全部 1- 101- 最新50  

( ´_ゝ`)は劣等性のようです

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/14(土) 23:09:28.71 ID:nP2feQXR0

主人公が空気だっていいじゃない。


前スレ
http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1279948439/



2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/14(土) 23:09:46.05 ID:VkN6fZbv0
( ´_ゝ`)↓
   :/⌒ヽ:   
  :(;゙゚'ω゚'):  ぉぉ… 
  :/ つと):   
ww:しー-J:,,wwwwwww


   . . .   . .
   <⌒ヽ--つ: バタンッ!
ww.<__つ_つ,,wwwwwww

                                      ┼ヽ  -|r‐、. レ |
                                       d⌒) ./| _ノ  __ノ
                                      ---------------
                                      制作・著作 JR酉

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/14(土) 23:09:59.28 ID:184C3NkfO
まんこ!

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/14(土) 23:10:00.29 ID:bj25N4k5O
乙〜面白かった

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/14(土) 23:10:20.91 ID:nP2feQXR0

奇妙な感覚から解き放たれ、目を開けてみる。


( ´_ゝ`)「おお……」


目の前に見えた光景は、今まで見たこともないような絢爛豪華な大広間だった。
壁には大きな絵画が飾られており、所々に見るからに高そうなツボがある。
大理石の床には黒い線が引かれており、上から見れば一つの紋様になっているのだろう。

そんなところに集められている人間は、誰も彼も地味で、大広間には不釣合いであった。


( ´_ゝ`)「ま、オレもか」


皆、地方から集められた優秀で、将来有望な人達なのだろう。
年齢も皆似たようなものだと予想できる。本当に教育のためだけに集められたのならば、
仲良くなれたのかもしれない。


( ´_ゝ`)「そのときは弟者に変わってもらうけど」


一人呟く。
教育のためならば、自分こそが一番ここの場に不釣合いだ。


6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/14(土) 23:12:51.56 ID:KlGKnIkJO
来やがったなコノヤロウ

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/14(土) 23:13:16.14 ID:nP2feQXR0


( ´ー`)「みんな、同じように集められた人間だーよ」


隣にいた騎士が言う。


( ´_ゝ`)「これからどうするんですか?」

( ´ー`)「もうすぐ王様が来て、説明してくれる。
      それまで待ってるがいーよ」


それだけ言うと、騎士は背を向けて去っていく。
兄者にはドクオのような目はないが、彼がこれ以上関わることを嫌がっているのはわかった。

無理に引き止めることもないと思い、兄者は適当に辺りを見回す。

こんなことでもなければ、見ることもなかったような物。
楽しげに交流を深めている人達。

この空間で、兄者は自分だけが異質のように感じた。


8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/14(土) 23:16:50.81 ID:nP2feQXR0


( ^ω^)「おっおっ! 何でそんなに暗い顔してるんだお?」


ぼんやりしていると、少し太っている男が声をかけてきた。
能天気そうな顔をしている。きっと、殺しあいなど考えもしていないのだろう。


( ´_ゝ`)「いや……別に」

( ^ω^)「別にって風には――」


彼の言葉を最後まで聞くことはできなかった。
視界が歪んだ。ここへきたときと同じような感覚だ。

白い光りに包まれながら、兄者は足元に見えた線が移動用の魔法陣になっていたのだろうと気づいた。



9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/14(土) 23:18:25.54 ID:KlGKnIkJO
支援

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/14(土) 23:19:15.48 ID:nP2feQXR0

光りが収まり、目を開ける。


( ´_ゝ`)「ここは?」


ありきたりな言葉だったが、それ以外の言葉は思いつかなかった。

周りは鬱蒼としげる木々と草花。
上を見上げてみると、灰色の金属でできた天井がある。


『有望な魔術師の諸君。集まってくれてありがとうモナ。私はモナー王モナ』


どこからともなく、声が聞こえてきた。


『今、キミ達がいるのは城の地下にある部屋モナ。
 特殊合金でできた壁で、そうそうのことでは壊れないから安心するモナ』


何が安心できるのかはわからないが、こちらが口を挟めるとは思えない。


『キミ達が最後の一人になるまで、そこからは出れないモナ』



11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/14(土) 23:21:29.41 ID:KlGKnIkJO
ざわ・・・・・ざわ・・・・・

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/14(土) 23:22:04.43 ID:50jUVy7XO
し え ん

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/14(土) 23:22:09.54 ID:nP2feQXR0

( ´_ゝ`)「やっぱりか」


ドクオの言葉が正しかったと証明された。
近くには誰もいないが、歩いていれば誰かと出会い、殺されてしまうのだろう。


『あと、協力を防止するためにこちらからのスパイも送らせてもらってるモナ。
 キミ達の中には、殺意を持っている人間がいることを忘れないようにしてほしいモナ。
 死にたくなければ、殺すしかないモナよ』


( ´_ゝ`)「悪趣味だな……」


眉をよせる。
そこまでして殺しあわせたい理由がわからない。

隣国と戦争をするにしても、もっとまともなやり方があるはずだ。


( ´_ゝ`)「関係ないか」


優秀な魔術師の中に、一人放り込まれた劣等性。
生き残る確率など、万に一つもないだろう。


( ´_ゝ`)「どうせなら苦しまずにサックリといきたいな」

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/14(土) 23:24:40.97 ID:OTBAiCPZ0
展開はえー
支援

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/14(土) 23:25:09.78 ID:nP2feQXR0

適当に歩いていると、草むらから音がした。
スパイだろうと、集められた者だろうと、関係ない。


( ´_ゝ`)


兄者は黙って音の方を見る。
一応、抵抗する姿勢を見せていないと、怪しまれるかもしれない。

腰を低くし、呪文を唱える準備をする。
使える魔法など、一種類しかないが。



( ;ω;)「うおおおおん!」


草むらから出てきたのは、どの予想とも違った。
出てきたのは情けなく涙を流している男だった。


( ´_ゝ`)そ「うおっ!」


突撃してきた男に、兄者は呪文を唱えることもできず地面に叩きつけられた。


16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/14(土) 23:27:50.01 ID:Kg7PhczU0
ところでこの変な空気を作ってる人達は作品潰すためにやってるの?

