物語のページが( ^ω^)´・ω・)゚听)ξ 川 ゚ -゚)応えるようです
- 1 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/25(土) 21:47:01.90 ID:j4yhzbnQ0
- メリ……メリー……
こんばんは!
合作投下十四日目になります
今日から二日間、今合作の最終パートを投下していきます
ゆっくりめに、途中仮眠などを挟みつついって、明日の22時には終わりたいなぁと考えてます
よろしければお付き合い下さい
後、ちょっとしたオープニングを
つべ
http://www.youtube.com/watch?v=DUOShstFXQc
つべ携帯
http://m.youtube.com/watch?&&&gl=JP&client=mv-google&hl=ja&v=DUOShstFXQc
FLASHがUPできなかったので、FLASHを突っ込んだzipをあげました
こちらの方が綺麗に見られるはずです
アドレスは動画の説明文にあります
パスはpageです
- 2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 21:49:21.22 ID:OvKYZ9Fj0
- ,..-´ ̄''ー,__
/:::::::::::::::::::>⌒ヽ
/:::::::::::::::::!:/ 弋__ノ
/ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
ゝ____ノ
/ノ( _ノ \
| ⌒((:;。:;)(;;゚)
.| (__人__) /⌒l :☆:
| ` ⌒´ノ |`'''| ..::彡彳*‡:*..
/ ⌒ヽ } | | .:+彡*★:ミ:♪:ミ。:.,
/ へ \ }__/ / .:彡'゜‡,※゜.ニュ▲:ミ,::.. ドシッ
/ / | ノ ノ .,;彡*;▲彡゜*★::.トーイミ+:..
( _ ノ | \´ _ ..*彡゜◎.从♪.:ミ,☆,゜〓:ミ:,,
| \_,, -‐ ''"  ̄ ゙̄''―---└'´ ̄`ヽ.:.ミ.+:◎,ミ。:..
.| ;,,,;,,,;,;,,___ノ;,,,.
ヽ _,, -‐ ''" ̄""”” ;■■■■; ドシッ
- 3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 21:49:56.02 ID:7dGks9rl0
- わーい!!
- 4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 21:50:24.43 ID:m27jwDqc0
- ギャング終わったら合作とか今日最高だな
- 5 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/25(土) 21:51:11.94 ID:j4yhzbnQ0
- ああ大事なもの忘れてた……
まとめさん・ブーン芸VIPさんです
http://boonsoldier.web.fc2.com/page.htm
- 6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 21:53:28.00 ID:ahceZDjU0
- キター!!
- 7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 21:53:28.62 ID:7dGks9rl0
- 支援
- 8 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/25(土) 21:54:15.23 ID:j4yhzbnQ0
-
夜の闇と同化するほどの黒獣を前に、並び立つは主人公格たち。
世界を越えて彼らは出会い、遂にその時を迎える。
全ての雌雄を、決する時を。
進む道は、前にしかない。
戻る道は、残されていない。
ならば、その道を塞ぐ障害は全て屠るのみ。
思い描いた未来を迎える為に。
自身の世界でも、戦う為に。
武器を握る。或いは構え、地をしかと踏み付ける。
瞳に宿す決意の光を、星にも劣らぬ輝きを滾らせ。
光と対極たる巨凶、アンノウンを強く睨む。
風が吹く。
冷えた夜の風程度では、彼らの熱を冷ますにはあまりにも弱すぎた。
当然だ。燻る戦いの火は、どちらかの死を迎えぬ限り、消えぬのだから。
────…………時は、来た。
- 9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 21:55:26.47 ID:EcfoFD9MO
- しえ
- 10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 21:55:41.27 ID:7dGks9rl0
- sienn
- 11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 21:56:14.28 ID:m27jwDqc0
- 支援
- 12 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/25(土) 21:56:15.37 ID:j4yhzbnQ0
-
ξ゚听)ξ
───撃ちつけろ。
心の海に揺蕩いし、神の力を現世に以て。
( ^ω^)
───解き放て。
機械の体に秘められし、熱き想いとその力を。
川 ゚ -゚)
───喚び熾せ。
悪魔を滅する“異”なる能力の、根元まで。
(´・ω・`)
───斬りつけろ。
信念を力に変えて、肉体と想いに応えるその武器で。
- 13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 21:57:26.70 ID:WqrLxMwy0
- 貴様!リア充していたな!
支援
- 14 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/25(土) 21:57:31.47 ID:j4yhzbnQ0
-
────────想いに、応えよ。
物語の、ページ達よ────────
【Cross part:Pages】
- 15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 21:57:45.67 ID:FrtzHdjsO
- 支援!
- 16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 21:58:45.51 ID:m27jwDqc0
- 支援
- 17 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/25(土) 22:00:01.19 ID:j4yhzbnQ0
-
(´・ω・`)「決して孤立するな」
アンノウンを見据えながら、ショボンはそう言った。
敵はもう、人の姿をしていない。
一人だが、一つではないのだ。
彼らが確認しただけでも、四つの尾と頭に生えた上半身と、攻め手は五つ。
誰かが単独になれば、その一人が集中砲火を食らう事になる。
言葉の意図は、そういうことだった。
理由まで語らずとも、他の三名は意を汲んだ。
勿論、クーの仲魔たちもだ。
川 ゚ -゚)「オルトロス」
∧_∧ ∧_∧
(叉)゚,, >|<,,゚(叉)「「ドウシタ ライドウ」」
川 ゚ -゚)「ツンについていろ。そして、ツンを私と思え」
∧_∧ ∧_∧
(叉)゚,, >|<,,゚(叉)「「ワカッタゾ」」
川 ゚ -゚)「ツン」
ξ;゚听)ξ「は、はい」
川 ゚ -゚)「もしもの時は、オルトロスの背を借りろ。人より素早いから」
ξ゚听)ξ「……わかった」
- 18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 22:01:03.32 ID:WqrLxMwy0
- フラッシュのシースルーがかわいいと思いましたまる
- 19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 22:01:15.95 ID:7dGks9rl0
- 支援
- 20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 22:01:26.57 ID:7ZedUG8d0
- OP変わっとると思って見てみたら
ロマがダンディーすぐるwwwwwwww
- 21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 22:01:32.00 ID:7UaXJbS30
- ノーマンリストラか
- 22 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/25(土) 22:02:27.39 ID:j4yhzbnQ0
-
ツンは、少しの間だったが、休むことが出来た。
だが、本調子にはまだ遠い。
十回もアルテミスの技を使えば、ツンの体はまた悲鳴を上げてしまうだろう。
彼女自身、万全であっても戦いについていけるか、不安があった。
ペルソナを用いても、大きく身体能力が上がるわけではない。
アルテミスが、接近戦に向いていないからだ。
自身が扱う力に沿った恩恵を与える。
ペルソナとはそういう存在だ。
そこまではクーの知るところではない。
単に彼女の身体能力と疲労を案じてのことだった。
ξ゚听)ξ「よ、よろしくね?」
∧_∧ ∧_∧
(叉)゚,, >|<,,゚(叉)「「オマエ ライドウヨリ ヤワラカソウダナ!」」
川#゚ -゚)「ほう……良い度胸だなお前……」
|||;゚ - ゚||「落ち着いて下さいライドウ様……」
そんなクーだったが、既に頭の中では戦闘のイメージが出来ている。
オルトロスをツンに充てたことが、何よりの証拠であった。
巨躯の後方で天を指し聳え立つ、四本の尾を見た。
先に見た圧倒的な破壊力。単純に突進するだけでも多大な被害をもたらすであろう。
要するに、オルトロスに騎乗して尾を躱せと言っているのだ。
- 23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 22:03:23.95 ID:7dGks9rl0
- しえしえ
- 24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 22:03:53.82 ID:m27jwDqc0
- 支援
- 25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 22:04:06.04 ID:WqrLxMwy0
- 支援
- 26 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/25(土) 22:05:29.82 ID:j4yhzbnQ0
-
(´・ω・`)「ツン。出来るだけ回避に専念してくれ」
ξ゚听)ξ「はい」
ツンの攻撃に期待できない、ということではない。
彼女が扱う治癒能力を、皆は大きく捉えているのだ。
(´・ω・`)「誰かが負傷した時は、頼んだ」
( ^ω^)「攻撃は僕達に任せてくれお!」
川 ゚ -゚)「うむ。すぐに終わらせてやろう」
ξ゚听)ξ「…………」
戦いたい、という思いは彼女の中に当然あった。
しかし、戦いを有利に進めるにはこれが最適であることも自覚していた。
申し訳ないという気持ちを膨らませつつも、
ξ゚听)ξ「みんな……頑張って」
自身を押し殺すことが、今は最善であると悟る。
皆の言葉と気持ちの裏に隠れた心算を見落とさずに。
回避に専念、つまり、自分で避けろということだ。
暗に庇う余裕はないと、言っている。
黒獣は、未だ彼らを見つめているだけだ。
- 27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 22:05:52.66 ID:7vj/YNDq0
- ノーマンを盾にするよりオルトロスを足にした方が良いってことか
- 28 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/25(土) 22:08:50.50 ID:j4yhzbnQ0
-
アンノウンの胸中には──果てしなき欲望の傍らに、昂揚感があった。
主人公格を手にかける事の、力を奮える事の喜びが、そうさせている。
爪 W〉《(ついにその時が……その時がやってくるのだ……)》
眼前の者達を屠れば、最早自身を止められる存在はいないのだ。
意思を奪われた聖剣が抗うことも、有り得ぬのだから。
彼の障害は、今というこの時、一つのみ。
爪 ゚W〉《異世界の主人公格達……貴様らを屠り、我は更なる高みへと征こう》
言葉の、直後。
四つの尾が上空へ伸び、弧を描いてブーン達に襲いかかる。
その威力は既に全員が見ている。
(;^ω^)「くおっ!」
跳躍、展開。
左方にブーンとツンが、右方にショボンとクーが跳び、巨大な尾を躱す。
目標を失った尾は、四人が立っていた位置に突き刺さり、まさに柱のように聳え立っていた。
川 ゚ -゚)(近くで見るとやはりぶっといな……躱すしかなさそうだ)
その太さは、巨躯のショボンですら腕が回らない程あるだろう。
受け止めることが出来るかどうか。そんなことは誰も試す気になれなかった。
- 29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 22:08:59.33 ID:7dGks9rl0
- しえん
- 30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 22:10:41.36 ID:m27jwDqc0
- 支援
- 31 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/25(土) 22:10:56.37 ID:j4yhzbnQ0
-
( ^ω^)(グレネード!)
右手をアンノウンの本体へ向け、折れた手首に生まれた砲門からこぶし大の砲弾が撃ち出される。
黒獣が僅かに、頭を引いた。直進するグレネードは首の付け根、胸元に着弾し、爆音を生む。
ただそれだけだ。傷を与えるには、至らない。
(;^ω^)「くそ……」
ξ;゚听)ξ「やっぱり……聖剣の力が……」
黒獣へと姿を変える前に聖剣を呑み込んだ。
それにより聖剣の力を取り込んでいる可能性がある。
誰もがそう考えていたが、それだけが答えではないと思う者がいた。
(´・ω・`)(確かに、聖剣を取り込んだことで、全てを無効化する能力も付与されたと考えるのが普通だ)
(´・ω・`)(だが……)
川 ゚ -゚)「ッ!」
ショボンが地を蹴った。
石床に突き刺さったままの、尾に向かって。
アルファベットZを高々と振り上げて、風を切り振り下げる。
(´・ω・`)「むんッ!」
甲高い音が弾け、夜風に流れ掻き消える。
ショボンの腕に伝わったのは、高位同士のアルファベットを交えたような衝撃だった。
尾と邂逅したZの刃が、少しだけ尾の黒い体表を抉っている。
- 32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 22:12:13.21 ID:7dGks9rl0
- 支援
- 33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 22:13:10.86 ID:m27jwDqc0
- 支援
- 34 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/25(土) 22:15:48.71 ID:j4yhzbnQ0
-
それを確認した直後、四つの尾はまた急激に上昇し、元へと戻る。
黒獣の頭の左右に陣取り、鎌首をもたげそれぞれが獲物を狙うように、待機している。
(´・ω・`)「体は分からんが、尾には攻撃が通じるようだ」
川 ゚ -゚)「ほんとか?」
(´・ω・`)「あぁ、ただ頑丈なだけだ」
傷が生まれた。つまり、聖剣の力が及んでいないということだ。
なまじ聖剣の能力を知ったが為に、攻撃が通用しない事が聖剣の能力に直結してしまう。
先のブーンとツンが、その思考に陥っていた。
彼の言う通り、ただ頑丈なだけということも有り得るのだ。
(´・ω・`)(Zで両断できない程に頑丈だとは思わなかったが……)
尾に攻撃が通じるとショボンが思った切っ掛けは、アンノウンが尾を使い天井を破壊した時だ。
彫刻の石すらも破壊できなかった物で、あれができるとは到底思えない、と考えたのだ。
三名は見逃していたが、ショボンだけは違っていた。
(´・ω・`)「聖剣を取り込んだからと言って、体の全てに付加が及んでいると安直に考えるな」
(;^ω^)「…………」
(´・ω・`)「まぁ、まだ分からんことは多いが……」
(´・ω・`)「一先ずは、攻撃が通じる箇所を狙うぞ」
- 35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 22:17:00.47 ID:7dGks9rl0
- かっけー
- 36 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/25(土) 22:18:35.35 ID:j4yhzbnQ0
-
川 ゚ -゚)「おk、つまりシッポだな?」
(´・ω・`)「そうだ。伸縮自在ということが気になるが、遮二無二攻撃するよりはマシだ」
攻撃が通じる箇所を攻めていく中で、見える物があるかもしれない。
今までの戦いがそうだったように、特異な力であるからこそ、見極めることが肝要なのだ。
( ^ω^)「了解、シッポを狙っていくお!」
(´・ω・`)「…………」
この中で最も火力に優れているのが、ブーンだ。
彼の銃器に頼るしかないと考えながらも、ショボンにも矜恃がある。
自世界では最高峰であるアルファベットZに、唯一到達しているのだ。
それが、通じない。全力の斬撃が、一筋の傷を生む事しかできない。
(´・ω・`)(全く……異世界という所は、恐ろしいな)
だが、彼にもできることはある。
弱点を探ることに集中すればいい。
それにまだ、温存している物もあるのだ。
(´・ω・`)(その時は存分に振るわせてもらうぞ)
瞳の色は、未だ燃えている。
誰もがそうだ。劣る者は、一人もいない。
そしてまた、四つの尾が動いた。
- 37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 22:19:22.31 ID:m27jwDqc0
- 支援
- 38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 22:20:03.68 ID:7dGks9rl0
- 支援
- 39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 22:21:11.92 ID:7vj/YNDq0
- しえん
- 40 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/25(土) 22:21:48.26 ID:j4yhzbnQ0
-
一矢一殺。
一尾が一人を穿たんと、迫る。
∧_∧ ∧_∧
(叉)゚,, >|<,,゚(叉)「「ノレ!」」
ξ;゚听)ξ「あ、はい!」
返事をした時には、既にオルトロスに跨っていた。
振り落とされまいと、しっかりと背を掴む。
川 ゚ -゚)「ツン! 鬣を握れ!」
ξ;゚听)ξ「い、痛くない?」
∧_∧ ∧_∧
(叉)゚,, >|<,,゚(叉)「「痒イクライダ 問題ナイ」」
そして、跳躍。
上空からでなく、前方から突進してきた尾を、それぞれが躱した。
制限無く伸びる尾はそのまま横に、或いは上に反転し、追撃を計る。
(#^ω^)「喰らえ!」
ブーンは尾の二撃目を躱しながら、自身を襲った尾へグレネードを発射させた。
直進の軌道は爆撃に押され、地を削りながらやがて止まる。
煙が巻き上がる砲撃の着弾点が、三分の一ほど大きく抉られていた。
( ^ω^)「おっ! 確かにダメージあるお!」
- 41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 22:21:51.29 ID:lzQACyt4O
- クリスマスの夜は( 'A`) ´_ゝ`)^^ω)川 д川堪えるようです支援
- 42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 22:23:46.25 ID:7dGks9rl0
- ほうほう
- 43 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/25(土) 22:24:47.88 ID:j4yhzbnQ0
-
全体的に見てそのダメージがどの程度の比率なのかは、分からない。
一割程度か、それとも毛を抜かれた程度なのかもしれない。
だが、攻撃が通用するという事実は、大きい。
川 ゚ -゚)「ノーマン!」
尾は執拗に主人公格だけを狙っている。
その恩恵で、仲魔たちは攻めに集中することができる。
上空から押し潰すような一撃をクーが躱した後、仲魔達が動いた。
ノ)) - 从「ふッ!」
ノーマンが鋭く息を吐く。放たれた一撃は、漆黒の大剣ではなかった。
尾に向けられたのは左腕。数十の矢が充填されている、ボウガンだ。
一斉射撃された数十の矢が、空気を貫き尾へと迫っていく。
|||゚ - ゚||「はッ!」
白き甲冑を纏う魔、クー・フーリンも、同時に槍撃を放った。
魔槍ゲイボルグから生まれた三十の刺突が、同じく尾を狙い撃つ。
ノ)) - 从「…………」
ボウガンの矢は、全て弾かれてしまった。
人や低級の魔程度なら軽く射貫く威力を誇ってはいたが、今回は些か届かないようだ。
ショボンのZを以てして、刃を食い込ませることすら叶わなかったのだから、仕方がないと言えよう。
それを確認し、ノーマンは鉄剣を強く握り締めた
- 44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 22:24:52.82 ID:m27jwDqc0
- 支援
- 45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 22:27:14.77 ID:/2TlxUYkO
- きてたー!支援
- 46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 22:27:30.26 ID:7dGks9rl0
- しえしえ
- 47 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/25(土) 22:27:52.89 ID:j4yhzbnQ0
-
|||゚ - ゚||「思ったより、頑丈ですね」
貫くつもりだった。
だが、ゲイボルグの刺突は貫くに至らず。
体表を削り取るのみに、とどまった。
|||゚ - ゚||「しかし、皮膚とは言い難い体表ですね。
どちらかと言うと金属を突いたような感触がありました」
金属程度なら貫けぬわけはありませんが、と付け加えた。
川 ゚ -゚)「まぁ、ダメージが全く見えないよりはマシだろう」
言い、クーは赤光葛葉を握る手に、力を籠める。
数百年の歴史を歩んだ退魔の剣は、赤い輝きを放っていた。
川 ゚ -゚)「ヤツの口振りから、つまり怨念の集合体みたいなもんだとは思うが……」
嫉妬、強欲、憤怒、そして殺意。
それらを膨らませ生まれた存在であると、アンノウンは言っていた。
彼女はそんな存在を、良く知っている。
川 ゚ -゚)「だとすれば、退魔師たる私の専門だな、コレは」
そういった存在たちを今まで相手にし、打ち払ってきたのだ。
クーは、改めて自身の世界が選ばれた事に少しの因縁を感じていた。
- 48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 22:28:40.65 ID:GzrW/jGOO
- まだ仕事が終わんねぇんだよ支援
- 49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 22:29:33.38 ID:h4nzOTGX0
- しえしえ
- 50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 22:30:15.78 ID:glLLPoL00
- しえーん
- 51 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/25(土) 22:31:29.98 ID:j4yhzbnQ0
-
因縁と言えば、彼女が思い当たるもう一つのこと。
尾を躱し、攻撃放つ仲魔たちを見つめながら、彼女は思う。
川 ゚ -゚)(私を連れにきたのがショボンというのも……そうだったのかもな)
クーとたった一日だけを共に過ごした、この世界のショボン。
少ない時間だったからこそよぎるのか、それとも他に何か理由があるのか。
それは分からないが、彼女は彼との時を鮮明に思い出すことが出来た。
酒に酔い、頬を赤らめながら夢を語った姿が。
自身の命すら顧みず、自分を救うために立った姿が。
誰にも言えずにいた不安を受け止め、打ち払ってくれた、姿が。
川 ゚ -゚)(ショボン……)
彼女が愛するショボンとは違う。
それでも、彼はショボンだった。
掛け替えのない、存在だったのだ。
川 ゚ -゚)(ショボン達が消えたのは、私たちの所為だとアンノウンは言っていたが……)
その意味を彼女は知らない。知る術がない。
だが、虚言であろうと真実であろうとも────
川 ゚ -゚)「奴を倒すことに変わりはない。…………だよな、ショボン」
誰にも聞こえる事のない声で、呟いた。
- 52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 22:33:11.75 ID:7dGks9rl0
- 支援!
- 53 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/25(土) 22:34:18.51 ID:j4yhzbnQ0
- 一方、ブーン。
(;^ω^)「……」
躱し、すれ違い様にグレネードを放つ。
単調な動作を三度、繰り返したところだ。
先端に向けて円錐に近い形をしていた尾は、所々が抉れている。
それでも、勢いは止まらなかった。
(;^ω^)(本当にダメージあるんかお……!?)
彼の心に生まれたのは、そんな懐疑だ。
例え切断したとしても、伸縮自在の尾である。
すぐさま同じ長さを取り戻し、同じ事の繰り返しになるのではないか。
( ^ω^)(チッ……)
五度目の砲撃。
ブーンはできるだけ同じ箇所を、狙い撃っていた。
巨大な尾の先端は、次の一撃で切断できそうだ。
その後に、どうなるか。
ブーンの頭に過ぎったのは、宙に浮遊していた左腕だ。
切断することで同じ状況になり、攻め手が増えることがないか。
そんな予感がしてならなかった。
(;^ω^)「くそっ……!」
- 54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 22:35:52.04 ID:7dGks9rl0
- ふむぅ
- 55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 22:37:47.50 ID:d5BZCaCUO
- @@@@
- 56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 22:40:08.52 ID:glLLPoL00
- 支援
- 57 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/25(土) 22:41:18.27 ID:j4yhzbnQ0
-
(;^ω^)「ッ!?」
眼前に尾が迫っていた。
ブーンはその尾を避けようとした時に、自身と尾の間を、一陣の風が通りすぎていった。
風はそこで止まると直角に曲がり、ブーンの隣に並び立つ。
(´・ω・`)「やれやれ、単調な攻撃だが、躱し続けるのも苦労するな」
(;^ω^)「ショボン……さん」
横切ったものは、ショボンだった。
無論、彼の後ろには尾が追従していた。
だがショボンを追っていた尾は、彼がブーンの前を通り過ぎた後に、ブーンに迫った尾に真横から衝突したのだ。
(´・ω・`)「はぁッ!!」
振り上げたのは、左右のZ。
狙いは、ブーンのグレネードを受けていた尾だ。
大きく抉られた箇所に、双剣を叩き込んだ。
完全な状態の尾には傷を付けるだけに止まっていたが、
損傷が蓄積された箇所に二本の刃が加えられたことで、尾は両断されることとなった。
(;^ω^)「ッ……!」
ショボンは、躊躇わなかった。
分離した体の一部が攻め手と成り得る事は、彼も見ていたはずだ。
しかし、一切の迷いを見せずに、斬撃を叩き込んだ。
- 58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 22:42:32.69 ID:WqrLxMwy0
- なんかこの場面みたことある気がした
デジャヴ支援
- 59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 22:45:01.01 ID:7dGks9rl0
- 支(´・ω・`)援
- 60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 22:45:11.01 ID:7vj/YNDq0
- ほうほう支援
- 61 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/25(土) 22:47:31.28 ID:j4yhzbnQ0
-
(;^ω^)「だ、大丈夫なのかお……?」
何に対してそう言ったのか。
同じ危惧を持ち得ていなければ、それに気付くことはないが、
ショボンはブーンの言葉の意味を理解していた。
(´・ω・`)「最初は俺も危惧していたが、恐らく大丈夫だろう」
跳躍し、ブーンの隣に戻ったショボンが、そう言った。
(´・ω・`)「あれを見ろ」
右のZで指された先。
切断され本体と離れた尾の先端が、石床に横たわっている。
少しの後。
(;^ω^)「ッ!?」
黒い粒子を風に流し、その姿を消してゆく。
十秒も要さずに、切断された尾の先端は、この世から消え去った。
(´・ω・`)「お前が腕から撃っていた砲撃が当たり、尾の破片が散った」
(´・ω・`)「その破片が同じ様に消えていたんだ。ならばと思ったが、正解だったな」
(;^ω^)「なるほど……」
(;^ω^)(この洞察力……武器は地味だけど、さっきからとんでもねーお)
- 62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 22:48:39.94 ID:7dGks9rl0
- 素敵支援
- 63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 22:50:19.49 ID:CK5xjvnl0
- 動画のツンとしぃ可愛すぎワロタ
ショボンとロマネスクはもっとマッチョなイメージだった
- 64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 22:50:53.16 ID:7vj/YNDq0
- ルージアルさんの洞察力パネエっす
武器は地味だけど
- 65 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/25(土) 22:52:09.45 ID:j4yhzbnQ0
-
だが、休まる暇はない。
(´・ω・`)「ッ!!」
(;^ω^)「やっぱりかお……」
尾の先端が切断された程度で、異獣が活動を停止するはずはなかった。
歪な形を残した頭をもたげ、ショボンを追っていた尾も踵を返し、また迫る。
(´・ω・`)(厄介だな……)
そしてまた、同じ事を繰り返すことになる。
攻撃はただの突進で、単調と言える。
ただ、現状を維持するだけで突破口が見えるとは、思えなかった。
ショボンだけではない。皆がそうだ。
体力も永久に続くわけではない。
いずれは、疲弊するのだ。
(;^ω^)「クソッ……!」
ブーンの心に、苛立ちがつのっていく。
現状がそうさせていることは間違いないが、突破口が見えないこと以外にも、理由があった。
アンノウンの異獣化は、似ていたのだ。
セカンドウィルスによって人の姿を失った、自世界の人々に。
この世界にもあった、自世界と同じ名の街に起こった、悲劇に。
- 66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 22:53:23.88 ID:glLLPoL00
- 支援
- 67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 22:53:35.13 ID:7dGks9rl0
- ふむ…
- 68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 22:53:48.97 ID:Tt8oNRm1O
- ルージアルさんマジすげぇ!抱いて!
支援
- 69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 22:55:57.20 ID:h4nzOTGX0
- ルージアルさん俺もラウンジに連れて行って下さい
- 70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 22:56:32.86 ID:vSaIXLFr0
- 支援
- 71 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/25(土) 22:59:20.98 ID:j4yhzbnQ0
-
(#^ω^)「…………」
メモリーを介し、脳裏に鮮明にフラッシュバックする異獣達の姿。
人だったものが、人だったものを食らう、地獄絵図。
そんなおぞましいことが現実に起きている、自分の世界。
全てが、重なるのだ。
( ^ω^)「ショボンさん!」
(´・ω・`)「?」
二人は今の間も尾を躱し続けている。
ショボンは視線を送るだけで、返事とした。
それだけでも充分に、通じ合う。
( ^ω^)「“根本”を、攻めてみるお」
(´・ω・`)「……!」
それはショボンも考えていたことだった。
根本とはつまり、尾の付け根。
アンノウンの体を、掻い潜る必要がある。
加えて、危険を察知し全ての尾が向かうかもしれない。
アンノウン自ら手を下してくる事も考えられる。
危険性を考慮すると、一歩を踏み出すに至れぬ手であった。
- 72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 23:00:33.44 ID:j4yhzbnQ0
- すみません少し投下感覚にムラが出ます
最高でも十分以上あけないようにします
- 73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 23:01:33.01 ID:7dGks9rl0
- ゆっくり待ってるよー
- 74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 23:01:51.41 ID:h4nzOTGX0
- ゆっくりしていってね
- 75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 23:02:38.70 ID:OPVId16NO
- 頑張れー
支援
- 76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 23:04:49.77 ID:Tt8oNRm1O
- 無茶すんな
支援
- 77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 23:05:57.39 ID:j4yhzbnQ0
-
( ^ω^)「BLACK DOG! 行くぞ!」
呼びかけに機械の黒狗はすぐに応えた。
ブーンの後方に停止し、主の指令を待っている。
尾の突進をまた躱し、ブーンはそのまま跳躍して乗り込んだ。
(´・ω・`)「ブーン! ……くっ!」
すぐさま後を追おうとするが、人の足で尾を躱しながらBLACK DOGを追うことは、不可能であった。
川 ゚ -゚)「む」
ξ;゚听)ξ「あっ!」
二人が見た、変化。
尾はクーたちを狙うことを止め、突然踵を返した。
ブーンを追う為だ。
(´・ω・`)「やはりか……!」
予想通り、全ての尾がブーンに向かっていった。
本体は未だ微動だにしていない。アンノウンも、ただ見つめているだけだ。
(´・ω・`)「クー!」
川 ゚ -゚)「おう。なんだ?」
(´・ω・`)「頼みがある」
- 78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 23:07:01.29 ID:7dGks9rl0
- しえしえ
- 79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 23:07:20.67 ID:7vj/YNDq0
- 酉忘れんなwww
- 80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 23:07:32.96 ID:h4nzOTGX0
- いあいあ、トリ、トリ
- 81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 23:08:00.13 ID:glLLPoL00
- しえーん
- 82 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/25(土) 23:09:44.48 ID:j4yhzbnQ0
-
アンノウンは迫る黒狗を見つめ、黒獣はブーンを向いた。
BLACK DOGの後方からは四つの尾が追従しているが、追いつけていない。
爪 ゚W〉《痺れを切らしたか……まずは、一匹……!》
それをじっと見つめ、呟いた。
爪 ゚W〉《……さて、あちらも始まったぞ》
爪 ゚W〉《間に合うか……クク……》
呟きは、誰にも届かない。
(#^ω^)「アンノウンッッ!!」
周囲に木霊したのは、ブーンの叫びのみであった。
BLACK DOGは右方に大きく旋回し、黒獣の側面から突っ込む態勢をとる。
その間を、四尾が詰めた。
( ^ω^)「BLACK DOG!」
声に呼応。巧みに軌道を変え、側面から迫る二本の尾を軽々と避ける。
次いで、上方と下方から挟み込むように、迫る。
止まらず。尚も加速。
(#^ω^)「おおおおおお!!」
ブーンの後方で、尾と尾がぶつかり合う音がした。
- 83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 23:12:18.21 ID:xMJK+11F0
- 支援
wktk
- 84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 23:13:08.50 ID:h4nzOTGX0
- 罠か
支援
- 85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 23:13:23.83 ID:Tt8oNRm1O
- さっき尻尾一本斬られなかったっけ?
- 86 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/25(土) 23:14:45.05 ID:j4yhzbnQ0
-
だが、その程度で尾が止まることはない。
それは全員が分かっていたことだ。
辿り着いても、追撃が止まぬことは。
爪 ゚W〉《…………》
(#^ω^)「ッ────!」
一瞬、二人の視線が交わる。
途端、眉間に皺を寄せて、ブーンが強く睨んだ。
(#^ω^)(余裕かましてろ……すぐに消滅させてやる……!)
破裂しそうな怒りを、また胸の内で押し止める。
まだその時ではないと、必死に自分に言い聞かせながら。
ブーンは止まらずに、付け根の上空で尾を躱し続けている。
攻撃の手に選んだ得物は、BlueLazerCannonだ。
三つの砲門は既に前方へと向き、エネルギーの充填を開始している。
確実性を求め、それを至近距離で放つつもりだった。
しかしまだ、発射に至るまで時間を要する。
爪 ゚W〉《クク……》
それを見つめる、謎深き破壊者。
仮面から外れた真紅の瞳が、残酷に歪んでいた────
- 87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 23:15:50.80 ID:7dGks9rl0
- 支援
- 88 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/25(土) 23:18:08.72 ID:j4yhzbnQ0
- ──開戦前──
──インビジブル城・地下──
彼が目を開けた時に飛び込んだ景色は、見覚えのあるものだった。
薄暗く、闘争の傷痕を残したままの、埃が充満する大広間。
( ФωФ)「……ここか」
周囲を見渡すこともなく、ロマネスクが呟いた。
千年の時を超え、千年の眠りから覚めた場所だ。
( ФωФ)「アンノウンと言ったか。なるほど、相応の力を持っているということか」
自身をここへと飛ばした存在を思い出した。
次に手を開き、また握る。
何度かそれを繰り返した後、意識も力もはっきりしている事を自覚した。
( ФωФ)「別段、何かをされたわけでもないか……」
( ФωФ)「……何を企んでいるのか」
意図が全く見えなかった。
彼にすれば、ただ単に振り出しに戻されただけだ。
戻ることは苦ではない。それこそ念じるだけで済む話だ。
( ФωФ)「ふむ……」
少しの思考を挟み。
- 89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 23:20:05.37 ID:h4nzOTGX0
- ロマ忘れてた支援
- 90 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/25(土) 23:21:40.38 ID:j4yhzbnQ0
-
(;ФωФ)「……霊体……か?」
(*゚ー゚)『お、一発で分かるとは、さーすが♪』
クーならば、それを知っている。
彼女は既に会話を交わしていたのだから。
(;ФωФ)「ふむ……まぁ、そうじゃないとおかしいのは分かるが……」
シースルーの体は、氷漬けのままだ。
その筈なのに彼女が実体でそこにいるのは、如何にもおかしい。
そう自分を納得させると、次の疑問を投げ掛けた。
( ФωФ)「……で、お前はなんでここに?」
(*゚ー゚)『アンタの戦いを見届けようと思ってね〜』
( ФωФ)「……なるほど」
(*゚ー゚)『一応は世界を救う為? に戦ったからね〜。
こんなんなっちゃっても、やっぱり気になるよ』
(*゚ー゚)『世界の命運かかった戦いは、さ』
( ФωФ)「……そうか……そうだな」
彼女なりに、この戦いがどれ程のものであるか、理解しているようだ。
何故それを知っているのか、ロマネスクは疑問に思ったが、それは言わなかった。
- 91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 23:21:45.28 ID:7dGks9rl0
- さてどうなる
- 92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 23:22:01.55 ID:Tt8oNRm1O
- そういえばロマネスク居なかったな
- 93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 23:22:11.74 ID:h4nzOTGX0
- 頭痛いからまとめで読む
楽しみにしてる支援
- 94 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/25(土) 23:24:26.00 ID:j4yhzbnQ0
- すみません>>88の次を飛ばしてしまいました
次に>>88の次を入れます
それの次が>>90です
- 95 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/25(土) 23:25:09.30 ID:j4yhzbnQ0
-
( ФωФ)「付き合う道理はないな」
すぐさま戻る事を選択した。
( ФωФ)(……あまり長く居たくもないし、な)
ちらと、視線を投げる。
その先には、一つの氷塊があった。
( ФωФ)(……シースルー……)
氷漬けの勇者、シースルー。
千年前の姿のままで、ロマネスクを見ていた。
もはや、物言わぬ氷像と化し……
(*゚ー゚)『呪ってやる────!!!』
(;ФωФ)「ギャァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
突如背後からした声に、盛大に驚いて飛び退いた。
着地の後、勢いをつけて振り返る。
(;ФωФ)「シースルー!?」
(*゚ー゚)『魔王wwwwwwびびりすぎwwwwww』
紛う事無き、勇者シースルーが、そこにいた。
何故、彼女がここに。そう思った彼はまじまじと彼女を見つめる。
すぐに違和感に気付くと、それをぶつける為に、口を開いた。
- 96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 23:26:25.81 ID:7dGks9rl0
- DAYONE
- 97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 23:27:07.46 ID:/v00ahBJO
- 超支援
- 98 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/25(土) 23:27:59.03 ID:j4yhzbnQ0
-
(*゚ー゚)『実は、アンタがアンノウンにここへ飛ばされる前から見てたんだよ』
( ФωФ)「そうなのか?」
(*゚ー゚)『限りなく現世に影響を及ぼさない姿でね。それはどうでもいいんだけど』
( ФωФ)「ふむ……しかし何故、また急に姿を現したのだ?」
(*゚ー゚)『それがまたメンドーなことになりそうでさー』
( ФωФ)「面倒なこと……?」
面倒なこと。その答えを彼女は言わなかった。
代わりに視線をロマネスクから外すことで、それを伝えた。
シースルーの視線の先。
彼もそちらを見る。
そこには、彼がついさっきまで見ていた物があった。
( ФωФ)「お前の体が、どうした?」
見つめたままで、問うた。
シースルーはただ、氷塊を見つめている。
先と変わらぬ沈黙が、暫く続き。
────そしてそれが、始まった。
- 99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 23:28:09.29 ID:7vj/YNDq0
- DESUYONE
- 100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 23:29:03.31 ID:7dGks9rl0
- そう来たか…
- 101 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/25(土) 23:30:56.91 ID:j4yhzbnQ0
-
最初に、音がした。
地下に位置する大広間に、その余韻が響き、消える。
段々と音の立つ頻度が、増えてゆく。
徐々に間隔も狭まり、やがては余韻が消え去る前に、次の音が、また。
(;ФωФ)「なっ……!」
音の発信源は、シースルーを閉じ込めた氷塊であった。
使用者すら氷の中へ閉じ込める、エターナルフォースブリザードの結界が。
解かれようとしていた。
(;ФωФ)「これは……」
(*゚ー゚)『そーいうこと』
シースルーは、自身の肉体に何が起きるか予測していたのだ。
それを告げるために、彼女は再びその姿を現した。
あくまで、表向きは。
(*゚−゚)『アンタの時と同じ。アンノウンが封印を解こうとしてる』
(;ФωФ)「それは、つまり」
(*゚−゚)『────アンタと戦え、ってことね』
- 102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 23:31:33.61 ID:39dp/KkM0
- 嫌な予感しかしない
- 103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 23:32:21.59 ID:p0thsFALO
- 支援
- 104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 23:32:28.04 ID:CK5xjvnl0
- ストリップショーか
- 105 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/25(土) 23:34:18.76 ID:j4yhzbnQ0
-
──インビジブル城・王の間──
(;^ω^)(クソッ……!)
勇んで攻め倦ねていた。
自在に宙を泳ぐ四つの尾は、躱し続けることができている。
だがそれでは、BlueLazerCannonを撃つことができない。
(;^ω^)「BLACK DOG!!」
幾度目かの主人の叫びに、既に飛行型へと変型していた黒狗は旋回する。
(;^ω^)(隙……それさえあれば……!)
左腕を失ったことが、ここにきて災いしていた。
単純に攻め手が一つ減ったのだ。片腕があれば、体を支えることも出来る。
またも、尾の一つがブーンに迫った。
- 106 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/25(土) 23:35:10.78 ID:j4yhzbnQ0
-
──インビジブル城・王の間──
(;^ω^)(クソッ……!)
勇んで向かったブーンだったが、攻め倦ねていた。
自在に宙を泳ぐ四つの尾は、躱し続けることができている。
だがそれでは、BlueLazerCannonを撃つことができない。
(;^ω^)「BLACK DOG!!」
幾度目かの主人の叫びに、既に飛行型へと変型していた黒狗は旋回する。
(;^ω^)(隙……それさえあれば……!)
左腕を失ったことが、ここにきて災いしていた。
単純に攻め手が一つ減ったのだ。片腕があれば、体を支えることも出来る。
またも、尾の一つがブーンに迫った。
- 107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 23:36:18.90 ID:7dGks9rl0
- しえんぬ
- 108 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/25(土) 23:37:19.47 ID:j4yhzbnQ0
-
(;^ω^)「ッ! BLACK────」
同じ指令を下そうとした、瞬間だった。
尾が突然、停止したのだ。
何らかの壁に衝突したような音を発して。
(;^ω^)「……?」
空中に停滞し、ブーンが下を見る。
(´・ω・`)「やはり、弾き飛ばすまでは無理だったか」
彼の視界の先には、ショボン=ルージアルがいた。
ブーンを狙った尾を止めたのは、他ならぬショボンだったのだ。
爪 ゚W〉《…………》
(´・ω・`)(……俺を狙ってこい、アンノウン)
- 109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 23:40:00.22 ID:7dGks9rl0
- む?
- 110 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/25(土) 23:41:47.06 ID:j4yhzbnQ0
-
文字通りアンノウンを頭上に冠した姿の黒獣が、ショボンに向いた。
ショボンの後方には、クーとツン、仲魔達が立っている。
ツンは力の温存の為、他の者は巻き込まれないようにする為だ。
(´・ω・`)「頼むぞ。ケルベロス」
,/i/i、
ミ,,゚(叉)「振り落とされても拾わんぞ?」
ショボンを背に乗せたケルベロスが、疾駆する。
直後、尾の二本がショボンに向かい、残りの二本がブーンを襲う。
(;^ω^)「うわっ……と、ショボンさん……大丈夫かお?」
ブーンからすれば、ショボンは何ら特殊な力を持たない普通の人間なのだ。
尾を弾いた一撃は、ツンのペルソナか、仲魔の力と思っていた。
彼はショボンがどうやって尾を弾いたのか見ていないのだから、当然と言える。
躊躇わず、ショボンを乗せたケルベロスは尾に向かい突進した。
どうする、助けるか、とブーンは思ったが────
数瞬後、それが杞憂だったと知る事になる。
(´・ω・`)「出し惜しみは、もう終わりだ」
(´・ω・`)『征くぞ────オーディン』
- 111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 23:42:04.49 ID:glLLPoL00
- しえん
- 112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 23:47:19.41 ID:/2TlxUYkO
- ミス多いな、頑張れ支援
- 113 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/25(土) 23:47:21.93 ID:j4yhzbnQ0
-
(;^ω^)「ッ!?」
突如、ショボンの背に黒い竜巻が巻き起こる。
それを裂いて現れたのは、ショボンのペルソナ、オーディンだった。
象徴たる神槍グングニルをその手に持ち、武人である彼に相応しい猛々しさを放っている。
(´・ω・`)『テトラカーン』
ショボンの前方に、物理攻撃を跳ね返す赤い壁が生まれた。
尾はそのまま壁に突進し、自身の威力で折れ曲がる。
ブーンへの一撃を防いだのも、テトラカーンによるものだった。
川 ゚ -゚)「おお……A・Tフィ────」
|||;゚ - ゚||「ライドウ様! それ以上は言ってはいけない気がします!!」
後方のクーがそれを見て何やら呟きかけたが、即座に黙らされた。
(´・ω・`)「これだけ巨大な質量では、止めるのが精々か」
(´・ω・`)「だが、それでいい。止まってくれるだけでいいんだ」
ケルベロスが、地に落ちた尾を跳び越えるように、前方に跳躍した。
その上を通り過ぎる途中、ショボンは別の力を放つ。
(´・ω・`)『デスバウンド』
神槍、一薙。
戦神の力を籠めた赤い剣圧が、一刃の衝撃波と成り、二本の尾を両断した。
- 114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 23:49:14.63 ID:7dGks9rl0
- すっかり忘れてた
- 115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 23:49:43.01 ID:7vj/YNDq0
- アルファベット(笑)
- 116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 23:50:14.67 ID:YJSe4OGV0
- ブーン噛ませ犬やん
- 117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 23:50:30.48 ID:39dp/KkM0
- 何ら特殊な力を持たない普通の人間ww
ATフィー………wwww
いい感じだ てかペルソナ使えんの忘れてた
- 118 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/25(土) 23:50:52.96 ID:j4yhzbnQ0
-
(;゚ω゚)(な、あんな力が……)
一瞬の出来事に、ブーンはただ驚くしかなかった。
────────…………
時間は少し、前のこと。
(´・ω・`)「クー!」
川 ゚ -゚)「おう。なんだ?」
(´・ω・`)「頼みがある」
単身、黒獣へ向かったブーンを見て、ショボンはそう言った。
如何に彼の身体能力が高かろうが、全ての尾が自分に向かった時、避けきる自信がなかったからだ。
勿論、他にも理由があったのだが、打開策を考えたショボンは、クーに乞うた。
(´・ω・`)「ケルベロス、と言ったか。そいつの背にも乗ることはできるか?」
ツンを乗せたオルトロスを一瞥して、早い口調でそう言った。
川 ゚ -゚)「……問題ないが、どうした? まさかお前が乗るのか?」
(´・ω・`)「そうだ。できるだけ、攻めに集中したい」
自身の足だけでは心許ないということよりも、そちらを重視していた。
一撃が、硬い石を貫くほどの威力を有している。
その雨の中で意識を集中することは難しい、と判断してのことだ。
- 119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 23:52:23.19 ID:m27jwDqc0
- アルファベットとはなんだったのか
- 120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 23:52:57.29 ID:7dGks9rl0
- かっこよすぎてつらい
- 121 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/25(土) 23:54:32.32 ID:j4yhzbnQ0
-
何よりも、ペルソナの使用にまだ慣れていないことが、大きかった。
不安は、それなりにあった。
だが、それを上回る自信があった。
しかしショボンがそう思おうとも、クーは不信感を抱いていた。
川 ゚ -゚)「お前が行ってどうするんだ? 何が出来ると言うんだ」
(´・ω・`)「まぁ、そう思う気持ちも理解できるが」
川 ゚ -゚)「洞察力、身体力は大したもんだ。その武器もな」
川 ゚ -゚)「だが、それだけだ。悪いが、お前が行っても────」
(´・ω・`)「前に、言っただろう?」
川 ゚ -゚)「……?」
(´・ω・`)「武器を見せた時だ。隠しておくべき力があれば、それは任せると」
川 ゚ -゚)「……まだ話していなかった力があると?」
(´・ω・`)「そういうことだ。信じろ。……いや、信じてくれ」
川 ゚ -゚)「……」
無論、咄嗟についた嘘。体のいい、口実だった。
ショボンにとっては結果的に力を得たのだから、それを示せばいいだけのことだ。
- 122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 23:56:59.50 ID:7dGks9rl0
- しえん
- 123 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/25(土) 23:57:57.55 ID:j4yhzbnQ0
-
川 ゚ -゚)(……ショボン……か……)
彼女の頭には、三人のショボンが浮かんでいた。
一人は、自身が愛する自世界のショボン。
一人は、自身を励ましたこの世界のショボン。
そして、もう一人は、眼前に立ち熱い瞳を向ける、異世界のショボン。
この世界のショボンが、言っていた。
どの世界のショボンも、本質的には同じである、と。
今のクーにはその意味が、漠然とだが、分かったような気がしていた。
ξ゚听)ξ「……クー」
川 ゚ -゚)「……ん?」
ξ゚听)ξ「私からもお願い。私がここに立っていられるのも、ショボンさんがいたからなの」
ξ゚听)ξ「ショボンさんなら、必ずなんとかしてくれるから……」
(´・ω・`)「…………」
川 ゚ -゚)「……そうか」
途中で、二組に分断された。
二人が過ごした時間は、自分がブーンと過ごした時間と、同じだったはずだ。
その時間は、決して永くはなかった。だが、ツンはここまでショボンを信じている。
それは、今自分が抱いた感覚と同じなのかもしれないと、クーは思った。
- 124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 00:00:50.05 ID:MuUGyuK80
- ルージアルさんなら
ルージアルさんならきっとなんとかしてくれる
- 125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 00:01:22.20 ID:Yf07dDS30
- wktk
ショボンさんマジパねぇっす
- 126 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 00:02:47.60 ID:hlZ+Djy40
-
川 ゚ -゚)「ケルベロス」
,/i/i、
ミ,,゚(叉)「……ライドウ、あまり気が進まんが」
川 ゚ -゚)「あぁ。お前が、見極めろ。その背を許すに足る男かを、な」
,/i/i、
ミ,,゚(叉)「やれやれ……」
雄々しき魔獣は、それでも主の意思を汲み、ショボンの前に立った。
その背は、巨躯のショボンの胸の高さまである。
足も太く、馬などとは比べものにならない力漲る体躯をしていた。
(´・ω・`)「ありがとう。そして必ず、期待に応えよう」
一跳びで、ケルベロスの背に跨いだ。
異世界の魔獣に騎乗する姿は、有り得ぬ事象であるに拘わらず、違和感を与えない。
比肩する者なき唯一無二の猛将、ショボン=ルージアルだからこそ、だ────
────────…………
そうして、今に至る。
アルファベットZを以てして、刃先を食い込ませることすら叶わなかった。
それを、一閃で両断した。まとめて、二本の尾を。
(´・ω・`)(Zが霞んで見えるというのも、少し心悲しいな)
- 127 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 00:05:50.51 ID:hlZ+Djy40
-
そんなことを思っていたショボンだったが、通用しないのでは仕方がないと、切りかえた。
両断された二つの尾は、そのまま床に沈んでいる。
切り離された先は数メートルあったが、先と同じ様に黒い粒子となり、掻き消えた。
(´・ω・`)「…………」
すぐに尾は、動き出すだろう。
そうなる前に自分は何をするべきかを、ショボンは考えていた。
,/i/i、
ミ,,゚(叉)「……おい」
(´・ω・`)「なんだ?」
,/i/i、
ミ,,゚(叉)「どこに向かうか言え。お前の好きに動いてやろう」
(´・ω・`)「……そうか」
ケルベロスはそう言った。
ペルソナ・オーディンという異能の力を見せたショボンに従うと。
誇り高き魔獣も、彼の力を認めたということだ。
(´・ω・`)「……」
ショボンが上方を見た。
変型したBLACK DOGが、尾を回避し続けている。
避け続けているのは、BlueLazerCannonの砲撃準備をしているからだ。
ブーンは迎撃ができない状況にあった。
- 128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 00:06:25.85 ID:d3NfZHsU0
- しえんしえん!!
- 129 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 00:09:00.13 ID:hlZ+Djy40
-
(´・ω・`)(ブーンを狙っている尾を斬り落とすことは容易い……)
(´・ω・`)(……だが)
爪 ゚W〉《…………》
黒獣、アンノウンがまだ控えている。
やがては残りの尾も動き出すだろうが、それは切り捨てれば問題なかった。
(´・ω・`)(全ての尾を俺に引き付けたかったが……そう上手くはいかないか)
黒獣は呻り声を上げ、ショボンを睨んでいた。
ショボンはその上の、アンノウンを見つめている。
(´・ω・`)(聖剣はどこにいったんだ……?)
(´・ω・`)(ブーンとロマネスクの攻撃は頭を含めた体に当たったが、効果がなかったな)
(´・ω・`)(尾より頑丈なのか、それとも聖剣の恩恵か……)
川 ゚ -゚)「おい、ショボン」
(´・ω・`)「ッ……?」
いつの間にかクーはショボンの隣にいた。
同じ様に、アンノウンを見つめている。
川 ゚ -゚)「ブーンの方へ行ってやれ」
- 130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 00:10:14.03 ID:d3NfZHsU0
- 支援
- 131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 00:12:17.81 ID:eVv8aq6+0
- 支援
- 132 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 00:12:45.12 ID:hlZ+Djy40
-
(´・ω・`)「……分かった」
川 ゚ -゚)「うむ。ここは私とノーマンに任せろ」
|||;゚ - ゚||「ライドウ様!? 私もいますよ!!」
川 ゚ -゚)「あー、うん、そうだね」
|||;゚ - ゚||「ライドウ様ぁ〜!」
ショボンは何も言わず、クー達から離れた。
ケルベロスが両断した尾を蹴り、跳躍した時。
(´・ω・`)「ッ!!」
二本の尾が、後方からショボンに襲いかかった。
横たわる尾は動けなかったのではなく、動かなかったのだ。
不意を打ったつもりだろう。しかし────
(´・ω・`)『まだ、寝ていろ』
ショボンは振り返らずに、力を放つ。
オーディンが手をかざすと、見えない力に二本の尾はまた、床に叩きつけられた。
重力の塊を対象にぶつける、グラダインだ。
猛将を乗せた魔獣は、尚も止まらない。
向かう先は、ブーンを襲い続けている残りの尾。
その、根本。
- 133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 00:13:10.77 ID:OL/CtXh70
- ルージアルさん思考の海に浸り過ぎだよクーの気配には気づいてくれ
- 134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 00:15:01.44 ID:FeoimDVq0
- アwwwwルwwwwwファwwwwwwww
- 135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 00:15:27.57 ID:d3NfZHsU0
- しえん
- 136 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 00:16:22.29 ID:hlZ+Djy40
-
(;^ω^)「!!」
BlueLazerCannonのエネルギー充填は、完了していた。
出力は50%を示している。この尾さえ、どうにかなれば。
ブーンがそう思った時だった。
(´・ω・`)『デスバウンドッ!』
擦れ違い様に言霊を紡ぐ。
オーディンの槍から生まれた斬撃が、残り二つの尾を両断した。
天に向かっていた尾は支えを失い、風化していきながら床へと落ちた。
(´・ω・`)「ブーン!」
( ^ω^)(サンキュー!)
