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( ^ω^)ブーンは刀匠のようです

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 23:40:53.84 ID:bsrF0+Jv0
まとめサイト

〜ブーン芸VIP〜 さん
http://boonsoldier.web.fc2.com/tousyou.htm

Apple さん
http://applevip.web.fc2.com/tou/tou.html


勢いに任せて投下するでござる

2 名前: ◆3m0SptlYn6 :2008/10/01(水) 23:42:47.40 ID:bsrF0+Jv0

第一打  片鱗


/ ,' 3 「……」

(; ^ω^)「……」

/ ,' 3 「まぁ……よかろう」

(; ^ω^)ホッ


いつもこの瞬間が一番緊張する。

父……もとい師匠に玉鋼を見せる瞬間。

師匠は厳格な職人だった。



3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 23:44:09.80 ID:ISjFeUAjO
!!!!

4 名前: ◆3m0SptlYn6 :2008/10/01(水) 23:44:21.60 ID:bsrF0+Jv0
ちょ間違った

今回は


四本目    〜無名〜


の投下になります

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 23:44:27.32 ID:OM6eR2AdO
待ってた支援

6 名前: ◆3m0SptlYn6 :2008/10/01(水) 23:45:08.30 ID:bsrF0+Jv0
>>2 の続き



話は変わるが、現当主の師匠は五代目。
下の名前は無い。

内藤は当時、実の父より「童」や「小僧」と呼ばれ、
内藤自身、下の名前の存在すら知る由も無かった。

内藤家自体、当主になって初めて内藤と名乗れる。


二代目内藤が才溢れる鍛冶職人で、
当時の地方豪族に刀を納めていたのだと言う。


現当主の五代目も才ある職人であったが、
性格からであるのか、名を残すような物ではなく、
質の良い鉄品を町人に提供していた。


勿論、刀も含めてである。


7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 23:45:16.72 ID:kCqDU3ADO
!?

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 23:46:13.78 ID:0UJhG9z30
うお久しぶりだなオイ

9 名前: ◆3m0SptlYn6 :2008/10/01(水) 23:46:34.10 ID:bsrF0+Jv0

/ ,' 3 「ぬんっ!」

( ^ω^)「はっ!」


師匠が入れた鎚に続き、内藤も相鎚を叩く。

力加減を間違えると、鍛錬の偏った鉄になってしまい、
品にも影響を及ぼす。


幼き頃より鉄のいろはを叩き込まれた内藤ですら、
集中力と神経を使うのであった。


/ ,' 3 「よし、後はそこで見ておれ」

( ^ω^)「はい……」


だが刀を打つ時には、手を付ける事を許されず、
師匠の作業を見る事しかできなかった。


10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 23:48:14.05 ID:p/+ZIst50
待ってたぞぉおおおおおお!!
支援

11 名前: ◆3m0SptlYn6 :2008/10/01(水) 23:48:27.08 ID:bsrF0+Jv0





( ^Д^)「おう、受け取りに来たぜ」

/ ,' 3 「仕上がってますよ」


男が五代目から刀を受け取ると、
すらり と鞘から引き抜いた。


( ^Д^)「……」


日が刀身に反射し、ギラリと光る。


12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 23:49:34.98 ID:C/6N8xAD0
久々だな



支援す

13 名前: ◆3m0SptlYn6 :2008/10/01(水) 23:49:59.66 ID:bsrF0+Jv0

男は片手で、刀を上下左右に振ると、
一言呟いた。


( ^Д^)「……悪くねぇ」

/ ,' 3 「ありがとうございます」

( ^Д^)「つりはいらねぇ」


ちゃりん と三両を床に置くと、
男は早々と歩き出した。


/ ,' 3 「またご贔屓に」


五代目は深く頭を下げた。


14 名前: ◆3m0SptlYn6 :2008/10/01(水) 23:51:24.78 ID:bsrF0+Jv0

( ^ω^)「今のは……」

/ ,' 3 「ん?」


やり取りを工房の陰より見ていた内藤が、
ぼそりと喋り出す。


( ^ω^)「素浪人ですかお?」

/ ,' 3 「ああ」


五代目は床に置かれた三両を、
拾いながら答える。


15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 23:51:55.59 ID:60V9ahMSO
来てた!
お帰り支援