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/14(土) 23:28:13.83 ID:nP2feQXR0


( ;ω;)「殺さないでほしいお!
       ボクも絶対にキミを殺さないお!」


兄者を地面に抑えつけながら、男は涙を流している。
小石が素肌に刺さって痛い。地味な痛みに兄者は呻く。


( ;´_ゝ`)「わかった! わかったから離してくれ!」


このままの姿勢でいるくらいならば、さっさと殺してもらったほうがマシだ。
必死の声に、男はハッとしたように兄者から離れる。


( ;^ω^)「す、すみませんお」

( ´_ゝ`)「大丈夫だ。ちょっと痛かったが」


ローブについた土を払い、目の前にいる男と向きあう。
見れば、魔法陣が発動する寸前に話していた男だ。


18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/14(土) 23:30:59.66 ID:FeTmQdla0
支援

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/14(土) 23:31:15.24 ID:nP2feQXR0


( ^ω^)「ボク、内藤ホライゾンっていうんだお」


右手が差し出される。
一瞬迷ったが、兄者はそれを掴む。


( ´_ゝ`)「……流石、弟者だ」


どこかに隠しカメラや盗聴器があるかもしれない。
騎士は誰でもいいと言っていたので、劣等性だとばれたところで、
弟者が連れてこられるわけではないだろうが、念のためだ。


( ^ω^)「あ、ブーンって呼んでほしいお」


握った手を上下に振りながら、ブーンは笑っている。
今の状況に似つかわしくない光景だ。


( ´_ゝ`)「お前、殺さないって言ってたよな」



20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/14(土) 23:34:07.38 ID:nP2feQXR0

兄者の言葉に、ブーンの動きが止まる。


( ^ω^)「誰も殺したくないお……」

( ´_ゝ`)「そりゃそうだろうが、殺されるだけだぞ」


スパイを送りこむことにより、誰も信じることができないようにされている。
話し合いが通用する相手が見つかるとは思えない。


( ^ω^)「でも……。ボクは殺したくないお」

( ´_ゝ`)「誰だってそうだろう」



殺したくない。だが、殺さなければ殺される。
ただそれだけの話だ。割り切るしかない。



21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/14(土) 23:37:18.71 ID:nP2feQXR0

( ^ω^)「……弟者はどうして、そうも冷静にいられるんだお?」


問われて、兄者は顎をさする。
誰でも、突然このような状態に放りこまれれば混乱するだろう。
すぐに頭を切り替えられる人間などいない。

結論を述べるのであれば、兄者は覚悟をしてきているからだ。
いい加減、あの町で暮らすのは疲れたというのもあるのだろう。


( ´_ゝ`)「答えかねるな」


理由はどれも言えないことばかりだ。


( ^ω^)「でも、きっと、ボクよりかは、今の状況について知ってるんだお?」


真っ直ぐな瞳が兄者を射抜く。


22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/14(土) 23:37:42.83 ID:FeTmQdla0
しえん

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/14(土) 23:40:08.39 ID:nP2feQXR0


( ´_ゝ`)「……まあ、そうだろうな」


この程度のことならば、答えても問題ないだろう。
兄者は頷いた。


( ^ω^)「なら、一つだけ、一つだけ教えて欲しいお」

( ´_ゝ`)「何だ?」

( ^ω^)「これは、前から続けられているのかお?」

( ´_ゝ`)「そうだろうな」


言葉が返された後、ブーンは目を見開く。
その後、大粒の涙をこぼし始めた。

先ほどのような、混乱の涙とは違う。悲しみの涙だ。


( ;ω;)



24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/14(土) 23:43:07.55 ID:nP2feQXR0

声を上げることもなく、ただただ涙を流す。
その光景があまりにも悲しげで、兄者は不安にかられる。


( ;´_ゝ`)「お、おい……。泣きやめよ」

( ;ω;)「むっ、無理、だ、お」


二人がいる場所は開けた場所だ。このまま泣いていれば、
覚悟を決めた者やスパイの餌食となるしかないだろう。


死が怖いとは思わないが、このまま死んでしまうのは嫌だ。


兄者はブーンの手を引いて茂みへと入って行った。



25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/14(土) 23:47:03.62 ID:nP2feQXR0

( ´_ゝ`)「とりあえず落ち着け。話くらいなら聞いてやるから」


泣いている人間の慰め方など、話を聞いてやるくらいしかわからない。


( ;ω;)「あ、ありがとう……だ、お」


涙を服の袖で拭く。
だが、すぐに涙が溢れ、頬には涙が流れ続けている。


( ;ω;)「ボクの、ボクの姉さん」

( ´_ゝ`)「姉さん?」


兄者の頭に浮かんだのは、一年ほど顔を見ていない姉の姿だ。
少々強引なところはあったが、優しい姉だった。



26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/14(土) 23:50:10.98 ID:nP2feQXR0



( ;ω;)「婚約者と一緒に、ここにきたんだお」



( ´_ゝ`)



かける言葉が見つからない。



( ;ω;)「別の町で住んでいたけど、騎士に連れられて、
       城へ行ったって、婚約者の家から手紙がきたんだお」



27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/14(土) 23:53:13.29 ID:nP2feQXR0

王が魔術師を集め始めたのは、一年ほど前からだ。
丁度、王の息子が城を離れ、視察に行ったころのことで、
息子の代わりに魔術師を育てるのだとまで言われていた。


( ´_ゝ`)「……本人から、連絡は?」

( ;ω;)「い、ちども……ない、お」

( ´_ゝ`)「……そうか」


生きてはいないだろう。
ブーンの姉がどれほどの実力を持っていたのかはわからない。
だが、連絡がないということは、そういうことなのだろう。


( ;ω;)「とても、優しくて……」



28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/14(土) 23:53:54.08 ID:FrntYEVpO
支援

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/14(土) 23:56:18.53 ID:nP2feQXR0

