◆ξ゚听)ξゲームに集うは、切り札のギャング達のようです◇
- 1 名前: ◆4972gaB/9o:2010/05/02(日) 22:24:53 ID:iVoWhHAI0
- 投下します。
今回は2回に分けて投下します。
1回目は今日これから。
2回目は明日or明後日。
せっかくの避難所なのでマターリ行きたいと思います。
前編後編で分けた訳ではないので、まとめは2回目の投下後で大丈夫です。
- 2 名前: ◆4972gaB/9o:2010/05/02(日) 22:28:19 ID:iVoWhHAI0
- 6日目
―09:13:27―
( #・∀・)「…………クソッ!」
俺は手にしていたテレビのリモコンのボタンを強く押す。
忽ち、テレビの電源は切れ、液晶には真っ黒な画面が映し出される。
そこに映っていたのは、無様な姿の俺。
( #・∀・)「どいつもこいつも…見下しやがって…!」
俺は向かいのソファーにリモコンを叩きつけた。
いいかげんにしろよ。
なんだこの醜態は。ふざけるな。
この数日で俺はどこまで落ちぶれてしまったんだ。
テレビでは昨日の首都高爆破事件に加え、ミサイルの着弾も報道された。
さすがにツンが暴れた矢先、こちらの情報を規制することは不可能だが、大統領が狙われた事件ともあって、俺に対して疑惑の種が向かう事もなかった。
警察は反政府派によるテロ行為とみなし捜査を進めている。
反政府か……まぁ、あながち間違いではないが。
- 3 名前: ◆4972gaB/9o:2010/05/02(日) 22:29:28 ID:iVoWhHAI0
- そしてもう一つの事件。
ミサイルの着弾。
調べによれば、昨日の夕方頃に軍のミサイルが勝手に発射されたそうだ。
しかし、軍で操作した人間は一切いないという。これは証明済みだ。
ならばいったい誰が…?まさか流石兄弟が?
しかし、それはない。
昨日から今日に掛けて、ハッキングがあったという事実は無いそうだ。
何かあれば「Player」のせいだと思ってしまうのは間違いだ。
固定概念に固執するとロクな事が無い。
この一件は軍の管理ミスという結果に終わり、マスコミからはその管理の悪さとテロ攻撃に対する対応の遅さを徹底的に叩かれた。
軍からすればいい迷惑だとは思うが、俺の支持率にはそこまで影響しないので気にしない。
( #・∀・)「あの無能共め…」
軍の最高指揮官である俺は今から国民に向けて演説および、記者会見を行わなければならない。
そんな時間は無いというのに…。
- 4 名前: ◆4972gaB/9o:2010/05/02(日) 22:31:58 ID:iVoWhHAI0
- しかし、これも義務。
まったくもって気分が乗らないが、避けるわけにはいかない。
( ・∀・)「…そろそろ出発するぞ」
俺は外に待機させていた秘書とビロードを呼ぶ。
今は、まだ邪魔されるような機会は無い。
ここ数日で学んだことは、あいつらに関わるとロクな事が無いってことだ。
甚だしいが、関わらない事こそが一番の得策だ。
今のところ、「Player」と関わらない場での稼ぎは順調なのだから。
窓の外を見ると、昨日の雨天とは打って変わって
( ><)「出発の準備はできたようなんです!」
ビロードが扉を開け盛大に叫ぶ。
さて、こんな下らない仕事などさっさと終わらせよう。
( ・∀・)「わかった。それじゃ急ごうか」
( ><)「はいなんです!」
('、`*川「わかりました」
秘書もそう言うと俺に続いて部屋を出た。
- 5 名前: ◆4972gaB/9o:2010/05/02(日) 22:34:07 ID:iVoWhHAI0
【◆ξ゚听)ξゲームに集うは、切り札のギャング達のようです◇】
- 6 名前: ◆4972gaB/9o:2010/05/02(日) 22:37:09 ID:iVoWhHAI0
- ―11:21:31―
( ´_ゝ`)「……ふぅ」
ズボンのチャックを降ろしベルトを外す。
パンツの隙間からお粗末な明太子をベロンと出して、準備完了。
ジョロジョロと流れ出る黄色い液体。
( ´_ゝ`)「本当のワタシデビュー!☆ってかw」
実を言うと、昨日の夜からずっと排泄を行っていなかった。
とにかくひたすらPCと向かい合う、向かい合う、向かい合う。
さすがに臭いに限界が来たのか、ついにクーからエマージェンシーコールが発動された。
俺達はバスタブに投げ込まれ、垢と言う垢を落とした。
体を清めたら、すぐに作業に戻る予定だったのだが、どうも尿意には勝てない。
そのままWCに直行したわけだ。
やはり生理本能に抗うのは良くない。
その事実を今日改めて実感した。
( ´_ゝ`)「さてと、戻るかな…………………………ん?」
アンモニアを全て流し終え、ズボンを上げる。
横に備え付けられている洗面台に移り、手を洗おうとしたその時だった。
窓の外に異様な景色が見えた。
- 7 名前: ◆4972gaB/9o:2010/05/02(日) 22:38:49 ID:iVoWhHAI0
- ―11:24:12―
(´<_` )「なぁクー。外がやけに騒がしいが…今日は何かあるのか?」
窓の外は昨日まで静かだった通りに人の群れができ、非常に込み合っていた。
通りは雑音であふれ、遠くからは太鼓の音や祭囃子まで聞こえてくる始末だ。
まだ花火が見れる季節とは思えないが。
川 ゚ -゚)「ああ。なんでもこの街の創建記念カーニバルがあるらしい」
ははぁ、通りで。
第32回人ごみ大嫌い選手権世界大会準優勝の俺にとって、この雑沓の音は不愉快を通り越して愛せるレベルだ。
うるさくて作業に集中できない。なにがカーニバルだ。
全員カニバでもしてろ。
川 ゚ -゚)「それよりも…お前らは何をやっているんだ?」
(´<_` )「医者っていうのは、人の仕事まで検査するのかい?」
川 ゚ -゚)「私も昨日お前達に私の目的を話したんだが」
(´<_` )「俺、必要な事は全部USBに保存してるから」
川 ゚ -゚)「忘れたとは言わせないぞ」
- 8 名前: ◆4972gaB/9o:2010/05/02(日) 22:40:35 ID:iVoWhHAI0
- まったく厄介な女だ。
この時点で飯を食って寝ただけなのに6000万レス、2人で1億2000万レスも取りやがった。
さらに俺らから情報までぶんだくろうなんてどこまでも鬼畜な奴だな。
(´<_` )「悪いが、これは俺らの作戦だから無理」
川 ゚ -゚)「どうせお前らの事だ。最終日に私達の口座からまるまる掻っ攫っていくつもりなんだろ?」
なんでバレた。
(´<_` )
(´<_` )「そ…」
(´<_` )「そんな事無いですよ?」
川 ゚ -゚)「間は正直だな」
- 9 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/05/02(日) 22:41:41 ID:z8/MAp6MO
- うぉおギャング!
