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川 ゚ -゚)クールに決める逆転裁判のようです

1 名前:代理:2014/01/02(木) 23:01:29.07 ID:P6CFG1hD0
まとめ
ttp://boonsoldier.web.fc2.com/ckgs.htm(ブーン芸)
ttp://buntsundo.web.fc2.com/long/cool_saiban/top.html(ブンツンドー)
ttp://lowtechboon.web.fc2.com/gyakusai/gyakusai.html(ローテク)

※安価をしょっちゅう使いますがgdるようだったら日を改めます。
※再安価は基本なし。 選択以外のレスが安価を踏んだらそこから一番最初についた選択のレスを参照します。

前回投下した分→ttp://lowtechboon.web.fc2.com/gyakusai/2-1.html
残り50レス弱なのでおつきあいください。安価もちょくちょく

2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/02(木) 23:02:05.44 ID:1kvMfq7I0
ブーン系なんてvipでまだやってたのか

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/02(木) 23:02:37.07 ID:ir1HLPs00
クリスマス以来待ったぞ

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/02(木) 23:03:50.14 ID:eVC2dUrL0
>>1thx
ちょっと待って

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/02(木) 23:05:54.58 ID:ir1HLPs00
というかクリスマスは果たしてgdったと言えるのかどうか

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/02(木) 23:07:18.02 ID:eVC2dUrL0
>>5
正直gdgdの範疇だけどほかにするとこないし

↓から投下

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/02(木) 23:07:57.57 ID:VGbyD8ec0
待ったぞ しぃが弟子入りしてどうなったんだ

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/02(木) 23:08:20.69 ID:OvIZ8dfF0
きたか

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/02(木) 23:08:40.10 ID:eVC2dUrL0
 
 
 
 

 
 
 
川; - )「‥‥‥」
 
川;゚ -゚)「‥‥‥‥おちついた」
 
 
 
 見るからに悪い顔色を浮かべながら、クールはなんとか、足腰に力をこめた。
 覚束ない様子でふらふらと立ち上がり、壁に左手をついた。
 
 立った直後、眩暈が自分を襲う。
 宙を仰いでは右腕で目を覆った。
 
 そこから深呼吸を挟むこと、三回。
 破裂しそうなほど高鳴っていた心臓は落ち着きを取り戻し、
 また喘息のような荒い呼吸もそこそこおさまってきた。
 
 
 そんな状態になってもう一度、クールはその死体――を、見た。
 
 
.

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/02(木) 23:09:31.71 ID:4Y+yphtQi
余程ワイワイできる題材じゃねーと今の安価なんてあんなもんだろ
しかも安価で決めてるのはただの進行順だけだったりするし……

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/02(木) 23:10:27.23 ID:eVC2dUrL0
 
 
.∧∧
(# ;;- )
 
 
川 ゚ -゚)「(‥‥さっきの人が通報して‥‥何分だろう)」
 
川 ゚ -゚)
 
川 ゚ -゚)「‥‥‥‥調べるしか、ないよな」
 
 
 警察が到着するまで、まだ時間がかかるだろう。
 その間に、クールは、なにかをしておきたいと思った。
 
 弁護士である以上、現場に手を加えてはいけないということは知っている。
 なるべく警察の捜査陣の邪魔にならないよう細心の注意を払い、
 クールは、おそるおそる手を女性の死体に向けた。
 
 
川 ゚ -゚)「‥‥」
 
 気になるのは、やはり何よりも “猫耳” である。
 これが異色すぎて、それはほかの服装が目に入らないほどであった。
 
 
.

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/02(木) 23:13:00.10 ID:P6CFG1hD0
wktk

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/02(木) 23:13:31.69 ID:eVC2dUrL0
 
 
 
川 ゚ -゚)「‥‥‥ヤクサツ、だな」
 
 猫耳を再度認識してから、クールは首に目を遣った。
 赤い痕が、輪のように首をぐるっと一周している。
 その痕から、殺人者はこの人を手で絞め殺したのだろう、と判断した。
 
 まだ、赤黒くはなっていない。
 つまり、殺されたばかりだ。
 その証拠に、ぬくもりは、ほのかにだが感じられた。
 
 
 躯に手を触れたところで、クールは服装に目をやった。
 比較的おとなしい感じのコーディネートだが、若さが感じられた。
 黒のカーディガンに、オレンジのアウターシャツ。
 そのアウターシャツの内側に、白いインナーシャツが見受けられる。
 
 その服装は、クールがシアター内で見た猫耳の人物と、相違ないように思えた。
 とは言っても、あそこは暗かった。
 加えて、クールは猫耳に注意が向かい、服装に関してはまったくと言っていいほど関心を向けていない。
 
 
 そのため、完全に一致している――とまでは言えなかったものの、
 猫耳の件から、あの人物で間違いないだろうと考えた。
 
 
.

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/02(木) 23:16:37.04 ID:eVC2dUrL0
 
 
 
川 ゚ -゚)「(‥‥でも、だとすると‥‥)」
 
川 ゚ -゚)「( “席をはずしてすぐに殺された” ‥‥と、なるんだよな)」
 
 
 そこで、自分は、彼女がシアターを出てから何分くらいして
 同じくシアターを出ただろう、と、記憶を呼び起こすことにした。
 
 正確な時間まではわからないが、しかしせいぜい五分ほどである。
 とすると、この人は、シアターを出てから五分前後のうちに、殺されたとなる。
 そのことが、クールには引っかかった。
 
 
川 ゚ -゚)「(ここにきて、すぐに殺された‥‥?)」
 
川 ゚ -゚)「(だとすると‥‥)」
 
 
 
川 ゚ -゚)「(‥‥‥犯人に、呼び出されでもしたのかな?)」
 
 
.

