('A`)は地図に無い島へ行くようです
- 1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 11:44:29.91 ID:+FkkfmoR0
- 本文:マッピングシートは方眼紙!!
- 2 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 11:46:44.31 ID:8Mx01AeYO
- 代理ありがとうございます。
月曜なのに暇なんだぜってことで、第9話投下と一緒に、第1話からのんびりと投下しちゃおうと思います
- 3 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 11:50:08.83 ID:8Mx01AeYO
- 真っ暗な夜の海の上を、静かに小舟が進んでいく。
「……まだつかないんですか?」
「座標軸的にはそろそろ着く頃なんだがね」
やがて、海面を覆っていたもやが晴れてくると、水平線の遥か彼方に小さな光が見えた。
('A`)「っ!あれは!!」
- 4 名前:第1話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 11:51:03.55 ID:8Mx01AeYO
-
('A`)が地図に無い島に行くようです・第1話
- 5 名前:第1話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 11:52:25.58 ID:8Mx01AeYO
- 〜ドクオが船に乗る数日前〜
人々で溢れ何かと騒々しい都会とは裏腹に、木々に囲まれ清く澄み渡った空気に満たされた夜の公園。
そこに、1人の男がさまよっていた。
('A`)「………」
彼の名はドクオ。
都会に憧れ、地方から上京し大学に通うことになった彼。
しかし、馴れない1人暮らし、大学とバイトの両立、ホームシック等鬱症状に苛まれた。挙げ句には授業をすっぽかして単位も落とし、それが教育熱心な親に知れて勘当を受けてしまった。
大学も通えなくなり、やる気無い態度からバイト先の店長にクビを告げられ、借りてたアパートも大家に追い出された。
ドクオはおもむろに財布を開いてみるが、既に中身はもぬけの殻であった。
- 6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 11:52:32.34 ID:kW2dJyRLO
- wktk
- 7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 11:53:01.88 ID:87X4xqQF0
- 店員「チーズバーガーは売り切れとなっております。」
- 8 名前:第1話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 11:54:49.46 ID:8Mx01AeYO
- 昼間から覆っていたどんよりした雲が、星の光を遮っている。
ドクオの頬を撫でる風もどこか肌寒い。
ふと、ドクオの脳裏に「死」の文字が浮かんだ。
('A`)「ウツダシノウ……」
帰る宛も無いドクオは、しばらく園内をふらふらとさまよっていた。
するとドクオの目に、人間の身長より半身分くらいの高さにある太い枝を生やした大木が映った。
('A`)「……首吊るのにちょうどいい高さだな」
ドクオは木の方へ歩いていくと、カバンから長いロープを取り出した。
('A`)「終いにするか……」
ドクオはそう言って枝と自身の首にロープを巻いた。
- 9 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 11:56:39.62 ID:8Mx01AeYO
- ?「テメェコラ! 金出せや!!」
と、突然ドクオがいる場所の近くの茂みから、誰かの怒声がした。
('A`)「ちっ、人がこれから死のうとしてる時に……」
あと一歩のところで邪魔が入ったドクオは、機嫌悪そうに舌打ちした。
('A`)「……」
なんとなく誰かの声が気になったドクオは、するりと首からロープ外して草木を掻き分けながら音がした方を覗き込んでみた。
- 10 名前:第1話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 11:57:33.45 ID:8Mx01AeYO
- DQN1「おう、じじぃ! 出すモノ出せや!」
/ ,'3「……出すモノってなんじゃ?」
DQN2「何とぼけとんじゃ! いかにも金持ちそうなカッコしやがって。金じゃ金!!」
DQN3「しらばっくれてると痛い目にあうぜ?」
wwwA`)「…この御時世にオヤジ狩りか。全く、困ったもんだ」
草木に隠れながら、ドクオはかけてもない眼鏡をずらし上げる仕草をした。
- 11 名前:第1話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 11:58:18.59 ID:8Mx01AeYO
- / ,'3「貴様らのような他人様に迷惑かける鼻垂れ小僧に出してやる金など無い!」
DQN1「てめぇ! 逆らう気か!?」
DQN2「俺らチーム小鳩丸に喧嘩売るとは大したじじぃだぜ! やっちまえ!」
DQN3「ブッ殺!」
やがて不良達に囲まれた男性は袋叩きに合った。
wwwA`)「……」
ドクオは、当初ずっと眺めているだけだった。
もはや氏ぬしかない自分にとって関係の無い話だ。
誰かも知らない人をわざわざ助けに行くなんて、相当のお人好しか、ただの偽善者だ。
- 12 名前:第1話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 12:00:57.32 ID:8Mx01AeYO
- そう思ってはいたドクオであったが、徐々に心情に揺れが起きてきた。
DQN1「このじじぃ手間かけさせやがって!最初から素直に財布渡せりゃ良かったのによ!」
DQN2「けっ、血ぃ吐いてうずくまってらぁ!痛くて助けを呼ぶ声も出ないってか?どんなもんじゃーいwwwww」
- 13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 12:01:22.58 ID:kW2dJyRLO
- 支援
- 14 名前:第1話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 12:02:04.80 ID:8Mx01AeYO
- DQN3「見ろよ!こいつ財布に札束入ってるぜ!これで当分遊んで暮らせるな!!」
www( A )「おぃ、てめぇら」
いつの間にか、体が茂みから飛び出していた。
- 15 名前:第1話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 12:02:42.57 ID:8Mx01AeYO
- ('A`)「1人に対して他人数で襲いかかって、恥ずかしく無いのか」
どうせ氏ぬんだから、いいか。
('A`)「てめぇらみたいな奴がいるから世の中駄目になるんだ」
氏ぬ前にとりあえずムカつく奴ぶっ飛ばしたい気分だし
DQN2「何だテメェwwwテメェもボコられたいのか」
何せ今の俺なら負ける気がしねぇ
('A`)「フルボッコにしてやんよ」
- 16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 12:03:25.53 ID:0mbH2hO30
- ドクオ敗北フラグ立ったな
- 17 名前:第1話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 12:03:44.87 ID:8Mx01AeYO
-
_、_
( _ノ`)「…っ! 貴様ら何やってんだ!?」
DQN1「ぐっ、やべぇ、ポリ公だ!」
DQN2「お前ら逃げるぞ!」
DQN3「畜生、覚えてろよ!」
駆け寄ってきた警官を見て不良達がその場から逃げていった。
(#)A`)「ハァ……ハァ……」
戦い終わって精根尽きたドクオはその場にへたり込んだ。
_、_
( _ノ`)「貴様!このご老人に何をした!?」
/ ,'3「いや、彼はワシを不良達から庇ってくれたんじゃよ」
突然、ずっとうずくまっていた男性がすくっと立ち上がった。
_、_
( _ノ`)「えっ、そうだったんですか! ちょっとキミ、大丈夫か!?」
渋い面持ちの警官がドクオに駆け寄ると、ドクオは目を回して気絶していた。
- 18 名前:第1話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 12:06:43.09 ID:8Mx01AeYO
- _、_
( _ノ`)「あぁ、可哀想に、集団でこんなに痛めつけられて……。直ぐに病院に連れて行かなくては!」
/ ,'3「いや、その必要は無い。大した怪我じゃなさそうだし、ウチで引き取ろう。」
_、_
( _ノ`)「え、彼はあなたとお知り合いなのですか?」
/ ,'3「あぁ、わしの孫じゃよ」
老人はそう言うと、ドクオの体を軽々と持ち上げて去っていった。
_、_
(; _ノ`)「……なんだったんだ?」
虐げられていた筈の老人の予想外の行動に、警官はその場でしばし呆然としていた。
_、_
( _ノ`)「……」シユボッ
_、_
( _ノ`)y-・~~~~~
「おぉ、新作のピース8ミリはなかなかウマいな」
警官の持つ煙草の先から、紫煙が夜空に立ち昇っていった。
- 19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 12:07:50.57 ID:0mbH2hO30
- 支援
- 20 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 12:09:11.95 ID:8Mx01AeYO
- ('A`)「ん? ……ここはどこだ?」
ドクオが目が覚めると、見覚えの無い広い寝室のふかふかベッドの上に寝かされていた。
/ ,'3「おや、気がついたかね」
ドクオの側に、昨日公園で会った老人が座っていた。
(;'A`)「なっ、あんたは昨日の…! ここは一体どこだ!?」
- 21 名前:第1話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 12:09:42.99 ID:8Mx01AeYO
- / ,'3「そう気を荒げるでない。
ワシを庇ってくれたキミが傷ついていたから家まで持って帰って介抱してあげたんじゃよ」
老人はそう言うと紅茶をすすった。
('A`;)「あぁ……そうなの。
てゆうかあんだけフルボッコにされてて俺はこんなんなのに何であんたは無傷なの?」
/ ,'3「いやいや、うずくまってた「フリ」をしてただけじゃよ。
そこそこ痛い演技でもしとれば相手の攻撃もゆるむじゃろうて」
- 22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 12:10:10.70 ID:0mbH2hO30
- 老人策士だな
- 23 名前:第1話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 12:10:44.23 ID:8Mx01AeYO
- 先程から辺りを見回していたが、何かやたら大きな絵画や高級そうな絨毯、キラキラした装飾品で部屋が飾られていて落ち着かない。
しかもこの飄々とした老人ときた。やはり、何か普通じゃない気がする。
(;'A`)「……まぁいいや。
とりあえずじいさんありがとな。俺はもう大丈夫だから、そろそろ帰るわ」
とりあえずいつまでも世話になる訳にもいかないので、おいとましようとした。
- 24 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 12:12:52.15 ID:8Mx01AeYO
- / ,'3「あぁ、ちょっと待ちたまえ」
ふと、老人がドクオに話しかけた。
('A`)「は?」
/ ,'3「あんな時間に公園をほっつき歩いて、何か訳ありかな?」
('A`;)(ギクッ)
/ ,'3「どうやら図星のようじゃな」
ドクオの反応を見て老人がニヤリ笑う。
/ ,'3「どうじゃ、一発やらないか?」
('A`)「アッ-」
ドクオが拍子抜けした声を出した。
/ ,'3「? ……まぁいい、ゆっくり説明しよう……」
老人は椅子に腰を掛けると、静かに語りだした。
- 25 名前:第1話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 12:13:50.10 ID:8Mx01AeYO
- 〜時は戻って冒頭〜
('A`)「あれがあんたの言う島か?」
/ ,'3「そうじゃ! あれが我が社が総力を上げて管理してきた島じゃ」
2人は激しく揺れる甲板の上で声を荒げていた。
/ ,'3「あの島は我々の世界から隔離された島じゃ!
島周辺には特別な装置により、島の半径5キロ以内に入らないと視認できんようになっとる。勿論レーダーなどにも映らん」
('A`)「……いまだにじぃさんの言ってることがよくわからないんだが、俺がするべきことを3行で頼む」
/ ,'3「キミが
あの島に行って
暮らす」
('A`)「はしょり杉www
てか、あそこで生活するだけでいいのか?」
/ ,'3「左様。キミはこのプロジェクトの命運を握っている」
- 26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 12:15:02.25 ID:kW2dJyRLO
- 支援
- 27 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 12:16:41.39 ID:8Mx01AeYO
- 船が島に近づくにつれ、だんだん波が荒くなってきた。
('A`)「……なぁじいさん」
/ ,'3「なんじゃ?」
('A`)「そんな大それた計画に、なんで俺なんか選んだ?」
地図に無い島を誰からも見つからずに保管する……、この老人は「ロストアイランド計画」と言っていたか。それの主要メンバーに何故かドクオが選ばれた。
それはそうとこの老人、日本で数百年を誇る老舗企業の名誉会長らしい。通りであの屋敷、この風格といったわけだ。
/ ,'3「何回言わせるんじゃ。キミはワシを助けてくれたじゃろ? とっさにあんな行動がてきる人間、近頃の若いモンにはなかなかおらんぞぃ」
それはただ単に自暴自棄になっていたからだ、とドクオは言おうとするが、まくしたてる老人に遮られた。
/ ,'3「それにキミはちょっと困った事になってるようじゃし、ちょうどいいじゃろう」
('A`)「しかし……」
/ ,'3「勿論助けるだけじゃない。君には少しやってもらいたいこともあるし、要はギブアンドテイク、じゃよ」
('A`)「…………」
- 28 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 12:18:05.85 ID:8Mx01AeYO
- 何故か成り行きでこんな事になってしまったが、とりあえず元は氏ぬ気だったんだからまぁいいか。
ドクオが細く溜め息をつくと、すぐそこに揺らめく灯りが近づいていた。
/ ,'3「じゃあ、わしらはここまでじゃ」
('A`)「え?まだ島についてないじゃん」
ドクオの言う通り、島から2キロほど離れた位置で船は停泊していた。
/ ,'3「わしら外の世界の者がこの島に干渉するのは禁じられておる。すまないがここからはボートで行っとくれ」
('A`)「てゆうか、ただ単に暮らすって言ったって、俺は具体的に何をすればいいんだよ?」
/ ,'3「大丈夫じゃ、向こうに迎えがおる。そやつから聞けばわかるじゃろう」
('A`)「迎えって……あんたらのプロジェクトの人かなんかの?」
/ ,'3「いや、生まれも育ちも島の人間じゃ。ただ、間者を通してキミが今日この時間に来る事を知らせておる」
('A`)「はぁ…」
実際あまり理解はしてなかったが、とりあえず相づちをうつと、ドクオはボートに乗り込んだ。
- 29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 12:19:51.17 ID:bn08SdooO
- 期待
- 30 名前:第1話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 12:20:16.64 ID:8Mx01AeYO
- (;'A`)「……ってこれ、バナナボートじゃねぇか!」
/ ,'3「色々あってそれしか用意できんかった。すまない」
(;'A`)「どんだけー」
老人はこんなボートで2キロ先の海岸まで辿り着けという。骨が折れるってレベルじゃねーぞ!
/ ,'3「じゃ、そゆことで」
(;'A`)「ちょ、おま!」
老人が短く別れを告げると、エンジンのついた船はボートからあっという間にに遠ざかっていった。
ドクオは海上にポツンと取り残された。
(;'A`)「畜生、何でこんな事に……」
荒れ狂う海の上で、ドクオは細長いボートに必死にしがみついていた。
(;'A`)「……糞ったれ!
