物語のページが( ^ω^)´・ω・)゚听)ξ 川 ゚ -゚)応えるようです
- 1 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/25(木) 17:58:59.52 ID:y7A0j5a+0
- こんばんは
合作投下四日目になります
まとめさん
ブーン芸VIPさん
http://boonsoldier.web.fc2.com/page.htm
街狩りさんの準備完了待ちです
今日もよろしくお願いします
- 2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 17:59:39.55 ID:9T69stNCO
- 待ってた支援
- 3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 18:00:13.20 ID:za1WFQ00O
- 2ゲットゥ!!
支援
- 4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 18:02:10.98 ID:XhFIM/dL0
- 糞スレ終了
- 5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 18:10:07.84 ID:Kz/x2qVb0
- イヤッフゥ
- 6 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/25(木) 18:11:05.61 ID:u4tH23zq0
-
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以 それでは大イトーイまつr……じゃなくて合作個人パート街狩り編、
,ノ ヽ、_,,, 2日目の投下を始めるお!
/´`''" '"´``Y'""``'j ヽ 今日もキリの良い所で終了にするお!
{ ,ノ' i| ,. ,、 ,,|,,. 、_/´ ,-,,.;;l
'、 ヾ ,`''-‐‐'''" ̄_{ ,ノi,、;;;ノ 〜〜前回のVirus Buster〜〜
ヽ、, ,.- ,.,'/`''`,,_ ,,/ ・ブーンとイトーイはイケメンなのに「だお」口調だから萌え!
`''ゞ-‐'" `'ヽ、,,、,、,,r' ・ツンちゃんかわいい!ぺろぺろ
,ノ ヾ ,, ''";l ・スネークきた! これでかつる! で、イトーイの出番は?
- 7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 18:13:07.01 ID:luNny6d30
- イトーイきた!これでかつる!
- 8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 18:14:20.05 ID:MTJjQ303O
- 待ってたぜ!
- 9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 18:17:59.05 ID:bTEQTsG1O
- 昨日街狩り一気読みしてきた!
昨日の投下分も読んだ!
支援の準備も万端だ!
- 10 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/25(木) 18:19:16.93 ID:u4tH23zq0
- 2人が目を開けて見たのは朝日ではなく、木々が発する緑色の光であった。
スネークは既に起きておリ、レーションのような携帯食料をまずそうに咀嚼している。
神秘的な光景を一望するツンとブーン。
森全体が、透明感のある薄い緑色を発光している。
スネークに聞いてみると、迷いの森とはピポザルなど魔力を有する動物達の培養プラントであり、
朝日を浴びることで木々が動物達の為に必要な魔力を放出する、との事。
この魔力がコンパスなどの器具に影響を齎すという仕組みらしい。
森は美しく輝いている。
朝日の代わりに森の住民は緑色の光を浴びてそれを夜明けとし、活発的に
高らかな鳴き声を響かせる。憎たらしいあの猿の声も聞こえれば、鳥の声も聞こえてくる。
特に小鳥の囀りは美しい。
これで湿気さえ無ければ、最高の朝と森林浴を楽しめるだろう。
と、ブーンとツンは、液体化食料を啜りながら口々にする。
スネーク「そろそろ出発する」
遅れて2人が朝食を摂っている間にテントを畳み終えたスネークが、
バイクを動かして言った。エンジンは空気が抜けるような音を静かに鳴らしている。
( ^ω^)「了解。おーいツン、さっさと乗れお。食べながら行こう」
ブーンも自分のバイクに飛び乗った。
ドアを開き、ツンに手を差し伸べようとするが、ツンはふわりと宙に舞って
すっかり定位置になってしまったブーンの膝に降りた。
( ^ω^)「あれ、今日は文句言わないのかお」
ξ゚听)ξ「いい加減慣れたわい。行きましょう!」
- 11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 18:20:10.89 ID:PciMYBj90
- 支援
- 12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 18:23:03.77 ID:clN+p/ZK0
- スネークの顔文字ってないのかね
- 13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 18:24:53.71 ID:QMIgHIOWO
- 支援
- 14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 18:26:11.03 ID:luNny6d30
- しえん
- 15 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/25(木) 18:26:43.58 ID:u4tH23zq0
- 二機の黒いバイクが森を駆ける。
昨夜とは打って変わり、今日のBLACK DOGは鬱憤を晴らすように甲高く吼えた。
スネークのバイクも同様に快音を鳴らしている。
森の住民からすれば、まるで二匹の獰猛な生物が暴れているように聞こえるだろう。
現に恐れをなしているのか、ピポザルや他の動物が襲ってくる気配は無い。
「お腹が減ってないんじゃない?」とツンは言うが、
ブーンの聴覚と熱察知の能力では動物達は自ら遠ざかっている様子だ。
そのせいもあって走行は順調そのもの。
先導するスネークのレーダーは確かなようで、一度も止まる事無く走り続けている。
道中、ブーンとツンは時間潰しも兼ねて、互いの世界の事を教えあった。
ブーンは魔法の利便性について、ツンは機械の利便性について、
驚き羨ましがった。それから、互いの世界の人間について話題が上る。
( ^ω^)「この世界のブーンってのは僕みたいに良い奴でイケメンなのかお?」
ξ゚听)ξ「はあああ? アンタ性格悪いわよ? ええ、捻じ曲がってるわね。
皮肉っぽいし理屈っぽいし口悪いし無神経だし、良い所見つからない。
っつーか長髪似合ってないし。長すぎてウザったいわよ、それ」
- 16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 18:28:22.87 ID:luNny6d30
- かわいそうなブーン
- 17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 18:28:28.57 ID:8I0MRXoxO
- イトーイ!
- 18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 18:29:21.51 ID:Kz/x2qVb0
- 街狩りのブーンってこんなに自信家だったっけ・・・。
原作現最終話と合作の世界の間に何かあったのか
- 19 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/25(木) 18:31:57.41 ID:u4tH23zq0
-
( ^ω^)「そういうお前は胸がまるで無いお」
……ξ´゚听)三○)ω^)すぐ殴るしいいいいいいいいい
(;^ω^)「ったく、自分はボロクソ言ったくせにコレかお。
まぁ、こうやってからかうのが面白かったりするんだけど」
ξ#゚听)ξ「面白半分に身体の事言うなんて、ホント無神経な奴!」
( ^ω^)「いやーそれにしても。君を僕の世界のツンと会わせてみたいもんだお。
殆ど同じ性格してるもんだから、一緒にさせるとどうなる事やら」
( ^ω^)「僕も早く僕に会ってみたいお! どんな奴なんだろ?」
( ^ω^)「って、ツン、聞いてんのかお?」
ξ;゚听)ξ「え、あ、うん。そうでしょうね、会ってみたいわよね」
( ^ω^)「……どうかしたかお?」
ξ;゚听)ξ「別に……」
( ^ω^)「……」
ツンの心拍数が急に上がった。
そういえば、ミスリルマウンテンで同じ話題をしていた時も、様子が変だったような……。
何か隠し事をしているのだろうか?
- 20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 18:35:05.43 ID:8I0MRXoxO
- ツンも慣れてきたな
- 21 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/25(木) 18:36:28.48 ID:u4tH23zq0
-
( ^ω^)「会わせたくない理由でもあるのかお?」
ξ;゚听)ξ「えっ……別にそんな事無いわよ」
( ^ω^)「……ならいいけど」
どうも、何か隠しているような気がしてならなかったが、
ブーンはこれ以上言及するのを止しておいた。
言いたくないのなら、それでいい。
ブーンは、ツンが思っているより無神経ではなかった。
スネーク「そろそろ森を抜ける」
と、スネークがバイクを横につけて来た。
大分前に深部抜けていたのだが、ブーンの機能は回復せず、
ツンも鍵の波動を察知出来ないままでいた。
これは、森が完全に「方向に関する機能や能力」を剥奪しているからである。
こうして、森は徹底して「迷いの森」という役柄を果たし、
他国の人間が乱獲せぬように、また、魔導と呼ばれる技術の漏洩を防いでいるらしい。
――外の光が見えてきた。
- 22 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/25(木) 18:41:40.57 ID:u4tH23zq0
-
ξ*゚听)ξ「鍵の波動を感じる! BLACK DOGで行けば近くだわ!」
( ^ω^)「僕もダウンしてたシステムが復帰したお」
森を抜けての開口一番は、森の陰鬱な雰囲気よりも魔力からの解放を喜ぶものだった。
本来在るべき物が在るという感覚がこうまで充足したものだと、ブーンは知らなかった。
忘れていたというべきか。便利な機能に生かされているのだと、身を思って思い知る。
システムを剥奪されれば自分は単なる人間。
貧弱な人間の時の感覚など6年も覚えていられなかったようだ。
少し省みるべき事なのかもしれない。
スネーク「世話になったな」
わざわざ、スネークはバイクから降りて来て言った。
基本的に皮肉屋な性分であるが、気持ちが良いほど
義理堅い部分を併せ持っているのをブーンは知っている。
( ^ω^)「オッサン……」
ξ゚ー゚)ξ「こちらこそお世話になりました!」
ブーンはもどかしい気分であった。
別人とはいえど、もう少しの間、スネークと話していたかったのである。
- 23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 18:42:13.02 ID:QMIgHIOWO
- し
- 24 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/25(木) 18:45:20.41 ID:u4tH23zq0
-
ξ゚听)ξ「ところで、スネークさんはどちらに?」
スネーク「閉鎖都市ゆえに詳しくは言えないが、北だ」
スネークは指を示して言う。
それに対して、ツンは表情を明るくして返した。
ξ゚ー゚)ξ「あら、一緒の方角なんですね。
折角だし、もうしばらくご一緒させてもらっていいですか?」
スネーク「まあ……いいだろう」
ξ゚ー゚)ξ「よかった! 旅は仲間が多いほうが楽しいし心強いですもん!
スネークさんって何だか頼りになるし。ね、ブーン?」
同意を求められた瞬間にブーンは緩んでいた表情を正す。
またホモと思われるのは気分が悪い。
( ^ω^)「そりゃ頼りになるお。なんたって伝説の傭兵なんだお?」
スネーク「それはお前の世界の俺なんだろう?
そんな伝説的な人物と一緒にするんじゃない」
ξ;゚听)ξ「え! ブーンはあっちの世界のスネークさんと会ってたんだ!?」
( ^ω^)「言ってなかったっけ? そうだお、だから昨日、あれだけ戸惑ったんだお。
それはいいとして、早く先に進むお」
- 25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 18:45:38.48 ID:GlB+BK850
- しえ
総合スレどこ?
- 26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 18:46:27.51 ID:aXPaXBAmO
- ツンちゃんぺろぺろ支援
- 27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 18:49:05.39 ID:vhi3F4050
- もうはじまってた
支援
- 28 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/25(木) 18:49:50.20 ID:u4tH23zq0
- 森を抜けた先は、草原がどこまでも広がっていた。
草原は人の手が一切入れられてないらしく、街道などの道らしき道は無い。
遠目には山が見えるが、山肌は深い緑色である。
このくらいの自然なら自分の世界にも存在していた事があると、
ブーンは昔受けた歴史か何かの授業を思い出した。
しかし、ここはやはりファンタジーの世界だった。
凶暴そうな外形を持った四足の獣の群れは、虎などとは懸け離れた外形を持つ。
全身が岩石のような物で出来ている牛は、NYのビルよりも大きい。
更に、それよりもずっと大きな植物的な巨人は、頭と肩に化物鳥の巣すら持っている。
ξ;゚听)ξ「ここ、凄いわねえ……」
( ^ω^)「あれ? てっきりああいう化物は見慣れてるのかと思ってたお」
ξ;゚听)ξ「あんな馬鹿でかいモンスターがいる所に人なんか住めないわよ。
エスカルの冒険記で知っただけで、アタシも実際に見るのは初めて」
ξ゚听)ξ「この辺りに街なんて本当にあるんですか?」
スネーク「だから地下にあるんだ」
ξ;゚听)ξ「あ、そっか!」
- 29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 18:50:03.14 ID:y7A0j5a+0
- >>25
ほい
http://raicho.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1290678574/
- 30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 18:50:45.94 ID:8mP9Q2E1O
- 全部読んできて予習は万全!
イトーイもスネークも把握w
全力でイトーイするぜッ!
- 31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 18:51:02.25 ID:Bz46H3lE0
- ドラゴンよりよっぽど強そうじゃねえか
- 32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 18:52:20.05 ID:k/iTp37bO
- しえ
- 33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 18:55:33.56 ID:luNny6d30
- 凶暴性が薄いのかね
- 34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 18:55:38.81 ID:GlB+BK850
- >>29
さんくす
そしてしえ
- 35 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/25(木) 18:55:53.26 ID:u4tH23zq0
-
スネーク「しかしお前ら」
( ^ω^)「なんだお?」
スネーク「どこまで着いてくる気だ?」
再出発してから30分は経った頃。
閉鎖都市を知られたくないスネークは露骨に嫌がった。
( ^ω^)「だとよツンさん」
ξ゚听)ξ「んな事言われても、こっちなんだから仕方ないじゃない」
( ^ω^)「だとよオッサン」
スネーク「鍵を落とすにしても場所を選んで欲しいもんだ」
( ^ω^)「まったくですな」
アンタはお黙り!ξ#゚听)三○)ω^) お前ほんとに別のツンかおおおお!?
(;^ω^)「うう、頭に響くお……まあ僕は異世界の人間だし、
ツンはこことは裏側に位置する場所に住んでるみたいだし、別に
街の場所を知られたっていいじゃないかお」
スネーク「ううむ……まあ、いいだろう……」
- 36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 18:59:13.26 ID:8mP9Q2E1O
- どーでもいいが、こっちのツンはブーンを殴って手が痛くなったりしないんだろうかw
つかダメージ与えられるほど殴って手が無事なのかw
イトーイ支援
- 37 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/25(木) 19:01:59.07 ID:u4tH23zq0
- 鍵に近づくにつれ、それまで漠然と北だと認識していたツンの感覚が一新される。
遂に特定の場所を把握する事が出来ると、ツンはとある山を指さした。
長い鍵捜索もいよいよ終わりか。
しかし、そう喜んだのはブーン唯一人であった。
スネーク「……まさかと思うがお嬢ちゃん、鍵はどの辺りに感じている?」
ξ;゚听)ξ「山の下……ブーン、アンタの武器で山って掘れる?」
( ^ω^)「あの山の下か……出来るけど鍵ごとぶっ飛ばすかも」
ξ;゚听)ξ「でもそうしないと鍵取れないわよね……ちょっとやそっとじゃ
壊れないけど、アンタの力だと不安かも……」
スネーク「……あの下だ、俺の街は」
ξ;゚听)ξ「え!?」(^ω^;)
スネーク「あのマウンテンニューヨークの下に隠れているんだ、セントラルは。
まさかと思ったんだが……仕方ない、俺から入国を頼んでやる」
- 38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 19:03:54.55 ID:8mP9Q2E1O
- お約束イトーイ
- 39 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/25(木) 19:08:37.61 ID:u4tH23zq0
- 麓まで辿り着くと、スネークは山の入り口前でバイクを停止した。
入り口は人が上りやすいように道が整備されているが、
あまり人間が歩いた様子は無い。
万が一に来訪者が来た時の為のフェイクだろう、とブーンは察する。
スネークは腰にぶら下げたバックパックから小さな魔導機を取り出し、
それを右耳にあてがった。
スネーク「こちらスネーク、エレベータを上げてくれ」
数十秒の後、物々しい作動音と共に山の入り口に穴が生じた。
穴から覗けるのは、勾配が緩やかな下り坂だ。
そこを下った先に幾つかの輝点を放つ床を確認できる――あれがエレベータだろう。
スネーク「これから国のお偉いさん方に事情を説明する事になるだろうが、
お前達2人なら問題なかろう」
( ^ω^)「どういう意味だお?」
スネーク「来れば分かる」
そう言ってスネークは先に下りて行った。
ブーンとツンは顔を合わせて首を傾げてから、スネークに続いた。
- 40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 19:09:56.65 ID:UQmITfI4O
- やっとVIPこれたー
支援!
- 41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 19:13:03.94 ID:8mP9Q2E1O
- イトーイ支援
- 42 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/25(木) 19:13:37.24 ID:u4tH23zq0
- エレベータの発着場まで下りると、スネークがバイクを降りて待っていた。
スネークにならってブーンとツンはバイクを降りる。
慣れた手付きでスネークは操作盤らしき物を操作すると、
それに備えてあるテレビジョンにメガネをかけた男が映った。
『やあスネーク! 魔力採取の任、お疲れ様……って、スネーク!?
後ろの2人は誰なんだい!? 一人はウチの戦士に見えなくもないが、
もう一人は明らかに異国の人間じゃないか!』
スネーク「そう慌てるなオタコン。俺もここのルールは遵守しているつもりだ。
今回は複雑な事情があって入国させざるを得なかったんだ」
オタコンと呼ばれたメガネの男は、見るからにツンを怪しんでいる。
オタコン『しかしだねえ……』
スネーク「この男は魔導戦士に準ずる存在でな。
魔導機に似た武器や技術を持っているんだが、見てみたいとは思わんか?」
オタコン『そうなのかい? そりゃ……見てみたいけど』
スネーク「とにかく、陛下との謁見を設けてくれまいか、友よ」
オタコン『君がそうまで言うなら……分かった、陛下にはうまく言っておく』
- 43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 19:14:02.84 ID:luNny6d30
- オタコンktkr
- 44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 19:15:16.83 ID:GVSgtLHX0
- 支援
- 45 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/25(木) 19:16:16.73 ID:u4tH23zq0
-
ξ;゚听)ξ「わっ!? 床が動いた!?」
エレベータが動き出すと、ツンは驚いた。
ブーンは笑いながら得意気に彼女に話しかけた。
( ^ω^)「こんなの僕の世界じゃ日常茶飯事だお。
ここは、僕の世界と少し似ているみたいだお」
ξ;゚听)ξ「ふーん……凄いわね。動く床かぁ、便利そうねぇ」
( ^ω^)「でも、ツンも魔法で色々出来るんだお?」
ξ゚听)ξ「このくらいの事は出来るけど、一々床動かしてたんじゃ疲れちゃうわよ」
ξ゚听)ξ「それにしても、世界って広いのね。
自分の世界のはずなのに、別の世界に来てるみたい」
( ^ω^)「アンノウンを倒したら、皆で旅行にでも行くといいお」
ξ゚听)ξ「……そうね」
- 46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 19:17:02.69 ID:8mP9Q2E1O
- まさかのハル・エメリッヒ支援
- 47 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/25(木) 19:20:54.23 ID:u4tH23zq0
-
スネーク「これからセントラルの皇帝陛下に謁見する」
エレベータが3人を地下深くまで運び終えると、スネークが緊張した面持ちでそう告げた。
ξ゚听)ξ「王様に? わざわざそんな事しなくても、こっちは
鍵見つけたらとっとと出て行くのに。勿論ここの事は口外しませんし」
スネーク「そうもいかん、ここの決まりだ。
外部からの人間を無断で入れたのがバレれば俺は当分の間減給、
君達は侵入者と見なされ銃殺される。それはお互い良くないだろう?」
スネーク「もっとも、陛下は謁見の最中に銃殺を命じるかもしれないがな」
ξ;゚听)ξ「そ、そんな!」
スネーク「なんとか事情を飲み込ませて了承してもらおうじゃないか。
陛下こそ傲慢で癖があるというか自由奔放というか……でも住民の方は人間が出来ている。
科学者の間じゃ偉い友人に進言してもらうし、何とかなるさ」
( ^ω^)「色々すまないお、オッサン」
スネーク「成り行きだ、仕方あるまい」
- 48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 19:26:54.89 ID:8mP9Q2E1O
- まさか、こ う て い ?
支援
- 49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 19:27:50.32 ID:luNny6d30
- ウボァー
- 50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 19:28:19.54 ID:UsHKSS8z0
- 支援
- 51 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/25(木) 19:29:17.63 ID:u4tH23zq0
- 一同はバイクでエレベータの発着場を出て、広大な駐車場へ。
そこには何台ものバイクの姿があったが、スネークは
バイクを停めずにそのまま奥へと進んだ。
駐車場の出入り口を抜けると、
とてもここが地下だとは思えないくらい巨大な空間に出た。
金属的な物質で作られた道路や建物が存在し、
道路には車やバイクが走り、歩道にはスネークと近い服装をした人間が歩いている。
信号機に似た表示で交通は整理されている……本当に、地下都市だ。
ここまで自分の世界に似通っていると、ブーンは驚きながらも
自分の世界に帰ってきたかのような感覚に陥るのだった。
「何あの子? もしかして外から来た子なのぉ?」
「だっさーい、何あの格好。どこの田舎から来たのよ」
ξ;///)ξ「なによ……あっちの方が変な格好じゃない……」
嬌声を上げている女性や子供も、スネークと似たような格好をしている。
ツンはすぐに視線の的になってしまった。
彼女は恥ずかしさから、顔を深く俯かせた。
(;^ω^)「そんなもんだって。文化の違いだお」
( ^ω^)「それにしても凄い街だお。僕の世界とも引けをとらないお」
- 52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 19:30:54.99 ID:vhi3F4050
- 陛下=イトーイ
- 53 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/25(木) 19:33:02.45 ID:u4tH23zq0
-
ξ゚听)ξ「やっぱりブーンの住んでいる所と似てるの?」
( ^ω^)「よく似てるお。笑っちゃうくらいだお」
スネークの背を追う事を忘れないが、ブーンは街によく目を奪われた。
街頭テレビ付きの高層ビル、ブティック、飲食店。
ディティールと様式はブーンの世界とは懸け離れているが、
いずれも洗練されてある以上、“現代的”か“近未来的”と言う他無い。
例えばテレビジョンの解像度は非常に高く、美しい映像を提供している。
その映像自体――今見ている物は音楽のビデオを流している――、
特殊な撮影方法と処理で作られているのではないか、とブーンが想像できる程だ。
本当にもう一つの『セントラル』なんだ、とブーンはようやく実感した。
大きなスクランブルに差し掛かると、
「←第一研究プラント、↑王宮、→セントラルパーク」
と、光の文字でそう描かれた看板を発見する。
スネークはそのまま直進して王宮へと向う。王との対面は近いようだ。
( ^ω^)(王……傲慢で癖のある王かお……)
事を構えなければ良いのだが……。
不安を覚えたブーンは、何となくバイクをスネークの横に付けた。
- 54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 19:34:14.39 ID:luNny6d30
- 支援
- 55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 19:35:48.06 ID:pvEvGDPa0
- 傲慢で癖のある人間といえばアイツか
支援
- 56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 19:35:50.00 ID:bTEQTsG1O
- 支援
- 57 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/25(木) 19:37:08.19 ID:u4tH23zq0
- セントラルは実に広く、機械仕掛けの王宮が見えてきたのは
看板を確認してから20分の事だった。
信号機と速度制限で交通整理されている為もあるが、それを差し置いても長い道のりであった。
渋滞は無かったがかなりの数の車両が走っており、
歩道では所狭しと人々が歩いていた。
中央エレベータを幹に幾つかの層を持つ……という構造ではないが、
この『セントラル』も恐らく何十万何百万という人間を抱えているのだろう。
王宮は魔導機を搭載しているものの、全体像はブーンの知る中世の城に似ている。
大理石を思わせる純白の壁と柱に、光を放つ点や管、公務を知らせる
光の掲示板などが埋め込まれている。
十字路を左へ、王宮の入り口へ通ずる道に。
しかし、その道は中程で遮断されていたのだ――武装した大勢の兵士だ。
急停止する3人。
スネークはバイクを降り、兵士達の先頭に立つ白衣の男の方へ歩み寄った。
その男とはエレベータのテレビジョンで見た人物、オタコンである。
オタコン「すまない。王宮には入れたくないって言うもんで……陛下もここに来る」
スネーク「ふん、こちらとしても有難い。あの悪趣味な王宮には入りたくないからな」
- 58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 19:37:38.47 ID:UQmITfI4O
- 支イトーイ援
- 59 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/25(木) 19:40:20.25 ID:u4tH23zq0
- ブーン達2人はバイクを下りようとしなかった。
いつでもこの場から逃げ出せる為にだ。
エンジンも切ろうとしないのは、彼等が銃口を向けているからである。
( ^ω^)(ツン、鍵はどこだお?)ボソボソ
ξ゚听)ξ(この近く……いえ、近づいて――)ボソボソ
「皇帝陛下の御成ぁぁぁりぃぃぃぃぃ!!」
『ジーク・カイザー! ジーク・カイザー!』
ツンの言葉を、男達の野太い叫び和声が掻き消した。
『ジーク・カイザー! ジーク・カイザー!
ジーク・カイザー! ジーク・カイザー!』
- 60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 19:42:04.55 ID:8I0MRXoxO
- ジークイトーイ!
- 61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 19:43:48.38 ID:8mP9Q2E1O
- ジークカイザー支援イトーイ
- 62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 19:43:58.46 ID:uGQFOjtp0
- イトーイしか考えられない!!
- 63 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/25(木) 19:45:07.34 ID:u4tH23zq0
-
「あいつらが外界の人間かお!!」
オタコン「はっ。男は魔導戦士に酷似していますが、確かに外界の者のようです。
女の方は見てくれの通り、遠方からやって来た魔術士だそうです」
「ふーん……」
王はずかずかと大股開きでブーン達に近づいた。
スネーク、オタコン、複数の兵士が後に続く。
ィ'トー-ィ、
以`゚益゚以「余がセントラル第16代皇帝、イトーイ増井だお!」
ガイル「執務官のガイルでございます」
『ハイル! イトーイ!! ハイル! イトーイ!!』
( ω ) ゚ ゚
現れたのは、何処かで見た事がある顔の王と、
執務官と名乗る男に関しては確実に「もう一人のガイル」だった。
DJテーブルのような髪型的にも。
- 64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 19:46:03.68 ID:uGQFOjtp0
- はい出たwwwwww
- 65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 19:46:10.91 ID:8mP9Q2E1O
- イトーイktkr
- 66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 19:46:23.60 ID:luNny6d30
- マジでイトーイwwwwwwwwwwwwwwwwww
- 67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 19:47:08.75 ID:Bz46H3lE0
- イケメンも市松人形もだおだおうっせえwwwwwwwww
- 68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 19:47:11.44 ID:uGQFOjtp0
-
ようやく、イトーイの出番かお……!
ィ'ト―-イ、 /\ /ヽ
以`゚益゚以 ヽ、 lヽ' ` ´ \/l
,ノ ヽ、_,,, ヽ `' /
/´`''" '"´``Y'""``'j ヽ | _ノ ̄/ l
{ ,ノ' i| ,. ,、 ,,|,,. 、_/´ ,-,,.;;l .l / ̄ / |
'、 ヾ ,`''-‐‐'''" ̄_{ ,ノi,、;;;ノ l  ̄/ / |
ヽ、, ,.- ,.,'/`''`,,_ ,,/ ヽ. /__/ .|
`''ゞ-‐'" `'ヽ、,,、,、,,r' |. レ
,ノ ヾ ,, ''";l | / ̄/ l
./ ;ヽ .|. / ゙ー-; l
.l ヽ,, ,/ ;;;l | / /ー--'゙ |
| ,ヽ,, / ;;;| .|. /_/ |
| ,' ;;;l l ;;'i, ;| |. _ |
li / / l `'ヽ, 、;| / / / l
l jヾノ ,ノ ヽ l ,i| / / / ヽ
l`'''" ヽ `l: `''"`i `l / / l
.l ,. i,' } li '、 ;;' | |  ̄ ヽ
l ; j / _, -― ' ̄ ̄`ー‐-、_ | ノ ̄/ /´
, .--、,,__,,-' ̄;;"`´ ;; __ __, -―- 、;; ̄`l / ̄ / |
;; ,__ ;;' r ' ´;;; ヽ_ゝ_;;| lヽ, / .  ̄/ / |
;, Y´| l __ /`'| | | l l;| l ヽ l . /__/ /
| |.;;l_,-'l | V | |.l .| .| l i i | ;lヽ| l
|.| ''.|/ l |;;;| | | | ;| | | ;l l| i ;;;; l | l !! /ヽ │
;; i / .il /| |.| | | i | | l i '`i l /  ̄\/ ̄ ヽノ
- 69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 19:47:22.13 ID:pvEvGDPa0
- イトーイとガイルかよwwww
- 70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 19:48:22.33 ID:uGQFOjtp0
- 執務官のガイルでございましたかwwww
- 71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 19:48:40.61 ID:8mP9Q2E1O
- >>68
パンツぐらい履けよバーカ
byサービス
- 72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 19:49:14.02 ID:bTEQTsG1O
- イトーイwwwwwwwwwwww
- 73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 19:49:40.35 ID:uGQFOjtp0
- ハイルイトーイ!!ハイルイトーイ!!
- 74 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/25(木) 19:50:06.85 ID:u4tH23zq0
- ξ;゚听)9m「ああああああああああ―――――ッ!!」
ィ'トー-ィ、て
以;゚益゚以そ「な、なんだお!? いきなり余を指さして大声出して!