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/02(木) 23:20:36.54 ID:eVC2dUrL0
 
 
 
 
 ―――そのとき。
 
 
 
 
   「発見者はどなたですか!」
 
 
 
川 ゚ -゚)「!」
 
 
 開かれたままだったトイレの扉から、男がずかずかと入ってきた。
 死体に目を向けていたクールは、その音に半ば驚いて、反射的に顔をあげる。
 
 
 すると、柔和な顔を一生懸命にしかめた刑事が、クールを見て、クチを開いた。
 
 
 
( ><)「ケーサツなんです! 死体には触‥‥」
 
 
 
.

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/02(木) 23:23:53.24 ID:eVC2dUrL0
 
 
 
川 ゚ -゚)
 
( ><)
 
 
 
( ><)「‥‥らな‥‥‥い‥‥、‥‥で」
 
 
 
 
 
( ;><)「って‥‥‥あ、あなたは!!」
 
川 ゚ -゚)「‥‥刑事!」
 
 
 
 
 
 
 
 
.

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/02(木) 23:26:00.98 ID:UUW+4bHF0
このレスは支援

と見せかけて自分スレの投下が猿にならないためのレスなんだから!!
勘違いしないでよね!!

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/02(木) 23:27:33.16 ID:eVC2dUrL0
 
 
 
 椎名しぃの、殺害容疑に関する裁判で
 彼、稚内ワカンナインデス刑事は、検察側の証人として最初に召喚された。
 
 柔和で無邪気な笑みを浮かべ、またそれにふさわしい柔らかい声を放つ男だ。
 そういえば、彼はVIP県警の捜査一課の者だったな――と、クールは思い出していた。
 
 
 クールが立ち上がって、ワカンナインデスに歩み寄る。
 するとワカンナインデスは
 
 
 
( ><)「ハンニン、確保なんです!」
 
川 ゚ -゚)
 
 
川 ゚ -゚)「ハ?」
 
 
 
 
 いきなり、手錠を向けてきた。
 
 
.

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/02(木) 23:28:33.85 ID:OvIZ8dfF0
しえ

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/02(木) 23:28:42.78 ID:xOhUYJWmP
しえんほぉ

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/02(木) 23:29:38.89 ID:eVC2dUrL0
 
 
川 ゚ -゚)
 
川;゚ -゚)「ちょ‥‥ちょ、ちょっと待て! 私は‥‥‥」
 
 
 
 
   「順序を考えろ、と言ったハズだ」
 
 
 
 
川 ゚ -゚)「‥‥!」
 
( ;><)「ヒッ! ごめんなさい!」
 
川 ゚ -゚)「(この声‥‥‥ッ!)」
 
 
 クールが、その声に露骨に反応を示す。
 しかし相手の男は気づかずに、続ける。
 
 
 
   「うちのワカいのが、失礼しました」
 
 
.

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/02(木) 23:31:38.16 ID:eVC2dUrL0
 
 
 
川 ゚ -゚)「‥‥っ」
 
 
 
 ――スーツの上に、群青色のコートを羽織った、躯の大きな男。
 精悍な顔つきに、一度にらめば相手をその瞬間射抜くような、冷たい眼差し。
 
 
 そんな彼は、警察手帳を見せながら、
 ワカンナインデスの横を通っては、クールに歩み寄った。
 
 
 そして、名乗る。
 
 
 
 
 
 
( <●><●>)「VIP県警捜査一課、警部」
 
 
( <●><●>)「若手ワカッテマスです」
 
 
 
.

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/02(木) 23:33:43.23 ID:QR327+rT0
紫煙

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/02(木) 23:35:02.60 ID:UUW+4bHF0
ワカンナインデスさんこれでよく警察に入れた・・・・

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/02(木) 23:38:32.27 ID:eVC2dUrL0
 
 
 
( ><)「この人が、発見者みたいなんです!」
 
( <●><●>)「‥‥それがわかっていて、どうして手錠を向けた?」
 
( ;><)「いいい、いや、だってこの人! 前の裁判の‥‥」
 
( <●><●>)「裁判?」
 
川 ゚ -゚)「‥‥ム」
 
 
 
  「裁判」 。
 その言葉を聞いたとたん、若手ワカッテマス警部の顔色は、変わった。
 
 彼の、冷たい眼差しがクールに向けられる。
 クールの顔を見て数秒したかと思えば、ワカッテマスは「あ」と言った。
 
 
 
( <●><●>)「‥‥まさか‥‥?」
 
川 ゚ -゚)「久し、ぶ‥‥り‥‥?」
 
 
.

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/02(木) 23:41:27.74 ID:eVC2dUrL0
 
 
 
( ><)「? お知り合いですか?」
 
( <●><●>)「‥‥」
 
川 ゚ -゚)「‥‥」
 
 
 二人は、黙る。
 黙って、互いに、視線を交わしていた。
 それを見て、ワカンナインデスはますます、わけがわからなくなった。
 
 
 
( <●><●>)「‥‥ハナシは、後です。 先に、外に出てください」
 
川 ゚ -゚)「‥‥あ」
 
 
 ワカッテマスの後ろには、青い制服をきた鑑識官が列を成していた。
 それを見て場違いを感じたクールは、少しゆったりとした足取りで、トイレから出た。
 その後を追って、刑事二人もまたトイレから出た。
 
 
.

