('A`)は地図に無い島へ行くようです
- 1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/03(土) 20:30:12.29 ID:HMb7CCzb0
- ゆっくりしていってね
- 2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/03(土) 20:31:58.55 ID:70iXVtrOO
- aa
- 3 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2008/05/03(土) 20:33:07.56 ID:3O4iow6GO
-
(´<_`ノ )「だぁんなぁ、久しぶりだねぇ! 元気してた?」
川 ゚ -゚)「ぼちぼちだな」
〜まとめサイトさん〜
ブーン芸さん http://boonsoldier.web.fc2.com/index.html
ブーン速さん http://hoku6363.fool.jp/KE-TAI.html
( ><)「更新遅れてごめんなさいなんです!」
( <●><●>)「こんなIDですがauなのはわかってます」
- 4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/03(土) 20:33:41.39 ID:3/Z6i4VOO
- ちょwwwww久し振りすぎる
- 5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/03(土) 20:35:05.65 ID:e4gsmzSbO
- ktkr!待ってた
- 6 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2008/05/03(土) 20:35:58.87 ID:3O4iow6GO
-
(;'A`)「ブーンとツンが反逆者!?」
(;^ω^)「ど、どういう事ですかお!?」
モナーが言い放った言葉に、ドクオとブーンが思わず声をあげた。
だが、そんな彼らの戸惑う様子を気にもしないように、ジョルジュが短く言った。
_
( ゚∀゚)「一番隊、かかれ!」
ジョルジュの言い放った冷たい声色が、広い部屋の中に響き渡った。
それと同時に、一同を囲っていた鎧を纏った兵士達が、ブーン達に向かって飛びかかった。
彼らに向かって飛びかかった兵士の剣先が、ツンの喉元にへと迫っていた。
- 7 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2008/05/03(土) 20:37:33.83 ID:3O4iow6GO
-
('A`)は地図に無い島へ行くようです・第19話
- 8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/03(土) 20:38:12.23 ID:S2Q/KDl/0
- こっちか
支援
- 9 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2008/05/03(土) 20:38:50.81 ID:3O4iow6GO
-
ξ;゚听)ξ「……!!」
(;・∀・)「ツン!!」
呆気にとられて立ち尽くしていたツンを、側にいたモララーが押しのけた。
ξ;゚听)ξ「きゃっ」
(;^ω^)「ツン!!」
ツンの悲鳴を耳にして、恋人であったブーンは彼女の危機を感じ即座に反応した。
バランスを崩し、床に倒れ込んだツンに向かってブーンが駆け寄る。
(;^ω^)「ツン、大丈夫かお!?」
ξ;゚听)ξ「……えぇ、私はなんとか」
- 10 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2008/05/03(土) 20:40:10.29 ID:3O4iow6GO
-
ブーンがツンに肩を貸そうとしたその時。
ブーンにほんの少し遅れて、ツンに迫っていた危機を感じ取っていたドクオ。
彼の目に、無事を確かめ合い安堵している恋人達とはまた別の光景が映っていた。
ドクオは思わず悲鳴をあげた。
(;'A`)「モララーさん!?」
(;^ω^)「……!」
ドクオの叫び声を聞き、我に返ったブーンがツンの背中の向こう側にへと目をやった。
- 11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/03(土) 20:44:26.91 ID:e4gsmzSbO
- 支援
- 12 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2008/05/03(土) 20:44:42.47 ID:3O4iow6GO
-
モララーの肩から、深紅の液体が勢い良く噴き出していた。
(; ∀ )「……っ」
ブーンに少し遅れて、ツンがハッとしたように振り返った。
そして、瞬時に今起きた事を頭の中で整理しようとする。
ξ;゚听)ξ「モララーさん!!」
ツンを庇って、モララーが兵士の攻撃を体を張った。
兵士の振り下ろした刃を自らの肩で受け止めた。
傷口の皮膚はパッカリと開いており、中から白い骨が覗いていた。
(; ∀ )「……スマン、しくった……」
モララーは力無い声で小さく言うと、赤い液体が噴き出す肩を手で抑えながらよろよろと立ち上がった。
今度ばかりはβ成分の結晶でもなんでもない。
正真正銘の、血液だ。
(;^ω^)「モララーさん、大じょ」
(;'A`)「ブーン! 後ろ!!」
ブーンがよろめいているモララーに声を掛けようとした時、彼の背後で兵士が大剣を構えていた。
- 13 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2008/05/03(土) 20:47:03.24 ID:3O4iow6GO
-
(;^ω^)「っ!!」
ブーンがハッとして振り返ると、既に兵士はその重量感ある大きな剣先を彼に向かって振り下ろしていた。
(;'A`)
ξ;゚听)ξ 「ブーン!!」
(; ∀ )
肩を負傷したモララーも一緒になって、思わず叫んだ。
(; ω )「くうっ、なんのっ!!」
ブーンは己の危機を察しとるや否や、兵士の頭上から剣が降りてくるのと同時に腰当てから自らの剣を取り出した。
(;^ω^)「これしきっ!!」
- 14 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2008/05/03(土) 20:48:35.32 ID:3O4iow6GO
-
_
( ゚∀゚)「……ほぅ」
兵士が繰り出した攻撃をとっさにいなしたブーンを見て、ジョルジュが楽しそうに微笑んだ。
(#^ω^)「いきなり何するんですかお!?」
刃向かってきた兵士を跳ね退けると、ブーンがジョルジュに向かって叫んだ。
(#^ω^)「人を身に覚えの無い反逆者呼ばわりするのは辞めて欲しいお!!