姉は優しかったそうだ。
ときに厳しく、ときに優しく。
喧嘩をしたこともあったが、大好きな姉だったと言う。

彼女は城から帰ったら結婚すると、婚約者の両親に言っていたのだそうだ。


( ;ω;)「ボクは、そのときに告白するつもりだったんだお」

( ´_ゝ`)「告白?」

( ;ω;)「故郷に、好きな人がいるんだお」


その子はブーンの住む町でも人気のある子だった。
厳しい言葉を吐きながらも、優しく手を差し伸べてくれる。


( ;ω;)「人を殺してしまったら、ツンに触れないお」


まるで漫画のようだと兄者は思った。
血で濡れた手では大切な人に触れることができない。
そんなことを気にする意味が理解できない。

死んでしまっては意味がないだろうに。



30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/14(土) 23:59:08.77 ID:nP2feQXR0


( ;ω;)


けれど、それを気にするのだ。
彼は心優しい人間なのだろう。

姉を失い、大切な人に触れることができない。
ここで死んでしまうということも多いにありえる。
悲しいことだ。


( ´_ゝ`)


死ぬ覚悟ならある。
ならば、殺す覚悟もできるだろう。

彼の覚悟が決まるまで、あるいは自分が死ぬまで、
手助けをするのは悪いことではない。


( ´_ゝ`)「とりあえず、オレと脱出方法を探さないか?」

( ;ω;)「おっ?」



31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 00:00:59.58 ID:hYyLLfsCO
待ってた支援

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 00:01:55.27 ID:8jsZP5DN0

どうにか生きる術を探そうと誘う。

この状況に長時間漬かっていれば、いずれ覚悟もできるだろう。
一先ず、ブーンに現実と希望を見せる。


( ´_ゝ`)「敵に会ったら逃げる。ここから逃げる方法を探す」

( ^ω^)「……弟者、いいのかお?」


ブーンは涙を拭う。
自分がどれほどの醜態をさらしていたのかは理解している。
理解しつつも、感情を抑えることができなかった。


( ´_ゝ`)「どういう意味だ?」


何故、いいのかと聞かれたのだろうか。
兄者は首を傾げる。
逃げたいと、生きたいと思うのは当然のことだ。


( ^ω^)「このことを知っててきたってことは、
       死ぬことも、殺すことも了承していたってことだお?」



33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 00:04:18.46 ID:8jsZP5DN0

正直なところ、兄者は目の前にいる男のことを見くびっていた。
優しくはあるが、臆病で、勘の鈍そうな男だと認識していた。

だが、彼は兄者の心を見抜いていた。


( ´_ゝ`)「……いいさ」

( ^ω^)「さっき、握手したお」

( ´_ゝ`)「ん? ああ、したな」

( ^ω^)「だから、ボクらは友達だお」


何を言いたいのか見当もつかない。


( ^ω^)「ボクは弟者と一緒に、生きてここから逃げるお」

( ´_ゝ`)「…………盗聴器とかあったら、どうするんだ」


ブーンは口を抑え、辺りを見回す。

そんなブーンを見ながら、兄者は小さく笑っていた。



34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 00:07:11.47 ID:8jsZP5DN0

( ´_ゝ`)「ま、むこうもこのくらいは想定済みだろう」


スパイとやらがやってきて、二人を襲うというのならば、そいつを殺せばいい。
無理ならば、ブーンだけでも逃がす。


( ^ω^)「ところで、弟者は何の魔法が得意なんだお?」

( ´_ゝ`)「え」

( ^ω^)「これから協力していかなきゃなんだから、
       お互いのことを知っておくべきだと思うお」


正論だ。
正論すぎて、兄者は冷汗が流れた。

残念なことだが、彼は劣等性だ。
姿こそ弟者と瓜二つであるが、魔法の面では到底及ばない。


( ;´_ゝ`)「あー、基本元素五つと、回復、んで浮遊系だ。
       一番得意なのは浮遊系な」



35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 00:10:08.87 ID:8jsZP5DN0

いくつかの嘘をつく。
本当のことは浮遊系が得意というところだけだ。


( ^ω^)「七つも使えるのかお! すごいお!」


尊敬の眼差しを向けられ、兄者は居心地が悪くなる。
優秀な弟を騙るというのはどうにも気持ちが悪い。


( ^ω^)「ブーンは土系と、吸収、放出系だお」

( ´_ゝ`)「吸収、放出系?」


基本元素の魔法でない特殊魔法なのだろう。
ブーンの言った魔法について兄者は知識がなかった。

特殊魔法は家系や突然変異で生まれる。
その珍しさから、記述も基本元素と比べると少ない。


( ^ω^)「他人の魔法を吸収して、自分の魔法として放出できるんだお」


手が近くに落ちていた枝に向けられる。



36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 00:13:17.46 ID:8jsZP5DN0

( ^ω^)「吸収されし魔法よ、落ちし枝へわずかな炎を灯せ」


呪文が終わると同時に、落ちていた枝へ小さな炎が灯る。


( ^ω^)「これはボクが町の友人にもらった魔法だお」

( ´_ゝ`)「便利だな。どんな魔法でも吸収できるのか?」


どのような魔法でも吸収できるのだとすれば、
下手な防御魔法よりも、魔法を防ぐ効果があるだろおう。


( ^ω^)「攻撃魔法は簡単に吸収できるお。でも、制限があるんだお」

( ´_ゝ`)「制限?」

( ^ω^)「魔法を吸収すると、その威力や特殊さに応じて
       満腹感が得られるんだお」


膨れた腹を撫でながら言葉を続ける。



37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 00:16:13.10 ID:8jsZP5DN0

( ^ω^)「魔法を吸収し過ぎると、気持ち悪くて魔法ごと吐いてしまうんだお。
       しかも、満腹感が続くと、ご飯が食べれなくなるから、衰弱してしまうお」


ブーンが太っているのは、魔法の影響もあるのだろう。
胃を大きくしておけば、それだけ魔法を吸収することができる。


( ´_ゝ`)「それにしても便利だな」

( ^ω^)「七種類も魔法を使える弟者の方が凄いお!」


褒められることは嬉しいことのはずだ。
だが、弟者を騙っている兄者からしてみれば、曖昧な笑みを返すことしかできない。


( ^ω^)「そうだお。兄者、何でもいいから、魔法を一つ吸収させて欲しいお」

( ;´_ゝ`)「え、いや、いざってときに吸収できなかったら困るだろ?」

( ^ω^)「さっき少し出したし、大丈夫だお!」



38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 00:19:09.78 ID:8jsZP5DN0

ブーンのことを考えての発言ではない。
兄者が使えるのは浮遊系だけだからだ。

浮遊系も使い方によれば、吸収させることができるだろう。
しかし、それを吸収したところで頼りになるとは思えない。


( ^ω^)「お? 迷ってるのかお? 何でもいいお」


待っているブーン。
焦る兄者。

どうすればいいのかと、そう良くもない頭を回転させる。


( ´_ゝ`)「えっと、だな……」


頭を掻いていると、耳に誰かの足音が聞こえた。
誰か来たのかと、振り向いた瞬間、兄者は殺気に圧倒される。



39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 00:20:42.32 ID:SMD5UHT/O
支援

