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( ^ω^)ゴッドイーターのようです

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 23:21:49.79 ID:9uYqBxg40
前スレ
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1289140370/301-400

2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 23:23:18.69 ID:9uYqBxg40


( ^ω^)「世話んなったな、乙」

(;゚д゚ )「お前な、仮にも俺は王の息子だぞ」

( ^ω^)「お世話になりました」

( ゚д゚ )「きもちわるい」

( #^ω^)「やっぱ氏ね」

ξ;゚听)ξ「ちょっとやめなさい」

ユッセの王城、その王の部屋。
荷を背負った少年と、騎士風の青年が遣り合っているのを、冒険者風の少女が嗜める。
怪我も治り、すっかり身体の調子を取り戻したブーンは、ユッセを後にすることにした。

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 23:24:26.90 ID:3kwvI3hP0
俺結構すきだよ

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 23:24:29.75 ID:9uYqBxg40
( ゚'д゚')「これが約束の褒賞だ。君に持たせる分は金貨10枚、残りは十字団に引き渡す」

( ゚'д゚')「これでいいかね?」

( ^ω^)「助かるお」

( ゚'д゚')「うむ、ではミルナ、これを。」

ミルナが王の座す椅子に近寄り、皮袋を受け取ってブーンに渡す。

( ^ω^)「・・・・・・あれ、金貨5枚?」

( ;゚'д゚')「う、うむ、それが・・・・・・」

王が少年の傍らに立つ少女を、落ち着かない調子で見やる。

ξ゚听)ξ「あたしがそれでいいって言ったの」

ξ゚听)ξ「謁見の間の修理費とあんたの療養中の食事代ひいてくれって」

( ;^ω^)「な、なんですと!?」

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 23:25:38.19 ID:9uYqBxg40

( ゚д゚ )「いや、お前どんだけ食ったと思ってんだ、ちったぁ遠慮しろ」

|::━◎┥スチャ 「いや、私はいいと言ったんだが」

( ;^ω^)「兜をかぶるな」

ξ゚听)ξ「本当はぜんっぜん金貨五枚じゃた足んないのよ?感謝しなさい」

( ;^ω^)「なんという千年ババア」

ξ ? )ξ「ほほう」


6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 23:26:52.06 ID:IJyEVVv9O
支援よ

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 23:27:06.93 ID:9uYqBxg40
>>3 ξ゚听)ξ<う、嬉しくなんかないんだからね!

言い忘れましたが、今回は前回ほど一気に投下出来ないです。
そして二章長いです。では第六話をお楽しみください。

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 23:27:53.71 ID:9uYqBxg40

                      ,,,;;;;;;;;彡彡;;之 ヽ
        ,,,,,,,,,,,,,;;;;;ll;;;;;;;;;;;;;;| l;;;;;;;リ)リ;;;;;;|l;;;;(ミ彡/、 Z
l|ヽ= 从;;l |l|;;ll;;;;;l|;;;;;l;;;イl;;;;;;;;;;;;;| l|;;;;;;-〈、|;;;;;;;;;;;;;;,,三∠ノ フ    な 地 き
ヽミ三从;;从|;(;;;;|l;;;;l|;;;((;;;;;(ヽ乂;;;;;;/ノ人、从;;;;;;;;ヽ ∠ |     ま 獄 さ
ミ二ミミ从 ; ;;;;;;゙;;;;゙;;;;;L{{ミ|Y;;";;;;;rテ'';''i゙''ミ゙   イ;;;;{ミヽ∠ノ     ぬ す ま
゙ヽ乏゙゙从゙ ;;ヽ、、_;;;;;;;;;;;;;{≧Y;ノノ=-゙'''"´彡   ';;;;;;ヾ,,', ヽ      る ら に
 <彡l|;;;;;;;l、;}:/;r't;;;)>| 彡 ̄""´         |;;;;;;〈 |.| }     い.   は
  ノノイ;;;;;;之"゙"''"´  |、  _,,、:::::        |;;;;;ノノリ;∠     //
   イ彡l|;;;;ヽ ゙::::::::   j _,、 -)゙ヽ::...       |;;/- /;;/ミヽ   ・・
   l|//l|;;;l~、'、 ::::   ゙''::ヽ,/          |(,,ノ;;;ヽ〉ミ/
    リノイ;ヽヽ'、     `゙'、l__,,、、、,,_,,     / l||;;;;;;;;|∠_
    "´ノ|;;;;`'-;',     (t -'''ヘヘ)}}    リ  リ;;;;;;;/从ミ | / ̄\/\/ ̄\
      |/l|;;;;;;;;ヽ    レ- '''""´     /:::" {;;;从;;;;;;;;)"
      l|l||;;l|;;;;;;;;'、   ,,、;;''";; ̄::   ,/:::::"  ヽl|リ;;;r''、リ
       ヽl |;;;;;;;;;\    "  `゙   /::::::"    レ',、-ー゙''""゙''ー、    ,,、- ''
        //|;;;;;;;', \  〈     / :::::::   ,、 '´        ゙'> ''"
          (从l|;;', ヽ, ヽ:::ノ/   :::::: ,、 '´        ,、 '´

※注;ξ゚听)ξです。


9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 23:29:04.58 ID:9uYqBxg40


ユッセの都の空は青い。蒼い屋根が連なって、白亜の建物が日に反射して矢張り美しい。
が、対照的にブーンの足取りは重かった。

( ゚д゚ )「おい、ちょっと待ってくれ」

城を出たすぐのところで、青年に呼び止められた。

(.;:;':, メ .;".「何だお?」

( ;゚д゚ ) ( も、最早ッ!原型を留めていないッ!? )

ξ゚听)ξ「あたし買い物あるから先いってるねー」

(.;:;':, メ .;".「はい、すぐ参ります」

Σ( ;゚д゚ ) ( 敬語・・・!?)

(.;:;':, メ .;".「…というわけだから早く済ますお」

( ;゚д゚ )「あ、うん……」


10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 23:31:07.02 ID:9uYqBxg40
( ゚д゚ )「お前、王がお前を呼んだのは、俺を救うためって言ったよな?なんでだ?」

( ^ω^)「ああ、そのことかお」

( ゚д゚ )「なんか引っかかっててさ」

( ^ω^)「王に直接聞けばいいのに」

( *゚д゚ )「いや、聞きづらくて」

( ^ω^)「王女の部屋の扉は、ミルナでは開けられなかったお」

( ゚д゚ )「え?」

( ^ω^)「墓守の血族以外の者の血が、扉のキーだったんだお。多分王さまはそれを知ってたお」

( ゚д゚ )「ど、どういうことだよ」

( ^ω^)「正統な後継者の存在が明らかになれば、僕が全部気付くと思ってたんだお」

( ^ω^)「ゴッドイーターは叡智を全て押収し、事情は秘匿せねばならない―――」

( ^ω^)「ミルナのお父さんはすごいお。ちょっと腹たつけど」

( ゚д゚ )「・・・・。」

( ゚д゚ )「お、おう。俺の親父はすげぇな・・・」

( ゚ー゚ )「やっぱ俺の夢だわ」

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 23:32:08.16 ID:9uYqBxg40

( ^ω^)「じゃ、ブーンはそろそろ行くお」

( ゚д゚ )「あ、それとこれは、王からツン様への言伝なんだが」

( ゚д゚ )「ここから西に進んだ森の外れの小さな小屋に、ユッセの元宮廷魔術師の子孫が隠匿してるらしいんだ」

( ^ω^)「お?」

( ゚д゚ )「そいつがもしかしたら、ツン様のこと、何か知ってるかもってよ」

( ^ω^)「魔術師の子孫かお。分かった、尋ねてみるお」

( ゚д゚ )「おう、じゃあ、気をつけてな」

( ^ω^)「おいすー」

( ゚д゚ )「な、なぁ!」

( ^ω^)「お?まだ何かあるのかお?」


12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 23:33:14.17 ID:9uYqBxg40
ミルナは肩越しに振り返る少年の目を繁々と眺めた。
自分よりも年下の少年の目は、暗い灰色に濁っていて、底が見えない。
本当に同じ年か疑いたくなるほど、何処か寂しげな光を帯びていた。