それになんでいきなり僕達を攻撃するんだお!?」
_
( ゚∀゚)「ふぅ、戦場でよそ見すると命取りだぞ、ブーン」
ブーンが怒りを露わにしてジョルジュを怒鳴りつけるのを見て、ジョルジュはやれやれと言った様子で溜め息をついた。
(;'A`)「ブーン、後ろ後ろ!!」
しぃを抱えてブーン達を円く囲む喧騒の中から脱出していたドクオが、また叫び声をあげた。
- 15 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2008/05/03(土) 20:49:54.21 ID:3O4iow6GO
-
(; ∀ )「……っ!」
ブーンの後ろで身構えていた兵士を、横からモララーが飛び蹴りで蹴飛ばした。
(;^ω^)「も、モララーさん!?」
(;-∀-)「ブーン、取り囲まれてんだ、気を付けろ……」
モララーはそう言って、ブーンと背中合わせに立ち上がった。
二人の目の前に対峙する兵達が、じりじりと彼らに詰め寄る。
ξ;゚听)ξ「モララーさん、傷口は……」
(;-∀-)「……ちょっとヤバいかもな。まぁ、今この状況の方がよっぽどヤバいかもしれんが」
二人の足元で座り込んでいたツンが、モララーに安否を確かめる。
そうこうしている内にも、兵士達はその包囲網をどんどんと狭めていっていた。
- 16 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2008/05/03(土) 20:52:38.28 ID:3O4iow6GO
-
(;'A`)(ヤバい、このままじゃブーン達が危ない……)
難を逃れて、外側からブーン達の危機を眺めていたドクオが焦り始めた。
よくわからないが、このままだとブーン達が殺されてしまう。
何か自分にできる事は無いか、必死に探してみる。
しかし、しぃを抱えていた彼の頭にはこのゆゆしき事態を解決する妙案は思い浮かばなかった。
_
( ゚∀゚)「殺れ」
もうブーン達と兵士達の距離がいくばくも無くなった所で、ジョルジュが号令を発した。
(;^ω^)「……!」
逃げ道を失ったブーン達は為す術も無かった。
兵士達が一斉に得物を振りかざしたのを見て、彼らは思わず目を閉じた。
- 17 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2008/05/03(土) 20:54:01.28 ID:3O4iow6GO
-
从'ー'从「ちょっと待って下さい」
ブーンの目の前にいた兵が剣を振り下ろそうとした直前。
ドクオの様に、外側から事態を眺めていた女性が口を挟んだ。
_
( ゚∀゚)「……なんだい、ナベちゃん?」
突然介入され、兵士達の動きを制止されたジョルジュは思わず苦笑した。
_
( ゚∀゚)「……まさか、今更二人を恩赦で無罪放免、って訳ないよな?」
从'ー'从「それはありません。
ただ、何もわからないまま処刑するより、お二人にちゃんと罪状を述べてあげた方が良いかと」
- 18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/03(土) 20:54:21.99 ID:HIlka0Pj0
- キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
- 19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/03(土) 20:55:55.65 ID:O47NmV440
- おおなつかしい
- 20 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2008/05/03(土) 20:56:38.02 ID:3O4iow6GO
-
(;'A`)「ちょ、ちょっと待て」
ジョルジュ達が内輪で何か話し合いを始めたのを見て、ドクオが声を発した。
(;'A`)「さっきからなんなんだ?
いきなりブーンとツンが反逆者だの処刑するだの、話が突飛過ぎてついて行けないんだが」
しぃを腕で抱えながら、ドクオがジョルジュらに訴え掛けた。
それを見た女性が、柔らかく微笑む。
从'ー'从「ね? 言った通りでしょう?」
( ´∀`)「私も、姫の言う通りだと思いますね」
ドクオの声を聞いて、今まで事態を静観していたモナーも傍らにいた女性に同調した。
それを見て、ジョルジュが大きく溜め息をつく。
_
( -∀-)「……まぁ、陛下がそう言うのなら……」
つまらなそうにしながらジョルジュが片手を上げて合図を送る。
すると、ブーン達に詰め寄っていた兵士達がその場から離れていった。
- 21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/03(土) 20:57:14.90 ID:HIlka0Pj0
- 支援
- 22 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2008/05/03(土) 20:57:51.13 ID:3O4iow6GO
-
(;‐ω‐)「……お?」
目を瞑っていたブーンが、恐る恐る瞼を開いた。
すると、彼の目の前に迫っていた沢山の兵士達が、部屋の隅の方にへと退いていた。
(;^ω^)「……? 助かったのかお?」
(;-∀-)「いや、違うな」
事態を飲み込めないでいたブーンの呟きを聞き、モララーが力無く答えた。
ξ゚听)ξ「……どういう事?」
(;-∀-)「どの道お前らを殺す事には変わりないって事さ。
そうだろ、お姫様?」
- 23 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2008/05/03(土) 20:58:59.38 ID:3O4iow6GO
-
从'ー'从「まぁ、極論、そうですね」
モララーが簡潔に言った言葉の意味を噛み締めているかのように、女性が俯きながら小さく呟いた。
(;'A`)「わけわからん。
何で二人が処刑されなくちゃなんないんだ? 罪状ってのもまだ聞かされてないし……」
女性の言葉を聞き、再度ドクオが大きな声で問い掛ける。
と、それと同時にモララーの体が崩れ落ちた。
(;'A`)「も、モララーさん!?」
(; ∀ )「す、すまん……、思ってたよりダメージデカいみたいだわ……」
震える膝を折り曲げて、今も紅い血が滴り落ち続ける肩を抑えながら、モララーが床にうずくまった。
- 24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/03(土) 21:00:14.04 ID:O47NmV440
- モララー・・
- 25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/03(土) 21:00:21.44 ID:e4gsmzSbO
- 支援
- 26 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2008/05/03(土) 21:02:06.46 ID:3O4iow6GO
-
(;^ω^)「モララーさん!」
(#'A`)「……とりあえず、モララーさんは関係無いでしょう!?
