以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/03/14(土) 17:36:35.59 ID:dg53F3UuO<> ダイリ <>( ^ω^)がデジタマを拾ったようです 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/03/14(土) 17:37:14.71 ID:1sj5dCrx0<> 2 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>>>1乙です<>2009/03/14(土) 17:40:46.51 ID:uhbYFxcFO<> やあ (´・ω・`)

ようこそ、はじまりの街へ。
この極上肉はサービスだから、まずかじりついて落ち着いて欲しい。

うん、「デジモン」なんだ。済まない。
エンジェモンの顔もって言うしね、謝って許してもらおうとも思っていない。

でも、このスレタイを見たとき、君は、きっと言葉では言い表せない
「グレイモンにするはずがヌメモンになった時の切なさ」みたいなものを感じてくれたと思う。
殺伐としたファイル島で、そういう気持ちを忘れないで欲しい、そう思って
このスレを立てたんだ。


じゃあ、育成しようか。


まとめてくださってるサイト
ブーン芸VIP
tp://boonsoldier.web.fc2.com/index.html

ちなみに私が一番好きなのはメタルマメモンで次点はメタルグレイモン(青)です。
あと前回の時、今回の投下は後編だとかぬかしたアホがいましたが中編になってしまいました。ゴメンNE! <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/03/14(土) 17:41:35.04 ID:fR+6QTLk0<>    △  ¥ ▲
  (  皿 )  がしゃーん
  (        )      
 /│  肉  │\         がしゃーん
<  \____/  >
    ┃   ┃
    =   =
3ゲットロボだよ
自動で3ゲットしてくれるすごいやつだよ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/03/14(土) 17:42:51.75 ID:uhbYFxcFO<>


    第三話  開いたモン



<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/03/14(土) 17:43:47.29 ID:uhbYFxcFO<>
『……きて……』

『……起きて、ブーン!』

( ´ω`)「……おー……何だおー……?」

『もう、ブーン起きてってば! 大変なんだよ!』

( つω`)「おー……お?」

 起こされたジャージ姿のブーンが目を開けると、そこにいたのはツノモンでは無かった。
 青と銀の毛皮を被った二立の体躯。
 毛皮の下から覗くがっちりとした恐竜のような手足。
 ツノモンの唯一の名残は、頭の一本角。

( ^ω^)「お! もうガブモンに進化したんだおね! カッコいいお!」

『え、そ、そんなこと無いよ……?』

 照れているのか、赤くなった頬を掻きながら手を横に振るガブモン。

『ってそうじゃなくて!』

 はっとなったガブモンは焦った様子でブーンに向き直る。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/03/14(土) 17:44:37.62 ID:uhbYFxcFO<>
『大変なんだブーン!』

(;^ω^)「お? さっきから何が大変なんだお?」

『それは、えっと何から説明すれば……と、とにかくこれを見て!』

 部屋の面積一杯に敷かれた布団の中、ガブモンは窓際で寝ているドクオを飛び越えるとカーテンをさっと開いた。
 窓の外にあったのは、赤に染まった空。
 しかしそれは日の光に染まっているからでは無い。

(;^ω^)「な……?!」

 空の上部を覆い尽くしていたのは、丸く空いた大穴。
 枠に赤い稲妻を纏い、その円内はどす黒い何かが渦巻いている。

(;^ω^)「何だお、あれ?!」


『ゲートが……デジタルワールドのゲートが開いたんだ!』

(;^ω^)「ゲート? どうゆう事だお?」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/03/14(土) 17:46:26.62 ID:uhbYFxcFO<>
『力を貸してブーン! ブーンの力が必要なんだ!』

(;^ω^)「何を言ってるんだおガブモン、ちゃんと説明してくれお」

 戸惑うブーン。
 その目を見つめガブモンはゆっくりと話す。

『俺がブーンに拾われたのは偶然じゃない。 思い出したんだ、俺はブーンに生まれる前に会ったことがある』

 そしてガブモンはドクオを指差した。

『俺は元々、ドクオのデジモンだったんだ』

(;^ω^)「ドクオのって……それってまさか……」

『そう、二人が出会った時戦わせた、あのデジモンだよ。
 子供が思いを込めて育てたデジモンは、子供が大人に成長した時役目を終えてデジタルワールドへ帰っていく。
 ドクオが最後までちゃんと育ててくれたから、俺はデジタルワールドへ帰って暮らしていたんだ……』 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/03/14(土) 17:47:19.21 ID:Zh2q7IPcO<> 支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/03/14(土) 17:47:32.06 ID:uhbYFxcFO<>


 ――デジタルワールドには大昔から争い続けている二つの勢力がいるんだ。
 一つは、デジタルワールドの秩序を守ろうとする天使型デジモン達。
 もう一つは、デジタルワールドを支配しようしてる悪魔型デジモン達。

 二つは長い間小競り合いを続けてたんだけど、ある日ついに決着を着ける為の総力戦が起こったんだ。
 七日七晩戦い続けて、勝ったのは天使型デジモン達。
 だけど悪魔型デジモン達を全滅させることは出来なくて、逃げ延びた奴らはチャンスを伺ってたんだ。

 もっと強大な力を得るチャンスを。
 そして目を着けたのは、このリアルワールド。
 奴らはこの世界を征服して、もう一度力を蓄える気なんだ……!