( ゚д゚ )「お前の妹、見つかるといいな」

( ^ω^)「・・・。ありがとうお」

少年の背を見送る。
結局聞くことが適わなかった問いを飲み込んだ。
それはブーンが目を覚ましてから、幾度となくした疑問だったが、いつもはぐらかされてしまった。

何故、ミルナが転移魔法を使っていないのに、自分と姫を連れて城に戻ることが出来たのか。
どうして、あんなに酷い状態に陥っていたのか。

彼はゴッドイーターだ。崇高なる歴史の収集家にして、神の怒りを恐れぬ冒涜者。
忌み人と蔑視される存在である。

その行く手の空に泣き出しそうな雲があるのを見咎め、青年は祈った。

( ゚д゚ )「忌み人の道行に、御慈悲を賜れますよう」

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 23:34:16.99 ID:9uYqBxg40



( ^ω^)ゴッドイーターのようです!
第二章 『Les Souhaits ridicules』

第六話 薔薇十字団



14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 23:35:33.20 ID:9uYqBxg40

暗雲は、少年の一行が森を出かかった頃、大粒の雨をもたらした。
唐突な雨は雷鳴と共に激しく大地を打ち鳴らす。
日は雲に隠れ、夕刻手前の空は森の闇を深くした。

ξ;゚听)ξ「いきなり酷い天気・・・!っきゃ!?」

ぬかるんだ土を蹴り、駆ける。
森の土は、旅歩きに慣れないツンの足を簡単に滑らせる。

( ;^ω^)「おっと」

背中に手を回して支える。ツンの身体は華奢な見た目通り軽い。
カールした綺麗な金色の髪が濡れて頬に張り付いている。
仄かに上気した頬を滑る水滴。鮮やかに青い硝子玉の双眸がブーンを見上げる。
優しい香りが、鼻腔を擽る。


15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 23:36:11.17 ID:IJyEVVv9O
支援


16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 23:37:00.48 ID:h8JiaaiiO
支援

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 23:37:35.45 ID:9uYqBxg40

ξ*゚听)ξ「あ・・・」

( ^ω^)「大丈夫かお、気を着けるお」

ξ*゚听)ξ「ありがとう・・・」

ツンを起こして嘆息する。
走っているうちに、森の出口に出たようだ。
振り返る後に広がる真黒な木々の闇。稲妻が天から輝いて木に落ちる。
轟音が轟いた。

( ^ω^)「森を出る頃で良かったお」

ξ゚听)ξ「この先に、魔術師の末裔が棲んでるのよね?」

( ^ω^)「王様によるとそうらしいお」

雨粒が痛い。その勢いは衰えそうもない。
身体が冷え切ってしまう前に、二人は急ぎ小屋へ向かうことにした。


18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 23:38:35.95 ID:IJyEVVv9O
しえしえ

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 23:39:40.39 ID:J2kmtSVH0
しえん

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 23:39:59.43 ID:9uYqBxg40

古びた小屋の前に辿り着くころには、二人ともすっかり体が冷えて服の中まで濡れていた。
木の扉。ちょうど目の位置の高さに一枚の鏡が貼られている。

ξ゚听)ξ「さ、寒い…」

( ^ω^)「取りあえず中に入れてもらうお」

このままでは二人とも風邪をひいてしまう。ブーンは暗い茶色の木の扉を叩く。
が、何の返事も返ってこない。

( ^ω^)「すいませんお」

もう一度扉を叩いた。

「いらっしゃいだお」

不意に聞こえた声に耳を疑う。

( ^ω^)「!?」

今しがた己が発した声と口調も変わらず、同じ声が返ってきた。


21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 23:40:38.77 ID:IJyEVVv9O
しえ

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 23:41:04.07 ID:9uYqBxg40


ξ゚听)ξ「何やってんの?」

ツンにはブーンが自分で答えを返したように思えただろう。
いぶかしげに眉を顰める。

「ふぅん?お姫様も連れてきたってわけね?」

ξ゚听)ξ「!? え、あたしは何も言ってないわよ!?」

「ふふふ、ここよ、ここ」

ツンの声色とも違わぬ声も返ってきた。二人は困惑の色をあらわにする。
丁度目の高さに掛けられていた鏡。
その中に移った二人が、興味深そうにこちらを覗き込んできた。


23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 23:41:54.72 ID:9uYqBxg40


( ^ω^)「なるほど、趣味の悪い魔術師さんだお」

        ξ゚ー゚)ξ「あら、ご挨拶ね?あなた達が来るのをずっと待っていたのに」

ξ゚听)ξ「……」

        ( ^ω^)「陛下の卒倒しそうな顔もなかなか美しいお」

( ^ω^)「いいから中に入れてくれお、話が聞きたくて来たんだお」

        ξ゚听)ξ「ああ、そうだったわね、いいわ、お這入りなさい」

ガチャ

解錠される音がした。


24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 23:42:00.38 ID:J2kmtSVH0
てかチート達と戦うとかぶってるからきついなw

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 23:43:46.88 ID:IJyEVVv9O
しえーん

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 23:47:46.03 ID:9uYqBxg40

扉を開くと、温かい空気と湿った木の匂いに交じって、独特の香の匂いが漂ってきた。
湯沸かしの掛けられた暖炉の火が奥で燃えて、蒸気が立ち上っている。
机とベッド。あまり物が置かれていない室内は生活感がない。
そして、誰の姿も見当たらない。

踏み入ると床が静かに軋んだ。

( ^ω^)「む?」

ξ゚听)ξ「…」

机の上にカップが二つ置かれている。温かいホットミルクの香がした。
椅子は二つ、その上にタオルがそれぞれ用意されている。

( ^ω^)「どうぞ、ってことかお?」

誰にともなく問いかけるも、答えが返ってくる様子はない。
仕方なく、そのタオルを取って体を拭く。
だがその後ろでツンは、困惑したような顔をして何か躊躇っているようだ。


27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 23:48:49.87 ID:9uYqBxg40

ξ゚听)ξ「…」

( ^ω^)「ツンも体を拭くお、風邪ひいちゃうお」

ξ゚听)ξ「え、ええ…」

( ^ω^)「?」

ツンは明らかに困惑していた。
鏡の魔法を見たときもそうだが、それとは違う戸惑いを、部屋に入った時から見せていた。
厄介かもしれない、そう言っていた言葉を思い出す。
今のところ親切に迎え入れてくれ、問題があるような兆しは見えない。

ツンが透き通る白い首筋に、タオルをあてがう。

柔らかなタオルはほんのりと人肌に温かく、心地よく冷えた身体を癒す。
順に金色の産毛の生えたうなじ、耳元を拭う。

タオルの熱が上がる。
ツンの水滴を奪い取りながら、悦の吐息を漏らす。


28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 23:49:09.18 ID:IJyEVVv9O
支援

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 23:50:05.83 ID:82fKBjeyO
支援するよー

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 23:50:33.29 ID:xA+NMRhoO
逃亡するかなぁと思ってたが…!
がんがれ支援

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 23:51:41.09 ID:9uYqBxg40

ξ゚听)ξ「・・・・・・」

ξ゚听)ξ「ねぇ、ブーン、このタオル変じゃない?」

( ^ω^)「お?別に、普通だお?」

ξ゚听)ξ「なんか生暖かくてハァハァ聞こえるんだけど」

( ^ω^)「へ?ブーンのタオルは冷たいし何も聞こえないお」

ξ゚听)ξ「・・・そう」

ツンはおもむろにタオルの端と端を持ち、引き絞った。

ξ゚听)ξ「あー、いっぱい水分拭きとっちゃった。絞ろうー」

タオル < !?

ξ#゚听)ξ「ふんぬおりゃぁぁぁぁああああっ」


32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 23:52:18.93 ID:IJyEVVv9O
いやん

33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 23:52:23.19 ID:9uYqBxg40


  _
( ;゚∀゚) ぎゃああああああああああああああああああああ


煤i ;^ω^)「!?」

思い切り強く引き絞られてズタボロになったタオルが、
床に落ちた途端、その姿を白い軍服のようなコートを着た金髪の、人間の男に変えた。
ごろごろと痛みにのたうち回る男。

( ;^ω^)つ□「…」

ブーンはそっと自分のタオルも机に置いた。
  _
( ゚∀゚)「いや、お前のはいいだろ。誰得だよ」

ξ゚听)ξ「ほう、私のはお前得か?」

( ゚∀゚) 「いや、まだだ。あと少しだったんだ」
  _
( ゚∀゚)o彡゜「あと少しでおっぱいに手が届くところだったんだあああああああああ」

ξ#゚听)ξ < ビキッ


34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 23:53:17.50 ID:Wba15SrU0
まとめられてたよ
ttp://boonsoldier.web.fc2.com/GE.htm

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 23:53:39.77 ID:82fKBjeyO
生暖かくてハァハァいうタオルとか嫌すぎるな支援