やあぁってやるよ!!」
無我夢中にそう叫ぶと、ドクオは荒波の中に消えていった。
〜第2話へ続く〜
- 31 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 12:22:24.36 ID:8Mx01AeYO
- ここまでが第1話です。支援サンクス、まだまだ先は長いね(・ω・`)
第1話は>>3から。
続けて第2話
- 32 名前:第2話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 12:25:32.01 ID:8Mx01AeYO
- (;'A`)「ハァ、ハァ、ハァ………」
バナナボートに乗ったドクオは、沈んでは浮いて、沈んでは浮いてと、死にもの狂いでオールを漕ぎまくった。
(;'A`)「つ、着いたのか……?」
やがてドクオは海岸線に敷かれた真っ白な砂浜に辿り着くと、疲労困憊の体を打ちつけてすぐに意識を失った。
- 33 名前:第2話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 12:26:07.66 ID:8Mx01AeYO
- ('A`)が地図に無い島へ行くようです・第2話
- 34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 12:26:23.80 ID:kW2dJyRLO
- 支援
- 35 名前:第2話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 12:27:21.92 ID:8Mx01AeYO
- 〜('A`)が砂浜に辿り着く1ヶ月前〜
( ・∀・)「よーしお前ら! 今日の仕事はここまでだ!!」
親方が高台の上で、叫びながら鐘を鳴らした。
( ><)「皆さんお疲れ様なんです!!」
( ´_ゝ`)「流石に今日も疲れたな」
それまで忙しそうに動いていた者達が、鐘の合図とともに一斉に伸びをしたり隣りの者とお喋りを始めた。
(*゚ー゚)「何言ってるの。兄者くんはいつも仕事手抜きしてるじゃない」
突然、人混みの中から1人の少女が背の高い男の背中をひっぱたいた。
( ´_ゝ`)「アウチ!」
( ><)「相変わらずしぃちゃんは兄者さんに手厳しいです」
同僚の中で笑いが起こると、少女も明るい笑顔を振る舞った。
- 36 名前:第2話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 12:29:28.34 ID:8Mx01AeYO
- (*゚−゚)「失礼します」
先程の笑顔とは違い、緊張の面もちで少女はドアを叩いた。
( ・∀・)「おう、しぃ。まぁ緊張せずに入れよ」
しぃと呼ばれた少女が部屋に入って行くと、先程鐘を鳴らしていたガッシリとした体格良い親方が椅子に座っていた。
( ・∀・)「ほれ、今月分の給料」
(*゚ー゚)「ありがとうございます」
しぃは親方から紙包みを受け取った。
( ・∀・)「それにしてもお前は大変だな。
早くして親兄弟を亡くして、まだ若いし女なのにこんな肉体労働しなきゃいけないなんて……」
(*゚ー゚)「……行く宛も無いところに、モララー親方のご好意で困っている私を拾ってください、本当に感謝してます」
しぃがモララー親方に向かって頭を下げた。
( ・∀・)「やめろよ、別に俺は当たり前の事をしただけさ。
お前の親父にも色々と世話になってたし、これで恩返しができたかなって思ってるんだ」
- 37 名前:第2話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 12:30:30.92 ID:8Mx01AeYO
- モララー親方は窓の外の遠くを覗き込んだ。
しぃも一緒になって、遥か彼方を見つめていた。
(*゚―゚)「……私がまだ幼かったころ、家に何者かが押し入り私意外の家族を皆殺しにしていきました。
特に部屋を荒らされた様子も無く、未だに犯人が何の目的で私達を襲ったのかわかりません」
語り続けるしぃの目が、にわかに潤んできた。
(*;―;)「なんで私だけ生きているのか……、今でも答えはわかりません。私が寝てる間に死んでいったお父さんやお母さん、お兄ちゃんが、ただただ天国報われることを毎日祈って……」
(;・∀・)「あぁ、すまない。嫌な事を思い出させてしまったようだ。
……とにかく、これから亡くなった家族の為にも明るく生きていかなきゃ!」
どんどん落ち込んでいくしぃを見かねて、モララーはしぃの話を無理矢理に遮った。
- 38 名前:第2話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 12:33:31.33 ID:8Mx01AeYO
- (*゚ー;)「……はい、そうですね」
親方の心遣いに感謝しつつ、しぃは涙を拭って笑ってみせた。
( ・∀・)「それはそうと、しぃはよく働くから今月の給料オマケしといたぞ」
(;゚−゚)「えっ!? そんな悪いですよ! 親方には食と住まいも提供してもらってるのにそこまでしてもr」
( ・∀・)「ほれ! ……お年頃の女の子なんだし、これで好きな服でも買ってきなさい」
突然の告白に動揺したしぃの言葉をモララーが遮った。
(;゚−゚)「で、でも……」
( ・∀・)「さぁ、俺はまだ仕事がたんまり残ってるんだ。邪魔だからさっさと出ていきな」
モララーはそう言うと、回転椅子を回してそっぽを向いた。
(*゚ー゚)「………ありがとうございます、親方」
しぃは机から離れると、ドアの前でモララーの方へ振り向き、深く一礼した。
- 39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 12:34:44.09 ID:0mbH2hO30
- 支援
- 40 名前:第2話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 12:35:27.77 ID:8Mx01AeYO
-
(*゚ー゚)「ふぅ、今日も疲れたなぁ」
しぃはふかふかなベッドに寝転がった。
(*゚―゚)「……お母さん」
今日モララーと話した事により、ちょっと気分が落ち込んでいた。
(* ― )「……お父さんもお兄ちゃんも、なんで死んじゃったの?」
しぃは枕元のランプの灯をそっと消した。
すると、ランプの優しい光に包まれていた部屋が、一切の闇に飲み込まれる。
何も見えないその部屋では、吹きかける風に窓がガタガタと音をたて揺れるだけであった。
(* ― )「やっぱり1人は寂しいよ……」
暗い部屋の中で、しばらく少女のすすり泣く声がしていたが、やがてその声も止んだ。
真っ暗な空の上にぽつんと浮かぶ月が傾いてきた頃。
真っ暗な部屋に響く窓の擦れた音が突然止み、おもむろに窓が開いた。
- 41 名前:第2話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 12:37:06.22 ID:8Mx01AeYO
- (*-ー-)「ん〜」
何者かが入ってきたようだが、しぃは眠っていて気づかない。
「…ぃ……しぃ……」
何者かがしぃに語りかける。
(*-ー゚)「ん〜、だれ〜?」
「しぃ……起きなさい」
自分の名を呼ぶ声に反応しぃは目を覚ました。
( )「しぃ、あなたは選ばれたのです」
何者かが、しぃに語りかける。
(;゚ー゚)「!? 誰っ!?」
- 42 名前:ブーン芸 ◆YSnySkGF.o :2007/10/22(月) 12:36:38.40 ID:CAX7ROfN0
- まとめ依頼きてましたので、近いうちにまとめさせていただきたいと思います
その際はどうぞよろしくお願いします
- 43 名前:第2話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 12:38:02.66 ID:8Mx01AeYO
- はっきりと目を覚ましたしぃの目には、眩い光に包まれた女が立っていた。
( )「私は神の世界に住まう女神。今日はあなたにお告げをしに来ました」
しぃが目を凝らして女の顔を見ようとするが、あまりの眩しさに確認することができない。
( )「1ヶ月後の夜、南の浜辺に三日月に乗って天の遣いがやってきます」
(;゚ー゚)「ちょ、ちょっと待って! いきなりで何言ってるかわかんないんだけど。てゆうか鍵締めてたのにどうやって入って来たの?」
( )「それまでに、トウハト草原に大きな屋敷を作りなさい」
(;゚ー゚)「華麗にスルーされたww」
- 44 名前:第2話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 12:40:29.56 ID:8Mx01AeYO
- しぃの動揺を気にも止めず、女神と称する者はその後数分に渡って、淡々としぃに告げ続けた。
( )「……しぃ、私はあなたならやれると信じています。励みなさい」
(;゚ー゚)「……とりあえず私のしなきゃいけない事ってのはわかったけど……」
しぃは動揺しながらも、何者かの言うことを素直に受け止めていた。
( )「わかってくれて嬉しいわ。……では、お別れの時間よ」
何者かがそう言うと、突然何かをしぃに向けた。
(;゚ー゚)「な、何を……!」
しぃが言い終わらないうちに、何かが弾けたような乾いた音が辺りにこだました。
- 45 名前:第2話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 12:41:42.07 ID:8Mx01AeYO
- 静かに佇む窓から、朝の光がしぃに降り注いぐ。
(*-ー゚)「…むにゃ、あれ、朝?」
目を覚ましたしぃは、ベッドから起き上がると気持ちよさそうに伸びをした。
(;゚ー゚)「あっ! そういえば!」
しぃはとっさに部屋のドアや窓の鍵を確かめた。
しかし、やはりどれも閉まったままであった。
(;゚ー゚)「おかしいな……、じゃあやっぱり昨日のは夢? てことは本当に神のお告げなのかな?」
昨日女神とやらが去る前、頭部に衝撃を受けたような気がするが、鏡で見てもなんともなかった。
(*゚ー゚)「よくわからないけど……
とりあえず、職場の仲間に相談しようかな……」
- 46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 12:42:28.65 ID:0mbH2hO30
- 支援
- 47 名前:第2話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 12:43:45.24 ID:8Mx01AeYO
-
(*´_ゝ`)「ぬははははww しぃが狂ったwww」
(;><)「ちょっと兄者さん! 流石に酷いんです!」
しぃは職場の仲間に昨夜の事を話してみたが、誰からも相手にされなかった。
(*´_ゝ`)「だって有り得ねぇよwww 女神とか(笑)」
(;><)「……兄者さんのように神を冒涜するわけではないですけど、確かに僕もちょっと信じられないんです」
しぃ自身もにわかに信じられないのだが、やはりあれを体感していない他人には尚更のようだ。
(;゚ー゚)「うん……やっぱりそうだよね…」
しぃが少し落ち込んだ表情をする。
- 48 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 12:45:01.96 ID:8Mx01AeYO
- >>42
ありがとうございますm(_ _)m
楽しみに待ってます!
- 49 名前:第2話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 12:45:39.73 ID:8Mx01AeYO
- ( ・∀・)「おいテメェら、仕事もしないで何騒いでるんだ?」
と、突然モララーが騒がしい仕事場に降りてきた。
(;゚ー゚)「あっ、いえ! 私が悪いんです!」
(*´_ゝ`)「そうそう、コイツが全部WRY」
( ・∀・)「テメェは少し黙ってろ」
やたら興奮している兄者の顔面を、突進しながらのモララーの鉄拳が炸裂した。
( ・∀・)「マッパ!」
(#)_ゝ`)「あべし」
( ><)「親方のステップが速すぎて一瞬目に見えないんです!」
(*゚ー゚)(親方は相変わらず無敵付加が巧いなぁ…)
- 50 名前:第2話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 12:48:15.48 ID:8Mx01AeYO
- ( ・∀・)「はしたないようだが(ry
とりあえず、しぃ、訳を話しなさい」
(;゚ー゚)「は、はい……」
モララーは兄者をフルボッコにし終わると、何事もなかったのようにしぃに問いかけた。
(*゚ー゚)「……、……、……って事が昨日あったんです」
( ・∀・)「そうか。それなら直ぐに屋敷の建設に取りかからないとな。よしおまえら、村人全員集めてこい!!」
Ω<な、なんだって――!?
思いもよらなかったモララーの言葉に、その場にいた者全てが思わず声をあげた。
(#)_ゝ(#)「お、親方!? その話を間に受けるんですか!?」
( ・∀・)「何寝ぼけたこと言ってんだテメェら。しぃが今まで嘘ついたことあるか?」
数々に噴出する疑問の声を、モララーが一喝し、場を静まらせた。
- 51 名前:第2話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 12:50:24.14 ID:8Mx01AeYO
- (;><)「確かにそうなんです……」
(;゚ー゚)「で、でも私もはっきり言って信じられないないし……
それに、村人全員でやるって言ってもその間仕事とかはどうするんですか!?」
( ・∀・)「なぁに、俺が全員の給料払うさ」
(#゚―゚)「親方!!」
しぃがモララーの悪い素振りの無いような態度に、思わず声を荒げた。
( ・∀・)「……お前はまだ自分はひとりぼっちだと思っているようだが、違う。俺はお前を信じている。
それになんだかんだ言って、こいつらみんな、色々苦労しているお前の事心配してるんだよ。なぁ?」
モララーに促され、しぃは皆の方へ振り返った。
( ><)「……確かに、そうなんです! 僕はしぃさんのこと、応援してるんです!!」
Ω「……そうだっ! 俺らもしぃちゃんのこと応援してるぞ〜!!」
沈黙を破り、集団の中から突然1人が叫ぶと、我先にと皆がしぃにエールを送りはじめた。
(*゚ー゚)「みんな……」
- 52 名前:第2話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 12:52:20.97 ID:8Mx01AeYO
- ( ・∀・)「わかったか、しぃ?
お前以外汗臭い男だらけだが、俺らは家族同然なんだ。お前が困ったらみんなが助けてくれる。いつまでも1人でうじうじしてないで、もっと俺らに心を開け!」
皆の前で呆然とするしぃの頭を、モララーがポンと軽く叩いた。
(*゚ー゚)「みんな……、こんな落ち込みやすい私だけど、仲良くしてくれる?」
Ω「モチのロンロンダブロンでさ――!」
しぃの問いかけに、皆が勢いよく答える。
(*^ー^)「……ありがとう!」
- 53 名前:第2話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 12:53:22.25 ID:8Mx01AeYO
-
( ・∀・)「さぁて、これから忙しくなるぞ。よし、兄者、今すぐ材料の手配しろ」
改まったモララーが、床に寝転がっている兄者に命令した。
(#)_ゝ(#)「え―、何で俺がしぃなんかの為に」
( ・∀・)「マッパイルの味を忘れたのか?」
(#)_ゝ(#)「ハイワカリマシタ」
面倒くさそうに渋っていた兄者であったが、モララーが腕をブンブン回しているのを見て、すぐに立ち上がると逃げるように去っていった。
(*゚ー゚)「ふふ……兄者くんも相変わらずね」
今まで曇っていたしぃの顔には、明るい活気と笑顔に包まれていた。
〜第3話へ続く〜
- 54 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 12:55:42.61 ID:8Mx01AeYO
- ここまでが第2話です。ブーン芸さん、ありがとうございますm(_ _)m
第1話>>3
第2話>>31
では、第3話投下開始〜
- 55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 12:58:31.18 ID:kW2dJyRLO
- 支援
- 56 名前:第3話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 12:58:37.13 ID:8Mx01AeYO
- 〜時は戻って、1ヶ月後〜
('A`)「ん……」
ドクオが目を覚ますと、そこは知らない部屋であった。
('A`)「……なんというデジャブ」
最近、眠りから覚めると知らない場所である事が多い。
謎の老人といい、今度はいったいどこなんだ。
('A`)「というか、島に着いてからはよく覚えて無いんだが……
ここは本当にあの島なのか?」
- 57 名前:第3話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 12:59:31.45 ID:8Mx01AeYO
-
('A`)は地図に無い島へ行くようです・第3話
- 58 名前:第3話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 13:00:06.16 ID:8Mx01AeYO
- ベッドから起き上がったドクオは部屋を見渡した。
床に広がるシックな紅い色をした絨毯の上に、まだ使い込まれてない綺麗なままの机とタンスが1つずつ並べて置かれている。
床や壁、天井全てが木材のようで、ログハウスのような丸太の壁には1つだけランプがぶら下がっている。
('A`)「……どうにも暗いな。電気はつかないのか?」
ドクオがうろうろと部屋を探してみるが、電灯もスイッチらしきものも無い。
肌寒い中ドクオ窓から外を伺ってみるが、まだ早い時間なのか太陽も昇っていないようだ。
('A`)「……なんか薄気味わりぃな」
ポツリと呟くと、ドクオは部屋のドアを開けた。
- 59 名前:第3話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 13:00:46.86 ID:8Mx01AeYO
- ドクオが部屋から出ると、細長い廊下が現れた。
('A`)「そこそこ広い屋敷だな。誰か住んでるのか?」
とりあえず部屋から出て右側を歩いていくと、階下に降りる階段に行き当たった。
無言で降りていくと、屋敷の玄関に着いた。
('A`)「……いや、介抱されたとすると、黙って出ていくわけにはいかないか」
ドクオはそう言うと、そろそろと屋敷の中を散策し始めた。
- 60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 13:03:08.13 ID:Mw2EclYf0
- しえん
- 61 名前:第3話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 13:03:18.03 ID:8Mx01AeYO
- と、ドクオが居間らしきところに着いた時、天井で物音がした。
(;'A`)「っ!? ポルターガイスト!?」
ドンドンドン、と急に上から響いてきた音は、しばらく左右を往復すると階段の方へ向かった。
(;'A`)「な、何かが来る……」
突然の出来事に戸惑うドクオが、冷や汗を垂らす。
「一体あの人はどこに!?」
誰かの声がした。 それと同時に、緊張して体が凍りついているドクオを溶かすように、窓から朝日が差してきた。
(;゚ー゚)「ど、どうしょう……これじゃあ、お告げのことが……」
窓から注ぐ光が、不安気な少女の顔を照らし出した。
- 62 名前:第3話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 13:04:06.89 ID:8Mx01AeYO
- (゚A゚)「……」
(;゚ー゚)「……あ」
2人の視線が交わる。
(;゚ー゚)「よ、良かった……ここにいたのですね」
胸を撫でおろした少女が笑顔を見せた。
(*゚ー゚)「改めてまして、ようこそおいでなさいました、神の使いの方」
(゚A゚)「……は?」
少女の発する言葉に、わけもわからずドクオはきょとんとしている。
(*゚ー゚)「先日、浜に打ち上げられていたのを私が見つけて、介抱したのです」
(;'A`)「あ、あぁ……それは有り難いんだけど……てゆうか、ありがとう。
で、神の使いって何?」
- 63 名前:第3話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 13:06:24.06 ID:8Mx01AeYO
- (*゚ー゚)「……少し前に、女神様が寝ている私にお告げをしに来て、あなた神の使いが、三日月に乗ってあの浜にやってくると聞かされたんです」
(;'A`)(いやいや……三日月じゃなくてあれはただのバナナボードだから)
ドクオが心の中でツッコミを入れる。
(*゚ー゚)「そして、やってきたあなたに私は召し使うよう言い渡されたのです」
('A`)「……」
ドクオが改めて少女を見てみると、なるほど、頭にメイドカチューシャをつけた少女は、小さなエプロンをつけた服装もなかなか本格的なものである。
そして何より、よくその服装が似合う、可愛らしい少女であった。
- 64 名前:第3話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 13:07:01.84 ID:8Mx01AeYO
- (*'A`)「あぁぁ、え、えぇと、とりあえず俺は神の使いでもなんともないから」
(*゚ー゚)「は?」
本来女性と話すのが苦手だったドクオは、急にどもり声になった。
('A`)「いや、だから俺は神の使いでもなんでもない、ただの人間だ。
ただ、ちょっとした理由があってこの島に来ただけだ」
ドクオが少女に説明する。
自分が色々あって老人と出会い、日本から飛行機で数時間かけてオセアニアのよくわからない国へ行き、そこからチャーターした船で数日かけて太平洋を渡ってこの島に辿り着いたこと。
(*゚ー゚)「う―ん、ニホンとかタイヘ―ヨ―とかよく解りませんが、外の世界から来たと言うならやはり神の使いに違わないです」
- 65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 13:08:18.33 ID:0olUczZx0
- 支援
- 66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 13:08:50.53 ID:0olUczZx0
- 行頭の空白をもう少し考えた方が良い
- 67 名前:第3話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 13:10:07.45 ID:8Mx01AeYO
- (;'A`)「だ、だから!」
(*゚ー゚)「この島には、外の世界から来た人がいないのですよ。だからあなたは神の使いで間違いないんです」
ドクオは老人が言った事を思い出した。
〜〜〜〜〜〜
/ ,'3「わしら外の世界が島に干渉するのは禁じられておる」
〜〜〜〜〜〜
('A`)「まぁ、そのようだけ……ど……」
と、突然ドクオが貧血を起こした。
(;゚ー゚)「だ、大丈夫ですか?」
少女が慌ててドクオに駆け寄る。
('A`)「……あぁ、軽い貧血のようだ」
(*゚ー゚)「無理も無いです、3日3晩ずっと眠っていたんですから。」
(;'A`)「え、俺そんなに寝てたの?」
ドクオが少女の言葉に驚愕した。
通りで先程から体中がダルいわけである。力も湧いてこない。
(*^ー^)「……そうですね、では、朝ご飯にしましょうか?」
少女はドクオに、ニッコリと笑ってみせた。
- 68 名前:第3話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 13:11:34.81 ID:8Mx01AeYO
-
('A`)「ハ……ハフッハフッ!モフモフ」
ドクオががっつくように勢いよく食事している。
(*゚ー゚)「あは、いい食べっぷりですね〜」
しぃもドクオと一緒に食事をとりながら、ドクオの食べっぷりを嬉しそうに眺めている。
('A`)「そりゃあ、3日も飯くってなければな。
しかし、この飯美味いよ!」
(*^ー^)「ありがとうございいます」
これだ。
先程から、この少女のこの100万$の笑顔、凄まじい破壊力を備えている。
元々のルックス、そして、メイドさん衣装。これが萌えられずにいられるか――!!
