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'A`)は地図に無い島へ行くようです
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/28(日) 19:33:18.85 ID:ParstPO20
代理です。

wktk

2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/28(日) 19:34:13.05 ID:P2vK+axXO
顔切れてるぞwwwwww

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/28(日) 19:34:36.62 ID:nu0rZkuZ0
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4 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/28(日) 19:35:25.64 ID:Y6ZbADrtO
本日は第10話です

まとめサイトさん
ブーン速!さん
http://blog.m.livedoor.jp/hoku6363/index.cgi
ブーン芸さん
http://boonsoldier.web.fc2.com/index.html

まとめサイトさんもスレ立て代理してくれる方も、いつもありがとうございます!

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/28(日) 19:35:35.26 ID:T3kcLk/90
消えかけwww

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/28(日) 19:36:06.01 ID:ParstPO20
>>4
ホントスンマセン

支援

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/28(日) 19:36:29.53 ID:EuZK28EHO
私怨

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/28(日) 19:37:23.76 ID:eqOSNXk80
キター支援

9 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/28(日) 19:40:31.09 ID:Y6ZbADrtO
前回までのあらすじ&登場人物紹介

・('A`) ドクオ 20歳
主人公。前回、しぃと喧嘩してしぃを追い出し、屋敷から失踪する。

・(*゚ー゚) しぃ 17歳
女神からお告げを賜り、ドクオと屋敷に住むメイド少女。自分の不注意からドクオと喧嘩し、現在は心身共に衰弱状態。

・( ・∀・)><)´_ゝ`)Ω モララー一家
しぃが屋敷に住む前に世話になっていた島の村の運送屋。

・/ ,' 3 荒巻 ?歳
ドクオが地図に無い島へ行くキッカケになった人物。秘密裏に「ロストアイランド計画」を指導するとある企業の会長

・(,,゚Д゚) ギコ ?歳
前回、ドクオの島からの脱出を手伝った謎の青年

10 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/28(日) 19:43:11.45 ID:Y6ZbADrtO

――静かな夜空の上を、飛行機がゆっくりと進んでいる。

('A`)「……」

 静まり返った機内の中で、ドクオは黙って窓の外を眺めていた。

 空の上には丸い月が浮かんでいる。
 飛行機は雲の上を飛んでいるから、見上げてみれば満天の明るい星達が輝いているのが望める。

 しかし、そんな夢の様な光景を目の当たりにしても、ドクオはそれにずっと酔えないでいた。


11 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/28(日) 19:43:56.16 ID:Y6ZbADrtO


('A`)は地図に無い島へ行くようです・第10話




12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/28(日) 19:45:00.56 ID:9DQzJNXY0
しえn

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/28(日) 19:46:29.01 ID:vOeFMG6x0
支援

14 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/28(日) 19:47:02.04 ID:Y6ZbADrtO

「……オ…ド……クオ……」

 誰かの呼びかけに反応し、ドクオは目を覚ます。

(,,゚Д゚)「おぃ、ドクオ! もう着いたぞ! 起きろ!」

 ドクオの側の座席に座っていた男が虚ろな目をしたドクオを揺さぶった。

(-A`)「んぁ……あれ、俺いつの間にか眠ってた?」

 ドクオは目を指で擦らせ、あくびをしながら辺りを見渡した。

 いつの間にか窓の外も明るくなっていて、ガラス越しに見えるのは雲の絨毯からアスファルトの滑走路に変わっていた。

('A`)「着いたか……わが祖国、日本に」


15 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/28(日) 19:49:17.53 ID:Y6ZbADrtO


〜一週間前〜

('A`)「誰だ? こんな夜中に、客か?」

 ポリポリと頭を掻きながら、屋敷の階段を降りていくドクオ。
 しかし、玄関に来て彼のその目に映ったのは、開けっ放しになった玄関の扉だった。

('A`)「……なんだ? 風で開いちゃったのか?」

 そう言ってドクオが扉を閉めようとした。
 その時、ドクオの背後の暗闇で影が踊った。


16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/28(日) 19:51:37.59 ID:vOeFMG6x0
支援

