以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 18:55:40.67 ID:4acD0qTr0<> ギャングとチンピラは同じ意味だと思うの <>◆(´・ω・`)ゲームに集うは、切り札のギャング達のようです◇ 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 18:56:34.48 ID:O4h6DudJ0<> ひゃっほう支援だ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 18:57:49.19 ID:UsEq7Ht/P<> ギャングはアメリカのチンピラ <> ◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 18:57:55.25 ID:d2zz7omJP<> 長いこと間隔が空いてすいませんでした。
投下します。

前回まで
http://boonsoldier.web.fc2.com/kirihuda.htm
ブーン芸さんまとめありがとうございます。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 18:58:04.19 ID:1JK9f231O<> きたぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!! <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 18:58:06.48 ID:eRak+AYf0<> 待ってた <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 18:58:16.67 ID:O4h6DudJ0<> 支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 18:59:29.11 ID:7dGks9rl0<> キタキタ!! <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 18:59:58.45 ID:3pSt3Bs9O<> 支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 19:01:03.25 ID:MOvAUnggO<> コレ好きやねん! <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 19:01:49.68 ID:d2zz7omJP<> 9日目
―09:42:11―

ξ;゚听)ξ「このままじゃ負ける…ってどういうことなの?」

PC周辺機器をいじりながら今回の作戦を話す男に対し、一番最初に出てきた質問だった。
今何をやっているのかと尋ねたら「ママチャリを戦闘機に変えている」と返してきた。
私の顔など見向きもせず淡々とその男は語りだした。

( ´_ゝ`)「可能性の話だ。…まぁその可能性はとても高いんだがな」

ξ;゚听)ξ「どうすんのよ…アンタがなんとかしないとシベリア攻略は難しいのよ?」

数分前に兄者が口にした言葉。

「このままでは俺はあいつには勝てない」

数十分前に決まったシベリア攻略作戦。
ジョルジュが一人であの国に挑むのには無理がある。
相手は弟者に完全洗脳された6000万の国民だ。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 19:02:22.07 ID:cLfEK6ac0<> ju

<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 19:02:33.16 ID:hJ3UiBdv0<> おいおい 久しぶり杉だろ



支援す <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 19:02:47.54 ID:d2zz7omJP<> その為兄者がその洗脳プログラムを管理している弟者のシステムに侵入し洗脳を解除。
そうすればジョルジュの戦うべき相手は弟者一人になる。
しかし、この男はそれは無理だと言った。

( ´_ゝ`)「俺だけじゃない」

動きを止め、兄者は私の方へ振り向いた。
いったい何を言うつもりだろうか。

ξ;゚听)ξ「………?」

しばらくの沈黙の後、彼はこう続けた。

( ´_ゝ`)「ツン…お前の力を貸してもらいたい」

ξ;゚听)ξ「わ、私!?」

( ´_ゝ`)「最初から話す。よく聞いてくれ」 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 19:03:57.86 ID:d2zz7omJP<> あまりのことに私は驚きを隠せなかった。
私の役目はモララーに大量の武器を支給すること、それで終わりだと思っていたから。
いったいこれ以上何をすればいいのだろうか。

兄者はPCに向かい、デスクトップに浮かぶ一つのアイコンを開いた。
真っ白なウィンドウに現れた無数の黒い文字。
兄者はこれを起爆剤と言った。

( ´_ゝ`)「俺が今から攻撃するのは弟者が管理している洗脳ナノマシン。これはクーが発明したものを弟者が改造したものだ」

ξ゚听)ξ「………」

( ´_ゝ`)「弟者がクーを殺したのは、彼女が用済みになっただけだと思っていたのだが、どうもそれだけでは無いらしい」

ξ゚听)ξ「恐れていたのね…クーの事を」

少年漫画を読み慣れていれば子供でも分かる。
弟者の野望を阻止できるのはそのプログラムを作り上げた彼女唯一人だ。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 19:04:08.97 ID:7dGks9rl0<> しえーん! <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 19:05:21.45 ID:d2zz7omJP<> ( ´_ゝ`)「その通り。ここまで事態が進むと分かることだが、弟者はナノマシンの機能を止められる事を恐れていた。」

( ´_ゝ`)「クーを殺すことでアイツノ絶対的な支配が確立された。もうあいつを止められる人間など存在しないからな」

兄者が言っていた“勝てない”とはそういう意味だということが分かった。
私達は唯一の対抗手段を失ってしまったのだ。
今からあのクーの天才的な頭脳を代わりとして用意できるであろうか?

仮にクーをも超える天才的な頭脳を持った人間がいたとしても、協力してくれるかどうかは別だし、
そもそも現状説明に時間がかかってしまい弟者と戦うどころではなくなってしまう。
それでも、打開できるとしたらそれしかないのだ。

ξ゚听)ξ「それで…?私に何をしてもらいたいの?」
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/25(土) 19:06:21.49 ID:7dGks9rl0<> 支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 19:06:36.41 ID:3pSt3Bs9O<> 支援! <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 19:06:51.06 ID:d2zz7omJP<> ところが、不思議なことにこの男はそんな博識な頭脳を探すことはなく、一番間近にいる私に協力を依頼した。
自慢ではないけれども、私は理数系科目に対して絶対的な嫌悪の壁が存在する。

( ´_ゝ`)「…俺はそのナノマシンを止め、洗脳されたあの国を止める。…ただその為にはナノマシンに関する資料が必要なんだ」

ξ゚听)ξ「資料……」

そう呟いた瞬間に、私は無意識に次の言葉を口にしていた。

ξ゚听)ξ「クーの…ラボ?」

( ´_ゝ`)「勘がいいな。そう…その資料は彼女の研究室にあるはずだ」

ようやく繋がった。この男が私に頼みたい事が。
アイツの計画が。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 19:06:59.25 ID:O4h6DudJ0<> 支援 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 19:07:57.27 ID:d2zz7omJP<> ( ´_ゝ`)「ここまでの流れが弟者の計画通りだとすると、アイツはクーのラボでナノマシンに関する資料を手にするつもりだったはずだ」

ξ゚听)ξ「でも…それは失敗に終わった」

( ´_ゝ`)「そうだ。彼女はこの【ゲーム】への参加を放棄していた。」

( ´_ゝ`)「アイツはクーの隙を見計らって資料を手にするつもりだったのだが…クーはあの家から一度たりとも出やしなかった」

そう。弟者の計画は未完成だったのだ。
この【ゲーム】のポイントは自ら稼ぎに行かなければならないということ。
その為には依頼だけでは間に合わない。
少しでも時間を稼ぐために自ら行動に移さないとだめなのだ。

( ´_ゝ`)「そして運よくクリニックには入れたが、クリニックの中ではずっと俺が傍にいて、ツンにドクオ、しぃやロマネスクまでいた。流石のアイツもこれは予想外だっただろう」

( ´_ゝ`)「アイツは資料を奪う事を諦め、クーを殺すことを企てた。」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/25(土) 19:08:15.91 ID:O4h6DudJ0<> 支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 19:08:20.01 ID:FrtzHdjsO<> 支援 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 19:08:57.49 ID:d2zz7omJP<> なるほど。確かにこの計画が成功していれば、彼は穏便に計画を進め、静かに私たち「Player」を抹殺していただろう。
しかし、何か腑に落ちない。
この計画に残る奇妙な違和感を拭い去らずにはいられなかった。
その違和感の正体も、ある疑問によって解消された。

ξ;゚听)ξ「待って!?」

私は声を荒げずにはいられなかった。
彼の計画の最大の矛盾。

ξ;゚听)ξ「なんで弟者は『モナーさんの跡継ぎを決めるその方法』を知っていたの!?」

単純なことだ。
クーの発明品を奪うことは彼は前もって準備し、計画していたはずだ。
それなのに彼は何故、フォックスさんが預かっていた未開封の遺言の内容を知っていたのだろう。

ξ;゚听)ξ「まさかフォックスさんも手を…?」

( ´_ゝ`)「可能性としては0ではないが、それはまずないだろう」

兄者が私の発想を遮るように口をはさんだ。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 19:09:01.02 ID:1m4/gdk9O<> しえん <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 19:09:10.00 ID:O4h6DudJ0<> 支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 19:09:12.72 ID:3pSt3Bs9O<> 支援 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 19:09:57.27 ID:d2zz7omJP<> ξ;゚听)ξ「何をそんな根拠もなしに…」

( ´_ゝ`)「根拠ならある」

ξ;゚听)ξ「…なによ」

( ´_ゝ`)「数年来も会っていなかった俺らなら仕方ないが、フォックスさんは仮にもモナーさんの第一秘書だ」

( ´_ゝ`)「あのモナーさんが常に一緒にいる人間の裏切りに気付かなかったとは考えにくい」

ξ゚听)ξ「あ…」

私はハッと気付いた。何を愚かなことを考えていたのか。
あのモナーさんが簡単に騙されるわけがない。
常に気を配っていた人間だ。
いちばん身近な存在であるフォックスさんの考えていることくらい見抜け無いはずがない。

あの人はそういう世界で一人生きてきたのだから。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 19:10:19.49 ID:1m4/gdk9O<> 支援し <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 19:10:26.23 ID:O4h6DudJ0<> 支援 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 19:11:04.35 ID:d2zz7omJP<> ξ;゚听)ξ「でもそれじゃああの遺言は弟者が…」

( ´_ゝ`)「それも違うだろう。フォックスさんがグルじゃないとしたらフォックスさんもまた見抜けるはずだ。」

( ´_ゝ`)「本物の手紙かどうかを…な」

それもそうだ。
あの二人は信頼し合っているからこそお互いの思考や真偽を見極めることができる。
もし、どちらかが嘘であった場合でも起こり得ない事実だし、どちらも嘘であるとしてもそうする意味がない。

つまり、この仮説は最初から不可能だということになる。

ξ;゚听)ξ「でも、それじゃあ弟者はいつ知ったというの?あの手紙を…」

( ´_ゝ`)「そう考えると見えてくるだろ?」

ξ゚听)ξ「…何が?」

( ´_ゝ`)「…アイツがショボンと手を組んだ理由だよ」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 19:11:56.11 ID:1m4/gdk9O<> しえーん <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 19:12:05.02 ID:d2zz7omJP<> ξ゚听)ξ「…あ」

なるほど。これで合点がいった。
弟者はショボンと手を組むことで手紙の内容を知ることができた。
ショボンが手紙の内容をどうやって知ったか…。この議論はするだけ無駄だ。
彼はあらゆる手段を用いて情報を得ようとする。
きっと私たちではとうてい思いもよらない方法で情報を得たに違いない。

( ´_ゝ`)「話を戻そう。要点を言うと【ゲーム】が始まってから、アイツがクーのラボを漁ることのできる時間は無かった」

ξ゚听)ξ「つまり…まだ処分されていないその資料を取ってくればいいのね」

( ´_ゝ`)「そうだ。きっと設計書ならあるはずだ。媒体は紙かデータかはわからないが…」

ξ゚听)ξ「わかったわ。私が何とかして見せる」

私は大きくうなずき、すぐさま支度を始めた。
腕時計を見つめ、そして脳内でプロセスをイメージする。

ξ゚听)ξ「…2時間。2時間あれば戻ってこれるわ」

( ´_ゝ`)「…わかった。急いでくれ。もしかしたら弟者は先に手を打っているかもしれない」

ξ゚听)ξ「ええ。運が良ければまた会いましょう。媒体によってはその場でデータを送るわ」

( ´_ゝ`)「頼んだ。俺は侵略の準備に取り掛かる」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/25(土) 19:12:14.82 ID:7dGks9rl0<> ふむ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 19:12:24.01 ID:O4h6DudJ0<> 支援 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 19:12:58.00 ID:d2zz7omJP<> ξ゚听)ξ「じゃあ行ってくるわ」

私はバッグを掴み、モララーの官邸を後にした。
官邸の脇に止めていた私のスポーツカー。
最高速でクーのラボを目指せば、宣言通り、2時間弱で戻れるだろう。
鍵を開け、ドアを開き、運転席に座る。
シートベルトをし、左手でハンドルを掴み、そのまま右手で鍵を差し込んだときにふと弟者の顔が頭をよぎった。

ξ゚听)ξ「………」

いったい…何を考えているのか。
あんなに近くにいたのにさっぱりわからない。

ξ゚听)ξ「弟者……あんた…」


私はエンジンを掛け、目線を真正面に向ける。
そうだ。この仕事が終わり次第、アイツに聞こう。
そして思いっきりぶん殴ってやる。

聞けるタイミングはもうその時しかないのだ。
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 19:13:38.27 ID:7dGks9rl0<> はやいな <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 19:13:58.43 ID:d2zz7omJP<> ◆12:ババ抜き 中編

-09:59:11-

( ФωФ)「もう間もなくラウンジに着く」

ロマネスクの一声で俺はハッと目を覚ました。
波に揺られている間に眠り込んでしまったようだ。
椅子から立ち上がり正面のガラスを見ると、目の前には大きな港が見えた。
倉庫があり、船が何隻も浮いている変哲も無い港だ。
とても戦争が起きているとは思えない。

( ФωФ)「見えるか?」

ロマネスク…いやラウンジ軍の将校の顔と服装をしたロマネスクが前方に指を指した。
人差し指の向こうを目を懲らして見るとそこには大勢の人の群れが。200……いや300はいるだろうか。
その人々は皆ロマネスクと同じ服装を着ている。
奴らはもちろん軍隊だ。

('A`)「早いな。もうバレたのか」
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/25(土) 19:14:10.15 ID:ER2Jffu40<> これ好きだ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/25(土) 19:14:54.30 ID:Gb+WKKdi0<> しぇんしぇん! <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 19:14:57.75 ID:d2zz7omJP<> ( ФωФ)「いや、おそらく奴らは港に待機していたのだろう。そこへ将校を乗せた軍艦が一隻この港に着いたという報告を受けただけだ」

('A`)「お前のモデルはどうしたんだ?」

( ФωФ)「首の骨を折った後、できるだけコンパクトにまとめて海に沈めた。まあ十中八九見つからないだろうな」

どうやらロマネスクの変装はバレていないらしい。
だといいんだけどな。

('A`)「さて…どう攻める?」

俺は自分の荷物をまとめ、いつでも動ける体制になった。

( ФωФ)「我輩はまあ、いいとしよう。問題は貴様だ」

確かに問題は俺だ。
ロマネスクは何も気にすることなく港に立つことが出来るが、俺はまずい。
とっさに海を泳ぐというアイデアが浮かんだが、あれだけの人間が港にいるんだ。
上陸さえ困難に思える。
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 19:15:26.54 ID:7dGks9rl0<> 支援 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 19:16:01.98 ID:d2zz7omJP<> ロマネスクに変装を頼むか?
いや、減った乗組員の数くらい相手だって把握しているだろう。
軍人の顔がないと変装は不可能だし、それに他の軍人の顔なんて覚えていない。
自分の素顔で行けばあっという間に気づかれてしまう。

