物語のページが( ^ω^)´・ω・)゚听)ξ 川 ゚ -゚)応えるようです
- 1 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/27(土) 18:48:51.73 ID:s7IzKo040
- 恥ずかしいスレ
http://raicho.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1290851241/
こんばんは
少し遅れてしまってすみません
まとめ
ブーン芸VIPさん
http://boonsoldier.web.fc2.com/page.htm
合作六日目の投下になります
大麻パートクライマックス!
お願いします
- 2 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 18:50:42.09 ID:K2OKmfFN0
- キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
あ、今日オレか
- 3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 18:52:05.36 ID:sJRc/AmSO
- ちょwwww
- 4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 18:52:08.02 ID:GyD9t2WCO
- >>2
をいw
- 5 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 18:55:01.50 ID:K2OKmfFN0
- 前回のあらすじ
アンノウンに滅ぼされつつある世界のショボン
彼が到着したのは、退魔師と呼ばれる者たちの世界だった。
その中で出会ったのは悪魔召喚師ク−・・・
ぶっちぎりにマイペースなクーにショボンはたじたじ。
だが自らの夢を話した事をきっかけに、次第にクーに惹かれて行くのだった。
そんな中、ショボンが何者かに攫われた。
ショボンの運命やいかに!?
クーはアンノウンの元に辿り着けるのか!?
そしてしぃさんは出るの!?
大麻パートクライマックス!!
- 6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 18:57:24.95 ID:GyD9t2WCO
- 支援準備はできてる。
昨日支援できなかった分、しっかりと支援するぜ
- 7 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 18:57:26.87 ID:K2OKmfFN0
- △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼
( ゚━゚)「お嬢さん、そろそろ閉めますよ 」
川 - -)「……あん……ダメ……」
( ゚━゚)「もしもしお嬢さん?」
川 - -)「ダメよ……ショボン……。入れちゃ……らめぇ……」
( ゚━゚)「おーい 」
川 ゚皿゚)「だから猫を鍋に入れちゃらめぇー──!!」
(;゚━゚)「うひぃ!!」
酒場の中では、やっとクーが目を覚ました。
魔族の店主は驚いて固まってしまっている。
クーはこれを不思議そうに眺めた。
川 ゚ -゚)「ん?人の寝起きに何だ貴様は?」
(;゚━゚)「いや、カウンターで寝てるもんだから……」
- 8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 18:58:23.95 ID:GyD9t2WCO
- ぬこ鍋wwwww
どんな夢だよwwwww
- 9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 18:59:32.42 ID:7dpEVFDe0
- なんつー紛らわしい寝言だw
- 10 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 18:59:36.73 ID:K2OKmfFN0
-
川 ゚ -゚)「おー、そうだったな。
話の途中で寝てしまったか 」
店主の言葉でようやく事情を悟る。
そしてキョロキョロと周囲を見回した。
店内に客は自分1人しかいない。
川 ゚ -゚)「連れはどこに行った?」
( ゚━゚)「少し風に当たってくると言っていましたが……。
随分遅いですね。
先に宿に帰ったのかも 」
クーはその言葉に早急に立ち上がる。
慣れた手つきで外套を羽織ると、
川 ゚ -゚)「邪魔したな 」
一言だけ残し店を出た。
店の外は少し明るくなり始めている。
クーはその場に立ち尽くした。
- 11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 19:01:03.78 ID:k5zIUzTT0
- なにやってんだwwwwwwww
- 12 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 19:01:26.28 ID:K2OKmfFN0
-
川 ゚ -゚)。o ○(あり得ない……)
まず思った事はこうだ。
ショボンは非常に女を丁重に扱う。
自分を1人残して、宿に帰ることがあるだろうか。
クーは何気なく周囲を見回した。
手がかりが無い為の、無意識な行動だったが……
川 ゚ -゚)。o ○(これは……)
足元の不審な痕跡に気付く。
スッとしゃがみ込み、そこに手を触れた。
調度大人程の大きさで、積もった雪が凹んでいる。
川 ゚ -゚)「………」
クーは立ち上がり指を見た。
ショボンに貰った指輪が、鈍い銀色に輝いている。
それが確かにある方向へと、クーを弱く導いていた。
その先には、天空高くまで巨大な塔が聳え立っていた───。
△ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼
- 13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 19:03:30.11 ID:GyD9t2WCO
- 支援
- 14 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 19:03:49.25 ID:K2OKmfFN0
- △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼
(;´・ω・)「クッ……」
ショボンは暖かく、煌びやかなホールで椅子に縛られていた。
壁にも柱にも天井にも、気の遠くなるような細かい彫刻が施されている。
尤も、そのホールはあまりに広く、ショボンの居る場所からは壁を目視する事すら出来ない。
頭上遥か高くにあるであろう天井も同様。
ここからきめ細かな彫刻類を眺める事は不可能と言える。
もし正式に門を叩き、ここに通されていたら溜息を吐きながら芸術を堪能しただろう。
だが、残念ながらショボンは拉致されてここに来た。
状況を整理するに、事態は最悪と判断する。
(?「そう怖い顔をしないでくれるかな?」
(´・ω・`)「僕が怖い顔をしているって?
言っておくけど、僕は仲間内では優男で通ってるんだ。
もしそんな顔をしているのなら、原因は貴方にある 」
余裕の微笑を浮かべた老人が、じっとショボンを見ていた。
それに答えるショボンの声は、怒りに震えている。
味方となると期待していただけに、この現実に大きなダメージを受けた。
- 15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 19:04:09.57 ID:7dpEVFDe0
- 支援か!?支援が欲しいのか!?
このいやしんぼめ!!
支援!!
- 16 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 19:05:26.05 ID:K2OKmfFN0
-
(#´・ω・)「お久しぶりですフォックス様。
いや、悪いけど敬称も敬語も無しだ、フォックス 」
爪'ー`)「ククク。君のそういう所は好きだよ、ショボン。
君は才能に溢れていたからね。
『あの魔法』を体現してくれたら、もっと好きになっていたが…… 」
ゆっくりと近付いてくる老人。
その顔に冷笑は絶えない。
彼こそが、部下に命じショボンを拉致した張本人だ。
(#´・ω・)「僕は生まれて初めて……、心から失望している!!」
爪'ー`)「その言葉、私を真に尊敬してい”た”と受け取ろう。
有り難う 」
フォックス。
北の大地を納める魔導王にして、『紐解く者』の字名を持つ者。
彼はその身に秘める魔力の全てを、この世の森羅万象を解析することにのみ費やした。
フォックスが知らない物は存在せず、それは時系列や空間に左右される事は無い。
遠い過去から未来に至るまで、その英知は網羅している。
統治術にも長けており、民衆からは『賢王』と慕われているはずだが……。
- 17 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 19:07:12.14 ID:K2OKmfFN0
-
(#´・ω・)「僕を捕まえてどうするつもりだ!?
答えろ、フォックス!!」
フォックスの表情は、ショボンが慕った『賢王』のそれと変わらない。
つまり『 正 常 』であるという事。
爪'ー`)「勿論そのつもりだよ。
まずはこれを見せてやろう。
感謝しなさい。
私の英知の源を垣間見た人間はショボン、君が初めてなのだから 」
フォックスがゆっくりと両手を広げ、何らかの呪文を唱えた。
するとどうだろう。
両手を結ぶ空間の中心から光の粒子が発生し、渦を巻くように旋回する。
(´・ω・`)「何をするつもりだ!?」
光の粒子は次々と溢れ出し、フォックスの両手では収まり切れない。
光の旋回はフォックスを離れ、部屋中を縦横無尽に駆け巡る。
同時に発光は強さを増し、突き刺さるような刺激を受けショボンは思わず目を閉じた。
- 18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 19:07:31.41 ID:k5zIUzTT0
- 爪゚ー゚)爪゚∀゚)爪゚A゚)「「「……。」」」
- 19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 19:07:42.83 ID:GyD9t2WCO
- フォックスは悪役多いなぁ支援
- 20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 19:09:22.00 ID:7dpEVFDe0
- フォックス…敵に回ったか
- 21 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 19:09:27.52 ID:K2OKmfFN0
-
爪'ー`)「目を開きなさい、ショボン。
そして平伏すが良い。
君は全知全能の前にあるのだ 」
(´・ω・`)「これは……!?」
目を開いたショボンは、そのまま瞠目し言葉を失った。
先程まで居た部屋とは様相が全く異なっていたからだ。
───本が浮いていた。
それも途方もない数の本だ。
広大な空間を、天空遥かまで無尽に埋め尽くす本と本と本……。
それらが空中をゆっくりと旋回している。
あるいは規則正しく、あるいは不規則に……。
しかし互いに接触し合う事無く、ゆっくりとゆっくりと漂っていた。
爪'ー`)「私は自身の力を『知ること』にのみ費やしてきた。
これがその結果だよ、ショボン。
私の魔力が本となり具現化したのだ。
何が書かれていると思う?」
(´・ω・`)「さぁね……。
童話にしては少々大袈裟だ 」
- 22 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 19:11:42.80 ID:K2OKmfFN0
-
爪'ー`)「ここにはあらゆる知識が揃っている。
文字通り『あらゆる』知識だ。
この世に私が知らぬ事象は無い。
ショボン……。君達がどこへ行っていたかも、私は承知している 」
(;´・ω・)「まさか!?」
爪'ー`)「あのお嬢さん……、随分と元気が良いようだ。
この塔に真っ直ぐ向かって来ている。
異世界の強者。実に興味深い 」
(#´・ω・)「貴様っ!!クーに手を出すな!!
彼女は本来、この世界とは関係の無い女性だ!!
何をす──」
ショボンはフォックスに飛びつこうとするも、生憎縛られたままだ。
それは叶わない。
フォックスはショボンの声に被せるように、慇懃無礼に笑った。
爪'ー`)「 君 が 巻き込んだのだ。
この世界で彼女の身に何が起ころうと 君 の 責 任 。
私が彼女に危害を加えても 君 の 責 任 」
- 23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 19:11:59.98 ID:GyD9t2WCO
- フォックスが実はロリコンだって書いてあった
- 24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 19:12:21.47 ID:7dpEVFDe0
- 良い感じの外道だない
- 25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 19:14:44.33 ID:K2OKmfFN0
-
まさにその通りだった。
ショボンは分かっている。
自分が連れて来なければ、クーが危険な目に会う事は無かったはずなのだ。
(#´・ω・)「ク……!! 貴様は最低だ!!」
爪'ー`)「それは見方によるだろう。
私も興奮しているのだよ、ショボン?
フォックスは静かな声でショボンに語りかけると、手を目の前に翳した。
フォックスの掌が僅かに発光する。
同時に何億もの本の内の一冊が、ショボンの遥か頭上から吸い寄せられた。
爪'ー`)「少々私の力を応用してみよう。
彼女がどう行動するか、実に楽しみだ 」
フォックスは手に取った本を片手に乗せて開くと、空いた片手でその上をなぞった。
本に書かれた文字が一字一字発光していく。
やがて光は次々と本から飛び出し、壁や天井に突撃して行った。
- 26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 19:15:46.12 ID:k5zIUzTT0
- フォックスが単体で強いのはあんまり無かったな
まさに「虎の威を借る狐」ってのが多い。
今回も「虎」がいるんだろうか
- 27 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 19:17:06.69 ID:K2OKmfFN0
-
(;´・ω・)「何を……しているんだ……?」
爪'ー`)「もちろん迎撃だよ、ショボン。
私が兵を持たない理由を知っているかね?」
フォックスが、ショボンの信ずる正義に属していない事はハッキリと分かる。
光が飛びこんだ場所には、無数の彫刻。
それらが徐々に色を持ち、鳴動を始める。
爪'ー`)「まずはお手並み拝見という所か。
私の所へ、早めに辿り着いてくれると嬉しいのだがね 」
(#´・ω・)「だったら案内でもしたらどうだ?」
爪'ー`)「ふっふっふ……。
まぁ、落ち着いて待つと良い。
自力で辿り着くか、そうでなければ首が届くだろう 」
壁や天井から、次から次へと武装した兵が沸き出す。
断った今まで、ただの彫刻に過ぎなかった兵達だ。
一目では数え切れない。
(;´・ω・)。o ○(クー……。すまない……)
続々と外へと向かって行く兵達を、ショボンは歯軋りしながら見るだけだった。
△ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼
- 28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 19:19:58.64 ID:GyD9t2WCO
- 頑張れクー
負けたら説教部屋送りだぞ支援
- 29 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 19:20:03.50 ID:K2OKmfFN0
- △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼
クーがフォックスの城に着いたのは、太陽が真上から少し西に傾いた時刻。
ショボンの魔力が宿った指輪が、この場所まで導いてくれた。
一面の雪に陽光が痛いほど反射し、周囲は光に包まれている。
だが、この幻想的な光景の中、デビルサマナーの女は固く表情を結んでいた。
川 ゚ -゚)「お前達、いけるな?」
∧_∧ ∧_∧
(叉)゚,, >|<,,゚(叉)「「オレサマ ジュンビ イイ!!」」
ノ)) - 从「……ああ 」
2体の心強い仲魔も明らかに意気軒昂。
そもそも、デビルサマナーが使役する魔とは、召喚された瞬間から臨戦態勢なのだ。
クーは決意と強い光を湛えた大きな茶色の瞳を城に向けた。
川 ゚ -゚)「アレは本物のショボンじゃないが、姿形は全く同じだ。
私の未来の夫を模った人間を、傷付けさせるわけにはいかないよね。
常識的に考えて 」
- 30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 19:20:44.05 ID:xfnR/gq50
- やだペルソナさんったら恥ずかしい……///
まさに悪役って感じだなフォックス
- 31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 19:21:30.63 ID:GyD9t2WCO
- オルちゃんと……クルースニクだっけ?支援
- 32 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 19:22:41.69 ID:K2OKmfFN0
- ∧_∧ ∧_∧
(叉)゚,, >|<,,゚(叉)「「オレサマ マル齧リ出来ルナラ ブッチャケ 何デモ イイ!!」」
ノ)) - 从「……」
オルトロスは食う事ばかりを考えている。
だが、敵を食うという事は即ち危害を加えること。
願ってもない。
ノーマンは返事の代わりに、背中に背負った大剣を一気に引き抜いた。
筋骨隆々で聳える巨体のノーマンよりも、さらに幾分か巨大な漆黒の剣。
その鉄塊は目にするだけで寒気がする。
川 ゚ -゚)「今日の私は、ショボンが居ないからやる気が無いぞ。
お前達、その分頼んだ 」
言葉とは裏腹に、端正な顔には怒りと殺気が滲んでいた。
クーは右手に刀を、左手に拳銃を持つ。
先祖伝来の外套を颯爽と靡かせ、2体の魔と一気に駈け出した。
△ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼
- 33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 19:23:08.39 ID:n2GOi6NIO
- ノーマン!
- 34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 19:24:16.36 ID:7dpEVFDe0
- 来たか!ダンピールのーまん!
- 35 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 19:24:28.71 ID:K2OKmfFN0
- △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼
この日、フォックスは城に兵を配置していた。
本来はこの巨大な城には僅かな使用人しかいない。
皆に慕われていた賢王に敵など有る筈もなく、兵に守らせる必要が無いのだ。
だが、今クーは殺気立った多数の兵に包囲されていた。
川 ゚ -゚)「何だ?いきなり出てきたな。
誰だお前らは?何者だ?」
従って、クーが直面したこの兵は特殊な存在であると言える。
フォックスが自らの本の中から具現化した兵達。
召喚とは似て非なる魔法だ。
フォックスは有事の際には、この様な兵を自在に繰り出す事が可能だった。
そして、そういう兵達が城中に配備してクーを待ち構えていた。
フォックスが用意した兵数は、たった1人と2体の侵入者を倒すには充分過ぎる数。
──だが残念ながら、それは間違った判断だ。
- 36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 19:25:31.08 ID:GyD9t2WCO
- ノーマンだったか……
支援物資だ
つ【運喰い虫】
- 37 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 19:26:48.52 ID:K2OKmfFN0
-
兵「なんだ!? 何だこいつらは!?」
兵「引くな!! 陣形を整え──ぎゃっ!!!!」
何らかを指図しようとした兵の頭が、オルトロスに食い千切られた。
『ブチブチィッ』としか表現のしようのない不快な音と共に、
胸から上の無い死体が床に転がった。
その光景を目の前で見た兵の視界に、黒い何かが迫ってくる。
兵「ぐっ……げはっ!」
ダンピール・ノーマンの巨剣が胴を貫き、ついでに後ろの数名も貫いた。
黒いマントを靡かせ剣を振るう様は、さながら黒い竜巻のようだ。
陣形など関係ない。
薄紙のように破られてしまうからだ。
兵数など関係ない。
その上から簡単に踏み潰されてしまうからだ。
この二体の暴力に、フォックスが用意した兵は恐慌を起こした。
壊滅と言って良い。
逃げ出した兵は数多くいるが、これらは全て無視された。
- 38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 19:28:42.03 ID:GyD9t2WCO
- 無双やねw支援
- 39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 19:28:52.41 ID:k5zIUzTT0
- 自我あんのか
- 40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 19:29:01.19 ID:7dpEVFDe0
- 本気出したか!?
- 41 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 19:29:15.71 ID:K2OKmfFN0
-
川 ゚ -゚)「行くぞ 」
クーはショボンを迅速に救出するためだけにここに来た。
他の問題に時間をかけている暇はない。
だからこそ、最初の敵を残酷に殺す事をノーマン達に許した。
川 ゚ -゚)「胸糞悪い……」
最初に圧倒的な力と恐怖を植え付ければ、残りの兵は戦わずして落ちる。
クーは倒れた兵を悲しげに眺める。
川 ゚ -゚)「ん?」
その時、死体に変化が現れる。
体中に妙な文字が浮き上がり、その次の瞬間──
何事もなかったかのように消え、後には砕けた彫像が残ったのだ。
川 ゚ -゚)「この彫刻は……。
あれ?もしかして生き物じゃぁなかったのか?
魔術か何かで構築された式神の様なものか……」
その時、クーの脳裏にある事が閃く。
川 ゚ -゚)「なんだ。全然後味悪くないじゃないか 」
クーはサッパリした顔で先へ進んだ。
- 42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 19:30:33.34 ID:GyD9t2WCO
- 流石だw
- 43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 19:31:19.24 ID:7dpEVFDe0
- サッパリすんなwwwwww
- 44 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 19:31:27.25 ID:K2OKmfFN0
-
クーはここで仲魔への命令を切り替える。
” 好 き に や れ ”
この瞬間から、フォックスの城は地獄と化した。
クーの仲魔とは言え元々は魔性の者。
そう言われて綺麗に戦う筈など無い。
兵達は散々に食い千切られ、切り飛ばされ、酷い有様の死体を晒す。
暫くすると死体はただの彫刻に戻るのだが、それを見せられた者は堪らない。
自分の未来をそこに見た者は、誰も彼もが士気を失い逃げに走る。
川 ゚ -゚)「その様子を見ると感情はあるようだな。
誰に作られたかは知らんが、趣味の悪い事だ。
怖ければ逃げろ。
時間が惜しい。逃げる者は追わない 」
仲魔が切り開いた無人の城内を、悠々と歩いて行くクー。
それでも銃と刀を手放さない。
何が起こるか分からない異世界だ。
一瞬の隙が命取りになる可能性はある。
- 45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 19:32:53.18 ID:GyD9t2WCO
- ハイパー殺戮タイムですな
- 46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 19:33:09.40 ID:k5zIUzTT0
- 走れよwwwwwwwwww
- 47 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 19:33:43.21 ID:K2OKmfFN0
-
兵「う……ぅぅぅ……」
兵「オレは逃げるぞ!! こんなのどうしようもない!!」
クー達は行く先々で新たな兵の集団と遭遇した。
そして進む先々で兵達に恐怖を植え付け、蹴散らした。
充分に離れた距離へ逃げた兵は、振り返ってクーの歩みを見た。
鉄の女──その言葉が最も当て嵌まる。
無双の力を振り回す魔獣と鬼神。
──それらよりたった一太刀すら放っていないこの女。
この女の方が、遥かに恐ろしく感じた。
△ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼
- 48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 19:34:24.02 ID:n2GOi6NIO
- 逃げろー!
- 49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 19:36:18.03 ID:GyD9t2WCO
- アリス「ニンゲン、いっぱいサツリクしようね!」
- 50 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 19:37:02.18 ID:K2OKmfFN0
- △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼
幾つかの戦闘を終え、クーは動く者の気配が消えた城を歩いていた。
ノーマンとオルトロスが手加減せずに暴れ回った結果だ。
まともな思考を持つように作られたフォックスの兵。
それ故に残る者は居ない。
川 ゚ -゚)「こっちか……ふぅ。それにしても広いな、この城は。
おい、オルトロス 」
クーはオルトロスの背中に乗り、指輪が放つ信号に意識を集中していた。
ショボンの位置を指し示す方向は一貫している。
外からも見えた巨大な塔に違いないだろう。
∧_∧ ∧_∧
(叉)゚,, >|<,,゚(叉)「ライドウ。オレノ 鼻ガ アマリ 利カナイ。
コノ世界 ナンダカ 変ダ 」
川 ゚ -゚)「心配するな、オルトロス。
お前は暴れ回って、たまに私を背中に乗せてくれたら良い 」
クーはオルトロスの筋肉で覆われた脇腹を優しく叩いた。
最早襲ってくる者など皆無。
だが、クーは一抹の違和感を拭う事が出来ない。
川 ゚ -゚)。o ○(嫌な気分だ。まるで誘導されているような……)
ノ)) - 从「………」
クーの予感に同調するように、ノーマンは無言で剣を握り直した。
△ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼
- 51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 19:38:04.47 ID:7dpEVFDe0
- ノーマンかっこいいな
- 52 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 19:39:32.87 ID:K2OKmfFN0
- △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼
歩き続けたクーが唐突に城の外に出た時、既に日が傾きかけていた。
クーは遥か上空を見上げる。
更に左右へ交互に顔を向けた。
川 ゚ -゚)「なんじゃ、こりゃ……」
どれほど目を凝らしても頂上も端も目視する事は不可能。
そこに聳える物は、ここからでは巨大な壁にしか見えない。
城に入る前、遠くに見えていた塔に違いなかった。
川 ゚ -゚)「ショボンはこの中だろうな 」
目の前には、規格外の建造物の入り口と思わしき扉がある。
塔のサイズを思えば、随分と常識内の扉だ。
と言っても、目も眩むような金色に輝くゴージャスな扉だ。
高さはざっと見積もっても3メートルはある。
ノ)) - 从「主よ……」
こんなに巨大な建造物を建てる見栄っ張りは、どんな奴だろう……。
呑気にそんな事を考えていたクーに、珍しくノーマンが話しかけた。
- 53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 19:39:52.98 ID:n2GOi6NIO
- ノーマンは漢
- 54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 19:40:19.04 ID:GyD9t2WCO
- オルトロスの背中には基本的にカワイコちゃんしか乗れない
豆知識な
- 55 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 19:41:15.47 ID:K2OKmfFN0
-
川 ゚ -゚)「どうした?」
ノ)) - 从「奇妙な気配を感じる……。
居るのか居ないのか掴み所のない気配だ。
数も……はっきりしない。
こういう時は、気を付けるに越した事は無い…… 」
川 ゚ -゚)「お前が三行以上喋ったの、初めて見たぞオイwww」
ノ)) - 从「………」
クーが茶化すとノーマンはスッパリと黙る。
だが、クーの前に岩のように仁王立ちした。
何が何でも、主に危害を加えさせまいという意思表示だ。
川 ゚ -゚)「ノーマン 」
ノ)) - 从「………」
川 ゚ -゚)「有り難う 」
それきり、クーもノーマンも口を閉じた。
心なしかクーの目に映る大男の背中に、力が籠ったように見える。
煌びやかな扉に手をかけたダンピールは、怪力でゆっくりと押し開いて行った。
△ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼
- 56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 19:43:54.80 ID:GyD9t2WCO
- 支援
- 57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 19:45:13.41 ID:7dpEVFDe0
- 支援だ!!
- 58 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 19:45:34.64 ID:K2OKmfFN0
- △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼
ノ)) - 从「………」
ノーマンはその塔の内部を見て、僅かに力を抜いた。
性急に襲いかかってくるような敵は居なかったからだ。
だが、展開されている異常な光景に警戒を解く事は無かった。
川 ゚ -゚)「中はどうだ、ノーマン?」
ノーマンの背後から顔を覗かせるクー。
軽い気持ちだったが、それを見た瞬間クーは絶句する。
川 ゚ -゚)「……もう一回言うが、なんじゃこりゃ……?」
何よりも先に目を引いたのは、空中を漂う本の群れ。
半端な数では無い。
視界の殆んどを、本ばかりが埋めているのだ。
本を辛うじて度外視すると、左右遥か遠くまで壁が伸びている。
壁には、細々とした彫刻が施されているようだ。
だが先が全く見えない。
- 59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 19:47:58.14 ID:7dpEVFDe0
- 決戦か?
- 60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 19:47:59.48 ID:n2GOi6NIO
- なんじゃこりゃあ
- 61 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 19:48:09.00 ID:K2OKmfFN0
-
川 ゚ -゚)「ふぅ……。この塔を登るのは骨だと思っていたが……」
クーは上を見上げる。
入る前は確かに天空高く聳え立つタワーだった。
しかし扉の向こうの空間には天井が無い。
代わりに、遥か上空の方にまで本が浮遊している。
即ち、この塔には上に登る必要が無い。
この場が到達点なのだ。
川 ゚ -゚)「ショボン!!ここに居るんだろう!?」
クーの声が本の合間を縫って屋内に浸透して行く。
それとほぼ同時だった。
不規則に浮遊していた本達が、一斉に左右に別れる。
クーの視線上に遮る者が無くなった時……。
爪'ー`)「ようこそ、異世界の戦士よ 」
(;´・ω・)「クー!!」
椅子に縛られたショボン。
そして、柔らかだが不快感を煽る笑みを浮かべた老人がそこに居た。
- 62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 19:50:48.33 ID:n2GOi6NIO
- ついに到達か
でも100レスあるとか言ってたよね
- 63 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 19:50:53.91 ID:K2OKmfFN0
-
本が両脇に散った事で、建物内の様子が分かる。
いや、分かっても大して意味があるとは思えなかった。
冗談のように広い以外は、これと言って特徴の無いただの空間だ。
川 ゚ -゚)「ショボンを返してもらう 」
不敵に笑う老人が、この一件の首謀者である事は既に承知。
そして彼こそが、ショボンとの会話に何度も登場したフォックスに違いないだろう。
クーの脳裏に、フォックスは敵として認識された。
爪'ー`)「元気の良いお嬢さんだ。
いや、名を呼ばせて頂こう。
十八代目・葛葉ライドウ 」
(;´・ω・)「何故その名を……!?」
爪'ー`)「ここにあるのは全知全能だと言ったはずだよ、ショボン。
異世界の事象ですら、私は充分に知り得るのだ。
無論、彼女の世界も例外ではない 」
- 64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 19:52:30.81 ID:GyD9t2WCO
- 支援
つ【暴威弾】
- 65 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 19:52:45.45 ID:K2OKmfFN0
-
しかし、クーはそれを聞いても何ら臆する事は無い。
川 ゚ -゚)「それがどうした爺様。
私の名を知っている程度で付け上がるなよ?
さっさとショボンを解放するならば良し。
そうしないならば…… 」
クーは静かに刀を構える。
同時にノーマンとオルトロスが一歩踏み出した。
凄まじい殺気が込められている。
爪'ー`)「十八代目・葛葉ライドウ、通称クー。
魔を打ち倒す者、『退魔師』という輩の世界から来た 」
フォックスが掌を上に向けると、どこからか本が舞い降りた。
ページをパラパラとめくりながら、その内容を読み上げて行く。
爪'ー`)「ほぅ……。魔物を支配下に置き、その力で魔を滅する悪魔召喚師か……。
力の源たる魔物は、その『ダンピール』と『オルトロス』の2体。
既に召喚しているという事は……かなり本気のようだな。
ショボン、随分と君に入れ込んでいるらしい 」
(;´・ω・)「まさか……異世界の存在を知っているだけじゃないのか!?
その中身までも見通せるというのか!?」
- 66 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 19:54:52.46 ID:K2OKmfFN0
-
爪'ー`)「その通りだ、ショボン。
この本には彼女の世界の全てが書いてある。
私に分からない事は無いのだ 」
全てを見透かす快感をフォックスは存分に堪能していた。
相手の手を、先回りして潰していく。
膨大な知識から裏付けされた詰将棋の様な戦法を、フォックスは実に好んだ。
(;´-ω-)「勝てる……はずがない……」
情報が敵に回ることの意味を、ショボンは理解し狼狽した。
誰も知らない異世界の強者は、誰も知らない力で戦況を覆してくれるはずだった。
しかし、こちらの出方は、文字通りフォックスの手の内にある本に晒されている。
爪'ー`)「ふふふ……ふははははは!!
全能なる知識の前には、あらゆる者が首を垂れ─── 」
絶望するショボン。
それを見て、自身の強大な力を自覚し高笑いするフォックス。
川 ゚ -゚)「そこに私の事が書いてあるのか?」
フォックスが楽しそうに笑っている所を、クーは無遠慮に突っ込んでいった。
- 67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 19:56:33.88 ID:xfnR/gq50
- 支援
- 68 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 19:56:35.19 ID:K2OKmfFN0
-
川 ゚ -゚)「その本、実に興味があるな。
調査書の様なものか?」
自らに憎しみや怒りを抱いているショボンとは真反対。
クーはフォックスに対して、全く気後れしていない。
突然突っ込まれたフォックスは、逆に気圧された。
川 ゚ -゚)「言ってみろ。どんな本だ?」
爪;'ー`)「どんなって……、小説形式で───」
川 ゚ -゚)「ほぅ……。
もちろんショボンが主役で、私がヒロインなんだろうな?」
何故か偉そうなクーに対し、フォックスは戸惑う。
何だこの女は?
どうして自分に対して、このような態度が取れるのだ?
しかし、フォックスはこの高圧的な態度に、つい素直に答えてしまう。
爪;'ー`)「いや、主人公は内藤ホライゾンで、ヒロインはツ───」
川 ゚ -゚)「何だと?」
- 69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 19:56:41.43 ID:GyD9t2WCO
- 暴走するに300円
- 70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 19:58:09.43 ID:7dpEVFDe0
- 行け クー!
- 71 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 19:58:22.19 ID:K2OKmfFN0
-
フォックスはクーの顔色が変わったのを見てはっとした。
機嫌を損ねる事を言ってしまったのだろうか……。
だが思い直した。
何故この女の機嫌を取らねばならないのか。
自分は『賢王』だぞ?
自分の知識の前には、誰もが平伏すのだ。
しかし、どうやらそうでもない女がここに居るらしい。
川#゚ -゚)「はっはっはは。どうやらそれには随分と間違いがあるようだな。
私が加筆修正してやる。速やかに寄越せ 」
声は笑っているが、目が据わっている。
クーは一切の遠慮なく、真っ直ぐに近付いて来る!!
爪;'ー`)「そ、そこまでだ!!
それ以上近づくんじゃない!!」
何とか気力を振り絞り、フォックスはクーに叫んだ。
クーは足を止める。
フォックスの大声に身が竦んだからではない。
- 72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 19:58:35.77 ID:tXNtwJpn0
- クー△支援!
- 73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 19:58:56.36 ID:xfnR/gq50
- フォックスはブーン系読者のようです
- 74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 19:59:18.55 ID:n2GOi6NIO
- シリアスブレイカーwwwwwww
- 75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:00:34.25 ID:GyD9t2WCO
- やっぱりそう来たかw
- 76 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 20:00:37.15 ID:K2OKmfFN0
-
(;´・ω・)「ク……」
ショボンの首筋に、フォックスは小さなナイフを当てていた。
爪;'ー`)「君は何かを勘違いしているようだな!!
ショボンの命は私の手の中にある!!
そして言わせてもらうが…… 」
フォックスは気力を取り戻した。
クーにペースを奪われていただけだ。
圧倒的に有利なのはフォックスであり、それを誇示するかのように言う。
爪'ー`)「私は全知全能の『賢王』だ!!」
まさに王の威厳。
フォックスは言葉と共に尊厳を取り戻し、目には爛々と力が宿った。
川 ゚ -゚)「で?」
爪;'ー`)「……は?」
- 77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:01:06.11 ID:tXNtwJpn0
- このクー好きすぎる
- 78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:01:11.63 ID:7dpEVFDe0
- 目が座っている吹いたwwwwww
- 79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:02:08.39 ID:n2GOi6NIO
- でっていう
- 80 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 20:02:28.79 ID:K2OKmfFN0
-
熱くなっているフォックスとは真反対。
クーの目はあまりにも冷めていた。
川 ゚ -゚)「要するに、お前の力はその本なんだろう?
その本には、何でもかんでも答えが載っていると 」
実の所、クーは自分の能力を散々自慢しまくっている老人にイラついていた。
よくよく聞いていると見た目が大袈裟なだけだ。
爪#'ー`)「その態度や言い方……。
まるで私の知識が矮小な物だとでも言いたそうだな 」
クーは明らかに白けた顔をしている。
これはフォックスにとって初めての経験だった。
賢王フォックスに向けられる人々の顔は、どれも尊敬と畏怖に塗れていた。
- 81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:02:56.69 ID:GyD9t2WCO
- このクーに(ショボン絡みで)常識が通用すると思うなw
- 82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:03:55.71 ID:ZsLcNL8r0
- あっれ、やっぱこのフォックス小物臭い
- 83 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 20:04:39.57 ID:K2OKmfFN0
-
川 ゚ -゚)「言っておくがな、私の世界では全てを知ることなど容易いことだ。
ネット環境さえあれば、中学生でも簡単に出来る。
グーグル先生は偉大だからな 」
爪#'ー`)「私の……本が取るに足らないだと……!?」
フォックスは、自らの能力の結晶である数億の本の群れを見渡した。
力の象徴であり、誇りだった。
それを異世界の者が踏み躙ったのだ。
軽蔑するような視線を、フォックスは向けられた事など無い。
それ故、全くと言って耐性がなかった。
怒り心頭のフォックスは、怒りのあまり言葉を失った。
(;´・ω・)「クー……、君は一体……」
言葉を失ったのはショボンも同じだった。
心が折れかけてしまう程のフォックスの力。
しかし、クーは一切動じない。
希望が涌いて来たように感じる。
- 84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:05:51.04 ID:k5zIUzTT0
- グーグル先生△
- 85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:05:57.85 ID:GyD9t2WCO
- Google先生wwwww
- 86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:06:13.22 ID:7dpEVFDe0
- このクー、アルファショボンより強いんじゃないか?wwwwww
- 87 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 20:06:20.21 ID:K2OKmfFN0
-
川 ゚ -゚)「大丈夫だ、ショボン。
私がお前に危害など加えさせない 」
ショボンはクーの戦力を良く知らない。
しかしこの女の精神の強さ。
そして両脇を固める2体の魔物の強烈な迫力。
もし敵に回っていたならば、最上級の警戒をしていただろう。
川 ゚ -゚)「私は使命を帯びてこの世界に連れて来られた。
案内人はそのショボンだ。
悪いが、力ずくでも救出させてもらう 」
手にした刀の切っ先を真っ直ぐにフォックスに向ける。
そして揺るぎない意志を伝えた。
クーの意志は、即ちノーマンとオルトロスの意志でもある。
これらの意志に、不可能など無いような錯覚を起こさせる。
それだけの力を十分に備えた者達だ。
爪'ー`)「……不可能だ 」
切っ先の鋭さをを喉元に、鉄塊の重圧を脳天に、
そして爪牙の熱気を首筋に感じながら、フォックスはようやく口を開く。
その声には、怒りが満ち満ちていた。
- 88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:07:18.96 ID:tXNtwJpn0
- ぐーぐるせんせい流石だな
- 89 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 20:08:28.74 ID:K2OKmfFN0
-
爪'ー`)「無知なる異世界の者よ。
君が私を倒せない理由は2つある……」
(#´・ω・)「うっ……。放……せ……」
フォックスはショボンの首をねじ上げる。
爪'ー`)「1つ目はこのショボン。
君は自らの世界でショボンに恋慕している。
この世界の彼でも、こうして人質にとれば
君の動きを封じる事が可能というわけだ 」
川 ゚ -゚)「………」
クーを挑発するようにフォックスが薄ら笑いを浮かべた。
賢王の不遜な態度を見て、オルトロスが即座に構える。
だがクーが片手を出してこれを制した。
川 ゚ -゚)「だから何だ?それがどうした?