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/02(木) 23:46:13.91 ID:UUW+4bHF0
支援

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/02(木) 23:47:04.04 ID:eVC2dUrL0
 
 
 
 クールとワカッテマスとワカンナインデスが、トイレの外で互いに向かい合う。
 沈黙が生まれそうな雰囲気だったが、存外そんなことはなく、
 ワカンナインデスは外に出てさっそくクチを開いた。
 
 
( ><)「テンさん、僕はなにをすれば?」
 
( <●><●>)「まずはオーナーに話を入れて、この映画館を閉鎖しろ。
         映画はすべて中断だ。 ‥‥いますぐ、事情聴取に取り掛かれ」
 
( ><)「はッ!」
 
川 ゚ -゚)「(‥‥さすがに、手早いな)」
 
 
 ワカッテマスが部下のワカンナインデスに滞りなくそう指示すると、
 彼は敬礼したかと思えば、そのまま走って2Fを後にした。
 その動きの早さを見れば、やはり彼は刑事なのだな、と思うことができた。
 
 
.

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/02(木) 23:49:55.16 ID:eVC2dUrL0
 
 
 ワカンナインデスがその場を去ってから、ワカッテマスとクールは向かい合う。
 彼の視線に、クールは真っ向から対抗していた。
 
 
( <●><●>)「あなたが発見者とは意外ですが‥‥このさい、そんなものはどうでもいい」
 
川 ゚ -゚)「‥‥」
 
( <●><●>)「ずばり聞きます。 なにがあったのですか」
 
川 ゚ -゚)「‥‥」
 
( <●><●>)「時間がない。 早急にお願いします」
 
 
 
( <●><●>)「素直、クールさん」
 
川 ゚ -゚)「‥‥‥あ、ああ‥‥うん」
 
 
 事態は、殺人事件だ。
 今はまだ静かだが、やがて上映が中断されこの旨が告げられると、
 とたんに、多くの一般客はパニックに陥るだろう。
 
 そうなると、この静けさが嘘のように、すぐさま騒がしくなる。
 
.

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/02(木) 23:51:52.47 ID:eVC2dUrL0
 
 
 
川 ゚ -゚)「そうだな、えっと‥‥‥‥‥‥」
 
 
 クールは発見時とは対照的に、非常におちついていた。
 どもったり声が途切れることはなく、すらすらと、自分が知っている現状を彼に告げていった。
 
 まず、発見時の状態から。
 自分が映画の途中でふとトイレに向かったら、扉が開いていた。
 不審に思いつつも中に入ると、例の人が倒れていた。
 様態を確認すると、それが死体であることが判明。
 
 偶然か物音を聞きつけたのか、店員がその場にやってくる。
 半狂乱だったクールは、動けない自分のかわりに彼女に現状を告げ、通報を頼む。
 そして、現在に至る――と。
 
 
 言い終えると、ワカッテマスはふむふむとうなずいた。
 ワカッテマスとは知能の高い男で、一度言えばどんな複雑なものでもだいたいの話は通じるのだ。
 
 まだ、言うべきことはある。
 しかしひとまずは、ということで、ワカッテマスは 「わかりました」 と言った。
 
 
.

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/02(木) 23:54:04.74 ID:eVC2dUrL0
 
 
 
( <●><●>)「とりあえず、現状だけは把握しました」
 
川 ゚ -゚)「私は、なにをしたらいい?」
 
( <●><●>)「少ししたら取調を行いますが‥‥」
 
 そこでワカッテマスは、少し言葉を濁らせた。
 知人に、面と向かって取調の話を持ち出したくなかった――
 いや、持ち出しにくかった、のだろう。
 
 
 ワカッテマスが 「うーむ」 となにやら考え込んでいるとき。
 トイレのなかを調べていた鑑識官のひとりが、声高にワカッテマスを呼んだ。
 呼ばれてはいないのだが、自然とクールもそちらのほうに目を遣る。
 鑑識官は、なにやらメモのようなものを高らかと掲げていた。
 
 
( `・д・)ゞ「警部! オモシロいものが見つかりました!」
 
( <●><●>)「なんだ」
 
川 ゚ -゚)「(‥‥ “オモシロい” もの?」
 
 
.

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/02(木) 23:55:28.70 ID:eVC2dUrL0
 
 
 
 その響きに興味が惹かれ、クールはその手のほうに目を向けた。
 ワカッテマスはずかずかとトイレの内部に足を運ぶ。
 
 部外者のクールが中に入るのは躊躇われたが
 気になってしまったのは仕方がない、と思い、彼女もトイレに足を向けようとした
 
 
 
( `・д・)ゞ「あ、関係者以外は立ち入り禁止です」
 
川 ゚ -゚)「ん」
 
 
 が、別の鑑識官に止められた。
 
 
 
 
川 ゚ -゚)「(仕方ない‥‥。 あとで、聞こう)」
 
 
 
.

33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/02(木) 23:57:23.37 ID:eVC2dUrL0
 
 
 
 そう思って、クールが腕を組んで一分ほど経ったとき。
 トイレ内部では、なにか進展があったようだ。
 なにやら、慌しい音が聞こえる。
 
 捜査報告をしれっと聞き出すことができれば――
 などと好奇心を募らせるクールだが、しかしその好奇心は妨げられた。
 後ろのほうから、足音が聞こえてきたのだ。
 
 
川 ゚ -゚)「ん‥‥?」
 
 なんとなしに、振り向く。
 そこには、刑事と、一人の女性がいた。
 
 
( ><)「あ。 まだいたんですか」
 
川 ゚ -゚)「あのなあ」
 
川 ゚ -゚)「‥‥あ、さっきの‥‥‥ん?」
 
パセ*゚−゚)リ「?」
 
 
.