( ФωФ)「そこで我輩が考えた作戦だが」

('A`)「何?」

流石と言うべきか。こういう時にこそロマネスクは頼りになる。
窮地に追いやられたときに二手も三手も対策が浮かぶのは経験の差だろうか。

( ФωФ)「我輩は予定通り変装したまま上陸する」

('A`)「じゃあ俺は?」





( ФωФ)「港まで泳いでいくんだ」

俺の過信を返せ。糞が。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 19:16:43.57 ID:k4S41qkb0<> (´・ω・`)支援なの <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 19:16:56.34 ID:7dGks9rl0<> しえん <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 19:16:59.84 ID:d2zz7omJP<> ( ФωФ)「この作戦もダメか…」

どんだけあの作戦に自信があったんだコイツ。

( ФωФ)「ならば我輩が貴様を変装して見るのはどうだ?」

('A`)「お前馬鹿だろ」

俺以下かよ。
ロマネスクを殺したい欲求に駈られたが、落ち着くためにガムを口に入れた。

('A`)「ん………?」

ロマネスクを殺す……。
その瞬間、脳内に凄まじい程の電流が流れた(気がした)。

('A`)「そうだ……これだ」

( ФωФ)「ん?」

('A`)「ロマネスク、ラウンジに乗り込む方法を見つけたぞ」 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 19:17:58.01 ID:d2zz7omJP<> ―10:05:32―

オートバイに跨がりクーのラボを目指す。
もちろん法定速度など関係ない。
飛ばせるだけ飛ばす。
ターゲットの機密の関係もあり、あまり派手に動けないのが残念だがまあ仕方ない。

クーのラボまで直線距離で100km弱。
極限までスピードを上げれば1時間で着くはずだ。
モララーに教えてもらった最短ルートを元に国道を駆け抜ける。
四駆を一つ、また一つと追い抜いていく。

ξ゚听)ξ「……………ん?」

私の前には黒い3台の車が走っている。

真っ黒なスモークガラスがまた異様な雰囲気を漂わせている。
私でさえ140kmを出しているのにまったく追い抜けない。
一体どのくらいスピードを出しているのか。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 19:18:06.39 ID:4UKfYSAlO<> うわあああああ!きたああまってたあああ!! <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 19:18:17.75 ID:k4S41qkb0<> (´・ω・`)支援なーの <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/25(土) 19:18:22.06 ID:7dGks9rl0<> しえ <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 19:18:57.85 ID:d2zz7omJP<> ξ;゚听)ξ「!!」

私がその車を何気なく見ていたその時だった。
おもむろに後部座席の窓が下がり、中から黒い小さな筒状の物体が現れた。
鉄のちくわかと思った私はどうやらお腹が空いていたのだろう。
その正体は、近づいて確認するまでも無かった。

拳銃だ。
拳銃だと気づいた次の瞬間に、その銃口は私に向けられているものだとわかった。
私はすかさずハンドルを切り、左隣の車線に逸れた。
予想通り銃は発砲し、私のヘルメットのすれすれを弾丸は通り抜けていった。
間違いない。奴らは私を殺す気だ。

ξ;゚听)ξ「こんな時に……!」

普段ならこんなケンカも簡単に受けていたが、事態が事態だ。
一刻も早く兄者にデータを渡さなければならないのに、遊んでいる場合ではない。
そう考えた瞬間、私は閃いた。
もし、あの車に乗っている連中も私と同じ目的だとしたら。

ξ;゚听)ξ「まさかあいつらシベリアの…!」

銃口の奥に光る顔をじっと見つめる。
瞳孔が開いた左目。
大きく白目を剥いた右目。
口からはダラダラと制御の利かない涎を垂らしていた。
<>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 19:20:01.83 ID:d2zz7omJP<> 彼らは弟者によって洗脳プログラムを埋め込まれた者達だ。
不気味で悍ましい。
あんな生き物がうじゃうじゃといる国へジョルジュは向かったのだと考えただけでゾッとする。
そのシベリアの男は私に向けて何発もの銃弾を飛ばしてきた。

ξ;゚听)ξ「うっ!」

命中率が高い。
的確に私の頭部を狙って来ている。
ヘルメットに何発もの弾丸が掠めた。
きっと奴らは洗脳される前、プロの殺し屋だったに違いない。
相手は動く対象であるのにこの命中精度。

単純に立ち向かっても勝ち目は無いだろう。
逃げ切れる可能性も無い。
クーのラボまで残り40分弱。
それまでにコイツらを何とかしなければ。

ξ゚听)ξ「………いいわ。上等じゃない」

ξ゚听)ξ「ケンカを売った相手を間違えたこと、思い知らせてやるわよ。」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 19:20:55.35 ID:3pSt3Bs9O<> ちくわしか持ってねぇ支援 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 19:20:58.56 ID:d2zz7omJP<> 残りの2台からも銃口が飛び出てきた。
そのうち一つはマシンガンだ。
両脇に付けられ、銃弾が飛んできた。
後方以外全てを塞がれた。

アクセル、ブレーキ、ハンドル……。
全ての操作を活かし、かわしていく。
マシンガンを避けることくらい、モナーさんの過酷な修業を受けてきた私達「Player」にとっては造作も無いことだ。

【全ての攻撃は点と線によって形成されている。】

モナーさんの教えだ。
銃も剣も殺傷能力を持つヵ所は点と線で出来ている。
その点と線の軌道さえ見極められれば、誰にでも脅威をかわすことができる。
戦闘ではいかに相手が回避できない点と線を生み出せるかで勝敗が分けられる。
私は連中の手元と銃口を見極め、確実に弾丸を回避することに徹した。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 19:21:07.36 ID:7dGks9rl0<> 支援よ <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 19:21:55.82 ID:d2zz7omJP<> ξ゚听)ξ「あれ………?」

ξ゚听)ξ「もしかして…………」

洗脳のせいだろうか。
連中は私の体を狙おうとしているが、カーチェイスでは必ず弱点となるタイヤを狙ってこようとはしなかった。
もしかしたら、彼らはただ一つの与えられた任務しかこなすことができないのだろうか。
仮にそうだとすれば、弟者を攻略することはそう難しい事では無いのかもしれない。

3台の車は国道を離れ、住宅街に入った。
もちろん私の目的地もその先にあるので彼らの後を追う。

ξ゚ー゚)ξ「……国道から出るまでに私を殺せなかったのは残念ね」

思わず笑みが漏れる。
まあヘルメットのおかげで相手にバレることは無いが。
国道のように直進しかできない道路で塞がれると私は防戦することしか出来ないが、一般道となれば別だ。 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 19:22:56.57 ID:d2zz7omJP<> 私は太股の外側に巻いていたホルダーに手を伸ばし、拳銃を抜いた。
もしも、銃撃戦になったらと備えていた銃だ。
そうむやみやたらに撃つことは許されない。

ξ゚听)ξ「まさかこんなにも早く使うことになるとは……」

備えあれば憂い無し。この言葉、よく噛み締めよう。
さて、ここからが問題だ。
何せ私は………

ξ゚听)ξ「狙撃は………」





大の苦手だ。




<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 19:23:50.57 ID:7dGks9rl0<> 支援 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 19:23:59.46 ID:d2zz7omJP<> ―10:21:47―

( ;・∀・)「ついに来たか………」

たった今、シベリア軍が水平線上に現れたという報告があった。
もう間もなく鉄の雨が降り注ぐ。
この国の統括を任されて早数年。
様々な事件、事故が起き、その都度神懸かりな政策を施してきたが、まさか戦争を体験するとは思わなかった。
もちろん過失は敵国に100%あり、国連に言えばかなりの損害賠償が貰える。

…しかし、そんなことは関係ない。
今回の相手は洗脳された国家と揺すられた中枢。
この戦争は不本意に起きたもので、誰も得をしない。
このまま黙って指をくわえて見ていれば、沿岸部の都市の被害は想像を絶するものになるし、なにより俺の国の資源が失われてはたまった物じゃない。
それにこの戦争は俺達「Player」が引き起こした事だ。俺達の手で片付けなくてはならない。

( ´_ゝ`)「よお、準備の方はどうだい?」

不意に後ろから声が聞こえた。
<>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 19:25:01.42 ID:d2zz7omJP<> ( ・∀・)「お前の弟のせいで胃が痛いな」

( ´_ゝ`)「そうか。……俺が謝った方がいいのか?」

( ・∀・)「それで腹痛が治るなら常時言い続けろ」

こんな緊急事態でも毒づけるのは今までかい潜ってきた経験のおかげだろうか。
正直に言えばこんな面倒な事はない。
当初の予定では今頃、他のメンバーと差を付け残り一日をどんなバカンスで過ごそうか考えていただろう。
その予定も、ジョルジュに邪魔をされツンに殺されかけ、挙句の果てに 弟者に稼いだ金を根こそぎ奪われる始末。
ぶち壊しもいいとこだ。

( ´_ゝ`)「モララー…俺は準備が整った。今から攻撃を仕掛ける」

( ・∀・)「そうか。俺も準備完了したところだ。…まあ防戦のだけどな」

コイツが平面世界で勝てばシベリアの洗脳は解け、わりと楽になるだろう。
仮想も現実も、戦争をしていることには変わりない。
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 19:25:09.70 ID:zwS9uzPqO<> リアルタイムとは……支援 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 19:25:58.68 ID:d2zz7omJP<> ( ´_ゝ`)「ああ。あんたが用意してくれたマシンのおかげでいい戦いが出来そうだ」

( ・∀・)「……言っておくが、俺はお前らと馴れ合うつもりは無いぞ」

( ・∀・)「まだゲームは終わってないんだからな」

今日中に弟者とショボンを討てばあと1日俺らには猶予がある。
その残り1日に俺は全てを賭けるつもりだ。

( ´_ゝ`)「あ、ああ、そういえばそうだったな」

( ・∀・)「まさかお前…忘れてたのか?」

( ´_ゝ`)「いやあ、長年のパートナーと対峙することになっては…それ以外の事なんて考えられん」

よくわからん。
まあ、とにかくコイツはリタイアする気なのだろう。
ライバルが減るに越したことはない。
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 19:26:02.77 ID:7dGks9rl0<> しえんた <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 19:26:57.69 ID:d2zz7omJP<> ( ・∀・)「頼んだぞ。お前の勝敗でこっちの戦況は左右される」

( ´_ゝ`)「ああ、あんたは大将らしく吉報だけを待ってな。」

兄者が拳を俺に突き付けた。
コイツと俺は一蓮托生。
今だけは相手を信じるしか無いのだ。

( ・∀・)「大将に向かって偉そうな口をきくなよ」

俺は笑いながら兄者の拳に自分の拳を当てた。
そのパーマ頭のつり目の男は隣の部屋に去って行った。

( ・∀・)「さて、そろそろ国を守ってくるかな」

シベリア軍、射程距離内接近まで残り20分。
残りの時間はどうしようか…。
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 19:27:46.72 ID:3pSt3Bs9O<> 支援 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 19:27:57.64 ID:d2zz7omJP<> ( ;><)「大統領!大統領!」

突然、部屋のドアが開きビロードが入ってきた。

( ・∀・)「何だ。騒々しいな」

( ;><)「すいません!その……えっと」

( ・∀・)「何だよ」

( ;><)「お、お客様がお見えに…」

( ・∀・)「客?そんな予定はな……………」

ビロードの後ろから一人の男性が入ってきた。
つい最近会ったばかりなのに懐かしく感じる顔だ。





爪'ー`)「やあ。あ〜…今、忙しいかな?」 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 19:28:57.07 ID:d2zz7omJP<> ―10:44:54―

人間には得意不得意がある。
私が得意なのは運転と計算。
でもまあ商売の為と言われれば何でも出来るかもしれない。
しかし、どんなに努力しようと、手に入れる事が出来ないものだってある。
私の場合はピストルだ。

敵を狙い撃つことができないのだ。
数撃ちゃ当たるがその数は数百発以上も必要だし、それでもたまにしか当たらない。
至近距離となれば当たるだろうが、それも100%とは言えない。
こんな拳銃一つあっただけでは無駄に終わるのも目に見えている。
まあ武器は拳銃だけでは無いのだが、それを使うのにも一苦労必要だ。

ξ゚听)ξ「さてと……もう時間も無いわね…」

クーのラボまでもう少しだ。
それまでにコイツらを叩き潰しておく必要がある。
弾数は9。制限時間は15分。
その上、苦手科目必修のテスト。

赤点は確実だ。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/25(土) 19:29:21.59 ID:7dGks9rl0<> ほう <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 19:29:39.68 ID:k4S41qkb0<> 爪'ー`)y-~ <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 19:29:56.63 ID:d2zz7omJP<> ξ゚听)ξ「ま、でも行かなきゃならないのよね」

私はアクセルを強く捻り、ハンドルを引き上げ前輪を浮かした。
後輪だけで前進、その後正面にいた車に接近し車のトランクの上に前輪を乗せた。
もちろん、動きを止めてはならない。
私にとっては何も変わらないが、奴らにとってターゲットの動きが止まることは絶好のチャンスになるだろう。

バイクから飛び降り、車の上に立つ。
私は腰に付けていた手榴弾を掴み、安全ピンを抜き、すかさず足元の車内に投げ込んだ。
爆破まであと4秒。
私はすかさず隣の車に飛び移った。

ξ゚听)ξ「来た!」

この瞬間が勝負だ。
私は銃を構え、飛び移る車とは別の、最後の1台のタイヤに向けて引き金を引いた。
撃つ弾数は7発と決めていた。
この7発に全てを賭ける。
飛び出した弾丸の振動が私の腕を伝わる。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 19:30:08.56 ID:4hDiAt7mO<> 久しぶり〜 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 19:30:57.06 ID:d2zz7omJP<> 私は車上に着地し、2台の車を見た。
先導を走っていた車はバランスを失い、ハンドルが効かなくなったのか蛇行運転になり、その拍子にブレーキを踏んだのか、急にスピードが下がった。
そしてその影響を受けたのがもう1台。
方向を見失った前方の車の側面部に衝突した。

そして訪れる死の時間。
衝突した車が大きな火柱と爆音を起こし爆発した。
手榴弾の爆発はガソリンに引火し、そのままもう1つの車にまで影響を及ぼした。

ξ;゚听)ξ「……成功したようね」

7発のうち少なからず1発は当たったようだ。
本当にひやひやした。
ここまで焦ったのは20代後半になったらもう胸は膨らまないというニュースを見たとき以来だ。

ξ゚听)ξ「さてと………残っているのは」

私の足元を見てみると、私を撃とうとしているが、自己防衛のためあまり顔を出そうとしないのと、無理な姿勢により全く的外れな方向に銃口が向いている銃が3つ。
私はマシンガンの銃口を掴み、その奥にいる男に拳銃を突き付け残りの2発を発砲した。
この距離ならいくら命中率の悪い私でも、ヘッドショットくらい可能だ。
今までガッチリと固まっていたマシンガンが一気に緩くなり、簡単に手に入れる事ができた。 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 19:31:56.54 ID:d2zz7omJP<> ξ゚ー゚)ξ「やっぱこれじゃないとね。」