何でこんな事したんだ!?」
モララーの側でオロオロとしているブーンを眺めながらドクオが怒りの声をあげた。
_
( ゚∀゚)「勝手にそいつがそこの女庇っただけだろ。自業自得だ」
(♯^ω^)「なんですと?」
(;´∀`)「まぁまぁ、落ち着いて下さい」
ジョルジュが軽く言い放ったのを見て、ブーンの顔が仄かに赤みが増してゆく。
その一触即発な雰囲気を見かねて、モナーがやんわりと仲裁を入れた。
(;´∀`)「とりあえず、事情を説明しちゃいましょう。
誰か、そこの方の手当てを」
- 27 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2008/05/03(土) 21:04:08.23 ID:3O4iow6GO
-
モナーはそう言うと、彼の傍らに佇む女性に視線を送った。
女性もそれに気付き、互いにアイコンタクトをした。
从'ー'从「それでは、私が今回の件について説明します」
(;^ω^)「……」
女性が口を開くと、一同は静まり返り、彼女が紡ぎ出す言葉に聞き入った。
从'ー'从「まず最初にも言いましたが……
ブーンさんとツンさん、あなた達二人はラウンジ国家に対する反逆罪に問われています」
女性はゆっくりと、そして丁寧に語り始めた。
- 28 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2008/05/03(土) 21:05:43.43 ID:3O4iow6GO
-
( ^ω^)「……それはさっきも聞きましたお」
女性の言葉を耳にしたブーンが、すぐに言い返した。
その体が小刻みに震えている辺り、早く用件を知りたがっている様に見えた。 そんなブーンの様子を見据えて、女性は彼に短く言い聞かせた。
从'ー'从「簡潔に罪状を述べますと、ブーンさんは先の聖騎士団行方不明事件の主犯格。
……そしてツンさんはその幇助の疑いが掛けられています」
(;^ω^)「!」
女性の言葉を聞き、ブーンの顔に衝撃の色が走った。
(;-∀・)「っ……! 馬鹿な、その件ではブーンは被害者だったろうが!?」
モナーの指示で救護係に手当てを受けていたモララーが、抗議の声をあげる。
(;^ω^)「そ、そうですお! 僕は無実ですお!!
それに、何でツンが関係あるんですかお!?」
- 29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/03(土) 21:06:10.16 ID:HIlka0Pj0
- 支援
- 30 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2008/05/03(土) 21:08:41.84 ID:3O4iow6GO
-
从'ー'从「それはこれから話しますが……」
ブーン達の訴えを聞き、女性が語り始めようとする。
が、彼女はその前にと間をとり、ある一点を指差した。
(;^ω^)「お?」
ブーンの視線が女性の指先が示す方にへと映る。
その先に、ひとりの男の姿があった。
('A`)「……」
('A`)「……」
Σ(;'A`)「……えっ、俺?」
- 31 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2008/05/03(土) 21:10:40.84 ID:3O4iow6GO
-
_
( ゚∀゚)「さっきからボーってしてたみたいだが?」
突然自分に話題を振られ、戸惑っているドクオにジョルジュが助け舟を渡した。
(;'A`)「あ、あぁ。なんかみんな何を言っているのかわからなくて、なんとなく……」
从'ー'从「と、言うわけです」
ドクオが放った言葉に満足げな顔を浮かべて、女性がすぐに話し始めた。
(;・∀-)「……どういう事だ?」
从'ー'从「そこの神の遣いの方は、まだこの島に着いて間もない。
以前に起こった事件の内容も知らないでしょうし、彼に説明しながら事件の詳細を説明しようと言うのです」
苦痛の色が滲む表情で、モララーが自身を見下ろす女性に問いかける。
女性は地に平伏す彼に向かって、先程変わり様のない柔らかな口調で丁寧に答えた。
(;^ω^)「お? その件なら、ドクオは前にツンから聞いたんじゃなかったっけお?」
- 32 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2008/05/03(土) 21:12:16.20 ID:3O4iow6GO
-
ふと、ブーンが頭に浮かんだ疑問を口にした。
それを聞いて、モララーも苦痛を耐えながら呼応する。
(;-∀・)「……俺も、ツンからドクオにブーンの件は伝えたと聞いたが」
二人が口を揃えるのを耳にして、ドクオが戸惑い気味に答えた。
(;'A`)「いや、ブーンが行方不明になってたのは聞いたけどさ。
でも、聞かされた原因は地方で傭兵をやりに行って、音信不通になってたからとかだし」
ドクオは言いながら、ふと自分が抱えるしぃ胸元にへと目をやる。
彼女の胸に、プラチナのペンダントが鈍い光を放っていた。
これは、以前ツンから音沙汰無しの恋人に対する愚痴を延々と聞かされた際、その詫びとして貰った物であった。
(;'A`)「その人の言う聖騎士団とやらの失踪事件とか、全く聞かされてないよ」
- 33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/03(土) 21:13:06.24 ID:7vYHshOX0
- 支援
- 34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/03(土) 21:14:30.32 ID:5BJZN7ju0
- wktk!