(*゚ー゚)「どうしました?」
(;'A`)「っ! ……いや、そういうえば、名前は?」
妄想にふけっていたドクオは、少女の声で現実に引き戻された。
- 69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 13:12:34.99 ID:0olUczZx0
- 支援
- 70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 13:13:49.82 ID:Mw2EclYf0
- しえん
- 71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 13:14:10.61 ID:0olUczZx0
- 支援
- 72 名前:第3話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 13:14:34.66 ID:8Mx01AeYO
- (;゚ー゚)「あ、そう言えばまだ名乗ってませんでしたね……では、改めて」
少女が微笑みながらドクオを見つめた。
(*゚ー゚)「しぃ、と申します」
('A`)「俺はドクオだ。よろしくな」
ドクオもしぃの目を見ながら自己紹介した。
('A`)「……てゆうか、この島に来たはいいが、これから俺は何をすればいいんだ?
何か迎えの者に聞けって言われたんだが」
(*゚ー゚)「はい、私が聞いたお告げによると、これから私とドクオさんが……」
しぃが言いかけた時、玄関を開ける音がした。
- 73 名前:第3話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 13:15:49.38 ID:8Mx01AeYO
- ( ´_ゝ`)「おぃ、しぃ! 面倒だが迎えに来てやったぞ!」
誰かが廊下をドスドスと歩いてくると、居間に入ってきた。
( ´_ゝ`)「おい! いるなら返事……」
('A`)
(*゚ー゚)
2人が入ってきた男の顔を見つめた。
( ´_ゝ`)「……」
(;´_ゝ`)「!」
(;´_ゝ`)「つ、遂に目覚めやがった! て、て〜へんだ〜、親方〜!!」
何やら叫ぶと、男は慌てて屋敷を飛び出していった。
('A`)「……なんだ?」
(*゚ー゚)「あまり気にしないで下さい」
訳もわかわからずキョトンとしているドクオを見て、しぃはクスリと笑った。
- 74 名前:第3話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 13:18:10.04 ID:8Mx01AeYO
-
(*゚ー゚)〜♪
(*'A`)「……」
キッチンでしぃが鼻歌を歌いながら食器を洗っているのを、ドクオはソファーに座りながら眺めていた。
(*'A`)(やっぱり可愛いな……メイド少女はやはり最k)
エッサ!ホイサ!エッサ!ホイサ!
突然、窓の外から騒音が聞こえた。
('A`)「――ん?なんか外が騒がしいな」
ドクオが不思議に思い、窓から外を伺う、そこには……
- 75 名前:第3話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 13:18:42.90 ID:8Mx01AeYO
-
(;・∀・)「よーし! お前ら、着いたぞ〜!!」
Ω<ウィース!
屋敷の前に、御輿の様な物を担いだ、屈強そうな男達がやってきた。
(;'A`)「な、なんだ? 何かの祭りか?」
目の前に広がる異様な光景に、ドクオは戸惑いの色を隠せない。
(*゚ー゚)「……? ――あぁ、着いたようですね」
挙動不審のドクオに何を思ったのか近づいてきたしぃが、窓の外を見ると何事も無いように呟いた。
( ><)「し―さ―ん! 迎えにきたんです〜!!」
屋敷の玄関から誰かが叫んでいる。
(;'A`)「な、何? なんなの?」
(*゚ー゚)「行けばわかりますよ」
混乱しているドクオを尻目に、しぃが服装を正すとドクオの手を引っ張っていった。
- 76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 13:19:03.72 ID:0olUczZx0
- 支援
- 77 名前:第3話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 13:19:16.94 ID:8Mx01AeYO
-
( ・∀・)「おぉ、あんたが神様のお使いとやらか。長旅ご苦労だったな」
しぃに連れられドクオが外に出ると、ダンディな男性がドクオを迎えた。
(;'A`)「は、はぁ……」
(*゚ー゚)「こちらは既に準備はできています。さぁ、早く出発しましょう」
しぃが男に告げると、ドクオを御輿の上にある台座に座らせた。
(;'A`)「ちょ、ちょい待て!? どこか行くの?
俺は普通に歩けr」
( ・∀・)「よーしテメェら! 出発だ!」
Ω<オー!!
ドクオの訴えは男達の叫び声にかき消された。
- 78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 13:20:10.34 ID:0olUczZx0
- 支援
- 79 名前:第3話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 13:21:35.06 ID:8Mx01AeYO
-
――揺れる思い 体中感じて
('A`)「このままずっと吐いていたい」
御輿は男達に担がれ、下り坂を走っていた。
(*゚ー゚)「大丈夫ですか?」
木製の自転車で併走しているしぃが、ドクオの様子を見て声をかける。
('A`)「いや、もう馴れたけどさ」
激しく揺れる御輿の上で、台座に座りながらドクオは景色を眺めていた。
丘の上にある屋敷の前を通っている下り坂を、躍動感溢れて御輿が風をきって走っていく。
目の前に広がる青々とした草原は、走っていくにつれ段々視界が開けていき、遠くにただっ広い水平線が見えてきた。
('A`)「……あとどれくらいでつく?」
目的地も知らされずに連れられたドクオは、景色を楽しむでもなく退屈そうにしていた。
(*゚ー゚)「もうすぐです」
('A`)「そっか」
よく晴れ渡った空の下を、下り坂にのって御輿はスピードを上げていった。
- 80 名前:第3話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 13:22:35.68 ID:8Mx01AeYO
-
('A`)「ほぅ、デカくなったな、小僧」
(*゚ー゚)「え?」
('A`)「いや、ただ言ってみたかっただけ」
ドクオが意味も無しに呟くと、やがてすぐそこに人里が見えてきた。
(;・∀・)「おめぇら、もう少しだ! 頑張れ!」
(;><)
(;´_ゝ`) 「ウィース(なんです)!!」
Ω
御輿の先頭で走っていた男が声を上げたのに、他の者達も呼応した。
('A`)(あ、朝来た人もいたんだ)
ドクオが御輿を担ぐ面子を見てみると、朝食をとっていた時に乱入しに来た男も混じっているようだった。
そんなこんな考えているうちに、御輿が止まった。
- 81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 13:23:00.96 ID:0olUczZx0
- 支援
- 82 名前:第3話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 13:25:56.16 ID:8Mx01AeYO
-
(;・∀・)「テメェら、よくやった!!」
(*゚ー゚)「皆さん、お疲れ様です!」
掛け声と同時に御輿が下ろされた。
('A`)「……着いたのか?」
ドクオが御輿から降りてきた。
御輿の前には、木の柵で囲まれた集落の入口、大きな門が建っている。
(*゚ー゚)「はい。ここが私達の村、『はじまりの村』です」
('A`)「それなんてデジモン?」
と、突然門の入口が開いた。
村人A「ようこそ、神の使い様!」
村人B「ささ、村長が待っております、早くお入り下さい!」
門番らしき人物が、ドクオに近づいてきた。
('A`)「あぁ、わかりました。
それと、御輿の皆さん、どうもありがt」
(*゚ー゚)「さぁ、入りましょうか」
ドクオは門番に挨拶した後、振り返って男達にお礼を述べようとしたが、しぃの言葉に遮られた。
- 83 名前:第3話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 13:26:34.81 ID:8Mx01AeYO
-
(゚ー゚*('A`(・∀・(><(´_ゝ`Ω
村のあぜ道を、ドクオが乗った馬を引き連れ、しぃが先頭になって一列で歩いていく。
「みんな―! 神の使いだ!!」
「ママ―! 神の使いが来たよ!」
「おぉ! 遂に神の使いが目を覚まされた!!」
道の両側を村人達が囲い、豪華な演奏を鳴らした出迎えは、まるでパレードのようである。
(*゚ー゚)「というわけで、島の食料や生活用品の大部分を生産していることから、私達の村は「はじまりの村」と呼ばれているのです」
しぃが歩きながらドクオに話しかけている。
(*゚ー゚)「ここの村の北側、山の方には「トウハト草原」が広がっており、私達の屋敷があります。村の南側には、ドクオさんが流れついた浜辺が……」
(;'A`)「いや、ちょっと待て」
- 84 名前:第3話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 13:28:21.30 ID:8Mx01AeYO
-
ドクオがしぃの説明を遮る。
(*゚ー゚)「何ですか?」
(;'A`)「いや、ていうか、なんだこの村の様子は? いつもこんなんなのか?」
お祭り一色に染まった村は、華やかな衣装に包まれた踊り子や、様々な打楽器によりかなり騒々しい。
(*゚ー゚)「……みんな、神の使いが来たって3日前から騒いでましたからね。これはドクオさんを祀る村の祭典なんです」
(;'A`)「いや、だから俺は神の使いなんかじゃな……」
ドクオが言いかけた時、一行の前に一人の人物が現れた。
?「ようこそ、はじまりの村へ」
Σ(;'A`)「なっ!? あんたは!?」
そこには何故か、ドクオが良く知っている人物が立っていた。
- 85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 13:30:34.78 ID:0olUczZx0
- 支援
- 86 名前:第3話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 13:31:16.30 ID:8Mx01AeYO
- これで第3話投下終了。
>>66どういうこと?
第1話>>3
第2話>>31
第3話>>54
では、第4話投下開始します
- 87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 13:31:31.19 ID:0olUczZx0
- 支援
- 88 名前:第4話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 13:35:16.54 ID:8Mx01AeYO
- (;'A`)「な……な……」
ドクオが目の前に立っている人物を見て、激しく戸惑う。
(;゚ー゚)「どうかなさいましたか?」
何故かガクブルしているドクオを心配するしぃ。
――だが、ドクオが驚くのも無理はない。
J(、'ー`)し「アタシの顔に何かついてるかぇ?」
――そこに何故か、いるはずの無い母親が立っていたのだから。
- 89 名前:第4話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 13:35:56.74 ID:8Mx01AeYO
-
('A`)が地図に無い島へ行くようです・第4話
- 90 名前:第4話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 13:38:05.26 ID:8Mx01AeYO
-
カコン、と鹿おどしの音が響き渡る。
西洋の片田舎風だった村の様子とは一変、小さな家の庭は純和風の風景が広がる。
J(、'ー`)し
(;'A`)「……結構なお手前で」
差し出されたお茶を飲み終えると、ドクオは茶碗を手元に置いた。
J(、'ー`)し「これで一通りの儀式は終えた。皆の者、姿勢を崩してよいぞよ」
(*´_ゝ`)「ぷはー、やっと終わったか」
(*><)「ずっと正座してると痺れてくるんです」
儀式を進行していた老婆の一言で、ドクオの後ろに座っていた立会人達はどっと騒ぎ出す。
(;'A`)「あ、あの……」
相変わらず、訳がわからないでオドオドしているドクオを見て、老婆は話しかけた。
J(、'ー`)し「おぉ、申しおくれた。あたしゃこの村の村長じゃ」
- 91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 13:41:49.84 ID:21ukwckxO
- 支援
- 92 名前:第4話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 13:41:56.89 ID:8Mx01AeYO
-
J(、'ー`)し「……そなた、アタシの顔に見覚えがあるのか?」
村長の言葉に、ドクオはドキリとする。
改めて考えると、いくら普通より老け込んでいたとはいえ、流石にドクオの母親はここまで老け込んでいない。似ていると言えば似ているのだが……
多分、ドクオの母親が年をとったらこんな感じになるのだろう。
('A`)「……いぇ、他人の空似ってやつです」
ドクオは無表情に回答する。
J(、'ー`)し「ふむ? ……まぁ良い。あぁ、そう言えば、そなたが浜に流れついた時の「三日月の船」、今ここで返そうぞ」
Σ(;'A`)(あれは俺のバナナボート!)
- 93 名前:第4話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 13:43:53.90 ID:8Mx01AeYO
-
村長が従者に持たせていたバナナボートをドクオに渡した。
(*'A`)「おぉ、愛しき俺の相棒よ」
( ・∀・)「この土地には存在しない、見たことの無い素材だな。
さすが、神の国からいらっしゃっただけある」
ドクオがボートに頬ずりしていると、先程御輿を担いでいた男がドクオに話しかけてきた。
('A`)「あ、あんたはさっきの」
( ・∀・)「モララーだ。この島で運送屋をやっている、これからしぃが世話になるが、宜しくな」
男は名を名乗り、ドクオにお辞儀した。
(*゚ー゚)「モララー親方は、私がお金が無くて困っていた時に仕事を紹介してくれた恩人なんです」
- 94 名前:第4話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 13:44:32.12 ID:8Mx01AeYO
-
しぃがモララーに続いてドクオに話しかける。
(;'A`)「え、てゆうか、しぃが世話になるってなんだ?」
ドクオの言葉に、村長が反応した。
J(、'ー`)し「なんじゃ? しぃはまだことの次第を話していないのか?」
(;゚ー゚)「す、すいません。色々と急な話しでしたので」
村長の言葉にしぃが少し慌てる。
(*゚ー゚)「――では、ドクオさん、これからあなたがやって貰うことを知って頂く為にも、私が女神から伝えられたお告げをお聞き下さい」
しぃはそう言うと、静かに語り始めた。
- 95 名前:第4話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 13:46:50.81 ID:8Mx01AeYO
-
1ヶ月後、南の浜に神の使いが三日月に乗りやってくる。
それまでに、トウハト草原に屋敷を作り、神の使いをそこに住まわせ、しぃが従者となり共に暮らすこと
生活の為に屋敷の周りに農園を開き、採れた野菜で暮らしを切り盛りしていくこと
そうすれば、神の使いは村へ来た時にきっと幸をもたらすだろう
('A`)「ようするに、俺としぃがあの屋敷に住んで、農園を営め、と」
ドクオは2杯目の茶をすすりながら呟いた。
(*゚ー゚)「短縮すればそうですね。
この島の人口もここ数年増えてきて、少しでも生産量を増やしたかったのでちょうど良かったです」
まさか、その為だけに老人にここへ送りこまれたのでは、とドクオは想像したが、キリが無いので考えるのをやめた。
- 96 名前:第4話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 13:47:26.55 ID:8Mx01AeYO
-
( ・∀・)「それはそうと、神の使いが村へやってきたんだ。
すぐに幸をもたらせとは言わんから、なんか力でも見せてくれよ」
(;'A`)「ちょ、それなんて無茶振り」
話しを聞いていたモララーがドクオ達に囁いた。
( ><)「……そうなんです! 本当に神の使いなら、その証拠を見せて欲しいんです!」
モララーに続いて、その場に居合わせた人物が騒ぎ出した。
(;'A`)「いや、だから、何回も言うけど俺は神の使いでもなんでもねぇ!」
とっさにドクオが叫ぶと、その場にいた物達が静まり返った。
- 97 名前:第4話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 13:50:08.20 ID:8Mx01AeYO
-
J(、'ー`)し「……ということは、しぃは嘘をついたのか?」
ドクオがはっとしてしぃに振り返る。
(;゚ー゚)「……」
Ω<ざわ……ざわ……
黙ったままのしぃを見て、他の者達がざわつきはじめる。
(;'A`)「あぁ、えぇと……」
ドクオ、冷静になれ。
このままではしぃが嘘つき呼ばわりされてしまう。
……いや、実際嘘なのだが、しかし場の空気的にここはなんとか乗り越えなくてはいけない気がする……
ドクオは冷静さを装い、部屋を見渡す。
日当たりが悪いため、ろうそくが灯る薄暗い部屋。壁には鉄板にメモ書きが磁石で止められている。
縁側からは、村とは場違いな純和風な日本庭園。
部屋の奥にある釜どでは、棒串に刺された魚がいい具合に焼かれている。
- 98 名前:第4話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 13:50:57.13 ID:8Mx01AeYO
-
|
\ _ /
_ (m) _
目 ピコーン
/ `′ \
('A`)
('A`)「なぁ、この部屋暗くないか? 電気つかないの?」
何か閃いたのか、ドクオはその場にいた者達に話しかた。
( ・∀・)「デンキ? なんじゃそりゃ、おいしいの?」
その場にいた者達は皆、モララーと同じようなリアクションをとった。
('A`)(しめた!)