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 23:54:18.33 ID:9uYqBxg40

魔術師の子孫はド変態だった。ツンの厄介だというのは、このことなのだろうか。
ともかく、ツンが大切な手がかりを殺してしまわないか心配しながら、
男が怒り狂った乙女の鉄拳制裁を受けるのを暫く見ていた。

漸くツンの気が済んだころ、
すっかり冷めたミルクが温め直され、テーブルに並べられた。
二人には着衣が乾くまで灰色のローブが着替えとして与えられ、
というか与えさせられ、冷えた身体を漸く温めることができた。

向かい合う二人の奥席に着いた男が、無残な姿で切り出した。

( #)∀゚)「まぁあれだ、ユッセの件はよくやってくれたな、ブーン」

( ^ω^)「お?」

ξ゚听)ξ「・・・どういうこと?」

ミルクの入ったカップを手にしていた二人が、同時に顔を見合わせる。
男のその口ぶりは、ブーンを知っていて尚、ユッセの顛末も知っているようだった。
魔術師の末裔だから魔術で知ったというにしても、労うような言い方に違和感がぬぐえない。

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 23:55:33.97 ID:J2kmtSVH0
ジョルジュwwww

38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 23:56:12.24 ID:IJyEVVv9O
しえん

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 23:56:15.23 ID:9uYqBxg40
>>34 ありがとうございます!!次からURL掲載しようと思います。

失礼、では続きです。

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 23:57:02.12 ID:9uYqBxg40

( ゚∀゚)「うむ、そうだ。俺は魔術師じゃあない」

その二人の疑惑の視線が集まるや、待っていたように満足げに頷く。
  _
( ゚∀゚)「俺はジョルジュだ」

( ^ω^)ξ゚听)ξ「・・・・・・!」

( ゚∀゚)「そう、ジョルジュだ!」

( ^ω^)ξ゚听)ξ「・・・・・・!」

( ゚∀゚)「分からないならそう言え」

( ^ω^)ξ゚听)ξ「誰ですか」

Σ( ゚∀゚)「えっ!まじでわかんないの!?」

( ;゚∀゚)「王女はともかくお前もわかんないの!?」

( ^ω^)「誰ですお?」

( ゚∀゚)「お前よくそれでゴッドイーター勤まったな」

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 23:58:47.32 ID:9uYqBxg40

ξ゚听)ξ「で、結局誰なの?」
  _
( ゚∀゚)o彡゜「よし分かった、おっぱいを見せてくれたら教えてやる!」

ξ#゚听)ξ「死人に素性は必要ないな」

( ゚∀゚)「ふ・・・」
  _
( ゚∀゚)「愚かなおっぱいだ・・・」
  _
( ゚∀゚)o彡゜「そんな脅しで俺のおっぱいへの情熱が屈すると思うのかああああああああ!!!!?」

強烈な稲光が窓から男を照らした。


42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 23:59:11.50 ID:IJyEVVv9O
ふむ

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 23:59:44.91 ID:9uYqBxg40




  _
( ゚∀゚)o彡゜「いいか! よく聞け! お前のおっぱいは! 千年の時を超えて俺の前に現れた奇跡のおっぱい!」
  _
( ゚∀゚)o彡゜「そしてそのおっぱいだけがこの俺の心を揺るがし得る何者にも変えがたい存在なのだ!」
  _
( ゚∀゚)o彡゜「おっぱいは世界を救う! 即ち!!」
  _
( ゚∀゚)o彡゜「おっぱい!おっぱい!おっぱい!!おっぱいいいいいいいいいいいいいい!!!11111」



44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:00:42.94 ID:fiRkwtcm0

なんという男だ。
ブーンは慄いた。
かつてこれほどまでに女性の乳房について熱く語った男が居ただろうか。
逞しい腕を振り上げ、女性の恥部を叫ぶ男の熱く滾る眼。
その眼に浮かぶ確固たる漢の信念。
神の慈愛にも似た揺ぎ無いおっぱいへの深い愛。
この男には一種異様なまでのカリスマ性がある。

魅了された。
この上なく魅了されていた。

気がつけば叫んでいた。

( ^ω^)「お、お、」

( ゚ω゚) 「おっぱあああああああああああああああああああい」

( ゚∀゚)「!」

男と少年は手を取り合った。互いに眼を見て頷く。言葉はいらなかった。
拳を天高く掲げ、ただそう叫べば、それで十分だった。


45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:02:06.86 ID:fiRkwtcm0

  _
( ゚∀゚)o彡゜( ゚ω゚)o彡゜ おっぱい!おっぱい!おっぱい!おっぱい!

ξ;゚听)ξ「な、なんだと・・・!?」

思いもよらない展開に、身の危険を感じて思わず後ずさる。

( ゚∀゚)o彡゜( ゚ω゚)o彡゜ おっぱい!おっぱい!おっぱい!おっぱい!

ξ;゚听)ξ「ちょ、ちょっとまって」

男達が奇声をあげながらにじり寄って来る。
恐ろしい。甚だ恐ろしい。

( ゚∀゚)o彡゜( ゚ω゚)o彡゜ おっぱい!おっぱい!おっぱい!おっぱい!

ξ;゚听)ξ「あ、え・・・?」

背中に冷たい感触が走る。壁だ。後が無い。

( ゚∀゚)o彡゜( ゚ω゚)o彡゜ おっぱい!おっぱい!おっぱい!おっぱい!

ξ;゚听)ξ「こ、こないで・・・!」


46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:02:18.14 ID:ftQlH3yI0
しえんぬ

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:03:49.65 ID:LtmxH3ZSO
  _  ∩
( ゚∀゚)彡 おっぱい!おっぱい!
 ⊂

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:03:52.01 ID:wEbiVQEPO
洗脳されとる
支援

49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:04:09.41 ID:fiRkwtcm0
  _
( ゚∀゚)「くくく、行き止まりだおっぱい。さぁ、おとなしくその古えのおっぱいを差し出すがいい!!」

( ゚ω゚)「おっぱい!」

ξ;><)ξ「いやあああああああああああああッ」

雷鳴が轟いた。あわやツンのおっぱいが―――――

川 ゚ -゚)「何をしてるんですかあんたは」

(  ∀ )「!?」

ジョルジュが気取った時にはもう遅かった。
同じ制服を着た女は雷鳴と共に現れその背後に立ち、ジョルジュの後頭部を椅子で殴打した。
鈍い音がして崩れ落ちた魔王を冷静な眼で見下ろし、艶やかな黒髪をかきあげる美女。

川 ゚ -゚)「変態だとは思っていましたが、保護すべき対象にまで手を出すとは・・・」

ξ;゚听)ξ「た、助かった・・・・」

( ゚ω゚)「おっぱい?」

ξ゚听)ξ

( ゚ω゚)


50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:07:17.37 ID:LtmxH3ZSO
  _
( ゚∀゚)o彡゜

51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:08:19.87 ID:fiRkwtcm0


( #)#)#)ω`(#)「何だお、十字団の人だったのかお」

三人は改めてテーブルについていた。
ブーンは正気に戻り、ジョルジュは気を失って倒れたままだ。
先ほどジョルジュが掛けていた位置に、黒髪の美女は座っている。

川 ゚ -゚)「うむ。申し遅れたが、私は十字団団長補佐、スナオ・クールだ。
     クーと呼んでくれて構わない。
     そしてそこで伸びているのがジョルジュ・ローゼンクロイツ。
     恥ずかしながら我が団の団長殿だ」

クーは美しかった。
腰まで伸びた黒髪。冷静さと知性を兼ね備えた漆黒の双眸。
一文字に結んだ薄い唇からは、美人特有の近づき難さを感じさせる。
服の上からでも分かる繊細な体つき。そして豊満なバスト。

非の打ち所のない女性とは、クーのことを言うのだろう。


52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:09:23.94 ID:LtmxH3ZSO
支援

53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:09:27.67 ID:wEbiVQEPO
ツンのおっぱいの大きさはどのくらい?支援

54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:09:58.55 ID:fiRkwtcm0

ξ゚听)ξ「十字団って?」

ツンもまた美しかったが、幼さの残る顔立ちは、クーの持つ大人の女性の美しさとはまた違っている。
クーへと投げかけた声色は、一頻りブーンに制裁を加えて落ち着いているらしかった。

( #)#)ω^ )「ゴッドイーターの元締め的な組織だお」

ブーンがそれに答えた。

( #)ω^)「ゴッドイーターは殆ど個人で動くけど、依頼主が王家や貴族なんかの仕事の時は、
      薔薇十字団と呼ばれる組織を通さなければならないお。
      といっても団員に直接会う機会なんてないけど」