BLACK DOGが転回した。
BlueLazerCannonの砲口が向くのは、アンノウンだ。
ショボンの力を見て、尾はどうにでもなると判断してのことだった。
(#^ω^)(消し飛べ────!!)
空中からそのままで、BlueLazerCannon、発射。
三つの砲門から蒼のエネルギーが空間を切り裂いて、アンノウンへ向かう。
出力に押されぬよう、BLACK DOGは後方にバーニアンを展開している。
川 ゚ -゚)「む!」
- 137 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 00:19:45.16 ID:hlZ+Djy40
-
尾だけを動かしていた黒獣が、大きく動いた。
ブーンの方を振り向いたのだ。
その時には既に、蒼のレーザーが黒獣の鼻先にまで────
(;^ω^)「ッ!?」
(´・ω・`)「!!」
黒獣が咆哮を上げ、口を開いた。
アンノウンの瞳と同じ、血のように赤い口内をブーンに向けて。
(;゚ω゚)「なっ……呑み込む気かお!?」
当然、三条の蒼いレーザーは黒獣の口へと突き進む。
同規模のセカンドなら、間違いなく死する一撃なのだ。
彼が困惑するのも、仕方がない。
そして、喉の奥に直撃する。
遅れて、集束された膨大なBlueEnergieは爆音を放ち対象を粉砕する────
(;゚ω゚)「ッ!?」
はずだった。
発せられた音は、最初の射出音のみ。
ブーンが想像していた光景は、描かれることがなかった。
(;゚ω゚)「なん……で……」
- 138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 00:22:38.62 ID:d3NfZHsU0
- 紫炎
- 139 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 00:23:47.77 ID:hlZ+Djy40
-
(´・ω・`)『デスバウンド!』
(;^ω^)「ッ!」
振りかぶり、オーディンが槍を薙ぐ。
狙いは、尾ではない。黒獣の体だ。
脇腹に、オーディンから放たれた斬撃の衝撃波が叩き込まれた。
(´・ω・`)「……!」
しかし、尾を断った槍撃は傷をつけることすら叶わず。
風を切り裂いた赤い刃は、黒獣の肌に触れると甲高い音を放ち、力を失った。
(´・ω・`)(傷はない、か……やはり、聖剣の力が付加されているのか)
(´・ω・`)(だが、ブーンの攻撃を口で受けたのは何故だ……?)
( ^ω^)「……あっ!」
ショボンがそう考えていた時、ブーンが声を上げた。
未だ開け放っている口の、奧。
何かを、見つけていた。
(´・ω・`)「ッ! 気をつけろ!」
そのすぐ後に、ショボンが自世界の戦場で発するものと変わらぬ大声を、張り上げた。
黒獣が初動を見せた。小さく足を曲げたのだ。
何かしらの行動をとる。ショボンはそう直感していた。
- 140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 00:25:18.98 ID:OL/CtXh70
- 飲み込んだ…?
いや昔とあるゲームではラスボスに爆弾を食わし……ぁぅぁぅ
- 141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 00:25:36.94 ID:d3NfZHsU0
- ふーむ
- 142 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 00:27:00.80 ID:hlZ+Djy40
-
(;゚ω゚)「!」
取った動きは、跳躍。
黒獣は地を蹴り、中空にいたブーンを遥か越えた。
その身の色の所為で夜の闇に紛れ、常人では視覚することが困難であろう。
はっきりと見えていたのは、ブーンだけだった。
(;゚ω゚)(ヤバイ!)
見えていたのは、黒獣の姿だけではなかった。
天に手をかざすアンノウン。そして、上空に集うエネルギー反応。
それが、しめすもの。
(;゚ω゚)(ツンの、最強の魔法……!)
自世界で己の力を見せる為に放った、ツン=ヴィラートの召喚術。
あの時と同じ反応を、彼のセンサーは感じ取っていた。
自身の兵器と同威力の雷が、脳裏にフラッシュバックする。
(;゚ω゚)「みんな! 雷がくるおッッ!!」
叫ぶ。対処する案は、浮かばない。
彼には注意を促すことしかできなかった。
(;゚ω゚)(クソッ! BlueLazerCannonは再装填中!
アンノウンの攻撃を妨害するのは間に合わない!)
(´・ω・`)「ブーン! 下がれッ!」
- 143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 00:28:59.49 ID:+dvQMIXY0
- しえん
- 144 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 00:30:16.34 ID:hlZ+Djy40
-
迷うブーンの耳に、力強き声が届いた。
自分ではどうしようもない。だが、ショボンが何かを見出した。
迷いを振り捨て、BLACK DOGに命じ地に降り立った。
(;^ω^)「って、どうするつもりだお……?」
ξ;゚听)ξ「大丈夫、ショボンさんに任せて」
(´・ω・`)「雷がくる、そう言ったな?」
(;^ω^)「だお。ツンが使ってた、最強の召喚術……」
(´・ω・`)「そうか」
そう言って、ショボンはケルベロスに騎乗したまま、更に前へ出た。
アンノウンの上空に黒雲がわだかまり、時折紫電が迸る。
後数秒で、放たれることだろう。
(´・ω・`)『頼むぞ、オーディン』
再び現れたペルソナ、オーディン。
全能の戦神は空を見やり、その手に持つグングニルを高く掲げた。
川 ゚ -゚)「そんな槍で大丈夫か?」
(´・ω・`)「問題ない。大丈夫だ」
川 ゚ -゚)「逆だ!」
- 145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 00:30:30.97 ID:eVv8aq6+0
- 支援
- 146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 00:30:44.99 ID:OL/CtXh70
- いっけぇルージアルさん!!
- 147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 00:30:52.21 ID:d3NfZHsU0
- シエン
- 148 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 00:32:31.97 ID:RSjqXAl50
- しえええええん
- 149 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 00:33:22.83 ID:hlZ+Djy40
-
何が逆なのかショボンは分からなかったが、碌でもないことだろうと断じた。
そして、閃光が空を覆う。
爪 ゚W〉《────ッ!》
ξ;><)ξ「っ……!」
思わず目を閉じてしまう雷光が、撃ち落とされる。
誰を狙っているわけでもない。
周囲全てを灰燼に帰そうと、稲妻が迫る。
その中心点で一際高く、オーディンが槍を構えた。
稲妻が、槍に触れる。
途端、耳を劈くような音と衝撃が周囲に拡がった。
揺れる地に、一同は強く足を踏み締めて抗う。
それだけ、だった。
彼らを襲ったものは、音と振動だけだった。
雷撃が彼らの体を穿つことは、なかった。
ξ;゚听)ξ「……ショボンさん……」
ツンが目を開けると、そこには目を閉じる前と同じ。
魔獣に乗ったショボン=ルージアルと、ペルソナの姿があった。
ショボンは真っ直ぐに、アンノウンを見上げている。
- 150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 00:33:24.42 ID:cqlAtT5bO
- 支援!
- 151 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 00:33:36.79 ID:MoYEpnXjO
- ――ミーナ城――
止まった。
城壁の上にいるショボンの動きが、止まった。
何故、ここにいる。
どうして。
この状況で、何故、現れたのだ。
どうしてここに。
(´・ω・`)「これは、驚いた……まさかお前が……」
ここにいるはずのない男。
ありえないはずの男。
しかし、いる。
確かにここにいる。
(‘_L’)「アンノウn……ジョルジュ大将の、言った通りになってしまいましたか……」
フィレンクト。
ラストスノーを操り、異世界で自分を苦しめた男。
(´・ω・`)「今度も、力を貸してくれ――――『オーディン』!!」
- 152 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 00:35:38.81 ID:MuUGyuK80
- アルファ世界でペルソナ呼ぶなwwww
- 153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 00:36:19.43 ID:RSjqXAl50
- やめて…トロッソさん死んでまう…
- 154 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 00:36:43.27 ID:hlZ+Djy40
-
(´・ω・`)「……」
ショボンの目に映る黒獣の姿が、次第に大きくなっていった。
重力のまま落下しているのだ。
そのまま黒獣は、ショボン達から少し離れた場所へ地鳴りと共に着地した。
(;^ω^)「尻尾が……」
四つの尾は、当初のサイズに戻っていた。
先端は切り取られたままの断面を残している。
川 ゚ -゚)「しかしあいつ、雷をどうしたんだ?」
ξ;゚听)ξ「……多分、聖剣と同じ。雷を無効化した……」
川 ゚ -゚)「そんなことできんの?」
ξ゚听)ξ「ショボンさんのペルソナの特性だと思う。オーディンは雷が効かないみたい」
川 ゚ -゚)「なるほど。ケルベロスに火が効かないのと同じ道理か」
ξ゚听)ξ「うん、そうだと思う」
同じ『魔』を知るクーは、理解が早い。
だがショボンはそうではなかった。
異能の力など、全く触れた事がなかったのだ。
ξ゚听)ξ(さすがショボンさん……ペルソナの力をもう理解してる)
- 155 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 00:38:08.92 ID:d3NfZHsU0
- 支援
- 156 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 00:40:03.48 ID:hlZ+Djy40
-
それを知るツンは、感嘆するしかなかった。
一度は弱さを見せたショボンだったが、それすらも別の形へ昇華させた。
真の強さへと。
常に高みを目指し、強くある為に生きてきたショボン。
彼にすれば当然のことだったが、戦いに身を投じてまだ日の浅い彼女とは、やはり違う。
それを知っているからこそ、彼女もまた、戦いの意識を高めるのだ。
ξ゚听)ξ(……そういえば、クーの仲魔ってペルソナにそっくり……)
相違点と言えば、自我を持ち、自ら動くこと。
横に立つオルトロスなどは彼女の仲間、ジョルジュのペルソナに酷似している。
ふと、ツンはそんなことを思いながら、アンノウンを見つめていた。
(´・ω・`)(使ったな……力を)
(´・ω・`)(黒獣から出ている本体には、聖剣の力が及んでいないのか)
(´・ω・`)(聖剣の"無効化の力"を付加すれば無敵だが、同時にこちらを攻撃することもできない……か)
(´・ω・`)(……いや、必ずしもそうではないはずだ)
( ^ω^)「ショボンさん」
(´・ω・`)「ん……どうした?」
( ^ω^)「あのバケモノが僕のレーザーを呑み込んだ時……見えたんだお」
- 157 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 00:42:31.73 ID:MuUGyuK80
- クー以外ショボンにさん付けなとこが吹く
- 158 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 00:43:02.44 ID:+dvQMIXY0
- 支援
- 159 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 00:43:11.68 ID:hlZ+Djy40
-
(´・ω・`)「見えた?」
( ^ω^)「喉の奥に、聖剣が見えたお」
(´・ω・`)「……なるほど」
やはり体内に取り込んでいたか、と確信した後に、新たな疑問が浮かび上がる。
(´・ω・`)(なぜ、わざわざ口を開けて聖剣で受けたんだ……?)
(´・ω・`)(力が体に付加されているのなら、そんなことをする必要はないはずだ)
川 ゚ -゚)「つまり、のどちんこが聖剣なの?wwwwww」
(;^ω^)「まぁ、位置的にはそうだお」
川 ゚ -゚)「珍妙奇天烈なヤツだな」
(´・ω・`)「…………」
必要な情報以外は、右から左へと流していた。
ショボンはアンノウンを倒すことだけに、全力を注いでいる。
無論それは、全員が同じ事なのだったが。
ξ゚听)ξ「……聖剣を奪うことは、できないんでしょうか?」
川 ゚ -゚)「ああ、私も同じ事を考えていた」
- 160 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 00:43:56.06 ID:FeoimDVq0
- >>157
だってショボンさん賢いもん
でもクーもショボン以外は全員さん付けてないか
- 161 名前:便乗 イクナイ(・∀・) でも:2010/12/26(日) 00:45:27.57 ID:OL/CtXh70
- (´・ω・`)「宿命なのかもしれん。お前たちと、雌雄を決することは」
_
( ゚∀゚)「下らねぇ理屈だな、ショボン。過去を封じ込めてんのと一緒だ」
( ゚д゚)「そもそも、この空間に理屈は必要あるまい」
(´・ω・`)「あぁ。きっと、お前たちの言うとおりだ」
本当は、どうでもいいのだ。
今この瞬間は、何もかもが。
ただ、目の前の男を倒したい。
それだけでいいのだ。
(´・ω・`)「時間はやれない。悪いが、すぐに終わらさせてもらう」
( ゚д゚)「やれるものならば、と言葉を返しておこう」
_
( ゚∀゚)「すぐに終わるさ。ラウンジ国大将の討ち死にでな」
初撃が、この戦いの、流れを決める。
(´・ω・`)「名残惜しくもある。が、いつかは訪れるものだ」
_
( ゚∀゚)「それこそが宿命だ、ショボン」
(´・ω・`)「グラダイン」
- 162 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 00:45:43.92 ID:hlZ+Djy40
-
( ^ω^)「確かに、聖剣を奪えば無敵効果も無くなるはずだお」
(´・ω・`)「…………」
そう考えるのが、自然と言える。
だが、ショボンにはそれが誘われているとしか思えなかったのだ。
(´・ω・`)「聖剣をさらけ出せば、俺達がそう考えると読んだのかも知れない」
(´・ω・`)「それこそが、罠だという可能性もあるはずだ」
( ^ω^)「じゃあどうしろって……」
(´・ω・`)「聖剣は破壊される事もなければ、それで破壊する事も出来ない」
(´・ω・`)「その推測に、アンノウンはその通りだと言った」
川 ゚ -゚)「手の内をさらけ出すあたり、やはりバカだったか」
(´・ω・`)「いや……それを鵜呑みにするのは危険だ」
(´・ω・`)「一つ、矛盾がある」
ξ;゚听)ξ「矛盾……?」
(´・ω・`)「ブーン、アンノウンと斬り合った時、聖剣で攻撃はされたか?」
- 163 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 00:47:14.11 ID:d3NfZHsU0
- しえしえ
- 164 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 00:48:27.47 ID:hlZ+Djy40
-
( ^ω^)「まぁ、何度か……」
(´・ω・`)「俺の時も、ノーマン達が攻めた時も、あいつは聖剣で斬撃を放ってきた」
( ^ω^)「そりゃ剣だし当然じゃないかお?」
(´・ω・`)「普通の剣なら、な。よく考えろ。何も破壊できない筈の聖剣で、何故斬ろうとする?」
(;^ω^)「あ……」
(´・ω・`)「……たった一つだけ、聖剣でも破壊……斬れるものがあるということだ」
川 ゚ -゚)「……人間、か?」
(´・ω・`)「そうだ」
(;^ω^)「……そんな都合いいもんかお……?」
(´・ω・`)「ならあの口に飛び込んで、聖剣を奪ってみるか?」
(´・ω・`)「聖剣の力が今までの認識通りなら、無傷で取ってこれるぞ」
( ^ω^)「遠慮します」
(´・ω・`)「まぁ、聖剣の力が獣の体全体に及んでいることも、まだ確定したわけじゃない」
ξ゚听)ξ「……でも、そんなに都合がいいってだけじゃ、ないかも……」
- 165 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 00:50:37.57 ID:hlZ+Djy40
-
気が付いたのは、ツンだった。
勿論ショボンも、彼女が達した結論に到達している。
アンノウンは未だ静かに彼らを見つめていた。
爪 ゚W〉《(そこまで達したか……だが、それで手が変わるわけでもない……)》
爪 ゚W〉《(行き着く先は同じ……そこにあるのは、絶望だけなのだから)》
既に月が、高い位置にあった。
破壊者はそれを見上げる。
まるで、思いを馳せるかのように。
( ^ω^)「……どういうことだお?」
問いかけは、ツンに向けてだ。
ξ゚听)ξ「ブーンさんが言ってましたよね?」
ξ゚听)ξ「力の摂取方法は、強い人間の生命って……」
( ^ω^)「こっちの世界のツンがそう言ってたお」
川 ゚ -゚)「なるほどな」
ξ゚听)ξ「だから多分、聖剣で斬ることが、そうなんじゃないかな……?」
(´・ω・`)「その通りだろう」
- 166 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 00:53:07.58 ID:d3NfZHsU0
- しえーん
- 167 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 00:53:08.31 ID:MuUGyuK80
- >>160
そういや言い争いしながらもブーンはクーのことさん付けしてたか
- 168 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 00:53:33.11 ID:hlZ+Djy40
-
それが矛盾から辿り着いた、答えだった。
しかしその推測は、少しだけ間違っている。
『召喚士を始めとする力を持つ人間の生命』
この世界の召喚師ツン=ヴィラートは、そう言った。
ブーンはそれを力ある者と解釈し、それを伝えたのだ。
そしてそれを伝えたツン自身も、自己解釈というフィルターを通していた。
正確には、そうではない。力ある者だけでは、満たされない。
聖剣は言っていた。
『主人公格』でなくてはならない、と。
川 ゚ -゚)「おk、ちょっと待てよ」
戦い続けた彼らなら、その違和を感じることは、必然と言える。
川 ゚ -゚)「強いヤツなら別に私達じゃなくていいんじゃないか?
ロマネスク然り、私が戦った爺様然り、力を持つだけなら他にいるんじゃないか?」
それが、違和感。
ブーンの言葉通りなら、クーが言ったことで事足りるはずなのだ。
わざわざ異世界の戦士たちの力を試す必要もないはずだ。
全てを打ち消すのは、あの鍵語でしかない。
(´・ω・`)(力を持つ者……それが、主人公格……?)
アンノウンが時折口にしていた、主人公格という言葉だ。
- 169 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 00:56:02.12 ID:hlZ+Djy40
-
聖剣を得たアンノウンは、それを知る。
聖剣に触れたこの世界のブーン達はそれを伝えられていたが、消えてしまった。
加えて、もう一人。
アンノウンの力に触れ、意識を見た者がいたのだが……。
(´・ω・`)「!!」
距離にして、ショボンらと三十歩ほど離れた位置で対峙する黒獣が、動いた。
頭を低くし、獲物に襲いかかるような態勢だ。
離れていても巨躯が有する威圧感が、彼らに叩きつけられ────
黒獣の前方に大きな魔方陣が出現した。
それと同時に、両脇から押し潰す様に、左右二本ずつの尾が、迫る。
(;^ω^)「ッ! 膨大なエネルギー反応が……さっきの比じゃねーお!」
(´・ω・`)「気をつけろ!」
,/i/i、
ミ,,゚(叉)「仔僧、ついてこい」
∧_∧ ∧_∧
(叉)゚,, >|<,,゚(叉)「「ワカッタ! アンチャン!」」
魔獣に騎乗するショボンとツンは、右方へ向かった。
川 ゚ -゚)「よし、乗せろ」
(;^ω^)「もう乗ってんじゃねーか!」
- 170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 00:57:01.03 ID:d3NfZHsU0
- 支援
- 171 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 00:57:31.28 ID:MuUGyuK80
- これツンやクーが後ろに乗ってるってことは、あててんのよ状態?
- 172 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 00:58:39.22 ID:OL/CtXh70
- クー…
- 173 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 00:58:41.20 ID:hlZ+Djy40
-
BLACK DOGに搭乗しているブーンの隣──座席部分に──左足で立ち。
右足で彼の肩を踏み付けてから、クーが言った。
文句を言いながらも、ブーンはBLACK DOGを変型させて空へと舞い上がる。
ノ)) - 从「…………」
|||゚ - ゚||「ノーマン! 何をしているのですか!?
ライドウ様の忠実なる魔として、ライドウ様を追いかけなくては!」
ノ)) - 从「……よくしゃべる奴だ」
二人の魔も、BLACK DOGに追従。左方へと駆ける。
黒獣の前方に浮かんだ魔方陣。
クーとその仲魔達だけが、それに見覚えがあった────
──地下迷宮──
罅に覆われた氷塊は、中のシースルーの姿を視覚することが出来ない程になっていた。
ぴしり、ぴしり、と、未だその数を増やしていく。
- 174 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 00:59:58.16 ID:D7GC0m8Y0
- しえ
- 175 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 01:00:59.69 ID:MuUGyuK80
- しょせん夢です。されど……楽しき夢でした
- 176 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 01:01:27.01 ID:hlZ+Djy40
-
( ФωФ)「……彼奴は、こう言っていた」
(*゚ー゚)『ん?』
( ФωФ)「“資格ある者”、とな」
(*゚ー゚)『…………』
( ФωФ)「余を相手取って見定めるとは、嘗められたものだな」
( ФωФ)(だが────……)
今封印を解かれ、現世に再び現れようとしている者は。
千年前に死闘を演じ、漸く相打ちに至った存在だ。
それが、目覚める。
一際、大きな音がした。
黒獣の首が現れた時と同じ、厚い硝子板を盛大に叩き割ったような音が、木霊した。
音の発信源に立つのは、ロマネスクが予想していた者の姿。
(* − )「…………」
紛う事無き、勇者シースルーだった。
少し湿った髪が目を覆い隠し、瞳の色は窺えない。
何を思っているのか、どこを見ているのかすら、ロマネスクには分からなかった。
- 177 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 01:02:22.67 ID:d3NfZHsU0
- きたか
- 178 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 01:03:51.27 ID:hlZ+Djy40
-
(*゚ー゚)『うわ、さすが私wwwwww可愛いすぎるwwwwww』
(;ФωФ)「こいつは……」
目の前に立つシースルーは、彼の記憶に残る姿そのままだ。
この展開に、ショボン達が話していたあることを思い出す。
( ФωФ)「たしか、アンノウンが何やらこういう力を使うと言っていた」
(*゚ー゚)『“異世界の住人を具現化する”ってヤツ?』
( ФωФ)「聞いていたのか?」
(*゚ー゚)『見てたよ。聞いてただけじゃなくて』
( ФωФ)「ふむ……そうだ。もし、その類だとすれば────」
(*゚ー゚)『ロマネスク』
( ФωФ)「……なんだ?」
(*゚ー゚)『残念だけど、その可能性はないんだよね〜』
( ФωФ)「…………」
(*゚ー゚)『私が霊体としてここにいるから、そう思うのも分かるよ』
(*゚ー゚)『でも違う。私が一番分かってるから』
- 179 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 01:04:50.16 ID:d3NfZHsU0
- 支援
- 180 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 01:08:38.37 ID:7U0IQBfW0
- 支援
- 181 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 01:09:12.85 ID:OL/CtXh70
- しえん
- 182 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 01:13:52.30 ID:hlZ+Djy40
-
(*゚ー゚)『だ・か・ら。私はそれを伝えに現れたってわけ』
( ФωФ)「…………そうか」
(*゚ー゚)『気をつけな。ロマネスク』
(* ー )「────……」
(*゚ー゚)『アレは私、そのものよ』
閃光。
霊体のシースルーの言葉を皮切りに、実体のシースルーから何かが、放たれた。
ロマネスクが素早く身を屈め、頭上を何かが通り過ぎていく。
それは後方の壁に当たり、筒状の穴を生み出した。
(*゚ー゚)『見た見た!? あれ”レイ”だよ!!
スッゲー奇麗じゃん!! さすが私テンション上がるー♪」
(;ФωФ)「……」
千年前の記憶が、昨日のことのように彼の脳裏に浮かび上がる。
人の身でありながら、魔王たる自身と互角以上に渡り合った。
それをさせたのは、光魔法という比類無き魔術だった。
それがまた、千年の時を超えて再び立ち塞がっている。
- 183 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 01:14:08.97 ID:LasWrnaKO
- イアイアどうした
- 184 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 01:16:48.91 ID:hlZ+Djy40
-
( ФωФ)「なんというか、またお前と闘うことになるとはな」
(*゚ー゚)『ねwwwwww運命感じちゃうね?wwwwww』
(;ФωФ)「何を言ってるのだお前は……」
(*゚ー゚)『冗談だよばか』
そんなノリのシースルーに、邪魔をしにきたのかとロマネスクは思った。
実体のシースルーが両腕を大きく広げ、何かを唱え始める。
(;ФωФ)「ッ!」
呪が進むに連れて、大きな力がシースルーへ集っていく。
体の表面が薄い光の膜に覆われ、光り輝いていた。
その背には放射状に光の束が広がっている。
ロマネスクにはそれが、翼のように見えていた。
(*゚ー゚)『“光の翼”! なんて美しいの……さすが私!』
身体能力を劇的に高める光魔法を施して、実体のシースルーが地を蹴った。
光の羽毛が舞い上がり、力を失い掻き消える。
それをロマネスクが確認した時には、既に眼前に迫っていた。
( ФωФ)「むう!」
およそ十数歩の距離を、一瞬で詰めていた。
- 185 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 01:21:00.79 ID:hlZ+Djy40
-
霊体のシースルーが言う光魔法は、名称まで知らずとも戦いを通じて知っていた。
(* ー )「ッ!」
眼前で踏み込み、掌打を繰り出した。
勇者と言えど人間の、しかも女の一撃など、ロマネスクにとっては脅威ではない。
だが、シースルーには光の翼による身体強化の恩恵がある。
まともに受ければどうなるかも、知っていた。
( ФωФ)「ッ!」
下から突き上げるような一撃を、身を引いて躱した。
鼻先を通りすぎた掌から見えない力が放出され、天井に突き刺さる。
触れた瞬間、或いは直前で圧縮させた魔力を撃ちつける技だ。
( ФωФ)「ちぃ……!」
ロマネスクが指を鳴らした。
それに呼応し、シースルー周辺の空気が凍り付いていく。
アンノウンが使った魔術だが、これは元々ロマネスクの力である。
常人であればあの時のショボンのように、忽ち体温を奪われてしまう。
しかし、光の翼を纏っているシースルーは、違った。
身体強化だけでなく、魔力への耐性も格段に上がっているのだ。
( ФωФ)(やはりか……!)
- 186 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 01:21:30.38 ID:d3NfZHsU0
- sien
- 187 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 01:21:44.77 ID:D7GC0m8Y0
- 支援
- 188 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 01:21:58.91 ID:+dvQMIXY0
- 支援
- 189 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 01:24:01.66 ID:uNZ3gdLRO
- しえーん
- 190 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 01:24:08.52 ID:hlZ+Djy40
-
以前の戦いでも、それは防がれていた。
試しに撃ってみた。それだけのことだ。
( ФωФ)(シースルーの言う通り、か)
次々に繰り出される突き、蹴りを捌きながら、思考する。
千年前に戦ったシースルーそのものというのなら────
己の力は、彼女に届かないと言う事になる。
一つの呪法、以外は。
( ФωФ)(……また使うしかないのか……)
エターナル・フォース・ブリザード。
自身すらも千年の封印に閉じ込めた、ロマネスクが持ち得る魔術の中で最も高位の力だ。
尤も、アンノウンがいなければ更に永い時を眠っていたことだろう。
それこそ永遠と言える時を。
( ФωФ)(……だが)
過去に使用したことは、後悔していない。
だが、今はロマネスクの心に蟠るものがあった。
アンノウンの存在だ。
( ФωФ)(シースルーを止めても、後の戦いがまだ残っている……)
- 191 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 01:24:53.86 ID:5E0sQlTiO
- しえん!
- 192 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 01:25:06.68 ID:uNZ3gdLRO
- 支援
- 193 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 01:28:08.78 ID:hlZ+Djy40
-
異世界の戦士達が、戦っている。
しかし彼らが打ち勝つかどうかは、わからない。
ロマネスクは、自分の力で少しでも勝利に貢献できれば、と考えているのだ。
ロマネスクがこの世界の住人であることも関係していた。
全ての世界の危機であるということは、この世界の危機でもあるのだ。
エターナル・フォース・ブリザードを使えば、結果として異世界の戦士たちに丸投げしてしまうことになる。
かつての彼なら、そんなことは毛ほども考えなかった。
魔族の世界を創ること決心し、人間達に矛を向けた。
しかし、彼は変わった。一人の人間が、変えたのだ。
その事に彼は、自分自身でまだ気が付いていない。
( ФωФ)「……シースルー」
問いかけた。
どちらのシースルーとも言わずに。
(* − )「…………」
実体のシースルーは、返事をせず。
ただただ同じ様に、攻撃を繰り出すのみだった。
(*゚ー゚)『呼んだ?』
幽体であるシースルーは、ロマネスクにも実体のシースルーにも触れられない。
ロマネスクの少し後方で、悠々と展開を見守っていた。
- 194 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 01:28:12.28 ID:d3NfZHsU0
- sie
- 195 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 01:29:39.35 ID:iDE2Rf8PO
- 支援
- 196 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 01:31:50.61 ID:hlZ+Djy40
-
( ФωФ)「あ、あぁ、シースルー」
連続して見舞われる実体のシースルーの攻撃を難なく躱していくロマネスク。
攻撃そのものは強力だが、ロマネスクは躱しやすいとさえ思っていた。
自我が離脱している所為か、シースルーが放つ打撃は単調だったのだ。
だが、隙を突いて力を放っても、光の翼を打ち破ることはできない。
別の突破口を見出そうと、幽体のシースルーへ続き問いかけた。
( ФωФ)「何かないのか? お前しか知らない弱点のような」
(*;゚ー゚)『私の体を探る気……? このスケベ魔王!!』
(;ФωФ)「真面目に答えろ!」
(*゚ー゚)『はーいはいっ……って、そう言われてもねぇ』
( ФωФ)「っと……、自分のことだろう?」
(*゚ー゚)『考えられるとしたら、力を使い続けることによる疲労……かな』
(*゚ー゚)『でもこれは多分、無理。何故なら私がここにいるから』
( ФωФ)「…………」
シースルーが言っていることの意味は、すぐに理解した。
単調な攻撃を繰り返すその様は、まるで傀儡といった印象を彼に与えている。
だからこそ、シースルーの言葉に同調したのだ。
- 197 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 01:33:30.48 ID:uNZ3gdLRO
- どいつもこいつもチートじゃのう
- 198 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 01:34:45.50 ID:hlZ+Djy40
-
脳が体力の限界を感じようとも、操られているのであれば動き続けるだろう。
( ФωФ)(だが、限界が来る前に何かしらの手を打つだろうな……)
体が悲鳴を上げれば、傀儡と言えど動作は鈍り制限されるだろうが、
そうして自滅する前に、アクションを起こすに違いないと考えていた。
つまり、更に強力な光魔法をだ。
( ФωФ)「操られているとすれば、その元を断つのが早いが……」
(*゚ー゚)『アンノウン、か。ま、難しい話だね』
(;ФωФ)「お前はどっちの味方なんだ」
アンノウンを倒せば、このシースルーは止まるであろう。
だが、シースルーの実力はロマネスクが最もよく知っている。
元の場所に戻る事は簡単だが、二人を相手取ることは、彼も避けたいところだった。
(*゚−゚)『アンタさー、変わったね』
(;ФωФ)「…………?」
何が、と彼が聞き返す事は、出来なかった。
実体のシースルーが、変化を見せたからだ。
大きく後方に跳躍し、また何かを紡いでいる。
( ФωФ)「あれは……」
- 199 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 01:37:03.64 ID:OL/CtXh70
- 支援!!
- 200 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 01:37:29.48 ID:+dvQMIXY0
- し
- 201 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 01:38:39.39 ID:hlZ+Djy40
-
光の翼は、纏ったままだ。
その前方に、彼女の小さな体を覆い尽くすほどの魔方陣が生まれていた。
(*;゚−゚)『うーわ、Va-lthって……光の翼を纏ってアレを使うって、無茶苦茶するなぁ』
( ФωФ)「やはりあれはそうなのか……」
ロマネスクが知る限りで、シースルー最強の一撃と思われる光魔法。
それが、“Va-lth”という力だった。
ロマネスクの背丈ほどもある魔方陣が、強く発光し始める。
光の魔力を、その中に閉じ込めているのだ。
千年前も、ロマネスクはその力に手を焼いた、が。
( ФωФ)「やってみるか」
ロマネスクが両腕を広げ、同じ様に魔力を前方に結集させる。
蒼と白の粒子が渦を巻き、巨大な物体を形作っていく。
(*゚ー゚)『お! 何すんの!?』
当時の戦いで、シースルーには見せなかった力だった。
( ФωФ)「如何に強力と言えど、何度も見れば突破口は見える」
自信に満ちた表情で、そう言った。
魔力によって生まれたものは、巨躯である彼のまた数倍はありそうな、氷の壁だった。
一見すれば、ただの氷。しかし、魔王の魔力を帯びたそれが、ただの氷であるわけがない。
- 202 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 01:40:20.13 ID:uNZ3gdLRO
- 支援
- 203 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 01:44:26.26 ID:hlZ+Djy40
-
厚みは高さとほぼ同じ。
壁というよりは、巨大なキューブ状の氷塊と呼ぶべきだろうか。
それよりも特筆すべきは、その表面。
( ФωФ)(よし……)
果たして、最新鋭の機械を用いてもここまで精巧な『面』を造ることができるであろうか。
彼が創りだした氷塊はそれほどまでに、一面が“真平面”と言える四面体だった。
(* − )
実体のシースルーは、無論それを見据えているはずだ。
眼前の魔方陣には変わらずに魔力が集束しつつある。
氷塊を避けて放出することは不可能な段階にきていた。
(* ー )
実体のシースルーが、笑みを浮かべた。
上等だと言わんばかりに。
その直後、魔方陣は完成に至る。
(* − )「────Va-lth」
閃光一閃。
巨大な魔方陣から極太のレーザーが、放たれた。
光ったと知覚した時には、既に到達している。究極の光魔法が。
(;ФωФ)「ッ────!」
- 204 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 01:46:06.19 ID:uNZ3gdLRO
- ふむふむ
- 205 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 01:47:50.00 ID:hlZ+Djy40
-
発動には、少しの時を要する。
その時に直線上から逃げ切れば回避は間に合う。
だがそれだけでは、実体のシースルーの打倒に至らないのだ。
光の翼による耐魔性能は、ロマネスクも嫌と言うほど熟知している。
あれを打ち破るには、己が持つ最大級の術法しかないことも。
そこで今回、彼が取った手段が────
(;ФωФ)「……少しばかり無茶だったか……?」
(*゚ー゚)『いいセンいってたけどね〜。惜しかったよ』
精巧に造られていたのは、表面だけに非ず。
その実は内側にあった。
アクリルのような平面であるにも関わらず、反対側を透して見る事が出来なかった。
透明度が低いというわけでなく、内側が複雑に構成されている為だ。
光魔法は魔力を介し生まれる光であることを、利用しようとした。
ロマネスクは光の屈折を利用し、そのまま反射させようとしたのだ。
単純な平面体だけでは、光は透過してしまう。
その為に内部を細工し、屈折を以て跳ね返そうと。
( ФωФ)「やはり跳ね返す事は難しいか……」
巨大な氷塊はその身の七割ほどを溶かされ、或いは破砕されていた。
破壊に至る手前で上方に屈折し、天井近くの壁を貫いていた。
- 206 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 01:51:27.28 ID:hlZ+Djy40
-
過去の戦いで、単純な厚みだけの氷壁で防ごうともしたが、不可能だった。
熱量に耐えることもできず、脆くも崩れ去ってしまったのだ。
(*゚ー゚)『如何に強力と言えど、何度も見れば突破口は見える!』
(;ФωФ)「う、うるさいわっ!」
わざと声を低くして、ロマネスクの声真似をしたシースルー。
即座に突っ込んだ瞬間も、彼は実体の彼女から視線を逸らさずにいた。
( ФωФ)「あの厚みでもだめか……熱量もやはり、相当な物だな……」
( ФωФ)「衝撃と熱に耐えるために魔力でコーティングしたというのに……」
(*゚ー゚)『その努力が虚しく散った理由は、実に簡単』
( ФωФ)「む?」
(*゚ー゚)『そんだけ強いのよ。光魔法ってのは』
(;ФωФ)「…………」
さも、当然のように言った。
しかしシースルーの口調から慢心や自負などをロマネスクが読み取ることはなかった。
今回と過去の戦いで、シースルーの言葉を認めることしかできなかったのだ。
そしてまた、実体のシースルーから閃光が走る。
- 207 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 01:51:52.58 ID:uNZ3gdLRO
- しえん
- 208 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 01:55:04.13 ID:hlZ+Djy40
-
(;ФωФ)「ぬぅッ!」
ロマネスクは即座に屈んで、それを躱した。
今度はすぐに、追撃があった。
先に見せた“レイ”の、連続射出だ。
(;ФωФ)「チッ!」
左右に跳躍し、或いは小さな氷壁を出現させて防ぐ。
レイ程度の魔法なら、魔力を集中して練らずともそれで防ぐことが出来ていた。
だが、反射となるとそれなりに時間を要する。
(;ФωФ)「む、と、と、むっ!」
その時間を与えてはくれなかった。
最も厄介と言えるのはその速射性と、連射性能だ。
ロマネスクは次々と撃ち出される光線を躱すことで、手一杯だった。
(;ФωФ)「むぅ……光魔法とは一体なんなのだ!?」
過去も今も、魔王たる自分が、攻め倦ねている。
矜恃を折られる現状に、理解の及ばぬ力に向けて、ロマネスクは八つ当たった。
回答など求めていない。誰に言うともなくただ叫んだだけのことだ。
(*゚ー゚)『はっはー。我ながらすごい魔法を編み出しちゃったわ♪』
(;ФωФ)「こいつ……」
- 209 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 01:55:23.97 ID:OL/CtXh70
- しえん
- 210 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 01:55:55.32 ID:uNZ3gdLRO
- 支援!
- 211 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 01:58:12.06 ID:hlZ+Djy40
-
完全に他人事なシースルーは、けらけらと笑っていた。
ひたすら回避行動を続けるロマネスクの後方を、漂いながら。
(*゚ー゚)『ロマネスク。それでもアンタは、こいつを倒さないといけないんだよ』
(;ФωФ)「む、ほ……っと……どういうことだ?」
(*゚ー゚)『アンノウンを倒すには、絶対に必要なのさ。アンタの力が』
(;ФωФ)「……シースルー?」
飛び交うレイを躱しながら、ロマネスクはちら、とその顔を見る。
笑みを絶やさぬ顔は相変わらずだったが、真剣味が増しているような。
そんな表情のままで、大きな瞳を真っ直ぐに己の体へと向けていた。
(*゚ー゚)『見定める、そう言ってたんでしょ?
癪なのはわかるけど、だったらとっとぶちのめて、アンノウンもぶちのめす!』
( ФωФ)「…………」
シースルーは、何かを知っている。
先程から彼女の言葉は、それを匂わせるものばかりだ。
そう思った彼は、ひとまず彼女を喋らせることにした。
(*゚ー゚)『しかーし! 私は強いわよ。きばんなさい』
( ФωФ)「……それは知っている」
- 212 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 02:00:20.88 ID:uNZ3gdLRO
- しえしえ
- 213 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 02:01:05.55 ID:+dvQMIXY0
- 支援
- 214 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 02:01:18.55 ID:hlZ+Djy40
-
光線は尚も止まない。
ロマネスクはそれを撃ち続けるシースルーを見た。
(* ー )
聞こえる声と同調しているような笑みを浮かべていた。
(*゚ー゚)『蘇ったってどーせすることないんだし、がんばれがんばれ−!』
(*゚ー゚)『ね、昔みたいにバカなことしてるより、有意義でしょ?』
(# ФωФ)「ッ────! シースルー……!」
一瞬、ロマネスクの瞳がかつての魔王の、それになる。
魔族の世界を創る為、人間を虫けらのように殺戮していた、あの頃の。
彼自身、いつの間にか忘れてしまっていた感情だった。
(*゚ー゚)『ほらほら、戦いに集中しないと死ぬよ?』
(# ФωФ)「…………」
この女の魔力は無限にあるのか。
ロマネスクがそう思うほどに、レイは止まなかった。
一応は“Va-lth”を防げた為に、消耗するのを待つのも手か、と彼は考えていた。
それは甘かったかと、考えを改め始める。
- 215 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 02:04:54.58 ID:hlZ+Djy40
-
(*゚ー゚)『アンタは基本的に、いいヤツなんだよ。自覚ないだろうけど』
( ФωФ)「魔王にいいも悪いもあるものか……」
シースルーの本意は分からないが、目障りにしてもただの霊体なのだ。
触れることができなければ、触れられることもない。
もとより放っておくしか、彼にはできなかった。
(*゚ー゚)『正義ってヤツは、定義によって変わるんだけどさ』
(*゚ー゚)『私の定義じゃぁ、アンタはいいやつカテゴリなのよ』
( ФωФ)「……そうか。是非とも除外してくれ」
(*゚ー゚)『照れてんの?wwwwww』
(;ФωФ)「違うわ! 少し黙らんか!」
シースルーの軽いノリに、ロマネスクは調子を狂わされっぱなしだ。
同じ笑みを浮かべているとはいえ、実体シースルーは必殺の魔法攻撃を仕掛けてくる。
そのギャップが、更に彼の調子を狂わせているのだった。
しかし、傀儡とも言える実体の彼女がそんな表情をしていることが、気にかかった。
かつて戦った、記憶の中にいるシースルーも同じ様に笑っていた事を、思い出す。
(*゚ー゚)『でもやっぱり、アンタ変わったわね〜』
そう言ったシースルーの口調は、先程までとはどことなく違っていた。
- 216 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 02:06:36.12 ID:OL/CtXh70
- ( ФωФ)?
- 217 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 02:06:46.50 ID:uNZ3gdLRO
- しえ
- 218 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 02:09:32.25 ID:hlZ+Djy40
- (*゚ー゚)『今のアンタとなら、うまいことやっていけたと思うんだけど。惜しいなぁ』
表情はそのままに、次は間違いなく少し調子を落として言葉を吐いた。
放たれる“レイ”は、彼女の口調と裏腹に勢いは衰えず。
まるで、見せたくないものを隠すように。
( ФωФ)(……うまいこと……か……)
彼女の言葉に、彼の心の中で同調する想いがあった。
それはまだ、胸の内に留めていた。
(* ー )
光を放ち、傀儡は踊る。
実に満たされた笑顔を咲かせて────
──インビジブル城・王の間──
風を切る、いや、抉る音を立てながら二尾が迫る。
二人と二匹の魔獣へと。
(´・ω・`)『むんッ!』
ペルソナ・オーディンが神槍グングニルを一閃。
赤い衝撃波が突き進み、迫り来る二本の尾を両断した。
- 219 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 02:12:05.45 ID:V/u1nTNG0
- 22時までだよな
投下頑張れ
- 220 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 02:12:41.78 ID:hlZ+Djy40
-
(´・ω・`)(アルファベットを振るうようにした方が、力が入るな)
ペルソナを使用する時の諸注意を、ツンに訊いていた。
力を行使する時、彼にはこちらの方が合っているようだった。
(´・ω・`)「ケルベロス、このまま突っ込んでくれ」
,/i/i、
ミ,,゚(叉)「承知した。仔僧! 遅れるなよ!」
∧_∧ ∧_∧
(叉)゚,, >|<,,゚(叉)「「合点! アンチャン!」」
(´・ω・`)「ツン! 危険を感じたらすぐに下がれ!」
ξ;゚听)ξ「は、はい!」
後方では慣性のまま地を滑り、黒の粒子を巻き上げて尾の先が掻き消えた。
切断された尾はすぐにまた長さを伸ばし、ショボンらに襲い掛かる。
黒獣まで、丁度半分までの地点にきていた。
──左方、ブーンとクーも同じように黒獣へ向かっていた。
(;^ω^)「あの魔方陣……とんでもねぇエネルギーが集まってるお!」
近代科学の結集、BOON-D1の視界ではそれを示すデータが羅列していた。
川 ゚ -゚)「それよりもまずはシッポだシッポ」
(;^ω^)「わかったから蹴んじゃねーお!」
- 221 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 02:15:16.45 ID:OL/CtXh70
- お、戻ってきた
- 222 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 02:15:29.56 ID:uNZ3gdLRO
- 支援
- 223 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 02:15:34.80 ID:hlZ+Djy40
-
ブーンの肩に乗せた足を上げ、頭をげしげしと踏みつけて言う。
広大な地下迷宮をともに攻略した二人は、いいコンビになっているようだ。
川 ゚ -゚)「ノーマンは……よしよし、ちゃんとついてきているな。さすが」
( ^ω^)「最初はうさんくせーと思ってたけど、『魔』ってのも身体能力ぱねーお」
川 ゚ -゚)「当然だ。私の仲魔を甘く見てもらっては困る」
( ^ω^)「ついてこられるかなんて、ノーマンの心配はしなくてよさそうだおね」
勿論、クー・フーリンもついてきているのだが、見事にハブられていた。
元々クーは彼を苛めていたのだが、ブーンもいつの間にかそうしていた。
川 ゚ -゚)「くるぞ!」
( ^ω^)「突っ込むだけのシッポなんて今更こわかねーお! グレネード!」
右手首を折り曲げて出現した砲門から、球型カートリッジが打ち出される。
充填数は三発までだが、構わずに連射。すぐにまた補充する。
同じ箇所を狙い撃たれた尾はその身を断たれ、地に落ちた。
(;^ω^)(さすがに、エネルギーもカートリッジも残り数減ってきたお……)
アンノウンとの戦いも、これまでの戦いも熾烈を極めたものだった。
BLACK DOGに積んでいるカートリッジも、充填されているブルーエネルギーも、限界が近かった。
セントラルは名前こそ似ていたが、文明は根本から違う。
例え街が壊滅していなくとも、エネルギー補充には端から期待していなかった。
- 224 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 02:18:50.31 ID:hlZ+Djy40
-
まだ一本、尾は残っている。
ノ)) - 从「シィッ!!」
猛るノーマンが放つ、剛気と、剛刃。
残像が黒の帯を引き、漆黒の旋風が生まれたような錯覚を周囲に感じさせた。
突進の推力と遠心力、隆起する筋肉を最大活用させ巨剣を振り抜く。
尾と接触すると、コンクリートを爆撃したように肉とも思えぬ黒の破片が飛び散った。
ノーマンの鉄剣は、斬ることに重きを置いていない。
叩き潰す。その一点のみだ。
その、生まれた傷に向けて、
|||゚ - ゚||「つあああッ!」
八相発破。阿修羅の如き刺突が、繰り出された。
ノーマンが残した傷跡に三十の槍が的確に抉り、深度を進めていく。
そして尾は、二本になった。
つまり、切断されたのだ。
|||゚ - ゚||「見ましたか! これぞ力と技の融合と言えるでしょう!!」
ゲイボルグを高々と掲げ、勝ち鬨をあげる。
ノーマンは無視して走り去り、BLACK DOGも遙か前方へ進んでいた。
自分が置いていかれていると自覚して、クー・フーリンは焦って走り出すのだった。
- 225 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 02:19:02.43 ID:Ln9dQrqN0
- クー・フーリンカワイソス
支援
- 226 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 02:21:21.25 ID:hlZ+Djy40
-
爪 ゚W〉《(……大分、慣れてきたか)》
尾を撃破し、自身に迫るショボンらを見ていた。
更に尾で追撃するも、悉くを打ち落としている。
果たしてその言葉は、彼らのことを指しているわけではなかった。
アンノウン、自分自身のことだ。
異獣と化し、今いる世界の力を行使する。
それ以前に、まだ肉体を手に入れて日が浅い。
追い詰められたように見せかけ、敵に希望を見せる。
それを残酷に握り潰すことで、敵に絶望を与える。
彼はそう言っていたが、戦いに慣れる為ということも、少しだけあった。
この場を制した後、飛び立つ他の世界でも戦いは起こる。
その時は聖剣の力がチャージされているだろうが、それを使うだけというのも味気ない。
この戦いはいい機会だ、とも思っていた。
爪 ゚W〉《(これ程までに主人降格が集うことは、もうないだろうがな)》
最初で最後の大戦。そんな予感がしていた。
つまりこれに勝てば、自分を止める存在は有り得ないというわけだ。
彼にしても、この戦いは大きいものだった。
その感情は、ロマネスクが抱いていたものに近いかもしれない。
しかし、根本の部分で違う。アンノウンの目的は、まだ何も達成されていないのだから。
爪 ゚W〉《(……もはや凍れる魔王を待つこともあるまい)》
- 227 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 02:21:23.70 ID:uNZ3gdLRO
- しえーん
- 228 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 02:25:09.67 ID:MuUGyuK80
- 降格しちゃったよ
- 229 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 02:25:10.18 ID:OL/CtXh70
- 主人降格
まて
- 230 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 02:26:21.85 ID:hlZ+Djy40
-
できるだけ多くの力をと思い、ロマネスクにも試練を与えた。
それがどうやら戦うことに迷いを感じている様子を、察知していた。
しかし、アンノウンはもはや興味も失せたようだ。
魔方陣が、一際大きな光を発する。
この世界最強の光魔法が、完成した。
爪 ゚W〉《さぁ、足掻け! 異世界の主人降格たちよ!!
その先には絶望しか残されていないことを知れ!!》
神の一撃、Va-lthが発動する。
出現した魔方陣の直径と同じ規模のレーザーが射出される、はずだった。
川;゚ -゚)「やべぇ! 避けろ!!」
(;゚ω゚)「おおおおおおおお!!」
ノ)) - 从「…………!」
|||;゚ - ゚||「ッ!!」
実際に放たれた光魔法は、魔方陣の倍はあろうかという極太のレーザーだった。
触れずとも全員が直感で悟る。巻き込まれれば、命はないと。
いかに幅があろうとも、直線的なレーザーだ。
横へと躱せば、巻き込まれることはない。
但し、一瞬の遅れが、命取りになるのだが。
(´・ω・`)「凄まじいな……ツン、怪我はないか?」
- 231 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 02:27:32.77 ID:uNZ3gdLRO
- しえん
- 232 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 02:27:40.08 ID:MuUGyuK80
- どんどん降格するでござる
- 233 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 02:29:20.46 ID:hlZ+Djy40
-
ξ;゚听)ξ「だ、大丈夫です……オルトロスは……?」
∧_∧ ∧_∧
(叉)゚,, >|<,,゚(叉)「「アッブネー! 尻尾ガ焦ゲタゾ!!」」
ξ;゚听)ξ「…………」
オルトロスの安否を確認した後、ツンの背にいい知れない悪寒が走った。
後ろを、振り返ったからだ。
(´・ω・`)「……」
ショボンは後方を一瞥しただけで、すぐに前を向いた。
尾が部屋を破壊した時、後方にはまだ壁があった。
それが円状に大きく抉られていた。
その先に連なる城壁も、屋根も、直線上にあったもの全てがだ。
ξ;゚听)ξ(なんて力……あんなのに当たったら……跡形も……)
驚愕しているのは、彼女だけではない。
(;^ω^)(……SixBarellの全力放射並の……いや、貫通力ならそれ以上……)
川;゚ -゚)「これほどの力……私の世界でも思い出すのが少し難しいな……」
爪 ゚W〉《クク……少し、強すぎたか》
体を吹き飛ばしてしまったら、聖剣を突き立てることができない。
当然それを理解してVa-lthを使ったのだが、躱されることも読んでいた。
- 234 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 02:30:10.27 ID:Ln9dQrqN0
- 降格じゃのう
- 235 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 02:31:57.93 ID:hlZ+Djy40
-
ただ単に、力の差を見せつけようとしただけのことだった。
しかし彼らとて、それだけで諦めるような者たちではない。
(´・ω・`)(やはり聖剣を奪うことが鍵になるか……)
(´・ω・`)(聖剣があれば、俺たちの攻撃は届くはずだ。逆に防ぐことも容易になる)
(´・ω・`)(だが、口の中か……厳しいな……)
( ^ω^)「あの上半身、力を使ってるけど、攻撃通じるんじゃないかお?」
川 ゚ -゚)「その可能性はあるな。幾らか攻撃を防いでいたが、防御しただけかも知れん」
( ^ω^)「ショボンさんが言ってたことが当たってるなら、
無効化する力だけを適用するってのは、無理だろうし」
川 ゚ -゚)「恐らく、無理だろうな。聖剣では破壊できないし、聖剣を破壊できない、じゃない。
二つで一つだ。破壊されないように作られた結果、何も破壊できない。どっちが欠けても成り立たん」
( ^ω^)「そう言われるとわかりづれーけど、ニュアンスは汲み取れるお」
川 ゚ -゚)「思うに、体内の聖剣を奪うよりは、あの本体を潰した方がラクそうだ」
( ^ω^)「確かに。注意するべきは魔法だけでよさそうだし、シッポは別に……」
そう、言いかけた時だった。
四つの尾が、突如として天高く舞い上がった。
その身を、縦に割りながら。
- 236 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 02:33:20.71 ID:uNZ3gdLRO
- お?