- 35 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2008/05/03(土) 21:15:42.93 ID:3O4iow6GO
-
(;^ω^)「お? 僕は聖騎士団の入団テストを受けに行くって前もってみんなに伝えておいた筈だお。
旅に出てからたまにお金を稼ぐのに傭兵をやったりはしたけど、ほとんど修行に明け暮れる日々だったお」
ドクオの放った言葉に、彼と同じように戸惑いの色を浮かべながらブーンが呟いた。
(;-∀・)「……どういう事だ、ツン?」
ドクオ達の会話を耳にして、不審に思ったモララーがツンに声をかける。
ξ゚听)ξ「……」
ツンはいつの間にか兵士の包囲を抜け出し、ドクオの側に立っていた。
そして、黙り込んでいた。
(;^ω^)「……ツン?」
少し億劫になったブーンの声色にも反応を見せない。
その鋭い目が、高い位置から自分らを見下ろしている綺麗で整った女性の顔を睨みつけていた。
- 36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/03(土) 21:17:19.69 ID:S2Q/KDl/0
- 支援
- 37 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2008/05/03(土) 21:17:45.29 ID:3O4iow6GO
-
しばしの間、モララーの側に立っていた女性はツンと互いに見合っていた。
しばらくして、女性は不意にその視線を逸らした。
从'ー'从「……とりあえず、話しを進めましょうか」
そう言って彼女はまた柔らかな表情でにっこりと微笑んだ。
(;^ω^)「ちょ、ツン! なんで黙っt」
从'ー'从「ドクオさん。あなたがこの島に来る一年前、この島である事件が起きました」
ブーンが叫ぶのを遮るように、女性が淡々と語り始めた。
(;^ω^)「ちょ、おまww」
(;-∀・)「ブーン、気持ちは解るが、今は少し黙ってろ」
(;^ω^)「……、了解ですお……」
食い下がろうとしたブーンを、モララーが止める。
彼に促され、渋々とブーンは肩に入れていた力を抜いた。
- 38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/03(土) 21:19:49.93 ID:z+qjx7xY0
- ブーンって四六時中笑顔だなキメェ
- 39 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2008/05/03(土) 21:20:20.96 ID:3O4iow6GO
-
从'ー'从「その事件とは、このラウンジ国家の誇る精鋭舞台、聖騎士団の一隊が謎の失踪を遂げた事です」
(;'A`)「……」
女性はドクオに向かって、変わらない柔らかな表情で語り掛け続ける。
ドクオは未だ目を覚まさぬしぃを抱えながら、黙してその言葉に聞き入っていた。
从'ー'从「その日は聖騎士団の入団試験があり、団員である試験官達はとある場所で入団応募をしたテスト生達に対し試験を行っていました。
そして試験が終わり、合格見込みの新入団員数名を抱えた隊は、試験会場から城に帰還するべく夜道を行進していました」
女性は話しがらな、その表情や声色と同じくらいに柔らかそうなハーフロングの髪を弄くり始めた。
从'ー'从「すると突然、何者かが隊に向かって奇襲を仕掛けてきたのです」
(;'A`)「奇襲?」
女性の言葉を不思議に思ったドクオが鸚鵡返した。
- 40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/03(土) 21:21:55.94 ID:ytHi4MWeO
- 支援
- 41 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2008/05/03(土) 21:22:27.12 ID:3O4iow6GO
-
从'ー'从「はい。何者かが夜の闇に乗じて、突然一行を襲って来たのです。
まぁ、その時の様子は私が話すよりブーンさんの方が良くご存知でしょうが」
(;^ω^)「……お?」
ドクオの問い掛けに答えた女性は、そう言いながらブーンに視線を送った。
_
( ゚∀゚)「……ブーン。その時の様子を話してみろ」
意図が伝わってないブーンを見かねて、ジョルジュが話しかけた。
(;^ω^)「……え、いゃ、えっと」
突然自分に話を振られ、ブーンが少し困惑したようにおろおろとジョルジュと女性の顔を見合っていた。
しかし彼等の真剣な表情に促され、やがて落ち着きを取り戻したブーンは静かに語り始めた。
( ^ω^)「……とりあえず、さっき話したようにブーンは聖騎士団の入団試験を受けたんだお。
テストの日の朝はいつもより気合い入れておめかしして、意気揚々と試験会場に行t」
_
( ゚∀゚)「それはどうでもいいから早く事件の事を話せ」
- 42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/03(土) 21:25:13.60 ID:ytHi4MWeO
- 支援
- 43 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2008/05/03(土) 21:25:24.63 ID:3O4iow6GO
-
(;^ω^)「え……でも、こういう回想はその日の朝から始まる物であって」
_
( ゚∀゚)「はいはい、それから気合い入れてテスト受けて頑張ったら受かった。そして今隊に混じって帰り道。
はい、じゃあここから」
(;^ω^)「いや、もっとこう、自分の試験中の武勇伝とか」
_
( ゚∀゚)「黙れ小僧」
( -∀-)「……お前如きの実力で武勇伝とか笑わせるな」
(;^ω^)「ちょ、モララーさんまで酷いおww」
从'ー'从「……まぁ、聖騎士団員は国の精鋭舞台ですからその試験受かったのは凄い事なんですけどね」
(;'A`)「ジョルジュとモララーさんがハイレベル過ぎるだけだからな」
(;´∀`)「話進まないから早く事件の詳細について話して下さい」
- 44 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2008/05/03(土) 21:27:47.66 ID:3O4iow6GO
-
(;^ω^)「……わかりましたお」
一同に好き勝手言われたブーンは、モナーに促されて渋い顔で話し始めた。
( ^ω^)「……試験に受かった僕は隊に入れて貰ったお。
そして僕の入団の報告をすべく、ラウンジ城に向かって隊のみんなと夜の道を歩いてたんだお」
('A`)「……」
真面目に話し始めたブーンを見て、ドクオ達も騒ぐのを止めて彼の話に耳を傾けていった。
( ^ω^)「試験場を起ってから一時間ほどして、一行は人気の無い森の中の道を歩いていたお。
……その道を少し進んでから、突然乾いた音が響いたんだお」
話していたブーンの様子が、次第にに暗くなってゆく。
その時の事を思い出しているのか、彼の表情には苦悶の色が浮かんでいた。
( ω )「……ほんと、突然だったお……
いきなり、何かが弾けるような音がしたかと思うと、隊の一人が倒れたんだお」
- 45 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2008/05/03(土) 21:29:45.73 ID:3O4iow6GO
-
('A`)(乾いた音……?)