ブーンがジョルジュやクーの顔を知らないのは仕方が無い。
が、名前まで知らないのは単なる興味の問題だ。

ξ゚听)ξ「薔薇十字団って一体・・・?」


55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:10:56.65 ID:LtmxH3ZSO
支援じゃ

56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:11:35.92 ID:fiRkwtcm0
>>53 小さいです。
またその所為でいつかひと悶着ありますが、それはまた後ほど。

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:12:19.90 ID:ftQlH3yI0
ローゼンクロイツってやつだな

58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:12:21.04 ID:fiRkwtcm0

川 ゚ -゚)「我々は世界中に散らばる古代の遺跡や重要な歴史の回収と保護を旨としている。
     王侯貴族の所有する土地に部外者が入ることは難しく、危険も大きい。
     それらの弊害を後ろからバックアップし、仲介するのも我々の役割だ」

ξ゚听)ξ「つまり、十字団が介入すれば信頼が得られるってこと?」

川 ゚ -゚)「そうだ。我々団員は7人で成り立っているが、そのどれもがある程度の地位を持ち、
     裏うちとして依頼主に厳重な秘匿の盟約を交わすことで、叡智の回収と保護を担う」

ξ゚听)ξ「でもそれって、十字団に叡智の力も、世界中の王家の弱味も握られるってことよね?
      そんなことが許されるの?」

川 ゚ -゚)「流石姫君はご聡明であらせられる」

無表情なその顔が、少しだけ笑んだように見えた。
クーは冷め切ったミルクを一口啜る。


59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:13:45.74 ID:LtmxH3ZSO
しえーん

60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:14:16.81 ID:wEbiVQEPO
>>56
投下中なのにごめん
答えてくれてありがとう

おっぱい支援

61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:14:33.64 ID:fiRkwtcm0
川 ゚ -゚)「うげ、ぬるー」
  _
( ゚∀゚)o彡゜「ぬるいみるくを!大きなおっぱいが!」
  _
( ゚∀゚)「まさにこれこそ大人の芸術」

いつの間にか、意識を取り戻した男がクーとツンの間に立つ。

ξ;゚听)ξ「!?」

( ^ω^)「なんという回復力、まさに神」

ツンはド変態であるジョルジュに怯え、ブーンはすっかり傾倒したようだった。
しかし神は容赦ないクーの裏手拳を受けて再び倒れ去る。

川 ゚ -゚)「彼が起きるとややこしくなるので、もう少し寝ていてもらおう」
     _
ムクッ ( ゚∀゚) 「だが断る」

川 ゚ -゚)「・・・化け物め」
  _
( ゚∀゚)「くくくく、それは褒め言葉か?我が補佐役スナオ・クール」

川 ゚ -゚)「団長らしいことでも少しは話したらどうです」


62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:15:37.80 ID:fiRkwtcm0


  _
( ゚∀゚)「―――我が組織は完全に中立の立場として成り立っている」

Σ( ^ω^)ξ゚听)ξ ビクッ

  _
( ゚∀゚)「悪いが、それ以上我が団に関して言うことは出来ん」

クーが立ち上がり、ジョルジュの為に椅子を引く。
二人の前の椅子に、燃えるような金髪の精悍な男が座った。
意思のある眉、筋の通った鼻、上がった口角が男の自信と強さを物語っている。
一歩後ろに長身の美女を従え、こうしてまともにしているのを見る限り、ジョルジュは恐ろしく格好の付く男だった。


63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:17:06.36 ID:fiRkwtcm0
  _
( ゚∀゚)「今回お前たちをここで待ったのは、ブーン。お前に新たな依頼を伝え、
     ツン・ヴィップ・デレ・テラワロス陛下の身柄を保護するためだ」

ξ゚听)ξ「わ、私を?」

川 ゚ -゚)「ツン様。貴方はテラワロスの貴重な生き残り。
     言わば生きた伝説です。放っておくわけにはいきません。」

ツンは不安げな眼をした。
眼を覚ました途端住む土地もなく、千年経っていた。
唐突に、保護すると得体の知れない団体から言われれば、困惑もするだろう。
ましてや彼女にも、探さねばならぬものがある。

( ^ω^)「ツンをどうするつもりだお?」
  _
( ゚∀゚)「安心しろ、あくまでも保護だ。暫く我が団の本拠地に匿い、ほとぼりが冷めれば自由にする。
     監視は常に付けさせてもらうがな。本人の身の安全のためだ」


64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:17:19.75 ID:LtmxH3ZSO
支援

65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:17:52.37 ID:wEbiVQEPO
支援ー

66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:18:52.23 ID:ftQlH3yI0
支援

67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:19:57.86 ID:fiRkwtcm0
ブーンは思案する。
薔薇十字団は一般の知るところではないが、自分の知る限り、力を持った信頼に足る組織だ。
ツンの身に危険を及ぼすことはまずないだろう。

( ^ω^)「約束してくれるお?」

ξ゚听)ξ「・・・!」

ツンがブーンを見る。
真っ青な硝子球の瞳が、縋るような、思わぬ表情で自分を眺めてきた。
何故だろう、何か胸にちくりと刺さる感覚を覚えた。
  _
( ゚∀゚)「ローゼンクロイツの名にかけて保障しよう。陛下の人権を損なうことはしない」
  _
( ゚∀゚)「陛下もそれで構いますまいな」

ξ゚听)ξ「あ……」

ジョルジュの口調は有無を言わせぬものだった。
燃え盛る炎のような赤い炯眼に射抜かれて、ツンは力なく頷いた。
その肩を、気遣うようにクーが撫でた。安心してほしいと囁く。


68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:20:51.89 ID:fiRkwtcm0


( ^ω^)「・・・」

ゴッドイーターとして、冷静で正しい対処だと思っている。
これ以外に最良はない、とも。
だが、胸の痞えが取れずに居た。

そんな少年の心持を払拭するように、
ジョルジュが静かに、力強い声を発した。

  _
( ゚∀゚)「……ブーン、お前には新たな依頼がある」

( ^ω^)「なんですかお」
  _
( ゚∀゚)「これは十字団直々、ひいては俺からの依頼だ。報酬も丸ごとお前にやろう」

( ^ω^)「団長からの?」

机の上に肘を立て組んだ両手の上から、鋭い視線が向ける。
それだけで射竦めるような雰囲気を放つ。
先ほどまでのふざけた男と同一人物とは思えない。


69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:21:31.75 ID:fiRkwtcm0

  _
( ゚∀゚)「VIP帝国に飛び、魔術師の子孫を奪還してこい」

ξ゚听)ξ「!」

( ;^ω^)「どういう意味だお?」
  _
( ゚∀゚)「無論、ユッセの宮廷魔術師の子孫のことだ。
     あれは今、VIP帝国皇帝、大帝モナー・ロワイエルの元に捕えられている」
  _
( ゚∀゚)「陛下と違って、お前には命の保障はつけられんぜ」

雨は止んでいた。




第七話へ


70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:23:22.96 ID:LtmxH3ZSO


71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:24:38.40 ID:fiRkwtcm0
続けて第七話を・・・
投下したいと・・・

思うんです( ><)

72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:24:54.77 ID:wEbiVQEPO
乙、続きが気になるな
普段はふざけているけど真面目になるとバビッと決めるジョルジュみたいなキャラって好きだ
おっぱいおっぱい

73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:25:09.47 ID:ftQlH3yI0
乙!次回に期待

切れ者のブーンに未知の迷宮をもっと探索してほしいな

74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:25:33.88 ID:ll1OMeYzO


75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:25:50.24 ID:ftQlH3yI0
>>71
おー!裸で待ってるぜ

76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:27:37.92 ID:LtmxH3ZSO
よし来たまへ

77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:28:15.42 ID:fiRkwtcm0

潮風が吹き付ける。

大海原と青空は融け合うように広大無辺の青さだ。

なぁーお。

間延びする猫の鳴き声。黒猫が船の縁に立って海を望んでいる。

*(‘‘)*「あ、ネコちゃんだっ」

栗色の神をお下げにした、年端もいかない少女がそれを見つけた。
嬉しそうに浅黄色のワンピースの裾をひらひら揺らしながら駆け寄って、無邪気に話しかける。

*(‘‘)*「ねこちゃん、あぶないよー、こっちおいでー」

なぁお。

金色の瞳をした猫が少女に振り向く。
長い瞬きをして、不思議そうに少女を眺めている。

78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:29:07.96 ID:fiRkwtcm0


*(‘‘)*「ほら、おいで、おいで」

少女は早く黒猫を抱きしめて、その艶やかでふわふわした毛並みを撫でたくて、
うずうずしながら身振り手振りで呼ぶ。
猫は焦らすような調子で優雅に縁から降り立った。

*(‘‘)*「つかまえたっ。えへへ」

子供の細腕がその小さな獣を抱き上げる。
長い船旅で退屈していた少女は、甲板に出て見つけた素敵な遊び相手を歓迎した。
優しく額を撫でられると、遊び相手はごろごろと喉を鳴らした。

