( ^ω^)ブーンがアルファベットを武器に戦うようです
- 1 名前: ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 13:57:07 ID:/OgetcPg0
- 次スレです。
- 2 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 14:10:37 ID:/OgetcPg0
- ミ,,゚Д゚彡(まぁ、まだ若いからな)
自分の五十一という年齢を思い出して苦笑する。
若い頃は、五十路の自分というものを想像さえできなかった。
体力的にも気力的にも、衰えを実感している日々だ。
ただ、国のために働きたいという気持ちだけは変わっていない。
ミ,,゚Д゚彡「帰ってきたぞ」
自分に宛がわれた部屋に戻った。
それほど広くはないが、充分だ。
扉を閉めるとすぐ、足音が近づいてきた。
(*゚ー゚)「お帰り!」
ミ,,゚Д゚彡「あぁ、ただいま」
何年経っても、まるで無邪気な子供のようだ。
外見もほとんど変わっていない。まだ十代、とビヨウに言ったら本気で信じていた。
それほど若く見えるのだ。
(*゚ー゚)「ご飯! できてる!」
ミ,,゚Д゚彡「おぉ、悪いな。食材はどうしたんだ?」
(*゚ー゚)「外で買ってきたの! 安かったよ!」
買い物は、恐らく誰かが付き添ってくれたのだろう。
ギフト城には初めて連れて来た。一人で買い物ができるとは思えない。
- 3 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:10:43 ID:Pb3Bfjww0
- やっと追いついた
支援
- 4 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:10:46 ID:YSjnRIko0
- はよ
- 5 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:11:02 ID:gWteJxc60
- 乙支援
- 6 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:11:29 ID:YSjnRIko0
- 未亡人は辛いのう
- 7 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:11:41 ID:E6IspQHk0
- スレ建ておつー
前スレ1000見たら 別END来そうで((((;゚Д゚))))
- 8 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:11:44 ID:twzAe9yUO
- 支援
- 9 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:11:55 ID:gloPSijU0
- 乙支援
- 10 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:11:55 ID:N8xJEDwgO
- ここが最後のスレか
- 11 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:11:56 ID:vD/YE/V2O
- しぃ!
- 12 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:12:07 ID:ABFmFp.20
- やっぱりフサギコが寝取ったのか
- 13 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:12:09 ID:MqE.oFeA0
- ガッシボカとかやってた頃が懐かしいのう
- 14 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:12:15 ID:NSSYz3t6O
- しぃー!
- 15 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:12:23 ID:5mh8yNic0
- 感慨深い
- 16 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:12:53 ID:8ekxxyT2O
- しぃ!!
- 17 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:12:56 ID:V79OhNUE0
- スレ立て乙!
- 18 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:13:15 ID:MGmYqfEE0
- フサギコの方が兄だっけ?
- 19 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 14:13:17 ID:/OgetcPg0
- (*゚ー゚)「このお城からの景色もねー、なんか凄いの。フサギコくんも見た?」
ミ,,゚Д゚彡「あぁ。遠くにパニポニ城が見えるよな」
(*゚ー゚)「あのお城も行ってみたい!」
ミ,,゚Д゚彡「そのうち行く機会もあるさ。次はまた北に行かなきゃなんねぇから、しばらく後になるが」
(*゚ー゚)「次はどこー?」
ミ,,゚Д゚彡「リリカル城だ。隣城だよ」
(*゚ー゚)「楽しみ!」
ミ,,゚Д゚彡「俺も久々だから、楽しみにしてるところだ」
こうやって、各地を巡る出張の旅の際は、必ずしぃを伴っていた。
長くヴィップ城で生活していたため、他の地方をほとんど知らないのだ。
一緒に行きたい、と無邪気な笑顔で言われると、断ることなどできるはずがなかった。
髪を切り、髭を剃り、ギコになりきってしぃに言葉を掛けたことがあった。
あれは、ショボンが裏切った直後のことだった。
弟のふりをした兄だと、しぃは気付いただろうか。
確認したことはなかった。しぃも、気付いた素振りは見せていない。
あの後、しぃはヴィップが天下を統一するまでずっと、自室で大人しくしていた。
ただ、戦が終わってから、何故か自分との距離を縮めてきたのだ。
一度もギコを騙ってはいない。しぃも、ギコの名を口にすることはなかった。
- 20 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:13:34 ID:yJDtnBXk0
- 何その合法ロリ
- 21 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:14:12 ID:07N.H0fUO
- しぃ……
- 22 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:14:20 ID:gWteJxc60
- フサギコくん か
- 23 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:14:22 ID:JjwgmLQQ0
- しぃ今何歳よ
- 24 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 14:15:23 ID:/OgetcPg0
- 愛を語らったこともない。
しぃは、ただ無邪気に近づいてくるだけだ。
ギコに対しても同じ様子だったのかどうかは分からない。
自分は、しぃに対して、憐憫の情を抱いているのだろうか。
それとも、弟に対する不義理を償うつもりで接しているのだろうか。
あるいは、もっと別の感情を持っているのだろうか。
自分の気持ちさえ、分からない。
しかし、ただひとつだけ確実なことがある。
しぃと過ごす今の日常が、満ち足りているということだ。
ミ,,゚Д゚彡「美味いな」
(*゚ー゚)「それ上手に焼けたの! 美味しいでしょ!」
ミ,,゚Д゚彡「あぁ、焦げ目がいい感じで……」
しぃとの関係を聞かれても、上手くは説明できないだろう。
それでいいのだ。ただ、充実しているという事実さえあれば。
他には、何も必要ないのだ。
ミ,,゚Д゚彡「……しぃ」
(*゚ー゚)「なーにー?」
食事を終え、食器を洗うしぃの背中に声を掛ける。
しぃは振り返らないまま反応した。
- 25 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:15:33 ID:quDk0XCE0
- ギコより少し若いはずだから30後半から40前半じゃなかったか
- 26 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:15:44 ID:ABFmFp.20
- >>23
少なくともブーンより年上だろうなあ
- 27 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 14:16:55 ID:/OgetcPg0
- ミ,,゚Д゚彡「……すまん、なんでもない」
(*゚ー゚)「えー? そういうのやだ!」
ミ,,゚Д゚彡「いや、ホントに何でもないんだ。ただ……」
(*゚ー゚)「んー?」
ミ,,゚Д゚彡「……ありがとう、って……言いたくて……」
しぃが、首だけをこちらに向けた。
いつもと変わらない、笑顔だった。
(*゚ー゚)「鳥さんがね、飛んでたの」
また、しぃは手元に視線を戻す。
背中から声が聞こえる。
(*゚ー゚)「私は、その鳥さんが何色なのか、分からなくて……なんだろうって思ってたの」
(*゚ー゚)「ちゃんとした色は、今でも分かんない。でもね、本当の色じゃないかもしれないけど、私には"そう"見えたんだ」
(*゚ー゚)「その鳥さん、空とおんなじ色に見えたんだ」
- 28 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:16:56 ID:5mh8yNic0
- 城の名前に懐かしさを覚える
- 29 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:17:53 ID:Chn5sBwM0
- もう終わるのか…感慨深いな…
- 30 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:18:20 ID:5mh8yNic0
- しんみり
- 31 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 14:18:47 ID:/OgetcPg0
- いつ、見た鳥なのか。
どこで、見た鳥なのか。
全く分からない。しかし、聞く必要はなさそうだ。
(*゚ー゚)「本当のこと、分かんなくても、私がそう思ってるから、それでいいの」
(*゚ー゚)「それで、いいんだ」
また、笑顔。
春を待つ花さえ一気に咲かせてしまいそうな。
ありがとう。
再び、呟いた。
ずっと、守ってみせるから。
その言葉は、口にしないまま、しかし"二人"に向けて。
心の中だけで、呟いた。
- 32 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:18:52 ID:MqE.oFeA0
- あかん泣ける
- 33 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:20:00 ID:5mh8yNic0
- クるもんがある
- 34 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:20:35 ID:ABFmFp.20
- >850 : ◆azwd/t2EpE:2011/12/07(水) 23:14:16 ID:qT0iFXBU0
>ついでで、簡単な進捗の報告ですが、
>最近少し時間の取れることが多かったので、
>けっこう割とさくさく書き進んでいます
>最初、第119話と第120話を併せてだいたい6話分くらい、と言ってたのが、
>結局は10話分くらいになりそうなので、
>ちょっと延び延びになっちゃってますが……
>一時期、全然書けなかった頃のことを思うと、けっこう順調です
まだまだ長いからなー眠い奴は今のうち仮眠とっとけよー
- 35 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 14:20:50 ID:/OgetcPg0
- ――ハルヒ城・近郊――
鋭い刃が風を裂く。
幾重にも重なった音を聞くと、新たな風さえ生み出しそうに思えた。
百人を一塊とした部隊が、足並みを揃えて駆け出した。
半里ほど進んだところで、受身を取るようにして草原に転がり、再び起き上がる。
武器を構え、四方八方を全て警戒させたところで鉦を鳴らした。
<ヽ`∀´>「悪くないニダよ」
剣を鞘に収めるよう促した。
精悍な顔つきでこちらを見てくる。皆、まだ二十にも満たない男たちだ。
覇気が漲っている。悪くないのは、動きだけでもないらしい。
<ヽ`∀´>「とにかく統率を乱しちゃ駄目ニダ。小さく固まって動くことが大事ニダよ」
全員から一斉に声が返ってくる。
統率の大切さを今さら説く必要などなかったのかもしれない。
[ ゚ ト゚>「ニダー長官」
<ヽ`∀´>「ん?」
[ ゚ ト゚>「剣術の指導をお願いできませんか?」
かつてヴィップで将校だったフィレンクトほどの背丈がある。
鋭い双眸を光らせた、まだ二十に満たないであろう男。
熱心に筋肉を鍛えているのは体を見れば分かる。
- 36 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:21:35 ID:MXw.Ho9sC
- 支援!
- 37 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:21:38 ID:07N.H0fUO
- ニダァアアアアアア!!!
- 38 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 14:21:58 ID:/OgetcPg0
- <ヽ`∀´>「集団で動く調練は不満ニカ?」
[ ゚ ト゚>「いえ、決してそうではありません。統率なき部隊は潰走あるのみです」
<ヽ`∀´>「ニダニダ」
[ ゚ ト゚>「ただ、最後は刃が必要になります」
<ヽ`∀´>「そのとおりニダね」
気概は肌に伝わってくる。
こういう男は、嫌いではなかった。
[ ゚ ト゚>「剣術に優れていなければ、適切な部隊行動も無に帰する。それを、私は恐れます」
<ヽ`∀´>「そういう正直なところ、いいと思うニダ」
<ヽ`∀´>「――――だからこそ、ウリは真面目にやるニダ」
そう言って拾い上げる。
男は、何の冗談か、とでも言いたげだった。
<ヽ`∀´>「"そんな木の棒で戦うつもりか"って思ってるニカ?」
自分の腕の長さ程度。
それでも、少し長すぎたか、と思ったくらいだ。
- 39 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:21:58 ID:1f9FjasI0
- まじか、バイトいってくる
- 40 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:22:20 ID:HqpfUqw20
- ニダーはいつか死ぬんじゃないかとひやひやしてた
- 41 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:22:56 ID:YsECyaSQ0
- 追い付いた!!!支援んんん!!!
- 42 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 14:23:14 ID:/OgetcPg0
- [ ゚ ト゚>「……刃と棒では、勝負になりません」
<ヽ`∀´>「名前は?」
[ ゚ ト゚>「ステイン=ファンペルシー」
<ヽ`∀´>「ステイン、これが切っ掛けとなって、更に向上心を持ってくれることを願うニダ」
剣を構えていたステインに、一瞬で接近する。
ステインは咄嗟に剣を突き出してきたが、刃の側面を叩いて受け流し、手の甲を打った。
手から零れ落ちた剣の柄を握り、切っ先を喉元に向ける。
[;゚ ト゚>「ッ……!」
<ヽ`∀´>「もっと強くなるニダよ、ステイン」
剣を下ろし、返そうとして柄をステインに向けたが、呆然としてしまっている。
いや、どうやらステインのみならず、他の九十九人も一緒らしい。
<ヽ`∀´>「みんなの人生はまだまだ長いニダ。鍛錬する時間はたくさんあるニダよ」
<ヽ`∀´>「ウリだって最初からここまで戦えたわけじゃないニダ。強くなりたいと願い、訓練したからこそニダ」
今年で五十五になった。
それでも、毎日の鍛錬は欠かしたことがない。
今でも強くありたいと思うからこそだ。
<ヽ`∀´>「向上心さえ失わなきゃもっと強くなれるニダよ。それには、国を守りたいと思うことが大切で――――」
[;゚ ト゚>「…………」
<;`∀´>「……いつまで呆けてるニカ」
いったん全員を地面に座らせ、落ち着かせた。
体つきはいいが、みな精神的に未熟なのだ。
- 43 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:23:43 ID:V79OhNUE0
- チクショウ!!
続きが気になりすぎるのにそろそろ外出せねば……サボるか。
- 44 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:24:23 ID:N8xJEDwgO
- ニダー△
- 45 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 14:24:29 ID:/OgetcPg0
- <ヽ`∀´>「これでもウリはアルファベットでTまでいった男ニダよ。全員を同時に相手しても多分勝てちゃうニダ」
[ ゚ ト゚>「そう思います……正直、戦う前は、"木の棒相手に負けるはずがない"とさえ思っていたのですが……」
<ヽ`∀´>「その気概自体は、悪いことじゃないニダね」
[ ゚ ト゚>「しかし、実際に戦ってみると、あまりに次元が違いすぎて……何が起きたのか全く分かりませんでした」
<ヽ`∀´>「ちなみに、ウリを相手に同じようなことをできちゃうのが、他ならぬブーン=トロッソ皇帝ニダよ」
全員、絶句して固まった。
多少大袈裟な言い回しになったが、恐らく、自分も木の棒を持ったブーンには勝てないだろう。
[;゚ ト゚>「誓います」
<ヽ`∀´>「ん?」
[;゚ ト゚>「一生、ブーン皇帝に逆らわないことを」
<ヽ`∀´>「ウェーハハハ、それが懸命ニダ」
調練を終えた後、ハルヒ城に戻って昼食を摂った。
昔は守将として長期滞在したこともある城だ。勝手は知っている。
かつて居室として使っていた部屋は、位の高い出張者が過ごすために普段は空けているらしく、自分も使わせてもらうことができた。
<ヽ`∀´>「やっぱこの部屋は落ち着くニダ、ホルホルホルホル」
久方ぶりのハルヒ城だが、やはりいい城だ。
何度もヒグラシ城と小競り合いを繰り広げるうちに、過ごしやすいよう城内が改修されたおかげだろう。
階段が多く、階層の行き交いが容易い。食堂と浴場も各層に設けられている。他の城にはあまりない特徴だ。
- 46 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:24:38 ID:5mh8yNic0
- ニダーさん!!
- 47 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:24:42 ID:8haAhiJgO
- ニダーかっこいいぜ
- 48 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:25:06 ID:gWteJxc60
- かわいいな
- 49 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:25:10 ID:JjwgmLQQ0
- かっこよすぎワロタ
- 50 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:25:41 ID:YSjnRIko0
- この二だーは相変わらず綺麗だな
- 51 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 14:25:45 ID:/OgetcPg0
- <ヽ`∀´>「これが報告書ニダね」
[´・)Д・`]「はい」
フィレルト=ラノッキアという、この男にハルヒ城の防衛は一任している。
見た目は鈍重そうだが、実戦になると動きは機敏だ。
かつては国軍でアルファベットを扱っていた。Jの壁も超えていたという。
<ヽ`∀´>「ま、大丈夫そうニダね」
[´・)Д・`]「も、もう全てに目を通されたのですか?」
<ヽ`∀´>「速読できなきゃやってらんないニダよ、防衛長官なんて」
毎日、数を覚えられないほどの報告書を見なければならないのだ。
一つ一つに時間をかけていては、一日が何十刻あろうとも仕事が終わらない。
[´・)Д・`]「調練はいかがでしたか?」
<ヽ`∀´>「まぁまぁニダね。不満も満足もないニダ」
[´・)Д・`]「そうですか……もっと厳しくやります」
<ヽ`∀´>「あんまり厳しくしすぎると、訓練のための訓練になりがちニダ。ちゃんと実戦を見据えるニダよ」
[´・)Д・`]「は、はい」
<ヽ`∀´>「そういう意味じゃ、戦うことの恐怖ってのもちゃんと教えておくべきニダね。無謀は命取りニダ」
[´・)Д・`]「調練で何かあったのですか?」
<ヽ`∀´>「剣術指導を願い出てきたステインって兵を、ちょっと打ちのめしてみたニダよ」
- 52 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:26:01 ID:MqE.oFeA0
- おいもう何を読んでも泣ける
- 53 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:26:15 ID:MGmYqfEE0
- やっぱりアルファベット上位者はいつまでたっても凄いな
…そういえば、Dから撃ったFもブーンは素手で掴んだこともあったっけ
- 54 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 14:27:14 ID:/OgetcPg0
- [´・)Д・`]「ステインですか……才能は間違いなくある男です」
<ヽ`∀´>「そう思うニダ。でも、彼我の実力差を分かってなかったみたいニダ」
[´・)Д・`]「それは……」
仕方のないことではある。
ステインは、アルファベットを知らない世代の兵だ。
つまり戦場を経験していない。人を、斬ったことがないのだ。
[´・)Д・`]「もし戦場でニダー長官ほどの相手と戦ったら、討たれてしまいます」
<ヽ`∀´>「特に今は、アルファベットがなくなって相手との実力差が分かりにくくなったニダ」
[´・)Д・`]「はい。ですから、強者と戦うときは数的優位に立てと教えているのですが……」
<ヽ`∀´>「まぁ、今の実力じゃ絶対に勝てない相手もいるってこと、きっと分かってくれたニダ」
[´・)Д・`]「それが切っ掛けで、更に強くなってくれればいいのですが」
<ヽ`∀´>「ニダニダ、ウリもそう思うニダ」
[´・)Д・`]「本当にありがたいことです。ニダー長官が直々に調練してくださるとは」
<ヽ`∀´>「国防の頂点が調練の指揮を執る。それで上がる士気もあると思うからこそニダよ」
[´・)Д・`]「兵のほうは、前日から緊張で眠れなかったそうですが……」
<;`∀´>「アイゴー、じゃあ今度から抜き打ちで来るニダ」
[;´・)Д・]「そ、それは勘弁してください。毎日眠れなくなります」
普段はヴィップ城で防衛長官として、国防を統括している。
しかし、非定期的にこうやって各地の城を訪れ、兵の練度を確認することもあった。
- 55 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:27:29 ID:klyKeAvIO
- フィレットのAAww
- 56 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:27:36 ID:YSjnRIko0
- 新キャラの顔が酷い
- 57 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:27:40 ID:nfqTro5g0
- >>53
あいつもJ持ちだしな...
- 58 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 14:28:45 ID:/OgetcPg0
- 極端に動きが悪ければ雷を落とすこともある。
ウエルベール城の兵が全く部隊行動を理解していないのを目の当たりにしたときは、全兵を呼び集めて厳しく叱責した。
それ以来、各地では"天災よりも怖い"と言われていると聞き、苦笑するより他なかった。
[´・)Д・`]「次はどちらへ?」
<ヽ`∀´>「ヒグラシ城ニダよ」
[´・)Д・`]「防衛担当のアルティントップは今ごろ汗だくでしょうね……」
<ヽ`∀´>「程よい緊張感を持って、日々の鍛錬に励んでほしいニダ」
ヴィップが天下を統一してから、七年。
世界は、平和を得た。
それでも、国防を疎かにしてはならない。
謀反が起きる可能性がある。海から外敵がやってくる可能性もある。
有事の際には確実に国を守りきらなければならないのだ。
実際、ヴィップがラウンジを滅ぼした後は、元ラウンジの兵による叛乱が何度か起きた。
その際、ブーンの代わりに制圧の指揮を執ったのは自分だ。
苦戦することもあったが、無事に全てを鎮圧し、それからずっと防衛長官の任に就いている。
<ヽ`∀´>(ま、民政よりこっちのほうがウリには向いてるニダ)
フィレルトが退出した後は身支度を整え、足早に部屋を出た。
今日は、夕方から暇を貰っているのだ。
<ヽ`∀´>「明日の昼には戻るニダ」
補佐官に伝え、城外に出る。
すれ違う人々は皆、会釈していってくれた。
民からの信頼を得られていると実感できる瞬間だ。
- 59 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:28:46 ID:j4Cd4MWEO
- ニダーカッコ良すぎだろ
- 60 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:29:06 ID:5mh8yNic0
- キリッとしつつほのぼのしている独特の空気
- 61 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:29:55 ID:HKvMjsVk0
- ほんとαのニダーは謙虚でよろしい
- 62 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 14:30:39 ID:/OgetcPg0
- 馬に跨って東へ駆ける。
ハルヒ城からそれほど遠くはない場所へと向かった。
途中から山に入る必要があるため、到着には六刻ほど要する見込みだ。
単独行動の際は必ず剣を佩くようにしていた。
しかし、誰かに狙われたことはない。
これもヴィップの国政が安定しているおかげだろう。
<ヽ`∀´>(ホントにみんな、頑張ってくれてるニダね〜)
国政を統括するブーンはもちろん、各長官たちも国を発展させるべく汗水を垂らしている。
自分の役割は、どちらかといえば補佐に近いかもしれない。
だが、皆が安心して国政に取り組めるよう国を守るのも、重要な役目であることは間違いないのだ。
<ヽ`∀´>「ふぅ……」
山に入り、馬を曳きながら歩いて、二刻が過ぎた。
既に陽は姿を隠している。
しかし、夜の寒さを感じ始めた頃にようやく、村に着いた。
ハングル村。
自分が、生まれ育った故郷だ。
<ヽ` г´>「ニダー、お帰り」
<ヽ`∀´>「アボジ。待っててくれたニカ」
村の入り口に立っていたのは父だった。
この日に帰省することを前もって伝えていたため、待っていてくれたようだ。
- 63 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:30:41 ID:HKvMjsVk0
- 口が悪かった、好きだって言いたかったごめん
- 64 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:30:54 ID:6dyUMG3sO
- まとめって感じだなあ…
- 65 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:30:59 ID:5mh8yNic0
- ゆっくり終りに向うこの感じが
- 66 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:31:16 ID:MGmYqfEE0
- おぉ故郷
- 67 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:31:32 ID:NSSYz3t6O
- ああ、なんか微笑ましいな
- 68 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:31:35 ID:gWteJxc60
- お父さん・・・
- 69 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:31:39 ID:MqE.oFeA0
- うわあああ
- 70 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 14:32:22 ID:/OgetcPg0
- <ヽ` г´>「村のみんなには秘密にしてあるよ。お前が帰ってくると皆が大はしゃぎだからな」
<ヽ`∀´>「明日になったら、みんなにも挨拶しにいくニダ」
<ヽ` г´>「あぁ、そうしてやってくれ。きっと喜ぶ」
<ヽ`∀´>「今日はゆっくり休ませてもらうニダ」
それほど大きな村ではない。
昨年の人口調査では、確か千人に満たない住民数だった。
しかし、過疎化には歯止めがかかっている。
家に入ったあとは、すぐ庭に向かった。
母が眠る墓に手を合わせるためだ。
<ヽ`∀´>「帰ってきたニダよ、オモニ」
母が好きだった無窮花を墓に供えた。
喜んでくれているだろうか。
<ヽ` г´>「夕飯はできているよ、ニダー」
<ヽ`∀´>「カムサハムニダ」
母の居ない食卓を囲むようになって、三年が過ぎた。
今でこそ悲しみも薄れつつあるが、当時は仕事も手につかなくなるほど辛い思いをした。
自分を、国軍に入れるほどの体に育ててくれたのは、貧しい家庭を遣り繰りしてくれた母だったのだ。
<ヽ` г´>「ニヨンの具合はどうなんだ?」
食卓には、タットリタンやタッカンマリが並べられていた。
自分の前に置かれたカルグクスは、父があまり好んでいないものだ。
息子が帰省すると知って、わざわざ調達してくれたのだろう。
- 71 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:33:08 ID:8haAhiJgO
- ニダー大好き
- 72 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:33:24 ID:5mh8yNic0
- むしろみんな好きだ
- 73 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 14:33:57 ID:/OgetcPg0
- <ヽ`∀´>「もうほとんど大丈夫ニダよ。無理させたくないから今回はヴィップ城に置いてきたニダ」
<ヽ` г´>「久しぶりに会いたかったが……」
<ヽ`∀´>「またいつでも会えるニダよ」
帰省の際はいつも、嫁のニヨンと息子のニカーを伴っていた。
ただ、今回はニヨンが軽度の肺炎を患ってしまったため、連れてくることができなかったのだ。
<ヽ` г´>「ニカーは看病で残ったのか?」
<ヽ`∀´>「そうニダ。頼もしい限りニダよ」
<ヽ` г´>「ニカーは……六歳になったんだったか」
<ヽ`∀´>「結婚してから一年後に生まれたニダ。だからまだ五歳ニダよ」
<ヽ` г´>「おぉ、そうだったな。結婚したのが、ヴィップの天下統一直後だったな」
<ヽ`∀´>「まぁ、ニヨンは結婚の前からずっとウリの部屋にいたから、ウリにとってはもう十年ぐらい経ってる気分ニダ」
ラウンジと戦っている間は、誰かを側に置く気にはなれなかった。
中将ニダー=ラングラーに擦り寄ってくる女は星の数ほど居たが、関係を持っても一晩限りだったのだ。
正室にも側室にもできない、と言うと女は皆、諦めて部屋から出て行った。
それでも、諦めなかったのがニヨンだ
彼女の若さと美しさは、壮年期に入っている自分にはもったいない、とさえ思った。
しかし、出自を確かめて分かったことだが、彼女は同郷だった。
この村は、ニヨンにとっても故郷だったのだ。
- 74 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:34:16 ID:68/susQc0
- やっと追いついた
- 75 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 14:35:08 ID:/OgetcPg0
- 村の英雄である中将に憧れて村を出た。
だから、絶対に諦められない。
何ヶ月も、いや、何年もそう食い下がられては、断りきれなかった。
娶るのは、ヴィップが天下を統一したら。
そういう前提で部屋に置き続けた。
気立ても良く、やはり自分に相応しくないのではないか、と考えたこともあった。
しかし、尽くしてくれる彼女を幸せにしてやりたい、といつしか思うようになった。
<ヽ`∀´>「こんなオッサンのこと好きになってくれたんだから、ホントにありがたいニダよ」
<ヽ` г´>「ニヨンは、いい娘だ。欲がほとんどない」
<ヽ`∀´>「もうちょっと欲を持ってもいいくらいニダ。お金を渡すと全部生活費に回しちゃうニダよ」
ニヨンも、多少の贅沢はしたいだろう。
そう思って、生活費を多めに渡すと、そのぶん豪勢な食事を作ってくれる。
自分のために使っていい、と何度言っても、自分以外のために使うのだ。
<ヽ` г´>「教育も熱心で助かる。ニカーも、いずれは国に携わってほしいものだが」
<ヽ`∀´>「ニカーは旗地が好きみたいニダ。ときどきウリを負かすくらい強くなってるニダよ」
<ヽ` г´>「そういえば、去年来たときも旗地盤を持ってきていたな」
<ヽ`∀´>「ブーン皇帝は旗地を競技化させるつもりニダ。ニカーはそっちの道に進みたがってるニダね」
<ヽ` г´>「まぁ、本人がやりたいことをやるのが一番だな」
<ヽ`∀´>「ニダニダ」
食後に出てきたプンオパンも平らげると、充分に腹は満ちた。
最後はスジョングァをゆっくり啜る。
- 76 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:35:30 ID:ll7Kb6BE0
- ファンペルシー
ラノッキア
アルティントップ
サッカー好きだったのか
- 77 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:35:47 ID:64rC9qHc0
- ニダァァァァン大好き
- 78 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:36:02 ID:lUgwvt6kO
- うおおおおついに120話…支援させていただきます!
- 79 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:36:18 ID:MGmYqfEE0
- ニダーの口癖ってこの村の方言のはずだけど、親父さんは普通の喋り方なのか
- 80 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:36:31 ID:HqpfUqw20
- ここまで良心的なニダーはそういない
- 81 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:36:45 ID:JjwgmLQQ0
- 料理名わかんねぇwwwwwwwww
- 82 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:36:52 ID:Ynn4slMI0
- 記念パピコ
- 83 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 14:36:55 ID:/OgetcPg0
- <ヽ`∀´>「仕事はどうニカ? アボジ」
<ヽ` г´>「順調だな。売れ行きもそうだが、何より仕事そのものが楽しい」
<ヽ`∀´>「自分で創造するのはいいもんニダね」
贋作を作ることを生業にしていたのは、父だけではない。
この村全体の、もはや産業と言っていいくらいの仕事だった。
本来、人を騙すことが目的ではなく、真作を守るために作り始めたものだ。
ただ、世の中には贋作を買い、それを真作と偽って転売する者もいる。
その実情を分かってはいたが、贋作を作らなくてはこの村は存続できなかった。
やめよう、と言った。
自分が、言わなければならないと思ったからだ。
天下統一後、皆を村の中央に呼び寄せ、これからは独自性のある作品を作ろうと呼びかけた。
それでは生活できない、という反発もあったが、自分の私財を投じて支援することで皆が贋作の製作をやめた。
絵も、壷も、何もかも全て自分たちで意匠を考え、輸出するようになった。
無論、最初は受け入れてもらえなかった。
村にこびり付いた贋作の印象は、簡単に拭えるものではなかったのだ。
<ヽ` г´>「この仕事ができているのも、やはりお前のおかげだよ、ニダー」
父のみならず、村の者は皆、異口同音にそう言ってくれる。
確かに、長く中将を務めた男を輩出した村であるという事実は、印象の良化に役立っただろう。
ただ、最後は技術が物を言った。
長く続いた贋作の製作で磨かれた腕は、確かなものだったのだ。
あまり誇れることではない、と思いつつも、いつしか世間にも受け入れられるようになっていった。
- 84 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:37:01 ID:5mh8yNic0
- ニヨンが惚れるのもわかる
- 85 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:37:53 ID:0WJA7BDs0
- 男でも惚れるわ
- 86 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:37:56 ID:MqE.oFeA0
- 理想的だな
- 87 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:38:03 ID:HKvMjsVk0
- イイハナシダナー
- 88 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 14:38:07 ID:/OgetcPg0
- まだ、波に乗ったとはいえない。
食べていくのがやっと、という村人もいる。
大切なのは、これからも質を落とさずに作りつづけることだ。
そうすれば、いつか軌道に乗るだろう。
<ヽ`∀´>「そろそろ寝るニダ。チュムセヨ、アボジ」
<ヽ` г´>「あぁ、おやすみ。ニダー」
村を出て、自分で作品を売るようになってから、父は方言を喋らなくなった。
周りに影響された、と笑っていたが、どうやらその順応性の高さは父だけが持っているものらしい。
自分は未だ、方言を使い続けている。恐らく、今後も変わらないだろう。
翌朝、自分が帰郷したことを知った村人が次々に家を訪れてきた。
雑談も多いが、今後の生き方を相談されることがほとんどだ。
中には、国を守る兵士になりたいと言ってくる子供もいた。
<ヽ`∀´>「訓練は大事ニダ。でも、ちゃんと家の手伝いをすることと、毎日しっかり食べることはもっと大事ニダよ」
子供が元気な声を返してくれる。
それだけで、ヴィップの行く先は明るいもののように思えた。
昼が近づいた頃、皆に別れを告げた。
これから一旦ハルヒ城に戻り、そのあとヒグラシ城で兵の練度を確かめなければならない。
しかし、その前に訪れておくべき場所があった。
山中の、合同墓地だ。
<ヽ`∀´>「パク、久しぶりニダね」
その墓には、かつての親友が眠っている。
共にこの村から旅立ち、共にヴィップ国軍で戦った、パクという男だ。
- 89 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:39:14 ID:gWteJxc60
- あいつか
- 90 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:39:42 ID:ABFmFp.20
- 戦地に立つ限りは妻帯しない。まるでロッテ里崎のような男だなニダー
- 91 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 14:40:22 ID:/OgetcPg0
- <ヽ`∀´>「なかなか来れなかったニダね。チェーソンハムニダ」
<ヽ`∀´>「みんなと話してると、いつもこっちに来る時間がなくなっちゃうニダよ」
<ヽ`∀´>「まぁ、そんなこんなでウリは元気にやってるニダ」
パクとの思い出は、ありすぎるほどにある。
幼い頃からよく一緒に遊んだこともそうだが、特に、入軍直後のことは思い出深い。
この村の出身というだけで、周りの兵から差別された。
あまりに理不尽だと思えたが、決して仕返しをせず、二人で黙して耐えた。
ただ、一人では堪えきれなかっただろう。パクが一緒に忍んでくれたおかげだ。
<ヽ`∀´>「あのとき、ハンナバル総大将の存在は大きかったニダね」
<ヽ`∀´>「ハンナバル総大将が助けてくれたこと、将校になってから声をかけてくれたこと……本当に嬉しかったニダ」
<ヽ`∀´>「今、ヴィップの皇帝になっているブーンは、ハンナバル総大将にちょっと似てるニダよ」
<ヽ`∀´>「優しいところとか、ちょっと間が抜けてるところとか……」
<ヽ`∀´>「……芯が強いところとか、ニダ」
不可能を可能にしてくれる。
そんな頼もしさが、ハンナバルにはあった。
同じく、ブーンにもある。
その信頼の底にあるものは、芯の強さなのだ。
二人とも、いかなる状況であっても戦い抜くことができた。
だからこそ、周りは二人を頼った。
頼りすぎてしまった部分もあったのは確かだ。
しかし、二人は頼られれば頼られるほど強くなった。
ハンナバルがヴィップの礎を築けたのも、ブーンがヴィップを天下に導けたのも、根本を辿ると同じところに行き着く。
- 92 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 14:41:50 ID:/OgetcPg0
- <ヽ`∀´>「ブーン皇帝はこれまでずっと頑張ってくれたニダ。多分、これからも頑張っちゃう人ニダ」
<ヽ`∀´>「ウリは、全力で支えるニダよ。この国を、もっといい国にしてみせるニダ」
<ヽ`∀´>「パクも、そっちで見守っていてほしいニダ」
最後に、手を合わせた。
目を開き、太陽の位置を確認する。
いつしか随分、高いところへと昇っていた。
<ヽ`∀´>「アンニョン、パク」
馬の手綱を曳いて、山の中を歩く。
正午までにはハルヒ城に戻りたいものだ。
国を守る仕事には、大いにやりがいを感じている。
高齢になってから特に、もっと休んでほしいとブーンは気遣ってくれているが、休みたくはないのだ。
国のために働いていたいのだ。
ハンナバルが基盤を作り、ジョルジュがそれを固め、ブーンが天下を掴んだ。
様々な苦労があった。
汗を流し、血を滲ませながら、ようやく天下を得られたのだ。
心で負けるなと、常に両親から教えられてきた。
きっと、その教えを守れたからこそ、今まで生きてこられたのだろう。
ヴィップに貢献することができたのだろう。
そして、これまでずっと、ヴィップに尽くしてきたからこそ。
身が粉になるまでヴィップのために戦いたい。
<ヽ`∀´>「さ、今日もお仕事頑張るニダ」
山を降りて、馬に跨る。
棹立ちになった馬は勢い良く駆け出していく。
今日も、ヴィップを守るべく。
- 93 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:42:29 ID:JjwgmLQQ0
- もしやこれ全員分やるのか
- 94 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:42:59 ID:HKvMjsVk0
- 全員分見たいぜ
- 95 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:43:03 ID:onwT9NSc0
- いい話だわ。終わって欲しくないな
- 96 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:43:18 ID:e9BbdmGM0
- こんな穏やかな気分は久しぶりだ・・・
- 97 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 14:43:23 ID:/OgetcPg0
- ――ヴィップ城――
人差し指と親指を軽く広げた程度の厚みはある。
その申請書を見た瞬間は、軽く嫌気も差したが、一息ついてから精査しはじめた。
アリア城の近くに、十二歳以下の子が通う学校が造られる。
今まで、アリア城の近辺に住む子供は、トナグラ城近郊の町まで通っていたのだ。
ただ、アリア城近郊は山が多く、あまり人が住んでいないため、今までは学校建設の予算が下りていなかった。
戦が終わったことで人口は増加傾向にあり、新たな学校を建設する動きは各地で出ている。
特にここ三年ほどは急増していた。
学校を建てるかどうかを判断するのは環境長官であるフサギコの役目だ。
その後、学校の教育体系や組織などを確認して最終的な認可を出すのが、自分の役割だった。
(´<_` )(初年度は五十六人か……まぁ、思ったより生徒数は多いな)
アリア城から二十里ほど離れたところに町が出来つつある。
初年度から五十人を超える生徒数が確保できたのは、それによるところが大きいようだ。
(´<_` )(教師もちゃんと揃ってる……問題なさそうだな)
手早く申請書を確認していったが、取り立てて問題にすべきところは見当たらない。
明日、念のためもう一度全て読み返してみるが、そのまま判を押すことになりそうだ。
( ´_ゝ`)「おーい、オトジャ」
(´<_` )「ん? どうかしたか、アニジャ」
紙切れをはためかせながら、執務室にアニジャが入ってきた。
手に持っているのは、どうやら手紙のようだ。
- 98 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:43:41 ID:3WZhaEkI0
- いまやニダーが一番の古株だからなあ
- 99 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:44:39 ID:2t4WeL.Y0
- 穏やかだなぁ。
流石兄弟は先生なのか?