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 23:52:29.25 ID:C/6N8xAD0
支援す

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 23:53:01.78 ID:dQSHH3aoO
アップルはもうまとめ停止してるらしい

18 名前: ◆3m0SptlYn6 :2008/10/01(水) 23:53:25.35 ID:bsrF0+Jv0

/ ,' 3 「明日、果たし合いがあるそうだ」

( ^ω^)「……」

/ ,' 3 「あの刀が彼の身を守ってくれるといいんだが」

( ^ω^)「守る……ですかお」

/ ,' 3 「……」


ふう と息を吐き、ひとつ伸びをすると、
五代目は内藤に言った。


/ ,' 3 「童、おまえも十と五つ。
そろそろ刀を打ってみるか?」

(* ^ω^)「ほ、本当ですかお!?」


19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 23:53:51.49 ID:kCqDU3ADO
支援いたす

20 名前: ◆3m0SptlYn6 :2008/10/01(水) 23:54:33.99 ID:bsrF0+Jv0

/ ,' 3 「わしは一切、口を出さん。自分一人で打ち上げてみるがいい」

(* ^ω^)「あ、ありがとうございますお!頑張りますお!」

/ ,' 3 「支度は明日から始めい」


クワや包丁などは打った事がある。
そして、いよいよ刀が打てるのだ。

師匠を一番間近で見てきた。

行程は頭の中に叩き込んである。

必ず、師匠に誉めてもらえるような、
刀を打ち上げてみせる。


逸る気持ちが邪魔をしたのか、

内藤はその日、なかなか寝付く事ができなかった。


21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 23:54:35.43 ID:2IghhSjZ0
支援じゃ

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 23:55:25.81 ID:OsfJdZhhO
刀匠キタ!!!

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 23:55:51.19 ID:nCCTAxXyO
なつかしえん

24 名前: ◆3m0SptlYn6 :2008/10/01(水) 23:55:54.61 ID:bsrF0+Jv0






内藤が朝起きてまず始める事。

炉に火を入れ、熱する事から始まる。

いつもなら師匠がいつでも作業を始められるようになのだが、
今日は自分自身のために火を入れた。


一通りの作業を終えると、今度は朝食の準備に取り掛かる。


( ^ω^)(粟が切れそうだお……)


朝食の分は大丈夫そうだが、買い出しに行かねばならない。


25 名前: ◆3m0SptlYn6 :2008/10/01(水) 23:57:10.85 ID:bsrF0+Jv0

( ^ω^)「師匠、今日は買い出しに行って参りますお」

/ ,' 3 「む……」


下座で朝食を旨そうに食べる息子を見て、
父親らしい言葉がふいに口から出た。


/ ,' 3 「よい、わしが行くでの」

(; ^ω^)「えっ?」


あまりにも意外な言葉が出てきたため、
内藤は戸惑ってしまった。



26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 23:58:29.95 ID:p/+ZIst50
四ヶ月近くか…うれしいのう

27 名前: ◆3m0SptlYn6 :2008/10/01(水) 23:58:48.68 ID:bsrF0+Jv0

/ ,' 3 「今日より数日の間、お前が房を使うのだから、そちらに集中せい」

(; ^ω^)「で、でも……」

/ ,' 3 「何、心配するな。わしもお前位の頃は奉公しておった」


物心が付いた頃には、家事をやっていた気がする。

父が家事をしている姿など想像も出来なかったが、
今は確かに鍛冶に集中したい。


( ^ω^)「じゃあ……お願いしますお」

/ ,' 3 「いいか、鉄には打ち主の魂が宿る。鉄の声を聞け」


そう言い放つと、五代目は金の入った麻布を持ち、
房から出ていった。


28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 23:59:07.67 ID:7pfAcTMp0
もっと早く来いよ!
いえ、来てくれて大変うれしいです。