私は車内にいる連中に銃を乱射した。
車内はおびただしい血で真っ赤に染まり、運転手がいなくなった車は舵を失い、フラフラとしだした。
私は車を飛び降りようと脚に力を入れた。

その時だった。

ξ;゚听)ξ「えっ!?」

私の足に何かが引っ掛かり車上に躓いた。

ξ;゚听)ξ「な、何が……!」

足元を見たら私の右足首に人の手が絡まっていた。
その手は車の窓ガラスの中から生えていた。

ξ;゚听)ξ「何を今更……!」

道連れだ。
この車は100mほど先にある民家に向かっている。
このまま捕まっていては私まで衝突に巻き込まれてしまう。
ここで奴の腕に目掛けてマシンガンを撃つことは容易いが、私の腕では自分の足まで撃ってしまいかねない。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 19:32:50.06 ID:7dGks9rl0<> しえしえ <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 19:32:57.20 ID:d2zz7omJP<> ξ;゚听)ξ「は、離しなさいよっこの変態…!」

体勢も悪く力も入らない。
まずい。民家までもう距離がない。

ξ;゚听)ξ「…………………………………」

ξ;゚听)ξ「よし……………」

私は意を決してマシンガンを手に取る。
マシンガンを足元に構え引き金を引いた。
連続して続く破裂音。
私の脚に鋭い痛みが走る。

ξ;゚听)ξ「ぐっ…………うう!」

歯を食いしばり耐える。
穴だらけになった手がようやく外れた。
私はすかさず足を振り上げ、
道路に転がり落ちた。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 19:33:00.34 ID:k4S41qkb0<> 爪'ー`)y―~ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 19:33:47.48 ID:glLLPoL00<> おおきてた! 支援! <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 19:33:57.14 ID:d2zz7omJP<> ξ;゚听)ξ「うっ!!」

肩を強く打ち、その場に倒れた。
数日前に負った怪我がまた痛みだした。
ヘルメットを外し、車の様子を見る。
車は民家の塀に激突し、動かなくなっていた。

ξ;゚ー゚)ξ「………ははっ…」

小さな笑みが浮かんだ。
達成感や安堵感から湧いた訳ではない小さな笑み。

私は息を整えると汗を拭って立ち上がり、痛めた足を押さえながらフラフラと歩き出した。
この足でもクーのラボまでなら後15分程で着くだろう。

ξ;゚听)ξ「……急ごう」

私の運びを待つ客がいる。
私の意志を待つ人がいる。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/25(土) 19:34:13.06 ID:7dGks9rl0<> しえ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 19:34:36.87 ID:4jEARk9NO<> 待ってたよ支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 19:34:42.75 ID:3pSt3Bs9O<> 支援! <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 19:34:49.20 ID:qwGurXci0<> 支援 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 19:34:56.06 ID:d2zz7omJP<> ―10:12:10―

('A`)「準備はいいか…?」

( ФωФ)「ああ。足を引っ張るような真似はするなよ」

('A`)「そっくりそのままテメーに返すわ」

俺達はせーのの掛け声で艦隊を飛び出した。
一か八かの大勝負だ。
負ければ即死。
当たれば俺の計画通りに事がうまく進む。

('A`)「いいか?よく聞け!!」

俺は大声で大衆に対して怒鳴りつけた。
目の前に群がるのはラウンジの800人以上にものぼる軍人達の姿だ。
こんなに多くの人の前で喋る事なんてベーシックスクールの朝会で夏休みの思い出について語った時ぶりだ。
だが、不思議と気持ちはあがらなかった。
命懸けだからだろうか。


('A`)「お宅らの隊長さんは俺が預かった!いいか?妙なそぶりを見せたらすぐに撃ち殺すからな!!」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/25(土) 19:35:50.25 ID:7dGks9rl0<> しえーん <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 19:35:57.52 ID:d2zz7omJP<> そう言って、俺は両手は縛られ、口を塞がれたロマネスクのコメカミに銃を突き付けた。
もちろん、その顔はラウンジのお偉いさんだ。
ラウンジの軍人は銃を俺に向けて構えるが、一人たりとも動こうとはしなかった。

('A`)「銃を下ろせ!それから車を1台用意しろ!」

俺とロマネスクはゆっくりと階段を降り、ただ相手の反応を待った。
軍人達はゆっくりと銃を下ろし、その場に立たずんだ。
よく見ると、軍人達の一部が何やらごそごそと話している。
もしかしてバレたのか?

('A`;)「…………」

( ФωФ)「大丈夫だ。バレはしない」

('A`;)「だといいんだがな……」

そのうち、一台のリムジンが港に到着した。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/25(土) 19:36:10.61 ID:iH/STdHv0<> 長いこと待ってた
支援! <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 19:36:29.55 ID:RuD+guwIO<> 支援 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 19:37:00.61 ID:d2zz7omJP<> そこまで高級車を用意しろといった覚えは無いが……まあバレてはいないようだ。
さあ変な真似をしないうちに車に乗り込もう。
俺はリムジンに向けて歩き出した。

('A`;)「………?」

( ;ФωФ)「誰だ…?」

その時、リムジンのドアが開き、中から一人の男が出てきた。


('A`;)「なっ…!」

( ;ФωФ)「…何故コイツがここに……!」




(´・ω・`)「やあドクオ。元気にしてたかい?」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 19:37:57.13 ID:7dGks9rl0<> 支援! <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 19:37:57.23 ID:k4S41qkb0<> (´・ω・`)やぁの <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 19:37:59.77 ID:d2zz7omJP<> ('A`;)「ショボン……!」

まさかこんなに早く出会えるとは。

(´・ω・`)「うちの艦隊をかなり荒らしてくれたそうだね。まったく……」

('A`;)「荒らしたのはおまえも同じだろうが」

(´・ω・`)「ああ、そういえばそうだったねw」

( ;ФωФ)「……………」

ショボンはクスクスと笑いながら会話を続ける。
一体コイツの狙いは何なんだ。

(´・ω・`)「ゴメンね。もうちょっと難易度を上げるつもりだったんだけど」

('A`;)「?…何の話しだよ」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 19:38:21.17 ID:3pSt3Bs9O<> ここにきて動きがめまぐるしくなってきたな

支援 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 19:38:57.66 ID:d2zz7omJP<> (´・ω・`)「ラウンジ上陸作戦さ。君達のレベルに合わせて人材、兵器を調整してみたんだけど」

(´・ω・`)「……予想以上に君達の方が上だったみたいだ」

('A`#)「ッ………!!」

人をコケにするのにも程がある。
落ち着け。
落ち着け。
今ここでキレても無意味なだけだ。

('A`#)「…言いたいことはそれだけか?俺は今から垂れ眉毛の猿狩りに出かけるんだけどな」

(´・ω・`)「え?………あっ、あーーゴメンね。いやいやすっかり忘れてたよ」

('A`#)「ああ?」

(´・ω・`)「いやね、実はドクオに見せたい物があるんだ。」

そういうとショボンは車の中から何かを取り出した。 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 19:40:01.50 ID:d2zz7omJP<> 横に長く、黒いハードケース。バイオリンでも入りそうなサイズだ。

('A`)「何だよ見せたい物って……」

(´・ω・`)「この前たまたま拾ったんだよ。とてもデザインがよくてさ」

そういうとショボンはゆっくりとケースを開けた。
中にはガラスケースが入っており、またその中に何かが入っていた。
俺はそれを一目見ただけで何なのかを理解した。

('A`;)「なっ……!!」

( ;ФωФ)「………?どうした?」

('A`;)「なんで…お前がそれを………」

(´・ω・`)「これいろいろと面白いんだよね。なんか真ん中の画面で緯度と経度を決められるみたいで」




('A`;)「なんでお前が…『ルーレット』を…!!」
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 19:40:07.73 ID:7dGks9rl0<> 支援 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 19:40:56.65 ID:d2zz7omJP<> 一体何がどうなってこうなった?
何故アイツがルーレットを手にしている?
ルーレットはツンが隠していたはずじゃないのか?

(´・ω・`)「一つ教えてあげようか」

ショボンが笑いながら言った。

(´・ω・`)「本気で僕と戦う気でいるなら…全ての言葉を気にした方がいい」

('A`;)「まさか……」

俺とツンの会話は全て盗聴されていたのか?

(´・ω・`)「君だけじゃない。『Player』通しの会話や情報は全て僕に伝わる」

(´・ω・`)「それを証拠に……」

ショボンはラウンジの軍人達を見てこう言った。

(´・ω・`)「みんな騙されちゃ駄目だよ。あの長官は偽物なんだから」 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 19:41:58.53 ID:d2zz7omJP<> ( ;ФωФ)「!!」

(´・ω・`)「あと彼ら意外に敵も味方もいないよ。たった2人だけ。だから……」



(´・ω・`)「あの2人、撃ち殺しちゃっていいよ」

( ;ФωФ)「ドクオ!逃げるぞ!」

俺はロマネスクの声に気付き、ショボンに銃を突き付けた。
しかし、この銃は万が一にロマネスクを撃ち殺さなければならない為に空砲にしておいた銃だ。
このままではショボンを殺せない。

('A`;)「くっそ!!」

俺とロマネスクは駆け出し、戦艦の中に逃げた。
ラウンジ軍の連中は一斉に銃を構え俺達に向けて発砲した。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 19:42:46.04 ID:7dGks9rl0<> しえしえ <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 19:43:03.94 ID:d2zz7omJP<> ( ;ФωФ)「おいドクオ!さっきショボンが持っていた奴はなんだ!」

手錠を外したロマネスクと共に戦艦内を駆け巡る。
間髪入れず、ラウンジ軍人は戦艦内に入ってくるだろう。
時間が無い。
俺達の時間もだが、奴がルーレットを手にしたのだ。
何を企んでいるのか想像がつかない。

('A`;)「アイツが手にしたのはラウンジじゃねえ!!世界だ!」

( ;ФωФ)「な、何を言って…」

('A`;)「話しはひとまず後だ!早く逃げないと殺されるぞ!」

俺とロマネスクは荷物を持ち、戦艦の後尾まで走り、そのまま海に飛び込んだ。
3mほどの水深の海。どこかに隠れなければ…。

('A`;)「糞…!遅すぎたか…」

ツンがラウンジに隠していると聞いたときに真っ先にショボンを疑うべきだった。
それなのに俺は、ルーレットが手に入るという高揚感が先回り何も疑うことはなかった。 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 19:43:59.21 ID:d2zz7omJP<> ショボンを討ち取る名目でラウンジに向かえば、すぐ手にすることができると考えいた為に、こんな下らないミスをした。
今は逃げることしか出来ないが、今日中に取り返さなければならない。

とにかく、ここから一刻も早く立ち去り、そしてロマネスクに事の重大さを伝えなければならない。

('A`;)「ロマネスク!さっさと泳ぎ切るぞ………」

('A`;)「あ…………あれ?」

あれ?
おかしい。海に入るまでは確認したはずだが…。

('A`;)「ロマネスク…?」

ロマネスクの姿が見当たらない。
奴は………どこへ……?
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 19:44:17.64 ID:3pSt3Bs9O<> 支援ー <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/25(土) 19:44:29.47 ID:k8qkbY4t0<> てst <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 19:44:52.24 ID:69zvCVvd0<> よくぞ戻ってきてくれた・・・支援 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 19:44:57.06 ID:d2zz7omJP<> ―10:28:24―

( ;・∀・)「お久しぶりです…フォックスさん…」

爪'ー`)「ああ、君が電話をくれたからね」

約一週間ぶりのフォックスさんはどこか悲しげな顔をしていた。
言わずもがなショボンと弟者の事だろう。

爪'ー`)「ブーンとクーには申し訳無いことをしたな…」

( ;・∀・)「いえ、フォックスさんのせいでは………それに、『ゲーム』など無くても、ショボンと弟者はVIPを潰すつもりだったでしょう…」

フォックスさんは俺の言葉に肯定せず静かに俯いた。

( ;・∀・)「フォックスさん、ここは危険です。もう間もなく戦争が始ま…」

爪'ー`)「…君には話しておかないといけないね」

( ;・∀・)「…………え」

フォックスさんは両手を後ろで組、俺に背を向けて話しはじめた。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/25(土) 19:45:14.82 ID:k8qkbY4t0<> >>103
れsてs <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>age<>2010/12/25(土) 19:45:22.78 ID:i6j1pGLYO<> 今期一番待ってた <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 19:45:52.17 ID:RuD+guwIO<> フォックスさん………? <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 19:45:58.09 ID:d2zz7omJP<> 爪'ー`)「モララー君、君は何故ショボンと弟者がこんな事をしでかしたと思う?」

フォックスさんの突然の質問に俺は少しだけ怯んだ。
この人は一体何を話すつもりなのだろう。

( ;・∀・)「それは……単に『Player』に辟易としていたとか…」

爪'ー`)「確かにその通りだろうね」

爪'ー`)「弟者は君達の中で、最も基礎能力が高かった男だ。モララー、君だって知っての通りだが」

( ;・∀・)「ええ………」

確かに否定はできない。
俺達がまだ研修の段階だった頃、2人、ずば抜けて目立った奴らがいた。
それはブーンと弟者だ。 ブーンは天の才能を持った男だった。
それゆえにこのメンバーの中で際立って見えた。
そしてもう一人が弟者。

奴もまた天才だった。
モナーさんが1を教えたら20まで吸収する男だった。
それゆえにモナーさんの期待も大きかったのだと思う。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 19:45:58.89 ID:/2TlxUYkO<> うお <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 19:47:03.55 ID:7dGks9rl0<> ふむ <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 19:47:20.61 ID:d2zz7omJP<> ( ;・∀・)「しかし俺は努力をしました。努力に努力を重ね、弟者と肩を並べる程に成長しました」

爪'ー`)「ああ、君だけじゃない。『Player』の人間全員が天才と言われる程に練磨した」

爪'ー`)「しかし、弟者だけは成長しなかった。彼は若い頃に飛躍した能力を持ったままの大人になっただけになってしまったんだ」

なんとなくフォックスさんの気持ちがわかる気がした。
いかに弟者がフォックスさんとモナーさんに愛されていたのかが伝わってくる。

爪'ー`)「もともと弟者はうるさい奴だった。常日頃『自分ができることはみんな出来て当たり前』と言っていたな」

爪'ー`)「大人になって落ち着いたと思っていたがそうじゃなかった。ただアイツは口を閉ざしただけだったんだな…」
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 19:47:28.03 ID:L3SjOG9lO<> 待ってて良かった!支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 19:47:48.15 ID:JO/HVJOIO<> お久しぶり <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 19:48:27.99 ID:3pSt3Bs9O<> 支援 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 19:48:57.68 ID:d2zz7omJP<> 爪'ー`)「確かに、弟者もショボンも『Player』にうんざりしていたと言う理由が当てはまるかもしれない」