<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/03/14(土) 17:50:09.47 ID:uhbYFxcFO<>
『……それを阻止する為に俺が送られてきた。 世界を救う“オメガテイマー”のブーンの元に』

(;^ω^)「オメガテイマー?」

『オメガテイマーっていうのはデジタルワールドの危機に現れる、世界を救う伝説のテイマーの事なんだ。
 お願いだブーン! 俺と一緒にデジタルワールドに来てくれ!』

(; ω )「――! 待って……くれお……」

『奴らがこの世界に現れる前に、デジタルワールドで止めを……』

(#゚ω゚)「――待ってくれって言ってるおっ!」

 突然大声を発するブーン。
 驚き目を丸くするガブモン。
 ブーンの顔は今まで見たことも無いような、恐ろしい憤怒の形相だった。

『ブー……ン……?』 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/03/14(土) 17:51:09.37 ID:uhbYFxcFO<>
(#゚ω゚)「僕は……! デジタルワールドになんか行かないお!!」

『ブーン?!』

 言い捨て、ブーンは部屋を飛び出した。
 ガブモンはそれを呆然と見送る。

('A`)「……とんでもない話だな」

『……ドクオ……』

 ブーンと同じジャージ姿でドクオがのっそり起き出した。

『何時から……?』

('A`)「ガブモンが俺を飛び越した辺りから」

『……ドクオ、俺は……』

('A`)「――言わなくていい」

 ガブモンの言葉を遮るドクオ。
 その顔は微笑んでいた。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/03/14(土) 17:52:04.02 ID:uhbYFxcFO<>
('∀`)「お前の言う通りなら、お前がデジタルワールドに帰れて本当に良かったと思う。
  子供の頃の親友に、少しでも恩返し出来たなら」

『ドクオ……』

('A`)「それより、問題はブーンだな」

『……知ってるなら教えて、ドクオ。 どうしてブーンは行きたく無いって……』

('A`)「……少し長くなるぞ」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/03/14(土) 17:52:42.56 ID:uhbYFxcFO<>

 ――昔ブーンの友達の一人に女の子がいたんだ。
 お前も覚えているかもしれない、“ツン”って男勝りな女の子だ。
 ツンはいつもブーンと一緒で、男の子達に混じって仲良く遊んでたんだ。

 だけどある日、突然ツンは現れなくなった。
 当時の俺達は公園で遊ぶってだけの仲で、ツンの家の場所すら知らなかった。
 皆で探したけどツンは見つからなかった。

 そんな時ブーンが言ったんだ。
 “ツンはデジタルワールドへ行ったんだ、自分はそれを見た”ってな。
 皆信じなかった。 嘘吐きだって馬鹿にする奴だっていた。

 だけどブーンは何を言われても信じ続けた。
 自分もデジタルワールドへ行くんだ、って。
 それからのブーンは、端から見たら所謂オカルトマニアになった。

 異界の門を開く儀式と聞けば実行し。
 怪物が現れる湖があると聞けば確かめに行き。
 とにかく奇怪な行動ばかりを取るようになったんだ。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/03/14(土) 17:54:23.54 ID:uhbYFxcFO<>  そんなブーンを周りは煙たがった。
 明るかったブーンも、周りの変化に段々尖ってった。
 元々体格も良かったし、一時期は学校に来ないで喧嘩ばっかりしてた事もある。

 そんな中でブーンは、デジタルワールドの事を口にしなくなった。
 言葉には出さないけどもしかしたら……小さい頃の自分を、恨んでいるのかもしれない。


<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/03/14(土) 17:54:57.78 ID:uhbYFxcFO<>
('A`)「――何で昔そんな事を言い出したのか、ブーンは今だに話してくれない。
  ガブモンが存在する今にしてみれば、ブーンは本当の事を言ってたのかもしれないけど……
  それでも人がデジタルワールドへ行くなんて、正直俺は荒唐無稽に感じる。
  ……信じてやりたいけど、な」

『……そんなことが……』

 眉尻を下げ、悲痛な面持ちになるドクオ。
 似た表情のガブモンは拳を握り、しかし瞳に力を宿す。

『ドクオ、聞いてくれ。 実は……』 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/03/14(土) 17:55:46.76 ID:uhbYFxcFO<>
(; ω )「……!」


 ブーンは当てもなく、とにかく全速力で駆けた。
 振り払うように。
 逃げるように。

 息も切れ切れで立ち止まった時、気が付けばツノモンを遊ばせた公園に辿り着いていた。
 ブランコに倒れるように腰を下ろす。
 息を整えながら虚ろな目で公園内を眺めた。

 見えてきたのは、昔の自分達の姿。
 ドクオや数人の男の子の中、たった一人の女の子。
 高い鼻と白い肌、頭に揺れる二つ結んだ金の髪。

 大好きだった。
 時々意地悪で、だけど誰より強くて優しくてカッコいいあの娘が。

 憧れてた。
 彼女だけが特別に思えて、まるでヒーローのようで。

 皆が帰って、自分も帰ろうとしている男の子を女の子が引き止めた。
 あの時、なんて言ってたっけ。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/03/14(土) 17:56:35.73 ID:dNXI8uZS0<> デュナスモン! <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/03/14(土) 17:56:35.82 ID:uhbYFxcFO<>


 ――どうしたんだお?