ってか無礼だお! 無礼すぎるお!!」
ガイル「ええい無礼者め! 陛下! この者を銃殺刑に処しますか!?」
ξ;゚听)ξ「そそそ、その胸に下げてる水晶!」
ィ'トー-ィ、
以;゚益゚以「な、なんだお……これが何だってんだお?」
(;^ω^)「まさかツン……もしかしてあの水晶が……」
ξ;゚听)ξ「そうよ! なんでアンタが持ってるのよ!?」
ガイル「こここここッ! 言葉を慎みなさいッ! 無礼ですぞッ!」
スネーク「皇帝陛下の御前だぞ……上手くやりたいならバイクから降りろ」
怒り狂う執務官を見て、すかさずスネークが2人に耳打ちした。
ξ;゚听)ξ「し、失礼しました……」
(;^ω^)「失礼しましたお」
- 75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 19:50:22.29 ID:UQmITfI4O
- イトーイwwwwww
- 76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 19:51:48.84 ID:8mP9Q2E1O
- イトーイ支援
- 77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 19:52:53.21 ID:uGQFOjtp0
- 傲慢で癖のある王だwww
- 78 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/25(木) 19:54:53.73 ID:u4tH23zq0
- 2人は慌ててバイクを降りる。
その際、ツンが魔法を使って宙に舞うと、
皇帝を含めセントラルの人々は声を上げて驚いた。
スネークが言った通り、ここは魔法とは無縁の国のようだ。
ブーンとツンは潔く跪いた。
ξ;゚听)ξ「その、皇帝陛下。私めにその水晶をお返しして頂けませんか?
それが無いと私達、とても困るんです」
ィ'トー-ィ、
以;゚益゚以「ええー……これ余が庭で拾ったんだけど。超気に入ってるんだけど」
オタコン「陛下、彼等にも深い事情があるようです。
彼等の経緯をお聞きになられては如何でしょう? 退屈しないと思いますが」
ガイル「陛下! 外界からの侵入者は銃殺するのが掟! 話を聞く必要など、」
ィ'トー-ィ、
以`゚益゚以「聞くお! 面白いなら余は聞きたいお!!」
ガイル「イトーイ様!?」
ィ'トー-ィ、
以`゚益゚以「ガイル、お前ちょっと椅子になれ」
ガイル「ははーッ! ただちにッ!」
- 79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 19:54:57.87 ID:psMuhd8A0
- ハイル! イトーイ!! ハイル! イトーイ!!
- 80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 19:56:00.18 ID:UQmITfI4O
- なんという安定感wwwwww
- 81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 19:56:23.01 ID:Kz/x2qVb0
- イアイアイトーイ・・・
イアイアイトーイ・・・
- 82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 19:57:02.60 ID:ieGUzsSLO
- 何だかすごく安心するwwwww
- 83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 19:58:53.74 ID:Kz/x2qVb0
- 皇帝バラせば、ブラックドッグもう一台完成するんじゃね?
- 84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 19:59:06.24 ID:8mP9Q2E1O
- ガイル椅子かよw
- 85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 20:00:09.49 ID:pvEvGDPa0
- なんちゅう皇帝だwww
- 86 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/25(木) 20:01:15.81 ID:u4tH23zq0
- ※
ィ'トー-ィ、
以`゚益゚以「聖剣とアンノウン、召喚士……そして異世界からの来訪者、かお……」
_( つoと)_
\ U U/
(┓━ )TL
ィ'トー-ィ、
以`゚益゚以「にわかには信じ難い話だけど、そこの戦士は
確かにセントラルの魔導戦士ではないんだお?」
オタコン「はっ。彼が身に付けている物を改めましたが、全て
セントラルが開発した魔導兵器ではございません」
ξ;゚听)ξ「お願いです。水晶が無いと、今日中に奴の根城に行けないんです」
ィ'トー-ィ、
以`゚益゚以「……条件があるお」
( ^ω^)「条件?」
ィ'トー-ィ、
以`゚益゚以「お前等2人の身体を調べさせて欲しいお!」
ξ;゚听)ξ「身体ァ!?」(^ω^;)
ィ'トー-ィ、
以`゚益゚以「だお! 聞けばツンは召喚士という我が国にとっては希有な存在!
そしてブーンは異世界の魔導戦士!
セントラルにとって、この上無い研究資料と言えるお!」
- 87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 20:02:51.34 ID:uGQFOjtp0
- ガイルwwwwwwwwwwwwww
- 88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 20:03:25.56 ID:UQmITfI4O
- やっぱり頭に座るんかwwwwwww
- 89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 20:04:45.27 ID:Kz/x2qVb0
- 黒い鎧が、数メートル離れた地点から、こちらを見ている。
2メートルを大きく越えた、黒尽くめの長身。
その全身が漆黒の金属に固められ、
「元の姿形」をイメージさせる鋭利なフォルムを、頭部から爪先まで施されている。
頭部は「バイクのフロントボディ」を想起せざるを得ない、
犬科のような尖った口先を持っているように見え。
こめかみから後頭部に伸びた突起は、その耳のようである。
両肩に、巨大な砲門を搭載している。
背、腰の辺りから、長い柄のような物が4本伸びている――尾のように見える。
何故、立っている。
両足は破壊したはずだ、なのに何故その脚を地に下ろしているのだ!?
銀色の鋭き眼光と共に、動かないはずの左腕を動かし、
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以 「ガイル、お前ちょっと椅子になれ」
- 90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 20:04:52.08 ID:8mP9Q2E1O
- 時間ねーのにw
(ω・`)つ*と) このガチホモのケツで我慢してくだされ
- 91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 20:05:44.29 ID:9T69stNCO
- 支援イトーイ
- 92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 20:05:45.56 ID:uGQFOjtp0
- >>89 本編かと思ったわwwwwwwwww
- 93 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/25(木) 20:09:00.92 ID:u4tH23zq0
- ξ;゚听)ξ「でも、鍵は夕方にしか使えないので、」
ィ'トー-ィ、
以`゚益゚以「だから調べるのは夕方のちょい前までだお!
時間になったら水晶は返してやるお! これでどうだお!? だおだお!?」
ξ;゚听)ξ「……痛くなんかしませんよね?」
オタコン「そ、そんな手荒な事しないよ! 魔法を使ってみたり、
少し武器の構造を見せてくれるだけでいいんだ!」
ξ;゚听)ξ「そのくらいなら……じゃあ早速っ――」
オタコン「ああ、待って待って。それは研究所の方でやるからさ、
それに準備もあるし、準備が終わるまで街でも見てきなよ。
あ、でも銃の一つくらいは先に貸してもらおうかな」
「構いませんお」と、ブーンはBlueBulletGunをオタコンに手渡す。
オタコン「ありがとう! っと……よろしいですよね? 陛下」
ィ'トー-ィ、
以`゚益゚以「別にいいんじゃね? アンノウン倒してくれるんだし」
ガイル「陛下! こ奴等はアンノウンの手先かもしれませぬぞ!
人間を根絶やしにする為に送られてきた兵かもしれませぬ!」
ィ'トー-ィ、
以`゚益゚以「うるせえなテーブル頭が。減俸すんぞ」
ガイル「くつろぐがよい客人達よ」
- 94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 20:09:11.54 ID:luNny6d30
- >>92
引用だからなぁ
- 95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 20:10:23.35 ID:bTEQTsG1O
- ガイル弱いwwwwwww
- 96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 20:10:25.32 ID:uGQFOjtp0
- ガイル権力に屈しすぎだろwwwww
- 97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 20:10:33.31 ID:luNny6d30
- ガイル手のひら返しすぎワロタ
- 98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 20:10:58.11 ID:pvEvGDPa0
- こっちのガイルは情けないwwww
- 99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 20:11:05.57 ID:dV0b9FhnO
- ガイルwwwwwwww
- 100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 20:11:29.39 ID:8mP9Q2E1O
- ペロ……このガイルの中身はドクオだ。食べられないよ
- 101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 20:14:24.13 ID:vhi3F4050
- ガイルwww
- 102 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/25(木) 20:14:31.86 ID:u4tH23zq0
- ィ'トー-ィ、
以`゚益゚以「さて、話もまとまったし、謁見終わるお。お腹減ったお。
おらガイル! さっさと我がマスイ宮殿に帰るんだお!!」
ガイル「はっ!!」
ガイルはテーブルのような頭に皇帝を乗せたまま、王宮へと這いずった。
なんとも低速な動きであるが、兵士達は「ジーク! イトーイ!」と叫びながら皇帝の後に続く。
スネークの忠告の通り傲慢で癖のある王のようであるが、兵達の忠誠は厚いらしい。
オタコン「さて、と」
その場に取り残されると、まずオタコンが始めた。
オタコン「じゃあスネーク、街の案内でもしてあげなよ」
スネーク「そうだな」
バイクを取りに行くスネーク。
彼が離れると、ツンはオタコンに尋ねた。
ξ゚听)ξ「スネークと仲がいいんですね」
オタコン「うん? ああ、そうだね……知り合ったのはつい最近だけど、馬が合うんだ」
( ^ω^)「へえ、最近なんですかお。てっきり旧知の仲かと」
- 103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 20:15:46.74 ID:aXPaXBAmO
- ガイルいいキャラしすぎだろwwwww
- 104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 20:16:31.49 ID:luNny6d30
- 今アーマーブーンになったら兵はどうするんだろうか
- 105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 20:17:04.72 ID:Kz/x2qVb0
- イトーイ馬鹿にすんな、実際はこうなんだぞ
http://www.geocities.jp/local_boon/boon/Hunt/image/taosu_comp.jpg
- 106 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/25(木) 20:19:33.41 ID:u4tH23zq0
- オタコン「うん。彼と会ったのは迷いの森の中だった。
彼は重傷を負っていてね。すぐにセントラルに運んで治療したんだけど、
彼の身体は魔導機化を施さなければ助からないほど深刻だったんだ」
オタコン「それで彼は無事に意識を取り戻したんだが――」
スネーク「おいオタコン、勝手に余計な話をされては迷惑だ」
いつの間にか出発の準備を終えたスネークが、オタコンの背後から割って入る。
オタコン「あ、ああ、すまない……じゃあ、後ほど連絡するよ」
スネークが急に走り出したものだから、ブーンとツンは軽くお辞儀をして挨拶を済まし、
すぐにバイクに乗ってスネークを追った。
オタコンは、そんな慌しい3人に手を振って別れを告げた。
オタコン「……君の記憶が戻ろうとも戻らなくとも、
君が良い奴である事には変わりないよな、スネーク」
__
- 107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 20:19:51.26 ID:8mP9Q2E1O
- >>105
それはアーマーブーンです
- 108 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/25(木) 20:23:42.42 ID:u4tH23zq0
- ※
スネークの案内の仕方は素っ気無かったが、
特にツンは街を眺める事を退屈だとは思わなかった。
ブンゲイ南部で見た黄金の海の美しさは未だ鮮烈に記憶しているが、
セントラルの人工的な光の魔術もそれと劣らず美しく見えた。
バイクで一通り街を回り終えると、スネークは自分の行き付けのカフェに
2人を案内した。ここは珍しく木造で、ここでは田舎臭いとされる
ツンの格好の方が店に映えているとブーンは思う。ツンも落ち着きを戻したように見える。
ξ゚听)ξ「ピポザルの赤水晶の魔力って、色んな事が出来るんですね」
スネーク「まあな。ただ赤水晶だけでなく、ミスリルも重要な素材として重宝されている」
( ^ω^)「ミスリル? 迷いの森に来る前、僕達ミスリル山を見てきたお」
スネーク「あそこを通ってきただと!? 守護者に遭遇しなかったのか?」
( ^ω^)「ああ、あの金色のドラゴンなら倒しちまったお」
スネーク「……なんて奴だ。あの難敵を倒すとは……」
ξ;゚听)ξ「もしかして、あの竜を殺すのはいけない事でした?」
スネーク「逆に感謝するくらいだ、お陰で採掘が楽になるからな。
しかしますます、お前が異世界の人間という事が現実味を帯びたなぁ」
- 109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 20:24:53.01 ID:PciMYBj90
- しえん
- 110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 20:27:19.04 ID:8mP9Q2E1O
- てか確かアーマー化しないで倒してたよな。
ギコ太郎>>>(越えられない壁)>>>ドラゴンというコトか……
- 111 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/25(木) 20:27:56.43 ID:u4tH23zq0
-
( ^ω^)「なんだ、アンタまだ信じてなかったのかお?」
スネーク「そうじゃないが……お前だって、お嬢ちゃんが異世界から来たと
聞かされた時、すぐには信じられなかったろう?」
( ^ω^)「そうかも。あの時は時間が停止してたから信憑性があったけど、
そうじゃなかったら、ただのかわいそうな子、としか思わなかったはずだお」
ξ;゚听)ξ「おいっ」
ξ゚听)ξ「あ、ねえスネークさん。あの、ほら、あれさ、」
「えーと……」、と上手く説明出来ず、ツンは「あれって何?」と人差し指で指す。
彼女が示したかったのは街頭テレビだ。
スネーク「テレビジョンだな。内容は君も知ってるだろう?」
ξ゚听)ξ「そりゃもう! 有名な御伽話よね。子供の頃に散々聞かされたもん」
( ^ω^)「へえ、あれって、この世界の御伽話なのかお」
ξ゚听)ξ「うん。この世界の人なら知らない人はいないってくらい、有名なお話」
一同は会話を一度切り上げ、テレビジョンに注目する。
- 112 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/25(木) 20:32:09.26 ID:u4tH23zq0
- 内容はこうだ。
『かつて、この広大な世界は人と魔による二つの勢力に分かれ、凄惨な争いを繰り広げた。
血を吸い紅く染まった木々と土。火で葬られた死者の悔念が暗闇の雲と成り、大いなる太陽を隠した。
魔族の長である凍れる魔王の名を捩り、世は“氷河期”と題される暗黒の時代を迎えたのだった。
しかし、神秘的な光が空を覆っていた暗闇を払い、大地は再び暖かみを取り戻した。
“光の勇者シースルー=インビジブル”一向が、凍れる魔王ロマネスク=エル=ディアブロを倒し、
戦局的優位に立った人々は魔族と和平協定を取り付けたのだ。
それが今日まで続いている黄金の時代の幕開けである。
さて、協定締結から1000年目となる今年は、
魔導国家セントラルの建国が1000年目を迎える記念すべき年でもある。
かつての勇者の仲間であるセントラル初代皇帝クックル・増井が
魔法を使えない者の為に魔導機を発明したのがセントラルの始まりであり――」
ξ;゚听)ξ「え、ええ!? クックル・増井って、もしかして魔王との戦いで消息不明になった、
あのマスター・E・クックルのこと!?」
スネーク「ああ。勇者シースルーの伝説は御伽話じゃないんだよ。
歴史上の戦いが本当にあったんだ。名をクックル・増井と改めた初代皇帝が
建国したこのセントラルは、歴史と彼等勇者達の存在を証明する史跡でもあるのさ」
- 113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 20:34:39.81 ID:8mP9Q2E1O
- クックル益井支援
- 114 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/25(木) 20:35:25.18 ID:u4tH23zq0
-
ξ;゚听)ξ「……冒険者エスカルはこんな街を見たなんて一行も書いてない。
彼がこの秘密都市を発見していれば、歴史は変わってたのかもねぇ」
この世に生を受けて十余年、世界の真相を知ったツンは
開いた口が塞がらず、ぼーっとテレビジョンを見つめている。
反して異世界の歴史にピンと来ないブーンは、映し出された勇者の肖像画を
見て「勇者って割にはスマートすぎる。どこぞのゲームかお」と胸中にごちる。
( ^ω^)「あ、ところで、オッサン」
スネーク「なんだ?」
( ^ω^)「さっき、オタコンさんが言っ――」
『――――……界の戦士よ……――――』
前触れ無く、セントラルに地鳴りのような薄気味悪い声が響く。
発生源は街の天井の辺り。誰もがそこに目を向けると、
どす黒く染まった空気が渦を巻いている。
(;^ω^)「うおっ!? 急にバカでかい音で何だお? 建国記念のイベントかお?」
スネーク「いや、祝祭は明日の予定だが」
ξ; )ξ「う、嘘でしょ……?」
( ^ω^)「ツン?」
- 115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 20:37:28.68 ID:8mP9Q2E1O
- イトーイ支援
- 116 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/25(木) 20:39:35.98 ID:u4tH23zq0
- ξ; )ξ「この声は……アイツの……」
『……――我は、アンノウン――……』
(;^ω^)「あ、アンノウン!?」
瞬間、轟音と共に渦の中心に大穴が開く。
(;^ω^)(いきなり本命のお出ましかお……こんなの聞いてねーお、ツン。
しかしこんな大規模な空間湾曲を起こすなんて……魔力ってやつかお?)
大穴の向こうでは暗闇の空に漆黒の雷が鳴り響いており、誰もが不吉を予感した。
寒気がするのは気のせいではなく、大穴から流れる瘴気が体温を奪っているのだ。
『異界の戦士よ……漆黒の戦士よ……』
(;^ω^)「なっ……僕の、ことかお……?」
渦から出現したのは、巨大な人間の左手だった。
左手は街の中心である王宮の辺りに降りると、蒼白な肌の下で血を
ぶくぶくと沸かせ、五指をそれぞれあらぬ方向へ曲げながら痙攣した。
焼き石のように赤く肌が染まってゆき、それに同期するようにして
手そのものが見る見る膨れ上がってゆく。
異常な光景。そして、『アンノウン』と、確かに声はそう名乗りを上げた。
「世を混沌に陥れようとする恐怖の存在が、遂にこの閉鎖都市に…!?」
恐慌に陥った市民は他人を押し倒し、殴り、ひたすら我が身を案じて街を奔走した。
- 117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 20:41:37.37 ID:oF3lPa9V0
- シースルーはまさかしぃさん?
クックルとセットってことは大麻のごり押しだろwwww
- 118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 20:42:01.80 ID:3HyJTKef0
- 街狩りパートが一番面白いわ
アルファは読者補正があるとして大麻とペルソナは大丈夫か?
ハードル上がりすぎと思うが…
- 119 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/25(木) 20:43:36.01 ID:u4tH23zq0
-
スネーク「若いの! お嬢ちゃん! 臨戦態勢を取れ!」
スネークの怒鳴り声で奪われていた冷静さを取り戻すブーンとツン。
ブーンとスネークはバイクに跨り、ツンは杖を構えた。
気づけば街は騒然としていた。
市民は逃げ惑い、セントラルの全戦闘員が「左手」に銃口を向けている。
ξ;゚听)ξ「あれ、やけに馬鹿でかくなってるけどアンノウンの手に違いないわ。
何をする気なの……?」
スネーク「何にしろ、無事ではすまんだろうな」
(;^ω^)「撃たないのかお!?」
スネーク「ダメだ。対象が王宮の上空にある為、発砲許可が下りん」
スネークが言う通り、司令官は王の身を案じて攻撃命令を出せずにいたのだ。
たった今、戦闘員が王の救出作戦を展開し、王宮に突入したとの情報が入ったが。
- 120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 20:43:58.72 ID:gDfgANyeO
- まだまだ読みかけ支援
- 121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 20:44:22.58 ID:UXG0YFZYO
- マスター・E・クックル→・∈・→゚∈゚
深い…
- 122 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/25(木) 20:45:11.85 ID:y7A0j5a+0
- >>118
大丈夫だ、問題ない
- 123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 20:46:25.49 ID:Kz/x2qVb0
- ペルソナwwwwwwwwwwww
- 124 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/25(木) 20:47:13.00 ID:u4tH23zq0
- それに、こうして様子を窺っている今も、アンノウンの左手は異常さを増している。
もはや針で突けば破裂してしまいそうなくらい、膨れ上がっているではないか。
これでは発砲出来る状況であろうと、迂闊に撃ってはかえって危険を被るだろう。
しかし、先に動きがあったのはアンノウンの方であった。
膨張の限界に達した左手は爆散し、五指を街の各所に突き刺したのだ。
その一つは王宮。千切れ飛んだ指が、不気味に王宮の天井にのめり込んでいる。
「陛下!」 「マスイ宮殿が!」、誰もがそう叫んだ。
そして遂に我慢の限界を迎えたのか、指への攻撃命令が司令部から発せられた。
アンノウンの指に目掛け、街中から光線が発射される。
ξ;゚听)ξ「なんでアイツ、ブーンの存在に気づいてたのよ!?
まさか、監視されてたって言うの!?」
(;^ω^)「知るか! 撃つおツン!」
そんなスネークとセントラルの動向を見て、ブーンとツンも攻撃する。
- 125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 20:47:33.59 ID:luNny6d30
- >>122
ペルソナさんなにしてはるんすかwwwwwwwww
- 126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 20:48:43.51 ID:8mP9Q2E1O
- >>122
なら俺はwktkしながらあなたの投下を待とう
支援イトーイ
- 127 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/25(木) 20:52:48.46 ID:u4tH23zq0
- が、攻撃は命中せず。
数多の銃光線は透明になった対象を通過し、内壁を抉るに終わる。
ξ;゚听)ξ「なにあれ!?」
直撃の寸前で五指は、その姿を赤い霧に変えたのだ。
赤い霧が、各所で立ち上っている。
霧に攻撃のしようも無く人々は戸惑い、攻撃は誰の命令を伴わずに止んだ。
『聖剣より選ばれし異界の戦士よ……その力、もっと見せてみろ――――』
渦から強烈な黒い閃光が迸り、街全体が包み込まれた。
その光が赤い霧に化学反応を起こしたのか、
霧はあたかも自我を持ったかのように人々を襲い始めたのだ。
(;^ω^)「ツン! オッサンもかわせ!」
咄嗟にバイクを動かし、ツンを拾い上げるブーン。
スネークと共にバイクを荒々しく操縦して霧から逃れた。
- 128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 20:55:49.68 ID:Kz/x2qVb0
- しえん
- 129 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/25(木) 20:56:41.08 ID:u4tH23zq0
- 霧は窓を割り、脆い壁ならば幾万の穴を開けて屋内に侵入し。
人々の衣服をすり抜け、または破り、肌にべっとりと付着した。
霧は目すら覆い、髪の一本一本まで赤く塗りたくった。
霧が街中を蹂躙し終えると、渦からアンノウンの低い声が漏れた。
『さあ思い浮かべるがいい……異界の戦士よ……。
貴様が真に恐怖する存在を、現象を、最大の敵を……』
それが最後の言葉か、渦が閉じた。
渦が発する禍々しい気配は消えた。
だが、ツンだけはセントラル中に充満する高い魔力を感じていた。
そして「恐らく強力な魔法が発生する」と察知していた。
(;^ω^)「真に恐怖する存在……現象……?」
ξ;゚听)ξ「バカ! 耳を貸しちゃダメ! 」
前触れ無く、半壊したカフェのドアが吹き飛ぶ。
霧に塗れて呼吸に苦しむ客達が、店外へと雪崩れた。
- 130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 20:58:00.51 ID:bTEQTsG1O
- しーえん
- 131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 20:59:45.40 ID:h0AR/VNH0
- この展開は…!
- 132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 21:12:58.83 ID:v2snbXbI0
- 再起動死ね
- 133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 21:13:09.84 ID:RYi4hDCHO
- 支援
- 134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 21:13:21.02 ID:VtacuXgx0
- 支援
- 135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 21:13:28.94 ID:GiLDL/14O
- >>122
一番いいペルソナを頼む
- 136 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/25(木) 21:14:50.38 ID:fhhuxF8Q0
- アンノウンに言われるまま、ブーンは何かを思い浮かべたりするつもりは無かった。
だがしかし、アンノウンの言葉はブーンの意識の底に根付いてしまっていた。
ブーンが霧に塗れた人々を見た時、彼の脳裏に「自分が最も恐怖する存在」が走ってしまった。
街中に蔓延した赤い微粒子が一瞬、輝いた。
( ;゚ω゚)「そ、そんな……こ、この反応は――」
人々は触媒、赤い霧は媒介。
そしてアンノウンの言霊が最後の材料たるブーンの心を操作し、
その魔法は完成となるのである。
黒水晶が映す映像を見て、アンノウンは仮面の下で薄笑いを浮かべた。
爪 ゚W〉《生命と精神は表裏一体のエネルギーだ。
聖剣の糧と成り得る精神を――異界の戦士よ、貴様が
主人公格ならば我にそれを見せてみろ》
爪 ゚W〉《ミスリルの守護者を躊躇無く殺したように、人々を化物として殺すのか、
其処から逃げ出すのか、あるいは殺されるのか……さて……》
- 137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 21:16:00.62 ID:RYi4hDCHO
- セカンドウイルス?
- 138 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/25(木) 21:16:29.19 ID:3wqTFyGv0
- >>118
一番いい支援を頼む
- 139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 21:48:26.47 ID:u9Cuw61v0
- 支援
- 140 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/25(木) 21:48:52.23 ID:vm5ZhjpA0
- 復帰したかな?
街狩りさん、お風呂に行ったようなので、すみませんがしばらくお待ちください
- 141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 21:50:10.38 ID:3sKMUgKdP
- ちゃんとメンバーはスレにいるんだねw
お風呂支援
- 142 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 21:50:15.10 ID:ID564nySO
- >>140
おk
気長にイトーイ
- 143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 21:50:33.81 ID:sNUo7L0v0
- お風呂イトーイ
- 144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 21:51:53.32 ID:6MDgshg+0
- 一人にまかせっきりにしないその姿勢に感動した
- 145 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/25(木) 21:52:05.21 ID:KBtnrkLp0
-
《ウう、うぐア、ア゙ア゙アアアアアアあああああああああ》
叫喚。カフェの店員と客だけではない。
セントラル中で、喉を切らんばかりの悲痛な叫び声が一斉に上がった。
恐怖、苦痛、快楽が交錯した感覚が全身を駆け巡り、
「自己」という感覚が排除された頃、人々は人の姿をしていなかった。
ξ;゚听)ξ「こ、こんな魔法が存在するなんて……」
知恵、記憶、理性、一部の感情を失った彼等に残ったのは、本能である。
本能――食欲や性欲と、それらを満たす為の暴力の事だ。
知恵という名の武器を失くした彼等は、知恵を持っていたからこそ
手に入れられなかった能力と機能を発現させるのだ――無尽蔵の欲求を満たす為に。
スネーク「これは……」
即ち発現するは、翼や牙といった防衛や捕食の為の機能。
ブーンが思い浮かべた「それ」は、人間をモンスターに変異させる、
凶悪獰猛なウィルス――――セカンドウィルスであった。
( ;゚ω゚)「そんなバカな……」
6年前、街で見た光景。6年の間、見続けた悪夢が現実で模されている。
ブーンは戦慄し、視界に出現したレーダーマップ上で点滅する数多の輝点を認識出来ていなかった。
- 146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 21:53:46.70 ID:ID564nySO
- これはキッツイな
- 147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 21:54:17.43 ID:sNUo7L0v0
- 帰還イトーイ
支援
- 148 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/25(木) 21:58:35.64 ID:KBtnrkLp0
-
幻覚に違いない、有り得ない、夢か何かだと思いたい……。
3人がそう願っている内、変異を遂げた人々が――セカンドが互いを喰らい始める。
発達した爪を無造作に突き刺して血と油と肉を地面に噴出させ、
血溜りと肉塊に彼等は群がり、夢中で啜った。
あるいは硬い筋繊維を牙でぶちぶちと千切り、剥き出しの腹の中に手を突っ込んで
柔らかな内臓を手に入れると、口の中に放り込んで、なんとも満足そうな表情で咀嚼した。
単なる食事ではない。生物を喰らう事で養分とDNAを摂取しているのだ。
養分を利用し、参照した情報から更なる機能を発現……。
更に得るのは機能だけではない。喰えば喰うほど、失った知恵を取り戻してゆく。
ツン・ディレイクが提唱する、セカンドウィルスの特性である。
強者が弱者を無慈悲に喰らう。
弱者もまた死を恐れず、果敢に喰らいにかかる。
その暴虐な共食いを前に、二人の戦士は攻撃するべきか迷い、少女は吐き気を催す。
ξ; )ξ「うっ!」
光景と臭いに耐え切れず、ツンが胃の中身を吐き出した。
友が吐瀉物を地面に散らす耳障りな音を聞いて、ようやくブーンが我に帰る。
――これは紛れもなく現実の光景であると。
- 149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 21:59:42.61 ID:ID564nySO
- うっへぇ……えげつねぇ……
- 150 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/25(木) 22:02:16.44 ID:KBtnrkLp0
-
( ;゚ω゚)「ツ、ツン! 大丈夫かお!?」
ξ; )ξ「え、ええ……それより、攻撃しないと!」
ツンは口を袖で拭うと、杖を握り直しながら顔を上げた。
恐怖で手足を震わせているが、双眸だけはいつに無く鋭く輝いていた。
( ;゚ω゚)「ま、待てお! 彼等は、」
今にも攻撃しそうなツンの前にブーンが立ち、ツンの杖を遮った。
が、同時にブーンも言葉を遮られる。
スネーク「罪無き人間、とでも言いたいのだろうが、そうもいかん」
スネークはブーンの肩を乱暴に掴み、ぐいとツンの前からどかした。
( ;゚ω゚)「お、オッサン!?」
スネーク「お前が最も恐れる物……アンノウンは、
お前の世界の病原体を魔法で模したようだな」
スネーク「アンノウンを倒せば人々は元に戻るかもしれない。
しかし、そんな悠長な事をしている間に病原体が蔓延してしまう」
ξ;゚听)ξ「同感ね。攻撃したほうが良さそうだわ。
なんだか連中、物凄く強そうになってるし」
ブーンとスネークも視線をセカンドの群れに戻す。
- 151 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 22:03:15.42 ID:G3HIXdWA0
- ツンちゃんぺろぺろにゲロ吐かせるなんて・・・
- 152 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 22:04:23.18 ID:6MDgshg+0
- >>151
http://boonsoldier.web.fc2.com/yasiki.htm
- 153 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/25(木) 22:06:00.72 ID:KBtnrkLp0
- カフェテリアで発生した多量の感染者も、気づけば一人となっていた。
この場の弱肉強食は、全長を4メートルまで一気に成長した異形の巨人が制したのだ。
目玉ばかりを顔中に並べた頭部を三つ、四対の長い手足、裂けた腹からは
腸を元に作り上げた触手が無数に伸びている。
数多の目玉から血を流しながらセカンドが天に吼え、
3人を捕えんと、その触手を操る。
ξ#゚听)ξ「Thunder(ツンデレ)!!」
ツンは咄嗟に杖を振り、先端から稲妻を放出させて迎撃する。
稲妻は触手を焼き、超高圧の電流は触手を伝って本体にまでその威力を及ばせた。
黒く焼け焦げた触手はドスンと重く鳴らして地面に落ち、セカンドもまた
全身から煙を上げて沈黙した。
( ;゚ω゚)「な、なんてことを……彼等は人間なんだお!?」
ξ;゚听)ξ「どこがよ!? 姿形も違えば心だって無いじゃない!