私の婚約者は私の世界で、良い子にして待ってるぞ。
同じショボンでも同一人物ではない 」
クーは挑発に乗らない。
あくまでクールに振舞っている。
完全にクーのペースだ。
- 90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:08:58.89 ID:tXNtwJpn0
- 支援
- 91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:10:00.81 ID:GyD9t2WCO
- ふむふむ……支援
- 92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:10:04.75 ID:k5zIUzTT0
- アルファショボンは、なんだかんだでただの人間だからな
- 93 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 20:10:23.97 ID:K2OKmfFN0
-
爪'ー`)「婚約者なんて……自分で勝手に言ってるだけのくせに 」
完全にクーのペース……
川#゚ -゚)「何だと!? このクソジジイ!!」
∧_∧ ∧_∧
(叉)゚,;>|<;゚(叉)「ライドウ!! 落チ着ケ!!」
ノ)); - 从「……!!」
フォックスがボソッと何かを言うと、クーは一気に噴火した。
顔を真っ赤にしてフォックスに飛び掛かろうとするクー。
オルトロスとノーマンが、これを必死に宥める。
川#゚ -゚)「放せっ!! このジジイを老人ホームに放り込んでやる!!」
逆鱗に触れたというヤツだ。
2体の魔は、主を何とか落ち着かせようと躍起になっている。
爪;'ー`)「………」
だが、一番戸惑っていたのはこのフォックスだった。
効果的な一言にご満悦だが、
ちょっぴり悪い事を言ってしまったなとも思った。
- 94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:10:44.61 ID:xfnR/gq50
- 支援
- 95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:11:58.84 ID:7dpEVFDe0
- フォックス読み込んでやがるwwww
- 96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:13:03.87 ID:tXNtwJpn0
- ノーマンが動揺するくらいキレたのかw
- 97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:13:12.11 ID:n2GOi6NIO
- ブーン系はまってんなこいつwwwwwww
- 98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:13:25.98 ID:GyD9t2WCO
- そこで罪悪感に駆られんなw
- 99 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 20:13:41.29 ID:K2OKmfFN0
-
爪;'ー`)「ふ……、ふふ。
随分痛い所を突かれてしまったようだな。
私は全て知っているんだよ?」
川#゚ -゚)「うっせぇ!! ぶっ殺すぞ!!」
ノ)); - 从「主よ……。ビー・クールだ、ビー・クール 」
フォックスは再び本を紐解き始めた。
爪'ー`)「今ので確定的だな。
君は君のショボンを深く愛しているのだろう?
果たして、これをどうするかな?」
そういうとフォックスは開いた本のページをなぞる。
触れた先から、書かれた文字が青白く発光していく。
爪'ー`)「君が私に勝てない2つ目の理由は……」
そう言って、フォックスがクーに目を向けた途端───
川 ゚ -゚)「ん?なんだ?」
本から光が飛び出した。
強く輝く青白い光が地面に落ち、じわじわと形となり始める。
クーはこれに似た光景をよく知っていた。
- 100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:14:31.12 ID:tXNtwJpn0
- イトーイ支援
- 101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:14:53.63 ID:k5zIUzTT0
- ビー・クール支援
- 102 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 20:15:31.46 ID:K2OKmfFN0
-
川 ゚ -゚)「これはまさか……悪魔召喚!?」
クーと2体の魔は瞬時に身構えた。
この光が収束する時、クー達にとって喜ばしくない何者かが現れるだろう。
それを裏付けるように、光の中に気配を感じる。
爪'ー`)「話を続けよう。
君が私に勝てない理由とは……!!」
───そして光が急速に収束した。
川 ゚ -゚)「っ!? お前はっ!!」
そこに現れた者は、濃いグレーのスーツをスタイリッシュに着こなしていた。
髪は一糸乱れぬオールバック。
真っ直ぐに伸びた背中は、身長以上に体を大きく見せる。
(;´・ω・)「これは……!? クーの世界の……!!」
左手には白木の鞘に納められた刀。
『百足丸』と銘打たれたこの妖刀は、魔を切りつけると忽ち命を喰らい尽くす。
(´・ω・`)「クー 」
自信に満ち溢れた眼力の、無敵の『退魔師』が現れた。
- 103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:15:49.52 ID:GyD9t2WCO
- 仲魔に諭されるサマナーって……w
- 104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:16:44.08 ID:tXNtwJpn0
- うわーお
- 105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:17:06.27 ID:GyD9t2WCO
- やっぱりショボン召喚しやがったかこの狐
- 106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:17:21.81 ID:WSmOFMTRO
- 支援
- 107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:17:49.62 ID:7dpEVFDe0
- 大麻ショボンか!?
勝てるのか!?
- 108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:18:11.48 ID:k5zIUzTT0
- (´・∋・`)「どうも、コウノトリです」
- 109 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 20:18:14.58 ID:K2OKmfFN0
-
川 ゚ -゚)「ショボン……」
クーの目が潤む。
愛しい男が目の前に突然現れたのだ。
縋りつくような声でその名を呼んだ。
(´・ω・`)「クー、こんな所にいたらダメじゃないか。
オレ達の式を挙げるんだろう?
さぁ、一緒に帰るぞ 」
ショボンは刀を持っていない方の手を出す。
その甘い囁きに、クーは自然に吸い寄せられて行った。
思い続けていた男が、自分を連れて行ってくれるというのだ。
川 ゚ -゚)「本当かショボン?本当に婿に来てくれるのか?」
(´・ω・`)「クー……良い子だ 」
退魔師のショボンはクーを優しく抱き寄せた。
抵抗する事無く、クーはショボンの胸に顔を埋める。
- 110 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 20:20:17.75 ID:K2OKmfFN0
-
爪'ー`)「彼女が私に勝てない理由その2……。
どうかね、ショボン?
彼女は彼を傷付けることなど出来んよ 」
2人の様子を満足そうに眺めながら、フォックスは縛られたショボンに言う。
こちらのショボンは歯噛みするだけだ。
爪'ー`)「私は、私の本の中のモノを自在に取り出す事が出来る。
尤も、あまり大きな物は無理だがね。
しかし、人間一人程度なら……」
───御覧の通りだ。
そう言わんばかりに大袈裟に手を広げて見せるフォックス。
クーを包み込むように抱く、ショボンがそこに居る。
しかし───。
(;´・ω・)「クー!!しっかりするんだっ!!」
椅子に縛られたままショボンは叫ぶ。
その視界には、自分と同じ顔をした男が映っている。
刀を振り上げたショボンが!!
抱かれたままのクーは、背中に迫る刀が見えていない……。
- 111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:20:20.59 ID:GyD9t2WCO
- 退魔ショボンはそんなコト言わない
- 112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:21:20.57 ID:ZsLcNL8r0
- フォックスやっぱこいつは大物にはなれんな
- 113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:21:40.65 ID:7dpEVFDe0
- 偽者だ!妥協するなよクー!!
- 114 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 20:22:33.07 ID:K2OKmfFN0
- ノ)) - 从「………!!」
∧_∧ ∧_∧
(叉)゚,, >|<,,゚(叉)「「ライドウ!!」」
二体の仲間が駆ける。
───間に合うか!?
しかし無情にも、妖刀の刃がクーの背中に……。
川 ゚ -゚)「……馬鹿が 」
その瞬間、クーは顔を上げ退魔師ショボンの顔を痛烈に睨んだ。
表情には一切の惑いが無い。
同時に右腕を振るった。
刀を持った右腕を!!
激しい金属音と共に弾かれた退魔師の妖刀は、空中を回転しながら大きく飛ぶ。
(;´・ω・)「危っっ!!」
爪;'ー`)「この……女……!!」
そして縛られたままのショボンのすぐ側の床に突き刺さった。
そしてクーは更に刀を振る───!!
- 115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:22:57.36 ID:GyD9t2WCO
- >>113
退魔クーが妥協なんて安易なコトする訳ないw
- 116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:24:06.06 ID:k5zIUzTT0
- ですよねー
- 117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:24:10.99 ID:tXNtwJpn0
- クーかっこいいな
- 118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:24:20.67 ID:n2GOi6NIO
- 当然だな!
- 119 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 20:24:26.92 ID:K2OKmfFN0
-
爪;'ー`)「な……なんだと!?」
余裕の表情を見せていたフォックスが、大きく目を開いてこの光景を見る。
冷たい刃が肉と骨を断つ音。
ショボンの首が、宙を舞い地面に落ちた。
川 ゚ -゚)「邪魔だ偽物 」
残った体は、切り口から噴水のように血の雨を降らす。
クーが左手で軽くこれを押すと力無く倒れた。
爪;'ー`)「何という女……!? この女、悪魔か!?」
川 ゚ -゚)「身を守っただけだ。文句あるか?」
それは確かにそうだ。
確かにクーの言う通りなのだが、たった今この女が切り殺したのは……
- 120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:24:41.78 ID:GyD9t2WCO
- だから言っただろうw
退魔クーに(ショボン絡みで)常識は通用しないとw
- 121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:24:57.06 ID:tXNtwJpn0
- クーTUEEEEE
- 122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:25:42.71 ID:7dpEVFDe0
- 常識通用しねぇwwww
- 123 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 20:26:27.61 ID:K2OKmfFN0
-
爪;'ー`)「この男を愛していたんだろう!?
なぜ躊躇なく殺せる!? 血も涙もないのか君は!?」
川 ゚ -゚)「いや、だって……」
切っ先で死体を指すクー。
生々しい血と肉に文字が浮かび、不気味に蠢くと一気に飛び出した。
飛び出した文字はフォックスの本に還る。
後には、依代となった小さな人形だけが残った。
川 ゚ -゚)「偽物じゃん?
言っておくがな、本物のショボンはもっとこうダンディで……
……あと、凄く毒がある 」
ふいっと顔を反らすクー。
若干頬が染まっているようにも見える。
爪;'ー`)「しかし!!
しかしこの男を救いに来たのは、愛する男と同じショボンだからだ!!
傷付けることなど、君には出来ないはずだ!!」
フォックスは顔を青くして負け犬のように叫んだ。
- 124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:27:26.88 ID:tXNtwJpn0
- 何照れてんだww
- 125 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 20:28:29.86 ID:K2OKmfFN0
-
川 ゚ -゚)「はぁ?
勘違いが甚だしいぞ、爺様 」
言葉を切って、クーは刀を肩に担いだ。
ツンと顎を上げ、見下したようにフォックスを見据える。
そして力強く言い放つのだ。
川 ゚ -゚)「私は理不尽に攫われた友人を救いに来た。
顔がどうこうなど、関係有るものか 」
その意思を証明するかのように、刀を振り下ろした。
空を切る刃は、鋭い風を生んだ。
フォックスはその風を頬に冷たく感じ、自信が冷や汗を流している事に気付いた。
ノ)) - 从「………」
∧_∧ ∧_∧
(叉)゚,, >|<,,゚(叉)「「GUrururururururuu……」」
二体の仲魔がクーの前方に立つ。
殺気を全身に漲らせて。
立ちはだかるこの二体は、何よりも厚く高い壁に見える。
- 126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:29:13.45 ID:7dpEVFDe0
- ついに始まるか…
- 127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:29:33.59 ID:GyD9t2WCO
- ショボンは元の世界でいい子にしてるんだって言ってたぢゃんw
そんなコトすら訊いてないのかこの狐は
- 128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:29:40.83 ID:tXNtwJpn0
- 支援
- 129 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 20:32:32.57 ID:K2OKmfFN0
- http://imepita.jp/20101127/739170
- 130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:33:38.58 ID:n2GOi6NIO
- >>129
かっけぇwwwwwww
- 131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:33:39.59 ID:ZsLcNL8r0
- うひょー
- 132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:33:49.90 ID:7dpEVFDe0
- 挿し絵かっけーーーーーーーーー!!
- 133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:34:04.96 ID:tXNtwJpn0
- ノーマンかっけええええ
- 134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:34:18.87 ID:GyD9t2WCO
- これは……狐死んだなw
- 135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:34:45.71 ID:xfnR/gq50
- クーさんまじかっけえ
支援
- 136 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 20:34:52.61 ID:K2OKmfFN0
-
川 ゚ -゚)「ショボン。私が直ぐに助けてやるからな 」
巨体を誇る魔物に隠れてその表情は読めない。
しかし何かのスイッチが入った。
どこか恍けた態度だったクーが、一気に戦闘態勢に入ったのをフォックスは感じた。
爪'ー`)「とんでもない女を連れてきたな、ショボン!!
しかし冷徹な振りをしているだけかもしれん!!
その真の心、この私が暴いてやろう!!」
フォックスは再び本を開く。
その知の深淵はまだ見せてはいない。
本からは3つの光が飛び出す。
先程、ショボンが現れた時と同じだ。
徐々に形を形成していく。
('A`)
一つは凶悪な刃に───。
ξ゚听)ξ
一つは地獄の業火に───。
∧_∧
(*゚;;-゚)
最後の一つは黒い爪牙に───。
- 137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:36:16.34 ID:xfnR/gq50
- 中国で修行中のあの方じゃないですか
- 138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:36:31.49 ID:7dpEVFDe0
- フォックスめ、まだ分からないのか
- 139 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 20:36:39.89 ID:K2OKmfFN0
-
川 ゚ -゚)「お前ら……」
クーは見知った者達の出現を改めて確認した。
信じ難い事に、それぞれ自分に殺気を向けている。
ノ)) - 从「主……」
川 ゚ -゚)「分かっている。当然、偽物だ 」
ノーマンが低く強い声で注意を促すが、クーには必要なかったようだ。
後ろからオルトロスが鼻を押し当てた。
∧_∧ ∧_∧
(叉)゚,, >|<,,゚(叉)「オレ、アノ 猫ガ イイ 」
二頭の魔犬は小さな黒ネコにご執心の様だ。
川 ゚ -゚)「ノーマン、ツンを 」
ノ)) - 从「………」
無言で巨剣を担ぐ。
無双の剛力を持つ剣士は、炎の少女に照準を定める。
川 ゚ -゚)「私はドクオをぶちのめすとしよう 」
そして3つの戦闘が同時に開始された───。
- 140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:36:42.93 ID:GyD9t2WCO
- 無茶だなw
そんなんでクーが止まる訳ない
- 141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:37:26.25 ID:ZsLcNL8r0
- 犬と猫のじゃれあいか、和むな
- 142 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:37:55.26 ID:tXNtwJpn0
- ドクオぶちのめしたいのはストレス発散な気もするなw
- 143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:37:56.63 ID:FIPuJtSq0
- 偽ドクオの末路が読めすぎるwwwwwwww
- 144 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 20:38:43.24 ID:K2OKmfFN0
-
(#'A`)「このどブスがぁ!!
すました顔しやがってコラァ!!
ワシが腹抉ってやるけぇのう!!」
川 ゚ -゚)「なんだ。完全に偽物じゃないか 」
仲間と同じ姿の敵を、有無を言わさず倒すのはやはり気が引ける。
まずは偽物であると決定的な物が欲しい。
とりあえずクーが知っているドクオは、これほど仁義なき話し方はしない。
川 ゚ -゚)「私の腹を抉るという提案、悪いがきっぱりと断る。
内臓がはみ出てたら、ちょっと都合が悪いからな 」
落ち着いた表情、呼吸、鼓動。
左手にはコルトライニング。
右手の刀は先祖代々伝わる赤光葛葉(しゃっこうくずのは)。
彼女の曽祖父が、神をも滅ぼしたという恐るべき退魔刀だ。
川 ゚ -゚)「さぁ、かかって来るが良い 」
(#'A`)「おどれ!! シゴウしたるぞ!!」
川 ゚ -゚)「日本語でおk 」
ドクオは目を見開き、汚い言葉を吐きながら突っ込んで来た。
- 145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:39:37.20 ID:ZsLcNL8r0
- ドクオほんと誰だよwwwww
- 146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:40:15.82 ID:xfnR/gq50
- 何というドクオ
一目みただけでわかってしまった
これは間違いなく第二話
- 147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:40:47.94 ID:GyD9t2WCO
- 魔を断て!赤口葛葉!
- 148 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:40:59.07 ID:7dpEVFDe0
- 偽者過ぎるwww
- 149 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 20:41:41.10 ID:K2OKmfFN0
-
(#'A`)「ヒャッハァー─!!」
ドクオは走りながらコートのポケットに手を突っ込む。
引き抜いた右手には無数の護符、左手には苦無が握られている。
まずは護符を前方に投げつける。
(#'A`)「丸焼きにしちゃるけぇのう!!」
空中に舞った護符は、突然激しく燃え広がった。
法力が込められた、不動明王の炎の護符だ。
(#'A`)「串刺しじゃけぇのぅ!!」
更に燃え盛る空中に左手の苦無を投げつける。
数本の苦無が燃える護符を正確に貫き、そのスピードとともに、炎がクーに迫る!!
(#'A`)「極道を舐めとったらこうなるんじゃい!!」
そしてドクオは炎に飛び込む。
同じスピードで走り、姿が炎に消えた。
その右手はコートの裾を握っている。
ドクオの最強の武器───、
鋸の様な細かい刃が仕込まれたコートによる斬撃で止めを刺す腹積りだ。
- 150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:43:23.51 ID:GyD9t2WCO
- 絵に描いたような偽物ぶりが逆に清々しいw
- 151 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 20:43:43.82 ID:K2OKmfFN0
-
(#'A`)「このど素人がぁぁっ!!」
炎がクーの目前に迫ったとき、ドクオが炎の中から跳躍した。
空中から必殺の斬撃を振り下ろす。
(;'A`)「え……あら?」
だがコートは虚しく宙を切り裂くのみだった。
炎は何事もなく通り過ぎて行く。
直後、両手両足が凍てつく氷に包まれた。
川 ゚ -゚)「弱い。弱過ぎる 」
全く関係の無い場所からクーの声が聞こえる。
まだ硝煙を燻らすコルトライニングの銃口がドクオに向いていた。
(;'A`)「な、なんじゃこりゃぁぁぁぁー───!!」
氷に包まれ自由の利かなくなった両手を見て、ドクオは悲鳴を上げた。
激しい凍傷になった足には、既にどす黒く変色が始まっている。
神経が死に、痛みすら感じない。
- 152 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:43:46.81 ID:tXNtwJpn0
- こいつだれだww
- 153 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 20:45:29.29 ID:K2OKmfFN0
-
川 ゚ -゚)「私はデビルサマナーだ。
普通じゃない銃弾も、結構使ったりするんだぞ?」
言いながら銃の弾を入れ替えるクー。
同時に2発発砲した。
(;'A`)「ぎゃぁぁぁぁー───!!」
両足に弾を撃ち込まれるや否や、一瞬で足の氷が溶ける。
しかし溶けるに留まらない。
いきなり発火し、今度は激しく燃え始めた。
川 ゚ -゚)「さっきのは氷結弾。そしてそれは火炎弾だ。
どうだ、中々面白いだろう?」
ドクオはそれ所では無い。
必死にのた打ち回り、凍った両手で足の火を消そうと躍起になっている。
クーは静かに銃をホルスターに仕舞うと、退魔刀を両手で持った。
川 ゚ -゚)「キモい顔はそっくりだが、本物のドクオはもっと速い。
その仮初めの体に、少しでも退魔師の魂は脈打っているのか?」
- 154 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:46:22.31 ID:GyD9t2WCO
- どこの山崎だw
- 155 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:47:10.94 ID:7dpEVFDe0
- 本物のドクオは頑張ってるのに酷いwwwwww
- 156 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 20:47:32.77 ID:K2OKmfFN0
-
クーは流れるように距離を詰める。
そしてドクオの頭を蹴り上げた。
(;゚A゚)「ぶふぅっ!!」
その勢いのまま、地面でもがいていたドクオは、強制的に立ち上がる事になる。
それと同時に、クーは袈裟切りに刀を振り下ろした。
更に逆の肩口からもう一撃の袈裟切り。
ドクオは為す術もなく、胴体にXの字を刻まれた。
川 ゚ -゚)「私の仲間は、魔を討つために命をかけて強くなっている───。
貴様の様な劣化コピーが、面白半分に使って良い力では無い 」
(;゚A゚)「ガッ……てめ……」
棒立ちの胸の中心を、クーが一直線に貫いた。
赤光葛葉は、鍔元までドクオの体に埋まっている。
赤く塗らした刀身を、背中から覗かせながら。
川 ゚ -゚)「フンッ、偉い人が言っていたぞ。
『我輩を倒せるのは、魂の込められた拳のみ!!』
私もまた、然りだ 」
クーは足の裏でドクオの体を蹴り倒した。
その反動で刀がズルリと抜け、クーは刀身の血を振り払った。
……が、最早そこに赤い物は無い。
倒れたドクオがただの彫刻に戻ると同時に、消え失せてしまった。
- 157 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:50:01.04 ID:ZsLcNL8r0
- どこのロマネスクだその偉人は
- 158 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:50:36.42 ID:GyD9t2WCO
- どこの自称悪の大魔王だw
- 159 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:51:20.09 ID:7dpEVFDe0
- 宇宙大魔王じゃねーかw
- 160 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 20:51:37.60 ID:K2OKmfFN0
-
ξ#゚听)ξ「ギャッ!! 放せ!!放せよ木偶の坊!!
放さないとお前の○○○を○○○して食い千切ってやる!! 」
ノ)) - 从「………」
一方、ツンを相手にしているダンピール・ノーマン。
何と左手でツンの頭を鷲掴みにし、そのまま片手で持ち上げていた。
ツンは可愛らしい口から似つかわしくない、惨めな悪態を吐いている。
頭を万力の如きパワーで掴むノーマンの左手。
そこに両手の爪を立てて、更に炎を噴出するツン。
しかし、阿修羅の地獄の業火は、ダンピールの肌を焼くに留まる。
それも半吸血鬼の皮膚は直ぐに治癒するため、実質ダメージはゼロ。
ξ# 々)ξ「ガっ!!ガガ……ガッ……!!」
ノ)) - 从「………」
頭を絞める音がメリメリと不気味に響いた。
ツンの頭蓋骨は、既に指の形に変形している。
そして剛力のダンピールは、空いている右手の巨剣を無言で振りかぶった。
- 161 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:52:17.14 ID:tXNtwJpn0
- ノーマンつえぇ…
- 162 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:52:52.87 ID:7dpEVFDe0
- ノーマン容赦無し!!
- 163 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:53:16.16 ID:GyD9t2WCO
- ツンも気持ちいいぐらい偽物だw
- 164 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 20:54:18.11 ID:K2OKmfFN0
-
ノ)) - 从「ふっ!!」
力を振り絞った瞬間、肺から空気が漏れ出る。
ゆうに2mを超える、剣の形をした鉄の塊が目にも止まらぬ速さで払われた。
同じ速さでそこから何かが弾け飛ぶ。
……5m程先で、『グシャッ』と何かが潰れるような音。
ξ#゚々。)ξ「あ……あ……あ……あ……ぁ 」
締め付けられた頭部からは、血だか体液だか分からない物が滲んでいる。
腰から下は……無い。
ノ)) - 从「………」
無表情、そして無言で、ゴミにそうするように左手に引っかかっていた物を投げ捨てる。
空中で胎の中に入っていた物を、下に零しながら弧を描くツンの上半身。
グロテスクなそれも、地面に着くころには白い石膏に戻っていた。
- 165 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:55:27.43 ID:GyD9t2WCO
- 流石ノーマンやで
- 166 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:55:57.33 ID:ZsLcNL8r0
- 犬と猫はきっとほのぼのできる
- 167 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 20:56:49.98 ID:K2OKmfFN0
- ∧_∧ ∧_∧
(叉)゚,, >|<,,゚(叉)「「ライドウ!! オレ様ノ エモノ 燃エタゾ!!」」
オルトロスが不満を言いながらクーの元に駆けて来た。
全くの無傷で、戦った気配すらない。
クーが不思議そうに見ていると、オルトロスが再び抗議した。
∧_∧ ∧_∧
(叉)゚,, >|<,,゚(叉)「「オマエノ トコカラ 飛ンデ来タ 火、
アノ猫 焼イチャッタ ゾ 」」
川 ゚ -゚)「火なんか知らんぞ 」
∧_∧ ∧_∧
(叉)゚,, >|<,,゚(叉)「「オ前ガ 避ケタカラ 飛ンデ来タンダゾ!!
ドウシテ クレル!?」」
確かにオルトロスが戦って居た辺りに、焦げ跡のラインがあった。
ラインを辿ると、どうもさっき偽ドクオが何も考えずに放った炎の様だ。
あろうことか偽でぃは、外野から飛んで来た炎に巻かれて勝手に倒れたのだ。
- 168 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:57:12.05 ID:8L2HGZrs0
- 支援
- 169 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:57:24.17 ID:tXNtwJpn0
- 偽でぃ弱すぎだろww
- 170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:57:28.10 ID:Ryg/ghnWO
- し
- 171 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:57:54.33 ID:7dpEVFDe0
- おい猫wwwwww
- 172 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:57:54.99 ID:ZsLcNL8r0
- えぇぇぇぇ…wwwwwww
- 173 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:58:44.45 ID:xfnR/gq50
- 弱すぎワロチwwwwwwwwwwww
- 174 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 20:58:47.82 ID:K2OKmfFN0
- 川 ゚ -゚)「これでハッキリしたな 」
∧_∧ ∧_∧
(叉)゚,, >|<,,゚(叉)「「オレ様ノ 腹ハ ハッキリ言ッテ 満足シテナイ 」」
ノ)) - 从「………」
クーの元に二体の魔が集う。
凍てつく八つの眼光が睨んでいるのはただ1人の敵。
仲間達の姿を弄んだ、賢王・フォックス。
川 ゚ -゚)「本物のドクオならもっと速い。
本物のツンなら、ノーマンの剣など一瞬にして溶かす。
本物のでぃさんなら、私たち全員の喉笛を食い千切っている 」
クーはこれでもかとフォックスを睨み付けた。
川 ゚ -゚)「貴様の召喚は不良品だ。
不完全な術を、これ見よがしに使ってご満悦か?
何の役にも立たない耄碌ジジイが 」
爪;'ー`)「クッ……、悪魔め!!」
悪魔だと言うフォックスの言い分は、自分にだけ都合の良いただの言いがかりだ。
だから仲間に黙って殺されろと言っているに過ぎない。
クーは偽物だからこそ簡単に倒して見せた。
しかし、仲間の姿を破壊させられたこと。
これに関しては、ハッキリ言ってブチ切れだ。
- 175 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:59:40.23 ID:tXNtwJpn0
- 圧倒的だな
- 176 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 20:59:53.40 ID:GyD9t2WCO
- てっきりにゃんにゃん口調のでぃが見られると思ったのにwwwww
これは予想だにしない展開だwwwww
- 177 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 21:00:05.39 ID:ZsLcNL8r0
- 大麻本編で修行終わらせたあとのドックンには期待してる
- 178 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 21:41:11.39 ID:Or+a2DClO
- よし復活
- 179 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 21:52:42.32 ID:tnOE3XST0
- やっと復活か。何でこんな時間に実験を……
- 180 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 21:53:00.77 ID:F+jTqOJm0
- 復活支援
- 181 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 21:53:06.59 ID:LHyoAhEx0
- wktk
- 182 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 21:53:28.95 ID:4rYPMaBh0
- 毎回毎回大変だな・・・。
めげずに頑張っておくれよ
- 183 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 21:53:36.30 ID:2LRl8pW2O
- こんどこそ本復活だよな
- 184 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 21:54:34.23 ID:VrivPaL00
- 再開支援
- 185 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 21:55:50.06 ID:8gupFyVO0
- みんなお待たせしました!!
オレも待ったw
再開しますよ〜〜〜
- 186 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 21:56:29.33 ID:jjyPgVAp0
- 復活!!
- 187 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 21:57:16.82 ID:8gupFyVO0
-
川 ゚ -゚)「もう分かっただろう?
お前は私に敵わない。
さっさとショボンを返せば、少々躾ける程度で済ませてやるぞ 」
爪'ー`)「………」
(;´・ω・)「クー……」
圧倒的な強さを見せつけるクーだが、ショボンは一抹の不安を抱いていた。
フォックスは仮にも賢王として畏怖される存在だ。
異次元の力を見せつけるクーは確かに強い。
だが、ここまで全く太刀打ち出来ていないのが、逆に何かを感じさせる。
爪'ー`)「私は『あの男』が現れてから、他の世界という物を認識した。
その瞬間、数億の本が新たに生まれたのだ……」
川 ゚ -゚)「何だ、爺様?はっきり喋らないと聞こえないぞ。
遺産なら、ごっそり貰ってやるから寄越せ 」
翻弄され続けていたフォックスだが、声のトーンは恐ろしく落ち着いていた。
上空に手を翳すと、何冊かの本がページをめくりながら降りて来る。
本は開いたまま、フォックスの目前で静止した。
爪'ー`)「ある世界の私は、神の炎を思わせる武器で世界を制した。
ある世界の私は、あらゆる世界を渡り、全てを滅ぼそうとした。
しかしこの私はどうだ……?」
- 188 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 21:57:22.96 ID:VrivPaL00
- こいやぁ
- 189 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 21:57:46.47 ID:2LRl8pW2O
- はぁ、全く迷惑千万だな。
- 190 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 21:58:32.29 ID:8gupFyVO0
-
フォックスは目を瞑る。
堪え難い苦痛に顔が歪んだ。
爪'ー`)「私は無能なる民の為に、人生の大半を失ってしまった……。
絶大なる力を持ちながら、その殆んどを脳無しの弱者に捧げてしまったのだ……」
フォックスはカッと目を見開いた。
同時に正面に浮遊していた本を叩き落とす。
爪゚Д゚)「他の世界の私は、私の野望に忠実だった!!
恐るべき力を、恐るべき自由の為に使った!!
何故私は、そうではない!?
何故私は、不自由に心地良さを感じていたのだ!?」
(;´・ω・)「貴方は……!!
貴方は他の世界の自分を見て、それを羨んだのか!?
他の世界は他の世界だ!!
そんな簡単な分別も付かないのか!?」
ショボンは渾身を込めて叫ぶ。
だがその瞬間、大きく目を見開いたフォックスが、ショボンの顔を両手で掴んだ。
ショボンの眼前には、常軌を逸したフォックスの顔がある。
爪'ー`)「君はまだ分かっていないのか!?
何故どの世界の君もショボンという名なのだ!?
何故どの世界の私もフォックスという名なのだ!?
私は悟った!!この世界の真理を悟ったのだ!!」
- 191 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 21:58:36.94 ID:gE1hmteN0
- なつかしいな…
- 192 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 21:58:37.85 ID:LHyoAhEx0
- 支援
- 193 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 21:59:20.91 ID:2LRl8pW2O
- ある世界では犬好きの高校生でもあるがな支援
- 194 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 21:59:58.74 ID:jjyPgVAp0
- 表合作懐かしいな
しかしフォックスブーン系マニア過ぎるwwwwww
- 195 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 22:01:08.40 ID:8gupFyVO0
-
爪'ー`)「全ての私が本質的には同一なのだ!!
全ての君も然り!!
ならば他の私と同様、この私が思うが儘に振舞う事こそが真理なのだ!!
私はこの世界を制し、『アンノウン』を制し、他の世界を制す!!
それこそが真理!!それこそがフォックスたる私の真理なのだ!!」
(;´・ω・)「何て哀れなんだ……。
貴方はもう……、おかしくなってる!!」
ショボンの哀れみに満ちた視線など意に介さない。
フォックスは唯一の道を明確に見ている。
他の全てが、自分の世界とは関係を断ったのだ。
川 ゚ -゚)「決定だな。あの爺様、痛い目を見せて黙らせよう 」
∧_∧ ∧_∧
(叉)゚,, >|<,,゚(叉)「「食ッテモ 良イ?」」
川 ゚ -゚)「食っちゃダメだ 」
∧_∧ ∧_∧
(叉)゚,, >|<,,゚(叉)「「何ダヨ ケチ……」」
ノ)) - 从「………」
クー達が静かに殺気を纏った。
フォックスはそれを待っていたかのように振り返る。
爪'ー`)「決着を付けようか、十八代目・葛葉ライドウ!!」
- 196 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:02:37.09 ID:VrivPaL00
- なんという小者
- 197 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:03:03.49 ID:tnOE3XST0
- 表合作のことかね
支援
- 198 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:03:29.28 ID:2LRl8pW2O
- まずそうだし、食ったら多分腹壊すぞオルたんw
- 199 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 22:04:33.49 ID:8gupFyVO0
-
川 ゚ -゚)「勝負はもう見えているがな 」
爪'ー`)「君は一つ思い違いをしているね。
私の術が不完全だと思っているだろう?」
川 ゚ -゚)「ぶっちゃけ 」
フォックスのテンションは完全にクライマックス!!
だがクーは白け切っていた。
爪'ー`)「フハハハハハ!!馬鹿め!!
私の術は召喚では無い!! 映し出すのだ!!
依代が石膏の木偶人形では、本来の力など出るわけがない!!
では、この世界で最上級の依代を与えればどうなるか…… 」
(;´・ω・)「最上級の……まさか!?」
ショボンは全てを理解する。
フォックスは笑いながらずっと手に持っていた本を開いた。
ドクオ達を呼び寄せた本……、クーの世界、退魔師の世界の本だ。
爪#'ー`)「君の世界の戦士を呼び寄せる!!
最強の戦士を!!
今度の依代はこの私だ!! 果たして勝てるかな!?」
開いたページの文字が脈動する。
そして不気味に発光し始める。
そして光は本から飛び出し……
- 200 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:05:19.37 ID:9+mC6f1G0
- 支援
- 201 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:05:41.66 ID:tnOE3XST0
- 支援
- 202 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:05:55.07 ID:bzvzopZy0
- えっ
- 203 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:06:03.04 ID:2LRl8pW2O
- ブーン呼んで、不動明王に焼かれるのか……
- 204 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 22:06:11.60 ID:8gupFyVO0
-
爪#'∀`)「クククク……、ハハハハハ……!!
ハァーハッハッハッハ!!!!」
禍々しい光が、猛々しく笑うフォックスを包み込む。
川 ゚ -゚)「ち……眩しいな……」
クーは平静を保ちつつも、これまでとは異なる気配を感じ取った。
何百ものフラッシュを一気に浴びたような刺々しい光。
高笑いはまだ聞こえる。
しかし、中から聞こえる声が次第に変化する。
老人とは思えないような、若々しい声に変わっていく。
川 ゚ -゚)「……お前か 」
光が薄れ、何者が現れたかを察した時、クーの警戒は最高点に達した。
空間が、光の支配から解き放たれる。
フォックス……、いやあの男が姿を現した。
(?「これが……。
ふっふふふ……、力が溢れている!!
これが……これがそうなのか!?」
川 ゚ -゚)「ノーマン!!オルトロス!!
一切の油断を許さん!!
アイツを倒すまで、髪の毛一本に至るまで集中しろ!!」
- 205 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:06:58.43 ID:tnOE3XST0
- ペニサスよばれたら勝てる気がしない
- 206 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:07:28.43 ID:9+mC6f1G0
- 支援
- 207 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:08:09.26 ID:jjyPgVAp0
- さーて、誰が来るか…
- 208 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 22:08:36.25 ID:8gupFyVO0
-
緊迫した空気は、はち切れんばかりの圧力を醸し出す。
現れたのは……
( ゚ω゚)「これが……異世界の力か!?」
元裏高野・退魔師─── 内藤ホライゾン!!
ブーンと化したフォックスは、半ば惚けたように中空に目を泳がせた。
口元には緩んだ笑みが浮かんでいる。
───陶酔しているのだ。
たった今、我が身に受け入れたパワーに。
(;´・ω・)「クーの世界のブーンか!?」
ショボンはその姿を確認し、見たままを言う。
ショボンが見た事のない衣服を着たショボンが良く知る顔。
もう一つ初めて見るのは、ブーンの顔に張り付いた邪悪な笑みだ。
- 209 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:08:44.34 ID:bzvzopZy0
- 支援
- 210 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:09:36.81 ID:9+mC6f1G0
- 支援!
- 211 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:10:17.74 ID:jjyPgVAp0
- ブーンか!!
イッちゃってんぞwww
- 212 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:10:18.14 ID:bzvzopZy0
- やはり最強なのか
- 213 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 22:10:33.58 ID:8gupFyVO0
-
( ゚ω゚)「漲る……!!漲るぞ!!
何という力だ!!
ある世界の主人公の力とは、これ程までにも猛々しいのか!!」
狂ったようにブーンとなったフォックスが笑う。
クーの世界のブーンはこんな風に笑わない。
ショボンの世界のブーンはこんな風に笑わない。
その違和感がもたらすのは不吉な予感、ただその一つのみ。
( ゚ω゚)「破ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああアアアアアアァッッー────!!」
ただその場で気合一閃。
その瞬間、フォックスの全身から青い光の波動が迸る!!
法力のパワー、発勁の光が、激しいエネルギーを帯びて弾け出す!!
川 ゚ -゚)「っ!!」
∧_∧ ∧_∧
(叉)゚,, >|<,,゚(叉)「「ライドウ!!」」
位置的に最も近くにいたクーを、発勁の衝撃がまともに襲う。
タイミングは完全に取られた。
クーの視界の全てが、迫り来る破魔の光によって覆われ尽くす。
───そこに飛び込む黒い巨大な影───
- 214 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:10:41.29 ID:2LRl8pW2O
- ブーンいなかったからねぇ……
ここまでは予想通り
- 215 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:10:43.33 ID:LHyoAhEx0
- これ現行よりあとの時代だっけか
- 216 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:11:37.88 ID:DkGRctsp0
- 寺生まれのBさんつえー
- 217 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 22:12:57.41 ID:8gupFyVO0
-
ノ)) - 从「ムゥッ!!」
間一髪───。
ダンピールの巨剣が、クーと発勁の間に立ちふさがった。
電話帳ほどもある分厚い鉄の塊は、盾としての役割も十分に果たす。
ノーマンの背後からひょっこりと顔を出すと、余裕の笑みを浮かべるフォックスが見えた。
クーは思った。
実に不愉快だ。
川 ゚ -゚)「ふぅ……。当然、法力も使用可能というわけか。
厄介なヤツになったものだ 」
( ゚ω゚)「 そ の 通 り !!