*(‘‘)*「うわぁ、ねこちゃんとってもきれいな目をしてる。まるでお日様みたいー」

少女が歓声を上げる。猫が目を見開いて少女を見る。
首を伸ばす。

匂いを嗅ぐように鼻を少女の首筋に近づけて――――


79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:30:20.18 ID:fiRkwtcm0




*(‘‘)*「あっ!?」

唐突に腕の中から猫の身体が抜き去られた。
見上げれば、旅人風の少年が黒猫の首根っこをひっつかんでぶら下げている。

( #^ω^)「こいつこんなところに居たのかお」

( ФωФ)「なぁーお。」

どうやら遊び相手には飼い主がいたようだった。


80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:30:38.98 ID:LtmxH3ZSO
支援

81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:31:03.67 ID:wEbiVQEPO
無邪気な幼女っていいよね支援

82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:31:06.31 ID:ftQlH3yI0
支援

83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:31:36.40 ID:fiRkwtcm0



( ^ω^)ゴッドイーターのようです!
第二章 『Les Souhaits ridicules』

第七話 検閲




84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:33:16.84 ID:fiRkwtcm0


船に備え付けられた狭い食堂。

決して清潔とは呼べないが、ブーンには十分だった。
薔薇十字団の計らいで、大量の食糧がブーンの為に用意されていたからだ。
お陰で食事に困ることはなかった。

ブーンの食事の様子を見る他の乗客たちの視線は痛かったが。
薄汚れた食堂の一画、テーブル席にブーンと黒猫は着いていた。
周りにも椅子はあるのに、恐ろしい勢いで次々と肉や果実を消化していく少年からは少し離れていた。
船酔いに強いものでも耐えきれなかったろう。


85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:33:21.44 ID:LtmxH3ZSO
食べられなかったか

86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:34:36.11 ID:fiRkwtcm0
( ^ω^)「まったく、お前あの子に何しようとしたんだお」

( ФωФ)「なぁーお」

猫が横に首を振りながら鳴く。

( #^ω^)「悪食を直せお、この変態め」

( #ФωФ)「フーッ!」

猫に向かって、一人で問答を繰り返し馬鹿食いする少年に、
周りの誰もが、それはお前だという突っ込みを禁じえない。
だが誰もそれを口にはしない。関わり合いになるのはご免だといったところだ。

漸く食事がひと段落し、テーブルの上が片付いたところで、地図を広げる。

( ^ω^)「ブーン達はユッセのあるシベリア大陸の港から船で出発したお」

黒猫がテーブルの上に飛び乗って、地図を覗き込む。


87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:35:57.70 ID:LtmxH3ZSO
しえん

88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:36:12.70 ID:fiRkwtcm0

( ^ω^)「出港したのが四日前だから、もうすぐニューソク大陸に着くはずだお」

( ФωФ)「なう」

ブーン達が乗っているのは、数少ないラウンジ大陸から出る定期便だ。
ユッセから出る人間は少なく、輸出する荷物が多い為、乗船賃の安い船は客船というより貨物船に近い。
乗船している民層も、当然ながら低い。

( ^ω^)「ニューソク大陸にはVIP帝国があるお」


89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:36:51.94 ID:fiRkwtcm0

―――――VIP帝国。

過去、ニューソク大陸では幾つもの国が犇めき、戦国の時代が続いていた。
そんな中、三つの国が列強を退け台等する。ガチホモ、ヤオイ、そしてVIPである。
当時、互いに同程度の力を持っていた三大強国は思想の違いから、宗教を巻き込んだ泥沼の戦争へと突入してゆく。
が、その終局は唐突に訪れた。

魔物の進化が、丁度VIPとガチホモの間に位置するヤオイ国を襲ったのだ。
ヤオイ国は、見たこともない強靭な魔物たちに蹂躙され滅びた。

残された両国は、ヤオイ国の領土一帯に非常線を張り、魔物の侵攻を食い止めなければならなかった。
国同士の戦に戦力を費やすことが出来なくなり、大陸は二分された。
事実上、VIPとガチホモは停戦協定を結び、戦国の時代は一応の終戦となったが、
新たな脅威が無理矢理戦争を中断させたに過ぎず、真新しい両国間の亀裂は、今もそのままだ。


90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:37:59.91 ID:fiRkwtcm0

('A`)「ふぅん、お前もVIP帝国に行くのか?」

( ^ω^)「そうだお」

('A`)「何しに?」

( ^ω^)「VIP帝国で今期最大と言われる闘技大会が行われるお」

('A`)「えっ、参加すんの?」

( ^ω^)「まさかお、そこに来る人を尋ねに行くんだお」

('A`)「なんだそっか、そーだよな、ビビらせんな。お前どう見ても強そうには見えねーもんな」

( #^ω^)「おっおっ?」

('A`)「で、誰に?」

( #^ω^)「てかお前が誰だお」

('A`)「遅くね?」

( ФωФ)「なぁーお。」


91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:38:58.49 ID:LtmxH3ZSO
なぜその国名をチョイスした

92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:39:35.05 ID:ftQlH3yI0
急にドクオ来たなww

93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:40:17.87 ID:fiRkwtcm0

いつの間にか、陰気そうな細面の男が会話に交じっていた。
年はブーンと同じくらいだろうか。
その背中に、小柄な男には見合わない、長大な獲物を背負っている。
皮でぐるぐると巻いて隠しているが、それが大鎌の形状をしていることは一目瞭然だ。
よく持ったまま船に乗り込めたものだと思う。
誰も寄り付かないと思っていたが、男はちゃっかり同じテーブルの椅子に腰かけてブーンの食糧を拝借している。

( ^ω^)「ちょwww何食ってるおwwww」

('A`)「いいじゃん減るもんじゃなし」

( #^ω^)「完全に減るもんだろうが」

('A`)「けっ。わーったよ、返すよ、ほれ」

(*'A`)「けちけちまーん」

齧っていた林檎の芯が投げ捨てられ、ブーンの足元に転がる。


94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:40:55.88 ID:wEbiVQEPO
VIPにガチホモにヤオイとな…
これ三分の二はホモじゃね?

これが最後の支援だ投下頑張ってねおやすみ

95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:41:30.76 ID:fiRkwtcm0

( #^ω^)「おっおっ」

なんて捻くれた物言いをする、無礼な男だ。
勝手に人の食料に手をつけておいて、まるで自分を卑しい食いしん坊だと言わんばかりだ。
おまけにその声もなかなか腹立たしい響きをしている。
ブーンは乱暴に椅子を引いて立ち上がった。

('A`)「あれ?行っちまうのか、けちけちまん」

( #^ω^)「ブーンだお!!!!!11111」

地響きを起こしそうな勢いで男に背を向けて、食堂の出口へ歩いてゆく。
その後ろを猫が飄々と着いて行った。

('A`)「…。ごっそーさん、ブーン」

甲板の上で、港が近いことを知らせる船員の声が響き渡った。


96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:42:40.16 ID:98dgd4cD0
支援


97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:42:48.39 ID:fiRkwtcm0

程なくして船は、VIP帝国の管轄であるダディクール港に到着した。
ニューソク大陸随一の港と呼ばれるだけあって、大小の船が犇めき合っている。
預けた荷物を取り終えて、ブーンは船から降りた。

( #^ω^)「まったくおかしな奴に会ったお」

未だ怒りの冷めやらぬ様子で、船着き場から街の入り口へと向かう。
街の入り口で入国者の検閲がある。ブーンは例のペンタグラムを検閲官に見せた。

ユッセでの時とは違い、検閲官は小さく頷いて通れと顎で指示するだけだ。
侮蔑的な視線を向けられはしたが、それだけだ。
各地から出入りの激しいVIP帝国では、ゴッドイーターはそう珍しくない。

検閲官の横を通り過ぎようとした時。

('A`)「あ、俺連れだから」

一緒に小柄な何かがすり抜けて来た。


98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:44:11.25 ID:fiRkwtcm0

( ^ω^)「……。」
検閲官 「……。」

検閲官が此方を見ている。
ブーンは黙って首を横に振った。

検閲官 < ちょっと来てもらおうか……。

('A`)

