◆4972gaB/9o <><>2010/03/18(木) 00:58:08.30 ID:JZqKctbx0<> 投下します。
↓前回まで
http://boonstyle.web.fc2.com/game/game.html

<>◆( ゚∀゚)ゲームに集うは、切り札のギャング達のようです◇
◆4972gaB/9o <><>2010/03/18(木) 01:01:34.68 ID:JZqKctbx0<> 0日目
―23:51:09―

日付が変わるまで10分を切った。
右手の腕時計を見る頻度が多くなった気がする。

( <●><●>)「そろそろですか…」

先程まで騒がしかった美術館内も急に静かになった。
そわそわした空気が会場内に立ち込める。
2階まで吹き抜けた広い空間に飾られたシャンデリアが煌びやかに輝く。

柱も壁も天井も。綺麗に装飾が施されているここ国立美術館に、数百にも及ぶ警官が張り込んでいた。
外にはやじ馬対策としてバリケードを張り、マスコミにも近づけないようにした。
これから始まるのは、記者会見やパレードではない。

犯罪なのだ。 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/03/18(木) 01:03:34.45 ID:JZqKctbx0<> (-_-) 「警部、コーヒー買ってきました!」

( <●><●>)「ああ、御苦労。」

部下のヒッキーから渡された缶コーヒーを開ける。
カコッと音を立て、缶のタップを引く。

(-_-)「アイツ…ここに来ますかね?」

私はやれやれといったふうに言葉を返す。

( <●><●>)「君は何年警察をやっているんですか?今まで予告状が突きつけられて奴が来なかったことがありますか?」

(;-_-)「いや…確かにそうですが…しかし今回の警官の導入数は今までとは比にならない数じゃないですか」

(-_-)「さすがの『大怪盗 ダイヤ』でもこの壁を越えることは不可能なのでは?」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/03/18(木) 01:07:10.67 ID:0V+ZiaiI0<> ktkr <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/03/18(木) 01:08:04.63 ID:FXa7nzzg0<> きたな <>
◆4972gaB/9o <><>2010/03/18(木) 01:08:54.62 ID:JZqKctbx0<> コーヒーを口に運び、のどを潤す。
すぐに目が冴えるわけではないが、少しだけ気が引き締まった気がする。

( <●><●>)「今日の朝、予告状が届きました。」

コートの内ポケットから1枚の折りたたまれた紙を取り出し、それを広げる。

『久遠の王冠を今夜0時に貰います。ダイヤより』
たったそれだけの文章が書かれた手紙のコピーを見つめる。



大怪盗ダイヤ…その名前が世界的に知れ渡ったのはもう10年以上も前になる。

それはある国の万博博覧会に送られた一通の予告状だった。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/03/18(木) 01:10:12.01 ID:MLlY85gR0<> VIPに投下する分には総合やシベリアには宣伝いらん。

宣伝してるのは避難所とか人が気付き難いとこだけだ。
<>
◆4972gaB/9o <><>2010/03/18(木) 01:10:12.15 ID:JZqKctbx0<> 『ミスルガの石像を今夜0時に貰います。ダイヤより』

その手紙に書かれた文章はたったそれだけだった。
手紙を見た関係者は何かのいたずらだろうと誰も相手にはしなかった。

何故ならミスルガの石像とは博覧会会場の中央に聳え立つ全長14m、重さ4tにもなる石像のことだからだ。
確かにこの石像は4000年前に作られたレプリカでもない正真正銘の本物だが、盗むという発想が起きるわけがなかった。

しかし、その晩ミスルガの石像は跡形もなく消え去っていた。
ミスルガの石像が置かれていたはずだった台座には一枚のカード。

『ありがとうございました。大事に使わせていただきます ダイヤより』

これがかの『大怪盗 ダイヤ』のデビューである。
その後もダイヤは世界各地へ渡り、同じ文面の予告状を付きつけては様々な値打ちのある財宝秘宝を片っ端から盗んでいった。
被害総額は数兆レスにも及ぶと言う。

その正体は誰も知らない。 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/03/18(木) 01:11:59.97 ID:JZqKctbx0<> ( <●><●>)「奴には警察の数も場所も関係ないんですよ。ただそこに獲物があるから狙うだけ」

(-_-)「なるほど…それでは、捕まえることなんて不可能なんじゃあ」

もうまもなく時計の針が12で重なる。
時刻は23:59:31。

( <●><●>)「大丈夫です。奴が我々を出し抜こうとしているのならば、」

23:59:53

( <○><○>)「奴の一歩先を動けばいい。」




00:00:00 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/03/18(木) 01:12:56.58 ID:0V+ZiaiI0<> 支援 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/03/18(木) 01:13:13.80 ID:JZqKctbx0<> その瞬間、美術館中に煙が沸き起こった。
煙のせいで視界が遮られていく。

どこかで缶の落ちる音が聞こえた。

(;-_-)「!!ゲホゲホッ!け、警部大丈夫ですか?」

ヒッキーが私の身を案じて声をかけてきた。
だが、心配はいらない。

この煙が出るのは想定内なのだ。

( <●><●>)「ごくろうさまです。ヒッキー警部補」

私は首の付け根に手を当て、ゆっくりと顔をはがしていく。
ずるずると顔がはがれ、今までつけていた偽りの姿から真の姿へ。

(;-_-)「え?…」

ヒッキーの足元にわざとマスクを捨てる。
警部、ワカッテマスの顔を。さて、これからが仕事だ。
ガスマスクを装着し、ヒッキーの元へ近づく。 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/03/18(木) 01:14:21.23 ID:JZqKctbx0<> 从'ー'从「残念だねー。こんなに近くにいたのに」

