以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 20:27:05.29 ID:K/AqIG3u0<>

わしの心の奥底で声がするのじゃ。
善にしろ悪にしろ、かれには死ぬまでにまだ果たすべき役割があると。

そしてその時が至れば、ビルボの情けは多くの者の運命を決することにるかもしれぬと――――。


少なからず、あんたの運命もな。



J・R・R・トールキン/指輪物語 「旅の仲間」より

<>( ^ω^)彼らは旅の仲間のようです 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 20:28:09.65 ID:NEBLzGvdO<> 読むまでもなくなげえな
先に言っておく逃亡乙 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 20:28:53.80 ID:K/AqIG3u0<>
第一話  森の中の村 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 20:29:37.03 ID:wtBmFFxCO<> んー支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 20:30:40.61 ID:K/AqIG3u0<> あるところに、小さな村がありました。
大陸の東のはずれ、森に囲まれた静かな村です。

森の中の村。

( ^ω^)「おっ」

この村に、ある一人の少年がいました。
皆からはブーンと呼ばれています。
大人の半分もない体を揺らしながら、呑気に歩いていました。

( ^ω^)「今日もいい天気だお」

彼の歩く両脇には畑が続き、大人たちが一生懸命に耕しているのが見えました。
空は青く澄み渡り、白い雲が遠くの森の上をのんびりと流れていきます。
そんな光景には目もくれず、ブーンは手に持った木の枝を振り回しながら歩いていました。



(`・ω・´) 「よっこいせ、と・・・」

(`・ω・´) 「・・・ん?」

(´・_ゝ・`)「どうした?」

(`・ω・´) 「あれ、ブーンじゃないか?」

畑仕事をしていた村人は手を休め、遠くを歩いているブーンを指さしました。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 20:33:53.95 ID:cYlMiVjw0<> 面白そう支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 20:34:21.60 ID:K/AqIG3u0<> ( ^ω^)「おっ、おっ」



(´・_ゝ・`)「ほんとだ。あいつ、また学校にも行かずにフラフラして・・・」

(`・ω・´) 「またどこかにイタズラでも仕掛けにいくんだろう」

(´・_ゝ・`)「まったく・・・悪ガキめ」

(´・_ゝ・`)「叱ろうとすると、すぐに泣きながら逃げていく臆病者のくせに」

(`・ω・´) 「そのうえ怠け者だ。今に痛い目みるぞ」


ブーンは悪ガキで臆病者で、そのうえ怠け者でした。
でも少年は、そんな大人たちの言葉を気にしていませんでした。
そんなことより、誰にどんなイタズラをしようか考える方が、ずっと重要だからです。


(`・ω・´) 「そう言えば昨日の夜、また森に入った子供がいたらしいぞ」

(´・_ゝ・`)「本当か?」

(`・ω・´) 「ああ、フィレンクトさんが見たそうだ。俺はどうせブーンだと思うけどな・・・」

(´・_ゝ・`)「・・・悪ガキめ」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 20:37:51.37 ID:K/AqIG3u0<> 村の中心には、学校がありました。
小さな校舎の中で、数十人の子供たちが机を並べて勉強しています。
村にいるほとんどの子供たちが、昼間だけこの学校に集まります。

もちろんブーンがそんなところに毎日行くわけがありませんでした。


( ^ω^)「よし、今日は学校の玄関の前に、落とし穴を掘ってやるお!」

( ^ω^)「フヒヒwwwwだれが落ちるか、楽しみだおwww」

( ^ω^)「100メートルくらい掘ってやるおwww」

ブーンは一人でにやけながら、盗んできたスコップで地面を掘り始めました。
学校の中では、まだ授業が続いているようです。

校舎の周りに立つ木々は、枝に付けたたくさんの葉を涼やかに揺らし、
その上では小鳥たちが気持ちよさそうに囀っています。
いつも通りの、森の中の村の朝でした。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 20:38:47.02 ID:cYlMiVjw0<> 支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 20:41:24.75 ID:K/AqIG3u0<> (;^ω^)「疲れたお・・・でもこんなんじゃ落とし穴って呼べないお」

( ^ω^)「もっともっと掘ってやるお!」



( ・∀・)「おい、何してるんだ?」

いつの間にか玄関の扉が開けられ、そこに一人の少年が立っていました。
ブーンと同じくらいの年齢に見える彼は、腕を組んで壁に寄り掛かっています。

少年は冷たい目でブーンを見下していました。
最悪な奴に見つかってしまった、とブーンは思いました。

(;^ω^)「・・・モ、モララー・・・」

彼の名前はモララー。村の子供たちみんなから恐れられている男の子です。
大人でも使わない悪口に、人を見下した態度。
取り巻きたちを使って、気に入らない子供を徹底的にいじめることを生きがいとしていました。
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 20:44:18.25 ID:K/AqIG3u0<> (;^ω^)「お、おはようだお・・・」

( ・∀・)「何してんのか聞いてんだよ、この・・・」

( ・∀・)「ブタッ!誰もお前の挨拶なんか求めてねえんだよ!」

(;^ω^)「こ、これは・・・その・・・」

( ・∀・)「なんだよ」

(;^ω^)「ええと・・・」

( ・∀・)「そのスコップ」

(;^ω^)「おっ?」

ブーンの手に握られたスコップを指して、モララーは言いました。

( ・∀・)「村長のだよな。見おぼえがある」

(;^ω^)「・・・か、借りたんだお!」

( ・∀・)「嘘だな。盗んだんだ。あのケチな村長がお前なんかに物を貸すもんか」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 20:48:56.77 ID:K/AqIG3u0<> ( ・∀・)「お前の家から学校までの間に、ちょうど村長の家がある。そこでスコップを見つけて」

( ・∀・)「学校に落とし穴でも掘ろうと考えたんだろ。違うか?」

(;^ω^)「お・・・」

( ・∀・)「どうなんだよ、ブタ」

モララーは頭が良いことでも有名でした。
大人たちの前では賢くて聞き分けの良い子供のように振る舞い、
決して本性を見せることはありませんでした。
子供達も仕返しが怖くて、大人たちにモララーの悪行を告げ口することはできませんでした。

彼らがにらみ合っていると、モララーの後ろから二人の子供が姿を現しました。
彼の取り巻きたちです。

( ^Д^)「どうした?モララー」

ミセ*゚ー゚)リ「ブタのブーンじゃん。何してるのよ?」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 20:49:10.86 ID:cYlMiVjw0<> 支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 20:51:21.21 ID:yRQVLRDHO<> 指輪物語ものってありそうで無かったよね

紫煙 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 20:52:18.22 ID:K/AqIG3u0<> (;^ω^)「・・・」

( ・∀・)「コイツな、俺たちを喜ばせようとしていたらしいぜ」

モララーが言います。
子供とは思えない、落ち着いていて冷たい声でした。

( ^Д^)「喜ばせる?」

ミセ*゚ー゚)リ「へぇ・・・ブタごときが私たちをねぇ」

( ・∀・)「そうだよな?ブーン」

(;^ω^)「う・・・」

( ・∀・)「な?」

(;^ω^)「そ、そうなんだお・・・」

ブーンはあまりモララーたちにいじめられたことはありませんでした。
ほとんど学校に来ないのだから当然です。
この年齢で友達が片手で数えられるほどしかいないのは、ブーンくらいでした。

( ・∀・)「やっぱり足元は柔らかい方がいいよな」

(;^ω^)「お?」
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 20:56:46.73 ID:K/AqIG3u0<> いきなり、モララーがブーンを突き飛ばしました。

ブーンはバランスを崩し、自分の掘った穴の中に転げ落ちてしまいました。
穴はそれほど深くなく、横になったブーンがすっぽりとおさまるくらいのものです。

(;^ω^)「あう!い、痛いお!なにをするんだお!」

( ・∀・)「黙ってろ、ブタ。大きな声出すなよ」

( ・∀・)「おい、プギャー。このブタを押さえつけてろ」

( ^Д^)「オッケー」

( ・∀・)「ミセリはスコップだ。分かるだろ?」

ミセ*゚ー゚)リ「ふふ、分かってるって」

ブーンはもう泣きだしそうでした。
逃げようと必死で体を捩っても、いじめっ子の力には敵いませんでした。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 20:59:34.75 ID:K/AqIG3u0<> (;^ω^)「や、やめてくれお!ごめんお!もうこんなこと・・・」