17 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/28(日) 19:51:43.35 ID:Y6ZbADrtO

「なっ!」(;'A`)゚)

 ドクオが反応するより早く、一瞬にして背後を何者かにとられた。

(;'A`)Д゚)「動くな……そして、静かにしろ」

 ドクオの腕を彼の背後で拘束しながら、何者かが呟いた。

(;'A`)「お前、何者だ? 一体何の真似だ!?」

 ドクオがパニックになりかけているのを見て、何者かはふと我に返った。

(;゚Д゚)「あ、いかんいかん。つい癖で拘束しちゃった」

 何者かはドクオの腕をパッと離すと、ドクオをこちらに振り返らせた。

(,,゚Д゚)「キミはドクオくんだな?」


18 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/28(日) 19:53:27.42 ID:Y6ZbADrtO

(;'A`)「……? いや、そうですけど……」

 ドクオの目に映ったのは、逞しい体をした長身の男性。
 見ると、スーツを体に纏っている。

(;'A`)「……って、ちょっと待て!?
 何でスーツなんか着てる!? 島の外の人間か!?」

 事の事態に気がついたドクオが戸惑っているのを見て、男はニヤリと笑った。

(,,゚Д゚)「御名答。
……俺の名前はギコだ。今日は、会長命令でお前を日本に連れ戻しにきた」
〜〜〜〜〜


19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/28(日) 19:54:03.52 ID:tVpmyxP0O
(゚ω゚)ニャンポコー

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/28(日) 19:54:24.83 ID:T3kcLk/90
しえしえ

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/28(日) 19:54:51.05 ID:eqOSNXk80
支援

22 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/28(日) 19:56:31.74 ID:Y6ZbADrtO

('A`)「あんないきなり来て貰っても、困るんですが」

 黒山の人だかりの空港ロビーの中に、その人物を見つけるならドクオは話しかけた。

/ ,' 3「うむ、スマンのぅ。ま、元気でなによりじゃった」

 ドクオの声に気づき、椅子に座っていた老人が立ち上がってこちら側に歩いてきた。

(,,゚Д゚)「只今戻りました、荒巻会長」

/ ,' 3「うむ、長旅ご苦労じゃった」

 視線が合ったギコと荒巻は軽く会釈する。

('A`)「本当、大変だったよ。
 いきなりやってきたギコさんに島から出るよう言われて、船で数日飛行機乗り継いだりして、ここまで来るのに一週間かかっちゃったからね〜」

 島から日本までの距離は遠い。
 太平洋に浮かぶ孤島から小舟で数日、近隣の国に着いてから再び連絡船に乗り、飛行場のあるところまでの運航。
 そして飛行機を乗り継ぎ、日本に来るまではかなり時間がかかる。

 長旅に疲れた様子で、ドクオは肩をコキコキと鳴らしながら喋っていた。


23 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/28(日) 19:59:43.49 ID:Y6ZbADrtO

('A`)「で、俺を日本に呼び戻した理由は何だ?」

 ドクオが荒巻に向かって口を開いた。

/ ,' 3「うむ、その件についてじゃが、今すぐにある場所へと向かう。ギコ、早急に支度を」

(,,゚Д゚)「了解しました。
 ヘイ! シータク!」

 荒巻に促され、ギコが空港のエントランスから外に向かって走っていった。

('A`)「ある場所?」

/ ,' 3「……ま、直にわかるじゃろ」

 不思議そうな顔をしているドクオを見て、荒巻は静かに微笑んだ。


24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/28(日) 20:01:19.24 ID:T3kcLk/90
支援

25 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/28(日) 20:01:41.16 ID:Y6ZbADrtO