ξ゚听)ξ「……」
ブーンはツンの様子を気にもせずに、小さな声で語り続けた。
( ω )「僕らが異変に気付いた時には、黒い服を来た怪しい奴らがもうすぐそこまで近づいていたお。
僕らは急いで応戦しようとしたけど、奴らは騎士団の僕らの反撃を鼻にもかけない様子で、あっという間にみんなを討ち取っていったお」
そう言ったブーンは、力無く肩を落とした。
( ω )「……僕は次々と倒れていく騎士団のみんなを見て、恐ろしくなってそこから逃げだそうとしたんだお」
そう言ったブーンの表情が、歪んだ。
当時の様子を思い出したのか、その顔色に恐怖や悔しみなどの感情が混ざっているのをその場にいた人間は解した。
( ω )「……けど、そう思った時にはもう奴らにあっという間に囲まれて、逃げ道なんてとっくに無かったお」
- 46 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2008/05/03(土) 21:32:02.17 ID:3O4iow6GO
-
_
( ゚∀゚)「それで、そこからお前はどうやって生き延びたんだ?」
ブーンの話を面白そうに聞いていたジョルジュが、彼に話しかけた。
( ω )「……っ、それは………」
ジョルジュの核心を突いた質問に、ブーンは言葉を詰まらせた。
そんな彼の戸惑う姿を見て、ドクオとモララーの間に緊張が走った。
(;'A`)「……ブーン?」
(;・∀・)「……」
一呼吸置いてから、ブーンが静かに口を開いた。
- 47 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2008/05/03(土) 21:33:20.50 ID:3O4iow6GO
-
( ^ω^)「……僕は仲間を見捨てたんだお」
ブーンはそう言って、膝を折った。
从'ー'从「……どういう事ですか?」
手を床について、地にひれ伏したブーンを見て、女性は眉をひそめた。
( ω )「……奴らに囲まれた時、最初は数十人いた騎士団も僕も入れてあと5人になってたお」
うなだれた頭を重そうにして、ブーンはゆっくりと頭を降ろした。
( ω )「絶対絶命、そんな時にまだ生き残っていた部隊長の人が言ったんだお」
( ω )『このまま反撃してても全滅するだけだ。
この事を城に報告する為にも、誰か1人だけでも脱出させよう』
ブーンはその言葉を伝えると、目から溢れんばかりの滴を垂れ流し始めた。
- 48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/03(土) 21:33:51.35 ID:ytHi4MWeO
- 支援支援
- 49 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2008/05/03(土) 21:35:40.16 ID:3O4iow6GO
-
( ;ω;)「そして、その逃げ出す人間僕が選ばれたんだお。まだ正式には入団してない一般人である僕に、迷惑はかけたくないって……
そう言って、隊長達は敵陣に突入していって、自分達を犠牲に僕の逃げ道を作ってくれたんだお」
(;・∀・)
「……」
(;'A`)
おんおんと声を上げて泣き出したブーンを、ドクオ達は複雑な気持ちで眺めていた。
そんな彼らの空気を裂くように、ジョルジュがまた質問を浴びせる。
_
( ゚∀゚)「おぃ、そりゃあおかしいんじゃないか?
お前は逃げ出したんだろ、なのになんで城にも報告に来ないで行方不明だったんだ?」
( ;ω;)「その後来た追っ手にまんまと捕まりました」
(;・∀・)
(え〜……)
(;'A`)
- 50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/03(土) 21:37:58.40 ID:sifh+L5WO
- しえん
- 51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/03(土) 21:38:36.74 ID:S2Q/KDl/0
- 支援
- 52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/03(土) 21:38:57.43 ID:7vYHshOX0
- 支援
- 53 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2008/05/03(土) 21:39:24.33 ID:3O4iow6GO
-
( ´∀`)「……捕まった、と仰いましたが、あなたはその後どうなったのですか?」
ずっと静かに様子を見守っていたモナーが、静かに口を開いた。
( ;ω;)「その後頭を殴られて気を失い、気付いたら船の上だったお」
_
( ゚∀゚)「船?」
ブーンの言葉にジョルジュが反応した。
(つ´ω;)「そうですお。
いつの間にか体を縛られて船に乗せられてた僕は、船員の隙を突いて船から飛び降りたんだお」
ブーンは涙を拭いながら答えた。
_
(;゚∀゚)「おま、捕虜になってるのに船から飛び降りたって、そんな簡単に言うが……」
( ´ω`)「まだ気を失っているフリをして、夜の闇を待ってから脱出したんですお」
(;'A`)「ちょ、お前一晩中あの嵐の中にいたのか!?」
ブーンの放った言葉を聞いて、ドクオが驚きの声をあげた。
- 54 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2008/05/03(土) 21:40:56.78 ID:3O4iow6GO
-
_
( ゚∀゚)「あ? なんだ?」
( ^ω^)「脱出した後、しばらく海の中で立ち泳ぎしていたら、たまたま通りかかったドクオの船に助けて貰ったんだお」
(;'A`)(船ってか、アヒルボートだがな……)
ブーンとドクオが互いに顔を見合ってるのを見て、ジョルジュが不思議な表情を浮かべた。
_
( ゚∀゚)「……それは本当か?」
ブーンの弁解を聞いて、ジョルジュが鋭い目つきでドクオを見据えた。
(;'A`)「……あぁ、それは俺が保証する」
その刺すような目に一瞬戸惑ったが、しかしブーン達の為にも、臆する事なくドクオははっきりと答えた。
从'ー'从「……」
( ・∀・)「……これでどうだ? ブーンの潔白は証明されたろう?」
黙り込むジョルジュ達を見て、モララーが冷静な態度で彼らに詰問した。
- 55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/03(土) 21:41:11.03 ID:ytHi4MWeO
- 支援
- 56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/03(土) 21:43:28.90 ID:7atR0FWe0
- 支援
- 57 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2008/05/03(土) 21:43:32.22 ID:3O4iow6GO
