( ・∀・)クリスタルクロニクルのようです
- 1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 00:31:38.98 ID:SPTXA5EUO
- 立ったらがんばる
- 2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 00:32:35.25 ID:7C2c390C0
- 勃った
- 3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 00:38:45.60 ID:SPTXA5EUO
- 立ってしまった。
とりあえず以下諸注意。
・タイトルにも書きましたが、この物語は「ファイナルファンタジークリスタルクロニクル」のシナリオに基づいて書かれています。よって、かなりのネタバレを含むことになるので、現在プレイ中の方や、未プレイだけどやってみたいという方の閲覧はあまりおすすめできません。
・プロット構成の結果、長編になるのが確定してしまいました。更新は不定期ですが、どうか長い目で見てやってください。
・携帯作者ですので、投下ペースは遅めです。あしからず。
それでは始めます。
- 4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 00:38:50.56 ID:Dngm0+RSO
- 頑張れ支援
- 5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 00:42:27.74 ID:SPTXA5EUO
-
0年目『Dear wonderful world』
“この醜くも美しい世界”
――この世界に、ある時から『瘴気』と呼ばれる毒素のような気体が広がり始めた。
いつ広がり始めたかは諸説あるが、ここではあえて取り上げない。
瘴気の濃度にもよるが、体力を回復する術が無ければ、人間はこの空気の中では1分として生きることを許されない。
- 6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 00:42:38.16 ID:Owl1KphF0
- よし
- 7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 00:43:45.39 ID:SPTXA5EUO
- また、瘴気が広がるにつれて『魔物』と呼ばれる存在が各地に現れるようになった。
彼らは、瘴気の中でも生存でき(あるいは瘴気の中だからこそ生存できるのかもしれないが。)、それらは共通して人間を襲うという習性を持っていた。
見た目は、いかにも化物という者から二足歩行を行う亜人のような者まで多種多様である。
- 8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 00:45:52.87 ID:SPTXA5EUO
- 人間は、この二重に訪れた危機により、壊滅的な打撃を受けた。
かくして、人間は瘴気と魔物により絶滅してしまう、かに思えた。
その危機を救ったのが、各地に点在していた大クリスタルである。
当時の学者により、クリスタルには瘴気を払う力があるということが発見されたのだ。
こうして人間は安息の地を手に入れた。
- 9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 00:47:29.59 ID:SPTXA5EUO
- かくして当面の所の危機は去った。
大きなクリスタルであるほどその力は大きく、それだけ広い範囲の瘴気を払ったため、人間は大クリスタルの大きさに見合った大きさの都市を作り、それは村や町、国となった。
都市間の移動という問題もクリスタルが解決した。
クリスタルの欠片を懐に入れておくことで、大クリスタルの力の範囲が及ばない、都市の外まで出られるようになったのだ。
とはいえ魔物から身を守る術は、護身用の武器等に頼るしかないのが現状であるが。
- 10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 00:48:50.45 ID:RuxSkTZIO
- ゲームキューブのならやり込んだなぁ
- 11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 00:50:18.94 ID:APQAyKMDO
- スレタイにときめいた
クリスタルベアラーまだかな
- 12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 00:51:37.51 ID:SPTXA5EUO
- しかし数十年後、また問題が発生した。次第に大クリスタルの力が衰え始めたのだ。
長年に渡って瘴気の侵入を防いできたことで、その力が磨耗されていったのが原因だった。
ところが、人間はその危機を回避する術を既に見つけていた。『命の水』こと『ミルラの雫』である。
各地に点在する、独特な形をした『ミルラの木』。これから数年に一度、僅かにとれるミルラの雫を『クリスタルケージ』と呼ばれる器一杯に溜めて、大クリスタルを浄化するのである。
- 13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 00:52:02.45 ID:AIsnYxR80
- 俺以外にFFCCを題材に扱う物好きがいたとは……
支援
- 14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 00:52:57.24 ID:SPTXA5EUO
- 浄化されたクリスタルは、再びその力を発揮した。
しかし、一年後にはその力を失ってしまう。
そのため、人間はまた雫を集め、毎年クリスタルを浄化する作業をしているのである。
つまるところ、クリスタルと人間は互いに生かし、生かされている、という事だろうか。
- 15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 00:54:06.63 ID:SPTXA5EUO
- だが、ミルラの木は辺境にしか生えず、未だに魔物も多く存在しているため、雫を取りに行くには危険が伴う。
それゆえ、今では『クリスタルキャラバン』と呼ばれるキャラバンが各都市に置かれ、それぞれの都市における雫集めの役目を担っている。
――ブーム=クン 著『世界のすがた』第一章より
- 16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 00:54:53.11 ID:HWzOS6Aa0
- GCとDSって設定違うの?
GCしかやってないからわからん
- 17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 00:55:18.28 ID:SPTXA5EUO
- 〜〜〜〜〜
さて。
あなたはこれから、その『クリスタルキャラバン』の一人となって、村を守る為の旅に出ます。
その旅路は、決して楽なものではありません。
辛い事、苦しい事。時には泣きそうになる出来事に出会うことになるかもしれません。
- 18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 00:55:43.12 ID:ZbJC2NhzO
- 支援
- 19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 00:56:24.20 ID:SPTXA5EUO
- しかし、それだけの喜びや幸せも、見つけることができるでしょう。
その全てに一切の無駄なものは無く、それらはあなたの人生における大切な『思い出』として、あなたの記憶に刻まれてゆくはずです。
『旅に出よ。命の水を求めて。』
クロニクル(冒険記)に新たな1ページを刻むのは、あなたです。
〜〜〜〜〜
- 20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 00:56:58.95 ID:PJxnDtciO
- ぶっちゃけ、ゲーム自体はDS版の方がシンプルで良かった支援
- 21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 00:58:33.65 ID:SPTXA5EUO
- ――キャラクターを設定してください
( ・∀・):モララー(16)
クラヴァット、男。農家の息子。
主人公。温和な性格で人当たりがよいため、村の人々から信頼されている。
しましまリンゴが好物。
( *゚ー゚):シィ(15)
クラヴァット、女。牛飼いの娘。
明るい性格で、年下の面倒見がよい。モララーとギコとは幼なじみ。
にじいろブドウが好物。
(=゚ω゚)ノ:ィョゥ(18)
リルティ、男。鍛冶屋の息子。
村で一番の力持ち。しかし、とても臆病で争い事が大の苦手。
にくが好物。
ノハ ゚听):ヒート(14)
リルティ、女。こなひきの娘。
強さに憧れる活発な少女。キャラバンに入るのをとても楽しみにしている。
ひょうたんいもが好物。
- 22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 00:59:47.15 ID:SPTXA5EUO
- (´・ω・`):ショボン(15)
ユーク、男。錬金術師の息子。
性格は悪いが、村一番の知識の持ち主。戦闘の技術もあり、魔法の腕もたつ。
すずなりチェリーが好物。
(゚、゚トソン:トソン(16)
ユーク、女。さいほう屋の娘。
生まれつき体が弱く、あまり村から出してもらえない。機転がよくきく。
ほしがたにんじんが好物。
(,,゚Д゚):ギコ(17)
セルキー、男。商人の息子。
腕っぷしが強く、ぶっきらぼう。父の仕事ゆえ、村に居ないこともしばしば。
まんまるコーンが好物。
从 ゚∀从:ハイン(13)
セルキー、女。漁師の娘。
人付き合いが苦手で、友人を作りたがらない。少し強気な性格。
さかなが好物。
――村の名前を決めてください。
『ヴィップ』
- 23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 01:01:58.29 ID:SPTXA5EUO
- 〜〜〜〜〜
【ヴィップ村】
……小鳥のさえずりが聞こえる。
朝日の温もりを感じ、僕は薄く目を開いた――
( ・∀・)クリスタルクロニクルのようです
- 24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 01:04:01.72 ID:L6+u3NY8O
- 世界観はGCのが上
みんなでやるならDSのが気楽
- 25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 01:07:59.27 ID:SPTXA5EUO
- と、以上までが導入部分です。
プレイしたことのある方が何人かいらっしゃるようで、ちょっとワクワクしています。
ちなみに、作者はGC版しかプレイしてません。というか、ぶっちゃけDS版とやらの存在を知りませんでした。
そういう訳で、もちろんこの作品はGC版です。
ここで1年目の話に入る前に、基本情報について簡単に記述しておきます。
- 26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 01:08:00.05 ID:Dngm0+RSO
- DSしかやったことない
支援
- 27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 01:08:56.07 ID:Owl1KphF0
- GCのやつは雰囲気が最強によかった
DSのはなんか酷評だから買ってねえ
- 28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 01:09:13.57 ID:SPTXA5EUO
- 【人種】
この世界には四種類の人種があり、それぞれ特技や性格に差違があります。
『クラヴァット』
クラ,´∀`)(♂)
クラ*´ー`)(♀)
温和な性格で争いを好まない。協調性にあふれ、他の人種と協力して生活を営んできた『温』の民。
基本的に中肉中背で常に穏やかな表情をしており、(私達の世界で言うと)一般的な見た目をしている。
その性格と裏腹に純粋な戦闘技術は他の人種を圧倒的に上回り、群を抜いた能力こそ無いものの、平均以上の能力を持っている。
『リルティ』
リル`・д・)(♂)
リル*'')(♀)
勇猛果敢で好戦的。かつては独自の技術で武器を開発し、大陸を制圧していたという『武』の民。
炎のようなオレンジ色の髪が特徴。かなり小柄で、成人でもクラヴァットの半分くらいの身長しかない。
しかし、その体型からは想像できないほどの力を持っており、魔法が苦手という弱点を大きくカバーしている。
- 29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 01:10:47.82 ID:SPTXA5EUO
- 『ユーク』
ユク,0_>0)(♂)
ユク,゚ -゚)(♀)
冷静沈着。知識にあふれ、かつては魔法の力でリルティの侵略に対抗していたという『知』の民。
高身長で細身。常に顔を覆う兜を被り、鳥の羽のような両手を持つという異様な見た目をしている。
その姿は魔法の力を最大限に発揮する為のものらしく、力が無い分、絶大な攻撃力の魔法を使う。
『セルキー』
セル,゚Д゚)(♂)
セル*゚∀゚)(♀)
自己中心的で、他者との協力などもってのほか。それゆえに迫害されていた過去を持つ『我』の民。
見た目にはクラヴァットであるが、露出度の高い毛皮の服とボサボサな髪型、という野蛮な風貌。
かつて盗みに使われていた高い身体能力が特徴。その身軽さを利用した回避能力は群を抜いている。
- 30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 01:11:02.13 ID:U7F1xg1GO
- カゼノネだかと各マップ紹介だけで買った意味あったな
ホクホクしたとも
- 31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 01:12:27.91 ID:SPTXA5EUO
- あー、そういやなんかそうだった。
ユークの男性AA修正です。
↓以下こっちで。
ユク,0_ゝ0)
- 32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 01:18:05.46 ID:SPTXA5EUO
- 【その他】
『モーグリ』
モク*´ω`)゙
魔物、という存在ではないのであろうが、何に分類されるかは謎。人間によくなつき、人語も話せる。
大きめのスイカぐらいの大きさ。体は柔らかい毛に覆われている。頭に赤いボンボンがあり、背中から小さい羽が生えている。
微力ながら魔法が扱え、人間の旅に同行している者などは、魔法で後方支援を行うこともある。
『パパオ』
正式名パパオマスという馬車をひく動物。
魔物に近い存在らしく、瘴気による影響をうけない。
おとなしい性格をしており、力持ちのため、ほぼ全てのキャラバンがこのパパオに馬車をひかせている。
大きな体でふさふさの青い毛に覆われた、丸っこい姿をしている。
- 33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 01:18:38.77 ID:VXSwU1L9O
- 一人でやったら詰むゲーム
- 34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 01:19:00.46 ID:SPTXA5EUO
- 『クリスタルケージ』
不可視の球形の器に褐色の土台を取り付け、器の登頂部にクリスタルをはめこんだ、芸術作品のような見た目の器。
登頂部のクリスタルの力である程度の範囲の瘴気を払うことができ、これにミルラの雫をいっぱいに集めるのがクリスタルキャラバンの役目。
『ホットスポット』と呼ばれる所に近付けると、クリスタルの『属性』が変化し、属性に合わせた加護がうけられる。
見た目よりかなり丈夫で、叩きつけてもまったく壊れない。
昔、カーバンクルと呼ばれる生物により作られたものらしい。
- 35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 01:20:01.34 ID:qsSAh/3CO
- どのマップも好きすぎて本当楽しかったなこのゲーム
ティダ村とコナルクルハ湿原は鬱だった…
- 36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 01:21:29.15 ID:SPTXA5EUO
- とりあえずこんぐらいで。後の諸々は作品内でじわじわ紹介していきます。
それでは、1年目分の投下(半分ぐらい)を始めます。
- 37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 01:23:06.93 ID:SPTXA5EUO
- 【ヴィップ村】
真っ白な朝日が窓から差し込んでくる。
目覚めたばかりの僕にとっては少し眩しすぎるが、これ以上に旅立ちにピッタリの朝は無いだろう。
( >∀<)「んー、」
( ・∀・)「ふぅ。うん、いい朝だ」
軽く体を伸ばし、ベッドから出る。
体が軽い。旅立ちへの興奮からだろうか、何となく落ち着けないでいる自分を感じる。
まあ焦らなくてもいいさ、と、深呼吸をする。澄みきった朝の風が肺を満たしていく。
静かな朝の空気に耳をすますと、まだ見ぬ広い世界が僕を呼ぶ声が聴こえた気がした。