( ;・∀・)「……?」

爪'ー`)「だがその理由にも理由が必要だ」

爪'ー`)「弟者でいうとさっき話したような……ね」

( ;・∀・)「ショボンは何か別の理由でも…?」

爪'ー`)「そう。君に話して起きたいのは彼、ショボンの事なんだ」

ショボンが一体何をしたというんだ…?
フォックスさんは一度ため息をし、言葉を発した。




爪'ー`)「実は…」
<>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 19:49:56.12 ID:d2zz7omJP<> ―10:49:23―
  _
( ;゚∀゚)「くっそ………っ!!」

俺は嵐のように飛び交う銃弾をなんとか防げる場所を見つけ、息を整える。
ここはどうやら廃墟ビルのようだ。こんな大きな通りに廃墟ビルがあるなんて……一体この国はどこまで崩れているのか。
  _
( ;゚∀゚)「あんな奴ら……俺にどうしろってんだよ……」

勝てる勝てないのレベルではない。
不可能なのだ。
俺は快適な空の旅を過ごした後、無事にシベリアに上陸。
そのまま弟者のいるビルを探すつもりだった。

兄者の話では首都にいることだけは確からしい。
しかし、首都には地獄と言い換えてもおかしくないような光景が待っていた。
殺傷能力の高い武器を構えた無数の人、人、人。
ビルの窓から、車に乗りながら、ヘリから、真っ正面から……。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 19:50:06.75 ID:qseber9lO<> うわ久しぶり
帰ったら読む支援 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 19:50:57.24 ID:d2zz7omJP<> 全ての国民が俺を目掛けて殺しにかかってきた。
今までに見たこともない敵の数。撃っても撃っても敵は減らない。
これも今までにいろんな人間を虐げてきた仇だろうか。
  _
( ;゚∀゚)「何人いるんだよ……聞いてねえぞこんなの…!」

こんなことになるならばロマネスクを連れてくるべきだった。
無意味な見栄を張ったことを後悔する。
俺はマシンガンのマガジンを入れ替え、深呼吸をした。
ツンに頼んで大量に武器を仕入れて貰った。
まあそれにも限度がある訳で。
  _
( ;゚∀゚)「とにかく…なんとかしねえとな…」

このまま逃げ回っても意味が無いことは俺がよく分かってる。
姉を殺したあの天パ野郎を原型を留めない程に殴り殺してやる。
その為には一刻も早く奴の元へ急がねば。

その瞬間、ビルの窓ガラスが割れ、何かが入ってきた。
人でも銃弾でもない何かだ。
銃を構え、じっと見つめる。よく見ると、それは犬だった。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 19:51:02.91 ID:7dGks9rl0<> しえーん <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/25(土) 19:51:52.34 ID:7UadY1D30<> 超まってたぞ!!!!支援 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 19:51:56.42 ID:d2zz7omJP<>   _
( ;゚∀゚)「い……犬?」

様々な犬種の犬が7、8匹。
何故犬がここに?
俺は噛み付かれないよう警戒したが、ふと犬達の口に何かが入っていることに気がついた。
入っていると言うよりはくわえていると言った方が正しい。

そのものは鉄のような色をしており、楕円形の…………
  _
( ;゚∀゚)「あ………………」

まずい。
やっと事の重大さに気づいた。

  _
( ;゚∀゚)「し……………」



  _
( ;゚∀゚)「手榴弾だああああ!!」
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 19:52:02.14 ID:3pSt3Bs9O<> 支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 19:52:08.67 ID:u+LVEBJgO<> 支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 19:52:26.67 ID:7dGks9rl0<> おぅふ <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 19:52:58.66 ID:d2zz7omJP<> 俺は急いでビルの外に飛び出した。
それとほぼ同時にビルから熱い光りが見え、大きな爆発を起こした。
爆風の風圧により俺は予想以上前に飛び、道路に転がり落ちた。
  _
( ;゚∀゚)「ハァ…ハァ…そうだっ…!姉貴の…犬」

姉貴が弟者に殺された時にアイツが姉貴の犬を操っていたのを思い出した。
弟者は脳がある生物なら全て操る事ができるのだ。
  _
( ;゚∀゚)「何だよあの犬共っ…!」

ハッとなって当たりを見渡す。
回りには銃に鎌や鉄パイプ、シャベルや包丁を持った人々が俺の回りを囲んでいた。
右目の瞳孔は開き、左目は白目を剥いていた。
ダラダラと垂れる涎がまた気味悪さを出していた。
  _
( ;゚∀゚)「ハッ…ハハハッ!………ハハハハハハハハハ」

俺は笑いが止まらなかった。
まさに文字通りの絶体絶命、四面楚歌。
この9日間いろんな修羅場を乗り越えてきたが、ここまで追い込まれたことも無かった。
どうやら俺はここで命を落とすらしい。
<>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 19:53:58.75 ID:d2zz7omJP<> 意外と短い人生だったな。
まあ美人の女の子達をたくさん抱けたし、金もがっぽり稼いだ。
楽しかったといえば楽しかったのかもしれない。
今まで行って来たことに罪悪感は感じないし、謝罪の気持ちはこれっぽっちも無い。
まあこんなシチュエーションで死ぬのも悪くないだろう。
  _
( ; ∀ )「……………………ん」

  _
( ; ∀ )「……んなわけねーだろ」

やり残した事なんて山のようにある。
その山頂には奴が、弟者が居座っているんだ。
俺の姉を、親父を……家族を奪った男。

最低でも死ぬのは奴を殺してからだ。
再度俺の顔に笑みが戻ってくる。
不思議なことに、先ほどの絶望感は消え去っていた。
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 19:54:56.60 ID:7dGks9rl0<> sien <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 19:54:56.97 ID:d2zz7omJP<>   _
( ゚∀゚)「フッ……アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」
  _
( ゚∀゚)「皆様方!!今日は本当に運が良い!!」
  _
( ゚∀゚)「皆様はご覧になったことがありますか?国を敵に回した男を!何百という人間と立ち向かった男を!」
  _
( ゚∀゚)「……その絶体絶命的な状況を潜り抜けた男を」

俺は立ち上がり、両手を広げ淀んだ空を仰いだ。


  _
( ゚∀゚)「………さあさあ始まりますはマジカルショー!!皆様には今日、奇跡を体験していただきます!!」

俺はダイナマイトを4本取り出し、ライターで火を付ける。
最前列で構えている連中はマシンガンで撃ち殺し、その後屈んだ姿勢で人混みの中を泳いだ。
その途中途中でダイナマイトを捨てていく。
<>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 19:55:58.74 ID:d2zz7omJP<>   _
( ゚∀゚)「見つけたぜ……お前らの弱点」

最初はゾンビのような物だと思っていたが、考えて行動することはできるし、防衛本能も備わっていた。
俺が投げた手榴弾は全力で避けようとするが、俺が張った罠にはいとも簡単に引っ掛かった。
  _
( ゚∀゚)「お前らは『俺』しか見えていないんだ」

俺が動けばそっちを見る。
俺が走れば付いていく。
奴らの危機回避反応は俺から発した物にしか対応できないのだ。

なんというスター性。我ながら震えが止まらない。
ダイナマイトの導火線が限界に達し、激しい光と熱を生み出した。
その場にいた連中は吹き飛び、辺りには煙が立ち込めた。

  _
( ゚∀゚)「まずは消失マジック」
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/25(土) 19:56:31.99 ID:iH/STdHv0<> しえん <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/25(土) 19:56:36.95 ID:Gb+WKKdi0<> ジョルジュかっこよす <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 19:56:57.67 ID:d2zz7omJP<> 俺は煙の中に紛れ込み、次の準備に入る。
これにより銃を持った連中はターゲットを見失った為に行動を停止する。
所詮はお前のプログラムにしかすぎねえんだよ、弟者。
ここまで来れば後は簡単だ。
適当に遠くの方へ手榴弾を投げつければいい。

音の方に全員が反応し、あわよくばオンゴールを大量に決めてくれるかもしれない。
そして偶然にもこの煙幕の中で俺と出会ってしまった幸運な奴には俺自らの手で華麗なナイフ捌きを披露してあげている。
相手は朧げな俺の顔を見分ける事もなく、首から大量の血を流しているのだろう。
  _
( ゚∀゚)「……切断マジックは如何でしょうか?」

俺は空を見上げ、ビルを見る。
煙のせいでビルの詳細はわからないが、とにかく一番高いビルを探す。
  _
( ゚∀゚)「……この中ではあれが一番か」

200m程先にある高層ビル。
ここ一体の建物の中ではあれが一番最大だろう。
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 19:57:12.07 ID:u+LVEBJgO<> しえ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 19:58:10.65 ID:1JK9f231O<> くっそージョルジュいいキャラしてんなぁ大好きだ
支援 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 19:58:57.04 ID:d2zz7omJP<> よし、あれを狙おう。
俺は一目散に駆け出し、ビルに向かった。
煙も収まり、俺を見つけたシベリア国民達は一斉に襲い掛かった。
  _
( ゚∀゚)「さあ皆様!今日の大目玉!浮遊マジックをご覧あれ!!!」

俺は自分が所持している全ての爆弾に火を点火した。
この量さへあればビルの一フロアを吹き飛ばすくらい造作も無い。
ビルの窓ガラスをマシンガンで割り、中に侵入。
そのまま中央の大きな柱の根本に爆弾を全て置いてきた。

これで準備は全て完了だ。
俺は全力でビルの反対側まで駆け抜け、外に飛び出した。
もちろん、俺の後を付いてきた連中は数えきれないほどいた。
  _
( ゚∀゚)「さあ、グランドフィナーレをお楽しみください!」

俺は限界まで走り抜け、できる限り安全な場所まで向かう。

5……4…3……2…1

<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 19:59:54.33 ID:7dGks9rl0<> しえしえん <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 19:59:58.02 ID:d2zz7omJP<> 導火線が燃え尽きた爆弾が一斉に輝きだす。
ビルはけたたましい轟音を鳴らし強烈な熱風を生み出した。
俺が目安で判断した安全へのボーダーラインを越えても風圧は衰える事無く俺を巻き込んだ。
もちろん、ビルの中にいた人間は全員助からないだろう。
  _
( ゚∀゚)「…ショーはまだ終わってませんよ」
  _
( ゚∀゚)「アンコールに答えないと」

こっから先は賭けだ。
VIPやラウンジと比べ、まだまだ発展途上のシベリア。
全ての建築物の造りが完全ではないとはこの国の首都に何度も立て篭もった俺が一番よく分かっている。
  _
( ゚∀゚)「さぁ!倒れろ!!」

支柱を破壊されたビルはバランスを失い、ゆっくりと傾いていく。
傾く位置は計算できた。
残る問題はこれによりどれだけの人間に被害を与えることができるのか。
俺はさらな遠くへ走り出した。

ビルの倒壊による影響はさっきの爆発の比ではない。
最低でもビルが手の平に収まるほど遠くまで避難しなければ安全とは言えないだろう。
そしてビルは凄まじい程の悲鳴をあげ、地面に叩き付けられた。
倒れた衝動により地響きが広範囲にまで広がり、俺がいる位置では何かにしがみつかなければ立つことさえままならない状況になっていた。
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 20:00:19.43 ID:3pSt3Bs9O<>   _
( ;゚∀゚)「手榴弾だああああ!!」

(兵;¢д¢)「ミルナ=クォッチだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 20:00:41.32 ID:M/5vAR5eO<> ついに来たか支援 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 20:01:15.07 ID:d2zz7omJP<>   _
( ゚∀゚)「はっ………見たかよ弟者…」

  _
( ゚∀゚)「お前がいくら人間を操ろうと、俺には敵わねえんだよ!!」

俺は汗を拭いそのまま駆け出し、弟者の居場所を探す。
いちいち休んでいる暇などない。
  _
( ゚∀゚)「待ってろよ弟者!すぐに見つけだしてぶっ殺して………」

  _
( ;゚∀゚)「…………………」

  _
( ;゚∀゚)「……………………………は?」

俺はあまりの事に足を止めてしまった。
俺の目の前に広がる光景に唖然としてしまった為だ。
  _
( ;゚∀゚)「なんだよコイツら……」
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 20:02:01.28 ID:7dGks9rl0<> しえ <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 20:02:32.10 ID:d2zz7omJP<> そこにいたは片目が白目を剥いている。虎やライオン、熊、豹、チーター等の肉食動物が俺を囲んでいた。
どれもこれも人間では素手で勝てないものばかりだ。
遠くをよく見ると小さく『zoo』と書かれた看板がある。
まさかこいつらを檻出したというのか。
あの猛獣達の目…あきらかに洗脳をされている。

『脳がある動物は洗脳の対象になる』

分かっていたはずなのに、何も対策を練ろうとはしなかった。
なんだこの状況は…ギャグ漫画か?
非常にまずい。
マシンガンの弾は取り替えなければならないが、もうそんな暇は無いだろう。
武器も無ければ逃げることも出来ない。
  _
( ;゚∀゚)「糞っ……!」
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 20:04:31.84 ID:3pSt3Bs9O<> 支援 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 20:04:38.55 ID:d2zz7omJP<> どうする?
どうすればこの状況を打破できる?
俺には考える時間すら許されなかった。
次の瞬間には牙を光らせた猛獣達が一斉に襲い掛かってきた。
  _
( ;゚∀゚)「あ…………………」







  _
( ;゚∀゚)「ああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」



<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 20:06:13.88 ID:k4S41qkb0<> (´゚ω゚`)あああ! <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 20:07:03.21 ID:j6qm51gyQ<> 支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 20:07:58.48 ID:7dGks9rl0<> 南無 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 20:08:02.31 ID:3pSt3Bs9O<> オシシ仮面ばりの詰みっぷりだな <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 20:10:20.13 ID:u+LVEBJgO<> しえしえ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 20:11:14.13 ID:k4S41qkb0<> (´・ω・`)さるさる? <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 20:11:57.92 ID:d2zz7omJP<> ―10:31:00―

コーヒーを一口口に含み、喉に苦みを与える。
キャスター付きの椅子に深く座り、ディスプレイを覗き込んだ。
そこに並んでいるのはその世界を組み立てる為の言語。
奴の強硬な城壁でもあり俺の強靭な武器でもある。
俺が組み立てた世界がどこまでアイツの世界に通用するか……。

( ´_ゝ`)「思いもしなかったよ……俺がお前と向かい合うなんて…」

( ´_ゝ`)「たった数秒生まれて来る順番が早かっただけで俺は兄。お前は弟になった」

未だに俺はお前の思考がわからないままだ。
何のための国取り合戦なのか。
何のためにモナーさんとクーを殺さなければならなかったのか。

( ´_ゝ`)「この勝負が終わったら……教えてくれよ」

俺はマウスを握り、ウィンドウを開く。
回線を伝い、仮想の世界へダイブする。
この広大な海が俺達の戦場だ。


<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/25(土) 20:12:04.82 ID:Gb+WKKdi0<> おさるさんはきえろー! <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 20:12:58.13 ID:d2zz7omJP<> 今まで俺達は「ポケットテン」と名乗り、様々な財宝を奪ってきた無敵の海賊だ。

