以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/09/19(金) 22:16:54.29 ID:UyLYRH1r0<> 代理だぜ! <>从゚∀从は鋼鉄の処女のようです 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/09/19(金) 22:18:00.34 ID:GB5zDWUkO<> 代理d <> ◆cnH487U/EY <><>2008/09/19(金) 22:22:05.53 ID:5dYgHir4O<> >>1

今北産業↓

新連載
サイバーパンクもの
だよ

それじゃあ、ちょっと長くなるかもしれないけどいきますね <>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/19(金) 22:24:21.94 ID:5dYgHir4O<>


    “ねぇ、教えて下さい。どうすれば、ニンゲンになれますか?”










从゚∀从は鋼鉄の処女のようです <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2008/09/19(金) 22:25:08.55 ID:WXhxrb0Y0<> 童貞なら守り抜ける自信あるよ <>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/19(金) 22:25:17.57 ID:5dYgHir4O<> disc 1. マリオネット・シェイクスピア



“スローなダンス 悲しみのステップ ドラマも無い そんな僕らの 足跡もない夜明けの街 汚れ知らない白い心でいて”

……ASIAN KUNG-FU GENERATION/真冬のダンス <>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/19(金) 22:27:58.23 ID:5dYgHir4O<> prologue

━━初めに破壊があった。

知覚情報は全て死で埋まっていた。

いつもの事だった。

日常だった。

例外なんて無いと思っていた。

次いで動くものがいた。

視界の隅、微かな反応があった。

非日常だった。

動くものを見たのは初めてだ。

最後に抱き上げた。

壊さないよう、そうっと抱き上げた。

その日、その時、その場所で。

硝煙の中、私達は出逢った。 <>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/19(金) 22:29:56.72 ID:5dYgHir4O<> 〜track-α〜

━━銃弾と銃弾が、交錯する。

从゚∀从「おいチンカス、尻尾捲って逃げてんじゃねぇよボケ」

白銀の戦乙女が駆け抜ける。

(;´仝`)「し、死ねやぁぁぁあ!」

格安フライトの代償は、高くついた。

从゚∀从「おらぁ、気合い出せや!ケツふれぇ!もっともっとケツふれぇ!」

オンボロセスナに揺られて小一時間。辿り着いた飛行場で待っていたのは、チンピラ(Lv.3 モブ属性)×五との命をかけたサバゲーだった。

('A`)「……」

セスナもどきの後ろに隠れて、件のサバゲーを見守る。

('A`)「……マンドクセ」

<>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/19(金) 22:31:08.79 ID:5dYgHir4O<> マルボロを取り出し、百円ライターで火をつける。

これに珈琲があれば最高だな。どこでもくつろげるぜ。

('A`)「……ふぅー」

隣から痛烈な視線。オレにもファンが現れたか?

(-@∀@)「……」

……ぶはは、男のファンはいらねぇよ。

('A`)「……一本どうです?」

(-@∀@)「いえ、煙草吸わないんで」

('A`)「あ、そうすか」

(;-@∀@)「いや待てよ!つうか何?何で君はこんなとこでくつろいでるわけ!?え?ボディーガードって君じゃないの!?え?戦わないの!?」 <>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/19(金) 22:32:28.36 ID:5dYgHir4O<> ('A`)「……あー」

(;-@∀@)「女の子一人に戦わせて、君は高見の見物!?信じられなーい!君、それでも主人公?え?え?」

('A`)「その、ちょっと待って下さいます?まだ状況説明がきちんとされてないんで」

(;-@∀@)「は?」

('A`)「はーいモノローグ用意してー」

……。

オレの名前はドクオ。泣く子も哀れむスーパーダメ人間。

向こうでドンパチやってる暴力女はハインリッヒ。悔しいが今回はこいつが主人公だ。

オレ達はなんでも屋。炊事洗濯ガキのお守りから害虫掃除、金次第でなんでもこなす次世代のチャーリーズエンジェル。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/09/19(金) 22:32:42.93 ID:Vg+IPxbc0<> 支援だぜ <>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/19(金) 22:33:27.23 ID:5dYgHir4O<> そんなオレ達が今日巻き込まれたのは、さる要人の護衛任務。

某国同士の円卓会議だとかに向かう道中での警護がミッションだ。

ダミーのジャンボジェットを飛ばし、“さる要人”━━面倒だから田所さんとでもしよう━━と一緒にオンボロセスナに乗って某国入りを果たしたのはいいが、飛行場で田所さんの秘書と接触する段階で問題が生じた。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/09/19(金) 22:34:29.17 ID:W8DZvjr7O<> 期待してみる <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/09/19(金) 22:34:39.98 ID:qD5XKWzM0<> 人体実験の酉かと思った <>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/19(金) 22:35:52.62 ID:5dYgHir4O<> ('A`)「まさか、先回りされてるとはねー」

(-@∀@)「ねー」

(;-@∀@)「っておいまてよ!ちょ待てよ!」

('A`)「なんですかジャニーズもといジャパニーズ代表イケメンさん」

(;-@∀@)「違うから!キモタクじゃないから!僕秘書だから!」

('A`)「あー、田所さんの」

<>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/19(金) 22:37:18.02 ID:5dYgHir4O<> (;-@∀@)「いいのかよ!田所さんでいいのかよ!っていうか決定事項かよ!田所さん決定事項かよ!」

('A`)「どうでもいいですけど、その喋り方疲れません?」

(;-@∀@)「ほっといてくれよ!それより田所さんはどこに居るんだよ!」

('A`)「あ、今田所さんって認めましたね」

(;-@∀@)「うるせー!いいからさっさとTA☆DO☆KO☆RO!」

('A`)「まぁまぁ落ち着いて。ほら、向こうも片付いたみたいですよ」

セスナもどきの陰から顔を出し、戦場もとい飛行場を見渡す。

血と弾薬の混ざったなんとも不快なスメル。立ち込める硝煙と、壊れた玩具のように転がる元人間。

その中で一人、傷も負わずに笑みを浮かべる者が居た。 <>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/19(金) 22:38:44.73 ID:5dYgHir4O<> 从゚∀从「……ふぅ」

透き通るような銀髪。白磁の艶肌。ワインのような深紅の瞳。

一見して少女。二次性徴を終えて間もない十代の純真を一身に体現するかのような、華奢な造形。

フリル地の黒いワンピースを召した彼女が握るはしかし、破壊の象徴。アサルトライフル、ヘッケラー&コックが二丁。

死と、硝煙と、純潔の中で無邪気に笑う彼女達を、我々は恐れと羨望を込めてこう呼ぶ。

('A`)「アイアンメイデ……」

<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/09/19(金) 22:39:11.52 ID:W8DZvjr7O<> 支援
なんか突っ込みが銀魂っぽい <>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/19(金) 22:40:18.25 ID:5dYgHir4O<> ('A`)「アイアンメイデ……」

从゚∀从「おいチンカス!貴様またサボってやがったか!」

(;#)A゚)「ゴファ!」

頭部に衝撃!頭部に衝撃!

(#'A`)「てめえ…オレのモノローグを強制中断させるとは、恐ろしい事をしてくれたな」

从゚∀从「黙れよへそのゴマ。共同で任務に当たる以上、貴様も加勢すんのが筋だろうが役立たず」

(#'A`)「あん?君、自分の立場がわかってないの?ヴァカなの?共同?バーカ、それは対等の立場の者同士で初めて成立するんだよ。今も昔もオレと君の立場が一緒になった事はねぇー。君は一生オレの奴隷。未来永劫オレのダッチワイフだ!」 <>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/19(金) 22:41:46.63 ID:5dYgHir4O<> (-@∀@)「あの…」

从゚∀从「確かに、貴様と対等な立場に立った事などは今まで一度たりとも無かったな、バクテリオファージ。しかし疑問が一つ。
私がどうして食物連鎖の最底辺に位置する貴様の奴隷に甘んじてなければならないんだ?合理的で納得のいく説明を頼む」

(-@∀@)「あのー……」

(#'A`)「頭がパープリンかね君。いいか、古今東西のメイドが御主人様に尽くすように、君はオレに尽くさねばならない。何故なら━━」

(#-@∀@)「うちの田所さんはどこでぃすかー!!」

<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/09/19(金) 22:42:58.01 ID:W8DZvjr7O<> 支援 <>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/19(金) 22:43:42.87 ID:5dYgHir4O<> 从゚∀从「おい、チンカス。誰だこいつは」

('A`)「あぁ、田所さんとこの秘書だって。それとチンカスって呼ぶの止めて。トラウマが痛いから」

\(;-@∀@)/「だから田所さんって言うなぁー!」

('A`)「おいおい……萌えボイスならまだしも…おっさんがそんな口調じゃ、見苦しいだけだぜ」

从゚∀从「全くだ。そういう台詞は私のような完膚なきまでに完全な美の化身が言うべき台詞だ」

('A`)「完膚なきまでに完全っておかしくね?」

(;-@∀@)「い、い、か、ら、た、ど、こ、ろ!」 <>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/19(金) 22:45:18.26 ID:5dYgHir4O<> ('A`)「あぁー…はいはい。よし、ハインリッヒ二等兵、田所さんをここに」