    『いや!まて!ほんとに連れだって!え?この背中の?これはその…かりん糖だ。
     ・・・え?いや、ちょ、おちつけ!おちつけって!』


暴れた為に二人掛かりで押さえつけられ、引きずられてゆく。

『こらあああああッ!シカトすんなああああああ』

( ФωФ)「…いいのか?」

肩口に乗った猫がぼそっと呟いた。

( #^ω^)「いいも何も知らんお。本当におかしな奴だったお」


99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:44:30.59 ID:ftQlH3yI0
支援

100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:45:23.51 ID:fiRkwtcm0

背中にあらん限りの罵倒が叫びつけられるが、遠ざかって行った。
もう会うこともないだろう。さようなら変な人。さようならムカつく人。
清々した心持でブーンは港町に入った。

ダディクールの港町。

露天名店が競い合い、迷路のように立ち並ぶ大規模な市場が中心の、商人の町だ。
賑やかな喧騒を景気のいい商人の声がさらに湧き起こしている。

町に充満する油と、木の実と、生ものの腐った匂い。
さらに香り売りまでいたが、この酷い匂いの市場でどうやって香りを選ぶのだろうか。
ユッセの都のような美しく整理された町並みとは対照的だった。

港町の特性上、様々な国の商品が売られている。
中に珍しいものだと、ニューソク大陸から遥か海を渡った先の未開の地、ヘブン大陸の品が並ぶ露天もある。


101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:46:02.52 ID:ftQlH3yI0
かりんとうwww

102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:46:13.95 ID:fiRkwtcm0

市場の人ごみをかき分けながらブーンが進む。VIP帝国に向かう道のりはまだ長い。
先ずはこの町で旅の支度を整え、宿をとらねばならない。

日焼けし過ぎて罅割れた顔の褐色の男が、異国の服を広げて大声で叫ぶ。
かと思えば反対側から、たくましい体つきをした女性がカゴ一杯のフルーツを零れんばかりに突き出してくる。
少し歩く度にその調子だ。普段辺境を旅し、都会に慣れないブーンは宿に辿り着く頃にはすっかり疲弊していた。

( ;ФωФ)「吾輩げろ吐きそうである」

繁華街からやや離れた安宿の扉を開けるなり、
黒猫がベッドの上の薄い掛け布団の上に飛び乗ってぐったりと足を折った。

( ´ω`)「久々に来るとすんごい町だお」

( ^ω^)「あ、ベッドの上で吐くなお」

流石に安いだけあって、部屋にはベッドと小窓しかない。机や椅子を置くスペースもない。
だがブーン達にとってこれは贅沢な方だ。時には窓はおろか、床すらない宿がある。
ベッドの傍らに市場で買った荷物をおろして、鼠色の衣を脱いで放り投げる。
猫の隣に背中から転がった。


103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:47:37.46 ID:fiRkwtcm0

( ФωФ)「良かったのか?あの娘を引き渡して」

( ^ω^)「何がだお」

途端に不機嫌な声音が口をついて出た。
そんなつもりは無かったのだが、苛立ちが先に出てしまった。
しまった、と口を噤む。こんな様はこの猫を喜ばせるだけだ。

( ФωФ)「ひひひ、迷ってるな」

( ^ω^)「・・・・・・うるさいお」

寝返りを打って猫に背を向ける。
ブーンの感情を起伏を感じ取るなり、案の定猫は下卑た笑いを起こした。

( ФωФ)「大体、ゴッドイーターのお前が何故こんな依頼を受けたのだ?
       墓荒らしでもなんでもないであるぞ」

( ^ω^)「別に」

( ФωФ)「あの娘への負い目か?」

( ^ω^)「違うお!」


104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:48:18.51 ID:irjVg4tE0
あのヤオイが落ちただと!?
しえん

105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:51:56.62 ID:fiRkwtcm0

顔だけ向けて否定する。
が、自信がなかった。そうと言い切れる自信。
実際、依頼を受ける理由は他にあった。

魔術師は総じて博識だ。得た知恵は必ずなんらかの形で引き継いでゆく。
千年も続く都の宮廷魔術師の子孫なら、『蒼の亡霊の王』について何か知っているかもしれない。
直接知らなくても、そういった資料や文献の行方について伝え聞いている可能性もある。
実際にツンが亡霊王に遭っているからには、その確立も低くない。
恐らく、ジョルジュもそれを分かっていてこの依頼を自分に持ってきたのだろう。

自分がゴッドイーターになった時、十字団に自分の素性はあらかた知られている。
ジョルジュも無論、ブーンが亡霊王を追い求めていることを知っているだろう。
そんな自分なら、今回の変則的な依頼でも、断る理由がない。


106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:52:00.44 ID:LtmxH3ZSO
支援

107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:52:45.17 ID:fiRkwtcm0

小屋で別れた時のことを思い出す。
薔薇十字団団長――――ジョルジュ・ローゼンクロイツ。
あらゆる意味で一癖も二癖もありそうな男だった。
補佐役のクーは慣れた風だったが。

クーの傍らに居たツンとは、別れ際一度も目が合わなかった。
ツンが、合わせてくれなかった。ブーンにはそれがどうしてか分からなかった。

きっと、ただ不安だっただけだ。

大体、自分はただのゴッドイーターで、失われた歴史の証人、それも王族を保護しただけだ。
そして、少なくとも忌み人の自分よりは信頼のおける組織に預けた。
なぜ負い目なんか感じる必要がある?

( ФωФ)「ひひひ」

内心を見透かしたように黒猫が笑い声を漏らした。


108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:53:43.60 ID:ftQlH3yI0
しえん

109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:55:18.92 ID:fiRkwtcm0

( ФωФ)「しかし他人だった。可哀想に、酷く落胆したのだろう?
       喜びの大きさに、絶望も比例するものである。
       故に、お前がそんな風に思っても、誰にも責められはしないのである」

仕方ないのだと、聖人のように優しく繰り返す猫。聞いてはならない。
それは分かっていた。だが耳を塞ぐことすら出来ないほど、動揺していた。
何だ。何が言いたい。自分にも分からない己のことを、お前は何を知っている?
いつの間にか薄い毛布を引き千切りそうな程強く握っている。

( ФωФ)「お前は妹では無かったあの娘が、疎ましいと思っていたのである。」

( ФωФ)「あの娘の顔を見れば、嫌でも思い出す。拷問のようである。
       一刻も傍に置いておきたくなかった。だから―――――」


思わず半身を起こした。傍らの猫を懇親の力で睨み付ける。


110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:56:02.16 ID:fiRkwtcm0

暗く濁った灰色と、黒猫の黄金色の視線が交差する。



ぐにゃりと黄金色が歪んだ。

薄い壁のせいで、部屋の外を他の客が歩く音も鮮明に響く。
酔っているのか、時折しゃくりあげる音も聞こえた。


( ^ω^)「明日は列車に乗ってVIP帝国に直行するお。二日は掛かるから、もう寝るお」

諳んじるような口調でそれだけ言って、また寝転がった。
別にわざわざ猫に言わなくてもいいことだった。
猫に有無を言わさず、この場を切り上げる台詞が欲しかっただけだ。

( ;ФωФ)「うげ、れ、列車であるか」

黒猫は、あからさまに苦い声を上げて首を垂れた。

少年は天井を眺めていた灰色の双眸を、窓辺に移す。
夜の帳が落ち、星が出始めていた。
硝子球のような眼を思い出す。

今はもっとはっきりと、胸が痛んだ。


111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:57:02.96 ID:fiRkwtcm0

早朝。朝日は一片の雲に阻まれることなく輝いている。
ブーンはダディクール港町の駅から列車で南下し、帝都VIPへと向かう。
町からは一日に一度、帝都への直行便が出ており、それに乗ることにした。

通常便より運賃も高く、その分早く帝都に辿り着けるが、本数が少ない所為で
車内は恐ろしく混雑する。一部の富裕層向けの車両以外は、女子供も含めてすし詰め状態だ。
酷く揺れる狭い箱で二泊雑魚寝を強いられる。想像以上に劣悪な環境だ。
しかしそれでも、徒歩や獣の背に乗り移動することに比べれば、遥かに危険は低く、マシだった。

( ФωФ)「ぬぅぇぇ」

( ^ω^)「我慢しろお」


112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:57:08.76 ID:LtmxH3ZSO
しえ

