以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/11/28(金) 21:12:20.04 ID:WT7nMkhr0<> 代理さ <>从゚∀从は鋼鉄の処女のようです ◆cnH487U/EY <><>2008/11/28(金) 21:16:54.09 ID:PCKDFjv0O<> >>1乙です

初北産業↓

似非萌え
サイバーパンク
一行余ったよ

まとめサイト(ブーン芸さん)
http://boonsoldier.web.fc2.com/maiden.htm

从゚∀从は拝み屋のようです 登場人物紹介

从゚∀从…ヴァチカンはローマ法皇に仕える第13壊滅騎士団に所属していた、元異端審問官。現在はドクオと二人でフリーの拝み屋を経営している。

('A`)…幽霊に憑かれやすい不幸な体質の青年。ある事件がきっかけで、ハインの拝み屋に就職する事になってしまった。

ξ゚听)ξ…ドクオに憑意している女の幽霊。元々は地縛霊だったが、ドクオの優しさに惚れてドクオに憑く事にした。無論、ツンデレである。

( ^ω^)…ジプシーの青年。精霊の声を聞く事の出来る希有な存在。方向音痴でいつもふらふらしている。

(,,゚Д゚)…第13壊滅騎士団の現団長の異端審問官。異形と見れば容赦なく退魔する冷徹な男。

从'ー'从…呪法具店「渡辺屋」の店主。機械音痴。最近、ネットでの通信販売を始めた。

マト#>д<)メ…ブードゥーの邪神。疫病と死と風を司る第一階位の神。何故か日本かぶれ。

(=゚ω゚)…残尿感を司る神。ねちっこい。

お待たせしました。disc 5.track-βを投下させていただきます。 <>
◆cnH487U/EY <><>2008/11/28(金) 21:18:39.56 ID:PCKDFjv0O<> 〜track-β〜

━━壁に叩きつけた拳が、痛んだ。

「どうして……」

それは、何度も繰り返された言葉。

「どうして、君は……」

どうして、この想いは伝わらないんだ。

「……こんなにも」

愛しているのに。

「くそっ…!」

ずっと、傍に居た。誰よりも長い間、隣に居た。誰よりも近い距離に、二人は居た。
それなのにどうして君は、振り返ってくれない。
あまりにも長い間一緒に居すぎたから、それが当然だと思っているのか?
あまりにも近い距離に居たから、気付かないのか?

「……だったら」

嫌でも気付かせてやる。
この、とめどない想いを。
嫌でも聞かせてやる。
この、張り裂けんばかりの胸の鼓動を。 <>
◆cnH487U/EY <><>2008/11/28(金) 21:19:31.31 ID:PCKDFjv0O<>  ※ ※ ※ ※

从゚∀从「ハインと」

从∀゚从「シャロンの」

ヽ从゚∀从ノ「どっちでSHOW〜♪」ヽ从∀゚从ノ

どんどんぱふぱふ、なんて間抜けなSEが聞こえてくるような台詞を吐いて、ゴスロリ少女達がオレの前に並ぶ。
こうして見ると、服装以外に違いの見られない彼女達は、一卵性双生児としか思えないクリソツぶりだ。

(;'A`)「……つうか君、ストーカーに付け狙われてるんでしょ?だったらもっとそれらしく神妙な顔をしてろよ」

現在時刻は21時をほどなく回った辺り。
見た目とは裏腹にティーンエイジャーの女の子らしくぬいぐるみで埋もれたシャロン嬢の部屋。
オレ達は「毎晩毎晩同じ時間に掛かって来る」という無言電話を待っていた。

从∀゚从「え?だって、あんたらが守ってくれるんでしょ?」

(;'A`)「そりゃ、まぁ、言ったけど……」

彼女曰わく、無言電話は何時も夜の十時を回った辺りにかかってくるという。
向こうが今日も規則正しくコールしてくれるなら、それにオレが出る事で向こうを牽制する事が出来るかもしれない。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/11/28(金) 21:21:06.80 ID:L2KmPUSPO<> はやっ <> 聖杯戦争
◆YhrftnhMQI <><>2008/11/28(金) 21:21:41.30 ID:NT7VcEwn0<> 来た、これで勝つる!

支援 <>
◆cnH487U/EY <><>2008/11/28(金) 21:21:48.77 ID:PCKDFjv0O<> 从∀゚从「でも、やっぱりビックリだねぇ。ホント、世の中にはそっくりな人がいるもんだ」

从゚∀从「私は正確には人では無いがな」

从∀゚从「背格好まで同じってなると、いよいよもって不思議だなぁ……」

如何せん、当人はそんなものなどお構いなし。自分と瓜二つのハインに興味津々といった様子だ。

从∀゚从「そうだ、私の服を着せてみよう!」

从゚∀从「……は?」

鼻歌混じりにクローゼットを開けるシャロンの背中を、呆けたように見つめる機械娘。
成る程、柔軟な彼女のAIにも許容範囲外は存在するらしい。

从∀゚从「ちょっとちょっと、これ着てみてよ」

意気揚々と振り向いたシャロン嬢の手に下げられていたのは、濃緑のブレザーに揃いのチェックのスカート。

从;゚∀从「……これは?」

从∀゚从「私の高校時代の制服だよ。まだ卒業してから一年しか経ってないから、サイズは大丈夫だと思うけど……」

从;゚∀从「……」

どうしたらいいのか分からなくなったのか、ハインは縋るような眼差しでオレを見詰めてくる。
ふむ、これは面白い事になった。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/11/28(金) 21:22:22.09 ID:97jSMH6vO<> 支援! <>
◆cnH487U/EY <><>2008/11/28(金) 21:23:51.75 ID:PCKDFjv0O<> ('A`)「いいんじゃね?着ちゃえば?」

从;゚∀从「貴様……」

この台詞では彼女が逆らえないと知ってて言うオレも些か卑怯かも知れないが、ハインのブレザー姿というものには凄く興味が有る。
テレビの前の大きいお友達も、きっとそれを望んでる筈だ!