(#・∀・)「黙れって言ってんだろ、ボケッ!」

モララーの足が、ブーンのお腹に叩きつけられました。
ブーンが息を詰まらせていると、今度は土が顔にかけられます。

ミセ*゚ー゚)リ「ほーら、自分で掘った穴なんだから、自分で責任もって埋まりなさいよ」

ミセリがどんどん土をブーンにかけていきます。
と言っても、それほど量があるわけではありません。
それでも、ブーンを黙らせるのには充分でした。

( ;ω;)「うっ・・・うっ・・・」

( ^Д^)「プギャーwwwwwこいつ泣いてるぜwww」

ミセ*゚ー゚)リ「みっともないわねー、男の子のくせに」

( ・∀・)「なんだよ、俺たちが悪いことしてるみたいじゃんか」

モララーが、土をかぶったブーンの横にかがみこみました。
ミセリはすぐに土をかけるのを止めます。
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 21:02:48.36 ID:K/AqIG3u0<> ( ・∀・)「なあ、ブーン」

( ;ω;)「・・・」

( ・∀・)「俺たちは悪くないだろ?」

( ;ω;)「・・・」

( ・∀・)「お前が悪いんだ。落とし穴なんか掘ろうとするから」

( ;ω;)「・・・」

( ・∀・)「お前は自分で穴を掘って、自分で埋まったんだ。俺たちは何もしていない」

( ・∀・)「そうだろ?」

( ;ω;)「・・・」

(#・∀・)「分かったのかよ・・・・・ブタッ!」

モララーが土をかぶったブーンをまた踏みつけます。
もうブーンは抵抗できませんでした。

( ;ω;)「そうだお・・・自分で、やったんだお・・・」

( ・∀・)「そうだ。それでいいんだよ」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 21:06:15.74 ID:K/AqIG3u0<> それだけ言うと、彼らは手を払い、去って行きました。
ちょうど授業の終わりを知らせる鐘の音が鳴り、学校の中から子供たちの足音や話し声が聞こえてきました。

それでもブーンは動きません。
浅い穴の中で、土にまみれて芋虫のように丸まって、泣いていました。

やがて一人の女の子が玄関から出てきました。

ξ゚听)ξ「・・・はぁ」

彼女の名前はツンデレといいました。
浮かない顔をして、俯きながら校舎を出てきます。

ξ゚听)ξ「ブーン、今日も来なかったなぁ・・・」

授業が終わっても、大抵の子供たちは教室でおしゃべりをして、すぐに帰ろうとはしません。
ですが、彼女はそんな子供たちの輪には加わらず、一人で帰ることがほとんどです。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 21:09:40.40 ID:K/AqIG3u0<> ξ゚听)ξ「確かにこんな村で学校なんて必要ないかもしれないけど・・・」

ξ゚听)ξ「どうせ大人の手伝いもしないんだから、来たっていいじゃんか」

ξ゚听)ξ「ん?」

ξ゚听)ξ「・・・なに?」

彼女は、突然かわった地面の感触に気がつきました。

ξ;゚听)ξ「うわっ、な、なにっ?」

彼女がよく見てみると、それは地面ではなく人でした。
土をかぶった子供なのです。

( ;ω;)「・・・お」

ξ;゚听)ξ「え、ご、ごめんなさい!知らなくて・・・ていうか、え?」

( ;ω;)「痛いお・・・」

ξ;゚听)ξ「ぶ、ブーン?」

そう、それはブーンでした。
見紛う事なき、村一番の怠け者、ブーンだったのです。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 21:11:10.35 ID:uKU7K8pT0<> ロードオブザブーン <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 21:12:03.17 ID:cYlMiVjw0<> 支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 21:13:05.11 ID:K/AqIG3u0<> ξ;゚听)ξ「ブーン!こんなところでなにしてんのっ!?」

( ;ω;)「お・・・僕はただ・・・」

ξ゚听)ξ「とにかく、立ちなさい!ほら、シャンとして!」

( ;ω;)「情けないお・・・」

ξ゚听)ξ「これで顔拭いて!」

ツンデレはポケットからハンカチを取り出し、ブーンに渡しました。
それから彼女はハンカチで鼻をかむブーンの、身体についた土を叩いて落としました。

ξ゚听)ξ「もう・・・こっちに来なさい!みんなに情けない姿を見られるわよ!」

少女に手をひかれて泣きながら歩く少年は、可哀想なくらい惨めでした。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 21:16:57.19 ID:K/AqIG3u0<>



ξ゚听)ξ「・・・で、何があったの?」

ツンデレとブーンは、学校から少し離れた空き地にあるベンチに座っていました。
やっとのことで泣きやんだブーンに、ツンデレは話しかけます。

( ^ω^)「・・・お」

ξ゚听)ξ「まぁ、誰にやられたか予想はつくけど」

ξ゚听)ξ「どうせモララー達でしょ?あんな酷いことするの、この村ではアイツしかいないわ」

( ^ω^)「・・・」

ξ゚听)ξ「まったく・・・・・アンタもやり返してみなさいよ」

( ^ω^)「・・・無理に決まってるお」

( ^ω^)「モララーは頭もいいし、プギャーとミセリを使って、自分は手を汚そうとしないんだお」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 21:20:55.94 ID:K/AqIG3u0<> ξ#゚听)ξ「それがなによ!あんな腐れチンポ野郎、一人じゃ何もできない腐れ外道じゃない!」

( ^ω^)「お父さんがお金持ちだったから、しょうがないんだお・・・」

ξ#゚听)ξ「親なんて関係ないわよ!」

ξ#゚听)ξ「わたしだったら、あんなやつ・・・砕いて、剥がして、抉って、溶かして・・・」

(;^ω^)「や、やめるお!なんか怖い話になってるお!」

ξ゚听)ξ「・・・まぁ、臆病者のアンタには、何言ってもしょうがないわね」

( ^ω^)「・・・お」

ξ゚听)ξ「・・・」

( ^ω^)「・・・」

気候は穏やかで、木や土や川の匂いが村を漂っています。
川面を魚が跳ね、羽をもった虫がその上を横切っていきました。
いつも通りの村の午後。

そんな光景を、少年と少女は黙って眺めていました。
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 21:24:07.49 ID:wtBmFFxCO<> 支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 21:24:14.22 ID:yRQVLRDHO<> 情景が浮かんでくるわ

紫煙 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 21:25:01.18 ID:K/AqIG3u0<> ξ゚听)ξ「・・・森」

( ^ω^)「お?」

ξ゚听)ξ「この村のどこにいても、森が見えるじゃない?」

( ^ω^)「おっ」

ξ゚听)ξ「森に囲まれた村なんだから、当たり前なんだけど」

ξ゚听)ξ「私は、森がある景色しか知らない。森があって、川があって、畑があって、空に雲が浮かんでる。
そんな景色しか知らないの」

( ^ω^)「・・・ツン、どうしたんだお?急に」

ξ゚听)ξ「笑わないで聞いてほしいんだけど・・・」

( ^ω^)「wwww」

ξ゚听)ξ「・・・おい」

( ^ω^)「ごめんなさいもう笑いませんさあ続きを」


ξ゚听)ξ「・・・私、この村を出てみたいの」

(;^ω^)「おっ!?」
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 21:29:40.90 ID:K/AqIG3u0<> ツンデレの突然のカミングアウトに、ブーンは驚きました。
彼女は気にせず続けました。

ξ゚听)ξ「ずっと前から考えてた。この村の外はどうなってるんだろうって」

ξ゚听)ξ「学校で外の世界の話を聞くたび、私は胸が躍った。いつかこの村を出てみたいって」

(;^ω^)「む、無理だお!そんなことできるわけないお!」

ξ゚听)ξ「どうして?」

(;^ω^)「ツンだって知ってるお?村を囲む森の中には、亜獣が住んでるんだお!」

亜獣。それはこの世界のいたるところに住んでいる、凶暴で残酷な生き物のことです。
ブーンは亜獣についての噂を聞くたび、おしっこを漏らしてしまいそうになるほど怖がるのでした。
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 21:32:18.82 ID:iG7Qz+Eu0<> ふむ 一応支援す <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 21:33:25.92 ID:K/AqIG3u0<> (;^ω^)「王都の騎士たちでさえ、丸呑みにしてしまうんだお!
       そんなやつらが住んでる森を、抜けられるわけないお!」

ξ゚听)ξ「そんなの嘘かも知れないじゃない!見たこともないのに、そんな噂信じられないわ!」

(;^ω^)「村の周りに亜獣の骨を置いてるから怖がって、あいつらは襲ってこないんだお!
       そうしてなければ、僕たちはとっくにみんな食べられてるんだお!」

