者、先に行け」

(´<_`;)「バカなことを!」

( ´_ゝ`)「おれ達が行かなければ、
あいつらが危険になるやもしれん。
何が重要かを考えろ」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/02(日) 19:41:37 ID:iZHxhR5I0<>
(´<_`#)「おれにとって一番重要なのは!」

( ´_ゝ`)「『仲間』だ。
今のお前にとって一番大事なのは、『仲間』だ。
間違えるな」

(´<_` )「……兄者」

自分を見ないで淡々と話す兄を見て、
弟者は一歩後退する。

(´<_` )「すぐ戻る」

そして下唇を噛んで何かから耐えるような表情をした後、
巨大斧を肩に担いだままダイオードに向かって走り出した。

(´<_` )「……!」

そしてそのままダイオードの横を通り過ぎる。

(´<_` )!

素通りできたことに驚いたのは弟者だけで、
兄者はただダイオードを見ており、
ダイオードも兄者だけを見ていた。

ダイオードを通り過ぎた後、
一度だけ後ろを見たが立ち止まることは無く、
弟者はそのままエリアを駆け抜けた

( ´_ゝ`)「武器屋しか狙わないのは徹底しているんだな」

/ ゚、。 /「この 武器は、お前を ころすために 産まれた」

( ´_ゝ`)「おれが武器を作るのは、
その武器で使用者が生きるためだ。
自分の命をやるためじゃない」

/ ゚、。 /「嘘 だ。
武器は、人を 殺すためにある」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/02(日) 19:44:50 ID:iZHxhR5I0<>
( ´_ゝ`)「……一度売った以上、
その武器を何に使おうが買ったやつの自由だ。
だからお前が何に使おうが、
使い道に対して文句は言わない。
けどな……」

杖のように持っていた柄の長い鎚を天を衝くように掲げ、
視線はダイオードに固定したまま大きく振り回し、
そしてまるで槍のように構えをとる兄者。

( ´_ゝ`)「おれや、
おれの大事な人間に害が及ぶなら話は別だ。
その鎌、返してもらうぞ」

/ ゚、。 /「……この武器は お前を殺す。
そうしたら、墓標に してやる」

( ´_ゝ`)「ちゃんとコルは返してやるよ。
黒鉄宮の中の牢獄中じゃ使い道は無いだろうけどな」

ずっと無表情だったダイオードの口元が、
ほんの少しだけ笑ったように見えた。









.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/02(日) 20:00:16 ID:iZHxhR5I0<>以上、今日の投下を終了します。

乙と感想ありがとうございます。

そっか。エイプリルフールにcmをやればよかったのか。
と、ちょっとだけ後悔しました。

でも話の流れ的に、もうおふざけが出来る流れでもないんですよね。

というわけで、当分は淡々と投下をするつもりですが、
また突然何かしでかしたらすみません。

ただ話しに関しては触れられませんが、
何かありましたら、書いていただいたら返答したいと思っております。


いつも読んでいただいて本当にありがとうございます。


ではではまたー。<> 名も無きAAのようです<><>2017/04/02(日) 20:10:03 ID:lqwGdb8k0<>いよいよ直接対決か 緊張感が半端ないな
乙でした


言うほど騒ぐほどの事でもないし、cmでも何でも作者の自由にやっていいと俺は思うけどなー
それもまた作者や作品の色だと思うし<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/02(日) 23:03:32 ID:ZHVErNlo0<>うん。やりたいようにやったらいいよ。<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/02(日) 23:48:49 ID:gcte7aqo0<>乙!
はーゾクゾクする


あと誤字
>>468 大変の思いを → 大変な
>>548 チームBが調べデータ → 調べた
>>549 近寄るろマスク。 → ロマネスク
>>553 「だめであるか? → 「だめであるか?」
>>556 その表所を見て → その表情
>>564 小ぶりな頭の着いた → 付いた<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/03(月) 00:42:43 ID:fTTCLlycO<>乙

作者の好きにやったらいいんだよ
正直自分は申し訳ないがCMに興味ないから飛ばしてるけど、CMを入れることに文句は全くないよ<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/03(月) 10:25:42 ID:YtDQ8JLk0<>お金が動くわけでも無いし好きに書いていんじゃね?
次回が楽しみだわ!乙ー<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/03(月) 11:59:38 ID:E5vOrdoU0<>残りのメンバーとの戦いが楽しみだわ。おつ<> 人妻<><>2017/04/04(火) 12:57:47 ID:hqi8NjeA0<>人妻出会い系サイト セフレ不倫若妻・熟女中出しSEX体験談
人妻 男性無料出会い系サイト&掲示板
http://aeruyo.2-d.jp/zds06/0001/

地域別|セフレ募集出会い
http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0013/

エロ写メ
http://aeruyo.2-d.jp/free/adult/1/

人妻書き込み一覧
http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/sex/hitozemzdeai/

セフレ募集書き込み一覧
http://galscom.eek.jp/aeruyo/zds05/000/


逆サポート掲示板で逆サポ出会い
http://aeruyo.2-d.jp/zds12/00/

人妻逆援助交際掲示板
http://aeruyo.2-d.jp/zds15/00/

熟女出会い系サイト
http://galscom.eek.jp/aeruyo/zds08/000/

テレクラdeツーショット・テレフォンセックス
http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/2syotto01/005/

人妻から高齢熟女まで出会い掲示板
http://aeruyo.2-d.jp/zds07/0001/

熟女,人妻,主婦,不倫,セフレ専門出会いサイト 人妻専門出会い
‎高齢者・中高年 · ‎厳選の人妻出会い · ‎30代以上 · ‎中年・熟女
人妻出会い系サイト セフレ不倫若妻・熟女中出しSEX体験談
人妻(若妻熟女)と出会い系サイトでセフレになり不倫浮気セックスする方法
出会い系で知り合った20代の人妻と昼間に会ってきた時のガチ体験談
人妻出会い掲示板 人妻出会い系サイト 人妻出会い系サイト セフレ人妻出会い<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/05(水) 23:00:20 ID:Trryi0lk0<>新着レスで常時表示されるのが目障りなのでかきこ<> 名も無きAAのようです<><>2017/04/06(木) 00:53:39 ID:IGptB3pE0<>続きまだかな~<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/07(金) 22:58:43 ID:3GQdYQKw0<>色々ありがとうございます。

少し投下しまーす。


>>570 様

ありがとうございます!

……誰か校閲して……。(´つω・)

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/07(金) 22:59:59 ID:3GQdYQKw0<>10.





目的のエリアに辿り着いたクー達チームB。

エリアに入ると同時にエクストとデミタスが一番前に立ち、
二列目にトソンとミルナ、
三列目にクーとクックルが立って武器を構える。

<_プー゚)フ「やるぜやるぜやるぜ!」

(´・_ゝ・`)「おれは前で特攻するキャラじゃないんだがな」

( ゚д゚ )「そうか?
おれはシャキンやエクストが前にいるより安心だが」

(゚、゚トソン「そうですね。
二人よりは安心して後ろにいられます」

<_プー゚)フ「なんだよ。
おれが危なっかしいとでもいうのか?」

(゚、゚トソン「最近は闇雲に突っ込まなくなりましたけどね」

( ゚д゚ )「シャキンより酷かった」

(´・_ゝ・`)「エクストとシャキンと比べられても嬉しくないな」

<_プー゚)フ「……泣くぞ」

(゚、゚トソン「今は実力に伴った突進だから良いって事ですよ」

( ゚д゚ )「闇雲ではなくなったな。
ちゃんと状況を見て突っ込んでる」

(´・_ゝ・`)「うちのギルドで安心して先頭を任せられる二人と比べられて、
ぎりぎり勝ってる部分を褒められても嬉しくないってことだ」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/07(金) 23:01:47 ID:3GQdYQKw0<>
<_プー゚*)フ「なんだよなんだよ、褒めても駄目だぞ」

口元を緩めて歩くエクスト。

(´・_ゝ・`)「(ちょろ過ぎだろ)」

( ゚д゚ )「(ちょろすぎて不安になるな)」

(゚、゚トソン「(本当にちょろいですね)」

その横と後ろを歩く三人の眉間には、
うっすらと皺が浮かんでいた。

川 ゚ -゚)「(あんなちょろくて今までよく生き残ってきたな)」

四人とは少し間を開けて歩くクーとクックル。

(;゚∋゚)「あのちょろさはなかなか心配だ」

川 ゚ -゚)「そうだな」

(;゚∋゚)「!え?」

川 ゚ -゚)「ん?どうした?」

(;゚∋゚)「今、おれの声が聞こえたのか?」

川 ゚ -゚)「?ああ。普通に聞こえたがどうした?」

(;゚∋゚)「今喋ったつもりが無かったんだ」

川 ゚ -゚)「思わずつぶやいたか」

(;゚∋゚)「いや、そんなつもりは無かったんだ」

川 ゚ -゚)「?だから、『思わず』なんじゃないか?」

( ゚∋゚)!

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/07(金) 23:03:58 ID:3GQdYQKw0<>
川 ゚ -゚)「……クックルはずっと気を張っていたからな。
ギルドに入る前はもちろん、
ギルドに入ってからも。
大勢といる時はいつもだ。
モナーやショボン達と、
二人や三人でいる時はそうでもないと聞くが」

( ゚∋゚)「え?いや、そんなことは」

川 ゚ -゚)「だけど最近は表情も穏やかになってきたし、
大人数でいるときの笑顔も柔らかくなってきていた。
そこにきてデミタスやエクストと話せるようになった。
ショボンやモナーが本当に喜んでいたぞ」

( ゚∋゚)「クー……」

川 ゚ -゚)「もちろん、私やツン、ブーンやドクオ、
ギルドの全員が喜んでいる。
負担にならないよう静かにしていたがな」

( ゚∋゚)「……みんな……そうだったのか。
……おれは、……本当に馬鹿だな」

川 ゚ -゚)「ん?どうした?」

( ゚∋゚)「いや、なんでもない」

クーにだけ聞こえることを意識しながら呟く。

川 ゚ -゚)?

そして不思議そうに自分を見るクーに、
照れくさそうに微笑んだ。

(゚、゚トソン「そろそろ出ます!」

トソンの声に合わせて武器を構える面々。

すると道の先の空間が歪んだ。

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/07(金) 23:05:44 ID:3GQdYQKw0<>
<_プー゚)フ「本当なら前門の虎、後門の狼ってやつだよな」

不敵な笑みを浮かべながら呟いたエクスト。

その呟きを聞き、ほぼ全員が視線だけをエクストに向けた。

<_プー゚)フ「え?おれ間違ってる?」

(´・_ゝ・`)「いや……」

(゚、゚トソン「それを言うなら『前に大蜘蛛後ろから大蟷螂』だろ……
って、思っただけですよ」

<_プー゚)フ「なんだよ比喩じゃないかよー」

( ゚д゚ )「(トソンナイス。
エクストが諺を使ったことにビックリとか流石に言えないからな)」

川 ゚ -゚)「エクストもそんな表現を使えることにびっくりした」

( ゚д゚ )

<_プー゚)フ「泣くぞ」

先程と同じセリフ。
しかしその表情は全く違い、
爛々と目を輝かせながら口元だけ笑みを浮かべていた。

(゚、゚トソン「(戦闘モードですね)」

『Blesstart』で決まった行動を行うと、
途中で巨大蜘蛛と戦うことになる。
しかも戦闘中に後方から巨大蟷螂が襲ってくるというオプション付きだった。

川 ゚ -゚)「前から巨大蜘蛛、途中後ろから巨大蟷螂。
そして横には蜘蛛を守ろうと兵隊蟻が現れる。
どちらかというと四面楚歌に近いかもな」

(´・_ゝ・`)「やめて!エクストのヒットポイントはもうゼロよ!」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/07(金) 23:08:35 ID:3GQdYQKw0<>
<_プー゚)フ「ぶー」

エクストの表情が緩み、
全員の顔からも緊張が少し消えた。

<_プー゚)フ「さんきゅ、肩の力抜けた」

川 ゚ -゚)「巨大蜘蛛に対する攻撃のメインはエクストだ。
意気込みは頼もしいが、
すこし余裕を持ってくれ」

<_プー゚)フ「ああ。わかった」

ニヤリと笑うエクスト。
けれど先程とは違い口元だけじゃなく瞳にも柔らかさがあった。

( ゚д゚ )「(かなわんな)」

(゚、゚トソン「(かないませんね)」

ミルナとトソンが同じような感想をクーに覚えていると、
目の前のポリゴンが完全に巨大蜘蛛に形を変えた。

川 ゚ -゚)「今回は蟷螂をブーン達が抑えている。
その分さっさと済ませて他に回る予定だが、無茶はしないように!」

全員が武器を掲げ、数人は声を上げ、その言葉に答える。
そしてエクストとデミタスが巨大蜘蛛に向かって駆けだした。





.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/07(金) 23:12:52 ID:3GQdYQKw0<>
11.



白い光に視界を奪われて目を閉じたジョルジュ。
  _
( -∀゚)「みんな!大丈夫か」

そしてゆっくりと目を開けると、そこは別の場所だった。
  _
( ゚∀゚)「……ここは」

( ФωФ)「ジョルジュ!」
  _
( ゚∀゚)「おっさん……」

( ФωФ)「ここはいったい?」
  _
( ゚∀゚)「さっきの光がなんかのトラップだったんだろうな」

キョロキョロと周囲をうかがった後ウインドウを開いて地図を出す。
  _
( ゚∀゚)「ここにいるのはおれ達だけで……、
……今の場所がマップに反映されてない。
場所移動と個体識別信号をロストさせるトラップだったのか」

ウインドウを切り替えながら、もう一度周囲を見回す。
  _
( ゚∀゚)「もしくは全然違う空間に飛ばされてるか。
出入り口は一つ確認できるけど、
どこに繋がるか分からない以上闇雲に動くのは悪手。
まずはメッセージを打って自分の生存連絡と、
あいつらの安否確認。
トラップでロストしているだけなら有効時間があるはずだから、
時間を確認しながら待機。
15分経過しても何も起きない場合はエリアの特性の可能性が高いから、
充分注意しながら移動を開始する。
現段階で敵もポップしてないから、
おそらくここは安全エリアなんだろう」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/07(金) 23:14:16 ID:3GQdYQKw0<>
メッセージウインドウに文字を打ち込み、
仲間に一斉送信するジョルジュ。
  _
( ゚∀゚)「ま、おそらくメッセージもブロックされてるだろうから、
まずは待機だな」

ウインドウを閉じ、武器を持ったままロマネスクを見るジョルジュ。
  _
( ゚∀゚)「どうしたおっさん?
鳩が豆鉄砲を食ったような顔して」

( ФωФ)「い、いや、ちょっとビックリしたのである」
  _
( ゚∀゚)「これくらい、うちのギルドのメンバーなら当然だからな。
ショボンとクーに鍛えられてる」

近寄ってくるロマネスクに両手剣を突き付けるジョルジュ。

ロマネスクは驚いた顔で歩みを止めた。

( ФωФ)「ど、どうしたのであるか?」
  _
( ゚∀゚)「さっきのトラップ。
誰かが発動させた」

( ФωФ)「そ、そうなのであるか!?」
  _
( ゚∀゚)「下調べじゃあの場所に時間発動によるトラップなんて確認されていない。
つーか、宝箱はもちろん、トラップ自体発見されていない」

( ФωФ)「見つかっていないだけじゃ」
  _
( ゚∀゚)「あんなやりつくされているフロア、
フィールドダンジョンで?
それに、もしも新たに宝箱やトラップが備え付けられていたとしても、
誰がそれを発動させたのかってことになる。
生憎と、おれの仲間にそれをする奴はいない」

( ФωФ)「……吾輩の仲間にもいないのである」
  _
( ゚∀゚)「仲間……か」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/07(金) 23:15:27 ID:3GQdYQKw0<>
( ФωФ)「ジョルジュ、
何を考えているのかは知らんが、
何か思い違いをしているのである。
ジョルジュには吾輩に剣を向ける理由などないはずであろう」

持っていた片手剣を大地に突き刺し、両手を上げるロマネスク。
その表情は困惑していた。
  _
( ゚∀゚)「……そうだな。
おれには、無いはずだな」

( ФωФ)「であろう、だからこの剣を」
  _
( ゚∀゚)「おれには無い。
けれど、あんたにはあるんじゃないか?」

( ФωФ)「ジョルジュ?」
  _
( ゚∀゚)「……殺人ギルド、『ANGLER』のギルドマスターであるあんたになら!」

(;ФωФ)「な、なにを言って!
さ、ささ、殺人ギルド?いったいな、なにをいって」
  _
( ゚∀゚)「おれ達を殺して、
『ANGLER』の名前を広めるために!」

(;ФωФ)「何を言っているのであるか!
落ち着くのである!
マタンキのことでギルドを疑われるのは仕方ないことであるが、
あれはマタンキだけで吾輩たちは!
吾輩たちはそんなことは考えていないのである!」
  _
( ゚∀゚)「……もう、いいだろ」

(;ФωФ)「何か勘違いをしているのである!
ショボン殿であるか!?そんなことを言っているのは!?」
  _
(  ∀ )「……もういいだろ!!
頼むよ、本当のことを言ってくれ。
おれを後ろから切り殺したいのかよ……。
なあ、……ロマネスク」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/07(金) 23:16:21 ID:3GQdYQKw0<>
( ФωФ)「……ジョルジュ」

両手剣をロマネスクに突き付けたまま顔を伏せるジョルジュ。
その振るえる切っ先を見ながら困惑の表情を見せていたロマネスクだったが、
ジョルジュが自分の顔を見ていないのを知ると、
ゆっくりと表情を変え、口の端だけを上げた笑みを浮かべた。





.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/07(金) 23:18:07 ID:3GQdYQKw0<>
12.



('A`)「さて、そろそろ本音トークをしないか?」

(-_-)「な、なにをですか?」

直径10メートル以上ある円形のエリアに飛ばされたドクオとヒッキー。

非常時の処理を済ませたドクオがヒッキーに向けて片手剣を突き出している。

('A`)「(この光景、傍から見たらおれが悪役なんだろうな)」

目の前でリスのように震えながらおびえた表情を見せるヒッキーを見ながら、
ドクオはそんなことを考えていた。

(;-_-)「ど、ドクオ、さん?」

('A`)「ん?いや、今のお前をショタコン(デミタス)が見たらおれが糾弾されるのかなって思ってた」

(;-_-)「え?え?」

('A`)「(昔だったらこの姿を見ただけでいらついてただろうな。
でも今は全くイラつかない。
……多分、みんなと、ハインが居てくれるから……)」

(;-_-)「あ、あの……」

('A`)「ああ悪い。
最高の仲間と最愛の女のこと考えてた」

(#-_-)

ドクオの言葉に思わず睨みつけるヒッキー。

('A`)「お、本当の顔だな」

(;-_-)「え、あ、いや、なんのことですか。
と、とにかく、剣が怖いので……」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/07(金) 23:19:17 ID:3GQdYQKw0<>
('A`)「おれと同等の強さのくせして何言ってるんだよ」

(;-_-)「ぼ、僕はそんなに強くないです!」

('A`)「だから、一度剣を交えているおれにそんなこと言っても無駄だって」

ドクオが手首を返すと、
突き付けている片手剣の先が陽光を反射し、
ヒッキーの顔に光の線を作った。

そしてその瞬間、ヒッキーの瞳が怪しくぎらついたのをドクオは見た。

('A`)「(さてどうしたもんかな。
下手すると実力は同レベルだ。
あいつが来る前に心を折りたいところだけど、
ショボンじゃあるまいしそんなことおれに出来るかって話だよな)」

(-_-)「な、何か勘違いを……」

('A`)「……うちのギルマスがよ、
今この世界で殺人をするやつを幾つかに分類分けしたんだ」

(-_-)「ぼ、ぼくは……」

('A`)「その中で、
ここでの殺人がリアル世界での死につながっていることを本当に理解している奴は、
ほとんどいないってのが、うちのギルマスの持論」

(-_-)「そ、それが……」

('A`)「自分も閉じ込められた被害者。
たとえこの世界で殺しても、
本当にリアルの世界で死んでいるなんて分からない。
なんてことを思ってるやつらだな。
それに、例え本当に死んだとしても殺したのは自分じゃない。
ナーヴギアが殺したんだって思ってるやつ」

(-_-)「そ、それは、そうなんじゃ……」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/07(金) 23:22:34 ID:3GQdYQKw0<>
('A`)「確かにそうかもな。
でも、おれ達は言うならば死刑執行台に登らされて、
首に縄を付けられた状態なんだ」

(-_-)「え?」

('A`)「あるいは電気椅子に座っている状態。
もしくはギロチンに首を固定された状態。
そしてその手には、ボタンが握らされている」

(-_-)「な、なにを言って……」

('A`)「そのボタンを押すと、どこかで誰かが首を吊り、
あるいは誰かの電気椅子に電気を流し、
もしくはギロチンが落ちて、だれかの首が胴体から離れちまう」

(;-_-)「……」

('A`)「そして言うんだ。
『本当にそうなるなんて思わなかった。
悪いのは俺にこのボタンを持たせたやつだ。
殺したのは機械だから俺じゃない』って。
ちゃんと説明を受けているのに、
自分の意志で押しておきながらな」

(;-_-)「……」

('A`)「ここでの『Player Kill』ってのは、
そのボタンを押す行為。
殺人なんだよ。
お前に、その覚悟が本当にあるのか?」

(-_-)「ぼ、ぼくはそんなこと……」

('A`)「そんな覚悟、無いよな。
ただあいつに言われてやってるだけなんだろ?」

(-_-)!

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/07(金) 23:25:44 ID:3GQdYQKw0<>
('A`)「(……ここか?)
あいつに言われて、
あいつに唆されて、
あいつの言いなりに、
あいつに言われるがままに、
捨てられるのが怖くて、
やっているだけなんだろ」

(#-_-)「ぉ……ぉ……ぉ…… ……」

('A`)「そんなのは本当の仲間なんて言わない。
ただの隷属。
奴隷と一緒だ。
そして洗脳されているだけ。
おまえだって、使い捨ての駒なんじゃないのか?」

(#-_-)「お……お……お……おま……」

('A`)「本当は分かっているんだろ?
あいつはお前のことなんかちゃんと考えていない。
自分の欲望だけに忠実な、クソみたいな奴だって」

(#-_-)「おまえに何が分かる!」

左の腰に下げていた片手剣を瞬時に閃かせドクオの片手剣を打ち払おうとするが、
右手の動きを察知したドクオの動きの方が早く、
それには出来なかった。

しかし距離をとる事には成功し、
右手に持った片手剣をドクオに向けて構えをとる。

(#-_-)「独りだった僕を仲間にしてくれたロマネスクの事を!」

怒りでヒッキーの持つ剣先が震えている。

(#-_-)「僕を一人にしたあの世界を!
恐怖で震えていても誰も助けてくれなかったこの世界を!
復讐するすべを教えてくれたロマネスクの事を!」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/07(金) 23:26:58 ID:3GQdYQKw0<>
興奮し、大声を出したことによって震えた手を抑える様に片手剣を両手で持ち、
けれどさらに大声を出す。

(#-_-)「お前に!お前に!
最初から仲間がいて守られていたお前に何が分かる!」

肩を震わせ、
身体を上下させて呼吸をするヒッキー。

だが自分を見るドクオの視線を感じ、
後ずさりしながら剣を下ろした。

(;-_-)「あ、いや、その、ぼく、は、その……」

('A`)「なるほどね。
それで……か」

(;-_-)「いや、その、今のは、その……」

('A`)「一見似ている、
いや、自分よりも劣っているように見えるおれが、
仲間と楽しくやってるの見たら、
そりゃむかつくよな」

(;-_-)「いや、その、今のは、その……」

('A`)「確かにさ、
ブーンと幼馴染だってのは、偶然だ。運だ。
ツンと幼馴染だっていうのも、運だ。
ショボンと友達になったのもブーン絡みだし、
おれが努力したからじゃねえ。
けどな、おれのことを親友だって言ってくれる二人の事を、
胸張って親友だって言えるように、
おれは努力してきた。
おれと話していてもツンがバカにされないように、
努力してきた。
親父が死んで自暴自棄になって友達だと思っていた皆が離れていった時にも、
そばにいてくれたブーンとツン。
頭良くて、金持ちで、スポーツだってそこそこできて、
見た目だって悪くなくて、おれとなんか接点なんか全然なかったのに、
おれの中二病の戯言や訳分かんない知識を凄いって聞いてくれて、
何かあると意見を求めてくれるようになったショボン。
おれは、みんなの横に立ちたいから、努力してきた」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/07(金) 23:28:06 ID:3GQdYQKw0<>
(;-_-)!

('A`)「なあ、本当に一人だったのか?
誰も手を差し伸べてくれなかったのか?
隣にいて待っていてくれるやつはいなかったのか?
少し前で振り返ってくれたやつはいなかったのか?
声をかけてくれたやつはいなかったのか?」

(#-_-)「ぅ……ぅ……ぅ……」

('A`)「この世界でもそうだ。
開いている門はあったはずだ。
他にも仲間を見つける手段はあったはずだろ?
全員がリアルのツレで繋がっていたわけじゃないんだから。
この世界にだって、他に繋がりを作る手段はあったんじゃないのか?」

(#-_-)「うるさい……うるさい……うるさい……」

('A`)「ここはMMORPGの世界だ。
Playerは自分だけじゃない。
生きている、人間と一緒にゲームしてるんだ。
リアルの世界で出来なかったことを、
まっさらな気持ちでやるためにこの世界に来たんじゃないのか?
理想の自分に生まれ変わるために来たんじゃなかったのか?
おまえは、今の状態で満足なのか?
人殺しが……お前のやりたかったことなのか?」

(#-_-)「うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい!!」

片手剣を構えるヒッキー。
剣身が青白く光る。

(#-_-)「だまれーーーーー!!!!」

剣技の発動。
ほんの少しの助走でドクオのそばに瞬時に近付き、
すれ違いざま剣を振りぬく。

('A`;)「くっ」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/07(金) 23:31:19 ID:3GQdYQKw0<>
身を捩って足首だけの力で横に飛ぶドクオ。

ヒッキーの剣先はわき腹をかすめた。

('A`;)「(避けきれない!)」

ヒッキーの構えと初撃の動きから使われた剣技を理解し、
通常の動きでは二撃目はともかく三撃目以降を避けるのは困難だと考えたドクオは、
同じく剣技を発動。

だがそれは片手剣の技ではなく、
体術の技だった。

(#-_-)「はぁ!?」

剣を持っていない左手を緑色に光らせたドクオが、
剣を放り投げた先、
誰もいない、
何もない空間に向かってその左手を突き出し、
まるでその左の拳に引っ張られる様に体を移動させた。

四連撃のうちの三つを何もない場所で放ったヒッキーの視線の先で、
着地に失敗したドクオがゴロゴロと転がり、
すぐに立ち上がることもできず、
それでもこちらを見ながら拾い上げた剣を持ち直していた。

('A`)「あいつらのようにはうまくいかないか」

(#-_-)「なんだよそれなんだよそれなんだよそれ!」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/07(金) 23:33:16 ID:3GQdYQKw0<>
('A`)「お前の知らない事なんか、この世界にはまだまだある。
おれだって知らないし、
知った顔して自信満々でおれ達に指示を出すうちのギルマスだって、
知らないことはまだいっぱいあるはずだ」

(#-_-)「なんなんだよなんなんだよ一体何なんだよお前は!」

('A`)「おれの知っていることなら、教えることが出来る。
おれ達の知っていることも、きっと教えてやれる。
そして、知らないことを一緒に知ることだってできるかもしれない。
でもそれには、お前が今までしてきたことを見つめなおすことが必要だ」

(#-_-)「むかつくむかつくむかつくむかつくむかつく!!」

('A`)「……剣で戦うのではなく、手を握りたかったんだけどな」

剣技後の硬直が解け、片手剣を持ち直すヒッキー。

同じく硬直が解けているドクオが立ち上がり、
片手剣を構えた。

(#-_-)「殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる」

頭に浮かぶカーソルをオレンジに変えたヒッキーと、
HPバーを1ドット減らしたドクオが、
二人の盾無し片手剣士が、
互いを見ながらそれぞれに剣を構えた。




.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/07(金) 23:38:05 ID:3GQdYQKw0<>以上、今回はここまでにします。

ではではまた~。

.<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/08(土) 00:21:34 ID:t.DJ1tzc0<>乙乙
そろそろ全面決戦かな<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/08(土) 20:39:23 ID:K01T/WHU0<>>>586 振るえる切っ先 → 震える<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/09(日) 23:23:56 ID:7b.AdBTQ0<>
13.




ミ;,,゚Д゚彡「や、やめるのが良いから!」

( <●><●>)!

ワカッテマスの片手斧がフサギコに向かって振り下ろされるが、
余裕をもって彼はかわした。

ミ;,,゚Д゚彡「や、やめるから!」

フサギコはこのエリアに飛ばされた後、
ウインドウを開きながら周囲を確認しようとした。

そこに生まれた隙をつかれて後方から攻撃をされたが、
ワカッテマスの踏み込みが甘かったのと、
斧を振り下ろされる前に気付いたため腕に攻撃を受ける程度で済んでいた。

ミ,,゚Д゚彡「その武器は……」

そして今、フサギコのHPバーでは、
HPが減った時に一番最初に消えるドットが、点滅している状態だった。
つまり、計上するに値しないレベルの攻撃しか受けていないことになる。

ミ,,゚Д゚彡「手だけど、ちゃんと攻撃されたから。
防御力は上げてあるけど、
ワカッテマス君のレベルと通常の武器なら、
もっとヒットポイントは減るはずだから」

振り回される斧をかわしながらフサギコが声をかける。

ミ,,゚Д゚彡「その武器、攻撃力がほとんどない武器?」

( <●><●>)「……」

振り回していた斧を止めるワカッテマス。

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/09(日) 23:25:49 ID:7b.AdBTQ0<>
二人がいるエリアは中央に一本の木があり、
その木の後ろにワカッテマスはまわった。

( <●><●>)「すぐに見抜かれることはワカッテいました」

木を挟んで対峙する二人。

ミ,,゚Д゚彡「こんなことをするのは止めた方が良いから!」

( <●><●>)「私は、やらなければいけないのです」

そう言いながら斧を構えて走り出すロマネスク。

ミ,,゚Д゚彡「!」

木の横を抜けてフサギコに近寄ろうとするが、
フサギコは彼とは逆方向に走り距離を置いた。

ミ,,゚Д゚彡「ダメだから!こんなことしちゃ!」

( <●><●>)「……もう、どちらかが死ぬしかないのはワカッテマス」

ミ,,゚Д゚彡「そんなの分からないから!」

更に追い、振り回される片手斧。
一見ただ振り回しているだけのように見えるが、
経験から動く身体は確実にフサギコを狙っている。

ミ;,,゚Д゚彡「くっ」

避けきれないと判断した一撃に、
刀を合わせてその動きを止める。

そして、ワカッテマスのHPバーが1ドット消えた。

ミ,,゚Д゚彡!

思わず刀を引こうとするが、
ワカッテマスは斧に力を込めたままであるためそのまま受け止める。

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/09(日) 23:27:58 ID:7b.AdBTQ0<>
ミ,,゚Д゚彡「くっ(なんでワカッテマス君のヒットポイントが……)」

ワカッテマスの込める力と武器の威力。
自分の出す力と武器の威力。

どちらが勝ってもいけないと思い、
ギリギリのバランスで斧を受け止めているフサギコ。

ミ,,゚Д゚彡「(真っ向から武器がぶつかった時の勝敗は、
パワーと武器の能力、
そして武器の種類、相性から決定されるから。
武器の能力はこちらが勝っているとしても、
斧と刀でこの体勢なら斧の方が優位だから、
レア度で勝っていたとしても……。
ましてやあの程度の反撃で、
しかも刀で使い手のヒットポイントを削るなんて……)」

( <●><●>)「お願いします。
死んでください」

ミ;,,゚Д゚彡「そんなこと!できないから!」

( <●><●>)「それならば……」

大きな瞳を悲しげに曇らせ、
更に斧に力をこめるワカッテマス。

ミ,,゚Д゚彡「なんでこんなことを……。
(ショボンから、ドクオから、兄者から、
みんなから教えてもらったことを思い出すから……)」

( <●><●>)「あなたは私が攻撃したことに驚いていなかった。
本当に攻撃されたことには驚いていたようでしたが、
『私が』攻撃したことには驚いていなかった。
ならば、分かっているのではないですか?
今、私があなたを攻撃している理由を。
私は貴方たちの情報収集力を、
あの男ほど楽観視してはいません」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/09(日) 23:29:09 ID:7b.AdBTQ0<>
ミ,,゚Д゚彡!

( <●><●>)「だから、死んでください」

ミ,,゚Д゚彡!

更に強くなるワカッテマスの力。
フサギコは力の配分を狂わせたのか片膝をついてしまう。

( <●><●>)!

右手に持った斧に力をこめ、
上から下に、
真下にいるフサギコを狙うワカッテマス。

フサギコはその斧を横に向けた刀で受け止め、
片膝をついて耐えていた。

ミ,,゚Д゚彡「(!?
ワカッテマス君のこの体勢なら、
斧の剣技が発動するはず。
もちろん意識的に発動をしないことはできるけど、
これだけ力を込めているこの状態で?)」

( <●><●>)「フサギコさん……」

ミ,,゚Д゚彡「ワカッテマス君……」

斧を受け止めているフサギコの刀が徐々に下に落ち、
自然と二人の顔が少しだけ近づいた。

ミ,,゚Д゚彡「……僕は、死なないから。
そして君も、殺さないから」

( <●><●>)「そんな夢のようなこと……」

囁くように呟くフサギコに合わせ、
ワカッテマスも小声になる。

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/09(日) 23:30:33 ID:7b.AdBTQ0<>
ミ,,゚Д゚彡「フサギコ一人だったら、無理だから。
でも、ショボンが居て、クーが居て、みんながいるから、
大丈夫だから……」

( <●><●>)「フサギコさん……」

ミ,,゚Д゚彡「独りでどうしたら良いかわからなかったフサギコを、
ショボンは助けてくれたから。
そして、知ったから。
だから、大丈夫。
VIPの皆は、人と人が助け合うことを知っている人達だから」

( <●><●>)「……私のしていることは、
助けてもらえるようなことではありません」

ミ,,゚Д゚彡「大丈夫。
三人とも、助けるから」

囁きながら、瞳だけで微笑むフサギコ。

( <●><●>)「!……フサギコ……さん……」

その言葉に縋るようにか細く自分が殺そうとしている者の名を呼ぶワカッテマス。

( <●><●>)「……ですが……」

ミ,,゚Д゚彡「その武器は!」

突然の大声。

思わず体を強張らせたワカッテマスの隙をついて後方に大きく飛ぶフサギコ。
しかし無理矢理だったため地面を転がり土煙を上げた。

そしてワカッテマスも斧に込めていた力の方向を微妙に横にずらされたため、
バランスを崩して膝をついてしまっている。

同じタイミングで起き上がる二人。

ミ,,゚Д゚彡「その武器の謎は全て解けたから!」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/09(日) 23:31:43 ID:7b.AdBTQ0<>
叫ぶフサギコ。

武器を構えたまま動きを止めるワカッテマス。

ワカッテマスに向かって少しだけ斜に構えて立ち、
右手に持った刀を人差し指のように突き出すフサギコ。

ミ,,゚Д゚彡「真実は常に一つだから!」

( <●><●>)「……え?」

ミ,,゚Д゚彡「し、真実は、常に一つだから!」

(;<●><●>)「そ、それは、永遠の小学一年生?」

ミ;,,゚Д゚彡「し、しんじつは、つねにひとつだから!!」

更に声を張るフサギコ。

困惑するワカッテマス。

ミ;,,゚Д゚彡「(何とかして時間を稼ぐから!)」

(;<●><●>)「(ど、どうするのが正解なのかさっぱりわかりません!)」

刀を前に突き出したフサギコ。
片手斧を構えつつも及び腰のワカッテマス。

奇妙な二人の対峙はしばらく続く。






.<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/09(日) 23:37:36 ID:f9daZccE0<>フサは癒しだわwww<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/09(日) 23:37:42 ID:7b.AdBTQ0<>
14.



別のエリアに飛ばされたシャキンはエリアの中央に立つと、
自分の身体を覆うには充分すぎる大きさの盾を軽々と担ぎながら、
周囲を観察していた。

もちろん右手には長めの片手剣を持っており、
その姿は立派な騎士に見える。

(`・ω・´)「でーてこーいよー」

その態度と軽さに目をつむれば。

(`・ω・´)「はーやーくー」

(‘_L’)「……まったく」

(`・ω・´)「!?よ!フィレフィレ!」

(;‘_L’)「フィレンクトです!」

(`・ω・´)「えー。フィレンクトよりフィレフィレの方が呼びやすいからなー」

(‘_L’)「……まったく……」

少しだけ歪んだ楕円の形をしたエリア。

木の影から槍を持ったフィレンクトから現れると、
少しだけ意外そうな顔をしたシャキンがすぐに笑顔で話しかけていた。

(‘_L’)「さて、私で意外でしたか?」

(`・ω・´)「じゃあ間をとって『フィレっち』とかどうだ?」

(;‘_L’)「どこが間なのかさっぱりわかりません!」

(`・ω・´)「おれ基準!」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/09(日) 23:39:08 ID:7b.AdBTQ0<>
(;-_L-)「あーもう、好きにしてください」

(`・ω・´)「じゃあフィレンクト」

(#‘_L’)「『フィレっち』じゃないんかい!」

(`・ω・´)「希望通り名前で呼んだのに何で怒るんだ?」

(#-_L-)「あーもう!」

イラつきを隠そうともせず槍を構えるフィレンクト。

シャキンは口だけで笑いつつ盾を構えた。

(#‘_L’)「私が来たのは意外でしたか?」

(`・ω・´)「いや別に?
消去法でフィレっちかワカッテマスだと思ってたし」

(#‘_L’)

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/09(日) 23:42:08 ID:7b.AdBTQ0<>
(`・ω・´)「あれ?まだ怒ってる?」

(#‘_L’)「色々言いたいことはありますが、
幾つかは横に置いておいて、
では先ほどの表情はいったい何ですか?」

(`・ω・´)「ん?ああ、いや、思ったより普通に出てきたなと思って」

(‘_L’)「…… …… は?」

(`・ω・´)「いや、こうもっと劇的な登場をするかと思って」

(‘_L’)「…… 劇…… ……的?」

(`・ω・´)「なんつーの?こう、ミュージカルみたいに歌いながらとか、
よくある黒幕みたいに高らかに笑いながらとか」

(#‘_L’)「するわけないでしょそんなこと!」

(`・ω・´)「なんだー。つまらん」

突き出された槍を盾ではじくシャキン。

その勢いを使って距離をとる。

(`・ω・´)「せっかくの登場シーンなんだから凝ればいいのに」

(#‘_L’)「あなたの娯楽に付き合うほど暇ではありません」

突き出される槍をすべて盾ではじくシャキン。
しかしそのヒットポイントはいつの間にか削られ、
ドットが一つ点滅を始めた。

(`・ω・´)?