ドクオはその光景を見ると、心の中でガッツポーズし、しぃに振り返って軽くウインクしてみせた。
(;゚ー゚)「?」
ドクオの意図を汲み取れずに戸惑うしぃを尻目に、ドクオが村長に話しかけた。
('A`)「なぁ、ちょっとこれらを集めてくれないか?」
- 99 名前:第4話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 13:55:41.60 ID:8Mx01AeYO
-
(;゚ー゚)「あの……何やってるんですか?」
先程から1人でごそごそ何かをしているドクオを見て、しぃが話しかける。
('A`)「あぁ、ちょっと下準備をね。……これ位でいいか。」
ドクオはそう言うと、村長の庭からとってきた竹を、竹ひご状にしてその場に置いた。
竹ひご、磁石、銅線、小瓶。それらがドクオの前に置かれる。
(;´_ゝ`)「一体、これらで何をしようと言うのだ……?」
Ω<ざわ……ざわ……
現代人ならほとんどの人が何をするのかわかるような物だが、ここにいるドクオ以外の全ては本気でわからないようだ。
('A`)(この島の文明レベルどんだけ――)
ドクオはそう思いながら、作業に取りかかり始めた。
- 100 名前:北海道でっかいどう ◆Ishikaries :2007/10/22(月) 13:58:59.92 ID:/QuXhovm0
-
- 101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 14:00:50.76 ID:Ic2Sv1T90
- よえん
- 102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 14:07:16.01 ID:21ukwckxO
- 4
- 103 名前:さるった ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 14:09:21.17 ID:8Mx01AeYO
-
ドクオが庭にある小枝をポキリと折ると、枝の先に切れ目を入れた。
J(;、'ー`)し「あっ、アタシの盆栽」
(;'A`)「あ、ごめん」
村長の自慢の盆栽がぽっきりと折れてしまったが、まぁしぃを助ける為だ、とドクオは勝手に脳内補完した。
ドクオは枝の先にほぐした竹ひごをひっかけると、釜の中に枝を刺した。
('A`)「さて、焼きあがる前に……」
ドクオは置いてある銅線を手に取ると、勢いよく腕に巻きつけ始めた。
- 104 名前:第4話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 14:10:39.69 ID:8Mx01AeYO
-
('A`)「ウォォォ!! ジャスティスハリケ――ン!!」
(;゚ー゚)
(;・∀・) 「……」
(;><)
ドクオがボケをかましても、その場の者達は固唾を飲んで成り行きを見守っている。
しばらくして、ドクオ巻きつけた銅線を腕から外すと、釜で焼きあがった竹ひごの炭を取りに行った。
('A`)「よし、準備オッケー」
ドクオはそう言うと庭に出て、ギャラリーを縁側に呼んだ。
- 105 名前:第4話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 14:11:34.01 ID:8Mx01AeYO
-
('A`)「これでよしっと」
小さな穴を2つあけたコルクに2本の銅線を通し、その先に竹ひごの炭を装着させる。
J(;、'ー`)し「あ、アタシの盆栽」
('A`)「あ、ごめん」
ドクオは盆栽の枝を折ると、マッチで火をつけて小瓶の中に放り、銅線の通ったコルクで蓋をした。
(;´_ゝ`)(一体何やってるんだ……)
やがて、小瓶の中で燃えていた小枝は、まだ少し燃えてない部分を残して火が消えてしまった。
('A`)「っし。じゃあ、お前らよくみてろよ?」
- 106 名前:第4話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 14:12:31.18 ID:8Mx01AeYO
-
(;゚ー゚)「あ、私の自転車」
ドクオはギャラリーに告げると、しぃの乗ってた自転車を持ち出し、ぐるぐる巻きにした銅線を自転車にセットし、その中に真ん中に棒が通った磁石を設置した。
バナナボートの表面のビニールをむしりとり、その上にビンを乗せるとドクオは言った。
('A`)「よくビンの中を見とけよ」
ドクオはそう言うと、勢いよく自転車を空漕ぎし始めた。
('A`)「ウオリャアアァァ!! オンドレイシマツ――!!」
- 107 名前:第4話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 14:14:41.01 ID:8Mx01AeYO
-
しかし、ビンの中は何も反応が無い。
(;・∀・)「なんだ? 何も起きね―ぞ?」
ギャラリーは興味津々で見ていたが、ビンの中身は何の反応も無い。
(;'A`)(畜生……! 上手くいくと思ったんだが。このままではしぃが……くそ、光れ!!)
(;'A`)「ウォォォ!! 俺の自家発電は世界一ィィィィ!!」
ドクオがそう叫びながら、自転車を激しく漕いだその時、歴史は動いた。
- 108 名前:第4話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 14:15:31.44 ID:8Mx01AeYO
-
\ _ /
_ (m) _
■ ピコーン
/ `′ \
ΣJ(、'ー`)し
Σ(;゚ー゚)
Σ(;・∀・) 「オオッ!!」
Σ(;><)
Σ(;´_ゝ`)
ビンの中の竹ひご炭が明るく光った。
(;・∀・)「こ、これが神の力か……!? ただの炭が明るく光ったぞ!!」
- 109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 14:16:42.26 ID:2edgmjhBO
- │'A`)つC
- 110 名前:第4話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 14:16:56.74 ID:8Mx01AeYO
-
ドクオの実験は成功であった。
小さい頃に小学校の理科の実験で、白熱灯を発明したエジソンの作った電球を作る、というのをしたことをドクオは思い出していた。
庭にあった竹をほぐして抵抗を無くすために薄い竹ひご状にして炭にし、ビンの中に空気があると、電気を通すとすぐに炭が焼け切ってしまうため、ビンの中で小枝を燃やして空気を消費した。
また、丸裸の銅線はバナナボートのビニールで無駄な電気消費が無いよう、竹ひご以外に触れる場所は絶縁し、村の中で一番強い磁力を持つ永久磁石をコイルの中で回し続けて発電した。
(;'A`)(まぁ、あの時は電源は乾電池だったがな……)
- 111 名前:第4話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 14:20:12.93 ID:8Mx01AeYO
-
(*゚ー゚)「ドクオさん、凄いです!!」
(*´_ゝ`)「魔法か何かか!?」
(;'A`)「いや、何ていうか……」
興奮するギャラリーを尻目に、疲れきった表情でドクオは自転車から降りた。
J(、'ー`)し「うむ、よくやった。これでしぃの言った事が証明されたな」
村長の言葉に、ドクオはホッと胸をなでおろした。
(*・∀・)「おぉ、神の使い様、大変な無礼をしてしまい申し訳ありません」
興奮したモララーが、ドクオにに向かってひれ伏している。
- 112 名前:第4話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 14:21:15.79 ID:8Mx01AeYO
-
('A`)「んぁ……別にいいけど……
て言うか、別にしぃは嘘ついてないが、俺は本当にそんな大した奴じゃない。それなのに神だ、とかで敬ったりするのは止めてくれ」
ドクオが困った顔をしながら言った。
J(、'ー`)し「うむ……確かに、まだそなたは神の使いとしてまだ本当の力を発しきれないようじゃな。
端からみたらただの貧相な少年だし、ここは一つ望みを聞いてやろう」
('A`)「貧相は余計だ」
村長が発した言葉に、ドクオは1人でツッコんだ。
- 113 名前:第4話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 14:22:10.88 ID:8Mx01AeYO
-
( ・∀・)「……まぁ確かに、俺よりも全然若い奴にペコペコするのも癪に触るな。
まぁ一つ、これから頼むよ」
(;'A`)(なんだコイツ……)
先程とはうって変わった態度のモララーに、ドクオは不快感を示した。
( ´_ゝ`)「あんたならこの村を益々発展させてくれそうだ!! これから宜しく頼むよ!」
( ><)「……宜しくなんです」
ギャラリーの中から、数々の人がドクオに握手を求めてきた。
('∀`)「あ、あぁ。みんな、これから宜しくな」
改めて、対等な人間として歓迎され、悪くない気分のドクオは小さく微笑んだ。
- 114 名前:第4話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 14:25:04.66 ID:8Mx01AeYO
-
〜野辺が斜陽に霞む頃〜
( ・∀・)「じゃ、また今度な!」
Ω<バハハーイ!
ドクオとしぃは、村の入り口でモララーや村人達に見送られて家路へついた。
('A`)「あ、俺が押してくよ」
(*゚ー゚)「あ、ドクオさんありがとうございます」
動きにくそうなメイド服のしぃが、登り坂で自転車を押し歩いているのを見かねてドクオが助け船をだした。
('A`)「しぃ」
ドクオが低い声で話しかけた。
- 115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 14:29:53.60 ID:UXMcHUS20
- 何度も支援は出来んが期待してる 支援
- 116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 14:31:46.45 ID:21ukwckxO
- 支援
- 117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 14:37:12.83 ID:0mbH2hO30
- さるったか?
- 118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 14:49:13.50 ID:w0Eig2ewO
- ほす
- 119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 14:55:12.73 ID:SvcUQNva0
- ほすーん
- 120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 15:06:31.02 ID:0mbH2hO30
- 携帯の充電が切れたとかだったら間抜けすぐる
- 121 名前:第4話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 15:08:16.98 ID:8Mx01AeYO
- (*゚ー゚)「はい?」
きょとんとした顔でしぃはドクオに向く。
('A`)「お前も敬語無しだ」
(;゚ー゚)「ええっ……? でも、私よりドクオさんの方が年上だし……」
しぃは少し戸惑う('A`)「あのな、モララーさんくらいの年の差があるならまだしも、たかが2つ3つ離れてるだけで敬語使うなっつ―の」
しぃとは目線を合わせず、ドクオは前を向きながら黙々と歩いている。
(*゚ー゚)「……呼び捨てで呼ばれたいんですか?」
小さく呟いたしぃの言葉に、ドクオは盛大に噴き出した。
- 122 名前:第4話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 15:09:14.22 ID:8Mx01AeYO
-
(;'A`)「ば、馬鹿!! 俺はそんなこと……」
(*゚ー゚)「うん、わかったよ、ドクオ♪」
しぃの明るい笑顔を見て、ドクオは顔を赤くしてうつむいた。
(*゚ー゚)「ふふ……。そういえば、今日はありがとう。私の為にあんな事してくれて」
多分、村長の家で披露した実験の事だろう。
一時は失敗かとヒヤヒヤしたが、結果的に成功して本当に良かった。
('A`)「……別に、大したことしてね―よ」
顔を上げ、再び前を見ながら歩き出すドクオ。
それを見てしぃも歩きだす。
(*゚ー゚)「まぁ、私はドクオが神の使いだなんて信じてないけど」
(;'A`)「ちょ、おまww 言い出しっぺはお前だろうが!」
(*゚ー゚)「だってこんな貧相な顔の人が神の使いなわけ無いもん」
('A`)「てめぇww」
- 123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 15:09:47.28 ID:zYRY41QLO
-
まいにちがにちようび!
\(^o^)/
\(^o^)×(^o^)/ | |\(^o^)/
| | | | < > | |
< > / > / \
ニー速
http://ex20.2ch.net/neet4vip/
- 124 名前:第4話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 15:10:31.59 ID:8Mx01AeYO
-
(*゚ー゚)「ふふ、冗談ですよ」
あの師匠にしてこの弟子とはいったもの。
ドクオはモララーを思い出し、ため息をつく。
('A`)「……ハァ」
太陽はだいぶ傾き、夕焼け空のどこか遠くでカラスが鳴いている。
ため息をつくものの、どこか朗らかな気持ちであったドクオ、夕日に顔を赤く染めながら家路を行くのであった。
〜第5話へ続く〜
- 125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 15:11:57.66 ID:SvcUQNva0
- 支援
- 126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 15:13:11.13 ID:NcvGGLjoO
- しえん
- 127 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 15:14:19.08 ID:8Mx01AeYO
- すみません、途中で盛大にさるりました。m(_ _)m
10分置いてカキコしたんだけどなぁ
第1話>>3
第2話>>31
第3話>>54
第4話>>88
さるらないようにスローペースで、第5話いきます
- 128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 15:15:57.63 ID:Mw2EclYf0
- しえん
- 129 名前:第5話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 15:16:23.55 ID:8Mx01AeYO
-
('A`)「ペロ……これは青酸カリ!」
(*゚ー゚)「ぶっ飛ばすよ?」
村騒動の明くる日、ドクオとしぃは居間で朝食をとっていた。
('A`)「冗談だ。普通に美味いよ」
ドクオは黙々と箸を進めていく。
(*゚ー゚)「あ……そうそう。
ドクオ、ちょっとお使い行ってきてくれる?」
(',A`)「へ?」
ご飯粒を口につけ、ドクオは間抜け面で答えた。
- 130 名前:第5話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 15:17:24.52 ID:8Mx01AeYO
-
('A`)は地図に無い島へ行くようです・第5話
- 131 名前:第5話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 15:18:53.23 ID:8Mx01AeYO
-
――神の使いはメイドの使い
('A`)「すんません、いきなり来ておいて……」
(^o^)「イインダヨ」
\(^o^)/「グリーンダヨ――」
妻「あんた! 早く仕事しなさい!!」
◎「50%オーフ!」
ティウンティウンティウン
(;'A`)「……」
- 132 名前:第5話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 15:21:05.41 ID:8Mx01AeYO
- ドクオは牧場から出てくると、坂道を下っていった。
('A`)「え―と、隣りのオワタ牧場の主人から野菜の種は貰ったから……」
ドクオはしぃに渡されたメモを片手に、ぶつぶつと呟きながら歩いていく。
('A`)「次は村まで行って、農耕具を買ってこいってか……」
そうこうしているうちに、ドクオは村の前に着いた。
- 133 名前:北海道でっかいどう ◆Ishikaries :2007/10/22(月) 15:22:45.70 ID:/QuXhovm0
-
- 134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 15:23:45.11 ID:tUOd65dQ0
- ('A`)「オレはDQNに凹られた時に既に死んでいて、ここは天国だったなんて・・・」
全てを悟ったドクオの魂は成仏したのであった。
('A`)は地図に無い島へ行くようです・完
- 135 名前:第5話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 15:23:59.21 ID:8Mx01AeYO
-
門番A「おっ、ドクオの旦那じゃねえか!」
門番の1人がドクオに気づいて声をかけてきた。
('A`)「あぁ、ちょっとしぃに買い物頼まれてな」
門番B「そうか。なら入りな!! あんたなら顔パスで大丈夫だ!」
片方の門番が内側に合図をすると、ドクオの前の門が開いた。
- 136 名前:第5話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 15:25:51.10 ID:8Mx01AeYO
-
村人A「あっ、ドクオだ!!」
村人B「ママ〜、ドクオの兄ちゃんだよ〜!」
('A`)(……どうやら、神の使い扱いからは解放されたらしいな)
村人にチラチラ見られつつも、ドクオはしぃに渡された村の地図を見ながら歩いていた。
('A`)(なんというか……絵心が無いというか、しぃの書いた地図はわかりにくいな)
ドクオは心の中でそう思っているうちに、いつの間にか迷子になっていた。
- 137 名前:北海道でっかいどう ◆Ishikaries :2007/10/22(月) 15:26:47.29 ID:/QuXhovm0
-
- 138 名前:第5話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 15:28:55.29 ID:8Mx01AeYO
-
(;'A`)「思ったより広い村だな……」
と、そこへ突然、誰かがドクオに声をかけてきた。
( ><)「あ、ドクオさん」
('A`)「あ、あんたは昨日の」
ドクオの前にいたのは、昨日ドクオ達を御輿で迎えに来た少年だった。
( ><)「ビロ―ドです。それはそうと、どうかなさいました?」
('A`)「あぁ、恥ずかしい話だが……迷子になっちやったんだな、これが」
ドクオが肩をすくめてみせる。
( ><)「……そうですか。
なら、僕が案内しましょう」
ビロ―ドは少し沈黙した後、小さな声でドクオに言った。
('A`)「おっ、助かるわ。ありがとう!」
ドクオはビロ―ドの様子をあまり気にせず、彼に礼を述べた。
- 139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 15:33:54.32 ID:SvcUQNva0
- 支援
- 140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 15:36:22.82 ID:Ic2Sv1T90
- 支援
- 141 名前:第5話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 15:43:24.28 ID:8Mx01AeYO
-
乾いた金属音が、ひっきりなしに鳴り響く。
ξ゚听)ξ「へぇ……あんたが噂の……」
鍛冶屋の店先で受付をしていた巻き毛の少女が、ドクオの顔をまじまじと見つめた。
('A`)「……なんだよ」
ξ゚听)ξ「いや、思ったより貧相な顔だなって」
('A`)「悪かったな、貧相で」
ドクオはしかめっ面で答えた。
こういうタイプの女性はドクオが一番苦手なタイプだ。
- 142 名前:第5話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 15:45:53.63 ID:8Mx01AeYO
-
ξ゚听)ξ「で、何の用? 私忙しいんだけど」
( ><)「農耕具を買いに来たようなんです」
ドクオの側にいたビロ―ドが代わって答える。
ξ゚听)ξ「……ハァ?
なに、あんたこの島では鉄が貴重なこと知らないの?」
呆れた顔をしながら、少女は溜め息をついた。
- 143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 15:47:11.24 ID:C7jMt/Yh0
- 支援
- 144 名前:第5話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 15:48:36.24 ID:8Mx01AeYO
-
('A`)「……よく知らないが、別に全部鉄じゃなくてもいいだろ。
先っぽの鍬の部分だけ鉄にして、他は木製にすればいいだろうが」
ξ゚听)ξ「あんたなんかには勿体無い代物だわ」
(;><)「ちょ、ちょっと二人とも落ち着くんです!」
ビロ―ドが二人の間に揺らめく不穏な空気を察して、仲裁に入る。
ξ゚听)ξ「……まぁいいわ。確かそれならあった気がするし。じゃあ、500000ルピーね」
また溜め息をつくと、少女はドクオにそう言い放った。
- 145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 15:49:08.94 ID:tOnySIyPO
- 支援
- 146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 15:50:34.28 ID:21ukwckxO
- 支援
- 147 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 15:50:37.58 ID:8Mx01AeYO
-
('A`)「……あれ、お金足りない……」
(;><)「……ドクオさん、ツンさんが過剰請求してるだけなんです」
ビロ―ドが戸惑うドクオにをフォロ―入れる。
(#'A`)「なっ、テメェ!!」
ξ゚听)ξ「軽い冗談よ。はい、500ルピーになりま〜す」
怒れるドクオを、ツンと呼ばれた少女は軽くあしらった。
- 148 名前:第5話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 15:53:29.88 ID:8Mx01AeYO
-
(#'A`)「ったく、なんだあの女! ビロ―ドがいなかったらどうなってたことやら……」
鍛冶屋から出てきたドクオはイライラしながら言葉を吐き捨てた。
( ><)「ツンさんはああ見えて、本当は優しい人なんです。
彼氏の前では、いつもデレデレしてるんです」
(;'A`)「ゲッ、あんな女に彼氏いるのかよ!?」
ビロ―ドの言葉に驚愕するドクオ。
しかし、生まれてこのかた彼女ができたことが無い自分が言えたことではないと悟ると、急にドクオは元気が無くなった。
('A`)「ウツダシノウ……」
( ><)「そう言えば、まだどこか行くんですか?」
ドクオと共に歩きながら、ビロ―ドが聞いた。
- 149 名前:第5話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 15:56:48.26 ID:8Mx01AeYO
-
('A`)「あ、そう言えば品卸しする八百屋に挨拶しとけって、しぃに言われてたっけな」
ドクオが急に思い出したように呟いた。
( ><)「それならク―さんのところなんです。
因みに、さっきのツンさん、これから会うク―さん、ドクオさんとこのしぃさんは村の3大美少女って呼ばれてるんですよ」
ビロ―ドがそう言って、ドクオを先導した。
('A`)「へぇ……まぁ、しぃもそうだけど、さっきの奴も黙ってりゃそれなりに美人だったからな。そいつは楽しみだ」
- 150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 15:59:25.95 ID:9E7UAAP8O
- 久し振りにやってます。ふるってご参加下さい
数を1兆まで数えるスレpart000000000000000000000000000295
http://wwwww.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1193035830/
- 151 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 15:59:33.71 ID:tOnySIyPO
- 支援
- 152 名前:第5話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 15:59:57.36 ID:8Mx01AeYO
-
ビロ―ドと一緒に商店街に入ると、ドクオの目前に大きなキャベツの看板が現れた。
( ><)「ク―さ―ん!」
ビロ―ドが店先で叫んだ。
川 ゚ -゚)「はいよ……やぁ、ビロ―ドじゃないか」
店の奥から、長身でスレンダーな女性が現れた。
川 ゚ -゚)「隣りのキミは……ドクオくんだっけ?