ξ;゚听)ξ「・・・う、うるさい!もしかしたら、襲われないかもしれないじゃない!
      走って逃げれば大丈夫よ!」

(;^ω^)「大丈夫なわけねーお!あいつらは大人より足が速いんだお!
       ツンなんてすぐに捕まっていろいろされたあとに食べられちゃうお!」

二人の言い合いは続きます。

ξ#゚听)ξ「いろいろってなによ!あんまり調子に乗ってるとやっちゃうわよ!?」

(#^ω^)「お!?なんだおやるのかお!?取り返しつかねーことになっても知らねーお!」

ついには取っ組み合いになってしまいました。
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2009/02/16(月) 21:35:48.13 ID:OfDecAGV0<> しえん <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 21:41:09.75 ID:cYlMiVjw0<> 支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 21:42:08.08 ID:K/AqIG3u0<>

それから数時間後。

(#)ω(#)「・・・」

ξ#゚听)ξ「ペッ!」

見るも無残な少年の死骸に、少女は唾を吐きかけました。

ξ#゚听)ξ「話にもならないわね」

(#)ω(#)「・・・ツン」

いえ、少年は生きていたようです。

ξ#゚听)ξ「なによ」

(#)ω(#)「・・・外は危険なんだお」

ξ#゚听)ξ「それで?」

(#)ω(#)「もしも森を抜けられたとしても、安全な町まで
       生きてたどり着ける保障なんてどこにもないんだお」

ξ゚听)ξ「・・・わかってるわよ」

(#)ω(#)「・・・」
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 21:44:29.84 ID:iG7Qz+Eu0<> 支援す <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 21:44:58.73 ID:K/AqIG3u0<> ξ゚听)ξ「でも・・・」

(#)ω(#)「僕はツンに危険な目に遭ってほしくないし」

(#)ω(#)「ツンに、いなくなって欲しくないんだお・・・」

(#)ω(#)「・・・たった一人の、友達なんだお」

ξ゚听)ξ「・・・」

陽は傾き始め、空はオレンジ色に変わっていきます。
もう、一日が終わろうとしているのです。
ブーンは夕日を見ると、なぜかいつも寂しい気持ちになるのです。
今も、そうでした。

ξ゚听)ξ「本当にこの村から出て行くって、決めたわけじゃないわ。
     ただ、私は村の外が見てみたいだけなのよ」

(#)ω(#)「そうかお」

ξ゚听)ξ「だからいつまでもそんな顔してないでよ!」

( ^ω^)「おっ!」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 21:47:50.10 ID:FtRkIdb70<> 支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 21:49:01.84 ID:yRQVLRDHO<> wktk <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 21:49:06.01 ID:K/AqIG3u0<> 周囲の家々に、灯りがともり始めました。
窓からこぼれ出る暖かい光が、彼らの横顔を照らします。

涼しい風がそばを通り過ぎ、かぎ慣れた村の匂いを運んで行きました。
穏やかな、森の中の村でのことです。

ξ゚听)ξ「それじゃ、私は帰るわ。ブーンも遅くまで外にいちゃだめよ!」

( ^ω^)「おっ!バイブーだお!」

ξ゚听)ξ「ばいばい!」

少女が去ったあと、少年は少し物思いに耽りました。
ツンデレが言ったことを、考えているのです。

村の外。ブーンはそんなことに一度も興味を持ったことがありませんでした。

( ^ω^)「・・・森の外、かお」
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 21:52:50.76 ID:K/AqIG3u0<> 紺色の闇が空を覆っていく中、ブーンは一人家に向かって歩いていました。
途中、わかれ道に出くわしました。
左の道に行けばブーンの家、右の道をまっすぐ行くと、森に突き当たるはずです。

( ^ω^)「・・・お?」

家と家に挟まれた、森へ続く道。
何気なくそちらを見やると、ブーンは不思議な感覚にとらわれました。

今までに感じたことのない存在が、道の向こうにいるような。
しかし恐怖は感じられませんでした。

( ^ω^)「・・・」



     ゜゜
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 21:56:07.10 ID:JeYF589FO<> 支援する <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 21:56:12.17 ID:FtRkIdb70<> wktk <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 21:57:22.73 ID:K/AqIG3u0<> 二つの小さな光が、道の奥で動いた気がしたのです。
ほんの一瞬のことで、気づいた時にはもう、そこには何もありませんでした。

( ^ω^)「・・・気のせいだお」

ブーンは再び家に向かって歩きだしました。




翌日の、朝のことです。

( ^ω^)「おっ、おおっ、おっ、お〜♪」

珍しく早起きしたブーンは、上機嫌で道を歩いていました。
今日も天気は快晴です。
小鳥のさえずりと、木々の葉の揺れる音の合唱が村を包んでいました。
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 22:00:00.09 ID:yRQVLRDHO<> wktk紫煙 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 22:00:40.83 ID:K/AqIG3u0<> ( ^ω^)「おっ、おおっ、お〜・・・・・お?」

ちょうど、村長の家の前を通りかかるところでした。
こんな時間にもかかわらず、村長の家の前に人だかりができていたのです。
なにやら叫び声まで聞こえてきます。

( ^ω^)「なんだお?なんかあったのかお?」

ブーンが好奇心で近寄ってみると、人だかりは一人の老人を囲うようにして集まっているのが分かりました。
その囲いの中心にいる老人が、憤怒の形相で怒鳴っているのでした。

ξ゚听)ξ「あっ、ブーン!」

( ^ω^)「ツン!おはようだお!」

ξ゚听)ξ「おはよう!」

人だかりの中にツンデレを見つけました。
改めて見てみると、ここに村人全員が集まっているのではないかと思うほどの喧噪でした。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 22:04:04.89 ID:K/AqIG3u0<> ( ^ω^)「何があったんだお?」

ξ゚听)ξ「えっと・・・私もよく分かんないんだけど・・・
『ドラゴンの眼』がどうとかって・・・」

( ^ω^)「どらごん・・・?」

ξ゚听)ξ「知らないの?有名な亜獣の名前よ。もうこの世界にはいないらしいけどね」

( ^ω^)「はーん。それで?」

ξ゚听)ξ「何かムカつくわね・・・それが盗まれたとか、さっきから叫んでるの。
すごく貴重なものなんだって。犯人を捜すとも言ってるわ」

( ^ω^)「よく分かってんじゃねえか」

ξ゚听)ξ「ケンカ売ってる?」

( ^ω^)「いえ」

二人は大人たちの股の下から、村長の様子を見ていました。
老人は皺だらけの顔を真っ赤にして、近くの人を手当たり次第に睨みつけ、怒鳴っていました。
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 22:06:12.86 ID:FtRkIdb70<> ブーンの態度ワロタww <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 22:08:21.64 ID:iG7Qz+Eu0<> 支援す <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 22:08:48.73 ID:K/AqIG3u0<> / ,' 3「お前か!?お前が盗んだのか!?どうなんだ!何とか言え!」

(;`・ω・´) 「落ち着いてくださいよ!俺じゃないですよ!そんなの盗んで何の得があるんですか!」

/ ,' 3「それじゃあお前か!白状しろ!ワシの『ドラゴンの眼』を返せ!」

\(^o^)/「ちょwww僕じゃないwww」

/ ,' 3「ウソつけ!何だそのふざけた態度は!」

\(^o^)/「濡れ衣www人生オワタwww」


(;^ω^)「・・・よくあの人が村長やってられるお」

ξ゚听)ξ「・・・ホントにね」


( ・∀・)「通してください」

騒がしくなってきた人だかりに、突然、子供の声が響きました。
礼儀正しい言葉遣いの中に、あの独特の冷たさが混じっていました。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 22:09:17.47 ID:yRQVLRDHO<> ブーンwww <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 22:09:41.71 ID:QqFdb1weO<> つC <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 22:11:31.96 ID:K/AqIG3u0<> / ,' 3「・・・なんだ、モララー」

村長の前に進み出たモララーは、腕を組んで言いました。

( ・∀・)「話は聞きました。『ドラゴンの眼』を盗まれたらしいですね」

/ ,' 3「・・・だからなんだ?」

さっきまでの喧噪が嘘のように、辺りは静けさに満たされていました。
村長でさえも落ち着きを取り戻したように見えました。

/ ,' 3「お前には関係のないことだ。それとも何か?お前が盗んだと?」

( ・∀・)「・・・」

/ ,' 3「さあ、ワシは忙しいんだ。お前が犯人ではないのなら、とっとと消えろ」



( ^ω^)「フヒヒwwwwモララーのやついい気味だおwww
       もっと言ってやれwww」

ξ゚听)ξ「ちょっと、ブーン・・・」
<> わらしべ長者 ◆wara.XgDOY <><>2009/02/16(月) 22:11:56.81 ID:O97tFRUZO<> wktk <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2009/02/16(月) 22:12:43.77 ID:8gcIh83U0<>
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 22:14:18.58 ID:++Q+EWWJ0<> SYEN <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 22:14:41.12 ID:K/AqIG3u0<> ( ・∀・)「クソジジイ・・・」