(‘_L’)「……不思議ですか?」

頭の上のカーソルをオレンジに変えたフィレンクトが、
少しだけ笑みを浮かべた。

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/09(日) 23:44:15 ID:7b.AdBTQ0<>
(`・ω・´)「特殊効果を持った槍。
ってことか」

(‘_L’)「それはどうでしょう。
私の能力かもしれませんよ?」

更に槍を突き出すフィレンクト。

(`・ω・´)!

その動きは決してレベルの低いものではないが、
剣技ではないその突きはシャキンが遅れを取るものではなく、
連続で放たれるその突きをすべて盾ではじき、流した。

しかし一つ目のドットの点滅が早くなった。

(`・ω・´)「…… ……ふむ」

少しだけ表情を曇らせるシャキン。

(‘_L’)「いつまでも攻撃を受けるだけで良いのですか?」

(`・ω・´)「剣技の発動ではない以上、
武器の性能と考えるのが普通だよな。
武器の中には特殊効果があるものがあるから。
ハンマー系の武器なんかだと、
通常攻撃に衝撃波が付随している物なんかがあるから、
それなんだろう。
『ウインドスピア』の上級クラスでもそんな能力がある奴があったよな。
ただ……」

(‘_L’)「流石ですね。
この槍は『モンスーン=スピア』。
一定のスピードで突きを行うことで、
広範囲攻撃を繰り出すことが出来ます」

シャキンの言葉を遮るようにフィレンクトが話し、
そして槍を構える。

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/09(日) 23:49:16 ID:7b.AdBTQ0<>
(`・ω・´)「良いのか?
ネタばらしして」

(‘_L’)「問題ありません」

言葉と同時に槍を突き出すフィレンクト。
流れるような連続突きだったが、
今度も盾に阻まれシャキンの身体を直接攻撃は出来なかった。

(`・ω・´)「……ふむ」

しかし一つ目のドットが消えた。

(‘_L’)「全ての攻撃を受け止めるのは流石ですが、
このまま攻撃を受け止めているだけならば、
ヒットポイントが削られるだけですよ」

(`・ω・´)「……なるほどね」

シャキンの顔から笑みが消え、
フィレンクトを睨んだ。

(‘_L’)「やっと本気になりましたか?」

(`・ω・´)「悪いけど、おれは人殺しをするつもりはない」

(‘_L’)「……バカなのか、もしくは余程の策でもあるのか」

(`・ω・´)「バカでも凄い策があるわけでもないさ。
ただ、おれは知っているだけさ」

(‘_L’)「ほお。
何を知っているというんです?」

(`・ω・´)「お前が知っている事と、
それプラス少しをさ」

(‘_L’)「……何を言っているか分かりませんが、
これを受けてもそんなことが言えますか」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/09(日) 23:50:34 ID:7b.AdBTQ0<>
フィレンクトが何度目かの連続突きを放つ。

剣技ではないそれは程々のスピードであり、
素早さに自信のある者なら避けることも可能にも見える。

(`・ω・´)「……」

しかしシャキンは今までと同じように盾に身体を隠した。
だが今までは大きな盾を左右上下に動かしつつも
最小の動きで突きを受け止めていたが、
今回は槍の一つ一つの動きに合わせて細かく盾を動かしていた。

(‘_L’)「!」

最後に一度強い一撃を放つとすぐにバックステップで距離をとるフィレンクト。

(`・ω・´)「終わりか?」

(‘_L’)「……」

シャキンのヒットポイントは欠けておらず、
点滅も開始していない。

(‘_L’)「……何故」

(`・ω・´)「街売りの武器や簡単に手に入る武器は、
情報屋のデータに画像付きで出てるよな。
でも、レア度が上がるにつれ画像が付いてなくなる。
それでもレア武器の所持者が気前良く画像データを渡してくれたやつは、
載ってる。
『MONSOON』も、その一つだ。
実際良くできていると思う。
その『SNAKE=SPEAR』に施した偽装は」

(‘_L’)「!」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/09(日) 23:52:01 ID:7b.AdBTQ0<>
(`・ω・´)「?そんなに不思議か?
それが『MONSOON』で無ければ推測するだけだ。
攻撃が盾をすり抜ける武器。
フィレンクトが使って一撃から二撃でおれのHPを削った量。
武器DBに載っている画像に偽装できる形状。
おれに攻撃を与える時のお前の動き。
これだけヒントがあれば誰だってわかるさ」

(;‘_L’)「『誰でも』は、違うと思いますよ」

(`・ω・´)「そうか?」

(‘_L’)「ええ」

(`・ω・´)「分かると思うけどなー」

(‘_L’)「……何故、これが『偽装』だと思ったのですか?」

不思議そうに首を傾げたシャキンをじっと見るエクスト。

その瞳には怒りに似た、
けれど違う炎が宿っているように見える。

(`・ω・´)「あー。
それはなー。
あれ載せたの、アルゴじゃないんだよ」

(‘_L’)「……は?」

(`・ω・´)「あのデータベースは、
情報屋の有志が作っている。
最終的なチェックはアルゴもやっているらしいけど、
基本的には情報屋の組合に入っていれば、
自分の名前を付ければ登録、書き換えができる。
そして新規登録したものは、10日は登録者以外操作ができない。
10日経過すると、修正や削除を他の情報屋が出来るようになる。
知ってたか?」

(‘_L’)「い、いえ。存じません。
ですがそれが?」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/09(日) 23:53:33 ID:7b.AdBTQ0<>
(`・ω・´)「分からないか?」

(‘_L’)「……登録者が、間違えて登録した?」

(`・ω・´)「そういうこと。
あのリストの『MONSOON=SPEAR』の項に付いている画像は『BOREAS=SPEAR』。
『MONSOON=SPEAR』を作るための素材の一つだよ」

(;‘_L’)「な、何故そんな!」

(`・ω・´)「情報屋として名を上げたがっていたからな。
レア武器を画像付きで登録できたとかなったら、
一躍有名になれるだろ?」

(;‘_L’)「そ、そんなことで!?
で、ですがそれでも私の持っている武器の性能が広範囲攻撃ではないと分かるわけが!」

(`・ω・´)「んー。
まぁ種明かしすると、
装飾の変更は『柄』の部分だけで、
『刃』の部分は変えられないだろ?
『SNAKE』と『BOREAS』は刃の形が似てはいるけど、
微妙な色とかサイズとか形状が違っているから、
そこからだな」

(;‘_L’)「そ、そんな箇所で判別できるわけがない!」

(`・ω・´)「いや、出来る。
おれはな。
あと、おれが知ってるだけで二人は出来るな」

(;‘_L’)「そんなばかな……」

(`・ω・´)「ま、おれとかは一度見たものは忘れないからわかるけど、
おれ等のギルドメンバーなら、
おそらく推理で『SNAKE』だって辿り着くぞ」

(;‘_L’)「え?」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/09(日) 23:54:50 ID:7b.AdBTQ0<>
(`・ω・´)「特殊効果を持つ武器に関しては、
その特徴と対応策をしっかり叩き込まれるからな。
どんなにごまかしてもその発動条件と効果内容から推測するさ。
それが『MONSOON』じゃないことくらい」

(;‘_L’)「なんなんですか、貴方達は」

(`・ω・´)「ゲーマーだよ」

(‘_L’)「は?」

(`・ω・´)「ゲーマー。
ゲームをする人。
おれ達は、ゲームをしてるんだ」

(‘_L’)「……」

(`・ω・´)「だから、死なない。
『お遊び』で死ぬなんて、
馬鹿げてるからな。
本気で遊ぶけど、命は賭けない」

(‘_L’)「ですがこの世界では」

(`・ω・´)「誰が何と言おうと、
これは『ゲーム』、お遊びだ。
『遊び』で死ぬなんて、あっちゃならない。
だから、おれは死なない。
そして、仲間も死なせない」

(‘_L’)「……幸せですね。
あなたも、あなたの仲間も」

(`・ω・´)「?お前もだぞ?」

(‘_L’)「私はあなたの敵ですよ。
仲間じゃありません」

(`・ω・´)「確かに今の立場は『敵』かもしれない。
けれど、同じ『ゲーム』をする仲間だろうが」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/09(日) 23:56:38 ID:7b.AdBTQ0<>
(‘_L’)!

(`・ω・´)「ゲームの中の立場は敵だとしても、
同じゲームを遊ぶ仲間だろ?」

(‘_L’)「……シャキン……さん……」

(`・ω・´)「だから、おれは死なない。
そしてフィレンクト、お前も死なない。
死なせない」

(‘_L’)「……例え私が持つこの武器が『SNAKE=SPEAR』だとしても、
盾をすり抜けて攻撃できることには変わりません。
私に勝てるつもりですか?」

(`・ω・´)「さっきおれのHPが減らなかったの覚えてないのか?」

(;‘_L’)「そ、それは」

(`・ω・´)「『SNAKE=SPEAR』の特殊効果は、
『盾無効化』でも『衝撃波』でもない。
蛇のように軌道が変わる能力。
その発動条件は、
『3回以上の連打後に、刃渡り3つ以上の長さの移動をする突き』」

(‘_L’)「だからそれが」

(`・ω・´)「結構難しいよな。
でもうまくごまかしていたと思う。
けど、ごまかすためにギリギリの距離でやらざるを得ない」

(‘_L’)「!まさか」

(`・ω・´)「ちょっと盾を前に動かして、
必要距離動く前に盾で受け止めた」

(;‘_L’)「そ、そんなこと、出来るわけが」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/09(日) 23:57:51 ID:7b.AdBTQ0<>
(`・ω・´)「何言ってんだ。
それが出来たから、
さっきの攻撃でおれはHPを減らさなかったんだろうが」

(‘_L’)「な、ならば、
それが本当だと証明してみなさい!」

フィレンクトが槍を強く掴んでシャキンに向かう。

(`・ω・´)「はいはい」

放たれる突きをシャキンが盾で弾いた。






.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/10(月) 00:05:57 ID:eZQT51Bc0<>以上で、本日の投下を終了します。

乙や誤字修正、ありがとうございます。


また早めに投下しますので、
宜しくお願いします。

ではではまたー。<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/10(月) 00:16:10 ID:EkJYfsHg0<>え?シャキン強くない?バカキャラだと思ってたのに(誉め言葉)
まあ、伊達にギルドのリーダーやってないしあのショボンの親戚だし当然か<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/10(月) 00:16:52 ID:EkJYfsHg0<>あ、おつです<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/10(月) 10:43:17 ID:87i2f5/60<>確かシャキンは才能やら能力はショボン以上じゃなかったか?
底力隠したキャラの本気出したシーンは本当にココロオドル。乙!<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/10(月) 14:24:56 ID:qlFQjcMM0<>まさかのバーローw<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/10(月) 15:58:38 ID:HzlKo.1E0<>>>611
>(‘_L’)「……何故、これが『偽装』だと思ったのですか?」

>不思議そうに首を傾げたシャキンをじっと見るエクスト。

エクストどこから出てきた!<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/10(月) 22:47:14 ID:EivdCNC.0<>唐突に出てくるロマネスクとエクストに作者の疲労を心配せざるをえない<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/11(火) 02:10:38 ID:3VfRVSLw0<>ホントだ
>>599

>( <●><●>)「私は、やらなければいけないのです」

>そう言いながら斧を構えて走り出すロマネスク。<> 人妻<><>2017/04/14(金) 11:33:06 ID:tRAn3.Ro0<>生意気なギャルビッチとヤリたい!黒ギャル人妻出会い
【人妻出会い】】不倫、浮気、セフレ希望のエッチな人妻出会い
【人妻出会い】人妻セフレ掲示板で人妻のセフレをさがそう
人妻出会い系サイト :人妻出会い掲示板
逆援助交際掲示板で逆サポ出会い http://aeruyo.2-d.jp/zds12/00/
熟女出会い http://aeruyo.2-d.jp/zds07/0001/
人妻出会い http://aeruyo.2-d.jp/zds06/0001/
割り切り http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0015/
不倫出会い http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0014/
高齢熟女・おばさんの掲示板
http://aeruyo.2-d.jp/zds07/0001/
募集掲示板
http://galscom.eek.jp/aeruyo/zds05/0001/
人妻掲示板
http://aeruyo.2-d.jp/zds06/0001/
逆援助掲示板
http://aeruyo.2-d.jp/zds15/00/
キャバ嬢掲示板
http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0013/
地域別 掲示板
http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0015/
メアド交換 掲示板
http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0014/
無料チャット http://hisasi.sakura.ne.jp/aeruyo/adaruto/deai03/lovelove05/LiveChat/
テレクラ http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/2syotto01/005/
ツーショット http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/2syotto01/003/
テレフォンセックス http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/2syotto01terehonsekkusu01/002/
無料!!人妻ライブチャット http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/2syotto01/001/
エッチな人妻との不倫 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/deai00sex/002/
セフレ募集掲示板 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/deai00sex/004/
即えっち http://hisasi.sakura.ne.jp/aeruyo/adaruto/deai03/lovelove06/05/
人妻出会い系サイト セフレ不倫若妻・熟女中出しSEX体験談
【人妻出会い】セックス 人妻生はめ画像ライン無料人妻掲示板
出会い系で知り合った20代の人妻と昼間に会ってきた時のガチ体験談
人妻出会い掲示板 人妻出会い系サイト<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/14(金) 21:54:11 ID:5JDsJ5Pg0<>流し<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/15(土) 11:36:46 ID:KT83AnnI0<>>>624
こいつなんなん?
せめてさげろや<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/15(土) 11:51:54 ID:H7c/ecLs0<>スクリプトに何言ってるんだ?<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/15(土) 12:18:08 ID:KT83AnnI0<>>>627
せめて下げて投稿してくれねーかなと<> 名も無きAAのようです<><>2017/04/16(日) 21:59:57 ID:34BpIDFQ0<>続きはよ~<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/16(日) 22:39:00 ID:QkBvVm020<>オーディナルスケールを今更見てきたのでage<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/16(日) 23:04:43 ID:clYB1jZA0<>>>621
>>623

やっちまったー!!!
脳内修正お願いします。

懺悔します!
フィレンクトとエクストを書いてるときに間違えます!
ロマネスクとワカッテマスが時々混ざります!
ダイオードの名前を忘れます!


懺悔したところで、今日の投下を開始します。

よろしくです~。<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/16(日) 23:09:06 ID:clYB1jZA0<>
15.



(´・ω・`)「とりあえずやれることは終了」

呟いた後、ウインドウを閉じたショボン。

白い光に包まれた後この場に飛ばされた彼は、
ウインドウを開いて対応作業をしていたところだった。

(´・ω・`)「さてと……」

独り言ちながら周囲を見回す。

背後には、森。
目の前には一辺10メートルを超える長さの真四角の芝生。

(´・ω・`)「きれいに四角なんだ。
こういうフィールドダンジョンではあまりお目にかからない形状だね。
しかも土の地面じゃなくて芝生とか」

誰かに話しかけるように状況を話し整理している。

(´・ω・`)「出入口は一つ。
さっきまで居たフィールドダンジョンの中なのか、
同じフロアなのか、全くわからない。
ただ現在地点が分からない状況ですぐにエリアを移動するのは得策ではないね。
その先に罠があるかもしれないし、
出たところでここに戻るだけかもしれない。
まずはこのエリアの探索をしないと」

目の前、エリアの端に見える道を確認しながら話すショボン。

(´・ω・`)「さて、このままだと大きな独り言をしている危ない男になっちゃうから、
そろそろ出てきてほしいんだけどどうかな?」

周囲を見回すショボン。

けれど穏やかな風が葉を揺らしているだけだった。

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/16(日) 23:12:12 ID:clYB1jZA0<>
(´・ω・`)「ねえ!マタンキさん!」

しかしショボンがその名を呼んだ瞬間、
一本の樹の幹が揺らめいた。

「ま、ばれないとは思ってないけどよ」

(´・ω・`)「僕を後ろから切りつけたかったですか?」

(・∀ ・)「そっか。顔が見えなければ意味が無いな」

隠蔽スキルとアイテムを使って姿を隠していたマタンキがその姿を現した。

身体を隠していた樹は道のそばにあった為、
そのまま道に向かっていれば、
背後から攻撃されていたかもしれなかった。

(・∀ ・)「死ぬ間際の苦悶の表情が見れないじゃんか」

笑顔でショボンに語りかけるマタンキ。

ショボンは特に表情を変えなかった。

(・∀ ・)「あれー。
なにもないのかな?」

(´・ω・`)「お久しぶりです。マタンキさん」

(・∀ ・)「ひさしぶりー!
チョウ会いたかった!
って、ちがうちがう!
そういうんじゃなくて!」

(´・ω・`)「あなたが僕を狙うのは分かっていましたから、
会えるとは思っていましたが」

(・∀ ・)「えー。
なにショボっちチョウ俺にラブラブー?
俺超嬉しいー!
チョウ会いたかったー!
真剣チョウうれしいー!」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/16(日) 23:14:01 ID:clYB1jZA0<>
(´・ω・`)「……そうですね。
お会いしたかったです」

(・∀ ・)「ホント今すぐ切り刻んで殺したいくらい、
会いたかったー」

(´・ω・`)「……あの時と今日の二回。
いえ、正確にはあの日だけで、
なぜそこまで憎まれるのか、
その理由を知りたかったっ!」

ショボンが言い終える前に駆けだしていたマタンキ。

ショボンが円形の投擲武器、
『チャクラム』を二つ盾のように構えた位置に片手剣の刃が当たった。

(;´・ω・`)「くっ」

激しい激突音。
それと共にショボンのHPバーの一つが点滅を始めた。

(・∀ ・)「すげー。
盾や両手剣以外で受け止めた。
でもよう」

マタンキがニヤリと笑った瞬間にショボンを襲う衝撃波。

しかしそれも予期していたのか、
マタンキの言葉が終わる前にショボンが後方に飛んでおり、
防御の構えを行っていた。

(・∀ ・)「ひゅーひゅー。
さすがだな」

しかしマタンキは驚きもせず、
からかう様に声をかけた。

片手剣を肩に担いだその姿は余裕すら感じられる。

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/16(日) 23:17:39 ID:clYB1jZA0<>
(・∀ ・)「俺のこの剣で分かったか?」

(;´・ω・`)「追加攻撃能力を持つ片手剣。
『HURRICANE=SWORD』。
少し前に見付かった、
何層にもわたるクエストの最終獲得アイテムの一つ。
ただその『暴風』の発動条件はいくつかある。
一つは完全に攻撃を決める事が出来た時。
逆に攻撃を受け止められた時は、4秒間の静止」

(・∀ ・)「さすがさすがー」

(;´・ω・`)「でも、今のカウントは2秒くらいだったし、
こんなに大きな衝撃波を生み出せるなんて……。
追加攻撃スキルを持つ武器は、
そのスキルを鍛えることが出来るとは聞いてるけど」

(・∀ ・)「いいねいいねー。
でもよ」

襲い掛かるマタンキ。
その速さはドクオに匹敵する。

(・∀ ・)「考える暇なんてあるのか?」

マタンキの衝撃音が五回響く。
全てショボンがマタンキの攻撃をはじいた音だが、
先程とは違って軽かった。

(・∀ ・)「はっはっはー。
なるほどなるほど。
いいねいいねさすがだね」

五回目の攻撃を弾くと同時にマタンキの横を抜けて『飛んだ』ショボン。

突き出した片手が赤く光っていた為、
それが体術スキルの技であったことが分かる。

(;´・ω・`)「はぁ……はぁ……」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/16(日) 23:22:12 ID:clYB1jZA0<>
マタンキから出来るだけ離れたショボン。
剣技後の硬直を、呼吸を整えるのに使っている。

(・∀ ・)「いいぜいいぜー。
硬直時間に襲うのもありだけど、
まだまだ楽しまないとなー」

(;´・ω・`)「何故……そこまで……」

(・∀ ・)「んー?
きらいだからだよー」

さも当然といったように答えるマタンキ。
口調は軽く表情も笑顔だが、
瞳だけは鋭くショボンを射抜くように冷たく見つめている。

(;´・ω・`)「理由を、教えてほしい!」

(・∀ ・)「嫌いなだけだってばー」

(;´・ω・`)「それでも!
嫌いになった理由があるはずだ!」

(・∀ ・)「んー。
生理的に無理って感じかなー。
そういうところが」 

(;´・ω・`)!

(・∀ ・)「だけどさー」

喋りながらのマタンキの突進。

(;´・ω・`)「!」

振り下ろされる片手剣をチャクラムで受け止めながら角度を変え、
自分の横に流れるのを見ながら跳躍した。

(・∀ ・)「いやー。
凄いね凄いねー」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/16(日) 23:23:34 ID:clYB1jZA0<>
(´・ω・`)「……今の攻撃は、
僕を殺そうとする一撃ではなかった。
ただ、傷付けようとしただけ。
だから今みたいに避けることが出来た」

(・∀ ・)「……ふーん。
じゃあさじゃあさ、
本気の一撃なら受け止めてくれるんだ」

(´・ω・`)「……僕は死ねない。
死ぬ事は許されない。
友達が全員帰るまで、
死んではいけないんだ。
だから攻撃を受け入れることはできないけれど、
そこまで僕を憎む理由があるなら」

(・∀ ・)「俺のすべてを受け止めてくれるってか?」

楽しそうに、
本当に楽しそうに、
表情だけは満面の笑みでショボンを見るマタンキ。

(・∀ ・)「けどさー」

何の小細工もなく一直線にショボンに突進するマタンキ。
そしてショボンはチャクラムでマタンキの片手剣を受け止める。

(・∀ ・)「ひゅーひゅー。
ゆうげんじっこうしゅしゅとりあーん。
流石のショボンさん、
俺の思いをチョウ受け止めてくれちゃったー」

笑みを浮かべたまま剣に力を籠めるマタンキ。
ジリジリと動いているせいか、
そのほかの要因の為か、
相手を襲う風は吹いていない。

(・∀ ・)「いつまでもつかなー」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/16(日) 23:24:48 ID:clYB1jZA0<>
しばらくするとショボンが右膝をついてしまった。
そしてヒットポイントバーのメモリが一つ完全に消えた。

(・∀ ・)「おっ。そろそろー?」

(;´・ω・`)「……『けどさぁ』?」

(・∀ ・)「ん?」

(;´・ω・`)「さっき、『けどさぁ』って、言っていたから。
その、……続き……は?なに?」

(・∀ ・)「……」

片手剣を受け止めつつ、
自分を見下ろすマタンキの瞳をじっと見つめて語り掛けるショボン。

マタンキの表情から、笑みが消えた。

(・∀ ・)「…… …… ウゼエ」

(;´・ω・`)「え?」

(・∀ ・#)「         !!!」

何かを叫びながら器用に手首とひじの角度を変えて片手剣を振りぬくマタンキ。

剣先がショボンの右足太ももを切り裂いた。





.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/16(日) 23:26:25 ID:clYB1jZA0<>
16.


振り下ろされた棍が大地を穿ち、
土煙が上がった。

ζ(゚ー゚*ζ「ツンさん流石ですね」

ξ゚⊿゚)ξ「……まあね」

咄嗟に横に飛んでいたツンは既に立ち上がっており、
細剣を構えていた。

ζ(゚ー゚*ζ「気配とか声色とか変わってなかったはずなのになー」

棍を肩に担ぎ直しながらデレが呟く。

ξ゚⊿゚)ξ「これよ」

武器を持たない左手を上げ、
手の甲を見せるツン。

黒いレースの手袋が、陽光を反射させた。

ζ(゚ー゚*ζ「え?」

ξ゚⊿゚)ξ「これ、一応手甲。
手の甲には透明に限りなく近い、
薄いクリスタルの防具が付いてるの。
で、それをモララーに極限まで磨かせて、
鏡とまではいかないけど動きくらいは見られるようにしてあるの。
このレースも糸は糸でも鉄鋼で出来た糸だしね。
だからあんたが棍を振り上げたのが見えたのよ」

ζ(゚ー゚*ζ「……」

悲し気に説明するツンを無表情に見つめるデレ。

しかしすぐに自分の表情に気付き、
笑みを見せた。

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/16(日) 23:27:40 ID:clYB1jZA0<>
ζ(゚ー゚*ζ「流石ツンさんですね!
でも、避けられた理由は分かっても、
私が攻撃してきたことに驚いてないみたいでちょっとショックです。
もしかして、分かってました?」

ξ゚⊿゚)ξ「……あんたが私を本当は嫌いだってことはね」

ζ(゚ー゚*ζ「あ、それは誤解ですよ。
私、ツンさんの事嫌いじゃないです。
っていうか、『好き』かな」

可愛らしく、
あくまでも『可愛らしく』小首をかしげ、
微笑むデレ。

ξ゚⊿゚)ξ「好きなのに、殺そうとしたわけ?」

ζ(゚ー゚*ζ「たとえ今の一撃が当たってたとしても、
死んだりしませんよー」

ξ゚⊿゚)ξ「……死ぬかもしれない」

ζ(゚ー゚*ζ「無理です無理ですー。
この棍のポテンシャルと私のレベルで最高の攻撃をしたとしても、
完全装備のツンさんだったらいいとこ黄色くらいまで。
頑張って半分削れるかな。
赤にすらなりませんよ」

ξ゚⊿゚)ξ「私の事、良く調べてるのね」

ζ(゚ー゚*ζ「はい!
だって好きな人のことは知りたいですから!」

ξ゚⊿゚)ξ「はいはい」

ζ(゚ー゚*ζ「あー。
信じてくれないですね」

ξ゚⊿゚)ξ「信じろって方が無理でしょ」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/16(日) 23:29:20 ID:clYB1jZA0<>
ζ(゚ー゚*ζ「酷いなー。
こんなに好きなのに」

ξ゚⊿゚)ξ「殺したいくらい好き?」

ζ(゚ー゚*ζ「あー。うー。
それはちょっと、違うかな」

ξ゚⊿゚)ξ「『殺したい』を否定して欲しいんだけど」

ζ(゚ー゚*ζ「えへへ」

長い棍を器用に振り回してからツンに向かって構えるデレ。

ξ゚⊿゚)ξ「……やるんだ」

ζ(゚ー゚*ζ「物は試しです」

ξ゚⊿゚)ξ「あ、そう」

細剣を握りなおし、
剣を持った右手と共に右足を少し前に出して構えるツン。

ζ(゚ー゚*ζ「その細剣で私の棍に耐えられるんですか?」

ξ゚⊿゚)ξ「『物は試し』でしょ」

ζ(゚ー゚*ζ「ふふふ」

笑顔のまま棍を突き出すデレ。
それをほんの少しの動作で躱し、
そのまま棍を沿うように前に進もうとするツン。

ζ(゚ー゚*ζ

しかしデレの笑顔と棍を持つ手首の動きを見て真横に飛んだ。

ζ(゚ー゚*ζ!

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/16(日) 23:30:29 ID:clYB1jZA0<>
そのすぐ後に風が巻き起こり、
ツンが居た場所に大地から砂や小石が巻き上がっていた。

ζ(゚ー゚*ζ「……」

ξ゚⊿゚)ξ「ちゃんと使えるんだ。風塵」

デレが数度瞼を閉じ、気持ちを落ち着かせてからニッコリとほほ笑む。

ζ(゚ー゚*ζ「よく気付きましたね」

ξ゚⊿゚)ξ「バレバレに手首捻ってたから。
もう少しやり方考えた方が良いわよ」

ζ(゚ー゚*ζ「……よくこの棍が『風塵棍』だと気付いたなって思ったんですけど」

ξ゚⊿゚)ξ「あ、そっち。
まあね。
デコってあっても基本の形は変わってないし、
分かっている人間なら全員気付くんじゃない?」

ζ(゚ー゚*ζ「あまり気付かないと思いますよ。
出来るだけ特徴を消すようにデコりましたから」

ξ゚⊿゚)ξ「あらそう?」

ζ(゚ー゚*ζ「はい……。
……『流石ツンさん』ですね」

ξ#゚⊿゚)ξ「……」

ζ(゚ー゚*ζ「?どうしました?」

あからさまに不愉快そうな顔をしたツンにデレが困惑気に声をかけた。

ξ゚⊿゚)ξ「ああごめん。
ちょっと発音にムカついた。
次にその言葉を言う時はイントネーションに気を付けてもらえる?」

ζ(゚ー゚*ζ「え、あ、はい」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/16(日) 23:32:48 ID:clYB1jZA0<>
その会話は友人同士の会話としても成り立つものだったが、
二人もちろん武器を構えており、
一触即発の雰囲気を漂わせている。

ζ(゚ー゚*ζ「でもまあ、分かっているならもっとあからさまに使ってもいいかな」

ξ゚⊿゚)ξ「……」

デレが微笑みながら棍棒を突き出す。

ツンはそれをすべて避けきるが、
ランダムに発動される『風塵』の力により巻き起こる風と、
その風によって巻き上げられる砂埃や小石をすべて避けきることは不可能だった。

ξ゚⊿゚)ξ「……やるわね」

HPバーのドットを一つ減らしたツンが感心すると、
頭の上のカーソルをオレンジに変えたデレがニッコリとほほ笑んだ。

ζ(゚ー゚*ζ「ツンさんに認められてうれしいです」

ξ゚⊿゚)ξ「あ、そ」

ζ(゚ー゚*ζ「でもこれだけの攻撃を受けてもドット一つなんて、
『流石ツン』さんですね」

ξ#゚⊿゚)ξ「だーかーら」

ζ(゚ー゚*ζ「あ、えっと……。
さすが、ツンさんですね」

ξ゚⊿゚)ξ「はいはい。
褒めめられても嬉しくないわよ。
攻撃を止めてくれた方が嬉しい」

ζ(゚ー゚*ζ

ξ゚⊿゚)ξ「無理みたいね」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/16(日) 23:34:02 ID:clYB1jZA0<>
ζ(゚ー゚*ζ「はい」

ξ゚⊿゚)ξ「でも、その攻撃じゃあこれ以上は効かないわよ?」

ζ(゚ー゚*ζ「そうですか?」

棍を突き出すデレ。

ツンはその直線状から体をずらしつつ、
螺旋を描こうとする棍を細剣で攻撃し、
ほんの少しだけ軌道をずらした。

ζ(゚ー゚*ζ!

連続で棍を突き出すデレ。

しかし今度は一度も風は吹かなかった。

ζ(゚ー゚*ζ「……!」

動揺を隠すことが出来ないデレ。
そんなデレを悲しげに見つめるツン。

ζ(゚ー゚*ζ「どう……して」

ξ゚⊿゚)ξ「『風塵棍』が『風塵』を起こす条件は、
『直線に突き出された棍が1回転』すること。
だから、回転してるときに横から攻撃して『直線』にならないようにすれば、
発動しないのよ」

ζ(゚ー゚*ζ「だからってそんなこと出来るわけがない!」

ξ゚⊿゚)ξ「私は出来る。それだけのことよ」

ζ(゚ー゚*ζ「なに……それ……」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/16(日) 23:36:17 ID:clYB1jZA0<>
ξ゚⊿゚)ξ「私は、それが出来るような訓練をしてきたの。
ちょうど身近に馬鹿みたいなスピードで全方向から攻撃できるやつとか、
人の死角から攻撃したりするやつとか、
訳の分からない角度から武器を飛ばしてくるやつとか、
武術の師範クラスとかが居たから、
総動員して相手をしてもらって練習しているの」

ζ(゚ー゚*ζ「なによ……それ……」

ξ゚⊿゚)ξ「あとは、あんたの『棍のレベル』がそれほどじゃないから出来たのよ」

ζ(゚ー゚*ζ!

ξ゚⊿゚)ξ「私をあんたの棍レベルで殺そうだなんて、
冗談にもほどがあるわよ。
本当に私を殺したいなら、
あんたの全部で、
あんたの『本当』で、
全力で来なさい」

ζ(゚ー゚*ζ「……」

ξ゚⊿゚)ξ「そしてあんたの全力を、私は叩きつぶしてあげる」

ζ( ー *ζ「……ウルサイ」

ξ゚⊿゚)ξ「ん?」

目を伏せたデレが小さく呟く。

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/16(日) 23:38:48 ID:clYB1jZA0<>
ζ( ー *ζ「アンタワタシノコトアンタアンタッテイウケドワタシアンタノコトアンタッテヨンデナインダカラアンタモワタシノコトアンタッテヨバナイデヨ」

ξ゚⊿゚)ξ「え?なに?」

ζ(゚ー゚*ζ「何でもないですー。
そう、じゃ、見せてあげますね。
私の本当を」

顔を上げるデレ。
その表情に笑みは無い。

ζ(゚ー゚*ζ「これでもそれなりに棍のレベルも上げてあったんだけどな」

デコレーションしてある『風塵棍』を放り投げるデレ。
そして手首を二回振った。

『クイックチェンジ』
武器を瞬時にストレージから出すスキル。
基本的には武器が破壊されたり落とした際に、
ストレージから今持っていた武器と同じ種類の武器を瞬時に取り出すスキルなのだが、
設定によって何の武器を取り出すかを決めておくことも出来る。

ζ(゚ー゚*ζ「あんまりこれ、可愛くないから嫌なんですけど」

デレはクイックチェンジを使い、
自分の持つ一番の武器を取り出した。

ξ゚⊿゚)ξ「それがあんたの本当の武器なのね」

ζ(゚ー゚*ζ「……」

新たな武器を実体化させたデレが、ツンに向かって構えた。





.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/16(日) 23:42:05 ID:clYB1jZA0<>
17.