从゚∀从「……覚えておくがいい。いつか、貴様は泣いたり笑ったり出来ない体になるだろうという事を」

禍々しい呪詛を呟きながら、彼女はシャロンからブレザーを受け取るとその場でワンピースを脱ぎ始めた。

从∀゚;从「ちょ!ここで脱ぐの!?」

从゚∀从「……何か、問題が?」

恥じらいの「は」の字も無い鬼畜イノセンス(最もガイノイドだから当然だが)にシャロン嬢が赤面する。

(;//A//)「お、おうふっ…!」

フリルのワンピースの下から現れた肌は、人間のそれと何ら変わりがなく、不覚にもオレはその一点の曇りも無い美しい肌に心臓の鼓動が加速するのを自覚した。

从∀゚;从「あ、あんたも幾ら相棒だからってマジマジと観てるんじゃないのっ!」

(; A )「おっと!」 <>
◆cnH487U/EY <><>2008/11/28(金) 21:25:33.05 ID:PCKDFjv0O<> 恐るべき早業でシャロン嬢が放ったタオルが、オレの視界を塞ぐ。

「いいって言うまで絶対にとっちゃダメだかんな!」

済まない、同志諸君!誠に遺憾ながら、オレはこれ以上このめくるめくワンダフルワールドを描写する事が出来ない!
だが約束しよう!いつか!いつの日か必ず、オレはこのご都合主義的社会構造を打破し、男性優位社会の礎を築く事を!
だから今は、大変申し訳ないが音声だけで我慢してくれ!

「……うわぁ、ホント綺麗な肌してる…私より白いんじゃない?」

「そうか?あまり、意識した事は無いが」

「この体で迫られたら、どんな男もいちころでしょ…」

「潜入任務など、場合によってはそのような手段に訴える事もあるがな」

「女スパイじゃん。ふふ、カッコイい。……って、うわぁ…大胆な下着、履いてるねぇ」

「本来ならば、運動性能の事を考えると着用しない方が良いのだが、先に述べた通り人間の格好をしていなければならないからな」

「……これ、ハインが選んだの?」

「そうだが……。どこかおかしいか?運動性を束縛しない程度のものを適当に選んだのだが……」 <>
◆cnH487U/EY <><>2008/11/28(金) 21:27:09.72 ID:PCKDFjv0O<> (* A )「……」

目を閉じて想像してご覧。
甘い果実のような、それでいて背徳的な、女の花園を。
ほら、見えてきただろう?それが君の桃源郷であり、エデンの東だ。
そしたら、それを網膜に焼き付ける。強く、強くね。……焼き付けたかい?
オーケー、これで君は今後のおかずに困る事は無い。

「……おぉ、似合うじゃん。…って私の制服だから当たり前か」

さて、どうやら向こうは終わったみたいだ。
そろそろ、このタオルをとってもいいかな?

「いーよ、とっても」

(*'∀`)「いよっしゃぁぁあ!」

さぁ皆さん、お待ちかねの御披露目タイムです!

从∀゚从「……どうよ?」

女子高生。それは、大人と子供の狭間で揺れる青い果実。
色香と、幼さと、誘惑の堕天使。
濃緑のブレザーに、チェックのスカートは膝丈。淡いローズピンクのリボンを胸元に、純白のふくらはぎは紺のハイソックスに覆われ。

从゚∀从「ふむ…少し、窮屈だな」

彼女は、オレの前に立っていた。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/11/28(金) 21:27:49.47 ID:Vf3+3NL7O<> 支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/11/28(金) 21:27:59.50 ID:L2KmPUSPO<> 支援ー <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>酉だしてごめんなさい<>2008/11/28(金) 21:29:20.73 ID:NT7VcEwn0<> 支援 <>
◆cnH487U/EY <><>2008/11/28(金) 21:29:51.07 ID:PCKDFjv0O<> 从∀゚从「感想は?」

(*'A`)「……」

言葉を失っていた、と思う。
毎日顔を突き合わせ、暇とあらば罵倒し合っていた鬼畜冷血ガイノイド。
ただ、制服を着たというだけで彼女が、まるで異質なものになってしまったかのような。

从゚∀从「……おい蟯虫。どうした、カエルに小便をかけられたような顔をして」

ふいに覗き込んで来る、ハインの面。
卵形の輪郭の中、何時もの毒を吐く唇はとても柔らかそうで。

(;//A//)「の、のわぁぁあ!?」

オレは、思わず尻餅をついてしまった。 <>
◆cnH487U/EY <><>2008/11/28(金) 21:30:53.69 ID:PCKDFjv0O<> 从゚∀从「なんだ?何故転ける。私の顔がイグアナにでも見えたか?」