モララーが、ぽつりと呟きました。

/ ,' 3「・・・なんだと?」

( ・∀・)「・・・」

(#・∀・)「この・・・老いぼれがあぁぁあ!!」

突然の少年の叫びに、人々は面喰い、困惑しました。
モララーは今まで、大人たちの前では決して本性を出さず、
良い子供の見本のような振る舞いをしていたのだから当然です。

ざわめきが広がっていく中、彼は叫び続けます。

(#・∀・)「てめえふざけてんのか!?あれはてめえの物じゃねえんだよ!
      盗まれただと!?ボケ!頭がおかしいんじゃねえのか!?」

/ ,' 3「・・・小僧」

モララーは村長の胸ぐらをつかみ、怒鳴りました。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 22:16:36.08 ID:Mq2EehjY0<> ブーンが犯人にされるかと思ったw <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 22:17:35.60 ID:FtRkIdb70<> >>57
俺も思ったw <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 22:19:06.04 ID:0GdLzifBO<> (  ω )つ^^ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 22:20:16.56 ID:FtRkIdb70<> ^^つ(  ω ) <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 22:20:25.25 ID:K/AqIG3u0<> (#・∀・)「あれは!『ドラゴンの眼』は!俺の物なんだぞ!
      父ちゃんが俺にくれたんだ!それを・・・」

/ ,' 3「黙れ!何も知らないガキが生意気な口を聞くな!あれはワシの物だ!
    お前の父親がワシに手渡したのだ!お前の物ではない!」

(#・∀・)「殴り殺すぞ老害が!父ちゃんはてめえに預けただけだ!
      俺は間違ったことは言ってない!あれは俺のだ!返せ!今すぐに!返せよ!」

/ ,' 3「自分が何を言っているのか分かっているのか!?まったく、前々から怪しいと思っておったわ!
    お前は羊の皮をかぶった悪鬼だと!お前にあれを持つ資格などないわ!」

(#・∀・)「・・・っ!この野郎・・・殺してやる・・・!」



ξ゚听)ξ「・・・」

( ^ω^)「おっwwwモララーのやつ、これで全部おしまいだおww
       村長を敵に回したら、この村では生きていけないおwww」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 22:20:58.17 ID:K2YDzkw3O<> おおう冒険ものか
ずっと某スレでいい続けてきた努力が実ったようだ
厨バトル要素もありそうだし超期待だ!
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 22:22:18.75 ID:0GdLzifBO<> 村八分されるぞ! <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 22:22:38.94 ID:K/AqIG3u0<> ξ゚听)ξ「・・・」

( ^ω^)「僕をいじめた罰だおwwせいぜい干からびたジジイと罵り合って堕ちて行けばいいおwww」

ξ゚听)ξ「・・・ブーン、言い過ぎよ」

( ^ω^)「おww?そんなことないおwww今まであいつが何をしてきたか考えてみるおww
       村八分じゃ足りないくらいだおwww」

ξ゚听)ξ「もう・・・」


老人と少年の言い合いは続きます。

/ ,' 3「殺す?ワシを殺すのか?やれるものならやってみろ!」

(#・∀・)「いい覚悟じゃねえか、ジジイ・・・!」

/ ,' 3「この村で人を殺した奴は、腹を切って森の木に縛りつけられる決まりだ。
    子供だろうと!亜獣の餌となって苦しみながら死ぬがいい!」

(#・∀・)「分かったよ!じゃあ遠慮なく殺してやる!」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 22:26:33.40 ID:K/AqIG3u0<> (;‘_L’)「そこまでだ!二人とも、落ち着け!まったく、何を言ってるんだあんたたちは!」

見るに見かねた村人が、ついに止めに入りました。
このままでは大変なことになってしまうと思ったのでしょうか。

(;‘_L’)「『ドラゴンの眼』が誰のものか、後でまた話し合えばいいだろう?
      今は犯人が誰なのか、探すことだ!」

/ ,' 3「・・・ふん、どうせこのガキだろう!よくも、このワシに向かって・・・」

(#・∀・)「それ以上言ったら、本当に許さねえぞクソジジイ・・・」

(;‘_L’)「そ、それで?アラマキ村長、『ドラゴンの眼』はあなたが眠る前までは確かにあったんですよね?」

村人は、冷や汗を滝のように流しながら話題を変えました。
この二人に睨みつけられる役目を買って出た彼に、みんなが軽い尊敬と同情を抱きました。

/ ,' 3「・・・ああ、確かにあった。ワシの枕元にいつも置いているからな」

(;‘_L’)「ね、眠ったのはいつ頃?」

/ ,' 3「・・・陽が落ちてすぐだ。戸締りはしっかりしていた。それが、朝になって目が覚めるとなくなっていた。
    跡形もなく。そして窓が開いているのを見つけたんだ」
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 22:26:45.66 ID:JeYF589FO<> しえん <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 22:29:05.84 ID:K/AqIG3u0<> (#・∀・)「・・・ふん」

(;‘_L’)「ふうーむ・・・陽が落ちる頃には、みんな家に帰ってるはずだからなぁ・・・」

(‘_L’)「・・・そうだ・・・そういえば・・・」

/ ,' 3「なんだ?」

きっと彼はまだ混乱していたのでしょう。
ここでそんなことを言ったら、どうなってしまうのか簡単に想像ができたでしょうに。

再び静けさを取り戻したこの場に、その声はゆっくりと溶けていきました。





(‘_L’)「・・・昨日の夜、ブーンが外を出歩いてたのを見たような・・・」

( ^ω^)「・・・」





(^ω^)「お?」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 22:29:26.64 ID:0GdLzifBO<> フィレンクトさん・・・ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 22:32:17.98 ID:K/AqIG3u0<> 村人みんなの視線が、間抜け面のブーンに集まりました。

どういうことなのか理解するのに一瞬の間があり、そして病気がうつるのを避けるかのように、
人々はブーンから一歩離れていきました。

(^ω^)「お?」

何が起きたのかまるで分からないブーン。
唯一ブーンから離れずにいてくれたツンデレと顔を見合せ、それからまた村長を見ました。

やがて村長が口を開きます。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 22:32:29.57 ID:eyBAtQwBO<> 私怨 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 22:35:19.10 ID:K/AqIG3u0<> / ,' 3「小僧」

( ^ω^)「お?」

/ ,' 3「昨日の夜、どこで何をしていた?」

( ^ω^)「なにが?」

/ ,' 3「盗んだのか?」

( ^ω^)「お?」

/ ,' 3「・・・もういい」

( ^ω^)「え?」

/ ,' 3「家へ来い。拒否はできんぞ」

( ^ω^)「どういうこと?」

村長はブーンの腕を力強く掴み、目の前の自宅へ引っ張っていきました。
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2009/02/16(月) 22:39:12.15 ID:hDKZlRJG0<> 支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 22:39:17.51 ID:JeYF589FO<> 支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 22:39:37.43 ID:FtRkIdb70<> 支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 22:41:29.41 ID:K/AqIG3u0<> 村長の家の玄関を村人が開け、老人がブーンを中へ押し込めようとした時。
少女の声が聞こえました。

ξ゚听)ξ「ちょ、ちょっと、待って!」

/ ,' 3「・・・なんだ?」

ξ゚听)ξ「ブーンは盗んでないわ!」

/ ,' 3「・・・ほう」

ξ゚听)ξ「遅くまで外にいたのは、私と遊んでいたからなの!『ドラゴンの眼』を盗むためじゃないわ!」

/ ,' 3「何が言いたい」

ξ゚听)ξ「どうしてブーンを連れていくの!?証拠もないのに!」

村長は汚いものでも見るような目つきで、ツンデレを一瞥しました。

/ ,' 3「小娘」

ξ゚听)ξ「何よ!」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 22:42:48.06 ID:Mq2EehjY0<> ほんとにどうしてこんなのが村長なんだ・・・ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 22:44:22.00 ID:K/AqIG3u0<> / ,' 3「このガキは昨日、ワシの家のスコップを盗んだ」