- 100 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:44:46 ID:35jkzKccO
- これだけ長編で、色んなキャラの心情を書いてきたんだから作者さんにとって全員に思い入れがあるんだろうな
- 101 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 14:45:12 ID:/OgetcPg0
- ( ´_ゝ`)「イモジャからだ。元気してるかーって」
(´<_`;)「十日前にも同じ内容の手紙が来てたよな?」
( ´_ゝ`)「心配してくれてるんだ、ありがたいことじゃないか」
(´<_`;)「まぁ、そうだが……」
心配性なところがあるのは昔からだった。
戦時中は、こちらの事情を慮って控えていたようだが、平和になってからは頻繁に手紙を送ってくるようになった。
( ´_ゝ`)「俺が返しておこうか」
(´<_` )「そうしてくれると助かる」
( ´_ゝ`)「んで、今は何してたんだ?」
(´<_` )「あぁ、学校の新設に伴う申請書の確認だよ」
申請書を執務机に置いて立ち上がる。
いつの間にか外は夕闇に染まっていた。
( ´_ゝ`)「大変だな、オトジャ」
(´<_`;)「他人事のように言ってるが、副長官であるアニジャがやってもいい仕事だぞ」
( ´_ゝ`)「いやいや、教育長官がやるのがやっぱり一番だろう」
(´<_`;)「面倒なことから逃げたがってるようにしか見えないんだが……」
そもそも、いま自分が就いている教育長官という役職さえ、本来はアニジャのものになるはずだった。
嫌がって駄々を捏ねたため已むを得ず自分が就任しただけだ。
- 102 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:46:09 ID:HKvMjsVk0
- 駄々をこねたww
- 103 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:46:15 ID:JjwgmLQQ0
- アニジャが兄者すぎる
- 104 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:46:33 ID:5mh8yNic0
- アニジャwwwwww
- 105 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 14:46:51 ID:/OgetcPg0
- ( ´_ゝ`)「俺はオトジャの成長を思って、オトジャに重責を」
(´<_`;)「今さら重責も何もないだろう……」
( ´_ゝ`)「とりあえず飯にしようぜ! 今日はじゃが芋料理だ!」
(´<_`*)「おぉ、ホントか!」
(*´_ゝ`)「じゃが芋揚げ餃子と肉じゃががあったんだ、俺はずっとそわそわしている!」
(´<_`*)「了解だ! 全力で食堂に行くぞ!」
仕事を中断して駆け出す。
二人で食堂に駆け込み、夕食を受け取って席に着いた。
揚げた餃子は軽く噛むだけで小気味の良い音が立つ。
中の芋には大蒜の風味が染み込んでいた。
肉じゃがは玉葱、人参、豚肉と共に煮込まれている。
醤油による味付けは絶妙だった。
半刻もしないうちに全てを平らげ、二人で腹を撫でる。
(´<_` )「ふぅ。やっぱりじゃが芋は最高だな」
( ´_ゝ`)「俺は死ぬまでじゃが芋を愛し続けるぞ」
(´<_` )「ヴィップへの愛に勝るとも劣らないじゃが芋愛。流石だよな俺ら」
食後は蜜柑を二人で食べながら談笑していた。
食堂は政務官たちで賑わっている。
- 106 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:47:10 ID:MGmYqfEE0
- いつも通りのアニジャ
- 107 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:47:34 ID:9256zbDwO
- アニジャw
- 108 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:47:54 ID:NSSYz3t6O
- 昼食べたのに腹が減ってきた
- 109 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:48:07 ID:5mh8yNic0
- この兄弟は安定だなwww
- 110 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:48:26 ID:klyKeAvIO
- じゃがいも愛w
- 111 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:48:28 ID:C5Lld2ZI0
- まだ追い付かないけれど
支援!
ひとつの歴史が終わろうとしている現場に立ち会えて幸せです
作者、がんばって!
- 112 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:48:29 ID:JjwgmLQQ0
- そういやそんな設定もあったか・・
- 113 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 14:48:46 ID:/OgetcPg0
- ( ´_ゝ`)「そういやブーンは今どうしてるんだ?」
(´<_` )「記念式典で各地を回ってる頃だろう」
( ´_ゝ`)「あぁ、俺の代わりにか」
(´<_`;)「いつアニジャが皇帝になったんだ」
( ´_ゝ`)「そういやロマネスクも見かけないな。一緒か?」
(´<_` )「そうらしい。税制改革については自分の口から説明したいようだ」
( ´_ゝ`)「俺の税だけ引き下げてくれたりしないかな」
(´<_`;)「最低すぎるぞアニジャ。実際には給料の分、多めに払っているとはいえ……」
( ´_ゝ`)「しかしみんな頑張ってるよな。天下統一したら少しは休めると思ってたんだが」
(´<_` )「アルファベットの訓練をする必要はなくなったが、国の運営も激務そのものだ」
( ´_ゝ`)「さすがに老体には厳しいものがある」
(´<_`;)「老け込むほどじゃないだろう、まだ」
( ´_ゝ`)「いやいや、俺ももう五十三だしな……そういやオトジャはいくつになったんだ?」
(´<_`;)「同い年に決まっているだろう……双子を何だと思っているんだ?」
昔から変わらない。
アニジャは、少し間が抜けていて、物事を暗い目で見ることがない。
常に明るい未来を期待しているのだ。
双子で、姿形はほぼ一緒だが、性格的には少し違う。
だからこそ均整を保てているのかもしれない、とは思っていた。
- 114 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:49:58 ID:u8EuEmK60
- ついに終わるのか
- 115 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:50:00 ID:5mh8yNic0
- 剽軽な53歳
- 116 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:50:04 ID:MGmYqfEE0
- 老けるっていうかボケてきてないか
- 117 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:50:20 ID:MqE.oFeA0
- 五十三wwww
- 118 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:50:34 ID:YSjnRIko0
- ああもうそろそろ出かけないと
リアルタイムで最後まで見届けたたかったぜ
- 119 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:50:35 ID:ABFmFp.20
- 何か感慨深いなー
予告編と称して第一話丸々投下されて、第一話と言って予告編と全く同じ物が投下されて
なんでやねんと思ったのがつい昨日のようだ
- 120 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 14:50:59 ID:/OgetcPg0
- (´<_` )「そういや、教師への免許証の発行が完了したぞ」
( ´_ゝ`)「ん? ってことは、訓示をやらないといけないな」
(´<_` )「今年はアニジャの番だからな」
( ´_ゝ`)「忘れていた。一週間後か?」
(´<_` )「あぁ。ビシっと決めてくれよ」
( ´_ゝ`)「それが終わったら帰省だな」
(´<_` )「そうだな、そろそろハハジャの怒髪が天を衝く頃だ」
( ´_ゝ`)「いつまで経っても元気で、ありがたいことだな、ハハハ」
(´<_`;)「苦笑いしながら言うなよ。まぁ、元気すぎるくらいだけどな」
互いに妻帯しているが、帰省するときはいつもアニジャと二人だった。
そのほうが気楽でいいのだ。昔のように、気兼ねなく家族との時間を過ごせる。
戦時中は、他の誰かとの時間をほとんど取ってやれなかった。
天下が平定された後しばらくも、そうだ。
長年、戦い続けた末に、ようやく平和を得た。
ずっと自由な時間を過ごせるわけではないが、充分、平静を満喫できている。
穏やかな日々といって良かった。
( ´_ゝ`)「ほんと、平和だよなぁ」
時々、自分が考えていたのと同じ意味の言葉を口にすることがアニジャにはある。
やはり双子なのだと、改めて実感するときだった。
- 121 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:51:03 ID:gWteJxc60
- 和やかだな
- 122 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:51:26 ID:39U1/4VY0
- 何レスくらいあんだろ?
- 123 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:51:54 ID:aSCOea1U0
- 暖かだな、ロマ
- 124 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:52:38 ID:MGmYqfEE0
- ロマまだ出てきてないぞ…
- 125 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:52:40 ID:3WZhaEkI0
- >>123
不吉なこと言うな・・・
- 126 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 14:52:42 ID:/OgetcPg0
- ( ´_ゝ`)「戦場を駆け巡ってた日々が嘘みたいだ」
(´<_` )「嘘みたいな現実を手に入れるために、ずっと頑張っていたんだろう、俺たちは」
( ´_ゝ`)「そうだな。しかし、そのための犠牲も多かった」
(´<_` )「あぁ……俺たちを育ててくれたジョルジュ大将も、もういないしな……」
( ´_ゝ`)「あの人に、この平和を味わってもらいたかった。それが一番の心残りだ」
自分たちを将校に引き上げ、戦場でも重用してくれた。
ジョルジュ=ラダビノードは、天下統一の直前で戦場に散った。
本人は、病の完治と引き換えに寿命を削ったという。
たとえ戦場でショボンに討ち取られていなかったとしても、ヴィップの世で生きることは難しかったかもしれない。
それでも、悔やまれた。
誰よりも長くショボンと戦い、ヴィップを救ってくれた人だからこそ。
あの人に、ヴィップの天下を見てほしかった。
それは、ブーンを始めとする将校たち全員が思っていたことだった。
(´<_` )「散々あれこれ怒られた俺たちこそ、しっかりしなきゃいけないな」
( ´_ゝ`)「あぁ。ジョルジュ大将が安心できるように」
(´<_` )「よし、仕事に戻るとするか」
( ´_ゝ`)「俺も仕事に集中するべく一眠りするぞ!」
(´<_`;)「おい、まだ今日中に片付けない仕事あるんだからな」
- 127 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:53:26 ID:tTIXZnUw0
- アルファの流石兄弟すきだ
- 128 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:53:33 ID:gloPSijU0
- ビーンは出るのかな?
- 129 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:53:50 ID:ll7Kb6BE0
- ヒッキーが好きだった・・・
- 130 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:54:26 ID:T7AWxHVkO
- アルファのアニジャは清涼剤だな
- 131 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 14:54:31 ID:/OgetcPg0
- 自分たちが教育を担当することになると、最初は全く想像していなかった。
天下統一の直後は叛乱が度々起きていたため、ニダーとともにそれを制圧するのが主な役目だったのだ。
実質的に補佐官に近い役割だった。
国が安定しはじめてから、ブーンが教育に力を入れる方針を打ち出し、長官には自分が選ばれた。
自分に向いているのかどうか、今でも分からない。
ただ、やりがいは感じていた。
教育は、未来の礎。
それがブーンの言葉だ。
年々、その言葉の重みを実感するようになっていた。
( ´_ゝ`)「皆が子供だった頃、全土はまだ戦火に包まれていた」
( ´_ゝ`)「学校では勉学よりも農作の実習や、木の棒を使った剣術指導などに熱が入っていたと思う」
一週間後。
南東地方で教師免許を交付された者が、ヴィップ城に集まっていた。
( ´_ゝ`)「農作は大切だ。子供のうちから剣術を学ぶのも悪いことじゃない」
( ´_ゝ`)「ただ、今は戦時じゃない。時代に即した教育が必要になるのは分かっていると思う」
( ´_ゝ`)「識字率を上げることも、計算力を養わせることも、戦史を学ぶこともこれからは大事だ」
( ´_ゝ`)「そして、それ以上に大切なことは、この国を愛するようになってもらうことだ」
大広間に集まった教師の数は、二百人以上。
誰も口を開かず、アニジャの言葉に聞き入っている。
- 132 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:54:42 ID:Etm4VpfgO
△
(´・ω・`)
- 133 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:55:20 ID:oRKps/L.0
- ロマネスクが黒幕か
- 134 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 14:56:09 ID:/OgetcPg0
- ( ´_ゝ`)「いずれ子供たちはヴィップの将来を担う。そのためにも、懸命に勉強してほしい」
( ´_ゝ`)「しかし、国を愛することができなければ、将来を見据えることもできない。勉強にも身が入らないだろう」
( ´_ゝ`)「愛せる国にできるよう努力するのは政府の役目だ。それに関しては全力で取り組むと誓う」
( ´_ゝ`)「そして君たちは、ヴィップという国のことを、ありのまま子供たちに教えてやってほしい」
( ´_ゝ`)「そうすれば、子供たちは必ずヴィップを愛してくれるようになる。俺はそう確信している」
まだ昇りきっていない太陽の光が、窓から射し込む。
アニジャを、背から輝かせる。
( ´_ゝ`)「教育は、未来の礎だ。他ならぬブーン皇帝が、今後もっとも大事になるのが教育だと口にしている」
( ´_ゝ`)「君たちが担うのは、重責だ。それは時に膝を折らせるほどのものかもしれない」
( ´_ゝ`)「だから決して軽々しい気持ちで取り組まないでほしい。子供たちを未来へ導くのは君たちなのだから」
( ´_ゝ`)「子供たちの笑顔を、ヴィップの明るい未来を、君たちが作り出すのだから」
( ´_ゝ`)「……これからの長い教師人生が、幸多きものであることを祈ろう。訓示は、以上だ」
一斉に、教師から拍手が起きた。
自分も自然と手を叩いている。
普段、間が抜けていることの多いアニジャも、決めるべきところでは決めてくれるのだ。
それも、昔から変わらない。
だからこの兄は頼りになるのだ。
- 135 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:57:31 ID:Etm4VpfgO
△
( ФωФ)支援
- 136 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:57:32 ID:MGmYqfEE0
- 締めるところをちゃんと締めてる
- 137 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 14:57:34 ID:/OgetcPg0
- (;´_ゝ`)「ふぅー。大勢の前で喋ると汗をかく」
(´<_` )「お疲れ、アニジャ」
( ´_ゝ`)「どうだった? 特に問題なさそうか?」
(´<_` )「あぁ」
(´<_` )「……流石だな、としか言いようがない」
( ´_ゝ`)「ん? なんだって、よく聞こえなかった」
(´<_` )「何でもないさ。さぁ、仕事仕事」
(#´_ゝ`)「なんで隠すんだ! さては疾しいことだな!」
(´<_`;)「何故さっきの流れで俺が疾しいことを言わなきゃならんのだ」
(#´_ゝ`)「おーしーえーろー!」
(´<_`;)「時に落ち着けアニジャ、俺の首が猛烈に絞まっている」
アニジャを宥めながら、二人で執務室へと歩を進める。
十歩も歩けば忘れるだろう、と思っていたら五歩で忘れてくれた。
ありがたいが、先ほどの訓示を述べた人物とはまるで別人のようだ。
(´<_` )(しかし、意外とアニジャのほうが教育に向いてるのかもな)
少なくとも自分よりは、と思考に付け足しを加える。
だが、役割としてはやはり副長官が適任だろう。
アニジャが長官でも結局は自分が補佐しつづけることになりそうだからだ。
- 138 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:57:39 ID:klyKeAvIO
- よもや兄者に泣かされるとはな…
- 139 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:58:17 ID:N8xJEDwgO
- これ本当にアニジャなのか…!?
- 140 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:58:42 ID:JjwgmLQQ0
- 流石だなキターーーーー
- 141 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 14:58:59 ID:/OgetcPg0
- (´<_` )「教育は未来の礎、か」
ブーンが語り、アニジャも語った言葉を、口にしてみる。
改めて、重みを感じる言葉だ。
(´<_` )「やっぱ、そうだなぁ」
( ´_ゝ`)「何がだ?」
(´<_`;)「さっき口にしただろう。教育は未来の礎、だよ」
( ´_ゝ`)「あぁ。ブーンが俺たちに何度も言ってくれたよな」
(´<_` )「本当にそのとおりだなって思ったんだ。子供たちが未来を作っていくんだから」
( ´_ゝ`)「そして俺たちは、子供たちが未来に期待できるような国を作っていかなきゃいけない」
(´<_` )「あぁ。後進に襷を渡すのは、それからだな」
( ´_ゝ`)「あと何年やれるか、自分でもよく分からんが」
(´<_` )「自然と身を引くべきときが分かるようになるさ。そういうものだろう」
( ´_ゝ`)「うむ、そうかもしれんな」
(´<_` )「若い頃から全力で駆けてきて、そろそろ体力的にも辛くなってきた。遠くはないだろうな」
- 142 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:59:19 ID:5mh8yNic0
- アニジャ適材じゃねぇか
- 143 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:59:25 ID:9OYRKLKU0
- 兄者...
- 144 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 14:59:35 ID:HKvMjsVk0
- カリスマとはこういうことか
- 145 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 15:00:43 ID:/OgetcPg0
- ( ´_ゝ`)「やれるうちに、やれることをやっておかなきゃな」
(´<_` )「同じことを俺も考えていた」
( ´_ゝ`)「流石だよな俺ら」
二人で軽く、笑い合った。
ずっと、戦場に身を置いてきた。
不意なる形でアニジャとの別れが訪れることも、覚悟はしていた。
無事に二人とも戦い抜けたことは、奇跡に近い。
その奇跡に感謝して、これからも二人で生きていこう、と自分のなかでは思っていた。
言葉にして確認したことはないが、アニジャも同じ思いだろう。
これからも、二人で。
そう思えるようになったのも、国が天下を得たからこそだ。
かつて戦場に立った者たち全てに。
そして、天下を掴んでくれたブーン=トロッソに。
感謝して、これからも生きていきたい。
かけがえのない兄と共に。
- 146 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:01:09 ID:8haAhiJgO
- 流石だな
- 147 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:01:57 ID:5mh8yNic0
- 流石だな
- 148 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:02:06 ID:3WZhaEkI0
- 水分補給しないといけないくらい目から汁が・・・
- 149 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:02:20 ID:NSSYz3t6O
- みんな長生きしてほしいな
- 150 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 15:02:45 ID:/OgetcPg0
- ――シュヴァリエ城――
( >ω<)「長官、お茶をどうぞ」
リロートが運んできてくれた緑茶を受け取った。
この地域は全土で最も寒さが厳しい。
体中を温めてくれる緑茶が、ありがたかった。
( ФωФ)「忝い」
仕事にも一息ついた。
緑茶を啜りながら、背凭れに体重を掛ける。
( >ω<)「お疲れでしょうか?」
( ФωФ)「疲れていないとは言えぬ。しかし、特段の問題はない」
( >ω<)「ですが、ここ最近は、税制の調整がずっと続いていますから……」
( ФωФ)「それが我輩の仕事であるよ、リロート」
リロートは、華奢な体を自分で抱き締めるかのように腕を交差させている。
男よりも女のほうが寒さには弱いと聞いたことがあるが、どうやら本当らしい。
( ФωФ)「そこの棚に毛布が入っているである。身を包むと良いである」
(*>ω<)「あ、ありがとうございます!」
あどけない笑顔を見せて、そそくさと毛布を取りに行った。
あの笑顔は、どうやら父から譲り受けたものらしい。
どこか懐かしい気持ちにさせられるのだ。
リロート=フィラデルフィア。
かつてヴィップで将校として活躍した、ビロード=フィラデルフィアの娘だ。
- 151 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:02:47 ID:71BJFJMw0
- 支援
- 152 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:03:00 ID:PrTDFJmA0
- 兄弟良かったなぁ……泣いた
- 153 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:03:19 ID:onwT9NSc0
- 投下開始から五時間以上経ってるな。すげー
- 154 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:03:23 ID:gWteJxc60
- ビロの息子かw
- 155 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:03:42 ID:MGmYqfEE0
- 今度はロマネスクとビロードの…
- 156 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:04:05 ID:gWteJxc60
- 娘か!!
- 157 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:04:15 ID:HKvMjsVk0
- 残念娘だ!
- 158 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:04:22 ID:Etm4VpfgO
- 一時( ФωФ)「そい!」が流行ったよな
- 159 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 15:04:26 ID:/OgetcPg0
- (*>ω<)「この毛布、あったかいです」
目元は父に似ているが、口元は母に似ている。
少しばかりそそっかしいところは父に通じていた。
( ФωФ)「ここは本当に寒いところであるな」
(;>ω<)「極寒です……」
(;ФωФ)「それは言いすぎと思うが……なかなかヴィップ城では味わえない寒さであることは確かだ」
( >ω<)「でも、これもいい経験です!」
( ФωФ)「うむ。地方の寒さの厳しさを知ることも大事である」
この寒さを身をもって知ることで、地方に割くべき予算も見えてくる。
他者から聞いたり、報告書を読んだりするだけでは分からないことも多いのだ。
( ФωФ)「急な寒さで体調を崩したりせぬよう、留意するであるよ」
( >ω<)「はい! もちろんです!」
( ФωФ)「年末までは休んでいられない状況であるからな」
ヴィップが天下を統一したあと最も忙しかったのは、やはり統一直後だ。
国家は不安定であり、かつてラウンジ領だった地域の税制を把握してヴィップに吸収することが急務だった。
あのとき、皇帝となったブーンはその役目を、すぐさま自分に割り当てた。
自分も手を上げようとしていたのだ。望むところだった。
財政は国家の運営に直結する。責任感のある仕事をやりたいと願っていたのだ。
- 160 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:04:42 ID:klyKeAvIO
- ビロの娘か〜
- 161 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:04:44 ID:gloPSijU0
- 口癖がないな
- 162 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:05:00 ID:E6IspQHk0
- △
( ><)「娘、頑張るんです」
- 163 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:05:18 ID:ABFmFp.20
- 忝い(そい)キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
- 164 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:06:06 ID:KgZ3wZfo0
- あービロード死んでたんだっけか
- 165 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:06:31 ID:3WZhaEkI0
- 国中を周ってみたいって言ってたものなー
- 166 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 15:06:32 ID:/OgetcPg0
- 統一直後という激動の期間を乗り越え、しばらくは沈着していた。
ラウンジの広大な領土から税を取るのは想像を絶するほど地道で困難な作業だったが、なんとか乗り切れたのだ。
一度軌道に乗れば、あとはそれほど苦労することもなかった。
再び忙しくなってきたのは、一年ほど前からだ。
漫然と続いてきた税制を抜本的に改革しようという動きが出てきた。
それには自分も賛成だったが、自分が思う以上の速さでブーンは改革を進めようとしていたのだ。
弱音を吐くわけにはいかない。
ブーンの構想についていくことで必死だったが、今のところ、期待に応えられていると自負できる状態だ。
( >ω<)「年末までに安定させようと仰っていた累進課税の税率変更は、今のところ上手く回っていますね」
( ФωФ)「代わりに控除項目を増やしたことが効果覿面だったであるな」
( >ω<)「民にとっては上手くすれば所得を増やしながら納税額を削減できますからね」
( ФωФ)「特に扶養控除は大きい。そのためにはたくさん子供を産んでもらわねばならぬが」
( >ω<)「それはブーン皇帝が唱えていた、出生率向上のための施策なんですよね?」
( ФωФ)「戦を始まる前に比べると人口が減っているである。人口をもっと増やさねばならない状態であるよ」
( >ω<)「今のところは税収も上がってますし、民にも納得してもらえてますし、いい感じです!」
( ФωФ)「無論、そのぶん政府が提供する役務も充実させねばならぬ」
( >ω<)「そうですよね、公共役務を充実させるための増税ですものね」
( ФωФ)「それだけが目的ではないにしろ、民が直接的に恩恵を受けられるのは、やはり公共役務であるな」
- 167 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:06:51 ID:5mh8yNic0
- せつなさとなつかしさとうれしさのいりまじる感想
- 168 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:07:04 ID:Etm4VpfgO
- ビロードのセックスが想像できない
- 169 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:08:11 ID:MGmYqfEE0
- そいなんて言ってたかと思ったらかたじけないの誤読かwww
- 170 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 15:08:11 ID:/OgetcPg0
- ( >ω<)「公共役務に関してはフサギコ環境長官のお役目ですか?」
( ФωФ)「まぁ、そうであるな。あるいはルシファーか」
( >ω<)「国家運営の医療保険、早く始まってほしいです! よく風邪を引いちゃうので……」
( ФωФ)「今までお金がなくて医者に診てもらえなかった人たちが、それで助かるようになることを願うばかりである」
医療保険の導入もブーンの肝入りだ。
まだ検討段階で、導入は早くとも五年後になるというが、急速に話は進められている。
検討できる段階に入れたのも、国家の税収が上がったからこそだった。
税収を上げるためには、増税することも大事だが、減税することも大事だ。
あまり税を取りすぎては、人は消費を抑えるようになってしまう。
税にとっての大敵は、黙々と貯蓄されることだ。
取るべきところから取る。
当たり前のことだが、最も難しいことでもあるのだ。
( >ω<)「これ、確か西の山中にある村の納税報告書ですよね?」
( ФωФ)「うむ。あとこっちがフラクタル城の城下町の報告書だ」
( >ω<)「じゃあ、これは私がやっつけちゃいます!」
( ФωФ)「そうしてもらえると助かる。一応、我輩も後で目は通すが」
( >ω<)「報告書確認の練習、練習〜」
報告書を抱え、頭を下げて部屋から退出していった。
僅かに茶色がかった長い髪を揺らしながら。
- 171 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:08:15 ID:rWlJJl/20
- 今北支援
- 172 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:09:51 ID:MGmYqfEE0
- 息子娘の話がよく出てるが
シラネーヨさんはきっといないんだろうな…
- 173 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 15:10:19 ID:/OgetcPg0
- ( ФωФ)(仕事熱心で、助かるばかりである)
かつて、国務に携われるのは男だけだった。
城に居る女性といえば、給仕、掃除婦、侍女などで、国家運営に関わることはなかったのだ。
それを撤廃したのもブーンだった。
登用の際の条件に設けたのは、義務教育を完了していることのみ。
後は、登用試験で全てを見極めるよう改革された。
実際には、国務官を目指す女性はまだ少ない。
合格率も高くはない。
しかし、リロートのような才媛も世の中にはいるのだ。
リローは、縁故ではなく実力で登用試験を通過した。
幼い頃から勉強が好きだったのだという。
女性らしい柔軟さも持っており、今後は国家の中枢を担うことさえ期待されている人材だった。
確かに、今まで男のみを登用対象としてきたことがおかしかったのだ。
アルファベットに関しては、女性ではほとんどまともに扱えないという性質上、仕方のない面があった。
しかし、国家運営に関しては性別だけで差別化する必要などどこにもない。
当然のことだ、と今は思える。
だが、慣習的に続いてきたことを、即座に撤廃できるブーンの決断力は、並ではなかった。
乱世の頃より、治世の今のほうが、ブーンは活躍している。
それは誰にとっても驚きをもって受け止められていたが、今となっては期待しかなかった。
自分などは、ブーンについていくだけで精一杯だ。
それでも、期待以上だとブーンはいつも褒めてくれる。
ありがたい、と思うと同時に、身は引き締まっていた。
- 174 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:10:36 ID:KmYks58s0
- シラネーヨ……?
- 175 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:10:37 ID:Etm4VpfgO
- リリィさんもきっと来る
- 176 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:11:13 ID:8haAhiJgO
- 支援
- 177 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:12:02 ID:xzenvCNE0
- 118話がLastで最終話かと思って一気に見たのに最終話じゃなかったと絶望したあのころ
- 178 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:12:04 ID:5mh8yNic0
- ブーン名君じゃねえか
- 179 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 15:12:08 ID:/OgetcPg0
- ( ФωФ)(……やはり寒いな、この城は)
夜が更けてきて、寒さは一層、厳しさを増した。
自分も毛布を被り、灯りを消して寝床に潜り込む。
やるべき仕事はまだあるが、喫緊の課題ではない。
年末までに終わらせれば充分だろう。
しかし、翌朝。
(;ФωФ)「ゴホ、ゴホ」
呼吸をするだけで喉が痛む。
頭は重く、体の節々は軋んでいた。
(;>ω<)「風邪だそうです」
(;ФωФ)「であろうな……」
侍医の話によれば、過労で体が弱っていたことと、北部の寒さが原因だという。
情けない話だった。
(;ФωФ)「リロート、フラクタル城にいるブーン皇帝に伝令を遣わせてくれ」
(;>ω<)「病状の報告ですか?」
(;ФωФ)「うむ。すぐに復帰するとも伝えてくれ」
すぐさま伝令が駆けていった。
そしてその伝令が、何故かその日のうちに帰ってきた。
- 180 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:12:58 ID:64rC9qHc0
- ('A`)イキテタラオレガイチバンカツヤクデキタハズ
- 181 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:13:04 ID:KmYks58s0
- 死亡フラグ
- 182 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:13:14 ID:3WZhaEkI0
- ん?
- 183 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 15:13:36 ID:/OgetcPg0
- ( >ω<)「カレイドスコープ城に向かう途中の皇帝と運良く出会えたみたいです」
(;ФωФ)「うむ」
直筆の手紙を渡された。
何故伝言ではないのか、と訝しんだが、どうやらこの衝撃的な内容を字で伝えたかったらしい。
(;ФωФ)「……『完治するまで一切の執務を禁ずる。また、最低でも三日は完全に休養すること』」
(;ФωФ)「『もし守れなかった場合は、厳罰に処す』……」
(;>ω<)「げ、厳罰?」
(;ФωФ)「人が悪いであるな、ブーン皇帝……」
優しい微笑みが透けて見えるような手紙だった。
自分の体調を気遣ってくれたらしい。
手紙の最後には、膨大な量の仕事を押し付けて申し訳ない、とも書いてあった。
自分の仕事の量など、ブーンの半分にも満たない。
そのブーンは体調に人一倍留意して働いているのだ。
ブーンが謝るべきことでは無論なかった。
( >ω<)「見舞いに行けず申し訳ないって、そう言ってこれを渡してくださったそうです」
(;ФωФ)「これは……水仙であるか」
雪のように白い水仙の花。
わざわざ近隣の町で買ってくれたものらしい。
( ФωФ)「……誠に、ありがたいことであるな」
全土を統べる皇帝となっても、細やかな気遣いは昔から変わらない。
だからこそ、皆があの人についていこうと思えるのだ。
支えていこう、と誓えるのだ。
- 184 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:13:58 ID:0WJA7BDs0
- >>180
有能すぎたんだ……
- 185 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:14:20 ID:Etm4VpfgO
- 支援Z\(´・ω・`)/Z
- 186 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:14:36 ID:8haAhiJgO
- 名君すぎっぞ!