心外だと言わんばかりに、眉を顰める女子高生。

从ー゚从「はは〜ん」

シャロン嬢が、意地の悪い笑みを口の端に浮かべてオレを見下ろす。

从ー゚从「……ひょっとしてひょっとすると…不意打ちだったかにゃあ?」

(;'A`)「っ!」

从ー゚*从「な〜るほどなるほどぉ……ふひひ」

図星をさされて取り乱すオレに向けて、シャロン嬢は嫌な笑顔を向けた。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/11/28(金) 21:30:57.11 ID:hw4i4WtHO<> 支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/11/28(金) 21:31:26.33 ID:U/hSC90R0<> 現時点でヘドバン開始しているわけで! <>
◆cnH487U/EY <><>2008/11/28(金) 21:33:04.71 ID:PCKDFjv0O<> (;'A`)「は、はは。何を言っているかわからないな。生憎オレは学が無い。会話をする時は日本語で頼む」

从∀゚*从「またまたぁ〜。照れちゃってぇ〜!」

(;'A`)「う、うるせいうるせい!」

从゚∀从「……?」

あたふたするオレを、不思議そうに見つめる機械化女子高生。
そうだよ、機械なんだよこいつ。ブレザー着たぐらいでなに取り乱してるのよオレ。
落ち着こうぜ。落ち着こうぜオレ。

从∀゚从「よ〜っし、次はこれ着てみようか!」

从;゚∀从「もういい、これ以上は遠慮させてもらう」

クローゼットを物色するシャロン嬢の背後で白旗を振る機械化女子高生。
これ以上衣装を変えてアイアンメイデン七変化なんてやられたら、オレの心臓の方も持ちそうにないので出来ればクライアント様には自重していただきたい。

从∀゚从「えぇ〜、いいじゃんいいじゃん!この人甲斐性無さそうだし、いつも同じ服着てるんでしょ?」

('A`)「ぐさっ」

从゚∀从「…確かに、コレの経済観念は壊滅的に破綻しているが、私は別に服などは……」

(;'A`)「ざくっ!」 <>
◆cnH487U/EY <><>2008/11/28(金) 21:34:16.96 ID:PCKDFjv0O<> 从∀゚*从「でしょでしょ!?だったら、今日くらいは……」

力むシャロン嬢、たじろぐハインリッヒ。
妙な進路にギアが入った歌姫の勢いに戦乙女が押し負けるかと思われた矢先、無機質な呼び出し音が部屋の中に響き渡った。

从∀゚;从「ひっ…!」

途端、肩を震わせてシャロン嬢の動きが止まる。
硬直した彼女の視線の先には、壁掛けタイプの電話機。

('A`)「……来たか」

腕時計を見る。
午後十時。寸分の狂いも無いその正確さに、おぞけを感じずにはいられない。

从∀゚;从「あっ…あっ…あっ……」

恐怖に凍りつき立ち尽くすシャロン嬢に視線で大丈夫だと語り、オレは恐る恐る受話器を取った。

('A`)「……もしもし」

ホロ表示は無い、アノニマス回線。
相手の顔が見えない電話でのやり取りは久方ぶりだったので、耳を済ませて受話器越しに相手の出方をオレは伺う。

『…………!』

微かに、息を呑む音。
電話に出るのが男だとは、思ってもみなかったのだろう。
ここまでは、順調だ。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/11/28(金) 21:37:53.89 ID:97jSMH6vO<> 支援 <>
◆cnH487U/EY <><>2008/11/28(金) 21:38:08.80 ID:PCKDFjv0O<> ('A`)「……あんた、誰だよ」

答えは期待せずに、再び耳をすます。

『………やる』

('A`)「あん?」

小さ過ぎて聞き取れない。

『……てやる』

囁きのようなそれは、呪詛を孕んだ響き。

('A`)「誰だか知らんがね、シャロンさんはあんたのやってる事に迷惑してるんだ」

『……してやる』

('A`)「これ以上同じ事を続けるようだったら、オレも彼女に雇われた身としては黙っちゃいられない。それなりの措置を取らせてもら……」

『殺してやる…』 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/11/28(金) 21:39:09.90 ID:km8zVBTRO<> し <>
◆cnH487U/EY <><>2008/11/28(金) 21:40:15.23 ID:PCKDFjv0O<> それはいたって単純な一言。それ故、下手な脅し文句よりもおぞましい一言。

『殺してやる』

その呟きは、確かに聞こえた。
明確な殺意と、純然たる狂気。
囁き程のボリュームなので相手が男か女かも解らないが、これだけは言える。

相手は、今の電話で怖じ気づくようなヤワな玉じゃない……生粋の、“サイコ”さんだ。

(;'A`)「……おい、てめぇよぉく聞け。こっちはその道のプロだ。下手をして怪我でもする前に……」

オレが最後まで言い終わらぬうち、電話は切れた。

(;'A`)「……くそったれ」

無愛想な電子音声が回線遮断を告げる中、オレは自らの失態に心中で舌打ちする。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/11/28(金) 21:40:50.65 ID:U/hSC90R0<> ズッズクズクズクズッズクズクズク ズクズクギュイーーン
ドダッダダダダダドダッダダダダダ ダンダンダンダンダン <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/11/28(金) 21:41:11.15 ID:km8zVBTRO<> に <>
◆cnH487U/EY <><>2008/11/28(金) 21:41:42.08 ID:PCKDFjv0O<> 相手を甘く見ていた。
ストーカーなんて陰湿な事をする人種は、大抵根性の歪んだ内向的なヤツらが大半だ。
だから、こっちが強気に出れば怖じ気づいて引っ込むものとばかり思っていたのだが。