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/02(木) 23:58:23.67 ID:UUW+4bHF0
>( `・д・)ゞ「あ、関係者以外は立ち入り禁止です」


まあこうなるわな

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/02(木) 23:59:49.16 ID:eVC2dUrL0
 
 
 
 クールは、あのときの店員、と再会した。
 した――のはいいのだが、クールは、ある点に注視せざるを得なくなった。
 ある点――頭部だ。
 
 先ほどまでは気づかなかったが、この店員は、なにか 「かぶりもの」 をかぶっていたのだ。
 まるで、赤い、魚――
 
 
川 ゚ -゚)
 
パセ*゚ー゚)リ
 
川 ゚ -゚)
 
 
川 ゚ -゚)「金魚!」
 
 
 が。
 
 そのかぶりものがあまりにも奇抜で、がらにもなくクールは取り乱してしまった。
 店員はそのことを言われて、苦笑した。
 
 
.

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/03(金) 00:01:10.63 ID:4PKBBjQQ0
 
 
 
パセ*゚ー゚)リ「変‥‥ですか?」
 
川 ゚ -゚)「うん」
 
パセ*゚ー゚)リ
 
川 ゚ -゚)
 
パセ*゚−゚)リ
 
川 ゚ -゚)
 
 
 
川 ゚ -゚)「変、じゃないと思うぞ」
 
( ><)「正直というか、素直というか‥‥」
 
 
.

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/03(金) 00:02:38.40 ID:4PKBBjQQ0
 
 
 
パセ*゚ー゚)リ「それはそうと‥‥大丈夫ですか、あなた」
 
川 ゚ -゚)「‥‥私か?」
 
パセ*゚ー゚)リ「さっき、腰抜かしてたみたいだったから」
 
(*><)「え? 腰抜かしたんですか?」
 
川 ゚ -゚)「違う。 観察してただけ」
 
(*><)「へー! へー! 抜かしたんですね、腰。 死体を見て」
 
( <●><●>)「遅い」
 
(*><)「あ、テンさん? この人ねえ」
 
( ><)「‥‥! お疲れ様です!」
 
( <●><●>)「お前のせいでな」
 
川 ゚ -゚)「(‥‥テンさんって、誰だ)」
 
 
.

38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/03(金) 00:03:45.77 ID:4PKBBjQQ0
 
 
 
( <●><●>)「首尾はどうだ」
 
( ><)「はッ。 ただいま、閉鎖完了。 劇場を抜け出した人は目下確認中」
 
( <●><●>)「上映は」
 
( ><)「完了してます。 現在、説明と取調の準備が進んでます」
 
( <●><●>)「わかった。 ‥‥それと」
 
 
パセ*゚ー゚)リ「‥‥?」
 
 
 報告を聞き終えて、ワカッテマスは視線を、ワカンナインデスの隣にいた彼女に移した。
 そのまなざしを受け一瞬ぎょっとしたが、無礼と思ったのか、すぐに平生を取り繕った。
 
 
( <●><●>)「彼女は」
 
( ><)「通報者なんです」
 
( ><)「岡津パセリ。 このブンツンドーシネマズのアルバイターですね」
 
( <●><●>)「‥‥パセリ?」
 
.

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/03(金) 00:04:36.20 ID:4PKBBjQQ0
 
 
 
川 ゚ -゚)「(ん? ‥‥名前に引っかかったみたいだな)」
 
 クールが思ったのは、その点だった。
 ワカッテマスは 「岡津パセリ」 の名を聞いた途端、目を少し見開いたのだ。
 
 クールが引っかかったのと同様に、ワカンナインデスも引っかかる。
 おどおどした様子で、彼はそのことを訊いた。
 
 
( ><)「あの‥‥なにか」
 
( <●><●>)「これは‥‥探す手間が省けた」
 
 
パセ*゚ー゚)リ「‥‥?」
 
( ><)「手間?」
 
 
 そう言うと、彼は、早速見つかった証拠品なのだろうか、ビニル袋に入ったなにかを前につきつけた。
 そのなにかは、紙切れのようなもので、なにやら可愛らしい筆跡で文字が書かれている。
 
 それと 「手間」 という言葉を照らし合わせたところ、クールはある予感を抱いた。
 そしてそれは、当たっていた。
 
 
.

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/03(金) 00:05:02.46 ID:SPqSXi0Q0
チャオズ?

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/03(金) 00:05:23.61 ID:4PKBBjQQ0
 
 
 
( <●><●>)「署への同行をお願いします、岡津‥‥さん」
 
パセ*゚−゚)リ「‥‥? 取調、ですか?」
 
( <●><●>)「取調‥‥ちょっと違いますね」
 
パセ*゚−゚)リ「?」
 
 
 パセリが、首をかしげる。
 それを見ているクールは、首をかしげなかった。
 
 
 
( <●><●>)「これは、つい先ほど死体から発見されたものです」
 
( <●><●>)「文面‥‥特に、 “差出人の名” に注目して、読んでください」
 
パセ*゚−゚)リ「え?」
 
 
川 ゚ -゚)「(‥‥もしかして‥‥)」
 
 
.

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/03(金) 00:06:11.48 ID:4PKBBjQQ0
 
 
 
 
  『女子トイレにきてください。
               パセリ』
 
 
 
パセ*゚−゚)リ「!」
 
( ><)「これは‥‥」
 
川 ゚ -゚)「(‥‥やっぱり‥‥!)」
 
 
 
( <●><●>)「‥‥重要参考人として、署へ連行を願います。 岡津さん」
 
パセ*゚−゚)リ「‥‥違う! 私、こんなの送って‥‥」
 
( <●><●>)「だから、“筆跡鑑定” も行うのです
         詳しくは、向こうで話しましょう」
 
パセ*゚−゚)リ「‥‥!」
 
 
.