少女が一人いた。

街とフィールドダンジョンを繋ぐ境界の道で、
土の道に引かれた線をまたぎ、
時に前のめりになり、
ある時は後ろに体重移動しながら、
なにかしら両手を動かしていた。

正確には彼女のそばには一組の男女がおり彼女を見守っているのだが、
その佇まいは『独り』を連想させる。

彼女は、街を背に、目の前の森を見つめていた。

(男)「……アスナ、結局どうすればいいんだ?」

(アスナ)「アルゴさんには、彼女の護衛を頼むってだけ。
キリト君は何か聞いてないの?」

(キリト)「おれは今日一日付き合ってくれって言われて、
理由はさっき聞いた」

(アスナ)「そうなんだ」

(キリト)「護衛ってさぁ。
あの子、さっきからずっとここにいるだけだよな」

(アスナ)「それはそうだけど……。
あ、もしかしてつまらなくなってきてるでしょ」

(キリト)「い、いや、そんなことは……ある……かな」

(アスナ)「まったくもう」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/16(日) 23:43:29 ID:clYB1jZA0<>
一組の男女のうち、一人は血盟騎士団副団長の『アスナ』である。
先程情報屋アルゴと共にショボンと会話した彼女は、
そのアルゴに連れられて少女の住む店に行き彼女と合流した後、
三人で今いる場所にやってきた。
そして今横にいる男と合流した。

男の名は『キリト』
ソロでありながら攻略組の中核を担うプレイヤーである。
その姿は常に黒を基調としているため、
一部の攻略組のメンバーからは『ブラッキー(黒尽くめ)』などと呼ばれる事もあった。
一見馬鹿にしたようなその渾名だが、
彼のもう一つの仇名である『ビーター』に比べれば、
遥かに良い名前だと言えるだろう。

(アスナ)「まったく……」

(キリト)「そうは言ってもさぁ」

血盟騎士団のカラーである白と赤を基調とした戦闘服を着た栗色の髪のアスナと、
全身黒で決めた黒髪のキリト。
見るからに対照的な二人だった。

(少女)「お二人とも、ありがとうございます。
ですが、ご用事がありましたら離れていただいても結構ですので」

二人がコソコソと話していると、
少女が二人に向かってお辞儀をした。

(アスナ)「ち、違うのヘリカルちゃん。
大丈夫だよ。ずっとそばにいるから安心して」

*(‘‘)*「ですが、お二人にも大事なご用事が」

(アスナ)「今日はヘリカルちゃんを守ることが私達にとって大事なこと。
この人もそうだから、なんか言ってても気にしなくていいからね」

(キリト)「ああ、気にしないでくれ。
今日は君を守るよう頼まれているからな。
気にしないでいいよ」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/16(日) 23:45:08 ID:clYB1jZA0<>
*(‘‘)*「……ありがとう、ございます」

もう一度お辞儀をするヘリカル。

そして再び街を背に森を見つめた。

(キリト)「……ふむ」

(アスナ)「小さい女の子のお尻をまじまじと見るのは止めた方が良いわよ」

(キリト)「お、お尻なんか見てないぞ!」

(アスナ)「どうだか。
それじゃあ何をまじまじと見ているのよ」

(キリト)「あー。いや、ウインドウを出して何を見ているのかなって」

(アスナ)「不可視モードにしてある他人のウインドウを見られるわけないでしょ?」

(キリト)「ああ、いや、まあ、そうなんだけどさ」

(アスナ)「……え、ちょっともしかしてそんなスキルあるの?」

(キリト)「ないないないない。
多分だけど、無いと思う」

(アスナ)「じゃあ見たって仕方ないじゃない」

(キリト)「うん……まぁ、そうなんだけど……」

じっとヘリカルを見つめるキリト。

アスナは数歩後ろに下がり、
キリトの視線の動きとヘリカルの手の動きを同時に観察した。

(アスナ)「え、キリト君、もしかして手の動きで推理してるとか?」

(キリト)「ばれたか」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/16(日) 23:46:43 ID:clYB1jZA0<>
(アスナ)「……」

いたずらっ子のように笑うキリトを呆然と見つめるアスナ。

(アスナ)「そんなこと、出来るの?」

(キリト)「んー。
多分アイテムの移動をしているんだと思うけど」

(アスナ)「……気持ちわる」

(キリト)「え?」

(アスナ)「いや、手の動きでそんなことが分かるとか、ちょっと引く」

(キリト)「いやいやいやいや、多分だから、多分」

(アスナ)「いや、無理」

(キリト)「いやいや無理とかじゃなくって、多分だしさ。
それに多分違うから」

(アスナ)「まだお尻見てたとかの方が健全だったかも。
ヘリカルちゃん可愛いし」

(キリト)「いやお尻見てるよりはいいだろ」

(アスナ)「えー」

*(‘‘)*「あの……」

すっかり二人の世界を作って言い合いをしていたキリトとアスナに、
ヘリカルが戸惑い気味に声をかけた。

(アスナ)「あ、な、なに?ヘリカルちゃん」

*(*‘‘)*「いえ、その、お尻がどうとか聞こえたので」

視線は前を向いたまま、
ほんの少しだけ頬を赤らめたヘリカル。

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/16(日) 23:49:01 ID:clYB1jZA0<>
(アスナ)「ああ、ごめんね。
こっちの変態がヘリカルちゃんのお尻をじっと見つめていたからちょっと注意してたの。
大丈夫。安心して。変な真似はさせないから。
あと、変態だけど実力はあるから護衛はこのままさせてね」

(キリト)「冤罪だ!
お尻なんて見ていない!
ウインドウを操作する手の動きがちょっと特殊な気がしたから見ていただけだ!
し、信じてくれるよな!」

*(‘‘)*「ああ、そうだったんですか」

(アスナ)「ホント、ごめんね。
もうそういう目で見させないから安心してね」

(キリト)「き、君は信じてくれるよな!」

*(‘‘)*「大丈夫ですよ。
隣にそんな綺麗な女性が居るのに私の事をそんな目で見る暇があるとは思いませんから」

(*アスナ)「えっ」

(キリト)「ま、まあ、信じてもらえるのは嬉しいけど、
その理由だとな……」

*(‘‘)*「ショボンさんから、
もし何をやっているか聞かれたらお答えしていいと返答をもらっています。
説明しますか?」

(キリト)「『ショボンさん』?」

(アスナ)「今回の調査を引き受けてくれたギルドのギルマスよ。
キリト君も聞いたことあるでしょ?
中層のトップギルド、『V.I.P』」

(キリト)「ああ。そっか。そのギルマスか。
確か『バーボンハウス』って店を経営してるギルドだよな。
何回か行ったことある。
かなりうまかった」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/16(日) 23:52:46 ID:clYB1jZA0<>
(アスナ)「へえ。そうなんだ。
うちのメンバー達も行ってるみたいだけど、
そんなに美味しいんだ」

(キリト)「ちょっと割高感はあるけど
その分味は良いし量も満足した」

(アスナ)「へー。
ふーん。
キリト君も一人でそういう店行くんだね」

(キリト)「初めて行ったときはその時ダンジョンで助けたパーティーに、
お礼だって連れていかれたんだよ。
それからは一人だな。
でも後で屋台の店だったのを知って、ちょっと納得した。
ダンジョンに行くときにお世話になってた店だったからな。
サンドイッチも美味しかった」

(アスナ)「なんだ。
そっか。うん。そうなんだ」

(キリト)「ん?どうかしたか?」

(アスナ)「ううん。何でもない」

*(‘‘)*「あの……」

(アスナ)「あ、ご、ごめんね。
でも、良いの?
ギルド特有のとかじゃ」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/16(日) 23:53:42 ID:clYB1jZA0<>
*(‘‘)*「ショボンさんが言うには、
システム的にできるからやってるだけなので、
別に知られるのは問題ないそうです。
それに、知られたからと言って他の人が出来るかどうか、
やる意味があるかどうかは別の話だとも」

(キリト)「誰でもできるわけじゃないってことか?」

*(‘‘)*「そう……だと思います。
でも、もし活用出来るなら役立てて欲しいとも言っていました」

(アスナ)「そうなんだ。じゃあ教えてもらえる?」

*(‘‘)*「はい。
私がやっているのは、武器の移動です」

(キリト)「武器の移動?」

*(‘‘)*「はい」

ニッコリとほほ笑んでから自分が開いているウインドウを可視モードに、
自分以外のプレイヤーにも見られるように変更した。





.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/16(日) 23:56:32 ID:clYB1jZA0<>以上、本日の投下を終了します。

乙と感想と修正ありがとうございます。

間違えにかんしてはもう……ねぇ……。

ということで、次回以降も宜しくお願いします。


ではではまたー。
.<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/17(月) 00:01:55 ID:kyNe1zPcO<>お疲れさまです!<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/17(月) 00:58:56 ID:oZaxzNSs0<>>>643
二人もちろん武器を構えており→二人はもちろん武器を構えており<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/17(月) 01:25:38 ID:lww3nj1k0<>おっつー<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/17(月) 02:24:22 ID:Osm1P/Aw0<>乙乙<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/17(月) 06:55:44 ID:9X2OZZ5Y0<>( ´_ゝ`)「ウチに嫁入りするか?」

ξ#゚⊿゚)ξ「……」<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/17(月) 14:44:20 ID:yjk9Qzg60<>流石家次女流石ツン<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/17(月) 18:59:17 ID:Hqs4LhqA0<>護衛が強すぎるわー
おつ<> 名も無きAAのようです<><>2017/04/17(月) 21:04:15 ID:kyNe1zPcO<>>>643

下から二つのツンの

褒めめられても→褒められても<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/17(月) 21:10:11 ID:MyF8zDM60<>遂に黒の剣士までも登場した・・

ちなみにその辺の許可?はとってるんですか?
許可とかいるかどうかわかんないけど・・・<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/17(月) 21:13:44 ID:xqPOZT9Q0<>利益得てる訳でもないし問題ないのでは?
こまけぇこたぁいいんだよ<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/17(月) 22:29:33 ID:U6XFTDSg0<>>>663
それ言ったらssは全てアウトだろwww<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/17(月) 22:34:42 ID:OC6QuAF.0<>>>643 褒めめられても → 褒められても<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/17(月) 22:35:47 ID:OC6QuAF.0<>ありゃ、リロードしてなかった<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/17(月) 23:11:50 ID:SASgCLFo0<>2次創作とかにも一々突っ込んでるのかな?
流石に2次創作の存在知らないピュアな人間がこんなところにいるとは思えないし<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/17(月) 23:21:37 ID:EjcCTmPQ0<>ハルヒSSとかエヴァSSを知らない世代が遂に・・・<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/18(火) 08:29:57 ID:ETzp76n.0<>クロス物書いたら大変だな<> 人妻<><>2017/04/18(火) 09:57:06 ID:Hqr9gWJ.0<>人妻が寝取られ種付け中出しセックスされている姿を盗撮
【人妻出会い】セフレを募集している人妻は近所でも探す事が可能
エロカワ奥さまの電話番号【人妻出会い】
人妻出会い系サイト :人妻出会い掲示板
逆援助交際掲示板で逆サポ出会い http://aeruyo.2-d.jp/zds12/00/
熟女出会い http://aeruyo.2-d.jp/zds07/0001/
人妻出会い http://aeruyo.2-d.jp/zds06/0001/
割り切り http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0015/
不倫出会い http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0014/
高齢熟女・おばさんの掲示板
http://aeruyo.2-d.jp/zds07/0001/
募集掲示板
http://galscom.eek.jp/aeruyo/zds05/0001/
人妻掲示板
http://aeruyo.2-d.jp/zds06/0001/
逆援助掲示板
http://aeruyo.2-d.jp/zds15/00/
キャバ嬢掲示板
http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0013/
地域別 掲示板
http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0015/
メアド交換 掲示板
http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0014/
無料チャット http://hisasi.sakura.ne.jp/aeruyo/adaruto/deai03/lovelove05/LiveChat/
テレクラ http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/2syotto01/005/
ツーショット http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/2syotto01/003/
テレフォンセックス http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/2syotto01terehonsekkusu01/002/
無料!!人妻ライブチャット http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/2syotto01/001/
エッチな人妻との不倫 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/deai00sex/002/
セフレ募集掲示板 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/deai00sex/004/
即えっち http://hisasi.sakura.ne.jp/aeruyo/adaruto/deai03/lovelove06/05/
人妻出会い系サイト セフレ不倫若妻・熟女中出しSEX体験談
【人妻出会い】ライン セフレ人妻出会い
【人妻出会い】人妻・熟女・痴女・ソフトSM 専門デリヘル
人妻出会い掲示板 人妻出会い系サイト<> 名も無きAAのようです<><>2017/04/18(火) 17:47:52 ID:JgfhdbLQ0<>許可とかさすがにネタだろ<> 人妻<><>2017/04/18(火) 23:33:53 ID:Hqr9gWJ.0<>地元で出会いが欲しい人におすすめの出会い掲示板【人妻出会い】
熟女 - ギャル、お姉さん、人妻、熟女がお好き
人妻セフレ掲示板【出会い募集】 | 不倫希望の人妻・熟女が集まる掲示板
【人妻出会い】逆テレクラ変態人妻セツクス
逆援助交際掲示板で逆サポ出会い http://aeruyo.2-d.jp/zds12/00/
熟女出会い http://aeruyo.2-d.jp/zds07/0001/
人妻出会い http://aeruyo.2-d.jp/zds06/0001/
割り切り http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0015/
不倫出会い http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0014/
高齢熟女・おばさんの掲示板
http://aeruyo.2-d.jp/zds07/0001/
募集掲示板
http://galscom.eek.jp/aeruyo/zds05/0001/
人妻掲示板
http://aeruyo.2-d.jp/zds06/0001/
逆援助掲示板
http://aeruyo.2-d.jp/zds15/00/
キャバ嬢掲示板
http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0013/
地域別 掲示板
http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0015/
メアド交換 掲示板
http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0014/
無料チャット http://hisasi.sakura.ne.jp/aeruyo/adaruto/deai03/lovelove05/LiveChat/
テレクラ http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/2syotto01/005/
ツーショット http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/2syotto01/003/
テレフォンセックス http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/2syotto01terehonsekkusu01/002/
無料!!人妻ライブチャット http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/2syotto01/001/
エッチな人妻との不倫 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/deai00sex/002/
セフレ募集掲示板 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/deai00sex/004/
即えっち http://hisasi.sakura.ne.jp/aeruyo/adaruto/deai03/lovelove06/05/
人妻出会い系サイト セフレ不倫若妻・熟女中出しSEX体験談
【人妻出会い】昼間暇してる人妻。 人妻の裸. 若い子の書き込み
出会い系で知り合った20代の人妻と昼間に会ってきた時のガチ体験談
人妻出会い掲示板 人妻出会い系サイト<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/18(火) 23:38:46 ID:azbM6Vzw0<>他所でやれよ・・・<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/20(木) 09:31:24 ID:aoWmPmMc0<>でも勝手に他作品(公式な)キャラとか勝手に使ったら盗作とかになって訴えられたりするんじゃないの?<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/20(木) 10:05:25 ID:iLskBnDY0<>その時はその時さ!<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/20(木) 10:12:21 ID:qAzlbz3E0<>2次創作って知ってる?
まぁ見逃されてるってことだよ<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/20(木) 10:59:36 ID:wnzPu2Ys0<>コミケなんてとっくに潰れてる事になるな<> 名も無きAAのようです<><>2017/04/20(木) 12:17:26 ID:iAQbY.xk0<>【人妻出会い】「スマホアプリで人妻と出会う」
【人妻出会い】浮気,不倫掲示板。人妻出会い系の性事情!
人妻出会い系サイト セフレ不倫若妻【人妻セフレ掲示板】
熟女人妻掲示板 - 妻の痴態【人妻出会い】
逆援助交際掲示板で逆サポ出会い http://aeruyo.2-d.jp/zds12/00/
熟女出会い http://aeruyo.2-d.jp/zds07/0001/
人妻出会い http://aeruyo.2-d.jp/zds06/0001/
割り切り http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0015/
無料で主婦と不倫できるサイト!!【人妻セフレ掲示板】 http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0014/
人妻、主婦との浮気や不倫 | セフレ掲示板【人妻出会い】
http://aeruyo.2-d.jp/zds07/0001/
人妻のみが書き込み出来る掲示板ですので、不満が溜まった人妻が多くいます。
http://galscom.eek.jp/aeruyo/zds05/0001/
人妻はヤリやすいので割り切りエッチがほとんど
http://aeruyo.2-d.jp/zds06/0001/
人妻やセフレを作りたいと思って出会い系を利用する人は多くいます。
http://aeruyo.2-d.jp/zds15/00/
人妻セフレ掲示板。人妻をセフレにしたい人にオススメ!不倫願望にあふれる人妻掲示板
http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0013/
【人妻出会い】人妻掲示板 ライブチャット| 人妻や熟女とのデアイ
http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0015/
人妻セフレ掲示板で人妻のセフレを見つけて見ませんか?
http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0014/
人妻はセフレに最適!出会い系サイトで不倫 【人妻セフレ掲示板】 http://hisasi.sakura.ne.jp/aeruyo/adaruto/deai03/lovelove05/LiveChat/
人妻・既婚者・主婦に出会える掲示板【人妻セフレ出会い】 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/2syotto01/005/
人妻セフレが欲しい→【人妻セフレ出会い】 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/2syotto01/003/
人妻を簡単にセフレ化する完璧な手順【人妻セフレ出会い】 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/2syotto01terehonsekkusu01/002/
無料!!人妻ライブチャット http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/2syotto01/001/
エッチな人妻との不倫 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/deai00sex/002/
セフレ募集掲示板 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/deai00sex/004/
ここなら確実に人妻と出会える! http://hisasi.sakura.ne.jp/aeruyo/adaruto/deai03/lovelove06/05/
人妻,熟女,若妻,新妻,浮気,不倫【人妻出会い】
【人妻出会い】旦那じゃ満足できない人妻との情事。
人妻・主婦・奥様・ママの投稿掲示板です【人妻出会い】
【人妻出会い】熟女人妻とセフレ・割り切り出会い<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/20(木) 16:38:08 ID:r/uVFDPA0<>↑うぜえ<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/20(木) 18:14:24 ID:7JNCO0y.0<>でも仮にも誰かが作った作品を利用してる訳だろ?
そこは一言でも許可取らないとだめじゃないかな?<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/20(木) 18:42:06 ID:Zap4fIig0<>そうだね包丁使うたび原点生み出した原人にありがとうしないとだね<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/20(木) 18:59:53 ID:6mglPENs0<>そうだな!
文字発明した人にもお礼しなきゃな!<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/20(木) 19:31:02 ID:pPaet0do0<>親告罪と非親告罪って知ってる?<> 名も無きAAのようです<><>2017/04/20(木) 19:57:10 ID:N1eIEbmE0<>違法とかダメな事をしてるんだって思うなら
読まなければいいと思うよー

悪い事してる物には関わらないのが一番!<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/20(木) 20:11:41 ID:8S8RejpU0<>笑うしかない流れ
それ言ったらだいぶ序盤からアルゴとか出てたんだから今更な話よww
こういうので許可とらなきゃ即アウトになるなら、ファンが漫画やアニメのキャラを描いたイラストを公開してるやつもアウトなんだよなあ
だいたい二次創作自体が黙認されてるんだからさ<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/20(木) 21:38:01 ID:OnuetlPQ0<>いい加減うぜえ
他所でやれや<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/20(木) 23:22:39 ID:cfqUsD1w0<>金銭のやり取りが発生してるなら著作権の問題もあるだろうけど、そもそもブーン系やなんかの二次創作物なんて書いてる人間の妄想を読者がただで楽しむだけのものだろ
妄想に法的な問題があるならとっくに無くなってるジャンルしw

ミセ*゚ー゚)リ「ってことでこの話題は終了にして作者は気にせず続きをお願いしまふ」<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/21(金) 06:42:20 ID:gTFdimowO<>ミセ*゚ー゚)リはいつ絡んでくるのかなあ
続きが楽しみだ<> 名も無きAAのようです<><>2017/04/21(金) 07:42:56 ID:CHADJzsAO<>夢小説もあるんやで<> 名も無きAAのようです<><>2017/04/21(金) 07:42:58 ID:CHADJzsAO<>夢小説もあるんやで<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/21(金) 13:51:11 ID:l9Julzjk0<>ヘリカルが敵じゃないみたいで安心したわ
マタンキはともかくとしてヒッキーやロマネスクの今後の行動や処遇が気になる<> 名も無きAAのようです<><>2017/04/21(金) 22:47:13 ID:JRyht/Pk0<>いょうがどうなったのかも
気になるところ<> 名も無きAAのようです<><>2017/04/22(土) 09:28:29 ID:ngH9vg9w0<>【人妻出会い】女性の浮気率は男性よりもはるかに上回ります。
【人妻出会い】浮気,不倫掲示板。人妻出会い系の性事情!
人妻出会い系サイト セフレ不倫若妻【人妻セフレ掲示板】
【人妻出会い】スピード人妻探し! 人妻と一刻も早くセックスする
逆援助交際掲示板で逆サポ出会い http://aeruyo.2-d.jp/zds12/00/
熟女出会い http://aeruyo.2-d.jp/zds07/0001/
人妻出会い http://aeruyo.2-d.jp/zds06/0001/
割り切り http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0015/
無料で主婦と不倫できるサイト!!【人妻セフレ掲示板】 http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0014/
【人妻出会い】出会いを求めている人妻は年々数を増しております。
http://aeruyo.2-d.jp/zds07/0001/
【人妻出会い】セックスパートナーを探しているエッチな人妻
http://galscom.eek.jp/aeruyo/zds05/0001/
人妻はヤリやすいので割り切りエッチがほとんど
http://aeruyo.2-d.jp/zds06/0001/
【人妻出会い】出会い確実!人妻専門無料出会い系サイト
http://aeruyo.2-d.jp/zds15/00/
人妻セフレ掲示板。人妻をセフレにしたい人にオススメ!不倫願望にあふれる人妻掲示板
http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0013/
【人妻出会い】人妻掲示板 ライブチャット| 人妻や熟女とのデアイ
http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0015/
人妻セフレ掲示板で人妻のセフレを見つけて見ませんか?
http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0014/
人妻はセフレに最適!出会い系サイトで不倫 【人妻セフレ掲示板】 http://hisasi.sakura.ne.jp/aeruyo/adaruto/deai03/lovelove05/LiveChat/
人妻・既婚者・主婦に出会える掲示板【人妻セフレ出会い】 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/2syotto01/005/
人妻セフレが欲しい→【人妻セフレ出会い】 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/2syotto01/003/
人妻を簡単にセフレ化する完璧な手順【人妻セフレ出会い】 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/2syotto01terehonsekkusu01/002/
【人妻出会い】成功確率97%:人妻出会い系サイト http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/2syotto01/001/
エッチな人妻との不倫 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/deai00sex/002/
セフレ募集掲示板 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/deai00sex/004/
【人妻出会い】出会い系で”人妻”いうのは最もセックスしやすい http://hisasi.sakura.ne.jp/aeruyo/adaruto/deai03/lovelove06/05/
人妻,熟女,若妻,新妻,浮気,不倫【人妻出会い】
【人妻出会い】旦那じゃ満足できない人妻との情事。
人妻・主婦・奥様・ママの投稿掲示板です【人妻出会い】
【人妻出会い】熟女人妻とセフレ・割り切り出会い<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/22(土) 12:04:29 ID:U4wNmAvI0<>俺は人妻が気になる
やっぱり興奮するよね<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/22(土) 14:25:07 ID:iOEAPNl.0<>ヘリカルが敵か味方か確定したと見ていいのか分からない。
直接的な描写は避けてたけどぃょぅは。。。
ギコしぃはショボンからの作戦で監視に付いてるような。。。<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/22(土) 16:35:45 ID:EWZm/77w0<>パクリは良くないね<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/22(土) 17:58:08 ID:02qYPOhs0<>無知の恥塗りをする前に調べるなりしてから口開けた方がいいんじゃないかな?
学校で習ってないのかな??<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/22(土) 18:49:00 ID:cVTi9Cto0<>権利のないやつが権利を叫ぶ・・・口だけで勘違いの優越感に浸る・・・あっこれは・・・<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/22(土) 19:13:43 ID:Bon/t.nU0<>触れんな<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/22(土) 19:58:06 ID:ijr/tw.Y0<>業者も明らかに変なレスもスルー定期

フィレフィレのところにミセミセがVIP側としてお助け参上したら更に会話が面白くなりそう。
まあシャキンが強そうなので別の場所にサポートいきそうですが。
ワカッテマス辺りはどうにかなりそうだけど、殺さないと気がすまねぇみたいになってる奴等はたしかに処遇が気になるところ。<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/23(日) 04:26:29 ID:I664RhMA0<>スルー推奨だけど実際に原作者がこれ見たらどう思うだろうなっていうのはある
やっぱ嫌になるだろうね<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/23(日) 18:14:00 ID:Q6GRz3Ik0<>あーあ今度は原作者に責任押し付けちゃったよコイツ
本当にそう思うならツイッターで聞いて証明して来いよ<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/23(日) 21:31:12 ID:86tAnXos0<>迷惑だからやめろ<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/23(日) 21:56:13 ID:Q6GRz3Ik0<>本当に困るのは自己擁護粉砕される坊やのほうなんだよなあ
自分以外に責任転嫁して他人の理由を持ち出すのは詐欺師と政治家の常套手段な、もっと情報操作うまくなってから来なさいね<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/23(日) 22:33:40 ID:mT6NJ0Vc0<>日曜の夜です
投下きやがれください<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/23(日) 22:54:45 ID:E.NzmWVM0<>せっかく程よく荒れているので前々から思ってたことを一言言って逃げることする


許可だの著作権だのはどうでもいいけどさ

正直原作キャラはそんなに出すべきではなかったって個人的には思う
オリキャラが原作キャラに一目置かれているっていう形は便利だしある意味2次創作の夢みたいなところはあるのは認める
ただ多用するとメアリースーのようなものに近づいていく

初期はそこらへんのバランスは取れていたけど正直最近のは気になって仕方ない
「僕の考えた最強のショボン」に限りなく迫っている
アルゴはしょうがないとしても百歩譲ってエギルまで、アスナキリトは完全に悪手だった<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/23(日) 23:15:44 ID:NPnTt06s0<>どうでもいい<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/23(日) 23:31:48 ID:WbIL6lxc0<>どーも作者です。

乙と感想とご意見、ありがとうございます。

それを胸に、自分の書きたい話を完結まで突っ走りたいと思います。

それでは今日の投下を開始します。


本日も宜しくお願いします。
.<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/23(日) 23:33:08 ID:mT6NJ0Vc0<>キタ━━━ヽ( ゚∀゚)人(゚∀゚ )メ( ゚∀゚)人(゚∀゚ )メ( ゚∀゚)人(゚∀゚ )ノ━━━!!!!<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/23(日) 23:33:55 ID:WbIL6lxc0<>
18.




ブーン達3人、
いや、シラネーヨとブーム、そしてブーンと巨大蟷螂との戦いは、
順調とは言えないものの、
HPを一列消すことに成功した。

蟷螂「ギャリャアアアアアアアアアア!」

雄叫びをあげて威嚇する蟷螂。
同時に周囲に放たれる衝撃波。
HPは削られないが当たると硬直させられるため、
人は距離をとっている。

(;´ー`)「なんとなく……前より強い気がするだーよ」

|; ^o^ |「はい。この前のようにいけてないです」

(;^ω^)「やっぱり僕ももっと参加するお!」

|; ^o^ |「それはダメです。
三本目はブーンさんにお任せしてしまうわけですから、
そこまで負担させるわけにはいきません」

(;^ω^)「でも二本目はさっきより強くなるお!」

(;´ー`)「あいつが本気を出した三本目を一人でやらしちまうんだから、
ここまではおれ達に活躍させろって言ってるだーよ!」

( ^ω^)!

|; ^o^ |「一緒に戦えて、
皆さんの役に立てることが嬉しいんです。
だから、頑張らせてください」

( ´ー`)「とりあえず見てるだーよ!」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/23(日) 23:35:58 ID:WbIL6lxc0<>
衝撃波が消える絶妙なタイミングで駆けだすシラネーヨ。

( ^ω^)「!右じゃなくて左だお!」

大きな鎌の付いた左手を振り上げている蟷螂の懐に飛び込もうとしたシラネーヨ。
しかしブーンの言葉で目標を変え、
すれ違い様に曲刀で攻撃するにとどめた。

蟷螂が下からすくい上げる様に振るった右手の攻撃が空振りに終わる。

( ´ー`)!

|  ^o^ |!

( ^ω^)「良かったお!」

蟷螂の後方に回り込んだシラネーヨがそのまま剣技を放つ。

蟷螂「ギュキャギャアアアアア!」

悲鳴を上げて振り返ろうとする蟷螂。
その無防備な背後にブームが駆け寄ろうとする。

( ^ω^)「しっぽが左から右上に跳ねるお!」

|  ^o^ |「はい!」

ブーンの叫びの最後にブームの返事が重なり、
ブームは狙いすましたようにその尾を攻撃した。

身体を硬直させる蟷螂。

その隙にシラネーヨはブーンのそばに駆け寄り、
ブームは剣技を使わず攻撃を続けた。

( ´ー`)「おい!今のはいったいなんだーよ!」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/23(日) 23:39:22 ID:WbIL6lxc0<>
( ^ω^)「……時々、エンジェルホライズンを使う時に、
頭が冴えて敵の大きな攻撃が『分かる』ことがあるんだお。
今日は実際に攻撃はしてないけど、
ずっとそれと同じ気分でいたから、
なんとなく分かったんだお」

( ´ー`)「……ショボンといいお前といい、
なんなんだーよ」

|  ^o^ |「シラネーヨ!
スイッチいきますよ!
準備を!」

( ´ー`)「分かっただーよ!」

戦うブームに近寄るシラネーヨ。

( ^ω^)「(きっとこれも僕が使っているナーヴギアのおかげだおね。
ショボンほどじゃなくても、
足を使っていない時にも神経を集中すれば見えるんだお。
少し頭が重い気もするけど、
まだまだ大丈夫だお)」

|  ^o^ |「スイッチ!」

ブームの放った重単発剣技が蟷螂をノックバックさせた。

( ´ー`)「ふん!」

突進したシラネーヨの曲刀が縦横無尽に蟷螂を傷付ける。

蟷螂「ギュリョオオオオオオオオアアアアアアアア!」

二本目のHPバーが、目に見えて大きく減った。




巨大蟷螂の二本目のHPバーを削るのは、
順調に進んだと言って良いだろう。

もちろんシラネーヨとブームの攻撃が全てなのだが、
要所要所でブーンが叫ぶ助言が流れを決めたと言っても過言ではなかった。

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/23(日) 23:41:43 ID:WbIL6lxc0<>
( ´ー`)「ヨシ!」

|  ^o^ |「二本目消去しました!」

(;^ω^)「次は僕の番だお!」

巨大蟷螂から離れる三人。

二本目のHPバーを消去させられた蟷螂は体をのけぞらせ、
上を見ながら体を震わせて雄叫びをあげた。

蟷螂「ギャギャリャリャアアアアアアアアアア!」

音波に乗せた衝撃。
先程よりも広い範囲に影響を与えるそれから逃れるために、
三人は動いていたのだ。

( ´ー`)「ここまで来れば影響はないとはいえ……」

|  ^o^ |「この声というか音は、
気分を滅入らせてくれますね」

(;^ω^)「おっおっお」

蟷螂の雄叫びは最後にはガラスを釘で傷付けるような『音』に変化し、
三人の眉間に皺を与えた。

三人はもちろんただ見ているだけではなく、
次の戦闘に向けて準備を始めている。

( ´ー`)「お、出したらちゃんと補充されただーよ」

ウインドウを開いている三人。
そして三人とも、小脇に十本程度の片手剣を抱えた。

|  ^o^ |「ブーンさん」

(;^ω^)「お?なんだお?」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/23(日) 23:43:41 ID:WbIL6lxc0<>
|  ^o^ |「大丈夫ですか?」

(;^ω^)「お?大丈夫だお?」

|  ^o^ |「そうですか?
それならよいのですが。
先程から少し口数が少なくなったのと、
表情が曇っているような気がしたので」

( ^ω^)「おっお。
流石にちょっと緊張しているだけだお」

|  ^o^ |「そうですか?
それならば良いのですが」

( ^ω^)「二人もよろしく頼むお」

自分の右斜め前にいるブームに笑いかけた後、
左側にいるシラネーヨに向かってサムズアップするブーン。

( ´ー`)「任せるだーよ」

|  ^o^ |「練習の成果、出してみせます」

真剣な顔でブーンに頷く二人。

( ^ω^)「さ、そろそろだお」

まだ雄叫びをあげている蟷螂は、体の一部を銀色に光らせていた。

|  ^o^ |「表面の金属化は30パーセント程度ですね。
防御能力は15パーセントほど上がっていると考えられます」

( ^ω^)「その分動きは遅くなるから問題ないお」

( ´ー`)「HPバーは一本目の倍以上。
ランダムでHPが変化するとはいえ、ちょっと伸びすぎだーよ」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/23(日) 23:45:34 ID:WbIL6lxc0<>
( ^ω^)「でも想定内だお。
兄者が新しく準備してくれた武器もあるから、
それほど長くはならないはずだお」

両手で十数本の片手剣を纏めて持ったブーンが走り出す準備をする。

それを見た二人も同じ様に武器を持って走り出す準備をした。
ブーンとの違いはウインドウを出したままであるという事だろう。

( ^ω^)「…… …… 行くお」

走り出すブーン。
続いて走りだすシラネーヨとブーム。

衝撃波が消えた瞬間にエリア内に突入したブーンは持っていた剣を前方に、
蟷螂の頭の上に向かって放り投げた。

しかし蟷螂はそれに惑わされることなく自分に向かって突進しているブーンを見ていた。







.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/23(日) 23:48:40 ID:WbIL6lxc0<>
19.




メンバーたちが戦っているフロアから10層以上下の層、
層の外れのフィールドエリアの更に外側にあるエリアで、
三人の男が立って会話をしていた。

(θ)「……今頃上はどうなってるんだろうな」

(Ω)「さあな」

(る)「……なあ」

(θ)「ん?」

(Ω)「なんだ?」

(る)「あんたたち、殺したことあるのか?」

(θ)「なんだよ突然」

(る)「いや、おれは、まだないから」

(Ω)「ビビってんのか?」

(#る)「び、びびってなんかねえよ!」

(θ)「さっきから震えてる」

(;る)「べ、別に震えてなんかねえよ!」

(θ)「別にいいさ。
俺らの仕事は、
連絡が来るまでこいつらを見張ってるってことだ」

片手剣や槍を持った男達が視線を向けた先。
そこにはエリアの端の木にロープで後ろ手に拘束された一組の男女が居た。

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/23(日) 23:50:29 ID:WbIL6lxc0<>
(*‘ω‘ *)「こんな真似は止めるっぽ!」

(;><)「早くこれを解いてほしいんです!」

ビロードとぽっぽである。

(θ)「うるさい」

片手剣の先がビロードの肩先をつつく。

(;><)!

(θ)「人質は一人でも良いんだ。
死にたくなければ静かにしているんだな」

(*‘ω‘ *;)「っ……」

(;><)「僕は良いけどぽっぽちゃんとワカッテマス君は自由にしてほしいんです!」

(Ω)「はあ?」

(;><)「ワカッテマス君はどこに囚われているんですか!」

(Ω)「何言ってんだこいつ」

(る)「あいつは上で人殺しの真っ最中だよ」

(;><)「そんなの嘘なんです!」

(Ω)「うわ。イラつく奴」

(;><)「ワカッテマス君は確かにドエスですが、
根は優しくていい人なんです!
人殺しなんてできるわけないんです!
だから嘘なんです!

(Ω)「……マジでイラつく」

眉間に皺をよせた男が槍を逆手に持ち、
ビロードの足に向けて振り下ろした。

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/23(日) 23:51:36 ID:WbIL6lxc0<>
(;><)「はうっ!」

(*‘ω‘ *;)「ビロード!
し、静かにするから止めるっぽ!」

ビロードのHPバーが2ドット消え、
男の頭の上のカーソルがオレンジに変わった。

(Ω)「女の方が聞き分けが良いな」

槍を引き抜く男。

(Ω)「だが、もう遅い」

ニヤリと笑い、今度はビロードの眉間に狙いを向けた。

(;><)!

(*‘ω‘ *;)「やめるっぽ!」

(θ)「止めておけ」

槍が振り下ろされる前に、
片手剣の男が槍の男の肩を軽く叩いた。

(Ω)「あ?なんでだよ。
ロマネスクも最悪一人残しておけばいいって言ってただろ」

(θ)「客が来た」

片手剣の男の視線の先に、三又の矛を持った長身の男がいた。







.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/23(日) 23:53:40 ID:WbIL6lxc0<>
20.




ミ,,゚Д゚彡「真実は常に一つだから!」

十数回目の決め言葉に、ワカッテマスの眉間には困惑の皺が浮かんだ。

(;<●><●>)「あの、ですから、何が真実だと?」

ミ,,゚Д゚彡「ひ、ひとつだから!」

( <●><●>)「いやあの、ですからですね」

ミ,,゚Д゚彡「フサの言いたいことは分かっているはずだから」

(;<●><●>)「え?」

ミ,,゚Д゚彡「フサがいまさら言わなくても、
ワカッテマス君はわかってますから!」

(;<●><●>)「イやそんなドヤ顔でそんなことを言われても」

ミ,,゚Д゚彡「フサがいまさら言わなくても、
ワカッテマス君はわかってますから!」

(;<●><●>)?

ミ,,゚Д゚彡「フサがいまさら言わなくても、
ワカッテマス君はわかってますから!」

(;<●><●>)「??」

ミ,,゚Д゚彡「フサがいまさら言わなくても、
ワカッテマス君はわかってますから!!」

(;<●><●>)「……な、なんだってー」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/23(日) 23:55:32 ID:WbIL6lxc0<>
ミ,,゚Д゚,,彡

(;<●><●>)「いや、ですからドヤ顔でこっち見るの止めてください。
っていうかフサギコさんそういうキャラでしたか?」

ミ,,゚Д゚,,彡

( <●><●>)「ですからもう!」

一瞬周囲を伺ってから斧を振り上げるワカッテマス。
そして腰を落として走り出す準備をした。

ミ,,゚Д゚彡「そこだから!」

(;<●><●>)「!な、なにがですか!」

ミ,,゚Д゚彡「普通なら剣技が発動するから!」

(;<●><●>)!

ミ,,゚Д゚彡「でも、今はしていないし、
兆候も見えないから」

( <●><●>)「それは私がそういう風に意識しているからであって」

ミ,,゚Д゚彡「それも出来るけど、でも今はそれじゃないから!」

( <●><●>)「何を根拠に」

ミ,,゚Д゚彡「今の流れから繰り出すことのできる剣技は、
『ワールド・シャウト』と『トルネード・スマッシュ』。
トルネードの方は初手を外しても連撃できる片手斧の汎用技。
ワールドの方は単発だけど重い一発」

( <●><●>)!

ミ,,゚Д゚彡「両方とも初期で覚えることが出来るし使い勝手も良いから鍛えてあるはず。
つまり、発動後の硬直時間は最小限の1・2秒まで減らしてあるはず。
今この状況で、フサを本当に殺すつもりなら発動しない方が不自然だから」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/23(日) 23:57:43 ID:WbIL6lxc0<>
(;<●><●>)「そ、それは、その。
じわじわと殺すために」

ミ,,゚Д゚彡「レベルも実力も上のフサに対してそれはあり得ないから」

(;<●><●>)!

ミ,,゚Д゚彡「悪いけど、
真正面から正々堂々と戦って君に負けるほど、
フサは弱くないから」

(;<●><●>)「……何故そんな……。
私は実力を隠して貴方たちに近付いていただけかもしれませんよ」

ミ,,゚Д゚彡「『相手の力を見極めろ』」

( <●><●>)!

ミ,,゚Д゚彡「『自分の力を過信しない事』
『自分の力を過小評価しない事』
ショボンから言われているから」

( <●><●>)「そんなこと……」

ミ,,゚Д゚彡「ギルドVIPは、
依頼を受けて色んな人と一緒にクエストをやったり、
初級から中級クラスで強くなりたい人達のサポートをしてきたから。
そのなかで、『レベルやスキル強化による強さ』を学び、
『経験して強くなった人の戦い方』を見て勉強してきたから。
ショボンや兄者のように歩き方や構え方から推測することは出来なくても、
戦いを見れば、武器をぶつけ合えば、
その人の強さを感じることはフサでも出来るから」

(;<●><●>)「貴方たちはいったい……」

ミ,,゚Д゚彡「きっと、攻略組の人達は経験からそれくらいできるから。
でもフサ達はショボンや兄者からいっぱい教えてもらって何とか出来てるから。
……ワカッテマス君」

(;<●><●>)「は、はい!」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/24(月) 00:00:37 ID:YnYKni460<>
ミ,,゚Д゚彡「ワカッテマス君がビロード君やぽっぽちゃんより強いことを、
そしてそれを隠していることを、VIPの皆は知ってるから。
……なぜ隠しているのかも、多分わかっているから」

( <●><●>)!

ミ,,゚Д゚彡「……だから、本気でフサを殺すつもりなら、
フサが君に対して本気になっていない今、
剣技を使って出来るだけ削るのが正解だから」

( <●><●>)「……」

ミ,,゚Д゚彡「それをしないのか。
もしくは、『出来ない』のか」

( <●><●>)!

ミ,,゚Д゚彡「今ワカッテマス君が持っている武器は、
武器だけど武器じゃない。
確か12層のクエストでキーアイテムになる祭礼用の『斧』。
唯一御神木を切ることのできる、持ち出し可能なアイテムだから。
だからここまで持ってくることは出来るけど、
正確には『武器』じゃないから剣技は使えないから。
……それが、真実だから」

( <●><●>)「……何故私がそんなことをしなければいけないのですか」

ミ,,゚Д゚彡「フサに君を殺させる。
それが狙いだから。
ほとんど防御力の無い服と防具、攻撃力皆無の斧。
確か祭礼時は『無防備になる』のが習わしで、
その斧を持っている間はパラメーターアップアイテムや装備も力を無くしていたはずだから。
今のワカッテマス君は、自らのレベルの力しか防御力が無い状態のはずだから」

( <●><●>)「……」

ミ,,゚Д゚彡「そして君を殺してしまい、
呆然としたフサを後ろから攻撃して殺すのが本当の目的だから」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/24(月) 00:01:49 ID:YnYKni460<>
ミ,,゚Д゚彡「ワカッテマス君がビロード君やぽっぽちゃんより強いことを、
そしてそれを隠していることを、VIPの皆は知ってるから。
……なぜ隠しているのかも、多分わかっているから」

( <●><●>)!

ミ,,゚Д゚彡「……だから、本気でフサを殺すつもりなら、
フサが君に対して本気になっていない今、
剣技を使って出来るだけ削るのが正解だから」

( <●><●>)「……」

ミ,,゚Д゚彡「それをしないのか。
もしくは、『出来ない』のか」

( <●><●>)!

ミ,,゚Д゚彡「今ワカッテマス君が持っている武器は、
武器だけど武器じゃない。
確か12層のクエストでキーアイテムになる祭礼用の『斧』。
唯一御神木を切ることのできる、持ち出し可能なアイテムだから。
だからここまで持ってくることは出来るけど、
正確には『武器』じゃないから剣技は使えないから。
……それが、真実だから」

( <●><●>)「……何故私がそんなことをしなければいけないのですか」

ミ,,゚Д゚彡「フサに君を殺させる。
それが狙いだから。
ほとんど防御力の無い服と防具、攻撃力皆無の斧。
確か祭礼時は『無防備になる』のが習わしで、
その斧を持っている間はパラメーターアップアイテムや装備も力を無くしていたはずだから。
今のワカッテマス君は、自らのレベルの力しか防御力が無い状態のはずだから」

( <●><●>)「……」

ミ,,゚Д゚彡「そして君を殺してしまい、
呆然としたフサを後ろから攻撃して殺すのが本当の目的だから」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/24(月) 00:03:16 ID:YnYKni460<>
仮面のせいで表情は見えないが、
声の調子から笑っているように聞こえた。

(<>)「さてどうするよ。正義の武士さん」

ミ#,,゚Д゚彡「すぐにワカッテマス君を開放するのが良いから」

(<>)「かー。自分の今の状況が分かってないのかよ」

ミ#,,゚Д゚彡「フサは負けないし、ワカッテマス君も助けるから。
それが一番いいから」

(<>)「今お前が出来るのは、武器を捨てて両手を上げる事だけだ」

ワカッテマスの首に片手剣が食い込む。

ミ#,,゚Д゚彡!