横に流れた紙を手で掬い、後ろへ流す。
顔を晒したのにも関わらず彼は私の顔をまともに見てはいなかった。女だったことまでわかったのだろうか。
仕方がない。この煙は私特注の催眠ガス。ガスが体中に回ったらまともに体を動かすこともできない。
ヒッキーはゆっくりとその場に倒れると動かなくなった。

さて、行こう。わたしの迎えを久遠の間待っていた王冠を手に入れに。


本物の場所はわかっている。地下の倉庫にある金庫の中。
警察関係者に変装したことで金庫の番号も解錠の方法も全て知る事が出来た。
今頃、変わってもらったワカッテマスさんは駅のトイレの個室から無事発見されているのだろうか?


なんだ、意外と簡単だったなぁ。興醒めだ。 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/03/18(木) 01:16:02.47 ID:JZqKctbx0<> 地下までしっかりと煙が立ち込めていた。たくさんの警官が床に寝ころんでいた。

さっと、倉庫の前まで移動し、鍵を開け、中に入る。埃っぽいその部屋の中には小さな金庫が置いてあった。
同じ形の金庫が数十個も。

これも警察の作戦だった。

万が一ダイヤにここにたどり着かれてしまった場合、せめてもの時間稼ぎとしてダミーの金庫を何台も置いておくことにした。
しかし、この情報も筒抜けだ。
どの金庫に入っているのかも分かっている。

確か右の棚の…右から5番目上から3番目の…あったあった。
鍵をゆっくりと差し込むと奥まで入って行った。
鍵を回し、暗証番号を入れる。

ガチャンっと音がした。
ノブに手を当てて、ぐっと力を入れてノブを引く。

そこには黄金に輝く、王冠が








なかった。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/03/18(木) 01:17:07.85 ID:FXa7nzzg0<> 支援 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/03/18(木) 01:17:44.26 ID:JZqKctbx0<> 从'ー';从「えっ…えーと、どういうことかな?」

少し考える。 ・  ・  ・  ・  ・  ・

ああ、開ける金庫を間違えたんだな。
そうに違いない。私はその隣の金庫のカギを探し鍵穴に差し込む
暗証番号は一緒だった。

しかし、その金庫にも王冠は入っていなかった。

从'ー';从「あれれ〜?おかしいな〜…」

私は急いで全ての金庫を確かめる。

ガチャ。無い。
ガチャ。無い。
ガチャ。無い。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/03/18(木) 01:18:07.44 ID:FXa7nzzg0<> モナカ支援 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/03/18(木) 01:19:06.98 ID:JZqKctbx0<> 私の額に汗が湧いてきた。
まさか警察にだまされたのか?いや…変装は完璧だったはず。バレたとは考えにくい。
もしかしたら警察にも極秘の場所へ?
いや、そんな情報があればすぐ知れる筈だ…

じゃあ、じゃあ、これは一体…?


「どうしたんですか?」

次の金庫に手を伸ばした時、後ろから声がした。とっさに振り向く。

そこには

(-_-)「探しものですか?警部」 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/03/18(木) 01:20:26.91 ID:JZqKctbx0<> 倒れたはずのヒッキーがいた。
馬鹿な。あのガスは最低でも3時間は自由に動くことはできないはず。

(-_-)「あの、ガスは今後使わないほうがいいですよ。あなたが思っているほど効果は薄い」

从'ー';从「…あっ…えっ…あの!」

(-_-)「しかも、やり方が古いですね。これじゃ、すぐに軍が来て一発で捕まりますよ」

一体この男は何を話しているのだろうか。
なぜ、犯人を目の前にして何もせず語っているのだろうか

(-_-)「あと、王冠ですが、あれ僕がいただきました。」

从'ー';从「はっ?な…何をばかな」

(-_-)「いや、あなたが最初に開けた金庫。あの中に入ってましたよ。0時ちょうどまでは。」

(-_-)「その金庫の底は0時になると底が開く仕掛けになっているんですよ。気付きました?」 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/03/18(木) 01:21:41.97 ID:JZqKctbx0<> 私はさっきの金庫に戻り底を触ってみる。カチッと音を立て、底が開いた。
その空いた底の下にはぽっかりと穴が開いていた。
穴は奥深く伸びており、手を伸ばしただけでは到底、底には着きそうもない。

(-_-)「わかりました?もうあの王冠はここにはには無いんですよ」

私は再度彼のほうを見る。

从'ー';从「き…君は一体…」

(-_-)「その質問は僕が聞きたいですね。あなた誰ですか?人の名前まで勝手に使って」

人の名前?この男は…

そこで私の脳に稲妻が走った。私が使った名前。それは…

(-_-)「まったく…送ってもいない予告状をあなたが送りつけたおかげで、私は恩師の死に目にも会えなかったんですよ?」

その男は慣れた手つきで首の付け根からマスクをはがしていった。
まるで蛇の脱皮を見るかのように。

( ФωФ)「ふぅ…」 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/03/18(木) 01:22:59.45 ID:JZqKctbx0<> 冴えない男の顔が取れると、蛇のような眼つきをした男の顔が出てきた。
まさか…この男が…この男こそが



( ФωФ)「初めましてというべきか…?大怪盗、ダイヤだ。」

その瞬間、その男は私のガスマスクを掴み、無理やりはがす。
そして顔に何か霧状のものを吹き付ける。あれは…スプレー?