果たして、君はこの男相手にどこまでやれるのかな!?
君の世界の 主 人 公 相手に!!」
優しげで緩〜い笑みをいつも湛えているブーンは、決して見せない表情。
フォックスは力に取りつかれている。
クーは思った。
……やはり、実に不愉快だ。
- 218 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:14:16.69 ID:2LRl8pW2O
- さて、どんな名言が飛び出すかな……
- 219 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:14:24.64 ID:Qyhq4GzS0
- 支援
- 220 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 22:15:11.41 ID:8gupFyVO0
-
川 ゚ -゚)「だから言ってるだろう?
そいつが主役だと言うのは間違いだ。
脇役相手に、ヒロインの私が負ける道理など……」
クーは真っ直ぐにフォックスを指差す。
一瞬何の事かと気を取られるフォックス。
フォックスは直ぐに気付けなかった。
これは合図だ───。
川 ゚ -゚)「……道理など───無い!!」
∧_∧ ∧_∧
(叉)゚,, >|<,,゚(叉)「「GYAWW!!!!!」」
───デビルサマナーが自らの仲魔に攻撃を許す合図だ!!
クーの忠実なる僕、双頭の魔犬オルトロスは、その二つの大顎から炎を吹き出す。
途轍もなく激しい火炎だ。
二つの炎はぶつかり合い、炎の竜巻と変わる。
- 221 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:16:50.55 ID:LHyoAhEx0
- 支援!
- 222 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:17:37.65 ID:bzvzopZy0
- 支援
- 223 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:17:42.23 ID:2LRl8pW2O
- やっぱりクーの中では主役はショボンなんだなw
- 224 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:17:57.47 ID:9+mC6f1G0
- 支援
- 225 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 22:18:02.91 ID:8gupFyVO0
-
魔物が放つ火炎。
恐るべき熱量が一切の慈悲なくフォックスを襲う───。
( ゚ω゚)「フハハハ!! 炎か!?
炎には氷だ!!」
炎に身を焦がされんとする瞬間、フォックスは一瞬で印を結んだ。
そして真言。
氷の世界を司る、月光菩薩の法力───。
オン サナラ ブラバヤ ソバカ
( ゚ω゚)「淹 賛捺羅 鉢羅婆野 莎訶!!」
月光菩薩・冷光破!!」
両手の印から溢れ出す冷気の塊。
極寒の法力は魔犬の炎を造作もなく凍てつかせる。
恐るべきブーンの法力、恐るべきフォックスの技。
だが、そんな事は百も承知とばかりにクーは次なる一手を打つ。
川 ゚ -゚)「ノーマン!!」
ノ)) - 从「………!!」
黒衣を纏った死神が、巨大な鉄塊を手に疾走する!!
- 226 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:18:37.44 ID:DkGRctsp0
- 主人公と主役は別物だからな!一応な!
- 227 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:21:21.55 ID:2LRl8pW2O
- 支援ぬるぽ
- 228 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:22:00.97 ID:LHyoAhEx0
- 支援>>227ガッ
- 229 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 22:22:08.99 ID:8gupFyVO0
-
( ゚ω゚)「その剣、目障りだ!!
だが金属で出来ている事に違いはあるまい!?」
嫌でも目に着くのは竜でも一撃で殺し兼ねない大剣だ。
フォックスは次なる印を結ぶ。
インドラ ヤ ソバカ
( ゚ω゚)「因陀羅 耶 莎訶!!雷帝インドラ印!!」
今や自在に退魔の法力を操るフォックス。
放つのは驚天動地の稲妻の雷光。
電撃は直ちに手近な金属の塊、即ちノーマンの剣に突進するが───
ノ)) - 从「……くれてやる 」
初めからそうするつもりだっかのように、簡単に剣を手放すノーマン。
剣に喰らいついた雷は、激しい光を周囲に巻き散らす。
その突き刺す様な光の中、ノーマンは既に新しい武器を手にしていた。
( ゚ω゚)「ッ!?」
フォックスは大きく目を見開いた。
ノーマンの左腕に仰々しく装着されている機械の様な物。
弓と弦、そして歯車と多数の矢を装てんした箱で出来ているそれ───
それから放たれるのは、数十のボウガンの矢、同時発射!!
- 230 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:22:21.31 ID:bzvzopZy0
- 支援
- 231 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:23:26.92 ID:bzvzopZy0
- 力で知恵を無くしたか
- 232 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:23:27.34 ID:LHyoAhEx0
- ノーマンつえー
- 233 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:24:20.50 ID:2LRl8pW2O
- 所詮偽物か……支援
- 234 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 22:24:29.37 ID:8gupFyVO0
-
無機質で容赦の無い機械のボウガン。
それらが縦横無尽に広がり、フォックスに突き刺さらんと迫り来る。
少々の手数で全てを叩き落とす事は明らかに不可能だが……!!
( ゚ω゚)「ハァァァァ!! 大発勁!!」
フォックスは瞬間的に法力を練り込み、爆発的にそれを解放した。
圧縮、そして蓄積した法力は巨大な光の柱となる。
フォックスの大発勁はノーマンのボウガンを全て蹴散らした。
───だが!!
川 ゚ -゚)「こっちが3人いる事を忘れるなよ?」
背後に詰めたクーが、退魔刀・赤光葛葉を振り下ろす。
しかし刃はフォックスの身に届く前に、甲高い金属音に阻まれた。
( ゚ω゚)「知っているとも!!
君が小賢しくも私の後ろを狙っていたことなどね!!」
川 ゚ -゚)「チッ……。そういえば武器も持っていたな 」
クーは自分の刀と、フォックスの手に握られている奇妙な刃物を見た。
独鈷杵と呼ばれるそれは、グリップの上下にナイフの様な刃を持つ小振りの武器だ。
こんな小さな物で、刀を受け止めるには相当な戦闘センスを要する。
- 235 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:25:01.64 ID:jjyPgVAp0
- この合作はノーマンプッシュなのか?
- 236 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:25:29.22 ID:LHyoAhEx0
- やっぱブーンチートだな
- 237 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 22:26:38.37 ID:8gupFyVO0
-
無機質で容赦の無い機械のボウガン。
それらが縦横無尽に広がり、フォックスに突き刺さらんと迫り来る。
少々の手数で全てを叩き落とす事は明らかに不可能だが……!!
( ゚ω゚)「ハァァァァ!! 大発勁!!」
フォックスは瞬間的に法力を練り込み、爆発的にそれを解放した。
圧縮、そして蓄積した法力は巨大な光の柱となる。
フォックスの大発勁はノーマンのボウガンを全て蹴散らした。
───だが!!
川 ゚ -゚)「こっちが3人いる事を忘れるなよ?」
背後に詰めたクーが、退魔刀・赤光葛葉を振り下ろす。
しかし刃はフォックスの身に届く前に、甲高い金属音に阻まれた。
( ゚ω゚)「知っているとも!!
君が小賢しくも私の後ろを狙っていたことなどね!!」
川 ゚ -゚)「チッ……。そういえば武器も持っていたな 」
クーは自分の刀と、フォックスの手に握られている奇妙な刃物を見た。
独鈷杵と呼ばれるそれは、グリップの上下にナイフの様な刃を持つ小振りの武器だ。
こんな小さな物で、刀を受け止めるには相当な戦闘センスを要する。
- 238 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:27:15.31 ID:bzvzopZy0
- 支援
- 239 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 22:27:40.50 ID:8gupFyVO0
-
( ゚ω゚)「君の刀を受け止めたぞ?
良いのか?そんなに近くに居て良いのかね!?」
川 ゚ -゚)「っ!?」
フォックスは独鈷杵の刃をクーの刀に滑らせた。
刃の間に火花を散らしながら、上半身を強烈に回転する。
遅れて鞭のようにしなやかで重い回し蹴りがクーのボディをまともに襲った!!
川 ゚ -゚)「ちっ!!」
クーは放たれた蹴りを、被弾寸前で肘と膝で挟むようにガード!!
しかし相殺し切れぬ強烈なパワーで吹き飛ばされる。
クーは飛んだ先で、両足を踏ん張って体勢をキープした。
川 ゚ -゚)「チッ……。体術が得意なんだったな 」
脇腹に鈍い痛みを感じる。
アバラに皹くらいは入ったかもしれない。
クーは努めて痛みなど無いかのように無表情を決め込んだ。
- 240 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:28:13.18 ID:wQ/SwC0i0
- 落ち着けwwwwwwwwwww
- 241 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:28:17.69 ID:bzvzopZy0
- 大事な(ry
- 242 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:28:18.83 ID:2LRl8pW2O
- 大事なシーンなので2回投下しました支援
- 243 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:28:58.97 ID:tnOE3XST0
- これはいいチート
- 244 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:29:14.91 ID:bzvzopZy0
- 支援
- 245 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 22:29:25.27 ID:8gupFyVO0
-
( ゚ω゚)「素晴らしい……。
異世界のパワー!! 異世界の強者!!」
そもそも法力とは神の力の一端を借り受ける事。
フィジカルの強さ無くして、それを自在に使いこなす事は到底不可能。
内藤ホライゾンの強さとは、法力以前に強靭な肉体にこそ裏付けされるのだ。
( ゚ω゚)「無限のパワー……さぁ、内藤ホライゾンよ。
君は他に何が出来る……?」
川 ゚ -゚)「む?」
フォックスは退魔師・ブーンの力の深淵を覗かんと、脳裏に浮かぶ力を読みとる。
だがここにクーは一抹の違和感を覚えた。
- 246 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:30:20.74 ID:LHyoAhEx0
- 支援支援
- 247 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:30:46.43 ID:2LRl8pW2O
- 支援
- 248 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:31:23.49 ID:INyBFnvA0
- 追いついた支援!
- 249 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 22:31:50.75 ID:8gupFyVO0
-
( ゚ω゚)「不動明王・火焔呪!!」
フォックスが結んだ印から荒れ狂う炎が噴き出す!!
一切の不浄を焼き払うと言われる不動明王の正義の炎。
味方である限りこれ以上心強い力は無いが、敵に回ればこれ以上恐ろしい力もない!!
∧_∧ ∧_∧
(叉)゚,, >|<,,゚(叉)「「GAAAAAAAAWWWWWWW!!!!」」
この炎に対してオルトロスの二つの口から灼熱の吐息がぶつけられる。
二つの火炎が真っ向からぶつかり、灼熱の均衡が生まれた。
ノ)) - 从「フッッッ!!!!」
そこに巨剣を振り上げ飛びこむノーマン。
黒いマントを炎に巻きあげられながら、業火に身体を焼かれるのも意にも介さず。
文字通り巨大な鉄槌が垂直に叩きつけられる。
最上級の物理攻撃が不動明王の灼熱を切り裂く───。
絶妙なバランスにあった二つの炎。
この一撃でそれは完全に台無しとなる。
無双の外力を加えられた業火の熱量は、爆発したかのように弾けた……。
△ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼
- 250 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:32:20.98 ID:bzvzopZy0
- 支援
- 251 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:33:07.03 ID:LHyoAhEx0
- 支援
- 252 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:33:32.60 ID:tnOE3XST0
- とんだ?
- 253 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:33:36.37 ID:jjyPgVAp0
- 不動明王火焔呪キター!!
- 254 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:33:44.70 ID:2LRl8pW2O
- 支援じゃい
- 255 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 22:33:51.35 ID:8gupFyVO0
- △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼
ノ)) - 从「フゥゥゥゥゥ……」
さしものダンピールも、魂を込めた渾身の一撃の直後は息の一つは吐く。
自身の剣撃で巻き上げた炎は、火の子と砕けて周囲に豪雨が如く降り注いだ。
それらが充分な火種となり、塔内に広大に敷かれた絨毯に小さな火が燻ぶる。
ノ)) - 从「………」
無言の内に何事もなかったかのように直立不動。
巨大な剣を肩に担ぐと、己が守るべき主に害為さんとする愚者を見下ろした。
炎に照らされ深い陰影が生まれたノーマンの巨体は、恐怖を煽るに充分な威容を放つ。
川 ゚ -゚)「ノーマン、無理をするな 」
ノ)) - 从「………」
ノーマンは何も言わないが、たった今不動明王の炎を相殺したのだ。
ただの炎では無い。
一切の不浄を焼き払う天界の浄化の炎だ。
身一つでまともに切り込んだ体が無事なはずはない。
事実、ノーマンの黒いマントの内側は激しい火傷で焼け爛れていた。
半吸血鬼の治癒力でも簡単に追いつくものではない。
- 256 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:34:15.27 ID:bzvzopZy0
- チートってわけでもないな
- 257 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:34:55.13 ID:tnOE3XST0
- いやとんでないか支援
- 258 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 22:35:29.04 ID:8gupFyVO0
-
川 ゚ -゚)「ムカつく……」
クーは心底こう思った。
クーとノーマン、そしてオルトロス。
この面子をして互角に戦うのがやっとという現状。
いや、寧ろ押されていると言った方が正しい。
そして改めて思う。
内藤ホライゾンという男の強さを。
そして忌々しく思う。
その内藤ホライゾンを選択し、不遜な顔をしているフォックスを。
( ゚ω゚)「炎に氷と稲妻、そして光が破裂するような魔法か。
この男は中々使えるな。
今後、使用する駒の一つに加えよう!!」
クックック、と不敵な笑みを絶やさない所を見ると、さぞお気に召したらしい。
気に入ったのはブーンの能力だけではない。
強力なパワーで、相手を圧倒している現状も然りだ。
─── しかし……
川 ゚ -゚)。o ○(なんだ、この言い方は……?)
先程感じた違和感が再び顔を出す。
- 259 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:35:38.43 ID:qjOeS5uYO
- 大麻読み返してたら戦国時代にイトーイが妖怪として出てきた‥
- 260 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 22:37:29.75 ID:8gupFyVO0
-
( ゚ω゚)「さて、力の確認はこれにて終了としよう。
君の役割はこれで十分だ。
安心して天に帰るが良い。
気が向けば、君の力も使ってやらんでもないぞ 」
川 ゚ -゚)「おい、ちょっと待ってくれないか?」
( ゚ω゚)「え?どうして?」
いよいよクライマックスを決め込もうとしたフォックスの出鼻を、クーはコロッと挫いた。
川 ゚ -゚)「右も左も分からん異世界で、偽物とはいえ顔見知りに会ったんだ。
もう少し、ブーンの力を見せてくれよ。
冥土の土産というヤツだ 」
ニヤニヤするフォックスを見据えながら、クーは腕を組んで顎に手を当てた。
フォックスは余裕などかましていないで、警戒すべきだった。
口から出す言葉を、良く選別するべきだったのだ。
- 261 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:37:38.93 ID:wQ/SwC0i0
- >>229 >>234 >>239
の順番
- 262 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:39:11.20 ID:2LRl8pW2O
- 完全につかいこなせてない……?支援
- 263 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:39:35.19 ID:LHyoAhEx0
- 全能なのに全部を知らないってか
- 264 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 22:39:50.97 ID:8gupFyVO0
-
( ゚ω゚)「ふっふふふ……。心配する事は無いよ。
もちろん『彼』の力で葬ってあげよう。
炎か、氷か、稲妻か……」
だがフォックスはしなかった。
何も考えず、軽々しく言葉を吐いてしまったのだ。
この言葉が、フォックスの力の全貌をクーに教える事になる事を知らずに……
川 ゚ -゚)「炎か、氷か、稲妻か?」
( ゚ω゚)「そうだよ?炎か───」
川*゚ -゚)「ブフォッ wwwwww」
クーはもう我慢できなかった。
この期に及んで自分の絶対的優位性を疑わない、馬鹿で間抜けな愚か者。
( ゚ω゚)「何?」
フォックスは理解し難いという顔をして固まっている。
そして、小馬鹿にするような目で笑うクーを、信じられないというような目で見つめた。
- 265 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:40:27.00 ID:LHyoAhEx0
- 支援
- 266 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:41:38.28 ID:jjyPgVAp0
- クーの余裕が怖いw
- 267 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 22:41:50.75 ID:8gupFyVO0
-
川 ゚ -゚)「ふっふっふっふwww。
あー、オッケーオッケー。
炎か、氷か、稲妻ねwww。リョーカイリョーカイwww 」
( ゚ω゚)「何を笑って……?」
川 ゚ -゚)「そう言えばさっき、こんなことも言っていたな、爺様。
『力の源たる魔物は、その『ダンピール』と『オルトロス』の2体』
2 体 だと言ったよな、爺様よ 」
( #゚ω゚)「その通りだろう!?
何がおかしいというのだ!?」
フォックスは激怒した。
見下していたはずの女に、逆に見降ろされている事実。
川 ゚ -゚)「では……」
そして、クーの次の行動でフォックスは仰天する。
川 ゚ -゚)「こう言うのはどうだろう?」
(;゚ω゚)「なっ!?」
- 268 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:42:46.11 ID:4rYPMaBh0
- まぁ、サマナーだしな……
- 269 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:42:50.71 ID:qjOeS5uYO
- ショボンは椅子に縛られてるんだよな
焼け焦げたかな
- 270 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:43:37.41 ID:2LRl8pW2O
- 他の仲魔召喚?
- 271 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 22:43:48.62 ID:8gupFyVO0
-
フォックスの顔から一気に血の気が引いた。
知識を極めた賢王。
更に異世界の知識を詰め込んだ自身に、最早知らぬものなど無い。
だがフォックスが直面している現実はどうだ?
川*゚ -゚)「ふっふっふwww」
憎たらしい程にドヤ顔。
ショボン伝来のS気質のクーなら、狼狽しているフォックスを見れば無理もない。
そのフォックスの凍りついた視線の先には、白くすらりとしたクーの指がある。
───その指には、新たに2本の封魔管が握られている!!
川 ゚ -゚)「その表情、やはりそうだったか 」
フォックスの表情に浮かんでいるのは恐怖。
無知から来る恐怖に他ならない。
知識こそが力と、信じて疑わないフォックスにとって『知らない』と言う事は何より恐ろしかった。
- 272 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:45:19.85 ID:LHyoAhEx0
- 支援
- 273 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:46:08.01 ID:2LRl8pW2O
- 支援
- 274 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 22:46:48.61 ID:8gupFyVO0
-
川 ゚ -゚)「その本に私の世界の事が全て書いてあると言ったがな。
どうやら全部読んでいないな?」
( #゚ω゚)「ふざけるな!!
私は全て読んだ!!
ただの一字も余すことなく読み尽くしたぞ!!」
川 ゚ -゚)「では、こう言う事だ。
さっきも言ったが、その本、つまりお前の力は『 未 完 成 』だ。
私が生きる今のブーンは、幾千の法力を自在に操るぞ 」
( #゚ω゚)「なん…だ…と……ぉ!?」
フォックスは打ち震えた。
怒りに───、そして何よりも恐怖に───。
川 ゚ -゚)「知らんようだな。
そして私もまた、貴様の知らぬ2体の魔を使役しよう 」
クーは最早この戦いを終わらせる。
開かぬ埒を開く、次なる仲魔を召喚して!!
- 275 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:48:12.67 ID:LHyoAhEx0
- wktk
- 276 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:48:33.91 ID:qjOeS5uYO
- しえしえ
- 277 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:48:45.05 ID:bpWWFz6R0
- 本編よりも先の世界だと!?
- 278 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:48:49.81 ID:2LRl8pW2O
- ♪なにが出るかな なにが出るかな
- 279 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 22:49:13.92 ID:8gupFyVO0
-
川 ゚ -゚)「冥府に潜む鋼の牙。一切の者、この凶より逃れる事能わず。
我、葛葉ライドウの名において命ずる!!
底無き穴の獣よ、我に従いて共に戦え!! 」
その瞬間、クーが持つ封魔管の1本から淡いグリーンの光が漏れる。
光は次第に強くなり、同時に恐ろしい気配が現れる。
その気配の主が現れるのを待たず、クーは次の仲魔に呼びかけた。
川 ゚ -゚)「影の国より舞い戻りし英雄。その魔槍に貫けぬ物無し。
我、葛葉ライドウの名において命ずる!!
獰猛なる騎士よ、我に従いて共に戦え!! 」」
もう1本の封魔管より、同じくエメラルドグリーンが発光する。
二つの気配は色濃くなり、その姿を遂に現した。
川 ゚ -゚)「地獄の番犬『ケルベロス』!!
クランの猛犬『クー・フーリン』!!」
その名を呼ぶ。
一つは、銀に輝く体毛・鬣の、強靭な筋肉に包まれた獅子の様な魔獣。
オルトロスより更に一回り大きく、威嚇に満ちた咆哮を上げる。
もう一つは、美しく白い甲冑に身を包んだ黒髪の騎士。
彼が持つ白い槍は、『ゲイ・ボルグ』と呼ばれる一突きで30の敵を貫く魔槍だ。
- 280 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:50:02.78 ID:tnOE3XST0
- 現行で使ってるのがこんだけだからか
- 281 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:50:27.82 ID:4rYPMaBh0
- アトラスの名悪魔きたあああああああああああああああ
- 282 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:50:31.80 ID:bpWWFz6R0
- 戦国クーの仲魔だと!?
- 283 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:50:37.48 ID:DkGRctsp0
- クー風鈴しか思い浮かばなくてダメだくそ
- 284 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 22:50:50.66 ID:8gupFyVO0
- ∧_∧ ∧_∧
(叉)゚,, >|<,,゚(叉)「アンチャン!!アンチャン!!」
,/i/i、
ミ,,゚(叉)「じゃれ付くな、仔僧 」
|||゚ - ゚|| 「お怪我などはございませんか、ライドウ様?
何故だ……?
何故どのライドウ様も私を直ぐに呼んで下さらない……?」
( #゚ω゚)「クッ!!忌々しいが認めよう……!!。
私の本に書かれていない事があるとは……。
それは認めよう。だが……」
フォックスは殺気を一気に頂点にまで高めた!!
( #゚ω゚)「それがどうした!?
月光菩薩・冷光破!!」
フォックスは瞬時に印を結ぶと、先手必勝とばかりに氷の法力を放つ!!
先ほどオルトロスの火炎の息を防いだ氷の法力だ。
フォックスの両手から、氷河のような冷気が迸る。
全部まとめて氷漬けにする魂胆だ。
- 285 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:50:55.82 ID:LHyoAhEx0
- クー・フーリンきたー!!
- 286 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:51:14.88 ID:42ucG40aO
- オルトロスさんの完全上位じゃねーかよwww
ごめん、なんかマーラ様を期待しててごめん
- 287 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:51:19.39 ID:2LRl8pW2O
- ケロちゃんキタ
- 288 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:51:26.67 ID:bzvzopZy0
- しえー
- 289 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:52:07.53 ID:INyBFnvA0
- ( #゚ω゚)「( ^ω^)ブーンは退魔師稼業のようです━╋RETURNS━━
或る兄弟の東方見聞録!第三章・臨界突入!!立ち込める暗雲、少々の晴れ間 〜その3、金ヶ崎撤退戦、そして吸血鬼は単身死地へ〜まで読んだわ!!」
( #゚ω゚)「面白かった!!早く続きかけよ!!」
- 290 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:52:47.78 ID:DkGRctsp0
- >何故どのライドウ様も私を直ぐに呼んで下さらない……?
問題児フラグ
- 291 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:52:54.09 ID:LHyoAhEx0
- つかクーは先祖の仲魔も使えるのか
- 292 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:54:08.70 ID:4rYPMaBh0
- タムリンさん・・・(´;ω;`)
- 293 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 22:54:41.67 ID:8gupFyVO0
- ,/i/i、
ミ,,゚(叉)「ライドウ!!」
川 ゚ -゚)「許す。やれ 」
ケルベロスが悠然と迫り来る冷気に立ちはだかる!!
そして顎を大きく開き、咆哮一閃。
ケルベロスの口から炎が噴き出し、フォックスの冷気とまともにぶつかりあった!!
( #゚ω゚)「また同じことを繰り返すのかね!?
先程、そこの頭二つの犬の炎は跡形もなく───!!」
フォックスは余裕の笑みを浮かべたが、直後形相を凍りつかせた。
そして真横に飛ぶ!!
自分が居た場所を、全ての氷を溶かし、蒸発させた業火が焼いた。
( #゚ω゚)「何だとぉっ!!」
,/i/i、
ミ,,゚(叉)「仔童の炎を描き消した程度で、我が一族の業火を制した気か!?
愚か者目が!!
その無礼、万死に値する!!」
- 294 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:55:15.44 ID:bzvzopZy0
- >>289気持ちはわかるが落ち着けw
- 295 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:55:41.81 ID:2LRl8pW2O
- >>291
先祖とは限らないんじゃね?
ライドウは血縁じゃないし
- 296 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:55:50.58 ID:LHyoAhEx0
- 支援
- 297 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:56:44.99 ID:qjOeS5uYO
- くーふうりんわろす
- 298 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:57:03.15 ID:RZ0LuOrJ0
- 支援
- 299 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 22:57:10.31 ID:LHyoAhEx0
- >>295
まじか
最近読み返したばっかりだったんだが記憶やばいな
また読み返す
- 300 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 22:58:36.36 ID:8gupFyVO0
-
身が縮み上がるようなケルベロスの怒声。
フォックスは今起こった事を頭の中で整理しようとした。
先程通用した技が今は通用しな───
|||゚ - ゚|| 「悠長に物思いにふける余裕は有りませんよ……。
このビチグソ野郎が!!」
美しい顔に似つかわしくない汚い言葉を吐く白槍の騎士。
クー・フーリンがその槍・ゲイボルグをその場で一突き。
同時に30の刺突がフォックスを襲う!!
( #゚ω゚)「おぉぉぉぉぉッッッ!!」
フォックスは素早く印を結ぶと、そこから気を解き放った。
発勁を連発。
飛翔するゲイボルグの刺突が、間一髪、青い気弾に阻まれる。
|||゚ - ゚|| 「一突きで気を抜くようでは私の好敵手とは言えません!!
脳味噌涌いてるのですか?
このクサレ脳味噌がぁ!!」
川 ゚ -゚)「お前にはまだ許しを出していないぞ 」
|||;゚ - ゚|| 「ちょっ、ライドウ様ぁ〜 」
クーはクー・フーリンを苛めていた……。
- 301 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:00:12.10 ID:LHyoAhEx0
- クー・フーリンかわいそうだなw
- 302 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:01:00.58 ID:DkGRctsp0
- ああ、やはり問題児だった
- 303 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:01:37.23 ID:2LRl8pW2O
- 可哀想にw
- 304 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:01:58.08 ID:bpWWFz6R0
- クー・フーリンイケメンなのにw
- 305 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 23:02:03.87 ID:8gupFyVO0
- ∧_∧ ∧_∧
(叉)゚,, >|<,,゚(叉)「アンチャン!!サッスガー 」
,/i/i、
ミ,,゚(叉)「だからじゃれ付くな、仔僧 」
|||;゚ - ゚|| 「ライドウ様、私は良かれと思って攻撃を!!
単に自主性を発揮しただけであって……。
あれライドウ様? 無視しないでライドウ様!!」
ノ)) - 从「………」
火傷の治癒も進んだノーマン、そしてクーを含めて───
川 ゚ -゚)「5対1だ。
よもや、卑怯だとは言うまいね?」
( #゚ω゚)「卑怯だぞ貴様!!」
クーの言葉とフォックスの泣き言は、ほぼ同時に発せられた。
川 ゚ -゚)「悔しかったらさっきみたいに呼べば良い。
出来損いの偽物を 」
クーを中心に4体の仲間がフォックスを囲む。
彼らは最早何も言わない。
無言の圧力を持って静かに、だが確実に逃れられぬ敗北が迫る。
- 306 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:03:10.94 ID:DkGRctsp0
- 卑ww怯wwwだwwぞw貴www様wwwwww
- 307 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:03:26.19 ID:LHyoAhEx0
- フォックスww
- 308 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:04:14.37 ID:2LRl8pW2O
- 言ったそばからwwwww
- 309 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:04:23.15 ID:INyBFnvA0
- フォックスざまあwwwwwwww
- 310 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 23:04:55.15 ID:8gupFyVO0
-
( #゚ω゚)「コケに……」
川 ゚ -゚)「ん?またキレたかな?」
突如、周囲の気温が跳ね上がった。
燻っていた絨毯の炎が、一気に燃え上がる。
フォックスの両手は、再び不動明王の印を結んでいる。
( #゚ω゚)「コケにしやがってぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
だが先程の火焔呪とは異なる。
不動明王の真の炎、迦楼羅炎を招来するのだ。
( #゚ω゚)「全方位の……、一切如来に礼し奉る……」
川;゚ -゚)「熱っ!!」
フォックスの真言に呼応するかの如く、炎は激しく揺らめく。
この世のあらゆる不浄を焼き払う不動明王の真の炎。
全ての障害を打ち砕き、全ての悪魔を降伏し、全ての災厄を打ち払う───
フォックスが使う今、障害、悪魔、災厄とは紛れもなくクー達を指す。
- 311 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:05:03.97 ID:bzvzopZy0
- 自力じゃないのに卑怯言うなwww
- 312 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:05:57.70 ID:LHyoAhEx0
- 支援
- 313 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 23:06:47.38 ID:8gupFyVO0
-
( #゚ω゚)「この術はこの男の最高の術!!
何匹いようが、いくら強かろうが関係ない!!
一切の不浄を焼き尽くす……!!
これはそういう術なのだ!!」
川 ゚ -゚)「ち……、真の不動明王の炎というヤツか。
実に面倒だ 」
炎が、その場の様々な物に乗り移っていく。
美しかった絨毯、芸術性の高い彫刻類、そしてフォックスの本すらも……。
( ゚ω゚)「一切時、一切処に残害破障したまえ!!
最悪大忿怒尊よ!!
一切障難を滅尽に滅尽し、残害破障したまえ!!」
フォックスが口にする火界のマントラ。
それに伴い吹き荒れる熱風と踊る炎。
物理法則を超えた神界の炎が、フォックスの印から放たれようとしている!!
川 ゚ -゚)「ケルベロス。お前、火は得意だろ?
私達を庇え 」
と、ここでクーがいきなりの無茶振り。
ケルベロスの方は大慌てでクーの顔を二度見した。
- 314 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:07:18.55 ID:2LRl8pW2O
- 支援
- 315 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:07:52.61 ID:bpWWFz6R0
- 鬼の王を倒したアレか!
- 316 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:08:16.36 ID:bzvzopZy0
- いや無理だろw
- 317 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:08:35.73 ID:2LRl8pW2O
- ただの炎じゃないのにwwwww
- 318 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:08:48.64 ID:DkGRctsp0
- 二度見wwwwwwww
- 319 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:08:52.69 ID:tnOE3XST0
- ケロちゃんかわいい
- 320 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 23:09:39.31 ID:8gupFyVO0
- ,/i/i、
ミ,,゚(叉)「アレは普通の炎ではないぞ、ライドウ!!
メギドの炎に似ている!!
だが遥かに強力だ!!」
川 ゚ -゚)「防御は無駄だと言う事か。う〜ん……」
なんとなく分かってたけどね、というような顔で首を傾げるクー。
何か手は無いか……。
思慮を巡らせた結果は……
川 ゚ -゚)「どうしようwww、やべぇwwwwww 」
4体の仲魔はギョッとしながら全員クーを見た。
だが次の瞬間、4体全てが示し合せていたかのようにクーの前に歩み出る。
我が身を放り出してでも主は守る。
それがデビルサマナーの仲魔だ。
- 321 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:10:04.85 ID:bpWWFz6R0
- 無茶振りすんなwwwwww
- 322 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:10:08.86 ID:qjOeS5uYO
- フォックス弱く見える不思議
- 323 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:10:31.27 ID:LHyoAhEx0
- クーwww
- 324 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:11:10.61 ID:2LRl8pW2O
- 忠誠度MAXか……
- 325 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 23:11:36.08 ID:8gupFyVO0
-
( #゚ω゚)「ハァーッハッハッハ!!
灰燼に帰せ!!邪悪なる者共よ!!」
フォックスは既に正気を失ってしまったのか。
身に余る力に狂ってしまったのか。
度重なる屈辱を狂気で塗り潰したのか。
そしてフォックスは最後の引き金に手をかける。
不動明王の炎を招来する、真言の詠唱を開始する!!
ナウマリ サンマンタ バサラタン カン
( #゚ω゚)「南莫 三曼多 縛日羅赧 憾!!不動明王・火えn───」
その時、さながら時が止まったかのように感じた。
クーもフォックスも。
4体の魔さえも。
- 326 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:12:04.76 ID:tnOE3XST0
- 忠誠心強いなあ
支援
- 327 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:12:25.29 ID:DkGRctsp0
- 忘れてたけど、そういえばショボンなんてものがいたな
- 328 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 23:13:09.09 ID:8gupFyVO0
-
(´・ω・`)「僕は……神を憎む……。
こんな才能を、僕に与えた神を……」
( #゚ω゚)「ショッ!!」
川;゚ -゚)「ショボン!!」
一同瞠目する。
縛られ無力と化していたショボンが、両の足で立ち上がり、力強く詠唱していた。
(´・ω・`)「安心するんだ、クー……」
ショボンは一言だけ言うと再び詠唱に入る。
何か吹っ切れたような、迷いを捨てたような力強さ。
クーはそこに荘厳さを感じる。
何処か頼りなかったショボンが、今では違う男のように感じた。
(:::´-ω-)「Lite,Latvarita,Ulth,Ariarous,Val,Netrie ……」
( #゚ω゚)「その詠唱……、まさか!?」
その中、一人狼狽するフォックス。
ショボンが使おうとしている魔法に対し、明らかに怖れを抱いている。
- 329 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:13:20.49 ID:qjOeS5uYO
- おい、ずっこける準備しとけよ
- 330 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:14:15.00 ID:tnOE3XST0
- 空気復活
- 331 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:15:14.32 ID:qjOeS5uYO
- ξ# )ξ「ThunderBlade(ツンデレブラーデ)!!」
- 332 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:15:22.43 ID:bzvzopZy0
- むしろ今まで何してた
- 333 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:15:26.11 ID:2LRl8pW2O
- ショボンの存在すっかり忘れてたわ
- 334 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 23:15:32.11 ID:8gupFyVO0
-
( #゚ω゚)「体現していたのか!?
伝説の勇者が生み出した光の魔法を!?」
ショボンは眉根を寄せた。
見ようによっては泣き出しそうな顔にも見える。
(:::´-ω-)「出来れば一生使いたくなかった。
最強の攻撃魔法、誰かを傷着ける魔法なんて……。
僕は村の子供達に綺麗な服を作ってあげられたら、それで良いのに…… 」
その時、強烈な光と共にショボンの前方に光の輪が現れた。
直径2m程の輪の中に、ショボンの詠唱に従って次々と図形や文字が刻まれていく。
魔法陣の様相を醸し出した光の輪は、ゆっくりと回り始める……。
( #゚ω゚)「あり得ぬ!!あり得ぬっ!!!!
私ですら体得出来なかった魔法を、こんな辺境の小童が!!」
フォックスは魔法陣から発する太陽の様な光を顔に受けた。
光から感じるエネルギーは、これまでに感じた事のない強大さ。
焦り、恐怖、嫉妬……。
フォックスの心中には、様々な感情が渦巻いている。
- 335 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:15:59.24 ID:LHyoAhEx0
- 支援
- 336 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:16:30.42 ID:DkGRctsp0
- かっこいいポーズ…ッ
- 337 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 23:17:32.67 ID:8gupFyVO0
-
(:::´-ω-)「Lu,Thita,Toel,ul,Laputa ……」
1000年の昔……。
この世界は人と魔族が派遣を争う大戦争を経験した。
その時、人側に現れた勇者シースルー・インビジブル───。
勇者は誰も為し得なかった光の魔法を使い、少数の仲間と共に凍れる魔王を打ち倒したと言う……。
フォックスが知を求めた根底にあるのは、この光の魔法を手に入れる事。
───だが光は、フォックスを選ぶ事は無かった。
(:::´・ω・)「我を助けよ!! 光よ蘇れ!!」
ショボンは目を見開き叫んだ。
最強の攻撃魔法の詠唱が完了する。
魔法陣は回転速度を増し、それに伴って光の強さも撥ね上がる!!
- 338 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:18:00.59 ID:LHyoAhEx0
- しえんしえん
- 339 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:18:22.03 ID:bpWWFz6R0
- ラピュタwwwwww
- 340 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:18:31.61 ID:tnOE3XST0
- しぃさん大出世じゃないですか
- 341 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 23:19:23.82 ID:8gupFyVO0
-
(;#゚ω゚)「チクショォォォォー────!!!!」
フォックスは結んだ印をショボンに向けた。
直後、元裏高野退魔師、内藤ホライゾンの法力を解き放つ!!
ナウマリ サンマンタ バサラタン カン
(;#゚ω゚)「南莫 三曼多 縛日羅赧 憾!!不動明王・火焔呪!!」
あまりにも濃い炎───いや、炎と呼ぶには度が過ぎている。
朱墨を大量に零したような、地獄の様な灼熱に飲み込まれた。
あらゆる不浄を焼き払う、天界の浄化の炎が真っ直ぐにショボンに襲いかかる!!