(;'A`)「…内向的?とんでもねぇ。ありゃ、そんな可愛いもんじゃねぇぞ」

声だけでもわかる。あれは、“社会”というものが眼中に無い、自らの欲望の為なら何もかもを踏みにじるようなサイコパスそのものだ。

从゚∀从「……どうやら、予想以上に大物がかかったようだな。鮫か?マグロか?」

('A`)「蛆と蛭がいっぱいに詰まった長靴を釣り上げた気分だよ。……ハイン、警戒態勢に入れ」

オレの言葉に込められた緊張感を察して、女子高生の格好のまま彼女は格納武装のセーフティーを静かに外す。

从∀゚;从「えっ!?えっ!?ちょっとちょっとちょっと!」

オレ達のただならぬ雰囲気に戸惑うシャロン嬢。

('A`)「大丈夫だ、安心しろ。別にこれからドンパチやるわけじゃない。念の為だよ念の為」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/11/28(金) 21:42:53.21 ID:NT7VcEwn0<> セーラー服と機関銃ですね、わかります <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/11/28(金) 21:43:32.27 ID:km8zVBTRO<> く <>
◆cnH487U/EY <><>2008/11/28(金) 21:44:15.81 ID:PCKDFjv0O<> 从∀゚;从「な、なんだぁ……」

胸をなで下ろしその場にへたり込む彼女から視線を外し、オレは思考に更ける。

どうにも気になっている事が有るのだ。

('A`)「先の電話……」

ストーカーと思しき相手からかかってきたのは、アノニマス回線。
通常、非通知で掛かってきた電話やネットへの匿名アクセスであっても、発信元の個体情報はそれぞれ大元のサーバーや電話会社に残る。
その個体情報すらも隠匿し、完全に何者なのかがわからない状態でネットにアクセスしたり電話をかけたりするのがアノニマス回線だ。

無論これは非合法な通信手段として、取り締まりの対象となっている。
ニーソクの地下マーケットにいけば、アノニマスプロキシの入ったデータチップは売っているが、一般人ではそう簡単に手に入れられる代物ではない。
ネット上でダウンロードしようと探してみたところで、プロのハッカー達がおいそれと自らの商売道具を公開する訳も無い。
独学でプログラムを組むなど、もっての他だ。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/11/28(金) 21:45:52.06 ID:km8zVBTRO<> え <>
◆cnH487U/EY <><>2008/11/28(金) 21:47:49.75 ID:PCKDFjv0O<> ('A`)「……ヤツは、どうやってあんなものを手に入れたんだ?」

相手がプロのハッカーだという前提で考えれば話は簡単なのだが、それ以上にどうも引っ掛かる事が有る。

('A`)「あいつ、本当にさっきオレ達をつけてたヤツか?」

電話口で呟かれた「殺してやる」という明確な殺意。
筋がね入りのサイコパスを思わせる奴の狂気が、どうしてもあのお粗末な尾行をしていた何者かとは繋がらない。
おどおどしたあの尾行の動作と、電話口で聞いた純然たる狂気……。
オレには電話の向こうに居た相手と、夕方につけられた相手が、同一人物だとは思えなかった。

('A`)「……どうも、雲行きが怪しいな」

“私たちのバンドのホームページも荒らされてるんだよね”

('A`)「ひょっとすると、これはストーカー事件では無い可能性も……」

“死ねとか、さっさと解散しろとか、匿名をいいことに罵詈雑言の嵐でメッセが埋まってるんです”

('A`)「もしかして、パペットマスターの存在を快く思わないヤツの、嫌がらせか?」

そう考えてみてもいいだろう。現に、カラスの死体なんて送りつけて来てるのだ。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/11/28(金) 21:49:18.05 ID:km8zVBTRO<> ん <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/11/28(金) 21:49:55.41 ID:U/hSC90R0<> 歯ぁ磨けよ <>
◆cnH487U/EY <><>2008/11/28(金) 21:50:07.69 ID:PCKDFjv0O<> ('A`)「……じゃあ、あの尾行者は…?」

それだけが、どうしてもわからない。
今現在揃っている情報では、答えが見つかる事は無いだろう。
取りあえず、今分かっている事から出来る限り犯人像を形作ってみようか。

('A`)「先ずは、犯行の手口だ」

アノニマス回線を使った無言電話及びホームページ荒らし。
カラスの死体を送りつける。
尾行……は、まだ保留としておこう。

この三つの手口から解るのは、相手がシャロン嬢の家の場所と家の電話のアドレスと、ホームページのアドレスを知っているという事だ。

('A`)「……っつうことは……」

オレは、自分が辿り着いた推論に胸糞が悪くなる。

('A`)「……なぁ、シャロンさん。ちょっと聞きたいんだが」

从∀゚;从「な、何?」

('A`)「君の家の電話のアドレスを知っている人間は、どれくらい居る?」

从∀゚从「……えっと、そんなに多くないと思う。家の電話のアドレスなんて、仲の良い人にしか教えて無いし……」

だろうな。携帯端末のアドレスならいざ知らず。家の電話を、おいそれと他人に教える奴はそうそう居ない。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/11/28(金) 21:50:44.40 ID:vPQm4yPM0<> 支援 <>
◆cnH487U/EY <><>2008/11/28(金) 21:52:25.00 ID:PCKDFjv0O<> ('A`)「……で、具体的には誰だ?」