- 38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 01:24:07.05 ID:VXSwU1L9O
- 支援
- 39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 01:26:17.79 ID:4uSQzBgnO
- >>33
二人以上でやろうとするとアドバンス人数分用意しないと駄目だからハードル高い罠
その仕様がたるくて
3人でやってたのがヴェオル水門あたりまでで止まってる
結局後になってから一人でクリアしました
- 40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 01:26:24.73 ID:SPTXA5EUO
-
一年目『ヨーイドン』
“今旅立ちを告げるよ”
「1:旅立ち」
- 41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 01:26:56.47 ID:AIsnYxR80
- 支援
- 42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 01:27:27.85 ID:SPTXA5EUO
- キャラバンの旅立ちは早い。一年もの時間があるとはいえ、それは同時に一年しか期限が無いとも言えるのだ。
( ・∀・)oO(昨日、あらかた準備は済ませたけど、最終確認をしとこう)
ふと窓の外を見ると、見慣れた村の景色が見えた。しばらくはこの景色ともお別れかと思うと、寂しいようなワクワクするような、なにか不思議な気分になる。
隣のシィの家の庭、眠たそうに仕事の支度をするハインの父さん、風に揺れるショボンの魔石型ボール、そして、大クリスタル。
まさに村の守り神とも言えるであろう、この大クリスタル。こいつが無ければ僕はここで呼吸をすることすら許されない。
( -∀・)oO(ありがたいことだ)
大クリスタルは、日の光を受けて強力な光源のようになっている。直視すると目がやられそうなので、軽く目を瞑って手を合わせた。
( -∀-)oO(僕の旅が成功するよう、お守りください…と)
- 43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 01:28:11.93 ID:Qk8odcdLO
- RoFは障気が堕ちてくる前の話と思われ、EoTは知らん
- 44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 01:28:41.35 ID:SPTXA5EUO
- これからは、僕がキャラバンとして大クリスタルと村を守っていくんだ。
(;-∀-)oO(……うぅ、やっぱり緊張する)
というのも、今回は異例なことに僕一人しかキャラバンのメンバーが存在していないのだ。
その辺のことは……僕が頑張るしかないな。
( ・∀・)「さて、準備をさっさと終わらせるか」
何でもない事を声に出し、自分に語りかけてみた。緊張が少し解れた気がした。
- 45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 01:31:32.94 ID:L6+u3NY8O
- 次回作のベアラーがwii・・・・・・
ハード毎買うべきか否か・・・・・・
- 46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 01:34:58.55 ID:AIsnYxR80
- >>45
クリスタルクロニクルシリーズは任天堂機でしか出ないんだからついでに買ってしまえ。
そして支援。
- 47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 01:39:54.14 ID:SPTXA5EUO
- ( ・∀・)「これはこの袋で、これは…いらないかな?」
旅立ってしまうと、ほんの小さな忘れ物が致命的なミスとなって襲ってくる。
ちなみに、以前までのキャラバンで一番大変だった忘れ物は「爪切り」らしい。
……地味に大変かもしれない。僕は気をつけよう。
( ・∀・)「やっぱ入れといて、うん。準備完了!」
日用品を入れた袋の口を閉じた時、部屋のドアがノックされる音が聞こえた。
- 48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 01:40:28.13 ID:L6+u3NY8O
- 金が無いぜ・・・
だがFFCCの為か・・・
- 49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 01:40:37.16 ID:u6LJxuUDO
- サントラ聴きながら支援
実は俺の現行もGCのFFCCをかなり参考にしてるんだよな……
- 50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 01:41:10.71 ID:SPTXA5EUO
- |゚ノ ^∀^)「おはよう、モララー。準備はできた?」
( ・∀・)「おはよう、母さん。ちょうど今終わった所」
入ってきたのは母だった。母は少し寂しそうな表情をしていたが、気付いてないフリをしておいた。
|゚ノ ^∀^)「そう。朝ごはんができてるから食べなさいね」
( ・∀・)「わかった、すぐ行く」
旅に持っていく荷物を両脇に抱え、僕は居間へと向かった。
- 51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 01:42:19.90 ID:SPTXA5EUO
- ……………
テーブルの上には既に朝ごはんが並べられていた。
焼きたてのいなかパン、スクランブルエッグ、焼いたベーコン、ゆで卵、オムレツ、ポテトサラダ、温泉卵、ソーセージ、目玉焼き、卵スープ、
(;・∀・)oO(卵多ッ!)
|゚ノ ^∀^)「さあさ、冷めないうちに食べちゃいなさい」
やけに腹にズシンとくる朝ごはんを食べる。
どうでもいいが、僕はどちらかというと白身より黄身の方が好きだ。やはり卵のメインは黄身だと思う。
白身も嫌いではないけど、特にゆで卵に顕著に現れるあの何とも言えない臭みはあまり好ましくない。
- 52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 01:44:05.46 ID:L6+u3NY8O
- しえん
- 53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 01:44:08.25 ID:SPTXA5EUO
- (;・∀・)「うぇっぷ」
あらかた食べ終わり、牛乳で黄色い悪魔を流し込む。
ちょっと休んでから行こうかな、とか思ったが、気持ちは既に旅立ちに向かっていて。
荷物を馬車に積み込んでしまおうと思い、母に「ごちそうさま」と告げて、荷物を持ち、家を出た。
- 54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 01:46:10.79 ID:SPTXA5EUO
- ……………
( ´∀`)「やあモララー。おはようモナ」
( ・∀・)「あ、モナーさん。おはようございます」
家の前で村長のモナーさんに出会った。語尾が特徴的な恰幅のいいクラヴァットのおじいさんだ。
( ´∀`)「元気そうで何よりモナ。もう旅立つモナ?」
( ・∀・)「いえ…まぁそろそろかなとは思っていますが」
家の前に停めてある馬車をちらりと見る。武器やクリスタルゲージは既に積み込んであるから、食料などの積み込みが終わればいつでも出発できる。
- 55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 01:47:22.46 ID:SPTXA5EUO
- ( ´∀`)「……モナ。一人旅で大変だとは思うけど、アルフィタリアやファムの方にも支援を頼んでおいたモナ。だから、困ったことがあったらいろいろと助けてもらうといいモナ」
( ・∀・)「あ…色々ありがとうございます」
( ´∀`)「モナ。ご両親はいるモナ?」
( ・∀・)「はい、たぶんリビングに」
( ´∀`)「モナナ。ありがとう」
そう言って、モナーさんは僕の家に「おじゃましますモナ」と言って入っていった。
改めて考えたら変なのは語尾だけじゃないな、とか思いつつ、玄関に置いていた荷物を馬車に積み込んでいく。
- 56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 01:47:42.83 ID:L6+u3NY8O
- しえーん
- 57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 01:47:55.07 ID:GoHdWgFXO
- 小さな王様と約束の国しかやったこと無いッス
楽しめますか
- 58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 01:48:54.49 ID:SPTXA5EUO
- ( ・∀・)「……うーむ」
備えあれば憂いなしと、名も無き冒険家の伝記に書いてあったが、備えすぎるとそれもそれで憂いなんじゃあないか、と。
禍々しさすら感じる、『動く要塞』と呼んでも差し支えのない見てくれとなった馬車を見ているとそう思ってしまう。
……少し減らそう。今気付いたが、僕が乗るスペースが無い。
- 59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 01:49:20.62 ID:L6+u3NY8O
- >>57
今すぐGCのFFCCを買(ry
- 60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 01:52:01.06 ID:SPTXA5EUO
- 何を減らそうか考えつつ、ゴソゴソやっていると隣の家の扉が開く音がした。
( *-д-)「うあ゙ぁ〜」
( *-д゚)「あ?」
(;*゚д゚)「あ?」
( ・∀・)「あ」
何だ、シィか。どこかのオッサンかと思った。
( *゚д゚)「今、何か失礼なこと考えなかった?」
( ・∀・)「いや、別に。というか地の文を読むな」
このクラヴァットの女の子はシィ。いわゆる幼なじみというやつだ。
- 61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 01:53:23.05 ID:SPTXA5EUO
- (;*゚ー゚)「ってか、コイツ一体何よ?魔物でも入ってきたのかと思ったじゃない」
( ・∀・)「見りゃ分かるでしょうよ。馬車だよ」
兄の前の代から使っているそれなりに年季の入った代物だ。当時では一番質のいいものだったらしい。
( *゚ー゚)「……でも、私の知ってる馬車に角は生えてないんだけどなぁ」
( ・∀・)「あぁ、あれはテントだよ」
( *゚ー゚)
( ・∀・)「テント」
( *゚ー゚)
( *゚ー゚)「馬車で寝ればいいじゃん」
( ・∀・)「違うなぁとは思ってた」
- 62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 01:55:02.87 ID:SPTXA5EUO
- ……………
シィと、途中から現れたショボンの手により、馬車は最終的に半分の大きさになった。
ちなみに僕はというと、わざわざ備え付けたキッチンを外されそうになったのを止めようと喚いていた所、「うるさい」と、シィにボコボコにされて大クリスタルに縛り付けられていた。
(#)・∀゚)「あの…」
( *゚ー゚)「うるさい」
(´・ω・`)「八割ぐらいは君が悪いよ」
しまった。ショボンにすら見捨てられてしまった。
とはいえ、かなりの知識人であるユークのショボンに否定されてしまったからには、やはり僕が悪いと認めるほかないのだろう。
……でも、少し癪だ。
- 63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 01:57:30.08 ID:wzgj2kzR0
- GC版しかやった事ないけど、クリア後なんとなく鬱になった
- 64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 01:58:14.96 ID:SPTXA5EUO
- ( *゚ー゚)「さて、と。こんなもんだね」
(´・ω・`)「……タンスを妥協してあげた寛大さには頭が下がりますよ」
( *゚ー゚)「あれ?誉めてくれてるのかな?」
(´・ω・`)「嫌味ですよ」
「タンスは必要だ!」という僕の必死の抗議は無視されてしまうかと思っていたが、そこは妥協してくれたようだ。
「女神よ!」と叫んだら、にっこり笑いながら石ころをぶつけてきた。
気分は罪人だ。
- 65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 02:02:10.16 ID:SPTXA5EUO
- ( ・∀・)「それでさ、そろそろおろして欲しいんだけど」
石ころの砲撃が終わったころに、ささやかな提案をしてみた。が、
( *゚ー゚)「いや、たぶんむり」
の一言にあっさりと却下されてしまった。
( ・∀・)「……えー」
(´・ω・`)「ゴブリンみたいな顔して怒りに任せて結んでましたから。たぶん結び方を覚えてないんじゃないですかね」
( *゚ー゚)「お前逆さ吊りな」
(´・ω・`)「やれるものならどうぞ」
( *゚ー゚)「ファック」
( ・∀・)「おいこら、お前ら」
二人はぎゃあぎゃあと喚きながら取っ組み合いを始めてしまい、僕はおろしてもらうタイミングを見失ってしまった。
- 66 名前:ねむい:2009/04/26(日) 02:04:27.85 ID:SPTXA5EUO
- ( ・∀・)oO(困ったなあ)
しかし、大クリスタルからの眺めはなかなかで、これはこれで悪くないんじゃないかな、とも思う。
ははっ。ィョゥのやつ、また親父さんに怒られてる。
……。
いやいや、あんまりのんびりしてもいられない。
( ・∀・)oO(あの二人はアテにならないとして…)
( ・∀・)oO(ん…あれは)
( ・∀・)「おーい、そこの君ぃ!ちょっと来てくれー!」
ぴょこぴょこと動いている赤毛が見えたので、これはチャンスだと思い、声をかけてみた。
……お、気付いてくれたみたいだ。
- 67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 02:05:19.47 ID:Owl1KphF0
- 支援
- 68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 02:06:05.42 ID:MM5CKcU+O
- >>63
わかるわ。あぁ…終わっちゃうんだなぁって感じになった
あんな世界に住んでみたいよマジで
- 69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 02:06:27.44 ID:L6+u3NY8O
- しえん
- 70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 02:06:38.19 ID:SPTXA5EUO
- ノハ*゚听)「やっほー!どうしたんだー!?」
_,
( ・∀・)
ぱたぱたと駆けてきたのはリルティのヒートだった。
…彼女に頼むのは些か不安だが、この際仕方ない。
_,
( ・∀・)「ん、いや、ちょっとね。その、こいつを、いや、ロープをさ。『ほどいて』ほしいんだけノハ*゚听)「わかったぞぉぉ!」
そう言うと、ヒートは道端に落ちていた石ころを拾って
(#;・∀・)「『ほどいて』くれっつったんだよぉ!」
ノハ#゚听)「とうっ!」
大きく振りかぶって僕に向かって投げつけた。
真っ直ぐに飛んできた石ころは僕の体すれすれの位置でロープにぶつかり、固く結ばれていたはずのロープは意外にすんなり、ぷつんと切れた。
しかし、そのまま石ころは勢いを殺さず大クリスタルに直撃した。石ころは砕け散り、大クリスタルは欠けた。
僕はロープという支えを失ったことにより落下を始める。
ヒートは満足気な表情でガッツポーズをし、ショボンはぽかんとした表情を浮かべ、シィは大爆笑した。
(;-∀・)oO(ちくしょう、だから嫌だったんだ)
尻に鈍痛を感じ、身体中に痺れが走る。
朝の空にシィの笑い声が響き渡った。
- 71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 02:07:36.53 ID:SPTXA5EUO
- ……………
(♯´∀`)「まったく君たちは、大クリスタルを何だと思ってるモナ」
ノハ ;;)*-д-);´・ω・`)「すみません…」
(;・∀・)oO(ううむ)
まぁ二人は仕方ないとして、ショボンはとばっちりだなぁと思う。
クリスタルが欠けたことについては、バレたら彼女らはモナーさんご自慢の剣で叩き斬られることになるだろうから、そこは黙っておいてあげた。
欠片は、今は僕のポケットの中に入っている。
モナーさんのモナモナという怒り声が響き渡る。
すでに日は高くなり、旅立ちに予定していた時間より少し遅くなってしまった。そろそろ出発したいところなんだけどな。
- 72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 02:08:00.71 ID:hSvbCEZJO
- ねじまき鳥と思ったのに…支援
- 73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 02:08:09.60 ID:4rREBvddO
- 支援
やっぱりFFCCといえばカゼノネだよな!