スネークさんの言う通り、あんなの放っておけないわよ!」
( ;゚ω゚)「だから! 今すぐアンノウンを倒しに行くんだお!
奴が魔法で模した現象なら、奴を倒せば元に戻るんだお!?」
ξ;゚听)ξ「その可能性は高いけど、夕方にならないと鍵は使えないのよ!?」
( ; ω )「そうだったお……クソッ!」
- 154 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 22:06:59.70 ID:ID564nySO
- イトーイは!?イトーイはどうなった支援
- 155 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/25(木) 22:11:36.29 ID:KBtnrkLp0
- その時ブーンの頭は怒りや恐怖などが交錯し、冷静とは程遠い状態にあった。
彼が通常の戦闘時と同じテンションを持ち合わせていれば、
いくら街中で熱源反応を感知していようとも、目前の敵の生死は確認出来ていたはずだ。
ξ;゚听)ξ「きゃっ!?」
銃を、杖を持つ手を下げて、戦闘態勢を解いた瞬間だった。
突然動き出した触手の2本が、ツンの両足と、杖を持つ右手を巻き締めたのだ。
スネーク「お嬢ちゃん!」
( ;゚ω゚)「はッ――」
セカンドは生きていた。
冷静なブーンなら聞き分けられる、その微かな心音を鳴らして。
更に、ウィルスはツンの魔法攻撃では死滅に至らず、
損傷した肉体を着々と再生させていたのだ。
触手で捕えられたツンがセカンドの腹の方へ引きずり込まれようとしている。
腰から柄を引いて赤い刃を放出させ、スネークが飛び出した。
- 156 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 22:13:26.24 ID:sNUo7L0v0
- 支援
- 157 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/25(木) 22:17:11.04 ID:KBtnrkLp0
- 同時、黒こげだったはずの触手全てが血の気を取り戻し、スネークに襲い掛かる。
スネークは触手を切り伏せ、薙ぎ、掻い潜り、ツンの元へ走る。
その体捌きとナイフ術が常人を凌駕しているのはブーンから見て明白であるが、
しかしスネークの速度をセカンドが圧倒的に凌駕しているのも、明々白々である。
スネーク「は、早すぎる!」
遂にスネークも捕らわれる。
手を絡み取られた瞬間、スネークの全身を、黄色の液が滴る触手が覆った。
スネーク「しまッ――」
ツンも同様、毛の一筋はみ出す事を許されない程、徹底して全身を覆われている。
触手は捕食と同時に消化管の役割も務めているのだ。
表面で消化液を分泌し、ゲル化した獲物を吸収して栄養分を摂取する。
これがこのセカンドが選択した食事方法であった。
が、おぞましい食事は未然に終わる。
蒼い光が触手を裂き、ツンとスネークを解放したのだ。
断面から侵入した抗体は触手の機能を瞬時に停止し、消化液が分泌されるのも防いでいる。
( ;゚ω゚)「ちくしょう!!」
左手に銃、右手に剣を持ったブーンは発砲と同時に跳躍していた。
着弾の直後、セカンドの心臓部に刃を突き刺し、
そのまま触手の根元に向って切り込んだ。
- 158 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 22:17:13.26 ID:ID564nySO
- ( ^ω^)「もうあの時の二の舞はごめんだお!」
( ゚ω゚)「銃身が焼き付くまで撃ち続けてやるお!」(180mmキャノン)
- 159 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 22:19:21.92 ID:cwRcJazz0
- 支援
- 160 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 22:19:23.53 ID:AAwrdq/T0
- >>158
帰れよwww
- 161 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/25(木) 22:20:44.65 ID:KBtnrkLp0
- 刃が根元まで到達すると、そこに刃を刺したまま、柄を離した。
蒼き光のメインとなる要素――抗体を流す為に。
感染者が抗体を流された時の痛みは、まさに激痛。
頭部を破壊していなければ、聞きがたい絶叫を発せられただろう。
( ;゚ω゚)(……僕はこの世界でも人間を殺さなきゃいけないのか……)
左手のBlueMachingunをセカンドに向ける。
が、ブーンは引き金を引く事に躊躇った。
彼等は人間、アンノウンの魔法によって一時的にセカンドにされてしまった
だけで、セカンドと呼ぶべき存在ではない。
( ; ω )(ああそうだお! アンノウンを倒したとしても、死んだ人は生き返らないんだお!)
一瞬、スネークや、死んでいった……否、
――――殺してしまったボストンの人々の顔が、ブーンの脳裏に浮かんだ。
( ;゚ω゚)「う、うああああああああああああああああっ!!」
ブーンは遂に引き金を引いた。脳髄と目玉の破片がミンチとなり混じりあって弾け飛ぶ。
目の前の罪無き命が己の銃で消える瞬間を見届けようと、
叫び声を上げて自分を奮い立たせ、決して瞼を閉じさせなかった。
- 162 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 22:22:07.99 ID:G8EaeZij0
- 悪夢がない世界に行って見る悪夢
- 163 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 22:23:20.64 ID:ID564nySO
- ほとんど拷問だなコレ……
- 164 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 22:24:25.31 ID:G3HIXdWA0
- ああ。どSだな
- 165 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/25(木) 22:24:37.54 ID:KBtnrkLp0
- ツンとスネークが身体を起こす。
ξ;゚听)ξ「き、気持ち悪かった……」
「おぞましい」を、全身を駆使して表現するツン。
一方、スネークは顔に焦りを浮かべて、ブーンの胸倉を掴んだ。
スネーク「アンノウンが現象を模したというのなら、感染も再現するはず!
奴と接触した俺とお嬢ちゃんもバケモンになるんじゃないのか!?」
ξ;゚听)ξ「えッ!?」
( ;゚ω゚)「う、ウィルスに感染している反応は無いお!」
スネーク「本当だな!?」
( ;゚ω゚)「か、身体の隅から隅までチェックしたお! 間違いない!
お、オッサンは感染性がある事聞いてんだから、今みたいに不用意に突っ込むなお!」
数秒、ブーンを睨み続けた後、スネークが手を離した。
胸ポケットからくしゃくしゃの煙草ケースを取り出し、
見事に折れ曲がった煙草を一本咥えた。
スネーク「ふー……すまん、感染性については失念していた……しかし若いの。
先程のように撃つのを躊躇っていては、出なくてもいい死人と
感染者を更に出してしまうぞ。お前に、彼等を撃てるのか?」
- 166 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 22:26:23.11 ID:HW8umkjS0
- スネーク
- 167 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/25(木) 22:27:58.70 ID:KBtnrkLp0
-
(; ω )「僕に彼等を殺す権利なんか無い。
……だけど、僕がここに来た事で蔓延してしまったウィルスなら、
僕が始末しなければならないはずだお……撃つお、オッサン」
ξ;゚听)ξ「ちょ、ちょっと待ってよ! アタシ達が来たからって……?」
(; ω )「言葉の通りだお! 僕達がここに来なければ、
アンノウンが人々を化物にする事なんて無かったはずだお!」
ξ; )ξ「……そっか。そうようね、そうなるわ」
ξ; )ξ「元はと言えば、アタシが鍵を落としたりしなければ……。
ちゃんと魔法に成功していれば、こんな事に……」
(;^ω^)「あ、いや、ツン。別に僕は君を責めてるわけじゃ……」
スネーク「……遅かれ早かれ、世界は滅亡するんだ。
セントラルが強力な魔導機を開発できようとも、肝心の人材を
こうも一瞬で無力化してしまうんだからな……」
(#^ω^)「馬鹿言うなお。滅亡なんて阻止する! この街だって救う!」
スネーク「うむ。肝心のヒーローが、そのくらい言ってくれなければな」
ξ;゚听)ξ「ブーン、スネークさん……」
- 168 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 22:28:49.54 ID:u9Cuw61v0
- 支援
- 169 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 22:28:53.68 ID:sNUo7L0v0
- 辛いな
- 170 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/25(木) 22:32:07.34 ID:KBtnrkLp0
-
( ^ω^)「そうだ、これを」
腰のバックパックをパチンと弾き、取り出したのは細長の蒼い筒。
その輝きが内容物の液体が放つ物と気づくや、スネークは目を丸くして尋ねた。
スネーク「それは……」
( ^ω^)「病原体を防ぐ抗体だお。これを体内に注入して欲しい。
首筋の辺りに強く押し付ければ注入されるから……」
ξ;゚听)ξ「これで化物にならないのね?」
ブーンがこくりと頷くのを確認した後、ツンは指示の通りに注射器をあてがった。
圧力は感じたが、痛みは無い。液体が体内に入っていった感覚を覚えなかったので、
ツンは空になった容器を見ても今ひとつ「これで感染が防げる」と実感は沸かなかった。
スネーク「……」
一方、スネークは注入しようとせず蒼い揺らめきをじっと見つめていた。
( ^ω^)「オッサン、さっさと抗体を入れておけお」
スネーク「あ、ああ」
促され、慌ててスネークは首に注射器を押し付けた。
ぐっと押される圧力を感じた瞬間――彼の脳裏に映像が走った。
- 171 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 22:33:14.66 ID:ID564nySO
- 熱いけど鬱……これってなぁにイトーイ
- 172 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 22:34:15.51 ID:33sZWC0rO
- >>171
恋…って奴じゃないかな
- 173 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/25(木) 22:37:01.97 ID:KBtnrkLp0
-
――――か弱い光の下、5人でテーブルを囲う映像
( ><)「スネーク! 今日もゲームするんですー!」
黒髪の少年に袖を引っ張られる感覚――
(*゚ー゚)「はいっ! コーヒー! 今日も頑張ってね!」
美しい女性がそっと差し出す、コーヒーの苦い香り――
(,,゚Д゚)「スネーク、行くぞ」
肉体を包む機器以上に、声に纏う冷たさ――
( ´_ゝ`)「さーて俺は下に行ってくる。誰も入ってくるなよなー」
おどけた声と顔。その裏側から感じる違和、不信感――
映像は倍速再生するように素早く流れ、再び速度に戻ると、そこは日の下であった。
- 174 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 22:37:18.59 ID:3sKMUgKdP
- 支援
- 175 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 22:38:02.37 ID:sNUo7L0v0
- ギコさん……
- 176 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/25(木) 22:40:19.82 ID:KBtnrkLp0
-
――――そこは大都市。だが、灰色の塔に住人は存在しない。
「ビロード、後でブーンに渡してやってくれ」
その声は特に酷く聞き覚えのある声……いや――
(俺の声だ。それに、そのバンダナは……)
(; ω゚)『オッサン、こんな時に何言ってんだお!
何やってんだお! このままじゃ殺されるお!』
自分が抱きかかえているのは、片目を失ったブーン――
(ブーン、だと……?)
「俺が生きている限り、バイクは走り続ける。
なに、安心しろ。ちゃんとニューヨークまで連れて行ってやるさ」
『ところで俺はオッサンでもソリッド・スネークでもない。
俺の名前はデイビッド。お前の名前を教えてくれ、相棒よ』
( ω゚)『……ホライゾン・ナイトウ』
『ホライゾン……いい名前だ。
その名にちなんで、地平線に向かって走らせてやるさ!』
- 177 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 22:40:25.62 ID:ID564nySO
- >>172
そっか///これが……///
投下がんばってねイトーイ(はぁと)
- 178 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 22:40:45.65 ID:6MDgshg+0
- 決めた。
俺、予防注射してもらう
- 179 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 22:44:07.24 ID:ID564nySO
- 泣けるね……
- 180 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/25(木) 22:45:01.16 ID:KBtnrkLp0
-
(;><)「スネーク! 何でスネークも乗らないんですか!?」
スネーク『一時パートナーは休止だ、若いの』
(; ω゚)『オッサン! バイクを戻せ! ふざけんなお!』
スネーク『ビロードを、頼むぞ』
ビロード……酷く見覚えのある少年だが……――
(;//‰゚) 『うおおおおおおおおおおおおおお!!』
スネーク『時間切れ。そして焼却処分のお時間だ』
腹部から瞬間的に広がる爆炎に視界が遮られると、
スネークの映像はブラックアウトして終了した―――――。
- 181 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 22:47:44.46 ID:ID564nySO
- 向こうのスネークの意識が一緒に注入されたのかな……
支援イトーイ
- 182 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/25(木) 22:48:14.88 ID:KBtnrkLp0
-
「――ッサン! オッサン!!」
スネーク「ッ……」
(;^ω^)「何ぼーっとしてんだお!?」
スネーク「……若いの」
意識が戻り、最初に目にしたのはブーンであった。
不可解な映像で見たブーンと、瓜二つのブーン……。
衣服、装備、髪の色、声まで、このブーンと映像のブーンは一致していた。
何より強烈な既視感を覚えるのは、ブーンの左腕に巻かれた黒いバンダナだ。
スネーク「若いの……お前はこの世界の住人ではないんだよな……?」
(;^ω^)「ハア? 僕は別の世界からやって来たブーンだお?」
考えられるのは、セントラル以外に「魔導」か同等の技術を有する“他国”が
この世界に存在する事……で、あるが、“このブーン”とツンが知り合ったのは昨日だという。
更に、魔術師であるツンが「魔導」やそれに準ずる技術を知ったのは今日。
故に、ブーン(ホライゾン=ナイトウ)がこの世界の住人だという可能性は潰える。
スネーク(じゃあ今、俺が見た映像は何だというのだ!?)
他に心当たりは無い。が、この事を逆に考えれば――
映像が自分が失っていた“記憶”の断片だとすればだ……しかし、
- 183 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 22:49:37.55 ID:G3HIXdWA0
- イボ太郎・・・ いや、ギコ太郎・・・
- 184 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 22:49:40.30 ID:6MDgshg+0
- ______
\ /
スネーク……>(┓━ )TL
- 185 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 22:51:04.37 ID:ID564nySO
- ……ゴクリ
- 186 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/25(木) 22:51:24.40 ID:KBtnrkLp0
-
( ;゚ω゚)「オッサン! ツン! 何か……デカいのが現れるお!!」
ブーンの大声がスネークの思考を中断させた。
同時、ブーンの視界のずっと先――王宮の方角から、轟音が響いた。
《オ゙オ゙オ゙オ゙オオオオオオオオオオオオオオオ!!!》
それは王宮の外壁が崩れる音でもあり、生物の雄叫びでもあった。
王宮の天井を破って出てきたのは、ガイル執務官を想起させる平たい白色の頭。
次に、黄色くまばゆい光を放つ切れ長の双眸。
鼻と唇を切り落とした痛々しい口元。
セントラルのどの建物よりも強靭だと思わせる巨腕と巨脚。
降りかかる瓦礫を、四つの黒い尾が血液と共に吹き飛ばす。
_____
\|||||||||||||/
以`゚益゚以《イ゙ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオイイ!!!》
スネーク「ガイル執務官? ……いや、あれは王か……!?」
黒く生々しい血に汚れ、正気とは程遠い顔だが、確かに王その人である事が分かる。
赤い霧に隅々まで蹂躙された王宮は、化物を産み出す子宮と変貌したと言えよう。
霧に塗れ新たなる生物と化した兵士と臣下の者達。
彼等もまた異常に高まる食欲と暴欲を満たさんと産まれたかったのだが、
皆“王”に喰われ、忠誠心無くとも王の力添えをする事となってしまったのだ。
そうして成長した“王”は急速的に世界に出る準備を終え、
彼の胎動と成長、出産という役割を果たした子宮を内側から破り、産声を上げのだ。
- 187 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 22:52:30.08 ID:ID564nySO
- ヤなセカンドだなオイw
- 188 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 22:52:50.86 ID:sNUo7L0v0
- イトーイが!感染した!
- 189 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 22:55:53.92 ID:AAwrdq/T0
- ガイールwwww
- 190 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 22:56:09.37 ID:X54Ta5aB0
- お前ら吹くなよ!
これは緊迫した戦いなんだからな!
- 191 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/25(木) 22:57:25.41 ID:KBtnrkLp0
- 人々は恐怖のどん底に叩き落された気分であった。
何せ、目線を何処に向けようと化物か“食い残し”が目に映る上、
“王”までもが奴等と同じ自制の無い野獣に――それもとびきり大きな――なってしまったのだから。
専制君主制で統治されていたセントラルは、しかし代々の増井皇帝は暴君ではなかったのだ。
人々が不満を漏らす事もなく、それどころか何時の時代も皇帝を慕っていた。
アンノウンが地上に恐怖をばら撒こうとも、この地下世界だけは平和を保てていた。
だが、統治者たる王は最大の異形と化し、「増井王朝」は瓦解してしまった。
いや、もはや統治がどうと言っている状況ではないのだ。
――セントラルは今日、滅亡する……。
今、市民が膝をつき頭を垂れるのは忠誠の前ではない。圧倒的で原始的な力の前だ。
この都市に立ち並ぶどの建造物よりも高く聳える肉体は、神々しくも見える。
今、人々を支配するのは聡明な王による恒久的平和ではない。
異形の王が放つ、生物の本能に直接まとわりつく真の恐怖である。
( ^ω^)「オッサン、ツン。これ使ってくれお」
2人が異形の王に目を奪われている間、そして市民が絶望している中。
唯一人ブーンは冷静で、BLACK DOGに搭乗してエンジンを起動させていた。
ブーンが2人に渡したのは銃であった。ツンには拳銃を、スネークには大型の銃を。
( ^ω^)「あれは僕じゃないと倒せそうにない。
2人は市民を安全な場所に避難させてくれお」
ξ;゚听)ξ「あ、あんなバカデカイのを一人で!? いくらなんでも無茶よ!」
(#^ω^)「まだ無事な市民がいる! あれは僕が何とかしてみせるお!」
- 192 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 22:59:47.33 ID:ID564nySO
- さぁ、新アーマーはどうなる?w
- 193 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/25(木) 23:01:29.03 ID:KBtnrkLp0
- ブーンは左腕の黒いバンダナを解いて、それを額にきつく縛った。
スネークから“少年”と共に託された古びたバンダナ……。
スネークが何を思ってこのバンダナを託したのかは、ブーンにはもはや知る由も無い。
だが、ブーンはバンダナに誓ったのだ。
ウィルスは命を賭しても殲滅する。決して躊躇せず、迷わず、と。
スネーク(あのバンダナ……)
そこでスネークは、ブーンのバンダナが映像の物であると気づき、ブーンを引きとめようとするが、
スネーク「ま、待て! 若いの! 俺は――」
(#^ω^)「オッサン! ツンを頼んだお!!」
しかしBLACK DOGはスネークの声を掻き消して、ブーンを王宮へと走らせた。
スネークはブーンを制そうと伸ばしていた手を降ろし、舌を打った。
スネーク(俺は、俺は何者なんだ……!?)
“目覚めてから数週間”、スネークが自問自答しなかった日は無い。
軍部を含むセントラルの何所にも自分を証明するデータは無く、
オタコンに言われるまま“兵士としての暮らしに戻ろうとしてきた”。
自分はセントラルの兵士だった――それが真実だと信じていたのだ。
それが突然、頭にかかっていた靄が晴れようとしている。
スネークは戸惑っていた……そして歯痒かった。
見えそうで見えず、届きそうで届かない答えが――。
- 194 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 23:03:50.29 ID:6MDgshg+0
- まさかクr
- 195 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 23:03:54.30 ID:ID564nySO
- つまりスネークは……!
何者なんだー!イトーイ支援
- 196 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/25(木) 23:05:03.89 ID:KBtnrkLp0
-
ξ;゚听)ξ「スネーク! 状況が知りたいわ! 軍はまだ機能しているの!?」
ツンに急かされると、スネークは我に返った。
インカムが生きている事を確認し、状況を瞬時に整理する。
スネーク「いや、しばらく応答が無い。恐らく司令部は壊滅している。
指揮官もいないか……各自取るべき行動を取れ、といったところだろう」
『スネーク、聞こえるかい!?』
間髪いれず、それまで無反応だったインカムが点滅する。
スネーク「オタコン! 無事か!?」
オタコン『なんとかね……幸い僕が居た研究施設の方は被害が少なかったんだ。
……それよりスネーク、すぐに格納庫まで来てくれないか!?』
- 197 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 23:07:55.46 ID:ID564nySO
- あ、オタコンの存在すっかり忘れてた支援イトーイ
- 198 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/25(木) 23:08:29.83 ID:KBtnrkLp0
-
スネーク「格納庫……まさか、アレを街の中で!?」
オタコン『……軍部からの最後の指令だ。軍はセントラルを放棄する
つもりだったらしい……あの霧には感染性があるようだからね……。
心配はいらない。生き残っている兵が市民を避難させている』
スネーク「何故俺を選んだ、オタコン」
オタコン『君の戦闘のセンスを買っている、じゃ不満かい?』
スネーク「オタコン……俺は今、俺自身を何より信じる事が出来ない。
俺は本当にセントラルの兵士だったのか?」
オタコン『スネーク……わかった。格納庫で、僕の知る限りの事を話さそう』
やはり俺には何か秘密があるのだろうか。スネークは胸中で独りごちる。
お互い、無言で通信を切った。
スネークはそのままバイクを急発進させた。
自分が何者なのか知りたい、その一心で――――。
__
- 199 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 23:10:40.17 ID:j8QaVnYfO
- 真面目なシーンなのに昨日のひたすらピポサルをゲッチュしてたスネークが何度も脳内再生されて吹いてしまう
- 200 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/25(木) 23:12:14.73 ID:KBtnrkLp0
- _____
\|||||||||||||/ ご覧の通り、ガイトーイになっちまったところで
以`゚益゚以 今日はおしまいとーい! 果たしてスネークの正体とは!?
,ノ ヽ、_,,, もしかしてスネークはイトーイなのかも・・・・・・?
/´`''" '"´``Y'""``'j ヽ 続きはまた明日! いよいよクライマックスだお!
{ ,ノ' i| ,. ,、 ,,|,,. 、_/´ ,-,,.;;l 持ってくるものはハンカチだお! また18時くらいから始めるお!
'、 ヾ ,`''-‐‐'''" ̄_{ ,ノi,、;;;ノ
ヽ、, ,.- ,.,'/`''`,,_ ,,/ たくさんのイトーイありがトーイ!
`''ゞ-‐'" `'ヽ、,,、,、,,r' なんか質問イトーイとかあったらイトーイが答えるっトイ
- 201 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 23:13:05.94 ID:G3HIXdWA0
- 乙!!
- 202 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 23:13:35.76 ID:ID564nySO
- >>200
乙〜
ツンはブーン殴って痛くないの?
- 203 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 23:14:18.48 ID:N0S82Bf50
- 乙!
イトーイ本筋に登場おめでとう
- 204 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 23:14:28.31 ID:j8QaVnYfO
- 乙
>>202
大事なことだから二回言ったんだよな
- 205 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 23:15:50.85 ID:+76EAp9/O
- 乙ットーイ!
- 206 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/25(木) 23:16:12.58 ID:KBtnrkLp0
- 鯖落ちする中支援してくれた皆さんには本当に感謝・・・!
>>18
何があったかは街狩りの続きをwkwkしながら待って欲しいお
今頑張って書いてるお
>>36
ツンは殴る時に防護の魔法「Protec」をかけてるんだお!
- 207 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 23:17:11.12 ID:sNUo7L0v0
- 乙!
明日も楽しみにしてます
- 208 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 23:18:36.62 ID:6MDgshg+0
- ネタバレ:次回はピポトロン登場
乙でした
- 209 名前:匿名:2010/11/25(木) 23:18:40.48 ID:vm5ZhjpA0
- >>200
お前の投下で俺がヤバイんですがどうしたらいいでしょうか?
- 210 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 23:18:44.24 ID:iDb+i9KE0
- お前の書いたの
つまんね
- 211 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 23:18:48.25 ID:sNUo7L0v0
- >>206
そういや最初にプロテクパンチていってたな
何という複線
- 212 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 23:20:17.38 ID:ID564nySO
- >>206
流石に最初に殴った時は痛かったと思うが……w
あまり細かく突っ込んでも粗探しにしかならないからそれで納得しようw
- 213 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 23:24:33.65 ID:+76EAp9/O
- ツンデレな女の子が男を殴るとき、男はおとなしく殴られダメージを受けるもんだ。
そこに細かな問題は生じない、そういうものさ
- 214 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 23:32:12.92 ID:6s3//VJ+O
- 正直設定が街狩りに寄りすぎて街狩り読んでない俺には苦痛でしかない
イトーイだせばおkみたいなのはやめてくれよ‥
- 215 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 23:33:46.74 ID:j2YmngvDO
- おつおつ!
最初がプロテクパンチじゃなかったか?
- 216 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 23:35:00.56 ID:ID564nySO
- >>214
よし、じゃあ街狩り読んで来ようぜ!
- 217 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 23:36:38.73 ID:nCZihyUl0
- 乙!
- 218 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/25(木) 23:37:00.26 ID:KBtnrkLp0
- >>212
読み返しましたが、最初のパンチがプロテクパンチですね(昨日の投下分参照)
それ以降はずっとプロテクをかけてのパンチ!
なので今日もツンちゃんの手にはアザ一つついてない!
- 219 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 23:40:00.92 ID:qA4vv7UGO
- そもそもイトーイって元ネタあるニダ?<ヽ`∀´>
- 220 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 23:42:22.08 ID:+76EAp9/O
- >>219
作者のブログ見てくればいいと思う
- 221 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/25(木) 23:45:07.37 ID:KBtnrkLp0
- >>219
BLACK DOGを鎧にしちまえ!って思って作った設定。
そのAAをベルセルクのガッツみたいな鎧をイメージして作った結果が
ィ'トー-ィ、
以`゚益゚以「これ」
_( つoと)_
\ U U/
後に某スレでイトーイ増井と名づけられ、一つのAAとしてキャラクタが固まっていたんです
- 222 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 23:45:28.78 ID:qA4vv7UGO
- >>220
なるほどサンクス!
ア、アドレスを頂けないか…がはっ
- 223 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 23:45:56.76 ID:ID564nySO
- >>218
このツッコミが実は想定の範囲内だったとは……w
恐れ入ったw
- 224 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 23:48:27.96 ID:qA4vv7UGO
- >>221
サンクスです!
顔と身体のミスマッチ感が抜群に萌えます!
イトーイ!
- 225 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 00:59:37.02 ID:J8YxZ+R4O
- 今日も保守る作業か
- 226 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 02:16:17.16 ID:79F4YX2nO
- 明日には間に合いたい保守
- 227 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 03:29:20.33 ID:HtHyRT53O
- ほし
- 228 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 05:16:32.30 ID:xeVzFlLxO
- ほう
- 229 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 07:14:03.57 ID:61V3WKHa0
- も
- 230 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 10:57:41.76 ID:bvSFmTO+0
- ほ
- 231 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 12:12:12.13 ID:QrG/tU7aO
- ほ
- 232 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 13:34:34.13 ID:K9gHM+heO
- ほ
- 233 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 13:36:08.42 ID:qiukNQZDO
- 保守スレは叩かれるぞ
落とせ
- 234 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 14:37:29.62 ID:P9I4XQUM0
- そうなのか!
- 235 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 15:27:12.35 ID:gAtzALu/0
- そうなのだ
- 236 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 16:46:28.05 ID:5qelEUn00
- なるほど
- 237 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 17:42:44.32 ID:Ypsqckny0
- しかしもうすぐ投下開始時間っていう
- 238 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 17:57:35.10 ID:je1JJG/R0
- wktk
- 239 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/26(金) 18:00:48.79 ID:TpKUzG8h0
- _____
\|||||||||||||/
以`゚益゚以 それでは大イトーイまつr……じゃなくて合作個人パート街狩り編、
,ノ ヽ、_,,, 最後の投下を始めるお!
/´`''" '"´``Y'""``'j ヽ いよいよクライマックス! レッツイトーイ!
{ ,ノ' i| ,. ,、 ,,|,,. 、_/´ ,-,,.;;l
'、 ヾ ,`''-‐‐'''" ̄_{ ,ノi,、;;;ノ 〜〜前回のVirus Buster〜〜
ヽ、, ,.- ,.,'/`''`,,_ ,,/ ・アンノウンが魔法でセカンドウィルスを模した。
`''ゞ-‐'" `'ヽ、,,、,、,,r' ・ご覧通りイトーイはガイトーイになった
,ノ ヾ ,, ''";l ・果たしてスネークは一体何者なのだろう!?
- 240 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 18:01:44.40 ID:IvOpy5J90
- イトーイ!