从∀゚从「えーと…親でしょ、まっ君でしょ、後は…バンドメンバーかな」

('A`)「なる…ほど……」

やっぱり、か。

从∀゚从「それが、どうか……」

('A`)「いや、何でも無い。気にしないでくれ。…で、そいつらとはどうやって知り合ったか教えてくれないか?」

シャロン嬢の目つきが、明らかに不穏な色を帯びる。

从-゚从「……ねぇ、もしかしてみんなを疑ってるの?」

('A`)「……」

オレは無言で、彼女を見つめ返す。

从-゚从「……はぁ。わかった、話すよ」

('A`)「すまんな。だが、まだ仮定の段階でしか無い。君の話したことによっちゃ、彼らが潔白だって証明出来るかも知れない」

嘘だった。
犯人は、かなりの確率で身内にいる。
家の位置やバンドのホームページなら誰でも解るが、家の電話のアドレスはそこらのハッカーですらおいそれと解るものではない。

从∀゚从「まっ君ってのは私の彼氏。彼とは高校を卒業してから、あのライブハウスで知り合ったんだ。私達がまだ無名の頃から、よくライブを見に来てくれてた」 <>
◆cnH487U/EY <><>2008/11/28(金) 21:54:06.98 ID:PCKDFjv0O<> ('A`)「…で、バンドメンバーは?」

从∀゚从「みんなとは、高校の頃からの付き合い。軽音部の中で、メタル好きが高じて仲良くなって…それじゃあ、バンドを組もうかって話になったの」

('A`)「出来れば、一人ずつ頼む」

オレの言葉に彼女は些か面倒くさそうな顔をしたが、オレが何時になく真面目な顔(我ながら似合わない面だと思う)をしているからか、必死に記憶の糸を手繰るように話を再開した。

从∀゚从「えーとミセリとは……あ、あのメッシュを入れた子ね。あの子と本格的に付き合い始めたのは、二年の時の組替えだったかな」

从∀゚从「軽音部では一年の時から一緒だったけど、あの子人見知りが激しいでしょ?」

('A`)「ああ、初対面のオレを死にたくなるまで罵倒してくれたけどな」

从∀゚;从「そ、それはその…」

从゚∀从「貴様が罵倒し易い体質だからだろう。私のレーダーは貴様の体から放たれる嗜虐ホルモンで常に紫に染まっている」

(#'A`)「取りあえず、君は黙っていようか。あと、いい加減制服脱げや」 <>
◆cnH487U/EY <><>2008/11/28(金) 21:56:28.03 ID:PCKDFjv0O<> 鬼畜女子高生は肩を竦めると、「超ありえなーい」とぼやきながら壁際に移動し、ネイルガトリングの動作チェックを始めた。
超ありえなーい。

('A`)「……ああ、ごめん。続けて」

从∀゚从「…で、組替えで一緒のクラスになってから、よく話すようになったわけ。因みに、ミセリはベース担当。あの子の低音はスッゴく気持ちいいんだ」

从∀゚从「えーと、あとはマトマトとクックルか。二人とは、さっき言ったように軽音部で知り合ったの。マトマトがギターで、クックルがドラムだね。あと、これは内緒だけどどうもあの二人、付き合ってるらしいよ」

('A`)「ふーん。まぁどうでもいいや。で?」

从∀゚从「……へ?」

('A`)「もう一人居たじゃないか。あー…モナーとか言う奴が」

从∀゚从「あぁ、モナーね。あいつは小学校の頃から同じ学校だったなぁ。あんま覚えてないけど」

('A`)「……で、どういう経緯でバンドメンバーに?」

从∀゚从「んんー…確か、インディーズデビューの時のライブで、ローディーとして雇ったのがきっかけかなぁ。同じ学校を出身って事で、専属のローディーにしたんだ」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/11/28(金) 21:56:55.02 ID:NT7VcEwn0<> 支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/11/28(金) 21:57:40.24 ID:km8zVBTRO<> に <>
◆cnH487U/EY <><>2008/11/28(金) 21:58:10.37 ID:PCKDFjv0O<> ('A`)「……そうか」