(<>)「おら。早くしろ」

フサギコは刀を強く握りしめた。





.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/24(月) 00:09:00 ID:YnYKni460<>以上、本日の投下を終了します。

ありがとうございました。

予定としては次の投下で23話終了、
1~2か月後に24話投下開始の予定です。

もちろん予定は未定って奴ですが。


本日もありがとうございました。

またよろしくお願いします。

ではではまたー。

.<> 名も無きAAのようです<><>2017/04/24(月) 00:12:16 ID:qs9R/ah60<>乙でしたー

このまま作者の書きたいものを書いてくれるのが一番の楽しみですよっと
次回も期待<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/24(月) 00:19:01 ID:wpFtgzko0<>乙でした
そして多分>>723>>724重複で一つ飛んでる<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/24(月) 00:41:52 ID:YnYKni460<>>>728様ありがとうございます!以下重複分です。


( <●><●>)「……」

ミ,,゚Д゚彡「もうこんなことは止めるのが良いから!」

フサギコの言葉を受けて立ち尽くすワカッテマス。

ミ,,゚Д゚彡「ワカッテマス君……」

近寄ろうと一歩踏み出した時、
右から突進してきた者に反応して武器を構えたフサギコ。

しかし突進してきた者はフサギコに攻撃せずワカッテマスの横に移動した。

(<>)「仕方ない。
次の作戦だ」

ミ,,゚Д゚彡「……」

フルフェイスの鉄仮面を付けた男が、
ワカッテマスの横に立つ。

ミ,,゚Д゚彡「……」

刀を構えるフサギコ。

(<>)「おっと。
こいつがどうなっても良いのか?」

仮面の男がワカッテマスの首に片手剣を当てた。

ミ,,゚Д゚彡!

(<>)「俺もお前と戦えるほどじゃないが、
今のこいつの防御力なら一発で殺せるかもしれないぜ」

ミ#,,゚Д゚彡「……卑怯だから……」

(<>)「卑怯でもなんでも勝てればいいんだよ」<> 名も無きAAのようです<><>2017/04/24(月) 07:16:52 ID:CL5MESek0<>【人妻出会い】女性の浮気率は男性よりもはるかに上回ります。
【人妻出会い】浮気,不倫掲示板。人妻出会い系の性事情!
人妻出会い系サイト セフレ不倫若妻【人妻セフレ掲示板】
【人妻出会い】スピード人妻探し! 人妻と一刻も早くセックスする
逆援助交際掲示板で逆サポ出会い http://aeruyo.2-d.jp/zds12/00/
熟女出会い http://aeruyo.2-d.jp/zds07/0001/
人妻出会い http://aeruyo.2-d.jp/zds06/0001/
割り切り http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0015/
無料で主婦と不倫できるサイト!!【人妻セフレ掲示板】 http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0014/
【人妻出会い】出会いを求めている人妻は年々数を増しております。
http://aeruyo.2-d.jp/zds07/0001/
【人妻出会い】セックスパートナーを探しているエッチな人妻
http://galscom.eek.jp/aeruyo/zds05/0001/
人妻はヤリやすいので割り切りエッチがほとんど
http://aeruyo.2-d.jp/zds06/0001/
【人妻出会い】出会い確実!人妻専門無料出会い系サイト
http://aeruyo.2-d.jp/zds15/00/
人妻セフレ掲示板。人妻をセフレにしたい人にオススメ!不倫願望にあふれる人妻掲示板
http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0013/
【人妻出会い】人妻掲示板 ライブチャット| 人妻や熟女とのデアイ
http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0015/
人妻セフレ掲示板で人妻のセフレを見つけて見ませんか?
http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0014/
人妻はセフレに最適!出会い系サイトで不倫 【人妻セフレ掲示板】 http://hisasi.sakura.ne.jp/aeruyo/adaruto/deai03/lovelove05/LiveChat/
人妻・既婚者・主婦に出会える掲示板【人妻セフレ出会い】 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/2syotto01/005/
人妻セフレが欲しい→【人妻セフレ出会い】 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/2syotto01/003/
人妻を簡単にセフレ化する完璧な手順【人妻セフレ出会い】 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/2syotto01terehonsekkusu01/002/
【人妻出会い】成功確率97%:人妻出会い系サイト http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/2syotto01/001/
エッチな人妻との不倫 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/deai00sex/002/
セフレ募集掲示板 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/deai00sex/004/
【人妻出会い】出会い系で”人妻”いうのは最もセックスしやすい http://hisasi.sakura.ne.jp/aeruyo/adaruto/deai03/lovelove06/05/
人妻,熟女,若妻,新妻,浮気,不倫【人妻出会い】
【人妻出会い】人妻の多い人気の出会い系掲示板をご案内!
人妻・主婦・奥様・ママの投稿掲示板です【人妻出会い】
【人妻出会い】熟女人妻とセフレ・割り切り出会い<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/24(月) 07:47:09 ID:4da79XFg0<>乙<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/24(月) 12:14:00 ID:BQGbGgos0<>おつー
ちゃんと考えて相手の策を見抜くフサかっこいい<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/24(月) 16:54:04 ID:s5eCR1rw0<>
(<>)と(る)は前にも出た奴らでいいのかね、ろくでもない奴のままやったか<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/24(月) 17:37:10 ID:wB7dDKVI0<>(Θ)見ると歯車に出てきたシータスリー思い出すわwww<> 名も無きAAのようです<><>2017/04/26(水) 09:55:21 ID:h7vVvd2U0<>【人妻出会い】女性の浮気率は男性よりもはるかに上回ります。
【人妻出会い】浮気,不倫掲示板。人妻出会い系の性事情!
人妻出会い系サイト セフレ不倫若妻【人妻セフレ掲示板】
【人妻出会い】スピード人妻探し! 人妻と一刻も早くセックスする
逆援助交際掲示板で逆サポ出会い http://aeruyo.2-d.jp/zds12/00/
熟女出会い http://aeruyo.2-d.jp/zds07/0001/
人妻出会い http://aeruyo.2-d.jp/zds06/0001/
割り切り http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0015/
無料で主婦と不倫できるサイト!!【人妻セフレ掲示板】 http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0014/
【人妻出会い】出会いを求めている人妻は年々数を増しております。
http://aeruyo.2-d.jp/zds07/0001/
【人妻出会い】セックスパートナーを探しているエッチな人妻
http://galscom.eek.jp/aeruyo/zds05/0001/
人妻はヤリやすいので割り切りエッチがほとんど
http://aeruyo.2-d.jp/zds06/0001/
【人妻出会い】出会い確実!人妻専門無料出会い系サイト
http://aeruyo.2-d.jp/zds15/00/
人妻セフレ掲示板。人妻をセフレにしたい人にオススメ!不倫願望にあふれる人妻掲示板
http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0013/
【人妻出会い】人妻掲示板 ライブチャット| 人妻や熟女とのデアイ
http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0015/
人妻セフレ掲示板で人妻のセフレを見つけて見ませんか?
http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0014/
人妻はセフレに最適!出会い系サイトで不倫 【人妻セフレ掲示板】 http://hisasi.sakura.ne.jp/aeruyo/adaruto/deai03/lovelove05/LiveChat/
人妻・既婚者・主婦に出会える掲示板【人妻セフレ出会い】 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/2syotto01/005/
人妻セフレが欲しい→【人妻セフレ出会い】 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/2syotto01/003/
人妻を簡単にセフレ化する完璧な手順【人妻セフレ出会い】 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/2syotto01terehonsekkusu01/002/
【人妻出会い】成功確率97%:人妻出会い系サイト http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/2syotto01/001/
エッチな人妻との不倫 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/deai00sex/002/
セフレ募集掲示板 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/deai00sex/004/
【人妻出会い】出会い系で”人妻”いうのは最もセックスしやすい http://hisasi.sakura.ne.jp/aeruyo/adaruto/deai03/lovelove06/05/
人妻,熟女,若妻,新妻,浮気,不倫【人妻出会い】
【人妻出会い】人妻の多い人気の出会い系掲示板をご案内!
人妻・主婦・奥様・ママの投稿掲示板です【人妻出会い】
【人妻出会い】熟女人妻とセフレ・割り切り出会い<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/27(木) 20:57:16 ID:k79EdtQg0<>>>735
他所でやれ。あげんな。<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/27(木) 22:01:17 ID:V/zdOLUo0<>フサ頑張ってくれ<> 名も無きAAのようです<><>2017/04/28(金) 09:20:46 ID:1vL2KHiM0<>【人妻出会い】女性の浮気率は男性よりもはるかに上回ります。
【人妻出会い】浮気,不倫掲示板。人妻出会い系の性事情!
人妻出会い系サイト セフレ不倫若妻【人妻セフレ掲示板】
【人妻出会い】スピード人妻探し! 人妻と一刻も早くセックスする
逆援助交際掲示板で逆サポ出会い http://aeruyo.2-d.jp/zds12/00/
熟女出会い http://aeruyo.2-d.jp/zds07/0001/
人妻出会い http://aeruyo.2-d.jp/zds06/0001/
割り切り http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0015/
無料で主婦と不倫できるサイト!!【人妻セフレ掲示板】 http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0014/
【人妻出会い】出会いを求めている人妻は年々数を増しております。
http://aeruyo.2-d.jp/zds07/0001/
【人妻出会い】セックスパートナーを探しているエッチな人妻
http://galscom.eek.jp/aeruyo/zds05/0001/
人妻はヤリやすいので割り切りエッチがほとんど
http://aeruyo.2-d.jp/zds06/0001/
【人妻出会い】出会い確実!人妻専門無料出会い系サイト
http://aeruyo.2-d.jp/zds15/00/
人妻セフレ掲示板。人妻をセフレにしたい人にオススメ!不倫願望にあふれる人妻掲示板
http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0013/
【人妻出会い】人妻掲示板 ライブチャット| 人妻や熟女とのデアイ
http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0015/
人妻セフレ掲示板で人妻のセフレを見つけて見ませんか?
http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0014/
人妻はセフレに最適!出会い系サイトで不倫 【人妻セフレ掲示板】 http://hisasi.sakura.ne.jp/aeruyo/adaruto/deai03/lovelove05/LiveChat/
人妻・既婚者・主婦に出会える掲示板【人妻セフレ出会い】 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/2syotto01/005/
人妻セフレが欲しい→【人妻セフレ出会い】 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/2syotto01/003/
人妻を簡単にセフレ化する完璧な手順【人妻セフレ出会い】 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/2syotto01terehonsekkusu01/002/
【人妻出会い】成功確率97%:人妻出会い系サイト http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/2syotto01/001/
エッチな人妻との不倫 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/deai00sex/002/
セフレ募集掲示板 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/deai00sex/004/
【人妻出会い】出会い系で”人妻”いうのは最もセックスしやすい http://hisasi.sakura.ne.jp/aeruyo/adaruto/deai03/lovelove06/05/
人妻,熟女,若妻,新妻,浮気,不倫【人妻出会い】
【人妻出会い】人妻の多い人気の出会い系掲示板をご案内!
人妻・主婦・奥様・ママの投稿掲示板です【人妻出会い】
【人妻出会い】熟女人妻とセフレ・割り切り出会い<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/28(金) 17:12:57 ID:edXRs.0M0<>噛みつくな触るな
触れたところで悪化するだけかもしれんのやぞ

それこそ管理削除スレで削除依頼出して消してくれるようならいいんだが、肝心の削除してくださる方がな……<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/28(金) 19:45:25 ID:vYtoOxrk0<>管理人てなんて名前だっけ?
加藤だか何だかだったよな<> 名も無きAAのようです<><>2017/04/29(土) 16:30:35 ID:sIlwDjgA0<>【人妻出会い】女性の浮気率は男性よりもはるかに上回ります。
【人妻出会い】浮気,不倫掲示板。人妻出会い系の性事情!
人妻出会い系サイト セフレ不倫若妻【人妻セフレ掲示板】
【人妻出会い】スピード人妻探し! 人妻と一刻も早くセックスする
逆援助交際掲示板で逆サポ出会い http://aeruyo.2-d.jp/zds12/00/
熟女出会い http://aeruyo.2-d.jp/zds07/0001/
人妻出会い http://aeruyo.2-d.jp/zds06/0001/
割り切り http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0015/
無料で主婦と不倫できるサイト!!【人妻セフレ掲示板】 http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0014/
【人妻出会い】出会いを求めている人妻は年々数を増しております。
http://aeruyo.2-d.jp/zds07/0001/
【人妻出会い】セックスパートナーを探しているエッチな人妻
http://galscom.eek.jp/aeruyo/zds05/0001/
人妻はヤリやすいので割り切りエッチがほとんど
http://aeruyo.2-d.jp/zds06/0001/
【人妻出会い】出会い確実!人妻専門無料出会い系サイト
http://aeruyo.2-d.jp/zds15/00/
人妻セフレ掲示板。人妻をセフレにしたい人にオススメ!不倫願望にあふれる人妻掲示板
http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0013/
【人妻出会い】人妻掲示板 ライブチャット| 人妻や熟女とのデアイ
http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0015/
人妻セフレ掲示板で人妻のセフレを見つけて見ませんか?
http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0014/
人妻はセフレに最適!出会い系サイトで不倫 【人妻セフレ掲示板】 http://hisasi.sakura.ne.jp/aeruyo/adaruto/deai03/lovelove05/LiveChat/
人妻・既婚者・主婦に出会える掲示板【人妻セフレ出会い】 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/2syotto01/005/
人妻セフレが欲しい→【人妻セフレ出会い】 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/2syotto01/003/
人妻を簡単にセフレ化する完璧な手順【人妻セフレ出会い】 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/2syotto01terehonsekkusu01/002/
【人妻出会い】成功確率97%:人妻出会い系サイト http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/2syotto01/001/
エッチな人妻との不倫 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/deai00sex/002/
セフレ募集掲示板 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/deai00sex/004/
【人妻出会い】出会い系で”人妻”いうのは最もセックスしやすい http://hisasi.sakura.ne.jp/aeruyo/adaruto/deai03/lovelove06/05/
人妻,熟女,若妻,新妻,浮気,不倫【人妻出会い】
【人妻出会い】人妻の多い人気の出会い系掲示板をご案内!
人妻・主婦・奥様・ママの投稿掲示板です【人妻出会い】
【人妻出会い】熟女人妻とセフレ・割り切り出会い<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/29(土) 23:13:45 ID:v9nbCCzI0<>どーも作者です。

今日の投下を開始します。

今回も、よろしくお願いします。

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/29(土) 23:17:11 ID:v9nbCCzI0<>
21.




チームBの戦いは、エクストの攻撃から始まった。

腹部と左右の後脚1本ずつを使って体を持ち上げ、
残り6本の脚と牙をもった口で威嚇する巨大蜘蛛。

怯むことなく突進したエクストが両手剣を振り上げて跳躍した。

<_プー゚)フ「とりゃああああああああああああああ」

巨大蜘蛛の左足、
向かって右側の一番手前の足に向かって振り下ろされる両手剣。

長い脚の中央ほどにある脚先から二つ目の関節で手の先を切り落とす。

<_プー゚)フ「よっしゃ!一発!」

(´・_ゝ・`)「続くぞ!」

一本一本はそれほど長くないが五本並んだ巨大蜘蛛のHPバー。
一本目を三分の一ほど減らされ、
部位欠損をおこした左脚を振り回し威嚇とも叫びともとれる雄叫びをあげる巨大蜘蛛。

右後方にバックステップで退避したエクストと入れ替わりに
デミタスが曲刀を振り上げて跳躍する。

(´・_ゝ・`)「とう!」

水色に輝いた曲刀が巨大蜘蛛の一番上の右脚、
その先から一つ目の関節を切り裂きつつ大きく弧を描き、
その胴体部も攻撃した。
そして手首を返して曲刀の向きを逆に向けると曲刀は赤く輝いた。

(´・_ゝ・`)「とりゃ!」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/29(土) 23:20:17 ID:v9nbCCzI0<>
曲刀用剣技『BLLOODY・CRESCENT』
『血まみれの三日月』と名付けられたその技は、
弧を描きながら攻撃する曲刀用剣技『CRESCENT・LINE』からの派生技であり、
三日月を描くように軌跡を描いて敵を攻撃する。

(´・_ゝ・`)「こっちはどうだ!」

下から上に弧を描いて巨大蜘蛛を切り裂くデミタスの曲刀。

最終的な狙いは先程と同じ巨大蜘蛛の一番上の右脚。
今度は先端から二つ目の関節を切り裂いた。

巨大蜘蛛「ギーーーーーーーーー!!」

関節から切り落とされた右脚が落ちてポリゴンに変わる。

(´・_ゝ・`)「よし!」

着地したデミタスが硬直する横で巨大蜘蛛の左脚を攻撃するエクスト。
しかしそれは注目を自分に向けさせるための攻撃であった。

そして二人の背中、陣形の一番後ろからクーが指示を出す。

川 ゚ -゚)「欠損は右1が2!左1が2!
予想よりHPの減りが大きい、
ミルナとトソンは対兵隊蟻の準備!」

( ゚д゚ )「おう!」

(゚、゚トソン「はい!」

それぞれに巨大蜘蛛の左右を見ながら武器を構える二人。

その目の前で、空間が歪みポリゴンが現れた。

( ゚д゚ )「ポリゴン発生!」

(゚、゚トソン「こちらもです!」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/29(土) 23:22:03 ID:v9nbCCzI0<>
川 ゚ -゚)「実体化と同時に戦闘開始!
スイッチには私が入る!
クックルはまずはエクストとデミタスのサポートを!」

( ゚∋゚)))

頷き駆けだそうとするクックル。

その一歩目と同時に、
二つの黒い影がエリアの左右の茂みから飛び出した。





.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/29(土) 23:23:54 ID:v9nbCCzI0<>
22.




一方的に攻撃を繰り出すフィレンクト。
ただただ盾で防御をするシャキン。

攻撃は多彩であり、
通常の槍での突きに加えて硬直時間の短い剣技も放ち、
時には武器の特性を使った盾を避ける攻撃を放とうとする。

しかしシャキンは盾を上手く攻撃に合わせ、
ほとんどの攻撃を受け止め、無効化していた。

(;‘_L’)

(`・ω・´)

攻撃より、防御の方が大変であるということはない。
同じように、
防御より、攻撃の方が大変であるということもない。

だからこそ、二人の状況は異質だった。

(;‘_L’)「…… …… …… ハァ…… ハァ……」

(`・ω・´)「大丈夫か?疲れているようだが」

呼吸を乱し、肩で息をするフィレンクト。
それに対峙するシャキンは、まったく疲れているように見えない。

(;;‘_L’)「なん……なん……です…か……、
あな……たは……」

(`・ω・´)「ん?」

(;‘_L’)「何故……そんな……に、
疲れ……ていないん……です……か」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/29(土) 23:26:04 ID:v9nbCCzI0<>
呼吸が乱れ、会話をするのが辛そうなフィレンクト。
対してシャキンは疲れているようには全く見えない。

(`・ω・´)「鍛え方の違いと、
動きの無駄の少なさ。
あとは、自分に合った武器と防具だな」

(;‘_L’)「……」

(`・ω・´)「自分でも分かっているんだろ?
その武器が、自分には合ってないって」

(;‘_L’)「お見通し……ですか」

(`・ω・´)「どうする?ちょっと休むか?」

(;‘_L’)「バカな…ことを……」

槍を握りしめ、疲れた顔でニヤリと笑おうとしたフィレンクト。
しかしその試みは失敗におわり、疲れた笑みを見せただけだった。

(`・ω・´)「まあ休憩よりはさっさと諦めて降参してくれるとありがたいんだがな」

(;‘_L’)「ばかなことを……」

(`・ω・´)「バカっていう方がバカなんですー」

(;‘_L’)「子供ですか!」

水色に輝く槍が弧を描くようにシャキンを狙う。

しかし雑作もなく盾で弾くシャキン。

(`・ω・´)「子供だよ?
本気でゲームするくらいにはな。
今おれは、本気で遊んでいるんだ」

(;‘_L’)「…… ……」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/29(土) 23:29:48 ID:v9nbCCzI0<>
硬直が解けたフィレンクトが口を開く。

(;‘_L’)「これは、ゲームですが、遊びではありません」

(`・ω・´)「さっきも言っただろ?
ゲームなんだから遊びだって」

(;‘_L’)「命を懸けた遊びなど、
あってはならない」

(`・ω・´)「なんだ。
分かってるじゃないか。
だから、命なんてかけちゃいけないんだ」

(;‘_L’)「ですが!
ここで死ねば現実世界で死んでしまう!
命がかかっている以上!」

(#`・ω・´)「なら命を賭けなくても良いようにすればいい!」

声を荒げたフィレンクト。
それを超える、まさに『怒声』をあげたシャキン。

(;‘_L’)!

(#`・ω・´)「なにが『殺人ギルド』だ!
なにが『攻略組』だ!
勝手に命を懸けて!
人の命を軽々し弄ぶ馬鹿どもも!
自分の命を軽んじているあほ共も!
おれにしてみりゃ大きな違いはない!」

(;‘_L’)「な、なにを言って」

(`・ω・´)「ああ、悪い。
ちょっと話がそれたな。
前からちょっと思うところがあるからつい。
っていうか、本当に命が大事なら、
なんで『殺人ギルド』なんかに参加してるんだ?
フィレっちは」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/29(土) 23:32:56 ID:v9nbCCzI0<>
(;‘_L’)「それは……。
貴方には、関係のないことです」

(`・ω・´)「ま、今度ゆっくり聞かせてくれよ」

(;‘_L’)「……今度、などありません」

武器を構え直すフィレンクト。

(‘_L’)「今ここで、私かあなたのどちらかは死ぬのですから」

(`・ω・´)「なんだよ。まだ諦めてないのか」

(‘_L’)「……諦めるわけには、いかないのです」

槍を持って突進するフィレンクト。

その動きに合わせて盾を構えるシャキン。

槍と盾が鋭い音を響かせる瞬間、
黒い影が飛び込んだ。







.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/29(土) 23:34:34 ID:v9nbCCzI0<>
23.






ヒッキーの片手剣が空間を切り裂くような鋭さをもってドクオを襲う。

('A`)「っくっ」

剣の勢いに負けないように、
相手を傷付けないように弾き返すドクオ。

戦闘に対する能力は拮抗している二人だが、
こういった『上手さ』はドクオに軍配が上がる。

(#-_-)「くそっくそっくそっ!」

('A`)「ま、対人戦闘においての質と量の差だな」

時に刃を重ねたまま滑らせるようにヒッキーの武器を流し、
時に先程と同じように弾き、
そしてある時は、互いの刃を重ねたまま、
至近距離に顔を突き合わせる二人。

('A`)「それだけ強ければ、
攻略組に行きたいとか思わなければ充分生きていけるだろう。
何故そこまでロマネスクに従う」

(#-_-)「うるさいうるさいうるさいうるさい!」

黄色く輝き始めた剣。

('A`;)「ちょっ!おい!」

慌てて離れるドクオ。

そのいなくなった空間を襲うヒッキーの片手剣。

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/29(土) 23:36:25 ID:v9nbCCzI0<>
(#-_-)「ちっ」

ヒッキーの片手剣の剣先が、大地を穿ち土埃を巻き上げた。

('A`;)「やっっば。まじやっばっ」

唇を引きつらせた笑みを浮かべながらドクオが剣を構える。

('A`;)(ふつうゼロ距離で剣技発動させるかよ。
我を忘れさせるのは成功したみたいだけど、
この先はどのルートにするか……)

(-_-)「殺してやるよ!」

('A`)「うをっ」

土煙の中から突進してきたヒッキー。
剣技は使わず剣を振る。

ドクオはその攻撃を剣ではじくが、
闇雲だが早さと強さを兼ね備えているヒッキーの攻撃は、
ドクオから余裕を奪う。

('A`;)「ちょっ、ヒッキー、
落ち着け!」

それは経験からくる条件反射。

自分を襲うヒッキーの攻撃を弾いた瞬間、
思わずドクオは一歩踏み込み、
片手剣をヒッキーの開いた胴を横薙ぎに切り裂こうとした。

('A`;)!

自分の動きに戸惑いつつも、直前で剣を止めるドクオ。

次の瞬間、自分の右脚が切り落とされたのをドクオは見た。

('A`)!

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/29(土) 23:38:05 ID:v9nbCCzI0<>
自分のHPが大幅に減ったのを視界の隅で確認しつつ、
左脚だけで後方に跳躍するドクオ。

着地はバランスを崩し転がるが、
膝から下を切り落とされた右脚も器用に使い、
右膝を地に付け、左脚を曲げた状態で体を起き上がらせた。

('A`)

そのままヒッキーを見るドクオ。

(-_-)「なんだ。もっと驚くかと思ったのにな」

こちらを見るヒッキーは感情を感じさせない。

('A`)「いや、充分驚いてる」

(-_-)「そう?ま、どうでもいいけど」

武器を手に、冷静にドクオを見ていた。

(-_-)「どう?格下だと馬鹿にしていた相手に足を切り落とされた気分は」

('A`)「格下だなんて思ったことは無い」

(-_-)「口ではなんとでも言える。
もしかしたら、ほんとうにそう思ってはいなかったのかもね。
でも、君は僕の事を対等には見ていなかった」

('A`)「そんなことは!」

(-_-)「口ではなんと言おうと、
今君の脚が切り落とされたことが事実だよ。
本当に僕を対等に見ていたのなら、
僕の剣が君の脚を切り落とすことは出来なかった」

('A`)「っ」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/29(土) 23:39:42 ID:v9nbCCzI0<>
(-_-)「もちろん。
僕がそう仕向けたってのもあるけど、
君がもともと僕の事を下に見ていたのは事実だよ」

('A`)「そんなことはない!」

(-_-)「対等に見ていれば、
あの剣を途中で止めるような真似はしなかった。
あれくらい、避ける事も止める事も出来る。
例えすこし切り裂かれたとしても、
致命傷になることは無い」

('A`;)!

(-_-)「そこに出来た隙を、
僕は狙わせてもらっただけだよ。
あと、腰から上に隙は無かったけど、
足元はがら空きだった。
それも僕を格下に見ていたから、だよね。
『こいつは足を狙うような知能は持ってない』って」

('A`;)「おれはそんなこと思ってない!」

(-_-)「結果が全てだよ。
君の脚が切り落とされたという」

ゆっくりと歩きだすヒッキー。

(-_-)「でもさ、ちょっと面白かったよ。
『おちつけっ』とか叫んじゃったりしてさ。
僕の演技力も捨てたもんじゃないのか、
君がバカなのかどっちなんだろう」

('A`)「おまえ……」

(-_-)「ロマネスクが言ってたんだ。
きっと君は僕の心を揺さぶろうとするだろうって。
だから、それに乗ってみせた」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/29(土) 23:42:14 ID:v9nbCCzI0<>
('A`)「多分あいつはお前のことなんて」

(-_-)「うん。わかってる。
ロマは僕の事を手下くらいにしか、
コマくらいにしか思ってないってことくらいは」

('A`)「なっ」

(-_-)「でも、手下の中でも一番使える奴なら、
少しは僕の事を見てくれると思うんだ」

ゆっくりと歩いていたヒッキーが突然走り、
後ろ手に回復結晶を使おうとうしていたドクオの手首を切り裂いた。

('A`)!

部位欠損は起こさなかったが、
結晶は手からこぼれ落ちる。

(-_-)「ちゃんと君を殺すことが出来れば、
僕をちゃんと見てくれると思うんだよね。
……ちゃんと褒めてくれるって、思うんだ」

ドクオの正面に回り、その喉元に剣を突き付けるヒッキー。

('A`;)「何故そこまでロマネスクの事を……」

(-_-)「いつか会えたら、教えてあげるよ」

初めて満面の笑みを見せたヒッキー。

(-_-)「あの世でね」

ゆっくりと片手剣を前に進めた。







.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/29(土) 23:44:30 ID:v9nbCCzI0<>
24.




( ФωФ)「落ち着くのである!
何か思い違いをしているのである!」

ロマネスクの叫びにジョルジュが顔を上げる。

そこにはいつもの人の良い顔をしたロマネスクがいた。
  _
( ゚∀゚)「思い違いでも、勘違いでも良い!
でも、すくなくとも、今ここに飛ばされたのは事実だ!」

( ФωФ)「偶然である!
だいたい、自慢にはならないであるが、
吾輩たちにそのようなことをする知識は無いのである!」

微笑みの中に戸惑いを見せつつ話しかけるロマネスク。
  _
( ゚∀゚)「……夫婦貝」

( ФωФ)「……」
  _
( ゚∀゚)「移動トラップの時に孤立しないように、
二人で分けて持ってると80%の確率で同じ場所に飛ばされるアイテムだ」

握りしめていたビー玉を人差し指と親指でつまむジョルジュ。

そしてロマネスクに差し出す。
  _
( ゚∀゚)「『クラム・マーブル』
夫婦貝を使って作るビー玉の形をしたアイテム。
三人以上を同じ場所に飛ばすアイテムだ。
ただし、一つの夫婦貝から二つのビー玉を作った時は、
同じ場所に飛ばされる確率を98%まで上げる。
……店売りもしていない、
プレイヤーメイドオンリーのアイテムだよな。
そんなものを、宝箱から見つけるわけがない」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/29(土) 23:45:51 ID:v9nbCCzI0<>
( ФωФ)「それが!?
でも吾輩も使ったことがあるが、
ちゃんとタップすれば説明が出るはずである!」
  _
( ゚∀゚)「……もう、言ってくれよ」

ジョルジュが指に力を籠める。

( ФωФ)「……」

ビー玉の表面にヒビが入り、
小さな音をたてて割れた。

( ФωФ)「……」

中から白と赤のマーブル模様の不透明なビー玉が現れ、
ジョルジュの手を滑り転がり落ちた。
  _
( ゚∀゚)「強度の低い宝石や、
色が好みではない宝石にカバーを付けて色を変えたり、
強度を上げる技術。
これってさ、
おれの知り合いの細工師を中心に防具屋と裁縫師が確立した技術なんだよ。
確立した時点で匿名を条件に情報屋に資料を渡したから、
世間には知られてないけどよ。
今はまだ上に被せる鉱石の強度と色を付ける事しかできないけど、
将来的には防御力とか、攻撃力とか、
そういったプラスの効果も追加できないか時間を見つけては模索してる」

ジョルジュの視線が、まっすぐにロマネスクを射抜く。
  _
( ゚∀゚)「そんな細工までされたアイテムを、
人数分拾うなんてあるわけがない」

強い口調でロマネスクに話すジョルジュ。

そして大きく息を吸い、
  _
( ゚∀゚)「ロマネスク!」

友人だと思っていた男の名を叫んだ。

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/29(土) 23:47:06 ID:v9nbCCzI0<>
( ФωФ)「そんな大きな声を出さなくとも、聞こえているのである」
  _
( ゚∀゚)「ロマネスク」

( ФωФ)「そうであるな。それくらいの音量でよいのである」

自分を見る男の顔を見るジョルジュ。
  _
( ゚∀゚)「ロマネスク……だよな」

( ФωФ)「何を言っているのである。
ああ、これならいいであるか?」

そういうと彼は、ゆっくりと人の良い微笑みを浮かべた。
  _
( ゚∀゚)「!」

( ФωФ)「だが、もうこんな顔をする意味はないであろう」

笑顔を解くロマネスク。

そこにある顔を、
少なくともジョルジュは知らなかった。

ジョルジュの背中に悪寒がはしる。
  _
( ゚∀゚)「……なんだよそれ」

( ФωФ)「人のよさそうな顔も疲れるのであるよ。
そっちのギルマスにも聞いてみればよいのである。
生きて会えたら……の話であるが」
  _
(#゚∀゚)「なっ」

( ФωФ)「いつからであるか?」
  _
(#゚∀゚)「は?」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/29(土) 23:48:31 ID:v9nbCCzI0<>
( ФωФ)「ショボン殿はいつから気付いていたのか、いや、
いつから怪しいと思っていたのか教えてほしいのである」
  _
( ゚∀゚)「『最初から』」

( ФωФ)「ふむ。
やはりマタンキがなんと言おうと最初はやめるべきであったな。
どうもあ奴は最初から……」
  _
( ゚∀゚)「違う、『最初から』。
会った瞬間からだってよ」

( ФωФ)「……まあ、口ではなんとも言えるであるからな」
  _
( ゚∀゚)「その日のうちに情報屋に依頼して情報集めて、
一回目の調査では特に問題なかったからって、
もっと金払って再々調査までさせてるくらいだから、
ホントだろ」

( ФωФ)「ほう……。
後学の為にどこでそう思ったのか聞いておきたいところである」
  _
( ゚∀゚)「『最初に行っておく。一緒にするな。レベルが違う』」

( ФωФ)「……それもショボン殿が言っていたのであるか?」
  _
( ゚∀゚)「こっちは別。
でも、そいつも怪しんで、自分で調べていたみたいだ」

( ФωФ)「そいつは殺したいところであるが、
VIPのメンバーであるか?」
  _
( ゚∀゚)「……教える必要なんて無いよな。
って、そいつはって、ショボンも狙っているんだろ?」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/29(土) 23:49:55 ID:v9nbCCzI0<>
( ФωФ)「吾輩は殺したくないのである。
片腕にしたいところであるからな。
だがマタンキがどうしてもというので仕方なくなのであるよ。
まったく。何故そこまでショボン殿を憎んでいるのか……。
いっそのこと、ショボン殿がマタンキを殺してくれたらスカウトするのであるが」
  _
( ゚∀゚)「……」

( ФωФ)「どうしたのであるか?」
  _
( ゚∀゚)「いや、なんでもない」

首を横に何回か振った後、
両手剣を構えるジョルジュ。
  _
( ゚∀゚)「俺を殺すんだろ?」

ロマネスクは口の端を少しだけ釣り上げて笑うと、
ウインドウを呼び出し、剣をしまった。

( ФωФ)「楽しませてほしいのである」

そして鎗を取り出した。
  _
( ゚∀゚)「……それは……」

( ФωФ)「もともと吾輩は槍使いなのであるよ。
一部の者以外の前では剣を使っていたし、
レベルもそこそこ上げてあるが、
メインはこちらなのである」

掴んだ鎗を両手でくるくると器用に回してから構える。

( ФωФ)「『SILENT・SPEAR』
音もたてずに獲物を狩る鎗なのである」
  _
( ゚∀゚)「『獲物を狩る』ねぇ……。
『命を刈る』の方が近いんじゃないのか?
即死スキルを持つことが判明している武器だよな。それ」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/29(土) 23:51:06 ID:v9nbCCzI0<>
( ФωФ)「ほお。
知っているのであるか。
ショボン殿の教育は素晴らしいものであるな。
ますます片腕としてほしいのである」
  _
( ゚∀゚)「器が違うから無理だと思うぞ」

( ФωФ)「うん?」
  _
( ゚∀゚)「あんたとショボンじゃ、
人としての器が違うから無理だ」

( ФωФ)「ふっ。
何も知らない小僧が何を知ったようなことを言うかと思えば。
ショボン殿もこの世界の事を何でも知っていると思っている、
思いあがった小僧であることには変わりないのである。
吾輩のもとに来てやっと一人前になるというもの」
  _
(;゚∀゚)「ホントにショボンの事をそう思っているんだとしたら、
あんたの目も節穴としか言いようがないけど大丈夫か?」

( ФωФ)「……そう思っていれば別にいいであるよ。
どちらにせよ、ジョルジュ、お前はここで消えるのであるから」
  _
( ゚∀゚)「あんたに思惑があったとしても、
あんたがおれの恩人であるには違いない。
黒鉄宮の牢獄に面会には行ってやるよ」

( ФωФ)「甘いであるな」

喋りながらノーモーションで放たれた鋭い突き。
  _
(;゚∀゚)「ちっ」

避けることが出来ず両手剣の側面で受け止めた。

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/29(土) 23:52:36 ID:v9nbCCzI0<>
( ФωФ)「ほぉ。今の突きを防ぐであるか。
それくらいしてもらわないと楽しめないであるが、
立派に育ってくれたであるな」
  _
( ゚∀゚)「何を言ってやがる」

( ФωФ)「あそこで殺すのは簡単であった。
だが、それではつまらないと思ったのである。
自暴自棄になったお主が救われ、
そして強くなった後、吾輩と戦い、苦しみながら死んでゆく。
良い物語だと思わないであるか?」
  _
(#゚∀゚)「……」

( ФωФ)「おや?
お気に召さなかったであるか?
確かに死ぬのが怖いと思うが、
何もなさないで死んでゆくよりも、
物語の重要な欠片を演じてから死ぬ方が有意義なのである」
  _
(#゚∀゚)「ふざけるな!」

ジョルジュが怒りに任せて両手剣を前に押し出すと、
その勢いでバランスを崩しかけたロマネスクが後方に飛んだ。

( ФωФ)「ふむ。『欠片』と言ったのが気に食わなかったのであるか」

横薙ぎに振るわれたジョルジュの両手剣。
余裕をもってギリギリにかわしたロマネスクは鎗を両手剣のように上から振り下ろした。
  _
( ゚∀゚)「ちっ」

横に飛んで避けた後に更に後ろに飛ぶ。

( ФωФ)「良い判断であるが!」

ロマネスクの連続突きがジョルジュを襲う。
  _
(;゚∀゚)「!」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/29(土) 23:54:16 ID:v9nbCCzI0<>
両手剣で防御するも、
幾つかは外して体をかすめてHPを奪われてしまう。
  _
(;゚∀゚)「っ!」

自身のHPバーに気を取られてバランスを崩したジョルジュ。
その隙をロマネスクが見逃すわけがなく、
空間に穴をあけるような激しく鋭い突きが襲い掛かる。
  _
(;゚∀゚)「!!」

崩したバランスを立て直すのではなく、
敢えてそのまま倒れるジョルジュ。

( ФωФ)「!?」

ブリッジをするよう仰向けに横になった自分の上を通る鎗。
その先端を確認しながら体を捻る。
地面に横になってしまう前に自分の身体程の大きさの両手剣を振り、
鎗を横殴りにした。

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/29(土) 23:56:03 ID:v9nbCCzI0<>
(;ФωФ)「をっ」

軽い連続突きではなく、
しっかりと足を踏み込んだ一撃。
それを奇妙な体勢でかわされただけでなく、
真横からの武器への攻撃を受けてしまい、
重い武器に引っ張られる様にふらついてしまったロマネスク。

(;ФωФ)「なんという」

よろめいたロマネスクが体勢を立て直してジョルジュ見る。

と同時に襲い掛かるジョルジュの両手剣。

( ФωФ)「!」

その剣はまさに自由奔放。

型も剣技も無視した四方八方からの攻撃。
  _
(#゚∀゚)「とりゃあああああああああああああああああああ!!」

(;ФωФ)「くっ」

最初は全て鎗を上手く当てて軌道を逸らしかわしていたロマネスクだったが、
途中でジョルジュの狙いに気付くと、
余裕をもってつまらなそうにかわし始めた。

( ФωФ)「つまらん」

そして攻撃の切れ目に合わせて後方に飛ぶ。
  _
(;゚∀゚)「くっ」

追おうとはせずそのままの位置で武器を構え直すジョルジュ。

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/29(土) 23:57:41 ID:v9nbCCzI0<>
( ФωФ)「武器破壊……もしくは、
吾輩に武器を落とさせる。
それが狙いであるな?」
  _
( ゚∀゚)「それが……どうした」

( ФωФ)「それで吾輩に勝とうなど、
吾輩も甘く見られたものである」
  _
( ゚∀゚)「武器が無ければ戦えない。
そうすればいい」

( ФωФ)「吾輩も予備くらい持っているのである」
  _
( ゚∀゚)「全部壊せばいい」

( ФωФ)「武器破壊など、
余程のレベル差が無ければ出来ぬことくらい知っておるであろう」
  _
( ゚∀゚)「おれは狙って出来ねえけど、
出来ないわけじゃない。
下手な鉄砲だって、数打てば当たる。
それに壊せなくても、飛ばすことは出来るかもしれない」

( ФωФ)「……吾輩の記念を、汚されたくないのだがな」
  _
( ゚∀゚)「記念?」

( ФωФ)「この戦いは、記念なのである」
  _
( ゚∀゚)「何のだよ」

( ФωФ)「育った獲物を、美味しく食べる記念である」
  _
(#゚∀゚)「おまえ……」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/29(土) 23:59:24 ID:v9nbCCzI0<>
( ФωФ)「吾輩はロマンチストなのである。
だから、最初に殺す者は記念になる者にしようと決めていたのである」
  _
(#゚∀゚)「ふざける……」

怒りを露わにしたジョルジュだったが、
その言葉に反応して目を大きく見開いた。
  _
( ゚∀゚)「『最初に殺す者』?
ってことは、ロマネスク、まだ殺しては……」

( ФωФ)「だから、記念の戦いを汚してほしくないのである。
充分育ったお前を殺すこの記念日を」

無表情に、けれどどこか熱に浮かれているような口調で喋り続けるロマネスク。

( ФωФ)「ジョルジュ、
お前を殺した瞬間、
その瞬間に、
吾輩の『ソード・アート・オンライン』が始まるのである。
そしてこのアインクラッドには、
さらなる死の恐怖がはびこるのである。
ラフィンコフィンなど比べ物にならないような、恐怖が」

ロマネスクの顔に少しだけ『表情』が浮かんだ。
  _
( ゚∀゚)「ロマネスク!おまえまだ殺してないのなら!」

ジョルジュの視界、左上の自分のHPの下に水色の点が浮かぶ。
  _
( ゚∀゚)「!」

( ФωФ)「ジョルジュ、
吾輩は全力でお前を殺すのである。
せいぜいしっかりとあがいて、
ちゃんと吾輩を楽しませてほしいのである」

バックステップでさらにジョルジュから離れるロマネスク。

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/30(日) 00:00:44 ID:4R/a9SJc0<>
( ФωФ)「お主の死で、
吾輩の旅立ちを祝福してほしいのである」

走り出すロマネスク。

鎗をまっすぐに構え、
ジョルジュに向かって走る。
  _
( ゚∀゚)「それは!」

両手槍専用剣技『SILVERY・LINE』。
『銀色の線』と名付けられたその技は、
一直線上に両手槍を動かすことで発動する剣技であり、
発動条件の他に威力を決める要因として、移動距離が指定されている。
つまり、ある一定の距離を揺らさず高さを変えず移動させることで発動するこの剣技は、
長い距離を移動させることによって威力を増すことが出来た。

比較的早い時期に覚えることが出来る技なのだが、
その使い勝手の悪さから、使う者が少ない技だった。
  _
( ゚∀゚)「ちっ」

ロマネスクの移動距離は十分な距離があり、
命中すれば大きくHPを削られる可能性がある。

瞬時にそれを察したジョルジュが剣での防御ではなく避けることを選んだ瞬間、
ロマネスクの速度が加速する。
  _
( ゚∀゚)「!」

咄嗟に両手剣での防御に切り替えようとするジョルジュ。

( ФωФ)「遅いのである」

だがロマネスクの言葉通り、
鎗の先は既にジョルジュの身体に迫っていた。
  _
(;゚∀゚)!!