川;゚ -゚)「ショボン!!逃げろー───!!」
クーが叫ぶも逃げるには遅すぎる。
そして当のショボンもそんな気は一切なかった。
不動明王の炎が目の前に届いたとき、ショボンは最後の呪文、滅びの言葉を唱えた───。
(:::´・ω・)「Va-lth!!」
魔法陣と同じ直径2mの光線───。
眩い光と衝撃波と共に放たれた極太のレーザーが、炎の中に放たれた。
その軌道にある全ての物を、無に帰す絶大な魔法が……。
- 342 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:19:27.86 ID:INyBFnvA0
- ラピュタwwwwwwwwwwwwwww
- 343 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:19:33.05 ID:bzvzopZy0
- ラピュタ吹いたwww
- 344 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:19:57.18 ID:2LRl8pW2O
- キャー、ショボンサーン!
- 345 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:19:58.03 ID:tnOE3XST0
- バロスwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
- 346 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:20:07.30 ID:4rYPMaBh0
- 目がああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
- 347 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:20:11.78 ID:LHyoAhEx0
- バルスw
- 348 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:20:13.47 ID:i+BXulN+P
- シースルーって誰かと思ったらしぃなのかよ
女も一応勇者か
- 349 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:20:46.05 ID:bpWWFz6R0
- バルス!!
- 350 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:20:46.79 ID:INyBFnvA0
- ノ)); - 从「目がぁ! 目がああああ!」
- 351 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 23:21:05.01 ID:8gupFyVO0
-
川;゚ -゚)「クッ!!ショボン!!」
クーは荒れ狂う炎の中に走ろうとする。
だが何者かに腕を掴まれた。
ノ)) - 从「……ダメだ 」
クーに向かって首を振るノーマン。
そんな事はクーにも分かっていた。
だが、反射的に友人を救おうと走り出したクーを、一体誰が責められようか。
巨大な力同士がぶつかり合った───。
広範囲を一気に焼き尽くすフォックスの法力。
恐るべき破壊のパワーを一点に集めたショボンの光の魔法。
どちらが勝ったかなど想像もつかない。
炎と光に目が眩み、クーはその瞬間を見届ける事は出来なかった。
徐々に目が慣れて来る……。
激しい熱と轟音と光と衝撃波……。
……そして、遂に光が炎を貫いた───。
- 352 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 23:23:56.29 ID:8gupFyVO0
-
この時、クーの中で自身でも驚くべき変化が生まれた。
川 ゚ -゚)「その話だがな……。
実は……」
クーは自分でも何故言ったのか分からなかった。
強い女の心を何重にも包んだ殻が、少しだけ剥がれたのか……。
川 ゚ -゚)「実はショボンが私の婚約者だと言うのは、私が勝手に言ってるだけなんだ……。
本人から愛の言葉を聞いたことなど一度もない……。
私は……自信が……」
その時、クーの頬にショボンの手が触れた。
殆んど炭と化してしまっている指だ。
動かすだけでも相当に苦痛のはず。
だが、ショボンは弱々しくも笑い、そして少しだけ強く言った。
(:::´-ω-)「そんな事は絶対にないよ……。
言った、、だろ……?どの世界のショボンも……本質的には同じだって。
だったら、、、、君の世界の僕が、、、、
君の事を好きじゃないなんて絶対にあり得ない……」
その瞬間、ショボンの表情から一瞬だけ全ての苦痛が消え去ったかに見えた。
(:::´・ω・)「僕が言うんだから間違いない 」
- 353 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:24:15.09 ID:2LRl8pW2O
- 支援ぬ
るぽ
- 354 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:24:44.80 ID:LHyoAhEx0
- とんだ?
- 355 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:25:04.22 ID:i+BXulN+P
- あれ?とんだ?
- 356 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:25:11.26 ID:bpWWFz6R0
- ショボン…
- 357 名前:訂正:2010/11/27(土) 23:25:46.55 ID:8gupFyVO0
-
川;゚ -゚)「ショボン!!」
暴君の如き炎は、一通り猛威を振るった後、中空へと消えて行った。
聖なる光は、壁に大穴を開け消え去った。
後にはショボンとフォックスが倒れている。
クーは即座にショボンの元へと走る。
(:::´-ω-)「クー……。無事かい?」
クーはしゃがみ込んでショボンの上半身をそっと起こす。
炭化した衣服がボロっと崩れ、ショボンの体を目の当たりにするクー。
クーは顔を背けたくなった。
川 ゚ -゚)「ああ。私は大丈夫だ。
ショボン……。無茶をしたな 」
クーは無理矢理笑みを浮かべた。
(:::´-ω-)「良かった……。君を、、、、
君を君の世界の僕の所に……無事に帰さないと……。
君には、、、、幸せになって欲しいから…… 」
息も絶え絶えにそこまで言うと、ショボンは苦痛に顔を歪めた。
そして苦しそうに笑う。
クーの視界が若干霞んだ。
- 358 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:27:12.04 ID:2LRl8pW2O
- 向こうのショボンもクーの前では言わなかったが、クーが好きみたいなコト言ってたな。
でもdj
- 359 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 23:27:24.10 ID:8gupFyVO0
-
この時、クーの中で自身でも驚くべき変化が生まれた。
川 ゚ -゚)「その話だがな……。
実は……」
クーは自分でも何故言ったのか分からなかった。
強い女の心を何重にも包んだ殻が、少しだけ剥がれたのか……。
川 ゚ -゚)「実はショボンが私の婚約者だと言うのは、私が勝手に言ってるだけなんだ……。
本人から愛の言葉を聞いたことなど一度もない……。
私は……自信が……」
その時、クーの頬にショボンの手が触れた。
殆んど炭と化してしまっている指だ。
動かすだけでも相当に苦痛のはず。
だが、ショボンは弱々しくも笑い、そして少しだけ強く言った。
(:::´-ω-)「そんな事は絶対にないよ……。
言った、、だろ……?どの世界のショボンも……本質的には同じだって。
だったら、、、、君の世界の僕が、、、、
君の事を好きじゃないなんて絶対にあり得ない……」
その瞬間、ショボンの表情から一瞬だけ全ての苦痛が消え去ったかに見えた。
(:::´・ω・)「僕が言うんだから間違いない 」
- 360 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:28:05.07 ID:LHyoAhEx0
- これ転送大丈夫なのか
- 361 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:28:07.66 ID:qjOeS5uYO
- しえちゅっちゅ
- 362 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 23:29:31.30 ID:8gupFyVO0
-
それを最後にショボンは気を失った。
死んではいない。
どうにか命は取り留めているようだ。
クーはそっとショボンを寝かすと、仲魔達に彼を託した。
そして力強く立ち上がる。
見据える先には……
爪;'ー`)「ハァハァハァハァ……。
私は賢王……こんな所で終わってたまるか……。
アンノウンを……奴の力を手に入れて……」
フォックスはクー達の元から離れようと必死に這っていた。
左肩から先を失い、全身に激しい損傷。
まともに当たらずとも、伝説の魔法の衝撃波が充分に命を奪い得る威力を持っていた。
爪;'ー`)「ハァハァ……
恐ろしい……恐ろしい……!!
異世界に干渉など……してはならなかったのだ……!!」
その時、這い続けるフォックスが何かにぶつかる。
フォックスは息も絶え絶えに顔を上げた。
川 ゚ -゚)「………」
爪;'ー`)「ヒィッ!!」
氷のように表情を固めた、クーが冷徹なる眼差しで見下ろしていた。
- 363 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:29:51.36 ID:LHyoAhEx0
- 支援
- 364 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:31:12.11 ID:2LRl8pW2O
- さらばだ、狐野郎……
- 365 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 23:31:44.23 ID:8gupFyVO0
-
爪;'ー`)「うぁっ!!うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
川 ゚ -゚)「 黙 れ 」
クーはフォックスの焼け残った髪を無慈悲に掴み上げる。
フォックスの目は恐怖一色に濁った。
川 ゚ -゚)「存在価値の無い貴様に仕事をくれてやる。
ちょっと実家に忘れ物をしてな。
それをこの空の魔封管にコピーしろ。
貴様の力ではどうせ不良品だろうが、何かの役には立つだろう 」
爪;'ー`)「ぐ……。化け物……」
川 ゚ -゚)「 黙 っ て 言 う 通 り に し ろ 」
・・・・・・
・・・
・
- 366 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:32:51.64 ID:tnOE3XST0
- クーさん怖い
- 367 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:32:57.87 ID:bpWWFz6R0
- 奥の手か
ルシファーかな
- 368 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:33:52.89 ID:2LRl8pW2O
- 支援じゃ支援じゃ支援じゃホイ
- 369 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 23:34:32.51 ID:8gupFyVO0
-
川 ゚ -゚)「ショボン。行くぞ……」
(:::´-ω-)「あぁ……。すまない 」
時刻は日没。
ショボンはクーに夕陽の見える場所へ連れて行ってくれと願った。
クーはショボンを背に、知識の塔を出る。
(:::´-ω-)「クー……、鍵を……夕陽……に…… 」
川 ゚ -゚)「良し、これだな?
ショボン、お前は喋らなくても良い。
私がちゃんとやるから、な?」
息も絶え絶えに、命を振り絞るように声を出すショボン。
ショボンの震える指が頼りなく握っている水晶玉。
クーはそっとショボンの指に自分の手を添え、そのまま高く持ち上げる。
時空転移の鍵が今、夕陽に向かって翳された……。
しっかりと背筋を伸ばし、彼女の表情から鍵を持つ指先に至るまで真剣な様子が見て取れる。
クーの全身は夕陽を正面から受けオレンジに染まった。
うっすらと目を開けたショボンは、その荘厳で美しい姿に一瞬全ての苦痛を忘れた。
- 370 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:35:29.23 ID:tnOE3XST0
- ショボンはバファリンできないのかね
- 371 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:36:31.31 ID:2LRl8pW2O
- つ【宝玉】
- 372 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 23:36:42.81 ID:8gupFyVO0
-
(:::´-ω-)。o ○(あぁ……、何て素晴らしい女性なんだ……)
激痛の走る自分の体に、クーの静かな鼓動が響いている。
柔かな体温も感じる。
ショボンは今、生まれて初めて芽生えた感情に身を任せた。
心地良い緊張感が、心臓の真から徐々に溢れて来る。
この感情をもたらしてくれたクー……。
ショボンは思う。
『この後起こる事を彼女は許してくれるだろうか?』
(:::´-ω-)。o ○(すまない……すまない、クー。
君は悲しんでくれるだろう。
でもきっと君は、そんな感情を必死に覆い隠して、気丈に振舞うんだろうな……)
ショボンは確信している。
己がクーに対して抱いている感情。
───これは『恋』だ。
魔法の才能に恵まれたためか、幼い頃から自分より年上も含めて子供たちのまとめ役だった。
保護者の様な役割のショボンにとって、同年代の少女は恋愛の対象とはならなかった。
ブーンやツンがやたらと盛り上がっていたが、その感触が訪れることはなかった。
- 373 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:38:15.22 ID:q6Oxf6a80
- 回復魔法は使ってたよね。万能じゃないとか言ってたけど
- 374 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 23:39:23.18 ID:8gupFyVO0
-
川 ゚ -゚)「お!?成功か!?」
クーは珍しく大きな声を出す。
夕陽の光を浴びた水晶が、一気に輝き始める。
クーの顔に当たる光は、オレンジから白銀に変わった。
そしてクーはショボンの顔を見て微かに微笑んだ。
クーの内面より溢れる光は、ショボンの心を隅々まで明るく照らす。
川 ゚ -゚)「やったな、ショボ──、おぉ……」
クーは言葉を飲み込んだ。
白銀の光が一瞬フラッシュのように弾けた後、目の前には遥か彼方まで続く光の道が現れた。
真っ直ぐに伸びたそれは、幾何学的な美しさと、神々しさを併せ持つ。
だが、ショボンはそれよりもクーを美しく思う。
女の身でありながら、異世界の住民だなどと言う戯言を信用し、単身知らぬ世界に来てくれた。
一つの信念を確信的に持っている揺るぎのない美しさ。
見た目の美しさよりも寧ろ、ショボンはそこに強く惹かれている。
- 375 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:39:39.66 ID:LHyoAhEx0
- ショボン報われないな…支援
- 376 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:39:44.28 ID:2LRl8pW2O
- ショボンェ……
- 377 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:39:51.21 ID:B13SQhzFO
- うわぁぁぁショボンー!
- 378 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:40:40.80 ID:bpWWFz6R0
- お前ら付き合っちゃえよ!!
- 379 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 23:40:57.62 ID:8gupFyVO0
-
ショボンはもっと別の事を言いたかった。
だが、『ありがとう』という言葉も間違いでは無い事を知っていた。
クーも知っている。
何と返すべきか知っている……。
川 ゚ -゚)「お前に会えて良かった 」
ショボンの耳には確かに届いた。
あぁ……やはり素晴らしい女性だ……。
クーは、自分がひた隠していたことなど感づいているに違いない。
ショボンの瞼の間から、二筋の涙が零れた。
彼を支えるクーの腕に、注意していなければ気付かない程、わずかに力が入る。
そして光は加速し、視界の全て、五感の全てが光に包まれた───。
△ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼
- 380 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:42:10.67 ID:2LRl8pW2O
- 支援
- 381 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:42:31.85 ID:LHyoAhEx0
- 支援
- 382 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:42:40.02 ID:bpWWFz6R0
- お前に会えて良かった!!
- 383 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:42:45.00 ID:plnjfweD0
- ブーン系小説も落ちるところまで落ちたな。
人気作家たちの合作といってるが、厨二作者ばっかりじゃねーか
- 384 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:45:17.70 ID:4rYPMaBh0
- ショボンは性格に惹かれるタイプなのか。
じゃあこっちのクーは俺がもらうね
- 385 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 23:46:52.09 ID:8gupFyVO0
- △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼
……残されたフォックスは、外に柔かい発光を見た。
直後、クー達の気配が掻き消える。
フォックスは完全に一人取り残された。
賢王フォックス───。
偉大なる知識の王フォックスは、最初から最後まで見下された。
力に魅入られ、己を見失った性根を見透かされていたのか。
そして最後にクーはこう言った。
川 ゚ -゚)『殺しはしない。死ぬなら勝手に死ね 』
───歯牙にも掛けられない。
- 386 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:47:52.71 ID:qjOeS5uYO
- 阿修羅ツンにチン毛燃やされたい
- 387 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:48:00.05 ID:KEegb7QCO
- ……またしてもあいだぬけてね?
- 388 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:49:46.28 ID:2LRl8pW2O
- >>387
いや、大丈夫じゃね
- 389 名前:374−379の間、抜けてました:2010/11/27(土) 23:51:03.26 ID:8gupFyVO0
-
(:::´-ω-)「クー……」
川 ゚ -゚)「ん?」
ショボンは体力を振り絞る。
決まりきった自分の運命。
せめて一言、クーに言ってしまいたい。
(:::´-ω・)「クー……」
クーは優しい表情で、ショボンが何か言うのをじっと待っている。
クーは何時も自分の話を聞いてくれる。
きっと……
そしてショボンは力を振り絞って言うべき事を言った。
(:::´-ω-)「……ありが、、とう……」
その言葉が終わる時、二人の体を光の道が受け入れた。
極寒の国に居ながら、体に心地良い温度と風が顔に当たった。
光の流れに身を任せ、クーとショボンは進む。
アンノウンが待つ決戦の地へ───。
- 390 名前:385の続き:2010/11/27(土) 23:51:54.93 ID:8gupFyVO0
-
爪;'ー`)「クックック……」
この世界でトップクラスの魔力を持つと言っても過言ではないフォックス。
それ故に、人民の尊敬の念を一身に集めていた。
その自分が、塵芥の如く扱われた。
爪;'ー`)「クハハハハハハハ!!」
フォックスは今、より強大な力を持つ存在を認識した。
同時に歓喜に打ち震えた。
我が身に宿る魔力を使えば、異世界の力すら制する事が可能。
───そう。
あの女が最後に自分に取り寄せさせた、『あの化け物』すらも───
あの赤い光を放つ銀の筒に封印された化け物をも倒せる……。
爪;'ー`)「先程は読みが足りなかっただけだ!!
ハハハハ!!
次は過たぬ!!」
フォックスは焼けただれた手を空中に翳す。
残った右手を……。
淡い光が収束し、一冊の本が現れた。
- 391 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:52:04.84 ID:LHyoAhEx0
- 支援
- 392 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:52:33.49 ID:2LRl8pW2O
- あ、そっちか……
- 393 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:52:39.37 ID:wQ/SwC0i0
- >>374 >>389 >>379
の順です
- 394 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 23:53:10.02 ID:8gupFyVO0
-
爪;'ー`)「フッフフフフフフフ……『アンノウン』!!
何故気付かなかったのだ。
あの男を読みさえすれば、私は何物をも凌ぐ存在になれたのだ。
今こそ私はアンノウンとなるのだ!!」
そしてフォックスは禁断の本を開いた。
爪;'ー`)「フハハハハ!!分かる!!分かるぞ!!
これがアンノウンの!!
並行世界か!! これが並行世界を征服する……!!」
パラパラとページを捲る。
フォックスの口元は、醜く歪んでいた。
この力が我が物となる……。
爪;'ー`)「さぁ、もっと見せろ!!
私にその力をもっと……」
─―─―wwヘ√レvv――─―
爪;'ー`)「何だ……?」
- 395 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 23:53:59.43 ID:8gupFyVO0
-
フォックスの脳に次々と詰め込まれるアンノウンについての知識。
そこに今、何らかのノイズが紛れ込んだ。
─―wwヘ√レvwwヘ√レwwヘ√レvwwヘ√レv
√レwwヘ√レvw√レwwヘ√レvwwヘ√レvvvv――─―
爪;'ー`)「何……だ?これは……?」
ノイズは次第に大きくなる。
今や頭蓋をかち割らんばかりに、脳を掻き毟る。
─―wwヘ√レvwwヘ√レwwヘ√レvwwヘ√レv
√レwwヘ√レvw√レwwヘ√レvwwヘ√レ
√レwwヘ√レvw√レwwヘ√レvwwヘ√レ
√レwwヘ√レvw√レwwヘ√レvwwヘ√レvvvv――─―
爪;'ー`)「もういい……!!
もう辞め───!!」
フォックスが悲鳴にも似た懇願の声を上げた時だった。
ノイズの中に立った一言、明確に聞き取れる言葉が混じった。
- 396 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:54:37.65 ID:2LRl8pW2O
- 支援
- 397 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:54:48.29 ID:LHyoAhEx0
- フォックス…
- 398 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:54:52.41 ID:qjOeS5uYO
- nice boat...
- 399 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 23:56:41.70 ID:8gupFyVO0
-
─── 『 死 ね 』 ───
爪; Д )「ガァッ!!」
その瞬間、フォックスは胸に激しい痛みを感じる。
地獄のような痛みを。
フォックスは目を飛び出さん程に見開き、ゆっくりと、コマ送りのようにゆっくりと自身の左胸を見下ろした。
- 400 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:58:32.17 ID:LHyoAhEx0
- あらら…
- 401 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 23:58:36.72 ID:2LRl8pW2O
- 自分の手に余るモノに手を出した者の末路だな
- 402 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 23:59:56.13 ID:8gupFyVO0
-
───赤黒い肉の塊が、ドクン、ドクンと脈動している。
胸が内側から爆ぜ、肋骨を突き破り、自身の心臓がそこにある。
爪;゚Д゚)「馬鹿……な……」
そしてフォックスは見た。
心臓を鷲掴みにしている漆黒の腕が、己の体の内から突き出している!!
爪;゚Д゚)「アン……ノ……ウ………」
全知全能のフォックスは、この腕の主が何者か知っている。
今この瞬間、フォックスが望んだ力が確かに自身の内にある。
……だがこんな事を望んだのではない……。
爪;゚Д゚)「 ア ン ノ ウ ン ー─────!!!!」
それがフォックスの断末魔となった。
漆黒の血染めの腕は無慈悲に握られる。
フォックスの心臓は、持ち主の目の前で血飛沫を撒き散らせながら、粉々に弾け飛んだ。
- 403 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 00:01:18.39 ID:WxGhQZhCO
- フォックスのご冥福をお祈りしません
- 404 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 00:02:03.75 ID:fDUu8UKJ0
- 爪;゚Д゚)「イチマツニンギョオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」
- 405 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/28(日) 00:02:19.78 ID:jNqT3cak0
-
【Single part:Devil buster⇒END】
【Next⇒Single part:Persona】
- 406 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 00:03:01.43 ID:Ydunxuhr0
- 乙!!
- 407 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 00:03:31.78 ID:WxGhQZhCO
- 乙ですた!
>>404
やめれw
- 408 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 00:03:36.11 ID:KfSFFFM70
- とりあえず、乙
- 409 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 00:04:35.87 ID:kn/8vhyJO
- 乙した
- 410 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 00:05:23.57 ID:fDUu8UKJ0
- 乙!!
- 411 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 00:05:36.75 ID:fkZNgcNcO
- 超乙!
ちょいちょい出てきた表合作ってどこで読めるの〜?
- 412 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/28(日) 00:05:41.36 ID:jNqT3cak0
- 途中投下ミスが数度ありましたが無事に終わりました。
長い時間お付き合いいただいて感謝です。
質問などあればお答えいたしたいと思いまする。
- 413 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 00:06:48.27 ID:UZo80GWt0
- おつ!
面白かった!
本編の方も楽しみにしてる!
- 414 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 00:07:01.87 ID:Ydunxuhr0
- >>412
クーちゃんは同時に制限無く何体でも仲魔を呼び出せるの?
- 415 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 00:07:56.88 ID:kuTbTcAY0
- 乙でしたー
さて、スアデラさんの出番か
- 416 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 00:08:34.21 ID:KfSFFFM70
- 次の投下はいつ頃?
- 417 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 00:08:57.81 ID:WxGhQZhCO
- 本編の続きはいつになる?
- 418 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 00:10:54.11 ID:yiskpKkyP
- 乙
- 419 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 00:11:55.51 ID:qBvY8Tst0
- 乙でした
- 420 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/28(日) 00:15:52.52 ID:jNqT3cak0
- >>414
ヒント クーは女
ネタバレにならないような裏設定ですが、クーは半端ねぇ生体マグネタイトの持ち主です
よって多数同時の召喚を行えます
女のクーが、葛葉ライドウを襲名したのはこういう点からです
>>416
ぺるさんは早漏ですから明日です
>>417
時間とタイミングがあれば
- 421 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/28(日) 00:17:26.77 ID:jNqT3cak0
- >>414
制限についてですが、この合作を最後まで読めば薄っすらと分かるかも
- 422 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 00:17:50.04 ID:KfSFFFM70
- >>420
明日か、トンクス
早漏も楽しみだ
- 423 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 00:19:34.30 ID:Ydunxuhr0
- >>421
把握wktkしながら待っとります
- 424 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 00:20:57.02 ID:kuTbTcAY0
- 時間も教えてもらえると、保守しやすいんだけど・・・
- 425 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 00:21:21.34 ID:xh91YJBJO
- 乙っした
- 426 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 00:21:46.82 ID:WxGhQZhCO
- 本編ずっと待ってるんだからなッ!
ずっと楽しみにしてるんだからなッ!
投下されるまで首を長くして、投下に立ち会えたら巻き付いてやる……
- 427 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/28(日) 00:28:44.41 ID:jNqT3cak0
- (*゚ー゚)「皆聞いて〜」
(*゚ー゚)「もう我慢できないってさ 」
(*゚ー゚)「"我慢汁だけでも良いから"
らしいよ 」
(*゚ー゚)「では、【Single part:Persona】。
スタート♪」
- 428 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 00:29:37.76 ID:KfSFFFM70
- おい本当に早漏やなwwwwwwwwwwwwww
だが、支援だ
- 429 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 00:29:53.31 ID:K7dq11300
- なんだと
- 430 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 00:29:59.65 ID:Ydunxuhr0
- 期待支援
- 431 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 00:30:07.17 ID:fDUu8UKJ0
- へ、変態だー!!
- 432 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 00:30:09.66 ID:LvbSmoBA0
- 何いってんだこいつwwwwwwwww
- 433 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 00:30:20.41 ID:kuTbTcAY0
- ちょwwwww
小説にあう曲探してる時にwwwwwww
- 434 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 00:31:11.26 ID:K7dq11300
- 我慢汁だけとは言わず、出してもいいのよ
- 435 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 00:31:39.16 ID:0WNQbzNL0
- ああああああああああああああ
ああああああああああ
あああ
ああああああああああああああ
ああああああああ
あああああああああああ
コヌカポォwwwwwwwwwww
- 436 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 00:31:57.42 ID:Ydunxuhr0
- なにやってんだwwww
- 437 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 00:32:17.37 ID:yiskpKkyP
- 先っぽだけ!先っぽだけだから!
- 438 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 00:33:24.41 ID:kuTbTcAY0
- アポロォwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
- 439 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 00:34:32.29 ID:0WNQbzNL0
-
───我は汝 汝は我───
語りかけるは、心の海をたゆたいし。
時には神を、時には悪魔をうつし身に。
迫り来る、冥府の刈り手を屠らんと。
宿り手に、決して深くを語らずに。
───我は汝の心の海より出でし者───
ただ、求む。
汝が敵に立ち向かうことあるなれば。
我の名を呼べ、と。
- 440 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 00:36:40.96 ID:Ydunxuhr0
- まってました支援!
- 441 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 00:37:13.12 ID:iruvQPfs0
- 支援
- 442 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 00:37:40.64 ID:0WNQbzNL0
-
強固な自我を示した者のみに与えられる、異能の力。
その全ては、『這い寄る混沌』を討つために。
少年達は、少女達は、運命という演目の舞台に上がる。
しかしその演目は、一旦の中断を見る。
遠く離れた異世界で、全てを巻き込む運命を前に。
少女は挑む。己の世界を護る為。
舞台は転じ、再び激戦の幕が開く。
多世界交わる空前の大舞台。
然れども心の海にたゆたいし、その声に変わりなく。
世界の果てにいようとも、言霊一つで馳せ参ず。
その力こそ、即ち────
- 443 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 00:38:01.57 ID:kuTbTcAY0
- そういや、鳥がイアイアなのな
クトゥルーか
- 444 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 00:38:16.50 ID:fDUu8UKJ0
-
―――――早漏
- 445 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 00:39:12.59 ID:KfSFFFM70
- コヌカポォ支援
- 446 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 00:40:22.81 ID:0WNQbzNL0
-
物語のページが( ^ω^)´・ω・)゚听)ξ川 ゚ -゚)応えるようです
【Single Part : Persona】
- 447 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 00:41:14.96 ID:Ydunxuhr0
- 支援!!
- 448 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 00:41:33.08 ID:Wvc2AGuF0
- しっえーん
- 449 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 00:44:04.71 ID:0WNQbzNL0
- 大麻さんがいう我慢汁ならここまでで、どうしましょう?
予定だと明日の16時くらいからやろうかなと思ってたのですが
- 450 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 00:44:57.91 ID:WxGhQZhCO
- この早漏め支援
- 451 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 00:45:13.70 ID:Ydunxuhr0
- 作者が持つなら続けてもいいんでね?
でも時間的に支援少なくなってくるだろうし猿ったりしやすくなりそうだけど
- 452 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 00:45:35.26 ID:kuTbTcAY0
- 寸止めは身体に悪いらしいから、もう少し逝っちゃっても(ry
- 453 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 00:47:41.84 ID:P3XtGqyS0
- また明日にしようぜ!
今日はもう休んで英気を養おう
な?
- 454 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 00:48:57.29 ID:KfSFFFM70
- 個人的には明日ゆっくりと楽しみたいような
まあ今読めるなら読みたいですけどNE!
- 455 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 00:50:44.59 ID:K7dq11300
- 寝させろ早漏が!
って>>453が心の中で言ってました
- 456 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 00:51:51.70 ID:134t8sMeO
- ここは我慢も出来ない豚野郎が多いインターネッツですね
- 457 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 00:54:58.49 ID:0WNQbzNL0
-
合作────
物語のページが( ^ω^)´・ω・)゚听)ξ 川 ゚ -゚)応えるようです
個別パート最終章、【Persona】
前に投下された三名の完成度の前に、フォヌカポウwwwwコポォwwwwなどと喚いていた。
上がりに上がったハードルをどう乗り越えるのか!
ハードルが高いなら!下をくぐればいいのだ!なるほど!
それでは28日16時から投下を開始します
どうぞよろしくお願いします
スレがなければ新たに立てますので、皆さんお気にせずに睡眠をとっていただければと思います
- 458 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 00:56:40.85 ID:KfSFFFM70
- フォヌカポォwwwwwwwwwwwwwwwコポォwwwwwwwwwwwwwww
明日楽しみにしてます
- 459 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 00:56:55.93 ID:WxGhQZhCO
- どこの鳩山だwwwww
じゃあ4時に。
楽しみにしてるぜ!
- 460 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 00:57:17.94 ID:Ydunxuhr0
- 飛び越えろww乙でした!
- 461 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 00:58:28.38 ID:jF+vQiv10
- 乙!!
- 462 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 00:58:39.61 ID:P3XtGqyS0
- ぺうそな
がんばれ
はーどるたかいけど
がんばれ
- 463 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 01:00:14.37 ID:kuTbTcAY0
- うし、支援は任せとけ。
でもこれ聴いてたら脳汁出過ぎて寝れなくなった
http://www.youtube.com/watch?v=N8J63v_eY7g&feature=related
- 464 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 01:00:41.24 ID:RPWqPKyVO
- おつおつ
- 465 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 01:06:46.40 ID:0WNQbzNL0
- >>463
狙いがいい
実はペルソナ2を下地においてますのぜ
- 466 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 01:11:52.30 ID:kuTbTcAY0
- >>465
ニャルさんだの、主人公が火のペルソナだの、とかかな。
本編も合作も楽しみにしてるよー、でも無理せんでいいからね
- 467 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 02:09:11.51 ID:dbWGxVUv0
- 追い付いたら異様にテンション高くて夜中に笑った乙
- 468 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 11:50:45.18 ID:Ydunxuhr0
- こっそりほ
- 469 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 13:11:54.50 ID:eqLV73DL0
- ほ
- 470 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 15:10:48.32 ID:KfSFFFM70
- あと50分だし保守しとこうか
- 471 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 15:33:52.54 ID:0WNQbzNL0
- 保守してくださってありがとうございます
思ったより早く帰れたので始めちゃいます
合作個別パート最終日です、よろしくお願いします
結構長くなるので19時から小一時間、食事休憩をはさみますね
- 472 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 15:35:04.39 ID:0WNQbzNL0
- あと、深夜に投下した部分からまた再投下していきますです
- 473 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 15:36:18.00 ID:kuTbTcAY0
- 支援は任せとけ
- 474 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 15:36:31.91 ID:yiskpKkyP
- よし出せ
- 475 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 15:37:17.39 ID:0WNQbzNL0
-
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- 476 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 15:38:50.47 ID:0WNQbzNL0
-
───我は汝 汝は我───
語りかけるは、心の海をたゆたいし。
時には神を、時には悪魔をうつし身に。
迫り来る、冥府の刈り手を屠らんと。
宿り手に、決して深くを語らずに。
───我は汝の心の海より出でし者───
ただ、求む。
汝が敵に立ち向かうことあるなれば。
我の名を呼べ、と。
- 477 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 15:38:59.14 ID:kuTbTcAY0
- コポォwwwwwwwwwww
- 478 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 15:40:11.79 ID:0WNQbzNL0
-
強固な自我を示した者のみに与えられる、異能の力。
その全ては、『這い寄る混沌』を討つために。
少年達は、少女達は、運命という演目の舞台に上がる。
しかしその演目は、一旦の中断を見る。
遠く離れた異世界で、全てを巻き込む運命を前に。
少女は挑む。己の世界を護る為。
舞台は転じ、再び激戦の幕が開く。
多世界交わる空前の大舞台。
然れども心の海にたゆたいし、その声に変わりなく。
世界の果てにいようとも、言霊一つで馳せ参ず。
その力こそ、即ち────
- 479 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 15:40:41.91 ID:0WNQbzNL0
-
物語のページが( ^ω^)´・ω・)゚听)ξ川 ゚ -゚)応えるようです
【Single Part : Persona】
- 480 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 15:42:07.06 ID:kuTbTcAY0
- さるに気をつけよう支援
- 481 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 15:42:31.44 ID:0WNQbzNL0
-
※
何が起きたか、わからなかった。
わかるのは、ずきずきとする痛みと、ひりひりとする痛みだけだった。
戦いから退場した私は、身を起こす事も出来ずに、倒れていた。
ブーンとミセリさんと一緒に戦えないことが、悔しくて、悔しくて。
それでも、どうしても全身に力が、入らなくて。
必死に横を向くだけで、もう手を動かす力も無くなって。
とさりと、腕が落ちた時。
何かに、触れた。
その直後、目の前が真っ白になって……。
ξ; 听)ξ「ここは……」
気がつけば、さっきまで戦っていたはずの場所と、違う場所にいた。
- 482 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 15:43:56.96 ID:kuTbTcAY0
- エクストの所か
- 483 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 15:45:04.54 ID:0WNQbzNL0
-
相変わらず、体は言う事を聞いてくれなかった。
ここのところ連日続く、非日常的な現象達には驚かされるばかりだ。
しかし、身動きが取れない状態でもあまり警戒はしていなかった。
九十度傾いている景色だけれど、見覚えがある。
四角い部屋をくり抜いて、そのままそこに置かれたような空間。
壁は無く、代わりにテレビや本で見た宇宙のような世界が、広がっていた。
果てしなく伸びる四本の支柱が生えた床には、白黒のタイルが交互にいくつにも。
その、中心。一段高くなっている場所があった。
私が知っている景色とは、そこで違うものになった。
今までに二度、ここを訪れている。
その二度と、異なる箇所。
恐らくはこの空間の主で、私にペルソナを与えた人が。
『フィレモン』の姿が、そこになかった。
私達の街に脅威が近づいていることを伝え、導いてくれた人が、いない。
それならば、何故私はここに呼ばれたのだろうか。
ブーンは、ミセリさんは、戦いはどうなったのだろうか。
- 484 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 15:48:09.09 ID:0WNQbzNL0
-
そこで私は、虚ろだった意識がはっきりとしてきている事に気が付いた。
初めて来た時もそうだったけれど、この空間は何故か落ち着くことができる。
ξ; 听)ξ『……ペルソナ』
ぽつり、言霊を紡げばペルソナは現れた。
ついさっき、戦いの場にいた時には、もう喚べまいと思っていたのに。
この空間にある何かが作用したのだろうか、それは、わからなかった。
何にせよ、ペルソナを喚べることは私にとって最良だった。
治癒の言霊を紡ぎ、打撲と火傷の処置をする。
温かい光に包まれて、痛みがゆっくりと引いていくことを感じつつも、
ミセリさんに遠く及ばない治癒能力が少しだけ、焦れったく思えた。
ξ゚听)ξ
傷を癒やして、立ち上がる。
景色が九十度戻っただけで、他に何も変化はなかった。
周りを見渡し、一歩、足を前に出すと、
ξ゚听)ξ「……?」
つま先が何かに触れた。
- 485 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 15:49:31.69 ID:kuTbTcAY0
- 孤独だが支援
- 486 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 15:51:20.76 ID:yiskpKkyP
- 支援
- 487 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 15:51:22.90 ID:0WNQbzNL0
-
ξ゚听)ξ「これは……」
落ちていた物は、デレとエクストが持っていた、『黒い箱』
名前はたしか、黒きトラペゾヘドロン、と呼ばれていた気がする。
でも何故これが、ここにあるのだろうか。
手の平大の箱を拾い上げて観察するも、特に変わった様子は見られなかった。
蓋があるわけでもない、揺らして音が立つわけでもない。
『黒い箱』は手にとっても、『黒い箱』でしかなかった。
視線を周囲に戻す。
相変わらず、宇宙の様な空間がどこまでも、広がっていた。
ξ゚听)ξ「……フィレモン?」
呼びかけには誰も答えない。
そもそもあの人がなんなのか、私は何も知らない。
だけど私がここにいると言う事は、きっと何か伝えたい事が────
ξ;゚听)ξ「!?」
ふいに、遠くに見える星が、一際強く光り輝いた。
- 488 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 15:51:37.81 ID:BAg4tRPEO
- きたああああああ!!