- 241 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/26(金) 18:03:36.31 ID:TpKUzG8h0
-
( # ω )「クソ、クソッ! アンノウン、僕はお前を許さない!」
ブーンは悪態を吐きながらバイクで宙と陸、屋根と壁とを走り、
行く手を妨害するセカンド達を――市民の生命とウィルスの活動を断っていった。
赤と蒼の機械の双眸から今にも涙が零れそうなくらい、ブーンの人工の顔は歪になっている。
慈悲を与えるなら、死でなくてはならない。
彼等は肉親であろうが恋人であろうが食料と見なし、容赦なく喰らう化物なのだ。
人として生きている「非感染者」の事を思えば、化物となった肉親や恋人を
殺してやるべきだと、ブーンは考える。
アンノウンの魔力を断てば、この疑似的なウィルス活動は停止するだろう。
だけれども、今はそれが出来ない。時期も、場所も、それを許さないのだ。
そう、この現状においては、これ以上の『アウトブレイク』を抑えるには「死」が唯一手段なのである。
( # ω )「お前だけは僕が絶対に倒す……アンノウン!!」
爆音が連続する。
弾丸と化したブルーエネルギーは市民を液状に溶かし、
あるいは灰塵にして、生命ごとウィルスを消滅させてゆく。
前後左右、続く道も来た道も全てを市民の血で深紅に染め、ブーンは暴君の下へ急ぐ。
- 242 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 18:04:36.39 ID:Ypsqckny0
- ガイトーイwwwwwwwwwwwww
- 243 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 18:04:36.44 ID:IvOpy5J90
- イトーイ!
- 244 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 18:05:34.80 ID:uMscpnic0
- >>198からの続きです
- 245 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 18:06:02.29 ID:QegZcxb90
- 支援
- 246 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/26(金) 18:10:56.72 ID:TpKUzG8h0
-
(#^ω^)『オッサン! 市民の避難誘導はどうなってる!?』
通信圏外。そのざらついたノイズを聞き、ブーンはここが異世界である事に気づいた。
スネークの全身をスキャニングしていないが、仮にしていたとしても
自分と共通の通信機は存在していないはずだ。
( ^ω^)(オッサンなら上手くやってくれているはずだお)
思わず無声通信を飛ばしたのも、心底から彼を信頼するのも、
あまりにも自分の知る「ソリッド・スネーク」だったからなのだろう。
スネークなら、セカンドに淘汰される事無く、最小の被害で市民を避難させるに違いない。
超巨大セカンド「イトーイ王」は自分が何とかする、だから市民を頼む。
そう言ったのは他でもない自分だ。
周囲のセカンドの数は少ない。ブーンは意識を正対する王に集中し始める。
“王”の変異は未だ途上にある……王は、変異が齎す激痛に耐え切れないようだ。
苦しみに悶え、破壊と栄養摂取にはまだ踏み込んでいない……チャンスだ。
(;^ω^)(攻撃は今しかないお!)
これまでの狩りの経験に基づき、最適な攻撃方法を脳でシミュレートした後、
BLACK DOGUのサイドボディに隠された武器庫を展開する。
取り出したのは「砲」――――最大火力のBlueLazerCannon。
邪魔なロングコートを脱ぐ。砲を背のホルダーに装着し、
ブーンは王から離れた高層ビルの壁に沿ってバイクを上昇させた。
“王”の目の位置まで上昇し、ガラスを破って屋内に侵入する。
そこに人もセカンドもいない。気を使う必要が無い事を知ると、ブーンとBLACK DOGは乱雑に
デスクやパソコン、コピー機に似た機器を蹴散らして“王”の見える窓際に立った。
- 247 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/26(金) 18:14:02.71 ID:TpKUzG8h0
- 3秒を費やし、“王”の全身をスキャンし終える。
全長200メートル超という非生物的な巨体だが、臓器配列が人間と同じなのが救いだ。
ならば狙うべきは頭部。ウィルスに冒されようが神経に信号を走らせるのは脳である。
即ち脳さえ破壊すれば、ウィルスが死滅してなかろうが一時的に活動停止させる事は可能だ。
その隙に徹底して抗体を撃ち込んで弱体化を進め、ウィルスと生命を完全に断つ。
長年の戦闘で培った大型セカンド狩りのセオリーだ。
(;^ω^)(奴が変異を完了させるまでに抗体を撃ち込む!)
窓際で“王”を覗き見つつ、ブーンはBlueLazerCannonの準備を進めていた。
右手を包むように広がっているトリガー部に右手を突っ込み、
左手でトリガー部に埋め込まれたスイッチを押し込むと、
するとそこが裏返り、タッチパネルが展開される。
次にブーンは指を素早く動かし、タッチパネルで無数の打音を打ち鳴らした。
その操作に合わせ、Blue Lazer Cannonは本来の姿へと変貌してゆく。
トリガー部が更に開き、すると極太のコードが現れた。
変形は進む。
銃身の上部が開き、そこから2つの極大銃身が左右に展開。
中心となっている銃身からエネルギーが放出され、それが左右の銃身を空中で繋ぎ止める。
その間に、ブーンはトリガー部から伸びるコードを掴み、
長い後ろ髪を掻き分けて後頭部のサイバーウェアに接続する。
頭の奥でゴツゴツとした異物感を覚え、ガチりと鳴った後、左視界にモニターが表示された。
【システム・ディレイクとの接続完了。BlueLazerCannon全システム正常運転中。
全コントロールをB00N-D1に譲渡し、安全装置を解除】
- 248 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 18:18:37.15 ID:QSBqkBgkO
- 今日が最終日なんだよね
イトーイ支援
- 249 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/26(金) 18:20:21.58 ID:TpKUzG8h0
-
( ^ω^)(出力は……)
ブーンはメモリーから“王”とセントラルの画像を呼び出し、交互に見やる。
“王”の頭部を破壊した上で、セントラルへの被害を最小限に抑えるには――
(;^ω^)(出力は30%ってところが限界かお……!)
例えば“王”の頭部を貫き、内壁にレーザーが及ぶとなると、
セントラルの都市機能を維持する機器を破壊する可能性だってある。
内壁に何が埋め込まれているのかは不明だが、ここが『セントラル』であるからこそ、慎重にいきたい。
しかし最大出力での砲撃を思い返せば三割での砲撃は心もとなく、舌を打つ。
されど指の動きは淀みなく、早々に出力を決定し、右腕部強化プログラムBoosterを起動した。
右腕が、目の覚めるような蒼色とモーター音に包まれる。
これにより砲撃が齎す身体へのダメージは緩和される。
エネルギー補給は出来ないといえど、このブースターカートリッジ消費は
後のアンノウン戦を見越した行動と言えよう。
出力上昇に伴い機関は鳴動し、三つの砲が蒼を纏う。
砲撃の準備は整った。
ブーンは身を翻し、窓から蒼く煌く砲と己を覗かせる。
- 250 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 18:24:39.50 ID:dqUSKcWj0
- 合作参加者の中では街狩りが一番得してる
明らかに読者増えたしさ
よかったね支援
- 251 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 18:26:36.10 ID:TNsUm1P40
- >>250
まだ全部の世界巡ってないし、分かんないぞ
- 252 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/26(金) 18:27:54.20 ID:TpKUzG8h0
-
( ゚ω゚)「喰らえ!!」
射出コントロールはブーンの意思。
発声と同時、その意思は頭部に突き刺さったコードを伝い、
砲の機関へ入力され――
三つの巨大な蒼の帯が、音を置き去りにして奔った。
_____
\|||||||||||||/
以; 益 以 《イイットトトオオオオオオオオ―――――イイ!?》
高出力のブルーエネルギーは王の眉間を突き、醜い口の奥から痛烈な絶叫を昇らせた。
穿たれた眉間から血液が噴出する事は無い。
超高温のエネルギーが尽く蒸発させるのだ。
- 253 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 18:29:52.07 ID:NaQBVUjyP
- このブーンもチートだな
- 254 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 18:30:29.84 ID:hCceRF6V0
- 僕の股間の砲も発射しそうです><
- 255 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/26(金) 18:34:36.13 ID:TpKUzG8h0
-
( ゚ω゚)「どうだ!?」
着撃と共にスキャン――――CG補正された拡大映像を見、ブーンは唇を強く噛んだ。
レーザーは脳を貫いていない。
皮膚と肉は柔だ。だが、ウィルスが構築した頭蓋が異様に硬く、
「脳を損傷させるまで数十秒の時間を要してしまう」と、情報システムは予測する。
この数十秒は、ブーンのセンサーが感知する「対象の体温」……
つまり抗体の効き=弱体化の進行率を鑑みた数十秒である。
あのような大型セカンドには抗体を打ち込み、弱体化させて戦闘を徐々に有利に
展開させてゆくのがセオリーなのだが……“王”は途方も無く巨大で、そして硬かったのだ。
( ;゚ω゚)(抗体の量が足りていない……いや、抗体が上手く流れて行ってないのかお!?)
件の頑強な頭蓋を突貫するには予想以上に時間を要するとブーンは悟る。
情報システムも戦闘データを更新。すぐに出力上昇を推奨したが、
ブーンはそれよりも早く、己の判断で出力の上昇を始めていた。
が、“王”は右腕を振り上げ、レーザーを遮る。
レーザーを遮ったのは、腕を突き破って現れた三日月状の刃であった。
ブーンには突如、白塗りの壁が現れたように見えた。巨大な白壁が接近する。
レーザーの出力を一気に上昇させて刃を突破させたいが、やはり硬い。
“王”は刃を盾として利用して間合いを一気に詰め、新たに左腕に作った刃でこのフロアを正確に斬りつけた。
- 256 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 18:39:08.95 ID:hCceRF6V0
- イケメンブーンさん
- 257 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/26(金) 18:42:54.70 ID:TpKUzG8h0
-
( ;゚ω゚)「うおッ!!」
厚さ5m超の巨大な刃が高層ビル群を両断してブーンにせまる。
連続的に発生する破壊音がブーンの耳をなぶる――回避行動を取らなければ
2.3秒で奴の刀身が僕の全身を叩く!
ブーンは咄嗟に砲身を上に持ち上げ、ビルに大きな亀裂を作り上げた。
急発進させたBLACK DOGに半ば強引に飛び乗って文字通り紙一重で刃をかわし、
作り上げた亀裂からビルを脱出した。
上昇。
“王”と都市を見下ろし、再びBlueLazerCannonを発射――しようとした。
“王”の平らな頭部が……いや、「髪」が蠢き、幾万の頭髪がミサイルの如く発射されたのだ。
頭髪が骨であると判断したブーンは、BLACK DOGを急旋回させつつ、
フリーの左腕でグレネード弾を射出して頭髪を防ぐ。
その間、狡猾な“王”はセントラルの出入り口に「尾」を伸ばしたのだ。
_____
\|||||||||||||/
以`゚益゚以 《イイイイwwwwイットーイwwwwwトトーイwwwwww
イトトトイットイイットwwwwwwwイトーイイトーイwwwwwwイトーイwwwwww》
尾の先にいるのは脱出途中の人々であった。
尾の先端が割れ、まるで大蛇のように地を這い、避難途中の市民と兵士を
一人残らず丸呑みしてしまった。
“王”は理解しているのだ。
有機物、そして人の知恵を取り込めば取り込む程、己が成長する事を。
- 258 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 18:44:43.09 ID:Ypsqckny0
- このイトーイ……怖いぞ!
- 259 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/26(金) 18:48:42.00 ID:TpKUzG8h0
-
_____
\|||||||||||||/
以` 益 以 《――トトーイッ》
セカンドらしかぬ冷淡な声で呟いた時。
“王”は残すの三つの尾を無数の糸と変え、ブーンを――
――「食事を妨害する」最大の敵を、追撃する。
( ;゚ω゚)(この糸は……!!)
BlueLazerCannonの出力は50%に達しているが、
全方位から迫るこの攻撃を全てを撃ち落すには、時間とレンジがそれを許さなかった。
更に無視できぬ問題が一つ。
スキャンの結果、“王”は糸に骨成分を織り交ぜて耐久性を飛躍的に向上させている事が判明。
最大出力に達するまでは時間が掛かりすぎる。
今は出力半分のBlueLazerCannonを一点照射し、突破するしかない。
この状況下においては、己の脳で考える間など存在しないのだ。瞬きほどの時間すら惜しい。
情報処理システムが下した判断の通り、ブーンは迎撃を開始する。
- 260 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/26(金) 18:54:42.61 ID:TpKUzG8h0
- 無数の赤黒い触手で作られた壁が、凄まじい速度で押し迫る。
小さな牢のように形を成し、逃げ場を閉ざされる。
その一辺にレーザーを集中放射し、逃げ場となる穴すぐに生じるが、
( ;゚ω゚)「はっ――――」
そこで目を疑う。
セントラルの赤茶色の内壁を見ていたはずが、突如白塗りの壁が目前に現れたのを。
“王”は圧死させる事を目的としていなかったのだ。
……敏捷な敵の足を数秒封じれば良い。
触手の肉壁に空けられた穴から外に飛び出した瞬間であったのだ。
白色の鈍い光を放つ、分厚い剣を振るったのは――。
( ;゚ω゚)「まずいッ!」
肉壁から脱出した時点でBlueLazerCannonがリロード状態に移行する事は分かっていた。
役立たずの重火器を投げ捨て、咄嗟に左腕のBoosterを起動し一瞬で抜刀を終える。
そしてBLACK DOGの座席を思い切り蹴って飛び出し、BLACK DOGには刃の軌道から逃げるよう指示を飛ばした。
5mの壁に対し、この蒼刃のなんと細い事だろうか。
数多のセカンドを斬り殺したBBBladeが今ほど頼りなく思った事は無い。
それでもと、刃を振るって迫る壁に抵抗する。
火花が飛び散る。
それは交差した刃同士が生み出したものなのか、
それとも衝撃を受けた脳が見せた光なのか、あるいはその両方か――。
- 261 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 18:56:37.90 ID:K9gHM+heO
- このブーンって修理受けられないなら無茶出来ないよな
支援
- 262 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 18:58:05.69 ID:J8YxZ+R4O
- 200メートルのガイトーイだと……
- 263 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 18:58:32.88 ID:Ypsqckny0
- 支援
- 264 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/26(金) 19:00:15.65 ID:TpKUzG8h0
- 一気に周囲の風景が線状に変わる。
それは自分の金髪と混じり、光線を連想させられる光景である。
“王”の斬撃を受けきるには自分自身の力がまるで足りていないのは分かっていた。
それでもBBBladeの切れ味に賭けたが、ウィルスが強化した骨の刃と
高出力ブルーエネルギーの衝突は、ブーンの予想を裏切って拮抗してしまったのだ。
( ; ω )「がっ!?」
左腕が肩から派手に弾け飛ぶ。
繊維の代わりに配線が、肉の代わりにパーツが、血の代わりに別の液体が飛び散った。
“王”の一撃でブーンはセントラル外周の壁まで吹っ飛ばされ、
埋め込まれる形で壁と同化してしまった。
残る腕と両足は固定され、首だけをだらりと垂らし、
傷めた臓器が流し出した多量の黒い血を口から零した。
左肩からは配線の数々がだらしなく垂れて、切り口から電流を迸らせている。
そこに血の飛沫は無ければ、痛みも無い。
- 265 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/26(金) 19:04:31.62 ID:TpKUzG8h0
-
( ; ω )(ぶ、BLACK DOGに大事は無いお!)
身体データが更新され、視界に表示される。
左半身の幾つかのプレートに亀裂が入っているのを確認。
しかし深刻なダメージではないらしく、足腰の間接機構は問題なく動作出来るようだ。
それにインパクトの瞬間こそ気が狂うような痛みを感じたが、生命維持装置がすぐに緩和させてくれた。
腕の一本がなんだ!
自分はまだ十分戦える状態だ!
ぶっ飛ばされた自分を追って来た、従順なるBLACK DOGUを見やる――
愛機には傷一つとて付いていない。
BLACK DOGUを失えば攻撃手段の9割を失うのだ、身を挺して庇う必要があった。
故に、エネルギー消費は甚大であるが唯一有効な攻撃手段は残っている。
“王”のフレキシブルかつスピーディな攻撃の数々を捌き、
致命的な抗体量を確実に撃ち込む唯一の方法が。
暴君は確実に自分を殺しにかかってきている。
アンノウンとの戦いを見越して、エネルギーの残存量を気にしていても
死んでしまったのなら努力の甲斐だって残らないのだ。
こいつを倒すには、「アーマーシステム」で自分の限界を越えた攻撃を繰り出す他無い!
- 266 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 19:05:50.05 ID:Ypsqckny0
- イトーイVS真イトーイ支援
- 267 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/26(金) 19:08:53.66 ID:TpKUzG8h0
-
( ;゚ω゚)「アーマーシステム!」
ブーンは、右手と両足を壁から引き離し、BLACK DOGとのドッキング開始を宣言した。
BLACK DOGの変形機構が作動し、全パーツは飛散しながら鎧各部へと姿を変える。
着装まで2秒。
しかし、王はその一瞬を隙と見て、
_____
\|||||||||||||/
以`゚益゚以 《ソニックトーイ!!》
先ほどの斬撃で得た反動を利用して返す左刀を「左腕から切り離し」、
チャクラムの如く、刃を硬直状態のブーンに飛ばしたのだ。
( ;゚ω゚)「なッ――――」
予想外の追撃。奴の攻撃が速過ぎる、着装は間に合わない。
着装を終えて回避するのも、着装をキャンセルして回避するのも間に合わない。
刃を撃ち落す手立ても、無い。
直撃は必至。
漆黒のボディがヘルムに変形し、ブーンの視界を黒く覆ってゆく中、
その暗黒の世界でブーンがイメージしているのは「死」、のみ。
死にたくない、と思う思考力すら刃の放つ威圧が奪い、ブーンに
免れようの無い変えようの無い死という未来をに植えつける。
- 268 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 19:11:19.56 ID:J8YxZ+R4O
- ソニブッ!
- 269 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 19:11:57.73 ID:TNsUm1P40
- ガイルwwwwwwwwwwww
- 270 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/26(金) 19:13:53.42 ID:TpKUzG8h0
-
_____
\|||||||||||||/
以`゚益゚以 《……イトイトイットーイ?》
だが、高音と共に暗闇は切裂かれる。
どういう訳か変形を無事に終え、ブーンは夢見心地、不可解な気分のせいで、
自分が見ている光景も、システムが提示するあらゆる情報も理解出来なかった。
「え……あ、あれ? い、生きてんのかお?」
その光景は、幾百もの赤い粒子線が王と自分を隔てているような。
ブーンは足腰に形成されたバーニアンを使う事も忘れ、王が放った刃が灰塵と
なってゆく様を、地球と同じ1Gという重力に引かれつつ呆然と見ている。
「ど、どうなってんだお……?」
そのまま地面に落下して、尻餅をついたままの状態でブーンは呟いた。
状況を把握できない。何が起こったというのだ?
……そもそもツンという少女に出会った時から、この夢は始まったのではないか?
- 271 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/26(金) 19:18:53.65 ID:TpKUzG8h0
-
などという逃避に走った矢先、拡声された男の声がブーンを現実に呼び戻した。
スネーク『待たせたな!』
「お、オッサン!?」
スネーク『生きてるなら王から離れろ! 巻き込まれるぞ!』
遠く離れた位置から物々しい音聞こえる――エネルギーの充填音、歩行音のように聞こえる。
冷静さを取り戻したブーンは、情報システムが提示する「初検出の熱量」を警戒し、
両足のバーニアンを噴射させてセントラル上空へ飛翔した。
今にも崩れそうなビルの間に見えたのは、“王”と――
――“王”と同等の巨躯を持つ、巨大な二足歩行の兵器であった。
- 272 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/26(金) 19:23:06.70 ID:TpKUzG8h0
- ※ 数分前、開発区画内第3格納庫にて。
スネーク「オタコン……」
血生臭い街道を疾駆して、油の臭い充満する頑丈な質感に
覆われた研究プラントに彼等は到着していた。
道中、異形と化した市民や動物の妨害があったが、
ブーンがくれた銃器のおかげで切り抜ける事が出来た。
予備電源で辛うじて灯されてる薄暗い格納庫で
スネークとツンを待ち構えていたのは、オタコンだけでなかった。
漆黒の金属装甲に覆われた、四肢を持つ超巨大兵器が、一機。
“王”と比較しても遜色無く、全長は200メートルを超え、
遠目に見ていようがその重量感、重厚感が損なわれる事は無いだろう。
ξ;゚听)ξ「な、何このバカでかい鉄の巨人!」
オタコン「メタルギア・VIP。皇帝が他国への侵略の為に作らせた
セントラル最高の軍事兵器さ」
ξ;゚听)ξ「他国への侵略の為に作った……軍事兵器……」
- 273 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 19:25:47.68 ID:uWkOAM1Y0
- ここでメタルギアを出すとはwwwwwwwww熱いwwwwwwwwww
- 274 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 19:26:11.28 ID:J8YxZ+R4O
- メタルギア支援
- 275 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 19:26:19.52 ID:TNsUm1P40
- 皮肉だな
- 276 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/26(金) 19:26:21.79 ID:TpKUzG8h0
-
スネーク「“王”と対抗するにはコイツしか無い……それは理解できるが、」
オタコン「何故君を選んだか、だったね……いいかい、スネーク」
オタコン「君は……いや、君もまた、異界からやってきた人間なんだ。
あのブーンという青年の世界からやってきた、ね……」
ξ;゚听)ξ「え、ええええええっ!?」
スネーク「お、俺が……!? バカな、俺がセントラルの人間だと言ったのは、
他でもないお前だろう、オタコン!?」
- 277 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/26(金) 19:30:23.15 ID:TpKUzG8h0
-
ξ;゚听)ξ「第一、ここには召喚士なんていないんでしょう?」
オタコン「他の世界の召喚士に順ずる存在がスネークをここに連れて来た、
なんていう可能性も考えられるだろう?」
ξ;゚听)ξ「考えられなくは……ないわよね」
スネーク「推測はどうだっていい。
お前は一体、何を根拠にそんな馬鹿げた事を言っている?」
オタコンは抱えていた一枚のモニターをスネークに見せる。
内容は2つのデータを比較したもの。しかし、比較というよりは、
スネーク「一つは……ブーンが持っていた銃の材質か。
もう一つは何だ? 酷似しているが……」
オタコン「酷似しているんじゃない。全く同じ金属なのさ。
もう一つは、スネーク、君の人口骨格を形成していた金属だ」
同等、同一を証明する内容であった。
スネークは驚きの余り声も出せなかった。
そんな彼に追い討ちは切り出し難いのか、オタコンは視線を地に落として言う。
オタコン「……君の身体は、作りかえられてるんだよ……僕の手によってね」
スネーク「話が見えんぞ、オタコン」
オタコン「ご、ごめん、一から説明するよ」
- 278 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/26(金) 19:35:12.90 ID:TpKUzG8h0
- オタコン「……迷いの森で瀕死の君を発見した時、君の身体が異質な物であると
一目で分かったんだ。僕は好奇心故に誰にもその事を話さず、そして
君が記憶喪失だったのを利用し、異質の物質の研究に没頭したんだ……」
スネーク「オタコン……お前……じゃあ俺がセントラルの戦士だって事も……」
オタコン「ああ、僕がついた嘘さ……君のIDも経歴も、全て僕のでっちあげだ。
すまなかった、スネーク……話す必要は無いと思って、黙っていた。
セントラル以外に高度な科学技術が存在すると知って、僕は好奇に溺れていたんだ」
オタコン「だけど、彼と彼女の登場は……正確には異界から来たというブーンの銃を調べて、
僕は心底驚いた。彼の銃の材質が君の身体の物と一致するんだからね」
オタコンは間を置き、一度スネークの顔を見ると、唖然としているのに気づいた。
ここまでの発言に寓意があると改めたオタコンは、深く呼吸をしてから、
オタコン「よ、要するにだ……君もあちらの世界から来たんだ。
ツンの言うとおり召喚士もいなければ手段も不明だが、
とにかく君はあちらの、ブーンの世界からやってきたんだ」
- 279 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 19:35:55.20 ID:IiCG/8esO
- 追いついた支援イトーイ
- 280 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 19:38:37.46 ID:Ypsqckny0
- やはり本人だったか……
- 281 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 19:39:09.20 ID:xZ8Zy+410
- いいねいいねイトーイ
- 282 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/26(金) 19:41:00.69 ID:TpKUzG8h0
-
オタコン「頼む、スネーク、奴を倒してくれ……人々を救ってくれ!」
スネーク「…………」
スネークはメタルギアを見上げ、思う。
オタコンという素晴らしい男の期待と信頼に、今の俺が応えられるのだろうか、と。
今、信じることが出来ないのは何より自分。
それでも、スネークは煙草を吐き捨て、メタルギアに向う。
彼の足を動かすのは友の信頼に応えようとする使命感であり、
失われた時間と、自分自身を取り戻せるという期待感である。
漆黒の兵器を繰り、スネークは出撃する。
あの男、ブーンと共に戦えば、全てを取り戻せると予感して――――。
- 283 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 19:44:17.47 ID:IiCG/8esO
- 熱いぜスネーク!
支援イトーイ
- 284 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 19:47:05.84 ID:uWkOAM1Y0
- オラーハシンジマッタダー オラハシンジマッタダー
- 285 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 19:49:54.73 ID:TNsUm1P40
- 急かすわけじゃないけど、投下遅いな
- 286 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 19:51:42.68 ID:IiCG/8esO
- >>285
さるったんじゃね支援
- 287 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/26(金) 19:52:20.11 ID:uMscpnic0
- 街さん猿にかかりました
すみませんがしばらくお待ちください
- 288 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 19:53:02.35 ID:Ypsqckny0
- 支援
- 289 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/26(金) 19:54:11.91 ID:TpKUzG8h0
- ※
_____
\|||||||||||||/
以#゚益゚以 《フーッ! フーッ! イトーイッ!》
“王”は息を荒くしている。醜い顔面を更に醜く歪めて。
恐らく、攻撃を阻止されたので酷く腹を立てているのだろう。
反撃の意思と見て間違い無い。ブーンは「逃げろ!」と
届きもしないが大型兵器に向って叫ぶも、“王”は素早く身体を回転させて
背後の兵器目掛けて尾を奔らせた。
思わず目を瞑って視界を遮断するブーンだが、
強烈な衝撃音はどうしても機械仕掛けの耳に入ってしまう。
嫌な反響音をマイクが拾った。情報処理システムの予想によれば、どうやら胴体に直撃してしまったようだ。
「お、オッサン……」
だめだ、万に一つ生きていても、無事ではないだろう……。
どんな建造物とて“王”の前では土塊も同然、戦闘用兵器であろうとも
致命的な損傷に至っているはずだ。
恐る恐る目を開けると、赤光が目に飛び込んだ。
赤光はセントラル天蓋を照らしていた。炎が燃え盛るような色であった。
- 290 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 19:54:29.27 ID:J8YxZ+R4O
- つまりイトーイが足りないわけか
- 291 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 19:54:57.33 ID:ohm4Y0wH0
- イトーイ支援イトーイ支援
- 292 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 19:57:00.12 ID:Ypsqckny0
- イトーイ
- 293 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 19:57:27.08 ID:IiCG/8esO
- オラのイトーイも受けてくれ
- 294 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/26(金) 19:57:55.33 ID:TpKUzG8h0
- それは機体大破が生む爆炎ではなく、機動により産み出された閃光であった。
機体の全装甲が赤光に覆われていた。
ピポザルの赤水晶の光だろう、とブーンですら予想がついた。
事実、兵器のエネルギーも担う赤水晶の魔力に装甲は被膜され、耐久力を向上させているのだ。
スネーク「これがメタルギア・VIP……これなら奴を倒せる!!」
右手のサブモニターが表示する損傷率はゼロに等しい。
反して、上昇したのはエネルギー消費量。
最大出力でシールドを展開しなければ一撃でやられる……スネークは、
短気決戦に持ち込む事を瞬間的に意思決定し、
スネーク『おおおおおおおおッ!』
フットペダルを踏み込み、操縦桿を一気に前へ。
足裏と背後のバーニアンが白熱し、機体は右肩を“王”の胸に叩き付けた。
“王”がよろめいたその隙に、頭部に搭載されたバルカンが“王”の全身に隈なく穴を空けた。
_____
\|||||||||||||/
以,@益。以 《イ、イト―――ッ!?》
鼻、耳、両眼、声帯を奪う赤光の弾丸。
飛び散る肉片は周囲のビルや地面を汚し、“王”の肉体は血を噴いてメタルギアに降り掛かる。
- 295 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 19:57:57.41 ID:NaQBVUjyP
- イトーイ
- 296 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 19:59:53.53 ID:Ypsqckny0
- 支援トイ
- 297 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/26(金) 20:01:29.19 ID:TpKUzG8h0
- 機体がオーバーヒートする直前でバルカンを撃ち止め、
本来は物を掴むなどの役割を担うマニピュレーターである右手に拳の形を作らせ、
“王”の顔面にぶちかました。頭蓋を割り、裂傷から脳漿が飛び出す事をスネークは期待していたが、
顔の厚皮がずるりと剥けただけで、頭蓋の変形は見受けられない。
スネーク「硬いな……これならどうだ!?」
機体頭部に搭載された一撃必殺の破壊力を持つビーム砲の運転を開始させる。
展開から発射まで時間は十数秒、この間機体は他の行動を取る事が出来ないという
制約を受けるが、現状況下においては「たったの十数秒」と言える。
外傷は甚大、致命的だ――――ウィルスを知らぬスネークには好機と判断する他無かった。
_____
\|||||||||||||/
以,@益。以 《オオオオオオオオオオッ!!》
死に体と思われた“王”が叫び声を上げ、撓む体を正す。
攻守が転じる。
王は股の間から尾を走らせ、機体の胸部を狙う。
偶然にもそこはコクピット。“王”がコクピットを狙ったとすれば、
それはウィルスが遺伝子か或いは宿主の微かな記憶――メタルギアに関する――を
リーディングして繰り出した本能的な攻撃であろう。
スネーク「なっ……しかし!」
コマ送りのように、ゆっくりと尾の先端がスクリーンに近づいてくる。
常人ならば死を覚悟するだろうが、スネークは生を乞わぬばかりか、
レーザー砲の起動準備を冷静に進めていた。
- 298 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 20:04:07.91 ID:Ypsqckny0
- 支援
- 299 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 20:04:26.86 ID:IiCG/8esO
- 死ぬなスネーク!