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 23:59:42.22 ID:0UJhG9z30
支援

30 名前: ◆3m0SptlYn6 :2008/10/02(木) 00:00:16.91 ID:5f1APAau0

( ^ω^)「……」




( ^ω^)(器……そのまんまだお)


普段やりなれてない家事の、のっけからつまづいていた。



内藤は器を洗い終えると、すぐに工房へと篭り、
まずは考え出した。


( ^ω^)(刀……)


どんな刀に仕上げるか。


侍が使う事になるのか、浪人が使う事になるのか。

まだ見ぬ刀に期待を抱き、内藤は作業に没頭していった。


31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 00:01:08.16 ID:P4diMfdX0
支援す

32 名前: ◆3m0SptlYn6 :2008/10/02(木) 00:01:37.73 ID:5f1APAau0





/ ,' 3 「粟を10合」

店主「へい、毎度!って、おんやぁ〜?」


粟を木升ですくいながら、店主は珍しい物でも見たかのような声を上げた。


店主「内藤さんでねぇか!久しぶりだなぁ」

/ ,' 3 「ご無沙汰しておった」

店主「今日は息子さんはいねぇのけ?」

/ ,' 3 「倅は房に入っとります」

店主「ほー……立派な息子さんですなぁ。
    それに比べうちの野郎ときたら……」

/ ,' 3 「そんな大層なもんでも無いですわ。
     まだ早い気もするんですが……」


33 名前: ◆3m0SptlYn6 :2008/10/02(木) 00:03:07.94 ID:5f1APAau0

年を考えれば、確かにまだ早い。

だが、息子は才がある。

幼き頃から鉄を触らせてきたためか、
鉄をよく知り、鉄に愛されている。

自分に無い才を持って産まれた事に、少しの嫉妬を感じながらも、
内藤家随一の職人に育て上げる事が定めだと悟った。

歴代に伝わる技と知恵を、倅に叩き込むのだ。

やがて、自立したのなら早々に家名を譲ろう。

そう思っていた。


34 名前: ◆3m0SptlYn6 :2008/10/02(木) 00:05:01.93 ID:5f1APAau0

店主「あいよ、粟10合だ!1合ほどおまけにしといたぜ」

/ ,' 3 「かたじけない、ありがたく」


重い。

倅はこんな重い物を、幾度と買い出しに来ていたのか。

だが、考えれば自分も奉公している時には、
同じ荷を運んでいたはずなのだ。


/ ,' 3 (時は記憶をも風化させる……か)


伝えよう。

風化することの無い技術と、鍛冶屋の魂を。



第一打  〜了〜

35 名前: ◆3m0SptlYn6 :2008/10/02(木) 00:07:22.42 ID:5f1APAau0

第二打  妖の刀





カーン カーン


力強い鎚の音が一帯に響く。

カン高く綺麗な音色を奏でる鉄は、
見るまでも無く、良い出来に仕上がっているようだ。

鉄の鍛錬は、己のそれと同じである。
根気強く同じ作業を繰り返す事によって、
少しずつ、少しずつ磨かれていく。


36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 00:09:05.16 ID:xKGmhjYEO
ずっと待ってた。
支援

37 名前: ◆3m0SptlYn6 :2008/10/02(木) 00:10:00.99 ID:5f1APAau0

/ ,' 3 (やはり……愛されておるの)


自分が倅と同じ位の時には、
こんな打音は出せなかった。

実際、倅に打たせたクワや包丁は、
十分に商品として扱える錬度であった。

刀も期待できる物が仕上がるに違いない。


(; ^ω^)「はぁはぁ」


カーン カーン

七日の間、工房には鎚の音が鳴り続いた。


38 名前: ◆3m0SptlYn6 :2008/10/02(木) 00:11:37.61 ID:5f1APAau0





(; ^ω^)(さて……と)


いよいよ、仕上げの段階となったのだが、
ここで内藤の手が止まった。

ここまではなんらヘンテツも無い、純鉄の棒。

しかし、ここからは刀としての命が吹き込まれる場面である。


(; ^ω^)(刀……)


刀とはなんだ?