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/30(日) 00:02:19 ID:4R/a9SJc0<>
だがロマネスクは剣技の発動に精神を集中していたために気付いていなかった。

鎗の先がジョルジュを突き刺すその前に、
一人の男が二人のそばに駆け寄っていたことに。

( ФωФ)「なに!」

ジョルジュを突き飛ばす左手。
  _
( ゚∀゚)「!!」

倒れるジョルジュの代わりに鎗の動線の先に入る黒いマント。

鎗がマントを突き刺し、
その先にある体を穿つ。

( ・∀・)「あ、これって」

背中から鎗の攻撃を受けたモララーが、
ジョルジュの目を見ながら呟いた。
  _
( ゚∀゚)「モラ……」

自分の名を呼んだ友の顔を見て、モララーがニッコリとほほ笑む。

モララーの身体の上に浮かんだ緑色のバーが勢いよくその幅を変え、
黄色になり、
赤になり、
消えた。

( ・∀・)「   」
  _
(  ∀ )「モララーあああああああああ!!!!!!!!!!」

( ・∀・)「     」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/30(日) 00:03:30 ID:4R/a9SJc0<>
ガラスが割れるような澄んだ音が響き、
モララーの身体が消え、
砕け散ったポリゴンが、
きらめきながら友の名を叫ぶジョルジュに降り注ぐ。

最後に微笑んだモララーがかけた言葉は、
彼の思いを乗せてジョルジュの耳にだけ届いていた。






第二十三話






第二十四話に続く












.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/04/30(日) 00:05:47 ID:4R/a9SJc0<>以上、本日の投下を終了します。

いつも乙や感想、本当にありがとうございます。

24話は6月頃投下予定です。

ではではまたー。<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/30(日) 00:25:44 ID:9E2g/hVU0<>もららああああああああああああ<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/30(日) 00:39:04 ID:IV./aGrQ0<>おえええええええええ!?もらあああおあああ<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/30(日) 01:10:02 ID:8HWoym2YO<>乙

モララー……<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/30(日) 01:24:13 ID:sd2hmqdY0<>ぶ、分身とか…そんな都合の良いものあるわけ無いか…流石に分身とかじゃ喋らないだろうし
悲しい…<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/30(日) 01:52:00 ID:Ta9W79X60<>モララー?え?うっそ<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/30(日) 02:07:58 ID:Rg3jb/xI0<>うっそだろ<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/30(日) 02:20:33 ID:TfRKlpLY0<>おい、、ぉぃ<> 名も無きAAのようです<><>2017/04/30(日) 06:23:21 ID:GY51OjLQ0<>いや、絶対なにかあるはずだ
何かの作戦だろ?
モララーが…そんな事あるはずが…<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/30(日) 10:55:21 ID:9hlBZ1fw0<>おいおいおおおいこれで6月まで待機とか<> 人妻<><>2017/04/30(日) 13:41:22 ID:sLZmiJwI0<>【人妻出会い】女性の浮気率は男性よりもはるかに上回ります。
【人妻出会い】浮気,不倫掲示板。人妻出会い系の性事情!
人妻出会い系サイト セフレ不倫若妻【人妻セフレ掲示板】
【人妻出会い】スピード人妻探し! 人妻と一刻も早くセックスする
【人妻出会い】出会い系で会えた人妻とお忍びでヤレた http://aeruyo.2-d.jp/zds12/00/
熟女出会い http://aeruyo.2-d.jp/zds07/0001/
人妻出会い http://aeruyo.2-d.jp/zds06/0001/
割り切り http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0015/
【人妻出会い】人妻出会い系を 生活圏内で得られる出会い http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0014/
【人妻出会い】出会いを求めている人妻は年々数を増しております。
http://aeruyo.2-d.jp/zds07/0001/
【人妻出会い】セックスパートナーを探しているエッチな人妻
http://galscom.eek.jp/aeruyo/zds05/0001/
人妻はヤリやすいので割り切りエッチがほとんど
http://aeruyo.2-d.jp/zds06/0001/
【人妻出会い】出会い確実!人妻専門無料出会い系サイト
http://aeruyo.2-d.jp/zds15/00/
人妻セフレ掲示板。人妻をセフレにしたい人にオススメ!不倫願望にあふれる人妻掲示板
http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0013/
【人妻出会い】人妻掲示板 ライブチャット| 人妻や熟女とのデアイ
http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0015/
人妻セフレ掲示板で人妻のセフレを見つけて見ませんか?
http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0014/
人妻はセフレに最適!出会い系サイトで不倫 【人妻セフレ掲示板】 http://hisasi.sakura.ne.jp/aeruyo/adaruto/deai03/lovelove05/LiveChat/
人妻・既婚者・主婦に出会える掲示板【人妻セフレ出会い】 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/2syotto01/005/
人妻セフレが欲しい→【人妻セフレ出会い】 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/2syotto01/003/
人妻を簡単にセフレ化する完璧な手順【人妻セフレ出会い】 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/2syotto01terehonsekkusu01/002/
【人妻出会い】成功確率97%:人妻出会い系サイト http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/2syotto01/001/
エッチな人妻との不倫 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/deai00sex/002/
セフレ募集掲示板 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/deai00sex/004/
【人妻出会い】出会い系で”人妻”いうのは最もセックスしやすい http://hisasi.sakura.ne.jp/aeruyo/adaruto/deai03/lovelove06/05/
人妻,熟女,若妻,新妻,浮気,不倫【人妻出会い】
無料でエロい熟女とカンタンに出会いセックス【人妻出会い掲示板】
人妻・主婦・奥様・ママの投稿掲示板です【人妻出会い】
【人妻出会い】熟女人妻とセフレ・割り切り出会い<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/30(日) 13:44:39 ID:/cRFAyD20<>モララー…<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/30(日) 13:50:10 ID:SnMOceqo0<>まじで?まじで?は?もららーしんじゃうの?<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/30(日) 14:19:37 ID:0LQx1PSc0<>皆!忘れるな!ξ゚⊿゚)ξお手製の装備着けてるんだ!<> 名も無きAAのようです<><>2017/04/30(日) 14:31:37 ID:7wIERuqA0<>ロマネスクの部分で何回か「鎗」っていう漢字が使われてるんだけど、「槍」の間違いよな<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/30(日) 14:40:48 ID:sd2hmqdY0<>わざとかもしれんし…どうなんだろうな<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/04/30(日) 14:57:22 ID:JEtIi54U0<>モララーの細工技術とツンの裁縫技術でよく似た何かを作ったとか!
モララー!!!!<> 名も無きAAのようです<><>2017/04/30(日) 15:13:17 ID:qOoUr20A0<>この賑やかしども質悪いな<> 名も無きAAのようです<><>2017/04/30(日) 19:07:29 ID:xHctqha20<>防具の耐久値が0になっただけだし(´・ω・`)<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/05/01(月) 09:27:02 ID:C5YeZF1M0<>圏内殺人事件と同じか、でも転移結晶ってそんなすぐ使えたっけ?
やだなぁ誰か死ぬのは……<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/05/01(月) 11:41:36 ID:A6eb9EF2O<>死んだなら現実でギア外されてそう。
脳波の解析は終わってるはずだから<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/05/01(月) 12:02:10 ID:HopMO3PI0<>最悪(-@∀@)がいるから大丈夫だと思うのだが、さて…<> 人妻<><>2017/05/01(月) 19:39:36 ID:M.GJIPEo0<>【人妻出会い】女性の浮気率は男性よりもはるかに上回ります。
【人妻出会い】浮気,不倫掲示板。人妻出会い系の性事情!
人妻出会い系サイト セフレ不倫若妻【人妻セフレ掲示板】
【人妻出会い】スピード人妻探し! 人妻と一刻も早くセックスする
【人妻出会い】出会い系で会えた人妻とお忍びでヤレた http://aeruyo.2-d.jp/zds12/00/
熟女出会い http://aeruyo.2-d.jp/zds07/0001/
人妻出会い http://aeruyo.2-d.jp/zds06/0001/
割り切り http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0015/
【人妻出会い】人妻出会い系を 生活圏内で得られる出会い http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0014/
【人妻出会い】出会いを求めている人妻は年々数を増しております。
http://aeruyo.2-d.jp/zds07/0001/
【人妻出会い】セックスパートナーを探しているエッチな人妻
http://galscom.eek.jp/aeruyo/zds05/0001/
人妻はヤリやすいので割り切りエッチがほとんど
http://aeruyo.2-d.jp/zds06/0001/
【人妻出会い】出会い確実!人妻専門無料出会い系サイト
http://aeruyo.2-d.jp/zds15/00/
人妻セフレ掲示板。人妻をセフレにしたい人にオススメ!不倫願望にあふれる人妻掲示板
http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0013/
【人妻出会い】人妻掲示板 ライブチャット| 人妻や熟女とのデアイ
http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0015/
人妻セフレ掲示板で人妻のセフレを見つけて見ませんか?
http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0014/
人妻はセフレに最適!出会い系サイトで不倫 【人妻セフレ掲示板】 http://hisasi.sakura.ne.jp/aeruyo/adaruto/deai03/lovelove05/LiveChat/
人妻・既婚者・主婦に出会える掲示板【人妻セフレ出会い】 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/2syotto01/005/
人妻セフレが欲しい→【人妻セフレ出会い】 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/2syotto01/003/
人妻を簡単にセフレ化する完璧な手順【人妻セフレ出会い】 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/2syotto01terehonsekkusu01/002/
【人妻出会い】成功確率97%:人妻出会い系サイト http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/2syotto01/001/
エッチな人妻との不倫 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/deai00sex/002/
セフレ募集掲示板 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/deai00sex/004/
【人妻出会い】出会い系で”人妻”いうのは最もセックスしやすい http://hisasi.sakura.ne.jp/aeruyo/adaruto/deai03/lovelove06/05/
人妻,熟女,若妻,新妻,浮気,不倫【人妻出会い】
無料でエロい熟女とカンタンに出会いセックス【人妻出会い掲示板】
人妻・主婦・奥様・ママの投稿掲示板です【人妻出会い】
【人妻出会い】熟女人妻とセフレ・割り切り出会い<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/05/01(月) 23:09:27 ID:VT/e0X020<>作者乙<> 名も無きAAのようです<><>2017/05/03(水) 02:16:54 ID:HB.GqeOo0<>はよ続きかけよ
無能<> 人妻出会い掲示板<><>2017/05/03(水) 07:16:35 ID:a5oUEP0g0<>【人妻出会い】「スマホアプリで人妻と出会う」
【人妻出会い】浮気,不倫掲示板。人妻出会い系の性事情!
人妻出会い系サイト セフレ不倫若妻【人妻セフレ掲示板】
熟女人妻掲示板 - 妻の痴態【人妻出会い】
逆援助交際掲示板で逆サポ出会い http://aeruyo.2-d.jp/zds12/00/
熟女出会い http://aeruyo.2-d.jp/zds07/0001/
人妻出会い http://aeruyo.2-d.jp/zds06/0001/
割り切り http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0015/
無料で主婦と不倫できるサイト!!【人妻セフレ掲示板】 http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0014/
人妻、主婦との浮気や不倫 | セフレ掲示板【人妻出会い】
http://aeruyo.2-d.jp/zds07/0001/
多くの人妻が出会いを求めている傾向があります。【人妻出会い】
http://galscom.eek.jp/aeruyo/zds05/0001/
人妻はヤリやすいので割り切りエッチがほとんど
http://aeruyo.2-d.jp/zds06/0001/
人妻やセフレを作りたいと思って出会い系を利用する人は多くいます。
http://aeruyo.2-d.jp/zds15/00/
人妻セフレ掲示板。人妻をセフレにしたい人にオススメ!不倫願望にあふれる人妻掲示板
http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0013/
【人妻出会い】人妻掲示板 ライブチャット| 人妻や熟女とのデアイ
http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0015/
人妻セフレ掲示板で人妻のセフレを見つけて見ませんか?
http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0014/
人妻はセフレに最適!出会い系サイトで不倫 【人妻セフレ掲示板】 http://hisasi.sakura.ne.jp/aeruyo/adaruto/deai03/lovelove05/LiveChat/
人妻・既婚者・主婦に出会える掲示板【人妻セフレ出会い】 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/2syotto01/005/
人妻セフレが欲しい→【人妻セフレ出会い】 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/2syotto01/003/
人妻を簡単にセフレ化する完璧な手順【人妻セフレ出会い】 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/2syotto01terehonsekkusu01/002/
無料!!人妻ライブチャット http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/2syotto01/001/
エッチな人妻との不倫 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/deai00sex/002/
セフレ募集掲示板 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/deai00sex/004/
ここなら確実に人妻と出会える! http://hisasi.sakura.ne.jp/aeruyo/adaruto/deai03/lovelove06/05/
人妻,熟女,若妻,新妻,浮気,不倫【人妻出会い】
【人妻出会い】旦那じゃ満足できない人妻との情事。
人妻・主婦・奥様・ママの投稿掲示板です【人妻出会い】
【人妻出会い】熟女人妻とセフレ・割り切り出会い<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/05/03(水) 10:34:31 ID:AKRxMZHE0<>楽しみにしてる定期。<> 名も無きAAのようです<><>2017/05/03(水) 19:50:00 ID:0rTK/oTc0<>あげたろ<> 人妻出会い掲示板<><>2017/05/04(木) 17:24:23 ID:RhFCBFSg0<>【人妻出会い】「スマホアプリで人妻と出会う」
【人妻出会い】浮気,不倫掲示板。人妻出会い系の性事情!
人妻出会い系サイト セフレ不倫若妻【人妻セフレ掲示板】
熟女人妻掲示板 - 妻の痴態【人妻出会い】
逆援助交際掲示板で逆サポ出会い http://aeruyo.2-d.jp/zds12/00/
熟女出会い http://aeruyo.2-d.jp/zds07/0001/
人妻出会い http://aeruyo.2-d.jp/zds06/0001/
割り切り http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0015/
無料で主婦と不倫できるサイト!!【人妻セフレ掲示板】 http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0014/
人妻、主婦との浮気や不倫 | セフレ掲示板【人妻出会い】
http://aeruyo.2-d.jp/zds07/0001/
多くの人妻が出会いを求めている傾向があります。【人妻出会い】
http://galscom.eek.jp/aeruyo/zds05/0001/
人妻はヤリやすいので割り切りエッチがほとんど
http://aeruyo.2-d.jp/zds06/0001/
人妻やセフレを作りたいと思って出会い系を利用する人は多くいます。
http://aeruyo.2-d.jp/zds15/00/
人妻セフレ掲示板。人妻をセフレにしたい人にオススメ!不倫願望にあふれる人妻掲示板
http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0013/
【人妻出会い】人妻掲示板 ライブチャット| 人妻や熟女とのデアイ
http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0015/
人妻セフレ掲示板で人妻のセフレを見つけて見ませんか?
http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0014/
人妻はセフレに最適!出会い系サイトで不倫 【人妻セフレ掲示板】 http://hisasi.sakura.ne.jp/aeruyo/adaruto/deai03/lovelove05/LiveChat/
人妻・既婚者・主婦に出会える掲示板【人妻セフレ出会い】 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/2syotto01/005/
人妻セフレが欲しい→【人妻セフレ出会い】 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/2syotto01/003/
人妻を簡単にセフレ化する完璧な手順【人妻セフレ出会い】 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/2syotto01terehonsekkusu01/002/
無料!!人妻ライブチャット http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/2syotto01/001/
エッチな人妻との不倫 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/deai00sex/002/
セフレ募集掲示板 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/deai00sex/004/
ここなら確実に人妻と出会える! http://hisasi.sakura.ne.jp/aeruyo/adaruto/deai03/lovelove06/05/
人妻,熟女,若妻,新妻,浮気,不倫【人妻出会い】
【人妻出会い】旦那じゃ満足できない人妻との情事。
人妻・主婦・奥様・ママの投稿掲示板です【人妻出会い】
【人妻出会い】熟女人妻とセフレ・割り切り出会い<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/05/04(木) 22:40:50 ID:WzaM9Xcg0<>>>797
おいお前?そろそろいい加減にしろよ?
今モララーが大変な展開になってんのがわかんねーのか?
いつまでも荒らしてんじゃねーよ?
どうせ人気ない作者の嫌がらせだろ?
恥ずかしくねーのか?
2度とすんなよ、次は容赦しねえぞ<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/05/04(木) 23:01:46 ID:FHSfoqT20<>出来れば今すぐに容赦しないであげてください<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/05/05(金) 09:30:32 ID:EzYKDX1Q0<>インパクトある場面になるとレスが一気に増えるんだな
ブーン系好きだし、また盛り上がって欲しい<> 人妻出会い掲示板<><>2017/05/07(日) 06:32:02 ID:vqAO1WyE0<>【人妻出会い】女性の浮気率は男性よりもはるかに上回ります。
【人妻出会い】浮気,不倫掲示板。人妻出会い系の性事情!
人妻出会い系サイト セフレ不倫若妻【人妻セフレ掲示板】
【人妻出会い】スピード人妻探し! 人妻と一刻も早くセックスする
【人妻出会い】出会い系で会えた人妻とお忍びでヤレた http://aeruyo.2-d.jp/zds12/00/
熟女出会い http://aeruyo.2-d.jp/zds07/0001/
人妻出会い http://aeruyo.2-d.jp/zds06/0001/
割り切り http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0015/
【人妻出会い】人妻出会い系を 生活圏内で得られる出会い http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0014/
【人妻出会い】出会いを求めている人妻は年々数を増しております。
http://aeruyo.2-d.jp/zds07/0001/
【人妻出会い】セックスパートナーを探しているエッチな人妻
http://galscom.eek.jp/aeruyo/zds05/0001/
人妻はヤリやすいので割り切りエッチがほとんど
http://aeruyo.2-d.jp/zds06/0001/
【人妻出会い】出会い確実!人妻専門無料出会い系サイト
http://aeruyo.2-d.jp/zds15/00/
人妻セフレ掲示板。人妻をセフレにしたい人にオススメ!不倫願望にあふれる人妻掲示板
http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0013/
【人妻出会い】人妻掲示板 ライブチャット| 人妻や熟女とのデアイ
http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0015/
人妻セフレ掲示板で人妻のセフレを見つけて見ませんか?
http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0014/
人妻はセフレに最適!出会い系サイトで不倫 【人妻セフレ掲示板】 http://hisasi.sakura.ne.jp/aeruyo/adaruto/deai03/lovelove05/LiveChat/
人妻・既婚者・主婦に出会える掲示板【人妻セフレ出会い】 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/2syotto01/005/
人妻セフレが欲しい→【人妻セフレ出会い】 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/2syotto01/003/
人妻を簡単にセフレ化する完璧な手順【人妻セフレ出会い】 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/2syotto01terehonsekkusu01/002/
【人妻出会い】成功確率97%:人妻出会い系サイト http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/2syotto01/001/
エッチな人妻との不倫 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/deai00sex/002/
人妻セフレ出会い系!激エロ出会いならこちら!【人妻出会い掲示板】 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/deai00sex/004/
【人妻出会い】出会い系で”人妻”いうのは最もセックスしやすい http://hisasi.sakura.ne.jp/aeruyo/adaruto/deai03/lovelove06/05/
人妻,熟女,若妻,新妻,浮気,不倫【人妻出会い】
無料でエロい熟女とカンタンに出会いセックス【人妻出会い掲示板】
人妻・主婦・奥様・ママの投稿掲示板です【人妻出会い】
【人妻出会い】 【人妻出会い掲示板】【熟女出会い】<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/05/07(日) 11:01:13 ID:4Mw7O8nU0<>期待sage<> 名も無きAAのようです<><>2017/05/07(日) 20:48:14 ID:iOImOMNw0<>まあ全員くたばろうがどうでもいいんだけどね<> 人妻出会い掲示板<><>2017/05/09(火) 07:30:00 ID:9Quw/NDk0<>【人妻出会い】女性の浮気率は男性よりもはるかに上回ります。
【人妻出会い】浮気,不倫掲示板。人妻出会い系の性事情!
人妻出会い系サイト セフレ不倫若妻【人妻セフレ掲示板】
【人妻出会い】スピード人妻探し! 人妻と一刻も早くセックスする
【人妻出会い】出会い系で会えた人妻とお忍びでヤレた http://aeruyo.2-d.jp/zds12/00/
熟女出会い http://aeruyo.2-d.jp/zds07/0001/
人妻出会い http://aeruyo.2-d.jp/zds06/0001/
割り切り http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0015/
【人妻出会い】人妻出会い系を 生活圏内で得られる出会い http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0014/
【人妻出会い】出会いを求めている人妻は年々数を増しております。
http://aeruyo.2-d.jp/zds07/0001/
【人妻出会い】セックスパートナーを探しているエッチな人妻
http://galscom.eek.jp/aeruyo/zds05/0001/
人妻はヤリやすいので割り切りエッチがほとんど
http://aeruyo.2-d.jp/zds06/0001/
【人妻出会い】出会い確実!人妻専門無料出会い系サイト
http://aeruyo.2-d.jp/zds15/00/
人妻セフレ掲示板。人妻をセフレにしたい人にオススメ!不倫願望にあふれる人妻掲示板
http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0013/
【人妻出会い】人妻掲示板 ライブチャット| 人妻や熟女とのデアイ
http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0015/
人妻セフレ掲示板で人妻のセフレを見つけて見ませんか?
http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0014/
人妻はセフレに最適!出会い系サイトで不倫 【人妻セフレ掲示板】 http://hisasi.sakura.ne.jp/aeruyo/adaruto/deai03/lovelove05/LiveChat/
人妻・既婚者・主婦に出会える掲示板【人妻セフレ出会い】 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/2syotto01/005/
人妻セフレが欲しい→【人妻セフレ出会い】 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/2syotto01/003/
人妻を簡単にセフレ化する完璧な手順【人妻セフレ出会い】 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/2syotto01terehonsekkusu01/002/
【人妻出会い】成功確率97%:人妻出会い系サイト http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/2syotto01/001/
エッチな人妻との不倫 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/deai00sex/002/
人妻セフレ出会い系!激エロ出会いならこちら!【人妻出会い掲示板】 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/deai00sex/004/
【人妻出会い】出会い系で”人妻”いうのは最もセックスしやすい http://hisasi.sakura.ne.jp/aeruyo/adaruto/deai03/lovelove06/05/
人妻,熟女,若妻,新妻,浮気,不倫【人妻出会い】
無料でエロい熟女とカンタンに出会いセックス【人妻出会い掲示板】
人妻・主婦・奥様・ママの投稿掲示板です【人妻出会い】
【人妻出会い】 【人妻出会い掲示板】【熟女出会い】<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/05/09(火) 22:28:06 ID:LLDkJ9xI0<>楽しみ乙<> 人妻出会い掲示板<><>2017/05/15(月) 05:20:03 ID:C9avMoxg0<>熟女,人妻,主婦,不倫,セフレ専門出会いサイト 人妻専門出会い
‎高齢者・中高年 · ‎厳選の人妻出会い · ‎30代以上 · ‎中年・熟女
人妻出会い系サイト セフレ不倫若妻・熟女中出しSEX体験談
人妻(若妻熟女)と出会い系サイトでセフレになり不倫浮気セックスする方法
出会い系で知り合った20代の人妻と昼間に会ってきた時のガチ体験談
人妻出会い掲示板 人妻出会い系サイト 人妻出会い系サイト セフレ人妻出会い
人妻掲示板書き込み一覧
http://galscom.eek.jp/zds06/00/

人妻とヤレる男性無料出会い系サイトと掲示板
http://galscom.eek.jp/zds06/000/

熟女・おばさんの掲示板
http://galscom.eek.jp/zds07/0001/

地域別|セフレ募集出会い掲示板
http://galscom.eek.jp/zds05/0001/

熟女,人妻,主婦,不倫,セフレ専門出会いサイト
http://galscom.eek.jp/zds11/00/

逆サポート掲示板
http://galscom.eek.jp/zds12/00/

逆援助交際掲示板
http://galscom.eek.jp/zds15/00/

書き込み一覧
http://galscom.eek.jp/zds17/00/

熟女出会い系サイト
http://galscom.eek.jp/zds01/000/
人妻 逆サポート掲示板で逆サポ出会い
熟女,人妻,主婦,不倫,セフレ専門出会いサイト 人妻専門出会い
?高齢者・中高年 ・ ?厳選の人妻出会い ・ ?30代以上 ・ ?中年・熟女
人妻出会い系サイト セフレ不倫若妻・熟女中出しSEX体験談
人妻(若妻熟女)と出会い系サイトでセフレになり不倫浮気セックスする方法
出会い系で知り合った20代の人妻と昼間に会ってきた時のガチ体験談
熟女,人妻,主婦,不倫,セフレ専門出会いサイト 人妻専門出会い
?高齢者・中高年 ・ ?厳選の人妻出会い ・ ?30代以上 ・ ?中年・熟女
人妻出会い系サイト セフレ不倫若妻・熟女中出しSEX体験談
人妻(若妻熟女)と出会い系サイトでセフレになり不倫浮気セックスする方法
出会い系で知り合った20代の人妻と昼間に会ってきた時のガチ体験談
人妻出会い掲示板 人妻出会い系サイト 人妻出会い系サイト セフレ人妻出会い<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/05/15(月) 21:30:10 ID:YKgOqkhY0<>待機sage<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/05/16(火) 16:11:44 ID:v7/XKkaA0<>>>806
次荒らしたら許さんと言わなかったか?
そろそろいい加減にしろよ<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/05/16(火) 17:46:01 ID:KnxJFAPo0<>>>808
多分これで1話書いてくれるよ!<> 名も無きAAのようです<><>2017/05/16(火) 22:16:08 ID:wJ196lxc0<> 熟女,人妻,主婦,不倫,セフレ専門出会いサイト 人妻専門出会い
‎高齢者・中高年 · ‎厳選の人妻出会い · ‎30代以上 · ‎中年・熟女
人妻出会い系サイト セフレ不倫若妻・熟女中出しSEX体験談
人妻(若妻熟女)と出会い系サイトでセフレになり不倫浮気セックスする方法
出会い系で知り合った20代の人妻と昼間に会ってきた時のガチ体験談
人妻出会い掲示板 人妻出会い系サイト 人妻出会い系サイト セフレ人妻出会い
人妻掲示板書き込み一覧
http://galscom.eek.jp/zds06/00/

人妻とヤレる男性無料出会い系サイトと掲示板
http://galscom.eek.jp/zds06/000/

熟女・おばさんの掲示板
http://galscom.eek.jp/zds07/0001/

地域別|セフレ募集出会い掲示板
http://galscom.eek.jp/zds05/0001/

熟女,人妻,主婦,不倫,セフレ専門出会いサイト
http://galscom.eek.jp/zds11/00/

逆サポート掲示板
http://galscom.eek.jp/zds12/00/

逆援助交際掲示板
http://galscom.eek.jp/zds15/00/

書き込み一覧
http://galscom.eek.jp/zds17/00/

熟女出会い系サイト
http://galscom.eek.jp/zds01/000/
人妻 逆サポート掲示板で逆サポ出会い
熟女,人妻,主婦,不倫,セフレ専門出会いサイト 人妻専門出会い
?高齢者・中高年 ・ ?厳選の人妻出会い ・ ?30代以上 ・ ?中年・熟女
人妻出会い系サイト セフレ不倫若妻・熟女中出しSEX体験談
人妻(若妻熟女)と出会い系サイトでセフレになり不倫浮気セックスする方法
出会い系で知り合った20代の人妻と昼間に会ってきた時のガチ体験談
熟女,人妻,主婦,不倫,セフレ専門出会いサイト 人妻専門出会い
?高齢者・中高年 ・ ?厳選の人妻出会い ・ ?30代以上 ・ ?中年・熟女
人妻出会い系サイト セフレ不倫若妻・熟女中出しSEX体験談
人妻(若妻熟女)と出会い系サイトでセフレになり不倫浮気セックスする方法
出会い系で知り合った20代の人妻と昼間に会ってきた時のガチ体験談
人妻出会い掲示板 人妻出会い系サイト 人妻出会い系サイト セフレ人妻出会い<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/05/17(水) 00:03:43 ID:7KDZm8yA0<>楽しみsage<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/05/17(水) 14:56:32 ID:ZhdYJFBU0<>あぼーんがうまく働かない
どう設定すりゃいいのかなこれ<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/05/17(水) 20:20:06 ID:nOSLKAJg0<>URL指定で<> 人妻出会い掲示板<><>2017/05/18(木) 20:49:17 ID:PKQkw6ac0<>熟女,人妻,主婦,不倫,セフレ専門出会いサイト 人妻専門出会い
‎高齢者・中高年 · ‎厳選の人妻出会い · ‎30代以上 · ‎中年・熟女
人妻出会い系サイト セフレ不倫若妻・熟女中出しSEX体験談
人妻(若妻熟女)と出会い系サイトでセフレになり不倫浮気セックスする方法
出会い系で知り合った20代の人妻と昼間に会ってきた時のガチ体験談
人妻出会い掲示板 人妻出会い系サイト 人妻出会い系サイト セフレ人妻出会い
人妻掲示板書き込み一覧
http://galscom.eek.jp/zds06/00/

人妻とヤレる男性無料出会い系サイトと掲示板
http://galscom.eek.jp/zds06/000/

熟女・おばさんの掲示板
http://galscom.eek.jp/zds07/0001/

地域別|セフレ募集出会い掲示板
http://galscom.eek.jp/zds05/0001/

熟女,人妻,主婦,不倫,セフレ専門出会いサイト
http://galscom.eek.jp/zds11/00/

逆サポート掲示板
http://galscom.eek.jp/zds12/00/

逆援助交際掲示板
http://galscom.eek.jp/zds15/00/

書き込み一覧
http://galscom.eek.jp/zds17/00/

熟女出会い系サイト
http://galscom.eek.jp/zds01/000/
人妻 逆サポート掲示板で逆サポ出会い
熟女,人妻,主婦,不倫,セフレ専門出会いサイト 人妻専門出会い
?高齢者・中高年 ・ ?厳選の人妻出会い ・ ?30代以上 ・ ?中年・熟女
人妻出会い系サイト セフレ不倫若妻・熟女中出しSEX体験談
人妻(若妻熟女)と出会い系サイトでセフレになり不倫浮気セックスする方法
出会い系で知り合った20代の人妻と昼間に会ってきた時のガチ体験談
熟女,人妻,主婦,不倫,セフレ専門出会いサイト 人妻専門出会い
?高齢者・中高年 ・ ?厳選の人妻出会い ・ ?30代以上 ・ ?中年・熟女
人妻出会い系サイト セフレ不倫若妻・熟女中出しSEX体験談
人妻(若妻熟女)と出会い系サイトでセフレになり不倫浮気セックスする方法
出会い系で知り合った20代の人妻と昼間に会ってきた時のガチ体験談
人妻出会い掲示板 人妻出会い系サイト 人妻出会い系サイト セフレ人妻出会い<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/05/19(金) 22:07:55 ID:bV0QQMxM0<>楽しみsage<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/06/09(金) 09:57:52 ID:Lgka7M6U0<>wakuwaku<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/06/09(金) 22:39:52 ID:RGWrQCns0<>そろそろかな<> 名も無きAAのようです<><>2017/06/14(水) 14:41:57 ID:2oC2hwFo0<>引退ってマジ?<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/06/14(水) 21:16:37 ID:rVoVftWk0<>>>818
このタイミングで引退したら、逆に伝説だわ<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/06/15(木) 06:31:50 ID:BA3o8NeU0<>引退って何?ブーン界から?wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
馬鹿か<> 名も無きAAのようです<><>2017/06/15(木) 08:59:26 ID:6ZL9Qy1I0<>ブーン界とか草<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/06/15(木) 22:07:37 ID:0JUQA5j.0<>天界
魔界
人間界
ブーン界
これらにより世界は構築されているのだ<> 名も無きAAのようです<><>2017/06/16(金) 15:04:17 ID:/SWyuyos0<>彡(゚)(゚)「おファッ!?なんやここ!?くっさいとこやなあ」<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/06/16(金) 18:03:09 ID:zPRVrPBc0<>引退まじか<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/06/17(土) 00:49:30 ID:Oe325/bQ0<>え?
引退?
マジで?<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/06/17(土) 01:00:55 ID:fsEbcffw0<>>>825
おかえり。引退はデマっつーことでいいんだよな?<> 名も無きAAのようです<><>2017/06/17(土) 15:50:40 ID:/DVmVhvk0<>業者レスになりきった荒らしが悪いネー<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/06/17(土) 20:14:37 ID:xHCKUAPI0<>>>826
あたりまえやろ<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/06/18(日) 02:53:40 ID:ul0JoSPE0<>何がデマっつーことでだよ
最初から分かれよ<> セフレ人妻出会い掲示板<><>2017/06/18(日) 11:08:10 ID:qgpasSk.0<>人妻とヤレる男性無料出会い系サイトと掲示板
http://galscom.eek.jp/zds06/000/

【人妻出会い】成功確率97%:人妻出会い系サイト 人妻はセフレに最適!
http://galscom.eek.jp/zds07/0001/


熟女SEX,人妻SEX,主婦SEX,不倫SEX出会い人妻掲示板書き込み一覧
http://galscom.eek.jp/zds06/00/

中年・熟女人妻出会い系サイト セフレ不倫若妻・熟女中出しSEX
http://galscom.eek.jp/zds17/00/


人妻セフレ不倫中出しSEX掲示板
http://galscom.eek.jp/zds05/0001/


人妻セフレ専門出会いサイト
http://galscom.eek.jp/zds11/00/

超絶激カワ人妻の逆サポ中出しSEX
http://galscom.eek.jp/zds12/00/

?中年・熟女人妻出会い系サイト セフレ不倫若妻・熟女中出しSEX
人妻と出会い系サイトでセフレになり不倫浮気SEX
出会い系で知り合った人妻と昼間に会って中出しSEX<> 名も無きAAのようです<><>2017/06/18(日) 12:46:52 ID:fckFI77c0<>そもそも誰が引退するとか書いてないんだから
釣られるなよ
ほんまアホやな<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/06/18(日) 14:20:25 ID:ks.HknVQ0<>アホだなお前女を追っかけ回してまたドジしてる<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/06/18(日) 17:53:07 ID:mtpZNe8s0<>>>832
後釣り宣言ダサすぎだゾ荒らし君<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/06/18(日) 19:46:11 ID:g8KkTtRk0<>学校へ行こうとか懐かしいな<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/06/18(日) 20:22:53 ID:ks.HknVQ0<>>>834
解ってくれて良かったわ<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/06/19(月) 02:47:49 ID:QxfaFVHk0<>そうだYOアホだYO<> 名も無きAAのようです<><>2017/06/19(月) 03:39:58 ID:DphL5Z0U0<>>>833がゆとり判明wwwwwww<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/06/19(月) 12:50:08 ID:Nh4yDDDI0<>学校へ行こう知らんのは脱ゆとり世代だろ
むしろ知ってる方がゆとり教育直撃世代<> セフレ人妻出会い掲示板<><>2017/06/20(火) 09:39:24 ID:xr2eb7to0<>人妻とヤレる男性無料出会い系サイトと掲示板
http://galscom.eek.jp/zds06/000/