113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:58:10.38 ID:fiRkwtcm0

列車の隅っこで、荷物を抱え込み蹲るように座る。
荷物の上で悲鳴を上げる猫を叱咤した。身体は常に同乗者と密着している。
揺れるたびにあちこちで舌打ちと忌々しげな唸り声が聞こえ、車内は悪臭と緊迫に満ちて息苦しい。
闘技大会が近い所為もあって、女子供の乗客は無く、血気盛んな厳つい猛者たちばかりだ。

何事もなく帝都まで辿り着ければいいのだが。

「おい」

不意に耳元で低い声がした。首だけ動かして振り向く。

( ゚∋゚)「君の猫か?」

同じように座っている筈なのに、目を合わせるには見上げねばならなかった。

114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 01:01:31.07 ID:+F22dTww0
某ゲームかと思ったらまたお前か
しえ

115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 01:02:05.21 ID:LtmxH3ZSO
支援

116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 01:04:27.49 ID:ftQlH3yI0
支援

117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 01:04:42.87 ID:ll1OMeYzO
支援

118 名前:おっさるっさーん、ちゅっ☆・・・失敬。:2010/11/19(金) 01:06:46.60 ID:fiRkwtcm0

( ;^ω^)「ろ、ロマ、荷物の中に入るお」

猫を無理やり皮袋に押し込む。だが皮袋に猫が入る余裕などない。
当然のごとくロマネスクは悲鳴を上げた。

(  ∋ )「おいやめろ」

( ;゚ω゚)「ぐふッ!?」

息が出来ない。大男の筋骨隆々の腕が、後ろからブーンの首を締め付けた。
不味い。車内の空気が剣呑に沸き立ち始めている。このままでは――――

( #;∋;)「――――にゃんこちゃんが可愛そうだろうがああああああ!」

意外すぎる男の言葉に、自分は愚か車内も騒然とした。

( ;∋;)「貴様には生き物に対する愛情というものがないのか!」

男泣きだ。大男が男泣きに泣きながら少年を非難している。
ブーンから黒猫をひったくると、さも大切そうに両手で分厚い胸板に埋めた。


119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 01:08:20.45 ID:LtmxH3ZSO
しえんた

120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 01:08:53.77 ID:fiRkwtcm0
すいません、馬鹿やってたら1レス飛ばしました。

>>113の次から以下の順序です。

121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 01:13:02.57 ID:fiRkwtcm0

座高が違いすぎる。背中合わせではっきりと見えないが、恐らく相当の巨躯だろう。
苛立ちを顕わにした声色に、嘆息しそうになる。
そんなことをすれば、さらに相手の機嫌を損ねることは間違いないので飲み込んだ。

( ^ω^)「すみませんお、今黙らせますお」

揉め事はごめんだ。出来るだけ丁寧に言葉を選んだ。

( #゚∋゚)「何を言っている」

しかし、ブーンの思惑とは裏腹に、男の眉間にはさらに皺がより、苛立ちを一層濃くした。
思いがけぬ反応に汗がひた走る。ドスの聞いた声に乗客が一斉にこちらを注視した。
今この場で揉め事など起こせば、鬱積した車内の空気が爆発しかねない。
そうなれば、列車は止まり、自分もただでは済まないだろう。

是が非でもこの男の怒りを静めねばならない。


122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 01:14:12.51 ID:fiRkwtcm0

( ;^ω^)「ろ、ロマ、荷物の中に入るお」

猫を無理やり皮袋に押し込む。だが皮袋に猫が入る余裕などない。
当然のごとくロマネスクは悲鳴を上げた。

(  ∋ )「おいやめろ」

( ;゚ω゚)「ぐふッ!?」

息が出来ない。大男の筋骨隆々の腕が、後ろからブーンの首を締め付けた。
不味い。車内の空気が剣呑に沸き立ち始めている。このままでは――――

( #;∋;)「――――にゃんこちゃんが可愛そうだろうがああああああ!」

意外すぎる男の言葉に、自分は愚か車内も騒然とした。

( ;∋;)「貴様には生き物に対する愛情というものがないのか!」

男泣きだ。大男が男泣きに泣きながら少年を非難している。
ブーンから黒猫をひったくると、さも大切そうに両手で分厚い胸板に埋めた。


123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 01:15:42.94 ID:fiRkwtcm0

( ;ФωФ)「ぐぇっ」

猫が小さく悲鳴を上げる。
咳き込むブーンに見向きもせず、大男は甘い声で猫に囁く。

( *゚∋゚)「おー、よちよち、もう大丈夫でちゅよ、酷い飼い主でちゅねー」

( ;^ω^)「あ、あの・・・」

( ゚∋゚)「謝れ」

( ^ω^)「へ?」

( #゚∋゚)「にゃんこちゃんに謝るんだ」

( ^ω^)「・・・・」

( ФωФ) ニヤリ

( #゚∋゚) ギロリ

( #^ω^)「ご、ごめんなさいお」


124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 01:16:47.74 ID:LtmxH3ZSO
支援

125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 01:17:00.55 ID:fiRkwtcm0

( #゚∋゚)「ったく、二度と虐待なんかするんじゃないぞ」

( *ФωФ)「なぁーお」

( #^ω^) ビキビキ 「わかった、お」

( *゚∋゚)「にゃんこちゃんは到着まで私が預かっとく」

Σ( ;ФωФ)

車内の空気は、あまりの馬鹿ばかしさに白けきったようだった。
やれやれ、と安堵の息を漏らす。
ロマネスクは、大男の腕の中で四六時中愛撫され、甘く囁かれ続けねばならなくなった。
猫の列車嫌いはさらに酷くなりそうだ。

( ゚∋゚)「いいか、生き物ってのはな。飼い主を選べないんだぞ」

( ;^ω^)「は、はぁ」


126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 01:17:08.00 ID:ll1OMeYzO
猿避支援

127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 01:18:15.29 ID:fiRkwtcm0

男は動物愛護に関して恐ろしく饒舌だった。
かれこれ男と出会って数時間。男は懇々と少年に生き物の大切さを説き続けている。
猫は男の腕で撫でられながら、ぐったりしている。

( ゚∋゚)「君に、捨てられた動物たちの悲しさがわかるか?」

( ;^ω^)「えっ、いや・・・」

( ;∋;)ブワッ 「信じてたんだ! 信じてたんだよ、それなのに・・・!」

( ;^ω^)「ちょwwwwwwwww」

しゃくり上げる大男を宥めながら、辟易としていた。

( ゚∋゚)「ところで、君も闘技大会に参加するのか?」

( ^ω^)「おっ?」

突然の質問に双眸を上げる。


128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 01:19:01.88 ID:LtmxH3ZSO
しえん

129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 01:19:34.78 ID:fiRkwtcm0

( ゚∋゚)「見たところ、戦士には見えないが、魔術師か何かかね」

( ^ω^)「あ、いや、ブーンは参加者じゃないお」

( ゚∋゚)「む、観光かね?」

( ^ω^)「……まぁ、そんなようなもんだお」

忌み人だとわざわざ明かすことはない。下手に明かせば旅がし辛くなる。
さらにVIPの皇帝から捕えられた魔術師を奪還するなど、口が裂けても言えない。

( ゚∋゚)「ふむ、そうか。」

男は顎を摩り、考える仕草をした。

( ゚∋゚)「では、私のチームとして闘技大会に出てくれないかね」

( ;^ω^)「おッ!!?」


130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 01:22:56.92 ID:LtmxH3ZSO
ほう

131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 01:27:52.21 ID:ll1OMeYzO
しえん

132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 01:28:14.20 ID:yyC73KoLO
C

133 名前:さるですすいません:2010/11/19(金) 01:29:07.32 ID:fiRkwtcm0

( ゚∋゚)「いや、何。戦ってくれというんじゃない、後ろで立っていてくれるだけでいいんだ」

( ;^ω^)「どういうことだお」

( ゚∋゚)「今回、VIP闘技大会は団体戦なんだ。5対5で勝ち抜き方式で勝利を決めるらしい。
     3人は約束があるんだが、どうしても二人足りなくてね」

( ;^ω^)「い、いや、でもブーンは…」

( ゚∋゚)「君が入れば4人だ。一人の欠員ならエントリー出来る。
     大将を君にすれば、君は最後まで戦わなくてすむ。
     万が一でも君にお鉢が回ってくるようなことがあれば、棄権してくれて構わない」

( ゚∋゚)「それに。大会の優勝者には、VIP城での祝いの宴に招待され、
     大帝から直々に褒美が与えられる。もちろん君にもだ」

実質3人で闘おうというのだ。男の口ぶりには、随分な自信があるようだった。
それが男の強さに裏打ちされた自信から来るものなのか、自惚れによるものかは分からない。
だが、ブーンにとって悪い話ではなかった。