待ってた
- 10 名前: ◆4972gaB/9o:2010/05/02(日) 22:43:06 ID:iVoWhHAI0
- これ以上、話を広げてもいい事は無さそうだ。
何か別の話題に切り替えないと…
(´<_` )「あっ…それにしても…兄者遅いな」
川 ゚ -゚)「…………そういえばそうだな」
作戦はバレたようだ。
クーに呆れられた。不愉快だ。
川 ゚ -゚)「どれ…少し見てくるか」
(´<_` )「見てくるって…トイレをか?」
川 ゚ -゚)「そうだ。倒れているかもしれないだろ?」
(´<_` )「やめとけ。危ないだろ」
川 ゚ -゚)「?私は気にしないが。男性器よりももっとグロテスクなものぐらい…」
(´<_` )「いつあんたの心配をしたよ。兄者はああ見えてもかなり純粋なファミリーピュアなんだぞ。勘弁してやってくれ」
- 11 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/05/02(日) 22:44:12 ID:02DuJNNY0
- シベリア総合を見て遊びに来ました
- 12 名前: ◆4972gaB/9o:2010/05/02(日) 22:45:45 ID:iVoWhHAI0
- ( ´_ゝ`)「俺がどうかしたか?」
唐突に兄者が扉を開け、ロビーに入ってくる。
随分と長かった排尿だな。
(´<_` )「遅かったじゃないか」
( ´_ゝ`)「ちょっと糞もしたくなってな。ところでなんだ外の人波は」
(´<_` )「なんか祭りをするそうだ。どうでもいいが」
川 ゚ -゚)「……?」
(´<_` )「それよりも兄者。例のデータ送っておいたぜ。確認してくれ」
( ´_ゝ`)「ああ、わかった。」
俺はもう一度画面に戻る。
現在マスメディアの回線に侵入し、芸能人やスポーツ選手、政治家などの個人情報を集め、それを売りさばいている途中だ。
すでにその数7万件以上の情報を手に入れる事ができた。
後はこれを売りさばくだけ。一つ最低10万レスほどで売れば、少なくとも億以上の利益が出るだろう。
- 13 名前: ◆4972gaB/9o:2010/05/02(日) 22:48:24 ID:iVoWhHAI0
- まぁこれは基本的に兄者が担当している作業だ。
俺が今行っているのは、「Player」の方。
もう一つの俺らの作戦だ。
( ´_ゝ`)「見たぞ。仕事が早いな」
(´<_` )「だろ?思っていた以上にセキュリティが甘かったみたいだ」
俺も、先程兄者に送ったデータを開く。
そこに表示されたのは俺達11人のリスト。
川 ゚ -゚)「ほぅ…なるほどな」
いつの間にかクーが俺の後ろに立っていた。
俺は思わず体をひねらせる。
川 ゚ -゚)「それは…今日までの残高か?」
もうクーにはお見通しにようだ。
これ以上隠すのも面倒くさい。諦めよう。
(´<_` )「ああ。その通りさ。これは俺らが初日から今までに稼ぎ、振り込まれた金の一覧だ」
- 14 名前: ◆4972gaB/9o:2010/05/02(日) 22:50:23 ID:iVoWhHAI0
- リストを見る。1日目から5日目までの前半の結果を表示したデータだ。
これはリストと言うよりもランキングと言った方がいいだろう。
端数は削り、100万レス以上のみを表示している。
T【キング】:12億300万レス
U【ダイヤ】:7億5400万レス
V【クイーン】:6億7800万レス
W【スペード】:6億5000万レス
X【エース】:5億9500万レス
Y【セブン】:4億800万レス
Z【ハート】:3億4600万レス
[【ポケット10】:2億6000万レス
\【クローバー】:2億レス
]【ジャック】:0レス
川 ゚ -゚)「…ほー。モララーは頑張っているようだな」
(´<_` )「あんたもちゃっかり振り込んでるんだな」
川 ゚ -゚)「私はただ手元にあった額をそのまま振り込んだだけだ。稼ぎはまだ入れていない」
- 15 名前: ◆4972gaB/9o:2010/05/02(日) 22:51:55 ID:iVoWhHAI0
- このリストで気になるのは1つ。
ジョルジュの0レスだ。
どうやら1回も振り込んでいないようだが…。
まさか稼ぎが無かったわけではあるまい。
(´<_` )「まぁ…こんなもんか。兄者どう思う?」
( ´_ゝ`)「…………」
兄者は俺の質問が聞こえなかったのか神妙な顔つきで画面に向かっていた。
(´<_` )「おい、兄貴」
( ´_ゝ`)「ん、あ…ああ。すまない考え事をしていた」
考え事?いったい何の事だ。
個人データの件についての事だろうか。
- 16 名前: ◆4972gaB/9o:2010/05/02(日) 22:54:13 ID:iVoWhHAI0
- (´<_` )「大丈夫か?」
( ´_ゝ`)「あ、ああ問題無い」
兄者はそう言って、デスクの上に置いてあった栄養剤を飲む。
川 ゚ -゚)「もう隠す気は無いようだな」
クーはにやにやと笑いながら俺の肩を叩いてきた。
彼女にはもうかなり前から見透かされていたんだ。
今さら黙っても意味が無いだろう。
それにクーはこの勝負に乗るつもりはないそうだ。ならば少しくらい俺らの手の内を明かしても計画に障害は出ないだろう。
(´<_` )「あんたもなかなかやるね。察しの通りだよ」