- 187 名前: ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 15:14:44 ID:/OgetcPg0
- すみません、>>173にちょっとミスありますね……
訂正します
「リローは、縁故ではなく実力で登用試験を通過した。」
↓
「リロートは、縁故ではなく実力で登用試験を通過した。」
- 188 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:15:11 ID:5mh8yNic0
- ブーンが名君過ぎてヤバイ
早死しそう
- 189 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:15:35 ID:MQB7T2960
- 全部1人でやってたミルナの体はどうなっていたのか
- 190 名前: ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 15:15:41 ID:/OgetcPg0
- 結局、風邪が完治するまでには五日かかった。
体力が落ちて免疫力が弱まっていたせいだという。
その間、代役となったリロートの働きぶりは見事だった。
今は政務官として自分を補佐しているだけだが、いずれは副長官を務めてもらいたいと思ったくらいだ。
自分が思っていた以上の才能には、ただ驚くばかりだった。
しかし、それ以上に自分を驚かせたもの。
それは病に伏している間に、各地から届けられた見舞い品だ。
( ФωФ)「ウエルベール城地方の葉牡丹と三色菫、トナグラ城地方に咲く篝火花……」
( >ω<)「あ、これはダカーポ城のほうの水羊羹ですね。美味しそうです」
( ФωФ)「あとこれは……アリア城地方の鱈であるか。わざわざ塩漬けにしてくれているであるな」
完治後しばらく経っても、南から届く見舞い品があった。
多くは各地の城の長からだが、民間人からの贈り物もある。
過労を心配する手紙が添えられていることも多々あった。
( >ω<)「みんな、ずっと心配だったんですね。働き詰めだったから」
まともな休日など、半年ほど取っていなかった。
五日も休んだのは、入軍以降では全くなかったことだ。
自分以上に頑張っているブーンのことを思うと、弱音は吐けない。
その思いは今もあるが、あまり根を詰めすぎるのも良くはないのだろう。
かつては、疲労が重なったことでアルタイムに討ち取られかけたこともあった。
元よりそれほど体が強いほうではないのかもしれない。
ブーンについていけるよう努力することも大切だが、自分の限界を知るのはもっと大切なことだ。
- 191 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:16:06 ID:MGmYqfEE0
- あと、>>126で片づけないと?が片づけない仕事になってるとことかあるな
- 192 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:16:16 ID:Etm4VpfgO
- なんだ親しげにあだ名で呼んだんじゃないのか
- 193 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:16:35 ID:B7b.zX8k0
- 支援
- 194 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:17:31 ID:0WJA7BDs0
- >>192
俺も愛称かなんかだと思ったわww
- 195 名前: ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 15:17:46 ID:/OgetcPg0
- ( ФωФ)「迷惑をかけたであるな、リロート」
(;>ω<)「そんな……私ももっと頑張らなきゃです!」
( ФωФ)「限界は伸びるものである。しかし、今の自分の限界は、知っておくべきであるよ。我輩も痛感したである」
見舞い品を送ってくれた人には、礼状を書いた。
花は飾って、食べ物は胃袋に収める。
病床に伏す前より元気になれた気がした。
そして、送ってもらった花を見て、期するものを感じていた。
( ФωФ)「多忙な日々のなかで、少し、忘れていたであるな」
( >ω<)「何がですか?」
( ФωФ)「夢のことであるよ」
各地から送り届けられた花。
窓辺に彩を与えてくれている。
( ФωФ)「いつか、全土各地を巡ってみたい。それが我輩の夢である」
( ФωФ)「こんな風に、仕事で巡るわけではなく、自由に各地を訪れてみたいのであるよ」
幼い頃、一冊の本を見た。
各地の景色の絵が百枚ほど収められた本だ。
それを見て、途轍もなく高揚したことを今でも覚えている。
アリア城近辺からの海、パニポニ城近辺からの鉱山。
今は無きミーナ城や滅多に訪れることのないエアー城の絵もそこにはあった。
その絵の風景を、いつか自分の目で見てみたい。
幼い頃からずっと抱き続けていた夢だ。
- 196 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:18:34 ID:KmYks58s0
- そういやそんな夢だったな
- 197 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:19:17 ID:jeqGrsCA0
- 完結させたくないことで有名だったのにいよいよ完結かー
- 198 名前: ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 15:19:23 ID:/OgetcPg0
- >>126
うおお、ほんとですね……これはひどい
訂正します
「おい、まだ今日中に片付けない仕事あるんだからな」
↓
「おい、まだ今日中に片付けないといけない仕事あるんだからな」
- 199 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:19:45 ID:Etm4VpfgO
- 訓練の時も兵の限界が見えずスパルタしてたロマさん思い出した
- 200 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:19:45 ID:MGmYqfEE0
- そういえば投石で破壊されたんだっけ
- 201 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:20:01 ID:8haAhiJgO
- 支援支援
- 202 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:20:10 ID:JjwgmLQQ0
- あったのか・・Air
- 203 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 15:21:07 ID:/OgetcPg0
- (*>ω<)「……素敵な夢ですね」
( ФωФ)「そう言ってもらえると、嬉しいのである」
今はまだ無理だろう。
片付けなければならない仕事が、数年先の分まで見えている状態だ。
ブーンにも、最低でもあと十年は国で頑張ってほしいと言われている。
だが、自分にもいつか身を退くべきときは来るのだ。
まだ三十二で、他の長官に比べれば若いが、恐らく五十の頃には国務から退いているだろう。
全土を駆け巡るのは、それからでも遅くはなさそうだ。
( ФωФ)「まぁ、国が本当の安定期に入るまでは、国務に尽力したい所存である」
(*>ω<)「これからもたくさんのこと、教えてください!」
( ФωФ)「うむ。こちらこそよろしくお願いしたい次第であるよ」
後を継ぐ者も少しずつ育ってきている。
引退するときは、安心して道を譲れる状況を作っておきたいものだ。
( ФωФ)「……いい景色であるな」
北に広がる荒野と、遥か遠くに見える広大な海。
白銀に染まっている。
いつかまた、ゆっくりと、この地を訪れよう。
そう誓って、仕事を再開した。
- 204 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:22:15 ID:MQB7T2960
- まだ三十二かよ この口調に騙されるわ
- 205 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:22:31 ID:KgZ3wZfo0
- ロマはいつも無理しちゃうな
- 206 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:23:41 ID:5mh8yNic0
- 正直ロマとアニジャの年齢を入れ替えても違和感が無い
- 207 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 15:23:42 ID:/OgetcPg0
- ――ヴィップ城――
年の暮れが近づいている。
世界暦535年も、あっという間の一年だった。
特に、ヴィップが天下を統一してから、時を早く感じることが多い。
/ ゚、。 /(……年を取ったせいか……)
来年で三十八になると考えれば、一年を早く感じるのも当然かもしれない。
ただ、若い頃よりも仕事の量は増えていた。
(;个△个)「ダイオードさーん!」
またか、とすぐに思ってしまう、ルシファーの声。
今日はもう四度目だ。
(;个△个)「大変です! この書類の書き方が分かんなくて!」
/ ゚、。 /「……許可書? まったく……」
日が落ちて、今日の仕事も終わりだと思っていた頃、部屋に飛び込んできたルシファー。
新たな郵便局の立ち上げに伴う申請の、許可を下す書類を抱えている。
それほど記述すべき欄は多くない書類だ。
- 208 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:24:50 ID:3WZhaEkI0
- かっこいい名前キターw
- 209 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:24:59 ID:8haAhiJgO
- 支援
- 210 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:24:59 ID:MGmYqfEE0
- ダイオードさんやっと活躍
ルシファーはいつまでたってもwww
- 211 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:25:24 ID:b2J3CudU0
- なんだか幸せを感じるアルファだなあ
- 212 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:25:37 ID:aLMLcx4g0
- 支援
- 213 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 15:26:16 ID:/OgetcPg0
- / ゚、。 /「ここ、名前書いて」
(个△个)「はい!」
/ ゚、。 /「ここに判子」
(个△个)「ここ?」
/ ゚、。 /「違う……その上」
(个△个)「おー! なるほど、これで大丈夫ですね!」
/ ゚、。 /「……申請書はちゃんと読んだ?」
(个△个)「それはバッチリですよ! ローゼン城の近くにできるから、これで郵便の利便性が上がります!」
/ ゚、。 /「それはいいことだけど……」
自分も既に申請書は確認している。
ただ、三年前に認可したネギマ城近くの郵便局が、苦しい経営状態だと聞いていた。
新たに許可するのは躊躇われる状況だ。
/ ゚、。 /「まぁ、ローゼン城の近くだし、大丈夫か……」
(个△个)「はい! うわぁー、早く建ってほしいなぁ〜」
/ ゚、。 /「……それより早く、旗地の競技化」
(个△个)「あ、そうですね! それも進めないと!」
/ ゚、。 /「全土から今、一番期待されてる仕事なんだから……」
大衆娯楽として親しまれてきた旗地を、もっと発展させる。
皇帝であるブーンが、昨年の統一記念式典で発表したことだ。
- 214 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:27:31 ID:JjwgmLQQ0
- ラストフェニックスが少尉ってのが未だ信じられんわ
- 215 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:28:14 ID:KmYks58s0
- 旗地ゲーム化しないかなぁ
- 216 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:28:57 ID:5mh8yNic0
- 相変わらずだな
- 217 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 15:29:11 ID:/OgetcPg0
- 税収は年々増加しており、国家予算にようやく余裕が出始めてきた。
だからこそ成し遂げられることだと言える。
/ ゚、。 /「財政が好調でようやく、予算的な見通しが立ったんだし……早くしないと」
(个△个)「ロマネスクは凄いですよね、税収ガンガン上がってます!」
/ ゚、。 /「民の不満を最小限に抑えて税収上げてるんだからホントに凄い……」
(个△个)「同い年とは思えないなぁ〜」
/ ゚、。 /「ホントにね……」
同い年であり、同じく長官でもある。
ロマネスクは財務、ルシファーは総務だ。
境遇こそ似ているものの、長官としての仕事ぶりの評価では差をつけられている状態だ。
今のところ、総務長官ルシファーは、環境長官フサギコの補佐的役割を担っていると言っていい。
本来は、総務のほうが権限は強いが、実際にはフサギコの要請を受けて判を押すだけのことが多いのだ。
総務と環境整備の線引きの曖昧さを問題視する向きもあるが、今のところは上手く回っている。
ただ、ルシファーの不安定さは聊か問題だった。
基本的に、物覚えが良いとは言えず、今日も何度か自分に確認しにきた。
長官が副長官に仕事を教わるのでは笑い話にもならない。
/ ゚、。 /「ルシファーは、もうちょっとしっかりして……」
(;个△个)「いやー、ほんとすみません」
/ ゚、。 /「全く……」
- 218 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:30:04 ID:64rC9qHc0
- フィンレクトさんとか◇釣りスレのあの頃にはもう戻れないんだな…
クリア目前のゲーム積んじゃう心境
- 219 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 15:31:02 ID:/OgetcPg0
- 全土統一の直後から、ルシファーと共に仕事をしている。
もう七年。ずっと副長官だが、地位に不満はなかった。
長官になりたいと思ったこともない。
ルシファーのことは、決して嫌いではなかった。
素直で、優しい性格。長官の中では最もブーンに似ている。
一緒に食事を摂ると、他の誰かといるより料理を美味しく感じるのだ。
ただ、政務上での細かい失敗が未だに減らないのは不満だった。
成長しているのかどうか、一緒にいる自分でさえよく分からないのだ。
(个△个)「えーっと……旗地の競技化はまず各地に協会を立ち上げないとですよね」
/ ゚、。 /「まぁ、そうだろうね……」
(个△个)「全土を区画分けして……五個くらいかな。各地の棋士たちは協会に棋士登録する」
(个△个)「毎年、春から秋にかけて各地で総当り戦をやって、各地の上位者だけを集めて冬にまた総当たり戦」
(个△个)「その総当たり戦での上位者が勝ち残り戦をやる。それでその年の最強棋士を決める」
(个△个)「……試合の形態はだいたいこんな感じでいいですかね?」
/ ゚、。;/「……ま、まぁ、一回検討会しないといけないとは思うけど……」
(个△个)「検討会は有識者を集めてやりましょう。できればブーン皇帝にも参加してもらって」
(个△个)「前に規則改正があったときは強い人たちが集まって何となくやったみたいなので、その人たちも呼んで……」
- 220 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:32:48 ID:gloPSijU0
- ベルベットはもういないんだよなー
- 221 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:33:02 ID:h9RMRQKw0
- ルシファーもおまけキャラから出世したよなぁ
- 222 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 15:33:05 ID:/OgetcPg0
- (个△个)「観客をたくさん動員できる会場作りも必要ですよね。一番いいのはやっぱり城かな?」
(个△个)「対戦があるときは会場に商人を呼んで食べ物とか売ってもらえば、商人も潤いますよね。場所代はちゃんと貰いますけど」
(个△个)「商人に協会の後援者になってもらうのも良さそうですね。商人は『旗地の発展に貢献してる』って言えて印象が良くなりますし」
(个△个)「あとは何か宣伝とかしたい人に、会場に宣伝材を置いてもらって、そこでもまた宣伝料を貰っちゃいましょう」
(个△个)「最初は国費で賄わなきゃいけない部分が多いと思いますけど、軌道に乗ったら旗地協会だけで収益が出るように」
(个△个)「そうすれば棋士に払える給与も多くなって、更に棋士を目指す子供が増えて、人気もどんどん上がる!」
(个△个)「ですよね! ダイオードさん!」
/ ゚、。;/「え? あ、うん……」
細かい失敗は確かに多い。
しかし、行動力と決断力は、他の長官に決して引けを取らない。
あのモララーでさえ、ルシファーの果断さには感心することがあるという。
三年ほど前に、とある町で小さな火事があった。
そのとき、消防団の動きが鈍重で、すぐに火を消し止められずに被害が拡大してしまったのだ。
フサギコはその報せを受けて、すぐさま調査団を派遣した。
しかし、調査団が調査を始めるよりも早く、ルシファーは全土の消防団に厳格な規則統一を通達した。
国による消防団訓練の義務付けや、備品確認の報告義務などを課したのだ。
これまで国の手があまり届いていなかった分野を速やかに整備することに成功していた。
そして、その一年後に再び別の地で起きた火事は、出火直後に消し止められた。
連絡体制が強化されていたことと、消化器具に一切不備がなかったことが、早期消火の要因だったという。
いずれもルシファーによって整備された部分だ。
あの即断にはフサギコも舌を巻いていた。
自分も、ルシファーの指示に従うだけになってしまっていた。
- 223 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:33:40 ID:3WZhaEkI0
- ま、まあ・・元々軍事畑だったわけだから
みんながみんな政務に向いてるとは限らないよね
- 224 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 15:35:12 ID:/OgetcPg0
- 今の旗地競技化に関する案も、そうだ。
行動に起こし始めると、早い。決断も迅速だ。
この調子なら、来年中には競技化が成立し、再来年から実際の競技が始まるだろう。
自分が副長官の地位で満足しているのは、積極性に欠ける元来の性格だけが原因ではない。
素養で、ルシファーには敵わないと思うからこそだ。
小さな失敗を重ねる癖が治ることには、期待しないほうがいいのかもしれない。
誰しも、欠点はあるものだ。それこそ自分は、ルシファー以上に欠点だらけだろう。
それでもいい。お互い、補い合うことができれば。
細かい失敗に気付きにくいルシファーと、気付きやすい自分。
塩梅は、ちょうどいいのかもしれない。
もしかしたらブーンは、最初からそれを見抜いていたのだろうか。
/ ゚、。 /「……ブーン皇帝が早く競技化してほしがってるから、迅速に進めないとね……」
(个△个)「ですね! よぉーし、検討会の招集状をバンバン送るぞぉー!」
その後は二人で夕食を摂り、お互い、自室へと戻った。
今日片付けておくべき仕事は既に終わっている。
ゆっくりと本を読んでいたが、不意に思い出したことがあり、ルシファーの部屋へと向かった。
/ ゚、。 /(検討会……全土から集めるならやりやすいとこでやらないと……)
ルシファーもそう考えているかもしれないが、進言しておくに越したことはない。
既に招集状を書き上げていないことを願うばかりだ。
部屋に前まで行き、扉を叩こうとした。
しかし、中から声が聞こえ、思わず手を止める。
/ ゚、。 /(ん……?)
- 225 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:36:30 ID:NSSYz3t6O
- いいコンビだなあ
- 226 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:36:32 ID:itlfkcKI0
- 支援
- 227 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:36:39 ID:MGmYqfEE0
- それを四中将いるとはいえほぼ一人でこなしてたミルナ、まったくほぼ一人でやってたベルは本当に
- 228 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:36:44 ID:qSTQuHy60
- 行動力も判断力もあるドジっ子か
- 229 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 15:36:48 ID:/OgetcPg0
- 耳を欹てた。
どうやら、独り言を喋っているらしい。
(个△个)「ふむふむ、旗地の規則改正要望……弓を二駒まで持てるように戻してほしい?」
(个△个)「そーいや昔は二駒持てたんだっけ。うーん、これは他の人にも聞いてみたほうがいいな〜」
(个△个)「二駒持たせられるようにしたら、騎兵は弓を持てないとか、旗の持ち数を減らすとかして均整取らないと駄目だろうし」
どうやら、民から寄せられた手紙を読んでいるらしい。
本来は補佐官の仕事であり、長官は纏められた資料を読むだけのはずだ。
(个△个)「特殊地形の制限変更も……確かに、一つの特殊地形を三つまでっていうのは僕も不満だ!」
(个△个)「特に川は五つくらいまで置きたい! そうすれば僕も勝てるのに!」
/ ゚、。;/(いや、他の人も置けるようになるんだから、結局有利不利は変わんないよ……)
(个△个)「えーっと、こっちは……あ、医療保険に関する要望か。これはフサギコさんに全部任せちゃったからな〜」
(个△个)「制度の規模が大きすぎるから、まだかなり時間かかりそうなんだよな〜、しょうがないけど」
(个△个)「血尿で困った僕としても早く始まってほしいところなんだけどな〜」
/ ゚、。;/(そういや最近は血尿大丈夫なのかな……)
(个△个)「うーんと、こっちは郵便局の増設願い……カノン城のほうは確かに足りてないかもな〜」
(个△个)「でもあっちはみんな漁業に行っちゃって、なかなか人材が……」
(个△个)「ローゼン城近くに今度建つ郵便局みたいに、地域で人を集めてくれると楽なんだけど……」
(个△个)「懸案事項として上げておこう……すぐには応えられないかもだけど……ゴメンなさい!」
/ ゚、。;/(手紙に謝ってる……)
- 230 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:38:25 ID:h9RMRQKw0
- 血尿とかあったなww
- 231 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:38:42 ID:jCNHgk.U0
- けつにょうwwwwwwwwwww
- 232 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:38:43 ID:KNqeL0D.0
- ラジオのDJみたいだ
- 233 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 15:38:45 ID:/OgetcPg0
- その後、民からの手紙を全て読み切るまでに四刻ほど掛かっていた。
毎日、睡眠時間を削ってこんなことをしていたのか。
できない日もあったはずだが、恐らくは、極力自分で目を通したいと考えているのだろう。
/ ゚、。 /(やっぱ、こういう細かいところで効率悪かったりするんだよな……)
だが、それこそがルシファーなのだ。
頼りたくなるときと、頼りたくないときがある。
不安定さには嘆かされるが、安定してしまってはルシファーでなくなるという気もする。
ある種、ブーンに通ずるところがあるのかもしれない。
以前、ルシファー自身にそう言ったら『恐れ多い』と否定されたが、他の長官たちも同じように感じているのではないか。
きっと、自分がルシファーと仕事を続けられているのも、その人間性が嫌いではないからだろう。
/ ゚、。 /(……こうやって過ごす日々も、まぁ、嫌いじゃないし)
結局、その日はルシファーに声を掛けないまま自室に戻った。
(个△个)「おはようございます! ダイオードさん!」
翌朝のルシファーはいつもと同じように快活で、明朗だった。
落ち込んでいるところを今まで見たことがない。
何か悪いことがあっても、すぐに切り替えられる要領の良さもあるのだ。
三大国務とされる、法務、財務、総務。
その一角をブーンから託されている理由が、改めて分かった気がした。
/ ゚、。 /「……今日も一日、頑張ろう」
(个△个)「もっちろんです! まずはこの書類の書き方教えてください!」
/ ゚、。;/「……やれやれ」
呆れたり、嘆いたり。
そして、感心したり感嘆したり。
そうやって今日も、平穏な一日が過ぎていく。
- 234 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:38:48 ID:5mh8yNic0
- 血尿www
- 235 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:39:39 ID:gWteJxc60
- いいコンビだな
- 236 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:39:50 ID:W5FqXXZY0
- やっと追いついた
- 237 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:40:23 ID:MGmYqfEE0
- もう血尿は体質化してるのか…
- 238 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:40:27 ID:3WZhaEkI0
- ブーンとドクオがこういう感じだったのかもね・・・
- 239 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 15:40:41 ID:/OgetcPg0
- ――ヴィップ城――
窓の外に目を向けると、広漠な原野が北風に揺られているのが見えた。
近年、ヴィップ城の周りの景色も変わりつつあるが、この部屋から見る風景は今のところ昔のままだ。
もう何年もこの城から出ていない。
腕を失い、馬に乗るのは難しくなってしまったためだ。
尤も、城から出るほどの用事はない。
( ・∀・)「これ、全部確認終わったから持ってってくれ」
補佐官にそう告げると、草案書の入った木箱を抱えて退出していった。
最近、金銭を貸与する商人が増加しており、それに伴う悶着も増えているのだ。
特に金利を上手く誤魔化して多額の利子を取ろうとする商人が厄介だった。
当事者間で解決できることならいいが、そうでなければ国が介入することになる。
今は、金銭貸与を法で縛り、国が許可した商人のみ貸与業を営めるように新たな法を作ろうとしているところだ。
同時に、金利にも上限を設けることで揉め事をできる限り減らそうとしていた。
ヴィップが天下を統一してから、七年。
戦時中の苦しみを、そろそろ忘れ始める頃だろう、とは思っていた。
鳴りを潜めていた悪徳商人も、頭を擡げたらしい。
無論、国としては容赦しない。
事を慎重に進める必要はあるが、紛争の火種は早めに消しておかなければならないのだ。
法案が成立次第、無認可の商人の金銭貸与には懲役刑が課されることになる。
審議会を通過するのは年明けになるだろう。
来春の施行を目指していたが、どうやら間に合いそうだ。
その後、審議会の予定表を確認している内に、外から光は消えた。
運ばれてきた夕食を消化し、三つ程の草案を確認したところで執務机から離れる。
- 240 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:41:39 ID:gWteJxc60
- モララーのターン
- 241 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:42:09 ID:h9RMRQKw0
- モララーさん!
- 242 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:42:23 ID:nfqTro5g0
- モララーかっけえなあ
- 243 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:42:39 ID:5mh8yNic0
- モララーさん!
- 244 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:43:16 ID:h2s1KOtE0
- 追いついた!
しえんぬ
- 245 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 15:43:37 ID:/OgetcPg0
- ( ・∀・)「あー疲れた」
休憩用の長椅子に身を投げ出した。
左手を伸ばし、机に積まれた茶菓子を手に取る。
自分が頼まなくとも、従者が常に用意してくれているものだ。
ここは執務室だが、実質的に居室でもある。
他の部屋に移動するのが億劫で、寝床を用意してもらったのだ。
ただ、一時的な休息には、横になれる大きさの長椅子を使っていた。
( ・∀・)「……ん」
執務室の扉が、二度叩かれた。
夜更けの訪問者。
( ・∀・)「入ってきてくれ」
失礼します、と声が聞こえる。
扉が開いた先で、体格のいい男が湯呑みを二つ持っていた。
( ・∀・)「わざわざ茶まで持ってきてくれたのか」
( ̄⊥ ̄)「茶を淹れるのが、好きなもので」
室内に入ってきたファルロが、湯飲みを机に置く。
そして、自分の対面の椅子にゆっくりと腰を下ろした。
( ・∀・)「今日は冷えるな」
( ̄⊥ ̄)「もう、年の暮れですから」
火を焚いているが、充分ではない。
衣服の上から毛布を羽織ってもまだ、体は小刻みに震えた。
- 246 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:44:08 ID:h9RMRQKw0
- ファルロだと
- 247 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:44:12 ID:u8S08Iiw0
- なに?
- 248 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:44:33 ID:3WZhaEkI0
- ファルロきたー
- 249 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:44:33 ID:NSSYz3t6O
- ファルロが補佐なのか
- 250 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:44:37 ID:gWteJxc60
- ふぁ ふぁ
- 251 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:44:43 ID:MGmYqfEE0
- まさかファルロが働かせてもらってるのか
- 252 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:45:03 ID:5mh8yNic0
- ファルロ(裏声)
- 253 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:45:16 ID:aLMLcx4g0
- ラウンジ勢きたー
- 254 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 15:46:32 ID:/OgetcPg0
- ( ̄⊥ ̄)「今日、私を呼んだ理由は?」
朴訥としていて、あまり表情を変えない。
声調も、感情によって変化することはほとんどないようだ。
( ・∀・)「大したことじゃない。仕事の話じゃないからな」
( ̄⊥ ̄)「仕事以外の話、ですか?」
( ・∀・)「ヴィップが天下を統一して、七年経った」
( ̄⊥ ̄)「……そうですね」
( ・∀・)「一回くらい、そのへんの話題に切り込んでみるのもいいか、と思ったんだ」
左手で湯呑みを掴み、口元に持っていって傾ける。
最初はぎこちなかった左腕での所作にも、随分と慣れた。
( ・∀・)「この七年は、早かったな」
( ̄⊥ ̄)「私には、長く感じました」
( ・∀・)「そこが多分、境遇の違いなんだろうな」
( ̄⊥ ̄)「……釈然としないものを抱え続けているからこそだと思います」
( ・∀・)「ま、そりゃ当然そうだ」
かつてはラウンジの忠臣だった。
事情があるとはいえ、ヴィップの臣下として仕えることに蟠りがないはずがない。
- 255 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:46:40 ID:KgZ3wZfo0
- すごい組み合わせ
- 256 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 15:48:17 ID:/OgetcPg0
- ( ・∀・)「ブーンとか、俺とか、元将校に対する恨みは、強いか?」
( ̄⊥ ̄)「正直に申しまして、それはありません」
( ・∀・)「なんでだ?」
( ̄⊥ ̄)「お互いに全力を出しきった上での決着でしたから。恨むとすれば、自分の無力さです」
( ・∀・)「なーるほどな」
芯の強さは、父親譲りなのだろう。
敗北の責任を、他人に押し付けない。
だからこそ、ヴィップでの仕事にも力を発揮できているのだろう。
物事の本質が見えているからこそ。
( ・∀・)「お前の働きには感謝してるよ」
( ̄⊥ ̄)「ブーン皇帝にも、そう言っていただきましたが」
( ・∀・)「あぁ、誰よりもブーンが感謝してるだろうな。統一直後の動乱を抑えられたのは、お前の存在が大きい」
元ラウンジの兵の蜂起は、度々起きた。
その都度、ニダーやサスガ兄弟が鎮圧に当たってくれたが、ファルロが向かうだけで鎮まる叛乱もあったのだ。
叛旗を翻すことを思い留まった者もいたことだろう。
( ̄⊥ ̄)「私はただ、ラウンジの民が不当に虐げられることがないかどうかが、不安だっただけです」
( ・∀・)「それでも、最初は自刃を考えてたんだろ?」
( ̄⊥ ̄)「無論、そうです。亡国の将ですから。全土の戦乱の責任を取らねばなりません」
- 257 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:48:44 ID:Ir6myEKg0
- 読んでて涙出てくる
- 258 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:48:53 ID:eVMiTbyI0
- まだ投下おわってなかった!支援
- 259 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:49:00 ID:gWteJxc60
- ファルロー・・・
- 260 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:49:17 ID:5mh8yNic0
- ファルロ…
- 261 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:49:57 ID:MGmYqfEE0
- ラウンジも主要勢の生き残りは、ファルロとカルリナぐらいか…
- 262 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:50:00 ID:3WZhaEkI0
- ベルの息子だけに葛藤もあったろうなあ
- 263 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 15:50:40 ID:/OgetcPg0
- ( ・∀・)「でも、ブーンが引き止めた」
( ̄⊥ ̄)「無駄な言葉はありませんでした。『ヴィップの民政を監視してほしい』という一言だけです」
( ・∀・)「的確だな」
( ̄⊥ ̄)「下手に言葉を弄されていれば、私はやはり自刃していたと思います」
ファルロは、愚直すぎるまでの軍人だ。
武人然としていた父と、あまり似ていないとも言われている。
仮にベルがファルロの立場だったならば、ヴィップで国務に携わることはなかっただろう。
ファルロの国政入りは、賛否両論だった。
監視者として籍を置くことさえ、ヴィップの民から反発はあったのだ。
一年後、一人での仕事に限界を感じ、有能な副長官を欲したのは自分だった。
できればファルロを、とは思っていたが、さすがに無理だろうと諦めていた。
ただ、ブーンがファルロに直接打診してくれたことで事態は大きく動いたのだ。
当初は難色を示していたファルロも、粘り強く説得されたことで、ようやく受諾してくれた。
あの大国ラウンジで長く国政に関わっていた男なのだ。
力があることは分かっていた。
ただ、実際の副長官としての働きぶりには、舌を巻いたというのが正直なところだ。
ラウンジで民政を手伝っていたとはいえ、元は軍人。
特に、戦場で受ける印象は、それほど峻烈なものではなかった。
しかし、広大な土地を抱えるラウンジには多くの民が居たのだ。
一気に人口が増加する形となったヴィップにとって、ファルロの経験則は非常に有難いものだった。
特に民法の改正には大きく貢献してくれた。
近年、平和が浸透したことで民間の諍いが絶えなくなってきている。
民事も刑事も手は抜けないが、どちらもファルロが草案を手早く纏めてくれるため、拙速にならず対応できているのだ。
- 264 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 15:52:46 ID:/OgetcPg0
- ( ・∀・)「ホント、思い留まってくれて良かった。もしお前が居なかったら、と思うと、ゾっとする」
( ̄⊥ ̄)「……そう言っていただけるのは、ありがたいことですが」
ファルロは、ヴィップのために働いているわけではない。
あくまで、かつてラウンジの民だった者のためなのだ。
それが、敗戦国の将としての責務だと考えているらしい。
やはり、実直な軍人だ。
かつてラウンジで中将だったカルリナとは、そこが違った。
( ・∀・)「そういや、カルリナはどうしてんだ?」
( ̄⊥ ̄)「たまに手紙が来ます。健勝なようです」
( ・∀・)「定住地もなくフラフラしてるって前に言ってた気がするが」
( ̄⊥ ̄)「今は、放浪が趣味のようです」
( ・∀・)「国政を手伝ってくれたらありがたいんだけどな。あいつは治世のほうが活きるだろ」
( ̄⊥ ̄)「そうかもしれません。しかし、ありえないことです」
( ・∀・)「まーな。ショボンがラウンジ入りしたら下野しちまったくらいだし、ヴィップで働くなんて絶対ないだろうな」
( ̄⊥ ̄)「あの人にとって、ラウンジは、父ベルの国でした。だから、ショボンが受け入れられなかったのです」
( ・∀・)「そういうところが、繊細なんだよな。類稀なる才能を持ってたことは間違いないんだが」
( ̄⊥ ̄)「致し方のないことです。皆、戦う理由は様々ですから」
( ・∀・)「あぁ。俺もお前も、そうだな」
( ・∀・)「――――もちろん、国に務める理由も、様々だ」
湯呑みに手を掛けようとしていたファルロの手が、止まった。
細い瞼が、いつもより広めに開く。
- 265 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:54:15 ID:5mh8yNic0
- お?
- 266 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:54:37 ID:MqE.oFeA0
- ん?
- 267 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 15:54:46 ID:/OgetcPg0
- ( ・∀・)「何が聞きたいか、分かるか?」
( ̄⊥ ̄)「……何となく、ですが」
( ・∀・)「ファルロ、お前はいつまでヴィップに留まろうと考えてるんだ?」
かつて、ラウンジの中核を成していた将だ。
忠誠心は強い。クラウンとショボンが居なくなった今もそれは変わっていない。
最初から分かっていた。承知の上で、自分もブーンも、ファルロに国務を頼んでいたのだ。
そして、いずれ居なくなってしまう、ということも。
( ̄⊥ ̄)「……今日、明日、という話にはなりません」
( ・∀・)「明日とか言われたら法務は大混乱だ」
( ̄⊥ ̄)「恐らく、あと三年は」
つまり、終戦から十年。
それを節目にして、ヴィップから去ろうと考えているのか。
( ̄⊥ ̄)「正直、自分でも明確に時期を決めているわけではありません」
( ・∀・)「十年だと切りがいい、とかじゃないってことか」
( ̄⊥ ̄)「はい。ただ、あまり長く続ける気がないのも事実です」
( ・∀・)「ま、それは覚悟の上だったが」
( ̄⊥ ̄)「しかし、ヴィップという国のことが、私は、決して嫌いではないのです」
ファルロの頬に、炎の揺らめきが映った。
薪の爆ぜる音が小さく聞こえる。
- 268 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:54:55 ID:Ud91d4RY0
- / ̄ ̄ ̄ ̄\
/;;:: ::;ヽ
|;;:: ィ●ァ ィ●ァ::;;|
|;;:: ::;;|
|;;:: c{ っ ::;;|
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ヽ;;:: ー ::;;/
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/ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄\
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|;;:: ::;;|
- 269 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:55:56 ID:5mh8yNic0
- ここで十年がでてくるか
- 270 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:55:58 ID:R2KR8d8g0
- おいついた!
しえん!!
- 271 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:56:00 ID:7BY.gUW.O
- やっと追い付いたぜ
- 272 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:56:39 ID:ll7Kb6BE0
- ブーンがショボンを倒して10年たったと思ったがまだ7年だったのか
- 273 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 15:57:00 ID:/OgetcPg0
- ( ̄⊥ ̄)「ブーン=トロッソは、公平な目を持った皇帝です」
( ・∀・)「そうだな」
( ̄⊥ ̄)「正直、安堵しています。かつてのラウンジの民は、今、平穏に暮らせているのですから」
( ・∀・)「地域を差別することはない。ブーンが最初に打ち出した方針のとおりだ」
( ̄⊥ ̄)「そうは言っても、不安だったのです」
( ・∀・)「ま、そりゃそうだ」
( ̄⊥ ̄)「しかし、今は疑った自分を恥じています」
( ・∀・)「恥じる必要なんかねーよ。監視を依頼したのはブーン自身だ」
( ̄⊥ ̄)「微細な穴も追求するつもりでいました。しかし、自分から言えることは何ひとつとしてなかったのです」
極めて公平な執政。
古くからのヴィップの民に反発されることも厭わず、粛々とブーンは統治を進めた。
監視役として過ごした期間、ファルロは働いた気がしなかっただろう。
( ̄⊥ ̄)「私の心は、今も尚、ラウンジと共にあります」
( ̄⊥ ̄)「ですが、この国は末永く繁栄してほしい。そういう気持ちも、今はあります」
( ̄⊥ ̄)「だから私は、ヴィップの法務に納得いくまでは、この仕事を続けるつもりです」
( ・∀・)「……そうか」
ファルロは有能だが、率直に言ってしまえば、元ラウンジの将である以上、扱いにくかった。
いつまで、どこまで頑張ってくれるのか分からない。
自分も、不安は抱えていたのだ。
- 274 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 15:58:55 ID:/OgetcPg0
- 聞くべきかどうか迷ったが、聞いてみてよかった。
ファルロの本音を、ようやく知ることができた。
( ̄⊥ ̄)「……モララー長官は」
( ・∀・)「ん?」
( ̄⊥ ̄)「長官は、いつまでこの仕事を続けるおつもりですか?」
ファルロが茶菓子に手を伸ばす。
ずっと御欠ばかり食べているようだ。
( ̄⊥ ̄)「正直、私にはモララー長官のほうこそ長く続ける気がないのではないか、と思えます」
( ・∀・)「ははは、鋭いな」
( ̄⊥ ̄)「では、やはり」
( ・∀・)「あぁ。近いうちに辞めようと思ってる」
火の勢いが弱くなったのを察知して、ファルロが暖炉に薪を足した。
いつの間にか、随分と時間が経っていたらしい。
( ・∀・)「ま、こんな体だしな」
( ̄⊥ ̄)「隻腕となって尚、ヴィップに貢献せんとするその姿は、率直に、尊敬の念しかありません」
( ・∀・)「左手一本じゃ辛い仕事であることも確かだ。一人じゃできないことも多いしな」
( ̄⊥ ̄)「それ以外にも、理由が?」
- 275 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:59:01 ID:5mh8yNic0
- ブーンすげぇよ
- 276 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 15:59:13 ID:gQLcnwO20
- 追いついたっ! 超支援っ! ふぁみちきあげるよ!
- 277 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:00:47 ID:MQB7T2960
- お、おけつばかり食べて・・
- 278 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:00:51 ID:dBCxfLKc0
- ついにリアルタイムで見られた
超支援
- 279 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 16:01:23 ID:/OgetcPg0
- ( ・∀・)「年が明けたら四十五になる。そろそろ、隠居してもいい歳かと思ってんだ」
( ̄⊥ ̄)「隠居、ですか」
( ・∀・)「平和になったらゆっくりしたい。昔からずっと思ってたことだ」
( ̄⊥ ̄)「正直に申しまして、意外です」
( ・∀・)「そうか? 俺が戦ってた理由はそれだよ。腰が曲がるまでには全土を平定して、ゆっくり茶を啜れる老後を迎えたかったんだ」
( ̄⊥ ̄)「……不思議な人ですね、モララー長官は」
( ・∀・)「たまにブーンもそう言うけどな。別に普通だろ」
( ̄⊥ ̄)「十人十色、ですね」
( ・∀・)「まぁ、他の長官たちに悪いなとは思う。特にニダー長官は、死ぬまで今の仕事をやるつもりらしいし」
( ̄⊥ ̄)「それはそれで、あの人らしいとも言えます」
( ・∀・)「ホント、多種多様だな。でも俺はちょっと、疲れちまった」
( ̄⊥ ̄)「……法務長官の座は、どうなさるおつもりですか?」
- 280 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:02:26 ID:MGmYqfEE0
- 前にもブーンにそう言ってたな
- 281 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:02:30 ID:VQST1y5sO
- ふぅ、やっと追い付いた
- 282 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:03:11 ID:NSSYz3t6O
- そうだったな
隻腕とはいえ叶いそうで良かった
- 283 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 16:03:30 ID:/OgetcPg0
- ( ・∀・)「それを悩んでたから、今日、お前を呼び出したんだ」
( ̄⊥ ̄)「私に、長官をやれと」
( ・∀・)「その気があるなら、是非そうしてもらいたい」
( ̄⊥ ̄)「……熟慮させてください」
( ・∀・)「おう。急いでるわけじゃねーんだ。俺だって、あと一年はやるつもりだからな」
( ̄⊥ ̄)「先ほど申し上げましたとおり、私も長く留まるつもりはありません」
( ・∀・)「分かってる。退官するときにちゃんと後継を指名してくれればそれでいい」
( ̄⊥ ̄)「私としては、それは、皇帝にお任せしたいところです」
( ・∀・)「いや、後継指名は長官の最後の仕事だ。そう思っていてくれ」
( ̄⊥ ̄)「……分かりました」
ファルロなら、ヴィップの目とラウンジの目、両方で法を見つめられる。
それは、ヴィップが正しい法治国家として発展していくには不可欠なものだ。
ファルロが法務長官を継いでくれるかどうかは、まだ分からない。
しかし、消去法で選んだわけではないものの、他には候補が見当たらなかったのだ。
自分としては、ファルロに依頼するより他なかった。
- 284 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:04:17 ID:gQLcnwO20
- アルファベット時代をくぐり抜けた人たちが抜けて、次の世代がどんな封にしていくのかな…
- 285 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:05:41 ID:8CUEpu3g0
- 追いついた
記念パピコ
- 286 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 16:05:50 ID:/OgetcPg0
- まだ確定したわけではなく、断られれば別の候補を探す必要がある。
ただ、何故か少しだけ、肩の荷が下りた気分だった。
( ・∀・)「お前が淹れてくれた茶、旨いな」
最後の一口を啜り、空になった湯呑みを机に置く。
軽い音が立った。
( ̄⊥ ̄)「こんなもので良ければ、モララー長官の老後も、お茶を淹れに参じます」
( ・∀・)「ははは。そりゃありがたい」
炎の灯りと、月の明かり。
執務室内を照らす光は心許ないが、それでもファルロの表情は確認できる。
戦時中ではありえなかっただろう、と思える表情だ。
確認はできないが、きっと、自分もそうなのだろう。
( ・∀・)「楽しみにしてるよ、ファルロ=リミナリー」
また、薪の爆ぜる音が聞こえた。
ファルロが立ち上がり、薪の置き場へと向かう。
今夜は暖かく眠れそうだ、と思った。
- 287 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:06:28 ID:gWteJxc60
- 次のターンは誰だ?