……………った。
この戦いが終わったら俺達は2度と出会うことは無いだろう。
これも全ては奴の作戦だったのだから。
ネット世界を泳いでいるうちにやがて一つの島にたどり着く。

この島はシベリアの国内回線だ。
弟者が全世界からこの島の存在を隠し、一度は侵略が困難に思われていた。
が、昨日一日中、必死に探し続けたおかげで、ようやくこの島を見つける事ができた。
ただこの島には立派な巨大要塞で覆われており、簡単に侵入できそうにもない。

( ´_ゝ`)「ふ…さすが俺の自慢の弟だな。兄ながら感心するよ」

弟者を攻略するには大雑把に3つのプロセスが重要になる。

1、シベリアの回線を見つける事。
2、回線にアクセスし、システム内部に侵入する。
3、プログラムを全て破壊し、機能を停止させる。

既に1はクリアしたので、残るは2つ。

この要塞を突破しシベリアの回線にアクセスしなければならない。
どうやら指定されたIPアドレスからでないとアクセスできない仕様になっているようだ。
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 20:13:15.92 ID:7dGks9rl0<> しえん <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 20:13:21.48 ID:m27jwDqc0<> ギャングきてたああああ
支援 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 20:13:57.15 ID:d2zz7omJP<> ( ´_ゝ`)「…ここまでは優しい歓迎だな」

俺は枠外をクリックし、長く細かい文字が羅列したウィンドウを見る。
この小さな文字の一つ一つが俺が用意した武器だ。
今回俺は2つ兵器を持っている。
だが、そのどちらも弟者に勝つには及ばない代物だ。

( ´_ゝ`)「要は使い方なんだよな」

俺は1つ目の兵器を発動する。
ネット世界ではこれは一体どんな風に見えているのだろうか。
俺はエナジーボールのような禍々しい色をした光の玉のようなものをイメージした。

このエナジーボールの効果は、嘘の信号を送り続けられるというものだ。
つまり、三角形も台形になるし、ハロウィンだってクリスマスになる。
信号上ではどんなものも自由自在に書き換えられるのだ。
今回はVIPからの信号である俺のアクセスをシベリアからの信号に書き換え、中に侵入する。

( ´_ゝ`)「おじゃましまーすっと…」

エナジーボールは光だし、俺の船をコーティングしていく。
おんぼろなボートが、シベリアの軍艦に早変わりだ。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 20:14:42.79 ID:3pSt3Bs9O<> 支援 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 20:14:56.97 ID:d2zz7omJP<> 俺は軍艦に乗り、要塞で唯一出入りできるゲートまで移動する。
ゲートには門番が2人いたが、シベリアの軍艦だと分かればすぐにゲートを開いた。

( ´_ゝ`)「さあ…ここからが正念場だな」

要塞の中は迷宮のように複雑で単純に進もうとしても一筋縄では行かないようだ。
しかし、俺はこの迷宮さえも嘘にする。
エナジーボールはまた光り出し、船を半透明にした。
これにより、目の前にどんな壁があろうとも気にすることなく前に進むことができる。
俺は帆を張り、風を受けスピードを上げる。

障害物はすり抜けぐんぐんと前に進む。
気が付けば、目の前に大きな扉が見えた。
システムの入り口だ。
俺は入り口を目掛け一直線に進む。
その時だった。 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 20:15:59.37 ID:d2zz7omJP<> ( ´_ゝ`)「!!」

エナジーボールに大きな亀裂が生まれた。
そしてその亀裂は徐々に広がり、やがてボールは粉々に砕け散った。
その次の瞬間、海の中から突き上げた大きな壁が目の前に立ちはだかり、進路を阻む。

( ;´_ゝ`)「……お出ましか」

ビルのように高くそびえたった壁の上に、奴はいた。
この壁は一体何を示すのか。
俺とお前の距離か?
俺とお前の格差か?



画面に一つの文章が浮かび上がった。




(´<_` )『…よう兄者。元気にしてたか?』

<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 20:16:01.06 ID:RuD+guwIO<> なんというハイレベルな兄弟喧嘩 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 20:16:57.68 ID:d2zz7omJP<> ( ´_ゝ`)『久しぶりだな…懐かしすぎて涙が出たわ』

(´<_` )『俺もだよ。…あれから大嫌いなアンチョビは食べれるようになったのかい?』

( ´_ゝ`)『いいや。お前こそフリーフォールのアトラクションには乗れるようになったか?』

(´<_` )『あんなもん人間の乗るものじゃない。シベリアにある奴は全部運営を廃止した』

( ´_ゝ`)『やだこの子…国家規模でワガママ』

俺は思わず笑みが零れた。
そうだ。俺たちはこんな下らない会話の後は決まってこう言うんだ。



( ´_ゝ`)b『流石だよな、俺ら』d(´<_` )

俺達は決まってするグッドポーズを決める。
おそらくこの親指もこれが最後になるだろう。

(´<_` )『何しに来たんだ兄者…。侵入方法といい、穏やかじゃねぇな』

( ´_ゝ`)『気にするな。ちょっとお前のプログラムをぶっ壊しに来ただけだ』

<>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 20:18:22.85 ID:d2zz7omJP<> (´<_` )『…そうか……もうそっちはエイプリルフールの季節か』

( ´_ゝ`)『残念だがお前の野望は今日で終わる』

(´<_` )「………………」

( ´_ゝ`)『お前はモナーさんを殺した。この罪は俺らで裁く』

(´<_` )『ああ、ジョルジュのことか。アイツなら今頃シベリアの人間に殺されているだろう』

( ´_ゝ`)『……お前の狙いは何なんだ』

(´<_` )『驚いた。俺は兄者に動機を語るほど舐められていたのか』

どうやら、俺達の間にはもう何も残っていないようだ。
【ポケットテン】とはなんだったのか。

(´<_` )『一つ質問してもいいか?』

弟者が唐突に尋ねる。

( ´_ゝ`)『……何だ』

(´<_` )『もし俺がモナーさんを殺す計画にあんたを誘っていたら…どうしてた?』 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 20:18:26.36 ID:7dGks9rl0<> ああ… <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 20:19:19.10 ID:u+LVEBJgO<> いいコンビなのになあ <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 20:19:57.61 ID:d2zz7omJP<> ( ;´_ゝ`)「…………」

俺は何も言い返せなかった。
俺はその時…どっちを選んでいたのだろうか。

(´<_` )「……………………」

(´<_` )『そういうことだよ…兄者。それが俺達の壁だ』

(´<_` )『俺が兄者に何も言わなかったのはこうなることを予想していたからだ』

( ;´_ゝ`)『やめてくれ………』

(´<_` )『あんたは生涯を共にした俺よりもあの死にぞこないを選んだ』

( ;´_ゝ`)『やめろ………』

(´<_` )『それでも胸を張って言えるのかい?俺が裏切り者だと』

( ;´_ゝ`)「やめろ!!!」

俺は怒鳴り声を上げ、デスクに拳を打ちつけた。
コーヒーの入ったマグカップがデスクから落ち、割れた。
コーヒーは床にぶちまけられ、その水滴が足にかかった。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 20:20:22.36 ID:1JK9f231O<> せつねぇ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 20:20:48.01 ID:7dGks9rl0<> 支援 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 20:21:28.60 ID:d2zz7omJP<> 何も言えなかった。
そうだ。本当の裏切り者は俺なんだ。
弟者との距離を縮めようともせず、理解しようとせずに、こんなときだけ「気付けないのも無理はない」
俺はただ才能から逃げていただけだ。

(´<_` )「…………………」

(´<_` )『……そろそろ話も終わりにしようか』

弟者がそう言うと俺の前に立ちはだかっていた壁が大きく変化した。
コンクリートのような無機質な壁が鋭く精錬された大きな刃物になった。

(´<_` )『もうあんたは仲間じゃ無いんだ。これ以上馴れ合うつもりも無い。』

(´<_` )『こいつで兄者の回線を切断しよう』

俺はかつての仲間ではなく、ただの侵入者過ぎないらしい。
弟者が手をあげた瞬間にその刃が俺の頭上に振り下ろされた。
架空世界の俺の体を真っ二つに切り裂き、戦艦は豆腐のように簡単に割れた。
そのままゆっくりと海底に船は沈んでいった。

(´<_` )『まあ今のアンタならこのくらいできれば上出来だよ』

弟者は鼻で笑いながらその場を後にしようとした。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 20:21:38.58 ID:RuD+guwIO<> 弟者……… <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 20:23:03.27 ID:d2zz7omJP<> (  _ゝ )『…そうか。なら俺はお前と立ち向かえることができそうだ』

(´<_` ;)「なっ……!」

(  _ゝ )『わかった。お前も俺を好きなだけ裏切り者だと思えば良い』


( ´_ゝ`)『そうすれば、無駄な心配は必要無いからな』

海に沈んでいく艦がフッと消え去り、俺は弟者の背後に立っていた。
( ´_ゝ`)『そのIPアドレスは嘘だ。また別のアドレスに入れ替えておいたのさ』

(´<_` ;)「………………」

(´<_` )『…わかったよ兄者。』



(´<_` )『アンタには徹底的に格の違いを見せ付けないとダメらしいな』 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 20:24:02.52 ID:d2zz7omJP<> 戦艦から巨大なガトリングキャノンを出した。
このキャノンで要塞中を破壊し、その中にあるシステムの入口を見つける。
俺は間髪入れず、砲弾を発射した。

(´<_` )『そんなもんでよくシステムを破壊する気でいるな』

ガトリング弾が要塞に届く手前で突如、金属製の熱い壁が立ち塞がった。
弾は全てそこに当たり、貫通することの無いままポロポロとこぼれ落ちて行った。

( ;´_ゝ`)『糞…ウォールか……』

(´<_` )『俺が作り出した最強の除菌プログラムだ。どんなに巧妙なウイルスでも通させやしないぜ』

( ´_ゝ`)『だったら……3倍の量だったらどうだ?』

戦艦からもう2台のキャノンが現れる。
そしてその3台により一斉に砲撃を発動した。

(´<_` )『無駄だ』

海面から大きな高波が飛び出し、砲弾を全て飲み込んだ。
何百と撃ち放った砲弾は1発も要塞に当たらない。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 20:25:02.83 ID:7dGks9rl0<> 支援支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 20:26:54.03 ID:3pSt3Bs9O<> 支援! <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 20:29:04.10 ID:3pSt3Bs9O<> 支援ブースト <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 20:30:14.17 ID:O4h6DudJ0<> 支援 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 20:30:30.10 ID:d2zz7omJP<> ( ;´_ゝ`)「全くでたらめな世界だよ…」

(´<_` )『そろそろ自分の心配をしたらどうだ?』

画面を見ると、大きな高波がゆっくりと鋭い三叉の矛へと形を変えていく。
まずい。
俺は急いでキーボードを叩き、エナジーボールを起動させる。
あの矛が船を貫いたら、一貫の終わりだ。

(´<_` )『落ちろ』

矛は真っ逆さまに戦艦を目掛けて落ちてきた。
まだエナジーボールは発動していない。

( ;´_ゝ`)「糞っ!!」

矛はそのまま戦艦を貫き海に飛び込んだ。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 20:30:58.05 ID:m27jwDqc0<> 支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 20:31:20.70 ID:u+LVEBJgO<> 支援 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 20:31:59.11 ID:d2zz7omJP<> (´<_` )「…………………」



(´<_` )『……また逃がしたか』

( ;´_ゝ`)「ハァ…ハァ…」

間一髪でエナジーボールは起動し、戦艦の位置をもう一度『嘘』にした。
本当に一瞬を争う事態だった。

(´<_` )『そこか』

俺が体勢を整えた時には、もう弟者は攻撃の準備をしていた。

( ;´_ゝ`)「…クッ!」

追い撃ちをかけるように矛が戦艦を襲う。
その都度俺は『嘘を』生み出し、攻撃を回避する。
避けても狙われ避けても狙われ…
次第にそのインターバルは短くなっていった。
<>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 20:32:58.74 ID:d2zz7omJP<> (´<_` )『どうした?俺はてっきり兄者が攻め込んできていると思っていたが』

( ´_ゝ`)『気にするな。反復横跳びの練習だ』

(´<_` )『そんなことしたってモテない奴はモテないんだよ』

( #´_ゝ`)『シャラップ!!』

確かに弟者の言う通りだ。
いや、モテないとかの話しじゃなくて…
だからモテない事は関係ない…………。
いや、だから俺がモテるかどうかは今はいいか……
…いや、モテることにはモテるんだよ。
でも寄ってくる女がブスばっかで……

(´<_` )『ようはモテないんだよ』

( ´_ゝ`)『いいから黙れよ』 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 20:34:00.39 ID:d2zz7omJP<> 確かに弟者の言う通りだ。
俺は攻め込みに来たのに結局は防戦の一方だ。
エナジーボールも解析されるのも時間の問題だ。
もはや俺には敗北以外の道は残されていないのか。

( ;´_ゝ`)「どうする………考えろ…考えろ」

(´<_` )『兄者……朗報がある』

突然、弟者が話しかけてきた。
嫌な汗が体を伝う。

(´<_` )『その嘘つきのプログラムだが……』




(´<_` )『解析が完了した』

( ;´_ゝ`)『な…………………何…だと?』 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 20:34:05.64 ID:m27jwDqc0<> 支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 20:34:25.55 ID:7dGks9rl0<> しえーん <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 20:35:00.91 ID:d2zz7omJP<> (´<_` )『もうそれを使っても無駄だ。それは簡単に解除をすることができるからな』

( ;´_ゝ`)『まさか…』

非常にまずいことになってしまった。
弟者の口にしたことはまず本当のことを言っていると思っていい。
なぜなら弟者はとてもプライドの高い男で、ハッタリなど見え透いたような嘘を嫌う男だったからだ。
ハッタリとはつまりその人間の能力の限界を示すものであり、弟者はなによりも嫌っていた。

つまり弟者は確実にエナジーボールのシステムを見切ってしまったのだ。
もうエナジーボールは使えない。
それは防御不能を意味していた。

( ;´_ゝ`)「駄目だ……終わった………」

俺はまた負けたのだ。
一生弟に勝てないクズの塊。
もう一つの兵器が残っいるが、あれは確実にプログラムを破壊するチャンスが無ければ意味のない代物であり、この絶望的状況を打破できる物ではない。
攻めもできなければ守れもしない。
裸で戦場のど真ん中に突っ立ってしまった。
俺は髪をぐしゃぐしゃと掻き毟り、声にならない叫び声をあげた。


(´<_` )『短かったが…まあ楽しめたよ』

弟者は最後にこう言った。


俺は負けたのだ。 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 20:36:00.03 ID:d2zz7omJP<> 矛が降ってきた。
俺はせめてもの足掻きとして、ブロックを張った。
市販で売られているようなウイルスブロックソフトだ。
矛は壁に突き刺さり、砕け散った。

(´<_` )『最後の最後でこんなみっともない事を…』

弟者の腕ならば、こんな子供騙しな壁など10分もあれば無効になってしまうだろう。
結局、俺はただの凡才にすぎなかったのだ。

( ; _ゝ )「すまない……みんな」

俺は静かに目を閉じた。








閉じかけたその時、ディスプレイの右下が点滅していることに気がついた。
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 20:36:18.96 ID:qaMNI2I60<> まってた!しえん! <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 20:36:43.71 ID:m27jwDqc0<> お <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 20:36:45.10 ID:A/xyFJ+UO<> もう来ないかと思ってたのに…
うれしすぎるやったー支援 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 20:37:03.95 ID:d2zz7omJP<> ( ;´_ゝ`)「な、なんだ………?」

俺は目を見開き、そこにカーソルを合わせ、クリックする。
そこに表示されたのは一つの文章。    


 
               You gat Mail.