(´<_` )「俺達は最終日にメンバー全員の残高をハッキングして落とすつもりだ」
- 17 名前: ◆4972gaB/9o:2010/05/02(日) 22:58:31 ID:iVoWhHAI0
- 0日目……の3日前
―23:43:57―
空を見上げると、そこには満天の星空に一つ雄大に浮かぶ満月。
私が産まれるよりも遥か昔、紀元前に生きていた人々は、あの月を「空にできた穴」だと信じていたそうだ。
言われてみれば、そんな気もしなくもない。
人が月を求めるのは、そのぽっかり空いた穴を潜り抜け、その向こうの世界に行こうとしているのかもしれない。
爪'ー`)「ふぅ…そろそろ老眼鏡でも買おうかな」
暗闇の中、駐車場のシャッターがゆっくり上がる。目の前で上がっているはずなのに、暗くてよく見えない。
私は車を地下駐車場に止め、鍵をかける。
いつもなら、この駐車場に来るのは朝7時と決まっているが、今日は特別だ。
何せ、我が師であり上司であるモナーさんに呼び出されてしまったのだから。
行かないわけにはいかないだろう。
- 18 名前: ◆4972gaB/9o:2010/05/02(日) 23:01:39 ID:iVoWhHAI0
- 誰もいないビルのフロント。エントランス。エレベーター。
しん、と静まり返った空間にエレベーターの音が響く。
その箱はゆっくりと降下し、私の前で止まる。
《ドアが開きます》
アナウンスが流れ、扉が開く。
もちろん中には誰もいない。
私は中に入り、扉の方を向く。
横に備え付けられたスイッチのうち、一番上にある「27」のボタンを押す。
爪'ー`)「やれやれ、一体何の用なんだ?」
この時間までオフィスにいる事なんてザラだ。
今月だけでも4回は日付をここで越えている。
もちろん、こんな時間だろうとオフィスに行かされる事だって何度も体験してきている。
しかし、今日は例外だ。
なぜなら、今日はモナーさんがオフィスにいるのだ。
- 19 名前: ◆4972gaB/9o:2010/05/02(日) 23:03:02 ID:iVoWhHAI0
- 呼び出し、という形でこんな時間にオフィスに来たのはこの20年間、一度も無かった。
ましてや、お体を悪くされている時に限って…。
エレベーターが最上階に到着し、扉が開く。
扉の向こうにライトに照らされた廊下が見える。
既にモナーさんは、執務室に到着しているようだ。
長い廊下を進み、奥の大きな扉の前で立ち止まる。
2回、コン、コンとノックをする。
中から入れ、と声が聞こえたのを確かめてから、私はドアノブを握り、扉を開いた。
部屋のの電気は点いておらず、真っ暗な世界で月光の光だけが輝いていた。
爪'ー`)「失礼します」
( ´∀`)「…わざわざこんな時間にすまないモナ」
月明かりに浮かぶシルエット。
広々とした部屋の中央奥にある、木製のデスクの向こうに私を呼び出した人はいた。
その方は車椅子に腰を掛け、じっと月に照らされている夜空を見ていた。
モナーさん。「Player」の創設者でもあり、代表取締役でもある御方だ。
- 20 名前: ◆4972gaB/9o:2010/05/02(日) 23:05:12 ID:iVoWhHAI0
- 爪'ー`)「いえいえ。こんな私で良ければいくらでも」
( ´∀`)「……さすがは僕の見込んだ男モナね」
私は黙って頭を下げる。染々としたモナーさんの言葉に違和感を感じた。
しかし、彼は振り向かず、ただ呟いただけだった。
爪'ー`)「あ、それで話というのは…」
今日、呼び出された時の電話内容はこうだ。
『今すぐ話があるから、オフィスに戻って来てほしい』
今すぐと言われたら、断るわけにはいかないだろう。
何か重大な要件があるに違いない。
( ´∀`)「…今日は月がきれいだモナね」
爪'ー`)「へ?…あ、ああ確かに綺麗ですね」
質問とは全く関係の無い話題にされた時のこの拍子抜けた空気。どうすればいいんだ。
( ´∀`)「フォックスは…誰がいいと思うモナ?」
- 21 名前: ◆4972gaB/9o:2010/05/02(日) 23:07:36 ID:iVoWhHAI0
- 爪'ー`)「…と、おっしゃいますと?」
( ´∀`)「次に『Player』をまとめる人間…空いた僕の椅子に座るべき人間モナよ」
モナーさんが振り向く。
その顔は暗くて見えなかったが、ほほ笑んでいるように感じた。
爪'ー`)「何故そんな事を急に……」
( ´∀`)「……………」
その沈黙は語るよりも十分すぎる情報を与えてくれた。
爪'ー`)「………この前、検査に行ったそうですね。あれ、どうだったんです?」
聞かなくてもわかる。
彼は知っているのだ。
彼自身の全てを。
( ´∀`)「…僕の寿命は…あと、1年ももたないらしいモナ」
- 22 名前: ◆4972gaB/9o:2010/05/02(日) 23:10:02 ID:iVoWhHAI0
- 爪'ー`)「………そうですか」
その時、私は酷く落ち着いていた。
不思議だ。いつも彼の事を心配していたというのに。
( ´∀`)「僕は満足モナ。君達のようなバカ息子を育てられて」
息子…。そうだ、彼は恩師であり、上司であり。
そして何よりも私達の父親であるんだ。
爪 ー )「…私は……次期は誰が適任か、判断しかねます」