- 288 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:07:14 ID:6pFHbz.U0
- モララー・・・
- 289 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:07:20 ID:MGmYqfEE0
- そろそろブーンか?
- 290 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 16:07:50 ID:/OgetcPg0
- ――フェイト城近辺の町――
夜に吹く風は、窓を鳴らす音を聞いただけで肌が冷えるような思いだった。
年の暮れに向かうにつれ、気温は日々下がっている。
外から人の声は聞こえない。
もうすぐ日付が変わる頃だ。町は寝静まったらしい。
店内も閑散としている。この時間から客が来ることはないだろう。
最後に退出した客の卓へ行き、器を盆に乗せた。
料理も酒も、存分に楽しんでくれたようだ。
卓上は散らかっているが、全ての器が空になっているのを見るのは気持ちが良かった。
食器を全て水で洗い、棚にしまう。
椅子を卓上に上げて床を掃除しはじめた。
毎日丁寧に掃除しているおかげか、あまり汚れてはいない。
大きな塵は手で拾って袋に入れ、あとは箒で掃けば綺麗になった。
腕のいい箒職人がたまたまこの店を訪れ、料理を気に入ってくれたことで、無償提供してもらったものだ。
一般的な箒に比べると、掃除の効率は段違いだった。
並みの箒とどう違うのか、はっきりとは分からない。
構造だろうか、材質だろうか。どちらであれ、真似できそうもない。
昔は、それを悔しく思う気持ちが強かった。
できないことがあるという、その事実が許せなかった。
今、何も感じなくなったのは、大人になったからだろうか。
それとも、自分の力を誇示すべき相手が、居なくなったからだろうか。
答えを出そうという気は、なかった。
- 291 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:08:17 ID:wwadrX96O
- すまんが正直だれてきた
ブーンきてくれ
- 292 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 16:09:19 ID:/OgetcPg0
- ――フェイト城近辺の町――
夜に吹く風は、窓を鳴らす音を聞いただけで肌が冷えるような思いだった。
年の暮れに向かうにつれ、気温は日々下がっている。
外から人の声は聞こえない。
もうすぐ日付が変わる頃だ。町は寝静まったらしい。
店内も閑散としている。この時間から客が来ることはないだろう。
最後に退出した客の卓へ行き、器を盆に乗せた。
料理も酒も、存分に楽しんでくれたようだ。
卓上は散らかっているが、全ての器が空になっているのを見るのは気持ちが良かった。
食器を全て水で洗い、棚にしまう。
椅子を卓上に上げて床を掃除しはじめた。
毎日丁寧に掃除しているおかげか、あまり汚れてはいない。
大きな塵は手で拾って袋に入れ、あとは箒で掃けば綺麗になった。
腕のいい箒職人がたまたまこの店を訪れ、料理を気に入ってくれたことで、無償提供してもらったものだ。
一般的な箒に比べると、掃除の効率は段違いだった。
並みの箒とどう違うのか、はっきりとは分からない。
構造だろうか、材質だろうか。どちらであれ、真似できそうもない。
昔は、それを悔しく思う気持ちが強かった。
できないことがあるという、その事実が許せなかった。
今、何も感じなくなったのは、大人になったからだろうか。
それとも、自分の力を誇示すべき相手が、居なくなったからだろうか。
答えを出そうという気は、なかった。
- 293 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:09:40 ID:MGmYqfEE0
- あ、シブサワか?
- 294 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:09:42 ID:3WZhaEkI0
- 本日2度目のww
- 295 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:09:49 ID:ZhiJYHss0
- 終わってしまうと思うと悲しいわ
でも超支援
- 296 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:09:50 ID:gloPSijU0
- www支援
- 297 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:09:50 ID:8haAhiJgO
- 噛みしめるように支援
- 298 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 16:10:00 ID:/OgetcPg0
- また間違えて二回投稿しちゃった……すみません
- 299 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:10:25 ID:3WZhaEkI0
- まさかツン・・・・なわけないよな
- 300 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:10:29 ID:8CUEpu3g0
- 支援
- 301 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:10:46 ID:KgZ3wZfo0
- セリオット?
- 302 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:10:51 ID:5mh8yNic0
- 二度あることは
- 303 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:10:57 ID:8haAhiJgO
- 気にすんな作者!支援!
- 304 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 16:11:08 ID:/OgetcPg0
- 床の掃除を終えて、卓上の椅子を元に戻した。
これで、後片付けは全て完了。あとは、店先の看板を下ろすだけだ。
そして、店先へと歩を進めた、そのとき。
( ’ t ’ )「やっぱり、そうだったのか」
不意に、現れた。
元ラウンジ軍中将、カルリナ=ラーラス。
( ’ t ’ )「もう閉めるところか。まぁ、ちょうどいいかな」
( ’ t ’ )「中に入ってもいいか?」
顔を合わせるのは、七年ぶりだ。
それでも、この男の微笑みは、昔から変わらない。
川 ゚ -゚)「……どうぞ」
短くそう言い、看板を下ろしてからカルリナを店内に招き入れた。
川 ゚ -゚)「大したものは、作れませんでしたが」
( ’ t ’ )「いや、すまない。せっかく片付け終えたところを」
川 ゚ -゚)「いえ、私が望んだことですから」
カルリナには席に座ってもらい、厨房で簡単な料理を三品ほど作った。
鶏卵と野菜の炒め物や、焼いた竹輪など。
いずれも、酒の肴にしかならないような料理だ。
- 305 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:11:59 ID:JjwgmLQQ0
- なんと
- 306 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:12:03 ID:E6IspQHk0
- >>298 投稿を少しやめて 10〜15分休憩してみては?
少しは落ち着くと思うよ
- 307 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:12:05 ID:8CUEpu3g0
- くーにゃんキタッ
- 308 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:12:06 ID:gWteJxc60
- クーさんでしたか
- 309 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:12:10 ID:MGmYqfEE0
- クーか
- 310 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:12:17 ID:gloPSijU0
- クー・・・生きてたか
- 311 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:12:22 ID:3WZhaEkI0
- これは意外な・・・
- 312 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:12:34 ID:5mh8yNic0
- クーか
- 313 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:13:00 ID:cuguZnCk0
- 素直クールきたぁぁぁ!
- 314 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 16:13:35 ID:/OgetcPg0
- 川 ゚ -゚)「カルリナ様は、お酒は」
( ’ t ’ )「最近は、ほとんど呑んでなかったな。いただくよ」
カルリナが手に持った器に、酒を注ぐ。
一合程度だ。
二人で杯を合わせ、呷った。
私にとっても、酒は久方ぶりだ。
普段、店で呑むことはあまりない。
( ’ t ’ )「いい酒だ」
川 ゚ -゚)「良質な酒蔵を、お客様に教えていただいたもので」
カルリナが空けた杯に、すぐさま酒を注ぎ直す。
決して弱い酒ではないが、カルリナは平然としていた。
( ’ t ’ )「落ち着いた雰囲気の料理屋がある、という話を町の人から聞いた」
( ’ t ’ )「どうやらそのお店は、随分な美人がやっていると」
川 ゚ -゚)「……それだけで、私の店だと思ったのですか?」
( ’ t ’ )「いや、ただの勘だ。しかし、放浪するようになってから、そういう鼻は利くようになった」
川 ゚ -゚)「しかし、ここはかつてオオカミの地でした」
( ’ t ’ )「だからさ。お前が元ラウンジの地に留まっているはずはない、と思っていたんだ」
二杯目を空けても、カルリナの顔は赤らんでいなかった。
箸も進んでいる。口に合わない、ということはなかったようだ。
- 315 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:13:40 ID:AeEisFAM0
- 記念パピコ
- 316 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:14:09 ID:ll7Kb6BE0
- ショボンを倒した後ラウンジの混乱を抑えるのに3年、統一してから7年で10年だと思ってたけど違ったのか
- 317 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 16:15:45 ID:/OgetcPg0
- 川 ゚ -゚)「……お見通し、なのですね」
( ’ t ’ )「僕も一緒だからさ」
川 ゚ -゚)「カルリナ様も、あまり北には」
( ’ t ’ )「行かないな。特に、ラウンジ城の近くには」
川 ゚ -゚)「アルタイム様の、墓参りにも?」
( ’ t ’ )「だから、実はこっちに建てたんだ。勝手に」
川 ゚ -゚)「……確かに、アルタイム様はこの近くに眠っておられるはずです」
( ’ t ’ )「事の仔細を、知っているのか?」
川 ゚ -゚)「いえ。ただ、状況的には、そう考えるのが自然でした」
( ’ t ’ )「僕もそう思ってはいたんだが、確信が持てなかったんだ。話を聞けて、良かった」
川 ゚ -゚)「私も、ただの推測ですが」
( ’ t ’ )「いいんだ、ありがとう」
あどけなさの残る笑顔は、やはり昔から変わらない。
確かもう、四十三になっているはずだが、肌の皺は全く深まっていない。
- 318 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:16:38 ID:KgZ3wZfo0
- あれ、今までクーの年齢って不明だったよね
- 319 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:17:22 ID:5mh8yNic0
- 119話の最後がますます気になってくる
- 320 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 16:17:24 ID:/OgetcPg0
- ( ’ t ’ )「この炒め物も、旨いな」
川 ゚ -゚)「ありがとうございます」
( ’ t ’ )「店は、繁盛しているのか?」
川 ゚ -゚)「おかげさまで」
( ’ t ’ )「しかし、意外だった。料理屋を営んでいるとは」
川 ゚ -゚)「……自分でも、そう思います」
( ’ t ’ )「と、いうよりも、生きていたこと自体に驚いた」
カルリナは、苦笑していた。
無論、死んでいてほしかった、という意味ではないだろう。
( ’ t ’ )「仮に生きているとしても、もう会えないだろうと思っていた」
川 ゚ -゚)「私も、そう思っていました」
( ’ t ’ )「どうして、この店を?」
川 ゚ -゚)「……自分でもよく分かりません。気まぐれ、でしょうか」
( ’ t ’ )「困窮している印象はないが」
川 ゚ -゚)「そうですね。詳細は伏せますが、店をやらずとも寝食には困りません」
だからこそ、自分でも分からないのだ。
何故、この料理屋を開いたのか。
- 321 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:17:36 ID:d/aBd/R6O
- クーは永遠のようじょだからな
妖女的な意味で
- 322 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:17:54 ID:39U1/4VY0
- 二人共かっけえな
- 323 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:18:14 ID:j4Cd4MWEO
- なんかおわりが近付いてなーって感じて寂しくなってきた
ドラクエも終わるみたいだし楽しみが確実に減るなぁ
- 324 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:18:56 ID:8CUEpu3g0
- >>321
俺は評価する
- 325 名前:!ninja:2012/01/16(月) 16:19:03 ID:QsQ.S.WMO
- しえんしえんおいついたった
- 326 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:19:07 ID:3WZhaEkI0
- 43はカルリナでしょう
クー視点だし
- 327 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 16:19:30 ID:/OgetcPg0
- 暇を潰したかっただけだろうか。
そうだと言われれば、頷ける気もする。
ただ、空虚な時間に耐えられないわけではないのだ。
( ’ t ’ )「予想を、言ってみてもいいか?」
川 ゚ -゚)「……はい」
( ’ t ’ )「恐らく、緊張感の中で生きることに、飽いてたんじゃないか?」
川 ゚ -゚)「ッ……」
( ’ t ’ )「緊張感を持って人と接しつづけるのは、心身ともに辛いことだろう」
カルリナの視線は、焼いた竹輪に向いている。
箸で摘み、ゆっくりと口に運んだ。
咀嚼の間、次の言葉を待っていたが、カルリナは口を開かない。
自分の口からは、言葉が出てこなかった。
緊張を持って生きる日々に、飽いていた。確かに、そうかもしれない。
ただ、何故かその言葉に、頷いてはならない気がした。
( ’ t ’ )「……余計なことを言った。すまない」
川 ゚ -゚)「……いえ」
単に暇を潰すだけなら、料理屋でなくとも良かった。
間者として必要だったために料理の腕も磨いてはいたが、料理屋になることが夢だったわけではないのだ。
あえて、接客する仕事を選んだ理由。
深く考えたことはなかった。
- 328 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:21:28 ID:N8xJEDwgO
- ふむ
- 329 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 16:21:39 ID:/OgetcPg0
- 川 ゚ -゚)「やはり、私の中に、答えはありません」
偽らざる本心だ。
カルリナの言葉を聞いても尚、明確な言葉を生み出せない。
そのカルリナは、また微かに笑っていた。
( ’ t ’ )「やはり少し、変わったようだな。以前に比べると」
川 ゚ -゚)「そう、でしょうか」
( ’ t ’ )「曖昧な言葉を口にするような女じゃなかった、という印象だ」
川 ゚ -゚)「意識的に、そうしていた部分はあります」
( ’ t ’ )「少し、人間らしくなったんだな」
今度は、悪戯好きな子供のような笑顔。
どのような笑みであれ、不思議と似合う男だ。
川 ゚ -゚)「カルリナ様は、お変わりありませんね」
( ’ t ’ )「そうかな。多少なり老けていると思うし、体力も少しずつ落ちているんだ」
川 ゚ -゚)「そろそろ、放浪をやめて落ち着く頃ですか?」
( ’ t ’ )「まぁ、大抵の場所には行ったからな」
川 ゚ -゚)「何か、お仕事をされるつもりは」
( ’ t ’ )「今のところはない。ラウンジ将校時代の蓄えを、死ぬまでに使い切れそうもないしな」
- 330 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:22:36 ID:8CUEpu3g0
- 金持ちうらやましい
- 331 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:23:08 ID:5mh8yNic0
- しえんた
- 332 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:23:22 ID:Ud91d4RY0
- 肉便器クー
- 333 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 16:23:38 ID:/OgetcPg0
- 川 ゚ -゚)「ファルロ様は、国務に励んでおられますね」
( ’ t ’ )「そうだな」
ファルロの国政入りは、意外なことだった。
ただ、かつてラウンジの民だった者たちのために、という理由は、いかにもファルロらしい。
( ’ t ’ )「皮肉でなく、心から尊敬している。自分はとても、ヴィップのために働こうとは思えない」
川 ゚ -゚)「同感です。ファルロ様の器量には、敬服するばかりです」
( ’ t ’ )「ファルロの功績もあって、統治は極めて公平に進んだ」
川 ゚ -゚)「ブーン=トロッソは、ヴィップ民の反発を上手く抑制しました」
( ’ t ’ )「あぁ。ヴィップ城周辺の町からは、かなり反発があったらしいが」
川 ゚ -゚)「建国当初から献身的に納税して、ヴィップを支えてきた地域ですから」
( ’ t ’ )「不平不満、あって当然だ。それでも皇帝は、公平に扱ったほうが将来のためだと考えたんだろう」
ただ、試験的実施として、ヴィップ城周辺から早めに税が軽減されることはあった。
いずれは北部にも減税が適用されるとあって、元ラウンジの民からの反発はほとんどない。
古くからのヴィップ民も早めに恩恵が受けられるため、双方の不満は極力抑えられてきたのだ。
川 ゚ -゚)「良き為政者だと、率直にそう思います」
( ’ t ’ )「悔しいが、そうだな。認めざるを得ない」
もしラウンジが、天下を統一していたら。
恐らく、ヴィップの民を平等に扱うことはなかっただろう。
- 334 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:24:16 ID:QsQ.S.WMO
- ( ’ ◎ ’ )「最終話記念に貴重なカルリナ元中将のチクワをくわえた正面画だ」
- 335 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:26:15 ID:NSSYz3t6O
- ラウンジだとこうはいかないのか
- 336 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 16:26:16 ID:/OgetcPg0
- どちらがいいのかは、やってみなければ分からない。
ただ、今のところヴィップの統治は順調だった。
( ’ t ’ )「いい国だ、とは思う。しかし、好きにはなれない」
川 ゚ -゚)「正直に申しまして、私も同じ気持ちです」
( ’ t ’ )「幼いな、互いに」
川 ゚ -゚)「そう思います」
好きになろうとも思わない。
ヴィップという国で暮らしてはいるが、生まれてからずっと、ラウンジの民として生きてきたのだ。
そのラウンジのために戦ってもきた。今更、感情の居所は変わらない。
( ’ t ’ )「最近になって漸く、皇帝の顔は見れるようになったが」
川 ゚ -゚)「式典に、行かれたのですね」
( ’ t ’ )「あぁ。盛況だった」
川 ゚ -゚)「私は、ブーン=トロッソの顔を見ようという気にはなれません。恐らく、今後ずっと」
( ’ t ’ )「そうだろうな。仇敵と言っていい相手だ」
川 ゚ -゚)「無論、直面しても、何かをしようとは思いませんが」
( ’ t ’ )「感情を素直に吐露するようになったのは、悪いことじゃないさ」
そこが、私の中で変わったのだろうか。
自分では意識していない。しかし、カルリナはそう受け止めているようだ。
- 337 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:26:49 ID:5mh8yNic0
- ちゃんとブーンを認めるあたり筋通ってるんだよなぁ
- 338 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:27:00 ID:Z1k8g6M20
- 支援
- 339 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 16:28:09 ID:/OgetcPg0
- ( ’ t ’ )「その酒瓶は、もう空か?」
川 ゚ -゚)「あ、そうですね」
カルリナが三杯、自分が二杯呑んだところで、酒瓶は軽くなっていた。
会話と思考に集中していて、気がつかなかった。
川 ゚ -゚)「新しいものを」
( ’ t ’ )「いや、いい。ちょうど肴もなくなったことだし」
川 ゚ -゚)「そう、ですね」
( ’ t ’ )「久しぶりに、自分の手作りでない料理を食べた。いいものだな、やはり」
カルリナの胃は満足してくれたらしい。
思わず安堵している自分には、自分で少し驚いた。
変わったといえば、そんなところが変わったのかもしれない。
( ’ t ’ )「話しているうちに、分かると思ったんだが」
川 ゚ -゚)「?」
( ’ t ’ )「分からなかったから、最後に、一つだけ教えてくれ」
最後の一口を、カルリナが呑み干す。
卓上の器は、全て空になった。
- 340 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:28:31 ID:3WZhaEkI0
- >>
そうだねえ
クラウンとショボンの性格と愛国心の方向性からして
統一というより併合感のが強い気はするねえ
- 341 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:29:06 ID:2jPmM8Kk0
- もう6時間も投下して疲れてると思うけど最後まで頑張れー!!
今までずっと応援してたよー
- 342 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 16:30:13 ID:/OgetcPg0
- ( ’ t ’ )「クー、お前は何故、生き続ける道を選んだんだ?」
川 ゚ -゚)「ッ……」
( ’ t ’ )「ラウンジとショボンを失っても、尚」
川 ゚ -゚)「…………」
空になった食器と酒瓶を持って、席を立つ。
食器を洗うための溜め水は、卓の近くに置いてあった。
( ’ t ’ )「無論、答えたくなければ、それでもいいんだが」
川 ゚ -゚)「いえ」
布で軽く汚れを落としてから、食器を水で洗う。
冬の寒さが、手に凍みた。
川 ゚ -゚)「私の命は、常にショボン様と共にありました」
川 ゚ -゚)「ショボン様の亡き今、本来は、私が生きている意味などありません」
( ’ t ’ )「だから、不思議なんだ。今、こうしていることが」
川 ゚ -゚)「しかし、私にとって、ショボン様の命令は絶対なのです」
長く使っていることもあり、食器の汚れは完全には落ちない。
物は、使い続ければ、必ずそうなってしまうのだ。
- 343 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:30:19 ID:l/ACB7/AC
- 今追いついた、何故だかブーンが北斗の拳にでてくるアサムと被った
- 344 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:30:27 ID:QsQ.S.WMO
- _△_
(´・ω・`)
- 345 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:32:08 ID:8CUEpu3g0
- ショボン・・・(´;ω;`)
- 346 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 16:32:51 ID:/OgetcPg0
- 川 ゚ -゚)「かつて、ショボン様は私に言いました」
川 ゚ -゚)「『俺の許可なく死ぬな』と」
( ’ t ’ )「ッ……!」
川 ゚ -゚)「その命令は、解けていないままなのです。ずっと」
汚れがこびり付いた食器は、いつか使われなくなるときが来る。
そしてやがて、朽ち果てるのだろう。
川 ゚ -゚)「人はいつか、この世から消え去るときが来ます。誰にとっても、それは平等な事実です」
川 ゚ -゚)「ただ、私は自分の意思で命を絶つことなど、許されてはいないのです」
川 ゚ -゚)「だから今日も生きて、明日も生きる。これから先も、ずっと」
川 ゚ -゚)「それだけのこと、です」
この七年で、私を取り巻く環境は随分と変わった。
そしてこれからも、世界は変容を見せ続けるだろう。
しかし、例え何があろうと、この命は守っていかなければならない。
そうすることで、ずっと、あの人の命令に従い続けることができるのだから。
心を、側に置いておけるのだから。
( ’ t ’ )「そうか……そうだな」
カルリナが席を立つ。
椅子に掛けてあった、外套を羽織りながら。
- 347 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:33:26 ID:yrhmC50U0
- ふぅ、面談やっと終わった
支援!
- 348 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:33:51 ID:7HhysF6I0
- クー…
- 349 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 16:34:47 ID:/OgetcPg0
- ( ’ t ’ )「返さないでくれよ」
椅子に置かれた貨幣に気付き、慌ててカルリナに返そうとした。
そこを、カルリナに制された。
川 ゚ -゚)「しかし」
( ’ t ’ )「いい。頼むから、受け取っておいてくれ」
( ’ t ’ )「美味しかった料理と酒への、感謝の気持ちなんだ」
しかし、あまりにも多すぎる。
一日の稼ぎを遥かに超えているのだ。
ただ、執拗に返そうとしても、カルリナに恥をかかせるだけだろう。
そう思って、深々と頭を下げた。
川 ゚ -゚)「今度いらっしゃったときは、最高のお持て成しを致します」
( ’ t ’ )「店はしばらく続けるのか?」
川 ゚ -゚)「はい」
川 ゚ -゚)「私は――――今のこの生活が、嫌いではありませんので」
( ’ t ’ )「……そうか。じゃあ、次の持て成しを楽しみにさせてもらおう」
カルリナの右手が扉を開く。
寒風が身を掠めた。
- 350 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:35:09 ID:MGmYqfEE0
- まるで壊れかけの機械みたいな…
- 351 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:35:47 ID:0WJA7BDs0
- かっけえ
- 352 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 16:36:17 ID:/OgetcPg0
- 川 ゚ -゚)「これからは、どちらへ?」
( ’ t ’ )「一旦、北に戻る。たまに帰ってやらないと、喚かれるんだ」
誰に、なのかは分からない。
ただ、カルリナの苦笑は、決して嫌がっている風ではなかった。
どうやら、心の安らぐ場所があるらしい。
今は放浪しているカルリナも、いずれはそこに落ち着くのかもしれない。
何となく、そう思った。
川 ゚ -゚)「またのご来店を、お待ちしております」
( ’ t ’ )「あぁ。それじゃあ、また」
カルリナが馬に跨り、手綱を引いた。
小さな嘶きと共に、町の出口へ向かって駆け出していく。
完全に寝静まった町に、響く馬蹄音。
カルリナは、一度だけ振り返り、小さく手を振った。
その背中に向けて、もう一度、深く頭を下げて見送った。
- 353 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:36:23 ID:ll7Kb6BE0
- ドラクエ7のゼボットとエリーを思い出すな
- 354 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:36:28 ID:JjwgmLQQ0
- もう終わりが近いのかと思うと
- 355 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:36:41 ID:MQB7T2960
- 川 ´・ω・) 娘のクボンです
- 356 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:36:52 ID:vpI4fdUU0
- 追いついたが涙が…
- 357 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:37:34 ID:L/UN6q5sO
- まさかショボンの命令がここに活きるとは!
119話の最後の花束が気になるな!
ドクオとショボンかな?
- 358 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:37:42 ID:3WZhaEkI0
- モララーとシャイツーの関係は明かされないのかな・・・
- 359 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:37:52 ID:MGmYqfEE0
- おぉあの村か
確か故郷に戻るつもりはないんだっけ
- 360 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:38:08 ID:PrTDFJmA0
- このメンツが居るなら、あとはクラウンとヴィルじゃね
- 361 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 16:38:22 ID:/OgetcPg0
- ――ヴィップ城――
535年最後の日も、陽が落ちようとしている。
あと十四刻ほどで一年が終わり、また新たな年を迎えることになるのだ。
今年は、ヴィップ城で年を越せないかもしれない。
そう思ったが、際どくも間に合った。宴には参加できそうだ。
遠方に出張していた長官たちも全員、城に戻っているという。
∬*・-・)「陛下!」
川*бヮб)「陛下、お帰りなさいませ」
( ^ω^)「おっおっ、久しぶりだお」
ヴィップ城の正門で来訪客の対応を担当している、二人の女性が迎え入れてくれた。
ルイナ=ルクルトと、フェリエ=ゼニスだ。
( ^ω^)「ルイナ、今年は風邪ひいてないかお?」
∬*・-・)「たくさん蜜柑食べたので、今年は大丈夫です!」
( ^ω^)「それは良かったお。フェリエ、念願の京胡はもう買えたかお?」
川*бヮб)「はい、おかげさまで。日々練習に励んでいます」
( ^ω^)「今度ブーンにも聴かせてほしいお」
川*бヮб)「上達しましたら、是非」
( ^ω^)「楽しみにしてるお」
- 362 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:39:31 ID:3WZhaEkI0
- ついにブーンか
うれしいような寂しいような
- 363 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:39:44 ID:N8xJEDwgO
- やっとブーンか
- 364 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:40:34 ID:sFZPTEm6O
- やっと追い付いた
ラスト間に合って嬉しい
- 365 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:41:14 ID:8haAhiJgO
- ブーンきたわあ
- 366 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:41:28 ID:Nke0vF3o0
- ブーンキタああああああああ!!
- 367 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 16:41:38 ID:/OgetcPg0
- ∬*・-・)「陛下、年が明けてからもしばらく城に滞在されるのですか?」
( ^ω^)「いや、明後日の朝には出立するお」
川*бヮб)「また北へ?」
( ^ω^)「だお。北西部にしばらく足を運んでないから、各地を回るんだお」
∬*・-・)「お時間のあるときに、また各地のお話を聞かせてください!」
( ^ω^)「了解だお。期待しててほしいお」
二人に手を振って別れる。
可憐な容姿と、愛想の良い振る舞いで、多くの政務官から人気のある二人だ。
受付係に女性を配する方針は、自分が固めた。
国政に苦情のある民がヴィップ城まで来ることが度々あるが、受付で女性に対応されると、気が鎮まりやすいのだ。
特に、相手が美人なら尚更だった。
知性的にも申し分ない女性を、厳正な審査で選んだ。
おかげで、無用な諍いを減少させることができている。
また、期待していなかった効果だが、政務官も仕事に励もうという気になるらしい。
まだ二人とも結婚はしていない。
内外問わず多数の男から求婚を受けているものの、断っているようだ。
相手が誰なのかは分からないが、憧れの人がいるらしいと噂されている。
城内に入り、大広間へと向かった。
途中、出会った人は皆、足を止めて頭を下げる。
やめてほしいと昔から何度も言っているが、誰もやめてくれないのだ。
(;^ω^)「せめて会釈程度にならないもんかお」
独り言を呟きながら、大広間の扉を開けた。
宴の開始まではまだ四刻ほどあるが、既に千を超える人が集まっている。
- 368 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:43:23 ID:5mh8yNic0
- ブーンで最後だよな…
- 369 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:44:21 ID:APMGw0RsO
- まだ……ヴィルがいるよ……
- 370 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 16:44:39 ID:/OgetcPg0
- ( ^ω^)「みんな、お疲れ様だお」
すぐに政務官や兵士などが集まってきた。
城を空けていたのは二ヶ月ほどの間だが、皆が帰還を喜んでくれている。
ありがたいことだった。
ミ,,゚Д゚彡「おっ、帰ってきたか」
( ^ω^)「フサギコさん。お久しぶりですお」
先日までリリカル城に居たが、年末年始はヴィップ城で過ごすために戻って来たのだという。
自分より一足先に到着している、とは聞いていた。
ミ,,゚Д゚彡「宴に間に合って良かったな。やっぱ主役がいねぇと盛り上がりに欠ける」
( ^ω^)「ありがとうございますお。今日は仕事を忘れて楽しみますお」
ミ,,゚Д゚彡「いい土産話もあるんだぜ。フィレンクトの息子のリレンクトがダカーポ城で働いているっつー話が」
( ^ω^)「おっ! ホントですかお!?」
ミ,,゚Д゚彡「ちょっと都合つかなくて会えなかったんだけどな、そうらしい」
( ^ω^)「今度ダカーポ城に行ったら会ってきますお!」
ミ,,゚Д゚彡「きっとリレンクトも喜ぶぞ」
その後、ニダーとルシファーが宴の開始前に姿を現し、言葉を交わした。
ニダーは各地を転々としていることが多いため、顔を合わせたのは実に一年ぶりだ。
- 371 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:45:34 ID:QsQ.S.WMO
- ブーンがローマ法王の服装してる想像しか浮かばないポンコツ脳が憎い
- 372 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:45:38 ID:8CUEpu3g0
- だめだ名前で笑ってしまうwwww
- 373 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 16:45:50 ID:/OgetcPg0
- ( ^ω^)「みんな、今年も一年お疲れ様だお」
宴の開始時刻になり、大広間にはおよそ五千人が集結した。
壇上から、一年を締める言葉を投げかける。
かつて自分が入軍した際には、ジョルジュが祝いの言葉をくれた演壇だ。
( ^ω^)「ヴィップが天下を統一してから七年。この一年もみんな忙しかったと思うお」
( ^ω^)「国政は少しずつ落ち着いてきていても、これからまた新たな制度は始まるし、検討もしてかなきゃいけないお」
( ^ω^)「今後も当分、大変なときは続くと思うお。でも、みんなの頑張りが、国民の幸せに繋がるんだお」
( ^ω^)「まぁ、とりあえず今日はもう仕事を忘れて、みんなではしゃぐお! ブーンが許可するお!」
( ^ω^)「それじゃ、乾杯だお!」
皆、弾けるように一斉に杯を掲げた。
どうやら自分の挨拶の間、ずっと焦れていたらしい。
至るところに用意された円卓、そしてその上の料理。
今日は給仕が一年で最も忙しい日だ。
積まれた酒瓶も、卓上の料理も、あっという間に無くなっていく。
( ・∀・)「おーっす」
( ^ω^)「モララーさん」
( ・∀・)「楽しんでるかー?」
服の右側の袖が揺れている。
腕は完全に失われたわけではなく、上腕が半分ほど残っているため、袖を振ることは可能なようだ。
- 374 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:46:51 ID:8CUEpu3g0
- >>371
おまおれ
- 375 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:47:02 ID:5mh8yNic0
- 皇帝になっても古参メンツがそれまで通りなことに安心する
- 376 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:47:27 ID:nj4SIoMI0
- 追い付いた
支援
- 377 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:47:59 ID:p/rMaPiA0
- やっと追いついた
みんな老けちまって
- 378 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 16:48:19 ID:/OgetcPg0
- ( ・∀・)「今年もお疲れさん」
( ^ω^)「お疲れ様でしたお」
( ・∀・)「ホントに疲れたな」
(;^ω^)「おっおっ。たくさん働いてもらっちゃってすみませんお」
( ・∀・)「まぁお前に比べりゃ軽いんだけどな。俺ももう歳か」
( ^ω^)「まだまだお若いですお」
( ・∀・)「お前は来年いくつになるんだ?」
( ^ω^)「遂に四十歳ですお。早いもんですお」
( ・∀・)「国に関わるようになってから、二十二年か」
( ^ω^)「長かったような、短かったような……そんな二十二年ですお」
( ・∀・)「ま、ホントよく頑張ってくれてる。感謝してもしきれないな」
(;^ω^)「なんか、モララーさんに言われると凄く面映いですお」
( ・∀・)「なんだそりゃ」
(;^ω^)「自分でもよく分からないですお、でも何故か」
(*个△个)「あー! 皇帝とモララーさんが喋ってる! 話しかけてもいいですか!?」
(;^ω^)「ちょっ、もう話しかけてるお」
赤ら顔のルシファーがふらつきながら近づいてきた。
毎年そうだが、ルシファーはいつもすぐに酔い潰れる。
それをダイオードが面倒臭そうに介抱するのは見慣れた光景だった。
- 379 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:48:46 ID:QsQ.S.WMO
- ( ゚д゚)「リレン・・・クト・・・?」
- 380 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:49:11 ID:KgZ3wZfo0
- ルシファー…
- 381 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:49:51 ID:3WZhaEkI0
- ラストフェニックス
- 382 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:49:53 ID:39U1/4VY0
- アラマキ
- 383 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 16:50:11 ID:/OgetcPg0
- ( ^ω^)「ルシファーも、一年間お疲れ様だお」
(*个△个)「いやー! ホント疲れましたよ! 毎日ぐったりしてます!」
( ^ω^)「旗地の競技化、ちゃんと進んでるかお?」
(*个△个)「検討会やろうと思ってるんです! 皇帝も参加してください!」
( ^ω^)「おっおっ。予定が合えば是非参加したいお」
(*个△个)「はい! 日時が決まったらまた連絡します!」
( ・∀・)「そーいや競技化はルシファーの担当か。早くしてくれよ」
(*个△个)「再来年の春から正式に始めたいです! いや、始めます!」
( ・∀・)「俺も参加していいのかな? そこらへんどーよ」
(;^ω^)「モララーさんが参加したら、他の人は最初から二位争いですお」
(*个△个)「そーですよ! この前なんて僕に四十五点差で勝ったじゃないですか! 強すぎです!」
(;^ω^)「ちょっ、それはルシファーが弱すぎだお」
( ・∀・)「ま、とにかく早く始まってほしいところだ。頑張ってくれ」
(*个△个)「頑張りますよぉー! 全国民の期待を背負ってますからね!」
( ^ω^)「ホントにそうだお。頑張ってほしいお」
その後、舌が回らなくなってきたルシファーをダイオードが強引に引っ張っていった。
あまり積極性がなく、ジョルジュには重用されていなかったダイオードだが、面倒見の良さはあるようだ。
特にルシファーとの仕事での相性は良かった。
- 384 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:50:21 ID:5mh8yNic0
- ラストフェニックスで未だに笑う
- 385 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:50:22 ID:QsQ.S.WMO
- 血尿がフェニックスさん・・・
- 386 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:51:40 ID:dVwV8XR.0
- このスレに参加できてよかった
- 387 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:51:45 ID:QsKps64wO
- 面映いってなんて読むん
- 388 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 16:52:04 ID:/OgetcPg0
- ( ФωФ)「陛下、モララー長官。久方ぶりであります」
( ^ω^)「おっ、ロマネスク。もう体調は万全かお?」
( ФωФ)「はい。ご心配おかけしてしまい、申し訳ない次第であります」
( ・∀・)「ま、たまには休むのもいいだろ。体を壊すのは駄目だ」
( ФωФ)「健康であることは、誠にありがたいことであります」
体調は回復しているというが、今日は酒を控えているらしい。
手に持っているのは杯ではなく、骨付き肉の乗った器だった。
( ФωФ)「ところで、陛下」
( ^ω^)「なんだお?」
( ФωФ)「先日あった勅命の話ですが」
( ^ω^)「おっ。そうだったお、直接伝えようとも思ってたんだお」
( ・∀・)「あぁ、俺も気になってたんだ」
( ФωФ)「あれはいったい、どういうことでありますか?」
勅命として、ニダーやモララーなどの、元将校たちに会議の招集をかけた。
新年早々、朝食後すぐの会議だ。
- 389 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:52:42 ID:3WZhaEkI0
- おもはゆい
- 390 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:53:09 ID:jCNHgk.U0
- >>387
面映ゆい
おもはゆい
- 391 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:53:13 ID:p/rMaPiA0
- おもかしい
- 392 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:53:41 ID:vpI4fdUU0
- まさか…
- 393 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 16:53:58 ID:/OgetcPg0
- ( ^ω^)「まぁ、明日ちゃんと話すお」
( ・∀・)「なんで新年初日の朝っぱらからなんだ?」
( ^ω^)「それより後だと、仕事の都合がつかないかもしれないと思ったんですお」
( ФωФ)「確かに、ニダー長官は昼過ぎにもう出立すると仰っておりました」
( ^ω^)「だおだお。だから朝にやるべきだと思ったんだお」
( ・∀・)「ま、話の内容は明日しっかり聞くとするか」
空になった杯をその場に置いて、モララーが立ち去った。
後を追うように、ロマネスクも頭を下げて背中を向ける。
その後も、多くの人が自分のところへ足を運んでくれた。
仕事の話や、世間話など、会話の内容は多種多様。
日付が変わる頃になっても絶えることなく誰かが側に居た。
疲れ果てた給仕の娘と喋っている間に、年は越していた。
世界暦536年。自分は、四十歳になった。
新年を迎える前に自室に戻った者も多かったらしく、次第に人は疎らになっていった。
年が明けてから三刻ほど経ったところで宴を終了するよう指示を出し、皆が寮塔に戻っていく。
( ^ω^)「任せちゃってゴメンお。後片付け、よろしくだお」
掃除婦たちにそう言って、自分も自室へと向かう。
長官では、ニダーが最後まで残っていたようだ。
酒に酔ったせいか、少し足元は覚束なかったが、五階まで問題なく辿り着けた。
自分の自室は、ヴィップ軍大将だった頃と同じ部屋だ。
かつてアラマキが過ごしていた部屋は、現在は空室となっている。
- 394 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:55:23 ID:a876H8o.0
- セリオットくるー?