ξ゚听)ξ「え・・・」

/ ,' 3「タチの悪いイタズラを仕掛けることしか頭にない怠け者を、庇う価値はあるのか?」

ξ;゚听)ξ「で、でも・・・」

/ ,' 3「それをこれから調べるんだ。邪魔をするな」

/ ,' 3「これ以上ワシに意見するようなら、お前も共犯ということにするぞ」

ξ;゚听)ξ「・・・うぅ」


( ^ω^)「・・・」

( ^ω^)「あれ?僕って、疑われてる?」

そうです。ブーンは『ドラゴンの眼』を盗んだ犯人として、疑われているのです。

( ^ω^)「え?いや、僕、盗んでないお?え、なに?なんで?」

彼はようやく自分の置かれている立場に気づいたようです。
ブーンはアホの子のようです。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 22:45:11.59 ID:0GdLzifBO<> きっとブーン芸がまとめてくれる <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 22:47:01.31 ID:JeYF589FO<> >>78
まだ纏められても無いうちにまとめ云々言うのは余り宜しくない <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 22:47:02.83 ID:K/AqIG3u0<> / ,' 3「さぁ、早く入れ。お前にはしゃべってもらわなければならないことが、たくさんある」

(;^ω^)「お?ま、待ってくださいお。ブーンは盗んでないですお」

/ ,' 3「黙れ。歯を全部引き抜かれたいか?」

(;^ω^)「ちょ、そんな!ブーンはやってないですお!無実ですお!」

/ ,' 3「おい、こいつを中に入れるの手伝ってくれ」

(;‘_L’)「は、はい」

(;^ω^)「ブーンはやってないお!なんでだお!意味が分からんお!助けて!だれか!」

(;^ω^)「ツン!助けてくれお!ブーンは盗んでないんだお!」

大きくて分厚い玄関の扉に挟まれそうになりながら、ブーンは必死に叫び、手を伸ばしました。
しかしその手を掴み、引き戻してくれる人はいませんでした。
ツンデレでさえ、顔を俯けてブーンから目をそむけていたのです。
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 22:50:01.23 ID:0GdLzifBO<> ごめん <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 22:50:17.02 ID:K/AqIG3u0<> ( ;ω;)「ツン!助けてお!いやだお!僕はやってないお!だれか・・・」

( ;ω;)「・・・!」

扉が閉まる最後の瞬間、ブーンの目に映ったのは、

( ・∀・)「・・・」

どんな詩人の口をもってしても形容しがたい、モララーの表情でした。





/ ,' 3「さて・・・ブーンよ」

ここは村長の家の中。
その広いリビングにあるソファーに、ブーンは座っていました。

部屋のいたるところに骨董品や動物の頭蓋骨、立派な額縁に囲まれた大きな絵画が飾られていました。
しかし今のブーンには、それらをゆっくり鑑賞する余裕などありませんでした。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 22:53:40.41 ID:JeYF589FO<> しえん <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 22:54:25.01 ID:K/AqIG3u0<> ,' 3「どこにある?」

( ;ω;)「・・・」

額がくっつくほど近づけられた老人の顔に怯え、ブーンは何も答えられません。
老人の口からは酷い臭いが発せられ、それだけで涙が出てきてしまいます。

/ ,' 3「服の中には隠していないようだな・・・どこだ」

( ;ω;)「・・・」

村長はすでに、ブーンが犯人だと確信しているようです。
血走った眼の奥に狂気と憎しみの光を湛えて、ブーンを凝視しています。

/ ,' 3「『ドラゴンの眼』を、どこに隠した?家か?木の根元か?それとも・・・」

( ;ω;)「・・・」

/ ,' 3「お前の腹の中か?」

( ;ω;)「・・・ヒィ」

そして村長はブーンから離れ、部屋の隅へと歩いて行きました。
彼の前にある壁には、様々な形をしたナイフや剣、槍などが飾られています。

彼はその中にある一本のナイフを手に取り、鞘を抜いて眺め始めました。
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 22:57:39.72 ID:K/AqIG3u0<> / ,' 3「こんな小さな村でも」

/ ,' 3「秩序がなければ人々は生きてはいけん。分かるか?」

( ;ω;)「・・・お」

/ ,' 3「どんな集団だろうと、リーダーが必要なのだ。優秀なリーダーが」

/ ,' 3「この、森の中の村において」

/ ,' 3「ワシがリーダーだ。リーダーの言うことは絶対なのだ。
    逆らう者や反抗する者、秩序を乱す者に容赦はしない」

/ ,' 3「どんな人間だろうと、悪いことをした者には罰を与えねばならんのだ」

/ ,' 3「・・・分かるだろう?」

( ;ω;)「・・・ぼ、僕は・・・盗んでないお・・・」

/ ,' 3「まだ言うか!!」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 22:57:52.17 ID:hDKZlRJG0<> 支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 22:58:08.63 ID:K2YDzkw3O<> これはオムライスかな <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 22:59:35.42 ID:K/AqIG3u0<> 老人はナイフを手に持ったままブーンにつめ寄り、その鋭い刃先を少年の腹に突きつけました。

( ;ω;)「ヒッ!」

/ ,' 3「お前がやった!お前が盗んだんだ!働きもせず学校にも行かず、
    毎日くだらんイタズラをすることしか能のない貴様が、犯人ではないわけがあるか!!」

( ;ω;)「うっ・・・僕じゃないお・・・なんでだお・・・」

もはや村長はブーンの言葉など聞いてはいませんでした。
部屋の中に老人の罵声と、少年のすすり泣く声が響き渡っていました。

/ ,' 3「知ってるか?世界には、お前の知りえないような不可思議な物がたくさんある。
    このナイフもそうだ」

/ ,' 3「このナイフにはある魔法がかけられていてな。
    この柄を握る者が切りたいと願った物だけを、切ることができるナイフなのだ」

/ ,' 3「切りたいと願えば、どんなものでも切ることができる。
    しかし逆に、切りたくない物は、どんなに切りつけても切ることはできない」
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 23:00:20.88 ID:JeYF589FO<> >>87
だからそういう事言うと無名まとめが様子見に入って結局消え去ると何度言ったら(ry <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 23:00:28.06 ID:FtRkIdb70<> 支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 23:02:06.03 ID:K/AqIG3u0<> ( ;ω;)「・・・なんで・・・僕はやってないのに・・・」

/ ,' 3「お前の腹を裂いて『ドラゴンの眼』を取り出したいが、ワシの宝を傷付けるわけにはいかない。
    そんな時に使うナイフなのだ」

/ ,' 3「なんとも便利な代物よ・・・小僧、覚悟はできたか?」




( ・∀・)「・・・待てよ」

不意にかけられた少年の声に、老人の振りかぶったナイフが止まりました。
窓から差し込む光を受けて輝くナイフの刃には、モララーの無表情な顔が映っていました。

( ・∀・)「クソジジイ。話がある」

彼は壁に背を預けて、腕を組んでこちらを見ていました。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 23:02:33.08 ID:JeYF589FO<> 支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 23:03:47.38 ID:K/AqIG3u0<> / ,' 3「なにをしにきた?ワシは今いそがしいんだ」

( ;ω;)「・・・お?」

ブーンもようやくモララーの存在に気づき、それから村長の手に握りしめられているナイフを見ました。

( ;ω;)「・・・モララー?」

( ;ω;)「僕を・・・助けてくれるのかお?」

( ・∀・)「黙ってろブタ野郎。お前に用はない」

( ;ω;)「お・・・」

モララーはそう言うと、部屋の中を歩き始めました。

( ・∀・)「お前も罰を受けたいのか?これ以上ワシの邪魔をするというのなら・・・」

( ・∀・)「てめえも黙ってろ。耳が腐る」

( ・∀・)「・・・教えてやるよ」
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 23:05:20.50 ID:FtRkIdb70<> 村長がモララーになってるw <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 23:05:30.00 ID:JeYF589FO<> 村長AAもららになって無いか? <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 23:09:30.36 ID:K/AqIG3u0<> >>94ごめんなさいごめんなさいごめんなさい間違えました

/ ,' 3「お前も罰を受けたいのか?これ以上ワシの邪魔をするというのなら・・・」

の間違いです。恥ずかしいなんてレヴェルじゃねえ
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 23:10:26.44 ID:yRQVLRDHO<> 紫煙紫煙 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 23:10:46.56 ID:0GdLzifBO<> /抜けてるのは? <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 23:11:39.73 ID:K/AqIG3u0<> / ,' 3「なにをだ!わかった、お前の腹の中にあるんだな?ワシをコケにしおって!」