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/03(金) 00:07:04.21 ID:4PKBBjQQ0
 
 
 
 ワカッテマスが低い声でそう言うと、パセリは畏縮した。
 その目が、あまりにも冷たく感じられたからだ。
  「重要参考人として」 とワカッテマスは言ったが、パセリは、どうもそういう名目だとは思わなかった。
 
 そして、それは第三者であるクールにとっても一緒だった。
 彼の声色とまなざしは、とても 「重要参考人」 に向けるそれではなかったのだ。
 
 
( ><)「テンさん」
 
( <●><●>)「私はこれから、彼女の話を聞く。 お前は、私の代わりに現場の指揮をとれ。
         重要そうな情報は逐一報告。 帰りに監視カメラのデータなども忘れるな」
 
( ><)「ハッ!」
 
( <●><●>)「‥‥では、岡津さん。 行きましょう」
 
パセ*゚−゚)リ「だ、だから違うって‥‥。」
 
( <●><●>)「ここで話していても、ラチが明かないですよ」
 
パセ*゚−゚)リ「え、ちょ‥‥!」
 
 
 
 
.

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/03(金) 00:07:45.18 ID:4PKBBjQQ0
 
 
 
 
川 ゚ -゚)「‥‥」
 
川 ゚ -゚)「(行った、か)」
 
 
 パセリは、ワカッテマスの真意を推し測った上でそれを否定していた。
 ワカッテマスはそれをうまくはぐらかしながら、半ば強引にパセリを連れて行った。
 
 見ていて気分のいいものではなかったが――しかし、同情を挟み込む余地は、なかった。
 クールも、同じことを考えていたのだ。
 
 
川 ゚ -゚)「(確かに‥‥)」
 
川 ゚ -゚)「(あの人は、“呼び出されて” 殺されたように思えるからな)」
 
川 ゚ -゚)「(ひょっとすると、ひょっとするかも‥‥‥)」
 
 
川 ゚ -゚)「‥‥」
 
( ><)「‥‥」
 
 
.

45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/03(金) 00:08:25.91 ID:4PKBBjQQ0
 
 
 
川 ゚ -゚)「‥‥? どうしたんだ、刑事」
 
( ;><)「え! あ、僕‥‥ですか?」
 
川 ゚ -゚)「私はユーレイなんて見たことがないからな。 それよりも‥‥」
 
 
( ;><)
 
 
川 ゚ -゚)「しないのか? 捜査」
 
( ;><)「バカにしないでほしいんです! 捜査くらい‥‥っ」
 
 
 ワカンナインデスはそう言って、腕をぶるんぶるんと
 振り回しながら、現場、トイレのほうに足を踏み入れていった。
 
 そして数秒後、鑑識官のうち一人が 「痛い」 と声を荒げた。
 ワカンナインデスが、彼の足を踏んでしまったようだ。
 
 
川 ゚ -゚)
 
川 ゚ -゚)
 
.

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/03(金) 00:09:18.55 ID:4PKBBjQQ0
 
 
 ワカンナインデスはそれからすぐに、追い出されるかのように廊下に飛び出してきた。
 顔面いっぱいに、焦燥と汗を張り巡らせている。
 それを見なくとも、彼にいったい何があったのかは自然と推理できた。
 
川 ゚ -゚)
 
川 ゚ -゚)「捜査に参加すれば、捜査妨害になるのか」
 
( ;><)「テンさんにはダマっててください!」
 
川 ゚ -゚)「(そういうモンダイじゃないだろ‥‥)」
 
 
 
川 ゚ -゚)「(‥‥でも、待てよ。 これって、チャンスじゃあ‥‥?
.      適当に理由をデッチ上げれば、なにか話を聞き出せそうじゃないか)」
 
川 ゚ -゚)「(彼も彼で、手持ち無沙汰だろうし)」
 
( ;><)「? どうしたんです?」
 
 
 「殺人事件」
 「この前の裁判」
 
 >>48
 
.

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/03(金) 00:11:40.18 ID:SPqSXi0Q0
「殺人事件」

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/03(金) 00:13:34.76 ID:q35+QGmV0
1

49 名前:「殺人事件」:2014/01/03(金) 00:15:40.34 ID:4PKBBjQQ0
 
 
川 ゚ -゚)「‥‥刑事、事件のことでひとつ聞きたいんだけど、」
 
( ><)「おぉーっと! そりゃあダメですよ、そりゃあ」
 
川 ゚ -゚)「(‥‥ムぅ。 やっぱり、そう簡単に情報はくれないよな)」
 
( ><)「僕も、なーんにもハアクしてないんですからね!
      むしろ、こっちが聞きたいくらいですよ!」
 
川 ゚ -゚)「(‥‥どうやら、違ったみたいだ)」
 
 
( ><)「テンさんなら、もうなにか掴んだかもですが‥‥」
 
川 ゚ -゚)「ん」
 
( ><)「? なにか?」
 
 
川 ゚ -゚)「そういえば、さっきから思ってたんだけど‥‥」
 
川 ゚ -゚)「 “テンさん” って、誰だ?」
 
 
.