-
( ´∀`)「……その神の遣いの方が偽物だとしたら?」
( ・∀・)「それは無い。
その時ドクオは神の国から帰ってきたんだが、こいつが土産に持ってきた物が幾つかあるんだが……
どれもこれも、いままで色々な食物から骨董品まで色々な品物を運んできた俺でも見たことの無いワケの解らん物ばかりだったさ」
モララーの言葉の通りである。
しぃに再び会うべく日本から舞い戻ったドクオは、島に向かう道中の間の間食や、自分の部屋にあった小物を数点持ち込んでいた。
('A`)「……そう言えば………」
モララーの言葉を耳にして、ドクオはふと腕に抱えるしぃに視線を落とした。
しぃの耳に繋がれたプラスチック製のイヤリング。
これも、ドクオが喧嘩をしていた彼女の機嫌を取ろうと持ってきた物である。
( ´∀`)「……なる程、私も神の国で使われる品物とやらを一度拝んでみたいものです」
_
( ゚∀゚)「陛下……」
(;'A`)(やれやれ、やっと疑いが晴れたか……)
モナーの呟いた言葉を耳にして、ドクオは疲れた様子で溜め息をついた。
- 58 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2008/05/03(土) 21:45:00.86 ID:3O4iow6GO
-
(;^ω^)「ちょっと待って欲しいお!!」
場の緊張の糸がほぐれようとした時、突然ブーンが叫んだ。
(;^ω^)「僕の件は当事者だから兎も角、なんでツンが一緒になって疑われるんだお!?」
(;'A`)「……あ」
ブーンの叫んだ言葉にドクオはハッとさせられた。
そうだ。
ブーンが疑われたのは、その襲撃事件の唯一の生存者であるからであり、事件後の所在等が不明な事から疑われても仕方ない事であった。
しかし、何故ツンが疑われるのだろうか。
( ・∀・)「……確かにブーンの言う通りだ。
ツンは村に来てから一度も自分の家から離れた事は無いぞ。それなのに、何故彼女が疑われるんだ?」
_
( ゚∀゚)「……」
モララーの言葉を耳にして、ジョルジュが黙り込む。
すると、ジョルジュは不意に側にいた女性とモナーの方に目をやり、彼らとアイコンタクトをした。
- 59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/03(土) 21:45:30.28 ID:7atR0FWe0
- 支援
- 60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/03(土) 21:45:43.08 ID:7atR0FWe0
- 支援
- 61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/03(土) 21:45:53.75 ID:7atR0FWe0
- 支援
- 62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/03(土) 21:47:12.02 ID:7atR0FWe0
- 支援
- 63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/03(土) 21:47:29.81 ID:7atR0FWe0
- 支援
- 64 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2008/05/03(土) 21:49:04.98 ID:3O4iow6GO
-
('A`)「?」
ドクオが彼の様子を不思議に思っていると、ジョルジュはこちらに振り向いて、唐突に言葉を発した。
_
( ゚∀゚)「それはこっちが聞きてぇな。ツン・デレートさんよぉ」
ξ゚听)ξ「……」
ジョルジュは、ブーンが話している間まるで彼の話を聞かない様子で、ずっと自分らを睨みつけていたツンに向かって愉快そうに話しかけた。
(;・∀・)「……なんだって?」
(;^ω^)「ツン、さっきからおかしいお。どうかしたかお?」
彼女の不穏な気配に、ブーン達の間に不吉な予感が走った。
_
( ゚∀゚)「だんまりか。まぁいい、それなら質問を変えよう」
黙り続けるツンを見て、なおも面白そうにジョルジュは笑い続ける。
彼は懐に手を伸ばすと、そこから何か取り出した。
- 65 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2008/05/03(土) 21:50:22.63 ID:3O4iow6GO
-
_
( ゚∀゚)「ツン、これが何だかわかるな?」
ジョルジュは懐から出した物を、ツン達に見える様に頭上にかざした。
(;・∀・)「……ん?」
(;^ω^)「あれは、なんだお……?」
ツンの側にいた2人が、ジョルジュの持つ物体に視線を向ける。
その2人の目つきは、まるで今まで見たことのない、初めて目にした物を訝しげに眺める様子であった。
(;'A`)「……?」
ドクオも不思議に思って、ジョルジュの持つ物体に目を向ける。
しかし彼は近眼であった為、その物体が小さいせいもあって、物体の特長が黒っぽい物であるという事しかわからなかった。
_
( ゚∀゚)「これはブーン達が襲われた現場に調査に行った時に落ちていた物でな。
どうやら、騎士団を襲った奴らの武器らしい」
ジョルジュはそう言って、突然手に持っていた物を放り投げた。
- 66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/03(土) 21:51:08.36 ID:7atR0FWe0
- 支援
- 67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/03(土) 21:51:25.69 ID:sifh+L5WO
- 支援
- 68 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2008/05/03(土) 21:51:52.26 ID:3O4iow6GO
-
_
( ゚∀゚)「……俺はこの島のラウンジという国の軍隊を統括しているが、今までこんな武器は見たことなかったよ」
ジョルジュが放った物体は宙を舞い、弧を描くように床に落ちていった。
床を転がっていった物体が、ツンの目の前で止まった。
_
( ゚∀゚)「問題なのは、その武器だ」
(;'A`)「……?」
ブーン達を囲む兵士達の中から脱出していたツンを、しぃと共に側でドクオは抱えいた。
自分の傍らで、目前に寄せられた物を手に取らずに、ただじっとジョルジュの方を睨みつけるツンを尻目に、ドクオはその物体にへと手を伸ばした。
(;'A`)「一体、なんだっていう……」
ドクオはその物体を手にとって、それを間近で眺めた。
そして、ようやくそれが何だったのか知ったのであった。
(;'A`)「……な゙っ!?」