 ――えっと……あ、あんたのデジモン貸しなさい!

 ――お? ツンはデジモン持ってないからバトル出来ないお?

 ――いいから早く貸しなさい!

 ――あ?! ツン返すお?!

 ――返して欲しかったら明日一人で公園に来なさい! 大事な話があるんだから、約束よ! 絶対来なさいよ?!

 ――駄目だお返してお! 待っておツン! 僕のグレイモーン! おーんおーん! ……



<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/03/14(土) 17:58:03.09 ID:uhbYFxcFO<>
(  ω )「……ツン」

 次の日約束通り一人で行くと、同じく一人で待っていたツン。
 声を掛けようとした、その時。
 ツンの持っていたデジモンが目映く光り、ツンを包み込んだ。

 光はデジモンに吸い込まれ、収まるとツンもデジモンも消えてしまった。

(  ω )「話ってなんだんだお? どこに行ってしまったんだお? どうして……」

 デジタルワールドは実在すると思った。
 でも本当にそこにツンはいるのだろうか。
 ふと思い付いた空想を、真実と思い込んでしまっただけなのでは無いのだろうか。

 不安になっても信じて信じて信じ抜いて。
 それでもデジタルワールドは、ツンは見つからなかった。
 最後に残ったのは何も持たない孤独な自分。

 惨めだった。
 世界中から裏切られたような気分だった。
 デジタルワールドを信じなくなってからは心の痛みは無くなった。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/03/14(土) 17:58:37.14 ID:uhbYFxcFO<>  その代わり、本心から喜ぶ事も無くなった。


( ^ω^)「……は、ははは」

 涙は流れなかった。
 自然と生まれたのは嘲りの笑み。

( ^ω^)「結局僕は……」

 怖がっているだけだ。
 また一人を自覚するのが。
 ツンがどこにもいない事に絶望するのが。

( ^ω^)「……戻るお」

 ガブモンには怒鳴ったりして悪いことをした。
 謝らないと。
 謝ってその後は。

( ^ω^)「……どうすればいいんだお……」

 ブランコから立ち上がり空を振り仰ぐ。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/03/14(土) 17:59:36.06 ID:uhbYFxcFO<>  そこにあるのはかつて渇望した、デジタルワールドへの入り口。
 その時。

 空に浮かんだ円の中心。
 そこから小さな影がいくつも飛び出てきた。
 影はそれぞれ勝手な方向へ飛んでいき、その内の一つがこちらに降りてきた。

( ^ω^)「あれは……?」

 近付いてくるに連れてはっきりと見えてくる影。
 大小の鉄製歯車が三つくっついて並び、真ん中の大きな歯車に付いた二つの目と口。
 あれは、

(;^ω^)「ハグルモン……確かこいつウィルス種だお。 まさか……」

『――ギギ・見ツケタゾ・オメガテイマー!』

 ハグルモンの目がブーンの姿を捉える。
 そしてブーンに向けて口を広げた。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/03/14(土) 18:00:07.53 ID:uhbYFxcFO<>
『ダークネスギア!』

 発射される黒い歯車の群れ。
 咄嗟に横に跳ぶブーン。
 ブーンの横を通った歯車はブランコに当たり、鎖を容易く千切った。

『ダークネスギア! ダークネスギア!』

(;^ω^)「おおおっ?!」

 次々飛んでくる歯車をブーンは体を捩り必死にかわしていく。
 最後の歯車を伏せてかわすと、力を溜め地面を蹴った。
 向かう先はハグルモン。

 右拳を振り上げ、

(#^ω^)「ヘブーンズナックルもといただのパンチ!!」

 ハグルモンの顔面を殴った。
 鐘のような高音が響く。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/03/14(土) 18:00:45.28 ID:uhbYFxcFO<>
『……ギギ?』

(;゚ω゚)「――痛ってええぇぇ!!」

 何ともないハグルモン。
 対しブーンは殴った右拳の皮膚が少し剥けてしまった。
 痺れる右手を抑えよろめく。

(;^ω^)「くっそ、やっぱりアニメのようにはいかんお……!」

『観念シロ! ダークネス――』

 再び開かれる口。
 だが歯車が発射されるより早く、

『プチファイアー!』

『――ギギッ?!』 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/03/14(土) 18:02:49.97 ID:uhbYFxcFO<>  拳大ほどの火の玉がハグルモンの側面に命中した。
 悲鳴を上げ吹き飛ばされるハグルモン。
 雑木林から飛び出しブーンを守るように立ったのは、