( ФωФ)「本物の催眠とはこういうものである。」

私の意識はグラグラと行ったり来たりし、そこで途絶えた。
あれが大怪盗ダイヤ。かなわない。



( ФωФ)「……」

金庫の中に、一枚のカードを置き、早々に立ち去る。
さぁ帰ろう。吾輩の母国へ。

( ФωФ)「モナーさん…」

今日ぐらいは泣いてもいいのだろうか。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/03/18(木) 01:23:25.72 ID:0V+ZiaiI0<> 支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/03/18(木) 01:24:14.60 ID:20DuKhfh0<> 支援 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/03/18(木) 01:24:52.85 ID:JZqKctbx0<>
]


【◆( ゚∀゚)ゲームに集うは、切り札のギャング達のようです◇】



<>
◆4972gaB/9o <><>2010/03/18(木) 01:26:55.51 ID:JZqKctbx0<> ◆ブラック・ジャック 後編

2日目
―11:46:37―

  _
(; ゚∀゚)「………」

たった今、俺の左耳に付いたイヤホンからすご〜く嫌な言葉が聞こえた。

…気がした。

このイヤホンは人工衛星と繋がっている為、全世界どこからでもマイクの音を拾うことができる優れものだ。
そのマイクは、現在VIP国現大統領の襟元に着いている。
彼の言葉を一言一句盗み取る為に。

ちょっと待て。落ち着け、落ち着け。

今俺はハイジャックをしているところだ。

犯人?

犯人はもちろん美男子である俺。ジョルジュ様だ。
23歳の天才ホ−プ。全世界大注目のギャングだ。 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/03/18(木) 01:28:07.33 ID:JZqKctbx0<> 目に映るのは客席、薄暗い照明、飛行機のエンジン音、狭い廊下、カタカタと揺れる紙コップに入ったオレンジジュース。

状況把握はばっちり。
よし!大丈夫だ。俺は正常だ。


じゃあ…今の大統領の声は正常なのか?

そんな事はわかってる。
あの悪魔は一度やると決めたら必ずやる男なんだ。
  _
(; ゚∀゚)「やべぇ…」

俺は認めたくなかった現実を認める。



  _
(; ゚∀゚)「この飛行機、撃ち落とされる…」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/03/18(木) 01:28:50.63 ID:20DuKhfh0<> 何そのマイクほしい支援 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/03/18(木) 01:29:50.21 ID:JZqKctbx0<> ―11:46:37−

ξ;゚听)ξ「ちょ、ちょっと正気なの!!?」

( ・∀・)『ああ、というかもうこの方法しかない』

電話越しにそんなこと言われても実感わかない。
大統領ってもしかしてこんなのバッカなの?


ξ;゚听)ξ「でも…あの飛行機にはプルトニウムが!」

それが一番の問題なのだ。
現在あの飛行機に積まれている5tものプルトニウム。あれを爆破させるなど…

( ・∀・)『大丈夫だ。あのケースには耐衝撃加工がされてある。ミサイルほどの衝撃では壊れないほどにな』

その投資を他のとこで活かせばいいのに…と思ったが、今言える雰囲気ではない。 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/03/18(木) 01:31:50.49 ID:JZqKctbx0<> ξ;゚听)ξ「もしかして…爆破した後、それをサルベージしようってわけ?」

( ・∀・)『そうだ。今、飛行機は海上にある。爆破すればジョルジュも殺せるし、プルトニウムも回収できる。まさに一石二鳥だ』

さすがは大統領。石ではなくミサイルを使うとは。
常人にはできない発想ね。

ξ ゚听)ξ「わかったわ…。でも、本当にミサイルを発射できるの?」

( ・∀・)「どういうことだ?」

ξ ゚听)ξ「あれはあくまでも一般乗客が乗った旅客機よ。そこに向けてミサイルなんて発射できるの?」

大統領のあなたが、と付け加えようとしたが止めた。
まるで私が彼の心配をしているように聞こえそうだから。

( ・∀・)「俺が国民のことなんて想っていると思うか?」

ξ ゚听)ξ「誰が国民の心配してんのよ。わたしが心配なのは軍の許可が降りるのかって聞いてんの」

( ・∀・)「…いいか?俺は統治のプロでもあるが、もっと得意なものがある。」

ξ ゚听)ξ「…なによ?」

かすかに鼻で笑った声が聞こえる


( ・∀・)「交渉と隠ぺいだ。」 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/03/18(木) 01:34:20.29 ID:JZqKctbx0<> ―11:52:00―



せんせー!ぶーんくんがまたずるしたー!

いけないんだー!いけないんだー!

うそつきはどろぼーのはじまりだぜー!