私は素直ク―ル、皆からはク―と呼ばれている」
('A`)「ドクオでいいよ。宜しくな」
2人は互いに会釈した。
- 153 名前:第5話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 16:02:22.31 ID:8Mx01AeYO
-
川 ゚ ー゚)「……ドクオ、話はしぃから聞いている。これからそっちで出来上がった野菜達は、ウチが独占して売りさばくことになる。
農耕とかそれ以外でも、何かわからないことがあったら聞きにくるといい」
ク―はそう言うとドクオに微笑みかけた。
( ><)「ク―さんは嘘はつけない素直な性格なんです。
だから村の人達もク―さん目当てにしょっちゅうこの店に来るんです」
- 154 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 16:03:18.46 ID:SvcUQNva0
- 私怨
- 155 名前:第5話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 16:05:09.46 ID:8Mx01AeYO
-
ビロードがそう言ったのを聞いてドクオが店を見渡すと、なる程、小さな店なのに老若男女問わず様々な人達で賑わっている。
('A`)「あぁ、ありがとう、そうするよ。あ、このリンゴ頂戴」
ドクオがク―に礼を述べると、ワゴンに山盛りにされたリンゴを指差した。
川゚ -゚)「うぃ、30ルピーだ」
- 156 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 16:07:50.70 ID:tOnySIyPO
- 支援
- 157 名前:第5話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 16:08:07.31 ID:8Mx01AeYO
-
('A`)「はいよ」
川 ゚ -゚)「まいどあり」
手慣れた手つきでク―が会計を済ますと、受け取ったリンゴをドクオはビロードに渡した。
('A`)「ほい。今日は道案内ありがとな。これはお礼だ」
- 158 名前:第5話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 16:10:13.79 ID:8Mx01AeYO
-
ドクオの思わぬ行動にビロ―ドが動揺した。
(;><)「えっ……? い、いいんです、いらないんですっ!!」
川 ゚ -゚)「……素直に受け取っておけ、ビロ―ド」
断ろうとするビロードをク―がなだめた。
(;><)「で、でも……」
('A`)「あんまり気にすんなよ、たかがリンゴ1個くらいで。
………とりあえず、しぃが待ってるからそろそろ帰るわ」
- 159 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 16:12:13.33 ID:Mw2EclYf0
- しえん
- 160 名前:第5話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 16:13:54.99 ID:8Mx01AeYO
-
ドクオが農耕具の入ったリュックを背負い直して立ち上がった。
川 ゚ -゚)「見送ろうか?」
('A`)「いいよ、さっきビロードに教えてもらったから。」
ク―がさり気なくビロ―ドを見てみると、ビロ―ドは小刻みに震えていた。
('A`)「じゃあな」
川 ゚ -゚)「あぁ、また来るといい」
( ><)「……」
ドクオはク―達に別れを告げると、村の出口へと向かっていった。
- 161 名前:第5話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 16:15:38.79 ID:8Mx01AeYO
-
川 ゚ -゚)「案外いい奴じゃないか」
ク―がビロ―ドの肩をポンと叩く。
( ><)「……」
小刻みに震えていたビロ―ドの体が止まった。
( ><)「僕はまだ、認めてないんです」
川 ゚ -゚)「そんなにしぃを盗られたことが気にくわないか?」
( ´_ゝ`)「おいおい、あんまりビロ―ドの心を逆撫でしてやんなよ」
ク―とビロ―ドが店先で立ち尽くしいると、突然背の高い男が入ってきた。
- 162 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 16:15:55.57 ID:tOnySIyPO
- 支援
- 163 名前:第5話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 16:17:33.09 ID:8Mx01AeYO
-
川 ゚ -゚)「兄者……キミはまた仕事をサボってるのかね?」
ク―が呆れた顔をしている。
( ´_ゝ`)「ちげーよ、サボってたのはビロ―ドの方だ。
昼休み終わっても帰ってこないから、俺が探しに来たんだよ」
兄者がそう言うと、ビロ―ドが呟いた。
( ><)「知りたかったんです、あの人がどんな人か」
- 164 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 16:20:02.75 ID:m2SfLvLE0
- しえん
- 165 名前:第5話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 16:20:04.67 ID:8Mx01AeYO
-
ビロ―ドは持っているリンゴを、じっと見つめていた。
( ><)「確かに悪い人じゃ無いんです。実際話してみると、優しくていい人なんです。
……けど、しぃさんを任すには、モララー親方と違ってちょっと頼りないんです」
川 ゚ -゚)「……」
ビロ―ドはそう言うと、リンゴを元にあったワゴンに戻した。
- 166 名前:第5話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 16:23:27.28 ID:8Mx01AeYO
-
( ´_ゝ`)「そりゃあな、お前がしぃのこと好きなのは当の本人以外みんな知ってるが、それはお前の単なるエゴだ」
川 ゚ -゚)「兄者、デリカシ―が無いぞ」
( ´_ゝ`)「お前に言われる筋合いは無い」
むぅ、と言ってク―は黙り込んだ。
( ´_ゝ`)「神のお告げだろうがなんだろうが、しぃは自分の意志で、あっちで頑張ってるんだ。
それでお前がうじうじしててどうする。」
( ><)「……」
( ´_ゝ`)「それに、彼なら大丈夫だろう。
昨日の村長での家で、しぃの為にあんなに頑張っていたじゃないか。
- 167 名前:第5話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 16:25:57.80 ID:8Mx01AeYO
- >>166 訂正
( ´_ゝ`)「そりゃあな、お前がしぃのこと好きなのは当の本人以外みんな知ってるが、それはお前の単なるエゴだ」
川 ゚ -゚)「兄者、デリカシ―が無いぞ」
( ´_ゝ`)「お前に言われる筋合いは無い」
むぅ、と言ってク―は黙り込んだ。
( ´_ゝ`)「神のお告げだろうがなんだろうが、しぃは自分の意志で、あっちで頑張ってるんだ。
それでお前がうじうじしててどうする。」
( ><)「……」
( ´_ゝ`)「それに、彼なら大丈夫だろう。昨日の村長での家で、しぃの為にあんなに頑張っていたじゃないか。
彼なら、きっとしぃを守ってくれるさ」
- 168 名前:第5話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 16:28:44.84 ID:8Mx01AeYO
-
( ><)「……わかんないんです。
それより兄者さん、早く帰らないと親方が」
( ・∀・)「呼んだか?」
(;´_ゝ`)「ひぃ!?」
兄者の後ろからモララーが現れた。
川 ゚ -゚)「あ、親方、こんにちは」
( ・∀・)「よぉ、ク―。ウチのモンが世話になったな」
モララーはク―に挨拶すると、指をパキパキ鳴らし始めた。
- 169 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 16:35:38.94 ID:bn08SdooO
- 紫煙
- 170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 16:37:01.39 ID:pKSEfT150
- 支援
- 171 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 16:39:12.25 ID:pKSEfT150
- >>86
('A`)「んぁ……別にいいけど……
て言うか、別にしぃは嘘ついてないが、俺は本当にそんな大した奴じゃない。それなのに神だ、とかで敬ったりするのは止めてくれ」
ドクオが困った顔をしながら言った。
J(、'ー`)し「うむ……確かに、まだそなたは神の使いとしてまだ本当の力を発しきれないようじゃな。
端からみたらただの貧相な少年だし、ここは一つ望みを聞いてやろう」
じゃなくて
('A`)「んぁ……別にいいけど……
て言うか、別にしぃは嘘ついてないが、俺は本当にそんな大した奴じゃない。それなのに神だ、とかで敬ったりするのは止めてくれ」
ドクオが困った顔をしながら言った。
J(、'ー`)し「うむ……確かに、まだそなたは神の使いとしてまだ本当の力を発しきれないようじゃな。
端からみたらただの貧相な少年だし、ここは一つ望みを聞いてやろう」
ってやった方が見やすいよって事
あんまり大きな事じゃないからヌルーしてもかまわないと思うけどね
- 172 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 16:42:32.69 ID:o2Dequ92O
- まだ?
- 173 名前:第5話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 16:42:49.64 ID:8Mx01AeYO
-
(#・∀・)「で、ビロ―ドを見つけたら速攻連れ戻して来いって言ったのに、何こんなところで油売ってるんだ、兄者?」
(;´_ゝ`)(ギクッ)
川 ゚ -゚)「兄者……(せっかく良いこと言ってると見直していたら、やはりそういうったけか)」
(#・∀・)「龍虎乱舞!」
(#)_ゝ`)「1HIT! 2HIT! 3HIT! 4HIT! 5HIT! 6HIT!」
( ・∀・)「オラオラオラオラ!!」
川 ゚ -゚)「親方、それこそ時間の無駄です」
- 174 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 16:43:48.94 ID:tOnySIyPO
- 支援
- 175 名前:第5話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 16:45:38.33 ID:8Mx01AeYO
-
( ・∀・)「ったく、手間ぁかけさせやがって」
(#)_ゝ(#)「何で俺は殴ってビロ―ドは殴らないんですか……」
川 ゚ -゚)「日頃の行いの差だ」
顔に瘤ができた兄者に、ク―は相変わらず呆れ顔をしていた。
( ・∀・)「ビロ―ド、テメェもだ。何があったにしろ、無断で仕事サボったんだ。今日は夕飯抜きだ」
( ><)「わかったんです」
モララーはそう言うと、クーに別れを告げビロ―ドと兄者を引き連れ帰っていった。
- 176 名前:第5話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 16:47:45.69 ID:8Mx01AeYO
-
川 ゚ -゚)「……さぁて、そろそろ店を閉めようか」
1人残されたク―が空を見上げると、大分陽も傾いてきていたので、ガラガラと音をたてながら店のシャッターを下ろしたのだった。
川 ゚ -゚)「閉店、ガラガラ」
〜その頃のドクオ〜
('A`)「ただいま〜」
(*゚ー゚)「お帰り〜、遅かったね」
しぃがドクオを玄関で迎え、荷物を受け取った。
- 177 名前:第5話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 16:49:27.65 ID:8Mx01AeYO
-
(*゚ー゚)「ひぃふぅみぃ……」
('A`)「ん、どうした?」
何かを数えているしぃに気がついたドクオは、しぃに話しかけた。
(*゚ー゚)「お金が30ルピー足りない……」
ドクオはギクリと冷や汗を垂らした。
(;'A`)「あ、いや……ちょっと途中でリンゴ買って……」
その言葉を聞いた瞬間、しぃの全身から闘気が発せられた。
- 178 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 16:50:16.67 ID:tOnySIyPO
- 支援
- 179 名前:第5話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 16:52:53.01 ID:8Mx01AeYO
-
(* − )「ドクオ、お金の大事さ、わかるよね?」
(;'A`)「は、はいはい!わかります!わかります!すみません本当にすみません」
(#゚ー゚)「問答無用!」
しぃが手に持っていたタオルを構えた。
(#゚ー゚)「モララー師匠直伝!! ミストファイナ―!!」
(;'A`)「痛イ! それ意外と痛イ!」
しぃが手首のスナップをきかせて、ドクオめがけてタオルをピシピシと当ててきた。
(#゚ー゚)「30ルピーでコイン3枚だからLv3!!」
シュババババババ
(;'A`)「ぶるあぁぁぁぁっ!!」
村の人達の思いなどつゆ知らず、その夜ドクオの悲鳴が山々へこだましたとさ。
〜第6話へ続く〜
- 180 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 16:56:37.06 ID:Y/JHSpMIO
- しぃ豹変しすぎwwwwww
- 181 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 16:56:57.19 ID:8Mx01AeYO
- 正直辛くなってきたww
第1話>>3
第2話>>31
第3話>>54
第4話>>88
第5話>>129
第6話いきます
- 182 名前:北海道でっかいどう ◆Ishikaries :2007/10/22(月) 16:58:00.32 ID:/QuXhovm0
-
- 183 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 16:59:31.09 ID:Mw2EclYf0
- 作者さんずいぶん頑張ってるなw
しえん
- 184 名前:第6話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 17:00:55.56 ID:8Mx01AeYO
- (*゚ー゚)「ドクオ〜、朝だよ〜!」
部屋の扉の前で、しぃがノックをしていた。
(-A`)「むにゃ……もう朝か……」
扉を開ける音と共に、ドクオは眠そうに声を出した。
(*゚ー゚)「はい、じゃあここに着替え置いてお……」
しぃがドクオの足元に折りたたんだ服を置こうとすると、ドクオの寝ている布団の一角に目が行った。
(* ー )「あ……」
(*////)
('A`)「お、しぃ、おはよう。どうかしたか?」
何か様子がおかしいしぃを見て、ドクオは声をかけた。
(;////)「なっ、何でもないっ!」
顔を真っ赤にして慌てて出ていくしぃを不審に思い、ドクオが布団の上に視線を移すと……
ドクオの股間の部分が、大きく盛り上がっていた。
- 185 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 17:01:43.69 ID:SvcUQNva0
- いきなりえろくなったwwwwwww
私怨
- 186 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 17:02:27.53 ID:UXMcHUS20
- sien
- 187 名前:第6話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 17:02:33.92 ID:8Mx01AeYO
-
('A`)は地図に無い島へ行くようです・第6話
- 188 名前:第6話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 17:03:49.03 ID:8Mx01AeYO
-
――朝も早よから息子さんが メイド屋さんに声かけて 元気に挨拶したけれど メイド屋さん驚いて逃げちゃった〜よ――
('A`)「ドクオ、心の一句」
今朝も椅子に座りながら、ドクオはしぃが料理を作る姿を眺めていた。
この生活にも大分馴れてきた。
この島では電気というものがまだ発明されて無いらしく、太陽が昇ると同時に起き、日が沈むと就寝するという。
しぃから貰ったこの島に関する歴史書を読んでみると、この島にも四季があるようで、夏になれば日照時間と同様に人間の活動時間も長くなり、冬には短くなるらしい。
('A`)「わかりやすい人達だな」
ドクオが溜め息をつくと、しぃが朝食を持ってきた。
(*゚ー゚)「はい、今日の朝食!」
はりきった様子のしぃが、朝食が盛られた皿をテーブルに並べた。
- 189 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 17:05:14.97 ID:tOnySIyPO
- 支援
- 190 名前:第6話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 17:06:31.34 ID:8Mx01AeYO
-
(*////)「あの……」
2人で朝食をとっていると、妙によそよそしい態度のしぃがドクオに話しかける。
(*////)「えぇと、その……」
('A`)「……男の生理現象」
(;////)「ブッ!!」
しぃが一旦気を取り直して牛乳を飲もうとした時を見計らって、ドクオがボソリと呟くと、案の定盛大に噴き出した。
(;'A`)「……なんかごめん」
- 191 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 17:09:12.19 ID:Y/JHSpMIO
- ドwwwwwクwwwオwwww
- 192 名前:第6話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 17:10:47.85 ID:8Mx01AeYO
-
(;゚ー゚)「あぁっ! ごめんなさい!」
しぃの噴いた牛乳まみれになったドクオを見て、しぃが謝った。
(;////)「そ、その、今度からはドクオが返事するまで入らないから!」
しぃがドクオの服を拭きながら約束した。
('A`)(……てゆうか、メイドさんに朝立ち見られ、それを恥ずかしがっている彼女に俺の体をフキフキさせてるこの状況……)
(*'A`)「もしかしなくてもフラグ立t」
(*゚ー゚)「あれ、なんか一瞬邪気がしたような?」
(;'A`)「えっ!? い、いや、気のせいだろ!!」
ドクオがニヤけていた顔を必死に取り繕った。
(*゚ -゚)「ふーん……?」
- 193 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 17:11:04.25 ID:tOnySIyPO
- 支援
- 194 名前:北海道でっかいどう ◆Ishikaries :2007/10/22(月) 17:12:05.42 ID:/QuXhovm0
- wwwww
- 195 名前:第6話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 17:12:20.12 ID:8Mx01AeYO
-
太陽が登ってしばらく経った、いわゆる午前中に、畑に野菜の収穫・種まきをする。
(*゚ー゚)「ふぃ〜、今日もいっぱい採れたね〜♪」
メイド服からうってかわって、Tシャツにオーバーオールとしぃが歓声をあげた。
薄く赤みのかかったシルバーでハーフロングの髪を揺らし、汗が飛び散る。
(*'A`)「……ほぁ〜」
(#゚ー゚)「ちょっとドクオ、何呆けてるの?」
(;'A`)「あ、いや、何でもない」
しぃに見入っていたドクオが、彼女の怒った声に我に帰った。
(;'A`)(もう抜刀奥義の餌食になるのは御免だぜ……)
- 196 名前:北海道でっかいどう ◆Ishikaries :2007/10/22(月) 17:12:40.41 ID:/QuXhovm0
- ドクオwwwwww
- 197 名前:第6話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 17:14:21.97 ID:8Mx01AeYO
-
それはさておき、何故かここの島は野菜が熟れるスピードが異常に速い。
('A`)「トマトが30、レタスが20、キュウリと茄子が15本……」
(*゚ー゚)「色や形が不揃いだけど、だいたい3000ルピーくらいにはなるかな……」
普通なら数ヶ月製作にかかる野菜が、たった1日2日でできるのはドクオには異様な光景だった。
先程取り上げたしぃの本にも、通常なら土地を休ませたりして一年かかる稲作が、たったの一週間でできると示されていた。
この土地に何か特殊な成分が入っているのか、はたまた品種改良した野菜なのか。どっちにしろこの島では当たり前のことのようだ。
