全部 1- 最新50  

( ^ω^)は刀匠のようです

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/27(火) 23:39:21.97 ID:K78a4q8a0
|ω^)

2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/27(火) 23:39:56.10 ID:nXQ0OVW00
釣り?

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/27(火) 23:41:26.13 ID:NwZmN5dg0
折り返し折り返し折り返し折り返し折り返し折り返し折り返し折り返し

4 名前: ◆3m0SptlYn6 :2009/10/27(火) 23:42:35.76 ID:K78a4q8a0
投下の遅さに定評のある俺です。


前回の投下が色々あって途中だったので、

第二打 〜切掛〜

から投下し直そうかと思います。

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/27(火) 23:43:59.72 ID:+kWqXby90
こらまたものっそいお久しぶりで

どこまで進んでたかすら覚えてないわ

6 名前: ◆3m0SptlYn6 :2009/10/27(火) 23:44:19.04 ID:K78a4q8a0
まとめサイト

ブーン芸VIPさん
http://boonsoldier.web.fc2.com/tousyou.htm



7 名前: ◆3m0SptlYn6 :2009/10/27(火) 23:45:31.24 ID:K78a4q8a0


第二打 〜切掛〜



( ^ω^)「……甘いお」


甘い!味付けが!

新都藩の民草は甘味を好む。
変わって美府藩は塩味を好む。

新都藩で口に入れるもの全て、内藤には口に合わなかった。


( ^ω^)(出汁の効いた蕎麦が喰いたいお……)



8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/27(火) 23:45:36.88 ID:G4YpYaZKO
久しぶりすぎワロタwwwwwww

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/27(火) 23:45:47.92 ID:qtYcqLEu0
ああ、期限自分で作って余裕で破ったクズじゃん
お前死ねば?

10 名前: ◆3m0SptlYn6 :2009/10/27(火) 23:47:25.57 ID:K78a4q8a0

平和だ。

だが、町全体から活気を感じる。
美府藩では感じなかった、貪欲さ、勢いを感じる。


( ^ω^)(戦に負けたから……かお)


負けを知り、強くなる。
自分に置き換えても同じことが言える。

村正に魂を折られ、現時点での敗北を認めたからこそ、
あれを超え得る刀を打とうと思える。

先の戦に負けた新都藩だからこそ、強い藩になろうと、
そういった思いがあるのだろう。


( ^ω^)(期待できるお)



11 名前: ◆3m0SptlYn6 :2009/10/27(火) 23:49:04.13 ID:K78a4q8a0

自らが魂を、託すのに相応しい武士がいるだろうか。

まずは新都藩を知る必要がある。


( ^ω^)(素直家、とか言ってたか)


見知りのいない内藤にとって、
唯一の拠り所である、先日出会った女。

足を運んでみよう、そう考えた。




12 名前: ◆3m0SptlYn6 :2009/10/27(火) 23:50:00.17 ID:K78a4q8a0





川 ゚ -゚)「はぁ……」


日の昇っている時間の遊処は、これといってする事が無い。

仲居でもなく舞妓である空は、二階の窓から肘を付きながら
ぼんやりと大通りを眺めていた。


川 ゚ -゚)(魚売り、お、あれは御侍さん)


様々な人達が、それぞれの意思を持って、通りを歩いていく。

重い物を持って辛そうな表情も、
考え事をしているような表情も、
空にとっては羨ましい限りだった。





13 名前: ◆3m0SptlYn6 :2009/10/27(火) 23:50:58.99 ID:K78a4q8a0

川 ゚ -゚)(ん?あれは)



(^ω^ 三 ^ω^)




(; ^ω^)(参ったお……色々聞きたくて昨日言われた遊処に来てみたけど、
       こんな立派な遊処だったなんて……)


うろうろとお店の前を行ったり来たりしている、
大荷物を抱えた商人風の男。


(; ^ω^)(通りで道を聞いた人が、驚いた顔をする訳だお)



14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/27(火) 23:51:18.26 ID:ndZhC8PRO
お久しぶりぃぃぃ!!!!

支援!!