―ブーン君?ズルは駄目よ。ズルは―




( ^ω^)「………お?」

つい、うたた寝のつもりが深い眠りに入っていた。
遠い昔の夢を見たようだ。僕が孤児院にいた時の夢。
親に捨てられ、親戚にも見放され、行き着いたのがあの孤児院だった。
友達を作るのが苦手だった僕は、新しい環境に馴染めず、いつも一人だった。

そんな僕の遊び相手はトランプ。
僕の父がくれた最初で最後のプレゼント。恐らくパチンコの景品だと思うが、僕は純粋に嬉しかった。
もう顔も覚えていない親が少しでも愛を見せてくれたのだから。 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/03/18(木) 01:35:50.57 ID:JZqKctbx0<> そのトランプで遊んでいると、僕と同い年の子供達が寄ってきてくれた。
一緒にトランプをやろうと誘ってくれた。トランプの遊び方を教えてくれた。
初めてできる友達。僕はとてもテンションが上がって、すこしでもいいところを見せようと思った。


その発想は間違いだった。



さっきまで眠っていたせいか体が重い。椅子で寝るのは好きじゃないのだが、今は仕方ない。
コップに注がれたコーヒーを飲む。乾いた口内に苦味が広がっていく。

さて、気がつけば周りの様子がおかしい。
なにやら隣の客が泣いたり、前の客がひそひそと喋ったり。

( ^ω^)「まぁいいお。それよりも…」
今は自分の小腹が気になって仕方がない。音を立てて、餌を求めている。
車内販売でも来ないのだろうか…。

気になったので通路に顔を傾ける。通路に乗務員はいなかった。



その代わりマシンガンを持った男の後ろ姿は目に入った。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/03/18(木) 01:37:35.78 ID:20DuKhfh0<> しえーん <>
◆4972gaB/9o <><>2010/03/18(木) 01:38:19.59 ID:JZqKctbx0<> ―11:58:34―

( ・∀・)「いいか、『VSL−AW280』号機を撃ち落とすんだ。ああ。緯度経度は…」

電話越しではあるが軍と話を付けた。
この一件は無かったことにすることと、あの飛行機が爆破したのは事故だったということ。

うちの優秀な軍はもうミサイルの準備に取り掛かり、後10分もあれば発射できるとのことだ。
我ながら誇らしい。
このミサイルは軌道を操作することができる。だから対象がどう逃げようが必ず当たる仕組みになっている。
ここまでは計算通り。

プルトニウムに関してはツンに任せることにした。
飛行機が爆破し、落とされたプルトニウムはツンが回収することで決まった。

急がなければ。レーダーによると、この飛行機はVIPに戻ってきているそうだ。
VIPに戻ってきてしまっては非常にまずい。 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/03/18(木) 01:39:51.78 ID:JZqKctbx0<> ジャックされた機が自国に戻ったとなると、その捜査に私は介入できなくなる。
マスコミもすぐに嗅ぎ付け、穏便にプルトニウムを回収することすらままならない。
つまりそこでプルトニウムの存在がバレてしまっては、私の職にもピリオドが打たれることになる。
それだけは避けなければ。

発射は12:10分。
距離から計って、ちょうど20分後の12:30にぶつかる予定だ。

準備は完了だが、まだうまくいくとは限らない。




必ずジョルジュを止める。

【ジャック】は【キング】には決して勝てないのだ。
<>
◆4972gaB/9o <><>2010/03/18(木) 01:41:21.75 ID:JZqKctbx0<> ―12:03:24―

  _
(; ゚∀゚)「やべぇ…どうしよう…」

あっちはどんどん計画が進んでいるようだ。
くそ…しかもプルトニウムは無事なのかよ…

コックピットに来たは良いが、なにも名案が思い浮かばない。
どうすればいい?

プルトニウムの影にでも隠れるか?
そんなんじゃ意味がない。相手はミサイルだぞ?

というか、ミサイルなんか食らったことがないから対策法が分からない。

ふざけんな。畜生が

くそ…まさかあの野郎…こうなることを想定して俺に情報を流したのか?
だとしたら…

「おい」

その時、後ろから声がした。 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/03/18(木) 01:42:43.27 ID:JZqKctbx0<> しまった。ミサイルに気を取られているあまり背後に意識が行き届いてなかった。

ガバっと後ろを振り向く。もう遅いか…?

その時額を何か固い棒でどつかれた。
拍子で仰向けに倒れ、尻もちをつく。
  _
(; ゚∀゚)「いって…この・・・!!」

機関銃を構える。
銃口を向けたらすぐ撃つつもりだったのだが
不意を突かれて引き金を引くのを忘れてしまった。

何故なら、そこに立っていたのは、馴染みのある顔だったから。


( ^ω^)「慌てすぎだお。ちょっと落ち着けお」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/03/18(木) 01:43:15.71 ID:FXa7nzzg0<> しえしえ <>
◆4972gaB/9o <><>2010/03/18(木) 01:44:10.50 ID:JZqKctbx0<> (; ゚∀゚)「ぶ・・・・・・・・・・ブーン!!?」

いくらなんでも予想外だ。

( ^ω^)「何を焦ってるお?お前もこの飛行機に乗ってたのかお」

ワインボトルを脇に抱え、手に持った機内販売のサンドイッチを貪るこの男。ブーン。
「Player」のメンバーであり、コードネーム【セブン】を持っている。
中肉中背のくせに、胸元を開けたスーツを着ている。