- 198 名前:第6話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 17:16:26.19 ID:8Mx01AeYO
-
('A`)「3000ルピーか……」
(*゚ー゚)「お願いね、ドクオ♪」
やれやれ、といった顔のドクオは野菜が積まれた荷車を捕むと、ゆっくりと荷車を押していった。
ここからは力仕事、男・ドクオの出番だ。
屋敷の農場で採った野菜達を台車に載せ、坂道を下ってク―の待つ村の八百屋まで運ぶのだ。
('A`)「案外、上り坂より下り坂の方が辛いんだよな……」
ドクオはしっかりとした足取りで、台車のスピードを殺しながら坂を下っていく。
- 199 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 17:17:02.33 ID:tOnySIyPO
- 支援
- 200 名前:第6話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 17:18:21.40 ID:8Mx01AeYO
-
(^o^)/「やぁ、ドクオくん。これから出荷かい?」
('A`)「あ、オワタさん、こんにちは」
途中、ドクオは2頭の馬を引き連れたオワタと出会った。
ドクオ達の屋敷から坂道を少し下り、途中で曲がるとオワタが営む牧場がある。
オワタ牧場は多数の牛馬を抱えており、この島の土地をしてもすぐに牧草が食べ尽くされてしまう為、牧草を求めて広いドクオ達の屋敷の土地に、毎日牛馬を連れてやってくる。
(^o^)「若いのに精がd」
=#)o^)「ゴフッ」
◎
ティウンティウンティウン
馬の跳び蹴りをくらい、オワタは消えてなくなった。
('A`)「……さぁて、行こう」
- 201 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 17:19:35.31 ID:C7jMt/Yh0
- 若いのにwwww精がwwww出ますねぇwwww
- 202 名前:第6話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 17:21:45.73 ID:8Mx01AeYO
-
門番A「おっ、ドクオの旦那、今日もお疲れさん」
門番B「今日はなかなかの量だなぁ」
('A`)「うぃーっす」
村の前に着くと、ドクオはいつもの門番コンビに出迎えを受けた。
やがて、村の中を進んで行き、いつもの八百屋の前に着く。
川 ゚ -゚)「やぁ、今日もお疲れ様」
('A`)「おぅ、今日もたんまり持ってきたぞ」
大きく深呼吸すると、ドクオは荷台から野菜を下ろした。
川 ゚ -゚)「ふむ……ふむ……よし、2500ルピーだ」
- 203 名前:第6話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 17:23:35.67 ID:8Mx01AeYO
-
Σ(;'A`)「ええっ!? ちょ、待ってくれ!!」
ドクオが通行人の目もくれず、大きな声で叫ぶのも無理は無い。
ドクオは絶対、しぃから承った金額で野菜を売らなければならない。
(;A;)「そうじゃないと俺がしぃに小突かれるの知ってるだろ!?」
「ママ〜、見て〜! またドクオ兄ちゃんがク―姉ちゃんに泣きすがってるよ〜〜」
「しっ! 坊や、大人の世界は大変なのよ!」
(;A;)「なぁ、頼むよ〜〜!」
必死に追いすがるドクオに対して、ク―が小さく溜め息をついた。
- 204 名前:第6話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 17:27:11.80 ID:8Mx01AeYO
-
川;゚ -゚)「はぁ……キミも仕方のない人間だな。
しょうがない、今回は特別だ」
そう言うとク―は心が折れたのか、ドクオに紙幣を3枚渡した。
因みに、この島の通貨は全て紙幣で支払われる。
先日ツンが「鉄は貴重」と言っていたが、この島では鉱物の産出量があまり豊富で無く、鉱物は貴重品として扱われる。
この島の通貨は「ルピー」だが、某三角伝説のように草を刈っても鉱物は出てこない為、この島特有の地形からとれる豊富な植物で作られる、紙幣が採用されているのだ。(しぃの歴史書から引用)
- 205 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 17:29:36.08 ID:+RSow5T90
- 支援
- 206 名前:第6話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 17:30:59.40 ID:8Mx01AeYO
-
(;A;)「スマン、恩にきる!!」
ドクオは3枚の1000ルピー紙幣を受け取ると、当初崇められていた側だっ事も忘れ、地に頭をつけてク―に土下座した。
川 ゚ -゚)「まぁ、キミんところの野菜は他と比べて活きがいいからな。気にするな。
やはりトウハト草原周辺は土地の環境がかなり良いようだ……」
ドクオの顔を上げさせると、ク―は小さく微笑んでみせた。
川 ゚ ー゚)「ま、これからも美味しい野菜を沢山入れてくれよ」
- 207 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 17:31:22.70 ID:g163wuUdO
- 大ルピー×3か
- 208 名前:第6話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 17:33:28.07 ID:8Mx01AeYO
-
('A`)「ちわー!」
ドクオは騒々しい村工場に入ると、大きな声で挨拶をした。
Ω<おっ、ドクオさんウーッス!
職場で働いていた男達が一斉に声を出す。
(*´_ゝ`)「おおっ、ドクちゃんいらっしゃい! 今日は何かな?」
('A`)「そのドクちゃんての止めてください」
真っ先にドクオに駆け寄ってきた兄者が、ドクオの持っている箱を覗き込んだ。
('A`)「しぃが手間暇かけて(実際そんなかかってないが)作ったスイカだ。みんなで分けて味わって食べてくれ」
- 209 名前:第6話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 17:35:38.89 ID:8Mx01AeYO
- (*><)「凄い、しぃさんが作ったんですか!?」
屋敷の農園とは別に、しぃが今まで世話になったモララー一家の為に毎日果物を作っている。それを、八百屋へ荷下ろしに来た時たま、こうやって村工場にまできて配っているのだ。
( ・∀・)「おぅ、ドクオか。ご苦労さん。
しぃは元気にしているか?」
上の階からモララーが降りてきた。
('A`)「はい、元気過ぎて困ってるほどです」
実際、もうちょっと大人しければなぁ、とドクオは心の中で溜め息をついた。
- 210 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 17:37:19.77 ID:n4OjwsJS0
- しえん
- 211 名前:第6話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 17:37:37.97 ID:8Mx01AeYO
-
(;・∀・)「あれ、俺の分は?」
(;><)「兄者さんがほとんど食べちゃったんです」
(;'A`)(ビクッ)
(;'A`)「そ、それじゃあ俺はこの辺で……」
不穏な空気を感じ、ドクオはその場を立ち去ろうとした。
( ><)「あっ、待ってくださいなんです」
ドクオが去ろうとした所、何故かビロ―ドがドクオを呼び止めた。
(;'A`)「は?」
( ><)「帰る前にツンさんのところに寄ってあげて欲しいんです」
( ∀ )「テメェ……いい度胸してるじゃねぇか……」
ドクオとビロ―ドの後ろでは、モララーと兄者が対峙していた。
- 212 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 17:43:35.94 ID:UXMcHUS20
- 支援って打とうとしたら死ねって出たよ 支援
- 213 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 17:44:41.31 ID:n4OjwsJS0
- しえん
- 214 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 17:50:27.71 ID:C7jMt/Yh0
- またさるったって言うんですかァーッ!?
- 215 名前:さるった ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 17:51:54.96 ID:8Mx01AeYO
-
(;´_ゝ`)「た……、例え親方でも、食に関しては譲れないです!!」
(#・∀・)「上等だコラ! 今度という今度はフルボッコにしてやんよ!!」
('A`)「え〜、やだよ。俺アイツ嫌いだもん」
(#・∀・)「ホクトゥ! ヒャクレツケン!!」
( ><)「そこを何とか…! 最近、彼氏が遊びに来なくて退屈そうなんで、話し相手にだけなってあげて欲しいんです!」
(#・∀・)=つ≡つ)_ゝ`)
「ホワタタタ!!」
('A`)「ちっ、しゃあねぇなぁ……ビロ―ドの頼みでもあるし、行ってやんよ」
(#)_ゝ`)「ふっ、その程度の拳、この体n」
( ><)「ありがとうなんです!!」
( ・∀・)「お前はもう、死んでいる」
- 216 名前:第6話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 17:55:20.13 ID:8Mx01AeYO
- うわらば、という何かの音には気にもとめず、ドクオは村工場を出てすぐ近くの鍛冶屋へやってきた。
('A`)「ちーす」
ξ゚听)ξ
ξ( ゚ ゚ )ξ
('A`)「こっち見んなwww」
ドクオの声を聞き、ツンが入り口の方へ振り返った。
ξ゚听)ξ「……何の用よ?」
('A`)「いや、別に何も」
ξ゚听)ξ「帰れ」
('A`)「ハイワカリマシタ」
ツンに即答され、ドクオは素直に従って扉から出ていこうとする。
- 217 名前:第6話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 17:58:47.91 ID:8Mx01AeYO
- ξ;゚听)ξ「ちょ、冗談よ!? 何本気にしてんのよ、全く……」
ドクオ振り返ると、ツンが動揺しながら何か小声でブツブツと呟いていた。
('A`)(なんだこの女……)
ドクオが溜め息をつき、ツンに話しかける。
('A`)「そう言えば最近、彼氏と『ご無沙汰』みたいだな」
ξ;゚听)ξ「ブッ」
ツンは飲んでいた紅茶を吹き出した。
ξ;゚听)ξ「ちょ、ちょっと誰から聞いたのその話!? あ、もしかしてお世話焼のビロード!?」
('A`)「あ……いや、兄者からだ」
実際、情報はビロードからだが、何となくポジション的に兄者にしといた方がよさそうであった。
ξ#゚听)ξ「アイツ今度会ったらブッ殺ス」
('A`)(予想的中)
ドクオは何となく、ホッとして胸を撫でおろした。
- 218 名前:第6話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 18:02:04.25 ID:8Mx01AeYO
-
ξ゚听)ξ「……まぁね、私の彼、ちょっと傭兵の仕事しててね、各地を転々としているの」
ツンは溜め息をすると、静かに語り始めた。
ξ゚听)ξ「そいつは、ココとは違う故郷で一緒に育った幼なじみで、1年前告白されて付き合い始めたのよ」
('A`)(それなんてエロゲ?)
ドクオは心の中でぼそりと呟いた。
ξ゚听)ξ「それがねぇ、最近また転勤したって聞いてから音沙汰無しなのよ。まぁアイツなら大丈夫だろうけど……
全く、心配するこっちの身にもなってよね、昔からアイツはこうなんだから……」
('A`)「……」
- 219 名前:第6話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 18:04:50.30 ID:8Mx01AeYO
-
その後、ドクオが長々とツンの愚痴を聞いていると、気づけばいつの間にか日が暮れ始めていた。
ξ;゚听)ξ「あ、いけない! もうこんな時間!?」
窓の外をを見たツンが、急に我に返った。
ξ゚听)ξ「ごめんなさいね、こんな時間にまで留まらせちゃって」
('A`)「まぁ、いいってことよ」
ドクオがゆっくり腰を上げるのを見ると、何を思ったのかツンはドクオに話しかけた。
ξ゚听)ξ「……そうね、話し相手になってくれたお礼に、これあげるわ」
ツンが店の奥から何かを取り出してくると、それをドクオに手渡した。
- 220 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 18:06:56.40 ID:n4OjwsJS0
- しえしえ
- 221 名前:第6話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 18:08:11.73 ID:8Mx01AeYO
-
('A`)「か〜〜わい〜い仔牛〜売られてい〜く〜よ〜〜」
(#゚ー゚)「あーっ、ドクオ!」
呑気に鼻歌を歌いながら暗い夜道を登ってくるドクオを見て、心配したのかしぃが迎えに来た。
(#゚ー゚)「もうっ、あれほど寄り道するなって言ったのに〜〜!」
('A`)「あ、そうだ、これ」
怒っているしぃを尻目に、ドクオは懐から何かを取り出した。
('A`)「やるよ」
(;゚ー゚)「え、何?」
ドクオはしぃに無理矢理それを手渡すと、再び台車を引きながら歩き出した。
('A`)「ドナドナド〜ナ〜」
- 222 名前:第6話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 18:10:31.29 ID:8Mx01AeYO
-
(*゚ー゚)「え……これ、ペンダント?」
しぃがドクオに渡された物を見てみると、煌めくプラチナのペンダントであった。
('A`)「ツンから貰ったんだ、今度礼言っとけよ〜〜」
既に遠くを歩いていたドクオが、しぃに向かって叫んでいる。
(;゚ー゚)「ちょ、待ってよ〜〜!!」
しぃは慌てながら、スカートを翻してドクオを追いかけていったのだった。
〜第7話へ続く〜
- 223 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 18:11:05.62 ID:iaZ2LG5r0
- お粗末でした
- 224 名前:第6話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 18:13:43.38 ID:8Mx01AeYO
- まだだ、まだ終わらんよ
第1話>>3
第2話>>31
第3話>>54
第4話>>88
第5話>>129
第6話>>184
第7話投下開始
- 225 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 18:14:27.54 ID:X7/VFzMH0
- 凄い長時間投下だ、支援
- 226 名前:第7話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 18:18:18.32 ID:8Mx01AeYO
-
('A`)「トマトが30、レタスが20、キュウリと茄子が15本……」
(*゚ー゚)「色や形が不揃いだけど、だいたい3000ルピーくらいにはなるかな……」
大体、こんな物だろう。
少々厳しい額かもしれないが、そこはドクオに頑張って貰ってクーを説得させればいい。
('A`)「3000ルピーか……」
(*゚ー゚)「お願いね、ドクオ♪」
明るい笑顔でドクオを見送ると、しぃは屋敷の中へと入って行った。
- 227 名前:第7話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 18:19:08.04 ID:8Mx01AeYO
-
('A`)は地図に無い島へ行くようです・第7話
- 228 名前:第7話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 18:22:02.88 ID:8Mx01AeYO
-
〜ドクオが泣きながらクーに土下座している頃〜
(*゚ー゚)「ふぅ、こんなものかな?」
メイド服に着替え直し、テラスに出て洗濯物を干していたしぃは一呼吸入れた。
ドクオが野菜を背負って村に行っている間、しぃは屋敷で雑務をしている。
(*゚ー゚)「とりあえず洗濯物終わったから、掃除に取りかかろっと」
そうすると、しぃはチリトリと竹箒を手に取り、外に出た。
――何故外から掃除を始めるか――
(^o^)/「やぁ、しぃちゃんこんにちは」
――この時間に、ちょうどオワタが来るからである。
- 229 名前:第7話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 18:24:37.61 ID:8Mx01AeYO
-
(*゚ー゚)「あ、オワタさんこんにちは」
しぃが明るく挨拶すると、オワタは馬の手綱を離した。
(^o^)「いやぁ、参ったよ。途中でドクオ君と会った時、馬に蹴られて残機減っちゃってね」
(*゚ー゚)「大変ですね。
あ、そうそう、今日頼めますか?」
落ち葉を箒で集めながら話しているしぃが、何か思い出したようにオワタに話しかける。
\(^o^)/「あ、わかったよ! じゃあやってくるね♪」
そう言うとオワタは、颯爽と屋敷の中へ入っていった。
- 230 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 18:25:09.75 ID:2FfKICZr0
- 頑張るな……支援。
- 231 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 18:27:16.41 ID:tOnySIyPO
- 応援してるぜ支援
- 232 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 18:27:36.03 ID:2FfKICZr0
- しえん
- 233 名前:第7話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 18:27:41.39 ID:8Mx01AeYO
-
\(^o^)/「さて、いっちょやりますか!」
――オワタは、自分の牧場から家畜を連れてきて、ドクオ達の屋敷の土地で前の牧草を分けて貰っているお礼に、屋敷のトイレの汲みとりをしている。
(^o^)「しぃちゃんちは最新鋭の水洗式なんだよなぁ、いいなぁ……
」
――勿論、この島には下水道など無いため、トイレはいわゆる「ぼっとん便所」になっている。
(^o^)「マスクと袋を手に取って、いざ出じn」
――因みに、トイレから汲み出した汚物は作物を育てる肥料として、この島では一般販売されている。オワタもお礼と同時に、それ目当てでこの仕事を受け負っていた。
(^o^)「あ、足滑った」
ヒューッ
\(^o^)/「あ〜れ〜」
ビチャッ
◎<ティウンティウンティウン
- 234 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 18:30:36.74 ID:UXMcHUS20
- 所謂支援
- 235 名前:第7話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 18:31:04.01 ID:8Mx01AeYO
-
(*゚ー゚)「さて、そろそろ終いにしますか!」
日が暮れかかった頃、昼間から続いてた屋敷の掃除をしぃはようやく終えた。
1階には、玄関、トイレ、居間、キッチン、風呂、大部屋、物置にしぃの部屋。2階には、ドクオの部屋を含めて部屋が6つ、もう半分はテラスになっている。
それらを全て掃除するのは、しぃには結構な重労働であった。
(*゚ー゚)「よし、あとはドクオが帰って来るまでに、裏の井戸から水を汲んできてお風呂の準備すればOK」
そう言うとしぃは軽く伸びをして、屋敷の裏口へと周っていった。
- 236 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 18:33:16.36 ID:oDo9q9lB0
- 頑張れ支援
- 237 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 18:40:57.50 ID:2FfKICZr0
- 支援
- 238 名前:猿 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 18:44:52.67 ID:8Mx01AeYO
-
柱時計が、鈍い鐘の音を6回鳴らした。
(*゚ー゚)「もうこんな時間か、ドクオ遅いなぁ……」
仕事も終わり、しぃは手持ち無沙汰で暇つぶしに読書をしている。
いつもなら、ドクオは夕方前に帰ってくる筈だが、もうとうに日も落ちているのになかなか帰ってこない。
(;゚ -゚)「……ちょっと心配だな、様子見に行こ……」
そわそわしていて読書に集中できないしぃは、本を閉じて机の上に置くと、早足で部屋を出ていった。
- 239 名前:った ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 18:47:06.27 ID:8Mx01AeYO