15 名前: ◆3m0SptlYn6 :2009/10/27(火) 23:52:22.42 ID:K78a4q8a0

【素直家】は行商人如きが入れる遊処ではない。
入り口を一目見た時点で、内藤は理解した。

入り口の前で腕を組みながら、あれこれ考えていると、
店の中から一人の女が出てくる。


('、`*川「なんだいあんた!?店の前でうろうろして」

(; ^ω^)「えっ?あ、あのー」

('、`*川「ここはね、あんたみたいのが来れる場所じゃないんよ!
     さっさとどっかに行っちまいな!」

(; ^ω^)「いえ……空っていますかお?」

('、`#川「はぁ!?あんた空姐さんに何の用なんね!?
     言っとくけどね、空姐さんが相手するのは……クドクド」

(; ^ω^)「おー……」


凄まじい剣幕と、捲し立てるような説教に、
内藤は喋りだす事ができず、突っ立っている。



16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/27(火) 23:52:51.55 ID:I2pQpqt9O
支援

17 名前: ◆3m0SptlYn6 :2009/10/27(火) 23:53:54.18 ID:K78a4q8a0

川 ゚ -゚)「はっはっは、おーい旅人さ〜ん」

( ^ω^)「お?」

('、`*川「え?」

川 ゚ -゚)「丁度暇してたんだ、いいよ上がってきな」

( ^ω^)「そうかお、悪いお」

('、`;川「ちょ、ちょっと姐さん」

川 ゚ -゚)「伊藤、私の客人だ。通してやってくれ」

('、`;川「……」


しぶしぶ、道を譲る伊藤と呼ばれた女。
先程の口ぶりから、空を慕っているのだろう。

そんな空が、こんなみすぼらしい男と会うなど、
納得がいかない、と言った様子だ。



18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/27(火) 23:54:23.06 ID:G4YpYaZKO
やれやれ

19 名前: ◆3m0SptlYn6 :2009/10/27(火) 23:55:23.61 ID:K78a4q8a0

( ^ω^)「それじゃ失礼するお」


店に入ると美しい屏風、漆塗りの柱など、
高級感を醸し出す作りになっている。

二階へと上がると、そこには両手を付いて
頭を深々と下げている空がいた。


川 ゚ -゚)「此度は素直家にお越し頂き誠に有難う御座います。
     未熟者ではありますが、私、空が御勤めさせて頂きます」

(; ^ω^)「……もう騙されんお」

川 ゚ ー゚)


顔を少し上げ、上目使いで笑顔を見せる。


(; ^ω^)「騙……されんお」


遊処に入り浸りになる男共の気持ちが、
少し分かった内藤だった。



20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/27(火) 23:55:54.67 ID:ETBuzDoFO
シエンタ!

21 名前: ◆3m0SptlYn6 :2009/10/27(火) 23:56:14.29 ID:K78a4q8a0

川 ゚ -゚)「本当に暇だったんだ、なんか話をしてくれ」

( ^ω^)「お、悪いんだけど、話を聞きたいのはこっちなんだお」

川 ゚ -゚)「なんだ、つまらん」

( ^ω^)「期待してたんなら謝るお」


ごとり、と背に負っていた荷を降ろすと、
空が眼を輝かせてすり寄ってきた。


川 ゚ -゚)「なぁなぁ!これは何だ?これで人を殴るのか?」

(; ^ω^)「これは鉄を打つ鎚だお」

川 ゚ -゚)「じゃぁこれは?足を潰す台か?」

(; ^ω^)「これは鉄を打つときに使う、金床だお」

川 ゚ -゚)「なぁなぁ、なぁなぁ」



22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/27(火) 23:56:37.74 ID:rtgccT2GO
支援しようか

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/27(火) 23:56:55.27 ID:Cv0POFtk0
おかえり!


24 名前: ◆3m0SptlYn6 :2009/10/27(火) 23:57:33.12 ID:K78a4q8a0





(; ^ω^)「だから僕が聞きに来たんだお!」

川 ゚ -゚)「ちぇっ」

(; ^ω^)「それに発想が物騒だお」

川 ゚ -゚)「私達舞妓はな、逃げようとすると足を潰されるんだよ」

(; ^ω^)「え?」

川 ゚ -゚)「一生、この篭からは出られないのさ」



25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/27(火) 23:58:26.62 ID:F+fMT91FO
うっそーん!本当に?
支援だぁ!

26 名前: ◆3m0SptlYn6 :2009/10/27(火) 23:58:52.67 ID:K78a4q8a0

なるほど、合点がいった。

あの舞も、自分に興味を持ったのも、
全て自由に憧れてのものだったのだ。


( ^ω^)「……」

川 ゚ -゚)「まぁそう湿るな、好きじゃないんだ同情とか」


掛ける言葉も見つからない。

そして慰める資格も無い。



何故なら自分自身も自由では無いのだから。


27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/27(火) 23:59:04.33 ID:tfPowRiz0
ktkr支援!!!