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 00:20:59.68 ID:H3wssZ0cO
今北!読んでくる支援

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 00:22:17.41 ID:i60voaCtO
しぇん

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 00:22:17.94 ID:8jsZP5DN0

\(^o^)/「敵ハッケーン!
      オワタにしてやるよ!」


顔に浮かんでいるのは笑みだが、明らかに通常の精神状態ではない。
持参してきたのであろう杖を振り回している。


( ;^ω^)「ボクらは戦う気はないお! だからやめて欲しいお!」

( ;´_ゝ`)「馬鹿! 言葉が通じそうかくらい判断しろ!」


話し合いの姿勢を取ろうとするブーンを殴り、敵に背を向ける。


\(^o^)/「逃がさないよ!
      電流よ駆け、彼らを捉えよ」


背後から電気の音が聞こえてくる。
逃げ切れるわけがない。


( ^ω^)「魔法よ、我が身へ吸収されよ」


兄者を押しのけ、ブーンが両の手を突き出す。


43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 00:25:11.76 ID:8jsZP5DN0

( ´_ゝ`)「お、おお」


見れば、ブーンの両手に電流が吸い込まれていく。
二人を敵と認識していた者も目を丸くして驚いている。


( ^ω^)「ふう……」


全ての電流を吸い込んだ後、ブーンは腹をさする。
放出しようとしないのは、相手を殺しかねないからだろう。


( ´_ゝ`)


兄者はブーンに助けられた。
彼の手助けをしようと思っていたにも関わらずだ。


( ´_ゝ`)「ブーン!」


手をむける。


( ´_ゝ`)「逃げるぞ!」


44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 00:27:45.52 ID:LIgQdLgjO
待ってた。待ってたぜ支援

45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 00:28:14.66 ID:8jsZP5DN0


( ´_ゝ`)「我意思により、彼者を浮かせよ」

( ^ω^)「おっ、おおおおお?!」


勢いよくブーンが宙へ浮く。


( ´_ゝ`)「行くぞ」


隣を見ると、宙を走る兄者がいた。


\(^o^)/


下に見える男は、驚きの連続で動くことさえできないようだ。



46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 00:31:12.62 ID:H3wssZ0cO
追い付き支援

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 00:32:18.58 ID:8jsZP5DN0


( ^ω^)「他人を浮かすこともできるのかお?」

( ´_ゝ`)「少しだけならな!」


無機物ならばともなく、生き物を浮遊させることは難しい。
それも、人間ほどの質量を持つとなればなおさらだ。


( ^ω^)「すごいお! ボク、今飛んでるおー!」

( ;´_ゝ`)「こら、他の奴に見つかったら意味がないんだぞ」


鬱蒼と茂る木々によって、宙に浮かぶ二人の姿は見えにくくなっているとはいえ、
大きな声を出せば気づかれるだろう。


( ;^ω^)「すまんお」

( ´_ゝ`)「まったく……。とりあえず、適当なところに降りるか」



48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 00:34:14.41 ID:NZK7c3MPO
過去スレが読めんのが残念だ支援

49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 00:35:58.06 ID:H3wssZ0cO
支援よ

50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 00:36:14.81 ID:8jsZP5DN0

枝に邪魔をされながらも、適当な場所に降りる。
見晴らしはよくないが、人の気配はない。


( ^ω^)「ありがとうだお」

( ´_ゝ`)「いや、オレの方こそ助けてもらった」

( ^ω^)「ボク一人じゃ戦えても、逃げることはできなかったお」


お互いに礼を言いあい、無事を喜んだ。


( ´_ゝ`)「あー。いつまで逃げりゃいいんだろうな」

( ^ω^)「ここから脱出する方法がわかれば……」

( ´_ゝ`)「壁はかなり特殊な金属らしいが」

( ^ω^)「と、とにかく、壁のあるところまで行ってみるお」

( ´_ゝ`)「賛成だ」



51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 00:38:55.38 ID:H3wssZ0cO
支援できる喜び

52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 00:39:09.17 ID:8jsZP5DN0


二人は周りを警戒しながら歩き始めた。
一度、兄者が浮遊して周りを見渡してみると、この場所は予想以上の広さがあった。

始めに集められた大広間よりも、一回り以上大きい。
幸い、二人がいたのは中心部ではなかった。少し歩けば壁にたどり着くだろう。


( ^ω^)「弟者? 大丈夫かお?」

( ;´_ゝ`)「お、おう……」


兄者は見かけ通り体力がない。
辺りに注意を払いながら歩いているうえに、道は平坦ではない。

小高い丘もあれば川もある。
よくもまあここまで自然を再現できたものだと感心した。


( ^ω^)「ちょっと休むかお?」

( ´_ゝ`)「すまんが、そうさせてくれ」

( ^ω^)「いいお。助け合いは必要だお」



53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 00:41:30.25 ID:8/f0hBdc0
弟者ってなんてよむの? おとうとじゃ?