- 69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/03(土) 21:52:48.68 ID:7atR0FWe0
- 支援
- 70 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2008/05/03(土) 21:54:29.21 ID:3O4iow6GO
-
ドクオの手の上にあった物。
ドクオは、それをよく自分の読むマンガ等で目にしていた。
シルバーも良いが、やはり黒光りを放つそのスマートなフォルムにドクオは憧れていた。
やや他の物より大きめなサイズなのは、元々は狩猟目的で作られたからだ。
その為使用後の反動が大きく、あまり実用的では無いと言われている。
しかし、やはり格好良い事や、大口径弾、いわゆるマグナム弾を放つその姿に根強いファンがかなりいる事も知られている。
(;'A`)「デザートイーグル!?」
ドクオはその重い銃身を手の平で感じるや否や、思わず叫んでいた。
- 71 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2008/05/03(土) 21:55:59.09 ID:3O4iow6GO
-
_
( ゚∀゚)「ほう、それはそんな名前なのか」
驚愕の顔色を見せるドクオを見て、ジョルジュが感心したかのように呟いた。
(;'A`)「ちょっと待て! この島の軍隊で使ってる遠距離武器って何だ!?」
_
( ゚∀゚)「ん? そうだなぁ、俺はあんま遠距離戦好きじゃないからなぁ」
从'ー'从「主に弓や長槍ですね」
ドクオの問いかけにふざけた様子で答えるジョルジュを見かねて、女性が変わりに答えた。
(;'A`)「……そうだよな」
そう、前に聞かされた。
この島は外の世界から遮断されていて、植物の発育を脅威的に加速させるβ成分という物以外では、文明という点に置いて少しばかり遅れている。
電気もなければ水道も無い。
また別の人間から聞かされたた話では、この島は鉱物の産出が乏しく、非常に貴重な物らしい。
それなのに、こんな金属製の見事な工芸品がここにあるのはおかしい。
- 72 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2008/05/03(土) 21:58:23.94 ID:3O4iow6GO
-
( ´∀`)「ふむ、やはり予想通り神の国で使われている物でしたか」
モナーもジョルジュと同じように、少し嬉しそうに顔を綻ばせていた。
先ほど言っていたように、「神の国」の物品をよほど一目見てみたかったのだろう。
だが、今はそんな風に和んでいる場合ではない。
(;^ω^)「……よくわからないけど、それがどうかしたのかお?」
(;・∀・)「そうだ、その変な物体とツンに何の関係があるんだ?」
ドクオとジョルジュ達の間で交わされる話にずっとついていけてなかったモララーとブーンが、話の軌道を戻すように声を掛けた。
_
( ゚∀゚)「ドクオの言うには、その武器は神の国で使われてる物らしい。
となると、騎士団を襲ったのは神の国の人間だ」
ジョルジュはモララー達に促されて、ゆっくりと語り出した。
_
( ゚∀゚)「この島で最近騒がれてる、神の国にまつわる人間がいるな」
( ^ω^)「……!」
ジョルジュが放った言葉に、一部を除きその場にいた皆がハッとした。
- 73 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2008/05/03(土) 22:00:15.40 ID:3O4iow6GO
-
('A`)(なる程、ブーンが襲われた時の乾いた音ってのは、銃声だったのか……)
('A`)「……」
(;'A`)「……え、俺?」
一同の視線が自分に集まってるのに気付いたドクオが、焦りの色をみせた。
(;'A`)「いや、ちょっと待て、俺は別に何も」
_
( ゚∀゚)「そう、コレとあともう一人いるな」
ジョルジュは顔を青ざめて必死に弁解しようとするドクオを鼻で笑って、視線を元に戻した。
(;'A`)「……??」
戸惑うドクオを無視しながら、ジョルジュがおもむろに呟いた。
_
( ゚∀゚)「女神だ」
- 74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/03(土) 22:00:32.26 ID:7atR0FWe0
- 支援
- 75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/03(土) 22:02:34.67 ID:S2Q/KDl/0
- 支援
- 76 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2008/05/03(土) 22:03:28.88 ID:3O4iow6GO
-
(;'A`)「……!!」
ジョルジュの発した言葉に、ドクオがようやく感づいた。
_
( ゚∀゚)「自ら神を名乗るくらいだ、あの事件について知らない訳がないだろうな」
(;・∀・)「ちょっと待て」
話し続けていたジョルジュを、モララーが遮った。
(;・∀・)「話の意図が全くわからん。
女神がどうのこうのと、ツンと何が関係あるんだ?」
(;^ω^)「確かに、全く関係無いんだお」
マイペースで話し続けていたジョルジュに対して、話がわからないブーン達から不満の声をあげる。
そんな彼らの様子を見据えて、ジョルジュは表情を変えずに言葉を続けた。
_
( ゚∀゚)「ようするに、俺らはツンが女神じゃないかって疑ってるんだ」
- 77 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2008/05/03(土) 22:04:34.07 ID:3O4iow6GO
-
一瞬、辺りが静寂に包まれた。
ドクオには何が起きたかわからなかった。
そんな時、ドクオは不意に側にいたツンに目を配った。
ツンは、尚も変わない鬼のような形相で、ジョルジュ達を睨み付けていた。
やはり、一番に喰いかかったのはブーンだ。
(#^ω^)「ふざけんなお! 何でツンが女神なんだお!!」
顔を真っ赤にしながら、ブーンがジョルジュに向かって叫び続ける。
(#^ω^)「ツンは僕の幼なじみで、正真正銘の島の人間だお!
それに恋人の僕に向かってツンがそんな事するわけないんだお!!」
(;・∀・)「ブーン、抑えろ」
今にも身を乗り出してジョルジュに殴り掛かろとするブーンをモララーが制した。
- 78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/03(土) 22:04:58.32 ID:sifh+L5WO
- 支援
- 79 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2008/05/03(土) 22:06:17.38 ID:3O4iow6GO
-
(;'A`)「……おかしくないか?