http://www.youtube.com/watch?v=8uhv5kLu-jA&feature=PlayList&p=523DBF9CA1E6A805&playnext=1&playnext_from=PL&index=38
- 74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 02:08:33.77 ID:SPTXA5EUO
- ( ・∀・)「あのー、そろそろ…」
( ´∀`)「…モナ。そうモナね。家族のみんなを呼んでくるモナ」
( ´∀`)「あー、君たちはここに残ってモララーの見送りをするモナ」
( *゚ー゚)「ちぇー」
(´・ω・`)「言われなくてもそのつもりでしたけど」
ノハ ゚听)「はーい」
( ・∀・)「一人対応のおかしいやつがいた」
( *゚ー゚)「気にしちゃダメだよ」
( ・∀・)「自覚はあるんだね、よかった」
- 75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 02:09:16.75 ID:L6+u3NY8O
- さる回避
- 76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 02:09:40.89 ID:SPTXA5EUO
- ……………
|゚ノ ^∀^)「……そろそろ出るのね?」
( ・∀・)「うん、もうすぐ」
|゚ノ ^∀^)「わかったわ、皆を呼んでくるわね」
母さんの目元が腫れていた。さすがに気づいてない振りはできなかった。
兄さんがあんなになってしまったから無理もない。
本当は僕だって行かせたくないのかもしれないけど、そうしたら村を守る人が居なくなってしまう。
仕方のないことなんだ。
- 77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 02:10:33.47 ID:SPTXA5EUO
- もちろん、死ぬつもりはない。絶対に村にミルラの雫を届けるんだ。
一人は不安だけど、僕は絶対にこの役目をやりとげてみせる。
だから、心配しないで、僕の旅立ちを見守っていてほしいんだ。
( ・∀・)oO(我ながら臭いセリフだ)
面と向かって言うのは照れ臭いから、心の中にしまっておく。
だからせめて、旅立つ時には僕は笑顔でいよう。
台所のしましまリンゴを一つ掴み、かじりながら家を出た。
- 78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 02:10:43.58 ID:L6+u3NY8O
- しえん
- 79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 02:11:43.78 ID:SPTXA5EUO
- ( ´∀`)「旅立ちの儀というのは、いつでも派手に行われるものではないモナ」
( ・∀・)「慰めなどいらぬ」
( *゚ー゚)「強がらなくてもいいんだよー」
(´・ω・`)「ぐりノハ*゚听)「ぐりーんだよー!」
|゚ノ ^∀^)「あらあらうふふ」
(´・_ゝ・`)「……」
旅立ちの前にはその家族や友人が見送りに来る「旅立ちの儀」というものがある。
儀式と銘打ってはいるものの、何のことはない、ただの見送りだ。
普段はキャラバンのメンバーの家族やら友人やらを含めて、かなり賑やかなものになるのだが、残念なことに今年はモナーさんと奥さんのペニサスさんを含んでも七人しか居なかった。
別に村人総出で「いってらっしゃい!」とまでは必要ないが、強がってみたもののちょっと寂しい。
- 80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 02:12:46.59 ID:SPTXA5EUO
- ( ・∀・)「兄さんは…?」
|゚ノ ^∀^)「呼んだんだけど、ね…」
( ・∀・)「そっか…」
予想していたこととはいえ、やはり身内がこないのはつらい。
…とはいえ、兄の抱いているであろう感情や葛藤も、分からない訳ではない。
- 81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 02:14:04.39 ID:SPTXA5EUO
- ( ・∀・)「…ん、まぁとりあえず頑張ってくるよ」
(´・ω・`)「あ、ちょっと待ってください」
そう言って、ショボンはポケットから何かアクセサリーのような物を取り出した。
(´・ω・`)「これ。家に資料があったから試しに作ってみたんです。テストも兼ねて使ってみてください」
( ・∀・)「テストって…まぁ、ありがたく受け取っておくよ」
見たところ時計細工のようだ。守りの魔法がかかっているのか、ほんのり魔力を感じる。
- 82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 02:14:05.61 ID:QoaDzgP1O
- つC
- 83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 02:15:55.60 ID:MM5CKcU+O
- しえん
- 84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 02:16:32.21 ID:SPTXA5EUO
- ( *゚ー゚)「あ、じゃあ私もついでに」
( ・∀・)「……?なんだい、こいつは」
( *゚д゚)「あー、ひっどいなぁ。見りゃ分かるでしょうよ。お守りだよ、お守り」
( ・∀・)「……でも、僕の知ってるお守りに角は生えてないんだけどなぁ」
( *゚ー゚)「ああ、それは縫い針だよ」
( ・∀・)
( *゚ー゚)「縫い針」
( ・∀・)
( ・∀・)「処理ぐらいしとけよ」
( *゚ー゚)「裁縫なんかできねーんだよ」
…いや、魔物払いという面から見たらこれは正しい姿なのかもしれないな。
掌サイズのくせにいやに重い。呪われてるんじゃねーのか。
捨てても呪われそうなので、一応ポケットに入れておこう。
…チクチクする。
- 85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 02:17:24.36 ID:SPTXA5EUO
- ノハ;゚听)「しまった、何も用意してなかった!」
( ・∀・)「ああ、いいんだよ。そんな気を使わなくて大丈夫だから」
ノハ ゚听)「いや、私も何か役にたちたいぞ!」
役に、ってもこいつらのは役に立ちそうにもないんだけどな。
シィのに至っては痛いし。むしろ邪魔をされている気分だ。
「ちょっと探してくる!」、と言ってヒートはどこかに行ってしまった。
……ホントに別にいいのに。
- 86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 02:18:25.90 ID:SPTXA5EUO
- ( ´∀`)「モナ…。すまないが、モナからは餞別を用意してやれなかったモナ。代わりにと言っては何モナが」
( ・∀・)「いえいえ、これは?」
渡して貰ったのは、地図のようなものだった。この大陸の略図と、「火」「水」といった文字が書かれている。
( ´∀`)「この大陸の随所にある『瘴気ストリーム』というものの属性を表した地図モナ。そう遠くまで行くことはないと思うが、いずれは通る道モナ。持っていきなさい」
( ・∀・)「はい、ありがとうございます」
('、` 川「たまには家族に顔を見せておやり」
( ´∀`)「君の働きに期待しているモナ」
ぺこりと頭を下げ、肩に下げたカバンに地図を入れた。
- 87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 02:21:03.57 ID:SPTXA5EUO
- |゚ノ ^∀^)「モララー…」
(´・_ゝ・`)「母さん、モララーももう立派な大人なんだ。笑顔で見送ってやりなさい」
父さんが母さんをなだめている。いつもは寡黙な父だが、こういう時は頼りがいがあるなぁ、と思う。
|゚ノ ^∀^)「……そうよね、うん」
|゚ノ ^∀^)「はい、モララー。少ないけれど持っていきなさい」
母さんが、紙に包んだギルを渡してくれた。
今まで持ったことのない金額だが、旅にはきっと入り用なのだろう。ありがたく受け取っておく。
( ・∀・)「ありがとう。……行ってきます」
(´・_ゝ・`)「また、手紙を送るから。困ったことがあれば何でも言いなさい」
( ・∀・)「わかった、ありがとう」
改めてみんなの顔を見渡す。家族、友達、村のみんな。
皆の平和な日常を守るため、僕は旅立つんだ。
- 88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 02:21:11.77 ID:MM5CKcU+O
- 画集とか売ってなかったかな
支援
- 89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 02:22:35.72 ID:SPTXA5EUO
- ( ・∀・)「じゃあ、もうそろそろノハ#゚听)「ちょっと待ったぁぁぁ!」
村の出口の前にある坂を転がるようにヒートが駆けてきた。
ノハ ゚听)「さっきたまたま空から降ってきたんだ!」
そう言ってヒートは右手に握りしめていた燃えるように赤い羽を僕に差し出してきた。
ノハ ゚听)「たぶんお守りだ!」
( ・∀・)「…うん、ありがとう」
正直、何と言っていいかはわからないが、気持ちは分かるから受け取っておこう。
- 90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 02:22:41.15 ID:L6+u3NY8O
- しえーん
- 91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 02:24:23.69 ID:SPTXA5EUO
- ( ・∀・)「それじゃあ…行ってきます」
( *゚ー゚)「がんばってね〜」
(´・ω・`)「死なないでくださいね」
ノハ*゚听)「おみやげ期待してるぞ!」
( ´∀`)「村の未来を頼むモナ」
('、` 川「たまには家族に顔を見せておやり」
(´・_ゝ・`)「楽しんできなさい」
|゚ノ ^∀^)「元気で帰ってくるのよ…」
( ・∀・)「ありがとう、行ってきます」
馬車に乗り込み、肩のカバンを下ろす。
パパオに軽く鞭をうつと、馬車はゆっくりと動きだした。
村を出る瞬間。瘴気と清浄な空気を分かつ、不可視の壁を通りすぎる感覚がした。
ここから先は、クリスタルケージ無しでは生きていけない世界だ。
それでも、今まで憧れてきた世界。僕が見たかった世界なのだ。
父の言葉通り。この旅を楽しんでやろうと、そう思った。
「1:旅立ち」 終
- 92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 02:25:02.14 ID:L6+u3NY8O
- おつかれ。
- 93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 02:25:32.96 ID:SPTXA5EUO
- ああねむい。
という訳でちょっとコーヒーでも飲んできます。
たぶんすぐ戻ります。
- 94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 02:29:37.84 ID:wzgj2kzR0
- いてら〜
- 95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 02:31:08.66 ID:/dHmryLaO
- この作者の文好きだな
また後で過去作を教えてほしい
- 96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 02:38:43.44 ID:SPTXA5EUO
- 過去作はありませんよ。今回が初投下です。
そういや諸注意に付け加え忘れてました。
・原作よりも旅立ちとか出会いにかける時間が長いですが、それは仕様です。
45分ごろから続きいきます。
- 97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 02:41:52.59 ID:9GL7LOo20
- FFCCを題材にするとは・・・
これは期待
ところで村にあるクリスタルは「大クリスタル」とは呼ばないぞ
- 98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 02:50:49.36 ID:SPTXA5EUO
- すみません、村のクリスタルについては、何て言ってたかなぁとか思いながら、便宜上そういう呼び方をしてました。
今後修正していきます。
それじゃあ、続きいきます。
- 99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 02:51:39.19 ID:K8+tcX+u0
- クリクロはCM見た時間違いなく売れる!!って思ったって買ったが
面白いのにそこまで流行らなかったな・・・
大人数プレイがGBAじゃなきゃならんというのはあれだったが
とっても残念だった
- 100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 02:51:53.52 ID:07sEmtFrO
- 芸さんまとめとるwwwww
- 101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 02:52:08.26 ID:SPTXA5EUO
- 「2:出会い」
【ヴィップ街道】
どれほど馬車に揺られただろうか、日は大きく傾いてきたし、頬を打つ風も少し冷たくなり始めた。
予定では、まずは『リバーベル街道』という所にあるミルラの木を目指すことになっていた。
ここはそんなに危険な所ではないため、比較的楽にミルラの雫が得られるらしい。
ヴィップの村からも割と近いらしく、3日もあれば到着できるという話だった。
しかし……
- 102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 02:55:22.22 ID:SPTXA5EUO
- ( -∀・)「暇だぁ…」
とにかく同じ景色ばかりが続くので退屈なのだ。
旅立ってすぐは何もかもが新鮮で、何かにつけて馬車を飛び降り、パパオが不満そうに鳴くのも気にせずにいろんな物を見てまわった。
しかしその勢いも次第に衰えていって、今はもう退屈という感情しか浮かんでこない。
昔のリルティ達によりしっかり整備された道のためか、魔物は一匹たりとも出てこない。
さらに、僕より先輩であるパパオの方が道をよく知っており、分かれ道をどちらに行けばいいのか迷って地図を見てあたふたしている間に、彼は正しい方向にずんずん進んでいってしまう。
とにかく暇なのだ。
しばらくは魔物よりも暇と戦うことになるだろう。
- 103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 02:57:15.54 ID:SPTXA5EUO
- ( ・∀・)oO(太陽があの山にかかったら野宿の準備をしよう)
ちょっと早いけれど、今日はもう疲れたから早めに寝てしまおう。
整備されているとはいえ、夜は真っ暗だ。早めに焚き火の準備をした方がいいだろう。
( ・∀・)oO(……ん?)