私は顔を下げたまま呟いた。
理由は特にない。ただ…この顔をモナーさんに見られるのは恥ずかしかったのだ。
( ´∀`)「わかったモナ。これ以上は聞かないモナ。だから顔を上げなさい」
僕は恐る恐る顔を上げた。
そこには優しい笑顔を向けた愛する父親の顔があった。
- 23 名前: ◆4972gaB/9o:2010/05/02(日) 23:11:26 ID:iVoWhHAI0
- ( ´∀`)「実は…僕の後を継ぐ奴は決まっているモナ」
爪;'ー`)「そ、そうなんですか?」
( ´∀`)「まーそこら辺は手紙に書いたから、僕が死んだあとにでも確認するモナ」
爪;'ー`)「はぁ…」
なんて能天気な方なんだ。
その性格は前々から知っていたが、死ぬかもしれない人間が、ここまで落ち着いていられるのも不思議なものだ。
( ´∀`)「…フォックス」
爪'ー`)「はい…何でしょうか」
( ´∀`)「今から言う事をよく聞けモナ。これは僕とフォックスだけの秘密モナ」
モナーさんはいきなり改まった顔をした。
私も少なからず気が引き締まる。
その言葉を聞いてもいいのだろうか。
- 24 名前: ◆4972gaB/9o:2010/05/02(日) 23:14:33 ID:iVoWhHAI0
- 爪'ー`)「………」
たとえ、どんな言葉が待っていようとも私は受け入れるしかないのだ。
それが秘書の務めであり、恩師に対する義理である限り。
爪'ー`)「わかりました。その言葉お受けします」
その夜、僕はモナーさんの話を聞いて帰った。
あの内容は決して忘れはしないだろう。
モナーさんはその夜に死んだ事はまだ何かこの言葉に意味がある気がしたから。
いったい私が帰った後に何があったのか、まだはっきりしていないことは多い。
誰が犯人で、あと1年しか生きられない人間をなぜ殺す必要があったのか。
私は知る必要がある。
- 25 名前: ◆4972gaB/9o:2010/05/02(日) 23:15:56 ID:iVoWhHAI0
- 6日目
―12:04:13―
('A`;)「な、なんだこの人だかりは…」
糞…こっちは急いでるっつーのに…。
俺の車の周りには溢れんばかりの人、人、人。
おかげで目的地である「素直わんにゃんクリニック」にたどり着けない。
交通規制もかかっており、車が思うように進まない。
渋滞や通行止めも苦にならないところまで来てしまった。
('A`;)「俺は構わないんだが…」
どうするんだよ…。このままだと必要な、ものがいなくなっちまう。
人の波が右から左へ。
まともにアクセルを踏むことすらままならない。
どうやら道を間違えたようだ。
俺はぐるっと迂回し、ノロノロと運転する。
何とかして辿り着かねば。
- 26 名前: ◆4972gaB/9o:2010/05/02(日) 23:16:41 ID:iVoWhHAI0
- ―12:22:10―
(;*゚ー゚)「何この人だかり…」
ちょっと…今、急いでいるってのに…。
私の周りには溢れんばかりの人、人、人。
おかげで目的地である「素直わんにゃんクリニック」にたどり着けない。
(;*゚ー゚)「ちょっと!どこ触ってんのよ!」
人の波が右から左へ。
ほんの少し止まっただけで人と衝突してしまう。
とっても歩きづらい。
私は人の隙間をくぐりヨタヨタと歩く。
何とかして辿り着かねば。
- 27 名前: ◆4972gaB/9o:2010/05/02(日) 23:18:01 ID:iVoWhHAI0
- フラフラと歩き続け、15分。
やっと目的の天竺を見つけた。
(;*゚ー゚)「つ……着いたっ!」
私は汗だくになりながらも、なんとかここまで来れた。
もう頑張った自分に国民栄誉賞を上げたいくらいだ。
息を切らしながらもそのクリニックの扉に手を掛ける。
その時、誰かの手が重なった。
(;*゚ー゚)「えっ…!?」
私はその手の元へハッとなって振り向く。
('A`)「…え………ああ?」
なんという腐れ縁。
今一番関わりたくない男がそこにいた。
- 28 名前: ◆4972gaB/9o:2010/05/02(日) 23:19:23 ID:iVoWhHAI0
- すいません。
今日の投下はこれまでになります。
続きはGW中には更新するので。
こんな半端なところでですが…
- 29 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/05/02(日) 23:29:04 ID:zkvY7PUg0
- なんという…乙
- 30 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/05/02(日) 23:34:31 ID:02DuJNNY0
- 良いところで切りやがって…焦らし上手かこの野郎!!
乙!!
- 31 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/05/03(月) 00:01:25 ID:1DnieLSU0
- 乙
揚げ足取るようだが「月光の光」っておかしくね?
- 32 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/05/03(月) 00:09:59 ID:V5MpbB8U0
- 乙っ・・・!