( ・∀・)「本当の犯人だ。『ドラゴンの眼』を盗んだ犯人・・・」

モララーは窓に歩み寄り、そこから外を眺めながら、続けました。

( ・∀・)「まず、犯人はそこのブタじゃない」

( ;ω;)「・・・」

( ・∀・)「無知で屑で臆病者のソイツに、『ドラゴンの涙』を盗むことなんてできやしない。
      せいぜい、外に置いてあったスコップをビクビクしながら持っていくことくらいだな。
      そこのブタにできることは」

/ ,' 3「・・・む」

モララーはまた歩き始め、ブーンの横を通り、老人の前に立ちました。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 23:13:36.79 ID:JeYF589FO<> しえん <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 23:13:41.04 ID:K/AqIG3u0<> >>98それもですごめんなさいごめんなさい

推敲って大事・・・( ;ω;) <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 23:15:29.97 ID:K/AqIG3u0<> ( ・∀・)「この毛に、見おぼえがあるか?」

/ ,' 3「・・・」

モララーの手には、銀色に輝く数本の毛が握られていました。
村長はすでに、この少年の言葉に聞き入っていました。
ブーンのことなど忘れてしまったかのように。

( ・∀・)「この家じゅうに落ちていた。人間の毛じゃない」

/ ,' 3「なら、それはなんだ?何の関係がある・・・」

ブーンはその時、あるものに気づきました。
自分の足もとに、紙切れが落ちているのです。
さっきまではなかったはずなのに・・・

( ;ω;)「・・・?」

老人に注意を払いながらこっそりと拾い上げ、
涙をぬぐって紙切れに書いてある文字を読みました。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 23:16:33.44 ID:cSanq0gQ0<> 支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 23:20:07.06 ID:JeYF589FO<> しえんー <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2009/02/16(月) 23:20:17.54 ID:OfDecAGV0<> しえんしえん <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 23:20:40.12 ID:K/AqIG3u0<>

『俺がクソジジイの注意を引く。隙を見て窓から逃げろ、ブタ』



( ^ω^)「・・・」

勉強はからっきしでしたが、文字の読み書きだけは普段から練習していたブーン。
今よりももっと小さい頃、母親に教えてもらったのでした。
そしてブーンはそっと、紙切れをポケットに入れました。

( ・∀・)「亜獣だ」

/ ,' 3「なんだと?」

( ・∀・)「亜獣の毛だ。俺はこんな毛をもった動物を、今まで見たことがない」

( ・∀・)「考えてもみろ。鍵の閉まった窓を割らずに開け、『ドラゴンの眼』だけを盗んでいく。
      この村にいる人間で、そんなことができる奴がいるか?
      そんなことをして得をする奴がいるか?」

/ ,' 3「ぬぅ・・・」

( ・∀・)「そしてこの毛だ。もう分かっただろ?クソジジイ」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 23:21:54.77 ID:FtRkIdb70<> 師炎 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 23:22:13.24 ID:0GdLzifBO<> 涙 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 23:24:35.65 ID:K/AqIG3u0<> / ,' 3「黙れ・・・お、お前だ・・・お前が盗んだんだ・・・」

( ・∀・)「亜獣ってやつは、普通の動物よりも頭がいい。人間より賢い亜獣もいるって話だ」

( ・∀・)「認めろ。てめえが間違ってたのさ。宝を盗まれて興奮した頭のせいで、
      冷静になることができなかった。そうだろ?」

/ ,' 3「ワシは間違ってない・・・お前らだ・・・お前らが悪いんだ」

( ・∀・)「・・・何も見えちゃいない。そんなゴミ同然の人間がリーダーだと?笑わせんなよ」

( ・∀・)「今だって」

/ ,' 3「!」

老人が振り返ると、窓を開いて逃げ出そうとするブーンがいました。

(;^ω^)「・・・おっ!」

一瞬目が合ったのち、ブーンは外に飛び出て、逃げて行ってしまいました。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 23:24:46.98 ID:yRQVLRDHO<> モララー案外いいヤツだな <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 23:25:49.93 ID:++Q+EWWJ0<> SYEN <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 23:26:34.85 ID:K/AqIG3u0<> / ,' 3「き、貴様・・・モララー!」

( ・∀・)「よっ・・・と」

老人が激昂して振り切ったナイフを屈んで避け、モララーは足の先で彼の腕を蹴り上げました。
村長の手から離れて舞い上がったナイフを、少年は器用にキャッチしました。

/ ,' 3「ぐっ・・・!」

( ・∀・)「俺が殺せるかよ」

/ ,' 3「貴様ら、許さんぞ・・・絶対に・・・!」

( ・∀・)「このナイフだって、もともと俺の父ちゃんのものだったんだ。
      この際返してもらうぜ」

( ・∀・)「じゃあな、クソジジイ」

ナイフを鞘に収め、モララーは窓から出て行きました。


/ ,' 3「許さん・・・許さんぞ・・・ガキ共」

部屋に残ったのは、怒りに燃える老人、ただ一人でした。
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 23:26:45.48 ID:PXH1psKkO<> これは・・・
旅の仲間の一人目の予感 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2009/02/16(月) 23:27:18.99 ID:pBtXRQBhO<> ドラゴンの眼ってキングだっけか? <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 23:28:21.19 ID:K/AqIG3u0<>

( ;ω;)「うぅ・・・なんでこんなことに・・・」

ここはブーンの家。
村長の家から逃げてきたブーンは、人目を避けながら、まず自分の家に向かったのです。
身を低くして走っている途中、またしても涙が溢れてきてしまうのでした。

モララーがブーンの足もとに落とした紙切れには、逃亡のメッセージのほかに、こうも書かれていました。



『自分の家に行って、旅の準備をしろ。ありったけの食糧と金を持って、急いで森の入口に来い』

『分かったか、ブタ!』


( ;ω;)「逃げたりしたら、もう言い訳もできないお・・・僕はもうこの村にいられないお」

( ;ω;)「村長はきっと、大人たちを使って僕を探しているはずだお・・・この家にくるのも時間の問題だお」

( ;ω;)「やぱっり・・・村を出るしかないのかお・・・」
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 23:29:15.32 ID:JeYF589FO<> しえん <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 23:31:12.82 ID:K/AqIG3u0<> 旅の支度は、あらかた終わりました。
がらんとした家の中。

ブーンには両親がいませんでしたが、それでも今まで不自由もなく暮らしてきました。
食べ物は毎日、嫌な顔をしながらも村人たちが分けてくれましたし、
外に行けばツンデレと遊ぶこともできました。
青空の下を雲と共に歩きながら、新しいイタズラを考えることも。

そんな暮らしも、今日でお終いです。

村長の怒りを買って、村に残った人は今までにいませんでした。
例外なく、村から追い出されてしまうのです。

( うω;)「・・・」

それでもブーンは、何とか涙をぬぐい、家の中をもう一度見渡しました。

( ^ω^)「しかたがないお」

( ^ω^)「森の木に縛り付けられるよりは、逃げたほうがマシなんだお」

( ^ω^)「・・・」

ブーンの頭の中に、ツンデレの顔が浮かび、消えていきました。
それでも、ブーンはなんとか口をこじ開け、こう言うのでした。

( ^ω^)「・・・いってきますお」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 23:32:17.88 ID:JeYF589FO<> しえーん <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 23:32:31.54 ID:FtRkIdb70<> wktk支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 23:33:09.53 ID:++Q+EWWJ0<> こりゃ楽しみだ、支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 23:35:23.90 ID:K2YDzkw3O<> この小説ってモトネタあるのか? <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 23:35:31.73 ID:4MjQXCguO<> >>99
ドラゴンの…涙?? <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2009/02/16(月) 23:36:26.42 ID:72pZDe520<> 目なのか涙なのか <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 23:36:40.35 ID:mSZaZp2F0<> >>121
随分昔に読んだから記憶が曖昧だけど
指輪物語ではなさそうだな <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 23:39:57.32 ID:K/AqIG3u0<>


(#・∀・)「おせーんだよ!ノロマ!」

森の入口には、すでに荷物を背負ったモララーが待っていました。
しきりに辺りを警戒しています。

(;^ω^)「ご、ごめんお・・・」

( ・∀・)「必要な物は持ってきたな。ブタのくせに文字は読めるんだな」

( ^ω^)「おっ」

( ・∀・)「よし、いくぞ。死にたくなけりゃついてこい。ブタみたいにな」

(;^ω^)「ちょ、ちょっと待ってくれお!」

( ・∀・)「んだよ」

モララーは実に面倒くさそうに振り返ります。

(;^ω^)「森の中には・・・亜獣が棲んでるんだお?」

( ・∀・)「・・・お前は本当に頭が悪いんだな。知らなかったのか?」

( ^ω^)「お?」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 23:40:47.45 ID:FtRkIdb70<> 師炎 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 23:42:07.94 ID:K/AqIG3u0<> >>122-123ドラゴンの「眼」の間違いです。