- 300 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/26(金) 20:06:06.15 ID:TpKUzG8h0
- 信じているからだ――――
ξ#゚听)ξ「ThunderBlaaaaaaaade――――!!」
――――魔を繰る少女と
ィ'トー-ィ、
以,[l゚疲i7 「オッサン!」
_____
\|||||||||||||/
以,@益。以 《イドッ―――――!?》
――――蒼い光が援護してくれると。
肌を焼くような、夢から醒めるような熱き蒼い閃光が、
スネークの目に、脳に、深層心理を力強く撫ぜた。
スネーク(……ああ、思い出したぞ、ホライゾン・ナイトウ――)
意識は遠のき、再び“見覚えのある映像”がフィードバックされ、
デイビッド・スネークは失われた己の時間と記憶を取り戻したのである。
――お前は、頼れるんだか頼れないんだか分からん、俺の戦闘パートナーだ!
- 301 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 20:06:51.64 ID:NaQBVUjyP
- イートイ
- 302 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 20:08:00.40 ID:Ypsqckny0
- これは……
こいつは……
- 303 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 20:08:07.19 ID:IiCG/8esO
- 思い出した支援イトーイ!
- 304 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 20:08:21.78 ID:J8YxZ+R4O
- 誰だwwwwwww
- 305 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/26(金) 20:10:15.32 ID:TpKUzG8h0
- メタルギアの攻撃は、確かに隙を作っていた。
“王”が怯んでいた間、遅れて格納庫から出てきたツンは
魔力を高めながら空中を闊歩して魔法攻撃の射程距離まで移動。
ブーンもまた同様に、両肩に搭載されたBlueLazerCannonのエネルギー装填を行っていた。
そうして天蓋に発生した暗雲より出でた雷剣が“王”の尾を斬り、
機械仕掛けの黒い狼人が双肩のキャノンから放った
巨大な蒼い光は、“王”の頭の右半分を消滅させたのだ。
にも、関わらず。“王”の胴体は未だ動いている。
とはいえ動きは鈍い――勝機、今度こそ紛れもない勝機だ。
スネーク『お互い、随分と物々しくなったな。その姿はなんだ?』
声は落ち着いているが、機械仕掛けの人狼を見やってスネークは驚いていた。
ボストンでの戦闘では見なかった兵器であるからだ。
ィ'トー-ィ、
以,[l゚疲i7 「BLACK DOGUの戦闘形態、アーマーシステム。
エネルギー喰うからあんまり使いたくなかったけど、そうも言ってられねーお」
BLACK DOGUに搭載された戦闘用プログラム、「アーマーシステム」を起動すると、
その名が示す通りバイクは“鎧”へと変貌し、ブーンに着装する。
バイク武器庫に積載された夥しい銃器とエネルギーカートリッジを全身の
適所に配備し、それらを高速でオルタネードする事により攻撃バリエーションを飛躍させる。
更に、バイクのバーニアンを脚部に回した為、超高速飛行も可能にさせている。
欠点を挙げるとするならば、エネルギー消費が甚大だという事。
武器の命たるブルーエネルギーを惜しみなく使用出来るとも言える。、
故に、使いようによってはブーンの肉体に致命的なダメージを及ぼしかねない、という事である。
- 306 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 20:12:37.05 ID:TNsUm1P40
- 疲れが顔に出てるな
- 307 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 20:12:54.64 ID:NaQBVUjyP
- イトーイ
- 308 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 20:13:37.31 ID:IiCG/8esO
- ブーン……!?
い、いや、俺は最初からわかってたぜイトーイ
- 309 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/26(金) 20:13:51.52 ID:TpKUzG8h0
-
それでも躊躇していられない。
目の前の脅威を滅するには、ある程度のダメージを覚悟する必要があるようだ。
超高出力レーザーを使用した後のダメージは、魔術師ツンの魔法に期待しよう。
その信頼は無意識なもので、「ツンはツン」という固定概念を知らず内に覚えてしまった為であろう。
ィ'トー-ィ、
以,[l゚疲i7「……オッサン、この化物は倒せるはずだお。
でも、倒せたとしても恐らく街にも致命傷を与える事になるお」
スネーク『むしろ街ごと破壊するつもりで攻撃するぞ』
すぐにスネークの意図にピンと来たブーンは、眼下に広がる荒廃した街を見回した。
ビルと呼ぶべき建造物。そこに等間隔で並ぶ窓の一つ一つに、数多の化物がへばりついている。
怯えた目で、街の中心で暴れる巨大な二つの存在を見ているのだ。
ツンの雷剣が切り落とした“王”の尾に群がる“彼等”もいる。
その尾を巡っては凄惨な共食いが勃発し、一方では尾に目もくれずひたすら暴欲と食欲を
発散し続けるセカンドも数多くいた。
この世界の人類の叡智の結晶たる街、セントラル。
街はその本来の姿と機能を失い、代わりに、地獄だとか絶望といった言葉を体現していた。
スネーク『街などいい。人間が意思を残せれば……後世にな』
- 310 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 20:14:14.55 ID:Ypsqckny0
- やはり疲労感がやばいな
- 311 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/26(金) 20:19:00.90 ID:TpKUzG8h0
-
ィ'トー-ィ、
以,[l゚疲i7「……同感だお。こいつらは人を喰らう化物だ!
ウィルス蔓延を防ぐ為にも殺す……!」
ギコ・アモットとの戦闘の時のように、ブーンは“殺人”を躊躇うと踏んでいたスネークだが、
スネーク(なるほど……少しは成長したようだな)
ブーンの見違えるような口ぶりに、スネークは思わず破顔した。
ギコ・アモットという男が我々の目の前でセカンド化した為に――ギコに
明確な意思と理性が残っていた為もあるが――、ギコをセカンドと見なせず、
戦いと殺害を躊躇していたあのブーンとは、まるで別人のようである。
ィ'トー-ィ、
以,[l゚疲i7(……オッサン、世界は違えど、アンタはやっぱり
僕が尊敬するデイビッド・スネークだお)
ブーンのスネークに対する印象は対照的で、スネークという男はどこまでもスネークであるのだ。
無限の可能性があろうとも、デイビット・スネークというキャラクターは揺るがないのだろう。
聖剣に尋ねずとも元よりブーンにはその自信があり、彼をとことん信頼していた。
- 312 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 20:19:43.70 ID:IiCG/8esO
- 疲労感イトーイ
- 313 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/26(金) 20:24:55.91 ID:TpKUzG8h0
-
スネーク『若いの! 抗体で奴を弱体化させろ!』
ィ'トー-ィ、
以,[l゚疲i7 「了解。トドメはオッサンに任せたお!」
ブーンの視界に、メタルギアのスクリーンに、エネルギーが上昇する様が描かれる。
メタルギアの全身が左右に開かれ、内部から何機もの巨大な砲が出現する。
一方、ブーンの右腕全体が意思を持った一つの生物の如く蠢き、
彼の全長にも及ぶ長さに達する銃身へと姿を変えた。
ブーン、メタルギア、それぞれのレーザー砲がエネルギー装填によって鳴動する。
高鳴り、更に高鳴り、絶頂に達した瞬間、
ィ'トー-ィ、
以,[l゚疲i7 (さしずめBlueLazerBladeってとこかお! 喰らえ!)
まず、蒼光が王の鳩尾を貫いた。ブーンは足腰のバーニアンを噴射させて無理矢理
射線を安定させつつ、Boosterを起動した左腕を使って右腕を強引に持ち上げた。
蒼光は腹と背の肉を裂き、背骨を穿ち、緩慢な速度で上昇して喉元に達した。
“王”は全身を痙攣させて赤く濁った泡を吐き出し、白目を剥き、表現する。
ウィルスに蝕まれた身体が、抗体によって浄化されてゆく灼熱の痛みを。
《ゴ、ゴオ、ウゴボ、ェ、イドッ》
傷口から液状になった肉と内臓が零れ出るのを、“王”は震える右手で必死に押さえようとした。
“王”は左手で、自分の頭を裂こうとする蒼い光条を止めようとするが、
やがて脆くなった肉体ではそれが叶わず、左手もドロドロの液体と化して都市に落ちた。
- 314 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 20:28:55.45 ID:IiCG/8esO
- 支援イトーイ
- 315 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/26(金) 20:29:23.82 ID:TpKUzG8h0
- そこで蒼光は止んだ。“王”の姿を憐れんで止めたのではない。
サーモグラフィを通して見る“王”のウィルス活動を鑑み、
単にエネルギーの節約をしたくブーンが停止させたのだ。
抗体による弱体化は成功した。“王”の全身は脆くなっている!
(; ω )「よし……オッサン……先に、一服させて、もらうお……」
アーマーをパージしたブーンは、震えた手で煙草を咥えた。
アーマーシステムでの超高圧レーザー照射をバーニアンで無理矢理制御させた為、
ブーンの臓器や毛細血管は破裂に至ったのだ。
元のバイクの姿に戻ったBLACK DOGが、重力に引かれてゆくブーンを拾って降下した。
ブーンは座席でぐったりと項垂れ、咥える煙草は見る間に血で真っ赤に染まっていった。
ξ;゚听)ξ「ブーン!!」
全身から色鮮やかな光を放出させて、ツンが急いでブーンに近づく。
力無く座席に身を預けるブーン。彼の胸元は血で酷く汚れていたが、
ツンは意に介さず両手を当てた。
- 316 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 20:30:16.29 ID:7X7BmEH4Q
- 今北
超読むぜー!wktk!
- 317 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/26(金) 20:33:48.25 ID:TpKUzG8h0
-
ξ;゚听)ξ「Bafarin(バファリン)!!」
ぽう、と白い光がツンの手から生まれ、ゆっくりとブーンの全身を覆う。
朦朧としていた意識は回復し、脳と光学兵器の接続状況が安定すると、
今にも泣きそうな顔のツンを映し出した。
(;^ω^)「お……さすが、ツン。言わなくても、僕のやって欲しい事を、やってくれるお……」
ξ;゚ー゚)ξ「そんなんじゃないわよ。今アンタに死なれたら困るだけ。
アンタの世界のツンみたいにアタシは優しくないはずよ?」
(;^ω^)「ふふ、そーでもねえお。君とツンは、どこまでもそっくりだお」
「アンタもね」。
そう言いたかったが、恥ずかしくなったのでツンは飲み込んだ。
ただ、何故聖剣が彼を選んだのか、ようやく理由が分かった。
この冷たく硬い身体の内には、確かに正義の心が埋め込まれている。
それは少し不安定で、しかし時に自分を省みようとしない愚直さを発揮する……。
アタシの世界のブーンとよく似ている。
主人公格とは、こういった人種がそうなのかもしれない。
- 318 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 20:34:16.21 ID:J8YxZ+R4O
- あれ……新デザイン結構いいと思ったの俺だけ?
- 319 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 20:35:37.02 ID:IiCG/8esO
- ヘルバトラー仲魔入り記念イトーイ
- 320 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 20:36:36.01 ID:g8Ieac2y0
- 半分はやさしさで出来た回復魔法か
支援
- 321 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/26(金) 20:38:31.20 ID:TpKUzG8h0
-
ツンがブーンを救出したところを見届け、
スネークは双眸の形を鋭く変えてメインモニターに映る“王”を睨みつけた。
原型無く破壊された“王”は激痛に悶えている。
顔面の亀裂から止め処なく溢れる液化した血肉を必死に手で押さえ、
しかしその努力の甲斐無く、果ては脳髄まで流れ出ると、身を捩じらせて絶叫した。
《いどおおおおおおおおああああああああああああああ!!》
スネーク『王よ……』
深い哀れみを覚えるからこそ、殺らねばならないのだ。
スネーク『さよならだ』
煙草を咥えた口で呟き……、砲の発射トリガーを引いた。
_____
\|||||||||||||/
以,@益。以 《イ、》
_____
\|||||||||||||/
以,@益。以 《イ、い、いい――――》
- 322 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 20:39:56.80 ID:Ypsqckny0
- 支援
- 323 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 20:40:19.81 ID:IiCG/8esO
- スネーク△
- 324 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 20:40:56.75 ID:J8YxZ+R4O
- つまり半分はデレってことか
- 325 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/26(金) 20:41:47.18 ID:TpKUzG8h0
-
_____
\|||||||||||||/
以,@益。以 《イチマツニンギョオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!》
全てを飲み込まんとする、途方も無く巨大な赤い光。
それと正対した王は瞬時に死を悟り、断末魔をあげた。
その言葉は本能が声帯を振るわせただけの意味の無い、
あるいは“王”だけが知る“王”だけの言葉は、セントラルを大きく振るわせた……。
赤光は“王”に消し炭となる事も許さず、完全にこの世から消失させた。
直後にレーザーはセントラルの内壁を貫く。
土色の金属壁は高い破砕音を奏でながら街に降り注ぎ、多くの建造物と衝突した。
更にレーザー攻撃は街中の魔導機に悪影響を及ぼしていた。
レーザーが放つ強力な魔力を受けた為、魔力の流れを狂わされた魔導機は
次々と独りでに爆発を起こしていったのだ。
連鎖し、積み重なり、魔力の爆発は規模を益す。
街の至る所で炎が生まれては蠢き、街はセカンドを燃やしながら死を迎えた。
- 326 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 20:43:25.98 ID:J8YxZ+R4O
- イチマツニンギョウーwwwwwww
- 327 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 20:43:44.14 ID:IiCG/8esO
- 市松人形言わせんなイトーイwwwww
- 328 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 20:44:00.34 ID:Ypsqckny0
- くっそわろたwwwwwwwwwwwwww
- 329 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 20:44:01.31 ID:ukHayYumO
- 市松人形www
- 330 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/26(金) 20:44:43.95 ID:TpKUzG8h0
-
スネーク『若いの、セカンドウィルスの反応は?』
(;^ω^)「もうこの街にはウィルスは存在しない……街と呼べるかわかんないけど……」
炎上する街を一望し、沈んだ声で返した。
街中の魔力が暴走したといってよいほどの爆発だった。
無事に立ったままの建物はほとんど存在せず、道も瓦礫によって埋められている。
地下でありながら天災に遭ったかのような光景である。
ありとあらゆる感知センサーを最高レベルで機能させた結果、
ただし熱量を感知しづらい箇所を除き、セカンドの反応が無いと確信する。
同時に、この街に人間の気配が消えうせた事も……市民の多くが喰われ、
もしくは霧に飲み込まれたのではなく、避難したものだと、ブーンは願った。
勝利と呼ぶには代償と犠牲が大きいと思うのは、スネークも同感であった。
ブーンが罪悪感に苛まれているのは自分の事の様に分かる。
- 331 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 20:45:15.37 ID:TNsUm1P40
- 俺こっちだけど
ィ'トー-ィ、
以`゚益゚以
_( つoと)_
\ U U/
(┓━ )TL
- 332 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 20:46:28.55 ID:Ypsqckny0
- 支援
- 333 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 20:47:30.46 ID:g8Ieac2y0
- しえんしえん
- 334 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 20:48:02.84 ID:m5pNt7du0
- 前に作った複アカ200個あって使い切れないんだけど
もっててもしょうがないからほしい人いたらやるわ
申請出してくれればアドとパス送るから大事に使ってよ
mixi id=27267693
- 335 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/26(金) 20:49:43.29 ID:TpKUzG8h0
- スネークがそれでも毅然としていられるのは、
セカンドウィルスを災害の一種と捉えている他ならない。
地震、竜巻、落雷……自然が時として人に牙を剥くのと同じで、
ウィルスも決して人為的に発生した存在ではないと認識している。
この考え方は、アンノウンの誕生にもそっくり当てはまるとスネークは思う。
偶発的に生まれたアンノウンはまさに自然災害の一種であり、
奴が作り出した擬似セカンドウィルスも同じカテゴリに分類される災害なのである。
一度そう整理し、スネークは諭すように言う。
スネーク『なにも始めからセントラルが存在したんじゃあない。
人がいたからこそ出来た街だ』
悪夢のような災害から、可能な限り人々は助けられた……と、
そう考えねば、永遠に希望を見出す事など出来ないはず。
スネーク『人の意思は残った。セントラルは再び復興するさ』
人の意思、人の可能性。それこそが希望だとスネークは考える。
今一度無に等しくなったこの空間に、希望は再び街という形となって
間違いなく復活する。そう信じるスネークは、揺ぎ無い思いでブーンに言ったのだった。
- 336 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 20:51:13.31 ID:ohm4Y0wH0
- イトーイがんばった支援
- 337 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 20:53:44.10 ID:IiCG/8esO
- やっぱスネークまじかっけー
- 338 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/26(金) 20:54:01.90 ID:TpKUzG8h0
-
(;^ω^)「オッサン……」
( ^ω^)(人の意思、かお……。そうだお、セカンドウィルスだったり、
聖剣だったり、強大で超常的な力に依存するのは間違いなんだお。
機械も、魔導機も、人の意思と知恵が生み出した産物なんだお)
(#^ω^)(人が持つ可能性……それを訳のわからん力で潰そうなんて、許せないお……!)
(#^ω^)(アンノウン……お前だけは絶対、一発この手でぶん殴ってやる!)
ξ;゚听)ξ「……でも、アタシ達のせいでセントラルがめちゃくちゃになった、ていうか……
アタシ達が来なければこんな事にならなかったのも事実よね」
( ^ω^)「ツン……」
(;^ω^)「……だお、君の言うとおり、僕らに非が無いとは言えないお」
スネーク『鍵の落とし場所がたまたまここだった、ってだけだろう。
どこにしろお前達の行く先が戦場となる可能性は高かった。
そうでなくとも、アンノウンが無差別的な破壊行為に及ぶとも考えられる。
この街だったからこそ、被害を最小限に留められたと考えな、お嬢ちゃん』
ξ;゚听)ξ「……これ、最小限って言うかなぁ?」
ポジティブにも程がある。もはや呆れてツンはそう呟いた。
スネーク『多くの人が外に脱出できたんだ。それで良いだろう』
- 339 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 20:54:50.07 ID:L+1VPJNK0
- 支援
- 340 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 20:57:23.74 ID:g8Ieac2y0
- オッサン大人だなー支援
- 341 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/26(金) 20:58:44.36 ID:TpKUzG8h0
-
( ;゚ω゚)「そうだ! ツン! 鍵は!? まさかぶっ飛ばしちまったかお!?」
ξ゚听)ξ「え? 鍵? 家の鍵ならちゃんと身に付けて……」
ξ;゚听)ξ「あ、あ、ああああ――――――――――ッ!!!
ちょちょちょちょちょっと待って! 波動を探ってみるから!」
ξ(゚听;三;゚∀゚)ξ「あばばばばばばばば鍵は何処じゃーい!」
(;^ω^)「おおおちつけ!取り乱してねーでさっさと探せお!」
ピキ――ξ´゚听)ξ――ン!!
ξ;゚∀゚)ξ「あ、あった! 波動を感じる! 王宮よ! 王宮に埋もれてるわ!
おらブーン! さっさと掘り起こしに行くわよ!!」
(;^ω^)「ふー、マジで焦ったお……んじゃ、掘り起こしに行きますかお」
__
- 342 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 21:02:03.49 ID:ooFLjiHg0
- ツンwwwwww
- 343 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 21:02:34.97 ID:Ypsqckny0
- ツンかわいいしえん
- 344 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 21:02:36.57 ID:h+kqxDfg0
- はたして疲労ーイはかっこよかったのだろうか…
- 345 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/26(金) 21:04:07.87 ID:TpKUzG8h0
- ※
魔導兵器用ドッグを通ってニューヨークマウンテンの山頂から外界に出た一行。
再び見る日の光が、ツンとオタコンに強烈な生を実感させた。
山の麓から広がる草原には、路頭に迷う人々の姿が見える。
軍隊が市民を囲って陣を敷き、セカンドを含むモンスターを撃退しようと懸命に抵抗していた。
そんな戦場に突如大きな影が現れたものだから、
人々はこぞって絶望の眼差しを上空に向けたのだが、
「み、見ろ! メタルギアだ!」 「あのバイクは何だ!? 見たこと無いモデルだ!」
それが新手の化物ではなく強力な援軍だと分かると、人々は一斉に歓喜した。
メタルギアは陣の前を目標にゆっくりと降下し、一方ブーンは先走って敵に突っ込んでいった。
見たことも無い蒼く煌く銃を操り、怒涛の勢いで化物を殲滅してゆく謎の男。
「あのイケメンは誰なんだ!?」 「でもだおだお言ってるぞ!?」と、あらゆる推測が一時飛び交うが、
その内どうでもよくなり謎の金髪男の活躍を「だおだお!」と歓声をあげて応援し始める。
それまで良い様に人間を蹂躙していたセカンドとモンスター達。
だが突如闖入してきた男と、何より上空から徐々に降下してくる巨大な塊に異様な威圧感を抱き、
形勢逆転の危険を本能的に感じ取ると潔いまでに走り去っていった。
スネーク『セントラル市民よ、化物と化した“王”は倒した』
そうして綺麗に片がついた草原にメタルギアが高らかに言った。
人々は諸手を上げてメタルギアのヴォリュームに優る歓声で呼応するも、
スネーク『だが、同時に街を失った』
次の一言を聞き、人々は声を沈める。
この落胆を想定していたスネークはすぐ諭すように言った。
- 346 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 21:04:19.74 ID:TNsUm1P40
- ィ'トー-ィ、
以,[l゚疲i7
ヒローイ
支援
- 347 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 21:07:40.85 ID:Ypsqckny0
- だおだお支援
イ、イトーイよりはかっこいいんじやないか、うん……
- 348 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 21:07:41.30 ID:IiCG/8esO
- ヒローイで定着しそうだなヒローイ
- 349 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/26(金) 21:08:06.55 ID:TpKUzG8h0
- スネーク『なに、そう落胆する事じゃないさ。街なんてまた一から作ればいいだけだ。
しばらく迷いの森辺りで生活するのも悪くないだろう』
(;^ω^)(っつってもなぁ……)
妙に饒舌に聞こえるのは“王”との戦闘を終えて頭が冷めたからだろうか。
よくよく考えれば街を作り直すだなんて相当の労力が必要な訳で、
安々と言えるような事とはブーンには思えないのだ。
が、そんなブーンを余所に、「その通りだ!」と総意を表す怒声が草原に広がった。
スネークは、気休めのつもりでもそう語りかけたが、街を再興する気持ちは本気である。
ともかく、市民を安心させたく、このようなアナウンスを流したのだ。
スネークは彼の頭部に搭載された通信機器を利用し、ブーンと無声通信を開始する。
スネーク『聞こえるな?』
( ^ω^)(おっ、聞こえるお)
スネーク『それで、どうだ? 市民の中に感染者はいるか?』
(;^ω^)(いるお……まだ変異してないけど、いずれは…………いや、待ておスネーク!)
スネーク『何だ? っ、何だ!? 市民とセカンドの身体から、赤い霧が!?』
毒気が抜ける。その言葉を可視化した現象が、疑似セカンド達の身体で起こっている。
ξ;゚听)ξ『ブーン……多分なんだけど、アンノウンが魔法を解いたんだわ』
- 350 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/26(金) 21:58:49.03 ID:sbfvD0WY0
- ※
爪 ゚W〉《高度な科学技術を持つ世界から召喚された戦士、B00N-D1、か。
なるほどな……一時は迷ったが、異形と化した人々を躊躇無く殺していった貴様の心は、
強いようで弱く、実に不安定だった》
爪 ゚W〉《だからこそ、安定した時の精神は鋼の如く強靭なのだろう。
確かに貴様は、聖剣の糧に相応しき主人公格と言えよう……クク、ククククッ》
爪 ゚W〉《ククク……クッ……ああ! 貴様を見ているとヘドが出そうになる……!
B00N-D1! スネークとか言う男もだ!》
爪 ゚W〉《人の意思? 可能性? 実にくだらん!
我という存在が誕生して希望など世から消えた事を教えてやる!
B00N-D1! 貴様の首を切り離して貴様の世界に届けてやる!
人間どもが絶望する中で全てを消滅させてやるぞ!!》
左腕を挙げると何処からとも無く赤い霧が現れ、手首の無い其処に集約する。
霧は不自然な速度で動いて手の形を象り、受肉し、アンノウンは左手を取り戻した。
アンノウンは、こうして魔法を解いたのだ。
爪 ゚W〉《全力の貴様をこの手で捻り潰してこそ、我という存在が意味を成すだろう》
爪 ゚W〉《そう、我の存在理由は希望を永遠の闇に落とす事なり。
さあ、早く我が城に来るがいい……》
__
- 351 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 21:59:52.91 ID:q1Lc9F5Y0
- シエーン
- 352 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 22:01:39.74 ID:lWmDhyGEO
- あのうんこきた
- 353 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 22:01:55.38 ID:q5bh/p2Q0
- しえん
- 354 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/26(金) 22:03:57.95 ID:sbfvD0WY0
- ※
人々は疲れ果て、途方も無くだだっ広い草原に座り込んでいた。
遥か遠方では石の巨人が練り歩いているが、こちらの巨人を警戒しているのか、
近づこうとする気配は無い。
感染した人間は「毒気が抜けた為か」何事も無かったように、生きている。
しかしながらセカンド化してしまった人間は化物の身体のまま絶命してしまった。
これはアンノウンの強力な魔力を直接受けた為であろうとツンは考えたが、裏付ける根拠は無い。
自分の来訪により、人々が不条理に死んでしまったという事実を受け入れたくないツンが、
自分の為に見つけた逃げ道に過ぎないのだ。邪な考えであるとは自覚して……。
ξ;゚ー゚)ξ「Bafarin(バファリン)! ……はい、これでいいわよ」
そんな後ろめたい罪悪感を忘れようと、ツンは人々の手当てに奔走していた。
休み無く魔法を使用して酷い疲れを感じていたが、これが今の自分に出来る精一杯の贖罪だった。
ブーンは武器やBLACK DOG、自分の身体のメンテをしていた最中だったが、
そんなツンを見ていられなくなり、止めようと声を掛ける。
( ^ω^)「ツン、ちょっと来てくれお」
まだ手当てを受けるべき人は多く残っていたが、
ツンは素直にブーンに連れられて人から離れた場所へと歩いた。
正直なところ、限界だった。
( ^ω^)「そんなに魔力を消費して平気かお?
そろそろ日が暮れる。君もアンノウンとの戦いに備えるべきだお」
ξ;゚听)ξ「……いいのよ。アタシに出来る事って、これくらいだから」
- 355 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 22:04:19.11 ID:q5bh/p2Q0
- 優しさ50%支援
- 356 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/26(金) 22:06:47.22 ID:sbfvD0WY0
-
( ^ω^)「そんな事は無いお。君の魔法は十分過ぎるほど強力だお。
アンノウンとの戦いでも絶対に必要になるはずだお」
自信を欠いているツンをフォローするつもりはない。本心である。
けれど、ツンはもう一度「いいのよ」と言って、踵を返した。
ξ゚听)ξ「あ、それよりアンタさ」
ツンがブーンから離れようとした時、思い出したように振り返って、
ξ゚听)ξ「スネークさんと話してきなさいよ」
( ^ω^)「オッサンと? どうして?」
ξ゚听)ξ「アンタ達、出会うべくして出会ったのかもしれない。
聖剣のお導きだなんて迷いの森で言ったけど、本当にそうなのかも」
- 357 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 22:07:55.53 ID:q5bh/p2Q0
- 支援
- 358 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/26(金) 22:09:04.93 ID:sbfvD0WY0
-
( ^ω^)「言ってる意味が……」
よくわからんお、と言い掛けた、飲み込む。
――スネークの言葉が脳裏に走った。
『若いの、セカンドウィルスの反応は?』
『何だ? っ、何だ!? 市民とセカンドの身体から、赤い霧が!?』
(;^ω^)「僕は一度もツンとスネークの前で……
病原体をセカンドウィルスと、感染者をセカンドと呼んでないお……」
ξ;゚听)ξ「アンタだけしか知らない言葉を知っている……ってことはやっぱり……」
第一、先ほどの無声通信……あれは、僕の世界の技術だ。
同じ技術で作られた機械同士でなければ通信など成立しないはず……!
彼が余りにも彼だから、何の疑問も持たずに通信に応じてしまっていた!
(;^ω^)「――確かめてくるお!」
- 359 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 22:09:50.81 ID:I8miNKMSQ
- 追いついた!ヒローイも良いと思うよ
- 360 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 22:10:14.70 ID:q5bh/p2Q0
- すねーーーく!!