- 33 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/05/03(月) 08:40:46 ID:oXsChvbgO
- 続き読みてぇなチクショウwww
- 34 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/05/03(月) 12:18:54 ID:1VFWe0BsO
- 途中だが乙
ブーンが気になるな
- 35 名前: ◆4972gaB/9o:2010/05/04(火) 22:58:33 ID:lneaQOnE0
- >>31すいません…ミスですね。
月光の光←月の光で
それでは投下を再開します。
- 36 名前: ◆4972gaB/9o:2010/05/04(火) 23:00:54 ID:lneaQOnE0
- (;*゚ー゚)「ド…ドクオ…?どうしてここに…」
('A`#)「お前こそ……ってかお前…!」
ドクオはハッと我に返り、ドクオの背広の懐に手を突っ込む。
まずい。こんなところで拳銃を構えられたら避けようがない。
私は、間入れずドアを思いっきり引く。
ドアはドクオの顎と接触し、固い音が響く。
('A`;)「グッ!!……っこの!」
私は立ち上がり、そのまま中に入る。
入るなり、すぐそのドアを閉める為に、全力でドアを引く。
('A`;)「させるか…よっ!」
ドクオも負けじとドアの隙間に足を挟んできた。
革靴に挟まれ、ドアは閉まらずに止まる。
(;*゚ー゚)「その靴をどかしなさい…!」
('A`;)「ぜって―閉めさせねぇ」
- 37 名前: ◆4972gaB/9o:2010/05/04(火) 23:06:04 ID:lneaQOnE0
- ギリギリと小さな攻防は続く。
絶対にコイツを中に入れては駄目だ。
ドクオも焦ったのか、左側に把手が付いているドアに右足を挟ませてしまった。
その為、ドクオはドアを引く体勢としては、とても悪い状態にはまっている。
力の差は五分五分。どうにかしてこの足を引っ込めなければ。
('A`;)「お前…俺があの後どんだけ苦労したのかわかってんのか?」
(;*゚ー゚)「はぁ?何の話かしら?私の記憶は80分しか持たないの」
('A`;)「崩れたビルの中から必死で這い上がったと思えば、消防と救急と警察と地域住民に囲まれ、その中を無理やり逃げ出したんだぞ…!」
今さら4日目の話を持ち出すなんて…。
男ってなんでこんなに過去に拘るんだろう。
(*゚ー゚)「その事は謝るわ。ごめんなさい。けどあんただって私を殺そうとしたんだからおあいこでしょ?」
('A`)「殺そうとした?何を言ってるんだ?」
- 38 名前: ◆4972gaB/9o:2010/05/04(火) 23:12:43 ID:lneaQOnE0
- その瞬間、ドアの隙間から一本の銃口が伸びてきた。
私の胸を狙って。
('A`)「殺そうとしているんだよ」
私は急いでドアノブから手を離し、身を屈める。
銃声が響いたのは、私が膝を曲げ切ったのとほぼ同時だった。
銃弾は私の頭上を通過し、玄関を越え、奥の壁にめり込んだ。
間一髪。こんな至近距離で撃たれるとは思わなかった。
(;*゚ー゚)「ちょ…馬鹿じゃないの!?」
('A`)「何とでも言えよ。お前はここで殺す」
(;*゚ー゚)「いい加減にしろ!!あんたなんかに殺されてたまるか!」
('A`;)「痛い痛い!そんなにドアを強く挟むな!革靴にも限度ってもんが…」
- 39 名前: ◆4972gaB/9o:2010/05/04(火) 23:20:03 ID:lneaQOnE0
- (#*゚ー゚)「そのまま深爪になって死ね!」
('A`;)「もう患ってっから痛いんだよ!」
(#*゚ー゚)「だったら人差指まで深爪になれ!」
('A`;)「痛たたたたたたた!ってめ!」
(#*゚ー゚)「死ね!」
('A`#)「お前…もう一発喰らわねぇとわからねぇようだな…」
(;*゚ー゚)「アンタが足を引っ込めれば済む話でしょ!こら!銃を向けるな!」
('A`#)「銃を蹴るな!お前マジで撃…」
川 ゚ -゚)「何やってんだお前ら…」
- 40 名前: ◆4972gaB/9o:2010/05/04(火) 23:36:37 ID:YvOOWemo0
- (;*゚ー゚)「あ……」
('A`;)「クー………」
私たちの顔と手が止まる。
後ろにはロングヘアーで長身の女性が立っていた。
川 ゚ -゚)「なんだ?この壁の穴は…」
(;*゚ー゚)「そ、それはドクオが撃ったの!!」
('A`;)「オメ―が避けなきゃ当たらなかったんだよ」
(#*゚ー゚)「ふざけんな!あれは正当防衛よ!」
('A`#)「『Player』のメンバーが正当防衛とは聞いてあきれるぜ!」
(*゚ー゚)「あら、失敗続きのドクオさんにそんなこと言われても説得力に欠けるんですが」
('A`#)「全部お前のせいだよ!この糞ビッチが!」
川 ゚ -゚)「どうでもいいが、お前ら修理費払えよな」
- 41 名前: ◆4972gaB/9o:2010/05/04(火) 23:41:51 ID:YvOOWemo0
- ―12:25:19―
(´<_` )「向こうが騒がしいな…」
クーは玄関がうるさいと言って見に行った。
その騒音の発信源はその声からしておそらくしぃとドクオだろう。
ドクオとは…また厄介な珍客が現れたな。
( ´_ゝ`)「おい、弟者ちょっといいか?」
兄者の声がしたので振り返る。
(´<_` )「どうした?兄者」
( ´_ゝ`)「ペースメーカーはどうした?」
(´<_` )「…?唐突だな。ちゃんと保管してある。問題無いぜ」
確かに、そろそろこのペースメーカーの管理には気をつけた方がいい。
何せ、モナーさんの死を追っている女もいる。
その女を上手く使いこなした女もいる。
そして、力づくで奪おうと思えば奪える男もいる。
ここで誰かの手に渡るのはまずいな。
- 42 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/05/04(火) 23:42:05 ID:.omwIPwQO
- 支援
作者頑張れ
- 43 名前: ◆4972gaB/9o:2010/05/04(火) 23:46:01 ID:YvOOWemo0
- 俺はデスクの引き出しから真空パックに入れられたペースメーカーを取り出す。
小さな、その物体がモナーさんの命をつなぎ止めていたのかと思うと、今でも不思議な気分になる。
(´<_` )「ほらよ。何か気になる事でもあるのか?」
( ´_ゝ`)「ああ。少しな…」
兄者がなんで急にペースメーカーに興味を示したのか知らないが、まぁ何か意味のある事だろう。
俺は、ペースメーカーを兄者に渡す為、椅子から立ち上がり、手を伸ばす。
兄者も手を伸ばし、ペースメーカーを掴もうとする。
('A`;)「あ?なんでお前らもいるんだ?」
すると突然、ドクオが部屋に入ってきた。
俺は反射的に腕を引っ込める。
- 44 名前: ◆4972gaB/9o:2010/05/04(火) 23:53:43 ID:/lw6eSLU0
- (´<_` ;)「おお、ドクオ久しぶりだな」
( ;´_ゝ`)「…何というタイミングの悪さ!」
('A`;)「?…そんな事よりもお前らも運ぶのを手伝ってくれよ!」
( ;´_ゝ`)「運ぶ?何をだよ」
ドクオが運ぶ物?何だろうか。
なにか重火器類か?そんなの万年引きこもりの俺達に運べるわけ無いだろう。
というか、そもそもコイツは何故こんなところにいるんだ?