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 00:00:10.28 ID:aFiKdKNgO
待ってた
すごく待ってた

支援

29 名前: ◆3m0SptlYn6 :2009/10/28(水) 00:00:21.84 ID:v0ZdMnNF0


( ^ω^)ズズ


お茶を一口すすってから、話題を逸らした。


( ^ω^)「ところで聞きだい事があるんだお」

川 ゚ -゚)「そう言えばそんな事を言ってたな」

( ^ω^)「お、実は剣術道場を探してるんだお」

川 ゚ -゚)「剣術……」

( ^ω^)「?」


明らかに空の表情が曇ったが、構わずに話を進める。


( ^ω^)「新都藩の中でも腕の立つ道場を教えて欲しいんだお」

川 - )「……」


30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 00:00:23.38 ID:uISqOFdMO
ブーんが汗かくとき空白消して欲しい!
それ以上にいっぱい投下して欲しい!!

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 00:01:41.08 ID:2j8TSaJFO
しえ

32 名前: ◆3m0SptlYn6 :2009/10/28(水) 00:02:17.64 ID:v0ZdMnNF0




(; ^ω^)「……」

川 - )「……」

(; ^ω^)「こ、心当たり無いかお?」

川 - )「ない」

(; ^ω^)「……」


何故か機嫌を損ねてしまったようだが、
内藤に女のあやしかたなど分かる訳もない。



33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 00:02:31.06 ID:Q5ayjKkr0
おお久々

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 00:02:46.43 ID:6uPcIcf/O
マジか
支援

35 名前: ◆3m0SptlYn6 :2009/10/28(水) 00:04:33.34 ID:v0ZdMnNF0


(; ^ω^)「えーっと、あのー……」

川 - )「聞きたい事とは其れだけか?」

(; ^ω^)「えっ、いや」

川 ゚ -゚)「本日はお越し頂きありがとうございました。
     美府の旅人の方ご機嫌よう」


表情を消し、無機質に頭を下げる空を見て、
内藤は何も言えなくなってしまった。


(; ^ω^)「ぁぅぁぅ」

川 ゚ -゚)「……」

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 00:05:49.45 ID:WWMd6Bu9O
Yo刀支援

37 名前: ◆3m0SptlYn6 :2009/10/28(水) 00:07:13.11 ID:v0ZdMnNF0


仕方なく荷物を背負い直し部屋をでた。

階段を下り、遊処から出たところで女が一人出てくる。


('、`*川「ちょっとあんさん!」

( ^ω^)「?」

('、`*川「空姐さんの見知りか知らんがな、もう来んでくれへんか?」

( ^ω^)「安心しろお、二度と来るつもりは無いお」

('、`*川「ならええんや、また姐さんに剣術の話されたら適わんからな」

( ^ω^)「聴いてたのかお?」

('、`*川「阿呆ぅ!遊処の性質上、お席の会話は聴こえるようになっとるんや!」

( ^ω^)「お、そうなのかお」


38 名前: ◆3m0SptlYn6 :2009/10/28(水) 00:09:49.72 ID:v0ZdMnNF0

('、`*川「姐さんは心の通ったお馴染みさんを、御前試合で亡くしとるんや」


御前試合?
その言葉で渋澤の試合を思い出した。

沸々と己の内の黒い物がざわめきつ。


( ^ω^)「……それは美府藩の御前試合でかお?」

('、`*川「なんや、知っとって姐さんに話したんかい!」

( ^ω^)「……」


御前試合なんてものは体のいい茂羅ノ助と村正の公開食事だ。


('、`*川「¢£%#&*@§☆!!」


美府藩の支配勢力下にある新都藩でも、
多くの餌を喰らったのだろう。



39 名前: ◆3m0SptlYn6 :2009/10/28(水) 00:11:37.21 ID:v0ZdMnNF0


('、`*川「※%◎◆□☆!!」


( ^ω^)「なるほど……」

('、`*川「聞いとんのk」

『伊藤!!』


女は一瞬びくっとおののき、そろりと振り返る。


川# ゚ -゚)「……」


二階の窓から、明らかに怒りの表情の空が顔を出していた。


('、`;川「……」


その表情を見るや否や、伊藤と呼ばれた女は、
冷や汗を垂らしつつ遊処へと戻っていった。



40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 00:11:37.69 ID:3Il+hanqO
お帰り!(゚o゚)
支援

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 00:13:34.70 ID:2j8TSaJFO
支援