- 395 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:55:43 ID:QsKps64wO
- >>389-390で合ってるんだよな?ありがとう
聞いた覚えのない俺ボキャ貧
- 396 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 16:55:56 ID:/OgetcPg0
- ( ^ω^)「ただいまだお。明けましておめでとう、だお」
リ|*‘ヮ‘)|「お帰りなさいませ!」
部屋に戻ると、深夜にも関わらず、すぐさまセリオットが迎えてくれた。
自分が大将となった頃から、もう八年ほど侍女を務めてくれている。
( ^ω^)「今年もいい一年にしたいお」
リ|*‘ヮ‘)|「ブーン様の執政なら、私たち一般民も安心です」
( ^ω^)「そう言ってもらえると嬉しいお。でも、もっと頑張らなきゃだお」
脱いだ衣服を、セリオットが籠に入れる。
夜間でも自分の睡眠時間を削って洗濯してくれるような侍女だ。
ただ、乾くのは太陽が姿を現す頃を待たなければならないだろう。
リ|*‘ヮ‘)|「明日の起床予定は、いつごろですか?」
( ^ω^)「陽が昇る頃でいいお。久々にちょっと、ゆっくり寝るお」
リ|*‘ヮ‘)|「では、それまでに朝食をお作りします」
( ^ω^)「いつも朝早くにゴメンだお」
リ|*‘ヮ‘)|「それが私の仕事です。何なりと仰ってください」
太陽がすぐにでも姿を現しそうな、そんな明るい笑顔だ。
整った顔立ちによく似合っている。
料理は上手く、細やかな気配りも利く。侍女として申し分なかった。
- 397 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:56:50 ID:Ud91d4RY0
- ( ^Д^)「俺を忘れてもらっちゃ困るぜ」
- 398 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 16:57:43 ID:/OgetcPg0
- そのセリオットは、今後もずっと自分の侍女を務める。
既に、そう決まっている。
一騎打ちの直前に、生きて帰ってきたら、我が侭を言ってくれと伝えた。
実際に帰ってきたあと、セリオットは"ずっと世話をさせてほしい"と言ってきたのだ。
我が侭とはとても思えない内容。
それでも、セリオットは他の願いなどなかったらしい。
自分としても、ありがたいことだった。
セリオット以上の侍女を探すことは、難しい。
長期間、城を空けていても、セリオットが居てくれれば、すぐさま心を落ち着かせられるのだ。
( ^ω^)「おやすみだお、セリオット」
リ|*‘ヮ‘)|「はい。ごゆっくり、おやすみください」
体を拭いて、寝床に潜り込む。
自分が帰るときは、いつも眠気を誘う御香が焚いてあり、瞼を閉じた瞬間に眠れるようになっていた。
翌朝、セリオットと共に朝食を摂ってから、足早に第一会議室へと向かう。
昔は軍議室であり、何度も重大な決定を下してきた部屋だ。
最初に足を踏み入れたときは、突如ラウンジ戦に伴うとジョルジュに言われ、衝撃に襲われたことを今でも覚えている。
部屋に入ると、既に招集をかけた全員が揃っていた。
- 399 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:58:15 ID:xuh1meaY0
- 今移ってきた。早すぎワロタwww
前スレ読んできますうぅぅ!!!!
- 400 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:58:41 ID:3WZhaEkI0
- ふー
安心した
セリオットなんか怖いw
- 401 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:58:49 ID:QsQ.S.WMO
- ξ ^ω^)ξ「セリオット、ガールズトークするお!!」
- 402 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 16:59:07 ID:/OgetcPg0
- ( ^ω^)「おっ。皆さんお早いですお」
ミ,,゚Д゚彡「皇帝より遅れて入ったら不敬罪で死刑だろ?」
(;^ω^)「いやいや……」
(;个△个)「フサギコさんにそう聞いて、二刻くらい前に来ました。すっごい眠いです」
(;^ω^)「フサギコさん、ルシファーをからかっちゃダメですお。本気にしちゃいますお」
ミ,,゚Д゚彡「どのみちルシファーは寝坊しやすいんだし、それくらい言っといたほうがいいだろ?」
(;个△个)「えぇ!? 僕は騙されたんですか!?」
<ヽ`∀´>「まぁ、みんな定刻までに集まれたニダ。良かったニダ」
まだ陽が昇ったばかりだが、集まってくれた者は明朗だった。
ここにいるのは、かつてヴィップ軍で将校だった長官たち。
それと、元ラウンジ軍中将のファルロだ。
( ^ω^)「皆さん、明けましておめでとうございますお。新年早々の招集、申し訳ありませんお」
( ^ω^)「まずは昨年もお疲れ様でしたお。皆さんのご活躍があって、大きな波乱もなく一年を乗り切れましたお」
( ^ω^)「こうやって集まれるのは滅多にないことだから、何か話があれば聞かせてくださいお。どうですお?」
<ヽ`∀´>「ウリは全土の視察を実施中ニダ。練度はいいニダけど、緊張感のないところが多いニダね」
( ^ω^)「もう三年くらい情勢は落ち着いてますお。緩むとしたら、そろそろか、とは思っていましたお」
- 403 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 16:59:50 ID:KgZ3wZfo0
- いい加減ブーンはセリオットに手出してやれよ!
最後に抱かれた相手がプギャーとか可哀想すぎる
- 404 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 17:00:24 ID:/OgetcPg0
- ミ,,゚Д゚彡「今後ももう叛乱が起きる可能性は低いだろうな」
( ^ω^)「そう思いますお。ただ、万一には常に備えてないと」
<ヽ`∀´>「ニダニダ。まぁ、厳しく律するだけじゃない何かが必要かとは思うニダ」
( ^ω^)「兵の技術を国民に見せる場があってもいいかなと考えてますお。演武会のような」
<ヽ`∀´>「お、それいいニダね。民に見られるとなったら兵も緊張感もって調練に臨んでくれそうニダ」
( ・∀・)「僕たちもそうですけど、兵は税金を貰ってるわけですから、雇い主相手には気を抜けないでしょうね」
<ヽ`∀´>「是非やりたいところニダ。後で検討会を開くニダ」
( ^ω^)「他の方はどうですお?」
( ФωФ)「国民保険に充てる税は、国民保険税として税目を分ける方向でありますが、いかがでしょうか?」
( ^ω^)「いいと思うお。想定以上に国民保険の導入を望む民は多いようだお」
( ・∀・)「住民税を減らして国民保険税に割り当てるのか?」
( ФωФ)「今のところ、その予定であります」
(´<_` )「でもそうすると、納税地域以外で保険を使いにくくならないか?」
( ФωФ)「確かに……しかし、所得税を財源とすると老若男女の平等性に欠けるという懸念があります」
( ・∀・)「人頭税の導入は厳しいからなー」
- 405 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:00:25 ID:64rC9qHc0
- >>377
俺らも…
- 406 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:00:50 ID:QsKps64wO
- ブーンは魔法使いとして終生全うするつもりなんだろう
- 407 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:00:54 ID:Ud91d4RY0
- ( ^Д^)「遅れてすみません」
- 408 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:01:33 ID:p/rMaPiA0
- プギャーいたなそんなやつww
- 409 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:01:38 ID:hpEjKEBI0
- やはりブーンはまだツンのことを忘れられないのだろうな
- 410 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 17:02:12 ID:/OgetcPg0
- ( ^ω^)「医者が患者から取る診察料を全土で統一させたほうが良さそうだお」
( ФωФ)「それが実現すれば確かに、懸念事項は解決しまする」
/ ゚、。 /「……ルシファー、君の仕事」
(个△个)「え? あ、そっか! 確かにそういう要望も上がってるんですよー」
ミ,,゚Д゚彡「診察と施術の項目を細かく分けて点数化させる必要があるな」
(个△个)「そうです、そうです。一応もう検討は始めてるんです」
( ・∀・)「内容が固まったら法律化して、従わない医者は経営権を剥奪すればいいな」
( ^ω^)「時間をかけてでも、国民が納得する制度を作りたいですお」
他にも、国務に関する様々な話題で盛り上がった。
かつては戦の論議が主だった部屋で、国民の生活を皆が考えている。
これも、平和だからこそだ。
その平和を今後も、守っていかなければならない。
( ^ω^)「えーっと……盛り上がってるところすみませんお。時間がなくなってきちゃいましたお」
ミ,,゚Д゚彡「遂に本題か」
( ^ω^)「ですお」
皆の口が止まる。
こうやって、大勢の視線が注がれることにも、いつしか慣れていた。
- 411 名前:!ninja:2012/01/16(月) 17:02:27 ID:QsQ.S.WMO
- >>407
_△_
('A`)「成仏しろ」
- 412 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:02:31 ID:jCNHgk.U0
- >>403
そうだっけ?
よくそんなこと覚えてるなぁ……
- 413 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:03:12 ID:NSSYz3t6O
- ( ・∀・)「僕たちもそうですけど、兵は税金を貰ってるわけですから、雇い主相手には気を抜けないでしょうね」
ここダイオードかルシファーか?
- 414 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:03:13 ID:p/rMaPiA0
- >>405
学生だったやつらもオッサンになっちゃったな...
- 415 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:03:24 ID:5mh8yNic0
- やだもうこの国に住みたい
- 416 名前:!ninja:2012/01/16(月) 17:03:25 ID:QsQ.S.WMO
- いっそセリオットも巻きグソヘアーにすればワンチャン・・・
- 417 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:03:27 ID:d/aBd/R6O
- 租チン裸踊り裏切りプギャーは死んだだろいいかげんにしろ!
- 418 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:04:04 ID:sFZPTEm6O
- いよいよか
- 419 名前: ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 17:04:06 ID:/OgetcPg0
- すみません、ちょっとだけ中断……
少ししたら戻ってきます
- 420 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:04:23 ID:vl/lP.eM0
- なんてこったい
- 421 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:04:39 ID:5mh8yNic0
- 絶妙な焦らしは相変わらずだな
- 422 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:04:52 ID:nzMyviYQO
- 流石アルファ
いいところで焦らすな
- 423 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:04:54 ID:KgZ3wZfo0
- >>412
元々プギャーの侍女だったから多分
ブーンは童貞だし
- 424 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:04:57 ID:p/rMaPiA0
- 裏切りキャラってショボンがインパクトでかすぎたからなあ
- 425 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:04:58 ID:hpEjKEBI0
- おいいいいいいいいいいもうすぐ俺仕事だぞおおおおおおおおおおお
- 426 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:05:07 ID:QsQ.S.WMO
- 作者ウンチングタイム保守
- 427 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:05:14 ID:sFZPTEm6O
- ちくしょーーーーーーーwwwwwwwwwwwww
お疲れ!
ついでに休憩してきなさい
- 428 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:05:40 ID:oh7uGy1I0
- やっと追い付いた
支援
- 429 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:06:21 ID:3WZhaEkI0
- >>419
マイペースでいいですよ〜
- 430 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:06:44 ID:.IMgV.nc0
- やっと追いついた
この瞬間を迎えることが出来て光栄です
リアルタイムでおいかけさせてもらうよ
- 431 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:07:06 ID:gQLcnwO20
- 今日は休みで張り付く準備は万端っ! 支援保守。
- 432 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:07:39 ID:p/rMaPiA0
- 待ってます
- 433 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:07:46 ID:LFae6NXI0
- ぶwぅんちとかw←
- 434 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:08:35 ID:hoPQfQvQ0
- 記念パピコ。
wktkが止まらないwwww
- 435 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:08:42 ID:nfqTro5g0
- >>433
現れたなお前www
- 436 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:11:09 ID:eVMiTbyI0
- 初のリアタイ遭遇がアルファベットの最終回とか
俺はすごく幸せだ
- 437 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:12:10 ID:ptK6om8IO
- 遭遇できた
記念にカキコ
支援
- 438 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:13:01 ID:p/rMaPiA0
- いいとこで引っ張るねえ
- 439 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:13:41 ID:KNqeL0D.0
- 明日ゆっくりよみたいけどラストだけはリアルタイムで乙といいたい
- 440 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:13:52 ID:QsQ.S.WMO
- >>433投下来てるのに芸さんの所で「はゃくょみたぃでふw←」とか言い続けたら伝説になれるぞwwwwwwww
- 441 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:13:57 ID:3WZhaEkI0
- >>438
しかし1年半に比べれば瞬きみたいな一瞬だw
- 442 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:14:33 ID:sFZPTEm6O
- しかしこの分量ならなかなか投下できないのも納得だわ
書くのも投下するのも一苦労
- 443 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:14:40 ID:yrWA4fac0
- 記念カキコ
- 444 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:14:58 ID:Ur3icNkE0
- おっいっつっいったああああああ!!
感慨深過ぎてよくも待たせたなこの野郎大好きだ馬鹿野郎としか言えない支援
- 445 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:16:24 ID:QsQ.S.WMO
- 完全にオナニーしてるわこれ
- 446 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:16:31 ID:QsKps64wO
- >>433
もう最後ぐらいはキャラ作ってないで普通に支援しようぜ
- 447 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:17:55 ID:p/rMaPiA0
- 二話連続だもんなあ大変だろう
既に投下時間は十六刻を上回っており...
- 448 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:18:41 ID:LBejn8h60
- 追いついた
支援
- 449 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:19:26 ID:39U1/4VY0
- 10話連続投下みたいなもんだしな
8時くらいから昼食ってずっと投下してんだから頭が下がるわ
- 450 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:19:30 ID:HKvMjsVk0
- - 十年後 -
- 451 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:19:49 ID:jnwJlDXE0
- 六時からテストだけど支援
- 452 名前: ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 17:20:12 ID:/OgetcPg0
- 中断してすみませんでした、再開します
- 453 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:20:42 ID:p/rMaPiA0
- >>452
無理なさらずに
- 454 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:20:45 ID:ZhiJYHss0
- じらされて僕のアルファベットが発熱しそうです><
- 455 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:20:53 ID:5mh8yNic0
- 心無しかスッキリしたように見えるな
- 456 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:20:55 ID:QsQ.S.WMO
- >>451お前は追い込みしろwwwwwwwww
- 457 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:20:58 ID:jnwJlDXE0
- キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
- 458 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:21:13 ID:3WZhaEkI0
- >>452
おつです
いよいよか・・・
- 459 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 17:21:12 ID:/OgetcPg0
- ( ^ω^)「まず、本当にこの七年間、お疲れ様でしたお」
( ^ω^)「ブーンが皇帝として七年を過ごせたのも、偏に皆さんのご支援があったからこそですお」
( ^ω^)「ヴィップはまだ産声を上げたばかりで、これからやっと二本の足で立ち上がろうとしているところですお」
( ^ω^)「国家として独り立ちできるように、これからも国民のために頑張らなきゃいけませんお」
( ^ω^)「……その状況で、こんなことを言うのは、我侭で、横暴で、あまりに独善的だと自分でも分かってるんですお」
( ^ω^)「でも――――」
<ヽ`∀´>「?」
( ^ω^)「――――ブーンは、ヴィップから離れようと思ってますお」
(;个△个)「えっ!?」
ミ,,;゚Д゚彡「どういうことだ!?」
北風が窓を揺らした。
山の向こう側から姿を現した太陽は、会議室を明るく照らす。
それは、いつもと何ら変わらない、ありふれた風と光。
(;´_ゝ`)「皇帝としての仕事が嫌になったのか?」
(´<_`;)「確かに激務だったと思うが、まさか、辞意を持っているとは……」
( ^ω^)「……申し訳ありませんお、皆さん。突然、こんな……」
( ^ω^)「でも、皇帝として働くのが嫌になったんじゃないんですお」
(;ФωФ)「……?」
- 460 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:21:42 ID:Ur3icNkE0
- よろしい支援だ
- 461 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:21:53 ID:.IMgV.nc0
- なんだと…
- 462 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:22:03 ID:zJAOCH..O
- えっ
- 463 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:22:13 ID:8CUEpu3g0
- ええええええええええええ
- 464 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:22:18 ID:eVMiTbyI0
- !
- 465 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:22:18 ID:8haAhiJgO
- なんだなんだ
- 466 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:22:25 ID:so4vOPbE0
- え?
- 467 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:22:29 ID:5mh8yNic0
- やっぱりそうなるのか……
- 468 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:22:30 ID:LBejn8h60
- な、なんだってー
- 469 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:22:34 ID:6XXAsylQ0
- 感無量の支援
- 470 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:22:38 ID:HKvMjsVk0
- まだまておちつけまだまだだまだあわてるようなあわわわわわ
- 471 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:22:38 ID:WZqI2xvE0
- ( ^ω^)普通のオッサンに戻りたいんだお
- 472 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 17:22:40 ID:/OgetcPg0
- 皆が動揺している。
動揺、させてしまっている。
覚悟していた。
それでも、申し訳ない、と思った。
( ^ω^)「この仕事には、やりがいがありますお。大変だけど、とても幸福な仕事ですお」
( ^ω^)「ありがたいことに、自分の仕事ぶりには一定の評価もいただいてますお」
( ^ω^)「こんな状況で、皇帝位から退くというのは、本当に多大なご迷惑をおかけすると、分かってはいるんですお」
( ^ω^)「でも、ブーンは……」
( ・∀・)「別にいい、と俺は思うけどな」
モララーは、動揺を見せないままにそう言った。
この中で平静を保って見えるのは、モララーとファルロだけだ。
( ・∀・)「お前はこの七年、誰よりもヴィップのために頑張ってくれた」
( ・∀・)「寝食の時間を削って、朝から晩まで、年始から年末まで、ほとんど休まず働いてくれた」
( ・∀・)「一年で辞めてたとしても、俺は心から労ったと思う。それを、七年も続けてくれた」
( ・∀・)「俺だけじゃなくて、みんな、いつ辞めてもお前を批判する権利なんてあるわけないんだ」
モララーが、いつもと変わらぬ口調でそう言ってくれた。
堰を切ったように、他の皆も口を開く。
- 473 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:22:41 ID:cuguZnCk0
- なんだと???
- 474 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:22:47 ID:LFae6NXI0
- ゃっときたw←
- 475 名前:!ninja:2012/01/16(月) 17:23:17 ID:QsQ.S.WMO
- そりゃ無いぜブッつぁん・・・
- 476 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:23:47 ID:ZJvxAfcsO
- 歩くのときも最後は長時間投下した記憶がある
- 477 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:24:03 ID:3WZhaEkI0
- 先人から託された国を繁栄させる仕事を投げてまで
これはまさか・・・
- 478 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:24:19 ID:5mh8yNic0
- モララーさん!!
- 479 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 17:25:09 ID:/OgetcPg0
- ( ФωФ)「誰よりも激務に耐えてくださったブーン皇帝を、引き止められる道理はありませぬ」
ミ,,゚Д゚彡「あぁ。激動の期間を乗り切れたのは、お前の卓越した統率力あってこそだ」
<ヽ`∀´>「皆がそれぞれ自分の仕事に集中できる環境を作ってくれたニダね。心から、カムサハムニダ」
( ´_ゝ`)「いつでも皇帝位を禅譲される準備はできていた。安心してくれていい」
(´<_` )「アニジャの皇帝位だけは俺が阻止する。安心してくれていい」
(个△个)「ブーン皇帝にたくさん助けてもらって、何とかここまでやってこれました。これからはもっとしっかりします!」
/ ゚、。 /「……そんなルシファーを支えることで、ブーン皇帝には安心してもらいたいです」
( ̄⊥ ̄)「元ラウンジの者として、公平な執政に心から感謝しています。貴殿が皇帝で、本当に良かったと思います」
( ^ω^)「……ありがとうございますお、皆さん」
非難されることも、心のどこかでは覚悟していた。
その不安を抱くことさえ、皆への礼を失しているのだと気付かされた。
( ・∀・)「ただ、ひとつだけ聞かせてくれ」
( ^ω^)「はいですお」
( ・∀・)「仕事が嫌になったんじゃないなら、辞める理由は何だ?」
自然と、笑みがこぼれた。
今の仕事は、楽しんでやっている。逃げ出したくなったわけではない。
ただ、自分は、この国を形作った者として――――
- 480 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:25:55 ID:ZJvxAfcsO
- ビックリした
- 481 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:26:18 ID:eVMiTbyI0
- アニジャwwwww
- 482 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:26:29 ID:mV2eKOF.0
- もしかしてう…いや、何でもない。
- 483 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:26:46 ID:5mh8yNic0
- どいつもこいつも真っ直ぐ過ぎるだろ
- 484 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:26:47 ID:gMo2QIjU0
- アニジャはブレないなwwww
- 485 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:26:48 ID:sFZPTEm6O
- まさかニートになりたいなんて言うんじゃ
AAに準拠しすぎだろ…
- 486 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:27:00 ID:LFae6NXI0
- 追ぃ付ぃたら待ちきれなぃw←
- 487 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:27:10 ID:N8xJEDwgO
- からのー?
- 488 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:27:44 ID:HKvMjsVk0
- 流石兄弟は流石だなw
- 489 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 17:27:47 ID:/OgetcPg0
- ( ^ω^)「一度、この地を自由に巡ってみようと思ってるんですお」
( ФωФ)「……!」
( ^ω^)「仕事で、じゃなくて、自分の思うがままに」
かつて、ロマネスクが同じことを言っていた。
全土を見て回るのが夢だと。
この国は、七年の年月を経るうちに、少しずつ成長してきた。
それは、間違いないだろう。
しかし、世界は果たしてどう変わったのか。
自分の目の届かない範囲は、どうなっているのか。
直接、見てみたくなったのだ。
( ^ω^)「もちろん、今すぐ辞めるわけじゃないですお。あと三年は、と思っていますお」
( ・∀・)「まぁ、今すぐは絶対無理だからな」
( ^ω^)「少しずつ権力の分散は進んでますお。今後三年で、更に推し進めていきますお」
<ヽ`∀´>「国民にはいつ発表するニカ?」
( ^ω^)「二年後。辞める一年前に、と思っていますお」
その後、今後実施すべき政策について皆と話し合った。
三年という期間は決して長くない。やれることは、全てやっておくべきだ。
そのためには、長官たちとこれまで以上に連携することが必要だろう。
- 490 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:28:43 ID:QsQ.S.WMO
- ( ^ω^)「次はヘブライ文字を武器に戦おうかと」
- 491 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:28:54 ID:gMo2QIjU0
- 歩くようです 〜アルファベット編〜
- 492 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:29:17 ID:KNqeL0D.0
- あと三年にここでつながるのか
- 493 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 17:29:28 ID:/OgetcPg0
- ( ^ω^)「自分が辞める頃には、建国からちょうど十年」
( ^ω^)「全土を統べる国家として、堂々たる姿を見せなければなりませんお」
( ^ω^)「皆さん、今後もよろしくお願いしますお」
散会の頃には、全員がいっそう頼もしくなったように見えた。
自分が辞めることで更に発奮してほしい、などとは考えていなかったが、予想外の効果だ。
正午過ぎにはもうニダーがヴィップ城から発っていったが、他の者は休暇を取っていた。
自分も今日は本城に留まるが、明日にはまた北へ向けて出発する。
ヴィップから去るまでの三年間、休息を取る余裕はほとんどないだろう。
今日も、少しは休もうかと思っていたが、政務官からの相談に乗っている間に夜になっていた。
久方ぶりに食堂で夕食を摂ると、そこでもやはり、人が集まってくる。
皆に頼りにされているのだ、と実感した。
だからこそ、国務から離れることには、申し訳なく思う気持ちで一杯だった。
自分を、必要としてくれている人は、今も大勢いる。
国務に携わる者だけではなく、国民の中にもだ。
身勝手すぎる、と自分では思う。
周囲が、民が、どう受け止めるのかが不安でもある。
それでも、果たしたい目的のためには、国を離れなければならないのだ。
食事を終えたあとは、部屋に戻った。
特に予定は入れていない。ゆっくり休んでもいい。
ただ、恐らくは――――
- 494 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:29:49 ID:N8xJEDwgO
- ハガレンかい
- 495 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:29:56 ID:gWteJxc60
- 花を置いたのはブーンだったのか
- 496 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:30:53 ID:LBejn8h60
- 支援
- 497 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 17:31:05 ID:/OgetcPg0
- ( ^ω^)「了解だお。大丈夫って伝えてほしいお」
伝言を持ってきた男に、そう告げる。
夜、部屋に行きたい、という簡潔な伝言だ。
恐らく、話が来るだろうと思っていた。
あの説明だけで納得してもらえるとは、最初から考えていなかったのだ。
日付が変わるまで、あと四刻。
城が徐々に静まり始めた頃、セリオットが、来客者を部屋の奥へと導いてくれた。
( ・∀・)「夜遅くに悪いな」
( ^ω^)「問題ありませんお。モララーさんは、お体は大丈夫なんですかお?」
( ・∀・)「城の中を歩き回る程度は大丈夫なんだが、外に出る気にはならねーな」
昼間、政務官たちの相談を受けていた机の前に座る。
小さな正方形の卓で、普段はあまり使っていない。
ただ、誰かと面と向かって話すにはちょうどいい大きさなのだ。
セリオットが淹れてくれた緑茶を啜り、ひとつ息を吐く。
夜が更けるにつれて下がってきた気温を、忘れさせてくれるような温かみだ。
( ・∀・)「まぁ、何でここに来たのかは、だいたい分かってるだろうとは思うんだが」
( ^ω^)「はいですお」
( ・∀・)「朝に言ってた、『全土を巡りたい』っていう、皇帝位から退く理由についてなんだが」
( ・∀・)「それだけじゃない、だろ?」
さすがに、モララーは鋭い。
昔から、ずっとそうだった
- 498 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:31:45 ID:gQLcnwO20
- アニジャに笑ってたらまさかの花束の男はブーン…!?
- 499 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:31:52 ID:gMo2QIjU0
- そういや一騎打ち直後のシーンは十年後だったな忘れてた
- 500 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:32:13 ID:sFZPTEm6O
- >>495
とは限らん
でもそうだとするとショボンと誰に向けて献花したのかわからん
- 501 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:32:16 ID:LBejn8h60
- やはりモララー
- 502 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 17:33:00 ID:/OgetcPg0
- ( ・∀・)「ま、仮にそれだけだったとしても、充分だとは思うんだが」
( ^ω^)「仰るとおりですお。全土を巡るだけが、皇帝を辞める理由ではありませんお」
( ・∀・)「恐らく、全土を巡りながら何かをやりたいんだろうとは思うが、肝心の目的が見えてこねーんだ」
誰かに語ったことはなかった。
聞かれなければ、モララーにも話すことはなかっただろう。
ただ、長官たちのなかでも、今や最も長い付き合いとなったモララーだ。
話しておくべきなのかもしれない、と考えたこともあった。
そして今は、話しておくべきだろう、と思っていた。
( ^ω^)「七年前、ブーンはショボンとの一騎打ちに臨みましたお」
( ^ω^)「全てを賭けた戦いで勝利し、ラウンジの地を得て、ヴィップは天下統一を果たしましたお」
( ^ω^)「その流れをブーンは、『逆転の策』と呼んで、ショボンが裏切って以降はずっと策の実現を目指してきましたお」
( ^ω^)「そしてその策は、かつてニューソク国の大将だったシャイツーが実行した策でもありましたお」
( ・∀・)「確かに、そうだが……それがどうしたんだ?」
( ^ω^)「……逆転の策を考えるにあたって、ニューソクがどうやって天下を得たのかを知るために、ブーンは文献などを調べたんですお」
( ^ω^)「だけど、全然資料が残っていなくて……結局、マドマギ城の地下で見付けた、誰かの日記で知ったんですお」
( ^ω^)「そして、そのとき思ったんですお。何故、これほどまでに資料が少ないのか、って」
( ^ω^)「国同士の争いの決着なのに、どうしてほとんど後世に伝えられていないのか、って」
( ・∀・)「…………」
- 503 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:33:27 ID:5mh8yNic0
- これからの三年で何かが起きる可能性は十分にあるしな…
- 504 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:33:51 ID:.IMgV.nc0
- 早く続きが見たいのに進めば進むほど終わりが近づいてくるというジレンマ
- 505 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:34:20 ID:N8xJEDwgO
- なるほど
そういえばそんな伏線が
- 506 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:35:20 ID:Ur3icNkE0
- ここにきてまだ先が気になる
- 507 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 17:35:29 ID:/OgetcPg0
- ( ^ω^)「明確な答えは今もありませんお。だから、今から言うことも推測ですお」
( ^ω^)「でも、多分、歴史は意図的に消去されてるんじゃないかと思ったんですお」
( ・∀・)「……そうか、なるほどな」
自分が考えていることも、もう分かったらしい。
だが、モララーは自分の言葉を待ってくれた。
( ^ω^)「シャイツーが、再び戦を起こしたくなくて、歴史を消した。文献や資料などから、可能な限り」
( ^ω^)「そう考えると納得がいくんですお」
( ^ω^)「そしてそれは、アルファベットがおよそ七百年もの間、失われていたことも」
( ・∀・)「あぁ。同じことを、いま考えたよ」
かつてあったという大戦が終結したあと、アルファベットは全土から失われた。
その後、七百年にわたり、アルファベットが存在しない期間が続いたのだ。
製法が分からない、資料が残っていない。
故に、誰もアルファベットを作ることができなかった。
結局は、誰かがどこかから製造方法を見つけ出したというが、その資料も極僅かしか残っていなかったという。
( ・∀・)「全部、ニューソクのシャイツーが消した。だから資料は残っていなかった」
( ^ω^)「もちろん、全部推測ですお」
( ・∀・)「あぁ。ただ、何となく合ってるような気がするな」
( ^ω^)「ただ、ブーンはシャイツーを同じことをやろうと思っているわけじゃないんですお」
( ・∀・)「ん?」
- 508 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:36:55 ID:hpEjKEBI0
- モララーかっけえ
- 509 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 17:37:08 ID:/OgetcPg0
- ( ^ω^)「歴史を正しく伝えることも大事ですお。アルファベットの製造法を残すことも、技術の発展には必要ですお」
( ・∀・)「確かに、それはそうだが、じゃあお前の目的は?」
シャイツーは恐らく、再び全土を戦火に巻き込みたくないと考えたのだろう。
そして起こした行動が、戦についての記録を消すこと。
更に、アルファベットを消滅させ、二度と製造されないように製法を消し去ること。
七年前に終結した戦は、アルファベットが存在しない状態で引き起こされた。
それでも、戦を激化させたのは間違いなくアルファベットだ。
仮にアルファベットが存在していれば、もっと早期に戦は起きていただろう。
何度も戦乱の世となっていただろう。
ニューソクという国はいつしか瓦解し、国家としての体を保てなくなっていった。
ヴィップが将来、どうなるかは分からない。しかし、同じ轍を踏みたくはない。
その仕事は、長官たちが果たすべきだ。
シャイツーの取った行動は、間違いではなかっただろうと思う。
だが、同じ道を歩んでも、また戦は起きるかもしれない。
七百年前に比べると、残された記録も多いだろう。
自分がやるべきは、別の方法で戦が起きないようにすることだ。
かつて、戦場に立った者として。
ヴィップを天下に導いた者として。
( ^ω^)「ブーンの目的は、α成分の平和利用ですお」
( ・∀・)「……!」
- 510 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:39:02 ID:LBejn8h60
- 支援
- 511 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:39:10 ID:5mh8yNic0
- ブーン!
- 512 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:39:32 ID:sFZPTEm6O
- 平和利用?アルファベットの形した家具とか?