【人妻出会い】成功確率97%:人妻出会い系サイト 人妻はセフレに最適!
http://galscom.eek.jp/zds07/0001/


熟女SEX,人妻SEX,主婦SEX,不倫SEX出会い人妻掲示板書き込み一覧
http://galscom.eek.jp/zds06/00/

中年・熟女人妻出会い系サイト セフレ不倫若妻・熟女中出しSEX
http://galscom.eek.jp/zds17/00/


人妻セフレ不倫中出しSEX掲示板
http://galscom.eek.jp/zds05/0001/


人妻セフレ専門出会いサイト
http://galscom.eek.jp/zds11/00/

超絶激カワ人妻の逆サポ中出しSEX
http://galscom.eek.jp/zds12/00/

?中年・熟女人妻出会い系サイト セフレ不倫若妻・熟女中出しSEX
人妻と出会い系サイトでセフレになり不倫浮気SEX
出会い系で知り合った人妻と昼間に会って中出しSEX<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/06/20(火) 10:25:54 ID:abWolFPk0<>予習のために読み直したら追い付いちまったぜ。<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/06/21(水) 17:49:40 ID:MqfESJd20<>まあ確信的な上げ荒らしとゆとりじゃ害獣がどちらかは明らか<> 名も無きAAのようです<><>2017/06/22(木) 17:45:24 ID:gHD.dXOg0<>なんであげたらあかんのや?<> セフレ人妻出会い掲示板<><>2017/06/22(木) 19:58:41 ID:XCLFgGws0<>シニア同士のセフレ探しの無料出会い系!!
http://galscom.eek.jp/zds06/000/
・SMセフレと出会うための優良出会い系!!
http://galscom.eek.jp/zds05/0001/
・男女比率5:5の無料の優良出会い系サイト!!
http://galscom.eek.jp/zds07/0001/
・スワッピングやり放題のセフレ系出会い!!
http://galscom.eek.jp/zds11/00/
・中高年、中年が使いやすい無料出会い系サイト!!
http://galscom.eek.jp/zds15/00/
・登録不要の完全無料の出合い系サイト!!
http://galscom.eek.jp/zds17/00/
・ぽっちゃり女の子とエッチできる評価が高い出会い!!
http://galscom.eek.jp/zds01/000/
・無料で使い放題、ヤリ放題!セフレ探し優良出会い系!!
http://galscom.eek.jp/zds12/00/
・ポッチャリ彼女を作る!完全無料の出会い系!!
http://galscom.eek.jp/zds06/00/
・人気の出会い系サイトでセフレが見つかる!!
http://galscom.eek.jp/zds06/000/
・オススメ完全無料出会い系サイトはこちら!!
http://galscom.eek.jp/zds07/0001/
・出会いカフェで出会えなかった方はこのサイト!!
http://galscom.eek.jp/zds05/0001/
・タダで絶対出会う!優良出会い系の見分け方!!
http://galscom.eek.jp/zds11/00/
・エッチメールし放題!大人の無料出逢い系!!
http://galscom.eek.jp/zds12/00/
・出会系の評価サイトランキングNo.1はここ!!
http://galscom.eek.jp/zds17/00/
・本気で出会い!女性向けサイトが絶対狙い目!!
http://galscom.eek.jp/zds01/000/
・出会いNo.1うわさのエッチ目的専門サイトはここ!!
http://galscom.eek.jp/zds06/00/
・人妻と本当に出会える無料出会い系サイトはここ!!
http://galscom.eek.jp/zds06/000/
・高齢者にやさしい安全な出会い系サイト!!
http://galscom.eek.jp/zds07/0001/
・エロい女とセックスできる無料出会い系サイト!!
http://galscom.eek.jp/zds05/0001/
・登録が一番多い完全無料出会い系サイトはこちら!!
http://galscom.eek.jp/zds11/00/
・熟れた人妻とパコパコし放題の無料出会い系!!
http://galscom.eek.jp/zds12/00/
・架空請求がない健全セフレ系の出会いサイト!!
http://galscom.eek.jp/zds17/00/
・同時登録なし健全な完全無料の出会い系!!
http://galscom.eek.jp/zds01/000/
・100%安全な出会い系があった!ここが安心出会い系!!
http://galscom.eek.jp/zds06/00/<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/06/23(金) 09:23:25 ID:1h8ZGJqM0<>>>843
こいつが一番の粘着荒らしだろ。
さすがにしつこすぎるし面白くない<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/06/23(金) 18:48:30 ID:j1AyCkmM0<>そんな業者に突っ掛かってもいいことないからスルーしときよ<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/06/25(日) 02:41:49 ID:p0YLW5NI0<>真性杉なそいつに何言っても無駄
理解の道程がない虫のような反射で口開く動物以下のジャンクだ
自覚がないってかわいそうなことよな、釣りにしてもここまでの低能演じるには理知がないと無理でやっても得るものがないのでホンモノ確定<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/06/27(火) 21:22:00 ID:YAkpAQww0<>えっ、これ手動なの<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/06/28(水) 09:48:42 ID:chA8rrbI0<>手動な訳がない<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/06/28(水) 12:21:14 ID:iuOMDhgQ0<>間抜けは見つかったようだな<> セフレ人妻出会い掲示板<><>2017/06/29(木) 08:48:00 ID:uF/8gXwU0<>【人妻出会い】女性の浮気率は男性よりもはるかに上回ります。
【人妻出会い】浮気,不倫掲示板。人妻出会い系の性事情!
人妻出会い系サイト セフレ不倫若妻【人妻セフレ掲示板】
【人妻出会い】スピード人妻探し! 人妻と一刻も早くセックスする
【人妻出会い】出会い系で会えた人妻とお忍びでヤレた http://aeruyo.2-d.jp/zds12/00/
熟女出会い http://aeruyo.2-d.jp/zds07/0001/
人妻出会い http://aeruyo.2-d.jp/zds06/0001/
割り切り http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0015/
【人妻出会い】人妻出会い系を 生活圏内で得られる出会い http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0014/
【人妻出会い】出会いを求めている人妻は年々数を増しております。
http://aeruyo.2-d.jp/zds07/0001/
【人妻出会い】セックスパートナーを探しているエッチな人妻
http://galscom.eek.jp/aeruyo/zds05/0001/
人妻はヤリやすいので割り切りエッチがほとんど
http://aeruyo.2-d.jp/zds06/0001/
【人妻出会い】出会い確実!人妻専門無料出会い系サイト
http://aeruyo.2-d.jp/zds15/00/
人妻セフレ掲示板。人妻をセフレにしたい人にオススメ!不倫願望にあふれる人妻掲示板
http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0013/
【人妻出会い】人妻掲示板 ライブチャット| 人妻や熟女とのデアイ
http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0015/
人妻セフレ掲示板で人妻のセフレを見つけて見ませんか?
http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0014/
人妻はセフレに最適!出会い系サイトで不倫 【人妻セフレ掲示板】 http://hisasi.sakura.ne.jp/aeruyo/adaruto/deai03/lovelove05/LiveChat/
人妻・既婚者・主婦に出会える掲示板【人妻セフレ出会い】 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/2syotto01/005/
人妻セフレが欲しい→【人妻セフレ出会い】 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/2syotto01/003/
人妻を簡単にセフレ化する完璧な手順【人妻セフレ出会い】 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/2syotto01terehonsekkusu01/002/
【人妻出会い】成功確率97%:人妻出会い系サイト http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/2syotto01/001/
エッチな人妻との不倫 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/deai00sex/002/
セフレ募集掲示板 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/deai00sex/004/
【人妻出会い】出会い系で”人妻”いうのは最もセックスしやすい http://hisasi.sakura.ne.jp/aeruyo/adaruto/deai03/lovelove06/05/
人妻,熟女,若妻,新妻,浮気,不倫【人妻出会い】
【人妻出会い】人妻の多い人気の出会い系掲示板をご案内!
人妻・主婦・奥様・ママの投稿掲示板です【人妻出会い】
【人妻出会い】熟女人妻とセフレ・割り切り出会い<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/06/29(木) 17:09:35 ID:k/jgPtUc0<>>>850
いい加減やめろや<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/06/29(木) 21:15:58 ID:BqiwdWtk0<>>>851
お前がアホだって言われてんだよもう笑かすなや<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/06/30(金) 21:20:43 ID:V0flVRTk0<>まだ六月!
ギリギリ六月!

ということで少し投下します。

今日も宜しくお願いします。

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/06/30(金) 21:22:48 ID:V0flVRTk0<>
( ^ω^)達はアインクラッドを生きるようです。




第二十四話

crossing field  後編 – way of life -










.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/06/30(金) 21:24:23 ID:V0flVRTk0<>
25.



  _
(  ∀ )「モララーあああああああああ!!!!!!!!!!」

ジョルジュの叫びが響く中、砕け散ったポリゴンは全て消え去った。
  _
(  ∀ )「モラ……ラー…… ……」

身体を横たえたまま大地を拳で叩くジョルジュ。

( ФωФ)「ふむ。意外とあっけないモノであるな」
  _
(  ∀゚)「!?」

鎗を杖の様に持ち、つまらなそうにジョルジュを見ているロマネスク。

( ФωФ)「もう少し手応えがあるのかと思っていたが、
所詮はデジタル。
モンスターを倒すのと違いが無かったのである」
  _
(  ∀ )

( ФωФ)「しかし、折角の記念がこれでは台無しである。
ジョルジュ、今のは無かった事にしてもよいであるか?
即死発動で死ぬ様な雑魚が一人目など、
覚えていたくないのである」
  _
(# ∀ )「           ケルナ」

( ФωФ)「?なんであるか?」
  _
(#  ∀ )「フザケルナ!!!!!!」

両手剣を杖のようにして立ち上がるジョルジュ。
  _
( ゚∀゚)「ヒール!」

いつの間にか手にしていた回復結晶でHPを全回復させる。

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/06/30(金) 21:25:36 ID:V0flVRTk0<>
( ФωФ)「ほぅ……意外と冷静であるな」
  _
( ゚∀゚)「この結晶はモララーから貰ったもんだ!
この結晶にかけて!おれは!おまえを!」

( ФωФ)「形見であるか?
死ぬ前に良い思い出が出来て良かったであるな」
  _
( ゚∀゚)「黙れロマネスク!」

両手剣を振り被るジョルジュ。

( ФωФ)「!ヒール!」

いつの間にか手にしていた結晶でHPを全回復させるロマネスク。

その頭上に振り下ろされた両手剣を鎗で受け止めた。

( ФωФ)「ふむ。やっと本気になったようであるな。
雑魚は雑魚なりに良い仕事をしてくれたである」
  _
(#゚∀゚)「ロマネスク!」

( ФωФ)「良いである良いである。
本気のお主を殺してこそ、吾輩の始まりにふさわしいというもの」
  _
(#゚∀゚)

( ФωФ)「はっはっはっはっはっはっはっ」

弾かれる両手剣。

後退したジョルジュを見ながら器用に鎗を振り回すロマネスク。
そして笑みをこぼしながら改めて鎗を構えた。





.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/06/30(金) 21:29:05 ID:V0flVRTk0<>
26.




茂みから飛び出した影はトソンとミルナを襲撃した。

(゚、゚;トソン「なっ」

( ゚д゚ )「ちっ!」

そして一撃攻撃をするとすぐに茂みに戻った。

頭の中で時間を計測しつつ、
現れる予定の兵隊蟻に意識を向けていたトソンが腕を切られていた。

川 ゚ -゚)「トソン!」

(゚、゚トソン「大丈夫!損傷は微量です!
対兵隊蟻に戻ります!」

満タンだったHPバーの一番先端を点滅させながらトソンが叫ぶ。

( ゚д゚ )「おれは大丈夫だ!」

( ゚∋゚)『!』

注意を周囲に向けたミルナの目の前で兵隊蟻が実体化する。

駆けだしたクックルがミルナの横に移動し、
兵隊蟻が突き出した槍を弾いた。

( ゚д゚ )「助かった!」

( ゚∋゚))

クックルは頷きながら駆けだす。

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/06/30(金) 21:32:29 ID:V0flVRTk0<>
その視界の端で茂みから飛び出した二つの影が、
後方を気にしつつ前方に意識を向けているデミタスに向かっているのを見た。

(;゚∋゚)

川 ゚ -゚)「左を頼む!」

右にクーの気配を感じ、
迷うことなく左に向かうクックル。

デミタスを左右から狙う影。

その剣をクックルの棍とクーの薙刀がリーチを最大限に利用して弾いた。

(´・_ゝ・`)「助かった!」

<_プー゚)フ「スイッチいくぞ!」

(´・_ゝ・`)「おう!」

エクストの放った単発重攻撃が巨大蜘蛛を後退させる。

その隙に向かって走り出しているデミタス。

<_プー゚)フ「どうなっている!?」

川 ゚ -゚)「襲撃者を二名確認!」

<_プー゚)フ「先にそっちを叩くか!?」

川 ゚ -゚)「無理だ!」

周囲を見回して襲撃者が見えないことを確認するエクスト。

<_プー゚)フ「ちっ」

川 ゚ -゚)「エクストは蜘蛛に集中してくれ!
デミタスとクックルで場の管理を頼む!」

(;゚∋゚)!?

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/06/30(金) 21:34:12 ID:V0flVRTk0<>
川 ゚ -゚)「後方からの私の指示に対応した動きを取られてしまう以上、
現場で臨機応変に対応した方が良い!」

話しながら走り出すクー。

川 ゚ -゚)「ミルナ!3秒後一撃でスイッチ!
トソン!右の茂みに注意しつつ蟻から距離をとれ!
二匹を出来るだけ近寄らせて三人でローテを回す!」

( ゚д゚ )「心得た!」

(゚、゚;トソン「やってみます!」

(;´・_ゝ・`)「おい、大丈夫か?」

(((;゚∋゚)))

エクストとスイッチをしたデミタスがクックルのそばに駆け寄ってきて話しかける。

そしてその問いかけにただ首を横に振るクックル。

(;゚∋゚)「(襲撃者が二人ならこのフォーメーションでどうにかなる。
だが……)」

(;´・_ゝ・`)「ふざけるなてめえら!」

攻撃を避けて後方に飛んだエクストの背後に向かっている影に向かって走り出すデミタス。

だがクックルの先で、クー達三人は二人の襲撃者と二匹の兵隊蟻を相手にしている。

(;゚∋゚)「(敵は三人!いやそれ以上!)」

クー達に向かって走り出そうとするクックル。

川;゚ -゚)「クックル!デミタスを!」

(;゚∋゚)!

襲撃者の剣を受け止めているデミタス。
その彼を狙ってもう一人の襲撃者が駆け寄っているのに気付き、
慌てて四人目の襲撃者を妨害するために走るクックル。

.<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/06/30(金) 21:34:21 ID:OxqYoirw0<>待ってた支援!<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/06/30(金) 21:37:38 ID:V0flVRTk0<>
(;゚∋゚)「(四人目!)」

クックルの棍が襲撃者の剣をギリギリに弾いた。

(   )「っ」

こちらをちらっと見た後再び茂みに走る襲撃者。

デミタスを襲っていた襲撃者も茂みに戻っている。

川;゚ -゚)「全部で四人か……?」

クー達を襲っていた襲撃者も茂みに戻っていた。

同じ服装、同じ片手剣を操る襲撃者達。
プレイヤーを示すカーソルは最初から全員オレンジで、
ここにいる六人は襲撃者の個体識別が出来ていない。

(;゚д゚ )「シャキンかショボンが居れば判別はしてくれそうだが……」

ミルナの呟きは全員が心の中で思っていたことだった。

<_プー゚;)フ「おい、どうするよ」

クーに駆け寄るエクスト。
ミルナとトソンはそれぞれに兵隊蟻と対峙している。

川;゚ -゚)「まずは兵隊蟻を一匹潰す。
一匹残ってれば追加は出てこないはずだからな。
その間に蜘蛛を倒す。
襲撃者の対応をしつつだから時間はかかるし危険度は上がるが……」

(;゚∋゚)「(通常の敵なら、おれ達6人なら大蜘蛛が居ても雑魚敵を10体くらいまで対処できる。
多分プレイヤー相手でも今襲ってきている奴らのレベルなら8人くらいは大丈夫だ。
でも、モンスターとプレイヤーを同時に対応するのがこんなに難しいとは……。
ショボン、いや、クーの指揮がちゃんと通ればまだ勝機はある……が……)」

<_プー゚;)フ「……それしかねえか」

.<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/06/30(金) 21:38:23 ID:e/tGoh1I0<>支援!!<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/06/30(金) 21:39:06 ID:V0flVRTk0<>
川;゚ -゚)「みんな!聞こえたか!」

(;゚д゚ )「分かった」

(゚、゚;トソン「了解しました」

(;゚∋゚)))!

(;´・_ゝ・`)「エクスト!」

<_プー゚)フ「おう!」

(´・_ゝ・`)「スイッチ!」<_プー゚)フ

大蜘蛛に対応する二人とクックルを見てから走り出すクー。

川 ゚ -゚)「トソン!まずはそいつを倒す!」

(゚、゚トソン「はい!」

デミタスの三連重攻撃が綺麗に決まり、
硬直をおこしながら後退りする大蜘蛛。

そのタイミングで走り寄るエクストと退避するデミタス。

その二人に恐ろしい速さで駆け寄る二つの影。

川;゚ -゚)「デミタス!エクスト!」

それぞれに横からの襲撃者からの攻撃に対応するデミタスとエクスト。

振り下ろされた片手剣をそれぞれの武器で受け止めた。

(;´・_ゝ・`)「硬直解けギリギリとか!」

<_プー゚;)フ「まじうぜえ!」

川;゚ -゚)「狙いは蜘蛛だーーーー!!」

慌てて踵を返したクーの背後ではミルナとトソンが兵隊蟻と戦闘しており場の移動が出来ない。

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/06/30(金) 21:40:38 ID:V0flVRTk0<>
巨大蜘蛛が襲撃者の刃を受け止めているデミタスとエクストに向かって長い脚を突き出す。

川;゚ -゚)「よけろーーーーー!!!!」

(#゚∋゚)『!!!』

巨大蜘蛛の懐に潜り込んだクックルが、
単発重攻撃をその腹に打ち込んだ。

巨大蜘蛛「gyugyaaaaaaaa!!!」

音にならない雄叫びをあげで巨大蜘蛛が横に倒れた。

剣技発動後の硬直をで立ち止まるクックル。

そのとき、クー達の耳に声が響いた。




.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/06/30(金) 21:41:59 ID:V0flVRTk0<>
27.




フィレンクトの槍をシャキンが盾で受け止めたその時、
黒い影が二人に向かって飛び込んできた。

(`・ω・´)!

(;‘_L’)!

咄嗟に後方に飛ぶシャキンとフィレンクト。

先程まで二人のいた場所に、
二人の間ほぼ中央に立つ黒影が、
短刀を構えた。

(‘_L’)「……ミセリ……」

(`・ω・´)「ミセリ」

黒一色の忍び装束に同じく黒いマントを付けたミセリだった。

ミセ*゚ー゚)リ

(;‘_L’)「どうやってここに……」

(`・ω・´)「……」

ミセ*゚ー゚)リ「……」

(`・ω・´)「……」

ミセ*゚ー゚)リ「……」

(`・ω・´)「……」

(;‘_L’)「……ミセリ」

.<> 名も無きAAのようです<><>2017/06/30(金) 21:44:25 ID:AR/6aBBw0<>待ってた!待ってた!初リアタイ遭遇!支援!!<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/06/30(金) 21:44:26 ID:V0flVRTk0<>
(`・ω・´)「……」

ミセ*゚ー゚)リ「……」

(`・ω・´)「なあ、ミセリ」

ミセ*゚ー゚)リ「なに?シャキン」

(`・ω・´)「武器を向ける相手は、それで正解なのか?」

ミセ*゚ー゚)リ「ええ。間違っていないわ」

(`・ω・´)「そうか」

二人の中央に立ち、シャキンを見るミセリ。
そして彼女の持つ短刀は、シャキンに切っ先を向けていた。

ミセ*゚ー゚)リ「5秒あげる。転移結晶でどこかの街に飛んで」

表情無く、冷たい瞳でシャキンを見ている。

(`・ω・´)「……おそらくこの近くにショボンが居るはずだ。
ここを片付けてから、向かわなければならないから無理だ」

ミセ*゚ー゚)リ「逃げてから向かえばいいでしょ」

(`・ω・´)「タイムロスがもったいない。
それに今このエリアがどこかもわかっていないからな、
一度出たら戻れるか分からないだろう」

ミセ*゚ー゚)リ「大丈夫、来れるわよ。
時間は少し、かかるかもしれないけど」

(`・ω・´)「じゃあ無理だな」

ミセ*゚ー゚)リ「死にたいの?」

(`・ω・´)「死なないさ」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/06/30(金) 21:46:33 ID:V0flVRTk0<>
ミセ*゚ー゚)リ「2対1でも?」

(`・ω・´)「死なない」

ミセ*゚ー゚)リ「そう……」

言葉がシャキンに届くと同時にミセリの刃がシャキンを襲う。

(`・ω・´)「!」

一撃目は盾で防ぐシャキン。

しかしその動きを読んでいたミセリは弾かれる反動を利用して体を回転させ、
盾の側面に回り込んでシャキンを攻撃した。

ミセ*゚ー゚)リ

(`・ω・´)「くっ!」

盾が間に合わないと判断したシャキンは片手剣で短刀を弾く。

ミセ*゚ー゚)リ

(`・ω・´)「はっ!」

そして出来た隙に盾を構え直す。

ミセ*゚ー゚)リ

ミセリは盾を蹴り、大きく弧を描きながら後方に宙返りをして距離をとった。

(;`・ω・´)「おっと」

衝撃でバランスを崩したシャキンだったが、
すぐに体勢を立て直して盾を構えた。

ミセリは着地と同時に短刀を構えている。

(;‘_L’)「ミ、ミセリ!」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/06/30(金) 21:48:36 ID:V0flVRTk0<>
駆け寄るフィレンクト。

表情無く戦っていたミセリがほんの少しだけ表情を変えた。

ミセ*゚ー゚)リ「フィレフィレ……」

それは微笑みのようでもあり、
悲しみのようにも見えた。

(;‘_L’)「何故ここに!
貴女には嘘の情報を渡していたのに!」

ミセ*゚ー゚)リ「そんなウソくらい、分かる」

(;‘_L’)「それに貴女は私達をスパイしていたはず!
何故私を守るような」

ミセ*゚ー゚)リ「分からない?」

(‘_L’)「え?」

ミセ*゚ー゚)リ「私は、女だから」

(‘_L’)「ミセリ……」

ミセ*゚ー゚)リ「フィレンクト……」

(`   ´)「うをおおおおおおおおお!!!!!!!」

突然の叫び。

ミセ*゚ー゚)リ!

(‘_L’)!

エリアに響くシャキンの声。

(` ω ´)「本気かミセリ!」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/06/30(金) 21:50:15 ID:V0flVRTk0<>
ミセ*゚ー゚)リ「……私はいつでも本気」

(` ω ´)「本気でおれ達を裏切るというのか!」

ミセ*゚ー゚)リ「私は、私を裏切らない。
私は、私の大事な人を、守りたい。
それだけ」

(` ω ´)「おれ達の敵になるつもりか」

ミセ*゚ー゚)リ「……だから、逃げて」

(` ω ´)「『おれ達』の、敵になるつもりなのか!」

ミセ*゚ー゚)リ「私は、フィレフィレの味方。
もちろん、殺したくなんかない。
だから、逃げて。今ならまだ間に合うでしょ」

(` ω ´)「おれも言ったはずだ。
今ここを離れるわけにはいかない。
ショボンが待ってるんでな」

ミセ*゚ー゚)リ「……もう、死んでるかもよ」

(` ω ´)「ミセリ……貴様……」

ミセ*゚ー゚)リ「貴方達が思っているよりも、
ANGLERは用意周到にこの作戦を始めている。
私もついさっきまで知らなかったことが沢山ある」

(‘_L’)「ミセリ……」

ミセ*゚ー゚)リ「……狙われたことが、不運だったの。
だから、せめて生き残るチャンスのあるシャキンだけでも」

(` ω ´)「ふざけるな!
おれ達は誰も死なない!
死なせやしない!」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/06/30(金) 21:52:42 ID:V0flVRTk0<>
ミセ*゚ー゚)リ「……そう」

武器を構えるミセリ。

ミセ*゚ー゚)リ「もう、逃がしてあげられないかもしれないよ」

(‘_L’)「……ミセリ、良いのか」

その横でやりを構えるフィレンクト。

ミセ*゚ー゚)リ「……シャキン、今ならまだ間に合う」

(` ω ´)「思い上がるなよ。
お前が一人や二人増えたところで、
戦闘を鍛えてきたおれに勝てると思うな。
穏便に済まそうと思ったが、
命乞いさせてやるよ。
殺すまではしないが、
殺された方がましだと思わせてやる」

ミセ*゚ー゚)リ「……思い上がりは、どっちよ」

(‘_L’)「いやミセリ、確かに彼は強い。
心も、戦闘も」

ミセ*゚ー゚)リ「……わかってる。でも、二人なら」

「いや、四人だ」

ミセ*゚ー゚)リ「え?」

(も)「おい、お前も出て来いよ」

木陰から現れた男。

片手剣を肩に担ぎ、
ニヤニヤと笑っている。

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/06/30(金) 21:54:08 ID:V0flVRTk0<>
(り)「お、おい、いいのか?」

そして男が出てきた位置とは全く違う場所からも、
一人の男が現れる。

こちらは槍を持ち、
先の男に比べると腰が引けているようだった。

(‘_L’)「お、お前達!
二人も何故ここに!」

(も)「ロマネスクが、
お前は裏切っているんじゃないかと心配してたんだよ。
だがまさか……」

ちらりとミセリを見る男。

(も)「VIPのスパイをこちらに引き込んでいるとはな。
ロマネスクも喜ぶんじゃねえか」

いやらしい笑いを見せる男。

ミセリは嫌悪を表情にあらわすが、
すぐに目を伏せた。

(り)「な、なあ……。
本当に出ていいのか?」

(も)「構わねえよ。
さっきのこの姉ちゃんの攻撃は本物だった。
演技には見えねぇ。
もしものことを考えて俺とお前の二人が付いていたが、
これなら四人で攻撃した方が早い」

(り)「それはそうだけど……」

ミセ*゚ー゚)リ「私はシャキンを殺すつもりなんて!」

(も)「そいつを生かしておけば、
お前が裏切ったことはそこから漏れるぜ」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/06/30(金) 21:57:38 ID:V0flVRTk0<>
ミセ*゚ー゚)リ!

(も)「だが、ここでそいつを殺しておけば、
俺達が喋らない限り誰も知らない。
殺したのはおれ達だってことに出来る」

ミセ*゚ー゚)リ「それは……そうだけど……」

(も)「もちろんその対価はいただくけどよ」

舐める様にミセリの身体を見る男。

ミセ*゚ー゚)リ!!

(り)「お、俺も、それなら言わない……」

(;‘_L’)「お、お前達!」

(も)「あんただって、そいつを殺したのは自分だって言っておきたいだろ?」

(‘_L’)「そ、それは……」

(も)「あとでゆっくり話そうぜ。
ミセリちゃん」

(り)「お、俺も」

ミセ*゚ー゚)リ

顔を伏せながら横を向くミセリ。

その間に二人の男はフィレンクト達の横に立ち、
武器を構えた。

(も)「俺達三人で、あいつの動きを封じてやるよ。
おい!」

ミセリの横に立った男が武器を構えた。

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/06/30(金) 21:59:49 ID:V0flVRTk0<>
(り)「わ、わかった」

フィレンクトの横でもう一人の男が武器を構える。

ミセ*゚ー゚)リ「シャキン……ごめん」

ミセリが悲し気に短刀を構えた。

(‘_L’)「……それしか、ありませんね」

意を決した様にフィレンクトが武器を構える。

(` ω ´)「やられてたまるか!」

腰のポーチから青い瓶を二つ取り出すシャキン。

(も)「回復なんてさせねえよ!」

走り出す男。

(り)!

それにつられる様にもう一人の男も走り出し、

ミセ*゚ー゚)リ!

(‘_L’)!

間髪を入れずミセリとフィレンクトも駆け出した。

(`・ω・´)

そのすぐ後に、ポリゴンが砕ける音が、エリアに響いた。





.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/06/30(金) 22:05:12 ID:V0flVRTk0<>
28.




( ´∀`)「お客扱いしてくれるのは嬉しいもなね」

(θ)「招かれざる客って奴だがな」

エリアに悠然と現れたモナーに対し、
片手剣の男がビロードとぽっぽへの道を塞ぐように移動した。

( ´∀`)「そのままどこかに行ってくれると更に嬉しいもなけど」

立ち止まるモナー。

(θ)「それは出来ない相談だな。
お前達はそこの二人をそれぞれ捕まえてろ。
後ろから誰か来るかもしれないから注意しろよ」

(る)「あ、ああ」

(Ω)「分かった」

( ><)「も、モナーさん!」

(*‘ω‘ *)「一人じゃ危険っぽ!」

(る)「こ、こっちにこい!」

(;><)「や、やめるんです!」

(Ω)「お前はこっちだ!」

(*‘ω‘ *;)「触るなっぽ!」

片手剣の男の指示に従い、
曲刀を持つ男と槍を持つ男がビロードとぽっぽを離し、
それぞれに武器を向けた。

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/06/30(金) 22:07:00 ID:V0flVRTk0<>
( ´∀`)「知恵はあるみたいもなね。
でも、こんなことに参加している時点でバカもな。
人殺しをしようなんて、大バカもなね」

(θ)「どうせ死ぬんだ。
誰が殺そうが一緒だ。
それに本当に殺すのは『ナーヴギア』だ」

( ´∀`)「リアルの世界での肉体の死はそうもな」

(θ)「あ?」

( ´∀`)「でも、今ここでお前が二人を殺すなら、
精神の死は、心を殺したのは、お前もな。
それは『殺人』もなよ」

(θ)「はっ。別にいいさ。どうせ俺もこの世界で死ぬんだ。
その前に殺人者になろうが、どうでもいい」

( ´∀`)「攻略組が頑張ってくれているもなよ。
中層エリアでも攻略組を支えるために頑張っている人がいるもな。
この世界を、終わらせるためにみんな頑張っているもなよ」

(θ)「帰られる保証なんかない」

( ´∀`)「帰られる可能性はあるもな。
希望は捨てるべきではないもなよ」

(θ)「お前は希望を捨てずに死ねばいい。
俺は希望を持たずにやりたいことをやるだけだ」

( ´∀`)「やりたいことってのは、誰かのしもべになって人質を殺すこともな?」

(θ)「少なくとも、見せかけの仲間と牛を育てながら友達ごっこをすることではないな」

( ´∀`)「誰からも愛されたことが無いもなね。
だから人の持つ、本当の愛情に気付けないもな。
可哀想もな」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/06/30(金) 22:08:28 ID:V0flVRTk0<>
(#θ)「ふざけたことを……」

ゆっくりと歩くモナー。

( ´∀`)「今モナーの周りには、
どんなに傷付けられても、裏切られても、
人を信じることを止められなかった人が何人もいるもな。
モナーはそんな人達をいとおしく思うもな。
みんな、人の心と命を大事にする、優しい人達もな。
きっとそういう人は他にもいっぱいいるもな。
その『本物』に、『本当』に気付けないなんて、可哀想もなね」

そして男のすぐ目の前に移動して立ち止まった。

口調は柔らかいが、表情は冷たいモナー。

身長差もあり男を見下ろすように呟いた。

( ´∀`)「本当に、『可哀想』もな」

(#θ)!!

男が予備動作もなく片手剣を下から斜め上に振り上げる。

しかしその攻撃は簡単に三又の矛に受け止められた。

すぐさまバックステップした男は後方に飛ぶと、
近くにいたぽっぽの顔を片手剣の先で切り裂いた。

(*‘ω‘ //*)!

(;><)「ぽっぽちゃん!」

ポリゴンがまるで血の様に飛び散った。

(#θ)「動いたらこいつらを殺す!
どうせすぐに全員死ぬんだ!
今おれがお前も殺してやるよ!」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/06/30(金) 22:09:34 ID:V0flVRTk0<>
( ´∀`)「死にたきゃ一人で死んでろ」

(θ)「え?」

( ´∀`)「ビーグル!」

相棒の名を叫びながら走り出すモナー。

▼#・ェ・▼ギャン!!

草むらから飛び出すビーグル。

(る)「え?え?」

(Ω)「ちくしょう!」

咄嗟に動けないでいた曲刀の男に体当たりするビーグル。

(る)「えっ!?」

バランスを崩したその右手を噛むビーグル。
腕がちぎれ、曲刀が地に落ちる。

(る)「えっえっえっ」

(Ω)「ぎゃーーーーー!!!」

何が起きたのか分かっていない曲刀の男とは違い、
槍使いの男は自分の置かれた状況に叫び声をあげた。

目の前に転がる自分の右腕と、槍。

( ´∀`)「死ぬことは無いもな」

ポリゴンと化し砕け散った自分の右腕を呆然と見つめる男。
モナーの言葉の通りHPは半分も削れてはいない。

(;θ)「い、いったい何が」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/06/30(金) 22:11:39 ID:V0flVRTk0<>
( ´∀`)「二人とも大丈夫もな」

( ><)「あ、ありがとうなんです!」

(*‘ω‘ *)「あ、ありがとうだっぽ」

▼・ェ・▼「きゃん!」

ビーグルと共にモナーのそばに駆け寄る二人。

( ´∀`)「武器が有るなら出すもな」

( ><)「は、はい!」

(*‘ω‘ *)「ハイだっぽ!」

ウインドウを操作する二人。

(*‘ω‘ *)「メイン武器は取られてしまったけど、
言われている通り予備は準備してあるっぽ!」

( ><)「教えてもらったことは守っているんです!」

片手剣と盾を出すビロードの横でぽっぽが槍を構えた。

( ´∀`)「二人は自分の身を守ることだけを考えていればいいもな。
ビーグル、二人を頼むもなよ」

▼・ェ・▼「きゃん!」

( ><)「え?」

( ´∀`)「あいつらの相手はモナーがするもな」

(*‘ω‘ *)「一人で三人だなんて無謀だっぽ!」

( ´∀`)「大丈夫もなよ」

二人を背中にして仁王立ちするモナー。

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/06/30(金) 22:13:03 ID:V0flVRTk0<>
足元まであるマントを羽織って三又の矛を持ったその姿は、
海神を思わせた。

( ´∀`)「やるならば、相手をするもな」

敵は三人。
しかし二人は手を部位欠損している状態で、
戦える状態ではない。

事実二人は片手剣の男の後ろで無くした手をかばう様に立っているだけだった。

( ´∀`)「逃げるのならば追わないもな。
他にもやることはあるもなからね」

柔らかい口調で話しかける。

( ´∀`)「それに、
今この場から逃げ出す以外の選択肢があるとは思わないもなから、
さっさと逃げるのがいいもなよ」

表情は冷たく、汚物を見るような眼だったが。

(;る)「お、おい」

(;Ω)「い、良いんじゃないか?」

手を無くしている二人は既に逃げ腰だ。

(θ)「…… …… …… はははははははあははっはああああああはっははははh」

突然笑いだす男。

モナー以外の四人がギョッとした顔をした。

(θ)「選択肢!
選択肢!?
選択肢だと!!?
ああそうだな、これはゲームだ。
『選択肢』から行動を選ばないといけないな!
二択か?三択か?良いさ教えてやるよ!」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/06/30(金) 22:13:59 ID:V0flVRTk0<>
(;る)「お、おい何を言って」

(;Ω)「どうしたっていうんだよ」

(*‘ω‘ *)「どうしたっぽ?」

( ><)「おかしくなっちゃったんです」

( ´∀`)「二人とも」

モナーが後ろ手にPOTを二つ、二人を見ないで差し出した。

(*‘ω‘ *)「ぽ?」

( ´∀`)「早く飲むもな」

口調の鋭さに反論できずそれぞれに受け取って口にする二人。
もちろんHPを回復することに異論はないのだが、
醸し出す空気に違和感を感じていた。

(θ)「これが、選択肢だよ」

片手剣の男がウインドウを操作して一つの瓶を実体化させた。




.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/06/30(金) 22:19:42 ID:V0flVRTk0<>
29.



ダイオードの鎌が兄者を襲う。

( ´_ゝ`)!

兄者は全ての打ち込みに対応し弾いているが、
防御に集中していると言って良い状態だった。

/ ゚、。 /「すべてうけるとは 流石」

( ´_ゝ`)「おれは流石だからな」

ダイオードの攻撃は、『剛』だった。

一撃一撃が衝撃波を生むような唸りをあげて兄者を襲った。

受け止めることよりも避けることを選ぶ戦い方は兄者の好みではなかったが、
今のダイオードの攻撃を全て受け止めることは体力の消耗が激しいため、
半分以上を避けつつ反撃の隙を伺っていた。

普段は本能で戦っているように装っている兄者だが、
その実は一度相手に攻撃させ、
その中で攻撃パターンや行動を見極めてから反撃することが多かった。

パーティーを組むときは後方にそれを見極めて指揮を執る者が居るため任せているが、
ソロの場合や指揮者が居ない時は自分で見極めをしていた。

( ´_ゝ`)(そろそろか……)

兄者がそんなことを考えた時、
ダイオードの戦い方が変わった。

『速』

『剛』から『速』への急激な変化。

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/06/30(金) 22:21:09 ID:V0flVRTk0<>
その攻撃を腕をかすらせるだけで躱せたのは、
運が良かったと言われても仕方のないほどの攻撃だった。

( ´_ゝ`)(ちょっ。どういうことだ!)

ダイオードが鎌を振り回す。

/ ゚、。 /「これを 避けるのは、本当に すごい」

速さだけを追求し、
命中や一撃の破壊力を捨てたような攻撃。

だがその『武器』の真価を誰よりも知っていると言っても良い兄者は、
変えない表情の奥で冷や汗を流した。

( ´_ゝ`)(あの武器をあの速さで振り回せるだと!?
確かにそれほど重くはないが、
あんなスピードで振り回せるとは余程のパワーだ。
命中補正も高かったし、攻撃力も変わるわけじゃない。
スピードに惑わされるな。
一撃受ければ大きく削られるのは変わりない)

自分に向かって歩き始めたダイオードに対し、距離をとる兄者。

( ´_ゝ`)(これはどう受ける!)

今兄者の使っている鎚は今まで使っていた鎚よりも、
頭の部分がはるかに小さい。

だがこのアインクラッドにおいて、
『大きさ』に惑わされるのは愚の骨頂である。

( ´_ゝ`)「ふん!」

振り上げた鎚で地面を叩きつける兄者。

/ ゚、。 /!