从゚∀从「……」

舌打ちしながらも準備に取りかかるダッチワイフ。両手のヘッケラー&コックを手放し、ワンピースの裾を託しあげる。

露わになっていく白磁の肌。陶磁器のような白はその実まだ汚れを知らないイノセンスの証であり……。

(;-@∀@)「いやいや待て待て意味わからん!何故ここで脱ぐ!いやいや別に脱ぐなら脱ぐでやぶさかでは無いがいやいや田所さんは!?」

('A`)「だーかーら、これから田所さん出てくるんだよ」

(;-@∀@)「は?」

<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/09/19(金) 22:45:27.74 ID:W8DZvjr7O<> たどころー <>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/19(金) 22:47:41.74 ID:5dYgHir4O<> 露わになった腹部。彼女は手を這わせ━━。

('A`)「はい、ご開帳ー」

割腹。否、開腹。

特殊カーボネイド素材の腹部装甲が花弁のように開き、その中に安置された“御本尊”が明らかにされた。

(;-@∀@)「あ…ぅ……ぁ……」

口をパクパクさせる田所秘書。パンピーにはちょいとキツかったかな。

('A`)「へいお待ちどう」

彼女の腹の中に手を突っ込み、“それ”を取り出す。

('A`)「こちら、田所さんの脳みそになりまーす」

(-@∀@)「  」

飛行場に、田所さんの秘書がぶっ倒れる乾いた音が響き渡った。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/09/19(金) 22:47:54.36 ID:W8DZvjr7O<> しえーん <>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/19(金) 22:49:04.12 ID:5dYgHir4O<>  ※ ※ ※ ※

━━マルボロを取り出し、百円ライターで火をつける。珈琲が有るから、最高にご機嫌だ。

(*'A`)「アンビシャース!アンビシャスジャパーン!」

元気が出たので窓を開ける。ニコチン臭が充満した我が根城に、新鮮な外気が流れ込んで……は来ない。

空気なんて、窓を開けただけじゃ変わらないんだ。

('A`)「……テンション下げ下げー」

窓から見渡せば解る。

窓外に広がっているのは、青空でも大海原でもなければ夢の国でも無い。いや、ある意味では夢の国、か。

<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/09/19(金) 22:49:19.96 ID:W8DZvjr7O<> 田所さん・・・ <>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/19(金) 22:50:30.67 ID:5dYgHir4O<> 見上げる空はくすんだ灰色。今日も酸性雨を降らさんと、光化学スモッグの塊が目を光らせている。

気まずくなって目をそらせば、眼下に広がるは大小様々な建物の錆びた屋根々々。

アーバンラビリンスでも造る為にこんな建てられ方をしたのかと疑う程に、複雑で統合性の無い雑多な建築方法。

真昼だというのに薄暗いこの空模様に合わせてか、街頭看板には常にいかがわしいネオン光が灯り、店々が垂れ流した廃棄物のすえた臭いはここまで流れてくる。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/09/19(金) 22:51:36.21 ID:Vg+IPxbc0<> 支援 <>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/19(金) 22:51:54.96 ID:5dYgHir4O<> 道行く人々に視線を向ければ、闊歩するはリアル人外魔境。

胸から腕にかけてを機械に置換した男がいれば、カメラアイやら大気濾過シュノーケルやらでごちゃごちゃした頭部の女もいる。

もっと酷いのになるともう、全身機械でアンドロイドなのか全身義体なのかすらわからないものまでと、多種多様だ。

人間観察が趣味の奴なら一日中見ていても飽きないだろう。

('A`)「夢の街、VIPねぇ……」

夢の街VIP。

ここに来れば、何もかも全てが手に入る。

<>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/19(金) 22:54:13.30 ID:5dYgHir4O<> 世界中の美味珍味、消しゴム、シャーペン、レールガン、いい女、悪い女、奇形女、薬、アンパン、食パン、カレーパン、その他諸々……。
ざっと通りの看板を見ただけでもこの通り。

('A`)「お、上手い」

合法非合法問わず、金さえ積めば何でもあなたの手に。

たとえ、それが命だとしても。

(*'∀`)「欲望の街VIPは、皆様に暗黙の下に快楽を提供いたしますっ♪」

きらっ♪

('A`)「……」

虚しい。

('A`)「なんだかなぁ」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/09/19(金) 22:55:17.46 ID:W8DZvjr7O<> 支援 <>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/19(金) 22:55:17.91 ID:5dYgHir4O<> ……発展に次ぐ発展。科学の進歩は止まらない。電子工学の分野で、どっかのワイリーみたいな爺が成功を収めてからは、それが顕著となった。

情報を伝達するのに必要なのは何か?テレビ?新聞?パソコン?ノー。声?身振り手振り?惜しい。

もっと根源的なもの。情報の源泉。データがひっきりなしに生まれ、ひっきりなしに集まる場所。

脳。ブレイン。

ヒトは、遂に神が残した最後の神秘の領域に手を出した。

脳とインターネットを有線で接続し、ヒトの意識を零と一の記号化された世界へ導く技術。

電脳時代の幕開けである。

<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/09/19(金) 22:55:41.12 ID:O5DUVSzKO<> 支援 <>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/19(金) 22:56:48.35 ID:5dYgHir4O<> 『どこでも、いつでも、誰でも気軽にインターネットに接続出来る』、という大昔の携帯電話の売り文句のようなこの技術は、たった五年ばかりのうちに全世界へ普及。

今まで普通に暮らして来た人間は勿論、新生児にもこれの挿入手術が義務付けられ、オレ達は代わりに政府から市民IDを貰った。

つまりは体のいい管理。

街角の街頭端末から誰でも無料でインターネットを楽しめる代わり、我々に管理されろという政府の傲慢な政策だ。 <>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/19(金) 22:58:12.46 ID:5dYgHir4O<> それに異を唱える者も、極少数ではあるが存在した。

彼等は頭の中身まで管理されることの屈辱と、脳みそに機械を埋め込まれることで危うくなる人間の尊厳を義憤に変え、ありとあらゆる手段で電脳化に抗った。

時にデモ隊を指揮し、政界の大物に賄賂を送り、挙げ句請負テロリストにまで頼って。

叫び、訴え、銃を取る。そうするしか出来なかった。

脳髄まで根を張ったニューロジャックを摘出することは、一般の外科技術では不可能。ニューロジャックに関するありとあらゆる技術は、政府が特S級機密事項として隠匿しているからだ。 <>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/19(金) 22:59:17.32 ID:5dYgHir4O<> だが、結局のところあくまでそんな反抗的なものはごく一部。

世間は概ね電脳化に異存は無く、この革新的な技術は受け入れられる事になる。

反対派が危惧した頭の中身を支配されるなんていう誇大妄想は妄想のままに終わり、電脳化によって日用品の規格変更がなされた結果、世界はかつてない利便性を得た。

今ではありとあらゆる機械に接続端子が設けられ、煩雑なマニュアルや知識を必要とせずともそれらを動かす事が出来るのだ。 <>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/19(金) 23:01:33.25 ID:5dYgHir4O<> ('A`)「仮面ライダー電脳!」

首筋に触れれば、固いプラスチックの感触。無論、オレの体にもニューロジャックは埋まっている。

鏡で見れば分かるだろうが、六角形のコンセント口みたいなのが首筋に空いている筈だ。

(*'A`)ゞ「フヒヒ、冗談っすよ」

こういう体内に埋め込むタイプの機械を、難しい言葉で『じねてぃっくいんぷらんと』とか言うらしい。

昔からペースメーカーなんてものがあったとはいえ、やはり体内に機械が埋め込まれているというのは気持ちが悪い。

ヽ(*'A`)ノ「まぁ、エロゲが体感型になったのは嬉しいよね!」

<>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/19(金) 23:02:46.23 ID:5dYgHir4O<> そう、エロゲ。

昔は文章とCGだけから自らの妄想力を総動員して行われていた自家発電も、今では随分とやりやすくなっている。

実際に脳に疑似体験として刷り込むのだから、オレ自身もう「童貞」じゃないんじゃね?

(*'A`)「フヒヒ、さぁて今日はどの子にしようか・し・ら♪」

窓から室内へと視点変更。街と同等、いやそれ以上に混沌とした我が根城内を見渡す。 <>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/19(金) 23:04:17.16 ID:5dYgHir4O<> コンクリート打ちっ放しの室内に転がるのは、ティッシュ、酒瓶、煙草の空箱、その他諸々のオレが生きた証。

それらに埋もれて部屋の隅で形見狭そうにしてるのはベッドさん。隣に情報端末。

脱ぎ散らかした服の山を越え、息子候補生達がくるまったティッシュの海を渡り、情報端末へ。

コードを手に取り、スタンバイ完了。後は挿入(機械的な意味で)のみ。

(*'A`)「プラグイン!ロックマソエグ……」

从゚∀从「ノックしてもしもーし!」

挿入(機械的な意味で)は阻まれた。

<>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/19(金) 23:05:32.73 ID:5dYgHir4O<> ('A`)「あんですかあなたは」

ステンレス製の扉を破壊して突入してきたチンニュウシャをねめつける。

('A`)「ノック?今ノックつったか?」

こいつのノックは扉を裏拳で破壊する事を言うのか。

从゚∀从「おいクラミドモナス。なんだこれは」

('A`)「聞いちゃいねぇよ」 <>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/19(金) 23:07:14.52 ID:5dYgHir4O<> この暴力的で粗雑な少女はハインリッヒ。