内藤は、そう自分に問掛ける。


39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 00:12:25.97 ID:b7SC2wqcO
しえん

40 名前: ◆3m0SptlYn6 :2008/10/02(木) 00:13:29.42 ID:5f1APAau0

( ^ω^)(……刀とは、人を切る道具。
       切れる……どんな物より、他の刀より切れる!)


内藤の出した答えはこうであった。

そうと決まれば、後は打つのみ。
他の刀より、どんな名刀より……師匠の打った刀より!


切り殺せる!


( ^ω^)「はあぁぁぁぁぁ!」



再び打音が響き渡った。


41 名前: ◆3m0SptlYn6 :2008/10/02(木) 00:15:12.52 ID:5f1APAau0






明後日の朝、五代目内藤が目を覚ました時、
内藤の姿が消えていた。


/ ,' 3 (む?川にでも行ったか?)


朝食の支度をしながら、河原へと足を運んでみる。

しかし、息子の姿は見付からぬままだった。


/ ,' 3 (ふむ、まあ良い)


家へと戻ると丁度炊きあがった粟を器によそい、
口へと運んだ。


42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 00:15:17.59 ID:P4diMfdX0
支援す

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 00:16:00.95 ID:yw/Arf5j0
支援

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 00:16:17.82 ID:IjoKRqiZO
支援

45 名前: ◆3m0SptlYn6 :2008/10/02(木) 00:16:49.01 ID:5f1APAau0

後片付けを済ませ、昨夜まで息子の使っていた房を覗く。

研ぎ石がまだ湿っており、研ぎ終わってまだ時間は経っていないようだった。


/ ,' 3 (……良い刀は打てたのか?)


火が落ちている窯に、再度火を入れる。

久方ぶりに、何を打とうかと考えてみたが、
息子の事が気になり何も手に付かなかった。


46 名前: ◆3m0SptlYn6 :2008/10/02(木) 00:19:48.36 ID:5f1APAau0
初めて打った刀。

戸惑いも、苦悩もあったであろう。



だが、あの息子なら

六代目内藤を継ぐ息子なら


きっと、すばらしい刀を打ち上げたはずだ。


それが刀としては欠陥品であろうとも、
使い物になあないような刀であったとしても。


魂の篭った刀に違いあるまい。


47 名前: ◆3m0SptlYn6 :2008/10/02(木) 00:21:49.78 ID:5f1APAau0




三刻後、鍛冶道具の手入れをしていると、
不意に家の襖が、がらりと開いた。


/ ,' 3 「む?」

( ^ω^)「師匠、戻りましたお」

/ ,' 3 「なっ!」


戻った息子を見て、五代目は思わず立ち上がった。






血まみれなのである。


48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 00:22:47.31 ID:IjoKRqiZO
支援し申す

49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 00:25:10.25 ID:nQ9IoiRw0
面白い
支援

50 名前: ◆3m0SptlYn6 :2008/10/02(木) 00:25:13.74 ID:5f1APAau0

/ ,' 3 「どうした!?襲われでもしたのか!?」


息子に駆け寄り、着物の袖を掴みながら言い寄る。


( ^ω^)「……」


そして息子の両手には、2本の刀が握られていた。


/ ,' 3 「……それは……」

( ^ω^)「師匠!これが僕の打った刀ですお!」


意気揚々と、右手に握っていた刀を差し出す。

受け取った刀の柄は血にまみれ、ベトベトとしていた。


51 名前: ◆3m0SptlYn6 :2008/10/02(木) 00:27:23.50 ID:5f1APAau0

/ ,' 3 「……これ……は」

( ^ω^)「師匠すみませんお!打ちあがった刀をどうしても試し切りしてみたくて……」


そう言って、左手で差し出したもう一本の刀は、
半分に折れ、見るも無残な姿になっていた。


/ ,' 3 「貴様……人を斬ったのか!?」

(* ^ω^)「ちゃんと浪人を選びましたお!」


その言葉にハッとし、渡されたもう1本の刀を見たとき、
その刀身の根元には【内藤】と印打ってあった。


52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 00:28:10.89 ID:cigqa8RH0
支援