(;^ω^)「ガブモン!」

『ブーン、大丈夫?!』

(;^ω^)「僕は大丈夫だお、それよりあいつは……」

『さっき話した悪魔型デジモン達の手下だよ! きっとブーンを探す為に偵察に来たんだ!』

『ギギ! ソノ通リダ!』

 地面から起き上がり再び宙に浮いたハグルモン。
 ブーンとガブモンを嘲笑うように口角を吊り上げ、

『アト半日モシナイウチ二・無敵ノ機械軍団ガ侵略ヲ開始スル!
 我ラ二下ッタ命令ハ・ソノ時二最大ノ障害ニナル“オメガテイマーノ抹殺”ダ!
 逃ゲテモ無駄ダゾ! 通信デスグニ援軍ガヤッテ来ルカラナ!』

『――そんな事させるもんか!』 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/03/14(土) 18:04:44.34 ID:ye4wbM1l0<> おお。支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/03/14(土) 18:05:40.83 ID:uhbYFxcFO<>  拳を握り締め叫ぶガブモン。

『ブーンには指一本触れさせないぞ!』

 同じタイミングで開かれる口。

『プチファイアー!』

『ダークネスギア!』

 火の玉と歯車がぶつかり爆ぜる。
 飛んできた破片に目を瞑るハグルモン。
 次に目を開けた時見えたのは、迫ってくるガブモンの角だった。

『ッギ?!』

『――うおぉぉっ!』

 掲げた両手で顔を守り突っ込んできたガブモンは、ハグルモンの下へ潜り込む。
 そして角で天を突くように突き上げた。
 金属バットの打音のような快音。

 宙高く跳ね上げられたハグルモンはクルクルと舞い、甲高い音と共に地面に落ちた。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/03/14(土) 18:05:52.69 ID:Z/O6Joa70<> しえしえ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/03/14(土) 18:06:10.72 ID:uhbYFxcFO<>
(;^ω^)「……やったのかお?」

『しばらくは動けないと思う』

 ガブモンの言葉通り、地面に倒れたハグルモンは動く気配が無い。
 その事にほっと胸を撫で下ろすブーン。

( ^ω^)「ガブモン、どうしてここがわかったんだお?」

『ドクオがきっとここだろうって。 いじけたブーンがいつも行くのは公園だ、ってさ。
 ……他にも聞いたよ。 ツンの事とか』

( ^ω^)「……そう、かお」

 ブーンの顔が微かに曇った。
 だがそれは一瞬の事で、すぐに普段の笑ってるような顔に戻った。

( ^ω^)「笑っちゃう話だお? ガブモン。 中二病なんてのは行き過ぎると馬鹿に――」

『違うよ!』

 ブーンの言葉を、ガブモンは叫んで遮った。

『ブーン、聞いてくれ。 ツンは本当にいるんだ。 デジタルワールドに!』 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/03/14(土) 18:07:03.22 ID:uhbYFxcFO<>  ブーンの目が開かれる。
 それは最初は驚きに、しかし次に怒りに変わった。

(#゚ω゚)「そんな慰めは……!」

『俺をここに送ったのは誰だと思う?! ドクオとブーンの事を知ってたのは?!
 昔ブーンの無くしたデジモンはグレイモンだよね?! 僕は会ったんだ、ブーンのパートナーを名乗るデジモンと!
 金髪の女の子に!!』

(;゚ω゚)「な……」

 ブーンは体から力が抜けていくのを感じた。
 膝が、震え出す。
 そんな馬鹿な、と唇が動くが声にならない。

『ツンは言ってたよ。 “私は絶対に帰らなきゃいけない。 約束で、待ってる人がいるから”って』

 過去の声が聞こえてくる。
 そんなのはデタラメだ、と。
 だがそれを吹き飛ばすほど、力強い眼。

『――ブーンは間違ってない。 ブーンは正しかったんだ!』 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/03/14(土) 18:07:41.11 ID:uhbYFxcFO<>
(; ω )「……お」

 ガブモンの言葉は心に刺さるようだった。
 鼻が痛い。
 気を抜いたら、崩れ落ちそうになる。

( ;ω;)「おっ……お……っ!」

 両目から雫が零れていく。
 止めようと歪んだ顔を上に向けても、止まらない。
 涙も、想いも。

( ;ω;)「僕は………!」

 止まらない。
 かつて諦めたものへ、心が溢れ出す。

( ;ω;)「―――!」

 吠える。
 届けと。
 もう一度と。

 心に浮かぶ人へ、伝わってくれと。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/03/14(土) 18:08:55.74 ID:uhbYFxcFO<>
『ブーン』