- 489 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 15:54:02.90 ID:0WNQbzNL0
-
それは段々と輝きを増していき、大きく脹らんでいく。
…………違う。こっちに、近づいてきている。
ξ゚听)ξ
少し下がって、身構える。不思議と力は、充実していた。
ペルソナでは戻せない体力も、精神的な疲労も快復している。
わけのわからないことだらけだったけれど、それだけは助かった。
ξ; 听)ξ「っ……」
眩しい光に思わず片目を瞑る。
もし敵だとしたら、視線を外していたら危険だ。
ここには私しかいないのだから。
護ってくれる人は、いないのだから。
やがて、中央の段を挟んだ向かい側の床に、光が『着地』した。
着地した、と思ったのは、光が人の形をしていたからだ。
輝きは徐々に弱まっていき、少しずつ容姿が確認できるようになっていく。
- 490 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 15:54:10.07 ID:KfSFFFM70
- きてやがるコヌカポォwwwwwwwwwwwwwwww
支援
- 491 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 15:56:26.85 ID:kuTbTcAY0
- コヌカブーンwwwwwwwwwwww
- 492 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 15:56:45.56 ID:b6TsT2MT0
- 支援
- 493 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 15:57:03.56 ID:0WNQbzNL0
-
古めかしい、裾が所々切れている外套を羽織った姿が、
漫画で見るようなファンタジー世界の魔法使いを連想させた。
でもそんなことは、どうでもよかった。
ξ;゚听)ξ「────!」
驚いた。私はその顔を、知っていたからだ。
その名前は本当に、ごく自然に口から飛び出した。
ξ;゚听)ξ「ブーン!?」
幼馴染みの、内藤ホライゾン。
小さな頃から呼び続けていたあだ名が、ブーン。
光に包まれて現れたのは、間違いなく、ブーンだった。
まさかブーンも、フィレモンにここへ呼ばれたのだろうか。
だとしてもあの格好は、一体どうしたのだろう。
両手と片膝をついていたブーンはきょろきょろと周囲を見渡し、立ち上がった。
服装以外の、違和感。よく見れば、少し大人びているように見える。
体つきも、どことなくがっちりとしているように思える。
- 494 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 15:58:20.31 ID:0WNQbzNL0
- http://blog-imgs-43.fc2.com/i/a/i/iaiahasutaa/21933.jpg
※見れない場合はURLをコピペ
- 495 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 16:00:32.39 ID:kuTbTcAY0
- なにこれかっこいい
- 496 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 16:01:42.52 ID:0WNQbzNL0
-
(;^ω^)「あ、あれ……あんまり変わらない景色だお……」
その声色と口調も、まさしくブーン、そのままだった。
ξ;゚听)ξ「ブーン……?」
( ^ω^)「……ツン? ツンかお?」
お互い知っているはずなのに、自信なく名前を呼び合う。
それがなんだかおかしかったけれど、何か、何かが違う。
私が知っている『ブーン』とは、どこかが違うような気がする。
ξ;゚听)ξ「ブーン……だよね?」
( ^ω^)「おっ、そうだお。君はツンかお?」
ξ;゚听)ξ「う、うん……」
( ^ω^)「ということは……無事に着けたってことだおね」
ξ;゚听)ξ「つ、着けたって?」
( ^ω^)「落ち着いて、聞いて欲しいお」
- 497 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 16:02:03.49 ID:KfSFFFM70
- 制服ツンちゃんぺろぺろ
- 498 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 16:02:26.40 ID:BAg4tRPEO
- ツン可愛い
- 499 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 16:03:25.22 ID:kuTbTcAY0
- 今のところ、BGMはこれ
http://www.youtube.com/watch?v=v0cF57Hdv8U
- 500 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 16:03:37.00 ID:B/mOa2B80
- ktkr
支援
- 501 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 16:04:22.00 ID:0WNQbzNL0
-
ブーンはそう言うと、私に近づいた。
背が少し、私が知っているブーンよりも高い気がする。
大人びている、と思えたのは雰囲気でなく、顔立ちだった。
よく見ればうっすらと生えた無精髭があるのが、少し気になった。
ブーンが大人になったら、この人の様になるのだろうと、なんとなく思った。
いや、今はそんなことどうでもいい。
( ^ω^)「僕は、ブーン=ラダトスク」
ξ;゚听)ξ「らだ?」
( ^ω^)「ここは君の世界かお?」
ξ;゚听)ξ「……」
返答に困った。
ここはフィレモンがいた空間であって、私がいた世界とは違う、ような気がする。
他にも、ベルベットルームみたいな、言い換えれば異次元みたいな場所。
それを私の世界と言い切って良いものだろうか、少し悩んだ。
ξ゚听)ξ「……そう、だと思う」
- 502 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 16:05:58.66 ID:kuTbTcAY0
- 夢と現実、精神と物質の狭間だな支援
- 503 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 16:07:21.88 ID:0WNQbzNL0
-
多分それは、間違っていないと思う。
自信はないけれど、私の世界における別次元、ということにしておいた。
( ^ω^)「ツンは、選ばれたんだお!」
ξ;゚听)ξ「え?」
( ^ω^)「選ばれた勇者なんだお!」
ξ;゚听)ξ「え? ちょ、ちょっとまって」
( ^ω^)「さぁ! 僕と一緒に飛び立つんだお!」
ξ;゚听)ξ「お願い、あのね、話を……」
( ^ω^)「残された時間は少ないお! さぁ! でっぱつだお!」
ξ# )ξ
ξ#゚听)ξ「話を聞きなさああぁぁぁぁあああい!!」
( ゚ω゚)「こっちのツンも凶暴でしたああぁぁぁぁぁあああ!!!」
- 504 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 16:08:56.23 ID:KfSFFFM70
- ブーン君ったら強引
- 505 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 16:09:03.54 ID:yiskpKkyP
- >>499
原作ありでも恥ずかしいからそういうのは脳内でこっそりやるもんだぞ
- 506 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 16:10:17.88 ID:0WNQbzNL0
-
大人びている、と思ったのはやはり外見だけだったようだ。
ブーンはあくまで、私が知っているブーンだった。
ひとまず、正座をしてもらう。
ξ#゚听)ξ「……あなたは、ブーンなのね?」
( ゚ω゚)「はい」
ξ#゚听)ξ「で、選ばれたってどういうことなの?」
( ゚ω゚)「はい、世界を救う為に、ツンさんが選ばれました」
ξ#゚听)ξ「……世界を、救う?」
( ゚ω゚)「僕の世界も、ツンさんの世界も、危ないんです」
ξ゚听)ξ「……どういうことなの? あ、楽にしていいわよ」
( ^ω^)「こほん、…………本当に、危ないんだお」
( ^ω^)「僕の世界やツンの世界に似た世界が、他にたくさんあるんだお」
ξ゚听)ξ「……?」
- 507 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 16:10:39.62 ID:B/mOa2B80
- 支援
- 508 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 16:13:08.98 ID:0WNQbzNL0
-
SF小説などで見る、パラレルワールドというものだろうか。
自分の世界と似た様な平行世界が、いくつも存在している。
その手のお話には、よくあることだ。
でも突然そんな事を言われても、信じられるはずがないわけで。
( ^ω^)「聖剣は言っていたお。ツン達の世界に、異変が迫ってるって」
ξ゚听)ξ「……異変?」
それが一体どういうことなのかは、わからなかった。
心当たりがあるとすれば、ここにフィレモンがいないということだけ。
それには初めから違和感があったのだけれど、ブーンの話と関係しているのかは、やはりわからない。
ξ゚听)ξ「聖剣って、何?」
( ^ω^)「僕も上手く説明はできないんだけど……世界の流れを円滑にする、と言っていたお。
持ってる人の願いを叶える力もあるらしいお」
ξ;゚听)ξ「はぁ……なんだかすごい話ね」
( ^ω^)「だけど、信じるしかないお。実際僕らは救われたし、
“アンノウン”の事を考えれば、説明がつくお」
- 509 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 16:13:43.45 ID:B/mOa2B80
- 支援
- 510 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 16:14:29.35 ID:KfSFFFM70
- 本編でトラペゾヘドロンに飲み込まれた直後か
支援
- 511 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 16:15:41.81 ID:1+seqV940
- 支援
- 512 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 16:16:05.31 ID:0WNQbzNL0
-
ξ゚听)ξ「“アンノウン”って?」
( ^ω^)「……僕らの敵の名前だお。アイツのせいで、世界が滅びようとしてるお。
僕達はアイツに挑んで負けて……聖剣に助けてもらったんだお」
ξ゚听)ξ「……そう」
( ω )「トーチャンも……アイツに……」
ξ゚听)ξ「……」
ブーンはそう呟くと、とても暗い顔をした。
明るい調子で捲し立てた時とは、真逆。
彼にとってそのことは、とても重たく肩にのし掛かるものらしかった。
あまりに突拍子も無い話だ。
なのに何故か、ブーンの話が事実であると、いつの間にか素直に受け止めていた。
今、目の前にいる彼が、私が知っているブーンでない事は、間違いない。
それでも彼をブーンと思える事が、私に話を信じさせているのだろうか。
けれど、私は思う。
ξ゚听)ξ「……どうして、私なの?」
- 513 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 16:16:25.26 ID:B/mOa2B80
- 支援
- 514 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 16:16:46.32 ID:BAg4tRPEO
- ペルソナ久しぶりだなあ
- 515 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 16:18:39.10 ID:yiskpKkyP
- これで理解できるツン凄すぎ
- 516 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 16:20:05.58 ID:0WNQbzNL0
-
私のことは、私が一番良くわかっている。
直前の戦いも、私は足を引っ張るばかりだった。
ブーンもそうだし、モナーさんやミセリさん、ジョルジュ達の方が私より何倍も強い。
それなのに、ブーンが言う聖剣は何故私を選んだのか、それがわからない。
ξ゚听)ξ「ここは私の世界だと思う、ってさっき言ったけど、
普段生活している世界はここじゃないわ。そこには私より強い人が、きっと……」
元の世界がどうなっているかは、わからない。
私がここにいることは、間違いなくフィレモンが何かをしたんだと思える。
でも実際に、元の世界を見ていないのだから、慎重になり疑うべきだとも、思う。
それほどに切羽詰まった危機が訪れているのなら、私では、とても。
( ^ω^)「きっと、ツンで間違いないはずだお」
ξ゚听)ξ「え?」
( ^ω^)「聖剣がここへ導いてくれたんだお。
きっと、きっと聖剣が選んだのは、ツンなんだお!」
ξ゚听)ξ「…………」
- 517 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 16:21:14.94 ID:2AokohjgQ
- 濃厚な支援を
- 518 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 16:21:37.20 ID:B/mOa2B80
- 支援
- 519 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 16:23:53.10 ID:0WNQbzNL0
-
そうだとしても、私には、わからない。
今までの戦いだって足手まといのままで、いつも誰かに助けられていた。
そんな私が選ばれても、とても。
『────少女よ』
ξ;゚听)ξ「ッ! フィレモン!?」
声が、きこえた。
過去、二度聞いたあの時の声よりも弱々しい声が。
でも間違いなくそれは、フィレモンの声だった。
『────時間がない……運命は、汝を選んだ────征け……』
ξ;゚听)ξ(……そんな……本当に……)
( ^ω^)「お? どうしたんだお?」
ブーンには、きこえていなかったようだ。
ペルソナ使いにしか届かない声なのだろうか、でも今は、そんなことよりも。
- 520 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 16:26:24.61 ID:0WNQbzNL0
-
ξ; )ξ(フィレモン……)
声で、心で呼びかけても、再び声が聞こえる事はなかった。
ふと、手に持っていた黒い箱に目をやる。
心無しか、さっきまでよりも艶がかかっているような気がした。
私で、いいのだろうか。
自問自答では考えるまでもなく、却下だ。
どれだけ前向きに考えたとしても、同じ答えしか出てこない。
そんな大事な戦いに、私が必要とされる理由がわからないのだ。
でも、フィレモンは言った。
運命が、私を選んだと。
私にペルソナを与えた時と、同じ言葉で。
ξ゚听)ξ(迷惑な話、ね)
本当にそう思う。私の事情など構いもしない。
- 521 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 16:26:30.88 ID:B/mOa2B80
- 支援
- 522 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 16:27:14.55 ID:2AokohjgQ
- 支援
- 523 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 16:29:05.78 ID:B/mOa2B80
- 支援
- 524 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 16:29:25.47 ID:0WNQbzNL0
-
あの時、ペルソナ様遊びなんてしなければ。
違う線路の上に、私は立っていたのだろうか。
でも、それでも。
やはり同じ様に、この日へと続いていたのだろうか。
だとしたら、どちらにしろ────
( ^ω^)
ブーンはじっと、私を見つめていた。
特徴的な柔らかい表情は、やっぱり私が知るブーンと同じだ。
( ^ω^)「大丈夫だお。他にも僕の仲間達が、同じ様に強い仲間を連れてくるお。
そうすればきっと、きっと世界を救えるはずだお!」
ξ;゚ー゚)ξ、
苦笑しか、返せなかった。
- 525 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 16:32:40.93 ID:0WNQbzNL0
-
私は何度、同じ事を繰り返せば解るのだろう。
いつか私は、私の世界のブーンに言った。
『だから私は、モナーさんの言ったことを信じて、できることをするわ』
『たとえ死んだって……何もしないまま死ぬよりはマシよ』
啖呵を切っておいて、目の当たりにした敵との実力差に、何度も挫けた。
今の私は、戦う前から自分の弱さを認め、勝負を捨てようとしている。
こんな所で立ち止まっていたら、異変が迫っているという自分の世界も、友達も、救えない。
私は、決めた。
ξ゚ー゚)ξ「行くわ」
これがペルソナを与えられた私の運命だとするならば。
全力で戦うしか、ないのだ。
- 526 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 16:34:50.57 ID:b6TsT2MT0
- しえん
- 527 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 16:34:53.15 ID:BAg4tRPEO
- ツンがんばれ
- 528 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 16:35:11.41 ID:B/mOa2B80
- 支援
- 529 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 16:35:42.91 ID:0WNQbzNL0
-
( ^ω^)「ありがとうだお! それでこそツンだお!」
ξ゚ー゚)ξ「ううん、たくさん迷っちゃって……正直、まだ不安はあるかな」
( ^ω^)「仕方がないお、僕だって、いきなりこんなお願いされたら困るお」
ξ゚ー゚)ξ「あら、自覚はあったのね?」
(;^ω^)「おっ……こっちのツンも痛いとこついてくるお……」
ξ゚听)ξ「ブーンの世界にも、私がいるの?」
( ^ω^)「幼馴染みなんだお。同じ村で育ったんだお」
ξ;゚听)ξ「幼馴染み、かぁ……見事に私と一緒ね……」
( ^ω^)「外見も性格もそっくりだお。さっきみたいに凶暴だったり、胸が小さいとことか」
ξ#゚听)ξ「そう。デリカシーないとこがブーンはそっくりね。次言ったら行かないから」
(;^ω^)「ご、ごめんお……」
ξ゚ー゚)ξ「ふふ、……じゃあ、お願い」
- 530 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 16:37:23.70 ID:B/mOa2B80
- 支援
- 531 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 16:38:44.96 ID:0WNQbzNL0
-
( ^ω^)「よし、行くお!」
いきなりブーンが私の手を握りしめる。
少し恥ずかしかったけれどそんなことは言っていられず、平静を装った。
( ^ω^)「しっかり握っててくれお? 途中で離れたら帰ってこれないから」
ξ*゚听)ξ「わ、わかった」
ぎゅ、と強く握り返す。
私の世界のブーンよりも、逞しい手をしていた。
その時、気がついた。彼の首に一筋の傷があることに。
ξ;゚听)ξ「血、出てるよ?」
(;^ω^)「お?」
ξ゚听)ξ「じっとしててね」
ξ゚听)ξ『ディア』
治癒の言霊を紡ぎ、スアデラの手が傷跡に重ねられた。
このくらいの傷なら、すぐに治すことができる。
やはりというか、ブーンにはペルソナが見えていないようだった。
ξ゚听)ξ「……うん、もう大丈夫」
( ^ω^)「ありがとうだお!」
- 532 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 16:39:34.26 ID:B/mOa2B80
- 支援
- 533 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 16:40:57.69 ID:0WNQbzNL0
-
ξ゚听)ξ(不思議に思わないんだ……彼にとっては、当たり前の力なのかな)
( ^ω^)「それじゃ、いくお」
( -ω-)『───v──√レvv──……』
気を取り直して、ブーンが呪文みたいなものを唱え始める。
暖かい光が、体を包み込んでいく。
握る手に、また強く力をこめた。
やっぱり、不思議だ。
ブーンなのに、ブーンじゃない。
言葉に表わすと、更に頭がこんがらがってしまいそうだ。
ふわりと、体が浮き始める。
上昇直後のエレベーターの感覚に似ている気がした。
- 534 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 16:41:39.32 ID:BAg4tRPEO
- バファリン
- 535 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 16:41:46.09 ID:B/mOa2B80
- 支援
- 536 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 16:47:49.82 ID:0WNQbzNL0
-
更に強く、握る手に力を込めると。
視界に映る景色が、急激にぶれた。
ぷつりと、テレビのチャンネルを切り替えた時のような暗転。
移動していると思える感覚は一切無かった。
視界は暗転したまま、変わらない。
でも、握る手にはしっかりと、温もりが残っていた。
※
「着いたお」
ブーンの声が聞こえても、視界は真っ暗のままだ。
そう思った時、自分がいつのまにか目を閉じていた事に気が付く。
ゆっくりと、目を開けた。
- 537 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 16:48:59.32 ID:B/mOa2B80
- 支援
- 538 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 16:49:06.80 ID:0WNQbzNL0
-
ξ;゚听)ξ「…………」
小高い丘に、立っていた。
そこにはさっきまでの宇宙のような景色はどこにもなく。
青々とした草原が、ずっと広がっていた。
青空の下、遠くに見えるのは山ばかり。
広大な大自然とは、こういう景色のことを言うのだろうか。
見る人により違うのだろうけど、私には間違いなく、そう思えた。
ξ;゚听)ξ「ここが……ブーンの世界なの?」
( ^ω^)「そうだお。上手くいくか不安だったけど……成功したみたいだお」
ξ;゚听)ξ「し、失敗してたかもしれないのね……」
ゾっとすることを軽く言われた。
疑っていたわけじゃないけど、本当に来てしまったという思いが心臓を高鳴らせる。
不安だけは、どうにも抑えることができない。
ξ゚听)ξ「それで、ここはどこなの?」
( ^ω^)「僕の村のすぐ近くにある丘だお。
村をイメージしてたんだけど、上手く飛べたみたいだお」
- 539 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 16:52:08.11 ID:0WNQbzNL0
-
なるほど、上手くいったとはそういうことなのか。
ξ゚听)ξ「でも村の近くって……アンノウンはどこにいるの?」
( ^ω^)「アンノウンの場所へ行くにはこれを使うんだお」
そう言ってブーンは懐から小さなビー玉のような石を取り出した。
真上で輝く太陽の光を受けて、青色にキラキラと反射している。
( ^ω^)「夕日に向かってこれを掲げれば、アンノウンの所へいけるお」
ξ゚听)ξ「へぇ……便利なのね」
( ^ω^)「期限は、明日の夕方。その時に仲間全員で掲げなきゃいけないっていう制限があるお」
ξ゚听)ξ「じゃあ、仲間を待てばいいの?」
( ^ω^)「どちらにしろワープは夕方にしかできないし、その間は……待ってれば……」
ξ゚听)ξ「?」
(;^ω^)「と、とにかく、みんな違う場所にいたとしても、この鍵はどこでも使えるから心配ないお」
ξ゚听)ξ「ふぅん……」
私の世界にはない不思議な力に、そんな相槌を打つ事しかできなかった。
感心しつつも、頭を追いつかせることに精一杯なのだ。
ξ゚听)ξ「アンノウンがいきなりここへ現れるってことは……ないの?」
- 540 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 16:54:54.96 ID:B/mOa2B80
- 支援
- 541 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 16:55:01.12 ID:0WNQbzNL0
-
( ^ω^)「それは……わからないお。元々得体の知れない奴だけど、
僕達の動きを知っているのかもしれないし、知らないかもしれないから……」
ξ゚听)ξ「そう……願いを叶える聖剣を持ってるなんて……反則よね」
( ^ω^)「聖剣は今、力が空っぽだから願いは叶えられないらしいお」
ξ゚听)ξ「そうなの……少し、安心したわ」
その時、強い風が吹いた。咄嗟に髪とスカートを抑える。
そういえば、ブーンの格好は私と随分違う。
この世界がどんな文化なのかわからないけど、VIP高校の制服でおかしくないだろうか。
ただでさえ地味な制服なのに。
( ^ω^)「そういえば、寒くないかお?」
ξ゚听)ξ「うん、言われてみれば、ちょっと寒いかも」
( ^ω^)「村に行こうお。外套くらい余ってるはずだお」
ξ゚ー゚)ξ「わかった。ありがとう」
( ^ω^)「お?」
ξ゚听)ξ「なんでもないわ。いきましょ」
- 542 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 16:58:20.41 ID:kuTbTcAY0
- しえn
- 543 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 16:58:27.17 ID:0WNQbzNL0
-
優しい所も、鈍い所も、彼はブーンと一緒だった。
この先に、世界を懸けた戦いが待っている。
そんなことが信じられない程に、この景色は壮大で。
もう一度振り返り、しっかりと目に焼き付けた後、ブーンの背を追った。
※
十五分ほど、歩いただろうか。
丘を下り、ちょっとした林を抜けると、木で造られた家が見えた。
更に歩くと、ぽつりぽつりと同じ様な家が数軒見える。
同じく木で造られた柵をまたいで越える。
どうやらそこからが、ブーンの村らしかった。
赤茶色の地面が広がり、周囲は林に囲まれている。
人の姿は見えない。とても静かな所だった。
- 544 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 17:01:09.50 ID:B/mOa2B80
- 支援
- 545 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 17:01:28.35 ID:0WNQbzNL0
-
柵を越えてすぐの所にある家の前で、ブーンは立ち止まった。
どうやらここが、ブーンの家のようだ。
結構、大きい。
木組みの外観は私の世界で言う、ちょっとした山荘ほどの大きさだ。
正直、失礼ながら村と言われた時はもう少し質素な建物を想像してしまっていた。
ブーンの服装から、なんとなくそんな事を予想していただけだ。
同じく木で造られた階段を上がり、ブーンが入り口の戸をノックする。
少しして、キィと音を立てながら扉が開いた。
J(;'ー`)し「はいはい……って、ブーン!?」
( ^ω^)「カーチャン、ただいまだお」
J(;'ー`)し「ぶ、無事だったのね!? ツンちゃんも……怪我はない?」
驚いた。
ブーンのお母さんまで、私の知っている姿をしていた。
これが異世界、即ちパラレルワールドということなのだろうか。
少しやつれているように見えたけれど、本当に差はそのくらいだった。
ξ;゚听)ξ「あ、あの……」
なんと言っていいか返事を言いあぐねていると、
- 546 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 17:02:01.10 ID:yiskpKkyP
- 支援
- 547 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 17:04:32.60 ID:0WNQbzNL0
-
ノハ*゚听)「おおッ!? ブーン! ツンもいるぞ!」
ずさ、と走り寄りおばさんの横で急停止したのは、女の子。
私はその子にも、見覚えがあった。
元気いっぱいで赤い髪を揺らすこの女の子は……。
(;^ω^)「……カーチャン、色々事情があるんだお。とりあえず中で……」
J( 'ー`)し「……わかったわ。さぁ、こっちに」
ノハ*゚听)「あれ? ツンがひらひらしたの着てる! なにそれ!」
ξ;゚听)ξ「え、これは、わわ──っ! ちょ、ちょっと!」
女の子にスカートの裾を掴まれ、ぐいぐいと引っ張られてめくられそうになる。
私は必死でスカートを押さえながらじりじりと家の中へ入った。
( ^ω^)
ξ#゚听)ξ「ちょっと! 見てないで止めなさいよね!」
あんたはどこを見てるんだ。
もしかすると、私の世界のブーンよりちょっと、スケベなのかもしれない。
- 548 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 17:07:21.76 ID:2AokohjgQ
- 微笑ましいなあ
- 549 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 17:07:46.97 ID:0WNQbzNL0
-
※
おばさんが淹れてくれた紅茶を一口すする。
口に含むと茶葉の香りがふわりと広がり、それだけで思わず「ほう」と息を吐く。
例えるのも失礼だけれど、コンビニで売っているどの紅茶よりもおいしかった。
J( 'ー`)し「そう……使ったのね、“禁呪”を……」
暖炉のある部屋に置かれた木製のテーブルを五人で囲み、
ブーンが事情を説明し終えた後、おばさんは静かに、呟いた。
向かい。おばさんの側に座る二人の少女を見つめながら、私は話を聞いていた。
ノパ听)
lw´‐ _‐ノv
元気いっぱいの赤毛の女の子とは対照的な、
落ち着いた雰囲気を醸し出している長い黒髪の女の子。
この子の事も、私は多分知っている。
lw´‐ _‐ノv「お姉ちゃんは……?」
( ^ω^)「大丈夫だお。僕と同じ様に、きっと戻ってきてるはずだお」
lw´‐ _‐ノv「……」
- 550 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 17:11:14.27 ID:BAg4tRPEO
- アルファ最後で言ってた妹か
- 551 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 17:11:17.52 ID:0WNQbzNL0
-
ξ゚听)ξ「お姉ちゃんって……もしかしてクーって名前だったり……?」
( ^ω^)「そうだお。この二人はクーの妹、ヒートとシューだお。
旅に出てる間、カーチャンに面倒見てもらってるんだお」
ξ゚听)ξ「そう……」
見る限り、二人は私が知っている二人よりも少し幼い気がする。
ブーンとおばさんもそうだったけれど、まさかクーの家族構成も同じだなんて。
私の世界でもクーの両親はおらず、高校に通いながら二人の面倒を見ていたはずだ。
この様子ならきっと性格もそっくりなのだろうな、なんて思った。
( ^ω^)「それで、カーチャン」
J( 'ー`)し「?」
( ^ω^)「僕らは揃って、アンノウンの城に合流するお」
J( '-`)し「……ツンちゃんの転送魔術ね」
一瞬、自分の事かと思ったけれど、すぐにこちらのツンさんの事だと理解した。
自分の名前に「さん」を付けるなんて違和感があったけれど、それが今起きている現実なのだ。
- 552 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 17:12:00.79 ID:KfSFFFM70
- ひーにゃんかわいいよひーにゃん支援
- 553 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 17:14:25.81 ID:0WNQbzNL0
-
J( 'ー`)し「…………」
おばさんは一瞬、目を伏せると、すぐに顔を上げて視線を移動させる。
止まったその先には、石で造られた古めかしい暖炉があった。
見ているのは、その上に置いてある物のようだった。
ξ゚听)ξ「……?」
オブジェ、だろうか。素材はよく分からないけれど、銀色に鈍く光っている。
それを見つめるおばさんの真剣な表情が、ただの美術品であると思わせない。
手の平ほどの大きさの物が四つ並んでおり、その中の一つに、どこか見覚えがあった。
( ^ω^)「お守り、だお」
疑問が顔に出ていたのだろう。
隣に座るブーンが、私の求めていた答えを言ってくれた。
振り返り彼を見ると、もう一つの“もや”も晴れた。
オブジェの一つが、ブーンが羽織っている外套の留め具と、同じ形をしていたのだ。
彼がつけている留め具は、タイルに筋が入ったような、シンプルなデザイン。
暖炉の上に飾られているものは、蝶のような形、アルファベットのような形、
そして、本で見た刀の鍔のような形から、小さな棒がぶら下がっているもの。
並ぶ四つの“お守り”は、それぞれがそんな形をしていた。
( ^ω^)「僕たちの家に代々伝わる家紋を、模してあるんだお」
ξ゚听)ξ「そうなんだ……」
- 554 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 17:17:58.29 ID:0WNQbzNL0
-
ブーンを見るに、話の中にいた仲間も、あれと同じ物を身につけているのだろう。
ということは、仲間は彼を含めて四人以上いるということだ。
( ^ω^)「ツンは……こっちのツンは、あの蝶々さんをつけてるお」
返事は、しなかった。
できなかったが、正しい。
なんとなく、あれかなと思っていたからだ。
そんな気がしていただけの、全くの勘だったのだけれど、少し驚いた。
ノハ*゚听)「ねーちゃんのはあれ!」
ヒートちゃんが指差したオブジェは、刀の鞘の様な形をしたものだった。
とすると、残りの一つは誰だろうか。
それを訊こうと口を開きかけた時、
ξ;゚听)ξ「ッ……」
いつの間にかおばさんがこちらを向いていることに気が付く。
思わず背筋を伸ばして目を合わせた。
- 555 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 17:20:29.03 ID:BAg4tRPEO
- ほう……
- 556 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 17:21:00.85 ID:0WNQbzNL0
-
J( '-`)し「ツンちゃ……ツンさん」
ξ;゚听)ξ「は、はい」
J( 'ー`)し「……この世界を、お願いします」
ξ゚听)ξ「……」
ブーンがおばさんにした話は、“禁呪”など私にはよくわからない言葉が混じり、全く理解できなかった。
どうやらそれはとても大変なことらしく、おばさんは神妙な面持ちでずっと聞いていた。
特に、“転送魔術”の話をした時に、表情が強張った気がする。
この世界の“魔術”を知らない私にとって、“禁呪”との違いはわからない。
でもその時の様子は、とても理由を聞けるような雰囲気ではなかった。
お守りを見た後のおばさんは、幾分か表情が和らいでいた。
色々な事が一度に起こりすぎて、頭がパンクしそうになっている。
その所為で、返事をどうしてよいのか戸惑ってしまい、微妙な間が生まれてしまう。
それに、躊躇した理由は会話についていけない、という事だけではなかった。
- 557 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 17:21:08.34 ID:NT+si/aY0
- 来てたのかしえんしえん
- 558 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 17:24:07.34 ID:0WNQbzNL0
-
ξ゚听)ξ「全力を、尽くします」
そうとしか言えず。
それでもおばさんは、にっこりと笑ってくれた。
私の力がアンノウンに通用するかは、わからない。
何故私なのか、という疑問は未だ残り続けているからだ。
必ずとは、どうしても言い切ることができなかった。
( ^ω^)「カーチャン、ツンに外套を貸してやれないかお?」
J( 'ー`)し「あら、そうね……その服、少し寒そうね」
ノパ听)「ヘンな格好──!」
lw´‐ _‐ノv「わたしは結構好き」
ξ;゚听)ξ「あは、あはは……」
この制服は、やっぱりこの世界では珍しい服装みたいだった。
こっちへ、とおばさんに促され、別の部屋へと移動する。
ヒートちゃんがぴったりと私の後をついてきていた。
J( 'ー`)し「私のお古だけど、大丈夫かしら?」
ξ゚听)ξ「はい、ありがとうございます」
- 559 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 17:24:54.15 ID:KfSFFFM70
- 今までのパートでたってたフラグは禁呪の矛盾関係か……
- 560 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 17:27:17.67 ID:0WNQbzNL0
-
J( 'ー`)し「なんなら服も全部取り替える?」
ξ;゚听)ξ「いえ、そこまでは……」
J( 'ー`)し「そう。少し汚れてるみたいだけど、洗濯しましょうか?」
ξ;゚听)ξ「そんな、悪いです」
J( 'ー`)し「遠慮しなくていいのよ? 洗濯なんて十分もあれば終わるから」
ξ;゚听)ξ「じゅ、十分?」
どう考えても十分で洗濯は終わらない。
もしかして単位は同じでも、私の世界と時間の基準が違うのかもしれない。
こちらの世界の十分が、私の世界で一時間だったりする可能性もあるのだ。
J( 'ー`)し「ツンさんの世界は知らないけど、こっちの世界では洗濯はこうするのよ」
そういうと、おばさんは人差し指をぴんと立て、何かを呟きはじめた。
すると指先にふよふよと何かが集まり、それの背景が歪んで見える。
ξ;゚听)ξ「み、水?」
おばさんの指先に生まれたのは、人の頭ほどの大きさをした水の塊だった。
- 561 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 17:27:18.93 ID:Ydunxuhr0
- 支援
- 562 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 17:30:19.84 ID:0WNQbzNL0
-
J( 'ー`)し「水を召喚して、更にそこへ風を召喚して、洗うのよ」
ξ;゚听)ξ「……魔法?」
J( 'ー`)し「あら、ご存じ?」
ξ;゚听)ξ「いえ……私の世界にはありません……」
J( 'ー`)し「そう。召喚術と言ってね、乾かす時は火と風を応用するの。すぐ済むわよ」
ξ;゚听)ξ「へ、へぇー……」
J( 'ー`)し「この村の人達は召喚師の末裔でね、こういうことは誰でもできるの。
戦いとなると……話は違うけどね」
ξ゚听)ξ「……それが、ブーン達ですか」
J( 'ー`)し「……あの子達が、この村で戦える最後の召喚師……。
私達の村の……いいえ、この世界の最後の希望なのよ」
ξ゚听)ξ「そうだったんですか……」
ノハ*゚听)「ねーちゃんはすっっごく強いんだぞ!」
J( 'ー`)し「あらあら、ブーンもツンちゃんも、ショボンくんも強いわよ」
ノハ*゚听)「だけどねーちゃんが一番だっ!」
J( 'ー`)し「あらあらうふふ」
- 563 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 17:31:01.47 ID:Ydunxuhr0
- ヒートかわいい
- 564 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 17:31:33.24 ID:xh91YJBJO
- 支援だ
- 565 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 17:33:15.00 ID:0WNQbzNL0
-
おばさんは水を消すと、ヒートちゃんの頭を撫でる。
ヒートちゃんはと言うと猫のように目を細め、実に気持ちよさそうな顔をしていた。
そんな様子を見ていると大変な戦いがこれから始まるなんて、信じられなくなる。
おばさんは、ショボンとも言っていた。
と言うことは、アルファベットのような家紋はショボンがつけているのだろう。
ブーンと、ショボンと、クーと、そしてこの世界の私。
その四人がアンノウンに敗れて、他の世界に助けを呼びに旅立ったということか。
私の他にどんな人が呼ばれたのだろうか。
案外、同じ組み合わせなのかもしれない。
重なる私の世界との共通点に、なんとなく、そんな気がした。
この世界の私はどんな感じなのか、不謹慎だと思いつつも少し、楽しみだった。
ブーンが言うには胸の大きさまでそっくりとのことだけど、一言余計だ。
同じ容姿の相手に、『初めまして』なんて言っている図を思い浮かべて、可笑しく思えてしまった。
おばさんの厚意に甘え、制服も洗ってもらうことにする。
私の世界の下着が珍しいのか、またヒートちゃんに引っ張られた。
ヒートちゃんが、必死で下着を奪われまいと死守し続けている私に、
ノハ*゚听)「おっぱい小さいな! やっぱりツンだっ!」
などと自分はつるぺたなくせにそんな事を言い、ちょっぴり凹んだことは胸の中にしまっておく。
J( 'ー`)し「あら……これは?」
- 566 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 17:34:13.08 ID:Ydunxuhr0
- そんなに小さいのかw
- 567 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 17:35:11.13 ID:KfSFFFM70
- つるぺた支援
- 568 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 17:36:30.17 ID:0WNQbzNL0
-
制服を渡したおばさんが、スカートのポケットから何かを取り出した。
胸ポケットにハンカチと生徒手帳をいれてあるだけで、そこには何も────
ξ;゚听)ξ「ッ」
ぞくり、と言い知れない悪寒が背に走る。
おばさんが取り出したのは、あの黒い箱だった。
あの時、フィレモンの空間で手にとって……それから箱をどうしたかは、覚えていない。
だけど間違いなく言える事は、ポケットにいれてなどいないという事だ。
まさか、この黒い箱は、私についてきた……?