- 237 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 02:34:45.66 ID:hlZ+Djy40
-
(;^ω^)「シッポは別に……避ければ……って……」
川 ゚ -゚)「まじかよこれ」
一つが、二つに。二つが、四つに。
巨大な柱を彷彿とさせる直径を持つ尾は、その身を細くしていった。
数を、増やしながら。
縦に裂けて、分裂を繰り返す尾は、もはや尾とは言い難い。
常人では数を把握することができない、触手へと変貌を遂げた。
ブーンのセンサーだけは、その過程を分析し、数を弾き出している。
(;^ω^)「七回分裂! 一本が百二十八本になりやがったお!」
太さを考えると、それが限界だったのだろう。
それでも、一本一本の太さは人の指よりもまだ太い。
夜の闇に蠢く触手は、異形の姿を更に不気味なものへと変えていた。
ξ;゚听)ξ(……ドクオさんの時と……同じ……)
ツンの脳裏に浮かんだのは、それだった。
同じく異形と化したドクオと、同じような状況。
酷似している点は触手の一点だけだったが、あまりにも似ていた。
ξ;゚听)ξ(まさか、ドクオさんの時もアンノウンが……)
ξ;゚听)ξ(でもあの箱は……私の世界の……)
彼女が見た共通点は答えに届きそうで、届かない。
- 238 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 02:34:52.64 ID:u4lboyz+O
- 眠いけど頑張れ支援
- 239 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 02:36:28.62 ID:hlZ+Djy40
- すみませんここで一旦切ります
朝(最低でもお昼前)に再開します
まだ三分の一も終わってない!
ここまでありがとうございました
- 240 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 02:37:10.89 ID:2/MBQpTs0
- おつかれー
- 241 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 02:37:28.91 ID:MuUGyuK80
- ナ、ナンダッテー
乙
- 242 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 02:38:26.76 ID:gOILCRL50
- とりあえず乙です!まだ1/3以下なのかw
ゆっくり休憩してくださいな
- 243 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 02:39:30.44 ID:7U0IQBfW0
- 乙です! 楽しみにしてる
- 244 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 02:40:39.48 ID:+dvQMIXY0
- (#`゚ e ゚)「ねるぅぅlぅぅぅん!!」
- 245 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 02:41:11.35 ID:uNZ3gdLRO
- 乙
- 246 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 02:43:25.01 ID:Ln9dQrqN0
- 乙
- 247 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 02:49:32.28 ID:OL/CtXh70
- 乙!!
朝か…昼・夕方じゃなければなんでもいいんだぜ!!
いあいあおやすみ
- 248 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 03:15:50.66 ID:u4lboyz+O
- 乙!そしておやすみ
- 249 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 03:33:54.09 ID:OL/CtXh70
- 此処は保守しといたほうがいいのか?
- 250 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 03:51:01.82 ID:7+F03YAoO
- ほ
- 251 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 04:54:00.94 ID:RSjqXAl50
- ほ
- 252 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 04:54:13.02 ID:iDE2Rf8PO
- し
- 253 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 06:26:28.28 ID:iyWpZ3IB0
- ほ
- 254 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 07:29:41.24 ID:yDUTgrt3O
- そういえばアトラス関わってる力持って無いのブーンだけだな
カワイソス
- 255 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 08:10:44.78 ID:hlZ+Djy40
- おはようございます、保守ありがとうございます
少しずつ少しずつ……
- 256 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 08:17:36.65 ID:hlZ+Djy40
-
そして、思考する間も、与えられない。
爪 ゚W〉《さて……少し、強くいくぞ》
動いた。
先のように、尾だけが、ではない。
黒獣本体が、前方へと駆けたのだ。
即ち、ブーンたちに向かって。
(´・ω・`)「!!」
本体よりも先行するのは、触手たち。
一尾が百二十八にまで増えた触手の束が、その身を伸ばして襲い掛かる。
ケルベロスが大きく横方向に跳躍して、それを躱す。
百本近くの触手が、石床に突き刺さった。
一つ一つは細くなったが、元々の強度はZの刃すら通さなかったのだ。
当たれば致命的なダメージがあることは、変わらなかった。
(´・ω・`)「はぁッ!」
大半は地に刺さっていたが、すれすれで回避した十数本の触手がショボンに迫っていた。
ペルソナではなく、両手で握る双剣のZで斬りつける。
二本、四本、八本と切断し、十二本目はそれに至らなかった。
(´・ω・`)(細くなった分耐久性は落ちたが、弾力性が生まれたか)
だが、数本であればZだけでも切断できることを知った。
- 257 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 08:21:18.48 ID:hlZ+Djy40
-
(´・ω・`)(この戦いの前にZに上がれて、本当に助かったな)
(´・ω・`)(……むしろそれを待っていたのか……まぁ、どうでもいいことだ)
(´・ω・`)(こんなことの為に目指したZではないが、今は全力を尽くすだけだ)
ショボンの少し後ろでは、ツンを乗せたオルトロスが同じように触手を回避している。
ξ#゚听)ξ『ダイアモンドダスト!!』
アルテミスが力を放つ。
広範囲に放出される冷気を、躱したばかりの触手の束へ集束させた。
触手はたちまち、凍り付く。
ξ;゚听)ξ(凍らせれば……大丈夫なのかな……?)
ラストスノーの時は、そうすることが有効だった。
しかし、ダイアモンドダストを免れた数本の触手が、凍結した箇所へ向かう。
戒める氷を穿ち、何度かそれを繰り返すと、やがて全てを打ち砕いた。
ξ;゚听)ξ(一時的でしかない……か)
ξ;゚听)ξ(ロマネスクさん……あの人の力なら、もっと凍結できるかも)
ツンはそこまで思考して、はっと顔を上げて、首を左右に振った。
ξ゚听)ξ(ううん、私は私にできることをしなくちゃ!)
ξ゚听)ξ(足手まといにだけは、ならないように……!)
- 258 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 08:24:45.87 ID:hlZ+Djy40
-
ショボンが触手の束を躱した時、右方の上空では。
(;゚ω゚)「BLACK DOG!!」
触手から逃れようと、黒狗が空を駆けていた。
空、といっても高度は低い。
建物の三階ほどの高さを、低空で舞っていた。
川 ゚ -゚)「おい、これじゃ的がでかすぎる。いずれ捕まるぞ」
(;^ω^)「たしかに……あの触手、小さくなって小回りがきく分、あぶねーお」
川 ゚ -゚)「そんなわけで私は降りる。お前はお前でなんとかしろ」
(;^ω^)「えぇ!? 降りるって!?」
そう驚いた時、既にクーはBLACK DOGから飛び降りていた。
彼女の身体能力ならば、その高さから飛び降りることは問題ない。
速度もあまり出ていない。彼女にしてみれば、本当に問題ない行為だった。
しかし今は、戦闘中なのだ。
触手の束が自身を狙い、迫っている最中なのだ。
戦いに生きる者なら、彼女の行為は隙を生むことだと気がつくのは、当然だった。
そこを突かれることは、必然だ。
BLACK DOGから身を乗り出したクーに、触手が迫る。
一つ一つが人の体など簡単に貫く威力を持っている、触手の束が。
(;^ω^)「クーさんッッ!!」
- 259 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 08:27:56.92 ID:hlZ+Djy40
-
危険な行為であることは、クー自身も気がついているはずだ。
でも、どうして、わかっているのに。
空で触手を躱しながら、ブーンはその間、気が気ではなかった。
そして触手がクーに触れることは、なかった。
隙を突かれることは、彼女は当然、承知していた。
それでもクーは、迷わず飛び降りた。
事実触手は、彼女に届かなかった。
ブーンが危険だと当たり前に案じたように。
クーからすれば、それも当たり前の事だったのだ。
仲魔が、助けてくれることは。
川 ゚ -゚)「ノーマン、ありがとう」
着地してすぐに、触手を断ち切ったノーマンに礼を述べた。
仲魔ならば、必ず自分を助けてくれる。
だから彼女は、飛んだのだ。
ノ)) - 从「……主よ、あまり無茶はするな」
たしなめたノーマンだったが、それを苦と決して思っていない。
彼にしても、主を守ることは当然の行為だからだ。
|||゚ - ゚||「ライドウ様! お怪我などはありませんか!?」
川 ゚ -゚)「あぁ、ありがとうな、ノーマン」
- 260 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 08:30:59.06 ID:hlZ+Djy40
-
口をぽかんと開けたクー・フーリンを更に無視して、赤光葛葉を強く握りしめる。
川 ゚ -゚)「どんどんくるぞ! 構えろ!」
ノ)) - 从「…………」
|||#゚д゚||「さぁ、生意気にも我らの命を奪おうという愚かな蛇よ!!
かかってきなさい! 数瞬ののち、その行為が無駄だと悟ることでしょう!」
大袈裟な口上をのたまっているクー・フーリンをガン無視して、二人は駆けた。
クー・フーリンも「ライドウ様ぁ〜」と情けない声を上げて、それに続くのだった。
( ^ω^)「…………」
漫才はともかく、信頼という力を実際に見たブーンのメモリーには、似たような物があった。
超大型セカンドと化したセントラルの王、イトーイ増井を倒した時。
この世界のツンとスネークも、同じようにしてくれた時のことだ。
こうしてほしい、と望んだ時に、一撃を放ってくれた。
今のクーは、その時の自分と同じ。仲魔を信じて動いたのだ。
異世界の力を得たショボンも、今のブーンと同じ事を学んだ。
自分にしかできないこともあれば、自分にはできないこともある。
彼が学んだ、補い合うことの大切さというものに、ブーンもたった今、触れたのだ。
だからこそ、共に戦う仲間を信じる。信じ合う。
今になって、互いの力を見せたあの時のやり取りが、如何に大切だったかと気がついていた。
恐らくは、一期一会の仲間たち。だからこそ、信じてみるのも良いだろう。
- 261 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 08:34:02.75 ID:hlZ+Djy40
-
そして。
( ω )「……」
信じた一撃を放ってくれた、この世界のツンは、もういない。
何故消えてしまったのか。その謎は、まだ解明されていないのだ。
アンノウンは曖昧なことを話していた。
自分たちのせいだと、言っていた。
だが、ブーンがそんなことを信じられるわけがなかった。
( ω )(アンノウン……!)
何度も仲間たちに押さえつけられたが、ツンの事を考えると、彼の胸にどうしようもない怒りが沸き上がってくる。
( #゚ω゚)「邪魔だッ!!」
怒りを叩きつけるように。
グレネードを放ち、回避し切れない触手を焼き尽くす。
大きな煙が巻きあがり、火薬の匂いが風に流れた。
それを突き破るもの。
黒い風が、現れた。
( #゚ω゚)「アンノウンッッ!!」
巨躯を誇る黒獣の頭に座するアンノウンは、丁度彼と同じ高さにあった。
再び、深紅の眼とブーンの視線が絡む。
同時に、ブーンの怒りもボルテージを振り切った。
- 262 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 08:34:16.08 ID:lEHEQBQOO
- C
- 263 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 08:36:22.19 ID:7DM9ePV4O
- しえ
- 264 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 08:37:05.96 ID:hlZ+Djy40
-
焼き切れた触手は既にその規模を取り戻し、ブーンの左右から迫る。
手が増えたとはいえ、根本は四本の尾のままだ。
一尾が一人を追っている状況だった。
そこに、黒獣が追加された。
最も脅威である、本体が。
黒獣が大口を開けて、急加速する。
BLACK DOGごと飲み込まんと。
(#^ω^)「BLACK DOG!!」
更に上空へ高く上がることで、それを回避した。
すれ違いざまにグレネードを放つが、体に当たるだけでは意味をなさない。
上空に逃げても、伸縮自在の触手は尚もブーンを追い続けていた。
川 ゚ -゚)「はぁッ!」
一方の、クー。赤い軌跡を生み出して、退魔刀、赤光葛葉が踊る。
細くなったことで、クーも触手を両断せしめることができている。
ノ)) - 从「シィッ!」
クーを助ける時に触手を切断したが、彼の場合、ショボンやクーとは性質が違っていた。
斬ることに特化していない彼の斬撃は、凄まじい勢いで触手を巻き込み、引き千切るのだ。
伸縮は意思によって行われている。
それを上回って切断させているのは、彼の圧倒的な暴力に他ならない。
- 265 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 08:40:04.65 ID:hlZ+Djy40
-
川 ゚ -゚)「チッ……手が増えた分、余計に厄介になったな」
どれほど触手を切断しても、すぐに再生してしまう。
厳密には長さを取り戻しているだけだが、それなら同じ事だ。
百二十八全てを両断することも難しい。
束ねれば元の尾と同じ太さだろうが、そうそうそんな機は訪れない。
そうでなくても、あの太さを両断することは骨だ。
川 ゚ -゚)「本体は……ブーンが相手をしているか」
矢継ぎ早に迫り来る触手を対処しつつ、戦況を把握する。
やられることはないが、このままではいけないと、彼女は思った。
川 ゚ -゚)「ツンたちと合流するぞ」
それだけ仲魔に言って、彼らは逆側に駆けだした。
(´・ω・`)『オーディン!!』
ペルソナを降魔させた。
力は行使しない。喚びだしただけだ。
それだけで身体能力が向上することを、彼は学んでいた。
(´・ω・`)(両断できる数が、倍近くになったな……これは……)
ただ単に筋力が増しただけでは、アルファベットの性能が変わることはない。
そこまで劇的に威力が増すことは、普通では有り得なかった。
- 266 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 08:43:11.92 ID:hlZ+Djy40
-
(´・ω・`)(ペルソナ、か……アルファ成分が反応しているのか……)
ショボンの頭脳を以てしても、とても答えに到達はできないだろう。
彼の世界で最もアルファベットに精通している職人、ツン=デレートですら未知の部分は多いのだ。
数十年触れ続けているとはいえ、専門外であることは分からなかった。
(´・ω・`)(感情に左右されるあたり、アルファベットに通じるものがあるのかも知れないな)
アルファベットのランクは肉体の強さが占める部分が多い。
ペルソナの強弱は心の強さが占める部分が多い。
そして、少なからずその逆も時として有り得る。
(´・ω・`)(どちらにせよ、俺にとっては好都合だ)
ペルソナの力を使用すれば、体力や精神面に負担が蓄積されていく。
思わぬ恩恵のおかげで、それを回避することができるのは、有り難かった。
(´・ω・`)(ツンは……)
触手に注意を払いながら後ろを見やると、オルトロスが忙しなく動いていた。
時折、回避しきれなかった触手をペルソナで以て防御している。
大丈夫だ、とは言い難い状況だった。
あのままではまたいずれ疲弊してしまう。
彼がそう思った矢先。
ノ)) - 从「ムンッ!」
ツンを遅う十数本の触手を、鉄剣に巻き込んで一気に引き千切った。
- 267 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 08:43:25.74 ID:ad4WK/rnP
- しえしえせい
- 268 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 08:50:02.57 ID:hlZ+Djy40
-
川 ゚ -゚)「ツン、大丈夫か?」
ξ;゚听)ξ「う、うん」
触手はノーマンとクー・フーリンに任せ、クーはツンに駆け寄った。
よく頑張ってるな、とオルトロスを労った後に、
川 ゚ -゚)「おいマッチョ! ちょっとこい!」
ショボンを呼んだ。
恐らく自分のことだろうと判断したショボンは、触手を処理しつつ後退する。
(´・ω・`)「どうした?」
川 ゚ -゚)「アンノウンについて話がある」
川 ゚ -゚)「あの上半身、力を使ったわけだが、どう思う?」
(´・ω・`)「……予想が当たっているとしたら、攻撃は通じるだろうな」
川 ゚ -゚)「だよね。私たちもそう思ったんだが、いっちょアレを攻めてみるか?」
(´・ω・`)「まぁ、それはそうなんだが」
川 ゚ -゚)「なんかあんの?」
(´・ω・`)「俺はやはり、この戦いの鍵は聖剣の奪取にあると思う」
川 ゚ -゚)「理由は?」
- 269 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 08:53:19.62 ID:hlZ+Djy40
-
(´・ω・`)「アイツがあの姿になる前のことだ」
Zを振るいながら、続ける。
(´・ω・`)「腕を、体を切断しても、平然としていた」
(´・ω・`)「あの体、どう考えても普通ではないだろう」
川 ゚ -゚)「……そうだな。まるで実体がないようだった」
『これが私だ』とアンノウンが言っていたことを、クーは思い出していた。
彼女の理屈からすると、いわゆる悪霊に近い存在だ。
ならば私の役目ではないかと、赤光葛葉を握る手に力が入る。
(´・ω・`)「頭を潰せば死ぬかも知れん」
(´・ω・`)「しかし聖剣なら、と思う」
(´・ω・`)「どちらも確証はない。単に可能性の問題だ」
川 ゚ -゚)「私にはどっこいどっこいにしか思えんが」
(´・ω・`)「まぁ、そう言う気持ちも分かるが」
川 ゚ -゚)「聖剣での攻撃がアンノウンに効果がある保証はないだろう?
人間だけは斬れる、ということも証明されていないはずだ」
(´・ω・`)「いや、そこは大した問題じゃない。単純に願いを叶えるということだ」
- 270 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 08:56:04.34 ID:hlZ+Djy40
-
川 ゚ -゚)「願いを?」
(´・ω・`)「そうだ。アンノウンを消滅させろと、な」
ξ;゚听)ξ「でも聖剣は、今願いを叶えられないんじゃないですか?」
触手への対応は、ノーマンとクー・フーリンが担当している。
ショボンとクーも時折抜けてきた触手を両断していた。
ツンを間に挟むような位置取りでだ。
(´・ω・`)「力は補充してやればいい」
ξ;゚听)ξ「どうやって……」
(´・ω・`)「俺を連れてきたクーが言っていた。
アンノウンが実体化する時に、力を失ったと」
(´・ω・`)「そして、聖剣の力でアンノウンの手から逃れることができたとも言っていた」
川 ゚ -゚)「……待て、それはおかしくないか?」
ξ゚听)ξ「力がからっぽなら、聖剣自身も力は使えないんじゃ……」
(´・ω・`)「そこだ。つまり、戦いの過程で聖剣は力を得て、それをすぐに使ったことになる」
(´・ω・`)「アンノウンが力を使用する隙を与えないほどに、瞬間的にだ」
(´・ω・`)「そう考えると……条件は限られる」
- 271 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 08:56:05.46 ID:7DM9ePV4O
- お城の奪取
- 272 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 08:59:11.36 ID:hlZ+Djy40
-
(´・ω・`)「一つ聞くが、お前たちの前に現れた者の誰かが、怪我をしていなかったか?」
ξ;゚听)ξ「そういえば……ブーンが、首に怪我をしてました」
(´・ω・`)「どんな傷だ?」
ξ;゚听)ξ「刃物で切られたような、切り傷でした」
(´・ω・`)「そうか……ブーンにも話を聞いてみないとわからないが、恐らくそれだろうな」
川 ゚ -゚)「そんなんで補充できるの?」
(´・ω・`)「絶対、とは言い切れんところだが、頭にいれておいても損はないだろう」
ショボンの予想は、概ね当たっていた。
しかし、それを証明してくれるものはない。
だから聖剣がその手にあれば、全て証明できるのだ。
(´・ω・`)「試すなら、自分の体のどこかを斬ってやればいい。ツンがいるから問題ない」
(´・ω・`)「……力の使い方は、わからんが」
ξ゚听)ξ「……私、聞いてます」
(´・ω・`)「本当か?」
ξ゚听)ξ「はい。願いを込めて、聖剣を振ればいいって……」
(´・ω・`)「そうか……なるほどな」
- 273 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 09:02:58.02 ID:hlZ+Djy40
-
ξ゚听)ξ「そうやって自分の世界に帰れって……言われました……」
(´・ω・`)「…………」
川 ゚ -゚)(それは……やはり、自分たちが消えることを知っていたから、か……)
クーの疑問は、ツンとショボンも考えていた。
やはり、そうなることを察していたのだと、確信した。
何故だ、と考えても、それは解決されなかった。
川 ゚ -゚)「……まぁ、理屈はわかった。しかし簡単には聖剣を奪えそうにないぞ?」
(´・ω・`)「ああ、問題はそれだ」
川 ゚ -゚)「本体はブーンが引きつけてるが……ッチ、この触手も厄介だな」
(´・ω・`)「俺がなんとかしてみよう」
川 ゚ -゚)「どうするつもりだ?」
(´・ω・`)「触手の根本さ。生え際は束のままだろう」
川 ゚ -゚)「そこを一気に両断するわけか」
(´・ω・`)「そうだ。まぁ、どうせすぐに伸びてくるだろうが、隙は生めるはずだ」
川 ゚ -゚)「では、私も手伝ってやろう。
オルトロス!」
- 274 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 09:05:21.82 ID:7DM9ePV4O
- ルージアルさんマジ主人公
- 275 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 09:06:16.31 ID:hlZ+Djy40
- ∧_∧ ∧_∧
(叉)゚,, >|<,,゚(叉)「「ナンダ ライドウ」」
川 ゚ -゚)「交代だ。私を乗せてくれ」
∧_∧ ∧_∧
(叉)゚,, >|<,,゚(叉)「「アオーン……」」
川#゚ -゚)「なんで渋々なのかは後で問い詰めてやるから今は代われ」
ξ゚听)ξ「……気をつけて」
川 ゚ -゚)「ああ、すまないな。
ノーマン、最初に言ったとおり、ツンについていてくれ」
ノ)) - 从「…………」
川 ゚ -゚)「……お前もだ」
|||゚ - ゚||「承知致しました! 少女よ、安心なさい!
敵の毛一本も通さぬ事を約束しましょう!!」
ξ;゚听)ξ「あ、はい」
川 ゚ -゚)「ウザかったら凍らせてやれ、な? 今とか」
ξ;゚听)ξ「あ、あはは……」
冗談とは思えない、真顔で言ったクーに彼女は苦笑を返した。
そんなやり取りの半面、ツンはクーの前で冷気の力を使ったことを自覚していない。
彼女の発言は戦況を冷静に見ていた証拠だと、ツンに思わせたのだった。
- 276 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 09:11:45.23 ID:hlZ+Djy40
-
(´・ω・`)「いくぞ」
川 ゚ -゚)「ツン! 気をつけるんだぞ!」
触手をかいくぐり、或いは切断しながら、二人と二頭が駆ける。
ショボンはZを、クーは赤光葛葉を携えて。
クーも触手を両断しているが、切断できる量はやはりショボンよりも劣っている。
(´・ω・`)「大丈夫か?」
川 ゚ -゚)「大丈夫だ、問題ない、とは言い難いな」
二人は併走している為に、百二十八の束が、二つ迫っている。
二人で二百五十六を相手取らなくてはならない。
例えその全てを止めても、すぐにまた襲い掛かってくるのだ。
ショボンよりも切断できる本数が少ない、クー。
二刀だからというわけではなく、左右一本よりも、少ないのだ。
彼がそれを案じることは、仕方のない、必然だった。
(´・ω・`)「ッ……」
ショボンを襲う触手の波が、突如として緩やかになる。
単純に数が減っているのだ。
減った分は、クーの側に追加されている。
彼女を案じたことが必然だったように。
そこを突くこともまた、必然と言える。
戦いにおいて、敵の穴を突くということは────
- 277 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 09:15:05.94 ID:hlZ+Djy40
-
川#゚ -゚)「はっはっはwwww 私を穴と判断したか?」
口調と表情は真逆だ。
クーは明らかにキレていた。
川 ゚ -゚)「オルトロス!!」
∧_∧ ∧_∧
(叉)゚,, >|<,,゚(叉)「「GYAWWWW!!」」
合図の直後、双頭の魔獣から二筋の炎が発せられた。
地獄の業火は触手を飲み込み、一部を消し炭へと変える。
デビルサマナーの真骨頂は、仲魔と共に発揮されるのだ。
(´・ω・`)「ほう」
更にクーは、オルトロスの炎を刀に絡めた。
炎はまるで意思があるように刃に吸い付いていく。
地獄の業火を纏った炎の刀が、完成した。
川 ゚ -゚)「ペルソナ使いのお前たちを真似るとしたら────」
灼熱の赤光葛葉を手に、迫る触手を見て、叫んだ。
川 ゚ -゚)『紅蓮忠義斬ッ! こんな感じか』
赤光葛葉の血のように深い赤と、業火の猛々しい赤が夜の闇の中に舞う。
美しいコントラストもさることながら、その威力も凄まじいものだ。
刀身に触れただけで、触手たちは黒炭に変わっていた。
- 278 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 09:18:02.24 ID:hlZ+Djy40
-
仲魔を使役するだけがデビルサマナーではない。
忠義を誓った仲魔の力を最大限まで発揮、利用することこそが彼女の力である。
(´・ω・`)(……武器に異能の力を集束させたのか……なるほど)
川 ゚ -゚)「一気に抜けるぞ! いい加減触手にも飽きた!」
∧_∧ ∧_∧
(叉)゚,, >|<,,゚(叉)「「アオオオオオオン!!」」
(´・ω・`)「あぁ、行こう」
,/i/i、
ミ,,゚(叉)「仔僧め……調子に乗りおって」
二人と二頭は進む。
黒獣まで、人の足で後十歩といったところだ。
クーの指示で、ケルベロスも炎を吐きながら進む。
オルトロスよりも強力な炎だ。
もはや触手では、この二人を止めることはできないだろう。
そんなことはまるで問題ないといった様子で、黒獣はブーンだけを襲っていた────
(;^ω^)(……)
機を窺う為に、更に上空へと逃れた。
触手はそれでもついてくるだろうと、予想して。
彼の予想は間違っていなかった。
予想外だったことは、黒獣も目の前の高さにいることだ。
- 279 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 09:21:11.69 ID:hlZ+Djy40
-
(;^ω^)(こいつ……羽もねーのに普通に飛べるのかお……)
(;^ω^)(あのドラゴンといい……ファンタジーってのは悉く物理法則無視しやがる!)
爪 ゚W〉《どこに逃れようと同じ事だ。全てが無と悟れ》
(;^ω^)(……ええい、うざったいお!)
敵の手数が多く、こうも小さくては空中戦は不利だ。
そう判断したブーンはBLACK DOGに命じ、下降する。
広範囲を巻き込むグレネードを連発して、その隙にBLACK DOGから飛び降りた。
(;^ω^)(BLACK DOGは……今は下げておくべきだお)
本体も尾も、変わらずに着地したブーンを襲っている。
万が一BLACK DOGを破壊された場合、彼の戦力は大幅にダウンしてしまう。
それだけは、避けなくてはいけない。
( ^ω^)「BLACK DOG! 行け!」
一声で、主人の指令を理解する。
発声はただの合図。情報を送信する合図なのだ。
周囲十数メートル以上に退避するよう、指令を飛ばした。
(;^ω^)「さーて……」
左腕はアーマーシステムで造り出したグレネードランチャー。
右手にはBBBladeを握りしめ、彼を追い着地した黒獣と対峙する。
彼の狙いは、攻撃が有効と思われる上半身だ。
- 280 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 09:24:41.42 ID:hlZ+Djy40
- (;^ω^)(…………)
黒獣の頭にあるとはいえ、しっかりと視覚できている。
彼の機械の瞳に映し出されている姿に、照合できるデータは皆無。
網膜に並ぶ文字は揃って、Unknown、Unknown、Unknown────
標的までの距離は、具体的に表示されている。
直線距離で、13.54メートルと。
間違いない。自分の体はどこにも異常がない。
それでも、遠く感じられたのだ。示されるデータ以上に。
人ですらない。生物であるかすらわからないことが、更に拍車をかける。
届く距離にあるのに、彼には果てしなく遠く感じられていた。
爪 ゚W〉《────……》
(;^ω^)「ッ!!」
アンノウンがブーンに向けた手、五指から雷撃が走る。電撃はブーンにとって味方であり、天敵だ。
故に絶縁効果を持つ人口皮膚と装甲を装備されているが、
しかし魔の電撃をあちらの世界の技術で防げるかどうか、否応無く懸念してしまう。
是が非でも避けなければ。用途を外れた電撃は、システムに多大な影響を及ぼしてしまう。
側方に跳躍し、それを回避した。
見れば見るほどツン=ヴィラートが使用していた雷撃によく似ている。
それだけで彼の心に苛立ちが積もっていくのだが、それと同じように。
(;^ω^)「あああもう! しつこいんだお!!」
- 281 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 09:27:10.13 ID:hlZ+Djy40
- すみません、ちょっと用事です
三十分以内で戻ります
- 282 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 09:30:57.22 ID:Qgevz60VO
- し
- 283 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 09:32:01.22 ID:UzemVFYsO
- ここまで乙です。待ってる!
- 284 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 09:43:13.15 ID:hlZ+Djy40
-
一つ避ければ、数十の触手が迫ってくる。
グレネードで大量に破壊しても、BBBladeで切断しても。
触手、或いは本体が追撃をしかけてくる。
BlueLazerCannonならば一網打尽にできるかもしれない。
しかし、エネルギーを充填する隙がない。
苛立ちは募るばかりだった。
直情的な性格は短時間で修正できるものではなく、ブーンは何度も怒りをなだめられた。
そして今回、それをするのも、やはり。
(;^ω^)「ッ……!」
(´・ω・`)「大丈夫か?」
川 ゚ -゚)「ったく、触手触手って変態かこいつは」
(;^ω^)「クーさん……ショボンさん……」
二人が握る武器は、BBBladeよりも多くの触手を切断させている。
近接武器においては、ブーンも一歩譲らねばならないようだ。
(´・ω・`)「ブーン、あの尾は俺に任せろ。お前はアンノウンを討て」
( ^ω^)「お……」
川 ゚ -゚)「私がフォローしてやろう」
( ^ω^)「…………」
- 285 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 09:45:02.46 ID:MuUGyuK80
- 触手なのにまったくエロスを感じないでござる
- 286 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 09:45:33.13 ID:RBg595HzO
- しえしえ
- 287 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 09:46:19.59 ID:hlZ+Djy40
-
(´・ω・`)「“雷撃”が合図だ。それと同時に動いてくれ」
川 ゚ -゚)「おk」
( ^ω^)「了解!」
三人が互いの背を向けるように立つ。
ショボンとクーは魔獣に騎乗したままだ。
その三人に向け、細かく分かれた三百八十六の尾が一斉に襲い掛かった。
夜空を異質の黒が染める。黒の雲と成ったその全てが漆黒の触手だ。
触手はばらけ展開し、三人を包み隠すように迫っていた。
(´・ω・`)「好都合だ」
ぽつり、呟き、
(´・ω・`)『雷の洗礼』
ペルソナ、オーディンが掲げる神槍グングニルの切っ先から、雷が迸る。
広範囲に飛散した雷撃は、漆黒の雲を貫き、焼き尽くした。
合図、だったが、
(´・ω・`)「ッ!」
爪 ゚W〉《────》
アンノウンが先に、動いた。
- 288 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 09:49:33.42 ID:hlZ+Djy40
-
アンノウンは両腕を前方に差し出している。
同時に出現したのは、魔方陣だ。
先ほどよりは小さく、青白い光が浮かび上がっている。
(´・ω・`)「ロマネスクの力か!」
全員が一度見た力だ。当然次にくるものも、分かっていた。
あの凄まじい雪崩がくるとしたら、直進するわけにはいかない。
出鼻を、挫かれた。
ショボンがそう思い、踏みとどまった時。
川 ゚ -゚)「おいマッチョ! ケルベロスから降りろ!」
いつの間にかオルトロスから降りていたクーが、叫んだ。
何故だ、とは問いかけずに、ショボンは勢いよく飛び降りた。
川 ゚ -゚)「ケルベロス! オルトロス! お前らの力、見せてやれ!」
,/i/i、
ミ,,゚(叉)「久々だな、これも。仔僧、足を引っ張るなよ」
∧_∧ ∧_∧
(叉)゚,, >|<,,゚(叉)「「任セロ! アンチャン!!」」
二頭は雄々しく揃い立ち、アンノウンへ向け最大量の炎を吐きだした。
それと同時に、アンノウンの力も完成する。
青白い光が一層強まり、魔界の雪が地を揺らして召還された。
(´・ω・`)「ッ……!」
- 289 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 09:51:51.01 ID:2sY3GoFH0
- シエ
- 290 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 09:52:47.60 ID:dDkBZrlS0
- 支援
- 291 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 09:53:14.21 ID:hlZ+Djy40
-
魔獣の炎と言えど、対する雪崩の規模と勢いを比べると些か心許ない。
自分が、とショボンが身構えた時に、
,/i/i、
ミ,,゚(叉)「征くぞ! 仔僧!!」
∧_∧ ∧_∧
(叉)゚,, >|<,,゚(叉)「「アオオオオオオオン!!!」」
二頭の魔獣は、炎を噴出しながら前進した。
思い切り、全力でだ。当然二頭は、自身の炎に突っ込んだ形になる。
川 ゚ -゚)「ショボン! あいつらに続くぞ!」
(´・ω・`)「……!」
ショボンの心には少しの迷いが生まれていた。
しかし、クーは全く意に介さず走り出している。
彼女の姿を見て迷いは払拭され、すぐに追従する。
(´・ω・`)「!!」
地獄の業火に身を包んだ二頭の魔獣は、そのまま雪崩にぶつかった。
凄絶に燃え上がる炎の毛並みに触れた雪が、一瞬で蒸発していく。
ショボンには二匹の魔獣が、三頭一体の赤い異獣のように見えた。
川 ゚ -゚)「“ピュリプレゲトン” あいつら兄弟の……アレだ。要するに必殺技だ」
(´・ω・`)「なるほどな」
彼らの後ろを進めば、雪崩に呑まれることはないだろう。
- 292 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 09:56:11.60 ID:KnEMmP+m0
- ルーパ……(´;ω;`)
- 293 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 09:56:35.14 ID:hlZ+Djy40
- ,/i/i、
ミ,,゚(叉)「ガァッ!!」
∧_∧ ∧_∧
(叉)゚,, >|<,,゚(叉)「「アオオオオオオン!!」」
炎の塊と化した二匹は、難なく雪崩を打ち破った。
そのまま術者のアンノウンへと────
(´・ω・`)「ッ!! 下がれッ!!」
アンノウンの真下には黒獣の頭がある。
それが、口を開けた。
二頭を呑み込まんばかりに大きく。
そして、ショボンとクーも見た。
喉の奥に、聖剣があることを。
,/i/i、
ミ,,゚(叉)「チッ……仔僧」
∧_∧ ∧_∧
(叉)゚,, >|<,,゚(叉)「「了解! アンチャン!」」
黒獣の口、寸前で炎の塊が二つに割れた。
直後、その口が閉じ、歯と歯が合わさって甲高い音を立てる。
(´・ω・`)「クー! 任せた!」
川 ゚ -゚)「おう!」
(´・ω・`)『オーディン!!』
- 294 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 09:59:50.02 ID:hlZ+Djy40
-
ペルソナを降魔させ、ショボンは黒獣の裏側へと駆ける。
その時には消し炭となった触手が、またその身を伸ばしていた。
狙いは当然、ショボンだ。
(´・ω・`)『遅い!』
神槍一閃、デスバウンド。グングニルから赤い斬撃が飛んだ。
右側の二本が切断され、地に落ちる。
まだ尾は、二本────
(´・ω・`)『止まっていろ』
爪 ゚W〉《ッ!?》
黒獣の足下に、黒い闇が広がった。
アンノウンが生み出した闇に似ている。
闇から粘り着くように黒い波が伸び、黒獣の動きを止める。
全てを深い闇に吸い込むオーディンの力、『闇の審判』だ。
黒獣の足が泥にはまったように、ずぶりと沈んでいく。
が、何故か闇の波は体に触れることはしなかった。
(´・ω・`)(体にはやはり聖剣の力があるのか……だが、足には届いていないようだな)
動きを止めただけでも、上々だ。
すぐさまショボンは、残りの尾に向けて力を放つ。
(´・ω・`)『デスバウンド!!』
- 295 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 10:03:26.68 ID:hlZ+Djy40
-
完全に黒獣の後方に回り、赤い斬撃を放つ。
接近していなくとも、デスバウンドの一閃は対象に届くのだ。
赤い衝撃波は、そのまま残りの尾を両断せしめることに成功した。
デスバウンドを使ったことで、闇の審判は解除されていた。
だが、目的は達成されたのだ。
尾が再生する前に、アンノウン本体を打ち倒せばいい。
,/i/i、
ミ,,゚(叉)「乗れ!」
(´・ω・`)「すまない」
ショボンが大きく側方から回り込んできたケルベロスに騎乗する。
同時に、また闇の審判を使用し、黒獣の足を縛った。
突如として尾が再生してくるかもしれないと考え、彼はひとまず、そこに留まった。
二回目の闇の審判が発動する前に、クーは動いていた。
川 ゚ -゚)「オルトロス!」
主の一声で全てを理解し、炎を吐く。再び完成した、紅蓮忠義斬。
刀身に炎を纏わせた赤光葛葉を握りしめ、デビルサマナーが駆けだした。
爪 ゚W〉《チィッ!》
アンノウンが両手から交互に、光のレーザーを撃ち出す。
光魔法のレイだ。シースルーがしていたように、連射で以て迎え撃つ。
クーは器用に小さく動き、それを躱していた。
- 296 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 10:04:59.79 ID:MuUGyuK80
- C
- 297 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 10:06:32.34 ID:hlZ+Djy40
-
川 ゚ -゚)「どうした!? こんなものでは私は倒せんぞ!」
高らかにアンノウンを挑発する。
側方ではオルトロスが炎を吐き、援護している。
彼女の狙いは、アンノウンの意識を自身へと向けることだ。
川 ゚ -゚)「ほれほれ、そんなんじゃ当たらんぞ?
昔の赤い人が言っていた。当たらなければ……
どうということはないとな!!」
ドヤ顔でちょろちょろ動き、華麗に躱し続けている。
一撃食らえば致命傷を生む光の雨の中をだ。
それを成す彼女の身体能力も、流石と言えよう。
川 ゚ -゚)「イソギンチャクがなければそんなものか!?
触手プレイが趣味なようだが、そんなもんは二次元でしていろ!!」
ノリノリである。もはや彼女は絶好調だ。
爪 ゚W〉《ッ……!》
苛立ったアンノウンが、大きく手を広げた。
同時に出現したのは、あの巨大な魔方陣だ。
川 ゚ -゚)「あー、それは正直やべえからやめろ」
彼女のそんな言葉は当然無視だ。
本気なのか余裕なのか、普通ならば判断のつかない台詞だったが────
どうやら今回は、余裕の方だったようだ。
- 298 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 10:09:53.53 ID:hlZ+Djy40
-
爪 ゚W〉《!!》
上空。
空を駆ける、黒狗。
それを駆るは、BOON-D1、ブーンだ。
(#^ω^)「喰らえッッッ!!!」
BlueLazerCannon────
出力は、50%と表示されていた。
川 ゚ -゚)「こっちを……向いていろ!!」
アンノウンが上方を見た後に、クーが跳躍する。
黒獣の鼻に、赤光葛葉を振り下ろした。
川 ゚ -゚)(やはり手応えはないか……だが)
BlueLazerCannon、発射。
蒼い閃光が三つの砲門から迸る。
直下のアンノウンへ、空間を縮めたような速度で、一気に。
爪 ゚W〉《むううううッ!!》
クーに向けていた魔方陣を、すぐに上方へと移動させた、が。
充分な魔力は蓄積されていない。先程の威力は、望めない。
それでも構わずに、アンノウンは上方へVa-lthを放った。
- 299 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 10:12:22.34 ID:MuUGyuK80
- しえん
- 300 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 10:12:33.59 ID:kVhmZx0Q0
- しえん
- 301 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 10:13:06.67 ID:LlSDTGTdO
- 有名作者ブランドを応援するわけではないがゆとりチートに比べたら
ちゃんと小説してるお前らは一千万倍マシだと言えよう
今日だけは支援妖精になってやる
- 302 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 10:14:00.96 ID:hlZ+Djy40
- ∧_∧ ∧_∧
(叉)゚,, >|<,,゚(叉)「「ライドウ!」」
川 ゚ -゚)「おう、ありがとうな」
黒獣の鼻を斬りつけたと同時に、側方から跳んだオルトロスが現れた。
そのまま空中で、魔獣は主をさらい、退避する。
そして、蒼と白のレーザーが、衝突した。
(#^ω^)「────!」
爪 ゚W〉《ぬうう!!》
近代兵器最強の光と、魔法世界最強の光がぶつかり合う。
蒼と白の衝撃が波となり、リング状に、断続的に周囲へと広がっていく。
互いに100%での放出でないとは言え、凄まじいエネルギーのぶつかり合いだ。
アンノウンのVa-lth、後の先とは言い難い。
ぎりぎりで射出が間に合ったといった様相だ。
かく言うブーンも、不意を突くタイミングを図る以上、全力まで充填する時間はなかった。
今更100%射出で生じる負担などは考えていなかったが、仕方がなかった。
不完全な力同士の押し合いは、奇しくも互角。
そこに投じられた、一矢。
ξ#゚听)ξ『クレセントミラ────!!』
ペルソナ、アルテミスの一撃。
- 303 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 10:14:56.99 ID:LlSDTGTdO
- 支援
- 304 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 10:17:21.48 ID:hlZ+Djy40
-
触手はショボンが目を光らせている。
もはや彼らの足を止めるものはいないのだ。
解放されたツンは、迷わずその一撃を放っていた。
(#^ω^)(……ほんとにツンってやつは……どいつもこいつも僕を助けてくれるお!!)
爪 ゚W〉《ッ────!!》
迫る、黄金の矢。
数秒でそれはアンノウンへと到達するだろう。
その、短い時の中で。
一人だけ、ひどくゆっくりと時間が経過している錯覚に陥っていた者がいた。
(´・ω・`)「…………?」
違和感。
(´・ω・`)(なんだ……なんだ、これは……)
尾が生えていた箇所に、変化はない。
そことは、別のもの。
(´・ω・`)(なぜ……消えないんだ……?)
地に横たわる、切断された尾、触手。
黒獣から切り離された今までの尾は、触手は。
黒の粒子を撒き散らして、消えていたはず────
- 305 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 10:20:25.60 ID:hlZ+Djy40
-
突如、その全てが、動き出した。
ξ;゚听)ξ「ッ────!?」
クレセントミラーは、起き上がった尾に軌道を阻まれ、その尾に対して力を発動してしまっていた。
光の球体に閉じ込めたのは、そのまま上に起き上がった一本の尾だけだ。
(´・ω・`)「今まで消えていたのは惑わしか……!?」
川 ゚ -゚)「オルトロス! 焼き尽くせ!」
咄嗟に動き出した尾に対応する。
しかし、今までただ突進を繰り返していただけの尾が、突如として変則的な動きを見せた。
一本はツンの力で消え去った。
だが、残る三本────三百八十四の触手が、一斉にツンへ向かった。
(´・ω・`)「くっ……!」
このまま闇の審判を解除すれば、ブーンのBlueLazerCannonが無駄になる。
だが、今はツンが窮地に陥っている。
(´・ω・`)(あの仲魔たちに期待するしかないか……)
ツンのそばには、まだノーマンとクー・フーリンがいる。
彼らに託す。そうすることしか、ショボンにはできなかった。
ξ;゚听)ξ「…………」
- 306 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 10:20:49.16 ID:LlSDTGTdO
- 指炎
- 307 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 10:23:17.76 ID:zSlE5ubjO
- 支援
- 308 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 10:23:24.84 ID:hlZ+Djy40
-
空を覆い隠すような闇の波が、ツンに迫る。
全てが触手だ。一つ一つの威力は、嫌と言うほど理解していた。
それでも、彼女が怯むことはない。
ξ#゚听)ξ『ダイアモンドダスト!』
一度触手を凍結させた力を、再度放った。
広範囲に渡り、絶対零度の嵐が吹き荒ぶ。
ξ;゚听)ξ「なっ……!」
触手が見せた、今までと違う動き。
凍結はした。だが、一部だけ。十数本だけだ。
力を放たれようが切断されようが、ただ突進を繰り返していた触手が、ここにきて回避行動を取ったのだ。
ノ)) - 从「……気をつけろ」
|||゚ - ゚||「まるで意思を持ったような……たかが触手の分際で!!」
その変化に、ノーマンとクー・フーリンも手を焼いていた。
攻撃が当たれば、結果は同じだ。ただ切断されるだけだ。
その切れ端も、今まで通り黒の粒子となり、消え去っていた。
だが、動きが違う。
単純に回避行動を取るというだけで、攻め倦ねていた。
一つ一つが独自に動くことはもちろん、数が多いことも起因している。
このままでは、やがて────
- 309 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 10:23:55.60 ID:LlSDTGTdO
- 支援
- 310 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 10:26:25.72 ID:hlZ+Djy40
-
力と力を押し合うブーンにも、限界が近づいていた。
(;゚ω゚)「エネルギーが……!」
今回のBlueLazerCannon発射に要したエネルギーが、底をつきかけていた。
延々と放出できるわけではないのだ。
第二波を放つには、再びBLACK DOGの武器庫に収めてエネルギーを補給するしかない。
しかしアンノウンは、底無しの魔力を持ち得ている。
長時間の押し合いは、明らかにブーンの分が悪かった。
(´・ω・`)「……」
ツンの力を遮った尾は、完全に消滅した。
すぐに新たな尾が伸びていたが、オーディンの闇に絡み取られている。
ショボンは、自分がここから動いてはいけないことを理解していた。
(´・ω・`)(……まずいな)
アンノウンによって、窮境に誘導されたのだ。
彼にはそうとしか考えられなかった。
(´・ω・`)(完全に裏をかかれた……尾を残すも消すも、意思一つということか……!)
(´・ω・`)(ブーンは……頑張ってくれているが、かなり厳しくなってきているな……)
(´・ω・`)(俺は動けない……だが、一つだけ……)
爪 ゚W〉《ッ!》
- 311 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 10:27:34.79 ID:Ln9dQrqN0
- 支援
- 312 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 10:28:23.15 ID:LlSDTGTdO
- 4
- 313 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 10:29:03.16 ID:7DM9ePV4O
- 支援だろうよ
- 314 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 10:29:21.63 ID:hlZ+Djy40
-
アンノウンに向けて、弾丸が飛んだ。
黒獣が頭を揺らし、額でそれを受け止める。
一瞬、着弾点に氷が広がり、すぐに溶け消えた。
川 ゚ -゚)「ちっ」
コルトライニングを掲げたクーが、舌打ちをする。
川 ゚ -゚)「あの頭、邪魔すぎるな」
言いながら、連射。
装填されている弾丸は、全てが氷結弾だ。
その悉くが、防がれる。
(# ω )「だ────……」
そして、ブーンに訪れた。
(;^ω^)「だめだ……!」
限界点。
BlueLazerCannonが途切れる前に、離脱。
BLACK DOGはバーニアンを最大噴射して、Va-lthから逃れた。
(;^ω^)「くそっ……せっかくのチャンスなのに……!」
後一歩、届かなかった。
一つ上を行っても、更に別の手で上回られてしまう。
- 315 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 10:32:35.24 ID:LlSDTGTdO
- 支援
- 316 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 10:32:39.53 ID:hlZ+Djy40
-
それこそが、アンノウンの狙いだ。
一つ一つの希望を、絶望に塗り替えることが、喜びなのだ。
爪 ゚W〉《上手く逃れたな……だが!》
再び腕を振るい上げる。
川 ゚ -゚)「ちっ!」
弾丸も、届かない。
打ち上げではどうしても頭に遮られてしまう。
的確に狙い撃てるのはやはり、上空からでしか不可能だろう。
アンノウンの次の手を必死で止めようとするクーであったが、彼は意に介さず。
振り上げた手が取った行動は、ブーンへの追撃ではなかった。
爪 ゚W〉《チョロチョロと目障りだ……そろそろ出てきたらどうだ?》
(´・ω・`)(……なんだ? 何を言っている……?)