134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 01:31:52.06 ID:LtmxH3ZSO
支援

135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 01:38:12.10 ID:fiRkwtcm0

もしこの男の言うとおり、優勝して勝ち上がることが出来れば、VIP城に入ることが出来る。
大帝に会うことが出来れば、事情を説明して魔術師に会わせてもらえるかもしれない。
奪還、などとは言われたが、捕えられている理由は聞いていない。
それなりの事情が帝国側にもあるのであれば、わざわざ危険を犯して連れ去ることもないだろう。

( ^ω^)「分かったお」

( ゚∋゚)「おお! 本当かね!」

( ^ω^)「ただ、ブーンは本当に闘わなくていいんだお?」

( ゚∋゚)「ああ、もちろんだよ。見るからに弱そうな君にそんな無茶はさせないさ!」

( #^ω^)「なんて頼りになるお方」

( ゚∋゚)「私はクックル。残りの二人は帝都で待ち合わせだ。着いたらすぐ紹介しよう」

( ^ω^)「ブーンと呼んでくれお」

( ゚∋゚)「ブーン君!よろしく頼む」


136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 01:38:43.89 ID:+F22dTww0
私怨

137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 01:39:47.75 ID:fiRkwtcm0

クックルと名乗った男は、厳つい顔をくしゃくしゃにして人懐こく笑った。
動物愛護の精神といい、悪い奴ではなさそうだ。

ブーンは毎年行われている闘技大会を、一度も見たことがなかった。
この時、楽観していたのだ。
VIP帝国の闘技大会を、通常の格闘技大会と同じように考えていた。

後々に、その甘さを思い知らされることになる。

一日の終わり。夜の帳も下りて車内も冷えてきた頃、
列車は最初の燃料補給所に差し掛かろうとしていた。

( ゚ω゚)「おっ!?」

( ゚∋゚)「む?」

次の瞬間、列車が大きく揺れた。
乗客同士が激しくぶつかり合い、
鼓膜を貫きそうな甲高いブレーキ音に混じって嗚咽や悲鳴が聞こえた。


138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 01:41:52.88 ID:LtmxH3ZSO
しえん

139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 01:42:43.31 ID:fiRkwtcm0

( ゚∋゚)「マイベイビー、怪我はないかっ」

( ;ФωФ) (我輩のことか・・・!?)

幸いクックルの逞しい腕の中にいて、黒猫は守られていた。
屈強そうなクックルは見た目に違わず、ぶつかり合う乗客にびくともしなかったが、
逆にブーンは乗客に揉まれて顎に強烈な一撃を受けた。誰かの頭がぶつかったらしい。

( ゚∋゚)「ブーン君、君も無事か?」

痛みと衝撃に霞掛かった視界を戻そうと頭を振っていると、
列車が静止しているのに気づいたクックルが呟いた。

( ゚∋゚)「……どうやら停まってしまったみたいだな」

( ;´ω )「い、一体何が起きたんだお?」

揺れが収まった車内では次に、乗客たちが騒ぎ出した。


140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 01:44:46.33 ID:LtmxH3ZSO
ふむ

141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 01:45:31.33 ID:fiRkwtcm0

<ヽ`∀´>「一体どういうことニダ!なぜ列車を止めたニダ!?」

( ^Д^) 「おいおい、悲鳴が聞こえてきたぜ!?」

(-_-)「・・・・」

中には騒がずじっと見守るものも居たが、大半が非難と不安を口にした。

<ヽ`∀´>「クソッ、埒があかんニダ!ニダが直接謝罪と賠償を要求sぶごッ!?」

一人のすっかり頭に血が上った男が、列車の車内通路の扉を開けようとした途端、
思い切り開かれた扉に顔面を強打して弾かれる。

( <●><●>)  (>< )

扉を潜るように現れる、青い軍服に身を包んだ長身で眼力に異様な迫力を持った男。
その後ろに隠れるように、やはり同じ軍服を着たひょろりと見るからに頼りなさそうな男が顔を出した。

<ヽ`∀´>「いててて……、何するニダ!謝罪と賠償をようk」

言い終る前に、長身の軍服が持っていたステッキで男の鳩尾を穿った。


142 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 01:46:43.79 ID:LtmxH3ZSO
しえ

143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 01:47:37.74 ID:fiRkwtcm0

<ヽ ∀ >「ぐっ!?」

短い嗚咽を漏らして蹲る。酸っぱい香りが列車内に立ち込める。胃液を吐き出したのだろう。
軍靴が床を叩く硬質な音が無表情に響く。

( <●><●>)「我々はVIP帝国軍なんです。ただ今よりこの場で検問を開始するんです」

異様な空気が流れた。剣呑な雰囲気の中に、当惑が入り混じっている。

( ><)「み、皆さん速やかに武器をその場に置き、着ているものを脱いで外に並んでくださいです!」

長身な男の後ろに隠れていた男が叫んだ。

平原の空には冴え冴えと満月が昇り、狼の遠吠えが不気味に響いていた――――。




第八話へ


144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 01:50:06.31 ID:LtmxH3ZSO
乙乙

145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 01:50:40.91 ID:fiRkwtcm0
今夜の投下はこれで終了です。
皆さんの支援とか猿避け感謝です。本当に感謝です。

こんな夜中で恐縮ですが、少しだけ質問などあれば答えたいと思います。

146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 01:53:01.39 ID:ll1OMeYzO
次はいつ頃

147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 01:57:32.41 ID:fiRkwtcm0
>>146 大体今十話まで書き途中です。
少し推敲といろいろで、九話からの投下は大体二週間後位でしょうか。
筆が乗ればもっと早く…曖昧、遅筆で申し訳ないです。

148 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 01:57:48.09 ID:3T3roCb30
おつー
この話のもとネタとかある?

149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 02:00:30.88 ID:ll1OMeYzO
次も楽しみにしてる乙

150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 02:00:31.84 ID:fiRkwtcm0
>>148 ありがとうございます。

元ネタはないです。
色々な漫画や文献に影響は受けているかもしれません

151 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 02:03:12.28 ID:0fbbHPjCO
なんだバーストが出たからブーンもついにアラガミと戦うのかと思ったら違うのか

152 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 02:03:57.73 ID:fiRkwtcm0
深夜も更けて丑三つ時ですので、そろそろ眠ります。
読んでくれている方々には本当に感謝の念を抑え切れません。

明日、もしかしたら八話投下・・・出来るといいな。

153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 02:05:07.51 ID:fiRkwtcm0
>>151 紛らわしくてすみません。

では、おやすみなさい。ありがとうございました。

154 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 02:15:18.98 ID:KVULCD5r0


155 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 04:03:55.13 ID:GXd3B0iXO
作者さん待ってた    まだ読んでないが乙   今日の昼よむほ

156 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 04:28:48.87 ID:m2EQA0JPO
来てたのか!すげー待ってた!
続きも楽しみにしてます頑張って下さい!!

157 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 07:09:09.85 ID:D9Y3hUdLO
久しぶりに楽しみなのきたなぁ

158 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 08:06:59.12 ID:0A/aqcT0O
なにこのゴミ、なんでこんなに人気ないし駄文を平然と公共の場に晒せるんだ?
まずストーリー、よくあるラノベっぽいなにかに萌え(笑)キャラ。
まるでマネキンのような個性のないキャラ。
地の文は文体からしてレベルが低い。
はっきし言ってしまえば俺からして見れば
アマチュアの『ア』の字すらもったいないないゴミ駄作だと思うわ。
小説を語るのもおごがましいんだよ。
小説はな?らくがきとは違うんだよらくがきとは
厨房の妄想じゃないんだよ。高等で至高なんだよわかったか?
クソつまらない駄作を二度と見せんな勘違い野郎が。


159 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 08:28:59.79 ID:LV25SbD+O
>>158
コピペ?なんかタイプミス多いけど

160 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 08:52:07.94 ID:zujTwVz0O
バカだなぁ、そいつはきっと縦読みか斜め読みさ。

な……まま……地はア……あれれ〜?

161 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 09:01:55.15 ID:wEbiVQEPO
毎度毎度わくわくする展開で面白かった
続きも期待してマッテルヨ!

162 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 10:43:35.64 ID:GXd3B0iXO
★ュ

163 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 13:48:52.67 ID:LtmxH3ZSO
一応ほ

164 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 16:50:33.86 ID:+F22dTww0



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