- 361 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/26(金) 22:13:13.78 ID:sbfvD0WY0
-
薄い紅色を帯び始め、日は落ちてゆこうとしていた。
夕暮れと呼ぶには些か早い時頃、今更ながらアンノウンの襲撃を受けたと
理解し始めた人々は、自然とオタコンの下に集まっていた。
此度、秘密都市セントラルがアンノウンの攻撃を受けた事実を、
オタコンはブーンとツンについては「たまたま他国から来ていた客人」であると上手く誤魔化した。
高度な技術を持つ国と、魔法使いの国から技術提供にやって来た使者、と説明すると、
人々は一抹の疑問を持たず納得してくれた。
誤魔化し方も上手い事ながら、人々の信用を買ったのはオタコンだから、というのが大きい。
前皇帝イトーイ増井に信頼されていたオタコンだからこそ、人々の前に立っても不満が出ないのだ。
王に媚を売って出世したガイル執務官では、こうはいかなかっただろう。
そうして人々の注目をオタコンが集めている一方で、
今回の功労者の一人たるスネークは、離れた場所でメタルギアの整備に努めていた。
整備とは言っても、大掛かりな設備がなければ修復は不可能で、
損傷箇所のチェックをしているだけに過ぎないし、修復作業の役割は本来オタコンが担うものである。
スネーク「ふー」
やる事が無くなったスネークはメタルギアの右肩に腰を下ろし、遠くを見ながら煙を昇らせている。
要するに、暇を持て余しているだけなのだ。
- 362 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 22:13:18.41 ID:voMWxemk0
- 最終決戦には街狩り世界からは2人がノミネートって事か!?
しえんしえん
- 363 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 22:15:59.06 ID:SXWtveA/O
- ガイルェ……
- 364 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/26(金) 22:16:27.49 ID:sbfvD0WY0
-
(;^ω^)「オッサン! 聞きたい事があるお!!」
そこに、血相を変えたブーンが前触れ無く飛び乗ってきた。
咄嗟の事にスネークは煙を吸い込んで激しく咳き込んだ。
(;^ω^)「オッサン、アンタ、さっきセカンドって言ったお?
僕は一度も感染者をセカンドと呼んでないお。
何でセカンドって呼称を知っているんだお!?」
スネーク「ッ……」
問い詰められて、ようやくスネークは口を滑らせていた事に気づいた。
そしてつい無声通信を飛ばしてしまった事も思い出す。
スネーク「それはだな、」
(;^ω^)「僕はツンにもオタコンさんにも、セカンドなんて言葉を使っていないお。
何よりさっきの無声通信。あれは僕の世界の技術だから成立したんだお」
先に唯一の退路を断たれてしまうと、スネークは観念して、
- 365 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/26(金) 22:19:16.28 ID:sbfvD0WY0
-
スネーク「若いの。俺はな、
どういう訳か知らんが、どうやらボストンから飛ばされてきたらしい」
( ^ω^)「じゃあ……!」
スネーク「ビロードは元気か? あいつはどうしてる?」
( ^ω^)「ビロード? ビロードかお! ビロードは……」
( ω )「ビロードは……ビロードは元気だお、オッサン」
これが聖剣の仕業かどうかは定かではない。だが、聖剣という存在に感謝したい気分だった。
二度と会えないと思っていた男との再会に感極まったブーンは、
泣きじゃくったように震えた声で返した。ツンに作られた機械の顔も、くしゃくしゃにして。
強い喜びと、罪悪感を感じて。
- 366 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 22:20:46.71 ID:I8miNKMSQ
- スネエエエエエーク!!
- 367 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/26(金) 22:23:21.46 ID:sbfvD0WY0
-
※
スネーク「そうか、ギコ=アモットは生きていたか……」
ブーンは同郷の世界で起こった事を全てスネークに話した。
ギコが生きていたという事実は、スネークにとってもやはりショックだったらしく、
珍しく彼が落ち込んでいるように見えた。
( ^ω^)「僕の仲間がアーマーシステムを完成させてなければ、
人類は根絶やしにされていたはずだお。
ギコさん以上のセカンドが出てきたら、今度こそやばいかも……」
( ^ω^)「でもオッサン、アンタが生きていて良かったお」
スネーク「どういう意味だ?」
( ^ω^)「アンタがいれば対セカンド戦がずっと楽になる。
勿論、あっちの『セントラル』に行けばツンが僕と同じ仕様まで
バージョンアップさせてくれるだろうから、その点では全く心配する事は無いお」
スネーク「若いの、俺にどうして欲しいのか、ハッキリ言ってみろ」
声こそ落としているものの、得も知れぬ高圧感がビリビリと伝わる。
言い回しが回りくどかったのか、スネークを怒らせてしまったようだ。
恐る恐る、ブーンは尋ねてみる。
- 368 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/26(金) 22:28:27.46 ID:sbfvD0WY0
-
(;^ω^)「……オッサン、もしかしてアンタ、戻る気は無いのかお?
ビロードに会いたくないのかお?」
スネーク「どうやってあちらの世界に戻るつもりだ?」
( ^ω^)「ツンが戻してくれると約束してくれたお」
スネーク「どうやって?」
(;^ω^)「それは……方法は聞いてないお」
スネーク「戻れる保証も無しにのこのこ来てしまったのか。
お前らしいと言えばお前らしいが」
この一言にはさすがにムッとした。
今となっては信用信頼しているツンを侮辱されたような気がしたからだ。
が、相手は他ならぬ皮肉屋スネーク。
この程度で一々怒っていては時間がいくらあっても足りないというもの。
- 369 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 22:29:12.70 ID:I8miNKMSQ
- おおっ スネーク全て思い出せたのか
- 370 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 22:29:16.77 ID:/0r3V1MN0
- またさるったかと思った支援
- 371 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/26(金) 22:30:43.26 ID:sbfvD0WY0
-
スネーク「冗談だ。こちらの世界に連れて来れたんだから、戻る事も出来るんだろう」
案の定、冗談であったらしい。
安堵したのは彼が本気だったのだけでなく、「連れて来れたのだから
戻る事も当然出来る」というその発想に気づかせてくれたからである。
スネーク「だけどな、若いの、俺は戻る気は無い」
(;^ω^)「な、ど、どうしてだお……?」
スネーク「ここでやらなければならない事が出来た」
そう言いながらスネークの視線が下がる。
彼の見つめる方を追うと、そこには路頭に迷う人々で一杯であった。
スネーク「彼等を守らなければならない。この世界も実に過酷だ。
メタルギアのパーソナルは当分書き換えられないから
代わりをやれるパイロットもいない」
(;^ω^)「それは……でも、それは本来アンタの役割じゃない。
アンタはこの世界の住人じゃない。本当はあっちの世界の人間なんだお」
スネーク「だからこそだ。若いの、俺はボストンで確かに死んだんだ。
俺は亡霊も同然だ。自然の摂理に反している。
記憶と心を保っていようが、ここにいる俺は別のデイビッド・スネークだ」
- 372 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/26(金) 22:34:18.46 ID:sbfvD0WY0
-
(;^ω^)「どうしてだお……」
どうして、そんなに寂しい事を言うんだお!?
(;^ω^)「な、なら、せめて一緒にアンノウンを倒して欲しいお!
アンタがいれば心強いお! アンタさえいればきっと――」
スネーク「ブーン。俺とお前の戦闘能力は、今となっては歴然の差がある。
そんな俺が行っても足手まといになるだけだろう」
そんな事は無い! いや、違う! そんな事はどうでもいいんだ!
スネーク「それに、聖剣が選んだのはお前だ。俺は違う。
お前はお前の役割を果たせ。俺はお前が世界を救うと信じて、
俺の役割をここで果たすさ」
( ; ω )(そんな……なんでそんな……せっかくまたこうして……)
スネーク「そうだ、それ、なかなか似合ってるぞ」
スネークは、ブーンの額に巻かれたバンダナを指して言った。
スネーク「お前にはもう、俺は必要じゃなかろう。そのバンダナもな。
今日の戦いぶりを観て、そう確信した」
- 373 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 22:36:11.48 ID:6UQEy0Zc0
- しえん
- 374 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 22:37:37.24 ID:q5bh/p2Q0
- やっぱスネークは参加しないのか…支援。
- 375 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/26(金) 22:38:06.38 ID:sbfvD0WY0
-
スネーク「行け、もう迷うんじゃない。これで俺の講義も終わりだ。
さあ直に日が落ちるぞ。ほら、下でお嬢ちゃんが呼んでるぞ」
( ; ω )「オッサン……」
スネーク「…………」
真っ直ぐと見つめてくる視線が何故か堪らなく、項垂れて
長髪をカーテンのようにして視線を遮った。落ち込んでいるように見えているだろうか。
そんな素振りを見せていても、一向に声をかけてくれる気配が無く、
こちらから切り出さなければ心地悪い沈黙はずっと続くだろう。
無言の静寂の中で何度もスネークの言葉を反芻した。
『俺は亡霊も同然だ。自然の摂理に反している』。
言葉を思い返す内に思い出す……ボストンの空を赤く照らした核の光。
光と共に途絶えた通信を示す耳障りなノイズを……。
- 376 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 22:38:51.81 ID:q5bh/p2Q0
- それにしてもよく生きてたもんだな支援
- 377 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 22:39:43.07 ID:/0r3V1MN0
- 物語のページが( ^ω^)´・ω・)゚听)ξ 川 ゚ -゚) スネーク)応えるようです
ほら、これでいいだろ!アンタだって主人公格になれるだろ!
なぁ・・・。
- 378 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 22:40:15.95 ID:f/Eih8zjO
- スネーク……
- 379 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/26(金) 22:44:10.44 ID:sbfvD0WY0
- あの時のデイビッド・スネークの死は確かな物であったと、
他の誰でもない自分がよく理解しているはずだった。
スネークは、居てはいけない人間だ。
何故この世界に居るのかは想像がつかないが、しかし目の前の彼は亡霊なのだ……。
( ^ω^)「……」
観念し、意を決してスネークに視線を戻す。
まだ彼は厳しい視線でこちらを見ていた――ああ、きっとオッサンは
僕が理解してくれると信じてくれているのだろう。
スネーク「……」
もう亡霊に我儘を言うつもりはない。
それに、聞いちゃくれないだろうから、
( ^ω^)「悪かったお。行ってくるお。あと、バンダナは貰っておくお。
無くしたらビロードが悲しむから」
- 380 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 22:44:52.82 ID:q5bh/p2Q0
- これビロードが知ったらどーなるんだろうな
- 381 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/26(金) 22:47:38.01 ID:sbfvD0WY0
-
スネーク「……そうだな。そうするといい」
スネークは視線を間逆に逸らした。
沈み始めている夕陽を目を細めて眺め、新しい煙草に火をつけた。
( ^ω^)「……」
これ以上、話す事は無い……か。
ブーンは数秒、スネークの背中を一瞥してから、メタルギアの肩から飛び降りた。
( ω )(そうだお。僕はオッサンの分まで頑張らなきゃいけないんだお)
受け継いだ遺志を再び確認できた。
同時に、ボストンで得た例えようの無い喪失感も、ブーンは再び実感したのだった。
黒いバンダナが風を強かに受けて、うるさいほど靡いている。
__
- 382 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 22:48:02.10 ID:q5bh/p2Q0
- 支援
- 383 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/26(金) 22:52:21.88 ID:sbfvD0WY0
-
ξ゚听)ξ「あれ? スネークさんは来ないの?」
聞かれるであろうと想定はしていたが、
気持ちの整理がついたようでついていなく、中々に辛い質問だ。
それでもブーンは出来るだけ平然を装って応えた。
( ^ω^)「おっ。オッサンはこっちの世界の人間だったお。
オッサンにはセントラルの人達を守るって使命があるから、戦いには連れて行けない。
それにアンノウンを倒すのは、僕の役割だお」
この返答は嘘とも真実とも言える、とブーンは思う。
ξ゚听)ξ「……そう。じゃ、行きましょう。夕陽をいっぱい浴びれる丘がいいわ。
綺麗なところ。昨日見た星の海より綺麗な景色のところがいいわね」
(;^ω^)「ハア? なんでそんな所? 魔法と関係あんのかお?」
ξ;゚听)ξ「お、大アリよ! 綺麗さで成功率が上がると言って過言じゃないわ!
四の五の言ってないでさっさと連れてけってば!!」
喚きながらツンはブーンの手を引き、BLACK DOGの方へと走る。
( ^ω^)「ハイハイ。まあ、最後の戦いの前に景色を見て落ち着くのもいいかもだお。
どこか夕陽の綺麗な場所を探してみよう」
- 384 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 22:55:45.97 ID:TKVQGJNtO
- シエーイ
- 385 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 22:56:15.48 ID:q5bh/p2Q0
- 支援支援。
- 386 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 22:56:37.03 ID:/0r3V1MN0
-
_,,-‐'"ヽ. ィ'トー-ィ
ノ \ ヽ ト、 以,[l゚疲i7
{ 、 ヽ. ヽ_(⌒) _,,.. -‐'"ノ /ノ >‐个 、._
ヽー'.ー' `7⌒/'フ >,ノ--―‐‐' ̄ ⌒`ヽ、
∀ ー { ∨ ∨ >ミ λ二ヽ、_ )ヽ__
\ 〉ー { { __ミ∧__,,.-''`ヽ `ヽ
ー―-ヽ、 ノ _,,.. ‐'"´彡 'Y `ヽ i  ̄ヽ、
{ ̄´》丶 ー- <ノ__\ { / ∧
{ 7⌒/⌒ー-' ノ彡/∨ ノ >、._ノ ,' _∩
!〉ー、―-、,ゝ┴ン ノ/ ノ { レ ´ ヽi
{ヽ.__,、___ ' / (´_ / _,,..× ヘ〈 ハ |
/ヽ Y '/´´ } (_,,..、_ハ , ノ }
〉ミミと=‐- ┴―――〈 > ノ / .!
ノノ ', ̄ ̄ ̄ 不TT7´ ゝク´ , /
/ ' ∧ 彡= ′ ハ ⊂´_ノ /
ノ ハ / ′ λ `ー‐-'′
/ { 、/ ハ
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- 387 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/26(金) 22:57:28.59 ID:sbfvD0WY0
-
ξ゚听)ξ「……うん。ま、実は本当言うと、そんな理由なんだけどね」
ツンは急に立ち止まり、振り返って小さくそう言った。
この時ブーンは、ツンは綺麗な景色を見たいだけ、としか思えなかった。
(;^ω^)「なんだよ……まあいいや。僕もちょっと傷心に浸りたい気分だから」
ξ゚听)ξ「何よ、そんなにショックだったわけ? スネークさんが別人だって事に?」
( ^ω^)「ショックだお。死んだと思ってた人間が
こっちで生きてたと期待しちゃったんだから、ショックだお」
ξ゚听)ξ「……そっか。あっちのスネークさんは亡くなってたんだもんね……ごめん」
( ^ω^)「いや、いいお。死んだ人間が生きてるはずないんだから。
僕もどうかしてたお。……行こう、ツン」
2人が乗り込むと、BLACK DOGは人々の瞬く間に遠ざかっていった。
主人に従順なBLACK DOGは、主人の意に沿って走り去ったのだ。
悲しみと寂しさに戦意が削がれる前に、暖かな日の光を浴びたいという、その意に。
その一心だったせいで、ブーンは気づけなかった。
これまで見た事が無い程、ツンが辛い表情をしているのを。
- 388 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 22:57:55.21 ID:q5bh/p2Q0
- 支援。
- 389 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/26(金) 23:02:20.94 ID:sbfvD0WY0
-
オタコン「スネーク……彼と行かなくて本当に良かったのかい?」
スネーク「ああ。俺はあいつと共に行く資格も無ければ、
元の世界に戻る事も許されない人間なのさ」
オタコン「……そうか。彼には悪いけど、正直に言えば僕は嬉しい。
君が居てくれるのは本当に心強いからね」
スネーク「そいつは光栄だ」
オタコン「…………彼等は、勝てるだろうか。“アンノウン”に」
スネーク「当たり前だ!」
オタコン「はは、君が言うなら、そんな気がしてきたよ」
スネーク「だからオタコン。お前は安心して街の復興だけを考えるんだ。
ブーンが奴を倒しても、お前の戦いはこの先ずっと続くんだからな」
オタコン「そうだね。僕らは僕らで、頑張らないと」
スネーク「その意気だ。……すまんが、少し一人にさせてくれ」
オタコン「ああ、わかった。君は特に疲れているだろうからね。
今はゆっくり休んでくれ。じゃ、僕は戻るよ」
- 390 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 23:03:41.68 ID:TKVQGJNtO
- 何だよ…男って何だよ…
- 391 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 23:04:05.77 ID:q5bh/p2Q0
- しえn
- 392 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/26(金) 23:06:02.81 ID:sbfvD0WY0
-
スネーク「オタコン」
オタコン「なんだい?」
スネーク「頑張れよ」
オタコン「ん? 急に変な事を言うね……まるで――」
スネーク「いや……何でもない。引き止めて済まなかった」
オタコン「あ、あぁ……それじゃ、また後で」
- 393 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 23:07:14.34 ID:pAv2s3I50
- スネークさん……
- 394 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 23:08:26.07 ID:I8miNKMSQ
- まるで…!?
- 395 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/26(金) 23:08:53.10 ID:sbfvD0WY0
- ※
ξ゚听)ξ「綺麗ね」
( ^ω^)「綺麗だお」
そこは、何処までも広がる海が見える、高い丘の上。
2人はこれまでしてきたように、BLACK DOGのコクピットに座って夕陽を見ていた。
どんなに目を細めようとも、ズームを機能させても、小さな島の影一つすら
見えないまっ平らな海の上に、紅く染まった日が沈もうとしている。
夕陽は紅色を強かに空と海の両方に射し、どちらの青色にも混じり合って
淡く美しい紫を作り上げていた。
夕陽の光は通り過ぎる雲も射抜く。
群青色の空を透かして青く色を変えていた雲は、日の光を受けると
やはり紫に色を変え、それから再び何処かへ流れる旅に戻る……。
大自然の作り出す美麗の中、大鳥は歓喜の歌を唄いながら優雅に舞っている。
夕陽を一度見ようと魚達が海面で跳ねている。
自然は別世界でも変わらず美しいもののようだ。
……この素晴らしき世界を破壊しようとする者がいる。
悲しみで落ち込んだ心に熱が入る。沸々とアンノウンへの怒りが込み上げてきた。
- 396 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 23:09:24.40 ID:q5bh/p2Q0
- なんのフラグだ…?
- 397 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/26(金) 23:11:13.30 ID:sbfvD0WY0
-
( ^ω^)「ツン、その、なんていうか、
こんな事言うのは不謹慎だけど、楽しかったお」
だが、不思議と落ち着いてもいた。
すぐに穏やかな気持ちになれる。
まだ戦いの前だ。最後の幕が上がるまで、思い出に浸るのも良いだろう。
ξ;゚听)ξ「え、何が?」
( ^ω^)「旅だお、この旅。魔法に満ち溢れた世界を旅できるなんて、
夢の中の話だったから、本当に楽しかったお」
ξ゚ー゚)ξ「……アタシも楽しかったわ! 特に黄金の海!
あんなに美しい光景を目の当たりに出来たんだもの!」
( ^ω^)「おっ。また見に行きたいお。いや! また見に行くお!
アンノウンを倒したら皆で見に行こうお!」
- 398 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 23:11:25.42 ID:q5bh/p2Q0
- 支援
- 399 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/26(金) 23:14:11.29 ID:sbfvD0WY0
-
ξ )ξ「……そうね」
(;^ω^)「あれ? 何か癇に障ること言ったかお?」
(;^ω^)「そういえば、君は皆に会おうとかって話題になると、
なんだか思い詰めたような顔をするお。何かあるんなら話してくれお」
ξ )ξ「何でもないわよ!」
(;^ω^)「……ツン?」
ξ゚听)ξ「……そういう話はアンノウンを倒した後にしたいだけ。
これがしたい、あれをしよう。なんてのは事を終えて『あれすんぞ!』って
気持ちよくやりたいのよね! 今はアンノウンを倒す事だけ考えたいの!」
( ^ω^)「……お、それもそうだお。いい心構えだお」
- 400 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 23:14:33.97 ID:q5bh/p2Q0
- ツン…
- 401 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/26(金) 23:17:06.28 ID:sbfvD0WY0
-
ξ゚听)ξ「日が落ちるわ」
夕陽が水平線に触れる。
ツンは、胸元に下げた水晶を外し、日に向けた。
すると水晶に強い輝きが現れ、ツンはそれを合図に水晶から手を離した。
水晶は独りでに宙に浮き、夕陽と水平線の接触面に向って輝きを伸ばしていった。
水晶と日没を結ぶ輝きが刻々と幅を広げる。
まるで太陽に続く道のように、ブーンには見えた。
ξ゚听)ξ「行きましょう」
光の道の先を見つめてツンが力強く言った。
ブーンは無言で頷き、自分の胸元に置かれているツンの右手を取ろうとするが、
ξ゚听)ξ「あ、その前に、ちょっと」
慌てて手をひっこめる。
何だ?と見ていると、ツンは髪を結っているリボンを解いて、
- 402 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 23:18:10.74 ID:q5bh/p2Q0
- 支援。
- 403 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 23:19:01.54 ID:qGwiLm7VO
- 支援!
- 404 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/26(金) 23:19:48.87 ID:sbfvD0WY0
- ξ;///)ξ「こ、ここここれ! ああああ、あげるわ!!
何も言わずにつべこべ言わず! あああ有り難く受けとんなさい!!」
顔を真っ赤にして、有無を言わさず乱暴な手付きで右腕に巻きつけた。
このプレゼントの意図は分からないが、是非とも受け取らなければ恐ろしいパンチが
飛んできそうなので、ブーンは素直に受け取った。
(;^ω^)「う、受け取ったお!」
ξ;゚听)ξ「よし、オッケーよ! それでいいのよ! 用は済んだ! さあ行くわよ!」
「ほらっ!」と強引に手を握るツン。
次に、光の道の先を見つめながらブツブツと呪文を唱えた。
呪文が終わると、自分とツンの身体が足元から光になって、
一緒くたにゆっくりと水晶に引き込まれていった。
不思議な感覚だ。自分がツンと、BLACK DOGも同化したかのような。
全身を構成する人工の皮膚や骨格、間接機構が無くなって、風のように柔らかくなったような。
それと重力を感じなくなったかのように身体は軽く、でも水晶に引かれる軽い引力を感じて。
- 405 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 23:20:25.60 ID:q5bh/p2Q0
- 支援!!
- 406 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 23:22:50.72 ID:NJrV3W3vP
- 髪下ろしたらξヘアーにならないじゃないですかァーッ!!
- 407 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/26(金) 23:24:38.75 ID:sbfvD0WY0
-
( ^ω^::..
首から上が消える前に、ふと、ツンの顔を見ようと目線を下げる。
彼女もこちらを見ていたようで、目が合うなり彼女は口を動かして、
..:::゚ー゚)ξ『……アンタと一緒に旅が出来て、本当に良かったと思うわ。
だからそのリボン、ずっと持っててよね。アタシが生きていた証だから』
( ^ω:::..『えっ』
「どういう意味だお?」と、口から出たのか出なかったのか。
それすら理解する間も無いくらい突然、周りの景色が高速で流れて行き、
気づけば目の前に途方も無く巨大な紅い壁が――ああ、夕陽だ――迫る。
夕陽と衝突した瞬間、視界がプツンと暗転した。
【Single part:Virus Buster⇒END】
【Next⇒Single part:???】
- 408 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 23:25:10.06 ID:q5bh/p2Q0
- 乙うわあああああああああ
- 409 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 23:26:58.80 ID:M+lDrrubO
- お……乙ッ!
- 410 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/26(金) 23:28:52.44 ID:sbfvD0WY0
- ※
俺は人目を盗んで迷いの森へ来ていた。
人々と街の復興の為に赤水晶を採ろう、などという誇らしい目的は無く、
何故か迷いの森に来なければならない気がしたのだ。
しかしソリトンレーダーを見ようとする気は起きず、当てもなくフラフラと森を歩き続ける。
まるで亡霊のようだな。胸中で皮肉り、我ながら亡霊とはよく言ったものだなと
自虐的な笑みを浮かべてみる……こうしている方がよっぽど自分を誇らしく思うものだ。
まだ俺は、俺のようだ。
彷徨う内に開けた場所に出る――知らぬまに森の中のオアシスまで来ていた。
狩りの中継地点として、よく利用していた場所だ。
おぼろげだが、この世界で初めて見た光景がここだと記憶している。そのせいか、妙に落ち着く。
だから足が覚えていたのだろうか。それとも何かに導かれて……どうだっていいか。
異常な疲労感を感じて切り株に腰を下ろす。煙草を吸いたくてたまらない。
(今なら分かる。俺は、役割を終えたのだ)
本能的に“それ”を理解しているような感覚だが、確かな感覚なのだ。
聖剣とやらが俺の命を引き伸ばしたのだろう? だがそれももう、今度こそ終わりらしい。
俺は死ぬ。もはや亡霊である事も許されないらしい。
(聖剣だか何だか知らんが、人の命を都合の良いように使いやがって)
咥えた煙草に着火する。
煙がゆっくりと昇る一方、脳裏では走馬灯が駆けている。
いよいよ最期を迎えたという事か。
- 411 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 23:29:33.47 ID:DQU+BA7kO
- 乙ぅぅぅぅぅっ!!
続きが気になって仕方がねぇぇぇぇぇっ!!!
- 412 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 23:29:41.52 ID:TKVQGJNtO
- 乙乙!
ガイトーイと闘ったときのキズはバファリンで完治したってのでOK?
あと、ブルーエネルギーは大丈夫なのか?
ネタバレしない程度で答えてください!
- 413 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 23:29:45.12 ID:q5bh/p2Q0
- 支援
- 414 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 23:30:52.85 ID:DQU+BA7kO
- まだあるっぽい?
支援
- 415 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/26(金) 23:32:14.67 ID:sbfvD0WY0
-
(だが感謝しよう。最期にオタコンとブーンに会わせてくれた事を。
最期に、あいつのパートナーとして再び戦わせてくれた事を……)
(異世界の友たちよ、すまんが、俺はこの先お前達を手伝うことはできない。
お前達はお前達で、役割を果たせ)
胸いっぱいに煙を吸い込み、咀嚼するようにゆっくりと吐き出して味わう。
美味いな、この上無く。 思わず顔が綻んでしまう。
あいつとの通信コードを通信機構に出力してみる。
「こちらスネーク……聞こえるか……?」
通信圏外、通信不成立を示す砂嵐のようなノイズに話し掛ける。
「ふっ、らしくないな……何を期待して、こんな馬鹿げた真似を……」
口から吐かれる紫煙が風に溶けてゆく。
―――――――そして、
- 416 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 23:34:16.30 ID:q5bh/p2Q0
- 支援
- 417 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/26(金) 23:35:13.15 ID:sbfvD0WY0
-
スネーク『パートナーは休止だ、若いの』
彼の声も、姿も。
風と共に、終わりへと続く旅に出た。
あるいは、新たな物語を願って――――。
『本当の功労者は公にされない』
メタルギアソリッド3より
- 418 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 23:37:56.84 ID:q5bh/p2Q0
- スネーク…
- 419 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 23:38:09.74 ID:/0r3V1MN0
- えっ
えっ
- 420 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 23:38:43.62 ID:DQU+BA7kO
- スネーク……
- 421 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 23:40:19.39 ID:f/Eih8zjO
- スネーーーーク!!
- 422 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/26(金) 23:40:29.44 ID:sbfvD0WY0
- ィ'トー-ィ、
以`;益;以「スネエエエエエエエエエエエエク!!!」
_( つoと)_
\ U U/
(┓━ )TL
ィ'トー-ィ、
以`゚益゚以「これで街狩りパートは終了です!三日間に渡り、ほんとうにありがとうございました!」
ィ'トー-ィ、
以`゚益゚以「>>412 臓器や血管など生身の部分は癒されたけど、
左腕を失ったままブーンは最後の戦いに行ったお……。
ブルーエネルギーはまだ大丈夫だお!」
- 423 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 23:42:20.68 ID:q5bh/p2Q0
- >>422
長時間乙でした!
左腕無い状態だとイトーイモードになっても他のキャラに比べて戦力低くなったりしない?
- 424 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 23:42:27.62 ID:/0r3V1MN0
- 乙乙乙ヒローイ
そういや退魔途中までしか読んで無いや、読んでこよう
- 425 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/26(金) 23:43:08.78 ID:sbfvD0WY0
- ィ'トー-ィ、
以`゚益゚以「さて」
//
//←バトン
_,,-‐'"ヽ.// ィ'トー-ィ
ノ \ ヽ ト、 以,[l゚疲i7 「ここでバトンタッチだ! 受けとれい!!」
{ 、 ヽ. ヽ_(⌒) _,,.. -‐'"ノ /ノ >‐个 、._
ヽー'.ー' `7⌒/'フ >,ノ--―‐‐' ̄ ⌒`ヽ、
∀ ー { ∨ ∨ >ミ λ二ヽ、_ )ヽ__
\ 〉ー { { __ミ∧__,,.-''`ヽ `ヽ
ー―-ヽ、 ノ _,,.. ‐'"´彡 'Y `ヽ i  ̄ヽ、
{ ̄´》丶 ー- <ノ__\ { / ∧
{ 7⌒/⌒ー-' ノ彡/∨ ノ >、._ノ ,' _∩
!〉ー、―-、,ゝ┴ン ノ/ ノ { レ ´ ヽi
{ヽ.__,、___ ' / (´_ / _,,..× ヘ〈 ハ |
/ヽ Y '/´´ } (_,,..、_ハ , ノ }
〉ミミと=‐- ┴―――〈 > ノ / .!
ノノ ', ̄ ̄ ̄ 不TT7´ ゝク´ , /
/ ' ∧ 彡= ′ ハ ⊂´_ノ /
ノ ハ / ′ λ `ー‐-'′
/ { 、/ ハ
- 426 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 23:43:44.95 ID:bE/J5Jya0
- スネーク!!応答しろスネェェェェー───────────ク!!