( ;´_ゝ`)「メール…?」

送り主は…






ツンだった。



<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 20:37:18.14 ID:7dGks9rl0<> がんばれー <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 20:38:09.86 ID:m27jwDqc0<> 逆転くるー <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 20:38:25.53 ID:RuD+guwIO<> !? <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 20:39:05.75 ID:u+LVEBJgO<> しえ <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 20:39:13.88 ID:d2zz7omJP<> スペルミス

gat→got <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 20:40:57.13 ID:d2zz7omJP<> その直後に携帯電話が鳴り出した。
ツンからだ。

( ;´_ゝ`)「もしもし!ツンか?」

ξ;゚听)ξ『あっ、どう?届いた?』

電話の向こうには確かにツンがいた。
息が荒いが元気そうだ。
そうだ、まだ俺には切り札があったんだ。

( ;´_ゝ`)「ああ、届いた。ありがとう、これでなんとかなるかもしれん」

ξ;゚听)ξ『…もしかして…今とってもピンチだったりする?』

( ;´_ゝ`)「……ああ。かなりな」

ξ;゚听)ξ『そう……なら貸し付けとくわよ』

( ;´_ゝ`)「勘弁してくれ。モララーにいくら借りてると思ってるんだ」 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 20:41:58.62 ID:d2zz7omJP<> ξ゚听)ξ『兄者…』

( ´_ゝ`)「なんだ?」

ξ゚听)ξ『必ず勝ちなさいよ』

( ´_ゝ`)「………ああ」

俺達は小さく笑いあった。
希望が見えた。
勝機が現れた。

ξ゚听)ξ『ってかあんたよく私の電話番号覚えてたわね。もう消したのかと思ったわ』

( ´_ゝ`)「……言っておくが、一応は同期だからな」

ξ゚听)ξ『そういえばそうだったわねw』

( ´_ゝ`)「忘れるなよ……あ、そうだツン」

ξ゚听)ξ『何?』

( ´_ゝ`)「もう一つ…頼みたいことがあるんだ」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/25(土) 20:42:23.40 ID:7dGks9rl0<> しえん! <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 20:42:46.54 ID:m27jwDqc0<> しえ <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 20:42:56.23 ID:d2zz7omJP<> 俺は電話を切ると、椅子に腰掛けディスプレイを見る。
幸いにもまだ壁は破壊されていないようだ。
俺はツンから送られてきたメールを見る。
たくさんのデータが一度に添付されていたがその中にナノマシンのアンチプログラムがあった。

( ´_ゝ`)「よし!これさえあれば………!!」

しかしよく見てみると、このアンチプログラムデータは暗号化が施さされていた。
このままではプログラムとして成り立たない。
今から解読して間に合うかどうか………。

( ;´_ゝ`)「仕方ない…一か八かこれを使おう」

俺は別ウィンドウを開き、最後のプログラムを取り出す。
これは俺のもう一つの兵器だ。
この先どうなるか分からないが、賭けに出るしかない。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 20:43:03.12 ID:lXarTu47O<> フルコートのD <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>age<>2010/12/25(土) 20:43:05.64 ID:i6j1pGLYO<> こんなに嬉しい事は無い支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 20:43:31.19 ID:m27jwDqc0<> しえ <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 20:44:08.50 ID:d2zz7omJP<> 【敵と接点を持った時から全てを思い出せ。必勝法はその中に必ずある】

モナーさんの教えだ。
同じ母親から生まれ、共に育ち、共に学び、共にモナーさんに引き取られ、
共に活動して、そして決別し、向き合った生涯のこれまでに、弟者を倒す方法があるはずだ。
奴との記憶を辿っているうちに一人の女性の顔が浮かんだ。

( ´_ゝ`)「ツン…………」

俺と弟者と共に「Player」に入った女。
弟者の元恋人であった女。

( ´_ゝ`)「よく番号を消さなかったって………」

当たり前だろう。






ずっと好きだった女を……そう簡単に消せるかよ。


<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 20:44:59.01 ID:m27jwDqc0<> せつねえ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 20:45:35.20 ID:7UaXJbS30<> 趣味悪いな <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 20:45:39.09 ID:3pSt3Bs9O<> 支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 20:45:46.92 ID:TsXm6ukOO<> 本当に来てたw
支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 20:45:53.08 ID:RuD+guwIO<> 兄者は恋でも弟に完敗だったのか……… <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 20:46:05.34 ID:u+LVEBJgO<> 支援 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 20:46:56.89 ID:d2zz7omJP<> ―11:14:35―

(´<_` )「なんだ?静かになったな…」

壁の解体作業をやっと終えたと思ったら、兄者は何もせずただ動かずに静止していた。
せっかくもがいたのだから、システムの一つでも探しているのかと思えば…。
あらゆる意味であの人にはガッカリさせられた。
もしこれでもう一度『嘘』を使われてしまったら残念で仕方がない。

(´<_` )「…まあいい。こんなことで時間を潰している暇もないしな」

俺は壁を砕き、矛を構えた。
棒立ちの男に目掛けて矛を狙い定める。

(´<_` )『最後に別れの言葉ぐらい言ったらどうだ?』

それでも兄者の無言は続いた。
怖気づいて逃げ出したのか?
兄者と対面していることがアホらしくなり、どうでもよくなってしまった。

(´<_` )「しょうがない。終わらせよう」

俺は矛を兄者に向けて飛ばした。


その瞬間だった。
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 20:47:18.85 ID:m27jwDqc0<> 支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 20:47:48.21 ID:O4h6DudJ0<> 支援 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 20:47:58.38 ID:d2zz7omJP<> (´<_` ;)「うおっ!!」

突如、戦艦から眩いほどの光が飛び出してきた。
あまりの閃光により、兄者も戦艦も矛もどこにいるのかさっぱり分からない。
これは一体何なんだ。

(´<_` ;)『逃げるつもりか!』

またもや下らない芸を用意して…あの人にはプライドというものが存在しないのか?
ここまでくると殺意すら湧いてくる。
俺は無数の矛を構えた。
この数があれば、どんな目晦ましに会おうとも、必ず当たるだろう。

(´<_` ;)『沈め!!』

俺は強く手を振った。 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 20:49:00.19 ID:d2zz7omJP<> 次の瞬間、光が消え兄者が姿を現した。
兄者はどこへ逃げるわけでもなくその場に立ち尽くしていた。

(´<_` ;)『何をしたのか分からんがもう矛の勢いはお前には止められん』

矛達は勢いを止めることなく戦艦に向かっていった。
どの道、兄者の回線は切断し、2度と俺に立ち向かうことはなくなるだろう。
俺は兄者のぐずり具合がおかしくてたまらなかった。

なんて醜い男だったのか。
あんな男と今の今まで共に過ごしていたと思うだけでゾッとする。
もう奴には要はない。
せめて黙らせたほうが兄者の為にもなるだろう。

(´<_` )『さようなら兄者!せいぜいVIPの海の屑になってk…………』






その瞬間、全ての矛が爆破し、要塞も砕け散った。
<>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 20:50:02.56 ID:d2zz7omJP<> (´<_` )「……………………………」

(´<_` )「…………………………………」



(´<_` ;)「………………………………は?」


何が起きた?
何故俺の無敵の要塞が全て無くなっている?
矛は?…アイツに目掛けた矛は一体どこに行ったんだ?

( ´_ゝ`)『見たか。弟者』

今まで無言だった兄者がいきなり喋り出した。
まさか…こいつの仕業だというのか?



( ´_ゝ`)『これが俺の【切り札】だ』 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 20:50:20.85 ID:m27jwDqc0<> 支援 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 20:51:03.39 ID:d2zz7omJP<> (´<_` ;)『…何をした』

( ´_ゝ`)『簡単だ。このウイルスは回線内により発動するプログラム』

( ´_ゝ`)『回線に接続してある全てのPCのネットワークセキュリティを破壊しアクセスを規制する』

(´<_` ;)「な…………何?」

( ´_ゝ`)『今この瞬間、お前の要塞はただのはりぼてに成り下がり、お前は指をくわえてるしかできないのさ』

何を言っているんだコイツは…。
この俺が作り上げた最強のセキュリティーが一瞬にして……。
まさか…本当にこの男がこんな規格外なソフトを作り上げたというのか。

( ´_ゝ`)『それじゃあ、俺はシステムをいじらせてもらうとするよ』

(´<_` ;)『待て!!ふざけるな!!』

必死でキーボードを打つが、まったく反応しない。
システムはむき出しのまま、放置されている。

(´<_` ;)「糞!!」

ひとまず落ち着かなければならない。
とにかくはあのシステムは無事なのだ。
あのシステムを開くには49文字のパスワードが必要なのだから。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 20:51:31.57 ID:FrtzHdjsO<> キター! <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 20:52:00.76 ID:d2zz7omJP<> 何の規則性もない半角英数字で固められた49文字。
どんなにアイツが優秀なクラッカーだったとしても、あのパスワードを攻略することなど出来やしないのだ。
とにかく俺はこの現状をどうにかしなければ。
いったいどこまで被害が及んだ?
修復は間に合うのか?

(´<_` ;)「糞…アイツ…下らない真似を…」

その時、画面に変化があった。
俺はとっさにディスプレイを見る。

(´<_` ;)「……………………………」

(´<_` )

(´<_` )





『パスワードは解除されました』


<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/25(土) 20:52:48.58 ID:p6pTq99v0<> 支援
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 20:53:06.10 ID:m27jwDqc0<> 支援 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 20:53:07.43 ID:d2zz7omJP<> (゜<_゜ ;)「なっなああああああああああっああ?あ、あああああ!!!?」

俺は目を疑った。
パスワードが解除された。
いったいどうやって?

(´<_` ;)『おい!兄者!!どうやって解いた!』

俺は尋ねずにはいられなかった。
まさか。
あの文字列は俺の頭の中にしか記録されていない。

( ´_ゝ`)『どうやって…?そんなもの勘としか…』

(´<_` ;)『嘘をつくな!!どうしたら…そんな…こんな勘でわかるんだ』

( ´_ゝ`)『そんなの簡単さ』

(´<_` ;)『何…?』



( ´_ゝ`)『お前の考えているようなことは全部お見通しなんだよ』
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 20:53:49.58 ID:k4S41qkb0<> (´^ω^`)9m解除! <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 20:54:54.25 ID:7dGks9rl0<> 兄の威厳 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 20:55:01.72 ID:d2zz7omJP<> (´<_` ;)「!!………」

ありえない。
まさか…そんな理由で俺のパスワードを見抜いただと?
馬鹿馬鹿し……。

ハッと我に返る。
まずい。
パスワードまでも突破されてしまったのだ。
早くしなければ、ナノマシンが破壊されてしまう。

(´<_` ;)「フザけやがって…!!」

とにかく今のままではバックアップデータすら取り込めない。
あの忌まわしい破壊プログラムをどうにかしなければ…。
俺はプログラムの中を覗く。
多少複雑ではあるが15分くらいで解体できそうだ。

急いで解体しなければ、俺の天下は全て崩れ去ってしまう。

(´<_` ;)「兄者…」

あんたを認めようじゃないか。
俺の前に立ちはだかる資格があると。



(´<_` ;)「だが最後に笑うのはこの俺だ。」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 20:55:18.14 ID:3pSt3Bs9O<> プギャハハァーッ(^Д^)6m <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/25(土) 20:56:16.69 ID:p6pTq99v0<> しえしえ <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 20:56:17.05 ID:d2zz7omJP<> ―11:19:42―

( ;´_ゝ`)「糞………間に合うか?」

弟者の手を遠ざけたのはいい。
しかし、この俺がこの暗号を制限時間内に解けるかどうかもわかったものじゃない。
なにしろあの天才女医が作った暗号だ。
一筋縄では解けないだろう。

弟者のことだ。あの程度のプログラムなど20分…いや15分程度で解いてしまうだろう。
制限時間というプレッシャーもある。
俺は必死になってコンピューターと脳みそを動かした。

( ;´_ゝ`)「何だこれは…14進法」じゃあないのか?

最大数が13までになっているのにも関わらず反応する0〜13の範囲では定義が確立されていないという。
いったい何なんだこれは。
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 20:57:08.03 ID:7dGks9rl0<> しし <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 20:57:22.03 ID:d2zz7omJP<> これでは計算のしようがない。
さらに半分ほど赤い文字がところどころに書かれており、それも何を意味しているのか分からない。
モララーを呼んでくるか?