そんなことを考えていたら、少し前の方に人影のようなものが見えた。
( ・∀・)oO(人が居るのかな?)
そう思い、近づいていってみると、そこにはキャラバンが居るようだった。
- 104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 02:57:45.20 ID:9GL7LOo20
- >>98
村や町にあるものは単に「クリスタル」
持ち運べる小さなものは「ショートクリスタル」と呼ぶ
「大クリスタル」は・・・言わない方がよさそうかな
- 105 名前:>>104把握です:2009/04/26(日) 02:58:54.13 ID:SPTXA5EUO
- ……………
( ∵)「おや、おつとめご苦労である。ヴィップのキャラバンかな?」
( ・∀・)「こんにちは、そうです」
やはりどこかのキャラバンであるようで、リーダーっぽいリルティの男の人が挨拶をしてきた。
( ∵)「私はビコーズ。アルフィタリア城の城下町のキャラバンを仕切らせてもらっている」
( ・∀・)「モララーです。よろしくお願いします」
そう言って、手を差し出し、握手をした。
古傷のような痕がいくつもあり、彼のキャラバンとしての歴史を感じる手だった。
- 106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 03:00:24.15 ID:XxYahxt/O
- ミルラの木ってミルナの木っぽい
自分でも何言ってるかわかんないけど
- 107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 03:01:52.67 ID:SPTXA5EUO
- ( ∵)「うむ、それで、一人旅とは聞いていたが、それでは大変だろうと思ってな。近くまで来たついでにそちらに向かおうとしていたのだ」
( ・∀・)「あ、わざわざありがとうございます。助かります」
モナーさんの顔が脳裏によぎった。
あのじいさんにそんなに強い人脈があるとは思えなかったのだが、ここは素直に好意を受け取っておこう。
( ∵)「それとだね……おおい、シブザワさん」
_、_
( ,_ノ` )y━・~ 「なんだい」
(;・∀・)oO(濃い!)
ビコーズさんが呼んだ先を見ると、やたらと濃いモーグリがいた。
あれがシブザワさんとやらだろうか。
( ∵)「ヴィップのキャラバンだ。会ってやってくれ」
- 108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 03:03:28.79 ID:9GL7LOo20
- ちょwwwwスティルツキンさんがwwww濃いwwwww
- 109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 03:03:45.66 ID:SPTXA5EUO
- (;・∀・)「こ、こんにちは。ヴィップのモララーです」
_、_
( ,_ノ` )y━・~「ああ、俺はシブザワだ。まぁそんなに固くならなくていい。楽にしな」
何と偉そうなモーグリだ。
だがしかし、彼からは偉そうなオーラのようなものがにじみ出ているからそんな事は言えない。
( ∵)「彼はこう見えてかなりのベテランでね。我々も時々指導を受けているんだ」
モーグリにかよと思った。
だがしかし、彼から教える者のオーラのようなものがにじみ出ているからそんな事は言えない。
_、_
( ,_ノ` )y━・~「よせやい、照れるじゃねぇか」
こいつ照れてると思った。
だがしかし、彼からは照れてるオーラのようなものがにじみ出ているからそんな事は言えない。
_、_
( ,_ノ` )y━・~「……いつまで続ける気だ」
( ・∀・)「あなたも読める人間か」
_、_
( ,_ノ` )y━・~「いんや、俺はただの旅好きモーグリだぜ?」
( ・∀・)「まさか、ご冗談を」
_、_
( ,_ノ` )y━・~「ふふふ」
( ・∀・)「ふふふ」
(;∵)「……」
- 110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 03:07:26.81 ID:SPTXA5EUO
- ……………
それからの話をすると、日が沈みかけてからしばらくシブザワさんに剣の指導をしてもらった。
もちろん、モーグリの彼が直接剣を振るう訳ではなく、ビコーズさんとの手合わせという形になった。
ビコーズさんは、流石リルティといった身のこなしで、彼の動きからは多くのことが学べた。
僕はシブザワさんの指示する内容に合わせて動き、いろんなパターンの間合いの取り方を教わった。
すっかり日が暮れた頃にはヘトヘトになってしまい、今は、ビコーズさんのキャラバンのキャンプに同行させてもらい、夕食を食べている所だ。
- 111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 03:08:24.44 ID:SPTXA5EUO
- _、_
(*,_ノ` )y━・~「そしたらそいつがこう言うんだよwwwww」
( *・∀・)「何て言ったんですか?www」
_、_
( ,_ノ` )y━・~「『全裸でなにが悪い!』」
_、_
(*,_ノ` )y━・~「だってよwwwww」
(*∵)「wwwww」
( *・∀・)「ねーよwwwww」
最初は大先輩の前ということで息苦しいような感じだったが、今はもう彼らとすっかり仲良くなり、酒を飲みながらシブザワさんの旅の話を聞かせてもらっている。
旅立った先にはこんな楽しそうな世界があるのかと思うと、退屈なだけではないんだな、と、さっきまでの自分の考えが塗り替えられていくのを感じた。
- 112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 03:10:33.59 ID:SPTXA5EUO
- _、_
(*,_ノ` )y━・~「あぁ、久しぶりに酒がうまい。誰かと飲むってのはやっぱりいいもんだな」
(*∵)「ええ。そういえば、モララー殿は一人旅とのことだったな?」
( *・∀・)「ええ、まぁ」
_、_
( ,_ノ` )y━・~「一人旅か……今年からの旅で一人というのはなかなか大変だろう」
( ・∀・)「ええ。特に夜はどうしたらいいんだろうとか思いますね…」
一人旅において、野宿における夜の過ごし方というのは死活問題だ。
魔物や盗賊に襲われると、命を落とす危険性さえあり、見張り無しに眠るのはとても不安になるものだ。
今日はビコーズさんのキャラバンのゼアフォー3さん(なぜ3と付くのかは不明)が見張りをしてくれるが、いつまでも同行させてもらう訳にもいかない。
- 113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 03:14:08.41 ID:SPTXA5EUO
- _、_
( ,_ノ` )y━・~「いや、それだけじゃないぜ。ミルラの木は大体馬車の入れない奥まった所に生えているんだ。もちろん、そこまでは徒歩で行くことになる。わかるな?」
( ・∀・)「ええ…」
_、_
( ,_ノ` )y━・~「そうなると、魔物がウジャウジャ居るような所にケージを抱えたまんま行くことになるんだ。
そしたら戦闘はどうする?もちろんケージを持ったままじゃ戦えないし、置いてやろうにも、思った以上にケージの守りの範囲は狭く、思うように敵との間合いが取れないんだ。
ケージを気にせずに戦ってしまえば、瘴気にあてられてそれでおしまいだ。お前さんは大丈夫なのか?」
(;・∀・)「……」
まさかそこまでは考えていなかった。迂闊だったと思った。
旅の危険性は考えていたが、僕の心配なんかポケットの中のクリスタル片程度でしかなかったのだと、ショックを受けた。
- 114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 03:16:20.23 ID:SPTXA5EUO
- _、_
( ,_ノ` )y━・~「……と、まぁちょっと脅かしてみただけだw」
( ∵)「余計なお世話かなとは思ったんだが、君の様子を見る限りでは、やっぱり助っ人は居た方がよさそうだね。……おおい、マタンキー」
ビコーズさんが馬車の方に向かって声をかけると、馬車から生意気そうな顔のモーグリがのそのそと現れた。
(・∀ ・)「なんだよー、まだ眠ぃんだよー」
_、_
( ,_ノ` )y━・~「お…」
( ∵)「なんか、改めて見ると…」
( ・∀・)「?」(・∀ ・)
_、_
(*,_ノ` )*∵)「wwwww」
何が可笑しいのかはわからないが、このモーグリが『助っ人』というやつなのだろうか。
- 115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 03:17:55.97 ID:SPTXA5EUO
- _、_
(*,_ノ` )y━・~「あぁ、なかなかいいじゃねぇか。たぶんお前らいいコンビになるぜ」
(*∵)「アイツを選んだ自分の才能に嫉妬wwwww」
(・∀ ・)「なんなんだよー」
眠たそうに目をしょぼしょぼさせて二人と話すモーグリ君。
くそ、こいつホントに腹立つ顔してるな。
( ∵)「あぁ、モララー殿。こいつはマタンキってやつだ。夜の見張りやケージの運搬はこいつに任せるといい」
(・∀ ・)「話は聞いてるぜー、よろしくなー」
マタンキ君とやらが頭のボンボンをふよふよさせてきたので、軽くポンポンとしてみる。
……手触りがなかなかいいのがさらに腹立つ。
- 116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 03:19:20.11 ID:SPTXA5EUO
- _、_
( ,_ノ` )y━・~「……そういや、ボウズが何で一人旅なのかは聞いてなかったな」
シブザワさんの言葉に、ビコーズさんの表情が少し固くなるのを感じた。
僕は無表情を意識したが、緊張のようなものが表情に現れてしまったかもしれない。
(;∵)「あ、シブザワさん。それはまた別の機会にでいいのではないだろうか」
_、_
( ,_ノ` )y━・~「……いや、今、聞きてぇな。ボウズ、話してくれよ」
( ・∀・)「……いいですよ」
脳裏によぎる光景。ちぎれた腕、刃の欠けた剣、焦げ付いた盾。
話は、今から3か月ほど前にさかのぼる。
- 117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 03:21:35.91 ID:SPTXA5EUO
- ……………
【ヴィップ村】
( ・∀・)「母さん、兄さんが帰ってくるのって1週間前だったはずだよね?」
|゚ノ ^∀^)「そのはずなんだけどねぇ…」
母はとても不安そうにしている。というのも、数日前に届いた手紙に書かれていた予定の日付より、兄の帰りが遅れているのだ。
(´・_ゝ・`)「帰りが遅いのは、他のキャラバンでは珍しいことじゃない。おおかた、あいつら道草でも食ってるんだろう」
父もそうは言っているが、どこか不安そうで、頼りないという印象さえしてしまう。
- 118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 03:23:04.64 ID:SPTXA5EUO
- ィョゥの姉さん、トソンの兄さん、ハインの姉さん、そして、僕の兄。
彼らはこの村のキャラバンとして始めて旅に出てから8年間、その役目を果たしている。
ベテランとまではいかないが、旅にも慣れて、村の守護者として立派に村を守っていた。
彼らは帰る前にはいつも手紙を送っていた。何でも、豪華なパーティーを開いてほしいらしく、その準備をしておいてほしいのだとか。
そんなお祭り好きな彼らが予定した日よりも遅れて帰ってくることは無く、今年も例年通りにパーティーの準備をしていたのだ。
- 119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 03:24:44.53 ID:SPTXA5EUO
- しかし、予定した日を1日過ぎ、2日過ぎ。5日過ぎた頃には各キャラバンに情報提供を依頼する手紙まで送られた。
しかし、彼らの情報は伝わってこない。
|゚ノ;^∀^)「何か悪いことに巻き込まれてなければいいんだけど…」
(#´・_ゝ・`)「母さん!」
|゚ノ;^∀^)「! ごめんなさい、あなた……」
珍しく父が声を荒げた。母さんは相変わらずうろたえており、僕はというと、何も言えずに二人を見ながらただただ爪を噛んでいた。
そんな時だった。
「おおーい!キャラバンが帰ってきたぞー!!」
村中にヒートの父さんの声が響き渡った。
- 120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 03:32:58.85 ID:1I6908O/O
- GC版をやってる俺としては期待せざるを得ない
- 121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 03:43:37.26 ID:9GL7LOo20
- >>1寝落ちか?