 ガブモンの体が光輝く。
 その光はどんどん強くなっていく。

『伝わったよ、ブーンのツンを想う気持ち。 俺が連れていってやる。 必ず――ツンの元へ!』

 目映い光の中、ガブモンの姿が変わっていく。
 四肢と胴が伸び、しなやかな尾が生える。
 口には牙、手足には鋭き爪。

『力が湧いてくる……!』

 光を払い現れたのは、青と銀の狼。
 狼は吠える。
 再会の誓いを。

 二つの響きが、天高く突き通る。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/03/14(土) 18:10:23.75 ID:xX6KNXtr0<> 支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/03/14(土) 18:10:59.11 ID:xX6KNXtr0<> 支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/03/14(土) 18:11:48.77 ID:uhbYFxcFO<>


    第四話  戦うモン



<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/03/14(土) 18:12:32.79 ID:uhbYFxcFO<>
(;'A`)「……」

 ドクオは息を潜めていた。
 机や椅子のバリケードを張り巡らした小学校の昇降口。
 この地区の避難場所であるここで、ドクオは入り口の見張りを買って出た。

 今、町は混乱している。
 突如現れたゲートとデジモン。
 緊急時に備え、行政は逸早く女性や子供に避難勧告を出した。

 男達は避難場所の警備や、デジモンの対処に当たる。
 あまり手際の良さにドクオは違和感を覚えたが、この状況では願ったり叶ったりだ。
 恐らく犠牲者は少なくなるだろう。

 そしてドクオは他の二人の男と共にバリケードの外にいた。
 眼鏡をかけた細い男と、金髪のチンピラ風。
 二人は箒に寄り掛かり、緊張感無くずっと喋っていた。

 と言っても飽きている金髪が眼鏡に喋りかけ、眼鏡がそれに律儀に返事をしているだけだったが。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/03/14(土) 18:13:13.22 ID:uhbYFxcFO<>
( ゚∋゚)「でよ、そしたら横堀のヤツマジでスマイル下さいとか言ってんのwwwチョーウケるwww」

( ゚д゚ )「……そうですね」

( ゚∋゚)「だろ?! その店員もマジ有り得ねーの!」

(;'A`)(有り得ないのはお前の頭だDQNが……っ)

 五月蝿い金髪に若干苛立ち、箒を握り締める。
 だがそれよりも、ドクオの中では緊張感が勝っていた。
 先程空から降ってきたデジモンは、見たところ全て成長期のようだ。

 だがもしも。

(;'A`)(今後、成熟期や完全体のデジモンが現れるとしたら……?)

 相手は巨大な上に、ほぼ無尽蔵に火炎放射やミサイルをぶっ放せるやつがいるのだ。
 人間に勝ち目があるとは思えない。
 ドクオの顔は強張り、つい身震いしてしまう。

( ゚∋゚)「あれ? ちょっとお兄さん、何マジビビりしてんの?」

(;'A`)「え?」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/03/14(土) 18:13:45.70 ID:uhbYFxcFO<>  気が付けば金髪が隣にいた。
 金髪は軽く笑い、

( ゚∋゚)「こんなんただの異常気象だって。 ちょっとしたら家帰れるっしょ」

(;'A`)「あ、ああ……」

 ドクオはその時、彼なりに自分達を励まそうとしていたのだということに気付いた。
 自分の事しか頭になかった事に、恥ずかしさを覚える。

( ゚д゚ )「……! ちょっと、あれって……」

 眼鏡が眼前を指差す。
 見れば、空から三つの影がこちらに近付いて来る。

 鋼のボディと一対の羽。
 昆虫を思わせる頭部に生えた二本の突起。
 あれは、

( ゚д゚ )「コクワモン! 昆虫型メカデジモン! 必殺技の“シザーアームズミニ”はどんなに硬い物でも簡単に切りさいてしまうぞ!!」

( ゚∋゚)「ちょwwおまww声がジャックスパロウに似過ぎてヤベぇwww」

 急に語る眼鏡に金髪は吹き出す。
 その間に三体のコクワモンは三人の前に降り立った。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/03/14(土) 18:14:46.48 ID:xX6KNXtr0<> 支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/03/14(土) 18:14:52.17 ID:uhbYFxcFO<>
『オメガテイマーハドコダ!』

(;'A`)「!」

( ゚∋゚)「はぁ? 訳分かんねぇ事抜かすんじゃねぇよ」

 モップを肩に担ぎ金髪が前へ踏み出す。

( ゚∋゚)「丁度三対三だ。 一人一体片付けっぞ!」

(;゚д゚ )「あ、相手はデジモンですよ?! それにいきなり武力介入なんて……」

(#゚∋゚)「あぁ?! 喧嘩はビビったもん負けだぞ! こんなチビ相手にビビってんじゃねぇよ!」

 尻込みする眼鏡を怒鳴り、コクワモンの前に仁王立ちする金髪。
 眉根に皺を寄せ、眉尻を立て顔をしかめて見せる。

(#゚∋゚)「さっさと目の前から消えてくれますかねぇ? マジでウザいんで」

『オメガテイマーハドコダ』

(#゚∋゚)「はぁ? そんな物知らないつってんだろ! 失せろクソチビがっ!」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/03/14(土) 18:17:46.77 ID:uhbYFxcFO<>  最後の一言と共に、箒の柄をコクワモンの頭に叩き付けた。
 しかし。