从∀゚从「ねぇ、もうこれくらいでいい?」

('A`)「あぁ、もう結構だ。すまんな、何度も嫌な思いをさせて」

本当にね、とシャロン嬢は嫌みたっぷりに言いながらベッドの上に体を投げ出した。

从∀゚从「あーあ、なんかケチついちゃったなぁ……」

彼女はボヤキながら、ベッドのサイドボードに乗ったステレオのスイッチを入れる。
途端、耳をつんざく爆音が部屋中に響き始めた。

(;'A`)「どわっ!なんだいきなり!?」

从;゚∀从「敵襲か!?」

機銃の掃射の如き断続的なドラム音、空気を切り裂くようなギターの唸り。

从∀゚从「やっぱ、くさくさした時はこれだ!」

ベッドから跳ね起き、頭を降り始めるシャロン嬢。
スピーカーと同時に、彼女は金切り声で喚き始める。

从∀゚从「faster than a bullet! terrifying scream!」

その詩とすら呼べない英語と殺人的なメロディーに、オレは昔フォックスの阿呆が無理矢理貸して寄越した、一枚の音楽データを思い出した。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/11/28(金) 22:00:03.94 ID:km8zVBTRO<> く <>
◆cnH487U/EY <><>2008/11/28(金) 22:00:17.82 ID:PCKDFjv0O<> 曲名は忘れたが、とにかくやかましい事この上なかったので、数秒と聞かずにゴミ箱に放り込んだ覚えがある。

(;'A`)「な…難聴になる…」

耳を塞ぎうずくまるオレを尻目に、シャロン嬢はベッドの上でスプリングを破壊し兼ねない勢いで飛び跳ねていた。

从∀゚*从「this! is! the! painkiller! ahhhhhhhhh!!」

彼女とスピーカーのシャウトが部屋を震わす。

从゚∀从b「よい子の皆は、夜に音楽を聴くときはヘッドホンを着用するのだぞ。私との約束だ」

あぁ、今夜は眠れそうにない。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/11/28(金) 22:00:42.53 ID:km8zVBTRO<> を <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/11/28(金) 22:01:23.76 ID:U/hSC90R0<> なんというジャケ買いアルバム <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/11/28(金) 22:02:39.92 ID:ON3BmX2uO<> リアルタイムktkr
サイバーパンクいいな
応援してるぜ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/11/28(金) 22:03:18.11 ID:km8zVBTRO<> ぬ <>
◆cnH487U/EY <><>2008/11/28(金) 22:04:22.97 ID:PCKDFjv0O<>  ※ ※ ※ ※

━━ねぇ見て、天使が飛んでるよ!

(ヽ'A`)「うふふ…ねぇ、僕も一緒に飛んでいい?」

从゚∀从「貴様が天国遊覧を楽しむには徳が足りぬ。せいぜい、無信仰地獄止まりだろう」

(ヽ'A`)「やーのっ!僕も天使さまとお空を飛ぶの!」

ふらつく足元に気を配りながら、オレは脳内麻薬が見せる幻と戯れる。
昨晩はシャロン嬢の護衛という名目上、何時敵が襲撃して来てもいいように玄関の前で待機していた為、一睡も出来なかった。

从゚∀从「……哀れな。ヒトとは、かくも脆いものよ」

(ヽ'A`)「ああぁ!ハインリッヒさん、魔王が!魔王が僕に囁きかけているよ!」

从゚∀从「おぉドクオよ、それは貴様の脳核が腐る音だ」

その上、壁越しに響いて来る悪魔の叫び声と60mm戦車砲の砲撃が如き騒音が、寝不足の脳髄に追い討ちを掛ける始末。

('A`)「これの…どこが音楽なんだよ」

ニューソク区野外音楽堂。
南中した太陽の下、この日の為にチャージしていたエネルギーを、VIP中に轟けとばかりに叩きつける数千人にも登るメタラー達。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/11/28(金) 22:05:11.30 ID:km8zVBTRO<> き <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/11/28(金) 22:06:06.49 ID:rsVXFSpSO<> しえーん <>
◆cnH487U/EY <><>2008/11/28(金) 22:06:47.39 ID:PCKDFjv0O<> その彼等が居るステージの裏側、出演者用の控え室の中に今オレ達は居る。

マト#>д<)メ「おい、てめぇ今何つった?」

インバネス姿のマトマトさんが、チューニング中のギターを置いてオレを睨み付けた。

ミセ*゚ー゚)リ「今、確かにメタルを侮辱したよね」

メッシュ頭のミセリさんが、拍車をかける。

( ゚∋゚)「いい度胸だな、もやし。ちょっと面貸せ。撫で撫でしてやろう」

タンクトップのガチムチクックルさんが、拳をぽきぽきと鳴らした。

(;'A`)「いえ、あの、別に僕は…そんなつもりじゃ……」

愛想笑いが引きつる。
もうやだ、この人達。絶対友達になれる気がしないんだもん。

(;'∀`)「しゃ、シャロンさんからも言って下さいよ。僕、別にメタルを馬鹿にするつもりなんか……」

ヴァイオレンスな方向にギアが入りつつある彼等をいさめて貰おうと、シャロン嬢を振り返る。

从-゚从「……」

彼女はぼんやりとした目でメンバーの顔をただ見つめていた。

(;'A`)「あの、シャロンさん…?」

从∀゚从「…ん?あ、あぁ、わりぃ。で、何?」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/11/28(金) 22:07:10.90 ID:97jSMH6vO<> >>49 あまえんぼうwww <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/11/28(金) 22:07:54.01 ID:km8zVBTRO<> ぬ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/11/28(金) 22:07:58.70 ID:NT7VcEwn0<> マトマトさんキタ━━━━━━━━━━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━━━━━━━━━━!!!!!!
キタ Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒(。A。)!!!