54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 00:42:29.24 ID:8jsZP5DN0


地面に腰を降ろし、空を見上げる。
鉄の天井からぶら下がっている電気が、部屋を照らしている。

時間の感覚が狂っていくのを感じる。


( ´_ゝ`)「敵は人間だけじゃないってわけか」


こんなところで何日も過ごしていれば、通常の生活など送れなくなってしまうだろう。


( ^ω^)「弟者ー。木の実見つけたお!」

( ´_ゝ`)「水やら食料やらは安心ってわけか」


休憩している兄者に、ブーンが木の実を運んできた。
見たことのある木の実ばかりで、食用には問題ないだろう。


( ´_ゝ`)「毒があるものもあるかもしれんな」



55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 00:44:19.02 ID:er3LHixoO
テスト支援

56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 00:45:12.92 ID:8jsZP5DN0

( ^ω^)「大丈夫だお。
       ボク、食べることは好きだから毒があるかわかるお」

( ´_ゝ`)「おお、伊達に食いしん坊じゃないんだな」

( ^ω^)「体形を見て判断した結果なら、容赦しないお」


辺りに人の気配もなく、二人は気を楽にして言葉を交わした。

いつ死ぬかもわからないという状況が二人の口を饒舌にさせる。
少しばかりのからかいは容易であった。


( ^ω^)「早くツンに会いたいおー」

( ´_ゝ`)「ツンって、お前が告白するって言ってた子か?」

( *^ω^)「そうだお。とっても優しい子なんだお!」

( ´_ゝ`)「へー。いいじゃん」

( ^ω^)「弟者は好きな子いないのかお?」

( ´_ゝ`)「うーん。いないかな」



57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 00:48:36.42 ID:8jsZP5DN0

町では嫌われていた。
相手が明らかな嫌悪感を持っているのに、こちらが好意を寄せるのは難しい。


( ^ω^)「好きな子一人もいないとかwww
       若いくせに枯れてるおwww」

( ´_ゝ`)「うるせーww」


年相応に、どんな女性が好きなのかを話す。
見た目は明るいが、時間的にはもう夜なのかもしれない。


( −ω−)「うーん。ちょっと眠くなってきたお」

( ´_ゝ`)「両方寝たら危ないかもしれんから、
       交互で見張りでもしておくか」

( −ω−)「じゃあ、先に寝てもいいかお?」

( ´_ゝ`)「おう。寝とけ、寝とけ」


( −ω−)zzz


( ´_ゝ`)「早っ」


58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 00:50:14.95 ID:H3wssZ0cO
しえんしえん

59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 00:51:19.98 ID:8jsZP5DN0

どこでも眠ることができるタイプなのか、ブーンは地面に直で寝ている。


( ´_ゝ`)「眩しそうだな」


どことなく眠りにくそうなブーンを見て、
兄者は辺りを見回す。適当な大きさの葉を見つけ、引きちぎる。


( ´_ゝ`)「これでどうかな」


ブーンの顔に葉を被せ、光りを遮ってやる。
視界が暗くなり、眠りやすくなったのか、大人しくなる。
ついでに、ローブを脱いで布団のようにかけてやった。


まぶたをこすりながら、見張りをする。
交代のタイミングなどを決めていなかったので、いつ起こせばいいのかなどを考える。


( ´_ゝ`)「ま、オレが限界になってからでいいか」


同じくらいの年のはずだが、兄者からしてみればブーンは弟のような存在になっていた。


第三話 完

60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 00:51:28.15 ID:UzszkK/4O
劣等性来た!

61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 00:53:57.69 ID:8jsZP5DN0

とりあえず、三話完結。


展開が早いのは申し訳ない。
ゆっくりと話を展開させる力がないんだ。
前スレが読めないのも申し訳ない。

続いて四話を投下するのも申し訳ない。


62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 00:54:59.06 ID:H3wssZ0cO
わーい続き続き!

63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 00:56:24.69 ID:8jsZP5DN0

(-A-)「うーん」

(´<_` )「おい、あの小せぇの城じゃねーの?」


ダイオードの上で過ごした夜は、思いの他快適だった。
高度が高いため、多少寒くはあったが、二人が寝るには十分な広さがあった。


('A`)「もう見えてきた――」


眠たげに目をこすりながら弟者が指差す方向を見る。


(´<_` )「アレだろ?」

(;'A`)「か、帰るぞ」


ダイオードを掴み、小さく呟く。
その目にはもう眠気は見られない。


(´<_` )「はあ?」

(;'A`)「ヤバイ! アレはマジでヤバイ!」



64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 00:58:07.12 ID:exoUZ23j0
しえんじゃ

65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 00:58:58.71 ID:H3wssZ0cO
しえじゃ

66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 00:59:09.18 ID:8jsZP5DN0

尋常ではない焦りっぷりに、弟者は口を開く。


(´<_` )「氷よ彼者の周りに出現し、極寒の寒さを与えよ」

(゚A゚)「つめてーーーー!」


周りに現れた氷のかたまりは、ドクオを容赦なく冷やす。


(´<_` )「まあ落ち着けよ」

(゚A゚)「落ち着けるか!」


冷たい空気にドクオは両手を振り回している。
どうにか氷のかたまりをどかせようとしているようだが、氷はドクオの傍を離れようとしない。


(´<_` )「消えよ氷」


弟者の言葉に反応したかのように、氷は跡形もなく消えた。


('A`)「つめてー」


67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 01:01:35.69 ID:NZK7c3MPO
>>53
おとじゃ

68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 01:02:58.47 ID:8jsZP5DN0

氷に冷やされた体をどうにか温められないかと動かす。


(´<_` )「頭も冷えたところで、行くぞ」

('A`)「いや、アレはマジヤベェって」


ドクオの目に見えているものと、弟者の目に見えているものは違う。
二人の意見を聞いているのか、ダイオードはその場に制止している。


(´<_` )「どういうことだよ」


説明をしようとしないドクオに苛立っているのか、弟者の言葉には棘がある。


('A`)「何ていうか……真っ黒だ」

(´<_` )「はあ?」



69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 01:04:25.28 ID:H3wssZ0cO
しえーん

70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 01:05:40.77 ID:8jsZP5DN0

ドクオの目に映る城は、すでに城ではなかった。


(|!'A`)「気持ちわりぃ……」


悲しみや憎悪や、殺意。そんな色が溢れ、城を覆いつくしていた。
負の感情が直接的なダメージとなり、吐き気をもよおす結果となった。


(´<_` )「吐くなよ。汚ぇ」

(つA⊂)「はいはい。すまんね」


目を隠し、不気味に混ざり合った色から目を背ける。


(´<_` )「じゃあ行くぞ」

(つA⊂)「いや、無理。オレが無理。ついでにアレは黒すぎる」

(´<_` )「無理なのはお前だけだろ」

(つA⊂)「そっちの意味もあるけど、呪術的なものも見えてる」


71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 01:06:29.96 ID:LIgQdLgjO
しえ