『……敵対ト見ナシ、コレヨリ迎撃行動に移行スル』

 平然とした様子のコクワモンは無機質に告げる。
 箒の柄を掴むと、紙のように握り潰した。
 驚く金髪の腹部に、鋼のパンチが打ち込まれる。

(;゚∋゚)「――ゴェェェッ?!」

 ボールのように殴り飛ばされ、こちらまで転がって来る金髪。

(;゚д゚ )「だ、大丈夫ですか?!」

(;゚∋゚)「ガハッ……! オェ……」

 眼鏡が駆け寄るが、金髪は倒れたまま激しく咳き込み動けない。

(;'A`)「クソッ!」

 ドクオは庇うように二人の前に立つ。
 だがその足は震え、腰は引けていた。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/03/14(土) 18:18:01.78 ID:UWmhGF36O<> おお支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/03/14(土) 18:18:16.52 ID:uhbYFxcFO<>  金髪を殴ったコクワモンが背中の二枚の羽を広げ、

『シザーアームズミニ!』

 帯電する突起をドクオ達へ向け突進してくる。
 迫るコクワモン。

(;'A`)(――ちくしょうっ!!)

 避けられない。
 恐怖に動けないドクオが目を閉じようとした。
 その時。

『――ドクオ!!』

 空から降りてきた風が、コクワモンを叩き潰した。
 風は駆け、一瞬で残った二体も弾き飛ばす。

『『『?!』』』

 地面に倒れ伏した三体は、その中心に風の正体を見る。
 そこに居たのは。
 青年を背に乗せ、牙を剥く青と銀の狼だった。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/03/14(土) 18:18:48.39 ID:uhbYFxcFO<> (;゚д゚ )「ガルルモン! 獣型デジモン! 肉食獣のようなすばやさと標的を確実にしとめる正確さから、
  他のデジモン達からは非常に恐れられている! 必殺技は高熱の青い炎を吐き出す“フォックスファイアー”!」

( ^ω^)「ドクオ、無事かお?!」

(;'A`)「ブーン! 俺達は無事だが、そいつまさか……」

 ガルルモンの背の上で頷くブーン。

( ^ω^)「ガブモンが進化したんだお!」

『間一髪ってヤツだったね、ドクオ』

『――オメガテイマー! 抹殺スル!』

 起き上がったコクワモン達はガルルモンを囲んだ。
 鋭い牙の間から獰猛な唸りを漏らすガルルモン。

『ブーンもドクオも、俺の友達には手出しさせないぞ!』

『『『――シザーアームズミニ!』』』

 コクワモン達が一斉に飛び掛かる。
 ガルルモンは引き付け、ぶつかる寸前で真上へ跳躍した。
 衝突しもつれ合うコクワモン達。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/03/14(土) 18:19:24.15 ID:uhbYFxcFO<>  宙でガルルモンは下へ口を広げ、

『フォックスファイアー!』

 青い炎が放たれた。
 悲鳴を上げるコクワモン達。
 炎は瞬く間にコクワモン達を焼き付くし、塵も残さなかった。

 敵を消し去った狼は、軽やかに着地を決める。

( ^ω^)「ふん、口ほどにもないお」

『……倒したの俺なんだけどね』

 背から降りてふんぞり返るブーンに苦笑するガルルモン。
 それを見てドクオは安堵の息を吐いた。

('A`)「大丈夫、みたいだな。 お前の方は」

( ^ω^)「……ドクオ。 心配掛けたお」

 ブーンは笑う。
 上辺だけでは無い、昔に見た晴々しい顔で。

( ^ω^)「僕は行くお。 約束を守りに」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2009/03/14(土) 18:20:08.61 ID:JW/5Cpdw0<> 支援
ミルナかっけえwwwwwwwwwwwww <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/03/14(土) 18:21:01.24 ID:uhbYFxcFO<>
('A`)「行ってこい、と言ってやりたいところ何だが……悪い知らせが有る」

 ドクオの表情が曇る。

(;^ω^)「お? 何だお悪い事って」

('A`)「詳しく知ってる奴が中にいる、着いてきてくれ」

(;゚∋゚)「ちょっ、ちょっと待ってくれよ」

 眼鏡に肩を支えられた金髪が声を掛けた。

(;゚∋゚)「何がどうなってるんだ? ちゃんと説明してくれ」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/03/14(土) 18:22:16.89 ID:uhbYFxcFO<>
(;゚д゚ )「正直私も同意見です。 このガルルモンは……?」

(;^ω^)「おっ? それは……」

('A`)「悪い、説明してる暇が無いんだ。 とりあえずそいつは味方だから安心してくれ。
  ガルルモンはここに残って、また奴らが来ないか見張っててくれ」

『わかった』

('A`)「頼む、急ぐぞブーン」

(;^ω^)「おっ、おお」

(;゚∋゚)「おい!」

 有無を言わさずブーンを引っ張っていくドクオ。
 それを虚しく見送った二人は顔を見合せ、

(;゚∋゚)「「……は、初めまして……」」( ゚д゚;)