破壊者の手から、光撃、レイが放たれた。
一直線に伸びる光は、分離した触手を貫き、その先にいる標的を的確に狙い撃つ。
ペルソナ使い、ツンに向かって。
ξ;゚听)ξ「ッ────!」
触手の影から、唐突に現れた光に反応することが、できなかった。
川;゚ -゚)「ツンッ!」
- 317 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 10:35:43.75 ID:hlZ+Djy40
-
ξ; )ξ「は……うぁ……っ……」
体を、胸の下辺りを何かが通過した。
そう彼女が思った直後に、噴出する赤色。
暖かい、鮮血。
ξ;゚ )ξ「……ペ……ペルソ……」
再び襲う光線が、今度は右膝を穿つ。
支えを失い、地に倒れた。
うつぶせになった彼女の腹部、膝が触れている床が、赤く染まっていく。
あまりの激痛にペルソナを呼ぶことも出来ず、彼女は意識を失った。
川;゚ -゚)「ツン! おい! 返事しろ!!」
返事は、彼女の耳に届かない。
川;゚ -゚)「オルトロス!!」
∧_∧ ∧_∧
(叉)゚,, >|<,,゚(叉)「「アオオオオオン!!」」
- 318 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 10:38:54.51 ID:hlZ+Djy40
-
急ぎクーが、跨ぐ魔獣に命令しツンの元へと駆けようとした。
しかし、触手が進路をふさぐようにして、彼女の邪魔をする。
川#゚ -゚)「ち……どけッ!」
彼女の頭に浮かんでいたのは、自分を助けるため重傷を負った、この世界のショボンの姿。
彼を思い出したことがクーを更に焦らせ、冷静さを奪っていった────
──インビジブル城・地下──
(*゚ー゚)『今のアンタとなら、うまいことやっていけたと思うんだけど。惜しいなぁ』
( ФωФ)「…………」
光の雨の中、ロマネスクはシースルーの話に耳を傾けていた。
( ФωФ)(……うまいこと……か……)
- 319 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 10:39:25.12 ID:EmS/Y3+FO
- 支援
- 320 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 10:42:01.98 ID:hlZ+Djy40
-
彼女の言葉に、ロマネスクは今の自分と重なるような感覚を抱いた。
記憶を取り戻し、好敵手とも言えたシースルーはこの世から去り。
かつて自分に従っていた魔族達も、大半が死に、或いは己の道を歩んでいた。
それを知った時の虚無感は、途方もない風が心を吹き抜けたような。
ロマネスクにそんな錯覚を覚えさせるほどのものだった。
( ФωФ)(……それに似たようなものか)
(*゚ー゚)『それがね────』
( ФωФ)「……?」
(*゚ー゚)『悔いと言えば、そうなるのかな』
( ФωФ)「…………」
(*゚ー゚)『旅も、アンタとの闘いも楽しかったけど、やっぱり死んじゃったからね〜』
(;ФωФ)「死んだわりにはさっきからノリが軽すぎるぞ……」
(*;ー;)『ううっ! あたし死んじゃった! 死んじゃったよ〜!!』
(;ФωФ)「やめろ! 気色悪い!」
(*゚ー゚)『ね、キャラじゃないし、メソメソするのは嫌いなのよ』
(;ФωФ)「傍若無人を体現したような奴だ……」
- 321 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 10:44:48.69 ID:hlZ+Djy40
-
(*゚ー゚)『それよかさ、見てみなよ、あれ』
言われずとも、ロマネスクは光線を避けるために前方を見ていた。
実体のシースルーの、表情もだ。
(* ー )
実に楽しそうに、力を放っている。
自我が離れていても、彼女はやはり、シースルーであるのだ。
自身の体のことは、彼女が一番分かっているのだろう。
( ФωФ)「まったく。魂が別離しているというのに、お前はお前のままなのだな」
(*゚ー゚)『そ♪ 私はどーなっても私を失わない。自分が大好きだからね』
( ФωФ)「ふん……」
でも、と言い。
(*゚ー゚)『それでも、私はもう死んでる。この大事な戦いに、加わることができない』
( ФωФ)「……?」
(*゚ー゚)『これがさ、結構悔しいんだwww
……って! 危ないよ!』
( ФωФ)「わかっておるわ!」
- 322 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 10:46:10.81 ID:UzemVFYsO
- オープニングのシースルー可愛すぎロマネスク溢れるダンディズムすぎ支援
- 323 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 10:46:15.35 ID:7DM9ePV4O
- 出勤
- 324 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 10:47:10.57 ID:hlZ+Djy40
-
(# ФωФ)「はぁッ!」
数十度目かのレイを躱し、ロマネスクは攻撃に転じる。
シースルー周辺の空気を凍結させ、彼女をその中に閉じ込めようと力を放った。
それに動じず、尚もレイを打ち続けている。
空気中の水分が凍り付き、シースルーに纏わり付こうと迫る。
が、光の翼が覆う魔力のコーティングに触れるだけで、氷は蒸発してしまう。
それでもロマネスクは、力を送り続けた。
執拗に迫る氷が、実体シースルーの視界を塞ぐ。
それを鬱陶しく思ったか、レイの連続射出を停止した。
代わりに、右腕を振り上げて、そのまま袈裟に振り下ろす。
( ФωФ)「む……!」
それだけで、周辺に浮かんでいた氷の全てが、吹き飛んだ。
その手に握られていたのは、魔力を圧縮させて生み出された光の剣。
ツン=ヴィラートの雷の剣と原理は同じだが、威力は段違いである。
そして、疾駆。
再び光の羽を舞い上げて、笑みを浮かべた女が滑走する。
剣を突き出し、超速度で突進してきた彼女を、ロマネスクは正面から迎え撃った。
ロマネスクの手には、同じ様にして創られた巨大な氷の斧があった。
刀身を重ね、軌道を逸らし、受け流す。
その一撃で彼の氷斧は、粉々に砕け散ってしまった。
- 325 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 10:50:43.11 ID:hlZ+Djy40
-
( ФωФ)「もう少し……か」
言い、ロマネスクは右腕を振る。
その直後、既に新しい斧が生まれていた。
シースルーは彼の後方で砂塵を巻き上げながら停止。
そのまま再び、地を蹴った。
今度は上段から打ち下ろす一撃だ。
といっても、ロマネスクとは相当の身長差がある。
そのまま振り下ろされれば、脳天ではなく顔面を割られるだろう。
(# ФωФ)「これなら────どうだ!?」
光と氷が、交錯する。
今度は破壊されずに、拮抗していた。
互いに十字を挟んで、睨み合う形になった。
(# ФωФ)「シースルー! 体に戻ったりはできんのか!?」
そのままの状態で、叫ぶように問いかける。
刃部分を交差している状態で、彼は氷斧に魔力を送り続けていた。
そうしなくては、また破壊されてしまうからだ。
(*゚ー゚)『無理だね〜。もうそれは完全にアンノウンの操り人形。
っていうかもう私は死んでんのよ? どうせ戻ったって、状況は変わらないわよ』
(# ФωФ)「ええい! 使えん奴め!」
- 326 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 10:51:28.89 ID:7DM9ePV4O
- 女ゆうしゃつえー
- 327 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 10:53:48.95 ID:hlZ+Djy40
-
(*゚ー゚)『…………』
(# ФωФ)「……?」
すぐにまた何かを言い返すだろうと、ロマネスクは思っていた。
返ったのは、無────……沈黙、だった。
彼の耳に聞こえるのは、刃と刃を交え、そこに生じる魔力が爆ぜる音だけだ。
少しの間、その状態が続いた、後に。
(*゚ー゚)『ロマネスク』
(# ФωФ)「ッ……なんだ……?」
(*゚ー゚)『さーっさとそれ、倒しなさいよ』
(# ФωФ)「ッ────!!」
すぐに、地を蹴った。
前ではなく、後方へ飛ぶために。
斧は既に、破壊されていた。
ロマネスクの心に僅かな動揺が走り、斧が砕かれたのだ。
一瞬のことだったが、破壊されることを察知して、その前に退避した。
実体シースルーはすぐに追撃をかけたが、新たに創った斧でまた、受け止める。
( ФωФ)「……できるものなら、既にそうしている」
- 328 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 10:56:53.69 ID:hlZ+Djy40
-
(*゚ー゚)『嘘、だね』
ロマネスクの言葉を、さも当然のように真っ向から否定した。
(*゚ー゚)『アンタは心の何処かで、憂えてる。怯えてる』
( ФωФ)「……何を言っている……」
(*゚ー゚)『再び現れてくれた私という好敵手を失う。そのことを、恐れてる』
(# ФωФ)「自意識過剰……だ……!」
斧を握る力と、送る魔力の量が、増した。
(*゚ー゚)『ロマネスク……今アンタは、選ばれつつある』
(*゚ー゚)『アンノウンを倒す者の一人として、この場を切り抜けないといけない』
(# ФωФ)「シースルー……お前、何を知っている?」
自分と同じタイミングで王の間に着いたなら、
アンノウンについて持ち得る知識は同等のはずだ。
だが、シースルーはどう見ても自分以上の知識を持っている。
それが、彼が抱いた違和感だった。
(*゚ー゚)『そうねぇ…………聖剣って、あったでしょ?』
- 329 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 10:59:04.15 ID:7DM9ePV4O
- まーさーかー
- 330 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 11:00:07.24 ID:hlZ+Djy40
-
ロマネスクの脳裏に、全ての力を無効化した大剣の姿が浮かんだ。
( ФωФ)「あれが、どうした?」
(*゚ー゚)『私はアンタの禁呪を受けて死んだあと、こうして精霊になったの』
(*゚ー゚)『どうやってなったか? 知らねぇwwwwww』
と、茶化したシースルーだったが、それには当然理由がある。
千年前の戦いでシースルーが受けたエターナル・フォース・ブリザード。
光魔法を以てしても防ぐことが不可能と悟り、彼女は別の手を打っていた。
それが、魂の別離、精霊化だったというわけだ。
実体シースルーが、光の剣を引いた。
すぐに、下から掬い上げるような一撃がロマネスクの左脇に迫る。
氷の斧の頭を下に向け、それを止めた。
(*゚ー゚)『で、美の女神と化した私は、人の思念を読み取る力を得たわけよ』
(;ФωФ)(精霊じゃなかったか?)
(*゚ー゚)『ただ、それだけ。それを知って現世に何かをするってことは、できないのよ。
こうやって意思を伝えることはできるんだけどね〜』
(*゚ー゚)『例えば悪い奴を見つけても、それをブチのめすってことはできないわけ』
ぺらぺらと喋り続ける彼女の前では、激しい力比べが行われている。
実にシュールな光景だが、ロマネスクは既にかなり慣れてきていた。
- 331 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 11:03:57.39 ID:hlZ+Djy40
-
(*゚ー゚)『そんなわけでアンノウンって奴の思念を、チョチョイっと、ね♪』
( ФωФ)「なるほど……なッ!」
強く、シースルーの剣を弾いた。
光の魔力を圧縮した剣は、硬質化しておりはっきりとした質量がある。
力で勝るロマネスクはそれを弾き、斧を小さく動かし首を目がけて振り上げる。
(* − )
それを、受け止めた。
ロマネスクは、振り抜けない。
力押しすれば斧が破壊されてしまうからだ。
呼吸を読み、魔力の波長を合わせねば、攻めに転ずることが難しい状況だった。
(*゚ー゚)『アレがどんなのかってのは、大体察しがついてるわよね?
よーするに悪霊みたいなやつなんだわ』
( ФωФ)「……それが何故実体化したのだ?」
(*゚ー゚)『そーこ! そこで聖剣がでてくるのよ』
( ФωФ)「ふむ……」
(*゚ー゚)『聖剣は願いを叶える力を持ってる。どんな願いでもよ』
( ФωФ)「それはまた……大袈裟なものだな」
- 332 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 11:06:40.06 ID:uNZ3gdLRO
- 寝過ごした支援
- 333 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 11:07:15.74 ID:hlZ+Djy40
-
(*゚ー゚)『例えば────無敵の力をくれだとか、永遠の命、とかもね』
( ФωФ)「ッ────!!」
予感が、過ぎった。
それは本当に、例えなのかと。
斧を支える魔力は、途切れさせずに。
シースルーは表情こそ崩さなかったが、どこか真剣味が増していた。
(*゚ー゚)『実体がなかったアンノウンは、聖剣に触れて肉体を手に入れた。
それがアイツが叶えた、最初の願いよ。
まぁそれで大半の力を使用しちゃったみたいなんだけどねwww』
( ФωФ)(……誤魔化した……のか?)
そう考えて、すぐに却下した。
シースルーはそこまで器用な性格ではないと、断じたのだ。
それでも、シースルーが言った例えは、彼の頭から離れなかった。
(*゚ー゚)『で、アンノウンも聖剣の力が使えないままじゃ困るわけだ。
滅ぼすつもりなのはこの世界だけじゃないからね。
異世界のあの子達の世界も、滅ぼそうとしてる……のは、聞いたでしょ?』
( ФωФ)「ああ、聞いている」
(*゚ー゚)『だから、力をチャージしないといけないわけなのよ』
- 334 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 11:07:47.88 ID:7DM9ePV4O
- そんなハイペースで大丈夫か?
- 335 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 11:08:57.26 ID:uNZ3gdLRO
- しえーん
- 336 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 11:11:07.42 ID:hlZ+Djy40
-
その理由こそが、ショボン=ルージアルが辿り着けなかった答え。
主人公格という存在を、聖剣で斬りつけること。
それが、聖剣へ力を送ることになるのだ。
主人公格とは。
主人公格へと昇華する為に、ロマネスクは試されている。
そのことを、シースルーは語った。
( ФωФ)「……そういうことか」
(*゚ー゚)『そーゆーこと』
(*゚ー゚)『主人公格として、せか……聖剣、がね。認めないと、力にはならない。
強いだけじゃだめなんだよ。そんだけなら、私の体ぶった切ればいいことだし』
( ФωФ)「異世界の戦士達が危険だな……一刻も早く伝えねば」
ロマネスクはまだ、ブーン達が聖剣では何も斬れないと勘違いしていると思っていた。
丁度その頃、ショボンがそれは間違いであると指摘していた時だった。
(*゚ー゚)『あ、それは大丈夫。一人鋭い子……子じゃねーかなあれはwwwww
鋭いオッサンがいたから、多分気が付いてるよ。っていうか気付いたみたい』
( ФωФ)「なるほど。ショボン=ルージアルと言ったか……あの男あたりだな?」
(*゚ー゚)『正解! 魔王、物覚え良いな』
( ФωФ)「一応は、力を認めているからな」
- 337 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 11:11:45.00 ID:uNZ3gdLRO
- しえしえ
- 338 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 11:14:35.35 ID:uNZ3gdLRO
- もひとつ支援
- 339 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 11:14:49.03 ID:hlZ+Djy40
-
(*゚ー゚)『そういうわけで、ほら。とっととやっちまえwwww』
( ФωФ)「…………」
(*゚ー゚)『……ダメだよ。迷っちゃ』
(*゚ー゚)『アンタにはやるべき事がある。するべき事がある。
復活して、アンタのしもべはみんな死んでしまっていた。
魔族と人間がうまくやっていることも知った』
(*゚ー゚)『これじゃアンタは、お払い箱だよね。復活損wwwww』
( ФωФ)「……そうだな。たしかに、余がいる意味はないだろ────」
(*゚ー゚)『それでも! 理想的な世界になったこの世界を守ることはできる。
この戦いの役者として、アンタは舞台に立つことができる!!』
(*゚ー゚)『…………私に遠慮も、いらない』
( ФωФ)「…………」
思念を読み取ることができる。
シースルーがそう言っていたことを、彼は思いだした。
どう取り繕っても、やはり胸の内は知られているのだ、と。
千年前、ロマネスクはシースルー達との戦いの最中、変わっていった。
信頼という力を見、脆弱なはずの人間に思わぬ力を見せつけられた。
それに対し、自身も全力を尽くして戦うことの爽快感は、大いに心を満たしていったのだ。
- 340 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 11:16:19.24 ID:uNZ3gdLRO
- 紫煙
- 341 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 11:19:13.81 ID:hlZ+Djy40
-
ロマネスクにしてみれば、シースルとの戦いの直後と変わらない。
禁呪がもたらした凍結は、千年という時の経過すらも凍結していたのだ。
人並み外れた力を持っていたとは言え、人間であるシースルーは耐えることができなかったのだが。
目覚めた時、記憶は曖昧であったが肉体は戦いを覚えていた。
加えて、戦いの決着も彼は認めていない。
禁呪の思わぬ副作用は、相打ちしかもたらさなかったためだ。
できることなら、決着をつけたい。
それと同じくらい、闘いを楽しみたい。
充実したこの瞬間を、味わいたい、と思っていた。
シースルーを完全に殺せば、その時を味わえることはもうない。
同胞も全て、いない。魔族の王国を創ることも、最早する必要がない。
この闘いが終われば、彼は完全に一人になってしまうのだ。
それが、憂え。それが、恐れ。
最高の好敵手を失う。
そのことが、彼の胸の奥にいつまでも蟠り続けていた。
(*゚ー゚)『……悪いとは思ってるよ。アンタに全てを託してるみたいだしさ』
( ФωФ)「…………」
氷の斧に、一筋の罅が走った。
- 342 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 11:22:02.31 ID:hlZ+Djy40
-
( ФωФ)(世界を救うため……か……)
( ФωФ)(魔王たるこの余が……)
( ФωФ)(…………いや)
考え、即座に却下した。
そう考えるのは転嫁でしかなかったからだ。
心のつかえはシースルーに指摘された通りなのだから。
斧が、砕けた。
先と同じ様に、後方へ下がる。
(* − )
追撃。それも受ける。
危なげなく、余裕をもって。
ただ、防ぐ。
意識さえ集中していれば、斧は破壊されない。
三、四、五合と────
(*#゚皿゚)『オイまおおおおおおぉぉぉぉぉぉおおお!! お前やる気あるんかあああぁぁぁぁぁ!!』
- 343 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 11:22:42.19 ID:Ozv6FzE60
- いつのまにか合作がクライマックスだった件について
- 344 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 11:22:51.85 ID:uNZ3gdLRO
- しえんしえん
- 345 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 11:22:53.63 ID:FeoimDVq0
- sie
- 346 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 11:25:07.65 ID:hlZ+Djy40
-
粉々に砕け散る。
ロマネスクの驚きを、氷の斧がその身を以て表現した。
(;ФωФ)「ッ!?」
今回の動揺は、少しの間続いた。
追撃の刃を、防げない。
ロマネスクは躱すことで対処した。
マントの端が斬られ、切れ端が光の魔力を受け消滅する。
(*#゚皿゚)『こんな闘いをいつまで続ける気なの!?
世界の危機だっつってんだろうが! バカ魔王! カス魔王!』
(;ФωФ)「だ、黙らんか!!」
(*#゚皿゚)『やだね! 自分と世界を天秤にかけてぐらついてるような奴、見てられねぇ!!
この世界の代表がウジウジしてんじゃないよ!! 私と変われ! 無理だけど!』
シースルーは憤怒の形相で支離滅裂なことを捲し立てる。
実体の彼女は相も変わらぬ笑みを浮かべ、光の剣撃を見舞っていた。
なんとか立て直し、ロマネスクは再び斧を生み出して、それを受ける。
(*#゚−゚)『フゥー……フゥー……フシュゥゥゥゥゥ……』
まるで煙でも吐き出しそうな息を吐いて、呼吸を整えた。
精霊でも疲れを感じるものなのだろうか。
答えはノーだが、雰囲気を重んじるシースルーには大切な事のようだ。
- 347 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 11:28:10.07 ID:uNZ3gdLRO
- しえ
- 348 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 11:28:29.12 ID:hlZ+Djy40
-
千年前の闘いで、シースルーはロマネスクの禁呪を受け入れた。
禁呪の使用は魔王自身をも封印してしまうデメリットに、気付いたからだった。
あの時、彼女はそうすることしかできなかった。
光魔法を以てしても、ロマネスクを打ち倒す事は不可能だったからだ。
やられはしない。しかし、倒す手段も見出せない。
エターナル・フォース・ブリザードを受け入れたのは、苦肉の策だった。
できることなら決着をつけたかった。
当然彼女は、今でもそう思っていた。
だがそれよりも、世界の平和を選んだ。
後は上手くやるようにと、仲間であるギコ達に託して。
託された彼らは、彼女の犠牲を無駄にせず、現代という時代の礎を見事に築き上げた。
それに比べて、ロマネスクは少し違う。
彼女からしてみれば、決着をつけることを渋っているだけなのだ。
シースルーと同じ思いがあることは、間違いない。
それでも、前者の思いが上回っている。
加えて、仲間達が作り上げた世界の終焉も、迫っているのだ。
彼女の怒りも、尤もである。
(*゚−゚)『……ロマネスク』
その口調は、一転して静穏そのものだった。
- 349 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 11:30:27.16 ID:uNZ3gdLRO
- 支援
- 350 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 11:30:46.52 ID:iKy+yQzDO
- 支援
- 351 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 11:31:31.51 ID:43edo4Ee0
- しえしえ
- 352 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 11:32:04.34 ID:hlZ+Djy40
-
(*゚−゚)『私はもう死んでるんだよ?』
(;ФωФ)「…………」
(*゚−゚)『この姿でいられるのも、あと僅かなの』
(*゚−゚)『アンタに見えるように、残された力を全て使って、私はここにいる』
(*゚−゚)『その後は、普通の人間と同じ。ただのオバケになって、天国に帰るだけ』
ふ、と悲しげな笑みを浮かべて、
(*゚ー゚)『だから────…………』
できる限り、いつものままの笑顔で。
自身の思い全てを、伝えた────
- 353 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 11:33:36.33 ID:uNZ3gdLRO
- むう
- 354 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 11:34:48.03 ID:hlZ+Djy40
-
──インビジブル城・王の間──
(´・ω・`)「ツンッ……!」
ショボンからでは大量の触手が死角となり、ツンの姿を確認できない。
闇の審判を維持しながら、少しずつ距離をとっていった。
(;^ω^)「BLACK DOG!!」
発した指令は急下降。ブーンも急ぎツンのもとへと。
(;^ω^)「……? なんだお……この反応……」
突如として、それは出でた。
ブーンのセンサーが異常を察知したように、異能を操る者たちも。
- 355 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 11:36:14.55 ID:uNZ3gdLRO
- シエン
- 356 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 11:37:29.64 ID:hlZ+Djy40
-
川;゚ -゚)「……なんだ……ドエライ悪魔の気配が……」
ノ)) - 从「…………」
|||゚ - ゚||「この力……邪神クラス……それもかなりの上位……!」
(´・ω・`)(この感じ……あの時の……)
一瞬だった。
たったの一瞬だったが、ショボンは同じ気配を感じた時があった。
ラストスノーの一撃に、覚悟を決めた、あの瞬間の────
爪 ゚W〉《ふん……やっと現れたか》
アンノウンだけが、以前からそれを察知していた。
這い寄る混沌の、影を。
- 357 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 11:39:15.35 ID:uNZ3gdLRO
- なんだなんだ
- 358 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 11:39:28.21 ID:hlZ+Djy40
-
ノ)) - 从「!」
|||゚ - ゚||「む!!」
状況を見ていたように静止していた触手が、動き出した。
厳密には違う。動いたのではなく、『動かされ』た。
地面から現れた、新たな触手に絡み取られたのだ。
アンノウンの尾は、ただただ漆黒であった。
無機質な黒。とても生物的とは思えない外見だった。
しかし、それを絡め取った新たな触手は、あまりに生物的だ。
肉。一言で言えば、それだ。
赤黒い肉が息を呑んだ喉のように隆起し、蠢いている。
先端は昆虫を思わせる巨大な鉤爪が、不規則に生えていた。
『見抜いていたか』
(´・ω・`)(ッ……あの時の、声……!)
声が、響いた。
重く、闇の底から誘うような、低い声が。
倒れたはずの、少女の、口から。
ξ゚ー゚)ξ『この子を殺されてしまうと、少々不都合が生じる。仕方がない』
爪 ゚W〉《……貴様、何者だ》
- 359 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 11:40:34.35 ID:KnEMmP+m0
- ニャル様ー!
- 360 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 11:42:46.21 ID:hlZ+Djy40
-
川;゚ -゚)「なんだ……ツン……怪我は……?」
腹部と膝からの出血は、止まっている。
彼らの困惑も、当然だ。
アンノウンですら、その存在はイレギュラーなのだから。
(´・ω・`)「ツン! 目を覚ませ!!」
闇の審判を発動させたままで、叫ぶ。
ペルソナの力に呑まれた自分に、そうしてくれたように。
ショボンはツンが強力なペルソナに呑まれてしまっていると思っているのだ。
だがそれは、間違いである。
ξ゚ー゚)ξ『ショボン=ルージアル、だったか?
焦らずとも、この依り代をどうこうするつもりはない』
(´・ω・`)「……なんだと?」
ξ゚ー゚)ξ『与えた力、上手く扱っているようだな』
(´・ω・`)「ッ……やはり、貴様か……」
ξ゚ー゚)ξ『ああ、そうだ』
“ツン”が右手を胸の高さまで上げた。手のひらを、上に向け。
その上で浮遊する物体は、黒い箱。
(´・ω・`)(俺の前に現れた……あれか……)
- 361 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 11:43:34.61 ID:uNZ3gdLRO
- 支援
- 362 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 11:43:41.09 ID:Ln9dQrqN0
- ニャルさん降臨支援
- 363 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 11:45:47.78 ID:FzESSlW10
- フラッシュのツンさん可愛すぎて俺の股間のニャルラトホテプがエレクトゥ
- 364 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 11:45:55.40 ID:iNLJCcCvO
- 芸さんのしたらばスレの>>113さんの分も支援
- 365 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 11:45:57.92 ID:KnEMmP+m0
- FF13ではお世話になりました、トラペゾさん
- 366 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 11:46:09.87 ID:hlZ+Djy40
-
黒き、トラペゾへドロン。
ξ゚ー゚)ξ『人の手で創られたこんなものでは、やはり苦労するな』
ξ゚ー゚)ξ『だが────私の見る世界にまで手を出されては……黙っているわけにもいくまい』
爪 ゚W〉《貴様……小娘の世界の者だな》
ξ゚ー゚)ξ『いかにも。白痴の塊が踊る狂宴、台無しにされてもらっては困る』
爪 ゚W〉《……ニャルラトホテプ、と言ったか》
ξ゚ー゚)ξ『それもまた、字──あざな──の一つ』
|||゚ - ゚||「ニャルラトホテプ……千の名を持ち、他世界を行き交う力を持つ旧支配者の一人!
ライドウ様、お気をつけください!!」
川 ゚ -゚)「お前、たまには役に立つな」
アンノウンと距離を取り、状況を窺っていたクーのもとへ、クー・フーリンが駆け寄った。
同じ『魔』たるものとして、それなりの知識を持ち得ていたようだ。
爪 ゚W〉《貴様……どうやって異変を逃れた》
ξ゚ー゚)ξ『わからないのか? やはり、“進んでいない世界”は、そこまでしか読めないのだな』
爪 ゚W〉《……!》
ξ゚ー゚)ξ『これだよ』
- 367 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 11:48:10.16 ID:wp6kws4d0
- 支援
- 368 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 11:48:22.05 ID:iNLJCcCvO
- 支援
- 369 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 11:48:27.69 ID:KnEMmP+m0
- アザt……
いやいや、支援
- 370 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 11:49:11.38 ID:hlZ+Djy40
-
ξ゚ー゚)ξ『この箱を以て、私は今ここに在る』
ξ゚ー゚)ξ『顕現、とまではいかなかったがな。
この世界に丁度良い人間がいた。それを利用させてもらった』
その人間こそ、ドクオ=ウッダーであった。
元からトラペゾヘドロンに蓄積されていた力と、彼の魔力を全て吸収し、
ニャルラトホテプはこの世界に自身の『根』を植え付けたのだ。
川 ゚ -゚)「おい、貴様。何を企んでいる?」
ξ゚ー゚)ξ『何も? だが、私がこの少女を救ったのだ。
感謝されるべきだと思うがどうだね、デビルサマナー?』
川 ゚ -゚)「ああ、有り難いが、お前の態度が気に入らない」
ξ゚ー゚)ξ『ふっ……まぁ、私も良いものを見せてもらったからな』
ξ゚ー゚)ξ『ショボン=ルージアル。お前の苦悩、最高の見ものだったぞ』
(´・ω・`)「……ペルソナはその礼、とでも言いたいのか?」
ξ゚ー゚)ξ『そういうことだ。扱えるかどうかは、お前次第だったが』
ξ゚ー゚)ξ『そして────』
肉の触手が高くせり上がり、周囲の触手を全て巻き込んだ。
何かが折れる音と、動物が肉を咀嚼する音が至るところから響き立つ。
音がなくなった頃には、“ツン”の周囲には何も残っていなかった。
- 371 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 11:52:14.98 ID:hlZ+Djy40
-
ξ゚ー゚)ξ『聞け、私が定めた運命を外れさせた破壊者よ』
ξ゚ー゚)ξ『私は影、這い寄る混沌は常に人の影にいる』
ξ゚ー゚)ξ『故に、影は運命を逃れることを、外れることを、決して許さないのだ』
(´・ω・`)「ッ!」
|||゚ - ゚||「ライドウ様!」
川;゚ -゚)「うおぅっ!」
“ツン”の影が、一瞬にして伸びた。
アンノウンの足下へだ。
夜のはずなのに、影は全員の目に、はっきりと映っていた。
その中で、蠢くものも。
ξ゚−゚)ξ(ふむ……やはり、この程度か)
ξ゚−゚)ξ(この娘では、まだ、……いや、元々こちらに送った力が、足りないようだな)
爪 ゚W〉《はぁッ!》
(´・ω・`)「ッ!」
アンノウンが、黒獣の足下に広がる闇に光を放った。
闇は光に焼かれ、次々に質量を削られていく。
やがてオーディンの闇の審判は、消え果てた。
- 372 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 11:55:39.78 ID:hlZ+Djy40
-
爪 ゚W〉《影だと!? 笑わせるな!! 世界に存在してなお影を名乗るなど滑稽!》
“ツン”から伸びた影が、先と同じようにせり上がった。
生まれたものも、やはり同じ。赤黒い肉が形作る、肉の触手だ。
それらが黒獣に巻き付くが、アンノウンは避けようともしない。
爪 ゚W〉《光……光だ……!! 生という光! 力という光!!
そして……神が如き光!! 我はそれになる!! 全てを抹殺して!!》
ξ゚ー゚)ξ『下らん。光あれば闇がある。影から逃れる術など、有り得ないのだ』
爪 ゚W〉《ならば我は、更に気高き光となるだけだ!!
影すらも滅する光に! 貴様の消滅を以て、それを証明してやろう!!》
(´・ω・`)「ッ!!」
黒獣が、一際大きな光を放った。
目を覆い隠さねば、視力を奪われてしまうほどの光量を。
Va-lthの光とは、全く異質の力だ。
その光を、両手の中に集束させて何かを紡ぎ始める。
ξ゚−゚)ξ(ほう……)
漏れた閃光に、“ツン”の触手が触れる。
それだけで、触手は溶かされていく。
肉の欠片も、体液も、影すらも、残さずに────
ξ゚−゚)ξ(そこまで光に執着するか……面白い)
- 373 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 11:58:11.24 ID:7DM9ePV4O
- 熱い声援
- 374 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 11:58:45.02 ID:hlZ+Djy40
-
ξ゚ー゚)ξ(……人の子よ。お前の世界で、待っているぞ)
ξ゚ー゚)ξ(ツン、と言ったか。どうやらアレは闇である私には滅ぼすことができないようだ。
もとより、かの小さき箱やお前を依り代にしなければ、存在することもできないからな)
『……あなたが……私たちの……!』
ξ゚ー゚)ξ(覚えておけ……と言っても無理だろうが。いずれ会うことになるだろう。
その時に知れ。這い寄る混沌とは何かを)
『ニャルラ……トホテプ……!』
ξ゚ー゚)ξ(既に運命は、放たれたのだからな。
運命からは────逃 れ ら れ ん の だ)
影が舞った。ツンの体からすっぽりと抜けるようにして。
ショボンたちはそれを視覚することができない。
ブーンのセンサーも、それを感知することができなかった。
体の自由を取り戻したツンが、とさりと地に膝をつく。
意識は混濁しているままだった。
ξ; )ξ「っ…………」
ニャルラトホテプが体から去った今、彼女を守るものは何一つない。
そんなツンには目もくれず、アンノウンの視線は上空を指していた。
- 375 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 11:59:11.49 ID:yDUTgrt3O
- なんかアノウンコが小者になっちまった
- 376 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 12:02:07.98 ID:hlZ+Djy40
-
爪 ゚W〉《消え失せろッッ!! “hiero-sgry-pein”────!!》
光が、爆ぜた。
球体が広がるように、大きく、周囲に。
巨大なオーブの体表が、全員の体を通過していった。
それでも拡張は治まるところを知らない。
城全体を通過し、海に差し掛かり、その果てまで光は続いていった。
彼らが目を開け飛び込んできた光景は、夜空に煌めく星々、そのままだ。
(´・ω・`)「無事か!?」
川 ゚ -゚)「む……問題ないが……今のは……?」
(;^ω^)(システムには異常なし……BLACK DOGも正常に作動している)
(´・ω・`)「今の光は……」
ノ)) - 从「…………」
|||゚ - ゚||「今のは……強大な邪を滅する光……かつてそんなものを見た気がします」
川 ゚ -゚)「本当か? 適当こいてたらぶっ殺すぞ」
|||;゚ - ゚||「ええっ!? いや、間違いないはずです。
私たちが無事なのが、なによりの証明かと」
川 ゚ -゚)「ふむ……」
- 377 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 12:02:17.92 ID:uNZ3gdLRO
- ニャル様かっけー
- 378 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 12:04:21.89 ID:MuUGyuK80
- 最初から小物だった気がしなくもない
- 379 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 12:04:36.53 ID:KnEMmP+m0
- ニャル様華麗だな
- 380 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 12:05:40.02 ID:hlZ+Djy40
-
(´・ω・`)「ということは……ニャルラトホテプは消えたのか……」
ツンの手に、黒きトラペゾヘドロンはもうない。
まるで最初からいなかったかのように、気配すらも掻き消えていた。
はっと顔を上げ、ショボンはオーディンを喚びだした。
(´・ω・`)(ペルソナはまだ使えるか……ありがたい)
クーがツンに駆け寄る。出血は多かったが、傷口は塞がっていた。
丁寧に仰向けに寝かせると、視線をアンノウンへと投げる。
果たしてそこに、黒獣はいなかった。
爪 ゚W〉《下らん……実に下らん……世界に生を受け、何故闇で在るというのだ……。
斯様な醜き存在も、我以外の人も、全て抹消してやる……!》
黒獣は対極の色、白に染まっていた。
ただ、アンノウン自身は黒いままだ。
白獣は微量な光を放ち続けている。
神々しくも、あった。
川 ゚ -゚)「わけわからんが……的は見やすくなったな」
白に浮かぶ、漆黒の体。
そこに泳ぐ、深紅の眼。
変わったのは、直下に構える獣だけ。
そのはずなのに。
一同を押し潰すような威圧感が、増大していた。
- 381 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 12:08:11.13 ID:uNZ3gdLRO
- しえーん
- 382 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 12:09:36.69 ID:hlZ+Djy40
-
アンノウンがこの世に生まれた理由────
光に憧れ、羨み、求め、恨んでいた。
闇を本質とする邪神、ニャルラトホテプは、正反対の存在だったのだ。
存在しているのに闇に生きるという、許し難き矛盾。
そう。アンノウンにとってそれは矛盾なのだ。
嫉妬と憤怒を力に変え、光魔法を昇華させた。
己を生んだ負の感情を、力に変えた。
神が如き、闇を滅する光と成る。
白獣はその、表れだ。
川 ゚ -゚)「強大な邪を滅する……あいつは悪だろう? 自滅すればよかったのに」
(´・ω・`)「……悪か正義か、それは奴の定義次第だ。そういうことだろう」
(;^ω^)「まぁ、理屈はわかるけど」
(´・ω・`)「自分の正義は何をしてでも貫く……俺もそうさ」
Zを握る手に、自然と力が入っていた。
(´・ω・`)「だから全力を以て奴を倒す。倒さねば自分の正義を貫くことができん」
川 ゚ -゚)「あぁ、それには同意だ。(未定だけど)私も愛するショボンと挙式を上げる為にだな……」
(#^ω^)「僕だって、とっとと元の世界に帰らないと……!」
- 383 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 12:12:22.72 ID:LasWrnaKO
- まだ>>348までだけど出勤
作者がんばれみんながんばれ
逝ってくる
- 384 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 12:13:12.80 ID:hlZ+Djy40
-
ξ;--)ξ「ぅ……」
(´・ω・`)「クー、ツンを見ていてくれるか?」
川 ゚ -゚)「まぁ、いいだろう。出血のショックで気を失っているだけのようだ」
川#゚ -゚)「だが、チャンスがあれば私もいかせてもらうぞ」
(#^ω^)「アンノウン……!」
雄々しく立つ白獣の、頭上。
黒き一点、アンノウンを強く見つめる。
尾は、生えていなかった。
川#゚ -゚)「偉そうに後光まで纏いやがって」
爪 ゚W〉《……幕引きだ》
クーの言葉は、拾われず。一言で、断じた。
腕を振り上げ、袈裟に振り下ろす。
その一瞬で、右腕が変化した。
(´・ω・`)「ッ!!」
川 ゚ -゚)「聖剣……!?」
(;^ω^)「いや、いやいやいや、それにしたって……」
- 385 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 12:16:39.58 ID:hlZ+Djy40
-
右腕が、聖剣の姿に変わっていた。
細かな装飾なども、完全に再現されている。
それでも一同が驚いたのは、その大きさだ。
どれ程なのか、具体的な数値はブーンの網膜に表示されていた。
(;^ω^)「推定……8メートル!? どんだけでかくなってんだお!」
川;゚ -゚)「下の獣と同じようなサイズだぞ!」
(´・ω・`)「いや……本物ではないだろう。本物ならば巨大化させることもできないはずだ」
川 ゚ -゚)「そうか、そうだよね」
(;^ω^)「しっかし、なんつーアンバランスさだお……」
右腕が生えている上半身は、勿論当初のサイズのままだ。
白獣と同じサイズの体であれば、神話に登場する半身半獣の生物が思い浮かぶところだが。
異様。誰もがそうとしか言えない姿だった。
そして異形化は、それだけに留まらない。
尾が生えた。というよりも、光が尾の形になった。
とても質量があるとは思えない光の尾が、最初と同じく、四つ。
白獣の後光を強調するように、放射状に並び立っている。
川 ゚ -゚)「……あんなキツネ、悪魔にいたよな」
|||゚ - ゚||「はい……似たようなのは……」
- 386 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 12:17:20.89 ID:uNZ3gdLRO
- 支援
- 387 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 12:19:28.79 ID:7DM9ePV4O
- 長身イケメン金髪だおだお
- 388 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 12:19:57.99 ID:hlZ+Djy40
-
爪 ゚W〉《……だめだ》
(´・ω・`)「……?」
爪 ゚W〉《どれほど姿を変えようとも、真の輝きには届かぬ……》
ξ;--)ξ「……」
爪 ゚W〉《貴様たちだ……全ては、貴様たち……主人公格が……!》
川 ゚ -゚)「悪役にはよくあるタイプだな。まるで話を聞かん」
爪 ゚W〉《ならば全てを滅する!! さすれば輝きは我だけのものとなる!!》
(#^ω^)「わっけわかんねーこといってんじゃねーお!!」
爪 ゚W〉《わかるまい! 永遠の闇を彷徨った我の苦しみなど、わかるまい!!》
爪 ゚W〉《主人公格よ! 光を抱いて滅び去れッッ!!》
尾、否。
光が、伸びた。
漆黒の触手だったものが、今度は光の帯となり、数十、数百も。
一つがブーンの足下に届き、石床をいとも簡単に穿つ。
先に見た光魔法、レイの威力を秘めている。
恐らく、その全ての光線が。
- 389 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 12:22:02.56 ID:uNZ3gdLRO
- 私怨
- 390 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 12:24:24.33 ID:hlZ+Djy40
-
(´・ω・`)「これは……」
斬ることも。
(;゚ω゚)「……あれ、全部が……」
撃ち落とすことも。
川;゚ -゚)「おい……防げるか、あれ」
ノ)); - 从「…………」
|||;゚ - ゚||「……いざという時は、私が盾に」
,/i/i、
ミ,,゚(叉)「あれ程の力……そして疾さ……躱すのも難しいな」
∧_∧ ∧_∧
(叉)゚,, >|<,,゚(叉)「「アンナノ 食エネーゾ!」」
防ぐことも、躱すことも。
ξ;--)ξ「…………」
抗うことすらも、不可能と思えるほどに。
白獣の全身から、光の筋が伸び続けている
触手の時よりも更に多く。しかし今回は、分裂ではない。
夜空を、金色に染めて。
決して比喩ではない金色の雨が、降り注がれようとしていた────
- 391 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 12:25:47.87 ID:d3NfZHsU0
- 支援
- 392 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 12:26:39.43 ID:uNZ3gdLRO
- 支援
- 393 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 12:26:46.85 ID:3H622fVKO
- 支援
- 394 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 12:27:20.29 ID:kbNToH0n0
- 支援
- 395 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 12:27:26.64 ID:7DM9ePV4O
- ろまたん
- 396 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 12:28:14.14 ID:hlZ+Djy40
- ここまでありがとうございました
皆さん大丈夫ですか? そろそろお昼ご飯にしましょうか
1時再開を目処に、休憩しようと思います
もうちょっとで半分です
- 397 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 12:29:04.93 ID:d3NfZHsU0
- 待ってる
- 398 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 12:30:59.58 ID:7DM9ePV4O
- 加速すべきか減速すべきか……
- 399 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 12:32:03.73 ID:j3JEG92TO
- 以下一時まで昼飯ホウコクスレ
やきそば+雪見大福
- 400 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 12:33:47.82 ID:hlZ+Djy40
- >>398
お気遣いありがとうございます
生の声っていうのはやっぱり嬉しいし、醍醐味ですから、1000とか気にしなくてオッケーです
いったらいったで次スレ立てますので!
- 401 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 12:34:09.57 ID:KnEMmP+m0
- もうちょっとで半分……だと……?
1スレ埋まっちまうんじゃねーのコレ
- 402 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 12:35:43.74 ID:hlZ+Djy40
- ああでも、もしそうなった場合、必ず最初のスレを使いきってから次を立てます
個人的に書き込める状態で同じスレが二つ以上立ってるのは避けたいので
はい、それではよろしくお願いします
- 403 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 12:35:44.28 ID:d3NfZHsU0
- たまごかけごはん
おでんの残り
ハンバーグ
ミスド
- 404 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 12:36:07.44 ID:7DM9ePV4O
- 豚骨ラーメン
麺の固さは粉落としで
- 405 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 12:41:52.58 ID:kv5xeAyt0
- どん兵衛
- 406 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 12:48:21.67 ID:3H622fVKO
- 月見うどん
- 407 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 13:01:45.73 ID:d3NfZHsU0
- 大気
- 408 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 13:02:28.21 ID:d5fnoDsZ0
- 炒飯
- 409 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 13:03:03.27 ID:hlZ+Djy40
- すみませんでした
次から続きになります
- 410 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 13:04:11.26 ID:u4lboyz+O
- 追いついた、支援ぬ
- 411 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 13:05:01.18 ID:hlZ+Djy40
-
──インビジブル城・地下──
( ФωФ)(…………)
アンノウンの直下が、まだ黒獣であった頃。
ロマネスクはシースルーの言葉に、耳を傾けていた。
盛大な喝を浴びせた後、彼女はぽつりぽつりと語ったのだ。
自身の思いを。自身の、覚悟を。
(* ー )
光の刃を振り回す傀儡は、相も変わらぬ笑顔を浮かべ。
対照的に、彼女を見つめるロマネスクの瞳は、実に悲しげだ。
それは全て、彼女の話を聞いたことに理由があった。
( ФωФ)(シースルー……)
斧と剣を交えて、思うは彼女と、自身のこと。
( ФωФ)(…………余は……)
千年もの時を、眠っていた。
その間に、世界はあまりにも変わりすぎていた。
己に従った仲間たちも、自身の声で送り届けたのだ。
もう、従う必要はない、と。
- 412 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 13:07:11.10 ID:d5fnoDsZ0
- 支援
- 413 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 13:08:01.17 ID:hlZ+Djy40
-
それは、自身すらも同じ事だった。
存在意義が、無くなってしまった。
一度は絶望したものの、アンノウンという存在を知った。
命を狙ったことに激怒していたが、立ち上がった理由は他にもある。
記憶を取り戻すきっかけを与えてくれたブーンとクーに、借りを返す為だ。
魔族の王という矜持が、それをさせていた。
シースルーがいい奴と評価していた通り、彼は礼儀を重んじる男なのだ。
だが、その矜持をも上回ったものが、私情だった。
全てを失ったと、思っていた。
その矢先に、再びシースルーが現れた。
同じ魔族にも、彼に比肩するものはいない。
魔法の研究に一生を捧げる人間をして、氷結系魔法を終わらせた存在と言わしめた。
そんな己と互角に戦った人間が、思わぬ形で目の前に現れたのだ。
その瞬間、戦いを通じ、自身の体に熱いものが蓄積されていった事が思い出された。
まさに血湧き肉躍るような、心を満たす熱き戦いが。
あれをまた、味わうことができるのだ、と。
アンノウンも確かに強大な力を持っている。
だが、シースルーでなくてはいけなかった。
それは何故なのかは、未だ彼の中で答えは出ていない。
矜持は決着を求め、私情はシースルーとの戦いを求めている。
Va-lthの輝きを見た瞬間から、世界のことなどとうに消え果てていた。
それが今、シースルーの話を聞いて、揺らいでいた。
- 414 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 13:08:42.51 ID:d3NfZHsU0
- 支援
- 415 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 13:10:42.42 ID:d3NfZHsU0
- しえん
- 416 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 13:11:12.17 ID:hlZ+Djy40
-
(*゚ー゚)『……で、落ち着いて考えなよ、ロマネスク』
( ФωФ)「……」
(*゚ー゚)『アレが動いてるの、アンノウンの力なんだよ?』
(*゚ー゚)『いずれアイツは、この世界から出て行く。
なっっっっっ……さけない魔王がまごまごしてるうちに』
(*゚ー゚)『あ、いいこと思いついた♪
アンタ今日から『魔ごう』って名乗れば?wwww』
(*゚ー゚)『語呂悪ぃな……んで、そうなったら、この世界は終わっちゃうんだよ。
死ぬこともない。アイツは、主人公格にしか興味ないから。
アンタは永遠に誰にも相手にされないで、今度こそさよならなの』
( ФωФ)「……死ぬことすらも……」
(*゚ー゚)『そう。私がさっき言ったことも、何も叶わないんだよ』
( ФωФ)「…………」
体験した者にしか、その苦悩はわからない。
シースルーとの戦いがどれほど大切なものであったかは、彼にしかわからない。
そして、千年の眠りもまた、同じ。
死ぬことすらも叶わぬのなら、また長き眠りに……。
いや、次は永遠に覚めることのない眠りにつくのだ。
それもまた、彼にしかわからぬ苦痛であった。
- 417 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 13:11:21.01 ID:d5fnoDsZ0
- 支援
- 418 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 13:13:25.66 ID:d3NfZHsU0
- 紫炎
- 419 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 13:14:34.89 ID:hlZ+Djy40
-
もう、何度刃を交えただろうか。
数十、もしかしたら百を超えているかもしれない。
踊る傀儡に、疲労は見えない。
ロマネスクもそうだったが、彼は別のものとも戦っていた。
己の心で交差する、二つの想いの戦いと。
この時を求める自分と、次を求める自分との、葛藤と。
しかし、今はただ、時間だけが過ぎてゆく。
シースルーは何も言わず、じっと彼を見ていた。
彼がどれほど苦悩しているか、分かっているからだ。
そして、それを動かすであろう存在も、分かっていた。
( ФωФ)「ッ!」
光の剣が、ロマネスクの腕を掠めた。
この戦いで初めて生まれた、浅い、本当に浅い傷。
それが。
( ФωФ)「────……」
それが、彼に気付かせた。
違う。
これは、違うのだと。
- 420 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 13:15:52.61 ID:wp6kws4d0
- しえん
- 421 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 13:15:58.28 ID:d3NfZHsU0
- しえん
- 422 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 13:17:40.09 ID:hlZ+Djy40
-
(* ー )
光の翼を纏ったシースルーが、高く舞い上がる。
そのまま落下の勢いをのせ、光の剣を────
( ФωФ)(シースルー……あれは紛うこと無き、余の好敵手……)
( ФωФ)(しかし……しかし……)
Va-lthは確かに、強力だった。
だが、それだけ。強力な、だけ。
確たる違いが、一つだけ。
(#ФωФ)「この斬撃もそうだッッ!!」
音が弾け、声が響く。
爆ぜたのは、その二つと、怒り。
シースルーの光の剣は、ロマネスクの氷斧に受け止められていた。
斧の大きさは、巨躯のロマネスクの倍はある。
まるで、彼の怒りを体現したかのように。
(#ФωФ)「違うのだ!! あの時のシースルーの……」
(#ФωФ)「重みが……足りんッッ!!」
(* − )「ッ!!」
- 423 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 13:21:04.97 ID:hlZ+Djy40
-
(*゚−゚)『オイ、私が重いみたいじゃんかそれ』
彼女の言葉は、彼の耳には入らなかった。
(#ФωФ)「全ての力が、あの時と違うのだ!
余を滾らせる熱き重みが、感じられんのだ!!」
攻勢に転ず。
どう受けられても、どう受けても、斧には罅一つ入らない。
巨大だから、魔力を込めたから、そのどれもが違う。
(*゚ー゚)『聞いちゃいない、か。頑張れよロマネスク。
まごまごしてたのは確かにイライラしたけどさ……』
(*゚ー゚)『それ以上に……迷いだけを込めたアンタの力、痛々しすぎるんだよ』
ロマネスクが今抱いた怒り。
シースルーが最初から抱いていた怒り。
同じだった。
認めた者同士だからこそ分かる、戦ったからこそ分かる、本当の力。
魂の込められた、重みある一撃というものを知っているからこそ、怒りが沸き起こるのだ。
(*゚ー゚)『……つっても、私は強いよ? ロマネスク』
忠告のはずなのに、彼女の顔は実に穏やかだった。
もはや自分が案ずることも、喝を発することも必要ないと悟っている証拠だった。
- 424 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 13:21:22.38 ID:KnEMmP+m0
- エフッエフッ支援
- 425 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 13:21:48.95 ID:d3NfZHsU0
- しえしえん
- 426 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 13:24:42.40 ID:hlZ+Djy40
-
(* ー )
光の翼を大きく展開、その姿はさながら天使を彷彿とさせる。
ロマネスクの氷斧を見て、遠距離戦に切り替えた。
再び見せたのは、レイの連続射出。
(#ФωФ)「愚かな……斯様な小雨で余を止められると思うな!」
片手で巨大な斧を、重みを感じさせない小さな動きで操り、それを弾く。
あいた左手には青白い光が集い、それを不規則に動かしていた。
(#ФωФ)「人間は余を"氷結魔法を終わらせた存在"と言っているようだな。
だが、余は終わらせたつもりなどない!!」
(#ФωФ)「千年の時を以てして、余に追いつけなかったということだろうが……。
余がいる限り、氷結魔法は進化し続けるのだ!!」
(* − )「ッ────!!」
(#ФωФ)「絶対零度がもたらす夢に、我の名を抱いて逝け!!
凍れる魔王、ロマネスク=エル=ディアブロの名をッッ!!」
声高らかに、左腕を、突き出した。
その手のひらに、レイが着弾して────
光が、凍り付いた。
(*゚ー゚)『……禁呪の反動を、克服したか』
- 427 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 13:26:00.30 ID:d5fnoDsZ0
- 支援
- 428 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 13:26:33.38 ID:d3NfZHsU0
- 紫苑
- 429 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 13:27:56.24 ID:hlZ+Djy40
-
(#ФωФ)「Eternal force blizzard.........」
(#ФωФ)「────Perfection!!」
音が、光が、そして体が。
実体シースルーの全てが、凍り付いた。
光の翼ごと、放出していたレイすらも、そのままの形で。
千年前はその後に、自身をも凍り付かせたが……。
氷像と化したシースルーを見つめる彼が凍り付くことは、なかった。
( ФωФ)「…………」
禁呪の完成を以て、この戦いは終わった。
( ФωФ)(……だが、決着はまだだ……)
( ФωФ)(真の……戦いが、まだ……)
真の決着は、まだ、ついていない。
それを成すには、その戦いをするためには。
彼の中で、既に答えは出ている。
- 430 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 13:28:10.97 ID:aLQ0Ms1s0
- 光が凍り付いたとか凄いな
- 431 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 13:30:07.95 ID:KnEMmP+m0
- さすがエターナルフォースブリザード
- 432 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 13:31:01.41 ID:hlZ+Djy40
-
(*゚ー゚)『魔王! お疲れちゃんwwwww』
( ФωФ)「あぁ……」
(*゚ー゚)『あぁ……じゃねーよwwww まさか燃え尽きちゃったりしてないよね?』
( ФωФ)「そんなことはない。余がすべきことも、理解している」
(*゚ー゚)『そう。言ってごらんよ』
( ФωФ)「……アンノウンを、倒すことだ」
(*゚ー゚)『上出来。そんだけわかってるなら、もう私は何も言わないよ』
(*゚ー゚)『ああでも、油断しちゃだめよ? あいつ、スッゲ強いから』
(;ФωФ)「何も言わないと言った矢先に喋るな!」
(*゚ー゚)『うっせえwwwwwこまけー魔王だな!』
(;ФωФ)「まったく……」
(*゚ー゚)『でも、流石魔王だね。厨二の塊みたいだったよ』
(;ФωФ)「お前は何を言っているんだ……」
(*゚ー゚)『ま、その調子でぶっ倒してこい!』
( ФωФ)「言われずともそのつもりだ」
- 433 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 13:31:51.53 ID:aLQ0Ms1s0
- エタアナルフォースブリザードッ!!!