…いや、あいつはこの手の課題には疎い。
すぐに投げ出すに違いない。

( ;´_ゝ`)「王ともあろう方が任務放棄とは…」

その瞬間、脳裏に一つの単語が浮かんだ。

( ´_ゝ`)「………トランプ」

そうだ。トランプだ。
クーはトランプを暗号のテーマにしていたのだ。
だとするとこれは0〜13の14進法ではなく、
1〜13の13進法になるわけだ。
ということは、この赤文字はダイヤあるいはハートをイメージしているのか。

( ´_ゝ`)「そうと分かれば、話は簡単だ」

後はこの長い暗号を一つ一つ解読していかなければならない。
時間との勝負だ。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 20:58:03.50 ID:m27jwDqc0<> 支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 20:58:19.78 ID:i6j1pGLYO<> さるなんて飾りです!!偉い人にはそれがわからんのですたい!! <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 20:58:35.90 ID:d2zz7omJP<> ―11:23:38―

(´<_` ;)「いい加減にしろ…っ!!あの糞野郎が…!」

まずい…。急がねば切られてしまう。
しかし、気持ちが急ぐあまりさっきからしょうもないミスが続いている。
ここまで心が安定しなかったのも久しぶりだ。

(´<_` ;)「必ずぶっ殺してやる…!!」



―11:25:04―

( ;´_ゝ`)「いい加減にしろ…っ!!あの糞ババアが…!」

なんて量だ。
さっきから徐々に進んでいるがまったくコンピューターが追いついていない。
ここまで長いものを世界は暗号とは言わない。
芸術だ。

( ;´_ゝ`)「墓石の前にアスパラガスを毎日置いてやる…!!」
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 20:59:15.87 ID:m27jwDqc0<> 兄弟だな <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 20:59:56.85 ID:d2zz7omJP<> ( ;´_ゝ`)「まずい…!!」


(´<_` ;)「糞…!!」


( ;´_ゝ`)「時間が…!!」


(´<_` ;)「急げよ…!!」


( ;´_ゝ`)「フザけんな!!」


(´<_` ;)「死ね!!」


( ;´_ゝ`)「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」


(´<_` ;)「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
<>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 21:01:03.43 ID:d2zz7omJP<>







           「よし!終わった!!」






<>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 21:02:02.06 ID:d2zz7omJP<> ―11:33:05―

(´<_` ;)「やっと機能を停止した!!」

俺は何とかあの忌々しいプログラムの解体に成功した。
システムは、まだ破壊されていないようだ。

どうやら俺の勝ちのようだ。
あいつは未だにモタモタとプログラムをいじっている。
俺はすぐにバックアップデータを取り込み、修復作業に移った。
完璧だ。俺の手にかかれば回線の修復など呼吸をするよりも容易い。

俺はシステムが破壊されていないことを確認し、修復のプログラムを起動した。


(´<_` )『どうした兄者?もう俺はこの要塞を完全に復活してしまったぞ』

(´<_` )『わかったか?これが俺とアンタの間にある格差なんだよ』

(´<_` )『どんなに努力をしても、どんなに足掻いても』

(´<_` )『結局は報われることはないんだ。分かったか?ww』
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 21:02:11.67 ID:k4S41qkb0<> (´゚ω゚`)! <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 21:02:55.12 ID:m27jwDqc0<> あああああ <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 21:02:56.80 ID:d2zz7omJP<> (´<_` )『どうした?まただんまりか?おいおいいい加減にしてくれよ…』

(´<_` )『素直に負けを認めて出てこいよ』

(´<_` )『まぁ…アンタはVIPで死ぬ運命なんだけどな』

(´<_` )『じゃあなwとても楽しかったよ』

俺は思わず笑ってしまった。
兄者の姿はとても滑稽で惨めだ。
俺は矛を構えるために、セキュリティシステムを起動しようとした。





…が、俺はそこでとんでもないものを見てしまった。
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/25(土) 21:03:12.71 ID:p6pTq99v0<> しえ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 21:03:19.95 ID:u+LVEBJgO<> まだだ、まだ終わらんよ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 21:03:49.88 ID:i6j1pGLYO<> >>237
( `ω´)oぬっ●せ!! <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 21:04:09.51 ID:d2zz7omJP<> (´<_` ;)「なっ…………………………!!」

(´<_` ;)「なんで…………………………」



(´<_` ;)「な、なんで回線が復旧していないんだ!?」

馬鹿な。
先ほど俺は修復したばかりじゃないか。
いったい何がどうなっているんだ。
その時、画面に1つの文が表示された。

( ´_ゝ`)『俺も終わったよ。システムを破壊する準備ができた』

何を言っているんだコイツは…。
もう俺が全ての侵入を防いだんじゃなかったのか?

( ´_ゝ`)『お前は見誤ったのさ。最後の最後でな』

(´<_` ;)『俺が…何を見誤ったというんだ』

( ´_ゝ`)『お前が…修復したあの回線…なんだが』



( ´_ゝ`)『実はあれ、別の回線なんだ』
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 21:04:10.86 ID:lXarTu47O<> 兄弟だな <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 21:05:33.31 ID:3pSt3Bs9O<> まさに切り札だな

支援 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 21:05:34.09 ID:d2zz7omJP<> (´<_` ;)『な……………………何を言ってるんだよ兄者だってここは…』

( ´_ゝ`)『シベリアの回線。そう思っただろ。だが違うんだよ』

俺は大至急、先ほどのシステムを確認する。
よくみると俺が修復した回線にラウンジという文字が刻まれていた。

(´<_` ;)「!!!!」

( ´_ゝ`)『弟者、お前の敗因は一つ』

( ´_ゝ`)『…忘れてしまったことだよ』

忘れる?
俺が何を……………

(´<_` ;)「………………………あ」

(´<_` ;)「まさか…!!」



( ´_ゝ`)『俺は最後の最後に「嘘」を吐いたのさ。【シベリアの回線はラウンジの回線】というね』 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 21:05:48.61 ID:7dGks9rl0<> やるねぇ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 21:06:25.11 ID:iN+YQBGoO<> 支援支援支援支援支援支援
好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 21:06:32.67 ID:k4S41qkb0<> ( ´_ゝ`)9m プギャー <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 21:07:01.37 ID:d2zz7omJP<> やられた。
俺は何というミスをしてしまったのか。
あの『嘘』をつくウイルスは、嘘をついたときに俺が手動で発動していた。
だからいくら解析しようとも、俺が解除しなければ意味がない。

( ´_ゝ`)『システムの中に入ってしまえばあとは簡単だ』

( ´_ゝ`)『この要塞にも嘘を適用することができる』

( ´_ゝ`)『だから念のために入れておいたんだ…エナジーボールを』

ハッとなり現状に戻る。
このままではナノマシンが破壊されてしまう。

(´<_` ;)「まずい。急いでバックアップを…!!」

しかし、その時既に全てが手遅れだった。


( ´_ゝ`)『ありがとう。なかなか楽しめたよ』



兄者の手から1本の長剣が現れた。
そのまま強く剣を振り、プログラムを切り裂いた。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 21:07:20.02 ID:iN+YQBGoO<> 来てくれてありがとう <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 21:07:25.42 ID:m27jwDqc0<> 兄者すげええええ <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 21:08:01.17 ID:d2zz7omJP<> ―11:35:01―
  _  
( ;゚∀゚)「う………………………」
  _  
( ;゚∀゚)「あ………………………?」

喉元三寸まで迫っていた熊の口を大きく開いた顔がズルッと地面に崩れ落ちた。
辺りを見渡すと様々な動物達が倒れていった。
猛獣だけではない。
シベリアの人間も皆バタバタと倒れていった。
  _  
( ;゚∀゚)「な、なんだなんだ?」

気付けば俺の周りは死体だらけになっていた。
俺は近くに倒れていた人間の脈を取る。
正常とは言えないが機能はしている。
死んではいないらしい。
  _  
( ;゚∀゚)「た、助かったの……か?」

その時、携帯電話が突然震え出した。
取り出してみると国際電話と表示されていた。
俺は恐る恐る電話を耳に当てた。
  _  
( ;゚∀゚)「…………誰だ?」

( ´_ゝ`)「俺だ、ジョルジュ」

電話の相手は兄者だった。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 21:08:07.90 ID:i6j1pGLYO<> 僕が一番さるを上手く避けられるんだ!! <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 21:08:35.70 ID:7dGks9rl0<> しえん!! <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/25(土) 21:08:53.12 ID:h3YK7EhT0<> 熱いね
支援 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 21:08:57.57 ID:d2zz7omJP<>   _  
( ;゚∀゚)「…な、なんだよ」

( ´_ゝ`)『弟者のナノマシンのシステムを全て破壊した。今の弟者は丸腰だ』

そうか。
コイツらが倒れたのは兄者の仕業だったのか。
恐らくナノマシンが停止したことにより脳にダメージが残り、そのまま倒れたのだろう。
  _  
( ;゚∀゚)「なるほど……やるじゃねえか兄者」

( ´_ゝ`)『褒めるくらいなら今度、ピザでも奢ってくれよ』
  _  
( ;゚∀゚)「ああ。とにかく助かった。礼を言うぜ」

( ´_ゝ`)『それよりもだ、システムに侵入した際に、弟者の居場所を特定した』
  _  
( ;゚∀゚)「何!?」

なんて奴だ。
ここまで優秀な奴だとは思わなかった。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 21:09:46.93 ID:3pSt3Bs9O<> 支援 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 21:09:58.60 ID:d2zz7omJP<>   _  
( ;゚∀゚)「どこだそこは!早く教えろ!」

( ´_ゝ`)『そう急かすな。……シベリアの首都にある、「プラスビル」という場所だ』

俺はブラウザを取り出しGPSを開く。
プラスビルは先ほど暴れていた大通りに位置していた。
  _  
( ;゚∀゚)「なんだよ……さっきいた場所じゃねえか」

( ´_ゝ`)『ジョルジュ、もうシベリアにいるのはお前と弟者だけだ。だが絶対に気を抜くなよ』

( ´_ゝ`)『アイツが何を仕掛けてくるのか分からないからな』
  _  
( ;゚∀゚)「当たり前だ。アイツを殺すまでは死なねえよ!」

俺は電話を切り、ポケットに閉まった。
もう一度GPSを確認し、ビルを目指して走り出す。
いよいよ最終決戦だ。
マガジンを取り換え、戦闘準備に取り掛かる。


  _  
( ゚∀゚)「待ってろよ…弟者!」 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 21:11:00.48 ID:d2zz7omJP<> ―10:34:59―

('、`*川「随分とご機嫌のようですね」

車から降り、廊下を通っている時、ふとペニサスさんが声を掛けてきた。

(´・ω・`)「あ、………そう見える?」

('、`*川「ええ、とても」

どうやら僕の顔はとても上機嫌らしい。
確かに今とっても気分が良い。
例えるなら…そう、新しく買ってきた洗剤を使ったら綺麗に食器が洗えたような、そんな気分だ。

(´・ω・`)「言った通りだろう?あいつらは必ずやって来るって」

('、`*川「……………ええ。予想以上の早さと能力でした…」

(´・ω・`)「能力は買い被り過ぎだよw」

僕はあっけらかんと笑う。

(´・ω・`)「確かにいくらうちの軍隊が無能とはいえ戦艦一隻盗むとはあっぱれだ……けど」

(´・ω・`)「彼らに僕からこの国を奪うことは出来ないさ」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 21:12:04.78 ID:m27jwDqc0<> 支援 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 21:12:07.01 ID:d2zz7omJP<> 兵力の問題ではない。
彼らに普通の軍人が10、20とかかっても勝てやしないだろう。
だがそれ以上に僕が優秀だからだ。
この戦場の全てを把握している僕にとって「Player」は人の殴り方を覚えた思春期レベル。

('、`*川「…一つ聞いてもよろしいでしょうか」

ペニサスさんが僕に声を掛けてきた。

('、`*川「これは個人的な詮索程度のものですので無理にとは言いませんが…」

(´・ω・`)「なんだい?」

('、`*川「ショボン様は……何故『Player』に挑まれたのですか?」

僕の足が反射的に止まる。
ゆっくりと首を振りペニサスの顔を見た。
なんだ。
彼女が聞きたかったのはそんなことか。
自然と口角が上がってしまった。

(´・ω・`)「アハハ。挑むか…良い読みだよペニサスさん」

('、`*;川「………?」 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 21:13:00.13 ID:d2zz7omJP<> (´・ω・`)「普通この状況を見れば誰が考えても『Player』の皆が僕に挑んでいるようにしか見えないんだけどね」

(´・ω・`)「やっぱりペニサスさんと組んだのは正解だったね」

('、`*;川「……ありがとうございます」

(´・ω・`)「その通りさ。僕が『Player』に戦いを挑んでいる」

(´・ω・`)「この戦いの発端にはいろいろと長い時間を掛けた理由があるんだけど…」


           「そんな理由など聞こうが聞くまいが貴様は死ぬのだから安心しろ」

その瞬間、背後から声がした。
振り返るとそこには見慣れた顔がいた。
その手には拳銃が握り締められている。

(´・ω・`)「おや、艦長さん。お散歩ですか?」



( ФωФ)「いや…狩りだよ」
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 21:13:51.33 ID:lUN4l5BfO<> 待っていた!支援! <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 21:14:01.91 ID:d2zz7omJP<> あんなに大勢の軍人が捜索に当たっていたと言うのに、この男は意とも簡単に抜け出したのか。
さすがはロマネスクさん。
逃げ腰だけは天才のようだ。
ペニサスさんが銃を構えようとしていたので僕がそれを宥める。

(´・ω・`)「今日は何の用だい?僕もこう見えて忙しいんだけど」

( ФωФ)「安心しろ明日からの業務は全てキャンセルになったからな」

(´・ω・`)「そんなカッカする事も無いだろうに…」

会話が嫌いなお年寄りには本当に参る。
用件は世間話の後でもいいだろうに。

(´・ω・`)「………もう一人は?」

( ФωФ)「知らん」

(´・ω・`)「………何で?」

( ФωФ)「一人で勝手に海に飛び込んだ」
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 21:14:04.03 ID:3pSt3Bs9O<> ペニサスも腹に一物抱えてそうだな

支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 21:15:19.38 ID:7dGks9rl0<> しえーん <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 21:15:21.20 ID:d2zz7omJP<> 僕は耐え切れず吹き出してしまった。
彼は海開きが待ちきれなかったのだろうか。

(´・ω・`)「ああwそうなんだww」

僕は腹を抱えままならない呼吸をどうにか整えた。

( ФωФ)「そのドクオが言っていた…『ルーレット』とは何だ」

僕はロマネスクの顔を見る。
涙を手で拭い、体勢を整えた。

(´・ω・`)「ああ、ルーレットね」

(´・ω・`)「あなたなら知っていると思っていたんだけどなぁ…」

( ФωФ)「……何のことだ?」

(´・ω・`)「ロマネスクさん……信じれる?この宇宙のどこかに、ある人工衛星があるんだ」

(´・ω・`)「その人工衛星には777発のミサイルやロケットが装填されている。もちろん、外部からの防熱対策は万全さ」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/25(土) 21:15:23.57 ID:h3YK7EhT0<> ドクオの見せ場がなかなかねえなww <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 21:15:30.34 ID:i6j1pGLYO<> 俺が…俺がさるよけだ(`・ω・´)!! <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/25(土) 21:15:56.69 ID:p6pTq99v0<> 支援
<>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 21:16:57.96 ID:d2zz7omJP<> ( ;ФωФ)「まさか……………」

(´・ω・`)「そしてその衛星をコントロールするスイッチはとある運び屋さんが持っていたんだけど」

(´・ω・`)「その情報を得た情報屋さんが有り難く頂いちゃったってわけ」

( ;ФωФ)「なんと…………!!」

ロマネスクさんの声も銃を握った手も震えていた。

( ;ФωФ)「まさか貴様…それをVIPに落とすつもりでは…!!」

(´・ω・`)「この衛星の名称の由来ってなんだかわかる?」

(´・ω・`)「発動するかどうかはコントローラーを握っている人の気まぐれになるからさ」

( ;ФωФ)「き、貴様…!!」

今がチャンスだろう。
僕はポケットに仕舞っていた小拳銃を取り出し、ロマネスクさんを狙う。 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 21:17:57.57 ID:d2zz7omJP<> ( ;ФωФ)「うっ……!!」