72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 01:08:13.42 ID:8jsZP5DN0


(´<_` )「呪術? ああ、呪いの儀式云々か」

(つA⊂)「おう。間違いないぞ」

(´<_` )「ふーん」


弟者は何の変哲もないように見える城を目に映す。


(´<_` )「お前の目って、制御とかできないの?」

(つA⊂)「できないこともないけど……」

(´<_` )「じゃあとっととしろよ」

('A`)「疲れるんだよ」


目を覆っていた手をはずす。


73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 01:11:09.26 ID:H3wssZ0cO
しえしえ

74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 01:11:15.23 ID:8jsZP5DN0

('A`)「なんて言うかさ、わざとピンボケさせるみたいな」

(´<_` )「へー」


興味がないことを弟者は隠そうともしない。
とはいうものの、この程度のことで一々へこんでいられない。

ドクオはダイオードに引き返すように言う。


(´<_` )「だから、何で帰るんだよ」

('A`)「お前、オレの話し聞いてた?」


苛立ったような声を出す。
弟者は驚いたのか、意外に思ったのか、少しばかり目を見開いた。


('A`)「あんなとこ行けるかよ」

(´<_` )「じゃあ、兄者を見捨てるんだな」



('A`)「ああ」



75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 01:14:21.74 ID:8jsZP5DN0

一度目のときのように沈黙を返すことはしなかった。
口からでたのは肯定の言葉。


('A`)「兄者との約束を守る。あそこに行けば、どっちも守れない」


真剣な目で、言葉が吐かれる。
それを聞いていた弟者は漠然とそれほど大変なことになっているのかと思った。

ドクオの見ているものを弟者は見れない。
不幸なのか幸福なのかの判断はつかない。けれど、それが弟者の考えを変えることはない。


(´<_` )「じゃあ、オレ一人で行く」

('A`)「どうやって。ダイオードはオレの言葉を優先するぞ」


空の上で二人は睨みあう。

先に視線を外したのは弟者だった。
弟者はドクオの目の前で立ち上がり、ダイオードの端から下を見下ろす。

見えるのは林だ。


(´<_` )「よっと」


76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 01:16:00.50 ID:H3wssZ0cO
しえん

77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 01:17:28.53 ID:8jsZP5DN0


(゚A゚)そ「はあ?!」


自分の目を疑う。
弟者の姿が消えた。いや、弟者が落ちた。

慌てて下を見ると、弟者の姿がどんどん小さくなっていく。


(´<_` )「風よ、上空へ吹け」


風に乗って聞こえてきた声は呪文だった。
魔法により地上から風が吹く。衝撃を弱めようとしているのだろう。


('A`)「弱い……!」


だが、この高さから落ちていく人間の衝撃を弱めるには、弟者が起こした風はあまりにも弱い。
下が林だということを差し引いても無事でいられるわけがない。



78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 01:20:15.98 ID:8jsZP5DN0


(´<_` )「ちっ!」


風の弱さを感じ、弟者は舌打ちをする。
昔からいくつかの魔法は苦手だった。

そのうちの一つが風系なのは運が悪かったのだろう。


林が近くなり、弟者は目を閉じる。


体に与えられた衝撃は痛みを伴ったものの、思っていたよりもずっとマシだった。
ゆっくりと目を開けてみる。


('A`)「わかった。城に行くよ」

(´<_` )「……わかればいいんだよ」


弟者が落ちたのはダイオードの上だった。
怪我もしていない。



79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 01:20:52.08 ID:KpB5ASw/0
支援

80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 01:24:02.63 ID:8jsZP5DN0


('A`)「あのままだと怪我じゃすまなかったぞ」

(´<_` )「うるせぇな。大丈夫だよ」

('A`)「……せめてさ、氷の滑り台作るとか、そういう発想はなかったのかよ」

(´<_` )「…………」


じっと弟者に見つめられる。
何か不味いことを言ってしまったのだろうかと、ドクオは冷汗を流す。


(´<_` )「案外頭いいな」

('A`)「……弟者は案外頭悪いよな」


(´<_`# )モエテミルカ?