- 434 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 13:33:36.34 ID:3H622fVKO
- 支援
- 435 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 13:33:56.32 ID:d5fnoDsZ0
- 支援
- 436 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 13:34:01.55 ID:hlZ+Djy40
-
(*゚ー゚)『あんたはこの瞬間、今起きている戦いの"主人公格"になった。
自覚はないだろうけど、世界がそれを定めた。拒否権ないよ』
( ФωФ)「そんなものに興味はないが……」
しっかりと向き合って、二人は話していた。
確実に迫っているタイムリミットから、逃れるように。
今生の別れから、目をそらすように。
だが、無情にもシースルーの足先が、消えていく。
(*゚ー゚)『ロマネスク』
( ФωФ)「……なんだ?」
(*゚ー゚)『ちょっと屈め。届かないから』
( ФωФ)「……?」
(*゚ー゚)『ほっと』
訝しげな表情をして屈むと、シースルーは彼の額に手を添えた。
やはり、ロマネスクにはシースルーの手の感触はない。
が、暖かいものが伝わってくる感覚を感じ取ることができた。
そして、それ以外のものも。
(;ФωФ)「シースルー、これは……!」
- 437 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 13:34:56.54 ID:d3NfZHsU0
- しえん!!
- 438 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 13:37:02.55 ID:hlZ+Djy40
-
(*゚ー゚)『冥土の土産だ。持って行け。なんちゃってwww』
(;ФωФ)「お前……」
(*゚ー゚)『……あって損はないから。必要なら使って』
( ФωФ)「…………わかった」
(*゚ー゚)『…………』
暫し、見つめ合う。
戦いを通じ想いを交わしあったもの同士。
ロマネスクに触れたことで、彼女もまた、理解したのだ。
彼の覚悟を。胸懐に燃ゆる熱き炎を。
もはやそれを否定することなど、彼女には無理な話だった。
かつてこの世界を救うために戦った勇者の思いは、魔王へと受け継がれた。
自分がそうだったように、世界を救うために主人公格と成った、魔王へ。
皮肉なものだと、彼女の顔を自嘲が歪ませた。
( ФωФ)「シースルー……」
(*゚ー゚)『なに?』
( ФωФ)「…………」
(*゚ー゚)『なんだよwwwwww』
- 439 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 13:40:01.70 ID:hlZ+Djy40
-
( ФωФ)「……いや、ありがとう」
(*゚ー゚)『……いえいえ、どーいたしまして♪』
言葉を、呑んでいた。
シースルーは分かっていたが、それを指摘しなかった。
消えてゆく。
かつての勇者の魂が、この世から、消えてゆく。
(*゚ー゚)『別に見えなくなるだけだから、気にすんなよ』
( ФωФ)「ああ、わかっている」
首が消え、彼女の顔も、うっすらと────
(*゚ー゚)『そうだ。アンノウンを倒したら、ご褒美をあげちゃおう』
( ФωФ)「ご褒美?」
(*゚ー゚)『その時までの秘密♪ ってことで!』
(*゚ー゚)『じゃあ……ロマネスク』
(*^ー^)『がんばってね』
- 440 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 13:40:53.56 ID:d3NfZHsU0
- 支援
- 441 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 13:42:26.98 ID:hlZ+Djy40
-
一層眩しい笑顔を見せて。
シースルーは、消え去った。
( ФωФ)「…………」
もう動き出すことのない、凍り付いたシースルーを見やる。
覚悟はあれど、虚しさが彼を襲うこともまた、やはり。
( ФωФ)「……シースルー……」
( ФωФ)「千年前に放った禁呪は……もし、もしかしたら」
( ФωФ)「あの時の余には、あれが完成だったのかもしれん」
( ФωФ)「今思えば、だが……お前が言ったように、あの戦いで余は変わっていった。
だが、戦いの中でそれに気がつくほど器用ではない。それに、魔王としての矜持もあるのだ」
誰も、誰も聞いていない、一人きりの懺悔を。
( ФωФ)「…………それでも、だ。今、今考えれば……」
( ФωФ)「決着をつけたくない……あの戦いを終わらせたくないという……。
小さな、燻っていただけの本当に小さな火が……あの結果をもたらせた」
( ФωФ)「今の余には……そう思えて、ならないのだ」
『付き合ってあげる』
エターナルフォースブリザードを放った時、彼女はそう言っていた。
共に凍るとは、その意すらも汲んでのことだったのかと、問うた。
- 442 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 13:43:35.12 ID:d3NfZHsU0
- ふむ
- 443 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 13:44:46.03 ID:hlZ+Djy40
-
勿論、誰も答えない。
この空間で口を開けるものは彼しかいないのだから。
でも、シースルーがいたとすれば────
こう言ったに違いないと、彼だけが知る言葉を、頭に吐いた。
( ФωФ)「……ああ、そうだな」
( ФωФ)「だから、今度は余の番だ」
( ФωФ)「シースルー。今度は余が、お前に付き合う番だ……!!」
凍れる魔王が、静かに燃える。
別れは済んだ。懺悔も済んだ。
済んでいないのは、果たしていない、約束だけだ。
(#ФωФ)「アンノウン……目覚めさせてくれたことには、感謝している……」
(#ФωФ)「だが、余の生涯の好敵手を弄んだ代償は……高くつくぞ!!」
拳を握り、歯を食いしばり、遙か天井を強く睨んだ。
(#ФωФ)「待っていろ……アンノウン……!!」
印を結ぶ。まだツン=ヴィラートが残したワープポイントの魔力は、残っている。
ブーンたちとそうしたように、一気にあそこまで戻るつもりだ。
転送魔術が完了すると共に、最後に一度だけ、視線を下げた。
- 444 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 13:46:47.83 ID:wp6kws4d0
- 支援
- 445 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 13:47:01.47 ID:hlZ+Djy40
-
( ФωФ)「行ってくる、シースルー」
その言葉を残し、ロマネスクの姿は地下迷宮から掻き消えた────
彼が、いや、全員が望んだことではない。
それでもついに、主人公格と成り得た最後のページが今。
この世界という、この戦いという物語の主人公格として。
物語のページが、真に集う。
ロマネスク=エル=ディアブロは、シースルー=インビジブルの想いに応えるために。
……なれば、異世界から現れし他の四人たちは……。
それぞれに託した者は、やはり、あの者たちに他ならない。
【 ( ^ω^) ξ゚听)ξ (´・ω・`) 川 ゚ -゚) 】
消え去った、この世界の主人公格たち────
想いは、託された。
だが、それはとても不確かな、掴みづらいもの。
それら全てが、解かれる時がきた。
破壊者に意思を染められた聖剣が渇望した、時が、きた。
- 446 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 13:49:27.15 ID:d3NfZHsU0
- しえん
- 447 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 13:49:29.74 ID:hlZ+Djy40
-
──見ていてくれ、シースルー。
──いや、言わずとも、お前はみてくれているだろう。
──お前たちが築いたこの世界の危機を、護ってみせよう。
──余の同胞たちも、世話になっているようだしな。
──異世界の戦士たちにも、借りを返さねばならぬ。
──お前と真の決着をつけるのは、それからだ。
──…………?
──……む……もう、夜が明けたのか……?
──……違う……あの光は……そうか……。
──だが、あの程度の光など、お前と比べるべくもない。
──そうだろう、シースルー。
──お前の想い、余の全てを賭して応えよう!
──凍れる魔王、ロマネスク=エル=ディアブロの、全てにかけて!!
(#ФωФ)「アンノウンッッッ!! 貴様を討つッッ!!!」
- 448 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 13:51:38.59 ID:d3NfZHsU0
- うむうむ
- 449 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 13:51:51.75 ID:hlZ+Djy40
-
(´・ω・`)「ッ!!」
(;^ω^)「ロマネスク!」
川;゚ -゚)「無事だったか!」
後方から高々と弾けた声に、一同が振り返った。
光の雨に遮られ、はっきりと視覚することはできなかったのだが。
そこには、光の翼を纏い宙に浮くロマネスクの姿があった。
爪 ゚W〉《死に果てろッッ!!》
(´・ω・`)「くっ!」
空を金に染めた、数千の光が一斉に降り注いだ。
その雨に打たれては、人の体など跡形もなく消し飛ぶだろう。
彼らには防ぐ手も、抗うことすらも思いつくことができなかった。
だが、新たな一人だけは違う。
(#ФωФ)「貴様の思い通りにはさせんわ!」
声と同時に、ブーンたちに手を向けた。
瞬間、発動する魔王の魔力。
六人と二匹全員、そしてBLACK DOGまでも閉じ込めるように、半球型の氷壁が生まれる。
ただの氷ではない。白獣と同じように、外側に光を纏っている。
光の翼の輝きに似た光だった。
- 450 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 13:54:03.61 ID:hlZ+Djy40
-
爪 ゚W〉《光魔法……会得したというのか!》
(#ФωФ)「下手をうったな! アンノウン!!
シースルーの想い、力、全て余が受け継いだ!」
爪 ゚W〉《馬鹿め! それら全てが我の糧となることを知れ!!》
ロマネスクが創りだした氷のドームは、光の雨を悉く弾いている。
一撃一撃がレイの貫通力を備えているが、全く意に介さない。
光魔法の防御膜と氷結魔法を組み合わせた絶対防御壁は、いかなる力も通さない。
(´・ω・`)「……大したものだ」
(;^ω^)「なんか、一段とパワーアップして帰ってきてるお……」
川 ゚ -゚)「あれ、私たちいらないんじゃないの?」
(´・ω・`)「いや……どれほど強力な力だろうと、聖剣の前では無力だ」
(´・ω・`)「動けるなら隙を作り出せるように努めるべきだと思うが」
川 ゚ -゚)「でもこれ、どうやって出るの?」
|||;゚ - ゚||「ライドウ様、今出たら確実に死にますよ!」
(´・ω・`)「光の雨が止むまでは、機を窺うしかないだろうな」
(;^ω^)(……ロマネスク……!)
- 451 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 13:55:39.01 ID:d3NfZHsU0
- 支援
- 452 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 13:59:43.23 ID:hPT1YBg3O
- ロマさんかっけー!
- 453 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 13:59:48.03 ID:Ln9dQrqN0
- 支援
- 454 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 14:00:20.63 ID:hlZ+Djy40
-
爪 ゚W〉《その輝き……やはり貴様、主人公格と成り得たか!》
(#ФωФ)「そんなものに興味はないがな……。
そうであろうとなかろうと、貴様を滅することは同じよ!」
爪 ゚W〉《ククッ……かつて人間を滅ぼそうとしていた者が何を言うか!》
(#ФωФ)「黙れ!」
両腕を広げ、詠唱を紡ぐ。
出現するは、光の魔方陣。
シースルーの、力。
(#ФωФ)「Va-lth────ッッ!!」
爪 ゚W〉《ッ!!》
直線上にある光の雨など、全て弾き飛ばし、滅びの光線が迸る。
真正面からアンノウンを捉えようと極太のレーザーが突き進んでいく。
白獣が口を開けて、それを迎え撃った。
爪 ゚W〉《ぬぅッ!?》
(´・ω・`)「ッ……!」
白獣の体が、揺れた。
微々たるものだ。しかし、確かに揺れた。
喉の奥にはやはり聖剣があり、Va-lthは次第に効力を失っていった。
- 455 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 14:01:04.90 ID:43edo4Ee0
- しえんぬ
- 456 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 14:02:31.76 ID:hlZ+Djy40
-
(´・ω・`)「……妙だな」
川 ゚ -゚)「何がだ?」
(´・ω・`)「今の攻撃、わざわざ聖剣で受ける必要があったのか……」
( ^ω^)「僕の時と同じだおね」
川 ゚ -゚)「ふむ……あの時は罠、とお前は言っていたな」
(´・ω・`)「そうだが、この局面でそうする利があるとは思えん」
( ^ω^)「ロマネスクは初めて戦うから、とか?」
(´・ω・`)「それによる認識の齟齬が狙い……とも取れるが……」
(´・ω・`)「……もしかしたら、俺たちは思い違いをしているのかも知れん」
(;^ω^)「思い違い……?」
(´・ω・`)「そもそも力の無効化は、厳密には能力ではないはずだ。そうすると……」
川 ゚ -゚)「なるほど。アンノウンも能力として付加することはできないはず、というわけか」
(´・ω・`)「そうだ。まぁ、推測にすぎんが。あの力を付加するということは……」
( ^ω^)「……取り込むだけじゃなく、完全な同化……聖剣そのものにならないと無理、ってことかお?」
(´・ω・`)「恐らく、な」
- 457 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 14:03:32.87 ID:d3NfZHsU0
- しえんしえん
- 458 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 14:04:51.43 ID:hlZ+Djy40
-
(´・ω・`)「だが、獣の体に俺たちの攻撃が通用しなかったのも事実だ」
(´・ω・`)「だからまだ、これは違和感の域を出ない」
川 ゚ -゚)「ふむ……めんどくせぇ奴だな」
(;^ω^)「ロマネスクは大丈夫なのかお……?」
(´・ω・`)「攻めに転じるその時を、待つしかない」
(´・ω・`)「……幸い、機は近いようだ」
光の雨が、止んだ。
氷壁は未だブーンたちを閉じ込めたままだ。
その間に、一同は全ての情報、思考を伝え合っていた。
爪 ゚W〉《シィッ!!》
地を蹴るは、白獣の足。
光の軌跡を描き、巨大な白獣が駆けた。
アンノウンは聖剣を模した巨大な右腕を振り上げている。
(#ФωФ)「笑止!!」
アンノウンがそうしたように、ロマネスクも右腕を一閃する。
動作は同一。ただ、腕を止めた時に生まれていたものは、氷の斧だ。
ブーンらを覆う防御壁と同じような光を纏っている。
(´・ω・`)(でかいな……どことなくアルファベットYに似ているが、更に一回り大きい……)
- 459 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 14:05:37.17 ID:u4lboyz+O
- ショボン洞察力異常なレベルだなwww
- 460 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 14:06:42.25 ID:wp6kws4d0
- 支援
- 461 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 14:07:04.97 ID:hlZ+Djy40
-
規格外の武器を、両者は片手で軽々と振るう。
もし、アンノウンの武器が本物の聖剣だった場合────
無機物でない、魔力を糧に生まれた斧は呆気なく両断されてしまうだろう。
(#ФωФ)「はぁぁぁぁぁッッ!」
爪 ゚W〉《ふんッ!》
宙を舞う魔王と、地を蹴った破壊者が、真正面からぶつかり合った。
甲高い音の後に、響き渡る衝撃。剣と斧の邂逅は、叶うこととなった。
(´・ω・`)(やはり、聖剣を模しただけか)
(#ФωФ)「大袈裟な剣だな……だが、見てくれだけか!」
爪 ゚W〉《小賢しい! 貴様もろとも断ち切ってくれる!》
剣を引き、振り上げる。
斧を上げ、振り下げる。
ただのそれだけで、凄まじい音と衝撃が巻き起こった。
規格外の大きさを誇る武器同士だからこそだ。
一撃一撃が、激しい力の波を打ち広げていた。
(#ФωФ)「ッ!」
数合、刃を交えた後に、白獣が大口を開け突進を仕掛けた。
喉の奥、ロマネスクの目にはっきりと映ったのは、聖剣。
だが、それも一瞬。ロマネスクは大きく右方へ流れ白獣の牙を躱し、再度接近する。
- 462 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 14:08:18.56 ID:d3NfZHsU0
- 支援
- 463 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 14:09:43.51 ID:hlZ+Djy40
-
そのまま、氷斧を、一薙ぎ。
アンノウンは右腕を立てて、真横に振り下げた。
刃は再び交じり合い、互いの動きを止める。
( ФωФ)「ッ────!」
左腕が、右脇の下から交差した形で、現れていた。
手のひらを、ロマネスクに向けて。
爪 ゚W〉《死ねッ!》
放たれた光魔法、レイ。
ロマネスクへ向けて一直線に伸びていく、光の線。
(#ФωФ)「こんなもので!」
その軌道上に、頭ほどの直径をした氷壁が現れた。
太陽光が鏡に反射されるように、光線は反射され急角度で天へと伸びる。
だが二人の目は、そんなものを追いかけてはいない。
刃を合わせ、睨み合うのみ。
(#ФωФ)「貴様如きにシースルーの力を使いこなせるものか!」
爪 ゚W〉《そうか……シースルー=インビジブル……貴様を駆り立てたものは、あれか……!》
(#ФωФ)「そうだ! 余の生涯最大の好敵手を弄んだ罪、断じて許さぬ!!」
爪 ゚W〉《ククッ……そうか! あの小娘を手にかけ、貴様はここにいるのだな!》
- 464 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 14:10:53.61 ID:d3NfZHsU0
- ロマロマ
- 465 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 14:12:43.06 ID:hlZ+Djy40
-
川 ゚ -゚)(シースルー……あの精霊か……。
ロマネスクの力を見る試練は、あいつを超えることだったのか……)
川 ゚ -゚)(しかしあいつ……そうか、逝ったか……)
(#ФωФ)「……黙れ……黙らぬか……!」
爪 ゚W〉《かつての勇者を殺し、主人公格と成ったわけか!!
いいぞ! それでこそ魔王ではないか!》
(#ФωФ)「貴様……余程死にたいようだな……」
爪 ゚W〉《どうしたというのだ!? 過去の因縁を断ち切る機を与えてやったのだ!
むしろ我に感謝するべきではないのか!! ハハハハハッ!》
(#ФωФ)「微量にだが確かに感謝の念はあった! だが、もはやそれも消え失せた!」
(#ФωФ)「やはり貴様は余の真の敵であると見定めたぞ! アンノウンッッ!!」
爪 ゚W〉《いいぞ……実にいい……! 主人公格の憤怒……なんという美味だ!!
最高だ! 最高に愉しませてくれるな! ロマネスクよ!》
爪 ゚W〉《後は……死ぬだけだ! 主人公格の散りゆく姿こそ、我が求めているものなのだから!》
(#ФωФ)「気が合うな! 余も貴様が滅び行く様を見ることが、実に楽しみだ!!」
爪 ゚W〉《吼えていられるのも……ここまでよッッ!!》
- 466 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 14:15:54.11 ID:hlZ+Djy40
-
(;ФωФ)「ッ!!」
アンノウンの背に、放射状の光が広がった。
ロマネスクの背にあるものと、同じ光。
シースルーの背にあったものと、同じ光が。
即ちそれは、“光の翼”
白獣は宙を『蹴り』、高々と舞い上がった。
ツン=ヴィラートの雷を放った時と、同じように。
( ФωФ)(なんだ……全く底が見えん……こいつは……)
『例えば────無敵の力をくれだとか、永遠の命、とかもね』
( ФωФ)(シースルーのあの言葉……まさか……本当に……)
(#ФωФ)「……迷っていても仕方がない……!」
上昇。急加速して、ロマネスクがアンノウンを追いかける。
既に上空では、アンノウンによって巨大な魔方陣が生まれようとしていた。
(;^ω^)「あれ、やばいんじゃないかお?」
(´・ω・`)「……空に逃げられては、どうしようもないが……」
川 ゚ -゚)「…………」
- 467 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 14:16:50.49 ID:d3NfZHsU0
- しえーん
- 468 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 14:17:41.67 ID:boESZKZT0
- 支援
- 469 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 14:18:52.10 ID:hlZ+Djy40
-
誰にも知られることなく、クーが懐に手を入れた。
華麗な指がふれるのは、最後の、封魔管。
川 ゚ -゚)(万が一の時は……使うしかないよな)
ノ)) - 从「…………」
|||゚ - ゚||「……」
,/i/i、
ミ,,゚(叉)
∧_∧ ∧_∧
(叉)゚,, >|<,,゚(叉)
自然と、仲魔たちがクーを囲んでいた。
例え命令に逆らったとしても、主だけは命に代えても護り通す。
永く葛葉に連れ添った彼らの、誇りでもあるのだから。
(´・ω・`)「……聖剣だ」
川 ゚ -゚)「……?」
(´・ω・`)「奴を倒すには、やはり聖剣しかない」
(´・ω・`)「聖剣で斬れるかどうかはどうでもいい。願いを叶える、それだけだ」
(;^ω^)「だから……それが一番大変────」
(´・ω・`)「次に奴が降りてきた時だ」
- 470 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 14:21:09.77 ID:hlZ+Djy40
-
(´・ω・`)「俺は全力を以て聖剣を奪いに行く」
(;^ω^)「なっ!?」
川 ゚ -゚)「……」
(´・ω・`)「やるしかないんだ。どうせ死んだら同じだからな」
川 ゚ -゚)「お前……」
(´・ω・`)「不意を打っても、上回られる。奴は新たな力を得て、それを成してくる」
(´・ω・`)「危険な橋だが……渡る価値は充分にあるさ」
( ^ω^)「……」
川 ゚ -゚)「ふむ……」
ξ;--)ξ「……わ……わたしも……」
(´・ω・`)「ッ……」
川 ゚ -゚)「ツン? 大丈夫か?」
ξ;--)ξ「私も……たたか……」
(;^ω^)「ツン……」
川 ゚ -゚)「ツン、無理はするな」
- 471 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 14:21:19.65 ID:d3NfZHsU0
- しえしえしえ
- 472 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 14:21:54.20 ID:A6qwIxXc0
- キタ━∋・Д・) ゚パ)´ё`) ‘е)@・д・)*・∀・)「・ω・)「ω・) ━━━!!!!
- 473 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 14:23:24.59 ID:hlZ+Djy40
-
(;^ω^)「ツンはもう、大人しくしてないと死ぬお!?」
ξ;--)ξ「いいんです、死んだって……」
(;^ω^)「ちょ、まだどっかおかしいのかお!?」
ξ;--)ξ「だ、大丈夫ですよ……」
(;^ω^)「それなら尚更……死んだらどうにもならないんだお!」
ξ;--)ξ「……死んだって、大丈夫です。だって……」
ξ;--)ξ「……ショボンさんが必ず……聖剣を奪って、生き返らせてくれますから……」
(´・ω・`)(ツン……)
(;^ω^)「…………」
ξ;--)ξ「だから……私は、ショボンさんを信じて……たたかう……」
倒れながらも、懸命に覚悟を示した。
彼女の想いを受け取るようにして、ショボンがZを握る手に力を込めた。
そして、もう一人。
(;^ω^)「でも、そんな体じゃ────」
川*゚ -゚)「あっはっはっはっはっはっはっはっwwwwwwww」
(;^ω^)「ちょ、クーさん!?」
- 474 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 14:25:51.10 ID:d3NfZHsU0
- sien
- 475 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 14:25:58.04 ID:hlZ+Djy40
-
川*゚ -゚)「はーwwwww 面白い、私も乗るぞwwwww
こういうのはキライじゃないぞ。実に大好きだ」
川 ゚ -゚)「おい、ショボン。死ぬ気で奪ってこいよ。お前が死んでも私が奪うんだけどね」
(´・ω・`)「……あぁ、その時は、俺を生き返らせてくれ」
川 ゚ -゚)「どうしようかな」
ξ;--)ξ「ク、クー……」
川 ゚ -゚)「冗談だよwwwww ……おい、お前たちもだぞ?」
ノ)) - 从「……面白い」
,/i/i、
ミ,,゚(叉)「望むところだ。そうだな、仔僧?」
∧_∧ ∧_∧
(叉)゚,, >|<,,゚(叉)「「オレサマ セイケン 丸囓リ!!」」
|||゚ - ゚||「ご安心くださいライドウ様! 命に代えましてもお守り致します!!」
川 ゚ -゚)「よし、お前が一番に死ね」
|||;゚д゚||「えぇっ!?」
(;^ω^)「…………」
──『その話、余も乗らせてもらおうか』
- 476 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 14:28:13.20 ID:hlZ+Djy40
-
川 ゚ -゚)「ッ! ロマネスクか!?」
──『魔力を介して、お前たちの話を聞かせてもらった』
川 ゚ -゚)「盗聴かよ」
──『変な言い方をするな……』
──『約束しよう……余の全力を以て、彼奴の翼をもぎ取ってやろう』
(´・ω・`)「すまないが、頼んだ」
──『…………今なら余にも分かる。お前たちが異世界から集った理由が』
ξ;--)ξ「……?」
──『……いや、なんでもない。では────』
( ω )「ロマネスク、待ってくれお」
──『なんだ?』
( ω )「ここからは出られないのかお?」
──『出ることはいつでもできる。再び入ることは不可能だが』
( ω )「……上等だお」
- 477 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 14:28:42.30 ID:d3NfZHsU0
- かじるなwww
- 478 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 14:30:25.46 ID:hlZ+Djy40
-
( ω )「BLACK DOG!!」
近代兵器の黒狗が、主人の声に音で応える。
その場で飛行形態へと姿を変えていた。
即座に乗り込み、音と風を撒き散らして、舞い上がる。
(´・ω・`)「…………」
ξ;゚听)ξ「ブーンさん……」
起き上がろうと腕を立てたツンの肩に、クーが静かに手を置いた。
美しい彼女の瞳は、まっすぐにBLACK DOGの灯を見つめている。
そして、つい、と軽く笑った後に、
川 ゚ -゚)「心配するな。ちょっとしか絡んでないが、アイツもなかなかに────」
────熱い男だ。
( ω )「…………」
『こういうのはキライじゃないぞ。実に大好きだ』
( ω )(全く……)
地上にいる時は金髪の前髪に隠れて見えなかった瞳が、風を受けて、露わになった。
表情も、瞳も、呆れたように心に呟いた言葉とは真逆のものをしている。
そう。彼も皆と同じ気持ちであることは、変わりないのだから。
- 479 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 14:33:45.06 ID:d3NfZHsU0
- 支援!
- 480 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 14:39:43.37 ID:d3NfZHsU0
- 再支援
- 481 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 14:40:19.31 ID:v3G4zeTo0
- 支援
- 482 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 14:40:29.69 ID:hlZ+Djy40
-
( ^ω^)「僕だって────大好きだおッ!!」
バーニアンが一際強く火を噴いた。
急加速。ターゲットは全ての元凶、アンノウンだ。
上昇しながらBLACK DOGと情報処理システムをリンク開始。
BLACK DOGに搭載されたBlueLazerCannonへ、エネルギーの供給を促す。
出力設定に入力する数値は。
( ^ω^)「100%以外に無いお! 僕も死ぬ覚悟は決まった!」
黒狗が風を切る。
白獣よりも低い位置にいた、翼の元へと。
( ФωФ)「やはりお前か、漆黒の戦士……ブーンと言ったな?」
( ^ω^)「だお。それよりも……」
二人同時に、上空を見やる。
浮かび上がる魔方陣と、その奥に見えるのは、白き獣。
間近で見ると、魔方陣は今までのどれよりも巨大な直径を誇っていた。
( ФωФ)「余があれを食い止める。ブーン、お前は横から彼奴を叩け」
( ^ω^)「了解! 行くぞ!」
即、展開。巻き込まれぬよう、距離を取った。
大丈夫か、とは聞かなかった。覚悟を決めた男に、そんなことを聞けるわけがない。
ロマネスクならばやってくれる。ブーンはそう信じていた。
- 483 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 14:41:59.01 ID:d3NfZHsU0
- 熱いね
- 484 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 14:42:47.95 ID:v3G4zeTo0
- 支援
- 485 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 14:43:05.33 ID:hlZ+Djy40
-
側方を飛翔しながら、ブーンはアンノウンを強く睨む。
ブルーエネルギーの充填はまだ、終わっていない。
光の翼による絶大な防御壁を纏っているアンノウンは、ブーンをさほど気にしていなかった。
自分など、まるで歯牙にかけていない。
そのことがブーンの怒りを更に助長させる。
(#^ω^)「アンノウン! セントラルの借りを、返してもらうお!!」
(#^ω^)「ツンたちの分も……全部……!」
彼の言葉に、真紅の眼が禍々しく歪んだ。
それが笑みであることを、ブーンは知っている。
そして、重き声が響き渡った。
爪 ゚W〉《……小賢しい主人公格たちよ。最後に良いことを教えてやろう》
(;^ω^)「ッ!?」
(´・ω・`)「なんだ……? ここまで声が……」
爪 ゚W〉《貴様たちを連れてきたあの者たちのことだ》
『あの者たちを消したのは貴様たち自身だ』
あの時、アンノウンはそう言っていた。
そんな言葉は誰も信じていなかったのだが。
爪 ゚W〉《矛盾……全ては矛盾が引き起こした事象なのだ》
- 486 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 14:43:57.99 ID:v3G4zeTo0
- 支援
- 487 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 14:44:37.92 ID:aLQ0Ms1s0
- アンノウンってWだからXに覚醒したりすんのかな
- 488 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 14:45:41.48 ID:hlZ+Djy40
-
(´・ω・`)「矛盾だと……?」
爪 ゚W〉《同じ世界に同じ人間がいることの、矛盾》
爪 ゚W〉《世界が定めた矛盾……辻褄を合わせる為に、奴らは消えたのだ!》
川;゚ -゚)「……? どういうことだ?」
爪 ゚W〉《同じ世界に同一の主人公格が存在することは、許されないということだ!》
爪 ゚W〉《ハハハッ! 皮肉! なんという皮肉よ! “正義”とされる聖剣が選んだ末路!
真、愚かな行為よ! 踊らされているのだ、貴様たちは! 絶対的な意思によって!!》
(´・ω・`)「それを知った上で……俺たちを……」
ξ;゚听)ξ(……だからおばさんは、あんなに……)
同一の世界に、同一の人間が存在することは有り得ない。
その矛盾こそが、彼らが消え去った真の理由。
それがつまり、異世界から人間を召還することが禁呪とされていた、理由だったのだ。
この世界元々の主人公格たちは、自分の波動と近しい者しか召還できなかった。
それを知り、聖剣は託した。
彼らも、それを引き受けた。
この結末を、知った上でだ。
爪 ゚W〉《言ったであろう! 奴らを消したものは、特異点たる存在の貴様たちだ!》
- 489 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 14:46:34.11 ID:v3G4zeTo0
- 支援
- 490 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 14:47:37.00 ID:d3NfZHsU0
- しえん
- 491 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 14:48:14.20 ID:hlZ+Djy40
-
(;^ω^)「僕たちが……本当に……」
爪 ゚W〉《他世界の自身との邂逅を経た瞬間、世界の意思が働いた。
過ちをもたらせた者を断じ、真に相応しき主人公格を選び、奴らは抹消されたのだ!!》
爪 ゚W〉《分かっただろう、異世界の主人公格と成り得た特異点たちよ!
絶望を抱いたまま消え去るがいい! 新しき神たる我が、引導を渡してやろう!!》
魔方陣に絶大な力が集束していく。
神の鉄槌を下さんと、光は次第に膨張していった。
(´・ω・`)「煮え切らんものはある。だが、成すべきことは変わっていない」
川#゚ -゚)「元はと言えばアイツがいるからじゃねぇか……決まったな」
ξ#゚听)ξ「アンノウン……許さない……!」
(´・ω・`)「あいつらの覚悟、確かに受け取った」
(´・ω・`)「やるぞ……俺たちが、応える番だ!」
(#゚ω゚)「アンノウンッッ!! 絶対に許さねーお!!」
爪 ゚W〉《ハハッ! 滑稽に踊っていろ! 蝿のように! 貴様の武器など我には通用せん!
怒りもまた我の糧! 憤怒の炎に焼かれて狂い死ね!!》
光の翼と聖剣、この二つが、アンノウンに絶対的な自信をもたらせている。
言葉通り、凡そ全ての力は無効化されてしまう。
ブーンも分かっていることだからこそ、それに全てを賭けているのだ。
- 492 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 14:49:13.43 ID:v3G4zeTo0
- 支援
- 493 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 14:49:58.80 ID:KnEMmP+m0
- 爪 ゚X〉《支援》
- 494 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 14:50:49.97 ID:hlZ+Djy40
-
今までにない光が、アンノウンの魔方陣に集う。
絶大なる神の一撃が、完成しつつある。
( ФωФ)「…………」
その直下に、ロマネスクがいる。
( ФωФ)(あやつらも、託されたのだな)
( ФωФ)(そして余と同じように、応えようとしているのだな)
Va-lthをも凌駕する力を前にしても、彼の心は揺るがない。
それどころか、より堅固に、固く、堅く、熱く────
(#ФωФ)「ならば余が、やって見せよう!」
(#ФωФ)「お前たちの刃が届くその場所まで、余が誘って見せよう!!」
ロマネスクの光の翼が、大きく展開した。
光の魔力と氷結の魔力が集いだし、蒼白の渦が巻く。
( ФωФ)「シースルー……“仲間”というものは、いいものだな」
( ФωФ)「まさか余が、あの時のお前のようになるとは思わなかったぞ」
( ФωФ)「お前たち……結託した人間の強さ、千年を要しやっと、分かった気がする」
静かに、腕を上げ。
ぴたりと、止めた。
- 495 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 14:51:50.28 ID:d3NfZHsU0
- シエン
- 496 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 14:52:03.09 ID:hWy4kZBvO
- ( ・∀・)<支援
- 497 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 14:53:22.43 ID:hlZ+Djy40
-
( ФωФ)「……いくぞ、シースルー」
呟きの、後。
詠唱、開始。
放つ魔術は、既に決まっていた。
光の翼を纏ったアンノウンには、小細工など無駄だ。
それを貫くのは、全身全霊を込めた一撃しか有り得ないのだから。
( ФωФ)「────……ッ」
詠唱が一瞬、途切れた。
さしたる問題ではない。すぐにまた詠唱を開始する。
気にすることは、ない。
彼自身が、分かっていたことなのだから。
口から流れた一筋の血を拭う必要も、ないのだ。
魔族といえど、千年という時はあまりに、永すぎた。
シースルー達と死闘を演じ、目覚めてすぐにまた戦い。
世界と断絶された永氷の中にいたとは言え、体は確実に、疲弊していた。
だが、約束は果たす。
それが彼の定めた、覚悟。
魔力が、体が限界に達しようとも、シースルーが託した想いに、必ず応えるべく。
その禁呪を、放つ────
- 498 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 14:53:22.64 ID:v3G4zeTo0
- 支援
- 499 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 14:56:01.58 ID:hlZ+Djy40
-
(#ФωФ)「────Eternal force blizzard」
(#ФωФ)「────Perfection!!!」
爪 ゚W〉《────ッ!!》
アンノウンが見る視界が、歪んだ。
魔方陣の所為ではない。空気が凍り付いているのだ。
周囲の空気の次に凍り付いたのは、魔方陣だった。
魔力を送ることをやめても、魔方陣は永遠に消えることがない。
その氷も、永遠に溶けることがない。
それこそが禁呪、エターナルフォースブリザードなのだから。
爪 ゚W〉《ぐ……!》
白獣の四つの足が、氷に包まれた。
数千もの金糸に分かれた尾も、全てが氷に閉ざされる。
聖剣の力が及んでいると思われていた白獣の体すらも、ゆっくりと霜が浸食していっていた。
即ちそれは、ショボンの違和感が正しかったということだが……。
残念ながら彼がそれを知る術は、ない。
魔方陣は役目を終えることなく氷結し、インビジブル城のどこかへと落ちていった。
だが、まだだ。
アンノウンは必ず動く。
そしてそれこそが、ロマネスクの狙いなのだ。
- 500 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 14:57:13.86 ID:d3NfZHsU0
- 支援
- 501 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 14:58:35.35 ID:hlZ+Djy40
-
(;ФωФ)「…………ごふっ……」
口から溢れたものを、彼は見なかった。
凍結は尚も続いている。
頭周辺はやはり、浸食が遅れていた。
喉元に聖剣があるからだろう。
彼の狙いは、そこにこそ、ある。
爪 ゚W〉《小癪な……だが、忘れたか!? 永遠の凍結から目覚めさせたのは、この我と言うことを!!》
言い、自身の上半身が生えている白獣の頭の中に、左手を沈ませた。
(;ФωФ)(きた…………!)
自身を復活せしめたものは、間違いなく聖剣であろうと考えていたのだ。
聖剣を突き立て、永遠の時を閉じ込める氷の魔力を、断ち切ったのだろう、と。
彼の予想通り、期待通り、再び頭から現れた左手には、聖剣が握られていた。
爪 ゚W〉《聖剣の前ではどんな力も意味をなさんッ!!》
斬、直前。
(#゚ω゚)「アンノウン────!!」
音速で飛ぶブーンの叫び。
それを凌駕するは、光速で飛ぶBlueLazerCannonの砲撃。
100%の最大出力で、三本の蒼光が空間を歪め、アンノウンを穿たんと発射された。
- 502 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 15:00:28.31 ID:6Nk4k2ui0
- 今更だけど>>1のOPの音楽って何?
- 503 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 15:01:31.67 ID:hlZ+Djy40
-
爪 ゚W〉《なっ……!?》
更に、上空。
直下へ向けて、ブーンは砲撃を放った。
(#゚ω゚)「届い────たッッ!!」
最大出力で放たれた蒼光は、光の翼をも貫き、白獣の脳天を貫くことに成功した。
三つの砲門のうち一つは白獣の背に、一つはその脳天を、
そして最後の一つは、アンノウンが振り上げた聖剣に直撃していた。
爪 ゚W〉《ぬうううぅぅぅぅ!!》
(;ФωФ)「ブーン! まだだ! 押せ! 叩きつけろォッ!!」
真下へと撃たれたレーザーは、白獣を貫くも地についていない。
貫いた先で、エターナルフォースブリザードによって凍結していた。
BlueLazerCannonをも凍結たらしめる魔力に、ブーンは味方ながら戦慄を覚える。
振り上げた左腕を、アンノウンは動かすことができない。
蒼光をまともにくらうことになるからだ。
如何に無力化しようとも、BlueLazerCannonの射出はまだ終わっていないのだから。
真下で見つめるショボン達の目にも、次第に白獣が大きさを増してゆくのが分かる。
彼らに、近づいている。白獣の高度が、急速に落ちてゆく。
(#゚ω゚)「おおおおおぉぉぉぉぉぉおおおおッッ!!」
(#ФωФ)「ぬあああぁぁぁぁぁああああッッ!!」
- 504 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 15:04:35.77 ID:hlZ+Djy40
-
近未来兵器の叡智と、魔法世界の叡智が、吼える。
アンノウンはブーンの力を、完全に見誤っていた。
両者共に消耗は激しい。
ロマネスクは言わずもがな、最大出力でのBlueLazerCannonの射出は、
ブーンの体内に途轍もない反動をもたらすのだ。
八割が機械の体といっても、血管や内臓といった主要な器官は、生きるために必須なのだ。
センサーは主であるBOON-D1へ、既に著しい内部損傷を告げている。
だが、それでも、
(#゚ω゚)「お前が地面に着くまでは────僕は諦めねーお!!」
曲げられない、信念がある。
負けられない、意地がある。
機械の体に宿りし魂は、クーが言ったように、熱く、熱く燃え盛っている。
(#ФωФ)「押せ……! 押せぇぇぇぇぇ…・…!! ……がっ!」
(#ФωФ)「……衰えたものよ……だが……だが……!!」
(#ФωФ)「この程度で止まっていては、シースルーとの約束は果たせんのだッッ!!」
凍れる魔王も、熱き心を燃え上がらせる。
例え最後の、最期の炎が、消え果てようとも。
覚悟は既に、済んでいるのだから。
- 505 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 15:06:38.57 ID:v3G4zeTo0
- 支援
- 506 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 15:07:06.50 ID:hlZ+Djy40
-
(;ФωФ)「がっ……ごふっ……!」
こみ上げる血が、どうしても邪魔をする。
吐血は既に、口を、胸を、腹を、足の色を染める程に。
それでも、止めてはならぬのだ。
自分が力尽きれば、アンノウンは自由を取り戻してしまうのだから。
強く、強く頭で言い聞かせ、吐血混じりの咆吼を上げ続ける。
爪 ゚W〉《おのれ!! いい気になるなよ!!》
凍結が及んでいた右腕を、強引に動かしていく。
聖剣の刃に触れる為に。エターナルフォースブリザードの力を、無効化させる為に。
さすれば右腕を使い、力を放つ二人を撃ち落とすことができる。
(# ФωФ)「押せぇぇぇぇぇえええええええええええええ!!!」
もう、すぐに、刃に届く。
近いようで遠かった距離に、後、僅か────
────そして遂に、刃が、届いた。
- 507 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 15:07:43.23 ID:v3G4zeTo0
- 支援
- 508 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 15:08:19.12 ID:aLQ0Ms1s0
- 爪 ゚W〉《ぬうううぅぅぅぅ…》
- 509 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 15:08:51.82 ID:d3NfZHsU0
- 支援
- 510 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 15:10:29.31 ID:hlZ+Djy40
-
(´・ω・`)「はああぁぁぁッッ!!」
駆け抜けた、一陣の風。
描かれた、双刃孤月。
届いた刃、その名こそ、
アルファベット、Z。
既に、凍結した白獣の足は、地に着いていた。
爪 ゚W〉《がああああぁぁぁッッ!!》
ケルベロスを駆り、最短距離を最高速度で駆け抜けて。
すれ違いざまに、聖剣を持つ左腕を両断したのだ。
聖剣という堰を失った今、降り注ぐのは勿論、蒼白の落雷。
爪 W〉《ッ────おのれええぇぇぇぇぇ!!》
BlueLazerCannonの柱に、アンノウンの上半身が、ついに呑まれた。
- 511 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 15:11:20.29 ID:43edo4Ee0
- ゴクリ
- 512 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 15:11:31.91 ID:d3NfZHsU0
- そぉい
- 513 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 15:12:24.70 ID:89YqIqgJO
- やったか・・・?
- 514 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 15:12:40.22 ID:v3G4zeTo0
- 支援
- 515 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 15:12:42.74 ID:aLQ0Ms1s0
- 爪 ゚W〉爪 ゚X〉爪 ゚Y〉爪 ゚Z〉爪 ゚[〉爪 ゚\〉爪 ゚]〉
- 516 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 15:13:32.35 ID:hlZ+Djy40
-
(;ФωФ)「あ……が……」
ロマネスクが同じく地に降り立った途端、がっくりと膝を折った。
そのまま前のめりに倒れ伏す、寸前で。
ノ)) - 从「…………」
ノーマンが受け止めた。
(;ФωФ)「……すまぬ」
ノーマンはロマネスクを仰向けに寝かせると、鉄剣を握りしめ、
ノ)) - 从「……見事だ」
と、一言を残し、主の元へと走り去った。
(;ФωФ)「……ありがたい……余の想いを、汲んでくれて……」
手を握り、手を開く。
力を、確かめるように。
残った力は、あまりに少ない。
(;ФωФ)(いよいよ……か……)
(;ФωФ)(……ここからだな……シースルー……)
- 517 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 15:14:29.68 ID:d3NfZHsU0
- ここからシースルー
- 518 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 15:15:31.95 ID:BdlH+O0IP
- やっと追いついた
歩く最終投下並に文量あるんじゃねーかこれ
- 519 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 15:16:45.29 ID:hlZ+Djy40
-
ロマネスクは軋む体を叩き起こし、膝立ちをして敵を睨む。
いつでも、その時を迎えられるように、今は、待つ。
天から降り落ちた蒼光は、ロマネスクが地についてすぐに掻き消えていた。
充填したエネルギーが尽きる、すんでの所だったのだ。
(; ω )「ぶ……BLACK DOG……」
着地をするように、指示。
彼は最も高い位置にいる。
戻るには、少しの時間が必要だろう。
(; ω )「後……頼んだお……」
この後の戦いを、仲間に託して────
爪 W〉《がああああああああああああぁぁぁぁぁぁああああッッッ!!》
破壊者が、咆吼を上げる。
白獣はもう動けない。ロマネスクが力を止めたとは言え、
エターナルフォースブリザードによって凍り付いた存在は、永久に元には戻らないのだ。
(´・ω・`)「聖剣を見つけろ!!」
ショボンがケルベロスから降り、叫んだ。
腕を切り落とす隙しかなかった。
聖剣を握った腕が胴と離れた瞬間、レーザーに呑まれたからだ。
しかし間違いなく、白獣の周辺にあるだろう。
- 520 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 15:18:12.41 ID:KnEMmP+m0
- あらチーは外野でスレ埋まるけど、これは作者のレスがほとんどだしな
流石としか言えない
- 521 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 15:19:58.88 ID:hlZ+Djy40
-
(´・ω・`)「アンノウンッッ!!」
爪#゚W〉《主人公格が!! 我をここまで追い詰めるか!!》
黒獣を生み出した時と同じように、黒の組織が腕を作りだしていた。
今までと違うのは、聖剣を持っていないことだけだ。
(´・ω・`)『闇の審判!』
ペルソナを発動、アンノウンの足下に闇が広がる。
闇の中へ吸い込まんと、漆黒の波が足下から迫り上がっていく、が。
爪#゚W〉《小賢しいッ!》
光の翼をその身に纏い、闇を四散させた。
爪#゚W〉《まだだ! こんなもので我の憤怒を抑えられるものか!!》
(´・ω・`)「!!」
凍り付いた白獣が、ゆっくりとその身を立ち上げた。
凍結はしたままだ。首から下、尾も全て氷に覆われている。
それでも、動いた。重い氷の体を、引き摺るようにして。
川;゚ -゚)「おい! 見つからね-ぞ!」
仲魔たちと聖剣を探していたクーだったが、まるで忽然と姿を消したように、どこにも。
それに、ショボンが気付いた。
- 522 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 15:20:24.66 ID:d3NfZHsU0
- しえーん
- 523 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 15:20:57.49 ID:v3G4zeTo0
- 支援
- 524 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 15:21:04.71 ID:43edo4Ee0
- 歩くの最終、懐かしいな
同じくらいワクワクしてる
- 525 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 15:21:05.52 ID:kv5xeAyt0
- あらチーは強さ議論スレも兼ねてるからな
安価で「僕の考えた最強の能力」を実現させるという楽しみもある
どっちも面白いから最近楽しいわー
- 526 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 15:23:02.61 ID:hlZ+Djy40
-
ξ;゚听)ξ「……ブーンさん!」
(; ω )「お……」
ξ;゚听)ξ『ディアラハン!』
BLACK DOGは彼女に近い位置に着陸していた。
よろよろとした足取りで、降り立ったBLACK DOGに乗り込み、最高の治癒を施す。
ブーンの内部損傷は即座に快復したが、機器の損傷が所々に見られている。
ふと、彼の左腕に巻かれていたリボンに、ツンの指先が触れた。
ξ;゚听)ξ(え……なに……?)
しかし、彼女が感じた違和は、再び動き出したアンノウンによって掻き消された。
白獣は全てが凍り付き、左腕も切断されているが、上半身はまだ健在だ。
BLACK DOGから降りて、ツンが後ろを振り返る。
最初にアンノウンの姿が目に入り、そして。
再び体と結合した、左腕。
その手には、聖剣────
(´・ω・`)「擬態の能力か……!」
アンノウンは聖剣を隠していたのだ。
聖剣に触れたままでは力を使えないが、左腕を闇に変え、周囲の景色に擬態させていた。
自身の闇、即ち“影”を伸ばして、左腕ごと引き寄せていた。
彼らが再び目にした時には、時既に遅し。
- 527 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 15:24:25.23 ID:43edo4Ee0
- やってなかった!
- 528 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 15:25:06.03 ID:89YqIqgJO
- 支援
- 529 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 15:25:57.36 ID:d3NfZHsU0
- ほほう
- 530 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 15:27:28.53 ID:hlZ+Djy40
-
(´・ω・`)「させん!」
川 ゚ -゚)「お前ら! ついてこい!」
いや、遅くはない。
彼らはまだ、諦めていない。
覚悟は既に、決めたのだ。応えるために、諦めるという道は有り得はしない。
爪 ゚W〉《ッ!!》
ケルベロスに騎乗したショボンが、聖剣に斬りかかる。
刃を交え防がれたが、聖剣の動きを止めようと斬撃を放ち続ける。
アンノウンの足である白獣が凍り付いている今こそ、そこに繋ぎ止める機なのだ。
爪 ゚W〉《邪魔だ!》
右腕を上げた。巨大な聖剣を模している、右腕を。
軽々と振り回していた時とは正反対に、その動作は実に鈍重だ。
川 ゚ -゚)「同じ言葉だが……させん!」
|||゚ - ゚||「はぁッ!」
ノ)) - 从「シィッ!」
オルトロスに騎乗したデビルサマナー、クーが仲魔と共に右腕を強襲した。
氷に彼らの刃は通らないが、動きを止めることはできる。
しかし、聖剣を横に寝かしてZを受け止める際に、右肩を聖剣に触れさせた。
- 531 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 15:27:47.06 ID:ZbFh3X7mP
- やっと追いついた支援
- 532 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 15:28:43.47 ID:KnEMmP+m0
- (´・ω・`)「さーせん!」
支援
- 533 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 15:31:01.36 ID:hlZ+Djy40
-
その途端、右腕を戒めていた氷が粉々に砕け散った。
川 ゚ -゚)「チッ!」
(´・ω・`)『デスバウンド!!』
右肩を目がけ、オーディンが超至近距離でグングニルを振り下げる。
切断、には至らない。僅かに肉を抉るだけにとどまった。
(´・ω・`)「この光の膜の所為か……!」
ペルソナの使用中も、Zを止めることはない。
聖剣だけはフリーにさせてはならないのだ。
時折Zが左腕を捉えるが、光の翼に遮られ小さな傷を作ることしかできない。
爪#゚W〉《邪魔だ! 貴様らを滅ぼし、我が真の主人公格となってやろう!!》
自由になった右腕──模造聖剣を即座に後方に回し、体を捻る。
遠心力を全て右腕に乗せて、全力で振り抜かんと────
ノ))# - 从「はぁっぁぁぁぁぁぁぁッッ!!!」
川;゚ -゚)「……ノーマン!?」
渾身の力を込めて、鉄剣を振り下ろす。
ノーマンの鉄剣に比べ、模造聖剣である右腕のサイズは実に四倍はある。
その刃が、交わった。
ノ))# - 从「ああああああぁぁぁぁぁあああッッ!!」
- 534 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 15:34:44.63 ID:hlZ+Djy40
-
クーですら聞いたことのない、ノーマンの咆吼。
ロマネスクの熱き心を見た彼にも、炎が伝染していたのだ。
規格外の剣を受けたが為に、彼の腕に浮き上がる血管のいくつかが爆ぜ、血液が噴出する。
それでも、止めた。止めてみせた。
彼がいなければ、接近している全員が両断、或いは弾き飛ばされていただろう。
しかし、右腕に送られている力は、止まらない。
爪#゚W〉《人間に仕える魔物風情が!! 小賢しいわ!!》
ノ))# - 从「主…………下がれ……!」
遂には、ノーマンの巨躯が宙を舞った。
あまりの質量に、押し飛ばされてしまった。
ξ;゚听)ξ「ノーマンさん!」
壮絶な力に吹き飛ばされたノーマンは、ツンの足下にまで飛ばされ、地を転がっていた。
すぐに彼女が近寄るが、既にノーマンは立ち上がろうとしている。
川 ゚ -゚)(ノーマン……)
垣間見た、仲魔の覚悟。
持てる力を全て出し切る時が来たと、彼女も最後の力を。
だが、先に動いた者は、またしても。
爪#゚W〉《断ち切ってやる! 滅び去れッッ!!》
- 535 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 15:35:22.94 ID:BdlH+O0IP
- アノウンコ主人公の厨二物語とか無双すぎて需要ねーよアノウンコの葛藤とか見たくねーよ
- 536 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 15:37:47.05 ID:d3NfZHsU0
- しえん
- 537 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 15:37:52.17 ID:hlZ+Djy40
-
天高く、巨大な聖剣が掲げられた。
質量と重力、全てを乗せて振り下げる気だ。
左腕の聖剣を相手にするショボンをも巻き込む、一撃が。
|||゚ - ゚||「ライドウ様!!」
クー・フーリンが本能で前に立つ。
主が何をしようとしているか、彼は既に理解している。
だが、迎え撃つものはあまりにも大きすぎる。
川;゚ -゚)(クソ……!)