今までのふざけたミスは私の死をもって償わせていただきます。

嘘です。間違えてごめんなさい。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 23:42:57.82 ID:RUuNTGU5O<> モララーかっけぇ
やっぱり第一印象最悪な奴って評価上がりやすいな <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 23:44:03.98 ID:yRQVLRDHO<> >>121
指輪物語じゃないの? <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 23:44:50.57 ID:0GdLzifBO<> 指輪なの? <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 23:46:55.53 ID:K2YDzkw3O<> 長編大作の予感
ロードオブザリングがモトネタなのか <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 23:47:11.21 ID:K/AqIG3u0<> ( ・∀・)「この森に亜獣はいない。だからこそ、こんなところに村があるんだ」

( ^ω^)「・・・?」

( ・∀・)「俺は時々森に入って、調べていたんだ。でも亜獣がいた痕跡は何一つなかった。
つまり、大人たちは嘘をついていたのさ」

( ^ω^)「なんでそんな嘘をつくんだお?」

( ・∀・)「亜獣が棲む森に囲まれた村ということにしておけば、外の人間たちに村を襲われる心配もなくなる」

( ・∀・)「そういうことだ」

( ^ω^)「あ・・・なーる」

( ・∀・)「この森を抜けたら風の平原だ。そこには亜獣がうじゃうじゃいる。覚悟しとけ」

彼らは森の入口に入っていきました。
外からくる旅人や、ごく一部の大人たちが時々使う道を、少年たちは歩きました。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 23:48:58.17 ID:FtRkIdb70<> 激しく師炎 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 23:50:44.80 ID:yRQVLRDHO<> wktk <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 23:50:48.85 ID:K/AqIG3u0<> 木々が生い茂り、伸ばした枝が空を覆っています。
鳥の鳴き声にびくつきながら、ブーンはモララーの背中を追いました。

( ・∀・)「・・・」

( ^ω^)「・・・」

( ・∀・)「・・・」

( ^ω^)「・・・モララー」

( ・∀・)「なんだよ」

( ^ω^)「・・・どうして助けてくれたんだお?」

( ・∀・)「あ?」

(;^ω^)「あ、いや・・・その、村長の家で・・・」

( ・∀・)「うるせえな。黙って歩けよ屑が」

(;^ω^)「ごめんお・・・」

( ・∀・)「利用するためだよ」

( ^ω^)「・・・お?」

( ・∀・)「亜獣に襲われた時、盾になるだろ」

(;^ω^)「・・・お」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 23:52:07.93 ID:K2YDzkw3O<> モララーやっぱうぜぇな… <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 23:52:34.00 ID:FtRkIdb70<> モララーww <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 23:52:57.23 ID:K/AqIG3u0<> 足元は不安定で、背中の荷物は子供が背負うには重すぎるものでした。
彼らの行進は遅々としたもので、時刻は正午をとうに過ぎていました。

やがて闇が舞い降り、この日は森の中で野宿をすることにしました。
焚き火を起こし、二人は木に背を預けて腰をおろしました。

( ・∀・)「あまり食糧を無駄にはできないな」

( ^ω^)「そうだおね」

( ・∀・)「というわけで、お前はその辺の草で我慢しろ」

(#^ω^)「なんでだお!」

( ・∀・)「あ?何か言ったか?」

(#^ω^)「・・・」

辺りは静けさに包まれています。
焚き火の跳ねる音が時折、晩御飯の焼ける香ばしい香りと共に届いてきました。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 23:53:25.33 ID:yRQVLRDHO<> きっとツンデレさ!ツンデレなはず! <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 23:54:19.79 ID:K/AqIG3u0<> ブーンが寝床の準備をしていると、モララーが言いました。

( ・∀・)「・・・俺たちは旅に出る」

( ^ω^)「・・・お?」

( ・∀・)「何のための旅か、分かってるか?」

( ^ω^)「逃げるためだお!」

( ・∀・)「ちげーよ。いいかブタ、よく聞け」

( ・∀・)「これは、俺のための旅だ」

( ^ω^)「お?」
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 23:56:06.36 ID:FtRkIdb70<> ブタブタ言われているブーンが可哀そうに思えてきたww <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 23:57:08.72 ID:lxUO/2IFi<> やぱっり
これに突っ込む者がおらんとは・・・ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 23:58:19.00 ID:K/AqIG3u0<> ( ・∀・)「『ドラゴンの眼』を盗んだのは、亜獣だ。毛並は銀色、お前より頭が良くて、器用なやつだ」

( ・∀・)「もう村から出てしまっただろう。俺たちはその亜獣を追う」

( ^ω^)「・・・」

( ・∀・)「追いかけて、捕まえて、『ドラゴンの眼』を取り返す」

( ・∀・)「そのための旅だ」

( ^ω^)「・・・ブーンの疑いを、晴らせるかもしれないお!」

( ・∀・)「それは知らん。あの『ドラゴンの眼』は俺のものだ。取り返したら俺は絶対に手放さないし」

( ・∀・)「もう村に戻る気もない」

(;^ω^)「おっ!?なんでだお!?」

( ・∀・)「お前も今日のことで分かっただろう。あの村はクソだ。クソ以下だ。
      あんなイカれたジジイが村長をやっていて、それに従ってるような村は、存在する価値がない」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/16(月) 23:58:46.24 ID:K2YDzkw3O<> 飯食べるの早いなw <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/17(火) 00:00:02.12 ID:S+mWLTPg0<> >>144
つまりブタと言いたいんですね <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/17(火) 00:00:08.61 ID:UlStttOFO<> しえん <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/17(火) 00:01:35.24 ID:Qo7co9Pp0<> >>142やぱっりwwww何回誤字打てば気が済むんだよwww


・・・ごめん( ;ω;) <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/17(火) 00:02:34.37 ID:S+mWLTPg0<> 師炎 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2009/02/17(火) 00:03:24.58 ID:f+/LRIm40<> やぱっりバレたかwwwwwwwwww <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/17(火) 00:04:45.79 ID:Qo7co9Pp0<> ( ・∀・)「そんなところに、俺ほどの人間が戻る意味なんてないのさ」

( ・∀・)「わかったか。ブタ」

( ^ω^)「・・・プギャーとミセリは」

( ・∀・)「・・・あいつらも同じさ。頭の悪い人間は、道具にしか使えないんだ」

( ^ω^)「・・・そうかお」


森の中の、夜のことです。
木々は葉を揺らしていびきをかき、その枝の上を小動物が木の実を抱えながら走って行きます。
ブーンが今までに体験したことのない夜でした。
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/17(火) 00:09:12.80 ID:Qo7co9Pp0<> ブーンはいつのまにか眠りに落ち、夢を見ていました。
不思議な夢でした。

ツンデレが笑いかけ、ブーンも笑いました。

ブーンの横に、見慣れない男の子と女の子がいました。
二人とも、知らない子です。

目の前には、大人が二人立っています。やはり見たことのない人でした。
不思議に思って名前を聞くと、「今に分かる」と、口々に言うのでした。

ブーンが振り返ると、そこにはモララーがいました。
起った顔で、手にはフライパンを持っています。

(#・∀・)「おい」

(#・∀・)「起きろよ、ブタ」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/17(火) 00:09:56.09 ID:cqgsCzoOO<> 支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/17(火) 00:12:07.89 ID:S+mWLTPg0<> 「起こった→怒った」かな?
師炎 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/17(火) 00:14:39.26 ID:jR0+6NrW0<> ツンデレも出番終了か <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/17(火) 00:16:06.99 ID:Mn7Oy+wtO<> wktkが止まらない <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2009/02/17(火) 00:17:24.27 ID:OWxGsvvgO<> >>1疲れてるのか?
支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/17(火) 00:17:28.82 ID:bJyasXiZ0<> しえん <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/17(火) 00:18:21.76 ID:Qo7co9Pp0<> 彼はそう言ってフライパンを振りかぶり――――

(#・∀・)「起きろっつってんだろおぉお!」

(;゚ω゚)「おぉぉぉお!?」

頭部に激痛。その痛みは決して夢ではありません。




(#・∀・)

モララー の フライパン!

こうか は ばつぐん だ!

ブーン は たおれた!