 ぎこちない笑みでガルルモンに挨拶した。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/03/14(土) 18:23:09.17 ID:uhbYFxcFO<>


 ドクオに連れられブーンはコンピューター室に入った。
 中には十数台のパソコンと、同じ数程の男女がいた。
 皆ブーンと同年代ぐらいで、パソコンに向かっている。

 そのうちの一人、黒い長髪の女性がこちらに気付くと近付いて来た。

川 ゚ -゚)「無事だったかドクオ、さっき昇降口から変な音がしたから心配していたぞ」

('A`)「ああ、ごめんクーさん。 それでついさっきこっちに着いた、こいつがブーンだ。
  ブーン、彼女はクーさん。 お互い初めてだよな」

川 ゚ -゚)「そうか、初めましてブーン君。 噂はドクオから良く聞いているよ」

( ^ω^)「初めましてですおクーさん。……ん? クーさん?」

川 ゚ -゚)「私がどうかしたかね?」

 改めてブーンはクーと名乗った女性を見た。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/03/14(土) 18:24:38.96 ID:xX6KNXtr0<> 支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/03/14(土) 18:25:32.13 ID:uhbYFxcFO<>  さらりと流れる艶やかな黒髪。
 スレンダーな体型ながら主張を惜しまない胸部。
 雪を連想する肌と、整えられた顔立ち。

 モデル雑誌の表紙からそっくり出てきたような完璧な美女が、

( ゚ω゚)「え? ドクオの、かかか彼女さん?」

川 ゚ -゚)「そうだが、それが何か?」

( ^ω^)

(^ω^ )

( ^ω^ )

(  ω  ) ―〜―√ ̄\_..........

 ブーンは自分がここまで心乱された経験は、今だかつて無かった。
 無防備なドクオの首に腕を掛け、部屋の隅まで引き摺っていく。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/03/14(土) 18:27:29.40 ID:b2QiFH1hO<> 支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/03/14(土) 18:27:55.93 ID:xX6KNXtr0<> 支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/03/14(土) 18:28:58.92 ID:sj60gHQ3O<> 支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/03/14(土) 18:29:23.73 ID:xX6KNXtr0<> 支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/03/14(土) 18:29:24.26 ID:uhbYFxcFO<>
(;゚A゚)「おま! 首! 首締まってるっ!」

( ↑ω↑ )「黙れ……っ! 見損なったぞドクオっ! 一体どんな汚い手を使ってあんな美女を手込めにした……っ!」

(;゚A゚)「怖い! なんか目がSIRENみたいで怖い!」

川 ゚ -゚)「やれやれ……」

 クーはブーンからドクオを奪い取ると、その頭を抱き言う。

川 ゚ -゚)「いいか? 私は脅されたりだとか無理矢理だとかでは無く、自由意思でドクオと付き合っている。
  もっと噛み砕いて言うならばライク以上、即ちドクラブ(はぁと)だ」

( ↑ω↑ )「馬鹿な……! その男の何がそこまで惹き付ける?!」

川 ゚ -゚)「何か……そうだな強いて言うなら」

 胸に埋まるドクオの頭を撫でつつ、

川*゚ -゚)「一人にすると何も出来なさそうな虚弱オーラかな? 私は母性本能に忠実なタイプなんだ」

)A`)「……だそうなんだが」

 その時ブーンは部屋にいた何人かから、啜り泣きとドクオへの呪詛を確かに聞いた。

川 ゚ -゚)「さて、ふざけるのはこれくらいにして本題と行こう」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/03/14(土) 18:30:46.71 ID:uhbYFxcFO<>  ドクオを離したクーは部屋の明かりを落とした。
 暗い部屋の一角、スクリーンにプロジェクターの映像が映る。
 映し出された映像はこの町の地図だ。

川 ゚ -゚)「そちらの事情はドクオから大まかだが聞かせて貰った。
  そこで確認したいのだが、君はどうやってデジタルワールドへ行くつもりなんだ?」

( ^ω^)「決まってますお。 勝手にぽっかり開いてるんだから、上空のゲートから……」

川 ゚ -゚)「残念だが、それは無理なんだ。
  ここにいる皆は、私が大学で集めた電脳関係のスペシャリスト達でな。
  彼らの解析の結果、あのゲートはデジタルからリアルへしか通れない。
  つまり一方通行なんだ」

(;^ω^)「お? じゃあ、どうすれば……?」

川 ゚ -゚)「安心したまえ、ちゃんと打開策も考えてある」

 クーは指し棒を持ってスクリーンへ向かう。
 スクリーン上、地図の町の端側をなぞり、

川 ゚ -゚)「この町を簡略化して見ると、小山に囲まれた三角形に捉える事が出来る。
  その一角に一本ずつ、奴らがゲートの触媒にした鉄塔が立っているんだ」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/03/14(土) 18:31:29.22 ID:uhbYFxcFO<>
(;^ω^)「おお……?」