 高速道路の上を走る車の窓から、ドクオは移り変わってゆく景色をずっと眺めていた。


 久しぶりの日本。
 たかが1ヶ月といえど、島の夜をしばらく過ごしてきたドクオにとって、空港の煌めく電灯の数々はかなり眩いものであった。
 この走り去った車の轍が残るアスファルトさえも、島の土の道路を毎日荷車を押して歩いていたことさえ、夢であったように思わせてくれる。

('A`)(……俺は本来、こっち側の人間だ)


26 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/28(日) 20:05:23.28 ID:Y6ZbADrtO

 この国で生まれ、育った。
 本来なら、ここで生きて行く筈の自分の人生。
 落ちぶれていたとはいえども、どうにかしてこの国で暮らしていくものと思っていた。

 しかし、ある憂鬱な日に、ちょっとした気まぐれから老人を助け出したことにより、ドクオの人生は大きく変わり始めた。

('A`)(……)


 あの島での暮らしは、それはもう楽しかった。

 世間から隔離されている為に独特に発展した文化はかなり新鮮に思えた。
 村長宅で披露した小学校で習うような実験も、そりゃあ村民達にもウケたものだった。

 それに何より、島の人達が温かかった。
 自分のような落ち目の人生を歩んできた人間に対しても、対等に、明るい雰囲気で迎えてくれた。


27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/28(日) 20:05:59.82 ID:T3kcLk/90
しえんしえん

28 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/28(日) 20:07:46.63 ID:Y6ZbADrtO

 この国で今は廃れた、人と人との触れ合い。
 あの地図に無い島では、それがまだ残っていた。
 それに触れて、その居心地の良さを知った。

('A`)(だけど……)


 本来、自分はあそこにいるべき人間じゃない。

 この世界で生まれ育った自分は、この世界で生きて行かなくてはならないのではないか。

 ドクオは島で生活していくうちに、そんなことを徐々に悩むようになっていた。


29 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/28(日) 20:11:13.35 ID:Y6ZbADrtO

('A`)(あぁ、あそこの河川敷で昔よく野球やったな)

 車の窓の外に流れる景色を見ながら、ドクオは自分の過去を振り返っていた。

 今までここで生きてきた自分は、やはりここで生きていくべきだ。

('A`)(あぁ……あそこはよく消防の時にエロ本拾いに行った公園……)

 ここに自分の歴史がある。ここでこれからも生きて行くべきだ。

('A`)(あぁ……あそこは15歳の誕生日に、夜中に窓ガラス叩き割っ回った学校……)

 俺はここで生きて行く。あんな島には二度と行かない。

('A`)(そうそう、ここは犬の吠える音がウルサいお隣さn……)


 窓から外を眺めていたドクオが、ふと我に返った。


30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/28(日) 20:12:41.72 ID:T3kcLk/90
支援

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/28(日) 20:13:20.06 ID:Rfamr5UzO


32 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/28(日) 20:15:03.57 ID:Y6ZbADrtO

(;'A`)「あれ? てか、ここって……?」

 ドクオが呟くと同時に、いつの間にか高速を降りていた車が、突然に止まった。

/ ,' 3「うむ、着いたようじゃの」

 タクシーの助手席に座っていた荒巻が、運転手に料金を支払っている。

(;'A`)「着いたって、ここは……?」

(,,゚Д゚)「ハァ? なに寝言言ってるんだぁお前?」

 後部座席でドクオに座っていたギコが、呆れた顔をしながら車から降りた。

(;'A`)「だって、ここって……」

 ドクオも一緒になって降りたその先には、ポツンと小さな家が道端に佇んでいた。

33 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/28(日) 20:18:29.02 ID:Y6ZbADrtO


 荒巻が家の門に付いてあるチャイムを押す。
 少しすると、なにやら中から慌ただしい音がして、玄関の前でそれが止まった。

J(;'ー`)し「ドクオっ!?」

 ドクオの自宅から出てきた母親が、彼を見るなり駆け寄ってきた。

J(;'ー`)し「ドクオ! あぁ、良かった……!!」

 ドクオを抱きしめる母を見ても、ドクオは訳がわからないでいた。

(;'A`)「ちょ、どういう事だ?」


34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/28(日) 20:19:50.37 ID:eqOSNXk80
支援

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/28(日) 20:21:15.36 ID:ZhhPWBhEO
【注 目】

某スレに馬鹿にされた読者or作者達、ブーン系の心の狭さに腹がたちませんか?