その時だ。
(´・ω・`)「ッ!?」
聖剣が、一瞬にして消えた。
正しくは、“聖剣が左腕に呑み込まれた”。
(´・ω・`)「完全に……消えた……まさか、また体内に!」
爪 ゚W〉《死ねえぇぇぇぇぇッッ!!》
そして、壮絶たる質量をもった模造聖剣が、振り下ろされる────
- 538 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 15:40:14.91 ID:d3NfZHsU0
- 俺は今、亀仙人のもうちょっとを思い出している
- 539 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 15:40:56.63 ID:hlZ+Djy40
-
全ての動きが、遅れて見えた。
全員がそうだ。
だからこそ、その姿が見えていた。
巨大な剣を受け止めようと、飛翔した者の姿が。
最期の力を込め、光の翼を展開し、氷の斧を持った姿が。
(#ФωФ)「アンノウンッッ!! 余に残された最期の力で、お前を止めてみせる!!!」
凍れる魔王、ロマネスク。
(´・ω・`)「ロマネスクッッ! 待っ────」
ショボンが言い終えるより早く。
何度もそうしたように、剣を斧で受け止める為に、刃と刃が、交差した。
- 540 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 15:42:45.23 ID:6Nk4k2ui0
- フラグ
- 541 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 15:43:41.86 ID:uNZ3gdLRO
- 紫煙
- 542 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 15:44:01.35 ID:hlZ+Djy40
-
砕かれた、魔王の斧。
食い破る、聖剣の刃。
溢れ出る、鮮血。
(;ФωФ)「がっ……ぐあああああああ!!」
巨大な剣は、模造のままだ。
だが、一点、一点だけ、違っていた。
自身の体に潜っていく物の姿を、彼は見た。
(;ФωФ)「あ……ごあっ……せ、せい……け……」
アンノウンは体を通し、“模造剣の刃部分に左手の聖剣を移動させた”のだ。
魔力で創られた斧は脆くも崩れ去り、ロマネスクの体に容赦なく食い込んだ。
主人公格である、ロマネスクに。
即ち、聖剣が、力を得たということだ。
- 543 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 15:44:24.42 ID:d5fnoDsZ0
- あー
- 544 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 15:44:56.79 ID:3H622fVKO
- ロマ……!
- 545 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 15:46:00.17 ID:d3NfZHsU0
- おう…
- 546 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 15:46:00.77 ID:KnEMmP+m0
- おっさん……
- 547 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 15:47:23.96 ID:hlZ+Djy40
-
爪 ゚W〉《待っていた……この時を!!》
『願いを込めて、聖剣を振り下ろすこと』
爪 ゚W〉《このまま振り切れば、全てが終わる! 貴様らの死を迎えて!!》
(#ФωФ)「さ……せぬッッ!!」
爪 ゚W〉「ッ────!?」
両腕でがっしりと、模造聖剣を掴んだ。その部分から、凍結が進んでいく。
剣はそれほど振られていない。頂上から少し傾けた程度だ。
まだ初動だったことが僥倖と言うべきか、勢いがあれば、ロマネスクの体は両断されていただろう。
爪 ゚W〉《貴様……まだこんな……!》
(#ФωФ)「魔力など、とうに尽きた! もはや削るものは、この命のみ!!」
命を削り、禁呪を放つ。
その火が潰える時は、すぐに訪れるだろう。
己の体で聖剣を止め、模造の部分を凍結させていく。
(#ФωФ)「この剣は絶対に振らせんぞッ! アンノウン!!」
爪#゚W〉「死に損ないが!! 終わりだ! 邪魔をするなッッ!!」
アンノウンが右腕に力をこめるも、ロマネスクは更に押す。
深く聖剣が体に食い込もうとも、構わずに。
- 548 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 15:48:58.56 ID:d3NfZHsU0
- 支援だ
- 549 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 15:50:34.78 ID:hlZ+Djy40
- ィ'トー-ィ、
以,[l゚疲i7「アンノウン────────ッッ!!!」
機器系統の修復を終え、最強形態に身を包んだブーンが、
カートリッジを使用した超加速で助けに────
(#ФωФ)「来るな!」
ィ'トー-ィ、
以,[l゚疲i7「ッ! ロマネスク!?」
(#ФωФ)「余の……命に代えて……この剣は止めてやる!!」
(#ФωФ)「お前はアンノウンを討て!! 成すべきことをするのだ!!」
ィ'トー-ィ、
以,[l゚疲i7「ロマネスク……」
(#ФωФ)「余に賭けろ!! 余もお前たちに、賭けたのだッ!!」
ィ'トー-ィ、
以,[l゚疲i7「…………」
────決して、悪い賭けではない。
即座にブーンは動きを止め、エネルギーの充填を開始する。
彼の体からは六つの砲門が、現れていた。
- 550 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 15:53:51.96 ID:hlZ+Djy40
-
(#ФωФ)(感謝する……異世界の、勇者よ!!)
異世界といい、自世界といい。
勇者というものは、不思議なものだ。
そう思いながら、彼は命を燃やし続ける。
その火はもう、残り、僅か。
(´・ω・`)「はぁッ!!」
爪#゚W〉《まだ足掻くか……おのれが!!》
ロマネスクが聖剣を受け止めている、直下。
意識を引きつけようと、ショボンが執拗にアンノウンを攻めていた。
左腕に生まれているのは、新たな剣。
最初に見せた、雷剣だ。
刃を交えるだけで、ショボンの腕に痺れが走り、僅かだがダメージが蓄積されていく。
ならば。
(´・ω・`)『雷の洗礼────』
- 551 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 15:55:33.69 ID:d3NfZHsU0
- しえんた
- 552 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 15:56:18.82 ID:kVIxRqyj0
- しえんんんんん
- 553 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 15:57:04.36 ID:hlZ+Djy40
-
ヒントを得ていた。
クーが仲魔の力を赤光葛葉に宿したように。
広範囲を焼き尽くすオーディンの雷全てが、両腕のZに集う。
その力を、一点に留める。アルファベットZに。
異能との邂逅が生んだ、紫電を纏うZが、完成した。
(´・ω・`)「アルファベットならば、応えてくれると思っていた」
再び、刃を交える。
その都度、紫の閃光が迸る、が、腕に痺れは感じない。
(´・ω・`)「さぁ、終わりは近いぞ、アンノウンッ!」
爪 ゚W〉《何故だ……何故……!!》
アンノウンに初めて、狼狽の色が浮かんだ。
窮地を脱する為に、体を変化させようとしていたのだ。
それが、できない。
焦燥は、尤もだった。
爪;゚W〉《……何故だッ!!》
焦りが怒りを生み、それが言葉となって口から溢れ出る。
エターナルフォースブリザードの凍結が邪魔をして、聖剣を移動させることもできない。
- 554 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 15:59:54.58 ID:d3NfZHsU0
- 便利だな
- 555 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 16:00:09.88 ID:LasWrnaKO
- もしもしから四時間かけてやっと追いついた
リティット支援
ルージアルさん万能すぐる
- 556 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 16:00:15.81 ID:hlZ+Djy40
-
(´・ω・`)「!!」
アンノウンが持つ雷剣が、変化した。
それはシースルーが扱っていた光の剣。
異形化は行えないが、異能の力は問題なく扱えるようだ。
爪;゚W〉《貴様ら……主人公格とは、なんなのだ!?》
ショボンに迫る、光刃。
だが、今のZでなら受け止めることができた。
爪;゚W〉《脆弱な輩が……何故……ここまで……!!》
(´・ω・`)「……確かに、ここへきたばかりの俺だったら何もできなかっただろう」
爪#゚W〉《ペルソナを得ただけで……いい気になるなよ!》
(´・ω・`)「得たものは……それだけじゃないさ!」
右のZが、左腕を掠めた。
先とは違い、確実にアンノウンの肌に傷を生み出していく。
更に違ったのは、それだけではない。
傷からは闇のヘドロではなく、鮮血が、滲んでいた。
爪#゚W〉「────────まだだッッ!!」
瞬間、光の剣が弾けた。
光刃の飛礫が飛び散り、いくつかがショボンを穿つ。
- 557 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 16:00:16.87 ID:QndWo98j0
- a
- 558 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 16:03:17.16 ID:hlZ+Djy40
-
(´・ω・`)「ッ……!」
肩、腹、脚、を貫通して、飛礫は床にまで到達する。
ショボンの体に、血が滲む。アンノウンと同じように。
光の剣は飛礫を放っただけで、まだ健在だ。
(´・ω・`)「くっ……」
だが、これしきのことで。
と、歯茎が出血するまでに歯を食いしばり、猛攻を止めない。
そしてショボンが、気付いた。
自分の後ろにある気配に。
(´・ω・`)「……教えてやる……アンノウン」
爪;゚W〉《黙れ! 黙らんか!!》
再度、剣が発光。
同じような飛礫がまた、ショボンを穿つ。
一度見た攻撃だ。急所だけは避けようと、小さく動く。
しかしいくつかは、躱しきれない。
ショボンが、膝を折った。
爪 ゚W〉《ハ……ハハハッ! 所詮はその程度なのだ! 我の前では、全てが無力なのだ!!》
- 559 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 16:04:45.55 ID:d3NfZHsU0
- しえしー
- 560 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 16:05:52.30 ID:KnEMmP+m0
- それでもルージアルさんなら……!
- 561 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 16:08:04.27 ID:hlZ+Djy40
- (´・ω・`)「…………」
光が、迫る。
飛礫、ではない。
それは、光の軌跡を描く、光矢。
アンノウンへ、向けて。
ξ#゚听)ξ
アンノウンに走ったのは、既視感────
ショボンの後方で凛と立つペルソナ使い、ツン。
その背には、白銀の甲冑纏う月女神、アルテミス。
クレセントミラーが、放たれていた。
爪;゚W〉《なっ……!?》
ショボンが屈んだのは、そのためだった。
最初の戦いでしたことと、同じ事だ。
ショボンも、誰も、未だ挫けてはいないのだ。
今度こそ直撃したクレセントアローが、アンノウンを光球に閉じ込めた。
その光玉の中で、ツン最強の一撃が駆け巡る。
光の翼を砕き、貫き、アンノウンの全身を容赦なく抉っていく。
光が弾け、アンノウンが再び風に触れた時には────
- 562 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 16:09:08.14 ID:hlZ+Djy40
- (´・ω・`)「…………」
光が、迫る。
飛礫、ではない。
それは、光の軌跡を描く、光矢。
アンノウンへ、向けて。
ξ#゚听)ξ
アンノウンに走ったのは、既視感────
ショボンの後方で凛と立つペルソナ使い、ツン。
その背には、白銀の甲冑纏う月女神、アルテミス。
クレセントミラーが、放たれていた。
爪;゚W〉《なっ……!?》
ショボンが屈んだのは、そのためだった。
最初の戦いでしたことと、同じ事だ。
ショボンも、誰も、未だ挫けてはいないのだ。
今度こそ直撃したクレセントミラーが、アンノウンを光球に閉じ込めた。
その光玉の中で、ツン最強の一撃が駆け巡る。
光の翼を砕き、貫き、アンノウンの全身を容赦なく抉っていく。
光が弾け、アンノウンが再び風に触れた時には────
- 563 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 16:10:13.12 ID:BdlH+O0IP
- クライマックスだなぁ
- 564 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 16:12:03.29 ID:LasWrnaKO
- wktk支援
休暇終了まであと15分
がんばれ作者超がんばれ
てかお願いします
- 565 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 16:12:31.33 ID:hlZ+Djy40
-
爪 W〉《何故……何故……ここまで……!》
その目は乱れた髪がかかり、視認することはできない。
(#ФωФ)(……! 力が、弱まった……!?)
ロマネスクが、力を感じた。
彼らが驚愕し、或いは絶望しかけた恐るべき力が。
初めて、弱まったことを。
(´・ω・`)「確かに、お前の言うとおり俺は脆弱な人間かも知れん」
(´・ω・`)「だが、俺たちはそれを補い合うことができる」
(´・ω・`)「お前がそうさせたんだ……アンノウンッ!」
長かった、戦いの果てが、全員に見える。
今までアンノウンが、更なる力を見せてきたように。
彼らにも、残された最後の力がある。
今こそそれを、放つ時。
- 566 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 16:15:10.04 ID:hlZ+Djy40
-
そう。今、こそが────
ィ'トー-ィ、
以,[l゚疲i7
ξ゚听)ξ
川 ゚ -゚)
(´・ω・`)
────応える、時だ。
- 567 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 16:15:10.32 ID:d5fnoDsZ0
- もうすぐ終わりか・・・
- 568 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 16:16:20.97 ID:0fbHoEowO
- やべえ燃え尽きる
- 569 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 16:16:39.96 ID:d3NfZHsU0
- GO!!
- 570 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 16:16:41.72 ID:aLQ0Ms1s0
- ブーンをもとに戻せよwww
- 571 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 16:17:40.46 ID:keMOOHEnO
- ヒローイ浮き杉
- 572 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 16:17:44.15 ID:hlZ+Djy40
-
爪 W〉《貴様達に……!》
爪 W〉《輝く星の下に生まれた貴様達に! 我の何がわかるというのだ!?》
アンノウンの全身から再び迸る覇気。
(´・ω・`)「くっ…… ツン、少し無理をしてくれ!」
ξ#゚听)ξ「はいっ!!」
それは大気を震わせ、大地を揺るがす。
この瞬間から、戦士達は地鳴りのような音に包まれた。
川 ゚ -゚)「覚悟を決める……。命を賭ける覚悟を 」
いち早くこれに気付いたのはクーだった。
───戦いの佳境。
まさにここが、自分達異世界の戦士か、或いはアンノウンかが滅ぶ分岐点となる。
クーは妙に落ち着いていた……。
アンノウンの右手を、生命の全てを以て止めているロマネスク。
左手に動きを取らせないのはショボンとツン。
そしてブーンは最強の一撃を放つために力を溜めている。
仲間達──クーはそう思う──仲間達が命をかけてアンノウンを静止している。
今、自由に動くことが出来るのは自分だけだ。
ならば今こそが───今こそがその時だ!!
- 573 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 16:17:50.53 ID:MuUGyuK80
- ブーンがwww
- 574 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 16:18:08.48 ID:KnEMmP+m0
- ヒローイwwwwwwww
- 575 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 16:20:46.19 ID:d5fnoDsZ0
- 一人だけAAがおかしいぞ
- 576 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 16:20:48.83 ID:hlZ+Djy40
-
川 ゚ -゚)「史上最強の魔か……。
少々呼び出すのに時間がかかる 」
|||;゚ - ゚||「ライドウ様!! まさかあの方を!?」
顔を青くして叫ぶクー・フーリン。
クーの手には……、赤い光を放つ封魔管がある!!
川 ゚ -゚)「お前達……」
自然と、他の仲間達も集まっている。
クーはこの期に及んで、改めて彼らの忠誠心を感じる。
体の芯が高揚する。
そして小さな声で言った。
川 ゚ -゚)「───信じてるぞ 」
人には聞こえないかもしれない。
だが彼らはクーの仲魔。
魔物の聴覚は、主の小さな願いをはっきりと聞いた。
- 577 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 16:22:05.86 ID:JmVPXS0y0
- やっべ初遭遇
支援
- 578 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 16:22:32.32 ID:kv5xeAyt0
- ィ'トー-ィ 、
以´゚益゚以
- 579 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 16:22:51.97 ID:hlZ+Djy40
-
ノ)) - 从「っ!!」
ノーマンが剣を振り下ろす。
空を切る轟音は、ノーマン自身の、主を守るという確固たる思いの強さに他ならない。
オルトロス、ケルベロス、クー・フーリンもまた、クーの前に壁として立ち塞がった。
川 ゚ -゚)「諸の声に次ぐ───
我は未来世に於いて 三界の滅びるを見たり 」
その瞬間───、クーが持つ封魔管から赤い光が噴き出した。
まだ召喚には至らない。
その者の出現の余波が、現象となって現われたのだ。
爪#゚W〉《まだ何かを企むか……主人公格どもが!》
滔々と溢れ続ける力の片鱗は、アンノウンの意識する所となる。
当然だ。
赤子ですら感じるだろう……、恐ろしい何かを。
- 580 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 16:23:22.42 ID:d3NfZHsU0
- sien
- 581 名前:レダクト!粉々! ◆b4EY2ouWOo :2010/12/26(日) 16:24:39.98 ID:JmVPXS0y0
- クーかっこいい
規制が解けたからには支援せずにはいられない
- 582 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 16:24:59.00 ID:hlZ+Djy40
- 爪#゚W〉《形を成すことすら叶わず……無限の闇を漂い続けた……!
貴様達が生きる様を……見せつけられながら……!》
───羨ましかった……。
クーが持っている力の強大さ、この世界の外、もっと大きな存在に愛された者の力───。
だが自身には、力どころか体すら……。
川 ゚ -゚)「輪廻の鼓、十方世界に其の音を演べれば
東の宮殿、光明を以って胎蔵に入る─── 」
アンノウンの嫉妬───。
それを晴らすのは、自身が羨むこの女を殺すことのみ。
だが、今のクーは殺意に対して完全なる無防備。
なぜなら、自身の手の内にある絶対強者から意識を逸らせば、やはり死ぬことになるからだ。
爪#゚W〉《主人公格めがッ!!退けッッ!!》
(´・ω・`)「ぐっ!!」
ξ;゚听)ξ「ショボンさん!!」
アンノウンは膠着状態にあった左手に、力を込めショボンを振り払った。
巨大化した左手は、言わば丸太のような物。
ショボンが如何に強力だとしても、物理的に大きな力を加えられれば、弾かれるのは当然の結果だ。
川 ゚ -゚)「衆生は大悲にて赤き霊となり、
諸魔はこれを負うが如く出づ─── 」
自由となった左手が狙うのは、アンノウンの嫉妬に対して余りにも無防備なクー ───。
- 583 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 16:27:01.67 ID:hlZ+Djy40
- ||#゚ - ゚||「何ライドウ様に攻撃してんだよ、このビチグソがぁぁぁぁぁぁ!!」
クーに向かって真っすぐに伸びるアンノウンの左手。
だが、そこに宙高く舞い上がったクー・フーリンが、落下に任せて垂直に槍を突き刺した。
爪#゚W〉《ぬぅっ!?小賢しい真似を!?》
アンノウンの腕が、槍を起点に二股に分かれる!!
しかしアンノウンは忘れていた。
二つでは足りないのだ!!
∧_∧ ∧_∧
(叉)゚,, >|<,,゚(叉)「「GYAWWWW!!」」
,/i/i、
ミ,,゚(叉)「愚か者目が!!」
爪#゚W〉《グァッ!!犬風情がぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!》
オルトロスの双頭と、ケルベロスの大顎が、二つに分かれたアンノウンの腕に食らいつく。
二頭の魔獣はめちゃくちゃに頭を振り、双方を衝突させた。
必然的に、分かれた腕は再び一つになる……。
ノ)) - 从「…………」
そして、ターゲットが一つならばこの男がいる!!
ノーマンはクーの眼前から一歩も動くことなく、迫りくる脅威に備えていた。
黒衣に身を包む仲魔は、彼の代名詞でもある巨大な鉄の塊を頭上高く振り上げ……
ノ)) - 从「フッ!!」
爪#゚W〉《ガァッ!!》
- 584 名前:レダクト!粉々! ◆b4EY2ouWOo :2010/12/26(日) 16:28:50.69 ID:JmVPXS0y0
- ころあいを見はからいレダクt・・・じゃない支援
- 585 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 16:29:09.78 ID:d3NfZHsU0
- 支援!
- 586 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 16:29:40.36 ID:hlZ+Djy40
- アンノウンの左手に、まともに全力を振り下ろした。
||| ゚ - ゚||「ライドウ様!!」
∧_∧ ∧_∧
(叉)゚,, >|<,,゚(叉)「「ライドウ!!」」
,/i/i、
ミ,,゚(叉)「ライドウ!!」
ノ)) - 从「………」
召喚に精神を費やすクーは今、外敵に対してあまりに儚い。
しかし決して無防備ではない。
彼女が信じた4体の仲魔……、彼らが攻撃を許す訳がない!!
川 ゚ -゚)「霊の蓮華に秘密主は立ち理を示現す。
是れ即ち創世の法なり─── 」
封魔管からの赤い光が一際輝いた……。
召喚が───完了する!!
爪#゚W〉《貴様!!そこを退けぇぇぇぇぇぇぇ!!》
ノ)) - 从「ッ!?」
恐ろしい事になると悟ったのだ。
アンノウンの左手からボコボコと突起が生まれる。
爪#゚W〉《ハハハハッ!!死ねぃ!!》
次の瞬間、突起は無数の腕となり、ノーマンとクーを襲う!!
- 587 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 16:30:14.00 ID:kv5xeAyt0
- 地の文にエクスクラメーションマークを入れるのはあの作者しかいまい
- 588 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 16:30:29.52 ID:6Nk4k2ui0
- このへん大麻さんが書いたのかな
- 589 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 16:30:39.05 ID:LasWrnaKO
- 冷静にアンノウン見てると いぬたまに見えてくる不思議
- 590 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 16:31:50.70 ID:hlZ+Djy40
-
爪#゚W〉《……!?》
アンノウンが左手を変化させ、ノーマンとクーを殺すために作った腕は約100本。
二人を殺して余りある数だ。
だが、ここにアンノウンの誤算が生まれた。
ノ)) - 从「……!!……!!……!!」
クーに向けた半数の腕───。
それをノーマンが全て切り落としている。
無論残りの半数は自身に向かうが、体を穿つそれらを全て無視して!!
川 ゚ -゚)「ノーマン……。よくやってくれた 」
爪#゚W〉《ッ!?》
アンノウンに悪寒が走る。
来る───、逃れられない死が!!
来る───、デビルサマナーが駆る史上最強の魔が!!
川 ゚ -゚)「我、葛葉ライドウの名において命ずる!!
ボルテクス界の王、コトワリの主よ!! 我に従いて共に戦え!! 」
世界の中心は、今クーの手の中に。
誰も目を逸らすことが出来ない。誰も目を向けることも出来ない───。
そして……世界が変わる!!
- 591 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 16:32:27.63 ID:Ln9dQrqN0
- 熱いぜ支援
- 592 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 16:33:55.87 ID:hlZ+Djy40
-
(´・ω・`)「何が……起こっている!?」
ξ;゚听)ξ「……怖い 」
最初に異変に気付いたのはショボンだった。
空が───赤い───。
封魔管から漏れていた光と同じ色だ。
目を凝らすと、赤い何かがビッシリと蠢いている……魂のような物が。
≪HAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHA!!!!!!≫
空から頭が割れんばかりの笑い声。
そこに目を遣ると、月が割れ、人の顔へと変形した。
とてつもなく巨大で、そして禍々しい顔が言う。
≪我、ただ空なり!!≫
それが合図だった───。
赤い光の彼方から、数えきれない数の笑い声が起こる。
むせ返るほど濃密な魔の気配、その数は無限を思わせる。
ィ'トー-ィ、
以,[l゚疲i7「さ、最強の仲魔ってのは地獄の軍団かお!?」
ブーンは今すぐ、BlueLazarCannonのチャージを解いて逃げ出したい衝動に駆られた。
天才、ツン・ディレイクが危険予知のために内蔵したアラームが、けたたましい悲鳴を上げている。
彼の視界は一つの文字で埋め尽くされる――WARNING!!WARNING!!WARNING!!WARNING!!WARNING!!
- 593 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 16:35:51.74 ID:kv5xeAyt0
- 爺様がコピーした奴だから一応劣化はしてるのかな
- 594 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 16:36:02.67 ID:hlZ+Djy40
-
地獄の軍団……。
ブーンがそう称したのは、強ち間違いではない。
確かに地獄の軍団はやってきた。
彼に着いてきたのだ───。
川 ゚ -゚)「混と……、何!?」
まさにクーがその名を呼ぼうとしたとき、封魔管から何かが飛び出した。
ィ'トー-ィ、
以,[l゚疲i7「ッ!」
ξ;゚听)ξ「……!」
(´・ω・`)「!!」
いや、『何か』と形容する必要はない。
その場の誰もが一瞬の内に理解した。
───現われたのは『地獄』だと。
ノ)) - 从「……!?」
- 595 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 16:36:37.48 ID:W6BGQksbO
- 支援!
- 596 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 16:36:45.38 ID:KnEMmP+m0
- まさか……!
- 597 名前:レダクト!粉々! ◆b4EY2ouWOo :2010/12/26(日) 16:37:37.84 ID:JmVPXS0y0
- イトォーイィィィィイイン!!!
ィ'トー-ィ、
以,[l゚疲i7 支援!
- 598 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 16:37:40.43 ID:uNZ3gdLRO
- なんと
- 599 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 16:38:03.44 ID:hlZ+Djy40
-
ノーマンが最初に感じたのは、アンノウンの左手の圧力が消えた事。
見下ろすと、そこに見知らぬ少年がいた。
爪#゚W〉《馬鹿……なっ!?なんだこの……力はっ!?》
アンノウンが見たのは、その少年が自身の左手に片手を添えている事。
力が籠っているようには感じられない。
だが、全く自由にならない。
川 ゚ -゚)「名前を呼ぶ前に出てくるとは、悪い子だ。
修羅の血が騒いだか?
だがよく来てくれた…… 」
クーは肩で息をしながら、少年の元に歩み寄る。
そして初めて目にする仲魔の名を呼んだ。
川 ゚ -゚)「混沌王……『人修羅』!!」
風、ではない。
威圧感と、絶対的な、あまりに強大な力に、周囲が覆われた。
それを生み出すのが、大して体も大きくはない、細身の少年……。
- 600 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 16:38:07.62 ID:LasWrnaKO
- 作者のうち誰かは甲田作品読んでる気がする
- 601 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 16:39:22.07 ID:uNZ3gdLRO
- ほほう
- 602 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 16:41:08.97 ID:hlZ+Djy40
- _,,,,..,,,,_
V;;》‖゚_ゝ『………』
少年の姿は決して人ではないことを物語る。
半裸の上半身には幾何学的な模様、タトゥーが無数に刻まれている。
それは端正な顔にも及び、淡い青に発光していた。
取り立てて異様なのは彼の首だ。
明らかに内側から、後方へ角の様な物が突き出している。
一説によるとこの世は数度滅びたという。
最も近いのは2004年8月5日。
『東京受胎』と呼ばれる世界の崩壊だ。
異界、ボルテクス界と化した世界を、悪魔の力を得た少年が制した。
その後彼は世界を元の状態に戻し、その事実を誰の記憶からも消し去ったという……。
混沌王・人修羅は全ての魔を制する者。
魔神、天使、魔獣、幻魔、妖精、堕天使、邪神、
そして、絶大な力を持つ魔王すらも───
- 603 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 16:42:26.99 ID:uNZ3gdLRO
- 角?
- 604 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 16:42:37.04 ID:KnEMmP+m0
- 人修羅きたああああああああああ
- 605 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 16:43:14.95 ID:hlZ+Djy40
-
川 ゚ -゚)「見せてくれよ、人修羅。
皆、結構限界なんだ 」
人修羅は自らを呼出した者の姿を見る。
疲弊し切っている。
そして、その元凶たるアンノウンに視線を移し……
_,,,,..,,,,_
V;;》‖゚_ゝ『Отправление. Дурак』
爪;#゚W〉《っ゛!!》
人修羅の言葉は王のみに許された言葉。
誰も理解する事の出来ない何かを言った瞬間、アンノウンが左手を反射的に引いた。
まるで熱い物にでも触ったかのように……。
ノ)) - 从「……?」
満身創痍のノーマンは見た。
アンノウンの腕に触れていた人修羅の右手、その掌に小さな火の玉が宿っている。
ノ)) - 从。o ○(……こんな物が?)
それは小さな灯火に過ぎなかった。
しかしアンノウンが手を引いたという事実がある。
そして、その灯火は左手にも宿っていた。
- 606 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 16:45:24.78 ID:hlZ+Djy40
- _,,,,..,,,,_
V;;》‖゚_ゝ『Гнев……』
人修羅はアンノウンを凍りつくような目で凝視。
冗談のような殺気だ。
ショボン達、そして呼び出したクーすらも寒気を覚える。
爪#゚W〉《我を……愚弄するつもりか!
我は暗き闇の底!!
貴様らの輝きなど、永遠に飲み込んでくれるわ!!》
アンノウンは雄叫びを上げる。
再び覇気が漲った。
さらに左手を人修羅目がけて突く!!
爪#゚W〉《貴様も、あの闇の中で漂う孤独を知れ!!》
人修羅は迫り来る狂気の中、ゆっくりと両手を上げる。
そこには先程から宿っていた小さな灯火。
二つの灯火が頭上で重なる!!
川;゚ -゚)「何っ!?」
ノ)) - 从「!!」
その瞬間、灯火が狂声を上げた。
小さな炎は人修羅が絶大な熱量を、その力により超圧縮していたにすぎない。
絶妙にあったバランスが崩壊した今、エネルギーは解き放たれるのみ。
- 607 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 16:46:24.80 ID:uNZ3gdLRO
- 支援支援!
- 608 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 16:47:30.30 ID:hlZ+Djy40
- _,,,,..,,,,_
V;;》‖゚_ゝ『Магма Ахис』
人修羅は頭上にあった両手を、一気にアンノウンへと突き出した。
必然的に、燃え上がる超熱量はアンノウンへ向かうことになる。
それはさながら、マグマが一本の軸を這い、獲物に襲い掛かるかのようだ。
爪#゚W〉《グッ!!グォォォォォォォォォッ!!》
アンノウンは攻撃の為の左手を、防御に回さざるを得なかった。
開いた掌の中心に、マグマの熱線が突き刺さる!!
(´・ω・`)「ツン!!目を閉じろ!!眼球が焼けるぞ!!」
ξ;--)ξ「ハイ!!」
アンノウンは左手に灼熱と恐るべきパワーを感じていた。
これほどの力、自分の掌を突き破るのは時間の問題。
この軌道は不味い!!。
人修羅が放った熱線とアンノウンの掌、その延長線上に自身の頭部があるこの軌道は!!
爪#゚W〉《 こんな物……!!こ、、んな、物ォォォォォォォォォォ!!》
アンノウンは決死の思いで左手を体の外側へとずらす。
1p動かすだけで途方もない労力だ。
……そして、ついに人修羅の力が、アンノウンの手を貫いた。
- 609 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 16:48:47.15 ID:uNZ3gdLRO
- マグマ・アクシスか
- 610 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 16:49:15.29 ID:Ln9dQrqN0
- これで不完全だと……
支援
- 611 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 16:49:31.29 ID:KnEMmP+m0
- マグマアクシスにはお世話になりました支援
- 612 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 16:49:42.64 ID:hlZ+Djy40
-
爪#゚W〉《ハァァァァァァ……。どうした……!?我の命はまだここにあるぞ!!》
アンノウンの頭部は破壊されていない。
人修羅の力は、アンノウンの頭部を僅かに逸れ、赤く蠢く闇へと消えた。
人修羅は滅ぼすに至らなかったアンノウンを見る。
_,,,,..,,,,_
V;;》‖゚_ゝ『………』
人修羅の身体の文様が、これまで以上に不気味に発光する!!
(´・ω・`)「………」
ξ;゚听)ξ。o ○(世界が……悲鳴を上げてる……?)
それは人修羅の全身全霊。
その無尽のパワーを至高の領域まで高め、放出する!!
_,,,,..,,,,_
V;;》‖゚_ゝ『Верховный Дьявол пули』
その時、人修羅の眼前に一握りの発光体が浮かぶ。
見た目は拍子抜けするほど小さい。
しかし人修羅がよろけ、膝を突く。
人修羅の絶大なパワーその物が、エネルギー体として現われた。
ィ'トー-ィ、
以,[l゚疲i7。o ○(あれはまさか……反物っしt───!!)
ブーンの脳裏に不吉な予感が浮かぶが、直ぐに打ち消した。
物理学の世界ではその存在が古くから噂されるが、決してこの世にあってはならない───
- 613 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 16:50:01.17 ID:UzemVFYsO
- クライマックス支援
- 614 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 16:50:07.09 ID:BdlH+O0IP
- 誰だブーンが最高火力とか言った奴は
っていうかロシア人にしか見えない
- 615 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 16:52:05.05 ID:hlZ+Djy40
- _,,,,..,,,,_
V;;》‖゚_ゝ『………』
人修羅の様子がおかしい……。
魔弾とも言える、高エネルギー物質を放出した反動か。
膝をついたまま、息は荒く、そして………
ξ;゚听)ξ「消えていく?」
(´・ω・`)「力が尽きたというのか……?」
そのまま、空気中に溶ける様に消えた。
同時に蠢く赤い靄も薄れ、月も元の姿に返っていく……。
残るのは、人修羅が生み出した魔弾。
川 ゚ -゚)「おっと、勿体ねぇ 」
そこへ、クーが刀を突き刺した。
その瞬間、赤光葛葉を通して、クーの全身に波動が駆け巡った。
恐るべき混沌王の力を、赤光葛葉という神器が受け入れたのだ。
川 ゚ -゚)「ジジイの作った不良品は燃費が悪過ぎる。
だが、メッキの人修羅とはいえ私の仲魔。
奴が残したこの傍迷惑な力は、責任を持って廃棄しよう 」
クーの刀が恐ろしい光を放つ。
人修羅の遺物、至高の魔弾。
これをアンノウンに叩きこむのみ。
- 616 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 16:52:04.93 ID:uNZ3gdLRO
- 無双すぎる…
- 617 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 16:52:24.60 ID:KnEMmP+m0
- 至高の魔弾か
- 618 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 16:54:37.54 ID:hlZ+Djy40
-
川 ゚ -゚)「クー・フーリン!!」
|||;゚ - ゚||「ライドウ様が私の名を!!」
川 ゚ -゚)「アレをやるぞ 」
|||*゚ - ゚||「ライドウ様の為なら何なりと!!」
クー・フーリンが手首を起用に回し、槍を高速で回転させる。
槍は気流を纏い、次第に風が強くなる。
|||*゚ - ゚||「お行きください!!」
風を纏ったゲイ・ボルグを力を込めて一薙ぎ。
その瞬間、クーの体が浮く。
|||*゚ - ゚||「着地は我らにお任せを!!」
そして槍を突き上げた。
突風がクーの体を上空高くへと押し上げていく。
爪;゚W〉《何故だ……何故……貴様ら、主人公格は……!!》
アンノウンが見上げる。
……その時視界に、高速で動く黒い影が入った。
アンノウンが破壊し、僅かに残った壁。
それを蹴り、駆け上がり、頂点に達した所でクーに向かってジャンプする者……。
- 619 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 16:55:53.54 ID:aLQ0Ms1s0
- >爪#゚W〉《我を……愚弄するつもりか!
我は暗き闇の底!!
貴様らの輝きなど、永遠に飲み込んでくれるわ!!》
お前自分は光だとかいってたよな
- 620 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 16:57:01.83 ID:6Nk4k2ui0
- >>619
光と闇が合わさって最強に見える
- 621 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 16:57:17.54 ID:Ln9dQrqN0
- >>619
今は闇だから光になりたいって言ってたんじゃないの
- 622 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 16:57:31.11 ID:hlZ+Djy40
-
ノ)) - 从「ッ!!」
クーが最も信頼を寄せる仲魔、ダンピール・ノーマン!!
重傷を負い、彼が走った壁には夥しい血痕が残っている。
それでも主の元に、何があっても駆けつける!!
ノ)) - 从「………!!」
ノーマンは空中で巨剣をクーへと突き出す。
クーはそれが分かっていたかのように剣に乗った。
川 ゚ -゚)「私の世界、この世界を消し去ろうとしたことは大罪だ。
それは償ってもらおう」
爪#゚W〉《聖剣……聖剣さえ使えれば貴様らなど……!!》
聖剣はロマネスクが命を賭して受け止めている。
彼の息の根を止めんと、左手を伸ばした。
その先では、ノーマンがクーを乗せた剣を全力で振り絞る。
その時───
ノ)) - 从「ハッ!!」
ノーマンが剣を振り切る───。
雷のような轟音が轟いた。
至高の魔弾と化したクーが、アンノウンへ射出された!!
- 623 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 16:59:02.08 ID:KJse+Yt3O
- 熱いな支援
- 624 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 17:00:35.10 ID:u4lboyz+O
- いっけぇぇ!!
- 625 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 17:01:02.05 ID:hlZ+Djy40
-
川 ゚ -゚)「死は、 全ての者に等しく訪れる。
人に非ずとも 悪魔に非ずとも。
……無論貴様にもだ、アンノウン 」
アンノウンの左手がロマネスクに届く前に……。
───至高の魔弾が、アンノウンの指先に触れた。
加えてノーマンのパワー。
アンノウンの左手が、クーの体によって抉られ、粉々に崩壊していく……。
爪 V〉《ぐおおおおおぉぉぉぉおおッッ!!》
肘から肩へ、クーはアンノウンの左腕を破壊し尽くした。
恐るべき力を完全に制御し切れなかったようだ。
狙いが外れ、止めに至ることは出来なかったか……。
フォックスが作り出した偽物とは言え、人修羅の召喚には莫大なエネルギーを要した。
4体の魔を同時に使役するクーでさえ、それは命を削りかねない所作だ。
もう、すぐに立つ事は敵わないだろう。
これがクーの、この戦い、最後の一撃だ。
- 626 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 17:02:24.90 ID:6Nk4k2ui0
- V…弱体化したか
- 627 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 17:02:27.82 ID:1Vzkl1jp0
- 焼き払えええええええ!!
- 628 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 17:02:44.68 ID:KnEMmP+m0
- 秒読み開始だな、顔的な意味で
- 629 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 17:03:53.91 ID:hlZ+Djy40
-
川 ゚ -゚)「……貴様にはわからないだろうがな……“アンノウン”」
クーがアンノウンに到達するまで一瞬だった。
だが、あの一瞬でクーは多くのことを考えていた。
川 ゚ -゚)「私の世界には……ショボン、そして“仲間”達が待っている……」
突き出した切っ先には、人修羅の恐るべき力が宿っている。
その先に、アンノウンが居る。
憐れなアンノウンが───
川 ゚ -゚)「家族。そう呼んでも良い程の……仲間達がな」
アンノウンには永遠に分からないだろう。
他の存在に嫉妬し、全ての者を滅ぼそうとしたアンノウンには。
クーは思う。
他の存在とは、嫉妬の対象では断じてない。
支え合うのだ───と。
川 ゚ -゚)「私はそこで、家族達と続けなければならない」
川 ゚ -゚)「“退魔師稼業”を───な」
- 630 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 17:05:55.19 ID:Pwqt6x4XO
- 支援!
- 631 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 17:06:04.00 ID:hlZ+Djy40
- このスピードで地面に到達すれば、衝撃によって命を散らすことは必至。
だが墜落の寸前、
∧_∧ ∧_∧
(叉)゚,, >|<,,゚(叉)「「ギャワッ!!」」
,/i/i、
ミ,,゚(叉)「グゥァッ!!」
魔犬の兄弟が身を呈してクッションとなった。
人修羅の力は、アンノウンに全て置いてきている。
しかし、単純に超スピードで落下したクーを受け止めた激しい衝撃を二頭は受け止めた。
川;゚ -゚)「ちと、無理をしすぎた…… 」
魔犬達の決死の忠誠がクーの命を救った。
クーは立ち上がるも直ぐに膝を折った。
咄嗟にツンが駆け寄り、体を支える。
しかしクーの視線は、真っ直ぐに“アンノウン”を見つめていた。
川;゚ -゚)「────次に生まれた時は、お前の家族のために、戦え」
ズゥゥゥン……、重量のある何かが落下した。
舞い上がる土埃の中から、満身創痍のノーマンがゆっくりと歩いて来る。
ノーマンはクーの傍でアンノウンの方へ向き直る。
ノ)) - 从「………」
無言で剣を地面に突き刺した。
消耗した主に敵意ある者は、何人たりとも通さぬという意思表示だった。
- 632 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 17:07:21.03 ID:qvgRZs6RQ
- 支援!!!!!
- 633 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 17:08:08.33 ID:hlZ+Djy40
- ィ'トー-ィ、
以,[l゚疲i7 「ロマネスク、クーさん、アンタ達のおかげで砲撃準備は完了した」
巨躯の随所に秘められた発振装置が作動し、
双肩に搭載されたランチャー、腰から伸びた尾のようなノズル……計6つの砲門から蒼い光が溢れている。
光は全員の目に強く射し、次いで大気をも揺るがす鳴動が皆を襲った。
砲撃の破壊力と範囲を肌で感じた異世界の戦士達は、射線から大きく距離を取った。
川;゚ -゚)「礼なんていい……いいから、ぶちかましてやれ、ブーン」
ケルベロスの背で揺られながら、クーはブーンの後姿に向って呟いた。
六つ砲門とヘルムの銀色の目が捉えるのは唯一人。
自らを異形の身へと変えた狂気の男、アンノウン。
聖剣という超常的で強大な力に触れてだが、
理性と感情を持ち、思考できるアンノウンを、ブーンは一人の人間と捉えていた。
人間……掛け替えの無い友人であるスネークは、人間の意思こそが希望と言っていた……だからこそ、
ィ'トー-ィ、
以,[l゚疲i7(アンノウン……何故お前は気づかない? お前も、僕達と同じ人間であるという事を……)
アンノウンも希望と可能性を抱いているのだと、ブーンは信じたかった。
(#ФωФ)「があアアアッ………!」
爪 V〉《振るえば……聖剣さえ、振るえば……!》
しかし、今も尚、奴が願いを叶えようとするのを必死に阻止しているロマネスクの姿を見、
ブーンはアンノウンを信じようとしていた甘さを排除する。
そして己を冷酷な殺意で塗りつぶさんと心し、レーザー発射段階へとシステムを移行させる。
- 634 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 17:09:04.16 ID:UzemVFYsO
- カウントダウン支援
仮面の数字はこれか
- 635 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 17:09:47.84 ID:uNZ3gdLRO
- ヒローイ支援!
- 636 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 17:10:09.80 ID:BdlH+O0IP
- 確かにあと3発で0になるな
しかしブーンの砲撃で終わる気が
- 637 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 17:11:25.54 ID:hlZ+Djy40
- ィ'トー-ィ、
以,[l゚疲i7「ロマネスク……今助けてやるぞ……」
――そうだ……こいつは、こんな奴は! 赦してはいけない存在なんだ!
ィ'トー-ィ、
以,[l゚疲i7「お前を、倒す!」
SixBarrelBlueLazerCannon発射。
放たれた六条の蒼光がアンノウンと、彼の下半身を成す異形の身を貫く。
膨大なエネルギーの射出がブーンの毛細血管と内臓を破裂させてゆく中、
ブーンは奥歯を噛み、ノズルを操作してアンノウンの右肩と模造聖剣を消滅させていった。
解放されたロマネスクが地に落ちると同時、SixBarrelBlueLazerCannonは照射を終えた。
ランチャーが萎縮して双肩の中へ、ノズルが再び尾に戻ると同時、
全エネルギーを使い果たしたBLACK DOGUがバイクの姿へと戻った。
(; ω )「が、はっ…………」
漆黒の鎧を失ったブーンはがくりと膝を着いた。
吐いた多量の血が胸元を汚す。最後にして最大の砲撃は生命維持装置にも異常を来していた。
誤魔化していた激痛が急に姿を現し、身体中を次々と喰いむしられているような感覚をブーンは覚える。
だが、アンノウンが生きている内は、まだ倒れる訳にはいかなかった。
爪 V〉《ぐ、お…………》
異形の身と両腕を失ったアンノウンの生命反応は残っている。
……奴が生きている内に、言っておかねばならない事がある。
ブーンは離れていきそうな意識を懸命に手繰り寄せる。
- 638 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 17:11:31.75 ID:KJse+Yt3O
- ヒローイ支援!
- 639 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 17:13:26.65 ID:1Vzkl1jp0
- 燃やせ!燃やせ!
やっちまええええ!
- 640 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 17:15:28.54 ID:hlZ+Djy40
- (;ФωФ)「せ……い……け……」
解放されたロマネスク。だが意識は朦朧としていた。
ロマネスクの胸には、命懸けで奪い取った聖剣が抉りこんでいる。
聖剣を介し、血と共に流れてゆく「何か」を感じながらも、ロマネスクは聖剣を身体から抜こうとしなかった。
ξ;゚听)ξ「ロマネスクさん!!」
ツンが叫ぶも、地に落ちたロマネスクから返事はない。
彼女は重い足を必死に前へ出して彼に駆け寄った。
∧_∧ ∧_∧
(叉)゚,, >|<,,゚(叉)「「オイ 一旦 下ガルゾ」」
クーの指示でオルトロスもその場にいた。
オルトロスは器用に頭を使ってロマネスクを背に乗せ、ツンが背に跨ったのを確認すると走り出した。
ツンはロマネスクの傷に治癒の言霊を紡ぎながら、魔獣とともにクー達の位置へと戻っていった。
(´・ω・`)「ロマネスク! もういい! 聖剣を離せ!」
ショボンの声を聞き、ようやく事態を理解したロマネスクは聖剣を抱える力を抜いた。
(;ФωФ)「……ふ、ら、せなかっ、た……ぞ……」
誇らしく笑みを浮かべるも、ロマネスクの口調はたどたどしい。
ショボンが傷口から刀身を引き抜くと多量の血が噴出した。
ツンの治療により、出血は抑えられ、次第に傷口も塞がっていったのだが、
(´・ω・`)(……そうか……聖剣に、力を……)
ロマネスクの肉体と精神は、もはや主人公格たる力が残っていなかった――。
- 641 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 17:17:03.33 ID:KnEMmP+m0
- ロマ△
- 642 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 17:17:55.92 ID:uNZ3gdLRO
- しえん
- 643 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 17:19:17.49 ID:hlZ+Djy40
-
(; ω )(まだだ、まだ、終わりじゃない……)
何故、こうまで自分が激情しているのか。
それはアンノウンが人間的な部分を色濃く持つからであろう。
憎み、妬み、怒り……全てを滅せんと歩むのも、また人が有する可能性の一つだからだ。
ここより遥か遠くの世界、ボストンという街で出会った男達も狂気に走っていた。
その男達から学び、自身に戒めた事がある。
人間のその暗黒面は、自らを律して封じねば次第に増大され、本来進むべき可能性への道を閉ざす事となる……と。
律せられぬのなら、正せぬのなら、止めなければならない。
ただそれだけを思い浮かべ、ブーンはボロボロの身体を無理矢理動かし、立ち上がる。
( ω )「アン、ノウン……!」
( ω )「今こそ……僕が、教えてやる……!」
心臓が鼓動する度が血反吐を吐こうが、激痛が絶え間なく襲おうが、
ブーンはアンノウンを睨み、覚束無い足取りで進み始めた。
- 644 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 17:20:15.77 ID:kv5xeAyt0
- 内臓破裂するの好きですねブーンさん
- 645 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 17:21:51.45 ID:1Vzkl1jp0
- >>644
癖になる痛みらしいよ
- 646 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 17:22:24.83 ID:d3NfZHsU0
- 支援
- 647 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 17:22:30.28 ID:hlZ+Djy40
-
ξ;゚听)ξ「ブーンさん!」
誰の目にも、サイボーグが瀕死に陥っているのは明らかだった。
あの身体でこれ以上何をしようと!? ツンは止めようと駆け寄るが、
(´・ω・`)「止めてやるな、ツン」
ξ;゚听)ξ「で、でも……」
(´・ω・`)「あいつなりに、言いたい事があるんだろう。やらせてやれ」
ξ;゚听)ξ「でも……ブーンさん……あんなに……」
爪 V〉《聖、剣……振るえば、振るいさえすれば……!!》
両手を失ったアンノウンは芋虫のように鈍重な動きで地を這いずる。
屈辱、敗北感といった感情は無い。アンノウンを突き動かすのは唯一つ……聖剣への依存だ。
- 648 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 17:22:53.13 ID:UzemVFYsO
- >>644
数少ない生身部分だから弱いんだろう
- 649 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 17:24:53.00 ID:hlZ+Djy40
-
爪 V〉《聖、剣……我の、望みを……!》
ショボンに握られている聖剣を求め、アンノウンは途方も無い距離を這おうとしている。
アンノウンにはもう、柄を握る手は存在しない。だから口で掴もうと、口を開けて。
ξ;゚听)ξ「…………」
その姿にツンはぞっとした。
両肩から夥しい血を流し、時折血反吐を吐こうとも休み無く蠢くアンノウンの姿に。
ξ;゚听)ξ「せ、聖剣で――」
アンノウンを倒す願いを! そう口に出そうとしたが、
クーがそっと肩を置いてくれたおかげで落ち着きを取り戻す。
川 ゚ -゚)「ツン、心配しなくていい。ブーンが何をするのか、しっかりと見ておけ」
川 ゚ -゚)「もはやこの戦いは、聖剣であっさり終わらせるようなものじゃない」
ξ゚听)ξ「クー……」
川 ゚ -゚)「アイツも、それがわかっているから、あんな体でもまだ戦おうとしているんだ」
ξ゚听)ξ「……ブーンさん……」
三人は、一人アンノウンに立ち向かう、異世界のサイボーグを見守る――。
- 650 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 17:26:49.61 ID:d3NfZHsU0
- しえ
- 651 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 17:27:18.02 ID:aLQ0Ms1s0
- 爪 ゚T〉爪 ゚U〉爪 ゚V〉爪 ゚W〉爪 ゚X〉爪 ゚Y〉爪 ゚Z〉爪 ゚[〉爪 ゚\〉爪 ゚]〉
- 652 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 17:28:04.70 ID:hlZ+Djy40
-
( ;゚ω゚)「うがあッ!!」
アンノウンの進路に弾丸を放つ。
もう、BlueBulletGunすらまともに扱えず、銃の威力に振り回されて尻餅を着いた。
アンノウンは穿たれた穴を見てぞっとし、弾丸の射線を目で辿る。
そこには、瀕死の機械仕掛けの戦士、ブーンが恐ろしい形相を浮かべていた。
両者の目が合う。ブーンは更に表情を強張らせ、力強く立ち上がった。
( ;゚ω゚)「世界を消滅させて、その後どうするつもりだった!?