家庭であのVのタンスには迂闊に触れちゃダメ!ってやり取りが見れるのか
- 513 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 17:39:40 ID:/OgetcPg0
- ( ^ω^)「α成分は人に反応する不思議な成分。武器以外にも使い道はあるはずですお」
( ^ω^)「今のブーンに科学の知識はありませんお。でも、アルファベットに長く触れた者として、色々試せることはありそうなんですお」
α成分を平和利用することができれば、戦に利用しようという考えは消えるかもしれない。
アルファベットの製造は法律で禁止されているが、絶対に破られないとは限らないのだ。
平和利用についての具体的なことは、まだ何も見えていない。
自由に各地を巡る途中で、自由に試していければいい。
きっと、終わりはないだろう。
自分が果てるまで、ずっと続く道だ。
そしていつかは、自分以外の者が歩んでくれればいい。
( ・∀・)「なるほどな。確かに、アルファベット以外の形で利用するのが一番だ」
( ^ω^)「ヴィップがしっかりとした形を保っている間は、アルファベットの製造は禁止されているから大丈夫だとは思いますお」
( ・∀・)「ただ、それも絶対的じゃない。その最悪の事態を考慮して、平和利用の方法を探るわけか」
( ^ω^)「ですお」
モララーは深く頷いてくれた。
自分なりに自信はある考えだったが、モララーが賛同してくれると心から安堵できる。
( ・∀・)「俺ものんびり考えるとするか。体はもう駄目だが、頭は何とか動くしな」
( ^ω^)「モララーさんの知能が加われば、きっと見つけ出せますお」
( ・∀・)「ま、期待しねーで待っててくれ。提案はすぐ手紙かなんかで送るから」
( ^ω^)「ありがとうございますお」
- 514 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:40:31 ID:NSSYz3t6O
- ブーンほんとに逞しくなったな
- 515 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:41:07 ID:Yz4pQdws0
- ラストはΩ型の鎧でブーン突撃とかチープな事考えてた俺
- 516 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:41:09 ID:5mh8yNic0
- 成長したよなぁ
- 517 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:41:30 ID:Z4XmryQc0
- 胸熱
- 518 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 17:41:46 ID:/OgetcPg0
- いずれは、科学者の協力を仰ぐ必要もあるだろう。
ただ、最初は自分だけでいい。
国が安定している間は問題になりそうもないことだからだ。
( ・∀・)「そーいや、結局いまも分からないままのことがあるな」
( ^ω^)「?」
( ・∀・)「なんでα成分が人に反応するのか、だ」
( ^ω^)「おっ……」
( ・∀・)「人が触れないとただの平凡な武器でしかないアルファベット。あれは何でだろうな?」
α成分に関して、アルファベットに関して、分からないことは多い。
三日で消える理由も、以前フサギコたちに話したことがあるが、結局は推測に過ぎないのだ。
何故、人に反応するのか。
アルファベットを製作することは既に法律で禁じられたが、α成分の研究は今後も進んでいくだろう。
その過程でいつか、解明される日も来るのだろうか。
( ^ω^)「人に反応する理由は、正直、全然わかんないですお」
( ・∀・)「まぁ、俺もそうだ」
( ^ω^)「ただ、ひとつだけ言えることがありますお」
( ・∀・)「ん?」
アルファベットがこの世から消えて、七年。
世界は、アルファベットなしでも上手く回っている。
恐らくは、今後もそうだろう。
しかし。
- 519 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:42:33 ID:e2gH8BrE0
- しかし
- 520 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:42:43 ID:HKvMjsVk0
- しかし
- 521 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:42:59 ID:5mh8yNic0
- しかし
- 522 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:43:02 ID:s/Jtarw20
- かかし
- 523 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 17:43:38 ID:/OgetcPg0
- ( ^ω^)「戦場に立った皆が、アルファベットのおかげで生きていられましたお」
( ^ω^)「――――そして、アルファベットも、人に触れられていたからこそ存在できたんですお」
( ・∀・)「…………」
戦場に立つ者とアルファベットは、依存しあっていた。
それは間違いない。
互いに互いの存在がなければならなかった。
人は、アルファベットを握ることで強くなった。
アルファベットも、人に触れられることで真価を発揮することができたのだ。
( ^ω^)「もちろんさっきのは、全然、何の答えにもなってないですお」
( ・∀・)「あぁ」
( ・∀・)「……でもちょっと、すっきりした気がするな。何となく」
( ^ω^)「おっおっ、それなら良かったですお」
その後は、昔話が淡々と続いた。
モララーとゆっくり話す時間は、今までほとんど取れていなかったのだ。
だからなのか、新鮮味に溢れていた。
( ・∀・)「だいぶ遅い時間になってきたな」
( ^ω^)「そろそろお休みになられたほうがいいかもしれませんお」
( ・∀・)「あぁ。でも最後に、もう一個聞いとく」
( ^ω^)「?」
- 524 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:44:15 ID:Ud91d4RY0
- やらないか?
- 525 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:44:37 ID:e2gH8BrE0
- くるか…
- 526 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:45:32 ID:5mh8yNic0
- ああ、終わってしまう
- 527 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:45:38 ID:ZhiJYHss0
- しかし
- 528 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 17:45:40 ID:/OgetcPg0
- ( ・∀・)「皇帝位を、誰に禅譲するのか、だ」
モララーは、軽く笑っていた。
自分が出す答えが分かっているのだろう。
( ^ω^)「恐らく、ルシファー=ラストフェニックス」
( ・∀・)「やっぱそうか」
それ以外、候補が思い浮かばない、というのが正直なところだ。
長官たちは、皆それぞれに有能。しかし、皇帝の位は、特殊だ。
適性がなければ務まらない、と思っていた。
( ・∀・)「あいつが一番、お前に近い。適任だろうな」
( ^ω^)「まだ分かりませんお。ルシファーが引き受けるのかどうかも」
( ・∀・)「まぁ、『絶対無理です!』って言うだろうな」
( ^ω^)「頑張って納得させたいですお。早めに決定させて、仕事を引き継がないと」
( ・∀・)「他の候補は考えなかったのか?」
( ^ω^)「もしモララーさんが引き継いでくれるなら、とは考えましたお」
( ・∀・)「ぜってーヤダ」
(;^ω^)「まぁ、そう言われるだろうと思って、早々に諦めましたお」
そもそも、モララーは国務さえ長く続けるつもりはないだろう。
本人は気持ちを口にしていないが、あと一年ほどで辞意を表明するはずだ。
恐らく、後継にはファルロを指名する、と見ていた。
- 529 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:46:03 ID:KgZ3wZfo0
- えええええええええええええええええ
- 530 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:46:26 ID:e2gH8BrE0
- マジか!!
- 531 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:46:31 ID:5mh8yNic0
- ラストフェニックス
- 532 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:46:35 ID:pNcvkiEIO
- アルファ年表とか>>1で作ってたら最後に貼って欲しいです。
支援
- 533 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:46:42 ID:LBejn8h60
- ワロタ
- 534 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:46:51 ID:E6IspQHk0
- そういえば、ドクオの妹に宛てた手紙は結局どうなった?
- 535 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:46:51 ID:BRvtvvLo0
- つまりダイオードは皇帝の嫁さんになるわけだな
男だけど
- 536 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:46:52 ID:so4vOPbE0
- ルシファーきたぁあ
- 537 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:46:59 ID:rc2I7MHg0
- 皇帝ルシファー
なるほど名前的には納得
- 538 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:47:04 ID:N8xJEDwgO
- サブキャラの血尿がこんなに出世するなんて
- 539 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:47:19 ID:ZhiJYHss0
- ルシファー大出世だなww
- 540 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:47:19 ID:gWteJxc60
- おまけ大勝利
- 541 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:47:20 ID:HKvMjsVk0
- ルシファー大出世www
- 542 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:47:22 ID:JjwgmLQQ0
- なんだとwwwwwwwww
- 543 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:47:36 ID:MGmYqfEE0
- ある意味、ブーンが大将になった時もこんな流れだったな
- 544 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:47:38 ID:sFZPTEm6O
- ヴィップ大丈夫か?
にしても皇帝まで出世するとは
- 545 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:48:11 ID:QsQ.S.WMO
- おいおいルシファーの血尿がフェニックスのように噴き出ちゃうぞ
- 546 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:48:26 ID:Ur3icNkE0
- 皇帝ルシュファー=ラストフェニックス
かっこよすぎ濡れた
- 547 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:48:31 ID:L/UN6q5sO
- 血尿で死んじゃうwww
- 548 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:48:38 ID:pNcvkiEIO
- (#^ω^)「黙って従え!モララー!」
- 549 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:48:40 ID:LBejn8h60
- 341 :一兵卒の目から見た東塔の一日 ◆azwd/t2EpE :2007/07/14(土) 23:52:38.48 ID:bfL8LogM0
(个△个)「やぁ初めまして。僕はルシファー=ラストフェニックスといいます」
(个△个)「名前が無駄にカッコイイと評判です」
(个△个)「二年前に入軍して、今年で二十歳です。アルファベットはGです。ぼちぼちです」
(个△个)「今日はただの一兵卒である僕が、東塔での一日を紹介しようと思います」
〜朝〜
(个△个)「まず起床してすぐ朝食を食べます。偏食なのでいきなり戦ってる気分です」
(个△个)「食べ終わったあとは軽く体を動かして調練に入ります」
(个△个)「今朝は馬に乗って全体で動く訓練です。指揮はドクオ中尉です」
(个△个)「無気力そうな顔をしていて背も小さいけど、何故かカッコイイ人です」
(个△个)「馬の訓練が終わったあとは、歩兵として陣を素早く組み替える訓練です。指揮はモナー中将です」
(个△个)「老将だなんて言われていますがまだまだお元気です。柔和で心優しい武将です」
〜昼〜
(个△个)「調練が終わりました。お昼ごはんを食べにいきます」
ここから皇帝になるとは
- 550 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 17:48:42 ID:/OgetcPg0
- ( ^ω^)「元々、長期に務めるつもりはなかったんですお」
( ・∀・)「国の停滞を懸念したんだろ?」
( ^ω^)「ですお。ずっと同じ人がやるんじゃ、変革が期待できなくなっちゃいますお」
( ^ω^)「それに、国政の頂点は、本当は国民が決めたほうがいいとも思ってますお」
( ・∀・)「皇帝は権威の象徴とする。実際の政務は、国民に信任された者が執り行う、ってことか」
( ^ω^)「そうですお。つまり、選挙制度ですお」
( ・∀・)「まぁ、当分無理だな」
( ^ω^)「いずれは、ですお。今は、このままでいいと思いますお」
( ・∀・)「しかし、お前が辞めるのはちょっともったいない気もするな、今更ながら。国民からの支持も厚かったわけだし」
( ^ω^)「ありがたいですお。自分なりに一生懸命やってきたことが評価されて、本当に嬉しかったですお」
( ・∀・)「本当に、よくやってくれた。みんなお前のおかげだ」
モララーは、昔からずっと変わらない。
自分の気持ちを、率直に表現してくれる。
( ・∀・)「もうちょっと頑張ってもらって、そのあとは、ゆっくりしてくれ」
( ・∀・)「お前の人生、まだまだ長いんだ。楽しみたいように楽しんでくれ」
( ^ω^)「ありがとうございますお。モララーさんも、ですお」
( ・∀・)「あぁ、そのつもりだ」
- 551 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:48:59 ID:yJDtnBXk0
- ルシファーwwwwwwwwww
- 552 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:49:32 ID:5mh8yNic0
- 後に彼は尊敬と親しみを込めて「血尿皇帝」と…
- 553 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:50:31 ID:HKvMjsVk0
- おまけで、皇帝ルシファーから見たヴィップ帝国の一日が・・・!
- 554 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:50:36 ID:rc2I7MHg0
- >>546
ルシュファーって誰だよwwwwww
- 555 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:50:43 ID:8CUEpu3g0
- ニダーが継ぐと思ってた
- 556 名前:!ninja:2012/01/16(月) 17:50:59 ID:QsQ.S.WMO
- 血管から尿が出て尿道から血液の出る奇跡の存在ルシファー皇帝
- 557 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:51:01 ID:8HHLcY.k0
- ジョルジュとミルナか
- 558 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:51:01 ID:ZhiJYHss0
- 皇帝ルシファー 死因:血尿
- 559 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:51:11 ID:MGmYqfEE0
- ……でもやっぱり、さすがにルシファーには荷が重すぎないか?
- 560 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:51:28 ID:V7WUyll60
- 次期皇帝はカルリナだと勝手に思ってたがまさかの
- 561 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:51:30 ID:Ur3icNkE0
- >>554
てへぺろ
- 562 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:51:32 ID:HKvMjsVk0
- もう一人の無駄にカッコイイ名前の兵卒何だったっけ
- 563 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 17:51:39 ID:/OgetcPg0
- 自分も、モララーも、かつて将校だった他の長官も。
皆、戦乱の世を全力で駆け抜けてきた。
蓄積された疲労が体から抜け切ることはない。
今後も積み重なる一方だ。
歳も重なってきている。
それぞれ意欲はあるが、体がついてこなくなってくる頃だ。
いつ辞めたとしても、誰も咎めない。
それだけの功績はあるのだ。
( ・∀・)「ま、俺もしばらくは、お前と一緒に頑張るとするよ」
一年ほどで辞めるのではないか、と考えていた。
ただ、自分が辞意を表明したことで、モララーももう少し続けようという気になってくれたらしい。
長くとも三年だろうが、それでも嬉しかった。
自分が入軍したときに東塔で将校だった者は、モララー以外は全てこの世を去った。
致し方ないことだが、共に天下を目指した仲だったのだ。当然、寂しく思う気持ちがあった。
最も長い付き合いとなったモララーには、他の人にはない特別な思いもある。
だからこそ、まだしばらく共に働けるのが嬉しかった。
思えば、こうやって自分の本音を率直に語れたのも、モララーだからこそかもしれない。
きっと、自分は国から離れても、折を見てモララーに会いに来るだろう。
( ^ω^)「これからも、よろしくお願いしますお」
両膝に手を置きながら、頭を下げた。
モララーは、茶菓子を器用に片手で口に放り込み、それから少しだけ笑った。
- 564 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:51:48 ID:e2gH8BrE0
- 胃に穴があいちゃう
- 565 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:52:06 ID:3WZhaEkI0
- アラマキ→ブーン→ルシファー
名前だけは最強だなw
- 566 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:52:26 ID:BRvtvvLo0
- 作者もモララー好きだよね
アブレイユという名前からも知れるけど
- 567 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:52:45 ID:cA9CRxPUO
- モララーが一番好きな俺には奇跡といっていいだろう
- 568 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:52:46 ID:8CUEpu3g0
- >>562
レヴァンティン
- 569 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:53:18 ID:HKvMjsVk0
- >>568
それだ!ありがとう
- 570 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:53:33 ID:Ud91d4RY0
- レヴァンテイン
そういや作中でレヴァンテインの最期の言葉について拾ってくれるんだよな
- 571 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:53:34 ID:Ur3icNkE0
- しかしここで見ても人気高いルシファー
- 572 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:54:17 ID:rc2I7MHg0
- >>570
もうその件は消化したんじゃあなかったか
- 573 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:54:29 ID:7xEGKceQ0
- やべぇ
最初にして最後の遭遇・・・
仕事中白い目で見られてるがかまわねぇぜwww
- 574 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:54:31 ID:8haAhiJgO
- ルシュファーwwwww
- 575 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 17:54:46 ID:/OgetcPg0
- ――三年後――
――世界暦・539年――
昨日は強烈な寒波が押し寄せ、ヴィップ城の周りも珍しく雪が積もった。
しかし、今日は突然春になったかのように、穏やかな陽光が空から降り注いでいる。
積雪は日陰に残っている程度だ。
ひと月ほどすれば、学生たちは新たな春を迎える。
義務教育を終えた者は何らかの仕事に就くだろう。
学校の数は充実しはじめており、就学率は目に見えて向上していた。
戦の影響で仕事を失っていた者も、職を得ることができていると、就職率が示している。
ヴィップが天下を統一してから、十年。
平和を確立したと、ようやく言える状況になってきた。
( ^ω^)(今日は風も温かいお)
馬の手綱を軽く引いた。
景色は緩やかに流れ、温風は体を撫でるようにすれ違っていく。
昨日の雪が溶けたことで、地面は固さを失っていた。
あまり速く駆けないほうがいいだろう。
向かっているのは、南。
駆けるにつれ、更に暖かくなるだろうか、などと考えていた。
振り返って、遠景のヴィップ城を確認する。
遠くからでも活気があるのは分かった。
近年、地方の役人や商人などの出入りが増えているのだ。
- 576 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:54:49 ID:3WZhaEkI0
- >>571
なるほど・・・皇帝になるのも納得せざるを得ないなw
- 577 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:54:50 ID:gWteJxc60
- >>562
(;‐λ‐)「……レヴァンテイン=ジェグレフォードだよ……無駄にカッコよくて悪かったな……」
- 578 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:55:14 ID:sFZPTEm6O
- >>566
ぐぐったらメジャーリーガーの名前だったのか
なるほど
- 579 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:55:15 ID:QsQ.S.WMO
- >>571数少ない血尿キャラだからな
- 580 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:55:45 ID:8CUEpu3g0
- すまんこ間違えとったw
- 581 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:55:51 ID:Ur3icNkE0
- 繫がるか…!
- 582 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:56:05 ID:BBfdrZ6g0
- 支援
- 583 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:56:30 ID:MGmYqfEE0
- >>579
そんなの他にいるかwww
- 584 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:56:32 ID:ZhiJYHss0
- 血尿って出すとき痛いんだよな
- 585 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:57:30 ID:HKvMjsVk0
- >>584
な、って言われてもしらねーよwww
- 586 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:57:42 ID:p/rMaPiA0
- ルシファーに権威譲渡すると緊張で死んでしまうんじゃないかw
あと三年の間に血尿が治ることを祈るわ
- 587 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 17:57:42 ID:/OgetcPg0
- 世界は上手く回り始めている。
そう実感していた。
自分がいなくなった今も、そうなのだ。
きっとこれからも、変わらないだろう。
( ^ω^)「着いたお」
手綱と声で、馬に伝える。
漆黒の毛は少し汗で湿っていた。
ヴィップ城の南東、それほど遠くない位置にある。
国家に携わった者たちが眠る墓地だ。
( ^ω^)「お疲れ様だお」
墓地の入り口に立つ兵に、そう告げて中に入る。
ここに入れるのは、国に許可を貰った者だけだ。
ただ、自分は元皇帝として、国が管理する場所全てに入場を許可されている。
墓荒らしに狙われないよう、墓地の周囲は鉄製の柵で覆われている。
墓地自体は小さな丘で、眠っているのは百人程度だ。
あと九百ほどは墓を建てられるが、戦が終わった後はほとんど増えていないという。
碁盤目状に、ひとつひとつの墓が区切って配置されている。
また、入り口には、誰がどこに眠っているのか分かるよう、案内板も設置されていた。
おかげで、迷うことなく故人に会いに行ける。
最初に、一番奥の墓へとまっすぐ向かった。
一際大きいが、造形は単純な墓だ。
豪華なものは望まなかったのだという。
( ^ω^)「お久しぶりですお、アラマキ皇帝」
- 588 名前:!ninja:2012/01/16(月) 17:58:40 ID:QsQ.S.WMO
- 尿蛋白は気持ちよかったぞ、気持ちいいのは検査前日の夜だっだが
- 589 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:59:06 ID:rc2I7MHg0
- ヴィップ城南東部の謎がようやく解けたな
墓地だったのか
- 590 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:59:07 ID:7xEGKceQ0
- >>584
痛いものと痛くないのあるよ
痛いのは尿道を何かが這う幹事
- 591 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:59:46 ID:p/rMaPiA0
- ツンとかジョルジョとかあの人の回想もくるのか
- 592 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:59:51 ID:gWteJxc60
- 血尿スレ
- 593 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 17:59:57 ID:Ur3icNkE0
- アラマキの墓か
- 594 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 18:00:13 ID:/OgetcPg0
- 思わず、皇帝と口にしてしまう。
やはり自分にとっての皇帝はこの人なのだ、と思う。
この墓は、丘の最も高い位置に建てられている。
ちょうどヴィップ城の隻影も見える位置だ。
( ^ω^)「あまり来れずにすみませんお。皇帝の仕事は大変なんだって、よく分かりましたお」
( ^ω^)「ブーンはたった十年やっただけ……何十年も務めてきたアラマキ皇帝のこと、改めて尊敬しましたお」
乱世と治世、どちらで皇帝をやるのが大変なのかは分からない。
それぞれに、それぞれの苦労があるのだろう。
ただ、同じ場に立った者でなければ分からない苦労だ。
( ^ω^)「アラマキ皇帝からいただいた玉璽は、ルシファーに渡しましたお」
( ^ω^)「ルシファーは、ちょっと頼りなく思うときもありますお。でも、力はあると思いますお」
( ^ω^)「そしてそれ以上に、民から慕われる皇帝として、きっと上手くやってくれますお」
ルシファーを支えよう、という気に周りがなってくれている。
長官たちは今まで以上に職務に励み、ルシファー自身も押し上げられるようにして力をつけているのだ。
そうした現状があるからこそ、今後のヴィップに対する憂いはほとんどなかった。
( ^ω^)「大人も、子供も、みんな将来に期待を抱いてますお」
( ^ω^)「これからどんどん良くなっていく、豊かになっていく、そういう国になるって」
( ^ω^)「ブーンは、もう国務から退きましたお。それでも、国を想う気持ちに変わりはありませんお」
( ^ω^)「アラマキ皇帝が建国した、この国を……ずっとずっと、大切にしていきたいですお」
- 595 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:00:18 ID:CCK.DQAY0
- 本日の血尿スレはここですか
- 596 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:00:46 ID:ZhiJYHss0
- >>585
痛かったんだよ
オシッコ赤かったしびっくりした
- 597 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:00:57 ID:cA9CRxPUO
- おいおまいら今感動すべきシーンだろ
血尿の話しはもうヤメテ
- 598 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:01:21 ID:I5eijCyo0
- >>584
痛くねーよ、尿管結石の時にみたが、ただただ俺は死にたくなった
- 599 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:01:36 ID:sFZPTEm6O
- 新たな国家として動き出したか
- 600 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:02:12 ID:Ur3icNkE0
- ルシファーもそうだけど、ブーンが皇帝になるとも思ってなかったなぁ
- 601 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:02:17 ID:gWteJxc60
- ブーンも周りに支えられて大将らしくなっていったからな。
ルシファーは境遇というか、性格が似てるし
- 602 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 18:02:30 ID:/OgetcPg0
- ヴィップが天下を統一してから、今年で十年。
しかし、ヴィップが建国されてからは、既に五十四年だ。
生まれたときには既にヴィップ国民だった、という人のほうも多くなっている。
これから生まれる人は、皆そうだ。
この国が、愛する祖国なのだ。
失いたくない、と思ってもらえる国にならなければならない。
この国を建てた者、発展させた者、全ての意志を受け継いで。
( ^ω^)「これからも、見守っていて下さいお」
アラマキの墓に瑠璃二文字の花を供えて、隣の墓へと移動する。
この人とは、墓地でしか会ったことがない。
自分がヴィップに入ったときには、既に亡くなっていた。
( ^ω^)「ハンナバルさん、今日はあったかいですお」
竹筒に入れてある水を、少し墓に掛けた。
生前、ハンナバルは水を好んでいたとジョルジュに教えられたことがある。
( ^ω^)「戦時中も、天下統一後も、なかなか墓参りに来れず申し訳ありませんでしたお」
( ^ω^)「ハンナバルさんが最初に務めた、ヴィップ軍頂点の地位……ブーンも何とか全うできましたお」
かつて、ヴィップ軍の頂点は総大将という地位だった。
それを最初に務め上げ、ヴィップの黎明期を支えたのがハンナバル=リフォースだ。
- 603 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:02:56 ID:j4Cd4MWEO
- >>553
面白そうww
結局兵卒のころとあんまかわんなかったりなww
- 604 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:03:07 ID:pNcvkiEIO
- やだ
終わらないでぇぇぇぇぇ
まだ
「おい、投下いつなんだよ 作者逃亡か」
とか言いつつ、ブーン芸チェックさせてくれ
- 605 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:03:30 ID:MGmYqfEE0
- やっぱり隣同士の墓か
- 606 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:03:31 ID:V7WUyll60
- モララーとシャイツーの伏線は回収されずに終わるのか
それともモララー放浪編で回収されるのか
- 607 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:03:49 ID:G7jA/POsO
- みんなのお墓か
- 608 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:04:03 ID:5mh8yNic0
- 助けたいと支えたいと周りが思うのも良い為政者の資格なんだろうな
- 609 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:04:37 ID:3WZhaEkI0
- また泣かす気か!
- 610 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 18:05:23 ID:/OgetcPg0
- ( ^ω^)「今のブーンたちは、ハンナバルさんが固めてくれた地盤の上に立っていますお」
( ^ω^)「ハンナバルさんがベルやアテナットなどを相手に戦い、ヴィップの地を守ってきてくれたからこそですお」
( ^ω^)「ジョルジュさんも、ハンナバルさんが居たからこそヴィップの天下を目指してくれましたお」
( ^ω^)「ハンナバルさんの蒔いた種が育ち、またその花が新たな種を蒔いてるんですお」
ヴィップはかつて、アラマキとハンナバルの手によって建国された。
最初は二人だけが抱いた、天下への想い。
それがモナーやジョルジュなどに受け継がれ、そして自分たちに受け継がれていったのだ。
( ^ω^)「世界はずっと、そうやって続いていくんだと思いますお」
昇藤の花を供え、また隣へと移る。
ヴィップで長く大将を務めた、ジョルジュ=ラダビノードの墓だ。
そして、その隣にはミルナの墓もあった。
ミルナは、オオカミの将であり、ヴィップ国有の墓地に墓を建てるべきではない。
そういった意見があったことも事実だが、自分が強行に押し切り、墓を建てたのだ。
ミルナは望まないかもしれない。
しかし、自分からミルナへ感謝の意を示すためにできることは、これくらいしかなかったのだ。
( ^ω^)「ジョルジュさん、ミルナさん、戦乱が終わってもう十年が経ちましたお」
( ^ω^)「この十年は、本当に大変で……ほとんど休む暇もありませんでしたお」
( ^ω^)「できれば、お二人にも手伝ってもらいたかったですお。心から、そう思いますお」
- 611 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:05:57 ID:V7WUyll60
- ハンナバルの墓の隣にってのは荒巻の遺言だろうなあ
- 612 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:05:57 ID:Ur3icNkE0
- 本格的に感慨深い
- 613 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:06:40 ID:8haAhiJgO
- 最近涙腺が緩んで仕方ない
- 614 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:07:02 ID:MGmYqfEE0
- ここに他の戦没した将校もいるのかな
- 615 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:07:11 ID:8CUEpu3g0
- 泣いた
- 616 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:07:13 ID:DJEKXF8EO
- やっぱりまとめられてから見るものだったわ
- 617 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:07:22 ID:QsQ.S.WMO
- 目から血尿が
- 618 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:07:35 ID:j4Cd4MWEO
- ヤバイ、マジで涙出てきた
- 619 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:07:45 ID:gWteJxc60
- 8時半から投稿してるんだよなぁ。
(´・ω・`)「実に、長かった。あまりにも、長すぎた」
- 620 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:07:56 ID:EX7tgdWQ0
- >>617
血も涙も…あったわ…
- 621 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:08:04 ID:HKvMjsVk0
- >>596
お体は大事にしてくださいね
- 622 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 18:08:05 ID:/OgetcPg0
- 仮定の話をしても、意味はないかもしれない。
しかし、仮に二人が、最後まで生き残っていたとした場合。
ミルナは恐らく、国から去っただろう。
ジョルジュは、どうしただろうか。国務に携わってくれただろうか。
それとも、自室で悠々とした日々を過ごしただろうか。
あるいは、ミルナと共に、二人でどこかへ旅立っただろうか。
( ^ω^)「ジョルジュさん、いま改めて、過去の非礼をお詫びさせてくださいお」
( ^ω^)「最初は、言葉遣いが荒くて剣呑なジョルジュさんのこと、あんまり好きじゃありませんでしたお」
( ^ω^)「ジョルジュさんもブーンを疑っていたから、お互い反目しあうのは当然だったんだと思いますお」
( ^ω^)「そんなのはもう、ジョルジュさんはとっくに気にしてないって、分かってても謝っておきたかったんですお」
ジョルジュの墓に向かい、深々と頭を下げる。
入軍してからしばらく、親しみを持てなかった理由は、それだけではない。
ジョルジュは、親の仇だった。
入軍直後に知ったことだが、オオカミ時代のジョルジュに、父ベーンは討たれていたのだ。
当初から、致し方ないことだと理解はしていた。
それでも、ジョルジュを好ましく思うことはできなかった。
やがてショボンが離反し、ジョルジュから全てを教えられた。
誰よりもヴィップのために戦っていたのだと知った。
最後には、寿命を削ってまで戦場に立ち、ヴィップのために散ったのだ。
滅亡寸前にまで追い込まれたヴィップを共に立て直す過程で、いつしか蟠りは完全に消えていた。
- 623 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:09:41 ID:2W8hLuuE0
- 最初から最後まで俺の予想通りか・・・
- 624 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:10:22 ID:rc2I7MHg0
- >>623
そんなこと報告しなくていいから(嘲笑)
- 625 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:10:35 ID:Ur3icNkE0
- ジョルジュのくせに、眉毛ズレたり消えたりするくせに…
- 626 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 18:10:59 ID:/OgetcPg0
- ( ^ω^)「今あるヴィップの世を、他の誰よりも、ジョルジュさんに味わってほしかった。そう思いますお」
( ^ω^)「でも、ジョルジュさんが守って下さったヴィップは、今、確実に未来へと進んでいますお」
( ^ω^)「どうか、安心してほしいですお」
李の花を墓の前に置き、視線をミルナの墓へと移す。
自分の希望で建てられたこの墓には、小さな狼の石像が備え付けられていた。
( ^ω^)「周りがヴィップの人ばかりで、あんまり居心地良くなかったらすみませんお、ミルナさん」
( ^ω^)「思えば、モララーさんもジョルジュさんも戦えなかったとき、ミルナさんの存在は本当に大きかったですお」
( ^ω^)「あのときミルナさんが居なかったら、今頃ラウンジの世だった。本気でそう思ってますお」
特に、オオカミ城を奪取してくれたことは大きかった。
あの城は、まともな戦で落とそうと思えば、かなりの時間と兵力が必要だ。
しかし、オリンシス城を睨まれるため、放置することもできない城だった。
ミルナが秘密の道から侵入し、城を奪還してくれたおかげで、南西方面は安定したのだ。
後の重要な戦いが何度も南西で実施されたことを考えると、あのオオカミ城奪取は非常に大きかった。
( ^ω^)「ミルナさんがヴィップのために戦ってたわけじゃないって、分かってますお」
( ^ω^)「それでも、ミルナさんは今のヴィップを語る上で、欠かせない人でしたお」
かつてオオカミの将だった事実はある。
ただ、元敵将ということはともかく、ヴィップの天下統一に貢献してくれたことは誰もが理解しているのだ。
オオカミ戦で親を失った者さえ、ミルナの墓の前で手を合わせることがあるという。
- 627 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:11:13 ID:mttGKwY2O
- しかしまあ主役補正があるとは言え
格上アルファベッド使いキラーだよなブーンって
- 628 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:11:23 ID:39U1/4VY0
- いちいち釣られんな支援
- 629 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:11:26 ID:cA9CRxPUO
- 逆にこういう系は最後まで王道で突っ切った方がいい
だからこの展開できてくれて本当に嬉しい
- 630 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:11:28 ID:V7WUyll60
- やっとドクオのターンが…
- 631 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:11:45 ID:Ud91d4RY0
- ネタをネタと見抜けないと難しい
- 632 名前:!ninja:2012/01/16(月) 18:11:52 ID:QsQ.S.WMO
- _△_
( ゚∀゚)「これもズレるぜ」
- 633 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:11:55 ID:iAwoz5KkO
- 追いついた…
なんかもう感動なのか淋しいのか既にわからないけど目が潤んでしかたない…
支援
- 634 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:12:33 ID:MGmYqfEE0
- ドクオ、ジョルジュ、ミルナはアルファ三大漢キャラ
- 635 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 18:13:07 ID:/OgetcPg0
- ( ^ω^)「こんなところに墓を建てて、身勝手で申し訳ないですお」
( ^ω^)「どうか、許してほしいですお」
狼の石像の背に乗せるようにして七変化の花を置き、歩き出す。
先ほど通った、ハンナバル、アラマキの墓のほうへ。
ハンナバルと共に、アラマキを挟む形で、その人の墓はある。
( ^ω^)「モナーさん、お久しぶりですお」
自分が入軍したときには、既に老練な将として知られていた。
モナー=パグリアーロ。
ハンナバルの右腕として、そして一時は総大将としても活躍した人だ。
自分の中では、パニポニ城の守将の印象が強い。
全土の中心に位置し、常にラウンジとオオカミからの脅威に晒されてきた城だ。
良質なα鉱石を採掘できる鉱山も近くにあったため、失うことは絶対に許されない城だった。
その重要性を誰よりも理解し、完璧な防備を整えたのがモナーだったのだ。
まさに難攻不落。敵に、攻めるという選択肢さえ与えないほどの堅城に仕立て上げた。
ヴィップは、北部の城を常にパニポニ城から窺うことができた。
ラウンジは常に近隣の城を守らなければならなかったため、ギフト城攻防戦では最初からヴィップが有利だったのだ。
パニポニ城に不安を覚えながら戦っていたとしたら、北部の戦は相当に苦しかっただろう。
( ^ω^)「モナーさんが守ってくれたパニポニ城は、今も全土の中心で流通の要となってますお」
( ^ω^)「城だけじゃなくて、知識も……城の防衛や、兵の士気維持などの知識をたくさん与えてくださったこと、今でも覚えてますお」
モナーの活躍期間は長い。
建国当初からずっと、ハンナバルを支えていたのだという。
墓に刻まれた生年は、471年。
もし存命なら、今年で六十八歳になっていた。
- 636 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:13:14 ID:Ur3icNkE0
- 涙腺しまんねぇ
- 637 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:13:30 ID:8haAhiJgO
- なんて言えばいいのかわからん
こういうときは支援だな
- 638 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:13:53 ID:2Yv7g/r20
- 最終話で初リアルタイム・・・(´;ω;`)
- 639 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:14:04 ID:kC1kKs1EO
- 昼頃から学校の休み時間を利用して学校終わった後もひたすら見て・・・
やっと追いついた!
しえんんんっ
- 640 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:14:53 ID:rc2I7MHg0
- そろそろゆとりが増えて来るか
- 641 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:15:12 ID:kOmXj75UO
- やっと追いついたぞ…
支援!