('A`;)「急患だよ。お前らも知ってる奴だ」
('A`;)「ツンだよ」
俺の体が水の中に入れた氷のように固まった。
- 45 名前: ◆4972gaB/9o:2010/05/05(水) 00:01:16 ID:5GQ9io0U0
- ξ )ξ
その金髪の女はストレッチャーに乗って運ばれてきた。
顔に傷は無いようだが、腕の向きがおかしかったり服が血まみれだったりと、どうやら無事という表現は使え無さそうだ。
そのストレッチャーをクーが診察室に運び入れ、その部屋の扉は閉ざされた。
ツン…その顔は6日以来だが、随分と辛そうだな。
既に俺達の間には何も残っちゃいないが、それでも…俺は彼女を心配することは許されないのだろう。
( ´_ゝ`)「おいドクオ…ツンに何があったんだ?」
('A`)「めんどくせぇから簡単に言うと、コイツが街中でロケットぶっ放して暴れてたら、逆にボコボコにされた」
(;*゚ー゚)「あのニュースはあんたらだったの…」
('A`)「俺ら以外にもジョルジュとモララーがいたわ」
( ´_ゝ`)「お前ら揃いに揃って…」
- 46 名前: ◆4972gaB/9o:2010/05/05(水) 00:07:55 ID:5GQ9io0U0
- しばらくして、クーが診察室から出てきた。
川 ゚ -゚)「ふぅ…何とか終わったぞ」
('A`)「大丈夫そうなのか?」
川 ゚ -゚)「ああ。ドクオの応急処置もあって、何とか命に別状はない。また同居人が増えそうだな」
('A`)「そういえば…何でお前らはここにいるんだよ」
ドクオはジロジロと俺らを睨んだ。
コイツが睨むとシャレにならないから困る。
(´<_` )「ああ…それは」
川 ゚ -゚)「それはもちろん、私が呼んだからだ」
俺が答えようとしたら、クーが割り込んできた。
何故この女が出てきたんだ?
('A`)「…どういうことだ?」
川 ゚ -゚)「簡単だ。私はコイツらに協力してもらっている」
川 ゚ -゚)「モナーさんを殺した犯人を追い詰める為に…な」
- 47 名前: ◆4972gaB/9o:2010/05/05(水) 00:12:04 ID:5GQ9io0U0
- ―13:23:14―
('A`;)「は?…どういうことだよ…」
モナーさんが殺された?
老衰じゃなかったのか?
川 ゚ -゚)「可能性の話だ。まだ断定していない…が、いろいろと疑惑の種が生まれている」
クーは、俺につらつらとその概要を話した。
他の連中は既に知っていたかのような態度をとっていた。
クーの話が進むにつれ、気付けば俺は真っ向から否定できなくなってしまっていた。
('A`;)「まさか…俺達の中に…?」
川 ゚ -゚)「もしこの仮説が正しかったのならば、その可能性は十分にある」
クーはまだわからないという態度をとっていたが、内心では殺されたと思っているのだろう。
俺もそうだ。
そこまで話されてしまっては、クーの言葉を信じてしまう。
- 48 名前: ◆4972gaB/9o:2010/05/05(水) 00:16:32 ID:5GQ9io0U0
- 川 ゚ -゚)「フォックスさんも十分に怪しい。しかし流石兄弟にも疑惑は残る」
(´<_` )「だから何度も言っているようだが…」
川 ゚ -゚)「もちろん、ドクオ。君も容疑者の候補だ」
なんだよ…。
なんだよ容疑者って…。
俺達を我が子のように育ててくれたモナーさんを殺したのは俺達の誰かだって?
ふざけるな。
川 ゚ -゚)「…さて、これでコイツらが居候している理由は分かったと思うが…私は許可した覚えは無いな」
クーの発言が気になったので、クーの顔を見た。
その顔ははっきりと兄者に向けられていた。
( ´_ゝ`)「?…なんだよ…」
クーはじっと兄者を見つめたまま動かない。
許可とは何の事だ?居候の件か?