ならいっそのことブーン系なんて潰しましょう。
ラドン大歓迎!!



36 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/28(日) 20:21:30.69 ID:Y6ZbADrtO

/ ,' 3「今回キミを日本に呼び戻したのは、こういう事じゃ」

 戸惑っているドクオに、荒巻は淡々と語りかけた。

/ ,' 3「お主が島に行っている間、親御さんが警察に捜索依頼を出したようでな、結構な騒ぎになってたんじゃよ」

(;'A`)「なっ……、そんな理由で日本に連れ戻したのか?」

(,,゚Д゚)「そんな理由とはなんだゴルァ!
 てか、お前親御さんに連絡くらいしとけよ!」

J(;'ー`)し「いぇ、私が悪いんです」

 ドクオに掴みかかろうとするギコを見て、母親が話に割って入る。


37 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/28(日) 20:23:22.48 ID:Y6ZbADrtO

J('ー`)し「私が夫と一緒に、ムキになってこの子を追い出したから、こんなことになってしまったんです……」

('A`)「かーちゃん……」

 ドクオは母親の予想に反した言葉に、思わず声を漏らした。

('A`)「かーちゃん、俺が大学辞めた事、もう怒ってないのか?」

J('ー`)し「えぇ。お父さんはまだ怒ってるけど、私はもうそんな事どうでもいい。
 あなたさえ居てくれたら、それでいいの」

 そう言うと母親は、再びドクオを強く抱きしめた。


38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/28(日) 20:23:44.59 ID:T3kcLk/90
しえ

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/28(日) 20:24:30.20 ID:Rfamr5UzO


40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/28(日) 20:25:01.02 ID:eqOSNXk80
しえn

41 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/28(日) 20:26:31.52 ID:Y6ZbADrtO

/ ,' 3「……お母さんはお主にここに居て欲しいようじゃ。
 どうする、このままここにいるか?」

 ドクオを抱いている母親を見ながら、荒巻が言った。

('A`)「…それって……」

(,,゚Д゚)「イエスなら、もうあの島には行かないって事だな」

 ドクオの問いかけに、ギコが荒巻の代わりなって答えた。

('A`)「……」

 ドクオは母親の顔を見る。

 痩せ痩けた顔には、沢山の年輪が刻まれている。
 その目には、うっすらと涙が浮かんでいた。

('A`)「……っ」

 何か言いかけようとしたドクオは、言葉を詰まらせた。


42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/28(日) 20:27:53.14 ID:T3kcLk/90
しえん

43 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/28(日) 20:29:30.00 ID:Y6ZbADrtO

 親にまで捨てられ、これからずっと1人ぼっちだと思っていた。

 しかし、母は自分を許してくれた。

 この世界で生きる自分を、認めてくれるという。

 それなら、それに応えるべきなのだろう。




('A`)「……期限ってのは、無いですか?」

 頭の中で考えている事とは違った言葉が、ドクオの口から出た。


44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/28(日) 20:30:40.33 ID:T3kcLk/90
支援

45 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/28(日) 20:32:34.12 ID:Y6ZbADrtO

/ ,' 3「ふむ、考える時間が欲しい、ということじゃな」

 ドクオの目を見ながら、荒巻が静かに頷いた。

/ ,' 3「いいじゃろう。
 3日後、またここに来る。その時になったら、返事を聞かせてもらおうかの」

(;゚Д゚)「ちょ、いいんですか?」

 荒巻の言葉を聞いて戸惑っているギコを制しながら、荒巻は再びタクシーに乗り込んだ。

('A`)「……すまねぇ、じぃさん」

/ ,' 3「気にするでない。
 それじゃ、3日後にまた来るぞぃ」

 窓越しにドクオが荒巻に会釈すると、タクシーは煙を吐きながら走り去っていった。


46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/28(日) 20:34:01.56 ID:9DQzJNXY0
支援