  _
(; ゚∀゚)「そ、それは俺のセリフだ!!」

まさかこいつもプルトニウムを狙っているのか?
情報漏れすぎだろ。

くそ…ほんとにどういうことだよ…
  _
(; ゚∀゚)「いいか?お前がなんと言おうとあれは俺がいただくからな!」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/03/18(木) 01:45:34.40 ID:FXa7nzzg0<> 支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/03/18(木) 01:46:05.51 ID:20DuKhfh0<> >情報漏れすぎだろ
たしかにw <>
◆4972gaB/9o <><>2010/03/18(木) 01:46:35.96 ID:JZqKctbx0<> ( ^ω^)「?…何を言ってるんだお?僕は別に・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
  _
(; ゚∀゚)「な、なんだよ…」

そこでピタッと言葉が止まる。
とぼけたかと思えば黙る。相変わらず喰えない奴だ。

( ^ω^)「…密輸かお?」
  _
(; ゚∀゚)「え…もしかして本当に知らなかったのか?」

( ^ω^)「僕のビザは観光だお。ビジネスはそれから」

意外だ。コイツに関しては本当に偶然乗り合わせただけだったのか…

( ^ω^)「なるほど…こりゃ面白くなってきたお」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/03/18(木) 01:48:12.94 ID:FXa7nzzg0<> 支援支援 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/03/18(木) 01:48:38.43 ID:JZqKctbx0<> 何が面白いんだよ…こっちは死ぬかもしれないってのに呑気な奴だ。
俺は思わず溜息を吐く。その5秒後、ハッと我に返った。
  _
(; ゚∀゚)「そうだよ!!ミサイル!だよ!」

( ^ω^)「みさいる?」
  _
(; ゚∀゚)「ここに向かって発射されるんだ!俺もお前も死ぬかもしれないんだよ!」

( ^ω^)「なんと」
  _
(; ゚∀゚)「ミサイルは軌道補正できるから必ず当たっちまう!」

( ^ω^)「まあ」
  _
(; ゚∀゚)「もう30分もねーんだよ!」

( ^ω^)「あらら」




とりあえず一発殴っておいた。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/03/18(木) 01:50:28.53 ID:eJq/tJ5W0<> 今日もきてたか支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/03/18(木) 01:50:31.04 ID:FXa7nzzg0<> wktk <>
◆4972gaB/9o <><>2010/03/18(木) 01:50:35.34 ID:JZqKctbx0<> ―12:09:55―

4…3…2…1…

( ・∀・)「ミサイル…発射!」

大統領に与えられたミサイルのスイッチを押す権限。
あまり使わない…というか俺が就任する日から60年前に作られたスイッチも、今日まで誰も使うことがなかった。
まぁ歴史はいつだって塗り替えられる。気にしない気にしない。

一発のミサイルが発射された。
今頃軍の基地では轟音と地響きを立て、真っ赤な火花を起こしながらミサイルがこの空へ飛んでいったのだろう。
ここからでは窓を眺めても見えないが、電話から無事に発射されたという連絡が来たのでひとまずは安心だ。

とりあえず俺の役目は終わった。あとは熟練の操縦士が何とかしてくれるはず。
後は結果を待つだけ。

しかし…

( ・∀・)「何かがおかしい。」

一つ気になる事がある。
そもそもジョルジュはどこからこの密輸を嗅ぎつけたのだ? <>
◆4972gaB/9o <><>2010/03/18(木) 01:52:00.64 ID:JZqKctbx0<> 俺達がこの密輸計画を企てたのは昨日の夜。しかも港で。
あそこは厳重態勢で見張られていたから付近に近寄ることはできないはずだ。

となると、考えられる可能性は一つ。


( ・∀・)「……盗聴か」

ジョルジュは俺とツンの会話を盗聴していた。
そうすれば納得がいく。
恐らくこの服にも付いているのだろう。スーツの上着を脱ぎ、隅々まで調べる。

( ・∀・)「お……コイツか」

襟元に、グリーンピース程のサイズの機会を見つけた。
恐らくこれはマイク。つまり今までの情報は全てジョルジュの元へ筒抜けだったわけか。

豆を床に捨て、革靴で踏みつぶす。
ぼろぼろと壊れたこのマイクはもう使い物にならないだろう。 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/03/18(木) 01:53:44.84 ID:JZqKctbx0<> だが、ジョルジュはいつこのマイクを俺に着けた?
昨日再会したが、奴と接触したことは一度もない。
夕食の時は…奴は俺の真正面に座っていた。

俺の隣に座っていたのはドクオと…

(;><)「たっ…大変なんです!!」

扉を強く開けて、ビロードが転がり込んできた。

(;・∀・)「うるさい!!今は黙ってくれないか!」

俺の怒鳴り声にビロードは委縮してしまった。
今はそれどころじゃないんだ。
このロジックは後々重要になってくる。

(;><)「す、すいません!!」

ビロードは静かに部屋を出る。

(;・∀・)「そうか…そういうことか」

やっと理解した。
ジョルジュに密輸の情報を流したのは… <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/03/18(木) 01:55:06.09 ID:FXa7nzzg0<> 支援 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/03/18(木) 01:55:56.66 ID:JZqKctbx0<> ―12:13:40-

(#)^ω^)「ショボン?」
  _
(  ゚∀゚)「ああ。俺はアイツから密輸の情報を受け取った」

僕は頬を擦りながら、ナルシストの話を聞く。
意外に効いたぞこんちくしょう。
  _
(  ゚∀゚)「ショボンは、モララーとツンが手を組んで大量のプルトニウムをラウンジに運ぶっていうんだ。まぁそいつは正しかったんだが」