破裂音の後、弾丸は肩に当たりロマネスクさんの体のバランスを崩した。

(´・ω・`)「もうこれだけ喋ったからいいよね」

僕は振り向き廊下を進む。

( ;ФωФ)「ま、待て!!」

ロマネスクさんが銃を構え、僕を狙う。
しかし、その前にペニサスさんがロマネスクさんの銃を撃ち、拳銃を吹き飛ばした。

(´・ω・`)「あ、一つだけ言っておくけど彼女、元国際スパイのエージェントだったから。めちゃくちゃ強いよ」

僕は彼女をその場に残し部屋に向かう。
まあ彼女がいればロマネスクさんくらい造作も無いだろう。

(´・ω・`)「確実に殺して帰ってきてね」

('、`*川「了解しました」 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 21:19:08.04 ID:d2zz7omJP<> ( #ФωФ)「糞っ…!!」

ロマネスクさんはよろよろと 立ち上がり銃を握った。
この勝負は目に見えている。
なぜならロマネスクさんは対峙した戦闘経験が浅いから。
いくら「Player」一の古株とはいえ経験の少ない物にはまるっきりアマチュアだ。

僕はエレベーターのドアを開け、最上階のボタンを押す。



('、`*川「私が貴方の相手をいたします」



僕がこの階で聞いた最後の言葉だ。
彼女がどのくらい早く帰ってこれるか楽しみに待ってよう。
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 21:19:52.52 ID:7dGks9rl0<> 支援 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 21:20:04.13 ID:d2zz7omJP<> ―11:55:16―
  _
( ;゚∀゚)「ハァ…ハァ…ハァ…」

階段を、上がる上がる上がる。
何で25階もあってこのビルにはエレベーターが無いんだ。
一々全てのフロアを確認してはいないが、恐らく奴は最上階にいるはずだ。
テレビとかの相場はだいたいそう。
  _
( ;゚∀゚)「!!……またかっ!」

俺は素早くしゃがみ込み、身を屈める。
それとほぼ同時にボウガンの矢が一斉に襲い掛かってきた。
矢は壁に突き刺さり、ジュゥウという物が焼けたような音を立てた。
  _
( ;゚∀゚)「今度は強酸か…!!」

そしてこの様々な罠が弟者が最上階にいるという何よりの証拠だ。
暗に来るなというメッセージを送り続けている。
落とし穴、起爆装置、狙撃、ギロチン、密室による水責め…。
今現在23階にいるが、もう既に40以上の罠に引っ掛かっている。
  _
( ;゚∀゚)「こんな下らねえ罠で仕留められる気でいるとか…なめやがって……」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>age<>2010/12/25(土) 21:20:48.73 ID:i6j1pGLYO<> ペニサスおばあちゃん…(´;ω;`)……… <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 21:20:57.73 ID:d2zz7omJP<> 俺は立ち上がり、また走り出す。
24階に差し掛かり、慎重に階段を進む。
一体どんな罠があるかわかった物じゃない。
兄者の言っていた言葉の意味がよくわかる。
  _
( ;゚∀゚)「…………なんだ?」

いくら先を見ても反応が全く無い。
先程までは何かしら反応があったのだが……。
  _
( ;゚∀゚)「この階は……無いのか?」

いや、そんなわけがある分けない。
何かしら罠があるはずだ。
俺はそっと次の1歩を踏み出した。

その時、足元でカチッという音がした。
  _
( ;゚∀゚)「うおっ!!」

目の前に強烈な光が飛んできた。
俺は素早く後ろへ下がり、下の踊り場まで飛び移った。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 21:21:27.78 ID:m27jwDqc0<> 支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 21:21:47.33 ID:3pSt3Bs9O<> 支援 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 21:22:02.31 ID:d2zz7omJP<> 予想通り罠が仕掛けられていた。
  _
( ;゚∀゚)「今度は一体何なんだ!?」

俺はいつ何が起きても良いように神経を統一させる。
しかししばらく踊り場で待機するが何も起こらなかった。
  _
( ;゚∀゚)「……………?」
  _
( ;゚∀゚)「な、何d…」


その瞬間、強烈な爆発音が鳴り響いた。
  _
( ;゚∀゚)「うおっ!」

それと同時に体が傾き、バランスが崩れ床に倒れた。
  _
( ;゚∀゚)「な、何が起こったんだ?」

俺が立ち上がろうとすると、地面がグラりと傾いた。 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 21:23:08.04 ID:d2zz7omJP<> そこで俺はやっと気が付いた。
  _
( ;゚∀゚)「あの野郎……」


  _
( ;゚∀゚)「階段を破壊しやがった……」

俺は急いで上階へ駆け上がる。
あの光はダミーだ。
何かあると思い込ませ、下の階に下がらせ、その次に階段を爆破し階段を全て切り離す。
この高さから落ちれば落ち場所など関係なく死ぬだろう。

24階を登り、最上階の25階を目指す。
階段の角度はもう2度以上倒れ始めていた。
  _
( ;゚∀゚)「着いた!」
俺は25階に足を着けた。
しかし、既に階段とフロアは離れており、どんどん遠ざかっていく。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/25(土) 21:24:30.02 ID:p6pTq99v0<> しえn <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 21:25:28.83 ID:m27jwDqc0<> 支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 21:26:16.55 ID:p0thsFALO<> しえ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>age<>2010/12/25(土) 21:26:53.02 ID:i6j1pGLYO<> PCの支援の弾幕薄いよ、な〜にやってんのぉ〜 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 21:27:56.61 ID:m27jwDqc0<> 支援 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 21:28:34.33 ID:d2zz7omJP<>   _
( ;゚∀゚)「おらああああああああああああ!!」

俺は迷わずフロアに飛び移った。
  _
( ;゚∀゚)「と………届けぇっ!!」

俺は必死に左手を伸ばしフロアに飛び込む。
フロアの端に爆破のために伸びた鉄筋がある。
それに掴まれるかどうかが生死を分けるだろう。
しかし体は降下を始め、数センチ先にある鉄筋に届かなかった。


  _
( ;゚∀゚)「ふ……」
  _
( ;゚∀゚)「ふざけんなっ!!」

俺は右手を伸ばし、手に持っていた拳銃の引き金を鉄筋に引っ掛けた。
拳銃の引き金はしっかりと鉄筋を囲い、俺の体は落下せずぶら下がった。
階段は崩れ落ち、大きな振動をたてながら倒れた。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 21:29:09.63 ID:k4S41qkb0<> ( ´_ゝ`)さるさる? <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 21:29:56.87 ID:d2zz7omJP<>   _
( ;゚∀゚)「ハァ…ハァ…ハァ…」

俺は左手で鉄筋に捕まり懸垂で上体を持ち上げる。
這いつくばる様にフロアに上がり、その場に腰掛けた。
  _
( ;゚∀゚)「あ………あぶねぇ…」

間一髪。
本当に一瞬の判断が生死を分けただろう。
俺はフラフラと立ち上がりビルの中へと向かう。
既に体力は限界に来ており満身創痍もいいとこだ。
  _
( ;゚∀゚)「この向こうに……奴が……」

目の前にそびえる金属製のドア。
この中に宿敵が…弟者がいる。

自分の限界を相手に見せてはいけない。
見せた瞬間に敗北は決定する。
俺は息を整え、ドアを強く開けた。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/25(土) 21:30:27.01 ID:Pw0ZDxGrO<> さる?させるかよ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 21:30:47.05 ID:u+LVEBJgO<> 支援 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 21:30:57.40 ID:d2zz7omJP<> (´<_` )「………やあ、ようこそジョルジュ」

そこには紛れも無く本物の弟者がいた。
慌てる様子もなくただじっと立っていた。
  _
( ゚∀゚)「ああ、悪いな…お前ん家の階段…壊しちまったよ」

(´<_` )「本当にお前は昔からそそっかしい奴だな。人ん家の階段を壊すなよ」
  _
( ゚∀゚)「ああ、悪いな。そんでもってお前ん家の家族みたいな奴、皆倒れてたぜ。何あれ遺伝病?」

(´<_` )「…とんだ計算違いだったよ。まさかアイツにクラッキングされるとはね……」

(´<_` )「だが、まあいい。最後に笑うのはこの俺だ」
  _
( ゚∀゚)「でも、俺としては有り難かったぜ?お前のプログラムのせいで人間が素手で殺せる動物の限界は虎だとわかったからな」

俺は弟者に銃を構えたまま淡々と話し続ける。
俺はコイツを殺す前に聞かなきゃならないことがある。
  _
( ゚∀゚)「弟者…何でモナーさんを殺した?」

(´<_` )「もう死が近い人間を殺して何が悪い」 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 21:32:02.14 ID:d2zz7omJP<>   _
( ゚∀゚)「ふざけんなよ?お前にモナーさんを殺す資格なんざねえんだよ」

(´<_` )「おかしな事を言うなお前は。それならばお前だって人を殺して来ただろう」
  _
( ゚∀゚)「それとこれとは別件だ。話を逸らすな」

(´<_` )「逸らしてなどいないさ。俺はただ何故モナーさんはダメで一般の人間は殺してもいいのかと言うことを聞いただけだ」

(´<_` )「俺はお前でいう一般人を殺したに過ぎないんだぞ?それが何故お前に責められる理由になる」

うだうだと調子の良い屁理屈を並べやがって…。
あくまでもコイツは理由を話さないつもりか。
  _
( #゚∀゚)「いいからさっさと話せよ!!」

まずい。
疲労や怪我のせいで感情に抑制が効かない。
落ち着け。
冷静になれ。
<>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 21:33:01.71 ID:d2zz7omJP<> (´<_` )「おいおい…何を焦ってるんだ?楽しく話そうぜ」
  _
( #゚∀゚)「黙れ!!」

黙れ。
黙れ。
黙れ。

(´<_` )「話すつもりはない」



(´<_` )「これから死ぬような奴には……な」





その瞬間、俺は背中に鋭い痛みを感じた。
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 21:33:06.45 ID:m27jwDqc0<> 支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/25(土) 21:33:48.93 ID:p6pTq99v0<> しえん <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 21:33:59.02 ID:d2zz7omJP<> 何だ?
何が起こった?
バランスが失われ、床にドサッと倒れた。
背中に手をやると、血が流れていることに気が付いた。

  _
( ;゚∀゚)「あ……………?」

撃たれた。銃で。
誰に?誰に?
この国には俺と弟者しかいないはずだ。

いったい誰が…。

その撃ったと思われる人物がゆっくりと俺を通り過ぎ、弟者の元へと歩いて行った。
俺は首を必死に曲げ、その人物の顔を見る。



(´<_` )「完璧だよ」
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 21:34:52.58 ID:u+LVEBJgO<> しえ <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 21:34:58.44 ID:d2zz7omJP<>   _
( ;゚∀゚)「……………………あ」


(´<_` )「確かに【ジョーカー】は俺とショボンだ」


何故だ。


(´<_` )「俺達が『ババ』なら…彼女は『ジジ』とでも言うべきか…?」


何故お前がここに……?

  _
( ;゚∀゚)「なん……で…………」








(*゚ー゚)「…………………そうね」


しぃが…ここに? <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 21:36:38.86 ID:lUN4l5BfO<> なんてこった <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 21:36:56.30 ID:3pSt3Bs9O<> グェーッ!! <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 21:36:56.33 ID:7UaXJbS30<> しぃは最後までビッチか…… <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 21:37:16.52 ID:m27jwDqc0<> oh <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/25(土) 21:37:38.67 ID:ZKLRuYGRO<> しぃぃぃぃぃ <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 21:37:53.43 ID:d2zz7omJP<> ―10:34:07―

爪'ー`)「実はショボンは………」

フォックスさんは一度俯き、再び顔をあげた。

( ;・∀・)「ショボンが何だと言うんですか…?」


爪'ー`)「…ショボンは………」











          「モナーさんの実の息子なんだ」

<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 21:38:31.08 ID:k4S41qkb0<> オフゥ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 21:38:45.38 ID:u+LVEBJgO<> マジか <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 21:38:53.93 ID:4jEARk9NO<> くそがああああああ! <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 21:38:58.75 ID:d2zz7omJP<>





【◆(´・ω・`)ゲームに集うは、切り札のギャング達のようです◇】









◆12:ババ抜き 中編 END To Be Continued- <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 21:39:45.18 ID:3pSt3Bs9O<> 乙! <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 21:39:50.87 ID:7dGks9rl0<> 乙!! <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 21:39:57.38 ID:d2zz7omJP<> 本日はここまでです。
たくさんの支援ありがとうございました。

次回◆12:ババ抜き 後編は来年1月上旬を目安に書きます。

大変長い間、書かずにすみませんでした。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 21:40:06.85 ID:k4S41qkb0<> 乙ゥラゥニ さてあらチーゆくか <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 21:40:30.81 ID:i6j1pGLYO<> オウフ…(´ω`)=3 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 21:40:38.79 ID:vSyXTVU50<> 乙乙!! <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 21:41:02.37 ID:4jEARk9NO<> ここで終わりか…!
乙! <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 21:41:12.60 ID:m27jwDqc0<> 乙!!
本当ずっと待ってた
また見れて嬉しいよ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/25(土) 21:41:37.52 ID:u+LVEBJgO<> 乙
このスピード感と衝撃の連続がたまらん <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/25(土) 21:41:40.98 ID:ZKLRuYGRO<> 乙!初めてリアルタイム遭遇できたわ! <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 21:41:48.53 ID:lUN4l5BfO<> 乙!きっちり完結させてくれよ! <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 21:42:11.75 ID:i6j1pGLYO<> 毎回楽しみにしてる、乙んツンξ゜凵K)ξ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 21:44:13.90 ID:1JK9f231O<> よかった!乙!
次も楽しみにしてます!! <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 21:48:19.80 ID:D+/P9hH60<> 兄者と弟者いいな… <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 21:50:39.68 ID:w+cim25uP<> 乙
正直エタったと思ってた <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/25(土) 21:52:44.54 ID:iH/STdHv0<> おつー <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 21:54:15.91 ID:yeDAUPOcQ<> 来てたあああ

今から読む乙 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 21:59:39.15 ID:qaMNI2I60<> 乙! <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/25(土) 22:02:03.09 ID:SV90E+C60<> ぉっ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 22:02:19.48 ID:h3YK7EhT0<> 乙!
ブーンが復活しないかなって地味に期待してるww <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 22:10:55.39 ID:D+/P9hH60<> 乙!!復活本当にうれしい
次回も待ってる!! <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/25(土) 22:20:16.88 ID:VIP8HUKR0<> 乙! <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/25(土) 22:47:37.81 ID:yfs8F3jCO<> 乙、久々に続ききて嬉しいぜ
ただツンが最初にスポーツカーに乗ったのにいつの間にかバイクに乗ってるのが気になった <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 22:48:06.43 ID:ZcKMhFwcO<> 来てたのか!まだ読んでないけど乙! <>
◆4972gaB/9o <><>2010/12/25(土) 23:05:49.70 ID:d2zz7omJP<> >>335

指摘ありがとうございます。

スポーツカーはオートバイで <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/25(土) 23:07:37.63 ID:iN+YQBGoO<> 今回も良かったー
さぁ一話から読み返してこよ <>