- 427 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 23:44:24.18 ID:x4QfeNB70
- スネーク!応答しろスネーク!スネェェェェク!」
- 428 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 23:44:58.82 ID:/0r3V1MN0
- バトンで殴られるwwwwwww
- 429 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 23:45:34.67 ID:ivKbnuU70
- 乙でした!
さあ次は誰だ!?
- 430 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 23:46:48.09 ID:9f5XaE9T0
- 芸さん仕事はええ
- 431 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 23:46:58.66 ID:psuEE21QO
- バトンで撲殺されそうwwwwwwwwww
乙!
- 432 名前:♯孔雀王:2010/11/26(金) 23:47:06.26 ID:bE/J5Jya0
- 大麻パート、行っちゃいますかw
(*゚ー゚)「大麻からはもちろん私!!」
* *
* + うそです
n ∧_∧ n
+ (ヨ(* ´∀`)E)
Y Y *
(*゚ー゚)・・・・・・(´∀` *)・・・・・・
(#*゚ー゚)・・・・・・(´∀` ;)・・・・・・
(#*゚皿゚)クワッ!! サッ.彡( |
- 433 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 23:47:17.43 ID:TKVQGJNtO
- >>422
ありがとう!
左腕なしか〜…いや、それでもブーンなら…!
- 434 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/26(金) 23:47:42.49 ID:sbfvD0WY0
- バトンタッチした後なのに出てくるのはアレですが、答えておきます!
>>423
大丈夫だ、問題ない。
街狩り現行では、ブーンは両腕をなくした状態でイトーイモードを発動し、
BLACK DOGで作った両腕を装着して戦います!
街狩り25話「アーマーシステム」を読んでみるといいかもです
- 435 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/11/26(金) 23:48:07.77 ID:x4QfeNB70
- おい!酉!おい!おい!
- 436 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 23:48:46.14 ID:q5bh/p2Q0
- トリップ…
>>434
そうかそのてがあったか
- 437 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/11/26(金) 23:49:18.51 ID:sbfvD0WY0
- >>432
おいwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
- 438 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 23:50:19.63 ID:/0r3V1MN0
- ちょwwwwwwトリップwwwwwwwwww
- 439 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/26(金) 23:50:28.51 ID:bE/J5Jya0
- まぁ、ええがなええがなw
夜も遅くに皆さんお疲れ様です。
今日は大麻パート、前半部分まで投下します
- 440 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 23:51:38.79 ID:q5bh/p2Q0
- よろしいならば支援だ
- 441 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/26(金) 23:52:04.88 ID:bE/J5Jya0
- この世界のブーン達は、強大な悪と戦う運命の渦中にいる。
その悪は人類の歴史に幾度と無く登場し、死と破滅をもたらしてきた。
世界を破滅へといざなう巨悪───パンゲア───
月下の怪人、ワカッテマス。
宵闇の炎、渋沢。
始祖、オサム・ヴラド・ツェペシュ。
錬金王、セントジョーンズ。
そして72の魔神を従える魔帝、ペニサス───。
驚天動地の力を持つ魔物達により、人類は幾度と無く危機に瀕した。
─── しかし、巨悪の野望はこれまで成就したことはない。
恐るべき悪意に、敢然と立ち向かう者が居たからだ。
過去から現在に至るまで、
洋の東西を問わず正義の心は存在した───。
△ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼
- 442 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 23:52:20.98 ID:DQU+BA7kO
- 今日……だと?
いいだろう、寝ずに支援だ
- 443 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 23:53:34.69 ID:SXWtveA/O
- 自らのトリバレとか初めて見たwww
ならば支援だ
- 444 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/26(金) 23:54:01.48 ID:bE/J5Jya0
- △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼
恐るべき在庫数を誇る高級酒の数々。
厳選されたインテリアと、センス溢れる食器類。
磨き上げた大きなカウンターに座った者は、素晴らしい時間を過ごせるだろう。
だが、このバーには客が来ない……。
川 ゚ -゚)「ショボン!!今日と言う今日は婿に来てもらうぞ!!」
(;´・ω・)「刀を抜いて言う言葉か!?
プロポーズじゃねぇ!! そりゃ強迫だ!!」
(; ^ω^)「ツン!!でぃさん!!逃げるんだお!!」
寸での所で真剣白刃取りを成功させたのはショボン。
目に冗談ではすまない不穏な光を宿しているのは、自称ショボンの婚約者、クーだ。
ブーンは遊びに来ていたツンと、眠りこけていた猫又のでぃを抱えて脱兎のごとく逃げ出した。
酒の質も料理も雰囲気も、抜群のセンスを持つショボン監修している。
だが、どういう星の元に生まれたのか、何故か客がこの店の扉を開けることは滅多に無い。
このバーボンハウスを拠点としているのは彼ら───。
─── その稼業は退魔師。
- 445 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 23:55:51.48 ID:Z78fiY/M0
- 大麻キター!!
トリップwwww
- 446 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/26(金) 23:57:28.54 ID:bE/J5Jya0
- バーボンハウス店内から、かなりマズそうな音声が聞こえている。
─── 「…いい加減……婿に……」
派手な音が聞こえて何かが壊れた。
自分が丁寧に磨いたグラスのどれかだと思うと、ブーンは無情感を持たずにはいられない。
( ^ω^)「クーさん、もしかして今日で決めるつもりなのかお……?」
大嵐の店内から飛び出したブーンとツン、そして猫又のでぃは一先ず落ち着いた。
ブーンこと内藤ホライゾンは、裏荒野で修行した退魔師だ。
裏荒野とは弘法大使・空海が開いた真言密教の裏の顔。
その役割は邪悪な妖魔を討ち滅ぼすこと。
古来より、日本の守護を生業としてきた最強の退魔集団と言える。
ξ゚听)ξ「でぃさん、私のウチに行かない?
しばらく中に入るの無理っぽいわよ?」
∧_∧
(*゚;;-゚)「ワシは構わんぞ。もうコタツは出しておるのじゃろうな?」
1000年を生きる猫又のでぃ。
炎の魔神をその身に宿すツン。
- 447 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 23:58:20.77 ID:q5bh/p2Q0
- 支援
- 448 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/26(金) 23:59:02.58 ID:bE/J5Jya0
-
三者三様、強力な力を持つ退魔師と退魔猫である。
しかし、彼らの力は今回使われる事は無いだろう───。
(* ^ω^)「そんなに言うなら、僕もツンの家に遊びに行っても良いお 」
ξ゚ー゚)ξ「いや、でぃさんしか呼んでないけど…… 」
∧_∧
(*゚;;-゚)「女同士の話もあるからのぅ。諦めよ、こz───」
でぃが口の端をキュッと伸ばして笑った瞬間だった。
───世界中から全ての音が消え失せた。
- 449 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 23:59:30.14 ID:q5bh/p2Q0
- む、ツンじゃないのか
- 450 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 00:00:24.00 ID:5I7z0MAx0
- 誰が来るかな
やっぱりツンかな
- 451 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 00:00:54.84 ID:1+Ii1jLV0
- いい投下ペースだ
- 452 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 00:01:04.67 ID:bRU7y0YAO
- 支援
- 453 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 00:02:53.75 ID:07cMEIuR0
- 音とは何かが動いた時に生ずるもの。
即ち、あらゆる音の消滅は、あらゆる物が動きを失った事を意味する。
(; ^ω^)≪───
ξ゚ー゚)ξ≪───
∧_∧
(*゚;;-゚)≪───
ブーンは焦りと悲哀が入り混じった顔で止まっている。
ツンは悪戯っぽく、しかし何よりも楽しそうな笑顔で止まっている。
でぃも牙をニュッと出して笑ったまま止まっている。
───コツ、コツ、コツ……
無音の空間に、不意に音が生まれた。
足音だ。
同時に、衣擦れの音、呼吸、心臓の鼓動、空気が動く音───。
様々な音が現れる。
(?「ここか……」
ブーン、ツン、でぃの横で、バーボンハウスの入り口に手をかけた男。
彼は取っ手に手をかけ、ドアを開閉する音が生まれた……。
△ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼
- 454 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 00:03:34.73 ID:r8V1+RYO0
- だれだ支援!
- 455 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 00:03:57.87 ID:1+Ii1jLV0
- ショボン×クーフラグ
- 456 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 00:04:27.76 ID:NGbCyVd4O
- クーかな?
- 457 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 00:04:33.79 ID:59U7D/Us0
- △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼
バーボンハウス店内……。
(;´・ω・)≪───
ショボンは、ブーン達と同じくすっかり止まっていた。
迫り来る脅威から、何とか逃れようと画策している顔のままでだ。
ショボンはブーン達、退魔師達のリーダー的存在。
精神的支柱と言って良い。
彼らの中でも実力は群を抜いている。
しかし、彼の力も今回は必要とされないだろう───。
今回、運命が選んだ力は……。
- 458 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 00:05:15.89 ID:r8V1+RYO0
- 支援。
- 459 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 00:06:13.78 ID:7dpEVFDe0
- クー!!
- 460 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 00:07:08.67 ID:07cMEIuR0
- 川 ゚ -゚)「フムフム…」
つい先程まで暴れに暴れまくっていた彼女。
今は腕を組み、指を軽く顎に当てて考え込んでいた。
突然停止したまま、動かなくなってしまったショボンを分析中だ。
川 ゚ -゚)「フームフム…」
(;´・ω・)≪───
穴が開く程ショボンの顔を、至近距離で様々な角度から観察しまくる。
忙しなくあちこちを見たり触ったり。
そして掌をポンと叩くと、
川 ゚ -゚)「ナルホド。時が止まったらしい」
空中で静止したままのグラス(さっき自分で投げた)を確認すると、簡単に事実を受け入れた。
どうやら激しく頭が柔らかいらしい。
川 ゚ -゚)「さてはアニジャの仕業だな。
とうとうスタンド能力を身に付けたか。
まったく、あの吸血鬼はいつになったら悪戯癖が治るのだろうか 」
『時を止める=吸血鬼』の有名な公式を思い出すクー。
即座に、知り合いの心当たりが浮かんだ。
- 461 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 00:07:40.21 ID:r8V1+RYO0
- クー冷静だなw
- 462 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 00:08:46.53 ID:b5XjViPY0
- 退魔はクー・・・
となるとペルソナはツンか・・・
- 463 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 00:09:01.66 ID:kDkSXSwTP
- 投下、前倒しになってるのかな? 支援
- 464 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 00:09:10.39 ID:k5zIUzTT0
- ザ・ワールドの仕業だったのか
- 465 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 00:09:47.51 ID:59U7D/Us0
-
川 ゚ -゚)「だが今回はグッジョブと言わざるを得ない!!」
突然訪れたビッグチャンス!!
とりあえず邪魔者はいない。
それどころか、ターゲットが全くの無防備の状態だ。
川*゚ -゚)「目の前には止まったショボン!!
そして自在に動ける私!!
今こそ既成事実を作る絶好のチャンス!!」
外から射している昼の光が、自身を祝福しているようだ。
ドアの裏で人影が動いたようだが、気のせいに違いない。
心なしかそのドアは開こうとしているが、全くの気のせいだ。
川 ゚∀゚)「ふふふ……レイプしてやるーー!!」
半身になって身構えると、つい思っている事を口に出してしまった。
だが時が止まっているので問題は無い。
全く以って、問題など無い……。
△ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼
- 466 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 00:10:44.73 ID:tXNtwJpn0
- 暴走してるなw
- 467 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 00:11:02.53 ID:QYxZ1y70O
- 支援
- 468 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 00:11:39.00 ID:7dpEVFDe0
- クーにゃんwwwwww
- 469 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 00:12:22.50 ID:k5zIUzTT0
- まぁペルソナは正直、こいつらの戦闘力の前じゃ役に立たないしな……。
ツンで回復役ってのは妥当っちゃ妥当
- 470 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 00:12:41.14 ID:59U7D/Us0
- △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼
(;´・ω・)「な……なんて事だ……」
ドアに手をかけた僕は、中から聞こえてきた声に竦み上がった。
聞こえてきたキーワードは『ショボン』『レイプしてやるー』。
不吉な予感しか浮かばない。
この世界の僕に不幸が降りかかっているに違いない。
唯一の幸福は、彼の時が止まって本人は災厄を自覚していない事か。
だが、僕はこの事実に大いにテンパっている。
どれ程かと言うと、思わず地の文が僕目線になっている程の混乱っぷりだ。
(;´・ω・)「に……逃げようかな……」
思わず後ずさりしたその時───
(;´・ω・)「あぁっ!!わざとらしく置いてあるバケツに足を引っ掛けて!?」
何という事だろう!!
そのバケツはたまたま金属製で、しかも都合の悪いことに階段を転げ落ちて行った!!
必然的に物凄く派手な音を立てて!!
- 471 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 00:13:02.14 ID:tXNtwJpn0
- なにやってんだww
- 472 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 00:14:16.27 ID:k5zIUzTT0
- な……なんて事だ……
- 473 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 00:14:18.40 ID:7dpEVFDe0
- 落ち着けwwwwww
- 474 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 00:15:25.19 ID:+EaU/3IC0
- 混乱しすぎww
- 475 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 00:15:38.78 ID:59U7D/Us0
-
(;´・ω・)「あぁっ!!やめッ……!!わわわわわ……」
バケツは一番下まで転げ落ちると、何かの弾みで大きくバウンドした。
最終的には、そこに居たブーンの顔面にぶつかって止まった。
全く、彼も時が止まってて良かった。
川 ゚(;´・ω・)「ふぅ……。やっと止まってくれた……」
一先ず僕は心を落ち着けた。
何しろ、店内の誰かに状況を説明しなければいけない。
川 ゚ -(;´・ω・)「ゴメンね、この世界のブーン。
手当てをする余裕はないけど、大事に至らない事を祈るよ 」
僕は気合を入れるために、一度息を強く吐いた。
さぁ、手を貸してくれるよう話を───
川 ゚ -゚)「おい 」
(;´・ω・)「ギャァァァァァァァー───!!」
- 476 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 00:16:38.47 ID:tXNtwJpn0
- もはやホラー
- 477 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 00:18:09.64 ID:59U7D/Us0
- http://imepita.jp/20101127/001320
- 478 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 00:18:43.17 ID:tXNtwJpn0
- ショボン可愛いなw
- 479 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 00:19:07.01 ID:QYxZ1y70O
- ほぅ……
支援
- 480 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 00:21:15.70 ID:7dpEVFDe0
- クーにゃん美しい…
- 481 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 00:21:33.30 ID:59U7D/Us0
-
話を進めようか───
僕は異世界からの使者、ショボン・シューリッヒ。
彼は自分の世界の命運を、この世界の戦士に託しに来た。
今回、運命が選んだ力は彼女。
『 十八代目・葛葉ライドウ 』
─── デビルサマナーだ。
物語のページが( ^ω^)´・ω・)゚听)ξ 川 ゚ -゚)応えるようです
【Single pert:Devil buster】
△ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼
- 482 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 00:22:54.24 ID:tXNtwJpn0
- 支援
- 483 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 00:24:06.17 ID:59U7D/Us0
- △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼
川 ゚ -゚)「……と言うことは、中のショボンさまとは全くの別人なわけか?」
クーは目の前に居るショボンをじっくりと見つめた。
ゆったりとしたローブ、もしくはマントととも言える様な物を羽織っている。
アルファベットの『W』の様な形をした、首元の留め金が鈍く光った。
何とも陳腐な言い方だが、魔法使いの様な格好だ。
(´・ω・`)「正確には別次元の僕だ。
生まれ育った世界も環境も違うけど、僕たちは本質的には同じさ。
僕もそこの彼も、『ショボン』の一つの可能性に過ぎないんだ。
それから地の文は元に戻ったよ 」
川 ゚ -゚)「最後のはなんだ?」
(´・ω・`)「え?何だろう?
僕、変な事言ったかい?」
川 ゚ -゚)「ん……?
私は何を気にしていたのだろうか?
まぁ、良いか。どうせ碌でもない事だ 」
- 484 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 00:25:32.32 ID:tXNtwJpn0
- 地の文w
- 485 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 00:25:52.38 ID:QYxZ1y70O
- アルファのショボンと会った時が楽しみだな
- 486 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 00:27:15.42 ID:59U7D/Us0
-
クーは腕を組んで顎に指を当てた。
何か考え事をする時の仕種だ。
川 ゚ -゚)「つまり、そっくりさんだということだな 」
(;´・ω・)「いや、正確には───」
川 ゚ -゚)「そっくりさんか」
(;´・ω・)「そうじゃなくて……」
川 ゚ -゚)「そっくりさんで良いじゃないか 」
(;´・ω・)「いや、だからショボンという存在の様々な可能性が……」
川 ゚ -゚)「そっくりさんとどう違うんだ?」
(;´-ω-)「そっくりさんで良いです……」
ショボンはこの瞬間、これからの関係はずっとこんな感じだろうと覚悟した。
- 487 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 00:27:17.16 ID:eYMU431d0
- やっぱ退魔士はギャグしてるな
- 488 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 00:27:29.89 ID:+EaU/3IC0
- 屈強とショタに囲まれて両手に花だな
- 489 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 00:28:25.89 ID:kDkSXSwTP
- 面白いれす
- 490 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 00:28:51.59 ID:7dpEVFDe0
- クーはショボンだと見境なく行くわけでもないのかw
- 491 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 00:28:58.93 ID:tXNtwJpn0
- かわいそうだなw
- 492 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 00:29:01.77 ID:59U7D/Us0
-
川 ゚ -゚)「お前が異世界から来たのは分かった。
で、何をしにやって来たのかが問題だ 」
(´・ω・`)「実は……」
ショボンはこの女に話して良いのか不安に思った。
これまでの所、完全に恍けた人間だ。
だが聖剣に飛ばされた世界、
時が止まった世界で、何食わぬ顔で動いているのはクーだけだ。
川 ゚ -゚)「と、言うことはだ。
私が行ってその『アンノウン』とやらを倒さねば、
ずっとこのままだということなんだな?」
一通りの事情を聞いたクーは、要点をまとめて確認する。
魔界の悪魔と親交が深いクーにとって、他の世界の存在はそれほど不思議ではない。
この一切動じぬ凛とした態度。
ショボンは、やはりクーこそが聖剣に導かれた者だと───
(´・ω・`)「その通りだ。どうか力を貸して───」
川 ゚ -゚)「最高じゃないか 」
(;´・ω・)「え?」
- 493 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 00:30:34.78 ID:+EaU/3IC0
- 街狩りとアルファ世界よりは異世界っぽいものに馴染みがあるものね
- 494 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 00:31:46.00 ID:tXNtwJpn0
- シエン
- 495 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 00:32:33.03 ID:59U7D/Us0
-
川*゚ -゚)「そうなるとだな。
私は無防備なショボンにあんな事やこんな事をだな!!」
(;´・ω・)「話を最後まで聞いてーー!!」
───聖剣に導かれた者だと、まだ確信が持てない。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
・・・・
川 ゚ -゚)「つまり、放っておけばこの世界も滅ぼされることになると言うのだな?」
(;´・ω・)「いずれはそうなると思う 」
川 ゚ -゚)「困るじゃないか 」
(;´・ω・)「困るだろ?」
ショボンは額に汗を滲ませながら、ようやく事態の重大さを説明し切った。
達成感すら感じる。
一目クーを見た時から、終始ペースを握られっ放しだ。
- 496 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 00:33:51.55 ID:GyD9t2WCO
- 退魔が続けて投下とか訊いてないんスケド……
ごめんね……退魔大好きだけどもう寝ないとダメなのよ……
街狩り乙イトーイ、退魔投下頑張れもやしみ支援
- 497 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 00:34:26.17 ID:7dpEVFDe0
- さすがに大麻上手いな
- 498 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 00:35:09.79 ID:tXNtwJpn0
- 支援支援
- 499 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 00:35:47.27 ID:59U7D/Us0
-
川 ゚ -゚)「………」
一方クーはと言うと、顎を人差し指でトントンと叩く。
額の上辺りの宙を、目を凝らして眺めて考え事をしているようだ。
そして至極当然な疑問を投げかけた。
川 ゚ -゚)「私だけが動けるということに意味はあるのか?
どうして私なんだ?」
クーは宙に張り付いたままのグラスを見る。
一切の反応を示さない、この世界のショボンを見る。
何か、自分だけが世界から切り取られたような錯覚を覚えた。
この答えを求められたショボンは、表情を曇らせた。
(´・ω・`)「全ての世界を見守る大いなる聖剣……。
僕は聖剣によって、この世界に飛ばされて来たんだ。
ただ、力になってくれる誰かがいるとだけ教えられた 」
クーは中空から視線をショボンの顔に戻す。
川 ゚ -゚)「それが私というわけか……」
クーの目は大きく、瞳は少し茶色がかっていている。
突き抜けそうなほど、真っ直ぐな視線だった。
- 500 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 00:37:10.17 ID:tXNtwJpn0
- 支援。
- 501 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 00:37:45.69 ID:59U7D/Us0
-
この強い視線に、ショボンは聖剣の選択が正しい事を知った。
心の底に沸き上がる喜びを感じる。
しかし同時に、安易にバーボンハウスを訪れた事を後悔するのだ。
(´・ω・`)「いや、この話は忘れてくれ。
相手は危険過ぎる敵だ。
女性の君を捲き込めないよ 」
女とは言え聖剣が選択した者だ。
見た目からは想像できない戦闘力を秘めているに違いない。
本心は協力して欲しい。
自分がこの世界に来た理由。
世界が危機に陥っていること。
全て話してしまった自分を心から恥じた。
女のクーに、あらゆる世界の命運を背負わせるわけにはいかない。
川 ゚ -゚)「待て 」
ところがクーは、ショボンの心の内など基本的に無視。
……というか、ショボンの建前を完全に無視した。
彼の表情が物語っているのだ。
クーに助けて欲しいと。
- 502 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 00:39:46.32 ID:tXNtwJpn0
- こいついいショボンだ…
- 503 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 00:40:51.09 ID:59U7D/Us0
-
川 ゚ -゚)「ラッキーだったな。
来たのがショボンじゃなかったら断っているところだ 」
クーは空気が読めないようで、実はショボンの心も汲み取っていた。
先程、必要があったので脱ぎ捨てた外套をせっせと羽織る。
どう見ても、出かける準備をしている。
行先は決まっているだろう。
(´・ω・`)「でも君は……」
未だにショボンは、自分の心に素直になれない。
心のどこかに何かが引っかかっている。
釈然としない顔のショボンに向かって、クーが無遠慮に近付いた。
川 ゚ -゚)「女に優しくするのは良いことだがな、時には頼るのも手だぞ。
『私が付いてないとダメね』
……そう思わせたら、勝ったも同然だ 」
クーは微かに表情を和らげる。
同時に、ショボンの心のしこりが綺麗に溶けた。
(´・ω・`)「……ありがとう 」
- 504 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 00:41:19.67 ID:tXNtwJpn0
- 支援!
- 505 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 00:42:51.26 ID:7dpEVFDe0
- ショボンはやはり重要かw
- 506 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 00:43:05.14 ID:k5zIUzTT0
- (´・∋・`)「はじめましてこんにちは、コウノトリと申します」
- 507 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 00:43:40.67 ID:59U7D/Us0
-
川 ゚ -゚)「私の名は葛葉ライドウ。
この名は世襲で十八代目だ。
クーと呼んでくれ 」
クーは右手を差し出す。
ショボンも右手を出し、互いにしっかりと握った。
(´・ω・`)「よろしく、クー。僕はショボンだ。
お互いそれぞれの世界の僕らを知っているのに、
こうやって自己紹介するのも変だよね 」
照れたように笑うと、クーはきょとんとした顔でショボンを見返す。
川 ゚ -゚)「そうか? 姿形や名が同じでも知らぬ者同士だ。
別に変じゃない 」
(´・ω・`)「名前は言わなくても判っていただろ?」
川 ゚ -゚)「最初の挨拶は、単に名前を教え合うだけのことじゃないからな 」
真面目な顔をしてクーは、さも重要な事であるかのように言った。
ショボンはこの言葉を暫く頭の中に巡らせる。
(´・ω・`)「……あぁ、そういうことか。
素敵な考え方だね 」
クーの意図する事が分かり、今度は好意の笑みを見せた。
- 508 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 00:45:11.49 ID:59U7D/Us0
-
川 ゚ -゚)「私の名は葛葉ライドウ。
この名は世襲で十八代目だ。
クーと呼んでくれ 」
クーは右手を差し出す。
ショボンも右手を出し、互いにしっかりと握った。
(´・ω・`)「よろしく、クー。僕はショボンだ。
お互いそれぞれの世界の僕らを知っているのに、
こうやって自己紹介するのも変だよね 」
照れたように笑うと、クーはきょとんとした顔でショボンを見返す。
川 ゚ -゚)「そうか? 姿形や名が同じでも知らぬ者同士だ。
別に変じゃない 」
(´・ω・`)「名前は言わなくても判っていただろ?」
川 ゚ -゚)「最初の挨拶は、単に名前を教え合うだけのことじゃないからな 」
真面目な顔をしてクーは、さも重要な事であるかのように言った。
ショボンはこの言葉を暫く頭の中に巡らせる。
(´・ω・`)「……あぁ、そういうことか。
素敵な考え方だね 」
クーの意図する事が分かり、今度は好意の笑みを見せた。
- 509 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 00:45:36.14 ID:tXNtwJpn0
- 支援
- 510 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 00:46:13.98 ID:59U7D/Us0
-
ショボンがクーを理解し始めた時だった。
川 ゚ -゚)「む?」
時が止まり動きの無かった世界が、不意に挙動を始める。
じわりと暗くなったかと思うと、バーボンハウスの床に小さな光の点が現れた。
川 ゚ -゚)「何だ、これは?」
クーが腰を落とし光に触れようとした瞬間、スポットだった光が一気に広がった。
光はショボンを中心に、クーの全身を柔かく包む。
(´・ω・`)「これは魔法さ。
僕達の世界へ行く為の移動手段だと思ってくれて良い 」
川 ゚ -゚)「魔法か……」
(´・ω・`)「僕の手を。
それから先に言っておくけど、絶対に放さないように。
他の時空に落ちると、もう探せないかもしれないからね 」
ショボンはそっとクーに手を差し出した。
川 ゚ -゚)「わかった。だがちょっと待ってくれ。
こっちのショボンに留守番を頼んでくる 」
- 511 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 00:47:17.67 ID:iHf8rysrO
- 支援
- 512 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 00:47:39.32 ID:k5zIUzTT0
- そういえば、2作連続でアトラスネタになるのか支援
- 513 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 00:47:41.53 ID:tXNtwJpn0
- sien
- 514 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 00:49:29.47 ID:7dpEVFDe0
- +そういえば連アトラスだな
- 515 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 00:49:41.33 ID:59U7D/Us0
-
(;´・ω・)「留守番をって……止まってるのに?」
川 ゚ -゚)「暫く出るからな。
ちゃんと言っておかないとダメだろう?
中に居るが、お前も挨拶していくか?」
(´・ω・`)「いや……。僕は止めておくよ……」
川 ゚ -゚)「そうか。ちょっとだけ待っててくれ 」
そう言うとクーはそそくさと店内に入っていった。
中から声が聞こえる。
───すぐ帰ってくるからな。
それまでちゃんと止まったまま待っているんだぞ
ボケなのか本気なのかよく分からないが、とにかくクーの気はこれで済んだらしい。
スッキリした顔で戻ってくる。
- 516 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 00:51:58.81 ID:tXNtwJpn0
- ほんと旦那想いなクーだな
- 517 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 00:52:26.26 ID:59U7D/Us0
-
(´・ω・`)「よし、行くよ!!しっかり捕まってて!!」
ショボンはぐっとクーの手を掴むと───
川 ゚ -゚)「うぉぁ!! 」
体が宙に浮いた───。
足元に何も硬いものがないというのは、中々に不安な感覚だ。
クーはそう思いながら光に身を任せる。
あっという間に体は空高く浮かび、眼下のバーボンハウスはゴマ粒のようだ。
ふと上を見上げると、分厚い雲に飛び込む所だった。
一瞬の内に視界が白一色になる。
白の世界は終わらない。
雲など既に飛び抜けるほどに移動した感覚はあるのに───。
そしてクーの視界の中に、黒い点が現れた。
どうやらその点に向かっているらしい。
次第に黒は面積を広げ、クーとショボンはそこに飛び込んでいった。
△ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼
- 518 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 00:53:01.20 ID:tXNtwJpn0
- 支援!