熱烈と語っているところ悪いが正直どうでもいい。
ってかミサイルはいいのか?
  _
(  ゚∀゚)「それを俺らが奪って山分けしようっつー話になったんだが、今思うと何かおかしい。」
  _
(  ゚∀゚)「ジャックするのは俺だけだし、VIPに戻った後の計画もあやふやだった。」

…あ、サンドイッチがなくなった。
もう、客席に座りたい。

  _
(  ゚∀゚)「そこで俺は気付いたんだよ。」



  _
(  ゚∀゚)「騙されたんじゃないかってな」

( ^ω^)「おせーよ」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/03/18(木) 01:58:40.63 ID:FXa7nzzg0<> 支援 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/03/18(木) 01:59:17.37 ID:JZqKctbx0<>   _
(  ゚∀゚)「いやこれは本当にしょうがなかったんだ。親父が死んでちょっと気がめいってたし。」

( ^ω^)「まぁそういう依頼だったらジョルジュより流石兄弟のほうが向いてるおね。明らかに騙されてるお」
  _
(  ゚∀゚)「あのひきこもりハッキングブラザーズより俺が劣ってるわけねーだろ」

( ^ω^)「適材適所って言葉、知ってっか」

コイツの語り癖は未だに治っていないのか。
人には向き不向きがある。ジョルジュはハイジャックが。流石兄弟はハッキングが。
まだまだコイツは子供だなとしみじみ思った。
  _
(; ゚∀゚)「とにかく、このままだとミサイルがこの飛行機にぶつかる。俺は逃げるぞ」

( ^ω^)「しかも逃げるのかお」
  _
(; ゚∀゚)「当たり前だろ?体あっての仕事だ。こんなとこでくたばってたまるか。」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/03/18(木) 02:00:02.43 ID:20DuKhfh0<> おせーよwww <>
◆4972gaB/9o <><>2010/03/18(木) 02:00:13.47 ID:JZqKctbx0<> ふ〜ん。ミサイルねぇ…
いまいち実感がわかない。ホントにこの飛行機が爆破するのかお?
  _
(; ゚∀゚)「お前も行くぞ!今ならまだ間に合う」

ホントに騒がしい男だな。
決定権すらも僕には貰えないのか。

ジョルジュは慌てて立ち上がり、自分の鞄からパラシュートの入ったバッグと空気の抜けたゴムボートを取り出す。
ホント用意周到な奴だな。

( ^ω^)「もし…」
  _
(; ゚∀゚)「ああ?」



( ^ω^)「もし、ミサイルが来なかったらどうするお?」
<>
◆4972gaB/9o <><>2010/03/18(木) 02:02:34.44 ID:JZqKctbx0<> 僕の発言があんまりにも現実離れしていたのか、ジョルジュの口が面白いぐらいに開いた。
  _
(; ゚∀゚)「は?だからここに来るんだっつーの!」

( ^ω^)「来ないかもしれないお」
  _
(; ゚∀゚)「お前俺の話聞いてなかっただろ!!」

( ^ω^)「僕は来ないと思うお」
  _
(; ゚∀゚)「お前…何かしたのか?」

( ^ω^)「なにも。僕はこれからラウンジのカジノに行くためにこの飛行機に乗ったお。ミサイルなんて予想外にもほどがある」
  _
(; ゚∀゚)「してねーのかよ!!じゃあ来るんだよ!」

( ^ω^)「じゃあ賭けるかお?」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/03/18(木) 02:03:52.62 ID:FXa7nzzg0<> 支援 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/03/18(木) 02:05:44.37 ID:JZqKctbx0<> (; ゚∀゚)「あ?」

僕はポケットから1枚の金貨を取り出す。

( ^ω^)「飛行機がミサイルとぶつかったらジョルジュの勝ち。ぶつからなかったら僕の勝ち。わかりやすいおね」
  _
(; ゚∀゚)「馬鹿なこと言ってんじゃねぇよ!お前の力も完全じゃないだろうが!」

( ^ω^)「そんなのミサイルが来ないとわからないお」

ジョルジュは何度も地団太を踏んだ。
僕の言うことが納得いかないようだ。
  _
(; ゚∀゚)「ああ、もう好きにしろよ!俺はここから脱出する!」

( ^ω^)「ミサイルが来るに賭けるって事おね?」

ジョルジュにコインの裏側を見せる。
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/03/18(木) 02:06:04.10 ID:0V+ZiaiI0<> 面白い <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/03/18(木) 02:07:57.32 ID:eJq/tJ5W0<> し <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/03/18(木) 02:07:58.17 ID:FXa7nzzg0<> 支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/03/18(木) 02:14:09.84 ID:JZqKctbx0<> ジョルジュはあきれ顔でコインを受け取る。
  _
(; ゚∀゚)「・・・形見は預かっておいてやるよ」