その瞬間、叩かれた地面を中心に、
使用者である兄者を避ける分だけ除いた衝撃波が円形に大地を走った。

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/06/30(金) 22:23:09 ID:V0flVRTk0<>
/ ゚、。 /「  愚か」

ハンマー系武器の固有剣技の中でも特殊単発重攻撃に分類されるその技は、
発動後の硬直が長いことで知られている。

もちろん当たれば大きくHPを削れるだけでなく、
通常の敵ならば高い確率で硬直効果を与えられるため、
パーティー戦の場合は、
つまり自身が硬直している時のフォローをしてもらえる場合は、
戦局をがらりと変える可能性を持つ重要な技でもあった。

だがそれはパーティー戦の場合。
もしソロの戦闘で使用し、
その一撃で敵を倒すことが出来なかったら。
敵に硬直効果をもたらすことが出来なかったら。
技後の硬直を起こした自分がどうなるかなど、
考えるまでもないことだった。

しかも今回は対人戦である。
攻撃された『人』がその衝撃波を真正面から受けるとは、
普通に考えてありえない。

ダイオードが漏らした言葉はしょうがないと言えるだろう。

/ ゚、。 /「これで 終わりか」

鎌を輝かせて走り出すダイオード。

そして鎌を振り回す。
先程と同じようにみえて全く違う軌道を描く鎌は、
ダイオードの身体を柔らかい光で球状に包んだ。

敵のブレスや衝撃波から身を護る防御剣技である。

そして防御系剣技の技後硬直は基本短く設定されており、
熟練度をあげればほぼゼロにすることが出来ていた。

光を纏ったダイオードが走りながら兄者の作りだした衝撃波をすり抜ける。

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/06/30(金) 22:24:40 ID:V0flVRTk0<>
/ ゚、。 /「少しは  楽しめた」

防御技を解除したダイオードが鎌を振り上げる。
視線の先には、技を発動した状態、
つまり両手で持った鎚で大地を叩きつけた状態で硬直している兄者。

そして振り下ろそうとした瞬間、
視線の先の兄者が消えた。

/ ゚、。 /!

ダイオードは気付いていなかった。

兄者の脚がほんの少しだけ宙に浮いていたことに。

ダイオードはその可能性を考慮しなかった。

兄者が体術スキルを持っていることを。

ダイオードは体術スキルを知らなかった。

体術スキルの中には足を使った攻撃技があることを。

そしてダイオードは分かっていなかった。

兄者は人をおちょくるのが大好きなことを。

/ ゚、。 /!!!

兄者の右脚が、いや、踵が、
ダイオードの頭頂部と後頭部の中間に、
振り下ろされた。

いわゆる『踵落とし』。
『空中前転踵落とし』が、ダイオードの頭を直撃した。

/  、  /!?!?????

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/06/30(金) 22:28:00 ID:V0flVRTk0<>
( ´_ゝ`)「片手武器使用者は、
空いてる手で体術スキルの技を出して追加攻撃をしたり、
技の後の硬直を短くできたりするんだ。
両手系の武器の使用者はそれが出来ない。
ずるいと思わないか?」

涼しい顔で立つ兄者が、
靴越しの足の裏でダイオードの後頭部を感じながら、
ダイオードに話しかける。

( ´_ゝ`)「だから頑張ったんだ。
インパクトの瞬間、体重を全部ハンマーに乗せて両足を浮かして姿勢を決めて、
足技につなげることが出来る様に」

顔を大地にうずめて倒れているダイオードに、
兄者の言葉が聞こえているかは分からない。

( ´_ゝ`)「実戦では使ったことなかったけど、
上手く当てることが出来て良かった」

自分の頭の上で、
何の比喩的表現ではなく実際に頭の上で喋っている兄者の声を聞き、
ダイオードの精神に歪が生まれる。

( ´_ゝ`)「おい、ちゃんと聞いてるのか?
人の話はちゃんと聞かないとだめだぞ」

仲間が聞いたら総突っ込みを入れられそうな言葉を吐いた兄者に対し、
ダイオードはピクリとも動かないでいる。

( ´_ゝ`)「?
まだHP半分くらいあるけど、
気を失っちゃった?」

ダイオードの頭に乗ったまましゃがむ兄者。

( ´_ゝ`)「ダイオード?」

突然飛び起きるダイオード。

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/06/30(金) 22:29:22 ID:V0flVRTk0<>
そのまま闇雲に鎌を振り回すが、
瞬時に跳んで距離をとった兄者を傷付けることは出来なかった。

/ ゚、。##/「殺す 殺す 殺す 殺す 殺す 殺す
絶対に 殺す 殺す 殺す 殺す」

( ´_ゝ`)「!兄者ビックリ」

/ ゚、。##/「殺す 殺す 殺す 殺す 殺す 殺す
絶対に 殺す 殺す 殺す 殺す」

( ´_ゝ`)「その喋り方って『キャラ付け』じゃなかったんだ。
モナーと一緒かと思ってた」

/ ゚、。##/「絶対に 殺す
絶対に 殺す 絶対に 殺す 殺す 殺す
絶対に 絶対に 絶対に 殺す 殺す 殺す 殺す」

闇雲に鎌を振り回していたダイオードが兄者を睨む。

( ´_ゝ`)「勢いで勝てるほどおれは甘くないぞ」

その視線を、兄者は口者だけの笑みで受け流した。




.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/06/30(金) 22:33:56 ID:V0flVRTk0<>以上、本日の投下を終了します。

支援やおつ、感想など本当にありがとうございます。

続きは7月の投下予定ですが、
週末投下ではなく不規則投下になりそうです。

宜しくお願いします。

ではではまたー。<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/06/30(金) 22:54:11 ID:OxqYoirw0<>乙<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/07/01(土) 01:55:02 ID:EVREFFG20<>乙
ミセリ…<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/07/01(土) 03:02:06 ID:UslTDJNY0<>乙乙乙<> セフレ人妻出会い掲示板<><>2017/07/01(土) 03:40:34 ID:xfQB63c60<> 【人妻出会い】女性の浮気率は男性よりもはるかに上回ります。
【人妻出会い】浮気,不倫掲示板。人妻出会い系の性事情!
人妻出会い系サイト セフレ不倫若妻【人妻セフレ掲示板】
【人妻出会い】スピード人妻探し! 人妻と一刻も早くセックスする
【人妻出会い】出会い系で会えた人妻とお忍びでヤレた http://aeruyo.2-d.jp/zds12/00/
熟女出会い http://aeruyo.2-d.jp/zds07/0001/
人妻出会い http://aeruyo.2-d.jp/zds06/0001/
割り切り http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0015/
【人妻出会い】人妻出会い系を 生活圏内で得られる出会い http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0014/
【人妻出会い】出会いを求めている人妻は年々数を増しております。
http://aeruyo.2-d.jp/zds07/0001/
【人妻出会い】セックスパートナーを探しているエッチな人妻
http://galscom.eek.jp/aeruyo/zds05/0001/
人妻はヤリやすいので割り切りエッチがほとんど
http://aeruyo.2-d.jp/zds06/0001/
【人妻出会い】出会い確実!人妻専門無料出会い系サイト
http://aeruyo.2-d.jp/zds15/00/
人妻セフレ掲示板。人妻をセフレにしたい人にオススメ!不倫願望にあふれる人妻掲示板
http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0013/
【人妻出会い】人妻掲示板 ライブチャット| 人妻や熟女とのデアイ
http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0015/
人妻セフレ掲示板で人妻のセフレを見つけて見ませんか?
http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0014/
人妻はセフレに最適!出会い系サイトで不倫 【人妻セフレ掲示板】 http://hisasi.sakura.ne.jp/aeruyo/adaruto/deai03/lovelove05/LiveChat/
人妻・既婚者・主婦に出会える掲示板【人妻セフレ出会い】 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/2syotto01/005/
人妻セフレが欲しい→【人妻セフレ出会い】 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/2syotto01/003/
人妻を簡単にセフレ化する完璧な手順【人妻セフレ出会い】 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/2syotto01terehonsekkusu01/002/
【人妻出会い】成功確率97%:人妻出会い系サイト http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/2syotto01/001/
エッチな人妻との不倫 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/deai00sex/002/
セフレ募集掲示板 http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/deai00sex/004/
【人妻出会い】出会い系で”人妻”いうのは最もセックスしやすい http://hisasi.sakura.ne.jp/aeruyo/adaruto/deai03/lovelove06/05/
人妻,熟女,若妻,新妻,浮気,不倫【人妻出会い】
【人妻出会い】人妻の多い人気の出会い系掲示板をご案内!
人妻・主婦・奥様・ママの投稿掲示板です【人妻出会い】
【人妻出会い】熟女人妻とセフレ・割り切り出会い<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/07/01(土) 09:36:09 ID:FQWJdAhQ0<>ぐおおおお、ここで終わりか...乙乙<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/07/01(土) 18:26:06 ID:xEogn3jo0<>乙
そういえばロマネスクのカーソル色の描写無いよな……無いだけか<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/07/02(日) 10:27:18 ID:c8FurPyE0<>いちいち言わなくてもオレンジ以外無いだろ…

レッドかどうかならわからないけど<> セフレ人妻出会い掲示板<><>2017/07/02(日) 12:10:38 ID:5h4WxsTQ0<>人妻とヤレる男性無料出会い系サイトと掲示板
http://galscom.eek.jp/zds06/000/

【人妻出会い】成功確率97%:人妻出会い系サイト 人妻はセフレに最適!
http://galscom.eek.jp/zds07/0001/


熟女SEX,人妻SEX,主婦SEX,不倫SEX出会い人妻掲示板書き込み一覧
http://galscom.eek.jp/zds06/00/

中年・熟女人妻出会い系サイト セフレ不倫若妻・熟女中出しSEX
http://galscom.eek.jp/zds17/00/


人妻セフレ不倫中出しSEX掲示板
http://galscom.eek.jp/zds05/0001/


人妻セフレ専門出会いサイト
http://galscom.eek.jp/zds11/00/

超絶激カワ人妻の逆サポ中出しSEX
http://galscom.eek.jp/zds12/00/

?中年・熟女人妻出会い系サイト セフレ不倫若妻・熟女中出しSEX
人妻と出会い系サイトでセフレになり不倫浮気SEX
出会い系で知り合った人妻と昼間に会って中出しSEX
?高齢者・中高年 ・ ?30代以上人妻出会い<> 人妻出会い掲示板<><>2017/07/02(日) 22:40:20 ID:eLH2vvgI0<>熟女,人妻,主婦,不倫,セフレ専門出会いサイト 人妻専門出会い
‎高齢者・中高年 · ‎厳選の人妻出会い · ‎30代以上 · ‎中年・熟女
人妻出会い系サイト セフレ不倫若妻・熟女中出しSEX体験談
人妻(若妻熟女)と出会い系サイトでセフレになり不倫浮気セックスする方法
出会い系で知り合った20代の人妻と昼間に会ってきた時のガチ体験談
人妻出会い掲示板 人妻出会い系サイト 人妻出会い系サイト セフレ人妻出会い
人妻掲示板書き込み一覧
http://galscom.eek.jp/zds06/00/

人妻とヤレる男性無料出会い系サイトと掲示板
http://galscom.eek.jp/zds06/000/

熟女・おばさんの掲示板
http://galscom.eek.jp/zds07/0001/

地域別|セフレ募集出会い掲示板
http://galscom.eek.jp/zds05/0001/

熟女,人妻,主婦,不倫,セフレ専門出会いサイト
http://galscom.eek.jp/zds11/00/

逆サポート掲示板
http://galscom.eek.jp/zds12/00/

逆援助交際掲示板
http://galscom.eek.jp/zds15/00/

書き込み一覧
http://galscom.eek.jp/zds17/00/

熟女出会い系サイト
http://galscom.eek.jp/zds01/000/
人妻 逆サポート掲示板で逆サポ出会い
熟女,人妻,主婦,不倫,セフレ専門出会いサイト 人妻専門出会い
?高齢者・中高年 ・ ?厳選の人妻出会い ・ ?30代以上 ・ ?中年・熟女
人妻出会い系サイト セフレ不倫若妻・熟女中出しSEX体験談
人妻(若妻熟女)と出会い系サイトでセフレになり不倫浮気セックスする方法
出会い系で知り合った20代の人妻と昼間に会ってきた時のガチ体験談
熟女,人妻,主婦,不倫,セフレ専門出会いサイト 人妻専門出会い
?高齢者・中高年 ・ ?厳選の人妻出会い ・ ?30代以上 ・ ?中年・熟女
人妻出会い系サイト セフレ不倫若妻・熟女中出しSEX体験談
人妻(若妻熟女)と出会い系サイトでセフレになり不倫浮気セックスする方法
出会い系で知り合った20代の人妻と昼間に会ってきた時のガチ体験談
人妻出会い掲示板 人妻出会い系サイト 人妻出会い系サイト セフレ人妻出会い<> セフレ人妻出会い掲示板<><>2017/07/03(月) 20:41:05 ID:f..GZUgA0<>シニア同士のセフレ探しの無料出会い系!!
http://galscom.eek.jp/zds06/000/
・SMセフレと出会うための優良出会い系!!
http://galscom.eek.jp/zds05/0001/
・男女比率5:5の無料の優良出会い系サイト!!
http://galscom.eek.jp/zds07/0001/
・スワッピングやり放題のセフレ系出会い!!
http://galscom.eek.jp/zds11/00/
・中高年、中年が使いやすい無料出会い系サイト!!
http://galscom.eek.jp/zds15/00/
・登録不要の完全無料の出合い系サイト!!
http://galscom.eek.jp/zds17/00/
・ぽっちゃり女の子とエッチできる評価が高い出会い!!
http://galscom.eek.jp/zds01/000/
・無料で使い放題、ヤリ放題!セフレ探し優良出会い系!!
http://galscom.eek.jp/zds12/00/
・ポッチャリ彼女を作る!完全無料の出会い系!!
http://galscom.eek.jp/zds06/00/
・人気の出会い系サイトでセフレが見つかる!!
http://galscom.eek.jp/zds06/000/
・オススメ完全無料出会い系サイトはこちら!!
http://galscom.eek.jp/zds07/0001/
・出会いカフェで出会えなかった方はこのサイト!!
http://galscom.eek.jp/zds05/0001/
・タダで絶対出会う!優良出会い系の見分け方!!
http://galscom.eek.jp/zds11/00/
・エッチメールし放題!大人の無料出逢い系!!
http://galscom.eek.jp/zds12/00/
・出会系の評価サイトランキングNo.1はここ!!
http://galscom.eek.jp/zds17/00/
・本気で出会い!女性向けサイトが絶対狙い目!!
http://galscom.eek.jp/zds01/000/
・出会いNo.1うわさのエッチ目的専門サイトはここ!!
http://galscom.eek.jp/zds06/00/
・人妻と本当に出会える無料出会い系サイトはここ!!
http://galscom.eek.jp/zds06/000/
・高齢者にやさしい安全な出会い系サイト!!
http://galscom.eek.jp/zds07/0001/
・エロい女とセックスできる無料出会い系サイト!!
http://galscom.eek.jp/zds05/0001/
・登録が一番多い完全無料出会い系サイトはこちら!!
http://galscom.eek.jp/zds11/00/
・熟れた人妻とパコパコし放題の無料出会い系!!
http://galscom.eek.jp/zds12/00/
・架空請求がない健全セフレ系の出会いサイト!!
http://galscom.eek.jp/zds17/00/
・同時登録なし健全な完全無料の出会い系!!
http://galscom.eek.jp/zds01/000/
・100%安全な出会い系があった!ここが安心出会い系!!
http://galscom.eek.jp/zds06/00/<> 人妻出会い掲示板<><>2017/07/04(火) 16:37:58 ID:lihwBWO20<>豊満なMカップおっぱいを上下前後から男に押付ける絶え間ない挟み込み奉仕
http://galscom.eek.jp/zds06/00/


美しくナイスボディーの爆乳美女2人に常に挟まれ快感を追求しました。
http://galscom.eek.jp/zds06/000/


人妻としっとり不倫旅に行く「中出し人妻不倫旅行」
http://galscom.eek.jp/zds17/00/

ムッチムチナイスボディーと濃厚パンストフェチプレイ!小悪魔的ボディーパンストを嗅ぎ、しゃぶり、撫でまわし、ぶっかけて、味わい尽くす!
http://galscom.eek.jp/zds05/0001/


体位も挿入も美女達が挟みながら誘導、男はただ腰を振り続けるだけ。これが最高の逆3P連携プレイです!!
http://galscom.eek.jp/zds07/0001/


見た目も綺麗で吸い込まれそうな雰囲気があり、掃除も料理も出来る。しかし彼女は結婚していた。
http://galscom.eek.jp/zds11/00/

逆//交-超絶激カワ人妻の逆サポ中出し男根喰い-
http://galscom.eek.jp/zds12/00/

旦那公認の援//。しかも逆にお金払ってでもSEXの強い人を求め続けているという。お金持ちのご主人は年の差30才の御老体。それ故、妻の欲求不満はお金で解決してくれているという。
http://galscom.eek.jp/zds15/00/


パンスト美尻とパンスト美脚が尻コキ、足コキ、素股、ファックで思い存分楽しめます!!
http://galscom.eek.jp/zds01/000/<> 名も無きAAのようです<><>2017/07/05(水) 02:33:47 ID:cdSOLd6Y0<>やっぱこのシャキンはかっこいいな<> 人妻出会い掲示板<><>2017/07/05(水) 10:59:29 ID:vv7Pk9hY0<>熟女,人妻,主婦,不倫,セフレ専門出会いサイト 人妻専門出会い
‎高齢者・中高年 · ‎厳選の人妻出会い · ‎30代以上 · ‎中年・熟女
人妻出会い系サイト セフレ不倫若妻・熟女中出しSEX体験談
人妻(若妻熟女)と出会い系サイトでセフレになり不倫浮気セックスする方法
出会い系で知り合った20代の人妻と昼間に会ってきた時のガチ体験談
人妻出会い掲示板 人妻出会い系サイト 人妻出会い系サイト セフレ人妻出会い
人妻掲示板書き込み一覧
http://galscom.eek.jp/zds06/00/

人妻とヤレる男性無料出会い系サイトと掲示板
http://galscom.eek.jp/zds06/000/

熟女・おばさんの掲示板
http://galscom.eek.jp/zds07/0001/

地域別|セフレ募集出会い掲示板
http://galscom.eek.jp/zds05/0001/

熟女,人妻,主婦,不倫,セフレ専門出会いサイト
http://galscom.eek.jp/zds11/00/

逆サポート掲示板
http://galscom.eek.jp/zds12/00/

逆援助交際掲示板
http://galscom.eek.jp/zds15/00/

書き込み一覧
http://galscom.eek.jp/zds17/00/

熟女出会い系サイト
http://galscom.eek.jp/zds01/000/
人妻 逆サポート掲示板で逆サポ出会い
熟女,人妻,主婦,不倫,セフレ専門出会いサイト 人妻専門出会い
?高齢者・中高年 ・ ?厳選の人妻出会い ・ ?30代以上 ・ ?中年・熟女
人妻出会い系サイト セフレ不倫若妻・熟女中出しSEX体験談
人妻(若妻熟女)と出会い系サイトでセフレになり不倫浮気セックスする方法
出会い系で知り合った20代の人妻と昼間に会ってきた時のガチ体験談
熟女,人妻,主婦,不倫,セフレ専門出会いサイト 人妻専門出会い
?高齢者・中高年 ・ ?厳選の人妻出会い ・ ?30代以上 ・ ?中年・熟女
人妻出会い系サイト セフレ不倫若妻・熟女中出しSEX体験談
人妻(若妻熟女)と出会い系サイトでセフレになり不倫浮気セックスする方法
出会い系で知り合った20代の人妻と昼間に会ってきた時のガチ体験談
人妻出会い掲示板 人妻出会い系サイト 人妻出会い系サイト セフレ人妻出会い<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/07/08(土) 02:59:37 ID:xB3c9t4g0<>>>901
まじきち<> セフレ人妻出会い掲示板<><>2017/07/09(日) 00:17:05 ID:JWXA5AQo0<>人妻とヤレる男性無料出会い系サイトと掲示板
http://galscom.eek.jp/zds06/000/

【人妻出会い】成功確率97%:人妻出会い系サイト 人妻はセフレに最適!
http://galscom.eek.jp/zds07/0001/


熟女SEX,人妻SEX,主婦SEX,不倫SEX出会い人妻掲示板書き込み一覧
http://galscom.eek.jp/zds06/00/

中年・熟女人妻出会い系サイト セフレ不倫若妻・熟女中出しSEX
http://galscom.eek.jp/zds17/00/


人妻セフレ不倫中出しSEX掲示板
http://galscom.eek.jp/zds05/0001/


人妻セフレ専門出会いサイト
http://galscom.eek.jp/zds11/00/

超絶激カワ人妻の逆サポ中出しSEX
http://galscom.eek.jp/zds12/00/

?中年・熟女人妻出会い系サイト セフレ不倫若妻・熟女中出しSEX
人妻と出会い系サイトでセフレになり不倫浮気SEX
出会い系で知り合った人妻と昼間に会って中出しSEX
?高齢者・中高年 ・ ?30代以上人妻出会い<> 人妻出会い掲示板<><>2017/07/10(月) 08:01:01 ID:n29kNppQ0<>人妻とヤレる男性無料出会い系サイトと掲示板
http://galscom.eek.jp/zds06/000/
人妻・既婚者に会える出会い系!無料で主婦と不倫できるサイト!!
【人妻出会い】成功確率97%:人妻出会い系サイト 人妻はセフレに最適!
http://galscom.eek.jp/zds07/0001/
セフレが必ず見つかる!完全無料の優良出会い系サイト!
エロい人妻や痴女に受身でエロいことをされたい男性におすすめの出会い系サイト。
熟女SEX,人妻SEX,主婦SEX,不倫SEX出会い人妻掲示板書き込み一覧
http://galscom.eek.jp/zds06/00/
完全無料で利用できる人妻専門の出会い系サイト
中年・熟女人妻出会い系サイト セフレ不倫若妻・熟女中出しSEX
http://galscom.eek.jp/zds17/00/
男性完全無料出会い系サイト|セフレ逆援助交際
大人の女性や若い女子が大好きな男性に朗報♪
人妻セフレ不倫中出しSEX掲示板
http://galscom.eek.jp/zds05/0001/
永久完全無料出会い系サイト|熟女や人妻のセフレが作れる
永久に完全無料の出会い系サイトで30歳以上の熟女や20代の人妻とセフレを作ろう!
人妻セフレ専門出会いサイト
http://galscom.eek.jp/zds11/00/
人妻とエッチできる!完全無料出会い系サイトを紹介。フリーメール登録可能、人妻専門、優良安全サイトです
超絶激カワ人妻の逆サポ中出しSEX
http://galscom.eek.jp/zds12/00/
完全無料の出会い系サイトのみを厳選してご紹介します。出会える優良サイトしか紹介しません。
中年・熟女人妻出会い系サイト セフレ不倫若妻・熟女中出しSEX
人妻と出会い系サイトでセフレになり不倫浮気SEX
出会い系で知り合った人妻と昼間に会って中出しSEX
高齢者・中高年 ・ 30代以上人妻出会い
人妻と本当にエッチできる!完全無料出会い系サイト!<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/07/28(金) 13:57:30 ID:8iDbeRIE0<>えと、大丈夫か?<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/07/28(金) 19:43:05 ID:k/arqYHY0<>今月投下だったな、確か。頑張れー!<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/07/29(土) 03:19:57 ID:1iklk.Zg0<>前回も滑り込みセーフだったし、気長に待ちましょうや、ね?<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/07/31(月) 19:33:46 ID:dmMfqlnI0<>どーも作者です。

忙しいのは良いことだ

なんてことを思っていた時期が自分にもありました。

みんな、夏風邪には気を付けよう!

ばかがひくんだぜ!


ということで投下を開始します。

今回も宜しくお願いします。<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/07/31(月) 19:37:21 ID:dmMfqlnI0<>
30.




( ^ω^)『……いつもの空間だお』

ブーンが心の中でそんなことを思った時、
既に決着はついていたのかもしれない。

( ^ω^)『……空を飛んでいるようだお』

巨大蟷螂の周りを縦横無尽に飛びまわるブーン。

流石に空中での方向転換や停止は出来ないが、
巨大蟷螂の周囲を走り回りながら跳躍するその姿は
『飛んでいる』ようにすら見えた。

( ^ω^)『……その攻撃は当たらないお』

蟷螂の攻撃をすべて躱すブーン。

いや、『躱す』という言葉には当てはまらないかもしれない。

蟷螂がブーンに向けて攻撃を繰り出そうとしたその時には、
既にその場からブーンが移動しているのだから。

( ^ω^)『……動きが全て見える。
……もしかして、ショボンはいつもこんな世界を見ているのかお』

蟷螂の全ての動きが見え、予測できる。

しかも今の彼には『速度』があった。

左手に持った剣で回転しながら蟷螂を切り裂く。

切り裂いた瞬間に左手を開いて剣を離し、
上から落ちてくる剣を右手で掴むと回転したまま再度切り裂く。

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/07/31(月) 19:38:59 ID:dmMfqlnI0<>
( ^ω^)『……ツンやショボン、兄者ほどじゃないけど、
プギャーもブームもここまでやってくれるなんてすごいお』

視界の隅にブーンの動きを見ながら取り出した剣を放り投げるプギャーとブーンが居た。

先の攻撃は剣が落ちてくる場所を予想しつつ行った攻撃だった。

( ^ω^)『……両手剣のスキルが無いのはダメだおね。
両手で武器を持つとエラーになるとかもっとダメだお』

《天使の神速斬》

ツンが名付けた《天使の神速斬(エンジェルホライズン)》は、
ブーンが限界まで速度を上げて目標の周囲を駆け、
跳びながら剣で攻撃をする技である。

その肝は速度もさることながら、
武器を両手で使うことにあった。

ブーンの言葉通り、現在アインクラッドでは両手に一本ずつ剣を持つことは出来ない。
《両手剣》といったスキルは発見されていないし、
試しに両手に武器を持ってみると、
両方の武器がエラーとなって《武器》として使用が出来なくなる。
しかし片手で持つ武器は右手用左手用といった分け方はされておらず、
また個人の利き手設定なども無い。
これにより、右手で武器を持って攻撃した後に武器を離し、
すぐ後に左手で武器をもって攻撃することは可能だった。

もちろんそんなことをする意味は全くない。

片方の手に持った剣で普通に二度攻撃する方が効率が良いのだから。

ただ、ブーンには活路に思えた。

自分の持つ足を、速度を最大限に利用した『必殺技』を作れるのではないかと思ったのだ。

《速度》

仲間たちが自分方向性を決めた時、
ブーンは皆のサポートをする為の『鑑定』と『道具屋』を選んだ時、
戦闘に対する自分の存在を見出そうとした時、
彼は《速度》を選んだのだった。

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/07/31(月) 19:40:17 ID:dmMfqlnI0<>
パーティーの中で誰よりも早く攻撃をする。
敵よりも早く初撃を当てる。

知識や技能、戦闘能力以外で戦闘に貢献するためにはこれが良いと考えた。

そして速度に特化した能力構成を行いつつ、
それだけでは弱体化する部分を武器と防具、アイテムで補いつつ、
辿り着いた先がこの技だった。

テストタイプのナーヴギアを利用していることにより、
おそらくは通常よりも早く動けるこの身体。

けれど全速力で動くと30秒ほどで酷い頭痛が襲うこの身体。

その限られた時間の中で出来るだけ攻撃をする。

その為に武器を選び、防具を選び、装備品を探し、アイテムを身に付けた。

そして兄者が量産できるようになった天使の名を持つ片手剣を得て、
《天使の神速斬(エンジェルホライズン)》は完成した。

( ^ω^)『……耐久値がもう少し高ければいいのに』

ブーンが右手でふるった剣が砕け散りポリゴンに変わった。

『エンジェル・フェザー』
中層で持てる片手剣の中では攻撃力も高い方に分類され、
更に鍛冶屋で添加剤を使って鍛える事により付加できる能力も数多くある剣だが、
大きな弱点として耐久値が弱かった。

一回のダンジョン探索でメンテナンスしなければ使い物にならなくなってしまう剣。

そんな使い辛い剣を愛用する者は少ない。

しかしその基本攻撃能力値と軽さはブーンの戦い方に合致していた。

そしてその耐久値の低さを量でカバーしているのがこの技だった。

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/07/31(月) 19:42:39 ID:dmMfqlnI0<>
( ^ω^)『……周囲にいてくれれば、
ツンやショボンを戦闘させないで済むかなと思ったんだけど、
あの二人がそれで良しとするわけがないんだおね』

砕け散った剣がポリゴンをまき散らす中、
既に反撃する意思すらもなくしたかのように棒立ちとなった巨大蟷螂。

その周囲を
《跳ぶ》
ブーン。

思考の八割を敵の動きと、
飛んでくる片手剣と地面に落ちている片手剣の位置取りに割きつつ、
残りの二割でスローモーションの世界と戦闘以外の事に意識を置いているブーン。



.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/07/31(月) 19:44:18 ID:dmMfqlnI0<>>>912修正


一人でもある程度は出来る様に最初に剣をばらまいたり、
左手の剣を離した瞬間に右手でクイックチェンジを行えるようにした。

だがやはり最大火力の《天使の神速斬(エンジェルホライズン)》を行うには、
周囲から剣を投げ入れてもらう必要があった。

( ^ω^)『……周囲にいてくれれば、
ツンやショボンを戦闘させないで済むかなと思ったんだけど、
あの二人がそれで良しとするわけがないんだおね』

砕け散った剣がポリゴンをまき散らす中、
既に反撃する意思すらもなくしたかのように棒立ちとなった巨大蟷螂。

その周囲を
《跳ぶ》
ブーン。

思考の八割を敵の動きと、
飛んでくる片手剣と地面に落ちている片手剣の位置取りに割きつつ、
残りの二割でスローモーションの世界と戦闘以外の事に意識を置いているブーン。


.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/07/31(月) 19:46:08 ID:dmMfqlnI0<>( ^ω^)『……少し、頭が、重く、なって、きたお……。

頭痛が始まると、一つのことしか考えられなくなるお。

もっと、いっぱい、いろんなことを、考えなきゃなのに。

だめだおね。

目の前の敵を倒すことだけに意識が集中しちゃうお。

いまは、あの、紫の塊だお。

あれが何だろうと、関係ないお。

ただ、『あれ』を倒すだけになってしまうんだお。

ああ、紫色の塊がポリゴンに変わった。

ああ、頭が痛いお。

でも、みんなを守らなきゃ。

痛い……。

もっと、早く、

……痛い……。

もっと。早く。

痛い…痛い…痛い…痛い…

誰にも、負けない、速さで、全ての、物を、切り裂いて。

痛い…痛い…痛い…痛い…

痛い…痛い…痛い…痛い…

痛い…痛い…痛い…痛い…

痛い…痛い…痛い…痛い…


◇『ξ゚⊿゚)ξ『そこまでよ!ブーン!終わりなさい!』』


…… …… ……ああ……ツン……良かった………』
.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/07/31(月) 19:49:19 ID:dmMfqlnI0<>
31.




(キリト)「武器の移動?」

*(‘‘)*「はい。
片手剣を移動しています」

(アスナ)「っと、どういうことかな?」

*(‘‘)*「……始まったみたいですね。
見ていてください」

ヘリカルが出しているウインドウは五つ。
そのうち四つは画面が出ており、
残りの一つには黒い画面に『Unable to connect』と記されている。

*(‘‘)*「私のウインドウ、つまり私のフォルダに保存しているこの武器を、
武器を実体化させて空きが出来たこのパーティー用の共通フォルダに送ります」

(キリト)「はあ」

(アスナ)「うん」

*(‘‘)*「そして私は……」

一歩後ろに下がるヘリカル。
するとウインドウの表示が変わり、
五つのうち三つが『Unable to connect』に変わった。

*(‘‘)*「私がオーナー設定してある道具屋の倉庫に、
階層や街は異なっても『街』に入っていればつながることが出来るので、
倉庫から自分のフォルダに剣を移します。
そしてまたダンジョンの中に居る三名の方に繋がってから……」

一歩前に出るヘリカル。

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/07/31(月) 19:50:25 ID:dmMfqlnI0<>
再び画面表記が変わった。

*(‘‘)*「剣を共有フォルダに移していきます」

(キリト)「な、なんだそりゃ」

(アスナ)「えっと、つまり、
さっきから前後に移動しているのは『街』と『フィールドダンジョン』を移動するためで、
『街』に居る時はお店から剣を取り出して、
『ダンジョン』に居る時は先のエリアに居るパーティーの人に
片手剣を送っているってことでいいのかな?」

*(‘‘)*「はい。その通りです」

会話しながら作業を続けるヘリカル。

(アスナ)「そんなこと、出来るんだ。
同じダンジョン内や同じ町に居る時は共有フォルダを使えることは分かってたけど」

(キリト)「で、でも、なんで片手剣なんだ?
回復ポーションとかクリスタルならまだしも。
片手剣なんてそんな大量に使う物じゃ」

*(‘‘)*

ニッコリとほほ笑みながら作業を続けるヘリカル。

(キリト)「な、なあ」

(アスナ)「ちょっと、キリト君」

(キリト)「そりゃマナー違反だけど、
アスナだって気になるだろ?
どんな戦闘をしているか」

(アスナ)「気にならないと言えばうそだけど……」

*(‘‘)*「流石にそこまでは話せません」

(アスナ)「そうよね」

(キリト)「うぅ……」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/07/31(月) 19:51:52 ID:dmMfqlnI0<>
(アスナ)「って、あれ?ヘリカルちゃん?」

*(‘‘)*「はい?」

二人と話すヘリカルはウインドウの操作をしていなかった。

(アスナ)「もうやらなくていいの?」

*(‘‘)*「はい。もう終わったみたいです。
もうすぐメッセージも来ると思うので、
それがきたらとりあえずは終了です」

(キリト)「一分もかけずに終わらせることが出来る。
倒せるってことか」

(アスナ)「キリト君!」

ヘリカルに顔を近づけるキリトの頭を叩くアスナ。

HPが減ることは無いが、
衝撃で頭をおさえるキリト。

(キリト)「おまっ」

(アスナ)「いい加減にしなさい!」

(キリト)「だってよぅ」

*(‘‘)*「お二人は仲が良いんですね」

(*アスナ)「えっ」

(キリト)「ヘリカルちゃん、
何処をどう見たらそういう感想が出るのかな?」

(アスナ)「……」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/07/31(月) 19:53:42 ID:dmMfqlnI0<>
(キリト)「い、いや、ほら、
天下の血盟騎士団の副団長様、
閃光のアスナ様とこんなソロプレーヤーが仲が良いとかさ」

(アスナ)「……」

(キリト)「へ、ヘリカルちゃんは一人でお店やってるのかな?
凄いね」

じっとキリトを見ていたアスナだったが、
あからさまに話題を変えたその姿を見て溜息を一つついた。

(キリト)「な、なんだよ……」

(アスナ)「なんでもありません。
ヘリカルちゃんごめんね。
変なことばっかり聞いちゃって。
……ヘリカルちゃん?」

アスナの目の前で、
ヘリカルが握った右手で胸を押さえていた。

ウインドウを見る目も少しだけ潤んでおり、
アスナが慌てて横にしゃがむ。

(アスナ)「大丈夫?
調子が悪いならどこかで横になろうか?
もうやることも終わったんだよね」

*(‘‘)*「……独りじゃ、ないんですよ……」

(アスナ)「え?」

*(‘‘)*「お兄ちゃんが、いるんですよ……。
ここに……」

そう言って、胸の前で右手をぎゅっと握る。

(アスナ)「……ヘリカルちゃん……」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/07/31(月) 19:59:02 ID:dmMfqlnI0<>
*(‘‘)*「ずっと、一緒なんですよ。
会えないけど、ずっと、一緒なんですよ」

(アスナ)「……」

(キリト)「……」

ヘリカルの隣、アスナとは反対側に立ち、
少しだけかがんだキリト。

(キリト)「そっか。ずっと、一緒なんだな」

キリトの言葉に、
ヘリカルが画面を見ながら少しだけ頷いた。

*(‘‘)*「一緒……なんですよ」

空を見上げるヘリカル。

*(‘‘)*「お兄ちゃんも、一緒に戦っているんですよ」

ヘリカルの呟きに、
両側の二人がほんの少しだけ視線を伏せた。





.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/07/31(月) 20:00:36 ID:dmMfqlnI0<>
32.



『ここからはおれが指示を出す!』




その声を聞いた瞬間、クーはニヤリと笑った。

そしてデミタスは大きく目を見開いた後何事も無かったように襲撃者の武器を払い、
ミルナも驚いたように一度顔をこわばらせたが、
すぐに小さく笑みを漏らした。

唯一純粋に驚いたトソンは思わず声のした方向を見ようとしてしまったが、

川 ゚ -゚)「トソン!カウント10秒!」

(゚、゚;トソン「え、あ、は、はい!」

すぐにその意図に気付いて心を落ち着かせ、
少しだけ呆れたように肩をすくめた後に目の前の兵隊蟻に攻撃を与えた。

『俺の声は仲間にしか届かない!』

そして再び声が響く。

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/07/31(月) 20:04:28 ID:dmMfqlnI0<>
因みにエクストは、

<_プー゚)フ「ぎゃははははははっは……」

最初の声の後いきなり笑いだして嬉しそうに武器を振り回して襲撃者を襲い始めたため、
それに関しては誰も何も触れなかった。

( ゚∋゚)『おれはクックル!ミルナ!トソン!落ち着いて対応してくれ!』

( ゚д゚ )「!クッ……ク―!次はどうする!」

(゚、゚トソン「8、9、10!クッ……ク―さん!次の指示を!」

川;゚ -゚)「と、とりあえず引き続き蟻を誘導してくれ!
(『クッ……ク―』って、なんか嫌だ。
っていうか、トソンは絶対わざとだろそれ)」

( ゚∋゚)『二人ともありがとう!説明は後でする!
まずはこの場を収めよう!
フォーメーションは今まで通りだが』

自身の硬直が終わった後、
巨大蜘蛛を追加攻撃するクックル。

巨大蜘蛛は更に後方に押されて動きを止めた。

( ゚∋゚)『ダウン状態!
この五秒で体制を整える!』

走るクックル。
巨大蜘蛛を攻撃しつつ五人を見渡せる位置に移動した。

( ゚∋゚)『デミタス!エクスト!そのままそいつらを攻撃!
一回撤退させろ!
ミルナとトソンは引き続き蟻の誘導!
クーは残りの襲撃者が出た時の対応を!
場所はおれが指示を出す!』

クックルの指示に少しだけ頷く仕草を見せて攻撃を始めるクー以外の四人。

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/07/31(月) 20:07:53 ID:dmMfqlnI0<>
クーは移動しながら二匹の蟻を攻撃している。

( ゚∋゚)『おれはこの位置で指示を出す!
俺を狙う襲撃者フォローはデミタス頼む!
常におれを視界に入れる様にして見ていてくれ』

クックルの指示は高度なものだったが、
デミタスは躊躇することなく小さく頷いた。

( ゚∋゚)『エクストは前から蜘蛛を攻撃!
おれは後ろから追撃する!
デミタスはエクストもフォロー!』

エクストの両手剣が唸り、
デミタスは指示の意味を受け取って位置を変える。

( ゚∋゚)『クー!ミルナの右に敵!
ミルナはそのまま蟻を誘導!
トソンは右を警戒しつつ蟻の位置を維持してくれ!』

飛び出してきた襲撃者の片手剣をはじくクーの薙刀。

ミルナはそのまま蟻を誘導し、
トソンは右側の茂みを意識しつつ蟻と戦う。

( ゚∋゚)『エクスト!デミタス!スイッチ用意!
エクスト!3秒以上ダウン状態にさせろ!
タイミングは指示する!
そのタイミングに合わせておれは一度蟻に向かう!
スイッチ後はエクストが周囲を警戒!
デミタスは距離をとりつつ蜘蛛を攻撃!
クー!おれの単重攻撃に合わせてミルナの蟻に攻撃!
デミタス!右から敵がくるから注意!
おれの硬直は3秒!
ミルナ!クーの攻撃で蟻が倒せなかった時はそのまま追撃!
倒せ!周囲はおれが回る!
クー!トソンの左側茂みに注意!
トソンはそこから蟻を中央まで誘導開始!
倒さず負けずをキープ!
一匹倒したらデミタスとエクストはスイッチ!
クーは蟻を攻撃した後は襲撃者に専念!』

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/07/31(月) 20:16:58 ID:dmMfqlnI0<>
エクストが蜘蛛に攻撃を繰り出しながらニヤリと笑い、
他の四人は小さく頷く。

( ゚∋゚)『エクスト!カウント3でいくぞ!
3!