おおざっぱに言うとロボットだ。

小難しく言えば、特A級護衛専任ガイノイド。商品名は「アイアンメイデン」。

ステンレスのドアをノックと称して吹き飛ばした事から見ても解るとおり、こいつはそこいらのガイノイドと比べて特別にパワフルだ。

元々は政府の高級官僚や政治家なんかの護衛用に開発されたもので、腹部に脳核を収容するスペースなんかもある。

<>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/19(金) 23:07:54.90 ID:5dYgHir4O<> その可憐な容姿とは裏腹に、こいつらの装甲はそこいらの戦車より堅く、有事の際は個人用核シェルターとしての役割までも果たすとかなんとか。

頭の中に詰まってるのは、我らが技術と欲望の集大成とも言える究極の人工知能。

これは、外部から取り入れた知識や元からある知識なんかを知識同士で突き合わせて、新たな知識を創造するとかいう滅茶苦茶なスペックだ。

つまりは、自分で考え、自分で行動する事が出来る。マニュアル通りにしか動けないようでは、護衛には不足だという事か。 <>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/19(金) 23:09:24.85 ID:5dYgHir4O<> 全身にはショットガンやネイルガトリングを初めとした格納式暗器。

そんな彼女達は揃いも揃って、皆可憐な十代の少女の外見を与えられている。

そういう人達の需要に合わせてこうなっているのか、はたまた開発者がそっちの人なのか。

ロリータとメイドと重火器とロボットとは、余りにもストライクゾーンがはっきりし過ぎている。

因みにオレのマイシスターは銀髪赤眼の吊り目な見た目強気っ子。

どうやってこいつと出会ったのかは……またの機会にしよう。

マイシスターはご立腹のようだ。 <>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/19(金) 23:10:38.98 ID:5dYgHir4O<> 从゚∀从「二度言わせるな細胞群体。これは何かと聞いている」

猟奇的な彼女が突き付けてきた紙切れを見る。

('A`)「……あぁ、これは先日の依頼の報酬に関する領収証ですね。
手書きではなくて印刷物である事が、そこはかとなく機械的な現代社会の側面を臭わせて、少しうら寂しいものがあります」

眼鏡をくいっとあげてみる。かけてないけど。

从゚∀从「宜しい。そこまで理解出来るのなら、次はここの説明を」

領収証の上をなぞる彼女の指に合わせて、速読。

<>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/19(金) 23:12:17.43 ID:5dYgHir4O<> ('A`)「えぇと、『尚、手術に掛かった経費及び義体の購入経費は報酬金額の方から差し引かせて頂きました。御了承下さい』だって」

手術に掛かった経費…?義体の購入経費…?

('A`)「あぁ!」

そうだった。

護衛対象(所謂田所さん)に万が一の事があったらいけない。

だからオレ達は、あらかじめ田所さんの脳核を摘出してハインの腹ん中に隠しておいて、体の方をダミーのジャンボジェットに乗せて任務にあたったんだった。

('A`)「ジャンボジェットの方は落とされた…んだっけ?」

从゚∀从「イグザクトリー」

('A`)「えぇと……」

从゚∀从「……」

('A`)「一応、任務は成功だよね?」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/09/19(金) 23:12:59.67 ID:BXj83nw6O<> 地の文多いな

描写が細かすぎるんじゃないか?

支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/09/19(金) 23:14:47.54 ID:W8DZvjr7O<> >>48
最近のが少な過ぎるだけだろ
支援 <>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/19(金) 23:15:09.15 ID:5dYgHir4O<> 从゚∀从「……」

……肉体を失った田所さんには申し訳ないが、命を落とさなかっただけでも良しとして頂きたい。

この現代において、肉体の死は完全な死では無いのだ。

脳さえ死んでいなければ、金次第で今回の田所さんのように機械の体、つまりは義体を手に入れる事も出来る。

そう、世の中にはメカメカした人なんかごまんといるんだ。

全身義体なんて珍しくなんかねぇって!

(;'A`)「な?そうだよな?」

从゚∀从「下衆」

(;'A`)「あぁ…」

从゚∀从「鬼畜」

(;'A`)「うわぁぁ」

<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/09/19(金) 23:16:37.27 ID:W8DZvjr7O<> 支援 <>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/19(金) 23:16:44.04 ID:5dYgHir4O<> 从゚∀从「ゴミ虫」

(*'A`)「あんっ!」

从゚∀从「サナダムシ」

(*'A`)「もっと!もっとぅぅ!」

从゚∀从「……」

('A`)「……すまん…こ」

从゚∀从「脳核を洗浄してもらうか、新しいのと代えてもらう事を推奨する」

現実はダメ人間には手厳しい。

('A`)「……んで?」

从゚∀从「差引額」

幾ら引かれたかってか? <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/09/19(金) 23:17:21.84 ID:hjYnrrvY0<> はよはれ
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/09/19(金) 23:18:48.16 ID:W8DZvjr7O<> しえーん <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/09/19(金) 23:19:02.37 ID:Vg+IPxbc0<> ぬ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/09/19(金) 23:19:11.72 ID:hjYnrrvY0<>  しえ」
<>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/19(金) 23:19:47.01 ID:5dYgHir4O<> ('A`)「えぇと、50万円」

从゚∀从「差引残高」

('A`)「15万円……」

从゚∀从「月々の貴様の餌代」

('A`)「3万」

从゚∀从「家賃」

('A`)「8万」

从゚∀从「この、昨日購入したと思しき18禁ゲームソフトウェアらの値段は?」

(;'A`)「合計…2万5千円…税込みです」

从゚∀从「……」

うわ……沈黙。沈黙が痛いよ!

<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/09/19(金) 23:21:02.26 ID:q9cIw0u40<> しえーん <>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/19(金) 23:21:57.33 ID:5dYgHir4O<> (;'A`)「……あのぅ、ハインリッヒさん?」

从゚∀从「……」

(;'A`)「お、お嬢様?」

从゚∀从「あー、最近関節が鈍いんだよなー」

(;'A`)「は、はぁ」

从゚∀从「肩もなんだか上手く回らないんだよなー」

(;'A`)「え、と……」

从゚∀从「こんなんじゃ仕事出来ないなー」
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/09/19(金) 23:22:08.82 ID:W8DZvjr7O<> エロゲたけぇww <>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/19(金) 23:23:15.22 ID:5dYgHir4O<> (;'A`)「え、えぇ…そうですね…」

从゚∀从「困ったなー、いつになったら直るのかなー」

(;'A`)「あの…それは……」

从゚∀从「それともそろそろ潮時かなー。引退かなー」

ヽ(;'A`)ノ「そ、それだけはぁ!」

从゚∀从「だってしょうがないよねー。いつまでたっても誰も整備してくれないんだからー。まー別にいいけどねー。壊れるんなら壊れるで仕方ないもんねー」

(;'A`)「そそそれは、私めの食費を削るなりなんなりしてなんとか……」

从゚∀从「えー、いーよー。だってそうしたらドクオ君が餓死しちゃうでしょー。私ドクオ君を殺してまで生きたくないよー」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/09/19(金) 23:26:01.31 ID:hjYnrrvY0<> つ・・・つまらん・・・ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/09/19(金) 23:26:31.21 ID:q9cIw0u40<> お…面白い… <>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/19(金) 23:27:11.63 ID:5dYgHir4O<> (;'A`)「いえいえご心配なさらず!自分は一日一食ぐらいで死ぬようなヤワな人間では無い故!」

从゚∀从「えー。一日一食とかー。それでもまだ食べるつもりなんだー。図々しぃー」

(;'A`)「飯なんて要りません!お嬢様がおられる事こそ私めの全て!お嬢様の笑顔こそが私めの生きがい!」

从゚∀从「……」

や、やったか…?

(;'A`)「ってそれ死亡フラグー!」

世に出回っている物語の十割で、この台詞の後に煙の中から対象が無傷で立ち上がる現象が確認されている。

<>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/19(金) 23:27:56.79 ID:5dYgHir4O<> そして大抵その後台詞の主は無傷の、又はパワーアップした対象によって無惨に散るのだ。

(;'A`)「……くそっ、自分で自分の運命を決めちまったぜ」

詳しい因果関係は不明。我々はこの現象を、「ストーリーロジック現象」と呼んで畏怖している。

この現象を目の当たりにした人物に、逃げ場は無い。既に確定した運命に抗うなんて、凡人には不可能なのだ。

もっと生きたかったよ……ママン。

从゚∀从「わかったら働けユードリナ。ちょうどクライアントが下でお待ちだ」

……お?

('A`)「お?」

トゲトゲしく、無い? <>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/19(金) 23:29:05.31 ID:5dYgHir4O<> ('A`)「殺されない?」

从゚∀从「?」

('A`)「怒って、ない?」

从゚∀从「質問の意図が理解できんな。私にはそもそも感情が……」

('A`)「あぁ!いいですいいです!気にしないで下さいせっかく助かった命を無駄にしたくないですから」

从゚∀从「……よくわからんが、とにかく新しい依頼だ。クライアントをいつまでも待たせる訳にはいかんだろう。さっさと事務所に出勤しろ」

(*'A`)「はーい!」

ああっ、女神様。私めの命をお救いいただいた上に、新しい依頼まで授けて下さるなんて……あなたはなんとお優しい方か!