47 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/28(日) 20:35:27.64 ID:Y6ZbADrtO


 久しぶりの自分の部屋。

('A`)「親父と喧嘩して家出したときから、何も変わってねぇな……」

 ドクオは電灯のスイッチを押して、ベッドに寝転がった。

('A`)「……本当はわかってるさ……」

 ドクオは天井見つめながら、両手で天を仰いだ。

J('ー`)し「ドクオ〜!? ご飯できたよ、早く降りてきなさ〜い!!」

 ドクオが独り言を呟いていると、下の階から母親の呼ぶ声がした。

 久々の親子での食卓になる為か、どことなく声が弾んでいる。

('A`)「……かーちゃん……」

 ドクオは何か申し訳無さそうな顔をすると、母親の名を呟きながらゆっくりと起き上がった。


48 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/28(日) 20:37:54.86 ID:Y6ZbADrtO



('A`)「……んぁ、朝か?」

 ドクオがベッドの上で、目を覚ます。

('A`)「……」

 そこにはログハウス風の木の温もりは無く、白くコーティングされた固い壁。
 ここはあの屋敷では無く、自宅の部屋だとドクオが悟ったのには幾つもかからなかった。

('A`)「……まだ5時か」

 1ヶ月の間、野菜収穫の為の早起きが続いていたせいで、どうやらこの時間に目覚めるのが癖になったようだ。

('A`)「しぃに散々、布団ひっぺ返されたらかな……」

 ドクオはそう呟くと、タンスの中から着替えの服を出し、着ていたパジャマを脱いだ。


49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/28(日) 20:38:29.21 ID:T3kcLk/90
支援

50 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/28(日) 20:41:05.95 ID:Y6ZbADrtO

 ('A`)「ふーっ、やっぱりこの季節の朝は冷えるな」

 フードをかぶったドクオが、朝の冷たい空気の中、1人で散歩をしている。

 ふと、一陣の風が吹く。
 それはドクオの体温を奪って、すぐにどこかへ走り去ってしまった。

(((;'A`))「おー、さみぃさみぃ」



 しかし、寒いのは体だけではなかった。

('A`)「…しぃ……」

 ふと、ドクオが呟く。


51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/28(日) 20:42:06.90 ID:eqOSNXk80
しぃ……えん

52 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/28(日) 20:44:25.02 ID:Y6ZbADrtO

('A`)「……なんであんな嘘ついちゃったかな……」

 ドクオの吐いた溜め息が、白くなって朝の暗い空に消えていく。

('A`)「……」



 しぃの様子に気づいたのはすぐだった。


 1ヶ月共に生活していれば、ある程度お互いの事はわかってくる。

 しぃが、望郷の念に駆られているのに、ドクオは気づいていた。

('A`)「……そりゃあそうだろう、いきなり生活環境変わっちゃえばな」

 しかも見ず知らずの他人との共同生活。
 しぃにとってみれば、静かな高原の宿で暮らしていれば、慣れ親しんだ賑やかなモララー一家が懐かしく思えてしまうのも無理は無いだろう。


('A`)「……簡単に言っちゃあ、嫉妬だったんだろうな」

 村の様子を楽しげに語るしぃを見て、ドクオは言いようの無い不安感に駆られた。


53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/28(日) 20:44:48.25 ID:T3kcLk/90
しえしえ

54 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/28(日) 20:48:04.95 ID:Y6ZbADrtO