- 642 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:15:19 ID:N8xJEDwgO
- 思えば遠くへ来たもんだ
- 643 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:15:26 ID:MGmYqfEE0
- これだけの多くのキャラがいながら、そのほとんどがどれも感慨深いわ
- 644 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 18:15:26 ID:/OgetcPg0
- ( ^ω^)「長い人生のほとんどをヴィップに費やしたモナーさんの想い、相当に強かったんだと改めて感じますお」
( ^ω^)「そのモナーさんの想いを、天下統一という形で果たせて、本当に良かったですお」
鬼百合の花を供えて、再び歩き出した。
モナーたちの墓から、少し離れたところへ。
( ^ω^)「ヒッキーさん」
本人の希望らしいが、墓はかなり小さい。
国軍の将官には相応しくないが、ヒッキーらしいと言えた。
( ^ω^)「あんまりヒッキーさんの本音を聞く機会がなくて、結局、最後までちゃんと話せませんでしたお」
( ^ω^)「それが心残りで……でも、ヒッキーさんが最後の最後で武人らしく戦ったこと、忘れませんお」
( ^ω^)「ジョルジュさんも、ヒッキーさんの戦いぶりが心に響いたみたいでしたお」
( ^ω^)「聞くところによれば、ジョルジュさんは最後、ショボンをかなり追い詰めたみたいで……」
( ^ω^)「それはきっと、ヒッキーさんの戦いざまに触発された部分もあったんだと思いますお」
ヒッキーに関して、確信を持てたこと。
それは、心からジョルジュを信頼していた、ということだった。
常にジョルジュの命に従い、軍で行動してきた。
そして最後は、ジョルジュのために命令に背いてまで戦った。
平和を得たヴィップが繁栄する様を、ずっと見ていてほしい。
ジョルジュがそう言ったにも関わらず、ヒッキーは散ったのだ。
ただ、ジョルジュのために。
こちらで、ヴィップが繁栄する様を見ることは、叶わなかった。
あちらで、ヴィップが繁栄する様は、見ることができているだろうか。
- 645 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:15:33 ID:7t75g8MY0
- ( ^ω^)追いついた報告は口頭ではなく書類でお願いしますお
- 646 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 18:17:35 ID:/OgetcPg0
- ( ^ω^)「ショボンが造反してからの戦で、ヒッキーさんの安定感は大きな武器でしたお」
( ^ω^)「踏んだ戦場の数でいえば、恐らくヒッキーさんが最多。その豊富な経験は、ヴィップを窮地から脱出させてくれたと思いますお」
( ^ω^)「今は、ゆっくり休んでほしいですお」
そして、ヒッキーの墓前に迷迭香の花を供える。
また少し移動して、三つ隣の墓の前に立った。
その間にあった、名前の分からない墓は、恐らく過去の文官の墓だろう。
( ^ω^)「ギコさん、なかなか来れなくてすみませんお」
( ^ω^)「礼節に厳しかったギコさんのことだから、きっと怒ってると思いますお。申し訳ないですお」
不意討ちによりこの世を去った、ギコ=ロワード。
あれからもう、十二年が経った。
( ^ω^)「ラウンジとの戦いは、苦難の連続でしたお」
( ^ω^)「ギコさんが居てくれたら、もっと楽に戦えてたと思いますお、きっと」
( ^ω^)「終戦後の統治も、何でもこなせるギコさんが居たら、人事に困ることはありませんでしたお」
愚痴をこぼすように語り掛けた。
現在、戦史を編纂する作業が進んでいる。
そのなかで、ギコは"運悪く"討たれてしまったと記述されているようだ。
確かに、あのときショボンと一緒にいたのが、ギコでなく自分だったら。
自分は、ショボンに討たれていたかもしれない。
- 647 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:17:38 ID:sFZPTEm6O
- そっか
ブーンはヒッキーに救われたこと知らないのか
墓まで持ってくなんてほんま男やで……
- 648 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:17:43 ID:5mh8yNic0
- あらためて色んな人の力があっての勝利なんだなって思うわ
- 649 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:18:11 ID:LFae6NXI0
- 終わってほしくなぃでふw
- 650 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:19:17 ID:MGmYqfEE0
- ギコの死に方のあっさりさには驚愕した
- 651 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:19:19 ID:8haAhiJgO
- どいつもこいつも・・・いいキャラすぎるぜ
- 652 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:19:39 ID:sFZPTEm6O
- あの首が転がってきた時の衝撃は凄かった
スレの勢いも凄まじかった
- 653 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:19:53 ID:3WZhaEkI0
- >>647
そうだったね・・・
初陣でジョルジュの罠から助けてくれたよねヒッキー
- 654 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 18:20:09 ID:/OgetcPg0
- ショボンは恐らく、咄嗟の反撃を喰らっても討てるよう、安全策を取ったのだろう。
Sの壁を超えていた自分とモララーを直接狙うことはなかった。
R以下で最も有能だったギコを討っておきたかったのだと推測されている。
悲運と言うこともできるのは確かだ。
ただ、運の一言で片付けてしまうのは、ギコに対して礼を失しているような気がした。
( ^ω^)「……突然いなくなってしまって、悲しかったのはブーンだけじゃありませんお」
( ^ω^)「でも、多分大丈夫ですお。形は違っても、幸せは守られると思いますお」
( ^ω^)「それに関しては、安心してほしいですお」
誰のことなのかは、何となく、口にしなかった。
しかし、主語を明言しなくとも、分かってくれるだろう。
ただ、自分が言わずとももう、伝えられていることかもしれない。
汚れひとつない墓が、そう物語っている気がした。
極楽鳥花を供えて、隣の墓へ。
そこには、イヨウ=クライスラーが眠っていた。
( ^ω^)「イヨウさん、ヴィップは平和ですお」
( ^ω^)「入軍直後から何度も一緒に戦った者として、できればこの平和を一緒に謳歌したかったですお」
イヨウには、ギコとの共通点がある。
味方の裏切りによって討たれてしまったという点だ。
武人は誰しも、最高の敵と戦って果てたいと思うものだ。
味方に斬られる最後では、無念極まりなかったことだろう。
- 655 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:21:50 ID:PrTDFJmA0
- くそっ、8時半から居るが、そろそろ離れなければ・・・最後支援
- 656 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:22:07 ID:pNcvkiEIO
- 121話投下の時は今回みたいに待たせないでくれよな
- 657 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:22:10 ID:BRvtvvLo0
- もう10時間投下してんのか
- 658 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:22:11 ID:LFae6NXI0
- しぃさん少し印象ょくなぃw←
- 659 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:22:16 ID:yJDtnBXk0
- (^Д^)「そろそろ俺のターンか」
- 660 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 18:22:41 ID:/OgetcPg0
- ( ^ω^)「イヨウさんの最後のこと……今でも鮮明に覚えてますお」
( ^ω^)「『ヴィップを頼む』って、ブーンに託してくれて……その想いは今、現実のものとなっていますお」
( ^ω^)「息子のビヨウは国政で力を発揮してくれてますお。頼もしい限りですお」
( ^ω^)「残ったお嫁さんも気丈に生きてくれてますお。どうか、安心して眠ってほしいですお」
墓前に仏桑花を残し、今度は、少し離れた墓へ。
雑草を踏みしめながら移動する。
比較的新しい墓の前に立った。
( ^ω^)「ビロードさん」
墓の周りには色とりどりの花が咲いている。
ビロードの嫁と娘が定期的に訪れている、という話は聞いたことがあった。
( ^ω^)「ビロードさんが守って下さったモララーさんの命、統一後も本当に助けになりましたお」
( ^ω^)「法務長官がファルロさんに代わってからも助言してくれてるみたいですお。今も欠かせない存在ですお」
ビロードは、入軍してからずっと、仲の良い友人だった。
守りに優れた将として活躍したが、卓越した戦局眼で味方の危機を救ったこともあった。
ラウンジとの三正面の戦、北部での勝利はビロードの存在なくしてはありえなかったはずだ。
( ^ω^)「娘のリロートは副長官としてロマネスクを支えてくれてますお」
( ^ω^)「ヴィップの財政の中核を担う存在として、これからも成長してくれると思いますお」
( ^ω^)「見守ってあげてほしいですお」
- 661 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:22:48 ID:p/rMaPiA0
- プgゲフンゲフンさんの出番はまだですか
- 662 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:23:12 ID:iAwoz5KkO
- あぁもう今までの熱い展開が鮮明に甦ってくる…
- 663 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:24:08 ID:5mh8yNic0
- 供える花の花言葉も気が効いてて
- 664 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:24:17 ID:sFZPTEm6O
- どれもこれも懐かしい
- 665 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 18:24:19 ID:/OgetcPg0
- 墓に沈丁花を供えたあとは、すぐ隣の墓の前で手を合わせる。
その墓に刻まれた名は、ベルベット=ワカッテマスだった。
( ^ω^)「ベルベットらしい墓だと、いつ見ても思うお」
無駄な飾り気が一切ない。
ただ長方形に整えられただけの墓。
生前、戦死した場合はそうするように、と従者に言い残していたらしい。
( ^ω^)「ベルベットの仇、苦しかったけど何とか討てたお」
( ^ω^)「ショボンは本当に強かったお。一騎打ちで、Rでショボンの腕を掠めたっていうベルベットのことが信じられないくらいだお」
( ^ω^)「ベルベットの才は、今の治世でも充分に活きたはずだお。政務を一緒にできなかったこと、心から残念に思うお」
常に冷静沈着で、無駄な言葉は口にしない。
故に、ベルベットの本心も掴みきれなかったところがあった。
しかし、今にして思えば、ベルベットは自分を慕ってくれていたのだろう。
何度もアルファベットの教えを乞いに来てくれた。
戦場で、熱くなって周りが見えなくなった自分を落ち着かせてくれた。
リレントによる暗殺者に狙われていた自分を、危険を顧みず助けてくれたこともあった。
最後は、ショボンの圧倒的な武力に捩じ伏せられてしまった。
戦では当然、起こり得ることとはいえ、申し訳なく思う気持ちも無論ある。
当時の大将は、ベルベットにあの戦をさせたのは、自分なのだ。
( ^ω^)「……守りきれなくて、ごめんだお」
( ^ω^)「もちろん、こんな言葉をベルベットが望むはずはないってこと、分かってるお……」
- 666 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:24:23 ID:MGmYqfEE0
- ビロードは当初の予定だともっと早くに死ぬはずだったらしい
- 667 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:25:30 ID:cA9CRxPUO
- ああくそ仕事の時間がきちまっただわ
- 668 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:25:31 ID:KgZ3wZfo0
- ベルベット…
- 669 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:25:35 ID:G7jA/POsO
- 花言葉後で調べよ
- 670 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:26:03 ID:3WZhaEkI0
- 最後はやっぱり・・・
こんなん絶対泣くだろ
- 671 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 18:26:18 ID:/OgetcPg0
- いつも冷静な言葉で、自分を突き上げてくれた。
それは、自分を成長させるためであり、最終的にはヴィップの天下に繋げるためだ。
そして、ベルベットも目指したヴィップの天下は、得ることができた。
( ^ω^)「きっとベルベットも満足してくれてるって、信じるお」
蘭の花を供える。
そしてまた、隣の墓へ。
( ^ω^)「フィレンクトさん。もう、すっかり春の陽気ですお」
この墓にも供え物があった。
恐らくは、息子のリレンクトが墓参りに来ているのだろう。
二年前に一度会ったが、父に似て聡明な男だった。
( ^ω^)「ショボンが裏切ったとき、囮となってまでブーンを守ってくれたこと……いま改めて、お礼を言わせて下さいお」
( ^ω^)「本当に、ありがとうございましたお」
結果論だが、あのときフィレンクトが自分を守ってくれたおかげで、今のヴィップはあるのだ。
あの戦いの際、フィレンクトが握っていたアルファベットはIだった。
ショボンとのアルファベット差は、絶望的。
それでも、フィレンクトはショボンを引き付けてくれたのだ。
ラウンジの追っ手はすぐに出た。
しかし、ショボンの直接的な指示がなかったことで、自分を追い詰めるには至らない追撃だった。
( ^ω^)「最後、フィレンクトさんがJを掴んだって聞きましたお」
( ^ω^)「ずっと越えられなかったJの壁、超克できたのは、フィレンクトさんの強い想いがあったからこそだと思いますお」
- 672 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:26:25 ID:LFae6NXI0
- 花言葉気付ぃてましたょww
- 673 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:26:34 ID:gWteJxc60
- ドクオとツンはまだか
- 674 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:26:49 ID:8haAhiJgO
- 涙まみれになる
- 675 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:27:02 ID:p/rMaPiA0
- フィレンクトきたあああ
- 676 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 18:28:18 ID:/OgetcPg0
- Jの壁には何年も苦しんだ。
それでも、諦めずに努力した。
隻腕となっても、弛まずに。
常人ならば、怪我を負うことで使用アルファベットは弱くなる。
その状態で壁を越えるなど、フィレンクト以外では不可能な芸当だ。
並外れた精神力があったからこそだろう。
( ^ω^)「ブーンだけじゃなく、結果的にモララーさんもフィレンクトさんに助けられましたお」
( ^ω^)「あのとき、被害を極力軽減できたことが、天下への足掛かりだったんだと今は思いますお」
菫の花を墓前に供える。
フィレンクトの隣には墓はなく、次に手を合わせたい墓は少し離れた場所に建てられていた。
その墓へ向かう途中に、レヴァンテインの墓があった。
軍人でこの墓地に眠っているのは、ほとんどが将校だった者だが、そうでない者も稀にいる。
レヴァンテインをここに葬ることを提案したのは、確かミルナだった。
オオカミ城を奪取する戦に臨んだのは、ミルナ、フサギコ、ビロード、レヴァンテインの四人。
そのなかで、敵将リディアルを討ち取るために犠牲となったのがレヴァンテインだ。
オオカミ城のために、ヴィップのために、躊躇いなく命を擲った。
最後は近隣のウタワレ城のことを口にして果てたという、どこまでも軍人だった男だ。
レヴァンテインだけではなく、自分の部下としても活躍してくれた、スメアとローダの墓もある。
ここに墓を建てるにあたっての明確な基準はなく、基本的には将校の意向で決定されていた。
そして、武官でも文官でもない者の墓は、極端に少ない。
( ^ω^)「……ツンさん」
- 677 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:29:14 ID:a876H8o.0
- スメアとローダ…
- 678 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:29:25 ID:LBejn8h60
- ツンさああああああああああん
- 679 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:29:32 ID:MGmYqfEE0
- ついに…
- 680 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:29:54 ID:h7a9vkaM0
- >>507
>>509
昔のシャイツーが居たのってニチャン国じゃなかったっけ?
- 681 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:29:56 ID:8haAhiJgO
- おお・・・
- 682 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:30:01 ID:3WZhaEkI0
- ああああああああああああああああ
ツンはやっぱり
信じてたのに・・・
- 683 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:30:25 ID:N8xJEDwgO
- ふー…
- 684 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:30:51 ID:V7WUyll60
- ドクオが最後か!
- 685 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 18:31:01 ID:/OgetcPg0
- この墓地にある女性の墓は、たった二つだ。
ひとつはツンの母であるヤン=デレート、そしてもう一つがツン=デレートだ。
天下統一の前は、女性が国家に関わることさえほとんどなかった。
軍人としての登用は難しいが、政務官としての登用に性別は関係ない、と自分が主張したのだ。
政府内での反発はかなりあったが、筋が通らない論理だ、と全てを突っぱねた。
女性だからといって差別する必要はない。
それは、ツンのことを最もよく知る者として、国家に浸透させなければならなかったのだ。
自分が、やらなければならなかったのだ。
( ^ω^)「ショボンの手から、守れなくて……本当に、ごめんなさいですお」
( ^ω^)「今更、後悔しても遅いって、分かっていても時々、苛んじゃいますお……」
もう、何度も繰り返した後悔だ。
しかし、悔やんだところでツンが帰ってくるわけでもない。
( ^ω^)「ラウンジ戦が終わったら、言うつもりだったんですお」
( ^ω^)「結婚しよう、って……」
( ^ω^)「できればずっと、ツンさんと一緒に暮らしたい、って……そう思ってたんですお」
墓に告げたところで、言葉は春の風に流されるだけだ。
訪れるはずだった未来が、訪れなかった。
それは、ツンに限った話ではないが、自分の中では大きな割合を占めている。
ツンは、戦場に立つ者ではなかった。
だから、失うことに対する覚悟を持っていなかったのだ。
他の誰かを失ったときとは明らかに違う喪失感は、そこから来ていた。
- 686 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:31:01 ID:4WybKObM0
- ツン読む前にトイレいってこよう
- 687 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:31:04 ID:5mh8yNic0
- ツン……
顔面ぐっちゃぐちゃだぞクソ野郎
- 688 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:31:22 ID:p/rMaPiA0
- もしかして故オオカミ四天王の息子っぽい人もさっき登場してたっぽい?
ちょっと変わったAAの新キャラ
- 689 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:31:50 ID:gWteJxc60
- ヤン=デレート
- 690 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:32:00 ID:DJEKXF8EO
- ここでツンが生きてたら一気に駄作になるわ
- 691 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:32:08 ID:JjwgmLQQ0
- ヤンワロタ
- 692 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:32:17 ID:N8xJEDwgO
- やべ、鼻の奥が…
- 693 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:32:29 ID:MGmYqfEE0
- もろ死亡フラグ立てたしなぁ…
- 694 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 18:32:58 ID:/OgetcPg0
- >>680
あっ……ほんとですね、すみません
このミス多いなぁ……
「ニューソク」ではなく「ニチャン」の間違いです
- 695 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:33:24 ID:iAwoz5KkO
- ツン…ドクオ…
- 696 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:33:33 ID:HKvMjsVk0
- 帰ってきたら結婚しよう、で立ったフラグは自分のものではなかったという
- 697 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:33:35 ID:3WZhaEkI0
- >>690
屋上
ショボンの唯一の汚点でもあるだろ軍人では無いツンを殺したのは
ショボンの名誉の為にも生きていてほしかった・・・
- 698 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 18:33:49 ID:/OgetcPg0
- 現実は、あまりに無情だ。
どうにもならないこともあるのだと、教えられた。
嘆いたところで救いもない。
それが、当然だった。
( ^ω^)「……いつまでも引きずってたら、きっとツンさんは怒るはずですお」
( ^ω^)「でも、大将として天下統一を果たしたブーンも、弱い部分はたくさんありますお」
( ^ω^)「今までは、立場上あまり周囲に見せられませんでしたお。特に、皇帝となってからは」
( ^ω^)「だから……せめてここでは、素直でいようと思うんですお」
( ^ω^)「いつも素直じゃなかったツンさん相手だからこそ」
また、何度でも来ることを誓って。
身勝手だと、分かっていながら。
薔薇の花を、静かに置いた。
折っていた膝を伸ばし、また歩き出す。
三つ隣の墓へ。
持ってきた花は、あと一本だった。
( ^ω^)「……ドクオ、久しぶりだお」
墓に刻まれた生年は、自分と同じく496年。
没年が524年だ。もう十五年前になる。
- 699 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:34:08 ID:DUDVzBw.O
- ドクオなら首だけでも生きてそうな気がする
- 700 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:34:16 ID:NSSYz3t6O
- あーツン
生きてるかなと思ってたんだが
- 701 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:34:23 ID:0WJA7BDs0
- ドクオオオオオオオオオ
- 702 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:34:35 ID:so4vOPbE0
- ドクオ…
- 703 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:35:07 ID:p/rMaPiA0
- ドクオオオオオ・・・
- 704 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:35:17 ID:Ur3icNkE0
- ドクオォ
- 705 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:35:45 ID:G7jA/POsO
- どっくん…
- 706 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:35:49 ID:8d.fUYEQ0
- ドックン…
- 707 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:36:07 ID:ZhiJYHss0
- ドクオの生きざまかっこよかった
- 708 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 18:36:39 ID:/OgetcPg0
- ( ^ω^)「ドクオがいなくなってから、本当に色んなことがあったお」
( ^ω^)「ショボンが裏切ったり、ヴィップの仲間が討たれちゃったり……」
( ^ω^)「ブーンは、毎日寝る時間を削ってひたすら訓練して……寿命を削りながら生きてた気がするお」
( ^ω^)「それでも、ドクオの仇は何とか討つことができたお」
ドクオの首を直接的に刎ねたのは、オオカミのミルナだ。
しかし、引き金を引いたのはショボンだと、裏切りの際に教えられた。
モナーやギコ、フィレンクトやベルベット、ミルナやジョルジュなど、ショボンに討たれた者は多い。
ただ、仇を討ちたいと思う気持ちのなかにも、比重はあった。
心から愛した者。そして、幼い頃からの親友だ。
共に天下を目指そうと誓い合った。
いつか永遠の別れが来るかもしれないと、互いに覚悟しながら。
同じ志を、同じ頃から抱きつづけていたのだ。
平和になったこの地を、気兼ねなくドクオと駆けたかった。
そんな些細な夢も、永久に叶うことはない。
( ^ω^)「……ドクオ、実はこれを預かってきたんだお」
懐から取り出した。
それは、宛名のない手紙。
ドクオが、オリンシス城に残した手紙だ。
- 709 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:36:55 ID:Etm4VpfgO
- 涙で前が見えねぇ
- 710 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:37:39 ID:V7WUyll60
- ドクオはある意味チートだったな
死ぬのは必然的だったのかも
- 711 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:37:42 ID:MpzEt3mQ0
- ショボンの墓あんのかな
- 712 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:37:58 ID:N8xJEDwgO
- ここで手紙か
うまいなー
- 713 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:38:05 ID:Ur3icNkE0
- 水分なくなっちまう
- 714 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:38:16 ID:MGmYqfEE0
- >>711
ラウンジにあるんじゃないか
- 715 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:38:55 ID:yJDtnBXk0
- ドクオVSミルナは何度見ても震える
- 716 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:39:22 ID:e2gH8BrE0
- どっくん……
- 717 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:39:29 ID:mttGKwY2O
- ドクオは死にそうな状況ばかりだったよな
- 718 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:39:31 ID:pMCw6yGs0
- 間に合った
まだ泣かない・・・読み終えるまでは絶対に泣かない
- 719 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:39:47 ID:Nke0vF3o0
- ドクオオオオオオオ
- 720 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:40:03 ID:LFae6NXI0
- ('A`)ww
- 721 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:40:11 ID:G7jA/POsO
- ドクオ最期の戦いは3指に入る涙の量だった
- 722 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:40:22 ID:sKSKnxJ.0
- 追いついちまったぜ・・・
- 723 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:40:24 ID:Ur3icNkE0
- ドクオはなんだかんだしぶとく生き残ると思ってたからヤバイ
- 724 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 18:40:52 ID:/OgetcPg0
- ( ^ω^)「ショボンから預かって、一回はリリィに渡したんだお」
( ^ω^)「リリィが読んだところ、中身はリリィ宛だったって聞いたお」
( ^ω^)「でも、ブーンにも読んでほしいって。そうリリィが言ってくれたんだお」
十年前にリリィから貰ったこの手紙は、読もうと思えばいつでも読めた。
ただ、できればドクオの前で、と思っていたのだ。
ドクオの知らないところで勝手に手紙を開くのは、悪いような気がしたからだ。
( ^ω^)「読ませてもらうお」
折り目が草臥れている。
リリィは何度も繰り返し読んだらしい。
紙が千切れないよう、ゆっくりと一枚目の手紙を開いた。
- 725 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:40:58 ID:8d.fUYEQ0
- ケッ
- 726 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:41:24 ID:8haAhiJgO
- ドクオはあかん
涙腺があかん
- 727 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:41:30 ID:e2gH8BrE0
- おっ!俺も気になってたんだぜ
- 728 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:41:48 ID:DUDVzBw.O
- ドクオが死んだ時はショボンの策だったが
リレントの策とはなんだったんだろうな
ミルナも把握してなかったみたいだし
気になるな
- 729 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:41:52 ID:iAwoz5KkO
- ドクオの防衛戦は神だったなぁ…
- 730 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:42:00 ID:3WZhaEkI0
- >>725
風邪か?養生しろよ
- 731 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:42:11 ID:Etm4VpfgO
- ※リリィは結婚しました
- 732 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:42:24 ID:jP1iDVZMO
- 追いついた!ドクオ…
- 733 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:42:32 ID:ABFmFp.20
- >>714
ラウンジがないんじゃないかな
- 734 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:42:45 ID:Ur3icNkE0
- ゴクリ
- 735 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:43:01 ID:LFae6NXI0
- 手紙とか罠で白紙だとぉもってたw←
- 736 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 18:43:23 ID:/OgetcPg0
- ---------------------------------------------------------------------------------------------------
リリィへ。
元気にしてるか?
そっちはもう涼しくなってきたかな。
いや、こっちとあんまり変わらないか。
今ヴィップはオオカミと交戦中だ。
あんまり細かいことは書けないけど、版図を拡げるために頑張ってる。
オオカミを倒すために。
ミルナは相変わらず手強い。
前の戦じゃ勝てたけど、次どうなるかは分からない。
ショボン大将でさえ何度も辛酸を舐めさせられた相手だからな。
でも、今の戦に勝利できたら、情勢は一気に明るくなる。
オオカミの牙城に迫れるからな。
お前が住んでる町まで、あともう少しだ。
孤児院での仕事は大変だろうけど、ヴィップ領になったら補佐してやれるようになる。
俺も頑張るから、リリィも頑張ってくれ。
---------------------------------------------------------------------------------------------------
- 737 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:43:25 ID:DJEKXF8EO
- >>697
結果がどうあれ手にかけてる時点で武人として傷物むしろ生きててお涙ちょうだいこそショボンの汚点
- 738 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:43:35 ID:rM8eaJWc0
- 支援
- 739 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:44:19 ID:p/rMaPiA0
- ドクオイケメンすぎるやろ
- 740 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 18:44:22 ID:/OgetcPg0
- 手紙の一枚目は、恐らくいつも書いていたであろう内容だ。
他愛のない、と付け加えてもいい。
戦に関しての詳細を書いていないのは、かつての失敗があったからこそだろう。
( ^ω^)「…………」
一枚目を封筒に収め、二枚目を取り出した。
どうやら、リリィが読んでほしい、と言っていたのはこちらのほうらしい。
- 741 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:45:04 ID:8haAhiJgO
- ドクオ!!
- 742 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:45:07 ID:LFae6NXI0
- ぃがいに普通の手紙でふねw←
- 743 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:45:08 ID:yJDtnBXk0
- ショボンには軍人の顔と武人の顔があって
ツンを手にかけたのは軍人としての考えだろうからなあ
- 744 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:45:51 ID:sKSKnxJ.0
- 更新ボタンを連打しているのは俺だけじゃないはず
- 745 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:46:36 ID:35QsJLKMO
- ID:LFae6NXI0はROMっとけよ
- 746 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:46:44 ID:MGmYqfEE0
- もちろん俺もだ
- 747 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 18:46:52 ID:/OgetcPg0
- ---------------------------------------------------------------------------------------------------
オオカミを倒してもまだ戦は終わらない。
ラウンジの領土は今も広大だ。
ジョルジュ大将を始めとする西塔の将校が頑張ってるが、ラウンジのカルリナも育ってきているらしい。
俺もいつかはラウンジと戦うことになると思う。
ただ、乱世を平定するのに何年かかるのか、正直言って検討もつかない状態だ。
戦場に身を置く以上、いつでも討たれる可能性はある。
ショボン大将だってジョルジュ大将だって、俺だって、そうだ。
最後まで無事ではいられないかもしれない。
でも、不思議な予感があるんだ。
ブーン、あいつは何となく、最後まで生き残るんじゃないかって。
根拠はないんだけどな。
あいつはいずれ、ヴィップを天下に導くんじゃないかって、そんな気がしてる。
もし仮に俺がいなくなっても、あいつさえいれば、ヴィップは大丈夫なんじゃないか、って。
もちろん俺はあいつと一緒に戦っていきたい。
平和になったら二人でのんびり旗地をやったり、平原を馬で駆けたりしたいんだ。
軍に入って色んな人と知り合えたけど、やっぱり昔からずっと一緒のブーンは特別だから。
まだまだ先は長いけど、頑張ってヴィップの天下を掴む。
だからもう少しだけ待っててくれ、リリィ。
それじゃあ、また。
---------------------------------------------------------------------------------------------------
- 748 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:46:59 ID:G7jA/POsO
- 詳細はあれだから書かないけどいつも通りのように書いたのか
- 749 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:47:09 ID:jwJrZoQc0
- ID:LFae6NXI0が臭すぎる
- 750 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:47:25 ID:xuh1meaY0
- やっと追いついた
もうね、なんかさ……
- 751 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:48:19 ID:p/rMaPiA0
- ショボンと最後まで親密だった人物ってクーぐらいしかいないよな
ラウンジ途中参加のお義父さんっ子だったし、そのお義父さんも亡くなっちゃったし
- 752 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:48:23 ID:3WZhaEkI0
- >>737
ホントに殺そうとしたんならそうだろうな
でも俺が思ってたのはそうじゃない
邪魔だけど女を手に掛けられないから死んだことにしてラウンジの奥地とかに監禁
(´・ω・`)戦争が終わるまではそうしていてもらう
が希望だった
- 753 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:48:43 ID:5mh8yNic0
- こんなん読んだら
- 754 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:48:44 ID:z9iA0UEgO
- いま追いついた
涙とまらん
- 755 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:48:46 ID:8d.fUYEQ0
- ('A`)ケッ
- 756 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:48:49 ID:MGmYqfEE0
- なんと言えばいいのか分からないから支援
- 757 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:48:58 ID:Etm4VpfgO
- シブサワの墓は?
- 758 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:49:00 ID:Ud91d4RY0
- >>749
構うな。定期的に湧く池沼だから。
- 759 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:49:06 ID:35QsJLKMO
- >>747
検討じゃなくて見当じゃないか?
- 760 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 18:49:34 ID:/OgetcPg0
- ( ^ω^)「……ドクオ……」
掛け替えのない友だった。
刎ねられた首がヴィップに送られてきたときは、しばらく立ち直れる気がしなかった。
ヴィップは天下を得て、自分は皇帝となった。
しかし、心のどこかで、ドクオのいないヴィップを虚しく感じていたのかもしれない。
手紙を読んで、そう思った。
しかし、どうやら自分は、ドクオの期待に応えられていたらしい。
( ^ω^)「ドクオが書いてたとおりになったお。ブーンは、最後まで生き残ったお」
( ^ω^)「ヴィップの天下を、この手で掴んできたお」
できれば、一緒に。
ドクオと同じように、自分もそう思っていた。
叶わなかった願いもある。
しかし、叶った願いもあったのだと知った。
誰かの願いを、叶えられていたのだと。
- 761 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:50:18 ID:Ur3icNkE0
- 日々草だったら嬉しい
- 762 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:50:40 ID:rM8eaJWc0
- ドクオ……
- 763 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 18:51:11 ID:/OgetcPg0
- ( ^ω^)「遠く離れていても、絆は変わらない」
( ^ω^)「ブーンはそう信じてるお、ドクオ」
そう言って、千日紅の花を供えた。
( ^ω^)(……後は……)
まだ冷たい春の風が、自分の側を通り過ぎる。
背伸びして、もう一度墓を見てから、出口へと爪先を向けた。
墓地を守る兵に礼を言って、馬に跨る。
荷物を多めに積んでいるため、あまり速くは駆けられないが、急ぐ必要もない。
時間はかかるだろうが、ゆっくりと向かえばいい。
最後の墓へと。
- 764 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:51:12 ID:yJDtnBXk0
- 俺も日々草が一番合ってると思う
- 765 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:51:26 ID:gWteJxc60
- 最後の墓・・・
- 766 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:51:40 ID:MGmYqfEE0
- >>757
え、死んでたっけ
ご老体だから統治後に死去してもおかしくはないが
- 767 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:51:44 ID:Ur3icNkE0
- ダメだ泣きたくて読んでるんじゃないのに
- 768 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:52:20 ID:3WZhaEkI0
- 父ちゃん・・・か
- 769 名前: ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 18:52:20 ID:/OgetcPg0
- >>759
そうですね、すみません
「検討」ではなく「見当」でした
- 770 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:52:38 ID:PrTDFJmA0
- やっぱショボンじゃね
- 771 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:52:47 ID:p/rMaPiA0
- ブーンはあの時ツンの死体見たんじゃなかったっけ?焼けて判別がつかないって展開もあったかもだけど
- 772 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:52:46 ID:G7jA/POsO
- あの広場か…
- 773 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:52:51 ID:yJDtnBXk0
- アラマキ 瑠璃二文字 落ち着きある魅力
ハンナバル 昇藤 多くの仲間
ジョルジュ 李の花 忠実、疑惑、困難に耐える
ミルナ 七変化の花 協力
モナー 鬼百合の花 賢者
ヒッキー 迷迭香の花 静かな力強さ
ギコ 極楽鳥花 万能
イヨウ 仏桑花 勇敢
ビロード 沈丁花 優しさ
ベルベット 蘭の花 純粋
フィレンクト 菫の花 誠実
ツン 薔薇の花 愛情、私はあなたを愛する
ドクオ 千日紅の花 終わりのない友情
- 774 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:53:19 ID:4WybKObM0
- >>773
ありがとう
- 775 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:53:20 ID:gWteJxc60
- >>773
ありがとう
- 776 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:53:32 ID:e2gH8BrE0
- >>773
?クス
- 777 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:53:50 ID:sFZPTEm6O
- >>773
d
- 778 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:54:00 ID:p/rMaPiA0
- >>773
ありがとう
- 779 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:54:01 ID:G7jA/POsO
- >>773ありがとう
- 780 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:54:16 ID:3WZhaEkI0
- >>773
ありがとう さらに涙が・・・
- 781 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:54:20 ID:8haAhiJgO
- >>773
素晴らしい
- 782 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:54:48 ID:Ur3icNkE0
- そうか、昔じゃなくて未来を見てるんだもんな
- 783 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:54:52 ID:MGmYqfEE0
- >>773
おぉありがたい
あれミルナそれオオカミ時代を考えると皮肉のような…
- 784 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:55:24 ID:Oil8NJ3E0
- >>733
花言葉後で調べようと思ってたがおかげで手間が省けたぜ
ありがとう!
- 785 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:55:26 ID:QsQ.S.WMO
- 涙でドアが開かねぇ・・・
- 786 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:55:48 ID:gWteJxc60
- >>785
お前それ血尿
- 787 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:56:09 ID:Oil8NJ3E0
- 安価みす
>>773だった…
- 788 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:56:24 ID:Etm4VpfgO
- 血涙でるわ
- 789 名前: ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 18:56:25 ID:/OgetcPg0
- それとここでいったん中断します
再開は……早ければ30分くらい、遅いと1時間〜2時間くらいです
再開後もまたお付き合いいただけたら嬉しいです
- 790 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:56:45 ID:gWteJxc60
- >>789
いったん乙です
ゆっくり休んできてください
- 791 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:56:52 ID:oh7uGy1I0
- >>733
( ・ω・) d
もう終わってしまうのか・・・
- 792 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:56:55 ID:39U1/4VY0
- いい所でwwww
- 793 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:57:05 ID:e2gH8BrE0
- >>789
把握した
- 794 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:57:06 ID:35QsJLKMO
- 支援
- 795 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:57:06 ID:HKvMjsVk0
- 花言葉:血尿
- 796 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:57:11 ID:xuh1meaY0
- >>773
ありがとうございます
- 797 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:57:12 ID:DUDVzBw.O
- 乙!
- 798 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:57:21 ID:rtrtvz4.0
- 乙です。涙が止まんねえ…
- 799 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:57:22 ID:Voo.H/5Y0
- みんな飯食おうぜ
- 800 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:57:27 ID:sFZPTEm6O
- >>783
ブーンからミルナに贈ってるから皮肉にならんでしょ
四中将かジョルジュから渡されたらドキツイが
- 801 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:57:33 ID:Oil8NJ3E0
- >>789
長時間本当にお疲れ様!
休憩いってら!
- 802 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:57:34 ID:yJDtnBXk0
- 乙ー
- 803 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:57:34 ID:NSSYz3t6O
- 乙乙
- 804 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:57:38 ID:PrTDFJmA0
- >>789
おかげで会社出れるわ。
乙。
- 805 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:57:47 ID:3WZhaEkI0
- >>789
おつおつ
この間に仕事片付けてくる
- 806 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:57:53 ID:rM8eaJWc0
- >>733
ありがとう
>>789
乙
- 807 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:57:57 ID:oh7uGy1I0
- >>789
乙です
深夜まで待ち続けるぜ!
- 808 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:57:58 ID:QsQ.S.WMO
- でた!おあずけでた!!おあずけでたーでたよコレー!!