川 ゚ -゚)「………お前…」
川 ゚ -゚)「お前は誰だ?」
- 49 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/05/05(水) 00:20:55 ID:jhUSX/AAO
- 支援だー
- 50 名前: ◆4972gaB/9o:2010/05/05(水) 00:22:58 ID:5GQ9io0U0
- ( ´_ゝ`)「…何、俺に出てけって言ってんの?」
川 ゚ -゚)「出ていく前に答えろ。お前は誰だ」
( ´_ゝ`)「どうした?ボケたのか?」
俺もそう思う。コイツは兄者だろ?
ついさっき話題に上がった人物を忘れるなんて…ギャグかなんかじゃないのか。
川 ゚ -゚)「最初に違和感を感じたのはお前がトイレから帰ってきたときのことだ」
クーは白衣を脱ぎ、淡々としゃべり続ける。
いったい何が言いたいのだろうか。
川 ゚ -゚)「お前は部屋に入った時に言ったな。『あの人波はなんだ』と…」
( ´_ゝ`)「なんだ?いい年こいて探偵ごっこか?」
川 ゚ -゚)「どうしてわかったんだ?外に人波が溢れている事を」
- 51 名前: ◆4972gaB/9o:2010/05/05(水) 00:32:30 ID:5GQ9io0U0
- ( ´_ゝ`)「そんなの決まってるだろ?窓の外を見たんだよ」
川 ゚ -゚)「それは不可能だ。窓を見てみろ」
クーに促され、兄者は窓を見た。
俺らもそれにつられて窓を見る。
そこには上半分だけ灰色のカーテンが掛けられた窓があった。
その場に立っている俺の位置から外を見ることはできない。
(´<_` ;)「クー…まさか…」
川 ゚ -゚)「そのまさかだ。この部屋で外を見る為には一回屈む必要がある。しかしお前は立ったまま喋っていた」
( ´_ゝ`)「…そこの窓とは言ってないだろう?俺はトイレの窓で見たんだ」
('A`)「おい…お前ら何の話をしてるん」
川 ゚ -゚)「残念だがそれは無い。トイレの窓の前はビルだ。人なんか見かけていないだろう」
( ´_ゝ`)「だからなんだ?それが俺じゃないという根拠になるのか?」
俺を無視すんな。死ね。
- 52 名前: ◆4972gaB/9o:2010/05/05(水) 00:33:28 ID:5GQ9io0U0
- 川 ゚ -゚)「もちろん。お前のそのマスク、付け根の化粧が甘いぞ」
( ´_ゝ`)「…ハッタリだ」
川 ゚ -゚)「他の奴も見るといい。」
(*゚ー゚)「見るまでもないよ。どうやら偽物らしいね」
いきなり、しぃが割り込んできた。
お前も関係あるのか。なにこのアウェーな感じ。
(*゚ー゚)「私の経験からして、3秒以上の沈黙と口数の減少は肯定の意味と同じ」
(*゚ー゚)「面白そうだし…クーを手伝ってあげる。なんだったら後の質問は私が…」
( ´_ゝ`)「もういい……しぃが出るようじゃな…俺の負けだよ」
兄者は観念したように両手を上げる。
川 ゚ -゚)「さぁ…もう一度聞こう。お前は…誰だ?」
俺一人を残したまま、場面はシリアスな展開になっていた。
- 53 名前: ◆4972gaB/9o:2010/05/05(水) 00:35:08 ID:5GQ9io0U0
- 全然着いていけねぇ…。何だ?兄者は兄者じゃなかったのか?
そしてそのまま自らの首筋に手を当てた。
ビリビリと音がする。
川 ゚ -゚)「ふん…見た目では全く判別が付かないほどの変装だ。誰だかはわかっているよ」
パサッと剥がれた皮膚とカツラが床に落ちた。
俺はもう一度兄者の顔を見るが、そこには兄者はいなかった。
('A`;)「お前までここに…」
( ФωФ)「………」
(´<_` ;)「なるほど…やってくれるじゃないか…ロマネスク」
- 54 名前: ◆4972gaB/9o:2010/05/05(水) 00:37:53 ID:5GQ9io0U0
- ―13:45:29―
さっきまで兄者だった男は文字通り化けの皮を剥がし、正体を現した。
「Player」の訓練所からの古株、ロマネスク。
(´<_` ;)「弟の俺でも気付かなかったよ…その変装術は健在か」
( ФωФ)「ふん…もう少しだったが仕方ないである」
その言葉を聞いて、さっきの俺らのやり取りを思い出す。
そうか。兄者が急にペースメーカーを欲していたのはこう言うことだったのか。
(´<_` ;)「兄者はどこにいる?」
( ФωФ)「トイレの清掃用具入れに閉じ込めておいた。後で救出すると良い」
川 ゚ -゚)「そんなことはどうでもいい。ロマネスク…なぜそんな真似を?」
- 55 名前: ◆4972gaB/9o:2010/05/05(水) 00:41:33 ID:5GQ9io0U0
- ( ФωФ)「簡単だ。この男達…流石兄弟がペースメーカーを保有していたからだ」
(;*゚ー゚)「なっ…!」
川 ゚ -゚)「なんだと?」
この部屋にいる全員の目が俺に向けられる。
糞…この誤解は厄介だ。
('A`;)「ペースメーカーってさっきクーが言ってた奴か…」
川 ゚ -゚)「そうだ。まさかコイツらが持っていたとは…」
( ФωФ)「…さぁペースメーカーを渡してもらおうか」
ロマネスクが手を伸ばし近づく。
仕方がない。コイツは諦めるか。
(´<_` )「…コイツだ。間違いなく本物だよ」
俺はポケットから真空パックを取り出す。
- 56 名前: ◆4972gaB/9o:2010/05/05(水) 00:42:57 ID:5GQ9io0U0
- 川 ゚ -゚)「弟者…何故それを持っている?」
(´<_` )「なに、ただ死者への礼儀だ。死体にそんなガラクタ入れたまま埋めたら失礼だろ」
川 ゚ -゚)「それは自分でか?」
(´<_` )「もちろん業者を呼んだよ。人を搔っ捌くなんて作業俺には無理だ」
これは紛れも無い事実だ。
俺はこんなペースメーカーに用は無いし、隠す気もない。
今までロマネスクに向けられていた疑惑が全てこっちに降り注いできた。