50 名前:「殺人事件」:2014/01/03(金) 00:17:56.44 ID:4PKBBjQQ0
 
 
 
( ><)「? ‥‥あ、ああ。 警部のことですよ。 若手警部」
 
川 ゚ -゚)「なんでそんな名前が?」
 
( ><)「ワカッ “テ” マスから来てますね」
 
( ><)「でも、あなた、テンさんと知り合いじゃないんですか?」
 
川 ゚ -゚)「‥‥いや。 知らない、わけではない。 ただ、そこまで深い仲でもないだけだ」
 
( ><)「じゃあ紹介しておきますか」
 
川 ゚ -゚)「紹介?」
 
 
  「ワカッテマス警部」 。
 新たに一つ、気になるトピックができた。
 会話の場合にこうやって次々と目新しいトピックが生まれるのが、クールにとっては新鮮だった。
 
 
 「ワカッテマス警部」
 「この前の裁判」
 
 >>51
 
 
.

51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/03(金) 00:23:55.68 ID:9E0lXI5bi
2

52 名前:「この前の裁判」:2014/01/03(金) 00:24:51.53 ID:4PKBBjQQ0
 
 
 
川 ゚ -゚)「‥‥この前の裁判だけど」
 
( ><)「なんなんですか。 笑いたいんですか、僕を」
 
川 ゚ -゚)「ヒクツになりすぎだろ‥‥」
 
( ><)「あなたが “あんなこと” を暴いたせいで、すっごく怒られたんですよ僕」
 
川 ゚ -゚)「 “あんなこと” ?」
 
( ><)「ほら、アレですよ、アレ‥‥‥‥」
 
 
 
 
   川 ゚ -゚)『ケーサツ側の犯した、捜査上の “不備” ――それは!』
 
   川 ゚ -゚)『硝煙反応!』
 
   川 ゚ -゚)『捜査陣は、これを “見落としていた” 可能性がある!!』
 
 
 
.

53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/03(金) 00:25:18.23 ID:YtHZuPWu0
支援

54 名前:「この前の裁判」:2014/01/03(金) 00:25:57.12 ID:4PKBBjQQ0
 
 
 
川 ゚ -゚)「ああ‥‥アレね」
 
( ><)「だって‥‥フツー、あるって思わないじゃないですか!
      ブツリ的に、シンリ的に、ジョーシキ的にありえなかったのだから」
 
川 ゚ -゚)「君たちが、彼女がハンニンだって疑ってかかったバチが当たったんだ」
 
( ><)「それもそうですが‥‥お給料は減るし、テンさんにはあの目でにらまれるし‥‥」
 
川 ゚ -゚)「(後者はいまもだと思う‥‥)」
 
( ><)「それと‥‥ここだけの話があるんですが‥‥
      聞きたいですか?」
 
川 ゚ -゚)「ここだけの‥‥話?
     (事件の話か?)」
 
( ><)「いいですか?
      今から言うことは、ゼッタイに、ナイショですよ?」
 
( ><)「誰にも、しゃべっちゃだめなんですからね」
 
川 ゚ -゚)「‥‥‥‥わかった」
 
 
.

55 名前:「この前の裁判」:2014/01/03(金) 00:26:33.11 ID:4PKBBjQQ0
 
 
 
( ><)「実は‥‥」
 
( ><)「若手ワカッテマス警部は‥‥」
 
川 ゚ -゚)「‥‥‥警部は?」
 
( ><)「目から‥‥」
 
川 ゚ -゚)「目?」
 
 
 
 
 
 
 
 
( ><)「目から‥‥‥光線を、撃ってくるんです」
 
 
 
 
 
 
 
.

56 名前:「この前の裁判」:2014/01/03(金) 00:27:31.31 ID:4PKBBjQQ0
 
 
 
川 ゚ -゚)「‥‥‥‥‥‥‥」
 
(*><)「‥‥‥‥‥‥‥」
 
川 ゚ -゚)「‥‥‥‥‥」
 
(*><)「‥‥‥‥‥」
 
 
川 ゚ -゚)「もしかして‥‥‥おしまい?」
 
(*><)「おしまいなんです」
 
川 ゚ -゚)「‥‥」
 
(*><)「‥‥」
 
 
川 ゚ -゚)「‥‥いやあ、いい天気だなあ」
 
( ><)「ここ、窓ついてないですよ‥‥」
 
 
.

57 名前:「ワカッテマス警部」:2014/01/03(金) 00:30:02.71 ID:4PKBBjQQ0
 
 
 クールは 「それはさておき」 と話を戻した。
 ワカッテマス警部――彼のことを聞いておかなければならないのだ。
 
( ><)「若手ワカッテマス」
 
( ><)「いま、警察・司法の業界で、彼を知らない人はまずいないんです!」
 
川 ゚ -゚)「ほう」
 
( ><)「文字通りワカいのに‥‥いや、ワカくして警部にまで上り詰めた、エリート!
       “警察界のエース” とはずばり、テンさんのことなんです」
 
川 ゚ -゚)「 “警察界のエース” ?」
 
( ><)「誰もが羨む知識と体力。 加え、采配もうまいんですよ。
      ひとたび状況をハアクすれば、アザヤカな推理で犯人確保!」
 
( ><)「格闘することになっても、相手がプロボクサーとかでない限り、勝っちゃいますし。
      それに、ムダのないテキパキとした采配で、ハンニンに逃げるヒマも与えないんですよ」
 
川 ゚ -゚)「ははあ」
 
( ><)「‥‥自分から聞いといて、それはないんです」
 
川 ゚ -゚)「‥‥‥‥‥ごめん」
 
 
.