あんた、最初はしぃが女神じゃないかって疑ってただろう?」
騒がしい方面は置いておいて、ドクオがジョルジュに疑問点を指摘する。
_
( ゚∀゚)「あぁ、それは今でも疑ってはいるさ。
事件の第一発見者が犯人だなんてのはよくある話だしな」
(;'A`)「じゃあ何で」
ツンの側でしぃを抱えながら、ドクオがジョルジュに話し掛け続ける。
_
( ゚∀゚)「もしかしたら女神は2人いるかもしれないし、それに……」
(;'A`)「それに?」
ジョルジュが意味あり気に呟いたのが気になったドクオが、鸚鵡返しに応えを請う。
_
( ゚∀゚)「ツンが女神だと疑う理由が、3つあるんだよ」
- 80 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2008/05/03(土) 22:09:14.52 ID:3O4iow6GO
-
( ^ω^)「……その理由、聞かせてくれますかお」
モララーに止められながらドクオ達のやりとりを聞いていたブーンが、声を震わせながら言った。
_
( ゚∀゚)「あぁいいぜ。
まず一つ、ツンが女だからだ」
(#^ω^)「へぇ、面白い冗談ですね」
(;・∀・)「ブーン、ST O P !!」
ジョルジュの言葉を耳にして、眉間に青筋をたてたブーンを必死にモララーが抑えつけた。
(;'A`)「……『女神』だから、女性が疑わしいってのはわかりますが、あんまりじゃないですか?」
_
( ゚∀゚)「ちゃんと最後まで聞け」
ブーンのフォローをしたドクオの言葉に、ジョルジュは余裕の表情で話し続けた。
- 81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/03(土) 22:09:52.13 ID:7atR0FWe0
- 支援
- 82 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2008/05/03(土) 22:11:58.70 ID:3O4iow6GO
-
_
( ゚∀゚)「二つ。
騎士団を襲った奴らが使用したその武器は鉄製だ。故に、鍛冶屋であるツンは疑わしい」
从'ー'从「この島では鉱物の産出が雀の涙ほどしかありません。
それ故、この島で鍛冶屋を営むのは大変な事で、商売が成り立たずに廃業していく人は珍しくありません。
そんな中、何年も鍛冶屋を営み続けるツンさんの腕前なら、そのような物を作れるかもしれないという事です」
簡潔に言い放つジョルジュを見てブーンがまた怒り出さないよう、側の女性がわかりやすく補足を付けた。
(;・∀・)「……それでも、まだツンが女神だという確証にはならんな。
商売するのが苦しいとはいえ、ツン以外にも鍛冶屋くらいいるだろう」
( ´∀`)「確かに、あなたの言う通りです」
ブーンを制止しながら口を挟むモララーに、モナーが同意をした。
( ^ω^)「……なら何で」
ブーンがそう言ったのを聞いて、ジョルジュが口を開いた。
_
( ゚∀゚)「そう、それが最後の理由だ」
- 83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/03(土) 22:12:39.26 ID:7atR0FWe0
- 支援
- 84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/03(土) 22:13:05.76 ID:n8glvXEz0
- 追いついた
支援
- 85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/03(土) 22:13:13.59 ID:f1n7Wl5T0
- 支援
- 86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/03(土) 22:13:43.81 ID:S2Q/KDl/0
- 支援
- 87 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2008/05/03(土) 22:15:24.67 ID:3O4iow6GO
-
ジョルジュは口を開くや否や、ゆっくりとドクオの方に目をやった。
_
( ゚∀゚)「ドクオ、そのデリートグーグルとやらの取っ手を見てみろ」
(;'A`)「……デザートイーグルね」
ジョルジュに言われたドクオが、持っていた銃に視線を向けた。
_
( ゚∀゚)「その部分に、なんか変なところはないか?」
ジョルジュに促され、ドクオはトリガーの部分や、弾倉等に目を配る。
(;'A`)「別に、変な模様があるくらいしか……」
(;^ω^)
「!!」
(;・∀・)
ドクオがなんとなしに呟いた言葉を耳にしたブーン達の表情が豹変した。
- 88 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2008/05/03(土) 22:16:30.67 ID:3O4iow6GO
-
(;^ω^)「ドクオ! その模様、ちょっと見せて……」
_
( ゚∀゚)「駄目だ」
ブーンがドクオに向かって行こうとした時、道を兵士達が塞いだ。
(;^ω^)「何をするんですかお!?」
_
( ゚∀゚)「てめぇと話してんじゃねぇ、俺はドクオと話してんだ」
(;^ω^)「別に見るくらいいいじゃないですか!?」
从'ー'从「ドクオさんの側のツンさんに駆け寄って、一緒に逃げられたりしたら困りますから」
(;'A`)「?」
急に騒ぎ始めた皆を、ドクオは不思議そうに眺めていた。
ドクオの目に止まったのは、銃のスライドの部分に刻まれた模様だった。
それは何かローマ字を砕いたような、ドクオの見た事の無い文字であった。
恐らく、この島独自で使われている文字なのだろう。
- 89 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2008/05/03(土) 22:17:28.59 ID:3O4iow6GO
-
('A`)「……」
急に騒ぎ出したブーンを見て、ドクオの胸に何か不吉な予感が走った。
_
( ゚∀゚)「さっき姫も言ってたが、この島で鍛冶屋は指で数えられるほどしかいない」
ジョルジュは依然黙り続けるツンを睨み返しながら話し続けた。
_
( ゚∀゚)「そこでな、貴金属が市場等に出回った時、その品物にどこの鍛冶屋が作ったか、目印を付けるようになってるんだ」
_
( ゚∀゚)「これはどこの工房で作られました、ってのが解れば、品物に不備があっても保障がつくし、作った職人の腕によって価値等も変わってくる」
ジョルジュの言葉を耳にしたドクオが、ふと我に返った。
- 90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/03(土) 22:19:25.58 ID:7atR0FWe0
- 支援
- 91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/03(土) 22:20:48.66 ID:sifh+L5WO
- 支援
- 92 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2008/05/03(土) 22:22:23.13 ID:3O4iow6GO
-
ドクオは、しぃの首筋に手を伸ばした。
整った顔立ちで、すやすやと眠り続けるしぃの顔の下。
そこに、手を伸ばす。
彼女の胸元にあったのは、ドクオに渡されてから彼女が一時も離した事の無い、プラチナのペンダント。
元々は、ドクオがこの島に来てから他人に貰った物である。
('A`)「……」
ドクオは小さなそれを手に取ると、祈るような気持ちでそのペンダントを開いた。
その蓋の裏に、怪しく光る銃身に刻まれたのと同じ文字が、小さく刻まれていた。
〜第20話へ続く〜
- 93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/03(土) 22:25:00.48 ID:5BJZN7ju0
- 乙!
ペンダントはこれのための伏線だったのかYO!
おじさんびっくりだ!
- 94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/03(土) 22:25:15.91 ID:7atR0FWe0
- 乙
- 95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/03(土) 22:25:54.83 ID:S2Q/KDl/0
- 乙
- 96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/03(土) 22:26:49.91 ID:f1n7Wl5T0
- 乙
- 97 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2008/05/03(土) 22:27:29.61 ID:3O4iow6GO
-
l从・∀・ノ!リ人「投下おしまいなのじゃ」
( ´_ゝ`)「久しぶりの投下だったから疲れたZE☆」
(^o^)「更新遅れてどうもすみませんでした」
(・ω・)ノ「支援ありがとうございました〜」
- 98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/03(土) 22:30:04.37 ID:+aCaTYztO
- おつかれさま
- 99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/03(土) 22:44:19.83 ID:H2GRfM+nO
- 乙!待ってたよ
- 100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/03(土) 22:59:28.60 ID:DP8S5BEdO
- ほ
全部
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