-
(*゚ -゚)「まったく、心配するからあんまり寄り道とかしないでよね」
カランカラン、と玄関のベルが鳴り響く。
しぃが屋敷から出ていってすぐに、坂道を登っているドクオを見つけた。
ドクオが話すには、途中で台車の車輪が外れて、修理に手間取っていたのだという。
('A`)(……なんかあつかましい気もするし、話すのマンドクセ)
本来はツンの話し相手になって遅れたドクオだが、あまりとやかく言うとツンが可哀想なので、とりあえずドクオはしぃに嘘をついた。
- 240 名前:第7話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 18:50:54.40 ID:8Mx01AeYO
-
それに今はしぃの関心も、他の物に移っている。
(*゚ー゚)「ねぇ、ドクオ……似合ってるかな?」
しぃに呼ばれてドクオが振替えると、しぃは胸にペンダントをおろしている。
('A`)「……あぁ、良く似合ってる」
メイド服を着たしぃの胸に銀色のアクセントが付いて、あまり派手でなかったしぃのメイド服も、今はそれなりに映えている。
(*^ー^)「そっか、ありがとう。今度ツンちゃんにお礼言っとくね」
しぃはそう言うと、嬉しそうに廊下を小さくスキップしていった。
- 241 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 18:51:00.82 ID:21ukwckxO
- 支援
- 242 名前:第7話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 18:53:27.99 ID:8Mx01AeYO
-
(*゚ー゚)「わかってると思うけど、覗かないでね」
風呂から立ちのぼる湯煙の中で、気持ちよさそうにしぃはくつろいでいる。
('A`)「わぁーってるよ」
風呂場の外から、ドクオの声がした。
(*゚ー゚)「……ドクオ、もうちょっとあっためて」
('A`)「……はいよ」
風呂場の外では、山の夜の冷え込む空気に息を白くしながら、ドクオが風呂窯の炎を大きくしようと必死に息を送り込んでいる。
- 243 名前:第7話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 18:55:55.50 ID:8Mx01AeYO
-
('A`)「まったく……本当にしぃは人使い荒いな」
(*゚ー゚)「なんか言った?」
(;'A`)「!? イエ、ナンデモアリマセン!」
ぼそりと呟いたドクオの言葉が中のしぃに聞こえたようである。
(;'A`)(人使い荒い上に地獄耳……オマケに妙なSっ気があるんだよな)
げんなりとしてドクオは溜め息をつく。
(; ー )「きゃあっ!!」
(;'A`)「どうした!?」
突然、風呂場の中から聞こえたしぃの悲鳴に、ドクオは急いで風呂の窓を開いた。
- 244 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 18:57:22.76 ID:tOnySIyPO
- 支援
- 245 名前:第7話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 18:58:40.91 ID:8Mx01AeYO
-
(;'A`)「……あ………」
(; ー )「ご……ゴキブリ!! ドクオ、ちょっと……」
( ゚−゚)「……って………」
ふと、ドクオとしぃの視線が合った。
(#゚−゚)「ドコ見てんねよ!!」
しぃが頭に乗せていたタオルを手にとり、抜刀ならぬ抜タオル居合いでドクオの顔面を撃ち抜いた。
( A )「サヤカッ!」
しぃの攻撃を受けて吹っ飛んだドクオの顔から、鼻血が吹き出していた。
- 246 名前:第7話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 19:00:18.38 ID:8Mx01AeYO
-
(*゚ー゚)「うむ、我ながら上出来」
夜も遅く、ランプの灯りと燃える暖炉の炎で明るく照らされた居間の卓上で、しぃは夕食を味わっている。
もともと、家族がいなくなった時に自炊はしていたし、モララーのところでも当番で食事の用意をしていたので、しぃは割と料理を得意としていた。
(゚A゚)「……」
(*゚ー゚)「あれ、ドクオ、どうかしたの?」
(;'A`)「あ、いや!? ナンデモゴザラン!」
先程から箸も進めずにボーっとしているドクオを見て、しぃが不思議に思って声をかける。
- 247 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 19:00:42.70 ID:tOnySIyPO
- 支援
- 248 名前:第7話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 19:04:00.79 ID:8Mx01AeYO
-
(*'A`)(生まれて初めて、生のオニャノコの裸を……悶々)
ドクオの脳内では、先程から風呂場で目撃した光景が何度もプレイバックされている。
(*゚A゚)「――絶景かなぁぁぁ! 絶景かなぁぁぁぁ!!」
(;゚ー゚)「?」
割とさっぱりした性格のしぃは、もう先程の件は気にしていなかったので、ドクオの様子がおかしくても夕食のオカズにされているとは夢にも思わなかった。
- 249 名前:第7話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 19:06:34.17 ID:8Mx01AeYO
-
しぃが皿の上に箸を置いた。
(;゚ー゚)「ご馳走様でした。
ふぅ、お腹一杯だよ(満腹的な意味で)」
(*'A`)「俺もお腹一杯だ(性的な意味で)」
ドクオも箸を置くと、いつものようにしぃが洗い物をするために食器を持っていく。
(*゚ー゚)「よいしょっと」
皿を傾け、残り物をキッチンに置かれている専用の袋に流し込む。
残り物を有効活用する為、袋に入れられた食べ物は、オワタのトイレ掃除云々と同じく、農場の肥料などに使われる。この土地の性質上必要無いようにもおもえるが、大地の養分も無限では無い。念には念を、といった趣である。
- 250 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 19:08:02.33 ID:wyppJGVBO
- 作者ガンガレ!
- 251 名前:第7話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 19:09:29.13 ID:8Mx01AeYO
-
(*゚ー゚)「いっちまんねんとにせんねんまえからあっいっしってっる〜〜」
いつものようにしぃは鼻歌をしながら食器を洗い始めた。
(*゚ー゚)「……今日の夕食は、モララー師匠のところでも作ってた奴だけど、我ながらあの頃より腕上がってるなぁ」
窓がガタガタと揺れ始めた。
('A`)「ん……、風が強くなったな」
ドクオがふと窓の外を見ると、木々の枝が大分しなっていた。
('A`)「雲行きも悪いし、こりゃあひと雨来るな……」
ドクオがそう言うと、ソファーから立ち上がってしぃに声をかけた。
- 252 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 19:09:28.46 ID:ReSnQE6JO
- この作者いつまでやってんだろ…
- 253 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 19:10:15.23 ID:tBhiqYxrO
- まだやってんのかw
頑張れ
- 254 名前:第7話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 19:11:35.01 ID:8Mx01AeYO
-
('A`)「おぃ、しい。俺はそろそろ寝るぞ」
( ゚−゚)「……」
しかし、ドクオの声が聞こえ無いのか、しぃは黙って食器を洗い続けている。
('A`)「しぃ?」
(;゚ー゚)「うわっ!? な、何ですか!?」
しぃの近くまでやってきていたドクオのに、突然びっくりしたしぃが大きな声を出した。
(;'A`)「……何そんな驚いてんだよ?
まぁいいや。とりあえず、俺はもう寝るから」
(;゚ー゚)「あ、はい。おやすみなさい」
しぃの様子に微妙な色を顔を浮かべながら、ドクオはキッチンを出ていった。
- 255 名前:第7話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 19:13:55.80 ID:8Mx01AeYO
-
(*゚ー゚)「……はぁ。みんな今、何してるんだろう」
食器を洗い終えると、しぃは椅子にもたれかかった。
いつの間にか雨が振り出し、窓を雨粒が激しく打ち叩く。
(*゚ー゚)「……きっと今頃、お風呂も入り終わってみんなでお酒でも飲んでるんだろうなぁ……」
吹きすさぶ風が地鳴りとなって、屋敷全体を振動させる。
(*゚ー゚)「……そうだ! 明日は休日だから、みんなのところに顔出しにいこう♪」
振り出した雨は止むことは無く、その晩ずっと降り続いていた。
- 256 名前:第7話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 19:15:47.68 ID:8Mx01AeYO
-
〜深夜、ドクオの部屋〜
('A`)「……」
暗い部屋のベッドで、ドクオは横たわっている。
(*'A`)「あの光景が脳裏に焼き付いてて、眠れねぇ……」
ドクオはそう言うと、ベッドから体を起こし、布団の中をもぞもぞと弄り始めた。
('A`)「思えば、この島へ来てもう1ヶ月。色々ごたついていてそんな暇は無かったが……」
突然に1人ナレーションを始め出したドクオ。
(*'A`)「村長の家で自家発電しても、島に来てから未だにプライベートな自家発電はまだ1回もしていない!
おぉ神よ、これは何たるお預け状態!!」
- 257 名前:第7話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 19:18:37.22 ID:8Mx01AeYO
-
(*'A`)「しかしそれも今日で終わりだ!
最近我が息子も耐えきれなくなり、朝起きるといつもいきり立っている。それに今日は記念すべき日だ!!」
そうドクオが小声で叫ぶと、ドクオの脳内で先程の風呂場での事故が再生される。
(*'A`)「いざ!!
お ち ん ち」
ドクオが言いかけたところで、カランカラン、と下の階から音がした。
(*'A`)「ん! ハイパーおちんt……」
(;'A`)「……って何だよ、せっかくこれからって時に。
てゆうか、こんな時間に客が来たのか?」
ドクオは深く溜め息をつくと、ゆっくりとベッドから起き上がった。
- 258 名前:第7話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 19:20:51.49 ID:8Mx01AeYO
-
〜翌朝〜
(*゚ー゚)「ちょっと早く着きすぎちゃった」
メイド服が場違いなしぃが、村の路上にポツンと立っている。
今日は休日なので、クーの店はやっていない。
品物も入荷する必要は無いため、休養もかねてドクオに屋敷の留守を頼み、久しぶりにしぃは村に顔を出しに来ていた。
(*゚ー゚)「でも、この位の時間なら、もしかすると……」
しぃが小包を抱えながらとある店の前に立つと、その扉を開けた。
- 259 名前:第7話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 19:23:25.22 ID:8Mx01AeYO
-
(*゚ー゚)「やっぱりいた」
しぃの視線の先に、カウンターでくつろいでいる少女が2人いた。
ξ゚听)ξ「あら、しぃちゃんじゃない」
川 ゚ -゚)「お、久しぶりだなしぃ」
扉を開ける音に気づき、話しをしていた2人が気が付いた。
(*゚ー゚)「ツンちゃん、クーさんお久しぶり〜」
しぃはツンの隣りの席に座った。
- 260 名前:第7話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 19:25:59.08 ID:8Mx01AeYO
-
(*゚ー゚)「それはそうとツンちゃん、この間はペンダントありがとう!」
ξ゚听)ξ「あぁ、この間の奴ね。別にいいわよ、私のせいでドクオが家に帰るの遅れちゃったわけだし」
因みに、しぃとツンがお互いに「ちゃん」付けなのは互いが同い年だからである。
更に言うと、クーはしぃ達より1コ上だが、敬語のしぃに対して何故かツンはタメ口であった。
(;゚ー゚)「え、何その話?」
ξ゚听)ξ「ドクオと話さなかったの?」
かくかくしかじか、とツンがしぃに一連の説明をした。
(;゚ー゚)「聞いてないよそんな話。帰り道に台車が壊れたって言ってたし」
川 ゚ -゚)「そりゃあ、ドクオが気をきかせたんだろ」
今まで黙っていたクーがツッコミを入れた。
- 261 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 19:31:19.81 ID:4ytJ7sBkO
- >>1
なんかいろいろ可哀想になってきた
最近はまとめがなかなか来ないもんだから、あきらめたら?
- 262 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 19:31:59.76 ID:tOnySIyPO
- 支援
- 263 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 19:34:45.57 ID:I0Y5vzJWO
- しえん
- 264 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 19:35:20.56 ID:ibjhTiJ50
- 支援
ガンガレ(^o^)
- 265 名前:第7話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 19:39:52.94 ID:8Mx01AeYO
-
(*゚ー゚)「そんな……別に、嘘なんかつかなくても怒らないのに」
ξ゚听)ξ「しぃちゃんのお仕置きが恐かったんじゃないの?
あ、そうそう、しぃちゃん聞いてよ!? またクーのバスト大きくなったのよ!?」
川;゚ -゚)「またその話しか」
クーが溜め息をつく。
(*゚ー゚)「……いいなぁ、クーさん。身長高くて痩せてるのに、胸は大きくて……」
ξ゚听)ξ「顔もいいし髪まで綺麗だからね。本当、完璧超人だわ。
私もせめてあんたぐらいの胸欲しいわ」
川 ゚ -゚)「む、ならツンは彼氏に揉んで貰えばいいだろう」
- 266 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 19:40:57.71 ID:21ukwckxO
- 支援
- 267 名前:第7話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 19:42:22.70 ID:8Mx01AeYO
-
(´・ω・`)「こらこら、女の子がそんな話を大きな声でするんじゃない」
(*゚ー゚)「あ、マスター。こんにちは」
店の奥から、ダンディなマスターが現れた。
(´・ω・`)「お、しぃじゃないか。
ようこそバーボンハウスへ。このトマトジュースはサービスだからまず受け取って欲しい」
マスターはそう言うと、カウンターの裏からジュースの入ったグラスを取り出し、しぃの前に置いた。
(´・ω・`)「随分久しぶりだな。って言っても1ヶ月くらいか。
噂はつくづく聞いているよ、元気でやってるかい?」
(*゚ー゚)「はい、ショボンマスターもお元気そうで何よりです」
(´・ω・`)「そうかい、そりゃあ良かった」
バタン!
- 268 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 19:42:48.49 ID:2FfKICZr0
- 支援
- 269 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 19:43:35.90 ID:Koy496ndO
- >>261
ブーン芸がまとめてくれるらしいぞ?
支援
- 270 名前:第7話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 19:44:51.33 ID:8Mx01AeYO
-
「しぃさん!?」
ショボンとしぃが会話していると、突然バーの扉が開いた。
(´・ω・`)「おや、ビロードじゃないか。何をそんなに慌てているんだい?」
(;><)「しぃさんがここに来てるって聞いて、いてもたってもいられなくなったんです!!」
勢いよく飛び込んできたビロードは、息を切らせながらしぃの前に立っている。
川 ゚ -゚)「どうかしたのか、ビロード」
( ><)「…………」
クーが声をかけるが、ビロードは無言のまましぃを見つめている。
- 271 名前:第7話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 19:47:51.26 ID:8Mx01AeYO
-
(;゚ー゚)「ビロードくん、どうかしたの?」
しぃに話しかけられると、決心した様な顔して、ビロードは口を震わせながら言い放った。
(;><)「……しぃさん、僕はあなたが好きなんです!!」
川 ゚ -゚)
( ゚ー゚)
ξ゚听)ξ
川;゚ -゚)
(;゚ー゚) 「な、なんだって―――!?」
ξ;゚听)ξ
〜第8話へ続く〜
- 272 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 19:48:02.86 ID:2FfKICZr0
- 支援
- 273 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 19:51:07.71 ID:tBhiqYxrO
- >>269
どこにそんなこと書いてあんだよ
- 274 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 19:53:08.41 ID:8Mx01AeYO
- あー、>>2で言ってますが、間違えです。先週の土曜に最後に更新したのが第7話だったんで、これで最後になります。
嘘とか面倒になったんじゃないよ?ホントだよ?
第1話>>3
第2話>>31
第3話>>54
第4話>>88
第5話>>129
第6話>>184
第7話>>226
では、やっと本日の更新分です……
- 275 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 19:57:08.37 ID:Ic2Sv1T90
- >>273
>>42
何でお前そんなに喧嘩腰なの?
- 276 名前:第8話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 19:57:24.04 ID:8Mx01AeYO
-
(;´・ω・`)「あ……ありのまま 今 起こったことを話すぜ!
『ビロードがいきなり店に入ってきたと思ったら、いきなりしぃに告白した』
何を言ってるかわからねーと思うが、俺も何が起こったかわからなかった……
頭がどうにかなりそうだった……
打ち切りフラグだとか、作者の下書きしてる編集BOXが足りなかったとか、そんなちゃちなもんじゃあ 断じてねぇ
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ……」
川 ゚ -゚)「マスター、五月蝿いぞ。今いいところなんだ」
- 277 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 19:57:43.20 ID:tOnySIyPO
- wktk
- 278 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 19:58:04.10 ID:Koy496ndO
- >>273
>>42
- 279 名前:第8話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 19:58:32.65 ID:8Mx01AeYO
-
('A`)が地図に無い島へ行くようです・第8話
- 280 名前:第8話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 20:01:03.63 ID:8Mx01AeYO
-
ビロードが発した言葉により、その場の時間が止まる。
(´・ω・`)「そう、まるでタンクローリーで頭を殴られたように、皆の頭には衝撃が……」
川 ゚ -゚)「そのネタはもう止めろ」
(´・ω・`)「……だか断r」
――そして時は動き出す
- 281 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 20:01:59.88 ID:7eTtt7mz0
- 支援
ショボンはダンディじゃないと思うんだが
- 282 名前:第8話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 20:03:53.16 ID:8Mx01AeYO
-
(;゚ー゚)「えぇと……」
(;><)「しぃさん! しぃさんは僕のことどう思ってるんです!?」
ξ;゚听)ξ「ちょ、ちょっと落ち着きなさいよビロード!!