53 名前: ◆3m0SptlYn6 :2008/10/02(木) 00:28:45.04 ID:5f1APAau0

/ ,' 3 「ま……まさか」










(* ^ω^)「そうですお!この前来てた浪人ですお!」





54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 00:28:53.25 ID:KNlqs+H30
支援

55 名前: ◆3m0SptlYn6 :2008/10/02(木) 00:30:19.69 ID:5f1APAau0


ワナワナと震えが起きてくる。

恐らく、あの浪人は果し合いから生き残れたのだろう。
そして倅に斬られた。


/ ,' 3 「貴様……」

(* ^ω^)「師匠!僕の打った刀はどんな刀よりも強いんですお!」


息子の打った刀に眼を移す。



それは


56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 00:31:07.17 ID:KNlqs+H30
支援

57 名前: ◆3m0SptlYn6 :2008/10/02(木) 00:31:49.43 ID:5f1APAau0

見事なまでに洗練されたその刀は




ただ、人を斬るためだけ

ただ、何よりも斬れるためだけ

ただ、人を殺すためだけ


に造られた刀だった。



58 名前: ◆3m0SptlYn6 :2008/10/02(木) 00:33:08.22 ID:5f1APAau0



/ ,' 3 「……」

(* ^ω^)(wktk)

/ ,' 3 「……らん」

(* ^ω^)「お?」




/ ,゚ 3「貴 様 は 永 劫 二 度 と 刀 を 打 っ て は な ら ん!!」




(; ^ω^)「え?」


59 名前: ◆3m0SptlYn6 :2008/10/02(木) 00:34:53.46 ID:5f1APAau0

褒めて貰えるとばかり思っていた内藤に、
信じられない言葉が投げかけられた。


/ ,゚ 3 「このような刀を打つとは……貴様は破門じゃ!」

(; ゚ω゚)「ええ?」


ザクッと、内藤の打った刀を地面へ突き刺すと、
突き放すかのように五代目が言い放った。


/ ,゚ 3 「まさか……このような邪な刀を打ち上げるとは」

(; ゚ω゚)「師匠!待ってくださいお!何故なんですかお!」


60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 00:35:01.13 ID:IjoKRqiZO
なるほどね……支援

61 名前: ◆3m0SptlYn6 :2008/10/02(木) 00:37:13.62 ID:5f1APAau0

/ ,' 3 「まだ……解らぬのか」

(; ゚ω゚)「……」

/ ,' 3 「刀とは、人を斬るためのものにあらず。
     人を守るための物なのじゃ」

(;  ω )「……」

/ ,' 3 「それを、このような妖刀を打ちおって……」


悔しそうに地面へと突き刺した刀を見つめながら、
五代目は歯軋りをする。


(  ω )「……お」

/ ,' 3 「ぬ?」


62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 00:39:29.96 ID:/0QviEbk0
ブーンワルだな…

63 名前: ◆3m0SptlYn6 :2008/10/02(木) 00:39:32.57 ID:5f1APAau0

(  ω )「……師匠の刀は、浪人を守れ無かったお」

/ ,' 3 「貴様……」

( ゚ω゚)「師匠の刀は浪人を守ってはくれず、僕の刀は僕を守ってくれましたお!!!」

/ ,' 3 「……」

( ゚ω゚)「僕の刀を振り下ろしただけで、師匠の刀をブチ折り!
      浪人さえも二つに割ったんですお!!」


鬼の形相で問いかける内藤に、五代目は決して見せぬよう、
涙を流した。


/ ,' 3 「そうか……貴様は、二代目の兄上と同じなのだな」

( ゚ω゚)「何を!」


64 名前: ◆3m0SptlYn6 :2008/10/02(木) 00:41:08.19 ID:5f1APAau0

/ ,' 3 「もはや、貴様と交わす言葉は無い。
     早々にここを立ち去れい」

(  ω )「……」


内藤に背を向け、五代目は家の中へと入っていく。


/ ,' 3 (稀代の刀匠に育てあげるつもりであったが……)