それともさるさんにでもなったか?
- 122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 04:13:02.61 ID:SPTXA5EUO
- |゚ノ*^∀^)「あなた!」
(*´・_ゝ・`)「ほら言っただろう、大丈夫だと!」
父も母もとても安心したようで、さっきまでの空気と一転して、途端に笑顔になった。父の笑顔を見るのなど久しぶりだったので、僕もふっと頬を緩めた。
|゚ノ*^∀^)「さ、モララーも出迎えに行くわよ」
( ・∀・)「うん!」
兄が帰ってきたことで、僕もとても安心した。今年はどんな冒険をしてきたんだろう、お土産はあるんだろうか?と、とてもワクワクしていた。
村の入口の前にある下り坂を、僕は一番乗りで駆け降りていった。
- 123 名前:さるってました…:2009/04/26(日) 04:14:44.17 ID:SPTXA5EUO
- ……………
村の入口に着いた時、僕は言葉を無くした。
( ,メ∀ )
|゚ノ|i;д;)
(;#´・_ゝ・`)
( ・∀・)
右腕の肘から先が無く、片目を潰され、片耳を食い千切られた兄が倒れ伏していたからだ。
身体中に火傷や凍傷が見られ、『死んでいる』と言われたらそう思ってしまうような姿だった。
両親の慌てように比べて、僕はなぜか、不気味なくらいに冷静だった。
傍らに転がっていた、雫に満たされたクリスタルケージを見つけた。
しかし、僕の心は安堵では満たされておらず、来年からはこの村で暮らせなくなるのだろうか、という絶望の二文字が僕を支配していた。
- 124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 04:16:00.68 ID:SPTXA5EUO
- ……………
兄達は順調に帰路をたどっていたのだが、途中でゴブリンという魔物達の罠にかかってしまったらしい。
なす術無く兄の仲間は殺され、兄は必死に仲間を連れて逃げ出したのだとのことだった。
「迂闊だった」と、涙を流す兄は、かけがえのない仲間を失ったショックからか、部屋から一歩も出てこなくなり、食事すらまともにとらなくなってしまった。
( ・∀・)「それから、新しいキャラバンの作成会議が開かれて……結局、旅に出られるのは僕一人で。それで、異例なこととはなったんですが、僕一人で雫集めに出ることになったんです」
- 125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 04:16:15.71 ID:1I6908O/O
- しえん寝
- 126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 04:18:36.60 ID:SPTXA5EUO
- ビコーズさんがすっと目を開き、しっかりした声で「モララー殿、」と言った。
続けて、
( ∵)「自分は、初めて貴殿を見たときに『いい目をした若者だ』と思った。
モナー殿から一人旅のいきさつについての話は聞いていたが、貴殿の想いを聞いた限りでは、私の目も間違ってはいなかったのだと思える。
その意志さえ忘れなければ、きっと貴殿の大切なものを守ってゆけることだろう」
と言って、にっこりと笑った。
今までビコーズさんの頭の上に乗っていたマタンキが、ふよふよと僕の方に飛んできた。
(・∀ ・)「……お前、いいやつだな。気に入った」
そう言って、あぐらをかいていた僕の足の上にちょこんと乗ってきた。
- 127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 04:20:05.46 ID:SPTXA5EUO
- シブザワさんが、くわえていた葉っぱをふっと口から離し、静かに話し始めた。
_、_
( ,_ノ` )「ボウズの強ぇ意志は確かに感じた。でもな、旅っていうのは恐ろしいモンだ。
時々、自分が何で旅してんだろう、って思う時があるんだ。俺が思うんだから、たぶん間違いねぇ。
そんな時は、今の自分の想いを日記にでも書き留めて読み返してみな。振り返って自分の歩んだ道を見つめてみるんだ。
自分の思う正しい道ってやつを歩んでいけさえすれば、どんな道にも迷うことはねぇ。たとえ誰かに、お前は間違ってる、と言われてもだ」
最後に「俺は、ボウズみたいな青臭ぇ考え方も好きだぜ」と、付け加えた。
- 128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 04:21:18.71 ID:SPTXA5EUO
- ( ・∀・)「……色々と、ありがとうございます。シブザワさんやビコーズさんに会えて、色んなことを教われて。
おかげで…何というか、僕の中のあやふやだった旅の目的っていうのに自信が持てました。先輩方に出会えて、ホントに良かったです」
_、_
( ,_ノ` )y━・~「……よせやい、照れるじゃねぇか」
( ∵)「我々も、初心に帰れたような気分だ。こちらこそ、ありがとう」
僕たちは互いに目を見やり、ふふふ、と笑った。
- 129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 04:22:27.98 ID:SPTXA5EUO
- _、_
( ,_ノ` )y━・~「さて、とりあえず今はこのよき出会いに乾杯といこうじゃねぇか」
( ・∀・)「そうですね」
(・∀ ・)「俺にもよこせ!」
( ∵)「おい、ゼアフォーズ。お前達も来て一緒に飲もう」
(1∴)「我々もよいのですか?」
(2∴)「よっしゃー、飲むぞー!」
(3∴)「私は見張りがあるので…」
(4∴)「明日を捨てよう」
(;・∀・)oO(そういうことか!)
ささやかな宴は夜明け近くまで続き、案の定、翌日の僕らは酷い頭痛に襲われることになった。
「2:出会い」 終
- 130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 04:27:29.69 ID:SPTXA5EUO
- とりあえずここまでが2話です。
途中さるさんを食らってしまったりと、色々ありましたが、まぁ。
芸さん、まとめありがとうございます。早くてびっくりしましたw
一眠りしたら3話目投下します。いよいよ本格的にCCの物語に突入する感じになります。
それでは。
- 131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 04:36:27.23 ID:Owl1KphF0
- 乙
- 132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 04:43:52.12 ID:MM5CKcU+O
- 乙
今思い出したけど、ステージごとに入ってるお姉さんの語りが好きだったわ
- 133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 05:06:27.49 ID:SPTXA5EUO
- 自分で保守
- 134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 05:29:52.01 ID:nuftsm5v0
- 乙
結構書き方好きだー、頑張れ!
- 135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 07:12:45.44 ID:71j6XCSrO
- 星
- 136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 07:14:02.79 ID:1I6908O/O
- ほ
- 137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 07:21:37.76 ID:D84MdqH00
- ほ
- 138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 07:41:40.18 ID:XlX4mK22O
- ほ
- 139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 08:03:32.31 ID:XjDeBokaO
- ほ
- 140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 08:10:12.71 ID:NYIH7SsAO
- なんという素敵なスレ
兄弟と罵りあいながらやっていたのも、いい思い出
- 141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 08:54:34.36 ID:TrQevp9KO
- ほす
- 142 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 09:03:40.91 ID:SPTXA5EUO
- おはようございます。
保守ありがとうございます。
9時半ぐらいに始めます
- 143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 09:37:04.65 ID:SPTXA5EUO
- 「3:リバーベル街道」
この街道沿いの美しい川には、小鬼が棲んでいると誰かが言った。
だけど、小鬼を見たひとは誰もいない。
その理由をあるひとはこう教えてくれた。
小鬼を見かけたら最後、かならず奴らに食われてしまうからだと。
でも、そんな話は昔の話。
ひとびとは、小鬼の棲むこの街道を通らず、新しい街道を通るようになった。
古い街道を通るのは、いまとなっては、僕たちクリスタルキャラバンのみ……
――RiverBelle Path――
- 144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 09:38:18.23 ID:SPTXA5EUO
- 「ギャーオ!」
門の前の小鬼、いわゆるゴブリンがこちらに気付き、手に持った小刀を振り上げて威嚇してきた。
仲間が来ては面倒だ、さっさと倒してしまおう。
大振りな攻撃と見せかけてフェイント。隙を狙った敵の攻撃をしっかり盾で防ぎ、押し返す。
ふらついた所に容赦無く斬撃を叩き込む。ゴブリンの首が胴体と離れたのを一瞥して、僕は一息ついた。
- 145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 09:39:23.70 ID:SPTXA5EUO
- ……………
あれからビコーズさんとシブザワさんと別れ、マタンキという仲間を増やして、僕はリバーベル街道へと向かった。
目的地に近づくにつれ、わずかながら魔物の姿が見え、マタンキの見張り無しでは眠るのが危険な場所になってきているのが感じられた。
だが、雨に降られたりすることもなく順調に旅は進み、そして今日、日が昇る少し前にリバーベル街道の入口の門を発見するに至ったのである。
- 146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 09:45:21.56 ID:SPTXA5EUO
- 目立たない所に馬車を隠し、必要と思われる道具を肩のカバンに入れ、ィョゥの父さんに作ってもらった剣と盾と軽めの鎧、ついでにショボンの時計細工も身に付け、マタンキと共にリバーベル街道へと突入した。
今は、通算で五匹目のゴブリンを斬りふせた所だ。
( ・∀・)「よし、いい感じだ」
最初は魔物とはいえ殺すのはためらわれたが、殺さなければ殺されると自分に言い聞かせ、斬り倒し、打ち倒し、ずんずん街道を進んで行った。
(・∀ ・)「お前なかなかやるなー」
( ・∀・)「昨日の指導があったからだよ。あと、マタンキが僕に合わせて動いてくれてるからね」
(・∀ ・)「よせやい、照れるじゃねぇかー」
- 147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 09:46:29.16 ID:l9ZKEDTqO
- なんか久しぶりにやりたくなった
- 148 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 09:49:48.53 ID:SPTXA5EUO
- 確かにシブザワさんの言う通り、ケージの範囲だけで戦うのはとても大変なことだった。
ケージが守ってくれる範囲は思うより狭く、ケージから10歩も離れればすぐに瘴気の苦しさに襲われてしまう。
マタンキが僕の動きに合わせて動いてくれなければ、非常に苦しい戦闘を強いられていただろう。
( ・∀・)「さて、じゃあどんどん進もう」
(・∀ ・)「おー」
倒したゴブリンから門の鍵を奪い、門を開く。
開いた先は、分かれ道になっていて、真ん中にはきたない字で書かれた看板があった。
- 149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 09:55:11.47 ID:SPTXA5EUO
- ┏━━━━━━━━┓
┃ ←とおまわり ┃
┃ ちかくない→ ┃
┗━━━┓┏━━━┛
┃┃
( ・∀・)「……」(・∀ ・)
( ・∀・)「右だな」「左だろー」(・∀ ・)
( ・∀・)「……」
(・∀ ・)「……」
(♯・∀・)「どっちだよッ!」
(・∀ ・)「カリカリすんなー」
- 150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 09:59:43.23 ID:SPTXA5EUO
- ……………
色々もめたあげく、マタンキの「ボンボンが呼んでいる」というのを信じて左に進むことになった。
正解か不正解かはともかく、魔物に遭遇こそするものの順調に進んでいった。
瘴気さえなければ心から清々しいと思えるであろう空気や、川のせせらぎの音、澄みきった青空。
時々現れるゴブリンやリスのような外見のムーという魔物(『世界魔物大全』で確認した)を倒しつつ、そんな景色を楽しみながら割と整備された道を進んでいく。
と、道端にキラキラ光る赤い宝石のようなものを見かけた。
- 151 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 10:03:42.62 ID:SPTXA5EUO
- ( ・∀・)「ん?これって…もしかして魔石ってやつかな」
(・∀ ・)「そうだぞー。赤いやつだからたぶんファイアの魔石だなー」
魔石とは、もともと魔法の使えない種族である人間が、魔法を使えるようになるための媒体のようなものだ。
ショボンに聞いた話によると、ミルラの木の持つ魔力が結晶化してできたものが魔石だとのこと。
ミルラの木から魔力が供給されるため、ミルラの木の近くでしか使えないが、逆に言えば魔力が永久に供給されるため、使えなくなることはないということだ。
- 152 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 10:04:44.32 ID:4Nv7Ym3A0
- 支援
- 153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 10:05:51.76 ID:SPTXA5EUO
- 使い方は簡単。体に触れて念じれば、魔石が消滅して体に取り込まれる。
あとは、必要に応じて魔法を念じて放てばいいだけだ。
慣れれば多くの魔石を体に取り込み、体内で魔法を合体させたり、より上位の魔法を使えるようになったりするらしいが、それはこれから慣れていけばいいだろう。
( ・∀・)「……っと。これでいいのかな?」
(・∀ ・)「あいつに試してみよーぜー」
マタンキの視線の先には、侵入者を探しているのであろうゴブリンの姿があった。
かわいそうだが、彼に犠牲になってもらおうか。
- 154 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 10:10:13.17 ID:SPTXA5EUO
- 念じる強さにより、魔法が放てる時間や威力が変化するらしいが、その強さはユークが郡を抜いて強く、次いで僕らクラヴァット、セルキー、リルティと続く。
( -∀-)oO(………)
決して魔法に恵まれていない種族ではない。集中して、炎がゴブリンに襲いかかるイメージを浮かべる。
( ・∀・)oO(いける!)