( ^ω^)「おっおっおwじゃあ頼んだおw」

  _
( ゚∀゚)「ブーン!!」

( ^ω^)「お?」

ジョルジュは僕の名前を呼ぶと渡したコインを親指で弾いた。
ジョルジュの真上へあがりクルクルと回転して落下する。
その着地地点でジョルジュは小さな木箱を構えた。

木箱の中で硬貨特有の金属音が鳴り、カタカタと音を立てて箱に入る。
そしてジョルジュは音が鳴りやむ前に箱の蓋を閉めた。

( ^ω^)「裏。」

僕はすっぱりと言い切る。
  _
( ゚∀゚)「へっ…達者でな」

そういうとジョルジュは振り返り、駆け足で去って行った。
どこから飛び降りるのか知らないが、無事を祈る。

僕はビュッフェに置いてあったサンドイッチを3箱掴み取り、自分の席へ戻る。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/03/18(木) 02:14:58.01 ID:JZqKctbx0<> ―12:23:35―




さて…そろそろ準備に取り掛かるか…

仕事の失敗は許されない。


<> トリ忘れ
◆4972gaB/9o <><>2010/03/18(木) 02:16:15.47 ID:JZqKctbx0<> ―12:25:09-

ξ ゚听)ξ「ふぅ…何とか間に合ったわね…」

海上の手配はできた。あとは爆破を待つのみ。
車のキーを外し、外に出る。
ここは昨日、モララーに呼び出された場所。
この大海原のどこかにプルトニウムがある…

悪いわね、ジョルジュ。
あんたといる日々も退屈しなかったわよ。 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/03/18(木) 02:18:20.14 ID:JZqKctbx0<> ―12:28:11―

( ^ω^)「おっおっおっ」

サンドイッチを片手にウイスキーボトルを掴み、口にくわえる。
流れ出るアルコールが喉を絡めとり脳を刺激する。


( ^ω^)「ゲームはまだ始まったばかりだお。おっおっおっw」

<>
◆4972gaB/9o <><>2010/03/18(木) 02:19:30.76 ID:JZqKctbx0<> ―12:29:34―

(;・∀・)「こい…!!」

俺の計画に狂いはない。
こんなところでつまずく様な男では無いんだ。

来い…!!


<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/03/18(木) 02:20:32.06 ID:20DuKhfh0<> 支援! <>
◆4972gaB/9o <><>2010/03/18(木) 02:20:48.08 ID:JZqKctbx0<>



―12:30:00―



<>
◆4972gaB/9o <><>2010/03/18(木) 02:23:06.16 ID:JZqKctbx0<> ―12:30:51―

(;・∀・)「……どうだ?」

俺は繋げたままの軍の情報部に問いかける。
とりあえず、確認の取れ次第、次の行動に移らなければ。


しかし、そこから返ってきた返事に俺は唖然としてしまった。

『ミサイルはターゲットにぶつかりませんでした!!』


(;・∀・)「なんだと!!?」

失敗した?そんな馬鹿な。
何故だ。何故だ。何故だ。

『先ほど、軍のデーターベースにハッキングが入り、座標数値がデタラメに改ざんされたようです!』

ウソだろ?世界一安全といわれるこの国のコンピューターが。

(;・∀・)「一体誰が…?」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/03/18(木) 02:23:14.57 ID:FXa7nzzg0<> 支援 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/03/18(木) 02:24:55.07 ID:JZqKctbx0<> ―12:31:47―
  _
(; ゚∀゚)「………ウソだろ?」

俺は夢でも見ているのだろうか…。
俺はミサイルが飛行機とぶつかり、爆破すると思ってあの空から飛び出した。

確かにミサイルは発射されていた。
ミサイルらしき飛行物体が飛んでくるのをこの目で見たからだ。

しかしどうだ?
ミサイルは飛行機を逸れ、そのまま何にもぶつかる事無く空を浮遊していった。
それは巨大な流れ星のようにも見えた。昼なのに。
  _
(; ゚∀゚)「ち…ちくしょおおおおおおお!!」

やられた。
飛行機はそのままVIPに向かうだろう。
そしてプルトニウムは奴らの手の中にもう一度戻る。

くそ…大人しくブーンの言う通りにしておけば良かったのか…。
俺はさっきの木箱を開ける。

そこには裏向きになった効果が静かに眠っていた。


悔しいが俺は認めよう。
アイツの…奇跡の力を。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/03/18(木) 02:25:50.25 ID:FXa7nzzg0<> し <>
◆4972gaB/9o <><>2010/03/18(木) 02:26:15.72 ID:JZqKctbx0<> ぼ、ぼくはずるなんかしてないお!!

うそつき!うそつき!うそつき!

し、してないお!ほんとだお!

じゃあなんでいっつもいちばんになるんだよ!
そうよ!そんなのありえないもん!
ずるしたー!ぶーんがずるしたー!

し…してないお!ほんとに… <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/03/18(木) 02:27:15.30 ID:0V+ZiaiI0<> sien <>
◆4972gaB/9o <><>2010/03/18(木) 02:27:44.51 ID:JZqKctbx0<> ―12:31:48―

( ^ω^)「………」

やはり死ななかったか。
先ほど窓の外を見たら光の塊が横を突っ切った気がする。
恐らくあれはミサイルだろう。

ぶつかるどころか、かすりもせずそのまま通り過ぎて行った。

( ^ω^)「まぁ、当然っちゃ当然だお」

僕は昔から運が強かった。
一言で言ってしまえばそうなるが、正確には違う。

外れないんだ。どんな賭けも。
この世界に存在してはならない100%という数字。
それを僕は生まれつき手に入れた。

じゃんけんをすれば必ず勝つし、宝くじを買えば1等が当たる。
今のような、ギャンブルとは言い難いような賭けにもそれは適応される。

絶対に負けない力―。これを人は奇跡と呼ぶのだろうか。 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/03/18(木) 02:28:58.20 ID:JZqKctbx0<> ―12:37:03―