('A`)「…それともオレに惚れてる?ダメダメ、いくら貢いだってオレのヒモ属性値が強化されるだけだYO!」

从゚∀从「……」

(*'A`)「さぁって、お仕事お仕事らんらんるー♪」

スキップしながら、部屋を出た。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/09/19(金) 23:29:41.86 ID:W8DZvjr7O<> 支援ー <>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/19(金) 23:30:47.03 ID:5dYgHir4O<>  ※ ※ ※ ※

('A`)「それからどしたの」

アイキャッチ。

番組とCMの合間に入れられる橋渡し的「間」。Mikipediaより抜粋。

('A`)「そんなつまらない引用をしたくなる程、オレは突きつけられた現実に打ちひしがれていた。つまるところのこれは逃避。オレが得意とする、精神防衛手段の一つだ」

あぁっ!モノローグと台詞が逆さまに!

§゚ー゚)§「あのう……」

('A`)「なんですかご婦人!」

§;゚ー゚)§「それで…私のパトリシアちゃんは、探してくれるんでしょうか?」

('A`)「パトリシアちゃんですか!」

<>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/19(金) 23:31:26.74 ID:5dYgHir4O<> §゚ー゚)§「…はい。私にとっては娘同然に可愛がってきた子なんです。私、あの子がいないと夜も眠れなくて……心配で…心配で…」

パトリシアちゃん。うん、いい名前だ。18世紀はローマの美しい姫君のような響きがある。

それはそれはさぞかし高貴な身分の哺乳類なのだろう。

('A`)「猫探し、ね」

猫探し。

新しい依頼。

猫探し。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/09/19(金) 23:32:22.60 ID:W8DZvjr7O<> 支援 <>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/19(金) 23:32:59.61 ID:5dYgHir4O<> (#'A`)「やってられるかー!」

§;゚ー゚)§「ひ、ひぃぃ!?」

舞い飛ぶ書類、アルミの机。思わず仕事机を蹴り上げてしまった。

('A`)「……いやいや冷静になれドクオ。こんな些細な事でぶち切れていたら、きたる審判の日に理想郷へ連れて行ってもらえないぞ。ダメだ、それだけはダメだ。クレバーに。クレバーになれドクオ」

§;゚ー゚)§「…あのぅ」

('A`)「なんですかご婦人!」

§;゚ー゚)§「うちのパトリシアちゃんは……」

(#'A`)「やってられるかー!」

§;゚ー゚)§「ひぇぇぇ!?」

<>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/19(金) 23:33:41.75 ID:5dYgHir4O<> ……。

ハインリッヒに新しい依頼人の来訪を告げられ、事務所に顔を出してみたオレオブワーキングマン。

自宅マンションから歩いて二分の雑居ビルの中の、せせこましくもみみっちい我が事務所の中で待っていたのは、宝石やら毛皮やらブランドやらで完全武装した金持ち成金マダムだった。

金持ちと成金はオレの嫌いなものベスト5に入るいわば宿敵。

それだけでやる気が削がれたのに、蓋を開けてみれば猫探しときた。 <>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/19(金) 23:35:17.42 ID:5dYgHir4O<> ('A`)「何でも屋なめんな」

声を大にして言いたい。

(#'A`)「何でも屋なめんな!」

電話帳には「どっくん雑用屋〜草むしりから政府密命まで〜」なんて見出しで載せてるが、こっちにもプライドが有る。

(#'A`)「何でも屋とは言えオレの事務所はハードボイルディーを信条に掲げる硬派な企業!社会の闇に潜むガリアンをちぎっては投げちぎっては投げ!西に東に大立ち回り!そんな事いいな!出来たらいいな!」

('A`)「……そんな、事務所だ」

猫探しなんて、ちゃんちゃら可笑しくてやってられるかバーカ。

<>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/19(金) 23:36:05.76 ID:5dYgHir4O<> (´・ω・`)y-~「それじゃあ人形探しはどうかな?」

(;'A`)「うわぁぁあんた誰!?」

気付くと、いつ入ってきたのかドアの脇の壁にもたれてオールバックの壮年の男が一人、煙草をふかしていた。

(´・ω・`)y-~「…名乗る程のものじゃないよ」

('A`)「あ、ここ禁煙なんで」

(;´・ω・`)「そ、そうか。それは済まない」

フォーマルなスーツの尻ポケットから携帯灰皿を取り出し、男はラッキーストライクの火種をその中に落とした。 <>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/19(金) 23:37:23.13 ID:5dYgHir4O<> ('A`)「名乗る程のものじゃないって…名乗ってんじゃ……」

《日本軍VIP基地所属 ショボン大将》

(;'A`)「デジャ…ヴュ?」

いやいやいやいや。待て待て待て待て。

日本軍?大将?軍人?

(;'A`)「うぉぉおいやっぱり貴様はエリートイケメン勝ち組リア充かぁあ!」

いやいやいやいや。待て待て待て待て。そうじゃないだろう?そうじゃないよな。

(;'A`)「軍人さん……ですか」

(´・ω・`)「えぇ、まぁ」

えぇ、まぁ。じゃねーぞタコ。

日本軍VIP基地。所謂VIP軍。通称「ロイヤルハント」。

<>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/19(金) 23:38:05.01 ID:5dYgHir4O<> 日本が軍隊を持たなかったのは既に過去の話。

革新に次ぐ革新の常に筆頭を行く我が祖国は、世界でも群を抜いた技術力の、今まで目を瞑っていた側面に再びライトを当てた。

即ち、侵略の道具としての技術力。

電脳技術は真っ先に軍事利用され、日本は二年でユーラシアを制圧した。

その先鋒として活躍したのが、電脳装備でガチガチに固められたエース部隊「ロイヤルハント」。現在のVIP軍だ。 <>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/19(金) 23:39:47.49 ID:5dYgHir4O<> ('A`)「秩序と独善の権化さんが、それで今日はまたどんな御用命で?言っとくけど、うちは高いよ?」

こいつらは、好きになれない。本能的に癪に触る。

(´・ω・`)「あぁ、本題に入る前にそこの御婦人には退出願えるかな。ちょっとした機密事項でね」

ちら、と勝ち組が成金を一瞥する。

§;゚ー゚)§「あ、あの……」

御婦人は、突然のことに戸惑い気味だ。

オレもこの展開にはついて行けてないが、金の臭いはこのいけ好かない野郎の方が濃い。

<>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/19(金) 23:40:59.73 ID:5dYgHir4O<> ('A`)「そういうことなんで、お引き取り願えますか?」

§;゚ー゚)§「あの、うちのパトリシアちゃんは……」

('A`)「あぁ、はいはいちゃんと探しときますよ。後でうち宛にその猫ちゃんの写真でも送っといて下さい。それでは御機嫌よう」

§;゚ー゚)§「ちょっ!おまっ!」

ばたばた暴れる御婦人を無理矢理閉め出し、溜め息を一つ。

('A`)「……お邪魔虫さん駆除完了ー。で?」 <>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/19(金) 23:42:32.90 ID:5dYgHir4O<> 随分と傲慢なやり取りにも、大将さんは涼し気な顔で煙草をふかしていた。禁煙だっつってんだろ。

(´・ω・`)y-~「……君のところのアイアンメイデンは元気かね?」

('A`)「…まぁ、ぼちぼち。やっぱり、御察しでしたか」

頭をかく。

(´・ω・`)y-~「うちのとこのアイアンメイデンが、逃亡した」

('A`)「……はぁ」

(´・ω・`)「君にはその捜索、及び破壊を依頼したい」

短くなった煙草を、奴は携帯灰皿に落とす。

面倒事の臭いがした。

<>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/19(金) 23:45:55.48 ID:5dYgHir4O<> ('A`)「……捜索はいいとして、破壊までもうちが担当するんすか?またまた御冗談を。個人経営の零細事務所にゃ、荷が重すぎるってもんですよ」

(´・ω・`)「……」

奴は、無言で我が事務所唯一の窓まで歩くと、新しい煙草に火をつけた。

('A`)「あんたらの物量があれば、アイアンメイデンぐらい赤ん坊同然でしょうに。何故オレ達に依頼するんです?」

正直、こんな依頼には関わりたくない。まだテロリスト鎮圧の方がましってもんだ。

(´・ω・`)y-~「……君は、ここいら一帯が更地になるのを見たいのかね?」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/09/19(金) 23:46:45.80 ID:W8DZvjr7O<> 支援 <>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/19(金) 23:47:38.61 ID:5dYgHir4O<> ('A`)「…別に、オレとあいつが死ななければそんなん関係ねっすよ」

(´・ω・`)y-~「それに、軍が大々的に暴走したアイアンメイデンを追って動いているなんて知られたら、アイアンメイデンの信頼性にも傷が付く」

オレの問題発言はスルーされた。

('A`)「……」

(´・ω・`)y-~「そして何より、君は大きな勘違いをしている」

('A`)「オレの人生そのものが勘違いですからね」

(´・ω・`)y-~「君は、どうして我々が君のしている事に目を瞑っていると思う?」

またまたスルー。おい、突っ込めや。

('A`)「……さぁ」

<>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/19(金) 23:48:50.39 ID:5dYgHir4O<> (´・ω・`)「いっかいの凡俗庶民風情がアイアンメイデンを所持。あまつさえ、それを商売道具としてこんな立派な事務所まで構えて」

('A`)「……立派とは、こりゃどうも」

(´・ω・`)y-~「特A級ドロイド及びガイノイドの取り扱いにおける規則、第六条。火器、又は電脳兵器を有するドロイド及びガイノイドにおいては、これの個人所持を基本的に禁じ、一般人がこれを所持する場合は所持の理由を日本政府に届け出、認可を得ること」 <>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/19(金) 23:50:20.21 ID:5dYgHir4O<> ('A`)「……」