42 名前: ◆3m0SptlYn6 :2009/10/28(水) 00:14:29.40 ID:v0ZdMnNF0


( ^ω^)「空!」

川 ゚ -゚)「……」

( ^ω^)「己が名は内藤、茂羅ノ助に仇なす刀鍛治だお」

川 ゚ -゚)「!!」

( ^ω^)「下町の鍛冶屋に房を借りるつもりだお」


川 ゚ -)


空は何も言わぬまま部屋へと消えた。



43 名前: ◆3m0SptlYn6 :2009/10/28(水) 00:17:26.20 ID:v0ZdMnNF0


( ^ω^)「ククク」


内藤は空のいなくなった窓を見上げ、久々の余韻に浸っていた。


義虎の時以来感じられなかった確かな予感。


刀を打つ日は近い。

と。





第二打  〜了〜

44 名前: ◆3m0SptlYn6 :2009/10/28(水) 00:20:19.44 ID:v0ZdMnNF0
第三打  〜岐路〜



川゚ -゚)「今日はごちそうだ!」

(ФωФ)「よくあの庄屋から盗めたな」

川゚ -゚)「えっへん!」


どさりと袋置き、いっぱいに詰まった米をすくってみせる。


(・ω・)「空ねえちゃんすごいや!」


下町の外れにある荒廃したお堂に、
大勢の童たちが集まっていた。

今の新都藩は戦に次ぐ戦により、
納税できない貧民層から多くの孤児がうまれていた。


川゚ -゚)「みんな均等に分けるんだぞー」


その中で、幼き空と童が長となり面倒を見ていた。


45 名前: ◆3m0SptlYn6 :2009/10/28(水) 00:25:15.64 ID:v0ZdMnNF0


(ФωФ)「だけど大丈夫だったのか?庄屋は悪い奴なんだぞ?」

川゚ -゚)「構うもんか!あいつらいっぱい貯め込んでた!
     蔵の中にはまだまだたくさんあったぞ!」

(・ω・)「お米だーうれしいなー」

川゚ -゚)「お前もうれしいよなー」

(ФωФ)「だけど……」

川゚ -゚)「大丈夫、上手くやるから」





46 名前: ◆3m0SptlYn6 :2009/10/28(水) 00:28:00.38 ID:v0ZdMnNF0


―三日後―



川゚ -゚)「へへっ、上手くいった!」


今日は畑から野菜を盗み、意気揚々とお堂へと向かっていた。

両手いっぱいに野菜を抱えた空の頬を、一滴の水が打つ。


川゚ -゚)「あれ、雨か……」


あっという間に雨足が強くなり、
空は道端の地蔵が置いてある祠でやり過ごしていた。


川゚ -゚)「凄い雨だなぁ」



47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 00:28:59.33 ID:ZiFXnOOBO
おかえりー支援

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 00:29:23.64 ID:lcjZ89GW0
                  /{
                 /  i
     ト 、.,_        /    {.
     }    `>、_ __∠__/  ト、
     }   `>'"´ヽ´:::::::::::`ヽ. {  \
      ,!  /::::::::::::;::::::::::::::::::::::::∨   ,r'  ト 、
    く ヽ/:::::::::/::;ハ、::::\イ::::ハ::::\/|   |  ヽ.
     `7::::::::/-/  !>ァ‐-tァ;::!::::::::>  /    ',
   ト、_ノ::::i::::::|ァト、   |ノ  !/:::|イ´:::::|/     .!
   |   ̄7レ':7! り .   ゙'‐ ' !:::!::|:::::::::!      !
   ',   /:;::〈"    、    "/::/::::!:::::::::!.     ,'  私のスレ
    \∠/:::::|> 、.,,__ イ:::/、_::|::::::::::!     /
     ∨::::::/::::::::::|;イlニ<レ'/´ `ヽ;:::::::!.  /
     ,':::::::;':::::::::/´{レニ、」{ !     i::::::',./
      |::/|:::::::〈  ァ'⌒Y! 〈   ,ゝ-、〉::::::'.,
      '´  !::::::/`'7'、___ソ   `Yヽ.  '.、:::::::ヽ.
       /こ>rト、|::|__,.-‐く]、::::|\ \__::::\
       // /::::ヽ八_>''"´::::\:::::\_つ_):::::ハ
      ./ rく:::::::::/::::::::::::::::',::::::::::::::>、ノ<ノ:::::::ハノ
     // `、 \/::::::::::::::::::::';:::::://|:::::::/\/
     .// // ヽト-‐ァ-r‐ァ─イ-ァ'i  |_/
    〈/__//   |- / .レ'    ∨_,!
       ̄    じ'        し'