ξ;゚听)ξ「ちょっとどういうことなの!!?」

私はおもむろに声を張り上げる。
相手が電話だとはいえ容赦はしない。

(;・∀・)「ハッキングが軍に入った。まさかミサイルの軌道をずらされたとは…」

そんなことはどうでもいい。わたしにとって重要なのはあのプルトニウムだ。

ξ;゚听)ξ「荷物はどうすんのよ!取り上げられたら私達はもうおしまいよ!?」

(;・∀・)「こうなった以上、俺が責任を持つ。無理やりだが、ジャックされた飛行機の現場に私がメスを入れる。まわりは不思議に思うがこれしかない。」

かなり荒いやり方だ。だが今はこれしかできない。

ξ;゚听)ξ「わかったわ。そっちはあなたに任せる。何かあったらただじゃおかないから!!」

電源を強く切り、画面を閉じる。

ハッキング…恐らくその犯人は私の知る人物たちだ。
どこまでも邪魔してくれるじゃないの…。
<>
◆4972gaB/9o <><>2010/03/18(木) 02:31:37.53 ID:JZqKctbx0<> ―13:05:02―

『VSL-AW280』が国際航空に無事帰還した。
乗組員および乗客は救助され、なぜか犯人は消え去っていた。
VIPに戻る途中、今まで断たれていた回線が繋がり、機長より中の報告が伝えられた。
被害者は1名。乗客の尊い命が失われた。

今はそれどころじゃない。
プルトニウムの確認だ。

( ・∀・)「まず、私が入る。誰も入れさせるな。」

ボディーガードも飛行機外に置いておき、側近としてビロードを連れていく。

誰もいない廊下を渡る。
キャビンを越え、ベリーに入っていく。
そこには広い空間が待っていた。
大きな損傷は無く、全ての貨物がずっしりと固定されていた。
これならプルトニウムも無事だろう。

さて、俺の愛するハニーはどこにいるのだろうか。

(;><)「あっそうなんです大統領。」
<>
◆4972gaB/9o <><>2010/03/18(木) 02:32:51.68 ID:JZqKctbx0<> 急にビロードが声をかけてきた。

( ・∀・)「なんだ?ビロード」

無視するわけにもいかないので呼びかけに答える。

(;><)「先ほど、大統領あてに、手紙が届いたのですが…」

先程、ああ、彼が行きよいよく部屋に入ってきたときのことかと、思い出した。
あのときは切羽詰まっていてビロードの話を聞く暇がなかったのだ。

( ・∀・)「ああ、手紙だったのか。どれだ?」

(;><)「これです。でも…これただの手紙じゃなくて」

プルトニウム探しを一旦止め、渡された手紙を開ける。
その中から出てきたのは1枚のカードだった。





(;><)「予告状…みたいなんです」 <>
◆4972gaB/9o <><>2010/03/18(木) 02:33:52.84 ID:JZqKctbx0<> (;・∀・)「ま、ま、まさ、…まさか!あ、ああ…あああああ…ああああ!!!」

左手からカードがするっと抜け、落ちて行った。

俺は急いでベリーをくまなく探す。
奥の空間に足を運んだ時、そこで俺が見たものは
大きな正方形分の空になったスペースと、はらはらとまき散らかされた固定用に使うロープ。

そして

(#・∀・)「くそおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!ロマネスクううっ!!」

1枚のカード。そこに書かれた文章は

『ありがとうございました。大事に使わせて貰います。ダイヤより』



◆2:ブラック・ジャック 後編〜END〜 To Be Continued― <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/03/18(木) 02:34:56.14 ID:FXa7nzzg0<> おつおつ! <>
◆4972gaB/9o <><>2010/03/18(木) 02:35:40.43 ID:JZqKctbx0<> 本日の投下はこれで終わります。


宣伝すいません。
昨日全然来なかったので馬鹿みたいに不安になってました。

ほんと申し訳ない。
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/03/18(木) 02:36:41.18 ID:20DuKhfh0<> 乙! <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/03/18(木) 02:38:49.45 ID:20DuKhfh0<> 規制がある今じゃ新作にしては支援多いよ
不安なら21時頃とかに投下してみてはどうかな
頑張ってください <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/03/18(木) 02:42:09.45 ID:MLlY85gR0<> 乙

今携帯は全規制なんだし、時間帯も深夜とか人いないの当たり前。
よっぽど名前の知れた現行かノリのいい短編でもなければ人つかない。
他のSSは知らないが、ブーン系はそんなもの。

特に新規現行の最初の方なんて、ひどいもんだ。
これはまだマシな方なんだからあんまり痛いことはしない方がいい。

馴れ合いを嫌うのがVIP。

次回もがんばれ。
<>
◆4972gaB/9o <><>2010/03/18(木) 02:43:48.92 ID:JZqKctbx0<> 次回
◇3:バカラは未定です。
明日はまず無理。

それでは支援乙です。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/03/18(木) 02:59:24.93 ID:xXYbM37W0<> しえんぬ
超おもしれぇ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/03/18(木) 03:09:51.87 ID:szfUSOW50<> まとめてあるの読んできたが面白いな、頑張って続き書いてくれ <>