<>
◆cnH487U/EY <><>2008/11/28(金) 22:09:47.73 ID:PCKDFjv0O<> 心ここに非ずといったところか。
恐らくは、昨晩オレが「犯人は身内に居る」と言った事を気にしているのだろう。
正直、彼女には悪い事をした。

マト#>д<)メ「なぁ、シャロン。どうしたんだよ。マリオネットみてぇな顔してさ」

( ゚∋゚)「腹でも下したか?」

ミセ*゚ー゚)リ「大丈夫?顔色、悪いよ?」

从∀゚;从「あ、あはは。き、緊張しちゃってさ。らしくないなぁ。ブルってるのかな…ははは……」

バンドメンバーが心配気な声を掛ける中、彼女は取り繕ったような笑顔を貼り付けて言葉を返す。

オレのように、人間の裏切りに慣れている人種と彼女は違う。
他人の腹の内を探った事など一度も無いであろうシャロン嬢からすれば、犯人が捕まるまでは気が休まる事は無いだろう。

最も、犯人が捕まったとして必ずしもそれが彼女にとって果たしてハッピーエンドと言えるかどうかは、オレにも保証出来ない。

从∀゚从「……」

マト#>д<)メ「……」

ミセ*゚ー゚)リ「……」

( ゚∋゚)「……」

パペットマスターの出番まで、一時間と三十分。
気まずげに押し黙ったメンバーの顔色は、これから読経を読み上げられる遺族のようだ。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/11/28(金) 22:10:04.74 ID:elObyRBk0<> マトマトさんはあえて舞台裏にいるほうが華があると思うんだが <>
◆cnH487U/EY <><>2008/11/28(金) 22:11:51.36 ID:PCKDFjv0O<> ( ´∀`)「……」

ふと、視線を感じてオレは振り返る。
中央のテーブルを囲むように並べられた四つのソファに座るメンバー。壁際に並んで立つ、オレとハイン。

そのどちらからも離れた、部屋の隅。
アンプのチェックの為にしゃがんでいたモナーが、オレ達をじっと見つめていた。

('A`)「……?」

( ;´∀`)「も、モナ…お、お仕事お仕事…」

オレの視線に気付いた途端、彼はとっさに顔を背けて作業へと戻る。

从゚∀从「モテる男は辛いな」

一連の流れを見ていた腐機械娘が真顔でオレの耳に囁いてきた。

('A`)「オレはネコだ。あぁいうナイーヴそうなのとは合わねえよ」

从゚∀从「……そうか。それなら今度、貴様と相性の良さそうな相手を探してこよう」

('A`)「ごめん、オレが悪かった。だから許して」

从゚∀从「ホモが嫌いな女子は居ぬ、と心得よ」

一体、そんな下らない知識は何処で収集して来やがるんだ?
主として、教育上宜しく無いものは規制しなきゃな。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/11/28(金) 22:11:59.80 ID:km8zVBTRO<> き <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/11/28(金) 22:12:17.18 ID:97jSMH6vO<> おまえら…マトマトさんは非処女の可能性があるんだぜ… <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/11/28(金) 22:12:37.35 ID:SzVMTV5FO<> 支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/11/28(金) 22:13:47.15 ID:km8zVBTRO<> し <>
◆cnH487U/EY <><>2008/11/28(金) 22:14:25.45 ID:PCKDFjv0O<> 『業務連絡、業務連絡。パペットマスターの皆様にお届け物をお預かりしております。代表の方は、バックカウンターまでお越し下さい……』

アナウンスと同時、モナーがぎくりと肩を震わせ立ち上がる。

( ;´∀`)「ぼ、僕取りに行ってきますモナ」

マト#>д<)メ「おぅ、ご苦労さん」

( ゚∋゚)「迷子になるんじゃねぇぞ」

ミセ*゚ー゚)リ「……ぷっ」

( ;´∀`)「あ、あはは……」

苦笑いを浮かべながら、ぎくしゃくとした動きで彼は控え室を出て行く。
残されたメンバーは、その背中に嘲笑を投げかけた。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/11/28(金) 22:15:15.13 ID:NT7VcEwn0<> >>60
考えてもみたまえ。経験豊富なマトマトさんにリードされるのもそそられるじゃないか。

支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/11/28(金) 22:15:18.02 ID:km8zVBTRO<> え <>
◆cnH487U/EY <><>2008/11/28(金) 22:16:27.37 ID:PCKDFjv0O<> マト#>д<)メ「…しっかし、キモいな」

( ゚∋゚)「羨ましいな、顔で笑いが取れるやつは」

どっ、とメンバーの間に笑いが巻き起こる。

ミセ*゚ー゚)リ「……しかも、どんくさいし」

マト#>д<)メ「こないだも、コードに躓いて危うくアンプをおしゃかにするとこだったよな」

( ゚∋゚)「勘弁して欲しいわwwwwww」

人が集まると、何人かに一人の割合で彼みたいな奴が居るんだよな。
ソイツが部屋から出た瞬間、陰口に華が咲くような……。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/11/28(金) 22:18:28.96 ID:km8zVBTRO<> ん <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2008/11/28(金) 22:19:07.26 ID:297REVbF0<> しえん <>
◆cnH487U/EY <><>2008/11/28(金) 22:20:05.78 ID:PCKDFjv0O<> (ヽ'A`)「オレみたいな、やつがさ……」

あれれ?何だか、急に死にたくなって来たよ?