成る程。そういうことか。

(´・ω・`)y-~「また、特A級ドロイド及びガイノイドは、これの個人的目的以外での利用及び商業的利用を堅く禁ず」

それじゃあ、何も言えない。

(´・ω・`)y-~「君は、政府にアイアンメイデンの所持届けも出していないし、後者の方もぶっちぎりでアウトだ。これが何を意味するか分かってるよね?」

('A`)「……」

黙るしか、ない。

<>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/19(金) 23:52:21.60 ID:5dYgHir4O<> (´・ω・`)y-~「普通なら僕は、今すぐ君を拘束して最高裁判所に突き出さなきゃいけない。罪状は明確。君は国家反逆者として終身刑を受けるか、はたまた電脳爆弾で脳髄を焼ききられるか。二つに一つだ」

('A`)「はいはいはいはい。つまりは、それに目を瞑ってやるから代わりに自分達の依頼を請けろと。そうですね。わかります」

(´・ω・`)y-~「そういうことだよ。安心して。少ないが報酬もそれなりに用意してる。まぁ、あまり期待されても困るけどね」

クソったれ。頭の中で奴の鼻っ柱に屁をひっかけてやる。

(´・ω・`)y-~「……で、これがそのアイアンメイデンに関する資料なのだが…」

あぁ……面倒くせぇ。 <>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/19(金) 23:53:28.70 ID:5dYgHir4O<> (´・ω・`)「先ずはこれを見てくれ」

そう言って、奴は一枚のロムを取り出した。

('A`)「これは?」

(´・ω・`)「逃走したアイアンメイデンの稼動ログだよ。うちは規律に五月蝿くてね。電脳兵器からコーヒーメーカーまで基地中のありとあらゆる機械が、いつどこで使用されたかの記録をとっている」

('A`)「なんとも息苦しい話ですな」

ロムを情報端末に入れ、結線ケーブルを引っ張り出し首筋に挿入。

ログイン準備はOK。

(´・ω・`)「全くだ。もう少しゆとりがあってもいいと、最近は思うよ」

(-A-)「お役人らしからぬ物言いっすね」

<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/09/19(金) 23:53:35.35 ID:W8DZvjr7O<> 支援 <>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/19(金) 23:54:38.63 ID:5dYgHir4O<> 目を閉じ、没入開始。脳髄が痺れるような感覚の後、瞼の裏に緑のグリッドが映し出される。

脳に直接刷り込まれる情報の視覚イメージだ。が、これはまた随分と殺風景だ。

まあ、機械の稼動記録なんて情報をいちいち華美に装飾する必要などないだろうから、これはこれで一種の機能美といったところか。 <>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/19(金) 23:55:45.11 ID:5dYgHir4O<> アルファベットと数字の羅列、その最上段を見る。

IM-17-RH

これはこの稼動記録の主の形式番号だろう。

アイアンメイデン壱拾七式、ロイヤルハント仕様。それが件の姫君のお名前らしい。

なんとも殺伐とした響きだ。もっとこう、パトリシアとか風雅な名前でも付けてやれば、VIP軍も大衆にウケるのに。

(´・ω・`)「事件は一昨日、彼女の任務中に起こった」

ログをスクロール。一昨日の記録を呼び出す。

(-A-)「17:09、コード03って書いてあるが……」

<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/09/19(金) 23:56:53.53 ID:W8DZvjr7O<> 支援 <>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/19(金) 23:56:58.93 ID:5dYgHir4O<> (´・ω・`)「暴動鎮圧の為、出動って意味さ。警察さんからサイボーグ忍者が暴れてるからって応援を頼まれてね。
駆け付けたものによると、どうやらマフィア同士の抗争だったらしい。一般市民を巻き込む危険性があったから、彼女を出動させたのさ」

(-A-)「サイボーグ忍者ねぇ……」

想像してみる。テッカマソブレードとか、宇宙刑事とか、そんなんがごちゃ混ぜになったのが、スラム街で暴れている。

いや、むしろゼイラム?メダルギア?……混沌としてきた。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/09/19(金) 23:57:53.31 ID:q9cIw0u40<> wktk <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/09/19(金) 23:58:43.70 ID:W8DZvjr7O<> 支援 <>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/19(金) 23:58:52.76 ID:5dYgHir4O<> (´・ω・`)「……で、事件は無事解決。その時のマフィアにはみんな逃げられて捕まえる事は出来なかったけれど、一般市民に被害も無く一件落着さ」

(-A-)「ふーん」

(´・ω・`)「問題はその後、今に至るまで彼女が帰還していないという点だけだ」

グリッドをぐりぐりと動かす。成る程、稼動記録は一昨日から途切れている。

(-A-)「……で、手掛かりは?」

(´・ω・`)「それを探すのも含めて君の仕事だろう?……と言いたいが、四日前のログを見てくれ」

<>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/20(土) 00:00:01.75 ID:iuae2hXHO<> 言われた通り、ログをスクロールさせる。

メンテナンス記録や交戦記録に混じって一つ、妙な文字列が並んでいた。

(-A-)「アノニマス……」

アノニマス。直訳で「匿名」。

アクセス先は非公開ですよ、という事。電話でいう非通知みたいなものだ。

(´・ω・`)「機体の電脳面での整備には、勿論我々の情報班が関わっている。通常、彼等は端末を使って機体の電脳核にアクセスしデバッグや情報の並列化なんかを行うのだが、その時のアクセス記録もちゃんと機体の稼動ログに残されているんだ」 <>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/20(土) 00:01:21.12 ID:iuae2hXHO<> (-A-)「何処の誰かがわからない奴が、逃亡したアイアンメイデンの電脳核にアクセスしていた、と」

ログを閉じ、シャットダウン。グリッドが消え、ログアウト。首筋から結線ケーブルを引き抜き、目を開ける。

目の前には、オールバックのいい男の顔。

(´・ω・`)「そういうことだ」

(;'A`)「ちけぇよ!」

(´・ω・`)「やらないか」

(;'A`)「やらねえよ!大体なんだそのキャラは!古いぞ!」

(´・ω・`)「我々は、外部のハッカーの仕業と見ている」

話を聞けよ!

('A`)「……でも、ハッカーだとして件の機体にどんな事をしていったんだよ」

<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/09/20(土) 00:01:46.50 ID:4YtoqMKo0<> 甲殻支援 <>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/20(土) 00:02:20.70 ID:iuae2hXHO<> (´・ω・`)「ふむ。それなんだが、はっきりとした事は解っていない。機体そのものの設定やコンディションは全て、機体本体の電脳核の中を覗いてみない事には解らんからね。
しかし、少なくとも一昨日の出動前までに異常は報告されていないな」

('A`)「それじゃあ、外部のハッカーって線は無いんじゃないっすか?」

多くの日用品がネットワーク接続されている昨今、ハッカーによる被害は以前よりも大規模なものとなった。 <>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/20(土) 00:03:55.68 ID:iuae2hXHO<> テレビがハッキングされた結果、アダルトチャンネルを24時間垂れ流しにされたり、真夜中の音楽室でギターとドラムがデスメタルを演奏し出したり、まるでポルターガイストだ。

しかし、そんな中でも唯一ハッキングの心配が皆無なものが有る。脳核だ。

時代が電脳化の風潮になるに従って、一番に危惧されたのが自分の頭の中身をハッキングされる事である。

そりゃあ、恥ずかしい妄想や昨夜のオナニー記録とかまで他人に見られたら生きていけない。

<>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/20(土) 00:05:11.96 ID:iuae2hXHO<> だから政府は、人間の脳とインターネットの間にニューロジャックというワンクッションを置く事により、この問題を解消した。

これなら、自分からネットに接続していない限り、頭の中身をハッキングされる心配も無い。

例え、有線でハッキングを試みようとする不届き者が居たとしても、逆にターゲットの攻性防壁で脳髄を焼ききられるのがオチだ。

そんなわけで、無線でのハッキングは不可能。有線で仕掛けるにしても、高度な技術……もしくはターゲットのニューロジャックに直接結線しなければならないという条件がある為、件の外部ハッカー説は薄い。 <>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/20(土) 00:07:11.99 ID:iuae2hXHO<> (´・ω・`)「基地中の人間の脳核のアクセス履歴を調べたよ。勿論任意でね。だが、全員が協力してくれて、全員が白だとわかった。四日前に有線で件の機体にアクセスした者は誰一人としていない」

('A`)「……むぅ」

(´・ω・`)「君は、ジョーカーという名前を聞いた事があるかね?」

('A`)「……トランプか?」

(´・ω・`)「最近、巷で有名な天才ハッカーだ。有線、無線を問わず各地のネットワークに侵入しては、下らない悪戯から第一級国家反逆罪までありとあらゆる電脳犯罪を犯している人物」

<>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/20(土) 00:08:34.80 ID:iuae2hXHO<> ('A`)「…そいつが犯人だと?」

(´・ω・`)「証拠が有る訳じゃない。ジョーカー自体も、その存在の有無すら定かでない都市伝説みたいなものさ。ただ、ここまで徹底的に証拠を残さない輩だ。何が出てくるかはわからない」

('A`)「あ、そ」

(´・ω・`)「……さて、これで僕から提供出来る情報は全て出した。後は君の捜査だ。宜しく頼んだよ」

そう言い終えると、御大将は本日四本目の煙草に火をつけ、ドアまで歩く。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/09/20(土) 00:09:59.39 ID:xG9Xq83S0<> 支援 <>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/20(土) 00:10:12.06 ID:iuae2hXHO<> (´・ω・`)y-~「あぁ、それと」