(;'A`) カンベンシテクダサイ



81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 01:27:29.44 ID:8jsZP5DN0

太陽が真上に昇るころ、二人は城下町の近くに降りた。


('A`)「ここからは歩くか」

(´<_` )「何だ、帰っていいぞ。邪魔だし」

('A`)「行くよ。町でずっと罪悪感と生きていくなんて拷問だろ」

(´<_` )「オレは別にそれでもいいけど」

('A`)「他人事だと思いやがって……」


本当は今すぐにでも帰りたかった。
だが、今帰ったところで、楽しくもない日々が待っているだけだ。

楽しくない上に罪悪感まで付きまとうような人生を送れるほど、ドクオは強くないと自覚している。


(´<_` )「他人だしなぁ」


二人は並んで城下町へ足を踏み入れる。



82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 01:30:17.27 ID:8jsZP5DN0

賑やかな雑踏に心が弾む。

ドクオは城のことを忘れ、辺りをキョロキョロと見る。
おしゃれな人に、センスのある店。
昨日までいた町とは何もかもが違う。

弟者を見ると、表情は変わっていないが、雰囲気が明らかに楽しげだ。
このまま城のことなど忘れてしまえばいいのにとドクオは思う。


しかし、二人の足は無意識のうちに城へ向かっていた。


城へは大きな一本道だ。
町で一番の大通りなのだろう。特に人も多く、並ぶ店も大きい。


('A`)「見えないようにしてて正解だな」


誰にも聞こえないように小さく呟く。

こんな人並みの中であれば、負の感情も多いだろう。
人酔いどころではない。発狂してしまうかもしれない。



83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 01:33:13.61 ID:8jsZP5DN0

('A`)「あっ、待てよ!」

(´<_` )「遅い奴が悪い」


ドクオと弟者では足の長さが違う。

非常に悔しいことではあるがそれが現実だ。
ただでさえ人混みの中で歩きにくい。二人の距離が開くのは必然的だった。

弟者に置いていかれないようにとドクオは歩く速度を速める。

ひたすら直線の道を歩くと、大きな門が見えた。
予想通り、門の傍らには騎士が立っている。


('A`)「どうするんだよ」


城の警備が薄いはずもない。
魔法を使ったところで、侵入できるはずもない。


(´<_` )「決まってるだろ」



84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 01:36:13.70 ID:8jsZP5DN0


堂々とした面持ちで警備中の騎士へ近づく。
あの度胸は自分が一番だという自信の元に構築されているのだろう。


('A`)「オレには真似できねぇわ」


弟者一人に任せていると置いていかれるかもしれないので、渋々ながらドクオも後に続いた。


(´<_` )「すみません」

(‘_L’)「ん? 何だい?」

(´<_` )「城に集められた魔術師の中に、私の双子の兄がいるのですが」

(‘_L’)「ああ、悪いが、集められた魔術師には面会できないんだよ」


予想通りの答えだった。
面会できないのは当然だろう。彼らは今も殺しあいをしているのだから。



85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 01:39:26.57 ID:8jsZP5DN0


(´<_` )「いえ、実はですね」


人当たりのいい笑みを浮かべて言葉を続ける。


(´<_` )「彼本当は城に呼ばれるような人じゃないんですよ。
       ボクがくる予定だったんですけどね、双子の弟に負けるのが気に入らなかったらしく、
       ボクを騙っているんです。やはりこういうことはちゃんと言っておかないとと思いまして」


弟者の言葉はほとんどが真実だ。
その中に、兄者が彼の身代わりになったということを隠しいるだけ。


(‘_L’)「……ちょっと待ってなさい」


威圧感のある騎士は隣にいた騎士にこの場を任せ、門の中へ入っていく。
彼は城の中で起きていることを知らないのかもしれない。



86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 01:39:58.78 ID:LIgQdLgjO
支援

87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 01:42:19.73 ID:8jsZP5DN0

二人はしばらくの間外で待っていた。
弟者もドクオも口を開かない。

弟者は話すことがなく、ドクオはへたに口を開くことを恐れた。


(‘_L’)「待たせたね」

(´<_` )「いえ。お手数おかけして申し訳ないです」


すらすらと言葉が出てくるのを見ていると、
人が集まってくるのは天才と讃えられているためだけではないのだと思う。


(‘_L’)「王にかけあったところ、君のお兄さんの向上心を認めたいとのことだ」

(´<_` )「え?」


思わず素の声が出ている。
後ろでことの様子を見ていたドクオは驚きもしなかった。

結局のところ、王にとって必要なのは優秀な魔法使いではなく、
何かをするために捧げる人間の数なのだろう。


88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 01:44:08.89 ID:LIgQdLgjO
しえン

89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 01:45:24.60 ID:8jsZP5DN0

(‘_L’)「でもね、ここまできた君も評価したいと王は言われたそうだ」


騎士はゴツゴツした手を差し出す。


(‘_L’)「後ろのお友達と一緒に、この城に迎え入れよとのことだ」


これは特例だよと、騎士は言ってくれた。
今のドクオには騎士がどのような意図で言っているのかわからない。

王からしてみれば、一人でも多くの人間が欲しいとのことなのだろう。


('A`)(でも……)


人数が欲しいだけならば、適当に集めることもできたはずだ。


('A`)「ま、関係ないか」



90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 01:48:17.58 ID:8jsZP5DN0

優先されるべきは兄者の救出。もしくは弟者の身の安全だ。
この国が何をしようとしているかなど、わかったところでどうしようもない。

二人は騎士に案内され、城の中へ入って行く。


('A`)「おお……」

(´<_` )「…………」


外装も豪華だったが、内部はさらに豪華だった。
高価そうなものがそこいらに飾られている。

廊下を見ただけでも広く、質のいい絨毯が敷かれている。


('A`)「オレ、城に入れるなんて夢にも思ってなかったよ」

感嘆の声をもらす。
返事はなかったが、弟者が頷いているのが見えた。


(‘_L’)「キミ達には次のメンバーの中に入ってもらう」

('A`)「え、今のメンバーには入れないんですか?」

(‘_L’)「人数制限があるらしい。すまないね」


91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 01:51:27.09 ID:8jsZP5DN0
次のメンバーが集まるには一週間ほどかかるので、客室でくつろいでいて欲しいと言われる。
この政策が始まったころは、二ヶ月に一度各地から集められる程度だった。

何かは着実に加速している。

この国に不安を覚えながらも客室を見る。
案内されたその部屋は素晴らしいものだった。

一部屋の広さが弟者達の住む家の三部屋分はある。
置かれている家具も高価なのだろう。ベッドに座ることすらためらわれる。


(‘_L’)「二人一部屋になってしまってすまないね」

('A`)「あ、いえ……」

(´<_` )「突然お邪魔したにも関わらず、こうして迎え入れてくれたのですから、
       このくらいは当然ですよ。ありがとうございます」


弟者が言うと、騎士は笑みを浮かべて客室を去っていく。

(‘_L’)「あ、そうだ」

部屋の扉を閉める直前、騎士が振り返る。


(‘_L’)「あまり出歩かないように。警備の者が勘違いするかもしれないからね。
      食事などはそこの電話を使ってくれ」


92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 01:52:56.33 ID:KpB5ASw/0
支援