58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/03(金) 00:31:37.59 ID:4PKBBjQQ0
 
 
 
 
( ><)「‥‥それはそうと」
 
川 ゚ -゚)「?」
 
 
( ><)「あの人は今はどうなってるんですか?」
 
川 ゚ -゚)「あの人?」
 
(*><)「しぃちゃんですよ、しぃちゃん!
       ヒコクニンって聞いたときは、僕が泣きそうになったんだから」
 
川 ゚ -゚)「(刑事もファンだったのか‥‥)」
 
 
川 ゚ -゚)「えー‥‥」
 
川 ゚ -゚)「彼女なら、ここにいるぞ」
 
( *><)「っ! なんだって‥‥‥‥‥‥‥‥‥」
 
( ><)「‥‥‥‥え? ココ!?」
 
 
.

59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/03(金) 00:32:45.29 ID:4PKBBjQQ0
 
 
 
川;゚ -゚)「(なんだ、この食いつきよう‥‥)」
 
川;゚ -゚)「ま‥‥ま、まあ。 一緒に映画を見にきた‥‥」
 
( ><)「! まさか、劇場で取調を‥‥?」
 
川 ゚ -゚)「そうだ。 第一シアターだった」
 
( ;><)「ッッ! ちょっと待っててください!」
 
 
 
川 ゚ -゚)
 
川 ゚ -゚)「‥‥え? 刑事?」
 
 
 ワカンナインデスがそう言ったかと思うと、
 彼は一目散にそちら――第一シアターのほうに走っていった。
 
 いきなりの謎の行動に一瞬クールは思考が遅れた。
 気がついたときには既に、彼はシアターのなかに飛び込んでいた。
 
 
.

60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/03(金) 00:33:52.97 ID:4PKBBjQQ0
 
 
 
川 ゚ -゚)「‥‥」
 
川 ゚ -゚)「‥‥」
 
川 ゚ -゚)「‥‥」
 
 
   「せんせー!」
 
 
川 ゚ -゚)「‥‥‥?」
 
 
 ワカンナインデスが飛び出していってから数分後。
 腕を組んで彼の帰還を待っていると、先にやってきたのは、彼ではなかった。
 
 なんだと思って顔をあげると、そこにはしぃが立っていた。
 あふれんばかりの無邪気な笑みと、若干の不安を顔に浮かべている。
 
 
(*゚ー゚)「閉じ込められてたのを、あの刑事さんに出してもらったんです!」
 
川 ゚ -゚)「(彼は、そのために‥‥)」
 
 
.

61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/03(金) 00:35:09.51 ID:4PKBBjQQ0
 
 
 
川 ゚ -゚)「ちなみに、刑事は」
 
(*゚ー゚)「怒られてます」
 
川 ゚ -゚)「‥‥あ、‥‥ああ‥‥‥。」
 
 
 
(;*゚−゚)「それはいいとして!」
 
川 ゚ -゚)「ん?」
 
(;*゚−゚)「さ、殺人事件って‥‥なにがあったんですか!」
 
川 ゚ -゚)「あ、ああ‥‥。 聞いてないのか?」
 
(;*゚−゚)「事件があった、ってことだけ聞かされて、いろいろ取調を‥‥」
 
川 ゚ -゚)「君は、取調は?」
 
(*゚−゚)「あの刑事さんが、ベンギを図ってくれて」
 
川 ゚ -゚)「あの刑事のベンギ、か‥‥」
 
 
.

62 名前:「 “殺人事件” 」:2014/01/03(金) 00:36:25.03 ID:4PKBBjQQ0
 
 
 
 「 “殺人事件” 」
 
 まず真っ先に、この話をしなければならない。
 そう思うと、クールの脳裏にはこのトピックしか浮かんでこなかった。
 
 なにか情報処理や行動選択をするとき、場合分けやトピックを意識するのは
 弁護士になった影響なのだろうか、とクールは思っていた。
 
 
 
川 ゚ -゚)「殺人事件だけど‥‥」
 
(;*゚−゚)「なにがあったんですか?」
 
川 ゚ -゚)「詳しいことは、わからない」
 
(;*゚−゚)「‥‥は、‥‥はあ」
 
川 ゚ -゚)「いま、警察が捜査や取調をしている」
 
川 ゚ -゚)「‥‥とりあえず、今は “人が殺された” としか言えないな」
 
(*゚ー゚)「そ、そうなんですか‥‥」
 
 
.

63 名前:「 “殺人事件” 」:2014/01/03(金) 00:37:28.55 ID:4PKBBjQQ0
 
 
 
(*゚ー゚)「でも、なんで先生はここにいるんですか?」
 
川 ゚ -゚)「え?」
 
(*゚ー゚)「気がついたら、隣から消えてたし」
 
川 ゚ -゚)「あ、いや‥‥」
 
(*゚ー゚)「?」
 
川 ゚ -゚)「(‥‥別に、トイレくらいなら言ってもいいだろ)」
 
 
川 ゚ -゚)「その、トイレに――」
 
(#゚−゚)「なんですって!?」
 
川;゚ -゚)「うおッ!」
 
 クールが言うと、しぃはそれまでの狼狽はどうしたのか、
 ずいッと身を乗り出して、大きな声を出した。
 そのため、クールは思わずたじろいだ。
 
 
.

64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/03(金) 00:38:16.40 ID:SPqSXi0Q0
支援!