次の瞬間、ガラッと襖が再度開き、
現れたのは 鬼


そう、まさに鬼であった。


65 名前: ◆3m0SptlYn6 :2008/10/02(木) 00:42:29.02 ID:5f1APAau0

( ゚ω゚)「ふーふー」

/ ,' 3 「……刀に取り憑かれたか」


右手には真っ赤に染まった、妖刀。


( ゚ω゚)「僕は……僕は……」

/ ,' 3 「良い、それ以上言うでない」

( ゚ω゚)「ああっ、あああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!」






庵が赤に染まった。


66 名前: ◆3m0SptlYn6 :2008/10/02(木) 00:44:08.64 ID:5f1APAau0

代々続く、内藤家の房。


そこから、南へ少し下ったところに、
内藤家、五代目が眠っている。


そこには、墓石代わりに
血塗られた妖刀が突き立てられていた。





四本目   〜了〜

67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 00:45:11.27 ID:IjoKRqiZO
気がくるっとる

68 名前: ◆3m0SptlYn6 :2008/10/02(木) 00:47:19.05 ID:5f1APAau0
本日の投下は以上です。

支援ありがとうございました。


刀匠に関しては、色々と物語が浮かんできて、
筆だけは進んでるんですが、逆にどの順序で投下しようか迷ってしまってました。

次の投下は結構早めにできると思います。



5ヶ月も更新しなかった俺が言うのもなんだけど……


69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 00:48:49.96 ID:goRz67OnO
おーつ

70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 00:49:47.90 ID:DFt/3mmp0
やべえきてやがる

71 名前: ◆3m0SptlYn6 :2008/10/02(木) 00:50:10.32 ID:5f1APAau0
ちょっと注意点を。


今回出てる
( ^Д^) はプギャーです

一本目で出てきた
( ^Д^) はタカラです


決して、前に使っていたキャラを忘れていたわけではありません。
本当です、信じてください。

72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 00:51:21.96 ID:IjoKRqiZO
乙!久々に来てくれて嬉しかったよ。

73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 00:55:02.20 ID:xKGmhjYEO
スターシステムですねわかります

74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 00:55:41.44 ID:QKkcgOuKO
乙!次の更新は早めに頼む!
面白かった!

75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 00:55:51.78 ID:IjoKRqiZO
>>71
…………。

76 名前: ◆3m0SptlYn6 :2008/10/02(木) 00:58:22.51 ID:5f1APAau0
遅くまでありがとうございました。

また、見かけたらよろしくお願いします。


ではサラヴァ

77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 00:58:40.01 ID:WmUvLJ5TO


78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 01:00:42.40 ID:VTtfWbl3O
他にもないの?

79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 01:01:48.49 ID:PZ5s6iHtO
やっぱ楽しいな。


80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 01:05:47.99 ID:nQ9IoiRw0
たのしかったな
   ↓
たのしかたな
   ↓
多能死刀



次の刀の名決まったな

81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 01:09:05.55 ID:xAztd6FIO
刀匠キテタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!!乙乙
読むほ

82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 01:13:01.52 ID:5f1APAau0
切り口から毒を入れ込み、

一度斬った切り口は塞がらない、

さらには、一度斬られると妙に楽しくなって笑い死ぬ。



多機能死刀


( ^ω^)「打てるわけねーお」

83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 01:30:19.79 ID:EnlxMhh2O
乙でした

84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 01:41:06.36 ID:NUL0a4TZO

そして
Apple寝てんなよ、起きてよ

85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 02:06:21.31 ID:RQBREz0i0
刀の産地、関市民が来ました

86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 03:31:45.29 ID:QKkcgOuKO
安価下

87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 05:23:30.88 ID:uGBooTaq0
再開あめでと 今度はさぼんなよ

88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 06:05:24.35 ID:CoyBxwN+O


89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 07:05:59.54 ID:CUtBa6GEO
乙!!

90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 08:07:21.99 ID:pM9ep9OcO
描いて待ってたのにタイミングよくPC物故割れ…


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