本能が告げるといった感じだろうか、体に電流のようなものが走り、いつでも炎が放てる気がした。
よく狙いを定め、一気に魔力を解放する。
( ・∀・)「『ファイア』!」
ボウッ、という爆発音がして、狙った通りの場所に火の玉が出現した。
- 155 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 10:15:55.24 ID:SPTXA5EUO
- 小さいながらも火力の強い炎はゴブリンを焼き付くし、彼はなす術なく消滅した。
(・∀ ・)「おー」
( ・∀・)「これは、なかなか」
初めて使ったが、かなり上出来だ。
武器の攻撃とも併せて、実戦でも十分に使えるように練習してみよう。
自分は確実に成長しているという実感がわき、少し気分が高揚するのを感じた。
- 156 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 10:16:54.73 ID:EVyAu3b4O
- 支援
- 157 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 10:17:15.57 ID:SPTXA5EUO
- ……………
( ・∀・)「オゥフ」
少し開けた場所に出ると、そこには普通のゴブリンより二まわりほど大きなゴブリンが剣を片手に仁王立ちしていた。
隣には二匹、普通のゴブリンが同様に小刀を片手にニヤニヤしながらこちらを見ている(気がする)。
ゴブリンは魔物の中でも知能が高いほうであり、石ころを投げて攻撃したり、人間から奪った武器を使ったり、一部のものは魔法を使ったりと、他の魔物にはあまり見られない性質を持っている。
そんなゴブリンは、人を襲う際に集団で行動するのだが、その時にはリーダーを中心として行動をするのだという。
たぶんそいつがこいつだ。
- 158 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 10:22:41.58 ID:SPTXA5EUO
- ( ・∀・)oO(まずいなぁ)
横の二匹がまず僕の方に走ってきて、二匹の後ろからリーダーがのそのそと迫ってくる。戦闘は始まってしまったようだ。
背後をとられては分が悪い。後ろに一歩下がり、右側のゴブリンに向けて威嚇にファイアを放つ。
一瞬動きが止まったのを確認して、一気に斬り込む。
接近してしまえば、ゴブリン程度なら一撃で倒せる。
- 159 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 10:23:55.95 ID:SPTXA5EUO
- ……はずだった。
「ギャーオ!ギャーオ!」
(;・∀・)「まじかよ!」
確実に切り裂いたはずなのだがまだ息があり、そいつは強かにも反撃を仕掛けてきた。
(・∀ ・;)「モラ、うしろ!」
あわててバックステップをしようとしたが、後ろから左側のゴブリンが石ころを投げつけてきた。
気絶するほどではないものの、頭に衝撃が走り、一瞬怯んでしまった。
右側の反撃は危うくも回避したが、リーダーの斬撃が左肩に食い込んでしまった。
(;-д・)「う…ッ」
なまくらな剣だったためか、深くはないが痺れの残る一撃が左半身を襲う。
一瞬左手に持った盾を落としそうになったが、何とか持ちこたえた。
- 160 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 10:27:06.09 ID:4Nv7Ym3A0
- 支援
- 161 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 10:27:09.94 ID:SPTXA5EUO
- 走って逃げて大きく距離をとり、魔法の詠唱を始める。左側はすぐに追いかけてきたが、右側はダメージのためかあまり動けず、リーダーの動きはやはりのそのそしたものだった。
(;・∀・)「『ファイア』!」
爆発が右側のゴブリンに直撃し、やっと絶命させた。流れた炎がリーダーにも当たったらしく、火傷を負わせたようだ。
戦って気づいたのだが、左右のゴブリンたちは、今までのゴブリンと見た目こそ同じだが、能力はかなり上のようだ。
少し考えが甘かった。ジクジクと痛む左肩の傷の生暖かい感覚が気持ち悪い。
迫ってくる左側の一撃を痛む左腕の盾で受け止め、斬撃を食らわせる。
ギャーギャーという甲高い叫び声をあげ、それでも攻撃をくわえてくる。
リーダーにも追いつかれてしまい、とうとう挟まれてしまった。
絶体絶命。死の恐怖が体を支配するのを覚えた。
- 162 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 10:27:47.73 ID:4Nv7Ym3A0
- 支援
- 163 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 10:28:26.74 ID:SPTXA5EUO
- (・∀ ・;)「させない、『サンダー』!」
いつの間にかマタンキがケージを地面に置き、魔法を詠唱していたらしい。
リーダーを中心に、紫色の電気が走る。リーダーの動きが止まり、左側に攻撃をする余裕が生まれた。
(♯・∀・)「…っりゃぁ!」
一閃。左側のゴブリンの胴を切り裂き、ゴブリンは地に倒れた。
(;・∀・)「マタンキ、助かった」
(・∀ ・)「ゆあうえるかむー」
振り向くと、リーダーは体の痺れがとれたのか、頭を振ってからこちらを睨み付けた。
僕は剣を構え、じりじりと得意な間合いをとっていく。
その時だった。
- 164 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 10:28:28.18 ID:4Nv7Ym3A0
- 支援
- 165 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 10:28:29.27 ID:oAmJcS95O
- ミルラ支援
- 166 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 10:29:08.57 ID:4Nv7Ym3A0
- 支援
- 167 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 10:29:43.60 ID:SPTXA5EUO
- (;・∀・)「…ッ!?」
不意に右足首が捕まれたかと思うと、次いでそこを凄まじい痛みが襲ってきた。
見ると、左側はまだ絶命しておらず、憎しみに燃えた眼でこちらを睨み、右足首にその鋭い牙を突き立てていた。
慌てて振りほどくと、彼はもはや限界だったのか、ゆっくりと消滅していった。
兄の「魔物を決して、あなどってはいけない」という声が頭に響いた。
あの言葉の意味が、今なら分かる。
拙いバックステップでリーダーと距離をとる。
僕とリーダーの一対一の環境ができあがった。
とはいえ向こうの外傷といえば火傷一つなのに対し、こちらは左腕がやられ右足に力が入らないというかなり不利な状況である。
- 168 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 10:29:55.91 ID:4Nv7Ym3A0
- 支援
- 169 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 10:32:43.37 ID:4Nv7Ym3A0
- 支援
- 170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 10:33:26.69 ID:NYIH7SsAO
- 脳内でBGMが再生される
支援
- 171 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 10:35:47.67 ID:oAmJcS95O
- 「魔物を決してあなどってはいけない」って
どっかのダンジョンに入った時のナレーションだっけ?
デモンズ・コートが頭をよぎったんだが支援
- 172 名前:さるった…:2009/04/26(日) 10:48:07.05 ID:SPTXA5EUO
- (・∀ ・;)「モラ、いけるか?」
(;・∀・)「わかんない。けど、まだやれることはある」
さっき負わせた火傷。そこを狙うのだ。
右肩から左足のふとももの辺りまで斜めに火傷が入っている。そこは肉質が脆くなっているはずだ。
一刃のもとに斬り倒さなければ、反撃の一撃で間違いなくやられる。失敗は許されない。
昨日、ビコーズさんと一緒に作り上げた必殺の一撃を使う時がきた。
賭けは苦手なのだが、やるしかない。
(;・∀・)「……来いよ」
魔法と同じ感覚だ。直接攻撃か間接攻撃かの違いだ。
- 173 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 10:51:49.31 ID:4Nv7Ym3A0
- 支援
- 174 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 10:53:13.94 ID:oAmJcS95O
- 支援
- 175 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 10:55:30.95 ID:SPTXA5EUO
- 「ギャーオォォ!!」
リーダーがどたどたと、大振りな構えで駆けてくる。
体に電流が駆け巡った。
(♯・∀・)「『パワーソード』ッ!」
右足、左足。足の痺れも気にせず、傍目には捨て身とも見えるフォームで、全速力で敵に向かう。
敵の振り下ろす剣。それを紙一重でかわす。ビコーズさんの槍と比べれば止まって見える。
サイドステップで敵の真正面に躍り出る。右足が悲鳴をあげたが、気にしてはいられない。全体重をかけた一撃を敵の胴に叩き込んだ。
「!! ギャァァァ!」
リーダーが大きく吹き飛んだ。千切れた体からは内臓が飛び出ている。
軽いめまいを覚え、膝をついてしまったが、敵が消滅するのを確認するまでは何とか意識をしっかり持って耐えた。
- 176 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 10:55:59.37 ID:4Nv7Ym3A0
- 支援
- 177 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 10:57:56.13 ID:SPTXA5EUO
- (;・∀・)「……勝てた、のか」
(・∀ ・;)「……よかったなー」
とりあえず、応急処置をしなければ。消毒薬をカバンに入れているはずだ。
(・∀ ・;)「モラ、モラ、」
(;-∀・)「何?」
(・∀ ・;)「あれ」
リーダーが倒れていた跡に、水色の魔石が落ちていた。
(・∀ ・;)「たぶんケアルだ、あれつかおー」
ケアル、確か回復魔法。外傷なら何でも癒せる汎用性の高い魔法だ。
(;・∀・)「おう、ないすあいであ」
足が動かないから、主に右腕で体をずるずると引きずり、魔石の所まで体を運ぶ。
何とか拾い上げ、取り込み、念じた。
- 178 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 11:02:34.83 ID:SPTXA5EUO
- (;-∀-)「『ケアル』」
白い光が体を包むのを感じる。傷が癒されていくのが分かった。
( ・∀・)「まほうのちからってすげー」
すっかり疲れはとれ、少し霞んでいた視界もすっきりしだした。
肩と足の傷はすっかり癒えたが、少しだけ跡が残った。
自分へと戒めとしてはちょうどいい。
この傷を見る度に、自分の考えの甘さを思いだそう。
川は、何事もなかったかのように日の光を反射していた。
- 179 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 11:03:46.67 ID:mo/SGpWL0
- ゲームやったこと無いけど面白いな
支援
- 180 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 11:04:56.04 ID:oAmJcS95O
- 支援
- 181 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 11:10:05.41 ID:SPTXA5EUO
- ……………
( ・∀・)「あれ、行き止まりか?」
崩れてきたのであろう岩が、道を塞いでしまっている。
ここまでは一本道だったはずなので、もしかしたらあの分かれ道の正解は右だったのかもしれない。そしたら引き返すのは面倒だな。
(・∀ ・)「モラ、看板があったぞ」
ケージを置いてどこかに飛んでいっていたマタンキが戻ってきた。
( ・∀・)「看板?」
(・∀ ・)「細い道があるらしいぞー」
マタンキに案内されたところに付いていくと、これまた汚い字で書かれた看板があった。
- 182 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 11:11:10.91 ID:SPTXA5EUO
- ┏━━━━━━━━━┓
┃ ←むかしの街道 ┃
┃ (いきどまり) ┃
┃ ミルラの木→ ┃
┗━━━┓ ┏━━━┛
┃ ┃
( ・∀・)「信用していいのだろうか」
(・∀ ・)「いくしかないぞー」
まぁ、確かにあの道が昔使われていた街道だとしたら行き止まりの説明はつく。
岩からかなり草が生えていて、最近崩れたものだとは思えなかったからだ。
細い道を抜けると、川沿いの広い道に出た。
日はすっかり高くなり、帰りはどうしようかと、少し心配になる。
- 183 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 11:12:08.83 ID:SPTXA5EUO
- やべ、もしかしてずれてる?