 孤独。
 しぃの笑顔を見て、この島に自分の居場所は無い、とドクオはその時に思った。

('A`)「……」

 ドクオが空を見上げると、遠くの鉄橋の影から朝日が昇ってくるのが見えた。

 今までずっと、自分が嘘をついてまで島を出るのは、自分の在るべき場所はここでは無いから、と言い聞かせてきた。

 しかし、本当はそんな事よりも、あの味わった孤独感、言いようの無い寂しさからとっさに出てしまった言葉なのが真であった。




('A`)「それでも……」

 ドクオは徐々に顔を出してゆく朝日を見ながら、静かに呟いた。


 いくらなんでも、あれはやり過ぎた。

 一時の感情の高ぶりと言え、雨の中に放り出すのは、人として駄目だ。
 そんな嘘をつかないで、正直に言えば良かったのに。


55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/28(日) 20:48:45.78 ID:T3kcLk/90
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56 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/28(日) 20:49:58.84 ID:Y6ZbADrtO

 何を今更、と言われるかもしれない。
 都合の良いことだとも言われるかもしれない。

('A`)「しぃ……」


 ただただ、しぃに会って謝りたい。

 自分の酷い嘘を許してくれないかもしれない。

 再びあそこへ行っても、もう自分には居場所は無いかもしれない。


 それでも、それでも。

 1ヶ月共に暮らし、お互いを認め合い、彼女への愛着も抱いていた。

 ただただ、彼女に会いたかった。



( A )「かーちゃん、悪い……

 やっぱり俺、行かなきゃ……」


 暖かい朝日に照らされたドクオの顔から、冷たい雫が垂れ落ちた。

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/28(日) 20:51:05.96 ID:eqOSNXk80
支援

58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/28(日) 20:51:17.84 ID:T3kcLk/90
しえん

59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/28(日) 20:52:00.47 ID:DcEYqVh30 ?2BP(1004)
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60 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/28(日) 20:52:23.89 ID:Y6ZbADrtO



 相変わらず賑やかな空港のロビーは、今日も数多くの人で賑わっている。

 数々の人により、ここで毎日出会いや別れが繰り返されているのだと思うと、どこか気が遠くなる話に思えた。

('A`)「…かーちゃん……」

 ドクオは少ない荷物を持ちながら、とっさに振り返った。


61 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/28(日) 20:54:52.92 ID:Y6ZbADrtO

J('ー`)し「……いいのよ、ドクちゃん」

 見送りに来ていた母親がドクオに微笑みかけた。

J('ー`)し「もう、私たち親があなたを縛るのは止めにしたの。
 あなたが帰ってきてくれたのは嬉しかったけど、またあなたを苦しめるようなら、もう関わらない」

 母親はドクオの手にお守りを渡すと、ドクオの手をしっかりと握った。

J('ー`)し「ドクちゃんの好きなように、やっておいで」

(;A;)「かーちゃん……」


62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/28(日) 20:54:55.87 ID:T3kcLk/90
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63 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/28(日) 20:58:10.58 ID:Y6ZbADrtO

 2人が抱き合っているのを見て、側にいた荒巻が呟いた。

/ ,' 3「……ドクオくん、本当にいいんじゃな?
 今回は特例で帰国させたが、次はいつ戻ってこれるかわからんぞ?」

 荒巻の問いかけに、ドクオは涙を拭いながら、はっきりと答えた。

(;A`)「はい、覚悟はできてます。一生帰って来れなくても、後悔はしません」

(,,゚Д゚)「……いい心意気だ」

 荒巻の側で話を聞いていたギコも、ドクオのしっかりとした目つきを見て小さく頷いた。


64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/28(日) 20:59:53.07 ID:eqOSNXk80
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65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/28(日) 20:59:57.02 ID:q0p2Y5ltO
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66 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/28(日) 21:01:03.67 ID:Y6ZbADrtO