……口が、渇く。
心配させまいと落ち着いているように努め、黒い箱を受け取った。
冷たく、固い感触が手に伝わる。
私達の敵が持っていたこの箱は、一体なんなのだろうか。
当然のことながら、黒い箱は私に何も教えてくれない。
ただ一つわかるのは、『なにもわからない』ということだけだった。
- 569 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 17:37:53.76 ID:kuTbTcAY0
- トラペゾヘドロン支援
- 570 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 17:38:14.76 ID:Ydunxuhr0
- こわいな…
- 571 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 17:39:33.07 ID:0WNQbzNL0
-
自分の世界の事ですら、わからないことがありすぎる。
そんな状態で更に他の世界まできて、頭が追いついていかない。
思考的な意味でなく、文字通りブーンについていくのことで精一杯だ。
J( 'ー`)し「ツンさん?」
ξ;゚听)ξ「あ、はい」
箱をじっと見つめていた私の意識を、おばさんの声が現実へと引き戻す。
と同時に、下着姿であったことを思い出し、さすがに肌寒く感じた。
J( 'ー`)し「これは洗っておくから、この服を着るといいわ」
ξ゚听)ξ「ありがとうございます」
受け取った服は、私の世界で言うワンピースに近い服だった。
足首まで隠す長い裾と、袖も手の平までの長さがある。私には少し大きい。
着る時に気付いたのだけど、布自体がどの部分も伸縮して着やすかった。
私の世界にはない生地でできているのだろう。とても動きやすい。
加えてとても暖かく、これなら外套は借りる必要がないだろう。
ノハ*゚听)「お揃いだねっ」
そう言って私を見上げ、歯を見せてにっこりと笑うヒートちゃん。
確かにヒートちゃんも私と同じ様な服を着ていた。色も赤と、まさにお揃いだ。
これがこの世界か、もしくはこの地域で『普通』とされている服装なのだろう。
- 572 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 17:39:58.77 ID:KfSFFFM70
- トラペゾヘドロン 「えへへ……ついてきちゃった///」
- 573 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 17:42:35.59 ID:0WNQbzNL0
-
ノハ*゚听)「あたしの服は、ショボンが作ってくれたんだぞ!」
ξ゚听)ξ「ショボンが?」
ノハ*゚听)「誕生日にくれたの! ショボンは器用なんだ!」
ξ゚ー゚)ξ「そうなんだ、よかったね、ヒートちゃん」
J( 'ー`)し「ねぇ……男の子なのに、裁縫だなんてね」
ξ゚听)ξ「…………」
おばさんの発言は、まるで裁縫は女の仕事だと言わんばかりだ。
逆に男は、力仕事を。多分それが、この世界の常識なのだろう。
ξ゚ー゚)ξ「私は、素敵な事だと思います」
本心を素直に言った。
おばさんは合点がいかないようで、少し戸惑った後に微笑んだ。
風習などはどうやら、私の世界とずれているらしい。
ノハ*゚听)「あたしもそう思う!」
でもそれに、決して囚われているだけではないようで。
ヒートちゃんの頭を撫でながら、そう思った────
- 574 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 17:43:03.03 ID:Ydunxuhr0
- ショボン…
- 575 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 17:44:37.03 ID:kuTbTcAY0
- (´・∋・`)
- 576 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 17:45:42.90 ID:0WNQbzNL0
-
※
━━━━━━━━━━━━━━━━
「時空の歪みが……これはもしや……」
全ての窓に暗幕を張られた、暗い部屋の中。
自身も黒いローブに身を包んだ男が、呟いた。
足元には本や硝子瓶、得体の知れない物が乱雑に散らばり、その上を一匹の鼠が駆けた。
しかし男は、そんなことは気にも留めずに。鼠など最早、同居“人”なのだ。
室内と同じ様に隙間無く散らかる机の上。
そこに置かれた拳大の水晶球を見つめ続けている。
「現れた……異世界……古文書の通り……」
男だけが知る鍵語をぽつり、ぽつりと。
つい、と男の口端が吊り上がる。実に満足げな笑みを浮かばせた。
そのままの表情で男は立ち上がる。
散らかった本を気にも留めず踏み付け、部屋を後にした。
━━━━━━━━━━━━━━━━
- 577 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 17:46:30.07 ID:Ydunxuhr0
- 支援
- 578 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 17:47:48.99 ID:BAg4tRPEO
- 今までのが色々でてるな
- 579 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 17:49:06.73 ID:0WNQbzNL0
-
※
陽は、既に沈みかけていた。
クーの妹達と自世界の事などを話していたツンはブーンの誘いを受け、
最初に降り立った小高い丘へと訪れていた。
半分以上を山に隠した太陽が、周囲の色を紅に染めている。
遥か上空はもう夜の顔になっており、星達が競うように己の存在を見せ付けていた。
ブーンが何かを呟きながら、夕日に拳を掲げる。
手の中には、この世界のツンに渡された青い水晶球がある。
アンノウンの城へと転移するための、鍵だ。
暫くそうしていると、やがて陽は完全に沈んだ。
( ^ω^)「念のためと思ったけど、今日じゃなかったみたいだお」
万が一、ツンの世界に行った時点でこちらの一日が過ぎていたら。
四人の息が乱れては、鍵が発動することはない。
それを危惧して、彼はここにツンを連れてきたのだ。
ξ゚听)ξ「そう」
ツンとしても、制服を預けているためこのまま連れて行かれては困るところだった。
- 580 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 17:49:59.31 ID:Ydunxuhr0
- 支援支援
- 581 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 17:52:28.99 ID:0WNQbzNL0
-
ツンの後を追うように紛れていた黒き箱は、彼女の手に持たれていた。
自身も気味が悪いと感じていたが、もし、人間に害なす物だったとしたら。
得体の知れない物を放置しておくわけにはいかないという判断からだった。
ξ゚听)ξ「……なかなかこないね、ブーンの仲間たち」
( ^ω^)「そうだおね。でも、みんなきっとこの世界のどこかにいるはずだお」
ξ゚听)ξ「そういうのはわからないの? 魔法とか何かで……」
( ^ω^)「こればっかりはどうにもならないお……」
どうすることもできない。
そう言った彼の言葉は、嘘だ。
だが、ツンがそれに気付くことはなかった。
( ^ω^)「でもきっと、みんなももうどこかにいるはずだお!」
( ^ω^)「ツンとかおっちょこちょいだから、鍵なくしてたりして」
ξ;゚听)ξ「お、おっちょこちょいなんだ」
( ^ω^)「ツンは最も召喚術に精通してる、僕らのリーダーなんだお」
ξ゚听)ξ「……そうなんだ」
ξ゚听)ξ(私とは随分違うのね……)
- 582 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 17:54:04.57 ID:Ydunxuhr0
- 預言者かよw
- 583 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 17:55:48.68 ID:0WNQbzNL0
-
己の力に、彼女は自信が持てない。
その根はやはり、相当深いようだ。
( ^ω^)「だお。でも、一番魔術の才能があるのは、ショボンだと思うお」
ξ゚听)ξ「ショボン、かぁ……私の世界のショボンも、頭が良くて頼りになるかも」
( ^ω^)「でも、ショボンは優しいんだお。だから攻撃系の魔術は、進んで覚えようとしなかったんだお」
ξ゚听)ξ「そう……なんとなく、同じ所があると思う」
ξ゚听)ξ「クーは?」
( ^ω^)「クーはいつもすっごく落ち着いてて、状況を判断することに長けてるお」
( ^ω^)「ポーカーフェイスだけど、不思議とみんなを安心させてくれるんだお」
ξ゚听)ξ「へぇ……ポーカーフェイスはそうだけど、ちょっとこっちのクーとは違うかも」
ξ゚听)ξ「でも、妹たちにすごく好かれてるのは、一緒かな」
( ^ω^)「そうなのかお? やっぱり結構似てるとこがあるみたいだおね」
ξ゚听)ξ「そうみたいね」
( ^ω^)「僕はどうかお? ツンの世界の僕は、どんな僕なんだお?」
ξ;゚听)ξ(や、ややっこしい……)
- 584 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 17:58:08.36 ID:Ydunxuhr0
- 支援
- 585 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 17:58:48.86 ID:0WNQbzNL0
-
ξ;゚听)ξ「う〜ん……」
( ^ω^)「?」
ξ;゚听)ξ「……」
( ^ω^)「お?」
ξ゚听)ξ(ブーン……かぁ……)
( ^ω^)「??」
ξ゚听)ξ「……」
( ^ω^)「おっ?」
ξ*゚听)ξ「…………」
ξ;゚听)ξ(はっ!)
ξ;゚听)ξ「あ、会った時にも言ったけど! デリカシーないとことか!
鈍いとことか! いっつも脳天気な感じがそそそそっくりよ!」
( ´ω`)「おーん……ツンはやっぱりツンだおね……」
ξ;゚听)ξ「え、いや、別に悪気はないんだからね!」
ξ;--)ξ(はぁ……私のばか……)
- 586 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 17:59:20.55 ID:Ydunxuhr0
- ツンツンだな
- 587 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 18:01:57.84 ID:0WNQbzNL0
-
同じ様に落ち込んだ二人は、気晴らしにと星空を見上げる。
己の輝きを誇示し続ける星達の舞台に、一瞬、目も心も奪われそうになった。
そんな景色を見つめても、ブーンの心に燻っているものは、やはり戦いのことだ。
( ^ω^)「明日、同じ時間に、今度こそ……」
ξ゚听)ξ「……」
明日。アンノウンの元へ飛び立ち、決戦が始まる。
彼女にとって、それはあまりに性急であった。
しかし時間は、待っていてはくれぬのだ。
鍵の制限についても、ブーンから話を聞いて理解していた。
( ^ω^)「そういえば……」
ξ゚听)ξ「うん?」
( ^ω^)「ツンはどんな力を使えるんだお?」
ξ゚听)ξ「あぁ……」
世界を救うためとは言え、ブーンからすれば彼女はまだ少女だ。
この世界へ移る前、ツンは自分の力に自信を持っていないという事を彼に伝えた。
ブーンはそれを、謙遜と思っていた。
聖剣が選んだ勇者なのだから、きっと相応の実力を持っているに違いないと考えていたのだ。
- 588 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 18:02:40.58 ID:Ydunxuhr0
- トラペゾヘドロン…
- 589 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 18:05:01.19 ID:0WNQbzNL0
-
ξ゚听)ξ「えっと……ペルソナ、っていってね」
( ^ω^)「ペルソナ?」
ξ゚听)ξ「……見えないと思うけど……」
ξ゚听)ξ『ペルソナ』
心の海に、呼びかけた。
言霊を受け、ツンの足元に白い光が集いだす。
それらが渦を巻き上昇し、彼女を囲む円柱と成った。
やがて柱が弾け、霧散した後に。
( ゚ω゚)「お、おおおお……」
ξ;゚听)ξ「あれ? 見えるの?」
ツンの背後に現れた女神。
薄布隔てた女神の体には、常人の男であるなら目を奪われてしまうだろう。
長い黒髪を風に揺らし、真紅の唇が美麗さを引き立てている。
ツンのペルソナ。愛と誘惑の女神、スアデラだ。
- 590 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 18:06:01.92 ID:Ydunxuhr0
- しえんしえん
- 591 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 18:08:37.71 ID:0WNQbzNL0
-
( ゚ω゚)「これは……召喚かお!? すごい……すごいお!」
ξ;゚听)ξ「しょ、召喚って言うのかな?」
『神のように慈愛に満ちた自分。悪魔のように残酷な自分』
いつかフィレモンが彼女達に告げた言葉だ。
それらを神や悪魔の姿に変え、現世に喚び出したものを、ペルソナと呼ぶ。
ξ゚听)ξ「……正直言って、私もまだこの力のことはよくわかってないの。
ただ、ペルソナを使って戦わなきゃいけないってことしか……」
( ^ω^)「……そうなのかお」
( ^ω^)「でも、すごいお! 原理はわからないけど、こんな召喚術……僕は使えないお!」
ξ;゚听)ξ「でも私だって、ブーン達みたいに火や水は召喚できないわよ」
( ^ω^)「ブーン達のご先祖様は、悪魔を召喚して使役したらしいお。
ツンがしてることは、それと同じ様なこと……だからすごいお!」
ξ;゚听)ξ「そ、そうなのかなぁ……」
- 592 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 18:10:17.63 ID:Ydunxuhr0
- しえん
- 593 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 18:10:25.90 ID:KfSFFFM70
- 支援
- 594 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 18:11:45.95 ID:0WNQbzNL0
-
ξ;゚听)ξ(変に期待させちゃったかな……ていうか、今は見えるんだ……)
ξ゚听)ξ(この世界にきたから……見えるようになった……?)
( ^ω^)「僕達が使える召喚術は……自然の事象や物を呼べる程度だお。
それに魔力を加えて、応用したりはするけど、ツンのとはほど遠いんだお」
ξ゚听)ξ「……」
( ^ω^)「ツンをこっちに連れてきたのも、僕達が使える限界の召喚術だお。
しかも実際にそこへ行って、相手に触れていないと連れてこられない……。
でもツンは、そんなことしないですごいのを喚べる! ほんとにすごいお!」
ξ;゚听)ξ「あ、ありがとう」
いくら褒め称えられようと、彼女は自身より力を持つ者達を知っている。
そのせいで、とても素直に喜ぶことはできずにいた。
落ち着く事ができずに、ツンはペルソナを消そうとした、
その時────
ξ゚听)ξ(…………?)
- 595 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 18:12:10.66 ID:kuTbTcAY0
- 確かジオは使えたよな
- 596 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 18:12:49.87 ID:yiskpKkyP
- 恒例の戦闘か
- 597 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 18:13:04.65 ID:Ydunxuhr0
- 支援!
- 598 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 18:14:59.21 ID:0WNQbzNL0
- ツンは振り向いて丘を見下ろした。
陽が沈み夜となった今、不気味さを増した林が広がっていた。
( ^ω^)「ツン?」
彼女の様子に、ブーンもどうしたのかとツンの視線の先を見る。
二人の視界には、暗い林の木々が、手招きしているように風に揺れていた。
ξ゚听)ξ「……ううん、気のせいみたい」
( ^ω^)「そうかお」
ξ゚听)ξ(誰かに……見られてたような……)
そう思いながら、ツンはペルソナを完全に収めた。
それと同時に違和感も消え、首を傾げた後にまたブーンの方を向く。
ξ゚听)ξ「……」
ブーンの背後に広がるのは、ツンが自身の世界では見た事のない満天の星空。
星が近い、と彼女が錯覚するほどに、見事に煌めいていた。
ξ゚听)ξ(私やブーン達がいる、同じような異世界。……でも、夜空はこんなにも違う……)
彼女が住む都会の夜空とは、とても比べられない景色だ。
壮大な空を見つめる彼女の目には、元の世界に残した友の姿も浮かんでいた。
異変により何が起こっているのかは彼女の知る所ではないが、
どうしようもない不安はやはり心の隅にあり、懐郷の念も間違いなく潜んでいた。
- 599 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 18:15:38.09 ID:Ydunxuhr0
- やっぱ空が綺麗なのか…
- 600 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 18:18:02.29 ID:0WNQbzNL0
-
ξ゚听)ξ「ねぇ、ブーン」
( ^ω^)「お?」
ξ゚听)ξ「私の世界には他に……ジョルジュやドクオっていう友達がいるんだけど……。
こっちの世界にはいないのかな?」
( ^ω^)「……ジョルジュって人は知らないけど、ドクオは……」
ξ゚听)ξ「いるの?」
( ^ω^)「いる……けど……」
ξ゚听)ξ「?」
言葉を濁すブーンに、彼女は疑問を感じた。
ツンの世界では、ドクオは彼女らの親友として、共に行動している。
怒ると少し乱暴だが、それでもツンにとっては頼りがいのある仲間だ。
( ^ω^)「村から少し離れた所に小屋を建てて、一人で暮らしてるお」
ξ;゚听)ξ「そ、そうなんだ」
( ^ω^)「怪しい神様を信仰してる、危ないオッサンだお」
ξ;゚听)ξ「お、オッサン……なのね……」
- 601 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 18:18:53.23 ID:Ydunxuhr0
- ドクオ扱いかわいそうだなw
- 602 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 18:19:03.06 ID:KfSFFFM70
- ドックン……
- 603 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 18:19:11.40 ID:wBlXUW9J0
- 追いついた
支援
- 604 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 18:19:41.09 ID:kuTbTcAY0
- なんか分かんないけど、歩くようですのドクオ思い出した
- 605 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 18:21:11.73 ID:0WNQbzNL0
-
( ^ω^)「引きこもってなかなか見ないんだお。僕も言われるまで忘れてたお。
トーチャンが言ってたけど、昔は真面目な召喚師だったって言ってたお。
とても信じられないけど」
ξ;゚听)ξ「な、なるほど……」
( ^ω^)「ツンの世界のドクオは、どんな奴なんだお?」
ξ゚听)ξ「同級……同い年で、大切な仲間よ」
ツンはこの世界のブーンに伝わるよう、言葉を選び伝えた。
( ^ω^)「そうなのかお。やっぱり違う部分は、あるみたいだおね」
ξ゚听)ξ「そうみたいね。そっくりなものばかりじゃ────」
突如、風が吹いた。
丘の下から二人を吹きつけ、天高く駆け抜ける。
ただの風なら、会話はそこで中断されなかっただろう。
風を受け、それが人為的なものだと気が付いたのは、ブーンだった。
( ^ω^)「……ツン、気をつけろお」
- 606 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 18:21:36.74 ID:Ydunxuhr0
- 戦闘パートかな
- 607 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 18:22:55.12 ID:NT+si/aY0
- >>604
奇遇だな俺もだ
支援
- 608 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 18:26:12.34 ID:0WNQbzNL0
-
ξ;゚听)ξ「ッ!」
注意を促すと同時、ブーンは静かに身構える。
同じ魔術を扱う者だからこそ、風に含まれた魔力を感じ取ることができた。
視線の先に、闇と同化する黒色の外套を羽織った男が、立っていた。
('A`)「お初にお目にかかる。異世界からの来訪者よ」
( ^ω^)「噂をすれば……ってやつかお」
ξ;゚听)ξ「……ドク……オ……?」
低く太い声とその外見は、ツンの世界のドクオとはかけ離れていた。
加えて、夜という暗さの中で遠目に見た男の事を、彼女はドクオと思っている。
根源的な何かが、そう思わせているのだろうか。
('A`)「私の名を知っているとは……流石と言うべきか」
ゆっくりと、二人に歩み寄る。それに合わせ、ブーンが素早くツンの前方に立った。
無精髭が伸びに伸びた顔が、月明かりの下に晒される。
なんとも情景に不釣り合いな顔であった。
('A`)「仰る通り、私の名はドクオ。ドクオ=ウッダー」
深々と、頭を下げる。
- 609 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 18:27:17.63 ID:kuTbTcAY0
- 鬱だな支援
- 610 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 18:28:08.33 ID:KfSFFFM70
- (#'A`)「丸焼きにしちゃるけぇのう!!」
- 611 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 18:28:43.83 ID:Ydunxuhr0
- 支援支援
- 612 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 18:29:46.73 ID:0WNQbzNL0
-
( ^ω^)「……引きこもりの狂人が、なんの用だお」
('A`)「ふん、下賤の輩は黙っていろ。私が用があるのは、そこの女よ」
ξ;゚听)ξ「……」
('A`)「まぁ……」
ドクオが外套の下から、手を出し、
('A`)「もう用は済んだのだがな」
ξ;゚听)ξ「────ッ!?」
その手に持たれていた物に、ツンは見覚えがあった。
驚き、彼女はドクオの手を凝視する。それは、当然の行動だった。
何故ならば、つい先程まで自分が手に持っていた物だったからだ。
ξ;゚听)ξ「い、いつのまに……!?」
('A`)「なに、風を少し、操りましてね」
ξ;゚听)ξ「さっきの……」
黒い男の手にあるものは、謎多き黒い箱だった。
- 613 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 18:30:16.32 ID:Ydunxuhr0
- ドクオにつかえんのか?
- 614 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 18:30:40.28 ID:kuTbTcAY0
-
('∀`) __ < バァーン
(m9 __,二二ヽ〕
))::ヽ ゜ ゜ /:::::::::::::::::::::::::j
(/::::::〉 ・ 〈:::::::::::::::::::::::::::.!
}:::/, ∩ ヽ::::::::::::::::::::::{
j::/ ノωヽ ヽ:::::::::::::::::i
ノ:/ /::::::::::::\ )::::::::::::;ノ
ん''| |‐'〜ー'〜'| |〜'ー'"
- 615 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 18:32:32.65 ID:0WNQbzNL0
-
( ^ω^)「オッサン、それを返すんだお!」
('A`)「断る。私の長年の悲願が、遂にこれで成就するのだから」
ξ;゚听)ξ「あなたはそれがなんなのか知っているの!?」
('A`)「勿論ですとも。これぞ私が求め続けた、『神を呼ぶ箱』なのだから」
ξ;゚听)ξ「神を呼ぶ……箱……?」
('A`)「おやおや……何も知らないのですか?」
ξ;゚听)ξ「……」
('A`)「いいでしょう。お教えしましょう」
ざわり、とツンの肌が粟立つ。
ドクオの言葉は関係していなかった。
何か、言い知れぬ『何か』の予感を、接近を、ツンは感じていた。
そんなことには気付かずに、悦に浸りつつドクオは語りを続ける。
('A`)「私がまだ若く、召喚術の修練に明け暮れていた頃……ある古文書を発見した。
召喚師一族に伝わる物の中でも、それは最も古い物だった」
('A`)「そこには他の書物に記述されていた禁呪などが書かれていたが……。
一つだけ、どの古文書にもなかった記述を発見した」
( ^ω^)「……」
- 616 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 18:33:29.19 ID:Ydunxuhr0
- しえんぬ
- 617 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 18:35:41.26 ID:0WNQbzNL0
-
('A`)「召喚術ということは、変わらない。だが対象物が大いに違っていた。
禁呪と言っても、人間か物体、よくても低級な悪魔がせいぜいだったが……。
その項目にあったのは、そんな下らない物ではなかったのだ」
ξ;゚听)ξ「……」
('A`)「そこに書かれていたのは……神の、召喚だった」
( ^ω^)「……神?」
('A`)「そう。神だ。森羅万象を操り、生命を司る、神だ」
( ^ω^)「妄想も大概にしとけお、狂人」
('A`)「何を言うか。お前も見ただろう? その女が神を召喚する様を」
( ^ω^)「……」
ξ;゚听)ξ(あの時の視線は……やっぱり……)
('A`)「……私は神の召喚を試みた。しかし、失敗に終わった。神は現れなかったのだ。
だが、あの時私は確かに聞いた。神の声を!」
腕を左右に広げ、声量を上げる。
それに同調するように、二人は体を強張らせる。
('A`)「いずれ訪れる異世界からの来訪者から、我を喚びたくば箱を奪えと!」
- 618 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 18:36:14.95 ID:Ydunxuhr0
- うわぁお…
- 619 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 18:37:42.24 ID:kuTbTcAY0
- 這い寄るあいつか
- 620 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 18:38:42.70 ID:0WNQbzNL0
-
('A`)「あれから数年! 私は待ち続けた! そしてついに今日、それは現れた!」
ξ;゚听)ξ「……」
('A`)「箱はこの手の中に在る……後は、神を喚ぶだけよ!」
(;^ω^)「ッ!」
ξ;゚听)ξ「ッ!?」
水面に水滴を落としたように、ドクオの周囲の空間がぶれだした。
波紋は広がる。じわりと、その周期を早めて。
ξ;゚听)ξ(これは……!)
波打つ鼓動が、ツンに伝わる。
肌にでは、なかった。体の奥深く、心の海を波立てる。
空間が歪む度に、強く、強く、彼女を叩き、伝えているのだ。
驚異の、接近を。
- 621 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 18:40:27.50 ID:Ydunxuhr0
- ドクオに制御できんのか
- 622 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 18:42:12.22 ID:0WNQbzNL0
-
ペルソナが鳴らす警笛と、彼女のこれまでの経験。
それから導き出される、答え。
ξ;゚听)ξ(ペルソナの────共振!?)
彼女を襲う感覚は、それに間違いなかった。
この世界にもペルソナが存在するのか、それは彼女の知らぬ事だ。
困惑するも、見据える男は更に大きく大気を揺るがしている。
('A`)「光栄に思え! お前達が……最初の目撃者だ!」
ξ;゚听)ξ「ッ!」
(;^ω^)「ッ!?」
('A`)『現れよ……外なる神────ニャルラトホテプ!!』
- 623 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 18:44:08.17 ID:Ydunxuhr0
- 支援支援
- 624 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 18:44:49.14 ID:kuTbTcAY0
- ドクオのイメージがヒトラーになりました
- 625 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 18:44:53.58 ID:BAg4tRPEO
- ニャルラーーーーーーー
- 626 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 18:44:55.77 ID:VQUi/uk00
- C
- 627 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 18:45:45.13 ID:0WNQbzNL0
-
ついには両の手を天に掲げ、高らかに叫んだ。
空間の揺れは止まり、男から逃げるように、風すらも止む。
やがて、場は静寂が支配した。
ξ;゚听)ξ「……?」
(;^ω^)「……ど、どうしたんだお?」
( A )「な────…………」
(#'A`)「何故だッ!? 何故何も起こらぬ!? 箱も手に入れ、全ては整った!
神よ! ニャルラトホテプよ! 何故現れぬ!?」
ドクオにとっても、それは予想外の事だったようだ。
悲願が、宿志が叶うと確信を持ち、神を召喚しようとした。
しかし実際は、何も起こらず。狂人は苛立ちを周囲に撒き散らすのみだ。
(#'A`)「何故……何故……ッ!」
- 628 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 18:46:01.04 ID:Ydunxuhr0
- 支援
- 629 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 18:46:56.73 ID:NT+si/aY0
- しえしえ
- 630 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 18:47:01.14 ID:kuTbTcAY0
- ニャルさん流石っす、嘲笑ってるっす
- 631 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 18:49:14.61 ID:0WNQbzNL0
-
ξ;゚听)ξ(……共振は、確かにあった……でも今は……)
ぱたりと、ツンを叩く共振は止んでいた。
ブーンも眉をひそめ、警戒しながら男を見つめていた。
(#'A`)「何が……何が足りないと言うのだ!?」
長年待ち望んだ神は現れず、ただただ怒りを声に変え。
男も、ツンも、ブーンも、困惑しその場に佇むしかない。
ドクオが手に持つ黒き箱は、月明かりを受け、輝いていた。
ツンがそれに視線を移すと
ξ; )ξ
体が、心が、ペルソナが。震えを通り越し、畏縮する。
共振は起こらない。ペルソナが警告をすることも、ない。
もう、遅かったのだ。
- 632 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 18:52:38.36 ID:0WNQbzNL0
-
( ^ω^)「……オッサン、もうやめろお。早くそれを、ツンに────」
と、ブーンが男に近づこうとした時。
(( A ))「な……ぜッッ ッ ェェッ! な?」
大きく一つ、身を震わせた後。
全身を痙攣させ、叫び出す。
(((( A ))))「あ、い、あ、あい、ああああああいあああ。あァァアアアアアアアああああああ
ああな、あいあ!いあないアーらとてップ!うぐ!ウグいあいあ!ないあーラ
トテっぷくふ!あやくぶるグとむブぐとらぐるんぶルぐとむあい!アイナイア
ーら と て ぷ 。 。 」
(;゚ω゚)「ッ!?」
( ∀ )「ヒ、ヒヒヒヒヒヒヒヒャヒャヒャヒャヒャひ、ひ、ひ、ひニひひひひひひはははは
ひははははははははははいいいいいいい、い、い、いイィナィィイいいいあ
クヒックヒックヒッヒッひ、ヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒイイア
ニャル、ニャルラ、トトットッットトトオオトとテテテテテテテテテてててててて」
- 633 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 18:53:22.68 ID:KfSFFFM70
- いあいあ!
- 634 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 18:55:27.89 ID:0WNQbzNL0
-
( ∀ )「ご」
(;゚ω゚)「……」
ξ;゚听)ξ「……」
急に錯乱した狂人は全身を痙攣させながら、『吐き出した』
吐瀉物を、ではない。
口から吐き出されたものは、赤黒い肉塊だった。
男を宿り木にするように、男の身長よりも長く伸び、いや、生え続ける。
やがて肉塊が縦に割れる。二つに、四つに、八つにと。
身を細くした肉塊────触手は、すぐに元の太さへと戻る。
その内の数本がドクオに巻きつき、狂人の姿は肉塊に包まれた。
- 635 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 18:58:04.73 ID:0WNQbzNL0
-
(;゚ω゚)「……ツン」
ξ;゚听)ξ「…………」
(;゚ω゚)「なんだお……あれ……」
ξ;゚听)ξ「……わからないわよ……」
成長を止めたそれは、ドクオが立っていた位置を柱とし。
柱の太さは大人二人分程、その頂点から伸びるのは六本の触手。
触手の先には、甲虫の足を彷彿とさせる鉤爪が幾重にも重なっていた。
その一つが、自身の体の中心を切り裂いた。
肉の裂け目から現れたのは────
('A`)
生気無く、無表情で現れた顔。
神を盲信した狂人、ドクオ=ウッダーの顔。
異変は異形の姿を完成させて、停止した。
- 636 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 18:59:33.81 ID:WvkgwZUt0
- \ /
\ 丶 i. | / ./ /
\ ヽ i. .| / / /
\ ヽ i | / / /
\
-‐
ー
__ わ た し で す --
二 / ̄\ = 二
 ̄ | 'A` |  ̄
-‐ \_/ ‐-
/
/ ヽ \
/ 丶 \
/ / / | i, 丶 \
/ / / | i, 丶 \
- 637 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 19:00:38.29 ID:0WNQbzNL0
-
赤黒い異形は周囲の物を物色するように、触手を泳がせている。
あまりの面妖さに、二人は動くことすら忘れていた。
その二人の意識を引き戻したものも、異形だった。
(;゚ω゚)「ッ!」
触手の一本が伸び、ブーンに襲いかかる。
咄嗟に後方へと跳び、それを躱す。
触手は地面の草原に突き刺さり、すぐに元の位置へと戻る。
固い地を抉り突き刺さる程の、触手による打突。
まともに当たれば人の身など、易々と貫かれることだろう。
ξ;゚听)ξ
ツンもブーンが動いたと同時に、距離を取っていた。
ちら、と異形が開けた穴を見る。人の頭ほどの、大きさだった。
避けられた事が気に触ったのか、六本全ての触手が二人に向く。
(;^ω^)「……ツン」
- 638 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 19:03:36.17 ID:0WNQbzNL0
- ここまでで半分!
支援ありがとう!ご飯にしようぜ!
- 639 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 19:04:11.26 ID:Ydunxuhr0
- wikiで絵みてうわああああってなった支援
- 640 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 19:08:19.07 ID:KfSFFFM70
- スーパーウルトラ夕飯タイム!
- 641 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 19:09:19.76 ID:BAg4tRPEO
- 一旦おつー
- 642 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 19:13:10.34 ID:0WNQbzNL0
- 20時くらいに戻ります
- 643 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 19:15:55.73 ID:NT+si/aY0
- おk 待ってるぜ保
- 644 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 19:20:54.78 ID:KfSFFFM70
- 保守
- 645 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 19:33:36.18 ID:KfSFFFM70
- 保守
- 646 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 19:47:30.93 ID:b6TsT2MT0
- いあ いあ
- 647 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 19:52:18.30 ID:kuTbTcAY0
- よぐそとーす
- 648 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 19:54:36.63 ID:B/mOa2B80
- ほっす
- 649 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 20:03:26.37 ID:NT+si/aY0
- これは保守である
- 650 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 20:06:50.51 ID:KfSFFFM70
- マジレスするとトラペゾヘドロンの招待はああ、窓に!窓に!
- 651 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 20:17:00.51 ID:opig+k1bO
- 俺の気のせいかもしれないけど挿絵でアルファショボンだけ顔でてないよね……
- 652 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 20:18:40.59 ID:Ru6diY1C0
- 誰かクトゥグア呼んで来い支援
- 653 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 20:21:47.78 ID:qBvY8Tst0
- >>651
アルファキャラは描写自体は人間
だけどファンイラストがAA顔派と擬人化派が半々くらいいるからかな、と思った。
- 654 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 20:21:53.18 ID:kuTbTcAY0
- ニャル「俺の家が・・・燃えてる・・・。」
クトゥグア「wwwwwwwwwwwwwwwww」
- 655 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 20:23:54.98 ID:5Ee45Ll90
- 4人集合したあとアルファショボンだけキャラ違いすぎて微妙な空気になるわかる
- 656 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 20:34:29.49 ID:KfSFFFM70
- ニャルラト支援
- 657 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 20:46:08.90 ID:KfSFFFM70
- しえんほしゅ
- 658 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 20:53:57.95 ID:qBvY8Tst0
- 保守
- 659 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 20:57:15.78 ID:0WNQbzNL0
- ああ、すみません遅れました
ちゃきちゃきいきます
- 660 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 20:58:18.18 ID:KfSFFFM70
- しえん
- 661 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 20:58:37.68 ID:0WNQbzNL0
- >>657から続き
- 662 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 20:58:42.66 ID:kuTbTcAY0
- ちょうど風呂上がったとこだよ支援
- 663 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 20:59:20.93 ID:0WNQbzNL0
- 間違えたでござるwwwwwフォヌカポウwwwww
>>637から続き
- 664 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 20:59:32.87 ID:0WNQbzNL0
-
(;^ω^)「やるしかなさそうだお」
ξ;゚听)ξ「うん、わかってる」
得体の知れない存在をこのまま野放しにするわけにも行かない。
二人はここで戦う事を決めた。
ξ゚听)ξ『ペルソナ!』
言霊に応え現れるスアデラ。ツンは即座に次の行動を取る。
ξ゚听)ξ『ラクカジャ』
蒼白い光が、ブーンを包み込んだ。
ξ゚听)ξ「物理ダメージを少なくできるはずだけど……気をつけてね」
( ^ω^)「ありがとう……だおッ!」
礼の後、ブーンもすぐに魔術の詠唱を開始する。
異形はそれをさせまいと、触手の二本を伸ばしブーンを襲う。
威力は大地を見て然り。
だが、単純な物理攻撃にまんまと当たるブーンではない。
詠唱をしながら右に跳び一つを躱し、更に跳んで二本目を躱す。
- 665 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 21:01:48.17 ID:0WNQbzNL0
-
そこで詠唱は完了した。
( `ω´)「───v──√レvv──!」
手に生んだ火球を異形の柱────胴体へと放つ。
触手は、動いていない。火球はそのまま直進し、異形に触れ盛大に爆ぜた。
爆発音の直後、炎が拡散。触手が激しくのたうち、二本の触手も元へと戻っていく。
(;^ω^)「ッ!?」
触手は元に、戻らなかった。
戻ると思われた触手は途中で動きを止め、再び伸びてブーンを強襲する。
(;^ω^)「おッ! おッ!」
後方に一足、二足と小刻みに下がり一つ二つと確実に避ける。
更にそこへ、二本が追加された。鉤爪を向け上空から振り下ろされようとし、
そこへ。
ξ゚听)ξ『ジオッ!』
穿たれる一筋の電撃。炎が燻る胴体を捉え、大きく身を揺らせた。
それに怯み、触手の動きが一呼吸の間だが停止する。
ブーンはその隙に最初と同じ様に大きく後方へと跳び、また異形を睨んだ。
- 666 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 21:04:30.84 ID:0WNQbzNL0
-
(;^ω^)(……当たった時は怯んでたけど……ダメージはあるのかお?)
ブーンの見たところ、触手の動きに衰えは感じられなかった。
だとすればダメージはない、と取れるのだが、戦いにおいてそれは精神面で不利である。
人対人でない以上、精神面という話もおかしいのだろうが。
(;^ω^)「……数撃つしか……ないかお」
終わりが見えない戦いになることは、避けられないようだ。
('A`)
赤黒い肉塊に浮かぶドクオの姿は、相変わらず無表情のままだった。
( ^ω^)(あれ……もしかしたら)
しかし異形は、悠長に待ってはいない。
攻めを中断したブーン達に痺れを切らしたのか、今度は三本の触手を伸ばした。
(;^ω^)「ッ! ここまで伸びてくるのかおッ!」
驚いたものの、触手の動きはブーンにとって避けることは容易いものだった。
数はあれど、直線的な単純な動作と、彼が十分に目で追える速度だったからだ。
( ^ω^)「ツンッ! 顔を!」
- 667 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 21:04:34.96 ID:Ydunxuhr0
- しえんしえん!!
- 668 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 21:07:28.99 ID:0WNQbzNL0
-
ξ゚听)ξ『ジオッ!』
ブーンが触手を引き付けている間に、ツンが雷撃を放つ。
狙いは、彼の声から汲み取った箇所へ。
唯一の人間であると思える部分、ドクオの顔面にツンの雷撃が命中する。
(;^ω^)「……くおッ!?」
だが、ブーンを襲う触手の勢いは衰えず。
怯む事すらなく、無傷であることは目に見えて明らかだ。
('A`)
ジオを受けた顔は、尚も無表情のまま。
はたして獲物を見ているのかすらも解らない。
ξ;゚听)ξ(そんなに上手くはいかないわよね……)
戦いは暫く、同じ事の繰り返しとなった。
触手を躱し、隙あればブーンが、或いはツンが攻撃を見舞う。
負けることはないが、勝負の終わりも見えない。
二人がいくら攻撃を繰り返そうと、異形に疲弊は見られない。
変わるのは、空に浮かぶ月と星の傾きだけだった。
- 669 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 21:09:36.86 ID:Ydunxuhr0
- 支援支援
- 670 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 21:10:49.87 ID:0WNQbzNL0
-
触手の一つが上方からツンを押し潰そうと迫る。
ξ;゚听)ξ「ふッ!」
それを横へと跳び、躱して、
ξ;゚听)ξ『ジオッ!』
幾度目かの雷撃を、触手へと放った。
赤黒い肉片を撒き散らし、それに似た色の体液が滴る。
しかし、それまで。胴体に比べ触手は幾分か脆いようだが、即座に肉が盛り上がり再生してしまう。
ξ;゚听)ξ『マリンカリン!』
耐性持たぬ者を魅惑する言霊を紡ぐも。
異形には効果無く、触手はツンを狙い、突進する。
期待はしていなかった彼女は、先と同じ様にそれを避けた。
ξ;゚听)ξ「はぁ……はぁ……」
(;^ω^)「はッ……はッ……」
疲労してきたのは、二人の方であった。
一撃必殺の触手を躱しつつ、終わりの見えぬ攻撃を放ち続ける。
緊張感溢れる単純作業。
その二つは、確実に体力と精神力を奪っていた。
- 671 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 21:12:44.59 ID:Ydunxuhr0
- 支援
- 672 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 21:12:49.90 ID:0WNQbzNL0
-
(;^ω^)(……くそ)
疲労はやがて、焦燥を生む。
威力の低い遠距離魔術では、らちがあかないと彼は思い始めた。
元々ブーンは魔術を応用した接近戦を得意としているのだ。
('A`)
(# ^ω^)(あれを思いっきりぶん殴りてぇお……)
平然としている狂人の顔に、段々と苛立ってきたようだ。
(# ^ω^)『Cthugha,Solar,Prominence────……』
拳を握り、詠唱を開始する。
両の拳に生まれた炎を魔力で閉じ込め、圧縮。
アンノウンにも叩き込まれた炎熱の魔拳が完成する。
(# ^ω^)(やってみるかお……!)