('A`)「ん?」

思い出したように振り返り。

(´・ω・`)y-~「君はスパッツ派?ブルマ派?」

('A`)「無論、スパッツだが」

(´・ω・`)y-~「……そうか、残念だ」

意味深な言葉を残して、立ち去った。

('A`)「……やれやれ」

しばらく、奴が消えたドアを凝視する。

('A`)「悪いことってなぁ、どう頑張っても出来ないもんっすかね」

アイアンメイデンの個人所持が違法なのはわかっていたが、この街の治安を考えたらこんな商売も暗黙のうちに許されると思っていたが……。

<>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/20(土) 00:11:08.55 ID:iuae2hXHO<> いや、逆にその「暗黙」によってオレは今さっき国家反逆罪から逃れられたと言うべきか。

どちらにしろ……。

('A`)「……面倒な事になったな」

衣紋掛けから着古したコートを引き剥がして羽織る。

デスクの引き出しの底から、デザートイーグルを引っ張り出してそのコートの懐奥深くにしまうと、オレは脳内通信回線を開いた。

('A`)「おいハイン。またまたデカいヤマだ」 <>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/20(土) 00:12:34.99 ID:iuae2hXHO<>  ※ ※ ※ ※

━━鼻孔をつくすえた臭いは、やっぱり好きになれない。

('A`)「毎度毎度、このクソみたいな臭いにはうんざりだよ」

ダウンタウンの裏路地。その更に奥深く。メインストリートの爛れたネオン光すらも届かない裏の裏を、オレ達は歩いている。

从゚∀从「貴様の部屋とどう違うんだ?」

('A`)「君、あのフローラルでヴァリアブルな芳香と、この亀の飼育箱の中みたいな臭いとをどうやったら同列に扱えるんだね?うん?」

从゚∀从「どうでもいいが、どうしてこんな所を歩いているのかを詳しく聞かせろ」

軍用アイアンメイデンの暴走、そして逃亡。

御大将直々に出向いてきてくれた割には、ろくな情報が手に入っていない。

手掛かりらしい手掛かりと言えば、彼が最後に言っていた外部ハッカーによるハッキング説。

その情報を頼りに、今オレはこのクソみたいな裏路地の奥を目指している。 <>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/20(土) 00:13:42.84 ID:iuae2hXHO<> ('A`)「わかったか?」

从゚∀从「は?」

('A`)「モノローグ読め」

从゚∀从「……」

突っ込む気力を失った鬼畜娘は哀れみの視線でオレを見つめる。やめろ、オレはそんなに可哀想な人間じゃない。

从゚∀从「おい、本当に何でこんな場所に用が有るんだ?」

('A`)「あー……」

言うべきか。いや、言うべきだ。仕事の効率から考えて、相棒に事件の全容を語るのは当たり前だ。

しかし、それ以上に彼女に対して言い出しずらい理由というものがある。

<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/09/20(土) 00:13:54.71 ID:QYS7aYMbO<> し <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/09/20(土) 00:14:40.08 ID:4YtoqMKo0<> モノローグ4回目か 好きだな <>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/20(土) 00:14:49.26 ID:iuae2hXHO<> ('A`)「いや……その……」

从゚∀从「言い出しにくいのか。でも無理に聞くぞ。このままじゃ仕事に支障が……」

('A`)「軍用アイアンメイデンが暴走して逃走したそうだ。そいつを探し出して破壊するのが、今回の依頼だ」

なし崩し的に、口にしてしまった。

从゚∀从「……」

ほら、やっぱり。沈黙だ。普段から不敵な口調の癖に、そうやって「まるで人間みたいに」口を噤むのが見たく無かったんだよ。

('A`)「その捜査の一環として、今からオレ達はその道のプロに手助けを頼みに行くわけだ。お分かりいただけたかい?」 <>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/20(土) 00:16:36.75 ID:iuae2hXHO<> 从゚∀从「……あぁ」

上の空、って感じだな。

('A`)「とか何とか言ってる間に到着ぅー」

無理矢理に視線を逸らし、目的地を振り返る。

裏路地の奥の奥。

知る人ぞ知る隠れたラーメン屋の如き様相でオレ達の前に建っているのは、煤けたコンクリートのバラックのようなモノ。

从゚∀从「何だここは。死体安置所か?」

実際、こんなところに人間が住めるかどうか、凄く疑問だが、住んでるんだからしょうがない。

('A`)「ぼやぼやしてねぇで入るぞヴォケ。突っ立ってる暇があったらオレのをしゃぶれ」

从゚∀从「……」

<>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/20(土) 00:17:30.33 ID:iuae2hXHO<> なんだよ……強気に出てみればだんまりかよ……。

('A`)「はーい子猫ちゃん一匹ご案なーい」

なんか色々ぶちまけそうになる前に、バラックの錆びた扉を開ける。

鈍い音に次いで、イカの臭いが屋内から押し寄せてきた。

('A`)「凛はオレの嫁ー!」

合い言葉を叫ぶ。

「遅ぇーお!」

中からくぐもった声が返ってきた。

从゚∀从「……」

やっぱ、だんまりかよ。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/09/20(土) 00:17:48.89 ID:4YtoqMKo0<> ? <>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/20(土) 00:19:13.24 ID:iuae2hXHO<> ('A`)「さぁさ、入った入った」

取りあえず、子猫ちゃんを先導する。

もう夕方だというのに。ただでさえこの裏路地は暗いというのに。中は灯り一つ点いておらず、薄暗い。

('A`)「足元にお気をつけて、レディ」

ガラクタを掻き分け、数少ない足場を飛び石を跳ぶように進む。

从゚∀从「…まるで、廃墟…だなっ!?」

後方で盛大な音。

振り返る。

鬼畜娘が倒れていた。

(*'A`)「ざまぁ!君のバランサーもここでは役に立たないみたいだな!」

从;゚∀从「あいつつつ……」

<>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/20(土) 00:20:19.03 ID:iuae2hXHO<> (*'A`)「ふはは!勝った!勝ったぞ!」

从;゚∀从「もぉー、どうしてこんなに暗いのよぉ」

(;'A`)「ぅわ……」

いつ、こいつのOS書き換えたっけ…?

从゚∀从「……なんだ、こういう反応をお望みでは無かったのか?」

('A`)「……オレは、断じて負けを認めない」

从゚∀从「人間関係に勝ち負けを求める奴は絶対に大物になれないぞ」

(;'A`)「……くそっ!いつか絶対に幸せになってやるぅう!」

从゚∀从「いいから手を貸せ。流石にこう足場が悪いと起き上がりずらい」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/09/20(土) 00:21:10.87 ID:4YtoqMKo0<> ずらいに反応するのはオタ <>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/20(土) 00:22:34.06 ID:iuae2hXHO<> ('A`)「……」

そんなわけあるか。君が一人で立てなかったら、今頃オレは死んでるっつうの。

そう思ったけれど、声に出さない。

だって、これはこいつの「発想」だから。

('A`)「……ほら、しっかり掴まれ」

手を差し出す。握る手は冷たい。見た目華奢な手のひらは、刹那の内にオレの手を握り潰す事すら可能。

从゚∀从「……ん」

だが、それは許されない。そう、プログラムされているから。

彼女は護衛用ガイノイド。限り無く人間に近い、忠実なボディーガード。主には絶対服従。

<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/09/20(土) 00:28:00.15 ID:QYS7aYMbO<> ほ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/09/20(土) 00:35:50.58 ID:4SLn+D8e0<> ん?さる? <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/09/20(土) 00:38:01.31 ID:Bt9xIgA+0<> さるか <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2008/09/20(土) 00:43:39.92 ID:LQl6+YmB0<> 期待 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/09/20(土) 01:04:03.94 ID:4SLn+D8e0<> 寝落ちかね <>
◆cnH487U/EY <>スマソ 猿くらってた<>2008/09/20(土) 01:05:39.09 ID:iuae2hXHO<> 三原則に縛られ、雁字搦めの彼女が唯一持ち得る「可能性」を、だからオレは潰したくない。

从゚∀从「悪いな」

ハインリッヒ。鋼鉄の処女。

永遠の純潔と最強の盾で有ることを義務付けられた機械人形。

ともすれば「感情」とすら呼べる彼女の自由発想許容型の人工知能は、「同族の暴走」という事態をどう受け取ったのだろうか。

从゚∀从「なぁ、ドクオ」

('A`)「ん?」

ワンピースの裾を叩きながら、彼女が小さな声でオレに言った。 <>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/20(土) 01:09:07.13 ID:iuae2hXHO<> 从゚∀从「……私は、暴走したりなんかしないからな」

('A`)「……」

違和感とか、非日常だとか、そういうのをオレは嫌う。

だから。

('∀`)「あ、今度バスト周りの装甲を新しくしてやるな。とびきりキョヌーにしてやるぜ」

彼女の乳首をつついた。

从゚∀从「……」

あぁ、その蔑むような視線……嬉しいですっ!