49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 00:30:41.59 ID:sYgWaJOp0
失踪したかと思ってたわwww

50 名前: ◆3m0SptlYn6 :2009/10/28(水) 00:31:06.46 ID:v0ZdMnNF0


半刻程、宿ってみたが一向にやむ気配もなく、
空は雨の中再度走り出した。


川゚ -゚)(寒いなぁ……帰ったら火に当たりたいなぁ)


お堂には百段にも及ぶ石段を上がらなければならない。

雨が流れ落ちる石段で、空は気付いた。


お堂へと向かう石段の上の方から、
赤い水がながれ落ちてきているのを。


川゚ -゚)「……」


石段を駆け上がり、お堂を正面に見据えたところで、
空は腕に抱えていた野菜を全て落とした。



51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 00:31:10.23 ID:aqRqPFNW0
しえ

52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 00:33:29.94 ID:C7zQAuogO
ひさしえん

53 名前: ◆3m0SptlYn6 :2009/10/28(水) 00:34:56.06 ID:v0ZdMnNF0


( `ハ´)「ぐぇっへっへっ」

(*;ー;)「きゃー」

(メ`ハ´)「楽なもんだぜ!餓鬼を殺るだけで三両も貰えるなんてな!」


弟達が、妹達が、二・三人の大人たちが振るう、
銀色に光る棒によって蹂躙されていく。


川゚ -゚)「い……いy」


叫び声をあげてしまう瞬間、草むらから飛び出した影に突き倒された。

口を押さえられ声も出せない。


川;-;)「んーんー!」


空は必死に口を塞ぐ手を噛む。


54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 00:39:10.52 ID:f7YDnF5wO
支援

55 名前: ◆3m0SptlYn6 :2009/10/28(水) 00:39:17.37 ID:v0ZdMnNF0


(;ФωФ)「空!俺だ!杉浦だ!」

川;-;)「!!」


薄暗い大雨の中、かすれるような声を聞き取とれた時には、
見慣れた顔が目の前にあった。

思わず力一杯噛んでいた歯を緩める。


川;-;)「す、杉浦!あ、あいつらを」

(;ФωФ)「……」

川;-;)「あいつらを助けないと!」

(;ФωФ)「無理だよ……刀も持ってる」

川;-;)「なら私が!」


56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 00:40:25.45 ID:sYgWaJOp0
C

57 名前: ◆3m0SptlYn6 :2009/10/28(水) 00:41:20.10 ID:v0ZdMnNF0

(;ФωФ)「駄目だ!死にに行くようなもんだよ!」

川;-;)「離せっ!」

(;ω;)「ねえちゃん怖いよぅー」

川;-;)「太郎!お前も無事だったのか」

(;ФωФ)「町からの帰り道で雨宿りしてたんだ」

川;-;)「でも、あいつらが……」

(;ФωФ)「空……俺らは……何も出来ないんだ」

川;-;)「ああ……ああぁぁぁぁ!」



空の泣き声は激しい雨音に掻き消され、
三人の耳の中にだけ響き渡った。





58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 00:44:39.09 ID:ZiFXnOOBO
寝る前支援

59 名前: ◆3m0SptlYn6 :2009/10/28(水) 00:44:42.05 ID:v0ZdMnNF0


やがて雨は止み、お堂では動く物がいなくなった。


川゚ -゚)「……私のせいだ」

(ФωФ)「違う、遅かれ早かれこうなってた」

(;ω;)「うえーん」

川゚ -゚)「……」

(ФωФ)「……みんなのお墓を……作ってあげよう」


空の噛んだ杉浦の指からは、まだ止まらずに血が流れている。


川゚ -゚)「指……ごめん」

(ФωФ)「あいつら程、痛くはなかったさ」



60 名前: ◆3m0SptlYn6 :2009/10/28(水) 00:46:34.09 ID:v0ZdMnNF0

首から上の無い者や、胴を斬り離された者もいた。

寂しくないようにと、
大きな穴を掘って亡骸をみんな一緒に埋めた。


川゚ -゚)「……」

(ФωФ)「……」

(;ω;)「ひっくひっく」





その後、三人は野垂れ死に寸前まで追い込まれたが、
空は器量の良さで遊処に拾われた。

杉浦兄弟は兄の頑張りもあり、小さな商店に居候させて貰える事になった。



61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 00:47:56.42 ID:sYgWaJOp0
>(ФωФ)「あいつら程、痛くはなかったさ」
カコイイ