(# ^ω^)「ツンッ! サポートを頼むお!」
ξ;゚听)ξ「ッ!」
ツンの返事を待たず、ブーンが駆け出した。
今までと違う動きを警戒してか、異形は六本全ての触手をブーンへと向け、伸ばす。
上空から、或いは地を這いながら触手が迫るも、ブーンは怯みもせず更に速度を上げた。
地を這う触手の一本が、下から突き上げる様に手前で急上昇する。
- 673 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 21:14:56.15 ID:kuTbTcAY0
- クトゥグアきたー
- 674 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 21:15:07.93 ID:Ydunxuhr0
- ブーン頑張れ支援
- 675 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 21:17:06.20 ID:0WNQbzNL0
-
(# ^ω^)「おッ!」
直線的な攻撃に、斜め前方へ進路を変えて、それを避ける。
すかさず、ブーンが避けた触手にツンの雷撃が突き刺さり、触手は動きを止めた。
(# ^ω^)「ッ!」
左右から押し潰そうと、二本の触手が展開し、迫る。
不意に、ブーンが止まった。狙いを修正しながら、二本の触手は突進を続ける。
それを見てすぐに、最大速度で前方に急発進した。
獲物を見失った触手は、ブーンの背後で互いに衝突し、己の肉を潰し合う。
直後、上空から鞭の様に振り下ろされた一撃を、更に横へと跳んで躱した。
けたたましい音と共に砂と土が打ち上げられ、大地に振動が伝う。
(# ^ω^)(四つ────!)
後、二本。ブーンと異形の間は、距離にして八歩程。
横へと躱しブーンが着地した所に、逆側から横薙ぎの触手が強襲する。
(;^ω^)「くお……ッ!」
着地した足を強く踏み込み、前方に高く跳んだ。
直後ブーンの足を撫でる、触手が通り過ぎていく風。紙一重だった。
胸を撫で下ろしている暇はない。宙へ逃げた事により、次の逃げ場を、失っている。
- 676 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 21:17:37.59 ID:Ydunxuhr0
- 支援支援支援
- 677 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 21:18:52.60 ID:KfSFFFM70
- 支援
- 678 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 21:20:18.09 ID:B/mOa2B80
- しえーん
- 679 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 21:20:46.21 ID:bvFh3Uoc0
- しえ
- 680 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 21:21:57.36 ID:0WNQbzNL0
-
異形に知能があるのかは知る所ではない。
だが、残り最後の一本が空中のブーンを確実に貫こうと、正面から迫っている。
(;^ω^)「────ッ!」
ξ#゚听)ξ『ジオッ!』
ブーンを狙う触手へ雷撃が放たれる。
しかし、触手は怯まず、肉を抉られつつもブーンへと迫る。
(# `ω´)「おおぉぉぉぉおおおッッ!」
避けられないならば、迎撃だ。
即座にそう判断したブーンは左腕を脇へ引き、眼前まで迫った触手へと左拳を突き出した。
万全の体勢ではなかったが、そこは彼最強の術式、迎え撃つ事に成功する。
(;`ω´)「くおぉぉぉぉぉ……!」
触手の先端、不均等に並ぶ鉤爪は触れた途端に弾け飛び、続く異形の肉が溶かされていく。
流石に、空中にいる状態では慣性まで相殺できず、詰めた間を押しやられてしまっていた。
(;^ω^)「ぐ……!」
そこで着地。
更に体が押されるも、地に着いた足が土を抉り、触手の突進は弛まっていった。
- 681 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 21:23:05.56 ID:Ydunxuhr0
- しえーん
- 682 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 21:24:13.62 ID:0WNQbzNL0
-
やがては、止まる。
だが異形は、突進を止められるまで悠長にしてはいない。
避けられた五本全ての触手が、ブーンの背に迫っていた。
(;^ω^)「……ッ!」
その気配をブーンは察知する。
けれども触手に押される体は止まらない。完全に固定されてしまっていた。
このままでは、と彼が心で呟いた時。
ξ#゚听)ξ『マハジオッッ!』
拡散した雷撃が五本全ての触手を捉える。
紫電奔るその身を震わせ、ブーンの背を襲う触手達は、動きを止めた。
複数ある触手と同じく、彼とて一人で戦っているわけではないのだ。
停止する時間は決して長くはない。
それでも、ブーンには充分な時間であった。
(# ^ω^)「おおッ!」
推力が弱まった触手を押し返し、弾き飛ばす。
触手を地に叩きつけた直後、前方へと疾駆する。
押され、離された距離を瞬く間に詰め、未だ魔力がこもる右腕を振り上げた。
- 683 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 21:24:57.92 ID:B/mOa2B80
- しえん
- 684 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 21:25:14.38 ID:Ydunxuhr0
- しえん!
- 685 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 21:27:06.51 ID:0WNQbzNL0
-
最後の一歩を強く踏み込み、地を蹴った。
もはや邪魔をする触手は、ない。
不気味に座するドクオの、顔面めがけ────
( `ω´)「くらえおッッ!」
叩き込まれた、炎熱の魔拳。
激しい閃光を放った後、圧縮した炎を全て前方、顔面へ放出した。
ドクオの顔が浮かぶ周囲の肉塊が沸騰し、ぶくぶくと肉が泡立っている。
(;`ω´)「ぐ……」
肉が焼ける臭いに、ブーンが顔をしかめた。
超高熱に、煮え立つ範囲が次第に拡大していく。
(;`ω´)(どうだお……!)
後、少し。時間にして数秒で、ブーンは全ての炎を放出し終える。
その時だった。
(;゚ω゚)「がッ……!?」
- 686 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 21:28:39.54 ID:0WNQbzNL0
-
泡立つ肉塊から、新たな触手が生まれていた。
最初にあったそれよりも細い。人の指程の触手が、十数本生えたのだ。
ブーンがそれを確認したのは、その内の数本が右肩を貫いた後だった。
(;゚ω゚)「お……く……!」
激痛を堪え、すぐに腕を引き後方へ下がる。
再度、六本の触手がその背を貫こうとするが、
ξ;゚听)ξ『ペルソナッ!』
ツンがそれをさせまいと、また拡散する雷撃を放った。
血が溢れる右肩を押さえながら、その隙にブーンは更に後方へ避難した。
(;^ω^)「ハァッ……ハァッ……」
ξ;゚听)ξ「ブーン!」
すぐさまツンが駆け寄り、治癒の言霊を紡ぐ。
淡い光が傷口に集まり、次第に出血が収まっていった。
(;^ω^)「ハァ……な、なんなんだおアイツ……」
ξ;゚听)ξ「……わからないわ」
(;^ω^)「箱……アイツにとられたあの箱はなんなんだお!?」
ξ;゚听)ξ「わ、わからないの」
- 687 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 21:29:16.04 ID:b6TsT2MT0
- 支援
- 688 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 21:30:44.39 ID:0WNQbzNL0
-
(;^ω^)「……わからないって……」
ξ;゚听)ξ「あの箱は、私の世界の敵が持っていた物なの。
気が付いたらこっちの世界に持ってきていて……」
(;^ω^)「……そうかお」
(;^ω^)(……ツンは……聖剣が選んだ救世主じゃなかったのかお……?
これじゃまるで……力も、僕の世界のツンの方が……)
謙遜だと、あの時は確かに思っていた。
だが、自分が知るツンよりも明らかに劣る力に、疑問を抱き始めることも、必然と言えよう。
(;^ω^)(回復術も……ショボンの方が効きが早い……。
他のみんなが連れてきた人は、どうなんだお……?
まさか僕は、ほんとに間違った人を連れてきてしまったのかお……?)
彼の不満は、尤もであった。
災厄とも言えるドクオの異変と、仲間達よりも劣るツンの力。
両者は確実に彼に不安を孕ませ、疑心を助長させていく。
ξ;゚听)ξ
彼女は彼女で、懸命に処置を行っている。
異形に放った雷撃も、決して手を抜いているわけではない。
- 689 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 21:32:11.89 ID:kuTbTcAY0
- 支援
- 690 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 21:33:56.08 ID:0WNQbzNL0
-
だからこそ、また苦悩する。
ξ; )ξ(やっぱり……私の力じゃ……)
全力を投じているからこそ、それが通用しない現実に打ちのめされている。
ブーンが駆使する炎の力に、自身の世界のブーンが重なっていた。
この世界と、元の世界。
彼女の力は、そのどちらの彼よりも劣っていることは、明らかだった。
ξ; )ξ(フィレモン……本当に、私でよかったの……?)
問おうが、答えが返る事は無く。
全力を尽くすと宣言した結果が、これなのだ。
ξ; )ξ(…………)
(;^ω^)(…………)
沈黙を挿むも、
(;^ω^)「ッ!」
異形が全てを両断する。
ブーンの回復をさせまいと、二本の触手が二人へと襲いかかる。
当然だ。異形にとって、今は好機であるのだから。
- 691 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 21:36:13.72 ID:0WNQbzNL0
-
('∀`)
ブーンが拳を叩き込んだ顔は、嗤っていた。
蔑みか、好機にか、はたまた血を見た悦びか。
ただ一つ解るのは、彼最強の一撃も異形には通用しなかったという事実だけだ。
(;^ω^)「おっ!」
ツンを抱え、直進してきた一つを横へと躱す。
着地の振動で走る肩の痛みに、顔を歪めた。
まだ、もう一つ。
上方から押し潰す様に迫る触手が────
(;^ω^)「くッ!」
ξ;゚听)ξ「ッ!」
ツンを突き飛ばし、ブーンが地を蹴った。
逆方向に跳ぶ両者の間に触手が突き刺さる。
(;゚ω゚)「…………!」
数瞬後、彼を再び激痛が襲った。
ツンを突き飛ばした左手の中指が、あらぬ方向へ折り曲がっている。
- 692 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 21:39:56.03 ID:0WNQbzNL0
-
(;゚ω゚)「……く……」
触手に指を、掠めていた。それだけで、指の一つが使い物にならなくなった。
指を押さえようとするも、完治していない右肩を上げる事ができず、
両腕をぶらりと下げ異形を睨むことしか、できない。
ξ;゚听)ξ「ブーン!」
ツンが即座に治癒を施そうと、ブーンに駆け寄ろうと動き始めた時だ。
(;゚ω゚)「……!?」
ブーンの足元より少し前方の大地。
地面が盛り上がったと、彼がそう思った瞬間。
(;゚ω゚)「ごあッ!」
地面を突き破り現れたのは、中指を掠めた触手だった。
地に刺さった触手は、地中を進み、再びブーンを襲ったのだ。
大地という遮蔽物を介し、勢いは多少衰えていたものの、
(;゚ω゚)「あッ……ぐぁッ……!」
打ち上げられ、地に叩きつけられたブーンは肩と指の激痛をも忘れ腹を押さえる。
胃液を吐き出し、身をよじり地を転げ回った。
ダメージは、深刻だ。
- 693 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 21:41:45.99 ID:0WNQbzNL0
-
ξ;゚听)ξ「ブーン! ……ッ!」
近づこうとするも、触手が鎌首をもたげてツンの進路を塞ぐ。
ξ#゚听)ξ『……どいて! ジオッ!』
雷撃を放つも、触手は一瞬身を震わすのみ。
肉が抉られようが瞬く間に再生してしまう。
ξ;゚听)ξ「そんな……」
彼女の行く手を阻む触手が、いつの間にか四本に増えていた。
嘲笑うかのようにツンを向き、その身を波立たせている。
その裏で、残りの二本がブーンを追撃しようと、静かに鎌首を持ち上げた。
ξ#゚听)ξ『マハジオッ!』
懸命に雷撃を撃つ。が、異形にはまるで効いていない。
('∀`)
勝利を確信したのか、狂人の顔が更に歪む。
しかし、その変化を二人が見る余裕は無く────
(;゚ω゚)「ツンッ……逃げるんだ……お……!」
- 694 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 21:43:45.26 ID:0WNQbzNL0
-
もがきつつ、激痛を押し殺して、ツンに退避を促す。
そうすることしか、今の彼にはできない。
(;゚ω゚)(僕が間違ってたんだお……ツンを……巻き込んでしまった……。
僕の……僕の責任だお……)
地に伏せたまま、ブーンは自責の念に駆られる。
もう既に、ツンは聖剣が選んだ者ではないと、彼は結論付けていた。
最早、それ以上の言葉も吐けず。
ξ;゚听)ξ「ブ────ンッ!!」
二本の触手が、ブーンの頭と胴を貫かんと、高く上昇し、
停止後、空間を食い破るが如く鉤爪を立て、急下降を始める。
ξ;゚听)ξ「────ッ」
彼女にはそれが、ひどくゆっくりと見えていた。
そこからでは雷撃も、届かない。
届いたとしても、あれが止まる保障もない。
思考は全て、足掻くに至らず無に没っしていく。
ブーンを死に至らしめる一撃が、もう、直ぐに。
- 695 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 21:43:49.42 ID:kuTbTcAY0
- しえん
- 696 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 21:46:06.50 ID:0WNQbzNL0
-
『───v──√レvv──!』
『───v──√レvv──!』
不意に、二人の耳に飛び込んだ、二つの声。
ブーンと触手の間に生まれた、水の壁。
最初に出でた閃光は、ブーンが放っていた火球と同じ物だった。
それに怯んだ触手の勢いが衰え、分厚い水の壁の中で触手は停止した。
ξ;゚听)ξ「ッ!?」
ツンには何が起こったか、わからなかった。
(;゚ω゚)「……ヒート……シュー……!」
倒れるブーンより、少し離れた位置に。
両手を前へ突き出し、彼を救う一撃を放った二人が立っていた。
ノハ;゚听)「ブーン兄ちゃん!」
lw´‐ _‐ノv「……大丈夫?」
- 697 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 21:46:52.69 ID:kuTbTcAY0
- 人修羅に見えた支援
- 698 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 21:47:58.88 ID:0WNQbzNL0
-
(;゚ω゚)「お、お前達……ここは……危ないお……」
ノパ听)「帰って来るのが遅いからきてみたら……なにこれ!?」
(;゚ω゚)「いいから……逃げ……ぐぁッ……!」
幼くも召喚師の血を引いた二人。多少の魔術は、心得ていたようだ。
しかしまだ、未熟。それを知るが故に、ブーンの焦りは更に増していった。
確信抱き放った必殺の一撃を阻止された異形も、黙ってはいない。
('A`)
狂人から笑みが消え、無表情に戻っていた。
はっきりと露わにした怒りの色に、ブーンとツンもそれを感じ取る。
ξ;゚听)ξ「二人とも! 逃げて!」
不意の一撃を放つも、己に攻撃の手が向いたとわかると、瞬く間に二人の体は畏縮してしまう。
ノハ;゚听)「あ……」
lw;´‐ _‐ノv「……!」
それが、戦い。死と並ぶという事なのだ。
- 699 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 21:49:01.49 ID:Ydunxuhr0
- 支援
- 700 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 21:49:58.58 ID:0WNQbzNL0
-
ブーンを襲った二本の触手が、ヒートとシュー、それぞれ一人ずつを狙い絞る。
不揃いの鉤爪を小刻みに揺らし、カチカチと音を立てる様は、獲物を前に歓喜しているかのようだ。
あまりの異形に彼女らはそれを見上げたまま、ただ、呆然と見上げている。
(;゚ω゚)「クソッ! 動け……動けお……この……!」
立ち竦む二人を助けようともがくも、体は言う事を聞かず。
ぴくりとでも体を動かそうとするものなら、激痛がそれを阻み続けている。
辛うじて伸びる腕も、乱れた思考では魔術を放つことも出来ない。
先のツンと同じく、彼はもう見ていることしかできなかった。
ξ;゚听)ξ
彼女に走る、既視感。
ごく近いものでは、つい先程のブーンに迫った窮地。
救ったのは、自身よりも幼い少女達だった。
ξ; )ξ(……また、私は繰り返すの……?)
- 701 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 21:51:14.97 ID:0WNQbzNL0
-
既視感に見る過去は、それだけはない。
ξ; )ξ(ここに来る前の戦いも……デレの時も……私は……)
そのどれも、彼女の力は届かなかった。
結局仲間に、助けられた。
ξ; )ξ(何が……出来る事をするよ……!
何が、全力を尽くす……よ……!)
懸命を尽くした事は、間違っていない。
彼女が手を抜いた事も、一度たりとも有りはしない。
しかし力は、届かなかった。
未熟すぎる己の力は、強大な敵を前にあっけなく、刃を折られた。
何を決意しようとも。
相応の力がなければ、何も成し得る事は出来ない。
それどころか、自身の世界がもたらした異変で、この世界の人間が死の危機に瀕している。
ξ; )ξ(私がこなければ……あの箱を持ってこなければ……
ブーン達がこんな危険な目に遭うことも……!)
拳を、手の平を爪が抉るのも構わずに、強く握る。
ヒートとシューを狙う触手が、動き出そうとしていた。
- 702 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 21:52:07.12 ID:kuTbTcAY0
- 支援
- 703 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 21:52:42.89 ID:DhCcrZY+0
- ペルソナァ支援ー
- 704 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 21:52:56.82 ID:Ydunxuhr0
- しえんしえん
- 705 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 21:52:58.89 ID:0WNQbzNL0
-
ξ#゚听)ξ(まだ……まだよ……!)
無力は三度、味わった。
一度目は自世界で豹変した親友と対峙した時に。
二度目は自世界でエクストに弾き飛ばされた時に。
そして三度目は、今、この瞬間に。
異形の意識は完全に、ヒートとシューに向いている。
残る四つの触手は、その身を縮めて本体へと戻っている。
これならば、届く。
ξ#゚听)ξ「ッ!!」
ペルソナを降魔させ、駆けた。
距離にして十数歩を、懸命に詰めていく。
('A`)
ツンに気が付いた異形が、四本の触手を再びツンへ放った。
一本でも怯ませることしかできなかった触手が、四本。
それでも、彼女の足は勢いを止めない。
スアデラが、両腕を振り上げた。
- 706 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 21:55:26.90 ID:Ydunxuhr0
- ツンがんばれ支援!
- 707 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 21:56:12.93 ID:0WNQbzNL0
-
ξ#゚听)ξ『邪魔よッッ!!』
決死の覚悟で撃たれ、迸る、雷撃。
今までのどの雷よりも、激しい音と光を放っていた。
広範囲に拡散した紫電が、四本の触手を捉え、暴れ狂う。
ξ#゚听)ξ「ヒートちゃん! シューちゃん!!」
墨と化した触手たちをかいくぐり、二人のもとへ。
('A`)
しかし、ヒートとシューを狙う触手が、突き下ろされた。
ξ#゚听)ξ「させない────!!」
叫びながら、跳躍。
二人に覆い被さるように、触手から庇うように、飛びついた。
ノハ;゚听)「ツ……!」
lw´;‐ _‐ノv「ッ……!」
二人の視界は、ツンの体によって遮られた。
ツンは、間に合ったのだ。
少女たちの盾と、成ることに。
- 708 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 21:57:14.26 ID:6xzK37LI0
- 他の作品考えたらツン弱すぎ泣いた
- 709 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 21:58:36.49 ID:KfSFFFM70
- >>708
年齢も一人だけ10代だしな
- 710 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 21:58:54.10 ID:kuTbTcAY0
- >>708
アルファショボンにも勝てないだろうな
- 711 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 21:59:27.78 ID:0WNQbzNL0
-
ξ#><)ξ『スアデラッッ!!』
彼女たちを抱きしめたまま。
願うように、縋るように、力の限り叫んだ。
呼応したペルソナが、雷撃を放ち、寸でのところで二本の触手を無力化させる。
('A`)
異形は二度も邪魔をされたことで、更に腹を立てたようだ。
すぐさま全ての触手を再生させて、それらを高々と持ち上げた。
ξ#゚听)ξ「みんなは私が護る! あなたの好きにはさせないんだから!!」
立ち上がり、ヒートとシューを護るように両手を広げ、叫んだ。
感情の高まりが、スアデラの力を高めてくれている。
それでも、触手を止めるのが精々だ。
────再び、今度は六本の触手が、ツンに迫る。
異形を倒せるかは、彼女にも分からない。
だが、彼女はそれでよかったのだ。
倒せなくとも、一つ。
たった一つだけのことが、できるのならば。
- 712 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 22:00:09.12 ID:jNbZWRKMO
- 将来性というか潜在能力というか、そんなかんじのものに賭けたんかね
支援
- 713 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 22:00:31.41 ID:Ydunxuhr0
- 支援
- 714 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 22:00:40.48 ID:DhCcrZY+0
- ガッシュに出てくるティオみたいな役割だろうか
- 715 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 22:00:55.79 ID:kuTbTcAY0
- ペルソナは心の力ってことだな支援
- 716 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 22:01:32.16 ID:0WNQbzNL0
-
異形と対峙する間、ツンの時間はひどくゆっくりと流れていた。
ξ )ξ(ごめん……みんな……)
それが本当に長い時だったのか、一瞬だったのかは、分からない。
ξ )ξ(私……みんなの世界に……帰れないかもしれない……)
しかし彼女は、確かにその時の中で、仲間たちへの謝罪をし、そして。
ξ )ξ(でも……でも……!)
ξ )ξ(ヒートちゃんと……シューちゃん……そしてブーンは……)
ξ )ξ(たとえここで死んだって……護ってみせる……!)
彼女をじっと、見ている者がいた。
彼女の想いをじっと、聴いている者がいた。
決意を、知りたい者が、いた。
その者はずっと、待っていたのだ。
純粋なる、心を。
確固たる、決意を。
- 717 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 22:02:30.00 ID:fDUu8UKJ0
- 追いついた支援!
- 718 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 22:02:49.98 ID:6xzK37LI0
- 何かフラグの予感しえん
- 719 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 22:03:33.28 ID:0WNQbzNL0
-
そして、その、決意は────
ξ )ξ(命に代えても!! 絶対に護ってみせる!!)
────深き心の海に、とどいた。
- 720 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 22:03:37.40 ID:Ydunxuhr0
- 支援!
- 721 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 22:04:14.46 ID:kuTbTcAY0
- \カッ/
- 722 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 22:05:31.88 ID:0WNQbzNL0
-
ノハ;゚听)「……?」
lw´;‐ _‐ノv「……?」
(;゚ω゚)「……」
ブーンが、凍り付いたように見つめる先。
ヒートとシューも怖ず怖ずとツンの陰から顔を出し、それを見た。
そこには、真の意味で凍り付いた、触手の姿があった。
地を抉り、地を揺らした触手の全てが氷に包まれ、静止していた。
ξ )ξ
その異変に、彼女が驚くことはない。
彼女自身が起こした、事象なのだから。
ξ )ξ(そう……私は、求めすぎていた)
ξ )ξ(敵の、仲間の力にまで嫉妬して、建前ばかり綺麗事で、本当は醜い心で)
ξ )ξ(誰よりも強い力を求めていた……)
ξ )ξ(それじゃ、だめなんだ……)
ξ )ξ(誰かを護るための、力を……求めることが……)
- 723 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 22:06:04.50 ID:Ydunxuhr0
- 支援
- 724 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 22:07:43.28 ID:jYSksm540
- 支援
- 725 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 22:08:26.98 ID:0WNQbzNL0
-
ξ )ξ(あんなに遠かったのに、こんなにも身近に感じる)
心の海に手を伸ばし、指先に触れ指は絡み、手を、掴んだ。
『半身よ、よくぞ答えを見出しました』
ξ )ξ(……やっぱり、今まで聞こえていたのね)
『それはもう。然れど、それはとても迷いある声……』
ξ )ξ(……ごめんね)
『しかし我は、遂に汝が信念を、想いの高みを仰ぎ見ること叶いました』
『ならば我は、応えましょう。汝が半身として、闇を穿つ矢となりて』
ξ ー )ξ(……ありがとう)
- 726 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 22:09:10.79 ID:Ydunxuhr0
- 支援!
- 727 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 22:10:10.55 ID:Ru6diY1C0
- 新ペルソナ覚醒か
- 728 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 22:11:00.02 ID:BAg4tRPEO
- これだよこれwwww
この熱さだよwwwww
- 729 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/28(日) 22:11:19.10 ID:8JBqZAIC0
- >>708
今更だが、未来兵器をしこたま持ってきたサイボーグ・ブーンと
神話やら伝説やらの仲魔を連れて来たクーが別格過ぎるわw
- 730 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 22:11:28.72 ID:0WNQbzNL0
-
────あなたの名前、教えてくれる?
『……我は汝、汝は我』
『我は汝の心の海より出でし者』
『朧なる、諸行を照らす月女神……』
『汝、純潔なる半身よ。宿命に臆してはなりません』
『我の名は────…………』
ξ゚听)ξ
己と己の邂逅は、そこで終わりを告げた。
- 731 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 22:12:49.10 ID:kuTbTcAY0
- 退魔なにやってんだwwwwwwwwwwwww
- 732 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 22:13:00.53 ID:6xzK37LI0
- >>729
超絶サイボーグブーン
天才悪魔召還師クー
異世界最強の戦士ショボン
女子高校生ツン
- 733 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 22:13:07.29 ID:Ydunxuhr0
- 大麻さんw
- 734 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 22:13:30.65 ID:kuTbTcAY0
- あrtms
- 735 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 22:14:17.24 ID:0WNQbzNL0
-
最初に『異』を感じたのは、異形であった。
('A`)
新たに数本の触手を生み出し、『異』の元凶たるツンへ向け、放つ。
そのどれもが、先と同じ様に凍り付く結果と成った。
もはや彼女に触れる事は叶わず。近づく悪は、絶対零度の夢に消ゆ。
意に介さず、ツンは異形に向かい歩く。
さなか、ツンの足元で渦を巻く、蒼い光。
それは彼女の周囲を凍てつかせ、大地を凍り付かせていく。
真円の月を背に、氷上に立つ少女は凛々しく、美しく。
痛みも、恐怖も忘れ、ブーン達はその姿に見入っていた。
ξ゚听)ξ『ペルソナ────』
やがてツンの背後に蒼の光が集う。
蒼は冷気。重なり合い、その身を凍らせていく。
音を立て凍りゆく蒼は、月に輝く銀と成り、白銀の甲冑を生んだ。
そこから伸びた女性的な四肢が、嫋やかに美しく、月に映える。
- 736 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 22:14:24.54 ID:8JBqZAIC0
- 支援支援!!
- 737 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 22:14:35.03 ID:Ru6diY1C0
- コンセンタラフーの人のペルソナか?
- 738 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 22:16:42.35 ID:0WNQbzNL0
-
闇にそよぐ長髪は、甲冑と同じ銀色に閃かせ。
強く見据えるは宿主の敵であり、自身と対極の異形の姿。
それを、打ち倒すために。
象徴たる月の下、舞い降りた月女神────
ξ゚听)ξ『────アルテミス!!』
迷いを乗り越え、欲した力に現れた彼女の新しい力。
全てを凍てつかせる冷気は、まるで自身の怒りを鎮めるかのように。
その矛先は、言わずもがな。
ξ#゚听)ξ『ブフダイン!』
紡がれた言霊に、アルテミスが呼応する。
異形は触手で迎え撃とうと蠢くが、凍り付いた触手ではそれも叶わず。
何本もの巨大な氷柱が異形の胴を穿ち、その場に縫い付けた。
- 739 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 22:17:15.32 ID:Ydunxuhr0
- 一気に上位スキルになったな支援
- 740 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 22:17:44.41 ID:kuTbTcAY0
- 懐かしのペルソナきたあああああああああああああああああああああああ
- 741 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 22:18:55.24 ID:8JBqZAIC0
- 熱い展開きた!氷だけど!!
- 742 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 22:19:28.97 ID:0WNQbzNL0
-
体液を噴き上げ、根本近く、凍結していない箇所の触手がのたうつ。
(;゚ω゚)「…………!」
初めて見えた異形のダメージ、そしてツンの新しい力に、
ブーンは驚き目を見張るしかなかった。
ξ゚听)ξ『ディアラハン』
続き紡がれたは、治癒の言霊。
かざす手の先には、横たわるブーンの姿があった。
(;^ω^)「お……?」
瞬く間に消えていく痛みに、立ち上がる事も忘れていた。
先に施された回復術、そしてそれを得意としていたショボンの比ではない。
慌てて立ち上がるもあまりの力の変貌に、ブーンは呆然と彼女を見つめていた。
ノハ*゚听)「す……」
lw´;‐ _‐ノv「すごい……」
彼女らも、また同じ。
だが当のツンは、もがき続ける異形を真っ直ぐに見据える。
ξ゚听)ξ
戦いを、終わらせる為に。
- 743 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 22:19:49.03 ID:Ydunxuhr0
- しえんn
- 744 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 22:20:36.91 ID:kuTbTcAY0
- 無双すぎワロタ支援
- 745 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 22:22:07.58 ID:0WNQbzNL0
-
('A`)
異形が、これまでで最も大きな動きを見せた。
本体から新たに生えた、放射状に広がる、大小様々な無数の触手。
恐らくは、際限なく生み出せるのであろう。
しかし、ツンは一切動じない。
獲物を穿たんと、触手がその身を急速に伸ばしていく。
夜空を蛇が這うような、異様な光景が広がっていった。
ツンを、避けるようにしてだ。
もはやこのような触手ではこの女を止められないと判断し、狙いを変えたのだ。
それらは再び、ブーンたちに襲いかかる。
快復したブーンはヒートとシューを護るように前に立った。
だが、ブーンが力を使うことは、ない。
ξ#゚听)ξ『ダイアモンドダスト!!』
叫ぶ、氷嵐の言霊。
アルテミスを中心に、氷と冷気が吹き荒れる。
触手はどれもツンの横方向、遥か頭上と、彼女を迂回するように伸びていたが────
ξ#゚听)ξ「私の後ろは、絶対に通さない!」
その全てが凍り付き、無力化して、地に落ちた。
- 746 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 22:23:40.31 ID:Ydunxuhr0
- ツンかっけえええええええ
- 747 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 22:23:55.63 ID:kuTbTcAY0
- krsんtmr−来るか
- 748 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 22:24:12.26 ID:0WNQbzNL0
-
氷の世界と化した彼女の周囲。
だが、中心に立つツンの、その、心は。
誰よりも熱く、何よりも熱く、燃え盛っている。
ξ゚听)ξ
高く、右手を掲げた。
異形から見るならば、月を持ち上げるように見えていることだろう。
そしてその月を背に、女神が踊る。
半身の想いに、応える為に。
氷柱に縫い付けられ、攻撃手段も封殺された異形は勿論のこと、ブーン達もただ佇立するのみ。
動くものはツンと、そのペルソナであるアルテミスだけだ。
静かに彼女が右手を下げ、手の平を異形へと向けた。
一糸乱れず、アルテミスの手も異形へと向けられ、重なる。
ξ--)ξ
ゆっくりと、目を閉じた後。
- 749 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 22:25:57.24 ID:6xzK37LI0
- ツン無双だがやっぱ本編にも反映されるのかな?
- 750 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 22:26:13.40 ID:yWxtFwfZO
- この有名作者合作は内輪すぎて見る気もおきない
- 751 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 22:26:40.24 ID:0WNQbzNL0
-
異形に向けたアルテミスの手に、金色に輝く弓が生まれた。
弓の中央から胸元へ伸びる光は、同じくして金色の矢。
アルテミスはそれを強く、強く引き絞る。
ξ--)ξ(……守ってみせる……この世界のブーン達……)
弓弦は全ての力を集束し、黄金の弓は湾曲していく。
それはさながら、真円描く満月のように。
ξ--)ξ(そして……私達の世界も……!)
その一撃は、誓いの矢。
真の力を手に入れ、新たな決意を立てる一撃。
迷い無き瞳を力強く見開き、月女神の矢が放たれる。
- 752 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 22:28:57.62 ID:0WNQbzNL0
-
ξ#゚听)ξ『クレセント……ミラ────ッッ!!』
叫ぶ言霊と共に、弓弦引く手が離された。
行く手を遮る凍結した触手たちを歯牙にもかけず、貫き、光の矢が異形へと迫る。
('A`)
狂人の顔を捉えた矢は閃光を放ち、膨れ上がる。
膨張を続ける金色の光は異形の全てを包み込む球体と成った。
その中を。
(;゚ω゚)「お……おぉ……」
lw;‐ _‐ノv「……」
ノハ*゚听)「……きれい……」
内の壁に反射し、縦横無尽に黄金の矢が駆ける。
異形の肉を抉り、貫いてもその勢いは衰えず、異形の体積をひたすらに減らしていた。
- 753 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 22:29:34.60 ID:Ydunxuhr0
- 支援!
- 754 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 22:30:55.66 ID:kuTbTcAY0
- (´;ω;`)ブワッ
- 755 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 22:31:07.82 ID:0WNQbzNL0
-
( A )
光の雨に貫かれ続ける異形の顔に、
( ∀ )
閃光の中、笑みが浮かんだ。
それは果たして、狂人が浮かべた笑みなのか、それとも────
- 756 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 22:31:16.25 ID:yWxtFwfZO
- つまらん
有名作者の風上にもおけないペルソナはつまらん
- 757 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 22:32:37.75 ID:Ydunxuhr0
- どくお…
- 758 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 22:32:38.68 ID:6xzK37LI0
- しえん
- 759 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 22:33:37.13 ID:yWxtFwfZO
- なにこのゴミ、なんでこんなに人気ないし駄文を平然と公共の場に晒せるんだ?
まずストーリー、よくあるラノベっぽいなにかに萌え(笑)キャラ。
まるでマネキンのような個性のないキャラ。
地の文は文体からしてレベルが低い。
はっきし言ってしまえば俺からして見れば
アマチュアの『ア』の字すらもったいないないゴミ駄作だと思うわ。
小説を語るのもおごがましいんだよ。
小説はな?らくがきとは違うんだよらくがきとは
厨房の妄想じゃないんだよ。高等で至高なんだよわかったか?
クソつまらない駄作を二度と見せんな勘違い野郎が。
お前だよペルソナ
- 760 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 22:33:46.38 ID:0WNQbzNL0
-
光の軌跡に、やがて球体の内部が埋め尽くされた頃。
一際眩い光を放ち、金色の柱が生まれ、その身を細くしていき……消えていった。
光が無くなり、後に残ったのは人に戻りしドクオ=ウッダー。
膝を折り、とさりと、前のめりに倒れた。
ξ゚听)ξ
彼女は手を下げ、ペルソナを収めた後に。
ξ゚ー゚)ξ
ブーン達を向き、柔らかに微笑んだ。
ノハ*゚听)「すっごぉぉぉぉい!」
身を縛る恐怖から救われたヒートが、ツンに駆け寄り、胸に飛び込んだ。
一歩遅れてシューも駆けつけ、ツンを笑顔で見つめている。
ツンは「もう大丈夫」、と二人に言い、交互に頭を撫でていた。
- 761 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 22:34:21.75 ID:kuTbTcAY0
- (;'A`)「イチマツニンギョオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」
- 762 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 22:35:59.77 ID:Ydunxuhr0
- ドクオいきてるのか?
- 763 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 22:36:01.69 ID:0WNQbzNL0
-
(;^ω^)「……ツン」
傷は癒えたが、疲労の色を浮かばせブーンも彼女に近寄る。
彼は少し戸惑っていたが、先の疑心は既に拭われていた。
(;^ω^)「ごめんお……戦いの途中で、僕はツンを疑ってたお」
ξ゚ー゚)ξ「いいのよ。私だって、たくさん迷ってたんだもん」
( ^ω^)「でも、あんなのがあるなら早く喚んでほしかったお!」
ξ;゚听)ξ「いや、私も初めて喚んだペルソナだったから……」
( ^ω^)「新しい召喚術だったのかお?」
ξ;゚听)ξ「う、うーん……? よくわからないんだけどね……」
ξ゚听)ξ「私の願いに、ペルソナが応えてくれた、ってとこかな……」
( ^ω^)「……」
ノハ*゚听)「ツン! すごく強かったんだなっ!」
ξ;゚听)ξ「う、ううん、私も必死だったし」
ノハ*゚听)「お姉ちゃんと同じくらい強いぞ!」
ξ゚ー゚)ξ「……ふふ、ありがとう」
- 764 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 22:37:47.03 ID:6xzK37LI0
- ペロっ・・・これはフラグ!
- 765 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 22:38:00.32 ID:Ydunxuhr0
- しえん
- 766 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 22:38:02.67 ID:0WNQbzNL0
-
lw´‐ _‐ノv「……ブーン兄ちゃん」
( ^ω^)「お?」
lw´‐ _‐ノv「あれは……なんだったの?」
( ^ω^)「……わからないお」
lw´‐ _‐ノv「あの人は……?」
( ^ω^)「村のはずれに住んでる、ドクオって奴だお」
lw´‐ _‐ノv「知らない」
( ^ω^)「引きこもりだから……」
lw´‐ _‐ノv「……ふぅん」
( ^ω^)(結局……あれはなんだったんだお……ツンも知らない様子だったし……)
( ^ω^)「あ」
ξ゚听)ξ「ん?」
(;^ω^)「オッサンは……大丈夫なのかお?」
ξ;゚听)ξ「あ……」
- 767 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 22:39:30.95 ID:0WNQbzNL0
-
一同の視線が横たわるドクオに注がれた。
ブーンがゆっくりと近づいていき、ツン達もその後に続く。
静かに風が吹き、虫の音が彼らの耳を撫でる。
あの異変が、まるで幻だったかのように、穏やかな夜が訪れていた。
(;^ω^)「……」
膝をつき、ドクオを間近で見つめる。
ヒートとシューは、またあの異形を思い出したのかツンの後ろに隠れていた。
二人が腰の辺りの服を掴むと、安心させるようにツンは二人の頭に手を乗せる。
(;^ω^)(怪我は……ないみたいだけど……)
ドクオに外傷は見当たらなかった。
そして、もう一つ、見当たらぬものがあった。
ξ;゚听)ξ(あの箱は……?)