93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 01:54:15.11 ID:8jsZP5DN0

部屋の扉が閉まる。


('A`)「ホテルかよ」


小さくツッコミを入れ、騎士の言っていた電話を探す。


('A`)「これか」


電話は確かにあった。
城の客室に何故このようなものがあるのかはわからない。


(´<_` )「オレらみたいなのを閉じ込めるためじゃないのか?」


部屋を見ていた弟者が言う。


('A`)「ありえるな」


今まで何度か行われてきたこの行為だ。
弟者のようなケースはなくとも、知人友人に会いたいとやってきた者をここに入れたのかもしれない。



94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 01:57:17.70 ID:8jsZP5DN0

(´<_` )「さて、まずどこから探すか」


扉を開け、左右を見る。
誰もいないことを確認すると、廊下を真っ直ぐに歩き出す。


('A`)「せめて地図とかあればな……」

(´<_` )「というか、どれだけの人数かは知らんが、
       魔術師を集めて殺しあいをさせるのに、城の室内を使うか?」

('A`)「……それは、確かに、そうだな……」


兄者は移動魔法で連れて行かれた。
あれの行きつく先が城とは限らないことに始めて気づいた。


(´<_` )「使えねぇ奴」

('A`)「うるせぇ。オレの目は万能じゃないんだよ」



95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 02:00:22.37 ID:8jsZP5DN0

小さな声で話し合っていた二人の耳に、誰かの声が届いた。
とっさに、近くにあった大きな置物の裏に隠れる。


( ^Д^)「いやー。それにしてもあの移動魔法はどこへ繋がってるんだろうな?」

<ヽ`∀´>「知らないニダ。そもそも、今回の政策について詳しく知ってるのは、
      王と以前やってきた魔術師の女だけニダ。何だか気味が悪いニダ」

( ^Д^)「つかさ、お前あの魔法陣ちゃんと始末したか?

<ヽ′Д`>「ファッビョーン! 忘れてたニダ!」

( ^Д^)「プギャーwww
      怒られるぞーwww」

<ヽ`∀´>「ちょっと今から新しい魔法陣取ってくるニダ!」


騎士の一人がきた道を引き返して行く。


( ^Д^)「大広間なんて、次が来るまで使わねーんだから、夜中にでもこっそりすればいいのにww
      あれじゃバラしてるのと同じだっつーのwww」


残された騎士は一人笑いながら、先へと進んでいく。


96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 02:03:15.15 ID:8jsZP5DN0


('A`)「……聞いたか?」

(´<_` )「大広間か」


二人はここへきたときのことを思い出す。
城は広いだけでなく、高い。目算であるが、三階以上はあるだろう。


('A`)「でも早く探さねぇと、あの騎士が魔法陣を変えちまうぞ」


親指の爪を噛む。
端からしらみつぶしに探していては、到底間に合わないだろう。


(´<_` )「一か八か、やってみるか」


一人で何かを決意した弟者は走り出す。


('A`)「おい! 待てよ!」


それにドクオが続く。


97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 02:06:44.24 ID:8jsZP5DN0
<ヽ`∀´>「危ないとこだったニダー」

先ほどの騎士が魔法陣を持って走っている。


|<_` )

|A`)


その後ろにはドクオと弟者がいた。


('A`)「まあ、確かに後ろにいれば大広間にはつくよな」

(´<_` )「あいつが回収する前に魔法陣に乗るぞ」

('A`)「……本当、一か八かだよ」


上手く移動できたとしても、ドクオと弟者の考えはバレてしまうだろう。
移動先で騎士達に囲まれれば生きては帰れない。


(´<_` )「よく知らないが、あいつらは殺しあいをさせたいんだろ?」

('A`)「たぶんな」

(´<_` )「バレたって殺しあいを続けるなら問題ないだろ」


98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 02:09:27.13 ID:8jsZP5DN0

全ては憶測の域をでない。
だからこそ弟者も一か八かと言ったのだ。


('A`)「そうだよな」


自分達のしていることの成功を望み、問題ないと何度も言い聞かせる。


<ヽ`∀´>「よいしょっと」


大広間は二階にあった。
ここに来るまで、誰ともすれ違わなかったことは幸運だ。


(´<_` )「今だ!」


弟者が騎士の背中にタックルをおみまいする。


<ヽ ゚Д ゚>「ニダっ?!」



99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 02:12:20.12 ID:8jsZP5DN0

顔から床に叩きつけられた騎士は痛みに悶えている。

('A`)「すみませんねっと」


そんな騎士の背中を踏みながら、ドクオも大広間へと入った。


(´<_` )「……でかいな」


弟者が呟いたのも無理はない。
大広間という名に相応しい広さを持つ空間の床には、同じだけの大きさを持った魔法陣が描かれている。
簡単に変えられるようにシールになっているようだ。


('A`)「でかさを保つために、自動的に焼失させることができないのか」

(´<_` )「んなことはどうでもいい。さっさと行くぞ」


魔法陣に乗る。
移動用の魔法陣に使われる呪文は一つと決まっている。


(´<_` )「発動」


第四話 完

100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 02:12:26.99 ID:S0kDw6ZiO
支援

もしもし向け前スレURL
ttp://s.s2ch.net/test/---6-.YYY/yutori7.2ch.net/news4vip/1279948439/1-

101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 02:14:10.75 ID:KpB5ASw/0

展開早くていいね

102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 02:14:36.50 ID:8jsZP5DN0

これにて四話も無事終了。
書き溜めも終了したので、また一ヶ月ほど空くと思います。

前スレが見れない人は
http://logsoku.com/thread/yutori7.2ch.net/news4vip/1279948439/
でいけんじゃね? 知らんが。

夜遅くまで支援してくれた人ありがとうございました。

質問などございましたらどうぞ。
ただ、書いている途中で、設定が変わったリしますので、あしからず。


103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 02:15:49.99 ID:S0kDw6ZiO


104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 03:29:16.58 ID:xXapws3c0
   `・+。*・     (´・ω・`)
     。*゚  。☆―⊂、  つ  
   。*゚    :     ヽ  ⊃
   `+。**゚**゚       ∪~


105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 04:15:16.94 ID:EgUsE8fPO
よむほ

106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 06:42:40.98 ID:GV9EfvP2P
乙!

107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 07:15:48.00 ID:Y259VWqAO
楽しみにしてる
おつ!

108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 08:12:45.67 ID:H3wssZ0cO
乙!

109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 08:51:57.52 ID:dXjF1NjaO
思わず読み入ってしまった…
>>1乙!おもしろいから続きが楽しみだ!

110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 09:55:39.79 ID:GI4oGwacO
今読み終わった乙

相変わらずのクオリティだな

111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/15(日) 11:17:38.08 ID:LIgQdLgjO
寝ちまってたか。

乙、続き待ってる乙


全部 最新50
DAT2HTML 0.35bp Converted.
inserted by FC2 system