- 809 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:58:04 ID:MGmYqfEE0
- 夕食かな
乙
- 810 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:58:21 ID:8haAhiJgO
- 一旦乙
- 811 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:58:32 ID:sFZPTEm6O
- >>789
乙
ここで休憩ってことはまだまだありそうだなwww
- 812 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:58:33 ID:p/rMaPiA0
- 一旦乙です
- 813 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:58:52 ID:yJDtnBXk0
- 七変化の花には確かな計画性というミルナにとってものすごく皮肉な意味もあったりする
- 814 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:59:06 ID:cA9CRxPUO
- >>773
最後の『終わりのない友情』で泣いた
- 815 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:59:11 ID:Ur3icNkE0
- またいいところで…
一時間二時間とか待つ内に入らないぜむしろいい休憩になるな
- 816 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:59:13 ID:rM8eaJWc0
- 安価ミスった
- 817 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:59:28 ID:rWlJJl/20
- >>789
おつおつ
- 818 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:59:29 ID:pMCw6yGs0
- 休憩タイムか
その間にご飯食べて来よう
- 819 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:59:35 ID:3WDc9IDc0
- うわあああああああ
終わっちゃうよおおおおお
- 820 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 18:59:57 ID:QsQ.S.WMO
- 乙
今日はフンパツして高い肉解かして焼肉にしよう
- 821 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 19:00:31 ID:MGmYqfEE0
- >>795
やめれwww
>>800
まぁそうか
ただヤフってみたサイトでは、合意、協力、厳格、確かな計画性、心変わりとあった
たぶん厳格が一番適してるのでは
- 822 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 19:00:33 ID:KgZ3wZfo0
- ブーンとミルナ、ブーンとロマネスクのコンビが好きだった
- 823 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 19:00:48 ID:iAwoz5KkO
- はぁ…すげぇよ
読んでいるだけなのに濃密な時間を過ごしている
休憩了解
俺も少し休むわ
乙
- 824 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 19:03:44 ID:rc2I7MHg0
- >>773
極楽鳥花は『気取った恋』ってのもあるんだよなぁ
- 825 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 19:03:55 ID:0WJA7BDs0
- しかし創作板に移って正解だったな
この量をVIPで投下してたら何スレ消費したことか……
- 826 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 19:04:30 ID:5GenDjPs0
- リ・アルタイム
記念パピコ
- 827 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 19:05:01 ID:p/rMaPiA0
- ミルナの墓はなんで旧友のジョルジョの隣にしたんだろう
オオカミで仲良い人ってそんなにいなかったっけ、四中将はともかく王の孫とか
あとミルナの花言葉の他の意味は協力 合意 厳格 心変わり 確かな計画性っぽい
- 828 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 19:05:28 ID:PrH0L7zY0
- ゆっくりやすんで下さい
あんなに完結待ってたのに終わって欲しくないなあ
- 829 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 19:05:34 ID:BPDyb9EY0
- 登場人物みんな好きだったよ
- 830 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 19:05:59 ID:xuh1meaY0
- >>789
一旦乙
ここまで約11時間……
ブーンとショボン以上の体力じゃないか?www
- 831 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 19:06:01 ID:gMo2QIjU0
- 目から血尿が……
- 832 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 19:06:06 ID:iScgct1YO
- おっついちまったわ
- 833 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 19:06:26 ID:Voo.H/5Y0
- おいおいみんなもう夕方だぞ
飯でも食べて一息つこうぜ
- 834 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 19:07:37 ID:ed9S5JxM0
- 全部リアルタイムで読めて初めてニートでよかったと思ってる
- 835 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 19:08:40 ID:Nke0vF3o0
- よっしゃめしくってくる!
- 836 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 19:11:53 ID:ABFmFp.20
- 前は寝る前にVIPで「ようです」を検索してこのスレを見つけると睡眠時間を削って読んでたなあ
- 837 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 19:13:11 ID:X3LiBwJs0
- 初遭遇が最終回とか嬉しすぎる…!
- 838 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 19:14:09 ID:cA9CRxPUO
- これが初遭遇にして最後の遭遇か
悲しいな
- 839 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 19:14:33 ID:2e/D29wE0
- 仕事終わり!張り付く!
- 840 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 19:15:02 ID:LFae6NXI0
- 私もご飯にしょぅかなw←
- 841 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 19:16:46 ID:gQLcnwO20
- チャリンコの整備してたけどまだ終わってなかったかー…よかったっ! 唐揚げを支援っ!
- 842 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 19:17:50 ID:HKvMjsVk0
- ちなみに血尿が花言葉の花はググったけど出て来なかった
- 843 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 19:18:11 ID:V4trdU4o0
- 乙
まさか花言葉で泣くとは思わなかった
- 844 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 19:19:40 ID:7CkEf/WgO
- ブーン系の代名詞たる作品の最終回に立ち会える私は、きっと特別な存在なのだと感じました。
- 845 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 19:19:57 ID:b4CbAw1k0
- >>842
たりめーだwwwwwwwww
- 846 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 19:20:57 ID:j4Cd4MWEO
- 本当に終わりなんだな…
- 847 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 19:22:50 ID:oxlZhhjA0
- 帰宅!追いつくのは諦めかけてたけど終わってなくて嬉しい、最後の墓があの場所なのだろうか
- 848 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 19:23:44 ID:cA9CRxPUO
- 完結を見届けるより永遠と待ってた方が俺的には良かったのかもしれんな
- 849 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 19:24:10 ID:ldFVkOLo0
- 記念パピコ
- 850 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 19:25:08 ID:DJEKXF8EO
- 不毛な争いで他所が荒れてるから終わったほうが色々といい
- 851 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 19:26:26 ID:QsQ.S.WMO
- ( ・∀・)「メシを食うな、食うならアルファベットにしろ!」
- 852 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 19:26:31 ID:LFae6NXI0
- ぉなじくw
- 853 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 19:28:18 ID:HKvMjsVk0
- アルファベットのビスケットってあったな
アレ美味しかった
- 854 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 19:29:58 ID:0NEyVIHs0
- ABCの海岸で
カニにチ○コを挟まれた
- 855 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 19:30:40 ID:p/rMaPiA0
- >>848
わかるわ
- 856 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 19:34:16 ID:CCK.DQAY0
- そういえば給食のクソ不味いスープにアルファベットが浮かんでたな
懐かしい
- 857 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 19:34:20 ID:8CUEpu3g0
- ...| ̄ ̄ |< 続きははまだかね?
/:::| ___| ∧∧ ∧∧
/::::_|___|_ ( 。_。). ( 。_。)
||:::::::( ・∀・) /<▽> /<▽>
||::/ <ヽ∞/>\ |::::::;;;;::/ |::::::;;;;::/
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\ \__(久)__/_\::::::| |:::::::|
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.|| ゙ヽ i ハ i ハ i ハ i ハ | し'_つ
.|| ゙|i〜^~^〜^~^〜^~^〜|i~
...|| ||
...|| ||
- 858 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 19:36:00 ID:2e/D29wE0
- >>857
貴君はナシゴレンでも食べてのんびりと待っててください
- 859 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 19:36:41 ID:oxlZhhjA0
- >>848
118話の時点でゴールは完全に決まってたから、結末は見届けたかった
ただ、ストーリーとは別にして「終わること」が勿体無いというのはあるある
- 860 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 19:37:34 ID:HKvMjsVk0
- α成分の平和的利用とは・・・
ビスケットの中にα成分を混ぜ込むことで、
α成分を体内に取り込むことだ・・・!
という妄想しながらのんびり待つ
- 861 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 19:38:42 ID:gMo2QIjU0
- ドーピングアルファベットスープだ
- 862 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 19:40:53 ID:CJg2vNCc0
- そういや子供の頃
作者の言ってたチョコは知らなかったが
アルファベットポテトがすげー好きだったな
- 863 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 19:42:56 ID:mzMpiT4M0
- 追いついた・・・!記念
- 864 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 19:44:02 ID:XejNjB6w0
- 記念
ずっと待ってた
- 865 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 19:44:22 ID:63kQOyJU0
- え?本物だよな??
感動した!
- 866 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 19:45:19 ID:n9YDnRiw0
- 追いついた
最後まで見届けたい…!
- 867 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 19:46:48 ID:KWV55Px20
- >>820
焼き肉大好き新堀田?
- 868 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 19:47:22 ID:twzAe9yUO
- リアタイ遭遇が
嬉しすぎる!
- 869 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 19:47:36 ID:AOYrbffcO
- 追いついた
花言葉でもうなんかやばい
この日のためにアルファを読んできたようなものだ
- 870 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 19:52:08 ID:cCncR2EA0
- 楽しみ支援
- 871 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 19:53:50 ID:d9.lnTlA0
- これでもう終わりなんだよなあ
あれ、なんか目から汗が…
- 872 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 19:57:45 ID:gNRccuKkO
- ジョルジュの花言葉が複数の意味でピッタリ過ぎてヤバい
- 873 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 19:58:03 ID:u38qiOeUO
- 追いついてしまった…長時間の投下お疲れっす
- 874 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 19:58:11 ID:PEZH.SogO
- 追いついた
目頭がずっと熱い
- 875 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 19:59:29 ID:7tTsesFs0
- 最後の最後のリアルタイム支援
- 876 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 19:59:57 ID:hoPQfQvQ0
- あんだけ追いかけて何回も読み返したってのに・・・時間経つのって早いな。
なはともあれ作者は最高のブーン系小説を書いてくれた。
最終回にリアルタイムで見れたってのは最高の思い出だなぁ・・・
- 877 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 20:01:46 ID:OFZL6QQQ0
- 何回読み直したかわからない
最後まで、支援だ
- 878 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 20:03:22 ID:rc2I7MHg0
- ここって支援いるの?
- 879 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 20:04:59 ID:ABFmFp.20
- 完結したらまた最初から読み直し初めて寝る時間なのに止まらなくなる呪いをお前らにかけました
明日は寝不足決定です今のうちに覚悟をしておいてください
- 880 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 20:05:25 ID:PEZH.SogO
- 読み始めたのは中3の冬だったなあ…
成人しちまったぞww
- 881 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 20:05:43 ID:yJDtnBXk0
- 65 名前: ◆azwd/t2EpE 投稿日: 2012/01/16(月) 10:19:08 /OgetcPg0
「支援」という言葉、自分はとても嬉しいです
しばらくこちらに投下します、よろしくお願いします
- 882 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 20:05:47 ID:ptK6om8IO
- 君達の気持ちが 支援になる
- 883 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 20:06:07 ID:HKvMjsVk0
- >>878
支援自体はいらないらしい
前スレより
65 名前: ◆azwd/t2EpE[] 投稿日:2012/01/16(月) 10:19:08 ID:/OgetcPg0 [24/132]
「支援」という言葉、自分はとても嬉しいです
しばらくこちらに投下します、よろしくお願いします
- 884 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 20:06:53 ID:4WybKObM0
- ____
/__.))ノヽ
.|ミ.l _ ._ i.)
(^'ミ/.´・ .〈・ リ ◆azwd/t2EpEは
.しi r、_) | ワシが育てた
| `ニニ' /
ノ `ー―i´
- 885 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 20:09:46 ID:DJEKXF8EO
- だいたい支援ってスレの保守とスレを上位に持って行くためだしな
- 886 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 20:10:35 ID:0NEyVIHs0
- おしゃるさんよけじゃないのか
- 887 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 20:10:39 ID:fZSZY0fE0
- サル避けだろ
- 888 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 20:10:46 ID:.UWFMXx2O
- うわー今気がついた!
支援!
まとめで読むことになるけど
支援!
- 889 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 20:12:05 ID:gQLcnwO20
- >>878
必要か必要でないかで言えば否何だけど、作者さんは「支援という言葉や感想の一言が嬉しい」みたいな事を前スレに書いていたから、したい人はすれば良いんじゃないかな。
- 890 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 20:19:38 ID:m2QgD//QO
- 保守。
リアルタイムでこれを見れたことがとてもうれしい
- 891 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 20:21:24 ID:Gxfg5I8Q0
- やーーーーっと追いついた
仕事から帰ってきたらやってんだもんよ
クソッ鳥肌が治まらねぇ!
- 892 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 20:21:25 ID:DJEKXF8EO
- 保守ってなんだよおちねえぞ
- 893 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 20:23:49 ID:aB7EocAw0
- よし追いついた
- 894 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 20:25:17 ID:HKvMjsVk0
- >>892
IDかっこいいな
- 895 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 20:26:18 ID:C8KzkSmo0
- たとえVIPだとしてもこんなにたくさんの人が見てるんだから保守いらんだろうなwww
- 896 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 20:29:29 ID:DT9qmhqs0
- 俺もこんなの書きたいなあ
- 897 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 20:30:13 ID:tTIXZnUw0
- >>896
書いてくれよ
- 898 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 20:30:45 ID:bKOrBO7Q0
- 私も書ぃてみたぃw←
- 899 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 20:30:57 ID:CCK.DQAY0
- 俺がアルファの後を継ぐからぴょまいら安心汁(超小声)
- 900 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 20:32:51 ID:V7WUyll60
- まだー?
- 901 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 20:34:05 ID:5mh8yNic0
- きっと干し肉か何かをよく噛んで食べているんだ
- 902 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 20:34:53 ID:KcL6P8yA0
- 花ことばで俺の涙腺が決壊した
- 903 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 20:36:10 ID:3L3zUFP.0
- 花言葉やばすぎだろ…。目から汁が( ;ω;)
- 904 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 20:37:52 ID:9nmkH4Nk0
- ようやく追いついた
結局モララーとショボンのやり取りは無かったか
- 905 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 20:42:33 ID:p/rMaPiA0
- 作者さんも泣いているんだろうか
- 906 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 20:44:47 ID:Z1k8g6M20
- 芸さん花言葉もまとめてください
- 907 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 20:45:15 ID:Ur3icNkE0
- 花言葉のチョイスが作者が選んだってよりブーンが選んだって感じがしてもうね
- 908 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 20:45:42 ID:DJEKXF8EO
- 花言葉をまとめるのは無粋じゃないか?
- 909 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 20:46:18 ID:6factWRA0
- 追いついた涙と鼻水やばい
- 910 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 20:46:48 ID:35QsJLKMO
- 早く続きが読みたいような読みたくないような...
- 911 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 20:46:50 ID:yJDtnBXk0
- もしまとめてもらえるなら
ミルナに「厳格」とギコに「気取った恋」の意味を追記して欲しいなあ
- 912 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 20:47:09 ID:kGqBlp.Q0
- ようやく書き込める
待ってたよ
- 913 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 20:47:19 ID:39U1/4VY0
- 花言葉はアルファベット集とか絵とかの欄の場所に参考としてまとめるのがいいと思う
- 914 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 20:47:55 ID:g1Mc8sro0
- >>907
作者が選んだんだよ
- 915 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 20:48:33 ID:Ur3icNkE0
- >>914
わかっとるわwww
- 916 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 20:51:10 ID:Nke0vF3o0
- わろたwww
- 917 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 20:51:15 ID:bD7u/yHA0
- やっと追いついた
支援
- 918 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 20:55:54 ID:5MaJBrR.0
- ずーっと待ってた
- 919 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 20:56:39 ID:oxlZhhjA0
- ツン生存説は正直ただの希望論だったけど、それでも彼女だけはどうしても悔しい
- 920 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 20:56:56 ID:V7WUyll60
- 次スレいるなこりゃ
- 921 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 20:58:56 ID:BOvnz2KY0
- まだかなー
- 922 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 20:58:59 ID:DJEKXF8EO
- 流れからして後三個は消費する
- 923 名前: ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 21:00:22 ID:/OgetcPg0
- 遅くなりすみません
再開します
- 924 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 21:00:43 ID:2jPmM8Kk0
- 復活キターーーーーーーー!!
- 925 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 21:00:51 ID:jP1iDVZMO
- おかえりわくてか!
- 926 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 21:01:02 ID:ZJvxAfcsO
- いよいよ終わりか
- 927 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 21:01:24 ID:c.T9Ted20
- きたーー
- 928 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 21:01:25 ID:SVz/hHSQ0
- おかえり
一気読みしてしまったぜ
- 929 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 21:01:39 ID:/OgetcPg0
- ――双頭の森――
陽が高くなっても、薄暗さを保っている。
それがこの森の特徴だ。
木々が高いため、光を遮ってしまうのだ。
現在は国有化されており、一般人の立ち入りは禁止となっている。
そのため、森には音が一切なかった。
天下統一直後、この森を保全するかどうかについて、難しい判断を迫られた。
最終的には、歴史的な地の保護を唱える者たちに押し切られたが、森の資源を失うことになってしまったのだ。
いずれは、中心部だけを保護するようにしたほうがいいかもしれない。
心情としては、自分も、この森を守りたかった。
容易く踏み入られたくはなかった。
遠くに、微かに見えてきた木製の長椅子。
あれが、墓標代わりだ。
そしてこの森自体が、ショボンの墓だった。
( ^ω^)「……久しぶり、だお」
長椅子に腰掛けた。
最後の一騎打ちの直前、ここでショボンと語らい合ったことを、先ほどのことのように思い出せる。
あれから、十年。
一度もこの地を訪れたことはなかった。
足を向けなかった理由を問われれば、答えに窮する。
仕事に忙殺されていたといえば誰もが納得するだろうが、本当の理由は心情的なものなのだ。
- 930 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 21:01:40 ID:5GenDjPs0
- ok
- 931 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 21:01:43 ID:qogq8Wh.0
- 待ってた
- 932 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 21:01:45 ID:n9YDnRiw0
- おっしゃあああ
- 933 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 21:02:32 ID:/OgetcPg0
- ただ、自分でもはっきりとした理由は分からない。
あの戦いのことを、回想することさえほとんどなかった。
死闘だった。
激闘だった。
何度も死が首を掠めた。
諦念に呼吸口を塞がれかけた。
それでも、自分は、打ち勝った。
ショボン=ルージアルを、討ち取ったのだ。
十回戦えば、九回は負けていたかもしれない。
ただ、互いが全力を出し合った結果だ。
これ以上はない。あのときも、今も、そう思う帰結だった。
ここで、"二つの命"を葬った。
その結果は、これ以上ないものだったのだ。
( ^ω^)「この十年で、世界は随分変わったお」
長椅子に座り、地面に視線を落としながら呟く。
地中で眠るショボンに、話しかけるようにして。
( ^ω^)「戦がなくなって、人口が増えて……国は豊かになってきてるお」
( ^ω^)「皇帝として、民政を主導して、ここまでくるのは本当に大変だったお」
( ^ω^)「でも、何とか基盤は作れたと思ってるお。あとは、後継に任せるお」
ショボンが聞きたいと思う報告ではないだろう。
望んでいないと分かっていても、伝えておくべきだと思ったのだ。
しかし、自己満足に近いのかもしれない。
- 934 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 21:03:09 ID:xuh1meaY0
- しゃらあああ
- 935 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 21:03:25 ID:rc2I7MHg0
- あと一つは誰だろうか
- 936 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 21:03:34 ID:h7a9vkaM0
- おかえり!
- 937 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 21:03:35 ID:/OgetcPg0
- ( ^ω^)「今のヴィップに、民は概ね満足してくれてるみたいだお」
( ^ω^)「ただ、もしラウンジの世になっていたとしたら、もっと良い世の中だったかもしれないお」
( ^ω^)「……もちろんそんなのは、あまりに無意味な仮定だお」
今、そして未来。
ヴィップとラウンジ、どちらの勝利が世にとって良かったのかは、分からない。
ただ、この場所で全てに決着をつけた者だからこそ言える。
国の命運をかけ、アルファベットを交えていたとき。
世にとって、どちらが勝つべきか、など、"どうでもよかった"のだと。
期待や切望など、様々なものを背負ってきた。
そして、軍人としての意地があった。
武人として、矜持があった。
それら全てを、ひとりの男としてぶつけあった。
ただ、それだけの戦いだったのだ。
何が勝敗を分けたのかは、今でも分からない。
身体的なことか、心情的なことか。
それも今となっては、どうでもいいことかもしれないが、不意に考えてしまう。
そして、分からないことを考えしまうのは、それだけではなかった。
( ^ω^)「……ショボン」
あの一騎打ちで、自分は、ショボンの命を断った。
全てを、奪い取った。
- 938 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 21:03:53 ID:SVz/hHSQ0
- 二つ・・・Zが壊れでもしたのだろうか
- 939 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 21:03:58 ID:MpzEt3mQ0
- クラウン
- 940 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 21:04:55 ID:/OgetcPg0
- 勝敗が決したあとも、しばらくショボンは生きていた。
虚空をじっと、見上げながら。
あのとき、ショボンは、何を考えていたのだろうか。
自分が思考したところで分かるはずはない。
当然のことだと、理解しているにも関わらず。
考えてしまうのだ。
何を考え、何を思いながら、果てたのだろうかと。
最後の瞬間を、迎えたのだろうかと。
・
・
・
光が、迸った。
それにしばらく目が眩んだせいか、何が起きているのか、上手く把握できなかった。
そして、気付いたときには夜空を見上げていた。
早く、立ち上がらなければ。
ブーンのアルファベットが、襲ってきてしまう。
そう考えた。
しかし、何度か瞬きできるほどの時間をそのまま過ごしても、何もなかった。
ブーンに攻撃されることは、なかった。
そこで、現状にようやく気付けた。
もはや、ブーンがアルファベットを自分に向ける必要はないのだと。
もはや自分は、戦える状況にないのだと。
- 941 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 21:05:43 ID:AOYrbffcO
- ショボン視点か
- 942 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 21:05:55 ID:n9YDnRiw0
- ついにこの場面か
ヴィル…
- 943 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 21:05:56 ID:pNcvkiEIO
- 携帯の液晶が壊れた
霞んで見えないよ
- 944 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 21:05:58 ID:MGmYqfEE0
- きてた
よかった、ちゃんと回想ある
- 945 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 21:06:03 ID:kGqBlp.Q0
- ようやく10年前の話の決着来たか
- 946 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 21:06:13 ID:/OgetcPg0
- 頭を上げて自分の体を見ることさえできない。
しかし、手を見ようとして両腕を上げても、自分の視界に入ったのは左手だけだった。
手がなくとも、アルファベットを握れなくとも。
足さえ動けば、口で噛みつくことはできる。
そう思った。
実際、自分の両足はまだ体と繋がっているようだ。
ただ、どうやら深く抉られたらしい。
首の皮一枚、という言葉があるが、今の自分は、脚の皮一枚、だろう。
立ち上がろうとするだけで、千切れてしまうかもしれない。
尤も、右腕と両脚を襲う激甚の痛みで、動く気にさえならなかった。
(´・ω・`)「……負けた、のか」
自然と、言葉が漏れた。
全てを理解して、ようやく。
( ω )「ブーンの、ヴィップの、勝利だお」
自分の視界には映っていないが、どうやら側にいるらしい。
荒ぶる吐息と共に、ブーンの声が届いた。
耳は、まだ正常に機能しているようだ。
感じたことは、その程度だった。
曖昧に、最後のことを思い出せてきた。
- 947 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 21:06:22 ID:2e/D29wE0
- 大将……
- 948 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 21:06:44 ID:8CUEpu3g0
- また涙出てきた
ラウンジ好きだったのに
- 949 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 21:07:20 ID:kGqBlp.Q0
- ああ……何か切ないな
間違いなく、ショボンはアルファを象徴するキャラだった
- 950 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 21:07:22 ID:/OgetcPg0
- ブーンは、地面へと倒れこみかけ、絶体絶命だった。
自分の勝利は、目前だった。
しかし、そこからブーンは片手でYを振り回してきた。
最長尺であり、最重量でもある。
自分でさえ片手で振るうことはできなかった。
それが、アルファベットYだ。
完全に予想から外れた攻撃。
それでも、決着の瞬間は際どかった。
もし同じ場面を繰り返したとしたら、今度は結果が違っているかもしれない。
ただ、それでも勝敗は分かれた。
ブーンにあって自分にないものが、栄光と絶望を隔てたのだ。
間違いないことだった。
自分とブーンで、何が違ったか。
体格、性格、精神、境遇、義務、義理、責任、期待。
挙げ始めれば、切りがないだろう。
何かを省みたところで、それを活かす機会ももはやない。
虚無感に包まれるだけだ。
( ω )「これからは、ヴィップの世だお」
言葉面だけを捉えれば、勝ち誇り。
ただ、ブーンの言葉は自分の耳にすぐ届くほどの重みがあるようだった。
同時に、この空と同じような暗さも。
天下を得た、とは思えないような声だった。
- 951 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 21:07:38 ID:AOYrbffcO
- やばい
涙流さなかったのに最後で流しそう
- 952 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 21:08:46 ID:DJEKXF8EO
- ただブーンにZをもってほしくないな
- 953 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 21:08:51 ID:/OgetcPg0
- (´・ω・`)「皮肉なものだな」
声を出す苦しさはない。
ただ、視界は少しずつだが、ぼやけはじめていた。
(´・ω・`)「お前の成長に、誰よりも手を貸してきたのは、俺だった」
(´・ω・`)「実に、皮肉な話だ。いや、後世の者が知れば、笑い話かもしれんな」
自分を、助けてくれる存在になるかもしれない。
最初に会ったとき、そう思った。
結果として、この男は、自分を滅ぼす存在だった。
入軍試験でのことを、今更悔いてもしょうがない。
仮にブーンが入軍していなかったとしても、ラウンジが天下を統一していたかどうかは分からないのだ。
東塔時代にオオカミを滅ぼせていなかった可能性さえある。
何かを悔やむとすれば、それは、己の無力さだろう。
(´・ω・`)「読み違えもあった。力不足もあった。全て、自分の能力に帰結する話だ」
(´・ω・`)「存分に嘲笑されても致し方ない。それが、戦に負けるということだ」
( ω )「……誰も、笑ったりなんかしないお」
自虐的な自分の言葉に、ブーンは呟きを返した。
表情は、上手く確認できない。
- 954 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 21:09:06 ID:rc2I7MHg0
- ぬぅん……
- 955 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 21:10:09 ID:.6g.2yNk0
- 支援
- 956 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 21:10:12 ID:/OgetcPg0
- ( ω )「みんな知ってるお。アンタが、国にかけた想いは」
( ω )「国の天下のために。その部分には、アンタ自身、誇りを持ってるはずだお」
( ω )「誰かに劣っているとは思っていないはずだお」
鼻から、小さく息が漏れた。
無論のことだった。
( ω )「だけど、ブーンだってヴィップに対する想いで誰かに負けてるとは思ってないお」
( ω )「天下にかける想いのぶつけあいは、きっと互角だったんだお」
その思いの違いが、勝敗を分けるのではないかと思った。
自分の考えに基づけば、国にかける気持ちは自分のほうが軽かったということになる。
ただ、雌雄が決する前に、自分の考えをブーンには伝えていた。
それに対し、ブーンは何かを付け加えようとしていた。
あの先の言葉が、恐らくは、ブーンなりに考える勝敗の分岐点なのだろう。
自分にとって足りない"何か"だったのだろう。
誰よりも鍛錬を積んできた。
軍学の知識も、恐らくブーン以上にある。
足りないものが分かったとしても、もう次はない。
それでも考えてしまうのは、自分の性分だった。
( ω )「国にかける想いは互角。だけど、それ以外のほとんどは、アンタのほうが上だったお」
そうだろう、と自分でも思う。
客観的に見て、だ。
- 957 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 21:10:49 ID:kGqBlp.Q0
- 複雑だな
裏切られたとはいえブーンがここにいることになったのはショボンのおかげだし
- 958 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 21:10:57 ID:QsQ.S.WMO
- ショボン・・・
- 959 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 21:11:32 ID:/OgetcPg0
- ( ω )「……でも、たったひとつだけ、ブーンが上回っていたと思える部分があるお」
(´・ω・`)「……?」
( ω )「背負った、期待だお」
それが、ブーンなりの答えか。
ヴィップよりもラウンジのほうが、民や軍人の数は多い。
かつて暴政を敷いたニューソクを破った、そのラウンジに天下を、と望む者は多いのだ。
自分のなかでは、背負った期待でも負けていない。
ブーンが幼い頃からクラウンの期待に応えるべく生きてきたのだ。
ただ、勝者の言葉は、あまりに重い。
敗者が何を語ろうとも、負け惜しみにしかならない。
( ω )「勝敗の分かれ目は、きっとそんな単純なことだけじゃないお」
( ω )「だけど、ブーンが勝ったっていう事実は厳然としてあるんだお」
(´・ω・`)「そのとおりだな」
戦では、結果が物を言う。
勝者が語る言葉は、全て真実となりうるのだ。
視界は、徐々に揺らぎ始めていた。
(´・ω・`)「……長かったな」
もはや、荒い呼吸を抑えることはできない。
体中から血が抜けていっているせいだろう。
(´・ω・`)「あまりにも、長すぎる戦いだった」
- 960 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 21:11:43 ID:2Yv7g/r20
- ・・・(´;ω;`)
- 961 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 21:12:19 ID:kGqBlp.Q0
- ここでこのセリフか……
- 962 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 21:12:26 ID:n9YDnRiw0
- ああ…
- 963 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 21:12:36 ID:yJDtnBXk0
- ああ、長かった・・・
- 964 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 21:12:37 ID:e2gH8BrE0
- おおおおお……
- 965 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 21:13:11 ID:/OgetcPg0
- この一騎打ちだけではない。
クラウンの命を受けてからの、あまりに長すぎる歳月。
様々なことがあった。
ヴィップ領に潜入し、孤児を殺してヴィップ民に成り替わった。
あのときから、自分はヴィルではなくショボンになった。
クーの助けを借りながら鍛錬を続け、ヴィップに入軍した。
アルファベットでの才覚を見せつけることで将校となり、そこまでは頗る順調だったのだ。
しかし、新将校として挨拶したそのときから、ジョルジュ=ラダビノードとの戦いが始まった。
ラウンジに寝返ることを疑われていた。
同時に、ジョルジュがオオカミに寝返るかもしれないと疑わざるを得なかった。
刃を交えずとも苦しい戦いはあるのだと知った。
その日々の中でも、着実にオオカミの領土は奪っていった。
特に、ブーンの入軍以降は顕著であり、エヴァ城とシャッフル城を短期間で奪取した。
東塔の中心は自分とモララーだったが、不思議と皆がブーンの側で力を発揮したのだ。
マリミテ城、オリンシス城といった、オオカミの要衝も総力で落とした。
あの戦に関しては、ドクオの力が大きかった。
もし自分がブーンを入軍試験で落としていたら、ドクオはあそこまでの力は身につけられなかったかもしれない。
その後はラウンジと共同歩調を取り、オオカミを滅ぼした。
今にして思えば、あのとき、是が非でもミルナを討っておくべきだったのだろうか。
可能だったかは分からないが、結局、最後まで手強い相手として立ち塞がられてしまった。
そして、ギコを斬って裏切り、念願のラウンジに戻ることができた。
感無量だった。
一日千秋の思いで待ち望んでいたのだ。
- 966 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 21:13:18 ID:UyX5A96Q0
- ショボン・・・
- 967 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 21:13:24 ID:.6g.2yNk0
- 本当に長かったな・・・
- 968 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 21:13:33 ID:MGmYqfEE0
- 本当に長かったな…
- 969 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 21:13:43 ID:KNqeL0D.0
- すごい
- 970 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 21:14:01 ID:n9YDnRiw0
- ショボンとヴィルと…
- 971 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 21:14:07 ID:MpzEt3mQ0
- 泣かないと思ったのに少し涙が滲んだ
- 972 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 21:14:40 ID:/OgetcPg0
- ラウンジでの戦も、ベルベットとエクストを討ったあたりまでは快調だった。
歯車が狂い始めたのは、カルリナの下野だ。
カルリナに知略を任せ、自分は武勇に重きを置こうと考えていたが、脆くも瓦解した。
そして、後先を考えているとは思えないような戦を繰り広げるヴィップに、連敗を喫した。
無茶にしか思えなかったあの戦が、この一騎打ちを見据えていたというのだから、ブーンには驚かされる。
大した決断力と実行力を身につけたものだ。
最後の総力戦では、ジョルジュとミルナが捨て駒となってまで城を奪いに来た。
あのとき、ブーンが二人と一緒に自分を狙いに来てくれれば、直接的な攻防を回避するだけで三人を討てた。
しかし、結果として近衛騎兵隊を失い、フェイト城まで奪われる惨敗だった。
それでも、この一騎打ちにさえ勝利できればよかった。
そうすれば、全てを手に入れることができたのだ。
最後は、個人と個人、アルファベットとアルファベットの勝負だった。
自分に能力さえあれば、ブーンを討てるはずだったのだ。
力が、及ばなかった。
端的に纏めれば、そうなる。
それだけでいい、とさえ思った。
長きにわたる戦いの中で、今日まで生き抜いてきた。
それが、無価値だったとは言わない。
ただ、勝利に優る価値などありはしないのだ。
それにしても、随分、長かった。
(´・ω・`)「少し、疲れたな」
ひとつ、息を大きく吐いた。
視界がまた、揺らめいた。
- 973 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 21:15:40 ID:ll7Kb6BE0
- 死ぬなよ
- 974 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 21:15:45 ID:e2gH8BrE0
- ショボン…
- 975 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 21:15:48 ID:kGqBlp.Q0
- ああ……ショボン
- 976 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 21:16:02 ID:AOYrbffcO
- (´・ω・`)「少し、疲れたな」
ああああああああああああああああああああああああああああああああ
- 977 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 21:16:24 ID:7LB2v3ew0
- 長かった・・・・本当に長かったな・・・・
- 978 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 21:16:25 ID:UyX5A96Q0
- そうだよな・・・ラウンジのショボンだもんな
生きていればいいってわけでもないし
- 979 名前: ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 21:16:31 ID:/OgetcPg0
- すみません、連続スレ立ての制限に引っかかってしまったみたいで、
どなたか次スレを立てていただけないでしょうか?
- 980 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 21:16:41 ID:p3bpMpPQO
- ショボン……
- 981 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 21:16:44 ID:LBejn8h60
- ショボオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!!!
- 982 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 21:17:22 ID:rc2I7MHg0
- じゃあ俺が
- 983 名前:第120話 ◆azwd/t2EpE:2012/01/16(月) 21:17:25 ID:/OgetcPg0
- ( ω )「……もう、いつ休んでもいいんだお」
そこで初めて、ブーンの表情を確認できた。
一騎打ちの最中の、峻厳な軍人の表情ではなかった。
そして、その手に握り締めているのは、アルファベットZ。
(´・ω・`)「さすがに、俺の心情はよく理解しているようだな」
苦しんだ末に息を引き取るよりは、一思いに刃で貫いてもらいたい。
それを、ブーンは分かってくれているようだ。
自分が望めば、いつでもZで斬る準備はできている、ということだろう。
アルファベットの細部までは、視界が霞んでしまって上手く確認できない。
亀裂でも入っているのだろうか。あるいは、最後の最後で頂点に達したのだろうか。
答えは、分からないままでいい、と思った。
(´・ω・`)「最後は、ツンのアルファベットで散る、か」
アルファベットZを作らせたあと、ツンは殺した。
後顧の憂いになることは間違いなかったからだ。
結局、そのアルファベットで最後を迎えることになった。
それも、敗者には似合いの末路かもしれない。
( ω )「アンタに討たれた、大勢の仇を、これで討てるお」
清々しい表情をしていてもおかしくない。
だが、ブーンの顔には、夜空と同じ色が貼りついているように思えた。
- 984 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 21:17:26 ID:2e/D29wE0
- よし俺がいこう
- 985 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 21:17:40 ID:MGmYqfEE0
- 誰でもできるならやりましょうか
- 986 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 21:18:08 ID:gloPSijU0
- Z持てるのか・・・・
- 987 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 21:18:26 ID:e2gH8BrE0
- ツンの仇でもあるんだよな…
- 988 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 21:18:33 ID:ll7Kb6BE0
- http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/13029/1326716269/
- 989 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 21:18:33 ID:2e/D29wE0
- >>982
頼んだ!
- 990 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 21:18:55 ID:LBejn8h60
- Zをにぎっただと・・・
- 991 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 21:18:56 ID:rc2I7MHg0
- ( ^ω^)ブーンがアルファベットを武器に戦うようです
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/13029/1326716294/
どうぞ
- 992 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 21:19:12 ID:u38qiOeUO
- Zを握ったか
- 993 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 21:19:18 ID:35QsJLKMO
- 次スレが2つ..
- 994 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 21:19:27 ID:MGmYqfEE0
- >>988乙
Zでか…
- 995 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 21:19:27 ID:KNqeL0D.0
- Z!!
- 996 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 21:19:29 ID:AOYrbffcO
- Zを握った、か……
- 997 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 21:19:32 ID:QsQ.S.WMO
- ( ω )「あっつwwwwwwwwww」
- 998 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 21:19:33 ID:G7jA/POsO
- Z…
- 999 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 21:19:39 ID:rc2I7MHg0
- 多重スレ立てを避けるために宣言したのに何て事を……(憤怒)
- 1000 名前:名も無きAAのようです:2012/01/16(月) 21:19:47 ID:b1F7Xv820
- 最後の最後にZに昇ったか・・・支援す
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