65 名前:「 “殺人事件” 」:2014/01/03(金) 00:38:28.79 ID:4PKBBjQQ0
 
 
 
(#゚−゚)「すっごくオモシロいのに! トイレなんて上映前に行っときゃよかったじゃないですか!」
 
川;゚ -゚)「う‥‥。 ごめん」
 
 
(*゚ー゚)「‥‥まあ、それはいいとして」
 
(*゚ー゚)「トイレに行って‥‥どうなったんですか?」
 
川 ゚ -゚)「あ、ああ」
 
川 ゚ -゚)「‥‥人が、倒れていたんだ」
 
(*゚−゚)「倒れて‥‥。」
 
 
川 ゚ -゚)「調べてみたら、首に赤い跡があったり白目をむいてたり‥‥」
 
川 ゚ -゚)「‥‥れっきとした死体だった、というわけだ」
 
 
.

66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/03(金) 00:38:53.14 ID:YtHZuPWu0
しぃの食いつきww

67 名前:「 “殺人事件” 」:2014/01/03(金) 00:39:26.11 ID:4PKBBjQQ0
 
 
 
(*゚−゚)「‥‥コワいですね。 身近で、こんな事件が起こるだなんて」
 
川 ゚ -゚)「マッタクだ」
 
(*゚−゚)「ちなみに、どんな人だったんですか?」
 
川 ゚ -゚)「どんな‥‥」
 
 
 クールは、死体の様子を思い出す。
 若々しい風貌で恰好もそれに相応しいものではあったが、なによりもまず――
 
 
川 ゚ -゚)「ミョーな人だったな」
 
(*゚ー゚)「みょー?」
 
川 ゚ -゚)「なんか、猫耳をつけてたんだ」
 
(*゚ー゚)「猫耳‥‥?」
 
 
.

68 名前:「 “殺人事件” 」:2014/01/03(金) 00:40:01.30 ID:4PKBBjQQ0
 
 
 
川 ゚ -゚)「若い女性だったから、そういうオシャレでもはやってるのかな、
     としか思わなかったんだが‥‥」
 
(*゚−゚)「ちょっと待って」
 
川 ゚ -゚)「ん?」
 
.                                       カ ワ
  「猫耳」 。 その言葉を聞いたとたん、突如としてしぃの顔が豹変った。
 思わず圧倒され、クールは言葉を詰まらせる。
 
 
(*゚−゚)「その女性‥‥どんな人でしたか」
 
川 ゚ -゚)「どんな‥‥とは」
 
(*゚−゚)「顔に、バンソーコー、貼ってました?」
 
川 ゚ -゚)「ばんそーこー?」
 
 
川 ゚ -゚)「(どうだったかな)」
 
 
.

69 名前:「 “殺人事件” 」:2014/01/03(金) 00:40:38.01 ID:4PKBBjQQ0
 
 
 
川 ゚ -゚)「‥‥ああ。 そういや」
 
(;*゚ο゚)「ッ!!」
 
川;゚ -゚)「あ、ちょ‥‥しぃ?」
 
 
 ――クールが首肯すると、しぃは顔を真っ青にして、トイレのほうに飛び掛った。
 その一瞬の行動に思考が追いつかず、クールはただ、彼女の後を追うしかなかった。
 
 トイレに入ろうとしたところで、鑑識官に止められる。
 しかし、入り口に立っただけで、その死体の女性を見ることはできた。
 
 黒いカーディガンにオレンジのポロシャツ、そのなかから見える白いインナーシャツ。
 頭部につけられている猫耳に――顔面の絆創膏。
 
 
 
 
 その全てを見納めたしぃは、直後、その場にくずおれた。
 
 
 
.

70 名前:「 “殺人事件” 」:2014/01/03(金) 00:41:36.36 ID:4PKBBjQQ0
 
 
 
川 ゚ -゚)「‥‥どうし」
 
(;*゚−゚)「‥‥‥‥‥ “でぃ” ‥‥」
 
川 ゚ -゚)「ディー?」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
(*;д;)「わあああああああああああああああああああああああああ
.     あああああああああああああああああああああああッ!!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
.

71 名前:「 “殺人事件” 」:2014/01/03(金) 00:42:06.79 ID:4PKBBjQQ0
 
 
 
(;`・д・)ゞ「あ、え、え?」
 
川;゚ -゚)「しぃ! どうしたんだ!」
 
(*;−;)「でぃ! でぃ!! あああああああああああああああああああああッ!」
 
 
 
 
川;゚ -゚)
 
 
 
 その女性の亡き骸を見たとたん、しぃはいきなり、大粒の涙を流しながら、大声で泣き叫んだ。
 なにがあったのか、など、クールにわかるわけがない。
 ――ただ、なにかよくないことが起こりそうな予感だけは、した。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
.

72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/03(金) 00:42:41.61 ID:SPqSXi0Q0
犯人はしぃ

73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/03(金) 00:42:45.72 ID:4PKBBjQQ0
 
 
 
 
 
 
 
 
  ◆第二話 「逆転シアター」
 
 
  つづく
 
 
 
 
 
 
 
.

74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/03(金) 00:45:43.94 ID:4PKBBjQQ0
なるべく本家を再現したいから選択肢には安価使いたいんだけど、そこらへんどう思います
「進行順が変わるだけ」なのは探偵パートの《話す》だけなんだけど、《話す》の安価はオールカットのほうがいいかな
トピックとトピックの合間のあのぎこちない感じも個人的には再現したいところなんだけど

75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/03(金) 00:48:43.66 ID:SPqSXi0Q0
おつー

安価カット? 読んでた側としてはもっと多くてもいいんだが・・・・・・
何か都合がわるいのであればカットでもいいけど、うーん・・・

76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/03(金) 00:48:54.45 ID:q35+QGmV0
≪話す≫の進行順は個人的には作者に任せたいところ

77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/03(金) 01:00:08.16 ID:SAimRwiK0
おつ
面白いね


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