- 184 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 11:12:21.55 ID:eIa9aO8EO
- ちなみにジャイアントクラブはクロニクル全作皆勤賞だぞ
- 185 名前:まあいいや:2009/04/26(日) 11:16:00.40 ID:SPTXA5EUO
- (・∀ ・)「それなら大丈夫だー」
マタンキにその話をすると、意外にも頼もしい答えが返ってきた。
何でも、近くにモーグリの気配があるらしい。
いざとなったら彼らの家にお邪魔させてもらうといいとのことだった。
( ・∀・)oO(もしかしたら、看板を書いてたのはそのモーグリなんだろうか)
だとしたら、一言だけ言ってやりたい。回りくどい書き方はよせ、と。
- 186 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 11:17:12.17 ID:SPTXA5EUO
- ……………
( ・∀・)「おぉー」(・∀ ・)
さらに進んでいくと、川沿いのかなり開けた所に出た。
川上の方には滝があり、落ちてゆく水は日の光を乱反射し、虹を描いている。
吹きわたる風は爽やかな湿気を含んでいて、涼しさが体に心地よい。
一息つくにはぴったりの場所だった。
( ・∀・)「ここいらで昼食にしよう」
(・∀ ・)「さんせー」
- 187 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 11:20:37.93 ID:SPTXA5EUO
- ファイアのおかげで火をおこすには全く困らなかった。
さっき気づいたことなのだが、今の僕は二つまで魔石を取り込めるようだ。
容量を超えると魔石が体から抜け出してしまうらしく、ブリザドを取り込もうとしたらファイアが入れ替わりに出てきた。
見ていてなかなか気持ち悪い光景だったが、ファイアのほうが汎用性が高そうなので、そこは目を瞑って再びファイアとブリザドを入れ替えた。
(・∀ ・)「はやくー」
( ・∀・)「はいはい、まぁそう急かすなよ」
- 188 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 11:23:52.65 ID:SPTXA5EUO
- シィの家で作っているソーセージを串に刺して火で炙る。
いなかパンに切り込みを入れて、そこにちぎったレタスとオニオンを挟む。
あとは、焼いたソーセージを挟めば完成だ。
牛飼いをしているシィの家ではこういったニクの加工品を扱っているのだが、これが格別に美味い。
もしかしたら大陸一なんじゃないかと、僕は思っている。
(・∀ ・*)「うまそー」
(*・∀・)「上手に焼けましたー」
ソーセージを串から外し、さっきのいなかパンに挟む。
家で焼いた固めのいなかパンが、絶妙な歯ごたえを出してくれるだろう、と期待する。
デザートのしましまリンゴもカバンから取りだし、完璧な昼食が完成した。
素晴らしい環境と素晴らしい昼食に、ワクワクしながら手を合わせた。
- 189 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 11:30:17.62 ID:oAmJcS95O
- お腹空いてきた支援
- 190 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 11:35:52.41 ID:SPTXA5EUO
- (*・∀・)「いただきまー…」(・∀ ・*)
突然のことであった。
川の水がバシャーンと音を上げ、川の底から巨大な蟹の化物が現れたのだ。
吹き上げられた水はかなりの量で、それを思い切り被った僕らはビショビショになってしまった。
無論、僕達の大切な昼食もである。
( ∀ )「 」( ∀ )
蟹がズドォーンという音と共に着地したところ、砂煙が上がり砂利が飛び散ってきた。
無論、僕達の大切な昼食にもである。
( ∀・)「 」(・∀ )
「………!」
蟹が何か喚いているが関係ない。
食べ物の恨みというのを、貴様の殻の髄にまで教え込んでやる。
( ・∀・)「殺す」(・∀ ・)
僕とマタンキは、それぞれ剣とケージを手に、蟹の化物へと駆け出した。
- 191 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 11:39:23.04 ID:NYIH7SsAO
- なんというボス戦ww
支援
- 192 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 11:41:11.32 ID:SPTXA5EUO
- ……………
巨大な蟹だから、たぶん名前はジャイアントクラブだな。
でも呼ぶのめんどいから呼び方は蟹でいいや。蟹で。
とか、無駄なことを考えつつ殻に剣を振り下ろす。
固い。バカなのか?死ぬのか?
(♯・∀・)「マタンキ、どう料理する?」
(・∀ ・#)「まずは殻をぶっこわそー」
- 193 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 11:45:17.45 ID:sF1g3R0dO
- あ…、おもしろい。
フィールドに入った時の文章もあるのも素敵。
懐かしいなぁ。
最後のヤツが結構すきだった、覚えてないけどコレ見てればいずれ出るかな?
期待しよう。
-かしこ-
- 194 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 11:45:21.45 ID:huEOYNL0O
- やったことないが楽しそうだのう
しえん
- 195 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 11:52:03.49 ID:71j6XCSrO
- さる?
- 196 名前:モンキー…:2009/04/26(日) 12:00:36.01 ID:SPTXA5EUO
- 殻には何本もの錆び付いた剣や槍が突き刺さっていて、たぶんこの蟹にやられた人も居るのだろうなと思う。
しかし、今の僕らにとっては、彼らの無念よりも昼食の無念を晴らすことのほうが大事だ。
この蟹がいかなる強敵だろうと、負ける気がしない。
(♯・∀・)「『ファイア』!『ファイア』!」
剣では歯が立たないので魔法で攻撃してみる。が、ダメージが与えられているかはわからない。
敵の爪を避け、よくわからないビームのようなものを避け、手数で勝負とばかりにファイアを打ち込む。
そうしているうちに、殻にヒビが入っていくのが見えた。
- 197 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 12:02:32.43 ID:4Nv7Ym3A0
- 支援
- 198 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 12:03:29.89 ID:4Nv7Ym3A0
- 支援
- 199 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 12:03:48.10 ID:SPTXA5EUO
- (♯・∀・)「そこだ、『パワーソード』ッ!」
降り下ろされた二本の爪をそれぞれサイドステップでかわし、ヒビの中心部に剣を突き立てた。
(♯・∀・)「っしゃあ!」
殻は五つの大きな欠片と無数の細かい欠片になり、文字通り、粉々に砕け散った。
「………!!!」
蟹が何か喚いている。黙れ、鍋にしてやろうか。
(・∀ ・#)「ないすー!」
(♯・∀・)「オラ、立てよ」
- 200 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 12:11:10.84 ID:SPTXA5EUO
- 蟹が泡を吹きながら叫び、挑発的な眼でこちらを睨み付けてくる。
(♯・∀・)「その眼が気に食わねぇ!」
「!!!」
一気に距離を詰め、蟹の右目らしき所を斬りつけた。
すばしこい動きをしているが、攻撃は大振りだし、ビームは直線上にしか飛んでこないし。当たらないよう意識すれば避けるのは容易いことだった。
(♯・∀・)「……?」
と、ここでふと冷静になり、回りを見渡してみた。
蟹によってあちこちに撒き散らされた『泡』。
ここまで順調に攻撃を重ねてきたが、次第に体が重くなってきているのを感じていた。
(;・∀・)oO(まさか…?)
- 201 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 12:12:36.87 ID:SPTXA5EUO
- 魔物の中には魔法が使えるものがある、というのは周知の事実である。
しかし、時に魔法とは別の形で魔力を持った攻撃をするものもいるらしい。
……もし、この泡がそれだとしたら?
(・∀ ・;)「モラ?」
(;・∀・)「……追い詰めてたつもりが、くそっ」
撒き散らされた泡が付着し、体が重くなる。振り払おうにも、まるで水の中に居るみたいで体が思うように動かない。
蟹が嬉しそうにビームを放とうとしている。まずい。非常にまずい。
あんなのを食らったら間違いなく消し炭だ。
(・∀ ・;)「モラ!」
……光線が僕の方に放たれた。
光線が消えた後、そこに僕の姿はなかった。
- 202 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 12:15:00.24 ID:oAmJcS95O
- 支援
- 203 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 12:15:20.67 ID:8Hcj4HhC0
- クリスタルクロニクル大好き
- 204 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 12:16:29.31 ID:4Nv7Ym3A0
- 支援
- 205 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 12:18:29.73 ID:SPTXA5EUO
- (♯・∀・)「残念だったな、『パワーソード』!」
「――!!!」
間一髪のところで体が一気に軽くなり、何とかビームを避けることができた。
おそらくショボンの時計細工の力だろう。敵の魔法を無効化してくれたのだ。
おそらくあの泡は『スロウ』の魔力を持っていたのだろう。対象の動きを遅くする魔法だ。厄介なことこの上ない。
ともかく、僕の攻撃は殻が割れた後の柔らかい部分を切り裂き、蟹はまたしても耳障りな叫び声をあげた。
- 206 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 12:20:30.56 ID:oAmJcS95O
- 支援
- 207 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 12:21:25.95 ID:SPTXA5EUO
- (♯・∀・)「そろそろ諦めろよ……」
ケアルの力で、外傷こそ回復してはいるものの、肉体の疲労は蓄積される一方である。
スタミナ面では、正直なところ、苦しい戦いを強いられている。
(・∀ ・;)「モラ、モラ、」
(;・∀・)「何?」
殻という拘束具が取れたためか、先程より心なしか動くスピードが上昇している。
次第に意気も衰えヘトヘトになり、あちこちが軋みだした体では避けることすら苦しく、隙を見計らってちまちま魔法を放つぐらいしか攻撃手段がなくなっていた。
- 208 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 12:22:36.00 ID:SPTXA5EUO
- (・∀ ・;)「『マジックパイル』やってみよー」
(;・∀・)「マジックパイル…いけるか?」
マジックパイル。本来体内で合成される魔法を、2人以上で同時に放つことで、空間内で合成するという技術だ。
確かに、それなら大きなダメージは期待できる。しかし、この状況にして初挑戦であるということで、失敗した時のリスクは計り知れない。
(・∀ ・;)「ファイア×ファイアならいけるぞー」
(;・∀・)「……よし、やろう!」
敵の横に薙いできた爪をかわし、魔法の詠唱を始める。一か八かだ。やってやる。
- 209 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 12:24:08.12 ID:oAmJcS95O
- 支援
- 210 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 12:29:24.68 ID:rbnHSdQhO
- しえ
- 211 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 12:29:49.70 ID:oAmJcS95O
- 支援
- 212 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 12:34:33.46 ID:SPTXA5EUO
- (;・∀・)oO(!?)
すると何と、敵も魔法の詠唱を始めたのだ。
マタンキとアイコンタクトをする。敵より先に攻撃するしかない。
体に電流が走る。行ける。
(♯・∀・)「『ファイア』!」(・∀ ・#)
タイミングはピッタリだった。ファイアとは段違いの爆炎が蟹を襲った。ファイアの上位呪文、『ファイラ』である。
蟹の断末魔が聞こえた気がした。
- 213 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 12:35:51.98 ID:1I6908O/O
- BGMが再生されて良いなぁ
- 214 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 12:36:59.84 ID:SPTXA5EUO
- (;・∀・)「やっ……た?」
ガッツポーズを決めようとした所、足元に紫色の魔方陣が現れたのが見えた。
(・∀ ・;)「モラ!」
突然のことで僕がなす術もないままでいる間に、紫電が円を描き、僕を襲った。サンダーの上位呪文『サンダラ』であった。
(; ∀ )「が……ッ」
体が痺れて動けない。幸い、ダメージの蓄積が無かったので一撃でやられるということは無かったのだが、炎が消えて行く中に、まだ強かにこちらを狙っている蟹の眼が見えた。
「―――――!」
火だるまになった蟹が、上空へ飛び上がった。
ダメだ、あのまま落下して僕を道連れにする気だ。
(;-∀・)oO(……死ぬのかなぁ)
火の玉のような姿の蟹が落下してくる。
僕はやけに冷静に、その姿をみていた。
- 215 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 12:38:38.67 ID:SPTXA5EUO
- ――それは、まるで隕石みたいで。
(;・∀・)「!!」
その時。滝の中から凄まじい勢いで黒い影が飛び出てきた。
(・∀ ・;)「え…!?」
「!!!!!」
一瞬のことだった。
その黒い影が僕の真上を通りすぎたかと思うと、火の玉は容易く八つ裂きにされ、消滅したのだ。
(;・∀・)「……あ、」
ようやく体の痺れがとれ、自由に動けるようになった。
影が通りすぎた先を見ると、黒い鎧を身にまとったリルティの男の人が立てっていた。
もしかして助けてくれたのだろうか。そうだ、お礼をしなければ。
ぼんやりとした頭でそんな事を考えた。
- 216 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 12:39:23.43 ID:G5YbocZrO
- 支援
- 217 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 12:41:30.88 ID:NYIH7SsAO
- ま、まさか…!