( ФωФ)「貴様…何故これを隠していた」
(´<_` )「隠したなんて大げさだな。俺はただ形見として預かっていただけさ」
( #ФωФ)「惚けるな!だったら何でこんなもの…」
(´<_` )「持っていたと思う?俺達が何かを隠蔽したかったのなら真っ先に捨てる筈じゃないか?」
- 57 名前: ◆4972gaB/9o:2010/05/05(水) 00:43:44 ID:5GQ9io0U0
- ( ;ФωФ)「ぬ……!」
(´<_` )「だいたい、そんな価値もない物…形見じゃなかったら言われなくても捨てたいくらいだってのに」
川 ゚ -゚)「しぃ…弟者は嘘をついているのか?」
(*゚ー゚)「嘘はついてない…と思う。言葉に乱れが無いから…」
当たり前だ。俺は自分の率直な感想を述べているだけだ。
嘘なんて付く意味がない。
(´<_` )「俺達はモナ―さんを殺してなんかいない。これだけはハッキリ言わせてもらう。」
この部屋に沈黙が流れる。
正直、お互い証拠もない疑惑合戦だ。
ただの水かけ論にしかならないこともわかっている。
川 ゚ -゚)「…わかった。今は君達を信じよう。さあロマネスク。そのペースメーカーを渡してくれ」
クーはそっと手を伸ばす。
しかし、ロマネスクは動こうとはしなかった。
( ФωФ)「それは…できない」
- 58 名前: ◆4972gaB/9o:2010/05/05(水) 00:45:07 ID:5GQ9io0U0
- 川 ゚ -゚)「どういうことだ?」
( ФωФ)「吾輩は貴様も疑っている。もう誰一人として信用ならん」
ロマネスクはペースメーカーをポケットにしまう。
そしてそのポケットから1丁の拳銃を取り出した。
( ФωФ)「これは吾輩が調べさせてもらう。貴様らの好きにはさせん」
川; ゚ -゚)「ふざけるな!それには殺されたという証拠があるかもしれないんだぞ!」
( #ФωФ)「殺されたんだよ!!」
川; ゚ -゚)「!!」
ロマネスクの怒声でクーは黙りこむ。
(;*゚ー゚)「え…」
('A`;)「は…?」
- 59 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/05/05(水) 00:45:38 ID:Iv5TNsP20
- ロマ……
そういえば今回サブタイでてないね
- 60 名前: ◆4972gaB/9o:2010/05/05(水) 00:48:18 ID:5GQ9io0U0
- ( ФωФ)「嘘ではない。吾輩はこの目で調べてきた。フォックスがモナーさんのカルテを渡してくれた」
川; ゚ -゚)「偽造かもしれないじゃないか!」
( ФωФ)「それは無い。吾輩は昨日一日で全ての真実を調べてきた。カルテを書いた医者に話を聞き、必要な物は全て盗んださ。結果はもちろん…」
(;*゚ー゚)「なんてこと…」
('A`;)「…………」
(´<_` )「でも犯人は特定できなかったんだろ?」
俺はロマネスクの怒鳴り声に口を挟む。
( ФωФ)「……ああ。そうだ」
(´<_` )「あんたがそれだけ調べてもわからないならそんなもん見たところで何も変わりやしねーよ」
( ФωФ)「…黙れ」
(´<_` )「俺だって一応、ペースメーカーの担当だ。そのくらい調べたさ。だけど…」
( #ФωФ)「黙れ!!その脳天に風穴を開けたいのか!?」
- 61 名前: ◆4972gaB/9o:2010/05/05(水) 00:50:55 ID:5GQ9io0U0
- >>59しまった…
>>41の頭に「◆8:神経衰弱」を加えてください…
- 62 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/05/05(水) 00:51:24 ID:2i5LJRqE0
- 毎回楽しみにしてる!支援
- 63 名前: ◆4972gaB/9o:2010/05/05(水) 00:51:39 ID:5GQ9io0U0
- ( #ФωФ)「…とにかくコイツは吾輩が貰って行く」
川; ゚ -゚)「させるか!それは私が調べる!モナーさんの無念は…私が…!」
クーはロマネスクの元へ駈け出す。
どちらも感情的になりすぎて、事態を冷静に見れていない。
( #ФωФ)「来るなら撃つぞ!」
(;*゚ー゚)「ちょっと…二人とも落ち着いて…!」
ロマネスクはクーの顔面に向けて銃を構えた。
しかし、クーはそれすらも省みずロマネスクの元へ走る。
そして、一発の銃声が鳴った。
( ФωФ)
川; ゚ -゚)
- 64 名前: ◆4972gaB/9o:2010/05/05(水) 00:52:43 ID:5GQ9io0U0
- ―13:58:30―
ξ )ξ
ξ )ξ
ξ 听)ξ「…………」
◆8:神経衰弱 〜END〜 To Be Continued―
- 65 名前: ◆4972gaB/9o:2010/05/05(水) 00:54:28 ID:5GQ9io0U0
- 今回分の投下は以上です。
少し乱雑に書き上げてしまったので、文章がおかしいと思いますが、
追って修正をかけたいと思います。
次回◇9:大富豪
は14日に投下します。
支援及び乙、ありがとうございました
- 66 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/05/05(水) 00:54:46 ID:jhUSX/AAO
- 乙ー
- 67 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/05/05(水) 01:01:56 ID:2i5LJRqE0
- 乙!
- 68 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/05/05(水) 09:09:54 ID:VS/TR3JQ0
- 乙
全部
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