- 519 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 00:55:15.93 ID:7dpEVFDe0
- いよいよだな
- 520 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 00:55:23.54 ID:59U7D/Us0
- △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼
川 ゚ -゚)「寒い……」
視界がクリアになったとほぼ同時に、クーを襲ったのは身を切るような寒さだ。
だが寒さを一瞬にして忘れ去る周囲の状況に、クーは言葉を飲み込んだ。
川 ゚ -゚)「凄い……」
クーは大きな目を更に見開いた。
そこは水晶の様な結晶の塊の中。
左右、そして上を見上げると、そこには透明度の高い結晶。
ガラスの中に居るかのような感覚だ。
川 ゚ -゚)「綺麗な洞窟だな。
これはどいう場所なんだ?」
クーは頭上を見上げながらショボンに問う。
そこにはやはり分厚い結晶が存在するも、天の月の光は一切遮られる事なく届いている。
(´・ω・`)「これはね、空気が凍ってるんだよ。
触ってみてごらん?」
川 ゚ -゚)「空気が……?」
- 521 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 00:55:52.49 ID:tXNtwJpn0
- 支援
- 522 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 00:58:39.41 ID:59U7D/Us0
-
ニッコリと笑うショボンの言だが、半信半疑のままクーは目の前の壁に手を伸ばした。
そこに手を触れた瞬間───。
川;゚ -゚)「うぁっ!!」
指先に触れた壁の一部が、粉のように崩れる。
それだけに留まらない。
崩壊は前後左右、そして頭上の結晶にまで次々と広がっていく。
空気が凍ったと言われた結晶は、瞬く間の内に崩れながら細かい粉と化す。
小さな粉は極寒の風に舞いながら、月光をキラキラと反射し、音もなく消え失せてしまった。
川;゚ -゚)「なにかマズイ事したか?」
(´・ω・`)「大丈夫だよ。
空気の凍結はこの地方特有の気象現象なんだ。
明日の夜には、さっきみたいなのが至る所にできるからね 」
美しいものを壊してしまったと、内心焦っていたクーは一息ついた。
クーの世界では決して起こり得ない自然現象。
それを目の当たりにしたクーは、改めて異世界に来たということを自覚した。
- 523 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 00:59:31.02 ID:tXNtwJpn0
- すごいな
- 524 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 01:01:19.51 ID:59U7D/Us0
-
川 ゚ -゚)「しかし寒いな。
どうにかならないのか?
オルトロスに火でも吐かせようか……」
真っ黒な空には、刺々しい光を放つ銀の月。
周囲を見回すと、一面に広がるのは月光を照り返す雪の荒野だ。
寒いを通り越して『痛い』の領域に入ってしまっている厳しい気温。
このままでは凍死し兼ねない。
(´・ω・`)「よし、ちょっと待ってて 」
ガチガチと上下の歯を噛み合わせるクーを見て、ショボンは早急な対応を迫られた。
ふと、ショボンの持つ雰囲気が変わる。
(´・ω・`)「Intrex,Misthry,Okiswops,reus……」
何事かを呟くと、クーに向けて手で宙に何かを描く。
何度かその様な行為を続けていると……
川 ゚ -゚)「お、ポカポカしてきた。何をしたんだ?」
クーの身に明らかに変化が訪れた。
極寒の地で厚着もしていないのに、実に快適な温度に変わったのだ。
- 525 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 01:02:29.26 ID:tXNtwJpn0
- 支援
- 526 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 01:02:49.56 ID:k5zIUzTT0
- じゃあ俺がスルト出すか
あったかいよ
- 527 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 01:04:00.33 ID:59U7D/Us0
-
自分の体に何が起こったかと不思議に思っているクー。
ショボンは得意気な顔になった。
(´・ω・`)「魔法だよ。
今のは火の精霊に働きかけて、君の服に熱のコーティングをしたんだ。
僕はこういう魔法が得意でね 」
川 ゚ -゚)「ほぅ、便利なものだな 」
(´・ω・`)「それから、これを渡しておこう 」
ショボンは指輪を取り出した。
特に変わった所は無い、全くシンプルな銀の指輪だ。
川 ゚ -゚)「いや、それは受け取れない。
私には心に決めた男が居るからな。
お前の気持ちには答えら───」
(;´・ω・)「違うよ!!」
ショボンは大慌てで否定すると自分の指をクーに見せる。
同じ指輪を嵌めていた。
- 528 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 01:06:00.66 ID:tXNtwJpn0
- ペアリング…
- 529 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 01:07:41.49 ID:7dpEVFDe0
- クーペース握りっぱなしたなw
- 530 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 01:07:51.18 ID:59U7D/Us0
-
(´・ω・`)「もし離れ離れになっても、これでお互いの位置が分かる。
雷の魔法を応用して、指輪の間に磁力を持たせたんだ。
片方の指輪の方に向かう、小さな力を感じるはずだ 」
川 ゚ -゚)「お、本当だ。やるな、魔法 」
指輪を人差し指に嵌め、素直に感心しているクー。
ショボンは顔を赤くして目を逸らしてしまった。
そのまま、改めて周囲を観察する。
(´・ω・`)「どうやらここは北の国らしい。
とすると……、あの方が力になってくれるかもしれない!!」
ぱっと表情が輝くショボン。
風が良い方向に吹いている。
彼はそう感じた。
川 ゚ -゚)「誰だ?」
クーはこの世界の住人ではないからその疑問も当然だ。
ショボンは希望に満ちた顔でこれに答える。
(´・ω・`)「全てを知る者『賢王・フォックス』。
この世のあらゆる知識を手に入れたという大魔法使いさ。
僕が知る中で最も聡明なお方だ。
僕は暫くの間、フォックス様の元に留学してたんだよ 」
- 531 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 01:09:11.04 ID:tXNtwJpn0
- ここで爪'ー`)y‐か
- 532 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 01:10:07.48 ID:7dpEVFDe0
- はんぱなく怪しいな
- 533 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 01:10:32.50 ID:k5zIUzTT0
- フォックスが大物とは珍しいな
- 534 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 01:11:00.55 ID:59U7D/Us0
-
相当に頼りがいのある人間なのだろう。
ショボンの表情がそれを語っていた。
川 ゚ -゚)「良いじゃないか。
そういう頼りになりそうなヤツは、出来る限り利用したほうが良い 」
(;´・ω・)「物騒な言い方だな。
力を貸して貰えるよう頼んでみよう 」
怖れ多い事を造作もなく言い放つクー。
ショボンは顔を顰めるが、次第にクーの性格が分かって来た。
悪意あっての発言ではないだろう。
川 ゚ -゚)「どっちも結局同じことじゃないか。
……所で 」
クーは足元の雪を掬い取り、手で揉むと砂のように散って行った。
極端な寒さは雪を凍らせる事もない。
だが今はそんな事はどうでも良い……。
(;´・ω・)「ハッ!?何者だ!?」
クーの目線の先を追うと、闇に紛れて赤い眼がこちらを向いている。
ショボンは即座に身構えた。
低い唸り声を上げながら、徐々に姿を現すのは巨大な獣。
- 535 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 01:12:21.36 ID:tXNtwJpn0
- 支援
- 536 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 01:14:09.51 ID:59U7D/Us0
- )\)\
/ ゚Д゚)「グルルルルルルル………」
暗がりから現れた獣は、クーが知る黒豹に良く似ていた。
だがそのサイズは象を超える。
四本の脚からは、見るだけで痛々しい、巨大で凶悪な鉤爪が生えていた。
首筋からは左右に二本、触手が不気味に鳴動する。
川 ゚ -゚)「この世界には凄い動物が居るんだな 」
(;´・ω・)「しまった!! アレはベルーア・テンペスタス!!
この国で最も危険な肉食モンスター!!」
混沌の獣が牙を剥いた。
口の中には刺々しい牙が、不規則に無数に生えている。
剣山の様な有様だ。
川 ゚ -゚)「じゃ、とりあえずやっつけちゃおうぜ?」
言うや否や、クーは外套の内側から拳銃を抜いた。
ダブルアクション式コルトライニング。
この往年の名器は、彼女の先祖が大切に使っていた物だ。
- 537 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 01:14:57.88 ID:tXNtwJpn0
- ktkr
- 538 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 01:17:51.34 ID:59U7D/Us0
-
(´・ω・`)「もちろんだ!!
クー、少し下がっていてくれ!!」
川 ゚ -゚)「いや、あのね ───」
クーが早速引金を引こうとした瞬間、ショボンが空気を読まずにそれを制した。
どうやらこの男、クーを守ろうとしているらしい。
その必要が無いことを、懇切丁寧にクーが説明しようとすると……、
( ´-ω-)「Soretu,Zaretiexe,De,Rathino……」
ショボンは目を閉じ詠唱を始める。
先程とは打って変わり、空気に緊張が走った。
そして突然暗くなる。
クーが見上げると、先程まで明るく輝いていた月が分厚い雲に覆われている。
雷雲だ!!
)\)\
/ ゚Д゚)「ぎゃぅっ!!」
その時、何もない空中がスパークした。
小さな電撃が無数に弾け飛んでいる。
- 539 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 01:19:03.56 ID:7dpEVFDe0
- 何かスゴそうなのキタ
- 540 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 01:19:18.10 ID:tXNtwJpn0
- ショボンがんばるな
- 541 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 01:21:01.93 ID:59U7D/Us0
- )\)\
/ ゚Д゚)「ギャァァァー───ス!!」
不穏な空気を感じた獣は、巨体をショボンに向けて突進した。
象の大きさがネコ科の肉食獣のスピードで迫るのだ。
この世の物とは思えない圧倒的絶望感!!
(#´・ω・)「……In,Vendince!!」
獣がショボンの頭部に食らいつこうとしたまさにその瞬間だった。
ショボンは力に満ちた双眼をかっと見開き、詠唱を終了させる。
強烈な光と音───。
大地を揺るがす大爆音が、一帯に響く。
神の鉄槌、巨大な雷が直撃した獣は、一片の肉片すら残さず消し飛んだ。
焼け焦げた墨すら残らない。
後に残ったのはショボンと、地面まで抉れた雪面のみ。
- 542 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 01:22:35.20 ID:tXNtwJpn0
- つよっ
- 543 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 01:22:50.44 ID:7dpEVFDe0
- えーーーーーー!!ショボン強いw
つかなんと言う噛ませ…
- 544 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 01:23:08.48 ID:+EaU/3IC0
- 最も危険な肉食モンスター……?
- 545 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 01:24:58.07 ID:k5zIUzTT0
- ツンさんが顔真っ赤にしてるんだけど
- 546 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 01:25:31.60 ID:59U7D/Us0
-
川 ゚ -゚)「最も危険な肉食モンスター……?
しかし凄まじいな。今のも魔法か?」
クーがコルトライニングをホルスターに戻しながら称賛した。
例えばクーが良く知る退魔師、内藤ホライゾンも雷の法力を使う。
雷帝・帝釈天の力を借りてだ。
しかし今の電撃は自然現象を操ったかの様な、ナチュラルな雷だった。
法力と魔法、両者は似ていて非なる物の様だ。
(´・ω・`)「ああ……」
しかし、クーの称賛に答える事無く、ショボンは表情を曇らせた。
川 ゚ -゚)「?」
その真意は、まだクーには分からなかった。
(´・ω・`)「とにかく先ずは町へ行ってみよう。
フォックス様の城下町は、そう遠くないはずだよ 」
ショボンは表情を明るくした。
空元気のようでもあるが……。
川 ゚ -゚)「そんなことも分かるのか。
便利だな、魔法 」
(´・ω・`)「いや、これは魔法じゃなくて……
- 547 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 01:25:58.63 ID:uqPvXvIx0
- 雷系の呪文多いな
- 548 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 01:29:04.51 ID:59U7D/Us0
-
ショボンはスっと指差した。
クーはそちらに目を向けると……
川 ゚ -゚)「なんだ。あの塔がそうか。
……でかいな。かなり 」
暗闇でもそれと分かる、天空に聳えて立つ巨大な塔が大地に鎮座していた。
頂天は全く見える気がしない。
雲に隠れてしまっているのだ。
その足元には、集落と思われる光が煌々と輝いている。
(´・ω・`)「フォックス様の知識の塔と呼ばれる物さ。
この世界最大の建造物なんだよ 」
川 ゚ -゚)「それなら後で観光しないと 」
(´・ω・`)「残念ながら、知識の塔は一般には解放されていないんだ。
中に入ることが出来るのは、賢王フォックス様ただ一人なんだよ 」
川 ゚ -゚)「なんだ、つまらない 」
どこまで本気か分からないクー。
ショボンは知識の塔を静かに眺めた。
こんな物を作ってしまう規格外な力を持つフォックス。
きっと助けてくれると希望を込めて。
△ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼
- 549 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 01:31:39.96 ID:59U7D/Us0
- △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼
2人は街に着くと早急に宿を探した。
幸いにもこの時期は旅人も少なく、簡単に寝床にありつけた。
─── 宿の酒場
川*゚ -゚)「くー!! この世界の酒はスッゲェ強いな!!」
カウンターに座る2人は、火酒を呷っていた。
酒場はどの世界も変わらないな───。
クーはバーボンハウスを思い出す。
(´・ω・`)「この地方は特別だよ。これだけ寒いだろ?」
川*゚ -゚)「ロシアでウォッカが飲まれてるのと同じ理屈か 」
(´・ω・`)「君の世界のことはよく判らないけど、多分そうじゃない?」
空中を独りでに漂うトレイに乗って運ばれてきたグラスを、クーは一つ手に取った。
透明な液体の中に、青く光る火の玉のようなものが漂っている。
カウンター内のマスターによると、『凍てついた炎』という名のカクテルだという。
- 550 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 01:33:04.68 ID:7dpEVFDe0
- クロノクロスだな
- 551 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 01:33:25.74 ID:tXNtwJpn0
- クー緊張感がまったくないなw
- 552 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 01:34:13.68 ID:59U7D/Us0
-
川*゚ -゚)「一つ聞いても良いか?」
(´・ω・`)「別に二つでも三つでも構わないよ 」
クーはスッとある方向を指差した。
ショボンはクーの指先に目を向ける。
川*゚ -゚)「アイツ大丈夫か?
顔が紫だぞ。毒でも盛られたんじゃないの?」
そこに居たのはこの酒場のマスターだった。
口ひげを蓄え、髪を丁寧に撫で付けている様はダンディズムが薫る。
だが、クーが形容したように彼の皮膚は紫で、耳の先端が尖っている。
(´・ω・`)「あぁ、ここのマスターは『魔族』のようだね 」
川*゚ -゚)「『魔族』?そんなのまで居るのか?」
ショボンはクスクスと笑った。
それは単純に、クールな見た目のクーが驚いている様子が可笑しい訳であって……
ショボンはこの世界の歴史を、少しだけ話すことにした。
(´・ω・`)「昔はああじゃなかったそうだよ。
人と魔族がああやって、お酒を飲みながら笑い合ってるのはね 」
- 553 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 01:36:21.02 ID:7dpEVFDe0
- この世界観いいのう…
- 554 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 01:36:47.84 ID:59U7D/Us0
-
川*゚ -゚)「一つ聞いても良いか?」
(´・ω・`)「別に二つでも三つでも構わないよ 」
クーはスッとある方向を指差した。
ショボンはクーの指先に目を向ける。
川*゚ -゚)「アイツ大丈夫か?
顔が紫だぞ。毒でも盛られたんじゃないの?」
そこに居たのはこの酒場のマスターだった。
口ひげを蓄え、髪を丁寧に撫で付けている様はダンディズムが薫る。
だが、クーが形容したように彼の皮膚は紫で、耳の先端が尖っている。
(´・ω・`)「あぁ、ここのマスターは『魔族』のようだね 」
川*゚ -゚)「『魔族』?そんなのまで居るのか?」
ショボンはクスクスと笑った。
それは単純に、クールな見た目のクーが驚いている様子が可笑しい訳であって……
ショボンはこの世界の歴史を、少しだけ話すことにした。
(´・ω・`)「昔はああじゃなかったそうだよ。
人と魔族がああやって、お酒を飲みながら笑い合ってるのはね 」
- 555 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 01:37:48.01 ID:tXNtwJpn0
- 支援
- 556 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 01:39:18.29 ID:59U7D/Us0
-
(´・ω・`)「1000年前───、切欠は何だったかは謎だけど、ある日突然、魔族の侵攻が始まった。
魔族の力は凄まじく、人の連合軍は次々と打ち破られて行ったんだ。
魔族を率いるのは、絶大な魔力を持つ『凍れる魔王』。
今では、『氷結系魔法を終わらせた存在』としても知られてる 」
川*゚ -゚)「終わらせた?」
(´・ω・`)「魔王は氷とか冷気とか、そういう属性の魔法を数多く生み出したんだって。
今、新しい氷結魔法は、魔王の文献を紐解いて生まれてる。
1000年経った現在ですら、魔王に追い付けてないってことさ 」
川*゚ -゚)「そんなのに勝てんの?」
(´・ω・`)「絶大な力で、魔族の勝利は確定的だった。しかし人側に勇者が現われた 」
ショボンは神聖な者にそうするように、そっと名を告げた。
(´・ω・`)「光の勇者、『シースルー・インビジブル』 」
川*゚ -゚)「スッケスケだな。すごく見え辛そう 」
(;´・ω・)「と、とにかく、勇者シースルーと3人の仲間によって魔王は倒され、世界に平和が訪れた。
そのうちの一人、偉大なる魔法使い『ミルナ・ゲイザーサイド』がこの国を建国したんだって。
ミルナはその後、初代賢王を名乗った 」
ショボンは勇者の仲間、吟遊詩人『ギコ』が、魔王の地下迷宮の真上に大きな城と国を建てた事。
更にギコは、人と魔族の間に協定を結び、以後1000年平和は続いている事。
もう一人の仲間、『マスター・E・クックル』が戦いの後に行方不明となった事。
クックルについては不明だが、ギコもミルナも結婚ぜず、直系の子孫は残っていない事等を話した。
- 557 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 01:42:31.06 ID:6UrgzyDh0
- 支援
- 558 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 01:42:52.75 ID:tXNtwJpn0
- どっかで聞いたことある名前だな…
- 559 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 01:42:56.37 ID:59U7D/Us0
-
川*゚ -゚)「ふ〜ん……、まぁ良いや。
さ、酔いも回ってきたし始めるとするか 」
(;´・ω・)「始めるってなにを?」
クーの目が光り、不穏な空気を感じ取るショボン。
だんだん分かって来た。
クーがこういう顔をする時、大抵大いに振り回される。
川*゚ -゚)「年頃の男女が酒の席に着いてるんだぞ?
恋バナしかないじゃないか 」
(;´・ω・)「えー……」
川*゚ -゚)「『えー……』じゃない。
して、ショボン。好きな女はいるのか?」
(;´・ω・)「い、いないよ!! いきなりストレートだなぁ……」
川*゚ -゚)「なんだ。つまらんヤツだな。
何それ?生きてる意味あるの?」
(;´・ω・)「あるよ!!」
かくして、ショボンの意志は完全にスルーされ、そんな感じのトークが始まった。
クーは火酒の入ったグラスを傾ける。
流し込んだアルコールが、体の芯で熱を持った。
- 560 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 01:44:04.91 ID:tXNtwJpn0
- ショボンかわいそうだなぁw
- 561 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 01:45:09.86 ID:7dpEVFDe0
- ショボン可愛いw
- 562 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 01:46:29.04 ID:59U7D/Us0
-
川*゚ -゚)「恋は良いぞ。
好きな男に想われるというのは、女にとって何物にも換え難い幸福だ 」
(´・ω・`)「君の世界の『僕』のことかい?」
ショボンはクーとは対照的に、ちびちびと酒を舐めるように飲んでいた。
こうしてみると、連れの女に叱られていじけているようだ。
川*゚ -゚)「ふっふふふ、まあな。
ウチのショボンはまさにパーフェクトだ。
退魔師としては最強クラス。
頭もキレるし世界でも五指に入る財団の跡取りだ。
おまけにルックスもイケメンときている 」
酒のせいか好きな男の話をしているせいか……。
クーの頬は紅潮し、酒で潤った舌は饒舌に語る。
(;´-ω-)「はは……。同じショボンでも違うな……」
ショボンは自虐的に笑った。
- 563 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 01:47:58.83 ID:6UrgzyDh0
- 支援
- 564 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 01:49:25.89 ID:tXNtwJpn0
- 支援
- 565 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 01:49:52.23 ID:59U7D/Us0
-
川*゚ -゚)「お前も顔は中々良いがな 」
(´-ω-`)「そんなこと、言われたこともないよwww」
川*゚ -゚)「お前の友達は見方が悪いんだ。
顔のパーツを一つずつ見ていくとだな……」
クーはショボンの顔を両掌で挟むと、無理やり自分の方に向けた。
息がかかりそうな距離で、大きな茶色い眼でショボンの顔をマジマジと見つめている。
(*;´・ω・)「……。そ、そんなに見ないでよ!!」
ショボンは慌ててクーの手を振りほどき、顔を背ける。
きめ細かいクーの肌を、至近距離で見たショボンは鼓動が高鳴っていた。
一方クーは、何事もなかったかのように機嫌良く酒を煽っている。
川*゚ -゚)「後はもう少しワイルドさがあれば完璧なんだが。
実に惜しい。
言っておくがな、草食系男子なんてのはメディアが作った虚構だぞ?」
(;´・ω・)「何それ?」
川*゚ -゚)「はっはっはっはっはwww」
(;´・ω・)「ベロッベロに酔ってるな……」
- 566 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 01:51:36.93 ID:tXNtwJpn0
- ショボンどうtげふんげふん
- 567 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 01:52:33.33 ID:59U7D/Us0
-
川*゚ -゚)「おい、ショボン!!
お前、女関係はてんで駄目だが、何を励みにしてるんだ?
夢はなんだ?あるのか?」
突然話題が変わる。
ショボンは一先ず、都合の悪い話が終わって胸を撫で下ろした。
そして、今クーが言った言葉を反芻する。
(´・ω・`)「夢……か 」
ショボンの脳裏には明確なビジョンがある。
将来やりたい、心に決めた仕事はあるのだ。
しかしその性質上、ショボンは言うのを躊躇った。
(´・ω・`)「世界がこんなだからね。
今は目の前の問題を……」
川*゚ -゚)「うっせーよwww
あるのなら言いなさい。
お姉さんが聞いてあげるから 」
誤魔化そうとしたショボンは、こめかみを軽く小突かれた。
実は以前、仲間にこの話をした時
『男の仕事じゃねぇwww』と散々馬鹿にされたのだ。
- 568 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 01:53:58.81 ID:7dpEVFDe0
- DTだなwwwwww
- 569 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 01:54:11.65 ID:Ryg/ghnWO
- 支援
- 570 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 01:54:22.66 ID:uKGGnMosO
- 間違いない、チェリーだ
- 571 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 01:55:01.43 ID:59U7D/Us0
-
(;´・ω・)「う……」
川*゚ -゚)「どうした!?構わんぞ!!さっさと言いなさい!!
ホラホラホラホラホラー!!」
予断を許さない状況だ。
選択肢など無い。
ショボンは無理矢理、口から夢を絞り出す。
(;´・ω-)「……仕立て屋になりたいんだ……」
不安に消え入りそうな声だ。
どうせまた馬鹿にされるんだろう。
それは覚悟済みだ。
川*゚ -゚)「服を作って売るのか?」
(´・ω・`)「うん……。変だよね?」
目をしっかりと開け、表情を緩めることなくクーは聞き返した。
ショボンは自信を持てない。
川*゚ -゚)「どうしてだ?」
(´・ω・`)「男が裁縫なんてさ 」
こう散々言われてきた。
こういう仕事は、力の無い女子供の仕事だと相場が決まっている。
- 572 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 01:55:43.94 ID:59U7D/Us0
-
(;´・ω・)「う……」
川*゚ -゚)「どうした!?構わんぞ!!さっさと言いなさい!!
ホラホラホラホラホラー!!」
予断を許さない状況だ。
選択肢など無い。
ショボンは無理矢理、口から夢を絞り出す。
(;´・ω-)「……仕立て屋になりたいんだ……」
不安に消え入りそうな声だ。
どうせまた馬鹿にされるんだろう。
それは覚悟済みだ。
川*゚ -゚)「服を作って売るのか?」
(´・ω・`)「うん……。変だよね?」
目をしっかりと開け、表情を緩めることなくクーは聞き返した。
ショボンは自信を持てない。
川*゚ -゚)「どうしてだ?」
(´・ω・`)「男が裁縫なんてさ 」
こう散々言われてきた。
こういう仕事は、力の無い女子供の仕事だと相場が決まっている。
- 573 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 01:59:28.38 ID:59U7D/Us0
-
川*゚ -゚)「だから、それのどこがおかしい?
私の世界ではファッションデザイナーに男も女もないぞ 」
しかし、クーはショボンを笑う事は無かった。
(´・ω・`)「君の世界ではそう呼ぶのかい?
男も女もないって…… 」
クーは『そんなことも分からないのか?』とでも言いたそうに眉をひそめる。
だが馬鹿にしたような気配は一切無い。
川*゚ -゚)「自分の進みたい道なら自信を持って進めという事だ。
良いじゃないか。
いつか私の服も作ってくれよ 」
(*´・ω・)「本当に!?」
初めてだ。
ショボンは自分の道を応援されたのは初めての事だった。
そして何よりも嬉しい言葉は、『服を作ってくれ』。
その一言だった。
川*゚ -゚)「だから言ってるじゃないか。
で、どんな服を作るんだ?」
- 574 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 02:00:00.47 ID:6mP4E0HbO
- 大麻きてんじゃんか!!!
うっひょー
- 575 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 02:01:59.95 ID:59U7D/Us0
-
ショボンの不安は一瞬にして消え失せた。
今まで溜めこんでいた物が、一気に堰を切り飛び出す。
(*´・ω・)「繊維に魔法を練り込みながら織ろうと思って!!」
川*゚ -゚)「魔法を?」
(*´・ω・)「さっき君の服にかけたようにさ!!
炎の魔法を織り込めば、冬でも暖かい服が出来る。
水の魔法なら夏に涼しい服が出来る 」
川*゚ -゚)「ほぅ……。それは普通に売れるぞ。
私の世界にはヒートテックという物があってだな 」
(*´・ω・)「風の魔法で湿気をコントロールすれば、雨季でも快適だと思わないか!?
雷は加減が難しい……。
でも強ささえ間違えなければ、静電気でゴミの付かない布が出来るはずなんだ!!」
ショボンは捲し立てる。
誰にも言う事無く、構想だけをどんどん頭の中で生み出していた。
クーはショボンの夢を、邪魔にならない程度に相槌を打ちながら聞いていた。
川*゚ -゚)「ふふふふふ。
他にはどんなのがあるんだ?」
(*´・ω・)「他に考えているのはね───」
△ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼
- 576 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 02:03:47.45 ID:+EaU/3IC0
- やばいなんか微笑ましい!
- 577 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 02:04:49.83 ID:59U7D/Us0
- △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼
クーはカウンターに体を預けて寝ている。
ショボンは火の魔法を優しく掛け直した。
穏やかな寝息が微かに聞こえている。
ショボンはカウンター内の店主にクーを任せ、酒場の外に出た。
(´・ω・`)「ふぅ……。火照った顔に気持ち良いな……」
北国の冷たい風が頬に触れた。
魔法の酒で体が温まっているためか、殺人的な冷気もそれほど気にならない。
(´・ω・`)「僕の夢の話を、あんなに真剣に聞いて貰ったのは初めてだな……」
外から店内を覗くと、クーはまだ眠ったままだ。
かなり酒を飲んでいたからだ。
背中を緩やかに上下させている。
(*´-ω-)「素敵な女性だ……。
彼女の世界の僕が羨ましいよ 」
- 578 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 02:06:56.05 ID:7dpEVFDe0
- やだこのDT羨ましい
- 579 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 02:07:34.08 ID:59U7D/Us0
-
ショボンは小さな水晶玉を懐から取り出した。
冷たく輝くそれに、ショボンの悲しげな顔が映っている。
この魔力が込められた水晶玉が役割を果たす時、自分は……。
ショボンは考えを振り切る様に、水晶玉を強く握りしめた。
覚悟の上だ。
それに、この覚悟をしたのは自分だけでは無い。
ショボンは曇りを顔から追い出し、無理矢理に表情を明るくした。
(´・ω・`)「さて、あまり女性を1人にしてはいけないな。
帰ろ───」
酒場の入り口に手をかけた時、ショボンは後頭部に鈍い衝撃を感じた。
痛みを感じる前に意識が遠のく。
(;´-ω-)「………」
雪の上に力無く倒れ込む。
ショボンを殴り倒した何者かは、彼の体を担ぎ夜の闇へと消えて行った。
△ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼
- 580 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 02:08:40.12 ID:k5zIUzTT0
- 眠いお……。
だが寝るわけにはいかない支援
- 581 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 02:10:47.04 ID:59U7D/Us0
- はい!今夜はここまで!
ショボンを連れて行ったのは果たして何者!?
アノウンコの手先か!?はたまたぺるさんのテコ入れか!?
そしてしぃさんの仕事は一体……!?
明日、葛葉ライドウ地獄編
こんな時間まで支援とかあと何か色々とありがとうございました〜
- 582 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 02:12:44.72 ID:k5zIUzTT0
- うぉぉぉ乙、今日は18時からだったから長かったなぁ。もう一回乙。
次はいつぐらいになりそう?
- 583 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/11/27(土) 02:14:35.36 ID:59U7D/Us0
- >>582
明日の夕方位から始められると思います。
100レスくらいの投下になるだろうか。
もちろん明日で完結です。
- 584 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 02:16:59.85 ID:iHf8rysrO
- 乙だぜー
- 585 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 02:17:01.25 ID:7dpEVFDe0
- おつ!乙すぎる!!
クーこのショボンと付き合っちゃえよ
- 586 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 02:18:38.16 ID:6mP4E0HbO
- 乙
アルファ ショボン 最強
街狩り ブーン 厨二
大麻 クー ギャグ
ペルソナ ツン 回復
こうして見ると各作品のキャラ選出は絶妙だな
- 587 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 02:20:16.05 ID:s7IzKo040
- >>586
なんかおかしくねぇ!?
- 588 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 02:28:35.27 ID:Ryg/ghnWO
- 乙っした!
- 589 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 02:56:50.73 ID:7dpEVFDe0
- >>586 もしかしてショボン一番弱くね?
全部
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