力無く投げ出されたドクオの両手は、手の平を地に向けるのみ。
その手に在ったはずの黒き箱は、忽然と消えてしまっていた。
( A )「……う……」
(;^ω^)「ッ!」
- 768 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 22:40:05.70 ID:yWxtFwfZO
- ボカロ厨ニコニコゴミのペルソナは話書いてもつまんないな
アルファにチェンジしろ!チェンジ!
- 769 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 22:40:25.17 ID:6xzK37LI0
- ('A`)「うっ・・・ふぅ・・・」
- 770 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 22:40:50.91 ID:kuTbTcAY0
- しえーん
- 771 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 22:41:06.59 ID:Ydunxuhr0
- 支援
- 772 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 22:41:09.53 ID:0WNQbzNL0
-
男が呻き声を上げ、身を揺らす。
ブーンは咄嗟に立ち上がり、距離を取った。
ツンもそれに合わせ、身構える。
('A`)「……」
倒れたまま目を開き、顔を起こして右、左と見た後に、
('A`)「……お前達は……?」
正面にいた一同を見て、そう呟いた。
頭を抱えながらゆっくりと起き上がり、服についた土を払う。
多少ふらついているものの、ブーンの見立て通り怪我はないようだった。
('A`)「ここは……?」
(;^ω^)「……覚えてないのかお?」
('A`)「んん……? お前は……ラダトスクさんとこの……?」
( ^ω^)「ブーンだお」
('A`)「あぁ、そうだ思い出した」
(;^ω^)「……?」
- 773 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 22:43:00.56 ID:0WNQbzNL0
-
('A`)「それより、なんで俺はこんな所にいるんだ?」
ξ;゚听)ξ(……覚えてないのね)
(;^ω^)(さっぱりわけがわからんお……)
('A`)「なんだか頭がふわふわしているんだが……寝すぎて昼に起きたような……」
lw´‐ _‐ノv「……」
ノパ听)「あのバケモノがオッサンだったの?」
ξ;゚听)ξ「ヒ、ヒートちゃん」
('A`)「バケモノ? どういうことだ? 説明してくれ」
( ^ω^)「お……ひとまず、僕の家に行こうかお」
('A`)「すまないな。そういえば、親父さんは元気か?」
(;^ω^)「お……」
反応に困るブーンは、先ずは家にと先を歩き出した。
顔を見合わせ、ツン達がそれに続き、ドクオも一つ首を傾げた後、同じ様に続く。
ドクオはツン達と対峙した後に異形と化したあの時の事はおろか、過去の記憶すら曖昧なようだ。
- 774 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 22:43:18.14 ID:Ydunxuhr0
- ドクオ操られてたのか?
- 775 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 22:43:38.08 ID:6xzK37LI0
- どっくんどうなってんだ?しえん
- 776 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 22:44:13.93 ID:DdDNKla90
- 支援♪
- 777 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 22:44:31.99 ID:0WNQbzNL0
-
全員が訳がわからないと疑問の色を顔に浮かべ、家へと向かう。
ドクオが嘘を吐いている可能性が、全くないというわけではないのだが。
(;^ω^)(……どういうことだお?)
家へ戻ると提案したのは、ヒート達がここにいるため母が心配しているのではないかという理由からだった。
万が一ドクオが嘘をついていた場合、村にまで危険が及ぶのだが、
しかしそれでも、ブーンがそう提案した事には、ドクオの言動以外で感じたものが最も大きかった。
(;^ω^)(オッサンから一切魔力を感じなくなったお……)
村の、ブーン達の一族に伝わる魔術を扱う人間からは、近くにいれば相応の魔力を感じ取る事ができる。
自分達と『同種』であると見極める事ができたのだが、それがドクオから一切消えていたのだ。
驚異はないと判断したブーンは、家に戻る事を選択したというわけだ。
不安と言えば、ツンも一つ抱えている。
ξ;゚听)ξ(……箱は……どこに……)
ドクオの手には、何も持たれていない。
恐らくは異変を引き起こしたと思われる黒い箱が、どこにもなかった。
肉塊に包まれるまでは手に在ったはずの箱。倒れていた時には、既に消え去っていた。
ξ゚听)ξ「あの……ドクオ……さん?」
('A`)「なんだ?」
- 778 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 22:44:59.41 ID:kuTbTcAY0
- ニャル……
- 779 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 22:46:31.87 ID:0WNQbzNL0
-
ξ゚听)ξ「何か持ってませんか? 箱みたいな……その……」
('A`)「箱?」
ドクオは黒の外套を脱ぎ、数回ばさりと宙に泳がせる。
厚手の布が煽られただけで、何も出てはこなかった。
外套の下の服装はと言うと、箱を隠し持つことができる箇所は見当たらない。
('A`)「よくわからんが……何も持ってないぞ」
ξ;゚听)ξ「そう……ですか」
そこに無い事が解っても、ツンの不安が払拭されることはなかった。
黒き箱はツンも知らぬ内にこの世界に紛れ込み、つい先程異変をもたらしたのだから。
念のためとツンはヒート達にも問うたが、やはりどこかに紛れているということはなかった。
積もるばかりの謎を抱えつつ、一同は村へと進む。
夜の林は不気味な暗闇に包まれていたが、空気は変わって穏やかだ。
彼女のペルソナも、警告を発することはなかった。
ツンも一先ずは村へ戻り、話を進める事が最善と判断する。
新たなペルソナを得て、自信喪失からは脱したが、やはり謎はまだ多い。
前で揺れるヒートとシューの頭を見つめながら気を引き締め、後に続く。
迷いを克服し成長を遂げた少女は、凛と前だけを見つめていた────
- 780 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 22:48:54.49 ID:0WNQbzNL0
-
※
(;'A`)「……なんということだ」
テーブルには四人、私とブーンとおばさん、それにドクオ……さん。
話を終えてドクオさんは最初に、そう言った。
ヒートちゃんとシューちゃんは戻って直ぐにお風呂へ行っている。
丘での一連の出来事を話し終え、更にそれ以前、アンノウンの事、
私の事、そして、ブーンのお父さんのことを話していた。
驚く事に、丘での一件以前の出来事も、ドクオさんは知らないという。
ここ数年の記憶が、すっぽりと抜けているようだった。
('A`)「……いや、まずは謝ろう。知らぬ事とは言え、君達を危険に晒してしまった。すまない」
(;^ω^)「いいんですお、ほら、こうやって生きてるし……」
ξ;゚听)ξ「大丈夫ですよ」
('A`)「ありがとう。……しかし、そんなことが……」
J( 'ー`)し「……」
ブーンは言っていた。彼のお父さんの話では、ドクオさんは昔は真面目だった、と。
現存する最古の古文書を見た時から、人が変わったようになったという。
もしかしたら人が変わったのは比喩じゃなく、多分、そのままの意味だったのかもしれない。
- 781 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 22:52:12.97 ID:Ydunxuhr0
- 支援支援
- 782 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 22:52:14.28 ID:0WNQbzNL0
-
('A`)「あれを見た後、何年も……俺は……」
ドクオさんは伸びに伸びた髪に触れ、俯いた。
ξ゚听)ξ「……」
この世界に来る前に、ブーンは言っていた。
私達と同じ様な存在がいるパラレルワールド、つまり平行世界がいくつもあるのだと。
年齢や外見が違っても、この世界のブーン達と初対面だとは思えなかった。
つまりそれが、根源は同じ存在だということの証明なのだろうか。
ドクオさんに異変をもたらせた黒い箱。
あれは私の世界にあった物だ。しかし彼は、あれを待っていたと言っていた。
そう考えると、やはりどこかで繋がっているのだろうか、と思う。
フィレモンも、運命が私を選んだと言っていた。
そして今、私が違う世界にいるという現実。
それらが拍車をかけるのだ。私達と、他の世界に危機が迫っていると言う事に。
あの箱が“アンノウン”と関係があるのかは、わからない。
関係しているのであれば、私の世界の敵も、そうという事になる。
でも、何か、何かが、違うような────
( ^ω^)「お?」
J( 'ー`)し「外……騒がしいわね」
( ^ω^)「見てくるお」
- 783 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 22:52:57.67 ID:Ydunxuhr0
- しえん
- 784 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 22:53:30.73 ID:kuTbTcAY0
- ねくr・・・いやいや、支援
- 785 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 22:54:04.58 ID:0WNQbzNL0
- 言われてみれば、確かに外が騒がしかった。
慌てたような叫び声のようなものがちらほらと聞こえてくる。
ふと、ドクオさんの異変を思い出した。
玄関の戸をを開いて、顔だけを出したブーンがすぐにこちらを向いて、
(;^ω^)「か、火事だお!」
そう言った。
(;^ω^)「ドクオさんの家の方が、燃えてるお!」
(;'A`)「なっ!?」
すぐに立ち上がり、ドクオさんが外へと躍り出た。
ブーンもその後を追う。
ξ;゚听)ξ「私も!」
J(;'ー`)し「気をつけてね」
すぐに外へと駆け出し、二人の背中を追った。
一目で火事だとわかる程に、向かう先の空は赤々と照らされていた。
丘から帰る途中の林、その中にドクオさんの家があるようだ。
ξ;゚听)ξ「……!」
間近で見た炎は、凄まじかった。
- 786 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 22:54:40.23 ID:Ydunxuhr0
- 古文書消すためか
- 787 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 22:56:06.67 ID:0WNQbzNL0
-
どの世界でも、全てを消してしまう火災とは、こんなにも恐ろしいものなのだろうか。
現場では既に十数人の村人達が、おばさんが見せてくれた魔法を駆使して消火活動を行っていた。
ブーンもそれに混ざり、手当たり次第に水を召喚していた。
見れば年配の方が多い気がする。
おばさんが言っていた、戦える者はブーン達しかいないという言葉を、思い出した。
きてみたものの、自分の力は消化に向いていない事に気付く。
アルテミスは強力すぎるし、スアデラでは水や氷を扱えない。
けれど、見ていることしかできなかった人は、他にもいた。
(;'A`)「何故だ……召喚術が使えない……」
(;^ω^)「ドクオさん! 離れてるんだお!」
(;'A`)「……」
ドクオさんは自分の両手を見つめ、立ち尽くしていた。
私から箱を奪う時に、確かにブーン達と同じ様な魔法を扱っていたはずだ。
それが、使えないのだと言う。
またも浮上した謎に、一先ずは消化に専念しようとブーンが叫ぶ。
私とドクオさんは、ただ見ている事しかできなかった。
(;^ω^)「ふー……」
幸い、家のすぐ傍に木がなかった為に、火は燃え広がらずに消火された。
でもドクオさんの家は、骨組みを残してほとんどが黒い炭と化していた。
消火をしていた村の人達はドクオさんを一瞥しただけで、村へと戻って行った。
- 788 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 22:57:50.04 ID:Ydunxuhr0
- しえn
- 789 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 22:57:52.87 ID:0WNQbzNL0
-
(;^ω^)「……」
(;'A`)「……召喚術が……使えなく……」
(;^ω^)「変だと思ってたお。ドクオさんから魔力を全く感じなくて……」
(;'A`)「どういうことだ……」
( ^ω^)「関係してるとしたら、あの異変が、多分……」
(;'A`)「異変……」
そう呟いて、ドクオさんがはっと燃え果てた家を見た。
(;'A`)「あの火から、魔力を感じたか?」
( ^ω^)「火から? そんなことはなかったお」
(;'A`)「……そうか」
( ^ω^)「どうしたんですかお?」
('A`)「タイミングがよすぎると思わないか?」
(;^ω^)「え……」
ξ;゚听)ξ「まさか……」
- 790 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 22:59:43.87 ID:0WNQbzNL0
-
('A`)「古文書を見た時から、俺の記憶はすっぽりと抜けている。そして古文書は多分、家にあったはずだ。
手懸かりはその古文書だが……この通りだ。いくらなんでも、タイミングが良すぎる」
(;^ω^)「たしかに……」
('A`)「何者かが……古文書を見られると都合が悪い者……俺の記憶を奪った奴かは知らないが……。
とにかく、そんな奴がいることは間違いないだろう」
(;^ω^)「……」
ξ;゚听)ξ「……」
もしかして、無くなっていたあの箱と関係があるのだろうか。
謎が増えていく一方で、私の頭に粘り着く一つの単語があった。
その言霊に、地を這うような、言い知れない不気味な感覚が残る。
ニャルラトホテプ。
ドクオさんが召喚しようとした、外なる神の名。
あの時私は確かに、ペルソナの共振を感じていた。
だとすればそれは私の世界とも関係しているのだろうけれど、そんな名は聞いた事もない。
フィレモンなら何か知っているのかもしれないけれど……。
( ^ω^)「と、ここで考えてても仕方ないお。ドクオさんも今日はうちに」
('A`)「……すまないな、迷惑をかけてばかりだ」
( ^ω^)「気にしないでくださいお」
- 791 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 23:02:31.02 ID:0WNQbzNL0
-
そうして私達は、再びブーンの家へと戻る。
何も知らないこの世界に、私の世界の謎も紛れ込んでいる。
わからないこと、だらけだった。
※
家に着くと、おばさんとお風呂からでていたヒートちゃん達が心配していた。
なんでもなかったと告げて、ドクオさんの事も話した後に、今日は早く寝ようという事になった。
お風呂に入った後、おばさんが寝間着を貸してくれた。それがなんだか少し、懐かしく思える。
ヒートちゃんは寝相がとても悪いということで、シューちゃんのベットにお邪魔することにした。
ξ゚听)ξ「……こうして、魔王ロマネスクは勇者シースルーと共に、氷の中で永い永い眠りにつくのでした……」
ξ゚ー゚)ξ「おしまい」
lw´‐ _‐ノv「……ありがとう」
ぱたんと、本を閉じた。
シューちゃんがお姉さんのクーに読んでもらっていたという絵本を、読んでいたのだ。
ベッドの横にきた私をみるやいなや、シューちゃんはぱたぱたと走って、この絵本を持ってきた。
少し恥ずかしそうにして上目遣いで「読んで」と頼まれては、断ることなんてできなかった。
私の世界と同じ日本語で書かれていたことが、不思議だ。
言葉も通じているのだから、それは当たり前だとも思える。
でも、もしかしたら全く違う言葉で話しているのかも知れないとも、漠然と考えていた。
- 792 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 23:04:37.97 ID:Ydunxuhr0
- 自動翻訳みたいなかんじかしえん
- 793 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 23:05:19.94 ID:0WNQbzNL0
-
不思議なことが起こり続けているせいだろう。
この世界に来たらブーンにもペルソナが見えたこともある。
都合の良いように、そうできている。そんな気がしてならなかった。
lw´‐ _‐ノv「……ツンお姉ちゃん」
ξ゚听)ξ「なぁに?」
lw´‐ _‐ノv「クーお姉ちゃんを……お願い」
ノハ*゚听)「お願い!」
ξ゚听)ξ「……」
召喚術を少しは扱えると言っても、彼女はまだ幼い。
この世界のツンにそっくりな私を見て、お姉さんのことを強く思い出したに違いない。
ベットの中で、シューちゃん、それに隣のベットにいるヒートちゃんとお話をした。
二人のこと、この世界のこと、それにお姉さん、クーのこと。
ヒートちゃんは十二才、シューちゃんは十才だという。
時間の概念も、どうやら私の世界と同じなようだった。
この世界のことを聞いてみたけれど、しかし幼い二人、この村の外はさっぱりわからないらしい。
尤も、ブーンのワープ魔法でアンノウンの城へ移動するなら、知っても意味はないことだ。
ただ、二人が本当にクーのことが大好きだということは、とてもよくわかった。
- 794 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 23:06:52.43 ID:0WNQbzNL0
-
その、クーを慕う気持ちを知ったからこそ、二人の本心がわかる。
多少なりとも召喚術が扱えるから、二人も着いていきたいのだろう。
だけど、それはできない。偉そうな事を言うけれど、二人には危険なのだから。
ブーンの力も相当なものだった。
だけど彼……クー達も含め彼らは一度、アンノウンに敗れているのだ。
そんな戦いに、彼らより力の劣る二人を連れて行く事はできない。
私が直接言わなくても、二人はそれがわかっているだろう。
だからさっき、私に託したのだ。
お姉ちゃんを、お願いと。
最初は曖昧に返事をする事しかできなかった。
でも今は、違う。
当然それは、新しく得たペルソナの力に慢心しているわけでもない。
ξ゚ー゚)ξ「任せておいて。必ず、お姉ちゃんを連れて帰るから」
必ず、アンノウンを倒す。
未だ多くの謎は残っている。
だけど明確な目標は変わっていないのだ。
私がアンノウンを倒すために呼ばれたというのなら、全力を以て倒す。
先の戦いを通じて、今はそう強く言える事が出来た。
- 795 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 23:08:14.79 ID:Ydunxuhr0
- しえn
- 796 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 23:08:32.84 ID:KfSFFFM70
- これ元の世界に戻ったときツン無双できるな
ツンハジマタ
- 797 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 23:09:04.29 ID:0WNQbzNL0
- lw´‐ _‐ノv「……」
シューちゃんが俯いて、身を寄せてきた。
この子達にとってクーは、姉であり母親なのだ。
そして二人は、まだまだ子どもで……。
ノハ;゚听)「……ぅ……」
ξ゚ー゚)ξ「ヒートちゃんも、こっちにおいで?」
ノハ*゚听)「いくっ!」
私だって人の事は言えない子どもだけれど、だからこそわかる。
きっと、まだ甘えたいのだろう。お姉ちゃんと一緒に、いたいのだろう。
アンノウンを倒すということは、結果的にこの世界を救うことになる。
でも、それよりも。
二人が笑って過ごせるように、二人の為に、戦う。
そんなのも決して、悪くない。
そっと、二人の頭を撫でた。
柔らかい髪の感触が、とても心地良かった。
不安がないと言えば、嘘になる。
だけど私は、戦える。
彼女たちの優しく、柔らかな髪は、私の決意をより堅固なものに変えてくれた。
護ってみせる。この笑顔を。誰もが持っている、宝物を。
- 798 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 23:11:07.86 ID:0WNQbzNL0
-
※
翌日。
陽も落ちかけた丘の上に、私達は立っていた。
綺麗になった制服に袖を通し、体も心も、一新して。
おばさんに、ヒートちゃんとシューちゃん、そしてドクオさんも見送りにきていた。
('A`)「俺も戦いたいが……これでは足を引っ張るだけだ。頑張ってくれ」
ξ;゚听)ξ「そんな、気にしないで下さい」
( ^ω^)「……」
J( '-`)し「……」
ノパ听)「頑張って! 早く帰ってきてね!」
lw´‐ _‐ノv「待ってるから」
ξ゚ー゚)ξ「うん。ありがとう」
J( '-`)し「……」
ブーンとおばさんは、ずっと見つめ合っていた。
自分の息子が危険な戦いに赴くのだから、やはり心配なのだろう。
彼は彼で、おばさんを置いていく事が苦痛なはずだ。
- 799 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 23:12:02.32 ID:Ydunxuhr0
- しえん!
- 800 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 23:13:00.08 ID:0WNQbzNL0
-
でも、なんだろうか。
( ^ω^)「……カーチャン」
J( '-`)し
もっと。
もっと違う、違った雰囲気を、二人の間に感じる。
二人はとても悲しげな瞳をしているような、そんな気が。
( ^ω^)「行ってくるお」
J( '-`)し「……」
私が思っている通りのブーンなら、心配させまいともっと弾んだ口調で言う、と思う。
けれどそんな調子は一切なく、静かな、本当に静かな口調だった。
おばさんはすぐに言葉を発しなかった。
発する事が、できないようにも見えた。
J( 'ー`)し「……行ってらっしゃい」
それだけ言って、おばさんは後ろを向いてしまった。
肩が、震えていた。
- 801 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 23:14:38.42 ID:Ydunxuhr0
- あーやっぱり…
- 802 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 23:14:52.74 ID:0WNQbzNL0
-
ブーンはそんなおばさんの背を、少しの間見つめていた。
何を思っているのか、私にはわからない。
その後に、今度は私の方を向く。
自分の世界のブーンと変わらない、優しい表情をしていた。
どこか、凛々しさも含まれているような気がした。
( ^ω^)「ツン」
ξ゚听)ξ「うん?」
( ^ω^)「聖剣の力は、願いを籠めながら剣を振り下ろせば使える……。
聖剣がそう伝えてほしいって、言ってたお」
ξ゚听)ξ「……わかった。でも────」
( ^ω^)「ツン」
ξ;゚听)ξ「っ……」
( ^ω^)「元の世界に帰る時は、そうしてくれお」
ξ;゚听)ξ「……ブーン……?」
それ以上、私は何も言うことができなかった。
それきり押し黙り、ブーンはただ、夕日をじっと見つめていた。
何かを決意したような、そんな背中を、私も見つめることしかできない。
そして、その時がやってきた。
- 803 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 23:17:16.36 ID:0WNQbzNL0
-
( ^ω^)「……」
ふ、と短く息を吐いて、
( ^ω^)「日没だお」
強く、顔をあげた。
私もそれに合わせて、ほとんど沈んでしまった太陽を見る。
その輝きにもう目を焼かれる事はなく、山と空を紅に染めていた。
雲の上にはもう星が煌めいていて、夜の訪れを報せている。
ξ゚听)ξ
ブーンが私の手を握る。私も強く握り返す。
いよいよ、アンノウンの元へと私達は向かう。
( ^ω^)『────────……』
例の鍵を握り締め、ブーンが何かを呟いた。
その手が、光り出す。温かで、柔らかな光が。
それが矢のように彼方へと飛ぶと────
- 804 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 23:19:27.83 ID:Ydunxuhr0
- しえんしえn
- 805 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 23:20:05.52 ID:0WNQbzNL0
-
ノハ*゚听)「わぁ……」
道が生まれた。
この光の道の先に、倒すべき敵がいるのだろう。
ふわりと、体が浮いていく。
この世界に来た時のような、上昇していく圧迫感はない。
動き慣れた動作を取るように、当然のように体は順応していた。
その感覚に、確信する。
やはりこれは、決まっていたことなのだ。
私はそこへ行き、戦うために、ここへきたのだ、と。
「ブーン!!」
おばさんが叫んだ声が、聞こえた。
その、直後。
私とブーンは光の道に吸い込まれ、全ての音は聞こえなくなった。
- 806 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 23:22:21.49 ID:0WNQbzNL0
-
心で、誓う。
おばさんが言った、あの言葉。
「……この世界を、お願いします」
全力を尽くすと、私はあの時に言った。
今もそれは思っている。当然のことだからだ。
それに加えて、新しい誓いを立てる。
────必ず、護ります。
私と、この先にいるという異世界の仲間達と共に、必ず。
征きましょう、ペルソナ。
みんなの笑顔を、護る為に。
【Single part:Persona⇒END】
- 807 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 23:23:14.25 ID:8JBqZAIC0
- ヒャッハァー!!
オツャッハー!!
- 808 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 23:23:29.34 ID:KfSFFFM70
- ふぅ……
これでシングルパート全部終了か
とりあえず乙
- 809 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 23:23:45.97 ID:Ydunxuhr0
- 乙!!!
- 810 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 23:24:29.03 ID:qBvY8Tst0
- お疲れです……ED後のお楽しみあるかな
- 811 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 23:24:44.29 ID:5Ee45Ll90
- これで始まりにすぎないというのだから困る
- 812 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 23:25:39.95 ID:VQUi/uk00
- お疲れさま
もう既にエンディング気分
- 813 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 23:26:23.01 ID:kuTbTcAY0
- 乙なんだぜー。
さて、8人が入り乱れた戦いに期待。ってか、もう一人の自分を見た感想に期待
- 814 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 23:26:51.13 ID:j8zTKTndO
- おつお
- 815 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 23:27:13.01 ID:b6TsT2MT0
- >>813
8人…
- 816 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 23:27:57.49 ID:0WNQbzNL0
-
交わる、四つの光たち。
その先には、かつてない強大な敵がいる。
その者を倒すため、遂に戦士たちが集う。
物語は────
クロス
────交差する。
- 817 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 23:28:46.65 ID:Ydunxuhr0
- 支援
- 818 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 23:29:27.56 ID:SY70TvbVO
- ツンの覚醒に燃えざるを得ない
乙
- 819 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 23:31:10.21 ID:0WNQbzNL0
-
次回────
┃
┃
┃
┃
┃
物語のページが( ^ω^)´・ω・)゚听)ξ 川 ゚ -゚)応えるようです
┃
┃
┃
┃
┃
┃
┃
┃【Cross part:Weapon】
. .━━━━━━━━━━━━╋━━━━━━━━━
┃
┃
┃
────12/5(日) 21:00 開始
- 820 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 23:32:02.76 ID:1sJxdat40
- 合作の個人パート最後なのに一番支援少なくてどう思った?
街狩り>>アルファ>>大麻>>ペルソナ(失笑)
ざまあwwww
失敗合作とともに潰れていけやwww
めっしうまあああああwwwwww
アルファも過疎とあらチーにビビって最終話の投下来ないしもう終わりだなwwwww
俺の力で、ブーン系終われやwwww
- 821 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 23:32:12.15 ID:5Ee45Ll90
- 急に間隔空くなおいwwwwwwww
- 822 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 23:33:17.95 ID:KfSFFFM70
- ウェポンと言えばいやなんでもないです
合同パートは誰が書くんかな
- 823 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 23:34:19.63 ID:kuTbTcAY0
- 1週間……だと……?
この野郎、我慢しすぎでテクノブレイクしちまうぞ嘘です頑張ってね
- 824 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 23:34:36.13 ID:Nnupcox/0
- クーだけ離れているきがする
- 825 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 23:35:03.04 ID:Ru6diY1C0
- 乙っした
- 826 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 23:35:11.11 ID:yiskpKkyP
- 1週間後だと・・・!?
待ってるからな
- 827 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 23:36:03.32 ID:fDUu8UKJ0
- 乙でした!
次は一週間後か・・・
- 828 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 23:36:15.53 ID:5Ee45Ll90
- >>824
ツンちゃんに至っては串刺しやで
- 829 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 23:37:11.74 ID:KfSFFFM70
- >>828
俺の環境だとクーが串刺しだわ……
- 830 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 23:37:32.12 ID:0WNQbzNL0
- 遂に合流した、異世界の戦士達────
〜〜〜〜〜〜
( ^ω^)「僕の体の八割は機械でできてるんだお。痛みはないから問題ないお」
ξ;゚听)ξ(サ、サイボーグ?)
川 ゚ -゚)「キカイダーだと!?」
〜〜〜〜〜〜
異世界の者たちは、自身の常識が通用しないことに、戸惑いを見せる。
〜〜〜〜〜〜
川 ゚ -゚)「お前は……ショボンか?」
(´・ω・`)「ショボン=ルージアルだ。まぁ、好きに呼んでもらって構わない」
川 ゚ -゚)「……エラいマッチョだな」
〜〜〜〜〜〜
だが、きっと、彼らなら…………。
〜〜〜〜〜〜
(#^ω^)カチッ シュボッ!
(#^ω^)y-~~「ふー」
- 831 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 23:38:43.26 ID:Ydunxuhr0
- キカイダーww
- 832 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 23:38:47.69 ID:jNbZWRKMO
- ちょっと質問
ペルソナの原作はP3しか知らないんだが今回出てきたアルテミスとアルテミシアって別物なの?
それとも単に呼び方が違うだけ?
- 833 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 23:39:18.79 ID:3h9D03oA0
- 楽しく読ませてもらった。ひとまずお疲れさまです。
- 834 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 23:40:15.33 ID:0WNQbzNL0
- >>832
別です
- 835 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 23:41:01.05 ID:yiskpKkyP
- ルージアルさん浮きそうで怖い
っていうかルージアルさん下手すると一番弱い
- 836 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 23:41:35.83 ID:jNbZWRKMO
- >>834
トンクス
乙でしたー
- 837 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 23:41:36.95 ID:Ydunxuhr0
- ツンって2体とも使えるままなの?それともアルテミスだけ?
- 838 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 23:41:43.68 ID:H7m4Xsfr0
- 乙でございます
クロスパートも楽しみに待ってる!
ttp://www.usamimi.info/~tenohito/cgi-bin/anka/src/vipankae39324.jpg
- 839 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 23:43:11.87 ID:kuTbTcAY0
- >>832
アルテミシアは女王、アルテミスは月の女神で別物。
原作での話なら、2でアルテミスは主要キャラのペルソナとして登場。
- 840 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 23:44:06.25 ID:DhCcrZY+0
- >>838
ヒュー
- 841 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 23:44:21.19 ID:5Ee45Ll90
- ルージアルさんはあれだよ・・・ピッコロさんの立ち位置だよ・・・
- 842 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 23:44:30.00 ID:0WNQbzNL0
- 唯我独尊をいく彼らこそ、主人公格たる存在として相応しいであろう。(ポジティヴシンキング的に考えて)
ィ'ト―-イ、 /\ /ヽ
以,[l゚疲i7 ヽ、 lヽ' ` ´ \/l
,ノ ヽ、_,,, ヽ `' わんわん /
/´`''" '"´``Y'""``'j ヽ | _ノ ̄/ l
{ ,ノ' i| ,. ,、 ,,|,,. 、_/´ ,-,,.;;l .l / ̄ / | (ry
役者は新たに、出揃った。
自重しないイトーイ、ボケ倒すクー。
果たして、こいつらをなんとかできるのであ>>838うおおおおおおおおおお!うおっ!うおおおおおおおああああ!!1
- 843 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 23:50:27.48 ID:KfSFFFM70
- イトーイ!
- 844 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 23:52:00.43 ID:fDUu8UKJ0
- ヒローイ! ヒローイじゃないか!!
- 845 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 23:53:01.89 ID:0WNQbzNL0
- ながらで予告とかするもんじゃないwwwwwwww
これにて個別パート、全て終了です!
これまでのたくさんの支援、本当にありがとうございました!
次回投下と離れているのは、投下できる日がギリギリになって前倒しになったからです
ほんとはアルファ⇒大麻⇒街狩り⇒ペルソナの順番でした
この一週間で諸所に散りばめられたネタなどを確認して、次回に臨んでいただければと思います
残りのスレは好き好きに使ってください
質問あれば拾わせていただきます
>>838には一同、本当に感謝してます。ありがとうございます!
- 846 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 23:53:08.02 ID:5Ee45Ll90
- イトーイ国王が素であの顔ってことは、街狩りの世界にはブーンの変身後のイトーイ以外に素のイトーイがいるんだよな・・・
- 847 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 23:56:19.07 ID:qBvY8Tst0
- >>846
登場してもいないのにぶちギレた市松人形とか言われたらたまったもんじゃないな
- 848 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/28(日) 23:58:35.10 ID:8JBqZAIC0
- >>846
それはショボンの怒った顔がシャキンである場合と同様に、
街狩世界では残念アーマーブーンがイトーイなんじゃないかな?
- 849 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/28(日) 23:59:32.02 ID:0WNQbzNL0
- >>837
スアデラもアルテミスも使えるけど、同時には使えないです
裏設定的なアレを言うと、
スアデラ Lv8
アルテミス Lv51
ツンちゃん大躍進
- 850 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/29(月) 00:01:00.35 ID:7Qp8uKnD0
- >>849
アリアハンから一気にゾーマ城じゃないか
怖い
- 851 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/29(月) 00:02:33.79 ID:vQNZCPymP
- 乙 盛り上がって参りましたすなぁ
ところで>>838の人の詳細って明かせないの?
- 852 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/29(月) 00:03:33.12 ID:7Qp8uKnD0
- しかし>>842を見て思ったが
クー、ツン、ショボンにヒローイが混じってるのを想像すると……
- 853 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/29(月) 00:04:31.30 ID:2GupUpU20
- >>849
そしてランク8ですねわかります
- 854 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/29(月) 00:11:44.81 ID:uDtge6yG0
- ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以 俺は東京生まれのイチマツニンギョ! SAY トーイ!!
,ノ ヽ、_,,,
/´`''" '"´``Y'""``'j ヽ >>846 その発想はなかったwwww
{ ,ノ' i| ,. ,、 ,,|,,. 、_/´ ,-,,.;;l
'、 ヾ ,`''-‐‐'''" ̄_{ ,ノi,、;;;ノ >>848
ヽ、, ,.- ,.,'/`''`,,_ ,,/ そですね。自分もそう捉えています。
`''ゞ-‐'" `'ヽ、,,、,、,,r' ワタクシことイトーイ増井の持つ可能性の一つが
,ノ ヾ ,, ''";l 街狩りアーマーブーンであり、本合作の皇帝イトーイということですな
- 855 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/29(月) 00:12:06.94 ID:/irGEvQ+0
- >>822
合同パートは主に僕です、すみませんすみませんすみませn
でも、もちろん全員が書いた箇所はあるので、探ってみるのも楽しいかもしれないです
>>851
多分、今までの挿絵を見てそう思われたと思いますが、
全てが終わってからのあとがきで、ということでお願いします
今までの挿絵と>>838さんは別人です
>>853
モチロン!
そして、まだ総量の半分も投下してない現実
- 856 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/29(月) 00:14:05.05 ID:2GupUpU20
- てか、いつの間にかヒローイが定着してて吹いた
- 857 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/29(月) 00:16:52.69 ID:s9jdY8Ad0
- おおおいまだ半分以下かよ
- 858 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/29(月) 00:21:30.13 ID:V7DGn7S6Q
- 乙
>>835
ショボンは弱いんじゃなくて他の三人とは性質が違うだけ
戦略面だとずば抜けて最強だろ…
- 859 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/29(月) 00:23:27.72 ID:s9jdY8Ad0
- アルファベットはアルファベットでしか壊せないからな!
- 860 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/29(月) 00:25:07.76 ID:fNLhyewe0
- 多分ショボンの本当の武器はアルファベットじゃなくて
ああいう世界観で生まれ育ちながらも瞬時に異世界の存在を理解する認識力だと思う
- 861 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/29(月) 00:27:37.39 ID:7Qp8uKnD0
- >>860
想像もしたことないようなクーの力を即座に戦略に組み込めることとかな
戦上手だし戦略と経験においては他の三人より勝ってるはず
- 862 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/29(月) 00:27:44.62 ID:ons0CMO5O
- >>860
なにそれかっこいい
- 863 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/29(月) 00:29:26.49 ID:2GupUpU20
- そういや、未知の力であるはずの魔法を使うクーにも、的確な指示飛ばしてたな。
前線で戦えるブレーンなのは、今回も同じか。
- 864 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/29(月) 01:26:12.58 ID:2zCgf7wPO
- 今から読むよぺるたんぺろぺろ
- 865 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/29(月) 01:45:06.52 ID:TKdZw5/V0
- しかし作者が今より多すぎる場合はまとまりそうにない合作だな
- 866 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/29(月) 01:46:56.56 ID:2GupUpU20
- さぁ、ヒローイと共に落ちるがいいさ
ィ'トー-ィ、
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- 867 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/29(月) 02:05:10.79 ID:2zCgf7wPO
- 読み終わた
乙
確かにショボン異能使えないけど、それでもクーやツンに負ける姿が想像できない
イトーイは読んでないから知らね('A`)
アンノウンに勝つ→聖剣の力で異世界主人公帰る→奇跡起きる→カーチャンシューヒートとブーン達再開涙end
- 868 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/29(月) 05:10:52.91 ID:n8iK4PZ00
- よむほ
- 869 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/29(月) 06:15:47.11 ID:Fd1Kpb1b0
- ブーンがショボンにブルーマシンガンをブッぱなしたら戦略も糞もないと思うけどな
クーの四体の仲間に同時に襲われたらやっぱり成す術もないし負ける姿はいくらでも想像できる
まー何らかのパワーアップはないと後ろで指示飛ばすだけの可愛そうなマッチョになるぞw
- 870 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/29(月) 06:57:00.70 ID:rQeTQwaw0
- それを避けるのがチートショボンだろw
- 871 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/29(月) 07:11:00.30 ID:kEOrtBJy0
- アルファベットはUでも岩をYで大木をさっくり切り倒すんだぜ?
それ以上の切れ味と破壊力を持つZと射撃用のWを持つショボンが他に引けを取るとは思わないが
乙おつ
- 872 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/29(月) 08:42:22.70 ID:20Bxze/bO
- 合作個人パート終了乙ぬるぽ
てかペルソナは厄介なお土産持ち込んだなw
- 873 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/29(月) 08:46:57.57 ID:p5v33eMe0
- >>872ガッ
- 874 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/29(月) 11:18:33.26 ID:p8wzk+XUO
- 乙
あっさり終わると思ってたけどまだ半分以下かよwwwwwww
全部
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