モララー は 0 けいけんち を えた!
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/17(火) 00:18:51.16 ID:D/OKD6htO<> 内藤ホライゾン戦記を彷徨とさせる出来だな

あと誤字は叩かれる要素だから気をつけて <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/17(火) 00:19:02.22 ID:S+mWLTPg0<> 経験値0wwwwwww <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/17(火) 00:20:23.53 ID:Qo7co9Pp0<> ( ゚ω゚)「あばばばば」

なんとも過激な目覚ましで現実世界へ引き戻されたブーン。
飛び出かけた目で見た光景は、もはや見慣れた森の中でした。

木漏れ日が辺りを明るく照らし、小鳥の鳴き声が聞こえてきます。

森の朝でした。

(#・∀・)「いつまで寝てる気だ!さっさと水を汲んでこい!」

ぐわんぐわんと揺れる頭を押さえ、ブーンはぶつぶつ言いながらバケツを持って川へ向かいました。

(#^ω^)「ありえねえお・・・フライパンで殴るか?ふつう・・・」

(#^ω^)「こういう小説じゃなかったら頭蓋骨陥没どころの騒ぎじゃねえお・・・」

( ^ω^)「まてよ・・・これをイタズラの仕掛けに応用できないかお?」

( *^ω^)「フヒヒ・・・襲い来るフライパン・・・逃げ惑う人々・・・」

馬鹿なことを考えながら川に入り、顔を洗って歯を磨く少年。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/17(火) 00:22:00.82 ID:Mn7Oy+wtO<> ブーンwww雑魚スwwwwww <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/17(火) 00:23:28.25 ID:Qo7co9Pp0<> ( ^ω^)「あれ・・・?」

( ^ω^)「なんか変な夢を見た気がするけど・・・」

( ^ω^)「・・・思いだせないお」

バケツいっぱいの水を汲んで戻ると、モララーが朝ごはんを食べ終わったところでした。
道具はすでにまとめてあり、焚き火もわずかでした。

( ・∀・)「焚き火に水かけとけ。荷物を背負ったら、出発だ」

( ^ω^)「お?僕まだご飯食べてないお」

( ・∀・)「知るか。いつまでも寝てるお前が悪い。いいから早くしろよ、ブタ」

(#^ω^)「・・・」

理不尽な仕打ちに腹を立てながら、しかしそれを口に出す度胸もなくブーンは荷物を背負いました。
焚き火に水をかけ、忘れ物がないか確認してから、彼らは歩き始めました。

( ・∀・)「・・・」

( ^ω^)「・・・」
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/17(火) 00:24:15.28 ID:S+mWLTPg0<> 師炎 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/17(火) 00:25:43.56 ID:bJyasXiZ0<> しえん <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/17(火) 00:26:37.83 ID:Qo7co9Pp0<> それからどれくらい歩いたでしょうか。

不意に一陣の風が彼らを吹き付け、後ろへ去っていきました。
嗅ぎ慣れない匂いをまとった、力強い風でした。

( ・∀・)「・・・着いたぞ」

( ^ω^)「・・・お」

風の吹いてきた前方を見やると、そこは森の出口でした。
木々が途切れたその先には、草と土で覆われた広い平原。
彼らを待ち受けていた、新しい世界でした。

( ・∀・)「・・・風の平原だ」

( ^ω^)「森を抜けたお・・・」

初めて見る世界。どこまでも地面が続き、遠くには鋭く尖った山々が連なっています。
家も畑もありません。

ぽつぽつと立ち尽くしている樹の下には、はたして亜獣たちが潜んでいるのでしょうか。
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/17(火) 00:27:59.97 ID:S+mWLTPg0<> wktk、wktk
師炎 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/17(火) 00:28:11.40 ID:h9iCIgQI0<> しえん <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/17(火) 00:29:24.45 ID:Qo7co9Pp0<> ( ・∀・)「ここからだ。本当の旅ってやつは」

( ^ω^)「モララーは旅をしたことがあるのかお?」


( ・∀・)「・・・」


自由に流れる風たちに乗って、名も知らぬ花弁が目の前を通り過ぎて行きました。

( ・∀・)「・・・父ちゃんと一緒に、一度だけ。それだけだ」



二人の少年は、仲が良いわけではありません。
それどころか、つい昨日まで、彼らはいじめっ子といじめられっ子でもあったのです。

それでも。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/17(火) 00:32:04.72 ID:Qo7co9Pp0<> ( ・∀・)「いくぞ」

( ^ω^)「おっ」


彼らは旅の仲間のようです。










第一話 森の中の村   終わり
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/17(火) 00:33:45.98 ID:l06hugHRO<> もつ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/17(火) 00:33:51.77 ID:S+mWLTPg0<> >>1お疲れ様〜
第二話にも期待 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/17(火) 00:34:13.75 ID:Mn7Oy+wtO<> 乙!

久しぶりにwktkする話だった <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/17(火) 00:34:41.33 ID:Qo7co9Pp0<> というわけでやっと第一話、終わりです。

支援してくださった方、誤字を指摘してくださった方、それ以外の方々、
本当にありがとうございました。

質問とかもしもあったら、お願いします。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/17(火) 00:35:22.17 ID:OnRUXekSO<> おつ

ふいんきめっちゃ良くて感動した
ファンタジーいいなあ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2009/02/17(火) 00:35:47.15 ID:/h1j8r6g0<> 乙
続き楽しみにしてます。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/17(火) 00:36:04.15 ID:bJyasXiZ0<> オツオツ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/17(火) 00:36:15.10 ID:S+mWLTPg0<> >>1
ツンデレはもう出番無し・・・? <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/17(火) 00:36:27.51 ID:uw2YAB3N0<> 乙 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/17(火) 00:38:03.56 ID:cqgsCzoOO<> 次はいつぐらい? <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/17(火) 00:38:22.77 ID:Mn7Oy+wtO<> 次回投下はいつ頃? <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/17(火) 00:38:40.75 ID:Qo7co9Pp0<> >>178ククク・・・どうかな?

あと、これは元ネタはありません。
指輪物語とは関係ありません。

冒頭で文章を拝借させていただいただけです。
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/17(火) 00:41:21.76 ID:Qo7co9Pp0<> >>180-181たぶん来週になると思います。
最終話までプロットはあるので、何十年かかろうと完結させます。
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/17(火) 00:41:49.86 ID:cqgsCzoOO<> 乙 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/17(火) 00:41:54.82 ID:S+mWLTPg0<> >>182
これは続編に期待せざるを得ないwwww <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/17(火) 00:42:54.84 ID:N98NeItOO<> >>183
なげえよw <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/17(火) 00:44:46.25 ID:D/OKD6htO<> 乙!何話構成の予定? <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/17(火) 00:45:36.64 ID:aeqqNhTF0<> http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/skyp/1122888819/

このスレに「AAが悔しくて粘着発狂してるストーカーがいるスレはココでつかw」
ってカキコすると
ヒキが悔しく発狂してワロスwww

おまいらでも100%釣れるぞwやってみろww <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/17(火) 00:46:09.51 ID:h9iCIgQI0<> 乙 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/17(火) 00:49:34.17 ID:Qo7co9Pp0<> >>10話・・・いくかいかないか・・・構成の予定です。

次からは誤字をなくしていきたいので、皆さんどうかご協力を。
自分で気づけない・・・ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/17(火) 00:52:35.86 ID:D/OKD6htO<> 投下する前に読みなおせばおk
10話か…少し残念だが期待してるよ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/17(火) 00:56:29.33 ID:S+mWLTPg0<> 次の題名は決まってる? <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/17(火) 00:58:35.14 ID:Mn7Oy+wtO<> 10話か。案外短いな

この雰囲気なら50話くらいやって貰いたいオレが居る <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/17(火) 00:58:38.50 ID:qMWxk4osO<> 次回楽しみだなあ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/17(火) 01:00:34.37 ID:D/OKD6htO<> まとめが来るまで保守 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2009/02/17(火) 01:01:48.85 ID:0RkkuicAO<> いいふいんきだった。
次回に期待してます。
乙! <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/17(火) 01:02:39.81 ID:Qo7co9Pp0<> >>192「ガラクタの街」とでも言っておきましょうか・・・

それではまた。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/17(火) 01:04:44.72 ID:Mn7Oy+wtO<> 乙

次も楽しみにしてる! <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/17(火) 01:21:30.15 ID:xag7iBj6O<> まとめてもいいかな?
続き楽しみにしてます。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/17(火) 01:37:48.92 ID:jbo26NwkO<> ほ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2009/02/17(火) 01:38:16.64 ID:DwwZSdCEO<> よむほ <>