/ ,' 3「さぁ、そろそろ時間じゃ。別れの挨拶も程ほどにしないと、飛行機に乗り遅れるぞぃ」

 空港の時刻表と自身の腕時計を見比べながら、荒巻がドクオに話しかける。

('A`)「うん、じゃあ俺、行くよ」

 名残惜しそうに、離れるのを躊躇いながら、ドクオは母親の握る手を解いた。

J(;ー;)し「ドクオ……元気でやるのよ」

('∀`)「あぁ、かーちゃんもな。
 親父にもすまなかったって言っておいてくれ」

 結局、ドクオが帰って来てから、ドクオの父親は仕事の都合とやらで1回もドクオと顔を合わせる事は無かった。

 しかし、それでよかったのかもしれない。

67 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/28(日) 21:03:16.95 ID:Y6ZbADrtO



('∀`)「……じゃあかーちゃん、またな」

 今まで自分を育ててきてくれた感謝の意を込めて。



 ドクオは精一杯の笑顔を母親に見せてから、背中を向いた。

(,,゚Д゚)「さ、行こうか」

 ギコに連れられ、ゆっくりその場から離れていく。

J(;ー;)し「ドクちゃん!! 元気でね!!」

 背中側から聞こえる母親の叫びにも振り返らないで、ドクオは腕を上げて応えた。


68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/28(日) 21:03:29.29 ID:T3kcLk/90
しえーん

69 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/28(日) 21:05:51.43 ID:Y6ZbADrtO


 ドクオが下りのエスカレーターに乗った時だった。

(;ロ-ロ)「ドクオ――!!」

( A )「……!?」

 とっさに振り返れば、そこにいたのは、紛れもないドクオの父。

( A )「――とーちゃん!」

――自分の為に、父親が駆けつけてくれたのか――


 ゆっくりと視界から消えていくその姿を潤んだ目に焼きつけていると、遠くから叫ぶ声がした。


「――頑張れよ!!」



70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/28(日) 21:07:26.16 ID:T3kcLk/90
支援

71 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/28(日) 21:08:17.42 ID:Y6ZbADrtO

 ただその一言。


 されど、その一言で十分であった。



(;A;)「とーちゃん……」

 やがて視界からその姿が消えても、ドクオはずっと父のいた方向を向いていた。

 あの厳しかった父が。

 ずっと自分を認めてくれてなかったとーちゃんが。


――最後の最後で自分を励ましてくれた――


(TAT)「うっ……うっ……ありがとう、とーちゃん……」

 ドクオは大粒の涙を、溢れんばかりに瞳から流していた。


72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/28(日) 21:08:48.29 ID:eqOSNXk80
支援

73 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/28(日) 21:11:41.28 ID:Y6ZbADrtO


(,,゚Д゚)「……さぁ、もう時間が無い。行くぞ」

 エスカレーターから降りて、その場で立ち尽くしていたドクオをギコが催促する。

( A )「――すみません、ギコさん」

 ドクオは額からこぼれ落ちる涙を拭って、ギコに笑いかけた。


――秋も深まる今日この頃――


('∀`)「行きましょう、あの地図に無い島へ」


――今日もここでは、数々の人が出会いと別れを繰り返している――


〜第11話へ続く〜

74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/28(日) 21:12:39.43 ID:q0p2Y5ltO
支援

75 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/28(日) 21:13:43.81 ID:Y6ZbADrtO
てことで第10話投下終了です。この手の話はやっぱ書くの難しいねww

支援してくれた人さんきゅ
(=゚ω゚)ノ

76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/28(日) 21:15:23.69 ID:vOeFMG6x0
おつ!

77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/28(日) 21:21:09.38 ID:1aXTU/iqO
今北乙

78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/28(日) 21:21:42.50 ID:T3kcLk/90
乙〜

79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/28(日) 21:25:10.37 ID:xH1Czf1J0
支援

80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/28(日) 21:28:16.47 ID:eqOSNXk80


話が進むたびにwktkが増していく

81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/28(日) 21:28:20.26 ID:eTyFzgfZO
よむほ

82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/28(日) 21:30:30.74 ID:ParstPO20
おちゅ


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