支援
- 218 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 12:41:49.74 ID:SPTXA5EUO
- (;・∀・)「あ、あの。助けてくださって、ありがとうございました」
しかし、男は僕の方には一瞥もくれずに辺りを見渡している。
そして突然、
「クソッ、また消えやがった!」
などと叫んだ。
(;・∀・)「え?ちょっ「アイツめ、どこに行きやがった……」
何だか様子がおかしい。何かよく分からないことを喚き散らしているし、まるで僕が見えていないようだった。
('A #)「絶対に…絶対に逃がさん!」
そう言ったかと思うと、一瞬で姿を消し、何処かに消えてしまった。
- 219 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 12:46:59.39 ID:oAmJcS95O
- 支援
- 220 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 12:48:18.75 ID:SPTXA5EUO
- (・∀ ・;)「何だ、アイツー」
マタンキも僕も、突然のことに呆気にとられ、何が何だが分からないでいた。
(;・∀・)「わかんない。けど……」
何だか、彼は悲しい眼をしていなぁ。と、何故かそう思った。
- 221 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 12:50:53.06 ID:4Nv7Ym3A0
- 支援
- 222 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 12:53:59.82 ID:SPTXA5EUO
- ……………
そこから上流のほうに向かって少し歩くと、そこにはミルラの木が佇んでいた。
(*・∀・)「おぉー」
「形が独特だからすぐに分かる」とは言われていたが、ここまでとは思っていなかった。
ミルラの木の周りだけは木々が生えておらず、開けた感じになっていて、そこだけが『聖域』と言えそうな雰囲気をかもし出している。
幹が途中から二股に分かれ、巨大な二枚の葉っぱがそこから生えている。
鳥の羽を前で合わせたような形の二枚の葉っぱは、青緑のような色合いの不思議な輝きを放っていた。
単純に「美しい」。そう思える姿だった。
- 223 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 12:55:54.54 ID:+xPsqSRmO
- クリクロは色々とマジ綺麗だった支援
- 224 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 12:56:08.06 ID:c45Ggv2b0
- 支援
- 225 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 13:00:24.24 ID:NYIH7SsAO
- 支援
- 226 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 13:03:26.45 ID:c45Ggv2b0
- あげ忘れ
- 227 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 13:04:35.83 ID:oAmJcS95O
- ( ゚∀゚)O彡゚ストリーム!!ストリーム!!
- 228 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 13:04:55.86 ID:SPTXA5EUO
- (・∀ ・)「やるかー」
( ・∀・)「おー」
マタンキからケージを受け取り、葉っぱの下に置く。
( ・∀・)「こほん」
少々改まって、ミルラの木の前に立つ。緊張の一瞬だ。
( ・∀・)【我、祖国を守らんとする者也。願わくは命の木よ、其の命の水の一滴を、我等に与えたまえ】
古代語による呪文である。確かこんな感じの意味だったはずだ。
呪文に反応し、ミルラの木が輝き始めた。
(*・∀・)
まるで巨大な宝石のように輝くミルラの木。
その葉から雫が一滴、こぼれ落ちてきた。
雫はクリスタルケージに吸い込まれるように入っていき、ケージの大体3分の1が満たされた。
- 229 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 13:07:20.89 ID:SPTXA5EUO
- しかし不思議な構造だ。魔力により不可視の器を作っているらしいが、ミルラの木と併せて見ると、『神秘的』という表現がぴったりだ。
( ・∀・)「……それにしてもよかった、何とかなったな」
とはいえ、始めての戦闘は全体的に反省すべき点を多く残して終わった。
何より恐ろしいのは、自分一人ではジャイアントクラブに殺されていた、という事実だ。
……もっと、強くならなければ。
ミルラの木にもたれながら、そんな事を考えた。
- 230 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 13:09:50.90 ID:NYIH7SsAO
- 支援
- 231 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 13:11:53.62 ID:oAmJcS95O
- 支援
- 232 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 13:15:16.51 ID:4Nv7Ym3A0
- 支援
- 233 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 13:17:45.79 ID:oAmJcS95O
- 支援
- 234 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 13:18:16.16 ID:4Nv7Ym3A0
- 支援
- 235 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 13:19:24.57 ID:RL1uZFSG0
- くそ・・・気になって仕方ないぜ
支援
- 236 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 13:19:54.06 ID:4Nv7Ym3A0
- 支援
- 237 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 13:20:17.54 ID:NYIH7SsAO
- さるか?
支援
- 238 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 13:21:02.08 ID:SPTXA5EUO
- ああん、もうちょいなのに。
ちょっと用事ができたので、出てきます。
割とすぐ終わる…はずです。
- 239 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 13:24:32.43 ID:oAmJcS95O
- なら俺は待つ
- 240 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 13:31:49.71 ID:+xPsqSRmO
- 俺も待つ
待ちついでに書いた服とかうろ覚えのモララーとシィ(擬人化注意)
http://imepita.jp/20090426/485720
- 241 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 13:40:35.78 ID:oAmJcS95O
- かわいい
- 242 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 13:40:46.31 ID:vIoo8yzkO
- 早くwifi対応したWiiで遊ぶFFCC出せよ任天堂とスクエニのばかやろう!
なんだよ光と闇のなんとかなんとか姫のなんとかって長いんだよ
- 243 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 13:50:44.28 ID:rbnHSdQhO
- ほ
- 244 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 13:52:22.98 ID:+xPsqSRmO
- ほす
- 245 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 13:57:26.75 ID:SPTXA5EUO
- ただいま帰りました。○○死ね。
>>240
かわいい絵をありがとうございます。とても嬉しいです。
じゃあ最後ちょっとだけを投下します。
- 246 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 13:57:58.21 ID:VA63OIo6O
- これってDSの?
やってみてぇ
- 247 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 13:58:07.01 ID:SPTXA5EUO
- ……………
モ〒*´ω`)゙「『もららー』さん、お手紙クポ〜」
( ・∀・)「あ、どうもです」
ジャイアントクラブとの戦闘の翌日。
無事に街道を脱出して馬車まで戻ってきた僕の所に手紙配達員のモーグリが手紙を届けにきてくれた。
ちなみに、何とか日が沈む前に出られたため、野宿は馬車の中で行うことができた。
- 248 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 14:00:05.28 ID:SPTXA5EUO
- ( ・∀・)「どれどれ…」
手紙は全部で三通。
モナーさん、父さんと母さん、それにショボンからだった。
まずはモナーさんから読もう。
( ´∀`)《モナモナ。元気にしているモナ?アルフィタリアのキャラバンから手紙が来て、君のことを誉めていたモナ。
一人旅の大変さを感じている頃だろうが、君のことだから大丈夫だと信じているモナ。
君は、我々の希望モナ。必ず今年の、水かけ祭りを成功させて欲しいモナ。頼んだモナ。》
さすがに手紙にはモナモナと書かれてはいないが、文字が特徴的なので勝手に脳内で補正がかかった。
返事をしておこう。
( ・∀・)「……お手紙ありがとうございます、がんばります。と」
大体こういう旨の内容にした。
- 249 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 14:03:40.29 ID:SPTXA5EUO
- 次は家族からの手紙だ。
(´・_ゝ・`)《やあ、元気にしているかね。お前のことだ、多分元気でやっていることだろう。
こちらは心配いらない。ウララーのヤツは……相変わらずだがな。
とにかく、私達家族はお前の元気な帰りこそが何よりの祈りだ。
指命を果たし、旅を精一杯楽しんで帰ってきなさい。》
|゚ノ ^∀^)《モララー、元気ですか?あなたが旅立ってから、家がすっかり寂しくなった気がします。
……本当のところ、私はあなたを旅に出したくありませんでした。ウララーのこともあるし、何より家族を失うのが恐ろしいのです。
でも、あなたが始めて自分から何かをやりたいと言い出してくれたのは、とても嬉しかったです。
だから、絶対に死なないで帰ってきてくださいね。元気な顔を見せてくださいね。
あなたの旅に幸多きことを祈っています。》
- 250 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 14:04:30.48 ID:SPTXA5EUO
- ( ・∀・)「……はぁ」
きょうびホームシックなんか流行らないっていうのに、何でこんな手紙送ってくるかなぁ。
何て返事しよう。
( ・∀・)「心配しなくて大丈夫、僕は元気です…的な感じにしよう」
変にいろいろ考えたら帰りたくなってしまう。
郷愁を捨てよう。大丈夫。大丈夫。
( ・∀・)「最後はショボンか…」
あいつが手紙なんて珍しいな。何が書いてあるんだろう。
(´・ω・`)《時計、役に立ちましたよね。感謝してください。
追伸:マール峠の名物は新鮮なミネです。》
非常に簡潔な手紙だが、要点はしっかり押さえていた。
それにしてもアイツ、こうなることが分かってたのか。策士め。
ただ、その時計細工はあの後粉々になってしまったのだが。
……もし、それも予想の範疇だったとしたら恐ろしい話だ。
( ・∀・)「まぁね、と、ミネは向こうに着いたら飲んでみる……と」
- 251 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 14:06:25.47 ID:SPTXA5EUO
- 三人への返事を書き、封筒に入れる。
( ・∀・)「それじゃ、ヴィップまでよろしく」
モ〒*´ω`)゙「お手紙受け取ったクポ〜」
首にかけたポーチに手紙と、数粒のナッツを入れてやった。
いわゆるチップというやつだ。
モ〒*´ω`)゙「! ありがとうクポ〜」
嬉しそうに八の字を描いてふわふわと飛んだ後、「それじゃあ、帰るクポ!」と言って、来た道を帰っていった。
(・∀ ・)「俺には?」
( ・∀・)「さっきあげたじゃん」
荷物の整理はほぼ終わり、次に目指すのはマール峠である。
クリスタルケージの中で揺れるミルラの雫を見て、これからの旅路にはどのような世界が広がっているのだろうと、期待に胸を膨らませた。
「3:リバーベル街道」 終
- 252 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 14:12:11.51 ID:c45Ggv2b0
- 支援
- 253 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 14:12:16.34 ID:SPTXA5EUO
- 終わった……
とりあえず予定していた投下分は終わりです。
支援、保守、あと絵を書いてくださった方、ありがとうございました。
質問等あったら受け付けます。
- 254 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 14:17:47.63 ID:+xPsqSRmO
- 乙!久しぶりにやりたくなったさ!
次の投下はいつ?
- 255 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 14:20:24.49 ID:4Nv7Ym3A0
- 乙!おもしろかった
- 256 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 14:20:42.24 ID:c45Ggv2b0
- 乙
- 257 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 14:23:57.96 ID:/dHmryLaO
- いや面白いわー
- 258 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 14:26:58.02 ID:oAmJcS95O
- 乙です
懐かしいストーリーだ
- 259 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 14:29:38.06 ID:SPTXA5EUO
- 次の投下は未定です。とりあえず4話、5話が形になったらやってみます。
もしかしたら今日中かもしれませんし、一週間ぐらい空くかもしれません。
ちなみに
4話:マール峠
5話:キノコの森
の予定です。
- 260 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 14:35:14.93 ID:SPTXA5EUO
- 東急ハンズ楽しい
- 261 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 14:36:36.77 ID:c45Ggv2b0
- 今日中になるかもしれないならちょっと保守してみる
- 262 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 14:37:44.60 ID:+xPsqSRmO
- みんな大好きキノコの森wktk
乙でしたー
http://imepita.jp/20090426/525880
- 263 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 14:49:06.87 ID:/dHmryLaO
- >>262
あんま渋くないなw
- 264 名前: ◆VR2ifOI46E :2009/04/26(日) 14:49:17.47 ID:SPTXA5EUO
- 次回のために一応トリつけときます。
付け方合ってたかな…?
それでは、またいつか。
4話完成時に残ってたら投下するかもですが、またいつかお会いしましょう。
ありがとうございました。
全部
最新50