('A`)「さぁて、さっさと用事すませましょうねー。おーい、ブーンやーい。出ておいでー。可愛い幼女がいますよー」

オレは、空元気で歩き出した。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/09/20(土) 01:09:54.10 ID:N5j/dK1sO<> 見てるよ支援 <>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/20(土) 01:10:51.13 ID:iuae2hXHO<>  ※ ※ ※ ※

━━目の前に、塩豚が一匹。

( ^ω^)「で、幼女はどこに居るんだお?」

从゚∀从「お兄ちゃん、お仕事はぁ?」

('A`)「あのね、ハインちゃん。ブーンお兄ちゃんはスッゴく偉い人だから、お仕事しなくてもいいんだよ」

从゚∀从「ホントにぃ〜?お金持ちなの〜?」

('A`)「うーん……お金持ちかと聞かれるとそうじゃないけど、働かなくても食べていけるんだ。それがネオ・ニートさ」

从*゚∀从「凄い凄ぉい!じゃあハイン、ブーンお兄ちゃんのお嫁さんになるぅ〜」

<>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/20(土) 01:12:41.48 ID:iuae2hXHO<> ('A`)「あー、ダメダメ。ブーンお兄ちゃんはね、立体的な女の子には興味が無いんだ。薄っぺらい女の子じゃないとチンチンも動かないんだ。だから残念、お嫁さんはまた今度だね」

从゚∀从「ぶぅ……つまんなぁい」

( ^ω^)「……てめぇらおもて出るお」

照明が極端に落とされた部屋の中。

情報端末とコードと、その他何に使うのかも分からない怪しげな機材に埋もれるようにして、その塩豚とオレ達は対面していた。 <>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/20(土) 01:14:52.09 ID:iuae2hXHO<> ('A`)「すまんこ。まぁ、なんだ、相手は子供だ。手加減してやってくれ」

( #^ω^)「これのっ!どこがっ!幼女かおっ!」

荒ぶる塩豚は、只でさえ狭苦しい室内いっぱいに怒号をぶちまけながら、オレの愛娘にびしぃっと人差し指を突き付けた。

('A`)「まぁまぁ、それはおいといてだな。お前に一つ頼みたい事がある」

( #^ω^)「幼女が居ないんじゃやる気が起きないお」

鼻を鳴らしながらふんぞり返るこいつは内藤ホライズン。あだ名はブーン。

ロリコンで無職でピザで引きこもりの、オレ以上に救いようの無いダメ人間だ。

<>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/20(土) 01:16:19.80 ID:iuae2hXHO<> ( ;^ω^)「ってちょっと待つお!別に僕はロリコンじゃないお!あと、ネオ・ニートとか嫌な形容詞で呼ぶなお!これでもちゃんと職に就いてるお!」

从゚∀从「えぇ〜!ブーンお兄ちゃんってお仕事してるのぉ?」

('A`)「ああ。ネオ・ニートとは世を忍ぶ仮の姿。本当は、世の中のいたいけな幼女達を守る為と称し、日夜町中に仕掛けたカメラで幼女を盗撮するロリータ仮面なのだ」 <>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/20(土) 01:18:51.97 ID:iuae2hXHO<> ( #^ω^)「てめぇらいい加減にするお。流石の僕でもキレるお」

このままだと埒があかないので、取り敢えずは閑話休題。

('A`)「……で、だ。折りいった頼みっつうのはだな」

( ^ω^)「……報酬」

ちっ。

('A`)「今度出る型月の新作でいいだろ」

( ^ω^)「それだけかお?」

足元見やがって……。

('A`)「魔理沙の等身大フィギュアも付けよう」

( ^ω^)「おk。僕に出来る事なら何でも言ってくれお」

くそっ…魔理沙の等身大フィギュアなんてどこで売ってるんだよ……。

('A`)「で、本題に入るんだが頼みってのは……」

<>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/20(土) 01:20:14.17 ID:iuae2hXHO<> ( ^ω^)「ハックかお?」

('A`)「いや、今回はもっと穏やかなやつだ」

( ^ω^)「ふーん。つまらない仕事ならお断りだけど……ま、言ってみるお」

('A`)「軍用のアイアンメイデンが暴走した。原因は不明。オレ達はそれの捜索と破壊を依頼されたんだが、如何せん相手の居場所が分からない」

( ;^ω^)「……アイアンメイデンておま」 <>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/20(土) 01:21:58.15 ID:iuae2hXHO<> ('A`)「詳しくは省くが、件のアイアンメイデンは外部からハッキングされた疑いがある」

( ;^ω^)「いやいや、流石に軍のアイアンメイデンにハッキングをかけるようなのはテロリストぐらいしか……」

('A`)「だから、お前は四日前に軍の情報端末にアクセスした外部の端末の中で、怪しいと思った奴を虱潰しにピックアップしてくれ」

( ;^ω^)「へ?」

('A`)「お前なら出来るだろう?“電子の王”さんよ」

( ;^ω^)「イヤイヤ!外部からのアクセスて……全部かお!?」

('A`)「あぁ、全部だ」

( ;^ω^)「全部て……全世界かお?」

<>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/20(土) 01:23:12.88 ID:iuae2hXHO<> ('A`)「あぁ、全世界だ」

( ;^ω^)「……お前は僕を何だと思ってるんだお」

('A`)「ロリータ仮面」

( ;^ω^)「無理に決まってるお!世界中にどれだけの端末があると思ってるんだお!アホかお!馬鹿かお!狂言だお!」

('A`)「まぁ狂言なんだけどな」

( #^ω^)「……てめぇ」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/09/20(土) 01:28:43.54 ID:6GDZ9RV90<> 士郎正宗? <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/09/20(土) 01:29:39.12 ID:N5j/dK1sO<> >>134
…なんかID凄いな <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2008/09/20(土) 01:42:04.26 ID:X2nffh3C0<> 支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/09/20(土) 01:56:28.94 ID:6GDZ9RV90<> 猿か <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/09/20(土) 02:14:42.08 ID:X2nffh3C0<> 支援 <>
◆cnH487U/EY <>またまた猿 本当にスマソ<>2008/09/20(土) 02:16:01.60 ID:iuae2hXHO<> 从゚∀从「気付よ塩豚」

( #^ω^)「ビキビキ」

('A`)「まぁ、なんだ、取り敢えずはVIP中の端末という端末を洗ってみてくれ。オレは電脳の分野には明るくないから、対象範囲はお前の判断で絞ってくれて構わん」

( ^ω^)「…まぁ、軍用アイアンメイデンの脳核に仕掛けられる端末となると大分絞られてくるけど……」

それでもかなりの量だろうな。詳しくは知らんが。

('A`)「そんじゃあ、後は任せた。朗報を期待しているよ。アデュー!」

というわけで、スピードワゴンはクールに去るぜ。

<>
◆cnH487U/EY <>またまた猿 本当にスマソ<>2008/09/20(土) 02:18:41.37 ID:iuae2hXHO<> ( ;^ω^)「ちょ、ちょっと待つお!せっかく来たんだから茶でも飲んでいけお!」

('A`)「はぁ?お前んとこの茶なんか飲んだらオレ、体は大人、頭脳は子供になっちまうだろバーロー」

( ;^ω^)「じゃ、じゃあ新しいエロゲでも……」

('A`)「オレ、カトリックなんだ。禁欲禁欲」

( ;^ω^)「じゃ、じゃあ……」

('A`)「またこの星の上で逢おう!さらば!」

塩豚が色々とオレを引き止めようとしてくるが、オレは止まる訳にはいかない。

追いすがる家畜を足蹴にし、オレは豚小屋を後にした。 <>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/20(土) 02:21:28.67 ID:iuae2hXHO<>  ※ ※ ※ ※

━━で、帰り道。

从゚∀从「……なぁ」

鬼畜イノセンスが口を開いた。

('A`)「お、幼女モードお疲れ。もう普段の撲殺天使口調でいいぜ」

从゚∀从「なんで、あんなにあいつを邪険に扱うんだ?」

あいつってのはブーンだろう。まぁ、オレが邪険に扱うのはあいつしかいないわけだが。

('A`)「……うーん、オレってツンデレじゃん?だから、素直に好意を表現出来ないのよ」

取り敢えず、その質問は許可しない。だから煙に巻く。

<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2008/09/20(土) 02:21:48.31 ID:X2nffh3C0<> 支援 <>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/20(土) 02:23:12.86 ID:iuae2hXHO<> 从゚∀从「……一応、貴様の周りの人間関係を把握しておかないと、万が一の時に誰を頼ればいいかわからん」

だから、本当の事を言えってか。

('A`)「……万が一って?」

从゚∀从「貴様が病に倒れ、私の管理をしてくれる人間が居なくなった場合だ」

あ、オレが死ぬのはOKなのね。

('A`)「……」

从゚∀从「黙るな。貴様に黙秘権は無い」

あー。面倒だなぁ。

('A`)「……あいつとオレが知り合ったとっから始めるぞ」

从゚∀从「長くなろうが構わん」

変なとこで物わかりいいのね。 <>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/20(土) 02:25:10.40 ID:iuae2hXHO<> ('A`)「五年くらい前かな、お前がまだオレのとこに居なかった頃の事だな。ネットであいつと知り合った」

从゚∀从「ふむ。ネットとな」

('A`)「何処にでもある下らないチャットサイトで、厨房のたまり場みたいなもんだった。その中に一人、異常なまでに排他的で屈折した奴が居た」

从゚∀从「それが、あいつか」

('A`)「ああ。最初はただの中二病患者だと思ってたよ。人間は信用出来ないだの、世の中は悪意に溢れてるだの、そんな事ばっか言っててさ」

从゚∀从「そんなのの相手をする貴様も同族だろう」

('A`)「違いねぇ。で、オレはある日聞いてみたんだ。“どうしてそんなに他者を拒絶しようとするのか”ってな」

从゚∀从「で?」

<>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/20(土) 02:27:59.26 ID:iuae2hXHO<> ('A`)「“あんたも人の頭の中身を見てみればわかる”だと」