川 ゚ -゚)「細かい理論は省くぞ。 要はあれだけ大規模なゲートを別の次元に繋げるには、こちらに干渉する触媒が必要なんだ。
  この触媒は今非常に不安定な状態で、外部からの接触で簡単にコントロールできる。
  君がデジタルワールドに行くなら、この触媒の機能を改竄しなければならないわけだ」

( ^ω^)「三行で」

川 ゚ -゚)「このノートパソコンを
  町外れの三本の鉄塔に
  繋げ」

( ^ω^)「把握ですお」

川 ゚ -゚)「頼んだぞ。 あともう一つ伝える事があるんだが」

(;^ω^)「また難しい話ですかお?」

川 ゚ -゚)「いや、とても単純な話さ。 君が失敗した場合、――この世界は消滅する」

( ^ω^)「は?」

川 ゚ -゚)「奴らは今、開いたゲートを中心に世界を再構築しようとしている。
  この世界にデジタルワールドを上書きしようとしているんだ。
  そうなった場合、白いキャンパスを黒い絵の具で塗りたくったように世界は消滅する。
  文字通り完全に、な」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/03/14(土) 18:31:48.74 ID:xX6KNXtr0<> 支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/03/14(土) 18:32:07.25 ID:uhbYFxcFO<>
(;^ω^)「お、おお……?」

 一気に飛躍した己の重大性に、戸惑うしかないブーン。
 クーは唇を噛み締め顔を伏せた。

川 ゚ -゚)「済まない。 プレッシャーを掛ける気は無かったのだが……
  現状君と君のパートナーに頼むしか、我々には手が無いんだ。
  鉄塔の周りはデジモン達も警戒している。 人間だけでは近付くのすら困難だ」

 クーは周りを見る。
 パソコンに向かっていた人達は頷き返し、皆が立ち上がった。

川 ゚ -゚)「頼む。 世界を救ってくれ」

 クー達は一斉に頭を下げた。
 顔が熱くなるのを感じ慌てるブーン。

(;^ω^)「や、止めて下さいお! そんな事されなくたって僕はやりますお!」

川 ゚ -゚)「そうか。 ありがとう」

 皆顔を上げる。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/03/14(土) 18:33:27.08 ID:uhbYFxcFO<>
(//‰ ゚)「頑張れよ!」

(*゚ー゚)「気を付けてね!」

 部屋中からの声援。
 それをブーンは心強く感じた。

( ^ω^)「必ず成功させますお!」

('A`)「ブーン」

 ドクオは何かを投げて寄越した。
 放物線を描いて手に落ちたそれは、

( ^ω^)「ゴーグル?」

 銀色のフレームのゴツいゴーグル。

('A`)「子供の時かっこつけて買った奴だ。 サイズが合わないんで使わなかったけど、お前に預けてやる。
  ……必ず返しに来い」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/03/14(土) 18:34:18.55 ID:b2QiFH1hO<> C <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/03/14(土) 18:34:19.17 ID:uhbYFxcFO<>
( ^ω^)「ドクオ……」

 ゴーグルを頭に通し、目に掛ける。
 悪く無い心地だ。
 レンズ越しのドクオが親指を立てた拳を掲げている。

 それにこちらも頷き、

( ○ω○)「――行ってくるお!」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/03/14(土) 18:36:54.85 ID:uhbYFxcFO<>


 その頃入り口では。

(*゚∋゚)「行くぞ! 進化だ!」

『ガブモン進化ー! ガルルモン!』

(*゚д゚ )「ガルルモン! 獣型デジモン!(ry」

(*゚∋゚)「うおおお!!! マジヤベェ!!! 俺めっちゃ憧れてたんですけどヤマト!!! 今金髪だし俺ぽくね?!!」

(*゚д゚ )「次!!! 私は超進化がいいんです!!!」

『おおおなんか俺進化出来そうな気がしてきたー――!!!』

(*゚∋゚)(*゚д゚ )「超進化キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!! ワーガルルモンwktkwwwww」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/03/14(土) 18:37:10.55 ID:xX6KNXtr0<> デジモン主人公の証

支援

あ、アニキつけてねぇや <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/03/14(土) 18:39:07.78 ID:uhbYFxcFO<> 本日はここまでです。

次回こそ恐らくきっと多分後編です。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/03/14(土) 18:46:00.78 ID:Pidh1iwLO<> 乙
面白かった <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2009/03/14(土) 18:46:00.98 ID:4erFcpXrO<> 乙
ところでペンデュラム5の究極体が思い出せないんだ。ムゲンドラモン以外の <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/03/14(土) 18:57:06.26 ID:UWmhGF36O<> 乙乙 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/03/14(土) 19:28:18.64 ID:kNVM8j3ZO<> 乙
>>68ウォーグレイモンとメタルガルルモンの主人公コンビ <>