支援

62 名前: ◆3m0SptlYn6 :2009/10/28(水) 00:48:53.66 ID:v0ZdMnNF0

―六年後―



川 ゚ -゚)(あれはお役人、あれは行商人)


【素直家】の二階から、ぼんやりと街道を眺める日課。

だが、楽しみは二つあった。


( ФωФ)「ねえちゃん!」

川 ゚ -゚)「おー、太郎元気か?」

( ФωФ)「ねえちゃん、太郎はもう止めてよ」

川 ゚ -゚)「ははっ、ほらお駄賃だ」


窓から小銭を落とす。


(* ФωФ)「へへ、ありがと!」


最近、兄によく似てきた。
数年前の兄と瓜二つだ。

63 名前: ◆3m0SptlYn6 :2009/10/28(水) 00:54:03.57 ID:v0ZdMnNF0
川 ゚ -゚)「!」


(メ ФωФ)ノ

川 ゚ -゚)ノ


杉浦、客として来れる訳も無いが、
聞いた噂によると通っている剣術道場を代表するまでの者になったらしい。


体制を気にしてるのか、声を掛けることはなく、
互いに合図だけだった。

だが



64 名前: ◆3m0SptlYn6 :2009/10/28(水) 00:55:22.60 ID:v0ZdMnNF0



(メ ФωФ)「空!」

川; ゚ -゚)「ふぇっ!?」


いきなり声を掛けられ、すっとんきょうな声を出してしまった。

それにしても、声を聞くのは何年ぶりだろう。


(メ ФωФ)「今度、美府藩の御前試合に出る事になった」

川 ゚ -゚)「凄いじゃないか」


空には御前試合たる意味の大きさも分からなかったが、
嬉々として話す杉浦を見て、良いことなのだろうと解釈した。



65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 00:56:22.22 ID:sYgWaJOp0
あれまあ

66 名前: ◆3m0SptlYn6 :2009/10/28(水) 00:58:20.96 ID:v0ZdMnNF0

(メ ФωФ)「その試合に勝てば剣術指南役だ!」

川 ゚ -゚)「……指南役?」

(メ ФωФ)「あぁ!そうしたら己がお前を身請けする!」

川; ゚ -゚)「っ!!」

(メФωФ)「己が、お前を……自由にしてやる」


自由、あぁなんと素晴らしい響きなのだろうか。


川 - )「……」

(メ ФωФ)「待っててくれ」






川 ;ー;)「私は……高いぞ?」

(メ ФωФ)「ああ」


67 名前: ◆3m0SptlYn6 :2009/10/28(水) 01:00:20.77 ID:v0ZdMnNF0


素直家の前の街道は、時が止まったかのように、
全ての人が足を止めた。


はっ、と、状況に気付いた杉浦は、
顔を真っ赤に染めて足早に立ち去って行った。







(メ ФωФ)「必ずお前を自由にしてやる」





第三打   〜了〜



68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 01:01:12.69 ID:7AYjQkX6O
刀匠キター

69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 01:02:47.58 ID:Y0OS0rFp0
wktk

70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 01:04:43.04 ID:AM0RT/QIO
読むホ

71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 01:05:22.86 ID:sYgWaJOp0
あれ、今日はこれで終わり?

72 名前: ◆3m0SptlYn6 :2009/10/28(水) 01:05:29.32 ID:v0ZdMnNF0
投下終了です\(^o^)/


>>9
何も言い訳できん、悪かった^p^

73 名前: ◆3m0SptlYn6 :2009/10/28(水) 01:06:40.21 ID:v0ZdMnNF0
次の話は結構長くなってるので、
また日を改めて投下したいと思います。

74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 01:07:43.49 ID:Ck3SG1cNO
最近なんとなく読みたくなって読み直したせいで続き気になってたとこなんだよ!投下ありがとう!

75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 01:07:51.18 ID:sYgWaJOp0
乙カレー

刀匠って何話目(何本目?)くらいまで続く構想なんです?

76 名前: ◆3m0SptlYn6 :2009/10/28(水) 01:09:36.44 ID:v0ZdMnNF0
>>75

今考えてる内容だと9話くらい……かな?

77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 01:10:34.18 ID:sYgWaJOp0
おおー、まだまだ続きそうですね
楽しみに待ってます


全部 最新50
DAT2HTML 0.35bp Converted.
inserted by FC2 system