強欲の果てでお前が得る物なんて何も無いぞ! アンノウン!」
ブーンの足取りは重い。しかし、確実にアンノウンの方へと歩を進める。
爪;゚V〉《あ、あ……く、来るな……!》
聖剣を見向きもしないブーンに、アンノウンは得体の知れない恐怖を感じた。
無様にもアンノウンは這いずり、不気味な迫力を放つ漆黒の戦士から遠ざかろうとする。
ただブーンを恐れ遠ざかり、そして乞った。
- 653 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 17:29:39.37 ID:UzemVFYsO
- ブーン期待しえーん
- 654 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 17:30:06.28 ID:hlZ+Djy40
-
爪;゚V〉《来るな! 我に、近づくな!!》
しかし、その願いは聞き入れられない。ブーンは近づく。
爪;゚V〉《来るな! 来るんじゃないッ!》
ヘドロであった頃のように無力な存在に成り下がったアンノウンに、
そんな些細な願いを叶える力と術は残っていない。 だから、乞うしかなかった。
( ;゚ω゚)「黙れッ!」
だが、主人公格ブーンは聞く耳を持たず、無慈悲であった。
ブーンは手の届く距離までアンノウンに近づくと、煙草を咥えて一息つく。
爪;゚V〉《があッ!》
そしてアンノウンの首根を捕まえ、持ち上げて目と目を合わせた。
( ;゚ω゚)「ふう……ようやく面と向って話せるお、ウンコ野朗。
残念ながらゆっくり説教たれる余裕はもう無いけどな」
爪;゚V〉《貴、様、何を、する、つもりだ……》
( ;゚ω゚)「セントラルで襲撃に遭った時から、お前を一発ぶん殴ってやりたくってね」
- 655 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 17:30:18.27 ID:d3NfZHsU0
- マイナスがあったらどうしよう
- 656 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 17:30:30.84 ID:u4lboyz+O
- クライマックス近いな、支援
- 657 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 17:31:26.79 ID:1Vzkl1jp0
- さぁ、顔の数字が変わるまで殴り続けるんだ!
- 658 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 17:32:07.39 ID:hlZ+Djy40
-
( ;゚ω゚)「……いいか! よく聞けおクソ野朗!
願いってのはあんなモンに頼って叶えるもんじゃない! 願いってのは――」
ブーンは、宙にアンノウンを放った。
そして右腕に残された最後のBoosterカートリッジを消費し、蒼光で覆った右腕を引く。
( ;゚ω゚)「――自分の可能性を信じて、自分で叶えるもんなんだお! それが人の欲望ってもんだッ!」
爪; V〉《があああああああああッ!!》
引力に導かれたアンノウンと再び視線を交わした時、
ブーンは右腕を奔らせて仮面に拳を突きたてた。
爪 U〉《あ、ああ…………》
10メートル以上もの距離を殴り飛ばされたアンノウン。
頭を貫く激痛にあらゆる身体機能を取り上げられ、アンノウンは歪んだ星空を見る。
混濁した意識が回復するとなんとか頭を持ち上げ、ブーンを確認する。
視界は未だぐらつく為、倒れているはずのブーンが動いているようにも見えたが、
しかしもう、ブーンが近づいてくる気配は無い……。
恐怖から解放されたアンノウンは、今はただ安堵するのだった。
- 659 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 17:33:26.79 ID:d3NfZHsU0
- 減ったな
- 660 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 17:34:10.30 ID:hlZ+Djy40
-
(; ω )「思い……知ったか……クソ野朗……」
減らず口を叩く気力はあれど、ブーンにはもう指一つ動かす力すら残っていなかった。
Boosterプログラムで得た高出力を持っての攻撃は、確かにアンノウンの自由を奪った。
それは作動し続ける対物感知センサーと集音装置などで把握していた。
だが、自由を失ったのはアンノウンだけでなく、ブーンもそうであった。
Boosterの強大な出力に比例した反動を、今の損傷状態で耐え切れるはずが無く、
ブーンもまた、己の戦いにトドメを刺したのである。
(; ω )「用は、済んだお……。
さっさと、帰って……また、“街で狩りを”……」
激痛が全身を支配し、彼の意識を深く引きずり込もうとしていた。
深く、深く……二度と光を見れぬ所まで――――。
- 661 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 17:35:06.66 ID:z4LWvewNO
- あと二回
支援
- 662 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 17:36:12.20 ID:hlZ+Djy40
- 川 ゚ -゚)「ツン、ブーンの所へ行ってやれ」
ξ;゚听)ξ「……」
ツンは傍らに横たわるロマネスクを見た。
彼女にできることは、全てやり終えた。
それでも、ロマネスクは指一つ動かさない。
川 ゚ -゚)「……ブーンがこうなる前に、早くいけ」
ξ; − )ξ「……うん」
唇を噛んで、彼女はブーンの元へと駆けていった。
(´・ω・`)「ブーン! 大丈夫か?」
( ω )「…………」
ショボンの呼びかけに、返答は無い。
機械仕掛けの戦士は死の世界へ足を踏み入れていた。
ξ;゚听)ξ『ディアラハン!』
ブーンの元に辿り着くや否や、ツンが治癒の言霊を紡いだ。
肉体的ダメージは即座に快復したが、ブーンの体は言う事をきかないままだった。
(;^ω^)「……ツン、ありがとう……だお」
(´・ω・`)「無理はするな」
- 663 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 17:37:53.59 ID:z4LWvewNO
- ツンのSPパネェな
回復なしだろ?
- 664 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 17:38:20.76 ID:boESZKZT0
- 支援
- 665 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 17:38:22.52 ID:u4lboyz+O
- ロマ死んでないよね…?
- 666 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 17:38:58.28 ID:hlZ+Djy40
-
(´・ω・`)「よくやった。後は任せておけ」
ショボンがブーンを座らせようと身を屈めた。
その横に、ツンが屈んだ。
ξ゚听)ξ「ブーンさん、そのリボン、借りてもいいですか?」
(;^ω^)「……お? いいけど……」
ξ゚ー゚)ξ「借りますね」
ブーンの左腕に巻かれていたリボンを強く握りしめ、数歩、前に出た。
一同は強く、その背を見つめている。
(;^ω^)「任せたお……ツン……」
煙草に火をつけ、紫煙を吐きながら次を託した。
爪 U〉《お……おぉ……ご……》
両腕が千切れ、鮮血を撒き散らし仰向けに倒れながらも、“アンノウン”はまだ生きている。
彼を支えるもの、即ち黒き感情とは、はたしてこれ程までに堅固な執念を生み出すものなのか。
ξ゚听)ξ「あなたは何故……そこまで世界を恨む事ができるの……?」
爪 U〉《……小娘には……わかるまい……我の……い……怒りというもの……は……》
ξ゚听)ξ「……そう……私には多分、この先もずっと、それがわからないと思う」
- 667 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 17:39:55.25 ID:d3NfZHsU0
- 紫煙支援
- 668 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 17:41:01.98 ID:hlZ+Djy40
-
爪 U〉《…………》
ξ゚听)ξ「でも一つだけ、わかったことがある」
強く、リボンを握りしめた。
自身の消滅と引き替えに自分を呼んだ、もう一人の自分の形見を。
ξ゚听)ξ「あなたの怒りよりも、私たちの想いが勝ったということ!」
爪 U〉《ま、まだだ……まだ……!》
ξ゚听)ξ「終わりよ、“アンノウン” 世界を護る為に、約束を果たすために、あなたを、倒す」
ξ#゚听)ξ「それが────“ペルソナ能力を与えられた”、私の運命なんだからッ!」
雷光。
彼女の周囲を取り囲んだのは、それだった。
紫電が集い、重なり合い、あるシルエットが浮かび上がってくる。
ξ゚听)ξ(『声』は、とどいてた……あなただって、もっと戦いたかったんだよね?)
ペルソナとは、心の海をたゆたう、もう一人の自分。
神や悪魔の姿をうつしみに、術者の声に応える存在。
だが、複数の自分が他に存在していることを、彼女は知った。
形見を介し、ずっとそれは、問いかけてきていたのだ。
- 669 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 17:43:07.21 ID:hlZ+Djy40
-
異世界の、もう一人の自分が────
ξ゚听)ξ『……ペルソナ』
アルテミス、ではない。
ペルソナ能力が成し得た、召還とも違う出現。
一時的でしかない。それでも、彼女の力で、『彼女』は確かにここに在る。
ξ゚ー゚)ξ(……初めまして)
しかしツンは、その名を既に、知っている。
紫電と共に、今限り現れた、『彼女』の名を。
ξ#゚听)ξ『ツン=ヴィラート!!』
(;゚ω゚)「なっ……!」
ブーンが驚くのも無理はない。
自分をこの世界に連れてきた少女、ツンがペルソナとして現れたのだ。
実体を持たぬ彼女に、矛盾が訪れることもまた、ない。
ξ )ξ「この世界の私達も……ロマネスクさんも……あなたのせいで……」
ξ )ξ「他にも……もっとたくさんの人たちが……!」
ξ#゚听)ξ「その事実がある限り、私たちはあなたを許すことはできない!!」
- 670 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 17:43:27.14 ID:KnEMmP+m0
- まぁワイルド能力だわな
- 671 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 17:43:49.36 ID:z4LWvewNO
- すげえ熱いな
各タイトルコール連発とか
支援
- 672 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 17:43:58.14 ID:BdlH+O0IP
- ルージアル主人公フラグ乙
- 673 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 17:44:19.36 ID:d3NfZHsU0
- おお
- 674 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 17:44:47.88 ID:MuUGyuK80
- ロマネスクはマジで逝ったのかw
- 675 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 17:44:57.57 ID:WsiK93ze0
- トドメはショボンのZか
- 676 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 17:45:18.89 ID:hlZ+Djy40
-
ペルソナの“ツン”が、腕を高く掲げた。
いつの間にか上空では雷雲が立ちこめている。
膝立ちで、アンノウンが起き上がった。
仮面の紋様である数が、変化している。
彼女の一撃で、またその数を一つ減らすであろう。
ξ゚听)ξ「この世界の私……あなたの力で……刻んでみせて!!」
ξ#゚听)ξ『ツン=ヴィラート! あなたが生きた証をッッ!!』
咆哮、直後に。
『────ありがとう』
ツンの耳に、そんな声が届いた、気がした。
ξ#゚听)ξ『ThunderBlaaaaaaaade――――!!』
言霊と共に放たれた、ブーンが見たツン=ヴィラートの雷光。
この世界の住人と交わした約束を果たす為に、全身全霊を籠められた一撃が、アンノウンを捉えた。
- 677 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 17:45:44.36 ID:aLQ0Ms1s0
- もうアルファのブーンは負けフラグ立ってるな
- 678 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 17:46:03.62 ID:MuUGyuK80
- Zよりオーディンのが強いんじゃね?
- 679 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 17:46:41.93 ID:kv5xeAyt0
- thunderbladeをツンデレブレードとかうまいこと考えるよな
- 680 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 17:47:50.93 ID:hlZ+Djy40
-
爪 ゚U〉《ッッ!!》
己も使った雷撃に、呑まれた。
耳を劈く雷鳴は、自身の声すらも掻き消すほどに。
もはや、アンノウンが抗う術など残っていなかった。
爪 T〉《────────…………》
暗い闇の中を、漂っていた。
底無しの闇を、這いずっていた。
幾星霜の時を重ね、数千の世界を見てきた。
何故、自分だけ。
何故、他の者は。
こんなにも暗い闇の中をいるのに。
あんなにも明るい世界を、生きている。
小さな思いは積もり、重なり、交わり、固まり。
負の感情だけを糧に、この悲しき男は生まれた。
それが。
それらが、今。
- 681 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 17:49:34.95 ID:d3NfZHsU0
- Tキター!
- 682 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 17:50:05.60 ID:hlZ+Djy40
-
嫉妬を貫かれ、強欲を砕かれ、憤怒を燃やされた。
力としてきた糧を。生きる糧を。存在する証とした、糧を。
全て、折られた。
爪 T〉
それらが無くなった今、どうすればいい。
何のために破壊する?
何のために人を殺す?
思考を費やすも、彼には答えがわからない。
自分が生きる理由も、殺す理由も、負けた、理由も────
ξ;--)ξ「はぁ……はぁ……」
(´・ω・`)「ツン。よく、がんばったな」
ξ;゚听)ξ「ショボンさん……」
肩で息をするツンの隣に、ショボンが並び立った。
優しく、彼女の肩に手を置いて、彼はアンノウンを見つめている。
- 683 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 17:50:22.37 ID:BdlH+O0IP
- 爪 0〉
あらかわいい
- 684 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 17:51:59.42 ID:KnEMmP+m0
- 負けた理由は言わずもがな、数の暴力だな
- 685 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 17:52:30.82 ID:hlZ+Djy40
-
見ればショボンも、光の飛礫を受けた傷で、衣服の諸処が血に濡れている。
ξ;゚听)ξ「ショボンさん……傷を……」
(´・ω・`)「いや、いいさ。終わってからでいい」
休め、と言うと、ショボンはゆっくりと歩き出した。
彼の手には、Zが握られている。聖剣はクーに預けていた。
アンノウンは幾多の猛攻を受け元の姿に戻り、膝立ちで空虚を見つめている。
ショボンは、気付いていたのだ。
ラストスノーが追撃を行わなかったように、今の、アンノウンは。
敗北を、認めつつあるということに。
長き時を戦いの中で生きてきた彼だからこそ、それが分かっている。
しかし、そうであろうとアンノウンがした事は許される事ではない。
生かしておくわけには、いかないのだ。
静かに、ショボンが歩み寄る。
(´・ω・`)「……アンノウン」
呆然と虚空を見つめるアンノウンの前に、ショボンが立つ。
残された、ただ一つだけ残されたものを、断ち切る為に。
(´・ω・`)「俺もお前と、同じだ。志を貫く為に、戦っている」
爪 T〉《…………》
- 686 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 17:53:46.99 ID:aLQ0Ms1s0
- クーさんの出番ないじゃないですか…
- 687 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 17:54:24.93 ID:MuUGyuK80
- クーさんは最初にやったじゃないですか
- 688 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 17:56:22.23 ID:KnEMmP+m0
- クーさんは至高の魔弾になって飛んで行きました
- 689 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 17:56:38.07 ID:hlZ+Djy40
-
(´・ω・`)「しかし、志を失えば、剣を持つ理由も失う」
(´・ω・`)「今のお前が、それだ」
爪 T〉《…………我は……》
(´・ω・`)「信念を持たない剣は、殺意だけを乗せた剣では、軽すぎる」
アルファベットZが、高々と掲げられた。
分離はされていない。そうさせる必要も、なくなったからだ。
(´・ω・`)「だから俺は、自分の信念の為に、戦い続ける────」
(´・ω・`)「────“アルファベットを、武器に”」
爪 T〉《…………何故……敗……》
(´・ω・`)「その身で知れ。これが、お前と俺……」
(´・ω・`)「いや、俺たちとの、差だ」
風を切る音がした。
それ以外の音は、誰も、何も、聴こえなかった。
- 690 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 17:57:20.38 ID:Yf07dDS30
- 今度こそ終わったな
- 691 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 17:59:51.29 ID:hlZ+Djy40
-
──────────────…………
爪 〉
《そうか……》
《これが…………》
《これが、主人公格……………》
《我が憧れた存在…………か…………》
──────────────…………
- 692 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:00:42.91 ID:UzemVFYsO
- タイトル連呼支援!
- 693 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 18:01:57.65 ID:hlZ+Djy40
-
胴から離れた首が落ち。
首を失った胴が、倒れた。
巨凶、堕つ。
光を羨み、光を恨み、多世界を巻き込んだ元凶、アンノウン。
その最期は眠りつくように、実に、静穏に。
剥がれ落ちた仮面からは、紋様が消えていた。
- 694 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 18:04:25.44 ID:hlZ+Djy40
-
一同を、緩やかな夜風が撫でる。
苛烈な戦いがあったことなど、まるで嘘のように。
川 ゚ -゚)「終わった……な」
聖剣を杖代わりにして、クーが呟きながら立ち上がった。
咄嗟にノーマンがクーを支える。
重傷を負い、彼女以上に疲労困憊のはずだったが、決してそんな素振りは見せなかった。
(;^ω^)「ロマネスクは……」
ξ; )ξ「…………」
クーの足元で横たわる、ロマネスク。
既に、事切れていた。
天を向いて眠る彼が、二度と起き上がることはない。
一同がロマネスクを見つめていると、一歩、彼に歩み寄った者がいた。
ショボンだ。
外套を脱ぎ、ロマネスクの顔を隠すようにそれをかけた。
(´・ω・`)「……見事だった。ロマネスクがいたからこそ、俺たちは勝つことができた」
- 695 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:04:46.49 ID:WsiK93ze0
- アルファの方でカルリナ出奔の件で罪人を分離させないZで刻んだけどその時「分離させないで使うのは初めてだ」って言ってなかった?
- 696 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:06:23.10 ID:BdlH+O0IP
- ロマネスク死んだか
- 697 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 18:06:31.81 ID:hlZ+Djy40
-
ξ゚听)ξ「……」
ペルソナ能力を得た少女、ツン。
( ^ω^)「……」
機械の体に熱き心を乗せた青年、ブーン。
川 ゚ -゚)「……」
誉れ高き葛葉を継ぐ悪魔召喚師、クー。
(´・ω・`)「……」
揺るぎなき信念をもって剣を振るう、ショボン。
そして、己が好敵手との約束を果たした凍れる魔王、ロマネスク。
彼らの活躍をもって、この戦いは、終わった。
ロマネスクだけではない。
いくつもの犠牲の、上に。
この世界を生きた、自身たちと同一の存在である、彼らの。
ξ゚ー゚)ξ「……ブーンさん、リボン、返しますね」
( ^ω^)「お……すまないお」
- 698 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:07:47.91 ID:pD3BS+n40
- まだだ、まだ第3形態が
- 699 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 18:08:46.43 ID:hlZ+Djy40
-
ξ゚ー゚)ξ「ありがとうございます」
笑顔で、ブーンの右腕にリボンを結びつけた。
ブーンはそんな彼女を、じっと見つめていた。
ツンであり、ツンではない。もう、彼があの笑顔を見ることも、ないだろう。
ξ゚听)ξ「ショボンさん」
(´・ω・`)「?」
リボンを結び終えたツンが、ショボンに近づいた。
同時に、アルテミスを降魔させる。
ξ゚ー゚)ξ「……傷を」
(´・ω・`)「あぁ、ありがとう」
先程は申し出を断り、ツンを休ませたショボンだったが、今回は理由がない。
彼は目を閉じ、暖かな光を受け入れた。
痛みが引いていくことに安らぎを覚えつつ、彼の中を違和感が走る。
(´・ω・`)「……」
懐から取り出した違和感の正体は、金属の破片だった。
どうやら、戦いの前にツンから受け取ったボールペンは、壊れてしまったようだ。
ξ゚听)ξ「わ」
(´・ω・`)「すまない。光の攻撃を受けた時に、壊れてしまったようだ」
- 700 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:09:05.85 ID:aLQ0Ms1s0
- アンノウンが爪 ゚T〉爪 ゚U〉爪 ゚V〉爪 ゚W〉爪 ゚X〉爪 ゚Y〉爪 ゚Z〉爪 ゚[〉爪 ゚\〉爪 ゚]〉 覚醒するようです
- 701 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 18:11:01.29 ID:hlZ+Djy40
-
謝罪したショボンは、本当に申し訳ないといった様子だ。
ξ;゚听)ξ「い、いいんですよ、そんな」
(´・ω・`)「…………」
ξ;゚ー゚)ξ「私の世界ではすぐに手に入る物なので……ホントに気にしないでください」
(´・ω・`)「……そうか」
ξ;゚听)ξ「あ、その状態じゃさすがに使えないので、私がもらいますね」
そう言ってツンは、ハンカチを取り出した。
丁寧にボールペンの破片をその中に収め、包むと、またポケットに仕舞う。
(´・ω・`)「何か、代償に渡せる物があればいいんだが」
ξ;゚听)ξ「い、いえ、大丈夫ですよ!」
(´・ω・`)「そうか。いや、すまなかった」
そんなショボンが、ツンは少し可笑しく思っていた。
そうだ、と思いついた彼女が、笑顔で彼に言う。
ξ゚ー゚)ξ「……代償は、もう貰いました」
(´・ω・`)「?」
- 702 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:11:32.05 ID:BdlH+O0IP
- やったか!?やったか!?やったか!?やったか!?
- 703 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:12:26.62 ID:KnEMmP+m0
- そういえば、ルージアルさんはいろんな女性から色んなもの貰ってるな
支援だこんちくしょう
- 704 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:12:59.94 ID:6Nk4k2ui0
- お前らは何でそんなにアンノウン復活させたがってるんだよwww
- 705 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:13:23.03 ID:qvgRZs6RQ
- >>702
生存フラグ立てんな!
- 706 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 18:13:24.41 ID:hlZ+Djy40
-
ξ゚ー゚)ξ「チョコです。チョコレート」
(´・ω・`)「いや、あれは元々貰った物だ」
ξ゚ー゚)ξ「ショボンさんが貰ったなら、もうショボンさんの物ですよね?」
(´・ω・`)「まぁ、それはそうだが」
ξ゚ー゚)ξ「じゃぁ、もう貰いました」
(´・ω・`)「……」
ξ*゚ー゚)ξ「おいしかったです。ありがとうございました」
もっと大切なものも、ショボンから受け取った。
それは、言わないでおいた。
ショボンから諦めないことを学んだからこそ、ツンは今、こうしていられるのだ。
(´・ω・`)「……あぁ、わかった」
ツンの華やかな笑顔に、ショボンは苦笑して折れるしかなかった。
大切なことを学んだのは、彼も同じだ。
この戦いが如何に熾烈で、己にとって大きなものだったか。
互いの笑顔に浮かぶ感慨を、二人は感じ取っていた。
- 707 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:13:34.21 ID:aLQ0Ms1s0
- どうせ最後は聖剣が記憶を消すオチなんだろ!?
だからアンノウン…いや、聖剣はボールペンを壊したんだ!
- 708 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:13:47.11 ID:fPLrysiLO
- チョコレートも貰ってたなこんちくしょう
- 709 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:15:25.26 ID:1Vzkl1jp0
- 流石にこれだけやればもう大丈夫だろう
- 710 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:15:31.28 ID:d3NfZHsU0
- さてさて…
- 711 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 18:15:55.04 ID:hlZ+Djy40
-
そんな雰囲気は、やはりこの者にぶち壊される。
一部始終を聞いていたようだ。
川 ゚ -゚)「なんだ? ツンをモノで釣ったのか?」
ξ;゚听)ξ「ちょ、ちょっとクー!」
川 ゚ -゚)「黒々としたショボンの……(チョコ)……うまかったか?」
ξ*///)ξ「ちょ、や、やめなさい!」
川*゚ -゚)「ん〜? 私はチョコのことを聞いたんだけどなぁ?」
(;^ω^)「やめろ! あんたセクハラオヤジか!」
(´・ω・`)「?」
(;^ω^)「ったく……満身創痍なくせに最後まで……」
川 ゚ -゚)「まぁ、いいじゃないか。せっかく勝ったんだしな」
ξ*///)ξ「…………」
|||*゚ - ゚||「ライドウ様! 此度の戦い、お見事でした!!
ライドウ様に仕える魔として、私は誇りを────」
川 ゚ -゚)「お前はもう戻れ」
|||;゚ Д゚||「えぇっ!? アッー!!」
- 712 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:16:07.28 ID:kv5xeAyt0
- ブーンが最初に炎の弾丸貰ってたから何かあるんだろうなと睨んでたらアンノウン死んだでござるの巻
- 713 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:16:14.83 ID:KnEMmP+m0
- >>707
流れで、聖剣がルージアルさんに嫉妬してるみたいに感じられてワロタ
- 714 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:18:45.94 ID:d3NfZHsU0
- 今倒れたアンノウンは我々の中でも(ry
- 715 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 18:19:03.75 ID:hlZ+Djy40
-
クー・フーリンは封魔管に強制退去させられてしまった……。
実の所、仲魔を召喚し維持しているだけで、クーを消耗させているのだ。
不完全とはいえ人修羅を召喚した今の彼女には、それが少し辛いところだった。
川 ゚ -゚)「お前達も、よく頑張ってくれた。次は元の世界で会おう」
,/i/i、
ミ,,゚(叉)「我の力を必要とする時は、また好きに呼べ、ライドウ」
∧_∧ ∧_∧
(叉)゚,, >|<,,゚(叉)「「マタコンド マル囓リ!」」
クーはケルベロス、オルトロスを封魔管に戻す。
最後に、ノーマンへ向き直り、
川 ゚ -゚)「ご苦労だった、ノーマン」
ノ)) - 从「…………」
言葉は交わされなかったが、瞳を交えただけで、充分だったようだ。
ノーマンも静かに、封魔管へと吸い込まれていった。
川 ゚ -゚)「さて……」
クーが手元に視線を落とした。
その手にあるのは、聖剣だ。
川 ゚ -゚)「聖剣は無事に確保したわけだが……どうする?」
( ^ω^)「どうするって?」
- 716 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:19:07.44 ID:qvgRZs6RQ
- 黒々としたルージアルさんのチ○コ……か
- 717 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:19:38.32 ID:WsiK93ze0
- チョコ→チ○コ
ヤハリソウイウコトカ
- 718 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:20:22.59 ID:MuUGyuK80
- 黒々とした・・・とか言われてるのに無言どころか顔すら出さないルージアルさんさすがっす
- 719 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 18:21:29.79 ID:hlZ+Djy40
-
川 ゚ -゚)「ツンが言うには、これを使って帰れと言っていたそうだが……」
ξ゚听)ξ「うん……願いを込めて振り下ろせばいいって……」
川 ゚ -゚)「……」
( ^ω^)「……」
(´・ω・`)「……」
全員の視線が聖剣に集中する。
ロマネスクを斬ったこと、そしてアンノウンの執着を見るに、
聖剣に力が補充されたことは、間違いないだろう。
本当に願いを叶える事ができるのか。
そうだとしたらと、彼らに様々な思考が過ぎるのだ。
川 ゚ -゚)「……あー」
ふと、思い出したようにクーが。
川 ゚ -゚)「その前にだ、チョコとか聞いていたら腹が減ったな? 減っただろ?」
ξ;゚听)ξ「そ、そう言われれば、うん」
(´・ω・`)「まぁ、それはそうだが」
川*゚ -゚)「よし! 聖剣で美味いもの出してみようぜ!」
- 720 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:22:17.57 ID:6Nk4k2ui0
- おいコラロマの命無駄遣いするなw
- 721 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:22:50.11 ID:KnEMmP+m0
- 元々は黒々としたクーさんのチ○コ……か
ゴクリ
- 722 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:23:06.78 ID:MuUGyuK80
- ロマさん生き返らせたり出来ないのか
- 723 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:23:14.81 ID:uNZ3gdLRO
- 有意義な使い方だ
- 724 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:23:52.92 ID:aLQ0Ms1s0
- 聖剣(美味いものか…黒々としたチ○コを出すか…)
- 725 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 18:24:08.27 ID:hlZ+Djy40
-
ξ;゚听)ξ「えっ? 大丈夫……なのかな?」
(´・ω・`)「そんなことに使って、力を使い果たして戻れなくなったらどうするつもりだ?」
川 ゚ -゚)「大丈夫だろ。お前も言ってたじゃないか、体のどこかを切ればいいって」
(´・ω・`)「それはそうだが、もう戦いは終わったんだ。不確定なことをする必要は無い」
川 ゚ -゚)「カタいこと言うな」
( ^ω^)「腹減ったなら、食料あるけど?」
川 ゚ -゚)「そうなのか? 早く言えよ」
( ^ω^)「だって聞かれなかったし……」
川 ゚ -゚)「まぁいい、あるなら早く出してくれ」
( ^ω^)「オーケー。来いお! BLACK DOG!」
主の声に、従順な黒狗が隣接した。
ブーンはBLACK DOGの収納庫から小さな紙パックを取りだした。
この世界のツンと共に摂った、食料だ。
それを、ブーンは一人一人に配り終えて、
( ^ω^)「これはゲロって言って」
川 ゚ -゚)「いらん!」
- 726 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:24:53.51 ID:Ln9dQrqN0
- ゲwwwwwwwwwwwwwwwwwwロwwwwwwwwwwwwwwww
- 727 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:25:17.51 ID:MuUGyuK80
- 名前がよくないwwww
- 728 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:25:42.87 ID:KnEMmP+m0
- 正式名称を言えよwwwwwwwwwwwwww
- 729 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:25:53.58 ID:fPLrysiLO
- ゲロいうなww
- 730 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:26:14.35 ID:qvgRZs6RQ
- クーは正しいwwwwwwwwww
- 731 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 18:27:18.33 ID:hlZ+Djy40
-
( ^ω^)「いや、名前はアレだけど」
川 ゚ -゚)「いらん! おかしいだろ? 仮にも食料になんでゲロなんて名前を付けるんだ?」
(;^ω^)「いや、でも栄養分は申し分ないから」
川 ゚ -゚)「いらん!」
( ゚ω゚)「ああもう! だったら食うな! 最後の最後までアンタって人は!」
川#゚ -゚)「常識を考えろ! レディーになんてものを食わせようとしてるんだ!」
最後の最後までこの二人はこうだ。
後の二人はと言うと、ブーンとクーなど対岸の火事だった。
ξ゚听)ξ「こうです。これを伸ばして、吸って飲む……んだと思います」
(´・ω・`)「なるほど」
(´・ω・`)(……容器の上部を切り取って飲んだほうが手っ取り早い気もするが、まぁ、作法に従っておくか)
ξ゚听)ξ(……ショボンさんの世界はストローもないのかな……?)
ショボンの世界では伸縮ストローなど未知のテクノロジーである。
ツンに飲み方を教わり、ストロー部分に口をつけた。
最初にストローとして使われた物は麦の穂と言われている。
プラスチック製とはいかないが、ショボンの世界にもそれに近い物があるようだ。
- 732 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:27:23.34 ID:aLQ0Ms1s0
- おいwwwwwwwwww
- 733 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:29:21.71 ID:qvgRZs6RQ
- ストローをちゅーちゅーするルージアルさんとな
- 734 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:29:56.96 ID:aLQ0Ms1s0
- ゴクリ…
- 735 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:30:05.56 ID:KnEMmP+m0
- 【液体化食料】
液体化食料とは、人間が1食分に必要とする栄養素を、
ドロドロのゲル状にしてパックに詰めた『セントラル』の主食品の1つだ。
女の子に大人気なイチゴ味やアップル味、子供が大好きメロン味と、数多くラインナップを揃えている。
朝は皆、大抵これで済ましている。
ちなみにゲル状のそれが嘔吐物に似ているので、ドクオとブーンは“ゲロ”と呼んでいる。
(( ^ω^)は街で狩りをするようです / 第8話「感染」より引用)
- 736 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 18:30:19.05 ID:hlZ+Djy40
-
川#゚ -゚) ギャーギャー
( ゚ω゚) ギャーギャー
ξ゚−゚)ξ チューチュー
(´・ω・`) チューチュー
もう、実に慣れたものである。
ξ゚ー゚)ξ「あ、おいしい。イチゴ味、かな」
(´・ω・`)「少し甘すぎる気がするが、不思議と腹は満たされるな」
( ^ω^)「だおー? 文句言わずに食ってみればいいんだお」
川;゚ -゚)「……」
ξ゚ー゚)ξ「クー? おいしいよ?」
(´・ω・`)「あぁ、悪くない」
川;゚ -゚)「ゲロだぞ……ホントか……?」
ξ゚ー゚)ξ「名前はちょっとヘンだけど、飲みやすいよ」
川;゚ -゚)「ふむ……」
( ^ω^)「腹減ってるなら素直に飲めばいいのに……」
- 737 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:31:34.72 ID:d3NfZHsU0
- なごむな
- 738 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:31:36.41 ID:aHyHT3gm0
- >(´・ω・`) チューチュー
やだ、かわいい
- 739 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:31:56.64 ID:FeoimDVq0
- (´・ω・`) チューチュー
吹いた
ツンがクーを呼び捨てにしてるんだな
- 740 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:32:20.76 ID:qvgRZs6RQ
- 俺もゲロ飲みたい
- 741 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:32:46.45 ID:aLQ0Ms1s0
- (*´・ω・`) チューチュー
- 742 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 18:33:31.94 ID:hlZ+Djy40
-
川;゚ -゚) チュー
ξ゚ー゚)ξ「どう?」
川 ゚ -゚)「なんだ、うまいじゃないか」
( ^ω^)「ほーら、言った通りだお」
川 ゚ -゚)「しかし、これでは売れないぞ? もっとおいしそうなネーミングに変えるべきだ」
( ^ω^)「いや、ゲロって呼んでるのは一部なんだけどね」
そうして一同は、しばし変わった食事を愉しんだ。
四人が落ち着いていられる時間は、今回が初めてであろうか。
武器を説明していた時のぎこちなさは、いつのまにか一掃されていた。
大きな戦いを共に乗り越えたからこそだろう。
この世界の主人公格たちの死も、アンノウンを倒した今は蟠りを残していない。
言わずもがな、聖剣がその手に在るからだ。
聖剣に余力があるのかは、わからないままだったのだが。
川 ゚ -゚)「ふぅ……しかし、ほんとにこれを振るだけで帰れ────」
クーが言葉を言い終える、直前。
突如として彼らの耳に、穏やかな女性の声が消えた。
- 743 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:34:33.98 ID:d3NfZHsU0
- 支援
- 744 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:35:31.33 ID:wp6kws4d0
- 支援
- 745 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:36:20.27 ID:fPLrysiLO
- ちゅっちゅ支援
- 746 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:36:23.12 ID:ZbFh3X7mP
- >突如として彼らの耳に、穏やかな女性の声が消えた。
聞こえたの間違い?
- 747 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:36:26.80 ID:1iDpQ9gCO
- 支援
- 748 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 18:36:35.44 ID:hlZ+Djy40
-
『……主人公格たちよ。見事でした』
(;^ω^)「ッ!? 誰だお!?」
ξ;゚听)ξ「……?」
声が発せられた位置は、定まらない。
彼らの頭に直接語りかけられたように、聞こえていた。
『葛葉ライドウ、クー、私はあなたの手にあるものです』
川 ゚ -゚)「……聖剣……か?」
(;^ω^)「……剣がしゃべれんのかお」
ξ;゚听)ξ「すごい剣だし……そのくらいはできるのかな……」
ファンタジーというものは最後の最後にきても自分を驚かせる。
呆れたようにブーンがそう思った。
和やかな空気は、いつの間にか糸を張ったように張り詰めていた。
『此度の戦い、本当にお疲れ様でした。あなた方のお蔭で、アンノウンは滅しました』
(´・ω・`)「……」
『本当に、ありがとうございました』
『アンノウンの手を離れ、主人公格の手に触れた今、私は自我を取り戻すことができ、語りかけています』
- 749 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:37:47.58 ID:aLQ0Ms1s0
- 実際主人公格じゃなくて主人公だったら4人( ^ω^)がいることになるんだよな
- 750 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:39:05.38 ID:qvgRZs6RQ
- >>749
だおだおだおだお喧しそうだな
- 751 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:40:05.54 ID:hlZ+Djy40
- >>746
はいそうです、すみません
重ねてすみませんが、休憩を兼ねて何かさっさと食べてきます
19時再開を目処にいってきます
ここまでありがとうございました
投下はまだ2時間くらいかかると思います、よろしくお願いします
- 752 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:41:14.65 ID:fPLrysiLO
- 長丁場マジ乙
- 753 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:41:36.00 ID:pD3BS+n40
- >>749
そんな見苦しい合作なら鼻くその精あたり出ても許すわ
- 754 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:41:37.50 ID:d3NfZHsU0
- なんと…
- 755 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:41:58.58 ID:ZbFh3X7mP
- >>751
いやいや昨日の夜からずっとやっているから仕方ない
とりあえず乙
- 756 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:42:20.95 ID:KnEMmP+m0
- インターバルの間、これ読もうぜ
http://gyokutonoyume.blog116.fc2.com/blog-entry-2965.html
- 757 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:42:40.54 ID:VCzw8ZtoO
- >>749
当時Vのトロッコさんは全てにおいてショボンに劣ってるな…
もしかしたらアンノウン倒せないかもしれないな
- 758 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:44:14.70 ID:qvgRZs6RQ
- ひとまず乙乙
- 759 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:49:52.23 ID:BdlH+O0IP
- おつかれ
まだ2時間あるとかもう最長投下狙えるよね
- 760 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:51:31.91 ID:wp6kws4d0
- 乙
こっちも飯食うか
- 761 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:51:32.94 ID:aLQ0Ms1s0
- ( ^ω^)が4人だった場合
(ア^ω^)「Vだお!アンノウンはWだから倒せるお!」
(ぺ^ω^)「弱ったアンノウンをスヴァローグで!」
(街^ω^)「じゃあこっちはBLACK DOGで援護だお!」
(退^ω^)「あんな悪霊は成仏すればいいんだお!」
- 762 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:51:59.25 ID:Ln9dQrqN0
- >>759
最長はたぶん抗護の最終話だと思うぜ
30時間くらい投下してたはず
- 763 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:54:43.36 ID:aLQ0Ms1s0
- これが最終話じゃなかったらアンノウンが主人公格になって新たなる敵を倒すんですねわかります
- 764 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:01:36.95 ID:hlZ+Djy40
- >>761
そういえば、七人のショボンを集めるのが参加者で大ウケでした
ありがとうございました
このレスから3分後に再開します
- 765 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:02:35.24 ID:aLQ0Ms1s0
- 5人ならぬ7人とは…
- 766 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:04:13.77 ID:d3NfZHsU0
- 待機
- 767 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:04:15.80 ID:ZbFh3X7mP
- >>761
ペルソナと退魔ならもしかしたら強くなっているかもしれんから
トロッコさんのこの時点での貧弱っぷりが際立つな
- 768 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:04:34.26 ID:gt49PWB+O
- 支援だチクショウ
規制解除されてよかった…!
- 769 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 19:04:37.20 ID:hlZ+Djy40
-
(´・ω・`)「別に、お前のためにしたことじゃないんだがな」
『……そう、ですね。私はあなた方に、謝罪しなければなりません』
( ^ω^)「そんなのもう、どうでもいいお。終わったんだから……」
ξ゚听)ξ「あなたは悪用されていただけですから……」
川 ゚ -゚)「人の都合をガン無視してくれたことには、正直腹立たしいけどな」
ξ;゚听)ξ「ク、クー……」
(´・ω・`)「それはもういい。それで、俺たちの世界は元に戻るんだな?」
『はい。あなた方を送り届けた後、私も元の役目へと戻ります。
そして全ての辻褄を合わせたのち、等しく時が流れるようになるでしょう』
(´・ω・`)「辻褄?」
聖剣の言葉に、ショボンが疑問を抱いた。
分からないことは、未だ残されている。
『……この戦いは、本来ならば起こりえなかった事象。矛盾は修正しなければならないのです。
あなた方が自世界を離れ、ここを訪れた、その、矛盾を』
川 ゚ -゚)「つまり……」
(´・ω・`)「記憶を消す、ということか」
- 770 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:05:45.34 ID:d3NfZHsU0
- やはりか
- 771 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:06:56.18 ID:aLQ0Ms1s0
- やはり…
だから聖剣はボールペンを…
- 772 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 19:06:58.91 ID:hlZ+Djy40
-
『そうです。記憶、というよりもあなた方がこの世界へ訪れる前の状態に戻るということです。
そうしなければ、辻褄を合わせることができないからです』
『具体的に言えば、この世界で得た力がもし、元の世界でも使えたとしたら……。
その世界に混乱を招くことを意味します』
聖剣の言葉の意味を、彼らは概ね理解していた。
ツンとショボンが強力なペルソナを得たままで戻った場合、
自身の戦いは有利になるが、特にショボンの場合は世界の均衡に多大な影響を及ぼすであろう。
力だけではない。知識もそうだ。
自身の世界に有り得ない知識を持ち帰るだけでも、歴史が変わってしまう可能性がある。
その辻褄合わせ、ということだった。
(´・ω・`)「お前は、どんな存在なんだ? そこまでのことができる……神のようなものなのか?」
『神……ではありません。私自身、大いなる意思に創られた存在なのですから。
私は世界が円滑に進むよう、その役目を遂行するだけの存在です』
(;^ω^)「そんなドエライ奴なら、アンノウンも最初にぶっ殺してくれれば……」
『……そういった直接的なことはできないのです。
強き願いを込めた思いがなければ、本来の役目以外に力を使うことができません』
(´・ω・`)「しかし、お前は一度この世界の人間を助けたんじゃないのか?」
『あの時は彼に触れ、仲間を救ってほしいという強き思いが届きました。
私の自我も、それを望みました。私からしてもアンノウンは滅せねばならぬ存在でしたから』
- 773 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:08:25.44 ID:gt49PWB+O
- (´・ω・`)「デスバウンド」
とかあの世界でやられたらシャレならんわな
- 774 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 19:09:04.63 ID:hlZ+Djy40
-
(´・ω・`)「そうか……」
彼は改めて、この戦いの熾烈さ、規模を思い知った。
自分が今生きていることが不思議なくらいだとも、思っていた。
ξ゚听)ξ「アンノウンは……」
途切れた間に、ツンが問う。
最後に見た疑問を、ぶつけようと。
ξ゚听)ξ「アンノウンは、最後に焦っていたように見えました」
ξ゚听)ξ「ピンチだったから、とは思うけど……何か、もっと別のような気がして……」
川 ゚ -゚)「それは私も思っていた。次々に異形化して能力を得ていたアイツを考えると……。
ロマネスクが聖剣を止めていたあの時も、窮地を脱すことができたんじゃないか?」
『それは……アンノウンが叶えた、願いが関係しているのかもしれません』
(´・ω・`)「奴は何かを叶えていたのか?」
『アンノウンが望んだ願いは……“進化”です』
(´・ω・`)「進化……」
『何があっても、どんな敵が現れても、淘汰できる力を得る、望んだ姿や力を得られる、進化です』
川 ゚ -゚)「それじゃ尚更じゃないか」
- 775 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:10:36.24 ID:d3NfZHsU0
- 支援
- 776 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 19:11:16.27 ID:hlZ+Djy40
-
『ですが、最後に彼は、主人公格になることを望みました』
『恨んだと同時に、羨んだ存在。あなた方の力を見て、それになることを、望んだのです』
ξ゚听)ξ「主人公格……つまり……」
『諦めず、最後まで立ち向かったあなたたち、つまり、人間へと進化した』
『状況を打破しようと、途中からまた左腕を変化させましたが……完全には、間に合わなかったのです』
川 ゚ -゚)「……なるほどな」
(´・ω・`)「……皮肉なものだ」
アンノウンの死体は、既に掻き消えている。
その跡に、仮面だけが落ちていた。
全員がそれを見つめ、少し、物悲しい瞳になる。
『十八代目、葛葉ライドウよ』
川 ゚ -゚)「クーでいい」
『分かりました。……クーよ。私を仮面に、突き立てるのです』
川 ゚ -゚)「なんで?」
『アンノウンの力を、私に集めるために。今のままでは少し、心許ないですから』
川 ゚ -゚)「ナルホド、了解した」
- 777 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:11:34.80 ID:Ln9dQrqN0
- ツンのペルソナも弱体化しちゃうのね
支援
- 778 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 19:13:46.24 ID:hlZ+Djy40
-
クーはそのまま、仮面の元へ歩み寄った。
少し刃を浮かせ、一気に、
川 ゚ -゚)「ふんっ!」
何も破壊できないと思われていた聖剣は、あっさりと仮面を貫いた。
仮面は音を立てて割れ、欠片が散らばり、消えてゆく。
その仮面も、アンノウンの一部だった、ということだろう。
川 ゚ -゚)「見た目は変わらんが……」
『大丈夫です。力は確かに、集いました』
『これで、あなた方全員が、自世界へと戻ることができるでしょう』
( ^ω^)「……」
ξ゚听)ξ「……」
川 ゚ -゚)「……」
(´・ω・`)「……」
互いが互いの顔を見た。
出会うことの無かった異世界の仲間たちの顔を。
一日も共に過ごしていなかったが、信頼は確かに、生まれていた。
だが、もはやこの世界で成すべき事はない。
今度は本来の役目を、自世界で成すべき事をしなければならない番だ。
- 779 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:15:34.20 ID:v3G4zeTo0
- 支援
- 780 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:15:49.22 ID:aLQ0Ms1s0
- (´・ω・`)「…いや、ペルソナは使わせてもらうぞ」
ξ゚听)ξ「確かにそうしたほうがこちらには好都合ですよね」
( ^ω^)「このことをツンに伝えれば新たな機能が付けられるかもしれないお!」
川 ゚ -゚)「こっちは異世界のショボンを見れたし記憶を消すなんて無理だな」
『え…?』
川 ゚ -゚)「じゃ、記憶は消させないという願いをこめて…」
『え?え?』
( ^ω^)「すまないお聖剣。」
川 ゚ -゚)「…よし、これでおk」
なんてことにはなりませんように
- 781 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:15:53.56 ID:d3NfZHsU0
- さみしいのう
- 782 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 19:16:10.55 ID:hlZ+Djy40
-
『自身の世界に帰ると念じ、私を振り下げてくれれば、戻ることができるでしょう』
( ^ω^)「……」
いや……一つだけ。
ξ゚听)ξ「……」
一つだけまだ、あった。
(´・ω・`)「……」
この世界で、最後にできることが。
「「「「せ……」」」」
四人の一言目が、一斉にかぶる。
驚いて、その先を誰も言うことができなかった。
しかし、分かる。
全員が同じ事を尋ねようとしていたことが。
川 ゚ -゚)「私が訊こう。聖剣さんよ」
『はい』
川 ゚ -゚)「他の願いを叶える余裕は、あるか?」
『それは、充分に』
- 783 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:16:49.48 ID:Ln9dQrqN0
- 一騎打ちでショボンさんがオーディンとか言い出したらトロッソさん涙目支援
- 784 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:17:19.13 ID:aLQ0Ms1s0
- まさか…
- 785 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:17:49.17 ID:d3NfZHsU0
- しえん
- 786 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:18:08.83 ID:krdvJSfW0
- ギャルのパンティーおーくれ
- 787 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:18:12.94 ID:MuUGyuK80
- これにはトロッソさんも一安心
- 788 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 19:19:27.84 ID:hlZ+Djy40
-
四人が顔を見合わせ、笑みを浮かべる。
ショボンですらもだ。口元を緩ませる程度だったが。
やはり思うことは、同じ……
川*゚ -゚)「ならば、私とショボンが結婚できるように────」
ではなかった。
ξ;゚听)ξ「ク、クー! そういうのは!」
川 ゚ -゚)「はっはっはwwww 冗談だよ」
ξ;゚听)ξ「本当かな……」
『できることなら、私欲に使ってほしくはないですが……』
川 ゚ -゚)「ていうか、叶えたって私たちはここに来る前の状態に戻るんだろ?
だったら意味ないじゃん。常識的に考えて」
『あ……そうですね……』
川 ゚ -゚)「聖剣、案外ボケてるな」
最後までそんな調子で突き通したクーだったが、それは勿論冗談だ。
四人の想いは、確かに通じ合っていた。
川 ゚ -゚)「じゃあ……帰るか」
そしてその時が、訪れる。
- 789 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:20:40.10 ID:aLQ0Ms1s0
- おい
せめてあの4人と魔王は復活させてやれ
- 790 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:20:55.89 ID:Ln9dQrqN0
- 聖剣かわいい支援
- 791 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 19:21:47.23 ID:hlZ+Djy40
-
川 ゚ -゚)「帰る順番、ジャンケンで決めようぜ!」
( ^ω^)「まぁ、そういうのもいいかもね」
ξ゚ー゚)ξ「はーい」
しかし、そのノリについて行けない者が一人。
(´・ω・`)「ジャンケン?」
川 ゚ -゚)「ジャンケンしらねーの?wwwww」
(´・ω・`)「初耳だ」
ξ;゚听)ξ「ショボンさんの世界にはないみたいですね……」
川 ゚ -゚)「まぁ、ルールは簡単だ。これがグーで、これがチョキ、そしてこれがパーだ」
ショボンは言われたとおりにグーチョキパーと手を変えてみた。
川 ゚ -゚)「よし! やるぞ!」
ξ;゚听)ξ「それじゃわからないでしょ!」
川 ゚ -゚)「おっとwwww いいかショボン、グーはパーに勝てる」
ξ;゚听)ξ「嘘教えちゃだめ!」
このまま任せてはダメだと、ツンは丁寧にショボンに説明した……。
- 792 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:21:54.27 ID:v3G4zeTo0
- sien
- 793 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:22:56.77 ID:d3NfZHsU0
- 支援
- 794 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:23:09.42 ID:fPLrysiLO
- クーさんったらもう
- 795 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:23:11.20 ID:MuUGyuK80
- ブーン辺りは科学の力でH×Hであったジャンケン必勝法出来たりしないかしら
- 796 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 19:23:44.17 ID:hlZ+Djy40
-
(´・ω・`)「なるほど」
川 ゚ -゚)「理解したか? ならいくぞ!」
( ^ω^)「おー」
ξ゚听)ξ「じゃんけんぽん、ですからね?」
(´・ω・`)「ああ、わかった」
川 ゚ -゚)「ショボン。初心者はパーを出さないといけないルールが」
ξ;゚听)ξ「クー! こら!」
川 ゚ -゚)「はっはっはwwwww」
( ^ω^)「じゃ、本当に……」
ξ゚听)ξ「じゃん……」
川 ゚ -゚)「けん!」
ぽん、と出された、四人の手。
クーがチョキ。残り全員がグーだった。
川;゚ -゚)「まじかよ……」
クーはジャンケンが弱かった。
- 797 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:24:21.76 ID:boESZKZT0
- 墓穴ほっとる
- 798 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:24:33.28 ID:d3NfZHsU0
- あるあるwww
- 799 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:24:43.53 ID:Ln9dQrqN0
- かなしみ
- 800 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 19:25:49.92 ID:hlZ+Djy40
-
川 ゚ -゚)「初心者に負けたのが気に入らない……」
(´・ω・`)「二本の指を緩ませるのが一瞬早かった。あれではチョキと分かるさ」
川#゚ -゚)「おいショボン、それは後出しと言って」
(´・ω・`)「手を出したのは同時だったさ。そうだろう、ブーン、ツン」
ξ゚听)ξ「はい」
( ^ω^)「だいたい後出しならショボンが何か言う前に指摘してるはずだお」
川#゚ -゚)「ぐぬぬぬぬ……」
(´・ω・`)「まぁ、お前にさえ勝てればあとはどうでもいい」
その後、ショボンは次の勝負で負け、最後の勝負ではブーンが勝利。
帰還は、クー、ショボン、ツン、ブーンの順となった。
( ^ω^)「腕の筋繊維を分析すれば、何を出すかなんてすぐわかるお」
川 ゚ -゚)「チートじゃねぇか……」
川 ゚ -゚)「まぁ、最後はお前だ。帰る前に、頼んだぞ?」
( ^ω^)「まかせとけお」
四人でした時はチートを使っていなかったが、それは秘密にしておいた。
一時、そんなことで盛り上がったが、すぐにまた静かな時がやってくる。
- 801 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:25:56.69 ID:aLQ0Ms1s0
- じゃあ一番最初にかった人は願いをかなえるという条件で…
- 802 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:27:48.86 ID:qvgRZs6RQ
- クーwww
- 803 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:28:10.49 ID:KnEMmP+m0
- ルージアルさん、鍛えれば絶対に念使えるな
- 804 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 19:28:42.56 ID:hlZ+Djy40
-
まずは、クーからだ。
川 ゚ -゚)「まぁ、早めに私のショボンの所に帰れると思えば問題ない 」
(´・ω・`)「………」
川 ゚ -゚)「お前じゃないっつの 」
ショボンを牽制しながら、クーは聖剣を杖のように地面に突いた。
これを振れば全てが終わる。
だが、クーにはそれが惜しいと思われた。
川 ゚ -゚)「ショボン 」
(´・ω・`)「あぁ……」
川 ゚ -゚)「私は戦いの中、様々なパターンをシュミレーションした。
どんな展開になっても対応出来るようにだ。
例えば……ブーンが死ぬとか 」
(; ^ω^)「なにィッ!?」
川 ゚ -゚)「気にするな。あらゆるパターンを想定しただけだ。
その中で、もっとも恐ろしいと思ったのはな……」
クーはショボンを指さす。
川 ゚ -゚)「お前が裏切った場合だ。ショボン 」
- 805 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:29:04.84 ID:Ln9dQrqN0
- じゃんけん負けねえwwwwwwwwwwwwww
- 806 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:29:44.51 ID:d3NfZHsU0
- ふむ
- 807 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:30:14.83 ID:Ln9dQrqN0
- 原作では見事に裏切ってくれましたからね
- 808 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 19:31:00.36 ID:hlZ+Djy40
-
(´・ω・`)「………。そうか…… 」
ショボンの心拍数が僅かに上がる。
自身でも気付かないほどに。
川 ゚ -゚)「お前は頼りになり過ぎる。
もしお前が敵の側に回ったら、失う物は計り知れない。
元の世界に帰ったら、精々周りの人間に頼らせないことだ 」
ショボンはクーの言葉をゆっくりと反芻する。
僅かに上がった心拍数は、気づかないまま戻っていた。
(´・ω・`)「オレも考えた、お前が敵に回った場合のことを。
結論は、全滅だ。
4体の魔物と最後のアレ、まともに戦えるのはブーンくらいだろう 」
川 ゚ -゚)「素直にお前に褒められると気持ち悪いな。
……褒めてるんだよな?