いきなりそんな事言われて、しぃちゃん戸惑ってるじゃない」
戸惑いの色を隠せないでいるしぃを見て、興奮しているビロードをツンがなだめる。
(;゚ー゚)「あぁ、うん、ツンちゃんありがとう」
我を取り戻したのか、はっとしたしぃがツンにお礼を言う。
(;゚ー゚)「まさか、ビロードくんが私のことそう言う目で見てたなんて、気づかなかったよ……」
川 ゚ -゚)
ξ゚听)ξ (あんた以外みんな気づいたけどな)
(´・ω・`)
その場に居合わせた者達は心の中でしぃの鈍感ぶりにツッコミを入れる。
(*゚ー゚)「……ここじゃなんだし、ちょうど村工場に行くところだったから、一緒に行こ、ビロードくん」
( ><)「わかったんです」
しぃに促され、ビロードはショボンのバーから出ていった。
- 283 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 20:05:08.49 ID:2FfKICZr0
- 支援
- 284 名前:第8話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 20:06:42.41 ID:8Mx01AeYO
-
昨日の雨でぬかるんだあぜ道を、しぃとビロードは並んで歩いている。
(*゚ー゚)「……ビロードくんとは、毎日一緒にここの道通ってたよね」
沈黙を切り裂いて、しぃが口を開いた。
(*゚ー゚)「3年前、私がモララー親方に拾われてから、来る日も来る日も仕事に明け暮れていて……」
( ><)「……」
ビロードはしぃが紡ぐ言葉を、真剣に聞いている。
(*゚ー゚)「仕事が休みの日なんかも、兄者くんと3人で、よく近くの森に遊びに行ったりしてたし」
( ><)「……あの時は楽しかったんです」
しぃとビロードはは懐かしき日々を思い出していた。
(*゚ー゚)「そうやって、今まで友達として付き合ってきたビロードくんにいきなり告白されて、ビックリしちゃった」
(;><)「……自分も冷静になると、出会うなりいきなり告白するなんて、相当キてるんです」
風にあたって頭が冷えたのか、ビロードは自分の思いを素直に語り出した。
- 285 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 20:07:45.96 ID:2FfKICZr0
- 支援
- 286 名前:第8話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 20:08:59.79 ID:8Mx01AeYO
-
( ><)「……一目惚れなんです。
しぃさんと出会ったあの日から、毎日しぃさんのことを思ってたんです。1つ年上のしぃさんは、ちっちゃいけれど僕にとって頼りがいのあるお姉さんであると同時に、とても魅力的な女性だったんです」
(;゚ー゚)「ありがとう。てか、そんな前からだったんだ……」
しぃはそんなビロードの気持ちなど、微塵にも感じてなかった。今更ながら、自分の鈍感さは少し反省すべきである、としぃは思った。
(*゚ー゚)「……私は、正直、ビロードくんをそういった視線では見れない」
しぃがポツリと呟く。
(*゚ー゚)「それに、最近はドクオの件でバタバタしてたし、ドクオが来てから結構時間が経ったけど、まだまだ覚えなきゃいけないこともいっぱいあって、それどころじゃないんだよ」
( ><)「……そうなんですか」
(*゚ー゚)「うん、だから、今回はごめんね」
( ><)「……わかったんです」
少ししょんぼりした様子のビロードは、うつむきながらぬかるんだ道をとぼとぼと歩いていった。
- 287 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 20:12:15.42 ID:2FfKICZr0
- 支援
- 288 名前:第8話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 20:12:25.37 ID:8Mx01AeYO
-
しばらく2人が歩くと、見慣れた建物が目に入った。
(*゚ー゚)「……みんな〜! お久〜!」
しぃが中に入ると、大きな声で辺りにいた人達に呼びかけた。
( ´_ゝ`)「? お、しぃじゃんか」
Ω<みんな! しぃちゃんが帰ってきたぞ!!
忙しく動いていた男達が、しぃを見るやその手を止めて一斉にしぃに向かっていった。
(;><)「みんな、落ち着くんです!」
久しぶりに再会して興奮している皆をなだめる為、ビロードがしぃとの間に止めに入る。
( ・∀・)「お、しぃじゃないか。休日に顔出しか、メイド服似合ってるな」
(*゚ー゚)「ありがとうございます、親方」
偶々その場に居合わせていたモララーが、しぃに話しかけてきた。
- 289 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 20:15:13.66 ID:tBhiqYxrO
- >>275
サンクス
すまねぇ、言葉遣いが悪かった
- 290 名前:第8話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 20:15:19.19 ID:8Mx01AeYO
-
( ・∀・)「どうだ、あっちの生活は慣れたか?」
(*゚ー゚)「はい、最初はここでの生活リズムに体が慣れきりってたんで苦労しましたが、最近はどうということ無いです」
(*´_ゝ`)(……しぃのメイド服……さり気に可愛いな……)
Ω<ゴクリ……
男達の色目にも気づかないしぃは、しばらくモララーと会話していた。
(*゚ー゚)「……やっぱりここに帰ってくると、落ち着くんです」
しぃはポツリと呟いた。
3年という短い期間ではあったが、モララーに拾われてからしぃはここで色々な事を学び、仲間達と共に成長してきた。
言わば一種の「心のふるさと」的なこの職場の雰囲気は、徐々にしぃの心を元ある場所へ癒やしていった。
- 291 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 20:17:05.05 ID:2FfKICZr0
- しぃのメイド服……
(,*´Д`)
- 292 名前:第8話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 20:17:25.72 ID:8Mx01AeYO
-
( ・∀・)「……最近、色々大変だったからな。まぁでも、休憩もほどほどにしとけよ? 一度タルむと、なかなか抜け出せなくなるからな」
しぃの様子を見て、モララーは無機質な表情で淡々と話す。
( ´_ゝ`)「そぅ! でないと、俺みたいになっちゃうぞ!?」
モララーの言葉を聞き、兄者がしゃしゃり出てくる。
( ・∀・)「ほぅ、自覚はしてるのか」
( ´_ゝ`)「当たり前です。何せ私は、達していますから」
メメタァ、という効果音と共にモララーが無言で兄者に殴りかかった。
( ><)「いつものオチなんです」
(*^ー^)「ふふ、本当にかわらないなぁ」
しぃはその光景を見ると、楽しそうに微笑んだ。
- 293 名前:第8話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 20:20:11.93 ID:8Mx01AeYO
-
カランカラン、と玄関のベルが鳴った。
(*゚ー゚)「ただいまーっ!」
ドアの鍵を閉めると、明るい声でしぃが叫んだ。
('A`)「あ〜、お帰り〜」
しぃの声を聞き、2階からドクオの返事が聞こえてきた。
(*゚ー゚)「まったく、せっかくの休日なのになんでドクオは部屋に引きこもってるかな」
しぃが小声で呟くと、荷物をしまって居間へと歩いていった。
- 294 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 20:20:40.75 ID:bn08SdooO
- シ☆エ★ン
- 295 名前:第8話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 20:22:55.89 ID:8Mx01AeYO
-
('A`)「あ〜、どうだった、久しぶりに顔出して」
しばらくすると、頭をポリポリ掻きながらドクオが2階から降りてきた。
(*^ー^)「うん、久しぶりに会ったらみんな感激しちゃってさぁ!!
スッゴく楽しかった!!」
(;'A`)「そ、そうか」
(*^ー^)「うん!! あ、もうそろそろ夕飯の支度するね、ちょっとそこで待ってて♪」
屈託の無いとびきり明るい笑顔でしぃはドクオにそう言うと、鼻歌を歌いながらキッチンへと向かっていった。
('A`)「……」
ドクオはそんなしぃの後ろ姿を、どこか複雑な面もちでじっと見つめていた。
- 296 名前:第8話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 20:25:32.38 ID:8Mx01AeYO
-
翌日、休日も終わって再び村へと通っていたドクオが帰ってくると、しぃにある物を渡した。
('A`)「ビロードから、お前にだって」
(;゚ー゚)「えっ、ビロードくんから!?」
妙に戸惑うしぃを見て、ドクオは不可解な色を顔に浮かべる。
('A`)「……そういえば、なんかクーの様子も変だったし(今日は土下座しないで済んだしな)、何かビロードとあったのか?」
Σ(;゚ー゚)「うぅん!? な、なんでもない、なんでもないよ」
ドクオの発した言葉にドキリとしたしぃは、オロオロしながらドクオから手紙を受け取ると、そそくさとその場から立ち去っていった。
- 297 名前:第8話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 20:28:10.86 ID:8Mx01AeYO
-
〜〜〜〜
( ><) しぃさん、昨日はいきなりあんな事言って驚かせてしまい、申し訳ないんです。恋人は無理でも、今後とも友人として付き合って欲しいんです。
P.S お詫びにクッキー作ったんです。良かったらドクオさんと一緒に食べてくださいなんです
ビロード
〜〜〜〜
しぃは手紙を読み終えると、持っていた袋を開けて中のお菓子を口に頬ばった。
(*゚ー゚)「モグモグ……うん、なかなか美味しい!」
(*^ー^)「……ふふ、ビロードくんたら、義理堅いんだから」
(^ー^‖壁‖('A`)「……」
しぃの部屋の前でドクオが盗み聞きしているのにも気づかず、明るい笑顔で手紙を机にしまうと、しぃはムシャムシャとお菓子を食べ始めた。
- 298 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 20:36:23.07 ID:3FTCwfvI0
- 支援
- 299 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 20:36:52.54 ID:tOnySIyPO
- 支援
- 300 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 20:39:44.05 ID:PlEOhIE8O
- この岸部露伴のもっとも好きなことの一つは↓
- 301 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 20:43:10.05 ID:Xe4Evjdd0
- オナニー
- 302 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 20:43:49.65 ID:7buxIWU+0
- さる?
- 303 名前:北海道でっかいどう ◆Ishikaries :2007/10/22(月) 20:44:30.15 ID:/QuXhovm0
- otu
- 304 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 20:45:29.34 ID:8Mx01AeYO
-
いつも通り、夕飯を作って、テーブルにつき、ドクオと共に食べる。
(*゚ー゚)「……」
('A`)「……」
2人で黙々と食べている間、しぃはモララーの職場の事を思い出していた。
今では大分慣れた方だが、3年間もの間、規則正しい職場での生活リズムに馴れきっていたしぃにとって、始めはこの屋敷での生活は大変なものだった。
朝早くに起きると朝食の下拵えをして、ドクオを起こす。朝食をとった後は2人で野菜の収穫、ドクオが出荷に行くと今度は屋敷の掃除。これで1日が終わってしまう。
(*゚ー゚)(うーん、このメイドとしての生活も、楽しいっちゃ楽しいけど……)
- 305 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 20:46:25.20 ID:8Mx01AeYO
-
('A`)「……しぃ、どうかしたか?」
しぃの様子に何を思ったか、ドクオが話しかける。
(;゚ー゚)「え、あぁ、なんでもないよ。
そ、それより、ビロードくんがくれたクッキーあるんだけど、ドクオも食べる?」
('A`)「……いらねぇ」
焦るしぃの表情を見て、ドクオは短く言葉を切る。
('A`)「……しぃ、明日の朝、ちょっと服とか荷物まとめてから起きてこい。
食事を終え、箸を置いたドクオが急にしぃに話しかけた。
(*゚ー゚)「え? なんで?」
('A`)「いいから。 んじゃあ俺は風呂入るから」
頭にクエスチョンマークを浮かべたしぃを尻目に、ドクオはそそくさと居間を出ていった。
- 306 名前:北海道でっかいどう ◆Ishikaries :2007/10/22(月) 20:48:57.40 ID:/QuXhovm0
-
- 307 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 20:49:36.13 ID:UWIcp5bCO
- 支援
- 308 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 20:51:02.28 ID:8Mx01AeYO
- 〜翌日〜
(*゚ー゚)「うーん、今日は、雨か」
朝早く、しぃが布団の上で目を覚ますと、窓の外で小雨が降っているのが見えた。
(*゚ー゚)「……そういえば、ドクオ、突然荷物をまとめて来いとか言ったけど、なんなのかな。ひょっとして、日帰りで旅行とか?」
ごそごそと部屋のタンスから着替えなどを取り出すと、しぃはメイド服に着替えてドクオを呼ぼうと階段へ向かいにいった。
('A`)「……よう」
(;゚ー゚)「お、おはよう。珍しいね、こんな朝早くに」
いつもは朝が弱いはずのドクオが、屋敷の階段の前の玄関でしぃを待っていた。
(*゚ー゚)「どうしたの? そういえば、荷物は持ってきたけど……」
('A`)「……」
ドクオはチラリとしぃの持つバックに目をやると、再びしぃを見て黙りこむ。
(;゚ー゚)「ドクオ?」
やがて、ドクオはゆっくりと口を動かした。
('A`)「しぃ、今すぐこの屋敷から出ていけ」
- 309 名前:第8話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 20:54:15.61 ID:8Mx01AeYO
-
一瞬、しぃはドクオが何を言っているのかがわからなかった。
(;゚ー゚)「な、何言ってるのドクオ!?」
('A`)「同じことを何度もいわせるな。今すぐここから出てけ」
無表情でドクオはしぃを見つめている。
(#゚−゚)「……なんでよ!? なんで私が出ていかなくちゃいけないの!?」
しぃが怒りを露わにしてドクオに喰ってかかる。
('A`)「……お前は村にいたほうがいい」
(;゚−゚)「……!」
ドクオの意外な返答に、しぃは逆に面食らってしまった。
- 310 名前:北海道でっかいどう ◆Ishikaries :2007/10/22(月) 20:54:57.49 ID:/QuXhovm0
-
- 311 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 20:55:57.22 ID:TRUoB70G0
- 追いついた
- 312 名前:第8話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 20:56:32.08 ID:8Mx01AeYO
-
('A`)「……ここしばらくお前を観察してたが、やっぱり年頃の女の子がいきなり知らない奴とここで暮らせって言ったって、例え神のお告げだろうが無理がある」
ドクオが静かに語り出す。
(;゚−゚)「なっ、違! 私は自分の意志で……」
('A`)「何より、ここで見るしぃの笑顔より、村の人達について話しているしぃの方が何倍も明るい」
(;゚−゚)「………っ!」
ドクオの言葉に、しぃは言葉を詰まらせた。
確かにここ数日間、しぃは家でドクオと顔を合わせる度に、村の仲間達について楽しそうに語っていた。
(;゚ー゚)「ご、ごめん、それは私が悪かった……」
正直、毎日屋敷で村の話ばかり聞かされ、ドクオもウンザリしていたのかもしれない。
- 313 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 20:57:06.22 ID:TRUoB70G0
- 支援
- 314 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 20:58:21.03 ID:UWIcp5bCO
- 支援
- 315 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 20:58:54.44 ID:cAl1FxhLO
- 支援
- 316 名前:北海道でっかいどう ◆Ishikaries :2007/10/22(月) 20:59:20.37 ID:/QuXhovm0
-
- 317 名前:第8話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 21:02:12.07 ID:8Mx01AeYO
-
しかし、しぃが謝ってもドクオの表情は変わらない。
('A`)「……悪かったな、色々苦労させて。
つまらない屋敷の生活をしてるより、しばらくモララーさんとこに帰ってた方が良さそうだ」
(;゚ー゚)「ちょ、ちょっとドクオ!!」
('A`)「さぁ、出ていけ」
無理矢理しぃに靴を履かせると、ドクオは旅行鞄と一緒にしぃを玄関から追い出した。
(;゚ー゚)「ちょ、開けてよ!! ドクオ!!」
玄関の鍵を閉められて、しぃは必死に外から扉を叩いたが、中から返事は無い。
(;゚−゚)「ドクオ! ドクオってばぁ!!」
小雨だった雨が、突然勢いよく降り出した。
しぃが何度玄関を叩こうと、何度ドクオの名を叫ぼうと、中からの反応は全く無い。
しばらくの間、しぃはその中で呆然と立ち尽くしていた。
〜第9話へ続く〜
- 318 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 21:03:20.22 ID:TRUoB70G0
- おつおつ
- 319 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 21:03:53.38 ID:cAl1FxhLO
- 乙です
- 320 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 21:04:48.82 ID:8Mx01AeYO
- やっと終わりです………
長い事付き合っていただき、本当にありがとうございましたm(_ _)m
夕方に終わると思ってたら、猿の嵐で9時間もかかっちゃったよwwこれから夜勤だよ俺www
教訓:思いつきで行動してはいけない
- 321 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 21:04:54.73 ID:yc0J0F2bO
- 乙でした。
- 322 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 21:06:36.82 ID:GeJIZJaQ0
- 乙です!
続きに期待wktk
- 323 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 21:06:46.06 ID:Koy496ndO
- 乙ww
- 324 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 21:06:53.47 ID:/vMtooNQ0
- 猿のおかげで俺は全部読めてラッキーだったwww
乙でした!
- 325 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 21:07:10.44 ID:bn08SdooO
- おつかれ
- 326 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 21:07:22.89 ID:NcvGGLjoO
- 乙
- 327 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 21:12:10.43 ID:tOnySIyPO
- 乙!
面白かったよ
- 328 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 21:12:48.45 ID:2FfKICZr0
- 乙。
- 329 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 21:15:21.71 ID:4TKoi3zSO
- 乙面白すぎ
- 330 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/22(月) 21:19:06.28 ID:21ukwckxO
- 乙ー
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