从゚∀从「自分は他人の頭の中身を覗いた事があるような口調だな」

('A`)「あぁ。そうだよ。あいつは、他人の頭の中身を見た事があるんだよ」

从゚∀从「……人間の、脳核にハッキングしたと?」

('A`)「にわかには信じられないよな。当たり前だ。誰が聞いたってガキの戯れ言にしか聞こえねぇ」 <>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/20(土) 02:30:15.19 ID:iuae2hXHO<> 从゚∀从「当たり前だ。人間の脳核に一体どれほどのスペックを誇る攻性防壁が敷かれているか、わかっているのか?」

('A`)「……レベル7。普通なら、アクセスしようとしただけで脳髄を焼かれる。だが、現にあいつはオレの目の前でそれをやってのけた」

从゚∀从「馬鹿馬鹿しい。とんだ狂言だな」

('A`)「……まぁ、信じる信じないはお前の自由だ。ともあれ、そんな芸当が出来るような奴とコネを持つ事は何かと便利だと思ってな。以来、リアルでも交流を続けてるってわけだ」

これで話は終わり。あいつに関しては、あまり話したくない。

例えそれが、彼女でも。

<>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/20(土) 02:32:50.99 ID:iuae2hXHO<> 从゚∀从「待て、まだ邪険にする理由を聞いていない」

('A`)「……はぁ」

心の底から、溜め息が出た。

このロボ娘は、本当に察しがいいというか。オレがわざわざそこを避けて話していたのがわかったか。

('A`)「……他人とは必要以上に馴れ合わない。だから、だよ」

从゚∀从「……だから、邪険に扱うと」

真っ直ぐに、オレを見る、彼女のガラスの瞳が、怖い。 <>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/20(土) 02:35:34.54 ID:iuae2hXHO<> 彼女には、オレが真実を語っていない事がよく分かっている。

バレている嘘をいつまでも撤回しないのは醜い。

とは言え、今はまだ話す時じゃない。

話す為の覚悟が、オレには足りていない。

自分と向き合う勇気が、オレには足りていない。

だから、今はまだ……。

('A`)「あぁ、そういう事だ」

真実に掛けたヴェールは、ほどかない。

从゚∀从「……で、結局お前はあいつをどう思ってるんだ?」

最後に、彼女が問うた言葉。

('A`)「まぁ、好きだよ。似たもの同士だしな」

それにだけ正直に答え、オレは家路を歩き始めた。



next track coming soon... <>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/20(土) 02:39:59.21 ID:iuae2hXHO<> ☆从゚∀从と('A`)の、朝まで生メイデンっ!☆

……

……

マト#>д<)メ「やっほー!みんなのお耳の恋人、マトマトだよー!みんな元気にしてたかなぁ?」

(=゚ω゚)「……」

マト#>д<)メ「さてさて、夜も更けてきたところで突然の新コーナー!PCや携帯の前でポカーンとしてる人も多い事かと思いますが、早速このコーナーの趣旨を問いたいと思いまーす!」

(=゚ω゚)「……」

マト#>д<)メ「このコーナーでは、なんだかちんぷんかんぷんな単語ばかりの本編を、この私マトマトが出来る限り分かり易く解説していきつつ…」

(=゚ω゚)「……」

<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/09/20(土) 02:44:37.58 ID:0O/i3dYU0<> ワイルドスピード並みのクレイジーな世界に惚れて支援 <>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/20(土) 03:03:19.02 ID:iuae2hXHO<> マト#>д<)メ「読者の皆さんの質問や意見なんかに一見殺伐としながらも、気軽にお答えしていっちゃおー!ってな感じのコーナーだよ☆」

(=゚ω゚)「……」

マト#>д<)メ「あ!今、誰か『渡辺ちゃんねるのパクリじゃね?』って言ったでしょ!?言ったでしょ!?」

(=゚ω゚)「大切な事なので二回言いました」

マト#>д<)メ「うーん…惜しいっ!まぁ七割方当たりかなぁ。パクリと言われてもしょうがないよね!」

(=゚ω゚)「……」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/09/20(土) 03:05:51.40 ID:m6SL6vZvO<> キサマ!見ているな! <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/09/20(土) 03:11:39.71 ID:qqdF9MDh0<> 何という長丁場
間違いなく俺もお前も眠たい筈 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/09/20(土) 03:12:37.44 ID:oUn40uh/O<> 支援する! <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2008/09/20(土) 03:21:15.60 ID:X2nffh3C0<> 支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/09/20(土) 03:32:39.99 ID:1rfElgJRO<> 支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/09/20(土) 03:36:58.73 ID:QYS7aYMbO<> 猿らないとこない支援に作者涙目wwwwwwww <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/09/20(土) 03:40:28.77 ID:oUn40uh/O<> これは朝まで支援か?

とりあえず支援 <>
◆cnH487U/EY <>猿猿猿ムキー!<>2008/09/20(土) 04:03:06.20 ID:iuae2hXHO<> マト#>д<)メ「でもでもっ!実際問題、このお話ってばスッゴくちんぷんかんぷん!だ☆か☆らっ!私がそこをなんとか柔らかく分かり易く噛み砕いた形に直して皆さんにお伝えしようと言う訳なんですっ!」

(=゚ω゚)「……」

マト#>д<)メ「凄いっ!偉いっ!痒いところに手が届くっ!姉ちゃん気が利くねぇっ!」

(=゚ω゚)「……」

マト#>д<)メ「と言うわけで、早速解説の方いってみよー!」

(=゚ω゚)「これは酷い猿。本当に申し訳有りますん」

<>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/20(土) 04:10:14.27 ID:iuae2hXHO<> ……

……

マト#>д<)メ「全然早速じゃないけどね。猿がね、もう、ね、酷いのなんのってね。マジ、朝までとか洒落なんねぇから。ね。本当、皆さんごめんなさいね。もちょっとだからね」

(=゚ω゚)「……」

マト#>д<)メ「はい!それじゃあ世界観についてぇ!」

(=゚ω゚)「まだやるんだ……」

マト゜д゜)メ「……」

(=゚ω゚)「……」

マト#>д<)メ「えぇと、ガイノイドだとか義体だとか電脳だとか、そんなSFチックな単語がいっぱい出てくるこのお話の舞台は、近未来?遠未来?うーん、とにかく未来!未来よ未来!」

(=゚ω゚)「大事な事なので三回言いました」

マト#>д<)メ「本編中のどっくんのモノローグにも有るように、この時代では人間の脳みそに機械が入っちゃってますねぇ。こんな世界観のお話を、巷では『サイバーパンク』とかってジャンルに分けるそうよ!」

(=゚ω゚)「……」 <>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/20(土) 04:13:00.33 ID:iuae2hXHO<> マト#>д<)メ「みんなの知ってそうなお話で一番有名なのは、『マトリックス』とか『攻殻機動隊』とかかな?おおざっぱに言えば『攻殻機動隊』の世界観に最も近いかも。あんな感じの世界を想像して貰えるとらくちんっ☆」

(=゚ω゚)「あー、猿さん怖いな」

マト#>д<)メ「で、まぁ、サイバーパンクってのは私が説明するよりもWikipedia先生に聞く方が早いのでここでは割愛しまーす」

(=゚ω゚)「……」

マト#>д<)メ「……っでぇ!今日の本題!じゃじゃん!」

(=゚ω゚)「……」

m9(= ゜ω ゜=)9m「……」

<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/09/20(土) 04:21:16.29 ID:QYS7aYMbO<> 支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/09/20(土) 04:29:51.02 ID:oUn40uh/O<> 支援するぜ! <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/09/20(土) 04:39:28.75 ID:QYS7aYMbO<> また猿っすかwwwwww <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/09/20(土) 04:55:33.87 ID:oUn40uh/O<> まだだっ!まだ支援するっ! <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/09/20(土) 06:05:58.51 ID:QQGoWe9Z0<> ほ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/09/20(土) 06:45:56.33 ID:Qb4EGVMgO<> またっすかwwwww
勘弁してくださいよwwwww
支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/09/20(土) 07:19:50.95 ID:4QeqSWZrO<> しえん <>
◆cnH487U/EY <><>2008/09/20(土) 07:41:58.04 ID:iuae2hXHO<> そろそろ猿が解けた頃合いかな?

総合にも書きましたが一応こっちにも

※お知らせ

大変申し訳ないのですが、これ以上の投下は困難と判断しまして、今日はお開きとさせていただきます

また後日、出直すこともあるかと思いますのでその時はこれに懲りずお付き合い頂ければ幸いです

恐らくは、来週中に続きは投下出来ると思います

今回投下出来なかったオマケもその時に投下する予定ですので、御容赦願います

それでは、失礼させていただきます。長い間拘束してしまい、本当にすいませんでした

<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/09/20(土) 08:15:30.68 ID:qcevCm3tO<> よむほ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/09/20(土) 08:16:57.49 ID:gHlXp39qO<> 乙 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2008/09/20(土) 08:29:35.13 ID:oUn40uh/O<> 乙

次回も期待してる <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2008/09/20(土) 08:37:10.95 ID:Opgtc5tTO<> これから読む保守 <>