(ヽ'A`)「ああ…聞こえる…休憩室の中から、宇和島さんの…笑い声…」

ほんっと使えないバイトだよなぁ。なんで店長はあんな奴雇ったんだよ。

(ヽ'A`)「ごめんなさい…オレ…もっと、頑張りますから…」

必死なとこがまたキモいし。居るだけで邪魔だっつうの。氏ね。っつうか死ね。

(;A;)「HEEEEEYYYYY!あぁぁあんまりだぁぁあぁあ!」

マト#>д<)メ「でもさ、ああいうヤツが居ると逆に和むよな」

('A`)「え?」

ミセ*゚ー゚)リ「わかるかもー。憎めないキャラっていうの?」

( ゚∋゚)「こうして、緊張ほぐしのネタにもなってくれるしな」

('A`)「……」

やっべ。ちょっと、別の意味で涙がこぼれそう。

( ;´∀`)「み、皆さーん、お届け物お持ちしましたモナー」

あたふたとした動作でドアを開け、小包を抱えたモナーが戻って来た。
後十秒ぐらい早く来たら、彼も救われたのだが。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/11/28(金) 22:20:31.92 ID:km8zVBTRO<> す <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/11/28(金) 22:22:41.29 ID:km8zVBTRO<> る <>
◆cnH487U/EY <><>2008/11/28(金) 22:23:50.31 ID:PCKDFjv0O<> マト#>д<)メ「おう、お帰りぃ!ちゃんと道はわかったか?」

( ゚∋゚)「道草なんか食ってねぇだろうな?」

ミセ*゚ー゚)リ「食べたら、お腹壊すからね?」

<( ;´∀`)「あ、ははは……」

さっきのやり取りを聞いていたからだろうか。
メンバー達の嘲笑に、毒気が感じられないような気がした。

ミセ*゚ー゚)リ「でもさー、今になって小包なんて急だよね」

マト#>д<)メ「これ、誰からだって?」

( ;´∀`)「あ、いや、ちょっと分かりかねますモナ。受付のお兄さんも、それでちょっと困ってたみたいで……」

( ゚∋゚)「まぁいいだろ。それより中が気になるな。開けちまおうぜ?」

クックルの声にマトマトがモナーの手から小包をひったくり、包装紙に手をかける。

マト*>д<)メ「何が出るかな♪何が出るかな♪」

作法もくそもない荒っぽい手つきで剥かれていく包み。
真っ黒なそれの下から現れたのは、同じように真っ黒な五十センチ四方の箱。
彼女は何のためらいもなく、その蓋を取り。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/11/28(金) 22:25:02.61 ID:NT7VcEwn0<> 支援 <>
◆cnH487U/EY <><>2008/11/28(金) 22:25:31.35 ID:PCKDFjv0O<> マト;>д<)メ「━━っ!」

パペットマスターの出番まで一時間に迫った控え室内。

マト;>д<)メ「きゃあぁぁぁあああ!」

一筋の悲鳴が、響き渡った。



next track coming soon... <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/11/28(金) 22:27:51.32 ID:U/hSC90R0<> でぃーす!いーず!
ざ!ぺ!き!ら!

久々に聴いてしまったよ乙 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/11/28(金) 22:29:01.67 ID:elObyRBk0<> 相変わらずの早漏投稿乙ですぅ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/11/28(金) 22:29:23.09 ID:97jSMH6vO<> 乙! <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/11/28(金) 22:30:16.61 ID:km8zVBTRO<> やった!完成した!これで勝つる!



乙!
前スレでオススメ教えてくれた人ごめんなさい。エヴァネッセンスに目いっちゃって探すの忘れたorz <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/11/28(金) 22:31:00.16 ID:NT7VcEwn0<> 乙! <>
◆cnH487U/EY <><>2008/11/28(金) 22:35:09.13 ID:PCKDFjv0O<> お付き合いいただいた皆様、乙です

次回でdisc 5.は完結です。投下間隔はやはり伸びるかもしれません。最悪でも一週間以内には済ませますが。

メタラーのみんなはヘドバンの用意を。メタラーじゃないみんなは、ドクオに萌えれば幸せになれるかも。

質問などがあればお気軽に! <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/11/28(金) 22:43:08.98 ID:PCKDFjv0O<> >>6
こんなところで何をしているっ!早く現行を書く作業に戻るんだっ!

……べ、別に聖杯戦争なんて読んでないんだからねっ///
ドクオの正体なんて知らないんだからっ/// <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/11/28(金) 22:52:29.54 ID:km8zVBTRO<> ペインキラー聴いてきた。試聴だけにしようとしたが次の瞬間にはダウンロードしていた。

なにが起こったのかさっぱりだ。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/11/28(金) 23:03:55.14 ID:rsVXFSpSO<> おっつー月見カレー

メタ ゚д゚ル <デストローイ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/11/28(金) 23:19:43.51 ID:p+zA81K+0<>
  ノノ≡\
  ノノ´∀`ミ__  乙!_
  ノ \_/ ) _/ 
  (\ ∧// ギュ
  >、\ξ)   ギュ
 /∠(_)>\ ギュイン
(_) \|(_) ギュイン
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/11/28(金) 23:44:25.73 ID:ON3BmX2uO<> 乙! <>