2!

1!』

仲間だけに届くクックルの声がゼロを告げた瞬間、
全員が自分の役割を果たすために動き始める。

襲撃者から見れば異様な光景だっただろう。

どんなに相手の隙を突こうとしても軽々と阻止されるようになり、
更にモンスターを的確に攻撃をしている。

そして今目の前では誰も何も言わず、
見ている限りアイコンタクトもせず剣技を放って敵のHPを削り、
更に自分達を警戒していることが分かる。

そして兵隊蟻が一匹消えた。

(;襲撃者1)「ちくしょう、なんなんだよ一体」

それを茂みの中で、
木に隠れるようにして立って見ている黒尽くめの男。
その服装と装備、
そして頭の上に浮かぶカーソルがオレンジであることから、
五人を卑怯な方法で攻撃していた一人であることが分かる。

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/07/31(月) 20:27:36 ID:dmMfqlnI0<>
(;襲撃者1)「ロマネスクからは時間稼ぎメインの簡単な仕事だって。
けれど流れによっては殺せば良いって言われていたのに、
これじゃあ……」

片手剣を持つ手が震えている。

(;襲撃者1)「おれ達がロマネスクに……」

「大丈夫だ」

(襲撃者1)「え?」

後方から聞こえた声に気を取られた瞬間、
自分の胸から『黄色く光る刃』が生えた事に気付く。

(襲撃者1)「え……」

「黒鉄宮の牢獄は攻撃行為完全禁止エリア。
殺されることは無い」

そしてすぐに刃は消えた。

もちろん生えたわけではなく、
後ろから刺された刃が飛び出したわけだが、
それに気付いたのは倒れる時に自分の後ろに立つ者を見たからだった。

(襲撃者1)「おま……えは……」

川 ゚ -゚)「麻痺状態になる薬付きの刃だ。
大人しくしていろ」

(襲撃者1)「ばか……な……」

川 ゚ -゚)「この森で、
お前達のオレンジ色のカーソルは良く目立つ」

(襲撃者1)「  ……  ……」

襲撃者の視界の隅には、
自身が麻痺していることを告げるマークが点灯している。

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/07/31(月) 20:29:49 ID:dmMfqlnI0<>
(襲撃者1)「!?」

川 ゚ -゚)「麻痺対策はしてきているようだが、
生憎と私の使う麻痺毒は現状広まっているアイテムでは完全に防ぎきることは出来ない。
しかも今回は……効いてきたようだな」

クーの目の前で崩れ落ちる様に倒れる黒尽くめの男。

川 ゚ -゚)「睡眠毒付だ。
二種類の毒の混合毒。
私の持つエクストラスキルで作った。
即効の麻痺毒で体の自由を奪い、
遅効性の睡眠毒で眠らせる。
……と、いうわけだ。
こいつで三人目。
残りはお前一人。
武器を捨てて投降するか、毒に侵されるか今すぐ選べ」

(襲撃者2)「……お前だけでもここで殺す」

クーの背後に現れる黒尽くめの男。

川 ゚ -゚)「毒に侵されるのを選ぶわけだな」

(襲撃者2)「この木々の中で、
お前の武器が振り回せるのか?」

武器をショートダガーに変えている男。
その刃も黄色く光っている。

川 ゚ -゚)「……ふむ」

(襲撃者2)「毒使いはお前だけじゃないんだよ!」

木々の間を縫うようにその身を隠しつつ男が動く。

川 ゚ -゚)「木々を使い私の死角を狙う。
忍び装束には隠蔽スキルの増幅効果があるというしな。
悪くない戦い方だ」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/07/31(月) 20:32:05 ID:dmMfqlnI0<>
それを声に出して評価するクー。

無表情に呟くその様子は、
相手を馬鹿にしているようにしか見えなかった。

川 ゚ -゚)「バカはバカなりに考えるわけだな。
ウジ虫にはウジ虫の戦い方があるという事か。
ふむ。参考にはなる。
私は人間だから、
想像して、色々考えて行動することが出来るからな。
クズの行動だとしても、侮ったりはしないぞ。
お前達のような価値無く生きる物と違って、
私は人間だからな」

いや、完全に馬鹿にしていた。

(襲撃者2)「(……落ち着け……落ち着け。
俺を怒らせて襲わせたところをカウンターするつもりなんだ。
この森とあいつの武器。相性はかなり悪い。
それにおれの隠蔽系スキルとこの忍び装束なら、
一度完全に視界から消えることが出来れば追跡は出来ないはず。
あとは、俺達を四人だと思っている隙を突けば……」

森の中で武器を構えてたたずむクー。

彼女を狙い、黒い影が木々の中を揺らめいた。




.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/07/31(月) 20:38:28 ID:dmMfqlnI0<>
33.


モナーの目の前で、
男が小瓶を大地に落とした。

( ´∀`)「!ちっ」

距離を縮めたモナーが三又の槍の先ですくい拾おうとするが、
間に合わず地面に落ちる小瓶。

割れることは無かったが口が開けてあった瓶からは液体が流れ出る。

( ´∀`)「!やっぱり!」

瓶からこぼれた液体は大地に染み、
そして赤紫色の煙となって立ち上った。

(;´∀`)!

慌てて瓶を拾うモナー。
液体は半分以上が流れ出てしまっている。

(#´∀`)「おまえ!自分が何しているか分かってるのか!?」

(θ)「ぎゃははははははっははhっ!
死ぬんだ!俺達は全員死ぬんだよ!
ははははっはあはっは!!」

(#´∀`)「ビロード!ぽっぽ!これですぐ転移しろ!
場所は街ならどこでも良い!」

( ><)「え?」

(*‘ω‘ *)「ぽ?」

ポーチから取り出した転移結晶をビロードとぽっぽに投げるモナー。

二人は難なくそれを受け取るが、
呆気に取られてすぐさま動けない。

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/07/31(月) 20:41:50 ID:dmMfqlnI0<>
(#´∀`)「さっさとしろ!」

(;><)「ハイなんです!」

(*‘ω‘ *;)「だっぽ!」

クリスタルを握りしめて掲げる二人。

(#´∀`)「ビーグル!先に隣のエリアに行ってろ!」

▼#・ェ・▼「キャン!」

ビーグルがモナーの指示を無視し、
ビロード達のそばからモナーのそばに駆け寄った。

(#´∀`)「ビーグル!」

▼#・ェ・▼「キャン!」

片側だけ長いマントの裾を、
普段は自分を守ってくれるマントの裾を噛み、
いやいやするように首を振った。

( ´∀`)「……ビーグル……」

▼・ェ・▼「……くぅーん」

( ´∀`)「分かった……もな」

眉間に皺を寄せ、
少しだけ泣きそうな顔でしゃがみ、
ビーグルの頭を撫でるモナー。

▼*・ェ・▼「きゃん!」

ビーグルが嬉しそうにひと鳴きして裾を離した時、
ビロードの声がモナーに届いた。

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/07/31(月) 20:46:25 ID:dmMfqlnI0<>
(;><)「モナーさん!
転移しないんです!」

(*‘ω‘ *;)「つ、使い方が違うっぽ?」

(;´∀`)「なっ」

慌てて見上げるモナー。

(;´∀`)「遅かった……もな」

周囲の空が赤紫に染まっているのをみて、
モナーがいつもの口調で呟いた。

( ><)「も、モナーさん!
これはいったい!」

( ´∀`)「二人とも武器をかまえるもな!

(;><)「え?え?」

(*‘ω‘ *;)「!
ビロード!かまえるっぽ!」

慌てたように槍をかまえたぽっぽを見て、
彼女の視線の先を見るビロード。

( ><)「……え?」

(*‘ω‘ *;)「早くするっぽ!」

(;><)「ハイなんです!」

エリアの中央にいる六人を囲むように、
ポリゴンが漂っている。

( ><)「こ、これは」

( ´∀`)「さっきあの男が零したのは『トラップの素』もな」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/07/31(月) 20:50:39 ID:dmMfqlnI0<>
(*‘ω‘ *)「トラップの素?」

( ´∀`)「あの液体と入っていた瓶を素体として、
宝箱型筐体や壺型筐体なんかと組み合わせてトラップを作るもなよ」

(;><)「そ、それじゃあ今ここは!」

( ´∀`)「このエリアは結晶無効エリアになり、
ポリゴンは全てモンスターに変わるもな。
素からの直接発動だから時間がかかってるもなから、
今のうちに準備するものな」

笑い続けている男と、
その後ろで部位欠損を起こしたまま震えている二人の男のそば
に近寄るモナー。

( ´∀`)「全部倒さないとエリア封鎖は解除されないもな。
お前らも手伝うもなよ」

三又の矛を突き付けながら近寄るモナー。

(;Ω)「ひっぃ」

(;る)「て、っ手が」

( ´∀`)「リペア!」

モナーが腰のポーチから取り出した結晶を取り出し、
片腕を失った男に向けてキーワードを告げると右手が蘇る。

続けてもう一つ同じ結晶を取り出して同じ動作を繰り返すと、
手を欠損していた男にも同様の修復が行われた。

(Ω)「え?」

(る)「ま、まだペナルティの時間が」

( ´∀`)「『修復結晶(リペアクリスタル)』。
まだ市場には出回っていないレアアイテムもなよ。
せめて自分の命くらいは自分で守るもな。
あと……」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/07/31(月) 20:55:52 ID:dmMfqlnI0<>
喋りながら狂ったように笑い続けている男の襟首を掴んで転がす。
そして直った腕を見ながら驚いている二人の足元に移動させた。

( ´∀`)「この男の事も守ってやるもな」

(Ω)「え、で、でも」

(る)「……」

実体化し始めた周囲をみて震える二人。

( ´∀`)「大丈夫もな」

突然駆け出したモナーが周囲で一番最初に実体化した敵を二回攻撃する。

ポリゴンに戻るカブトムシのような形をしたモンスター。

(Ω)「え?」

(る)「?」

( ´∀`)「6割はモナーが倒すもな。
ぽっぽ!ワカッテマスにメッセージを入れるもな!」

(*‘ω‘ *)「!分かったっぽ!」

即座にウインドウを出すぽっぽ。

( ´∀`)「ビロードはその間は防御に徹するもな!
送った後は二人で自分達に向かってくる敵を倒すもな!」

喋りながら実体化したモンスターを倒していくモナー。
ほとんどの敵を二撃、或いは一撃で倒している。

( ><)「は、はいなんです!
で、でも……」

( ´∀`)「素は少ししか零さなかったからそれほど数は出てこないはずもな。
それに下層だから敵も弱いもなよ!
今まで頑張った二人なら大丈夫もな!
モナ達はこの程度で負けてしまうような戦いは教えていないもなよ!」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/07/31(月) 20:58:31 ID:dmMfqlnI0<>
次々にポリゴンに変わっていくモンスター。
しかしそれ以上の速さでモンスターは生まれている。

( ><)「!ハイなんです!」

(*‘ω‘ *)「送ったっぽ!」

ウインドウを閉じると同時に槍を構えてビロードの後ろにつくぽっぽ。
その両手が少しだけ震えているのはモンスターに囲まれたこの状況下では仕方ないことだろう。

しかしモナーはそれを見て顔を綻ばせた。

( ´∀`)「二人なら3割倒せるもな!
自信を持って戦うもなよ!」

(*><)「ハイなんです!」

モナーに褒められたのが嬉しいのか、
周囲を敵に囲まれたこの状況下にも関わらず笑顔を見せるビロード。

それを見たぽっぽの表情も少しだけ緩む。

(*‘ω‘ *)「わかったっぽ!」

ビロードがしっかりと盾を構えたその後ろで、
ぽっぽが戦闘を開始した。






( ´∀`)「ビーグル!」

▼・ェ・▼「きゃん!」

モンスターの間を走り回り、
モナーの手が届かない敵を細かく攻撃していたビーグルがモナーの足元に駆け寄る。

( ´∀`)「頼むもな」

▼*・ェ・▼「きゃん!」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/07/31(月) 21:03:57 ID:dmMfqlnI0<>
身体を震わせるビーグル。

身体から銀色に輝く毛が浮き出て周囲に漂うと、
モナーとビロード、そしてぽっぽの身体に張り付いて消えた。

三人のHPが回復する。

( ´∀`)「ビーグル、あっちの三人にも頼むもな」

▼・ェ・▼「うー」

( ´∀`)「お願いもな」

▼・ェ・▼「……きゃん」

モナーにお願いされ、
不服そうに身体をふるって毛を飛ばすビーグル。

その毛は必死に自分の身を守っている二人の男と呆然と周囲を見ている男の身体にまとわりつくと、
HPを多少回復させた。

(;´∀`)「ビーグル……」

▼・ェ・▼「きゃん!」

自分達との回復量の差に苦笑いを浮かべつつも、
走り回って敵を消し続けるモナー。

ビーグルはひと鳴きした後その足元を駆け抜け、
後方から弓矢でモナーを狙っていた敵に体当たりをした。

( ><)「……すごいんです」

盾で敵の攻撃を受け止め流しつつその様子を見たビロードが呟く。

(*‘ω‘ *)「モナーさん達が凄いのは今に始まったことじゃないっぽ。
それよりそっち、来るっぽよ」

( ><)「分かってるんです!」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/07/31(月) 21:12:16 ID:dmMfqlnI0<>
ビロードの左後方、
ぽっぽの背後からビロードに向かって滑空した巨大蜂。

対してビロードは危なげなく盾で攻撃を受け流しす。
更にその移動した盾の隙間を縫って襲い掛かった大甲虫を片手剣で一閃。
倒すことは出来なかったが大きく後退させることには成功した。

( ><)「僕でもこれくらいは出来るんです!」

(*‘ω‘ *)「がんばるっぽ!」

( ><)「ハイなんです!」

改めて盾を構え、片手剣を握りなおすビロード。
そしてその後ろで槍を構えるぽっぽ。

視界の端でそれを見ながら、モナーは走りながら敵を葬り去り続けた。







▼*・ェ・▼「きゃんっ!」

ビーグルが嬉しそうにひと鳴きしたとき、
全てのモンスターは消え、
空が青く戻っていた。

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/07/31(月) 21:13:30 ID:dmMfqlnI0<>
その空を見ながらゆっくりと座り込んでしまうビロードとぽっぽ。

三人の男も腰を抜かしたように地面に寝転ぶ。

結局一人で九割方倒したモナーだったが、
嬉しそうに駆け寄ってきたビーグルを抱き上げたその時も、
疲れた様子は全く見せなかった。





.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/07/31(月) 21:16:29 ID:dmMfqlnI0<>
34.



(<>)「さあ、早く武器を放せ」

鉄仮面の男がワカッテマスに片手剣の刃を当て、
フサギコに武器の放棄を要求する。

ミ,,゚Д゚彡「……卑怯だから」

( <●><●>)「フサギコさん、気にすることはありません」

苦虫を噛み潰したような表情をしたフサギコに対し、
ワカッテマスが冷静に話しかける。

(<>)「ああ?」

( <●><●>)「どう転ぼうと、死ぬ運命だったともいます。
貴方が罠に気付かずに攻撃を繰り出し死ぬか、
このようにこいつらに殺されてしまうか。
私が殺されるだけならば、それで終わりです」

淡々としゃべり続けるワカッテマス。

( <●><●>)「唯一心残りなのはビロードとぽっぽの事ですが、
フサギコさん達が、VIPの皆さんがしっかりと動かれているのならば、
助けていただいている事でしょう。
ですから、私の事は気にせずこいつを倒してください。
こんな雑魚、フサギコさんなら一瞬で倒せます。」

(#<>)「貴様!」

( <●><●>)「私を殺せば!」

ワカッテマスの恫喝に似た一声。

剣を突き立てようとした男の身体が止まった。

( <●><●>)「私を殺せば、その瞬間にフサギコさんは動きます。
あなた、フサギコさんに勝てるんですか?」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/07/31(月) 21:18:07 ID:dmMfqlnI0<>
(<>)「…… ちっ」

男はワカッテマスを引き寄せて首筋に片手剣を当てる。

(<>)「……こいつを殺されたくなければ武器を捨てろ」

それはワカッテマスが作り出した奇妙な均衡だった。

生きていてこそ人質の意味があるのは当然のことだが、
自分の命を気にすることは無いと言いつつ、
自分を殺せばお前も死ぬと自分を拘束する者を脅す。

フサギコの実力があってこそできる駆け引きとはいえ、
危うく、綱渡り的な均衡。

そしてやはり鉄仮面の男が有利であることには変わりなかった。

(<>)「ふっ。ははははは。
そいつに人を殺す度胸があるもんか。
さあ、武器を捨てろ!」

ミ,,゚Д゚彡「……死ぬよりも……」

(<>)「ん?」

ミ,, Д 彡「ワカッテマス君を殺したら、
死ぬよりも恐ろしい目に合わせるから」

(<>)「はっ!そんなもん!」

ミ,, Д 彡「その体を、切り刻んであげるから。
頭も、首も、体も、すべての部位を、切り刻んであげるから」

肩の力を抜いた自然体で仮面の男を見るフサギコ。

男はその虚ろな瞳と殺気に恐怖を感じ、喉を鳴らした。

(;<>)「っひっ、……、そ、そんな、もん」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/07/31(月) 21:19:18 ID:dmMfqlnI0<>
ミ,, Д 彡「殺してほしいと、
死なせてくれと泣き叫んでも、
殺したりはしないから。
でも、その心に、恐怖と苦しみは植え付けるから」

(;<>)「お、お、おれがそんな脅しに……」

ミ,, Д 彡「覚悟しておくと良いから」

先程までワカッテマスと話していた時の声とは違う、
感情も抑揚も無い声。

そこに込められた『本気』を感じ取り、
且つその身に同じギルドの者からの攻撃を受けた事のある仮面の男は、
自分との実力の違いを思い出し、襲い来る恐怖で心を震わせた。

(;<>)「で、出て来いお前ら!」

思わず叫んだ仮面の男。

だが何も起こらなかった。

(;<>)「は、早く出て来い!
ここのリーダーは俺だ!
作戦を変更する!」

すると森から二人の男が現れた。

(も)「おい、良いのか?」

(り)「……俺達は切り札だろ?」

呆れたように肩をすくめながら出てきた二人。
しかしその身のこなしはフサギコを充分警戒しており、
一定の距離をとって立ち止まり武器をかまえた。

(;<>)「お前らはおれの前に来い!
こいつの攻撃がおれにこないようにするんだ!
おい!全員出るんだ!
俺がこいつを人質にしてるうちに三人がかりでやるんだよ!」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/07/31(月) 21:21:01 ID:dmMfqlnI0<>
(も)!

(り)「ちっ」

仮面の男が焦ったように叫ぶと、
更に男が一人茂みから現れた。

(Δ)「……」

男は一言、もしゃべらずに、フサギコに向かって武器をかまえる。
それを見て最初の二人は仮面の男を守るように移動した。

(;<>)「そ、それで良いんだ!
お前達もかまえろ!
こいつを三人がかりで殺すんだ!」

仮面の男の物言いを聞きながら武器をかまえる三人。

(;<>)「動くなよ!
動いたらこいつを殺すからな!
おまえら!殺せ!」

「させないよぅ」

(<>)「え?」

声と同時に背後に人がいることを知り、
そして自分の腰に短刀が刺さったことを知った。

(#<>)「!」

ワカッテマスの拘束したまま自分を刺した小柄な者を攻撃しようとする男。
しかしそれは叶わなかった。

(;<>)「……えっ」

力なく倒れる仮面の男。
ワカッテマスもそれに巻き込まれるように倒れてしまうが、
男の拘束は解けていた。

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/07/31(月) 21:22:06 ID:dmMfqlnI0<>
(;<>)「(何故……麻痺は完全に防御しているのに……)」

視界の隅、自分のステータス異常を知らせる麻痺のマークを見つけた男。

(;<●><●>)「ど、どうなって」

「わっ!!!!!」

(も)!

(り)!

(Δ)!

背後で何かが起きた。

三人の男の注意が一瞬背後に向かう。

その一瞬の隙を見逃さずに動いた侍。

そして鍛え上げたスキルはその一瞬で三人を無力化する。

(;も)!

(;り)!

(;Δ)!

旋風が吹き抜けた瞬間、
三人の男の腕が武器を持ったまま宙を舞う。

(;も)!

(;り)!

(;Δ)!

自分の腕が地面に落ちてポリゴンとなり砕け散るのを呆然と見る三人。

そしてその三人の間をすり抜ける影。

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/07/31(月) 21:23:46 ID:dmMfqlnI0<>
(り;)!

(Δ;)!

(も;)!

次々と倒れる男達。
その視界の隅に浮かぶ、麻痺を告げる状態異常のマーク。

「この麻痺毒は今までの耐性補助じゃあ防げない特別製だよぅ」

黒尽くめの声を聞きながら意識をなくす三人。
仮面の男は既に意識を無くしている。

ミ,,゚Д゚彡「睡眠毒との混合毒だから」

技後硬直の解けたフサギコが呟きは、
眠りについた四人には届いていない。

(;<●><●>)「そ、そんな毒が」

大地に膝をつくワカッテマス。
その横にフード付きマントと黒装束を纏った影がそっと寄り添った。

「大丈夫ですかょぅ」

( <●><●>)「あ、ありがとうございます。
ですが、あなたはいったい。
いや、思い当たる方はいるのですが、ですが……」

「ボクですょぅ」

フードを取り顔を出す影。

(;<●><●>)「い、いよう君!
口調からそうだとは思いましたが
で、ですが君は死んだはずでは!?」

(=゚ω゚)「死んでないょぅ」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/07/31(月) 21:25:16 ID:dmMfqlnI0<>
(;<●><●>)「で、ですが!」

ニッコリとほほ笑んだぃょぅと、
驚きで顔をこわばらせているワカッテマス。

(;<●><●>)「黒鉄宮の碑に刻まれた『e-YOU』の文字、
それを見て泣き叫ぶヘリカルちゃんを!」

ミ,,゚Д゚彡「『e-YOU(イーユウ)』さんと、ぃょぅ君は別人だから。」

意識を失った四人を回廊結晶を使って牢獄に送ったフサギコが二人のそばによる。

( <●><●>)「フサギコさん!
え?『イーユウ』?」

ミ,,゚Д゚彡「そう、……殺されたのは、『イーユウ』さんだから」

(=゚ω゚)「……うちの店の常連さんだったんだょぅ。
下層と中層の間くらいで頑張ってた人だったんだょぅ
でも、レアアイテムをドロップしたことを知って近付いてきた女の人に騙されて……」

ミ,,゚Д゚彡「イーユウさんが亡くなったことを知ったぃょぅ君とヘリカルちゃんが相談に来て、
ショボンと情報屋さん達が調べてくれて、
殺した犯罪ギルドは潰したけど……」

(=゚ω゚)「許せなかったんだょぅ。
人殺しをする奴らが」

ミ,,゚Д゚彡「その時の話の流れでANGLERの事を知ったぃょぅ君から申し出があって、
死んだことにして陰に隠れてくれていろいろ動いてくれたから」

(;<●><●>)「あ…あ……う」

二人の話を聞いて言葉を無くすワカッテマス。
それでも何とか声をひねり出す。

(;<●><●>)「な、何度かお店に行きましたが、
ヘリカルさんはこのことは」

.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/07/31(月) 21:26:25 ID:dmMfqlnI0<>
(=゚ω゚)「もちろん知ってるょぅ」

(;<●><●>)「こ、黒鉄宮で号泣していたと!」

(*=゚ω゚)「ヘリカルは凄い女優さんなんだょぅ」

胸を張って妹を褒めるぃょぅ。

(;<●><●>)「じょ、女優?」

ミ,,゚Д゚彡「……女の子は怖いから」

(;<●><●>)「え?フサギコさん?」

(=゚ω゚)「ヘリカルは怖くなんかないですょぅ。
ヘリカルの可愛さは世界一ですょぅ!」

ミ,,゚Д゚彡「あ、うん」

(;<●><●>)「は、はい……」

(=゚ω゚)「ヘリカルは昔から可愛くて可愛くて……」

ミ;,,゚Д゚彡「あ!ビロード君とぽっぽちゃんにメッセージ送ってあげないと!
ワカッテマス君!」

(;<●><●>)「あ、は、はい!」

ミ,,゚Д゚彡「フサはモナーとショボンに連絡入れるから!
ぃょぅ君もヘリカルちゃんに打つと良いから!
これがちゃんと終われば計画は終了で帰れるから!」

ウインドウを出してメッセージを打ち始める二人。

ぃょぅもそんな二人を見てウインドウを出した。





.<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/07/31(月) 21:33:10 ID:dmMfqlnI0<>以上で本日の投下を終了します。

いつも乙や感想ありがとうございます。

さて、ここもまもなく1000になりますが、
佐藤さんが戻られないと新しいのをたてられないので、
その場合は管理人さんが動かれているファイナルさんに移動させていただこうかと思っております。

ただものすごく中途半端なところで移動になりそうなので、
正直どうしようかなと思っているところです。

気にせず移動するか、
今のを中編にして、後え編から移動という形にするか。

色々ありますが、とりあえず980を超えるまではここに投下する予定です。


また次回、よろしくお願いします。

もう少し早めに投下できる……はず……。


ではではまたー。<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/07/31(月) 21:44:38 ID:KdkWUjms0<>いよぅ生きてた━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!!
ますますwktkってきた!!

乙でした 次も楽しみにまってるです<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/07/31(月) 21:51:34 ID:Xvv/nggc0<>乙
ここ埋まるまでに次スレ立ててURLで誘導してくれると嬉しい<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/07/31(月) 22:43:45 ID:qEzVVs..0<>うわぁあああああ!!!おつぅううううう!!!
ぃょぅ生きてた!!<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/08/01(火) 03:51:03 ID:CzBMeMvI0<>いよぅ生きてたぁぁぁぁぁぁ!!!!!!
後はモララーの安否だけだ…<> 名も無きAAのようです<><>2017/08/02(水) 00:38:44 ID:7P/cHLtI0<>お疲れ様でした
いょう生きてたー
やったー‼
モーナとビーグルの愛に泣けた<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/08/02(水) 03:10:26 ID:kNNWArGE0<>モララーだけ被害にあったか…<> 名も無きAAのようです<><>2017/08/05(土) 09:13:07 ID:.YX01.X20<>ぃょぅ生存おめ 乙
となると、アングラーと組んでる少女って誰なんだろな<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/08/05(土) 10:04:47 ID:7tk2qksc0<>まだギコとしーが出て来てないよね
まさか…ねぇ…<> 名も無きAAのようです<><>2017/08/06(日) 18:03:51 ID:LR7NYuCQ0<>賢気取りきもっちわるっ!<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/08/08(火) 14:38:47 ID:4IQXLd.MO<>>>951

(*=゚ω゚)「ヘリカルは凄い女優さんなんだょぅ」<> 名も無きAAのようです<><>2017/08/31(木) 23:08:31 ID:SR6cImhI0<>いつぞやのブーンもそうだけど
キャラか<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/08/31(木) 23:14:14 ID:SR6cImhI0<>失礼
途中な上にしかもageてしまった

いつぞやのブーンもだが
文盲の身には口調変更は理解まで時間がかかってしまうね
本当に素で特徴ある喋り方しかしないのはフサギコくらいか
隠そうとしても隠せてないし<> 名も無きAAのようです<><>2017/09/03(日) 04:48:37 ID:QLUWfQcM0<>                                      _,,,、、、、、 ,,_
            ,、 -‐‐‐- 、 ,_                 ,、-''´      `丶、,,__ _,, 、、、、、,
         ___r'´        `'‐、.            /             `':::´'´     `ヽ、
      ,、‐'´  _,,、、、、、、_     ヽ`‐、         _/               ': :'          ヽ.
     /        `'' ‐-`、-、  ヽ、 ヾヽ、、_   ,、-',.'                , 、          ヽ
    /     -‐-、、,,_‐-、 、 \ヾ‐-、ヽ、、、;;;,、 '´ ., '                '´、,ヽ          丶
.   /      -‐‐‐==、丶、ヽ. ヽヽ、ヽミ/   ./                 :.木 :            ',
   i'     ‐-、、,,_==/=ゝ ヽ\ \_i レ' ,,,、,,__./                 ,, '.` '´;            ',
.  i    ヽヽ、、,,,___,,,/-‐〃´\ヽ`、 ゝ´ ´´´. ,'                  /  Y´ヽ            ;
  ,,{   ヽ  \、丶_;;,/_//;;;;;;;;;;;;'ヽヽr'::     ,'                 , '   }   !            .i
〆'    iヾ   ヾミ 、_'´' ヾ'‐ 、;;;ソ´'、{::::::    ,'                r'.   ,'  l            .!
./ / , i `、ヽ、 ''‐- =`;;,,、‐      ヽ}、:::::::::......,'                ,'     /  .,'            .,'
{ {  { .{ヽ `、ヽ.`''''''''""´  、  ,‐-、 iゝ:::::::::::,'                ノ    ノ  、'         

http://gekiyasu-h.com/sp/main.html<> 名も無きAAのようです<><>2017/09/04(月) 10:11:20 ID:wBpE.Roc0<>                                      _,,,、、、、、 ,,_
            ,、 -‐‐‐- 、 ,_                 ,、-''´      `丶、,,__ _,, 、、、、、,
         ___r'´        `'‐、.            /             `':::´'´     `ヽ、
      ,、‐'´  _,,、、、、、、_     ヽ`‐、         _/               ': :'          ヽ.
     /        `'' ‐-`、-、  ヽ、 ヾヽ、、_   ,、-',.'                , 、          ヽ
    /     -‐-、、,,_‐-、 、 \ヾ‐-、ヽ、、、;;;,、 '´ ., '                '´、,ヽ          丶
.   /      -‐‐‐==、丶、ヽ. ヽヽ、ヽミ/   ./                 :.木 :            ',
   i'     ‐-、、,,_==/=ゝ ヽ\ \_i レ' ,,,、,,__./                 ,, '.` '´;            ',
.  i    ヽヽ、、,,,___,,,/-‐〃´\ヽ`、 ゝ´ ´´´. ,'                  /  Y´ヽ            ;
  ,,{   ヽ  \、丶_;;,/_//;;;;;;;;;;;;'ヽヽr'::     ,'                 , '   }   !            .i
〆'    iヾ   ヾミ 、_'´' ヾ'‐ 、;;;ソ´'、{::::::    ,'                r'.   ,'  l            .!
./ / , i `、ヽ、 ''‐- =`;;,,、‐      ヽ}、:::::::::......,'                ,'     /  .,'            .,'
{ {  { .{ヽ `、ヽ.`''''''''""´  、  ,‐-、 iゝ:::::::::::,'                ノ    ノ  、'         

http://gekiyasu-h.com/sp/main.html<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/09/21(木) 13:58:27 ID:GpYet/k20<>どうなってるん<> 名も無きAAのようです<><>2017/09/22(金) 23:36:18 ID:MJyZnido0<>やっぱ引退ってマジなんか…<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/09/28(木) 23:59:06 ID:clKRkf5Q0<>>>960
だからまじだと言ってるだろ<> 名も無きAAのようです<><>2017/09/30(土) 11:54:20 ID:FE.5PhGE0<>                                      _,,,、、、、、 ,,_
            ,、 -‐‐‐- 、 ,_                 ,、-''´      `丶、,,__ _,, 、、、、、,
         ___r'´        `'‐、.            /             `':::´'´     `ヽ、
      ,、‐'´  _,,、、、、、、_     ヽ`‐、         _/               ': :'          ヽ.
     /        `'' ‐-`、-、  ヽ、 ヾヽ、、_   ,、-',.'                , 、          ヽ
    /     -‐-、、,,_‐-、 、 \ヾ‐-、ヽ、、、;;;,、 '´ ., '                '´、,ヽ          丶
.   /      -‐‐‐==、丶、ヽ. ヽヽ、ヽミ/   ./                 :.木 :            ',
   i'     ‐-、、,,_==/=ゝ ヽ\ \_i レ' ,,,、,,__./                 ,, '.` '´;            ',
.  i    ヽヽ、、,,,___,,,/-‐〃´\ヽ`、 ゝ´ ´´´. ,'                  /  Y´ヽ            ;
  ,,{   ヽ  \、丶_;;,/_//;;;;;;;;;;;;'ヽヽr'::     ,'                 , '   }   !            .i
〆'    iヾ   ヾミ 、_'´' ヾ'‐ 、;;;ソ´'、{::::::    ,'                r'.   ,'  l            .!
./ / , i `、ヽ、 ''‐- =`;;,,、‐      ヽ}、:::::::::......,'                ,'     /  .,'            .,'
{ {  { .{ヽ `、ヽ.`''''''''""´  、  ,‐-、 iゝ:::::::::::,'                ノ    ノ  、'         

http://gekiyasu-h.com/sp/main.html<> 名も無きAAのようです<><>2017/09/30(土) 13:20:59 ID:TUBzO.iA0<>まだかなだかな。<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/10/13(金) 02:52:56 ID:IPfMkBL.0<>まだ来そうにないな<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/10/15(日) 13:53:05 ID:.ZxrH4460<>もうこないのかな<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/10/15(日) 22:16:16 ID:BmPXCOso0<>じゃじゃじゃじゃーん<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/10/15(日) 22:32:20 ID:pcRJnL3k0<>本物?<> 名も無きAAのようです<><>2017/10/15(日) 23:09:24 ID:Zy73kDXcO<>どちらにせよそろそろ投下時期のはずだから期待<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/10/16(月) 07:30:25 ID:RKl75AZQ0<>解析されただけだろうなぁ<> ◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/10/16(月) 20:00:12 ID:KPlr9PVw0<>じゃ、じゃ、じゃ、じゃーん


と、言うことで、本物でしたー。

(´・ω・`)

ファイナル様への移動に合わせて
少し多めに投下分を……
と思ったら遅くなってしまっております。

今月中には一回投下できると思いますので、
またよろしくお願いします。

ではではまたー。<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/10/16(月) 20:48:13 ID:343hFojQ0<>よっし<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/10/18(水) 00:53:23 ID:FKl/dyr.0<>まってる!<> 名も無きAAのようです<><>2017/10/19(木) 08:10:29 ID:M2MBkBdM0<>はよ<> 熟女出会い掲示板-熟女と出会える男性無料出会い系サイトと掲示板<><>2017/10/19(木) 17:53:12 ID:Lce/Ct160<>
人妻 男性無料出会い系サイト&掲示板
http://aeruyo.2-d.jp/zds06/0001/

地域別|セフレ募集出会い
http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/0013/

エロ写メ
http://aeruyo.2-d.jp/free/adult/1/

人妻書き込み一覧
http://aeruyo.2-d.jp/sefuredeai/sex/hitozemzdeai/

セフレ募集書き込み一覧
http://galscom.eek.jp/aeruyo/zds05/000/


逆サポート掲示板で逆サポ出会い
http://aeruyo.2-d.jp/zds12/00/

人妻逆援助交際掲示板
http://aeruyo.2-d.jp/zds15/00/

熟女出会い系サイト
http://galscom.eek.jp/aeruyo/zds08/000/

テレクラdeツーショット・テレフォンセックス
http://aeruyo.2-d.jp/adaruto/deai03/2syotto01/005/

人妻から高齢熟女まで出会い掲示板
http://aeruyo.2-d.jp/zds07/0001/<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/10/24(火) 22:03:55 ID:8rqJDIXQ0<>どーも作者です。

ファイナル様に立てさせていただきました。

http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/21864/1508848443/

これからはこちらに投下することになりますので、
宜しくお願いします。


ではではまたー。<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/10/28(土) 06:31:20 ID:Hj6e95VQ0<>うめ<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/10/28(土) 06:32:01 ID:Hj6e95VQ0<>うめ<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/10/28(土) 06:32:43 ID:Hj6e95VQ0<>うめ<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/10/28(土) 06:33:24 ID:Hj6e95VQ0<>うめ<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/10/28(土) 06:34:06 ID:Hj6e95VQ0<>うめ<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/10/28(土) 06:35:59 ID:Hj6e95VQ0<>うめ<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/10/28(土) 06:36:41 ID:Hj6e95VQ0<>うめ<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/10/28(土) 06:37:23 ID:Hj6e95VQ0<>うめ<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/10/28(土) 06:38:25 ID:Hj6e95VQ0<>うめ<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/10/28(土) 06:39:06 ID:Hj6e95VQ0<>うめ<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/10/28(土) 06:39:47 ID:Hj6e95VQ0<>うめ<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/10/28(土) 06:47:38 ID:Hj6e95VQ0<>うめ<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/10/28(土) 06:48:20 ID:Hj6e95VQ0<>うめ<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/10/28(土) 06:59:07 ID:Hj6e95VQ0<>うめ<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/10/28(土) 06:59:48 ID:Hj6e95VQ0<>うめ<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/10/28(土) 08:35:09 ID:Hj6e95VQ0<>うめ<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/10/28(土) 08:35:51 ID:Hj6e95VQ0<>うめ<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/10/28(土) 08:36:33 ID:Hj6e95VQ0<>うめ<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/10/28(土) 08:37:15 ID:Hj6e95VQ0<>うめ<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/10/28(土) 08:37:57 ID:Hj6e95VQ0<>うめ<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/10/28(土) 13:31:32 ID:Hj6e95VQ0<>うめ<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/10/28(土) 13:32:13 ID:Hj6e95VQ0<>うめ<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/10/28(土) 13:32:54 ID:Hj6e95VQ0<>うめ<> 名も無きAAのようです<>sage<>2017/10/28(土) 13:33:35 ID:Hj6e95VQ0<>うめ<>
◆dKWWLKB7io<>sage<>2017/10/28(土) 17:26:04 ID:CDPRDUvQ0<>らすと!

ありがとうございました!<>