急にどうしたショボン?ツンデレか?」
(´・ω・`)「………」
ショボンは口を噤んでしまった。
しかしクーは、それに対して非難しようとは思わない。
- 809 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:31:32.54 ID:hPT1YBg3O
- 追い付いた…追い付いちまった…
- 810 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:31:33.54 ID:KnEMmP+m0
- トロッソさんが部屋の隅で震えております
- 811 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:32:52.62 ID:d3NfZHsU0
- 危ない会話だ
- 812 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:32:55.75 ID:v3G4zeTo0
- 支援
- 813 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 19:33:24.22 ID:hlZ+Djy40
-
川 ゚ -゚)「最後に一つだけ言わせてくれ。
良いだろ?最後なんだ 」
(´・ω・`)「なんだ?」
川 ゚ -゚)「痩せろ 」
(´・ω・`)。o ○(コイツは最後まで……)
だが悪い気はしていない自身を、ショボンには新鮮に感じられた。
自分の世界でこれ程までに自分と真っ向から話を出来る者がいようか?
ショボンの人生において、クーは貴重なキャラクターだった。
川 ゚ -゚)「ブーン 」
次はブーンの番だ。
死者の迷宮を共に突破したクーとブーン。
最初は反発し合っていたが、だからこそ、今は強い繋がりを感じる。
( ^ω^)「クーさん!!
色々世話になったお!!
クーさんがいなかったら、僕はアンデッドの仲間入りだったかも知れないお!!
それに───!!」
ブーンは矢継ぎ早にまくし立てた。
自分自身でもその理由は分からない。
もっと言いたい事はあった。
だが、クーがそれを制した。
- 814 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:34:11.97 ID:qvgRZs6RQ
- クー歪みねえな
- 815 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:34:12.38 ID:Ln9dQrqN0
- レイズ!
- 816 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:34:56.14 ID:fPLrysiLO
- マッチョ呼ばわりしなくなったと思ったらこれだよ
- 817 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 19:35:37.41 ID:hlZ+Djy40
-
川 ゚ -゚)「ブーン、お前は大したヤツだ。
誰よりも強い。この中の誰よりもだ 」
( ^ω^)「クーさん……」
ブーンは思う。
普段の緊張感のない態度は、決してクーの真の姿ではないと。
彼女もまた、重い何かを背負っている。
川 ゚ -゚)「お前は自分の強さに責任が持てる男だ。
とことん悩めばいいじゃないか。
そう言うお前、嫌いじゃないぜ 」
( ^ω^)「もし、僕の世界でクーさんに会ったら……!!
もし、僕の世界のクーさんが危機に陥ってたら……!!
命をかけて守ってやるお!!」
川 ゚ -゚)「あぁ、お前はそう言うヤツだよな。
くれぐれも頼むぞ? 丁重に扱ってくれよ 」
- 818 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:35:44.75 ID:aLQ0Ms1s0
- 物語のページが( ^^ω)`・ω・)(゚ー゚*ζ 川д川応えるようです
- 819 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:36:21.60 ID:t0Q1gNyn0
- 最後までこんな感じか
だがそれがいい
- 820 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:36:51.96 ID:aLQ0Ms1s0
- 街狩りのクーさんは既に危ないですよ
- 821 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:36:52.18 ID:d3NfZHsU0
- うんうん
- 822 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:37:02.28 ID:L11NJ5KFQ
- まだ>>352辺りを読んでる!追い付くぞ支援
- 823 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 19:37:50.10 ID:hlZ+Djy40
-
川 ゚ -゚)「ツン 」
ξ゚听)ξ「……はい 」
川 ゚ -゚)「お前は私の世界のツンとよく似ている。
本人が望むこともなく、大きな力を持っている事。
そして、その力に小さな力で真っ向から立ち向かっている事もな 」
ξ;゚听)ξ「そんな……。私はそんなに、強くは…… 」
川 ゚ -゚)「お前の戦いはいつかは終わる戦いなのか?」
ξ゚听)ξ「うん、たぶん 」
川 ゚ -゚)「羨ましいな。
私は死ぬまで戦い続けるだろう。そう言う家系だからな。
お前は全て終わったら、普通のjkに戻って彼氏でも作れ」
ξ゚听)ξ「クー……」
クーは『十八代目』だと言っていた。
そしてあの魔物を使役する特殊能力。
─── 十八代だ。
十八代も、この力を使って戦ってきた一族なのだ。
クーの飄々とした態度は、自らの過酷な運命に対する当て付けなのかもしれない。
- 824 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:38:24.72 ID:MuUGyuK80
- 別れを言っても忘れてしまうのが寂しいな
- 825 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:39:29.75 ID:D7GC0m8Y0
- 支援
- 826 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 19:40:03.12 ID:hlZ+Djy40
-
川 ゚ -゚)「そういえばうちのツンはなかなかブーンとくっつかないんだが、
もしかしてお前もブーン狙い?」
ξ; )ξ「ッ!!」
何の脈略もなく、いきなり話題が代わり、ツンは卒倒しそうになる。
そしてその意味に気付き、顔を赤くするのだ。
川 ゚ -゚)「はっはっはwww図星かwwwこの小娘めwww」
ξ;゚听)ξ「小娘って、クーだって歳そんなに変わらないでしょ!!」
川 ゚ -゚)「はっはっはwww」
クーはツンをからかいながら大笑いした。
涙腺が緩むほどに……。
- 827 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:40:30.08 ID:d3NfZHsU0
- なんだかんだいって大人だな
- 828 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:40:40.94 ID:Ln9dQrqN0
- ブーンがもらった火炎弾はどうなるんだろう支援
- 829 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:41:05.79 ID:fPLrysiLO
- クー……
- 830 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:41:44.73 ID:aLQ0Ms1s0
- >>828
そうか!まだ火炎弾があったか…!
- 831 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 19:42:06.11 ID:hlZ+Djy40
-
川 ゚ -゚)「はぁ〜ぁ。帰ろ 」
一通り笑い終わると、クーは三人が視界に入るように見た。
不思議な運命が、決して交わることのない自分たちを引き合わせた。
最初は癪に思ったが、今は感謝している。
川 ゚ -゚)「もし奇跡が起こるなら…… 」
そしてクーは聖剣を振った。
その瞬間、聖剣だけが床に落ちた。
呆気無かった。
実に呆気無く、クーはそこから『無く』なった。
───また会いたいな───
その言葉だけを残して………。
- 832 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:42:06.52 ID:MuUGyuK80
- 火炎弾てどこでもらってたっけ
- 833 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:43:10.42 ID:d3NfZHsU0
- うわ−ん
- 834 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:43:28.96 ID:KnEMmP+m0
- やったか!?
- 835 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:44:06.29 ID:hPT1YBg3O
- >>834
やるなwwwww
- 836 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:44:28.34 ID:gt49PWB+O
- うわあああああ
- 837 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 19:44:29.87 ID:hlZ+Djy40
- (´・ω・`)「……さぁ、俺も行くとするか」
聖剣を拾い上げるショボン。
しかしすぐさま振り上げることはせず、視線を送る。
まずは、ブーンに。
(´・ω・`)「ブーン、正直に言うとお前のことはよく分からなかった」
( ^ω^)「?」
(´・ω・`)「戦っている原理もそうだし、思考の仕方も俺とは違っているように思えたからだ」
(´・ω・`)「しかし、芯の熱さだけは、充分に解することができた」
( ^ω^)「よく分からなかったは、こっちのセリフだお。
アンタはクールなように見えて、熱い男だったお」
( ^ω^)「そんな大仰な剣を持って何の為に戦ってるのか分からないけど、
アンタほどの男なら必ずやり遂げられるはずだお、大将!」
頷いて、今度はツンに視線を向けた。
(´・ω・`)「ツン、フィレンクトと戦ったときから、色々世話になったな」
ξ;゚听)ξ「そんな、こちらこそ……」
(´・ω・`)「お前とは長く一緒にいたが、話した内容は戦いのことばかりだった」
(´・ω・`)「叶わん願いと分かってはいるが、もしまた会うことができたら、他愛のない話でもしたいところだな」
- 838 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:45:55.54 ID:d3NfZHsU0
- 複雑だな…
- 839 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 19:46:56.08 ID:hlZ+Djy40
-
ξ゚ー゚)ξ「……はい。色々お話しましょう」
そしてショボンは目を伏せた。
ここから消えれば、記憶も消える。
興味深い知識をいくつか覚えたが、失われてしまうのだ。
だが、かけがえのない時間を過ごしたことは確かだった。
ξ゚听)ξ「ショボンさん」
(´・ω・`)「?」
ξ*゚ー゚)ξ「たくさん助けてくれて、ありがとうございました」
ツンがそう言いながら、手を、差し出した。
ショボンも軽く笑い、その手を、握り返した。
( ^ω^)「大将!」
二人に歩み寄ったブーンが拳を握り締め右腕を挙げている。
ツンの手を握ったまま、ショボンは同じ様に左手を握り締めて、彼の腕に二の腕を押し当てた。
ショボンの右手と左腕に、熱が伝わる。
二人の体温と、それ以外の熱が、確かに。
- 840 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 19:49:48.00 ID:hlZ+Djy40
-
手を離し、二人からも少し離れた。
聖剣を高く掲げて、目を閉じる。
見知らぬ人と出会った。
見知らぬ力があった。
いずれも記憶からは消えてしまう。
しかし、きっと、心のどこかには残ってくれるはずだ。
世界を守ったという事実がある限り。
思い出すことはできなくとも。
きっと、必ず。
(´・ω・`)「……さらば」
目を開き、聖剣を振り下ろした。
そしてショボンは、この世界から消えた。
自分の世界へと、帰っていった。
- 841 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:50:52.85 ID:Ln9dQrqN0
- 支援
- 842 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:51:06.67 ID:d3NfZHsU0
- さみしい
- 843 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 19:52:07.05 ID:hlZ+Djy40
-
ξ゚听)ξ「……それじゃあ、私も」
地に落ちた聖剣を、拾い上げた。
この世界で起きた色々なことを、思い出しながら。
ξ゚ー゚)ξ「ブーンさん……さようなら」
( ^ω^)「さよならだお、もう一人のツン。君は、ホントにあのツンか? って思うくらい
おしとやかなツンだったお! 元の世界でも頑張れお女子高生!」
ξ゚ー゚)ξ「……ありがとう」
ショボンにした時と同じ様に、手を差し出した。
ブーンがしっかりと、ツンの手を握る。
機械であるブーン。
自世界のブーンとは、全く異質な存在。
けれども彼女は、彼がブーンであると感じられる。
不思議なものだった。
しかしそれも、終わりを迎える。
この剣を振り下ろせば、全て、終わる。
ξ゚听)ξ(貴女とも、お別れね)
『我は汝、汝は我……半身よ、月と共に、あなたを見守っていますよ』
ξ゚ー゚)ξ(ありがとう……アルテミス)
- 844 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:52:30.03 ID:fPLrysiLO
- 忘れてしまうのが余計にさみしい
- 845 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:52:40.93 ID:jJd3bdE80
- 泣ける
ルージアルさんにトロッソさんが勝てる気しないな
- 846 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:53:38.88 ID:qvgRZs6RQ
- 支援!
- 847 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:54:14.37 ID:Ln9dQrqN0
- アルテミス使えたら原作では無双だったのにな
- 848 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:54:57.47 ID:3H622fVKO
- 支援
- 849 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 19:55:03.98 ID:hlZ+Djy40
-
記憶を無くす、いや、ここへ訪れる前の状態に戻ってしまう。
それはアルテミスとも、別れるということになる。
心強きペルソナを失ってしまうことも、ツンは割り切れていた。
予感があるのだ。
彼女がいなくとも、戦えると。
そう、戦いは、まだ続くのだ。
自世界での戦いが、まだ。
ゆっくりとブーンの手を離して、数歩、距離を開けた。
静かに、聖剣を振り上げる。
また、戦いの日々が待つ、自世界へ。
果たさねばならぬ想いがある、自世界へ────
ξ゚ー゚)ξ(ブーン……約束、守ったよ)
想うは、この世界のブーンの姿と。
ξ゚ー゚)ξ(ヒートちゃん、シューちゃん、おばさん……)
ξ゚ー゚)ξ(私たち、この世界を守りました。約束も────)
届かぬ報告を、心で終えた。
きっとそれは、形と成って届くはずだ。
- 850 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:56:05.70 ID:d3NfZHsU0
- しえん
- 851 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:56:15.82 ID:fPLrysiLO
- 支援
- 852 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:57:24.37 ID:hPT1YBg3O
- 支援
- 853 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:57:37.54 ID:wp6kws4d0
- 支援
- 854 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:57:51.47 ID:v3G4zeTo0
- 支援
- 855 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 19:57:57.90 ID:hlZ+Djy40
-
さぁ。
ξ゚听)ξ(帰ろう、私の世界へ)
ξ゚听)ξ(待っててね……みんな────)
ヒュン、と、風を切った後に。
聖剣が石床に落ちる、音がした。
ツンも自世界へと、帰って行った。
- 856 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:58:06.09 ID:ZbFh3X7mP
- トロッコさん死亡でラウンジエンドしか見えない
- 857 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:58:55.61 ID:KnEMmP+m0
- ルージアルさんって、デフォであの身体能力、分析力なんだよな……
アルファベット云々じゃなくて、ルージアルさん自身がチートすぎる
- 858 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:59:00.32 ID:t0Q1gNyn0
- 聖剣「二回も地面に落とされた……」
- 859 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 19:59:46.13 ID:hlZ+Djy40
- 時が停止したような静けさが、やがて訪れると覚悟していた。
先ほどのじゃんけん大会での喧噪などすっかり消え失せ、
天蓋を失った王の間の上空に広がる星々の下、ブーンが一人残された。
( ^ω^)「……」
強い寂しさに襲われると予感はしていたが、そうでもなかった。
むしろ誇らしい気分を覚えるのは、3人が険しくも自信に満ちた表情で帰っていったからだろう。
各々の世界へ、各々の戦いに戻る為に。
アンノウンという脅威から全てを救えた自分なら――……違う。
友との約束を守った自分ならと思うからこそ、こうも誇らしくいられ、自分に自信が持てる。
背負う物は様々であろう。自分自身、背負う物は重い。
枷、決意が軽くなったのではなく、背負ったままやり遂げられるという確信を、この戦いを通して得られたのだ。
だからこそ憂いもある。
このかけがえの無い想いが、無かったものとして破棄されてしまうのだから。
冷たい石床で静かに横たわる聖剣を前に、ブーンはあぐらをかく。
どんな星々よりも魅力的に輝く刀身を見つめ、聖剣に問う。
( ^ω^)「もう一回聞くことになるけどさ、マジで全部忘れるのかお?
たった今帰ったツンも、クーも、ショボンも、この世界で得た記憶を全部失って、
それぞれの日々に戻っちまったのかお?」
聖剣は刀身に柔な光を纏う。
ブーンの脳に、女性の声が穏やかに語りかける。
- 860 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:00:40.24 ID:d3NfZHsU0
- むう
- 861 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:00:46.35 ID:MuUGyuK80
- >>858
四回落とされるから覚悟しとけ
- 862 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:01:16.08 ID:Ln9dQrqN0
- ブーンが帰ったあと聖剣放置プレイですか
- 863 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:01:45.44 ID:aLQ0Ms1s0
- 聖剣『貴方は機械の身体なので記憶を消すことが出来ません…」
- 864 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:02:11.51 ID:hPT1YBg3O
- 聖剣「ふふふ…全て私の計算通り…」
- 865 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 20:02:59.69 ID:hlZ+Djy40
-
『先にも述べた通り、それが大いなる意思の定めた掟。
酷な事でしょうが、こればかりは私にはどうすることも……』
( ^ω^)「そこをうまくやってくれないものかお。
世界を統べて管理している聖剣さん」
『その認識は間違っています。私はただ単に、世界の流れを円滑にする存在なのです。
世界の終わり、即ち“完結”を迎えた世界から力を受け、次の世界へと供給する。
例え記憶を残せと私を振るっても、大いなる意思の掟に逆らうことはできません』
( ^ω^)「なるほど……悪かったお。
何でもかんでも手に入れようとするのは強欲ってもんだお」
仰向けになり寝転ぶブーン。
聖剣の言い分と世界のルールに従わざるを得ないのは理解している。
今もこうして撮影されている夜空すら、メモリーから削除される事になるのだろう。
聖剣を振るうのを躊躇う……もうしばらく、このままでいたい。
聖剣を振るえば、この戦いと、戦いを通して結ばれた絆が無意味になるような気がしてならないのだ。
絵にも、文字にもならず、自分の中から消え去る……それは酷というものだ。
( ^ω^)「あいつら躊躇い無く聖剣振るいやがって……大体ツンって、
僕のデータにある昔の女子高生らしくないんだお。記念に何か残したがるもんじゃないのかお?
ショボンは……真面目そうだから、偉そうに肖像画を描かせたりしないかお」
一人ごち、彼等仲間の顔を記憶と記録から思い出す。
- 866 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:05:04.19 ID:aLQ0Ms1s0
- 逆らえない…だと…?
- 867 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 20:06:01.30 ID:hlZ+Djy40
-
( ^ω^)「逆にクーは残したがりそうだお。昔日本で流行ったプリクラだっけ?
ああいうのノリノリで撮りたがりそうだおwwwww」
( ^ω^)「あんな綺麗な顔してアイツwwwwかなりのアホだかr――」
( ^ω^)「――まてよ」
(;^ω^)「残すだって?」
ブーンは上半身を起こし、
(;^ω^)「聖剣! 例えばこの世界のブーン達が生きてるとするお!
その場合、彼等の記憶から僕達が消える事はあるのかお!?」
再び聖剣と見合うや捲くし立てた。
『召喚士の始祖たる者は、この世界には存在しない他の世界だけに存在する事象や存在を召喚しました。
それらは全て、この世界の住人が起こした事象と言えます。即ち、物語の一節ということです。
矛盾による消滅、というリスクを背負っての事。それを学んだ彼らは、記憶を残すことでしょう』
( ^ω^)「ふっ、思ったとおりだお」
- 868 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:06:41.87 ID:KnEMmP+m0
- なるほど、俺も『力』を供給させてたのか
- 869 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:06:49.87 ID:jJd3bdE80
- 物語のページがryがバットエンドになったパラレル世界の小説が逃亡作品ってことか
- 870 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:07:18.14 ID:fPLrysiLO
- しえん
- 871 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:07:47.61 ID:d3NfZHsU0
- ふむふむ
- 872 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:08:55.30 ID:Ln9dQrqN0
- 支援
- 873 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 20:09:05.36 ID:hlZ+Djy40
-
「聖剣。アンタ、そこまで万能じゃないね」と、肩越しに言い放ち、
先の戦いで積みあがった瓦礫にブーンは近づく。
瓦礫の中から大きくも大小の差を見定めした計10個の石を選定し、一列に並べる。
( ゚ω゚)「チートじみたサイボーグで本当に良かったお! あっちのツン! 愛してるお!」
記録を参照し、我ら“仲間”の姿を思い浮かべる。
自分と自分、ツンとツン、クーとクー、ショボンとショボン、ロマネスクを……。
( ゚ω゚)「ふおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
鮮明な記録を元に右手を使いこなし、髪の一本さえも正確に石に彫り起こす。
ものの20分程で完璧に石像として仲間の姿が再現された。
召喚された自分達を後列に、この世界の者達を前列に。
そして立ち並ぶ石像を左右に隔てるように、仮面を四つに割った聖剣の像を立てた。
- 874 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:10:03.31 ID:d3NfZHsU0
- すげー
- 875 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:10:47.13 ID:jJd3bdE80
- ブーンさん最大の見せ場
- 876 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:10:58.02 ID:Ln9dQrqN0
- サイボーグぱっねえ
- 877 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:11:40.99 ID:hPT1YBg3O
- イトーィさんパネェ
- 878 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 20:12:31.57 ID:hlZ+Djy40
- これで完成ではない。
あとは、この石像のモデル達が何者であるのか、その名を刻まなければならない。
( ^ω^)「せっかくだからお前も協力するお。BBBladeじゃうまく彫れないんだお。
このくらいの願いなら、お前に叶えて貰ってもバチ当たらないお」
聖剣を拾い上げ、また石像のもとへ。
偉大なる聖剣を振るって叶えた願いとは、単に石像の前の石床に文字を描く事であった。
“異世界より召喚されし勇者達、ブーン、ツン、クー、ショボン。
そして勇者達と共に戦ったこの世界の英雄達、
ブーン、ツン、クー、ショボン、ロマネスク。
聖剣を悪用し、世界を滅ぼそうとした悪魔は、ここに討たれた”
一仕事終えた後の美味い煙草を吸い、我が魂の作品の出来栄えに満足する。
( ^ω^)「これはお前でも消せないんだお? 聖剣」
ブーンは右手に持った聖剣を意地悪そうな目で見やり、詰問した。
さしもの聖剣も流石に呆れて、
『……はい。この世界の者たちに記憶が残ることと同じ様に、
貴方が彫ったこの石像が消える事はありません』
聖剣の声が僅かに弾んでいるのが分かる。あの聖剣が、どうやら苦笑しているらしい。
ブーンは蟠りが消えたような気がして、何も言わずに笑みを聖剣に返した。
- 879 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:13:43.34 ID:MuUGyuK80
- ブーンいい仕事
- 880 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:14:26.15 ID:fPLrysiLO
- 彫刻刀扱いですかwwww
- 881 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:15:18.41 ID:KnEMmP+m0
- ここでビフォーアフターの曲が
- 882 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:15:32.44 ID:qvgRZs6RQ
- さすがブーンさんや
- 883 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:15:58.69 ID:hPT1YBg3O
- 俺…これが終わったら四作品徹夜で読み直すんだ…
- 884 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 20:16:15.02 ID:hlZ+Djy40
-
ブーンは、数多の星を抱える空に向って声を張る。
( ^ω^)「……聞こえないだろうけど、皆!
僕達は確かに異世界に召喚されたお! この石像がそれを証明してくれるお!」
( ^ω^)「僕達は確かに共に戦ったんだお!
僕達がそれを忘れても、いつか誰かの記憶に残ってくれるはずだお!」
( ^ω^)「僕達は――――――仲間だお!!」
口を利かぬ空に一人きり話し掛けた余韻を一入に感じ終え、
ブーンは聖剣を握ったままBLACK DOGのコクピットに飛び乗る。
―――――さあ、
( ^ω^)「帰るおBLACK DOG! あの地獄みてーな世界を変える為に!!」
聖剣を横薙ぎに振り、折り返して、もう一度振るう。
ブーンが咥えていた煙草の煙だけが、この世界に残った。
機械仕掛けの狩人はこの世界から消え、己の世界へと帰って行った。
- 885 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:16:19.64 ID:Qgevz60VO
- ( ^ω^)ブーンは彫刻師稼業のようです 近日公開!
- 886 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:16:51.51 ID:aLQ0Ms1s0
- ( ^ω^)「この煙草より美味い煙草をここに召還せよ!」
- 887 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:16:56.67 ID:3H622fVKO
- 聖剣カワイソス支援
- 888 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:18:14.91 ID:d3NfZHsU0
- かえっちゃったか
- 889 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:18:44.96 ID:KnEMmP+m0
- これで矛盾は起こらない、か……
- 890 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:18:57.09 ID:fPLrysiLO
- さみしいのう
- 891 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 20:19:03.01 ID:hlZ+Djy40
-
────────……
異世界の戦士たちは、自世界へと帰って行った。
その様子を、遙か上空で見ていたものがいた。
( ФωФ)「いった……か」
ロマネスク。
実体はもう、ない。
シースルーがそうだったように、霊体でそこにいた。
顛末を見届けるまではと、彼は現世に留まっていたのだ。
( ФωФ)「…………」
ブーンが造った彫像たちを見つめた後、彼は自身の亡骸を見た。
ショボンの外套がかけられたままだ。
( ФωФ)「異世界の戦士たちよ。感謝する」
( ФωФ)「お前たちのことを仲間、と、世はそう呼んで良いだろうか?」
( ФωФ)「……そして、余を、そう読んでくれるだろうか」
( ФωФ)「…………」
返事は、ない。
答えてくれる者も、もういない。
- 892 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:19:06.45 ID:aLQ0Ms1s0
- 煙のせいで矛盾起きてるんじゃね
- 893 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 20:20:10.48 ID:hlZ+Djy40
-
────────……
異世界の戦士たちは、自世界へと帰って行った。
その様子を、遙か上空で見ていたものがいた。
( ФωФ)「いった……か」
ロマネスク。
実体はもう、ない。
シースルーと同じく、霊体でそこにいた。
顛末を見届けるまではと、彼は現世に留まっていたのだ。
( ФωФ)「…………」
ブーンが造った彫像たちを見つめた後、彼は自身の亡骸を見た。
ショボンの外套がかけられたままだ。
( ФωФ)「異世界の戦士たちよ。感謝する」
( ФωФ)「お前たちのことを仲間、と、余はそう呼んで良いだろうか?」
( ФωФ)「……そして、余を、そう呼んでくれるだろうか」
( ФωФ)「…………」
返事は、ない。
答えてくれる者も、もういない。
- 894 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:20:31.58 ID:KnEMmP+m0
- んもぅ、惜しい誤字だよまったく
- 895 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:20:35.35 ID:d3NfZHsU0
- 気になった
- 896 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 20:21:34.20 ID:hlZ+Djy40
-
それでも、答えはある。
彼の、心の中に。
( ФωФ)「……愚問、だったな」
( ФωФ)「全く、一人になった途端これでは、魔王が聞いて呆れるわ」
自虐的な笑みを浮かべ、
( ФωФ)「……余もいくか」
高い、あまりにも高い空を、見上げた。
その向こうに、待っている者がいるはずだ。
( ФωФ)「シースルー……余を、受け入れてくれるか……?」
ぽつり、と
(*゚ー゚)「お疲れちゃああああああああんwwwwww」
(;ФωФ)「ギャアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
- 897 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:22:35.12 ID:Ln9dQrqN0
- これには流石のロマネスクもびっくり
- 898 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:22:52.94 ID:fPLrysiLO
- 魔王様びびりすぎっすwwww
- 899 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:23:12.97 ID:aLQ0Ms1s0
- (;ФωФ)「ギャアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
- 900 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 20:23:54.85 ID:hlZ+Djy40
-
(;ФωФ)「お……おまっ……おまえ!」
(*゚ー゚)「だから魔王wwwwびびりすぎwwwww」
(;ФωФ)「いやっ……いたのか……?」
(*゚ー゚)「言ったじゃん。幽霊になるだけだって」
(;ФωФ)「…………」
(*゚ー゚)「ま、ほんとにお疲れ」
彼女のその一言で、終わったのだという実感が心を覆った。
ブーンたちが帰ってもそれが訪れることはなかったのだが……。
やっと、彼の心にも。
( ФωФ)「……あぁ、終わったよ、シースルー」
(*゚ー゚)「よし! それじゃご褒美をあげちゃおう!」
( ФωФ)「ぬ?」
(*゚ー゚)「言ったでしょ? てかご褒美の為に頑張ったんでしょ?」
( ФωФ)「いやそれはない断じて」
(*゚ー゚)「かわいくねえwwwww」
- 901 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:25:17.27 ID:8DwSIt2JO
- (;ΦωΦ)「イチマツニンギョオオオオオオオオオ!」
- 902 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 20:26:16.55 ID:hlZ+Djy40
-
( ФωФ)「……で、なんなのだ?」
(*゚ー゚)「アンタ頑張ったから、私のことを『しぃ』と呼ぶ権利をあげちゃおう!」
( ФωФ)「……」
(*゚ー゚)「……」
( ФωФ)「……」
(*゚ー゚)「……」
( ФωФ)「……」
(*゚ー゚)「喜びのあまり声も出ないか……」
(;ФωФ)「違うわ!!」
(*゚ー゚)「え〜よろこべよ〜!」
(;ФωФ)「こいつは……」
しぃ。
その呼び名には、ロマネスクも聞き覚えがあった。
彼女の仲間たちが確か、そう呼んでいた、と。
( ФωФ)「……」
- 903 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:27:14.81 ID:gt49PWB+O
- 勇者wwwwww
- 904 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:27:40.11 ID:d3NfZHsU0
- ほう
- 905 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:27:54.49 ID:fPLrysiLO
- これは確かに反応に困るわ
- 906 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:28:11.37 ID:U24FQORB0
- 支援
- 907 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 20:29:11.78 ID:hlZ+Djy40
-
(*゚ー゚)「さってと、いこっか」
ふわりと、小さな体が浮上した。
本来彼らがいるべき、死後の世界へと戻るのだ。
( ФωФ)「あぁ────……」
(*゚ー゚)「ん? なんか言った?」
──何も言わなくても、余を迎えてくれるのだな。
──この世界の魔族が人間と共存することを選んだように……。
──余もその道を歩むことが、できるのだな。
( ФωФ)「ありがとう、『しぃ』」
(*゚皿゚)「”さん”を付けろよ、デコ助野郎ぉー!!」
(;ФωФ)「なん……だと……?」
(*゚ー゚)「言ってみたかっただけwww」
(;ФωФ)「お前は……まったく……」
(*゚ー゚)「そいや、ロマネスク」
( ФωФ)「む?」
- 908 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:29:55.43 ID:hPT1YBg3O
- シースルーwwwwwwww
- 909 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:30:16.07 ID:Ln9dQrqN0
- なん……だと……?
- 910 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:30:37.42 ID:KnEMmP+m0
- C3……だと……!?
- 911 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:30:57.35 ID:qvgRZs6RQ
- しぃスルー支援
- 912 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 20:31:24.12 ID:hlZ+Djy40
-
(*゚ー゚)「願い、よかったの?」
( ФωФ)「……あぁ、断った。もう、現世に未練もない」
(*゚ー゚)「そっかそっか、残るって言ったら張り倒してたけどwwwww」
( ФωФ)「ふっ……しかしまだ、お前との真の決着はついておらんのだぞ?」
(*゚ー゚)「あーら。死んでもやる気なの?」
( ФωФ)「当然だ。天上へ逝き然る後に、決闘を受けてもらうぞ────」
( ФωФ)「────勇者、しぃよ」
(*゚ー゚)「受けて立つわよ、魔王ロマネスク」
( ФωФ)「……ふん」
(*゚ー゚)「ま、今のとこは、あれだ! ロマネスク!」
( ФωФ)「なんだ?」
(*^ー^)「よく応えた! お疲れ様♪」
────────────…………
- 913 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:32:42.98 ID:d3NfZHsU0
- おつかれー
- 914 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:33:00.17 ID:v3G4zeTo0
- 支援
- 915 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:33:04.60 ID:fPLrysiLO
- 断っちゃったのか……
- 916 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 20:34:18.56 ID:hlZ+Djy40
-
こうして、全ての戦士はあるべきところへ帰って行った。
物語のページたちは、確かに想いに応えた。
アンノウンが残したこの世界の傷は、あまりに深い。
だが、人間が生き続ける限り、また元へと戻るだろう。
そう。『彼ら』がいる限り。
この世界の物語は、終わりを告げた。
聖剣は帰る。座する場所へと。
本来の役目を行うために。
自世界へ帰っていった彼らを、見続けるために。
さぁ、帰ろう。
そして捲ろう。
最後の、ページたちを────
【Cross part:Pages⇒end】
- 917 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:34:51.83 ID:hPT1YBg3O
- 終わるのか…
- 918 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:34:54.14 ID:yrlRJonX0
- 乙
- 919 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:35:30.40 ID:fPLrysiLO
- ひとまず乙
- 920 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:35:44.97 ID:jJd3bdE80
- 乙
- 921 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:36:06.83 ID:u4lboyz+O
- 乙…なのか?
エピローグみたいなのがあるはず
- 922 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:37:45.58 ID:KnEMmP+m0
- エピローグでは、ロマネスクさんを交えたしぃさん達が出番の少なさについてのおまけをしてくれるはず
- 923 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:37:54.74 ID:gt49PWB+O
- しえ
- 924 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:39:27.38 ID:wp6kws4d0
- 支援
- 925 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 20:39:57.59 ID:hlZ+Djy40
-
【main part : Epilogue】
- 926 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:40:39.54 ID:yrlRJonX0
- はじまったw
- 927 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:40:43.04 ID:fPLrysiLO
- 支援
- 928 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:41:08.59 ID:gt49PWB+O
- うひょー
- 929 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:41:11.83 ID:pD3BS+n40
- ま、main part・・・
- 930 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:41:32.59 ID:d3NfZHsU0
- 来た!
- 931 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:41:39.43 ID:jJd3bdE80
- エピローグは川´^ω^`)ξが街でペルソナを武器に退魔師稼業をするようです
- 932 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 20:42:05.18 ID:hlZ+Djy40
-
星々が、煌めいている。
周囲のあまりに深い闇に、抗うように。
この景色に、私は戻った。
アンノウンという巨大な闇の手から、遂に逃れることができた。
異世界を交錯させた、類い希なる戦いは、終わったのだ。
彼らは自身の世界へと帰っていった。
記憶を全て消去して。
そうしなければいけない。
今回の事を覚えていると、矛盾が生まれてしまうからだ。
もとより自身の世界を生きるために、この記憶は必要がない。
彼らからしてみれば、この戦いは寄り道でしかないのだから。
本当の戦いは、彼らが生きる世界にこそあるのだから。
私のことを思い出すことも、ないだろう。
それでいい、それが、正しい。
私はこれまで通り、ここから彼らの世界を見続けるだけで、いい。
- 933 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:42:20.62 ID:Qgevz60VO
- 最後まで見届けるぞ
支援
- 934 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:42:59.99 ID:d3NfZHsU0
- 次スレ行くかな
- 935 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:44:18.47 ID:fPLrysiLO
- >>931
主人公は内藤ツクー・ショブーンか
- 936 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 20:44:34.74 ID:hlZ+Djy40
-
それでも、少しくらいは。
彼らが持ち帰った、小さな小さな欠片くらいは。
楽しんでも、良いだろう。
彼らはまた、熾烈な戦いへと身を投じるのだから。
この戦いを乗り越えた者として、暫しの休息の時を。
持ち帰った欠片たちと、彼らが叶えた願いを読もう。
まずは、そう。
この世界から────
【( ^ω^)はペルソナ能力を与えられたようです】
- 937 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:46:01.83 ID:Qgevz60VO
- 聖剣はお茶目さんのようです
- 938 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:46:07.42 ID:KnEMmP+m0
- エクストオオオオオオオオオオオオオオオオオオ
- 939 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:46:34.64 ID:hPT1YBg3O
- 聖剣いい仕事しやがった
- 940 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:47:52.58 ID:D7GC0m8Y0
- 支援
- 941 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 20:47:54.05 ID:hlZ+Djy40
-
一つの大きな戦いが終わった。
謎はいくつも残っているけれど、激動の一日は確かに、終わった。
ξ゚听)ξ「はぁ……」
自室で制服を脱いで、簡素な部屋着に着替えて、コーヒを煎れに台所へ。
戻ってくる間に、色々なことを考えた。
ペルソナという力を得てから、現実離れした日々が続いている。
こんな日常的な瞬間が、なんだかひどく懐かしく思えた。
ξ゚听)ξ「…………?」
自室のドアを開けると、最初に違和感が飛んできた。
コーヒーを煎れに行く前と、何も変わっていないのに。
ξ゚听)ξ「……なんだろう」
匂い。コーヒーの薫りに混じり、太陽のにおいがした。
この暖かい感覚を、つい最近も感じた気がする。
そんな、違和感が。
ξ゚听)ξ「……あ、制服……」
ベッドに投げっぱなしだった制服を手に取る。
そのままハンガーにかけようとした時だ。
- 942 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:48:17.84 ID:5E0sQlTiO
- しえ
- 943 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:48:27.34 ID:Ln9dQrqN0
- 支援
エクストとかの戦いが終わった後の話か
- 944 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:48:49.08 ID:aLQ0Ms1s0
- なんだ未来の話か
- 945 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:49:42.53 ID:u4lboyz+O
- 各パートごとのエピローグか、支援
- 946 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:49:49.44 ID:fPLrysiLO
- しえん
- 947 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:50:12.15 ID:wp6kws4d0
- 支援
- 948 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 20:50:42.13 ID:hlZ+Djy40
-
ξ;゚听)ξ「わわっ」
ばらばらと何かが落ちた。
拾わなくてもそれがなんだかは分かる。
ξ;゚听)ξ「壊れちゃったんだ……無茶したからなぁ……」
ボールペンだった。
金属製で頑丈なはずなのに、壊れてしまっていた。
エクストに体当たりした時か、吹き飛ばされた時か。
ξ--)ξ「はぁ……買い直さなくちゃ……」
急激に現実へ引き戻されてしまった。
疲れとは違うため息を吐いて、ポケットの中を探る。
粉々、と言ってもいいほどに、たくさんの金属片が出てきた。
ξ゚听)ξ「…………」
何故かは、わからない。
無意識のうちに、小さな金属片を大切に集めて、見つめていた。
これがデジャヴ、というものだろうか。
見つめているだけで不思議な感覚に包まれる。
金属片をティッシュにくるみ、机の上に置く。
捨てようとは、思えなかった。
そして、ポケットにもう一つ、入っているものがあった。
- 949 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:52:42.85 ID:fPLrysiLO
- 支援
- 950 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 20:52:52.65 ID:hlZ+Djy40
-
ξ゚听)ξ「……」
一枚の、紙。生徒手帳のメモ帳部分であることは、わかっていた。
でも、そこに書いてある文字には、やはり覚えがない。
ξ゚听)ξ(……なに……これ?)
ξ゚听)ξ「『先に行っています、ツン・ショボン』」
ξ;゚听)ξ「私の字……だよね……なんだろう、これ……」
全く、身に覚えがなかった。
でも、書いてある字は間違いなく、私のものだった。
その私の字の、下に。
誰が書いたかわからない文字が、一行、添えてあった。
ξ゚听)ξ「……『ありがとう』……?」
全く、心当たりがない。
でも、なぜか。
ξ*--)ξ「…………」
とても。
とても、暖かい気持ちになった。
- 951 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:53:41.63 ID:aLQ0Ms1s0
- 何故だ!何故思い出さない!
- 952 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:53:51.00 ID:0fbHoEowO
- こういうのいいなぁ
- 953 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:54:45.86 ID:Ln9dQrqN0
- こういうの好きだ
次スレどうするの?
- 954 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 20:55:03.35 ID:hlZ+Djy40
-
しばらく私はそのままでいた。
その二つを見つめて、部屋に残る薫りを感じて。
エクストとの戦いで、体は疲れ切っていたのに。
そんなものは吹き飛んでしまっていた。
まるで、力をもらったような、そんな気が。
ξ*--)ξ
今は、この感覚に身をゆだねよう。
この暖かさを、太陽のにおいを、感じていよう。
明日からは、また戦いが始まる。
さっきとは違い、それを憂う気持ちは不思議と生まれない。
この感覚──なか──にいると、何故か、そう思える。
戦える。戦い抜いてみせる。
自分を、信じて。
みんなを、信じて────……
- 955 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:57:09.35 ID:RL0ZHpz80
- 追いついた支援
- 956 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 20:57:37.19 ID:hlZ+Djy40
-
【( ^ω^)は街で狩りをするようです】
- 957 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:58:08.05 ID:7U0IQBfW0
- こういうエンディングいいね支援
- 958 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:58:34.85 ID:uNZ3gdLRO
- 支援
- 959 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:58:44.23 ID:hPT1YBg3O
- 支援
- 960 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 20:58:52.35 ID:hlZ+Djy40
-
叫声を上げ、異常な脚力を発揮して空まで追撃してくる騎兵達。
騎兵を思わせる姿のせいか、なんと勇ましい様だろうかと、彼等を見て僕は思う。
勇ましく己を奮い立たせねば、と……そうお前達が本能的に悟ったのなら、
お前達は随分と場数を踏んできたのか、あるいは人間の脳を喰らって知恵を付けたのだろう。
どちらにせよお前達は生物として優れている。
だからこそお前達を抹消しなければならない。一匹たりとも逃がしはしない。
お前達のような生物が地上に存在する限り、人間のまま生きる我々が、
陽光を浴びながら地上の土を踏みしめるのは、永遠に夢のままで終わろうから――――。
ィ'トー-ィ、
以,[l゚疲i7(Sniperを環状に並べ両腕にガトリングを形成! 一気にカタをつけてやる!)
アーマー腕部に組み込まれた銃器の銃身。
選択されたSniperの銃身が腕の外へと展開し、計8本の銃身が高速回転する。
給弾・装填・発射・排莢のサイクルが1秒あたり2度繰り返されると、
まるでスコールのようにSniperの弾丸が敵に降り注いだ。
追撃する者も地から機を窺っていた者も次々に蒼色の光条に討たれてゆく。
蒼の雨が冷め止むと同時に宙で血肉が散華し、そして地を盛大に汚した。
臓物と血が広がる地面に降り、場を一望する。
それまで殺意と暴欲が滞留していた場は、まるで時が止まったかのように静まりかえっている。
- 961 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:59:16.03 ID:JmVPXS0y0
- そろそろ1000でふね。
- 962 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 21:00:39.12 ID:fPLrysiLO
- いきなり殺伐
- 963 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 21:01:21.85 ID:aLQ0Ms1s0
- 1000は作者のレスですねわかります
- 964 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 21:03:03.45 ID:WsiK93ze0
- 減速するべきだな
- 965 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 21:03:23.98 ID:hlZ+Djy40
-
聞こえるのは風の音と己の心音のみ。
目に映る死骸から熱量も感知せず、グラフは独特の線を描こうとしない。
サーモグラフィが描く赤は、単に生物として残る温もりを表しているだけだ。
(;^ω^)「よし……」
この区域の安全は確保できた。
エネルギーの確保は勿論だが、まずは切れたニコチンを補給したくアーマーをパージする。
('A`)『ブーン、一服するなら今のうちだぜ。
工場地帯の多くが奴等の巣になっちまってる』
( ^ω^)「了解、そうさせてもらうお……」
愛品のマルボロを咥え、火をつけようとした時、
(;^ω^)「あっ!」
一陣の風が吹き、口元の煙草が奪われた。
突風に乗った煙草は川まで運ばれて、中腹で落とされた。
同時に、遠くで雷の音が鳴るのを耳にした。
どこかで嵐でも起きているのだろうか……冗談じゃない。
一ミリも吸っていない煙草を台無しにされてしまった!
- 966 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 21:04:11.84 ID:D7GC0m8Y0
- しえ
- 967 名前: ◆azwd/t2EpE :2010/12/26(日) 21:05:17.69 ID:s+LtfyAu0
- 次スレです
http://raicho.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1293365094/
- 968 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 21:06:28.79 ID:aLQ0Ms1s0
- やはり煙草もか
- 969 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 21:07:14.77 ID:X/x16iVs0
- わかったぞ、煙草の火を火炎弾でつけるわけだな
- 970 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 21:07:29.56 ID:hlZ+Djy40
-
(;^ω^)「ああああ……どこぞの嵐め! ふざけんなお!」
他にやり場が無いものだから、ブーンはそう遠くの空を罵ってみるものの、
虚しさが余計に募るだけであった。
更に、そんな自分を馬鹿にするようにまた突風が吹く。
(;^ω^)「風つええお今日……って、」
( ^ω^)「あれ……なんだお、これ」
右腕で、巻いた覚えの無い紅いリボンが靡いているのに気づいた。
何故だろう、突然ツン=ディレイクの顔が頭に浮かんだ。
そして不思議なほど愛しい感覚が胸の中に芽生え、
( ^ω^)「何なんだお、なんでこんな……」
瞳が機械でなければ、涙を流してしまいそうになるほどの嬉しさを覚える。
同時に酷く、安堵する。
- 971 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 21:08:27.50 ID:7U0IQBfW0
- ツン……
支援
- 972 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 21:09:21.99 ID:fPLrysiLO
- ツンデレブラーデさんに没収されたのか
- 973 名前: ◆BoonIqnHyQ :2010/12/26(日) 21:09:23.98 ID:JmVPXS0y0
- 支援
- 974 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/26(日) 21:09:25.09 ID:hlZ+Djy40
-
自分の弱さを戒める為、額に巻いた形見のバンダナも靡き、
顔を叩きつけるようにしてバンダナは張り付いた。
急に、スネークに会いたくなった。
たまらなく彼と煙草でも吹かしたい気分を覚える。
( ω )「オッサン……」
しかし何故だろう、今更ながら彼とは本当に永遠の別れを遂げたように感じる。
ボストンで彼を死なせたのを克明に記憶しているというのに。
彼と死別して日は浅いが、それでも何故、今になって別れを惜しんでいるのだろうか?
でも、不思議と今は誇らしい気分だった。
紅いリボンを見ても、バンダナを指でくゆらせても。
( ^ω^)「任務を続行するお……BLACK DOG!」
愛機を呼ぶと、いつもと変わらずに静かな音を鳴らし、
BLACK DOGはオーナーに従順さを示す。
巨大な機械を操縦し、機械仕掛けの狩人は死都を進む――――――。
- 975 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 21:10:59.83 ID:aLQ0Ms1s0
- 1000は作者が取るんだぞ!?
- 976 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 21:11:00.70 ID:FeoimDVq0
- 後どんくらいなんだろうな
- 977 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 21:11:03.44 ID:hlZ+Djy40
- 街さんはここまでです
キリがいいので続きは次スレにいきます
こちらは埋めちゃいます
- 978 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 21:12:16.06 ID:7U0IQBfW0
- ここまで乙です。
梅
- 979 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 21:12:44.90 ID:Ln9dQrqN0
- はあこ
生め
- 980 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 21:12:49.83 ID:aLQ0Ms1s0
- うめ
- 981 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 21:12:56.43 ID:hPT1YBg3O
- うめ
- 982 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 21:13:26.04 ID:fPLrysiLO
- 埋め
- 983 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 21:13:38.06 ID:D7GC0m8Y0
- うめ
- 984 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 21:14:45.14 ID:7U0IQBfW0
- 24時間投下になりそうかなうめ
- 985 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 21:14:58.32 ID:fPLrysiLO
- うめ
- 986 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 21:15:43.25 ID:s+LtfyAu0
- うめぇ
- 987 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 21:16:01.11 ID:V/u1nTNG0
- 埋めちゃいます
- 988 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 21:16:21.69 ID:s+LtfyAu0
- うめめめめ
- 989 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 21:16:25.29 ID:D7GC0m8Y0
- ume
- 990 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 21:16:45.71 ID:v3G4zeTo0
- 梅
- 991 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 21:16:55.34 ID:s+LtfyAu0
- 楳
- 992 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 21:17:27.73 ID:D7GC0m8Y0
- 梅
- 993 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 21:17:49.34 ID:s+LtfyAu0
- うめ
- 994 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 21:18:02.34 ID:7U0IQBfW0
- 埋める!!
- 995 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 21:18:03.45 ID:s+LtfyAu0
- うま
- 996 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 21:18:13.49 ID:s+LtfyAu0
- うめ
- 997 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 21:18:16.73 ID:KJse+Yt3O
- 梅
- 998 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 21:18:19.05 ID:D7GC0m8Y0
- うめ
- 999 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 21:18:24.71 ID:YAjxVAwBO
- 1000
- 1000 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 21:18:26.61 ID:ZzOqBni40
- 1000なら4作品全てが年内完結
- 1001 名前:1001:Over 1000 Thread
- 16歳♀暇だから全レスします☆ こちらスネーク 1990年生まれ集まれ〜☆ 安価でお絵描き
中学生 遊戯王 新ジャンル VIPで本格的にRPG作ろうぜ XBOX360
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い VIPヌクモリティ 顔晒し 馴れ合いスレ 「〜だお」 コテ雑 し
き 今のVIPが嫌ならVIPから出てけww A雑 大阪VIPPER集まれ!!☆ ま
た 工作員 18歳♀が16歳♂に安価メール VIPでMMO ネタにマジレスの嵐 す
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な 住所ギリギリまで晒して近かったらラーメン 二番煎じ
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お 付き合ってくだしあ>< 今から元カノに痛メする >>3 ウチは高校生だぉ☆
>>9 うはwwこれがVIPクオリティw
∩∩ V I P は ぼ く ら の 時 代 だ !! V∩ >>2 自重しろwwwww Be
ハ (7ヌ) (/ / >>7 ブラウザゲーやらないか?
ル / / ∧_∧ || モリタポ
ヒ / / ∧_∧ ∧_∧ _( ゚ω゚ ) ∧_∧ || 埼 >>5 2chって有料なんですか?
\ \( ゚ω゚ )―--( ゚ω゚ ) ̄ ⌒ヽ( ゚ω゚ ) // 玉 >>6 え?俺マジ貧乏なんだけど
\ /⌒ ⌒ ̄ヽ ゆとり /~⌒ ⌒ / O >>8 お母さんに何て言えば
| |ー、 / ̄| //`i構って女/ F 安価で絵描くお
低 | 恋愛 | | 厨房 / (ミ ミ) | | F 14歳♀中学生処女だけど質問ある? ハ
年 | | | | / \ | | ム
齢 | | ) / /\ \| ヽ PCに詳しい人ちょっときて!!! イ ス
化 / ノ | / ヽ ヽ、_/) (\ ) ゝ | 電車男 ミ タ
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